高野 そうですね。ただ、『ゼルダ』って昔からそうなんですが、
ストーリーというのはディレクターが
大まかに決めた起承転結が最初にあって、
あとはシステムとしておもしろいものを
どんどん付け加えていって、それが入るたびに、
後づけでストーリーがつけ足されていくんですね。
岩田 ああ、はじめに物語ありきではないんですね。
高野 ないんです。
それはいままで一度もないんです。
岩田 ようするに、『ゼルダ』における「物語」は、
おもしろい仕掛けを最大限生かすために、
どう辻褄を合わすかという機能を担当するもので、
体をひねって着地するのが最大の仕事なんですね。
891 :
1/2:2007/01/31(水) 19:41:41 ID:Zf/6XP49
宮本 基本的には
「お客さんをバカにしてない」
ということだと思うんです。
お客さんは、ふつうのことはちゃんと全部考えるし、
理不尽なことがあれば、ふつうに怒る。
だから、そういう「ふつうのこと」が
要素としてきちんと収められているのが基本で、
そこが乱れていると、
「これは『ゼルダ』じゃないね」ということになる。
そういうときにぼくは「違う!」と言うわけです。
だから、ぼくはプレイヤーのかわりに怒るんです。
「オレをバカにしてるのか」って(笑)。
「これはお客さんの声だよ。
このまま売り出したら、あとでもっと怒られるからね」
というふうに言いながら、ずっとつくってきたんです。
そういうところがぼくにとって原点で、
それは『ゼルダ』も『マリオ』も変わらないんですよ。
アメリカではGC版もけっこう売れてるみたいだけど、こっちではどのくらい売れたんだろうね
893 :
2/2:2007/01/31(水) 19:42:19 ID:Zf/6XP49
それを基本にしつつ、どちらかというと
『マリオ』はその場その場で刹那的に対応する楽しさ、
『ゼルダ』は成長していくという大きな気持ちの流れ、
そういうふうな違いがあるだけで、
じつは基本は同じなんですよ。
岩田 なるほど、なるほど。
宮本 だから、「『ゼルダ』のストーリーがよかったです!」
という人はいてもいいし、うれしいんですけど、
そういう人が『ゼルダ』の作り手として入ると、
ちょっと、かみ合わないかもしれないです。