THE男達の機銃砲座【◎】
(1/3)
このような奇跡を可能にするのだから、やはりSIMLPEは侮れない。
これはもはや「2000円」の限界を軽く突破している!
記念すべきSIMLPE2000シリーズvol.100は、宇宙センカンの砲座手となって
戦争を戦い抜く3DSTGだ。
グラフィックには、PS1時代を思わせる懐かしいテイストが漂っている。
3DSTGといっても、FPSなどのようにプレイヤーキャラ自身が動く必要はない。
照準のみ動かし、大量に湧いてくる敵をただ撃ちまくればよいのだ。
また、この手のSTGや3Dゲームでよくある上下リバース操作は選べないので、
照準を動かしたい方向に、素直にレバーを倒せばよくなっている親切設計だ。
撃ちまくると言っても、大量の敵や物を一気に破壊して爽快感を得るような大雑把なゲームではない。
数秒も機銃を連射すると弾切れになるので、加減しながら撃つ必要があり、ゲーム性を高めている。
THE男達の機銃砲座【◎】
(2/3)
特筆すべきは、3Dゲームにありがちな、視界外の敵から攻撃されるという不条理を回避するため、
画面外の敵は攻撃してこないという仕様になっていることだ。
そのため、全ミッション中7割ほどを占める「制限時間まで生き残れ」というミッションは、
視界を左右どちらかの端に向けて放置しているだけでクリア可能となっており、
初心者でもストーリーに集中できる。
また、「敵艦隊を全滅させよ」というタイプのミッションにおいて、敵艦を一隻でも視界移動範囲外に逃すと、
その時点で任務達成不可能、他の一般的なゲームなら強制的にゲームオーバーである。
しかし、このゲームではその場でゲームオーバーにならず、制限時間いっぱいまでそのミッションをプレイすることができるのだ。
ちなみに、ミッション途中のリトライやゲーム中断・ソフトリセットなども用意されておらず、さらに「PAUSE」もないので、
非常にゲームに集中しやすいシステムまわりになっていると言えよう。
THE男達の機銃砲座【◎】
(3/3)
ミッション間には会話パートが挿入され、ストーリーが展開する。
会話パートは、美麗CGムービーなど一切無く、ほぼ止め絵のみであり、
プレイヤーの想像力・脳内補完力を刺激する。
また、会話の一括スキップはできるが、セリフの早送りはできないため、
有名声優達の熱演を堪能できる。
ストーリーもダイナミックである。
宇宙移民が地球に対して蜂起、ストーリー中盤に月をワープさせて地球に落とそうとすれば、
地球側もすごい爆弾を大気圏内で使って月を破壊することに成功するが、その代わり地球は「死の星」になってしまったりする。
この辺は永井一郎ナレーションと止め絵のみで語ってくれる。
時系列も十日前に戻ったり、七年後にいきなり飛んだりして、プレイヤーを飽きさせない急展開をする。
とにかくこれはもう、「2000円だから」でがまんできる限界を超えている。
本来なら×を3つぐらい付けたいところであるが、ある意味「◎」で。