1 :
なまえをいれてください:
「あなたは本当に対戦で勝つ気があるの?」
彼女が真剣な目で僕を見ていた。
「どうだろう、よく分からないな。正直なところ、僕にはさしあたって勝たなければならない理由が無いんだ」
途端に彼女の表情が険しくなった。
「どうして?」
「金があるからさ。たとえ負けても乱入すればいつかは勝てる」
「対戦が終わってお金が無くなったらどうするの?弱キャラ使って負け続ければすぐに対戦は終わってるわ。
それに、一日中ギャラリーとして見てばかりのようなあなたに一体何が出来るっていうのよ?」
彼女の言うとおりだった。僕は彼女と目を合わさないようにビールを一口飲んだ。
「やれやれ」
「今度『やれやれ』なんて言ったら殺すわよ」
・・・・・・やれやれ。
3 :
なまえをいれてください:04/12/30 23:09:51 ID:NYZUPZef
トースター
4 :
なまえをいれてください:04/12/31 00:25:07 ID:yGePo8sQ
やれやれ
この板で村上春樹以前に本読んでるのが何人居るだろう・・・
6 :
なまえをいれてください:04/12/31 01:47:37 ID:83IDaJmc
またクソスレか。僕はそう口に出してそのスレをageてみた。
8 :
なまえをいれてください:05/01/02 23:48:16 ID:Nn5sOeDD
>>5 確かに君の言うとおりだ。
でもはたして僕がこのスレを立てた事は間違いだったのだろうか。
>8
あるいはそうかもしれない
オーケー、僕は大丈夫だ
ピース。
かっこう。
13 :
なまえをいれてください:05/01/05 00:02:59 ID:AkRX5Wf+
オーケー、ageてみようか。
「それ何?」と彼女は訊いた。ディスクシステムだと僕は答えた。暇つぶしに遊んでいたのだ。「それやりたい」と彼女は言った。
「気に入るかどうかわからないよ。みんな古いものだから」と僕は言った。
「いいわよ、何でも。この十日くらいずっと同じソフトばかりやってたんだもの」
それで僕はそのディスクをセットした。まずはゼルダだ。
あとは任せた
ディスクシステムのFM音源でゼルダおなじみのメイン・テーマが聞こえてきた。いい曲だ。
ゼルダの伝説、僕が中学3年生の頃にファミコン版が出た。マリオ2。
マリオ2も移植された。ファミコンミニ。『レッキングスルー』。
レッキングスルーもリメイクされた。『メトロイド』。
メトロイドも移植された。GC版。みんな移植された。
それからアイスクライマーをやった。ファミコン探偵倶楽部。
僕は覚えている部分の攻略を教えた。
「よく覚えているのね」とユキが感心したように言った。
「そりゃそうだよ。僕も昔は君と同じくらい熱心にヴィデオ・ゲームをしていたんだ」と僕は言った。
あげ
俺はハンターだ。俺はいつでも一人でアーケードに居た。
物心付いた頃から電子音に囲まれ細密なドット絵が作る炎に焼かれながら営業のサラリーマンや学校をサボった学生達や風俗に繰り出す若いチンピラや遠くから遠征に来た田舎者ゲーマーを相手にコインを巻き上げてきた。
俺はその事に誇りも恥も感じない。それは俺に与えられた使命なのだ。
後頭部のあたりから声がする。その声に導かれて俺はスティックを操作する。
原理は単純で、目に見えたラインをたどれば結果として対戦相手はゲームオーバーになっている。
そこには快楽しか無い。純粋な快楽だ。
この国には頭の悪いゲーマーが増えすぎた。
本来淘汰されていくべき弱者。
そして、そいつらは群れて力を持ちすぎてしまった。
俺はいずれ、そいつらを黙らせてやろうと思っている。
20 :
ヘル ◆KAjjI3zD4s :05/01/11 05:08:28 ID:ZZR/lnSf
村上春樹なんて精薄やニート向けの劣化版ギブスン、劣化版リンチ、劣化版オースター
ってとこでしょ?(⌒∇⌒)ハハッ
世界の終わり〜とねじまき鳥は読んだことあるよ。
サイバーパンク・ムーブメントの真っ只中だったし、便乗してみたかったん
だろうね。でもサイバーな語彙に不足しているから、日常生活の卑近な
部分を拡大したような描写を執拗に続けてなんとかページを埋めようとしている。
士郎正宗の方が同じ日本人としてずっと立派な作家だと思うな(⌒∇⌒)ノ
>日常生活の卑近な部分を拡大したような描写を執拗に続けて
その部分に普遍性を感じる人は村上春樹が好きだし、感じない人は嫌い。
ただそれだけのことなわけで、それに対して優劣の物差しを当てること事態が間違っている。
村上春樹をサイバーパンクと結びつけるってすごいな!
そういう見方もあるのか。ちょっと目から鱗だ。
春樹小説をSFとしてみた事なかったわ。
言われてみれば、世界の終わりとハードボイルドワンダーランドは、SF的な部分もあるな。
「サイバー・パンク?」と僕は聞いた。
彼女の言うサイバー・パンクとは何なのか。少し考えてみたけど、残念ながら抽象的なイメージしか湧いてこなかった。
僕は基本的に古い考えの持ち主だから、ただ単にジェネレーションギャップというやつなのかもしれない。
でも彼女がその単語を口にするだけで、なぜだかとても素敵な物に思えて仕方がないんだ。サイバー・パンク。
ブルー・ジーンズにサーモンとレタスのサンドイッチ、そしてサイバー・パンク。悪くない。
「何を考えてるの?」と彼女は言った。
「サイバー・パンクの素晴らしさについて。思ったよりも悪くないよ」
「そんな事考えるのって、世界であなたくらいよ」
「ピース」
「ピース」
深夜3時を過ぎた頃に、僕はスパゲッティーを茹でていた。
ミートソース作りはすべての工程を終え、あとは茹で上がったパスタに絡めるだけだった。
その時、不幸を告げる不吉な鳥の鳴き声のように、けたたましく電話が鳴り響いた。
「おきてたのね、良かった。ちょっとあなたに聞きたいことがあったの。」
「後にしてくれないかな。僕は今ちょうど・・・」
「いいから答えて。ドラクエ8のことよ。あなたなら分かるはずだわ。」
・・・ドラクエ8?ドラゴン・クエスト・8のこと?僕ならわかる?
「えーと、君は僕がゲーマーだからというだけで、僕にドラクエ8のヒントを聞こうと思ったのかい?」
「そうよ。当然クリアーしているんでしょ?」
「いや、買ってもいないよ。」
受話器の向こうで彼女が眉をひそめているのがわかる。
「なんで?今、一番売れているゲームなんでしょ?なぜプレーしないの?」
「ちゃんと話すと、ちょっと長い話になってしまうんだ。」
「いいわよ、ちゃんと話してよ。」
僕も出来ることなら順を追って、なぜ僕がドラクエをプレーしなくなったかを、彼女にしっかりと説明したかった。
しかしその時、僕はパスタを茹でていたのだ。
僕にとってパスタを茹でるという行為は、ローマの大司祭の戴冠式のように神聖な儀式なのだ。
「ねえ、すまないけど、今僕は、スパゲッティーを茹でているんだ。」
「こんな時間にあなたはスパゲッティーを茹でているの?なんで?」
僕がどんな時間にスパゲッティーを茹でていようが、かまわないじゃないか。
話がややこしくなるだけなので、僕はその質問を無視した。
「えーと・・・僕は基本的にアクション・ゲーマーだから、ロールプレイング・ゲームは遊ばないんだよ。」
「ゲーマーなのに、ドラクエをやらないなんて間違っている気がするんだけど。」
「ゲーマーとしてそれが間違っているか、間違っていないかは良くわからないけれど、
とにかく僕のロールプレイング・ゲームに関しての興味は、ニュージーランドのひつじ飼いと同じくらい素朴なものなんだ。」
「羊飼い?羊飼いがなぜここで出てくるの?」
「例えだよ。気にしないでいい。とにかく僕はロールプレイング・ゲームをやらない。」
「じゃあ、ドラクエ8のことは、わからないのね?」
「すまないけど。」
「ふーん。」
彼女はどうも納得がいかないようだった。
しかしこれ以上話しても、混乱した僕らを乗せた小舟が何処かの岸に辿り着く気配はなかった。
僕はおやすみの挨拶をして、静かに受話器を置いた。
僕のミートソース・スパゲッティーは、アルデンテには程遠いシロモノになっていた。戴冠式は冒涜されたのだ。
僕はため息をつくと、デュラムセモリナの小麦粉からなるその物体を、ゴミ箱に投げ入れた。
元々の文章の一部をゲームに置き換えただけっつーのは、先生どうかと思うな。
>>29 「いや、この文は僕が春樹っぽく実体験を書いてるだけなんだ。そうは見えないかもしれないけどね。
似たようなシーンは彼の小説で登場したけれど、置き換えただけっていうのはきみの思い違いだよ。」
僕は根気強く、なんとか彼女に分かってもらおうと説明を続けた。
しかし、やはり彼女はこの事実がすんなり受け止められないようだった。
彼女と話すのは楽しいし、彼女とのセックスはとてもリラックスできる。
しかし、彼女と僕の間には、何か得体の知れない深海魚が棲む海底洞窟のように、
深い暗渠がぽっかりと口をあけていて、そこに時々言葉の意味が飲み込まれてしまうのだ。
「とにかく、こんな文章は無いはずだから、彼の小説を隅々まで読んでみてよ。
難しい言葉は使っていないし、退屈だけど暇つぶしにはなる。」
「退屈なのに、暇つぶしになるの?それは変じゃない?」
・・・まったく彼女の指摘はいつでも正しい。僕は結局いつも、なにも言い返せなくなってしまうのだ。
>>29 春樹スレはいろんな板に立ってきたがだいたいは
原文の改変を書く良スレ
春樹っぽい文章を書こうとするがイマイチな駄スレ
失恋板は例外な。
ねじまき島かと思ったら、ねじまき鳥かよ
33 :
なまえをいれてください:
「面白いな。」
彼はちっとも面白くなさそうにそう言って、そのスレをageた。
「実に面白い。」