チャミはつぐみの手の上に立っている。
鼻をひくひくさせて、不思議そうに俺達の顔を見ていた。
つぐみは指先で、チャミを柔らかく撫でた。
‖ ねぇ武、こうすると、どうなるか知ってる?
| !?
つぐみは・・・
両手をぎゅっと、握り締めた。
その手の僅かな隙間に灰色の、暖かそうな、ふわふわした毛が覗いた。
今や手の中にすっぽりと、チャミの身体は隠れていた。
‖ どうなるか、知ってる?
| バ、バカッ! やめろ!!
‖ ねぇ、答えてよ・・・
つぐみは握った両手に、力を込めていく。
鼻先だけを手から覗かせたチャミは瞳をつぐみに向けていた。
| な、何言ってんだよ!
| そんなのわかりきってる! 愚問だろ!
| それこそ、くだらない質問だろうが!!