ジェネレーションオブカオスNEXT4

このエントリーをはてなブックマークに追加
929テンプレ案 駄目?
冥界の門まで残り200メートル。
そこで立ち尽くす。
「はぁ」
ため息と共に空を仰ぐ。
その先に冥界の門はあった。
誰が好んで、あんな場所に異界門を据えたのか。
長い坂道が、悪夢のように延びていた。
「はぁ…」
別のため息。俺のよりかは小さく、短かかった。
隣を見てみる。
そこに同じように立ち尽くす住人がいた。
同じSFファン。けど、見慣れない顔だった。
短い髪が、肩のすぐ上で風にそよいでいる。
「GOCは、好きですか」
「え…?」
いや、俺に訊いているのではなかった。  

「わたしはとってもとっても好きです。
 でも、なにもかも…変わらないままなんです。
 戦闘システムとか、RPGパートとか、ぜんぶ。
 …ぜんぶ、変わらないままなんです」
 たどたどしく、ひとり言を続ける。
「それでも、このGOCが好きでいられますか」
「わたしは…」
「見つければいいだけだろ」
「えっ…?」
続いて、俺の顔を見る。
「自分なりの楽しみ方とか、こだわりを見つければいいだけだろ。
あんたの楽しいことや、ハァハァなことはひとつだけなのか? 違うだろ」
そう。
何も知らなかった無垢な頃。
誰にでもある。
「ほら、いこうぜ」
俺たちは登り始める。
長い、長い苦行の道を。