ttp://apuro.zive.net/~uploader/cgi-bin/updata/ap0715.jpg 「痛っ……」
頭痛を感じながら僕はゆっくりと目を開けた。
どうやら後ろから何かで殴られたらしい。
僅かだが血が出てる。
意識が朦朧としていて最初は分からなかったが、どうやら二階の倉庫だと分かった。
鼻をさすような臭いに僕は振り返った。
「……………!」
声が出なかった。声を出す余裕なんてなかったんだ。
目の前に三人の死体がある。
そしてむせかえるような血の臭い。
血だ。
一面の血だ。
「真理?真理ーーーーーーーーー!」
信じ難い光景だった。信じたくなかった。
しかし、そこには岸田さん、俊夫さん、そして………
真理の死体。
その時
「透くん?どうしたんだい?透くん!」
小林さんの声とノックする音が聞こえた。
ノック?ここは倉庫だ。勝手に入ってくればいいのに……?
まさか!?
急いでドアに駆け寄る。
・
・
・
鍵がかかっている!
完全な密室。三人の死体。そして、この部屋には僕一人。
わかった……。犯人は僕に全ての罪をなすりつけるつもりだ……。
もうどうでもよくなってきた。真理がいない。心にポッカリと穴が開いてしまった。
きっとみんなは僕が犯人だと思うだろう。それでもいいさ……。
真理は知っている。僕がやってはいないということを。
終
22「真実と事実」