□■フランス□■ F1 GP 総合 Lap26 □■イギリス□■
「グリップが高すぎてトレッド面が剥がれる」とか「コンパウンドが脆くてレース中に
タイヤのゴムが無くなっちゃう」とかの、これまでのミシュランタイヤにあった「不調」
の延長線上にある問題じゃないんだよね。
簡単に言えば「バンクで掛かる力にタイヤ全体が負ける」という状況。
ラルフのクラッシュはホイールのリムからタイヤが外れて壊れる、というどーしよーも
ない状況で起きてる。
ウィングを立てたらその分リアタイヤにかかる荷重も増える=事態は好転しない。
内圧を高めてウィングを寝かそう、というトヨタの判断は、危険なバンクでタイヤに荷重
させないでコーナリングスピードが落ちる分を、ストレート後半の伸びで取り返す為の
苦肉の策に過ぎない。ついでに、トレッドが徐々に剥がれるだけなら頻繁にピットに入
れてメカニックが間近に見れば、ホントにどうしようもなくなる前にペナルティを覚悟で
左リアのみタイヤを交換すればすむ話。
だけど外から目で見て分からない内部のカーカス構造そのものが、荷重に負けて限界
を超えて変形し破壊されるかどうかはその一瞬の事だから、ドライバーやピットで慎重
なら防げるという範疇に収まらなかった。
だからミシュランはバンクにシケインを置く事以外に対処が無いと言った。
10周ごとにタイヤを替えれば最後まで持つ可能性は上がる。けれど、それでも突然
バーストしたりタイヤが外れたりする可能性は残る。だから走るべきではないと宣言
した。そのぐらい今回のバンクとミシュランタイヤの相性は最悪だった。