最後に、現在準備中とされるWCM-BlattaのV6プロジェクトだが、多くの
評論家はそのチェコが投資するV6エンジンの開発が終わるまでに、
WCM独自のインライン・フォーエンジンのプロトタイプが開幕時までに
登場する事を予測している。連合王国(英)のジェームスエリソンとの
契約は完了し、イタリア人のフランコ・バッタイニとの契約も間近である
事を、ピーター・クリフォードはバレンシアで私たちに語った。
■では、玉田のミノルタ・ホンダは一体どこに埋め込まれるのか?
日本のスーパースター玉田誠のマネージャー、ルカ・モンティロンは、
カタールGPの直前にプラマックから解雇された時にはプラマックの
ロゴが入ったキャメルホンダのユニフォームを着ていた。一部の報道
では、「彼は和解しようのない意見の相違からチームを離れた」とある。
現在において最高の日本人ライダー(実力的にも最高)の行く先が
はっきりしない理由もそこにあるのだろうか・・・?
結局、彼は3回のポールポジションをブリジストンタイヤで獲得し、リオと
茂木の2勝をあげている。茂木での彼の勝利は印象的であり、バレンティーノ
ロッシに勝っただけではなく、木曜の時点で彼はそれを予告し、実行した。
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また彼は勝利予告だけではなく、こうも言っていた。「2週間前のポルトガル
ではロッシに遊ばれちゃいましたから、今週の日曜日には僕がロッシ
で遊んじゃいます(他の日本人は頑張って英語を使うが、彼だけは
Moamar el Ghadafiのように母国語で話す。私はGhadafiが英語で
話すのを聞いた事があるし、玉田が話すのも聞いた事がある。私が
思うに、彼らは自国語で流暢に話して通訳を通す事により、より相手に
恐怖感や神秘性を与えようとしているのではないだろうか。これは
ロッシのような心理戦のプロと戦う上で実に有効だろう。玉田は日本語
で今後も話すべきだ・・・とても怖く自分を演出できる。実際玉田は
マックス・ビアッジと仲が良いので、これだけでもロッシのレーダーの
照準となるのに十分だ。)
玉田は本物だろう。そして今彼はミシュランの使用を希望している。
ミシュランの性能が良いからではなく、ロッシがミシュランを履いている
からだ。「ロッシが履いているのと同じタイヤが履きたいんですよ。勝って
も毎回タイヤのお陰だって皆に言われちゃいますから。」
なるほどわかるよ。じゃあ今の問題は何か?
その問題とは、DORNA、MSMA、IRTA、それにFIM等の団体によって
規定されたMotoGPの24台出場枠ルールだ。これは12チームが二人の
ライダーを抱えるべきというものだが、常にこの概念が現実にあてはまる
というものではない。
今期、シト・ポンスは現実的には一人のライダーしか抱えていなかった。
ライダーはマックスビアッジであり、ガレージの半分はプラマックチームで
ブリジストンを履く玉田誠が占有していたのだ。シトはきっとこれを否定する
だろうが、見えていた姿とホンダの内部的実態は別のものだった。
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