ミカ・ハッキネン氏の休養日記

このエントリーをはてなブックマークに追加
163音速の名無しさん
2月22日

運転免許の更新に行った。
窓口の金髪の女の子がすました顔でいわく、
「この免許証、更新期限をとっくに過ぎてますね。
また教習所に行って免許証を取り直して下さい」
そ、そんな‥。
テスト、テストで今まで忙しかったのだから
少しは大目に見てもらえないだろうか、と涙目で抗議してみたが
フィンランドではそんな場合の救済措置は全くないらしい。

というわけで教習所に行く羽目になってしまった。
(元)F1ドライバー、教習所で運転を習う、か。
まあ逆に尊敬の的になってみるのも悪くない。最近暇だし。
大体右から左へすぐパスさせるのがイキな取り計らいってもんだろうし、
いっちょうひやかしてやるか。

そして次の日。

「きをーつけー!」
「休めえっ!」
「よーし。いいかーよく聞け! まずここがどんなところか忠告しておくっ。
第一に車というものは凶器だ! 現代は交通戦争だ!! 
ここはきさまらひよっこどもが交通戦争を生き抜くべく鍛練を重ねるための地獄の一丁目であるっ。
ここにはちょっとかじっただけでドライビングをなめている連中も大勢やって来る。
しかし実戦で最初に逝ってしまうのもまたそういう連中に他ならない。
儂はそういう例を何度も目にしてきた。
もし「運転にはちょっと自信があります」などとぬかす奴がいたら、
たとえそいつがF1ドライバーだったとしてもだ、
そいつの望みどおり容赦なく特別扱いしてやるから胆に命じておけ!わかったかっ!」
「うっす!!」

全員をにらんでいた所長の視線は俺のスキンヘッドのところで停止した。
ここは傭兵キャンプだろうか。どうやらとんでもない所に来てしまったようだ。