200X年、前年に接戦の末、辛くもフェラーリとシューマッハを抑え
ダブルタイトルを獲得したマクラーレン(ウィリアムズ)ホンダ。
今年も同じような展開を誰もが予想した。
しかし開幕してみるとその完成されたシャシーと強力無比のホンダパワーは
他チームを圧倒し、グランプリの話題はチームメイト同士によるチャンピオン争い
と、「いつタイトルが決まるか」だけであった。
そして早々とダブルタイトルを決めたホンダは最終戦日本GP、鈴鹿に凱旋した。
サーキットにはホンダの「全戦優勝」を目撃しようと多くのファンが集まった。
そして決勝、ホンダの2台はフロントローから飛び出し、いつものように
「2台だけのレース」が始まった。
しかしこの日はいつもと違った。レース中盤、1台のマシンがファステストラップを
更新しながら追い上げてきたのだ。
「パワーだけは互角」と言われながらも「斬新過ぎるシャシー」に悩まされ続けた
トヨタだった。
ようやくセッティングがピタリと決まったトヨタは壮絶なトップ争いの末、
3度に渡ってストレートでホンダを追い抜いた。
結局レースはホンダの勝利に終り、ホンダの「全戦優勝」の偉業は達成された。
しかし、このレースはこのあと数シーズンに渡って繰り広げられた熾烈な
「TH戦争」の序章として人々の間に長く記憶された・・・・・
こんな展開になってくれたら・・・・・ああ・・・逝く・・・