初心者にもやさしく教えてくれる質問スレ Vol.10

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608一般に公正妥当と認められた名無しさん
他スレでスレ違いになりかけの評価差額の性質について議論があったから
ここでまとめておこうと思う。

そもそも支配獲得時に子会社の資産・負債を時価評価するのは、子会社の
取得原価を算定するため。
なぜなら取得原価とは取得時の時価だから。

子会社がもともと計上している資産・負債の簿価は子会社がそれらを取得した
時の金額を基準に計上されたいわば歴史的原価だけど、親会社にとってその
ような子会社の帳簿の歴史に意味はない。

ちょうど中古車を買う時に、前の保有者がいくらで買ったものなのかなんて
誰も気にしないのと同じ。
中古車を買う人にとって意味があるのはその人が中古車を買う時価であり、
それが新しい保有者の取得原価になる。

親会社にとって子会社の簿価に意味がないのだから、それと時価との差額
である評価差額も意味はなく、もちろん連結上の未実現利益でもない。
単に連結財務諸表を子会社のFSをベースに作成するという手続き上の問題に
より発生した技術的な項目といっていい。

だから評価差額を発生するもととなった土地を売却したり建物を減価償却
したところで、それは未実現利益の実現でもなんでもなく、親会社にとっての
取得原価を基準に測定した通常の売却益や償却費を計算しているだけに
過ぎない。

ただの連結手続き上のトリックです。