「季節性と同じでない」=成人に重症例、死者も−感染拡大続く・押谷東北大教授
5月20日20時3分配信 時事通信
世界保健機関(WHO)の新型インフルエンザ対策に携わる押谷仁東北大教授が20日、東京都内で講演し、「通常
の季節性インフルエンザと同様と言われるが、被害は全く違う形で出てくる。想定される被害にどう対処するか、真剣
に考える必要がある」と警告した。
押谷教授によると、ほとんどの感染者は軽症だが、5歳以下と20−50代を中心に重症、死亡例があり、高齢者では
少ない。持病のある人や発症後の治療が手遅れだった人以外に、一部の健康な成人も重症のウイルス性肺炎を起
こしており、「こうなると先進国でも治療が難しい」という。
その頻度が低いため、「100人、200人規模では分からないが、10万、20万になれば見えてくる」と同教授。季節性イ
ンフルエンザによる死者の多くは高齢者か重い疾患のある人で、「今回のは全く違う。ウイルスが直接死因になって
いる」とする。
重症者は集中治療室(ICU)での管理が必要だが、「効率化で削減され、ICUがない地方もある。都会でも不足して
いる」と日本の医療の弱点を挙げ、被害が拡大する恐れがあるとした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090520-00000174-jij-soci