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私は、貴子さんと約束したファミレスへと向かいました。
約束時間よりはだいぶ早めに着きました。
わざとです。
何となく、自分で相手を見つけるよりは、相手に
見つけて欲しい、と思ったのです。
約束の時間を5分ほど過ぎた頃でしょうか、
私の前に、一人の女性が座りました。
髪は長く、落ちついていて、清楚な感じのする女性でした。
私よりは、だいぶ年上に見えます。
「○○さんでしょう。彼から写真を見せてもらって知ってるわ。
とってもきれいな人ね」
そう言って、彼女はにっこりと微笑みました。
そう、ほんとににっこりと。
その表情だけ見ていたら、彼の二股の相手であることすら
忘れてしまいそうでした。