◇修羅場◇ part4

このエントリーをはてなブックマークに追加
250219
私はしばらく何も言いませんでした。
いえ、言えませんでした。

(何か、嫌なことが起ころうとしている・・・)

もちろんその予感は的中です。
その女性は、自分は彼の婚約者だ、と言いました。
(仮に名前を貴子さんとしておきます)
そして、彼が私と付き合っているのも知っている、と
言いました。
ただ、何も知らないあなたがかわいそうだから電話を
した、と言うのです。

今はこう冷静に文章を書いていますが、その時の私は
本当にパニックになってしまい、何が何だかわかりませんでした。
貴子さんが話していることが、どこか遠い異国の話の
ように聞こえました。
頭の後ろの部分が、氷でも押しつけられたかのように
キーンと冷えていくのがわかりました。