僕(当時27)と彼女(当時32)は元々、上司と部下みたいな関係でした。
付き合いだしたきっかけは・・・
僕達の属する経理職は、いくら資格を持ってても、実務経験が
ゼロだとまったく仕事にならないのが現状です。
僕は簿記1級を取ってなんとか理系→経理職に移ることができましたが
なにせ実務経験ゼロなものですから、子会社に逝って実務を叩きこんでこいや!と
親会社から子会社に3ヶ月ほど移ることになりました。
そこで人生の伴侶となる彼女と出会うことになるのでした。
しかーし、子会社で僕のボス兼会計実務叩き込み係の彼女の噂はあまり
よくありませんでした。お局様的地位で、仕事のできない男にキレまくる
鬼上司とのこと。
で、実際に仕事+仕事終わったあとに講義的なものを彼女から
マンツーマンで受けたのですが、トラウマになるぐらいの鬼教官ぶりでした。
とくに僕は大学院中退→公務員浪人→プーさん→中途入社という形でしたので、
社会を甘く見るな的、耳の痛くなるご指導ばかり受けていました。
本当に彼女の顔を見るだけで震え上がるような感じでした。しかし、僕も
いつのまにか子供の頃の純粋な心を忘れて、大人の汚い技であるゴマすりなるものを
身につけていたのです。
629 :
628:2007/01/18(木) 04:29:04 ID:pg8wkIDp0
「あれ?☆☆さん、今日いつもと髪型違いませんか?」
「さすが☆☆さん。服のセンスがいつも素敵ですね。どうやったら☆☆さんのように
素敵なファッションセンス身につけれるんですか?」
「いやー、さすが☆☆さん。昨日わかりやすい説明して頂いたおかげで今日さっそく
仕事で役立ちましたよ。」
などと、ホメ殺すとさすがの鬼教官の彼女も瞬間的ではあるものの、とても素敵な
笑顔を見せるんです。
そんなことを続けていたある日、気付いたんです。彼女をホメ殺すため、
彼女の一挙手一投足を観察しているはずが、いつの間にか家に帰っても
なにをやってても、彼女のことばかり考えているようになったのです。
ということで恋しちゃいました。
なんとか、きっかけを作ろうと帰る時間を彼女に合わせて偶然を装いつつ、
一緒に最寄の駅まで帰るようになり、仕事以外の話もしたり途中で喫茶店に
寄ったりと仕事の場を離れて、ある程度の関係まで発展させることができました。
本当に出会ったときとは嘘のように彼女と一緒にいられる時間を幸せに感じました。
もちろん鬼教官ぶりは健在でしたが。
630 :
628:2007/01/18(木) 04:39:56 ID:pg8wkIDp0
子会社にいるのも残り1ヶ月という頃に何人かの方とは一緒とはいえ、
彼女と一緒に飲みに行けるようになりました。彼女はお酒の席では、びっくり
するぐらい静かな女性でした。その仕事とオフの彼女のギャップにますます
惹かれていくばかりです。
とは言うものの時間は残酷です。あっという間に親会社に帰る日が
近づいてきました。彼女と話はできるものの、メアドさえ聞けていません。
そんなときに彼女の同僚(女性)からナイスアシストがありました。
(アシストではなく正確には偶然ですね。僕にとっては奇跡でしたよ)
どうやら、大量の鍋セットが実家から送られてきて、一人じゃ食べられないから、
僕のお別れ会も兼ねて彼女の家でパーティをしようということでした。
それも僕と彼女とその同僚の人という3人で。このときばかりは彼女の
一匹狼的な会社の地位に感謝しました。余計な人が同僚の人だけだ!
(つか同僚の人に失礼)
ということで金曜日(子会社での最後の日)の晩、3人で鍋セットを
持ちつつ会社から彼女の家に逝ったのです。僕は彼女のプレゼント用に
マフラーと手袋をひそかにカバンにひそませつつ。
631 :
628:2007/01/18(木) 04:45:56 ID:pg8wkIDp0
僕はその日のうちに彼女に告白しないともう会えるチャンスはないと
あせってましたから、鍋を食べながらチンプンカンプンな会話ばかりしてました。
同僚の人も僕の彼女に対する思いを知ったのか結構早めに帰りました。
しかし、せっかく二人っきりになれたのに、緊張してお互いまったく
喋りません。
その内、彼女がワイン飲み過ぎて寝る始末。(なぜか鍋にワインだった。きっと、
それも同僚の人が持ってきたんだろうけど、緊張して話を聞いちゃいねーから・・・)
・・・・。最悪です。
起こそうとしても全く起きてくれません。しょうがなくソファまで運んで、
困り果てました。鍋の片付けをして、彼女を起こそうとしても爆睡。きっと、大学生の
ときにこんな場面に出くわしたら、襲っちゃうんだろうけど、僕も27歳で、なおかつ
彼女はとても大事にしたい人。
考えた挙句、プレゼントと手紙を残すことにしました。
片思いの人の部屋で片思いの女性の寝顔を見ながら書くラブレター。
たしか、書くのに1時間くらいかかったと思います。手紙には、
「研修で理解の悪い私を根気強く教えて頂いたことに心より感謝しています。
先日、☆☆さんが電車にマフラーを置き忘れてなくしたと聞きました。
ちょうど、☆☆さんに似合いそうなマフラーを見つけましたので、
ぜひ受け取って下さい。手袋も。
・・・・。・・・。
今日は☆☆さんに会える最後の日でしたので、告白しようと思っていたのですが、
気持ちよさそうに休まれていたので、手紙という形をとらせて頂きました。
もし、☆☆さんさえ良ければ、僕は今後もお付き合いをしたいです。
◇◇@docomo.ne.jp 090-◇◇◇◇-◇◇◇◇」
というようなことを書いたと思います。
そして、鍵を閉めて、鍵をドアについてる郵便入れに入れて、家に帰ったのです。
帰り道に迷いながら。
632 :
628:2007/01/18(木) 04:53:37 ID:pg8wkIDp0
次の日の朝、起きるともう9時でした。急いで携帯見るとメールキテル!!!。
「おはよう。昨日は後片付けをしてくれてありがとう。ところで、プレゼントは
いただけません。あと、昨日渡そうと思って渡しそびれた会計学の本があるので
私の家に取りに来てください。」
なんと残酷な。フッた上に会えとは・・・・。
昨日は暗かったので、駅からの道を覚えてないので、駅まで迎えに来てくださいと
連絡し、駅で落ち合うことにしました。告白失敗した人と。
駅に着くまでの間、必死に言葉を考えました。
しかし、駅に着くと彼女は僕がプレゼントしたマフラーと手袋をしています。???。
一応、「昨日は変な手紙とプレゼントを置いてすみませんでした。でもプレゼントは
受け取って下さい。あれは僕の☆☆さんへの感謝の品ですから。」と弁明するも
彼女はうつむいたまま、一言も喋ってくれません。気まず過ぎます。
マンションのエレベーターの中でも、部屋に入っても口をきいてくれません。
ようやく喋ってくれたのは会計の本をどっさり持ってきたときです。
「私と本気で付き合う気あるの?」
「本気ですよ。」
名探偵ポアロ並みの頭をもつ僕には、その言葉の意味するところが分かりましたよ。
きっと僕が彼女のことを遊び感覚で付き合いたいとぐらいしか考えていないと
勘違いしてると。だから、思い切って言いましたよ。
「結婚を前提として、お付き合いをしたいんです。」
その言葉を聞いた途端、彼女泣き出してしまいました。僕は恥ずかしながら、
何もすることができなくて、「どうしたんですか?」としか言えませんでした。
633 :
628:2007/01/18(木) 04:58:23 ID:pg8wkIDp0
落ち着いた彼女の口から聞けたのは、彼女は子供を生めない体なんだという
ことでした。またしても何も言えませんでした。
彼女はゆっくりと、経緯を話してくれました。20代の最後に病気をして手術を
した結果、子供を生めなくなったと。彼女自身、ひどくショックを受け、声が
でなくなったり(←ストレスがたまるとなるらしい。たしか皇后陛下も
似たような症状が一時期ありましたし)、毎日泣いて、自殺も考えたとのことでした。
耳をふさぎたくなるような話ばかりでした。
「泣いてるの?」あれ?彼女の言葉で気付きました。僕、話聞きながら、
泣いちゃってました。好きな人の前で。ハズカシ。
僕そのとき、彼女と出会えて良かったと心の底から思ったんです。今まで、
僕は自分の幸せばかり考えていて、相手を思いやる心が欠けていたんです。
そんなの不公平ですよね!赤ちゃんを生めなくなった途端に、その女性の
価値(結婚相手としての価値)が下がるなんて。正直にそのことを彼女に
告げましたよ。軽く世間にキレながら。
「☆☆さんにだって、他の女性と同じように幸せになる権利があるはずですよ。
僕がそばにいて☆☆さんが幸せなら、僕は喜んでそばにいる!僕が☆☆さんを
他の女性よりもっと幸せにする!」と言いましたよ。泣きながら(恥)。
二人して泣きましたよ。延々と。でも、そのとき僕はとてもうれしかった。
だって朝起きたときは告白失敗と思ったのに成功しちゃったじゃん。
後で聞いたんですが、赤ちゃん生めない話で僕以外の男性は引いていったようです。
そんなことがあったから、僕が理解を示したときにまたまた大泣きしちゃったのかなと
今になって思います。
会社では気の強い女性なのに飲み会では静かな女性なのも、仕事に
打ち込むことによって、自分の弱さを無理して隠してたのかもしれません。
634 :
628:2007/01/18(木) 05:04:00 ID:pg8wkIDp0
それから夜御飯をご馳走になりながら、いろんな話をしました。僕はあまりに
うれしくて普段ほとんど飲まない酒をガンガン彼女のペースで飲みながら、
いろんな失敗談を話しました。(成功話は酒がまずくなるので、と酒をほとんど
飲まない僕が言ったりしたり)
僕の失敗話でもすれば、彼女も、もっと本当の姿を見せてくれないかなと願いつつ。
もちろん、そんなことがあった日ですから、夜は最高に盛り上がりましたよ。
僕のフニャフニャなオティンティン以外は。きっと普段飲みなれない酒を大量に
飲んだせいだと言いわけしながら。
最悪ですよ。一番大事な思い出になる最初のSEXでこれとは。まさか自分がなるとは。
まじ凹みしてたら、そんな僕を見て彼女は大笑いです。ますます凹みます。
そんな僕を見て、彼女は僕を抱き寄せて言ってくれましたよ。
「◇◇くん、気にしないで。SEXだけが愛じゃないんだから。それに私、キスとか
いちゃいちゃする方が好きだしね。
本当に気にしないで。あなたの幸せは私の幸せでもあるんだし、私だって
◇◇くんのこと心から愛してるんだから」
僕より人間できてるし、大人の魅力たっぷりだとあらためて惚れ直しつつ、
そんな彼女を導けるように僕も成長しなくちゃと思いながら、彼女を押し倒しましたよ
フニャフニャなオティンティンのおかげで抱き合っても、オティンティンが邪魔に
ならないので、すごい格好で抱き合いながら寝ましたよ。
635 :
628:2007/01/18(木) 05:21:49 ID:pg8wkIDp0
子供のとき、テレビで見たんです。アメリカで銃乱射事件があって、
巻き込まれた夫婦がいました。その旦那さん、奥さんを体でかばって、
すべて銃弾を受けてしまったんです。奇跡的に助かりましたが。
僕それ見て子供ながら思いましたよ。僕に大切な人ができたら、
僕も守ってあげれるのかな?って。
27歳まで、何人かの女性と付き合いましたけど、その度思いました。
きっとピストル乱射されても彼女置いて逃げるなって。
でも、今の彼女は違うんです。ノロケてスマソ。こんな感情って初めてなんですよ。
すべての夫婦はみんなこんな感じなんですかね?
とにかく彼女には感謝してるんです。僕って、それまで傲慢でプライドの
高い香具師だったけど、彼女と出会うことによって、男としても人間としても
成長して、やさしい思いやりのある人間になれたし。
そんな僕たちもついに夫婦に。
子供を持つ幸せを失った分、他の夫婦よりも本当の愛により近づけてると
思ったりします。
長文駄文ノロケ話スマソ
ここのスレ全員の人に素敵な出会いが訪れるよう祈ってます。