初キスの時のことを臨場感たっぷりに語る2nd

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63恋人は名無しさん
急に雨が降ってきた学校帰り
雨宿りに入ったコーヒーショップの、道路に面した窓際のカウンターで
二人で並んでコーヒーを飲んだ
10月も終わりに近い時期だったから
商店街にはジャックオランタンを飾る店や、お菓子の特売をする店もあるけれど、
ハロウィンって日本ではそれほど定着してない

幼い頃を海外で過ごした彼女には、それが少し寂しくもあり
昔を思い出して懐かしくもあるって、そんな話をしながら
「Trick or Treat」
「は?」
「だから、Trick or Treat ですっ」

あ、俺に振ってるのか、と少しズレて理解した俺に
笑いながらうんうん頷く彼女が可愛くて、何かプレゼントしなくちゃと考えても、
もちろんお菓子なんか持ってない
コーヒーショップにいるんだから、オーダーすればケーキくらいはあるけれど
ケーキはお菓子というよりデザートだと思ったし、だから、
ごめん、お菓子無いって謝った
「じゃあ、Trick ですね。目、瞑って下さい」

普段からちゃんと場の空気読んだイタズラが上手な、
盛り上げるタイプの女の子だったから、何されるんだろうって、
少し期待しながら目をつぶったすぐ後に、彼女にキスされた

ほんの一瞬だけ、さっと唇に触れただけだったけれど
いきなり人生初のキスをしてしまって思いっきり狼狽える俺の隣で、
一部始終を道路の向こうからクラスメイトに見られてた事に気づいた彼女と
二人揃って赤い顔して下向いてた

彼女1年、俺2年の高校時代の思い出
改めて書いみたらまた恥かしいな、これは