ホラーゲームバトルロワイアル企画スレ

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1参加するカモさん
ジャンルがホラーゲームの登場人物でバトルロワイアルは
出来ないか考えるスレです。
色々な意見等、お願いします。
2参加するカモさん:2008/02/01(金) 23:02:22 ID:TlcsE+Kr
ゾンビやクリーチャーや幽霊ありのサバイバルのほうが他と差別化できていいような気もするけど、とりあえず期待。
ホラゲーキャラは他ロワに全然出てないからなー。
3:2008/02/01(金) 23:09:37 ID:Z25Ii7RH
参加作品は取り敢えずSF・心霊・サイコ・サバイバルを問わず、
フリゲも要望が多ければ参加で。
個人的に考える所では舞台は24時間ごとに変更されて
ラクーンシティ、サイレントヒル、異界等に飛ばされる。
それぞれの世界で死んだ人はその世界に取り込まれて、
ゾンビやらゴーストといった追跡者になり、他の参加者を襲うようになる。
舞台の変更時に死亡者はそのまま取り残される事になり、一旦、追跡者はリセットされる。
参加者が変化する追跡者とは別にその世界特有の追跡者が始めから存在する。
首輪の代用品は呪いとかで参加者が誰も死ななかった場合に発動等を考えています。
4参加するカモさん:2008/02/01(金) 23:29:12 ID:TlcsE+Kr
首輪はなしで、禁止エリア(追跡者が多く徘徊するエリア)を時間ごとにガンガン増やしてキャラを分断しまくって、
死にやすくする環境を作ればいいんじゃないかと考えてみたり。
首輪がいるほどの超人はあまりいなそうだし。

他の案は面白いと思う。
ゾンビ化とかは魅力的だけど、やっぱ定期的にリセットしないとキャラ減らないしなw
あ、あとこれは最終的には脱出目的?
妄想スレ見ると、脱出のほうが需要があるようだけど。
5:2008/02/01(金) 23:36:47 ID:Z25Ii7RH
妄想スレを見直してきましたけど、自分も脱出派ですw
一応スレタイがバトロワって銘打ってますけど、
でも、あくまで企画なのでサバイバルでもいいかなって、
思っちゃったりなんかもしちゃったりしてます。
ぶっちゃけた話、殺しあう理由を考える方が難しいのは事実ですし…
6参加するカモさん:2008/02/01(金) 23:46:29 ID:TlcsE+Kr
積極的に殺しあわずとも化物たちが勝手に人減らししてくれるわけだし、
やっぱ洋画みたいなノリで協力・脱出目指すのが妥当かな。

確か以前妄想スレでは、主催はアンブレラとか静岡の教団?とかがいいんじゃないかと書かれてたけど、
この二つの組織があれば大体通用するか?
零なんかの幽霊を制御できるのかなー。
7参加するカモさん:2008/02/02(土) 15:16:47 ID:pauoPfJ2
 基本姿勢は脱出でも、殺し合いに関してのボーナスがある方が良いかも。
 完全に脱出方向で一致団結する参加者と、尾ってのクリーチャーとの対立図式だけだと、
展開に幅が持たせにくいし。

 と、あとちょっと考えていた試案があるんで後ではらせてもらうだす。
8参加するカモさん:2008/02/02(土) 18:01:30 ID:VkCu8qlx
試案待ってます。
しかし人いないな……もっと宣伝すべき?
9参加するカモさん:2008/02/02(土) 18:07:24 ID:LhpXb+Oe
んー多分いくら宣伝しても人来ないとおもうよ。
交流所発でするなら、それこそ雑談所がその話で埋め尽くされて、もういい加減隔離所立てろよ! ってんなら人は来るが。
今はロボロワで盛り上がってるから無理っしょ。数ヶ月先を見込んで地道にネタ振ってりゃあその目も有ったが……

一人で完結させるつもりで、本編から抜き出したみたいな短編書いて見たら?
SS企画なら、SS書かないと人なんて来ないよ。特に書き手なんて夢のまた夢。
面白いSS書き続けてりゃあ、そのうち人は来るよ。きっと。
10参加するカモさん:2008/02/02(土) 18:41:31 ID:VkCu8qlx
えー、一応言っておくと自分は>>1じゃないんだ……
確かに今はロボロワ始動したばっかだしな。
ゆっくりまったり進行で行く感じかな、議論その他も。

でも、ホラゲロワ自体は待ちに待ってた企画だからなー。
及ばずながら手伝いはしたいところだ。
ともかく>>1さんの意見待ち。
11:2008/02/02(土) 20:48:55 ID:ASAbhSur
其処まで急いで本格始動まで漕ぎ付けなくても良いんですけど…
人が来てないのは確かだと思いますので、
案が纏まってきたら、短編SSも頑張って書いてみようと思います。
が、今はじっくりまったりにでも、後で問題が出ないように議論していくことも
大切だと思うんです。
12参加するカモさん:2008/02/02(土) 21:06:48 ID:VkCu8qlx
そうだね。
決めることもたくさんあるけど……
・舞台の詳細
・主催者
・システム
とりあえずここらへんを煮詰めていって、そこそこまとまったら参加者関係、投票の有無とかかな。

システムは>>3、面白いと思うんだけど、舞台は地図作るの大変そうだな。
規模的には段々狭まっていく感じかな。
ちょうど都市→街→村って並んでるし。
逃げ場が狭まっていくのはいいと思った。
あ、もちろん他の舞台候補もありだと思うよ。
13参加するカモさん:2008/02/06(水) 01:10:45 ID:gr2CHhOH
保守
14参加するカモさん:2008/02/06(水) 01:27:33 ID:KylD7hbW
能登誕生日おめでとう!
15参加するカモさん:2008/02/09(土) 20:40:30 ID:WiAPkGVF
舞台は参加する作品から選出?
とりあえずラクーンシティは決定かな?
地下研究所付きだし。洋館は……あれはラクーンシティ扱いだったっけ。
16参加するカモさん:2008/02/20(水) 21:40:38 ID:yiLfyqVP
立てた人もマジで去ったのか。何のために立てたんだ
17参加するカモさん:2008/02/21(木) 00:05:06 ID:MvJWaOGq
こんなスレがあったのか
似たような企画を妄想していたんだけど
本当にもう人いないの?
18参加するカモさん:2008/02/21(木) 04:34:37 ID:FdJnzByu
【share】 シャレタマ 洒落 【winny】Part47
http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/download/1201606129/932

>932 :[名無し]さん(bin+cue).rar :2008/02/19(火) 22:15:05 ID:DE2tfDtP0
>[写真集][IV] 佐野 ○臣(20080218-175014)のアルバム.zip 1,328,921,035 43662699813076906c684c1d4007974065596cda
>http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%90%E9%87%8E%E6%B3%B0%E8%87%A3
>祭りか?

http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/download/1201606129/933-938

http://news23.jeez.jp/img/imgnews15743.jpg
http://up2.viploader.net/pic/src/viploader584128.jpg
19参加するカモさん:2008/02/21(木) 22:29:42 ID:UFcPPnwD
自分はやりたいけど、人がいなすぎて困ってた。
ひとりしかいないんじゃ、話し合いすら出来なかったからな……
20参加するカモさん:2008/02/22(金) 20:47:28 ID:Dm5tdaMZ
同じくやりたい
もっと人集まると思った
21参加するカモさん:2008/02/22(金) 20:55:24 ID:uQmuoXmm
おお、人がいた。
とりあえず参加作品でも話し合ってみる?
自分が書けそうなのは
「バイオハザード1.2.3.4」
「SIRENシリーズ」
「サイレントヒル3.4」
ってとこなんだけど

メガテンとか東京魔人学園はホラーゲームに入るだろうか
22参加するカモさん:2008/02/22(金) 21:15:05 ID:2OZMFN6F
魔人、メガテンは好きだけど、ホラーじゃないだろうなあ。そしてこの二つが入るなら是非九龍も(ry

自分はサイレン、零、バイオかな。バイオはクリアしたのが昔すぎてチェックしなおさなきゃだけど。
学怖やアパシー鳴神も入れられたら入れたいとも。マイナーか?
マイナー系だったら流行り神とかデメントとかも少し分かる。
23参加するカモさん:2008/02/22(金) 21:43:19 ID:uQmuoXmm
デメントなら少し分かるな
あとクロックタワーなんかも
24参加するカモさん:2008/02/22(金) 21:50:54 ID:2OZMFN6F
とりあえず候補としては、ホラー最大手の
・バイオハザードシリーズ
・サイレントヒルシリーズ
は鉄板か?

自分静岡分からんのだけどね……orz
25参加するカモさん:2008/02/22(金) 21:53:32 ID:2OZMFN6F
そういえば、ひぐらしは入るんだろうか。
以前妄想ロワで話が出たときには、同人やフリゲやらも入れたい人が結構いたみたいだけど。
26参加するカモさん:2008/02/22(金) 22:13:38 ID:dv/jW1Y5
フリゲもできれば入れてほしいけど
そればっかになっても駄目だから
枠を決めるかな
ひぐらしもやりたいって人がいれば入れてもいいんじゃない
27参加するカモさん:2008/02/22(金) 22:26:46 ID:2OZMFN6F
大まかな枠だけ決めて、後は書いたもの勝ち形式がいいかもとも思った。
投票は人多いとこはいいけど、少ないとこにはいらないものらしいからなー。

ちなみにフリゲはどんなものが候補?
ペルエムフルとか?
28参加するカモさん:2008/02/23(土) 13:07:40 ID:5GJoCygE
フリゲだったらコープスやペルエムフルだろうな

とりあえず決めなくちゃいけないことは
 1 脱出にするかバトロワにするか
 2 出場作品(枠or投票)
まずはこの二つ?
29参加するカモさん:2008/02/23(土) 15:44:04 ID:U0zLEF6y
そうだね。あと舞台をどうするか、とか。

個人的には脱出を推したいところだけど、正直ロワとの明確な差があまりないんだよなあ、今のところ。
はじめから脱出EDが決まってるロワ、ってだけじゃなんとも。
ゾンビや幽霊を出せば多少は違ってはくるだろうけど。

出場作品は、正直ホラゲって選別するほど作品数ないから、割とgdgdでも行けそうなイメージ。
バイオ、サイレントヒルあたりは何も言わずとも誰かしら入るだろうし、
上でも言ったけど書いた人順のフリーダムな感じでいいんじゃなかろうか。
30参加するカモさん:2008/02/23(土) 16:05:29 ID:5GJoCygE
作品決めは人も少ないし書いたもの勝ちで決まりか
適当に枠決めれば何とかなりそう

ここで言う脱出って、脱出エンドのことなのか、
それともロワは関係なしで、閉じ込められた場所からの脱出なのかどっちだろう
多分前者だと思うけど

おおまかな設定だけ決めたら
>>9のいうようにポンポン話を書いてった方がいいのだろうか
31参加するカモさん:2008/02/23(土) 16:27:52 ID:U0zLEF6y
閉じこめられた場所から脱出だと大分差別化出来るけどね。
その場合、それこそ舞台の詳細な設定と、はじめは何故脱出できないのかを決めないとだな。
分かりやすいのはクリーチャー(ボス)が扉の鍵を持ってるとかだけど、あまりにもチープだw

ルールその他がある程度決まったら、どんどん書いたほうがいいと思う。
キャラは人数枠さえ決まってれば、あとは好きに出せばいいだけだし。
で、一緒に誤爆スレあたりに宣伝しに行けばいいんじゃないかな。
32参加するカモさん:2008/02/23(土) 19:52:40 ID:gyEEQySe
 試案を作ったけど、あくせく規制に巻き込まれて書き込めないので、とりあえずテキストをupして
代理で張って貰う事にしました。
 http://www.filebank.co.jp/wblink/368f4ea669f0f1cd8e0720140f96190e
33参加するカモさん:2008/02/23(土) 20:20:22 ID:5GJoCygE
乙&GJ!
どっちも今までにない感じですごく…面白そうです…
34参加するカモさん:2008/02/23(土) 21:29:25 ID:U0zLEF6y
超GJ! すごいわ、両方面白いし、きちんと考えてある。
自分が薄っすら考えてたのはバイオロワに近い形だったけど、
これは確かに言語の問題と、参加者をどうやって集めたかが説明できなくなるんで困ってたんだ。
サイレンなんて年号昭和で、完璧パラレルだし。

静岡型のがある種ファンタジー要素が取り込めるから、やっぱこっちのほうが楽かなー。
トワイライトですよね? このキャラ。おいしいなあ、普通に読んでてとても面白かったです。
手帳がいい味出してた。オカルトっぽくていい。

バイオのほうはアンプル奪い合いとかゾンビ化とかがシステム的に面白いんだけど……
静岡は化物になる要素とかはあるのかな? どっちかっていうと発狂ルートっぽいな。
舞台その他は静岡、アンプルシステムをバイオからとか……
せっかくのオカルト臭が薄れるか。
迷う!
35参加するカモさん:2008/02/23(土) 22:48:23 ID:E5W9Yb0j
あれ?
もしかして>>6が言ってたみたいなサバイバル派の俺はお呼びでない?
36参加するカモさん:2008/02/23(土) 23:25:59 ID:c4KEbEQd
Bはやり方次第ではサバイバルにできそう
37参加するカモさん:2008/02/23(土) 23:47:09 ID:U0zLEF6y
静岡のもサバイバルでは?
追跡者から逃げ切らんとだし。うーん、洋画ノリが重要?
38参加するカモさん:2008/02/23(土) 23:56:46 ID:E5W9Yb0j
言い方が悪かったか
自分はロワではなく脱出派と言いたかったんだ
試案を呼んだ限りじゃすでにロワに決定してるみたいな内容だったもんで
39参加するカモさん:2008/02/24(日) 00:12:53 ID:PjTTSSoW
殺し合い全くなしで、最初から主催者に「協力し、脱出せよ」って明言されてる感じか?
どんな内容なのかもっと詳しく聞きたいかも。
40参加するカモさん:2008/02/24(日) 01:07:40 ID:v0tEScw+
別に主催者が参加者に語りかけなくてもいいんじゃないかな
自分のイメージでは、SIREN2の「母胎」と夜見島レプリカのようなものを想像していたんだ。
SIREN2のネタバレっぽくなるけど、「母胎」は異次元空間に潜んでいて
それが地上世界を侵食しようとした際に、多くの人が神隠しのような形で
異次元空間にまき込まれ、夜見島という島のレプリカにたどりついて生き残るための
サバイバルが始まる、というのがSIREN2。
「母胎」にとって巻き込まれた人間のほとんどはどうでもいい存在。

この異次元というのは様々な平行世界につながっているとゲームでも描かれているので
複数の作品のキャラが集められた説明がつく。

参加者たちは何かの目的で集められたのではなく、偶然次元のひずみに飲み込まれ
主催者の企みに巻き込まれてしまう。
舞台はラクーンシティのレプリカでも、サイレントヒルのレプリカでもいいし
複数の世界を組み合わせてもかまわない。
参加者同士の殺し合いは出来なくはないが、メリットは特になし
41参加するカモさん:2008/02/24(日) 07:54:36 ID:PjTTSSoW
あくまで独断と偏見でですが、今まで出た3案の問題点?と思われる点を書き出してみました。
仮にABCとします。

A案(サイレントヒル型)
・ご都合主義すぎる(教団のオリ設定など)

B案(バイオハザード型)
・言語やそれぞれの世界観の問題(皆バイオ世界にいるというIF世界に?)

C案(サイレン型)
・言語の問題(異次元空間だから通じる、でも可?)
・脱出に至るまでの過程(サイレンと全く同じ脱出方法なのか、鳩たちなしで参加者たちが脱出方法に気づけるか、など)

抜けがあったらどんどん出してください。
あ、あとC案は、ちゃんと書き手が空気読んでガンガン殺さないと、キャラが減らないというのもあるかも。
殺し合い推奨システムがない場合は、何かそれに代わる人減らし方法が必要だと思う。
42参加するカモさん:2008/02/24(日) 09:52:59 ID:v0tEScw+
>殺し合い推奨システムがない場合は、何かそれに代わる人減らし方法が必要だと思う。

そこはそれ、クリーチャーたちの出番ですよ。
序盤はゾンビなどがうろつくだけだけど、時間の経過とともに
バイオでいうならリッカー、ハンター、ヨーン、タイラントと
いった具合に敵が強力になり数も増えてくる。
43参加するカモさん:2008/02/25(月) 01:06:58 ID:CpSAFyA4
まあそうかも。キャラ減らしは問題ないかな、やっぱり。
あとはC案の脱出システムは具体的にどうするのかによって変わってきそうだ。

個人的にサイレン2のシステムでっていうのは盲点だったので色々考えてみたんだけど、
>>41にも書いたとおり、

・サイレン2と同じ脱出方法なのか(冥府の門が開き、人間の男性が生贄に、最終的に母胎を倒して津波に呑まれED?)
・同じだとすれば、鳩の存在をどうするか。出るのか出ないのか、出るなら参加者扱いかNPC扱いか、出ないなら母胎へと至るヒントをどうするか。

がどうしても気になる。
何が言いたいかというと、展開に縛りが出てしまわないかということ。
ホラゲキャラは一般人が多いし、過去視や感応視の代用になる能力を持っているキャラは少ないと思う。
鳩を参加させればどうしてもそっちが目立つし、一樹役をさせられるキャラも強制的に主人公になってしまうし。

逆に母胎を倒す方法を全く新しく考え出すなら、それはそれで完全オリ設定で大変そうだし。
闇那其の代用品なんて、それこそうりえんしか思いつかない……

長くなりましたが、そのあたりはどんな風に考えていたか教えて頂ければと。
決してC案が駄目だと言いたいわけではないんですが、新システムである以上色々疑問が生じてしまい……申し訳ないです。
見当違いのこと言ってたら笑って下さい。
4440:2008/02/25(月) 07:07:45 ID:CkA/dz4t
自分は脱出系の企画の例を提示したかっただけなんで
「母胎」にこだわるつもりはないです。
脱出であれば舞台や黒幕は何でもいいと思ってます。

参加者がホラーゲームの世界に放り込まれれば、嫌でも
クリーチャーやらゴーストやらと血みどろの死闘を繰り広げる破目になるわけだから、
わざわざロワルールを持ち込むことは無いと思ってたんですが…。
自分はロワはあまり好きじゃなくて、別の企画は無いのかと思っていたら
>>1の人がサバイバルでもいいとおっしゃってたので興味を持ったんです。
ホラーゲーム自体がサバイバル要素を含んでいるから原作のキャラクターのイメージを損なうことなく
話を展開することが出来ていいと思ってたんですが。

それとも、そんなことはどうでもよくて、とにかくキャラ同士で
殺し合いをさせることが優先なんですか?
45参加するカモさん:2008/02/25(月) 14:20:16 ID:CpSAFyA4
気分を悪くされたなら済みません。
脱出案をけなしているつもりはなかったのですが、結果的にそうなってしまったようです。
重ね重ね申し訳ない。

ですが、別に殺し合いが見たい! などと言ったつもりはないのです。
ロワは既に今まで作られ、完結してきた前例があるので、テンプレのようなものが出来ていて開催が比較的楽だと思うのですが、
脱出系となればテンプレはまずなく、それならしっかりルールの細部を決めないときちんと機能しないのではと思っただけです。
ルールさえ決まっていれば、脱出系もとても面白いと思います。
脱出系の案が今のところサイレン系しか出ていなかったので、
上記疑問もサイレン案で開催するとしたらここはどうなるのか、という箇所をお尋ねしたかっただけで、
脱出案にケチをつけたいわけではありません。

個人的には脱出系なら、脱出方法に縛りがあまりないバイオハザード系がいいかなと思ったりもしますが、
これは超能力が全く絡まないため>>41のB案と同じ問題点が出てくるので微妙。
正直自分の想像力貧困な頭ではあまりいい方法が思いつかないので、何かいい案があったら出して下さいとしか……。
4640:2008/02/25(月) 16:26:35 ID:CkA/dz4t
こちらこそ失礼しました。
そのつもりはなかったんですが、文章が刺々しくなってしまいました。

ロワならロワでキッパリ諦めます。
一人で駄々をこねたところで企画は動きませんしね。

>何かいい案があったら出して下さいとしか……。
正直なところ何も考えていませんでした。
そこまで細かく決めないといけないとは思わなかったもので…。
他力本願が過ぎましたね。プランも無いまま口を挟んですいませんでした。
以後自重します。
47参加するカモさん:2008/02/25(月) 17:02:18 ID:xYqRdRO9
とりあえず
A案B案C案三つでたんだよね
48参加するカモさん:2008/02/25(月) 18:47:26 ID:CpSAFyA4
>>46
いえいえ。脱出派の方の意見も聞けてよかったのではないでしょうか。
何かいい案が思いついたら是非教えて下さい。

>>47
そうですね。今のところその三つです。
が、複合型とかもありかなあと考え始めた。
試案作って下さった方、お気に触ったら申し訳ありません。

言語・世界観なんかに矛盾が生じにくいのはサイレントヒルかサイレンかなあとも思うんだけど、
サイレントヒルの教団はキャラ召喚とかは出来るんだろうか。
時間と空間を超えて人間を連れてくる、なんてことが出来そうなのはサイレンのED後八尾さんやSDKかな……
八尾さんが一晩でやってくれましたに期待するしかないかも。

それと、サイレントヒルに詳しい方がいらっしゃったら教えて欲しいんですが、
サイレントヒルはどうやって脱出するんですか?
それによっては色々事情が変わってくるかも。
49参加するカモさん:2008/02/26(火) 23:51:19 ID:l9faXYKb
なんとなく
最初のど過疎から企画がこれだけ進んで嬉しい
50:2008/02/27(水) 00:20:08 ID:aAhGZuFQ
ぶっちゃけ、駄目だったかと諦めていたのですが…
久しぶりに覗きに来てみれば話が進展していて驚きました。

話が進んでいるところに、湧いてきて不快に思われるかもしれませんが
私は3案のどれかで進める必要は必ずしもないと思います。
かなりややこしくはなりますが>>48での意見のように混合する事も有りだと思うのです。
あくまでバトロワ企画は混沌としていて良いと思うんです。

チープな例えになってしまいますが、
・サイレントヒルの特殊性に目をつけたアンブレラが研究を開始するが暴走。
→結果としてサイレントヒルにBOWが発生してしまい、その影響でサイレントヒルに歪みが発生。
→歪みが本来繋がる筈のない異界へと繋がってしまう。

みたいなノリでも構わないと思います。
今更、来たくせに失礼だと思われるかもしれませんが一つの意見として読んでいただければ幸いです。
51参加するカモさん:2008/02/27(水) 23:14:03 ID:qLvuUVQX
コープスパーティーが出られそうなロワがあると聞いて飛んできました!
52参加するカモさん:2008/02/28(木) 21:02:52 ID:SarhjOiu
 アクキン巻き込まれ解除カキコ。

 A案B案挙げたモノですが、まぁ別に何編んでいこうがかまないとは思いますよ。
 ただ、A案B案共に、微妙にパロロワ要素を臭わせるものにしたのかについて補足します。

 今更言うまでもないとは思いますが、パロロワが不特定多数の参加型リレーSS企画として優れているのは、複
数視点で物語が構成されるという点が非常に大きいと思うのです。
 別に殺し合いワッショイなノリだけがウケているワケじゃあない。
 パロロワの殺し合いという要素は、単純に言われる言い方で言っても、「マーダー側 (殺そうとする側)」 と 「対
主催側 (殺されまいとする側)」 のそれぞれの観点でSSが描かれる。
 しか企画当初から、完全に 「脱出ゲーム」 に限定してしまうと、この複数視点での物語という点が、少し弱くなる。
 ましてそれが、一つのゲームのシナリオに依存してしまうとなると、ただ単に 「○○というゲームに他のゲームの
キャラを参加させ、元ゲームの展開をなぞるだけのモノ」 になってしまいかねない部分がある。
 なので、A案B案共に、それぞれ特定ゲームをベースにしつつも、全く元のゲームにはない要素 (生け贄に殺し
合いをさせようとする教団派閥/データ集めの為の実験) を足してみたわけです。
 勿論この、+αとする要素は、殺し合いではなくても良いと思います。
 >>50案である、最初の段階でとにかく色んなゲームの基本設定をチャンプルにさせる、というのも良いと思います。
53参加するカモさん:2008/02/28(木) 21:04:42 ID:SarhjOiu

 んで。
 >>48
 サイレントヒルの基本設定では、1と3では教団が大きく関わってきますが、2では教団そのものは直接関わっては
来ません。 
 2では、サイレントヒルという “場所” そのものに一種の魔力があって、過去に罪を犯した者、罪に目を背けて生きて
いる者が引き寄せられ、その過去の罪、罪悪感により追われていく、というのがあり、自らの罪と向き合い、それを打ち
破ることでサイレントヒルから脱出 (?) することが出来るのです。
 ギャア、ネタバレ!
 A案はその辺りをちょいと利用してあります。
 1の場合、基本ストーリーは脱出ではなく救出なので、教団側の儀式を破壊することで目的を果たせる。
 基本的には、サイレントヒルの持つ魔力に囚われなくなれば、出て行くことは出来る…というもの。
 そもそも、魔力に囚われていない人間にとっては、魔物も何も居ない、ただのゴーストタウンでしか無いですしね。

 B案に関しては、もう一ひねりのアイデアもあるのですが、正直不特定多数のリレー式では使いにくいかなぁとも思いま
すし、普通のロワと違いホラー物企画という事で考えると、あまり最初から細かいネタを出し過ぎるのも良いのかどうか。
 この辺り、どんな基本設定で始めるにしても微妙ですわな。
54参加するカモさん:2008/02/28(木) 21:06:51 ID:SarhjOiu
 
 それらも含めて、脱出メインの進行を推していく場合、 >>50 の複合的、偶発的な事故が主原因で、主催に類する存在、
意図などが明確には無く (あるいはあっても、序盤に明確になることはないか、その意図そのものを望外、破壊すること
は解決に繋がらない展開)、完全に巻き込まれ型として初めて見るのは雰囲気としては良い。ただ、それだとキャラクター
に明確な目的を持って行動させるかとかってのがまぁちょい難しい。
 
 あるいはとにかくまー色んな案をだだらに出して、参加させるゲームやキャラをだだらにリストアップして、その上でス
タート時点の基本状況の設定を決めたら、後は勢いでばーっとやっちまうってぇのでも、良いかもしれませんね。
 どっちにせよ書く人少なそうだし! (ギャア!)
55参加するカモさん:2008/02/29(金) 23:57:05 ID:qE5pNdtl
おお、いつの間にか人が増えてる。嬉しい。

>>52
何だか自分が言いたかったことを、分かりやすく丁寧に解説して下さっている!
そう、そういうようなことを言いたかった……。
マーダー側がクリーチャーに置き換えられるとすると、
クリーチャーはあくまでNPCであるにもかかわらず、メイン参加者並みに描写することが要求されるというのもあるし。
ただ元ゲームの展開をキャラを交換して追うだけ、というのも寂しいものがありますしね。

それと、サイレントヒルの解説も助かりました。
そのタイプだったら、比較的脱出経緯の説明は容易なのかな……
儀式を壊す=脱出出来るようになる、というのはいいかも。


それと、人が集まってきてるなら今のうちに。
参加者内での殺し合いがありなのかなしなのか、
クリーチャーだけなのか人間同士もありなのかだけでも決定しておいたほうがいい気がします。
確かに書く人は少ないだろうなとは思いますがorz、gdgdのまま進むにしても、ここだけははっきりしておかないと
後でそれぞれの中の見解の違いでぶつかってしまうかもしれないし。

ちなみに自分は、クリーチャーと殺し合い、両方ありがいいのではないかと思っています。
ホラー的展開の要としてクリーチャーは外せないし、
人間同士の殺し合い(あまりいい言い方ではないですが)によって発生する疑心暗鬼、
人間の極限状態における心理の変化などのサイコホラー的展開もおいしいかと。
ただし、必ずしも殺し合い推奨でなくとも構いません。
参加者の中には、脱出はしたいけれども足手まといは切り捨てたい人間もいるかもしれない。
クリーチャーに襲われそうになったときは、仲間を見捨てて自分だけ助かろうとする人間がいるかもしれない。
そういう展開を潰すのはもったいないと思うので、殺し合い「も」ありのルールを推したいところです。
56参加するカモさん:2008/03/01(土) 15:01:18 ID:jtlytKuv
スウィートホームやクロックタワーがオッケーなロワと聞いて飛んで来ました
57参加するカモさん:2008/03/04(火) 21:58:01 ID:9Umt1Rz9
人いないなぁ
58参加するカモさん:2008/03/04(火) 23:14:32 ID:gCQsvRWv
どうしたらいいのか……
59参加するカモさん:2008/03/05(水) 16:41:51 ID:ff/rBZ7r
とりあえず、日置きになっても話を進めてれば良いと思う
ルールさえ決めて書き始めたらちょっとは人も来るし
がんばろう
60参加するカモさん:2008/03/05(水) 16:53:40 ID:x4t6kV9Q
あー! なんかまどろっこしくなってきた!
もう色んな説明が楽だからという理由で、A案でいいんじゃないかと思えてきたよ。
舞台はサイレントヒルで、主催は不明(教団+α?)。おいおい決めてく感じで。
人数は40人前後で、書いたもん勝ち。
地図は横軸ABCDEF、縦軸123456の6×6マスで、施設、ある場所はこれも書いたもん勝ち。
A案に書いてある施設でもいいし。割と網羅してるようだから。
普通のロワだと参加者一同集めてのオープニングがあるけど、殺し合いだけが目的でもないし
A案みたいに気づいたらサイレントヒルにいました、ってのでいい気がする。
その方がホラーっぽいし。
これじゃ駄目?
61参加するカモさん:2008/03/08(土) 10:44:19 ID:g5MfcQxk
いいとおも
62参加するカモさん:2008/03/08(土) 19:00:42 ID:yTt78Wza
人が居ない現状、ルールを決めることにはあんまり意味は無いと思う。
いつくるか分からない本格始動に備えるにしても、極少数での議論は無意味。

それよか、やりたい人がとりあえず書き始めてしまった方がいいと思うが……
もし何が何でも書きたいって人がいるのなら。
63参加するカモさん:2008/03/08(土) 22:02:41 ID:9pC3/cCk
書きたいより読みたい人の方が多そう
64参加するカモさん:2008/03/10(月) 03:03:39 ID:VoDlzjk4
試案のA案をOP代わりにちょっと書いてみたんだけど、投下はテキストファイルのほうがいいんだろうか。
それとも直に落として構わないか?
65参加するカモさん:2008/03/10(月) 12:52:43 ID:7ec1wiOn
人いないからさるっても問題ないだろし
直でいいと思う
66参加するカモさん:2008/03/11(火) 01:11:30 ID:kUnsQaaj
じゃあ投下してみる。
状態表とか適当です。もう少し書いたほうがいいんだろうか。
それと支給品の扱い、どうすれば……一応書いたけど、いっそ全部現地調達でもいいかもしれない。
67発生-outbreak- 1:2008/03/11(火) 01:20:06 ID:kUnsQaaj
おかしい。
おかしいのがオレのオツムかその他全部なのかは判らないが、ともかくどう考えてもおかしすぎる。
オレはほんのついさっき、ゾンビが溢れ返ったラクーンシティから、一緒に彷徨った仲間たちと命からがら脱出を果たした。
今頃ようやく張りっぱなしだった緊張も解れてきて、軍のクルマの中で遅めの昼寝と洒落こんでるはず、はずだったんだが、気がつけば見たこともないような濃い霧の中で地べたにオネンネしているときたもんだ。仲間もいない。
おかしいだろ? 何がどうしてこうなっちまったのかは、このオレ、ケビン様にも見当はつかねえんだがな。


服やら何やらが湿気を吸ってるようで気分が悪いことこの上ない。
やたらに真っ白い霧のせいで周りを見通せないのも嫌な感じだ。
あの忌々しいゾンビの群れが今にも向こうから現れる気がして、オレは舌打ちしながらホルスターに手をやる。
脱出行の中で自然と癖になっちまった動作だったが、風呂とオフ以外では手放したことのない45オートの馴染んだグリップはどれだけ探っても見つからなかった。
代わりとでもいうようにそこに捻じ込まれていたのは、小汚い手帳と観光地の入口付近で配られているような大雑把なマップだ。
どっちも見覚えがない。そもそもいくらオレがずぼらだからって、長い付き合いの相棒を捨ててまでそんなもんを突っこんでおく趣味はない。
イラついてズボンのポケットをまさぐるが、タバコすらなかった。全くやれやれだぜ、クソッたれ。
仕方なく折り畳まれたマップを広げてみる。どうも小さな街の全体図のようだ。
サイレントヒルと書かれているが聞いたことはない。もっとも、地名に詳しい方かと言われればとても頷けないんだが。
しかし、何の気なしにそこここにある手書きの書き込みを目を細めて追っていると、とんでもない単語を発見した。
「―――ラクーン市警?」
辺りを見回す。
見覚えのない路地。霧に霞んだ家並み。
多少見え辛くはあるが、どうみてもここがラクーンシティだとは思えない。
こう見えても警官の端くれだ、街の中のことに関してなら家の庭くらい知っている自信がある。
まあオレのボロ下宿にそんな高等なもんはないが、それは確かだ。
ラクーンシティではない場所にラクーン市警がある。どういうことだ?
68発生-outbreak- 2:2008/03/11(火) 01:21:06 ID:kUnsQaaj
「……行ってみるか」
幸い地図と照らし合わせてみたところ、そんなに遠くはなさそうだ。歩いて15分くらいか。
難しいことを考えるのは性に合わない。
それに、どういうわけか銃をなくしちまった今、すぐ武器が手に入りそうなとこってのも魅力的だ。
警察署ってのはうってつけだろう。オレ、一応そこの警官だしな。


そういうわけで、オレは見知らぬ路地をあちこち通り抜けた挙句、15分を少しオーバーしたくらいで何とか目的地に着くことが出来た。
半分疑ってたんだが、外観からだけいえばどこからどうみてもラクーン市警そのものだ。正直気味が悪い。
ゾンビがいるかも、と警戒しながら正面玄関の扉の取っ手を掴む。
なるべく音を立てないようにそっと引き開けて中を覗けば、ほらおいでなすった。
噴水の向こうあたりで動く黒い長い髪。
なんだ、ゾンビにしては小奇麗な格好してるじゃないか。
しかしえらく細っこい身体だ。腕だってあんなに……って、ん?
「腐ってねえな」
思わず口に出したら、向こうで人影がびくっと反応した。
きゃ、とかなんとか、可愛らしい小さな悲鳴が一拍遅れて聞こえる。
驚きたいのはこっちだぜ。人、しかも女の子がいるなんて考えてもみなかった。
相手はかなり怖がってるようで、こちらに向き直ったまま、その場から動かずに上目遣いにこちらを窺っている。
チャイニーズかジャパニーズか、オレにはあんまり区別がつかないがその類だろう。年はヨーコよりか若そうだな。
しかし、そんなに怯えなくたっていいだろ?
オレは生まれてこの方、女性を困らせるような真似はしたことがないのが自慢なんだ。
とりあえず声をかけて安心させてやらなきゃな。
それで、あわよくばこの妙ちきりんな街についての話を訊こう―――かと思ったんだが、それは急遽取り止めざるをえなかった。
何でかって?
オレに注意を傾けててすっかり無防備になってるその子の背後に、能面みたいな顔のメイド服の女がでっかいガラス片振り上げて立ってたからだよ!
「後ろだ、逃げろッ!」
69発生-outbreak- 3:2008/03/11(火) 01:21:58 ID:kUnsQaaj
【B-2 ラクーンシティ警察署内/一日目・朝】

【ケビン・ライマン@バイオハザードアウトブレイク】
 [状態]:健康、焦り
 [道具]:不明支給品? 手帳、地図
 [思考・状況]
 基本行動方針:状況を把握する
 1:目の前の女の子を助けて一緒に逃げる
 2:武器の確保

 ※原作初期装備の45オート、予備弾薬は所持していません。
 ※手帳を読んでいません。

【雛咲深紅@零〜zero〜】
 [状態]:健康、不安
 [道具]:不明支給品? 手帳、地図
 [思考・状況]
 基本行動方針:?
 1:目の前の人が誰なのか確認する
 2:後ろで物音が……?

 ※追跡者情報
【ダニエラ@DEMENTO】
 とても美しいが機械的で表情の乏しいメイド。
 自分のことをアゾート(生命力のようなもの)を持たない作り物の人形だと思っており、産み出す性としての「女」に大きなコンプレックスを持つ。
 なので主に女性を追うかも。
 攻撃方法は手にしたガラス片や火掻き棒を使ってのなぎ払いや突き刺し。
 また、自分の姿にコンプレックスがあるので、鏡を見ると狂ったように叫び出し、動きが止まる。
 はじめは機械的に早足で近づいて攻撃してくるが、時間が経つにつれ動きもぎくしゃくとし、狂気染みた行動をとるようになる。
70参加するカモさん:2008/03/11(火) 01:27:54 ID:kUnsQaaj
って、いきなりミスってるorz
ケビンの出典元は、FILE2です。

【ケビン・ライマン@バイオハザードアウトブレイク】

【ケビン・ライマン@バイオハザードアウトブレイクFILE2】

です。
71参加するカモさん:2008/03/17(月) 13:52:32 ID:mB5gASns
投下します。
72須田恭也は振り向かない 1:2008/03/17(月) 13:54:48 ID:mB5gASns
ノイズ。
反転。暗い。揺れる。揺れる。滅茶苦茶に揺れる狭い視界。
ノイズ。
息。荒い呼気。ひゅうひゅうひゅうひゅう、ままならぬ吸気。
ノイズ。
右に折れ左に折れ、走る。まろぶ。走っている。その足音に重なるように、同じく地を蹴る音。
ノイズ。
両脇で目まぐるしく流れていた景色が不意に緩まる。速度が落ちる。
同時に視界が回る。横へ、背後へ。瞬きすらなく開かれた両目で、振り向く。
振り向いた先には、
ノイズ―――ノイズ、砂嵐、暗転。


「あー、駄目だ、遠すぎる。もう見えないや」
目を閉じ何かを探すように頭を巡らせていた少年は、目を開けるやいなや間延びした呟きを漏らす。
立ち並ぶ家と家の間、大通りからの死角から少しだけ身を乗り出して再度目を閉じるが、
数秒と待たずに首を引っこめて憮然としながら目の前の壁を睨んだ。
どうやら完全に見失ったらしい。
73須田恭也は振り向かない 2:2008/03/17(月) 13:55:38 ID:mB5gASns
「少なくとも追ってる方は後から来るんだし、ちょっとは映像見えたっていいはずだろ。なんかこの力、弱まってる?」
またも独り言。
「美耶子なら見えるかもしれないけどさ。いつかの暗闇の時みたいに、美耶子の視界が借りられたらな」
少し笑って言う。応えはない。
「ここにも羽生蛇村みたく化物がいるのかな。さっきの視界は普通のニンゲンっぽかったけど」
身を潜めていた路地の奥へと向かう。
ゴミ捨て場だろうか、乱雑に積み上げられたがらくたを漁り、ひょいと掴み上げたのは長めの鉄パイプ。
「いるんだよな? オレにも何となく分かるよ。だからオレ、ここにいるんだよな?」
イヤホンを耳に引っかける。まだ曲は流さない。
流すのは、奴ら化物が目の前に現れた時だけでいい。
「約束、忘れてないよ。全部消すから。終わらせるから」
いなくなってしまった少女との夢での約束。
それはたとえ彼女の声が聞こえなくとも、少年を果て無き闘争へと駆り立てる。
「オレが、終わらせてみせるから。待ってて、美耶子」
幻視が反応した方角に向け、少年―――須田恭也は歩き出す。
垂らした手で鉄パイプを引きずりながら、存外に軽い足取りで。
それは間違いなく、達するべき目的を持っている者特有の迷いのなさだった。
74須田恭也は振り向かない 3:2008/03/17(月) 13:56:19 ID:mB5gASns
【D-4 住宅街/一日目・朝】

【須田恭也@SIREN】
 [状態]:健康、C-3方面へと移動中
 [道具]:鉄パイプ@サイレントヒルシリーズ、手帳、地図
 [思考・状況]
 基本行動方針:美耶子との約束に従い、全てを終わらせる
 1:幻視で見つけた人物を追う
 2:化物は消す。人間は……

 ※幻視に制限がかかっているようです。
  対象が遠めの場所にいると、全くジャックが出来なくなる?
 ※原作ジェノサイドエンド直後からの参戦です。
 ※が、美耶子(の霊)は一緒にいない模様です。
 ※手帳、地図を見ていませんが、人間ではない「何か」がこの場所にいることを薄々感じています。
75参加するカモさん:2008/03/17(月) 13:58:43 ID:mB5gASns
終了。

えー、試案書いてくださった方、もしまだ見てらっしゃいましたら、
ミカの現在地と簡単な状態表だけ落として下されば、リレー出来るかもしれません。
よろしくお願いします。
76参加するカモさん:2008/03/17(月) 23:50:01 ID:ZnjVVPq8
いきなり不死身キャラ放り込んでどーすんのよ?
77参加するカモさん:2008/03/18(火) 00:15:44 ID:4MfEnTaG
>>76
失礼しました。
普通に制限のつもりでしたが、状態表に書いていなかったorz

※幻視同様、美耶子の血による不死性にも、ある程度の制限がかかっているものと思われます。

この一文を追加で。
78参加するカモさん:2008/03/18(火) 00:31:04 ID:BLUgMBOo
しばらく来ない間に投下が 乙!
これからどんなキャラが出てくるのか楽しみ
79参加するカモさん:2008/03/19(水) 22:33:31 ID:lrwUtPqI
ちょっとルール的なことを。

なんとなくこのロワだと、放送とかあるのか?という疑問がありまして。
あると途端にロワロワしくなるし、恐怖感を削ぐような気がしたので、
今のところ街内のルール説明とメモ帳の代わりくらいの役割しかない手帳の復権も含めて、以下提案。

・12時間(6時間?)ごとにサイレン(別に他のものでも可)が鳴る。と同時に、街が裏世界にチェンジ。
 次回サイレンで表世界、以下交互にチェンジ。
・手帳にはOPのような簡単なルールが書かれている(一人一人執筆者が違う?=前回参加者?)
・名前を知った人物の名前は、自動的に知った持ち主の手帳に記される(簡易名簿代わり)
・サイレンが鳴るごとに、手帳に記されているそれまでに死亡した人物の名前に斜線が引かれる(放送代わり)

あと、これは微妙ですが。

・それぞれの手帳には、各々が起こした行動について、簡単に記される。

これは、別の誰かに手帳を奪われる=奪った相手が間接的な行動の監視が可能になる、というような
半頭脳戦が出来るようになるかなと。

どうでしょうか。見ている方がいらっしゃいましたら、イエスノーだけでも。
ただこのルールだと、手帳が完璧に魔法の手帳になってしまうのですが……
でもいちいち死体確認しないと死亡者把握できないのも面倒だし。
80参加するカモさん:2008/03/19(水) 23:17:35 ID:+iL4uaiO
イエス
が最後のはどうだろう
自分は書き手じゃないのでわかりません
81参加するカモさん:2008/03/20(木) 00:18:21 ID:90XfHUk9
それ以前にいつの間にロワに確定したのか。
殺人可のサバイバルというはなしはどこへいった?

一応返事しておくと手帳に関してはノー
82参加するカモさん:2008/03/20(木) 00:55:14 ID:i4E4pTdN
うーん、今現在が参加者以外に追跡者あり、殺し合い推奨システムありということで、
殺人可のサバイバルのような気が。

なんだろう、脱出要素がもっとないと駄目とか?
83参加するカモさん:2008/03/21(金) 00:39:30 ID:is7WV7vm
>>80
>>81
お返事有難うございます。
手帳はノーということは、最初のひとつ以外は全部やめたほうがいいということですよね?
ではとりあえず、裏表世界チェンジは可、他はなしということで。

それと、殺人可のサバイバルのつもりで自分は書いていたのですが……
何かまずかったでしょうか。
人がいなくてとりあえず書いてただけなので、別に破棄でもいいのですが、
どんな内容の話が求められてるのかはっきりしないので、詳しく教えてもらえると助かります。
私的にはクリーチャーがいるだけでも相当ロワとは違うかと思ってるのですが……。
84参加するカモさん:2008/03/21(金) 18:09:28 ID:/G97hfIs
手帳って書き込みも出来るんだよね
だったら名前を知った人物は〜のとこは無しのほうが良いかも
自分は面白くていいな、と思ったけど

クリーチャーも出て話進んでるし、問題無いのでは?
期待してます、がんばって
85参加するカモさん:2008/03/22(土) 13:23:00 ID:NiRH+qoE
>>84
自分なんかにはもったいないお言葉、有難うございます!
人もいないし、まったり書いていこうかと思っています。
まあ書き手が増えるのにこしたことはないんですが。

何か気になったこと、おかしな点があれば、どんどん指摘お願いします。
86 ◆HGBR/JBbpQ :2008/03/23(日) 17:21:45 ID:yF1pcjVo
 どこんちわ。またもやアクセク規制に巻き込まれていた、上の方で試案ABを書いた者です。

 ンまー、僕のこの明晰かつ灰色かつピンクの脳髄で推理しますに、このスレ人が居ないな! どうやら!
 驚いちゃったな、もう。
 そしてそれ以上に…この題材故に…元ネタ情報の共有がもの凄く困難!
 正直に言います。
 僕多分、『サイレントヒル』 を1〜3と、『バイオハザード』 の1〜3,そして 『トワイライトシンドローム』 くらい
しか分かりません! しかもそれも、それほど記憶が鮮明ではありません!
 これは、一考する必要在るかな、というか、とりあえず提案なんですけど、自分が書く作品の中に出すキャラ、
クリーチャー、設定なんかのデータを、がっちり出して、基本それを読めばとりあえずリレーできる、みたいな書
式無いと、キビシイと思うので、その方向でやりませんか。
 というか、もうむしろここで提示された設定準拠を基本にする、くらいで。
 特に漫画やアニメと違って、ゲームだと展開によって出てきたりするよーな面もありますしねぇ。
 僕なんか 『サイレントヒル』 知ってる、というかやった、と書きましたけど、UFOエンド知りませんしね!

87 ◆HGBR/JBbpQ :2008/03/23(日) 17:22:09 ID:yF1pcjVo
 して、別な話、
 試案Aで手帳を出した時点ではぶっちゃけ何も考えてませんでした、ハイ。というかこんなに手帳がフィーチャー
されるとは…。
 僕のボンヤリイメージの中では、ミキは一応OPをイメージしているため手帳でルールを知ったけど、キャラによっ
ては何の情報もなくうろつくハメになったり、壁に書かれているとかテープレコーダーに音声で残されているのを聞
いたり、どこかの店の中に隠れていた誰かに聞かされてかつその誰かは直後にゾンビ化して襲ってきたり…など、
色んなパターンで 「断片的かつ不確定なルール」 を聞かされる、という感じでした。
 つまり、一応試案なのでルールの項目自体も取捨選択の余地はあるものなんですが、OPで出された基本ルール
を、全てのキャラが正確に知り得るワケではない、というのを、一般的なロワ企画より大きく要素として出してみよう、と。
 付け加えれば、あのルール自体全部が誤解や嘘かもしれないし、常にそう言う法則で状況が起こるかも分からない、
全てが不確定な法則、という事で良いかな、と。
 だから情報の得方によって、この街にいる全ての存在は化け物だという誤情報を得てより攻撃的な行動指針を持つ
に至ったり、逆もあったり、という感じで。
 放送に類する定期的な情報にしても、それこそ放置されている壊れたテレビから突然アナウンスが流れたりとか、病
院の掲示板に何故か突然志望者リストの文字が浮かび上がったりとか、いろいろあっても良いかな、と。
 全員が持つかどうかは別として、死者の名前や行動が自動的に書かれていく手帳、っていうアイテムは面白いなぁと
思ったり。

 まぁ、そのあたりとかに関しては、これもそれまでのロワ企画とは別に、あんまりきっちりとしたルールで描くより、せっ
かくのホラーなんだし、オカルトっぽく演出重視で出来たら良いなぁ、とかは思ってます、ハイ。

>>75
 あと、ミカの居場所や状態に関しては、OP案時点の描写を参考に描きたいヒトが続きを描いてしまってOKと思います。
88参加するカモさん:2008/03/23(日) 21:58:05 ID:ka0kEzwF
>>86
試案の人キター!!
見ての通り人いないので、ありがたやありがたや。

把握の件ですが。
あまりの人のいなさに、もう自分一人で書くようかなと思い、
自分の好き勝手にマイナーゲーも普通に突っこんでしかも説明も適当にしか書いてませんでした、申し訳ないです。
設定出してそれでリレーという意見には全面的に同意です。
自分も上の方で書いた作に関しても説明追加します。
あ、でもあれか、手帳の件もあるから破棄でも可です。
>>87のオカルト演出や初期情報の程度の差の要素は、とても面白いと思うので。

ちなみに自分はサイレントヒルが3D酔い的な意味でプレイ出来ていないのと、
トワイライトは触った程度なので、把握が被ってなくてちょうど良かったというか何というか。
サイレントヒル4だけは某動画サイトで見ましたが。

で、とりあえず、挙がっているロワとは異なるルールは一応こんな感じでしょうか。
・各々の初期情報の程度の差
・放送はなし、ただし他の方法でそれに似た情報が伝達される可能性あり
・追跡者の存在
・参加者殺害の推奨ルール

これは上にも書いた個人的に推したい案ですが、

・サイレンによる世界チェンジ
・初期支給アイテムなし

サイレンはゲーム「SIREN」からなんとなく出したので、別のものでもいいのですが。
(原作でも12時間ごとにサイレンが鳴り、その音を聞くことで死亡者や侵食が進んだ人間が屍人になる)

それと、出来ればミカの場所などは決定して欲しいと思ったり。
勝手には個人的に決めづらいので。
89参加するカモさん:2008/03/27(木) 01:43:54 ID:e5P/bHQV
キャラ紹介に関しての雛形はこんな感じでよろしいでしょうか?

【名前】
【出典】
【性別】
【年齢】
【外見】
【呼称】
【性格】
【能力】
【備考】

ともかくざっと書いてみて、それ以外に必要だと思った情報は随時追加していくという形がいいかもしれない。

それと、上にある二作は、やはり設定、展開などの点と、
恥ずかしながらよく調べ直してみたら致命的な間違いがあったのでorz、正式に破棄ということでお願いします。
>>87で挙がっているオカルト演出ももっと取り入れたいですし。

それと、アクセス規制がきついようでしたら、したらばなんかを借りた方がいいのでしょうか。
人がいない現状、したらばでばかり話しているとこちらが落ちてしまいそうで踏み切れないのですが……
90 ◆HGBR/JBbpQ :2008/03/27(木) 20:34:38 ID:j1/g59s/
 いやどうも。先日ビックリしたことに気がつきました。
 オープニング試案、結局スレには貼ってない! という事実に!
 衝撃の新事実。
 
 てなところで、アレ、試案Aの方を少し手直しして、導入として張り直す、という事で勧めてしまって良いでしょうかしらん?
 ジェイムズの手帳にメモ書きされたルールに関しては、もう少しボカした表現にしようかなと思っています。
 良ければ今週末か…・来週までには貼ってみます。

 キャラクター基本情報に関しても、そのときに岸井ミカを使ってたたき台と出来るものを書いてみようかと。
 トワイライトのキャラは、ヤヤコシイ設定が無い分比較的書きやすいですしね。


 で、進行に関しての提案が、二つ。
 一つは参加作品などについて、最初の頃から提案はされていましたが、事前に確定させるやり方ではなく、SSに出して
繋げていく形では堂だろうか、と。
 ホラーゲームというジャンル自体総数は少ないですし、加えて個々の書き手が知っている作品もそうそう重なるわけで
は無いですから、上の、「登場話を書いた書き手が、基本情報のまとめをする」 事と絡めて、その流れでまず序盤を書い
て行く方が勧めやすいと思います。
 一応仮案としては、
 【キャラクター系:30人 : クリーチャー系 10人】 程度を一旦区切りとして、そこまで出そろったら次の進め方を考える、
というくらいで。
 この人数設定には何の根拠もないですけどもね、ええ。

91 ◆HGBR/JBbpQ :2008/03/27(木) 20:35:31 ID:j1/g59s/

 あと地図について。
 上記の理由と同じなんですが、今までのロワ企画のように、事前に地図を作って、そこに各キャラを投入する、というやり
方はどうもしっくりこない気がします。
 そこで、最初のウチはSSの最後につける状態表で、居場所の名前だけを提示して、そこから自由に繋げていく、というの
はどうでしょうか。
 
 例えば 【岸井ミカ 路地】 とした場合、どこの路地かは後から繋げる人が決めても良い、と。
 その路地が、ラクーン警察署前の大通りに繋がっているという設定で書いても良いし、トルーカ湖畔に向かっているという
事にして続きを書いても良い。
 それで繋げていった情報から、後付で地図を作っていく。
 それでまあこれも、スタート時刻を昼の12時に決めて、それから6時間後の展開までで基本の地図と位置関係を決めて、
その後はまたサイレンの音と共に世界が “裏返って” …、みたいな進め方でも良いし。 

 というわけで、一応 【確定OPとキャラ基本設定表】 、【キャラクター、クリーチャーの登録方法の基本ルール】 、【地図に
関するルール】 の3つの提案について、語彙源などください。
 出来れば、書きたい人の人数もある程度分かった方が良い気がするので、各予定の人は一旦トリつけませんか?

 あ、と。
 決まったらやっぱ、アクセク規制に巻き込まれないところの方が良いかもしれませんねぃ。
92 ◆Q65Npbnq3U :2008/03/28(金) 00:56:07 ID:b0+FGVn/
>>90
おお、OPお願いできますか。
試案のOPはとてもいい感じだったと思うので、書いて頂ければありがたいです。

それで一応意見というか。
【確定OPとキャラ基本設定表】
全てお任せする形でいいかなぁと。
何かまずい点があっても、後から多少追加・修正は可能ですし。

【キャラクター、クリーチャーの登録方法の基本ルール】
これもそれで大丈夫かと。
キャラ数もホラゲのキャラは頭数いないですし、他より少なめで十分ですしね。
ただ、クリーチャーは皆ボス系だけで占めるのか、ゾンビのような雑魚もいれるのかという疑問が。
とりあえず雑魚も入れる場合は数がいないと勿体無いというのだけは確かなのですが、
それらで貴重な枠を潰すのはちょっと、という気も。
場所によっては、初期状態で雑魚クリーチャーが徘徊しているというところもあってもいいかもしれないですね。

【地図に関するルール】
書かれたものを繋げて地図を作っていく、というのはいいと思います。
ただ、せめて座標というか、E-2だとかB-5だとかだけはつけておかないと、後で混乱しないかという心配が。

こんな感じでしょうか。

それとこれはまた個人的な提案なのですが、
登場させるアイテムは、ホラーでゲームな作品なら何でもよく、
その作品からキャラが参加していなくても出してもいいということにしたらどうかなと。
もちろん解説はしっかり書く方向で。ニコロワみたいな形ですね。
93 ◆Q65Npbnq3U :2008/03/28(金) 01:01:12 ID:b0+FGVn/
というか……自分、トリの仕組みに詳しくないのですが……
トリ凄いですねw
偶然? それとも自分である程度操作出来るんでしょうか。
94 ◆HGBR/JBbpQ :2008/03/28(金) 21:59:23 ID:E4zp3Ddn
 わっち。
 上で書いた提案の2、クリーチャーに関してですが、【10人】 ではなく、【10種】 のつもりを間違えました。
 集団が基本のクリーチャーは、例えばゾンビの群れ、とか、マネキンの群れ、の様な単位で10種で、一つの
エリアに集団で居る設定で出すのも可、という事で。

 地図に関してですが、これは、座標も最初は敢えて出さない、という事で考えています。
 確かにどことどこが繋がっているかという管理は些か面倒ですが、「このキャラとこのキャラが遠いいから絡め
られないなぁ」 というもどかしさの演出は、多分多数のキャラを多数で動かすときには有効だけれども、あまり書
き手が居ない企画で、キャラもそれほど多くない場合、枷になりやすいのではないか? と考えたからです。
 進行上孤立させたいときは、平面的な地図の位置で処理するのではなく、SSの中で孤立する状況にしたり、
施設などを利用する等ありますし。
 この辺りかん゛えどころですが、大まかな位置、くらいは出してみても良いかもしれませんね。「東端の大通り」
とか。でもこれだとエリア出すのと同じかな。うーむ。

 アイテムなど、たしかにこの登場システムで登場した作品からのみ、だと、序盤に範囲が狭すぎるというのはあ
りますから、出典と説明をきちんと明記すれば、その方が良いかもしれませんね。
 個人的に支給品関係で仕掛けるのはあまり巧くないから、他の人が色々出してくれると有り難いというのもあっ
たり無かったり…。

 閑話休題。
>>93
 トリップは、フリーツールを使って作りましたのよ。欲しい文字列を入力すると、ツールが探してくれるのでぃす。
95 ◆Q65Npbnq3U :2008/03/29(土) 01:27:44 ID:3OVv76xA
>>94
なるほど、了解しました。
確かに(書き手もキャラも)少ない場合、そういった弊害が出るかもですね。
ホラゲでは一つの施設=全体マップであることも多いですし、
舞台全体は狭め(キャラ同士が絡みやすい)でないと釣り合いがとれないか。
しかし自分はそういった位置把握能力というか、そういったものに自信がないので、
何かとんでもない矛盾を作ってしまいそうな……もしそんなことになったら済みませんorz
あ、でもその案自体には賛成ですから!

アイテムで上手い仕掛けが作れる人は尊敬しますよね。自分も正直自信がないです。
ですがとりあえず、候補はたくさんあったほうがいいかと思いまして。

それとトリップ、そんな作り方があったんですねー。
自分も次何か作るときはそうやるかな。
96参加するカモさん:2008/03/30(日) 11:34:40 ID:tM5hzsZt
何も出来ないけど応援してます
がんばれー!
97参加するカモさん:2008/04/01(火) 20:22:00 ID:jHLV/Q8f
試案AB消えてない?ファイルバンクじゃなくて、
ローカルにオブジェクトとしてダウンロードしなくてもブラウザで見られる
1年くらい保つうpろだに上げてくれると助かる

あまり敵の種類少ないと次々倒して減らせしたりできないし、
逃げてばかりになりそうだね
敵に出会わないと謎解きみたいなものを解いてばかりにもなりそうだし

>>95
舞台全体狭めってわけじゃないんじゃね
>>91にもあるけど、例えば 【岸井ミカ 路地】ってしておけば
ラクーン警察署のキャラとかにすぐ絡めるし、
ラクーン警察署から離れた場所にいる設定の人の近辺の路地ってことにすれば
そちらを選択することもできるし。
E-2だとかB-5とか決めると位置が離れてる云々がすべて決まっちゃうとオモ
特に建造物系とか移動できないし
98参加するカモさん:2008/04/02(水) 20:24:52 ID:RlghAiAS
>>98
あれ? 敵って次々倒すもの?
そんな簡単に倒せたらあんまり怖くないような。
ゾンビみたいな雑魚とボス級を分ければ問題ないか。
99 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:01:22 ID:+X4wqK2S
序章 サイレント・シンドローム


 真っ白だ。
 例えば、世界が大きな金魚鉢で、そこにミルクを垂らしたとすれば、おそらくはこんな風になるに違いない。
 少女 ――― 岸井ミカはぼんやりとそう思っていた。

 振動と、規則正しい音。
 本来ならば真っ暗なはずの窓の外に、流れてゆく霧。
 珍しい、というより、こんなものを観るのは初めてだったが、何故かそれほど気にならなかった。
 普段なら、好奇心の強さから言ってもそそられないことはあり得ないだろう。
 何かと奇妙な噂や都市伝説、怪談話を仕入れては、先輩である長谷川ユカリや逸島チサトを、半ば強引に誘って、それらの真相究明へと赴く行動派でもある。
 心霊写真の量産される公園があると聞けば撮りに行くし、自殺した女生徒の霊が出る音楽室の噂を聞けば声を録音しようと夜の学校へと忍び込む。
 社交的で外向的。怖い話、不思議な話が大好物で物怖じしない、あるいは、人からはちょっとネジがはずれているんじゃないかなどと言われる、軽くてノリの良い今時の少女。
 それが、概ね岸井ミカを語るときに言われる言葉である。
 その岸井ミカが、ただぼんやりと、地下鉄の外を流れる真っ白な霧を、何をするでもなく眺めている。
 眺めていると言うべきか、視線はそこに向いてはいるものの、まさに心ここに非ずという態だ。
 
 きっかけは、実に些細なことだ。
 知り合いの作家であるアラマタが、寄稿をしたからとたまたま送ってきたオカルト雑誌。その中にあった記事が、ミカの好奇心を刺激した。
 アメリカにあるゴーストタウン、サイレントヒルに起こる奇怪な出来事についての話だ。
 それを、いつもの調子でユカリ達に持ちかけた。
 面白半分に、「いつか先輩達と一緒に行ってみたいですね」 等と喋っていたのだが、何故か次第に険悪な流れになり、ちょっとした口論になってしまったのだ。
100 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:01:49 ID:+X4wqK2S
 改めて考えれば…というより、実際の所改めて考えるまでもなく、丁度期末試験の直前の時期である事は大いに関係している。
 いつもいつも怖い噂だ何だと仕入れてきては、二人をを巻き込んでいるミカ。
 その、相も変わらずと言えば相変わらずのマイペースぶりに、いつもならばあきれながらも付き合うユカリも、試験前の追い込み時に長々と益体もない話を披露されては、自然と態度も刺々しくはなる。
 売り言葉に買い言葉、とでも言うか、同席していたチサトの取りなしで収まりはしたが、結局なんとはなく険悪な空気を残したまま別れてしまう。
 そのことが、ミカの心にわだかまっていた。
 いつもなら、早速と気分転換を済ませている。
 だいたいにおいて、岸井ミカという少女は切り替えが早い。
 と、いうより、常に確固として定まったモノをハナから持っていないとも言える。
 思考、行動の中心にあるのは、いつも 「なんとなく」 「なりゆきで」 という、曖昧模糊とした気分によるものばかりだ。
 周りからは、「ちょっとズレている」 とも言われるが、そんな事もミカ自身が気にすることはない。
 これまで、そういう 「なんとなくこうすれば良い」 という気分で生きてきて、それでそこそこ巧くいっていた。
 なんとなく、「面白そうな怖い話」 を仕入れては、「なりゆきで」 ユカリやチサトを誘って、噂の検証に行ったりしてきた。怖い目にあったり、不可解なことにも遭遇したが、結局 「なんとなく」 それらを切り抜けてきていた。
 そのミカが、どうにも最近調子が悪い。
 何故調子が悪いのか、という事を、ミカ自身はあまり分かっていない。
 ただなんとなく、「人付き合いは難しい」 という様なことを思っている。
 社交的で活動的、交友関係も広く、異性にも学年で一番人気。学校外にも独自のネットワークを持っている。
 とはいえだからかといって、誰とも巧くやれるというタイプでも無い。
 現に、彼女が通う雛城高校で最も親しくしているのは、クラスメイトではなく1年先輩のユカリとチサトなのだ。
 集団の中で、器用に動き回っているようで居て、どことなく浮いている。
 それが、幼い頃からの岸井ミカの立ち位置だった。

101 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:02:18 ID:+X4wqK2S
 白い。真っ白だ。
 空気の抜けるような気の抜けた音と共に、地下鉄のドアが開き、濃密な、それでいてふわふわとした現実感のない濃霧が、車内に進入してくる。
 ミカはぼんやりとしながら、濃霧の中駅のホームへと降り立つ。
 踏みしめたはずのコンクリートの地面に、一瞬脚がずぶずぶとはまりこむ錯覚を覚えたが、すぐに忘れた。
 コツン、コツンと、靴音がする。
 白い霧の奥にはただ薄暗い駅のホームが広がり、自分以外の気配がまるでない。
 その静寂に、その肌寒さに、その非現実感に。
 意識が向いたときは、既に地下鉄は発車していた。
  
「あれ…? ここ、何処…?」
 
 自分以外誰もいない、真っ白な霧に包まれた地下鉄のホーム。
 その濃霧の向こうに透けて見える駅の様相は、少なくとも岸井ミカが普段知っているものとは違う。
 初めて見る駅。初めて見る場所。
 その上、なんとなく、日本らしからぬ雰囲気がする。
 まるで、そう ――― 映画や海外ドラマで観る、外国の地下鉄ホームの様だ。

 その違和感をぼんやりと抱え込んだまま、しかしこのままここにいるのにも気が乗らず、ふらふらとミカは歩き出す。
 誰か、そう、駅員が見つかれば、ここが何駅かも分かるだろうし、いっそ何なら外に出てタクシーを拾っても良い。
 そこそこ裕福な家庭に育つ岸井ミカにとって、それが数駅程度の距離ならばお小遣いで事足りるし、思ったより多ければ親に謝って払って貰えば良い。
 そう思い、階段らしき方向へと歩き出し…何かを踏み…滑った。

102 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:02:57 ID:+X4wqK2S
 白い。全てが真っ白だ。
 霧と言うよりもむしろ、純白の薄絹を幾重にも被せられたかと思うほどに白い。
 ぼんやりと白い膜。
 その膜の内側に、岸井ミカはいる。
 おしりが痛んだ。
 ずきずきと、熱をはらんでいる。
 半ば混乱した意識のまま、上体を起こす。
 地面はしっとりと濡れて冷たい上に、薄汚れている。
 一瞬、自分がこんなところで何をしているのか分からなくなったが、それでもなんとか思い出す。
 駅のホームで、何かを踏んで、転んだ。
 おしりが痛いのは、尻餅をついたからだろう。
 軽く悪態をつきながら撫でさする。
「はぁ〜、もう…。ツイてないなぁ〜…」
 良くも悪くも、自分の不注意やミスではなく、タイミングや運の悪さに原因を求めるのがミカの楽観的なところ。
 そしてその不運の原因を探すことより、まずは目についた事に興味を引かれるのも又、ミカの気質だ。

 ひんやりとした地面の感触。
 自分の姿を見る。
 いつもの通りの雛城高校の制服。ひときわ短くしたスカートに、レモンイエローのお気に入りのデイバッグ。
 そのバッグが地面に落ち、口を開け荷物をまき散らしている。
(あー、もう、サイアク…)
 バッグを引き寄せ、散らかっている自分の荷物を緩慢な動作で拾い集める。
 ノートに教科書 (どちらも真新しいままで、ほとんど使われてはいない)、ペンケースに筆記用具、小物入れのポーチ、三種の神器こと、MDウォークマンとカメラとポケベル、オカルト雑誌。それから、無造作に纏められた何かの包みに、赤黒く汚れた黒皮の手帳……。
 …手帳?
103 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:03:56 ID:+X4wqK2S
 そこで初めて、ミカは違和感を感じる。
(何…これ?)
 成人男性が持つような使い古しの手帳。赤錆びた様な汚れがこびりついている。
 嫌だな、と、顔をしかめる。
 そうしつつも、それを放っておくのも何か居心地が悪く、おそるおそる手を伸ばして少しめくる。

『この街のルールについて記しておく―――』
 
 乱雑な走り書きと、地図やメモに、奇妙な文言。
 地図は、一見するとただの観光案内のパンフレットのようだった。
 見たこともないはずの地図。
 しかし、何故か記憶に引っかかる。
 真ん中に湖があり、ペンで、「墓地」、「病院」、「教会」、「遊園地」 と書き込まれている。
 さらには、「屋敷(東洋?)」「研究所」「ラクーンシティ警察署(?)」等と乱暴に続き、最後に目についたのは、「高校 (雛城?)」 の書き込み。 
 知っているはずの場所。親しみすぎているはずの場所の名前が、いやにこびりつく。
 それ以上見ていたくない気分なり、無造作にそれをバッグに入れる。
 そのまま、地図を挟んであった手帳の方をパラパラと眺めるようにすると、その中でやけに鮮烈に、件の一文から始まる箇所が気になった。
 
『ここは サイレントヒル だ。
 かつて来たときとは、さらに様相が違っている。
 街の配置はバラバラだし、相変わらずの濃霧はさらに酷い。
 しかし、ここはやはりサイレントヒルだ。
 そして、ルールも又、以前とは違っているらしい。
 街の至る所に、ルールが書かれている。
104 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:04:26 ID:+X4wqK2S
 さらにおぞましいルールが。

 1.殺せ
 これは第一のルールらしい。
 この街に居る他の者達を殺せば、解放されるという。
 また、殺すことで街からギフトがもたらされるという。

 2.サイレンにより、世界は裏返る。
 時間経過により、定期的に裏世界へと変貌する。
 これが何を意味するかは分からない。

 3.定期的に追跡者が追加される。
 追跡者が何者かは分からない。
 一定時間毎に、我々を追いつめる者が新たに街に訪れるようだ。

 4.最後の一人には、完全なる幸福が約束される。
 完全なる幸福とは何なのかは分からない。望みが叶うと解釈した者も居たようだ。
 
 ここまで書きはしたが、分からないことだらけだ。
 何故私はここに居る? 何故殺し合いをしなければならない? 誰がこのルールを決めた? 
 何より、これが本当にこのサイレントヒルを支配しているルールなのか、確証はない。
 だが、一つだけ思い当たることが無くは無い。
 つまりは、私の罪はまだ赦されていないのだろうと言うことだ。

 いずれこの手帳を読むであろう人よ。
 そのときおそらく、私は生きてはいまい。
105 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/05(土) 23:05:17 ID:+X4wqK2S
 しかし、それでも、貴方の罪が赦されることを願う。
                             ――― J.サンダーランド』


 読み終えて、後悔した。
 うなじの後ろに虫が這い回るかの様な、嫌な感触が止まらない。
 途中から読むのを辞めたかったが、そうする事が出来なかった。
 あまりに内容が荒唐無稽で、常軌を逸している。
 それでいて、あるいは魅入られたかの様に、目で文章を追い続けた。

(たちの悪い冗談…だよね?
 てか、この人、チョットおかしいんだよ…。
 アラマタが前、言ってたっけか。コダイモーソーキョーとかいう奴…。
 殺し合い? サイレントヒル? サイレントヒルって…)
 
 思い出す。
 アラマタから送られてきたオカルト雑誌。その中にあった数ページの特集記事。
 アメリカのゴーストタウン、サイレントヒルにまつわる忌まわしいうわさ話 ―――。
 
 頭の中では、矢継ぎ早に否定の言葉がわき上がる。
 同時に、もっと頭のおかしな事実がわき上がり、それらの言葉を押しのけて意識の真ん中に居座り出す。
 
(英語…何で読めるの?)

 生粋の日本人だし、ごく普通の高校生でしかないミカは、付け加えれば成績も大して良くはない。
 スラング混じりの英語で書かれたメモ書きを、理解できるわけがないのだ。
106参加するカモさん:2008/04/06(日) 00:13:58 ID:KnLFX0HR
OP投下キター!
107参加するカモさん:2008/04/06(日) 12:04:25 ID:KnLFX0HR
もしや規制でしょうか……大丈夫かな
108参加するカモさん:2008/04/06(日) 16:14:21 ID:n9p6t3u5
結局手帳は支給されるの? されないの?
ミカがサイレントヒルを知っているということは全員同じ世界から来たの?
裏世界になるとどうなるの?

細かいルールを決めるより先にこのへんの設定が曖昧なままだと
後発の人が参加しにくいと思うんだが
109参加するカモさん:2008/04/06(日) 18:51:15 ID:KnLFX0HR
ともかくOPが全部投下されてみないと分からないけど、
手帳に関しては共通支給されない方向で行くんだったんではないかな。
裏世界は単純に見た目の変化+α? 書き手に任せる形とか。敵が変化しそうではある。

サイレントヒルの認識に関してはどうだろう……
ホラー系は舞台が現代が多いから、同じ世界から来た、でもいいし、
平行世界扱いでもいいのかな。
ただ、若干時代がずれてるのもありそうだから、そこらへんを考えると平行世界がいいかも。

まあとりあえず、OPの続き待ちです。
110参加するカモさん:2008/04/08(火) 00:33:33 ID:L351sdO+
OPすら頓挫って一体…
111参加するカモさん:2008/04/08(火) 01:18:36 ID:pR5gv63W
規制だろJK
112 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:34:50 ID:dejaY9XY

 戻れなくなる。


 岸井ミカはただ闇雲に走っている。
 濃霧の中を泳ぐように、あるいはかき分けるように、ただ此処ではない場所に行き着くために走る。
 ここがどこかも分からないし、分かりたくもない。
 今まで何度か、奇妙な出来事に巻き込まれはしたが、なぜだかそのときとは "違う"。
 これは違う。
 何もかもが違う。
 全部嘘だ。
 ユカリ先輩も、チサト先輩もどこにいるのか分からない。
 今までなら、こんなときにはいつも一緒にいたはずなのに ―――。
 教えて欲しい。
 ここは何なのか。何でこんな事になっているのか。
 この手にこびりついた赤黒いものは何なのか。
 あそこにあったものは ―――。

113 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:35:24 ID:dejaY9XY
 屠殺された牛のように、頭から真っ二つにされている。
 かつてジェイムス・サンダーランドであったそれは、過去の罪に追いつかれ、そこに果てていた。
 血だまりは半ば乾き、黒ずんでいる。
 彼がサイレントヒルに迷い込み、果てた姿。
 そのオブジェの向こうから、何かを引きずる様な音が響く。
 ゴリ、ゴリ、というその音は、真っ白な霧の中から浮かび上がっては、再びその白の中へと吸い込まれていく。

 それは罪。
 それは、ジェイムス・サンダーランドが自らを罰する意識が具現化したもの。
 あるいは遠目には、鳥の横顔のようにも見える、三角形の金属を頭部に持つ、人の形をしたもの。
 在らざるもの、今あり得るはずのないものが、どす黒く汚れた金属の板…およそ広げた両手にも余るかの、尋常ならざる大きさの鉈を引きずりながら、ゆっくりと歩いている。
 
 それに、何等かの意志や目的があるかと言えば、分からない。
 ただその顔 ――― 三角形の赤錆びた金属の顔 ――― を正面に向けたまま、確固とした足取りで歩いている。
 駅のホームから、階段を上がり、引きずった大鉈が段毎にゴリゴリと音を響かせている。
 そのはずみで、鉈にこびりついた赤黒い塊の一部が落ちる。
 既に原型など分からぬそれは、かつてはジェイムス・サンダーランドであったものの一部。
114 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:36:06 ID:dejaY9XY
 三角頭によって裁かれた、彼の罪の欠片。
 在らざる時、在りうべからぬ場所で裁かれた、彼の罪の欠片。
 その欠片をこびりつかせたまま、三角頭は白い闇の奥へと消えていった。

  
115 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:36:30 ID:dejaY9XY
【岸井ミカ@トワイライトシンドローム】
 [状態]:健康、軽いパニック
 [道具]:黄色いディバッグ、筆記用具、小物ポーチ、三種の神器(カメラ、ポケベル、MDウォークマン)
 黒革の手帳、書き込みのある観光地図、中身の分からない包み
 [思考・状況]
 基本行動方針:逃げる。
 1:安全(?)な場所へ逃げる。
 2:誰か(センパイ)に会いたい。
 
116 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:37:49 ID:dejaY9XY

【キャラクター基本情報】
岸井ミカ
出典:『トワイライトシンドローム』(探索編、究明編)
年齢/性別:16歳/女性
外見:少し染めた茶髪のロングヘアーの、ごく普通の可愛らしい女子高生。
環境:90年代日本、雛城高校の1年生でラクロス部とバドミントン部に籍を置く幽霊部員。
  比較的裕福な家庭で、ピラミッド御殿"と揶揄されるほどの高級マンションに、両親と共に暮らしている。
性格:楽天的で外向的。一人で悩むよりは人に聞くし、家にいるよりは外へ遊びに行く、90年代の、所謂コギャル出現以前の 「今時の女子高生」タイプ。流行りに対してのアンテナも敏感で、熱しやすく冷めやすい面もある。
 ただし、人の心の機微を読み取ることに関しては些か不得手。
能力:ごく普通の女子高生であり、特異なものはない。
口調:一人称は「私」、二人称は「名前(+呼称)」 が多い。(例:「長谷川センパイ」)
 語尾を伸ばすような口調。(例:「私、そういうの興味無いしー」)
 身振り手振りを交えたり、身体をくねらせたりしながら話すことが多い。
交友:同校、一年先輩の長谷川ユカリと逸島チサトと、半ば押しかけ気味に親しくしている。
 特に長谷川ユカリには、一種の尊敬に近い敬愛の情を抱いている節があるが、表には出さない。
 主に電話などでの交友として、オカルト知識のオーソリティー、作家のアラマタという成人男性ともつきあいがある。
備考:『ムーンライトシンドローム』は1年後の設定で描かれる外伝的作品で、パラレルワールドの様な位置づけと解釈できる。
 今回の出典は 『トワイライトシンドローム』 終了後を基本とし、又外伝的位置づけであることも含め、『ムーンライトシンドローム』 の展開は考慮しない。

117 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:38:13 ID:dejaY9XY

ジェイムス・サンダーランド(死亡)
出典:『サイレントヒル2』
年齢/性別:男性/29歳
外見:中肉中背の金髪白人男性
環境:1994年のアメリカ人男性。事務員。
性格:内省的な面を持つ。記憶の混乱と抑鬱的で陰鬱な態度が見られる。
能力:ごく普通の成人男性であり、特異なものはない。
口調:特徴的なしゃべり方はなく、丁寧で抑揚があまりない。
交友:3年前に妻、メアリーが死亡して以降、交友関係は閉ざされている様子だが、目立った記述はない。
 ゲーム内で、マリア、アンジェラ、エディー、ローラ等と会う。
備考:エンディング後か開始前かは未定。
 ゲーム内では、サイレントヒルに来る直前に、病気に苦しむ妻、メアリーを自らの手で殺している記憶を封印していた事に気づく。
 又、「教団」等の設定とは関わりが無い。(2,4,は共に、サイレントヒルの謎そのものとは無関係の、完全な巻き込まれ型のシナリオ展開)
118 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:38:45 ID:dejaY9XY

【クリーチャー基本情報】
三角頭(レッドピラミッドシング)
出典:『サイレントヒル2』
形態:1体〜希に数体
外見:赤錆びた三角形の鉄板で出来た箱を被せたような頭部に、スカート状の腰布を巻いた、半裸で頑強な男性の姿。
 大きな槍か、大鉈を引きずるように持ち歩いている。
武器:槍、又は大鉈。
能力:動きは非情にゆっくりで緩慢だが、持久力、腕力、耐久力などは高い。拳銃の弾丸なら、数十発は平然と耐える。ゲーム内では撃退は出来るがほぼ不死。そのほかの特殊能力は無し。
攻撃力:★★★★☆
生命力:★★★★★
敏捷性:★☆☆☆☆
行動パターン:ゆっくりと歩き回り、執念深く追跡してくるが、反撃されある程度ダメージを受けると立ち去る事が多い。
備考:本来は、妻を殺してしまったジェイムスの自責の念が具現化した怪物で、ジェイムスにのみ見え、ジェイムスのみを罰するために追ってくる存在。今回、何故ジェイムズが死んだ(ジェイムスを殺した?)のに存在しているのかは不明。
 ただし、ゲーム内の新聞記事において、殺人犯ウォルター・サリバンが 「赤い悪魔が俺を殺そうとしている」と発言しているなどの記述があり、三角頭はサイレントヒルの魔力に囚われた人間の罪悪感に反応して追ってくる存在かもしれない。
 サイレントヒルの歴史上の処刑人の姿でもある。
119 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:41:03 ID:dejaY9XY
 いやもう、どんだけ 「人大杉」なんだよっ! って思ってたら…どうも文字数か何かが引っかかっていたらしいです、ハイ…。

 それでまぁ、A案を下地にしたOP案ですが、書いているウチに出だしがずいぶん変わってしまったのはきっとサイレントヒルの魔力のせいです。間違いない。
 OPとしてのバランスがよろしゅうないのはまず置いといて (置くのかよ!)、改めて、キャラ把握とか大変だなぁと思った次第。
 いや、知っているはずのトワイライトシンドロームのキャラですら、結構子細を忘れていて、これは次書く人向けにキャラ描写は多めにした方が良さそうだなぁと思って考えていたのが、導入が変わった一因でもあります。
 まぁあとは、基本として 「全てのキャラが、気絶上体から目覚めたら異界にいた」 で始まることに限定しない方が、ホラーっぽいしバリエーションも出せて面白いかなぁ、というのもあります。
 まぁ、その辺りも含めて、OPとしてはかなり雰囲気重視で書いてしまったので、ちょいとどういう設定で書いているかの補足などを。

・「舞台となる異界」にどうやって来るかは、キャラにより千差万別で。
 岸井ミカの場合は、家に帰るつもりの電車が、気がついたら地下鉄のホームに着いていて、どうやらそこはサイレントヒルらしいという事を知らされる、という導入にしました。
 が、キャラによっては明確にサイレントヒルに行こうとして着いた人や、道に迷ってたどり着いたりとか、事故にあって気絶して気がついたらここ、とか、目が覚めたら、とか、色んなパターンがあっても面白いかなぁ、と。
120 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:42:14 ID:dejaY9XY
 で、また、所謂パラレルワールドかどうかに関しても、個々のキャラ毎にしても良いかと思います。
 というか結局サイレントヒル自体異次元なので、その辺りフレキシブルで良いかなー、と。
 それぞれ時代設定が違ったりもしますから、舞台そのものは 「時空を越えた場所」 なワケですし。
 特に 『バイオハザード』 みたいな、ある種のカタストロフィが起きた世界と、それ以外の世界は明確に別ですしね。
 今回の導入では、岸井ミカの居る世界にもサイレントヒルと呼ばれる場所があり、そこにまつわる怪奇現象はオカルト雑誌で
書かれる程度には知られているけれども、それが『サイレントヒル』のゲームの舞台となったサイレントヒルと同一かどうかは不
明である、という感じで書いてあります。
・支給品的なものの扱い。
 これは色々出た話の中でも、「明確な主催的存在は居ない(居ても隠されている)」を前提にして、基本的には無いものでやる
方が良いかなと思っています。「異界に迷い込んでしまう」というシチュエーションからも、単純にそこらに落ちているものを拾っ
たり、元から持っているものを持ち込む形で良いかな、と。
・裏世界などの設定はどうするか。
 これに関しては、現段階では明確に考えていません。
 というか、以前書かれていた案の中であった、「定期的に違う世界をベースにしたものになる」 というのの路線で良いかなぁ、と。
 例えば、ゲーム内時間で6時間、あるいは、SSの数にして15話、みたいな区切りを決めて、その際に話し合って決める、というのでもひとまず良いかと。
121 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:42:48 ID:dejaY9XY
 SSの話数、というのはある意味調整がきかない分面白いかなとも思いますが、話数は15じゃ少ないのかどうなのか、参加キャラや書き手の数が分からないのでなんとも微妙ですねぇ。時間の方が良いか。
 でまぁ変化してどうなるか、に関しては、例えば見た目の雰囲気が変わったり、所謂フィールド上の雑魚モンスター的な存在が、ベースとなっている世界のものになるとか、基本的にはそういう方向で良いかもしれませんね。
 細かいところは、変化するときに決めても良いですし。
・クリーチャー情報に関して
 これで、ちょっと試しに、ステイタスを五段階評価にしてみたんですが、どうですかね。
 情報の共有としてわかりやすくする一番手っ取り早いのはやっぱランク付けだろうかなぁ、と思ってやってみたんですけども。
 人間の参加者との比較としてわかりやすく、というのと、後は色んなゲームのクリーチャーを一つの評価基準で纏めてしまおう、という事ですが、これに関しての補足代案その他ありましたら一つ。
 能力ランクの基準は、こんな感じでどうかしら、と。
 【能力の★について】
 ★ … 一般人以下。虚弱、病弱。愚鈍。
 ★★ … 一般人並み。特殊な訓練や能力のない人間キャラは基本としてここ。
 ★★★ … 一般人の中でも頑強。軍属、アスリートレベル。
 ★★★★ … 人外の能力。野生の猛獣並み。
 ★★★★★ … 人外にして超越。不死、半不死。
122 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/08(火) 03:44:36 ID:dejaY9XY

 OP案に追加修正代案等なければ、この後の進行についておおまかなルール決めをしておきましょうか。
 ていうか状態表どうなんだろうかしら。OPというより最初のSSみたいで何です。
 とはいえ現状、少人数でゆっくりペースでしょうから、ひとまずはそこに合わせたルールになりそうですが。
 逆に、逆に考えて、少人数だからこそ、あんまりルールでガチガチに絞らずに色んなコトできるよーな進行に出来たら良いなぁー、とは思います。
 が、そう。
 色々調べていて、一応念のための提案というか確認ですが。
 これ、たとええば 『サイレントヒル』の UFOエンド犬END、『バイオハザード』の豆腐モード等の、お遊びとしてのおまけに関しては、全部無しの方向で良いですよね? 
 「オマエノシワザダタノカ…」 とかは…ねぇ。(詳細はユーチューブ等で!)
123 ◆Q65Npbnq3U :2008/04/08(火) 23:04:39 ID:s7jQ7IF0
OP、GJでした! お疲れ様です。
て、しょっぱなから不死身の敵キター! ホラーらしくなってまいりました。
しかしこいつ、ジェイムスいなくて倒せるのか?
サイレントヒルっぽい雰囲気が出てていいなあ。
サイレントヒルはあんななりで実は和っぽいじっとりした演出も多いですから、
和風ホラー系とも相性が良さそう。というか合ってる。

で、自分が読んだ限り、特に問題もないかと思います。
ただ、現在地が書かれていないような……「駅」?とだけでも状態表に書いておいて頂ければ幸いです。
それから、時間は……どうしましょうか?

それと、大昔に触ったきりで記憶が不確かなのですが、
ミカは霊感的な意味ではメンバー中最下位、でよろしかったでしょうか?
チサト>ユカリ>ミカの順で、むしろ鈍感な方だったような記憶が。合ってますでしょうか。
あ、これは別に追記しろというわけではなく、ただの確認なのですが。

支給品と異界に来る方法については完全に同意。
ここらへんは割とアバウトで行けるかと。
クリーチャーのステータスもそんな感じで大丈夫だと思います。

裏世界に関しては、どうだろう。
話数で区切るのも面白そうでいいかなとも思うんですが、
キャラ30人で15話だと、いきなり裏世界に突入するキャラも出そうですね。
それはそれで面白いか?

ついでに提案なんですが、
それと、裏世界、というか世界が裏返った際、それまでに死んだキャラが「起き上がる」というのは如何でしょう。
次回世界反転時には自動的に消滅で。
いつまで経ってもキャラが減らなくて大変か……。

あ、おまけは、やはり一応止しておいたほうがいいかなと。
せいぜいハンク止まりかなー。
124 ◆Q65Npbnq3U :2008/04/08(火) 23:07:35 ID:s7jQ7IF0
しかし把握&解説は確かに大変ですね…
まあ最初だけなんだけれども。
125参加するカモさん:2008/04/11(金) 23:26:28 ID:lC0szgoV
しえん
126参加するカモさん:2008/04/11(金) 23:26:48 ID:lC0szgoV
ごめんなさい誤爆です…
127 ◆Q65Npbnq3U :2008/04/12(土) 00:51:40 ID:ucvsOTTD
とりあえずしたらばを用意してみました。

ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/11253/

一時投下スレしか作ってないのですが、
何か必要なスレがあった場合は自由にスレを立てて頂いて構いません。
したらばをいじったことがあまりないので、なにかおかしなことや気になったことがあればお知らせ下さい。


さて、あと何を決めておくべきでしょうか。
ルール周りをあらかた整備し終わったら、本格的に開始かな……?
128参加するカモさん:2008/04/12(土) 09:52:22 ID:3sBsqBeV
バイオやサイレントヒルだと、結構屋内なんかで弾薬なんかが拾えるけど
そういうのはアリ?
129参加するカモさん:2008/04/12(土) 19:59:20 ID:ucvsOTTD
ありだろう
まあ、あんまりたくさん出しすぎても雰囲気を損なうだろうが
130参加するカモさん:2008/04/13(日) 11:28:11 ID:Uclh17ET
もしやるのなら世界の入れ替えは時間制にしたほうがいいと思う。
15話ごとだと、15〜30話の間で一度も描写されないまま
表世界に戻ってくるキャラが出てきそう。

その間に数を減らせばいいというかもしれないが
企画の利便性のために殺すというのはとても萎える。
131 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/13(日) 22:39:35 ID:2RvBH/C1
 こんばんわ。昨日から 『流行り神』 をプルウェイしている僕で御座います。
 いやこれ面白いですね。しかも結構サクサク進むのがまた良いです、ハイ。

>所在地
 忘れてました。まぁ駅ですね。駅がどんな液化は今後の展開次第でしょうけど。

>ミカの霊感
 基本的には無い、で良いと思います。なので能力欄でも特に書きませんでした。
 トワイライト3人娘内での霊感指数は、その順番でOKですね。


132 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/13(日) 22:41:12 ID:2RvBH/C1
>裏世界へのシフト
 話数巡、というのは試みとしては面白いかなと思いつつ、やりにくいかもなーとも思ってます。
 個人的には、いきなり裏から登場するキャラが居ても面白いとは思いますし、全く描写されな
いキャラなんかも、次に描写されるときに他の既存展開に影響を与えない形で補完して書く、と
いうので良いと思います。
 何よりホラーですし、場合によっちゃ 「全然描写路されていなかったと思ったら死体で再登場」
なンてのも、ホラーっぽく描写できればありじゃないかなーと。
 それにまぁ、既存のロワ企画と違い、一応 「殺し合い出一人に絞ること前提」 では内ですから、
無理に減らさなくても良いですしね。
 が、ただまぁ、今現在多分書く人少ないなという目算の上ですから、人数が増えたりした場合混
乱するかもしれませんね。
 あるいは複合案で、「SS内時間経過6時間、あるいは話数30話でサイレンが鳴る」 と、話数
を多めにとって、ある程度以上では強制、というのも…まぁ面倒かなぁ。

133 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/13(日) 22:41:50 ID:2RvBH/C1
>裏世界シフトの際のイベント
 「起きあがる」 というのは、所謂ゾンビ化 (クリーチャー化) という事で良いんですかしらん?
 単に様相が変わるだけでなく、そういうのがあるのは良いですね。
 新規クリーチャー投入のパターンや、地図変化のパターン等を含めて、「裏世界化」 +「何ら
かのイベント」 として、そのとき毎に決めてみるというのも良いかもしれませんな。

>武器弾薬その他
 支給品、という概念は無しですし、基本定期には拾ったり探したり、で良いと思いますが、ただ
上でも書いたおまけネタ同様、「ゲームならでは」 な部分、つまり、「大鉈とロケットランチャーと
サブマシンガンと火炎放射器にベレッタ及び弾丸200発をあたりまえに持ち歩く」 みたいなのは、
無しで考えた方が良いかと思います。
 最近のロワでは頻繁に使われる、四次元バッグ的なモノもないですし、明確にいくつ、とか決め
ずとも、描写として不自然でない範囲でいきたいところですね。
 

 とりあえずこんなところ。
 後は、そのほかの進行のルールなどについておおまかにつめていきましょう。
 とはいえ、キャラ及びクリーチャー登録、裏世界、アイテム類の管理、の他には、予約と投下、
修正、ぐらい…なのかな。予約と投下なども、まー、今のところざっくりで良い気もしますが。
134参加するカモさん:2008/04/14(月) 01:13:44 ID:FQdHwFdh
原作で霊感の有無がはっきりしてないキャラはどうなるの?
135 ◆Q65Npbnq3U :2008/04/15(火) 21:49:54 ID:I6aY6LVj
>>133
予約はもう、最初から最後までなしでもいいような気もします。
おそらく人も少なかろうと思いますし。
まあ、もし万が一書き手が盛況ロワ並みに増えてきたら、そのとき考えればそれはそれで。


>>134
霊感は、それこそランク付けのようにしておいた方が後々混乱しなくていいかも?
集団になっても、トワイライトの三人のように反応が分かれた方が面白そうです。

霊感が強い:霊の存在を感知出来る、または姿が見える。霊による危険度の度合いが自ら計れる。
一般人並み:普段は特別霊を感じ取ることは出来ないが、「何となく怖い、おかしい」程度には勘が働く。
霊感が弱い:霊的なものに対する感知能力が鈍い。または霊の存在を信じておらず、ゆえに勘が働かない。

上のランクは適当ですが。
描写がないキャラは基本一般人並み、
そういったものに特に鈍そうなキャラは霊感が弱い、ということにすればいいのではないでしょうか。
136 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/19(土) 23:43:56 ID:NtLhDZv5
 さて先日より 『SIREN』 をプレイしています。
 しかし志村は何で照準を固定できないかな! ふらふらしやがって! 既に心はくじけてます!

 霊感に関しては、何も表記されていないならば 「特に鋭くはない」 し、特別に 「霊感が鈍い」 とでも言う様な
描写、設定がある場合のみ 「弱い」 という解釈で十分かと思います。
 というかだいたいのゲームでは、「霊感が特にないから、怪異に逢わない」 という事はないですし、今回の事
に関して言えば、呼ばれている時点で既に怪異の影響下にあるわけで、原作で霊感、霊的な存在への言及が
ないとしても関係ないかと。このお話しの中で怪異の影響を受けないというのなら、このお話しには登場し得な
い、翻って、登場した時点で怪異の影響下にあるわけで。

 それで、一応の 「進行のルール」 に関して纏めっちまいましょうか。
 
【基本ルール】
・「呼ばれし者」 達は、様々な時代、様々な世界、様々な形で 「サイレントヒル “らしき” 場所」 へと招かれる。
 「何らかの手段」 を講じなければ、そこから出ることは出来ない 「らしい」。
 「町にいる他の者達を滅ぼす」 事で、解放される 「らしい」 という話もあるが、詳細は不明。
・書き手は、まず 「呼ばれし者」 を様々なホラーゲームから 「合計30人」 まで登場させられる。
 また、クリーチャー系 (呼ばれし者達を襲う、害をなし得る怪異の存在) を 「合計10種類」 まで登場させられる。
・書き手はそれぞれ、新しいキャラクター、クリーチャーを登場させる際には、出典と詳細情報を書く。
 ( >>116-118 参照) 
137 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/19(土) 23:45:40 ID:NtLhDZv5
【「呼ばれし者」と「クリーチャー」】
・「呼ばれし者」 は、呼ばれたときの持ち物、能力をそのまま持っている。ただし、必ずしも元通りに使えるとは限らない。
 (あまりに展開上不自然なもの、展開を妨げうるものなどは考慮が必要)
 持ち物は、この「場所」の中で様々なものを得ることもあるが、持ちうる範囲を超えて持ち運ぶことはない。
・この場所にいる際には、「呼ばれし者」同士、多言語での会話が可能。知らない言葉でも、何故か意味が伝わる。
・「クリーチャー」 は、この「場所」 に置いて、各々の元の性質に近い行動をとる。
 場合、条件によっては、「呼ばれし者」が「クリーチャー」 に転ずることもある。
・何故呼ばれたか、呼ばれたことに意味があるのかなどは不明。

【エリアと地図】
・エリアは、特別な施設名以外は、大まかな位置を地名で表記する。進入や移動に制限のある場所、施設などはその旨も表記する。
・地図は、SSに描かれて内容から随時設定される。また、進行によって変化することもある。

【サイレンと裏世界】
・物語内時間でおよそ6時間毎に、「サイレン」が鳴り「特別なイベント」が起きる。
 「特別なイベント」には、「世界/地形が変容する」、「新たなもの/施設などが呼ばれる」、「クリーチャーが現れる」、「屍人が起きあがる」 等、様々なものがある。
 サイレンが何なのかは不明。
・サイレンがなる定時毎に、「呼ばれし者」の生死や新たな情報などについて知らされることがあるらしい。
138 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/19(土) 23:48:27 ID:NtLhDZv5
【作中での時間表記】
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6

 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12

 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18

 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24

(OPの時刻は夕方)
139 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/19(土) 23:49:24 ID:NtLhDZv5
【書き手の注意点】
・SSを書き込む際などにはトリップを推奨。SSの最後には状態表を記載する。
・予約をする場合は、本スレなどで宣言し、3日間該当キャラクター、クリーチャーを予約できる。
 期限が過ぎた場合は予約は破棄されたものとする。
・障害、書き込み制限などで書き込みが出来ない場合は、JBBSを活用し、出来ればその旨を代行書き込みなどを利用して本スレに書くこと。
・ホラーなのはSSの中のみで。

*--------------------------*
 …改めて書くと、なんかもの凄く不明ばかりの企画ですねぇ。
 まーどうなるものかわかりませんが。
 そして 『SIREN』 はとても把握が大変ですくそう。『零』の方やろっかなぁ。
 てなところで。
140 ◆.c1l3rjuuE :2008/04/21(月) 08:44:14 ID:YJO+TeHv
ヘザー@サイレントヒル3、阿部 倉司@SIREN2、ゾンビを予約
141 ◆Q65Npbnq3U :2008/04/21(月) 23:15:36 ID:Qh59SbhV
おわーもう予約が、早速開始ですか!?

>>139
ともかくルールまとめ乙です。
登場アイテムがホラゲ全般から可というルールは生きていますでしょうか?
どこかに追記していただければな、と。

自分も頑張らねば……何とか土日には……うーむ。
142 ◆.c1l3rjuuE :2008/04/22(火) 11:30:59 ID:kAhnD3ro
もしかしてフライング?
それなら延期するか破棄しますが?
正直3日で仕上げられる自信がありませんし
143 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/23(水) 00:53:15 ID:ghic8gUk
 アラマタ。
 まぁ、他に決める事無ければ、このまま始めっちまっても良いとは思いますが、ええ。

 アイテムに関しては忘れてました。
 【「呼ばれし者」と「クリーチャー」】  の項に、

・アイテムは、現実に存在するもの、又は既存のホラーゲームに登場するものを出典として持たせる、
登場させる事が出来る。
 登場させたSSの最後に、出典と共にその内容に関しての解説を記しておく。

 と追記しておきましょうか。

144 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/23(水) 00:53:46 ID:ghic8gUk
 予約についてですが、ぶっちゃけ予約合戦の様なものというより、宣言をすることでネタ被りを気にせ
ずに数日ゆっくり使って書ける事を想定しているので、期間はもう少し多い方が良いですかね。
 それと、本来的に、予約期間が過ぎても他の人が予約していないのなら投下しても良いもんだと思い
ますし。それでいくなら、

・予約をする場合は、本スレなどで宣言し、5日間該当キャラクター、クリーチャーを予約できる。
 期限が過ぎた場合は予約は破棄されたものとする。
 期限を過ぎても、他の人の予約が入らない場合はそのまま投下できる。

 としておきましょうか?

 それで他になければ、ズギャーンと始めっちまうという事で。
 開始日は一応、決めた方が良いですかね。
 正式開始日は遅くとも今週末くらい、予約可能開始日はそれより1〜2日前とかで。
 あと、板を移動するかどうか。
 基本、イベント企画板は企画会議をするための板と言うことらしいので、企画そのものは別の板でやるのが望ましいらしいですし。
 クラウンかなんでもあたりが妥当なのかしらん。
145 ◆Q65Npbnq3U :2008/04/24(木) 06:27:19 ID:O7bRWxvA
>>142
や、もう始めてもいいと自分も思いますよ。
誤解を招いたようで申し訳ないです。

>>144
追記、ありがとうございます。
というか、自分でやれよって感じでしたね……済みません。
他人任せにしてしまった。

予約、始める日取りはそれでいいと思います。
板移動は、やはりしないとまずいんでしょうね。
あまりロワスレが固まってるとアンチが出てきそうですし、
なるべく他にロワスレがないところのほうがいいような気も。
なんでもありとかの方がいいか?
ゲーム系のところは……まずいのかな?
人を呼ぶならそういうとこの方が呼べるでしょうが、うーん。
146参加するカモさん:2008/04/26(土) 23:23:39 ID:urG5aCUK
あんま事情知らないが、ゲサロじゃダメか?
あとフリゲは結局おkなの? 寄生ジョーカーとか出したいんだが
147参加するカモさん:2008/04/26(土) 23:42:05 ID:XH2qXpoQ
残念ですが、寄生ジョーカーは先日公開が停止されました……
MLも……

いやまあ、リプレイ動画を見ればだいたいわかると思いますがね
148参加するカモさん:2008/04/28(月) 10:37:35 ID:cLLXHqzL
ゲームはいいね
149 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/29(火) 15:09:53 ID:5NXPzEah
 やはり素直にゲームサロンが妥当ですかねぇ。
 上記のこと含めて、多少いじったスレ用テンプレ及びオープニングをupしました。
http://www.filebank.co.jp/wblink/6f6bcbe8866e7f9900a456c185efb690
 問題なければ、これで今晩あたりにでも立てて来ましょうか。

 
 フリーゲームも、少なくとも現在入手できるのなら問題ないんじゃないでしょうか。
 別に商業ゲーム限定で始めているわけではありませんしね。
 ゲームの場合、実際にプレイしなきゃ把握がムツカシイ、というのがネックといえばネックなんですよなぁ。
 漫画やアニメなら、まぁとりあえず全部読む、見る、というのは現物があれば可能ですが、ゲームの場合
「とりあえずクリアする」 ってわけにも行かないのがいかんともしがたいえーい牧野め! 『サイレン』 が進
まないモンで 『零』 を買ってみたのですが、今度は 「メモリーカード足ンねーよボケ」 とか言われる始末。
150 ◆HGBR/JBbpQ :2008/04/29(火) 15:16:08 ID:5NXPzEah

 上のリンク無しでス。
http://www.filebank.co.jp/wblink/9cc0b8c600e60cd741fa66aa9fcd4f95
 こちらでどうぞ。
151 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/01(木) 21:53:55 ID:XI4CssYJ
顔を出すのが遅れて申し訳ないです。

>>149
ロゴが凄いですねえ!
凝ってるなー。
内容も分かりやすい。
素晴らしいテンプレ乙です。

ゲームサロンなら新規の人が望めそうですね。
いいんじゃないでしょうか。
あとあれだ、私もサイレンは攻略本読みながらのプレイにもかかわらず苦戦しました……。
志村ステージクリアすれば、あとは何とかなる。応援してます。


>>146
フリゲは確かに、手に入れやすいというのが強みだから、
公開停止なのはなかなか辛いところですね。
普通に公開しているものは何ら問題ないと思いますが。


それと質問なのですが、手に入れにくい商業版と、手に入れやすい同人版(公式)があるなら、
どちらの設定で書いたほうがいいものでしょうか。
初出は商業のほうなのですが、設定自体はどちらもあまり変わらず。
キャラの外見が若干変わるのくらいだったと思うのですが。
152 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/01(木) 22:55:06 ID:wHemzsf8
 そいでは、23時頃に立ててきます。
 立てられなかったらどなたかよろしうに。

 開始時間とか上でどうしようかとか話してましたけど、結局過ぎちゃってるんで、立てたらそのままスタートで良いですかね。
153 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/01(木) 23:18:31 ID:wHemzsf8
ホラーゲームバトルロワイヤル 第一幕
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1209650564/

 とりあえず立ててきました。
 けっこうすんなりいってヨカッタ。

 同人、フリーゲームについての言及を忘れていた…。
 商業版、同人版などの事も含め、基本として 「他の書き手がそんなに参照できるとき限らない」 を前提に、
SSの中できちんと補完して描写して、その際多少いいとこ取りにしても良いんじゃないかと思います。
 ルートの問題とかも含めて、出典もとを厳密にするより、SSとしして描く分を重視する、という方向で。
154 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/01(木) 23:31:40 ID:wHemzsf8
 それはそうとして、>>140 は、ヘザーのSS書いてんじゃろーか。
 とりあえず僕は、ダグラス・カートランドの方書きますヨ!
155参加するカモさん:2008/05/02(金) 00:32:24 ID:8cRdvogX
ケビンやSDKの話はどうなるんだ?
156参加するカモさん:2008/05/02(金) 07:44:52 ID:cR3B6ClM
個人的にはオカルト板の方が良かったんじゃないかって気も
157参加するカモさん:2008/05/02(金) 14:51:51 ID:ix0Yfsh2
オカ板はねーよww
158参加するカモさん:2008/05/02(金) 17:52:14 ID:4boRxv8x
例えばコープスパーティー哲志とブラッドカバー哲志を別々に出すってのはOK?
いや、別に出すつもりがあるわけじゃないけど。
159参加するカモさん:2008/05/02(金) 20:59:27 ID:zy5P6m1J
生粋のホラーゲームじゃないと無理?
あるゲームの一部分でホラーっぽいところがあるんだけど(後は普通のRPG)そこからだけとかはやっぱり無理かなぁ?
160参加するカモさん:2008/05/02(金) 21:38:43 ID:cR3B6ClM
もう少し具体的でないと何とも言えんなあ
161参加するカモさん:2008/05/02(金) 21:44:58 ID:zy5P6m1J
うーん、具体的に言うと。
LIVE A LIVEのSF編からキューブが出したいんだけど。
LAL総合的にはホラーゲームじゃないけどSF編はベヒーモスとかの要素で怖いとかの定評がある。

全編通してホラーじゃないとダメかなっていう話。
162参加するカモさん:2008/05/02(金) 22:09:28 ID:cJ50OVa3
無理だろ。強引すぎる。

上の方のSSどうすんだよ
タイミング早すぎたからボツなのか?
163参加するカモさん:2008/05/02(金) 22:10:37 ID:zy5P6m1J
そうか、わかった有難う。
ほかに考えてみるよ。
164参加するカモさん:2008/05/02(金) 22:20:16 ID:cR3B6ClM
したらばの一時投下スレがあるし、とりあえず書いてみては

んー個人的には
アレのホラー要素っていうのは舞台設定と展開にかなりの部分依存していて
それがキューブってキャラクター単体だけになると、
ホラーからは「浮く」んじゃなかろうかって懸念があったり

というかこれに違和感なくメカを出すってのは
かなりの腕が要るよね

まあ非霊的なホラーってところで言えば他にバイオなんかも挙げられている所だし
これも巧く出来りゃハマるんじゃね

まあとりあえず書いてみては?
165参加するカモさん:2008/05/02(金) 22:22:39 ID:cR3B6ClM
ああダラダラ書いてる間に
既に結論出てたのねw
失礼失礼
166 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/03(土) 00:05:09 ID:6q3mynRE
>>153
スレ立て乙です。
ついに開始か、何だか感慨深いな……。

>>155
>>162
上のほうの二作を書いた者ですが、
あれは破棄扱いですので、キャラを使いたいならご自由に使っていただいて構いませんよ。
167 ◆.c1l3rjuuE :2008/05/03(土) 00:10:45 ID:vs73fNkG
予約の延長を申請します
168 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/03(土) 00:38:47 ID:4ZWcdNM0
>>167
 延長、というよりは、スレ立てして仕切り直しているところですから、本スレで予約し直すとよろしいんでないでしょーか。
169 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/03(土) 00:59:36 ID:4ZWcdNM0
>>167
 あと、そう。細かいところなんですが、クリーチャーに関しても、出典を明記した方が良いんじゃないかと思います。
 一応、ゾンビ、と言っても、ゲームによって扱いが違っていたりもしますし。
170参加するカモさん:2008/05/06(火) 01:34:49 ID:KHwdtCFx
HALF−LIFEやRESISTANCEはホラーゲームに入る?
171 ◆SozLWwNPjU :2008/05/06(火) 12:48:15 ID:Zvdema8A
一応、報告です。
つい先程投下しましたが宜しかったでしょうか?
172 ◆.c1l3rjuuE :2008/05/06(火) 20:09:17 ID:utXDc444
投下終了です。
173 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/06(火) 21:12:45 ID:TyJxm82T
がっつり誤爆してしまった…orz

お二方、投下乙です。

>>霧散
SDK、まさか美耶子と会う前から参戦とは……屍人化フラグが濃厚ですな! これは楽しみ。
しかし、バイオの影響で警察署=化物だらけのイメージが。 
武器の類は多そうですが……大丈夫か?
それと誤字発見。
>>44の美耶子が美那子になっているようです。

>>邂逅
ヘザー強いw 阿部さん涙目w
ヘザーの戦闘力と阿部さんの幻視があれば、雑魚は軽くあしらえそうだ。
教団のことを知ってるってのも何気に重要そうですね。
現在地は住宅街か。全体が街なわけですから、キャラを絡めやすそうだ。
あと、所々「阿部」が「安部」になっているようです。

では、自分も投下してきます。
誤字脱字その他、ご指摘お願いします。
それと、アイテムの設定を若干いじっているので、まずければ言って頂ければ修正します。

>>170
知らなかったのでググってみたのですが、FPSなんですね。
どうかな……こういうものはホラー要素よりアクション要素のほうが強そうなイメージですが。
見たら全くホラー要素がないわけではなさそうなので微妙なところですね。
弾薬大量で次々クリーチャーを駆逐、とかがなければ平気でしょうか。
他の方の意見待ちです。
174 ◆SozLWwNPjU :2008/05/07(水) 00:01:50 ID:jI4dpp7Z
>>173
あちゃー、確かに誤字やっちまってますね。ご指摘どうもです!
175 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/10(土) 13:17:59 ID:xDkXyODc
気づかなかった……。

式部先生とダグラスのSS、投下乙です。
渋い組み合わせだー。とてもキャラが立っている。
しかしそれ以上に、式部先生の考察能力が光りますね。
前半の薀蓄がいい味を出していますね。
この出だしからすると、流行り神キャラは他作品の事件を
「友達の友達の話」として知っていそうな気も。
SIRENの羽生蛇村も、津山30人殺し的な語られ方をされていたわけだし。
しかし何気に、ヘザーとダグラスの参戦時期がずれているんですねえ。
これは後に響くか?

それと、いくつか気になったことを。
まず、題名がない?ことと、
>>75の「そこみから」は「そこから」?、
>>80の「仕様毒液」は「消毒液」、
>>81の「自己」は「事故」、
>>83の、『「とりあえず」、これは言うまでもないでしょうけど、骨に異常はなさそうね。』の箇所は」が余計?、
同じく83の「登記」は「陶器」、
『地割れというよりむしろ断崖絶壁とでも言えるようなシしろものだ。』はシが余計?
それと、ダグラスの状態表から@サイレントヒル3が抜けている模様です。

指摘ばかりうざくて申し訳ないです。
文章にとても引き込まれる分、余計気になってしまい……。
176 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/10(土) 13:27:28 ID:xDkXyODc
それと、暫定名簿。


「呼ばれし者」
【トワイライトシンドローム】 岸井ミカ
【SIREN】 須田恭也/宮田司郎
【SIREN2】 阿部倉司
【サイレントヒル3】 ヘザー・モリス/ダグラス・カートランド
【アパシー 鳴神学園都市伝説探偵局】 賽臥隆恭
【学校であった怖い話】 日野貞夫
【流行り神】 式部人見

9/30


「クリーチャー」
【サイレントヒル】 レッドピラミッドシング(三角頭)/バブルヘッドナース
【バイオハザード】 ゾンビ

3/10


合ってるか?

そろそろwikiを借りてきた方がいいんでしょうか。
いじったことがないので、テンプレを上手く作れるか不安なのですが。
それと、ロワでの主流はどのwikiなんでしょうね。
ちょっと巡って確認してきます。
177参加するカモさん:2008/05/10(土) 17:36:26 ID:lJwv8ZOO
ロワでは@wikiがメジャーですね。
178 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/11(日) 03:18:50 ID:aOWaqmK2
>>175
 うへえ。ヒドイ誤字だ。やっぱアレな刻にナニしたらいかんですな…。
179 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/11(日) 20:56:28 ID:WJ1yAwSr
>>177
ありがとうございます。
自分でも見ましたが、やはり@wikiが多そうなので、その方向でいこうかと。

ところで、wikiの題名は、
ホラーゲームバトルロワイ「ア」ル

ホラーゲームバトルロワイ「ヤ」ル
のどちらにしましょう。

よく見たら食い違ってる…
180 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/11(日) 22:16:21 ID:aOWaqmK2
 スレ立ての時点ですら誤字ってたとは。
 どういうことだこのポンコツ頭…。

 原典にちゃんと合わせて、「ロワイアル」 であるべきでしょうねぇ。
181参加するカモさん:2008/05/15(木) 01:41:02 ID:3FW+rgMp
人いない……
182 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/15(木) 01:44:52 ID:3+yB4v8Y
>>180
いえいえ、テンプレを整備してスレ立てして頂いたこと、ありがたく思っています。
自分も全く気づきませんでしたし。
で。

ttp://www9.atwiki.jp/horrorgamerowa/pages/1.html

とりあえず必要そうなところだけページ作ってコピペして、取り急ぎ作ってみました。
TOPにはテンプレの一部を使わせて頂きましたが、
画面によっては崩れそうなので確認お願いします。
それと、SSも急いでいくつかコピペしただけなので、
誤字も直せてませんし改行もおかしくなっているかと思われます。
SSの書き手様たちはそこも確認・修正をお願いします。
wikiの編集は初心者なので、見苦しい点もあるかと思いますが、
自分も時間がある時はなるべく修正・追加するようにしますので、よろしくお願いします。

では、いい加減自分もトリで喋りすぎですのでひっこみます。


あ、それと、右の広告の消し方知ってらっしゃる方いましたら、是非お願いします……。
邪魔すぎる!
183参加するカモさん:2008/05/15(木) 03:55:10 ID:TA7w+YLB
>>182
基本デザインは何にしてる?
184参加するカモさん:2008/05/15(木) 06:50:23 ID:3+yB4v8Y
>>183
新シンプル黒です。
やはり2カラムタイプにしないと駄目でしょうか。
でもアニ2ndなんかは、同じデザインに見えるのに右の広告がないんですよね。
カスタマイズしてるんでしょうか。
185参加するカモさん:2008/05/15(木) 11:18:27 ID:TA7w+YLB
見たところアニ2はCSSを弄ってありますね。
2カラムタイプをベースにしてあるのだと思います。
CSS自体は覗けますから、参考にされるのも一つの手かと。
186参加するカモさん:2008/05/15(木) 21:54:12 ID:HSkI8I6E
ルイージマンションはホラーゲームに入る?
187参加するカモさん:2008/05/16(金) 21:33:48 ID:WZb6Hdos
>>186
微妙だなそれ
まあ書きたければ書いてみてもいいんじゃないの?
一時投下スレもあることだし





wiki製作乙です

ただSSの数や地図なんかのツールがそろわないうちにwikiだけあっても
なんか先走ってしまってるような……
188 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/16(金) 23:18:12 ID:gUoDWWuS
>>187
仰るとおり、急ぎすぎていたようですね。失礼しました。
代わりといっては何ですが、予約をしてきましたのでご容赦を。

>>185
なるほど、やはりそうだったのですか。
ありがとうございます。
後ほど直しにトライしてみたいと思います。
189参加するカモさん:2008/05/18(日) 13:39:45 ID:r7VCXMKb
お、wikiがすっきり見やすく。
ついでにロゴが崩れなくなってるw
GJですー
190参加するカモさん:2008/05/18(日) 22:55:53 ID:S0XDjNIG
参加者じゃなくて演出として人やクリーチャーを出すのはアリ?
死体役とか一回きりの登場という意味で。
191参加するカモさん:2008/05/18(日) 23:36:18 ID:nb7t7tb2
サイレントヒルに来る前の話とかならカウントなしだろうが、
サイレントヒルに来てからならカウントした方がいいんでは?
ここでは死体になってからも活躍の余地があるわけだし(ゾンビ化、屍人化、幽霊化的な意味で)
もちろん何にもならない場合もあるだろうが。
一回きりってことなら、それに相応しい理由もくっつけておけばいいかもしれん。

クリーチャーはよく分からん。
192 ◆.c1l3rjuuE :2008/05/21(水) 00:33:51 ID:TM60OZYG
ちょっとSIREN2の設定で質問が

藤田が金鉱からブライトウィン号へ移動する時に、ボートは使ったんでしたっけ?
193 ◆3BLPPrRDMQ :2008/05/22(木) 23:42:25 ID:yEic2i3m
シャドウハーツはホラゲには入らない…ですよね。
クリーチャーがホラーぽくて印象に残っているので、もし可能ならここからクリーチャーを出したいと思っているのですが…
ジャンルがRPGなので難しいですかね
194 ◆3BLPPrRDMQ :2008/05/23(金) 00:46:15 ID:Zi4n1sAQ
>192
うろ覚えで申し訳ないのですが、藤田茂は島(夜見島)に来る際にボートを使ってやってきたという設定だったと思います。(砲台跡で市子に「この先にボートを止めている」と言っていたので)
フライトウィンへは偶然迷い込んだのではないかと推測しているのですがどうでしょう
195 ◆.c1l3rjuuE :2008/05/23(金) 19:35:53 ID:1QlPj7XE
ありがとうございます

自分が把握しているのは

藤田、ボートで単独上陸
     ↓
夜見島金鉱捜索中にインクライン制御室でブライトウィン号発見([予兆]の終了条件2)
     ↓
フェリーで市子と出会う

という流れなんですが

・[再会]冒頭で「この先にボートが〜」発言
・フェリーの場所が「瀬礼『洲』」という名前(周りは水場?)

から藤田は一度ボートに乗ってフェリー近くまで行ったのではないかと思い
その前提でSSを書いていたんですが、ゲーム中でははっきりした描写が無かったため
その設定でよかったのか不安になって質問しました。

とりあえずしばらくボートで移動という設定で書き進めていこうと思いますが、
「それは違う」「そんなあいまいな設定では納得できない」という意見があれば
書き換えか、破棄を考えます。



>シャドウハーツ
うーん、上のほうでメガテンや魔人学園が却下されているので難しいのでは?
どうしてもだしたいなら、外見や能力、この企画内で予想される行動パターン等
詳細な情報をここに書くか、一時投下スレに落として意見を求めては?
196参加するカモさん:2008/05/23(金) 22:13:54 ID:Mnd6lJZw
>>195
説明書付属の地図で見る限りではフェリーは陸上にあるように見えるんだけど、どうなんだろう?
197参加するカモさん:2008/05/24(土) 08:45:35 ID:BVDmPjrn
なんとなく藤田さんは浅瀬伝いにフェリーに乗り込んだのかと思ってたけど違う?
まああまり詳しく書かれてないから何でもいいとは思うけどね
198 ◆.c1l3rjuuE :2008/05/24(土) 18:02:26 ID:YJu+Sz36
問題の部分を一時投下スレに投下しました。
皆さんの判断を待ちます。
199 ◆3BLPPrRDMQ :2008/05/25(日) 20:23:32 ID:wVafC1Ts
>194
読ませていただきました。読んでいて特に違和感は感じなかったので個人的にはまったく問題なしだと思います。
文章の雰囲気もよい感じで、完成品も楽しみにしています。

>シャドウハーツ
やはり問題がありそうなので他クリーチャーで代用しようと思います。
貴重な意見をありがとうございます!
200 ◆Q65Npbnq3U :2008/05/25(日) 21:54:36 ID:4zyE+0zq
遅れましたが、投下終了しました。
ご迷惑をお掛けして、すみませんでした。

>>198
自分も読ませていただきましたが、問題もなく大丈夫かと思われます。
◆.c1l3rjuuE氏の作品はキャラがよく立っていて(=描写が細かい)、とても勉強になります。

>>199
シャドウハーツはプレイしたことがありますが、確かに敵がホラーライクですね。
敵だけに限るならいいのではないかとも思いますが、
もう結論は出たようなので口出しすることもないですね。
201 ◆HGBR/JBbpQ :2008/05/25(日) 23:09:30 ID:/CFTsJvo
>>198
 元の 『SIREN2』 を未プレイなので分かりませんが、原作で細かい描写がない場面は、無理のない形
(か、加えて面白い方向) で補完すればOKなんじゃないでしょうか。
 まぁ実際ゲームの場合、漫画やアニメ以上に間すっ飛ばしたりする場面多いですし、心理描写なんか
ほぼ皆無なんてキャラもざらですしね。
202 ◆.c1l3rjuuE :2008/05/28(水) 00:26:09 ID:uq9aHf4U
皆さんありがとうございます。

肝心のSSですが、仕事が立て込んでいてもうしばらくかかりそうです。
度々申し訳ありません。
203参加するカモさん:2008/05/28(水) 10:43:58 ID:IRewjaT+
かなり他のクリーチャー戦闘ものとかとは大分異色だとは思うんだが…
『街 運命の交差点』の市川シナリオ『シュレディンガーの手』
はホラーゲームとしての参加資格あるかな?
どっちかというとサイコだし戦闘慣れもしていないキャラだけど

時間があったら、出してみたく質問です
204参加するカモさん:2008/05/28(水) 15:03:17 ID:y3mwK0k8
いつも楽しく拝見させていただいてます。自分も書きたいのですが表現力が乏しくて…どなたか代わりにSFCのノスフェラトゥの主人公を書いていただきたいです(笑)
ケータイからで申し訳ないですが書き手の皆さんこれからも頑張って下さい。長文失礼しました。
205参加するカモさん:2008/05/30(金) 17:58:19 ID:O/lpojMc
ノスフェラトゥも街も知らないからなんともいえないな
もう少し詳細な情報がほしい
206参加するカモさん:2008/05/30(金) 22:53:15 ID:WBHvKIsX
確かに。もう少し詳しく聞かないと分からない。
でもとりあえず、>>204は何でもいいから書いてみるといいと思うな。
表現なんてのは、書いてくうちに磨かれるものじゃないか?
207参加するカモさん:2008/05/31(土) 10:38:45 ID:h2uWN6bj
街はサウンドノベルゲームで、複数シナリオがあってコメディやらサスペンスやらあります
『シュレディンガーの手』はその1つで、ある作家が睡眠している間に
自分の望まない原稿ができてしまうことに怒り、それと戦っていく5日間の話です
主人公の作家の精神はかなり不安定で、夢では手首が切れたり、怪物のような小人が出たりしますが
かなりサイコ的で果てには現実で自分の手首を切断してしまいます

ホラーゲーム、かどうかは……少なくとも怪物とのバトルはなし
出すとしたら、主役の作家の精神の異常性がこの場でどうなるか、くらいを
楽しむしかないですね
208参加するカモさん:2008/05/31(土) 10:51:37 ID:MhlgyLxc
「呼ばれし者」

【トワイライトシンドローム】
○岸井ミカ/○逸島チサト
【サイレントヒル2】
○ジェイムス・サンダーランド
【SIREN】
○須田恭也/○宮田司郎/○美浜奈保子
【SIREN2】
○阿部倉司
【サイレントヒル3】
○ヘザー・モリス/○ダグラス・カートランド
【アパシー 鳴神学園都市伝説探偵局】
○賽臥隆恭
【学校であった怖い話】
○日野貞夫
【流行り神】
○式部人見
【零〜zero〜】
○雛咲深紅
【バイオハザードアウトブレイク】
○ヨーコ・スズキ/○ジム・チャップマン

15/30
209参加するカモさん:2008/05/31(土) 10:52:33 ID:MhlgyLxc
「クリーチャー」

【サイレントヒルシリーズ】
○レッドピラミッドシング(三角頭)/○バブルヘッドナース
【バイオハザードシリーズ】
○ゾンビ
【SIRENシリーズ】
○闇人乙式
【トワイライトシンドロームシリーズ】
○花子さん

5/10

名簿に追加してみた
210参加するカモさん:2008/05/31(土) 10:58:25 ID:MhlgyLxc
>>207
見たところファンタジー設定でもなさそうだし、書いてみてしたらばに投下するってのは?
サイコホラー系はまだほとんど出てないし、うまくはまれば面白いかも
211 ◆3O9aOK8Fbw :2008/05/31(土) 11:16:42 ID:h2uWN6bj
ふうむ、ではやってみます。予約はとりあえず入れといた方がいいですかね?
トリップ使ったことがないのでテストも兼ねて質問です
212参加するカモさん:2008/05/31(土) 11:25:33 ID:MhlgyLxc
どちらでも可だと思いますよ
キャラを取られたくない場合は予約した方が確実でしょうし、
ゆっくり書きたいなら書きあがってから予約、即投下でも大丈夫でしょう
楽しみに待ってます
トリップもそれで大丈夫かと
213参加するカモさん:2008/05/31(土) 12:29:15 ID:RN+vGrmp
問題があるとすればそれを他に書ける人が居るかどうかってことだよな。
214 ◆3O9aOK8Fbw :2008/05/31(土) 13:07:53 ID:h2uWN6bj
そうですね……未読の方にはやっぱりキャラ把握は厳しいキャラだと思います…
すいません、相談に乗ってもらって申し訳ありませんが、やはりやめておきます
215参加するカモさん:2008/06/01(日) 21:52:03 ID:Y7PTBlCV
質問ですが、一回目のサイレンが鳴るのは全キャラの時間が深夜に到達したら?
それとも18時=夕刻現在、もうすぐ鳴るんだろうか。
あるいは16時にロワが始まったとして、22時頃に鳴るとか?
216 ◆HGBR/JBbpQ :2008/06/02(月) 22:32:40 ID:a3SxHRJs
>>215
 自分でOP書いておいて、この間気がつきました、そこ。
 単にOPのときは、「やっぱホラーだしトワイライトだし、黄昏時から開始の方がそれっぽいだろ」 程度でしか考えてなかったり。

 で、まぁ考えたんですけど、今現在16時前後として、一旦18時に最初のサイレンがなって、何か大規模な異変か何が起きる、というのが、登場人物達に 「この世界の異変」 を決定的に印象づける意味では丁度良いのかも、と。
 どんな異変かは、とりあえずサイレントヒルネタで、一旦あの赤黒い裏世界に入る、か、死者が立ち上がるのか・・・追々考えて。
 死者の方は、もう少し後からでも良いかも知れないけど。
217参加するカモさん:2008/06/07(土) 16:18:15 ID:olOAYip/
歪みの国のアリスktkr
好きな作品だったのでまさかの参戦嬉しいです、執筆頑張って下さい

ところで雑談、感想等は投下スレの方では書かずにこちらの方がいいんですかね?
218参加するカモさん:2008/06/07(土) 16:19:02 ID:olOAYip/
下げ忘れ済みません
219参加するカモさん:2008/06/07(土) 16:34:19 ID:6zW3JS8r
超級風水師ってビジュアルとかセリフってあったっけ?
ここじゃ初登場のキャラの外見や喋り方なんかを未プレイの人でも分かるように
説明しなきゃいけないんだけど、どうやって他の書き手さんと超級風水師の情報を
共有するつもり?
220参加するカモさん:2008/06/07(土) 21:21:02 ID:0n9Lini3
>>219
確かに超級風水師ではビジュアル等の面で問題盛りだくさんでしたorz
クーロンズゲート使いたさに考え無しでした。

訂正して、超級風水師からリトル・フライに変更したいと思います。
結局、クーロンズからですがw
221参加するカモさん:2008/06/07(土) 21:49:30 ID:NV2lmdmF
クーロンズゲートってホラーなんだよね?
ホラーなら、詳しくキャラ解説書けばまあOKかと。

>>217
少なくともこのスレを使い切るまでは、ここで雑談感想書くのがいいと思われます。
使い切ったらゲサロに完全移転?
222 ◆HGBR/JBbpQ :2008/06/08(日) 16:35:39 ID:DGU+tiLK
 『クーロンズゲート』 に限らず、まーここになって 「やっていないので意見も出せない…! くやしい…でもッ!」
ってなケースが多々でアリマスよ。
 
 同じよーな事は前にも書きましたが、ゲームによってはキーキャラクターでも外見描写や細かい設定への言及が
ほとんど無い、なんてのもザラにありますから、そういうのは無理なく再設定するしか無いとは思うんですけどもね。
223 ◆3BLPPrRDMQ :2008/06/08(日) 21:48:29 ID:tGI4yrlC
本編スレで103-110を書かせていただいたのですが、18時からサイレンがなるという設定を理解していなかったので、すでに18時以降の設定で書いてしまっています。
なので、時間の修正をしたほうがいいかな、と思っているのですが本編スレのほうがいいのかな…

◆HGBR/JBbpQさんにも続きを書いていただいているのですが、変更しても差し支えないでしょうか?
224 ◆Q65Npbnq3U :2008/06/08(日) 22:09:19 ID:lASRg3zV
>>216
ではもう少し話を繋いでからサイレン、とした方が良いんでしょうか?
それともキャラによってはもうサイレン遭遇に行っても?
放送のように一話サイレン用に話を設けるかによっても違ってきますが。

時間経過は早いに越したことはないと思うので、もう行ってもいいかと自分は考えております。
サイレン用の話はあった方が区切りはいい気がするんですが、放送と違ってあまり書くことがないかもしれないですね。


ともかくあの血塗れ錆塗れの世界に行くのはほぼ決定項でいいかと。
死者起き上がりはどうでしょう……今からだとやや早すぎる気も。
(クリーチャーとして登録されている者以外の)幽霊系は、二回サイレンを越すと自然消滅、くらいが適当でしょうか。
あまりずっと居座ってもまずいですよね。
あとは何かあったか……?


>>223
そうですね。
◆HGBR/JBbpQ氏の返事を頂き次第、直してしまって大丈夫かと。
本スレの方にも一応その旨を書いてからwikiを直すと、親切かもですね。
225 ◆HGBR/JBbpQ :2008/06/09(月) 23:51:13 ID:9LFzTcBq
 ああ〜、SS内で時間の表示があったのを失念していました。
 
 そうですね。
 18時にサイレンが鳴る、を前提にするとしたら、ジム、奈保子の時間を戻すのが、結局一番手っ取り早いですかねぇ。
 サイレン後の設定にする、とすると描写も色々変える事になるでしょうし。

226 ◆.c1l3rjuuE :2008/06/15(日) 18:06:21 ID:AV18Frad
投下終了
遅れてすみません。
227 ◆HGBR/JBbpQ :2008/06/18(水) 22:33:06 ID:Yb9oX5Uf
 日米警官コンビ!

 で、本編中に出てきている女の子について、補足で何らかの説明した方が良いんじゃないかなぁ、と思ったけど、よく考えたら自分も
『F.O.A.F.(Friend of a Friend) 』 の中で軽く触れた女の子の姿に関して何の補足も入れてなかった。


 それと、上で出たサイレンの時刻と時間軸の件、どうしましょうか?
228 ◆dcpChnLpNk :2008/06/20(金) 21:00:12 ID:kayjIZCB
自分も今書いてるSSで正体をぼかした幽霊っぽいものを登場させる予定なんですが
止めた方がいいですか?



時間軸のことについては自分は夕刻に戻すということでいいと思いますが…
229参加するカモさん:2008/06/20(金) 23:51:54 ID:11c4Afhn
日米警官コンビの話、読みました!
立て続けに起こる奇妙な事件に翻弄される二人が生々しくてよかったです。
しかし、ここは他のロワとは随分と違った雰囲気ですね。
他では見られない、ジリジリとしたホラーの空気を今後も期待してます!
230 ◆.c1l3rjuuE :2008/06/20(金) 23:55:49 ID:vVrDRrB6
老頭児 & Rookie で登場した少女は
『サイレントヒルゼロ』のアレッサをイメージしていたのですが
後の人が手を加える余地を残すため、わざと曖昧にしました。
何か不都合が生じるようでしたら撤回します。



> それと、上で出たサイレンの時刻と時間軸の件、どうしましょうか?
時間を戻すという形でもいいような気もしますが、自分が書いたわけではないので
あくまで参考程度に。
231 ◆3BLPPrRDMQ :2008/06/21(土) 00:51:24 ID:wl4Vd9Vu
大変対応が遅れてしまい申し訳ありません。
本スレに訂正を加えておきました。
他の書き手さんにもご迷惑をおかけしました…。
232 ◆HGBR/JBbpQ :2008/06/21(土) 21:12:16 ID:A64aVUDg
>>230
 実のトコ僕の 『F.O.A.F.(Friend of a Friend) 』 でもアレッサのイメージでした。
 (んで、読んでいて多分そうだろうなぁ、とは思ったのです)
 ただまぁ、見たような気がしただけ、でも良いし、別の少女に似たクリーチャーでも良いし、というつもりだったので追記で何も書かなかったのですが、
よくよく考えてみるとリレー小説という形式上何か意図があるならある、無いなら無いで書いた方が良いのかなぁ、と、も、思いまして。

 けど、改めて考えると、特にホラーという題材、性質上の事も含めて、あんまり意図や隠喩を説明しすぎるというのも何ですよね。
 基本、本文中でも追記でも書いてないことは、その後の書き手が好きに解釈して使うなり使わないなりすれば良いだけの話ですし。
 特定のゲームや何かの設定の流用で、その事を明示したい場合以外は、補足追記は無くて構わないわけですし。

>>231
 wiki本文、時間の箇所変更しておきました。
 とりあえず僕の書いた 『あそぼう』 が、18時のサイレン直前、という感じで。
233 ◆Q65Npbnq3U :2008/06/22(日) 23:35:49 ID:g3WWdSZi
なんというか、特に幽霊系はクリーチャー枠に当てはめていいものか悩むところがありますね。
アレッサなんかは割と一目瞭然のような気もするので、枠ひとつ取っても良い気もするのですが、どうなんでしょう。
まあ、リレーに活かせるのなら何でもいいのでしょうか。

ところで、結局サイレンにそろそろ入るのか否かはどうすべきでしょうか。
ともかくまだ触れない方向で書いた方がいいのか……。
234 ◆3BLPPrRDMQ :2008/06/23(月) 16:20:45 ID:ZBRdaFIm
>>232
どうもお手数をおかけしました、ありがとうございます!

235 ◆3BLPPrRDMQ :2008/06/23(月) 21:18:56 ID:ZBRdaFIm
本スレの方へ投稿させていただいたのですが、投下の間隔が短すぎたのか規制をかけられてしまったので、したらばのほうへキャラクター情報だけ投下しています。
どうもすいません。
236参加するカモさん:2008/06/23(月) 23:26:44 ID:FBkvrU5T
代理投下しておきました、投下乙です
いつか来るだろうと思っていたが、ついに来たか、かまいたち
237 ◆HGBR/JBbpQ :2008/06/26(木) 23:16:04 ID:CUCiYg14
>>233
 次に書くエピソードあたりでどうしようか考えているんですが、とりあえず直前にまで時間を進める場合、「サイレンが鳴った/なり始めた」 あたりまで入れても良いんじゃないでしょうか。

 
238 ◆3BLPPrRDMQ :2008/06/28(土) 19:43:04 ID:p6X8QqED
>236
迅速な対応ありがとうございます。
助かりました!
239参加するカモさん:2008/07/11(金) 19:51:38 ID:tcuL2o1v
保守
240参加するカモさん:2008/07/13(日) 17:33:34 ID:6hNNdwR5
まとめwikiが更新されていないな。
241参加するカモさん:2008/07/17(木) 17:06:34 ID:JEp04y9g
投下順の本編SS目次を更新しました。
242参加するカモさん:2008/07/23(水) 00:13:45 ID:r6I+aepG
今更だけど、グレゴリーホラーハウスはやぅぱり無理だったかなあ・・・
主催者がママ辺りで魂を集めるとかで開催でしっくり来るとか考えてた時期が俺にもあったよ・・・
243参加するカモさん:2008/07/25(金) 13:11:01 ID:5pFSenAI
もうここには誰もいないのか?
244参加するカモさん:2008/08/05(火) 23:16:17 ID:yq6Ra++l
俺ここのロワ楽しみにしてたんだけどなあ…
何も出来ない自分がもどかしい
245参加するカモさん:2008/08/25(月) 15:28:54 ID:14keq3MT
>>244
激しく同意…
246参加するカモさん:2008/09/23(火) 18:32:06 ID:pmKNqRa7
ここのロワの宣伝してもいいですか?
247参加するカモさん:2008/10/13(月) 19:15:30 ID:Q7FJ0hQK
hosyu
248参加するカモさん:2008/10/13(月) 19:16:00 ID:Q7FJ0hQK
age
249参加するカモさん:2008/12/31(水) 15:02:25 ID:leGGUZzG
250参加するカモさん:2009/03/03(火) 01:57:20 ID:XoidtmZF
保守
251参加するカモさん:2009/05/13(水) 16:58:16 ID:DW98KXfe
252参加するカモさん:2009/06/22(月) 23:15:32 ID:Ff/l09ok
あげ
253参加するカモさん:2009/07/11(土) 23:37:34 ID:aolcDWtQ
ここは再利用候補?
254参加するカモさん:2009/07/13(月) 18:27:05 ID:48nHXmas
255Trader@Live! :2009/08/17(月) 18:16:52 ID:JI7YEpr4
保守
256参加するカモさん:2009/08/28(金) 21:20:40 ID:dwm1ci0r
ほしゅしゅ
257参加するカモさん:2009/10/10(土) 21:14:55 ID:BSUanUYu
ほしゅ
258参加するカモさん:2009/11/08(日) 14:46:32 ID:cMROOMdX
保守
259参加するカモさん:2010/03/21(日) 23:00:27 ID:PTSjoH2P
ほしゅ!
260呑んべぇさん :2010/04/23(金) 19:43:05 ID:6u8Vtqcq
生きてるか?
261名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/04/23(金) 23:48:56 ID:6u8Vtqcq
一応ここに新堂誠@学校であった怖い話、前原圭一@ひぐらしの鳴く頃に解、代理投下します
262参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:51:43 ID:6u8Vtqcq
「・・・ここは・・・どこなんだ?」

俺、前原圭一は困惑していた。
『ここではない別の良く似た世界』で自分が犯した仲間殺しの罪に気づき
そして自分と同じように疑心暗鬼に陥っていた友人、竜宮レナを正気に戻した。
レナは警察に連れて行かれるだろうがきっと大丈夫だろう。
そんな事を話し合いながら校舎を出たはず・・・。

惨劇は回避され、運命に抗える事を証明し、その先の未来を掴んだはずだったはずなのに・・・。

「どう見てもここは雛見沢じゃない・・・それに・・・」

雛見沢の道はコンクリートで舗装されてはいないほどの田舎だ、だからこんな都会じみた場所なんかない
隣町の興宮ならあるかもしれないがどうも雰囲気が違う
大体、もし興宮でこんな霧が出るなら朝のニュースでやるだろうし
とりあえず状況確認をしなくてはならない

「なぁレナはどう思う?」

返事は無い、不審に思い振り返るが誰もいない。
それどころかついさっき出てきたはずの扉にはシャッターが閉まっている
そしてやはり、そこにあったのは自分の見知った校舎ではない

「・・・レナ!?何処にいるんだ!?返事をしてくれ!!」

必死に叫ぶが届かない、必死に周囲を探索するが何処にも彼女は見当たらない・・・
それどころか人っ子一人いない、異様な雰囲気に飲まれそうになりながらも探し続ける。
その時見覚えのあるバットを見つけた
263参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:53:09 ID:6u8Vtqcq
「これは・・・悟史のバットか・・・でもなんでこんな場所に?」

そのバットは友人である沙都子が屋上に行く時に貸してくれたものであるが
何故か壁に突き刺さっている、出てきたところが校舎の入り口だとすると
確かこのくらいの場所に落ちた気がするけど・・・・
どうしてこれがこんな所にあるのかはわからない、
が、部活メンバーの思いが詰まったバットを見て
少し勇気が出てくるような気がした

冷静になれ、クールになれ前原圭一・・・・今の状況をよく考えるんだ
もしかしたら、別の場所に瞬間移動したんじゃなく
また何かの理由で『ここではない別の良く似た世界』に来てしまったのかもしれない
他の皆もここに来てるかもしれない

だとしたら、ここがどんな世界だとしても俺は・・・
その時、後ろから凄みのきいた声で誰かが声をかけてきた

「よぉそこのお前、お前は人間か?それともあいつらと同じ化物か?」

振り返るとそこにいたのは逆立った茶髪にはだけたYシャツ手にはバットを持っている
いかにも不良っぽい人が立っていた
多分高校生ぐらいか、年上っぽいし。
それはともかく化物?もしかして俺やレナと同じように幻覚が見えてるのかもしれない
手に持ったバットに力を込めて慎重に話す事にした。

「え〜っと俺、前原圭一っていいます、化物っていったいなんの事ですか?」

「どうやら人間みたいだな、お前、気付いてるか?この街はなんだか怪しくねぇか?
 この街には化物や霊がウジャウジャ居る。それが、俺にはわかるんだ。」
264参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:54:15 ID:6u8Vtqcq
間違いない、この人はやっぱりオヤシロ様が見えてる・・・
俺はいつでも迎え撃てるように身構えた

「・・・・お前、信じねぇのか?俺の話が作り話だと思って馬鹿にしてんのか?」

そう言うと不機嫌な顔でこちらを睨みつけてきた、
でも少しすると俺の後ろを見て何かに気付いたようだった
何故か少し嬉しそうな顔をして俺の後ろを指差し始めた

「まぁいい、アレを見ればお前も信じるだろ?」

俺が振り向くと、霧の向こうから人影が近づいてきていた
漫画やゲームの中でしか見たことがないような潰れた顔にナース服を着た鬼の群れ
まさしく”化物”がいた
265参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:55:18 ID:6u8Vtqcq
俺は正直歓喜していた、いや、狂喜していたのほうが近いか。
俺が『殺人クラブ』に入ったのは殺し甲斐のある奴を殺してストレスを発散させるためさ、
歯ごたえのねぇウサギ狩りをするためじゃない、
まぁそれも吝かじゃねぇが、この場所には遠く及ばないぜ。

口裂け女や人面犬みてぇな都市伝説の1つ、サイレントヒル。
いつでも霧が立ち込めていてそこには魔女や化物が集まっているらしい
噂通りさっき筋肉剥き出しの犬が襲ってきやがった

最初はびびっちまったがありゃ幽霊ってよりもただの動く死体だ、
幽霊みたいに殴れねぇ訳じゃなさそうだ、そこで俺は戦ってみる事にした
怪我はしなかったが、あそこまで苦戦したのは初めてだったぜ
なにせ何度殴りつけても抵抗してきやがるからな
そしてさっき拾ったこのチラシ、この街に居る者を殺せ?だと?

何でここにいるのかとか、何時ここに来たのかとかはどうだっていい。
いいぜ、乗ってやるよこの化物共を皆殺しにすりゃいいんだな?
面白くなってきたぜこれからは人間狩りなんて遊びはもう止めだ、ここから先は

――――――化け物狩りだ!!

そう思って初めに居た柵で囲まれた建物から出たらやたらでかい声で叫んでやがる奴が居た、
こんな場所で叫ぶだなんて随分肝っ玉のでけぇ野郎だぜ、
俺は見かねて声を掛けることにしたが、まだ化物が潜んでるかも知れねぇってのに
あんな行動を起こすなんざまともじゃねぇ、もしかしたらあいつも化物かも知れねぇが
まぁその時はぶっ殺してやるだけさ、もし人間だったら・・・忠告くらいはしてやるか。
266参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:57:38 ID:6u8Vtqcq

化物じゃなかったのはいいが・・・・叫んでくれたおかげで大勢出てきやがった
面白いじゃねぇか、よく見ればさっきの犬も2、3匹混じってるな

「わかっただろ?ここはそういう場所なんだよ」

「・・・・・・・・・」

返事はねぇ、話聞いてんのか?それとも恐怖で口も利けねぇのか?
まぁ、無理もねぇ。見たところ一般人だしな。

「圭一っていったな。俺はこいつらの相手をしてるからよ、
 お前はさっさと逃げろよ。戦わねぇ奴が一緒にいても、足手まといだからな」

こう言えば一目散に逃げ出すと思ったんだがな、一向に逃げる気配がねぇ
それどころかこいつのこの目はさっきみたいな人を疑う目をしていない
覚悟を決めた、そんな眼をしてやがる数瞬間を置いてから圭一は話し始めた

「・・・・すまなかった、俺アンタの事信じてやれなかった・・・
 まずそのことを謝らせてくれ・・・・そしてせっかくだけど俺は逃げない!
 レナが魅音が梨花ちゃんが沙都子が!!この霧の中で助けを待ってるかも知れねぇ!
 それに俺は、悪魔共が喜ぶ脚本が今後どれだけやって来ようとも
 みんなでぶち壊してやるって心に決めたんだ!こんな程度で退く訳にゃいかねぇんだよ!!」
267参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:58:21 ID:6u8Vtqcq

あまりにもの鬼気迫る表情だったんでびっくりしちまったぜ、
そうか、お前は信じるのか、普通なら幻覚を見たとかで済ませるような
目の前の現状を。どうやら、こいつの話は信じて良さそうだな。

「そうかい、へへっ、警戒した眼を見て勘違いをしちまうところだったぜ。
 そういえば自己紹介がまだだったか、俺の名前は、新堂誠。
 せっかくこうして知り合ったんだしよ、一緒に共闘ってのも悪くねぇかもな」

「ああ!よろしく頼むぜ、新堂さん!雛見沢分校ゲーム部の実力を見せてやる!!」

しかし、部活か・・・・あいつらもここに来てるとしたらこいつの仲間はかなりやべぇかもな。
こいつの仲間とあいつら、『殺人クラブ』が両方ここに集まってればの話だがな。
まぁ、まずは目の前の薄気味悪りぃ化物をぶっ潰す所から始めるか。

「圭一、こいつらは一人も逃すな。一人残らず、逝ってもらおうぜ!」

「もちろんだ!!もう二度と惨劇を起こさないためにも、こいつらを倒す!!」

こうして俺たちは化物共の所へと走り出した、この街に居る化け物を倒しきる事が
どれ程難しい事かも知らずにな・・・
268参加するカモさん:2010/04/23(金) 23:59:07 ID:6u8Vtqcq
【新堂誠@学校であった怖い話シリーズ】
 [状態]:健康、殺人クラブ部員
 [装備]:木製バット
 [道具]:生徒手帳、ポケットの中身は不明
 [思考・状況]
 基本行動方針:殺人クラブメンバーとして、街にいる化物を皆殺しにする。
 1:まずは目の前の奴らから片付けるか・・・・・。
 2:圭一と情報交換
 3:ひとまずこの状況を楽しむ
 4:他に殺人クラブのメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる(化物を)。



 ※アパシー版恵美ちゃんの殺人クラブ観察日記で早いもの勝ちルールを宣言された後から参戦


【前原圭一@ひぐらしの鳴く頃に解】
 [状態]:健康、赤い炎のような強い意思、L1
 [装備]:悟史のバット@ひぐらしの鳴く頃に
 [道具]:特になし
 [思考・状況]
 基本行動方針:部活メンバーを探しだして安全を確保する。
 1:こいつらを放っておいたらレナ達にも危険が及ぶかもしれない!
 2:新堂と情報交換。
 3:部活メンバーと連繋して事態を解決する


 ※原作罪滅ぼし編直後より参加。
 ※バブルヘッドナースの群れと交戦中、どの程度の規模なのかは他の書き手さんにまかせます
  新堂の言っている犬とはケルベロス@バイオハザードです。
269参加するカモさん:2010/04/24(土) 00:03:02 ID:i892ytPY
代理投下終了です

したらばに最近投下されてたので投下しました
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11253/
本スレが落ちたのでこちらに投下しました

さて、新堂は殺人クラブ所属の時のこいつか どう転ぶか判らん
K1は逆にこの時期は意思が強いからモチべ的には安定してるがバットでこいつらはきついかも
早く銃とか手に入れろw
270参加するカモさん:2010/04/26(月) 23:22:59 ID:6BYsa/Oj
おお!再会してる!すごく好きなロワだったから嬉しい
投下&代理投下乙です

新堂も圭一もあついなあ良いコンビだ
殺人クラブの二人は合流しようって方針は同じだけど、殺そうとしてる対象が違うからどうなるやら

wikiで今までの話読み返してくる!
271参加するカモさん:2010/04/30(金) 03:52:31 ID:BaS5CDGI
wikiで上がっててこのロワに気づきました。
テーマが面白すぐる!!
脱出に主観置くロワってのが斬新ですね。
それに、コープスパーティーBC、ナナシノゲエム、スィートホームが
出せるロワってこれ位しかないと思う。続きが気になります。

あと、今更提案するのもなんですが、人間同士のマーダーでいるメリットが
ものすごく少ないと思うんですよ。
他に人間殺して回ってるクリーチャーが徘徊する中で、殺人を行うのは
単純に危険なのと、自分を守ってくれる盾が減って危険なのと二重苦になりますから。

そこで、一人が人間を3〜5人殺した段階でクリーチャーから襲われなくする権利を与える
というのはどうでしょうか?
その段階で、そいつ自身をクリーチャー化させて通常よりさらに強力なマーダーにする
ってのも殺しが加速されます。
もちろん、何らかの理由で対主催(いるのか?)に移った際に
主催側の攻撃は無効化されない制限をつけると、安直なチート化にはならないと思います。
無論、リレー型のロワの主旨も有り、皆さんで決めて貰えれば有り難いです。

当方、書き手として繋ぐ事は出来ませんが、皆さんが書く内容を楽しみにしています。
272◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:51:53 ID:NPe9vIvx
古手梨花、風海純也代理投下します
273◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:52:35 ID:NPe9vIvx
私は今まで何度もこの世界を繰り返した

今までの世界ではいつでも惨劇が繰り返され。

私はもう諦めてしまおうかと思い始めていたところだった


・・・・・・今回の世界もみんな死んでしまった、けれど
決して変わらぬ運命との戦い方、抗う心が運命を変えるのだと、
彼がそう教えてくれた。・・・・・・そして本当の敵も解った。
後は次にこの記憶を引き継げれば
この世界は無駄じゃない・・・・・・・!!

「くっくっく、あっははははははははは!!本当に今夜は月の綺麗な夜だこと。
 ね、あなたもそう思わない?」

倒すべき宿敵が笑う、実際には数百回と立ち向かってきた私の怨敵が哂う。

「…………そして、…私を殺すのね」

後一歩、後一歩足りなかったがために『また』起きた悲劇。
274◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:54:03 ID:NPe9vIvx
「えぇ。殺すわ。女王感染者の死体が作戦の鍵なの。
 あなたはここから遠く離れた東京の地での醜い政治的権力争いの具になるのよ。
 そして、鬼ヶ淵村の伝説のピリオドとなる」

きっと私は鷹野の心酔する鬼ヶ淵村の本当の綿流しになぞらえて殺されるだろう。
ハンカチで眠らされ腹を割かれて殺されるのだろう。

それじゃあダメだこの事を絶対に忘れないために今眠らされる訳にはいかない・・・!!

「・・・・・・あなたが私の腹を裂くのを、私は魂に刻み付ける。・・・・・・それを私は
 絶対に忘れない。あなたに再び会った時、あなたが敵であることを思い出す
 ために」

交渉の結果眠らされなかったのはいいが私は後手に手錠か何かで縛られ、
更に両足も縛られ、しかもその縛られた両方までも結んで縛られたので
まるで海老のような格好になってしまった。

それでも私に後悔はない、
今まで、これだけ精一杯人生を戦った事は無かった。
そして、これだけ多くの事を学んだ事は無かった。
だから不思議と満足だった・・・・・・
けれど鷹野という黒幕の正体を掴んだのはこの世界だけの束の間
どんな手を使ってでもギリギリまで生きて記憶を残さなくては意味が無い。
忘れたら、私の周りで眠っているみんなの死と努力を無駄にする事になるのだから・・・
275◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:54:48 ID:NPe9vIvx
その時不意にワゴン車が何かにぶつかり、その弾みで壁に打ち付けられてしまった。
激しい痛みが体中を駆け巡るが、その代わり手枷や足枷が外れた。
苦痛を意に介している暇も無いこれなら逃げて時間を稼ぐ事ができるかもしれない!!
私は立ち上がり何度も、何度も壁に体当たりしてやっとの事で扉を開け、


そして―――――――私は唖然とした。


鷹野は古手神社へ向かうと思っていた、しかしここは全く違う場所・・・・・・・。
いや場所だけじゃない、今までの経験上分かる、空間も時間も次元すらも違う・・・・・・。
・・・・・・生き物が関わってはいけない世界を感じる・・・・・・・。
羽入に近いが、しかしもっとおぞましいモノ・・・・・・そんな存在が支配しているような・・・・・・。
・・・・・・・・よい方向に考えれば、もう鷹野から逃げる必要は無くなったという事でもある。
だが・・・・・・
「羽入!!どこなの、羽入!!・・・・・・・・ダメだわ、やっぱりいない。
 私だけがこの異質な空間に連れてこられたという事なのかしら?
 それとも・・・・・・どちらにせよ、ここから出なければせっかく辿り着けそうな
 世界にも辿り着けないということね・・・・・・・・」

それならばまずは装備の調達だ、いくらなんでも丸腰でこんな所には居られない。
私は運転席に回り込みその惨状を確認した。
やはり運転手は死んでいた、幸いな事に圧死ではなかったので車内から
簡単に引きずり出す事ができた。
しかし本当に驚かされたのは車体のヘコミ方である。
奇妙な事に車の真ん中が運転席を真っ二つにするほど窪んでいる。
まるで何か巨大な鉄柱にでも衝突したかのような有様だ。
276◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:55:46 ID:NPe9vIvx
「まぁ、あまり気にする事では無いのだけれど・・・・・・」
私は出来るだけ素早く装備を剥ぎ取り、今更ながら誰も見ていないかどうか確認した。
すると、背後に人影が見えた。そいつはこちらに気付いたのか、
どんどんと近づいてくる。
その人は――――


「赤・・・・・・・・・坂・・・・・・・・・・・?」



「えぇ!?人見さんが行方不明になった!?」

ぼくは慌てて兄さん、霧崎水明に詰め寄った。

「あぁ、休暇中ウェストバージニア州に住む知人を訊ねると言って出て行ったきり
 戻ってこないらしい。」
いつになく真剣な表情で、兄さんは言った。
あの年中バイクを乗り回している人見さんが事故にあうところも
また、あれだけ聡明な人物が道に迷うところも想像はできなかった。
ぼくは何か他に手がかりはないのか説明を求めた。
すると、兄さんはつぶやくように言った

「・・・・・もしかすると、〔サイレントヒル〕が関係しているかも知れん」
「サイレントヒル?なんだい、それ?」

どうやら、また兄さんのオカルト話が始まるようだ。
ぼくはこれまで、現代科学では解明できない様々な怪事件を見てきたし、
今回の人見さん失踪事件にも何らかの関わりがあっても
驚く事ではない。ぼくは兄さんの詳しい長話を聞くにした
277◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:57:04 ID:NPe9vIvx
「サイレントヒルは別名霧の街といわれアメリカの一部で語り継がれる都市伝説だ。
 そこでは常に霧が立ちこめており、そこに迷い込むと、〔奇怪な怪物〕に襲われる、
 だとか、〔魔女〕の生け贄にされる、だとか言われている。
 その他にも罪のある人々が誘い込まれ、怪物達に裁判に掛けられる、
 赤錆びた別の世界へ連れて行かれるなどのバリエーションがみられる。
 キャッスルロックやアーカム同様のフィクション上の架空の街とされているが、
 どこが出展元かも、この話の終わりもわからない、掻い摘んで言うとそんなところだ。 」

・・・・?
おかしい、1つの都市伝説で朝まで語りつくせるあの兄さんが、
掻い摘んで言うと・・・・? 兄さんの眼の下には1日2日では
できないような大きなクマができている。よく見れば、随分と衰弱しているようだった。
何だかんだいっても、やはり数少ない心の許せる友人の人見さんの事が心配で、
サイレントヒルについて徹夜で、徹底的に調べていたに違いない。

「行ってみたらどうだ、と、冗談で言ってみただけだったんだがな。
 どうやら本気で調べに行って、本当に辿り着いちまったらしい、
 そこでだ・・・」

「そこで、ぼくに人見さんを探しに行けっていう訳だね」

大体の察しがついたので、兄さんに尋ねる。

「・・・・・そうだ、あの人見が何も残さずに消えるとは考え辛い。
 せめて何か手がかりだけでも見つけてくれればありがたいんだが」
なるほど、確かに一度転ばせたら8倍返しされそうな人だった。
人見さんはちょっとキツイところもあるけど、大切な仕事仲間だ。
貴重な休暇を全て潰してでも探しに行く価値がある。
278◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 20:58:34 ID:NPe9vIvx
「わかった、それじゃすぐにアメリカ行きのチケットを用意するよ、
 できれば、今日中にね」
すると兄さんは安堵の溜息を吐いて、椅子に深く腰掛けた
「そうか行ってくれるか、本当は俺が行くべきなんだが、どうにも仕事が溜まっていてな
 かたずけたら俺もすぐ行く」
そりゃあそんなクマができるほど調べ物に没頭していたら仕事も溜まるだろう。
ぼくが部屋を出て行こうとすると兄さんが引きとめて、年代物のカメラと御札を渡してきた。
「こいつを持っていけ、もしサイレントヒルに入った時何かの役に立つかもしれん
 このカメラはファインダー越しに霊的なものや残留思念が見え、
 その見えた霊を写すと封じ込める事ができるものだ。」

先日、骨董品屋で入手したものらしい。そのカメラがもっと前にあったらと思うが、
過ぎてしまったものは仕方ないか。御札の方はといえば、一般的な作りのものらしかった。
何時になく心配性な兄を見て、ぼくは苦笑しながらドアノブを回し
「大丈夫、心配しなくても2,3日したら戻ってくるよ」
そう元気付けたのだが。
279◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:00:54 ID:NPe9vIvx

どうもそんなに簡単にはいかなかったらしい。
最後の訪問先である人見さんの友人宅に行って事情を聞いた後、
ニューヨークの医学学会に行く途中、深い霧の中に入ってしまった。
これはもしや?そう思い引き返そうとしてもなんと道がないのだ。
正確には音も振動も無く、とても渡れそうに無い規模の地割れが起きた。
そうとしか説明のしようの無い状況だった。
何度かためしたのだが携帯も通じそうに無い、まさに陸の孤島だ。
なるほど、こんなところに閉じ込められたら一ヶ月も戻って来ない訳だ。

これは推測の域を出ないがこの現象こそが〔サイレントヒル〕なのではないだろうか
これだけの規模の怪現象が起これば魔女や怪物の姿を思い描くに違いない
そう推理していると目の前の地割れの音と振動が遅れて背後から襲ってきた。
その音の中心にいたのは、随分と小さな人影を二つ見つけた。
ともかく情報を集める事が先決だ、霧の向こうの人物に話を聞く事にした。

「きみ、一人かい?」
この街は驚く事ばかりだ、二つあったはずの人影が近づくにつれひとつになっていった。
消えた方の人影は12〜3歳位に見えたのだが・・・
しかもそこにいた少女は男の遺体から武器を奪っていたようだ。
ここは慎重に事情聴取しなければなるまい。

「ぼくは警視庁警察史編纂室所属の風海警部補といいます」
ぼくは警察手帳を取り出し少女に見せた。
「みぃは古手 梨花、というのですよ、にぱー」

状況に見合わない朗らかな挨拶だ、この少女は何か怪しい。
何か裏があるような、まるで、人の死を見慣れているかのような。そんな雰囲気を感じた。
ぼくはそもそも何故この男性は武器を所持していたのか聞く事にした
「梨花ちゃん、なんで、この人は武器を持っていたのかな?」
280◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:02:27 ID:NPe9vIvx
できるだけ優しい口調で言ったつもりなのだが、
何故か哀しげに俯かれてしまった。

「この人は、ぼくを殺そうとした悪い悪い人なのです・・・・・」
「!?もっと、詳しく教えてくれないかな?なにか言ってた?
 殺害目的は・・・」

何かの誘拐事件に関連があるのではと思い、立て続けに質問したのだが
梨花ちゃんは一瞬困った顔をして、やはり場違いな笑顔でこう答えた。

「・・・・・・・風海もこれを持ってもっと落ち着ける場所に行くのですよ、
 ここにいたら怖いお兄さんと勘違いされてしまうのです」
「え?あ、ああ・・・・・・」

梨花ちゃんから防弾ジャケットと防刃ジャケットを受け取る
確かにこんな血生臭い所に少女と大人がいたら要らぬ勘違いを招いてしまう。
隣にあるワゴン車を見るに先ほどの騒音は交通事故によるもののようだ、
この男性の遺体も事故によるものだろう。

ただ、男性からはこれほどの臭いがするほどの血を流してはいなさそうなのだが・・・・・
なんにせよ、ここから離れ、ぼくは彼女から話を聞く必要がありそうだ

ぼく達は事件現場のワゴンから深い霧の中へ歩き始めた
281◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:03:49 ID:NPe9vIvx
【町外れ/一日目夕刻】

【古手 梨花@ひぐらしのなく頃に】
 [状態]:健康 、L3-、鷹野への殺意
 [装備]:山狗のナイフ
 [道具]:懐中電灯、山狗隊員のバック(中身は不明です)
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルから脱出し、記憶を『次の世界』へ引き継ぐ。
 1:風海と同行し安全な場所に移動。
 2:風海と情報交換。
 ※皆殺し編直後より参戦。

【風海 純也@学校であった怖い話】
 [状態]:健康
 [装備]:拳銃@現実世界
 [道具]:射影機@零シリーズ、御札@現実、防弾ジャケット@ひぐらしのなく頃に、
     防刃ジャケット@ひぐらしのなく頃に、バック(小)(中に何が入っているかはわかりません)
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルの謎を解き明かし、人見さんと脱出する
 1:落ち着いて話のできる場所を探す
 2:古手梨花と情報交換
 3:人見さんを探す

 ※人影は羽入ではないようです
※ワゴン車は何か大きな物に当たったようです、元からそこにいた
  大型クリーチャー(レッドピラミッドシイング、闇人乙式など)
  が吹き飛ばされているかもしれません。
※圭一達(皆殺し編ラストから登場)の死体はワゴン車の中に、放置されています
  放っておくとゾンビ化するかもしれません
  ※運転手の死体はワゴンの外に放置されています
282◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:06:15 ID:NPe9vIvx
代理投下終了です
題名は伝染り神(うつりがみ)です

梨花はここから参戦か。k1とか他の連中もいると知ったらどうするだろうか…
純也は純也でサイレントヒルを知ってるのか…
283◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:08:13 ID:NPe9vIvx
続いて岩下明美とエドワード(シザーマン)代理投下します
284◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:11:33 ID:NPe9vIvx
病院内に風が吹く、流れる様に揺れる黒髪、それに夕日の光りが反射して
まるで女神のような美しい顔立ちに華を添える

彼女の名は岩下明美、外は夕日で橙色に染め上げられた霧で充満している。
先程まで殺人クラブのメンバーと共に早い者勝ちの『狩り』に参加しに行こうとしていたはず、
なのに何故ここにいるのか?

その疑問は彼女の首を見ればわかる。

彼女の首にはルーベライズと呼ばれる宝石を首飾りにした
所謂幸せのネックレスを下げている。
このルーベライズという宝石実はパワーストーンとしては最高級品
手に握り願うだけで持ち主の希望を叶えるのだ
多大な不幸を対価として・・・
彼女が願った事はこうである
『もっと理由のある狩りをしたい、理由も無いのに殺すだなんて、
 ただのケダモノのすることだから』
もっとも、別にルーベライズに対して願ったわけではない。
たまたま首から外そうとした時願ってしまったのだ

まばゆい光りと共に突然周囲の風景が変わったため最初は驚いたが
理由はすぐにわかり、そして現状に対して不満を述べる

「こんな薄汚れた病院に何があるっていうのかしら?」

願った事が願った事だけにいきなり襲われるという事も覚悟したが
特にどうという事も無かった。
幸いな事に彼女が最初にいたのはオペ準備室だった。
小型の刃物を使うのが得意なためにメスなど数種の刃物を頂戴した
その最中にオペ室からうめき声がするのに気がついた。
気になって入ってみると・・・
285◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:12:40 ID:NPe9vIvx
白衣を着たゾンビが5体、ストレッチャーの上の死体を貪っていた。
医者が一転患者になってしまったかのようなその光景は、一般人なら
確実に腰が抜けてしまうだろう。
しかし彼女は笑い出す。
狂気から来るものでもなく
恐怖から来るものでもなく
ただただ楽しそうに

「うふふ・・・・霊でもないし、呪いでもない。なのに死体が動くだなんて・・・・
 うふふふふふふふ・・・・・・素晴らしい世界に放り出されたものだわ・・・」

その言葉を聞いてグールの群れは動き出す、まるで首にかかった宝石に
元の姿に戻してほしそうに・・・・
あぁ・・・・
あああぁ・・・・
ああああぁぁぁ・・・・・

うめき声を上げながら近づいてくる医師達。

「あらいやだ・・・・」

僅かに顔を顰めて彼らを殺す
グシャッ!!一体目のこめかみにメスをつき立て一気に差し込む
その次も、その次も、その次も・・・・・
舞踏のように鮮やかになされたその行為は、ある種の流麗さすら感じさせる。
そして最後の一体の首を割くとグラリ、首は後ろに倒れ込む。
喉から口内が見えているのに、それでも尚動き続ける死体。
驚いた様子で微笑を漏らす、その直後、彼女は突き放すように
後ろにトン、と首を押した。
ポキャン!という退屈な音を立てて、死体は倒れ込んだ。
286◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 21:13:57 ID:NPe9vIvx

「うふふ・・・なるほど『襲ってきたから仕方なく』という理由をくれたのね、
 そして襲われるという事が不幸な事・・・・・」

しかしそれは岩下にとって不幸でもなんでもない
彼女にとって本当に残念なのは

「次はきちんと呪いや魔術で動いてる死体と遊びたいわ・・・・」

ルーベライズは怪しく光る、そして持つ者に不幸を与え、希望を叶える。
廊下に出るとそこには素晴らしい光景が広がっていた

「・・・・・・うふふふふふ・・・・運命は素晴らしいわね・・・・・」

そこにはこの街の誰もが今だ経験した事の無いほど溢れかえった
無残な顔のナース達がいた・・・・・
何人かは銃を向け、また何人かは鉄パイプを握り締める。
ゴリッという音と触感、こめかみに銃が突きつけられる。
そして・・・・・・!

・・・・・・・・・話は冒頭に戻る
今、彼女はエレベーターを降り中庭から吹く風に艶やかな黒髪をたなびかせている
制服は血に染まり手にはもはや手になじむほどまで使い込まれたメスと
哀れな被害者から奪った拳銃が握られていた。
手に持っている学生鞄のチャックには戦利品や、使った凶器などが収められたのだろう、
血がべっとりと付着している。

女神のような美しさ
悪魔のような漆黒の心
287◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 22:00:23 ID:NPe9vIvx

それが岩下明美という女性だった。
他の人に持たせて更に宝石を美しく輝かせてみようかとも思ったが、
ここに人はいそうも無い、彼女はまた願う。
『理性のある人に会わせて頂戴』と

さて何度も言う様であるがこれは希望を叶える代わりに、不幸を与える
そういう代物である。
しかし前二つの願いは彼女にとって不幸でもなんでもないことであった
これはどういうことか?それは『理性のある人に会う』
この願いに不幸が集中したからだと言わざるをえない

願いはすぐさま叶えられたが
彼女には3つの不幸が降りかかった
一つ目の不幸は、相手が理性ある人間ではなく、
        理性ある人型の化け物だったという事

二つ目、彼には理性がある、理性があるからこそ、
    目の前の女は自分が隠れ蓑とするには不足である。
    そう判断された事。

三つ目、魔力を落としてしまった今の状態なら、力ずくでも手に入れたい・・・・
    そんな魔力の源が首から下がっていた事である
288◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 22:01:20 ID:NPe9vIvx

シャキン、



シャキンシャキン、



ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキ
ン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジ
ャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!ジャキン!



               ジャキン!!

次元の裂け目に落とされた邪神の使い。
宝石の魔力で戦場に舞い降りた悪魔。
双方とも無駄なく構え、場は緊張し、空気が張り詰める
2人の舞踏会の幕を開けようと、世界はうねり、形を変え、紅く染まり・・・・・・





――――――――そして、サイレンは歌いだす。
289◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 22:02:58 ID:NPe9vIvx
【アルケミラ病院一階廊下/一日目夕刻】

【岩下明美@学校であった怖い話シリーズ】
 [状態]:健康、殺人クラブ部員 、疲労(中)
 [装備]:拳銃、メス
 [道具]:生徒手帳、学生鞄 (複数の医療器具、拳銃などが入っています)
     『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話SFC?
 [思考・状況]
 基本行動方針:パワーストーンを輝かせるための生け贄を探す
 1:目の前の少年を殺す、負けそうになったら適当に逃げる 。
 2:何処かで服を着替えたいわ・・・・
 3:幸の薄そうな人を探してパワーストーンの輝きをより上質なものにする

※参戦時期は新堂と同じ、早い者勝ちを宣告された後です
※2階はかなり酷い状態になっています、誰かが見たらショックを受けるかもしれません

【『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話SFC?】
握り込んで願えば何でも願いが叶うというパワーストーンの最高級品。
所謂幸せを呼ぶペンダントなのだがその代償として多大な犠牲を要求する。
回数制限の無い猿の手のようなもの、というのが近いかもしれない。
願いを叶えるたびに魔力が増幅しそれにより輝きが増す。

学怖本編では『天才になりたい』と願えば急速に脳が発達し死に至り。
      『大金持ちになりたい』と願えば両親の死により保険金が入りました。
本ロワでは強力すぎるため不幸:願い=7:3位の方がいいかもしれません。
290◇wXYVD2NDBY 代理:2010/05/03(月) 22:04:50 ID:NPe9vIvx
【エドワード@クロックタワー2】
 [状態]:健康。魔力が減っている。
 [装備]:特になし。
 [道具]:特になし。
 [思考・状況] 皆殺し。赤い液体の始末。
 基本行動方針: 人の中に紛れて機会をうかがう。
 1:目の前の女を殺し、魔力を取り戻す。
 2:ここを出て、集団に潜む。
 3:か弱い少年として振る舞う。

※魔力不足で変身できません。
※サイレンが鳴りました,建物は赤黒い錆に包まれて構造が変わり、開かないドアや
アンプルや栄養剤などの一部飲料アイテムを除いた水が赤い水@SIRENになりました。

代理投下終了です
題名は『魔王と邪神』です
ああ、この二人まで参加してるのかよ…最悪だ
291◇VplLOnt7Hg 代理:2010/05/03(月) 22:06:49 ID:NPe9vIvx
北条沙都子代理投下します
292◇VplLOnt7Hg 代理:2010/05/03(月) 22:08:13 ID:NPe9vIvx

北条沙都子はいつだって病に運命を狂わされてきた。

本人に自覚はなかったが、彼女の病は両親を殺し、兄を奪い、数多の世界で友人を失わせたのだ。

そして、それは死して尚健在であったようだ・・・・
ほぅら、足音がやって来る、
ズルリズルリと身体を引き摺り
疫病の女王がやって来る・・・・・

かつて女王ヒルと呼ばれたそれは、北条沙都子死体の再生を始めた、古手梨花が去っていった直後の話である

「う・・・・・・・」
(ここは・・・・何処ですの?確か私は・・・・・私は・・・・?)
「私は何をしていたんでしょう?」

頭痛がする、身体を起こし状態確認。
名前、北条沙都子
出身、雛見沢
特技、トラップ作成
体組織、再生中

(どうにも記憶が不鮮明ですわね、何か大切な事をしていたはずですけれど・・・・)

「うぅ・・・・・」

ザ・・・笑ってザザザ・・・・ザザ・・くれ、・・沙都子


思考にノイズ発生、前原圭一の記憶

「そうですわ、圭一さんに会えば何かわかるかも・・・・ん〜でもとりあえず・・・・」
293◇VplLOnt7Hg 代理:2010/05/03(月) 22:09:00 ID:NPe9vIvx

空腹感あり食料の補給が必要

「とりあえず食べ物を探さなきゃいけませんわね」


彼女は気づかない、既に「彼女の世界」の圭一は死んでいることに。

彼女は気づかない、額の傷を補っているモノが何かという事を。

そして今自分が求めている食料とはなんなのかを・・・・
294◇VplLOnt7Hg 代理:2010/05/03(月) 22:09:50 ID:NPe9vIvx
【ワゴン車付近/二日目早朝】
【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に】
[状態]:T-ウィルス感染、女王ヒル化進行、記憶喪失、雛見沢病完全消失
[装備]:特に無し?
[道具]:特に無し
[思考・状況]
基本行動方針:知り合いに会って記憶を取り戻す

1:お腹ペコペコですわ・・・
2:圭一さん達なら何か知っているかも・・・
3:????

※一度死んだため雛見沢病の寄生虫は消えました

※女王ヒル@バイオハザード0が1日かけて脳を再生しました、
再生速度が早いのは遺体の損傷の少なさ、サイレントヒルの魔力、
 溶けて消えた雛見沢病の寄生虫等が関連しているようです


※ヒルの触手で攻撃できるかもしれません
295◇VplLOnt7Hg 代理:2010/05/03(月) 22:10:56 ID:NPe9vIvx
代理投下終了です
タイトルは「Plague Queen」です。

女王ヒル…だと…
これは…
296the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:03:28 ID:akqcH5Si
ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
代理投下します
297the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:04:09 ID:akqcH5Si
ねっとりとした肌に絡み付く様な、まっ白い霧を引き裂いて、
銃声が木霊し、マズルフラッシュが輝く。

“男”が手にしている銃器―マシン・ピストル『ステアー TMP』―の銃口より、
毎分900発の発射速度で撃ち出される銃弾は狙いを誤らず、
“男”に襲いかからんとした奇怪な怪物―顔の無いナース姿のマネキンの様な怪物―を貫き、
怪物は血を思わせる赤い液体を体から吐きだしながら、前のめりに崩れ落ちる。

仰向けに倒れながらも、昆虫の様にその四肢をせわしなく動かす怪物の頭部に、
“男”は軍用ブーツの踵を振り下ろす。

顔の無い頭を踏みつぶされてようやく、ナース姿の怪物はその動きを止めた。
同様に頭部を踏みつぶされたナース姿の死体(?)がさらに二つ、少し離れた所に転がっており、
さらに一つ、首をへし折られ、目も鼻も口も無い顔が180度反対側を向いた死体も転がっていた。

怪物どもが武器とする、鉄パイプや松葉杖を引き摺る音がしなくなったのを確認し、
“男”は未だ銃口より紫煙たなびくステアー TMPより、
残弾が尽きた空のマガジンを抜きとり、予備のマガジンに交換する。

マシン・ピストルの残りのマガジン数は、今装填したのを含めて残り二つ。
後の武装は9mmハンドガンが一丁とコンバットナイフ、そして自分の体術だけだ。
予備の弾丸、装備が乏しいのは、“男”の『本来の任務』が奇襲作戦だった為だが、
この意味不明の状況を生き抜くには、あまりに装備が心もとない事に、“男”は軽く溜息を付いた。

“男”は些か特異な恰好をしていた。
黒いケブラーヘルメットに、黒いガスマスク。
黒いタクティカルベストに、濃灰色の戦闘服。
足はやはり黒色の軍用ブーツに、両手には黒い手袋を嵌めており、
肌は一切露出させていない。

ガスマスクの赤いバイザー部分が、
白い霧の中、妖しい光を放っていた。
298the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:05:26 ID:akqcH5Si
“男”は、爪先で足元の怪物の死体を小突きながら考える。

(コイツラは何だ…?)

T-ウィルス感染により自然発生するゾンビやケルベロス、大蜘蛛の類とも、
“タイラント”や“ハンター”といったアンブレラ社謹製のB.O.W.とも明らかに違う。
そもそも、“生物”と呼んでいいかすら怪しい。

(血が出る以上は生き物で…と考えていいものか…)
(取り敢えず…殺す事は出来るらしい)

銃器のみならず、体術でも殺せる事は、
先程、襲ってきた怪物どもの内の一体の、首をへし折って殺した事から明らかだ。

(T-ウィルスによる新種のクリーチャーか何かか?脅威の度合いならば、ゾンビと然程変わらんが…)

しばし怪物の死体を眺めていた“男”だったが、
ふと、顔を見上げて辺りに視線を巡らす。
男の耳に、聞きなれたある種の“音”が入って来たからだ。

(これは…銃声か?距離は…少し遠いか)

銃声、おそらくは拳銃弾によるものが数発分、霧の向こうから連続して聞こえて来る。
どうやら、この奇妙な霧の街には、自分以外にも人間がいるらしい。

(さて…どうする。接触するべきか、せざるべきか…)

“男”は、銃声のした方向にいるであろう誰かに、
接触するリスクとリターンを勘定する。
299the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:07:22 ID:akqcH5Si
“男”は今自分いる「ココ」が何処だかを把握していない。
何せ、下水道で「化け物」と戦闘している最中、殴り飛ばされて気を失い、
目が覚めたかと思えば見知らぬ霧の街のど真ん中だったのだから。

ラクーンシティー上空で待機している筈のヘリ“ナイトホーク”とも一切連絡が取れない。
壊れている様子の無い無線機は、意味の解らないノイズを拾うばかりだ。

所々にある標識などから、かろうじてアメリカの何処かだと言う事は解るが、
余りにも深い霧に包まれたこの街は、明らかに尋常ではない。

今の“男”に課された任務は、腰のポーチに入っている「サンプル」を無事に送り届ける事。
一刻も早く現状を把握し、“ナイトホーク”あるいは“アンブレラ”と連絡を取らねばならない。
その為にも、現状理解の為の情報収集は不可欠だろう。
300the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:09:03 ID:akqcH5Si
任務の性格上、あまり人目には付きたくは無いが、やむをえまい。

決断すると、“男”は素早く行動を開始する。
所々物陰に身をひそめ、周囲を警戒しながら、銃声の方向へと走り出す。
弾薬も乏しい現状では、出来うる限り、戦闘は回避したいからだ。


“男”の黒い姿は瞬く間に霧の中に消えて行った。


この“男”の名前は“ハンク”。
本名では無い。この男の本名を知る者は、彼の同僚でも極々僅かだ。

しかしその綽名は、彼の同僚ならば誰でも知っている。
人呼んで“死神”。
如何なる過酷な任務でも、どれだけ同僚を失おうとも、
必ず彼だけは生き残り、任務を全うする。

今回の彼の任務は、アンブレラ特殊工作部隊アルファチームの一員として、
ラクーンシティー地下アンブレラ研究所から「G-ウィルスのサンプル」の奪取すること。

G-ウィルスの開発者、ウィリアム・バーキン博士を殺害、見事サンプルの奪取に成功するも、
G-ウィルスを自身に射ち込み、怪物と化したバーキン博士の手により部隊は壊滅、
生き残ったのは、またもハンク唯一人であった。
301the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:09:50 ID:akqcH5Si
ハンクは霧の中を一人駆ける。
己に課せられた任務を果たす為に。

しかし彼は知らない。
この“サイレントヒル”が、彼が今まで生き残って来た如何なる戦場をも凌駕する地獄である事を。

果たして“死神”は生きて任務を果たす事が出来るだろうか。
今は誰一人知らない。



【住宅街/一日目夕刻】

【ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:ステアー TMP(残弾30/30)、H&K VP70(残弾18/18)、コンバットナイフ
 [道具]: ステアー TMPの予備弾倉×2、無線機、G-ウィルスのサンプル
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルより脱出し、サンプルを持ち帰る。
1: 銃声の方向へ向かう。
2:情報を集め、現状を把握する。
3:現状では出来るだけ戦闘は回避する。
4:出来るなら、“ナイトホーク”と連絡を取る。
※ヘザーの撃った拳銃の銃声を聞きました。
302the 4th Survivor ◇NH7Vafx8Pc代理:2010/05/06(木) 16:10:56 ID:akqcH5Si
代理投下終了です

こいつは頼りにはなるけど…見た目も不審者だしなw
303◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 16:56:17 ID:akqcH5Si
鷹野三四、クローディア・ウルフ、八尾比沙子代理投下します
304◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 16:57:09 ID:akqcH5Si
ある世界には神になることを決意した魔女がいた。
彼女は数多の世界でオヤシロ様となった

神を産み落とした魔女がいた。
神に触れ消え失せたがその意思により蘇った

神に対する贖罪を果たそうとした魔女がいた。
実を失い、次元の狭間に落ちてしまったがこの地にたどり着く事ができた


魔女達は別々の世界で自身の信じる邪神のために身を捧げ打ち倒され、敗北を経験した。

しかしもし、もう一度チャンスがあったのなら。
魔女達は諦めない、たとえかつてのように関係の無い人間を巻き添えにしても・・・・・・

鷹野三四…CODE:BERUNCASTELU

「あら?誰か出てきたわね・・・・・」

木陰からワゴン車の様子を伺っている者がいた。
彼女の名前は鷹野三四、とある世界では雛見沢村を壊滅させた秘密組織、『東京』の幹部であった。

「でもおかしいわね・・・・・・あの子は・・・・・・・・」

何事かを考えながら長髪の少女と青年らしき影が立ち去っていくのを見送り、一人呟く。

「まぁいいわ、それよりも撥ね飛ばされたアレを見に行かなきゃ・・・・・・」


彼女の狙いも「どこ」から来たのかも未だ解らない。ただ1つ解ることは、彼女が興味を示したモノは、やはり人間ではなかったということだけだ・・・・・・
305◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 17:01:18 ID:akqcH5Si
クローディア・ウルフ…再誕

サイレントヒル遊園地、今は打ち捨てられた場所。

この遊園地には秘密がある。寂れたアトラクションをいくつも抜けた先にあるメリーゴーランドの向こうには、
薄明かりの教会がある。

その昔、聖女派であるダリア・ギレスピー率いる教団がいた場所、
今そこに居るのはその意思を継ぐ者

クローディア・ウルフ

彼女は確かにヘザーの代わりに教団の崇拝する神の復活の生け贄となったはずだった。

何故生き返ったのか
どうして此処にいるのか
彼女は考察し、1つの考えに至る・・・・



「そう、私こそが聖女に相応しかったのよ・・・・」
彼女は祭壇から出口へと向かう、神の作った世界を見に行くために・・・・
306◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 17:02:01 ID:akqcH5Si
八尾比沙子…子守唄

アンブレラによって忌まわしい実験がいくつも行われた場所、研究所

この場所、B・O・W培養槽は最も触れてはならぬアンブレラ社の禁忌の場所である
そこにいたのはボロボロの修道服を着た白髪の女性だった。

「此処にはあそこには無かった不思議な力が満ちているわ・・・」
女は焦点の合わない目で嬉しそうにしている。
何かの操作盤をマニュアルを見ながら慣れない動きで操作する姿は、端から見るとマッドサイエンティストのそれである。

「これを使えば・・・・私の目的はもう一度達成できるのね・・・・」

空の培養槽から霧が吹き出し口を開けた。
そして大事に抱えていた異形の首を中に入れ扉を閉める・・・


そして彼女は歌いだす、子供をあやす母のように
307◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 17:04:37 ID:akqcH5Si
魔女の行いは1つの町を再び悪夢に変えた。

誰が加害者で誰が被害者なのかはまだわからない

いや、あるいは魔女達の中には被害者などいないのかもしれない。
またその逆もありうるが・・・・


何にせよ彼女達は動き始めた。
他人を気にせず、何かを求めて・・・・・・

神の名の元に・・・・・・
308◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 17:05:41 ID:akqcH5Si
【ワゴン車周辺】

【鷹野三四@ひぐらしのなく頃に】
[状態]健康、雛見沢病?
[装備]???
[道具]手提げバッグ(中身不明)
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、車にはねられたモノの所に行く
2、???
※賽殺し編からの参加なら悪意はなく雛見沢病にもかかっていません
※それ以外なら神になるために動くかもしれません
※はねられたモノは何らかの協力者かもしれません

【クローディア・ウルフ@サイレントヒル3】
[状態]健康
[装備]無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、とりあえず外に出る
2、???

※儀式は成功したと思っているようです
※まだ体内に神がいるかも知れません
309◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 17:06:34 ID:akqcH5Si
【遊園地のメリーゴーランド研究所内部】

【八尾比沙子@SIREN】
[状態]墮辰子死亡によるショック、半不死身
[装備]無し
[道具]培養槽操作マニュアル、???の首
[思考・状況]
基本行動方針:不明
1、此処で培養槽を見張る2、???

※何かの首を培養槽の中に入れました、
儀式失敗のショックで錯乱しているため
培養槽に入れたのは墮辰子の首ではない
かもしれません

※培養槽の操作の仕方を覚えました
310◇BoVaEdQZq 代理:2010/05/06(木) 17:07:22 ID:akqcH5Si
投下終了です

一人だけでも嫌で手に負えないのに三人も……
311惑う子羊 ◇qh.kxdFkfM代理:2010/05/08(土) 21:43:04 ID:aj7JL5cf
シェリー・バーキン@バイオハザード2代理投下するよ
312惑う子羊 ◇qh.kxdFkfM代理:2010/05/08(土) 21:44:26 ID:aj7JL5cf
 少女はたしかにそこにいた。
 母に命じられ、父を待ちながら、きちんとそこにいたのだ。
 そう、“異変”が起こるまでは。



 『惑う子羊』


 
 
 シェリー・バーキンは警察署にいたはずだった。しかし、ここはどう考えても警察署内ではない。
調度類や様式、空気がさっきまでのそれと違う。硝煙や腐敗の異臭がしなくなったのは、幸運ととらえるべきなのだろうか。
呻きながら近づく、腐った人間を思い出し、少女は身をすくめる。どんな原因でああなったのかは知らないが、あれが同じ人間とは思えない。
 ともかく、ここが彼女の記憶する場所でないのはたしかだ。  

 ――――では、ここはどこだ。

 そんな疑問に少女は小首を傾げ、ペンダントを揺らす。その身に不釣り合いな程大きなそれには、家族との写真が納まっていた。
巨大製薬会社・アンブレラに勤めている両親と、その一人娘が写ったその一枚をシェリーはしばし眺める。そして、一度大きく頷いてから、足を動かす。
ここでじっとしていてもしかたがない。ここが警察署でないのなら、またそこへ行けばいいんだ。
 彼女はあてもなく歩き、しばらくして、ここが地面の上ではなく、船の上だと気付いた。わずかに感じる揺れ、妙に湿っぽい空気、
「リトル・バロネス号」と書かれたプレート……。海特有のにおいがないので、おそらくどこかの河か湖に浮かんでいるのであろう。

 シェリーは船の外周、簡素な手すりがあるだけの場所に出た。外は霧が濃く、ほとんど何も見えない。
岸までどれくらいあるか定かではないのだ。これでは泳いで移動するのは無理だろう。
 つまり、この巨大な船を動かすか、ボートでも見つけて漕ぐしかない。
しかしそんなことをして大丈夫だろうか。少女は腕を組んで考え込む。
313惑う子羊 ◇qh.kxdFkfM代理:2010/05/08(土) 21:46:23 ID:aj7JL5cf

 かりに船を動かせたとしよう、ボートがあったとしよう。
それがいい方向に状況を変えられるだろうか。かえって悪い結果にならないだろうか。
おとなしく父と母を待つべきでは? 大人の人に頼るべきでは?

(……わっかんない)
 12歳の少女は肩をすくめる。判断するには、情報が少なすぎる。
そもそも、ここがラクーンシティであることさえ疑わしい。
こんな巨大な船が浮かべる場所なんてあの町にはないはずだ。

 と、そこで。
 シェリーは霧の中に少女を見た。自分と同じくらいの年代の、青いワンピースを着た金髪の彼女は、じっとこちらに視線を飛ばしている。
「だれ……?」
 知らない女の子だ。あの子も自分と同じ状況なのだろうか。
いや、そんなことより、なぜあんな所にいるのだろう。
あそこは水の上だ。人が立てる場所じゃないはず。
 瞳に悲哀を湛え、その少女はゆっくりと口を開く。

《……たすけて》

 手すりから身を乗り出して問うたシェリーに返ってきたのは、質問の回答ではなく、救助の請願。
その直後、青い少女を覆うように、無数の手が水面から溢れ出す。
腕の大群は限界がないかのように縦横無尽に伸び、制服姿の少女に迫る。
314惑う子羊 ◇qh.kxdFkfM代理:2010/05/08(土) 21:48:01 ID:aj7JL5cf
 求めるように
     
       奪うように


「きゃッ……!」
 無意識に悲鳴を上げ、シェリーは欄干を転げ落ちる。
運のいいことに、落ちた場所は船の内側だった。
小さな体はまだ床の上にある。それを引き摺りこもうとでもするように、蒼白な魔手が肉迫していく。
 彼女はすぐに立ち上がり、走り出す。腕の一本がすんでの所で細い足を掴み損ねる。
 シェリーは時折振り返りながら、人の気配がまるでない回廊を駆けていく。

 決して戦おうとはしない。ただ脅威から逃げる、危険から離れる。
 

 何の力も持たない少女にとって、それが唯一の抵抗だった。
315惑う子羊 ◇qh.kxdFkfM代理:2010/05/08(土) 21:50:40 ID:aj7JL5cf
【リトル・バロネス号/一日目夕刻】


【シェリー・バーキン@バイオハザード2】
 [状態]:健康
 [装備]:ペンダント
 [道具]:
 [思考・状況]
 基本行動方針:両親との再会
1:あの手から逃げる。
2:陸地を目指す。
3:警察署へ向かう。
4:パパとママに会いたい。
※ここがラクーンシティではないことに気付きました。

代理投下終了です
彼女も来たか…さて、どうなるやら…
316参加するカモさん:2010/05/11(火) 01:06:40 ID:NleC4DNM
したらばで参戦作品で会議中です
意見のある人はどうぞ
317参加するカモさん:2010/05/12(水) 22:33:13 ID:PmEfzv+K
ハリー・メイソン、神代美耶子の代理投下を開始します
318参加するカモさん:2010/05/12(水) 22:34:13 ID:PmEfzv+K

サイレントヒルのとある路地裏、地図上にはない曲がりくねった道の果てに、男が一人立っていた。

彼の名はハリー・メイソンこの町に休暇を取りに来たおかげでろくな目にあっていない。
交通事故を起こし、娘がいなくなり、娘らしき人影を追い入った路地裏では奇妙なバケモノに襲われ・・・・・
ともかく散々だった
だが手掛かりを探しにもう一度路地裏へ行ったのは正解だったようだ。

「これは・・・・・・シェリルのスケッチブックか?
学校・・・・・・にいるということなのか?」

さっき訪れた時には無かったはずの
ちぎれて散らばったスケッチブックがあったのだ!
きっとシェリルが助けを求めて書いたメッセージに違いない。

以前執筆した猟奇殺人事件に関する本の内容と娘の姿が重なり、焦燥感にかられる。


319親バカ日誌◇BoVaEdQZq代理:2010/05/12(水) 22:36:35 ID:PmEfzv+K

ハリーは置いてあった鉄パイプを取り、急いで路地裏を後にした

否、後にしようとした。
歩いても歩いても出口にたどり着けない。
明らかに来た時より通路が長くなっている、先程とは似て非なる場所のようだ。
異次元にでも紛れ込んでしまったような錯覚を起こす。

「クソッ!こんなところで手間取ってる暇はないんだ!」

ハリーは走る、娘のために沸き上がる恐怖を抑えて。
しばらくすると出口が見えた、
だが入った時に転がっていたつぶれた肉の塊と化していた犬があった場所には


代わりに黒い服に黒髪の少女とついさっきまで惨たらしい死骸だったはずなのに驚くほど外傷が消えた犬が死んでいた。

「大丈夫かい?」

泣き続ける少女に話しかけるが一向に泣き止まない、少女は見たところ東洋人のようだ、娘より年上だろうか?

観光客ならこの街の事は知らないだろうが
もしかすると娘の事を何か知っているかもしれない。
英語が伝わるかどうか多少不安だが
それでも尋ねずにはいられなかった

320親バカ日誌◇BoVaEdQZq代理:2010/05/12(水) 22:37:27 ID:PmEfzv+K
「ところで女の子を見なかったか?
先月7歳の誕生日を迎えたばかりで、短い黒髪の
・・・・・娘なんだ」

するとどうやら
英語が通じなかったのか少女の機嫌を損ねたようで
こちらを睨みながらポカポカと殴ってきた。

たまらず立ち去ろうとしたが服にしがみついて離れない。
心細いのだろう、配慮が足りなかったと反省する。

「オーケー、わかったよ。一緒に行こう」

少女の顔は晴れないが泣き止んではくれたようだ、
路地を出てシェリルを探すため歩きだす。
しかし・・・・・
「もうそろそろ服を離しておくれ、ここには恐ろしいバケモノがいるから、これじゃあ戦えないよ」

「・・・・・・じゃあもっとゆっくり歩け、見えないだろ」
どうにも引っ掛かる言い方だが、どうやら目が見えないようだった、ということはあの犬は盲導犬か・・・・・・
「それはすまなかったね、娘を探すために
できれば急ぎたいんだけど
これぐらいの早さでいいかい?」

「・・・・・・やっぱり・・・・・ケルブじゃないとだめ」

どうにも気難しい子だ、シェリルが素直過ぎるだけかもしれんが・・・・・
とりあえずはこの少女と行動を共にすることにした。
たとえハンデになるとしても、この子を置いていったら
シェリルに顔向けできない気がして・・・・・
321親バカ日誌◇BoVaEdQZq代理:2010/05/12(水) 22:40:30 ID:PmEfzv+K
【繁華街北側路地裏付近】
【ハリー・メイソン@サイレントヒル】
[状態]健康、強い焦り
[装備]鉄パイプ
[道具]ハンドガン:15
    弾:34
    栄養剤:3携帯用救急セット:1
    ポケットラジオ、ライト、調理用ナイフ

[思考・状況]
基本行動方針:シェリルを探しだす
1:学校に急がなければ!
2:移動しながら少女と話をする
※サイレントヒルにシェリルがいると思っています


【神代美耶子@SIREN】
[状態]健康、悲しみ
[装備]特に無し
[道具]無し

[思考・状況]
基本行動方針:街から脱出する
1:とりあえずハリーと行動する
2:それにしてもこの景色は・・・・・?

※幻視によってハリーの視界を借りています。
※ここは羽生陀村ではないと感ずき始めています
322親バカ日誌◇BoVaEdQZq代理:2010/05/12(水) 22:49:31 ID:PmEfzv+K
代理投下終了です
美耶子かわいい
323参加するカモさん:2010/05/13(木) 20:02:11 ID:+xO3UDZy
代理投下乙です

ハリーと美耶子も来たか
シェリルはどうなるか判らんが疑似親子コンビ誕生か
324参加するカモさん:2010/05/16(日) 19:54:57 ID:rWBsUH6n
代理投下します
325霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 19:57:57 ID:rWBsUH6n
霧笛



 警察署の扉を開いた須田恭也が見たものは、警官でも異形でもなかった。
 彼の目の前には広い空間があるだけで、誰もいない。
 中央に、デスクをはじめとする事務用具が置いてあるだけで、ほかには何もないのだ。


「何だ……」
 
 恭也はほっと胸をなでおろし、入ってきたドアに鍵をかけた。
 さっきの怪物が侵入するのを防ぐためだ。
 しっかり閉まっていることを確認し、彼はちらかった机を調べる。


「何だこれ」

 まず出てきたのは、インクリボンだった。しかし、ワープロどころかPCが大半を占める年代を生きる高校生に、これが何かわかるはずもない。
それは拝借されることもなく、机上のガラクタの仲間入りを果たすことになった。

 次に出てきたのは、マッチ箱を大きくしたようなもの。中を開くと、小指大の円筒が入っていた。
 どうやらこれは拳銃の弾丸らしい。オカルト好きで好奇心旺盛な、ごく普通の少年はそれをポケットに押し込んだ。
彼は銃を一切持っていないが、それでも必要だと判断したのだろう。

 最後に机から飛び出したのは、散弾銃だった。いや、それにしては大きすぎる。これはおそらく、擲弾銃(グレネードランチャー)だ。
 恭也はその大口径をしげしげと見つめて、小さく笑った。これがあれば何とかなるかもしれない――そんな安心からのものだろう。
 しかし先程のような弾薬はもう見つからなかった。赤いケースの銃弾では、これには小さすぎる。専用のものがあるはずなのだが……。



 『なーがいくーん! いっしょにあそびましょー!』
326霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 19:59:05 ID:rWBsUH6n

 どこかから聞こえてくる大声。恭也はわずかに顔を顰める。どうやらここは安全のようだ。
だが、そのせいで身近な危険を察知していないらしい。だからこそあんな真似ができるのだろう。
警察署から一歩出れば、あんな怪物と対面するというのに。


 
 疲れているので幻視は使いたくない。安全なここなら手探りでも充分だろう。
 たしかこっちからだ。

(うっ……)
 音源を探るため、扉のひとつを開けると、異臭が鼻を刺した。
何と形容していいかわからないが、ともかく不快なものだ。


 室内には、腐った人間がたくさん転がっていた。膿や血がおびただしい程に溢れ、むせかえるような腐臭が立ちこめている。

 
 どう見ても、死んでいる。


 その空間の中、部屋の奥に、一人の男が立っていた。


 スキンヘッドに迷彩服姿の東洋人。
327霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 20:00:53 ID:rWBsUH6n
(――自衛隊)
 恭也はすぐにそう察した。そうだ、たとえ警察がだめでも、彼らがいるではないか。
 助かった。
 そう思い、彼はその男へ駆けよる。


 しかし、異変に気付いた。

 自衛官の足元に転がる数人の警官。

 そのほとんどが、頭蓋を砕かれ、脳漿を散らしている。

「――っ!? むっぐ、うっ」

 その惨状に、恭也は嘔吐した。床に広がった液体の上に、胃液が降りかかる。

「民間人か」

 蹲る少年に向けられる小銃。その銃床には、体液がべっとりついていた。
先程の絶叫と同じ声だが、それに気付くゆとりは今の恭也にない。

「まっ――」


 乾いた音を立てて、銃口から光が走る。



≪ギヤッ≫
328霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 20:01:53 ID:rWBsUH6n
 
 恭也の背後、いつの間にか立ち上がっていた警官が反り返る。
弾丸は正確に眉間を貫き、壁に突き刺さった。

「何でこんな……」
「そいつ――こいつらはもう、人間じゃない」
 
 男の冷淡な言葉を肯定するかのように、周囲で呻き声が巻き起こる。凄惨なまでに崩壊した“ヒト”が、続々と起き上がっていく。


≪ウウウウウ≫≪アアアアアアア≫
≪ウウウウウ≫≪アアアアアアア≫


 まるで――――いや、まさに――――


 阿鼻叫喚の地獄。
329霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 20:04:04 ID:rWBsUH6n
「う、うわぁぁぁあ!」

 あの村の変な儀式は怖かった。
 お巡りさんに追いかけられ、撃たれたのも怖かった。


 でも、
 これは、
 それ以上に――。


「口動かす暇があったら、手を動かせ」
 自衛官は足元に転がる警官のホルスターから拳銃を抜き取り、慣れた手つきでセイフティを解除。恭也の手にそれを握らせた。
「緊急事態だ。君にも協力してもらう。……もともとそのつもりだったんだろう?」
 少年の傍らにあるグレネードランチャーに厳しい視線がいく。恭也は手中のそれと目の前の青年を交互に見てから、
「無理ですよ……!」
「やれ」
 迷彩服がはためき、小銃が腐敗した脳髄を抉る。ぐちゃぐちゃにふやけたそれは、奇妙な程簡単に四散した。

「でなければ、こいつらの仲間入りだ」

 弾薬がもったいないのであろう、自衛官は銃を鈍器のように扱い、ゾンビの群れを圧倒していく。
 その様子を少年はどこか遠くの景色を眺めるように見ている。そして、手元の拳銃に目を落とす。
330霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 20:05:22 ID:rWBsUH6n

 須田恭也はただの高校生だ。人殺しを肯定するような人間ではない。
 
 だが、だからといって、命をむざむざ差し出すような人間でもない。


「…………人間じゃ、ないんですね…………?」
 ほんの十数秒だったが、恭也にとっては、何時間にも感じた逡巡だった。
 
 襲ってきた警官を轢いた時とは違う。今度は明確な殺害の意志が必要だ。

 

「そうだ」


 男の断言に促されるように、少年は銃を構える。
 

 
 足りないのは決意、そして――――




 ―――――――覚悟だ!
331霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 20:06:56 ID:rWBsUH6n
【警察署/一日目/夕刻】


【須田恭也@SIREN】
[状態]強い疲労
[装備]H&K VP70(18/18)
[道具]懐中電灯、グレネードランチャー(1/1)、ハンドガンの弾(30/30)
[思考・状況]
基本行動指針:危険、戦闘回避。武器になる物を持てば大胆な行動もする。
1.この状況を何とかする。

(……ふん)
 三沢岳明は少年の挙動を尻目に、ヒトもどきを駆逐していく。
――永井頼人より、あの子どもの方がよっぽど肝が据わっているではないか。
どこへ行ったか知れない部下のことを思いだしながら、三沢は生ける屍の処理を続ける。
ここは、異常だ。
 夜見島も異常だったが、ここのそれとは質が違う気がする。
“世界”が違う、とでも言えばいいのだろうか。どうも妙なのだ。
――まあいい。考えるのは後だ。
三等陸佐は呻く一体を発砲で黙らせ、少年のそばへ近づく。
――今は民間人の保護が、最優先事項だ。
現実になった幻覚を前にしても、彼の使命感は揺るがない。
332霧笛 ◇qh.kxdFkfM:2010/05/16(日) 20:08:04 ID:rWBsUH6n

【三沢岳明@SIREN2】
[状態]健康(ただし慢性的な幻覚症状あり)
[装備]照準眼鏡装着・64式小銃(18/20)、防弾チョッキ2型
[道具]ライト、精神高揚剤、弾倉(3/3)
[思考・状況]
基本行動指針:現状の把握。その後、然るべき対処。
1.民間人を保護しつつ安全を確保。
2.永井頼人の捜索。

代理投下終了です

さて、今の所まだ正気っぽいがどうなるやら…
333参加するカモさん:2010/05/16(日) 20:55:21 ID:rWBsUH6n
ブラッド・ヴィッカーズ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
カルロス・オリヴェイラ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ
竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に
園崎魅音@ひぐらしのなく頃に

代理投下します
334追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 20:56:01 ID:rWBsUH6n

「わぁ〜っ〜・・・・凄い霧ぃ〜」
「レナ…手ぇ離さないでよ。これではぐれたら、本当にどうなるか解んないからね」
「えへへ…魅ぃちゃん怖がり〜」
「違うって!しっかし、それにしてもほんとに酷い霧だね!まるで前が見えやしない」

ねっとりとした、ミルク色の恐ろしく深い霧を掻きわけて、
手をつないだ二人の少女が人気の無い道を歩いている。

一方の少女は、かわいらしい顔をした、セミロングボブの美少女で、
白色を基調としたワンピースを着て、白色に黒いラインの入った帽子をかぶっている。

もう一方の少女は、ポニーテルーの、どちらかと言えば凛々しい印象の美少女で、
黄色いシャツにジーパン、とラフな格好をしていた。

前者の少女の名は竜宮レナ、後者の少女は園崎魅音。
共に××県、雛見沢村に住む中学生だ。

彼女たちは、本来、最近明らかに調子がおかしい同級生、
前原圭一のお見舞いに行く為に、雛見沢の舗装もされてない田舎道を、
二人、前原邸へと向けて歩いていた訳だが…

「本当に、何にも見えないねぇ…天気予報では何も言って無かったのに…」
「はうぅ…これじゃ圭一君の家に行けないよォ…」

突如、恐ろしく濃く、陰気な霧が彼女達を包み、方角すら解らなくなってしまったのである。
かろうじて足元に見える道をたどりながら前へ前へと進むも、一向に何も見えてこない。
霧に呑まれてから、かれこれ十分は歩きとおしているのだが、一向にこれといった建物すら見えないのは、
いくら過疎化が著しい雛見沢でも、どうにも様子がおかしい。
335追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 20:57:43 ID:rWBsUH6n

「う〜ん…迂闊に道を外れると何処に出るか解んないしなぁ〜…うっかり山にでも迷い込んだら事だし…」
「ねぇねぇ、魅音ちゃん…」
「ん?どうしたのさレナ」
「何か…聞こえない?」
「えっ?」

レナに言われて、耳を澄ます魅音。
そうすれば、たしかに道の先から、何か豆を炒る様な乾いた音と、
誰かの声と、何か獣の様な呻き声が聞こえて来たのだ。

「本当だ…誰かいるみただねぇ。よし、レナ!善は急げだ、行くよ〜!」
「わわ!?魅ぃちゃん速いよ〜!」

ようやく人の気配を感じた為か、魅音はレナの手を引きながら、
音の方向へ…即ち霧の道の向こう側へと走り出す。

その先に、何が待つかも知らずに。
336追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:01:48 ID:rWBsUH6n



暫くの間、音のした方向へとひた走っていたレナと魅音だったが、
その途中で、奇妙な事に気が付いた。それは…

「魅ぃちゃん…」
「解ってるよレナ。一体全体、おじさん達、何処にいるんだろうねぇ…」

突如、途中から道路が舗装された綺麗な物に代わっている。
道路の脇には花壇の様な物も見えて、そこにはいくらか花も咲いている。
ただ、管理は杜撰なものらしく、花の生え方は雑多で、雑草も抜かれていない。
少し行った所には、花壇の土に大きなスコップが突き立ってさえいる。

「レナ…おじさんから離れないでよ…」
「解ってるよ魅ぃちゃん…なんだか…様子が変だよ…」

魅音が、レナの手をぎゅっと握りしめた。
当初、二人は興宮市にまで来てしまったのかと思っていた。
しかし、興宮にしてはどうにも様子がおかしい。
街の家々には明かりが一切見えず、街灯も点いていない。
何より、人の気配が全くと言っていいほどしないのだ。
感性の鋭敏なレナには、まるでここが「人間の世界」ではない、どこか「別の世界」にすら感じられる。
337追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:03:52 ID:rWBsUH6n

肩を寄り添わせながら、ゆっくりと、慎重に道を進む二人であったが、
ふと、二人の進行方向の霧の向こうに、朧な人影が一つ現れた。

「誰っ?」
レナが思わず厳しい口調で人影に呼び掛ける。
すると人影は、足を少し引き摺りながら、

「ううっ…ううっ…」

と呻き声をあげている。
そんな人影が、霧の向こうから姿を明らかになる。

「助けて…助けて…」

それは、少し情けない風貌の、黄色いジャケットに、迷彩のズボンを履いた、
やや身長が高めの…

「えっ、怪我人!?」
「おじさん、大丈夫ですか!?」

右肩を真っ赤に血で染めた男だった。
それ以外にも、全身に少なく無い傷を負っている。
その情けない風貌の顔は、痛みと恐怖で蒼褪め、さらに情けない顔になっていた。
338追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:05:49 ID:rWBsUH6n
「助けて…助けて…」

男は、レナと魅音の姿を確認するや、
少しばかり安堵の笑みを浮かべながら、二人の方へ手を伸ばす。

二人は、少し顔を見合わせたが、直ぐにこの怪我人を介抱すべく、男に近づこうとする。

正にその瞬間、レナ・魅音の二人と、怪我人―ブラッド・ヴィッカーズ―の間に突如、
空より黒く大きな何かが割って入って来たのである。

それは、2メートルを超える、いや下手をすれば3メートルにも達する大男であった。
黒いロングコートに身を包み、黒いズボンを履き、黒いブーツを履いた、
剥き出しの歯茎と、潰れた右目、濁った左目に、人間とは思えぬごつごつした茶色の皮膚をし、
体の随所に紫の触手を巡らした大男の怪物であった。

『Dieee....“INVITED”....Guoooooooo!』

怪物は低い声でそう言うと、悲鳴を上げながら逃げようとするブラッドへと追いすがる。
直ぐに追いつかれたブラッドは、大男の左手で胸倉を掴まれ、引き摺り上げられる。
339追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:08:27 ID:rWBsUH6n

余りの突然の、現実離れした出来事に、
レナも魅音も、ただ茫然と、その光景を見ている事しかできない。

「助けて…助けて…助けてっ!」

悲痛な叫びを上げながら、何とか逃れんと体をよじるブラッド。
しかしその抵抗も空しく、大男の右の掌が、ブラッドの顔に翳されて、

掌から飛び出した紫の触手が、ブラッドの頭部を突き貫いた。

がすっ、と鈍い音がして、恐ろしく鋭い触手の先端が、ブラッドの後頭部から飛び出る。
もはや命の無いブラッドの体が、びくびくと痙攣した。

レナの隣で、ぺたんと、魅音は尻もちをついた。
しかしレナはそれに気づく様子も無く、視線は、大男に釘付けであった。
魅音も、尻もちを突きながらも、視線は大男に向いたままだ。
340追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:10:23 ID:rWBsUH6n
大男は、レナ達の方へ振り向きながら、ブラッドの死体を投げ捨てる。
ゴミの様に投げ捨てられたブラッドの死体の右手より、
拳銃がこぼれ落ちて転がり、魅音の爪先に当たって留る。

大男の濁った左目から、二人に向かって向けた大いなる殺意の塊を感じ取った時、
ようやく、レナは自失状態から回復した。

「魅ぃちゃん!逃げよう、逃げよう!早く逃げようっ!」
魅音の左手を必死に引っ張りながら、レナは叫ぶ。
しかし…

「は…は…はは…ごめん、レナ…」
顔をひきつらせながら力なく笑う魅音は立ち上がらない、否、立ち上がれない。

「お、おじさん…腰が抜けちゃったみたい…」

『DIEEEEEEEE!“INVITED”!GUOOOOOOOOOOO!』

雄たけびを上げる大男の姿と、魅音との間をせわしなく何度か視線を往復させるレナだが、
ふと、何かに気が付き、表情を鋭く引き締めると、

「魅ぃちゃん、逃げて!」
「レ、レナっ!?」
341追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:14:39 ID:rWBsUH6n
何を思ったか、レナは大男の方へと走り出す。
これには、二人の方へと歩き始めていた大男も、意外だったのか、
ややタイミングを外して繰り出した右手のスイングは、
レナが身をよじることで回避されてしまう。

うまい具合に大男の脇を走り抜けたレナは、その後方の花壇に突き刺さったスコップを引き抜いて、

「えぇぇぇぇいっ!」

横殴りに、大男の脇腹に叩きつけたのだ!

ガスッ!

鈍い音がする。先端が研ぎ澄まされたスコップは、見事、大男の脇腹に突き立っていた。
342追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:15:33 ID:rWBsUH6n
スコップは大いに凶器になりうる。
第一次世界大戦の塹壕内での接近戦で最も多くの人間を殺したのはスコップだと言われている。
先端を研ぎ澄ましたスコップは人間の首すら切断する時があると言う。
ロシアの特殊部隊“スペツナズ”ではCQC(近接格闘)用の武術であるコンバットサンボの一部に、
「スコップ術」を取り入れている事実も、スコップの狂気としての優秀性に箔を付けるだろう。

ましてやレナは、その細腕に似合わず、片手で斧や鉈を振り回す怪力の持ち主である。
その力で振るわれるスコップは、正に、恐るべき凶器であった。
しかし…

「…えっ!」

特に痛みを感じた様子も無く、
大男はその右手を振りかぶると、レナの胸元をつかみ、

「きゃ、きゃああああっ!」

無造作に投げ飛ばす。
とっさに頭をかばった為に重傷は免れたが、
背中を強く打ち、一瞬、レナは呼吸が出来なくなる。

「・・・・ッ!」

悶絶しつつも、必死に立ち上がらんとするレナへと、
スコップを引き抜いた大男は、とどめを刺さんと足を進める。
そんな大男の背後で、銃声が鳴り、銃弾が背中に突き立つ!

大男が振り向けば、

「こっち向けぇ、バケモノ!レナから離れろ!」

立ち上がり、拳銃を構えた魅音の姿があった。
343追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:17:11 ID:rWBsUH6n


(レナが…レナが…殺されちゃう…)

抜けてしまった腰で、何とか立ち上がらろうとするも、立ち上がれないまま、
レナが投げ飛ばされるのを見た魅音だが、恐怖に声も出なかった。

しかし、一方で、仲間であり、友人である竜宮レナの生命の危機に、
何とかしなければ、という強い思いが駆け巡る、その時、

カツン

乾いた金属音。
気が付けば、爪先で、軽く足元のブラッドの拳銃、
ベレッタM92を蹴飛ばしていたのだ。

拳銃の存在にようやく気が付いた魅音は、這うようにしてそれをひん掴む。
冷たい鉄の感触を感じた瞬間、彼女を体を縛っていた恐怖が薄らぐ。
園崎家の次期頭首として、幼少より訓練をさせられた銃器の技法…
確かな殺人の手段が手の内にあるという事実が、彼女の心の追い風になる。
344追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 21:20:19 ID:rWBsUH6n
今までまるで立ち上がれなかったのが嘘のように、
すくっと、魅音は立ち上がると、両手でベレッタを構え、
大男の背に向けて一発!

タァーン!

男の背中の一部が爆ぜ、赤い血が飛ぶ。

(赤い血が出る…血が出るなら、殺せる!)

「こっち向けぇ、バケモノ!レナから離れろ!」

魅音が気を吐き、振り向いた大男に向けてベレッタを続けざまに撃ちこむ。

二発目!
345追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 22:00:18 ID:rWBsUH6n
再び大男の背中に銃弾が突き立ち、大男が振り向く。
大男の意識は、完全に此方に向いたようだ。

さらに三発目!

今度は男の胸に突き立つ。
しかし、男は其れを意に介した様子も無く、魅音の方へとゆっくり近づいてくる!

四発目、五発目!

二連射。しかし大男は止まらない。

(きいてないっ!?)

拳銃弾を五発も食らっても平然としてる大男に、
魅音は再び焦り出す。
防弾チョッキを着ていても、銃撃時の衝撃までは消せず、
多かれ少なかれダメージは負う筈なのに、その様子すら無い。
346追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 22:01:16 ID:rWBsUH6n
「ば、化け物ぉっ!」

六発目、七発目、八発目!

今度は三連射。しかし大男は止まらない!

「あ・・・・ああっ!」

魅音の顔が蒼褪める。
慌てて、引き金を引くが。

カシン…
「ッ!?うそっ、弾切れ!?」

ベレッタの装弾数は15発のはず…まだ8発しか撃ってないのに弾切れ。
どうやら、殺された男、ブラッドが、すでに7発使っていたらしい。

為す術の無くなった魅音に、大男は近づいてくる。

「魅ぃちゃん逃げてっ!」

ようやく立ち上がったレナが叫ぶも、魅音は動かない。
余りの状況に、心が折れてしまったらしい。

すぐ手を伸ばせば、大男が魅音を捕まえられる位置に来ても、
魅音は、
347追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 22:03:50 ID:rWBsUH6n
「はは…ははは…」

乾いた笑いを洩らすのみ。

大男が右手を振りかぶる。掌からは、先の鋭利な触手が飛び出し、蠢いている。
魅音は思わず目を瞑る。
そこに、

『こっちを向きな、バケモノ!』

思わぬ、第三者の声。そして、

タタタンッ!

銃声。
魅音が目を開ければ、大男は既に此方を見ていない。
大男の視線の先には、霧の向こう側に出現した朧な緑色の人影が…
348追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/16(日) 22:08:41 ID:rWBsUH6n
タタタンッ!タタタンッ!

マズルフラッシュが輝き、銃弾が3点バースト撃ちで吐きだされる。
ベレッタよりも遥かに力強い銃声が響く。恐らくはライフル弾。

タタタタタタタンッ!

介入者へと向けて早足で接近していた大男に、
今度はフルオート射撃が叩き込まれる。
威力の高い5.56mm NATO弾のフルオート射撃は、流石に、
僅かながらも大男の体を怯ませる。
その隙を、介入者は見逃さなかった。

ポンッ!

という音と共に、介入者の武器、
コルトM4A1カービンの銃身下部にアタッチメントされた、
M203A1グレネードランチャーより発射された、グレネード弾は、
狙いを誤らず大男の顔に吸い込まれ、

ドォォォォンッ!

爆発ッ!
流石にグレード弾の威力は大男にも効果があったのか
349参加するカモさん:2010/05/17(月) 04:47:57 ID:72pYlEp0
支援
350追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 11:46:37 ID:+xpngtvn

『Guooooooooooooooooooooo!』

立膝を突き、両の手で顔を押さえて呻く。

「今だっ、こっちに来るんだ!」

霧の向こうの介入者が大きく手を振っている。

「魅ぃちゃん、早く、早く!」

レナは、どうやら人影に付いていくつもりらしい。
人影を追いかける体勢になりながらも、振り向いて魅音へと呼びかける。
魅音も意を決して、呻く大男の隣を素早く通り抜けながら、
人影を追って走る、走る、走る!

「早く、早く…来るんだ、あいつが起きないうちに!」

声から察するに、人影の正体は男性らしい。
力強く、そして若々しい声だ。
男に従って走るレナと魅音。
暫く霧を駆け抜けていると、急に大きな黒い影が見える。

「ここだっ、一先ず、ここに逃げ込め!」

それは、大型のショッピングモールであった。
351追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 11:47:50 ID:+xpngtvn



ショッピングモール一階のある飲食店。
そこのカウンターの裏に、三人はいた。

「とりあえず…ここなら、しばらくは見つからないだろ。たぶんマケるはずだ」

男が、息の上がったレナと魅音に笑いながら語りかける。
同じ距離を全力で走ったのに、男の方は少し汗をかいているだけだった。

男は、日本人では無かった。

黒い髪、黒い目をしていたが、その顔立ちは、
恐らく南米系のものだと思われる、彫りの深い、男臭い顔立ちだった。

緑と白の戦闘服に、タクティカルベスト、そして軍用のブーツといったイデタチで、
戦闘服の背中には、独特の傘の様なエンブレムが染め抜かれている。

「はぁ…はぁ…助けてくれて…ありがとう」
「本当に…ところで、貴方は誰ですか?」

レナの質問に、男はニヤッと笑いながら答えた。

「U.B.C.S.( アンブレラ・バイオハザード対策部隊)、カルロス・オリヴェイラ伍長…」
「君達を助けにきたのさ!」
352追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 11:48:46 ID:+xpngtvn

【E-2 ショッピングセンター1階 飲食店カウンター裏/ 一日目夕刻】

【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
 [状態]: 軽度の打撲、軽度の混乱、L3−
 [装備]:なし
 [道具]: なし
 [思考・状況]
 基本行動方針: 状況を把握する。
1:カルロスの話を聞く
2:あの化け物…一体…?
【備考】
※鬼隠し編からの参戦

【園崎魅音@ひぐらしのなく頃に】
 [状態]: 健康、軽度の混乱、L2
 [装備]:ベレッタM92(残弾0/15)
 [道具]: なし
 [思考・状況]
 基本行動方針:状況を把握する
1:カルロスの話を聞く
2:もう、アレには二度と会いたくないねぇ…
【備考】
※鬼隠し編からの参戦
353追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 11:49:58 ID:+xpngtvn

【カルロス・オリヴェイラ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:コルトM4A1(残弾30/30)、M203A1擲弾発射器(残弾0/1)
 [道具]: SIG P226(残弾15/15)、M4A1の予備マガジン×3、コンバットナイフ
 [思考・状況]
 基本行動方針:U.B.C.S.隊員として、市民の救助を行う
1:レナ、魅音の保護をする。
2:はぐれた他のU.B.C.S.隊員と合流する。
3:生存者を連れて、集合場所からヘリで脱出する。
【備考】
※サイレントヒルをラクーンシティーだと勘違いしています。


レナ達三人が去って暫くたった後、顔を押さえ、呻いていた怪物は、呻きを止め、立ち上がった。
驚くべき事に、グレネード弾を直撃した筈の顔面にはもうすでに、
傷らしい傷は見当たらないではないか!
魅音に撃たれた9mm弾の傷などは、最早影も形も見えない。
恐るべき再生力の持ち主だ。
怪物は低い声で呟く。

『Dieee....“INVITED”....Guoooooooo!』

本来、この怪物は、ラクーンシティーに残された、
『ある特定の人物達』を抹殺するために送り込まれた筈の存在であった。
しかし、誰かがその使命を上書きしたのか、
あるいは、このサイレントヒルの魔の瘴気に侵された結果か、
今の怪物の脳髄を満たす使命は、かつての物とは全く異なる物に変貌していた。
すなわち…“INVITED”、「呼ばれし者」達の抹殺こそ、この怪物の今の使命。
立ち上がった怪物は、周囲を優れた感覚で探りながら、『彼ら』を探す。
354追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 11:51:54 ID:+xpngtvn
この怪物には一つの仇名がある。
それは「追跡者」。狙った獲物は、その命が尽きるまで、どこまでもどこまでも追い続ける。
怪物の脳裏に浮かぶのはある三人の人物の映像。
竜宮レナ、園崎魅音、カルロス・オリヴェイラ。
怪物の魔手から逃れた故に、彼女達は、怪物「追跡者」の抹殺対象の最優先個体として認識されてしまう。
「追跡者」は、完全に破壊されるまで、彼女達を追い続けるだろう。

はたしてレナ達は、この恐るべき「追跡者」から逃れられるだろうか?

【E-2 路上/ 一日目夕刻】

【クリーチャー】
【タイラント NEMESIS-T型「追跡者」(第一形態)】
[状態]:頭部、胸部に軽度のダメージ(回復中)
[装備]:耐弾耐爆コート(損傷率5%)
[道具]:無し
[思考・状況]
基本行動方針:「呼ばれし者」の皆殺し
1:レナ、魅音、カルロスを優先的に追跡、殺害する
2:それ以外の「呼ばれし者」と遭遇した場合、その場で殺害する。
3:上記3人と、それ以外の「呼ばれし者」を同時に発見した場合、
  レナ、魅音、カルロスの殺害を優先。
4:3人を全員殺害完了し次第、新たなターゲットの探索に戻る。
【備考】
※耐弾耐爆コートが完全損傷した段階で、本個体が完全破壊されて無い場合、
 第二形態へと移行する。

【ブラッド・ヴィッカーズ@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ 死亡】
※ブラッドの死体はこのまま放置していた場合、ゾンビ化します。
 ゾンビ化した場合、その耐久力は通常のゾンビの2倍以上あります。
355追跡者 ◇NH7Vafx8Pc:2010/05/17(月) 11:53:44 ID:+xpngtvn
代理投下終了。

追跡者キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!
歴代バイオ最悪のボスキャラに狙われた三人の行く末やいかに
356参加するカモさん:2010/05/17(月) 11:55:33 ID:+xpngtvn
新堂誠@学校であった恐い話
前原圭一@ひぐらしのなく頃に
雛咲深紅@零〜zero〜

代理投下します
357戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 11:57:49 ID:+xpngtvn
ケルベロスは、
コスト、安定性、何よりもその機動性において成功を修めたB.O.Wである。

「クソッ!こいつら訓練でもされてんのかよ!?」

だが人間のゾンビよりも高い狂暴性により制御が難しく、
同族以外全てを攻撃する。
その反面、犬独特の統率力は凄まじい。

パァン!パァン!獣達の咆哮に銃声が混じる。
「チッ・・・・チョロチョロとウゼェ奴等だぜ!!」

サイレントヒルの産み出した怪物、バブルヘッドナース。
かつてアンブレラが夢見た
『手を加えずに生み出せて且つ正確に道具を扱う活性死者』
動きは緩慢だが武器のリーチ分、余りあるポテンシャルを持つ。
358戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 11:59:10 ID:+xpngtvn
現在圭一、新堂一行はケルベロスによる円運動からの一撃離脱、
それに加えバブルヘッドナースからの遠距離射撃に苦しめられていた

「さすがだぜ、まさか連携攻撃してくるとはなぁ」
圭一は思わぬチームワークに素直に称賛を送った。

「感心してる場合か?俺達はこのままじゃ手詰まりだ、もう逃げられやしない」
それに対し新堂は少し焦っているようだった

銃撃は当たりはしないものの確実にかするようになってきた、
その上鉄パイプを持っているナースはどんどんと距離を詰めてきている。

(クソッ!新堂さんの言う通りだ何か手は無いのかよ?
この機械みたいに計算され尽くした動きを止める方法は・・・・)

と、ここで圭一ははたと気づいた。
(待てよ?『機械みたいに計算された動き?』)
359戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 12:00:13 ID:+xpngtvn
相変わらずゾンビ犬とナースの攻撃は止まない、
しかし先程から致命傷と呼べるような攻撃を一度も受けないのは何故なのか?
意思が無いはずなのに何故これほどの連携ができるのか?
規則的な運動、無意識の連携・・・・それなら

「俺に策があるんだ、聞いてくれないか?」

微笑を浮かべ、既にいくつかの歯形のついた
バットで攻撃を受け流す新堂に問う。

「・・・・言ってみろ」

圭一は策を話し始める、しかしその策は
ついさっき決意したことを覆すような策であった。

「新堂さんここで一旦逃げよう!」
「ア゙ァ?それが出来たら苦労はしねぇって・・・・」
「いいか新堂さん、厄介だったのはこいつらの陣形なんだ!俺達を取り囲むようにじわじわと追い詰めてきやがる!」

狂犬が牙を剥き、追い付いた悪夢が武具を振り回す。
勇者は牙を避け、悪魔が凶器を防ぐ。
360戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 12:01:14 ID:+xpngtvn
化け物達の連携にも目を見張るものがあったが、
人間2人も伊達に殺し殺され慣れていない。
圭一は続ける。

「でもここで俺たちが逃げ出すことで簡単に崩れるんだよ!この犬だけが真っ直ぐに、ストライクゾーンめがけて走ってくるだろうからな」

新堂はパイプを持ったナースから距離をとりつつ言葉の意味を考える。

「なるほどな、考えたじゃねぇか・・・・」

「「行くぜ!!」」

―――圭一が導きだした答えは『速度』である。
連携に必要なものは『テンポ』と『タイミング』、そして『仲間との信頼』!!
それ等が丁度良く噛み合った時こそ連携しているといえるのだ。

しかし彼等に信頼は無い
単にあまりにも違う『速度』から攻撃にズレが生じ、
連携に見えるだけである。

勝負を決めるのはそんなものじゃあない、勝負を決めるのは―――――

ケルベロスは円運動をしていたために鉄パイプを持ったナースに衝突し、
ワンテンポ遅れてこちらを追いかけてきた、
ナースはその場に留まった、否、付いていくには遅すぎるため留まるより他に無かった、
援護射撃はもう無い。
ケルベロスとの距離が縮まる
361戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 12:02:54 ID:+xpngtvn
2メートル

1メートル

そして・・・・・!!

「今だ新堂さん!!」

2人は左右同時に飛び退いた、
その構えはバットを振りかぶった打者のそれである

「叫びたきゃ叫べ!最期くらい派手になぁ!!」
「いくぜぇ!沙都子譲りの!必殺のぉ!!」

「「ホーームランだぁああああ!!」」

放たれた強打はきっちりと打球を捕えた。
飛びかかる最中に空中で減速などできるはずもなく
キャイン!という鳴き声と
骨が鼻先から尻尾の先端まで砕けたかのような音と共に
犬は動かなくなった。

「ハッ!犬ごときが人間様にたてつくからこうなるんだ、そうだろ?」
大喜びの新堂

「あんたさっきまで無茶苦茶焦ってたじゃないかよ!」
ツッコミをいれる圭一

「かっ・・・・かっこいい・・・・・」
後ろでそれを見守るポニーテールの少女・・・・
362戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 12:05:27 ID:+xpngtvn
現状を思い出させるかのように襲いくる弾丸。

「オイ圭一、まさかこいつも連れてあの中に飛び込んむ、なんて言うんじゃねぇだろうな?」
「わかってる、とにかく安全な所に逃げ込もう」

【Dー6繁華街/一日目 夕刻】
【新堂誠@学校であった恐い話】
[状態]銃撃による軽症、殺人クラブ部員
[装備]ボロボロの木製バット
[道具]学生証、その他
[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして化物を殺す
1:誰だこいつ?
2:もういい加減休みてぇ
3:圭一と情報交換
4:ひとまずこの状況を楽しむ
5:他に殺人クラブメンバーがいれば、合流して一緒に殺しまくる(化け物を)
363戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 12:09:40 ID:+xpngtvn

【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]銃撃による軽症、赤い炎のような強い意思、L1
[装備]悟史のバット
[道具]特に無し
[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだし安全を確保する
1:この女の人は誰なんだろう?
2:新堂と情報交換
3:他に部活メンバーがいれば連携して事態を解決する

※今だにバブルヘッドナースの群れは健在です

【雛咲深紅@零〜zero〜】
[状態]T-ウィルス感染、右腕に軽い裂傷
[装備]アリッサのスタンガン@バイオハザードアウトブレイク(使用可能回数7/8)
[道具]携帯ライト、ヨーコのリュックサック@バイオハザードアウトブレイク
[思考・状況]
基本行動方針:ヨーコの意思を引き継ぐ
1:この人達はいい人達なんだろうか・・・・?
2:ヨーコについていく
3:ヨーコさんの仲間は皆死んでしまったの?それとも・・・・
※「今だ新堂さん!」から見ていたようです
364戦士の心 ◇BoVaEdQZq:2010/05/17(月) 12:10:52 ID:+xpngtvn
代理投下終了

それにしても新堂もK1もノリノリですねwwww
365参加するカモさん:2010/05/17(月) 20:20:29 ID:eglgkw8a
おお、投下来てる
投下乙です

ひぐらしコンビはよくこいつに善戦出来たな
カルロスはいいタイミングで来たがここはラクーンシティーじゃねえw
だがこいつはヤバい。ヤバい相手なんだよ

新堂もK1も確かにノリノリだわw
でもそこに女の子が加わるのは仲間割れフラグのような…w
366参加するカモさん:2010/05/22(土) 20:07:41 ID:uzK+1ADm
風間望 代理投下開始します
367少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:08:45 ID:uzK+1ADm

視界は、常に白く、濃い霧に覆われていた。
何処を歩いても、それが晴れる事は無い。
いや、むしろ足を進める程、それはさらに濃くなっている様にさえ感じられる。

「困ったねぇ……。」

少年――風間望が、呟いた。
どんな場所を歩いても、霧は身体中に纏わり付いてくる。
それは彼にとって、堪らなく不愉快な事だった。

「全くどうなってるのか………」

自分はいつも通り、仲間――殺人クラブのメンバー――と共に「ゲーム」を楽しんでいた筈。
なのに、何故自分はこの様な霧の世界を彷徨っているのだろうか。
……手に握られたチラシに目を移す。
歩いている途中で、偶然見つけた物だ。
チラシには、赤く、下手糞な字で「殺せ」や「生き残る」だの、随分と物騒な事が書かれている。

「………殺し合い……」

殺人。
快楽殺人者集団「殺人クラブ」のメンバーである風間にとっては、身近な言葉である。
自分の為に人を殺めた事は、数え切れない程存在していた。
368少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:10:11 ID:uzK+1ADm

「……………………………」

―――公の場で人を殺める事が出来る。
もしそれを所謂“快楽殺人鬼”が知ったら、どんな反応をするのか。
恐らく、殺人鬼は唇を歪ませながら、意気揚々と獲物を探しに行くだろう。
「殺人クラブ」のメンバーである風間も、快楽殺人鬼の一種と言える。
では、彼も上記のように、殺人を楽しめると笑っているのだろうか……?

「…ハァ………………冗談じゃないよ。ホント…………」

―――いや、違う。
なんと、彼は殺し合いに否定的だったのである。
しかも、舌なめずりをするどころか、「チッ」と、舌うちを打っているではないか。
369少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:10:54 ID:uzK+1ADm
「こういう事には新堂君辺りを呼んでほしいんだけどねぇ……」

殺し合いに乗らないのには当然理由がある。
風間はあくまで命を奪う事に快楽を覚える訳であって、
決して命のやり取りをする事が好きな訳ではないのである。
そもそも、風間は自分の力にあまり過信していない。
………窮地に陥ると、泣いて謝ってしまう自信だって彼にはあった。
そんな自分が殺し合いで一人になろうとする事は難しい…いや、不可能だろう。
それに、あくまで殺し合い云々はチラシに書いてある話だ。 
信憑性はあまり無い。 鵜呑みには出来なかった。
故に彼は、殺し合いをするよりも、ここからの脱出を優先した方が良いと考えたのである。

「それにしても…………」

見たところ、ここは遊園地らしい。
その証拠に、彼の近くには寂れたメリーゴーランドが存在している。

(とりあえずはここから出る事が最優先だな…………)

まず、この街の、何処に、何があるのかを知っておく必要がある。
……ここに留まっている理由は何処にも無かった。
周りを警戒しつつ、風間は深い霧の中に足を踏み入れようと―――――


「――――――――――!!」
370少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:11:42 ID:uzK+1ADm

―――――踏み入れようとした、その時だった。


何者かの、気配を感じた。


生物特有の、強い気配を。

近くのメリーゴーランドの影に身を隠す。
自分がここに居る事がばれないように、迅速かつ、慎重に。

(………誰だ………?)

風間はメリーゴーランドの台車から、ゆっくりと頭を覗かせる。
人影の正体を確かめる為である。
恐らく、あの影の正体は自分と同じくここに連れてこられた者だろう。
脱出を優先している者だったら自らの脱出の為に利用する。
逆に、殺し合いに乗っていそうな者だった場合には、気づかれないように、ゆっくりとやり過ごす。
……その場で殺すという選択肢もあるのだが、あえて風間はそれを選択しなかった。
まだ実力の分からない者を襲う行為はあまりにも危険。
それこそ愚の骨頂だ―――そう、考えた。
371少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:12:30 ID:uzK+1ADm

影が段々とはっきりしていき、やがて、風間の目にその姿をはっきりと映し出した。


彼は、その姿を見て――――――絶句した。


風間が見たのは、一般人でも、狂人でもない。


――――兎だ。


人影の正体はピンク色の兎の着ぐるみだったのである。
一体だけではない。 二体、三体……いや、もっと居るだろう。
それらが、重い足取りで道を歩いていたのだ。
まるでそれは、ゾンビの行進の様。
………しかし、風間が恐怖したのは着ぐるみの「姿」でも、「数」でもない。

その手に握られている「武器」だ。

ライフル、チェーンソー、斧……ファンシーなウサギの着ぐるみとはあまりにもミスマッチなそれを、
ほぼ全員が、当たり前の様に所持していたのである。

(何なんだアイツら………!)

不気味すぎる。
さながらその姿は、「御伽の国の妖精」と、「狂った凶悪殺人犯」が融合したかのようだ。
372少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:15:00 ID:uzK+1ADm

ピンクの体毛。

大きな眼。

薄笑いを浮かべた表情。

青いオーバーオール。

それら全てが奴らの狂気を増幅させていた。
いやむしろ、奴らそのものが狂気。
狂気が形と意志を持ったら、あんな感じになってしまうのだろう。

(そういえば………)

メリーゴーランドの影に頭を引っ込める。
そして、手に握ったチラシを広げ、それに目を向けた。
……そこには、はっきりとこう書かれていた。
373少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 20:18:01 ID:uzK+1ADm
―――――――――――――――――――――――

3. 鬼 の 追 加
  一定時間毎に鬼を追加します。

――――――――――――――――――――――


「鬼」。
初めてチラシを見た時から、ずっと引っかかっていた言葉だ。
最初は何の意味だか解からないので、記憶の片隅に放置していたが………。

………もしや、あれが「鬼」なのか? 
だとしたら―――。

(まずい………………!)

……運動もしていないのに、頭から汗がじわりと流れた。
肌を触ると、鳥肌が立っているのが解かる。
それは、直前に見た光景に只ならぬ恐怖を抱いている証拠だった。

(逃げないと………………)

あれが「鬼」だとするのなら、見つけ次第、奴らは集団で襲いかかってくるだろう。
あんな大人数、一人で対処できるわけがない。
襲われたら、間違いなく殺される。

……ウサギの群れに存在を悟られないように、メリーゴーランドから身を離す。
374少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 21:03:16 ID:uzK+1ADm

―――逃げよう。 今は逃げるんだ。
―――奴らの居ない、安全な場所まで。


恐怖に打ち震えながらも、風間は自ら進んで霧に飲み込まれていった。


足を進める毎に、彼の姿は段々とぼんやりとしていき――――――。


――――――やがて、完全に消え去った。





彼は気づいていない。

目線の先に、ぼんやりとした光が灯っていた事を。

その光の元は、教会の明かりである事を。

そこには彼と同様に、ここ――サイレント・ヒル――に呼ばれた者が居る事を。


彼は知らない。


彼の行く先にある物は、出口ではなく、さらなる恐怖であるという事を。
375少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 21:04:10 ID:uzK+1ADm

【風間望@学校であった怖い話】
 [状態]:健康 強い恐怖
 [装備]:制服 
 [道具]:ルールの書かれたチラシ
 [思考・状況]
 基本行動方針:脱出方法を模索する。
0:あのウサギ(ロビー)から逃げる。
1:他の人間を脱出に利用する。
2:邪魔者は殺す。
3:チラシに書いてある事が真実か確かめたい。


風間望
出典:「学校であった怖い話」
年齢/性別:17歳/男性
外見:茶髪のワカメヘアー。 美形らしい。
環境:私立鳴神学園高等学校3年H組。  「殺人クラブ」のメンバー。
性格:非常に胡散臭く、ナルシストでもある。 窮地に陥ると急激にひ弱になる。
能力:一般人とほぼ同じ程度。 だが、殺人を躊躇しない面がある。
口調:一人称は「僕」、二人称は「君」。 
交友:殺人クラブのメンバー。
参考:このロワに登場する学怖勢の外見は全員アパシー版なので、
   彼の外見もアパシー版にしておきます。
376少年は見た!代理 ◇WYGPiuknm2:2010/05/22(土) 21:06:20 ID:uzK+1ADm
ロビー
出典:「サイレントヒル アーケード」
形態:複数体存在
外見:青いオーバーオールを着たピンク色のウサギの着ぐるみ。
武器:斧、チェーンソー、ライフルのどれか一つを持っている。
能力:これといって特殊な能力は持っていない。
攻撃力:★★★☆☆
生命力:★★★☆☆
敏捷性:★★☆☆☆
行動パターン:敵を見つけると金切り声を上げながら襲いかかってくる。
又、斧を持っているタイプは遠距離から斧を投げつけてくる事がある。
備考:初出はサイレントヒル3。
    トルーカ湖畔にある遊園地「レイクサイド・アミューズメント・パーク」のマスコットキャラクターとして登場した。
    ちなみに、「3」では口元や手に血液が付着していたが、「アーケード」では血液は付着していない。

代理投下終了です
風間も来たかのか
こいつは……ああ、足手まとい要因かw
そしてロビーの雰囲気がよく出ていいですよ
377RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:32:16 ID:pSOmj+62
 コロラド州、ウィラメッテ。
 何の変哲もない、渓谷の隙間にぽつんとある地方都市。
 特産品もなければ、名物もない。
 強いて言えば、最近出来た巨大ショッピングモールにやたらと人が集まり、巨大なアイスクリームや両手で抱えるほどの冷凍ピザを買いあさるのが得意だと言うことぐらいだ。
 つまりやはり、どこにでもある町でしかない。
 その、何の変哲もない町が、軍により封鎖されたらしいと聞いたのは、つい今朝方だ。
 しかも、かなり厳重で、続報がほとんど入ってこない。
 何があった?
 いや、何かがある。
 真偽定かならぬ、噂程度のニュースに、不穏なモノをかぎ取った嗅覚が、フリージャナリストでありカメラマンであるフランク・ウェストに幸運をもたらすかあるいはそうでないのか。
 それはまだ分からない。
 分からないが、とはいえこれでは、どうにもならない。
 これ、即ち、この濃霧では、だ。

「フレッド、こりゃもうどうしようもない! 高度を上げるぜ!」
 幹線道路が軍により封鎖されていることを予想して、上空からの進入を試みようと雇ったヘリの操縦士、エドが叫ぶ。
「フランクだ! フランク・ウェスト! 
 3日後には大スクープをとってくる男だ!」
 そうは返す。そうは返すが、この濃霧ばかりはどうしようもない。
 ついさっきまでは、晴天そのものだった。
378RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:34:07 ID:pSOmj+62
 蒼く澄んだ空の下で、とてつもなく奇妙な事が繰り広げられていた。
 始めは、暴動か、と思った。
 町の至る所から煙が立ち上り、停車、或いは事故にあって横転した車やバス。
 そして、緩慢な動作で歩き回り、車から人を引きずり出し、集団で襲い、殺し…。
 ある者は、銃で撃たれていた。
 倉庫の屋上にいた女は、追いつめるように迫る数人に、果敢にもハンドガンで応戦し、その体を撃ち抜いていたが、あれは倒れたか?
 手にしたカメラでその瞬間を捉えていた。
 捉えていたはずだが、記憶は定かではない。
 その直後に女は押し倒され、屋上から墜落して死んだ。
 何が起きている?
 改めてそう自問した。
 ただの暴動にしては、妙だ。
 しかし、何が妙なのか。
 ヘリから様子をうかがっているばかりでは見えてこない。
 町の中心部へ。
 そう指示を出し、向かった矢先…。
 
 濃霧。
 突如として現れたこの濃い霧に、視界を塞がれた。

 霧の中、ヘリを飛ばすのは正に自殺行為だ。
379RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:35:38 ID:pSOmj+62
 エドがすぐさま高度を上げようと判断したのは当然といえる。
 しかし…。
「いや、まて、あそこだ」
 フランクは鋭くそれを静止する。
 微かに、巨大な黄色いHの文字。
 ヘリポートだ。
 霧に視界が閉ざされる直前、数100メートル先に見えた巨大な建物。
 巨大なショッピングモールの屋上にあったものだろう。
 確かに霧は濃いが、それは次第にくっきりと見え始め、まるで呼び寄せるかのようにそこにあった。
 着陸するのにはこの機会しかない。
 フランクは即座にそう判断する。
「ジーザス! マジかよ!? あんた、本気でイカレてるぜ!? 着地しろってか!? ふざけんな、そんな大金貰っちゃ居ないぜ!!」
 怒鳴るエドに、フランクは
「近づけるだけでも良い。ある程度高度を下げてくれれば、飛び降りる!
 あとは…約束通り、3日後にもう一度ここに向かえに来てくれ」
「クソ! 寄せるだけだぜ? 飛び降りるときは、足元に注意しろよ!」
 そう悪態をつきつつも、的確に高度を下げるエド。
 5m…3m…2m…1m…今だ。
 フランクは首から提げたカメラを庇いつつ飛び降りる。
 だん、という衝撃に、鈍い痛み。
 ごろごろとコンクリートの床を転がる。
380RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:37:19 ID:pSOmj+62
 足首を、軽く捻ったようだ。
 エドのヘリはすぐさま上空へと飛び去り、霧に消えた。

 カメラの調子を確かめつつ、フランクは深い霧の中を慎重に歩く。
 屋上はさほど広くはない様だった。
 端から端まで見渡せはしないが、微かに見える影などから、ある程度把握できる。
 一枚、写真を撮る。
 自分の収入からは不相応な、高性能のデジタルカメラに、記録される風景は、ただひたすらの霧。
 霧、霧、霧…。
 なんとも、奇妙だ。
 フランクはジャーナリストとして様々な場面に立ち会ってきている。
 ギャングの抗争や、企業の不正、政治家の汚職に、或いは戦地。
 今回のニュースに感じた奇妙さは、それらより尚不穏なものだった。
 有り体に言えば、陰謀、策謀の匂い。
 しかし…。
 なんだ、この霧は?
 このウィラメッテへと赴くときに感じた奇妙さとは、これだったのか…?
 違う気がする。
 これはまた、確信でも推理でもない。
 最初に感じた奇妙さも勘ならば、今感じている不自然さも勘だ。
 第一報に感じた奇妙さとは又異なる…なんというか、軸のずれた不自然さ、奇妙さ。
 そういうものの中に、ずるりと滑り落ちたような感覚がする。
381RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:39:02 ID:pSOmj+62
 
 しかし、それはあくまで感覚的なものでしかない。
 どうあろうと、フランクはジャーナリストだ。
 必要なのは取材に基づく事実と、そこから導き出される答え。
 感覚や勘働きは、それらを得るのに必要なものであるが、かといって勘だけで物事を決めるのは大間違いだ。
 改めて。
 細心の注意を払って、フランクは霧の中に一歩を踏み出していく。
 歩くが、数歩もしないうちに、それがまるで注意力の欠いたものだと思い知らされる事になる。


 ゴフ、ゴフ、と、咽せる喉の音が聞こえた。
 煙でも吸ったかのその声に、誰かいるかと視界を周囲に動かして……息が詰まった。
 体が宙に浮く。脚が地面を離れる。
 ばたつかせ、何か触れるものはないかともがく。 
 喉が締められる。
 ぬらりとした感触。
 紐? 縄? いや、これは違う。
 ひんやりとした冷たさ。
 生臭い匂い。
 ゴムの様な弾力。
 べたついた液にまみれている。
 例えるなら、大蛇が首に巻き付いたときに感じる感触ではないか。
382RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:42:59 ID:pSOmj+62
 それ、が、フランクの首に巻き付き、ぎりぎりと締め付けている。
 締め付け、宙づりになっているのだ。
 平均的にみて、フランクの体格は決して小さくはない。
 顔かたちからしても骨太で、どちらかと言えば鍛えられた身体をしている、
 何せフリージャーナリストは身体が資本。普段から注意して居るのだ。
 そのフランクの身体が、つり上げられている。
 丁度、屋上の出入り口がある位置の反対か。
 その屋根の上に居た何かが、首に巻き付いてきた。
 
 なんとか、手でそれを引きはがそうとする。
 引きはがそうとするが、ぬめりに滑って、掴むことすら出来ない。
 背後は壁。
 壁を蹴り、反動をつけてふりほどけるかとも思うが、益々締め付けが強くなるだけだ。
 死ぬ。
 そう思った。
 スクープを撮ろうと意気込んでやってきたその直後、訳も分からず殺される。
 なんという間抜けか!
 意識が、白熱して途切れるかと思った刹那、銃声と声がした。
  
「スモーカー!」
  
383RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:47:02 ID:pSOmj+62
 野太い声と共に放たれた散弾が、「それ」を撃ち抜く。
 厳密には、「それ」の主、だ。
 支えを失ったフランクが数10pを落下し、したかに尻を打つ。
 粗く息を吸い、周りを確認しようとすると、霧の中に人影。
 うっすらと浮かぶ姿は、黒の皮ベストに、筋肉を誇示するかのようなノースリーブ。そして両腕には見事なタトゥ。
 お世辞にもタチの良さそうな風体とは言えない。

「まったく、久しぶりだぜ。まだ生きて動いている人間に会えるなんてな!」

 男は、そう言いつつ右手を差し出す。
 フランクは覚束ない呼吸と視界のまま、なんとかそれを握り替えし、よろよろと立ち上がる。

「俺はフランク。フリーのジャーナリストだ。ありがとう」
 自己紹介と礼を述べるが、
「ハ! 今更職業なんて律儀に名乗るとはね! いや、たいしたもんだ」
 軽く一蹴された。
 不快、というより、戸惑うが、男は気にもせずに
「俺はフランシス。似た名前で紛らわしいな。別の名前で呼んでも良いが、トリガーハッピー(乱射魔)とは言うなよ?」
 黒く濃いあごひげの奥で、またにやりと笑う。
 躁状態。
 フランクにはそう見えた。
 口調と言い、表情と言い、妙に浮かれている。
384RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:49:54 ID:pSOmj+62
 ドラッグでもキメているのか? とも思うが、そういう匂いもしない。
 いわばナチュラルハイ。まさに、トリガーハッピーな状態なのかも知れない。

 そのフランクに、手に持ったショットガンの銃口が向けられる。
 驚き、脇に飛び退いて避けようとするが、銃声と共に飛び出した散弾はフランクの右に逸れ、背後でカエルの潰れたような悲鳴が聞こえた。

「悪ィな。さっき仕留め損ねていたみたいだ」
 こともなげにそう言って、そちらへと歩く。
 この間、フランクは結局、何も反応できずにいた。

 酷く醜い死体だった。
 それなりに場数を踏んでいるフランクでも、こんなものは見たことはない。
 灰色がかった肌は、顔中が水疱瘡にでも罹ったかの様に腫れ上がり、ふくれ、また破けて腐汁を垂らしている。
 目は血走り、至る所が汚れ、何より、その舌。
 まさに、カエルか何かのように、舌がだらりと伸びている。
 言うなれば、カエル人間というところだ。
「何だ…こいつは…」
 思わず、そう口からこぼれた。
「スモーカーだ。見たこと無いのか? ラッキーだな。
 ヤツは物陰に隠れて、遠くや高いところから舌を伸ばして獲物を締め上げて殺す。
 身体の中にガスが溜まっているらしく、咳き込んだ声がしたらどっかに潜んで…」
385RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 20:50:44 ID:pSOmj+62
 ここで少し間を取り、
「ベロベロバァ! っと、やってくるワケだ!」
 そう言って、ゲラゲラと笑った。
 無意識に、フランクはデジタルカメラを構え、今は動かなくなったそれ…スモーカーを撮っていた。

「それより、フランク」
 フランシスが改まってそう切り出す。
「ここに来たのは、ヘリの音がしたからだ。
 もしかして軍の救助かと思ったんだが…あんた、見てねえか?」
 成る程、と納得する。
 危険に陥ったときに、そうそう都合良く助けが現れるなんてことは、ハリウッド映画でもなければそうは無い。
「悪いが、二つの意味でそれはない」
 視線をゆっくりと戻しながら、フランクが答える。
「一つは、軍は助けに来ない。
 来る途中、街道を封鎖しているのを見たよ。
 むしろあれは…この町から誰も出さないつもりじゃないか…?」
「ハァ!? じゃ、すぐそこまでは来ているってのか!? クソ、何考えてやがんだあいつら!
 こちとら、いつまでもゾンビハンティングばっかで遊んでられねえんだぜ!?」
 ゾンビ、という言葉に引っかかるが、子細は問わず言葉を続ける。
「それと、あんたの聴いたヘリの音は、俺をここに運んだヘリだ。
 もう立ち去って、3日後にならないと戻って来ない」
 今度こそは、フランシスがあんぐりと口と目を見開いた。
386RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:14:04 ID:pSOmj+62
「おい、本気か!? 俺も相当クレイジーだと自覚しているが、アンタほどのイカレ野郎は初めて見たぜ!?
 何を考えて、この激戦区に、しかも丸腰でのこのこやってきたんだ!?
 それとも何か? あんたのそのカメラは、実は殺人ビームでも放つ超兵器か何かってのか!?」
 剣幕に押され、半歩下がる。
「まさか、こんな事になっているとまでは思ってなかったんだ」
 その言い訳に、フランシスが更に呆れた顔をする。
「あんた、一体どんな安全地帯に潜んでいたってンだ!?
 世界中がこんな有様だってぇ話なのに、「まさかこんなことには」だって!?」
 世界中。
 このハッピーな男の言葉を解釈すれば、つまりは「世界中でゾンビが現れた」という事になる。
 となると、早朝にこの情報を仕入れ、知り合いに色々確認をし、ヘリを手配して乗り込み飛ばしていた間に、世界各地から続報が次々に流れ出した、という事になる。
 スクープどころじゃない。フランクだけ、見事な置いてけぼり、だ。
 ハイ、こちらFOXニュース! 一大事だ、イラクのイスラムテロリストによる細菌兵器攻撃で、世界中にゾンビが現れたぜ! アメリカ市民よ、銃を取れ! 俺たちのジョージに続くんだ!
 ウィラメッテに来るよりも、何処ぞのオフィスにふんぞり返って、共同通信の続報を待っていた方が、まだマシだったというワケだ!
 絶望的、とはまさにこのこと。
 勿論、フランシスの情報が誤報や思いこみの可能性もあり得る。
 あり得るが、いまはそれすら確認できない。
 その思いが顔に現れたのだろう。
 先程まで興奮していたフランシスが、今度は一転、同情するというか、哀れむというか、そんな表情をして、
「…マジで知らなかったみたいだな。
387RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:14:50 ID:pSOmj+62
 呆れると言うより憐れだぜ。
 ウェルカムトゥ・ヘル。このイカレた世界へようこそ、だな」
 そう言って、腰のベルトにさしたハンドガンを、フランクに手渡そうとする。
「ったく、しょうがねぇ。
 丸腰で居て貰っても役に立たねぇし、一丁渡しておくぜ」
 ひんやりとした、重い、鉄の塊。
 何度か射撃訓練をしたことはあるが、正直扱い慣れた代物ではないそれが、どうにも手に馴染まない。
 馴染まないが…あの「スモーカー」の死体を見てしまったからには、コレがどうしようもなく必要になる予感はする。
 
 そのとき。
 軽く、銃声が響いた。
 近くではない。しかしそれほど遠くもない。
 中か? いや、外だ。
 フランクはフランシスと連れだって、音がしたとおぼしき方へと足を向ける。
 向けるが、霧に視界は閉ざされて、正確な位置には見当もつかない。
「くそ、一体何なんだこの霧は。いきなり現れやがって…」
 フランシスの悪態も言い終わらぬうちに、立て続けに銃声がし、その後は爆音。
 近くで、派手な戦闘が行われているのは間違いない。

 暫くして、音が止む。
 その後は、はなから何も無かったかのような静寂が、白い霧の中を彷徨っていた。
「流石に、あれだけデカイ音がすりゃあ、感染者どもがわらわらと集まってくる…ハズなんだがなあ」
388RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:15:47 ID:pSOmj+62
 フランシスが、些か微妙な顔をして、誰にともなくそう呟く。
「この霧が出てから、スモーカー一匹しか見てねえし、気配もしねえ。
 一体どうなってやがんだ…」
 フランクには分からないが、おそらくはこの状況に早くも適応している入れ墨マッチョに言わせると、この霧が出てからの状況は、"妙"らしい。
 霧、霧、霧…。
 やはり、霧だ。
「ハッ!」
 再び、先程までのハイな声に戻り、
「考えてても仕方がねえ! 誰が勝ったにしろ、このモールに向かって何者がやってくる可能性は高いぜ!
 まずは、下に降りて、コープスパーティーと行くか」
 フランクの答えも待たず、ずかずかと歩き出す。
 さてどうしたものかと思いつつ、フランクはその後ろ姿を一枚、カメラに収めた。
 この先に待ち受けているのが何なのかも分からぬまま。


【E-2 ショッピングセンター屋上へリポート/ 一日目夕刻】


389RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:16:51 ID:pSOmj+62
【フランク・ウェスト@デッドライジング】
 [状態]:健康、少し脚を捻る
 [装備]:ベレッタ(15/15)
 [道具]:高性能デジタルカメラ、筆記用具
 [思考・状況]
 基本行動方針:この町、或いは全世界で起きていることを取材する。
 1:とりあえずフランシスと行動する。
 2:他の人間にも取材をしたい。
 3:しかし本当に世界中で?

※ここがウィラメッテだと思っています。

【フランシス@LEFT 4 DEAD】
 [状態]:健康、ハイ
 [装備]:軍用ショットガン()(2/4)、ベレッタ(15/15)、
 [道具]:ショットガンの予備弾(20)、ベレッタの予備弾倉(5)、フラッシュライト、救急キット(1)、パイプ爆弾
 [思考・状況]
 基本行動方針:とにかく感染者を殺しまくって生き残る。生存者は助ける。
 1:さて、下に降りよう。
 2:フランクはものを識らなさすぎて困ったもんだが、仕方がない、連れて行こう。
 3:しかし、この霧は妙だな。

※もともとは、世界中がゾンビであふれかえっている、破滅した(おそらくニューヨークか何処かの)大都市に居た。
 そこから移転していることにまだ気がついていない。
390RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:18:19 ID:pSOmj+62
【アイテム情報】
※パイプ爆弾@@LEFT 4 DEAD
 パイプ型の小型爆弾。
 スイッチを入れて遠くへ投げると、アラームが鳴り感染者を惹き付けてから、数秒後に爆発して、周囲の感染者を殺し尽くす。
 アラーム、騒音に感染者が惹き付けられる、のは、ゲーム内の設定なので、他のクリーチャーの反応はそれぞれと思われる。

【キャラクター基本情報】
フランク・ウェスト 
出典:デッドライジング
年齢/性別:20代か30代?/男性
外見:短く刈り揃えた黒髪に、黒いジャケット姿の、いかつい風貌の男。
環境:フリージャーナリスト兼カメラマン。
性格:意志が強く行動的で勇敢。
 つまり、ハリウッドの巻き込まれ型アクション映画の主人公そのもの。
 ぶっちゃけ、キャスティングはブルース・ウィリスでもイメージとしてはOK。
能力:一般人だが、潜在能力は高い。
(ゲーム後半では、素手でゾンビを蹴散らす程に。
 その多彩な肉弾技の数々は、検索すると山ほど出てくるが、ロワ内で何処まで反映させるかは、微妙。
 なお射撃能力はあまり高くない)
口調:俺、あんた、等。
交友:ゲーム内では多くの生存者を救助するが、ロワ登場時にはヘリパイロットのエドのみ。
備考:基本的に、ここで書かれていることでほぼ全てとの解釈でok。
391RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:19:18 ID:pSOmj+62

フランシス(ファミリーネーム設定不明) 
出典:@LEFT 4 DEAD
年齢/性別:20〜30代/男性
外見:黒の皮ベストに黒のジーンズ。目つきは鋭く、髪は黒く短く刈り上げて髭面、両腕に入れ墨。見るからにギャング然とした風貌。
環境:ゾンビだらけの世界からやってきた荒くれ者。
性格:横柄で尊大だが、同行者は決して見捨てない。
能力:銃器の扱いとサバイバル能力に長ける一般人。
口調:ややぞんざいで乱暴、だと思う。
交友:ゲーム内では、ルイス、ビル、ゾーイらと4人のチームを組んで行動。
備考:横柄な態度、デカい声、そして見るからに屈強な肉体。
 フランシスはこのゾンビの大発生を前にしても、まるでいつもの喧嘩の規模が大きくなっただけだ、といわんばかりの振る舞いを見せる。
 ウィルスの感染が広まり出すと、人々は食料をかき集め安全な避難場所を捜し求めた。
 だがフランシスは違った。
 彼は銃を掴んで、鼻歌交じりに暴れ始めたのだ。
 警察官も法律もない、無秩序の世界。
 ゾンビさえいなければ、フランシスはすぐこの世界に馴染んでしまっていただろう。

 以上、マニュアルより。
 この情報で全てであり、ゲーム内で明かされるものは特にないので、これで十分。
 なお、ゲームの性質上、基本的に脱出するその瞬間を除くたいていの場合、同行者を見捨てないし、敵を発見したら即座に仲間に警告し攻撃する。
 ロワ登場時、他のゲーム内の仲間と会った後かどうかは不明。
392RISING 4 DEAD ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:20:20 ID:pSOmj+62
【クリーチャー基本情報】
スモーカー
出典:LEFT 4 DEAD
形態:主に1体。他の感染者等とはあまり群れない。
外見:腐敗した状態のゾンビ
武器:長い舌。
能力:長い舌を伸ばして首などを締め上げて殺す。一度締め上げたら、一人の力で外すのは至難。
攻撃力:★★☆☆☆
生命力:★★☆☆☆
敏捷性:★★☆☆☆
行動パターン:屋上などの生存者より高い位置を隠れて移動し、遠くから舌で狙撃してくる。近距離ではツメで攻撃。
備考:ゲーム内で「特殊感染者」と呼ばれるゾンビ。
 遠距離攻撃が厄介だが、基本すぐ仲間に助けて貰えるので、強敵ではない。
 ただしゲーム上では、締め上げられると脱出不可能なので、ロワで一人の時に襲われると強敵かも知れない。
 出現前には、コフコフと煙にむせる咳き込んだ声がする。

393 ◆HGBR/JBbpQ :2010/05/26(水) 23:21:33 ID:pSOmj+62
 以上、「背景を調べる必要がほとんど無いアメリカンマッチョ二人」 でした。
 ライジングでは、フランク自身は完全な巻き込まれ主人公なので設定上の謎はないし、レフト4は、単に高速で迫り来るゾンビを撃ちまくるだけのサバイバルホラーガンアクションですからねぇ。

394探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:25:49 ID:XXdKqz6a


ブロンドの短い髪。化粧っ気のない顔。男っぽく引き締まった表情。警察官シビル・ベネットは行ってしまった2人の来訪者に溜め息をつく
「何故こんなことに・・・・」

二度と近寄らないと決めたのに・・・・またあの町に戻る羽目になってしまった。

誰か居たら愚痴の1つでも聞いてもらいたいくらい、
あぁもちろんあの二人以外に―――ー


あの悪魔を倒してから早数年
私は今もブラマで警察官を続けている。

近年は特に異常も無く、いつも通りの忙しい毎日を送っていたんだけど。
今日は違った。
前に経験した隣町の怪異のようにブラマには深い霧が立ち込めていた。
395探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:26:58 ID:XXdKqz6a
幸いにも、イヌやトリの化け物はいないし、人も消えてない。
でも何か違和感がある。
胸騒ぎがする。
それにまさかとは思ったが案の定あの街の警察署からは応答が無い。

霧に包まれた街――――サイレントヒル

きっと、いや確実にあの街が関わっているに違いない。

またいつかのように
哀れな観光客や町の市民達が何も知らずにあの街に入らないよう、
街の境目にバリケードを作りに行くことにした

今でもここまでは正しかったと思う。
だってそうでしょ?
困っている市民を守るのが警察官の役目だもの。

問題だったのは一通の手紙を持った少女と
サイレントヒルから来たにも関わらず
サイレントヒルに行こうとする奇妙な男を
止められなかったこと・・・・
396探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:27:59 ID:XXdKqz6a


「すいません、サイレントヒルはどこですか?」

たどたどしい英語で長谷川ユカリはバリケードを作っている婦人警官に訊ねる
彼女の友人、ミカやチサトがいなくなってから一年の時が流れ、
何故だかはわからないけど消えてしまったはずのチサトから手紙が来た。

あの日ミカがいつものように持ち込んできた噂話、
サイレントヒルで待っているという内容だった


お金を貯めて、場所を調べて、
ここまでどれだけの労力を費やしたか・・・・

ブラマの隣町だっていうから多分ここだろうけど、
もしいなかったら戻ってきた時叱りつけてやる。

「サイレントヒルはこの先だけど・・・・・危険な街よ、
通行を許可する事はできないわね」

そういわれてもここまで来たら引き下がるわけには行かない。
共に何度も危機を乗り越えた仲間だから。
・・・・・その危機は大半の場合ミカが持ってくるのだが。

「友達が待っているかもしれないんです、なんとかなりませんか?」

手紙を見せてみる。
警官にはやはり通用しなかった。

「ダメなものはダメよ、早く家に帰りなさい。大丈夫、霧が晴れたら捜索してあげるから――――」
397探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:28:57 ID:XXdKqz6a


ガシャン!!


バリケードの崩れる音と共に一台の車が現れた
ヨレヨレのYシャツに、ボサボサの髪。
タバコをふかしながらゆっくりと揺れるように車から出てきた東洋人の男は
大層疲れた表情で、やはりあの街の名前を口にした。

「バリケードを壊してしまってすまない。
ちょっと訊ねたいんだが、サイレントヒルって噂話を知ってるか?」

またサイレントヒル・・・・
警官は困惑と呆れの混ざった表情で突然の乱入者・・・・あるいは不審者に問い返す。

「ふざけた男ね、この道路を使用したらサイレントヒルを通るはずでしょ?」

「なんだと・・・・?」

男は一瞬目を見開き考え込み始めた。
元々疲れきった顔は更に険しくなり、おかしな物でも見るように警官を見ている

その様子はまるでパラレルワールドに迷い込んだ人のようであった。
398探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:29:54 ID:XXdKqz6a


「おじさん、サイレントヒルに行きたいの?」

こっそりと警官の横を通り抜け男に話かける。
警官はしまったという顔をしているがそんなの関係ない。

「・・・・・サイレントヒルに行く方法、もしかしたら判るかもしれない」

「・・・・本当か?」

「前に一度似たような場所に行ったこと、あるから・・・・だから私も連れてってください!」

あるべき場所に街が無いなら、きっと街の裏側に行く方法で行けるはず
得体の知れない男だが二人を連れ戻すためなら付いていくしかない。

「無謀だわ、待ちなさい!」

「大切な人を探さなくちゃいけないんです!おじさん!早く!」

車のドアが閉まり、警官は霧の中に置き去りにされた。
しばらくして男が口を開いた。

「・・・・・アンタも誰かを探しに来たんだな、俺も似たようなもんだ・・・・」

どうやらおじさんも大切な人をあの街に奪われてしまったらしい。


「で、サイレントヒルに行くにはどうすればいい?」
399探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:31:27 ID:XXdKqz6a


「サイレントヒルがあるはずの場所を往復すればいいんです、多分3回くらい・・・・」

私が答えるとちょっと嬉しそうな声でおじさんは言った。

「なるほど、一部地域で流行していた『トイレの花子さん』の派生系、
『犬と少女』や『公園の神隠し』、『合わせ鏡の悪魔』等
ループに関わる都市伝説は数多く存在する。
また連続して何かを繰り返すという行為は
輪廻転生に深い関わりがあるとする説もある。
特に『公園の神隠し』は今回のケースのように
別の世界へ紛れ込む話だったな。
そして、それらの都市伝説における別の世界とはなんなのか、未だ解明されていない。
異界説、平行世界説、タイムトラベル説、等々多くの説が存在するが
サイレントヒルへ連れていかれるというのも面白い解釈だ、
試してみる価値はあるな。そういえば
似た場所に行ったことがあると言ったな。
俺の名は霧崎水明。
もしよかったら聞かせてくれ。アンタが体験した都市伝説を」

バックミラーに写る彼の瞳は
さっきまでと違って心なしかキラキラと輝いている

今更ながら自分の愚行を後悔し始めた。
(・・・・ヤバい臭いがプンプンする
大丈夫なの?このおっさん・・・・)
400探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:34:25 ID:XXdKqz6a
【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
[状態]健康?
[装備]無し
[道具]ショルダーバッグ(パスポート、オカルト雑誌@トワイライトシンドローム、
チサトからの手紙?、食料等、他不明)
[思考・状況]
基本行動方針:チサトとミカを連れて雛城へ帰る
1:サイレントヒルに着くまでおっさんと話をする
2:着いたらすぐにでもミカとチサトを探し出す
※チサトからの手紙は本物かどうかわかりません

【霧崎水明@流行り神】
[状態]精神疲労(中)、睡眠不足
[装備]無し
[道具]謎の土偶、紙に書かれたメトラトンの印章、
自動車修理の工具、食料等、他不明
[思考・状況]
基本行動方針:純也と人見を探し出し
サイレントヒルを解明する
1:この小娘はただ者じゃない気がする・・・・
話を聞いてみたい
2:そもそもサイレントヒルは実在するのか?
3:もし実在して、そこに人見や純也がいるなら共に
『都市伝説:サイレントヒル』を解明する
※ユカリやシビルが異世界の人間なのではないか
と感ずきました
※何故サイレントヒルに入れなかったのかはわかりません
401探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:35:45 ID:XXdKqz6a

【謎の土偶@SIREN?】
霧崎水明のコレクションのひとつ、
盾を持った土偶、宇理炎によく似ているが
魔力があるかどうかはわからない。

【メトラトンの印章@サイレントヒルシリーズ】
サイレントヒルにおける退魔の印とされているが
これだけではなんの効力もないらしい
サマエルの印章と呼ばれる印でこれを形作ると邪神を滅ぼす事ができるらしい




まったく・・・・どうして、こう
あの街には行方不明者とそれを探しに行く人が多いのかしら・・・・
シビルは肩をすくめて思った。

悪夢の街に挑む彼女のバッグの中には
サイレントヒルから帰った後
こんなこともあろうかと揃えておいた
これまた悪夢の様な武器が、まだかまだかと出番を待っている。
402探し人 ◇BoVaEdQZq. (代理:2010/05/31(月) 01:37:03 ID:XXdKqz6a
【シビル・ベネット@サイレントヒル】
[状態]健康
[装備]10連装変則式マグナム@サイレントヒル210/10
[道具]旅行者用バック(、食料など他不明)、警察手帳、サイレントヒルの観光パンフレット(地図付き)

[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルにいる要救助者及び行方不明者の捜索
1:さて、まずはあの二人ね
2:前回の原因である病院に行ってみる

※サイレントヒル本編で病院のある場所には
現在研究所があります

【十連装変則式マグナム@サイレントヒル2】
マリア編の主人公マリアが使っていた銃
弾丸が10発入る事以外は普通のマグナム銃と変わらない

【サイレントヒルの観光パンフレット@サイレントヒルシリーズ】
地図等が載っている
サイレントヒル各所に置いてある地図とほぼ同様の物であるが
増えた建物については載ってない

なお以下の紹介文がついている

湖をのぞむ静かなリゾートタウン、サイレントヒル。皆様のこの町への来訪を歓迎します。騒がしく忙しい日々は忘れて、ゆっくりと休暇をお楽しみください。
落ち着きある素朴な町並み。
自然あふれる山々の景観。
そして早朝、昼間、夕暮れと時間の変化と共に、幾つもの美しさを見せる湖。
サイレントヒルは、きっと皆様に深い感動と、安らぎを与えることでしょう。
この町での滞在が楽しく充実したものになることを、最高に思い出深いものになることを願っております。
編集者:ロジャー・ウィドマーク
403ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:12:41 ID:XXdKqz6a

―――人間が、一番怖い




『B-2地区』

アメリカ北東部の街、サイレントヒルの北部、市街図上ではそう呼称されるエリアには、
一見、何の変哲もないアメリカ北東部の典型的な田舎町の風景が広がっている。
広い車道に、歩道の並木、立ち並ぶ控えめな装飾の、歴史のありそうな民家群…
本当に何の変哲もない。

しかし、ここはサイレントヒルだ。呪われ街だ。
目を凝らせ、耳を澄ませろ、臭い嗅ぎつけろ…
そうすれば見えて来る筈だ、聞こえて来る筈だ、臭って来る筈だ…
この街の異常が、呪いが、怪奇が、確かに感じられ筈だ。

見ろ、そして感じろ、街全体を覆う、この白く濁った霧を。
聞け、そして感じろ、この街の生者の生活の喪失を、生ける死者の徘徊を、魑魅魍魎の跳梁跋扈を。
嗅げ、そして感じろ、この街に満ちた陰性の臭いを、腐臭を、そして血臭いを…

見るがいい…車も人通りも絶えたアスファルトの上を徘徊する、生きる死者の群れ達を…
404ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:14:33 ID:XXdKqz6a
『ゾンビ』
そう呼称される、死にながら、腐りながらも未だ動く事と喰らう事を止めぬ亡者達。
T-ウイルス、神を畏れぬ愚か者どもが造り出した恐るべき悪疫の犠牲者達は、
『死の勝利』、『死の舞踏』、はたまた中世のペスト渦の忌わしき伝説にある様な、
死者が墓場から復活する生き地獄の様相を呈していた。

この街、サイレントヒルには、あらゆる死の気配が満ちている。
その、端的な現れが、この死者の群れと言えよう。

しかし、こんな死に満ちた街にも、人間と言うモノは居るモノである。
その証拠に、白い霧を引き裂いて、銃弾が徘徊する、あるゾンビの頭部を貫いた。

7人ほどで固まって徘徊していたゾンビ群の内、先頭を歩く一体であったが、
T-ウイルス起源のゾンビが活動を続ける上で必要不可欠な頭部を、
強力なライフル弾で撃ちぬかれ、脳漿をまき散らしながら地面に倒れ伏した。

『同行』してた個体が破壊された為か、あるいは銃声を聞いた為か、
知性を感じさせない白濁した瞳で周囲を見渡す。
T-ウイルスの影響で著しく知能の低下したゾンビ達は、
狙撃された事に対し、伏せる、遮蔽物に隠れる、などと言った行動を取る事は無い。
故に、
405ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:16:52 ID:XXdKqz6a

タァーン、タァーン、タァーン…

次々と、続けさまに霧を裂いて飛んで来る銃弾の餌食になった。
ゾンビの群れに撃ちこまれた銃弾は合計7発。いずれもライフル弾。
濃霧の為か、あるいは狙撃手の技量の為か、全弾命中した訳ではなく、
2発は完全に外れ、2発は頭部を外れた為に致命傷にならなかった。

生き残ったゾンビ達は、一足先に自由になった嘗ての同類の死骸に喰らい付き、
終ぞ、自分達を見つめる狙撃手の目線に気がつく事は無かった。



死者達が、見えざる狙撃者から攻撃を受けていた場所から、
おおよそ50メートルほど離れた民家の三階。
そこの窓から、細い金属の棒が突き出している。
周囲に臭う硝煙の臭いから、それが容易にライフルの銃口であるのが知れる。

部屋の中には、ライフルを構えた一人の少女が居た。
長い髪をポニーテールにした、凛々しい顔立ちの少女である。
このサイレントヒルに呼ばれた少女、園崎魅音と、瓜二つの容貌であったが、
果たして、彼女は園崎魅音と血を分けた、たった一人の双子の『妹』、
園崎詩音に他ならない。
406ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:25:27 ID:XXdKqz6a
詩音は、自身で狙撃したゾンビ達の様子をライフルスコープ越しにしばらく観察していたが、
スコープから目を離すと、ライフルの機関部右側に空いた給弾口より、
.30-30Winchester弾を押しこみ装弾する。

――ウィンチェスターライフルModel.1894

西部劇でお馴染みの傑作レバーアクションライフル、
『ウィンチェスターライフルModel.1873』を、
銃器産業の天才的技術者、ジョン=ブラウニング(ブローニングとも)が改良した、
レバーアクションライフルの決定版とでも言うべき名銃である。
『.30-30Winchester弾』といったライフル弾を使用し、
時勢故に軍用ライフルの座こそ後続のボルトアクションに明け渡したものの、
外見の独特の美しさもあって、狩猟用ライフルとしては現在も世界中で愛用されているモデルだ。

詩音の手の中にある物も恐らくは猟銃として使われていた物であり、
彼女のが今いる部屋には、この銃で仕留めたのか、幾つもの動物の剥製が誇らしげに飾ってある。
ウィンチェスターライフルの方も、仕留めた獲物と一緒に写った、
この部屋の本来の主と思しき人物の写真と一緒に飾ってあった物だ。

最後の弾丸を押しこみ、レバーをカシャンと起こすと、
初弾が薬室に装填され、撃鉄が起こる。
後は引き金を引くだけで、初弾が発射される状態である。
407ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:30:05 ID:XXdKqz6a
ライフルを一旦、足元に立てる。
ライフルの隣には、ソードオフ(散弾銃の銃身と銃床を切り詰める違法改造)された、
レミントン M870ショットガンが壁に立て掛けられている。
アメリカでは軍用・警察用から狩猟用・護身用まで幅広く使われている一般的な散弾銃であり、
日本へも主に狩猟用散弾銃として輸入されている代物だ。
ウィンチェスターライフルと一緒に飾られていた物を、
詩音が、部屋にあった日曜大工用具の鋸でソードオフしたのである。

傍らの机に置かれていた頑丈な厚手のトレンチコートを羽織り、
『.30-30Winchester弾』の装填された弾帯ベルトを二つ、襷掛けにし、
さらに、12ゲージショットシェルを装填された弾帯ベルトを腰にコートの上から取り付ける。

トレンチコートの下にあった、中に予備の弾丸とハンティングナイフ、
携帯ラジオと栄養ドリンクが押し込まれたショルダーバッグを肩から掛けようとして、
一旦手を止め、バッグの中からある物を取りだす。

それは、二枚の古ぼけた羊皮紙であった。
一枚目には、血の様に赤い文字で、以下の様な文面が書かれていた。
408ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:34:43 ID:XXdKqz6a
 
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ル ー ル

1. 殺 せ
  この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること。

2. サ イ レ ン で 世 界 は 裏 返 る
  生き残りたいならサイレンを聞き逃さないこと。何が起きるかはお楽しみ。

3. 鬼 の 追 加
  一定時間毎に鬼を追加します。

4. ご 褒 美 
  最後の一人にはご褒美が用意してあります。頑張って殺してください。 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
409ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:42:44 ID:XXdKqz6a

そして二枚目には、自身の名を含んだ、
都合45人分の名前が、濁った白のインクで書かれている。
そこには、自身の血を分けた双子の『妹』の名を含む、
雛見沢村の『親しい住人達』の名前もあった。

『ジェイムス・サンダーランド』、『ヨーコ・スズキ』、『ブラッド・ヴィッカーズ』の名前の上には、
血の様な赤い線が引かれている。
この線は、詩音が引いた物ではない。
『ジェイムス・サンダーランド』、『ヨーコ・スズキ』の物は、詩音がこの羊皮紙を見つけた時には、
すでに赤い線は引かれていたが、『ブラッド・ヴィッカーズ』のそれは、
彼女が見ている正にその前で、血がにじむ様にひとりでに引かれた物であった。

この不可思議な名簿と、
一枚目に書かれた『この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること』、
そして『最後の一人にはご褒美が用意してあります。頑張って殺してください』という、
三つの要素が意味する事は…
410ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 02:44:02 ID:XXdKqz6a

羊皮紙をバッグの中に押し込むと、
バッグを肩から掛け、スリングを取り付けたレミントンをバッグと反対側の肩に掛ける。
ヘッドライトを頭に取り付け、ライフルを両手で抱えながら、彼女は言った。

「待っててね悟史君…すぐに会えるから」

殺すべき人々の中には、血を分けたたった一人の双子のかたわれもいるが、
どうせ『一度殺す』のも『二度殺す』のも同じだ。
愛しい北条悟史の為の犠牲になってもらうとしよう。

「クケケケ」
「ぐぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ……」

奇声を上げる詩音の表情は、もはや人のそれではない。
鬼だ…一匹の鬼女が此処に居る。

―――サア、狩リノ時間ダ

部屋の扉を開けると、階段を下りて、
彼女は霧の街へと繰り出す。


全ては愛しいあの人の為に。
彼女は狩りに旅立った。
411ディア・ハンター ◇NH7Vafx8Pc (代理:2010/05/31(月) 03:34:30 ID:XXdKqz6a

【B-2 市街地 / 一日目 夜】

【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に】
[状態]: 健康、L5
[装備]:ウィンチェスターM1894スコープ付き(残弾7/7)、レミントン M870ソードオフVer(残弾6/6)、
ショルダーバッグ、ヘッドライト、トレンチコート、弾帯×3
[道具]:羊皮紙の名簿、ハンティングナイフ、30-30Winchester弾(50/50)、
12ゲージショットシェル(50/50)、携帯ラジオ、栄養ドリンク
[思考・状況]
基本行動方針:名簿の人間を皆殺しにし、北条悟史を生き返らせる
1:獲物を探す
【備考】
※目明し編ラストより参戦

【アイテム情報】

ウィンチェスターM1894@現実
西部劇で著名なレバーアクションライフルの名銃シリーズの1894年版モデル。
装弾数は7発、『.30-30Winchester弾』を使用する。スコープ付き。

レミントン M870@現実
レミントン社の代表的なポンプアクション式散弾銃。
様々なバージョンが存在するが、これは6発装填の狩猟用タイプ。
ソードオフ済みであり、バレルとストックが短い。

栄養ドリンク@サイレントヒルシリーズ
サイレントヒルシリーズお馴染みの回復アイテム。
体力をわずかに回復する。
412参加するカモさん:2010/06/09(水) 23:04:07 ID:A6/KyLUF
したらばの会議はまだ収集が付かないな…
413参加するカモさん:2010/06/14(月) 22:24:48 ID:n7JCKo4s
代理投下します
414見つからない 代理 ◇qh.kxdFkfM:2010/06/14(月) 22:25:49 ID:n7JCKo4s
 ――医学とは、事実の蓄積である。
 
 それは医学だけでなく、すべての学問に言えることだ。
 何をどうすれば、どうなるのか。そうした因果関係を収集し、整理する。
そうしてできた体系が、今日までの学術を形成しているのだ。

 ゆえに、学者はまず、事実を受け入れねばならない。
 それは、医者も例外ではない。

 宮田司郎は曲がりなりにも医者である。
思想や動機、目的が人命救助とはかけ離れていても、
医学の知識を修めた人物に変わりない。

 彼は、この状況をまず、事実として認識することにした。

 自分がいた場所が激変しても、見知らぬ土地に飛ばされたとしても、
取り乱さず、その事実を事実として受け止めている。
 
(これが儀式、か……?)
 その上で、彼は考える。自身の住む羽生蛇村、そこに古くから伝わる秘祭が今日行われるはずだ。
明確な時刻を確認することはできないが、少なくとも、もう始まっているだろう。
だが、儀式といってもそこまで大それたものではない。生贄を伴うが、所詮ただの行事だ。
幸福を祈りはするが、超常現象を発生させるものではない。

 では、この現象はいったい……?
 白衣の男は周囲に視線を走らせる。見たことのない景色、深く立ちこめた霧……まったく原因がわからない。 
判断材料が少なすぎる。儀式の効果か、それとも別の何かか。あるいは幻覚か……。
恋人の殺害が、予想以上に精神を疲労させているのかもしれない。

 宮田は近代化の進んだ街並みを眺めながら、歩きはじめる。妙に霧が濃いので、その速度はかなり遅い。
415見つからない 代理 ◇qh.kxdFkfM:2010/06/14(月) 22:26:36 ID:n7JCKo4s
 
 まず、儀式に関連性があるかどうか調べよう。これには確かめる方法がきちんとある。
 牧野慶、八尾比沙子。求導師と、その補佐役である者なら、儀式でないかどうかわかるはずだ。
何せ、眞魚教の儀式は彼らが主動で行うのだ。知らない方がおかしい。

 ここはおそらく、自分のいた村ではないだろう。
こんな外観をしていなかったのはもちろんのこと、空気や雰囲気が、どうにも違う。
そうした情報のほかにも、判断する材料はある。自身が殺害した、恩田美奈の亡骸がどこにもないのだ。

『突然彼女の遺体が消えた』より、『突然自分が移動した』の方が、まだ信憑性はあるだろう。
まさか死体がひとりでにいなくなったわけではあるまい。 

 霧深き道を医師は歩く。目的地があるわけではないが、その場でじっとしていてもしかたがあるまい。
ならば、人のいそうな施設を探した方がマシだろう。あの臆病な求導師様のことだ、どこかに閉じこもっているかもしれない。
それか、求導師の補佐役である、あの女性に縋っているか……。どちらにしろ、積極的に動くことはないはずだ。

 霧の中から、特徴的な建物が現れた。宮田はそれをじっと見てから、わずかに落胆の息を漏らす。
「教会だが……これは違う」
 一瞬自身の知るそれかと思ったが、意匠に差異がある。これは別の宗教による教会だ。
羽生蛇村で信仰されている眞魚教とは違う。
「やはり儀式のせいではないのか……?」
 儀式が原因だとすると、疑問が残る。他宗教の教会がありながら、不入谷の教会がないのは不自然なのだ。
宗教とは往々にして他のそれとなじまない。あのキリスト教でさえ、解釈の違いから内部分裂を引き起こしたくらいだ。
 そんなリスクを負ってまで、こんなものを設置する理由はないだろう。
416見つからない 代理 ◇qh.kxdFkfM:2010/06/14(月) 22:27:27 ID:n7JCKo4s

「では、いったい……」
『自分がいつの間にか移動した』という事実に対し、明確な答えがでない。
 因果関係を構築できない――それは識者にとって、不快かつ不安であった。

「“声”も聞こえない、か」
 日頃自分を悩ませる幻聴がないのはありがたいが、五里霧中の状況では、あまり嬉しくはない。
 宮田は憂鬱そうに首を振り、教会の扉に手をかけた。
「調べるしかないな」
 

 ――学問にしろ医学にしろ、その本質は探究だ。

 医師が病原を調べるため、患者を解剖するように、彼もまた、この“異変”の解明に動く。

 
 たとえそれが、人智の及ばぬものであったとしても。



【C-2/教会前/一日目夕刻】

【宮田司郎@SIREN】
 [状態]:健康
 [装備]:特になし
 [道具]:懐中電灯
 [思考・状況]
 基本行動方針:状況を把握する。

※原作OP直前、恋人・恩田美奈を殺して埋めた直後より参加。
417見つからない 代理 ◇qh.kxdFkfM:2010/06/14(月) 22:29:41 ID:n7JCKo4s
名前:宮田司郎
出典:『SIREN』
年齢/性別:27歳/男性
外見:黒髪黒目、ブルーのYシャツの上から白衣を羽織っている。
環境:
羽生蛇村で医院を営んでいる、というのは表の顔で、実際は代々宮田家は村の暗部を
求道師(村の宗教の中心で、儀式の進行役)らに代わって一手に担う存在であり、
儀式の障害となる者を秘密裏に処理している。
実は養子で、本名は吉村克昭(よしむら かつあき)。
求道師の牧野慶こと吉村孝昭(よしむら たかあき)の双子の弟である。
性格:
義理の母親に歪んだ愛情を注がれながら育てられたため、汚れ仕事をこなし続けていたため、
また求導師として村からの期待を一心に受けている兄に対し、強いコンプレックスを抱いているため、
かなり鬱屈、屈折した性格。
目的のためには手段を選ばず、屍人の謎を解明するためとはいえ、化物となった恋人とその妹を生きながら解剖するほど。
判断力、適応力は高く、常に冷静である。
能力:
裏の仕事柄、殺人に対する忌避感が麻痺している模様。
また、幼少時から自分に呼びかける「声」を聞いていたため、霊的な事象に耐性、適応性がある可能性あり。
ゲーム本編では銃を使うシーンもあり。ただし、特に扱いに慣れているわけではないようだ。
口調:
一人称は「俺」、他人は苗字や名前にさん付けなどだが、
基本的には人の名前をあまり呼ばず、「お前」「あなた」などと呼ぶ場合も多い。
平坦で感情のこもらない喋り方。
交友:
恋人の恩田美奈以外との関わりは浅かった模様。羨望・憎悪対象の牧野慶は別格。
備考:
原作OP前、恋人・美奈にコンプレックスに触れられ、激昂して衝動的に絞殺してしまった。
人通りのない森の中に彼女を埋めようとしていた時、異変に巻き込まれる。
418見つからない 代理 ◇qh.kxdFkfM:2010/06/14(月) 22:30:55 ID:n7JCKo4s
代理投下終了です

考察型キャラとしてはいいかもしれないがこいつはこいつで不安定なんだよな…
どうなるやら…
419参加するカモさん:2010/06/16(水) 21:31:02 ID:7JQC75gV
投下&代理投下乙です!
これは美奈の死体も飛ばされていそうな…
420参加するカモさん:2010/06/18(金) 08:40:10 ID:dQMktIAQ
昔投下された宮田のSSってボツになったの?
421参加するカモさん:2010/06/18(金) 09:10:31 ID:7KDoDKeG
ボツなんだろうね。あれには削除された作品のキャラが登場してたから已む無く…って事でしょう。
422名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/06/20(日) 00:56:54 ID:gHECDKlA
どうでもいい
423参加するカモさん:2010/06/20(日) 21:27:44 ID:oK02vj4G
日野貞夫 代理投下開始します
424参加するカモさん:2010/06/20(日) 21:29:12 ID:oK02vj4G

C-3地区にひっそりと佇むバー。
そこに、日野貞夫は居た。

彼は、カウンターに置かれた小さなラジオから聞こえる音に耳を傾けている。
ラジオの中央部には、薄い赤色の光を放っている小さな鉱石がはめ込まれていた。



――はめ込まれた石の名は「霊石」。
――その正体は、死した者達の思念の塊。



――ラジオの名は「霊石ラジオ」。
――霊石に封じ込められた思念を開放する。




ラジオから流れるのは、耳障りなノイズのみ。
だが、日野がそれの電源を落とす気配はない。 まるで何かを待っているかのようだ。

………しばらくして、ラジオは唐突に言葉を発し始めた。


――嘆くように。

――呻くように。

――叫ぶように。
425笑う死神 代理◇WYGPiuknm2:2010/06/20(日) 21:30:50 ID:oK02vj4G

…モウ…………逃ゲラレナイ………




…………「サイレントヒル」……………




………………新タナ「ルール」………




………殺セ………殺セ…………



………裏切レ……奪エ…………


……滅セヨ……全テ…………


…………帰レルノハ………一人………
426笑う死神 代理◇WYGPiuknm2:2010/06/20(日) 21:32:12 ID:oK02vj4G
………ラジオからは、何も聞こえなくなった。
日野は無言のままラジオの電源を落とす。
そして、ラジオのすぐ傍に置いておいた羊皮紙を手に取った。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ル ー ル


1. 殺 せ
  この街から生きて帰りたいのなら、皆殺して最後の一人になること。



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

羊皮紙に書かれている事は、ラジオの音声とほぼ同じ、「殺し合い」に関する物だ。
そこに書かれたルールを確認し終わった直後に、日野は確信した。 



この地に存在する者を殺せば脱出できる、と。
427笑う死神 代理◇WYGPiuknm2:2010/06/20(日) 21:33:17 ID:oK02vj4G

ラジオを学生鞄にしまい、出口に向かって歩き始めた。
武器として使用するであろうアイスピックも既に調達し終えている。
ここにはもう、用はない。

……外に出る理由は当然、「狩り」を行なう為。
なにしろ人を殺し尽せば簡単に脱出できるのだ。
それはつまり、人殺しが許されているという事を意味している。


殺し合い……あぁ、なんて素晴らしいのだろうか!



「…………ヒヒ……」



神に祈らなければならない…。

――この「楽園」に連れてきてくれた事に!




「…………ヒャーハッハッハッハッハッハッハッハッハッ!」
428笑う死神 代理◇WYGPiuknm2:2010/06/20(日) 21:34:41 ID:oK02vj4G
【C-3/バー内部/一日目夕方】



【日野貞夫@学校であった怖い話】
 [状態]:健康
 [装備]:学生服
 [道具]:学生鞄(中身は不明)、アイスピック数本@現実、霊石ラジオ@零〜赤い蝶〜
     薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル
 [思考・状況]
 基本方針:殺人クラブ部長として、殺人を思う存分楽しむ。
 1:皆殺し

【薄赤茶色に光る鉱石@オリジナル】
霊石の一種。 薄赤茶色の光を放っている。
霊石ラジオを使う事で霊の声を聞く事が可能。
声の主が誰なのかは不明。

代理投下終了です
殺人クラブの部長キター!
そしてノリノリだw 皆殺し狙いとかロワらしくなってきたぞ
429参加するカモさん:2010/06/23(水) 20:19:42 ID:kbhM6X3f
代理投下乙!
日野はどちらにしても危険人物なのかー
でも近くにいる参加者はそれなりに強そうな奴らばかりだなw
430参加するカモさん:2010/07/05(月) 20:09:04 ID:h/ArM9b4
代理投下します
431サイレン一周目 ◇BoVaEdQZq:2010/07/05(月) 20:10:15 ID:h/ArM9b4

どこかでサイレンがなっている・・・・・


地の底から響いてくるかのような不吉な音が鳴り響き
世界の変転を呼ばれし者達に伝えにやって来る

先程までの薄気味悪いながらも小綺麗に整っていた街の景色は
赤黒くギトギトとした嫌悪感漂う風景と化し、
霧の代わりに闇が迫ってきている。

しばらくすると、街中の機械も大音量で騒ぎだした。
最初は耳障りなノイズ、
次に途切れ途切れの歓声があがり、
最後にワイドショー顔負けの陽気な声が聞こえてきた。


● ◇ ● ◇ ● ◇


紳士淑女の皆様お待たせしました“トリック・オア・トリート”の時間です!
クイズに見事正解して賞品を手にいれるか
それとも間違えて罰を受けるのか?
それは解答者の知力次第
今日の幸福で不幸な挑戦者は

ジェイムズ・サンダーランド
ヨーコ・スズキ
ブラッド・ウィッカーズ
です!

彼らはこの地で死に、回答権を得たのです。
432サイレン一周目 ◇BoVaEdQZq:2010/07/05(月) 20:11:48 ID:h/ArM9b4

心の準備はよろしいですか?
では早速ですが第1問

病院
子供も大人も大喜び、
楽しい楽しい遊園地などがこの町にあります
なんとそれらの施設には便利な『地図』が置いてあるのです!
さて他には何処に置いてあるのでしょう?

1・公園
2・犬小屋のある家
3・リトルバロネス号

休まず続けて第2問
この町で陰惨な殺人事件が起きました
裂ける皮膚
砕ける骨
飛び散る血
そして流される涙
かわいそうなことです・・・・・
罪深きものに復讐を!
死の制裁を!
普通ならそうでしょう、しかしながら
そのようなルールは現在この街には存在しません。
さて、生きてこの街から出るには
どうしたらよいでしょう?

1・最後の一人になるまで殺し合う
2・仲間同士協力し、外に出ようと涙ぐましい努力をする
3・大人しく死を選ぶ
433サイレン一周目 ◇BoVaEdQZq:2010/07/05(月) 20:13:35 ID:h/ArM9b4
生き残るための道は1つしかありません、1つだけ、他には全くなし。
問題は以上で終わりです
さあ 答えはわかりましたか?

それでは皆さんまたいつかさようならー!



● ◇ ● ◇ ● ◇


陽気な声が放送を締めくくると
魑魅魍魎の歓声が徐々にノイズに侵食され始め
最後には聞こえなくなった
後に残ったのは呼ばれし者達の放送に対する動揺と化け物達の潜む静かな闇だけ・・・・・
434サイレン一周目 ◇BoVaEdQZq:2010/07/05(月) 20:15:09 ID:h/ArM9b4
サイレン1周目の投下終了です

こういう放送は新鮮だな…

続けて霧絵@零〜zero〜代理投下します
435サイレン一周目 ◇BoVaEdQZq:2010/07/05(月) 20:16:37 ID:h/ArM9b4
霧絵はここ、氷室邸の暗い井戸の底で目覚め異変に気付いた。
もう随分と永いこと離れていた自分の肉体があるのだ。
何故?どうして?「自分は確かにあの人と共に黄泉の門を封じたはずなのに。」そう思い振り向いた。

「…!」

自分が元いた場所には門の瘴気が箱に詰まったかのような不気味な怪物がぶるぶると首を震わせていた。
それだけではない。

周囲を取り囲むように何かの儀式に使うような赤い印が描かれているではないか。
この異常な光景には、幽霊怨霊の類を数多く見ている霧絵も言葉を失うしかなかった。

「これは…いったいどういう事なの…?」

ふと、化け物の足元を見ると数枚の紙が散らばっていた。
おそるおそる近寄り読んでみると。
名前の書いてあるもの、見たことのない場所の地図、そして何かの絵本の三種類であることがわかった。
絵本を読んでみると、これもまたどこか狂っているように思えた。
それは自分の生涯にとてもよく似た物語だったのだ。
436サイレン一周目 ◇BoVaEdQZq:2010/07/05(月) 20:18:26 ID:h/ArM9b4
◆ ◇

むかしむかし、ある所に大きな門がありました。
その門の向こうからとてもこわく、とても悪い怪物がおりてきて。
人をつかまえては、自分達の仲間にしてしまうのです。

まわりの村に住んでいる人は怪物がこわくて、だれも外には出られません。

それを聞いた主さまはとても困りました。
こまってこまって、うーん。うーん。と
うなり声をあげるけど
どうしたらいいかなんてわかりません。

そこへ神さまに仕える巫女さまがやってきました。
とてもやさしく、とても良い人です。
主さまは巫女さまに門を閉じてくれるようにたのみました。

巫女さまは主さまの願いを聞いて、門へとむかいます。
やさしい巫女さまは自分のからだを縄にかえて扉を抑えつけてみようと思いました。

だけども門は巫女さま一人ぶんの力では閉まりません。

それでも巫女さまは門を抑えつけるのをやめませんでした。


主さまも村人もやさしい巫女さまを助けるために、次々と新しい巫女さまをつれてきました。

巫女さまたちはなんども、なんども、門のところへ行きました。

しかし、最後の巫女さまは好きな人がいたので嫌がりました。
437怪物と縄の巫女さまの童話。 ◇hr2E79FCuo:2010/07/05(月) 21:08:22 ID:h/ArM9b4
でもそうしているうちに村人たちは悪い怪物になってしまいます
主さまも村人もこれまでに縄になった巫女さまたちも怪物になってしまいました。

やさしいやさしい巫女さまにとってそれはとてもかなしいことです。
仕方なくからだを縄にかえ、扉を完全に閉じ、村人たちを元に戻しました。

ある時、いなくなったはずの怪物たちよりもさらに大きな怪物がやってきました。
その怪物はとおい所から、別の道を通ってやってきたのです。
大きな怪物はいいました。

『おれにはけんもやりもやくたたずだった。
 ゆみやもてっぽうもはねかえしたんだ』
なのにどうしたことだと、怪物は泣き出しました。

『たったのひとことでおれはしんでしまった、もうあいつにはあいたくない。』
『だから、もんをまもるからかわりにおれをかくまってくれ。』

巫女さまは大喜びでいいました。

『わかりました、それじゃあもしあなたが嘘を吐いたときのために、あなたを殺したじゅもんを教えてくれたらかわってあげましょう。』

大きな怪物は口に出さないよう、じゅもんを地面に書きましたーーーー

◆ ◇
438怪物と縄の巫女さまの童話。 ◇hr2E79FCuo:2010/07/05(月) 21:09:38 ID:h/ArM9b4
そこから先は破られている。
否、たった今破りとったのだ。
この童話はきっと今の話、ここに書いてある呪文を言ったら、この化け物は死に、門は開き、禍刻が起こるに違い無い。
ならば縄の巫女としてこの呪文を守り通さなければならないだろう。

それに……。

「あの方は何処に…。」

そう、まずは自分と共にあの場に留まってくれたはずの彼を探さねばいけない。

化け物のおかげで外れた裂き縄を護身のために持ち、外へと駆け出した。

【C-3/氷室邸井戸内部/一日目夜】



【霧絵@零〜zero〜】
 [状態]:健康
 [装備]:浴衣、裂き縄@零〜zero〜
 [道具]:童話の切れ端@オリジナル
 [思考・状況]
 基本方針:雛崎真冬を探す。
 1:まずはここから出る。

※雛崎真冬が来ているかはわかりません。
439怪物と縄の巫女さまの童話。 ◇hr2E79FCuo:2010/07/05(月) 21:11:05 ID:h/ArM9b4
『アイテム解説』

【裂き縄@零〜zero〜】

縄の巫女とよばれる選ばれた人間を特殊な機具を使い五体を引き裂く事で強大な霊力を蓄えた縄。
本来これによってしか黄泉の門@零〜zero〜を閉じることはできない。

【童話の切れ端@オリジナル】

童話の続きが書いてある、怪物が
『トゥ・フィ・エゴ・エリス』
という呪文を教えたあとの話が載っている。


『設定解説』

【黄泉の門@零〜zero〜】
氷室邸内部の井戸の奥にある瘴気の溢れだす門。
この門を完全に封印する事は縄の巫女の使命である。

代理投下終了です
謎の絵本キターw
zeroのあのシーンからこことか酷いわw だがそれがいいw
続けて代理投下します
440夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:11:49 ID:h/ArM9b4
(一)

 太田ともえは胸元で握りしめていた拳をそっと開いた。
 辺りを覆う霧は生き物のように蠢き、一向に晴れる様子はない。路面を草履が叩く音が、やたらと大きく響く。
 汗ばんだ掌をかき抱くようにして、彼女は小さくため息を零した。整った面には不安と疲労――そして困惑が色濃く浮かんでいる。

「ここ、何処なのよ……」

 霧で視界は殆ど拓けていないが、それでもここが夜見島ではないことは判別できる。
 目の前の通りは綺麗に舗装され、車が悠々と擦れ違えるほどに広い。更に、霧の中から姿を現す店舗や家々も、汚らしい木造やコンクリートの外壁ではなく、洗練された洒落っけを漂わせている。
 夜見島には絶対に存在しない風景だ。想像を巡らせることしか出来なかった“都会”とは、こんな風景なのかもしれない。
 ずっと憧れていた光景だ。しかし、ともえの胸中に感慨は微塵も浮かんで来はしなかった。ただ、自分が“余所者”だという疎外感だけが胸を締め付ける。
 ともえは深呼吸を繰り返しながら、記憶を辿った。
 加奈江――化け物女は埠頭が崩れたことで海に沈んだ。
 その際に、三上家の幼子が巻き込まれてしまったことは哀れに思うも、そもそも化け物女を島に引きこんだのは父親の三上隆平だ。子に責はないとはいえ、身から出たさびとも言える。

 自分たちは島と大切な人たちを穢れから守っただけ。他所者から生きる場所を守っただけ。

 そうやって罪悪感から目を逸らし、ともえは頬にかかる髪を気だるげに払った。
 全ては終わったことだ。それよりも、今の状況を知ることの方が大切だ。あのあと、何が起こったのか。
441夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:16:21 ID:h/ArM9b4
(……津波。津波が来た)

 そうだ。加奈江が海に沈んですぐ、島を赤い津波が襲ったのだ。父や他の漁師たち共々波に呑み込まれて――。
 そこで彼女の記憶は途切れている。
 波に巻き込まれ、本土に運よく漂着したのか。その推測は自然に思えるも、己の鼻が否定する。
 この土地には潮の香がない。漂着したのであれば、この街もまた海に面しているはずだ。気がついたとき、既にともえはこの通りにいたのだ。
 潮の香が届かないほどの距離を、意識のないまま移動するとも考えにくい。
 しかし、そうなると自身に起こった出来事が更に分からなくなってしまう。
 誰かに運ばれたのだろうか。しかし、助けるつもりならば救護者を路上に放置はしないだろう。
 かといって乱暴された形跡もなく、金目当てというわけでもなさそうだ。
 ともえは大きく嘆息した。そもそも、自分の着物は汚れるどころか、濡れてすらいないのだ。
 あの化け物女のまやかしか。しかし、それを知る術は無い。

「結局、何にも分からないってことを確認しただけじゃないの」

 座り込みたくなる衝動を堪えながら、ともえは空を見上げた。

 おそらく今は夕刻なのだろう。弱々しい陽光を受け、霧は仄かに朱色に染まっている。夕闇の影が、すぐそこまで迫っていた。津波に襲われたのは深夜だ。少なくとも半日以上経過していることになる。
 父や、他の島民もここに来ているのだろうか。心細さに、自然と足が重くなる。
 しかし――もしも、この事態が化け物女による物だとするならば、
 一族の末裔として始末をつけなくてはならない。それが、仮令己一人であったとしても。
 
 と、そのとき、ともえの耳が異音を拾った。地の上を引きずるような、
 鈍く、たどたどしい音。足音だと、少しして気付いた。何かがこちらに近づいてくる。
 そして――音は一つだけではなかった。

「なんなのよ、あんた達……!?」

 革のような膜に包まれた異形の者たちが、緩慢な動作でともえの方へ集まって来ていた。
442夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:18:22 ID:h/ArM9b4
(二)

「サイレントヒルって街、聞いたことある?」
「いんや、聞いたことねえな」
「……私も。合衆国にある街全部を知ってるわけじゃないけれど」

 思考に沈む同僚を見て、ケビン・ライマンはやれやれと肩を竦めた。
 無精髭の目立つ柔和な顔には疲労の影が落ちているものの、彼の瞳は未だにユーモアを湛えていた。
 壁に貼られたポスターの前に立つ同僚は、まだぶつぶつと何か自問自答を繰り返している。
 濃い褐色の髪を短めに整えた美女――ジル・バレンタイン。ラクーン市警が擁する特殊作戦部隊“S.T.A.R.S.”アルファ・チーム所属の才女。
 アメリカ陸軍特殊部隊デルタフォースの訓練を終了した、爆発物処理の専門家――。
 彼女のプロフィールを思い出せる限り並べ立て、呆れ混じりの賞賛の息を漏らす。チューブトップ姿の彼女が警官に見えるかどうかは別として、
443夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:19:32 ID:h/ArM9b4
あまりにも出来過ぎた同僚だ。
 いや――元・同僚かと胸中で訂正する。彼らの所属したラクーン市警は壊滅した。そして、幾許もしない内にラクーンシティそのものが消える。
 それに――。

(連中の言葉を信じなかった俺たちにゃ、同僚を名乗る資格はねえわな)

 三か月前、彼女ら“S.T.A.R.S.”は街で起こる連続猟奇殺人の調査のために、総勢十二名がアークレイ山地に入った。
 そして、二日後。生きて帰って来たのはジルを含めて、たったの五名だけだった。部隊を率いる、ウェスカーとマリーニの両隊長は殉職した。
 ラクーン市警のボス、アイアンズ署長は彼女らを罵った。しかし、ケビンを含めた同僚たちは彼女らを全面的に擁護することが出来なかった。
 彼女らは、仲間が“ゾンビ”や“腐った犬”や“巨大な蛇”などに喰われたと主張したのだ。誰もが狂ったのだと思っただろう。事故によって大量の仲間を失い、心の抑制を失ってしまったのだと。
 誰がこの世に、B級映画お馴染みの住人達が実在すると信じられるだろうか。

 しかし実の所、彼女らは全くもって正しかった。ああした怪物たちは、本当に居たのだ。あのとき信じていれば、あの崩壊は免れただろうか。それとも、“S.T.A.R.S.”に向けられた奇異の視線が、ただ単に警察全体に変わるだけか。
 苦々しさを自嘲に変えて、ケビンはもう一度大げさに溜息をついた。その様子に、ジルがこちらに顔を向けた。首を振って誤魔化し、背を預けていた椅子から身を起こす。
444夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:22:13 ID:h/ArM9b4
 彼らが居る所は小さなカフェだ。壊れたブラインド越しに入ってくる外光は弱々しく、視界の大半は薄闇に包まれている。
 カウンターには店員の姿は見えず、ぶら下がった蛍光灯が隙間風にきぃきぃと空しい音を立てていた。主を失った店内は、外気とは異質の冷気が漂っているようだ。
 しかし、それはこの店に限ったことではない。外でも人っ子一人見当たらなかったのだ。まるで街全体が何かに脅えて息を潜めているようにも感じられる。
 奥にある古びたピンボール台が埃を被って、寂しげに佇んでいた。

「おそらく、サイレントヒルってのはサンフラシスコあたりにある街なんだろ。俺たちはいつの間にか大陸横断しちまったってわけさ。霧といやあ、あそこだからな」
「それってすっごい偏見だと思うけど……でも、そうね。あなたの方が正しいと思う。ここがアメリカ西海岸だとしても、今の段階では大して問題じゃない」
「だろ? あそこじゃ、おちおち寝ても居られなかったからな」
「……まったくね」

 ジルが疲れたように、曖昧な笑みを浮かべる。
 ケビンとて、ここがサンフランシスコだと本気で思っているわけではない。大陸中西部のラクーンシティから大陸の西端にいきなり移動するなどあり得ないことだ。
 ただし、一先ず拾った命を喜ぶのが先決だと判断した。それに、既に移動してしまったのだから、そのこと自体はどうしようもない。
 他の生き残りや同僚、着任予定だった新人などの安否が気がかりでないわけではないが、それも今考えたところで仕方のないことである。
445夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:23:39 ID:h/ArM9b4
 怪物が犇めく地獄と化したラクーンシティから出られただけでも儲けものなのだ。あそこでは、のんびりと談笑するような余裕すらなかった。
 それと比べれば随分と事態は好転したと言える。
 加えて、ケビンはジム・チャップマンと共にラクーンシティで死ぬはずであった。
 T-ウィルスの特効薬を手に入れることが出来ず、ラクーンシティから脱出するわけにはいかなくなったのだ。他の生き残りを送りだし、怪物相手に一暴れしようとした直後、ケビンは霧の街に立っていた。
 まったく、最後まで恰好がつかないものだ。死ぬにしろ、生きるにしろ、それすら自分の自由になるものではないらしい。
 それに実の所、命を拾ったわけではないのだ。T-ウィルスに侵されていることは変わっていない。いささか、死ぬのが遅くなっただけだ。いつ何時、自分が腐った亡者たちの仲間入りになるか、分かったものではない。
 そのことはジルに伝えてある。いよいよとなったら、離脱して始末をつけると。
 もっとも、意外と特効薬が何処かに落ちているんじゃないかとも思っているのだが。

 こつこつとブーツが床を叩く。ジルがカウンターから出てきたのだ。彼女はケビンを見て、肩を軽く竦めた。

「それでも、状況を詳しく調べるに越したことは無いわ。せめて、ここがサンフランシスコかどうかぐらいはね」

 ジルはカウンターの上にあった紙切れを取り上げて振って見せた。この街の地図であるらしい。

「なら、行き先は市役所か、警察だな」

 ケビンの言葉に頷き、ジルが地図に目を落とした。目を紙面に滑らせ、やがて困惑したように顔を上げた。
446夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 21:25:04 ID:h/ArM9b4
「……市役所、ないみたいよ」
「無いわきゃないだろう。行政、麻痺するぞ」
「いや、そりゃあるでしょうけど。でも、地図に載ってないのよ。この書かれている範囲にはないみたいね。当てもなく探すよりは、位置が分かる警察署に向かうべきだと思うけど、どう?」
「異論はねえよ……ったく、役に立たねえ地図だな」
「元々、地図なんて気休めみたいなもんでしょ。その地図が本当に役に立つかどうかなんて、実際に行ってみなきゃ分からないんだし」
「表示すらないってのはそれ以前の問題だと思うが」

 ケビンが半眼で呻いたとき、外で女の悲鳴が聞こえた。ケビンは跳ねあがるように立ち上がり、ホルスターから愛銃を抜く。素早く安全装置を外し、スライドを引いて初弾を薬室に送り込む。
 ジルもまた顔を強張らせ、銃を引き抜いていた。

「……ここも平穏なわけじゃなさそうね」

 言いながら飛び出した彼女に続く。人気のない通りは、夕闇と霧に包まれて、どこか夢物語のような雰囲気を漂わせていた。首を巡らせて、悲鳴の方向を探す。
 それはすぐに知れた。カフェから南の通りに、後ずさるようにして逃げる女性の姿が見えたのだ。ぎゃあとかひぃとか、身も蓋もない悲鳴を上げている。もっとも、絹を裂くような悲鳴など、滅多にあるものではないが。
 駆け寄る内に、彼女が何から逃げているのかが分かった。霧の中から湧きでたように、異形の者たちが現れたのだ。
 それらはラバーのような膜に上半身を包まれた人間のような姿をしていた。しかし、明らかにヒトではない。それが何体も群を成し、水中でもがいている様な歩調で女性に迫っている。
 その異形から、ケビンは眼を背けてしまいたい衝動に駆られた。
 ラクーンシティに居た化け物たちもおぞましい姿をしていたが、それらの姿かたちはまだ生物の延長線上にあった。
 しかし、今眼に映るそれらは違う。筆舌に尽くしがたいまでに淫猥且つ陰湿で――まるで、淀みきった汚泥の底を無理やり見せつけられたような、吐き気に近い不快感が喉元までせり上がってくるのだ。
 と、女性が尻もちをついた。立ち上がろうとするが、焦りで上手くいかないようで、ただ足や手をばたつかせるだけに止まっている。
447夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 22:03:32 ID:h/ArM9b4
「ケビン、援護して!」
「任せろ!」

 ジルの背中に応え、ケビンは右肩を上げた、慣れた体勢で銃を構える。照星越しに世界を覗き、女性に一番近い怪物の頭部に照準を合わせる。迷わず引金を引き、銃声が通りに響いた。
 血煙りに沈んだ怪物の姿を一瞬だけ目に捉え、発砲の衝撃を上手く逃がしながら次の標的に銃口を向ける。
 銃声が重なり、轟きが通りを走り抜けていった。ジルの拳銃が立て続けに咆哮を上げ、弾き出された空薬莢は路面で軽やかに躍る。
 その残響が霧の中に消えゆく中、五体の怪物は全て、その生命活動を止めていた。赤黒い体液が路面にゆっくりと広がっていく。
 ケビンは安堵の溜め息を吐き――しかし、警戒を続けたまま、歩みを進めた。
 ジルは既に女性に駆け寄り、片膝をついて声を掛けている。
 襲われていたのは東洋人のようで、薄紅色の、どこかの民族衣装――ゲイシャが着ているような――を身にまとっている。歳は若い。としか言いようがない。十代にも見えるし、それよりずっと上にも思える。
 また、この街の住人には見えない。観光客か何かだろうと見当を付けた。

「大丈夫ですか? あなた……ええと、英語分かります? この場合って中国語? それとも、ニッポン? ああ、もう。なんて言えばいいのよ」

 ジルも観光客と思ったのか、困ったように天を仰ぐ。と、女性が青褪めた表情で、震えながら答えるのが聞こえた。
448夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 22:07:04 ID:h/ArM9b4

「へ、平気。平気だけど……大丈夫……ただ、あれ――」

 しかし、彼女が喋ったのは英語ではない。それなのに、女性の言っていることが理解できる。訝しく思うが、意思疎通ができることに越したことは無い。
 女性はジルの手を借りて立ち上がった。ジルも内心驚いているだろうが、それを顔には出さずに女性を落ち着かせている。女性はというと、目の前に転がる死骸から逃げるように顔を伏せていた。
 とりあえず、ケビンはなるべく陽気な調子で、

「ま、無事で何よりだ、姉ちゃん。一応確認だが、あんた、ここの住人かい?」

 と、声を掛けた。女性はケビンの存在には気づいていなかったようで、弾かれたようにこちらに顔を向ける。しばし首を傾げ――意味が分からなかったわけではないだろうが、否定の仕草をした。

「い、いえ、違う……――いいえ、違います」

 茫洋とした口調が、途中でしっかりとしたものに変わる。女性は眼が醒めたように顔を引き締め、一度大きく深呼吸をすると、ケビンとジルに向き直った。

「失礼しました。危うい所を助けて頂き、感謝いたします。私は、夜見島の太田ともえと申す者です。失礼次いでではございますが、ここが何処か、教えては頂けないでしょうか?」

 トモエというらしい女性は改まった口調で述べた。未だ不安に引き攣っているはいるものの、毅然とこちらを見つめている。まるで、その答えで全てが解決すると信じているような視線だ。縋っていると言い換えた方が正しいかもしれない。
 ケビンは一度、ジルと顔を合わせた。だが、こちらが言えることは決まっているのだ。多少気の毒に思いつつも、正直に述べる。
449夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 22:12:47 ID:h/ArM9b4
「悪ぃな。俺達にも分かんねえんだ」
「それをこれから調べに行く所だったのよ。ここの警察署にね」

 トモエの眼に失望の色が宿るのを見てとり、ケビンは大仰に肩を竦めた。

「俺はケビン・ライマン。こっちはジル・バレンタイン。どっちもラクーンシティの警官だ――ほらな? それと、そんな畏まらないでくれよ。慣れてねえから、こっちが――」

 何処からか聞こえて来た声らしきものに、ケビンは苦笑を打ち消した。法執行官証票を懐に仕舞い、右手の拳銃に左手を添える。掠れているが、人の声だ。それも、悲鳴か何か。酷く切羽詰まったものが含まれている。
 想像はしていたが、化け物はあれだけではないようだ。声は通りの西の方から聞こえてきていた。
 一度別行動をとるべきか、ジルの方を見やる。彼女は厳しい眼差しで、首を横に振った。

「あのときの経験から言わせてもらうと、何も分からない状況で分散するのは得策じゃないわね。ついでに言うと、ここ、ラクーンシティよりも不味い気がする」
「なーるほど。女の勘は信じなきゃな」

 ケビンは軽口で返してから、ジルからトモエに眼を移す。
450夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 22:15:26 ID:h/ArM9b4
「トモエ。職務上、一般市民を放っておくわけには行かねえんだが、わざわざトラブルへ連れこむのも気が引ける。俺たちと来るのも、ここで別れるのも、あんたの自由だ。さっさと決断してくれ」

「……一緒に行くわよ。こんなのがまた出てきても、一人じゃ困るもの」

 未だに痙攣している死体をおぞましげにちらと見て、ともえはすぐに顔を背けた。妥当な判断ではあるだろう。
 また、口調は砕けたものに変わったが、同時に鼻っ面の強さも表れてきたようだ。彼女の雰囲気は、顔見知りのアリッサ・アッシュクロフトと似た所がある。つまり――じゃじゃ馬だ。
 ケビンは僅かに苦笑を刻んだ。

「オーケイ。俺が先行する。ジルは殿を頼む。間にトモエだ」

「了解。トモエ、その服じゃ動き難いかもしれないけど、出来るだけ急いで」

 ジルの返答を背中に聞きながら、ケビンは西へと走り出した。

「まったく……退屈出来そうにねえなクソッタレ!」

 その呻きは、薄闇に染まりつつある霧の中に吸い込まれていった。もうじき――夜がくる。
451夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 22:16:54 ID:h/ArM9b4
【C-2カフェのすぐ南の通り/1日目夕刻】

【ケビン・ライマン@バイオハザードアウトブレイク】
 [状態]:身体的疲労(中) 、T-ウィルス感染中
 [装備]:ケビン専用45オート(装弾数5/7)@バイオハザードシリーズ
 [道具]:法執行官証票 
 [思考・状況]
 基本行動方針:救難者は助けながら、脱出。T-ウィルスに感染したままなら、最後ぐらい恰好つける。
 1:声のした西へ向かう
 2:警察署で街の情報を集める
 *T-ウィルス感染者です。時間経過、もしくは死亡後にゾンビ化する可能性があります。

【ジル・バレンタイン@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:M92Fカスタム“サムライエッジ2”(装弾数12/15)@バイオハザードシリーズ
 [道具]:キーピック、M92(装弾数15/15)、ナイフ、地図
 [思考・状況]
 基本行動方針:救難者は助けながら、脱出。
 1:声のした西へ向かう
 2:警察署で街の情報を集める
*ケビンがT-ウィルスに感染していることを知っています。

【太田ともえ@SIREN2】
 [状態]:身体的・精神的疲労(中)
 [装備]:髪飾り@SIRENシリーズ
 [道具]:なし 
 [思考・状況]
 基本行動方針:夜見島に帰る。
 1:ケビンたちに同行し、状況を調べる
 2:事態が穢れによるものであるならば、総領の娘としての使命を全うする
 *闇人の存在に対して、何かしら察知することができるかもしれません。
452夕闇通り探索隊  ◇TPKO6O3QOM:2010/07/05(月) 22:18:41 ID:h/ArM9b4
代理投下終了です

ここで日本人も加わって状況はどうなるか…言葉の件で考察が生まれる可能性はあるが混乱するかも
453代理 困惑 ◇BoVaEdQZq:2010/07/08(木) 18:00:36 ID:Nk++hPiQ

ヘザーと阿部は路地を出た後近くのモーテルに来ていた。
ここのモーテルには前に一度来たことがあるが、
以前ここに来た時とは置いてあるものが違う場合がある。

「それにもしかしたら誰かいるかもしれないし」

というヘザーの提案により訪れたのだが大正解とは言わずとも
正解に限りなく近い収穫であったと言えるだろう。

窓辺の机にスタンガンとバッテリー
陽動用の目覚まし時計
懐中電灯2つ
そして何よりの収穫はラジオと地図の二つ。

懐中電灯の片方と何故か中央の机の上に
むやみやたらに広げられ過ぎて半ばテーブルカバーと成り果てている数多くの地図は
もしも自分たちより装備に乏しい他の人間が来た時
困らぬようそのままにして
持っていく荷物を中央机の上に置き、収穫の確認がてら情報交換しようと言う事となった。
454代理 困惑 ◇BoVaEdQZq:2010/07/08(木) 18:05:19 ID:Nk++hPiQ

「じゃあその教団って奴らがこんな訳わかんねぇ事やったってのかよ?」

「えぇ、あなたの巻き込まれた方のヤツかもしれないけど」

軽い自己紹介を済ませ、ヘザーはこれまでの経緯を話した、
一瞬、もしかしたら頭のオカシイ狂人だと
思われるかもしれないと思ったが、
すぐに思い直した。
既にあんなモノを見た後なのだから
そんなの気にする事無いだろう。

話してみるとやはり阿部に驚く様子は無かった。
というか話した後に聞いた死体に取り憑き何度倒しても生き返る連中だの、
正面からの攻撃が全く効かない怪物だのの方が
ヘザーにとっては驚天動地であった。

「死んだフリをする敵となら戦ったことあるんだけど」

「お前の方こそ大変だったんだな、
んで、居そうな場所はわかってんのかよ?」

「大体はね、私この地図の上の方には行ってないのよ
だから・・・・そうね最初の目的地は・・・・」

そういってヘザーが地図を立てると阿部は裏に名簿のようなものがあることに気づいた。


455代理 困惑 ◇BoVaEdQZq:2010/07/08(木) 18:06:56 ID:Nk++hPiQ
「裏になんか書いてあるぞ、んだよこれ?
『呼ばれし者』って・・・・
お!俺の名前、おめぇの名前も!
もしかしてこれってここに来てる奴等の名簿かよ?」
「へぇ、これ本当にいい拾い物だったようね」

ヘザーは首を回り込ませ裏面を見た、
ダグラスも巻き込まれてたら助けに行ってやろう、
そんな軽い気持ちで。

「でもおめぇの親父さんとかその・・・・クローディアとかいう女って
死んだんじゃねぇのかよ?」

ヘザーは目を見開き名簿を凝視している。
そこには確かに今は亡き父、ハリー・メイソン
自分達の運命を狂わせた張本人クローディア
そしてあの災害と呼ぶべき事態を一緒に切り抜けた友人、
ダグラスの名前も見受けられた。

幽霊を見た、父親が殺された、
幼い娘が誘拐された、災害で家を無くした、
そんな絶望と驚愕の入り交じった表情を
世界中から全て集めたようにヘザーの顔は青ざめていた

456代理 困惑 ◇BoVaEdQZq:2010/07/08(木) 18:09:00 ID:Nk++hPiQ
「そんな・・・・そんなはずない・・・・」

「お、おい大丈夫かよ?とりあえず外の空気でも吸うか?」

「・・・・・・・えぇ、ありがと、でもこのままでいいわ」

阿部の労りの言葉に我に返り
気持ちを落ち着かせる。
青ざめていた表情も心なしか紅色に戻った

が、戻ったのも束の間、
今度は逆に燃えるような憤怒の形相になる。
父の死を愚弄した罪は重い。
もしもこの名簿が本当で父が生きているならこの上ない喜びだ、
しかしそんなことはありえないのだから。

もしも怪物の1人として生き返っているのだとしたら・・・・・


「OK、もう大丈夫、心配ない。
こんなところで立ち止まってる場合じゃないわ、
行くわよアベ、このイカれた世界を作った『神』を殺しに」

「お、おう・・・・」

阿部は思った、このガキだけは怒らしちゃ駄目だと。
457代理 困惑 ◇BoVaEdQZq:2010/07/08(木) 18:10:50 ID:Nk++hPiQ
【B-5モーテル/1日目夕刻】

【ヘザー・モリス@サイレントヒル3】
 [状態]:憤怒、この場所へ呼んだ者への殺意
 [装備]:スタンガン(電池残量5/5)
 [道具]:L字型ライト  スタンガンバッテリー×2、SIGP226(装弾数7/15予備弾30)、携帯ラジオ、地図

 [思考・状況]
 基本行動方針:主催者を探しだし何が相手だろうと必ず殺す
 1:先ずは遊園地、その後は教会ね。
 2:他に人がいるなら助ける
 3:名簿の真偽を確かめたい

※名簿に関して半信半疑です
※阿部と情報交換しました、
闇人@SIREN2、夜見島についての情報を得ました

【阿部倉司@SIREN2】
 [状態]:健康
 [装備]: バール
 [道具]:懐中電灯、パイプレンチ、目覚まし時計
 [思考・状況]
 基本行動方針:戦闘はなるべく回避。
 1:ヘザーについていく
 2:まともな武器がほしい
 3:どうなってんだこの名簿?

※ヘザーと情報交換しました、以前サイレントヒルに起こったことを知りました

458参加するカモさん:2010/07/08(木) 18:12:01 ID:Nk++hPiQ
一方その頃ヘザー達がいた路地裏では1人の男が死体を調べていた。

「弾丸は頭に一発のみ、射撃の腕は中々だな」

だが、と男は続ける

「このやり方はあまりにも猟奇的過ぎる、危険人物と見て間違いないだろう」

一発でへッドショットが出来るほどの腕前があり
なおかつ足跡から見るに二人いたはずなのだから戦闘は速やかに終了しただろうに、
そのわりには殴打の痕跡が多すぎる。

「さてどうするか、情報を優先するか、危険人物との接触を回避するか」



【住宅街/一日目夕刻】

【ハンク@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:ステアー TMP(残弾30/30)、H&K VP70(残弾18/18)、コンバットナイフ
 [道具]: ステアー TMPの予備弾倉×2、無線機、G-ウィルスのサンプル
 [思考・状況]
 基本行動方針:サイレントヒルより脱出し、サンプルを持ち帰る。
1: 2、3どちらを優先するか・・・・それが問題だ。
2:情報を集め、現状を把握する。
3:現状では出来るだけ戦闘は回避する。
4:出来るなら、“ナイトホーク”と連絡を取る。
※ヘザーを危険人物と認識しました。
459参加するカモさん:2010/07/08(木) 18:13:45 ID:Nk++hPiQ
終了
460参加するカモさん:2010/07/08(木) 20:23:24 ID:mV688lgZ
投下乙です

ヘザーが危険人物認定か。まあ、怒らせたら確かに危険かもなw
情報交換を終えた二人だが…確かにサイレントヒルのこととか闇人とか普通なら信じないが…
ああ、この二つは微妙に蘇りネタとかあったわw
461IT ◆TPKO6O3QOM :2010/07/10(土) 12:47:30 ID:HH48wwsV

 薄暗い路地裏の入り口に、獣の死骸があった。漂う霧に溶け込んでしまいそうな純白の毛皮を朱に染めて、力なく横たわっている。
 その死骸を、其れは見下ろしていた。其れは、黒い布に覆い包んだ身体をくねらせながら、ぼうと佇んでいる。
 其れは悩む様に頭を数回振った後、思い切ったようにその死骸に潜り込んだ。黒衣の長虫が消えた代わりに、死んでいた獣がゆっくりと立ち上がる。
 白い獣の殻を纏った其れは首を傾げた。いつもの殻よりも視界が著しく低い。立ち並ぶ倉庫が、おそろしく大きく見えている。
 その理由はすぐに分かった。この殻は手と足で地面を掴んでいるのだ。
 当然の如く、其れは二本足で立とうとした。しかし、どうしたわけか、今までの殻と違って、体勢を維持できずにひっくり返ってしまうのだ。
 きょとんとして、其れは周囲をきょろきょろと見渡した。何が何だか分からない。
 ふと見てみると、手は足と同じ形をしていた。仮令二本足で立てたとしても、道具など使えようがない形だ。
 一先ず立ち上がり、身体をふるふると揺すって汚れを振るい落とす。
 一度、己の全身を観察してみると、それまでと比べて他にも色々と異なる部分があった。
 そもそも、今までの殻の臀部に、余分な骨と腱の塊など付いていただろうか。何故そんなものがあるのか。邪魔ではないのか。
 しかし、取ろうにも手は使えない。仕方なく口で引きちぎろうとするが今一歩届かない。その場でくるくると回るだけで、徒労に終わった。
 とりあえず、其れは路地の壁に向かって後ろ足を上げた。何故そうしたのかは分からない。しかし、そうせねばならない気がしたのだ。
 結局何も起こらなかったが、妙な達成感がある。其れは満足し、感想を零した。

 ――はう、あうわふ…………?

 感情を言葉にした筈であったが、口腔より漏れたのは奇妙に掠れた音であった。

 ――わうわう、わん、わん、がふ、ばうわう………………くぅんぅふうぅん、くぅーん……。

 幾度か繰り返すが、うまく行かない。諦めて、其れは足で耳の後ろを掻いた。
462IT ◆TPKO6O3QOM :2010/07/10(土) 12:48:48 ID:HH48wwsV
 掻きながら、この殻は変わっているのだと、其れは判断を下した。不自由だが、それでも悪いことばかりではない。
 殻の表層を包む毛皮は、いつもの殻よりも呪わしい光を遮ってくれる。傘を持ったり、布を見繕ったりする必要もないぐらいだ。
 さらに、目視と幻視の他に、もう一つの視界を手に入れることができた。
 それは発達した臭覚が生みだす世界だ。其れには、昇り立つ陽炎のような痕がそこかしこに“見え”ている。特に鮮やかなのは、すぐ傍から霧の中へと続いている二つの筋道だ。まだ中身を失っていない殻が残したものであろう。
 使い様によっては、幻視よりも状況を把握するのに役立ちそうである。
 しかし、かといってこの殻を使い続けることには抵抗があった。地上奪還という大義のためには、この殻は幾分心許なく感じられる。
 新しい、いつものような殻が必要だ。そして――殻はこの霧の先にある。
 混じり合う体臭の片方に強く惹きつけられることを訝しく思うも、其れは臭いの道標を追って走り始めた。路面を掻く、ささやかな爪音が路地に響いていく。
 臭いの主は、すぐに見つかった。大柄な男の殻と――黒い服を着た少女の殻。
 そのとき、戸惑いが身体を駆け抜けた。臭いと少女の姿が結びついたとき、突然眼が離せなくなったのだ。

 そもそも、其れらは殻に興味などない。殻など、目的のための一時的な止まり木に過ぎないからだ。だから、容姿や臭いなどに注目したことはない。
 常ならば、そうであるはずだ。しかし、今、其れの視界は少女しか捉える事が出来ない。
 音に気付いたか、男が振り返る。と、それと同時に少女が首を傾げた。

「……ケルブ?」

 少女の呼び声に、其れの内で狂おしいまでの渇望が湧きあがった。それは痛みすら伴う衝動の奔流であった。
 其れは吼えた。大きく、深く、轟くように、訴えかけるように咆えた。
 この少女がとてもとても大切なものであることを、其れは知っていた。其れは常に、少女の傍にいなくてはならない。少女は常に、其れが導いてやらねばならない。
 少女と其れは、一緒に居なくてはならない。
 しかし、今少女は男の傍に居る――。あれは、其れのものだ。断じて男のものではない。
463IT ◆TPKO6O3QOM :2010/07/10(土) 12:50:30 ID:HH48wwsV
 だから、奪り還さなくてはならない。

 ――少女の殻が欲しい。

 ――あの白亜のような手に、頭を撫でられたい。

 少女の殻があそこに在るのは相応しくない。

 ――どうしても欲しい。

 ――白磁のような足に身体を擦りつけたい。

 間違いを正し、あの殻と共に地上を取り戻すのだ。

 ――男の殻はいらない。

 ――あの傍らで、ずっと共に過ごしていたい。

 なぜそこまで執着するのか、其れは疑問にも思わなかった。何しろ、少女は己の半身であり、存在意義なのだから。それが当然のことなのだから。

 なればこそ、少女は――死ななくてはならない。死なねば、完全な殻にはならぬ。

 其れは路面を蹴り上げ、大きく跳躍した。顎を大きく開き、少女の喉笛へと飛び込む――。
 しかし、其れの牙が少女の肉を引き裂くことは無かった。
 横殴りの衝撃が、其れを弾き飛ばしたのだ。何処かがぐちゃりと音を立てて潰れ、甲高い悲鳴が喉から迸る。其れは受け身も取れずに路上へと転がった。路面に飛沫を散らし、四肢が力なく放り出される。
 男が手に持った硬い棒きれで、其れを殴りつけたのだ。その一撃は、殻の顔を砕いていた。致命的ではないが、軽くもない傷だ。
 其れの耳だけが動き、少女の怒号を拾う。聞きながら、其れは殻の壊れた部分が元に戻っていくのを待った。
464IT ◆TPKO6O3QOM :2010/07/10(土) 12:52:14 ID:HH48wwsV
「――おまえ、ケルブを、なんで!?」
「分からなかっただろうが、あれは君に襲いかかったんだ!」

 もう少しで届いたのに、男に邪魔をされた。
 なぜ男は邪魔をするのだろう。なぜ男は邪魔をしたのだろう。
 間違いを直すだけなのに。不自然を自然へ戻すだけだというのに。

「!?……なんてこった。頭だぞ。力いっぱい頭をやったんだぞ!?」

 傷の修復が済んで立ち上がった其れを見て、男が叫んだ。ぽたぽたと、路面に黒い雫が落ちていく。雫は、其れの顔に紅と黒の不気味な隈取りを描いていた。
 少女もまた眼を見開き、唇を震わせた。

「おまえはケルブじゃない。おまえは……誰だ!?」

 愛らしい唇から紡がれたのは、拒絶と憤怒の言葉だった。
 其れは、奥底から膨れ上がる衝動に喉を唸らせた。
 芒野に吹く風のような、か細く乾いた声音で、其れは啼いた。
 それは哄笑だった。口端を裂けんばかりに吊り上げ、其れは発作に苦しむ様に嗤った。
 まるで鬼が謡うような旋律に、男が顔を引き攣らせて拳銃を構えた。からからと音を立て、捨てられた棒が路上に転がる。
 銃声は三発響き、内一発が其れの胸部を貫いた。其れは笑みのようなものを顔に刻んだまま、路上に崩れ落ちた。

「……今の内だ。今の内に、ここから逃げるんだ!」

 男の声に少女が同意し、足音が遠ざかっていく。そのたどたどしい二つの音が聞こえなくなる前に、其れは身を起こした。身体を震わせてから、路面に鼻を近づける。
 ふんふんと臭いを嗅ぎ、其れは臀部に付いた部位をおっ立てて左右に振った。これは、斯様にして使うものらしい。
 其れは一声咆えて、霧の中でくっきりと浮かび上がる臭いの陽炎の追跡を開始した。

465IT ◆TPKO6O3QOM :2010/07/10(土) 12:53:48 ID:HH48wwsV
【B-1レヴィン通り/一日目・夕刻】
【ハリー・メイソン@サイレントヒル】
[状態]健康、強い焦り、美耶子の手を引っ張っている
[装備]ハンドガン(装弾数12/15)
[道具]弾:34、栄養剤:3、携帯用救急セット:1、ポケットラジオ、ライト、調理用ナイフ
[思考・状況]
基本行動方針:シェリルを探しだす
0:あいつから逃げないと
1:学校に急がなければ!
2:移動しながら少女と話をする
※サイレントヒルにシェリルがいると思っています
※それまでに話した内容は後続の方にお任せします。

【神代美耶子@SIREN】
[状態]健康、怒り、ハリーに手を引かれている
[装備]特に無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:街から脱出する
1:とりあえずハリーと行動する
2:それにしてもこの景色は・・・・・?
※幻視によってハリーの視界を借りています。
※ここは羽生陀村ではないと勘付き始めています


※B-1のレヴィン通りに鉄パイプが落ちています。

466名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 12:54:58 ID:HH48wwsV
以上です。
お二方からGoサインを頂けたので本投下いたしました。
467名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/11(日) 22:53:23 ID:yYFvpBPe
投下乙です

こっちもコンビが生まれたが今のハリ―はちょっと怖いな
ホラーの雰囲気がよく出てるとも言えるか…

では代理投下します
いつの頃からだったろう、僕達兄妹に不思議な物が見えるようになったのは・・・・


僕、雛咲真冬は数日前氷室邸で消息を絶った高峰先生を追うために家を出た。

妹の深紅は「何か嫌な予感がする」
と僕を引き留めたが、それは僕だって同じだ。

だがこのまま高峰先生達を放って置く事は出来ない、
自分意外に心を開けないでいる妹も心配だったが、
それでも僕は電車に乗り込む事を選んだ。
綺麗なネオンを眺めながら都会の景色もこれで暫くは見納めか、
気休めにそんな事を思いながら。



−−−−−−−−−

・・・・・。
いつの間にか眠っていたらしい。
乗り過ごしていないか確認しなければ!慌てて車内を見渡す。

しかし、今乗っているのは眠りに落ちる前の
綺麗な車内ではなかった。
そこかしこにビンや新聞紙が落ちている、
それに遠くから空襲警報のような音が聞こえる。
一体何が?
放置された雑誌に目を遣ると英語でこう書かれていた。

自殺や事故死によって死んだ霊魂は、自分の死を認識できず、
その場にとどまり自縛霊になる事がある。
自縛霊は人としての意識や記憶を失い何度も何度も−−−

そこまで読んで本を閉じた。
こういうゴシップ記事は霊を引き寄せる。
ただでさえ得体の知れない場所で
軽はずみに読むものではない。
経験上それは確かだ。

ただ何か違和感がある、別に英語が読めない訳じゃないが、
この感覚は読めるのとは違う気がする。

確かめるため手を退け、雑誌の表紙を見る。
口から血を流したウサギのイラストにもそうだが
何より特集内容に戦慄した。


サイレントヒル特集!!
1、サイレントヒルでは殺人が大流行!
皆殺して最後の一人になりましょう! 最後の一人にはご褒美が・・・・

2、観光のポイントはなんといってもサイレン!聞き逃さないこと!

3、子供達は鬼ごっこが大好き!
鬼の種類をご紹介!一緒に遊びましょう?
殺人が大流行?サイレントヒル?
この電車は何線で、何処に向かっているのか。

何一つ解らない・・・・
少なくとも駅に着くまでに
電車内の事だけでも解っておくべきかもしれない。

タイトルを見ただけでは内容の掴めない
『鬼特集』という記事を読みながら隣の車両に移る。

その車両は真っ暗闇だった、電灯の消えた車内は
明かりのある車内とのコントラストで、そこだけが別の空間に見える。

その漆黒の中に足を一歩踏み出すと
向こうから奇怪な呻き声と湿った足音が聞こえた。


母の形見である射影機を使い迎え撃とうと構えるが、
トンネルの明かりでそれが一瞬見え、無駄だとわかった。


霊の憑依した人形等ならともかく、実体のある相手に射影機は効かない。
後退りながら足元に落ちていた鈍器のような吊り革を持ち、
冷静に考えを巡らせる。
一瞬見えたあの影は
今見ているページに描いてある
(一見落書きのようにも見える)
挿し絵と同じように見えた。

本によるとアレの名前は



「ライイングフィギュアというのか・・・・・」

【?ー?電車内/夜】
【雛咲真冬@零〜zero〜】
[状態]未知の世界への戸惑い、驚き、冷や汗
[装備]長い吊り革@サイレントヒル3
[道具]メモ帳、射影機@零〜zero〜、
    クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル
    ショルダーバッグ(中身不明)

[思考・状況]
基本行動方針:高峰先生を助けに氷室邸に行く
1:目の前の敵をなんとかする。
2:駅に降りて雑誌を熟読する。
3:氷室邸に行く。

※何処の駅に向かっているのかはわかりません

【クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル】

クリーチャーの容姿(サイレントヒル1or3のアレッサ作程度の画力)、
攻撃方法、
そして超大まかな撃退方法(ヒント程度)が書いてある
ようは対クリーチャー用攻略本である

他の2つ(サイレン、ルール説明)に関しては
ほとんど書いてません。

元はサイレントヒル3の駅の階段に落ちてた雑誌です

【長い吊り革@サイレントヒル3】
サイレントヒル3電車の中によく落ちている
実際には拾うことが出来ない武器(として使えそうな物体)。
見た目は鉄パイプより長く、重量感もあるため
使いたいと思った人は多いはず。

代理投下終了です
サイレントヒルの雰囲気がよく出てるわ…
クリーチャー対策の雑誌やら長い吊り革やら凝ってるな
続けて投下します
473Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/11(日) 23:04:11 ID:yYFvpBPe
この世界に放り出されて一日目の夜。
風間望は、赤茶の錆びが浮いた遊園地の門の前で力なく腰を下ろし、その整った風貌に脂汗を浮かべながら、二度と遊園地には行くまいと固く決意していた。

一つ目の原因は、ピンクのウサギの大群――否、それでは説明が不十分だ。
正しくは、その愛らしい姿にはミスマッチにも程がある、物騒な得物を装備した、ピンクのウサギの大群――であった。
それらは何者かから命令を受けているのか、それとも生まれ持った本能によるものか、のそりのそりと列を成して、遊園地を我が物顔で闊歩していた。
恐らく、これから園内や街へ繰り出し、その得物を思う存分振るうのだろう。そうなれば、丸腰の風間などはひとたまりもない。
なぜこの風間望様が、こんなぬいぐるみの集団相手に、殺人クラブに招かれた哀れなゲストのように震えなければならないのか。
大体フェアではないではないか、こちらは丸腰なのに、向こうは集団で武器を装備などとは。これでは、さっさと殺されろと言われているようなものではないか。
風間は心の中で、そんな理不尽な状況に対して愚痴にも近い罵倒をひたすら繰り返した。
それが普段の、殺人クラブで狩りに勤しむ自分自身にそっくりあてはまる点などは、露ほども気にしていない。

風間はメリーゴーランドの陰に身を潜めてウサギの集団を見送った後、とりあえず、この狂った遊園地から脱出しようと決め、ウサギに見つからない角度を保ちつつ、少しずつ場所を移動した。
ウサギが反対側を見るタイミングを計りながら、柱やらアトラクションやらの陰に隠れながら、道なりに進んでいた、その瞬間だった。

じゃりっ。

「うおっ!?」

風間の息が止まった。慎重に後ろへ送り出した片足が硬い金属の塊を踏みつけ、バランスが崩れてしまったからである。
風間の身体は地面に倒れ、強かに尻を打ちつけてしまった。なけなしの精神力で呻き声を堪える。
必死に腰を浮かしながら立ち上がろうとした時、今しがた踏みつけた物体が目に入った。
回転系の乗り物の主柱に巻きつけられた、錆びた鎖だった。それは蝶番が壊れて外れかかったドアに繋がっており、どうやら誰かがドアを壊すために使ったものと分かった。
474Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/11(日) 23:05:13 ID:yYFvpBPe
どこのバカだ!?こんなものを放置したお陰で、危うく悲鳴を上げるところだった!
心の中でドアを壊した誰かに対して悪態をついた、その矢先だった。
ぶぉん。風間の耳元をバットのフルスイングのような音が掠め、すぐ近くの地面に大きな鉄の塊が深々と突き刺さった。
斧だった。遅れて、耳たぶがかっと熱くなる。触れて確認するまでもなく、斧が耳を掠ったのだと解った。
斧が飛んで来た方向を振り返ると、そこには、最も恐れていた光景が広がっていた。
先程まで、群れをなして遊園地を徘徊していたウサギの大群が、真っ直ぐこちらを見つめながら、のっしのっしと前進していたのである。
それはまさに、逃げ遅れたシマウマの子供を狙うハイエナの群れであった。

体中からさっと血の気が引いていく。震える膝に鞭打って、風間は死に物狂いでその場から駆け出した。
学校の授業ではまったく出さなかった全力で、施設内を駆け抜ける。
刃物を持つ個体が、こちら目掛けて続々とそれを投げ始める。降り注ぐ刃物の一群は、風間を目指して寸分の狂いもなく降り注いだ。

「だっ誰かああああ!誰か助けてくれえええええっ!!」

風間の通った空間を狙いすましたように、次々と斧やら鉈やら釜やらが切り裂いていく。それらの一部は風間の制服を切り裂き、遅れて熱湯をかけられたような熱さが全身を襲った。
もはやパニック状態だ。嗚咽混じりの悲鳴を上げながら、でたらめにアトラクションの隙間を走り回る。もはや自分がどこへ向かっているのかも解らない。
いくつか建物を見かけて侵入を試みたが、それらの扉は鍵がかかっているものばかりであった。
まったくどいつもこいつも使えない!風間は心の中で悪態を吐いた。
そうしているうちに、気が付くと風間は元いたメリーゴーランドの付近まで戻って来てしまっていた。
475Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/11(日) 23:07:02 ID:yYFvpBPe
幸いにもウサギの群れは風間より若干足が遅いらしく、風間を見失ったのかここからやや離れた所をうろついており、投射する武器がなくなったようで、刃物の類はもう飛んでこない。
一本くらい拾っておけばよかったか――などと考える余裕もでき、いくぶん落ち着いた風間は、ひとまず遊園地からの脱出を諦め、メリーゴーランドの中に飛び込み、鉄の柱に背中を貫かれた馬の群れの影に身を潜めた。

そこで風間は、二度と遊園地には行くまいと決意を固めるに至った、二つ目の原因と遭遇してしまったのである。

「これが神の世界…?」

突然後方から低い女の声が聞こえ、風間の心臓はパーンと景気のいい音を立てて破裂しそうなほど強く脈打った。
すんでのところで声を喉の奥に押し込み、反射的に振り返る。

そこには、質素なダークグレーのジャケットに同色のロングスカートを身に纏った、白人の女が立っていた。
年齢は風間よりも年上だろうか。肩まで伸びたプラチナブロンドと、眉の薄い陰気な顔立ちも相俟って、一瞬老婆のような印象を受けた。
よく見ると、実際は三十代そこそこのようである。

それにしても、いきなり“神の世界”ときたか。
あーまたヤバイのが増えたよ――風間は心の中で溜め息を吐いた。
そしてふと、風間の脳裏に一つの疑問が浮かび上がり、

「え?日本語?」
476Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/11(日) 23:09:14 ID:yYFvpBPe
と思わずそれを口にしてしまった。
この女、顔立ちはどう見ても白人なのだが、なぜ日本語を喋っているのだろう。
この遊園地は、看板から何から何まで英語で占められているから、英語圏にあるのは間違いないのだが――

不気味なその女は、風間の姿を認めると、眉毛の薄い眉間をいぶかしむように顰めたが、何も言わず再び遊園地に顔を向けてしまった。

「あー、もしもし、お嬢さん?」

風間の呼びかけにも、女はほとんど反応せず、遊園地を見渡すように周りを行ったり来たりしている。

「この鳴神学園きってのイケメンを無視するとは良い度胸だな。人の話はちゃんと聞けって先生に教わらなかったのかっ!?スンバラリア星人呼ぶぞ!?エクスキューズミー!?くぁwせdrftgyふじこlp;@:」

――などと大声で騒げるはずもなく、それらの台詞は口から飛び出す前にデクレッシェンドがかかり、ウサギに気づかれない程度のボリュームで女に向けられた。
やがて周囲を観察するのに満足したのか、あるいは小声で騒ぎ立てながら周囲でアピールする風間が煩わしくなったのか、女はようやく風間の方を見た。

「ここには貴方の他に、誰かいるの?」

血色の悪い唇は明らかに――風間には英語もドイツ語も違いはよく判らないものの――英語を喋っているように見えるが、不思議と彼女が何を言っているのか理解できた。
この不可思議な現象が、この世界の仕組みの一つなのか、あるいは自身が幻聴を聞いているに過ぎないのかは定かでないが、ともかく風間は、彼女とコミュニケーションを取ってみようと思い至った。
477Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/11(日) 23:10:00 ID:yYFvpBPe
あのウサギの大群を見た後では、もうとにかく、人の姿をしている者と会話できるだけでも有り難い。
それに、不気味な容姿とはいえど、彼女が女性であるという点も、フェミニストという側面を持つ風間の警戒心を緩める助けとなった。

「い、いや、僕はウサギしか見てないから、他に誰がいるのかは分からないよ」
「…ウサギ?」
「そう、でっかいウサギの着ぐるみだよ。それがウジャウジャいるんだ。鉄パイプとか、ショットガンとか、チェーンソーなんかを持ってね。…信じられないだろうけど」
「…そう」

どうも風間の証言は、彼女にはさして響かなかったようだ。当然と言えば当然だ。
まあこういうつまらない反応をするヤツは、実際に見たら大抵は腰を抜かして殺られてしまうのが関の山だ。そう考えることで、風間は溜飲を下げた。
とりあえず情報収集をしようと思い立ち、風間は善良な一般人を装いながら尋ねた。

「ところで、君はここで何してるんだい?女性一人じゃ危ないよ?」
「あなたには関わりのないことよ。それにここは私の古巣…どこが安全かは心得ているわ」

風間の脳裏に一筋の光が差した。
この女、何者かは知らないが、この遊園地について――というより、この世界について知識があるようだ。
人を寄せ付けない雰囲気からして、同行するのは無理としても、この街で役立つ情報を引き出せられれば、がぜんこちらが有利になるだろう。
味方に付けておいて損はない。瞬時にそう判断した風間は、再び歩き出そうとする女を引き止めた。
そして自慢の整った風貌をできる限り爽やかな表情で飾り、女に尋ねる。

「ここに詳しいのかい?なら、外に出るルートを教えてもらえないかな。物騒なウサギだらけで危ないったらないんだ」
「…良いわ。教えてあげましょう。ただし」
「ただし?」
「少しの間、眠っていてもらう」

風間がその言葉の意味を問おうとした、その矢先だった。
女が風間に向けて手を挙げた瞬間――風間の意識が突然、漆黒の闇に飲み込まれた。
478Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/11(日) 23:12:04 ID:yYFvpBPe
「…はっ!?」

しばらくして、風間の意識が明るい世界に引き戻された。
ぼんやりした意識のまま身体を起こして周囲を見回すと、風間はそれまでいたメリーゴーランドではなく、映画でしか見たことのないような、荘厳な聖堂の長椅子に横たわっていた。
左右の壁には神話をモチーフにした絵画がいくつかかけられており、整然と並べられた長椅子の正面には、祭壇のようなものがある。

なんだかよく解らないが、とても気持ちの良い夢を見ていた気がする。
あまりよくは覚えていないのだが、人間を超越した素晴らしい何かに変身したような、そんな夢だ。
自分の手を目の前に翳してみたが、どこもおかしくない、普段通りの、理想的な手相をした手のひらだ。
念のため顔も触ってみたが、すべすべした手触りの良い肌触りで、でこぼこしていたり、触手が生えていたり…なんてこともない。

風間がほっと安堵の息を吐いたところへ、聖堂の扉が開き、先程の女が姿を現した。
思わず風間は身構えた。一応、妙なことをされた形跡はないのだが、眠らせておいて何もしないなんてことは有り得ない。

「ぼっ、僕に何をした!?まさか、お婿さんに行けなくなるようなことじゃないだろうな!?」
「心配は要らないわ。ほんのしばらくの間、実験台になってもらっただけ」
「じ、実験台!?」

慌てて体中を触って確かめてみたが、やはりどこも変わった様子はなかった。一体何をされた!?

「それにしても、あなたの生まれ変わった姿はとても独特ね…趣味は悪いけど、興味深い」
「人の話を聞けよっ!」
「大丈夫。少なくとも、あなたにとって害ではないわ。…さて、遊園地から出たいんだったわね」
479Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:25:55 ID:EKlV8K5P
声を荒げる風間を尻目に、女は反論する隙も与えずに脱出するための手順を説明し始めた。
すっかり女のペースに嵌められてしまい、風間としては大いに不満ではあったが、この遊園地の姿を借りた地獄を脱出するためには致し方ない――そう風間は判断し、渋々女の説明に耳を傾ける。
わざわざ回り道をしたりアトラクションの中を通り抜けたり、遊園地にしてはやたらと複雑な道筋に内心辟易としたが、これも脱出のため。風間は必死に道筋を頭に叩き込んだ。
ことのついでに、遊園地の外にある施設についてもあらかた聞き出し、脱出したとたんに迷子になる、などという情けない展開も回避できることとなった。

教会の出口まで案内されると(何せ、教会内部は異質な部屋がでたらめに乱立し、おかしな構造をしている)、風間はとりあえず女に振り返った。

「色々とどうも。また会えるかどうかは分からないけど、まあお達者でね」

二度と会いたくないけど――とは言わなかった。余計な怒りは買わないに限る。
結局のところ、何の実験をされたかはうやむやになってしまったが、この際もうどうでも良かった。
とりあえず体に異常は無いようだし、何をされたか知るよりも、一刻も早くこの遊園地から、そしてこの女から逃げたかった。

扉を開けようとしたその時、女が「待って」と風間を呼び止めた。
まだ何かあるのだろうかとうんざりしながら、風間は振り返る。

「もしもこの先、赤い固体――いえ、液体かもしれない。それを見つけたら、直ちに破棄しなさい」
「赤い…固体?それが何だって言うんだい?」
「あなたは知らなくても良いことよ。…良いわね?」

風間の肩がびくりと震えた。銀色に光るナイフを首に押し当てられたような気がしたからだ。もちろん、実際には睨まれているだけだ。
どうにも、この女のやたらと色素の薄い目は苦手だ。
外国人の目の色に慣れていないからとか、そんな次元ではない。氷のように冷たく、まるで人間味を感じないことが不気味でしょうがないのだ。
その青白い皮膚の下には、無色透明の血液が流れているような予感さえしてしまう。
480Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:26:39 ID:EKlV8K5P
用件が済むと、女は黙したままの風間を残し、踵を返して教会の中へ戻って行った。
何から何まで、不気味で掴み所のない女である。この人物こそが、風間望が二度と遊園地には行くまいと決意を固める原因の二つ目であった。
そして最後の原因は、女から教えてもらった脱出ルートに待ち構えていた。

壁に刺さったまま忘れ去られたウサギの武器を回収しながら記憶を頼りに園内を進んで行き、やがて風間は問題の場所に到着した。
すっかり暗くなってしまったためいまいち全体像が掴めないものの、なかなか手の込んだ造りの立派な洋館に見える。
玄関の扉を開けて大広間に入った途端、待ち構えていたかのようにどこからか男性のご機嫌な挨拶が聞こえてきた。

『ボーリィの幽霊屋敷へようこそ!』

そして、遊園地をたっぷり堪能した彼の結末は、冒頭に集約されるわけである。


これは神から与えられた“試練”であると、クローディア=ウルフは聖堂の片隅で考えていた。

結局のところ、神降臨の儀式は失敗に終わったらしい。
この世界は前と変わっておらず、神の齎す楽園とは程遠い。この身を捧げて神の降臨に尽力したのに、本当に残念だ。自分の至らなさが情けない。
けれど、私は何故か生きている。それはどうしてか?クローディアはすぐ答えに辿り着いた。
――そう、神がもう一度チャンスを与えて下さったに違いない。
481Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:27:22 ID:EKlV8K5P
長椅子に腰掛け、静かに目を閉じるクローディアの脳裏に、遠い記憶が蘇った。
今でも記憶に焼きついているのは、神の母にして神の娘、聖アレッサと同じ名を持つ、一人の少女の姿。
愛しい姉、アレッサ――否、今となってはそれも過去形だ。クローディアが慕った彼女はもう、どこにもいない。

――憎しみで生まれた神に、楽園なんて築けるわけないじゃない!

血の繋がりは無かったとはいえ、実の姉妹のように仲の良かった私達が再会したあの時。
幼い頃から心を通わせていた私を、彼女が拒絶した瞬間、幸せだった――いや、幸せだと思っていた美しい思い出は、完全に死んでしまった。

クローディアは逃げるようにして、その過去の人となったアレッサの記憶に蓋をする。
そして長椅子から立ち上がると、真っ直ぐ祭壇まで進んだ。
祭壇の向こうは色鮮やかなステンドグラスで彩られ、夕焼けを髣髴とさせるオレンジ色の光が漏れている。――この聖堂は、地下にあるにもかかわらず。
482Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:28:05 ID:EKlV8K5P
クローディアは、労わるように下腹部に手を添える。
普段と何も変わりはないが、クローディアはそこにもう一つの“鼓動”を感じていた。
アレッサとの思い出は死んだが、私の唯一の救いである神は、死んではいなかった。そうとも、偉大なる神が人間に殺されることなど有り得ない。神は、ここにおわすのだ!
だが、痛みも何も感じない今の状態から察すると、神のお力はまだ完全には程遠いようだ。
恐らくアレッサが飲み込んだあの赤い物体の影響により、初期状態までリセットされてしまったのだろう。

神は今度こそ、この世に完全な姿で降臨するため、今度は私をお選びになった。
私がすべきことはただ一つ。神に選ばれた聖女として、その御心を実行せねばならない。すなわち、再び神を完全な形でこの世にお迎えし、世界を救済する。
今度こそ、神の楽園――痛みも苦しみも無い世界を創り出すのだ…!
クローディアは、ステンドグラスに描かれた神を見上げ、跪いて祈りを捧げる。薄っすらと光を放つそれは、クローディアを見守るように、静かに佇んでいた。

さて、これから何をすべきか。何ができるか。
あのやたらと騒がしい東洋人の少年で試してみて分かったことだが、どうやらクローディアの力は、今の段階では制限がかかっている可能性が出てきた。
以前はミショナリーやレナードを完全に“生まれ変わらせる”ことができたのに、先程あの少年に試してみた結果、頭が緑色のオウムガイのような形に変化したのみで、大きな変化が現れなかったのである。
あの予想だにしない奇妙な形状は、クローディアの力が萎えているのか、あるいはあの少年自身の深層心理が影響を及ぼしたのか――とにかく、もうしばらく実験を繰り返して様子を見る必要がありそうだ。
483Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:29:01 ID:EKlV8K5P
そして、神を成長させるには、負の感情が必要だ。怒り、悲しみ、憎しみ、あらゆる苦しみを蓄えねばならない。
それらはやはり、教会で過ごしているだけでは得られないだろう。つまり外に出て、何か憎悪や苦痛の対象を探さねばならないのだ。
この世界においては、人の姿をしているもの、異形の姿をしているもの、そのどれもが等しく怪物である。外ではそんな様々な怪物が入り乱れ、殺し合いをしている。
人間とは罪深い生き物。――私を含めて、だ。この街に集まった者の中には、必ずや神の養分となるに相応しい、このクローディアにとって忌まわしき存在がいるだろう。
気持ちを新たにしたクローディアは、神に向けて加護を祈り、教会を後にした。

――敬愛する我が神よ。あなたの統治する楽園が、一日でも早く到来しますように。

【A-4遊園地入場門付近/1日目夜】

【風間望@学校であった怖い話】
[状態]:数箇所を負傷、かなり疲労
[装備]:制服、鉈、薪割り斧
[道具]:ルールの書かれたチラシ
[思考・状況]
基本行動方針:とにかく(マトモな)人のいそうな所へ行く
1:邪魔者は排除する
2:チラシに書いてある事が真実か確かめたい
3:“赤い物体”については、とりあえず記憶に留めておく程度
4:遊園地には二度と行きたくない
484Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:30:34 ID:EKlV8K5P
【A-4遊園地メリーゴーランド付近/1日目夜】

【クローディア=ウルフ@サイレントヒル3】
[状態]健康
[装備]ナイフ
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:神を降臨させる
1、神を成長させるため、憎悪の対象を探す
2、邪魔者は排除する
3、赤い物体(アグラオフォティス)は見つけ次第始末する
4、参加者と協調するかは状況次第
※神はいったんリセットされ、初期段階になりました
※アグラオフォティスを所持すると、吐き気に似た不快感を覚えます
※力の制限は未知数(被検体が悪い)。物語の経過にしたがって変動するかもしれません

【神の降臨について】
神は怒りや憎しみなど、負の感情を養分にして成長する。
原作では、神を宿したヘザー(アレッサの転生体)がハリーの残したアグラオフォティスを飲み込んだために、神が胎児の状態で排出されてしまったため、完全体がどのように誕生するかは不明。
ヘザーが吐き出した神の胎児はクローディアが飲み込み、ほぼ骨と皮のみの、下半身が未発達な神が産まれた。(その顔はクローディアの神のイメージが投影され、アレッサに似ている)
ちなみに、神を飲み込んだクローディアは瞬く間に全身が赤く侵食され、服のみを残して消滅した。
485Close Encounters of the Third Kind  ◇dQYI2hux3o 代理:2010/07/12(月) 00:37:54 ID:EKlV8K5P
代理投下終了です

風間は本当に騒がしい奴だわw 殺人クラブ所属バージョンでもあるから傲慢でもあるしうぜええw
クローディアはクローディアで嫌な意味でマイペースというか悔い改めてないわw

更に代理投下します
486雲上海下(うんじょうかいか) ◇BoVaEdQZq 代理:2010/07/12(月) 00:39:14 ID:EKlV8K5P
アパートの一室
部屋の隅で小鹿のようにカタカタ震えながら
命乞いをする心の準備をしている少女がいた。
酷く怯えていて声もなく涙を流しながら身を縮めている。


彼女の名は福沢玲子、鳴神学園一年G組に属している極々普通の女子高生である。

しかし、
彼女より前にこの地に召喚された
新藤誠や日野貞夫がそれを聞いたら、
きっと大笑いするだろう。

『普通の』?アイツが?


自らの祖父すら『死』を見るための観察対象にし、
七不思議の集会を使った狩りでは主に
グロテスクな怖い話を好む性質。

更に言うと彼女が殺人を犯す時にもっとも重点を置くのは死の表情、死の瞬間。
新藤のような試合に見立てた命の取り合いや
風間のような他人を見下す愉悦を味わうため
といったような
普通に試合をすればいい。
偉くなれば得られる。
というような代えの効くものでも無く、
487雲上海下(うんじょうかいか) ◇BoVaEdQZq 代理:2010/07/12(月) 00:43:18 ID:EKlV8K5P
岩下のように憎いから、愛しいから殺すといった
特定の相手を選ぶという事もない。



−−−面白いから殺す。



そういった最も快楽殺人者的な思考回路を持ち、
部長である日野を除けば『殺人クラブ』の趣旨に最も合致する人間。

そんな奴が普通なら、きっとこのクラブ活動は全国に広まってるだろうぜ?


そういって笑うだろう
488雲上海下(うんじょうかいか) ◇BoVaEdQZq 代理:2010/07/12(月) 01:14:27 ID:EKlV8K5P
だが、ここにいるのは正真正銘『普通の』高校生活を営む福沢玲子である
水泳部の部室で呪いのロッカーに引きずり込まれ
自分の体が水になっていくのを感じ・・・・・
そうして気がついたらここにいたのだ。

それだけならまだここまで追い込まれることは無かったろう、
彼女は本来楽天家で、明るいのが取り柄の少女なのだから。
話は15分前に遡る


「私・・・・もしかして死んじゃったの?」

薄暗いアパートのロビーで1人呟く。
彼女の周囲には女子水泳部室にあった鏡やバッグ、水着などの私物が
あたかも此方に投げつけられた後かのように置いてあった

「ここ何処なんだろ?坂上くんは居ないのね、良かった・・・・」

福沢はほっとしたように
流石に自分のせいで人が死んじゃったら
寝覚めが悪いもんね
そう心の中で付け加える。
489雲上海下(うんじょうかいか) ◇BoVaEdQZq 代理:2010/07/12(月) 01:18:06 ID:EKlV8K5P
「それにしても何でこんなに濡れてるかなぁ、
中までグショグショじゃない・・・・
なんか気持ち悪ぅい」

スカートを持ち上げパタパタと乾かすも、どう考えても気休めである。


ふと、窓の外を見る。
赤々とした夕霧がすごく綺麗で、
まるで雲の中にいるようだった。
このアパートのボロい内装にさえ目を瞑れば良さそうな所、
もしかして死んで正解だったのかも、
もう勉強の事も、将来の事も考えなくていいんだもん、
まぁ今までも考えたことなんて無いけど、キャハハハ。
ん〜っと伸びをして、欠伸を1つ
荷物を纏めて部屋を見よっと
そんな呑気な事を考えていた。
490雲上海下(うんじょうかいか) ◇BoVaEdQZq 代理:2010/07/12(月) 01:19:06 ID:EKlV8K5P
本当に、本当に幸せな事この上ない思考だ。
これまでこの地で3人もの人間が死に、
死して尚、誰かに何かを残したというのに、
まだ生きている人間達は
ほとんど誰もがこの地の事を真剣に考えているというのに・・・・


だが現実は非情である。
夢は覚めるのだ。
目覚まし時計のベルさえなれば、
魑魅魍魎の跋扈する丑三つ時だろうと
存在しない筈の25時だろうと
無理矢理布団を引き剥がされ
ベッドから引きずり出される羽目になるのだから。


各部屋をまわった後の上りは面倒だからぁ
まず三階からね♪

あと一分と三十秒。

二階に着いた、思ったより荷物重〜いちょっと一休みしよ。

あと五十二秒。
491雲上海下(うんじょうかいか) ◇BoVaEdQZq 代理:2010/07/12(月) 01:19:45 ID:EKlV8K5P
やっと着ーいた、さてと、いい部屋があるといいなぁ。
ドアを開け通路を見渡す。

あと−−−−−

街中に獣の唸り声と地鳴りの中間のような音が響き渡り
電灯が瞬く間に消えてしまった。
真っ暗闇の廊下で
ブー垂れながらライトを取り出す。

その瞬間福沢は息を飲んだ。
ボロい程度にとどまっていたはずの急激に赤錆た壁、
先程まで無かったはずの右側の金網、
そのどれもが信じがたい事実。

「何よ・・・・・・何なのよこれ・・・・」

あまりの状況の変化に思わず腰が抜けそうになりながらも、
何とか立っている状態だったが、それも長くはもたなかった。

何故なら通路の向こうから首を絞められた鳥のような奇妙な鳴き声が聞こえるのだ。

ぺしゃん、ぺしゃん・・・・・

足音のようなのも聞こえてきた、恐る恐るそちらの方を照らすと・・・・
その縦に大きく裂けた口から生ゴミの煤けたような臭いを吐き出しながら
ぬらぬらとした表皮を持ったこの世の物とは思えぬ
奇怪な生き物が三体も向かって来ていた。

今度こそ完全にへたり込んでしまった。
アレ等を駆逐できるような武器は生憎持ち合わせていない。

「こ・・・・来ないで!来ないでよ!!」

言いながらバッグの中の物を無我夢中で投げつける。
必死に動かない下半身を動かして後退するが後ろは金網。
すぐに後が無くなってしまった。
無力感が全身を覆い、頬を涙が伝う。
過呼吸で息が苦しくなる。

最後に投げたスプレーは弧を描いて怪物の口の中に入り、腐っていった。

福沢は思った。

そっかぁ、そうだよ!これは夢なんだよ!きっと!
だって、物が腐る唾液なんてかけられたら死ぬほど痛いもん!
そんなの・・・・そんなのやだよ・・・・

目の前の怪物が毒液を溜めた、恐怖で目を閉じることさえ出来ず、ただ死を待つだけだった。

が、神に願いが通じたのか怪物は目の前で数歩よろけて



爆発した。
さっきのスプレーの中に残っていたガスが膨張し、毒液の熱に耐えられなくなったが故の爆発だった。

他の2体も爆発の衝撃で倒れている。

ひっ、と短い悲鳴をあげ、茫然としながら立ち上がる。

ここは天国なんかじゃなかった、
きっとあの後坂上くんも死んじゃったんだ・・・・
だからこんな地獄に送られたんだ・・・・・

だがしかし、飛んできた肉片の生暖かさは、
これが夢でも、無論あの世でも無い事を物語っていた。



もう・・・・・部屋に入ろう、もしかしたら部屋の中くらいは安全かもしれない。
自分の我が儘に付き合って人が死んでしまったかもしれないという罪悪感と
水と化け物の血でじっとりと濡れた衣服の不快感が纏わり付き
彼女の思考力を奪っていった。
『301号室』の扉を開きその中へと入り込む。
ドアに鍵を掛けて安全確認したら、ゆっくりしよう。
キィイイイ・・・・・パタン、カチャリ。

ドアが閉まった瞬間。
爆発に巻き込まれた筈の死体は
カタカタと不気味な音を鳴らしながら、醜悪なその身を
ゴキブリのように素早く引きずり
半開きのドアを通って階段を降りていく。


その様子を金網の外側から、『断罪』の体現者が見ていた−−−
【C-5アパート『301号室』/夜】
【福沢玲子@学校であった怖い話】
[状態]精神疲労(大)、恐怖による震え、罪悪感
[装備]無し
[道具]無し

[思考・状況]
基本行動方針:部屋に立て籠る
1:部屋に何もいないか確認
2:誰か助けて・・・・


【坂上修一について】
彼は学校であった怖い話本編の主人公であり新聞部に所属している。
日野貞夫をはじめとした殺人クラブの面々、
語り部として集まった者達なら面識がある。
福沢玲子
出典「学校であった怖い話」
年齢/性別:16歳/女性
外見:茶髪のショートパーマで小柄な体。
二重瞼の美少女。鳴神学園の制服を着ている。
環境:1985年の人間。
性格: 楽天家で明るい性格。
グロい話を実体験しても後に笑って話せる辺り図太いが、
体験している最中はかなり怖がっている。

能力:身体能力は同年代の高校生と同等程度。
爪は長く、対人程度なら武器として使える。
ようは一般人。
口調:一人称は「私」。ギャル口調で喋る。笑い方は「キャハハ」。
交友:クラスの女子生徒数人。学校であった怖い話メンバーとは今日会ったばかり
備考:
学校であった怖い話仮面の少女ルートの
福沢玲子5話目『呪いのロッカー』で福沢がロッカーに引き込まれた際に
主人公坂上修一が様子を見るを選択した場合から参戦。
代理投下終了です

福沢はあの引き込まれた直後から参戦かw
殺人クラブよりそちらからの方が魅力あるしなw
498名無しさん@そうだ選挙に行こう :2010/07/17(土) 22:20:16 ID:LC7KaVy2
したらばの、代理投下してしまっていい……ですよね?
499代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:22:01 ID:LC7KaVy2
男と少女に追いつくのは容易い。しかし、それで問題が解決しないのは、犬にももうわかっている。
ヒトであろうと、ヒトでなかろうと、生あるものは痛みによって学ぶ。
犬は無策の襲撃を断念し、ただ追跡を続ける。重要なのは、あの少女と共存することだ。
無闇に異端を襲うことではない。


二人はとある民家に入った。犬も侵入するべきかどうか悩んだが、さすがに見つかるだろう、と見切りをつけ、
その家屋の外壁に耳を押し当てるだけに留めた。聴覚の精度も向上しているらしく、中の様子が手に取るようにわかる。
いつもの殻と比べ、この殻は存外使い勝手がよい。

『そこにいるのは誰だ』
『ひっ……!』
あの男の誰何に、別の男が怯えを示す。どうやら先客がいたようだ。
『おまえ、求導師の……』
『……その声、美耶子様……ですか?』
少女と先客は面識があるらしい。犬もその人声には覚えがある。
たしか、いつもおどおどしていて、みっともない――そんな人物だった。
『知り合いなのか?』
『一応な』
もっとも、そこまで深い関係でもなければ、いい関係でもない。
儀式の運営をする男と、その儀式から逃げ出した少女。
犬が男の立場だったら、殺しまではしないだろうが、一発張るくらいはしただろう。
500代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:23:18 ID:LC7KaVy2

『………………………見ぃつけた』
その声を犬の耳が拾うのと、ガラスが割れるのはほぼ同時だった。
漂ってきたわずかな死臭と、独特の臭気から、犬は自分の同族だと察する。
位置はここと反対の外壁のあたりだ。あの求導師もまた追われていた――そういうことだろう。
『君達は逃げろ!』
『でも……!』
『早く!』
男に急かされたせいか、そこから二種類の足音が発せられ、次第に遠のいていく。
扉の開く音が聞こえ、犬の視界の隅でふたつの黒い服が踊る。
目的の少女と、腑抜けの求導師。つまり、自分を屠った男と、同類はまだ民家の中ということになる。

犬は耳の後ろを足でぽりぽり掻きながら、黙考する。
普通ならさっさと目標に疾駆し、腰抜けを黙らせ、殻をいただくところだ。
しかし、その後に屋内の男が殻や自分を破壊する可能性がある。
生命力の強さには自信があるが、さすがに体を木っ端微塵にされては、再生のしようがない。
同族があの男を殺し、同化してくれるのが理想だが、おそらく無理だろう。
現に、本調子ではないとはいえ、自分が手傷をまったくつけられなかったのだから。

老朽化した壁を突き破り、目の前で黒い何かが跳ねた。
光を怖れ、闇へと逃れるための黒装束。
「た、助け…………」
血を垂れ流し、同類は懇願するが、遅れて庭に出た男がしたのは処刑だった。
目にも止まらぬ蹴りが人面に突き刺さり、頭部を粉砕する。
同族の握っていた傘が、ぽたりと芝生に落ちた。
501代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:24:43 ID:LC7KaVy2
「これで……。いや、まだか」
息荒く呟く男が犬に気づいたらしく、銃をそちらに構えた。
犬は一瞬どうするか考えたが、とりあえず相手に噛みつくために跳びかかる。
「このっ……!」
拳銃とは便利に見えて、実はそうでもない。
敵を見つけ、構え、狙い、撃つ――――そのプロセスがなければ射撃は成立しないのだ。
すなわち、通常の的である人間より小さく、素早い対象に対しては、いくらかの遅延時間が発生する。
野性か経験か。どちらにしろ、犬の選択はそこまで間違いではなかった。
常人の体術など高が知れている。武器のない一般人に対して、犬はある程度のアドバンテージがあるのだ。

そう、一般人なら。

男は潔くハンドガンを捨て、右脚を勢いよく振るう。
それは脳漿を撒き散らしながら犬の顔面を正確に捉えた。
犬の視界と思考は一瞬にして暗転し、自分がどこにいるのか、自分が何なのかさえ分からなくなってしまう。
犬と足、双方の運動エネルギーが衝突し、その破壊力は想像を絶する。
頭部の変形した犬はそのまま近くの犬小屋へと吹っ飛んだ。
本来、犬を受け入れるそこにそれ程の耐久力はなく、犬の頭と同様に破壊されてしまう。

「ん? ……これは」
木片と砂埃舞う中、何とか機能を失わずに済んだ視覚で犬は男を見つける。
その手は骨のような何かを拾っていた。犬は赤黒い視界の中で、男が自身を凝視しているのに気付き、対策を考えるが、
結局、無言で横臥を続けることにした。直に回復するとはいえ、ここまで戦力差が圧倒的では、戦う意味がない。
その死んだふりをどう受け取ったのか、男は犬から視線を外し、どこかへと走っていった。

犬は男の位置が嗅覚と聴覚の範囲外になったのを契機に立ち上がる。
まだ全快には程遠い。再生速度が遅すぎるのだ。
仮に治癒が完了したとしても、ここまで戦力の格差があっては、襲撃しても無駄だろう。
「ギギギ…………」
犬は復活しようと躍起になっている黒装束に近寄る。
502代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:25:41 ID:LC7KaVy2

問題は単純だ。力が足りない――ただそれだけのこと。
ならば、力を得ればいい。最も原始的な方法で。
犬は慎重に、だが確実に同族に肉迫し、その喉笛に牙を突きたてた。
「グゲゲ…………!」
悲鳴が上がったが、出血がすぐに気管を征服し、やがてぼこぼこと音を立てるのみとなる。
捕食は生物の基盤である。相手の血肉を自身のそれと同化させ、自己の一部とする。
能力の獲得や飢餓の解消――理由や結果はどうであれ、今日までの生物は、多かれ少なかれそうして生存している。

ならば、犬の行動は当然とも言える。
殻を食し、中身の精神を吸収する。
その行為は自身の能力の向上、すなわち単純な強化を意味するからだ。

同族のすべてをその胃に収めた頃には、犬はもう完全に回復していた。
いや、それどころかその身を包む闇が増し、傍目からでも成長が窺える。
犬もそれを肌で感じており、溢れる力を遠吠えによって表現してみせた。

その上で、犬は悩む。
男の始末と少女の殻。
どちらを優先するか。


血に染まった傘に、犬はまったく興味がなかった。
503代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:27:05 ID:LC7KaVy2

【A-2/給水施設付近/一日目・夕刻】

【ハリー・メイソン@サイレントヒル】
[状態]健康、強い焦り
[装備]ハンドガン(装弾数10/15)
[道具]弾:34、栄養剤:3、携帯用救急セット:1、ポケットラジオ、ライト、調理用ナイフ、犬の鍵
[思考・状況]
基本行動方針:シェリルを探しだす
1:学校に急がなければ!
※サイレントヒルにシェリルがいると思っています



「おい、本当にこっちでいいのか」
「さ、さあ……」
「『さあ』って、おまえ……」
「申し訳ありません……」
牧野は儀式の供物に頭を下げつつも、どこか釈然としないものを感じていた。
霧で視界は悪い上に、地図もなければ指針もない。そんな状態で『学校に行きたい』と言われても、土台無理な話だ。
だからといって、儀式のやり直しを提案しても突っぱねられるだけだろう。

どうすればいい……?

牧野は顔を伏せたまま、周囲に目を配る。
すると、見知ったものが一瞬、視界を過った。
求導師は内心で驚愕し、じっとりと冷や汗をかく。
504代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:28:38 ID:LC7KaVy2
「もういい。顔を上げろ。“見えない”だろ」

生まれつき盲目である少女は牧野の異変どころか、その原因にも気付いていないようだ。
彼はそれに安堵して額を拭い、それから彼女の手を取った。

「とりあえず目星が付きました。行きましょう」


この変異を“神の花嫁”も正確に認識できていないようだ。
ここがどこで、なぜこうなったのかわかっていれば、わざわざ村人――それも儀式の関係者――に頼ったりはしないだろう。
それくらいこの少女の村人に対する不信感は根強い。
もっとも、自分だって殺されるのがわかっているなら、その相手に対して好意的にはなれないだろうから、彼女を責めるつもりはない。
ただ、役割を演じてほしいだけだ。自分と同様に。

先程見かけたのはある男の後ろ姿だ。
彼はよく知っている人物で、一応頼りになる。
向こうがこちらを邪険に扱わなければ、の話だが。
できれば八尾さんがよかったが、この際彼でもいい。
知り合いがほとんどいないこの状況で、ある意味最も親しい存在に出会えたのだ。
ここは素直に神のお導きと受け取ろう。


宮田司郎。

我が半身の元へ。
505代理 DOG ◇qh.kxdFkfM:2010/07/17(土) 22:30:40 ID:LC7KaVy2
【B-2/CS屋前/一日目・夕刻】

【牧野慶@SIREN】
[状態]健康 ヘタレ 疲労(中) 、美耶子の手を引っ張っている
[装備]修道服
[道具]
[思考・状況]
基本指針:もう一度儀式を行ない、変異を終わらせる。
※ここが羽生蛇村でない事に気づいているようです。
※儀式を行なえば変異は終わると思っています。


【神代美耶子@SIREN】
[状態]健康、牧野に手を引かれている
[装備]特に無し
[道具]無し
[思考・状況]
基本行動方針:街から脱出する
1:とりあえずしかたがないので牧野と行動する
※幻視によって牧野の視界を借りています。
※ここは羽生陀村ではないと勘付き始めています



医師を追う求導師が花嫁を連れ、向かう先は神の御許。

けれどその神、皆が知る神に非ず。
506参加するカモさん:2010/07/17(土) 22:41:12 ID:LC7KaVy2
以上です。

牧野は宮ちゃんに会えたとして、それからどうするんだろう。
原作での会話みたいなことになるんだろうか
それにしても、犬がほぼ主役w
507参加するカモさん:2010/07/18(日) 13:58:28 ID:jYY4Ck1d
代理投下します
508:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 13:59:43 ID:jYY4Ck1d
部屋の中を確認する、何もいないしオマケに銃まで見つけた。
これでなんとか弾丸10発分位は身を守れる。
しかし、今の気分はまるで今から入水自殺でもするかのように
どんよりとした感じだ。

福沢はスタンドライトの明かりを点け
部屋の隅でうずくまって静かに泣いた。
さっきまでの気楽な気分にはとてもなれない、もうここから動きたくない・・・・

そう思った矢先、部屋のラジオから突然放送が聞こえてきた。その内容はただただ恐ろしくて、冷えた身体をさらに震え上がらせた。

−−−−−−


外に出なかったのが幸いして服は乾いた、涙も一緒に涸れ果てたけれど。

「・・・・・人殺しなんて、出来るわけ無いよ・・・・・」

さっきの放送、恐らくそういう意味だろう。わざわざ『この町では人殺ししても大丈夫です』だなんて前置きする辺りがいやらしい。あれじゃ三択じゃなくて一択じゃない。

死人が出たことは特に気にならなかった。そんな事もあるでしょ?さっきだってその中の一人になりそうだったしぃ。

そう思っていると部屋の戸を叩く音が聞こえた。
ガタタッ!思わず飛び退く、心臓が飛び出るかと思った。
509:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:00:47 ID:jYY4Ck1d
もしかしたら相手は人語を喋る化け物かもしれない。用心深く押し黙ると扉の向こうから声が聞こえた。

「誰かいるんですか?僕は人間です、
できたら開けてもらえませんか?」

この陰気なボソボソ声、丁寧なデスマス口調には聞き覚えがある、
期待を込めながら覗き穴を見る。これは・・・・この人は!

「あ、ありゃいひぇんひゃいっ・・・・!!」

気が動転して声が上手く出なかった、まさかこんな所で、他の人間に会えるだなんて・・・・
ついさっき会ったばかりだけど、また知り合いに会えるだなんて、思って無かった・・・・

ドアを開けて目の前の人物に飛び付いた、そこにいたのは屋上から飛び降りて死んだはずの荒井昭二その人であった。

「うわっ!福沢さん・・・・ですか、どうしたんです?そんな血塗れで」

福沢はここに来た経緯を話した、荒井が屋上からよく判らない何かに突き落とされ空中で霧散した後、
新藤さんも消え、次に自分の番になり、そこで話した呪いのロッカーの中に引き込まれてここに来た事を、
そしてそのせいで坂上も死んでしまったかもしれない事を・・・・・

荒井は最初から最後まで不機嫌そうな、もしくは
何か考え込むような表情をしていたが、
ハッとしたように目を逸らす。

「ごほっ、私、あなたの話はよく解らないんですが、とりあえず部屋に入って座りましょう、その、
どうも女性に抱きつかれたのは初めてでして・・・・」
510:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:02:26 ID:jYY4Ck1d
「あっ!やだもう、ごめんなさい・・・・」
微妙な空気になりながらも部屋に入り床に座る、荒井は
「おいおい、荒井くん、君ってやつは本当に気の効かない奴だなぁ。
涙目の女性が上目遣いで抱きついて来たら
抱き締め返す位できないのかね?
おっと、君ごとき一般庶民には無理な注文だったかな?
はっはっはははは・・・・」
とたわごとを言う風間の姿が思い浮かび、おかげで半ば八つ当たりのような怒りで冷静さを取り戻す事ができた。先程とはうって変わって締まった表情で現状を推察する。

「さて、パラレルワールドって分かりますか?もしもの世界というやつですよ。例えば、あの集会で貴女が一番手だったら。坂上くんは話を聞くのを止めていたかもしれない。
例えば、風間さんが僕の後に話していれば。あんな忌々しい揉め事にはならずに済んだかもしれない」

「揉め事?揉め事なんてありましたっけ?」

顎に人差し指を当て、思い出す素振りをする福沢だったが。あの中の誰かが誰かと喧嘩するシーンなど記憶に無い。

「そこです、僕が解らなかったのは、福沢さんの話のほとんどが僕の記憶には無い事なんですよ。最初は福沢さんの形をした他の何か、呪い人形とかの類かと思ったほどです」

「荒井先輩ったらひどーい、私がそんな気持ち悪い人形な訳ないよ。キャハハハん?どうしたの先輩?」
511:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:03:34 ID:jYY4Ck1d
福沢には心なしかショックを受けたように荒井の元々の前傾姿勢が更に曲がっているかのように見えた。
顔は何故か以前より不機嫌になったようであった。

「・・・・・・ま、でも話を聞いてるうちに気持ち悪い、人形説は流れたんですけどね・・・・・
記憶のすり替えも考えました、が、この場所に僕らを呼び寄せた存在が、わざわざそんな事をやる意味が判らない。つまり・・・・・」

「荒井先輩は荒井先輩だけど私の知ってる荒井先輩じゃないって事?」

いまいちよくわからないような表情で訊ねる

「ややこしいですがそうなりますね、後は、『何故僕たちはここに呼ばれたのか』ですが・・・・まぁそれはこのアパートを探索しながらにしましょう」

福沢がギョッとしたような顔で荒井を見る。あからさまに嫌そうな顔の真相は、正直さっきの廊下を通るのは気が引けたからだ。
512:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:04:36 ID:jYY4Ck1d
「あーそうそう、さっきの話、もう1つ聞きたかったんですがね」

どんどんドアへ向かう荒井について行く、キィィイイという音と共にドアが開けられ、その外、廊下を見る。

「あなたの話だと死体は三つ、ですよね?
でも僕が二階から上がって来た時には――――



ここに死体はありませんでしたよ」

−−−−−−


ほどなくして、荒井と福沢は2階の探索を開始する事にした。現在地図や、その他道具の入ったバッグは
荒井が持たされている。
「さっきもったいつけて脅かしてくれた御返しよ!」
だそうだ

左回りに辿っていくとトイレに繋がる奇妙な玄関を見つけた

「あれ?トイレの中に何かありますね、
取ってみましょう」

「やだ、ずいぶん気持ち悪いこと考え付くね。
ちょっと待っててください」

そういって福沢はキッチンからトングを取ってきて
詰まっているものをとった。
その後、それで見つけたメモを頼りに金庫を開け装備を充実させた、先に荒井が廊下に顔を出し銃でゾンビやナースを駆逐、先へ進む。
513:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:06:05 ID:jYY4Ck1d
西側アパートの2階廊下、福沢はどうしても気になっていたことを聞いてみたくなった。

「ねぇ荒井先輩、荒井先輩は私とよく似た世界に居たんだよね。一体何やらかしてここに来たの?誰かと喧嘩したとか言ってたけど」

テキパキとドアの鍵が掛かってるかをチェックしながら質問に答える。

「えぇ相手は風間さんでした。かなり切迫した状況でしてね。どちらかがどちらかを殺しても、おかしく無いほどでしたよ。
というより、僕は殺されました・・・・」

「あー・・・やっぱり荒井先輩も死んでたんだ、キャハハ」

最初に比べるとかなり明るい表情になったな、内心そう思いながら突っ込みをいれる。

「・・・・笑い事じゃないですよ、で、ここに呼ばれた理由ですがね。『罪』じゃないか、と思いますよ、僕はね」

「罪・・・・ですか?」
514:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:07:13 ID:jYY4Ck1d
2人は会話をしながらある部屋に入った。そこは他の部屋よりも暗く、じめじめとしていた。
それもその筈、部屋の半分は発光している赤い水で満たされている。
室内プール?と疑問に思ったがそもそもこの場所自体可笑しな場所なので深く考えるのは止めた。
それよりも部屋の隅に置いてある槍を持った銅像にビックリした、調べてみたが動き出さなかったので、荒井は話を続ける。

「えぇ、実はさっきの喧嘩、相討ちでしてね。
まぁようは、僕も殺してるかもしれないんですよ、
風間さんをね、きっとそうゆう人達が集められたんでしょう
断罪のために・・・・」

福沢は、罪悪感は今も感じているが
前にあった悪い事はもう考えない主義だ。
空気を明るくするために冗談を言った。


「じゃあ〜、もう一個質問!」

「ん?何です?」

この時気を緩ませたのが、最大の失態だった。

「そっちの世界の私も、可愛かった?」

扉が閉まると同時に後ろの銅像が動き出したのを感じられなかったのは、あまりにも致命的だった・・・・
515:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:08:51 ID:jYY4Ck1d
「・・・・まったく、あなたって人ッ・・・は・・・・・!!」

「先輩っ!!」

荒井の腹からは槍が突き出している。
拳銃を福沢に投げ、憎々しげに後ろを睨むが、それだけではどうしようもなかった。

放り投げられそこらのゴミのように転がっていく。
断罪の槍を持った三角頭はもう一方へ向かって行く。
福沢は投げられた拳銃を受け取り、狙いを定めた。
当たってはいるのだが、まるで効いている気がしない。
武器を持っているのに治療を施しに行くどころか
仇すら取れない自分が情けなくて、
無性に悔しくなった。


その時、急にその巨体が静止した。首元当たりから金属を万力で締め付けたような音が聞こえる。
振り向こうとはしているものの、身動きが取れないようだった。

そこにいたのは
516:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:09:43 ID:jYY4Ck1d
「・・・・・酷いじゃないですか。
動けない振りして、いきなり、後ろから、襲って来るだなんて・・・・」

荒井だった。
表情は変わらずともその目は怒りを露にし、爛々と輝いている。
腹の傷を意にも介さず、とてつもない力で三角頭の首を絞め、状況は良くなって来ているように思えた。



だが、


パキン・・・・・!

「なっ・・・・!?」


荒井の手首から陶器にヒビが入るような音が響いた。
この間合いでは手を離した瞬間殺られる。
かといって絞め続けても腕が壊れ、やはり殺られる。もう打つ手は・・・・
517:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 14:11:16 ID:jYY4Ck1d
「ヒヒ・・・・・ヒヒヒ、ヒヒヒヒヒ!!」

「せ、先輩?」

バキリ!!
皮膚から骨、いや、木片が飛び出す。
福沢はその瞬間、今まで一緒にいた相手がどういう存在なのかを理解した、そして何故、最初に呪い人形説を疑ったのかも。
しかし、不思議と恐怖はなかった。

「・・・・・福沢さん、人間は素晴らしい生き物です、よっぽど、そう、風間さんみたいに霊や、個人の主義主張をバカにするような輩以外は」

「な、何でそんな話・・・・」

言葉を遮り矢継ぎ早に次の質問をする。

「最後に一つ!・・・・・そっちの僕は、間違いなく人間でしたか?」

渇れたと思った涙を溜めて当然のように彼女は言った
「何言ってるの先輩!あなたは人間じゃないですか!」

それが彼との最後の会話だった。
彼は振り向いた三角頭に横殴りにされ手摺に衝突、何度も何度も槍を刺される。
何度も何度も・・・・魂を崩すように。
518:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 19:03:57 ID:ez9L0Srl
福沢は気が付くと弾かれたように走り出していた、即座に銃に弾を込め尚も手を止めぬ巨体の元へと向かう。
その独特な仮面の隙間に銃を差し込み訳のわからない叫びをあげながら、無我夢中で引き金を引く。

12回目の刺突でようやく断罪者は銃弾に耐えかねたのか帰って行った。
赤い水が段々と退いていき、道を形作る。
階段は光を発し、海底から水面を見ているかのような幻想的な風景を作り出している。

福沢は倒れ込んだ荒井の元へすぐさま駆け寄ったが、もはや腹部がボロボロで素人目にも死んでいる事が解るような酷い惨状だった・・・・
絶望に打ちひしがれそうになるがしかし、彼の顔を見た後、涙を拭き、さっさと先程の巨人を追う事にした。



−−−荒井は、笑い顔だった。



【荒井昭二@学校であった怖い話:死亡】
519:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 19:05:15 ID:ez9L0Srl







【荒井昭二@学校であった怖い話:死亡?】

本当に?焼却炉に放り込まれ、それでも少しの間生きていた彼はこれしきの事で死ねるのだろうか?
答えは否。
彼の受難はまだ終わらない

【西側アパート非常階段/夜】

【福沢玲子@学校であった怖い話】
[状態]深い悲しみ、固い決意
[装備]ハンドガン(0/10発)
[道具]ハンドガンの弾:19、女子水泳部のバッグ(中身不明)

[思考・状況]
基本行動方針:荒井の敵を撃ち出来るだけ多くの人と脱出する
1:荒井先輩・・・・・
2:三角頭を追う
3:人を見つけたら脱出に協力する、危ない人だったら逃げる

※荒井からパラレルワールド説を聞きました
※荒井は死んだと思っています
520:雲上海下(うんじょうかいか)後編 ◇BoVaEdQZq:2010/07/18(日) 19:08:49 ID:ez9L0Srl

【荒井昭二@学校であった怖い話】
[状態]気絶、腹部に重症、片腕の手首損傷、人間と言われた事による幸福感、人形
[装備]カッター
[道具]学生証等々他

[思考・状況]
基本行動方針:自分の主義に反しない人のみ助け、できればここから脱出したい
1:・・・・・


※福沢と情報交換しました
※ここを『罪』を犯したもののみが集まるパラレルワールドだと思っています。

代理投下終了です
荒井まで来たか。こいつの独特の雰囲気がよく出てましたw
ルートは風間と喧嘩して、殺されて主人公が死体処理やらされるルートか?
こいつが人形だったルートもあるからな。矛盾はしてないか…
代理投下続けます
521休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 19:10:03 ID:ez9L0Srl
外ではサイレンが鳴っている。
建物達の外観は、見ただけで異変が起きている事がわかる変貌を遂げていた。
そんな中に、人の気配のする建物が1つ。

「現実的で残酷な話と、楽しい自己紹介。圭一、お前どっちがいい?」

新藤は席に付くなりこう切り出した。
現在彼等はバブルヘッドナースの群れから逃れ、近くのカフェで一休みしているのだった。
アレ等に見つかる訳にはいかなかったため、適当に椅子を持って厨房に移動した次第である。

(この状況での情報収集は必要不可欠よ、彼らから話を聞きましょうミク)

霊体であるヨーコ・スズキが口を出す。
傍目から見ると異様だが雛咲深紅にとっては普通な事だ。

「あ…あの…新藤さん…達の事、教えてもらえないでしょうか、その…。」

「あぁ?俺はお前には聞いてねぇぞ。俺はまだ、お前を信用した訳じゃねぇからな。」

「……。」

妙な気配もするしな。
新藤誠は心の中でそう付け加える。
霊感があったり見えたりする訳ではないが、それなりに存在を感じることのできる新藤は深紅に対して少なからず不信感を持っていた。
522休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 19:11:11 ID:ez9L0Srl
「やめようぜ新藤さん、雛咲さん怖がってるじゃないですか。」

圭一が止めに入る。
何故か一人が周囲から攻め立てられる光景を、前にも見た気がしていても立ってもいられなかったのだ。

年下に気遣われるのも情けない話なのだが、新藤の見ただけで人を殺せる様な睨みに対して引っ込み思案な深紅がここまで話せたのはかなり頑張っている方だ。

「で、結局どっちにするんだ?」

「…雛咲さんもこう言ってるし、自己紹介からにしませんか。」

「へっ、そうかよ…。」
523休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 19:12:10 ID:ez9L0Srl
多少ぎすぎすしながらも自己紹介は始まった。

圭一は過去の経験から話したくない事は話さず、主にいつもの部活の事を面白おかしく話した。
口先の魔術師を自称するだけはあり、先程までとは打って変わった明るいムードを作り出すことに成功した。

しかし新藤の胸中は深紅や圭一とは異なる盛り上がりを見せていた。

「へぇ、トラップマスター…ね。強いのか?その北条って奴はよ。」

意外にも新藤が最も興味を持ったのは沙都子についてだった。
新藤にとって他の4人は自身の所属する『殺人クラブ』のメンバーとほとんど変わらないように感じた。
密かに漁夫の利を狙う奴なら福沢や荒井がいる。
恐ろしくポテンシャルを秘めた女なら岩下がそうだろう。
リーダーシップで日野に勝てる奴なぞ思い浮かばない。

しかしトラップ使いなんてものは聞いた事も見た事も無い、全くの未知数。
小学生とはいえ大人でも引っ掛かるトラップを使う相手。
一度戦ってみたい。
524休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 19:13:06 ID:ez9L0Srl
新藤はそう感じた。


「ああ、強いぜ沙都子は。きっと軍隊だって相手できるんじゃないかって位にな。」
「あはは、そうか。なら俺も一度会ってみたいもんだな。」
『殺ってみたいもんだな』
とは、流石に言わなかった。
さっきも圭一が居なければ確実に死んでいた所だ。
まさかこの状況ですすんで孤立を選ぶ奴などいまい。

一方、圭一は『ロリコンか?』
と思ったがそれは口には出さず、胸の奥にしまうことにした。

次は深紅の番だった。
彼女は氷室邸での事は口には出さなかった。
さすがに会ったばかりの人を信用することは出来なかったのだ。

その代わりこの地に来て会った人、その目的を引き継いだ事を話した。
525休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 19:14:11 ID:ez9L0Srl
「で、その薬品ってのは何に効くんだよ?」

「えっと、それは…え?………そんな!!」

深紅はヨーコにT-ウィルスの概要を聞かされ、この薬は人間が化け物にならないために必要な物だと分かり驚愕する。
そして完成しなければ自分がゾンビと化す事も…。
端から見れば突然うろたえ始めたように見えるだろう。
圭一が声を掛けても
「大丈夫、大丈夫ですから。」
の一点張りである。
そんな中放送が始まった。
チラシで大体の事を知らされている新藤と違い、二人は大いに驚く。
526休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 20:00:48 ID:ez9L0Srl
「なっ…なんだよこれ…!今の放送、最後の問題ってもしかして…。」

「…ヨーコさん。私、どうしたら…。」

「はっ、俺が言う前に、なんだかよく分からねぇ奴に言われちまったな。」

新藤はチラシを出し二人の中央に置く。

「これがこの町のルールなんだそうだ。ま、よく読んどく事だな。」

二人はチラシに目を落とし放送の信憑性を確かめる。
「なんでこんな、クソっ!」

「……そんなっ!」
新藤は険しい表情でポケットから何かを取り出し、ヒラヒラと空中に泳がせる。それは地図だった。

「さっき見つけたこの地図にも同じ事が書いてあった。だがそんなことは正直どうでもいい。」

「どうでもいい?それはどういう…。」

「問題は、今の放送で確実に殺り始める奴らがここに来てるってことさ。裏を見てみろ。」

呆気にとられながらも置かれた地図の裏を見ると名簿のようなものが見てとれた。

『呼ばれし者』という名目で連なる名前の中には圭一や深紅の見覚えのある人物もいた。
新藤は休まず続ける。
527休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 20:02:02 ID:ez9L0Srl
「さて、そういう訳で足手纏いはできるだけ減らしたいからな。お前、覚悟がないならここに残れ。」

それは深紅に対して途方もなく辛辣な一言だった。

「待ってくれ新藤さん!何もそこまで言うこと無いだろ!?三人で一緒に…。」

「うるせぇ、緊急事態なんだよ。こいつ等と闘うってことは、命を懸けなきゃいけねぇって事なのさ。」

もちろん新藤に部員同士で争うつもりなど毛頭無い(もちろん相手から向かってきたら別だが)、つまるところ深紅を試しているのだ。
圭一がどう新藤を説得したものかと考えていると、その横で立ち上がり声をあげた者がいた。
その顔はかつて兄を救おうと苦心した時のような、覚悟を決めた顔だった。
528休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 20:03:53 ID:ez9L0Srl
「お願いします、この薬は…ここに書いてある全ての人に必要な物かもしれないんです。協力してください!」

その鬼気迫る表情に、新藤も少し見直したような素振りを見せる。

「へぇ…。思ったより根性あるじゃねぇか、……悪かったな、置いてく云々は冗談だ。薬については考えといてやるよ。」

こいつらが危険なのは冗談じゃないがなと念を押し、話を進める。

「さて、闇雲に動き回ってもしょうがねぇからよ、トランプでもやりながら気楽に行き先を決めようぜ。」

ポケットからさっきどさくさに紛れてカフェのカウンターから取ったトランプを取り出す。
しかし地図といいトランプといいさっきから手癖の悪い事この上ない。拾えるものは何でも拾う主義だとでもいうのだろうか?
トランプを見た深紅は小さい悲鳴をあげる。

「それ……!何だか、嫌な感じが…。」

その様子を見てニヤリとする。
ちょうど次の七不思議の集会ルールで狩る時のために用意してたネタがカード絡みだった事を思い出したからだ。
丁寧にシャッフルをしながら語り出す。

「このトランプは曰く付きなのさ。これのジョーカーは男の顔だけどよ…ま、やりながら話してやるよ。学校であった怖い話を……。」
529休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 20:04:48 ID:ez9L0Srl
【C-6カフェ:夕刻】
【新堂誠@学校であった恐い話】
[状態]銃撃による軽症、殺人クラブ部員
[装備]ボロボロの木製バット
[道具]学生証、ギャンブル・トランプ(男)、地図、その他

[思考・状況]
基本行動方針:殺人クラブメンバーとして化物を殺す
1:目的地を決めて少し休む
2:それにしても名簿の人数増えてねぇか?
3:ひとまずこの状況を楽しむ
4:他に殺人クラブメンバーがいれば合流して一緒に殺しまくる(化け物を)


【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
[状態]銃撃による軽症、赤い炎のような強い意思、L1
[装備]悟史のバット
[道具]特に無し

[思考・状況]
基本行動方針:部活メンバーを探しだし安全を確保する
1:目的地を決める
2:新藤さんとこの5人の間に何が……
3:やっぱりみんなここに来てたのか!
4:部活メンバーがいれば連携して事態を解決する
530休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 20:06:06 ID:ez9L0Srl
【雛咲深紅@零〜zero〜】
[状態]T-ウィルス感染、右腕に軽い裂傷
[装備]アリッサのスタンガン@バイオハザードアウトブレイク(使用可能回数7/8)
[道具]携帯ライト、ヨーコのリュックサック@バイオハザードアウトブレイク

[思考・状況]
基本行動方針:ヨーコの意思を引き継ぐ
1:あのトランプはいったい…
2:ヨーコから意見を聞き目的地を決める
3:ヨーコさんの仲間は皆死んでしまったの?それとも…


【ギャンブル・トランプ@学校であった怖い話】

外見は普通のトランプだが、カード背面のイラスト部分が半分人間半分骸骨の絵柄になっている。
男女対になっており、分岐によって効果が変わるがこれは『骨董品屋』で買った使っても『特に実力の変わらなかった』時のトランプとしてください。
その際のトランプの効果は女の方は『幸運を呼び込む』
男の方は『単体では普通のトランプだが、女の方と一緒に持つとこれまでトランプで得た幸運をそれ相応の不幸をもって支払わなければならない』
というものです。
531休息 ◇hr2E79FCuo 代理:2010/07/18(日) 20:09:31 ID:ez9L0Srl
代理投下終了です

K1は新堂の異常さに気が付くのだろうか?
二人ともクラブに所属はしてるし似てる部分もあるが大きく違うぞ
それに今は協力できてるが火種は幾つもあるからな
532参加するカモさん:2010/07/19(月) 19:58:08 ID:hdfszuDW
代理投下します
533愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:00:21 ID:hdfszuDW
「なるほどな…武蔵野か…」

サイレントヒルへ向かう道すがら(正確には、サイレントヒルと思われる付近を往復しているのだが)、
長谷川ユカリがこれまで岸井ミカや逸島チサトと体験した心霊体験を、好奇心に目を煌かせながら聞いていた霧崎水明は、煙草を燻らせながら呟いた。

「武蔵野のフォークロアは昔から興味があったが、特にヒメガミサクラや防空壕での体験談は興味深い。文明の進歩によって廃れた風習や旧日本軍に関する都市伝説は数多いが、
それらに関わった人間達の残留思念が現代社会まで色濃く残り、現代人の前に実体を持って姿を現すケースは非常に稀だ…一度、その岸井ミカの持っている写真やテープをじっくり検証したいな」
「あんまり期待しない方が良いと思うけど」

ユカリとしては、岸井ミカと言う少女がオカルトに熱を上げるのは、この霧崎という男のような知的好奇心からというのもあるだろうが、大部分はスリルで、残りは金銭目的の色が強いように思う。
実際、ミカは何かしら心霊現象をフィルムやテープに収めると、それらを大喜びでオカルト雑誌やアラマタのような物好きに投稿しては、次の活動資金を得ている。
裕福な家庭に育ったくせに金銭にはシビアなミカが、彼に対して求める報酬額は、はたして如何ほどなのやら。

「ていうかおじさん、あたしの話、信じてくれるんだね。学者ってもっとカタブツかと思ってた」
「学者をあまり舐めない方が良いぞ。学問の基本は好奇心、疑問を徹底的に突き詰めることだ。あんたの体験談は一見して荒唐無稽だが、目立ちたがりが喋るホラ話とは決定的に違う部分がある。偽証にありがちな曖昧な箇所・疑わしい箇所がほとんどない。実際あんたは、
 俺の突っ込んだ質問に対して矛盾のない答えを返してきた。
 偽証ならこうはいかない。
 徹底的に突っつけば嘘に嘘を重ね、いずれ綻びが見えてくるもんさ」
「でもさ、嘘を吐いてないとしても、見間違いだとか、幻覚を見たんだとか考えないわけ?」

霧崎は煙草を咥えた唇を、にやりと口角をつり上げた。
534愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:01:33 ID:hdfszuDW
「俺にとって重要なのは、あんたの話す都市伝説の中に“何が隠されているか”さ。都市伝説とは、
 それが生まれた時代の裏側を映し出す鏡のようなものでね。分かりやすい例では、明治時代に“電線に処女の生き血を塗っている”や、“電線からコレラが感染る”等の都市伝説が生まれたが、
 それらは最先端技術に対する無理解から来ているといわれている。
 数千数万のフォークロアの中から、時代を象徴する何かが見えた瞬間――それが民俗学の真骨頂だ」
「ふうん…」

霧崎の話の長さに、ユカリは思わず欠伸を噛み殺した。
この男、興味がない話はほぼ5文字以内で足りることしか言わないのだが、いったん興味を持って喋りだしたら止まらない。
特にユカリが体験した怪談に対する反応たるや凄まじく、ユカリの話が終わった後は自身の考察を洪水のように際限なく語りだす。
彼はこの1時間ほぼ喋り通しで、その内容は一体レポート用紙何枚分になるのか分からない。
サイレントヒルに到着するまでに、ちょっとした本が一冊書けてしまうのではないかと思えるほどであった。
聞くところによると、どこかの大学で教鞭をとっているらしいが、まあなんというか、天職であろう。
1時間近く好きなだけ喋り倒せるのだから。

霧崎が「で、他には?」と次の都市伝説をせがむ。
ユカリが昔の記憶を思い起こそうとして何となく空を見た、その時だった。
535愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:02:57 ID:hdfszuDW
「あれ?あれってさっきの…」
「…バリケードを張ってた警官だな」

霧の向こうから、先程道路でバリケードを築いていた、ブロンドの警官がバイクに乗って現れたのだ。
おかしい。確かにユカリと霧崎は、彼女の制止を振り切って道路を真っ直ぐ突っ走っていたはずだ。
地図によれば、この道路はほぼ一直線であり、先回りできるような脇道は存在しない。
にもかかわらず、真正面からあの警官と遭遇した。これはどういうことか。

「…ループしてるな」
「え?」

聞き返すユカリに、霧崎は煙草を燻らせたまま何も答えず、車のスピードを緩めていく。
警官はこちらを確認すると、行く手を遮るようにバイクを横にして停め、霧崎に停車するようジェスチャーで促す。
やはり、制止を聞かずに発進してしまった件を罪に問われるのだろうか。しかし、ここで諦めればチサトやミカたちはどうなってしまうのか。
ユカリの心を懸念と焦りが侵食していくが、霧崎は仕方なくと言った風に溜め息と共に白煙を吐き出し、警官のバイクに接触する数メートル手前で停車した。

警官がバイクから降りてこちらへ走り寄り、運転席の窓をコンコン叩く。
霧崎は素直に窓を開け、警官は身を屈めて窓際に腕を置き、こちらと目線を合わせた。
536愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:04:13 ID:hdfszuDW
「なぜ戻って来たの?」

警官はサングラスを外し、透き通るような青い瞳でじっと霧崎とユカリを見つめた。
間近で見ると、端正な顔立ちの美人だ――ユカリは少し感心しつつも、緊張の面持ちで霧崎と警官のやり取りを見守る。

「"戻って来た”ということは、サイレントヒルは実在するんだな?」
「この道路はサイレントヒルに繋がっていると、さっき言ったはずだけど」

警官の疑惑が入り混じった返答に、霧崎は何か確信を得たかのようなしたり顔になった。

「やはりな…えーっと、あんたは――」
「シビル。シビル=ベネット巡査。シビルで良いわ」
「分かった、シビル。俺は霧崎水明、日本の民俗学者だ。さっきは手荒な真似をしてすまなかったな。だが、こっちは急を要するんだ。
 どうしてもサイレントヒルに行きたい。身内の命がかかってるんでね」

フォークロア話以外では、終始気だるげな口調でユカリと話していた霧崎が、酷く真面目な目つきでシビルに語りかける。
シビルというその警官は、何かを見定めるように霧崎の鋭い眼光をじっと見据えたが、ついに根負けしたのか、大きな碧眼をすっと伏せて溜め息を吐いたかと思うと、 
再び目を開いてこちらを見つめ返した。
537愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:05:01 ID:hdfszuDW
「あそこはとても危険なところよ。だから、私も同行する」
「えっ?」

何かを覚悟したかのように、シビルは有無を言わさぬ強い口調で言った。
ユカリは、今まで頑なに通行を阻んでいた彼女の突然の軟化に驚きを隠せなかったが、これで誰にも咎められずにサイレントヒルに行くことができるならと思い直し、それ以上は何も言わなかった。
だが、その前に何か引っかかる言葉がなかったか。“あそこはとても危険”と、そう言ってはいなかっただろうか。
何が危険なのだろう。チサトがあそこで待っていることと、何か関係があるのだろうか――ユカリの胸に、例えようのない胸騒ぎがじわじわと広がっていく。

同行を申し出たシビルに霧崎も異論はないらしく、このままユカリを乗せてサイレントヒルのある場所を往復し、後ろからシビルがバイクで追うという形で話が纏まった。
シビルがバイクに乗ったのを確認すると、霧崎はハンドルを切って再びサイレントヒルへ向かう。

「ねえ、おじさんってサイレントヒルのこと、何か知ってる?」

すぐ真後ろを付いてくるシビルのバイクをバックミラーで確認した後、ユカリは胸騒ぎに耐えられず、霧崎に話しかけた。
胸騒ぎを忘れさせてくれる、論文が一本書けそうな長話が始まることを期待して。

「俺が聞いたサイレントヒルの噂は、曰く『常に霧が立ちこめており、そこに迷い込むと、奇怪な怪物に襲われる』とか、『迷い込んだ者は魔女の生け贄にされる』とか、そんな話だ。しかし、その奇妙な怪物に襲われたという人間も、
 魔女の生贄にされたという人間も見つからない。
 噂の出所を追及すれば、結局は“F.O.A.F”――Friend of a Friend、友達の友達――という結果に行き着く」
538愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:06:12 ID:hdfszuDW
ユカリの期待に反して、霧崎の答えは、それまでフォークロアについて喜々として喋り倒していた姿からは想像もつかないほど中身が薄かった。ほとんど、噂の触りだけである。

「…それだけ?今まで言ってた、時代のウラがナンタラってのは?」
「それを、これから調査するのさ。この街はなかなか面白い。大抵の都市伝説にあるような時代背景や、
 バックボーンといったものが何もない。普通は噂が発生した時期を調べれば、出所が大体把握できるはずなんだが、サイレントヒルの発生時期は特に決まったものはなく、まずサイレントヒルという街ありきで噂が自然発生し、肉付けされている。つまり、
 サイレントヒルという街自体が噂の発信源である、と俺は見ている」

よくは解らないが、サイレントヒルという街は、思っていた以上に異質な街らしい。
539愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:09:42 ID:hdfszuDW
ユカリはショルダーバッグから一冊のオカルト雑誌を取り出す。
失踪したチサトから手紙が届き、サイレントヒルの存在を知った際、ミカが失踪する直前に口にしていたのも、サイレントヒルというゴーストタウンだったことを思い出し、わざわざミカが持っていたのと同じ雑誌を出版社から取り寄せたのだ。

あの時――二人と喧嘩別れした時、恋人との不仲による精神的疲労に加え、試験の追い込みという修羅場の真っ只中にあり、半ばテンパっていた。
そこへ空気を読まずに外国のゴーストタウンについて喜々として語るミカに我慢できなくなり、思わずきついことを言ってしまった。
そしてミカが帰った後、些細なことでチサトとも口論になり、結局、喧嘩別れしたまま二人は失踪してしまった。

――あんなこと、言うんじゃなかった。
強い後悔の念を噛み締めながら、ユカリはオカルト雑誌をめくり、目的地であるサイレントヒルについて書かれたページ(アラマタが執筆したものだ)をぼんやりと眺める。
そこには、先ほど霧崎が語ったサイレントヒルにまつわる都市伝説と、その考察が書かれている。

重い気持ちで文面を流し読みしていると、車を運転している霧崎が、合間にちらちら横目で見てくることに気づいた。
その妙に熱を帯びた視線は、サイレントヒルの記事に注がれている。

「…何、その目」
「面白そうだな。読んでくれ」
「は?…今?ここで?」
「嫌ならいい。自分で読もう」
「ちょっ、待って!分かったから!」

霧崎の片手がハンドルから離れて雑誌に伸びて来たため、焦って承諾してしまった。
手をハンドルに戻した霧崎の口角がにっと上がる。それはまさに、イタズラを成功させた悪ガキのそれであった。
――こ、このオヤジ…
からかわれたことに気づいたユカリは全力で霧崎を睨みつけ、心の中で悪態を吐いてから、完全な棒読みではあるが、サイレントヒルの記事を朗読し始めた。
しかし不本意ながらも、この霧崎のちょっとした悪戯心のお陰で、それまで胸を締め付けていた不安や胸騒ぎが、ほんの僅かに和らいだのは確かである。
得体の知れない変人ではあるものの、霧崎水明という男は、そう悪い人間ではない。ユカリは何となくそう感じていた。
540愛と罪が集う街(前編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:10:29 ID:hdfszuDW
霧崎はアラマタの記事が気に入ったらしく、朗読が終わるや否やその内容についてしこたま喋り倒した。
その長々としたBGMが終了した頃には、彼の煙草の吸殻は蓋が閉められなくなるほど灰皿から溢れ返り、車内にはすっかり煙草の臭いが染み付いていた。
気が付けば辺りは薄暗くなり、車のライトが照らすのは、乳白色の霧のカーテンのみ。
方向感覚がすっかり曖昧になり、ちゃんと道路の上を走っているのか、いや、前に進んでいるのかすら怪しく感じてくる。
バックミラー越しに、シビルの乗るバイクのライトが霧の中からぼんやり浮かんでいるのが見えるが、果たしてそれは、本当にシビルのバイクのライトなのだろうか?

隣で煙草をふかしながらハンドルを握る霧崎に、不安を訴えようとした矢先――
霧のカーテンから突然、黒髪の小さな少女が現れた。
こちらに気づいた少女は黒目がちの目を一際大きく見開き、咄嗟に両手を顔の前に掲げる。

「危ないっ!!」

ユカリが叫ぶのと、霧崎が舌打ちをしながらハンドルを切るのはほぼ同時だった。
ジェットコースターに乗せられたように大きく視界がぶれ、タイヤがコンクリートを擦る音と共に激しく頭を揺さぶられる。
手元からショルダーバッグが飛び出し、満杯状態の灰皿から煙草の吸殻が勢いよく車内に舞い散った。
ほんの数秒のことだったかもしれないが、ユカリの目には全てがコマ送りとなって鮮明に頭に焼きついていた。
そして次の瞬間、雷が落ちるような轟音が鳴り響き、脳天に一際大きな衝撃が襲い掛かった。
視界を稲妻が迸り、自分の身に起こったことを何一つ認識することもなく、ユカリの意識はブレーカーが落ちるかのごとく一瞬のうちに、深く暗闇の中に落ちていった。
541愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 20:13:01 ID:hdfszuDW
◆◆◆

何が起こったのか、ゆっくり整理してみよう。
あの時あたしは、キリサキとユカリが乗った車を、後ろからバイクで追っていた。
霧は深かったが、車のライトは濃霧の中でもはっきりと視認できたため、後ろをついて行くことはさほど難しいことではなかった。
しかし、先行していたキリサキの車が突如急ハンドルを切り、道路を大きく回転しながら横滑りして行ったのだ。
あまりに突然の出来事に、驚いてこちらまで手元が狂いかけたものの、何とか転倒は免れた。
そしてほんの一瞬遅れて、霧の中を眩い光と共に雷鳴が轟き――そして、辺りはそれまでの白い霧の世界から、見覚えのあるおぞましい景色に変わっていたのである。

漆黒の闇の中を、シビルのライトの明かりが照らし出す。
ライトに照らされて円形に浮かび上がる景色は、まさに直視に耐えない代物であった。
以前ならコンクリートやレンガで作られていた塀は、血の色にも似た赤錆に侵食された金網と化し、建築物のそこかしこが、赤い血肉で構成された気色の悪いオブジェで彩られている。
この街、今でもはっきりと覚えている。血と錆に支配されたこの禍々しい景色、間違いなくここは――あのサイレントヒルだ。
前回は霧に包まれた、ここに比べれば格段に穏やかな景色の中でスタートしたが、今度のスタートは最低最悪の形となってしまった。

シビルは全身を襲う絶望感をなんとか押さえつけ、今はキリサキとユカリの安全を確保すべしと、警官である自分を奮い立たせた。
この街に跋扈する怪物は光と音に敏感だが、ここは止むを得ない。

「キリサキー!ユカリー!無事なのー!?」
542愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:10:23 ID:hdfszuDW
シビルはひとまずバイクを適当な壁の傍に停め、危険を承知でライトをあちこちに向けながら、闇に向けて何度も声を張り上げた。
すると、しばらくして小さく「こっちだ」とキリサキの声が聞こえ、シビルは自分でも驚くくらい安堵した。
キリサキの声を頼りに、シビルは震える足を叱咤しながら闇の中を慎重に慎重に歩いて行った。

シビルがバイクを停めた数十メートル先に、キリサキの車があった。
車は真正面から太い鉄の柱に受け止められ、酷い有様となっている。
その太い鉄の柱には、外部の者を歓迎するための看板が取り付けられており、すっかり赤く錆び付いたそれには、『サイレントヒルへようこそ』という死刑宣告が綴られていた。
垂れ下がる赤錆が血のようにも見え――いや、本当に血なのかもしれない――、ただの看板なのにグロテスクであった。
ああ、また来てしまった。もう二度と、ここには来たくなかったのに――シビルは深く溜め息をついた。

不幸中の幸いか、運転席と助手席ははかろうじて人ひとりぶんのスペースを保っていた。
その潰れかけた運転席の中から、頭部から出血したキリサキがよろよろと抜け出してきた。

「大丈夫?」
「まあ、なんとかな…」
543愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:14:32 ID:hdfszuDW
キリサキは車体の感触を手で確かめながら後部座席のドアを開け、シビルのライトの明かりを頼りに、荷物の中から自前の懐中電灯と救急キットを取り出す。
シビルは車の反対側に回り、助手席でぐったりしているユカリの様子を確認した。
ユカリは頭部から出血しており、鮮血がアジア人特有の真っ直ぐな長い黒髪を濡らし、青褪めた肌を赤く染めている。
首筋に指を当ててみると、若干弱弱しいが確かに脈が感じられた。
鼻腔からも出血が認められるが、その他は特に怪我はなさそうだ。

シビルはユカリの応急処置を引き受け、キリサキが持っていた応急セットで手早く傷の手当てを施していく。
幸い彼女の傷は見た目ほど酷くはなく、頭皮が数箇所裂けている程度であった。
ユカリの頭に包帯を巻き、顔にこびり付いた汚れを丁寧に拭ってやる。
掠り傷など他の箇所の手当てもあらかた終えた頃には、キリサキは自身の手当てを済ませており、この状況下においても紫煙をくゆらせているのか、暗闇から煙草の香りが漂ってきた。

キリサキは頭部に包帯を巻いており、多少の出血が窺えるが、意識ははっきりしているようである。
そしてこの悪夢のような景色にもかかわらず、今までの飄々とした態度を崩さずにいた。

「長谷川は?」
「命に別状はないみたい。じきに目が覚めるわ」
「そうか」
「…ちょっとは動揺したら?」
「そりゃあ多少はな。だがむしろ今は興奮してるよ。俺がわざわざアメリカまで来たのは、まさにここに来るためなんだからな。…それにしても、予想していたより随分とゴアな眺めだな」

そういえば、この男はシビルの元へ戻ってきた際(この現象もサイレントヒルのせいかもしれないが)、この街に身内の命がかかっていると言っていた。
ユカリもバリケードで初めて出会った時、この街で友達が待っていると懇願していた。
――魔女や邪神が消えてもなお、相変わらずこの街は誰かを引き込み続けているらしい。
544愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:16:51 ID:hdfszuDW
「とにかく外は危ないわ。…中も安全とは言えないけど、ひとまず安全な場所まで行きましょう」
「案内よろしく頼むぜ、センパイ」

失神したままのユカリをキリサキが背負い、暗闇を跋扈する“何か”を避けながら、二人は一番近くの骨董屋に避難した。
幸い中に危険なモノはおらず、ユカリをアンティークのソファに横たえてから、シビルは瀟洒なアンティークチェアに、キリサキは年代物のチェストに腰掛けて、事故を起こす直前に起こった出来事を語った。
彼曰く、突然霧の中から小さな少女が現れ、慌てて急ハンドルを切ったのだという。

その少女の特徴を聞いた時、シビルは心臓が縮むような感覚を味わった。
――黒髪を後ろに束ね、紺色の制服を身に付けた、白人の少女。
ただでさえ事故の衝撃で頭がくらくらするのに、その少女の姿が頭に蘇った途端、失神寸前まで視界が揺らめいた。
なぜだ?あのハリー=メイソンの娘が、ダリア=ギレスピーという狂った母親によって人生を狂わされた不幸な娘が、なぜ今になって!?
彼女はハリーの奮闘によって赤ん坊に生まれ変わり、彼の娘として新たな人生をスタートしたはずだ。
それなのに――サイレントヒルに一体、何が起こっているというのだ!?

恐るべき事態に打ちのめされ、シビルは言葉を発することができなくなっていた。

「大丈夫か?顔が真っ青だぞ」

キリサキが気遣う言葉をかけてくれるが、それに返す言葉が見つからなかった。

「…何か知ってるな?詳しく話してくれ」
545愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:18:33 ID:hdfszuDW
ただごとではない空気を感じ取ったキリサキが、鋭い目つきで詳細を求める。
シビルはいったんユカリの様子を確かめてから、あの少女の身に起こった悲劇、そして彼女の身に降りかかった不幸の源である、サイレントヒルを支配する“神”についてを語った。
学者に対し、この荒唐無稽な話を信じてもらえるかという懸念は頭の隅にあったが、それでも、話さずにはいられなかった。
誰かに話さなければ、頭の中がどうにかなりそうだった。
過去の忌まわしい記憶が完全に甦ったシビルにとって、一言も口を挟まず、黙って悪夢の話を聞いてくれるキリサキの存在が、この上なく頼もしく、ありがたかった。


「なるほど、やはり実際に起こった事件があったというわけか…」

全てを聞き終えたキリサキは、深く息を吸って煙草の煙を杯に溜め込むと、一息にそれを吐き出した。
ライトの明かりに浮かび上がる煙草の紫がかった煙が、黒い景色の中に消えていく。それを眺めながら、シビルは彼の次の言葉を待った。

「土着信仰がキリスト教の影響を受けながらも、異界の存在を召喚するほどの力を持つというのはなかなか面白い展開だ。そういえば、この付近の土地はかつて先住民の聖域だったという話もあったな…」
「こっちにしてみれば、面白いどころの話じゃないんだけど」
「ハハハ、悪い悪い。…さて、こうして俺達が再びサイレントヒルに迷い込んだということは、そのアレッサ=ギレスピーがいなくなっても、街が持つ異質な力はまだ失われていないということになる。これは調べ甲斐がありそうだな」

キリサキの三白眼が、子供のようにキラキラと好奇心で輝いている。
シビルからしてみれば、この男の脳内も異世界のように感じられた。
そもそも第一印象からして胡散臭いとは思っていたが、こうして話してみると胡散臭いどころのレベルではない。
邪神を召喚しようとする魔女の話を淡々と受け入れ、こうして怪異に巻き込まれても動揺するどころか、むしろ喜々として首を突っ込もうとするとは、相当な変人である。
『胡散臭い民俗学者』から、『シビルの物差しでは到底計りきれない、凄まじく変わり者の民俗学者』へ――シビルの脳内では、彼のデータはそんな風に更新された。
546愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:20:24 ID:hdfszuDW
「それにしても、なぜ今になってアレッサが…?あの時全て解決したはずなのに」
「今のところは何とも言えないな。ま、少なくともここでじっとしてても解らんのは確かだ」
話が終わると、キリサキはほぼ半分の長さになった煙草の灰を指で叩き落とし、短くなったそれを再び口元へ戻した。

「出血してるんだから、煙草は止めなさい」
「悪いな。コレがないと落ち着かないんでね」

キリサキはにやりと悪びれない笑みを見せた。
シビルは呆れる反面、彼のその何事にも動じない飄々とした態度によって、わずかな安心感にも似た余裕が心に生まれたのを感じていた。

しかし、その余裕はすぐに消えることとなる。
にわかに空気が和らいだその時、壁に奇妙なチラシが張られているのにキリサキが気が付いたのだ。
キリサキはチラシを破り取ると、それを懐中電灯で照らしながら興味深そうに裏表を確認したのち、実に意外なことを尋ねてきた。

「…シビル、あんたパラレルワールドって言葉を知ってるかい?」
「え?…聞いたことはあるけど、それが何か?」
「パラレルワールドを題材にした創作は数多く存在する。日本では、数年前に近未来の日本を舞台にした小説が映画化されて大ヒットしてな、そのショッキングな内容が社会現象になったもんだ」
「へえ、どんな話?」
「中学生が政府によって修学旅行と称して孤島に集められ、殺し合いをさせられるんだ。生き残ったたった一名の生徒は、政府から手厚い保護を受け、将来が約束される」
「モメそうな内容ね」
「ああ、大モメだったぞ。丁度その頃、青少年の凶悪犯罪が世間の注目を集めてたから、公開にあたっては年齢制限がかけられてな。肝心なターゲット層の中学生が見られなかったというオチが付いた」
「そう…で、それがサイレントヒルと何の関係が?」
547愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:21:45 ID:hdfszuDW
本題になかなか入らないキリサキに苛立ち、詰問に近い口調となる。
そんなシビルの前に、キリサキは先程まで読んでいたチラシをかざして見せた。

差し出されたチラシを受け取り、裏表両方に目を通したシビルは、その内容に思わず目を見開いた。
そこには、先程キリサキが話した映画のように、この街での殺し合いを推奨し、最後に生き残った一人に望み通りの褒美を出す旨が書かれていた。
これだけなら、誰かが戯れに作った悪趣味なジョークチラシで済むが、問題はその裏面に載せられた名簿だった。
シビルを驚かせた原因は、その名簿に記された50の名前の中にあった。
それは、かつて共に修羅場を乗り越えたハリー=メイソンの名と、地獄に落ちたはずのマイケル=カウフマンの名、そして――たった今サイレントヒルに辿り着いたばかりの、シビル達の名であった。

名簿には東洋人の名も数多く連ねられており、恐らくこの中にキリサキが探している人物の名もあったのだろう。
キリサキの三白眼は刃物のように鋭く光り、白煙を吐き出した唇が、低く挑戦的な声音で言葉を紡いだ。

「このご大層なイベントの主催者に、是非とも会ってみたいものだな」

【E-1骨董屋店内/1日目夜】

【長谷川ユカリ@トワイライトシンドローム】
[状態]頭部と両腕を負傷、全身に軽い打撲(いずれも処置済み)。現在失神中(あと数分で覚醒)
[装備]なし
[道具]ショルダーバッグ(パスポート、チサトからの手紙?、オカルト雑誌@トワイライトシンドローム、食料等、他不明)
[思考・状況]
基本行動方針:チサトとミカを連れて雛城へ帰る
1:起きたらチサトとミカを探す
548愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:24:13 ID:hdfszuDW
【霧崎水明@流行り神】
[状態]精神疲労(中)、睡眠不足。頭部を負傷、全身に軽い打撲(いずれも処置済み)。現在軽い興奮状態
[装備]無し
[道具]謎の土偶、紙に書かれたメトラトンの印章、自動車修理の工具、食料等、他不明
[思考・状況]
基本行動方針:純也と人見を探し出し、サイレントヒルの謎を解明する
1:サイレントヒルは実在したようだ
2:長谷川とシビルは異世界の人間だが、今は黙っておく
2:人見と純也を見つけたら、共に『都市伝説:サイレントヒル』を解明する
3:とりあえず長谷川が目覚めるまで待つ
4:そろそろ煙草を補充したい
※ユカリの話により、チサトとミカにも興味を持ったようです
※シビルと情報交換し、サイレントヒルの詳しい知識を得ました

【シビル=ベネット@サイレントヒル】
[状態]健康
[装備]10連装変則式マグナム@サイレントヒル210/10
[道具]旅行者用バック(武器、食料など他不明)、警察手帳、サイレントヒルの観光パンフレット(地図付き)
[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルにいる要救助者及び行方不明者の捜索
1:事件は解決したはずではなかったの…?
2:とりあえずユカリが目覚めるまで待つ
3:前回の原因である病院に行ってみる
4:怪物に襲われた場合、二人の安全を最優先とする
※バイクはE-1の路上に停めました。鍵は付いていないので、道具とスキルがないと動かせません
549愛と罪が集う街(後編)  ◇dQYI2hux3o:2010/07/19(月) 21:25:57 ID:hdfszuDW
代理投下終了です

霧崎さんの考察と好奇心の強さがばねえw
シビルもそりゃ引くわw
どんどん役者が動いて行く様はいいなあw
550UBCS:2010/07/26(月) 13:03:26 ID:HTx9Ezir
滅びたはずの、警察署のある一室で、一人の警官が、倒れていた
彼の名は、マービンブラナーこの警察署に勤務している警官だ・・・
ラクーン市で発生した、バイオハザードで錯乱していた警官の中でも数少ない
正気を持ちつづけ、生き残りの署員を自らを犠牲にして、脱出させた後、
ゾンビによって受けた傷に悪態を吐きながら正面ロビーから移動して、そこで気を
失っていた、目が覚めたマービンは、腹部の傷に呻きながら、室内を見渡した
そこは、何故かSTARSのオフィスだった・・・
しかし「今は、使用していない筈だ・・しかも自分は、1Fにいたはず・・」
不審に思いながらも、傷の痛みがやや和らいでいるのでマービンは、ここから、
移動する事にした、{まだ取り残されている生存者がいるかもしれない・・・}
2Fの廊下には、幸いにも化け物の姿は見当たらず何とか移動できた
1Fに繋がる非常階段の扉を開けたとき不意に銃声が聞こえた・・
「やはり・・生存者がいる」マービンは、そう考えベレッタを構えて正面ロビー
に急いだ・・・



551残されし者:2010/07/26(月) 13:23:48 ID:HTx9Ezir
【マービンブレナー】
[状態]極度の疲労、腹部に重症、Tウィルス感染中
[装備]ベレッタF92M{残弾8予備弾倉2}
[道具]法執行官認証、壊れた無線機
[思考・状況]
基本行動指針;生存者を見つけ、街から逃がす
552クリム損、ヘッド:2010/07/26(月) 13:25:29 ID:HTx9Ezir
ぜひマービンは、出したい
553参加するカモさん:2010/07/26(月) 20:11:16 ID:l5XNomuy
えーと 残念ながら既に参加者枠は全て埋まっています。
詳しい話はこちらで↓
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/13999/
554553:2010/07/26(月) 20:39:41 ID:l5XNomuy
ついでにwikiのリンクも張っておきます
ttp://www23.atwiki.jp/deruze/pages/13.html
555クリム損、ヘッド:2010/07/27(火) 12:02:15 ID:Go2O0a5H
うーん残念
556参加するカモさん:2010/07/27(火) 19:56:23 ID:JRBMl7q8
せっかくだし没SSにのせれば?
557参加するカモさん:2010/07/31(土) 12:35:38 ID:S9JPxepl
それもありかも。
558名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/08/07(土) 17:54:23 ID:/ftEcxJq
テスト
559田中 :2010/08/07(土) 18:52:47 ID:+1hf7npw
代理投下します
560◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 18:54:23 ID:+1hf7npw
罪と罰

“そいつ”の見てくれは、とりあえず人の形をしてはいたが、しかし人間ではないと断言できる代物であった。
一言で言えば、看護婦である。
ナースキャップを頭に乗せ、ボタンが外れて豊満な胸元を派手に曝け出す看護服を身に着けており、やや短めのスカートからは、モデルを思わせる長く美しい脚が伸びている。
男なら、下心をくすぐられても無理はない体型である。
しかし真冬はそういった色事には興味が無かったし、よしんば健康的な青少年であったとしても、そいつの顔を見れば、特殊な趣味嗜好を持つ男以外は、下心など軽く吹っ飛んでしまうであろうと確信する。

その信じ難いご面相に、真冬は思わず息を呑んだ。
――顔がない。
そいつの頭部は、目も鼻も口も存在を確認できないほど、腫瘍のようなもので腫れ上がっていた。
でたらめに捏ね上げた粘土細工で頭を覆っているかのようで、ナースキャップが無ければ顔の前後が区別できないほどである。
大きな瘤をいくつも膨らませた頭を小刻みに、時には苦しみ悶えるように大きく震わせながら、ぎこちない足取りでこちらに向かってくる様は、真冬の身体を石にするのに十分な破壊力であった。

雑誌には鬼と説明されているが、それを無条件に鵜呑みにできるだけの状況では、まだなかった。
電車の中を顔面を腫らした看護婦がうろつくなどという、おおよそ気違いじみた光景だけに、あまりにも突然な目の前の現状を、真冬はまだ受け止めきれずにいた。
どうするか?話しかける?否、話が通じる相手にはどうしても見えない。では攻撃か?
答えはすぐに決まった。なぜなら、その看護婦の手には、鈍く光を反射する黒い鉄の塊――拳銃が握られていたからである。

真冬は看護婦を刺激しないよう、少しずつ足を後ろへ踏み出して後退して行く。
目指すは車両を連結する扉だ。扉を隔てれば、とりあえず生身で銃弾を受け止めるよりははるかに生存率が上がる。
そして他の車両の中にいるかもしれない生存者を確認し、車掌に接触するなり何なりして事態を打開しよう。頭をフル回転させてそんな方針を固めた。
後になって考えてみれば、この異常な車両を果たしてまともな車掌が操作しているのか、非常に疑わしくはあったのだが、とにかくこの時は、目の前の危機を回避することで頭が一杯だったのだ。
561◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 18:56:13 ID:+1hf7npw
前進する看護婦に合わせて、一歩、また一歩と後退していく。連結扉までの短い距離を、気が遠くなるほど長く感じるような時間をかけ、その動作を繰り返していく。
そして数メートルほど後退した頃、ようやく背中がひんやりとした板に触れる感触がした。
反射的に身を翻しかけて、その寸前で思い留まる。
不用意に行動を起こせば、看護婦を刺激して銃弾を浴びる可能性が高い。一瞬、ほんの一瞬でいい、あの拳銃を封じることができれば――

真冬は手に握り締めている湾曲した車両のパーツを見つめ、振り回すのに最適な質量を持つそれを手放すか否か、ほんの僅かに逡巡した。
その間にも、看護婦は拳銃を持つ手を水平に持ち上げる。金属が起こす冷えた摩擦音が聞こえた。
迷っている暇はない。真冬は手にしていた車両のパーツを、看護婦が構える拳銃めがけて投げつけた。

湾曲したラインを持つそれは真冬の狙いを大きく逸れ、一直線に看護婦の肩に直撃した。
それでも投げた甲斐はあった。看護婦の華奢な二の腕が大きく横にぶれ、体勢がやや斜めに傾く。パァンと乾いた破裂音が車内に鳴り響いたが、銃弾はあさっての方向に飛び出した。
チャンスだ。もはや一刻の猶予もない。弾かれたように連結用扉にかじりつく。
握り締めたドアノブに全身全霊の力をかけ、真冬は渾身の怒号と共に扉を押し開いた。

「うわあああああああっ!」

パァン。乾いた破裂音が列車内に響き渡り、熱の塊がちりっと頬を引っかく。
パァン。脇腹を熱い何かが掠めた気がするが、気にする余裕はない。身体を扉の向こうに押し込み、再び全力をもって鉄の扉を閉じた。
パァン。パァン。もう一枚、次の車両の扉を急いで開けた瞬間、2回破裂音が響いたが、一発目は扉にめり込み、二発目は分厚いガラスを貫いて床にその破片を撒き散らすに止まった。

最後の扉は閉まったが、不安はまだ治まらない。あの看護婦がドアを開閉する知性が無いという保障はどこにもないからだ。
座席の陰に転がり込み、縋るように周囲を見渡す。
最悪なことに、この無人の車両には、看護婦を撃退できるだけの素材は全く見当たらなかった。
やはりあれを投げるべきではなかったか?じりじりと後悔の念がせり上がってくる。
562◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 18:58:45 ID:+1hf7npw
しかし、ふと、先ほどから銃声が聞こえてこないことに気が付いた。
頭をなるべく出さないように気をつけながらドアの向こうを見てみると、思考回路を持たないロボットのように、ドアの前で立ち往生している看護婦の姿が見えた。
真冬が身体を強張らせていると、看護婦はスイッチが切り替わったように突然踵を返し、よろよろと車両の奥へ戻ってしまった。
どうやら、あの異形の看護婦にはさして高い知能が備わっていないらしい。
真冬はようやく危機が去ったことを実感し、浅く呼吸を繰り返して安堵と不安を吐き出しながら、床の上にすっかり脱力した腰を落とした。



少し落ち着いてから、真冬は改めて周囲を見渡した。
車両は閑散としており、窓から見える空も真っ暗で、まるで終電のようである。だが、真冬の見慣れた日本の電車とは明らかに様子が違った。
吊り下げられた邪魔な広告が見当たらないし、立っている乗客を支えるのは、日本ではポピュラーな吊り革ではなく、先ほど真冬が手にしていた湾曲したパーツ――壁に取り付けられた持ち手である。
一体何がどうしてどうなって、こんなどこかの外国のような車両で目が覚めたのだろうか。
真冬は眠る前の記憶を思い起こしてみるが、思い浮かぶのはたった一人の肉親である妹、深紅のあどけない顔と、慣れ親しんだ自宅、そしてごくごく当たり前な車両の風景のみで、やはり答えは見つかりそうになかった。

とりあえず立ち上がろうと腰を浮かすと、脇腹がずきりと痛み、咄嗟に座席に手を突いてよろめく体を何とか支える。
気が付けば真冬の白い上着には真っ赤な染みが広がっており、その下に着込んでいる黒いシャツを捲り上げて脇腹を確認すると、横一直線に皮膚がざっくりと抉れていた。
4センチほどの裂け目からは、目も眩むような赤い鮮血が溢れ出している。
真冬は現実から逃げるようにぱっとシャツを戻した。
ほんの少し掠れただけなのに、熊に引っかかれたかのような威力。もし命中していたらと思うとぞっとする。
銃という文明の利器の破壊力を身をもって体感し、背中に嫌な汗が流れた。
563◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:00:33 ID:+1hf7npw
車両の座席を一つ一つ確認しながら進んでいくと、まるで負傷した真冬のためにあつらえたかのように、座席の上に救急箱が置かれていた。
無人の電車に、ぽつんと放置されている救急箱――あまりに不自然だ。使っても大丈夫なのだろうか?
恐る恐る中身を確認する。
包帯、ガーゼ、消毒液、鋏、ピンセット、シート状の綿…至って普通の医療品が入っている。まだ真新しく、使っても問題なさそうだ。
小ビンに入ったアスピリンもあるが、流石に飲む勇気はなかった。
一体誰が?何故こんなものを?
得体の知れない存在によってばら撒かれたチーズに、何も知らずホイホイ吸い寄せられるネズミのような気分だ。
この餌の向こうに待っているのは、果たしてネズミ捕りか、それとも――

とりあえず傷の手当てをした後、真冬は車掌に会うべく先頭車両を目指した。
誰かいないかという期待は、扉を潜るたびにことごとく空振りする。車内は人っ子一人おらず、異界の住人にすら遭遇しない。
こんな夢、早く冷めてしまいたい。
閑散とした電車の中を、真冬は孤独感と戦いながら進み続けた。

次の車両の扉に手をかける。そしてノブを捻ろうとして、真冬の体が硬直した。
次の車両に――いる。異形の気配をはっきり感じる。
窓から次の車両の中を確認してみると、先ほど遭遇した異形の看護婦と全く同じ、頭を腫れ上がらせた看護婦が、車両のど真ん中で棒立ちになっている後ろ姿が確認できた。
しかし、この看護婦の場合、得物は拳銃ではなく、バールのようなものであった。

これは不幸中の幸いだ。拳銃を相手にするよりは、いくらか勝てる見込みがある。
向こうはこちらに気が付いていない。この隙を突けば勝機が掴めるが、どうする?失敗は許されない。自分にできるか?
自問自答を繰り返し、真冬は静かに決断を下した。
――やるしか…ない。
564◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:01:45 ID:+1hf7npw
なるべく音を立てないよう、静かにドアノブを捻り、慎重にゆっくりと扉をスライドさせ、身体を車両の連結部に滑り込ませる。
次の車両にいる看護婦に、どこもおかしな動きはない。気づかれていないようだ。
そして、次の車両のドアノブに手をかけ、今まで以上に慎重にノブを捻る。
まず指一本分開く。気づかれない。
さらに開き、手が通るくらい開く。まだ大丈夫だ。
もう一息。ついに肩までが通るくらいまで開いた。
…いける!

次の一押しで、真冬は勢いよく車両の中に飛び込んだ。そのまま反応しかけている看護婦の背中めがけ、渾身の当て身を食らわせる。
吹っ飛ばされた看護婦はもんどりうって床に倒れこんだ。
体勢が崩れたのを狙って、真冬は看護婦の上半身に跨り、そいつが持っていた得物――バールと思っていたが、実際は鉄パイプだった――を奪い取った。

服に掴みかかろうとする看護婦の手に構わず、真冬は目をぎゅっと閉じて鉄パイプを振り下ろした。
鉄パイプから伝わる、柔らかい肉と、その下の硬い骨を叩く感触のあまりの生々しさに、頭の中が真っ暗になりかける。
頼む、早く動かなくなってくれ…!
ひたすら強く願いながら、真冬は無我夢中で鉄パイプを振るい、看護婦が完全に動かなくなるまで、力の限り打ちのめし続けた。

ようやく看護婦を叩きのめすと、真冬はもはやただの肉塊と成り果てたそれの横に腰を落とし、肩で息をしながら、闇に引き篭もろうとする意識と必死に格闘した。
元より真冬は誰かを攻撃することは苦手だ。まして異形とはいえ、血肉を持つ生身の生き物が相手なら尚更である。
こうして血の通った生き物に力を振るうなど、今までなら考えられない行為だった。
たとえ相手に、こちらを殺そうとする意思があったとしてもだ。

とにかく、このままじっとしているわけもいかない。
真冬は血まみれの鉄パイプを支えに、震える足腰を無理矢理動かしてゆっくりと立ち上がった。
黒い窓に映り込む自分の顔は、まるで亡者の仲間入りをしてしまったかのように、すっかり血の気が引いて憔悴しきっていた。返り血も少し付いている。
こんな格好、深紅にはとても見せられない。あまりの気まずさに、黒いシャツの裾で顔の返り血を拭う。
565◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:03:58 ID:+1hf7npw
さて、ようやく先頭まで辿り着いた。早く車掌に会って、この電車が見舞われている異常事態を話さねばなるまい。
そこまで考えながら操縦席の扉のノブを握り、ふと、真冬はある違和感に気が付いた。
これだけ大騒ぎしたのに、一向に車掌が出てくる気配がない。
それどころか、車掌がいるはずの扉の向こうに――人の気配が、ない。
まさか、いや、そんなはずは。
勇気を振り絞り、真冬は扉のノブを捻った。鉄の重い摩擦音を響かせながら、操縦席の扉がゆっくり口を開く。
突然、凄まじい突風が顔面を直撃した。何が起こったのか解らず、真冬は反射的に手で顔を覆う。

「…一体…どうなってるんだ…!?」

目の前に広がる光景に、真冬は瞬きすら忘れて呆然と呟いた。
扉の向こうには何もなかった。
ただ一本のレールのみが、真冬の未来を突きつけるかのように、暗闇の彼方に向かって真っ直ぐ伸びているだけであった。



*********
鬼特集その8〜闇人〜
零式・甲式・乙式の三種類いる、冥府からのお客さんだよ。
とっても賢い人たちなので、騙されないように気をつけてね!
彼らにとって光は大敵。その敏感な肌を守るため、常に厚着をしている苦労人だ。
可哀相なので、良い子のみんなはライトの光を当てないように。カメラのフラッシュも厳禁だ。ロビー君との約束だよ!

今回取り上げた鬼は、まだまだほんの一握り!
これからもドンドン追加しちゃうから、参加者のみんなは楽しみに待っててね!
*********
566◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:06:16 ID:+1hf7npw
あれから時間を持て余し、しかたなく車内で拾った薄気味の悪い雑誌に目を通し終えた直後のこと。
車輪がレールと擦れあう金きり音が鳴り響き、真冬はぱっと顔を上げて外を見た。
窓の外には相変わらず厚い闇のカーテンしか見えないが、体が後ろから圧される感覚からして、どうやらこの電車はようやく停止するらしい。
圧迫感がなくなったのに合わせ、車両の出入り口が一斉に口を開く。
それと同時に、外からむわっと車内に雪崩れ込んできたむせ返るような瘴気に、真冬はたまらず顔を顰めた。
酷い空気だ。この車両内のなんとも言えない圧迫感も不快だったが、外の空気はそれ以上だ。吐き気すら感じる。

駅に到着しさえすればなんとかなるかと思っていたが、とんだ思い違いだった。
ここはもはや、真冬の知っている日本ではない。この駅を出たとしても、電車に戻ったとしても、氷室邸に辿り着くことも、家に戻ることも決してできないだろうと確信できた。
あの異形の看護婦がたむろする電車で目覚めた時点で、既に真冬は、虫かごに放り込まれた哀れな虫けらに過ぎなかったのだ。

とりあえず出入り口の前に立ち、ショルダーバッグの中から懐中電灯を取り出して足元を照らす。
想像していたコンクリートの足場はなかった。代わりに、赤茶けた鉄で構成された金網の床が広がっていた。
ライトの光をあちこちに移してみても、真冬が期待していたまっとうな駅の風景はどこにもない。
あるのは錆びついた金網の仕切りと、ところどころで蠢く異形の影、そして――

それが目に入った瞬間、真冬は心臓を握り潰されるような感覚を味わった。
博物館に展示された本物の人体標本のように、それは骨や内臓の断面図を曝け出している。
恐らく白人だろうか。金髪の“彼”は、頭の天辺から下半身にかけてをスイカのごとく左右真っ二つにかち割られ、飛び散った血と肉片の上に横たわっていた。
なんてことだ…!
一体どうすればこんな人間離れした真似ができるのだろう。人間を、それも大の大人を、頭から真っ二つにするなど!
567◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:07:04 ID:+1hf7npw
喉から酸っぱい臭いがこみ上げる。思わず口元を手で覆い、今まさに逆流せんとする消化液を必死で押さえ込む。
こんな所からは一刻も早く離れたい。いや、なんとしても離れなければならない。
手足が震えて言うことを聞かないが、それでも動かねばならない。
左右別々に分かたれた虚ろな目から顔を逸らしつつ、とにかくなんでもいいから出口を探そうとした、その時だった。

『かわいそうに…』

誰かを哀れむ男性の小さな囁きが、真冬の背中に降ってきた。…真っ二つになった、白人男性の方からだ。
そのあまりに悲哀に満ちた響きは、頭の中を支配していた吐き気をもよおすほどの恐怖を僅かに薄れさせた。
普段なら、滅多なことでは自分から異界の者にコンタクトは取ることないのだが、この状況に陥って始めて遭遇した“心ある存在”を、どうしても無視できなかった。

意を決して振り返る。予想通り、あの真っ二つにされた亡骸の主がぼんやりとした輪郭で佇んでいた。
顔を鮮血に染めてはいるものの、さすがに真っ二つのままではなく、それが真冬にとって救いであった。

「…僕の言葉、解りますか?」

真冬の問いかけに、彼は「ああ」と小さく頷いた。
日本語で話しかけておいてなんだが、外国人と普通に意思疎通できるのが不思議だった。

「貴方は、どうしてここに?」
『…メアリー…妻に会いに来たんだ…』

彼――ジェイムズ=サンダーランドは、おぼろな声で、ぽつりぽつりと自らの半生を語り始めた。
不明瞭な声から紡がれる記憶の一つ一つをなんとか繋ぎ合わせてみるに、どうやら彼は、死んだ妻から手紙を受け取ったと思い込み、彼女との思い出が詰まったこの街へ再びやって来たらしい。
そして妻と過した懐かしいあの場所で、この手で殺したはずの彼女――もしかすると、それすらも彼の妄想の産物かもしれないが――と再会したことで、それまで忘れていた、否、逃げていた現実を思い出し、全ての贖罪のために湖へ己の身を沈めた。
568◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:08:42 ID:+1hf7npw
――ところが、どうも彼は死にきれなかったらしく、気が付くと湖の岸辺に横たわっていたという。

『これは私の妄想の続きなのか…それとも、これこそが私の煉獄なのか…』
「…それで、なぜこんな姿に?」

真冬の問いかけに対し、ジェイムズは己の無残な体を見下ろしながら、何かを悟ったかのような、諦めたような、絶望したような、そんな酷く穏やかな声音で呟いた。

『私は罰を受けたんだ』
「…罰?」
『そう…妻をこの手にかけ、その上彼女の意思を…裏切ってしまった罰だ。…君は、どんな罪を犯したんだ?』
「僕は…」

――何もしていない。そう声に出す寸前で、真冬は喉まで出かかった言葉を飲み込んだ。

「…分かりません。ここに来てから解らないことだらけです。もしかしたら、本当は知らないうちに誰かを傷つけたり、犠牲にしたりしているかもしれない…」
『そうか…』

気のせいかもしれないが、彼のぼやけた表情が、少し哀しげに揺らいだように見えた。

真冬が会話を続けようと口を開きかけた直後、駅の構内に設置されているスピーカーが、突如として耳障りなノイズを発し始めた。
ここには自分しかいないと思い込んでいたが、どうやら他にも誰かがいるらしい。
ノイズは次第に鮮明になっていき、この血と錆で彩られた世界観にはおよそ不釣合いな、賑やかな歓声が聞こえてくる。
酷くシュールな歓声が収まると、ラジオのDJよろしく陽気な男性の声が、ご機嫌な挨拶口上を述べてから、クイズに参加する幸福で不幸な挑戦者と称して、3名の名前を読み上げた。
その中には、今こうして会話を交わしているジェイムズの名も含まれていた。…つまり、死亡者リストというわけだ。
クイズ形式を取ってはいるが、その問題と選択肢はまるで、たった今ここに辿り着いたばかりの真冬に向け、この街におけるルールを解説しているかのようであった。

たった一人になるまで、殺し合いをする――そんな日常からかけ離れた、たった一つのおぞましいルールが、この街――サイレントヒルを支配している。
信じ難い。が、今まで次々と経験した怪異の数々が、そしてジェイムズの目を覆うような骸が、そのルールを否応にも信じざるを得なくするのだった。

挑戦者として名を呼ばれたジェイムズは、果たしてどうするのか?真冬は彼の反応を待った。
569◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:09:56 ID:+1hf7npw
『いいか…君は絶対に、この世界の馬鹿げた掟に…囚われてはいけない…』

彼にとっては、もはや褒賞などどうでもいいことなのだろう。ジェイムズは放送を全て無視し、真冬に向かって諭すように語りかけた。
――私のようには、決してなるな。
最後の言葉には、そんな願いが込められているような気がした。

ご機嫌なDJの爽やかな挨拶と共に放送が終わると、ジェイムズは輪郭の虚ろな瞳で真冬を見つめながら、暗闇の中へ溶け込むように消えていった。
真冬は、今度こそ独りになった。

「…ありがとう、ございました」

ここで心を折るわけにはいかない。目を背けるわけにはいかない。
なぜこんな異常な事態に巻き込まれているのかは解らないが、きっと何か重要な意味があるに違いない。
それを確かめるまでは、決して逃げてはいけない。
そして何より、今ここで挫けてしまっては、たった一人で自分を待っている深紅のもとに、二度と帰れなくなる――そんな気がするのだ。

暗闇にたった一人残された真冬は、ジェイムズの亡骸にそっと別れを告げる。
彼の言葉を胸の奥に秘め、闇を切り裂くたった一つの懐中電灯と、血に濡れた鉄パイプを強く握り締めながら、吐き気をもよおす瘴気の漂う血と錆の世界に、力強く一歩を踏み出した。
頭の片隅で、この先に待ち受けている、ジェイムズがあの壮絶な最期を迎えるまでに味わったであろう救いのない悪夢を予感しながら。

【D-5駅構内夜】
【雛咲真冬@零〜ZERO〜】
[状態]脇腹に軽度の銃創(処置済み)、未知の世界への恐れと脱出への強い決意
[装備]鉄パイプ@サイレントヒルシリーズ
[道具]メモ帳、射影機@零〜ZERO〜、クリーチャー詳細付き雑誌@オリジナル、ショルダーバッグ(中身不明)
[思考・状況]
基本行動方針:サイレントヒルから脱出する
0:ジェイムズさん…
1:この世界は一体?
2:とにかく駅から出る
3:街で生きている人を探す
570◇dQYI2hux3o 代理:2010/08/07(土) 19:11:50 ID:+1hf7npw
代理投下終了です

ここでジェイムスとは予想外。いい雰囲気(?)になっててよかったと思いますよ
571田中 :2010/08/10(火) 19:37:54 ID:DTCJmViK
代理投下します
572暗闇通り探検隊 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/08/10(火) 19:39:19 ID:DTCJmViK
【 太田ともえ 】 サイレントヒル 民家 17時59分55秒


【 太田ともえ 】 サイレントヒル 民家 17時59分56秒


【 太田ともえ 】 サイレントヒル 民家 17時59分57秒


【 太田ともえ 】 サイレントヒル 民家 17時59分58秒


【 太田ともえ 】 サイレントヒル 民家 17時59分59秒


【 太田ともえ 】 サイレントヒル 民家 18時00分00秒



「何……?」
 渇いた喉を潤そうと、蛇口に手をかけた太田ともえは、奇妙な轟音にいぶかしむ。
まるでサイレンのようなそれは、猛獣の咆哮にも思えた。いったい何の合図だろう。
もちろん自分にはまったく覚えがない。


「トモエ、今のは?」
 それは同行者であるジル・バレンタインも同じだったらしく、不思議そうな表情で、
壁に開いた大穴からこちらに疑問を投げかける。
「わからない。そっちはど」
 それより先の言葉は、口から出てこなかった。瞬きをしている間に、周囲の景色が激変したからだ。
黒、錆、血……。日常から乖離した、荒廃的な色彩。そこから溢れる不穏な雰囲気に、ともえはしばし言葉を失う。
ジルもそのようで、周囲を緩慢な動作で見回している。
573暗闇通り探検隊 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/08/10(火) 19:40:19 ID:DTCJmViK
「……おかしいわね。ドラッグとは縁がないはずなんだけど」
 先に立ち直ったジルが複雑な顔で肩を竦める。
「あなたも見える? “これ”」
 ともえは黙って頷く。それに安心したらしく、小さな笑みを浮かべたジルは、今度は台所で流れる水を指差す。
「それじゃ、あれも見える?」
「え? あっ」
 自身の持つコップに何が溜まっているのか気付き、和服の女性は反射的に手を開く。
透明な器がシンクの上を跳ねる。蛇口と同様に、そこから赤い水が流れ出す。


「オーケー。私達が見ているのは幻覚じゃない、現実。そういうことなんでしょう」
 ため息混じりにジルは言い、額に手をやる。ともえはとりあえず蛇口を捻り、流血のような水流を止めた。
なぜこうなったのか。そんなこと、考えても切りがない。だったら、その現象を疑問にせず、そのまま受け止めた方が無難だ。
第一、次から次へと疑問を抱えては、いずれ処理しきれず頭がパンクしてしまうだろう。
 この場合、部屋の内装が悪趣味になり、水道水が飲めなくなった。
 それだけの話だ。
574暗闇通り探検隊 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/08/10(火) 19:42:26 ID:DTCJmViK
 もっとも、一人でいてはそんな風に考えることはできず、パニックに陥っていただろう。
認識を共有する人間、それが安堵と冷静を与えてくれるのだ。
“余所者”という疎外感が完全に払拭できたわけではないが、少なくとも今の自分が孤独だとは思っていない。

 
「オイオイオイ! やべぇよ! ついに幻覚まで見えちまった!」
 喚声と共に扉から入ってきたケビン・ライマンに二人は驚きもせず、黙々と民家の探索を再開する。
「あれ……?」
「ケビン、庭の方はどうだった?」
 あまりの無関心に呆然としている警官に、元・同僚が声をかける。
西を目指して進んだものの、一向に人に会うこともなければ、“それ以外”に遭遇することもなかった。
これを幸運か不幸か判断するかは別にして、その後三人は辿り着いた民家を中心に声の主を捜すことにした。
生存者が家屋に避難している可能性、自分達の休憩や物色の対象……。理由はそんなところだ。

「あ、ああ。血痕はあったが、誰もいねえ。あるのはボロい傘と、お釈迦になった犬小屋くらいだ」
「そう。無駄足だったわね」
 ともえはそばの壁、そこに出来た空間を見遣る。いくら老朽化しているとはいえ、民家の壁を突き破るとは、いったいどんな化け物なのだろう。
わずかに感じる悪寒に身震いする。
「それで、そっちの収穫は?」
「上々とは言えないけど、マシな方よ」
 ジルが民家に残されていた物品をケビンに見せると、彼は歓声を上げた。
「ヒュー! サムライブレードじゃねえか、こいつはゴキゲンだぜ」
 弾薬や薬品そっちのけで、アメリカの警官はその長物に興味津々である。
「あれって、そんなに人気なの?」
 ともえが声を潜めてジルに問うと、彼女は冷めた笑みを浮かべる。
「そうね。工芸品としては結構な人気よ」
 たしかにその日本刀は、ともえの見地からも相当な業物だと判断できた。
しかし、武器としての優位性・利便性はどう考えても銃の方が上だ。
同郷の人間が兵器としてでなく、美術品として愛でるのならまだしも、
異国の人間がどうしてここまで喜ぶのか、ともえにはよくわからなかった。
575暗闇通り探検隊 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/08/10(火) 19:44:22 ID:DTCJmViK
「おそらく私達がいるのはここ」
 ジルの指が地図の上、B-1の辺りを叩く。そこにはたしかに今いる民家と、もう残骸でしかない犬小屋が記されていた。
「ここからさらに西に行けば、『駅』か、あるいは地図の外へ向かうことになる。
このまま捜索を続けるか、事態の究明のために動くかで行き先が変わってくるわね」
「駅、か」
 抜刀して刀身を眺めていたケビンが、感慨深そうに呟く。
ジルはそれを聞き逃す気はないらしく、すぐに視線を地図からそちらへ滑らせる。
「何か心当たりでも?」
「いや。知り合いがそこで働いていてね。もっとも、ここはラクーンシティじゃねえから、関係はないんだが。ただな……」
「あなたの知り合いもここに来ていたら、関係性があると考えてそこへ向かうかもしれない。そういうことかしら」
 口ごもる彼の言葉を引き継いだジルに、ケビンは微妙な顔つきで頷く。 
 二人の会話を聞いていたともえは、表面は泰然を装いつつも、内心では好奇心が主張を始めていた。
駅とは、あの『電車』とかいう乗り物が停まる、あの『駅』のことだろうか。自分の環境でいうところの、港のようなもの。
しかし駅とは陸地にあるという。電車というものは、船や車より速いらしい。
 どんなものなのだろうか。
 駅とは、電車とは。
 見てみたい。

「そこへ行ってみない?」 
 若干声が上ずり、冷や汗と羞恥を感じつつも、ともえは平静な風で二人に提案する。
「そうね。警察署に寄ることを考えたら、その方が都合がいいわ」
 まずジルが賛成し、指先をC-3の『駅』に滑らせる。「切符は必要なのかしら」
「ま、反対する理由はねえし、それでいこうや」
 刃を鞘に納め、ケビンもそれに同意する。
 ともえは胸中でガッツポーズをしつつ、二人と共に民家を出た。
576暗闇通り探検隊 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/08/10(火) 19:47:08 ID:DTCJmViK
【B-1/民家の前/1日目夜】

【ケビン・ライマン@バイオハザードアウトブレイク】
 [状態]:身体的疲労(小) 、T-ウィルス感染中
 [装備]:ケビン専用45オート(装弾数5/7)@バイオハザードシリーズ、日本刀
 [道具]:法執行官証票 
 [思考・状況]
 基本行動方針:救難者は助けながら、脱出。T-ウィルスに感染したままなら、最後ぐらい恰好つける。
 1:駅へ向かう
 2:警察署で街の情報を集める
 *T-ウィルス感染者です。時間経過、もしくは死亡後にゾンビ化する可能性があります。

【ジル・バレンタイン@バイオハザード アンブレラ・クロニクルズ】
 [状態]:健康
 [装備]:M92Fカスタム“サムライエッジ2”(装弾数12/15)@バイオハザードシリーズ
 [道具]:キーピック、M92(装弾数15/15)、ナイフ、地図、ハンドガンの弾×2、携帯用救急キット、栄養ドリンク
 [思考・状況]
 基本行動方針:救難者は助けながら、脱出。
 1:駅へ向かう
 2:警察署で街の情報を集める
 ※ケビンがT-ウィルスに感染していることを知っています。

【太田ともえ@SIREN2】
 [状態]:身体的・精神的疲労(小)
 [装備]:髪飾り@SIRENシリーズ
 [道具]:なし 
 [思考・状況]
 基本行動方針:夜見島に帰る。
 1:ケビンたちに同行し、状況を調べる
 2:事態が穢れによるものであるならば、総領の娘としての使命を全うする
 *闇人の存在に対して、何かしら察知することができるかもしれません。
577暗闇通り探検隊 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/08/10(火) 19:48:48 ID:DTCJmViK
【アイテム情報】
日本刀@サイレントヒル
威力は全武器の中で最大だが、ヒットする場所によって威力が違うので、背の高い相手以外には長所が活かしにくい。

代理投下終わりです
日本刀ネタは知ってる人にはにやりとさせられますねw
ともえはなんか可愛いなw こんな時だけどなんかいいわw
578田中 :2010/08/15(日) 17:51:08 ID:wZJv1a++
代理投下します
579輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 17:52:31 ID:wZJv1a++
死の舞踏会で自分好みのダンスパートナーに巡り会えた事は幸運以外の何物でもない、筈だった。
先端から取っ手まで入れれば、己の身長程もありそうな巨大な鋏を軽々と操る金髪の少年。
目からは狂気が溢れ出し、それでいながら理性をも感じさせる。あの日野からだってここまでの狂気は感じられない。
殺人クラブで数々の人間を殺してきた岩下明美も、流石にこれほどの獲物は味わった事がない。
極上の獲物を前に、彼女の胸はまるで恋心を抱いているかのようにときめいていた。

(恋のときめき……うふふ。それも悪くないわね。けど、この年の差は犯罪かしら?)

サイレンが、鳴り響く。共鳴するかのように建物が揺れた。
どこか悲しげな遠吠えにも聞こえるそれは、風情などは欠片も無いものの、上演開始のBGMとしては妙に相応しく思えた。
全てのお膳立ては整えられた。後は、心行くまでダンスを楽しむだけ…………だったのだが。

明美が一歩踏み出そうとした正にその瞬間、舞台は開幕を待たずして暗転を始める。

(な、何なの?!)

明美も、少年も、状況が掴めず周囲に視線を巡らせるが、
彼女達の動揺などお構い無しに、闇は急速に広がり、世界を包み込んでしまった。
唐突に訪れ、そして一向に去ろうとしない暗闇、そして静寂。
目の前に手をかざしても何も見えない。数センチ先の手の動きが把握出来ない。完全なる闇だった。
いや、それは単に目が慣れていないだけの事なのかもしれない。
だが何にしてもこんな状況ではダンスに興じる事など到底不可能だ。

(ちょっと、どういうこと?!)

明美は心の中で怒鳴りかける。
わざわざルーベライズに願ったというのに、これでは折角のダンスが台無しだ。
それともこれがルーベライズより降りかかった不幸だというのか。
理性のある人間に出会えた代償が、ダンスのおあずけを喰らう事か。
そんな事で願いが叶ったと言えるのか――――見当違いの怒りがぐるぐると巡っていた。

それどころではない事には、間も無く気付かされるのだが。
580輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 17:54:48 ID:wZJv1a++


「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ」






廊下に木霊したのは、声変わりもしていない子供特有の甲高いテノール。
あの狂気を孕んだ目で笑う少年の顔が見えるかのようだった。
明美は咄嗟に拳銃を前方に向けるが、笑い声は廊下全体に反響し、位置が掴めない。
銃身は揺れていた。明美が感じているプレッシャーを表しているかのように。
額から汗が流れ落ち、目に入る。慌てて拭うも、今は目が霞んでいるのかどうかも分からない。

「お姉ちゃん。見えないの?」

唐突に問い掛けてきた笑い声。明美は返答に窮した。
「見えないの?」とは――――この暗闇の中でも少年には見えているとでもいうのか。
明美が何らかの答えを出すよりも早く、ズズッと金属が擦り合う音が耳に届き、


ジャギン!


続け様に、あの巨大鋏特有の音が響いた。
廊下の左端だった。鋏から火花が飛び、少年の顔がほんの1コマ、暗闇に浮かび上がった。
目が反射的に少年の姿を追いかけたが、既にその場は暗闇が支配していた。少年の姿は見えない。
背筋にも嫌な汗が広がりYシャツを濡らし出す。
思わずジリっと一歩後退りをした明美に、再び笑い声が問い掛けてきた。
581輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 17:56:48 ID:wZJv1a++

「見えないんだよねえ? おねえちゃん?」



ジャギン! ジャギン! ジャギン!



今度は右端からだった。
鋏を打ち付ける度に火花で浮かび上がる少年の視線は、
彼から見れば闇に溶け込んでいる筈の明美の目を確かに捉えていた。

(こいつ……?!)

明美は確信する。この少年は見えている、と。そして逆に、明美は見えていない事を確信された。
つまりは、ダンスに興じる事が出来ないのは明美一人で、相手は何ら支障を来さず踊り明かせるのだ。明美の息の根が止まるまで。
ルーベライズの不幸とは「おあずけ」などではなかった。この「暗闇」だ。――――思わずそう考えた。
582輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 17:57:42 ID:wZJv1a++
(……ま、まずいわ)

Yシャツはべったりと背中に張り付いていた。
心地よかった緊張感は、内臓を握り潰すかのような圧迫感へと変わっていた。
彼女本来の美貌は、焦燥の余り醜く歪み見る影も無くなっていた。
その表情がお気に召したのか、少年はまたヒャッヒャッヒャッと笑い出す。






「ヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ」






笑い声は次第に大きくなってきていた。
近付いてきているのだ。
ゆっくりと。ゆっくりと。笑い声で足音を隠しながら確実に近付いてきている。
先程までの様に鋏を打ち付けないのは、火花で居場所を悟られない為だろうか。
確かに自分は拳銃を持っているのだから、それは正しい判断かもしれない。
理性のあるパートナー。自分自身の望んだ事だったが、今はその理性に恐怖を覚えていた。

いつの間にか喉が渇ききっていた。唾液すら枯渇したかのように、口の中はカラカラだ。
583輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 17:59:03 ID:wZJv1a++
身体能力だけを見れば、所詮明美はただの高校生。視覚を奪われては戦う術がない。
今手に持っているのは拳銃とメスだが、見えない相手に拳銃を撃っても当たるとも思えない。
メスをやたらめったら振り回しても、あの巨大な鋏はメスの届かない間合いから悠々とこちらを切り裂く事が出来るだろう。
では逃げるか。それも難しい。暗闇の中で鬼ごっこ。逃げ切れる訳がない。
逃げる側が目隠しをしている目隠し鬼など勝負は決まっている。
明美は頭をフル回転させ様々な策を考えた。
だが、これまで人を死に追いやってきた幾つもの経験を走馬灯のように思い出しても、
どれもこれもこの状況では使えないものばかりだった。


トンッ


明美の左肩に軽く何かが触れる。ビクりとしてつい振り返り、そこに左腕を擦り付けてしまった。
摩擦により走る痛み。しかしその感触で触れた物が壁だと分かった。
後退りを繰り返し、いつの間にか左の壁際まで寄っていたらしい。
584輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:00:15 ID:wZJv1a++
(壁…………壁? ……廊下! そうだわ!)

一筋の閃き。
壁の感触を頼りに廊下の造りをイメージすると、明美は右手に持っていた拳銃を前に向けた。
直ぐ様廊下の左側、中央、右側に向かいパン、パン、パンと銃弾を撃ち込んだ。当たればラッキー程度の威嚇射撃だ。
同時に身体を翻し、右手で壁に触れ、壁伝いに走り出した。

要は明かりだ。明かりを確保すれば良いのだ。
この先には自分が降りてきたエレベーターがある。
そのエレベーターには、先程僅かだが確かに明かりが点灯していた。
壁伝いならば見えない廊下でも正確にエレベーターまで辿り着ける。
エレベーターを開けば、そしてその明かりで少年の姿を照らし出せば、自分もまだダンスを踊る事が出来る。

背後から笑い声も足音も聞こえてこなかった。威嚇射撃がたまたま当たったのだろうか。
いや、今はそれを考えるよりもエレベーターが優先だ。
その確認は明かりを確保してからで良い。

右手の触れる感触が変わった。おそらくは扉だ。確かに廊下のこちら側には幾つかの扉があった。
明美は足を止め、逡巡する。もしもここが部屋なら電灯のスイッチは扉のすぐ側にある筈。
しかし、病院の扉は部屋に繋がっているとは限らない。開けた先がまた廊下である場合も多々ある。
また、部屋であっても電灯が点くとは限らない。ここは確実に点いていた明かりを求めるべきだ。
585輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:01:36 ID:wZJv1a++
足音が聞こえた訳ではないが、立ち止まっていた分だけ距離を詰められた気がする。
そんな疑心暗鬼に駆られ、明美はもう一度銃を撃ち、走り出した。
一瞬、七不思議の無限に続く廊下が脳裏を過ぎったが、そんな恐怖心を無視し、明美はひたすらに走った。
右手が宙を押した。壁の終わり。つまり、曲がり角。ここを曲がればエレベーターだ。
バランスを崩しながらも右を振り向くと、エレベーターの階数表示のランプが目に飛び込んでくる。
距離感が全く掴めないが、ランプは1を示している。最後に使用したのは自分なのだからそれは当然の事。
明美は両手を前に突き出しながら階数表示の下を目掛けて走り込んだ。
バンッと大きな音を立てて両手が金属の壁にぶつかる。間違いなくこれはエレベーターの扉だ。
笑い声も足音もまだ聞こえない。今の内にスイッチを押さなくては。必ず近くにあるのだ。必ず。必ず――――

「あった!」

明らかに周りとは違う感触の突起物が手に触れると同時に、明美はそれを連打した。
扉はゆっくりと開き、中から薄く漏れた明かりが明美を照らす。笑い声も足音もまだ聞こえない。

「やった…………え?!」

開こうとする扉を尻目に振り返ろうとして、視界に何かが入った気がした。
エレベーターの中に何かが居た気がしたのだ。
気のせいかとも思えたが、どうしても気になり明美は扉に向き直した。

そしてそれは気のせいではなかった。
確かにエレベーターは1階に止まっていた筈。だから誰かが乗り込んでいる隙なんて無かった筈。
しかし、エレベーターの中には顔の膨らんだナースが2体、手前と奥に乗っているではないか。
のっぺらぼうのナース達は、それでも見えているかのような振る舞いで明美に顔を向け、機械的に鉄パイプを振り上げた。
586輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:02:36 ID:wZJv1a++
「今更……! あんた達に用なんて無いのっ!」

明美はエレベーターに乗り込みつつ、鉄パイプを掻い潜った。
手前のナースの脇を走り抜け、首筋に正確な斬撃を浴びせる。
奥のナースに鉄パイプを振り被る暇も与えず、顔面に銃撃を浴びせる。2体の命はあっさりと絶たれた。

直後「強烈な悪寒」という形で背後に何者かの気配を感じた。
振り返った明美が見たのは、無遠慮に迫る閉じたままの巨大な鋏。
反応する事も出来ず、身体は貫かれた。

「あっ……ふ…………」

こみ上げる血を、そのまま吐き出した。
激痛は数秒の事。それを越えると痛みがあるのかどうかも分からなくなった。
ただ、嘔吐感だけはこれまで経験した事がない程に激しかった。
体内に入り込んだ異物を追い出そうと、内臓が最後の力を振り絞っているのだろうか。
四肢が脱力する。口からも腹からも止め処なく血が流れ出る。出血に伴い、どんどん体温が下がっていく。
前に倒れ込む身体を支える事も出来ない。いや、支える必要も無かった。
明美は既に、鋏で支えられているのだから。

自分を貫きながら笑っている――――もう笑い声すら明美の耳には届かないが――――少年と目が合った。
そして、明美もまた、微かに微笑んだ。

(…………まだ、よ…………!)

最早指先1つ動かせない状態にも関わらず、明美はまだ諦めていなかった。
そう、まだ切り札がある。
彼女が持つルーべライトのパワーストーン。
願うだけで何でも望みが叶うこの石さえあれば、どんな状況に陥ろうとも巻き返せるのだ。
ある意味無敵のこの石をダンスパートナーに使用するのは野暮だとは明美も思うのだが、
ここまで追い詰められては四の五の言ってはいられない。
薄れ行く意識を勝利への執念で呼び戻し、明美は願った。
587輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:04:36 ID:wZJv1a++
(こいつを殺して! 鋏も邪魔! それから私を治すのよ!)

般若の形相を作り、生への渇望を込めて、明美は願った。



しかし――――ルーベライズは輝かない。明美の望む輝きを見せてはくれなかった。


(…………え? 待って…………待っ、て……?)

意識は再び薄れ行く。次は呼び戻せない。不思議とその実感があった。
明美はもう一度、いや、何度も願った。首にかかったルーベライズに向けて、必死で願った。
冷静な思考など出来はしない。それでもとにかく、殺して! 殺してよ! こいつを殺しなさい! それだけを願い続けた。


キラリ


(……あ!)

今、確かに胸元が輝いた。
願いが、届いた。これで願いが叶うのだ。
588輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:05:39 ID:wZJv1a++


キラリ


(……あ、れ? ……え?)

しかし、明美の希望は次の瞬間、絶望の底に叩き落とされた。
輝いたのはルーベライズではない。その下。自分の腹から突き出ている鋏だった。
今、少年が鋏を動かした為、それが僅かな明かりを反射して輝いただけの事だったのだ。


ギンッ


駄目押しを与えるかのように輝く鋏。
少年はキャキャキャキャと笑いながら、取っ手を勢いよく左右に開いた。
鋏の突き刺さっている傷口がミチミチミチとグロテスクな音を立てる。
明美の身体は何の抵抗も出来ずに押し広げられ、真っ二つに切断――――いや、千切り飛ばされた。
潰れた臓物と砕けた骨を撒き散らしながら、明美はエレベーター内に転がり、崩れ落ちた。

(な、ん……で…………?)

身体を半分にされても、明美の意識はまだ微かにだが残されていた。
彼女が最期に考えた事。それは、ルーベライズへの願い事ではない。
ルーベライズが願いを叶えてくれなかった理由だった。
願いさえ叶っていれば、こんな結末にはならなかった筈。
何故願いは成就されなかったのか。何故。何故。何故――――
589輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:07:08 ID:wZJv1a++
(な…………ん………………)

自らの血溜まりに、意識は沈んでいく。もがく事も、もう出来ない。
明美は、答えに辿り着く前に事切れた。
おそらく明美には、願いが叶わなかった理由はどれだけ考えても分からない。
ルーベライズには明美も知らない、しかし、考えてみれば当然とも言えるルールが存在したのだ。

それは、ルーベライズは「もたらされた不幸を打ち消す様な願いは受け入れない」というルールだ。
もしも石への願いで石からの不幸を打ち消せたらどうなるか。もしも石からの不幸を克服出来るのならどうなるか。
その時は、この石は不幸を克服した誰かのものとなり、他の人間の手に渡る事は永遠に無かっただろう。
逆説的には、不幸を打ち消せないからこそ、石は明美の手に渡ってきたという事。

今回明美の願いの代償としてもたらされた不幸とは、明美の判断した「暗闇」ではなく、少年――エドワードそのものだった。
つまり、エドワードから逃れるような願いを石が叶える事は絶対に有り得なかったのだ。
これが、明美の辿り着けなかった答え。願いが届かなかった答えだ。



ジャギン!



エドワードはたった今自分が殺した少女の首を斬り飛ばした。
首は壁にぶつかりコロコロと転がって、閉まりかけてたエレベーターの扉に挟まった。扉はおっくうそうに再び開き出す。
その様が可笑しかったのだろう。エドワードはキャッキャと笑った。
しばらくの間、血に染め上げられたエレベーター内に愉快そうな声が響き渡っていた。

ひとしきり笑うと、エドワードはお目当ての物に近付いた。
少女の首にかかっていた、絶大な魔力の感じられる石。これさえあれば自分の魔力を取り戻せる筈だ。
そうして石を拾い上げたエドワードは――――ん? と首を傾げた。
確かに石からは絶大な魔力を感じられる。
しかし、どうやって魔力を引き出せば良いのか。その方法が分からなかった。
590輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:08:04 ID:wZJv1a++
石を掲げてみたり、明かりに照らしてみたり、両手で擦ってみたり。
色々試したが、やはり魔力は引き出せない。
やがて諦めたエドワードは石をポケットに入れた。
鋏を出した分だけ魔力を更に消費してしまったが、焦る事は無いのだ。
魔力の源は自分の手にある。ゆっくり時間をかけて石から魔力を引き出す方法を見つければ良い。
それまでは哀れな少年エドワードを演じても良いし、この少女の様な頼りにならなさそうな人間なら「遊んでも」良い。
チラリとエレベーターの置石となっている首を見て、エドワードはそう思った。

(それじゃあ、どうしようかな?)

エドワードは考える。
この病院では二人の人間と出会った。探せばまだ誰か居るかもしれない。
しかしこれだけ騒いで誰も来ないのだから、居ない可能性も充分ある。
院内を見回ってみようか。それとも病院から出て行こうか。




とりあえずは――――――――廊下から湧いて出てきているナース達と「遊んで」から考えようか。




ジャギン! ジャギン! ジャギン! ジャギン! ジャギン! ジャギン!
591輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:10:18 ID:wZJv1a++
【B-6アルケミラ病院一階エレベーター内/一日目夜】

【エドワード(シザーマン)@クロックタワー2】
 [状態]:健康。魔力が更に減っている。
 [装備]:特になし。
 [道具]:『ルーベライズ』のパワーストーン@学校であった怖い話
 [思考・状況] 皆殺し。赤い液体の始末。
 基本行動方針:人の中に紛れて機会をうかがう。
 1:魔力を取り戻す為、石から魔力を引き出したい。
 2:病院内を見回るか、それとも出て行こうか。
 3:か弱い少年として振る舞い、集団に潜む。
 4:相手によっては一緒に「遊ぶ」。

※魔力不足で変身できません。が、鋏は出せるようです。(鋏を出すにも魔力を使用します)
※エドワードは暗闇でも目が見えるようです。魔力によるものか元々の能力なのかは不明です。
※『ルーベライズ』のパワーストーンに絶大な魔力を感じていますが、使い方は分かりません。
 石から魔力を引き出して自分の魔力に出来るのかどうかは不明です。


※病院廊下は明かりが無ければ真っ暗闇です。目が慣れれば少しは見えるかもしれません。
 バブルヘッドナースの死体が幾つかあります。
※エレベーター内には明美のバラバラ死体と武器の詰まった学生鞄、バブルヘッドナースの死体×2と鉄パイプ×2があります。

【岩下明美@学校であった怖い話 死亡】
592輝き  ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/08/15(日) 18:13:03 ID:wZJv1a++
代理投下終了です

いやあ、暗い病院でのホラー風バトルの雰囲気がよく出てたよ。 GJ!
岩下は戦いを楽しみ過ぎたな。ルーベライズの存在が何気に怖い
エドワードはロワ充してるわw
593代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:10:17 ID:Z0oC1ClK
「おぉーーーーーーーーーーーーーーーい!!!」

暴れ狂う猛獣ですら竦み上がるような野太い怒号は、白い霧の中に吸い込まれ、幾度か反響し、消えていった。

「どなたかぁーーーーー! 居られませんかぁーーーーーー!」

立ち止まり、しばらく耳をすませてみるが…………後に聞こえてくる音は何も無い。
これで何度目になるだろう。霧を相手に一向に反応の見られない虚しい呼び掛けをするのは。
この濃霧に包まれたゴーストタウンと異常すぎる出会いを果たし、動揺しつつも移動を始めて早1時間。
人はおろか犬や猫、鳥や虫、その他の動物に至るまで、生き物の姿が一切確認出来ず、
自分以外の全てが死に絶えてしまったかのではないか。そんな錯覚すら覚え始めていた。

「うぅ……一体何が起きているというのだ……?」

小暮宗一郎は、臨界点を突破した恐怖と心細さを吐き出すように言葉を漏らした。
594代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:11:51 ID:Z0oC1ClK

始まりは、ただただ唐突だった。
尊敬する先輩である風海純也が行方不明の式部人見を探しにアメリカへ旅立った数日後。
編纂室に定時に出勤した小暮はいつもの様にデスクワークに悪戦苦闘していた。
風海が編纂室を何日も留守にする状態は初の事だったので、少々の寂しさを胸に抱えていたものの、
それ以外は何一つとして代わり映えしない日常だった。

「一人でも頑張っとるようやな。感心感心」

時計の針が12時を回ってから編纂室のボス、犬童蘭子警部が出勤するのも、頻度こそあれど日常の範疇だ。
編纂室に配属された当初こそ、生真面目な小暮は犬童のそのだらしない勤務態度には僭越ながらと口を出してきたが、
何を言っても聞く耳を持たない犬童に対して今では諦めの境地に達していた。

「押忍! お早うございます警部殿!」
「おう。しかしアレやな。アンタも一人やと寂しいやろ」
「いえ! そんな事は――」
「ええからええから。そんな寂しさを押し殺して頑張っとる小暮くんに、旅行のチケットを授けようやないか」
「はっ?」
595代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:13:12 ID:Z0oC1ClK
そう言った犬童が差し出したのは、一枚の紙切れ。
いや、紙幣だ。二千円札だった。小暮は犬童の言わんとする事が分からず、目をぱちくりさせた。

「題して『唐揚げ弁当大盛り買い物ツアー』や。お釣りはやるわ。好きなもん買ってええで」
「はっ……つまり弁当の買出しでありますか?」
「ツアーやツアー。名前だけでも立派な方が気分ええやん?」

むしろ悲しくなるのだがそれは言わない事にして、
恭しく二千円札を受け取った小暮は「大盛りやで」と念を押す犬童に敬礼し、近くのコンビニへと出動した。

昼時のコンビニ内は、2つのレジに数人が並んでいる程に賑わっていた。
売り切れてはないかと心配になり、小暮は急いで弁当コーナーへと向かう。
幸い弁当は残っていた。唐揚げ弁当大盛りは870円。コンビニ弁当にしては高価な部類に入るから、人気も低いようだ。
自分は何を食べようかと考え、小暮の視線はある一つの弁当に止まった。
かねてから食べてみたいとは思いつつも、値段が高い為、その都度断念していたトリプルハンバーグ弁当950円だ。
普段食べている弁当2食分を越える値段であり、
上司の弁当よりも値段が高い品を選ぶ事には体育会系で上下関係を重んじる小暮には少なからず抵抗があるのだが、
犬童のおごりなどという機会はまず無いのだ。(おそらくは競馬か競輪で大きく勝った為だろうが)
ここで食べなければこれからも食べられないかもしれない。それに他に目を引く弁当はもう残ってはいない。
うむ、と頷いた小暮は胸をときめかせながらトリプルハンバーグ弁当を手に取り、レジへと向かった。
596代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:14:26 ID:Z0oC1ClK

そして買い物を済ませて自動ドアを出ると――――街が濃霧に包まれていた。

最初は特に何も気付かなかった。ただ突然霧が出ていた事に驚いただけだった。
しかしよく見れば町並みが変わっているではないか。
見渡す限りの町並みは、とても都会の中心にある千代田区とは、いや、日本とすら思えなかった。
訳が分からず、ふと振り返った小暮は更に混乱した。
あれ程賑わっていたコンビニ内に、人が1人としていなくなっていたのだ。
何だ、何だ、何だ――――小暮は慌てて店内に戻り、見回った。
トイレにも誰もいない。カウンター奥にも誰もいない。裏口から外を覗いて見てもやはり誰もいない。
何が起きたのか全く理解出来なかったが、とにかく小暮は警察に連絡を入れようと考え携帯電話を取り出す。
しかし通じない。これも何故か圏外になっている。警視庁のある千代田区で圏外など本来有り得ない事なのに。
呆然とした小暮は、嫌な予感を感じつつも、とにかく警視庁に戻る為に霧の中に足を踏み入れた。


そして結局警視庁に戻る事は叶わず、霧の街をさ迷い続けて現在に至る。という訳だ。
597代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:15:32 ID:Z0oC1ClK
霧は相変わらず深く、辺りが次第に薄暗くなり始めている気がする。
その為か、不気味な雰囲気がますます霊感を刺激する。何か嫌な物が出てきそうで、怖がりの小暮にはたまらない。
ふと前方に、どこかで見た事のある建物が見えてきた。
一瞬だけ期待し、思わず早足になった。もしかしたらこれでこのおかしな街を脱出出来たのではないか、と。
しかしそれはほんの束の間の夢に過ぎなかった。
見えてきたのは、小暮が弁当を買ったコンビニ。いわばスタート地点だ。
どうやらグルグルとさ迷い、元の場所に戻ってきてしまったようだった。
とりあえず戻って来たものは仕方が無いので、もう1度店内に入り中を見回ってみるも、やはり無人。
徒労感が肩に重く圧し掛かり、小暮はここに来てから何度目か分からない大きな溜息を吐いた。


―――――スッ


はっとして顔を上げた。
入口に面した窓の外で、何かが動いたのだ。
小暮は慌てて窓へ駆け寄り、外へと視線を巡らせた。そしてその何かはすぐに見つかった。
入口の正面だ。はっきりとはしないが、深い霧の中に人影のようなものが見える。
これまでの孤独感や精神的疲労が積もり積もっていたのだろう。
小暮は迷わず大声を出した。

「おーーーい! そちらの方ぁーーー!」

小暮が声をかけると、影は立ち止まった。そして段々と濃くなってくる。
やはり人だ。人が近付いてきているのだ。
598代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:16:27 ID:Z0oC1ClK
誰かが居るならもうこんな所は怖くなどない。いやいや、元々怖くはなかったが、益々怖くなんてない。
そうだ、これはきっと映画か何かのセットだったのだ。
たまたま自分が使用したコンビニが映画のセットに使われるだけの話だったのだろう。
理屈も分からない最近のバーチャル何とかなら町並みが変わったように見せるのも簡単なのだろうし、
スタッフが誰も居なかったのはきっと昼休みの休憩だったからに違いない。
そうだそうだ、怪奇現象なんてあるはずがない。全て科学的に説明がついたじゃないか。
先輩。不肖小暮宗一郎、また一歩先輩に近づく事が出来たようであります。

と、小暮は恐怖を誤魔化すかのように、瞬間的にそこまで考えた。
あの人影は休憩を終えたスタッフの一人だろうか。
そう思って入口の自動ドアの前に立ち、ドアが開いたところで、影が明確な姿を見せた。


「ハヒッ…………!?」

思わずみっともない悲鳴を上げてしまった。
影の正体は6〜70歳程でいかつい顔をした白髪の男性だったが、それはいい。
問題なのは、男性は血の気が見られず、まるで死人の様な顔色をしている事。
向けられるだけで悪寒を誘う不気味な笑みを浮かべてこちらを見据えている事。
そして、男性の洋服や顔に…………血のようなものが大量に付着している事。

(い、いやいや。え、え、映画なんだから……メイクに決まっているじゃないか!)

そう思うも、身体は恐怖を正直に表現し、震えていた。
男性が奇妙な声を出して笑い、右手を動かした。そこで初めて小暮は男性が何かを持っている事に気が付く。
小暮に向けられようとしているそれは、猟銃に見えた。
599代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:17:11 ID:Z0oC1ClK

(小道具だ! メイクだ! そうに決まっている。そうじゃなかったら、そうじゃなかったら――――)

頭で下した判断は、顔色はメイク。そして猟銃は小道具。そんな至極常識的判断。
事情を話さなくては。助けてもらわねば。しかし声が出せなかった。身体はその判断を否定していた。
警告するのは野生の本能か、これまでの武術の鍛錬の賜物か、それとも欲しくもなかった生まれついての霊感か。
気付けば小暮は咄嗟に横に跳び、床に転がる様に倒れこんでいた。


ダァンッ!


直後、男性の持つ猟銃が火を噴いた。
小暮がたった今まで居た位置を散弾が通過し、奥の商品棚とカウンターを破壊する。
埃が舞い上がり、バラバラと細かな破片が撒き散らされる中、「ほ、本物だと!?」――――小暮の背筋に冷たいものが走った。
同時に、先程までの恐怖心は何処へやら、正義感が込み上げてきていた。

男のあまりの不気味さに恐怖したが、本来は猟銃を人に向けて撃つような凶悪犯に臆するような小暮ではない。
幸いにも男と対峙しているのは自分ただ一人。だが、あんな奴が東京の街に出て行ったらどうなるか。
いつぞやの長崎での連続殺傷事件など比較にならない程の犠牲者が出てしまうだろう。
いや、男には血が付着していた。おそらくは返り血か。すると既に犠牲者は出ているのだ。
もしかしたらこの辺りの人間が居ないのも避難している為かもしれない。辻褄は合っている、ような気がする。
これ以上の犠牲は避けねばならない。奴はここで自分が取り押さえなくてはならない。
600代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ:2010/08/25(水) 21:27:31 ID:Z0oC1ClK
小暮は低い姿勢で、しかし、素早く通路を移動した。
雑誌コーナーを曲がり、商品の陳列している二つ目の通路を通過し、
三つ目の通路に差し掛かったところでカツン、と足音が立つ。
小暮のではない。男のだ。それで男が店内に侵入してきた事が分かった。
それ自体は小暮にとっても都合が良い。凶悪犯を街に逃がす心配が減るのだから。
角に設置された防犯ミラーに男が映っていた。男は小暮が逃げ込んだ通路に銃を向けている。
疑いようもなく、完全に小暮を殺すつもりだ。
いくら柔道三段、剣道三段、空手二段の小暮でも、猟銃を持った相手に真正面から挑むのは避けたい。
小暮は極力気配を抑えつつ、何か使えるものは無いかと棚を見回すも、そこは酒のつまみのコーナー。
この状況で役に立つものではない。
男が通路を走って近付いて来た。まずい、このままではすぐに見つかる。
いざとなれば跳びかかるしかないが、それは想像するだけでも冷や汗が流れ落ちた。
小暮はもう1度視線を巡らせる。何か、無いのか。何か、使える物は。
手の届きそうな範囲でつまみ類の先に置かれているのは――――カップ酒。

(むむむ、いささか心許無いが)

足音はすぐ角まで来ていた。男の影が床に見え始めていた。
小暮はカップ酒を手に取ると勢いよく立ち上がった。棚越しに男の顔が見える。男も小暮に気が付き、振り向こうとした。
小暮の右腕が孤を描き、勢いよくカップ酒を投げつける。
男は小暮の方向へ猟銃を向けようとして、銃身を棚にぶつけた。小暮に向けて構える事が出来ていなかった。
それは小暮にも計算外だったが、一瞬タイムラグが生まれたのは確かだ。
ここぞとばかりに飛んでいくカップ酒が見事に男の顔面に命中した。
その弾みで壁に向けられた猟銃がダァンと暴発する。呻き声を上げて怯む男。
小暮は壁から舞い上がる破片を払いながら、常人の1,5倍はある歩幅を活かし全力で距離を縮めた。

「うおぉぉぉぉぉ!」

601代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ :2010/08/26(木) 06:02:45 ID:DOnIX2C+

男はそれでも銃を構えようとするが、小暮の方が速かった。
銃身と男の間に身体を滑り込ませ、手刀で男の手を打ちつける。
痛みの為か男の動きが止まり、銃は床に叩き付けられた。
勝機――――小暮は、ふんっ! と鳩尾を目掛けて正拳を捻じり込んだ。
腹筋も腹圧も感じられず、拳は急所に突き刺さった。一撃KOの手応えだ。
男はフラッと2、3歩後退りをした。そのまま倒れる、そのはずだった。しかし、そこで小暮は目を見張った。
男はそれでも顔を上げ、平然と笑っていたのだ。

(ば、ばかな!?)

小暮は自分の拳にはそれなりの自信を持っている。慢心ではなく、経験に基づいた確かな自信だ。
今の一撃は例え武道の心得がある者であろうと立ってなどいられないはず。その確信を持てる程の手応えが有ったのだ。
それを凶悪犯とは言えただの老人が堪えきる――――有り得ない。有り得ないはずだ。
602代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ :2010/08/26(木) 06:07:14 ID:DOnIX2C+
いや、そもそも、だ。
この男は異常なのだ。今、至近距離で対峙した小暮には良く分かった。

この男の血色の無さは何だ。
この手の冷たさ。体温の低さは何だ。
このタフさは何なのだ。
本当に、人間、なのか。


まるでそれは――――


既に死んでいる――――


死体の様で――――


死体が――――


死体が――――


動いて――――


嫌な想像が頭を支配し、恐怖に囚われかけたその時だった。
男はクルリと身体を返すと、入り口に向かって走り出したではないか。
小暮はポカンとただ立ち竦んでしまっていた。
遅れて気付く。これは、遁走だ。男は逃げ出したのだ。
603代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ :2010/08/26(木) 06:09:25 ID:DOnIX2C+

(しししし死体は、ううう動かんっ! 動いてたまるものかぁ!!!)

身体に活を入れ恐怖を払拭すると、小暮は慌てて男の後を追いかけようとした。
しかし店を出てから、店内に放置されている猟銃の存在が頭を過ぎる。
応援を呼べない今現在、人の姿が見られないとはいえ猟銃を放置したまま犯人を追跡するのは――――やはり、問題だ。
急いで猟銃を回収に戻り、ついでに雑誌梱包用のビニール紐を手に取った。
小暮は刑事とは言え編纂室所属。手錠などは持っていない為、犯人拘束の為の道具が必要だったのだ。

(これで、よし……!)

代金と「ビニール紐料金」と書いたメモ書きを律儀に砕けているカウンター上に残し、店を出る。
小暮は走りやすいように猟銃を右手に持ち、銃身を左手で支えると、霧の中の追走劇を開始した。



だが、小暮はこの街のルールを知らない。
今の彼は、ただでさえ怖い顔が緊張の為に強張っており、余計に厳つくなっている。
身長は190を越える、見事な体躯の強面の大男。それが猟銃を抱えて街を激走している。
客観的に見ればその姿は――――



このサイレントヒルで、彼が新手のクリーチャー「怪人・デカおじさん」と勘違いされない事を祈ろう。
604代理:怪人・デカおじさん  ◇cAkzNuGcZQ :2010/08/26(木) 06:11:03 ID:DOnIX2C+

【C-1コンビニ付近/一日目夕刻】
【小暮宗一郎@流行り神】
 [状態]:健康、凶悪犯追跡の為の緊張、街の雰囲気への恐怖
 [装備]:志村晃の猟銃[6/8]
 [道具]:唐揚げ弁当大盛り(@流行り神シリーズ)、トリプルハンバーグ弁当(@オリジナル)、ビニール紐@現実世界
     (全て同じコンビニの袋に入ってます)
 [思考・状況]
 基本行動方針:凶悪犯の逮捕。
 1:猟銃を持っていた男を早急に逮捕する。
 2:警視庁へ戻り報告を行う。
 3:何かが起こっている気がしなくもないが……あまり考えたくはない。
 4:トリプルハンバーグ弁当を食べたい。

※怪奇現象が発生している事はうすうす感じていますが、認めようとしてません。
※小暮の向かう先は後の書き手さんに一任します。

※小暮を襲ったのは屍人となった志村晃です。志村の今後、出すも出さないも、後の書き手さんに一任します。
※C-1のコンビニは日本企業のものです。
605参加するカモさん:2010/08/27(金) 08:39:27 ID:AVoh0KDN
代理投下乙です

今更死体は動かないとか言われても…
これは誤解フラグか?
まずいぞ
606名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/09/01(水) 01:25:35 ID:gegj4rvu
◆WYGPiuknm2氏、代理投下開始します。
607◇WYGPiuknm2氏 代理:2010/09/01(水) 01:28:11 ID:gegj4rvu
ジェニファー・シンプソンは歩いていた。


何時? ――太陽が沈もうとしている夕方。


何処? ――見知らぬ世界の通路。


何故? ――それは、彼女自身にも分からない。


気が付いたら此処にいたのである。
自宅の玄関のドアを開け、外に出た時、既に世界はその姿を変えていた。
つい先ほどまで窓から部屋の中を照らしていた筈の太陽は、濃霧によって見えなくなってしまった。
町並みも、住み慣れた地域のそれではない。
少なくとも、ジェニファーが見た事のある建物は一つも存在しなかった。 
最初こそ驚き、戸惑い、恐怖こそしたが、このまま怯えているわけにもいかない、と考え、早速家を飛び出したわけである。


しかし。


「何処なのかしら……ここ」

……家を出たまでは良かった。
だが、その後どうするかを彼女は考えていなかったのである。
ジェニファーはこの街――サイレントヒルについての知識を全く持っていない。 
(まぁ、彼女の居た世界には噂にも存在していなかったので、当然と言えば当然なのかもしれないが)
故に、今自分が此処の何処に居るのかすら理解出来てはいないのである。
これではまるで迷子の子供だ。
せめて、ここの地図だけでも手に入れる事が出来たら――。
608◇WYGPiuknm2氏 代理:2010/09/01(水) 01:30:26 ID:gegj4rvu
……そんな事を考えている内に、T字路に突き当たった。
随分遠くまで行ってしまったらしい。
さて、どちらに行こうか。
どちらに行ったとしても結果は同じ気がするが、やはり、考えてしまう。
そして考えた末に、「左側」に行こうと決心した――――

その、直後である。  ――――「何か」が、彼女の前を通り過ぎたのは。

「…………!?」

ジェニファーの呼吸が、一瞬だけ止まる。
今確かに「何か」が左から現れ、右へと走って行った。

――――何が? 何が走った? 

突如、怪人――シザーマンの姿が脳裏に浮かんだ。
幾度となく自分を追い詰めた鋏使いの化け物。
まさか、まさかあのような怪物がここにも――――。

(………そんなワケ……ないわ)

何を、何を弱気になっているのだ。
シザーマンは既にこの世には存在しないし、万が一存在したとしてもあのようなスピードで移動するとは思えない。
それに第一、「何か」を化け物と認識するのは少し気が早すぎる。
そうだ、無害な生き物である可能性だってあるのだ。
いやむしろ、化け物である確率の方が少ない。
怯える必要など、全く無いのだ。

……「右側」に行こう。
何があるかは分からない。 もしかしたら化け物が口を開けて待っているかもしれない。
だが、行かねばならないのだ。 行ってその先何があるのか知らなければならない。
奇妙な使命感を感じながら、ジェニファーは右側の通路へと足を進めた。
609◇WYGPiuknm2氏 代理:2010/09/01(水) 01:31:12 ID:gegj4rvu
T字路を右に折れた先に居たのは――――。


――――犬だ。


茶色と黒が混じった毛を生やした犬が、其処には居たのである。
尻尾を振りながら、ジッとこちらを見ている。

「……何だ………怯えて損しちゃったわ」

ホオ、と安堵の息が漏れた。
何だと思えば、唯の犬か。 先程までの自分が馬鹿に思えてくる。
犬如きであれこれ考えていたのだ。 これほど恥ずかしい話もそうそう無いだろう。
怯えていたのは、きっと目の前の風景が異様なものだったからに違いない。


しかしこの犬、よく見たら中々愛らしい顔をしているじゃないか。
頭を撫でてやろうと思い、犬に近づく。
しかし犬は突然そっぽを向くと、――また道の向こうへと駆けだしていった。

「あ…………! ちょっと! 待ちなさい!」

ジェニファーは逃げ出した犬を追いかける。
追いかける理由は二つ。
一つは、近づいたら逃げられた事に、憤りを感じたからだ。
二つ目――こちらの方が重要である――は、この犬は何かを知っているのかもしれないと思ったからだ。
根拠はない。 だが、そんな気がしたのだ。
それに、行き当たりばったりに進むのも、この犬に付いていくのも、大して変わらないだろう。

故に彼女は、あの犬――ツカサを追うのだ。
610◇WYGPiuknm2氏 代理:2010/09/01(水) 01:31:56 ID:gegj4rvu
ジェニファー・シンプソンが、走る。


何時? ――太陽が沈みかけている夕方。 そう、もうすぐ世界が反転する時刻。


何処? ――サイレントヒルの道路。


何故? ――この世界で始めて出会った生命を追う為に。


【D-5/路上/一日目夕方】


【ジェニファー・シンプソン@クロックタワー2】
 [状態]:健康 犬(ツカサ)を追っている
 [装備]:私服
 [道具]:不明(何を持ってるかは次の人にお任せします)
 [思考・状況]
 基本方針:ここが何処なのか知りたい。
 0:犬(ツカサ)を追う。
 1:地図が欲しい。
 2:他に人は居ないのかしら。
611参加するカモさん:2010/09/01(水) 01:35:40 ID:gegj4rvu
代理投下終了です。


投下乙です。これで参加者も全員揃ったし、本格的にロワ始められそうだな。
612参加するカモさん:2010/09/01(水) 21:50:21 ID:sWCn7SMI
代理投下乙です

ジェニファーキターw
これで全員か…

それでは仮スレにきてる作品を代理投下します
613怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:51:34 ID:sWCn7SMI
「怪人・デカおじさん」こと小暮宗一郎はドスドス走らせていた足を止め、周囲に目を配った。
霧深き街並みはともすれば先程の凶悪犯を見落とさせ、ひいては新たな被害者を出してしまう。
早急な逮捕こそが自身の求められるべき成果ではあるが、急ぐあまりミスをしては元も子もない。
警察に対する昨今の風当たりの強さは自分も熟知している。警官一人の不始末は、そのまま所属機関そのものへの不信感へと変貌してしまう。
そうなれば上司である尊敬する先輩・風海純也や、編纂室のボス・犬童蘭子に申し訳がたたない。

(この霧が何とか晴れないものか……)

 胸中で小暮が嘆いていると、どこかから轟音が聞こえてきた。
巨漢はわずかに身動ぎ、天を仰ぐ。
(サイレン……?)
 正午を告げるものだろうか。しかし妙だ。その時刻はとうに過ぎているはずである。
誤報か、あるいはこれも異変の一種だろうか。凝り固まった頭を男は働かせるが、答えは出てこない。

「む、これは」
 期せずして、小暮の望みは叶った。視界を覆っていた霧は急速に消え、街全体の姿が広がっていく。

 だが、それは新たな異変を告げるにすぎなかった。

 唐突な暗闇、ネオンのような裂け目、錆ついた金属類……。
そうした異常そのものが、この町の全景であった。眼下にある川(あるいは湖)にいたっては、
まるで血の池地獄のような有様である。
614怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:53:46 ID:sWCn7SMI
「そんな……」
 巨漢は恐る恐る自身の頬をつねってみる。

 痛い。

 今度は叩いてみる。

 これも痛い。

 殴ってみる。

 やっぱり痛い。

(夢、ではない。すると……)
 現実。そう断ずるよりほかない。
だが、ここまでくると何を疑えばいいのだろう。


 世界か。

 自分か。


 今までだって様々な異常を体験してきた。そういう方面の耐性がないわけではない。しかし、今回は規模が大きすぎる。
何を基準に判断すればいいのかわからなくなってしまう。

 ここで『この世界がおかしいんだ』と考えるのは、はたして警察官として正しいのだろうか。
公務員は全体の奉仕者である。であるならば、環境そのものを否定するのはどうかと思う。
 
 では『自分がおかしくなったんだ』と理解すればいいのか。それも違う気がする。
そんな不安定な正義では警官など勤まりはしない。即刻辞表を提出して然るべきだ。
615怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:54:30 ID:sWCn7SMI
 小暮はしばらく「うーむ」と首を捻っていたが、やがて自身の両頬をパーンと叩いた。

(ええい! 何を悩む必要がある! 犯人は逮捕、その後帰庁すればいいだけの話ではないか)

 難しく事を考えている場合ではないのだ。こうしている間にも、凶悪犯は野放しであり、民間人が危険に晒されている。
それを打開するのが自分の本分であり、そこにそれ以上の何かを見出すことはいつでも出来よう。
最悪これが怪奇現象であったとしても、そんなことはこの際どうでもいいのだ。いかにして犯人を見つけ、確保するか。
その一点に思慮も行動も合わせておけばいい。

 文字通り霧散したことにより、建造物が鮮明に見えている。
小暮はその内のひとつに目星を付け、その巨体を揺らせて向かっていく。

 今となっては科警研(科学警察研究所)による科学的な捜査が主流となっているが、
小暮にとっては粘り強い聞き込みや張り込みなどの『足で稼ぐ』昔ながらの捜査が性にあっていた。
それにこんな状況・装備では科学的に捜査はできないし、体を動かしていた方が気も滅入らずに済むというものだ。

(あんな凶悪犯が町中をうろついているのだ。さぞ市民は怯えているだろう)

 自分が少しでもその不安を取り除かなければ――。外見とはほぼ真逆な優しさを抱きつつ、
小暮はガソリンスタンドに足を踏み入れる。しかし彼を迎えたのは悲鳴でも罵声でもなければ、ましてや歓声でもない。

 静寂である。無人ゆえの静寂。
616怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:55:26 ID:sWCn7SMI
「むぅ……」
 人が息を殺している気配もない。本当に誰もいないようだ。
決意と裏腹の結果に大男は不満な声を漏らす。


 不満な声を漏らしたのは彼だけではなかった。 


 グゥゥウウウウウ


 ともすれば地鳴りにも聞こえそうな爆音の発生源は、小暮の腹部からだった。

「…………」
 
 そういえば、買い出しの途中だった。男は片手で腹を擦りながらコンビニの袋を覗く。
そこには普段食べることのないトリプルハンバーグ弁当(950円)があり、今か今かと出番を待っていた。
店員が気を利かせて温めてくれたので、まるで出来たてのようだ。ほそかに上る湯気とともに、食欲を誘う香ばしい肉の香りが漂っている。
617怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:56:33 ID:sWCn7SMI
 ゴクリ


 無意識に唾を飲み込み、

 逡巡せずにそれを取り出し、

 警戒を忘れて傍の椅子に座り、

 無駄のない動きで割りばしを構え、

 慎重な手つきで開封し、

 繊細な動作で中身を摘み、

 万感を込めて口に運ぶ。
618怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:57:31 ID:sWCn7SMI
…………


 …………


 …………


 …………

 
 …………

 
 うまい。



【C-2/GS/一日目夜】
【小暮宗一郎@流行り神】
 [状態]:満腹
 [装備]:二十二年式村田連発銃(志村晃の猟銃)[6/8]@SIREN
 [道具]:唐揚げ弁当大盛り(@流行り神シリーズ)、ビニール紐@現実世界(全て同じコンビニの袋に入ってます)
 [思考・状況]
 基本行動方針:凶悪犯の逮捕。
 1:猟銃を持っていた男を早急に逮捕する。
 2:警視庁へ戻り報告を行う。
 3:何かが起こっている気がしなくもないが……あまり考えたくはない。
619怪人・デカおじさん2 ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/01(水) 21:58:31 ID:sWCn7SMI
代理投下終わりです

なんか可愛いおっさんだなw
弁当喰ってる場合でもないんだがw
620参加するカモさん:2010/09/09(木) 10:19:47 ID:uXDiUWul
ヒロインだからなw
621参加するカモさん:2010/09/11(土) 15:06:05 ID:Wwip+4HC
人いないね
みんな自分の好きなキャラを出し終わってモチベーション下がっちゃったのかねぇ
622名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/09/11(土) 18:14:43 ID:Q+Q7OgL5
いやいや昨日投下あったぞ
623名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/09/13(月) 01:41:27 ID:S51HFRLB
◆qh.kxdFkfM氏、代理投下します。
624Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 01:43:13 ID:S51HFRLB
 べたつく髪を手で無理やり梳かして、それっぽい体にする。
普段なら絶対に入ろうとは思わないであろう、不気味な女子トイレで身嗜みを整える自分に、
奈保子は嫌気が差した。これでも自分はアイドルなのだ。
本来なら宛がわれた楽屋で、専属のメーキャップアーティストによって整えられるべき美貌なのだ。

 それを、こんな……。

(まあいいわ。幸いカメラは回っていないようだし、観客もスポンサーもプロデューサーもいない)

 長い目で見れば、いつまでも上品ではいられない。事実、狡猾かつ卑劣な手はすでに打っている。
体裁を気にするのは褒美をもらった後で構わない。しかし、染みついたアイドル根性がそれを否定しているのも事実であった。

 そんな欲求を褒美という希望でねじ伏せ、奈保子は手を髪から銃へと移す。
これからやることは女優の演技とはかけ離れた、狂人の凶行。
それが罪だと頭でわかっていても、心はそれを望んでしまっている。
常識など一連の異常でとうに崩壊し、後に残ったのは執着と願望だけ。

 
 獲物を求める狩人は、視界ジャックのために意識を集中させた。




625Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 01:45:15 ID:S51HFRLB
「オレはよ、その日は酒場にいたんだ。いつものように酒飲んでたよ。
今思えば、あれが人生の終着点だったのかもな」
「何があったんですか?」
「簡単に言っちまえば、ウィルスの流出だな。それで皆化け物に転職だ」
 遠き地であるアメリカ、ラクーン・シティで起きた「生物災害(バイオハザード)」。
もちろんそんなニュースは覚えがないし、口さがない後輩も口にしていない。
主観的に言えば、そんな事件は存在しないものだ。ただのフィクション、妄想の産物。
 にわかには信じがたい話だが、チサトはとりあえず受け入れることにした。
スピリチュアルな話とは違う、フィジカルな分野。埒外な彼女がそれを完璧に否定することはできないし、
否定した所でこの男――ジム・チャップマンとの関係が悪化するだけだ。信じなくとも、話を聞くだけに済ませることだってできる。

「無事でよかったですね」
 しかしチサトの慰めに、ジムは顔を暗くした。彼の話は続く。
 ケビンという名の警察官と共にラクーン・シティの脱出を試み、そして脱出のできる直前まで自分は来たが、
身体は確実に蝕まれていた。人をゾンビへと、怪物へと姿を変えてしまう元凶、T-ウイルスに。それはケビンも同じで、
ウィルスを他の人間にバラまくわけにはいかない。結局、ラクーン・シティを離れていくヘリコプターを黙って見送ることしかできなかったのだ。
 
 チサトはわずかに身構える。彼の話が全て真実だとすれば、目の前の男はその悪魔のようなウィルスの感染者であり、感染源と成り得る存在ではないか。
「ああ、悪い。別にうつそうって気はないし、ヤバくなったら決着はつけるつもりだ。心配しないでくれ」
「すみません」
 そう苦笑するジムに、彼女は頭を下げた。本当は彼の方が不安だろうに、自分は何てことをしてしまったのだろう。
申し訳なさで胸がいっぱいになりつつも、そこには不安が混在していた。
 一つはもちろんジムのことだが、他にも花子さん、あの怪物……。
626Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 01:46:34 ID:S51HFRLB
 その中でも最も気掛かりなのが、あの火炎瓶の主だ。ジムが誰だかわからなかったと言っている以上、推測でしか測れないが、おそらくは人間だろう。
学校の守護者――言いかえれば支配者ともとれる花子さんや、性質の異なる怪物がいたあの場に、無理に介入しようとする霊はいないと見ていい。
本来、亡霊というものは、大抵が静寂を好み、雑踏を嫌う性質がある。ゆえに心霊現象は、廃墟にはよくあるが、繁華街にはそうそう存在しない。
そうなると、考えられるのは悪意ある人間の所業である。その原因が日常でもあり得る狂気か、ジムのいうウィルスによるものかはわからないが、
用心しておくに越したことはない。問題は花子さんにしても、あの怪物にしても、その人間にしても、全員が未だ健在である可能性が高いということ。
その全てを警戒するのは、さすがに不可能だ。

「しっかし、何の因果で日本のハイスクールなんて……」
 チサトがジムの疑問に反応するより早く、轟音が周囲を木霊した。

 サイレン。

 異世界の序曲。

「これは、へん。こんなの、へん」

 背後の呟きに振り向けば、そこにいたのは花子さんだった。両耳を押さえ、首を振っている。

「『ここ』が、『ここ』じゃなくなる。あそべななななななあななんああなあなあな」

 言葉の終わりはすでに人語ではなく、吃音でしかなかった。それを最後に、その女の子は消えていった。
それと同時に、変わる世界。風景、雰囲気、気候……そうした環境が激変していく。

「なんだってんだ、いったい!」
「私にもわかりません」
 号音が通り過ぎ、悲鳴を上げる男に対し、少女は答えを持ち合わせてはいなかった。
記憶の中で一番該当しそうなのが、戦争の時代から抜け出せない亡霊のいた世界の空襲警報だが、これとは性質が違う。
あれはただの回顧録であって、こんな風に環境を激変させる力はないはずだ。
627Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 01:47:38 ID:S51HFRLB
 それとは別に、花子さんの消失はその能力の無効を意味するらしく、空間の歪みはなくなり、雛城高校は元の姿を取り戻していた。
内装が凶悪なほど変質しているので、正確には元の姿そのままというわけではないが、それでも、空間相互の整合性が復活したことに変わりはない。

 永遠に続くと思われた廊下に終わりは見え、教室の扉もいくつか散見される。
「花子さんの影響がなくなったようですね」
「だったら早くここから脱出しようぜ。嫌な予感がするんだ」
 チサトも同感だった。好意的かどうかは別にしても、花子さんの加護がなくなった以上、この場所は『危険な存在がいる』という事実しかない。
外部と連絡が取れない以上、早々に避難するべきだろう。
 しかし、彼女が同意する前に、危機は現れた。

「今度は逃がさないよ」
 そばの階段、下の踊り場に、その球体はあった。忘れようとしても忘れられないあの笑みを伴って、
髪の毛を燃やしたような異臭を纏って、布をかぶった巨大なボールがそこにいた。
「クス、クスクスクスクスクス」
 花子さんによる空間歪曲。それはデメリットであると同時に、メリットでもあった。
方向感覚、土地勘、索敵能力を無力化されるのは、自分だけではなく、相手も対象となる。
発見しにくくなると同時に、発見されにくくなるのだ。力量から考えれば、今までその異常において得をしていたのはチサトたちの方である。
つまり、この状況回帰は皮肉なことに、二人を追い詰めることになってしまったのだ。

「逃げろ!」

 少女が行動を起こすより早く、彼は動いた。男の腕がチサトを突き飛ばし、突進してきた球体をジムの鉄パイプが受け止める。
結果、チサトは難を逃れ、ジムは背中で窓ガラスを割る格好となり、怪物と一緒に校外へ飛び出した。
幸い、ここは一階だったらしく、落下による衝撃はそれほど大きくはなかったが、それは化け物も同じことである。
628Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 01:49:44 ID:S51HFRLB
(逃げなきゃ。逃げて、助けを呼ばなきゃ)
 
 校内に残された彼女は我に返り、走りだす。ここに連絡手段がないのなら、学校から出て、自宅なり友人の家なりに駆けこめばいい。
ジムにケビンがいるように、自分にだって長谷川ユカリや岸井ミカがいる。一人ではないのだ。

 玄関が見えてきた。外は暗闇で視界が悪いが、覆っていた霧はもうない。何とか帰れるだろう。友達にだって会えるはずだ。

(ユカリちゃん、ミカちゃん)

 最初に感じたのは、風船が割れる音だった。次に、右のふとももに感じる熱。

 チサトはバランスを崩し、倒れる。通学鞄が手を離れ、どこかにやってしまう。

 焼かれるような痛みを大腿に感じ、見遣れば、そこは血で赤く染まっていた。

「頭を狙ったのに、外したか。弾がもったいないわ」

 後ろから聞こえてくる足音。まずい。理性で考えるより早く、本能が告げた。

 腕だけを頼りに、前へ、外へ。急げば間に合うかもしれない。

 遅れてやってきた激痛に顔を歪めながらも、チサトは学校の外――友人の元へと這っていく。

 その進みは流れる血より遅く、後方を歩く足より鈍い。それでも、彼女にはそれしか方法がなかった。
629Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 01:51:12 ID:S51HFRLB
「今度は確実に仕留めないとね」

 足音が耳元で止まる。ああ、この人が火炎瓶を投げたんだ。彼女は朦朧とする意識の中で理解しつつも、その姿を確認する気にはなれなかった。

 ――だってそうでしょう? きっとユカリちゃんが心配しているもの。急いで会いに行かなきゃ。

 激痛が思考を阻害し、視界を狭める。もう彼女には一寸先の闇しか眼中にはない。

「ユカリちゃん……ユカリちゃん……!」

 慣れ親しんだ下駄箱を通ったら、外へ続く扉を開けよう。それから校門を抜けて、街に下りれば、後は……。

「うるさいわね」

 ごりっ。何か硬いものが後頭部に押し付けられる。

 それが何なのか、チサトにはわからなかった。

 けれど、それが『終わり』を意味するのは、心のどこかで感じ取っていた。

「さっさと死ね!」

 その言葉を最後に、彼女は『終わり』を迎えた。



630Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 02:00:15 ID:S51HFRLB
(うえっ。グロ過ぎでしょ、これ)

 数秒前まで女性の頭部だったものから目を背け、奈保子は銃に弾丸をつめる。
二発で一人。残弾は十発。残りの人数はわからないが、単純計算であと五人は仕留められる。

(それにしても、案外うまくいったわね)

 視界ジャックで黒人の目を借りた時、あの死に損ないの怪物が襲ってくるのが見えた。
その後、男が化け物の標的になったことを確認した奈保子は、残された少女の始末に動く。
その女子高生が非力なのはそれまでの視界ジャックで充分把握していたし、このまま逃げられれば、『褒美』へは遠のいてしまう。
自分の望みを叶えるためには、そうするのがベストに思えたのだ。

 狩人と獲物しかいない校内は、最高のシチュエーションだった。
愚直にまっすぐ走る的は、視界ジャックで疲れていても容易く当てられた。
残念ながら、一撃では仕留められなかったが。

(あとは、あの黒人が死んでくれれば……)

 廊下を歩き、件の窓から外を覗く。そこには、仰向けに倒れた例の男がいた。
白目を剥き、生気のない表情だ。周囲にあの化け物は見当たらない。

(死んだようね)

 念のためにきちんと調べたかったが、化け物が近くにいるかもしれない。
確かめようにも、視界ジャックをするだけの体力はもう残されていない。どこかで休まなければ。
631Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 02:01:21 ID:S51HFRLB
(そのためには、ここは危険ね)

 銃声で人が集まるかもしれないし、あの化け物が近くにいてはおちおち休憩もしていられない。
どこか安全なところへ移動するべきだ。それに、情報・武器・化粧品……必要なものは多い。

 すべては輝かしい日々を取り戻すため。

(そう、そのためなら何だって)

 奈保子は狂気じみた笑みを浮かべ、暗闇の中へ消えていった。


【A-3/雛城高校/一日目夜】


【美浜奈保子@SIREN】
 [状態]:心身共に強い疲労、軽い興奮状態
 [装備]:26年式拳銃(装弾数6/6 予備弾4)  懐中電灯
 [道具]:志村晃の狩猟免許証 羽生田トライアングル 救急救命袋 応急手当セット(ガーゼ、包帯、消毒薬、常備薬など) 
 [思考・状況]
 基本行動方針:どんな手段を使っても最後の一人となり、褒美を手に入れる。
 1:校舎内を探索し、まともなメイク道具や安全な場所を確保したい。
 2:体力が回復したら、視界ジャックを使って化け物と黒人の生死を確認し、学校を脱出する。
 
 *屍人化の進行が進んでいます。死亡すると屍人化します。また時間経過で屍人に近づいていきます。



【逸島チサト@トワイライトシンドローム 死亡】
【ジム・チャップマン@バイオハザードアウトブレイク 死亡】
632Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 02:02:24 ID:S51HFRLB
 自分は死んだ。そう思いこまなければならなかったし、他者に対してもそう思わせなければならなかった。

 生きるために、死から逃れるために、そういった共通認識が不可欠だった。

 一見すれば矛盾するその行動が、結果的には自分を生き残らせた。

 死んだふり。簡単なようで困難なそれは、他を欺く。

「つつ……。何とかなったみたいだな」

 ジムは呻きつつ、そこから立ち上がり、周囲に目を配る。
あの球体はもういないようだ。自分が逃がした少女ももうどこかへ行っただろう。
ここは彼女の地元らしいし、土地勘で逃げ果せたはずだ。

(オレもここからオサラバするとしよう)

 ここにめぼしいアイテムはなさそうだし、あんな怪物と遊ぶのはもうこりごりだ。

 すっかり変形して武器の体をなしていない鉄パイプを放り投げ、
ポケットの中のコインを取り出す。

 コイントスをすると、出てきたのは『表』だ。

 今までを鑑みると、あまり当てにならないような気がしたが、
何だかんだでこうして生きてるのだから、結構ご利益はあるのかもしれない。
633Implication ◇qh.kxdFkfM代理:2010/09/13(月) 02:03:32 ID:S51HFRLB
「死にたくねえな……」

 歩きながら、ふと、呟く。自分にあまり時間が残されていないのはわかっている。
だが、そう望んで何が悪いというのか。生きようとするのがそこまで罪なのだろうか。
少なくとも自分はまだ人間として生きたかった。人間として死にたかった。
 たとえ解決方法がなかったとしても、それが自分の望みなのだ。

(どうすりゃいいんだよ。教えてくれよ、ケビン)

 どこかに消えた戦友に問いかけても、答えが返ってくるはずもなく……。


【A-3バス周辺/一日目夜】


【ジム・チャップマン@バイオハザードアウトブレイク】
 [状態]:強い疲労
 [装備]:コイン
 [道具]:グリーンハーブ×1
 [思考・状況]
 基本行動方針:誰か助けてぇ!
 1:死にたくねえ。
 *コインで「表」を出しました。クリティカル率が15%アップしています。
 *T-ウィルス感染者です。時間経過、死亡でゾンビ化する可能性があります。
634参加するカモさん:2010/09/13(月) 02:07:55 ID:S51HFRLB
以上で代理投下終了です。

チサトが逝ったか。ユカリのダメージはでかそうだ。
635田中 :2010/09/13(月) 13:04:05 ID:d3T1Gt9O
代理投下乙です

これはモンスター以外での初の殺人だっけ?
視界ジャックが使えるからやっかいだわ
ジムはてんぱってるな…
636名無しさん@お腹いっぱい。 :2010/09/13(月) 18:46:56 ID:S51HFRLB
参加者で、ということなら殺人はシザーマンが先だが、
あれもまあモンスターみたいなものだからなw
637参加するカモさん:2010/09/14(火) 02:04:16 ID:rTj2IeEX
代理投下します
638Controversial Participation ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/14(火) 02:05:20 ID:rTj2IeEX
【 クローディア・ウルフ 】 サイレントヒル 遊園地 18時00分00秒

【 クローディア・ウルフ 】 サイレントヒル 遊園地 18時00分01秒

【 クローディア・ウルフ 】 サイレントヒル 遊園地 18時00分02秒

「これは……」

 下腹部から発せられる鋭い痛みに、クローディアは顔を青ざめる。
どこかから聞こえてきた咆哮。それに自身の神が反応しているようだ。
共感・反発、どちらかは知れないが、これは相当な負担だ。


 よろよろと遊園地を後にし、車道へ出る。
彼方に見える灯台の光が、蝋燭の灯火のように感じられた。

 それ以上に目を引いたのが、眼下に広がる赤い湖だ。
ここに住んで久しいが、こんなものは知らない。

(まさかこれすべてがアグラオフォティス……)

 一瞬絶望に打ちひしがれるが、すぐに否定する。
あれ特有の不快感はない。これだけあれば、かなりの拒絶を示すはずなのに。

 轟音そのものが去っても、残響がクローディアを苦しめる。
同胞を求める声か、地獄へ誘う叫びか。自身を蝕むその存在に、彼女は憎悪を抱く。
それによって神は胎動を始め、更なる痛みを呼ぶ。

 痛みが憎しみを生み、その憎しみが痛みを生む。
その悪循環はクローディアにとって好都合だったが、
さすがに限界はある。おぼつかない足取りはやがて停止し、膨れ上がる苦痛に耐えかねてくずおれてしまう。
639Controversial Participation ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/14(火) 02:06:10 ID:rTj2IeEX
「大丈夫かよ、オイ!」
 遠くから男の声と、複数の足音が近づいてくる。
サイレントヒルに迷い込んだ連中だろう。
自分に害をなす怪物に遭わなかったのは幸運だ。
いや、神のご加護というべきか。

「しっかりしろ!」
「……大丈夫です。心配していただき、ありがとうございます。
ここで会ったのも神のお導きでしょう。どうかご一緒させてください」
 とりあえずこの男に取り入ろう。親切な人間は扱いやすいものだ。
神の尊さ、楽園の素晴らしさを説けば、従順な信徒が出来上がることだろう。
 サイレンの影響ももうない。これでまた普段通りの行動が可能だ。
どのように動くべきか、復帰した理性で思考する。


「そう。じゃあここで私に撃ち殺されるのも、神のお導きって奴なのかしらね。
どうなの、可哀想なクローディア?」

 頭上から降ってきた声に、顔を上げようとしたクローディアは硬直した。
心臓が止まったような感覚さえする恐怖と驚愕。


 
 一発の銃声が、暗闇を駆け抜けた。
640Controversial Participation ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/14(火) 02:09:35 ID:rTj2IeEX
「アレはさすがにねぇんじゃねえの?」
「アレくらいビビらせないと、本当のことなんて吐かないわよ」

 リロードを終えた銃をしまい、ヘザ―は阿部から、少し離れた椅子でぐったりしているクローディアに視線を移す。

「やっぱお前を怒らせたらヤベ―な」
「何かいった?」
「いや、こっちの話」
 聞き取れなかった呟きに首を傾げつつ、ヘザーは地図を広げる。
「とりあえず、遊園地についてはあの子から情報が手に入ったし、
このまま電車で教会に向かいましょ。あなただってウサギの群れと遊びたくはないでしょう?」
「まあな」
 
 ヘザ―の放った銃弾はクローディアの髪の毛や理性を削り取った。
結果、彼女と阿部は貴重な情報源を容易く入手し、こちらにイニシアチブを確立させた。
教団の不在、神の再生、力の制限……これらの情報に確証はないが、クローディアにとって偽証は自身の死や楽園の頓挫を意味するため、
かなりの信憑性がある。

「でも電車があったとしても、動くのかよ。錆まみれじゃねえか」
 周囲の悲惨な状態を眺めて阿部が嘆くと、ヘザ―が頷く。先程のサイレンを境に周囲は『あの世界』へと変貌した。
現在のサイレントヒルには、そういう法則性があるのかもしれない。
「そうね。仮に動いても、“まともに”動く保証はない。
そうなったら歩くしかないけど、迂闊に地上を歩くよりはマシなはずよ」
「それもそうだな」
 自分達が出会った過程を思い出したのか、男がうんうん、と同意する。

「それでよ、あいつはどうするんだよ」
 親指でクローディアを指され、ヘザ―は唸る。
「本当なら殺したくはないの」
「よく言うぜ」
「本当よ。殺さずに済むなら、その方がいいわ。
それに、間接的にとはいえ、一回あの子殺してるのよね」
641Controversial Participation ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/14(火) 02:11:13 ID:rTj2IeEX
 死者蘇生。宗教にはよくある現象・行為だが、たいていは空想だ。
しかし、今回もそうであろうか。たしかに死体はなかったが、クローディア・ウルフという人間はあの時に死んだはずだ。
もし神と融合していたとしても、その神も自分は手に掛けている。結局は死ぬしかない。
 なのに、クローディアは生前そのままの姿でここにいるし、弱体化したとはいえ、『神』もその身に宿っているという。
自分や阿部を連れてきたのがその神や彼女の仕業であったのなら、すぐに始末するつもりだった。
だが、あの教団関係者は今回の件は関与していないというし、リセットされた神にそれ程の力があるとは思えない。
少なくともクローディアにしろ神にしろ、抵抗する力があるなら、さっきの銃撃に反応したはずだ(あの発砲にはそういう意味もあった)。

「今のあの子はまだ脅威じゃないわ。
それより問題なのは、このイカれた世界を作った元凶が何かってこと。
それが教団かどうかは教会を調べてから結論を出すとして、
もし別の勢力が原因だったら、ここで彼女を殺すのはマイナスになるかもしれない。
もしかしたら、あの子も協力してくれるかもしれないからね」
「敵の敵は味方ってか? そんなにうまくいくかねぇ」
 確かに阿部の言う通りだ。共通の敵を持ったとしても、団結できるとは限らない。
信用した矢先に裏切られては、死んでも死にきれない。武器は没収したが、それでも危険なのは変わりないのだ。
ここにいるかもしれない父や友人に会うためにも、自分はまだ死ぬわけにはいかない。
クローディアのことを鑑みれば、彼らも自分の記憶通りの姿でいる可能性が高いだろう。
期待と焦燥が胸中を支配しているが、表に出さないように努めている。
642Controversial Participation ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/14(火) 02:11:56 ID:rTj2IeEX
「あなたもそれに合わせてくれとは言わない。これは私のわがままだから。
もし私やクローディアを信じられないなら、遠慮せずに離れてくれればいいし、
殴りかかっても文句はない。さすがに抵抗はするでしょうけどね」
「わーった、わーったよ」
 ヘザ―の真剣なまなざしに阿部は「お手上げだ」とでも言うように両手を上げ、
「おめーについていくよ。文句はねえ。だけど、ヤバい時は頼むぜ」
「ええ、任せて。もしもの時は、私が決着をつける」

 ヘザ―の差し出した手に阿部はきょとんとする。やがてどういう意味か察したらしく、その手を握る。

 クローディアはといえば、そのへんで拾った栄養ドリンクをラッパ飲みしていた。

【A-4/駅/1日目夜】



【ヘザー・モリス@サイレントヒル3】
 [状態]:憤怒、この場所へ呼んだ者への殺意
 [装備]:スタンガン(電池残量5/5)
 [道具]:L字型ライト  スタンガンバッテリー×2、SIGP226(装弾数15/15予備弾21)、携帯ラジオ、地図 、ナイフ
 [思考・状況]
 基本行動方針:主催者を探しだし何が相手だろうと必ず殺す。
 1:教会へ向かう。
 2:他に人がいるなら助ける。
 3:名簿の真偽を確かめたい。
643Controversial Participation ◇qh.kxdFkfM 代理:2010/09/14(火) 02:12:50 ID:rTj2IeEX
【阿部倉司@SIREN2】
 [状態]:健康
 [装備]:バール
 [道具]:懐中電灯、パイプレンチ、目覚まし時計
 [思考・状況]
 基本行動方針:戦闘はなるべく回避。
 1:ヘザーについていく。
 2:まともな武器がほしい。
 3:どうなってんだこの名簿?

【クローディア・ウルフ@サイレントヒル3】
 [状態]若干の不安と恐怖
 [装備]
 [道具]
 [思考・状況]
 基本行動方針:神を降臨させる。
 1:ヘザ―に逆らわない。しかし神が危険な場合はその限りではない。
 2:邪魔者は排除する。
 3:赤い物体(アグラオフォティス)は見つけ次第始末する。

 ※神はいったんリセットされ、初期段階になりました
 ※アグラオフォティスを所持すると、吐き気に似た不快感を覚えます
 ※力の制限は未知数(被検体が悪い)。物語の経過にしたがって変動するかもしれません

代理投下終了です
644参加するカモさん:2010/09/23(木) 18:45:21 ID:NKW2Bscl
代理投下します
645Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:46:48 ID:NKW2Bscl
「あの」世界は――――
ようやく……100年もの時を越えてようやく、私を殺す犯人の正体を突き止める事が出来た世界だった。
仲間を信頼する大切さを、仲間と力を合わせれば運命にも抗えるのだと教えてくれた世界だった。
みんなをあんな目に合わせてしまったのは、とても辛かったけど。
誰1人として狂気に囚われる事のなかった最高の世界だったというのに
結局みんなを死なせてしまったのは、とても悔しかったけど。
それでも次の世界に遺せるものの多い、素晴らしい世界だった。
この記憶を引き継いだなら次の世界でこそ必ず勝てる。次は運命を屈服させる事が出来る。きっとそのはずだった。



なのに――――「この」世界は何だと言うの?!



一緒にワゴン車に乗っていたはずの羽入と山狗の死体処理班は、何の前触れもなく消えていた。
つまり私だけが特別にこの空間に迷い込んだという事。

……いえ、「私だけ」じゃない。ここには赤坂もいたのだから。
あんなにも…………あんなにも、変わり果てた姿で。

そして、「迷い込んだ」んじゃない。
こんな事、いくらなんでも何かの弾みや偶然で起こるなんて有り得ないもの。

これは「誰か」が起こした現象だ。「誰か」の意志が、私をここへ導き、赤坂をあんな姿にしたのだっ!

でも、その「誰か」はどうしてこんな事をするの?
どうして私と赤坂を連れて来たの?
私に何の用があるというの? 何をさせようというの?
646Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:47:47 ID:NKW2Bscl
分からない。答えが出る問いは何も無い。
私に分かるのは、「この」世界の中では私は絶対に死ぬわけにいかないという事だけだ。
ここでは、いくら呼びかけても羽入の反応は無い。羽入はここには来れないらしい。
羽入がいない世界で死んだら私はどうなる? きっともう二度と生をやり直せないだろう。
そうなったら「あの」世界が無駄になる。みんなの死が無駄になる。
私の100年がただ無駄に終わり、何の意味も無くなる。
それは私にとって何よりも恐ろしくて、何よりも避けなくてはならない事だった。

だから、許せなかった。

こんな事をする「誰か」が。

私に赤坂を殺させた「誰か」が。

私と羽入を切り離し、私の希望を潰えさせようとする「誰か」が。

その「誰か」に対し、私の胸の奥底では怒りが芽生え始めていた。

私は生きたい。
死の運命を打ち破り、みんなと一緒に生きていける世界を見つけたい。
その為にも、こんな世界では死ぬわけにいかないのだ。
どうにかして「この」世界から脱出し、羽入と再会し、次の世界に希望を繋げなくてはならない。

だけど、それには私一人じゃ駄目だ。
100年の魔女を自称したところで、所詮は私はただの子供。
こんな異質な空間に人間を導けるような相手に、一人で立ち向かえるとは思えない。
立ち向かうには「あの」世界で学んだように、信頼出来る仲間達が必要だ。
一緒に「この」世界に抗い、力を合わせてくれる仲間が居てくれれば、運命だって覆せるはず。希望は生まれるはず。
647Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:48:52 ID:NKW2Bscl
だから、これから私がここでしなくてはならないのは仲間を集める事、なんだけど……。
沙都子。魅音。詩音。レナ。そして圭一。
頼れるみんなは、もう居ない。
私が無条件で信用出来る人達……私を無条件で信用してくれる人達は、ここには居ない。

「この」世界には私の他にも人が居る。それは確かのようだけど。
一体どのくらいの人が私のように連れて来られているのだろうか。その中に信頼出来る人は何人居るのだろうか。
ここにはおそらく私を連れて来た側の人間だって居る。だとしたら無条件で信用出来る人なんて1人もいないのだ。
誰かを信頼する事はとても大切な事。
だけどそれは、誰が味方で、誰が敵なのか。それを見極めてからでなくてはいけない。
頼る人を間違えて取り返しのつかない事になるのは、もう二度と御免だから。

まずは最初に出会ったこの男「風海警部補」。彼は、どうなのだろう?
風海の第一印象は、良く言えば純朴。悪く言えばバカ正直。
出会った時は戸惑いを隠そうともせず。私が襲われたと話せば正義感を露にして。
自分の考えがすぐに顔に出る人。そんな印象だった。
その点はどこか赤坂に近いところがあり、悪い人にはとても見えない。信用は出来そうだけど……。


まあ、とりあえず最低限の確認は必要ね。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
648Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:49:51 ID:NKW2Bscl
「それにしても風海は正直者なのです」
「え?」

意外と足が早く、数メートル先も霞み始める霧の中をスタスタと行ってしまう梨花ちゃんにようやく並んだと思ったら、
唐突にぼくは褒められた。何だろう? 特に正直者なんて言われる行動を取った覚えは無いんだけど、何かしたかな?
横を歩きながら考えを巡らすぼくの顔を見上げながら梨花ちゃんはこう続けた。

「ボクの知り合いにも刑事さんはいますですが、自己紹介で階級まで名乗る刑事さんは風海くらいなのですよ」
「ああ、そういうこと?」

まあ、珍しいかもしれない。
確かにぼくも同じ警察官同士でならともかく、一般の人に対してはあまり階級までは言わないけど、でも別に変な事じゃない。
というか珍しさで言えばこの年で刑事の知り合いがいる梨花ちゃんの方が……って、そんな事考えてる場合じゃなかった。
梨花ちゃんにはさっきの事故の事とか、彼女の事とか、聞きたい事が色々あるんだ。話を変えなくては――

「その刑事さんはボクにイジワルするのですよ」

――と思ったけど、これはちょっと聞き捨てならない。

「意地悪? どういう事? 何かされたのかい?」
「みぃ。ボクがいっぱいお願いしても鉄砲も手錠も見せてくれないのです」
「……うん、それは……そうだろうね」

そういう事だったか。
それはその刑事が正しい。拳銃や手錠なんて一般人に、ましてやこんな子供においそれと見せていいものじゃない。

「風海は鉄砲や手錠は持っていませんですか?」

梨花ちゃんはぼくの前に回りこんで足を止め、期待を込めた表情を向けている。見せろと言いたいのだろう。
でもぼくは人見さんを探す為とは言え休暇扱いでここまで来ているのだ。署の備品を持って来ているわけがない。
万が一の場合に備えて拳銃はこっちで調達したけど、わざわざ危険な物を子供に見せるわけにはいかないだろう。
ぼくはしゃがみ込んで、目線を梨花ちゃんに合わせた。
649Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:50:38 ID:NKW2Bscl
「手錠は持ってないんだ。拳銃ならあるけど、危ないから見せる事は出来ないよ」
「みぃ。では手帳を見たいのです」
「手帳? って、警察手帳の事?」
「はいなのです。大石はケチンボなので手帳だって見せてくれませんです。一回よく見てみたいのです」

大石というのはその刑事の名前かな?
警察手帳か。確かに拳銃や手錠とは違って危険なものじゃないから見せるのは構わないけど……無くされたりしないだろうか。
だけどここで梨花ちゃんのご機嫌をとっておけば、話を聞き出しやすくなるかもしれない。
ぼくは少々の不安を心の隅に押し込み、代わりに警察手帳を取り出した。

「じゃあ、少しだけだよ」
「にぱー」

梨花ちゃんに警察手帳を渡すと、ぼくは立ち上がって辺りを見回した。
霧は世界を真っ白に染め上げようとしてるかのように、どんどん濃さを増している気がする。
アメリカの街は日本とは違って道路が分かりやすく整理されているものだけど、
それでもこんな霧じゃあ事故を起こしても仕方ないかもしれない。

それにしても、あのワゴン車……一体何にぶつかったんだろう?
壁に激突していたわけじゃないし、人間を轢いたくらいで車体が潰れるわけはないんだけど……
いや、待て。そもそもあの男性も轢かれたような怪我じゃなかったんじゃないか?
大体梨花ちゃんを殺そうとした男が何故車に轢かれるんだ。
…………たまたま轢かれた? ……そんな偶然が有り得るのだろうか?

ふと気になってぼくはワゴン車の方向を振り返った。
ワゴン車からここまでは直線の道だったけど、もう車は濃霧と一体化してしまっていて、判別出来ない。
たったの数十メートルでこれなのだ。現場検証に来る警官は大変だろう。

…………ん? 現場検証? ……しまった!
650Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:52:12 ID:NKW2Bscl
ぼくの胸中を焦燥感が駆け抜けた。
唐突に起きた地割れで通行不能になった道路。
周囲に激突した痕跡も無いのに車体が潰れていたワゴン車。
そして、平然と遺体に触れて武器を奪っていた小学生中〜高学年くらいの女の子。
立て続けに3つも起きた異常事態のせいか、どうやらぼくは自分で思うほど冷静じゃいられなかったみたいだ。
今になってようやく気が付いた。ぼくが警察官として本来果たさねばならない義務を果たしていない事に。

その義務とは――――地元の警察に通報する事だ。

いくらぼくの知識では説明出来ないような怪現象が起こり、帰る道が封鎖されたとは言え。
そして、この霧がどこか怪しげな雰囲気を醸し出しているとは言え。
事件や事故が起きれば警察に通報するなんて至極当たり前の事じゃないか。
交通事故の現場に居合わせて咄嗟にそんな事も思いつけないなんて、ぼくはまだまだ警察官として未熟なのかもしれない。

うつむき加減で手帳を弄っている梨花ちゃんから数歩離れたぼくは、スーツのポケットから携帯電話を取り出した。
さっきは使えなかったけど今ならどうか……
折りたたみ式の端末を開くと、画面にはさっき確認した通り「圏外」の文字が誇らしげに胸を張っている。
だめだ、やっぱりここは電波が入らないんだ。これじゃ通報も出来ない。
仕方がない。どこか近くの家まで行って電話を借りる事にしよう。
英会話はからきしだけど、幸いぼくには出発前に買っておいた本「ひとり歩きのアメリカ英語」がある。
これをフル活用して電話を借りる交渉と、通報をしなくては。

「梨花ちゃん」

一応梨花ちゃんにも説明しておいた方がいいだろう。ぼくは梨花ちゃんに呼びかけた。
ややあって振り向いた梨花ちゃんはやはり笑みを浮かべていた――――んだけど、気のせいかその表情はどこか、硬い……?
おかしいな、てっきり手帳を見て喜んでると思ったんだけど、何か変な事でも書いてあったかな?
651Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:53:05 ID:NKW2Bscl
「どうかしたのですか? 風海?」

呼びかけておきながら黙り込んでしまったぼくは、反対に心配されてしまったようだ。
具合の悪さを感じつつも、ぼくは梨花ちゃんに簡単な説明をした。
それを聞き終えた梨花ちゃんは何故かきょとんとした表情を見せるが、しばしの沈黙の後、ゆっくり首を縦に振った。
よし、これで何とか警察官失格の烙印を押される事だけは免れそうだ。
そうと決まればここでもたもたしてる場合じゃない。早く移動しなくては。
ぼくと梨花ちゃんは近くの住宅を目指して歩き出した。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


警察手帳を見る限り、風海の言った事は正しかった。
風海警部補。本名「風海純也」。「警部補」という階級も、「警視庁警察史なんとか室」とかいう部署も嘘じゃない。
メモ帳のページを開いてみれば、風海がこれまで手掛けてきたと思われる事件に関する書き込みが多く見られ、
内容は私には良く分からないけど、その書き込みからは決して嘘や落書きとは思えない迫真性のようなものが感じられた。

ただ1つだけ、この手帳には明らかにおかしな点があった。
それは発効日だ。記されてあった発効日はこうだった。



『発行年 200X年』



普通に考えれば、有り得ない。
今は昭和58年だ。
私が死の運命に抗い続けてきたのは1983年なのだ。
20年も先の警察手帳だなんて、昭和58年を延々と繰り返す私には嫌味や当てつけとさえ思えてくる。
この手帳は偽物。だとしたら風海は信用してはいけない人間なのだろう。
652Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:54:15 ID:NKW2Bscl
あくまでも、普通に考えれば、だ。

そもそもここは普通の世界じゃない。
こんな世界に、ある程度時間に干渉できる羽入に介入の余地も与えずに私を連れて来た「誰か」なら、
20年先の未来から人間を連れて来れたって別におかしくもなんともない。

それに、風海の態度。
こんな状況だ。もしも風海が私を騙そうとして近付いてきたとしたら、もう少しそれらしい事を言うだろう。
なのに風海はさっきからずっとワゴン車の事故の事ばかりを気にかけている。
彼がどういった経緯でここに来ているのかは知らないけど、
おそらく風海は自分が異世界に連れて来られた事にまだ気づいていないのだ。
それに気づかず、日常通りに職務を全うしようとしているのだ。

良く言えば純朴。悪く言えばバカ正直。

きっと風海は私が抱いた第一印象通りの人間なのだろう。
根拠……というより、ただの推測に過ぎないけれど、私は風海を信用したい。きっと風海は信用出来る。
私は彼と協力して「この」世界から脱出を目指すのだ。

……ただ風海も私と同じ状況だとすると、余計に分からないのは何故私達がここに連れて来られたのか、だ。
私と風海と赤坂。共通点など何もなさそうな三人を、何故「誰か」は連れて来たのか――――

まあ、考えても分からないものは分からない。それは後回しにしよう。
とにかく今は落ち着ける場所で、風海にこの街の危険性を伝えなくてはならない。

それから――――私は存在を確認するように山狗のバッグを撫でた。
この中に使えるものがないかも確認しておかないとね。
653Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 18:54:57 ID:NKW2Bscl
事故現場から何件目かの家の前で、風海は「ここも出ないな……」と呟きつつインターホンを鳴らしていた。
多分この家に、いや、この街には住人なんか居ないだろう。
この空間は、街を模しているだけであって、街なんかではないのだから。
でも、風海はここを普通の街として常識の範囲内で接し、行動している。
これでは時間の無駄ね。私がフォローしてあげないと。

私は玄関のドアノブに手をかけた。鍵はかかっておらず、ドアは何の抵抗も無く開く。

「ここで作戦会議をするのです。おー」
「ちょっ、梨花ちゃん?!」

慌てて止めようとする風海の手を上手くかわし、私は家内に足を踏み入れた。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


「……駄目か」

リビングにあった電話は、何度フックを押し直してみても通じる事はなかった。
電話線が切れているのか電話機の故障なのかは分からないが、ともかくここの家の電話が使えない事は確かだ。
ぼくは受話器を電話機本体に戻し、脇に挟んでいた道路マップを手に取ると、ついつい溜息を吐いた。
道路マップは元々電話機の側に置かれていたものだ。それにはデカデカと、こう表記されている。

『サイレント・ヒル』、と。

兄さんの話ではフィクション上の架空の街という事だった『サイレント・ヒル』。
ぼくも『サイレント・ヒル』については調べてもみたし、
ここに来るまでの間、何人かの人に聞いてはみたのだが、
何一つ、誰一人として都市伝説以上の答えを出せるものはなかった。
654Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 19:00:34 ID:NKW2Bscl
しかし、その架空の街の道路マップがここに確かに存在している。
どうしても気になったぼくはこの家の郵便物を調べてみたのだが、
見つけた郵便物や葉書の住所には全て『サイレント・ヒル』の文字が見受けられた。
どうやら『サイレント・ヒル』というのは地割れなどの怪現象の事ではなく、やはり街の名称のようだ。
誰一人としてはっきりとした存在を知らなかった都市伝説のモデルとなった街。今ぼくはそこにいる。
果たしてここは実在の街なのか。それとも都市伝説がそのまま現実に出てきているのか。ぼくにその判断はつかない。

人見さんは一ヶ月もの間この街に閉じ込められているのだろうか?
行方不明の原因として、誘拐や事故のセンも考えていなかったわけではないのだが、
これだけ奇妙な現象が起こる地域ならば、怪現象で街から出られなくなっている可能性の方が高い気がする。

さて、ぼくはどうするべきだろう?
誘拐にせよ事故にせよ街から出られないにせよ、人見さんの足取りはここで消えている。
それが人為的なものか怪現象によるものかの断定出来ないけど……。今は現実的な行動方針を選択するしかない、か。
怪現象だとしても、情報や手掛かりが少なすぎて、正直何をどうしたらいいのかわからないのだから。

だったら、とりあえず地元の警察の協力を仰ぎに向かうべきだろうか?
警察になら何かの情報が寄せられているかもしれないし、さっきの事故の件も伝えなければならない。
それに、事故の目撃者でもある梨花ちゃんを預ける必要もあるだろう。
うん、そうだ。この先また何件も住宅を訪ね歩くより、警察署に直接出向いた方が色々と効率が良さそうだ。
その過程でまた怪現象が起きたなら、その時はその時で対処する。これでいこう。

ぼくは道路マップでこの家の位置と警察署の位置を確認すると、簡単な地図をノートに描きこんだ。
このくらいの距離ならば警察署までは歩いてもいけるだろう。
道路マップは持っていきたいところだが、とりあえず今は現実的に行動すると決めたところだ。
人の家の物を勝手に持ち出すのは窃盗罪なのでそれは止めておこう。
まあ……今のぼくは住居不法侵入中の身でもあるんだけど。
655Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 19:01:54 ID:NKW2Bscl
さてと、じゃあもう一度梨花ちゃんに説明だ。
梨花ちゃんは今、同じリビング内でソファに座りテーブルの上にバッグの中身を広げていた。
ぼくから見えるのは梨花ちゃんの後姿だけど、どうやら何かを見ているようだった。

「梨花ちゃ…………っ?!」

呼びかけようとして、ぼくは絶句した。
ぼくの視界に入ったのは、奥にある窓に映っていた梨花ちゃんの顔。
その形相はどう見てもただ事ではなかった。

おそらくは、怒りか。

可愛らしい顔が尋常じゃなく歪んでいて、

しかも…………その目には――――



その目には、血のような赤い光が宿っていた。



◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
656Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 19:02:52 ID:NKW2Bscl


感情が、爆発しそうだった。





原因は山狗のバッグに入っていた二枚の紙切れ。
そこに書かれていた内容を見た時、私の心は大きく揺さぶられた。

『ルール』と『呼ばれし者』。

殺せ!? 殺し合えというの!? 殺し合わせる……そんな事が目的で私達を連れて来たというの?!
そんなくだらない事で赤坂は…………私は…………こんな所に…………っ! ふざけないでっ!

どう考えても意味があるとは思えない。
いや、例え「誰か」にとって意味があったとしても、私には興味も関係も無い事だ。
それなのに、私の希望は潰えさせられようとしている。そんな事で? 有り得ない。決して許される事じゃない。

そんな私の想いは、名簿に載っている名前によって更に逆撫でされた。

『前原圭一』
『園崎魅音』
『園崎詩音』
『竜宮レナ』
657Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 19:03:44 ID:NKW2Bscl


私をここに連れて来た「誰か」。あなただけは、絶対に、絶対に、許さないっ!


◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


気付けば、窓に映る梨花ちゃんの目から赤い光は消えていた。
見間違いだったのだろうか?
そう思い窓の外を凝視してみても、特に何か光るものがあるわけじゃない。

もしも見間違いじゃないのだとしたら……ぼくにはあの目には心当たりがあった。
それは、ぼくの記念すべき編纂室配属後最初の事件での記憶。


『鬼』


そう、梨花ちゃんのあの目は、『鬼』事件の容疑者『安西聡子』と同じ輝きに見えた。

何かに呪われているかのように、常に不幸に付きまとわれた人生を歩んできた『安西聡子』。
周囲からはその境遇に対する安っぽい同情、憐憫の声を投げかけられ、見下され続ける屈辱と羞恥心を抱え込み、
遂には抱え込んできた負の感情を爆発させてその身を『鬼』へと変貌させてしまった女性。

もしも梨花ちゃんも何らかの負の感情を抱えていて、それが抑えきれなくなったとしたら――――
658Self question   ◇cAkzNuGcZQ 代理:2010/09/23(木) 19:20:01 ID:NKW2Bscl
ゲサロに新スレ立てました

http://toki.2ch.net/test/read.cgi/gsaloon/1285236575/
659ゲーム好き名無しさん :2010/09/28(火) 01:09:53 ID:OcP5hVpJ
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