劇場版の最後のシーンについて

このエントリーをはてなブックマークに追加
43名無しが氏んでも代わりはいるもの
アスカが他人の象徴であるということはどういう意味か

「キャラは記号だ。王道な成長物語は作らない」と語ったらしい庵野氏に倣ってエヴァ
の後半からEOEにかけて、謎やキャラの内面を無視して登場人物の行動を何が起きた後
に何が起きるのかに注目してみます。

壱拾七話から壱拾八話にかけて、トウジはフォースチルドレンに選ばれます。余り乗り
気ではないのですが、シンジを心配させないために相談せずに秘密にします。
このようにトウジはエヴァのストーリーにおいてシンジのことを本気で思いやる、親友
という役割を担っていたことが明らかになります。。
そのトウジは参号機が使徒に乗っ取られ、右足を失い物語の世界から退場します。

壱拾九話においてはシンジがネルフから去ると聞いたケンスケは、シンジのことを詰り
、エヴァに乗れるトウジやシンジに嫉妬していたことを明らかにします。
ストーリー上、ケンスケはエヴァのパイロットというステータスに引かれてシンジのと
つきあっていたと明らかになります。
この電話の後のケンスケの出番は、学校でチルドレン達がこないと呟くだけになり、ス
トーリーから退場します。

壱拾九話でにおいて加持はシンジをけしかけた後、冬月を誘拐した後解放するという、
まったく意味のない行動によって死んでしまいます。


弐拾参話においては綾波レイが「碇君と一緒になりたい」と、その種類は解りませんが
好意を顕わにした後、命令を無視してまでシンジを救うために自爆します。

弐拾四話においては渚カヲルがシンジに対して「好きって事さ。僕は君に会うために生
まれてきたのかもしれない」と、好意を顕わにしますが彼もシンジに殺されます。

EOEにおいては、シンジを使徒の復讐の道具と見るか家族と見るかで揺れ動いていたミ
サトはシンジを家族として送り出した後(死ぬ前に自分の父親でなく、コンフォートの
お茶の間と加持の幻を見ました)、死にます。

シンジのことを愛しているかどうかが解らなかったゲンドウも、「遠ざけたのは傷つけ
たくなかったから」と、シンジへの愛情を告白した途端に初号機に食われます。

三人目の綾波もゲンドウを捨ててシンジを選びましたが、彼女もシンジを救うために命
を捨てます。


このようにエヴァのメインキャラ達は、シンジへの態度(主に好意が有るか無いか)が
明らかになって、王道的成長物語に必要な登場人物としての立場(主人公の親友、恋人
、父親、兄、無関係な他人)をとるようになると、ストーリーの世界から退場してしま
うのです。