一人目のレイだけど。

このエントリーをはてなブックマークに追加
学校がえり、いつもの自販機でジュースを買う。わたしの日課。
 すぐ後ろに子供達がいて、何か話してる。なんだろ?

「…あやなみれいってゆうんだよ」

 わたしのこと、話してる?

「うちのねえちゃんと同じクラスでさ。性格が超暗くて、
 その上友達も居ないんだってさ。その上、なんかヤバイんだって」
「どんなふうに?」
「ときどき発作、起こすって。人と話してる最中急に胸を押さえだして、
 そのままずっとしゃがみっぱなし」
「なんで!? なんでそんな風になんの!?」
「本人に聞けばいいじゃん。ほら」
「こえーよ、きけねーよ」
百円玉がカチカチ音を立てる。手が震えるから。
うまくお金が入らない。視界がぼやけるから。

 こういう町だから。みんな、わたしのこと、知ってる。