38 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :
シンジ「あの……綾波レイさんですか?」
レイ 「……(こくり)」
シンジ「どうも、初めまして。なんか、零号機の印象と同じですね」
レイ 「そう……」
シンジ「知的で可愛いっていうか、なんか嬉しいです」
レイ 「……(わずかに頬染め)」
二人、いい雰囲気での中華街へと向かう。
シンジ「あの」
レイ 「なに……?」
シンジ「えっと、メールでの名前が番号になっているんですけど、
ハンドルとかお持ちになっているんですか?」
レイ 「……(こくり)」
シンジ「どんなハンドルですか?」
レイ 「名無しが氏んでも代わりはいるもの」
シンジ「え?」
レイ 「名無しが氏んでも代わりはいるもの。・・・捨てハンよ」
シンジ「はあ……」
シンジ「(気を取り直して)レイさんは、なにか食べたいものありますか?」
レイ 「ニンニクラーメンチャーシュー抜ききぼーん」
シンジ「……え?」
レイ 「ニンニクラーメンチャーシュー抜ききぼーん」
シンジ「にんにくらーめんちゃーしゅうぬきぼん、ですか? あ、あの、どんな料理なんですか?」
レイ 「……料理の名前じゃなくて、ニンニクラーメンチャーシュー抜きを食べたということよ」
シンジ「はぁ……」
レイ 「……チャーハソってどう?」
シンジ「え?」
レイ 「……チャーハソってどう?」
シンジ「チャーハソってどうって……いきなり言われても……
ちょっと。チャーハソって知らないので……」
レイ 「…………私があんまり美味しくないと思っている炒飯のこと……」
シンジ「はぁ……そうなんですか……」
レイ 「……」
シンジ「……」
レイ 「……」
シンジ「……」
レイ 「……age」
シンジ「え?」
レイ 「……答え…」
シンジ「あ……ごめ……いや、僕もあんまり炒飯って好きじゃないんです」
レイ 「sage」
シンジ「……」
レイ 「……もういいわ」
シンジ「……はぁ」
レイ 「……あなた、厨房ね…」
シンジ「え?」
レイ 「……あなたは、厨房なのね」
シンジ「いや、何で僕が……確かに中学生だけど……」
レイ 「…………」
シンジ「……?」
レイ 「……じゃあ、あなたは何が食べたいの?」
シンジ「ニンニクラーメンでいいですよ」
レイ 「……がいしゅつです」
シンジ「え?」
レイ 「……がいしゅつです」
シンジ「え、ちょっと意味が分からないので」
レイ 「……既出ってこと……」
シンジ「はぁ……」