今までのあらすじ。
「エヴァ小説批評&批判スレッド2」で突然沸き上がった、
いまさらながらの「評論の場」論争。レス92で召喚された
「ばろむわん」は独り暴走し、レス110にて「新FF世紀
えう゛ぁんげりおん」なる、
>エヴァのストーリーにしたがって、チェーン・ノベル形式で
>評論やっていくねん
という「ネタ系FF評論参加スレ」を提案。誰も反応しないまま
黙殺されるという状況に、レス113が「結局、みんな口先だけ
のヘタレなんだね」(意訳)という煽りを行ない、「漏れはヘタ
レやないいいいー!!」と誰の応援もないままさらにバーサーク、
FF系スレの乱立が激しいエヴァ板に新スレを設立するという暴
挙に至るのであった・・・。
ルールは
>>2で説明しまする。
なお、詳しい状況は「エヴァ小説批評&批判スレッド2」のレス
61から115を参照のこと。
http://teri.2ch.net/test/read.cgi?bbs=eva&key=993170475&ls=50
趣旨
不特定多数によるFF評論をネタとして展開する「実験」場。
ルール
1.FF紹介・評論をエヴァのストーリーに基づいておこなう。
2.ストーリーは基本的に原作準拠であるが、逸脱もオーケー。
3.前レスからのストーリーを引き続ける。
4.名無しさん歓迎。ネタに貢献してくれるなら、さらに歓迎。
注意
1.批評スレ2のレス103の語るように、どんな駄作であっても
叩く以上は
>1.とりあえず読め。
>2.読んでから語れ。
これの厳守を求む。
2.不平を言うより、ネタつくれ。
3.荒らし上等!!、したがってsageなし。但し、芸のない厨房
的荒らし、お断り。荒らしをするにしても、芸を求む!!
4.何も失うものはない。芸の失敗、気にするな!!
とりあえず、以上。
それでは
>>3から始めまする。
長野のド田舎から、「第三新東京市」なる意味不明の伊豆の
新興住宅地にやってきたったシンジ。方向オンチのミサトに
連れられた先は、巨大な薄暗い書庫だった。ずらーりと並ぶ
プリントアウトされたFFのファイル。そこにシンジの父、
碇ゲンドウが現われた。
「父さん、僕にこれを全部読めって言うの?」
「そうだ。」
「そんなのできるわけないよ!!」
「読むなら、早く読め!。さもなければ帰れ!」
「あなたならできるわ、シンジ君。」
「できるか!!、ゴルア!」と言いつつも、結局、温泉につかり
つつFFを読むシンジであった・・・。
###
さぁ評論家諸君、口先だけと言われるのが嫌なら、ここで一発
根性のはいった芸を見せてあげよう。
後は野となれ、山となれえ(藁
4 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/06/27(水) 05:18
THE END OF EVANGELION
感想
本日2回目を観てきました。自分の考えもまとまりつつあるので,ここらでつたない感想でも書いてみようと思います。
前記の通り今日の鑑賞は二回目となるのですが,上映後思ったことは一回目と同じでした。「きもちわるい」。ラストのアスカの言葉ですがこれがグサッと来ました。補完計画後,傷つけ合ってでも人間として生きていくことを選んだシンジは,他人であるアスカの首を絞めます。好きな相手に優しくできずまた,傷つけてしまう。結局ぐるぐる回っているだけなのです。エヴァに乗ったり乗らなかったり,人にほめられてうれしかったり,また逆に人を傷つけたり。シンジは監督の心理の投影。強いてはアニメファンの具現化であると思います。そのシンジに向かって他人であるアスカが言った言葉は「きもちわるい」です。ボクはこの言葉はアニメファンである自分に向けて発せられたものとしか考えられません。
やはりアニメファンは「きもちわるい」存在なのでしょうか?上映後,ボクはこれからアニメを今まで通り観ていけるか本当に不安になりました。「夢は現実の中にある」という劇中の言葉通り,ボクは夢をアニメの世界に求めていたように思います。アニメを観るのは逃避でしか無いのでしょうか?
初回上映からずいぶん経ちますが,未だにアニメを自分の中でどうとらえるか悩んでいます。しかし,一つ分かったことは,結局悩むしかないということ。人を傷つけ,自分を傷つけぐるぐる悩んで結論を自分の中で導き出すしかないということ。
これからもボクはアニメを見続けるでしょう。しかし,「エヴァンゲリオン」以前とは違うスタンスで観ることができるとおもいます。ボクがアニメを観なくなったとき「エヴァンゲリオン」のそして庵野監督のメッセージはボクに届いたことになると思います。
...それまでは,自分の中でゆっくり消化していくしか無いようです。
最後に,ボクに考える機会を与えてくださったスタッフのみなさん。ありがとうございました。
あぁ、本当に立てたんだ・・・
こっちも管理よろしくな(藁
7 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/06/27(水) 16:08
age
壱話「スーパーシンジ、来襲」
(『想い遥か・・』他、スーパーシンジものについて)
「わわ、暗いですよ?」
「そうね、彼らは何故か黒を好むから、、、今、明かりを付けるわ」
リツコがブラウザを操作すると、シンジの前に人の顔が浮かび上がった。
ttp://blue.cs-w.com/~wiz/k-sinji.htm 「顔? 人間離れしてますけど、ロボットですか?」
「いえ、確かにお耽美すぎるけど違うわ。人の妄想が作り出した究極の汎用決戦兵器、
捏造人間スーパーシンジ、、、これはその1部よ」
「人間? 人間なんですか、これ?」
「ええ。例え日本刀で100人の敵を切り伏せたとしても、素手で使徒に勝ったとしても、
自分でATフィールドを張れたとしても、それは間違いなく人間なの」
「これも父さんの仕事ですか、、、」
「そうだ」
突然現れたゲンドウにシンジは目を見開いた。
「ふっ、出撃、、、」
「?」
「碇シンジ君、あなたがなるのよ」
「そんなっ! なれるわけないよ! こんなのKittyGuyじゃないか!
大体14歳の少年の目を見て脅える大人なんてイネーヨ!」
「シンジ君、ダメよ逃げちゃ。何よりも自分から」
「逃げる逃げねぇの話じゃねぇだろゴルァ! 何で僕なのさ!?」
「多くのエヴァFFは作り手及び受け手の願望を補完するために書かれている。
あなたは人の願望に都合いいように変幻自在に変えられる運命にあるキャラなのよ」
「そんなのわかんないよ! みんな僕がいらないんじゃなかったの!?」
「必要だから呼んだまでだ。皆、お前を使って己の願望を補完し、
日頃の憂さを晴らそうとしている。主人公であるお前でなければ無理だからなぁ」
「そんなの無理だよ! 出来るわけないよ!」
「冬月、レイを呼べ」
「使えるかね?」
「レイもまた、作者の願望によって作りかえられる宿命のキャラだ。問題無い」
「碇君、、、(ぽっ)」
「き、君は、、、」
「碇君とひとつになりたいの(ぽっ)」
(こんな子まで出演してたなんて、、、)
人の妄想の力の前に、シンジは慄然として立ち尽くすのであった、、、。
(続く)
、、、こんなのでどうでしょう?
9 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/06/27(水) 16:18
10 :
第壱話「FF、襲来」その1:2001/06/27(水) 16:18
シンジの目の前に立ち塞がる巨大なキャビネットとファイルの集合体。
そして、そこから取り出されうずたかく積み上げられた一連のファイルのタイトルに、
シンジは圧倒された。
「これは……古典? 古典FF!? しかも未完!?」
「そうだ」
「っ!! 父さんっ!!」
「良く来たな、シンジ」
いつものポーズで机に座り、スポットライトを下から浴びたゲンドウ。
反射するメガネの向こうの表情は見えない。
「父さん・・・こんなトコロで、一体なにをさせる気なの」
「ふっ(ニヤリ)・・・出撃」
「まさかっ!? 今日来たばかりの彼に?」
「そのまさかよ。少しでもシンクロする可能性が有るなら」
「あのレイですらっ、二週間かかって読了できなかったのよ。はじまったばかりのスレ
の流れが“止まってしまう”のは目に見えているわ」
焦るミサト。初回からこれではシンジが駄目になる。
いやそれ以上に、このスレッドの存続が危うい。
しかしリツコは一冊目のファイルを取り上げ、それをシンジの前に広げた。
「『私立第三新東京中学校』・・・作者ですら、この完結させられなかった未完の大作
を“hidden.htmの呪縛”と呼ぶわ」
「分かってるなら、何故?」
11 :
第壱話「FF、襲来」その2:2001/06/27(水) 16:19
「腰抜け2ちゃんねら達に批評活動への情熱が保てるのか、確かめる為の試練として」
「だからって・・・軌道に乗るまでは誰でも読める作品を選ぶべきだわ。私は反対よ」
ミサトは奥の事務机に座るゲンドウを睨み付ける。
しかしゲンドウは全く動じていない。
「他の人間には無理だからな・・・どうしたシンジ、早くしろ」
「こんなっ、三百話もある大作、いきなり読めって言われて読めるわけが無いよ!!」
「所詮批評への情熱などそんなものか!? 読むなら早くしろ、でなければ帰れっ!!」
ゲンドウの一喝にビクッと体を震わせたシンジ。気圧されたように一冊目のファイルを
手に取る・・・しかし、うなだれたままその表紙をめくる事すら出来無い。
「冬月、予備が使えなくなった。レイを呼べ」
「しかし・・・使えるのかね」
「死んでいる訳ではあるまい。そこに居る腰の引けた似非批評家、いや実際には読む事
すら出来ない“似非読者”よりは役に立つ」
唇を噛み締めてゲンドウの言葉を聞くシンジ。
悔しい。悔しいが、言い返す事は出来ない。
ここまで来て、やはりまた父に見放されるのか。
その時、部屋の奥の扉が開き、キャスター付きの事務椅子に座ったままガラガラと押さ
れて出てくる少女が目に映った。
「あやや〜〜くるくる〜〜」
それは古典FFの読み過ぎで逝ってしまった、レイのなれの果てだった。
12 :
第壱話「FF、襲来」その3:2001/06/27(水) 16:20
「はわわわわ、私立第三新東京中学校はもうごかんべんなのれす。序盤は文章が拙い割
にストーリーに乗っていけるけど、途中から展開がダレてしまって・・・ほえぇぇぇ」
目の前にドサドサとつみ上がっていくファイルに、なぜかビン底メガネを掛けた綾波が、
両手を挙げてくるくると回った。それはまさしく、ごめんなさいの舞い!!。
「あ、あれは・・・へ○レイ。一人でFFを読まされ続けてレイはあんなふうに。本○さ
んごめんなさい、やっぱりへ○レイはキャラクターを侮辱し過ぎですよ。面白いけど」
誰に向かうとでも無く、ぶつぶつと口の中で呟くシンジ。
そのシンジの傍らにミサトが立った。
「シンジ君、ここまで来て、アナタなにもしないで帰るつもり? お父さんにあそこま
で言われて悔しくないの? なんの為にココまで来たの」
「(そっちが勝手に呼び付けたんじゃないか・・・でも、うう、このままではレイが)
逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だ逃げちゃ駄目だっ」
両手を握り締め、うなだれたまま肩を震わせるシンジ。
出来るのか? 本当に自分にこの未完の大作を読了するだけの気力が有るのか?
葛藤の最中にふと周りを見渡せば、日々増えていく膨大なFFの全てをファイリングする
業務に忙しいスタッフ達も、手を止めてシンジの次の言葉を待っている。
「・・・・・・読みます、僕が、読みますっ」
振り絞るような決意表明。
遠くで、ゲンドウの頬が僅かに緩んだ。
13 :
第壱話「FF、襲来」その4:2001/06/27(水) 16:21
「シンジ君、肩の力を抜いて。今はただ座って読めば良いわ。それ以上は望みません」
リツコの声が、どこか遠くでうつろに響いた。
リラックスする為に、恐ろしく豪華な安楽椅子にほとんど仰向けに座らされる。
首を動かさなくてもテキストが読めるように、ビューワーがセットされる。手元のスイッ
チの僅かな動きだけで、膨大なファイルが目の前を流れていくようになった。
「FFゲリオン初号機、準備完了です」
「(たかがテキストビューワと安楽椅子に御大層な名前を)まあいいわ。初号機、発進」
周りの照明が突然落ちる。
シンジは真っ暗な部屋の中、リラックスを強要された姿勢で闇に放り出されていた。
なんだこれは、と思う間も無く、目の前の闇にテキストだけが浮かび上がる。
聞こえるのは空調の低い唸りのみ。目に入るのは黒地に白文字のテキストのみ。
否も応も無く、シンジの世界からFF以外の情報がシャットダウンされた。
「ど・・・どうすれば、良いんですか」
自分の声が何処かに届くのか、それすら自信が無かったが、不安から思わず弱音が漏れた。
「簡単よ。イメージするの。作品世界に入り込んで、ただそれを感じ取れば良いわ」
ミサトの声がスピーカーを通じて聞こえた。
その頃バックアップの為のオペレーションルームでは、シンジの様子をモニターしなが
らスタッフ一同が固唾を飲んで見守っていた。
「・・・読み始めるわ、彼・・・頑張ってね、シンジ君」 第一話・了
14 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その1:2001/06/27(水) 16:21
「hidden.htmの呪縛」タイトルにはそう記されている。
シンジは緊張しながら、第一話へ・・・進む前に、「第一部あらすじ」と記されたファ
イルを開く。
「これは、ダイジェスト版?」
「違うわシンジ君。そっちは読者投稿。それはそれで、また別の“作品”みたいなもの」
「ヤヤコシイじゃないですか」
「取っ掛かりぐらいにはなるわね」
気を取り直して第一話を開く。
まだやはり、この先に三百話も続くという事実に、気圧されていた。
しかし、案外読みやすい文章だった。何故ならシンジの一人称だ。
「シンクロ率がいきなり40%を記録しています」
「まさか・・・スゴイ」
やはりシンジもチルドレンなのだ。
エヴァFFの主人公でもある以上、シンジの一人称で語られる作品は結構数が有る。
父さんが僕を呼んだのはこの為? と思う間も無く、シンジは作品世界とのシンクロ率
を更に高めていく。
「(何でこんなに能天気なんだ、この世界は・・・はっ、これは、EOEを知らない時代、
夏の映画の“監督の呪詛”に毒されていないFF世界なのか)」
「(NERV職員が教師に転職? それにしても呑気なシンジ・・・いや、待て・・・そうか、
加持さんは死んだ事になってるのか・・・おいおい綾波の謎はそれで終わりかい)」
「とりあえず、順調?」
「まだ分からないわ」
15 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その2:2001/06/27(水) 16:22
「(学園エヴァ準拠でNERVスタッフが教師のFFは珍しくない・・・でもこのFFでは、NERV
のスタッフだった彼等が教師に転職してる・・・ちょっと無理がないか? でもこう
しないとエヴァも使徒も居ない新たな世界で、キャスト全員を出せないのか・・・でも、
アスカはどうなったんだ? なんでアスカだけが居ない?)」
ページをめくるシンジの手が更に早くなる。
すでにこちらの世界にある“自分の身体”の事は忘れそうだった。
・・・没頭。そう表現するのが正しいぐらいの集中力とシンクロ率。
今時このレベルの文章で新作がアップされれば、色々と苦言が呈されるだろう。
だが、あの当時は皆が飢えていたのだった。
突然終わってしまったエヴァの結末、その終わり方に納得がいかないエヴァファンは、
ネットにアップされるファンフィクションという新たな地平で、有ったかもしれない
エヴァの世界の続きを垣間見る事に、文字通り血眼になっていた。
そして、まだ春の映画も夏の映画も知らない、ある意味幸せな「ファンの楽しみ」の為
の新たなコミュニティの中で、高嶋氏は二日と開けずに次々と作品をアップしてくれる
「光速魔人」の異名を与えられた、スターの一人だった。
「(そうか、ストーリーを夢中になって追っている間、文章の巧拙なんて意識してない。
一人称が描写の欠けた部分を補っている・・・文字通り、主人公の内側から作品世界
に触れてるんだ)」
分析と言うには程遠い、だがそれは読者としての実感だった。
今読み返せば序盤の文章は拙い。けれどこの作品が支持されていたのは更新ペースだけ
でも無いと言う事実。一体感・・・FFの中でエヴァキャラの視点を共有する。それはTV
アニメだったエヴァとはまた違った、FFならではの新たなエヴァの楽しみ方であり、
高嶋氏はそんな新時代の「エヴァの楽しみ方」を提示してくれたのだった。
16 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その3:2001/06/27(水) 16:23
「これは・・・イタモノっ!?」
シンジは思わず叫んでいた。
本編から姿を消した時のままの精神状態で、病室に居るアスカに驚いた。
能天気な作品世界にあっては、まるでアスカだけがようやく訪れた平和の時代の恩恵か
ら取り残されているようなアンバランスさを感じる。
序盤、ヒロインがレイしか居ないだけに、このアスカの扱いは衝撃だったのだ。
「シンジ君落ち着いて」
突然跳ね上がった心拍モニターに、スタッフルームに緊張が走る。
「ウソだウソだ、アスカが壊れたままなんて・・・うわああああああああああああっ」
「シンジ君? シンジ君?」
返事は無い。
そしてシンジの世界もまた、暗転する。
「はっ・・・ここは・・・知らない、天丼だ・・・」
気が付いたシンジは、天井もベッドも真っ白なガランと広い病室に寝かされていた。
遠くに蝉の声が響き、窓の外の空は抜けるように青い。
そしてベッドサイドの机の上に、何故か湯気を立てる大盛りの天丼。
刻みネギの香ばしさと艶やかな白いご飯が食欲を誘う。
そして、たった今割られたような、トロリと固まりかけた卵の黄身が美しい。
それは余りにもベタな、語呂合わせだけのタイトルの為の“オトシマエ”だった。
17 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その4:2001/06/27(水) 16:25
その頃スタッフルームでは、早くも第一回の反省会が開かれていた。
「やはり、評者の負担が大きすぎるわ・・・危惧していた通りとは言え、大作でしかも
未完が多いエヴァFFの評論を、ネタスレッドとして維持するのは並大抵の事じゃない」
「それでも前に進まなければ未来は無いわ・・・2ちゃんにおけるFF評論の未来は」
話し合うミサトとリツコの表情は暗い。だがゲンドウと冬月の表情は変わらなかった。
「今連絡が入ったわ。シンジ君が気付いたそうよ」
「そう・・・容態は?」
「精神的外傷は無し。ただ、少し記憶に混乱があるようだけど」
「まさか、レイみたいな精神汚染じゃ」
「その心配はないそうよ。案外、タフだったわね、彼」
場面は再び病院へ、そのロビーにミサトが現れる。
シンジに元の制服を渡し、着替えさせて車に乗せると、目的地も告げずに走り始めた。
「さーてっと、今夜はパーっとやらなくちゃね」
「何をですか?」
「新たなるネタ職人の誕生を祝して」
「・・・僕の事、ですか? それって。・・・自覚無いですよ」
ミサトの返事は無い。
「ちょっち、寄り道するわよ」
「え・・・どこへ?」
「い・い・と・こ・ろっ」
18 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その5:2001/06/27(水) 16:26
「まだ何も無い、スレッドですね」
「そう見える?・・・時間だわ」
「・・・スゴイ・・・レスが、増えていく」
長大すぎるネタ書き込みに思い切り引いていたROMラーが、一段落した事に気付いて
そのネタに対する意見をアップし始めた。
ネタスレはネタスレのまま保全する為、リツコが批評スレへとレスを誘導していく。
「“どくしょ☆にっき”に続く新たなるネタ評論スレッド“FF新世紀えヴァンげりおん”
の始動。シンジ君、アナタの作ったネタなのよ・・・さ、入って」
「え・・・あ・・・あの、お邪魔します」
「違うわシンジ君、アナタのスレなのよ」
「え・・・僕の?」
「そうよ。だから、帰ってきた時は」
「・・・た、ただいま」
「オカエリナサΓ、シンジ君」
「それ、作品違います・・・」
普段はミサトと同居しながら、NERVでFFチルドレンとして働く事になったシンジ。
ノリとイキオイだけで「走り出してからモノを考える」ミサトの性格に気圧されつつ同
居には同意したが、このネタが本当に自分に続けられるとは、どうしても思えなかった。
「ここも、知らない天井だ」
ベッドに横になってはみたが、うまいボケが思い付かなかったシンジ。まさかもう一度
天丼を出すわけにはいかない・・・つまりサブタイは滑ったのだ。合掌。
落ち込んだシンジの頭の中に「hidden.htmの呪縛」がフラッシュバックしてくる・・・。
19 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その6:2001/06/27(水) 16:27
可哀想なアスカの境遇に、イッキにシンクロ率を高めたシンジ。
スピードアップして先の展開を追うイキオイに、スタッフルームも追いきれない。
「どうしたのっ!」
「神経接続、計測不明。シンクロ率も振り切って捉えられません」
「モニター感度を切り替えて。記録が残らなければ意味が無いのよ」
「ダメですっ! 制御不能!!」
咆哮するFFゲリオン初号機。ドコに口があるかは永遠の謎である。
余りのスクロールスピードにノイズが混じるモニターを見ながら、ミサトは呆然と呟く。
「『逃亡』・・・そして『妄想』?」
シンジは本編を追いながら、レイ、アスカ、そして女カヲルにまで囲まれつつも、どの
ヒロインキャラとも一向に先へ進まない展開にフラストレーションを溜めていた。
毎回毎回料理が美味しそうだ。揺れ動く各キャラの描写も悪くない。
しかし、展開そのものが余りに重過ぎる。
読んでも読んでも、読者にとってオイシイところがどんどん減っていくのである。
だが、シンジは見付けてしまったのだ。
高嶋氏の妄執・・・いや、ファンサービスの精神が結実した、LAS分岐バージョン。
『逃亡』は閉塞した本編から駆け落ちするシンジとアスカ。
『妄想』はさらにアツイちゃぷちゃぷ(謎)である。
これらの分岐バージョンが公開された時、本編の展開に焦れていたLASファンは狂喜
したと言われている。
20 :
第弐話「見知らぬ、天丼」その7:2001/06/27(水) 16:28
萌えLAS、甘LASという可能性を分かりやすいかたちで提示してくれたのも、やは
り光速魔人、高嶋氏だったのである。エヴァFF世界への貢献度は計り知れない・・・
だがしかし、それらの萌え分岐バージョンも既に錆付いて久しくなっていた。
レイとシンジにフォーカスした高嶋氏自身の分岐も、何処かに有ったはずだ。
飛散したテキストは、誰かが保管していなければWebの中でいつかは流れて消えてし
まう・・・時の流れの無常さ。そして、移ろいて消えてしまうヒトのココロの儚さ。
たまたまNERVのFFチルドレンに選ばれたから、過去作品もまとまった形で読める。
当時を知っていればこそ、誰もがアツかった、迸るようなFFへの情熱を思い出しつつ、
これら古典作品に改めて懐かしさと畏敬の念を抱ける。
アツかった時代の残滓を作中に感じてシンクロ率を高めながらも、シンジはそれらの作
品世界が既に死んでしまっている事に、改めて“恐怖”を感じた。
知らなければ、これら未完の作品は、どんなに長くてもどんなに優秀でも、遠の昔に途
切れてしまった夢の断片でしかない。今でも『使徒圏』で読める『妄想』の第四話に盛
大に我慢汁を漏らしながら、この先を誰か補完してくれと叶わぬ願いを抱いてもそれは
一層辛いだけの事。
全て読了し、そして気を失った事を思い出して、シンジは溜め息を吐く。
今こうして自室のベッドに戻っても、『妄想』の描かれなかったその先を思えば、身体
が熱くなり額には汗が浮かぶ。シンジは勃ったまま収まりようも無い自分の下半身を見
やりながら、こう呟くのが精一杯だった。
「取れないや、カウパー線の匂い」
どうやら、ねこねこソフトの諸作品で補完するしかない。 第二話・了
21 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/06/28(木) 17:55
優良スレ上げ
22 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/07/01(日) 11:42
とりあえずあげ
エロイムエッサイム、エロイムエッサイム、
古き骸をすてぇ、FFチルドレン氏はここに蘇るべし!!
ちゅうわけで、定期管理アゲェ。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
___ | このスレが面白くなりますように
/ ./ \ \______________
/ ./从 从 \ o〇 ヾ!;;;::iii|//"
/_____/ヽゝ゚ ‐゚ν \ ∧∧ |;;;;::iii|/゙
 ̄|| || || ||.(っ.¢ .)  ̄ (,, ,)ナムナム |;;;;::iii|
|| || || ||./,,, | ii~ ⊂ ヾ wjjrjw!;;;;::iii|jwjjrjww〃
_| ̄ ̄ ̄|~凸( ̄)凸. ( )〜 wjwjjrj从jwwjwjjrj从jr
25 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/07/11(水) 23:16
FFチルドレン氏でてこーい!
26 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/07/12(木) 05:09
age
27 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/07/17(火) 04:31
とりあえず応援age
28 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/07/22(日) 00:40
保全age
29 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/07/27(金) 15:27
あげ
30 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/08/01(水) 16:07
良スレあげ
31 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/08/01(水) 16:13
”ネタを継ぐ者”はいないのか?
このレベルを維持していくのは大変だよなぁ。頑張って下され。
小説化計画や、X、LC、Qの時代から見てきてるもんで、どんなネタにも
ついていけまっせ。
33 :
rom人の呟き:2001/08/11(土) 04:32
待ち侘びてる
保全ー
だけというのもなんなのです、どうしたものか(結局ネタはかかないんかい>自分)
35 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/08/24(金) 03:25
あげ
36 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2001/08/24(金) 03:37
保全sage
38 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/03 23:25
このスレの失敗点
初期のレベルがいきなり高すぎた
39 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/03 23:33
誰も続けないならいつまでも保全する意味無いじゃん。
3ヵ月も保全だけ続けてもね・・・そろそろ終了で良いんじゃないの?
40 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:01/10/25 02:56
けど、さみしいの。。。
紅葉前線南下中。