旧エヴァンゲリオンと新ヱヴァンゲリヲンの対比で最も重要なことは、
「青・白⇔赤・橙」の関係だと思う。
まず、旧は青い海のシーンから始まり、新は赤い海のシーンから始まった。
旧ではゼロ号機は途中で青く塗り替えられたのに対し、新では黄色のままである。
バンクでの比較としては、
旧ではシンジが白い精液で汚した手を見て逃げ出したシーンが、
新では赤い血液で汚れた手を見て立ち向かうことを決意するシーンになっている。
また、旧では橙のLCLに満ちたプラントでシンジとカヲルを冷たく見下ろしているシーンが、
新では青白い光の中で包丁を握り、温かい心を獲得するシーンに置き換えられている。
なお、補足しておくならば、旧における橙のLCLにいくらでも代用のきく大勢のレイのクローンが浮かぶシーンと、
新での青い光の中「私が死んでも〜」「違う!」のレイの唯一性を確認するシーンも対比と見なすことが出来る。
また、イメージカラーからレイ=青・白、アスカ=赤・橙とすると、
現時点で旧ではシンジとアスカの方が心の距離が近かったのに対し、新ではレイの方が心の距離が近い。
その積極性も、旧ではアスカの方からシンジにキスするというエピソードが存在したが、
新ではレイがシンジのためになれない包丁使い出て指を傷だらけにしながらも料理を作っている(後にアスカもしているが、指の傷は少なく本気度の違いがほのめかされている)。
シンジとゲンドウの関係についても、旧ではアスカが(行動は起こさないものの)墓参りのシーンの後に分析しているが、
新ではレイが食事会を企画し積極的に改善させようとしている。
更に決定的なのは、旧ゼルエルに相当する敵との対戦のあと、旧ではアラエルにより陵辱されたアスカを傷つける展開に入るが、
新ではレイを救済する展開に入る。