いかりしんじくん(×さい)

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145名無しが氏んでも代わりはいるもの
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「おもひでぽかぽか(パイロット版)」改め「どこまでもいこう」

まな、転校3日目の放課後。
4年2組の教室。
ひかり「まなちゃん、もしかして碇君狙ってる?」
まな「あ、わかる〜?」
ひかり「バレバレよ…でも無理」
まな「え、なんで〜?もうガールフレンドいるとか…」
ひかり「ううん、それはいないけど、もっと強敵が…」
まな「え?」
ひかり「あ、噂をすれば…」
あすか(しんじの姉。6年生)が、我が者顔で入ってくる。
あすか「しんじ、帰るわよ!」
しんじ「うん!」
ひかり「…あの人、碇君のお姉さんよ」
まな「へえ…」
ひかり「あれが、強敵」
まな「え、なんでお姉さんが?」
ひかり「それはね…あ、こ、こんにちは」
あすか「は〜い、委員長さん!(まなを見て)…あなたが、えーと、転校生の霧島まなちゃんかな?」
まな「は、はい」
あすか「そう…。あたし、碇しんじの姉で、あすかって言うの。しんじと仲良くしてあげてね!」
まな「はい…」
あすか「じゃ、ばいばーい!」
しんじ「さよなら」
ひかり・まな「さよなら…」
146名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/02/21(日) 23:37:21 ID:???
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ひかり「(小声で)なにが『仲良くしてね』よ…」
まな「なんだか元気そうな人ねえ」
ひかり「それだけならいいんだけどさ…すっごく仲がいいの、あのきょうだい」
まな「ふーん…え、それでさっき強敵って?」
ひかり「そうよ」
まな「そのー、つまり弟にガールフレンドができないくらい、お姉さんが弟を大好き、と…」
ひかり「うん」
まな「えー、なんか意味わかんない!」
ひかり「だって仲がいいんだから仕方ないじゃない!」
まな「そ、そんな、あたしに怒られても…」
ひかり「登下校はもちろん、休みの日もしょっちゅう一緒にいるよ。あたし、お店とか図書館でよく見るもん。…ねえ、さっきまなちゃんの名前知ってたでしょ?」
まな「あ、そういえば…初めて会うのに」
ひかり「きっと碇君、学校であったことは全部お姉さんに話してるのよ。『今日、霧島まなさんという転校生が来た』とかね。で、しょっちゅう出入りしてるこの教室に見慣れない顔の子がいたから、ああこの子が転校生のまなちゃんか、と…」
まな「(ニヤニヤ)ひかりちゃん、ずいぶん詳しいねえ」
ひかり「……」
まな「でもそんなに他の男子のこと気にする必要ないじゃん!だってひかりちゃんには…あっ」
147名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/02/21(日) 23:38:21 ID:???
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とうじがひかりのスカートをめくって廊下に逃げていく。
まな「(やれやれまた始まった…あれっ?)」
いつもならすぐにとうじを追いかけていくはずのひかりが、黙って突っ立っている。
まな「(ニヤニヤ)どうしたのよぉ今日は…あれっ?ちょっと、ほんとにどうしたの?ねえひかりちゃん!」
ひかり、しゃがみこんで泣き出した。
とうじが廊下から教室へ戻ってきた。泣いているひかりを見てびっくり。
とうじ「おい、どないしたんや!いつもならとっくに2,3発俺をどついてんのに…どっか痛いんか?具合悪いんか?」
とうじがひかりの肩に手を置くが、ひかりはその手を振り払う。
ひかり「うるさい!あっち行け!」
とうじ「えー…(まなに)どないしよう…」
まな「(あたしに聞かれても…)」
とうじ「なあ委員長、ごめんな…」
ひかり「先生には言わないからさ、心配しなくていいよ…」
とうじ「そんなことはいいけど…」
ひかり「先に帰ってよ」
とうじ、しばらく突っ立ってたが、ひかりがいつまでもしゃがんだままだったので
「…わかった。じゃ、先行く。…霧島、悪いけど頼むわ」教室を出て行く。
まな「…ひかりちゃん、鈴原君行っちゃったよ?いつもみたいに一緒に帰らなくていいの?」
ひかり、ようやく立ち上がり、涙をぬぐう。
「いいよ別に…ああもう男子なんかバカばっかり!」

おしまい