★エヴァ小説を投下するスレ(ノンジャンル)★3.5

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211+A(nother) 第16話
「赤木先生!碇くんはどこ!」
「レイ、落ち着いて聞いてちょうだい」
本部から脱出して1時間後、松代支部作戦指揮ルームに3人が到着した。
「シンジくんはあそこにいるわ」
リツコはフロントガラス越しに見える8号機を指さした。
「シンクロテストですか?」
「いいえ、シンジくんはね、8号機のコアになったの」
「!」
レイの目が大きく見開き驚愕の表情に変わる。
目から大粒の涙がぼろぼろと溢れだし、顔をクシャクシャにして泣き始めた。
「碇くん・・・ズビッ・・ぞんなぁ・・・ヒグッ・・イヤア・・・ウワアアアア!!」
ミサトがレイを抱きしめる。
「レイ、シンジくんは自分から望んで志願したの」
「じきに初号機を使ったサードインパクト計画が始まるわ」
「それを阻止するためには戦力が必要よ。時間的に余裕がない状況ではこれがベストの選択なのよ」
リツコは取り出したハンカチでレイの涙を拭き、鼻水をチンッさせる。
「それにアスカを助けるためにもこれしか方法がなかった」
「2号機の子も一緒なんですか?!」
「そうよ」
レイの目つきが変わる。
「碇くん戻ってこれますよね。あたし達が戻ってこれたように」
「もちろん。全てが終わったあとにね」
「あたしをすぐに8号機、いいえ、碇くんに乗せてください」
レイの瞳には静かなる炎が燃え上がっていた。
212+A(nother) 第17話:2009/09/22(火) 08:35:39 ID:???
そのとき、緊急事態を告げる警報が響きわたる。
「葛城司令、ユーロ支部の消滅を確認!」日向が叫ぶ。
「なんですって!」
「さらに消滅地点から複数の飛行部隊を確認、ネルフ本部へ向かっています」青葉が続く。
「予測よりかなり早い行動ね・・・レイ、頼んだわよ」
「リツコ、8号機搭乗準備急いで!」
「まかしなさい。レイ行きましょう」二人は駆け足で指揮ルームを出て行く。
「さて、俺はなにをしたらいいかな司令?」
「あなたはここで私を支えてちょうだい」
「了解」
「EVA8号機改めコードネーム「シンカ」起動プログラム開始!」
「「了解」」3人のうちひとり日向は涙目で呼応した。

白を基調とした新型プラグスーツに身を包んだレイはリツコの説明もそこそこにプラグ内に飛び込んだ。
「碇くんの匂い、2号機の子の匂い・・・」
「レイ、用意はできた?これから起動させます」息も絶え絶えのリツコ。ゲージから指揮ルームまで走ったのだろう。
「はじめてください」プラグ内に極彩色の光が満ち溢れる。
「シンクロ率、すごい!いきなり200を突破しました。まだ上昇します」
リツコの女の感がひらめく。
「レイ!だめよ!あなたまで融合したら誰が操縦するの!」
「だめなの、止められないの。心が制御できない!碇くんと一つになりたい!」
レイの悲痛な叫びがスピーカーから響きわたる。
ミサトはマイクボリュームを最大まで上げて大声で叫んだ。
「アスカ!レイがあなた達を邪魔しにいくわよ!なんとかしなさい!」
ギン!シンカの目が青い光を放ち覚醒した。
「8いえシンカ起動!」
「シンクロ率300で停止!ええっ?200まで下降。・・・なんで?」マヤが小首をかしげる
「女の嫉妬は怖いもんだよ」加持がふーとため息を漏らす。
「いいトリオね、あなた達。その調子で地球を救ってちょうだい」
「シンカ!リフトオフ!」
最大加速でリニアレールから射出されたシンカはそのまま空高く飛び上がり、光の翼を広げネルフ本部へ飛翔を始めた。
213+A(nother) 第18話:2009/09/22(火) 08:36:50 ID:???
「どうやら最後の使者がお出ましのようだよ」
「もう、あとちょっとなのに空気の読めない奴ら!」
マリはカヲルの上から降りるとプラグスーツを着込んだ。
「どう、人間の女も捨てたもんじゃないでしょ」
「ああ、どうやら僕は君を気にいってしまったようだよ」
「続きはあいつら全部ぶっとばしてからね」
リフトに乗り引き上げられていくマリはカヲルに質問した。
「ところであんたはスーツ着ないの?」
「僕に元々スーツは必要ではないんだよ」
カヲルは裸のまま、プラグ内に飛び込んだ。
「あたしも次は裸で乗ってみようかな」

逢魔ヶ時。
ネルフ本部上空で初号機は停滞し再び「神の鉄槌」の準備を始める。
ATフィールドが展開し鉄槌が下されるそのとき、地上から2条の光が放たれた。
ピシュン!「イチイバルの矢」は幾層にも重なったATフィールドを軽々と突きぬける。
ガシュン!その間隙をぬって「グングニルの槍」が初号機のコアを打ち抜いた。
「グングニルの槍」は突き刺さったまま軌道を変え、初号機もろとも大地に落下して串刺しにした。
量産型がすぐさま落下地点に降下し始める。
それをMark.06が「イチイバルの矢」で次々と打ち抜く。
もんどりうって地面に落下する量産型を「グラムの剣」で斬りつけていく2号機。
量産型の装備する「ロンギヌスの槍」の死角に飛び込み、両腕を叩き切り返す刃で頭頂から股間まで両断する。
背後からの槍の突きを回し蹴りではじき、振り向きざまに首を切断する。
瞬く間に2機を仕留めた2号機が3機目を定めた瞬間、背後に強く引き倒された。
2機の量産型がケーブルを掴み引っ張り倒した。
「うかつ!」
ずるずる引きずられる2号機を上空から槍をかざした量産型が迫ってくる。
キシュン!キシュン!キシュン!3本の矢が放たれ、上空とケーブルを引っ張る量産型を打ち抜く。
「サンクス!カヲル!」
「どういたしまして。しかし、これで矢は尽きたよ」
Mark.06は先の戦闘でダメージが大きく近接戦闘が難しい状態になっている。
214+A(nother) 第19話:2009/09/22(火) 08:38:03 ID:???
2号機はMark.06の元に戻りすがら2機の量産型を切り刻んだ。残り5機。
「もう奇襲は通用しない」
「それにニセモノも復活したようだね」
量産型が初号機に突き刺さった槍を引き抜くと初号機は再起動した。

ズン!初号機の足音が大きく響く。
体の発光部が赤く輝き威容な姿が闇夜に浮き出ている。
その姿はさながら「魔神」のように見えた。
ガハァ!灼熱の息は真夏の大気をも水蒸気に変える。
「「来る!ATフィールド全開!!」」
ビカッ!初号機の目から発せられた閃光は二人のATフィールドをやすやすと切り裂いた。
「ギャアアアー!」
左肩から股間にかけて両断された2号機が凄まじい声で絶叫する。
「マリ!」
カヲルが呼びかけるが全く反応がない。
ガコッ!閃光によって切断された地面がジオフロント内に崩れ落ちる。
Mark.06と2号機は崩落に巻き込まれて落下していった。

大量の土砂で埋もれるジオフロント。
初号機は空中に浮上し「神の鉄槌」を下した。
一瞬で土砂とネルフ本部は蒸発し爆光の引いた後「浄化された地」現れる。
全てが消滅したかに見えたその中心部の漆黒からATフィールドの光が発せられた。
むき出しになったセントラルドグマに2機のEVAをかばうようにリリスが立ちはだかっている。
アダムとリリスの対峙。
ウオオオン!!一際高く咆哮した初号機は目から数発の閃光を放つ。
ドギィーン!全ての閃光がATフィールドで中和される。
ガアアアアー!初号機はリリスに向かって突進した。
幾層にも展開したATフィールドを次々と破壊してリリスに肉迫する初号機。
最後の1枚に手が届いた瞬間、初号機は光の槍に貫かれた。
215+A(nother) 第20話:2009/09/22(火) 08:39:02 ID:???
「どけえええ!!!」
高速で突入するシンカはレイの叫びに呼応しATフィールドの槍を次々に放つ。
量産型が一斉に「ロンギヌスの槍」をシンカめがけて投擲する。
「そんなもの無駄よぉー!!」
シンカは突入速度を緩めることなく両手を水平に振りかざす。
ATフィールドがくもの巣のごとく光の糸と化した。
光の糸は槍を絡めとり量産型を肉片に変えた。

「さすがアスカね、戦闘のセンスは抜群だわ」
衛星からの望遠映像で戦況を見届けているミサトは感嘆した。
「レイにあの発想はないわね」
「すごい。圧倒的ですね。でもコアになった人にそんなことできるんですか?」
「愚問ねマヤ。暴走状態になったEVAを何度も見ているでしょう。今あの子たちは一心同体。無敵のチルドレンってところかしら」
「問題は初号機戦よ。なんの援護もできないのが口惜しいところね」
ミサトは腕を組んでじっとモニターを見つめている。

量産機を一掃したシンカは初号機との距離を詰める。
槍を受けた初号機は一時ひるんだもののすぐに態勢を立て直し続けざまに閃光を放つ。
シンカは左手のATフィールド最小限に絞り込んだ盾で閃光をはじき飛ばす。
はじき飛ばされた閃光は着地地点で大爆発を起こし周囲を火の海に変える。
凄まじい閃光の発射に近づくことが容易でないシンカ。
すると、リリスが後ろから初号機の首を締め上げた。
「お母さん!」レイの口から思ってもいない言葉が無意識に漏れる。
閃光が止まる。その間隙にシンカは初号機に取り付いた。
「これで終わらせる!みんなが幸せになる世界を!そして碇くんを取り戻す!」
右手から光のランスを繰り出し初号機のATフィールドを中和させ、胸部装甲を剥ぎ取り、コアに狙いを定めたそのとき、コアにゲンドウの顔が浮かび上がった。
「碇司令!!」
ランスがコアの直前で止まる。
216+A(nother) 第21話:2009/09/22(火) 08:39:47 ID:???
「レイ!騙されてはダメよ!やりなさい!!」ミサトが叫ぶ。
「だ、ダメよ!できない!!」
コアのゲンドウがニッと笑う。
光の触手がシンカの両手・両足を切り払う。
「いぎいい!!」レイが絶叫する。
ズズン。四岐を切断されたシンカが地面に落下する。

ドクン!初号機の体が大きく脈動すると頭部拘束具が四散する。
瞬く間に巨大化した頭部がシンカを丸呑みにした。
ズズズ。体全体の拘束具を弾き飛ばした漆黒の本体がみるみる巨大化していく。

「な、なんてこと!」目を見張るリツコ。
「形象制御のリミッターが!サードインパクトの前兆です」マヤの悲鳴にも似た報告。
「あれは・・・アダム!」南極での記憶がフラッシュバックしてがっくりとヒザを落とすミサト。
「もう打つ手無しね」ドスンとイスに座り込んだリツコは振るえる手でタバコに火をつける。
「りっちゃん。俺にもいいかな」
リツコはスーと紫煙を深く吸い込むと、火のついたタバコを加持に渡した。
「悪いなりっちゃん」加持はそれを受け取るとこの世の名残を惜しむかのようにスーと吸い込んだ。
「・・・博士・・・形象制御が、反発する力が発生しています」
「「な?」」ミサトとリツコが日向のモニターを覗き込む。
「どういうこと?リツコ」
「わからない。もう未知の領域よ」
「司令、あれを見てください!」青葉が叫んだ。
モニターに純白の巨人が写し出されていた。
「リリス!」
ぐんぐんと巨大化していくリリスは成層圏を抜けアダムと同じ大きさになる。
アダムとリリスが対峙したとき双方の容姿が変化した。
「碇司令!ユイさん!」リツコが驚愕する。
リリスはアダムが巨大化すると同時にMark.06と2号機を取り込み、2機のコアを触媒に覚醒した。
二人は互いの両手を組み合わせ激突した。
ドオォーン!!!大気が激動し地球が震えた。
217+A(nother) 第22話:2009/09/22(火) 08:41:00 ID:???
「レイ、レイ・・・」
アダムに取り込まれて気を失っていたレイは自分を呼ぶ声で目を覚ました。
「碇指令・・・」
「レイ、すまないことをした」
「碇指令どうしてここにいるんですか?」
「・・・ユイを取り戻そうして間違いを犯した。今までユイと思っていたのはアダムだった。私はまんまと騙されたわけだ」
「碇指令、もうダメなのですか?地球は、全ての命は滅んでしまうのですか?」
「まだ、生き残る可能性はある」
「それは?!」
「私はネブカドレザルの鍵を持っている。この鍵は全ての魂を器から開放するものだ」
「今、全ての生命の父なるアダムと母なるリリスが諍いを始めた」
「この鍵の力を解放すればそれに触れているもの全ての器が連鎖的にLCLに還る」
「肉体を持つアダムとリリスの魂が開放されるが、それは全ての生命がいや地球そのものがLCLに還ることを意味する。それはEVAとて例外ではない」
「このままでは地球自体が崩壊しかねない。そうなれば全てが無に帰してしまう。魂とLCLが残れば生命の復活は可能だ」
「全てがひとつに・・・どうしたらいいですか碇指令」
「私の元まで来るのだ。私は今エントリープラグに囚われている。急げレイ時間がない」

「碇くん、起きて!」
再起動を試みるレイ。しかし反応がない。
「お願い、碇くん、2nd、目を覚まして!」
レバーをガチャガチャと動かす。
「起きて、起きて、起きて、起きて、起きて、起きて、起きて、起きて!」
「どうして起きてくれないのよ!・・・この!バカシンジ!バカアスカァー!!」
ユラ。闇の中に赤と青の炎が揺らめいた。
プラグ内にまばゆい光のシャワーが降り注ぎ、モニターが生き返る。
「シンジ!アスカ!」
レイはレバーをグッと握り締めキッと前方を睨み付ける。
「シンジ、アスカ行きましょう!碇指令の元へ!!」
ウオォォォン!光の翼がはためかせシンカは急上昇を始めた。
218+A(nother) 第23話:2009/09/22(火) 08:41:48 ID:???
ブゥオオオオオ!! キュアアアアア!!
アダムとリリスは咆哮しながらせめぎあいを続けている。
両者の咆哮は地球上全ての人々の耳に届いた。

「リョウジ、あなた何て聞こえる?」
ミサトがモニターを見ながら加持に質問する。
「あ、その、なんだ“女遊びが過ぎる”って聞こえるな」
加持をギロッと睨みつけるミサト。
「つまり、浮気でしょ」
「君こそどうなんだ?」
「あ、あたしは“家事をもっとまじめにやれ”かな。あなたのことじゃないわよ」
「炊事洗濯掃除もろもろでしょう。なにもできないものね」リツコがちゃちゃを入れる。
「うっさいわねー、リツコあなたはどうなのよ?」
「“タバコをやめろ”って言ってるわ」
「あら、やめられんの?」
「そんなこと言う男はこっちから願いさげね」
指揮ルームでは何と聞こえたか各自の報告が始まった。

「結論として“夫婦げんか”ね」
「「ハアー?!」」
「それしか考えられないもの」リツコは眉間に手を当てハーと息を吐いた。
「アダムとリリスの思念が聞いた者の一番やましい部分を表現化しているのよ。多分」
「私たちは今、宇宙規模の“夫婦げんか”と遭遇しているようね」
「なんて大迷惑!!」ミサトはコブシをグッと握りしめた。
219+A(nother) 第24話:2009/09/22(火) 08:42:58 ID:???
漆黒の空間を飛翔するシンカの目前に巨大なコアが出現する。
「エントリープラグはどこ!ギリギリまで近づきましょう」
高速でコア表面スレスレまで近づくと、魂を吸収された人々の顔が無数に浮かびあがっているのが見える。
「鈴原くん!洞木さん!相田くん!」
一瞬だったが確かに3人の顔が見えた。
グゥオオオーひときわ高く咆哮したシンカは更にスピードを上げる。
「どこ?どこなの?碇指令!教えてください!!」
「ここだ、レイ」
声に導かれるまま首を向ける。
一条の白い円柱が見えた。
「あれ!」
シンカは急旋回をして円柱めがけて突進する。
「でも、どうやって破壊するの?!」
ガキン!ガキン!歯を鳴らすシンカ。
「噛み砕く?わかったわ。やってみる」
ドズン!!勢いそのままにコアにめり込みながらエントリープラグをくわえ込もうとする。
クワッ!ハグッ!レイの口がプラグをくわえる。
バキィィン!!レイはプラグを噛み砕いた。
「それでいい。ありがとうレイ」
コアに飲み込まれていくゲンドウ。
その数秒後、飲み込まれた辺りから猛烈な勢いで形象崩壊が始まる。
それは瞬く間にシンカを包みこみコアを崩壊させた。
プラグ内の明かりが消える。
消え入りそうな恐怖の中でそのときが来るのをじっと耐えるレイ。
「もう少しでシンジとアスカに会える」
そう信じて。
220+A(nother) 第25話:2009/09/22(火) 08:46:00 ID:???
形象崩壊はアダムを通じてリリスに伝染する。
二体の巨人がLCLの塊となったとき地球の全生命はLCLと化した。
崩れ落ちる巨大な水柱は地表全てを飲み込み地球を赤い水玉に変えた。
自転が止まり、全てが静止した。
1日目 アダムとリリスは地軸と自転を戻し昼と夜が出来た。
2日目 アダムとリリスは大気と雲を再生した。
3日目 アダムとリリスは大地と海とを隔て、植物を再生した。
4日目 アダムとリリスは空を覆う雲を掃い分け太陽と月と星の光を大地に降り注がせた。
5日目 アダムとリリスは魚と鳥を再生した。
6日目 アダムとリリスは獣と家畜と、人の再生を約束した。
7日目 アダムとリリスは宇宙に去っていった。

ザザーン 赤い海辺の波打ち際に少年と少女がいた。
原初の大気はどこまでも澄み渡り宇宙の色が見えてくるようだ。
心地よい風が少年の髪をなでる。
少年は隣で寝ていた少女が目覚めるのを感じた。
「おはようレイ」
「・・・カヲル」
「すべては終わったよ。アダムとリリスは新しい星を求めて旅立っていった」
「二人が原初の地球に来たときはとても仲むつましかった。
そしてこの星でぼくらの兄弟達を生み落としていった。
変わったのは僕が生まれてからだ。アダムは僕を小さく弱い者としてたいそう嫌った。
でもリリスは兄弟の仲で1番僕をかわいがってくれた。
そうしてアダムとリリスは仲たがいをしてしまい、リリスは君らリリンを身ごもって出奔してしまった。
リリンは僕と良く似た兄弟だ。彼らは特別な力はなかったけど生きる力はどの兄弟にも負けていなかった。
あっというまに地球の支配者として君臨してしまったからね。
これにはアダムも驚いたが他の生命を犠牲する所業が許せなかった。
リリンを滅ぼそうとしたが結果はこの通り」

「去る間際にこう言い残したよ。地球で生まれた生命は地球に帰すべきだと。
君らが使徒と呼んでいた14人の兄弟もコアとして残していったよ。
別の神の脅威からリリンを守るようにとね。いつかそのときが来れば彼らは復活するよ」
221名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/22(火) 09:10:16 ID:???
Another作者です
最終話で連投規制に
Ors
規制解除されたらUPします
222名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/22(火) 09:22:46 ID:???
おっつ!
223名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/22(火) 12:17:50 ID:???
>>207がどうしてもAnotherにしか見えなくてワロタw
224名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/22(火) 16:39:08 ID:???
規制解除はやく〜続きが気になるよ〜
225+A(nother) 最終話:2009/09/22(火) 21:03:38 ID:???
「そして、ぼくらとリリンは新たな種として生まれ変わった」
カヲルは晩秋の高い空に手をかざす。
「どう変わったかはわからないけど、僕らは「補われた」とだけ教えてくれた」

「そして、特別に僕ら二人の望みをかなえてくれたよ」
「レイ、君の髪の色は赤みかかった金色で目の色はこの空と同じ青色だ。君が最も望んだ姿に変えてくれたんだ。ところで僕はどうかわったかな?」
「黒い髪、黒い瞳、シンジと同じ色」
「良かった。うれしいなぁ」カヲル心底うれしそうに笑った。

バシャン!海から少女が一人現れた。
「クシュン!おお、寒い!」
カヲルは急ぎ立ち上がると海に駆け込んでいき、少女を抱きしめた。
「マリ、会いたかった」
「へへ、ただいま。…カヲルあったかいニャ」
マリを皮切りに次々と人々が帰ってくる。
ミサト、加持、リツコ、マヤ、日向、青葉、冬月、手をつないだゲンドウとユイ。
ゲンドウの本物の笑顔を見てレイはとてもうれしくなった。
そして・・・
シンジとアスカが。
二人に手を引かれているのはアスカの母親だろう。
レイは思わず走りだした。
「シンジ!アスカ!」
「「レイ!」」シンジとアスカは満面の笑みで両手を広げた。
レイは二人の腕の中に飛び込んだ。
(この先がどうなるかなんてわからない。でも、なにがあってもこの暖かな気持ちを私は忘れない。ずっと)

海の色が次第に赤から青に変わっていくのをアダムとリリスは見つめていた。
「いつかまたこの宇宙でめぐり会える日まで。青い星の子供達の未来に祝福あれ。」
そう言い残すと二人は虹色の航跡を残して宇宙の深遠へと去っていった。

終劇
226名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/22(火) 21:46:24 ID:???
はい号泣。
227+A(nother):2009/09/22(火) 23:28:54 ID:???
最後まで読んでくれた方ありがとです。

>>223 違うがなw 
     
>>206 シイさんのお話好きです。お待ちしてます。

>>226 早速きっついなー。でも読んでくれたのね。トン

これにてROMに戻ります。

ではでは。
228名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/23(水) 08:47:23 ID:???
掲示板に投稿すると消したくなっても消せないからなー
229名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/23(水) 22:17:32 ID:???
>>228
板毎消滅させることは可能だろ
230+A(nother):2009/09/24(木) 16:06:55 ID:???
ROMに戻ると言ったものの、
これを書かないと自分の中で
物語が終わらないのでUPします。

まあ、蛇足とは思いますが勘弁。
231+A(nother) エピローグ@:2009/09/24(木) 16:08:41 ID:???
あれから9ヶ月、季節は巡り夏が来た。
「冬もいいけどやっぱり夏がいいわー」
汗をかいたグラスの中身をググッと飲み干すミサトはプハーと一息つき、
サマーベッドの上でゴロンと横たわる。

蒼い空、純白の雲、澄み切った青い海。
白い浜辺に咲くカラフルなビーチパラソルの花々。
波打ち際ではしゃぐ若い妊婦達。
「あんた、お腹の子に悪影響じゃなくて?」
隣のベッドでくつろいでいたリツコがつぶやく。
「一杯だけよ。久しぶりなんだもん。勘弁してよ先生」
「ほんと、仕方ないわね」
あきれ返りフウとため息をもらす。

「“まごころ”ってほんと便利よねー」
「相手に伝えたい気持ちをうそ偽りなく直接心に訴えかけるコミュニケーション手段。
不器用な私たち人類への神様からの贈り物。」
「これが補完なのかしらね」
「どうかしら。まだ色々と隠された能力があるとマギ2は予測しているわ」
「新しく生まれてくるこの子達にその能力の開花確立が高いのね」

あと1ヶ月もすると“まごころベビー”の出産ラッシュが始まる。
リツコの抱える担当妊婦だけでも、ミサト、アスカ、レイ、ヒカリと第3新東京市立第壱中学校の生徒、
ネルフ職員併せて20人を超える。
そのリツコをサポートするのはマヤと碇ユイ、式波キョウコ。
ほとんどの医学的資料が失われているいま、経産婦であるキョウコとユイの知識が
リツコ、マヤの参考書となっていた。
232+A(nother) エピローグA:2009/09/24(木) 16:12:03 ID:???
「ユイさん、キョウコさん、分娩時の会陰切開なんですけど、
ほんとに麻酔無しでハサミでジョキンなんですか?!」
隣のパラソルでユイ、キョウコに分娩のレクチャーをされていたマヤが驚きの声を上げた。

「いっ!?」
ミサトが飛び起きて隣のパラソルの話を聞きにいく。

「痛いですよね!そんなこと私できません!」
マヤの顔が真っ青になってペンを持つ手がブルブル震えている。
「大丈夫よ、マヤさん。妊婦さんは陣痛でそんなもの気にもならないから」
キョウコがコロコロと笑い飛ばす。
「シンジの時は難産だったわ。結局3日間陣痛で苦しんだもの。
あの子中々お腹から出たがらなかったのね。」
「「そうなんですか、お義母さん!」」
アスカとレイは双子のように同時に驚きの声を上げた。
いつまにか、ユイとキョウコの周りには若い妊婦達が集まっている。

「そ、それよりもハサミでジョキンって本当なんですか?」
ヒカリが身を乗り出してたずねてくる。第壱中学校の生徒達も口々に不安を漏らした。
「ふふ、そんなに怖がらなくても大丈夫よ。私達には子供を産める力があるの。
その力を信じて、自信を持ちなさい」ユイはヒカリの頭をなでる。

「ユイさん、キョウコさん。出産の話もっと詳しく教えてください」
ミサトが真顔で二人に詰め寄った。
「そうね。それじゃアスカが・・・」
若い妊婦達は驚きと感嘆の声が波の音に負けない位大きく響きわたる夏の日の一日だった。