【LAS】アスカの日記 10冊目【LAS】

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266DAHLIA ◆mIgV9XAEOE
12月4日

今日は、誕生日。
別に年を取るのが嬉しいと思ったことはないけど、
大人に近付いたと思えば悪い気はしない。

ミサトが仕事で徹夜らしくて、今晩はバカシンジと二人っきり。
アイツも私と同じように訓練や学校があるから期待はしてなかったけど、
どこで知ったのかいっちょまえにお祝いをしてくれた。
日本に来て日が浅いのに、まさか最初の誕生日を他人に祝って
もらえるなんて、思ってもなかったわ。

気の利いたプレゼントはなかったけど、腕によりをかけたごちそうが
バカシンジに出来る最高のもてなしだったみたい。
まあまあね、って口では言ったけど…本当に美味しかった。
料理って、作り手の気持ちがこもるから味が良くなるって、信じてなかったけど
本当だった。

ただの七光りのバカだと思ってたけど、コイツは私にないものを
たくさん持ってる、そう思った。 一人でなんでも出来ると思ってたから
悔しいけど、知らない間に頼りにしてたんだ…シンジのこと。

エコヒイキの気持ちが分かった気がする。
絶対に口には出さない、言わないけどね。
とりあえず…今日はありがと、シンジ♥
267DAHLIA ◆mIgV9XAEOE :2009/12/04(金) 16:58:42 ID:???
(同日のシンジ日記)

12月4日

今日は、アスカの誕生日らしい。
明日、この街を離れることになった僕には、
もう関係のないことだけど。

父さんのせいで、僕のせいで、アスカは傷付いてしまった。
かろうじて生命は助かったらしいけど、今、アスカが隔離されることに
なってしまったのは…助けられなかった僕の責任だ。

ゴメン、アスカ…って何度心の中で呟いただろう。
僕は何も出来ず、こんなことになってから、アスカが大事な人だって
気付いたどうしようもない人間なんだ。

もう、嫌だから…エヴァには乗らない。
今日、アスカにおめでとうを言う資格もない。
だから、もう乗らない。 決めたんだ。
料理の練習をしていたことも知ってた。
今ここで、お別れするのが誰よりも辛いのがアスカだなんて、
思ってもなかった。


アスカの笑顔、僕は好きだった。
笑ってることに戸惑ってる感じが、僕に似ていた気がする。


言えないから、ここに書くよ。
アスカ、おめでとう、ゴメンね、ありがとう、さよなら。