1 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :
2009/04/02(木) 09:14:07 ID:IybQ9VLx エヴァファン的には村上といえば龍ではなく春樹でしょう。 どちらかといえばエヴァは春樹的世界を体現していると思う。
2 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 09:16:51 ID:QHuLC8z1
エヴァは好きだが春樹は嫌い
壁と玉子
4 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 10:15:30 ID:FeZb2/Q5
エヴァも春樹も好き。 シンジ『もう眠らせてよ。とても眠いんだ。そして酷くつかれている。まるで雨に打たれた猿のようにね。』
5 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 11:10:52 ID:pTInG1ES
人類ドーナツ化計画
6 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 11:36:36 ID:7Q/hTdxd
「やれやれ」 シンジは射精した
7 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 12:02:36 ID:wCD/Oea5
僕:シンジ 直子:レイ 緑:アスカ キズキ:カヲル レイコ:ミサト 永沢さん:加持
8 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 12:37:51 ID:FeZb2/Q5
加持さんはナメクジ飲み込むのか!!
9 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/02(木) 14:18:40 ID:wCD/Oea5
「条件はみんな同じなんだ。故障した飛行機に乗り合わせたみたいにさ。 もちろん運の強いのもいりゃ運の悪いものもいる。タフなのもいりゃ弱いのもいる、金持ちもいりゃ貧乏人もいる。 だけどね、人並み外れた強さを持ったやつなんて誰もいないんだ。みんな同じさ。 何かを持ってるやつはいつか失くすんじゃないかとビクついてるし、何も持ってないやつは永遠に何ももてないんじゃないんじゃないかと心配してる。みんな同じさ。 だから早くそれに気づいた人間がほんの少しでも強くなろうって努力するべきなんだ。振りをするだけでもいい。 そうだろ、シンジくん? 強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ。」
エヴァも春樹も岩井も好き過ぎて
11 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/03(金) 02:09:46 ID:BobKTzbF
エヴァンゲリオン≒村上春樹≒Radiohead
なんでRadioheadが出てくんだよww厨房御用達バンドwww
レイが直子、アスカが緑だろ 死ぬヒロインと死なないヒロイン 新作も何だかんだでアスカは死なないと思う
14 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/03(金) 15:59:51 ID:lb+3xq10
「ねえ、シンジ。ファーストのこと考えてるでしょ?」 「考えてないよ」と僕は嘘をついた。 「本当?」 「本当だよ」 「こうしてるとき他の女の子のこと考えちゃ嫌よ」 「考えられないよ」と僕は言った。 「私の胸かあそこ触りたい?」とアスカが訊いた。 「触りたいけど、まだ触らない方がいいと思う。一度にいろんなことをやると刺激が強すぎる」 アスカはうなづいて布団の中でそもそもとパンティーを脱いで、それを僕のペニスの先にあてた。 「ここに出していいからね」 「でも汚れちゃうよ」 「涙が出るからつまんないこと言わないでよ」とアスカは泣きそうな声で言った。 「そんなの洗えばすむことでしょ。遠慮しないで好きなだけ出しなさいよ。 気になるんなら新しいの買ってプレゼントしてよ。 それとも私のじゃ気に入らなくて出せないの?」 「まさか」と僕は言った。 「じゃ出しなさいよ。いいのよ、出して」 僕が射精してしまうと、アスカは僕の精液を点検した。 「ずいぶんいっぱい出したのね」と彼女は感心したように言った。 「多すぎたかな?」 「いいのよ、べつに。馬鹿ね。好きなだけ出しなさいよ」 アスカは笑いながら言って僕にキスした。
合うな
「やれやれ」と僕は言った。
「
>>12 は村上春樹がレディオヘッドのファンだという事を知らないとでもいうのかい」
「ええ、そうよ。おそらく
>>12 はギャラガー兄弟ヲタか、さもなければブラー厨なのよ」と彼女は答えた。
「やれやれ」と再び肩をすくめて、僕は『Kid A』をコンポーネント・ステレオに入れ、トム・コリンズを飲んだ。
やれやれ、なんだって僕が人類の命運を一身に背負い、 こんな得体の知れないモノに乗り込んで闘わなくちゃいけないんだろう? そこで僕は大きく溜息をついた。 事の発端は父親から送られてきた一通の手紙だった。 手紙の中身は簡潔に「来い!」とだけ書かれた一枚の紙 ──僕はその文面を見た瞬間にその紙を破り捨てたが、後から思い直してセロファンでそれを修復した── と、あとは僕の顔写真付きのカードが同封されているだけだった。 そうそう、それと見知らぬ女の写真が一枚、それらと同封されていた。 胸元が大きく開いた服を着ている女で、こちらに向かって微笑みかけていた。 中々の美人だったが、その笑顔はどことなくぎこちない代物にも見えた。 僕は本当は行きたくなんて無かったが、断る理由が遂に見つからず 結局は今日、この「第三新東京市」にやってきたのだ。 逆に村上春樹風に本編を改変するとこんな感じか?なんか違う気もするが
18 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/08(水) 10:53:05 ID:ZcBFdFAP
アスカの夢を見た。 夢の中でのアスカはいつもと違ってずっと暗かった。 顕微鏡で自分の髪の毛を覗いているかのような目で、じっとうつむいたままだった。 僕は試しにアスカの胸に触れてみた。アスカが動かないので、服を脱がし、下着を外した。 アスカの陰毛はしっとりと湿っていた。アスカは僕を求めているんだ。 そして僕もやはりアスカを求めている。 僕は固くなったペニスをアスカのヴァギナに挿入し、夢精した。 目が覚めるとベッドから起きあがり、アスカとミサトさんに気付かれないようにトイレに行き、ペニスについた精液を拭きとってから下着を洗った。 やれやれ、なんでこんな時に夢精なんかしなくちゃならないんだ? よりにもよって、アスカの夢で? 下着を洗いながら、夢の細部を一つ一つ順番に思い出してみた。夢の中のアスカの長い金髪、アスカの下着を外す僕の手、僕のペニスを(あるいは僕の陰毛だったかもしれない)じっと見つめるアスカの目。 思いだしてみるとそれは昔の無声映画のように思えた。アスカはどんな服を着ていたっけ? 下着を洗い終えると、下着をはかずに寝間着をはいてみた。寝間着の中が涼しかった。 悪くない。このまま学校に行ってもいいかもしれない。僕は口に出して「悪くない」と言ってみた。 「何が悪くないのよ?」 ドアの向こうからアスカの声がした。 「何してんのよ、早く出てくれる? 夢精したパンツでも洗ってんの? それと、トイレで独り言言うのやめた方がいいわよ」 「悪いけど、今スパゲティーをゆでてるんだ」 僕は嘘をついた。濡れた下着を持ってアスカの前にでていくわけにはいかない。 僕は頭の中で空想のスパゲティーをゆで始めた。湯を沸かして、その中に緬を放り込んだ。それから― 「スパゲティー? 何よそれ?」 「10分でいいんだ。9分じゃ短いし、11分じゃ長すぎる。10分後にまた来てくれるかな?」 「あんたバカぁ? あんまりふざけてると後が怖いわよ」 「わかった。今出るよ」 やっぱりスパゲティーは中止だ。火を消した。お湯も緬も捨てた。下着はどうしよう? 僕はとっさに下着を口の中に入れた。水を流してから、ドアを開けた。 「…なによ、それ。口の中に何いれてんの?」 「スパゲティーだよ」 僕は急いで布団の中に戻った。
19 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/08(水) 11:06:06 ID:MV37I/2i
レディオヘッドの曲がヱヴァに使われたら映画10回見に行くわ
それから僕はバーに足を運んだ。 気付くと僕はアスカのことを考えた。 僕は彼女の部屋と彼女の肉体のことを思い出した。 僕らの激しい性交のことを思い出した。 それらのものはかつてはあんなにありありと存在していたのに、今ではもうまったく存在してない。 それらは風に吹き払われる煙のように消えてしまった。 僕には彼女がどうして消えてしまったのか見当もつかなかった。 店内ではRadioheadの曲が流れていた。 隣の若い客はワイルド・ターキーのオン・ザ・ロックのおかわりを注文した。 やれやれ。僕はウオッカ・ギムレットのおかわりを注文し一気に飲み干した。 『マスター。僕は今、ロックなんかよりジャズが聴きたいんだ。Miles DavisのKind Of Blueなんかが良いかな。君もそう思うだろ?』 マスターは僕に少し目をやり、またグラスを拭きはじめた。 やれやれ。 僕は金をカウンターに置き、バーをあとにした。
22 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/08(水) 20:30:53 ID:rUyIiCq5
ネルフはロココ調の瀟洒なインテリジェント・ビルで、室内にはビルエヴァンスの「ダニー・ボーイ」が流れていた。 レイバンのサングラスをかけスリーピース・スーツを着た男は言った。 「やれやれ、乗るのなら早くしてくれないかな」
23 :
駄文 :2009/04/09(木) 03:46:13 ID:???
僕はその日の明け方、第三新東京市のアーケード街を何をする訳でもなく歩いていた 僕の他に人影は見えない。この時間帯人々はまだ眠りについているのだろう 或いは来たるべき今日という一日に備え、身を潜め力を蓄えているのだろうか ふと前方を見ると彼女が居た。目を擦りもう一度注意深く眺める。 僕には一瞬それが幻影の様に思えた。しかしそれは幻などでは無かった 「イカリくん…?」 「綾波…」 何故彼女がこんな時間帯にこんな場所をうろついているのだろう? 尋ねようかとも思ったが結局は何も尋ねなかった 考えてみれば分かる事だが、 彼女に尋ねようとした質問の内容は、そっくり今の僕にも当て嵌まるのだ 結局僕らは他愛も無い会話をした後別れた 綾波の元から遠ざかりながら、僕は何度か後ろを振り返った。 彼女は先程と同じ場所でじっと空を見つめていた 空はもう青く澄んだ色合いをたたえ、辺りには小鳥たちの囀りが響いていた 最後にもう一度振り返った時、もう彼女の姿は無かった 僕は部屋に戻り、身体を薄暗闇の中に横たえた 瞳を閉じるとまもなく鉛のように重たい闇が僕の意識を飲み込んだ うん、これエヴァ関係無いね
24 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/09(木) 11:15:24 ID:GOiSDKYA
アスカの部屋を出た後、自分の部屋の中で僕は図書館で借りた漢詩の本を広げてみたが、そんなもの考えてみたらちっとも読みたくなかったし、読んでみたところで何も理解できなかった。 僕はそんなわけのわからない漢文をじっと睨みながら、いったい自分はこれから先どうなっていくんだろう、僕を取り囲む物事はどう変わっていくんだろうと考え続けた。 時折、僕の周りで世界がどきどきと脈を打っているように感じられた。僕は深いため息をつき、それから目を閉じた。 今日一日の自分の行為に対して僕はまったく後悔してなかったし、もしもう一回今日をやり直せるとしても、まったく同じことをするだろうと確信していた。 やはり雨のベランダでアスカをしっかりと抱き、びしょ濡れになり、彼女のベッドの中で指で射精に導かれることになるだろう。それについては何の疑問もなかった。 僕はアスカが好きだったし、彼女が僕のもとに戻ってきてくれたことはとても嬉しかった。彼女となら二人でうまくやっていけるだろうと思った。 そしてアスカは彼女自身言っていたように血のかよった生身の女の子で、そのあたたかい体を僕の腕の中に預けていたのだ。 僕としてはアスカの裸にして体を開かせ、そのあたたかみの中に身を沈めたいという激しい欲望を押しとどめるのがやっとだったのだ。 僕のペニスを握った指がゆっくりと動き始めたのを止めさせることなんてとてもできなかった。 僕はそれを求めていたし、彼女もそれを求めていたし、僕たちはもうすでに愛し合っていたのだ。誰にそれを押しとどめることができるだろう? そう、僕はアスカを愛していた。そして、たぶんそのことはもっと前にわかっていたはずなのだ。僕はただその結論を長いあいだ回避し続けていただけなのだ。 問題は僕がレイに対してそういう状況の展開をうまく説明できないという点にあった。 他の時期ならともかく、今のレイに僕がアスカを好きになってしまったなんて言えるわけがなかった。 そして僕はレイのこともやはり愛していたのだ。 どこかの過程で不思議な形にゆがめられた愛し方であるにせよ、僕は間違いなくレイを愛していたし、僕の中にはレイのためにかなり広い場所が手つかず保存されていたのだ。
25 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/09(木) 13:42:07 ID:oCVVPajP
僕はレイのことを考えないように努めた。 僕はアスカの体を抱きしめ、顔を見て、アスカのことだけを考えた。 僕はアスカの唇と喉と乳首に口づけした。 そしてアスカの体の中に射精した。 射精し終わったあとも、僕はそのままずっと彼女の体を抱きしめていた。 『ねえ、どうかしたの?』とアスカは僕の顔を見て言った。 『今日お父さんと何かあったの?』 『何もないよ』と僕は言った。 『まったく何もない。でもしばらくの間こうしていたいんだ。』 『いいわ』と彼女は言った。 そして僕を中に入れたまま僕の体をじっと強く抱きしめていてくれた。 僕は目を閉じて、自分がどこかに行ってしまわないように彼女に僕の体をおしつけていた。
何気に良スレ
27 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/09(木) 21:03:00 ID:qm8iVVrt
さすがエヴァファンは他でも好みがかぶるな♪
多分どのジャンルにも村上春樹フリークはいるべ 村上春樹って読書する人間ならかなり高確率で読んだことあんべ
29 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/10(金) 02:32:59 ID:voU4HTB2
そうか?あの文体が回りくどくてうっとうしいって人結構周り多いんだよな
翻訳は最悪だしな ロンググッドバイなんて酷かった 原文に無い文章勝手に作って付け加えてんだもんw まあボロボロに叩かれまくっていい気味
>>30 清水版の端折ってる部分のことですかあ?
つうかあなた原文よんだことあるんですかあ?
32 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/14(火) 11:44:34 ID:05XI0dmE
age
スレ違いだけどチャンドラーの村上訳については ミステリマガジン5月号参照のこと。
「ね、このアニメに出てる人たちがみんなマスターベーションしているわけ?シコシコって?」とアスカは鏡の自分を見ながら言った。 「たぶん僕だけね」 「男の人って病室の廃人のこと考えながらあれやるわけ?」 「まあそうだろうね」と僕は言った。「シンクロ率とか碇ゲンドウのグラサンとかアルミサエルのことを考えながらマスターモベーションする男はまあいないだろうね。まあだいたいは病室の廃人のことを考えながらやっているんじゃないかな」 「アルミサエル?」 「第の16の使徒、だよ」
「やれやれ」初号機は呟いた
36 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/21(火) 17:40:46 ID:esT/YDTi
「どうして、あたしの首を絞めたの?」 とアスカが訊いてきた。 僕はアスカの首を絞めた理由を考えたが、なぜかはわからなかった。 試しにアスカの質問を頭の中で三回程繰り返してみた。 だが、やはりというべきか一向にその理由は思い浮かばなかった。 「わからないよ」 と僕は首を左右に振りながら答えた。 すると、アスカは「そう…」とだけ言って僕から顔を背けた。 僕が座ると、アスカもその隣りに座った。 なぜアスカはそんなことを訊いてきたのか、と僕は目の前に広がる赤い海を眺めながら考えた。 しかし、考えてみれば至極当たり前のことだと僕は思った。 アスカの気持ちになれば首を絞めた男の心理状態を知りたかったのだろう。 いきなりそのような事を及ぶ男は異常だと僕がアスカならそう思う。 僕はアスカから見てどう映ったのだろうか、そんなことを思い浮かべながら 僕はアスカの方向をちらりと見た。 アスカはただ目の前にある海を僕と同様に眺めているだけだった。 その顔は何も考えていないように見えたし、ひどく難しいことを考えているようにも見えた。 その顔を見ているとふとした疑問が僕の中で思い浮かんだ。 なぜアスカは僕から離れないだろう。 アスカから見れば僕は彼女の首をいきなり絞めた 危険人物だ。それなのにアスカは一向に僕から距離をとろうとせずにただ海を眺めている。 アスカもやはり一人だと寂しいのだろうか、僕の存在は彼女にとっていないよりはましなくらいの価値なのだろうか。 そんなことを思ったが、僕はすぐさま首を横に振りその考えを否定した。 アスカに限ってそんなことはないだろう、と僕は考えたのだ。
37 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/04/21(火) 17:43:26 ID:esT/YDTi
しばらく、沈黙が続いた。どれくらい時間が経過したのだろう。 僕は辺りを見回してみた。前にあるのは赤い海。下にあるのは白い砂。 背後にあるのも一面砂、砂、砂、遠くに何か建物らしき物があるがここからでは良く見えない。 その風景を眺めていると心にぽっかりと穴が開くような気がして 僕は周りが見えないように俯きそのまま膝に顔を埋めた。 もう、この世界には時間という概念がないのかもしれない、と僕は思った。 ざっ、と砂を蹴る音がする。アスカが立ち上がったのだろう。 そのまま、砂の蹴る音が続いたが、徐々にその音が離れていっているように聞こえた。 僕は慌てて顔を上げ、アスカのいた方向を見た。 すでにアスカはいなく、辺りを見回してみると、アスカは陸地側を歩いていて、少し小さくなっていた。 その後姿は何処か儚く、まばたきを一つすれば、この世からいなくなってしまうのではないかとすら僕は思った。 「アスカ、待ってよ!」 僕は立ち上がり、アスカを追った。 「ついてこないで!」 とアスカは振り返りもせずに言った。 僕は一度立ち止まったが、彼女の後姿がだんだんと小さくなるのを見て、一瞬、躊躇したがやはりついていくことにした。 アスカは振り返り、僕を一瞥したが今度は何も言わずに歩き続けた。
村上春樹の最高傑作は「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」 で勿論異論はないよな?
前もこんなスレあったな
「前にもあった?」と彼女は聞いた。 「前にもあった。」とぼくは答えた。
ハードボイルド・ワンダーランドの、内面世界も同時進行する設定は好きだな 別に影響それが与えたとかそんな事は言わんが、エヴァに通ずるものがあって というか色んな作品に通じてる気がしないでもないが
43 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/05/04(月) 20:48:14 ID:UROT/zTS
「やれやれ」とアスカは言った。「独断専行、作成無視。まるで声帯を潰したビング・クロスビーね」 「あなたは」とレイは言った。「完璧な評価の為にエヴァに乗ってるの?」 「違うわ。自己のレーゾンデートルの為よ」
海辺のカフカはエヴァに似ている。 ありきたりな○○はエヴァのパクリ、というものではなく、 たまたま似たようなテーマを扱ったという意味で。 エヴァ好きなら間違いなく楽しめる一冊。
45 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/05/22(金) 15:59:34 ID:cB/jzrXS
村上ってエロすぎ
何を今更
48 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/05/31(日) 00:22:42 ID:4zOBu0YW
>>46 それ、エロ本見て「エロい」っていってることと同じだよ
僕はすぐに射精した。
>>14 凄いな 思わずノルウェーの森読んでる気になった
51 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/06/17(水) 11:00:34 ID:Q2t8Ue72
ふう。1Q84 読み終わった。 青豆=ミサト 天吾=シンジ ふかえり=レイ。でした。
ノルウェイの森はただのエロ小説だし 直子と緑は綾波とアスカの祖形だよ
「世界の終わり〜」は京アニがアニメ化したら名作になるだろうな 灰羽連盟っていうのもあったけど、ガイナやカラーでは駄作になる
54 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/06/17(水) 11:43:56 ID:9NGAVEYS
>>53 世界の終わりを京アニが作って
現実パートをガイナ…はしょぼいからな
ボンズあたりがやれば名作になる
今さらだけどエヴァファン的には村上といったら龍じゃねぇの? 愛と幻想のファシズム的に考えて
中学生の時に読んだ時はなんだよこのエロ小説って思ったなw 攻殻機動隊もエヴァも同じくエロいシーンがやたら多い漫画アニメだと
村上春樹読んだ事ないけどこのスレ見たら読みたくなった。
『世界の終わり〜』はエヴァとだぶる。 「僕の謎」と「世界の謎」の二本柱でいくかのように見せて「僕の物語」に終始して終わるとこが特に。
序破Qワロタw
61 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/06/27(土) 12:48:22 ID:mUmUwaBm
ラブ&ポップ
62 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/06/28(日) 23:56:33 ID:a3LtrzEL
Qでレイは直子化しちまいそうだな…… やっぱり何だかんだ死んでしまいそうで……
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q」と「1Q84」 偶然だとしても凄い
関係ないけど龍って破みたりすんのかな? まぁラブ&ポップでの付き合いくらいしかないけど
何回も落ちて何回も立つなこのスレw
66 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/01(水) 10:51:39 ID:0lKGQ26e
ksk
18 『ノルウェイの森(下)』より :03/09/18(木) 06:20 ID:??? 「あのね、私、ネルフに入ったとき箱根で研修を受けたの。新入職員の義務だから。 それがひどいインチキな教官が揃っているところでね、今思い出してもゾッとするわ よ。研修所に入るとね、まず碇司令語録を読ませられるの。何ページから何ページ まで読んでこいってね。全ネルフ職員は崇高な使命を理解しなければならぬもので あって……なんて演説があってね。で、まあ仕方ないから私一生懸命読んだわよ、 風呂場にこもって。でも何がなんだかさっぱりわかんないの、加持君以上に。3ペー ジで放りだしちゃったわ。それで次の日のミーティングで、読んだけど何もわかりま せんでした、ハイって言ったの。そしたらそれ以来馬鹿扱いよ。問題意識が無いだ の、集中力に欠けるだのってね。冗談じゃないわよ。私はただ文章が理解できない って言っただけなのに。そんなのひどいと思わない?」 「ふむ」と加持は言った。 「ディスカッションってのがまたひどくってね。みんなわかったような顔して難しい言葉 使ってるのよ。それで私わかんないからそのたびに質問したのよ。『そのハーモニク スって何のことですか? ハーモニカを演奏する人のことですか?』とか、『スーパー ソレノイド理論ってメトロイドと関係あるんですか?』とかね。でも誰も説明してくれな かったわ。それどころか真剣に怒るの。そういうのって信じられる」 「信じられる」 「そんなことわからないでどうするんだよ、何考えてネルフに入ったんだお前? これ でおしまいよ。そりゃ私そんなに頭良くないわよ。庶民よ。でも世の中を支えてるのは 庶民だし、苦しんでるのは庶民じゃない。庶民にわからない言葉ふりまわして何が人 類の砦よ、人類補完計画よ! 私だってね、世の中良くしたいと思うわよ。だからこ そ質問するわけじゃない。そうでしょ?」 「そうだな……」
19 『ノルウェイの森(下)』より :03/09/18(木) 06:35 ID:??? 「そのとき思ったわ、私。こいつらみんなインチキだって。適当に偉そうな言葉ふりま わしていい気分になって、新入職員の女の子を関心させて、スカートの中に手をつっ こむことしか考えてないのよ、あの人たち。そして使徒が殲滅されたら官庁だの研究 機関だのにさっさと転職して、レイみたいな無垢でかわいい奥さんもらって子供にい やみったらしい凝った名前つけるのよ。何が人類補完計画よ。おかしくって涙が出て くるわよ。リツコだってひどいわよ、全部わかりきってるくせにフォローもしないでへら へらしてるんだもの。そしてあとで私に言うのよ。ミサト馬鹿ねえ、わからなくたってハ イハイそうですねって言ってりゃいいのよって。ねえ、もっと頭に来たことあるんだけ ど聞いてくれる?」 「聞くよ」 「ある日、私たち夜間の行軍訓練に出ることになって、女の子たちはみんな一人二十 個ずつの夜食用のおにぎり作って持ってくることって言われたの。冗談じゃないわよ、 そんなの完全な性差別じゃない。でもまあいつも波風立てるのもどうかと思うから、私 何も言わずにちゃんとおにぎり二十個作っていったわよ。梅干し入れて海苔巻いて。 そうしたらあとでなんて言われたと思う? 葛城のおにぎりは中に梅干ししか入ってな かった、おかずもついてなかったって言うのよ。他の女の子のは中に鮭やらタラコや らが入っていたし、玉子焼きなんかがついてたりしたんですって。もうアホらしくて声 も出なかったわね。人類補完云々を論じている連中がなんで夜食のおにぎりのこと くらいで騒ぎまわらなくちゃいけないのよ、いちいち。海苔が巻いてあって中に梅干し が入ってりゃ上等じゃないの。セカンドインパクト直後のこと考えてごらんなさいよ」 加持は笑った。「そんなんでよくネルフを辞めなかったな」 「食中毒が発生したのよ。原因はたぶん私の……」とミサトは言った。「まあ、何人か 病院送りになったし、それでおあいこだと思うことにしたわ」
1Q84と「Q』(次回作)がかぶった! Qブーム日本に到来。どんなブームだ?
70 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/01(水) 18:08:10 ID:SG8e72Qt
そういや月が二つになるのはエヴァの方が先だったな
旧作エヴァ好きなひとはゴダールとか好きそう
73 :
71 :2009/07/01(水) 18:42:52 ID:???
すまん、一個ずれたorz ウルトラQかもしれんな。
74 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/01(水) 20:54:36 ID:UaWz/6C5
>>73 釣りエサのQちゃんだべよ。
「わあい、Qちゃんのえさ入れ食いだあ」ってよ…
パスタとランニングと洗濯と夜レコードも必須かw
ノルウェーの森の一文の改造だからな
1Q86 ふかえりってレイに脳内変換されて困る。
81 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/08(水) 00:55:29 ID:0sHhEYO4
「ごめん、大丈夫?」と彼女は言った。 僕は返事をしようとしたけれど、結局何も言えなかった。 屋上で居眠りをしていたら空から少女が降ってきた、 という経験は生まれて初めてのことだった。 こんなことをアスカに話したらまた「あんた、バカ?」と言われるだろう。 僕だって好きで空から降ってきた少女に押しつぶされているわけではないのに。 ようやく落ち着いてきた僕の耳に、無粋なアラーム音が飛び込んできた。 携帯電話にしては異様な機械を取り出すと、彼女は「Hello, Mari is here」と英語で話し始めた。 流暢に英語を話す少女を見て、またしても僕は混乱した。 一体何が起こっているんだ、と僕は思った。 あるいは、僕の境遇を哀れに思った神様からのプレゼントだったのかもしれない。 空からスタイル抜群の美少女が降ってくる。確かにこう考えると悪くない。 しかし、神様の目論見は見事に外れてしまったように思える。 なぜなら僕にそんな余裕はこれっぽっちもなかったからだ。 これがベッドの上であったのなら、僕はきっと神様に感謝していただろう。 神様は最大のミスを犯していた。少女を空から落とすのは間違いだったのだ。 「君、良い匂いがするね」と彼女が言った。 気が付くと彼女の鼻先が僕の首筋に来ていた。 彼女はくんくんと子猫のように鼻を鳴らして「LCLの匂いがする」と言った。 LCLという言葉に驚いて、僕は彼女の顔を見つめた。 眼鏡の奥の碧眼が、海洋生態系保存研究機構で見た青い海を思い出させた。 「このことは他言無用ね」と彼女は言った。 こんなことを一体誰に話せば信じてもらえるのか、僕の方が聞きたかった。 「じゃあね、ネルフのワンコ君」と言い残して、彼女は去っていった。 やれやれ、と僕は思った。 青天の霹靂ならぬ青天の少女だった。 僕の頭の中で、アスカがまた「あんた、バカ?」と言うのが聞こえた。
83 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/08(水) 07:19:39 ID:HHhjVtPt
川端康成「雪国」の島村と駒子と葉子 シンジとレイとアスカ 関係性が似ている気がするんだけど、みんなはどう思う?
84 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/08(水) 07:53:59 ID:7KTXWaQ3
>>83 駒子→アスカ、葉子→レイか?どのへんが似ているのか
85 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/08(水) 14:08:02 ID:Q3bCT1F2
「それで、ミサトさんは今までどんな食生活をしてきたのですか?」と僕は尋ねた。 「見ての通りよ」と言って、彼女はテーブルを指差した。 「コンビニ弁当、出来合いの惣菜、つまみ、レトルト食品、ビール」と彼女は言った。 「毎日これですか?」と僕は言った。 「そう」と言って、彼女はビールをぐいっと呷った。 僕は思わずため息をついた。弁当はできの悪い油をたっぷり使っていて、 一口食べただけで口の中が油まみれになりそうだった。 パックに入ったエビチリは甘味と酸味と辛味のバランスが絶望的なまでに崩壊していたし、 何が原料なのかわからない煮付けはドストエフスキーの小説みたいな味がした。 「ねえ、ミサトさん」と僕は言った。 「僕は他人の食生活に口を挟めるほど豊かな食生活を送っていたわけではないけれど、 食事というのはまっとうな物を食べないと駄目なんです。 別に贅沢をしろと言っているんじゃないんです。人間というのはまともな物を食べないといけないんです」 彼女はビールの缶を口に付けたまま、ううむ、と唸った。 飲みきった缶をイェリコの城壁みたいに積み上げると、彼女はすっと立ち上がった。 新しいビールを取りに行った彼女の体は、年齢と食生活に反して美しいラインを描いていた。 「ビールよ」と彼女は椅子に座りながら言った。 「ビールは多機能食品なのよ。栄養価も高いし、美容にも健康にも最適なの」 まるで、僕の頭の中の疑問を理解しているかのような返答だった。 やれやれ、と僕は思った。 「明日から僕が食事を作ります。こう見えて僕は料理が得意なんです。 自分で言うのもなんですけどね。少なくともこれよりまともな物を作れる自信はあります」 「じゃあ明日は何を作るのかしら?」と彼女は言った。 「何かリクエストはありますか?」と僕は逆に聞き返した。 「ビールがあれば何でもいいわ」と答えた彼女は、とても素敵な笑顔を浮かべていた。 僕が彼女と同い年だったなら、僕はきっと彼女に恋をしていただろう。そのくらい素敵な笑顔だった。 「やれやれ」と今度は口に出して言ってから、僕は明日からの食事をどうするべきか考え始めた。
やれやれ・・・でもこうゆう夏の過ごし方も悪くはないものだ 「キョン! アンタなに一人でブツブツ言ってんのよ! 死刑よ死刑!!」
>88 俺も龍が好きだ
龍はグロくてどうも。エヴァはOKなんだが。 ただ69だけは傑作だと思う。
92 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/08(水) 21:12:03 ID:RZWr6qMc
>>13 すごい未来予知力だな
アスカ生きてるよ…
>>85 お ビールが出てくる辺りが村上春樹風だね
>>新しいビールを取りに行った彼女の体は、年齢と食生活に反して美しいラインを描いていた。
こういう言い回しとかもgood
村上春樹文体好きな人って他にどんな作家の文章が好き?
ヤマグチノボル
ぐっどっつーか文を抜粋して書き換えてるだけじゃん
村上春樹 1949年1月12日生まれ(60歳)
99 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/11(土) 19:27:23 ID:pTr34xQ3
春樹と庵野はA型同士
エヴァと関係深いのは龍じゃないか
龍の世界観に春樹思考のキャラをぶっこんだ
どさり、という音が背後から聞こえて僕は目を覚ました。 時間は深夜で窓の外には切ったばかりの新鮮なライムのような月が光っていた。 意識が徐々に覚醒して僕の背後に現れたのが人だと気付くと、背筋にさっと緊張感が走った。 アスカだった。 確認したわけではないけれど、僕にはそれがわかった。 「こっち向かないでよ」とアスカはささやくように言った。 その言葉はまるで乾いた砂に垂らした水のように、沈黙に吸い取られていった。 「式波さん?」と僕は言った。 「今日どさくさにまぎれて名前で呼んだでしょ?」と彼女は言った。 「でもいいわ。特別にアスカって呼んでいいわよ。その代わり私もバカシンジって呼ぶから」 僕はアンフェアだと思った。 フェアな言い方をするなら僕はバカアスカと呼ばなければならないし、 彼女は僕をシンジと呼ぶべきだった。 もちろん僕にバカアスカと呼ぶ権利はなかったし、彼女をとくにそう呼びたいとも思わなかった。 世の中というのは実にアンフェアに出来ている。これもその内の一つにすぎないのだ。 「アスカはなんでエヴァに乗ってるの?」と僕は質問した。 「愚問ね。黙ってなさいよ」と彼女はまたささやくように言った。 僕は彼女の言葉に従って黙ることにした。別に答えなんてどうでもよかった。 僕はただ聞いてみたかっただけなんだ。自分自身へ問い掛けるのと同じように。
「自分のためよ」とアスカは言った。 答えが返ってくるとは思わなかったので、僕は危うくその言葉を聞き漏らす所だった。 「あんたはどうなのよ?」 「分からないんだ」と僕は正直に言った。 「あんたバカ?」と彼女は言った。「分からないのに何で乗ってるのよ」 「あるいは僕は父さんに誉められたいだけだったのかもしれない」と僕は答えた。 「ファザコン」とアスカは吐き捨てるように言った。 確かにそうかもしれない、と僕は思った。 「でもね、今日初めて父さんに誉められてわかったんだよ。 誉められて嬉しいと思ったんだ。たぶん僕はまた誉めてもらうために乗っている」 「そう」と言ったきりアスカは何も喋らなかった。 沈黙はその密度を増しながら僕の部屋を包んでいった。 僕はあきらめてSDATの再生ボタンを押した。 ナット・キング・コールのFly Me to the Moonが沈黙を蹴散らして僕の耳に流れ込んできた。 素敵な歌詞だった。 僕は窓の外の月を見ながら火星と木星の春を想像していた。 「あんたって、本当にバカね」と彼女は言った。 もしかしたら「つまり、私とキスしてってことよ」と彼女は言いたかったのかもしれない。 世の中はアンフェアなんだ、と僕は考えながら眠りについた。
>>102 >>103 すげーー 今度は破を春樹風で書いてる
だんだん 村上さん本人が降臨してるように思えてきた
105 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/15(水) 12:36:06 ID:+MDrUdUC
正直文末に「た」が来過ぎ
>>103 おもしろいねw
ノルウェイの森なんて上巻読んで売ったのにw
読み返したくなった
108 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/15(水) 23:22:01 ID:S+UmK6nM
村上春樹って読んだことないんだけど 会話の後に必ず、〜と言った。ってつけるの?
>>108 『ノルウェイの森』から適当に抜粋
「またいつか会いに来てくれる?」と直子が僕の顔を見て言った。
「もちろん来るよ」と僕は言った。
「手紙も書いてくれる?」
「毎週書くよ」
「私にも少し書いてくれる?」とレイコさんが言った。
「いいですよ。書きます、喜んで」と僕は言った。
文末に「た。」が多いのや108の指摘する「〜と言った。」は 春樹が翻訳調の文体で書くからだ 102-103はとても上手い、本人より上手いかもしれんw
ノベライズは春樹に書かせろよ。 それか102-103か。
「わかっているとは思うけど」と疲れた声でミサトさんは言った。 「ネルフの登録を抹消されても監視は続くし、行動にはかなりの制限がつくから」 僕は何も言わなかった。何も言う必要はないと思っていたからだ。 「忘れ物」とミサトさんはギプスをしていない左手で僕の携帯電話を差し出した。 「鈴原君と相原君から何度も留守電が入ってる。心配してるのよ」 「別にいりませんよ。もともと置いていく気でしたから」と僕は言った。 「レイやアスカのことも聞かないのね」とミサトさんは言った。 「本当はね、私だって人類や世界のことだってどうでもいいのかもしれない。 結果としてこんな立場にいるけれど……。 でも最初は父に少しでも近付きたくてネルフに志願しただけなのよ。 あなたが碇司令に必要とされたくてエヴァに乗ったのと同じように。 だから私はあなたに自分の思いを重ねてしまったの。 あなたが重荷に感じていたのも知っていたのに。 そして今あなたがエヴァに乗る目的に失望してしまったのも知っている。 それでもね、私はあなたに……」 そう言ったミサトさんの声は若干震えていた。もしかしたら彼女は泣いていたのかもしれない。 でもミサトさんは決定的なミスを犯していた。本当に決定的なミスだった。 恐らくミサトさん自身もそれには気付いていなかったと思う。 あるいはこんなことの後でなければ、僕だって聞き流していたかもしれない。 でもね、ミサトさん。僕の友達に相原なんて人はいないんだよ。 あなたは僕の友人の名前を間違えたんだ。それも数少ない友達のね。 ねえ、ミサトさん。結局あなたは僕のことなんてどうでもよかったんじゃないかな。 あなたが欲しかったのは僕じゃなくて、使徒を倒せる誰かだったんじゃないかな。
「あの日、レイは碇司令も呼んでいたのよ」とミサトさんは噛み締めるように言った。 「きっとお父さんと仲良くなって一緒に笑って欲しかったのね」 僕は空を見上げていた。真っ青な空を侵食していくかのように、入道雲が立ち上っていた。 きっとアスカがいたならこう言うんだろうな、と僕は思った。 「あんた、バカ?うじうじ考えてないで乗ればいいのよ。まったく、日本人は苦労性ね。 自分が必要とされてて居場所があるならそれで十分じゃない」 でももうアスカは居なかった。その事実は僕の気持ちをより落ち込ませた。 「僕はもう誰とも笑えませんよ」と僕は吐き捨てるように言って歩き出した。 駅へ向う途中、僕は何気なくポケットに手を入れてイヤホンを探してしまった。 やれやれ、あれはもう捨てたじゃないか、と僕は自分に言い聞かせた。 どこからかボブ・ディランの声が聞こえた。『Knockin' on Heaven's Door』だった。 母さん、この銃を地面に置いてくれないか 僕にはもう撃てそうにない 長くて黒い雲が降りてきた まるで天国の扉をノックしてる気分だよ ノックノックノッキンオンヘブンズドア 何もこんな時にこんな曲を掛けなくてもいいじゃないか、と僕は見知らぬ誰かに腹を立てた。 ノックノックノッキンオンヘブンズドア。 さあもういいだろう?と僕は自分に言った。僕には銃を置いてくれる母親はいないんだ。 僕は再び駅へと歩き出した。 ノックノックノッキンオンヘブンズドア。
114 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/16(木) 21:05:25 ID:qZ83XGoD
>>112 ワロタw
1Q84は読みたいけど文庫本じゃない普通サイズだとデカすぎて読む気しないんだよな・・・
春樹仕事しろw
116 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/16(木) 21:13:43 ID:0r3iPCiD
>>81 素晴らしい出来ですね、面白い
たた、ワンコがウンコに見えてしまうのが難点です
降臨待ち
121 :
sage :2009/07/21(火) 07:51:50 ID:dXECDBAL
122 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/07/21(火) 10:55:21 ID:OpxuBLCe
本当に 本人だったりして 新刊も出た事だし暇つぶしに書いてたりして
台所でスパゲティーをゆでていると、玄関のエアロックの開く音がした。僕はFM放送から流れるバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」にあわせて口笛を吹いていた。 スパゲティーをゆでるには少し大袈裟な音楽だった。 「ただいま、シンジ君」とミサトさんがリビングに入って言った。 おかえりなさい、と僕は言った。 「すごくいい匂いがするわねえ。シンジ君が作ってるの?」と彼女は鼻をくんくんさせながら言った。 「ええ、ここ最近ジャンクフードしか食べてませんでしたから。思春期の男の子はもう少しまともなものを食べるべきだと思うんです」と僕は答えた。 ふーん、と彼女は答えながら自分の部屋へと着替えに行ってしまった。 その間に僕は調理を続けた。にんにくを二粒太めに切ってオリーブオイルで炒める。フライパンを傾けて油を溜め、時間をかけてとろ火で炒める。それから赤唐辛子をまるごとそこにいれる。 そしてそれもにんにくと一緒に炒める。苦味の出ないうちににんにくと唐辛子を取り出す。このタイミングがけっこう難しい。そしてハムを切ってそこにいれ、かりっとするまで炒める。 そこに茹であがったスパゲティを加え、さっとからめてみじん切りにしたパセリを振る。それからさっぱりとしたモッツァレラチーズとトマトのサラダも作った。 「すごいじゃない」とラフな格好になったミサトさんが台所に来て言った。「天才的だわ」 「簡単ですよ。それほど手のこんだものじゃありませんし、慣れればすぐにできます」 「私にはとてもできないわ」彼女は笑いながらいった。 「僕にはネルフの作戦部長なんてとてもできません。人には人それぞれの生き方がありますから。different strokes for different folks.」 「なにそれ」彼女は無感動に言った。「早く食べましょ」
「この潮風って、なんだか生臭い変な匂いがしますね」と僕は言った。 「どんな匂いを想像していたんだ?」と加持さんは僕に言った。 「さわやかな潮の香り。コパトーン。それからフレンチビキニ」と僕は答えた。 「なるほど」と言って加持さんは笑った。 「でもこれが海の匂いなんだよ。海の生き物が腐った匂い。生きていた証だよ。 あの何もない赤い水とは違う本当の海の姿だ」 「僕が生まれる前はこの海が全部青かったんですよね?」と僕は背後に広がる赤い海を見ながら言った。 「そう」と加持さんは言った。 「この世界は広くて色々な生命に満ち溢れている。その事を君たちに知っておいて欲しかったんだ」 「今日は色々な事が知れて嬉しかったです。ミサトさんも来ればよかったのに」と僕は言った。 「葛城は来ないよ」と言って加持さんはタバコの煙を吐き出した。 「思い出すからな」 「何をですか?」 「セカンドインパクトを」 海鳥がぎゃあぎゃあと鳴きながら僕たちの頭上を飛んでいった。 彼等が飛んでいってしまうと、後には単調な波の音しか残らなかった。 「葛城がなぜネルフに入ったか聞いたかい?」と加持さんは相変わらず遠くを見つめながら言った。 「何も聞いてないですね」と僕は答えた。 「葛城の父親は自分の研究や夢に生きる人だったそうだ。 彼女はそんな父親を嫌っていたし、憎んでさえいたと思う」 僕は前にミサトさんが言った「私と同じね」という言葉を思い出した。 「だが葛城はその父親に助けられたんだよ」と加持さんは続けた。 「生き残るってのは色んな意味を持つ。 死んだ人間の犠牲を受け止めて、意思を受け継がなきゃならない。 それが一人ならなおさらだね。辛いのは君だけじゃないんだ」 「もし君が去ってしまっても人生は続くだろう。僕は世界から何も見出せないだろう」と僕は言った。 「そんな人生に何か価値があると思いますか?」 「God Only Knows」と加持さんは言った。
>>126 カッコいいね.。春樹とか抜きにしてもカッコいいよね。
GJ
すてきな文章ね
春樹はいいね。リリンの生み出した文化の極みだよ
僕はエントリー・プラグの中でゆっくりと目を閉じ、深呼吸をした。 L.C.L.が鼻から肺へと入っていく。 体の力が抜け、重力が容赦なく僕の体を押しつぶした。 まるで井戸に落ちたみたいだ、と僕は思った。深い井戸だ。 僕はどんどんと下に向かって落ちていく。そこには日の光さえ届かない。 闇は水と同化したかのように僕を包み込む。そして音さえ存在しなくなるのだ。 完璧な闇だった。 それは古代の人々が作り上げた城壁のように、強固で一切の無駄もなかった。 僕はその闇の中で井戸の底に触れる。 ぬるりとした土の感触が手に広がり、少しずつその中へと入っていく。 できの悪いパン生地が全身を覆うような感覚が僕を襲う。 そしてその感触が全て通り過ぎてしまうと、僕はゆっくりと目を開けた。 そこは何時も夢で見る電車の中だった。 車内には木の匂いが立ち込めていて、吊革が所在なさげにぶらさがっていた。 僕は何時もと同じ場所に座って、車内をぐるりと見回した。 しかし綾波はいなかった。子供の頃の僕もいなかった。 車内はがらんとしていて、人の気配というものがまったくなかった。 僕は注意深く周囲を観察した。そしてあることに気がついた。 電車は動いていなかった。 写実派の画家が描いた絵画のように、電車は動きを失っていた。 僕はためしに、何時も綾波が座っている座席に触れてみる。 手にははっきりと綾波の体温が感じられた。 まだ間に合うはずだ、と僕は自分に言い聞かせた。 綾波は近くにいる。そして間違いなく僕に助けを求めている。 僕は再び闇の中へと潜っていく。 もしかしたらもう戻れないのではないか、という恐怖が僕を襲った。 どうなってもいい、と僕は思った。綾波を助けられるならそれでいいとさえ思った。 世界がどうなろうと綾波だけは助けると決めたのだ。 僕はまた闇の中を泳ぐようにして進んでいった。
「綾波」と僕は闇の中で叫んだ。しかしそれは声というより思念に近いものだった。 深い闇のせいで、声を声として認識することができなかった。 僕は構わずにまた「綾波」と叫んだ。 「駄目なの」とどこからか綾波の声が(あるいは思念が)聞こえた。 「もう私はここでしか生きられない」 「綾波」と僕はまた叫んだ。 「もういいのよ」と綾波は言った。「私が消えても代わりはいるもの」 「違う」と僕は言った。 「綾波は綾波しかいないんだ。 もし綾波によく似た人がたくさんいたとしても、それは綾波じゃない。 あくまでも綾波によく似た人でしかないんだ。 世界中の人間はそれを綾波だと思うかもしれない。 でも僕にはわかる。それは綾波であって綾波じゃないんだ」 綾波は何も言わなかった。ただ赤い瞳でじっとこちらを見つめていた。 「だから、今助ける」 綾波の瞳から涙がこぼれて、闇の中できらきらと光っていた。 僕は闇をかき分けて、力の限り手を延ばした。 「綾波、手を」と僕は叫んだ。 綾波はゆっくりと立ち上がり、手を差し出した。 僕はその白くてすらりとした手を掴み、自分の方へと引き寄せた。 闇の抵抗が弱くなり、僕は綾波を完全に引き寄せる。 そして綾波の細い腰に手を回し、しっかりと抱き締めた。 「父さんのこと、ありがとう」と僕は言った。 「ごめんなさい」と綾波はささやくように言った。「でも何も出来なかった」 「もういいんだ。綾波を助けられてよかった」と僕は言いながらまた綾波を抱き締めた。 綾波の細い首筋は、月明かりを映しているかのように白く光っていた。
乙。GJ。
ところでセカイ系の元祖が春樹って誰かが言ってたけどマジなの?
>>51 ふかえりってどうかんがえてもレイだよな
戎野先生ってもう冬月の声でしか聞こえないし。
ふかえりと天吾がセックスするシーンなんてそのまんまEOE
ほ
138 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/06(木) 06:38:09 ID:YCi8lEYO
ほ
第三新東京奇譚集
2015年のピンボール 「出口があればいいと思う。」
村上春樹の作品は、ノルウェイの森に限らず直子系と緑系の女性
よく出てくるね。儚くて非現実的で、主人公の心の中に永遠に
生きてるタイプと、主人公を現実に繋ぎ止め、すったもんだしつつ
一緒に生きて行くタイプ。まさにレイとアスカだなあ。
>>134 そもそもセカイ系の定義がよく解らないが、
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」なんかは
それの先駆みたいな説もあるらしいね。まあセカイ系はともかく
この作品は面白いよ。
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の太った娘はマリか
>>141 つーか典型的な男の求める女2タイプだよな
永遠の女と現実の女が両方欲しいのが男のサガ
博士はキールか
佐野元春 in エヴァンゲリオン
地味な良スレでワロタ
147 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/12(水) 11:56:10 ID:gI/x5eL5
レイ(直子)=デストルドー(死への欲動) アスカ(緑)=リビドー(生への欲動) だからな。 ノルウェイの森でワタナベが最終的に緑と一緒に生きて行くように、旧劇場版でもシンジは最後アスカと共にいた。 どちらも死への欲動に駆られながらも最後は生きて行く事を選ぶ。 さらにリビドーはエロスであって、生への欲動は性への欲動と言い換えられる。 レイ(直子)には直接的な性衝動の描写はないが、アスカ(緑)とはどちらも最後の方である。
春輝の絵の上手さはエロ漫画書く奴ににしては異常
マリはハードボイルドのピンクでいいな
あのピンク子は緑の姉とイメージ被らせて書いてるの?
151 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/22(土) 04:29:40 ID:2jzXleNB
良スレ IQ84早く文庫なんないかなぁ
たまたま覗いたら何この良スレ 言葉に上手く出来ないが単純に凄いし、凄い好きだ こういう時ボキャ貧は辛い
>>152 仮に語彙が貧困でも
(1)一人称を「僕」にする
(2)普段より少しだけ言葉遣いを丁寧にする
これだけで充分このスレッドを楽しむことができる。やれやれ。
>>153 喧嘩を売るつもりはありませんが、貴方の内容は語彙についての根本的な解決になりませんよ。
私は昂る感情を表現しようと試みる時に自らの納得のいく言葉を選択出来ないと言っているのです。
まさかとは思いますが、文章の読み間違いでご高説を授けたつもりですか。
やれやれと言いたいのは寧ろこっちの方です。
沸点低くてすいませんでした。
156 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/23(日) 04:21:19 ID:wMNMXZc9
沸点が低すぎる。たしかに僕にはそういうところがある。「意志疎通には齟齬がつきもの」と彼女は言った。どう読んだって、あれは親切心のもとに書かれたものだったんだ。書かれたもの。書かれたもの。 「リトル・ピープル」と彼女は言った。
>>156 漱石沈流
次の使徒が来るまでの束の間の休息として僕は学校に来ていた。本来ならば学校に行くことが義務なのだろうが、僕の場合は使徒を殲滅すること−EVAに乗ること−が義務となるだろう。
老齢の教師が渇いた音で無機質な文字の羅列を作り出す。退屈な倫理の授業。
『世紀末』。荒廃した世の中は人の心を惑わす。荒んだ世界は優しさに飢え、全てを素直に好意へと変えてしまう、だそうだ。
ふと、僕はそれを反芻してみた。してみた、とは語弊がある。何故かしなければならないように感じた。
頭に浮かぶ『情けは人の為ならず』という言葉。利を得んとする押しつけられた好意を僕は素直には受け取れない。
それは屈折してるのかもしれないし、していないのかもしれないがそんなことなど僕にはどうでもよかった。
押し付けられた・・・僕がEVAに乗るのも押し付けられたからではないのか。父さんが必要だから僕を呼び出し、断れない状況を作り出し乗せたのではないのか。
父さんは傲慢だ。もしかしたらどこも似たようなものなのかもしれないが、それでも僕は父さんを傲慢だと感じた。
父さんの傲慢さが正常な世の中だとしても僕はやはり父さんを赦せないだろう。
僕は父さんは父親としての優しさが足りないのだと感じる。ただ厳しく人と付き合うだけが恐らく大切ではないだろう。
その厳しさが優しさだとしても相手のことを考えなければ余計な誤解を生むだけだ。
僕はそれ故傲慢と感じるのかもしれない。未熟な子供にはそう思うのが限界だった。
よくよく考えると今日は気分がいい。いつもに増して饒舌な気がする。久々に小説でも考えてみようか。
平和になったら小説家になるのもいいかもしれない。
そのときには好きな作風に近づけると素敵だ。幼さ故の激しさではどうしても近づくことは出来ないが、今はそれでもいいかと思えた。
鐘が鳴った。どうやら授業が終わったようだ。友人達がこちらを見る。僕は軽い笑顔でそれに答えた。
争いのない世の中に大人になった僕が彼みたいな作品を投じるのもまた面白いかもしれない。
158 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/24(月) 05:43:06 ID:K8DQCVN4
くら、くて途中でギブ
159 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/24(月) 08:19:42 ID:A7RViG2Z
今ちょうど、世界の終わりとHBWL読んでる。 二巻の終盤まで来たが洞窟入ったあたりからグダグダ感が否めないな。前半は面白かったのに。
いまノルウェーの森読み返したんだけど ワタナベ君は最後何処に居たの? なんか違う世界に行ってしまったような気がするんだけど
>>160 考え方によっては別の世界と言えなくもないと思うけど、
どっちかというと「この世界に対して順応出来ない自分の居場所」というテーマに対応した意味での暗喩としての
「ここはどこなんだろう?」という台詞なんだと俺は思うよ
記憶喪失になった人もよく「ここはどこ?私は誰?」って言うよね
即物的にいえば電話ボックスの中。 いやそんな話してねえよな ごめん
163 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/08/25(火) 15:36:40 ID:/oXLv/rb
>>160 直子:死への願望(デストルドー)
緑:生への願望(リビドー)
という事を前提に話をするが、
直子にとらわれていたワタナベが、彼女の死を乗り越えて緑と生きて行く事で
それまでデストルドーに覆われていた心がリビドーで満たされる事に対する困惑
(デストルドーの世界から急に引っ張ってこられたもんだから、
今自分が立っている場所がうまく理解できずにいる)
と、俺は解釈した。
旧劇場版エヴァと似ている。
なぜか知らんが ノルウェーの森の最後で まごころを、君にの最後の場面が思い浮んでしまった・・・
――『新世紀エヴァンゲリオン
まさかだとは思うが、実は庵野と村上春樹は裏で繋がってた とか 仲良かったってことは・・・
168 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/09/07(月) 12:19:49 ID:p5hh0Zno
アゲ
んなこたーない
別に繋がってなくても、村上春樹と言えば世界で一番有名な現役日本人作家なんだから、 どっかで触れてても不思議じゃないと思うけど 影響とかそういう意味じゃなくてね
「つまりさ、僕はそのときこう感じたんだよ。 父さんは例え何があろうと僕を一人にするべきじゃなかったんだって。 僕をこの世界で孤児にするべきじゃなかったんだ。 どんな事情があれ、先生の家に預けるべきじゃなかった。 父さんの仕事がどんなものなのか、その頃の僕にはもちろん正確には理解できなかった。 でもそれがでかいおしいれみたいなものだっていうことは、だいたいわかっていた。 薄暗くて、怖くて、不吉なものだ。 父さんはそもそもそんなところに行くべきじゃなかったんだよ」
172 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/09/13(日) 04:21:19 ID:2jMnWRkn
そして僕は世界一タフな14歳になった
「あれ、シンちゃん、お出汁変えたの。」ミサトさんが味噌汁をすすりながら言った。 「ええ、かつお出汁。リツコさんのお土産です。」と僕は少し驚きながら答えた。味覚音痴のミサトさんに出汁の違いがわかるとは思っていなかった。 その時、風呂場から叫び声がした。数秒の間があった後、風呂場をしきるカーテンが開き、真っ赤なバスタオルを体と頭に巻いたアスカが顔を見せた。 「ちょっと、お風呂暑いわよ。火傷しちゃうじゃない。」とアスカは怒って言った。 「ごめん。」と僕は素直に謝った。しかし僕はお湯をきちんとした温度で入れたつもりだった。 温めが好きなアスカのために38度にしておいた。自分で触って確かめたので間違いない。だがなんらかの手違いで、おそらく風呂のお湯における確率論的な何か、あるいは風呂の神の見えざる手による変化により湯の温度が38.4度くらいになってしまったのだろう。 それは僕のような一介の中学生にどうすることもできない圧倒的な力によるものであったに違いない。それでも僕は彼女に謝った。僕は基本的に素直な人間なのだ。
保守
176 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/09/28(月) 10:23:04 ID:iwKL+2lE
age
177 :
なー :2009/09/29(火) 11:04:24 ID:???
sage
ほす
179 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/10/09(金) 03:00:29 ID:dRmtMEv0
補修
180 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/10/19(月) 18:19:09 ID:3DjxP1R1
ほしゅ
僕は目の前の状況に絶叫した、まるで暗く荒れた冷たい北の海にぶつかる波の音のよ うに激しく。 「もうヤダ、もうヤダ、もうヤダ、もうヤダ…。」 何で僕がこんな目にあわなけれはならないのだ。 僕はただひたすら、何かを念じ続けている事しか出来なかった。 それは、傷つき進む事の出来ないレコードのようだったかもしれない。 −−もういいのかい? 僕は、目の前の醜く歪んだ幾つもの綾波レイと呼ばれていたモノ。 そしてそれが、僕自身の望みだと気付いたのだった、腕の良い調律士がほんの微かな音の歪みでも気付いてしまうように。 −−カヲル君そこにいたの?。
しかしながら、僕は目の前にあるソレを受け入れる事は出来なかったし、ソレを受け入れる事が則ち僕自身を(壊れた歯車を回すように)破壊する事だった。 しかし、その時の僕にとってそんな事はどうでも良かったのだ。 その時の僕はただその状況から抜け出す事が1番大切なことだったしそれ以外考えていなかった、いや考えられなかったのかもしれない。 −−そして僕はソレを受け入れた。 僕の薄れゆく意識のなかで僕の子供の頃の記憶が、よく晴れた冬の昼空に浮かぶ月のように、浮かんできたのだった。 そうだ、僕は昔から僕自身が嫌いだった。 醜いあひるの子が湖に写る自分自身の姿を忌み嫌ったように。
春樹に影響されたアニメは多いのは事実だな
mage
185 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/11/24(火) 11:21:11 ID:cvUkXmfv
地味に良スレage
保守 春樹はカフカとノルウェイの森とピンボールしか見てない いずれもおもしろかったけど、次に見るべきは何だろうか、教えてくれ
187 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/12/10(木) 12:20:56 ID:v50P9h0B
>>186 世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
どれだけの天才でもどれだけの馬鹿でも自分一人だけの純粋な世界なんて存在しえないんだ。どんなに地下深くに閉じこもろうが、どんな厚い壁を張りめぐらそうがね。
「信じるのよ。さっきも言ったでしょ? 信じていれば怖いことなんて何もないのよ。楽しい思い出や、人を愛したことや、泣いたことや、子供の頃のことや、将来の計画や、好きな音楽や、そんな何でもいいわ。そういうことを考えつづけていれば、怖がることはないのよ」
誰も僕を助けてはくれなかった。誰にも僕を救うことはできないんだ。ちょうど僕が誰をも救うことができなかったのと同じように。
189 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/12/14(月) 20:45:32 ID:mYAhg0px
「第三新東京市・ガール」 NERVの娘はイカしてる ペンペンだってご機嫌さ 青髪の女の子のビンタ、お母さんの匂い うん、ノックダウンだね 真っ赤なドイツのツンヤンガール 罵声にぐっときちゃうのさ 三十路のかわいいお姉さん 君をうっとり暖めてくれる 素敵な女の子がみんな 第三新東京市・ガールならね・・・
191 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2009/12/18(金) 12:23:56 ID:Magvtv1h
全てのエヴァキャラたちへ 僕は・君たちが・好きだ。
193 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2010/01/04(月) 11:06:04 ID:FhfmrLQN
book3 age
「疲れたか?」と加持さんは言った。「申し訳ないけど、給料分は働いてもらうからね」 「給料ってさっきの缶コーヒーですか?」と僕は土をいじりながら聞いた。 「そう」と加持さんは言った。 「デートじゃなかったんですか?」と僕は汗をぬぐいながら聞いた。 「立派なデートだ」と加持さんはスイカに水をやりながら言った。 「空は青いし、空気も澄んでる。ここは良い水も出るんだ」 「なるほど」と僕はあきれながら言った。「最高のデートスポットですね」 「嫌味を言うなよ。大人はずるいくらいで丁度いいんだ」 と言って加持さんは井戸のポンプを動かす。 「飲んでみるかい?」と言って加持さんが僕を促した。 僕は手を差し出してその井戸水をすくう。 驚くほど透明で、切れそうなほど冷たかった。 飲んでみると甘みがあり、たしかにうまい水だった。
「なぜかここだけ良い水が出るんだ」と加持さんは言った。 「他の井戸はセカンドインパクトで使えなくなってしまったらしい。全部だ。 ある物は涸れ、ある物は汚水が混じり、ある物は赤い水しか出てこなくなった」 「でもここは綺麗な水が出る」と僕は言った。 「不思議なものだ」と加持さんは井戸を見ながら言った。 「お陰で俺はこうして良い水をたっぷりと使って農業が出来る。 何かを作る、育てるというのは、本当に良いことだよ。 色々なことが見えるし、分かってくる。楽しいこととかね」 「辛いことも、じゃないですか?」と僕は言った。 「確かに」と加持さんは言った。「辛いことは嫌いかい?」 「好きじゃないです」と言いながら僕は考えた。 辛いことが好きな人間なんているのだろうか。 「楽しいことは見つかった?」と加持さんがまた聞いてきた。 僕は返事をしなかった。あると言えばあるし、ないと言えば何もなかった。 そんな僕を見て、加持さんは納得したように言った。 「辛いことを知っている人間の方が、それだけ人に優しく出来るんだ。それは弱さとは違う」 「だと良いんだけど」と僕は首をかしげながら言った。 「葛城は好きか?」加持さんはスイカの苗を点検しながら言った。 「嫌いじゃないです」と僕は素直に言った。 「葛城を守ってくれ」と加持さんは言った。「それは君にしかできないことだ」 「考えておきます」と僕は言った。 加持さんは満足そうに微笑み、今度はトマトの苗を点検し始めた。
>>186 ピンボールは四部作のepisode2だからまずはその前後をクリアしとけば?
197 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2010/01/12(火) 10:18:39 ID:Z5lL7e2A
感動した
200 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2010/02/23(火) 12:09:44 ID:Kapf4Rdy
200
羅須地人協会
202 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2010/04/16(金) 11:47:10 ID:BzOQZ2j0
1Q84 3 発売
なんだこの良スレ
村上春樹って良く見る字だけどこれ何?
207 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2010/04/19(月) 10:40:17 ID:CWMHJA9j
1Q84の3巻買ったぜ
ハードボイルドワンダーランドが好きだ
カフカ
1984読んだ
だんすだんすだんす
わたしはチをながさない、ニンシンしない、セイリがないから