投下する作品のジャンルを問いません。
短編、長編、LRSにLAS、パロ、シリアスなんでもどうぞ。※エロは板的にNG
ただし、書き始めた以上は責任を持って完結を目指しましょう。
でないと、読み手の人がイーッてなります。
スレ違いと指摘する人がスレ違い。
趣味の違う作品は華麗にスルー。
このスレで叩く理由はあり得ません。
ただし、ここはエヴァ板なので他の作品とのコラボは非推奨。
乗せても良いけど、理解されずに誰もレスを付けないかも。
前スレ
★エヴァ小説を投下するスレ(ノンジャンル)★2
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/eva/1215775144/
ようこそ、厨二病患者隔離板へ!
保守
6 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/27(月) 00:48:34 ID:0JnPla1v
「さあ、おとなしく観念しろ!この髭面!」
そう言い放ったのは、異様に長い日本刀を持つ黒髪の学生服を着た少年だった。
彼の周りには、彼が倒したチンピラ風の男達が100人近くは転がっている。
今まさに、この少年は長年非人道的な扱いを息子である彼に続けた上に、その私欲によって人類を滅ぼそうとした、
髭面の中年男に制裁を下すところだった。
「貴様はまだまだ甘いな。シンジ」
男はフッと不敵な笑みを浮かべると、縄で縛られたまだ中学生ぐらいの女の子の首元をつかみ、
これ見よがしにシンジの前に出した。
人質にしようというのだ。まだ14歳であるシンジに、人質の少女を殺す勇気はないはず。
シンジには成す術も無くなったかに見えた、が
「ぎゃあぁぁぁ……!!」
男は断末魔をあげるが、それは声にもならなかった。
男が知覚できないほどの速さで、少年が男の腕を斬ったのだった。
手首から先は吹き飛び、血が宙を舞う。
「哀れだな」
いかなる感情をも映さない黒い瞳をうずくまった男に向けてそれだけ言うと、シンジは少女を大切そうに抱えてその場を後にした。
守るべきものを守ったはずのその背中は何処か悲しみを感じさせた……。
7 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/27(月) 00:49:53 ID:0JnPla1v
っていうのは、僕の妄想に過ぎないけど――
そもそも僕はまだ中学生であって、あのリアルにチンピラの親分やってそうな190cm以上はあろうかという
親父を相手にするのは無理だっつーの!
プレハブ小屋のベットの上で、ボーっとしていた僕の表情筋がついつい吊り上ってしまう。ニヤニヤ。
何が面白いのかはさっぱり分からないが、表は真っ暗な上に、部屋の明かりを点けてないので非常にキモイ。
何故にあの厳ついオッサンから僕のような、なよっちいのが生まれたのかはFBIや、頭脳明晰の某新世界の神でも分かるまい。
X-FILEだ。世界七不思議だ。謎。
当然僕にも分からない。遺伝子工学の人とかに聞いたほうがよろしい。
しかし、小さい頃から同級生なんかにずいぶんとなめた態度をとられたのも、ひとつはこの容姿のせいもあると思う。
親は厳ついチンピラの崩れで、息子は頼りない印象なんて、実に面白くない。
不愉快になったのでニヤニヤ君もどっかへ行ってしまったようだ。
そんな、中身の無いくだらない生活を少なくとも親に捨てられてからの約10年間続けてきたが、
とうとう、意味の無い、でも平穏がタダで手に入ったこの生活を終わらすことになる。
たった1枚の紙切れのせいで。
8 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/10/27(月) 00:58:15 ID:0JnPla1v
どうも。
これから妄想族なダメ男のシンジ君で長編(?)をやろうと思ってます。
クロスとかじゃないです。
タイトルとかコテとかはこれから考えます。
文章がおかしかったら教えてくれると嬉しいです。
よろしくお願いします
それ以前にスレageるような空気嫁ない奴はイラネ
>>8 ここじゃなくって「ながちゃんが好き」に投稿してきなさい。
>>8 なんとなく文章がガタガタしてて読むのしんどい。
その妄想シンジがなんか嫌。
12 :
妄想男:2008/10/27(月) 23:48:00 ID:???
ある日僕宛に郵便が届けられた。
ヒジョーに珍しい、つーか郵便なんて小学校の頃の数少ない友達からの年賀状くらいしかない。
ちなみに皆違う中学へ逝ってしまったので、今では永久保存版だ。
感無量とはこの事、とか思いながら開けてみるとその中身は素敵な親父様からの電報みたいな「来い」という文書と
書類にIDカードに、極めつけにはいかにも軽そうなボイン姉ちゃんの写真。
…なめとんのかい親父は。なんだよこの男を誘うために生まれし者的なものは。
こんなえさに釣られるとでも思ったか!?僕はもういい加減中学生なんだよ!
心の中で地団太を踏んでいる僕の顔は胡散臭そーな表情だろう。
そもそも、僕の心は清純な限られた中学女子にしか開かれません。
これは30代とかになっても変える気はさらさら無いので、その内世間様からは弾圧される立場になるだろう。
非常に悲しい。僕の良き理解者はもうこの世には生息してないのだろうか?
13 :
妄想男:2008/10/27(月) 23:50:35 ID:???
『本日12時30分、東海地方を中心とした、関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。
現在、特別非常事態宣言発令のため電話が通じなくなっています。…現在』
「なんのこっちゃ」
今僕は悲しいついでに第3新東京市まで着ていた。僕の家は第2なのでかなりの遠出になる。
が、ヒッキーにはどういうわけか、湯水のように使うほどの時間があるのだ。きっと何かの特典なのだ。
唐突に天才バカ○ンのまねをしてみるが、特別非常なんちゃらが分からないあたりで天才への道は絶たれているっぽい。
乗っていたリニアは止まった上に、駅員ごと町内の皆さんはずらかってしまったらしい。
ビル街の通りで1人ぼっちにされてる光景は異様で、実は親父のたちの悪い嫌がらせじゃないかと疑るほど不気味に思っていた。
まさにその時
「あぁあぁぁ!?」
向こうから幽霊的な女に見られとる!?
アッと驚くという事を体現してしまい、思わず両手を前に突き出す「ヤメテ!」のポーズをとってしまう。
それだけでは飽き足らず、足元からぶん殴られるような衝撃が街中に広がり電線もビルも激しく振動を食らう。
公衆電話に摑まってやっと難を逃れる姿はなんとも情けなかった。
「畜生め!えぇえええ!!?」
素っ頓狂な声を上げてしまったけど仕方なかった。
だって、振り向いて悪態をついたら目の前には山1つはあろうかという怪獣が居たのだ。
怪獣は真っ黒で首から上が無い人型の化け物だった。キモイし、めっちゃ怖い。
「勘弁!!」
すぐさま僕は背を向け一目散に逃げ出すが人の歩幅なんて糞みたいなもので、たった数歩のうちに
目の前に穴あけて火を噴いている家1つ分もあろうかというVOTOL機が目の前に突っ込んできた。
死ぬ!とだけ思った瞬間、青いスポーツカーが物凄い勢いで割り込んできて、奇跡的に僕は助かった。
信じられないと口を開けて唖然としていると、車の姉さんが一瞬にして僕を首からひねりあげて車にぶち込んだ。信じられん怪力。
その瞬間には車は急発進し、体験したことも無いような運転で僕は揉みくちゃにされる。
車内で散々に振り回されながら僕は九死に一生を得たようだった。
まだ前スレ残ってるからそっちに書けよ書くなら
15 :
妄想男:2008/10/28(火) 00:36:55 ID:???
>>14 そうさせてもらいます
文章が拙いのは一応理解してるつもりですので向こうでいくつか書き溜めてきます
そのあとテンプレに甘えさせてもらってまた来るつもりです
では
もっと推敲を、と言いたいけど、そこまで詰めて作るようなモノじゃなさそうね、これw
適当、お馬鹿な作品にするなら、そのままで結構。
まあ適当、気楽に勢いで作りゃ良いよ。
しかし
>>12の時点でシンジが嫌になったので俺はパス。
まーそういう趣旨なんだろうけどね。
ぶっ飛んでる系の作品でももう少しシンジらしさを残すもんだと思うがね。
シンジらしくあるという縛りの中でいかにぶっ飛んでみせるかが技術なのでは。
その点を最初っから放棄してる感じなのがなんだかなあと思ってしまう。俺的にはね。
まあテンプレに則ってスルーか
俺的にはもっとはっちゃけた、破れかぶれみたいなLASが読みたいな
スプラッタコメディーとでも言うのか、そういうの。
血まみれでグロなコメディ?
20 :
神戌:2008/11/09(日) 21:33:08 ID:???
おい愚民共!!!!!俺の存在を忘れてはいないだろうな?
誰が主(あるじ)で誰が婢(はしため)か、よく考えよ(漢字を読めない愚か者のために読み仮名を付した)
>妄想男
可哀想だけど才能ないね。ひどいわお前の文章。
もっと読書して、まず総合的な国語力を上げてきなさい。
てにおはの助詞がなってない
そのくせ当用漢字にない単語を使ってる
いるんだよな文才もないくせにきどった文章書こうとして自爆する奴>妄想男
保守しとくわ
携帯からで良かった何か投下して良いか?
何か面白いやつ読ませて〜
25 :
うぶすながみ:2008/12/04(木) 00:15:57 ID:???
次スレは俺が立てる!!
勝手に立てた場合4スレ目には大嵐が吹き荒れる
いいな?愚民共?
スレ2が消えたね
>>21 出す前に推敲しろよ。
てにおはではなく、てにをはだ
基本的に貞エヴァに準拠してますが、エントリープラグの強制射出によってトウジは無事助け出され、初号機の暴走はなかったという設定でいきます。
だから参号機戦の後ですが、シンジには待機命令が出ていないということで。
少しずつになるかもしれませんが投下、始めます。
あたしが自力で倒した使徒はたったの一体……
それも太平洋艦隊の力を借りて……
次の使徒はシンジと一緒じゃなければ倒せなかった
その次はファーストと三人で
あたしはただ命令通りに動いただけ
その次と次は
手も足も出なかった
倒したのは両方とも無敵のシンジ様……か
あたしは本当に特別なの……?
教えてママ 加持さん……
「あ、絨毯買ったんですね」
気付けばリビングのテーブルの下に大きな白色の絨毯が敷いてあった。
「ちょっとアンタ、まさか今気付いたの?」
アスカがカチャカチャと食器の音をたてながら言った。
「あたし達が帰ってきたときにはもうあったじゃない」
「あ……そうだっけ」
「信じらんない」
アスカは侮蔑に満ちた口調で言うと、再び黙々と食べ始めた。
「暦の上ではもう冬だしね、買っちゃった。なんとなく暖かな雰囲気があっていいと思わない?」
ミサトさんが微笑んで言った。僕は改めて絨毯に目をやる。
真っ白な絨毯は羊の毛のようで、確かに暖かい雰囲気を醸し出している。
「クリスマスも近づいているし、本当はもうちょっとクリスマスっぽい色にしようかなって思ったんだけど、白で良かったかしら」
ミサトさんの問いかけにアスカは
「クリスマスなんて、あたし達には関係ないじゃない」とぶっきらぼうに答えた。
「まぁ、そうね。あちらさんは私達の日常生活なんて関係ないものね。正月だって襲ってくるかもしれないのよね〜」ミサトさんが缶ビール片手に言った。
「でもアスカ……」
僕は、なぜか苛立った様子で食事を続けるアスカに話しかけた。
「いつも戦いのことばかり考えてるわけにはいかないしさ……」
「だからアンタは甘いのよ」
僕の言葉を遮ってアスカは口を開いた。鋭い視線が僕に突き刺さる。
「いつ襲ってくるのかわからないんだから……世間の浮かれたクリスマスムードになんか流されていたら、アンタ、死ぬわよ」
アスカの口調がいつもよりも厳しい。何か思い詰めているようにも感じる。
「でもたまには息抜きも大切じゃないかしら」
ミサトさんがなだめるように言うと、焚きつけられた薪のようにアスカの勢いが一気に強まった。
「息抜きなんて必要ないのよ。だいたい、あたしならともかく、シンジなんていつも息抜きしてるって言ってもいいくらい常日頃からぼけっとしてるんだから、もっと……」
アスカの勢いが止まらない。リビングにアスカの僕をなじる声が響きわたる。
「それに、この前だって……」
アスカの声が鳴り止まない。どうしてこんなに機嫌が悪いんだろう。
僕はアスカの罵倒から逃避するかのように牛乳を手に取り、飲んだ。
黙って聞いていたら疲れる。
「あら」
その様子を見てアスカの批判が止まった。
「アンタ、今日は牛乳なんて飲んでるのね、珍しいじゃない」
「うん、ほら今日シチュー作っただろ。それで使ったんだけどけっこう余っちゃったから……」
「ふーん、ま、アンタにはミルクがよく似合うわ」
アスカがにんまりと笑って言った。ミサトさんはそれを聞いて苦笑いを浮かべている。
僕は牛乳を置き、今度はシチューに口をつけた。反論する気は起こらない。嵐が収まったのなら、僕は別に言うこともないのだから。
それからは割と和やかな時間が流れた。そんな良い雰囲気を破ったのは僕だった。
「キャッ」
「あ、ごめん!」
食卓の上でグラスは転がり、テーブルの縁からは牛乳がポタポタと滴り落ち始めた。
手がすべってしまいグラスを落としてしまったのだ。
「バカシンジ!あたしにまでかかったじゃない!」
「ご、ごめん!」
僕は謝ることしかできず、とりあえず急いで台拭きを取りに走った。
戻ってきてよく見てみると、絨毯の上にも牛乳が広がっている。
同じ白なので目立ちはしないが、新品なので悪いことをしてしまった気がする。
「ごめんなさいミサトさん、買ったばっかりなのに」
「いいのよ気にしなくて」
ミサトさんは笑って許してくれた。でもたぶん……、いや絶対許してれない人がいる。アスカだ。
僕は絨毯を後回しにしてアスカの服にかかった牛乳を拭こうとした。けれど
「なに触ろうとしてんのよ変態!アンタは絨毯と机の上を何とかしなさい」
「う、うん。ごめん」
僕は一喝されて、すごすごと引き下がった。絨毯を拭くことにする。
僕は雑巾を水でしぼって、しゃがみこみ、ゴシゴシと絨毯を拭き始めた。
流台の布で服を拭いていたアスカはいつの間にか戻ってきていて僕を見下ろしている。
「本当、アンタってダメね」
アスカは呆れたように言うと、僕の隣にしゃがみこみ、雑巾を奪い取った。
「こういう絨毯に広がった汚れっていうのはね、叩くようにするといいのよ」
アスカは小刻みに手を動かした。パンパンと軽快なリズムが響く。
「へー、そうなんだ……」
「バカシンジ。こんなの常識じゃない、覚えておきなさいよ」
アスカは得意気に言うと、僕に雑巾を手渡した。
少し誇らしげな表情だ。怒った顔のアスカより、こういう表情のアスカの方がいい。
見ると、絨毯はさっきよりも確実に綺麗になっていたのだった。
乙
> その次と次は
>
> 手も足も出なかった
これってゼルエル戦の後の台詞だよね、貞エヴァの9巻の
設定もゼルエル戦の後なの?
>>33 そうですね、ゼルエル戦後の二次創作です。
ただ、時期はクリスマス前ということで。
その日の夜、日付が変わりそろそろ寝ようかと思っていたときに、静かな音をたてて扉が開いた。
「ねぇ、シンジ」
アスカが扉の陰からひょっこりと顔を出して小声で言った。アスカがこんな夜更けに部屋まで来て声をかけることはまずない。
どうしたのだろう、といぶかしんでいるとアスカは足音を忍ばせて、つっと部屋に入ってきた。
「ねぇ、シンジ……。アンタの本当の気持ちを教えて欲しいの」
心臓が大きく波打った。アスカの思い詰めたような表情を見ると、体に緊張が走る。
アスカは続けて言った。
「……エヴァのパイロットとして、あたしとアンタ、どっちが上だと思ってる?」
「え……?」
夜中に部屋を訪れて聞くことだろうか。予想してた展開と違うことに少し戸惑いを覚える。
「訓練では、あたしの方が明らかに技量が上だわ」
アスカがうつむく。
「でも、実績ではアンタの方が遥かに上……。エヴァのパイロットとして、どっちが上だと思ってるの?遠慮しないで、はっきりと本当のことを言って……」
アスカの目に、見ていて切なくなるくらいに苦悩の色が浮かんでいる。
こんな、どっちが上かなんていう、どうでもいいことでアスカは悩んでいるのだろうか。
「アスカの方が上だよ。僕は、アスカのシンクロ率には敵わな……」
「そういうことじゃなくて!」
アスカは声を押し殺しつつも、わずかに声を荒げた。
「実戦的な能力では、どっちが上だと思ってるの?」
僕は二の句が継げなかった。ここで『アスカの方が優れている』と言い続けることは、果たして正しいのだろうか。
それが本心であるかどうか、自分でもわからないのに……。
「黙っちゃったわね……。いいのよ、それがアンタの本当の気持ちだと思う。例えば初号機と弐号機で一騎打ちの勝負をした場合、どっちが勝つのかしら……」
アスカの透明な瞳が僕に向けられる。心の中が見透かされているような気分だ、下手な気休めは言えない。
「あたしね、確かめてみたいと思うの。アンタとあたし、どっちが優秀なパイロットなのか……実戦でね」
ピリピリと音をたてているような張り詰めた空気が部屋に満ちている。
「とは言っても……、さすがに本気でやりあうわけにもいかないわ。私だって、そこまで分別がつかないわけじゃないんだから……」
そう言うと、アスカは僕の方へ更に歩み寄り、顔を近付けて言った。
「だからシンジ、次に使徒が襲来したら、どっちが先にトドメを刺すかで勝負するわよ」
そうするとゼルエル戦がどういう戦いだったのかトウジはフォースのままなのか
と色々知りたかったりするw
「実戦での、勝負。どっちが上か白黒つけましょう」
「でもそんなの無理だよ。ミサトさんが次はどんな作戦を出すのかもわからないじゃないか」
「作戦なんて無視すればいいわよ」
アスカは冷たく言い放った。
「無茶言うなよ、そんな勝手なことしたら……」
「いいじゃないですか、勝ったんだから」
アスカは僕が言い終わる前にボソッとつぶやいた。
その言葉に、恥ずかしさで体がほてるのを感じた。以前、僕がミサトさんに言った言葉だ。
「前にアンタが命令無視をしたときに言ったそうね。優等生らしくない、良い言葉だわ」
アスカが口元に笑みを浮かべて言った。僕が話す間を空けずに、アスカは続ける。
「それにミサトの命令が常に正しいわけでもないのよ。ラミエル戦のとき、何の下調べもせずに初号機を出動させたとき、アンタどうなった?」
「えっと、いきなり胸を撃ち抜かれて……」
「ね?」
アスカは得意そうな顔つきで言う。
「ミサトの命令に忠実に動いていたら殺される、なんてことがあってもおかしくないのよ。結局、本当に頼れるのは自分自身だけなんだから」
僕は言い返す言葉が見つからずに、黙ってしまった。確かに、ミサトさんの命令は絶対ではないかもしれない。いや、でも……
「でも、次に来る使徒が強敵だったら、それぞれが単独行動を取るっていうのは危険だよ」
「わかってるわ。もしも危なそうだったら勝負は先送り。相手が弱そうだったらどっちが先に倒すかで勝負。これでどう?」
アスカの力強い目が真っ直ぐ僕に据えられている。
「わ、わかったよ。でも本当に大丈夫そうな場合だけだよ。あとこんなことは一度きりに……」
「もちろんよ」
そう言ってアスカは立ち上がると扉まで歩いていき取っ手に、手をかけた。
「シンジ」
アスカは振り向きもせずにそのままの姿勢で言った。
「やるからには本気でやりなさいよ。あたしに勝たせようとか、余計なこと考えたりしたら、あたし、絶対許さない」
「……うん」
僕はアスカの迫力に少したじろぎながらも、答えた。
僕が返事をしたのを聞いて、アスカは扉を開き、出ていった。
部屋に一人取り残された僕は、しばし呆然とする。
アスカはプライドが高い。だから勝負事で手を抜かれたりなんかしたら烈火のごとく怒り出すだろう。
僕は、曲がりなりにもアスカの勝負を受けた。だとしたら、誠実に、アスカの想いに応えなければいけないのだろう。
僕はおもむろに布団に潜り込む。
静まりかえった部屋の中で、秒針が時を刻む音だけが静かに響いていた。
本日分終了です
>>37 そこまで考えてなかったですw
ただ9巻のアスカのセリフから始めたかっただけなのでw
でもそうですね、トウジが参号機から脱出したならシンジは心置きなく戦えるわけだし、実力で勝てたんじゃないですかね。
普通にフルボッコにして参号機は大破、乗るエヴァがなくなったトウジは万年補欠で、ベンチ入りw
ゼルエル戦は不明w
なるべくならアスカが勝負のことなんて忘れたころに来てほしい、という僕の願いも空しく
それからあまり日を開けずに、クリスマスが目前に迫ったある日、使徒は襲来した。
「シンジ君、アスカ、レイ、聞こえるわね?」
モニターにミサトさんが映る。
「使徒はまだ上陸してから全く動きを見せていないわ。このまま様子見で待機。その後変化があれば、それに対応。なければ遠距離から射撃、いいわね?」
「はい」
僕は返事をした、が、アスカは返事をしただろうか。アスカの声が聞こえなかった。
出撃する前にアスカが漏らした笑みが脳裏に浮かぶ。きっと勝負をする絶好の機会だと思っているのだろう。
遠くにいるけれど肉眼で確認できる距離に使徒はいた。
乱立するビルの間に、大きな白い物体が見える。真っ白な球体が上下に重なっているだけのシンプルな形態。
まるで雪ダルマだ。クリスマスのモニュメントのようにも見えるし、あまり危険な感じはしない。けれどラミエルの一件もある。
サキエルやシャムシェルよりも、ずっと単純な形をしたラミエルの方が強かった。
見た目では判断できない……。そう思ったときモニターにアスカの顔が映し出された。
「シンジ、チャンスよ。見るからにザコだわ」
やっぱり……そう思ってるだろうとは、薄々感づいてはいたけれど……。
「だめだよアスカ。まだ全然動いていないんだ。どんな敵なのかわからないじゃないか」
「そんなこと言ってたらいつまでたっても勝負なんてできないわ」
「でも……」
「つべこべ言わない。行くわよ、勝負開始」
モニターが閉じるとすぐさま、脇に立っていた弐号機が使徒に向かって走り出した。
初号機と零号機を残して。
「アスカ、何やってるのよ、戻りなさい!」
ミサトさんの声が響く。それにも関わらず弐号機はどんどん離れていく。
しかし、使徒まであと少しの距離に迫ったとき弐号機が突然止まった。
再びアスカがモニターに映る。
「何やってんのよバカシンジ!」
アスカの怒声が響いた。僕は拳を握り締め、うつむき、それから小さく呟いた。
「ごめんなさい、ミサトさん」
僕はライフルを片手に使徒の方へ走り出した。
「ちょ、ちょっと〜!何やってんのよシンジ君まで!私の指示を仰ぎなさい」
「それでいいのよシンジ!」
二人の声が同時に耳に届く。立ったままの零号機を置き去りにして僕は駆け抜けた。
使徒はやはりまだ動いていない。雪だるまのように沈黙を保っている。
アスカの弐号機はパレットで掃射し始めた。弾着の煙が都市部に舞い上がる。
僕も撃つべきだろうか、いや、それじゃあ使徒を倒せたとしてもどっちの弾が使徒の致命傷となったのかはわからないだろう。
中途半端なことをやってはいけない。アスカに勝たせたとしても余計に傷つけるだけだ。
僕はライフルを地面に置くと、肩からプログレッシブナイフを取り出した。
命令に背いてナイフを取り出したのはこれで二回目だ。
「シンジ君、アスカ!命令よ、戻りなさい!」
ミサトさんの声がプラグ内に木霊する。それでも僕は戻る気にはなれなかった。
もうやると決めたのだし、それに何よりも、白黒つけたいというアスカの気持ちに応えたい。
「ミサトさん、ごめんなさい」
僕ははっきりとそう言って、ナイフを両手で握り締めた。
弐号機が放つ銃の煙でよく見えないけれど恐らくまだ深刻なダメージは受けていないはずだ。
使徒を倒すために僕ができる最大のことと言えば、これしかない。
銃の射程距離から、一気に白兵戦の距離まで詰め寄った。近くで見ると、初号機よりも一回りも二回りも大きい。
それに臆することなく僕はナイフを突きたてた。
上部の球体と下部の球体の丁度付け根のあたりにナイフが食い込む。
核は見えない。けれど、たぶんここは使徒の『首』にあたるはずだ。
力いっぱいにナイフを突き刺した。少しずつ内部へとナイフがめり込んでいき、ギリギリと鈍い音を立てている。
使徒の体が大きいおかげで弐号機の放った流れ弾が当たることはない。
僕は更に全身に力を込め、全体重をかけるようにしてナイフに力を伝わらせた。
抵抗してこない。効いているのだろうか……。
そのときだった。
「うあっ」
「シンジ君!」
猛烈な痛みが胸を貫いた。
「胸部、第3装甲を貫通!ですが機能中枢は無事です」
マヤさんの声が耳に届いた。僕は痛みと衝撃で倒れ込んでしまう。
確かに見た。使徒の体表面の一部が雪玉のように小さく膨らんだかと思うと、それが弾かれたかのように、白い小さな球体となって飛んできたのだ。
雪玉なんかよりもずっと固く強力だ。激しい胸の痛みに、脂汗がにじむ。
僕を見下ろすかのようにそびえ立つ使徒に視線を戻すと、ナイフはまだ突き刺さったままだった。
立ち上がり、ナイフを掴もうとしたとき、今度は足に向かって第二射が放たれた。
とっさに足を動かして避けようとしたものの、わずかにかすめたらしい。
足にも痺れるような痛みが走った。頭にこれを撃たれたら、きっと耐えられない。
そう思いながらも、痛みに耐えて何とか立ち上がり、再びナイフを握った。
「シンジ君、危険だわ。態勢を建て直してからもう一度……」
もうミサトさんの声は耳に届かなかった。僕はやれるだけのことをやるだけだ。「うおおおおっ!!」
僕はナイフを一気に引き抜き、今度はさっきと少し位置をずらしたところにナイフを思いきり突き刺した。
力を込めながらも、今度は使徒の体の表面を注視しなければならない。
体の表面が小さく膨らんだら、また球が飛んでくる。
沈黙を破り反撃してきたということは、きっと効いている証拠なんだ。
そう思って必死になってナイフを突き立てているとき、何かが倒れるような物音と地響きを感じた。
きっとアスカも撃たれ、倒れたんだ。
そう悟ったとき、なぜだか、僕の中で何かが切れたような感じがした。反撃が恐くない。僕は全神経を両腕に集中させた。
完全にエヴァと一体になっている感覚。そして痛みの感覚が途切れ信じられないくらいの力が湧いてくる。
「おおおおおおお!!」
渾身の力を込めた一撃が遂に使徒の体の深くに突き刺さる。
大きな音と共に使徒の体に亀裂が入り、ナイフを持つ腕の一部までが使徒の体を貫いた。
やった、と僕は思った。使徒の体に走った亀裂は次第に広がっていき、ボロボロと体の一部が崩れ落ちてきたのだ。
取り壊されている最中のビルのように破片があたりに散らばる。
しかし、僕は驚くべき事態を目の当たりにした。使徒の体が、雪のように溶け出したのだ。
まるで春の訪れと共に溶けてなくなる雪ダルマのように。
でも雪ダルマとは明確に違うところがあった。
溶けてなくなるのではなく、溶けても白さを保ったままの液体なのだ。
まだ生命力に満ち溢れているような感じがした。拡散せず、水溜まりのように寄り集まっている。
僕の直感が、確かに告げていた。まだ生きている、と。
「シンジ君、避けて!」
ミサトさんのその言葉にハッと気がついた。足下に白い液体が迫ってきたのだ。
僕は反射的に後方に飛び退けた。
「シンジ君、もう戻れとは言わないわ。その場で殲滅してちょうだい。ただし、これからはちゃんと私の言うことを聞いて」
なだめるように言うミサトさんが言った。
「原型はなくなったけど、まだエネルギー反応もあるし油断はできないわ。ひとまず離れて」
興奮が醒めてきた。僕はミサトさんの指示通りに後ずさる。
アスカは?そう思って白い沼のようになっている先を見やった。
そして僕は安堵する。どこを撃たれたのかはわからないけれど、大事にはならなかったらしい。
弐号機は立ち上がり、武器を構えていた。気が付けば、綾波の零号機も使徒の近くまで来ていた。
ちょうど、使徒を三機で取り囲んでいる形だ。白い液体となった使徒は、動いてはいるものの、エヴァを追うような動きは見せていない。
完全な、硬着状態。
>>46 オナニーってほどではないが、面白くはないな
ってかレスないからって投下やめんなよw お前は俺かw
句読点くらいちゃんと打てるようになってから投下しろよ
保守
50 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/20(火) 00:08:10 ID:zPnv605l
保守
見ると、使徒が通った箇所はどろどろに溶けている。
建物も、車も、道路も、酸で溶かされたかのように奇怪な様相に変貌していた。
「どうやら、あの白い液体に、触れたらアウトみたいね……。エヴァの装甲なら多少は耐えられるでしょうけど長くは持たないわ。いい?
とにかく距離を保ちなさい。そして遠距離から一斉に射撃。相手の動きに注意して」
ミサトさんの指示が下る。でもあの液体状の使徒に銃撃が効くのだろうか。
少し疑問に思いながらも、僕は視線を使徒から外し、ライフルを探した。幸い、さっき地面に置いたライフルが、まだ浸食されずに残っていた。
僕はライフルを急いで回収すると、使徒に向かって撃ち放った。
とはいえ、どこを狙えばいいのかわからない。アスカも綾波も闇雲に攻撃しているように見える。
でも仕方がない。使徒は沼くらいの大きさにまで広がっている上、どこも均質なのだ。
凹凸なんてまるでない、滑らかで、真っ白な液体をたたえた沼のようだ。
弾丸が当たるたびに、液体は飛び散るけれど、すぐにまた凝縮してしまう。
沼に小石を投げ入れているような気分になってくる。
きっと、全く効いていないだろう。かと言って他にどんな攻撃が有効なのかもわからない。閉塞感が漂う。
乱射の音だけがなり響く中、使徒は突然、低地で流動する溶岩のように弐号機に迫った。
アスカ……!危ない!
しかし、僕の心配をよそに弐号機はとっさに飛びはね、使徒と距離を置いた。
どうやら敵のスピードはあまり速くないらしい。
長期戦になりそうだけど、そんなに危険な相手ではないのだろうか。
ひたすらライフルを撃ちながらそんなことを思っていたとき、突然、沸騰した水のように気泡が生じてきた。
次はどんな行動に出るつもりなのか、嫌な予感がする。
そのとき沸騰した水が飛びはねるように、白い液体が勢いよく飛び散った。
「うああっ!」
回避行動は取ったものの、避けきれずに、体表面の何箇所かに、かかってしまった。
焼けるような痛みが走る。濃硫酸が皮膚に触れると、こんな感じなのだろうか。
僕は更に使徒との距離を置いた。見れば、弐号機も零号機も使徒からかなり離れて位置している。
使徒は、泡立ち、そして水滴を撒き散らし続けている。
これでは近づけない。
約1ヶ月ぶりの投下で分量これだけかいw
保守
54 :
学校:2009/01/30(金) 05:02:29 ID:???
[レイ入室ガラガラ]
レ イ「おはよう碇くん」
シンジ「えっおは…よう/////」
シンジ「(綾波が自分から挨拶して来るなんてびっくりした)」
トウジ「考えられへん…」
シンジ「え?」
トウジ「シンジ!お前いったいどんな魔法を使うたんや?」
シンジ「は?」
トウジ「は?やないで!仮にクラスメイトが死んでも眉一つ動かさんあの冷酷冷徹無表情女がおはようて!?しかもシンジ、お前だけにや!いったいどうしてや?」
シンジ「えっ…わからないよそんなこと(トウジ…さりげなくすごく酷いこと言ってるし…)」
トウジ「わからんてなぁ、ん?…まさか…わしの知らんところで…」
シンジ「?」
トウジ「すまんかったシンジ!もうわしは首は突っ込まんで。仲ようしぃやぁッ」
シンジ「…はぁ?」
「ミサト、このままじゃ、らちが明かないわ。斧を出して」
「どうするつもりなの?」
「勝算があるのよ、お願い、あたしに任せて。確実に仕留めて見せるわ」
アスカとミサトさんの遣り取りがモニターを通して聞こえてきた。
斧?いったい、アスカはどうするつもりなんだ。
「……わかったわ。B‐05に向かって」
「了解、サンキュー、ミサト」
そして弐号機は走り出し、兵装ビルから武器を取り出した。
太陽の光を浴びて、楔型の刃が妖しい光を放つ。液体状の敵を相手に、斧なんか効くのだろうか。
でもアスカには絶対の自信があるようだった。ただのはったりとは思えない。
僕はただ黙って見ているしかなかった。そして綾波もミサトさんも傍観者になっている。
アスカの一人舞台だ。
弐号機は斧を両手で持ち使徒との距離をじりじりとせばめている。
使徒は相変わらず液体を飛ばし続けている。斧の攻撃圏内には入れないはずだ。
「アスカ、どうするつもり?」
僕の問掛けにアスカは答えた。
「アンタわからないの?少なくともアンタだけはわかると思ってたのに。この間教えてあげたばかりじゃない」
「……え?」
何のことを言っているのかわからずに、僕は記憶を遡った。そうか、もしかして……。
「もう忘れたの?全く呆れるわ。アンタ牛乳こぼしたでしょ?こういうのを処理するときにはね……」
そこまで言って、弐号機は空高くに舞い上がった。上空で太陽と弐号機が重なり合う。
「叩かなきゃダメなのよっ!!」
弐号機が斧を振り上げ、液体となった使徒の中に落下していく。
そして轟音と共に、弐号機は使徒の上に降り立ち、斧を振り下ろした。
斧が地面を叩き付ける轟音と共に、液体が派手にとびちる。しかし、効くのだろうか?斧も弐号機も溶けてしまう。
それでもアスカは斧を振り下ろし続けた。二回、三回……いつまでやるつもりなんだ。機体はそんなにもたないのに。
と、突然、弐号機は斧を振り下ろすのをやめた。黙って使徒を見下ろしている。
「アスカ?」
なぜ攻撃をやめたのだろう。わけもわからず見守るなか、使徒の沸騰のような現象が止まった。
そして、薄い白色の煙へと変わっていく。白い液体の面積はみるみる狭まり、やがて全てが煙となり空に飲み込まれていった。
「……目標完全に沈黙」
青葉さんの声が聞こえ、体の力がどっと抜けた。
「シンジ、完全にあたしの勝ちね」
モニターにアスカの顔が映り、アスカはしたり顔で言った。
大義であった。これでおしまいですか。
アスカのしたり顔が目に浮かびますぜ。
シンジ『うぅ〜ん・・・あぁ〜』
俺は起床した
どうやらテーブルでノートを写していたが、途中で居眠りをしてそのまま朝を迎えた様だ。
ふと携帯を見ると着信があり、留守番メッセージがあった
寝呆けながらメッセージを再生する
『シンジ、私だ。いつも通り今月分は振り込んでおい』
ピッ!!
朝から最悪な声を聞きたくはない
アイツからのメッセージで残念ながら目が覚めてしまうとは・・・
こんな事をして父親面をするクソ親父がハッキリ言ってムカつく
思い出すだけで親父への憎しみが増す
59 :
前スレ6:2009/03/30(月) 02:08:25 ID:???
なんか非常に今更感はあるが、
続きが少し出来たので投下させてもらいたい。
話はほんと今更ながら、前回の後日談から。
60 :
逆行245:2009/03/30(月) 02:10:40 ID:???
『リツコ? いるー?』
『どうしたのよ、ミサト。今日は特に話す必要のある事もなかったと思うけど』
『はぁ。そんなだからあんたは冷血とか冷徹とかって言われるのよ。
シンちゃんとアスカのことよ! 感動的な場面だったじゃない!』
『ああ、あれね。陳腐な青春ドラマみたいな展開だったわね。ミサトが好きそう』
『……あんた、あれを見てそれ以外の感想ないワケ?』
『正直、めでたしめでたしね、としか言い様がないけれど。
でも、あなたも分かってるでしょ。本当に大変なのはこれからよ。
あれは再会というスパイスがお互いの気持ちを盛り上げた結果に過ぎないわ。
冷静になってもう一度相対した時、同じような態度が取れるとは思えないわね』
『そりゃ、そうでしょうけどね……。でも、二人は前に進んだわ。確実にね』
『ええ。それは否定しない。けれど、進んだからこそ見える辛さもある』
『それは……』
『もう一度言うわよ。――あなたも分かってるでしょ。
普通に好き合うのでも、あの子達には障害が多いわ。
そして近い将来必ず、恋愛ごっこをやっていられなくなる状況がやってくる』
『だからって、今の喜びを享受もしないで何も考えず、何もせずに生きてろって言うの?
それが正しいなんてあたしは思わない』
『別に、正誤や善悪の問題を話している訳じゃないわ。
ただ、過度な期待をしたって、いつか裏切られるだけだと言いたいの。
だからあなたと、無意識の領域でこの話を聞いているシンジ君に言うのよ。
もういい加減、学ぶべき頃合でしょ。人生、いい事ばかりが続くはずない、ってね』
『…………』
『あら、白けさせちゃったかしら。ごめんなさい、私はもう行くわ』
61 :
逆行246:2009/03/30(月) 02:11:49 ID:???
『…リツコ?』
『――――』
『行っちゃったの?』
『――――』
『……そう。リツコ、あなたの言ってること、分からないワケじゃないけれど』
『――――』
『……シンジ君。聞こえていないのは分かっているけど、聞いて。
これから何が起こるのか、あたしにだって、たぶんリツコにだって分かっていないわ。
でも、何かが起こることだけは間違いない。
だけど、それに負けないで欲しいの。
……ええ。勝手なことを言ってるのは分かってる。
でもね、シンジ君。人とも呼べないような、まがい物のあたしたちだけど、
それだけにあなたはあたしたちの希望なのよ。
……もしあたしたちがにらんでいる通り、この世界に何かが起こったら、
今日のあの出来事だっていつか、
とてもちっぽけで取るに足らないことだと思うようになるかもしれない。
けれど、今までのことも、これからのことも、
人と関わった記憶は決して無意味なんかじゃないわ。
今日手にした物、感じた想いを大切にして、ずっと胸を張っていなさい。
……あたしが言いたいのは、言えるのは、それだけ』
『――――』
『……またね、シンちゃん』
62 :
逆行247:2009/03/30(月) 02:25:36 ID:???
「ふむぅ……」
目の前の画面に映るデータとにらめっこをしながら、ミサトがうなる。
そんなミサトの姿に目を留めて、リツコはからかうように声をかけた。
「あら、心配そうね?」
「……む。まあ、そりゃ、少しはね。レイだって一時期調子を崩していたし、
修復作業のせいで、まともに零号機に乗るのは久しぶりでしょ」
そのふてくされたような表情を見て、リツコは性格の悪い笑みを浮かべた。
「少し、ね。ずぼらなあなたが休日返上で大して重要度の高くない実験に付き合う、
そのくらいの心配を少しって言うなら、きっとそうなんでしょうね」
「……そう思ってんならいちいち聞くんじゃないわよ、意地が悪いわね」
あくまでも小声での言葉の応酬だが、二人の口は軽い。
今回の起動実験は慣らしのようなもので、
あまり重要視されていないということもあり、
司令も副司令も立ち会っていないのだ。
「そういうあんたは心配なんてしてそうにないわね。
いつも通り、澄まし顔で座っちゃってさ。
……隙のない女って、案外モテないそうよ」
顔を寄せたまままだ笑っているリツコに、ミサトは軽口を切り返す。
「そう? 私生活がだらしなくて、
部屋の片づけも出来ないことを隙と言うのなら、
私は遠慮しておきたいものね」
「うぐ、あんた……」
手痛い反撃を食らって言葉を詰まらせるミサトに、
リツコは少しだけ表情をゆるめ、
「第一心外だわ。私だってレイのことは心配くらいしているわよ」
「レイを、じゃなくて、エヴァのパイロットを、でしょ」
さきほどの恨みからかミサトが皮肉っぽく返すと、あっさりと首肯した。
「それは否定出来ないわね。でも、心配しているのは本当よ。
たぶん、彼女がエヴァのパイロットだというのを抜きにしても、ね」
63 :
逆行248:2009/03/30(月) 02:34:53 ID:???
「へぇ、意外ね。あたし、あんたはレイのこと嫌いなのかと思ってたわ」
「あら? 私が彼女を嫌う理由があるのかしら?
……なんて言うのも、白々しいわね。好きに想像すればいいわ。
それも別に、否定はしないから」
「でも、心配しているのは本当だって?」
「ええ。好きや嫌いだけで世界が動いている訳ではないもの。
嫌いだけど認めているとか、惹かれているけど憎んでいるとか、
好き嫌いだけで割り切れるほど、世の中って単純じゃないでしょ?」
リツコがそう言うと、ミサトはなぜか額を押さえた。
「なんでかしら。あたし、あんたなら逆のことを言いそうだなって思ってたわ」
「どうかしら? 現実を生きてる女はそんな風には思わないものよ」
その言葉に、ミサトは「現実ねぇ…」と気だるげに息を吐き出して、
「それじゃとりあえず、当面の現実ってヤツを片づけますか」
と体を起こすと、零号機へのスピーカーをオンにした。
「レイ! 久し振りの零号機の調子はどう?」
「……わかりません」
「分からない? 分からないって、どういうことよ?」
てっきり『問題ありません』という答えが返ってくると思っていたミサトは、
少し口調を興奮させて問いかける。
珍しいわね、とリツコまでが身を乗り出す。
「…………」
その二人の期待を受け、何かを考えるような沈黙が続き、
しかし、結局自分の想いをうまく言語化出来なかったのか、
「……いえ、問題ありません。つづけてください」
いつもと同じ、そっけない返答がやってくる。
64 :
逆行249:2009/03/30(月) 02:35:49 ID:???
「いい、レイ。自分の調子を正確にこちらに伝えるのも、
パイロットの職務なのよ」
「はい」
「それで、何かあるんでしょ? いつもと違うところとか、何か…」
「問題ありません」
揺らぎのない、いつも通りの硬い声。
「そう。でも、何か気がついたことがあったら、すぐにあたしたちに言うのよ」
「はい」
これ以上レイの鉄仮面は揺るぎそうにないと見て取って、
ミサトは早々に会話を打ち切った。
「……あぁ、もう、すっきりしないわね」
しかし、依然引っかかっている何かが、ミサトを小声で毒づかせる。
それでも『どうするの?』と問いかけるリツコの視線に、
苦い顔で仕方なくうなずいてみせ、
「エヴァンゲリオン零号機、起動実験、始めるわよ!」
実験が、始まった。
65 :
逆行250:2009/03/30(月) 02:37:19 ID:???
エヴァンゲリオン零号機 起動実験
――これは、わたし? 零号機の中にいる、わたし?
――いいえ、ちがう。いるのね、そこに。わたしじゃない、だれか。
――あなた、だれ?
――綾波レイ。かつて綾波レイとよばれた意志と記憶。
――綾波レイ? 綾波レイはわたし。あなた、だれ?
――わたしは、綾波レイ。あなたとおなじ。
――いいえ、ちがうわ。あなたとわたしはにているけれど、おなじではないわ。
――いいえ、ちがうわ。あなたとわたしはおなじだけれど、おなじではないの。
――わからないわ。あなたがなにを言っているのか、わからない。
――いいえ、あなたはわかっているはずよ。
――だって、あなたとわたしは、おなじ魂を持っているのだから。
66 :
逆行251:2009/03/30(月) 02:41:41 ID:???
「……おなじ、たましい? もうひとりのわたし?」
マイクが拾ったかすかなレイの言葉に、ミサトが反応した。
「レイ? 何かあったの!? 応答して、レイ?」
「――!」
その呼びかけの言葉が、まるで悪夢から覚めるように急速にレイの意識を浮上させる。
「……いえ、問題ありません」
意識を覚醒させたレイは、すぐさまそう言い切った。
「問題ないったって……」
ミサトは思わず髪をぐしぐしとかき回す。
レイの様子がおかしかったのは、時間にしてたったの数秒。
とはいえ、はいそうですかと看過出来るようなものでもなかった。
実験を中止させようか、わずかの間逡巡して、
「神経接続の際に意識の混濁が起こる事例は少なくないわ。
バイタルも正常値を示している。続行しましょう」
「リツコ?!」
さっさとゴーサインを出すリツコにミサトは抗議の声をあげた。
しかし、リツコはミサトの視線に微塵も揺るがない。
「やり直すにしても、準備にだって時間もお金もかかるのよ。
今の私たちにはどちらの余裕もないわ。負荷を下げて再開しましょう」
「ならせめて、一度中断して原因を探ってからでも……」
「あまりゴネないで、ミサト。実験の性質上、今回はあなたの主導でやらせてはいるけど、
この件に関する決定権は依然として私にあるのよ。
……同情と優しさを履き違えるの、あなたの悪い癖よ」
他の人間に聞かれぬよう、小声でささやかれた言葉に、結局はミサトが折れた。
「分かったわよ。……レイ、聞いていた? 実験を再開するわ」
「はい」
打てば響くような返事。しかし、今のミサトにはそれこそが不穏に響く。
「ただし、何か異常を感じたら、その場ですぐに中止するわ。
次は、問題ありません、では通らないわよ」
「はい」
返事はやはり変わらない。ミサトはあきらめて席に座りなおした。
67 :
逆行252:2009/03/30(月) 02:44:05 ID:???
(……口では何を言っていても、結局こうして従っている。
あたしもリツコのことは言えないわね)
ちらりと横目でリツコの様子をうかがう。
彼女は瞬きもせず、モニターの数字だけを見つめていた。
(いえ、取り繕わないだけ、リツコの方がマシか。最低なのはあたしだわ)
自嘲のあまりため息をつきそうになり、そんな自分にため息をつく。
「まったく、いつからあたしはこんなにおセンチになったのかしらね」
数ヶ月、いや、数週間前の自分は、もう少し割り切って仕事が出来ていたはずだ。
なのに、今の自分のこの変化。
それはまるで、もう一人の自分がどこかにいて、
それが自分の心に働きかけてきているような……。
「バカらし。……さ、仕事仕事」
ひとりごち、ミサトは切り替える。
たとえ自分がここにいる主たる動機が私怨だとしても、
自分たちの仕事が十四歳の少年少女の命を、そして、
世界の命運をも握っているのは事実なのだ。
手を抜くことなど許されない。
「モニター、しっかりチェックして!
少しでも異常があれば、必ず報告すること!
危険なようなら、独断での作業中止も許可するわ。
とにかくパイロットの安全を最優先で行くわよ!」
ミサトは部下を、自分を叱咤するように声を張り上げる。
(……パイロットの安全優先、か)
自分には零号機のパイロットと綾波レイという少女、
どちらが大切なのかという疑問に蓋をしながら……。
68 :
6:2009/03/30(月) 02:47:38 ID:???
規制のため以上で一時中断。
残り半分は明日か明後日にでも。
69 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/30(月) 08:02:21 ID:XqXH2pa1
久々乙上げ
70 :
逆行253:2009/03/30(月) 21:28:47 ID:???
「あれが、今回の使徒。……よかった。
やっぱり『前の世界』で出てきたのと同じ奴みたいだ」
エントリープラグの中で、シンジはほっと息をつく。
(考えてみれば、僕が『こっち』に来てから、
まともに使徒と戦うのは初めてかも。
前の世界の時と同じ戦い方でいいのかな?
使徒出現の時期とかも正確には覚えてないし、
一度その辺をアスカとも話し合わなくちゃ……)
戦闘前という状況も忘れ、シンジは物思いにふける。
だが当然、そうなればミサトの怒号が飛ぶ。
「シンジ君! 聞いてるの?」
「は、はいっ! す、すみませんミサトさん!」
あわてて謝るシンジにかぶせるように、
「戦闘前にぼっとしてるんじゃないわよ。
ほんっと、アンタってバカシンジね」
いつも通りのアスカの声が辛辣に突き刺さる。
屋上での衝撃の告白から数日。
一時期はどこかぎこちなかった二人の関係も、
以前と同じように戻りつつある。
(それはちょっと、残念な気もするけど。
……でも、あのアスカが生きていてくれた。
今はいいんだ。それだけで)
そこで思考を一区切りつけると、
シンジは改めてモニターのミサトに向き直る。
「シンジ君、アスカ。作戦はブリーフィングで話した通りよ。
第3新東京市の防衛システムは修復中、零号機も調整不足でまだ出られないわ。
だから、今回の作戦は初号機と弐号機の二機だけでやってもらいます」
「はい!」「こんなヘナチョコ、アタシ一人で十分よ!」
威勢のいい二人の言葉に、モニターの中のミサトが軽くうなずく。
「頼りにしてるわ。次は役割分担だけど…」
71 :
逆行254:2009/03/30(月) 21:30:36 ID:???
「もちろんオフェンスはアタシが行くわ。
こんなひょろいの、一撃で真っ二つにしてやるから!」
そう言って、まだミサトの言葉が終わらないうちに弐号機が飛び出していってしまう。
「あ、アスカ?! 何考えてんだよ! アスカッ!」
「うっさい! アンタは適当に援護でもやっときなさいよ!」
「アスカってば!」
シンジはあわてて止めようとするが、アスカは聞く耳持たない。
(このままじゃ、前回の二の舞じゃないか!)
このコアが二つある使徒との戦いは、シンジだってよく覚えている。
この使徒との戦い、前もアスカが一人で飛び出していって、手痛い反撃を食らっているのだ。
しかし気をもむシンジの前で、
「だあああああっ!」
アスカの薙刀が、使徒を綺麗に両断する。縦に真っ二つにされ、左右に分かれていく使徒。
それはまるで、本当にそのままそっくり前回の再現のようで、
「ふふーん。どう? アタシにかかればざっとこんなもんよ!」
「アスカッ! まだ、動いてる!」
シンジの悲鳴に呼応するみたいに、二つに分かれた使徒が再び動き出す。
「ッ! 全く、しつっこい!」
しかし、背後から繰り出されたその使徒の攻撃を、
アスカはまるで予期していたかのようなタイミングで華麗にかわしてみせる。
弐号機はそのまま、距離を取って初号機の隣に着地した。
「何やってるんだよ、アスカ! 敵が増えちゃったじゃないか!」
あんなことをしたらこうなるのは分かっていただろ、という続きの言葉は飲み込む。
それが伝わっていないはずがないのに、アスカには全く動揺した様子も、
もちろん反省した様子もない。
「なーにおたおたしてんのよ。二つに分かれたって関係ないでしょ。
あっちも二人、こっちも二人。ちょうどいいじゃない」
「お互いが一体ずつ相手に出来れば、勝てるって言いたいの?」
「そうそ、分かってんじゃない!」
余裕の表情を崩さないまま、シンジを軽くあしらうアスカ。
しかし、そう話す間にも、ジリジリと使徒が迫ってくる。
72 :
逆行255:2009/03/30(月) 21:32:34 ID:???
二機のエントリープラグの中に、今度は切迫したミサトの声が響く。
「シンジ君! アスカ! 聞こえる?!
あんなのを見せられた以上、相手の能力を見極めずに戦うのは危険だわ。
とりあえず距離を取って、様子を……」
至極当然とも言えるミサトからの指令。しかし、
「はーい聞こえませーん! 電波の調子が悪いみたいでーす!」
アスカはそんなことを言って、司令部との回線を切ってしてしまった。
さらに、
「シンジも、電波、悪いのよね!」
「え? でも…」
「わ・る・い・の・よ・ね!!」
「…っ! ごめんなさいミサトさん!」
その迫力に負けて、シンジも続けてスピーカーのスイッチに手を伸ばす。
「ちょっ…シンジく――」
ぷつん。
怒り顔のミサトの顔が声と共に途切れて見えなくなる。
「あぁ。後で大目玉確定だよ…」
思わずシンジは頭を抱えたくなるが、さすがにそれほどの余裕はない。
「どうすんだよ、アスカ。ここまでやったってことは、何か考えがあるんだよね」
「もっちろん。要は勝てばいいのよ、勝てば!」
「でも、もしもあいつが攻撃する度に分裂する敵だったり、
同時にやっつけなきゃ倒せない敵だったりしたらどうすんだよ!」
「ハン、もし万が一そうだったとしても、最後まで負けなきゃいいのよ。
そうしたら、結局いつかは倒せるわ」
「むちゃくちゃだよ……うわっと」
分かれた使徒の一体が、とうとう初号機まで到達。攻撃をしかけてくる。
初号機は体をひねってかわし、その勢いを利用してキック。使徒を吹き飛ばす。
「これ、で!」
一方の弐号機は使徒が接近するタイミングを計って、
手にした武器で再度コアを破壊する。
73 :
逆行256:2009/03/30(月) 21:35:29 ID:???
しかし、というべきか、やはり、というべきか。
コアを破壊された使徒は、すぐにその損傷を修復してしまった。
そのまま何事もなかったかのように迫ってくる使徒を、弐号機は蹴り飛ばした。
「ふぅん。アンタの言う通りみたいね。コアをやったのにすぐ修復したわ。
きっとこの二体、同期してるのよ」
「……そうだね」
答えながら、シンジは全く別の感想を持っていた。
(まったく、アスカもよくやるよ)
前回の記憶があるシンジとアスカとしては、この敵がこれ以上分裂しないことも、
二体のコアを同時攻撃しないと倒せないことも、既に自明の事実だ。
だが、それをバカ正直に明かすワケにはいかない。
向こうからの音は入ってこないとはいえ、こちらの様子は常に本部でモニターされているのだ。
これはそのための演技、茶番だった。
(命令無視は、これをすぐに確認するためか。
でも、アスカはこれからどうするつもりなんだろう。
ぶっつけ本番で二体同時攻撃なんて、僕らに出来るのかな)
アスカの意図を確認して首をかしげるシンジの耳に、
「……十秒」
つぶやきのようなアスカの言葉が入ってくる。
「え?」
思わず聞き返すと、アスカは目を爛々と自信に輝かせ、モニター越しのシンジを見つめていた。
「三十秒で使徒を一対一でボコボコにするのよ。出来る?」
「それは……たぶん、今の僕たちなら、出来ると思うけど」
三十秒という時間はいかにも短いが、今の二人の技能なら、やってやれないこともない。
それに、無限の再生能力を持つ相手に長期戦は不利だ。
逆に、三十秒というのは自分たちが確実に使徒に対して優位に立てる時間帯でもある。
「でも、それからどうするのさ。同時に攻撃しないと、あいつらは…」
シンジの疑問に、アスカはこともなげに答えた。
「三十秒経ったら、お互いが相手にしてる使徒を、お互いの機体に向かってぶん投げるのよ」
「投げ…っ!?」
「それで、一ヶ所に集まった使徒を両側からドカン、ってね。簡単でしょ」
74 :
逆行257:2009/03/30(月) 21:38:04 ID:???
(そっか。事前に訓練してない僕らじゃ完璧なユニゾンなんて出来ない。
だから二体を一ヶ所に集めて攻撃すれば……でも、)
「うわ。なにそれ。すごく行き当たりばったりな気がするんだけど……」
「何よ! 文句があるのなら…」
口ではそう言いながら、目線だけで、
(これでいいんだよね)
と問いかける。
モニター越しのアスカの笑みが、
(アンタにしちゃ上出来よ!)
と語っていた。
(……よし!)
方針は決まった。だとしたら、もう長話は無用だ。
「大体アンタ男でしょ! なのにいっつも消極的なことばっか……」
演技のはずが、なんだか本気で腹を立て始めてる様子のアスカから、
じわりじわりとエヴァに近づいてきている使徒に注意を戻し、叫ぶ。
「使徒、来るよ! タイミング合わせ! 3!」
「もう、後で覚えてなさいよ! 2!」
「この使徒に勝ってからね! 1!」
「「……0!!」」
二機のエヴァが同時にスタートする。
75 :
逆行258:2009/03/30(月) 21:41:25 ID:???
「く、思ったより、堅い…」
エヴァの放つライフルの攻撃は使徒にクリーンヒットするのだが、
その硬い装甲に弾かれ大した効果をあげられない。
それを見て、シンジはついついぼやいた。
「こんなことならもう少し余裕を持って、一分くらいにしておけば…」
「まぁた弱音? いいからやんなさいよ!
アンタが遅れたら今月の家事当番、ずっとシンジだけにしてもらうから!」
「ど、どさくさ紛れにずるいよそんなの! 公私混同だ!」
「ごちゃごちゃうるさい! それが嫌ならさっさと倒す!」
などと互いに軽口をたたきながらも、エヴァ二機は見事な機動で使徒を圧倒していた。
弐号機は曲芸のような動きで使徒を翻弄し、手にした薙刀でその機動力を削ぐ。
初号機は堅実な位置取りで銃を連射し、明確なダメージはないものの使徒を封殺する。
そしてきっかり三十秒後、
「アスカっ!」
「分かってる!」
初号機が目の前の使徒の足を、弐号機は相手取っていた使徒の腕をつかみ、
「とりゃぁああああああ!」
「こん、のぉおおおおお!」
正にぴったりのタイミングで、使徒を投げつける。
二体の使徒は、初号機と弐号機、その中心で激突し、
「これで、」「フィニッシュ!」
左右からの攻撃に、あっけなくそのコアを破壊された。
76 :
逆行259:2009/03/30(月) 21:46:02 ID:???
「完っっ全、しょぉおおおおおっり!!」
弐号機から降りたったアスカがおたけびをあげる。
「……そりゃ、アスカは気分いいだろうけどね」
その横で、やはり初号機から降りたシンジがため息をついた。
「なによ。まるでアタシの作戦に文句があるみたいな言い方ね」
「も、文句、って。あるに決まってるだろ!
あんなことしといて、よくそんなこと言えるよ!」
最後の二機による使徒への両面攻撃の際、
弐号機の攻撃が勢いあまって初号機にまで当たってしまったのだった。
使徒による損害のなかった今回、それが初号機唯一のダメージとなる。
「いいじゃない。大した被害もなかったんだから」
「全然よくないよ! 一番の損傷が味方からの攻撃だなんて、どうかしてるよ!」
「な、なによ! だいたいね! あれはアンタがトロいからいけないんでしょ!」
「な…! 僕が悪いって言うの?!」
お互いに怒鳴り合う。
そのまま、シンジとアスカはしばらくにらみ合って、
しかし、今回ばかりは先に目をそらしたのはアスカだった。
「ふん。……にしてもアンタ、意外に茶番がうまいじゃないの。見直したわ」
「それはどうも。ま、アスカの猫かぶりには負けるけどね」
皮肉の応酬。そして、
「うふふ……」
「くふふ……」
邪悪な笑いで互いの健闘をたたえ合った。
二人の間に、甘いとはとても言えない、けれどどこか居心地のいい空気が広がって、
「…碇くん」
遠くから駆け寄ってくる声の気配に、それは一瞬で霧散した。
「あ、綾波っ」
シンジの声のトーンと雰囲気がころっと切り替わる。
後ろでアスカが不機嫌な顔をしているのにも気づかず、
シンジは満面の笑みを浮かべた。
77 :
逆行260:2009/03/30(月) 21:47:58 ID:???
「ブリーフィングルームに招集命令。いそいでこいって」
対するレイの声はいくぶんか硬く、あいかわらず言葉が足りない。
しかし、今日に限ってはシンジもすぐに理解出来た。
「呼び出し…? ああぁっ! ミサトさんか!」
使徒戦勝利の余韻ですっかり忘れていたが、
「独断専行、命令無視。変な嘘までついちゃったし、あぁぁ…」
今度こそ、シンジは深く頭を抱える。
が、そのまま心の迷宮にでも入りそうなシンジを、
手に感じた奇妙な感触が現実に呼び戻した。
「え? あや、なみ…?」
シンジが驚いて見ると、レイがシンジの手を、いや、
手の先、数本の指だけをかろうじてつかんでいた。
「あ、あや、綾波っ?」
レイの突拍子もない、彼女らしくない行動に、シンジが声を上ずらせる。
しかしレイは、少なくとも表情には何の動揺も示さない。
「……いそいで連れてこいって、言われたから」
いつもの無表情でまるで言い訳のような言葉をつぶやいて、
手を握る、とも言えないような控え目な握り方で、
それでも懸命にシンジを引っ張っていこうとする。
「ちょ、ちょっと待ってよ。あ、アスカは…?」
一人だけで説教されるなんてたまらない、慌てたシンジが必死に訴えるが、
レイはただ、一度だけシンジを、それからその奥のアスカを見て、
「よばれていることは、伝えたから」
誰にともなく、やはり言い訳めいた言葉を口にして、
後はもう、振り返ることもしなかった。
心持ち顔をうつむかせ、決してシンジの方を見ようとせずに、
シンジの手を引いて歩いて行く。
78 :
逆行261:2009/03/30(月) 21:51:36 ID:???
「さ、先に行ってるから、アスカも早く来てよ!
僕一人だけ怒られるなんて……あ、待ってよ綾波っ!」
そう叫ぶシンジが角を消えていってもまだ、アスカは動けなかった。
別に何かに気後れしたとか、そういうことではない。
ただ、この状況でヒョコヒョコとシンジたちの後を追うのは、
なんとなく、そう、なんとなく面白くなかっただけなのだ。
「何よアレ。独占欲丸出しで、かっこわる…」
苦心して冷めた目を作って、さも呆れたようにつぶやく。
「心配しなくても、あんなモン誰も盗りゃしないってのに……」
そして、心底呆れたというジェスチャー。興味などないというポーズ。
誰が見ているワケでもないのに、アスカはそれを演じ続ける。
「あっちの世界ならまだしも、ここでは別にシンジと仲良くする必要なんてないもの。
こっちには加持さんだっているし、他にも色んな男がよりどりみどり」
そこで、にっこり、アスカは完璧な笑顔を作ると、
ブンッ!
当たれば殴られた相手どころか自分の拳まで壊してしまいそうな勢いで拳を振り、
「――ッ!?」
五指を襲った異質な感触に、アスカは自分の手を受け止めた壁をにらみつける。
「また、アンタなの、ファースト。アンタはどこまでアタシを……くっ!」
悪態を喉の奥に飲み込んで、アスカもまた、シンジたちを追って歩き出す。
……唇をかみしめて歩くアスカの顔からは、鮮やかに使徒を倒した喜びなど、
もう欠片も見出すことは出来なかった。
――そうして。
その場から、人が一人もいなくなって……。
壁に膜を張るように広がったオレンジの波紋もまた、
ゆっくりと空気に溶け込んで、消えた。
79 :
6:2009/03/30(月) 22:01:24 ID:???
以上。お目汚し。
キターーーーーーーーーーー!!
これで終わりってこと?
続き
チン☆⌒ 凵\(\・∀・) まだぁ?
イスラ分離からの反撃をかわすシーンがパチの最後のシ者の
ユニゾンリーチの同様のシーンで脳内再生されたw
84 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 06:34:20 ID:80k1wGK0
2016年
警官A「いいから入れ!」
女「随分乱暴な入れ方するのねぇ。これは弁護士に報告しなくちゃ。」
警官A「そうかいそうかい。勝手に報告すりゃあいいさ。ほら、乗った乗った。」
女「…っ、あら。保養所行きの子供と同車させるなんて、いい待遇だこと。」
警官A「無駄口叩いてんじゃあねぇ!ほら、閉めるから離れてろ!」
85 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 06:42:20 ID:80k1wGK0
女「この町もだいぶ元通りになってきたみたいね…」
子供「……」
女「アンタ?さっきから何も喋らないけど…耳がつんぼなのかしら?それとも、頭おかしくなっちゃった子?」
子供「…え、えぇ?」
女「何だ…聞こえてるんじゃない。アンタ名前は?」
子供「碇…シンジです。」
86 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 07:05:42 ID:80k1wGK0
女「碇シンジ…か、私はリン。リン・シャウランよ。アンタ…この車に乗れて、運がいいはね。」
シンジ「…?どうゆう事です?」
リン「すぐに分かるわよ。」
シンジ…?」
警官A「えーこちら153号車。予定通り例の中国人の女と保養所送りのガキを積んだ。どうぞ。」
無線『気を付けて運べよ?子供はどおでもいいが、横の女はまた別だ。妙な行動を起こさんよう見張っとけよ?』
警官A「はいはい…わかりましたよ。わかりまし……
ッて!!ウワアアアああアアア!!!」
ガシャァァン!!
87 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 07:19:00 ID:80k1wGK0
警官A「…ってててて…!!おい!!どこの馬鹿だ!?真っ正面から車ぶち当ててきやがって!!」
ガチャ!
警官A「おい!そこの奴!車から降りろ!ったく何考えてやがる!?ちゃんと前みて運転…
男A「そいつぁ悪い事をしちまった…っな!!」
ベキ!!
車から降りて来た男は警官に詰めよられるよりも前に意気揚々と持参の鋼鉄バットでまるで餅搗きみたいに何度も警官を叩きのめした
ベキ!ベキ!
Σ警官「アベ!!タカ!!カズベェ!!」
88 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 07:33:03 ID:80k1wGK0
リン「あら…意外と早かったわね。」
シンジ「え…え;?あの…外で一体何が?」
男A「姐御!大丈夫ですか!?今開けますから!!」
リン「早く開けて頂戴…ここは暑いわ。」
ドアが斧で叩き割られる
バリィン!!
リン「ご苦労様。」
男A「車追うの苦労しましたよぉ;違うナンバーの追い掛けてて危うく通りすぎる所…
男B「アニキ!!こいつまだ生きてます!!」
男A「ああ、味噌みたいになるまでかわいがってやっとけ。」
男B「ヘイ!アニキ!ち、オタクみてぇな顔しやがって!!!」
ベキ!メギャ!
シンジ「…あ、あの…こ、これは一体;」
89 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 07:39:17 ID:80k1wGK0
リン「あ?あぁ。アンタ…もう行っていわよ?」
シンジ「え…」
リン「急がないと騒ぎを聞き付けて人がぞろぞろやって来る。
私達はお先に退散するわ。じゃあ、またどこかでね。ほら、行くよ。」
男A「ヘイ!」
シンジ「あ!ち、ちょっと!」
シンジ「いっちゃった…。」
あの日…僕は浜辺で目覚めた。
周りは全てを覆い尽くすような赤い海。目茶苦茶になった街に巨大な綾波(?)
そしてアスカがいた…
しばらくは二人で街を放浪していたけれど…何日もしないうちにすぐに大人の人達が助けに来てくれて僕たちは何とか助かった…
その後紛争やら何やらで施設を転々と移動させられて行く内についにアスカとも離ればなれになってしまった。
この車で次の移り先に送られるはずだったんだけど…
これから一体どうしたら…
91 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 07:56:02 ID:80k1wGK0
ハイウェイで一人置き去りにされてしまった…。
周りを見渡すとそこはまるで廃墟になってしまった街だ。家も道路もビルもみんな興廃してしまっている…。前はもっと酷かったけれど…復興してきているのかな…
…喉が渇く…
あれから何時間歩いているだろう…人の気配も全くしない。
季節はあの頃と同じ真夏…暑い…暑すぎる…
しばらく歩いている内に何かの工場に辿り着いた。
人はいるだろうか…とにかく人をみつけないと…
93 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/03(日) 08:05:15 ID:80k1wGK0
シンジ「す…すみませーん!誰かいませんかー?」
シーン…
シンジ「…いるわけないか…」
シンジ「あれ…?」
シンジ「…これ…缶詰だよな…?まだ食べられる…よな?」
シンジ「朝から何も食べてないや…とりあえずこれお食べ…
ベキ!!
Σシンジ「おぶ!?」
缶詰を食べようとした次の瞬間、誰かに頭を思いきり叩かれた
男「ヒィヤヒィ!!み、みつけたぞぉ!!!この盗っ人めぇ!!テメェみたいな奴がいるから暴徒がのさばってぇ!!」
シンジ「ごはっ!!ちょ、ちょっと待っ!!い、痛い;
やめてやめて;」
男「うるせぇこのドアホ!!ドタマカチ割って…
女「ちょっと!!何してるのよ!?」
男「せ、先生!!い、いやこいつが勝手に中に入ってきて俺のメシを食おうと…」
女「もう伸びてるじゃない!!そのくらいで辞めなさい!!」
男「…ちっ。」
女「あーあー、もう、気失ってるじゃない…」
女「……!?」
女「…こ…この子…」
久しぶりに感じた…ベットの感覚だ…ゆっくり目を開こうとすると…
母さん……?
?「もう起きたの…随分うなされてたみたいだけれど…」
シンジ「うん…僕ね…何だかひどく長く悪い夢をみてて…」
?「あら…?どんな夢?」
シンジ「大きな…ロボットに乗るんだ…それで…変な怪獣がでてきたりしてて…」
?「ふぅん…?」
シンジ「それで友達がどんどんいなくなってしまって…僕は…僕は…」
?「大丈夫。皆きっとどこかにいるわ。それにもう貴方はエヴァに乗らなくてもいいのよ…。」
シンジ「…そうなんだ…もうエヴァには…エヴァ…エヴァ?」
シンジ「エヴァ!!??」
ドサ!!
その単語を聞いた瞬間僕は物凄い勢いで跳び起きた
?「やっと起きたわね…?碇シンジ君…。」
シンジ「あ…あなたは…!!」
96 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/08(金) 05:28:40 ID:SW4uIbBF
シンジ「り…リツコさん!?」
リツコ「久しぶりね…シンジ君。」
ネルフで…
沢山の綾波が液体漬けにされていた部屋に連れてれ来られたっきり…この人とは会っていなかった。
あの時は何が何だかわからず泣き崩れたリツコさんを見ていたけれど…
恐らく彼女は父と関係を持って…振り回された揚句におかしくなってしまったのだろう。今思えばそんな予想も大体つく。
だけど…何でまたこの人がこんな所で
リツコ「ごめんなさいね…。うちの者がいきなり殴ってしまって…。
最近は暴徒がここの工場にもやって来るようになって…皆気が気じゃないのよ」
シンジ「ぼ…暴徒??」
リツコ「…?えぇ。そうよ。最近ニュースでも話題になってるでしょう?
サードインパクト後、行き場のない難民が暴徒化してるって。」
シンジ「…そうなんですか…?僕あんまりそうゆうの見てなくて…」
リツコ「……」
リツコ「所で…貴方一体あの場所で何をしてたの?」
シンジ「えぇと…」
僕はこれまであった出来事のいきさつをリツコさんにはなした。
リツコ「まぁ…それは大変じゃない;すぐに施設に電話を…」
シンジ「あの…それが…」
リツコ「?」
シンジ「僕…その…正直、戻りたくなくて…」
リツコ「…?」
シンジ「施設って皆が思ってるような所じゃないんですよ…正直…きつくて…」
リツコ「ううん…でもね、シンジ君。施設はここなんかよりずっと安全で…
男「あいっつらマジ許せねぇよ!!」
リツコ「ちょっと!仁崎さん!貴方がこの子ケガさせたのよ?いきなり大声で中に入ってこないで貰えるかしら?」
仁崎「あ…おぅ…す、すまねぇ。だけどよ!アイツらが俺らの食料勝手に持ち去りやがったのがよぉ!」
リツコ「それはもういいでしょ?争い事は…
ない方がいいわ。」
シンジ「?」
リツコ「そんな事より…とりあえずこの子を広間まで案内してちょうだい。
私はやる事があるから。」
仁崎「…わかったよ。へいへい。」
シンジ「ちょ、ちょっと待って下さい!まだいろいろ聞きたい事が…」
リツコ「聞きたい事なら、そこの仁崎さんがいろいろ教えてくれるわよ。」
仁崎「そうゆうこった。おらいくぞ?坊主」
シンジ「あ!ちょっと!」
99 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/08(金) 06:07:48 ID:SW4uIbBF
仁崎「んで?何だね聞きたい事ってのは?」
シンジ「あの…僕あれからどうなったか全く知らないんですよ…」
仁崎「あれから?」
シンジ「サードインパクト…が起こってから。」
仁崎「…んな事言われてもわかんねぇなぁ?きずいたら辺り一面オレンジ色の海になっててだな…」
仁崎「みぃんな何が起こったのか全くわからねぇし、とりあえす住むとこ転々としてたら、赤木先生が助けてくれてだ、俺ら何人かでここの機械工場に住居構えた訳さ。」
仁崎「後、治安は悪ぃな。最初は皆協力してたんだが食料の取り合いが原因で
暴徒が増えたとか?」
仁崎「ニュースで見たが政府も余り機能してないらしいな。要するに、恐ぇ奴らがそこらへん歩いてるまさに世紀末って訳だ。」
仁崎「後はこれもニュースで聞いたがアジア全土が今だ壊滅的状況らしいな。
アブなくて他の国も関与したがらないらしい」
シンジ「………」
仁崎「まぁ、俺が知ってるのはこのぐらいか。」
保守
101 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 06:27:02 ID:KH5Wrw+M
仁崎「ほら、ここが我が工場の大広間って訳だ。なにげに広いだろ?」
しんじ「は…はぁ…」
この人の言う通り確かに広いけれど…
趣味がちょっと…;これはまるでヤ〇ザの事務所だ…
トラのカーペットが本当に敷いてあるし…
仁崎「適当に座りな。飲み物でももってくるから…あ!」
シンジ「は、はい;?」
仁崎「やっぱそこはアブねーな;他座れ他。」
シンジ「?」
仁崎さんに言われて後ろに大きなロッカーがある椅子から離れた…
なんかあるのかな?
102 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 06:42:05 ID:KH5Wrw+M
仁崎「おおし…何がいい?サイダーかね?お…」
仁崎「おい、村岡。食い物どうした食い物…
中身がねぇぞ;」
村岡「あ?あぁ…ほら、この前の襲撃でだいぶ減ったからもうないんじゃないのか?」
村岡「在庫とってこい在庫。」
仁崎「はぁ?何で俺が…」
村岡「気付いた奴がやる。ここのルールだろが。」
仁崎「ああそうかい、んじゃ取ってきますよ。ったく…
なぁにが気付いた奴がだ。アイツだって絶対気付いてただろうが!」
シンジ「……」
仁崎「…お、そうだ坊主」
シンジ「は、はい?」
仁崎「ちょっと食料運ぶの手伝ってくれないかね?ドライブついでに、な?」
シンジ「え…えぇ;」
103 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 06:55:07 ID:KH5Wrw+M
リツコ「これでよし…と。」
男「うぉ!すげぇ!走るぞマジで!先生ほんとすまねぇな;銃で穴開けられなかったらこの車もこんなポンコツにならなくて済んだのに;」
リツコ「命があっただけマシじゃない…言っておくけどまだ無理して走らせちゃダメよ?ただの応急処置なんだから。」
男「わかってるって!」
ブロロロロロ…
リツコ「はぁ…全く…世話が焼ける…」
104 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 07:10:06 ID:KH5Wrw+M
ネルフの研究員だった私が…
今ではしがない機械の修理屋をやっているなんて知ったら…ミサトやカジ君は笑うかしら…
まさか…私が生き返ったなんてあの男は知らないでしょうけど…
時代がそうだったのか…私に落ち込む時間を神は与えてはくれなかった。
気付くと私の周りには重傷をおったネルフの隊員達がいた…
一人の女性が息も絶え絶えになっている男性の体を放心状態でゆらしていた…
私は彼女の目を見て何もせずにはいられなかった。私は彼女を
安心させると、彼の体を抱えて処置室にむかった。
105 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 07:15:47 ID:KH5Wrw+M
それから数日は職員のみんなを治療して回った。
おかしなものだ、私はネルフを爆発させようとしたのに…
それからは行く宛てもなく放浪生活をして、同じく行く宛てもない彼らとこの機械工場に移住した。
106 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 07:27:28 ID:KH5Wrw+M
シンジ君が生きていた事に関してはただ普通によかったと思った。
彼はこの1年…本当に辛い思いをしてきたのだろう…
もとはといえば…全て私達のせいなのだから…
107 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 07:43:39 ID:KH5Wrw+M
仁崎「どぉだすげぇ眺めだろう。ケ〇シロウが出て来る漫画も真っ青な世紀末だな。」
シンジ「…本当、えにかいたみたいな興廃ぶりですね。」
向こうがわの大きなビルがアートみたいに真っ二つにわかれている。進む道路はみんな、、ヒビだらけで進みずらそうだ…
暑くて車の窓をあけたけれど…今度は何かよくわからない灰が飛んできて結局再び窓をしめた。
ここはどこだろうか…第三新東京には違いないんだろうけど…
仁崎「もうすぐ食料庫だ。」
シンジ「食料庫…ですか?」
仁崎「あぁ。いいか坊主、今の時代は食い物はあんまり家にゃあ置いてないほうがいいんだよ。
こんな世の中だ、いつ狙われるかわかったもんじゃあねぇしな。」
仁崎「音楽でも聞くかぁ?」
ちゃんちゃ♪ちゃんちゃ♪
仁崎「しぞ、パイヤ!パイヤ!パイヤー!」
シンジ「……」
仁崎「なんだ、今のガキゃしらねぇのか、ス〇ーフェ〇スって映画の挿入歌さ。
パ〇ーノの。」
シンジ「は…はぁ」
108 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/16(土) 20:17:30 ID:K7Cmi6hV
レイ「信じられないの?お父さんの仕事が。」シンジ「当然だよ、あんな父親!」バシっ。シ「あんな父親」ベシっ。シ「クソ親父」バシっ。シ「クソったれ」ベシバシっ。シ「もっと!!ちょうだい!」
冬月「ふぁ〜あ 眠い」碇「眠いのか、冬月」冬月「あぁ」碇「なら寝るがいい」冬月「うむ」
碇「…」冬月「…」碇「…」冬月「ムニャムニャ」碇「…」冬月「ムニャムニャ…あ…安西先生…」碇「…」
冬月「あ…安西先生っ あっ安西先生っ!」碇「…」冬月「あぁっ安西先生っ!」碇「…」冬月「あぁっ安西先生っ!」碇「冬月」
冬月「あっ安西先生…」碇「…」冬月「あぁっ安西先生…」碇「…バカ爺が」
110 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/17(日) 00:20:43 ID:5A1DuUxZ
捕手
エヴァ板良スレ保守党
普通に面白いなこれ
エヴァ板良スレ保守党
保守しないと糞スレ乱立で落ちそうだな
エヴァ板良スレ保守党
118 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/09(木) 04:20:29 ID:ACxItKZ/
仁崎「おぉし!ついたぞ!」
シンジ「ここ…ですか?」
仁崎「おう、そこの…ええと…そこだ、チェーンあるのわかるか?」
シンジ「砂だらけでちょっと…」
仁崎「あ?ったくここだよここ。」
仁崎「上げるからお前も手伝え。」
シンジ「え?あ…はい。」
仁崎「おおし、上げるぞ!?ンンンンン〜ッ!!!!」
ギシギシ…
シンジ「う〜ん!!」
ギシギシ…
ギシ…
ガシャン!!
まるでターミネーター2にでてきた武器庫のような、大きな空洞が地下から姿を現した
仁崎「やっと開いたぜ;」
シンジ「ここ…一体なんです?」
仁崎「だから、食糧庫だって。ほら、ポテチとかもあるぞ。とっとけ。」
仁崎さんにカ〇ビーのホテトチップスを投げ渡された。
う;賞味期限がきれてる;
仁崎「肉に野菜…ジュース…ううむ…」
……お腹が減った。食べるしかないか…袋を破ると妙に黄色がかったホテトチップスがでてきた
120 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/09(木) 04:42:09 ID:ACxItKZ/
味はまあ…いけるかな…うすしおぽいからあまり
関係ないっぽいか…
男「…うごくなぁ…」
シンジ「え…?」
小声で誰かにしゃべりかけられたかと思うと、いきなり後ろに引っ張られた!
仁崎「おい、坊主。わりぃけどこの肉そこの荷台にのせ……」
男「おおっとそこまでだぁ!!ガキをやられたくなけりゃあその肉渡せ!!」
仁崎「…!テメェ…」
男「だ…誰だテメェらぁ!!ここは俺らのシマだ!!勝手に入ってきやがって!!」
仁崎「はぁ!?お前が誰だよ!?何がシマだぁ!?ヤクザ気取りか!?ここは元々俺らの食糧庫なんだよ!?解るか?解ったら、ガキ離せ!」
男「だ、誰が離すかぁ!!」
仁崎「あ“ー!?お前いい年こいてガキ人質にするなんざぁ恥ずかしいと思わねぇのか!!?テンメェみたいな糞暴徒がいるせいて世の中おかしくなってんだよ!?」
男「くるなぁ;く、くると本当にさ…
ボゴッ!!
仁崎さんは相手に構わずつめよるとあっと言うまに男に顔面パンチを喰らわせた。
Σ男「ギャペ!;そ、そんな風に殴るなよ;」
仁崎「じゃあこうか!?トウシロめ!!」
ドカシ!!
肉のブロックで相手の頭を強打する
シンジ「うわ…うわわわわ;」
仁崎「大丈夫か坊主!?」
シンジ「は…はい;」
こ…こわい…
男「う…ぐぐぐっふ、ふざけやがってぇ!!」
シャキ!!
122 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/09(木) 05:04:24 ID:ACxItKZ/
男「ぐふ、ぐふふふふぅ!銃だぞこれわぁ!!なめやがって!!
お前ら二人まとめてぶっ殺してやるぅ!!」
仁崎「っマジかよこいつ…;
男「ぶふふふふ…」
…ドシン……
……ドシン……
仁崎「……?」
何か…地響きのような音がしてきた…
Σ男「う…うわあああああああ!;き、キタアアアアア!!」
地響きがした瞬間に何故か男は銃を捨てて一目散に
逃げ出した
シンジ「???」
仁崎「ぼ…坊主、こりゃあ、まずい事になった;」
シンジ「…え?」
向かいがわから地響きが近くなって行く…
ウ゛オォォォォォォォォォ!!!
何か、聞いたことのあるような鳴き声がこだました
Σ男「し、し、し、“シト“だああああああああああああああああ!!」
125 :
if :2009/07/10(金) 22:58:18 ID:???
ええと、今から、シンジ君の性格を180度変えます。
テレビシリーズから思ってたことを書きます。
テレビと映画新劇場版と漫画で肉付けします。
たぶん、途中で挫折すると思います
その時は勘弁してください。
エヴァンゲリオン
if
2015年
シンジ「なんだよ、通じないのかよ。」
公衆電話をガチャリと置いた
シンジ「これで最後か、どうして電車も通ってないだよ!・・・それにしてもなぜ誰もいないんだ。」
「ここでいいのか本当に」シンジは手紙と写真を見た。そこには胸を強調した女性が写っていた。
名前は葛城ミサトと書かれている。
シンジは周囲を見渡すが車も走ってない、人もいない。シンジは周りを見てため息をついた
「はぁ〜、喉が渇いたな何か飲むか。」自動販売機の前に立った瞬間
ドドォォドンと爆発音が聞こえた
そして、つい先ほどまで立っていた場所に何かの破片が落ちてきた
シンジ「うわぁー!!」
その場にへたり込んだ
126 :
if :2009/07/10(金) 22:59:34 ID:???
シンジ「何がどうなってんの・・・ん、何だあれは」
ビルの間から軍用ヘリ、戦闘機が飛び合い何かを攻撃している
そしてその何かが出てきた
シンジ「な、な、何だあれは」
その何かは説明するには難しいものだった
辺りにはその者に破壊されたヘリや戦闘機の部品や残骸が転がっていた。
「うわーなんだよこんな所で死んでたまるか!!」シンジは全力で逃げた
1台の車がシンジの方向に全速力で走ってきた。シンジはその場で止まって、やり過ごそうとした。
その車はシンジの数ミリ手前で止まった。
ガチャとドアが開き
「もしかして、貴方が碇シンジ君ね!!いきなりで、申し訳ないけど、この場所から逃げるわよ。」
と、サングラスをして、手を差し伸べていた。
シンジ「もしかして、貴方が葛城さんですか?つーか、車に乗らして貰います。」
シンジ「今からどこ行くんですか?・・・まあアイツのいる所に行くのは分かっているんですが」
ミサト「そ、そうよ、でもお父さんのことをアイツと呼ぶのはどうかと思うけど。」
127 :
if :2009/07/10(金) 23:00:36 ID:???
ネルフ本部
冬月「これは・・15年ぶりだな」
ゲンドウ「ああ、間違いない使途だ」
軍のお偉「碇君!!あれを、あれを倒す事ができるのかね。?」
ゲンドウ「はい、お任せを其の為のネルフですから。あと、数分もすれば道具が来ますから。」
軍「道具?」
ミサトとが本部のIDで扉を開けるとそこに白衣を着た女性が待ち構えていた。
「遅かったわね。道にまた迷ってたのね!」
「ごめんね〜ごめんねー。リツコ博士」
ミサトは白衣を着た女性に謝った。「リツコて名前か」とボソッとシンジが呟いた。
リツコはミサトの後ろの少年に気がつき
「君が碇指令のご子息で、碇シンジ君ね」
「はい、そうです。ところで・・」
シンジが質問しようとした瞬間
リツコ「時間がないの私に着いてきて、そこで話しましょう。」
扉が開き、そこには赤い液体につかっている機械が立っていた
シンジは思った、「これは、これは見たことがある。」
リツコ・ミサト「え!!、なんですって」
シンジ「まさか・・」
シンジの中で遠い記憶が蘇った
128 :
if :2009/07/10(金) 23:01:55 ID:???
9年〜10年前
ユイ「母さん頑張るからそこで見ててね。
シンジ「うん、母さんがんばってね」
冬月「ユイ君、なぜ子供を連れてきたのかね」
ユイ「この子には人類の明るい未来を見せたいのです」
ゲンドウ「ユイ成功を祈る」
ユイ「シンジ、何か私のに起こったら、お父さんが必ず助けてくれるから安心しなさい。」
シンジ「はーい」
研究員「実験開始」
数分後
オペレーター「大変です、心拍数があがっていきます、シンクロ率が一気に上昇400%を超えました。」
冬月「いかん早くとめるんだ」
オペレーター「止まりません」
ゲンドウ「強制排除だ!!。早く」
シンジ「か、あさん」
一同がプラグ内を見ると、ユイの姿がない服だけがそこにあった
冬月「ユイ君は、彼女はどこに行ったのかね?碇君」
冬月はゲンドウの胸倉をつかんだ
ゲンドウ「・・・・・・・・ユイ・・・・」
ゲンドウは放心状態だった。
冬月「まさか、これに取り込まれたのか?」・・・・・・・
「久しぶりだな シンジ」
と聞き覚えのある声がスピーカーから聞こえた
129 :
if :2009/07/10(金) 23:03:37 ID:???
いったんここまでで寝ます
へたくそですまん
挫折したらすまん
下手糞は最初は仕方ないから
上手くなる努力をしような。
俺も最初はヘタクソだったよ
今はどうだか知らんが
とりあえず台詞の頭から名前を外して、地の文で誰が喋ってるのか表現するところから始めようか
133 :
if:2009/07/13(月) 21:36:56 ID:???
携帯からすいません
パソコンがエラーで書き込むことが出来ない
地文を売る
135 :
if :2009/07/14(火) 17:54:26 ID:???
現在
シンジ「久しぶりじゃねーだろーがぁぁ」
シンジは怒鳴り叫んだ
シンジ「これは、あの実験のときの・・・」
「それより、オイ、母さんはどうした。母さんは救い出したのか?」シンジは問い詰めた
「ああ、ユイか、ユイはずっと目の前にいるではないか。」
「こいつが・・・・ま、ま、まさか」
「そうだ、そのまさかだ」
ゲンドウを睨んだ
「てめぇー、母さんを救い出すどころか、母さんを取り込んだまま、この化け物完成させてんじゃーねよー」
シンジは叫んだ
「シンジ君、これは化け物ではないはこれは。究極の汎用決戦兵器人造人間ヱヴァンゲリオンよ。」
「うるせー、そんな事はどうだっていいんだ!! 親父、わざわざこんなもんを見せるために俺を呼んだのか?」
シンジ後ろの女性を見て続けて言った「俺はてっきり新しい母さんを紹介すると思ってたんだがな、おっさんよ!!」
ミサト・リツコ「ええ!!」
「シンジ、こんな所で話をしてる場合ではない。シンジよこれに乗ってあれを、使途を倒せ!!今すぐにだ!!」
136 :
if :2009/07/14(火) 17:55:57 ID:???
「いきなり何言ってんだおっさん!!軍人じゃないのに戦えるかバカヤロー!!」
ゲンドウ「あれは、初号機は、お前のものだ!!その為にお前を呼んだのだ、お前はそのための人間だ、あれで戦えるのはお前だけだ。」
シンジ「バカいってんじゃねー!!あれに乗れだー!!母さんのことを忘れたのかよ。
今度は・・・今度は俺まで殺すつもりか?!」
「もう一度言う、乗るのか、乗らんのかどちらだ?」
「乗らない、お前の犬にはならない。組織の飼い犬にはなりたくないね。」
「犬か」ミサトはつぶやいた
「そうか、ならば、ここから消えろ!!」
「そう・・・さしてもらうよ。じゃあな、くそ野郎」
ミサト「シンジくん!!」
「冬月、レイを起こせ!!あれが使えなくなった」
「いいのか、碇。」
ゲンドウ「かまわん、死んではいないのだ。」
シンジは扉に向かって歩き出した
扉が開き。
前から、包帯を巻かれ車椅子に乗った少女が看護師と医師に引かれてやってきた
シンジは驚いたように振り向いた
と同時に
使途の攻撃で本部が激しく揺れた
137 :
if :2009/07/14(火) 17:57:06 ID:???
シンジ「うわぁ」
レイ「キャアァ」
レイはその場に倒れこんだ
シンジは、急いでその少女に駆け寄った。シンジは肩を抱き寄せた
「大丈夫ですか!!オイあんた」
「ぐぅぅくぅ!!ハァ・・・ハァ・・」
シンジの手には彼女の血がべっとりと付いていた
シンジは思った、俺が乗らなかったらこの子があれに乗らされる。この子が親父に・・・使途に殺されてしまう。
逃げるな、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げるな、逃げるな、逃げるな
シンジは心の中でその言葉を繰り返した「だったら」シンジは叫んだ
シンジはその手を睨み。
拳を握り司令室の父親を睨みつけ言った
「俺が、俺がそれに乗るよ。」
ミサト「乗ってくれるのね。ありがとうシンジ君」
リツコ「早速準備に」
ゲンドウはニヤリと笑った
「親父よ!!」
「何だ」
シンジは少女の血の付いた手を見せ
「お前、この組織を作るために、何人の人間を犠牲にしたんだ!!!!」シンジは聞いた。
そしてその手をリツコとミサトそして監視カメラにも見せた
リツコとミサト、オペレータは驚いてシンジくんを見た
「うぅ」マヤは口を押さえた
リツコ「恐ろしい子だわ」
ゲンドウは答えない
シンジはリツコに案内されエントリープラグに入る間際に、
「おっさんよ、あんまり、パンドラの箱を開けないほうがいいぜ!!!」
シンジはにやりと笑ってエントリープラグの中に入った。
138 :
if :2009/07/14(火) 18:53:45 ID:???
BGM
At The ver ybaginning
エントリープラグがエヴァンゲリオンの背中に入りハッチが閉まる。
マヤ「第一次接続開始。続いてエントリープラグ注水」
シンジ「何だこれは、ガハァ」ミサト「我慢して、すぐなれるわ。」
「凄いです、全てにおいて問題ありません、シンクロ率50%です」
「何、この数値は、・・まさにこの機体に乗るための子だわ」
「エヴァンゲリオン発進準備OKです」
「ヱヴァンゲリオン発進」ミサトが命令した
初号機が地下のネルフ本部から地上に一気に上がって行った。
そして扉が開くと目の前に使途が立っていた。
数分前に見た使途だった。
ミサト「最終安全装置解除!!」
マヤ「解除」
ミサト「エヴァンゲリオン初号機リフト・オフ。シンジ君、頼んだわよ」
「ああ」シンジは小さく返事をした
シンジ「さて、さて、この化け物をどう料理してやるか」
シンジは使途に、蹴りを入れようとして操作したが、かわされ、つまずいて倒れた。
「うわぁあ」
体制を立て直して、構えた瞬間、初号機の顔を使途に掴まれ、地面に叩き付けられた
「ぐぅああ」
そして初号機の腕をつかまれ、バギィィィィィと腕を折られた。
「ぎいぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
シンジは叫んだ
139 :
if :2009/07/14(火) 18:54:43 ID:???
シンジくん、逃げてー!!」ミサトが画面に向かって叫んだ
「ハッハハハハァ・・・こんな・・こんな・・所まできて、逃げれるかー」
シンジは、歯を食いしばり、痛みを我慢して使途に向かっていった。
だが、使途に顔をつかまれ、鋭い刃に顔面を貫かれた。
「ぎぁぃぃぃぃぃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁ」
初号機はそのままビルに叩き付けられた。
「頭部破損、パルス逆流、」
「シンジ君は」
「モニター反応なし、生死不明」
「初号機、か、か、完全に沈黙」
「作戦中止パイロットを優先!!プラグを強制射出」
「無理です、完全に制御できません」
「何ですって」
140 :
if :2009/07/14(火) 18:56:22 ID:???
「あれ?俺どうしたんだろう?なんか温かい、ああ、俺は死んだのか」
{君は誰}
「俺は碇シンジだ」
[僕は碇シンジです]
{お母さんは好き}
「あたりまえだろー」
[ハイ、僕はお母さんが大好きです]
{お父さんは好き}
「あんなオッサンなんて好きなわけ無いだろ」
[はい、お母さんの次に好きです]
{何故、ヱヴァに乗る}
「・・・・・・・・」
[・・・・・・・]
「母さん今からいくよ・・・母さんでも、・・・あいつ・・
あの使途を倒してから、母さんのそばに行きたかった。・・でないと・・あの子が・・・危ないだ」
エントリープラグ内
{何故、ヱヴァに乗る} 「[あの子を死なせないためだー!!!!]」
141 :
if :2009/07/14(火) 18:57:31 ID:???
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン」
と同時に初号機の目が赤く光った
BGM
The Final Decision We All Must Take
「大変です、初号機が再起動」
「何ですって、リツコこれは何」
「分からない・・・・もしかして・・暴走・・・・」
冬月「勝ったな」
ゲンドウはニヤリとした
ゲンドウ「・・・・ュ・・・・ィ・・・・」
初号機は雄叫びを上げながら、使途に向かっていった。
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
初号機は先程までとは比べ物にならない速さで動き回った。
獣の様に目の前の獲物を仕留めるかのように。
リツコ「これはしんじくんが戦って・・・いやそんな」
使途は見えない壁を張った
「ATフィールド、使途も持っていたの。・・これでは近づくことも・・」
「初号機の腕が回復していきます」
「何ですって」
「さらに、初号機もATフィールド展開、使途のATフィールド、無理やり破っています。」
初号機が使途を掴もうとした瞬間
使途は鋭い刃を飛ばした。だが初号機は手で弾き飛ばした。
142 :
if :2009/07/14(火) 18:59:44 ID:???
「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
使途に向かってタックルを全速力で当て、ビルに激突して勢いが衰えず、周りのビルごと押し進んでいった
ジャンプしてコアの部分に蹴り何度も当て、踏みつける。
「グオオオオウウオオオォォォォォォォォッォォォォォォォォォォォ」」
両手でコアを何度も叩いた。
使途を目からビームを出すが、かわされた。
尚も使途のコアを叩き続けた。
「グオゴオオオオオオオオオオオオオオ」
突然使途は初号機に抱きつき、丸まった。
そして爆発した。
ネルフ本部が爆音とともにグラグラと揺れた
モニターは、ザザザザザーと砂嵐だ
揺れが収まり
「モニター回復」
「初・号・・いえ、シンジ君は無事なの」
「今、モニターに映します」
画面が切り替わった。そこには黒い人型の姿が映っていた。
「初号機が映っています。パイロット、・・・生存確認。生きてます。」
初号機は無事だった
「これは、お前が予期していた通りのことか?こうなる事を知っていたのか?碇」
「ああ想定の範囲内だ!!だが想像以上だ。」
初号機は雄叫びを上げた
「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ」
143 :
if :2009/07/14(火) 19:01:14 ID:???
数日後
シンジは気がついた
そして周りを見渡した。壁の色は真っ白で窓があり監視カメラと自分が寝ているベットだけしかなかった。、
なにもいない「ふぅ、あの使途にやられてから何日気を失っていたのか教えてくださいよ・・・ミサトさん」
ドアの前にいる人影を見て言った。
ミサトはドアの前でビクッと肩を揺らした
ドアを開け
「シンジくん3日間よ。」
「そうですか、ぼく・・・俺は、使途を倒したんですよね!?」
「そうよ」
シンジは廊下に出ると緩やかな風が体に当たった。
開いている窓に近づき外を見た、セミが鳴いていた。
144 :
if :2009/07/14(火) 19:02:27 ID:???
「ミサトさん、ちょっとトイレ行ってきます。」
「ええ、いいわよ」
廊下を歩き、案内表の通りに進んでいった。
ドアを開けると先客がいた。「よぉ、おっさん。生きてたのか、俺はてっきり爆発に巻き込まれて死んだのかと思ったぜ」
「フン」
「親父、あれが目覚めることを知っていたのか?」
「貴様に話す必要はない」
「あんたは何がしたい?あれで何がしたい?最終目的は何だ?
ゼーレと組んで何がしたい?あんたは敵か見方か?この世界の神になりたいのか!!」
「答える必要はない」
「そうかよ、それじゃー、これは答えることはできるのか?」
「何だ」
シンジは、ゲンドウの目を見て言った
「こうなる事を予想してたのか?」
「そうだ」
「俺は、お前のシナリオの1部か!?」
「そうだ」
「俺は、後戻り出来ない!!」
「そうだ」
「俺は、前に突き進むしかない!!」
「そうだ」
「多くの犠牲を払ってもか」
「そうだ」
145 :
if :2009/07/14(火) 19:03:21 ID:???
「ふっふっはっはははははははは」
シンジは挑発するかのように笑った
その笑い声は、トイレの外にいるミサトに聞こえた「シンジくん」
「なんだ、・・・シンジ」
笑い終わり、シンジは拳を握り、親指を下にした
「・・・・たとえ、そこが地獄でもか?」
「そうだ」
「もうお前には、帰るところは無い。
どこにも、ここしか、本部・・・いや・・初号機しか。
そして全使途を殲滅するまで・・・・・、あとは葛城君に任せてある」
そしてゲンドウはドアを開け、トイレから出て行った。
「フン、分かったよ・・・飼い犬になってやる。
・・・だがな・・・その地獄に行くのは・・・・はっはははは」シンジは笑った。
シンジはドアを開けトイレから出た。
146 :
if :2009/07/14(火) 22:24:04 ID:???
そこにはミサトさんが待ち構えていた。
「あ、そうそう。本部が貴方専用の個室を用意してくれたそうだから」
「え、そうですか。ありがとうございます」
「・・・・・・んんーん」ミサトは首を傾け
「どうしたんですか、葛城さん」
ミサトは携帯を取り出しどこかに電話した。
「あ、リツコ、私。碇シンジくんね、たった今から家に一緒に住むことにしました。
質問は一切お断りです。じゃ、そーゆー言う事で」
「ちょっと、姉やん、なぜ勝手に決めてるんですか・・・いや、・・まて・・・・・・」
「さ、行きましょ」そう言って駐車場に向かって行った。
車に乗ったシンジとミサトは無言だった
「ちょっと、寄り道するけど、いいわね」
とミサトが口を開いた
「ええ、いいですよ」
車が走ること1時間、高台らしき所に付いた。
「なんですか、ここ、コンビニに行くと思ってたんですが」
「まあ、黙って見てて。・・・・時間だわ」
「え、なんですか」
ウウウウウウウウウウウウウウウーン
サイレンが鳴り
何も無い地面からビルが出てきた
「へー凄いな。ビルが生えてきてるよ」
「これが」
「えっ」
「これが対使途迎撃要塞都市、第3新東京市よ」
「すごいな」
「そして、貴方が守った街です」
「ミサトさん、ちょとだけ、見てていいですか。」
「いいわよ」
そう言うとミサトは車の乗り込もうとした。
147 :
if :2009/07/14(火) 22:54:40 ID:???
「ミサトさん」
「なーに、シンジ君」
ミサトは振り向いた
シンジは夕日を背にしていた
ミサトは眩しそうに手を顔の前にかざした
シンジは手を広げて言った
「ミサトさん、僕はね、
この街を守りたかったわけでも、
人を救いたかったわけでもないんです。」
「シンジ君・・・」
「僕はこんな街どうなったって良いんです」
「僕は母さんが居ない世界なんて滅びたって良いんです」
「こんな街、僕は守るつもりも無いですよ
どうなったって良いんですよ」
「え!!・・・シ・・ン」
「アイツは母さんを救い出すこともせず」
「アイツは、アイツは、アイツは・・・」
「シンジ君!」
「ふっふっはははははははははははははっはははははははははははははははははははは」
シンジは、突然笑った
148 :
if :2009/07/14(火) 22:56:57 ID:???
ミサトは驚いた
「シンジ君?」
「冗談ですよ、ミサトさん。本当の理由は、あの子を助けたかっただけですよ!!
でもコテンパンでしたけどね。」
シンジは笑いながら言った
「シンジ君、帰りましょうか」
「はい、帰りましょう。葛城さん」
「ミサト」
「はい?」
「ミサトでいいわよ、シンジ君」
車に乗りマンションに向かった
ミサトは運転中、後部座席に乗っているシンジをルームミラーでみた。
シンジは寝ていた
ミサトは、さっきのシンジくんは明らかに笑っていない事を知っていた。
逆光で見えなかったが、笑って無かった。
「シンジくんの言った事、本当かしら・・・」
ミサトは携帯を取り出しリツコに電話をした
ミサトは、再びルームミラーを見てシンジが寝ているの確認した
「あ!リツコ、あたし。さっきの続きだけど、シンジくんを監視したほうがいいわね。
彼にヱヴァに乗る資格があるのか、無いか見たいの、そのための同居よ
彼はお父さんを憎み、世の中を憎み、何も信用せず、それに自分の存在がどうでも良くなってるのよ。
私がシンジ君と一緒に住んで、彼の心を少しずつ楽にしてあげたいのよ。
・・・・と言う事です。以上」
ミサトは携帯を切った
149 :
if :2009/07/14(火) 23:03:31 ID:???
車は高速を降りて、まもなく、ミサトのマンションに着こうとしていた。
そして30分後、マンションに着いた。
「シンジ君、シンジ君」「ふぇ、みしゃとしゃん、おはようございます」
「シンジ君、おはよう・・・て、朝ではないわよ。シンジ君!!起きて!!」
そう言ってシンジの頬を叩いた「うああ、何するんですか、ミサトさん」「起きた。シンジ君」
「なぐったね、ミサトさん」「いや、その・・・・」
「親父にもぶたれたことが無いのにー・・・・・・・・・うん実際に」
「えへへへへへへへ」「シンジ君たら」
「着いたわよ、ここが私が住んでいるところよ」「へー、ここが」
「さっ、行きましょう」「はい、ミサトさん」
ミサトとシンジは車から降りて、マンションのエレベーターに乗り、ミサトの住んでる階に着いた。
ミサトはドアを開け「ただいまー」と言った続いてシンジは「お邪魔しまーす」と言い
「シンジ君、ここは貴方の家よ」「はい、わかりました」
「ただいま」
「お帰りなさい」
第1部 完
★注意
このスレは14歳で大学卒業するほどの娘が逆行して世界を救わずに、
恋愛ゲームにはしる馬鹿な腐女子が喜びそうな話と、台本紛いの小説しか投下されません。
まともな人が見ると脳が溶けるので注意しましょう。
151 :
if :2009/07/14(火) 23:14:34 ID:???
やっと書き終わりました
まあ、面白くは無いと思うけどみてください。
俺はハッピーエンドにしないです
基本的に性格はダークナイトのジョーカーみたいにしたいです
つぎはトウジの話から変形ラミエルさんまで書きたいです
152 :
if :2009/07/15(水) 23:39:14 ID:???
すいませんいきなり
3号機事件の後半を書いちゃいました
あくまでプロトタイプです
では
153 :
if :2009/07/15(水) 23:44:15 ID:???
「0号機大破」
「綾波レイ負傷、回収班急いで」
そして夕日のほうから歩いてくる影が映った
「あれが使途、あれはもしかして3号機か?この機体と同じエヴァじゃないか!!」
「いや、エヴァではない、3号機でもない、あれは使途だ。」
「ちょっとまて、もしかして、パイロットは鈴原トウジなのか」
「・・・・・・」
「答えろー!!!!!父さん!!!」
「そうだ」
「だがもう3号機ではない、使途だ。シンジあれを倒せ」
「フン、俺に命令すんじゃねー」
3号機だったものが向かってきた
「とりあえず、トウジを助け出さないとな!!」
初号機は3号機を腕を掴み地面に投げ飛ばし、3号機の背中に足を乗せた。
「トウジ、悪いけど我慢してくれ」3号機の両腕を掴み
バキバキ、ベリ、バキベリ、バキャヅッヤ
初号機は3号機の両腕を引き千切った
3号機の両腕からは赤い液体が噴出した。
マヤが画面を見て「うぅ」と口をふさいだ
ゲンドウは黙って見ていた
154 :
if :2009/07/15(水) 23:45:12 ID:???
「これでよし、あとは、エントリープラグを取り出し、トウジを助けるだけだ」
エントリープラグに手をつけた、その時
3号機の背中から手が出てきた、そして初号機の首を絞めた。
「うぅぐがああああ、あああ・・・な・・ん・・だ・と」
初号機はその腕を掴み「くそぉぉぉ・・・うぅかぁ・・うっぐぐぎ・・・っこうなったら!!」
身動きが取れない
シンジは通信回線で2号機に呼びかけた
「アスカァァァァァァァァー!!!!!!!!!、聞けぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇー」
その声に驚いたアスカは「なに!!シンジ!!」
「今から、・・・ぐはっ・・・こいつを押さえておくから、はぁっはぁっ・・
こいつのプラグを、ぐっ、・・かはぁっ、こいつの・・・・
こいつのー!!!!!エントリープラグを引き抜けえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
アスカに指示した
「分かったわ!!それまで持ち応えていてよ!!!。シンジ」
「おおよ」
2号機は初号機の状態を見つつ、3号機に近づいた
「見えたわ!、シンジ!あれね」アスカが叫んだ
「そう・・っ・・だ。抜けェェェェェェ
155 :
if :2009/07/15(水) 23:51:42 ID:???
2号機が近づきプラグに手をかけた瞬間、3号機の両腕が再生して2号機の首を締め出した。
「なにぃぃl!!!!」
シンジは驚愕した
「大変です、初号機、2号機の生命維持に支障発生しています。両パイロット危険です!!」
「初号機の活動限界まであと3分を切りました。続いて2号機は2分30秒です」
「行かんこれは、どうする、碇」
「時間が無いか」
「しかたない、初号機とシンジ・・・いや、パイロットのシンクロを全面カットしろ!!」
「カットですか?」
マヤは聞き返した。
「そうだ全面カットだ早くしろ!!そして回路をダミープラグ01にしろ」
「・・・・・はい」
「奥の手を・・・使うのか」冬月は聞いた
「ここでシンジに死なれては困る。それに、ダミーの性能も確認しておきたいだけだ」
ゲンドウはモニター映像を見ていった
突然苦しみから解放されコクピット内が赤くなった。「何だ、どうしたんだ」シンジは驚き尋ねた。
「父さんどうなってるんだ!!何をしたんだ」
「シンジ、お前はこんな所で死んではいけない、今は・・・少し休んでろ」
156 :
if :2009/07/15(水) 23:52:53 ID:???
システム開放
ダミープラグ01
始動
BGM
The Final Decision We All Must Take
「何だ!!何故、勝手に動いてるんだ?何したんだ」
初号機は3号機の背中の手を折ってねじり、引き千切った
2号機を掴んでた手も折り、3号機の顔を掴み地面に叩きつけた。
「シンジ!!助けてくれてありがとう。死ぬかと思ったわ」
「僕じゃないよ、助けたのは。」
「だって・・・あんた」
「僕じゃないよー!!!!!!!!」
初号機は3号機の首を絞め始めた
「止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ止まれ」
シンジはレバーをガチャガチャと動かした
だが、どうやっても止まらない
シンジは、2号機と連絡を取ろうとした瞬間
バァキィぃぃィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ
3号機の首が折れた
「オォォォォォォヤァァァァァァァァァジィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!!!!!
やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
シンジが力の限り叫んだ
「くそったれがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
157 :
if :2009/07/15(水) 23:54:54 ID:???
通信回線でアスカを再び呼んだ
「アスカー、聞こえるかぁぁぁぁぁぁ」
「今度は何!!」アスカは叫んだ
「2号機を初号機の側まで寄せてくれ。今、初号機を止めに行ったら、
2号機まで巻き添えで潰されるかもしれない、だから俺がその2号機に飛び移る。」
「無茶よ」
「無茶は承知だ、時間が無い早く」
2号機は初号機の背後に回り背中を掴み、2号機のエントリープラグを開けた。
「シンジ今よ!!!!、急いでぇぇぇぇぇ」
「いいのか、碇」
「かまわん、好きにさせろ」
シンジはエントリープラグ緊急開閉装置を開けた
シンジは2号機の腕をつたってエントリープラグ内に入った
「あ、シンジ、いらっしゃい。何飲む」アスかは冗談を言った
「アスカ、今はそんな場合じゃないだろー」
「シンジ君、ご・ごめん」アスカは謝った」
アスカは、怒った顔のシンジは何回も見ている。
でも本気で怒ったシンジの顔はアスカは始めてみた。
「怖い、・・・いつものシンジじゃない」アスカは呟いた
「アスカ悪い、ちょっと、操縦変わってくれ。」
158 :
if :2009/07/15(水) 23:56:24 ID:???
初号機は2号機を弾き飛ばした
「えぇぇ?シンジちょっと、うわぁ!!」
「うわぁぁぁぁぁ」ドォオオオオンンンンン
山に激突した
「いたたたたたた、アスカ無事か?」
「うぅぅ、何とか」
シンジは操縦席に座り、2号機を動かした
「行くぞアスカ。」
「はい、シンジ」
初号機に向かって行く2号機
「シンジが乗るのもこれが二回目ね」
「へへ、そうだったかな」
「うそー、覚えてないのー?」
「覚えてるぜ!!そんなの、あたりまえだろぉぉぉぉぉぉ」
「2号機のシンクロ率上昇」
マヤは叫んだ
初号機は3号機をグチャグチャに潰していた
「くそー止まれー」2号機は初号機を抱え込んだ
初号機は止まらない
シンジは「あれは」
エントリープラグを見つけた
2号機はプラグを掴みそのまま引き抜きかけて止まった
159 :
if :2009/07/15(水) 23:59:23 ID:???
「エヴァ2号機活動停止」
「止まるなァァァァァ、もう少しなんだよぉォォ」
「シンジ、もう、だめだよ 動かないよ」
2号機破その場に倒れた
初号機はプラグを手に取り
「止めろ止めろ止めろ止めろ止めてくれ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ」
シンジは泣き喚いた
「シンジ」アスカは、シンジの肩に手をやった
止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ頼む
止めろ止めろ止めろ止めろ止めろやめてよー止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ止めろ」初号機は手を握り締めた (グシャャャャ)
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ
ぁぁぁぁぁぁぁああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁっぁ」
3号機事件 プロトタイプ 完
160 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/17(金) 05:30:09 ID:h4zONfZo
男の叫び声とともに現れたのは…
!?
…あれは…エヴァ??
いや…あれは…アスカの2号機械をめちゃくちゃにした…あの…量産型のエヴァンゲリオン…!
仁崎「お、おい坊主!何突っ立ってんだよ;こっちこい!!逃げるぞ!!」
…なんでアレが…こんな所に…
シンジ「…え?」
仁崎「馬鹿;え、じゃねぇ!早く車のれって!!」
シンジ「は、はい;」
エヴァっぽくないしツマンナい…
162 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/17(金) 06:56:01 ID:h4zONfZo
量産型に追い掛けられるように猛スピードで走り出す車
シンジ「あ…あれ、!なんです;!?」
仁崎「シトだよシト!!一年前も話題なってたろ;?
デカい化け物が第三新東京襲ってたってニュースで持ち切りだった;!…お前しらねぇのか??」
シンジ「きいた事はありますけど…;」
コレ以上は聞かないでおいた方がいいな;この人はあんまり知らなさそうだ…
ドシン…ドシン…
スピードを出してるのに量産型はすぐ近くまで迫って来る
仁崎「あの爆発があって、シトも消えたって、
みんな安心してたのにまた出てきやがったのさ;」
仁崎「しかも今度は見る人間見る人間みんな襲って来やがる;」
シンジ「…;」
仁崎「…おい;そこの…トランク開けろ」
シンジ「え?」
仁崎「武器だよ武器!中に入ってんだよ!!あけろって!!」
シンジ「は、はい;え…えっと…コレ…ですか;?」
仁崎「馬鹿!拳銃なんて役にたたねぇだろ;
その下にしまってある奴だよ!」
シンジ「え;あ、こ、これですか;?」
仁崎「おう;…きくわきゃぁねぇが、取り合えずM―48なら喰らわなくはねぇだろ!」
仁崎さんは大きな機関銃を手にとると車の屋根の窓を開けて銃を構えた
仁崎「おい、坊主!!しっかりハンドル握ってろよ!!」
シンジ「え…ええええ?;」
ズガガガガガガガ!!
ズガ!!
ズガガガガガガガガガガガガ!!
仁崎「くそ;まるで効きゃあしねぇ!!」
シンジ「あ…アワワワワワ;」
仁崎「おい!何やってんだ!;踏めよ;!アクセル!!ふぅめぇ!;」
シンジ「ドコガドコだか…;」
仁崎「おい…冗談だろ…馬鹿!何ハンドル切っ…;!
向こうは壁だアアアアアアアアアアアア!!」
ガシャアアアアアアアアアアアアン!!
…
……
仁崎「…てて…っくそ…;ヒデェ;車も食糧も
パァだ;」
シンジ「うぐ…;」
仁崎「おい、坊主!大丈夫か!?」
シンジ「はい…なんとか…でも車が…;」
仁崎「あぁ;無くなったのは痛いが…まあ、命が助かっただけマシだろ;」
シンジ「…すみません;」
仁崎「さぁ、帰るぞ;全く…今日はさんざん…
167 :
if :2009/07/17(金) 22:49:41 ID:???
第2部 喧嘩と家出と反抗心
「君、碇シンジ君だよね?」
男の子が話しかけてきた
「僕は、相田ケンスケ。ちょっと、放課後に、体育館裏に来てくれるかい?」
「え、ああ、わかった。放課後ですか?」
「うん、放課後」
そして、放課後
体育館 裏
シンジは言われたとおりに体育館裏に行った
そこには、相田ケンスケと黒いジャージを着た少年が立っていた
表情は明らかに不機嫌だ
「碇君待っていたよ・・うわあ」
突然、相田ケンスケを押しのけ
「おのれが、碇シンジやな!!」
「そうだけど」
そう言うと
ボコッ ガス シンジを殴り飛ばした
「ぐぅ、はぁ」
シンジは地面に転がった。
「悪いな、転校生、わいはお前をどうしてもなぐらな、気がすまへんねや。」
168 :
if :2009/07/17(金) 22:51:55 ID:???
「フン、ペッ」
カラン、折れた奥歯が地面に転がった
シンジは薄ら笑いを浮かべ、ジャージの男を睨んだ
「おい、おい、いきなりいい拳をくれてありがとよ。先輩」
シンジはニャと笑い、拍手をして挑発した
「先輩ちゃうわ、ボケ、わしの名前は、鈴原トウジや、覚えとけ。」
「へぇー、その鈴原さんは、ここの第3新東京市立第壱中学校の番長でも決めるため第壱戦争でも
始めるのかぁぁぁぁ」
シンジは立ち上がりながら、裏拳をトウジに決めた。
「ぐぅ、きぃ」
だがトウジはそれを防御した
「へー、やるじゃん」
トウジとシンジは力比べをしていた
「ぐぐぐぐぅぅくっ」
「先輩、やるじゃないか!!きっぐぅくく」
シンジとトウジは一端、飛びのき、二人は同時に拳を繰り出した
「何で殴られる必要があるんだぁぁぁぁー」
「お前があれに乗って暴れたせいで、妹は怪我をしたからじゃぁぁぁぁ」
それを聞いたシンジは一瞬立ち止まった。
その瞬間、トウジの右ストレートがシンジの顔面にめり込んだ
ゴキャ、と鈍い音と共に、しんじは膝から崩れ落ちた。
「ぐはぁぁっぁ、ぎぃっ」
「はあっ、はあっ、これからは、はあっ・・足元をよく見てから暴れろや!!」
169 :
if :2009/07/17(金) 23:07:12 ID:???
その話を聞いて「くそったれ」とシンジはつぶやいた。
シンジは、その場で正座をして、こう言った。
「それだけか!!おらー!!」シンジは叫んだ。
「なんやとぉぉぉ、こぉらぁぁぁー、もう一回言ってみぃぃぃぃ」
「ふん、お前の妹に対する怒りは、こんなものか、こんなもんで済むのか
俺を殴れ。気の済むまで殴れ。!!」
「こぉんのぉぉ、ボケがぁぁぁ」
今度はシンジの顔面を蹴り飛ばし、腹を蹴り、顔面を殴った。
「ぐぅあぁぁぁ」シンジの口からボタボタと血が流れ落ちた
「フン、このぐらいに、しといたらぁ」
トウジは教室にカバンを取りに帰ろうとした「ケンスケ、帰るでぇ」
「あ、ああ、帰ろうか」
「はぁっ、・・・はあっ、・・・・気が・・済んだかよ」
その言葉でトウジは振り返るとシンジは立っていた
「まだ言うんか、このボケが」そう言って、トウジは殴りに言った瞬間
ドサッ
シンジはその場に倒れた。
トウジは黙ってシンジを見続け
「チッ、しゃーないのー」
トウジはシンジを抱えて
「おい、ケンスケ、お前もちょと手伝え」
「おいおい。トウジ」
「ええから、こいつを、保険室に連れていくん、手伝え」
「しょーがないな」
その出来事を見ていた少女がいた、右目と右手に包帯を巻いている少女が無表情で見ていた
170 :
if :2009/07/17(金) 23:08:14 ID:???
保健室
「んんん・・うう」
シンジは目を覚ました
「いてててててぇ・・・ここは・・・どこだ・・ん・・・君は・・・母さん」
シンジは辺りを見渡して、一瞬、少女と母親が重ねて映った
シンジはもう一度、少女を見た
「母さんじゃ・・・ない」
包帯の子が椅子に座っているのにが分かった
「君は、あの時の・・無事だったんだね・・・いや無事ではないな。」
「貴方を探していたら、保健室に居ると聞いたから、・・・・見に来たの」
「そうですか、ところで、君に名前は・・あ、僕の名前は、碇シンジです」
シンジは自己紹介した
「君の名前は」
「私の名前は」
「綾波・・・・レイ」
171 :
if :2009/07/17(金) 23:09:48 ID:???
今日はここまでにします
おやすみなさい。
172 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/19(日) 04:36:08 ID:jjmh02Er
〜キング・オブ・モンスターズ3〜エヴァ世界来襲〜
SNKがプレイモアに転身する前の名作ゲームより…
若干外国の某残酷格ゲーも入ります…
ま、エヴァってグロいしいいよね☆
「大人のキスよ」ミサト透き通った目でシンジを見つめ…そして熱い口付けを交わした。
自分への罪滅ぼし?それともシンジに対しての愛情?ミサトは自分のしている事が解らなかった。
ただただ思うのはこれから彼に降り注いで来るであろう苦難に、こんなに怯えきった少年を見て何もしてやれない自分の不甲斐なさだ。
もはやシンジの声もミサトには届かない…
ミサトが膝を付こうとした、その時!!
「オチャチェチャーチャチェー!!」
シンジは驚愕した!
先程まで息も絶え絶えだったミサトが…
カチコチに氷付けにされたのだ!
それも…一瞬で!
「え?ミサトさん?ミサトさん!?」
「その女なら心配はいらない。」
脱出口の影から何か間違った日本観の青いニンジャ(?)が現れた
「ひ、ひえー!」
シンジは目の前で起こった事が理解できず、地面に座り込んでしまった。
「私の名はサブ・ゼロ!ここにふざけたモヤシっコがいると聞いて次元の分け目からやって来たのだ!!」
青いニンジャ(?)は誇らし気に自分の素性を明かすと奇妙な構えを見せ始めた
「いたぞ!あそこだ!」
血にうえた殺人者達が襲って来た。
戦略自衛隊は間違った情報を政府に流され、地球を守ろうと必死なのだ。
「来たな。」
「うわあああ!」
恐怖にまた、へたり混むシンジを見て青いニンジャはグッジョブのポーズを取る。
「少年!人生イロイロ、おんなもイロイロだ!この女性は私がフリーズを施して、まだ死には至っていない!解凍して治療をすればまだ生きる道はある!男を見せるときだ!じゃあな!」
青いニンジャは腕を何かこねくり回すような仕草をすると、
中から沸く青い光を放つ光線でシンジをエレベーターまで吹き飛ばした!
「ちょ、ちょっとまってください!僕は!」
シンジの言葉もむなしく、エレベーターは上へと昇り始めた
「さぁ、掛かってきたまえ。ジャックスやソーニャよりも強いか試させてもらおう!」
青いニンジャは指を上下にふり、戦自隊員を挑発する。
「なんだ!?このふざけた奴は!?」
「ふざける!?私は至って真剣だよ」
「まあいい!しねぇ!」
戦自隊員が銃を構えようと、手をあげた瞬間に青いニンジャが隊員の腕に掴みかかった!
「テイヤー!」
威勢のいい掛け声を、青いニンジャがかけた瞬間、
隊員の片腕が豆腐のように引きちぎられた!!
勿論、切れ目からは、骨と肉と神経が飛び出している!
「キャーーーー!!」
隊員は自分の身に何が起こったか理解できず、情けない声をあげた。
「人間の腕とは、実際は相当の重量があるのだ、切り離されてない状態では認知出来ないがね!」
青いニンジャはウンチクを語ると隊員から奪った(?)腕をブルンブルン振り回し出す。
切れ目の付けねから血と肉へんと少量の骨が、遠心力で飛ばされ、ア然としている他の隊員達の身体に降りかかる。
エヴァンゲリオン初号機のコックピットでは、
すでに精魂つきた碇シンジが廃人のように座り込んでいた…。
こんな状況になったのは自分のせいなのか…
もはや自問自答さへ、シンジはできない。
ゼーレ本部直下では、計画実行の真っ只中に、奇妙な報告がなされていた。
「し、失礼します!」
「おい!貴様!厳粛な会議の場だぞ!」
「は!しかし…」
「いいではないか。焦る事もあるまい。もはや我ら悲願の成就は時間の問題。」
「ですが……議長、」
「して、何用かね?」
「は!報告によれば、宇宙からこの基地本部に高速で接近する謎の飛行物体があるとの事です!」
「何!?馬鹿な!!使徒だと言うのか!?」
「いえ、それが…観測によれば今までの使徒とは比べ物にならない程の巨大な物体のようです!?」
「何だとぉ!!」
「こちらに映像が…」
報告員は大きなモニターに、遥か上空の画像を映し出した。
「っ!なんだね!?これは!?」
最初に声を上げたのは
キール議長であった。彼が見たのは、まるでSF映画に出て来るような宇宙船そのものだった…
「馬鹿な!あれは一体……」
「まて!っう!み、耳があああ!!」
ゼーレの老人達は突然壮絶な耳なりが身体をおそい、地面に倒れこむ。
「くそ、何だ!?何か聞こえる!?」
『愚かな人類共よ!我らは貴様らが提唱する第一始祖民族なり!』
何かのテレパシーの用な物なのか…キール議長の耳には何かの声が聞こえる
『数億年に渡る資材精製計画と言う偉大な業を汚すとは、下等生物の分際で味な真似を!!』
「ど、どう言う事だ!?」
『貴様ら
下等生物を造り、この地球に住まわせてやったのも、我らがいずれ使用するであろう資材の精製のためよ!貴様らがリリスと呼ぶあの精製装置には長年かけて生態系を構築する機能が取付けてあった!』
『しかし
貴様らは資材が精製されるな否や、好き勝手に消費を繰り返し、揚句の果てには精製装置のリセット機能まで使おうとするなど、笑止せんばん!!』
『もはや
貴様ら人類は我々にとって驚異そのもの!!これより我らは、
全人類の抹殺を開始する!!』
「ま、まってくれ!まずは話を!」ブツッ!!
そこでテレパシーは途絶えてしまった
最近はすっかり賑やかになっちゃって
いいことだ
俺が読みたいやつの続編は投下されてない
誰の読編
>>183 逆行
他のはオリキャラやら性格改変で読む気しないもんで
はじめまして
これから投下します
挟まってしまうことだけ注意してください
この気持ちはなんだろう。
心が痛い。
心に締め付けられるような痛みがする。
使徒の気持ちが私に流れ込んでくる。
でもわたしの心は藁人形のようにからっぽ。
「違う。この気持ちは」
「サミシイ…そう、寂しいのね」
「そうなの。分からないわ」
私の前で佇んでいる私そのものの姿をした使徒は言う。
「でもね…それはあなたの心よ」
「えっ!?」
今までつかみ所のない口調だった使徒が急に積極的に語りかけてくる。
「寂しい。一人でいたくない。誰かとつながっていたい。私をみてほしい。私といてほしい。その気持ちはすべてあなたの気持ちよ」
「悲しみと切なさに満ち満ちている、あなた自身の心なのよ」
太もものLCLとはちがうぬるい感覚ではっと気が付く。
「これは…涙。泣いてるのは…私?」
私は何で泣いているのだろうか。私は寂しいのだろうか。私は誰かといたいのだろうか。私は誰といたいのだろうか。
「ATフィールド全開。目標と接触しないようにレイの救出急いで!」
「了解!」
僕は焦っている。綾波の乗る零号機は使徒に侵食され今の状態で十分に危険だと分かる。
久しぶりの出撃になるが、緊張はない。焦りだけが今僕の中にある。
「綾波!今助けるから!」
ライフルを持って零号機のところへ急行する。
「碇君!だめ!」
綾波の叫び声とともに使徒の先端部が矢のように初号機に飛んでくる。
「っつ!?」
間一髪のところでライフルを盾にして助かるが、その勢いのまま使徒はあっという間にUターンしてきて取り囲んでくる。
「くそっ!こいつ!」
逃げ場がなくなったこちらに対してものすごい勢いで飛んできた使徒を何とか腕でつかむ。
ひも状の体からは想像できないほどの力で機体を貫こうとしてくる。しかしこいつと接触するわけにはいかない。
「こんなことしてる場合じゃないんだよ!離れろ!」
「!?」
接触させまいと体をつかんでる腕からも使徒はズルズルと入り込んでくる。
エヴァだけでなく、プラグの中でレバーをつかむ僕自身の手にもぞわぞわとした悪寒と植物の蔦のような侵食部位が浮き出てくる。
このままじゃこっちもやられる!
一歩動くことすら許されないこちらをしり目に、目の前の使徒の体から白い部位がどんどんふくらんでこちらにやってくる。
両手をふさがれて動けない初号機にふくらみは近づいてくると、「それ」はどんどん人の形になってきた。
「あれはまさか…綾波?」
綾波の形になったものが両手を開き、抱きつこうとさらに近づいて僕の顔を覆った。
「あれが…私の心?」
使徒は私を救出しに来た初号機に取り付き侵食を試みてる。
――悲しみと切なさに満ち満ちている、あなた自身の心なのよ
私、寂しいの?
私の姿をした「もの」は初号機の顔にしがみつき、本格的な侵食を始めた。
碇君と一緒にいたいの?
でもこれは…
「だめ!」
私は零号機のフィールドを反転させる。
「キャアァァア!?」
うまくいった。不意を突かれた使徒は叫び声をあげながら一気に零号機の中へ引きずり込まれてくる。
あとはこの機体と一緒に自爆させて殲滅するだけ。
私はコードを入力して、最終レバーを引く。
「レイ…死ぬ気?」
「レイ!」
葛城三佐や碇司令が私の意図に気づいたようだ。
でも大丈夫。
「…私が死んでも代わりがいるもの」
「綾波!」
碇君の声。
「碇君!?」
??なんでだろう。今、急に碇君の顔が見たくなって――――――
綾波レイは光の中に消えた。その存在を人々の記憶の中だけに残して。
「たぶん私は3人目だと思うから」
そう言ったときのサード、碇君はなんともいえない困惑しきった顔だった。
彼には本当の意味は図りかねるだろうが。
彼にとって「綾波レイ」はどんな存在だったのだろう。
彼は、心配したとか、生きててよかったとかそんなことを言っていた。
知り合いだから?それとも、同じチルドレンだから?人が死ねば人は悲しむものだから?
彼が、私が彼の知る「綾波レイ」じゃないことを知ったらどんな顔をするだろう?
泣く?笑う?悲しむ?それとも怒る?
気になる。「彼」のことが気になる。
どうして?もうすぐ私は消えて、開放されるのに。
死ぬのを待つために生きることから開放されるのに。
なくなることが嫌だから生きるのをやめるのに。
新しく知りたい。彼のことが。
でも、もうすぐ死ぬから今すぐ彼を知りたい。
でも、何故だろう。
心が締め付けられるように、痛い。
どうして――
「…あなたは何を言っているの?」
「私に2人目の記憶のバックアップを下さい、と言いました。赤木博士」
3人目に移行して退院したと思ったら、レイはすぐにとんぼ返りしてきておかしなことを言い始めた。
元々、ダミーシステムのためにレイからは記憶のバックアップをとりそのフィードバックをダミーの開発に使った。
バックアップのレイへの移植も確かに不可能じゃない。けれども
「それは出来ないわレイ。知っているでしょう?」
今この時期に記憶を、しかも2人目のものを取り戻せば間違いなくあの人の計画に大きな支障をきたすはずだ。
そのことはレイも承知のはず。
「それにそんなことして一体どうするつもり?」
そもそもあなた本人に何の得もないじゃないのよ。あなたにはあの人しかいないのでしょう?
「二人目の…私を知りたいんです」
何を言ってるんだろう。元々あなたは一人目の人格をベースに構成されているのだから、
たとえ自分であれ他人に興味を持つなんてことはないはず。
しかし私の頭をある予感が駆け抜けた。
ありえないことだが、それしか考えられない。むしろそれが一番しっくり来た。
「…あなたがもし本当のことを言えば、考えなくもないわよ」
「!」
ほら、やっぱり。
「私は…嘘はついてません」
「いいの?唯一無二のチャンスを逃して」
「……」
この子は今迷ってる。自らの存在意義に明らかに反することを口にして、それを自分で再確認させられるかどうかを。
焦りと迷いを露骨に表情に表すその姿は何人目の時だって見られたことはなかった。
「時間には限りがあるのよ。あなたにも私にも」
なんてプレッシャーをかけるといとも簡単にしゃべりだした。
「…2人目と、サードの、碇君のことが知りたいです…」
普段からあまり声の大きい子じゃなかったけど、今のはまさに蚊の鳴くような小さな声だった。
「フフ…そう。そのためならあの人のことはかまわないって?」
「……」
予想通りうつむいて、とうとう何もしゃべらなくなってしまった。おもしろい子ね、とても。
「でも、記憶を取り戻したところでシンジ君に近づけるわけじゃないし、近づけたところでどうする気なのかしら」
「……」
「私はつらいことになるだけだと忠告はしておくけどね」
それでも、もうこの子は聞く耳なんて持たないだろうけど。
「まあ、いいわ。私からもあの人に言ったりはしないから。そうとなればすぐにいくわよ。いらっしゃい」
レイにはあんなこといっておきながら、私もあの人の邪魔になろうとしてる。
…でも、いいわよね。
あの人はもう、私には振り向いてくれないのだから。
「いらっしゃい。真実を見せてあげる」
そういうとリツコさんはエヴァの墓場から次の部屋へ行き、ミサトさんもそれについていこうとした。
なぜリツコさんはわざわざ僕にネルフの、おそらく暗部である部分を見せるんだ。
今さらこんなことを知って僕にどうしろって言うんだ。
綾波の秘密とか言っていたけど、3人目というのと関係あるのだろうか。
ネルフの暗部と綾波にいったいどんな関係が。
そんなことをさっきからずっと考えて歩いて、次の部屋へついた。
床には何か複雑な模様があって、薄暗く丸い部屋の真ん中には床から伸びた試験管に鉄パイプやコードで出来た脳味噌のような
不気味な装置がくっついたような物がある。
「なによ…これ」
「ダミープラグの元となるプラントよ」
ダミープラグ…思えば嫌なことはちょうどあの頃から続いてきた気がする。
「そして、これがダミーシステムのコアとなる部分」
リツコさんが装置を操作すると部屋が明るくなってきて後ろからゴボゴボと水の音がする。
嫌な予感しかしない。嫌だ、嫌だ、振り返るな。
「これが、真実よ」
しかし部屋は完全にオレンジ色の光で満たされ、丸い部屋の壁いっぱいの水槽に浮かぶ
綾波レイ、レイ、レイ、レイ、レイ、レイ、レイレイレイレイレイレイレイレイレイ
「ここにあるのはみんなダミー。ダミーシステムのために生産されているだけ」
レイレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイレイ
「そしてレイのためのただのスペアパーツにすぎないわ」
「そんな…」
急に立ち眩んでしまいミサトさんに支えられてしまう。体がうまく動かない。
「だから壊すの。憎いから」
リツコさんがそういうと周りの水槽の綾波たちは急にケタケタと笑い始め、バラバラに腐り落ちるように沈み始めた
「わああぁぁぁぁぁぁ!!」
ああ、僕が叫んでいる。
「あんた!何やってるかわかってんの!?」
ミサトさんは怒鳴りながらリツコさんに拳銃を向ける。
「ええ、わかっているわ。破壊よ。人じゃないもの。人の形をしたただの物体」
そんな…
「でも、そんなものにすら私は負けた。勝てなかったのよ…」
その時第三者の、でも聞きなれた声が弱弱しく響いた。
「碇…君?」
その声は…
「綾…波?」
無数の綾波の死骸の中で唯一彼女だけが生きていた。
「碇君…見たの…」
見たって何をだよ
「碇君…でも、私は」
なにかしゃべりながら彼女が近づいてくる。
ひどくうろたえた顔をしているようだ。顔は伏せられ、目はまっすぐとこちらを見れてない。
「ごめん。僕には、綾波が、わからない」
僕もひどく震えた声でやっとしゃべりいつの間にか立ち上がり震える足で部屋を駆け抜けた。
「シンジくん!」
ミサトさんが叫んでたような気もする。
あの後どうやって地下から自分の部屋のベットまでたどり着いたかは覚えていない。
「碇…君?」
ドグマの施設で目を覚ました私は確かに2人目の記憶を得ていた。
不本意ながらもあの使徒から学んだ。
人とつながっていたいと。碇君とつながっていたいと。
しかし目覚めるとすぐにダミーのあるあの部屋に、居てはいけない人を見つけてしまった。
何故碇君がここに。
「綾…波…?」
碇君も同じ気持ちなのだろうか。見てはいけないものを見ている、そんな顔をしている。
「碇君…見たの…」
私は絶望に包まれた。そんな目で見ないでほしい…!
前とは明らかに変わってしまった碇君の目を見たくないために前を向いて碇君の顔を見ることが出来ない。
でも言わなくてはいけない。私は、綾波レイは…
「碇君…でも、私は」
「ごめん。僕には、綾波が、わからない」
!!!
あの使徒に侵食されていく時のように苦しくて、胸がとても痛い。
碇君はそのまま部屋から駆け足で去ってしまった。
体の力がすっぽりと抜けてその場にへたれこんでしまう。
さっき碇君はこんな気持ちだったのかな。
「だから言ったでしょ。つらいことになるって」
私は泣いた。声を上げて泣いたのは初めてだった。
羊水の歌かと思った
今回は以上です
ちょうど終わったらさるさん喰らったorz
最近は破の影響か人も増えた中、ドシリアスでなんか申し訳ない
ええ新世紀版ですよEOEですよ
プロットは割と前からありました
一応分かると思いますが、話の流れは童話の人魚姫とシンクロします
というわけで近日中には次もあげるのでよろしくお願いします
では携帯から失礼しました
197 :
if :2009/07/22(水) 19:28:57 ID:???
どうも、6日ぶりに投下します
7月20日に二回目の破を見てきました
一回目は6月28日です
サウンドトラックも買いました
そして、今、話題のRE-Takeの同人誌も読みました
俺の書く小説は、俺の思い描いている物語です。
みんな、それぞれのエヴァの楽しみ方があります。
今までこんな夢中になったアニメは数える程度です
以上です
198 :
if :2009/07/22(水) 19:30:06 ID:???
(ウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン)
突然サイレンが鳴った
「只今、関東全域に緊急非常事態宣言が発令されました。
速やかに指定のシェルターへ非難してください。
繰り返します、速やかに指定のシェルターへ非難してください」
「何だ・・・まさか使途」
「急いで本部に戻りましょう。碇君」
「ああ」
ネルフ本部
管制室
「目標を光学で補足!!、領海内に進入!!」
「総員、第一種戦闘用意」
「第3新東京市、戦闘形態に移行します」
「兵装ビル、現在対空迎撃システム稼働率100%。行けます」
「シンジ君は」
「まだ、到着し・・・今、シンジ君到着しました」
「シンジ君、遅い、えぇぇぇ、そ、その顔どうしたの」
「すいません、ミサトさん、転んじゃいました」
「転んでそんな事にはならないでしょう・・シン・・」
「それより状況は」
レイが間に入った
199 :
if :2009/07/22(水) 19:36:06 ID:???
「ミサトさん、使途ですね」
「そうよ」
「じゃあ、初号機に乗ってあれを倒してきます」
エントリープラグ内
「いてて、やっぱりLCLは口に染みるな・・・・しょうがない・・・か」
「シンジ君、用意はいい」
「はい、ミサトさん」
地上
ミサイル、砲撃が使途に降り注ぐが、まったく利かなかった。
そして光のムチで次々に破壊された
管制室
「税金の無駄だな」
「葛城一尉、委員会からエヴァンゲリオンの出動要請はまだかと来てます」
「言われなくても出撃させる」
地下シェルター内
「トウジ、相談があるんだが」
ケンスケが真面目な顔で言ってきた
「・・・分かった・・委員長」
「何、鈴原君ちゃんと大人しくしてないと」
「わしら、ションベンや」
「うぅん、行って来ていいわよ、でも手を洗わなきゃだめよ」
「洗うわ」
200 :
if :2009/07/22(水) 19:37:07 ID:???
地下シェルター内トイレ
ケンスケトウジに携帯テレビを見せ言った
「トウジ、上であの転校生の戦いを見に行かない」
「おいおい、死んでま・・」
「決めた、内緒で外に出るよ」
「なんで?」
「あいつの戦う所を見るためさ」
「なんのために」
「トウジ、君はあの転校生の戦いを見なければいけない。
転校生は、この街を守ってくれたんだ。それを、トウジはお礼をするどころか
殴り倒してしまったじゃないか。君は彼の戦いをもう一度見て、
殴る価値が有るかどうかを、もう一回判断しなければいけない。」
ケンスケの言葉に驚いた
「わかった、見に行こう」
「トウジ!!神社付近が見晴らしいいぞ・・・これで戦いを生で見れる、へへへぇ」
プラグ内
「いい、シンジ君。敵ATフィールドを中和しつつパレットを赤いコアに向かって一斉射撃
分かったわね」
「はい、分かりました」
「エヴァ初号機!!発進」
初号機は射出高から一気に地上に上がっていった。
201 :
if :2009/07/22(水) 19:40:37 ID:???
神社付近
「よし、ここで・・来た」
「転校生」
「いや、使途だ。すげー、いいアングルだー。」
「お前、カメラで取りたいだけとちがうか・・ケン・・」
「あ、エヴァンゲリオンも来たー、うわー、すげー」
「オイ、話を聞け」
プラグ内
初号機はビルの間から使途を見た
「あ、ありました、あの赤いコアか。」
「そうよ、それが使途の弱点よ」
「よく狙って撃って」
「はい、分かりました」
「大丈夫、シンジ君ならできる。頑張って」
「はいミサトさん、・・・行きます」
「初号機は使途に向かってガトリングガンを全弾撃ちこんだ」
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
使途の周りは煙で見えなくなった
「ばかぁ、弾着の煙で敵が見えない。落ち着いて、シンジ君
いったん攻撃を止めて!!!!!」
周りは爆炎で見えない
「はあぁ、はあぁ、やったか」
シュピーンと光るムチが飛んできた
初号機は辛うじて避けたが、パレットが真っ二つに切れた
「ぐぅぁ、あぶねぇぇ・・・いいね〜この感覚」
シンジは笑って呟いた
202 :
if :2009/07/22(水) 19:52:55 ID:???
神社付近
「なんや、もうやられとるやないか。転校生」
「いや、大丈夫だ」
プラグ内
「くそぉぉー武器が」
「シンジ君、予備のパレットを!!」
ビルがせり上がりシャッターが開きパレットとが出てきた
初号機がパレットに手をかけた瞬間
シュピン、シュパン
ビルごとパレットが切られた
「なんてことなの」
「くそおぉぉぉ」
初号機は光るムチをギリギリで避けていた
初号機は バランスを崩した
「しまった」シンジは叫んだ
ズゥカァァァァン
ケーブルが斬られた
活動限界<4:50:18>
「アンビリカルケーブル断線!!!」
「エヴァ、内蔵電源に切り替わりました」
「なんですってぇ」
「シンジ君、活動限界まで時間がないわ、早く立って」
だが足を掴まれ投げ飛ばされた
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
203 :
if :2009/07/25(土) 18:54:40 ID:???
神社付近
「おいおい、ケンスケさん、危ないですね」
「そうですね、トウジさん逃げ・・うわぁぁ」
ドガンァァァァァァァァン
二人のすぐ側に倒れた
プラグ内
「シンジ君大丈夫」
「ダメージはどう」
「問題なしです、行けます!!」
シンジは頭を押さえながら答えた
「ぐぅぅぅ、大丈夫です・・・・ん」
初号機の手の間にトウジとケンスケがシンジの目に映った
その二人の情報が管制室のモニターに映った
「何であいつらが」
「シンジ君の、クラスメイト」
「なぜ、こんなところに、非難してないの」
「シンジくん、危ない」
「え、うおっ、」
使途がムチで初号機を攻撃してきた
手でムチを握った
「がぁぁぁ、ぎ、ぎ」
「接触面融解」
「何で、戦わんのや」
「僕らがいるから戦えないんだ、自由に戦えないんだ
204 :
if :2009/07/25(土) 18:56:13 ID:???
活動限界<3;00>
「初号機活動限界まで、あと3分」
「シンジ君、一時退却。そこから離れなさい」
「あ、え、待て、待て二人を連れて・・・・逃げないと死ぬだろうがぁぁぁ」
背中のエントリープラグが出てきた
「なんやあれ」
「どうしたんだろう」
「おい、ジャージとメガネ、乗れぇぇぇぇぇ」
シンジは二人に叫んだ。
「え、ああ、分かった」
「え、ああ、いくでぇ」
バシャァァァン
「がぼぼぼ・・」
「がばばば」
「二人ともすぐ慣れるよ」
「あれ、なんともない」
「なんともあらへん」
「シンジくん、貴方何やってるの、民間人を勝手に乗せて・・・・・まあ、いいわとにかく一時退却よ」
「転校生、逃げろ言うとるで」
「逃げない!!」
「なんやてー」
「どうしてだよ」
「逃げる気なんてさらさらない
・・・後戻りなんて出来ない、
・・・前に突き進むしかない!!」
「シンジ君!!どうしたの、命令違反よ」
「・・・・ミサトさん、!!前に、トイレでの話・・・・
俺と親父との聞いてましたよね」
205 :
if :2009/07/25(土) 18:57:17 ID:???
「はっ!!シン・・」
そう言うと握っているムチを投げ飛ばした
使途は市街地に吹っ飛んだ
肩からナイフを取り出した
「プログレッシブナイフ装備」
「えぇ?、シンジ君!!命令を聞きなさい!!
「まだだ、まだ終わらないぃぃぃぃぃ」
初号機は斜面を一気に下り、ナイフを両手に持って、使途の赤いコアめがけて突き刺した。
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
ガシゥュウガガガンン、バチバチバチ
「初号機、活動限界まであと10秒 <10>
「シンジ君、どうしてぇぇぇぇぇ」 <9>
「転校生・・・お前」 <8>
二つのムチが初号機を貫いた <7>
「ぎぐぁぁぁっぁぁ・・ううぁぁぁぁぁ・・・・おおおおおおおおおおおおおおおおお <6>
おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「初号機、活動限界まであと5秒」 <5>
「シンジ君、いったい何を考えてるの」 <4>
「碇、お前・・・重すぎるで」トウジは呟く <3>
「おおおおおおおおおおおお」 <2>
「トウジ、俺たち大丈夫だよな」 <1>
「碇シンジを、信じろ」
<0>
206 :
if :2009/07/25(土) 19:00:19 ID:???
「エヴァ初号機、活動停止。それと同時に目標完全に沈黙しました」
使途はもう動かなかった、ムチが刺さったまま、初号機も動かなかった。
「はぁ、はあ、はぁ、はぁ」
「碇、お前大丈夫なんか」
トウジとケンスケが、シンジを心配そうに見ている
「へへへへ、大丈夫・・大丈夫だ」
シンジは考えていた{なぜ、助けた・・俺は・・・何故・・こんなことを・・俺は人のために・・}
ロッカールーム
「シンジ君、どうして私の命令を無視したの?」
ミサトは厳しい口調で言った
「あの二人を、勝手にプラグ内に入れたのは良いとして、問題はその後よ。」
「すみません」
「いいえ、シンジ君。なぜ、退却しなかったの」
「今度から、民間人なんかに構わずに戦いますよ」
「何を、言ってるのシンジ君?」
「邪魔なんですよ、戦うのに」
「シンジ君、何を・・・」
「・・・・・」
「シンジ君、私は貴方の作戦責任者なのよ、私の命令に従う義務があるのっ」
「すみません」
「シンジ君!!!!!!」
ミサトはシンジの服を掴んで引き寄せた
「すみませんで、すむ問題ではないの」
「ミサトさん、手を離してください」
シンジはミサトの手を払いのけた
パシッ
207 :
if :2009/07/25(土) 19:01:45 ID:???
「あっ!!シンジ・・・く・・ん」
「勝ったから、良いじゃないですか
もしかして、勝ったことが
それが気に入らないんですか?」
「何ですって」ミサトの平手が飛んできた
バチン
「シンジ君、・・・もう、いいわ帰っても」
「分かりました」
シンジはミサトの横を通っていき
ガァァァァン
音がロッカールームに響き渡る、ミサトは驚いて振り返った
「なんなの!!!!!!!」
シンジはゴミ箱を蹴り飛ばしていた。シンジの顔は光の逆行で見えない
「ミサトさん、・・・命令どうりに動くパイロットを探せばいいじゃないですか!!
そして貴方の命令どおりに動いて死ぬ
復讐は御自分の手でやればいいじゃないですか?
僕は戦闘指揮官のミサトさんなんか信用してないんですよ。
所詮、組織の犬ですから・・・ふふふはははは・・」
「シンジ君、・・貴方は・・・」
208 :
if :2009/07/25(土) 19:02:36 ID:???
数日後
「え、シンジ君が行方不明、どうして?」
リツコは驚いてミサトを見た
「こんな書き置きを残して」
ミサトは手紙を見せた
(僕にヱヴァに乗る資格があるのか、無いか見たいですか?
僕は親父を憎み、世の中を憎み、何も信用せず、自分の存在ってなんですか?
貴方が僕と一緒に住んで、僕の心を楽には出来ませんよ!!)
「何、これ。あの時の電話での話じゃないの」
リツコはミサトを見た
「そう・・・なのよ」
ミサトは、あの時の事を思い出した。
数日前 車内
「あ!リツコ、あたし。さっきの続きだけど、シンジくんを監視したほうがいいわね。
彼にヱヴァに乗る資格があるのか、無いか見たいの、そのための同居よ
彼はお父さんを憎み、世の中を憎み、何も信用せず、それに自分の存在がどうでも良くなってるのよ。
私がシンジ君と一緒に住んで、彼の心を少しずつ楽にしてあげたいのよ。
・・・・と言う事です。以上」
シンジはその時、寝ていなかった
シンジはニャッと笑った
「バカなことを・・・くっくっくっ・・・」
小さく呟き、声を抑えて笑った。
209 :
if :2009/07/25(土) 19:04:09 ID:???
現在
「でもミサト、監視は付けているはずよ!!」
「それが、監視が外されているのよ」
「何ですって、それじゃー、彼!!
どこにいるか分からないじゃないの?」
個人部屋
暗い部屋で携帯で話をしている人影
「はい、ありがとうございます。監視を解いて貰って、これでいろいろ調べられそうです。
僕がこんな近くに・・目と鼻の先に潜んでるなんて誰も思いませんよ。
資料もちゃんと揃えてもらって、感謝しています。
では、また近いうちに電話します、キール議長。
全てはゼーレのシナリオどおりに」
人影は電話を切った。
「ふぅ、なんか、あの爺さんと電話で喋るといつも緊張するな
まあ、俺の計画はまだ悟られてはいないな・・・いや知ってるかもな」
電気をつけ、その明かりが人影を映し出す。
シンジであった
「さて、あの女の説教でも聴いてくるか。」
ネルフ本部
「え、シンジ君が見つかった」
ミサトがリツコに詰め寄った
「え、ええ見つかったわ」
「どこで」
「驚かないで聞いて」
「わかったわ」
「貴方の家よ」
「え?」
「正確には、貴方のマンションの屋上」
「ええぇぇぇぇぇ!!!!!」
210 :
if :2009/07/25(土) 19:10:05 ID:???
ネルフ本部 尋問室
シンジは椅子に座っていた
その目の前にはミサトが立っていた
「それで、シンジ君、自分探しの旅の感想は?」
「ええ、すっきりしました。」
「バカァァァァァ」
シンジは驚いて、ミサトの顔を見た。
ミサトは目を真っ赤にしていた
「心配したんだから、どこにもいないから。
ずっと待ってたんだから、とにかく無事でよかった」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「ぐぅ・・・うぅ」シンジは震えていた
「シンジ・・君?」
「・・・・すいませんでした・・・・ぐっぅ」
「シンジ君、単刀直入に言います
「貴方はここに残る、それとも家に帰る」
211 :
if :2009/07/25(土) 19:13:06 ID:???
「家ですか・・・」
「そうよ」
「僕に・・・俺に」
「ん!!」
「帰る家なんて無いですよ。
何処にあるんですか」
シンジは椅子から立ち上がった
「どこにも無いですよ。
家なんて、おじさんの所には迷惑をかけたくないんです
・・・あそこには俺の居場所は無いんです」
シンジは床に座り込み、時々言葉を詰まらせながら語った
「・・・母さんもいない・・・
・・・父さんもいない・・・捨てられたんです
でも呼び出されて・・・あの状況でしょう
落ち着かないんです
だから・・俺の帰る所は・・・どこにも無い・・どこにも
初号機の中・・・違う・・本部・・・違うち・・ちがう・・・ミサトさんの・・・マンション・・
ミサトさん、前に言いましたよね
戦闘指揮官としてのミサトさんは信用してないって
でも家に居る・・プライベートのミサトさんは信用してます心が落ち着くんです」
「シンジ・・君」
シンジはミサトに言った
「ここに・・・居させて下さい。ミサトさんの・・・家・・・」
シンジはミサトの目を見ていった
「俺に戦い方を教えてください」
「えぇ!!シンジ君」
「僕の居場所を守りたいんです」
「・・・・・」
「おねがいします」
「・・・・・今日・・・は帰りなさい」
「・・・・・はい、分かりました」
212 :
if :2009/07/25(土) 19:14:21 ID:???
リツコの研究室
「と、言うわけなのよリツコ、どう思う」
「さぁ、どうかしら難しいわね、ミサトはどうなの?」
「私は戦いを教えるつもりだけど・・・・」
「彼は何を考えてるのかしら、やる気になってくれるのは良いんだけれど」
「私は賛成ですけど、先輩」
「あら、マヤどうしたの?盗み聞き」
「すいません。話し声が聞こえたもので、でも乗ってくれることになったんですよね
はじめは嫌がってたのに・・・もしかしてあの子のおかげですか?先輩」
「あの子、ああ、綾波レイのことね」
「リツコ、これはあの子を守りたい一身で乗ったんじゃないかしら」
「彼に守るものが出来たと考えていいでしょう」
「さすが、リツコ先輩。シンジ君は彼女が好きなんですね」
「えぇぇ」
「えぇぇ」
ミサトとリツコは驚いてマヤを見た
「なるほどね。シンちゃんもそんな年だもんね」
「思春期ね」
「さすが先輩」
「二人とも・・・・私、先に帰るんであとはよろしく」
ネルフ本部 通路
「くそぉ、あんまりくだらない話を・・・するんじゃなかった」
シンジは頬を伝う涙をぬぐった
213 :
if :2009/07/25(土) 19:15:04 ID:???
学校構内
トウジは辺りを見回していた
「おらんな、何処いったんや?」
トウジは体育館裏に歩いていった
「よぉ!!誰を探してんだ?」
後ろから声が聞こえた、トウジはその声に足を止め
「転校生か、丁度良かったお前を探しとったんや」
後ろを振り返りながら言った
「転校生いや、碇と呼ばしてもらう。碇、いきなりやけど、ワシを殴れ」
「ジャージよ、・・いやトウジと呼ぶが良いか?」
「ええで」
「トウジそんな事のために俺を探してたのか?」
「すまん、シンジ。あの時は妹が怪我したせいで頭に血が上ってて・・・それを妹に言うたら
怒られた。この街を守ってくれた人を殴るなんてひどいって・・・すまんシンジ
わしを殴ってくれ、シンジ。」
「守ってないよ、トウジ。」
「なんて言った」
「いやなんでもない・・・・おいおい、あの時はあの時だ。
俺は今からお前と殴り合いの喧嘩をしに来たんだぜ」
シンジはニャッと笑いながら中指を突き出した。
「シンジ・・お前が好戦的やなんて知らんかった。」
「これが最初で最後の喧嘩だ・・・」小さい声でシンジは呟く
「ほな、いくで」
「いつでもきな」
シンジとトウジはお互いに走り出し、回転後ろ回し蹴りと右ストレートを放った
「おぉぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁシンジィィィィ」
「うおぉぉぉりゃぁぁぁトウジィィィィィ」
第二部 完
214 :
if :2009/07/25(土) 19:17:10 ID:???
以上
第二部でした
感想は聞かなくても分かります
ではさようなら
彼女のいる部屋へと向かい、閉じられたふすまの前まで
行くと立ち止まった。
「話があるんだ」
そう部屋の中に向かって言うと、リビングに行き彼女の
来るのを待つ。その間、心臓は鼓動を徐々に速くし、僕の
全身を震わせた。
彼女は部屋から気だるそうに出てくると、僕との間にテー
ブルが在るようにして止まり、後ろの壁に寄りかかる。
僕は彼女に近づくと、緊張と興奮で震える手で彼女を引
き寄せ抱きしめた。腕の中の彼女はずい分と小さい。
体が熱い。燃えそうに熱い。何も考えられない。
彼女は嫌がったりせずに、静かに僕に抱かれていた。
彼女の耳に繰り返し練習した一文を囁く。
「僕は碇。船がどこかに流れていかないように必要な碇。
君は船。大海の中に浮かぶ船。留まらない船。留まれない
船。碇が必要な船。僕は君の碇。君だけの碇。君の為に僕
はいる。君のことが好きだ」
そう告白してからどれくらい時間が経っただろう。この
世の全てが止まってしまったように感じられる。
彼女は僕に抱きしめられたままで、何の反応も示さなかっ
た。
僕が戸惑っていると、突然、彼女の力ない声が聞こえた。
「あんた本当にバカね」
いつの間にか彼女は僕の腕の中から抜け出し、少し離れ
た所から僕を冷めた目で見ていた。
「あ……」
あまりのことで言葉が出ない。
僕の右手にはなぜか人形があった。
「そうやって独りで人形遊びでもしてなさい」
彼女は感情のない声でそう言うと、背を向けて立ち去ろ
うとする。
そのセリフに絶望と彼女との間の距離を感じ、とっさに
彼女に走って近づく。
「待って」
僕はそう言うと、左手を伸ばし、彼女の首を乱暴に掴む。
僕から見える彼女の右顔は少し歪んだ表情を見せた。
人形はいつの間にかナイフになっていた。
僕の中で何かが終わった。
ナイフの先端を彼女の背中にあてる。ゆっくりと前に押
す。僕自身がナイフに成ったかのように、彼女の中に入っ
てゆく感覚が僕の全身で感じられた。
「僕の気持ち分かるでしょ」とつぶやく。
彼女の右顔が見える。右目の端で僕を見ている。僕はそ
の目を見たまま、さらに右手を押す。彼女の唇が開く。そ
こに僕は唇を合わせる。彼女の息が僕の息と交ざる。右手
をゆっくり前後に動かす。だんだん滑らかに動くようになっ
てきた。少し速く動かす。時々止めたり、急に動かしたりする。
「気持ちいいだろ!」
何とも言えない快感で、口が勝手に言葉を発してしまう。
暑苦しさで目が覚めると、そこは病院のベッドの上だっ
た。何か変な夢でも見たのだろう。汗で体に肌着が張り付
くのが気持ち悪い。
右手は見覚えのない人形を力一杯握っている。僕はその
人形をしばらく見つめていた。
僕はベッドから降り、肌着の気持ち悪さも忘れてつぶや
く。
「今からいくからね」