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ケンスケの独白
――エヴァンゲリオンとの歴史的な出会いから三日がたった。あのあと、二人とも
こってりしぼられたが、苦労の甲斐はあった。最大の収穫は、エヴァンゲリオンの操縦席を
見ることができたことだ。エヴァンゲリオンのの操縦はかなりの苦痛をともなうようだが、
操作がむずかしいわけではないようだ。
あの転校生にできるのが、いい証拠だ。転校生は何か悩みを抱えているようだが、しょせん
自分自身の問題でしかない。それは精神が鍛えられていないということであり、要するに、
お話しにならないってことだ。命令違反をしたり、指示どおりに作戦を遂行できなかったりするのは、
指揮官との信頼関係が不足しているということで、問題があるといわざるを得ない。つまり、
勝算はこちらに十分あり、ということだ。
――当時と一緒に転校生を見舞いに行った。トウジは一人で転校生に会うのが恐いようだ。
どうやって謝ったらいいのか、わからないのだろう。
碇シンジの家にいた女性は、エヴァンゲリオンの指揮をしていたネルフのスタッフに間違いないだろう。
トウジは舞い上がってしまっていたが、ネルフの指揮官と碇シンジが同居しているという事実は、予想外の
できごとだ。(このことが持つ意味はけっして小さくない。)
少なくとも碇シンジに対してネルフが、大きな期待を持っていることは確かだろう。碇シンジは、
僕らが思っている以上の人物なのかもしれない。
――家に帰ると、パパからの朗報が入った。敵の襲来で禁じされていた軍事演習が許可になったのだ。
もちろん、パパのコネで特別に許可してもらったのはいうまでもない。しかも前から頼んでいた
モデルガンまで調達してくれている。パパ、ありがとう! 早速、明朝より作戦行動に移ることにする。
碇シンジには負けられない。