【全集】ヱヴァンゲリヲン新劇場版601【5/15発売】

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263名無しが氏んでも代わりはいるもの
京田 樋口さんがすでに後半の「ヤシマ作戦」に着手していたので、それ以外の新作パートを担当という感じでした。

京田 ただ最終的な鶴巻さんたちの監督修正が入ってまとまった画コンテを見たら、僕のコンテはほとんど残っていなくて、
    それ以上に、そもそも打ち合わせで聞いたものとはまったく違った印象のものになっていたんですね。
    ト書き自体が変わっていたり、シナリオから受ける印象とは違うシークエンスになっていたり、
    あまりにもシナリオと上がったコンテの中身が違っていたので、
    「こっちの方向へ振るなら、最初から言ってくれればいいのに」というのが、正直な感想でした。

京田 コンテ作業中にものすごく興味深かったのは、シンジくんの言動だったんです。
    ト書きの内容とセリフの内容をふまえてシナリオに忠実に書いていくと、彼に対して猛烈に腹が立ってくるんですよ。
    というか、生まれて初めて、コンテを描きながら登場人物のことを殴りたくなった(笑)。
    ただ、同時に「その辺にいる、鬱屈した、リアルな中学生だな」とも感じてコンテを切れたんですね。
    書きながら、これってものすごく気持ち良いシナリオだなって。
    もっとも、その結果として出来上がったのは、まったくもって「エヴァ」っぽくないコンテだったんですけれども。

京田 打ち合わせでは、「この子は根から内にこもっている子ではなくて、実は普通の子なんだ。
    ただ、こういう異様な状況に置かれているから、ひどく追い詰められている」というような説明を受けました。
    シナリオでも、実際にそんなニュアンスで書かれています。