これは良いな。期待してる
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名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/11/26(水) 10:04:56 ID:89HUrLle
シンジがよそよそしかったのは、シンジも逆行してるからか・・・・?
来訪者にwktk きっとあのお方に違いないぜ
来訪者はどうやら女性で、玄関からの会話を聞く限りネルフの職員らしかった。
何やら玄関で話し込んでいたが、しばらくすると二人分の足音がこちらに向かって来た。
まずシンジがリビングに来て、それから来訪者の女性が私の前に姿を現した。
黒髪のショートカットで、歳は二十代半ばといったところだろうか。
もちろん、知らない人だった。
私は積み上げた十冊程の漫画の山をソファ脇に置いて、
その女性の正面に立った。挨拶位はしっかりしておこうと思ったから。
こういう時はシンジみたいな立ち位置の人間がどちらかを紹介してくれればやりやすいんだけど、
シンジはそこまで頭が回ってはいないらしかった。
「はじめまして。ネルフ本部技術局一課の伊吹マヤです。よろしくね」
「あ、はい。よろしくお願いします」
いきなり女性の方から口を開いたので、私は少なからず動揺してしまった。
「アスカちゃんよね?弐号機パイロットの。葛城二佐から色々と窺っているわ」
そう言ってマヤと名乗った女性はクスッと笑ってみせた。
年下の私が言うのも変だけど、可愛らしい人だ。
「はい、そうです。二日前にこっちに着いたばかりなので、
まだわからない事が多いですが、これからお世話になります」
そう言って私は会釈する程度に頭を下げた。
マヤさんの隣りのシンジが目を丸くしていたのが見えてむかついたけど、
マヤさんの手前それに突っ掛かるわけにもいかなかった。
「あ、それと、「ちゃん」はやめてもらえますか?呼び捨てでいいです」
「うん、じゃあアスカって呼ぶわね。
あ、シンジくん、これ痛んじゃうと嫌だから仕舞っておいてくれる?」
そう言ってマヤさんは手にしていたビニール袋をシンジに手渡した。
シンジはそれを受け取って冷蔵庫へと向かう。
「何ですか?あれ」
「お寿司よ。葛城二佐に頼まれていたの。時間があったら様子を見に行ってくれないかって。
あ、もちろんお寿司代は葛城二佐のお財布から出てるんだから、気にしなくていいのよ」
マヤさんはそう言った後でまたクスッ、と笑うのだ。首を少し傾げて。
その仕草は本当に可愛らしかった。
「マヤさん。今日はお仕事は無かったんですか?」
寿司を仕舞ったシンジが戻って来て言った。
私達三人はリビングの中央の小さなテーブルの周りに、正三角形を作る様に腰を降ろした。
「今日は早目に上がれたの。松代の実験で先輩が居ないからかしら、
仕事が少なかったのよね。もっとも、日曜日なんだから本来は休暇のはずなんだけどね」
マヤさんは苦笑いしながら言った。
「そうなんですか。……松代の実験、成功するといいですね」
そう話すシンジの顔には、不安の色がありありと表れていた。
どうしてそんなに不安がる事があるのだろうか?
たかが起動実験でしょう?私はそんな風に軽く考えていた。
だって、起動実験なんてドイツでもう何度もやっていたんだから。
「そんなに不安がる事もないわよ。たかが起動実験でしょ?」
私にはシンジの不安を除いてやろうとかそんな意図はなく、
何の気なしにそう言ったのだった。
だが、それが失言だった事はすぐに、そして明らかにわかった。
だって、シンジが明らかに表情を険しくしていたし、
マヤさんは気まずそうに苦笑するだけだったから。
「な、何よ?何でアンタがそんな怖い顔すんのよ?」
シンジは自分がどんな顔をしていたかの自覚も無かったらしく、
私に指摘されてその表情は少し緩んだ。けれども、険しさの影は確かに残っていた。
「……友達が乗るんだ」
……ああ、なるほどね。その短い言葉だけで、今のシンジの心の内は大体わかった。
でも、仕方ないじゃない。さっきの言葉は。だって私、そんなの聞いてないもの。
それにアンタの心配っぷりだってちょっと過剰よ。
まるで起動実験が命の危険に直結するみたいな感じじゃない。
そんな大きな事故になんかなりゃしないわよ。……まあ、100%とは言い切れないけど。
大体アンタはねえ……
とまあ、色々と反論やら文句やらが頭に浮かんだけれど、
それらを全部飲み込んで私はこう言った。
「そうだったの。成功するといいわね」
これは勿論マヤさんの前で喧嘩なんてみっともなかったからで、シンジの心情を気遣ったわけではない。
むしろ理不尽に怒るシンジに憤りさえ感じていた。ほんとよ。
「ありがとう」
何でアンタにお礼なんか言われなきゃなんないのよ。このバカ。
それからしばらく三人で雑談をしていたら、
シンジが思い出した様に買い物に行くと言い出したので、
部屋には私とマヤさんの二人きりになった。
マヤさんは本当にいい人だったので、出会ってからまだ短かったが、
二人きりになっても全然悪い気はしなかった。むしろちょっとわくわくした位。
「あ、テトリスでもやります?シンジとやっても弱過ぎて退屈だったんですよ」
「うん、いいわよ」
マヤさんの返事を得た私は、スーパーファミコンの電源を点けて、
それからテトリスの対戦画面まで進めた。そして、スタートの合図。
マヤさんは、最初に見た時から思っていたんだけど、知的な感じの人だった。
それこそ、ミサトなんかとは正反対のね。
だからテトリスとか強そうだなあって思ったのよ。
まあ、テトリスが知的遊戯なのかはさて置いて。
とにかく、強そうだなあとは思ってたのよ。
だから、驚いたわね。私、ほんとに驚いたわよ。
まさかこれ程までに強いなんて!
マヤさんの操作は、普段の温厚そうなマヤさんの様子からは想像も出来ない様な、
そうね、ある種暴力的とさえ言えるものだったわ。
とにかく早いのよ。積むのが。それに、的確なのよ。計算され尽くしてる感じ。
私はもう、自分の画面なんかそっちのけでマヤさんの操作に見とれちゃったわ。
そんなんだったから、無論、私は抗う術も無く負けた。
口をあんぐりと開けて、私の負けを示す画面(六回目)をただ見つめていた私に、
マヤさんはこう言った。それも、あの優しそうな微笑でもって。
「もう一回やる?」
私はうなだれながら首を横に振るしかなかった。
次元が違いすぎた。いや、もはやゲームが違ったとも言える。
そこでマヤさんに聞いてみた。マヤさんよりテトリスが強い人がネルフに居ますか?と。
すると、その返事は驚くべきものだった。
なんと、マヤさんが言うには、ネルフ内にはマヤさんよりも強い人間が、
知る限りでも三人は居ると言うのだ。
少ないと思うかもしれないが、マヤさんの実力を目の当たりにした後では、
三人も居るというのは驚愕すべき事なのだ。
……まさかその中にミサトは入ってないわよね?
「あの、その三人っていうのは、どなたですか?」
そんな私の問いを、マヤさんは少しの沈黙の後に、爽やかな笑顔でもってはぐらかしたのだった。
そのマヤさんの様子に、私はそれ以上の追及を諦めざるを得なかった。
それからしばらくしてもシンジは帰って来なかった。
シンジの帰りを待つ間、マヤさんと私は雑談をして時間を潰す事にした。
そこで私は、少し気になっていた事を聞いてみようと考えた。
いや、実際は少し気になっていた、なんて程度のものではなかったかもしれない。
とにかく私は、聞いてみたのだ。私がこれから戦う敵について。
「あの、使徒って、どんなのなんですか?」
抽象的で、きっと答えづらい質問だったに違いない。
でも、マヤさんは私のそんな質の低い質問に、なるべく適切に答えようとしてくれているようだった。
「そうねえ、MAGIがパターン青と判断するモノであるとか、
遺伝子信号が99.89%人間と共通であるとか、色んな定義があると思うわ。
でも、とにかく確かなのは、私達の敵って事よね」
そう、敵なのだ。敵っていうのは、利害関係やなんかが対立するモノの事。
じゃあ、使徒の利って何?普段ならそんな事、気にも掛けない私なのだが、
今日はなんとなく気になった。その程度だったので、さほど正解を期待してもいなかった。
「使徒の目的って何なんですか?」
「……私にもわからないわ。あ、そういえば以前先輩が言っていたんだけど、
使徒はヒトの事を知ろうとしているんじゃないか、って」
「使徒がヒトの事を?どういう事ですか?」
「以前ね、シンジくんが使徒の内部に取り込まれた事があったの。
その時、先輩がその中での事をシンジくんに聞いた事があったのね」
「あの、先輩って言うのは?」
「あ、ごめんなさい。赤城リツコ博士の事よ。私はいつも先輩って呼んでるの」
「赤城博士ですか!以前ドイツで一度だけ会った事があります。
ああ、でも殆ど話もしていないから、どんな人なのかまでは知らないんです」
「そうだったの。私はね、先輩の事を尊敬してるわ。いつか先輩の様になりたいと思ってる」
マヤさんは興奮気味に言った。
多分、この人の前で赤城博士を悪く言おうものならただでは済まないだろう。
「脱線したわね。とにかく、その後で言ったのよ。
――その後っていうのは、先輩とシンジくんが話した後にね。
使徒はヒトの事を知ろうとしているんじゃないか、って。
そしてこうも言ったわ。使徒が目指すのはヒトの形なんじゃないかって」
ヒトの形を目指す?
「じゃあつまり、使徒はヒトになろうとしているって事ですか?」
「う〜ん……私には何とも明言出来ないわ。ごめんなさい」
「あ、いえ、いいんです。下らない話に付き合って頂いてありがとうございました」
この件が終わったところで、玄関のドアの開く音がしてシンジが帰宅した。
両手に膨らんだビニール袋を持ったアイツは、そのまま冷蔵庫に向かった。
多分食材を買いに言っていたのだろう。私が見た時には冷蔵庫の中は随分と寂しくなっていたし。
「ただいま」
シンジはビニール袋を空っぽにしてからリビングに顔を出した。
「おかえりなさい。私、そろそろ帰るわね。
お寿司、きっと美味しいから食べてね。葛城二佐イチ押しのお店のやつだから」
シンジはお寿司のお礼とかを色々言って、それからマヤさんを玄関まで見送りに行った。
私もそれに続いてマヤさんを見送った。
また会いたい、とかそんな言葉を交わして、マヤさんと別れた。
変な話よね。これからは同じ組織で働くんだから、
会おうとすればすぐにでも会えるだろうに。
それにしても、本当にいい人だったと思う。
恐らく私が今まで知り合った年長者のなかでもかなり上位に入る程に。
それから、シンジと二人でマヤさんが買ってきてくれたお寿司を食べた。
それはもう、美味しかったわ。ちょっとした言葉じゃ言い表せない位に。
目の前で捌いてもらったわけではないから多少鮮度は落ちていたけど、
それも殆ど気にならない様なレベルだった。ミサトもいい店知ってるのね。
こんなタイミングで、ミサトがいい歳した大人である事を思い出すのだった。
夕食が終わると、シンジがある手紙を私に渡してきた。
どうやら、ミサトから私に宛てたもので、その内容は簡単に言うとこんなものだった。
――月曜日から学校があるので、ミサトの部屋に置いてある制服を着て学校に行く事。
登校するにあたっては、シンジの指示に従って行動する事。
とまあ、たったそれだけの事だった。
失念していたわけではないけれど、そうだった。明日から通学しなくちゃいけないんだった。
日本の義務教育か。だるいったらないわね。まったく。
取り敢えず私はミサトの部屋から制服を見つけて、それを自分の部屋へと運んだ。
その後、シンジに漫画を返すついでで、明日のスケジュールを聞いた。
三分程に渡ったシンジの話を聞いてみての感想は、面倒だなあという事だけだった。
ドイツで大学を出ていた私にとっては、義務教育の拘束時間が苦痛で仕方なかった。
まあ、郷に入れば郷に従え、だっけ?そんな風にも言うわけだし、
従うしかないのよね。ほんと、面倒だけど。
私はそれから適当にテレビを見てからお風呂に入って、十二時前には寝たと思う。
シンジは十時位にはもう寝ていた様だった。まったくガキなのよ、アイツは。
翌朝、私は目覚まし時計のアラームをセットした時間よりも二十分も早く目を覚ました。
それで、顔を洗おうと思って洗面台へと向かった。
そしたら、台所の方からいい匂いがしてきたのよ。
ドイツでよく食べてたからすぐに分かったわ。ソーセージを焼いてる匂いだ、って。
取り敢えず顔を洗ってからじゃないと嫌だったから、私はまず洗面台に向かった。
今日は冷水で流すまでもなく、頭に冴えた感じがあった。
何て言うのかしら。単純に、目覚めが良かったのね。今日は。
私が台所に行くと、シンジも私に気付いて、私達は朝の挨拶を交わした。
その間もずっとしてたわね。ソーセージのいい匂い。
その後私がダイニングテーブルに着くと、その上にはスチール製の弁当箱が二つあった。
多分、シンジはこれを用意するのに私よりも一時間は早く起きていたのだろう。
ま、当番だもんね。当番。
私達はトーストに目玉焼きにソーセージを平らげて、学校へと向かう事にした。ペンペンに留守を任せて。
だが、ペンギンが留守番の役割の内の一体どれ程をこなせるというのか、甚だ疑問だった。
そして、二人で歩いた通学路はというと、朝だというのに、照り付ける太陽で結構な暑さだった。
毎度毎度乙です
乙
そうか、松代は起動試験だよな
先が楽しみ
確実にレベルが下がってきてるワン 面白くなくなってきたワン
まさかのマヤw
やっぱいいね。文章的にも好きだ
続き待ってます
またこの次の投下を待つ楽しみが帰ってきて嬉しいよ。
とにかく乙だ!
続き町なのである。
ここのSS書きは文章読みやすいし、色んな角度から書いてるから取り巻く状況も分かるし、読ませるの巧いな…参考になるわ。
私が学校に着いて真っ先にした事は、ある女を探す事だった。
シンジのヤツはまず職員室に行けってうるさかったけど、そんなのお構いなしに。
「ねえ、どの子がファーストチルドレンなのよ?」
そう、もう一人のパイロット、ファーストチルドレン、綾波レイを探したのだ。
何故かって聞かれても特に明言出来る理由は無かったけれど、強いて言うならば、
これから一緒に戦う人間がどんな人物かを知っておきたかったという、ただそれだけの事だった。
「あそこだよ。あの窓際の、髪の青い娘」
私はシンジの指差す方を目で追って、その先に青髪の女を見た。
窓際で本なんか読んじゃって、それで窓から入る風に短めの青い髪をなびかせてんのよ。その娘。
何だか私とはそりが合わなそうな気がした。その様子だけでね。
私はファーストの席まで行って、こう言った。
「あなたが、綾波レイね。プロトタイプのパイロット」
ファーストは私の声を聞いて一瞬本から目を上げたけれど、すぐにまた元に戻した。
あんまり感じのいい娘じゃないわね。……まあいいわ。
「アタシは惣流・アスカ・ラングレー。弐号機のパイロットよ。仲良くしましょ」
「どうして?」
え?どうして?
「その方が都合がいいからよ。色々とね」
「命令があればそうするわ」
「……変わった娘ね」
私がこの程度の嫌味で済ましたのは、これから先を考えての事だった。
だから、それすらもまるで耳に入っていないかの様なファーストの態度は、頭に来たわね。
これ以上会話を続けたら、もう我慢の限界を超えそうだったから、
ここで切り上げてシンジの元に戻った。
「何よあの娘、感じ悪いわね!」
私は声を潜めながらも荒い口調でシンジに向かってそう言った。
「そ、そんな事ないと思うけど」
「うっさいわね!このバカ!」
これも声を潜めて言う。シンジを罵倒して、何だか少しスッキリした。
「で、職員室ってどっちよ?」
けろっと態度を変えて私は言う。
「こっち。付いて来て」
私はシンジの後を追って職員室へと向かった。
それから私は、職員室で老教師から色々と説明なんかを受けて、教材やらを渡されて、
それでその後の朝のホームルームで自己紹介をした。
後は平々凡々。特筆すべき事項無し。
あ、ヒカルって娘は凄いよくしてくれたわ。その位ね。
退屈な授業もようやく四限を終えて、昼休みとなった。
シンジの作った弁当が一体どんなものかと、ほんの少しだけわくわくしながら鞄から取り出していると、
シンジが携帯電話で誰かと話しているのが目に入った。
窓側に目をやれば、ファーストの方も誰かと電話をしている様だった。
まさか教室内で二人で通話してるわけじゃないわよね?
そんな私のバカみたいな予想は見当外れだった様で、先に電話を切ったシンジは
血相を変えて私の方へと足早に向かって来た。
「ま、松代の試験場で爆発事故だって!そ、それで、至急本部に集合しろって……」
今にも泣き出しそうだったわね。シンジのヤツ。
「じゃあ、早く行かなきゃ。ほら、行くわよ」
シンジがあんまりおろおろしてたもんだから、私はなるべく気丈な感じで言った。
「うん……」
消え入りそうな声でシンジは言った。
私達は――私達っていうのは、私とシンジとファーストの事ね――学校を出ると、
本部直通の電車でもって急いで本部へ向かう事にした。
そして駅へと向かう途中で、渡しそびれていた、と言って、
シンジが私に私用のセキュリティカードを渡してきた。
これが無いと本部には入れないんだそうだ。ドイツのカードとは、微妙に様式が違っていた。
電車に乗って、本部に着くまでの間、口を開く者は無かった。
ただ、シンジは相当に焦っていたらしく、貧乏揺すりがあんまりうるさかったんで、
私がそれを何度か咎めた、ってのを除けばね。
でもシンジのヤツ、数十秒も経ったらまた始めんのよ。
だから私もいつしかあきらめて、電車の窓の外を
コンクリート壁が流れていくのをただ眺めていたわ。
本部に着いて、私達は状況を説明された後、待機を命じられた。
私達の待機場所となった部屋は、五十平米はあろうかという結構な広さの部屋だった。
そこには、四十インチ程のモニターが四つもあって、
それらは外の景色を映し出しているらしかった。多分、定点監視カメラからの映像だろう。
そのあまりに鮮明な映像は、それ故に、まるで窓の外でも見るかの如きリアリティを帯びていた。
その他には、五人も座れそうなベンチが四つと、飲料自販機が三つあった。
私達はシンジを真ん中に、その右が私で、左がファースト、という順で座った。
それぞれの間に一人分の空きスペースを作って。
「……未確認移動物体って、やっぱり使徒かな?」
ずっとうなだれて床のタイルと睨み合っていたシンジが、ついに口を開いた。
「そう考えるのが妥当だと思うわ」
私が答えようとしたら、ファーストに先を越された。
なんか急に積極的に口を開いたわね。この娘。
「じゃあ何?参号機を狙って使徒が松代を襲撃したっての?」
「……」
……私の質問には答えもしないのね、コイツ。別にいいけど。
私の言葉を最後に、私達は再び沈黙した。
耳に入るのは空調機のやかましい駆動音だけだった。
それから、この部屋には時計が無かったから正確な時間は分からなかったけれど、
外を映すモニターの空が赤みを帯び始めた位の時間になって、
シンジとファーストに出撃命令が下った。
私は呼ばれなかった。何故かって、単純。乗る機体が無かったから。
本当に口惜しかったわ。わざわざ本部まで来たのに、まるで戦力外扱いだったんだから。
部屋に一人取り残された私は、モニター越しにシンジ達を見つめる他なかった。
モニターに映し出される紫と青の二機のエヴァ。
私は以前、初号機と零号機の資料を見た事があった。
だから、モニターに映った二機の内、どっちに誰が乗っているのか、何て事は容易に分かった。
二機はそれぞれ散会して配置に着いたらしく、別々のモニターでその姿を確認出来た。
数分の後に、左上のモニターに動きがあった。遂に、使徒がその姿を現したのだ。
私が初めて記録画像以外で見た使徒の姿だった。
だが、どうも様子がおかしい。だって、姿を現したそれは、明らかにエヴァなのだ。
私は直感した。あれこそが松代で起動試験をしていた参号機なのだろうと。
じゃあ、爆発事故を起こしたのもあの機体なの?そうだ、パイロットはどうなったの?
その疑問を口にしたところで、答えてくれる人間はここには居なかった。
とにかく、シンジ達の迎撃地点に姿を現したのは、エヴァンゲリオン参号機だったのだ。
使徒ではなく、エヴァ。じゃあ、迎撃目標って一体何なのだろう。
その頃、零号機を映すモニターにも動きがあった。
零号機が、――恐らくは――参号機にライフルの銃口を向けたのだ。
つまり、迎撃目標はやはり参号機だったという事。
それが意味するのは、参号機が使徒であるという事?
そうだ。シンジ達は使徒迎撃の為出撃、と確かに言われていた。
じゃあやっぱり、参号機が使徒なんだ。
だが、見掛け上はどう見てもエヴァそのもの。……乗っ取られたっての?
エヴァが、使徒に?でも、そう考えるのが最も妥当ね。
……ああ、今、シンジは一体どんな気持ちでいるのだろうか。
もしもパイロットが乗ったままだとしたら、恐らくあのバカは戦えない。
だって、昨日からあんなにもパイロットの身を案じていたんだもの。過剰とも思えた位に。
参号機が最初に映っていたモニターからその姿を消し、それから数秒が経った。
モニターに映らない部分で何が起きているのか、私に知る術は無い。
と、次の瞬間、零号機を映すモニターに突如として参号機が現れた。
一瞬にして俯せに組み伏せられる零号機。
参号機は組み伏せた姿勢のまま、その左腕部から何か粘液の様なモノを零号機の左腕に垂らしていた。
恐らくそれへの対処だろう。零号機の左腕が根本から吹き飛んだ。
神経接続はカットされているはずだから、ファーストに痛みは無いはずだ。
零号機は活動を停止したらしく、戦闘の継続は不可能と見えた。
参号機が仕留めた獲物から離れる。
その時、参号機のエントリープラグ部分が少しだけ見えた。
……パイロットは、多分まだ乗っている。
参号機の次のターゲットは初号機だろう。
不気味な姿勢で一歩ずつ大地を揺らしながら、参号機が前進して行く。
参号機が再びモニターからその姿を消した。
GJ!
いいぞもっとやれ
もっとやれって展開でもないようなw
まあ、とにかく乙
乙
続き待ってる
レスが減ってきている。これがどういうことかわかるか?
つまらなくなってきたために、見放されてきているってことなんだぜ?w
乙!
トウジのとこか。最初の山場かな?
捕手
職人さんは…どこへ行ったんだ…
殺したわ
だって、シンジはファーストのことしか見てなかったんだもん
だから殺したの
殺して、今は部屋に飾ってあるわ
もちろん、顔はあたしの方を向いてる
もうシンジはあたししか見れない
よそ見できない
ずっとずっと、あたしのモノ……
そっか…
職人さん殺したのか…
まあ年末だし
あけおめデス
職人さぁ〜ん、、、あけおめ
職人さんは…??
607 :
戌神:2009/01/09(金) 01:28:20 ID:jd8gZr7z
俺でよければ
そろそろ投下されるよね・・・
609 :
いーぬ:2009/02/03(火) 11:57:38 ID:vBkVkxoR
俺でよければ
610 :
職人:2009/02/03(火) 17:24:25 ID:???
アスカ「シンジ!カレー出来たわよ!」
シンジ「うわっ!くせぇ!アスカこれウンコだろ!?でもアスカのウンコなら…」
アスカ「あんた馬鹿ァ?シゲル君のウンコよ」
シンジ「…クッ!」
……
保守って美味しいの?
ああ
職人さんカムバーック!
エヴァ板良スレ保守党
これからってとこでぷっつり切れてんな
ホッシュ
保守
ホーシュ
hosyu