レイ×シンジ、アスカ×シンジ>ミサト×シンジ>>>>>>>>リツコ×シンジ
みたいな位置づけですが、無いことも無いだろうと思うのは私だけか?
下らないスレの2get
逆レイプされそうだな<ゲンドウに対する復讐
リツコもシンジも互いに好意持ってないだろ
捏造もいいとこだ
この板で削除されて、ぴんく難民に避難所建てるも落ちて、それでまた戻ってきたと。懲りないな
>>1は。
第一リツコは子供に手出すことに凄い拒否反応している。まぁ大人としては当然のことだわな。
シンジもリツコは仕事場の偉い人くらいにしか思ってないだろ。
>>4 エヴァ2での俺のシンジの場合は
シンジ目当てにリツコと加治がミサトのマンションに出入りしてたけどな
キャラが無茶苦茶な行動とるゲームなんかを持ち出して語るなよwww
8 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/05(土) 12:35:23 ID:Do7cEsED
リツコさんのパンスト足コキ…
「リツコさぁん!!やめてよこんなこと…!やめろぉぉぉぉぉ!!!」
僕が1番好きなSSは見えない明日でです
それってどんな話?
リツコの一人称で進められてく話
またカプ好き腐女子スレかよ
なんでもかんでもカプにしてシンジとくっつければいいってもんじゃねーぞ
>>10 見えない明日で
凄くイイです。
まだ途中までしか読めてませんけどね。
(*´Д`)ハァハァりっちやん…
昔、隕石にあった贖罪の刻印がシリアスなリツ×シンで結構好きだった
どんな話?
>>16 Crowとか懐かしすぎる
還るべき処とかもリツ×シン風味だったな。
玉子氏に制作依頼してみるかな
は?
おまいらエヴァ2のリツコシナリオしろw
シンジがリツコに逆レイプされているぞw
リツシンいいね
(;´Д`)まだ〜?
俺りっちゃんの出てくるシーン編集して楽しんでた事あるんだ。
特に、白衣に水着のシーンがお気に入りで、そこは沢山入れといた。
でも、あの色っぽい声でムラムラしてきてオナニーしちゃったんだ…
気持ち良く射精した後チンポ拭いてたら「ぶざまね」の台詞。
言葉責めのように罵られ、また勃起!
それ以来、この台詞のシーンで射精してた。
りっちゃんに見られてるみたいで、激しく興奮した思い出がある。
新劇場版では第一話の水着はなくなったな。
それを聴いて俺は観に行かなかった。
かなり楽しみにしてたのに…
シンジ「あぁ・・やめて・・・お願いもう許して!!」
リツコ「うふふふ・・かわいいわねもっと鳴かせてあげるわよ、小鳥ちゃん。」
シンジ「あぁ、助けて誰か、ミサトさん!!」
saga
(;´Д`)ハァハァリッチャン
ところで、先日導入されたであろう、パチンコ新台EVAにはリツコの確変確定用
背景「水着に白衣」は採用されたのか?
確実に男だろ
続・とある少年の悲劇に対する考察
「閉幕拒否する人々に対する考察」
も数少ないリツシンとして読んでます
あれは良い物だ
5年ぶりくらいに更新されないかな…
新しいエヴァのパチンコやった。
リツコが出まくりで萌える!
結構エロっぽいシーンが多い…
リツシンエロまだ〜?
アゲ
saga
49 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/11(月) 10:00:28 ID:LXSD3gQr
シンジ×アスカ×リツコなら読んだことある
最後シンジが時空を超えてリツコを迎えに行くんだよ
コミック10巻はよかったな。
リツコに呼び出されるシンジ
突然姿を現す裸のリツコ
シンジの前で涙ながらにこれまでの想いを語るリツコ
さらに、強引に押し倒されファーストキスを奪われるシンジ・・・。
最後ちがうだろwwwwwwwwwwwwww
SSで、リツコがシンジを襲って、肛門破壊するSS呼んだことアルヨ
リツコは母を抱いた男に抱かれた
シンジは父が抱いた女を抱く
今日の夕飯は親子丼にしよう
>>50 ああそうか並べ替えたのか
何があったのかと思っちゃったよ
リツシンSS少ないねorz
もっと集まれ〜
60 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/01(土) 01:27:24 ID:yovdaC4g
リツシンまだ〜
61 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/08(土) 23:31:52 ID:4keKsBEL
リツシンが一番好きなのに、少ないのは残念だなぁ…。
リツコ×シンジを知った周りの反応が知りたい
63 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/11(火) 17:03:25 ID:fCTfMlHH
シンジ=道具としか思ってねーじゃんリツコ
全くもって萌えんな
シンジ=道具
最高やがな(´・ω・`)
道具
65 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/12(水) 18:18:23 ID:f5fRxT2G
シンジが幸せなら、良いんじゃないか!
リツシン万歳
リツコ「ねぇ・・・シンジくん、いい物あるんだけど。あたしの部屋に来ない?」
シンジ「え?はい。」
数分後
リツコ「ほら!!いい物だったでしょ!!いい物でしょ!!」
シンジ「あぁ!や、やめてくだい!あっあっアッー!!」
なあ前にあったリツシンスレ、この板じゃまずいってんで消滅したんだよね
いや、どっかの基地外が自分がエロスレと判断したら片っ端から削除依頼してその巻き添え食らった
なつかしいね。
今はいい思い出だよ。wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
リツシンは、ラブラブ派の方が多いのかな
リツコがシンジを利用するための手段として関係になり、
それをわかっててもリツコを愛してしまい、悩むシンジという構図が好きな俺は
ゲンドウなのでしょうか
それは良い構図だなぁ!
…ってことは自分もゲンドウになってしまうのかorz
つーかリツシンはそれがデフォなんだと思ってた
分からん…おそらく、私は3人目(のゲンドウ)だからな。
見えないが流れを作ったからな。
利用しようとして結局シンジに惚れるリツコ、がデフォなとこはある。
途中ですまない
エヴァSSデータベースからさ
ネルフ職員でさ
NorthBookCity
新世紀エヴァンゲリオン グロリア じろ〜 EOE後 リツコ リツコと甘甘 12話
ってあったけど読めないよね?
あそこは前に自分も読もうとしたんだけど、読めなかった…。
ダメよしんじ君。。モニターが見てる
今さら何いってんの赤城博士。見られて興奮する淫乱のくせに!
ああっ!
みたいな展開が最強。
禿同。
シンジが他の人と仲良くしてるのを見て嫉妬するリツコさんみてみたいな
甘えん坊なリツコさんに燃える
それとかも面白そうだな。自分に文才があれば…orz
最近、ミサトじゃなくて
リツコと同居した方が良いと思うようになったんだ。
リツコは意趣返しになるし、シンジはこっちの方がちゃんとした食事が取れそうだし。
並んでたら姉弟に見えないこともない
あんたばかぁ?
リっちゃん未亡人ならストーリー立てやすいんだが
>>82 シンジがリツコの分まで食事を作るほうが萌える
それはそそるなぁ!…ミサトの家での習性か?
ツンデレリツコさん×シンジきゅん希望
>>82 一回ミサトさんの所で同居してから、
生活環境に不安を抱いたリツコさんによって引き取られる。ってのが萌える、個人的に
リツコが引き取るとか絶対ねーわw
なんかあちこちのFFスレでわざわざ否定っぽい書き込みするやつがいるな。
春休みだからかなんか知らんが、正直ウザい。。
「閉幕拒否する人々に対する考察」の続きを待ってるのは俺一人じゃないと思うんだ…
それはそうと
「『葛城くんでは不安だ』という冬月の鶴の一声でシンジ君を引き取らされることになった
リッちゃんさん、最初は『私はほとんど自宅に帰らないから好きに使っていいわ』とつっけん
どん極まる態度なものの、たまたま帰ったらシンジくんから『ご飯、作ってみたんですけど…』
っておもてなし(?)を受けてキュンとなる」
ていう電波がキた。 誰か書いてくれんかのー。
狸死ね
1回揚げます
保守
艶欲〜微熱〜と言うエロアニメをリツシン変換して観たら3倍興奮した
age
リツコさんは笑うと可愛い人だと思う。 その笑顔にドッキドキなシンジ。
リツコさんは夜になると猫になってシンジ君を食べちゃいます
リツコさんが猫、シンジくんがネズミの配役で「トムとジェリー」を妄想。
…あっさり捕まって怯えるシンジネズミを抱っこしたまま満足そうに丸くなるリツコぬこ
の図が脳裏に浮かび、本家とは別な意味でほのぼのした。
二人でデート中に他のネルフ職員に見つかった時の反応が気になる
KOFでいうと
マチュア → リツコ
バイス → ミサト
八神庵 → 加持
ゲーニッツ→ ゲンドウ
シンゴ → シンジ
落とせよ
1回あげますね
リツコ、シンジに目をつける→ゲンドウへの復讐としてシンジを凌辱する計画
→ミサト外出中にミサト宅で待つリツコ→シンジ帰宅→こんばんわシンジ君
→いろいろ会話→「あー、暑いなぁ」とかいいながら
リツコさりげなく服を脱いでいく→ シンジ「アーッ!」
という展開
なぜこんなことになってしまったのだろう?
ついいつもの習慣で、煙草を取り出し火を点けようとしたものの、
隣で安らかな寝息をたてる少年を見やり、遠慮しておくことにする。
「ロジックじゃないのね、男と女は・・・」
さらさらとした黒髪。怯えたようなつぶらな瞳。線の細さ。
どこを取ってもあのヒトとは似ても似つかなかった。
こうですか?わかりません・・・。
「少し暑いわね」
「そ、そうですか。それじゃクーラーを」
「待って、シンジ君」
「え?」
「クーラーに頼りすぎてはいけないわ」
立ち上がり、服を脱ぎだすリツコさん。
「な、何を!」
「暑い時には、無理をせず薄着になれば良いの」
「いや、でも薄着というか、その」
「私はいつも家ではこの格好よ」
下着姿でシンジ君の手を取るリツコさん。
「それに、シンジ君とはすべてをさらけだして話をしてみたかったし」
「さ、シンジ君も脱いじゃいなさい」
「い、いや、僕は、いいです!」
「ふふっ、そう。それなら・・・」
「アーッ!」
こうですか?わかりません・・・。
「たいしたものはありませんけど・・・。
よかったらビールでも飲みながら待ってて下さいね。」
そう言いながらぎこちなく微笑む黒髪の少年。
エプロン姿も初々しい。いいお嫁さんになれるわね。
「まったく、ミサトったら・・・。いつもあなたにこんなことさせてるのね。
今度きっちり言っておかなきゃ・・・。」
「それにしても、ミサトさん遅いですね・・・。」
「ミサトなら今日は帰らないわよ。」
「えっ?」
「私が今日ここへ来た目的はシンジくん、あなたなのよ。」
「そっ、そうなんですか・・・?」
「そう、あなたをいただきに来たのよ。」
「えっ?えぇっ?リツコさん、どういうことですか?
あ、なっ何をするんですか?リツコさん!やっやめて下さい!アーッ!!」
こんな感じですか?わかりません・・・。
イイ!
続きwktk
「ただいま。あれ、、」
鍵があいている、、、だれかいるのだろうか。
ふとみると見慣れない成人女性の靴があった。
玄関先で出迎えた笑顔のリツコに歩み寄ったシンジは手首に走るチクッとした痛みの後意識を失った。
「とまあそういうわけで……」
「ってどういうわけなんですか!?ちゃんと説明してくださいリツコさんっ!」
ベッドの上で縛られた手足をバタつかせるシンジを見てリツコはますます笑顔になる
白衣のポケットに手を入れて鼻歌まで歌いながらベッドに腰掛けるリツコは上機嫌そのものだ
長い脚をシンジに見せつける様に組みかえると、細い指先をシンジのTシャツの上に滑るように這わせる
すいません、「アーッ」って何か意味があるんですか?
客観的なストーリー的な意味なのか
アーッ自体の意味なのか
シンジに対して圧倒的に主導権を握っていたリツコ。
最初は成人女性の性的魅力でシンジの思考を破壊していた。
しかし、シンジはリツコのある弱味を握ることになり
リツコに対する歪んだ欲望を現実のものにすべく
ある計画を考え始めるシンジ。
ありとあらゆる恥辱をリツコに強要するようになるシンジ。
今までの主従の関係が完全に逆転してしまう二人の関係。
そして今もなお、その淫らな関係は二人だけの秘密である。
「靴下を脱がして。早く」
「は、はい」
「痛い!何やってるのよ!(ガッ 」
「はっ!はい!すいません」
「次は足を舐めなさい。きれいにするのよ?」
↓
「僕の目の前で足を開いて自慰しろ、メス豚!」
「恥ずかしいです、、許して下さい御主人さま」
「うるせー!ボケ!さっさとやれ!写真バラまくぞ」
「は、はい!すいません」
こんな感じ。
「義母さん!」
「だめよ!シンジ君!血が繋がって無いとは言え親子なのよ!」
おまいらエヴァ2やればいいのにpspのやつ
ほす
先生!汚しちゃうとは違った意味で穢しちゃうリツコが読みたいです!
ほらき
しんじ
ゅってみただけ
☆
130 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/07/25(金) 20:26:23 ID:rcbvK/+G
チュッ!
「おはようシンジ君」
シンジは突然のキスで起こされた。
目を開けると、すぐ顔の上に美少女が微笑んでいる。
突然の出来事で混乱するシンジの鼻に、良い匂いが流れ込んできた。
「お、おはようございますリツコさん」
やっと現状を認識したシンジは、リツコに挨拶する。
「朝御飯出来てるわよ。何時までも寝てないで、早く起きなさい。ほらっ!」
声と共にシンジの布団が引き剥がされた。
「うわっ!」
シンジは慌てて前を隠すが、遅かった。元気に起き上がっている所をリツコにしっかり見られてしまった。
「まあっ!」
頬を赤く染めて、顔を逸らせてはいるが、リツコの目はしっかりと見つめている。
「シンジ君ったら、朝からそんなに元気に大きくさせて・・・Hなんだから!」
「ち、違います!これは朝だから・・・」
「それならそうと言ってくれれば、私の方はいつでもOKなのに」
「違いますってば」
シンジの抗議に耳も貸さず、リツコはいそいそと服を脱ぎ始めた。
131 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/07/25(金) 20:27:09 ID:rcbvK/+G
リツコはシンジの隣に座り込むと、シンジの肩にもたれかかった。
「ね、シンジ君。お願い」
リツコの手はさり気なくシンジの股間へと動いていく。
一度は元気を無くしかけていたが、甘いささやきに前以上に元気になる。
「リツコさん!」
シンジはリツコを抱きしめるとベッドに倒れこんだ。
「キャア、シンジ君!優しくしてぇ」
リツコは嬉しそうに悲鳴を上げると、弱々しく抵抗するようにしながらも、シンジに手を絡めてよりぴったりと密着する。
「リツコさん、リツコさん!」
服を脱がせるのももどかしく、すでにすっかり準備の整ったリツコの中に、シンジは勢い良く突入した。
「あん。シンジ君、いいわ」
リツコは優しく迎え入れる。優しく、そして強く締め付ける。
「リツコさん、もう・・・」
「いいわ、来て!私の中に!」
「リツコ!」
「シンジ!」
激情が過ぎ去っても、二人は抱き合ったままだった。
ふと目が合うと、決まり悪いようにお互いに目を逸らせた。
「・・・朝御飯にしましょうか」
「そ、そうね」
二人ともそそくさと服を着ると、食卓へと向かった。
>>131 それ、どこか他のスレでも書いてなかった?
何か見覚えがあるような・・・。
ハーレムスレまだ〜?
リツXシンがこんなに萌えるなんて・・・・
ho
(;´Д`)ハァハァリツシン
139 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/13(土) 12:57:04 ID:UFl72RoD
「ちょっとミサト、シンジ君は私と一緒に暮らすんだから・・・あ・・・んん」
「駄目よ〜、シンちゃんは私が最初から狙っていたのよ〜・・・ぅん、あぁっ」
「ちょ、二人共、そんな風に動かれたら・・・うっ」
「あ・・・出てるわ・・・ピュッピュッって・・・シンジ君の熱いのが子宮の中に」
「リツコずるーい、シンちゃんまだイケルわよね、はむっペロッ・・・はぁ、んっ」
「ミ、ミサトさん・・・そ、そこは・・・」
「シンちゃんの感じる所はちゃんと知ってるんだから。・・・ほら、大きくなった・・・ん、シンちゃんの、中でビクビク動いてる」
「だ、だめだ・・・出るっ・・・!」
「当たってる・・・子宮の奥にシンちゃんの精液がいっぱい」
2ヵ月後・・・。
「あのね、シンジ君。私達」
「なんか、できちゃったみた〜い、あはは」
「え゙・・・」
「シンジ君の赤ちゃんを妊娠なんて、司令にはなんて言えばいいのかしらね」
「私もまさかシンちゃんの子供を身ごもるとは夢にも思わなかったわ〜」
「え、でも、どうするんですか・・・。!!まさか・・・」
「それは当然でしょ。シンジ君との愛の結晶を拒む理由なんて何もないわ」
「ということで先に産んだほうがシンジ君と同棲ね、負けないわよリツコ」
「いいわ、受けて立ってよミサト」
「あ、あのー・・・なんかそれ、ものすごく間違ってませんか?」
「「誰のせいでこうなったの!!??」」
「ぼ、僕のせいなんですか!?いやだって・・・」
「「(無言でうなずく)」」
「わ、わかりました、じゃあ好きにしてください・・・」
「じゃ、勝負は8ヶ月後ね」
かわいいw
gj
似てはないがカワイイw
143 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/09/15(月) 09:03:47 ID:E98yT4Wy
リツコ「……という事でシンジ君は私の男になりました。
今後、適度のスキンシップはいいですが、
それ以上は許しませんので、みんなそのつもりで」
ミサト「は〜い、質問、質問」
リツコ「何、ミサト?」
ミサト「えっと、スキンシップはダメっていうけど、
頬ずりはいいのよね〜?」
リツコ「……いいわ、許可するわ」
ミサト「ほっぺにキスもいいわよね〜?」
リツコ「唇は許さないけど、他はいいでしょう」
アスカ「家事は?」
リツコ「今まで通りで許可します」
ミサト「添い寝は〜?」
リツコ「これからは私がいつも一緒に寝るから、許可するも何も難しいと思うわ」
ミサト「ええ〜? 膝枕、抱っこ、マッサージは?」
リツコ「う……一応……許可……するけど……」
ミサト「一緒にお風呂、洗いっこも当然いいのよね〜」
リツコ「それは……ちょっと」
ミサト「え〜? それくらいは当然よ〜」
リツコ「……分かったわ、いいでしょう」
シンジ「……何のネタだよ、これ……」
リツコ「……という事でシンジ君は正式に私の夫になりました。
今後、適度のスキンシップはいいですが、
それ以上は許しませんので、そのつもりで」
ナオコ「は〜い、質問、質問」
リツコ「何、母さん?」
ナオコ「えっと、スキンシップはダメっていうけど、
頬ずりはいいのよね〜?」
リツコ「……いいわ、許可するわ」
ナオコ「ほっぺにキスもいいわよね〜?」
リツコ「唇は許さないけど、他はいいでしょう」
ナオコ「一緒に家事は?」
リツコ「今まで通り、許可します」
ナオコ「添い寝は〜?」
リツコ「これからは私がいつも一緒に寝るから、許可するも何も難しいと思うわ」
ナオコ「ええ〜? 膝枕、抱っこ、マッサージは?」
リツコ「う……一応……許可……するけど……」
ナオコ「一緒にお風呂、洗いっこも当然いいのよね〜」
リツコ「それは……ちょっと」
ナオコ「え〜? それくらい当然でしょ〜、リッちゃん」
リツコ「……分かったわ、いいでしょう」
シンジ「……何のネタだよ、これ……」
前々から気になってたんだが、
ここって、基本的に人は何人ぐらいがいるのだろうか。
最後に、・・・リツシン(;´Д`)ハァハァ
シン×リツは…
やっぱりあり得ないのかな、本編の絡みから言えば…
大人の女との愛欲に夢中になるシンジとか見たいが
ゲンドウに対する愛欲と憎しみから
シンジを代理に奴隷にしようとする展開なら本筋からもずれないと思う
あ、シン×リツかw
TSの世界でなら外道シンジがあるけど
優しいから基本的にシンジ攻めはどんな組み合わせでも無理が出てくると思う
姉しよかw
>>146 まぁ二次は本編であり得なくてもいいさ
とりあえずその3行目は俺も大変見たいぞ
海外のff.netに、アスカの虐待に見かねたリツコが
シンジを引き取る話があった。
>>152 ものすごく気になる!
・・・外国語は全く分からんがorz
シナリオ集の3巻見るとリツコのおっぱい、凄く大きくて形が良いのな…
ゲンドウが親子丼をしたから、リツコが親子丼をしても全然不自然じゃない。
保守
「あら、起きてたの? ちゃんと寝てなくちゃダメよ」
「リツコさん……」
「う〜ん、やっぱりかなり熱いわねぇ。薬飲むんなら、何かお腹に入れないとね。
おかゆ作ってあるんだけど…食べれる?」
「う〜……すみません。なんか、あんまり食欲ないです……」
「そう。それじゃあゼリー状の栄養食があるから、これでもお腹に入れなさい。
薬はちゃんと飲まないとね」
「ええ、ありがとうございます。……ぷあ」
「はい、次はこっちね」
「んぐ……ふあぁあ………」
「服とかは替えなくても大丈夫?」
「ええ、大丈夫です」
「すぐ薬が効いてくると思うから、ちゃんと寝て、しっかり休んでね」
「ん……う……ん……リツコさん……?」
「あら、起こしちゃったかしら? こめんなさい」
「う……」
「……どう? 熱は下がってきているみたいだけど……」
「リツ……」
「ん〜……まだ熱いわね。もうしばらく冷やしておきましょう」
「…………」「
「……どうしたの、私の顔に、何かついてる?」
「い、いえ」
「顔が赤くなってきてるけど……また熱が出てきたのかしら?」
「あ……」
「ん?…………」
「…………!」
「どうしたの? 何かして欲しいことがあるなら、聞いてあげるわよ」
「……リツコさん……」
「……なに?」
「僕……リツコさんのこと………好きです」
「……えっ……うふふっ……」
「ん……」
「んっ……?」
「んふ……りゅ……ちゅむ……」
「んんっ……」
「んふ……ちゅ、れる……ん、んふぅう……」
「んっ……?」
「ん……ふぁっ……」
「リ、リツコさん……?」
「……お薬、飲んでおかないとね……」
「そうじゃなくて……風邪、うつっちゃいますから……」
「……いいから。……んふっ……ちゅ、んむ……
ん……ちゅる……れりゅ……ん、ちゅ……んふ、んむ……」
「ん……む……」
「んふ……れる……ん、じゅ、ちゅむ……んふぅ…」
「ん……」
「れる……ん、ちゅ、ぢゅる……んく……んふ……ちゅぅう……
んふ……ず、ちゅ……んく、れりゅ……ん、りゅ、ちゅる……
んん……んふぅぅぅ〜〜……」」
「ん……んん……」
「んぁ……んふふっ……」
「リツコさん……」
「ん……む……ちゅる……んく、んふぅ……れる……ん、ちゅっ……」
「ん……」
「んふぁ……はむ……ちゅ……れる……ん、んん、……ちゅうう……
んふ……れりゅ……んぁ……ん、ちゅむ……」
「んぐ……ん……」
「んっ……れる……ちゅっ……ぢゅる……ちゅ、んふぁあ……」
「リツコさん……」
「んふふっ」
「リツコさん……大丈夫ですか?」
「ん……病人がそんな心配しなくてもいいのよ。
……それじゃ、私は帰るけど、ゆっくり休むのよ。おやすみなさい……」
次の日。
「う……うぅん……! ……うん、大丈夫みたいだ。
リツコさんにちゃんとお礼言っておかなきゃ」
「おはようございます」
「あら、もういいの?」
「ええ、だるくないし、多分。昨日はありがとうございます、リツコさん」
「いいのよ。ん〜、ちょっとおデコ貸してみて?」
「リ、リツコさん……!」
「うん、熱はもう大丈夫みたいね。良かったわ」
「リツコさんがずっと看ててくれましたから」
「そんなの、当たり前のことでしょ」
「…………」
「あ、それでね、デートのことなんだけど、最近このあたりに、
美味しいイタリア料理店が出来たって聞いたんだけど、一緒に行きましょうか」
「…………は? い、今……なんて?」
「イタリア料理店に行きましょうって」
「料理店じゃなくて、その前になんて……!」
「何って……デート」
「で、デート……? リ、リツコさん……?」
「だって恋人同士なんだから、デートくらいしてもいいでしょう?」
「こ、恋……」
「デート、付き合ってくれるわよね?」
「……はい」
そして、デートの日。
「……それにしても……シンジ君って、結構体つきはいいわよねぇ」
「え、何の話ですか?」
「シンジ君って、ひょろっとして見える割に……結構筋肉ついてるわよね、って」
「う〜ん……どうなんだろう」
「そうね、標準……並の上ってところかしら」
「なんかそれ、褒められている気がしませんよ……」
「私は筋肉よりも、全般的にたくましい人が好きかしらね」
「……たくましい人ですか」
「だから、シンジ君はそれで結構たくましい方なのよ」
イタリア料理店にて
「個室なんて、思ったより本格的なお店なのね」
「も、もしかしてお高いんじゃ……! うう……め、メニューが英語だ……」
「ちょっとシンジ君、舞い上がらないで。それは英語じゃなくてイタリア語よ。
それに、こっちにちゃんと日本語のページがあるでしょう」
「あ、ホントだ……」
「お待たせ致しました。ご注文の方はお決まりでしょうか」
「ええ……シンジ君の分も頼んじゃっていい?」
「は、はい、お任せします……」
「かしこまりました、料理をお持ちするまで少々お時間がかかりますが、よろしいでしょうか?」
「ええ、その代わり、美味しいのお願いね」
「はい、かしこまりました」
「……ふはぁ」
「そんなに硬くならなくても……普通のお店じゃない」
「で、でも……」
「さて……時間がかかるって言ってたけど、どれくらいかかるのかしらね」
「う〜〜ん……そこまでは……」
「……それじゃ、料理が来るまでの間……」
「来るまでの間……なんですか?」
「エッチでもしておきましょうか」
「ぶ―――ッッ!!」
「……そんなに驚くことないじゃないの」
「驚きますよ―――!!」
「どうして、暇じゃない。それにせっかくの個室だし」
「こ、個室はそんなことに使っちゃダメです――!!
そ、それに……もし店員さんが入ってきたら……」
「それはその時よ……ドキドキもするでしょう?」
「そんなドキドキはイヤです――!!」
「まぁまぁ、そう言わないの。んっ……しょっと」
「わあああああ!」
「……これ、どうしましょうか……」
「そうね……シンジ君、ちょっとトイレにいって、ペーパー取ってきてくれる?」
「ぼ、僕が!?」
「シンジ君の方が塗れてないでしょ? 早くしないと、ウェイトレスさん来ちゃうわよ」
「そ、それは困ります!」
「大変お待たせ致しました。ご注文の料理でございます。ごゆっくりお召し上がり下さい」
「…………」
「それでは、何かありましたらお呼びくださいませ」
「うふふっ……間一髪ってところね」
「ふぅ……も、もうこんなのはカンベンしてください……」
「でも、あのウェイトレスさん、匂いで気付いちゃってたりして」
「な……!」
「今頃、店長とかに『変な匂いがしてたんです』とか言ってたりしてね」
「も、もうこの店来れませんよ……」
「はいはい、それはいいから、暖かいうちに食べちゃいましょう」
「うう〜〜……」
こうしてシンジ君はリツコさんのいいオモチャ兼恋人にされたのでした。おしまい。
乙かれ
>>166と167の間に何があったのかが非常に気になる
「ん……」
「んっ……?」
「んふ……りゅ……ちゅむ……」
「んんっ……」
「んふ……ちゅ、れる……ん、んふぅう……」
「んっ……?」
「ん……ふぁっ……」
「こ、古手川……?」
「……薬、飲んでおかないとね……」
「そうじゃなくて……風邪、うつるから……」
「……いいから。……んふっ……ちゅ、んむ……
ん……ちゅる……れりゅ……ん、ちゅ……んふ、んむ……」
「ん……む……」
「んふ……れる……ん、じゅ、ちゅむ……んふぅ…」
「ん……」
「れる……ん、ちゅ、ぢゅる……んく……んふ……ちゅぅう……
んふ……ず、ちゅ……んく、れりゅ……ん、りゅ、ちゅる……
んん……んふぅぅぅ〜〜……」」
「ん……んん……」
「んぁ……んふふっ……」
「古手川……」
「ん……む……ちゅる……んく、んふぅ……れる……ん、ちゅっ……」
「ん……」
「んふぁ……はむ……ちゅ……れる……ん、んん、……ちゅうう……
んふ……れりゅ……んぁ……ん、ちゅむ……」
「んぐ……ん……」
「んっ……れる……ちゅっ……ぢゅる……ちゅ、んふぁあ……」
「古手川……」
「んふふっ」
「古手川……大丈夫か?」
「ん……病人がそんな心配しなくてもいいのよ。
……それじゃ、私は教室に戻るけど、ゆっくり休むのよ」
和んだ
gj
かわええw
>174
すげーいい
>174
ハロウィンとか、関係なしで・・・
カワイイ、リツコさんをもっと・・・もっと・・・
・・・できたら、(Hな意味じゃなくて、)シンジと、絡ませた絵を・・・
エロ厨は自分×リツコでオナってろ
相変わらずカワイイな
なんか男の友情的な雰囲気を感じたw
毎度GJ
同い年のカップルみたいで、こういうのもいいな
リツコ「シンジくんは私が引き取ります」
見えない最終話なイラストキボン
リツコ「シンジくん・・これっ!!」
シンジ「なんですか・・・ケーキなんて。」
リツコ「べ、べつになんでもないわよっ!!」
偉いw
かわいいw
GJ
ただ、おそらく膝枕シーンは全裸
下がりすぎ
職人さん来てくれないかな…
>>194 なんかページが見つかりませんになってるんだけど俺だけかな
199 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/26(金) 16:45:26 ID:eY3s3vnN
俺も。
200 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/26(金) 16:47:39 ID:eY3s3vnN
俺も。
ショタシンジだと良かった
>>203 うぉおぉぉGJ!
これエヴァSSデータベースから辿って見れなくて(´・ω・`)ショボーンだったんだよ
>>203 いやぁ、素晴らしい!これ見たかったんだよ!!
/:::::;;-‐-、:::ヽ _,,,,,,,_
l::::::l _,,、-‐"iiiiiilllllllllllliiiiiiiー-、__ゞ:::::::::::`ヽ,
ヽ::`/: : : : iiiiiilllll||llllliiiiii: : : : : : ヽイ~`ヽ:::::::i
. /;,..-‐、: : : : : l|l: : : : : : : : : : : : : \ ノ:::::}
/: /: : : : :`.: : : : : : : : :/´: `ヽ : : : : : :ヽ:::ノ
. !: : : :iflllli、: : : : : : : : : : : : : : : :ヽ: : : : : :.!
|: : : :llllf l: : : : : : : : : : :.iflllli、: : : : : <iiii|
|: : : :|llll |: : : : : : : : : : .llllf l: : : : : : : : :.|
|: : : :.!lllll!: : : : : : : : : : : |llll |: : : : : : : : :i
/: : : : : : : : !lllll!: : : : : : : : :.i
 ̄ ', /.: : : : : : : : :.<iii/
/ ', ,ィ/ : .:'^ヽ、.. : : : : :-─ソ,ト、─ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
',.:/.:.,{、: .: ,ノ 丶:::.. -、 : : :ヽ l、 │
>>1くん画像を貼ってね!
ヽ .i:, ヽ、__, イ _`゙ヾ ノ / ,\ l:ヽ < し麻呂じろうとのお約束だよ!!
,.ゝ、ト=、ェェェェ=テアヽ } ,/ l l:.:(丶、│
_r/ /:.`i ヽヾェェシ/ ゙' / ,' ,':.:.:`ヾヽ \________
_,,. -‐ '' " ´l. { {:.:.:.:', `.':==:'." / / /:.:.:.:.:.:.} ト―-- ,,_
一 '' "´ ',ヽ丶:.:.:ヽ、 ⌒ ,r'" / /:.:.:.:.:.:.:ノ,ノ | ``丶、
ヽ丶丶、:.:.ゝ、 ___,. イ / /:.:..:.:.:.,ィシ′ |
`丶、 ``"二ユ、_,.,____/__,/;: -‐ '" /
209 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/12/30(火) 03:24:24 ID:/SjqhvID
リツコさん煙草臭いから嫌だ。その割に透き通った美声なのは不思議だ
家ではシンジに凄い甘えてそう
>>210 家事の一切合財はシンジ任せ。夜はシンジが抱き枕
そのうちゲンドウにも孫が……
リツコ「シンジくん・・❤」
214 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/01/09(金) 16:27:45 ID:s0XB2Rmr
年増好きにはたまらんなー
リっちゃんはまだまだ若いだろう
20代後半てとこかな?
今は23歳かな。
ラブラブなシンちゃんとリッちゃん希望
シンジに膝枕して甘えてる所をネルフ面々に見付かって赤面
>>218 ちょっと書いてみようと思ったら、かなり長くなってしまった。
しかもお粗末。
最近はあまり吸わなくなっていた煙草に火を付けた。
紫煙が踊るようにくねらせ揺らめいて、まばたきをする度に形を変えていった。
部屋はコーヒーの匂いで充ちている。
煙のように決まった形がないから、 外界からの刺激がなければ今の形を保てない…
苦い香りが自分の輪郭を形づくるような気がして、今まで口にしていた。
「シンジ君っ」
煙草を口から離し、入り口に立っている黒髪の少年の方を振り向いた。
灰皿に吸いさしの煙草を置くが、すぐに消した。
「リツコさん、喫煙したらダメって言ったじゃないですか。
体に悪いんですから…。」
「この間はコーヒーの飲みすぎでカフェイン、
それで貧血起こして…僕、心配で言っているんですよ。」
シンジは黒い目をうるうるさせて言った。
激しい保護欲を掻き立てる事が上手いのを本人は知らないはずのに、
器用に利用しているみたいだ。
可愛いシンジに、そんな目で見られたら
何が何でも従いたくなるし、猫可愛がりしたくなる。
「シンジ君、わかったわ。もう吸わないから…」
「本当ですよね?」
「え、ええ…」
ヘビースモーカーには辛いが、我慢しなきゃならない。
リツコは自分にすら縋ってくれるのが嬉しくて
どうしようもなくシンジを抱き寄せた。猫っ毛が愛らしい。
かつて嫉ましく思っていた少年の母親からの遺伝なのだろう。あの男じゃない。
「シンジ君…」
「リツコさん苦しい…っ」
胸に顔をうずめさせてしまっていた。
「あら、ごめんなさい。…大丈夫かしら?」
「だだだ大丈夫ですっ。」
リツコはそっと目を伏せた。シンジとの間には莫大な虚無しかない。
瞼の裏に浮かぶのは、アスカがシンジに研究室の前で告白していた所だった。
「アンタにはあたししかいないの、ううん…、
あたしにはアンタしかいないの。だから側にいて。」
告白以外の何物でもなかった。
毎日、自分がどうする事も出来ずに過ぎ去っていく中、
シンジがアスカに告白されているのを研究室の前で見かけたが、
見えないフリして部屋から出て行った。
その時自分の顔が醜く歪んだ様な気がして、辟易としてしまった。
以前どうして感情を発露出来ないのか、と悩んでいたが、
今はすぐ顔に考えが映ってしまう。
じわじわと膨れ上がる膨張する泡のような何かを
内側に縫い詰められない。そんな時こそ煙草が一番だった。
青く煙り、現れては消えてゆく様を見れば虚心になれる。
前は仕事に励んでいれば良かったが、
それでは見向きもされない事をもう知った。
最初から自分の存在は必要とされていないのを気づいていたはずなのに。
仕事をしていれば、見てもらえる気がしていた。
さざ波のように揺らぐ煙。
なんかきおったww
wktk
いいぞもっとやれ
誤字脱字が…、
しかし嫉妬するリツコさんいいなぁ。
この先が楽しみだwww
おっ!ついに職人さんが!!
いいね
リツコとシンジって背徳的で退廃的なエロさがある
ミサトとシンジよりも遥かに後ろ向きに見えるんだよね
そこがイイ
またやってみた。
すごく中途半端なところからで、申し訳ない。
「リツコさん…?」
「あ、あの…、さっきリツコさん見ましたよね。」
「別になにも。」
「…言いたい事があって来たんです。」
「私には関係ないわ。」つい邪険になってしまう。
ぼ、僕は…」聞きたくない言葉を口にしそうで恐い。
「…仕事があるから…後でね。マヤに訊かれていることがあるの。」
「そうなんですか、…じゃあまた後で。」
「ええ、じゃあ」
話が終わっていないので落ち着かないはずなのに気を使ってか
にこりと笑うシンジを見、部屋から逃げ出していった。
嘘をついた罪悪感をひしひしと感じてしまうからである。
「あれ?先輩!珍しいですね、発令所に来るなんて。」
「そうかしら…、言われれば今まで部屋に缶詰めだったわね。」
先程までの気持ちをごまかすように笑う。
「丁度、仕事に行き詰まりを感じていた所だったから、
先輩に教えてもらおうかなあ…なんて、考えていたんですよ。」
しばらくここに留まっていられる理由が見つかり、
ホッと胸をなで下ろした。
「それで一体何の事?」
「えっと…」
部屋でコーヒーを飲みたい。
まさか、シンジがまだ部屋にいるとは思えないし…。
一定間隔を置いて口にしないとかりかりしてしまう。
ミサトに「アル中」だのととやかく言ってきていた癖に
自分も大差ないのだなと思い、自嘲した。
一歩踏み出す毎に響くハイヒールの音が
鋭い犬歯のように脳に噛みつく。
恐らく、自己の意識が融解する前にコーヒーを口にしても限界だろう。
連日の夜勤のせいか瞼が重い。
カードをリーダーに通して鍵を解除し、ふらつきながら椅子に着いて
コーヒーを淹れ始めた。
どうしても眠りにつく前に一杯飲みたい。
頬杖をついて待っていたが、
目を開く感覚が長くなり支えていた腕がぶれ出して、
徐々に意識が白んでいった。
つい先日の第9使徒戦後の事だった。
「確かに左腕の炎症が酷いわね…」
付け根から肘の辺りまでの表膚が赤く爛れていた。
「恐らく、戦闘時に溶解液によって腐蝕された箇所と重なるはずだわ。」
痛ましい傷を見て下唇を噛む。
「でも…、最初にエヴァに乗って戦った時、
エヴァが殴られた場所が痛んだのはそんな気がするだけだって……。」
「後で分かった事なのだけど、あなたのシンクロ率が上がると
その分動きやすくなるでしょう?あれはね、
シンジ君の思考がエヴァに伝達され易くなっているからなの。
操縦時は双方が一つになるから、
緩和する事は可能なんだけど、
小なりダメージがフィードバックされてしまうの。」
「だからなんですか?」
「ええ。」
消毒薬を染み込ませた脱脂綿で、出来るだけ患部を綺麗にしていく。
「そういう風に…いち…っ」
「痛かった?」
「は…はい、凄く染みて…ひっ。」
虚無になって消毒していると、
在りし日の深夜の出来事がリツコの頭の中に去来した。
暗く、奥行きのある部屋にファイルを持っている自分、
そして机を挟んで肌の浅黒い男がいる。
「…以上で、報告を終えます。」
目を伏せたまま去ろうとした時だった。
「赤木博士」
「…はい」
「今日はレイの見舞いだ…。」
決まった日に会っていたが、
もう退院しているはずなのに関わらず
最近はずっとそればかりだ。
「そうですか、…では失礼します。」
別に何の期待もしていなかったと言えば、
それは偽りであるが…
しかし、期待するとしたら何を望んでいるのだろうか。
心は常に満たされることはない。
何故、あの人は自分にあんな事をしたのだろうか…。
「あの…リツコさん?」
視線は下に落ち、包帯を巻く手が止まっている事に気づき、
慌てて巻きつけた。
「…ご、ごめんなさい、うっかりぼうっとしていたみたい。
…えっとそれで、とりあえずはこれで良いわよ。」
「あ、ありがとうございます。」
「でも、しばらく家事は控えた方が良いわね。あまり動くと広がるわ。」
仕事に戻り、シンジに背中を向けてキーボードを叩いている。
「そうですか…、でも」
「ミサトやアスカがいるんじゃ、やっぱり家事が気になるの?」
小さくうなずく。
「ミサトには話しておくから、怪我をしている間私の所へいらっしゃい。」
シンジには見えないように、嫣然と微笑んだ。
「で、でも…リツコさんに迷惑掛けちゃうんじゃ…」
「大丈夫よ、気にしないでちょうだい。」
ふと心にあることが浮かぶ。
もしシンジに手を出したら、あの人はどんな顔をするのだろうか。
良くないと知っているし、子供にそんな事をする行為自体に
嫌悪を感じていたはずなのに、試してみたくなった。
背徳感で心が横溢されている。
その日の夜だった。
シンジが夕食の際に照れながらも、
心を開いて会話をしようとしていたのが分かった。
少しでも好感を持っている間に…
抵抗しにくい 絶対安静の内にしたいと考えていたので、
尚更早く事を済ませてしまいたかった。
「父さんについて教えてくれるんですか?」
「そうよ。」頷くと含み笑いした。
「と、父さんがそんな事する訳…っ!」
「別に嘘は話していないわ。」
「例え、本当でも…どうして僕に言う事にしたんでっ…!」
ぷくっと膨らんだ真っ赤な唇が重ねると、頬を上気させた。
「それは話す必要が無いから言わないわ。」
シャツのボタンに指を掛けられてシンジは、わたわたと手を振り慌て始めた。
全く考えたことの無い事態の発生に何をすべきか分からず、
暴れるしかなかったのだ。
「リ、リツコさん、ダメですっ」
「ひゃっ、あっ、あっ…」
愛くるしい仕草を見る度にあの人間とは
別個体なのだと当たり前の事を思い、自分を笑った。
「可愛いわね、シンジ君…」少年の頬に手を当てた。
「私があの人にとっての一番になれないのなら、
あなたにとっての一番になってあげる」
上目使いで見ていたシンジは、ただただ当惑しているようだった。
最初は単純に埋め合わせがしたかったのかもしれないし、
ほんの出来心だったのかもしれない。
続けてクレーーーー!
きた きた きた きたぁぁああああああ
やっぱリツコさんはイイなぁ
シンジ君もかわゆくてイイなぁ
二人合わせたら最強
シンジかわいい
いいぞもっとやれ
俺も
>>232に便乗してみた
戦略自衛隊襲撃時
戦自「悪く思うなよ坊主」
リツコ「それはこっちの台詞よ!喰らいなさい!」
リツコの銃弾が戦略自衛隊隊員の胸を貫く。
リツコ「グズグズしないでいくわよ!」
シンジ「リツコさん!」
リツコ「エヴァ量産機9機が迫ってきたわあなたにはこれらを殲滅してもらうわよ。」
シンジ「でも勝てませんよ。しかも9機って・・。」
リツコ「大丈夫よシンジくんあの酒飲み女とあなたたちパイロットがいたらどんな敵でも倒せるわよ。」
シンジ「酒飲みって」
リツコ「さぁこのエレベーターに乗っていくわよ。」
シンジ「わかりました僕がんばります。」
戦自「いたぞ!!こっちだ!」
リツコ「行きなさい!」
シンジ「で、でもっ!!」
リツコ「フッ・・・安心しなさい」
リツコ、爆弾を取り出す。
シンジ「・・・リツコさん!!」
リツコ「いいから行きなさい!」
シンジをエレベーターに押し込むリツコ。
と、ともに銃弾がリツコを襲う。
戦自「・・・まぁ最期だ、せめて遺言だけでも聞いてやる言ってみろ。」
リツコ「そうね一つお願いがあるの。」
戦自「何だ?」
リツコ「一緒に死になさい!」
戦自「う、うわぁ!!」
リツコ「シンジくん・・がんばってね後は任せるわよ!」
轟音がネルフ本部中に響く
いいぞもっとやれとあったので
調子に乗って、続きを書いてみた。
パソコンの駆動音が、静かに頭の中で鳴り出す。
腕の間に置いていた頭を横にして、溜め息をついた。
「はあ…。」
目覚めた瞬間より、体が鉛のように重くなり椅子に沈んでいく。
何気なく後ろを見ると、背中にブランケットが掛けられていた事に気付いた。
仮眠用に置いていた猫柄のものだ。
「…誰かが掛けてくれたのかしら?」
マヤは仕事に打ち込んでいるはずなので、あまり訪問はしないだろうし、
ミサトは有り得ない。
それなら…「やっぱりシンジ君…かしらね?」
まだ眠いので、ぼんやり笑ってそれを眺めていた。何だか暖かい。
もう少しこのまま寝ていようかと思っていると、
眠っていた耳を聾するようなサイレンの音が鳴り響いた。
常に口にしてきたコーヒーを飲まずに眠った所為か偏頭痛がする。
「まさか…使徒なの?」
自分の声が微かにくぐもって聞こえる。
もぞもぞとブランケットを畳むと、
デスクチェアに掛けていた白衣を手に駆け出した。
「第6サーチ衛星より目標の映像データの受信確認、モニターへ回します。」
奇抜な見た目の使徒が画面に姿を映し、その後被害のあった箇所を映す。
地上に大きなクレーターが出来ている。
「大した破壊力ね…。」
「落下のエネルギーと質量を利用してます。
使徒そのものが爆弾みたいなものですね。」
マヤがコンソールを操作しながら解説していく。
「初弾は太平洋に大ハズレ、2時間後の第2射がそこ。
あとは確実に誤差修正しているみたいね…。」
「使徒も学習しているって事か…」
「新型N2航空爆雷による攻撃の効果も確認できません。
…以後、使徒による電波攪乱の為消息は不明。
尚、南極の碇司令との連絡は使徒の放つジャミングの為不能です。」
青葉がそう報告すると、隣に立つミサトの表情はより険しいものに変わった。
「…来るわね、多分。」
「次はここに本体ごとね。」
「エヴァの戦闘配備は?」
「既に完了しています。」
「そう。いいわね、みんな…。
目標を確認次第、MAGIが算出した落下予測地点に向かって全力疾走、
受け止めて使徒に直接攻撃を加えるのよ。」
「ミサトってつくづく無茶な作戦をたてるわね…。」
溜め息混じりにアスカが呟くと、ミサトが目の角を立てた。
「他に手立てが無いのよ。あれば安全で確実なものにしたんだけど…。
ともかく、今は作戦に集中して頂戴。」
「でも失敗したら…」
「…その場合は街ごと姿を消すから、そのつもりでいてね。」
だらしなくニタニタ笑うミサトはおらず、表情は軍人そのものだった。
「一時はどうなるかと思ったわ。」
研究室で向かい合って、シンジと歓談していた。
「間に合わないんじゃないかなって気がして、
怖かったんですけど…どうにかなって良かったです。」
にこっとシンジが微笑むと、頬が上気していくのを感じたので
あわててモニターの方に向き直った。
「リツコさん」
「…何?」
「あの…」
ふと、この間のアスカとの一件が脳裏を過ぎり、
苦虫を噛み潰したかのような表情してしまう。
「…頭、痛くなりませんでしたか?」
「へ?」
「前、コーヒーを長時間飲んでいないと頭が痛くなるっていっていたから…」
「あ、ああ…今は大丈夫よ。」証明するために笑って振り向いてみせる。
シンジが居ればキリキリと痛んでいても苦しくなかったが、
頭の代わりに傷む所があった。
「そうですか、この間は辛そうだったから…。」
「シンジ君は優しいのね。」
少し躊躇ったが、やはり抱きしめることにした。
この刹那的関係が長続きする事なんてしないのだろうから
少しでも縋っていればいい。
「リ、リツコさん…っ」
「一時間ぐらい大丈夫かしら?」
「はっ、はい、全然構いません!」
「…そう。」満足気に笑うと、シンジを椅子から下ろして床に座らせた。
シンジの腕が首に絡む。
「だっ駄目ですよぉっ。く、くすぐったいっ!」
「あら、そうなの?」
無垢なシンジが可愛くて可愛くて仕方がなく、肩を震わせて笑っていた。
神到来の予感!!!
今後の展開の為の軌道修正に、
>>232の後から書き直すことにした。
シンジの喘ぎ声だけが聞こえる。
最初の内こそ少し抵抗して見せたが、今はよがっているだけだった。
「リツコさん…」
シンジが手を伸ばし、自分の頬に触れようとしたので
すかさずしっかり握り、もう一度口付けをした。
「…何も言わないでちょうだい。」
「あ…ッ!」
己の欲求に抗う事が出来ず、虚しくも堕ちていったシンジは海老反りになった。
その肢体を見て、データ通り華奢なのだなと思う。
山鳩が遠くで鳴いている。
窓の形に切り取られた月光が、足下に散らばった服を
部屋を青白く照らす。
室内には抵抗の痕跡が見られた。
マンションの洗面所で、泣きながら幾度となく手を洗う
シンジの小さな背中をベッドの上から眺めている。
暴れた際に、シンジの腕の傷が開いたようで包帯に血が滲んでいる。
洗ったって穢れが取れるわけがない。
何より自分が知っていた。
無数のあかぎれが出来、手の甲から血が滴った日は既に過去である。
パソコンの駆動音が静かに頭の中で鳴り出す。
腕の間に置いていた頭を横にして、溜め息をついた。
「はあ…。」
目覚めた瞬間より、体が鉛のように重くなって椅子に沈んでいく。
何気なく後ろを見ると、背中にブランケットが掛けられていた事に気付いた。
仮眠用に置いていた猫柄のものだ。
「…誰が掛けてくれたのかしら?」
マヤは仕事に打ち込んでいるはずなので、あまり訪問はしないだろうし
ミサトは有り得ない。
誰だかは分からないが嬉しくて、ぼんやり笑ってそれを眺めていた。
何だか暖かい。
その気持ちも束の間で立ち消え、今朝の不快な光景を思い出してしまった。
結局、自分とシンジの繋がりは
肉体的なものから済し崩し的に入ったものだし、脆くて当然。
別にそれでも構わないが…。
黒い霧のようなもやもやしたものが心を覆う。
安定剤代わりの煙草を机の引き出しから出し、
火を点けようとした瞬間、シンジの顔が煙のように浮かんで消えた。
「…ダメね、私って。」
本来、シンジを苦しめようと考えていたのに
策略はガラガラと音を立てて崩れ去ってしまい、
今では自分自身が何がしたいのか分からない。
溜め息を吐いて、デスクトップの時計を見ると10:40を表示していた。
11時からはシンクロテストだから、30分前には実験場に行き準備を進めるように…、
とマヤに言っていたのに責任者の自分が遅刻するようでは面目ない。
最近の自分はたるんでいるようだ。
「もっとしっかりしなきゃ…」
電源を消したモニターに眉間にしわを寄せる自分が映った。
マヤのコンソールの画面で現在の状況を確認すると、顔を上げた。
奥から、00・01・02とエントリープラグが並んでいる。
レイのシンクロ率が以前より4上がっている。
心境の変化とかではなく、単なる慣れによるものかもしれない。
「レイとアスカは問題ないけど、シンジ君は…また下がっているわ。」
「…そういえば、最近落ち着きがありませんね。」
スクリーンに映るシンジは悄然としている。
「そうかしら?」
「はい。」
現在の3人のシンクロ率・機体の状況を映していた画面を切り替えて、
今までのシンジのシンクロテストの結果を見せた。
第3使徒戦以後〜第9使徒戦前までは3ずつ確実に上がっていたが、
それ以降はどうだろうか。
最高で65あったのが、50にまで低下している。
深層的な悩みでなければ、ここまで下がる事はまず考えられない。
「前回より2下がっています。」
「…何か心配ごとでもあるんじゃないでしょうか?」
まるで独り言のように少しトーンを落として、マヤが呟いた。
まさか知られている訳がないのに、かすかな焦りを感じた。
潔癖症のマヤと会話していると、良心の呵責にあっているようだ。
「確かに悩みがあるかもしれないわ。
彼は人付き合いが苦手だし…。」
充分なデータが採取されたので、
切っていたマイクの電源を入れてテスト終了の合図をする。
「3人とも、あがっていいわ。」
レイは静かにうなずき、アスカはフンっと鼻を鳴らした。
「はい。」
ノイズの混じったシンジの声がスピーカーから発せられる。
「シンジ君、シンクロ率に問題があったから、 後で研究室にいらっしゃい。」
「はい…。」
「し、失礼します…。」
「そこに座ってちょうだい。」丸イスを目で指す。
「あの…、今日はどうして呼んだんですか?」
声が僅かに震え、掠れていた。
「シンクロ率が最近低下しているからよ。」
「別に、あなたに何かしようっていうんじゃないから安心して。」
シンジは、ほおっと息を吐くとイスに腰掛けた。
「…シンクロ率が低いのは知ってます。
でも、僕エヴァになんて乗りたくないんです。」
「父さんに認めて貰いたくて乗っていたけど、
…もう乗る気にはなれないから…。」
「そう。」
「…怒らないんですね。」
「ミサトさんには、そう言ったらエヴァや父さんから
逃れたいだけだって言われたけど…。」
「…。」
自分が父について言ったりしなければ
ここまで不安定になんかならなかっただろう、と膝に肘をついて思っていた。
シンジはうつむいてそわそわしている。
「パイロット、出来そうもないんです。」
「…それはこの街から出て行く事になるわ。
それでも構わないの?」
「…僕の居場所はまた無くなるんですか?」
「…ここでの居場所は、ね。
司令と関わる事も、パイロットや職員との接触も許されないわ。」
ややあって、シンジが口を開く。
「ねぇリツコ。あんた…シンジ君、知らない?」
廊下を歩いていると、ミサトに声を掛けられた。
「どうかしたの?」
「ここ一週間、彼帰ってないみたいなのよ。」
「私は知らないわ。」
「そう…。」
「ところで、帰ってないみたい…って
いうのはどういう意味かしら?」
「…そ、それは」
「どうせ、大学生のころみたく過ごしているんでしょう。」
「うっ」右腕を前に出し後ずさりする。
「それじゃ困るのよ。あなたは一人じゃないんだから。」
「…シンジ君帰ってきて!お願い、助けて!」
ミサトが哀願する様を見て、失笑するとその場を去ろうとした。
「ねぇ、コーヒーおごってくれない?」
腕を掴まれたので、追い払うために自販機に硬貨を入れようとする。
「あんたの所で飲みたいのよぉ、淹れたてのをさあ。」
出来る事なら避けたかったのだが
仕方なく了承しようとしたその時、
耳を聾するようなサイレンの音が鳴り響いた。
「まさか…使徒?」
>>239に続く
ただ2人の人間の為だけには
かなりのスペースが余剰している総司令公務室に、
先の戦果報告に訪れていた。
副司令は上での議会に出席している為、ここにはいないが。
「1332に、エヴァ3機がB‐2エリアで使徒を受け止め
初号機が支えている間に零号機がA.T.フィールドを中和、
弐号機がプログレッシブナイフで一撃し、殲滅しました。
…第3新東京市の被害は極めて軽微、又三機とも損傷はありません。」
「そうか。」
「では、これで失礼いたします。」
「赤木君。」
「…何でしょうか?」
「…この後は予定があるか。」
「有りますわ。先を急ぎますから…。」
嘘がするりと口をついて出たので笑って、
会釈をすると扉に向かって歩み始めた。
室内に冷たい靴音がこだまする。その音が小気味良かった。
研究室に戻るまでの間、1週間前の事を思い返していた。
シンクロテストがあった日だ。
「…ねえ、リツコさん。」
名前に反応して、顔を上げシンジの方を見る。
「僕の事、好きですか?」
表情を見て、どんな言葉で引き止めて欲しいと思っているのかを
一目で察したので迷った挙句に嘘の返事をすると、安心するように微笑んだ。
「そうですか…。」
言葉に照れと怯えが感じられる。
席を立ち、自分に身を寄せるシンジを見て
可愛いと思うと同時に悲しいと思った。
本当に心の底から好きかと問われたならば、好きと答えられなかった。
アスカとの仲を見て嫉妬したのも、
ただ狙っていた獲物が盗られた悔しさによる錯覚であったかもしれない。
きっと自分がどこかで寂しいと感じているから、虚しい嘘をついたのだ。
本当は自分が誰かにそう言われたかったのかもしれない。
恐らく、今もそうなのだろう。
カードをリーダーに通して、部屋のロックを解く。
イイヨイイヨー
ヽ|/
/ ̄ ̄ ̄`ヽ、
/ ヽ
/ \,, ,,/ |
| (●) (●)||| |
| / ̄⌒ ̄ヽ U.| ・・・・・・・・ゴクリ。
| | .l~ ̄~ヽ | |
|U ヽ  ̄~ ̄ ノ |
|  ̄ ̄ ̄ |
リツコさん調教ですか!?
wktkでお待ちしております。
>>252 やったら載せられない感じになりそうです、多分。
それで続き。
せりあがる床、赤い軍服姿のミサトが姿が現れた。
「どう?MAGIの診察はおわった?」
「だいたいね、約束通り今日のテストには間に合わせたわよ。」
「さっすが、リツコ!同じものが3つもあって面倒なのに…。」
しかし3つも脳があれば、
考えてはならぬ私案についてじっくり思考出来るだろう。
ミサトが、脇の移動式の棚にあったコーヒーを一気に飲む。
「冷めてるわよ、それ。」
「うげ」
「久しぶりに、シンジ君を見る事になるわね…。」
「そうね。」
「これでやっとまともな食事にありつけるわ…。」
「あなたねぇ…っ」
しばらく、コーヒーを口にしていなかった所為か偏頭痛がした。
「MAGIシステム、再起動自己診断モードに入りました。」
「第127次、定期健診異状なし。」
「了解。みんなお疲れ様、テスト開始までみんな休んでちょうだい。」
「異状なし、か…。母さんは今日も元気なのに、
私はただ年をとるだけなのかしらね。」
トイレを使用する人間もおらず、
ただ一人でいるので安心してつい独り言を呟く。
今まで、機械でもいいからそう思い込みたくて「母さん」と呼んでいた。
自分とは全く異なり情熱的で陽気な人間。
…母親は最初の他人というが
他人よりもよそよそしい会話しかしていなかった。
家族なのにそんな関係だったのは気を遣わず我が儘を言ったら、
憧れの科学者であるナオコに嫌われてしまうと思っていたせいだろうか。
自分の目標である母を越えられる日は当分来ないだろう。
少なくとも、今みたくMAGIに自分の存在意義を
見出して構っている内は…。
排水口に向かって流れゆく水を見ていると、
昔あかぎれが出来る程に手を洗った日の事が喚起された。
ふと鏡を見ると、過去の幻影が映る。
「馬鹿ね、過去は何度振り返っても変わらない。
変わるのは捉え方だけよ。」
考え方が変化しない間、この事を振り返れば同じ面だけが突出して目に映る。
「また水漏れ?」
「いいえ、侵食だそうです。この上のタンパク壁。」
「参ったわね…。テストに支障は?」
「今のところは何も。」
「では続けて。このテストはおいそれと中断するわけにはいかないわ。
…碇司令もうるさいし。」
「了解、シンクロ位置正常。」
態勢が整い次第、肉体から直接ハーモニクスを行う
今回の実験をするよう以前から指令を受けていた。
零号機の起動実験のように、どうなるか分からないものでも
失敗すれば必ず大目玉を喰らっていた。
青筋立てて唾を飛ばすように注意しなくても、言葉の随所に刺を感じるのだ。
ただでさえ呼び出しを受けるのは避けたいのに、今は尚更である。
「ひっ」
スピーカー越しにレイの悲鳴が聞こえる。
「…レイ?」
「レイの模擬体が動いています。」
「まさか…。」
管が取り付けられた零号機の上体が反る。
「侵食部、更に拡大。模擬体の下垂システムを犯しています。」
右手が実験場管制室のガラス窓に伸びる。
神経接続を切断後、零号機の右腕を切り落とす。
「レイは?」
「無事です。」
マヤのコンソールで現状を確認する。
「全プラグを緊急射出、レーザー急いで!」
問題の6−42の壁面にレーザーが照射されるが…。
「A.T.フィールド…?」
「まさか…!」
「分析パターン青、使徒よ。」
使徒に侵された各所が赤く光っている。
「シグマユニットを物理的閉鎖」
ザーッと言う音と共に、
天井のスピーカーからオペレーターの声が聞こえた。
ミサトはいち早く携帯電話を出し、副司令と連絡を取っている。
「使徒が確認されました。…すみません。」
切るなり、後ろを振り向く。
「ボックスは破棄します!総員退避!」
強化ガラス一面にひびが走り、深くなっていく度にピシピシという音をたてた。
数か月以上前の、起動実験の事故を彷彿とさせる。
「何してるの、早く行くわよ!」
ミサトに手を引かれて、走りだした。
再び警報の音。
「どうしたの?」
「サブコンピューターがハッキングを受けています。侵入者不明。」
「こんな時に…くそ…、Cモードで対応。」
「防壁を解凍します。疑似エントリー展開。」
「疑似エントリーを回避されました。」
「逆算まで18秒。」
「防壁を展開。防壁を突破されました。
疑似エントリーを更に展開します。」
「こりゃ…人間業じゃないぞ…。」
「人工知能メルキオールより、自立自爆が提訴されました。」
人間に似せた声が無感情に発せられる。
「否決、否決、否決…」
「今度はメルキオールがバルタザールを
ハッキングしています!」
「くそ…速い!」
瞬きする度に、正常な状態であることを示す青の部分が減り、
相対的に赤が増えていく。
「なんて計算速度だ…」
発令所中がタイプする音で満たされていく。
しかしいくらやっても追いつかない、…追いつくわけがなかった。
「…ロジックモードを変更、シンクロコードを15秒単位にして!」
「了解!」
「どの位もちそうかね?」冬月が上から尋ねると青葉が答える。
「今までの速度から見て、2時間ぐらいは持ちそうです。」
「…まさかMAGIが敵に回るとはな。」
見下ろす視線が自分の方に注がれたのに気づいた。
「自己の弱点を克服、進化を続ける目標に対して
有効な手段は…死なばもろとも、
MAGIと心中してもらうしかないわ。
MAGIシステムの物理的消去を提案します。」
「無理よ、MAGIを切り捨てる事は本部の破棄と同義なのよ。」
「では…作戦部から正式に要請するわ。」
「拒否します。技術部が解決すべき問題です。」
「なーに意地はってんのよ。」
「…私のミスから始まった事なのよ。」
「あなたはいつもそう…、自分一人で抱え込んで他人を当てにしないの…。」
ミサトの方を流し目で見、司令の方を見た。
「…進化し続けるなら勝算はあります。」
「進化の促進かね。」
「はい。」
「進化の終着地点は自滅。死そのものだ。」
「ならば進化をこちらで促進させてやれば良い訳か。」
副司令と司令が交互に話した。
「使徒が死の効率的回避を考えれば、
MAGIとの共生を選択する可能性もあるかもしれません。」
「でも…どうやって?」
「目標がコンピューターそのものなら、
カスパーを使徒に直結逆ハックを仕掛けて
自滅促進プログラムを送り込むことができますが…」
「同時に、使徒に対しても防壁を解放する事にもなります。」
「…カスパーが速いか、使徒が速いか…。勝負だな。」
「はい。」
ミサトの提案を棄却したのは、さっき口にした理由より
まだ自分がMAGIから離れられないと常々感じていたのが大きい様な気がした。
もうこんな年なのに、心理的離乳が済んでいないのだろうか。
自嘲するように笑うしか無かった。
「開発者のいたずら書きだわ。」
視界の端に「碇のバカヤロー」というのをみとめて、曖昧に笑った。
後ろでは、配管にはられた裏コードが書かれたメモを見つけて、
歓喜の入り混じった声を上げるマヤがいた。
ミサトが横で、時々作業を手伝ったりしながら眺めている。
「ね、MAGIの事教えて。」
とても過去を顧みる余裕もなかったはずなのに、
そう言われたばかりに話してしまっていた。
「言ってみれば、これは…母さんの脳みそそのものなのよ。」
「それでMAGIを守りたかったの?」
「違うと思うわ。…母さんのこと、そんなに好きじゃなかったから。」
CASPERと書かれた鋼鉄のカバーをひし形に切りぬくと、
外側の配管より、脳によく似た形状をした中枢部が見えた。
端子を刺しこみ、直接端末と接続する。
女としての母は自分の頼みをきいてくれない気がした。
奥から、バルタザールまで乗っ取られたことを知らせる、オペレーターの声がする。
「カスパーが乗っ取られるまで、18秒!」
「リツコ急いでっ!」
「大丈夫、一秒近く余裕があるわ…。0やマイナスじゃないの。」
「マヤ!」
「いけます!」
「押して!」
エンターを同時に押す二つの音がした。
「また、約束を守ってくれたわね。お疲れ様」
「ありがとう。…ミサトの淹れてくれたコーヒーを
こんなに美味いと思ったのは、初めてだわ。」
ミサトがひきつった笑みを見せる。
「…死ぬ前の晩、母さんが言っていたわ。
MAGIは3人の自分なんだって。
科学者としての自分、母としての自分、女としての自分…。
その3人がせめぎ合っているのがMAGIなのよ。
人の持つジレンマをわざと残したのね。」
「実はプログラムを微妙に変えてあるのよ。
私…母親にもなれそうもないから、
母としての母さんは分からないわ。
だけど、科学者としては尊敬もしていた。
でもね、女としては憎んでもいたの。」
翌日、発令所の角を曲がった所で、黒い頭が少し見えたので顔が自然に綻ぶ。
つい名前を口にしそうになったが、腕に抱きついたまま歩く
アスカが真横にいるのに気付き止めた。
「や、止めてよアスカ」
「あんたがあたしに口答えするなんて生意気よ!」
シンジと目があうが顔まで背け、
ぐいぐいと押し当てている様子をみまいと足早に立ち去る。
やはり付き合っているのだろうと思うと、急に動悸がして足元がぐらついた。
煙がなければ、自分はしゃんとしていられないのだろうか。だとしたら情けない。
物に頼らなければ、自分を維持できないという
駄目な存在になっていることの証明になってしまう。
それに約束を破るのは気が進まない。でも、守ったからって何になるのか。
2ヶ月前までは、あの人が自分を好きなように玩んだ分、
無垢なシンジの頭の中をぐるぐるにかき乱していれば気が楽になったが…
近頃は違う。どこかが異なっているのだ。
それが何であるかが解明された時点で、大抵の悩みは解消されるが…、
だがまるで何も無かったみたく、
前の通り胸がつかえる事無なしに過ごせるのだろうか。全くそんな気がしない。
束の間の気休めの為に、煙草を一服すればいい。
紫煙を含んだ吐息にさっきまでの感情を溶かして吐き出せば、
自分の心の底に沈澱されているものを掃討出来る気がする。
しかしどうにも決めかねて、引き出しの中の煙草をしばらく眺めていた。
もしかしたら、自分は常に何かに依存していたいのかもしれない。
2週間前のシンクロテスト後の事だった。
「リ、リツコさん…!」
「何?」
「しないってさっき言っていたじゃないですか。」
黒い瞳が次第に濡れていく。
「そう?」
「そうで…っ!」
リツコが押し当てるように肉の薄い背中に抱き付いた。
「あッ…、うぐっ。…リツコさん許して…お願い」
羞恥からか耳まで赤く染めている。
「嫌よ。」
シンジは畏怖の表情を浮かべているのに、物欲しそうにも見えた。
周りには、一時間ほど前まで身に着けていた物が散乱している。
「…さっきは、何故あんな事私に訊いたの?」
床に肘を突いて、自分の体の下にいるシンジを見た。
「訊きたかったから…、その、どうして
今みたいな事をしたのかな…って思って…。」
シンジの視線が定まる事は無く、眼は常にせわしなく動いていた。
「そう…。」
嘘だった、と言った時の反応を見たい思いに駆られたが、
今は時期尚早と感じ、口を閉じた。
アスカに縋らない理由も知りたくなったが、
それを言ったばかりに気づき、自分から離れていってしまうのが嫌で
質問するに至らなかった。
折角自分の手に落としたのを、みすみす手放す真似はしたくなかったのだ。
でも…それは結局、自分がシンジに依存していたいという事を
意味していたように聞こえた。
wktkwktk
たまらんたまらん
wktk
ええのう
なかなか上手い
あるキーが指に当たると、画面いっぱいに写真を映し出した。
確か零号機の完成記念撮影の時の写真であろう。
高校の制服を着た自分の横には、屈託なく笑う母の姿があった。
「目を瞑ると見えて、目を開けると見えないもの、なぁんだ?」
「…分かった?」
問いかけに答えるように首を振った。
「…分からないわ。」
車窓の中の母は若い。辺りでは蝉がのべつまくなしに鳴いている。
「じゃあ…また今度来た時までにね。」
「今度っていつ?」母が曖昧に笑うと、車は動き出した。
タイヤはぐるぐると回り回って加速し、
この日や高校生だった時を行き過ぎて幾年も経ち、
MAGIが発令所に据え付けられたあの日、母は死んだ。
その2つの出来事の間には、莫大な時間があった筈なのに
関係は変わらずむしろ悪化して、昔より距離が広がったみたく感じた。
母の情事を見た事による嫌悪感からか、
表面的な付き合いしか受け入れる事が出来なかった。
ぼやけた笑顔が浮かぶ。
「母さん…私、どんな顔をしていたのか、
写真を見ないと思い出せないの。」
カスパーを血で赤く染め上げたのに。
「馬鹿ね、私…。1人だけで、3人もいないのにね。」
エアの圧搾音がし、それに反応して肩をすぼめた後に振り返った。
「あの…リツコさん、アスカの事で話し…っ」
戸の前に立っている人影を認めた。
視界が全体的にぼやけていたので慌てて目を擦ると、指に水滴が付いた。
「…帰ってちょうだい。」
それだけ言うと、背を向けた。
普段でも耳にしたくない話なのに、今は尚更だった。
振り向く前から言いづらそうな声の調子だったので、
多分アスカと付き合う事にしたのだろう。
今朝の光景を見ていて、そう思わない訳がなかった。
「リツコさん…」
「…何の用なの?さっさと済ませて、早く退室してちょうだい。」
「…」
肩を抱いていた、シンジの手を下に下ろすと同時に悲鳴が上がった。
「…ひっ!」
それに反応して、ふと顔を後ろに向ければ
右腕を押さえるシンジの姿があった。
さっき触れた時に、傷口の回りの皮膚が引っ張られて痛んだのだろう。
「血…滲んでる…。」腕を取り患部を何となく見ていた。
シンジを預かる際、少しでも長い拘束期間があればよい、と
わざわざ治りにくく、染みやすい薬を選んでいたが、
今はどうなっているのだろうか。
「何だか傷の治りが悪くって…。」当然の事だった。
「そう…痛い?」
「うぐっ…」包帯が捲かれている付け根周辺を掴み、苦悶の表情を確かめた。
「へえ、痛いの…。こっちの方が治りが良くなると思うわ。」
新しい軟膏を薬箱から出す。
包帯や脱脂綿を外して、消毒し直すと軟膏を塗った。
「ひっ…」歯を食いしばって涙を流している。
「痛がりね。」
「だって…。」軟弱なシンジを見て、吹き出してしまう。
うなだれていたシンジの頭を撫でたい衝動に駆られたが、
原因を作った自分がするのは許されないように感じた。
恐らく、神経を逆撫でしてしまうだろう。
シンジを傷付けたいと思うのに、
事後には慰撫をしたいと考える自分の非単一さが忌まわしい。
「リツコさん…。」
くりくりした目がじいっと自分の方を見ていた。
いてもたってもいられずに抱きすくめると、
シンジはおどおどして面白い程に目がくるくる回っていった。
「リツコさん駄目ですよぉっ、く、くすぐったいっ!」
「あら、そうなの?」
抱き付いているだけなのに過剰な反応を見せると、
どういう訳か不安が増長していった。
目の充血も目立たなくなり、気持ちも安定した頃コーヒーを啜っていた。
苦い香りが快く鼻腔から口内へと駆け抜ける。
「…今日は人の出入りが多いみたいね。」
シンジの前にはレイが訪れた。
閉鎖された空間にいると話も当然それに合わせた話になる。
自分が疲れている時に、そういう表沙汰できない話をされると
流石にくたびれてしまった。
「発令所に行こうかしら。」
そこならばここと比べて、業務的で割り切った会話だから
何も考えたくない時にうってつけであった。
廊下に靴音を木霊させながら、発令所へ向かって歩く。
しかし1人でいる間、考えようと考えまいと
どうにも変わらない事柄について思考してしまう。
大体自分が間違っているという時に限って、
今までの出来事を振り返る癖が出る。
古い蛍光灯がブゥゥンという音を立てていた。
母親の遺したエヴァ・MAGIに関する資料が
ファイリングされたファイルを眺め、端から端までを頭の中に叩き込んでいく。
代任の技術部長になったからには、これぐらいは覚えておかねばならないのだ。
「目眩がするわ…、今日は無理をせずにもう眠ろうかしら。」
前日が通夜だったせいか寝不足気味だった。
夜勤中の研究室の明かりがフッと消える。
「…停電なの?でも今時そんな事は…」
入り口から光芒が差し込み、次の瞬間にはドアが最後まで開いて
部屋の中を薄明るく照らしていた。
向こうに立つ人の体の線だけが廊下の照明で辛うじて見える。
「…し…司令?」
「赤木君、仕事の進み具合はどうかね?」
「まずまずですが…、どうして
この部屋の電気が消えたんでしょう…?」
サングラスの向こうが鈍く光った。
彼が一歩踏み入れれば、さっきまでセンサーがある所に
立っていた為に開いていた戸が閉じ、暗闇になる。
嫌だった。吐き気さえ催した。
しかし、次第にどういう訳か嫌悪感が薄れていってしまったのだ。
そんな事をきっかけに好きになるなんて、
全く物事の道理をかけ離れているはずなのに…。
利用しようと自分に近づいたのに早い段階で気づいていたが、
それで構わなかった。
例え何も得られなくとも良かった。
だが、それが何年と続く内に、どこかで抑圧していた
フラストレーションがたぎり、魔が射したのだろう。
だが、あの人の誘いを断ったのは、
一度ぐらい別に構わないだろうという考えからだったから、
きっと今までと変わらずにこれからも縋ろうとするのだろう。
6年前のような大きな変化は、終焉まで無いはずだから。
発令所のドアを通ると、圧搾音に気付いたのかマヤが振り向く。
「…あっ、先輩!」呼びかけに対し、何となく微笑んだ。
「今、この間の戦闘時のシンクロ率と…、
昨日のテスト結果を比較して見ていたんです。」
「それで?」
「レイが5、シンジ君は13上昇しています。
この2人は好調みたいですが、アスカは6下降していました。」
「そう…、アスカは特に問題があったようには見えなかったけど…。」
「ところで…シンジ君がここまで上がるだなんて、
私思いもしませんでした。この間は起動指数ギリギリでしたから。」
「そうね。」
「悩みが解決したんですね、きっと。」
にこっと無垢に笑ってみせるマヤを前にし、そっぽを向いて生返事をした。
シンジのシンクロ率の上がった理由の裏には、何かあるに違いない。
「レイも急激に上がっていますが…何かあったんですかね?」
「分からないわ。」
「そうですか…。でも楽しみですね、
一週間後シンクロテストの間に更に上がるかもしれませんし。」
レイは感情を表に出さないので、内面的変化は読み取れない。
でも、今日自分にある相談を持ちかけたのだから、
話の核となった部分が起こした事なのだろうと思う。
「…んぱい、先輩!」声に気付き、顔を上げる。
「どうしたんですか?最近前より
物思いに耽っているみたいですけど…、何かあったんですか?」
「あっ…ああ…。何でもないわ。疲れているのね、きっと。」
「昨日の事もありますから…、今日はゆっくり休んで下さいね。」
「…ありがとう。」
気を使わせてしまって悪い。
私事のせいであって、使徒戦での疲れではなかったのに、
いたわってくれるマヤを見ると罪悪感を感じた。
発令所を後にして、研究室に戻ろうと廊下を歩いている。
前に誘われてから2週間経ったので、そろそろだろうと思う。
声を掛けられた場合、自分はどんな顔をしてどんな返事をするのだろうか…。
部屋に着くと何となく気が楽になり、ロックした戸にもたれ掛かった。
自分の足に力を入れずとも立っていられるから、肉体的にも楽かもしれない。
―昨日の事もありますから…、今日はゆっくり休んで下さいね。
マヤの言葉が頭の中に響く。
何も知らないから、懐いてくれたのだ。
もし自分の犯した罪を知ったら、きっと言葉を交える事など無くなるのだろう。
いつの日か、だらしない職員を見かけた時のマヤの目は冷たかった。
そう思うのが普通の人間の感覚であるし、分かる。
だが不意に、露見する日がもし来たなら、
自分もああ見られるのだろうなと考えてしまい、
側にいるマヤもそちらも見る事が出来ず、床に視線を落とすしかなかった。
露呈の恐怖から逃れる為に、
今後も偽り続けて体裁を繕わねばならないのだろうか。
「…知らないから、好きでいられるんだわ。」
背中が徐々に下がっていく。
「…そろそろ仕事しなきゃ駄目ね。」
やっとドアから離れて机までゆくと椅子を引き、腰掛けた。
とりあえず今は、仕事に打ち込まねばならない。
目下の目標である「稼働時間の延長」について5,6時間研究すると、
瞼が重くなった。モニター上の時計は2時を示している。
コーヒーは常日頃から口にしていた所為か、
眠気覚ましとしての効き目は皆無に等しかった。
「やっぱり徹夜は堪えるわね…。もうこれが限界なのかしら。」
段々と感覚が無に溶けていく。
――目を瞑ると見えて、目を開けると見えないもの、なぁんだ?
意識の遠くで母の声が聞こえた気がした。
職人さん乙!!
続編キター!!
職人さん、乙です
全部読んじまったよ
ちゃんと雰囲気あるなあ
りっちゃんかわいいょ
モジモジしながらシンジにチョコ渡すのか
義理だと素っ気無く渡すのか
>>279 本命チョコでも、素っ気無く無造作に渡してホスィ
自分的に
ミサト「もうすぐバレンタインよね。シンちゃんにはどんなのあげようかな〜〜。リツコはどうすんの?」
リツコ「何?私?私には関係ないわよ。そういうの、関心ないもの。」
ミサト「そおぉ〜ぅ?でも、折角のイベントじゃぁな〜い?たぁのしまないとっ!」
リツコ「そう、そうかしらね(どうでもいいけど、シンジ君はチョコなんて欲しいのかしら。)」
リツコ「シンジ君、チョコ欲しい?」
シンジ「えっ、なっ、な、なんですか突然?」
リツコ「もうすぐバレンタインでしょ?だから、欲しいか欲しくないのか聞いてるの。
こういうイベントごとに関心無い人もいるでしょ?だからシンジ君はどうなのかと思って。」
シンジ「り・・・リツコさんがくれるっていうなら欲しいですけど、あの・・・。」
リツコ「何?」
シンジ「ば、バレンタインのチョコって、その・・・。あの、本命とか、義理とか、あ、あるじゃないですか?それで・・・」
リツコ「どっちかっていう事?フフフ、それはシンジ君の判断に委ねるわ。じゃ、楽しみにしていてね。」
シンジ「(リツコさんが僕にチョコをくれる・・・僕に・・・この僕に。)」
リツコ「(楽しみにしていてね、なんていったものの、どうしたものかしら。困ったわ・・・。)」
→で、迷った挙句、素っ気無く自分の趣味の(猫系な)チョコを渡すリッちゃんを妄想した。
>>281 GJ!すごくかわいいw
本命でも、こう…モジモジが
表面に出てこなさそうだな…と勝手に妄想。
無愛想な感じがいいかなと。
リツコからチョコ貰ってテレビ版最終話の皆の祝福とシンジの笑顔に繋がるわけか
>>281 いいねぇ〜
りっちゃんのデレ部分はまさに鉄壁
だからこそ好きなんだ
エヴァからの信号を受信して、電子音がピピピと鳴り続けている。
「やはり、初号機程のシンクロ率は出ないわね…。」
マヤのコンソールに映るデータを見て、そう漏らした。
初号機はシンジに合う様に造られたようなものなのだから、そうでなくてはならないが。
レイと初号機の起動実験は上手くいったが、シンジはどうだろうか。
「ハーモニクス、全て正常維持。」
「…でも、いい数値だわ。これであの計画、…遂行できるわね。」
「ダミーシステムですか?…先輩の前ですけど…私はあまり。」
準備段階はもう済んでいる。
「感心しないのは分かるわ、でも備えは常に必要なのよ。
人が生きていくためにはね。」
「先輩を尊敬していますし、自分の仕事はします。でも…納得はできません。」
マヤがここに順応する事は無いだろう。
合理的に適当な所で折り合いを付け、自分自身の感情なんてごまかして
やり過ごせないのに、私情を交えて事を考えているのだから。
きっと変わらなくても済むだろう、と直感した。
不潔と言われそうで恐ろしいが、
会話する度に汚れた自分の心を呵責する、潔癖症のままであって欲しい。
「潔癖症はね辛いわよ、人の間で生きていくのが。
汚れたと感じた時分かるわ…それが。」
アスカが零号機とのシンクロを試みようとするシンジにちょっかいを出す。
「アスカ、ノイズが混じるから邪魔しないで。」
「A-10神経、接続開始。」
「ハーモニクスレベル、プラス20。」
相互互換テストは成功を収めたように見えた、。
眺めていた画面が赤く光り出す。
顔を上げれば、ガラスの向こうで、零号機が苦しみもがくよう上体をそらした。
「精神汚染が始まっていますます!」
「まさか。…このプラグ震度ではありえないわ。」
「プラグではありません、エヴァからの侵食です。」
壁の拘束具ごと離れる機体。
「全回路遮断、電源カット!」
オペレーター達の逐一の報告を耳にしながらも、
数か月前の起動実験の事を思い出していた。状況が酷似している。
初号機の初めての起動実験時の記録とも、である。
「また同じなの…、あの時と。 シンジ君を取り込むつもり…?」
青い拳で一打するごとに、管制室の強化ガラスにヒビが広がり
破片が飛び散った。
「レイ、下がって!レイ!」
危機に瀕していると言うのに、レイは動かずに赤い瞳で零号機を見据えていた。
「零号機、活動停止まで…10、9、8、7…」
カウントが続く。
実験場の壁に両手をつき、頭を打ちつけるその様は過去の光景とだぶった。
「3、2、1、0…。零号機、活動停止しました。」
可及的速やかに、とミサトに言われた所為か、
何時もより根を詰めて原因の解明に当たっていた。
シンジと零号機の相性はそう悪くなかったし、
他の問題点がないこの実験は成功を納めるものと信じきっていたから、
全く想定外の事故であった。
手を鼻の下に組んで考えていると、ウーウーと唸るような音を出して
携帯が机上で震えているのに気付いた。
「誰かしら…」
おぼろに誰だか分かったように思いながら、右手を伸ばしてみれば予測通りだった。
待っている時は来ないのに、
ディスプレイに名前が表示される時はいつも物思いに耽っている時だ。
「もしもし、赤木です。」
「…私だ。」
低く重みのある声で、感情の起伏を他人に感受させていない。
「…先の零号機暴走事故の件、申し訳有りませんでした。」
「…構わない。原因を究明し、後日書類を提出する様に。」
「はい。」
右手に携帯電話を握って、チカチカと青白い光を発する
パソコンの画面を時折眺めていた。
先刻、マヤからメールでシンジの意識が回復したとあった事を思い出す。
少しもその事に触れないあの人の言葉は、
まるで息子単体の容態は気にしていないかのように聞こえた。
今回の実験報告や、ダミーシステム開発の進み具合など
業務的な会話しかなかった。
その事に少なからず安心したが、どこかで落胆していた。
「…私は待っていたのかしら。」
落胆したのだから、やはり待っていたのだろうが、
でも構って貰えないのに気が楽になるだなんて…
それは対極にある事柄を指している様にも思える。
可及的速やかに、とミサトに言われた所為か、
何時もより根を詰めて原因の解明に当たっていた。
シンジと零号機の相性はそう悪くなかったし、
他の問題点がないこの実験は成功を納めるものと信じきっていたから、
全く想定外の事故であった。
手を鼻の下に組んで考えていると、ウーウーと唸るような音を出して
携帯が机上で震えているのに気付いた。
289 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/02/21(土) 10:31:43 ID:McJB//J0
頬杖をついて、シンクログラフを眺めていた。
最近はだいぶ精神が安定してきたように
見えていたシンジが、今日は憂鬱そうな表情を覗かせた。
明日の予定のせいだろう。
墓石の影が長く伸びた地面に立ち、
親子で一つの黒い石の塊に立っている情景が浮かぶ。
「あの、先輩…」
声のした方に首を回して見た。
「ああマヤ、どうかしたの?」
「先程のデータの集約、
機体のメンテナンスが完了したので、報告をしに来たんです。」
「そう…」
デスクトップの時計を見れば、既にテスト終了より一時間近く経っていた。
「…早かったじゃない。」
「技術部3班の人に手伝ってもらったんです。」
「だとしても良いわ、…手は抜いてないんでしょ。」
「そ、そ、そんな事する訳ないじゃないですかっ。
再々々確認までしたんですよ。」
冗談に過敏に反応するマヤを見、クスリと笑った。
「分かってるわよ。じゃあ、報告をしてもらおうかしら。」
「ええっと、今回のシンクロテストでは…
レイが5、シンジ君は1、アスカが2上昇と
全員が前回よりいい成績を残しています。」
「でも最近順調に伸びていたのに、シンジ君…
伸びどまりなんですかね。」
「そうかもしれないわね。
…でも、明日の事で煩っているようだったから。」
シンジ程に深刻ではないが、
友人の結婚式の事を思えば心に重くのしかかった。
別にそのものが嫌な訳ではないのだが、
約束という行為があまり好ましいものでないからそうなるのだろう。
自分が他人に守ってもらった事などないのに、
常にそれに縛られて、ああしなきゃと考えている内に気が滅入る。
最近は、約束した直後に
それに従って行動を起こすのが大儀に感じてしまう。
「あいつ…来ないつもりかしら。遅刻ばっかりね、本当に…。」
「加持君は来るわよ。仕事には遅れた事ないもの。」
結局来ない訳にもいかず、会場の席についている。
「…聞いてたの?」
「あと10分もしないではじまるってえのに…あのバカ…」
一時間の内に腕時計を何度眺めただろうか。
手持ちぶさたであるのに関わらず、何もすることがないと
どうも時間が流れる速度が遅い様な気がする。
物思いに耽るにしても、厳粛で落ち着かない雰囲気の立ち篭める中では不可能だ。
「…あんた、時間位守りなさいよ!」
遅刻魔のミサトの口から出た。
「急に仕事が入って、手間取っていたんだよ。」
後頭部をポリポリと掻きばつが悪そうな表情を見せると、
加持が用意されていた席に着く。
「…ネクタイ、曲がってるわよ。」
そう言いながら、横でズレを直すミサトの表情と
以前冷やかした時の反応から、
やはり元鞘に収まったのだろうなと推測すると、安堵のため息を漏れた。
「あなた達、夫婦みたいよ。」
二次会の後、少しの間ラウンジで閑談していたが、
久し振りにゆっくり三人で飲もうという誘いを
研究が気がかりだった事から断った。
自分がいては邪魔をしてしまうだろう、と
考えたのも小なり関係しているのだろうが。
雑踏の中を歩いていたはずなのに、顔を上げると街の喧騒が雨音に変わっていた。
見渡す限り人影は見えないが、いつから一人になっていたのか…。
2度目の零号機暴走事故に関する調査結果報告書は、
既に書きあがってはいるものの気になり、
時間をおいては何度か見直していたが、開いた次の瞬間に閉じた。
稼働時間延長の研究に腰を据えた方が、今はいいように思えた。
研究データを呼び出して読み返し、論理が正しいかを確かめた。
そう掛からずにに問題点をクリアできそうな気がする。
「あと一息…っていう所かしらね。」
長時間掛けていた眼鏡を外し、鼻筋を揉みほぐす。
早く本部に戻って、研究の続きをしたいと思った自分は
大学生だった数年前と比べてどれ程薄情になったのだろうか。
何が原因かは分からないが変わったのは確かである。
「生きるって事は変わる事…ね。」
加持が呟いていた言葉を思わず反芻した。
他の選択肢を塗り潰す事で一つずつ前進して、
こんな風には変わりたくなかったのに、
気付いた頃には手の施しようがなくなっていた。
全貌が分かるのは決まって後だ。
縋りようがなく、頼りもない無機質の側にいる事を
自分の意志で選んだのだろうか。
会話をする際、必ず邪険になるみたく、
他人と干渉し合う煩わしさから逃れたい、
その望みをそのまま反映したものなのかもしれない。
心を満たしてはくれないのに。
何が対象でも、一方向に進んだ後で振り返ってしまう。
変化が恐ろしくてたまらないから、
止まりたいと思うのに…気付くには遅すぎた。
階段の半分降りた所から終焉に向かって、転がり落ちていくのだ。
「こんな事を考えるだなんて…疲れているんだわ、多分。」
ここには無いはずのアナログ時計の、時を刻む音が次第に大きくなっていく。
「どう、サードチルドレンの調子は?」
「見てくださいよ、これ!」マヤはグラフを見せて、微笑んだ。
「ほっほぉ…これが自信につながればいいんだけどねぇ。」
「聴こえる?シンジ君。」
「ミサトさん!今のテストの結果はどうでした?」
カメラに向かって、ミサトが親指を前に出すとニカッと歯を出し、笑う。
「ハーイ、ユーアーNo.1!」
返事を聞いて、安心したように穏やかに笑うシンジの顔がスクリーンに映る。
普段と変わることなく、
研究室でカタカタとせわしなくタイプしていく中、違う対象へと意識は注がれた。
「…何の用かしら?」
「あ、あの…っ」
問い掛けに対して、何かを言おうと口を動かしたのを尻目で見、
思わずそれを制すように話した。
尋ねてから、嫌な予感がした訳でもなかったのに
何を話題に上げるか予測できず、不安になったからである。
「そこの椅子に座って頂戴。」
背後に置かれている丸イスの軋む音がする。
「今日のテスト、シンジ君一番だったわね。」
「少し前の数値では、よしんば伸びても…
まさかここで上がるとは、全く想像できなかったわ。」
一段落ついたので、椅子ごと振り返って見る。
良い結果であった事に喜び、素直に笑っていた。
「…そう言ってくれたら、何だかホッとしました。」
ふと、思い詰めた目をしていたあの日の事が喚起された。
「もう駄目かなって思っていたから…。
でも、今日はパイロットをやっていても良いんだって、
ここにいても良いんだって気がしたんです。」
そう言いきると、少し表情が曇る。
特に何か考えていた訳でもなく、俯いている指を組むシンジを見ていると、
こちらの視線に気付いたのか顔を上げた。
「あの、リツコさん…」
「何?」
思わず目を丸くした。
シンジが自らそんな事をするとは、予想打にすらしていなかった。
椅子から立ったシンジが、膝の上にポンと乗り、
身を寄せて瞳を閉じている。
暫しの間空いている両手を見つめていたが、頭を撫でる事にした。
シンジは何を獲たいのだろうか。
こんな事をしたって虚しいばかりなのを知っているのに…。
職人さん来てる〜、乙です
___
/|∧_∧|
||. (・ω・´| おっ、やってる?
||oと. U|
|| |(__)J|
||/彡 ̄ ガチャ
膝の上に座るシンジ萌え
お酒が入ると、途端に、立場が変わっちゃう、リツコさん。
もちろん、シンジくんのお膝の上です。
さらに、前後不覚になり、床に仰向けに寝転んで、
「おなか、さわってー・・おなか、さわってー・・」と、可愛く「おねだり」するようになります。
もちろん、語尾には「にゃ!」が付き、ネコ耳とシッポが、生えてきます。
タイミング良くミサトに目撃されるわけですね
ミサトの後ろにいる、マヤちゃんも忘れてはいけません。
「・・・不潔・・」
後の言い訳が不可能ですね。
この間の続き。
でも、分かっておきながら自分から始めた事なのだ。
ポットから新しいコーヒーを注ぎ入れれば、苦く芳ばしく匂い立った。
疲れた時に嗅ぐと、何となく気怠くなる。
普通の人の振りが、躊躇い無く出来ていた頃は、
やましい事は自分が始めた訳ではない、と言い聞かせていた。
でも、今は…復讐と呼ぶには、あの人が知らない限り無意味で、
虚無しかない行為を続け、無垢なシンジを手籠めにしている。
これ以上の欺瞞は許されない気がした。
でも嘘でごまかさずに、頼りない自分の形を維持するにはどうしたらいいのだろう。
物への依存も無ければ、きっと少しも体裁を繕えないに違いない。
「眼鏡…どこにやったのかしら…。」
よく眼鏡を仕舞っていた引き出しを開けてみると、封を開けた煙草が見つかった。
そう言えば長らく口にしていなかった様に思う。
自分には少し苦々しい味わいが好きだった。
時折、恋しくて堪らなくなったが、
そういう時はコーヒーを多めに飲んだりして堪えていたが…。
「駄目ね、もう。」
煙が空気に溶けていく様を見て、安らぎを感じていられた。
消えて無くなるからこそ、好いと思えたのだろうか。
吸うか、約束を守るかで激しい葛藤をしていた。
「う…ううん…」
呻く声に反応してそちらを向けば、
寝床の中にいるシンジの生白い肩が少し震えた。
膝に肘を突いて、中性的であどけない顔をしているシンジの寝顔を眺める事にした。
脱いだ制服の上に、布団が落ちかけている。
頭や背中を撫でて抱きすくめた時、
シンジは当惑の表情を浮かべ、上目遣いで見ていた。
怯えているみたいでありながら、甘えているようにも見えた。
前は必ず膝を閉じていたのに、今日はそうじゃなかったのが気掛かりだ。
変わらない物は何一つない、この関係もそう長くは持たないだろう。
あの人の面影など、少しも見当たらない可愛い少年で、
悪戯すると、必ずシンジは許しを乞うように甘えた表情を浮かべた。
シンジを子供としか見た事なかったし、
そんな行為自体に嫌悪を覚えていた筈なのに、可愛くてつい構ってしまう。
芯の弱い少年だから、似合うのかもしれないが…。
喉の奥がじりじりと焦げていくような感覚が漸増していく。
煙草を断つ代わりに、含んだコーヒーが熱すぎたのか。
もし、そうで無ければこれは何なのか。
頭が鈍く痛んだ。
…せめて、シンジの側にいられる間は口にしなければいい。
終わった後ならば、もう口出しする事も無いに違いないと思う。
最初と変わらず他人なのだから。
肌を合わせていた時の温もりは煙みたく薄れて、
何か喉につかえる物だけが残った。
警報の音を聞きつけて駆けつけたミサトが、肩で息をして歩いていた。
いささか遅いお出ましである。
「…どうなってんの、富士の電波観測所は。」
「探知していません、直上にいきなり現れました。」
スクリーンの中、使徒とおぼしき球体は黒と白の二色で構成され、宙に浮いている。
「パターン、オレンジ。A.T.フィールド反応なし。」
「どういうこと?」
「新種の使徒…?」
「MAGIは判断を保留しています。」
アスカにはやし立てられ先行になった、シンジの足元に、
黒い影が落ちて底なし沼にはまったかのようにずぶずぶと沈んで、
機体ごと姿を消してしまった。
直径680m、厚さ約3nmの影からアンビリカブルケーブルを引き上げた所、
先には何もなかったという。
繋がっていたはずのエヴァはなかったのだ。
内蔵電源のエネルギーを浪費せずに
生命維持モードに切り替えていれば
16時間は生きていられるが…それ以降の保障はない。
もう残り時間は4時間ほどしかないのだ。
初号機を呑みこんだ球体をサーチライトが下から白く照らしている。
「エヴァの強制サルベージ?」
「現在可能と思われる唯一の方法よ。
992個、現存する全てのN2爆雷を中心部に投下。
タイミングを合わせて、残存するエヴァ2体のA.T.フィールドを使い、
使徒の虚数回路を一瞬の間干渉するわ。
その瞬間に爆発エネルギーを集中させて、
使徒を形成するディラックの海ごと破壊する。」
「でも、それじゃあ…エヴァの機体が…、
シンジ君がどうなるか…。
安全な救出作戦とは言えないわ。」
「作戦は初号機の機体回収を最優先とします。
たとえボディーが大破してもかまわないわ。」
「…っ、ちょっと待って!」
「…この際、パイロットの生死は問いません。」
ミサトが大きく振りかぶり、左頬をぴしゃりと打った。
「あんた…正気なの?」
「ええ。」
父親である、あの人間が言った事だ。
我が子が危険に冒されるというのを知っておきながらも、
残酷な命令を下しているのだから、
赤の他人が発言をする気にはなれなかった。
ただ単に、彼にとっては、息子よりも妻の魂を閉じ込めた容れ物の方が
大事だという事なのかもしれないが…。
「…シンジ君を失うのはあなたのミスなのよ。
それ、忘れないで。」
何故か悔しくて堪らず、下唇を噛みしめていた。
「この作戦の一切の指揮は私が執ります。」
しゃがんで、はたかれた弾みに跳んだ眼鏡を拾うと歩き始めた。
恐らくミサトは、非人道的だと思ったのだろう。
「…本当に身勝手ね。」
自嘲するように呟くと、後から分が思考した事柄が追いかけてくる。
―今後の使徒戦の為にも失いたくないエヴァは誰にでも動かせる訳ではないし、
パイロット増員の予定も無い。
今まで三人でどうにか太刀打ち出来ていたのを、二人ででは
使徒殲滅に無理が生じることとなろうから、サードの帰還を望むのは当然である。
他の附加要素なんてない筈なのに、どうして…。
テスト結果に喜ぶシンジの笑顔が弾けて消えた。
ピーっという高音が自分のを意識の中に引き戻す。
「理論値ではそろそろ限界です。」
「プラグスーツの生命維持機能システムも危険域に入ります。」
救うだなんて土台無理な話だったのだろうか。
「…12分予定を早めましょう。シンジ君が生きている可能性が高いうちに。」
MAGIもこの案しかないと結論を出してしまったのだから。
爆雷投下、60秒前の出来事だった。地上の影の上に突如地割れが走る。
「状況は?」
「分かりません。」
「まさか…シンジ君が!」
「…あり得ないわ。初号機のエネルギーはゼロなのよ、動ける筈ないわ…」
続いて、球体の方にも同じような異変が現れ、腕の様なものが出、
赤い飛沫があがり下の影もビルをも染めていく。
体を二つに割り、血を浴びて中から姿を現す。
咆哮を上げる初号機がまるで悪鬼のように見えた。
「取れないんですね…血の匂いって。」
手の甲を鼻に近づけ嗅いだ直後に、僅かに顔を歪める。
「…多分、あなたの感覚の中にしみついているんだと思うわ。
あれだけ手を洗ったんだから、取れているはずよ。」
コーヒーを啜り、心を静めようとしていた。
「…もう調子はいいの?」
「ええ、だいぶ良くなりました。」
「そう。」
最終的に、見捨てたと言ってもいいような手段を選んだ後ろめたさからか、
背を向けて話を聞いていた。
画面を見つめたまま、横に置いていたマグカップに手を伸ばす。
どう動かしても当たらないので不審に思い、
やっとそちらを見ればマグカップは肩より上の位置にあることに気付いた。
「はい。」
白いカップから湯気が身をくねらせ上昇し、次第に色を薄くしている。
「あ、あの…空になっていたから…。」
「…ありがとう。」シンジが照れ臭そうに笑うと、つられて笑った。
受け取ったマグカップから、じんわりと熱を感じていた。
続ききたあああああああ
312 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/03/05(木) 11:51:13 ID:Y83T9UTM
ネルフ内ではつれない態度でも二人っきりになると途端にデレデレなリツコさん
そしてシンジきゅんに猫耳コスはぁはぁ
最初は、ちょっと恥ずかしいので、
シンジきゅんを後ろから抱きしめて、
・・・スリスリ・・・チュッ!チュッ!・・・
「わっ・・ちょっ・・くすぐった・・・(笑)・・」
・・・と言ってるスキに、
シンジきゅんの胸の中(ホームポジション)に・・・
そこから、MAXデレ状態に・・・
・・・うん、こんな感じよね。・・・フフッ・・
予習を欠かさないリツコさん。
なんか普通に学園エヴァに有り得そうな展開だな
リツコが保険医か教師でシンジが生徒
さらにマヤさんが赴任してきて、リツコさんを巡る大勝負が繰り広げられるわけですね
女の手がシンジの頬をなでる。
熱のせいかシンジの身体は動かない。
冷たい感触。
熱く火照ったシンジの肌を、その手がゆっくりとたどっていく。
やがて、彼女の顔が近づく。
シンジの額に自分の額を重ね、体温を計ろうとする。
熱い吐息。
思わずシンジの喉が音をたてる。
それが聞こえたのか、妖しい微笑みを浮かべると、彼女はシンジから顔を離し、今度は彼の寝間着の中に手を伸ばした。
「汗をかいているわ…脱ぎなさい」
「え…で、でも」
とまどうシンジにかまいもせず、シンジの服を脱がせていく。
華奢な身体。
ベッドの上に、中性的ともいえる彼の上半身があらわになる。
身を守るように胸の前に重ねられたシンジの手にふれ、それを取り除くと、タオルで彼の身体を拭いていく。
シンジはただされるがままになっている。どこか居心地が悪い。
「下も脱いで…」
ひととおり拭き終わったのか、彼女がシンジの耳元で囁く。
「え…い、いえ、それは…」
シンジが激しくかぶりを振る。
「だめよ…汗は身体に悪いわ…さあ」
「い、いえほんとに……いいです」
パジャマから手を離そうとしないシンジに、彼女は少し呆れたように肩をあげる。
しばし悩んだ後、ベッドと背中の間に腕を通し、今度はシンジの上半身をゆっくりと起こした。
「な…なにを…」
「しょうがないでしょう…脱ぐのがいやなのなら…」
そう言って、彼を抱きかかえるようにすると、タオルをにぎったまま、シンジのパジャマズボンの中に手を入れていく。
「あ…」
シンジの身体が一瞬痙攣する。
「ふふふ……」
楽しみながらズボンの中のシンジの太股を拭いていく。
かなり奥の方まで手が入れられ、ほとんどお互いの身体は密着するようになっている。
白衣の感触がシンジの肌に触れる。
「さ、今度は前よ…」
シンジの身体を正面にむけ、背後から彼の胸に左手をまわすと、タオルを持った右手をズボンの中で彼の前にまわし、徐々に下着の中に入れていく。
「ああっっ……」
おもわず身体をよじらせるシンジの動きを楽しむように、左手で彼の胸をまさぐりながら、右手の動きを激しくしていく。
「そ…そんな…あぁっ」
突然襲ってきた強烈な刺激に、シンジは何も考えられず、抵抗することもできない。
彼女の手、いや、指の動きが激しさを増す。
すでにタオルは握っていないのかもしれない。
「ふふ・・・どうしたの・・・」
耳を舐めるようにしながら、彼女が息を吹き掛ける。シンジの身体が震える。
「…ああっ……はぅぁぁっっっ……」
もうう耐えきれない。シンジは目をつぶり、身体の奥からわき上がる衝動に身をまかせた。
なんかキター
なんだ…なんだ、なんなんだッ
318・319、
何度読んでも、脳内で立場が逆になってしまう・・・
・・逝ってくる・・・
シンジきゅんはぁはぁ
同居人がアスカとミサトじゃ家ではベタベタ出来ませんな
リッちゃんはあはあ
保守
インテリ女
いい女ダナー。
329 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/02(土) 09:43:06 ID:CWOJDtp7
1.風呂場で自分の名前を叫びながら自慰をしている声を偶然聞いてしまう
2.その想いで切なくなり、自分も自慰にふける
3.酔っぱらって帰ってきたシンジに「これは夢よ」とそそのかして手コキで射精させる
4.寝床に忍び込んで再度手コキで射精させる
5.シンジが快楽を求めて自分の部屋へ来るようになるのでフェラチオで射精させる
6.シンジが「日頃の疲れを癒してやる」とそそのかしてリツコの秘所をクンニする
7.「もう我慢出来ない」というシンジの訴えに素股で射精させる(挿入はまだ)
8.シンジに「好きだ」と告白され身体中をまさぐられる
9.自分も想いが登り詰めてシンジに挿入と中出しを許す
10. 風呂掃除をしているときにシンジにバックから責められ中出しされる
11. その後脱衣所でシンジに抱え上げられ駅弁スタイルで中出しされる
12. シンジに「もうやらせてあげない」と意地悪ぶってシンジの心を揺さぶる
13. シンジに力ずくで犯され中出しさせるシチュエーションに持ち込む
14. お互いの想いが通じ合い、いつでもエッチOKが暗黙の了解となる
15. リツコがセーラー服でコスプレしてさらにシンジの欲情を沸き立たせる
16. フェラチオでシンジの精液を全部飲み干しシンジへの自分の服従心をすり込ませる
17. 朝起きたシンジを台所で裸エプロンで待ち構え欲情させ中出しさせる
18. デート中に我慢出来なくなったと言って路地裏で青姦で中出しさせる
19. 日常でエッチを繰り返し「もうリツコさんさえいれば後は何も要らない」とシンジに言わせる
20. シンジの秘蔵のSM本を見せつけSMプレイに持ち込みアナルを捧げる
21. 毎晩のエッチが日課になり、同じベッドで寝るようになる
22. 無事にシンジの子供を妊娠・出産する
リツコさん頭イイ。
でも、シンジ君は未成年だから酔っぱらわないよ。
1.風呂場で、自分の名前を叫びながら、自慰をしている声を偶然聞いてしまう、シンジ・・・
2.その想いで切なくなり、自分も自慰にふける、シンジ・・
3.酔っぱらって帰ってきたリツコに、「・・これは・・夢です・・・」と、ささやき、手マンでイカせる。
4.その後、シンジの寝床に、忍び込んできたリツコを、再度、手マンでイカせる。
5.リツコが快楽を求めて、自分の部屋へ来るようになったので、好きなように(フェラチオ)させて、射精する。
6.シンジが「・・日頃の疲れを癒してあげたいんです・・」と、そそのかし、リツコの秘所をクンニする。
7.「もう我慢出来ないの・・・」というリツコの訴えに、あえて挿入せず、肉芽にコスリつけて、素股で射精する(挿入はまだ)。
8.リツコに「好きだ」と告白され、身体中をまさぐられる。
9.自分も、「想い」が登り詰めて、リツコに挿入と中出しをする。
10. 風呂掃除をしているリツコに、シンジがバックから責め、中出しする。
11. その後、脱衣所でシンジに抱え上げられ、駅弁スタイルで中出しされる。
12. リツコに、「・・もう、しませんから・・」と、意地悪ぶって、リツコの心を揺さぶる。
13. リツコに自分から「犯して!」と、懇願し、中出するシチュエーションに持ち込む。
14. お互いの想いが通じ合い、いつでもエッチOKが暗黙の了解となる。
15. リツコに、第3新東京市立第壱中学校の、制服のコスプレさせ、さらに自分の欲情を沸き立たせる、シンジ。
16. フェラチオで、自分の精液を全部飲み干させ、自分への服従心をすり込ませる、シンジ。
17. 「台所で料理を作る時は裸エプロン」という共通ルールを作り、リツコが当番の朝、起きたシンジが、最初に行う事は、裸エプロンのリツコに、中出しする事。
18. デート中に、我慢出来なくなったと言って、路地裏に入り、青姦で中出しする、シンジ。
19. 日常でエッチを繰り返し、「もうシンジ君さえいれば、後は何も要らない・・」とリツコに言わせる。
20. リツコのパソコンのデータに、秘蔵のSM画像を見つけ、SMプレイに持ち込み、アナルを奪う。
21. 毎晩のエッチが日課になり、同じベッドで寝るようになる。
22. 無事にシンジの子供を妊娠・出産する。
ふと某所で2008年度カレンダーのリツコとミサトのツーショットの画を見る機会があったんだが、
見た感じでは乳の大きさはリツコの方が上だよね。
きっとあのまぁるいおっぱいはマシュマロのようなんだぜ。
くにゅくにゅしたりふにゅっとしたりで吸い付くようなんだぜ。
これ揉んで育てたのって…と、とうさんなんだよなとかモヤモヤしながらも抗えずに捏ねるまくる
シンジであってくれるとなおいいぜ。
逆行改変ありならリツコ同居でもいいじゃん、と思うけど禁じ手かねやっぱ。
>>332 「逆行改変ありなら・・」
どう見ても、大好物です。本当に・・
EOEでの、うなだれてる時のリツコのおっぱいは最高。
異論は認める。
リツコ、シンジ、レイで同居ですね。
「リツコ、シンジ、レイで同居・・・」
なんて、爛れた生活・・・
そんなことよりおっぱいだよ。
あの胸の谷間に顔を埋めてぱふぱふしてもらうとか、いろいろなものを挟んでもらいたい。
リコーダーとか。
知的美女が痴態晒して羞恥に悶えたりする姿は実に萌える。
仮面剥がしたらむしろ初々しいくらいなんじゃないかと思うと堪らん。
思えばリツコは、ゲンドウの思惑、ミサトの動機、レイの素性を知っている人物なんだよね。
シンジにとって本当はすごく興味を惹かれる位置に立ってると思うんだ。
で、リツコと同居だったら確実に二人でラブ×2クッキングだな。
一人でやるより二人でやった方が早いじゃないなんて言いながら。傍目は新婚。
で、そのラブラブぶりを、
ミサトにからかわれるわけですね、分かります。
・・・つか、どなたか、職人さま、お願いしますです。
夕食の片付けが終わり、お互いの入浴の後、
シンジの部屋に、枕を持ったリツコが・・・
「・・・えっ・・と・・その・・あの・・
シンジ君一人で寝るのは、さみしいんじゃないかな?と思って・・・
・・・だって・・食事の後まで、ずっと仲良くしてたでしょ・・
・・その後、お風呂に入って・・離れちゃったから・・」
「・・分かりました。今日もいっしょに、寝ましょうね・・・。」
やれやれ、といった表情のシンジ、
もってきた枕に、赤くなった顔をちょっとだけ埋めて、恥ずかしそうにしているリツコ・・
>>339 >「今日も一緒に寝ましょうね」
>「今日も一緒に寝ましょうね」
大切なことなので二度言いました。
しかもやれやれといった表情で、でありますか?
慎ましいくらいにさりげなくサラリとスゴイことを言っておりますな。
毎晩一緒に寝てナニシテんですかにゃ〜〜?
つか主導権がシンジにあるっぽいのも良い。
昼間の訓練の時ではクールで厳しい有能な科学者な同居人に、
「ねぇリツコさん、甘えるのは夜だけにしてくださいね?」
などとベッドの上で会話してたりしてだな。
昼夜で立場逆転してるとかうはヤバス萌え過ぎワロタ
父親の愛人を寝取る、もしくは愛人の息子を篭絡するてのがいいんだろ・・・
愛人の本妻と同じ顔の小娘と同居とかどんだけ倒錯してんだよ
FFの読みすぎじゃね?
1のキャラセレ画面のメンチ切るニーナが好きだった
ん?、誤爆か?
三十女の熟れたオマンコに若すぎるチンポが出たり入ったりして
あげくブルブル震えながら中出しすると思うとたまらん
オーバーニーソも捨てがたいのは解るが黒スト美脚、しかも白衣がやはり
ジャスティス
普通にガーター付きでタンガ着けてそうな感じがまた・・・
下着エロは基本だよな?
・・・「黒スト美脚、しかも白衣」もすてがたいが、
シンジに甘えたい時には、純白のブラとパンティ、
もしくは、パステルピンクのブラとパンティ。
機嫌がよくて、シンジを、ちょっともてあそびたい時は、
純白かパステルピンクの、ブラとパンティに、白のガーター。
シンジとケンカしちゃって、1人さみしくベットに入る夜は、「ねこちゃんぱんつ」
>パステルピンクか白
ギャップ萌え? いやいや、ああ見えて中身は乙女なんですよと。
で、バックプリントのにゃんこに尻尾付き、肉球手袋に猫耳標準装備と・・・?(ゴクリ)
やりすぎだろJK。マヤが乗り移ったか。
コスプレならアオザイかチャイナで。ミサトと被るなら色違いで
際どいスリットから覗く美脚。チラリズムマンセー
ところで319以降、続きマダー?
インテリキラー・シンジ
アスカとの同居を巡り、多感なお年頃は流石にまずかろうと相成ってシンジを預かることになったリツコ。
実は水面下での熾烈な争いに勝ち残り、条件として出された禁煙を見事クリアしての同居なのだった。
禁断症状を乗り越え、シンジの手料理も手伝いやがて味覚や嗅覚に変化を感じていき…
そして現在
「で、アンタなんだってそんなに落ち込んでんの」
「ってた……?」
「あにが?」
「だから…その、タバコの臭い…よ」
つねに纏っていた香りだが同居人は好きではないようなのだ。
カーテンを洗った時や窓を拭いた時、黄ばんで茶褐色になった布にドン引きされていた。
負けず劣らぬヘビードランカーのアルコール臭漂う女に聞くのもどうかと思うが「ん〜、ちょっち?」
やっかみ半分、面白がる面持ちのミサトにリツコはただ肩を竦めて答える。
知らぬは本人ばかりなりかと天井を仰ぎ見、ヤニに黄ばんだ様にげっそりした。「最近食べ物が美味しいのよ」
ぽつりと呟いては、遠い目をしながらしみじみ思い耽る。
二人してキッチンで料理、などと言う芸当はミサトに望むべくもないだろう。
一人暮らしでは決して味わえないなんとも甘美なひと時だった。
「そりゃシンジ君お手製の料理はさぞや美味しいでしょうよ」
つかいい加減返してよウチの子を、などと言わんばかりの言いようだ。
むろんガン無視である。
「タバコ辞めると味覚が変わるのは本当ってコト」
「へ〜ぇ?」
「食は基本ね。シンジ君て本当器用なのね。いろいろ教え甲斐あるわ」
「せんせ〜、手取り足取りデスカ〜?」
段々とミサトの物言いが険しいものになる。リツコはうっとり惚気モードにスイッチが入ったようだ。
「内気だけど素直だし、ちゃんと教えてあげればスポンジみたいに吸収するし」「ってか聞いてんの?」
「それだけじゃなくて食べること自体が楽しいの」
今夜はなに食べようかしらと頬に手を当てながらの思案顔は
まるで新婚のように幸せそのもの。そして
「リ〜ツ〜コ〜」
般若、誕生。
期待あげ
>>351 おおっ!リッちゃんかわいい…。もっと長いの、希望。
ネルフ内で素っ気無い分、家に帰って玄関入った瞬間にシンジに抱き付いてくる様子が目に浮かぶ
シンジからリツコ、てのだと属性的には寝取り、寝取られ系になるのか?
「父さんにもそんな可愛い声聞かせてたの?」だの
「嫌だよそんなの、僕だけに見せて」だの
「全部教えてよ、父さんにどんな風に抱かれてたの」だの言うわけだな?
「義母さん…違うよ、リツコさんが悪いんだッ」
二、三年後になって押し倒すんだぜきっと
「僕の気持ち知ってたはずなのに裏切ったんだ」
とか言いながら
昼ドラだなまるで
義母になって妊娠したけど実は父親は旦那じゃなくて義理の息子だったとか
まんま源氏物語だ
つか我が国の誇る世界最古の小説で教科書にも載る古典がエロゲ要素満載って現実がもうアレなんだが
密かに片思い中のシンジを想って一人で慰めたりするのか
357 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/04(木) 06:31:25 ID:NSoSvSBr
チュッ!
「おはよう、シンジ君」
シンジは突然のキスで起こされた。
目を開けると、すぐ顔の上に美女が微笑んでいる。
突然の出来事で混乱するシンジの鼻に、良い匂いが流れ込んできた。
「お、おはようリツコさん」
やっと現状を認識したシンジは、リツコに挨拶する。
「朝御飯出来てるわよ。何時までも寝てないで、早く起きなさい。ほらっ!」
声と共にシンジの布団が引き剥がされた。
「うわっ!」
シンジは慌てて前を隠すが、遅かった。元気に起き上がっている所をリツコにしっかり見られてしまった。
「まぁっ!」
頬を赤く染めて、顔を逸らせてはいるが、リツコの目はしっかりと見つめている。
「シンジ君ったら、朝からそんなに元気に大きくさせて・・・やっぱり男の子ねぇ」
「ち、違いますっ! これは朝だから・・・」
「それならそうと言ってくれれば、私の方はいつでもいいのに」
「違いますってば!」
シンジの抗議に耳も貸さず、リツコはいそいそと服を脱ぎ始めた。
リツコはシンジの隣に座り込むと、シンジの肩にもたれかかった。
「ね、シンジ君。お願い」
リツコの手はさり気なくシンジの股間へと動いていく。
一度は元気を無くしかけていたが、甘いささやきに前以上に元気になる。
「リツコさん!」
シンジはリツコを抱きしめるとベッドに倒れこんだ。
「キャア、シンジ君、優しくしてぇ!」
リツコは嬉しそうに悲鳴を上げると、弱々しく抵抗するようにしながらも、シンジに手を絡めてよりぴったりと密着する。
「リツコさん、リツコさん!」
服を脱がせるのももどかしく、すでにすっかり準備の整ったリツコの中に、シンジは勢い良く突入した。
「あん。シンジ君、いいわ」
リツコは優しく迎え入れる。優しく、そして強く締め付ける。
「リツコさん、もう・・・」
「いいわ、来て! 私の中に!」
「リツコさん!」
「シンジ君っ!!」
激情が過ぎ去っても、二人は抱き合ったままだった。
ふと目が合うと、決まり悪いようにお互いに目を逸らせた。
「あ、朝御飯にしましょうか」
「そ、そうね」
二人ともそそくさと服を着ると、食卓へと向かった。
リツコは対面座位好きそうだ
投下街
アスカ、来日で凛々しいミサトを見て「リツコさんみたいだ」てシーンがあったが
その逆を見てみたい。
「キャッ、この猫のタンブラー可愛い!!ヤダ、こっちの灰皿も!イヤン、あんなのもある! ・・・私としたことがどうかしてたわ」て感じの。
まだ投下などには程遠い状態だけど
リツコ、シンジと二人で服を買いに行くでござるな話を考え中。
キャリアウーマンとしての完全武装戦闘服なフォーマルスーツで
子供服売り場に出没するリツコみたいな感じで
それを通りかかったミサトがガン見して抜け駆け禁止とか言い出す程度の話
女の、戦い
というタイトルじゃない
シンジ、服を買ってもらうでござるの巻くらいか?
ミサトがリツコに触発されてアスカに服買ったげるとか言い出す話でもあったり
道のりは遠い
投下には程遠いから小ネタ
リツコとシンジの共同生活は双方にとって良い影響を与えているようだと、周囲からは好意をもって
受け入れられ始めていた。
ごく一部の女子職員が生ぬるい目で見守って?いるらしいことを除いて。
要人警護はつらいよ
「却下」
共同連係作戦の為に葛城邸での昼夜を問わぬ共同生活合宿実施についての、赤木リツコ女史の回答は
短かった。
「あのね、遊びじゃないのよ?」
ミサトもミサトで譲れるものではない。作戦指揮を任されている以上万全な態勢で臨みたいのだ。
解っているわよ、とリツコは理解を示すものの続けて言う。
「そんなこと言っておきながら、久しぶりにシンジ君の手料理が食べたいな♪とか言って困らせたりしないでしょうね?」
冷ややかに、じっとミサトの目を反らさずに見つめながら、だ。
「そ、そんなことあるわけないじゃない」
(く〜っ!や〜っぱバレバレかぁ)
明らかに心拍数激増し、内心ではのたうちまわりながらも、そんな素振りは噫にも出さずにミサトが
食い下がる。
「あくまでコンビネーションを完成させるためよ。目的達成の為に必要なの」
「リツコさん、あ、あの…僕なら大丈夫ですから」
「シンジ君…」
突如として音速のスピードで二人の世界を作り、見つめ合うリツコとシンジ。
見てるこっちの背中が痒くなるってのとミサトとアスカ。それを不思議そうに眺めるレイとペンペン。
「私も一緒に参加し」
「いや、そーゆーのは良いから」
365 :
小ネタ2:2009/06/22(月) 20:20:13 ID:???
最初の頃こそミサトとリツコに板挟みされた形のシンジだったが、最近の彼は完全にリツコ側に回ってしまっていた。
ミサトとしては面白いようなそうでないような、寂しくもあり羨ましくもあり、微笑ましくもあって
複雑極まりない。
葛城邸のキッチンにはエプロン姿のシンジとリツコの二人がいた。
結局ミサト、アスカ、シンジにレイ、さらにリツコとなぜか加持までの六人分の食事を作ることにな
ってのことだった。
しかし目の毒というか…
「リツコさんがこの間作ってくれて一緒に食べたチーズとキノコのリゾット、すごく美味しかった…」
とシンジが言えば、
「有難う。シンジくん育ち盛りだし、沢山食べてくれるから本当に嬉しいわ」
シンジくんが作ってくれたかに玉も美味しかったわとリツコが言葉を返す。
「そんな…僕のなんて」
「あら」
うふふ、とリツコは蕩けたような慈愛の笑みを浮かべる始末。
「本当よ」
「リツコさん」
だからそこで頬染めて俯くとか、いきなり見つめ合うとかしない。
目を潤ませて照れまくりながら微笑み合うとか。
砂吐くから。
なんか恥ずかしいんだよ聞いてる方が。
音速で他人が入り込む隙間なぞまるで見当たらない絶対領域作るなっての。
うおっ、眩しっ!?
みたいなノリで眺めりゃ良いのか?
「嬉しい…です…そう言って貰えるなんて」
幸せオーラ全開。
「ねぇ…」
見るに見兼ねたアスカが口を挟んだ。
「そういうのは帰ってからやってくれない?」
366 :
小ネタ3:2009/06/22(月) 20:42:50 ID:???
人呼んで天然ジゴロ。
後に彼はそう呼ばれる。
「碇よ。間違いなく彼はユイくんの血を受け継いでいるようだな」
NERVにおけるカーネル・サンダースこと冬月はそう言いながら、過去に思いを馳せるのだった。
生前の碇ユイは、無意識無自覚にナンパ成功率400%と陰で囁かれた女だった。
ターゲット・ロックオン、とばかりに狙った獲物は決して逃さず、不思議な磁力で搦め捕るというよ
うな魅力があった。
どうやら彼女の一人息子のシンジも同様らしい。
内向的な性格や頑なな心を解きほぐしたリツコ自身の功績もあるだろう。
微笑ましいほどに良好な関係と言える。
今のところはであるが。
リツコがどう考えているかは判らないが、既に搦め捕られているように思えてならない。
「で、どうする」
「まだ孫は早いな」
「おい……」
飛躍し過ぎてるぞ、色んなものを。冬月は額を押さえた。
「せめて五十を過ぎてからだ」
「あのな」
つか当の昔に見限られて没交渉とは言え、仮にもかつての年下の若い恋人、もしくは愛人だったろうに。
「おじいちゃん、おじいさん、おじいさま、おじいちゃま…か。やはり違和感があるな」
「なら貴様はその髭なんとかしておけいい加減に」
なにを隠そう、以前にシンジから、
「父さんがアラブの王族と援助交際するために髭伸ばしてるって噂、本当なんですか?」
と目が据わった真顔で尋ねられた時、その噂の発信源を突き止めるまでかなり時間を要した。
碇が援交、なぜアラブ。
どこからそんな発想が?
少年相手にどこから訂正を入れたらいいのかと途方に暮れた冬月なのである。
「おじいちゃんのおひげ、イタいなどと言われてしまうからな」
「まずお前はヒトの話をとりあえず聞け」
彼女は変わった。
それは誰もが認める事実。
「目指せマイナス10歳肌」なる謳い文句を掲げた小さな瓶を前に、葛城ミサトは呻いていた。
最近、気のせいにしておけない、決して見過ごされないことに気づいた。
なんとなくである。
リツコが可愛いのだ。
喫煙していた頃から万全なケアをしていただろう親友が、日に日に変わっていく様に正直焦りを隠せ
ない。
赤木博士、と言えば知的美人もしくは綺麗だけど冷たい感じのする女、という評がなされていたものだ。
NERVにおいてbRの高官でもあり、実際に威厳や畏怖崇敬などを持って語られることの多いリツコが
変わった。
最近の赤木さんはなんだか可愛いし家庭的な雰囲気すら漂わせていると、女子職員の間でうなぎ登り
に評価が上がっている。
同性ですら気付くのだ。
むくつけき野郎どもが何事だと目を剥くのも無理はないだろう。
阿鼻叫喚である。
同棲か同居か。
大多数の“女の勘”によれば恐らくはまだらしい。
なにを言ってんだオマエラと言いたくもなるだろうが割とそんなもんだ。
若いお子様から生気を与えられて若返った、などと密かに噂されるに至っては眉を顰る懸案でもある。
かねてから淡麗辛口にしてミステリアスな魅惑のクールビューティ、と憧れを持って語られたリツコ
だった。
レースクィーン並に熟れきった妖艶な肢体があの野暮ったい白衣の下に隠されてるんだぜと妄想爆発
する野郎どもはさておき、当のリツコ本人が洒落にならんくらいに無自覚なのが処置なしなのだ。
そうしたなかミサトは焦りを感じているのである。
このままでは確実に
「最近、りっちゃん綺麗になったよな」
「……そうね」
「心なしか生き生きしてるっいうかさ。可愛くなってない?」
「………そうね」
「葛城よりも若…っていやなんでもない、おい睨むなよ、つか泣くなって」
368 :
小ネタ5:2009/06/22(月) 21:26:14 ID:???
彼ら二人をして、
けしからん眺め、と
誰が最初に言い出したかは知らないが、確実に実害を受けている人員がいるのは確かだった。
保安局諜報部所属サードチルドレン付き護衛監察班、通称三班と、
赤木リツコ博士付きシークレットサービスの面々である。
二人して一緒に仲睦まじく買い物だとか、揃って夕食だとか、微笑ましいというよりいっそ目の毒だ。
あれはなんだろうか?
再婚相手の連れ子と若すぎる美しい義母か?
それとも上役の令息に恭しく仕える美人秘書か?
もしくは若いツバメを囲う有閑マダムか?
あるいは独身キャリアウーマンの道楽か?
まったく一体なんのタイトルラインナップだってのとぼやきの一つも上がるというものだ。
様々な憶測が飛び交う中、当人達は歯牙にもかけずにどこからどう見てもイチャイチャしていた。
血圧上がるから。
なぁ少年、そんなしっぽ振った子犬みたいな無邪気満面な笑顔とか見せない。
隠し撮り写真の裏取引の額上がっちまうから。
最近色気出てきたとか愛くるしいとか萌え萌えとかとにかくウゼー発注…いやなんでもない。
アレだ。
禁欲的な生活続けてると愛は歪むんだと。
妙な嗜好の餌食にされないように。見つかり次第即座に没収だけど。
一応司令から君の写真の売買は禁止事項扱いになっとる。自重してくれ。
小遣い稼ぎなんてしようものなら袋叩きだからな?
博士、そのお母さんみたいな瞳で微笑み浮かべるのはどうかと…夢に見そうなんですが。
つか堪らんのです。妄想がですね…
そんな彼等の合言葉はひとつ。
「早まるな。その一枚で首ひとつ」
369 :
小ネタ6:2009/06/22(月) 22:00:13 ID:???
「いいのかねぇ」
「聞くな。俺らは見なかったし聞かなかったことにしとけ」
最近になってサードチルドレンは、リツコの不在の夜に彼女の部屋でどうにも寝ているような気配が
するとの報告についてのやりとりだった。
最高司令官の令息という身分には本来プライバシー保護レベルは高く設定されている。
あまり深く首を突っ込む事柄ではない、というのはただの願望だ。
卑猥な想像力を働かせるには十分な材料というか。
坊や、そんなネタで俺らが釣れるとでも?
って爆釣りだぜおい!
やすやすとそんなおいしいネタ提供しちゃならねぇと小一時間問い詰めたい。
いや、教育的指導をだな。したい。つかさせろ。
貴様赤木さんのベッドでナニしてんだコラ?
ただ寝てるだけ? 匂いで安心するから?
「あ〜……」
お子様だねぇ少年は。初々しいってレベルじゃねぇぞもはや。
「汚れちまった哀しみに、てなんだったか?」
「まぁ俺らは穢れて爛れた大人だぁね、と」
「だな…」
これまでもリツコが人目を憚らずにシンジを抱きしめる場面を幾度となく目撃して来ていた。
人との触れ合いに不慣れな様子の少年を包むようにして、リツコは柔らかく笑うようになった。
「けどヤバいだろ」
「いまんとこはまだガキの行動で済んでるけどな」
あのけしからんお子様は葛城作戦部長の胸にパフり、そして今は赤木博士の胸にパフっとしている訳で。
「匂い、かぁ」
「なんかエロいよな」
「エロいねぇ」
「仕事、したくねぇな」
テンション下がり気味の男たちが目が合わせ、やがて肩を竦める。
「いや、それとこれは別」
イイヨイイヨーwww
371 :
小ネタ7:2009/06/22(月) 22:37:17 ID:???
「今夜は完熟トマトの冷製パスタとかれいのカルパッチョに、とうもろこしとサツマイモの冷たいスープだそうだ」
「俺らはあんパンと牛乳だがな」
二人しての共同作業としてもはや恒例となった料理もクオリティはやたら高くなっていた。
和気あいあいと仲睦まじく楽しみながらの作業だ、苦になるはずもない。
しかも大層美味なようだ。シンジ少年は食が細そうに見えて実は食べること自体は好きなようだった。
「赤木さんの手料理か」
シークレットサービスの方から溜め息混じりの呟きがあがる。
きっと美味いに違いない。科学的に正しい厳格な調理法などとイメージされそうだが。
「最近パスタが多いな」
それがなんの役に立つんだと甚だ疑問なリストを眺めつつ男が呟く。
何食ったかリスト作るとかきめぇ、と思うだろう?
仕事なんだよこれでも。
「あさりの和風パスタ、梅肉と大葉風味。フレッシュトマトとモッツァレラパスタ。このタコライスってアレか、例の修学旅行の」
沖縄名物タコライスは例のクラスメイトからのお土産だ。
「しかし坊やは嬢ちゃんと同じで甘い物好きだな」
「あんだけストレス受けてりゃ脳が欲しがる」
「食欲があるのは結構なことだよ」
「食うに困ったことなさそうだけどね」
数日前のリツコお手製のホワイトソースから作ったシチューにシンジは大変感激した様子だった。
会話を聞いてるだけで生唾が出たのはもう必至。
「そのうち景品にならんかな」
「ビンゴゲームのか」
キノコたっぷりの赤木家特製シチュー、魅惑の一品である。
「坊やの中華も捨て難いらしい」
なんでもチャーハンは絶品なんだそうな。もっともミサトの批評だが。
「腹減った」
「食うか?」
差し出されたのはあんパン一つ。
「俺はつぶあんしか食わないんだ」
「あ、そう」
一体なにごとかと、その場にいた全員が思ったことだろう。
「父さん、行ってらっしゃい、気をつけて!」
と言う具合に。
シンジ、絶叫。
極度の緊張のあまり泣き出しそうな顔になっていた。どうにも彼にとっては使徒との決戦に臨むのも父親相手に見送りの挨拶を述べるのも同レベルの問題
らしい。
度肝を抜かれるとは言ったものだ。
その場にいた全員が間違いなくシンジに注目し、そのまま父親へと視線を移動させた。
まったくもって目のやり場に困る。ゲンドウはその場で硬直していた。
そしてなにをどうとも息子に応えるでもなく無言のまま背を向けて南極へ旅立ったわけだが。
恐らくV-TOLの扉で額を強打したものと思われる。
脳内でハウリングエコーし続けているかどうかについては余人の与り知るところではない。
ゲンドウと同行している冬月が、どんなことをニヤニヤしながら尋ねたかに関しても想像は自由だ。
「ごめんなさいね、シンジくん」
涙すら浮かべながらリツコはシンジの肩を抱いた。
隣りで聞いていて文字通り目を丸く見開いたリツコだったが、硬直したゲンドウに吹き出さないよう
抑えるのは本当に大変だったのだ。
が、ゲンドウの姿が消えた途端に抑えが効かなくなって、こみあがる笑いを全開にしたのだった。
一方シンジは、眉をハの字にしてばつが悪そうにしている。
「やっぱりあんなこと」
しなきゃ良かった、とうなだれる。恥ずかしくなったというよりゲンドウの反応に傷ついたせいだ。
なにも絶叫することもないだろうとは思うが。
「そんなことないわ」
潤んでしっとりとした目の表情を和らげてリツコは微笑む。
なにがそんなに嬉しいのかと聞きたくなるほどの笑顔を向けられて、今度はシンジが頬を染める。
「お父さん、すごく驚いてたでしょう。あんな顔見たの私初めてよ」
「そう…なんだ?」
そうよ、と頷いてリツコは応える。
「きっと届いてるわ、シンジくんの気持ち」
スマン
今夜はここで終了。
ただの小ネタですた。
中途半端ですた。
今週末から賑やかになるだろうけど、小ネタはただのFF。
スレ汚しサーセン
にぎやかなのはイイことだ!
>>373 読んでいる間、ニヤニヤが止まらなかった…
二人ともかわいすぎる…!
続きが楽しみでならないwww
「リツコさんヤらせてよおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
父さんにはヤらせてるくせにいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
胸はシンジのお陰で大きくなるな
1570グラム増量したのはおっぱい分か。
このゲンドウなら授業参観とか三者面談出てくれそうだ
380 :
習作:2009/07/02(木) 07:05:17 ID:???
柔らかな感触だった。
「……ん」
額から頬に、そして耳朶へと移動する微かな熱に緩やかに意識が浮上する。
あたたかな感触は絹のようになめらかで、しっとりとしていた。
「おはよう」
耳元に届くのは聞き慣れた女の声だ。
決して嫌な気持ちにはならない声の持ち主が呼んでいる。
「シンジ君?」
大きい訳じゃない、囁くようなその声はあくまで優しい。
「う……ぉ…ょ、ぅ…」
「お、は、よ、う」
やや困ったような声でもう一度。それでもせき立てるような響きではない。
くすぐったくなるほど近い声に、ようやくまどろみから抜け出したシンジが目を開けると、直ぐに触
れられる近しさに女の顔を認めた。
抜けるような青空みたいな飛びきりの微笑みを浮かべる相手に、釣られるようにしてシンジも口の端
を引いていく。
ふわふわとした意識でなんとなく目についたのは、今朝の彼女はどうやらまだ口紅の色を決めていな
いらしい、ということくらい。
「ぅ…おは、…」
油断すればトロトロと瞼がまた塞がりかねない。
「おは…よう……ございます……」
夢心地から浮上はした。
ぽや〜としたガチャピンのような目つきであったが、本能の
ヤベー途中送信
正しくは↓な
柔らかな感触だった。
「……ん」
額から頬に、そして耳朶へと移動する微かな熱に緩やかに意識が浮上する。
あたたかな感触は絹のようになめらかで、しっとりとしていた。
「おはよう」
耳元に届くのは聞き慣れた女の声だ。
決して嫌な気持ちにはならない声の持ち主が呼んでいる。
「シンジ君?」
大きい訳じゃない、囁くようなその声はあくまで優しい。
「う……ぉ…ょ、ぅ…」
「お、は、よ、う」
やや困ったような声でもう一度。それでもせき立てるような響きではない。
くすぐったくなるほど近い声に、ようやくまどろみから抜け出したシンジが目を開けると、直ぐに触れられる近しさに女の顔を認めた。
抜けるような青空みたいな飛びきりの微笑みを浮かべる相手に、釣られるようにしてシンジも口の端
を引いていく。
ふわふわとした意識でなんとなく目についたのは、今朝の彼女はどうやらまだ口紅の色を決めていないらしい、ということくらい。
「ぅ…おは、…」
油断すればトロトロと瞼がまた塞がりかねない。
「おは…よう……ございます……」
夢心地から浮上はした。
ぽや〜としたガチャピンのような目つきであったが、本能のなせるものかシンジは何もつけてなくても十分に紅いその唇をじっと見つめる。
まるで物欲しげに。
「…リツコさん」
響きは、なんとも頼りなげな幼さを覗かせていた。
それに応えるようにっこりとリツコが笑いかける。
「はい、おはよう」
そのままキスが降ってきても不思議ではない近しさにも、シンジに戸惑いはなかった。
カーテンが開けられているせいか、やたらと眩しかった。今日もどうやら晴れの模様。
シンジにとって、それまでとはなにもかもが本当に違っていた。
誰かにこうして起こされることも、それに…
鼻腔をくすぐるいい匂いの正体はすぐにわかった。
朝食の準備が出来ているのだ。
こんなことは、かつては考えられなかった。
どちらかと言えば圧倒的に用意する側だったからというのもある。ゆえに最初は抵抗があった。
戸惑いと言ってもいい。
恩着せがましく施される偽善ならないほうがいい。
誰かに期待をしない生き方をシンジはして来た。
こうして、なにかをして貰うなどおかしいのではないか?と
自分にはそんな価値はないと常日頃から考えていたシンジにとって、葛城家で家事の役目を率先して
こなしていた方が楽だったのだ。けれど
シンジは、リツコと一緒に暮らしていくことで多くの事を学ぶことが出来た。
考えることを止めず、心が抱え込んだ歪みを正すためにたくさん泣いた。
涙を流すたびに心が解けていくように。
頑なに閉ざされた窓を開け放ち、風を招き入れるようにして。そして……
「朝ごはん出来てるわ。このままだと寝坊よ?」
ベッドの端に腰掛けるようにして覗き込むリツコが、ただ眩しかった。
いつからだろう?
この人の側にいる自分を許している。リツコの目に映されている自分は嫌でないと考え始めている。
起き上がりはしたものの、微動だにせずシンジはじっと、リツコの顔を見つめていた。
傍から見ればただぼーっとしているようにしか見えないが。
「シンジくん?」
訝しげにリツコがただ名を呼び掛ける。躊躇いなく差し伸ばされた手が頬に触れてきた。
「大丈夫? 気分でも悪いの?」
それとも寝足りない?
労るような優しい声に、シンジは泣きそうな気持ちになった。
身体が熱いのは、きっと朝だから。
ありふれた朝の、ありふれた日常の始まりに過ぎないのに。
なぜか心が騒がしい。
ありふれた日常?
いいや、違う。
目の前に、女がいた。
リツコの指先が頬に触れてきたとき、まるで電流が流れでもしたかのようにシンジは身を震わせた。
「嫌な夢でも見たの?」
優しい声は慈愛に満ちた母親のようで。
違います、と首を振るシンジをよそに、リツコはぺたぺたと額の熱やらなにやらを調べようとしてい
るのか触れてくる。猫をあやすような仕草かもしれない。
「なんか…ホントによくわからないけど…」
一拍も二拍も遅れてシンジは答えた。
「ああ、リツコさんがいるって思った…だけで」
「…………うん?」
俯いて視線を逸らすシンジは、動きを止めた手が離れるのを恐れた。
「なんで…かな?」
不思議だった。
前にもこんな風に迎えた朝があるような気がして。
それがとても懐かしいようなよく分からない気持ちにさせたのだ。
そんなに経ってないはずなのに、随分と昔のように思っている自分にこそ戸惑っていた。
「………寝呆けてる?」
「リツコさんひどい…」
「そうかしら?」
ひどいのはあなたの方よ、と今度は両手で頬を包み込む。
「朝起きたらわたしが目の前にいて、だから泣きそうな顔するなんて」
「あの…だからそうじゃなくて………」
「なくて…?」
面白がるようにリツコが目を覗き込んでくる。逸らすなと言わんばかりに。
「だから…キスで…」
あなたに起こされたあの朝を思い出したなんて、言えない。
「キスで?」
コツン、と互いの額が重なる。それが合図となった。
濡れた音にただ、酔う。
起きぬけのシンジの唇は乾いていた。その乾きを潤すようにしてなめらかな女の唇が重ねられる。
どこまでも柔らかく弾むようなリツコの唇は、重ね合う唇を湿らせるようにでもするかのようだった。
口紅やグロスの甘く華やかな香りのしない唇から差し込まれた舌を、シンジは受け入れる。
駆け引きならもうすでに覚えた。
口腔に捩込まれたそれを誘い込み、探らせるように仕掛けて絡め合う。
ほのかに、味噌汁の味。
そんなことに気づいて、さらに舌を絡ませ攻める。
思うさまに味わい尽くそうと貪る浅ましさにいよいよ息遣いは荒くなって、慣れたはずの自分の部屋
の臭いが、やけに鼻についた。
片目を薄く開けてひとたび動きを止めれば、馴れた様子でリツコもまた動きを止める。
呼応するかのように見つめ合い、確認する。
獣じみた欲望を互いの瞳に映し出して。
合図とばかりにリツコの豊満な下唇を舌でなぞり、やがて場所を移し変えた。
今度はシンジが、リツコの唇に捩込んでいく。
「ぁ…ん…ぅっ」
誘うように甘く漏れた、鼻にかかった声が女の答えだった。
これをぼくに教えたのはあなたです、リツコさん。
濡らすようにゆるく舐め、焦らすように突っつきながら啄み、軽く吸い、あやすように甘く噛み。
緩急をつけ、時に強引に。痛め付けるのではなくあくまで確かめ合うために。
角度を変えて、口づけはより深く激しさを増した。
シンジの頬を包んでいた両手は、いつの間にか力無く縋り付くように肩に置かれている。
濡れた音は、とめどもなく溢れ出す唾液に舌が絡み合うさまを互いの耳に伝えていた。
「困った子」
唇を離すやいな呟かれた言葉にシンジは落胆する。
あれほど重ね合った唇から漏れた吐息の悩ましさに、乱されているのは自分だけなのかと。
心が否応なしに騒ぐ。
あなただって獣みたいな目をしてるくせに。
あんなふうに応えてきたくせに。
余裕ぶって。
「子供扱いしないで」
狡い。
シンジは拗ねたように、女に応えた。
「もう、何を言っているのかしらね?」
リツコは微かにだが美しい眉を寄せる。
「一体いつまで子供でいるつもりなの、受験生?」
そう言うやいな、シンジの鼻先をつまみ上げた。
そう、あの日々から3年。シンジはなんとか進級し、今年で18歳になる。
つまり受験生。
目指すはリツコの後輩、というわけでもない。
音楽に携わる道を選ぶと決めたので、一も二もなくひたすら練習の日々だ。
そうでなくとも、持ち前の記憶力とべらぼうにいい要領のよさに加えて否応なしに高められた集中力
のお陰もあって、彼は学年でもトップグループにいるのだった。
もっとも担任は複雑な心境らしいが。
まだ3年しかなのか、もう3年もなのか。やっと3年なのか、ようやく3年なのかは正直わからない。
だが、あの頃から変わらずに続いているのはリツコとの生活だった。
「ご、ゴメン…なさい」
カタツムリのように首を竦めて謝るシンジだった。
だいたいあなたがキスして起こしたりするから悪い、とはまさか言えない。
「もう、昔の夢でも見てたのかと心配したのに」
唇を尖らせた、ややおかんむりの様子のリツコはしかし、すっぴんだ。
不意打ちのような幼い仕草にドキリとさせられる。唇はキスの後さらに濡れたように艶を増していた。
それがどれほど心を騒がせるか。きっと自覚などないのだ、このひとは。
思いがけないほど疎い。
というか、鈍い。自分のことを棚に上げるつもりはないが相当鈍い。
まだストッキング履いてないんだ、なんて気づいたら気づいたで色々あるんですぼくだって。
いまリツコさんのスカートの中、生足なんだとか。
妄想が暴走しだして止まらなくなる訳で。
昔を思い出したのは、むしろあなたのせいですよ?
シンジは言うべきか迷いながらも、じっと唇を見つめていた。
GJ
忘れるにはあまりに鮮やかすぎた。
あの日の朝の
あなたは
「ね、シンジくん」
渇きを満たされたい。
そんな欲望に潤んだ瞳で、見つめながらせがんだのは?
子供を男に変えたのはいったい誰だというのか?
「お願い」
貞淑な大人の女の仮面を外して、母親を演じるのを辞めたのは?
「ねぇ…」
戸惑いを隠さぬ声音でリツコが呼びかける。
「そんな熱心に女の唇を見つめたりしないで」
そこにいるのはただの女だった。
「不躾すぎるわ」
そう言って唇を引き結ぶリツコを、シンジはまじまじと見つめる。見とれて、ではなく。
あんなキスを仕掛けてきておいて、よくもそんなことが言えますね。
「だって…」
ハウスウェアは白を基調とした清潔な装いなのに、かえって心を騒がせる。
誰しも眺めることの許されぬ素足のままの、飾らない無防備な姿。
「すごい久し振りだったから……」
あなたがいる朝なんて。
「………」
事実、頻繁なリツコの海外出張でシンジは文字通り放置の状態だった。
生活リズムが噛み合わずに一緒に朝食を取ることすら稀になっていて、すれ違いが続いていたのだ。
無言のままスッと手が伸ばされて、髪をわしゃわしゃとかき撫でられる。
「……もう」
子供扱いしないで下さいってばと片方の眉を跳ね上げて上目遣い。しかし相手の方がやはり上手だった。
「………だから、」
するりと、しなやかな女の指先が撫で、辿る。ダウンケットの表面の、主張するかのような波を。
「ここをこんなふうにしている、というのかしら?」
「いいえ、あなたはやはり子供よ」
胸を突き刺す無情なリツコの言葉は、同じように何度もシンジが繰り返した懇願に対しての、
かつての応えだ。
子供扱いしないで、と。
「大人になりなさい」
女が言う。
哀願するように。
「大人になりたい」
だからこそ願う。いいや、願っている。
まるで飴と鞭だ。
同じ唇が甘く紡ぐ。
罠のように。
「本当に……あなたはまだ子供なのにもう男のつもりなのね」
「そんな……誰のせいだと思って……」
目も眩むような絶望に叫びそうになった。
「わたしよ」
蠱惑する笑みとともに、女が応える。
いともたやすく、たったそれだけの言葉に縋りつくのだ。
確かに、あの頃の自分は幼かったのだろう。
女の腕のなかに包まれ、委ねていたのは頼りない身体だけではなかった。
心ごとすでに奪われていた。
「わたしがあなたを男にしたの」
言葉の裏側にある闇の深さを知らずに。
惑い乱れた心のまま浅ましく焦がれ求めるばかりで、リツコの想いも葛藤も頭になかった。
「わたしがあなたに女を教えたの」
そして繋がれたのだ。
見えない糸で、がんじがらめにされることを自ら望んだ。
他人と言うにはすでにあまりにも近すぎて、そして家族という絆ではもう、自分を騙せないところに
まで来ていた。
嘘にしたくない。
遊びにしたくない。
気まぐれに肌を重ね、交わし深め合うだけの知識としての情事なら要らない。
罪だとは思わない。
シンジ自身も戸惑う烈しい衝動と想いは変わらずに胸にある。
恋に落ちたことを自覚すればするほど、気づかされ、思い知らされる。
子供なのだ、自分は。
嫉妬と焦燥に狂いそうになったことさえ。
口づけひとつ、仕草ひとつに男の影を見た。
彼女が自分に教えたすべてを、彼女に教えた相手の存在を感じ取った。
それが誰であったのかさえも。
使徒殲滅の大義名分を失ったNERVの解体に伴う諸々の手続きのため、身分と責任のある大人達はそれ
ぞれに相応の行動を要求されていた。
人類史上の大いなる功労者という役割はともかくとして、庇護を受ける子供でしかない自分を歯痒く
思っているのも確かだ。
多忙を窮めるリツコにわがままは言えない。
結局、いつまでたっても子供のまま。
背丈も肩幅も、腕の強さも3年前に比べれば遥かに大人に近づいたと思う。
しかし、それだけだ。
「元気、ね?」
声と共に、布越しに緩やかに指先でかたちをなぞられて、さすがにシンジの頬に赤みが差す。
あの朝は慌てて前を隠したものだった。
「だって…朝…だし」
「そうね…」
そういう答え方が子供っぽいのよと言わんばかりに、顔を覗き込んでくる。蛇に睨まれたカエルのような心地だ。
「朝ですもの、ね…?」
ふふ、と喉を震わせるようにして笑みを刷く。とろりとした蕩けるような女の微笑みに息を呑んだ。
時折覗かせるズルくて意地悪な顔は、大人の余裕を見せ付けるような。
彼女の悪い癖。
いや、挑発なのかもしれない。
そのまま引き寄せて目茶苦茶にしてしまいたい。獰猛な獣じみた欲求をいますぐ満たしたい。
溺れてしまいたい。
貪欲に。
目も眩むような心地で恋を自覚する。知れば知るほど欲が深くなる。
焦がれてやまない。
ただ、確かめたい。
そんなどうしようもない危うさが、シンジの胸を突き上げる。
触れたい。
「リツコさん」
「学校、休むの?」
「リツコさん……」
はぐらかさないで。
欲しい答えをくれない。
いつからだろう?
このまま生殺しにされる方がよほど辛いのに。
シンジは、かつてほどには優等生ではない。
16歳年上の女性との真剣な交際を考える程度に、モラルを遥か彼方に逸脱している。
父親譲りの精悍さと母親譲りの甘さの双方を受け継いだ涼しげな容貌は、華やかさには欠けるものの
受けはそれなりに良い。
嘘だろうと誰しも思うかも知れないが現在のシンジは硬派で一応通っていた。
実情は歯牙にもかけていないだけで、一番以外は漏れなく同率でしかないだけなのだが。
欲しいのは目の前の女のすべて。その身も、心も。
「本当に困った子」
クスクスとリツコが笑う。その仕草にドキリと心臓が跳ね上がった。
飾り立てるような真っ白なレースのエプロンを剥ぎ取ってしまいたい。
いますぐに。
「ひどい…まるでぼくだけみたいじゃな…っ!?」
いですか、と続くはずの言葉ごと、女の唇によって再び封じられた。
息を奪うような、絶え間無く降り注がれる啄むような口づけは待ち焦がれた答えそのものだった。
「…………して」
あの日のように、仕掛けてよ。あなたから。
「見せて、リツコさん」
全部、ぼくの目の前で。
「あの時みたいに」
さらけ出して。脱いで。せがんで。
絡み合う視線はそのままに女は短く応えた。
「良いわ」
カーテンを再び閉じる。
まだ秘密にしておきたいから。
置き時計は伏せたままに、女は腕時計を外す。
両方の足首が交差し、足裏と甲とが重ね合わせるように擦り動くさまを背中越しに感じる。
ほんのわずか、気持ち程度に膝裏を掬い上げるだけで簡単に解ける戒めだ。
両側から身体を挟み込むように脚は組まれている。
白くてしっとりしたふくらはぎが打ち付ける音が、荒々しい息遣いと軋むスプリングの音と重なる。
大腿をなだめるよう撫で上げては唇を寄せた。
肩より上の膝頭に。
反り返った白い喉元がやけに眩しかった。
時折ピンと爪先が伸ばされて、さっきからかかとが気になって仕方がない。
「リツコさん」
呼び掛けに応えはない。
ただ潤んだ瞳は切なげに見上げてくる。うっすらと上気した肌はとても艶めかしい。
「爪、立てないで」
同じように背中に回された指先は肌を引っ掻こうとするかのように力が入っていたのだった。
ミミズ腫れの引っ掻かれた痕をクラスメートの目に晒すなど、さすがにまだそこまでの度胸はない。
リツコは無言のまま縋り付くように腕を首に回し、押し付けてくる。
あたたかくて柔らかくて甘い匂いのするなめらかな肌を。まるくて形の崩れていない乳房をだ。
息は、まだ落ち着いていない。
シーツは湿っていた。
「怒ってる……?」
快楽の余韻が収まり切らぬままに尋ねるシンジの声は気持ち低く硬い。
互いに向き合うように座った形だったが、女は力を抜き預けるようにもたれ掛かってくる。
まだひとつのまま。
離れないように腰に腕を回すと、呼応するようにくねらせ詰めてくる。
すごく嬉しい。
「ね…?」
目は合わさず、緩く頭を振られる。鼻先を耳の下に埋めてきてくすぐる。
そういうところがいちいち可愛いのだが、本人に自覚は多分、ない。
久しぶりの女の匂いはたとえようもなく甘くて、それに加えて吹き掛けてくる息はとても熱かった。
「あと一ヶ月だよ」
覚えてる?と頬に頬を擦り寄せ、耳朶を軽く噛みながら続けて話し掛ける。
が、しかし。
「…………会、議」
予想に反した答えをリツコはボソッと返した。
「……………え、と…」
あれ、リツコさん今日オフじゃないんだ?とばかりにシンジは首を傾げた。
これはマズイ。
「どうしてくれるの」
「なにがです?」
とりあえず、すっとぼけてみる。
じりじりとした視線を首筋に感じた。
「こんなところに跡つけてなに言ってるの?」
リツコの首筋にはかなりくっきりとしたキスマークが残っていた。
「ぼくが悪いの?」
無論、つけたのはシンジをおいて他にいない。たった今つけたばかりの所有の証だ。
そういうあなたも、ひとの肩噛んで歯形残さないで下さい。
「リツコさん、濡れてたでしょ?」
あの頃よりもむしろ今の方がすれ違いが多くなっていて、それが焦りに繋がっているのは確かだった。
シンジの日常に、一番必要なものが足りない。
リツコが、いない。
じりじりと焼け焦げそうなくらい強く睨まれる。潤んだ瞳で。
「はしたないわ」
「本当のコトだし」
「シンジくん」
「好きなヒトとキスして気持ちいいって感じるのは悪いコトなの?」
「そういうことじゃ…な……んっ…ぅ……」
荒々しく口づける。しかし案の定逃げることなどしない。なにもかも取り繕っているだけなのだ。
感じてるくせに。
敏感になってるくせに。
ずるい。
両手で乳房を鷲掴み、やわやわとこねまわす。
「だ…め……」
吸い付くような汗ばんだ柔らかな肉を掴み、指と指の間から覗く粒をそのまま挟み、捩る。
「ゃあっ…」
「あんなキスしててなんにも感じてなかったのなら、ぼくは寂しいな」
リツコさんもそう思うよね?あんなにすごい濡れた音させてたんだもの。
「…お願……もう」
大人の余裕はどこへやら、懇願すら快楽に上擦って震えていた。
「確かに目立つところにつけちゃったかなって思います」
悪びれる様子もなく白々とシンジは耳元に告げた。
「だってそうしたかったから」
シンジがエロす
wktk過ぎてなんとコメントしたらいいかわからないwww
本当は身体の至るところにつけたいくらいなんだ。
「あなたはぼくのだって、ちゃんとわかるように印をつけたかったんだ」
「……………」
だけど、あなたを困らせたいわけじゃない。ゴメンなさい。
そう謝りながらも、手の平に吸い付く感触は堪能し続ける。
どこまでも柔らかいのにそこだけぷっくりと固い蕾を摘んだ指の腹で押したり、弾いたり。
「やめっ……なさい…」
そうは言いながらも、反射的に仰け反り腹部を押し付けて腰骨を擦らせる。
揺する動きを自らしてくるリツコの紅潮した頬は輝くほど美しかった。
「すごく綺麗だ」
素直に感じたことをシンジは口にする。
久しぶりだからというのもあるが、ベッドの上のリツコのしおらしさは心を揺さ振らずにいられない。
けれど
こんなふうに乱れて、溺れている姿をあなたはぼく以外の男にも見せたんだ。
あのひとにも。
一瞬心を過ぎった昏い思考にシンジは眉を寄せた。
まだ、駄目なのか?
いつもなら、その詰まらない思考に支配されてより激しく求めているところだった。
いい加減大人になりたい。
そんななか可愛らしい年上の恋人が唇を開く。
「シンジくん…あなた本当に学校…」
休む気なの?などと健気にも上擦った声で尋ねる様にときめかないほうがどうかしている。しかしだ。
「…………」
なんとも微妙な気分でシンジは言葉を探す。
まったく本当にどうしてオフじゃないのかな?
「リツコさん」
昔からNERVはカレンダーと無関係に活動していたが、ホントにおかしい。
自分の誕生日から逆算して一ヶ月前なのだ。普通わかるでしょ?
「ゴールデンウイーク、て知ってます?」
401 :
朝の挨拶:2009/07/06(月) 06:34:30 ID:???
>>397 支援d
タイトル通り投稿は朝に限定。1つずつだとストレス溜まるんでまたまとめて投下する予定す。
ただ内容がアレなんで
ageるのは勘弁。
しかし貞エヴァに打ちひしがれていじけそうだ。
ちょうどこれの続きで親父関連書いてたから。
あまりになんも捻りもありゃしねーのがまた…
こっちはFFだからいーか
>エロす
擬態語使わずに、派手さはなくじわじわ目立たずにを目指してる。
これリツコ視点でやったらそれこそエライことに
がんがれー
エヴァで怪我したシンジにりっちゃんが包帯巻いてあげたりするのかなあ
404 :
夜中に挨拶:2009/07/08(水) 21:24:14 ID:???
>>397 携帯だとファイル大きすぎって出たからPC立ち上げて改めて確認。
いまさらだけど改めて感謝。
朝の挨拶は基本的に携帯で書き込んでいる。で、案の定改行がなんだか随分変だた。
読みづらくて申し訳ない。
リツコには中間色の明るい緑色が似合うと思う。
アースカラーより水面に映し出された鮮やかな新緑の色合いのようなものがいいかと。
個人的にナオコとリツコの組み合わせだと赤と白の椿を連想する。
中の人の誕生日と同じ11月生まれってことらしいから夏の花の白椿だと変なんだろうけど。
苔むした緑の上に白の花弁が散らばってるさまとリツコなんてのにときめく。
凛とした佇まいというものですな。
背後から抱くように身体の向きを変え、女の鳩尾から腰にかけてゆっくりと手の平を撫で落とし、引
き寄せる。
腕を拒むことなく受け入れてくれるのは、ただ年下の男になすがままにされることを惰性で許してい
るのではないのだと知っていた。
求めてやまぬ腕に、かつて何度も包まれ抱かれたことを忘れていない。
心ごと何度も。
抱きしめてくれたことを。
汗ばんだ襟足に鼻先をこすりつけて、張り付いた髪の毛ごとそっと口づけを落としていく。
柔らかく優しく、啄むように何度も。何度も。
耳の後ろを軽く舐め、そのまま耳朶のかたちを辿るようゆるく口に含んだ。
「見えないところならいいんだ?」
顎を女の肩口に乗せながらクスクスとシンジは笑う。甘えるような響きを含ませて。
聞けば、今日開かれるのはランチミーティングだとのこと。今はまだ朝7時をようやく過ぎる頃だ。
本当に、彼女がオフなら一日中こうして抱き合いたいくらいなのに。
「あなただって爪立てるなって」
言ってたじゃないのと、素肌に当たる熱さから逃れるように腰を揺らめかせながらリツコも反論。
その動きと相俟って豊かな乳房がふるん、と揺れるのを腰骨を撫でさする手の平は敢えてそのままに
していた。
「水泳とかあるし」
「そういうところ、嫌われるわよ?」
首をわずかに動かしこちらに向かせた女の横顔に唇を引いた。
「嫌?」
「………」
問い掛けにぷいと顔を背けられてしまった。恥ずかしそうにどこかそわそわしたさまが堪らない。
もういっそのこと噛み付いて消えない跡を肌に残してしまおうかなどと不埒なことまで頭に過ぎる。
愛しい。とても。
可愛いい。
「足りないの?」
「足りないよ」
正直にさらりと、短く答える。駆け引きなどもはや意味はない。
目が合う。
互いの気配と、呼吸する音だけが部屋にあった。
「わがまま…かな?」
コソリと、
弱気げに尋ねると、軽く見開かれた。
「もう……」
参ったわねと、やがて首を傾げられながらも優しい目をされる。
そんなささやかなやり取りに揺さ振られてやまない。
胸の奥に込み上げる熱をすぐにも叩きつけたい衝動をシンジは押さえ付け、女の伏せる瞼に恭しく口
づけをひとつ落とした。
そしてそのままこめかみに頬にと続けて、突っつくように軽く啄むキスを。
挨拶のように。
「…………」
絡み付く視線は互いの欲望を物語っていて、さらに深く確かめ合いたくて唇を重ねた。
本当にどれくらいぶりだろう?
彼女がそばにいる。今ここで、同じ時間を過ごしている。
たまらなく嬉しい。
そうして、シンジは女の背を押すのだった。
まずは。
首から続いていく幾つもの突起を、ゆっくりと唇で追うことに決めた。
丁寧に良く磨かれた身体のなかでも背中の美しさは際立っている。
そう思いながら、シンジは後ろから眺めていた。
実際リツコは背中の開いたドレスがとても良く似合うと思うし、シンプルな装いなのになぜか蠱惑的
な色香に惑乱される。
胸元の美しさや魅惑の太腿もさることながら、うなじや肩甲骨の線もいい。
なんにせよ彼女はとても美しく愛しい。
支援
wktk
リツコの耳元を飾るのは、かつては赤のスクエアピアスだった。
振り向かないかな、なんてぼんやり考えてた時、
顔を上げてこちらを振り向き笑顔になる彼女に、幾度となく胸を突かれたことも覚えている。
その記憶に必ずあるものが赤のピアスでもあった。
しかし今この時の彼女の耳にはシンプルなスタッドが控えめに添えられていた。
鮮やかに明るい緑色の石はリツコに良く似合っている……と思う。
と言うのも、なけなしのバイト代をアリの如く貯めに貯めて贈ったものなのだ。
ドレスアップした初デートでの思い出のひとつと深く結び付いたものでもある。
背中の開いたシャンパンゴールドのシンプルなドレス姿の淑女と、おっかなびっくりエスコートする
若造という組み合わせだ。
当時、ストレスからの解放によって急激に伸びはじめた背丈は、まさにリツコとの身長差を逆転する
勢いであった。
今でも鮮明に覚えている。
「まるで七五三みたいね」
「…………」
多分このひとには絶対敵わないとあの頃は思っていたものだった。
確かに遥か記憶の彼方の発表会以来でしたが?
燕尾服着るの。
蝶ネクタイとかですね…そんなふうにあんまりガン見されたくは…恥ずかしいですし。
ああもう。
綺麗だし可愛いしすごく似合ってると思いますそのドレス。
けどぼくは、あなたはなにも着てない時が一番好きです。
などと耳打ちして、額に手刀を見舞われたことも今となっては笑い話だ。
とても幸せな、記憶だ。
今のぼくが求めるのは、
生きていくことで得られる喜びと誇り。そして、
あなた
憎しみ、怒り、悔恨、裏切られた想い、狂気、そして苦しみ……。
かつては
信じていたいからではなく疑うのが面倒だった。
盲目的に信じているほうが楽だったから。
考えることを、疑うことをやめてただ闇雲に従っていようとしていた。
なにも考えずに、自分がなにをしているのかも、なにをさせられているのかも知ろうともせず。
ただ
そうしていればいいと。
「ニンチのゆがみ……ですか?」
葛城家から離れ、リツコとの共同生活を始めてようやく慣れて来た頃のことだ。
いきなりの話ではなかったものの穏やかな話とも思えず、落ちつかなげに視線を行ったり来たりさせ
て、なんとかしてやり過ごせないものかと思案していたものだった。
認知…つまり物事の捉え方や考え方にゆがみがないかどうかについて考えていきましょう。
まずは自分の発想パターンを正しく知ること。無意識にストレスを増やしてしまっていないかどうか。
10項目に渡るチェックシートをちらと見ては逸らし、また見ては逸らしといった気乗りしない態度は
今思えば相当あからさまだったに違いない。
一体この人はぼくになにをさせようというのか?
項目をひとつひとつ読むことさえ、実は気鬱だったのだ。
嫌なことから逃げていると思われるだろうか?
「シンジくん?」
「えっ、はいっ?!」
上擦って裏返った情けない声で応え、まるで叱られた犬のように身を竦ませてリツコを見上げた。
「今、あなたがなにを考えているか、当ててもいいかしら?」
手を、開いたり閉じたり。繰り返し何度も。
胸がザラザラする感覚は、かつてほどではないにせよ今も疼く傷痕のようにあり続けている。
まるでなにかに急き立てられているかのような気持ちで、あの頃の自分は生きていた。
追われているかのように。
リツコは多分、そんなに珍しい事は言わなかったと思う。
所詮コミュニケーション不全の自覚に欠けた子供だったのだ。
「ぼくが…なにを考えてるか、ですか?」
我ながら苦笑しか出て来そうにない、ぶっきらぼうな言い方でしかも生意気に上目遣い。
挑発的で反抗的な態度は相当扱いづらい子供だったと思う。
そうした無意識の行動…この場合はさしずめ感情的決めつけと結論の飛躍、根拠のないレッテル貼り
などにまず気付くことを、彼女は持ち掛けてくれていたのだ。
そうよ、というふうにリツコはじっと目を逸らすことなく穏やかに見つめて応えた。
「なんでこんなことしなきゃいけないのかなって思いながら、それとは別にぼくはどうせ歪んでるよ
ってそんなふうに考えてはいないかしら?」
「……………」
何も言えなかったのを覚えている。
ただ胸の奥を殴られでもしたように唇を噛み、じっと見つめて、探るようにしていた。
「……そう、良いわシンジくん。この前約束したように、人の話を途中で遮らずに最後まで聞いて」
「……何が言いたいんですか?」
言ってるそばから遮ってしまっていた。過剰反応も良いところだった。
褒められていたことすら気付かず、不安のために何かせずにいられないという悪循環を、自覚すらし
ていなかったのだ。
ひとは、誰かに従わずに生きることは出来る。
けれど、そのことと誰とも関わらずに生きていくことは違う。
ひとりで立つことを覚えることと、誰かを求めることは本来対立はしない。
なにものにも支配されない心で、誰かの手を取りたいと願うことは。
わずかに目を細め、決して頭ごなしに怒鳴り付けるでもなくリツコは話し掛けてきてくれた。
「図星かしら?」
穏やかに、しかし辛辣に。時に冷淡過ぎるとすら思える顔のまま。
「だから…」
何が言いたいの?
焦燥感に胸が苦しくなっていた。容赦なく突き付けてくるような彼女に対して反発を覚えるなという
のは無理だった。
あの頃の、衝動的で感情的な決め付けしか出来なかった子供は、闇雲に他人の動機や思惑を気にして
ばかりいたからだ。
「どうしてそう思ったの?根拠はないでしょう?」
「だから…」
「私はそんなことをあなたに言いたくて、それを渡したわけじゃないわ」
辛抱強く、からかうのでもなくそう話す彼女は紛れも無く大人だった。
「この間言ったこと、覚えてくれているかしら?」
「あの………は、い」
おどおどしながらなんとか応えながらも、泣きそうな気持ちになっていた。
焦らないで、人の話を最後までちゃんと聞いて。その内容がどんなものでも途中で遮らないで。
ひとつひとつ、確認していきましょう?
あなたはなにを知っていてなにを知らないのかを。
あなたひとりで、ではなく一緒に考えていきたいの。
リツコに言われた言葉を思い出し、心許なげに視線を忙しなく動かすばかりだった。
「突然大きな声を出して、威嚇するように脅かして話をうやむやにしようとしないの」
ね?と目の表情を和らげる彼女に胸が崩れ落ちそうになっていた。
『誰も愛してくれない』
『ぼくは一生懸命やっているのに、みんな悪く言う』
『みんながぼくにひどいことを言ったり、利用しようとする』
『誰もぼくをわかろうとしてくれない』
そんなふうに不満を持ち続け、ひとを怖れていた。
けれど客観的に見たとき、こうしたことが事実であったことは殆どなかった。
過去を理由にした現在の否定も、恐怖による無意識の限界の設定も、それがなにゆえにもたらされた
ものか気付けば、存外呆気ないのだ。
そんなものなのだろう。
認知のゆがみについて考えるのはあなたにとって必要なことなのと、前置きしてのリツコの言葉だ。
「じゃあ、まずは改めて自己紹介から」
「自己紹介?」
「ええ」
脈絡がよく掴めずにいる自分に微笑みながらリツコは話してくれた。
生まれ故郷と祖母のこと、ミサトや加持といった友人のこと、そしてMAGIを開発した母ナオコのこと、
ここでの彼女自身の役割や考えていることなど、おおよそ赤木リツコという人物をイメージするのに
必要なことを、出し惜しみせずに。
相手を知るにはそれだけでは足らないが、会話のキャッチボールを始めるには欠かせないことだ。
どんな価値観を持っているか、なにを信じ、大切にしているのか。
互いを尊重し対等な関係を結びたいなら、そうした事柄への理解は不可欠だと今の自分は知っている。
彼女は誠実だった。
それでね、と言ってリツコはとっておきの話だと言わんばかりに目を輝かせながら、一言。
「わたしね、ネコ大好き」
乙乙
しかし文章上手いな
それまでとは打って変わった、茶目っ気たっぷりにとでも言うべきだろうか。
意表をつかれて面食らったの方がより正確かもしれなかった。
「ネコ、お好きなんですか?」
「ええ」
ちょっと照れも入っていただろうか、彼女の頬は少し赤く染まっていた。
確かにリツコのマンションではありとあらゆるかたちでネコに関連したグッズを見かけていたのだ。
これは誰の趣味なんですかと聞いてみたかったことでもあった。
なんというか。
正直、その時に自分はホッとしたのを覚えている。
胸のうちがあたたかくなって、自然と笑顔で向き合っていた。
よくよく考えれば、彼女の第一印象はあまり良くなかったのだ。
自分に苦痛を強いる大人たちの一人で、人間味に欠けた科学者という程度の印象でしかなかった。
同居が決まったその時も、彼女はミサトの親しい友人だから問題ないという認識だった。
そんな浅はかな考えしか自分は持っていなかった。
とても失礼な話だった。
さらに彼女は実家に残していた大切な家族であるネコのことも話してくれた。
そして
「シンジくんは犬派、ネコ派?」
「えーと……」
曖昧に濁して言葉を探す。考えたことがなかった。
「あー、その顔は特に考えたことないって顔ね、」
さばさばしたようにリツコはそう言って笑った。
今の自分ならその時の彼女をそう受け取っただろう。
しかし
せっかくの彼女の機嫌が悪くなるのではないか、そんな考えを当時の自分は持って言葉に出てしまった。
「ごめんなさい」と。
「シンジくん、それ禁止」
「……あ、すいませ」
「だから禁止」
「…………」
「あなたは悪いことをしたわけじゃないのだから、むやみやたらに謝るのはお止しなさい」
「………はい」
言ってるそばからは彼女の言葉に逆らっていた。
「ごめんなさい」
「それじゃ今度はあなたの番ね」
リツコは話を切り替えるよう言った。
「え?」
「だから自己紹介よ」
なんでもないことのように告げられたにもかかわらずに、なぜかズキリと胸が疼いた。
「……あ、…はい」
一拍も二拍も遅れてようやく応えながらも、しかし舌が縺れる。
なにを話したら良いのだろうか?
改めて考えて、自分を紹介するという行為をそれまでなるべく避けていたことに気付かされたのだ。
詮索されるのは嫌だったからだ。どうせぼくの気持ちなんてわかりはしない。
そんなふうに。
家族のことも、それまでの自分についても知られたくないことのように考えていたからだ。
それに第一、父親のことなら自分よりも彼女の方が知っているのではないか?
なんでそんなことをわざわざ聞いてくるのだろう?
頭の中身がぐるぐる回転しているような気がして、気分が沈んでいった。
たわいもないのだ。
沈黙の意味を正しく読み取っていたらしいリツコは辛抱強く待ち続けていてくれたのだが、それでも
一向に言葉を詰まらせたままの自分に、ついには助け舟を出す始末。
「あなたが、自分自身のことで知って欲しいと思うことだけで良いのよ」
怯えたように目を見開いてテーブルの上に置かれたままの紙片を意味もなく睨みつけていた。
「シンジくん」
声は優しかった。
「あなたはわたしと同じように話さなくても良いの」
静かで、落ち着いた優し声で彼女はなおも言う。
「わたし自身がわたしのことをたくさん話したからと言って、あなたにも同じようにして欲しいとは
願っていないわ」
相手の言葉から汲み取れた意味に、心は否応なしに揺れた。
「わたしは、あなたが話したい、聞いて欲しい、知って欲しいと思うことを話してくれたら嬉しいわ」
母の日も父の日も嫌いだった。否応なしに考えさせられるからだ。
思い知らされるから。
自分より少し年上なら肉親を失った子供はいくらでもいたので、そういう意味では自分だけ特別不幸
だと考えるのは間違いだと思っていた。
だが
「ぼくの…お父さんは」
言葉に詰まる。なんと言えば良いのだと物心がついた頃から心を責め続けた。
「ぼくのお父さんは、ぼくのお母さんを……」
目の前が暗くなって、手足が痺れるような感じになって、呼吸すら殺して。
家族のことを誰かに話すことなど到底考えられなかった。
被害者が母親で、加害者が父親だなどと。
けれども幼い自分が、彼のことを悪く言われるたびにまるで自分のことのように心を潰し、悲しみ、
怒り、悔しがり、泣いたのは事実だった。
そしてそんな自分を薄情だと、死んだお母さんが可哀相だと責める無理解な人間を嫌悪していたこと
もまた。
お父さんが悪いことをするはずがない。事故だって言ってたもの。
これには何か、難しい事情があるはずなのだと。
「……シンジくん」
呼び掛けにびくっと身を竦ませて我に返った。
「あなたの躊躇いが、あなたがこの街に留まることを選んだ理由と深く関係していることなら知って
います」
「…な……に…を…」
あの時は、ミサトといたのだ。なのになぜ?
「ミサトが気付いているかはわからないけれど」
ゆるく息を吐き、リツコは告げた。
「この街で、NERVのなかでならあなたの」
「やめてよっ!」
「お父さんを悪く言う人間がいないから、あなたはここにいたいと思っているのよね」
ここでなら、誰も彼を悪く言わない。だから。
それは逃避なのだと、考えていた。逃げてはいけないと考えながら。
ここではない場所で何度となく経験した嫌な思いをしなくてすむのだという考えがあったのは確かだ。
「もう……やめて」
どうしてそんなことを彼女は突き付けるのか。
一刻も早くこの場から逃げ出してしまいたかった。
しかしリツコは、畳み掛けるようにして続けて言うのだった。
「どうして?そうした違いがなぜ起きているのかを、あなたは知りたいとは思わないの?」
パズルのピースを一つずつはめ込むように。
「…え……?」
なにを言われたのか咄嗟にはわからなくて、首を傾げてまじまじと彼女の顔を見てしまい、まともに
視線がぶつかってしまう。
本当にミサトとは正反対なようで、リツコは激することはなかった。穏やかとも言い難かったが。
「知っているかいないかで決まるものなのよ、シンジくん。持っている情報の違いが意識を変えるの」
「情報の…違い?」
「そう。そしてこれからたくさんの情報を受け取る前に、あなたはあなた自身を知る必要があるわ。
そのためにわたしはそれを渡したの」
多分、もうその頃から心は彼女に向かっていた。
頑なに閉ざされていた窓が開け放たれ、風を感じるように。
胸の奥の扉を叩くようにして。
「どうして…?」
馬鹿の一つ覚えみたいに問い掛けを繰り返していた。
ゆるやかに心に染み渡っていった言葉の数々はいまなお刻み込まれた当時のまま鮮やかに甦る。
それらを刷り込みだとは思わない。決して。
「エヴァに…乗る…ために必要だから?」
「それもあります」
よくよく気付けば、彼女の言葉遣いがほんの少し変わっていた。その違いがなにをもって起こるのか
は今は知っている。
リツコ自身が『冷静にならなければ』もしくは『冷静になるべき』と考えている時に顕著に出てくる。
「けれどそれだけじゃないの」
どうして彼らがあの時、なにも知らない自分に対してあれほどの勢いで脅迫めいた懇願をしたのか。
エヴァに乗って欲しいと、あなたしかいないのと。
「それだけじゃないの、シンジくん。わたしがあなたに知って欲しいと思ったからなの」
言い訳ではなく、真摯に。彼女は誠実に向き合うことを望んでいるのだと理解した。
頑なに決め付け、頭ごなしに言うことだけ聞いていれば良いのだという態度ではないのだと。
誠実に、そして切実に。
しかしそのリツコの言葉に何重にも渡って意味が重ねられていたことに気付くには、やはりその頃の
自分はあまりに幼かった。
彼女は嘘をつかなかった。
けれども彼女は、親友のミサトにすらも隠し続けるほどの秘密を抱え込んでもいた。
ずっと、ひとりで。
リツコの願いのすべてを、その意味に気付いた時に自分の心がどれほど震えたかを、忘れていない。
そしてどれほどに罪深く悲しみに満ちていたかを。
「わたしはあなたに知って欲しいの」
その言葉に揺さ振られ、
「あなたをわたしに教えて欲しいの」
その言葉とともに、抱きしめられた。
心ごと包まれ、抱きしめられた。
かすれた声で名前を呼び続けていた。
追い求めるように。
熱に浮かされたように、彼女の名を。
シーツには幾つもの筋が作られていた。
伏せるようなかたちで両手をついた女の指先が掴んでいるからだった。
肩よりも腰の方を浮かせるような姿勢はまるでけだもののようだと、シンジは口の端を引く。
かつての白衣に身を包んだ沈着怜悧な才色兼備もしくは傲岸不遜にして冷酷なる科学者の姿しか思い
浮かばないのは大変気の毒だと思うが、一方で優越感に浸るには申し分ない。
たとえようもないリツコの煽情的な姿は、羞恥心をかなぐり捨てさせる。
鼻先に甘い香りを嗅ぎ取らせる女の肌は、本来の白さを裏切るよう火照り濡れていた。
自分のものと混ざり合った獣の臭いは一層強くなっていて、息を吐くたびに熱い塊が蓄積されていく
ようだった。
誘蛾灯に引き寄せられた虫のようにただ焦がれて。
その焦燥は衝動をもたらし心を乱して、歓喜は獰猛な欲求を生むのだ。
いい加減、別にしないとマズイよね。
多分、しばらくこの部屋で勉強など出来ない。これは予想ではなく確信だ。
施す愛撫に女が自然と膝の間を開けていくのを、シンジは両手を使って阻む。
「………ぁっ」
乳房とは異なりながらも、同じような双つのまるく白い柔らかな肉だった。
べたりと手の平を押し付けるよう大きく開いてしっかりと鷲掴み、谷間に秘やかな音を立てる。
嫌がるようにくねらせているのか、あるいはより激しい蹂躙を求めているのか。
さらに奥は潤い、滝壺のように溢れさせていた。
太腿をてらてらと濡らす蜜は付け根から膝裏まで筋を作るものさえある。
しかしシンジは、熱く高ぶりながらも冷ややかな目でそれを眺めていた。
こんな悩ましく淫らがましい姿でさえも。
なにもかもが手垢まみれなのだという事実に。
421 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/12(日) 23:07:22 ID:t6O7kyyc
おおおおおいいぞいいぞ
続きがたのしみだなぁ
リツコとシンジはタイプが似てるからうまく相補性がうねらない。
リツコ萌えが再燃したぞコンチクショウ
ここのシンジは、男前でカッコイイね。
自分以外の他に、ただひとりしか知らないはずの女の性愛の技に、惑い狂う。
ならば奪うように抱けばいいのだろうか?
彼女を縛りつけていた見えない鎖を断ち切って。
だとして彼女は奪われたいと願っただろうか?
このぼくに。
そんな埒もない考えに惑わされた時期もあった。
あの頃の自分は、ようやく目を開けたばかりの、窓から吹いてくる風に誘われるようにして外の空模
様を気にし始めた幼い子供に過ぎなかったのに。
子供の心で想う。
あなたを誰にも渡したくない。あなたにとってぼくはなんなの?
ぼくはあなたの特別ななにかになりたい。
あなたの目にぼくはどう映っているの?
子供扱いしないで。話ならちゃんと聞くから。あなたのことをもっと知りたいんです。
教えてください。あなたにもっと近付きたい。
向けられた笑顔に微笑みを返すようにして。彼女の心に寄り添いたいと願った。
こんなにも。
こんなにも苦しい。
こんなにも。
欲しい。
あなたのことが
とても…
何度も、何度も。それがいつ頃からなのかは覚えていない。
ただ心はすでに、彼女の側にいる自分を許していた。
リツコの目に映されている自分は嫌でないと。
あたたかく柔らかなかけがえのない記憶とともに。
「それでは駄目よ…」
かつてのやり取りが胸の奥底から沸き上がる。
「その答えでは駄目」
かつての、自分は。
求められ、欲しがられているという証がなにより欲しかった。
望みたいから望まれたい。自分が欲しいから欲しがられたい、求めているから求められたい。
貪るようにして手当たり次第に。やみくもに。縋り付くように。
けれど彼女は言うのだ。
突き付けるように。
それは温もりに飢えた子供のすることだと。
自分の都合だけ、自分の希望だけ、自分の気持ちだけ一方的に押し付けているだけだと。
そして応えてくれないと怒り出す。
裏切りだと責めて。
まるで話にならない。
呆れるほどに子供だった。
疑似的なエディプスコンプレックス?
恋しいのは、愛しいのは、母の代わりのように感じたから?
優しくしてくれたから?
甘えさせてくれたから?
受け止めて、受け入れてくれたから?
ただ孤独を埋めたかったから?
誰でもいいの?そばにいたから手を伸ばしたのとどう違うの?
「違うよっ!そんなんじゃない。ぼくは………」
性急に相手を変える愚を犯そうとしていた。相手の領域深くに立ち入りより深く結び付こうと。
相手の気持ちも考えずに。身勝手に。わがままに。無自覚に。無断で。
互いの間に横たわる溝を。いいや、互いの境界線を正しく知らなければ、呆気なく崩れ去ってしまうのだ。
ひとの心は。
「ぼくはただ、許して欲しかっただけなのに」
相手の領域を侵す愚に気付かず、闇雲に求めた。
自分がそうであるように相手もまた、自分と同じに愛や承認や感謝を求めているのだと考えていた。
気を許した相手にはなにをしてもよいのだと。なにを言っても良いのだと。
相手が、深く傷付き、怒りをあらわするまで。
取り返しのつかない過ちを犯すまで。
呆れるほど無知な子供だった。
なにも知らないまま。
許しを求めた。
無邪気に、愚かにも。
そう、その彼女こそが。
リツコこそが、がんじがらめにされていた。
目に見えない鎖で縛られ、自由を奪われていた。どこへも逃げられず、誰にも打ち明けられずに。
真実の心を隠し、秘密を抱え込んで、傍らにある友にすら沈黙したまま。
ただ、ひとり。
彼女こそが囚われていた。身動きすら取れずに。
渇きを。憂いを。歎きを。涙を。苦悶を。後悔を。
くるしみを。
ただひとりで、誰にも気取られぬようひた隠し、欺瞞で心を塗り潰し、冷たい仮面で覆い隠して。
輝くばかりの誇りが。彼女本来の純粋ないたわりの心が。誠実な想いが。
無惨に踏み躙られていたことなど。
本当に、なにも知らなかった。
知らないということさえ知らなかった。
女が腕の中でゆるゆると息を整えていた。
ゆっくりと深く、全身を使いながらけだもののような悩ましく浅ましい乱れた息を静めるために。
しかしそのありさまは、普段は理性で閉じ込め隠している淫性をさらけ出して誘っているようにしか
見えない。
生まれたままの無防備な姿をさらけ出しているのだ。
こんな子供相手に。
大人の女としての理性と想い、罪の意識と葛藤。そして絶望的な背徳の匂いと、至福の陶酔。
どれを選び取ったのかは、もう腕の中で答えていた。
シンジの身体は疼きに苛まれている最中だった。
今、彼の熱はとてつもない甘美な肉に包み込まれている。
意識が飛びそうなほど危うくて。
「…っ……す…ご…」
本当にぼく以外ひとりしか知らないのに。
いいや、それは逆なのだ。
ひとりしか知らないから、こんなふうに試せる。
求めに応じ、目の前で手を使わずに自ら腰をゆっくりと落として、受け入れてくれた。
這うようにしていた背中は反り返り、顔は見えないまま。それが余計に興奮させるのだ。
ぬめった太腿を打ち付け、その熱をじっくりと味わうかのように、ひとつにつないだそこに浅ましい
音を溢れさせている。
じわりと絡み付くのは噴き出し溢れたねっとりとした蜜だ。
背後から支えるよう鳩尾あたりを撫でさすりながらシンジは襟足に荒々しく口づけるも、やはり意識
は充血した熱の中心にいってしまっていた。
濡れた音はリツコの心だ。
高められた感度のままに、揺するたびに脳髄を蕩けさせそうな恥じらいの消し飛んだ甘く淫らな艶や
かな声を耳に届かせる。
自らの浅ましく濡れた音と掠れた声が、女を一層高ぶらせているようだった。
絡み付く。搦め捕られる。貪欲に。
欲しがりねだる子供を、あやすように。
>>423 相補性なんて言葉を見かけるとは思わんかった。
こんな辺境スレで。
リツシンは相手を補完する関係じゃないのがいい。
相補性はミサトで充分。
実際に旧作シンジは認知の歪みの10項目全部当て嵌まるあたりがきつい。
しかし誤字脱字が結構多いなorz
きわめつけは句読点を打つ位置が微妙なものが幾つか…
この話を読んでいると、何故か自分の普段の行動を反省させられる。
しかしとにかくハァハァだわな。
毎朝待ち遠しい。
「今日という今日は答えて貰いますよ」
少年は力強く拳を握り、男に向かって口を開いた。
「加持さん!」
真剣な眼差しを向けられた男は、あ〜ホントお父さんそっくりだね目元とか特にと感想を抱くも、例
の三段笑いを浮かべるに留めた。
きっかけは些細なものだ。
「リョウちゃん」
「リッちゃん」
と呼び交わす仲である、その馴れ初めなどは主にリツコから一応はシンジも聞いているようだった。
しかしどうやらまことに微笑ましいことに、シンジは面白くないらしい。
「付き合ってたわけじゃないのに…なんで?」
というこの少年らしい問い掛けにリツコはただ曖昧に微笑みを返すばかり。
おおかたリツコは内心悶えていたに違いない。
どう考えても嫉妬。ヤキモチというヤツだ。それもかなりストレートな。
初々しいねぇリッちゃん。ノックアウトかい?
シンジくん、君、葛城そっくり。
「なんでですか加持さん!ミサトさんのこと昔から葛城って呼んでたって」
君はまだ真っさらなんだねぇと、苦笑いも出るというものだ。
なぜって?
そりゃもちろん
「その方が面白いから」
「………?」
「わかんない?」
「??」
シンジの首を傾げる仕草を目の当たりにして加持も図らずもガン見してしまう。
NERV内部に一大勢力を作り上げるに至る原動力すなわち萌えとはこれかと。
432 :
2:2009/07/19(日) 02:10:37 ID:???
「あ〜、試しにそうだなぁシンジくんはリッちゃんにシンちゃんて呼ばれたいかい?」
「ええっ?!」
いきなりなにを言い出すんだこのひと?という驚きの表情も素直でいい。顔赤いよホント。
「恥ずかしい?」
「あ…その……でも」
「でも葛城には呼ばれてるだろ?」
「………そう言えば」
「そういうもん」
「はぁ」
わかったようなそうでないような顔でシンジは声を出す。
「じゃあ試しに俺のこと名前で呼んでみるかい?」
なぜそうなるのかよくわからないが、シンジは結局素直に了承した。
「はい、あの…リョウジさん、でいいですか?」
「「却下っ!!」」
あ、ステレオ。
「なにふざけたこと言ってんのぶぁか」
「そういうのは感心しないわねリョウちゃん」
エライ剣幕だなホント。
両サイドからガツンガツンと言われたい放題だが、にこやかに加持は一言。
「ほら、面白いだろ?」
「えーと…」
いまひとつ理解出来ず、シンジはまたもや敗北感一杯で悶々と過ごすことになるのだった。
後日
「まって、シンジさん」
「わぁっ…は、はいっ!」
「まだ慣れない?」
「あ…えと」
幸せオーラ全開。
シンちゃんはミサトに譲るから、わたしはシンジさんて呼ぶことにするからとリツコは宣言。
名前呼ぶたびにいちいち熱く見つめ合うとか絶対に支障出ますから!との抗議も虚しく、赤木家の日
常は続いていくのであった。
支える腕はそのままに、もう一方の手の平で付け根から辿るよう撫で這わせていく。
揺れ蠢くしっとりと汗ばんだ肌は熟れた果実の表面のようで、いよいよ部屋を満たす独特のむせるよ
うな空気は密度の濃さを増していった。
誘い乱す甘い花蜜を嗅ぎ取らせ、けだものの欲望を高ぶらせる。
朝からこんなにも濡れて、絡み付かせて。
胸が熱くなる。欲しがられているから。
ああ
キスしたい。
どうしようもない衝動に襲われてシンジは強引に手の平を膝裏に潜り込ませ、動きを封じた。
「っ?!」
掬い上げたそれを自分の膝より上へ押し上げ、さらに胸元近くまで膝頭を引き寄せつつ屈みながら唇
を寄せる。
「…ぁっ…ぁぁんっ…」
後ろから抱き寄せるかたちとは言えかなり負担をかける無理な体位に悲鳴めいた嬌声が漏れ出ていた。
必死にこらえようとしているが、かえって感じてしまっている様子だ。
「………シン…ジ…」
どうして?というふうな、ベッドの上でだけ許される年下の恋人への呼びかけにはしかし、まるでお
もちゃを取り上げられて戸惑っている子供の不満そうな響きがあった。
「………ゴメン…ね?」
シンジは、そうは言いながらももう一方の膝も掬い上げ、高さを均し左右に大きく拡げるようにして
しまう。
「やめな…さ…ぁ……」
あらわにされたあまりのかたちに女は首を振る。
より強い快楽の波にさらわれ溺れまいと縋るように。
さっきまでと随分違うね。こんなときまで大人ぶる必要ないのに。
「見ないで…」
「やだ」
恥ずかしさに消え入りそうなしおらしい声でリツコは哀願してくる。
さきほどまでの浅ましく淫らがましい媚態や恥態が嘘のような願いにも動じることなくシンジは戒め
を解かない。
だって身体のほうは止めて欲しそうにしてないし。
本当になんていやらしいんだろう?
そんなことを考えているなか、コソリと、小さく呟かれた。
「いじわる……」
ああもう。
駄目だよ、なんでそんな声出すの?
「いじわる……?」
リツコをいたずらに傷付けるような、奪うようなつながりなどシンジも望んではいない。
強制や無理強いの虚しさがどれほどのものか知っているからだ。
けれどねだるように上下させる腰のくねらせ動くさまや、その動きに合わせて目の前で両足の爪先が
ピンと伸びきり立つさまに乱されないはずもない。
そのままの姿勢でほんの少しだけ押し出す。
揺する。
「ぁっぁっ…ぁぁんっ…ぅっ…」
「いじわるなんだ?」
無意識に身体が反応しているのか収縮がすごい。
「涎、すごいよ?」
「………見なぃ…」
哀願は最後まで言い切ることすらなかった。
抗議など受け付けないとばかりにつながりを離すと、一層強く獣の臭いがあたりに立ち込めていった。
とろりとした混ざり合った乳蜜の溢れるそこは敢えて一切触れずにシンジは細くも豊かな腰を抱き寄
せる。
本当はそのまますぐにでももっと奥深くまでつながりあいたいし、確かめ合いたい。
現に熱の中心は双つに分かれる間に挟まれたままだ。
それでも譲れないものはある。
「誰のせいなの…?」
凄むように後ろから耳元に低く囁きながら、吸い付く肌をこねまさぐる。
目線は敢えて合わせず、リツコの睫毛の震えるさまを眺めた。
凄むと言ってもシンジの場合は怒っているというよりひどく冷たい響きになるのは仕方なかった。
残念なことなのか幸いなことなのか、変声期を終えたシンジは結局父親のような低音域の声にはなら
なかったのだ。
ぐにぐにと音がしそうな柔らかなまるみに、そこだけは堅く尖った肉粒を摘み弾く。
「ひとの寝起きを襲ったりするなんて」
それで、ぼくの寝顔、どれくらい見てたの?
少し苛立たしげになってしまったのも無理はないと思っていた。
キスマークの三つ四つくらいでなんだと言うのだ。
本当に、何週間振りだと思ってるの?
昨夜は短期集中バイトの最終日でかなり早く寝てしまったから、彼女が帰宅したことなんて気付きも
しなかった。
帰って来るなら連絡くらいしてよ。あなたはいつもそうなんだ。
「いつだってぼくは…」
あなたがもうここに帰って来ないんじゃないかって。
あなたがいなくなるんじゃないかって。
あの時みたいに、本当はもうあなたはあの場所で命を落としていて、この部屋にはもう帰って来ない
のかもしれないと。
またひとりになるのが怖くて。とても怖くて。
不安でいっぱいなのに。
昔ほどじゃないけど、それでも漠然とした不安に苛まれるのを、あなた自身知っているから聞いたん
じゃないの?
昔の夢に苦しめられたのかと。
目覚めたその時リツコの顔が間近にあることに、泣きそうな気持ちになってしまった本当の理由も、
心の奥底ではちゃんとわかっている。
不安と、恐怖を。
いまさらなにを言っているのだろう?
失うのが怖いのだ。途方もなく。
この温もりを。
本当はすべて嘘なのだと、伸ばした手が、指が、振り払われるかもしれない。
知らなければ良かったと、いつか後悔するのではないかと。
なにをいまさら。もうなにもかも遅いのに。
眩暈がする。
目も眩むほど、焦がれていることを自覚するほかにない。
しかし一方で戒める自分を知っている。これは醜い我執ではないのかと。
あの悲しい哀れな父親と同様に、盲目的で独りよがりな想いを、幻想の上に幻想を重ねているだけで
はないのかと。
どれほど砂が降り積もうとも、砂時計そのものが壊れていたなら時が永遠に刻まれないように。
虚無を抱えて。
そのことがただ、恐ろしかった。
本当に恐ろしかった。
恐怖は。
意識をあまりにも簡単に変えてしまうのだという、そのことへの備えを学んだとはいえ、長い間自分
を苛んでいた記憶が消えるわけではない。
どれほどに望もうとも過去は消せないのだから。なかったことには出来ないのだから。
どれほどそれを強く希望したとしても消し去ることは叶わない。捨て去ることも出来ない。
いつまでも刺のように心の奥底に残り続けている。
深く残り続けて、いる。
けれどそれを癒し、克服したいという心からの願いがあることも、真実なのだ。祈るような気持ちで。
キスの雨を降らせたい。
鼻先を近づけて目に留まったのはリツコの唇の端から伝う唾液だった。
いやらしいな。
「ちょっ…もう……」
恥じらいに顔を背けて拭おうとするのを、悪戯を思い付いたようにそれを舌で掬い舐めとると抗議の
声。
それを合図にして。
仕掛けた。
乾いていたシンジの唇はすっかり潤っている。そうさせたのは女の仕業だ。艶めく濡れた下唇を軽く
噛みながら、かたちを確かめなぞるよう舌でゆるく舐める。
焦らすように。
キスしたい。心からそう思う。キスならどこでもいつだって出来るし。
つながりあいたい気持ちを確かめ合えるし。
本当はいつだってあなたに会いたい。触れたい。あの頃そうだったように。
大好きだって伝えたい。
子供すぎて嫌になる。距離を感じてしまうから。
「そんなに?」
不安で仕方ないの?
背中から抱き寄せ、上体だけこちらに向かせながらのキスの合間に、リツコが見上げながら問うてくる。
「そんなに」
短いやり取りは睦言にはあまり相応しくないかもしれない。
充血した熱の中心は相も変わらず女の脚の付け根に挟まれるかたちですがたを覗かせたままでいた。
脈打つそれが秘めやかに乳蜜に潤う谷間に擦れるのも構わず、見つめ合う。
困ったような、傾げるような表情でいながらも、じーっとリツコは穴があくくらい真剣に見つめて、
やがて一言。
ボソッと。
「メールしたはずだけど」
そしてまたじーっと見つめてくる。まさに蛇に睨まれたカエルのように。
たじろぎのけ反るようにして碇シンジ17歳は、目を逸らした。
「…………」
「聞こえてるわよね?」
対してリツコは、にっこりと目映いほどの笑みを浮かべていた。
さながら般若の微笑みを。
「…………………うそ」
「本気で言ってるの?」
「…う……えと」
アスカが聞けば、きっとこう言うことだろう。
アスカでなくとも。
「アンタ、馬鹿でしょ?」
うん、馬鹿だ。
「で?」
「……あの…ゴメンなさ…い………」
明らかに形勢大逆転。
リツコはやれやれといった表情で耳元に囁いてきた。
「ホント、困った子ね」
面白がる響きすら乗せて。
ふふ、と喉を震わせるようにして笑みを刷き、首に腕を回して体勢をかえる。
とろりとした蕩けるような女の微笑みに、ぐうの音も出ないというのはこういうことなんだろうなと
シンジはしきりに反省するばかりだった。
というかもう恥ずかしくてたまらない。
ホントにぼくはなんでこうはやとちりって言うか考え無しっていうか馬鹿なのかなと。ダメじゃん。
全然進歩ないし成長してないし。
「あなたひとりが逢いたいって思っているの?」
乳蜜を滴らせたままの太腿を擦りつけながら、向かい合うかたちになる。
「あなただけが寂しいって思ってるの?」
膝を立たせて挟み込みながら見つめてくる眼差しは強く、けれど怒りや不満を表してはいなかった。
どちらかと言えばそう、呆れを含んでいるような。
額から頬に、そして耳朶へと柔らかに優しい口づけを落としながら、女が笑う。
「あなただけが目の前にいる相手を欲しくてたまらないって」
本気でそう思ってるの?
「わたしが今、なにをしたいのか、あなたにはわかるかしら?」
ぱふ、と柔らかな双つの膨らみを押し付けながら挑発してくる。
「…ね、シンジ」
ベッドの上だけの秘密のような呼びかけをしながら、豊かな乳房を顔に押し付けてきて、首に回した
細い腕でぎゅーっと。
抱かれる。素肌のままでなくかつて何度となくそうして来たように、彼女は。
慈しむように腕を広げて自分を抱くのだ、包み込むように。
甘い囁きはあの日の朝と同じに。
「お願い」
キスの雨を降らせたい。
まるで貪ってとでもねだるように押し付けられた、柔らかくてまるい果実みたいな豊かな乳房を吸う。
「あなたそれ、好きよね」
そうだよ、と応えるようにカリ、と歯を立てた。
あなたもこうされるの好きでしょ?
舌の上にぷっくりと堅くなった肉粒を乗せたり、唇と歯とで吸っては噛み、噛んでは吸い。
乳飲み子のように口のなかに含むシンジの頭を、リツコはあやすように撫でている。
もう片方の粒はそれまでと同じに指先で弄りまわすものの、濡れた舌先には敵わないようだ。
より強く吸われたいのか感じてしまっているのか、切なく悩ましい吐息が聴こえてくる。
浮かされたように名前をただ呼ばれ。
その声に上目遣い。
もうすごい可愛い。待ちきれないんだ?
切ないほど高ぶったけだものの欲望を見せつけられた気がして、互いに鼻先を近付ける。
見えない糸に導かれたように。
エロい文章すなぁ
支援
職人さんこないね…
互いの瞳に映し出された互いの姿を受け止め、どちらともなく差し出し合った舌先がまず、触れた。
ただ目を閉じて思うさま。
絡ませ濡れた音に酔って、そのたびにぴり、と電流が流れたように背筋をぞくぞくさせながら、情欲
に溺れ流されるのに逆らわず口づけを交わし合う。
求め合う心のままに、互いの息を奪い合うかのような浅ましい口づけは舌を吸い合うようにさえなっ
ていった。
駆け引きなどもう忘れて、噎せ返るような色香を放つ女の匂いに狂い。
溺れる。
本当は。
時間はいくらあっても足りない。まだまだこれからとひとは言うけれど、焦りがあるのも明らかで。
時間がない。
もしも今、リツコに本当に相応しい相手が目の前に現れたら?
こんな子供なんて比較にならない、太刀打ち出来ないくらい大人で、心から彼女を愛していたら?
彼女からの信頼と愛を勝ち取り、守れるくらいの強さを持つ男が現れたら?
背丈も肩幅も、腕の強さも3年前に比べれば遥かに大人に近づいたとは思う。
しかし所詮はそれだけなのだ。16年の差がそう簡単に埋まるはずもない。
いつか横から掻っ攫われ、奪われてしまったら?
子供に何が出来るというのだと。守りたいとか、支えになりたいとか、言うだけなら容易い。
不安と焦燥と執着、支配と服従、そしてそれらの歪んだ感情に対する自嘲と嫌悪が綯い交ぜになって
いたのは事実だ。
現に今だってこうして…。
一日も早く、大人になりたい。願うのはただそれだけだ。
そう、思っているのに。
いったい体誰が想像するだろうか。気品ある物腰の裏に隠されたリツコのもうひとつの顔を。
ふとした仕草に垣間見せる妖しくも艶めかしい表情と、ありのままに誘い乱れるはしたない姿を。
知性溢れるこの美しいひとが持つのは、淫らがましい色に染められた家畜の顔。
すべてを裏切り、欺いてでも服従するほどに。
誰かに躾られた身体なのだということを。
444 :
朝の挨拶:2009/07/26(日) 08:58:26 ID:???
>>442 スマソ
キリがつかなくて滞ってる最中。
話の繋がりがうまくいかんとです。
また明日
だからこそなのかはわからない。
雨を降らせるよう肌に口づけを落としたいと願うのは、目には見えない彼女を縛り付ける鎖を引き千
切ってしまいたいから。
そうして数え切れないほどの証を刻み付けたい。
やがていずれは消えてしまう仮初めの、儚いものだとして。
このひとを。
誰にも渡したくない。
たとえ相手が誰であろうとも。
なぜ、なんてわかりはしない。
「ヤキモチ、嬉しいわ」
熱に浮かされた瞳は潤んだまま、離れた唇が紡いだ言葉にシンジは眉を顰める。
なにもかもが見透かされているのかと、心が否応なしに騒いでしまう。
これをぼくに教えたのはあなたなのに。
わがままも執着も嫉妬も。
揺さ振られた感情に任せて力任せに従わせ、強引に支配したいという醜さも。
独占欲という名の鎖も。
それらは決してしてはならない、許されぬことだと教えられたのだ。
心や精神や魂を汚さぬための戒めだと。
「誰のせいなの?」
シンジは低く尋ね返す。
ぼくをこんなふうにしたのはあなたなんだ、リツコさん。
昏い衝動に支配されそうな心を抑えようとしても、目の前の妖艶な肢体がそれを許さない。
「子供扱いしないでよ」
心と身体のバランスが取れていないのだろうか?
これではまるでホントにただの拗ねたガキじゃないか。
「わかっているくせに」
そっと額を重ね合わせながらリツコが笑う。
子供扱いなんてしてないわ、つい口癖がでてしまうの。ゴメンなさい。
けれどそれとこれは別ね。
「わたしのせいね」
蠱惑する微笑みに胸を鷲掴まれる。
「わたしがあなたをそんな男にしてしまったのね」
囁きは甘い罠のようで。
「わたしがあなたに女のすべてを教えたから」
傲然とさえ言える態度で挑発する。
またいつもの彼女の悪い癖だ。
試さないで。
もう手遅れだった。
シンジは強引に女を押し倒し、組み敷いていた。
力を見せ付けるような。
支配し飼うような。
調べ尽くし、蹂躙するような。
圧倒的な差を持って優越感に浸り、劣等感を植え付けるような
そんな行為に、やはりリツコは怯んだ。
しかしやがて委ねるように力を抜く女に、シンジは一瞬胸がざらつくのを抑え切れずにいた。
時折ちらつかせる被虐を望む顔はシンジの嫌うリツコの側面でもあるからだ。
そんないたずらなつながりは望んでいないのに。
むしろこうなることを望んでいるのではないか。
支配し、支配される関係の虚しさなら知っているはずなのに。
「朝からココをこんなにもとろとろに濡らしてるのもそうなんだね?」
全部あなたがいやらしいせいなんだ。
「…………」
ぼくはなにを口走っているのだろう?
支配と服従なんて、そんな歪んだ関係にしたくない。
わかっていながらもわざとらしく羞恥心を煽るように敢えて抑揚をつけず囁いてしまう。
「すごく綺麗だよ」
最悪な男だと嘲笑いたくなる。所詮自分は似ているのだろう。
女を横たえ、這わせた指先に透明な液を纏わり付かせながら、片脚だけ高く抱え上げる。
「悦んでるんだね。ホントに嬉しい」
「シンジ……」
欲しくてたまらない。それ見たことかというふうなリツコの上擦った声は、しかし期待と不安が拮抗
しているように思えた。
荒れ狂う暴力的な衝動のまま目茶苦茶にされてしまいたい。
理性と欲望に飢えた淫らな獣の本性の間に揺れて。
16歳も年下の男に抱かれるという目も眩むような背徳感と罪の意識に酔っているのだろうか?
なにをいまさら…。
「会議に向かう前のギリギリまでこんないやらしい格好でいるのもね?」
「もう…言わないで…」
「ホントのことでしょ?」
肩を組む要領で女の身体を組み敷き、肩口に右脚の膝裏を引っ掛けて大きく拡げると、真っ白でもち
もちしたふくらはぎが頬に当たった。
「ぁ…はぁ……」
膝頭が乳房を押し潰すほどに身体を折り曲げ、脚を拡げると、女がバランスを取るためか背中に腕を
回してくる。
縋り付く女の指先はまるで力がないようだった。
「爪立てもいいよ?」
額に口づけながらシンジは知らず知らずのうちに冷酷さを滲ませて、そう呟いていた。
息が整うのを、その瞬間を待ち焦がれるよう熱い空気の塊を吐き続ける。
あらわにされた付け根から膝裏までの曲線を撫で上げながらやがて
やがて、ひとつにつないだ。
「シン…ジくん…やぁ…ん」
逃れる素振りすらみせないが、しかしわずかに狭さを感じてシンジは無言のまま身体を押し進める。
かつては太腿に当たっただけで勢いよく出してしまうようなありさまだった。
綺麗で優しくて美しいひとの肌を、べっとりとした白濁の粘液で汚してしまったことに後ろめたさと
申し訳のなさと恥ずかしさでぐちゃぐちゃになって泣きそうになったこともあった。
薄汚い欲望で穢して、罪に塗れて
堕として…
自然に、口元が歪む。
触れるか触れないかくらい近い位置のふくらはぎに、頬を擦り寄せた。
「ぁ…はぁ…ん…はぃっ…てくるぅ…」
「うん」
入ってるよね、ちゃんと見ててね?
あなたはコレが欲しかったんだよね?
焦らしててゴメンね。けどリツコさん、今すごくはしたないコト口走ったね?
いやらしいな。
ああ、ホントになんていやらしいんだろ?
「どうして欲しいの?」
含み笑いのまま、揺すり動く。荒くなる呼吸と粘っこい音がベッドの上にただ響く。
ひとつにつながったそこには蜜が絡み付いている。
「あまえ……の…」
「なんです?」
啜り泣く間際の、追い詰められた獣じみた息遣いのままリツコが答えるが、要領を得ない。
多分、いつもの口癖だろうとシンジは思い当たりながらも、動きは止めない。
乙乙
下がりすぎ!
1回上げよ。
リツコ相手だとシンジでも大人っぽいキャラにならないと
釣り合わないな。
アスカやレイやミサトとかとはまた違うからね。
452 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/28(火) 22:56:37 ID:cLRc4kN+
あげ
女の唇からはとぎれとぎれに切なくも悩ましい鼻にかかった甘い喘ぎ声と熱い吐息が漏れるばかり。
いっそ一思いに啜り泣きに変えてしまおうか?
「甘えるのは………」
囁きにも視線は動かない。ただ身体を痙攣させながらも女は感じることに集中しているようだった。
「夜だけに…なさい、…だったっけ?」
どの口で言ってるの?とでも言えば良いのか。
喉の奥を震わせてシンジは笑う。
「もう夜のコトなんて考えてるんだ?」
まだ朝なのに、そんなに待ち遠しいの?
早く夜が来て欲しい?
「会議の間もそんなことばっかり考えてそうだよね」嬉しいけど、ちょっと回りのひとは困るんじゃないかな。
本当にこの腕のなかの可愛いひとが、世界に名を轟かせている著名な科学者で、崩壊しかけた組織を
立て直したひとたちの中心にいたとは到底思えない。
自分と彼女との本来の距離を知っていながら、そんなふうに感じている自分自身の傲慢さはどうだろう?
要職にある大人の女性と、ただの男子高校生という現実は醜聞の類に違いない。
実際そうなのだから。
焦らせるだけ焦らしていたせいで達することも出来ずにいる女は切なく身を震わせていた。
絶え間無くじわじわと押し寄せる快楽の波に悶え、浅ましく乱れるように。
無理もないのかな。さっきまであんなにいっぱい腰振ってたのにぼくが無理矢理やめさせちゃったから。
ゴメンね、もっと気持ち良くなりたいよね。
指先を背中できゅっとさせながらも、えぐられ突かれる動きを貪り味わっているのか、とろんとした
目つきの恍惚とした顔の淫らがましさといったら。
ホントにたまらない。
「……ふっ…くぅっ…」
より深く突き上げ、舌先で頬のほくろをぺろん、と舐めた。
これ、相手がミサトさんだったらただの年上の女性好きで終わったのかな?
もしあの頃、あの時あのまま新たにアスカを迎え入れたミサトとの同居を続けていたら、どうだった
のか?
惹かれただろうか、あのひとに。そばにいてくれたであろうひとに。
子供だから好きになっちゃいけないの、なんてまさに子供じみた考えのまま突っ走っていたかな。
なんだ、誰でも良いのかぼくは?
それで挙げ句にはあの親にしてこの子あり、だのと好き放題言われて。
まぁたいして変わらないかもしれないなと、思う部分はあるけれど。
生まれて初めてひとを好きになって。そのひとの目に映し出された自分自身を初めて許すことが出来
た。
優しい気持ちが、なにかをしてあげたい、差し出したいと願う心が自分にもあることを知った。
想いを寄せた相手は、よりによって父親の愛人で。
その父親から愛人を譲り受けたらしいだの、いや寝取って奪ったらしいだの、まさかあの歳で食うと
かさすがに血は争えないだの。
ああそう。
羨ましいならそう言えよ。見苦しい。
いまさらなにを怯えることがある?
「……ぁ…もぅ…っ」
「……なに?」
腰が熱い。限界が近いのはもうわかっている。
「…腰………」
「……こう?」
「ちがっ……んぅっ」
悦楽に溺れて上擦った声でねだったのは、しかし思いもよらないことだった。
「…汚……し…て…」
わたしを、汚して。
職人さん乙です。
このシンジ、好きだなー。
保守
「…お願い………」
わたしを汚して、あなたのモノにして。
心の奥に秘めた想いや隠された願望の吐露自体はとても嬉しい。
けれど
「ダメ」
意地悪をしたいわけじゃない。でも
なにを口走ってるかわかってるの?
だからコソリと囁いた。
「ゴメンね」
そして、身体で応えた。
「……ゃ…んっ」
首筋にキスをひとつ。
不自然に持ち上げていた脚を解放し、シンジは女を引き寄せて向き合うかたちにさせ、さきほどとは
逆にこちらが両腕で抱き寄せる。
交わったまま。
胸元に、首筋に、身体に触れているリツコのすべてを感じるように。
互いの胸を飾る粒がかすかに擦れ合って、その感触に震えが走る。
「ぁっ…奥ゃぁ………」
可愛らしくねだられるのならこっちのほうが断然良いに決まっている。
自らを辱めるようなものなど彼女の口から聞きたくなかったから。
両脚で身体を挟ませるようにしたら、腕が首に絡んできた。
つながれたそこが擦れ合い理性を外した女の本能のままの締めつけに飲まれそうになる。
「…ど……して……?」
「汚さなきゃぼくのものにならないの…?」
こんなリツコを見られるなんてそれはそれで嬉しいけれど。
「さっき言ったコトもう忘れちゃった?」
女の奥でぐちゅぐちゅと擦れ合いまくっているのがわかる。
「いじわるしないでっ…」
陥落寸前の魔悦に白い喉元がのけ反り、口づけが残したくっきりと朱い痕があらわになった。
「汚してなんて言うからだよ…」
そんなこと出来るはずがない。
わたしは汚れているのと、かつてそう告げた彼女こそに心を擦り減らし、何度となく叫びたい衝動に
駆られたことを忘れていたわけではないから。
それに、わたしをあなたのモノにしてなんていまさらだ。所有の証ならもうあるじゃないか。
シンジはその痕を舌先でちろりと舐めて、囁いた。
「そんなこと言うならたくさん痕つけまくるからね」
やっぱり子供なのかな、ぼくは。
男を付け上がらせれば際限なく驕るだけで、それがリツコの心に癒えぬ傷を刻み込んだ。
とうに知っている。
それが罪の本質だと。
この身体に流れるのはあの男と同じ血なのだ。
責め苦ではなく愛撫で、追い詰めるのではなく抱擁で分かち合いたいと願っていたはずなのに。
立場も位置関係も忘れて、被虐の悦びに奴隷のように飼われたいの?
新しい飼い主の好みに躾られたいなんて思ってる?
だったらなおさらダメだよ?
あなたの誇りを穢すのはあなたでも許さない。
両の手のひらで頬を包んで、まずは鼻先にキスを。
本当は身体の至るところにつけたいのだと知って欲しい。
「あなたはぼくのだって、ちゃんとわかるように印をつけたいって」
さっき謝ったのにね。
「…んんっ…ぁ…あつい…熱いのっ…」
向き合って座りながらのかたちなのに、まるで跨がられてくねらせ蠢いているような気さえする。
腹部を押し付けるよう腰骨を擦らせ、揺する動きを女は自らしてくるのだ。
大人の恋に振り回され、玩ばれてなどいない。遊びじゃなく本気なのだということを教えられて。
嬉しくてたまらない。
求められ望まれ欲しがられる喜びに胸をときめかせ、身体を熱く疼かせる。
本気じゃないって、お互いに嘘を付き合うのが大人だなんて、そんなのは嫌だけど。
蕩けたようなリツコの紅潮した忘我の表情に魅入られたようにシンジは頬に口づけた。
「あなたは綺麗だよ」
そして素直に感じたことを口にする。
「汚れてなんかいないんだからね」
ぼくは違う。
一緒にしないで。
愛している、なんて言葉ひとつで簡単に変えられてしまうのだろうか?
心から求め望むのはただひとりの女だと言いながら、他の誰かの手を望む弱さを許したのだろうか。
身も心も捧げたというのだろうか?
幻を心に作り上げて。
それとも、本気じゃないと嘘をつくことが大人になるということなのか?
ああ嫌だ。
本当に嫌だ。
「あなたから償いなんてして欲しくないのよ、シンジくん」
思い上がらないで。
力付くで征服し支配するのではなにもかわらない。
代わりが欲しいわけじゃないの。
そんなことがあるものかと嘲笑いたくなる。
その答えでは駄目だと言ったのはリツコさん、
あなたなのに。
「もうお願い………お願いシンジ…」
「うん?」
「…して……」
「なに?」
「いじわるしないで」
そんな切羽詰まった舌足らずな掠れた声とか、涙目は反則だから。
きっとたくさんあのひとにも見せたんだろうけどね。でも今は誰にも見せたりしないで。
撫でてしまいたくなるじゃない?
絡み合う視線はそのままにシンジは女に短く応えた。
「………いいよ」
軋むスプリングの音が、互いの肌を打ち付ける音と荒々しい息遣いとに重なる。
背中越しに感じるのは足裏と甲とが重ね合わせるように擦り動くさまと、立てられた彼女の爪。
それにやっばりかかとが気になって仕方ない。
いつも思うことがある。
とりとめのない感じというか、漠然と寂しいような感じというか。
言いようのない不安感に襲われるのは何故なんだろう?
恐怖と焦燥と不安がごちゃまぜになって、それが力で支配して征服欲を満たしたい心の動きなのだろ
うか?
だからこんなふうに優しくない気持ちのまま追い詰めているのだろうか?
左手はシーツを握り、右手は女の肩に回して腰はむしろ休ませずに激しさを増すばかり。
「いい…すごいいい…このままイっちゃうよ?」
「…ぁ…シンジ…」
「嬉しい?ね?いいよね?いいよねリツ…」
「うれしいっ…でも…」
「も…う遅いんだから…あっ…く…ああっ…」
互いが欲しがって感じあって求めあって得られる恍惚とした甘い陶酔と至福に辿りつくまで。
「ダ…ダメ…」
なぜか恐怖に女も怯んだように口走っていた。
あんなに欲しがってたくせに。
「リツは俺のなの…俺だけの女なのっ」
より激しく粘っこい音が互いの荒く熱い息遣いを引き立てて。
「ダメ…ダメよぅっ」
そう言いながらしっかりと脚を両側からこっちの腰に絡み付かせて離さないじゃないか。
「ぁはっ…中は…アアッなか…膣内はっ…」
「く………すげ…」
「ダメぇ……」
すべての熱を吐き出すように注ぎ込んで。
視界が真っ白になると同時に、鈍くなっていた感覚が徐々に戻って来るのがわかる。
それは刹那の、鋭い痛みだった。
背中に回された爪先が肌に浮かび上がらせるために描いた朱い弧、それは。
あなたはわたしのものだと知らしめ見せ付けるために、女が自分に刻んだ所有の証に違いなかった。
なんだ、すげーどきどきするw
462 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/06(木) 10:33:25 ID:MXG8zyzs
あげ
シンジに一番タイプが似てる人にも思える
464 :
マギ:2009/08/06(木) 16:45:37 ID:JzP/sxiT
55・47・39
465 :
マギ:2009/08/06(木) 16:48:56 ID:JzP/sxiT
18・38・15 否定
466 :
マギ:2009/08/06(木) 16:52:22 ID:JzP/sxiT
47 否定
55・57・39 許可
>>463 >シンジに一番タイプが似てる人にも思える
たとえばどのあたりが?
むしろリツコはアスカと似てると思うよ。
ただし旧作のリツコは明らかにストックホルム症候群で、アスカは違うけど。
貞エヴァは知らん。
>>467 リツコは自己評価の低さの表れ方がシンジに近い気がする。
リツコの自己評価は低くないだろ。
シンジに近いのは無意識の傲慢じゃないかな。
なんというかリツコがゲヒルン入りした最大の動機は母親のナオコ
に認めてもらいたい、肩を並べたいとか、そんなもんだと思ってんの。
貞エヴァの姑息なアリバイじみた感情移入なしで。
ゲンドウに認めてもらいたいと考えてるとか、無理ありすぎだろと。
流石は赤木ナオコの娘さんとか言われ続けんの嫌だから、いつかは
逆に赤木リツコの母親と言われるようになりたいとか考えていたの
じゃないかとかね。
一番はナオコに流石は私の娘、というように自慢に思われるように
なりたい一心で頑張って努力してようやくこれから一緒にいられる
って思ってたらいきなり相手が消えた。
そんな感じなんだが。
このあたりはアスカと同じだとね。
『私を見て』という動機と努力から見たらだけど。
で、そもそも居続ける動機も理由ないからゲンドウも手をつけたと
考えた。
実際にリツコにはエヴァの開発をしなきゃならない理由はない。
ここにいる理由もないしやりたくないからやめますとは言い出せな
い状況に追い込まれてる感じがしたんだな。
誰も君に強要はしないというのは詭弁だ、のひとつを表してると。
彼女をつなぎ止めるものはなにかを考えるとミサトのこととナオコ
の娘であるという誇りと喪失感からの逃避か。
目標を失った人間が、目標としていた相手にいつまでも固執して拘
泥しているのは自然と言えば自然。
聖域化やら神格化著しくて排他的でその他大勢は歯牙にもかけない
あたりの傲慢は自己評価の低さからは導けないと思うがいかに。
見えないのリツコ独白でもあったな>アスカと似ている
というか
>>469は見えないのリツコ解釈まんまな気がする
俺もあれは大好き(というかエヴァFFの最高傑作だと思ってる)なんだが
少しあれに引きずられすぎて本編でのリツコの他の側面見逃してないか
再検討する必要があると思ってる
リツコの他の側面
JA絡みのパンフ火付け
きわどい水着ハイレグそして白
アスカ来日におけるグラデ色つき眼鏡
学生時代のサングラス
ネコ大好き
祖母ちゃん子
ヘビースモーカー
親友に秘密の隠し事
親友の彼氏をちゃん付け呼び
素直クール疑惑
ヤンデレ
惚れた相手には犬
浪花節
真夜中に糠漬けに手を突っ込んでそう
黒ストだと思ってたら茶ストだった時のがっかり感
白衣万歳
FFはちとお休み
おばあちゃん子なのか?
「今度は私から電話するから」の辺りが
私からするからもうかけてこないでって、迷惑げに聞こえた
幼い頃から預けられてたんじゃ、そりゃおばあちゃん大好きだろうけど
あとナオコ宛ての手紙で加時のことを
軽そうで私は好きじゃないって評価してた割に仲いいよね
彼氏にはしたくないが友達ならオッケーってことか
>>460 職人さん、ここで終わりでしょうか?
GJ過ぎるのだが
朝からこんなふうに抱き合い交わっている時点で十分爛れているなんて、わかっている。
許されるものなら一日中こうして時を過ごしていたいのも本心だ。
そんなことは無理だとわかっていてさえも。
汗ばんだ額を肩口に擦りつけるようにしながら、シンジは斜めに流し見て女の睫毛の震えをただ眺め
ていた。
快楽の余韻に浸るような沈黙のなか、荒々しい息も次第に鎮まってゆく。
奪うように繰り返した口づけの激しさを喉の渇きが物語っていた。
ホント、起きぬけにぼくはなにしているんだろう?
なんて、いまさらだけど。
あれほど硬く張り詰めていたのに、果てたあとは呆気なく見るまに収まってゆくのが不思議だった。
女もまた緊張が緩んだのかしっとりと優しく包み込んでくれていて、どこまでも溶け合い混ざり合っ
ているようなあやふやな感覚に麻痺しそうだ。
まるで掻き毟るようだった指先も、鎮まってゆく息とともに力が抜けたのか、いつもの優しいリツコ
のものに戻って背中を這い辿っている。
ゆるゆると柔らかく触れては撫でさする動きは、子供をあやしなだめるようで。
恥ずかしい気持ちはあるのに、彼女を独り占めにしているのが嬉しくて、結局は甘美な心地好さに身
を委ねてしまうのだ。
わがままを許されて。
なのに落ち着かない。
こんなにも近くに彼女がいて、確かにひとつにつながったままなのに、唐突に胸に殴り掛かってきた
ような不安と寂しさに戸惑う。
女のいたわるような慰めに刹那的な欲望に溺れた虚しさを見透かされているのだろうと理解した。
あたたかい海のような、優しくて柔らかくて気持ちいい交わりにうっとりとしながらも。
これが夢で、単なる夢精だった、なんてことだったらぼくは立ち直れそうにないなと。
そんなことをぼんやりと考えた。
目が覚めて起きたら一人だった、なんて。
そう考えたら考えたで体中の力が抜けそうになった。
「………?」
それはほぼ同時だった。
不意に上げようとした頭をまるで制するように、腕は軽やかに伸びてきて。
ぽふ、と手の平が頭の後ろに置かれて、汗に濡れた髪をわしゃわしゃとかき撫でられる。
この察しの良さと言ったらもう本当に敵わない。
無言のままでもちゃんと気持ちが伝わっているみたいで。
だから匂いを確かめるネコのように鼻先を耳の下に潜り込ませた。
甘えていいのかなって。勘違いじゃない…よね?
「くすぐったいわ…」
首筋に残した所有の印に唇を寄せると、そんな抗議の声があがった。
しかしやめることなど頭にはない。
どのみち言ってみてるだけなのは声音でわかるし、逃れるように顔を背けながら首筋をさらけ出して
いるし。
愛撫は好きだ。悦ばせたいし、愛しいとか優しい気持ちになるから。
「…ねぇもうっ……」
啄むように肩口に、鎖骨の線からその窪みへと軽く触れるように口づけを落としていく。
果てたのはふたり一緒で、けれど男と違ってなかなか昂ぶりが収まらないのも知っている。
やたら感じやすくなってるのは学習済みなのだ。
「シンジ…?」
ちろりと舌を這わせると、名を呼ぶ声の艶っぽさが増した。
「お願い…そんなところに…」
「あんなこと言ってたくせに?」
そう言ってきつく吸い、肌に朱い痕を印した。誰が見てもわかる位置、耳朶の付け根から続く首筋に。
うっすらと口元を引いて、満足げにシンジは続けた。
「もうつけちゃったよ」
まるで悪戯を得意顔で披露する子供のように。
「これで俺の…だよ?」
どこまでも身勝手でわがままで独占欲の塊で。
振り回してごめんなさい。本当はわかってる。たった半日も待っていられない。
あなたに置いて行かれるのが悔しくて、すこしでも一緒にいたくてこんなことをしてしまう。
来てた!
至近にあるリツコの様子を覗うように、シンジは瞬きもせずにいた。
悪戯の反応が期待した通りのものになるかなと心待ちにしている子供のように、そわそわしながら。
耳を伏せて待機する犬のような気持ちかもしれなかった。
けれど落ちた沈黙は思いのほか重くて。
どうしよう怒ったかな。呆れられちゃったかな。
結果がわかっているなら最初からするなというものだが。
視線のなかでリツコが、ゆるく首を傾げてわずかに眇め、ふー、っと息を大きく吐いた。
溜め息だった。言うなれば緊張や力が抜けた感じの、なにかが切れてどっと疲れに襲われたような。
付き合いきれない、なんて思われた、とか?
あああああ、どうしようどうしようどうしよう、などと心のなかでぐるぐるとシンジはのたうちまわる。
便利なポーカーフェースでピンチ脱出は残念ながら同級生か後輩くらいにしか通用しないのだ。
「……ぁ……あの………」
「………………」
ねぇなにか言ってよ、なんて口にしようものなら冷たく笑われてしまうかもしれない。
嫌われるのはいやだ。
かと思えば、リツコの指先がぬっと伸びてきて、反射的に首を竦めて目を閉じる始末。
触れてきた指先はシンジの頬を撫で
「シンジくん」
名を呼ぶ声は優しかった。おずおずと視線を戻すとにっこりと微笑まれる。
まだ熱を帯びて上気した頬は眩しい。
ざらざらとした心は落ち着かないままでしばし固まったまま、リツコの手の平の熱を確かに感じ取る。
なんだろ、リツコさんなんか目元が少しあやしいよ。ああ、このまま眠るのもいいかな。
リツコさんの匂い、するし。
ふわふわした危うい意識のままシンジもほわんとした笑顔、となるかと思いきや
「調子づくのは……」
「………?」
「おやめなさいね?」
そう言うやいな、リツコはシンジの鼻先をぎゅむっとつまみ上げるのだった。
それは出会った頃の、完璧で隙のない沈着冷静な大人の女性の姿ではなかった。
飾らない、よそ行きではない普段着の彼女もシンジは沢山知っている。
しかし今あるのは、なにも身につけていない素肌のままの、自分だけに見せてくれるとびきりの特別
な姿だ。
優しくて、けれど厳しくもあって、だけどやっぱり可愛いひとで。
とても好き。
鼻先をつまんだ指先は間もなく離れ、気怠げにシーツに投げ出された。
「ゴメン………なさい」
「久しぶりだし……朝が元気なのはわかっているのだけれど」
「…はい…」
そう言いながらのリツコの様子は、やはり少しおかしかった。
眉を寄せたり瞬きが奇妙にゆっくりだったりで、瞼が重そうな感じなのだ。
かなり前にマヤから聞いた話だが、リツコは立ったままで寝ていたことがあったとか。
わずかな時間仮眠を取って仕事仕事の日々だったと。
勤勉というよりワーカホリック、重度のテクノストレス症候群と言った方がいいのかもしれない。
今はあの頃とは違うのに、なんでそんなにも変わらずにいるのだろう。
第一ここに帰ってきたの何時なのかな?
上半身を起こし、腕と乳房のあいだに開いたスペースに手をついて、シンジは斜めに覆いかぶさる。
果てたあとは簡単に抜けて身体は離れた。
「リツコ…さん?」
「………ぅん」
やはり反応が鈍い。
このままじゃ、抵抗らしい抵抗もなくこちらにされるがままになっていてもおかしくないくらいだ。
それだけ疲れが溜まっていたのか。それとも
あなただけじゃなくて、わたしも同じように目の前にいる相手を欲しくてたまらないって。
あんなふうに挑発してまで欲しがったものが手に入った安堵感がそうさせているのだろうか?
全身の力を抜いたように身体を投げ出して、リツコは睡魔と戦っているようだった。
だから思い付いたことを、おそるおそるシンジは口にする。
「もしかして…寝てない…の…?」
答えが返れば返ったで気まずくなるのはわかっていながら。
ああもう、なんでいつもそうなんだろうぼくは。
リツコの優しさに付け込んでやりたい放題に自分の快楽を優先して。
ほんの少しのあいだだけ開いた目が合う。がしかし、問い掛けの答えなのだろう瞼は再び閉ざされた。
苦いものが胸に込み上がった。
なんでいつもそうなの、あなたは?
忙しいリツコにわがままは言えない。そう思っていながらこんなふうに甘えて。
無理をさせたいわけじゃないのに。
いいや嘘だ。そんなのはまやかしだ。
本当はいつだって逢いたいし触れたいし抱きたい。
動物の持つ猛り狂う本能のまま貪り尽くしたい。
手に入れたい。欲しい。失いたくない。もっとたくさん、もっとずっといつだって。
変わらないものが、掛け替えのないものが確かにあるのだと。
馬鹿だろうお前は?
「どうして」
子供だから甘やかすの?
シンジの問い掛けにしかしリツコはゆるく首を横に振った。そうじゃないわ、と前置いて
「だって……」
うっすらと微笑む顔に息が詰まる。一拍も二拍も遅れては答えは返ってきた。
「ああ…、シンジくんがいる…って思った…の…」
「…………」
よくわからないなにかが胸を過ぎった。溢れるような甘い疼きをともなうなにかが。
支えていた手を離し、片方は肘をつけたまま重心を置き換えての格好で、頬を撫でた。
「……寝ぼけてるの?」
会話を楽しむように、シンジは囁いた。伝わってくる気持ちの心地好さといったらない。
「ひどいわ……シンジくん」
同じ気持ちなんだって。ぼくと。
駄目だもう。
今のが何度目のキスかなんて覚えてない。
伏せておいた置き時計を手に取って確認する。
時刻は九時半。まだそんなものかと思いながらも、それをヘッドボードの上に立たせた。
本当に彼女が休みだったら心置きなくふたりして眠れるのに。
なんて無茶なスケジュール?
いいや十分眠れる時間はあったはずだ。けれど時差ぼけも相当なもののはずで。
ハイテンションも頷ける。疲労がピークに差し掛かってるのにこちらの旺盛な欲求に身を委ねるなんて。
聞けば、なかなか寝付けないので自分の寝顔をただ眺めていたのだと言うことだった。
それだけ?と尋ねても
それだけよ、と返されるばかり。
「ああなんか、シンジくん大きくなったなぁって」
ヒトの寝顔見てあなたはいったいなにを…
しみじみとそんなことをだな、言われて。
どうしたらいいかな。ホントにものすっごい可愛いんですけど。
こんな無防備なリツコさん見られるなんて。うわどうしよう。
妄想に暴走しかけるのを必死になだめながら、これからの予定を逆算してシンジは少しでもリツコが
休まるようにベッドから降りようとした。
のだが、なぜかそれは嫌なようでしっかりと手首を掴まれてしまう。
「どうかしたの?」
起き上がれない理由なんて本当はもう知ってる。
絡めてくる繊細な指先に応えるよう繋ぎながら、全裸でベッドの縁に座っている自分の姿に間抜けさ
を感じた。
目が合うと、ぷいと横を向かれて。多分気恥ずかしさとあとは…
行かないで、なんてそんなの反則、卑怯だから。
反応しちゃ駄目だ、膨張しちゃ駄目だ、耐えろ、耐えるんだ。
時間とか考えないと。
第一、腰が抜けてしまっているのだろうことは薄々わかっているのだ。
感じすぎて、ほんの少しの刺激ですぐにも乱れて、もう取り返しがつかなくなるに決まっている。
…と思うけどぼくは。
仕方ない、のかな。
ぼくもずっと気になってたし、かかとが。
とりあえずTシャツくらい着ないといろいろ駄目だと思うけど。
「リツコさん」
絡めた指先をそのままに、シンジは言葉を続けた。
「足、出して?」
穏やかな笑みのままに。
本音を言えばカーテンを開けたいけれど、まだもう少しこのままで。
「ぃ痛っいたいって…ちょっとそこ……んんそこ…そう」
「なんか案の定って感じだよねリツコさん」
投げ出させた足の裏側に指を押し付けながら、シンジはリツコの艶めいた悲鳴を聞き流していた。
雰囲気台なしとか言わなくて良い。むしろこっちの方が普段の自分たちと言ってもいいのだから。
指圧マッサージはシンジの特技と言っても良かった。
なにせ弦を押さえる指の圧力は相当なものを要求されているし、もともと手先は器用な方だ。
しかも門前の小僧よろしく偏りがあるものの無駄に医学の知識が豊富で、好奇心も手伝い鍼灸の経絡
などは実学で身につけていた。
物々しい言い方だが単に同居人の疲れを少しでも和らげたい、癒したいと思って肩揉みから始まった
趣味と言っていい。
神経と気脈、ツボは違うけれど、そんなことは気にしていない。
やわやわと揉みほぐす。痛いけど気持ちいい。それが大事。
「っ…そこ…ぃたっ……」
色っぽい声禁止、て言えたらな。
「なんかこれむくみ方本当にすごいんですけど」
長距離のフライトとは無関係とまでは言わないが、この血行不良は蓄積された疲労によるものに違い
ないのだ。
コンディションが悪くなると皮は厚くなるし硬くもなるし、ぱんぱんに膨れ上がって大変残念なこと
になってしまうのだ。
足の裏側は全身の縮図と言われてもいる。それが水ぶくれのようになっているのだ。なかでもかかと
が特にひどかった。
こんなになるまで放っておくなんて。
イイ!
親指の付け根からゆるい曲線をかたちづくる土踏まずにかけて指でなぞる。
真ん中を強めに押しながら図らずも眉を顰める。
「ちゃんと食べてる?」
「………」
だんまりは、リツコの悪い癖だ。というか、まどろみ始めているのかも知れないけど。
土踏まずの下の方からかかとの手前と、そして真ん中からかかとまで、根気よく押しほぐす。
半端なく硬い。いくらなんでもこれはないよリツコさん。
きっとミサトさんも似たようなものだろうけど。
ビールって太るんだよね?
だいたいあのひとの命名だけどね、ヒトのことテクニシャンとか。
手つきがいやらしいわよとかイロイロ器用な指よねとか、いちいち言わなくて良いから。
パワハラかセクハラ?
それがどうもヤキモチらしい。女のヒト同士の友情なんてぼくにはさっぱりわからないよ。
もう正真正銘のお母さんなのに。
子守りのバイト先だし、知らない間柄でもないけど、時々チクリと刺される。
強烈にひんやりした針を。
「マヤさんから聞いてますよ。目を閉じてることは寝ているとは言わないし、コーヒーは食事じゃな
いんですよ?」
さらに加えれば、かつてはひっきりなしにタバコを手にしていたのだそうだ。
同居間もない頃は確かに特有の匂いを纏っていたものだった。
偉そうに説教とか出来るわけないけど。
心配なんだ、本当に。
あなたの身体はひとつしかないのだから。
どうしてこんなにも仕事を絶え間無く続けているのだろうって。まるでなにかに取り憑かれたように。
後始末なんて。
残された者の義務だからなんて、そんなふうに。
ぼくはなにも出来てない。そんな必要はないって言われているけれど。
歯痒いし、気にならないわけないじゃないか。
無言のままシンジはくるぶしの内側と外側を加減しながら指を押し滑らせ、そこからやや上の凝り固
まった足首を掴み、足裏に顔を近づけた。
「?!」
びくん、と膝を揺らすリツコを無視し、シンジは指を口に含む。
「…シンジくっ……」
かけていた薄手のタオルケット越しにも、その匂いは隠せなかったようだ。
「…ぁ…はっ…」
それは甘く重い、濃艶な匂いだ。熟し落ちた果実のように熟れきった女の、欲望のにおい。
もっとも慣れ親しんだ女の匂いは今、付け根辺りから空気に触れて変質した牡の体液の濁ったような
臭いと混ざり、漂って。
それが再び火を点ける。
リツコさん、ペディキュア嫌いなんだよな。もったいない。爪の形すごく綺麗だし似合うと思うのに。
指と指のあいだに舌先をくぐらせ、そんなことを考えた。
濡れた音とともに、甘く鼻にくぐもった喘ぎが響く。膝は自然に開いていた。
女は豊かな弓腰をシーツに擦らせるように揺らめき泳がせる。誘っているようにも思えるが、感じす
ぎて悦楽の波から逃れることに躍起になっているだけだろう。
親指の腹を軽く噛み、丹念に指のあいだを舐める。
普段はこんなこと滅多にしない。ただの勢いみたいなものだ。
大腸菌がどうとか、性病がどうとか。
怒られるし。
足裏、洗い立ての匂いするよ。硬いけど。
神経も気脈も同じにかたちあるものとして目には見えないものだけど、あるんだとはわかる。
そこはそれ半端な知識だから、なんとなくわかるってだけなのだけど。
実際、ただの男子高校生なんて好きなヒトに悦んで貰いたいとかもっとエッチなことしたいとかその
程度の動機しか持ってないから。
舌先と指を使って足の指から甲へ、くるぶしとアキレス腱のあいだの窪みは弱いところだから丁寧に。
足首まで辿り着いたら再び逆を戻り、その繰り返し。
ちらと目線を上げると、リツコは腕で表情を隠していた。噛み殺すような息つぎが色っぽい。
乾いた下唇を舌先で湿らせるのを、じっとガン見してしまう。
あの頃に戻りたいとは思わないけれど、あの日々を懐かしく思えるのはとてもいいことだと思う。
あの日々があったから、今があるのだと。
そう信じられる自分は幸福なのだ、きっと。
目が合った。
その途端。
避ける間もなくべちん、と大きな音を立てて、顔面ヒット。
ああ、やっぱり怒られた。まぁでも、確信犯かもしれないけれど。
リツコの眦は上がり、目は据わっていた。
「わっ!?…と」
問答無用とばかりの勢いで、げしっ、げしっ、と容赦ない蹴りがさらに続いたのだった。
「もうっ、少しは考えなさいっ!」
リツコの言葉はもっともだと思う。ニワトリなみに忘れっぽいのかも知れないけど、ついつい甘えて
調子づいている。
浮かれてるんだと思う。
「夜まで待ってて?」
「そういうの甘え下手って言うのよ」
「えーなんで?リツコさんが悪いんでしょ」
足首を掴み取り、足裏をぺろんとひと舐めする。
「…なっ…なにをゃっ…て…」
相変わらず不意打ちに弱いなぁリツコさん。
顔は真っ赤だし、羞恥にすっかり眠気も吹っ飛んだ様子だし。力任せに足を引っ込めて、再びの蹴り
を繰り出してくる。
今度はかかと落とし。
でも当たらない。それも折り込み済みだ。ふざけあっているだけ。
いつもの日常を取り戻すために。
「身体、洗ってもいい?」
「却下」
即答だし。
「夜ならいい?」
「…シンジくん、あなたね………」
だって嬉しいんだ。
リアルタイムキテタ――(゚∀゚)――!!
本当は舞い上がっている。思う存分抱きつきたいとか思ってる。子供みたいにはしゃいで。
ぼすっと、体当たり。
当の昔に背を追い抜いてうすらでかくなったので、ハイテンションの大きな犬がじゃれついたような
有様だ。
「ねぇ、リツコさん」
「な、なにかしら……」
ちょっとぶっきらぼうにリツコが応えてきた。無理もないけど。
そういう反応を見るのもすごい久しぶりで。
「わかってる?」
顔を今度はネコみたいにくしゃくしゃにしてから、シンジは満面の笑みを女に向ける。
「まだ言ってないよ?」
その瞳にはしかし、からかいは微塵も含めない。
「……そう…ね」
呼吸する自然さで、リツコもまた察した。
「ほんとうに、そうだったわね」
頬をむにっと指先で摘まれながらも、シンジは動じなかった。
目と目を合わせれば、互いのなかに見て取れるのは柔らかく触れてくる穏やかな心に違いないのだ。
本当は、一番にリツコから聞きたい言葉だった。
本当は、一番に自分が言いたい、言うべき言葉に違いなかった。日常に戻るために。
「リツコさん」
だからその言葉を。心こめてシンジは伝えるのだ。
「お帰りなさい」
逢えなかった日々を越えるために。
「はい、ただいま」
照れなどない真摯な言葉に応えるよう、女もまた挨拶を交わす。ともにあるこれからのために。
「ほんとうに…ただいま、シンジくん」
「でもそれとこれは別の話ですからね」
「ええっ!?」
「許さないんだから」
「えええっ!?」
乙です
幸せなリツコさんを、お願いします。
GJ
492 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/22(土) 21:40:47 ID:3MjhcRYl
下がりすぎだ。
ゲンドウにその気があれば義姉弟になってたかもしれないのか
ありえないけど
義姉弟……ゴクリ
だって、と首をわずかに傾け、ほんの少し苦笑い。
「やっとゆっくりと二人で一緒に朝ご飯食べられると思っていたのに…」
斜めに目線を下げながら、リツコがぽつりと呟く。
「…………」
思いがけないしょんぼりとした様子にシンジは一瞬ぽかんと口を半分開け、慌てて顎を引いた。
今のは一体なんだろう、とオロオロと挙動不審にもなるというものだ。
なんでこうギャップがすごいかな。
昔のリツコならこんなこと考えられないなんて言うつもりはない。
もともと隠し持っている素顔はかつても今もそう変わらないに違いないから。
よく分からないが、女のヒトというのはいくつになっても変わらない部分があるのだそうだ。
確かにしおらしいと言うか…可愛い。
クールに見えて根っこの部分はほんとはすごく熱くて素直で。思わず、そう。
もふもふしたくなる。
ぎゅうっと腰を横から抱いて、額を斜めに肩口に押し付けた。
そしてこそりと耳打ち。
目だけこちらを流し見るようにしていたリツコが、みるみるうちに眉を寄せるのを見て取りながら、
告げたあとこちらは忍び笑い。
耳元から口を離してふにゃけた顔で眺めること数秒、リツコは無表情のまま固まったままだ。
ごくりと様子を見守る。
やがておもむろにじっと見つめた手のひらを親指だけ折りまげ、こちらを伺い見て一言。
「それはどうかしらね」
たすっ
と手刀を振り下ろし、はー、と脱力したような溜め息がそのあとに続いた。
「覚えてなさい」
憎まれ口です、どう考えても。
だからこちらもしてやったりという澄ました顔で答えるのだ。
「もう夜の話?」
答えの代わりにばふりと枕が力任せの勢いのまま投げて寄越された。
「キスって味見するためのモノなのよ、って前に言ってなかった?」
耳を両手で包んで伝えたのは。
「だったらさきに食べたいものを食べたことにならない?」
カーテンを開けると、もうすっかり日は高くなって眩しいくらいに照り付けている。
紛れもなく洗濯日和だ。
シンジは振り返り、タオルケットに包まれたリツコに尋ねる。
「大丈夫? 立てる?」
足元のダウンケットと脱いだままの衣類をちらと見、手に取ろうとしたところで制止された。
「大丈夫よ、いいから先に行ってて」
「シーツも洗った方がいいと思うんだけど?」
「わ、わかったわ」
じっと見つめられるのが恥ずかしいのだろうか、リツコはそわそわと落ち着きをなくしていた。
それも仕方ないかも知れない。光が注がれた部屋だと本当にくっきりと痕は目立っていた。
「ミサトにまた怒られるわ?」
口まねしながらシンジがそう聞けば、険しい瞳で睨まれる。ああ、うん。図星だねゴメン。
「そんなことあるわけないでしょ」
裏腹の否定の言葉も、ちょっとむきになっていて可愛い。
さっきからちらちらと見つめては反らしてくる。
視線が合わないのは、彼女が見つめているものがシンジの目ではないからだ。
「なんかついてる?」
「え?」
「さっきからずっと見てるから、ぼくの」
言いながら、やはり照れてしまう。
「唇、そんなふうに見つめられるとなんか…照れるっていうか…」
足舐めちゃったからダメだよね、って激しく後悔している最中なのだ、実は。
タイミング的にここでキスなのはわかっている。
性的な衝動なんて大袈裟なものじゃなくて、したいなぁ、って気持ちはなぜか伝わってて。
逆に、したいのかなぁ、って気持ちがなぜかわかるっていうか、伝わってきて。
「シンジ」
「足舐めたでしょ」
ベッドマナーもエチケットも、ぼくに叩き込んだのどこの誰?
「構わないわよそんなの」
いまさらだと一蹴されてしまい、やれやれと足を再び彼女のもとへ。
朝だし、久しぶりだし、でもあなたはこれから仕事だから。
これでも自重したのに。
灼けつくような想いを込めて、シンジは身を乗り出した。
「じゃあ、改めて」
恭しく頬に唇を寄せ、女に囁く。
「お帰り、リツコさん」
「ただいま」
啄むようなキスを、これでもかと降らせたのだった。
なのに結局、ベッドからバスルームへ場所を移しただけにしかならなかった。
敗因は……なんだろう?
本当に、ほんっとうに会議に向かう前のギリギリまでいやらしい格好で。
浴室だからやたら艶っぽい声が響いて。
多分原因はミサトへの、つまらないヤキモチ。
「リツコさんはホントあの人好きだよね」
「ゃ…ぁっ…」
「私が男なら絶対にミサトを幸せにするとか、泣かせたりしないんだからとか」
なんか危ないよね、そういうの。
なかばダミープラグの秘密を共有した共犯者とも言えるマヤさんよりよほどたちが悪い。
「知られたくないから、嫌われたくないから秘密にしてて」
でもそれ以上に巻き込みたくないから、だからずっと黙っていた。ジェットアローンのこととか隠してたのも、全部。
「ミサトさんを守るためだったんでしょう?」
あなたはそういうヒト。友達を信じていないから話さなかったんじゃない。失いたくなかったから。
真実を知ればミサトは心を潰すに違いない。
なんとかしてあげたいと願ながら、一方でどうすることも出来ない歯痒さを感じていたことも。
けれど欺き続ける罪悪感に苛まれて、壊れかけてもいた。
関係を結ばれ、共犯者に引きずり込まれたとリツコが自覚したのは、あの水槽を見せられた時だと
仄めかされたとき、言いようのないやり切れなさを感じたのを覚えている。
リツコは明らかにミサトを愛している。
むろん性愛という意味ではなくもっと純粋で、いたわるような優しい心に違いない。
そして、その気持ちさえ利用されたのだ。
なにもかもがそうして、不自由を強いられて。
胸が苦しくなる。
実を言えばシンジにとってミサトとの関係は複雑だ。元同居人だからという気安さはともかく、
チェック細かいよ、姑ですかあなたは?
と内心では思っているものの、言い出せない。
「また怒られちゃうね?」
後ろから首筋につけた印に唇を押し付けてから耳朶にそっと寄せ、囁く。
リツコがどう思っているかはともかくとして。
あんのエロガキまたやりたい放題してっ!くらいは確実に叫びそうだ。
実際そういう意図もある。しかしミサトの心証となるとこれがよくわからない。
まさかヤキモチ?ぼくに?なんで?
加持曰く、
「女の友情を甘くみちゃダメだよ、シンジくん」
とのことだ。
遠い目をしながらのしみじみとした述懐だけに、彼にとって身に覚えのあるものだったのだろう。
親友の彼氏の、もしくは彼女の親友のポジションというのは、一筋縄ではいかないのだそうだ。
加持の場合はミサトの隣の座を巡ってのリツコとの水面下の駆け引きだった。
つねにミサトの両隣、ミサトが中心、の関係だったのだと。
だからってミサトさん、ぼくとリツコさんを取り合う気でいるわけ?
今度はリツコさんを中心として?
なんかね、なんだろうね?
いいねぇ。
まさかのリツミサ
(*´Д`)ハアーン
話の中頃のミサトさんは、嫁に取られて悔しいので息子を虐める感じだと思ってたから
リツミサにも行くとは思わなかったな
GJ
リツコさんはリツコさんでなんのかんの言いながらミサトさんにはどうも甘いところあるし。
フォロー役?女房役って言うの?
ミサトさんのごり押しや無理難題を、やれやれとぼやきながらもなんとかしちゃうところとか。
期待に応えたいとお互いをそう思い合える関係って、すごくいいなと思うし、素敵だと思う。
思うけど。
やだな、そのうちミサトさん
「あたしとシンジくんのどっちが大事なのよー?」
なんてわけのわからないことをぶーたれたむくれ面で言い出したり……するかもしれない。
もう一児の母親なのに。
悪夢だ。
あの時の会話を思い出すじゃないか。
「地雷だから」
「なにがです?」
「りっちゃんにさ、ぼくとミサトさんのどっちが大事なの?とか」
間違っても聞いちゃいけないよ?
なんか実感こもってませんか、加持さん。
「聞いたことあるんですか?」
「え?」
「え?」
「あ……いや、」
ミサトに聞いたことがあるのかと思ったのだ。
というか、まさか即答でリツコさんだった…わけないよね?
「考えるな、感じるんだ」
「え…と、はい」
よくわからないままに、その時は頷いていたものだった。
わかるわけないよ、女のヒト同士の友情なんて。
「今だから言うけど」
加持は、リツコが自分との同居を申し出た時にこう思ったのだと言う。
「また悪い癖が出たな、って」
「癖ですか」
リツコはミサトになんらかの意図や思惑を持って近づく相手にプレッシャーをかけることがあるのだと。
「かなり苦労した?」
「キミ、ホントに遠慮ないなぁ」
「ぼくから近づいたわけじゃないんですけど」
「だからこそ、だよ」
ミサトが自発的に近づいた相手だからこそ余計意味があるのだと言いたいようだった。
なんとなくわかる。
リツコには、無意識のうちにミサトを取られたくないという心の動きがあったのかも知れない。
よくわからないが、今のアスカとレイの関係に近いのかなと、なんとはなしにシンジも思う。
なにせ事あるごとに、
「あんたは黙って嫁に来なさい」
あたしのところに。
とかなんとか、ぐぐっと拳握りしめて言うことがそれなのアスカ?
ひとりぽつねんとそんな感じの置いてけぼり感。
だいたい、同い年なら同性の友達と仲良くなるのが普通なのだ、なんの不思議もないのだが。
いろいろあったが、最終的に三人目ではなく三人分の魂の記憶を融合昇華させたレイは見事な天然小
悪魔系素直クールな少女に育ちつつある。
持ち前の面倒見の良さ全開なアスカと言い、二人ともにきみらのそれは野性だよね、とぼやきたくも
なるものだ。
放置推奨の絶対乙女空間なるものを作られて星や花を背景に優雅なティータイムなんてむず痒いし。
音速でふたりの世界作るあんたたちに言われたくないわよっ!とアスカは息巻いてたけど。
加持に言わせれば、ミサトと似ているのはアスカよりレイなのだそうだ。
「でも加持さん」
シンジはもう知っている。リツコから告げられているからだ。
「そうじゃないですよ」
確かにリツコは危惧していた。
自分とミサトの間に芽生えつつあったものを。
しかしながらそれは少女のような側面が持つ可愛らしい嫉妬からではない。
もっと別のものだ。
家族ごっこと、かつてのリツコはそう揶揄したのだと言う。
ミサトが、自分に多大に感情移入し始めていることなら加持もまた危惧していたらしい。
性急に距離を縮めて相手の懐に深く侵入し、急激に心や気持ちを変えようと働きかける態度は、たい
ていの場合、怒りに結び付く。
たとえ善意からのものであろうと、思いやってのことだと信じて行っていたとしても、領域を侵す愚
であることに変わりない。
まして自己投影著しい関係が好ましい影響を与えるとは考えられない。
ミサトは心からシンジにうまく行って欲しい、間違いを犯さないで欲しいと願っている。
彼女自身のように取り返しのつかない後悔をしないように。
しかしその一方で、まったく逆のことを無意識下で願ってもいる。
うまく行かないで欲しい、ダメなままでいて欲しい、いつまでもわたしと同じままいて欲しい。
シンジを見て嫌悪し、苛立つという心理の片隅で安堵している己自身を見出だして、より一層の自己
嫌悪に陥る悪循環だ。
彼はわたしと同じ。結局同じなのだという、自他の境界線を逸脱し兼ねない心理に加え、シンジを己
の悲願の為に利用しているだけだという罪悪感でがんじがらめになって。
そこにあるのはシンジ自身がどう感じ、どう受け止めて、考えているのかは残念ながらないのだ。
少なくともリツコにはそう考えていた節はあったようだ。
けれどそれだけではない。
「奪おうと思ったの」
あの時のリツコを忘れられるはずはない。
「あなたを」
ミサトからではない。
彼女の真意は別にあった。
「あなたのお父さんから」
シャワーを浴びせかけ、指で掻き出せば後から後からどろりとした腥い液体が太股からくるぶしを伝
い落ちる。
指を吸い付かせる裂開の内側にそのまま押し入ると、堪え切れないとばかりに声が漏れ響いた。
「ぁ、くふ、あぁっ……」
自身の声に戸惑ったようにリツコが首を振る。
「…ぁ、ぉねがっ…もう」
「うん?」
焦らせれば焦らしただけ、ねだってくる。まだ足りないんだ?
知ってるけど。
どろどろと激るあつい欲望が、女の身体中に膨れ上がって、切なく悶えさせているようだった。
性愛に身を焦がして、いまだ冷め切らぬ熱を持て余して。
リツコには、本人に自覚があるかはわからないが、自らに暗示すらかけて追い込むところがあるよう
にシンジには思えてならない。
心の奥底に潜む恐怖と怯えを、いつしか被虐への昏い歓喜にすり代えて。
汚して、と。
理性も慎みも奪われた姿でうわごとのような声を張り上げ、喉を詰まらせ、むせび泣いて。
かつてのそれは罪の意識からの逃避なのだということをシンジも理解している。
なら今は、どうなのだろうか?
「ゆび…指…もっと…」
「こう?」
「んんっ…っ…奥に…そうよそこ…あぁっ、いいっ。もっと…奥っ奥に…そう…」
シンジの指は、標準よりはまずまず長い。
「もう届かないよ」
なにが欲しいのかちゃんと言って、と空いている片方の手で乳房を揉み、硬く尖った蕾を弄ぶ。
名残惜しげにぬちゅ、と指を抜くと、白濁のねっとりした粘液が纏わり付いていた。
ミサトが見たら憤死ものかもしれない。
シャワーに熱せられたむせるような腥い匂いに、浴室は満たされていた。
悪いのはあなた。
「ミサトさんが迎えに来るまで」
「…………」
「ちゃんとキレイにしなくちゃね?」
なんかねぇ、ミサトさんの助手席にリツコさんてのがすごく嫌なんだけど。
最近はとくに。
指定席っぽくて。
加持が助手席なんて状況もまったく笑えないが。
早く車の免許欲しいです、ルノーのお下がりとか別にいいから。
ぬらぬらと汗に光っていた裸身はシャワーに洗い流されながらも、匂いたつ女の淫靡な媚香はむしろ
いよいよ強まっていた。
ゆったりと弓腰を引き寄せて浮き出た肩甲骨に唇を寄せ、背中に点々と施した朱い印を見遣る。
しばらくは自分も彼女も背中を他人の目に晒せないなと、そんなことを思いながら後ろから腰を抱いた。
「もう濡れてる」
吹き出し溢れた熱い花蜜が指の滑りをなめらかにさせていた。
触れるだけで熱く蕩けてしまいそうな危うさを知っていながら触れ合っているからだ。
ぼくはもう出るから待っててと言ったのに、入って来たのはあなたなんだよ?
いやらしい。
わかってたけど。
足を舐めてたあの時、リツコさんまた濡れてるって。欲しがってる気持ちは伝わってた。
「興奮してる?」
掻き出したのは、酸化して異臭を放つけだものの体液だ。
「ミサトが来るのに、あんないやらしいことして、って」
つい先程だ。
抵抗しないでと、そうリツコは哀願し、跪いて口に啣えたのだ。
なんてことしてるのこんな朝から…もう昼間だけど…う、うれしいけど。
うねるような快楽の波にすごい声出しちゃったし。
もうたまらないよ。自分のみっともない声に興奮してる。
ねぇ。責任とってよ。
「それとも、夜まで待てない?」
答えなぞわかりきっていながら、わざと尋ねた。
匂いがすごくて、息までその味がしてきそうだ。欲望の匂いに炙られて、煽られている。
「………てない…」
「なに?」
「待て…ない…わ」
「さっきは嘘ついたの?」
枕投げたりして恥ずかしさをごまかして。
本当はさっきのでもうわかってるんだけど。
「……いじわる…」
媚態すら含んだ声音。
したくて仕方ないって顔。恥じらいの消し飛んだぎらぎらしたケダモノの顔。
「甘えるのは夜だけにしないと」
「…シンジは嫌なの?」
不満げに、ではなく不安げにこちらに振り返るのが、たまらなく可愛い。
嫌な訳ないよ、と耳朶を軽く噛みながら答えて、
「でも今は我慢しないと」
駄目押しとばかりに腰に擦りつけ、煽り立てる。
「帰って来たらいっぱいしてあげるから」
切なげに見つめてくる女を宥めすかし、努めて優しく言葉を選んで。
「夜になったらたくさん甘えていいから」
ね? と同意を求めるように笑みを刷いた。
ムードに酔うのが女性というもので、この辺りへの配慮と教育は徹底されていると思う。
覚えてなさい、てまさかあれのことじゃないよね。
恍惚とした陶酔の眼差しでうっとりしながら舌絡ませてきて、吸われて。
腰熱くて痺れて出したくても寸止めとかもうヤバすぎるよ。
搾り取られそうだ。もうなんでも良くなってる。
手とか足とか胸の間とか、どれだけの味を覚えさせられたことか。
ホントに口はダメだよ、気持ち良すぎてわけがわからなくなるから。
さっきだって我を忘れて、髪とか掴んで乱暴にしてしまいそうになった。
巧妙な罠に嵌められみたいに、簡単に誘乱されて狂いそうだ。
「……わかった…わ」
またそういう嘘を白々とつくんだ?
こんな、触れたらすぐに灼熱がつぎからつぎへと溢れそうなのに?
それとも会議中も夜のこと考えて変な噂されたいの?
「ねぇ」
「……ぁ…痛っ」
後ろから両手で乳房を鷲掴んで、力任せに乱暴にこね回した。強引な行為にビクビクと身体を震わせ
る。
奪ったのはあなた、なんだよ?
「そんなことだから付け込まれちゃうんだよ?」
優しくて素直で、物分かりがいいと言うより諦めが早くて。
弱さが許せなくて、それを隠すために沢山理論武装して、人を遠ざけて。
それを
「無自覚にりっちゃんの壁ぶち壊したの、葛城は」
恐いもの知らずで向こう見ずなミサトに当時ついた通り名はクラッシャー葛城、だそうである。
リツコはリツコで、
「だって、あの娘だけだったのよ、先入観なしに私に近付いてきたのは」
こんな調子なのだから。
ああ本当に。
すっごい好きなの伝わってくるんですけど。
聞いてるこっちが恥ずかしくなるくらいに。
「昔の葛城はね」
そう語る加持の表情は穏やかで、やや照れを含んでいた。
「どちらかと言えばレイくんに似てる」
いたいたしいほどまっさらで、真っすぐで、裏がなくて、傍からでも危なっかしくて見ていられない
あたりがねと。
「りっちゃんの氷壁バリアはさっぱり効かないどころか溶かされたんだろうな」
ふわりとしたあたたかく優しい風のように。
清らかで透明な柔らかな水のように。
小気味よかったのだろうねと。のんきに。
わりとミサトさんて結構ネコっぽいところあるから。
気まぐれだし、言うこと聞かないし、ちっとも思い通りにならないし。
威嚇する野良猫のようかと思えば猫撫で声で駄々っ子みたいに甘えてきたりするあたり。
確かにミサトさんて、なんかこうなんとかしてあげたくなる雰囲気持ってる。
だらしないとか、そういうのではなくて。
リツコさん的にストライクなのかなとか思うこともあって。
ストライクと言えば、ミサトさん激似の長男坊なんてそれはもうたいへんな愛くるしさだ。
産まれて間もない頃からリツコと同じく多忙なミサトの代わりに、親代わりみたいに接していたのも
原因かも知れない。
もちろん授乳期間もだったが、その頃にミサトの乳を見ても無反応だったのがもしや原因か?
普通に、良くおっぱい飲んでるなぁと思ってまじまじと眺めてたら溜め息吐かれて。
それともまさか初めて立った時とか、初めて歩いた時とか、初めて喋った時とかことあるごとに立ち
会っているのが複雑なのかな?
感動の子育て、と言ってもほとんど加持さんが主夫みたいなものだから。
その加持の評では野良猫と言うより女豹だろうということだ。
その昔、二人してクラッシュギャルズと呼ばれていたとか。
「知らないよね」
「なにがです?」
「安心してくれ、俺もだ」
「………?」
前世紀の女子プロレスのコンビ名なんてわかるわけないでしょ普通?
なんか悔しいから調べたけど。
普段のリツコさんはとても凛々しくて格好よくて、すごくいろいろたくさんのことを知ってて、
なんて言うのかな
「男前、ですよね」
「彼岸の女と」
「それ前に聞いてます」
「じゃあ、漢の女と書いて漢女」
「オトメって…それなんか違いません?」
感性が、やはり16歳も離れていれば違うのは無理もないのだろうか。
そういう問題でもなさそうだ。
シンジ男前だな。
「勇ましくて頼りになるきっぷのいいカッコイイ大人の女?」
「誇りを持ってやるべきことをきちんと心得ている素敵な女性です」
きっぱりと答えると、ニヤリと笑われた。
「キミ、素質あるよ」
なんの素質ですかと聞くべきか?
「まぁ、そういうところがりっちゃんに効いてるんだろうな」
なんだかんだでキミにめろめろのようだから。
ものすごいこと言われた気がする。
「め…めろめろっすか…」
なんか無意味に恥ずかしい響きだなぁ。
罵詈雑言は気にならないけど、こういうのはすごい効果ある。
でも加持さん、ぼくをそう育てたのはリツコさんなんですよ?
リツコが手ずから自分を彼女の好みに躾たのだとそう思っている。
「葛城もりっちゃんも根っこはわりと少女趣味というか夢見る乙女だから」
可愛いだろう?
類は友を呼ぶのか、それとも。お互い相手を補い合うようなリツコとミサトを眩しそうに眺めやって、
女の友情甘くみたらダメなんだよとしみじみ語る加持が考えてもみてくれ、と言った。
「俺はりっちゃんのスキルとポテンシャルをそのまま持った男に勝てる気がしない」
うわぁ…
リツコさんがもし男だったらとかあんまり考えたくないけど。
あのきわめてバランスの取れた優れた頭脳と才能、彫りの深い端正な顔立ちのままの男前だったら?
確実にNERVは安泰です。
ミサトさん共々二人三脚で司令部乗っ取りとか普通にありそう。
実際今はそんな状態だし。
「別れたあと大変だったのはりっちゃんとの方」
思い出したくもない、というふうに苦笑混じりに加持は話す。
「本当に凄かった」
ミサトを中心とした関係が脆くも崩れたのち、彼らの互いへの意識も混沌としたものとなったのだ。
「葛城と知り合わなかったら、多分俺とりっちゃんに接点はまるでないし」
「そんなものですか」
「そんなもん」
だからさ、と男は見事な男前の完璧な笑顔を作り、こちらの頭をわしゃわしゃとかき撫でて言う。
「キミは早いとこ大人になりなさい」
「はぁ」
「んでおぢさんと飲むの付き合いなさい」
「ヤです」
「むぅ」
「リツコさんと同い年のお兄さんとならいいですよ」
呆気に取られたように口を開けた加持なんて滅多にお目にかかれないだろう。
次の瞬間爆笑されたけど。
「じゃあ、おにーさんと酒が飲めるようにだ」
「その辺は法律を守らないとなんとも。それより」
「なに?」
「その……りっちゃんというのをなんとか出来ないものでしょうか?」
またも加持は見惚れそうな笑顔になって、一言。
「本当にキミのその反応、葛城そっくり」
「…………」
「赤木、って呼ばれるの、昔のりっちゃんはすごく嫌がってたのさ」
だから大目に見てくれ?
「いい男ってのは惚れた女の過去引っくるめて受け止めてやるもんだ」
「好きだったんですか」
言った瞬間しまったと思い目を逸らした。
まさかとは思う。
大人のひと達の気持ちは、皆それぞれいろいろあって複雑で、やっぱりなにか壁や距離みたいなもの
を感じることはある。
リツコにせよミサトにせよ、あるいは加持にせよ。
大人の恋、なんてわからないし。
背伸びしたって簡単に追いつけるはずもない。
「…いいや?」
冗談めかして、ではないようだ。
「そうだな…嫌い同士の両想い、てところかな?」
意外な言葉だった。
「嫌い……?」
「うん、大嫌いだった」
ちょっと大袈裟かも知れないがと軽く肩を竦める語り口は、それでもあくまで穏やかだった。
「キミが取り戻してくれるまでの彼女はね」
どうしていつもそうやって許してしまうの?
それがあなたの言う大人として求められる役割をこなすために必要なことだからなの?
わかってることのいくつかはあなたから教えられたコトだということも、あなたの正しさも知ってる
し理解してる。
けれどすべてなにもかもに納得しているかと言えば、答えは否だ。
加持の指摘する通りに。
外に吐き出しても良い毒まで自分で飲み込んで、傷付けられても他人事みたいに平気な顔をしてごま
かして。
なんでも話し合える友達も嘘で。
誰にも打ち明けられない秘密を抱え、矛盾に苦しみ、がんじがらめにされた身体中に毒が回って、か
つてのあなたは壊れかけていた。
寂しい人だと、ぼくの父をそう呼んだあなた。
あの寂しい人にこれ以上寂しい想いをさせたくはないと願いながら、一方でその父からぼくを奪いた
いと願ったあなた。
「それだけじゃないの、シンジくん。わたしがあなたに知って欲しいと思ったからなの」
他ならぬぼくを。あなたは選んだ。
「わたしはあなたに知って欲しいの」
心からのあなたの願いを、その真の意味を知って、ぼくがどれほど歓喜に震えたか。
だから。
ねぇ今は。
諦める必要なんてどこにもないでしょ?
ためらいも恥じらいも、愛しいけれど。
お、リアルタイム!
さがりすぎ
「……ぁ…ぁっ」
にゅるんとして湿った感触が吸い付くように両手に纏わり付いて、柔らかさにおもしろいほど指がめり込んでいく。
弄んでなんていない。ただ心のままにしているだけ。
好きな人がこんなにも近くにいて、こんなにもいやらしい格好でいるから。
胸を締め付けるような切なくて愛おしく慈しみたい気持ちと、めちゃくちゃに乱して溺れたい気持ちに揺れる。
生まれたままの無防備な姿をさらけ出して。さっきなんてこんな子供相手に跪いて口で奉仕までしたのだ。
理知の衣を脱ぎ捨てた彼女はもはや大人の女としてあるのではない。
欲望のにおいを燻らせるただの生身のおんななのだった。
「じゃあ続きはまた今度、なんて」
横顔の見開かれた灰緑色の瞳に笑いかけて、頬に濡れて張り付いた赤みを帯びた暗褐色の髪を払うようにシンジは撫で梳く。
生来の…彼女が本来持っている色だ。前に写真で見せて貰った母ナオコ譲りと言ってよかった。
葛城と同じく大学デビューということさと、加持は言ったものだが正直シンジにとってはどちらでもいいことだ。
変わりたいと思っていたのとは本人の言葉だが、偽りの色とか若気の至りなんて自分でばっさり切っ
て捨てるのはどうなのかなと思う。
よく知らないなりに率直に感想を口にするなら、出逢ったあの頃の金髪も好きだけど、今の色も落ち
着いた穏やかな雰囲気がして好き。
派手じゃないけど華やかな感じで尖ったところがないというか。
舌で掬い舐めた頬に伝い落ちる滴は涙のようだった。
「そんなこと出来るわけないのが、欲望なんでしょう?」
かつてそう自分の耳元に囁いて優しくも妖艶に微笑んだリツコを思い出し、その言葉をなぞって。
「身体はこんなにも正直なのに」
しかしリツコは緩く首を振る。恥じらいに紅潮した肌が目映い。
「…だったら…もう…」
お願い、と諦めて我慢することを一度は受け入れた身体はしかしながら、切ないほどに焦がれているようだった。
517 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/07(月) 21:18:09 ID:ug8ziJUr
ほす
続きが気になって仕方ないんだぜ
「……ゃっ…」
「なにを?」
追い縋るように添えてきた手をそのまま掴んで、昂ぶった熱を待ち焦がれているはずの茂みに導かせ
た。
「っ!?」
あまりの刺激に聞き分けのない子供のように女は首を振る。
身体の方は嘘はつけないみたいだけど。
「そっ…そんなっ激しく動かさないでっ……」
草叢を掻き分け現れた吹き出し溢れた熱い花蜜にぬらぬらと潤う裂開に、一緒に指を抜き差しさせる。
ぬちゅ、と絡み付く粘っこい淫らなうるおいに、リツコはなまぐさいあえぎを漏らしていく。
揺らめき逃れようと動くゆたかな腰をシンジは腕で封じた。当たったら当たったでぶるん、と身体を
震わせてくる。
欲しい?
まだダメだよ。
「いや?」
耳朶を下から上へなぞるように舌をそろりと這わせ、短くそう尋ねる。
「…ぁ、ぁっ……」
ふるふると頭を振り乱すリツコにはシンジの顔は見えない。
「聞こえてるよね?」
粘っこくていやらしい音がたくさん。すごいね。ぼくのアレ舐めて興奮してたんだ?
さっき寸止めなんかしてお預けなんかするから悪いんだよ?
「…はぁ…んっ…っ…」
女の細く優美な指先にいくども濡れそぼつ花唇をさきわらせ潜りこませ、熱く豊かにうるおう花芯の
かたちを人差し指と中指で引っ掻かせるように上から被せ覆って滑らせる。
立ったままではもう限界が近いようだった。
実を言えばシンジ自身も少し変えたかったので背中を壁に預け、後ろから足を差し入れて膝を割る。
リツコが空いている自由な手で卑猥な艶声を漏らす口を閉じようとしたが、その手をすら胸の突起に
導くと、呆気なく自ら慰める行為にいよいよ溺れていった。
情感のたかまりにグミのような果実はぷくりと紅く硬く熟し立って、残忍な陶酔が沸き上がる。
女のものとは明らかに異なる節の高く長くそして太い指先のもたらす容赦のない刺激に熱い蜜の海は
いよいよ広がり、はしたなく太腿を濡らしていくのだった。
頽れゆく花のように熟れきった女の濃艶な匂いが、浴室中に満ちていた。
淫猥な眺めだ。
もとより敏感なところを愛撫し、自らの性感を昂ぶらせ官能に焙られておんなは惑い乱れていた。
「…ぁっ…ぁん…ぁぁっ…んっ…」
その指先を押しのけるように執拗に攻めては、わななき悶えて漏らす淫声に聴き入る。
朽ちてゆく梔子の花のように甘く妖しく薫る女が、より一層濃密に匂い立ってゆくのを見てとり、苦
笑のようなものがシンジの口元に閃いた。
随分たまってるみたいだ。口では鉄の理性を発揮して我慢強さをアピールしてたけど、やっぱり身体
の方はすごく正直で可愛いなぁと。
殴られそうなことを考えていた。
どろどろした青臭く腥い体液が内側から熱く脈打ち激っている。
それでも暴走しないのは、教え込まれ叩き込まれたマナーゆえとも言えそうだが、単にただの体質か
もしれない。
そうはいっても指戯での執拗な愛撫はやめることはないが。
欲情しているあなたが一番好き。なにも着てない時が一番好き。
歳の差も肩書きも、その身に集められた責任も一切関係ない。
腕のなかにいるのはただのおんな。
熱く豊かにうるおう花芯を人差し指と薬指で浮かせ、中指で引っ掻いては雛尖を際立たせて。
花唇のきつい莢からのぞいく、すでに突けば血をふきそうに充血している朱くまるい珠は、シンジの
指の腹にぷくりとかたちを知らしめていた。
自らを慰める行為に耽り、ひとりだけで昇りつめようとしている女にさっきのお返しだよと低く呟い
て口元を薄く引き、そして続けざま言った。
「見せて?」
見ててあげるから。
「やめて……恥ずかしい…」
「そう?」
こんなにぬるぬるしてるのにねとめくりあげ、ぬりゅんと軽く表面に爪先を滑らせ捩り摘んでみる。
「ひゃあんっ」
びくびくと痙攣し、ありえない取り乱した声にむしろドキドキと胸が熱くなった。
「ゴメンね?」
口癖のように申し訳なさそうに謝りながら、ぷくりとした肉の芽をつんつんと弾くのはやめない。
というかやめられない。
「ぁッ、くぅっ、んっ」
悶え燃えるような恥じらいにくぐもって艶めいた声が絶え間なく浴室に反響していた。
メールを確認しなかったのは確かにぼくの落ち度だと思う。
けど
でもなんで一度も電話してくれなかったのかな。寂しくなかったの?
声聞きたいって思わなかったの?
ひとりでしてたの?
ねぇリツコさんどうして?
ぼくはなんかねぇ、なんていうかイラッとしてしまって。
ああもうなんだかイライラする。
ミサトさんが悪い、ってわけじゃないけど。
「シンちゃんねー…、ウチの子構ってくれるのはとっても助かってるし、感謝してるし、いいけど」
またこれか。
最近こればっかりだ。過保護だとか、甘すぎとか言うのは筋違いだと思うんですけど。
「子供が泣くのってあまり」
胸が痛くなるから好きじゃない。悲しそうな声も聞きたくない。出来ればたくさん優しくしたい。
のめり込みすぎ、なんだろうか?
「なにを言ってんのよー子供が泣くのは仕事みたいなもんじゃない」
「そういうものですか」
たぶん、泣くの意味はミサトと自分のそれは違うのだろうなと思いながらも、受け答える声は冷やや
かになっていた。
自然、ミサトも眉をゆるくあげる。
「あのね、ホントにいつもすごく助かってる」
けどそれとこれは別なのよとミサトはやや困り顔で自分を見ていた。
リツコさんとまた大人同士で話してるのかな?
なんか感じ悪くない?
「夜泣きが、ちょっと」
「………え?」
「シーちゃんいないのって泣くのよあの子」
意表をつかれてしまった。
ようやく言葉を覚え始めた幼児はまだシンジの名前を正確に呼べない。
「泣いてって…」
「真夜中に遊んだことあるでしょ」
「…………すいません」
ええまぁ、何度か。
育児ひとりでやるのって危険だから睡眠時間的に。
いくら主夫呼ばわりされている加持でもこれは勝手が違う。
ミサトとて歯痒いし悔しいらしいのだ。
可愛い盛りだし。
ジーンズの脚によだれまみれの手でべたりとしがみついては、たどたどしい舌足らずの声で話しかけ
てきて。こちらが反応すれば不思議そうに首を傾げてはガン見。
なにを見ているのか、それがまたでっかい目で。
毎日見飽きないほどだ。バイトと称しているが生活サイクルの一部に組み込まれていた。
シンジはこの葛城家の幼児に大変弱い、というかアスカ命名するところによれば大甘大王だった。
「ダメじゃん」
「でも…………はい」
まさかあなたにここで寝泊まりしてもらうわけにいかないでしょう?と、正論を突き付けられたのだ
った。
「あんまり懐くのも考えものだわ。わたしも区切りついたらしばらく専念するつもりだったし」
「でも」
「シーンちゃーん?」
「…はい」
「心配しないで自分のことだけやんなさいっての」
「でも泣くって」
「アンタは受験生でしょうが?」
「そう…ですけど」
「余裕こくのはまぁともかくね、来年はどうするつもりなのよ?」
「……………」
これまた痛いところを、ズバッと指摘される。
容赦ないですミサトさん。
イライラする。言われなくともわかっていることを言われただけなのに。
来年、合格すれば晴れて大学生だ。それはこの街から離れることを意味する。
別にそんな大した意味はないはずだ。今までの人生で一番長い時間を過ごしたのはこの街じゃないし。
たった四年余りだ。
だがそれでも。
言い出せずにいて。
これからどうするかとか。
やりたいことは見つかった。そのための準備もしている。
しかしそれとは別にいろいろあって。
「そんな調子だと先が思いやられるわよ」
「なにがです」
「………だから、…いや別に」
目を泳がせるとか、言いづらいことでもあるのか?
「ミサトさん?」
「だからいろいろよ」
「意味がわかりません」
「しっかりしなっての」
言われなくともしっかりしないといけないって思ってますよ。
なんであなたに念を押されなきゃいけないんだ?
ああなんだろ。イライラする。
「三者面談加持くんに相談したんですって?」
「……………それが」
なにかと聞き返そうとしたが、じっと動かさぬ視線の迫力にたじろぐ。
やっぱり目元そっくりだぁとその場に無関係なことを考えた。
筒抜けのバレバレなのは承知の上だ。多忙なリツコに負担をかけたくなかった。
「そういうの、悪い癖よ」
隠し事ってわけでもないのになんでと思う。
気の使い方がおかしいとは昔良く言われたものだったが、それにしても。
喧嘩してる訳じゃないんだけど。ただなんとなくすれ違っていて。
なんとなく話しづらくて。
なおさら悪いわよと言われてしまいそうだ。
「子供っていつ頃から言葉覚えるのかなーとか」
気になりません?なんてごまかしてみる。
「いきなりなに」
「すいません」
受験への現実逃避ってわけじゃなくて。ただどうしようもなく心が向いてしまうだけなんだけど。
「あーもー…、子供が大好きなのはわかったから」
そうですけど。少し違うような気もする。
ただ嫌なだけだ。構いたくなる。なにかしたくなる。してあげる、って気持ちじゃなくて。
ぐにゃぐにゃ柔らかくて小さくて弱くて。
座っている膝にぺたりと小さな手を置かれては身動き出来ず。
力任せにばちばち叩くのも侮れない。にもかかわらずああくそう抵抗なんて出来るかっての。
「ダメじゃん」
「ダメだなこりゃ」
「アンタ弱すぎ」
「ほっといてください」
カースト最下層決定。
そんなことはいい。
だいたいなんでまだ葛城だったり加持だったりしているのか。その回答すらこれだ。
「葛城が納得してないから」
「なににですか」
「順番」
「あの…どんな意味が?」
「さて?」
俺はどうなるよと男同士の脱力感漂う会話はいつもそんなノリだ。
大人はわからない。
いや、女はわからないが正しいのだろうか?
見透かされて子供扱いされているのかなと思うこともあって。
もやもやする。
はっきりさせないといけないし、言わなければいけないのもわかっているし、ちゃんと聞かないとっ
て思ってる。
目下のところ思っているだけで。
ホントに今やろうと思っていたところなのにとか、あとでまたの機会にとかダメダメ過ぎて話になら
ない。
ああもう
相変わらず踏み出せなくて嫌だこんな性格。
好きなように、思うがままに触れていながら。
満たされたいって思いながら。
馬鹿なんだと思う。
ひとりになるのが怖い。
置いて行かれるのが。
あなたがいないのがとても怖い。
あなたがそばにいるのに怖い。
いつか終わるかもしれない関係が怖い。
行為は、貪欲になされていた。
額を肩甲骨のあたりに押し付け、かき抱く。
なにをしているんだろうね、ぼくは?
頬に、耳朶に、こめかみにいくつもの口づけを落としながら、徐々に足を開かせていく。
「もっと…んんっ」
乱れたおんなが腕のなかにいる。
「もっと激しくっ、ぁっ…お願い…ぁんっ…強くしてっ」
容赦のない官能の沸騰と熱い欲望の濁流に歓喜の悲鳴めいた声をあげながら、女は哀願していた。
「いいの?」
「ちがっダメっ、やめっぁっあっ…」
「やめてほしい?」
「ぁ…ぁおねがっ…もう」
「イきたい?」
「ん…覚えて…なさっ…ぁふっああっ」
煽り立てる行為に女は堪え切れずにあらい息を繰り返しては切羽詰まった答えを返す。
「感じてるんでしょ?」
「……ん…んっ…」
いやらしく溢れた唾液に濡れた唇を舌でくるりと舐める仕草が淫らがましく艶めかしい。
「そう……よかった」
一緒にいじくりまわしていた女の指をやめさせ、欲情した体液まみれのそれを構わずシンジは口に含
んだ。
人差し指、中指と舐め清めるようにして目を覗き込むと、がくがくとリツコの膝は笑っていた。
羞恥に全身がわななき悶え、力が抜けたのか糸の切れた人形のようにもたれ掛かってくる。
そんな姿を引き寄せる形でズルズルと座り込み、身体を半分こちらに向かせて、鼻先を近付けた。
けだもののような悩ましい息すら奪いたくて。
「んっ…ふ……」
噛みつき、吸い、やがてちろちろと差し出してくる女の舌を受け入れて、好きなようにさせる。
とろんとした恍惚とした陶酔の眼差しでこちらに微笑み、うっとりと蕩けそうな忘我の表情で舌を絡
ませるさまは、羞恥心をかなぐり捨て理性を外した痴態すら含んでいた。
「なにをお願い、なの?」
唇を離してはそう、抑揚をつけずに尋ねる。
朝からかなり激しくなってるけどもう勢いが止められない。
本音はもう仕事なんかサボっちゃいなよ、だ。
無理だけど。
「そろそろ欲しいものないかな」
膝裏を手の平で掬いあげて脚をさらに拡げると、応えるように尻を突き出してくる。
いじわる、とはもはや口に出して来ない。谷間に押し付けられた熱い塊に焦れったそうにしている。
「早くしないと待たせちゃうよ?」
太腿から続く桃のような双つの曲線をゆるりと辿り揉み撫でながら、冷たく言った。
ミサトの名を口に出そうと出すまいと、もうどうでもいい状態だ。
ホントに、こんなにはしたなく興奮して。夜だったらもっとちゃんとしてあげるのに。
「手、ついて」
襟足に唇を寄せて前に屈んで欲しいと伝えると、抵抗などまるで見せずにおとなしくバスタブの縁を
掴んだ。
焦れったくなっているのは自分も同じらしい。
「ねぇ、リツコさん。ぼくに話すことってない?」
後ろからうなじに唇を寄せ、掠れた声でこそりと囁く。
「な……を……?」
なんでそんなになにかに焦ってるみたいに仕事してるの?
言い出せないままシンジは別のことを切り出した。
「もっと突き出して」
耳朶をなぞりながら優しく柔らかな声で、浅ましい要求を突き付ける。
ミサトが知ったらどころかマヤあたりにはリアルで石を投げられそうだ。
見せつけたいわけじゃないけれど。
肌の白さとなめらかさは努力の賜物だ。ざらつきのない吸い付くような触り心地にも未熟さのない艶
がある。
重力に逆らわずにたわわに揺れ動く乳房と同じに双つのまるく白い柔らかな肉を目の前にし、シンジ
はゆるく目を細めてシャワーヘッドをおもむろに掴み取る。
やや温めにしながらも勢いは全開にし、太腿をてらてらと濡らす蜜を見遣って押し付けた。
「……ぁ…ふっ…」
敏感に反応を見せるリツコをよそに、無表情にシンジはぬめる汗と粘液を洗い流していく。
指を肌につ、と走らせるだけでおんなは震えた。
追うようにして背中につけた印を確かめるようにして啄む。
やがて
「やめて欲しい?」
シャワーは止めもせず放り投げて曲線がかたどる谷間に指先を埋めた。
もたらされる予感に震えたのか、びくん、と怯えたようにリツコが腰を揺すらせる。
卑怯だと思う。
背中から浮き出る骨の終着点の真下に辿りつくと
「だめ…お願いっ…そこは…」
いまさらのようにくねらせてきた。
果実を割り割くようにして秘めやかに隠された窪みに指を置けば、悲鳴のような哀願をしてくる。
「シンジ……お願い」
嘘つき。
洗い流され清められた裂開とは別のさらに奥に、構わずに指を差し入れる。
恥じらいに濡れたかすれた艶声が、浴室をふるわせた。
ひとを好きになるってすごい事だと思う。
そのひとのことを想って、くすぐったくなるような甘酸っぱくなるような、とっても豊かな気持ちに
なったり、逆に心を痛めたり。
いつもうまくいかないなぁって落ち込んだり、いじけたり。
でも確かに心が通じたって思える瞬間があって。
嬉しくて舞い上がってはしゃいで。で、調子づいて怒られて落ち込んで。
浮かれて騒いで沈んで黙り込んで。
そんな無限ループ。
気持ちが、心が、すごく近いところにあるって感じることが確かにあって。
それは一瞬でしかなくて、幸福はいつまでも続かなかったりするけれど。
恐がっちゃだめなんだって教えてくれた。
好きになることを。
誰かのことを大切に想う気持ちを。
だけど
そういうのだけじゃないのも、ぼくは知ってる。
音が、反響していた。
取り乱した女の慎しみも羞じらいもない嬌声と、肉を舐め啜る音が混ざり合う。
ぬれた舌の尖りであふれでる蜜を掬い、撫ぜ、しゃぶり、いくども口づけて。
ひくついた密かな羞恥の中心はケダモノのかたちを取らせ、目の前に露わにさせていた。
容赦なくシンジは指戯を、舌戯を続け、おんなをいたぶる。
紅く熟れた花芯をねぶり、朱色の門に舌先を捩込み差し入れ、雛尖を甘く噛んでは指をより秘めやか
なすぼまりに埋め込ませていく。
肉体をくぐる指のかたちを感じているのか、そのたびにおんなは震え悶え、より一層の快美を求めて
腰を浮かせてくる。
もはや羞恥する余裕さえないのか、あさましく高く突き出され、脚は扇のように開かれていた。
おんなのくまなくあらゆるすべてを暴いて見たい。
いや、リツコをだ。
指のひと撫でに戦き震え、吹き掛ける吐息に惑い乱れるさまに陶酔した笑みを向ける。
正しい方向とか、「こうあるべき」って行動とか。
やっぱりたくさん頭のなかで考えてるのかなって思う時がある。
心はロジックじゃなくて。ちゃんとした「正しい答え」なんて用意されてはいなくて。
パズルや方程式を解くようには出来ていないから。
考えすぎだとそう言う人もいる。頭で恋愛をするのは感心しないと。
いろいろ考えすぎて、怖がって。不安になって、たくさんの気持ちでぐちゃぐちゃになって。
ほかのおんなに執着などありはしないのだと。
あのひとに見せた、あのひとが見たあなたをすべて知りたい。
途方もなく愚かな願いだとして、しかしそれすらリツコは受け入れた。
私も同じだったからと。
抱くことで。抱かれることで、ここにいない誰かに縛られる。
リツコは母親に。
自分は父親に。
なら自分たちは同じなのかもしれない。
そして、それだけで終わらせたくない気持ちも、多分一緒。
ねぇリツコさん。ずっと変わらないものって、本当にあると思う?
心や魂は肉体が滅びなければ不滅だなんて、そんなこと本当なのかな。
ずっと生きていることは幸せなのかな。
ぼくは、
あのふたりのこどもは、
本当に幸せになってもいいと思う?
ほんとうに、しあわせになれると思う?
居ても立ってもいられないんだ。嫌なんだ。誰かが、子供が泣くのは。
大切にしたい。優しくしたい。
本当に。本当なんだ。
「知ってる?」
閉ざされた暗闇のなか、シーツの上で静かに呟く声は低く冷たい。
「親に虐待された子供は、自分の子供を虐待するんだって話」
触れられる近しさにある女の気配を、そのあたたかなぬくもりを感じてなお、恐ろしいまでの孤独に苛まれる。
胸が崩れ落ちてゆくような感覚に囚われて。
「ぼくは…」
実際、自分は目に見える形の虐待を受けてはいない。暴力を振るわれて育てられたわけでもない。
ただし、家族という絆の意味と価値を教わり、それを正しく知り、理解して信じる以前に、突然断ち
切られてしまった。
突き放されてしまった。
途切れて、しまっていた。
「前にいたところで…先生といた頃からずっと」
密やかに気配が動く。労るような視線を感じながら、差し伸ばされた腕を拒むこともなく、続ける。
腕に抱かれながら。
「毎日毎日いつか、そこを出て行く日の事をずっと考えてた」
闇に浮かぶ後ろ姿の男の幻を睨みつけるようにしながら、虚ろに呟いていた。
「けど…その先の事なんて少しも考えてない」
本当に。衝動でしかない。
本当にわけもなく
泣いてしまいたい。吐き気がするほどに。
望んでこう生まれたわけじゃないのに。
それとも望めばなにか変わっただろうか?
「ぼくはただ……逃げたかった」
泣きそうな気持ちで、心から。
「ぼくがいていい場所はここじゃないんだって」
本当は、ずっと帰りたかった。帰りたいと思う場所は確かにあった。
あらかじめ失われてしまったことを思い知らされるまでは。
けれど。だからこそかもしれない。
いつか。
いつか、そう。
「ぼくは誰かを…自分より大切だって思ったり、優しく出来るのかなって」
泣きそうな気持ちで、心から願い続けている。
「誰かを……守ることが出来るようになれるのかなって」
ずっと、焦がれるように願い続けている。
それが出来なければ生きている意味なんてないのだと。
優しくされたいなら、与えられたいなら、差し出さなければならないことを知った。
求めるままではなく。
求められたいと願うのなら。
矛盾した気持ちで、泣き崩れそうな心で。
それでも。
誰かの手を取りたいと望まずにいられない。
それは決して甘えたいだけじゃない。
誰でもいいはずなんてない。
「…ぇ……」
ゾクゾクと肌が粟立ったのは、そろりと絡めて来た指先を感じた為だ。
ゆらりと。
おんながこちらに顔を向けていた。
泣きそうに上気した、それでいて恐ろしささえ感じる目の力に気圧される。
「なんなの…あなた…?」
苛烈とさえ呼べる、低く厳しい魔女みたいな声が耳元に冷ややかに滑り落ちる。
よがり狂い、淫靡な悦声をあげていたはずのおんなはまさに豹変していた。
「ぁ……リツコ…さ…ん?」
ついさきほどの行為での舌の感触を忘れられないせいか、かなり敏感に女の指先の方に意識が行って
しまう。
「ちょっ…ちょっと……ちょっとまっ…て」
思わず後ずさり、タイルに背を預けるかたちになる。
「待たないわ」
おんなとはなんなのだろうか。人間をケダモノにする欲望から、こうしていともたやすく帰還するおんなとは。
いいや。
これもまた本性のすがたなのかもしれない。
たやすく追い詰められ、噛み付かれる。
「私からのメールを読まずに拗ねてたのはいったい誰なのかしらね」
甘い睦言とは掛け離れた、呆れたような冷めた声音だった。
「慌て者で、うっかりしてて…そのくせ開き直るのはとっても早くて」
爛々と輝く瞳はその……大変ご立腹な様子で。
首筋に熱い吐息と生温かい湿った感触が滑り落ちるのに、落ち着かなげに視線をさ迷わせる。
「たくさん甘えたいのはどちらなのかしらね」
昔の自分だったらたちまち逃げ出したくなるような剣幕だ。
女の舌先が吟味するように上下に這い回り、やがてお返しとばかりにきつく吸われ
「足りないの?」
まさかそうくるとは思いもよらずに絶句する。
首筋にキスマーク。
しかも複数。学校でなにを言われるかは想像したくない。
「そう…足りないのね…」
うっとりと呟く。
悪戯が過ぎたわねと、肩口に残る歯の噛み痕をちろりと舌でなぞっては、
「これで」
私のものね?
まるで獲物を捕らえた牝豹のように妖艶な微笑みを浮かべた。
大人のおんなの本気を見せてあげるわ。
お仕置きよ、なんて色っぽい言葉が頭のなかに浮かんでしまった。いろいろダメ過ぎる。
それよりもさらにくにくにと妖しく蠢く指先に意識が否応なしに向いて、蠱惑する囁きにも満足に応
えられない。
額を重ね、唇にリツコがそっと触れてくる。
羽のようになめらかで軽くて、啄むような優しい口づけは、初めて教えられた時と同じに胸を熱くさ
せた。
「いやらしい子」
それはあなただって同じなのに。両膝を開いてぼくを縫い止めるように上にのしかかって。
「なんていやらしいのかしら」
指先で弄びながらそう冷たく罵っては、唇を吐息を奪う。
言われても仕方のないことをしていただけに、されるがままだった。
本当はもうなにも考えたくない。委ねてしまいたい。
「っ…く…ぅ…」
親指と小指を重ね合わせ、他の指を束ねるように手の平を窪ませながら小刻みに揺すっては撫で回さ
れる。指の間はすでにぬめり始めていた。
「一番いやらしいのはこの唇よね…」
そう呟いては下唇を噛み、唇のうらの肉を噛み、舌を探り、ぬらぬらとからめてくる。
絶妙な口づけを口腔いっぱいに享けていた。
痺れるほどに舌先をリツコの口のなかに吸われ、交じりあった温かい唾液を呑んだ。
ゾクゾクと膚が粟立ち、胸に押し付けられた乳房のまるく弾む柔らかさにさらに煽られる。
「怒らないで」
むしのいい話だ。
「いやよ」
艶やかな微笑みのまま素っ気なく却下。
「嫌わない…で」
「ふふ、どうしようかしらね?」
こめかみにキスを落としながらリツコは腕を回してくる。
GJ!
ほしゅ
あげ
保守
ほすん
GJ〜
ってこれで終わりなのかなあ
☆ゅ
保守乙
まだちょっとだけ続く。
ほしゅー
保守っ
保守ッ
゚.+:。(*・ω・(・ω・*)゚.+:。
誰のせいだと思っているのと、喉元まで出かかった言葉は唇を噛み締めることで行き場を失う。
「シンジくん……」
緩く長く悩ましげに息を吐いたあと、女は両の手の平で頬を包み込むように触れてきた。
「マナー違反よ」
目は笑っていない。
激情に流されない射抜くような瞳の色合いに心が痺れる。
あんなにも淫らに乱れながら、むしろそれを逆手に取りさえする。
なにせ「覚えてなさい」、なのだ。
そのありさまを滑稽だと感じるならば、そこに交わされるものは情ではなくまして愛ではない。
濡れた唇が紡ぐ言葉がたとえたしなめるものであっても、むしろ向けられる心に胸が騒ぐ。
「…………」
「ベッドの上でもここでもね……その場に相応しい話ってあるでしょう?」
説得力あまりないよリツコさん。
裸のままで。縫い止めるように跨がったかたちで、交わる寸前で。
けれどその声は自分を落ち着かせるに十分だった。
「それともリョウちゃんになんて相談したの、て聞かれたいのかしら?」
前言撤回。さすがにギクッと顎が浮いてしまった。話したのかあのひとは。
いや、どっちだろう?
バレバレだとは思っていたけど。
こちらの動揺を見逃さず、ごちん、と額を当てられて凄まれる。
「ミサトとのことだって私には話してくれないのね」
ううーっ、と目線が下がって、背筋がぞわぞわし、胃のあたりがきゅうっと縮んだような感じになる。
「…………それやめて」
「それって?」
「………だから」
女にじっと見つめられるのが苦しくて言い淀む。
そのリョウちゃんとかリョウちゃんとかリョウちゃんとか言う呼び方なんとかして。
ていうかわざとでしょう?
はぐらかすにしても随分と拙いやり方じゃない?
ここで、男のひとの意見が聞きたかったから…なんて言ったらそれこそ火に油、なのだろうか。
それともそんなことないわって言うのかな。なんでもお見通し?見透かされてる?
いいよもう。なんだっていい。
「朝に元気がないよりは良いけれど」
「もうお昼だよ」
なにが言いたいって訳じゃない。多分相当ぶすっとした顔をしていると思う。
「一日中そうだと言いたいの?ココをこんなふうにしながら」
またそうやって挑発して。
「そうだよ」
低くぶっきらぼうに言い捨てて、もういいやとばかりに挑発に乗る。
頭ではダメだとわかっていながらも、実際は暴発寸前なのだ。
あたり構わずキスしまくりたい。めちゃくちゃにしたい。もう焦れったい。
シンジは女に触れる。
「朝でも昼でもいつだってしたいよ」
「もう……」
「ベッドの上じゃなくてもソファーでもどこでだってしたい」
「………シンジ」
困った子ねと言わぬばかりに首を傾げた表情はそれでもどこか艶っぽくて。
女は差し出した手の平の上に手を重ねてきた。
優雅に、流れるような仕草で与えられた手の甲に恭しくシンジは唇を寄せる。
煮え滾る情欲はいまにもすべてを押し流す勢いのままに、駆け引きめいた手指の遊戯が始まった。
女の弓腰が浮き、折った膝頭がタイルを鳴かせる。
「帰って来たら思う存分甘えて良いわ」
さきほどのシンジの言葉をリツコは繰り返す。
「たくさん、可愛がってあげる」
重ねた手の平をどちらともなくずらして指の一本ずつを絡め折れば、互いの両手は自然とつながった。
女は言う。
「だからそんなむくれないの」
ね?と表情を和らげて。
「…………やだ」
反射的にそう答えてしまった。
「……いや?」
「やだ」
そういう答え方が子供っぽいのよと言われても仕方ないくらいの勢いで、答えてしまっていた。
さしずめ全身総毛立たせて威嚇する猫と同レベルかもしれなかった。
いや、猫に失礼か。
「そんなにいやなの?」
なにニコニコしてるのリツコさん?
「あ…う……や、やだ…よ…」
なんでそんな嬉しそうにして優しい目で見るの?
いつもそうやってはぐらかすんだから。
容易に立ち入ったり踏み込んだりしたらいけない領域なのは知っている。
加持さんにせよミサトさんにせよ自分のことを思ってのことなのだろうこともわかる。
向けられる心があるからこその叱責や励ましなのだということもわかってる。
リツコが留守の間は相談に乗ってもらっているし。
でも、それとこれは違うのだ。
もやもやして、心がぐらぐらと落ち着かなくて、触れ合いたい気持ちばかりが先走って。
もどかしくて、いてもたってもいられなくて。
「ヒトの気持ちも知らないで?」
唐突な言葉に、息を呑んだ。
お願いだから試さないで。いいや、ぼくはなんて言って欲しいのだろうか。
意味もなく首筋の朱い印や鎖骨の窪みなどを睨みつける。
歌劇に出てくる夜の女王みたいだ。容赦なく残酷なことを言って翻弄する。
わがままなんて許されないことはわかっている。わかってるよ本当。わかってるけど。
「どうして?」
声が震えた。
「なにかしら?」
ゆったりと女は返して来た。
「三週間も声聞けなかったのに」
「…………」
「どうして平気なの?」
「シンジ」
「なんであんなこと言っておいて放って置けるの?」
心細げに顔をしかめればしかめたで、
「眉間に皺はお止しなさい」
女の手が離れて、うにゅっと両頬を指で引っ張られた。
「にゃひす(なにす)っ…!!?」
思い切り舌を噛んでのマヌケた声に、気まずげに俯いた。恨めしげに目線を泳がせる。
見つめてくる眼差しはそれでもかわらずに柔らかい。不安にさせるほど慈愛に満ちた母親のようで。
こんなので本当に恋人、て言えるんだろうか。
「ヒドいよ……」
煩わしげに手を払いのけるまでは良かったが、かわりに今度はなでなでと頭を撫でられる。
完全に子供扱い?
「シンジ」
挙げ句には身を乗り出すようにしてぎゅーっと頭を抱き寄せられた。むっちりした柔らかな双つのま
るい肉が作る谷間に顔面が埋められる。
一昔前なら顔が赤くなったり青くなったりで忙しかっただろう。だからと言って今なんともないとい
うことではないが。
「…………なにしてるの…」
思い切り当たっている。鼻先も唇も頬もだ。
むせるような女の甘い匂いはミストシャワーの熱気に増幅されている。もちろん互いの欲望のなせる
獣臭も強く濃いまま漂っていた。
吸ってもいいわよ。なんて言われたら、ためらわず口に含んで、噛んで舐めて転がして……。
だからそれじゃ恋人じゃなくて母親に甘えたいだけの子供みたいじゃないか。
「ちゃんと呼んで?」
やましい気持ちに捕われてハッとしてしまう。
「………?」
沈黙をどう受けとったのか抱きしめる腕が強くなった。
「あなただけの呼び方でわたしを呼んで」
「…………」
それってつまり、あれのことだろうか。
「………リツコさん…」
意図がわからずそう呼び掛けるも女は黙ったままじっと待ち続ける様子だった。
ハズレらしい。
「……ずるいよ」
「あら、恥ずかしいの?」
覗き込むよう首を傾げる邪気のない笑顔に息を呑んだ。
「誰があなたの女、だったかしら」
悪戯を仕掛けて完全に面白がっている魔女か、はたまたあまねくすべてを慈愛の眼差しで見つめる菩
薩か。
「………え、と…」
たいていはあの時にしか呼ばない。というか呼んだことがない。
感極まっていたり、うわごとのように繰り返して自分でも訳がわからなくなってる時くらいで。
「リ、リツは……その…」
しどろもどろになる。
どうしたって記憶に結び付く。今さっきのことだけじゃなくこれまでの夜のことまで。
「初めてそう呼んだ時を覚えてる?」
意地悪のつもりではないのだろう。
「…………」
初めてリツコを……自分にとって同居する年上の女性でも保護者というだけの存在でもないのだと伝
える為に。
あの日の朝の二人はまだ、「シンジくん」であり「リツコさん」のままだった。
確かそう、互いの気持ちを打ち明けて想いを通わせたあの夜だ。
その場の勢いではなく、単なる気まぐれの延長線上にある関係を維持するのでなく。
「ぼくは何になったんですか?」
その意味を尋ねること自体に意味があるのかすらわからなかった。自分が何者か、など。
「あなたは人間よ、碇シンジくんよ。私たちが取り戻せたあなたは紛れも無くね」
そう答える女に力なく笑うしかなかった。
「わからないです」
いよいよ不安げに落ち着きを失う自分に抱擁で応える女の温もりに心が震えて。
「そう?ならわたしの名前、わかるなら呼んでみて」
その言葉こそが、始まりだった。
あなたが呼ぶその声がわたしが誰であるのかを決めるのだと女は言ったのだ。
何者であるかは問題ではないのだと。そしてそれはあなたにとっても同じことだと。
どのように生れついたかではなく、どのような在り方をしているかでもなく、今こうして出会えたこ
とが、触れ合えることがなにより嬉しい。
「じゃあ…教えて……?」
もたれ掛かるようにしてその身を委ねた。
「ぼくが誰なのか全部確かめて」
拒まないことが答えだなどと考えることすらなく。
「ぼくが誰なのか教えて」
夢中で求めた。
あの夜にすべて知った。
幸せの意味を。
「は、はぐらかさないでよ。それとこれは…違う…でしょ……」
「ええ、関係ないわよ?」
いよいよ女はニコニコしながら駄目押しとばかりに返してくる。ああもう。わかった。
これは罰なのだ。
「なにそれ…ねぇさっきからなにニコニコしてるの……」
話を逸らそうと、無関係なことを持ち出した。
笑顔は好き。悪戯っぽいのも可愛いと思うし、うっとりした優しい目で見つめられるのも本当は好き。
だが今は針のむしろだ。
睫毛の震えさえ間近に見つめられる距離で。
女の肌に吹きかかる自分の息の熱さに固まってしまう。
そんなことなど知らぬとばかりにリツコは微笑みを絶やさず答える。
「良くも悪くもね、ああ……シンジくんだなぁって」
蟻地獄のごときありさまだった。
「………もうなんなのそれ」
恥ずかしいとかそんななまやさしいものじゃない。しみじみと言わないでよ。
ジタバタと暴れてしまいたい。内心のたうちまわってもう逃げ出したい気分だ。頬、熱いし。
「どうしてそうなのかしらね」
「…………なに、が」
「その場の空気をちゃんとお読みなさいって話」
言うやいなや口づけが降りてくる。
「……ん」
額から頬に、そして耳朶へと移動する熱に意識が向く。唇の感触は絹のようになめらかで、しっとりとしていて。
「ちょっと早いのだけど」
本当は来月になったらということらしかった。そう、耳元に届いたのは思いがけない言葉だった。
「今からシンジさんて呼んでもいいかしら」
例えるなら、ボンッという勢いで、だろうか?
「かっ会議……」
違うだろそうじゃなくてなんて言ったらいいんだ。
錯乱していた。
「シンジさん」
「ああ、はっ、はいっ!」
いきなりオーバーアクションであわてふためく。
いや、だって、そんな呼ばれ方されたらなんか変に思われたりしないかな、ああどうしよう?
「もしもし?」
一体どういう話の流れで『シンジさん』なんだろう?
そりゃ14年近く続いている加持さんとのリョウちゃんりっちゃんと呼び合う仲をぼくごときが本来ど
うこう言えるわけもないし、ヤキモチとか子供のわがままとか言われたらそれで終わりだし、子供扱
いしないでって言ったところで実際ガキだし、パイロット時代の給料の管理をやってみて稼ぎたい意
識は強いけど今のところは養ってもらっている立場だし、それなのに今しか出来ないことを愉しみな
さいってどういう意味なんだろう?
来月になったら、ってことはやっぱりぼくの…
「もしもーし?」
「って、え?」
「え?じゃないでしょ」
どうやら思考の小路にはまり込んでいたらしい。
続きありがとー職人さま!
おつー。読んでいたら、ぽかぽかしたお。
面白がられてない、かな?
「あ…うん…じゃなくて…は…」
はい、と言い切ることは出来なかった。
「ぇっ……」
顎をとらえられて、唇と息を奪われ、舌を根元からきつく吸われ、追い込まれて。
「っ……ぁっ……」
あまりの不意打ちに声が漏れ出てしまう。
それもそうだ。なにをどうすればどんな反応を返すのかなどお見通しなのだ。
自分を男にし、女を教えたのは目の前の彼女なのだから。
教えられ、叩き込まれ、多分自分は彼女の好みに仕立てられているに違いない。
いやいやいやいや関係ない関係ないってそれ。
「くっ……ふ……」
緩急をつけるよう、今度はあやすように甘く噛み、啄まれる。
程よく動揺し錯乱しパニクっている相手になんてキスするの。
ぬらりと艶めいた肉厚の下唇を焦らすように突き出してはそろりと舌を差し込んでくる。
探られ、絡みつき、誘い乱し、熱くぬれた舌と唇と吐息による妖しい魔術を施されているみたいだ。
蠱惑する。それでもいいと思った矢先に唐突に理解した。
その場の空気を読んで、雰囲気に相応しい振る舞いをしなさい。リツコはそう言ったのだ。
わたしを見なさい。ほかのことなんて考えてないで。
胸が熱くなる。
このねっとりと濃厚なキスを初めて受けた時も、彼女の手のなかで呆気なく果てたのを思い出して、
ぶるっと震えが走った。
なにもかもが未知の刺激だった。自分も知らない自分を解放するようで。
やがて唇を離し、うっとりとした目で女が陶然と微笑む。
「あなただって“シンちゃん”はミサトにしか呼ばせないでしょ」
なにを言われたのか一瞬わからず口を開けたままぽかんとしてしまった。
奪われた息を整え取り戻すために大きく胸を上下させながら唾を飲み込む。
言ってもいいですかリツコさん。
それとこれは別、なんてもう言いません。
もうなんか可愛い過ぎる。どうしよう。
「呼びたいの?」
「え?」
「だから……」
シンちゃん、て。
「………」
「………」
言った方も、言われた方もなぜか照れたように笑みを張り付かせていた。
「………リツコさん…?」
目線で制される。
「リ…リツ……」
そう呼び直したら、よく出来ました、みたいな顔して女が笑った。
なんか子供みたいだよ?
どうしよう、やっぱり。
触れたい。
ふたりして生まれたままの姿で、こんなにも近くにいて。互いの手がそれぞれに動いて、引き寄せて。
「“シンジさん”はいやかしら?」
そう尋ねながらもリツコは唇を耳朶に寄せコソリと囁くのだ。首まで真っ赤よ、のぼせた?
「ええと……」
なんと答えようかと考える間もなくキスの雨が降ってくる。これだってリツコからの直伝なのだ。
あなたの唇とあなたの言葉とどちらを信じたらいいのと悩んだ時期もあった。
「ミサトさん……迎え…に…来るんでしょ…?」
ぼうっとしながらも反射的にブレーキをかける。欲しがられているのは本当に嬉しい。
したい。触れたい。本当はすごく。
けれどやはり、自分のせいで彼女が悪く言われるようなことはあってはならないのだという意識が勝
ったのだった。
「あなたのせいよ」
爪を背中に立てながら女は鋭く告げる。
そういうところがあなたらしいけれどと、引っ掻いた痕をなぞるようにして付け加えながら。
「…そうな…の?」
「そうよ。女をこんなふうにまで追い詰めておいて」
強く臭う淫らな獣の欲望のままに膝立ちした女が求愛する。
「膝、大丈夫?」
タイルに直についているのを気遣えば平気よ、と返された。
「いつになったらあなたは……」
「なに?」
「なんでもないわ」
答えながらリツコが目の前で獣のように這って迫るかのようなカタチで弓腰を浮かせくる。
なんかそういう言い方ってズルくない?
「気になる…よ…」
両肩を掴まれながらも、ほったらかしのシャワーヘッドを意味もなく眺める。
ならお聞きなさい。女は再び頬を包み込み、答えた。
「あなたを愛してるわ」
なんの曇りもない、青空のような笑みのままに。
「…………」
突拍子もない告白ではない。彼女はいつもそうだ。偽りのない気持ちを伝えてくる。そして
だから、いつになったら、か。
あれから三年。
幾度となく交わり、睦言を囁き、今だってこうして求め合っている。
今年に入ってからは避妊すらせずに行為に及んでいる時もあるくらいなのだ。
にもかかわらず、今まで一度も伝えたことのない言葉がある。
心から望んで求めているのにもかかわらず。
愛しているという言葉を、シンジは口に出せないでいた。
それこそが加持への相談の真の理由だったのだが。
「……リツ…あの……」
恥ずかしいからではない。拒まれることへの恐怖でもない。
愛されていることはわかっている。いや、自分自身の気持ちだって本当は固まっている。
ただ、そう告白するにもやはりいろいろあるのだ、一応男だから。
じっと見つめ合う。照れなど微塵もない。
「ぼ、ぼくも……本当にあなたのことが…その…」
どきどきする…
ダメだ。男ならあと一ヶ月先まで待つんだ。
シチュエーションとか、タイミングとか、やっぱり大事だと思うし。
奇妙な論理が頭のなかで展開し、結局その先は選択肢から消えた。
「…その……本当に…」
しかしリツコの眼差しは揺らぐことなくこちらに向けられている。
「…あ…、」
リツコが待っていることがわかって否応なしに緊張が高まっていく。酸欠しそうに喉がカラカラに渇
いて、心臓がバクバクと脈打っていた。
いやいや違う。今ここで勢いのままっておかしいでしょ?
なにか考えなければ。リツコを傷つけないように。
「ありがとう、て…」
「…………」
沈黙が流れた。
間違いではないのだが、不正解だろう。
これがミサトならシンちゃんのいけずーっとブツクサ言ったに違いない。
なんか違うとは思わないところがおかしいのだが、この時は本当に大真面目だったのだ。
告白即プロポーズと一直線に考えるあたりが8年もうだうだとしていた男の直弟子らしい、と。
後々まで言われ続けたツッコミだ。
8年がかりで、嫁に張り倒されながら告白した男に相談する時点で間違っているわとは後日談。
アンタは乙女心ってものをまるでわかっちゃいないのよ!
とかなんとかアスカにビシッと指差されて撃沈されても誰も慰めてくれない…そんな感じだ。
心なしかリツコが疲れたような顔をして薄く目を細めた。脱力したような微妙な空気が漂う。
気まずい雰囲気が垂れ込めた。
「あなたって本当に…」
ふー、と息を吐いてリツコが腕を伸ばして頭を抱き寄せる。まだまだねぇとでも言わんばかりに。
「ゴメン…なさい…」
「あら、謝るようなことしたの?」
「う…だって……」
こうして抱きしめるのはリツコの癖だ。女性の腕は細くて、腕のなかは温かくて柔らかくて。
泣きそうなくらい優しくて。
これがベッドの上なら確実に正座していただろう。
「何度でも言うわ」
女が囁く。
「愛してるの」
「………はい」
「けれどね、あなたには貴重な時間を大切に過ごして欲しいって気持ちがあるのも本当なの」
「………でも」
シンジは首を振って、反論する。
「ぼくだけじゃなくてあなたにとっても、今日は一生のうちのたった一日きりなんでしょう?」
そう教えてくれたのはあなたじゃないですかと、おずおずと手を差し出した。
新学期に入って間もなくリツコが長期出張に赴くことになり、その際に言われたのだ。
「わたしのことは考えなくていいわ」と。
それはリツコなりの気遣いで、貴重な高校生活をもっと楽しんだり、自分との関係だけに囚われず、
たくさんのひとに目を向けてみたりしてはどうかという提案だったのだが…。
こじれにこじれた。
メールすっぽかしも原因はそこにある。
加持にもミサトにもその他多くのひとたちに多分迷惑を随分かけたに違いない。
中学の同級生はそれぞれ散り散りなったが今でも付き合いは続いているし、友達がいないわけじゃな
いし、いろいろ頑張ってるのにと困惑しながら放置されて今に至っているのだった。
「ねぇシンジ。あなたはこれからもっとたくさんのひとと逢って、絆を深めて、さまざまな経験を積
んで、いろいろ学んだりできるの」
「あなたはそうじゃないっていうの?リツコさんだって」
「わたしは…」
比べること自体滑稽だと言われても譲ることは出来ない。
「あなたがぼくの隣に居てくれたら何倍も楽しいし、一緒にたくさんのことを知って、嬉しいことが
もっと増えると思うんです」
これでも相手の立場を考えずにものを喋っているわけではない。
「分かち合いたいんです、たくさんのことを。もっとあなたを知りたい。そういうのはダメなの?」
どうしてひとを好きになったかとか、なんで恋なんてするのかとか。
この三年間でいろいろ知ったのだ。例えばリツコが抱えている不安や苦悩を。
本当にわたしでいいのって。わたしのどこが好きなのって。
よくわからない。いっぱいあるし。一番は決められない。
ただ笑ってるところはやっぱり好き。なんでって、なんでもです。
髪の毛の色が変わろうと変わるまいと些細な問題だ。
むしろ聞きたいのはこっちなのに。
ぼくのどこが好きなのって。本当にぼくみたいな子供でも良いのって。
どうして愛してるのって。
聞いたらダメなのはわかっている。
リツコが年齢差や父親の愛人としての過去を気にしていないはずもない。
とても優しくて聡明なひとだから。
あなたと向き合うことで、私は自分自身とようやく向き合うことが出来た。
あなたが変われたように、だから私もまた変われたのと。
あなたが私を見つけて笑うから、もうどうでもよくなったのだと、かつてそう話してくれた。
ただ慰め合うだけなら、あの日々が終わりを告げたあの日に、ここから出ていくことも出来た。
すべてを終わらせて。
そういう話にしてしまうことも不可能ではなかった。お互いが望めば。
でも。
リツコがゆっくりと手を重ね、つなぎあう。
そう。手をこうして取ったのだ。
互いの手を、離さずに。
「いつもありがとうって思っているんです。本当にたくさん教えられて」
いてもたってもいられない心の昂ぶりが口走らせる。
「それに……リツは……その…」
やっぱりフツーにしてる時に口にするのはちょっと勇気がいるから。
「俺の…だから」
「シンジ……」
胸の疼きすら甘く、ただただあとは見つめ合うばかり。
背中が痒くなるって?
いいでしょ、誰も見てないんだし。
ごく自然に顎は浮き、額を重ねて唇の端にそっと触れる。
それから軽く触れては啄むキスをいくつも。
ああもう本当にたまらなく幸せで、こんなにも嬉しくていいのかなって。
慈しむように見つめ合いながら、しかし不意にリツコが表情を曇らせてぽつりと告白する。
「電話をしなかったのは…ううん、出来なかったのはね…」
ハッとしながら続きを聞いた。
「あなたからメールが返って来なかったから…」
「…………」
どうしてこう幸せの極みからどん底バンジージャンプに突き落とされるようなことばっかりなんだ。
いいや、明らかにどう考えてもぼくが悪いです、本当に。
「ゴメンなさい…ぼくが浅はかでした」
「違うわ。わたしが勇気を出せなかったからよ」
「でもぼくが」
「そうじゃなくてわたしが」
なぜかお互いが自分の非を詫びる格好になり、きょとんとする。
あとは、優しい空気のままに笑みがこぼれるばかり。
「夜は遅くなる?」
「夕飯までには必ず戻るわ…戻りますとも」
うふふ、と満面の笑みは少し意地悪な大人の顔だった。
「でないと泣く子がいますからね」
「なんだよそれ…」
「いい子にして待ってなさいな。話したいことはたくさんあるの」
「この場にはふさわしくない話?」
「ベッドの上でもね」
「ぼくは…」
「明日もお休みなのでしょう。今日はあなたの日ですものね」
「なんでそうなるの…」
「一ヶ月後に言ってくれるんでしょう?」
「も、もう…意地悪ばっかり言うんだから」
覚えててよね、と言いかけて、顔をくしゃくしゃさせた。
GJ!
「ね…」
今度はこちらから抱き着いた。
「お願い…してもいい?」
ぎゅーっとしたいが、体格差を考えるとリツコを苦しめるだけになるのであくまで優しく抱きしめる
にとどめる。
中身はてんで子供だが、見た目は両親から精悍さと甘さの双方を受け継いだすっかり大人びた青年そ
のものなのだ。
レイと同じく、紆余曲折を経て今に至る渚カヲルほどの華やかさには欠けるものの、悩殺スマイルは
健在だった。
ただし小型犬から大型犬へのサイズの変更は致し方ない。
「……甘えていい?」
女の優美な腰を弓なりにしならせるよう引き寄せ、互いの腹部が擦れ合う。
M字に開いた女の膝をさらに押し広げるようべたりと密着させ、太腿を撫でた。
「……いい…わよ…」
掠れた声は、高まる期待と予感に震えているためだろうか。
あの朝はあなたに誘われたんだ。だから。
「来てよ、リツ…」
あなたが欲しがってるところを見せて。あなたが夢中になってるところを。
ゆっくりと両肩に腕を滑らせて首の後ろで組み、そっと触れるキスを繰り返しながら女が笑う。
しなる舌で唇をなぞられるのをぞくぞくしながらただ受け入れ、答えを待った。
女は短くこそりと囁く。
「覚悟なさいな」
なによりも魅惑する声が、始まりの合図となった。
その後、許すかぎりのあいだ艶やかに甘い嬌声が浴室中に絶え間無く響き渡ったのだった。
564 :
朝の挨拶:2009/09/30(水) 06:40:24 ID:???
これにて投下終了
>>564 お疲れ様でした〜&GJ!
りっちゃんかわいいよりっちゃん(;´Д`)ハアハアハア
職人さん 乙ですた
GJです。やっぱリツコさんはかわいい
また機会がありましたらリツシンを是非
GJ!
今まで読んだ中で一番好きだ
リツコもシンジも魅力的
また是非続編よろしくお願いします
楽しいぜW
リツコもシンジもかわいいんだぜ!!
GJ!!
改めて
>>357-358の中の人に感謝を。
オマージュというかリスペクトというかいろいろを。どうもです。
題名はやっつけ。
シンジ視点は難しい。暗黒面に陥ること数度、没ネタも半端ネェよ親父。
リツコ視点は多分もっと難しいだろうな。
位置付けとしては本編分岐のその後の話なFF。ベースはJA関連を外せないのでTV版。
この話を投下している間に出た相補性という言葉とある意味で似た者同士、という意見。
つまり一歩間違えれば百合な関係に(*゚∀゚)=3ハァハァ…なるわけですな。
けしからん。まっことけしからん。
続きはリツコ視点で。
JA関連と大人の事情とを、今回の没ネタを組み立て直していずれまたいつか。
おつです。GJすぎます!!
どっちもかわいすぎる…
続編たのしみにしてます。
保守
572 :
ビッグ・ボス:2009/10/06(火) 09:53:16 ID:ub0NcXPf
エロよりギャグが見たい
ほしゆ
それは夕暮れ時のヒトコマ。
何から煮込めばいいのか 分からないまま時は流れて
浮かんでは 消えてゆく 鰹節の数だけ
鍋があんまりすてきだから
ただすなおに 好きと言えないで
多分もうすぐ 火も止めて 二人 たそがれ
あの火、あの鶏〜あーのダシで 君に和えなかったら
僕らは いつまでも 染みこまぬ揚げのまま
誰かが甘く煮込むお鍋にもうみりん入れたりしないで
美味しいけどそんなふうに味は付けれない
明日になれば味はきっと今よりもっと染み込んで
その全てが僕の口と喉を越えていく
君のために煮物作る
君をもてなし続ける
柔らかく煮込まれた筑前煮になる
あの火、あの鶏〜あーのダシで 君に和えなかったら
僕らは いつまでも 染みこまぬ揚げのまま……
まだ幼さの残る少年の良く通る透明な声はたいへん可愛らしい。それはいいのだが。
仁王立ちしたまま腕を組んだリツコのこめかみには縦線が垂れ込めていた。
キッチンで腕を振るう同居人は背後のうろんで不穏な空気を醸し出すリツコに気付いていない。
耳に馴染んだようなメロディーなのだったが、なんか違う。
いや、明らかに変。
はたしてエンドレスリピート。
よほど気に入っているのか再び口ずさみながら鍋をうっとりと見つめる。
鍋があんまりすてきだから〜
とかなんとか。
一体どこで覚えたのよそんな歌を?
というか替え歌と思っていないような気配すらある。元歌知らないんじゃないかしら。
第一あなた生まれてないでしょ?
センスがそこはかとなく親父な気がするのは…おそらく気のせいではない。
「………シンジくん」
「ひゃ!?」
新鮮な驚き方だ。むしろその声にリツコはビクッとしてしまった。
それもそうか。なにせ、
君のために煮物作るぅ〜だの、
君をもてなし続けるぅ〜だのとまさに熱く、まさに熱唱の真っ最中だったのだから。
「あのね…シンジくん…」
「ななななにっ、リツコさん?」
かくかく動くのが面白い。首まで真っ赤はご愛敬か。
右手に菜箸、左手に蓋のままフリーズ。ちなみに落とし蓋をするは、蓋を床に落とすことではない。
楽しそうなシンジを眺めるのは良い。小動物のようだから。
だがしかし。
「誰から教わったの?」
つとめてにこやかに尋ねるとシンジは首を傾げた。
「え、筑前煮のレシピですか」
どこまでがボケでどこからが素なのかイマイチ掴めない。
これがのちに天然ジゴロと陰ながら語られるに至るのだが。
「違うわ、その歌」
「加持さんです」
「………そう」
即答だし。
「タイトルは?」
「ラブストーリーは筑前煮?」
「…………」
なんて寒い。
ああやっぱり。そうきたか。
というか案の定なネタの古さとか小田和正とか前世紀トレンディードラマ(死)風味とか懐メロとか。
リョウちゃん…あなた。
リツコは遠い目をした。
アスカ来日歓迎会と称して行われたカラオケ大会でどういうわけか主役が、
「もお、おーわーりーだねっ、きーみがっ、ちーぃさーくみーえるっ」
とよりによってミサトの隣で熱唱した記憶が蘇る。
サヨナラの連呼でドン引きしたのは言うまでもない。
白い冬は日本じゃ見られないけどドイツのはマジパネェ勢いで凄いからとか。
意味不明。
日本語を覚えるための教材にしたって、シベリア特急ドイツ語吹き替え版と字幕版で完全洗脳とか。
カラオケで言葉覚えるのはアイデアとしてはいいけどなんでそんな縁起でもない欝曲を…。
その夜の二次会でひっそりとエンジンのかかったミサトが酔い潰れるまで付き合った身としてはだ。
まったくはた迷惑極まりない。
それにつけても鍋があんまりすてきだから〜なんて。
シンジくんの声で歌われたら残っちゃうじゃないのよ耳に。
君のために煮物作る〜、
君をもてなし続ける〜なんて。
まぁすてき。
って違う。そうじゃない。
な、なんかきてる!
リツコの思案をよそに、シンジは鍋からちょいちょいと具をよそっては、満面の笑みを向けてくる。
そうよね、いい匂いしていたもの。
それにしたってシンジくんあなた筑前煮なんてものまで作れるのね。
季節感壊滅な今時で牛蒡をちゃんと扱えるなんてすごいわよ。
流石はNERV職員が選ぶ“〇〇は俺の嫁”ベスト10にランクインしてるだけはあると思うわ。
「味を見てもらえますか?」
「えっ、あ…わかったわ」
最近思うのよ、笑顔眩しいわねシンジくん。自重してね、保安部の仕事増えるから。
隠し撮り写真売りさばいて小遣い稼ぎなんてあなたの同級生の子くらいよ、無事なの。
リツコは添えられた箸を受け取って小皿に盛られた鶏肉に牛蒡にお揚げといった具をひとつひとつ口
に運ぶ。
柔らかい歯ごたえの鶏肉は繊細な風味で、その次に口のなかいっぱいに香ばしい牛蒡の味が広がる。
そして最後に熱々のお揚げが残ったのだが……。
シンジはさきほどからジーッと息を殺す勢いでガン見だった。
くせなのかしらね。待て状態の犬じゃないのだから。
「シンジくん、そんなにひとの口元見つめたりしないで」
はしたないわ、と軽くたしなめると、シンジは眉をハの字にして首を竦めた。
「すいません」
そうは言いながらも依然として視線は外れない。反応を気にする彼らしいと思えば微笑ましいが。
リツコは仕方なくお揚げにふー、ふーと息を吹きかけて冷ますことにした。
猫舌なのよ。火傷したくないし。別にいいじゃない。
「………なにかしら」
シンジがぽかんと口を開けて見つめているさまにきりっとした表情を向けた。
つもりだったが、うっすらと紅いシンジの頬に思い切り動揺してしまう始末。
見ているこちらまで顔が熱くなった。
「だって…リツコさん」
シンジはいまにも弾けそうなむずむずとした顔になっていた。
「お揚げにふーってしてるところなんて…なんか…すごいの見ちゃったみたいな」
「ひどい言われようね…」
「ち、違うよ。じゃない、ゴメンなさい」
フォローが空回ってドツボにハマった感のあるシンジに苦笑いする。
「猫舌なのよ…」
レイじゃないけれどこんなときどういう顔したらいいのかしらね。
思わずドキドキしてしまう。なんだか熱いわねこの部屋。
「だって意外っていうか」
首を横に振ったシンジがにぱーっとそれはそれはゆるい笑顔で一言。
「すごいかわいいです」
「………」
ここで突如として確変天然ジゴロモード発動。
絶好のシャッターチャンスキターとガッツポーズするのはカメラ小僧くらいか。
そこでニコニコしない。いやだから無邪気満面の笑顔とか向けない。
「お願い。そんな見つめないでちょうだい」
熱い。なんか熱いわよこの部屋。
「………ゴメンなさい」
しょぼーんと俯くシンジだが、これすらもハート鷲掴みモード。
なんて業の深い…流石はナンパ成功率400%とその名を轟かせた女の一人息子だけはあるのかもしれ
ない。
発売元同じな某ゲームシステム風に言うならシンジのリツコへの愛情値はすでにかなり高い。
この前に客観的人間関係の判定みたら確か一途な恋にまで上がっていて騒動が起きたのだ。
抜け駆け禁止とか、誘惑禁止とか。普通に生活してるだけなんですけれど?
だからって冷たくするわけにいかないし。
友情値はまるで母子。まるで姉弟ではないところがツボだ。
リツコはリツコでまだ大人の分別を保っているからまだしも、このままではまずいと思い始めている。
ミサトがアスカと三人での生活を望んだのもわかる気がするのよ。
ヤバいって。まずいって。
乙です!
めっちゃかわええw
おつです!可愛さに、にやにやしたw
最近本当に天然ジゴロモード頻発してるから油断ならないのよ。
さっきだって歌いながら楽しく料理なんて。
しかも
君のために煮物作る〜、
君をもてなし続ける〜なんて。
まぁすてき。
じゃないわよ、もう。
当たり構わず無自覚に無差別悩殺しまくるなんてどういうことなのリツコ!ってミサトはこのところ
般若モードなのよね。
悩殺って…ねぇ?
何たってナンパ成功率400%ですから。
一声かければもれなく4人ついて来るらしいわよ。
「リツコさん?」
程よい加減の熱さになったであろうお揚げと、それを凝視したままのリツコを交互に見遣りながら促
すようにしてシンジは首を傾げている。
いつまで箸持ったまま硬直しているのかとリツコは我に返った。
「シンジくん」
ぐりん、と勢いよく毅然とした表情に戻して言う。
「だからそうやってじろじろ見ないで」
「あ…はい」
照れ隠しに思われたかしら?
うま味を凝縮した煮汁をたっぷりと含んだ肉厚のお揚げは、筑前煮の具材にしては随分サイズが大き
かった。
はふはふしながらでも熱々のお揚げを食べてしまえばよかったのよと自分にツッコミ入れながら口に
運ぶのだが、肉汁ならぬお揚げに染み込んだ煮汁が口いっぱいに広がり、やっぱり冷ましてよかった
と思い直す。
とても柔らかく仕上がっていて、まろやかに淡く染み込んだ味わいはほんのり甘く豊かだった。
ぷるぷるのしいたけを最後に頂く。
「おいしい」
不思議な感じだ。そんなたった一言が相手の笑顔の質さえ変えるのだから。
その場の空気すら美しくさらに柔らかいものに変わっていく。
リツコは繰り返し感想を述べた。
「すごいわシンジくん。とてもおいしいわ」
「ホントですか?」
「ええ」
ほにゃんとシンジの顔がいっそうとろけるように柔らかくなる。
頬を染め、目を潤ませて照れまくりながら。
「嬉しい…です…そう言って貰えるなんて」
幸せオーラ全開。
そのとき、音速で二人の世界が形作られた。
色彩は鮮やかに、とろりとした空気に入れ代わる。熱い。部屋が暑い。
熱いから暑いのかしら。
ハッとしたが、すでに時遅し。
困った。本当に。
ふたりきりの密室空間がピンク色に染まっている。
いわゆるひとつの………皆まで言うまでもない。
平常心。そ、そうよ、落ち着いてリツコ。
「ち、近づきすぎよ」
図らずもリツコの声は上擦ってしまう。頬が熱い。覗き込むシンジはきっと無自覚なのだろうが。
「なにがですか?」
無敵素敵状態の眩しいばかりの爽やかな笑顔。笑えば良いと思うよの台詞付きかと思わんばかりだ。
気を許した相手に遠慮がないとのことだが、これは問題かもしれない。
惜しむらくは、ではなく幸いなことにシンジはまだこの雰囲気の変化に気づいていない様子だった。
少々鈍いところがなくもないシンジだが、こういうのはむしろありがたいかもしれない。
やましい気持ちなんてないのよ?
リラックスしたシンジくんのうっとりぽややんな笑顔にやられる職員多数、仕事効率低下、写真の裏
取引は例を見ないほどの大盛況と保安部はまことに激務らしいし。
あなたたちはその写真なにに使うのかしらね?
司令は即没収を厳命したようですけれど。
なにその上から目線ですって? そんなつもりはないのよ?
また始まったなw
リツコさん可愛すぎwww
人間、こうも変われるものとは思ってもいなかったわねとリツコは口元を綻ばせる。
猫グッズコレクションを丁寧に扱ってくれるのよ。
お互いの好きなものや大切なものを理解し合えるって嬉しいでしょう?
それだけよ? 難しいことではないわ。
相手の好きなことを良いねって言えること、自分の好きなことを良いねって言われることは幸せなこ
とよ。
リアルに発言しようものならだばーっとその場で砂を吐かれそうなことだという自覚は…あるわよ、
ありますってば。
違うわ。いけない。落ち着かなくては。
リツコは小皿と箸をシンクに下げ、ひとまずその場から離れようとする。
このままでは雰囲気に流されて本当になにを口走るかわからない。
「リツコ…さん?」
微かに掠れた声で名を呼ばれ、びくっとしてしまう。
空気すら甘ったるい。いつにもましてうっとりぽややんな熱い視線にリツコの背筋が伸びる。
まままままさかっシンジくん気づいてしまったというのかしら? もしや絶体絶命ピンクでピンチ?
なに言ってんのあんたは?とジト目なミサトが冷ややかに言い捨てそうな勢いだ。
動悸息切れ眩暈に挙動不審が拍車かかる。
そうよ。選択肢があればいいのよ。
笑ってごまかしますか?
なんて。
頬紅いわねシンジくん。大丈夫? 熱でもある?
そんな大きな目を潤ませて見上げないでちょうだい。落ち着いて。
いや、むしろあんたが落ち着けと誰もが突っ込むところだろう。
目まぐるしい勢いで高速に思考が展開されるも、残念ながら支離滅裂だった。
ねぇシンジくん、臍で茶を沸かすじゃないのよ?
主語は臍なの。臍が茶を沸かせるが正しいのよ。
って、いったいなんのつもりよ。違うでしょう!
いいこと? ネタっていうのは鮮度が大事なの。勢いでやったなんて言い訳にもならないわ。
ユニゾンでムーンウォークも燃えよドラゴンのテーマでダブルアタックも、誰でも考えられる安易な
発想よ。恥を知りなさい。
だいたいね、ミサトみたいに胸にうにゅっと顔埋もれさせたり、どさくさに紛れてちゃっかり裸を見
ちゃったなんてこともないし、せいぜい服を買ってあげたり一緒に料理したり勉強みてあげたりお礼
にチェロの演奏聞かせてもらったりがいつの間にか習慣になっただけなの。
食後のひと時に優雅に生演奏を聞くのは…確かに特権かもしれないけれど。
本当に普通に一緒に生活しているだけなの、手なずけるために小細工なんてしてないわよ。
えーと、どう考えても猛攻かけてるっていうかー、モーション(一体どんだけ死語なんだよ)かけま
くりとしか言いようがないと思うんですけどーと謎の棒読みで容赦なく一刀両断のコースなのだが。
しかし多くの“俺の嫁”と言って憚らない兵(当然のことながらゲンドウに査定対象としてチェック
済み)とて、シンジの方からリツコに誘いをかけ…以下自主規制…て魅力上がりまくりという事実の
前ではもはやなにも言えないのが現状。
むしろ相乗効果している方がダメージが深刻だった。
パラダイムシフトがどうとかそんな堅苦しいことはさておき、確かにリツコには思い違いがあった。
習慣、日課とは要するに訓練の一貫だということを失念していたのだ。
シンジの場合、チェロを弾くことは感性を磨くこと、則ち魅力を上げていることに他ならない。
つまりうっとりぽややんは日々磨きがかかっていることになる。
さらには観客の側のリツコも感性を磨くことで魅力上昇。
そしてその成果はシンジのステータスをガン見…ではなく様子を観察すれば否応なしに気づく。
まさに目を見張らぬばかりの有様なのだ。
まさに知らぬは本人ばかりなりなのだが、シンジよりむしろリツコ本人の変化に周囲の注目は集めら
れていた。
なん…だ…と? という呟きとともに妄想逞しい野郎どもが何事だと目を剥くほどに。
禁欲的にしていると歪むから、いろいろ。
現に一部の女子職員は悟りの境地に辿り着いたのか生ぬるい目で見守っているとの噂だ。
そうでなくとも一緒に料理してその後向き合って食事だとか、仲睦まじく二人で買い物にプレゼント
なんてのはだ。
どう考えてもけしからん眺めです本当にありがとうございましたとやけっぱちにもなるというもの。
らしいわよ〜?とのミサトの一言が追い打ちをかけたのも、つい先日の話。
それはでも…だってとリツコはもう頭をぶんぶんと振る勢いで悶えていた。心のなかで。
シンジくんが打ち解けて明るくなってきて嬉しいし、いろいろ発見できて楽しくなっているのは確か
よ?
さりげなく多芸なのに器用貧乏のような印象があるのはうまく表現できてないだけだと思うの。
打てば響くような飲み込みの早さは正直驚異的だし、あなただって褒めてたじゃない、なんだかんだ
言ってべらぼうに要領よくこなすわよねって。
べっべたべたなんてしてませんから。面白いくらいに教え甲斐があって楽しいけど。
良く知らないままダメ出ししてはいけないのだとわかったのよ。彼なりの処世術だなんてわかったよ
うな気でいてはダメなのだと。
自分が傷つかないために相手を傷つけてもいいとは決して考えないの。
とても気持ちの優しい子なのね。傷つけられたからその痛みを知っているというだけじゃない。
けれど他人との調和とは決して自分を押し殺してなされるものではないのだと気づいて欲しいと思っ
ているのよ、私は。
だがら。
だから、ね、やましい気持ちなんてないのよ?
ああ困ったわね。
誰かに食事を作るのもまったく苦にならないし。
誰かと一緒に作ることも食べることも久しぶりで。
むしろ作って貰うなんて経験はなかったからとても新鮮な体験で。
しかもこんな年下の男の子に作ってもらうなんて。
そうした小さな積み重ねで雰囲気がアレなピンクになってしまったのは残念なことではあった。
さすがに多分そのうち慣れるはずなどと悠長なことを言っている場合ではない。
いくら鈍いとか朴念仁だとか研究一筋浪花節だとか蠍座の女だとか散々言われているリツコだとして
も、ポルナレフを召喚する気はないのだ断じて。
なんとかしてこの危機的状況を打開しなければ。
「シンジくん」
「はい」
意を決して(実際にはものの数十秒と経っていないが)リツコは顔を上げる。
目の前には表情豊かに爽やか大声で喜びと恥じらいMAXな幸せオーラ全開なシンジが。
いけない、眩暈が。
今外歩いたら見境なく襲われるわよ、シンジくん。
ミサトあたりに恐らく突っ込まれるに違いない。
リツコ、たぶんそれ気のせいだから。
残念なことにもっとも真っ当なミサトのぼやきはリツコには届かなかった。
緊張のあまりなにか言わなくてはと言葉を探すが出て来ない。心臓の音がうるさい。
その時だった。
ぐぎゅるるるるるる
鳴り響く腹の虫、轟音のごとく。MVの固体燃料もかくやとばかりに。
空気は瞬く間に凍りついた。
ぼんっと勢いよくリツコの頬がシンジのそれよりも紅く染まったのは言うまでもない。
リツコはガクリと膝をつき両手をつく。
もちろん心のなかでだが。
リツコさん、なんちゅうタイミングでwwwww
582さん、失礼。
なにやら、デムパが勝手に続きを書けと言ってくるので・・・
「・・ぁ・・ぁ・あっ・あっあ・・あっの、あの、あの、あののののの・・
・・えっと・・ききょう、きょう、きょう、今日は、ははは、・・
朝、朝、朝から、エヴァの調整に手間取って・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・ごはん、食べてないのょ・・・」
うつむくリツコ・・
一面にずーんという重い縦線が垂れ込めていた。
あまりの衝撃になぜか脳内で例のカラオケ大会でのアスカの熱唱がフル再生。
走馬灯の如くに。
そうね……わたしももう終わりかしら……などとひっそり呟きながら、さながら暗闇のなかスポット
ライトを浴びての真っ白に燃え尽きた敗北のポーズ。
物悲しく点滅しながら乱舞するホタル召喚。
そんな腹の虫の音聞かれたくらいでこの世の終わりみたいになるなんてどうなのよとミサトあたりは
言うかもしれないが。
みゃはっ☆聞こえちゃった〜なんて間違っても口に出来るわけないでしょ!?
キャラじゃないのよ。
そりゃあなたみたい寝起きのまま椅子に胡座かいて朝からとりあえずビール!とかやっていれば屁の
つっぱりみたいなものでしょうよ。
だいたいシンジくんにご飯作らせるとかどうなのよ。
じゃんけんで決めたとか意味不明なのよ、もう三十路に片あくぁwせdrftgyふじこlp……
ふぅ…そうね…それは関係ないわね。
ものの見事に意識が飛んでいた。
戦わなきゃ、現実と。
「…………」
「…………」
「………えと…」
「…………」
「あ、あの…リツコさん」
「…………なにかしら」
声を振り絞るように答えるリツコに対し、シンジはまたひとつ覚えたようだった。
それはひととひとの心を繋ぐための偉大なる力。
すなわち。
華麗にスルーする力を。
しかも爽やかにだとむしろ痛々しいから、さりげなくを心がけて。
「あともう少しで用意ができるんですけど…よかったら…その……」
まだ幼さの残るやわっこい笑顔でさらりと提案。
「一緒にご飯、作りませんか?」
保守
ねえねえ〜、
かわゆいリッちゃんとシンジの続き読みたいお〜。
降臨ネガイマース!
594 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/12/06(日) 02:41:54 ID:IWg/t5yE
ほしゆ
リツコ「碇司令と結婚することになったの。これから私はあなたのお母さんよ」
シンジ「(うわ・・・)う、うれしいなぁ!」
ほしゅ
サンタさん、投下を祈ってます。
「え? ええ、そうね…」
つられるようにリツコもまた笑顔で応える。
程よく茹で上がったタコのようなご覧の有様だよ状態で真顔を取り繕っても虚しいだけよね。
……なんて部屋の隅っこの方でいじけていても始まらないのだ。
「わかったわ」
どう見ても蟻地獄に自ら落ちたような気が…するようなしないような……。
気のせいよ。
そうよ。きっと気のせい。
まるで天然ジゴロ育成計画でも推進しているみたいじゃないって?
だから気のせいよ。
ええ、そうですとも。
……………多分。
内心のたうちまわりよろめきながらもリツコはやっとの思いでエプロンを手に取り、グッと拳を握り
しめて向き直る。
「さて、どうしましょうか?」
「はい、じゃあ…」
これの下処理をお願いします、と言いながら向けてきた心からホッとしたようなシンジの笑顔は、そ
れまでとは少し違っているように目に映った。
すでにロックオン状態。
かどうかは定かではない。
しかしこの時はまだリツコは予想だにしない。
のちに、10年来の親友と同居人が自分を巡って、周りが砂を吐き散らし屍の山を築き上げる勢いの
それはそれは恥ずかしい台詞の言い合い合戦…すなわち争奪戦を延々と繰り広げることなど。
「そんなこともあったかしらね」
エプロン姿のリツコがしみじみと答えたのは、傍らで同じように支度をするシンジが盛り付けた小皿
を受け取ってのことだ。
頬がわずかに朱いのは当時を思い出したからに他ならない。
「うん。あの時からかな。リツコさんてホントはすごいかわいいひとなんだなって」
思ったんだ、と満面の笑みを浮かべる相手をリツコは軽く睨む。
怜悧な知的美人だとかミステリアスクールビューティだとか言われているリツコの飾らない普段着の
姿を知っていることは、シンジにとって、ここ、ここすっごい重要だから!ということらしい。
「………………恥ずかしい台詞は禁止よ」
小皿と箸を手にこそりとそう答えても格好などつくわけもなく。
「でもホントのことだし」
案の定シンジがますます笑みを深くするのに俯いてしまう。
ずるいのだ。ほんの二三年で目覚ましい成長を遂げ、もう彼は子供の顔をしていない。
最近は時代小説に出て来る料理を再現することにはまっているらしく、ますます男の料理に磨きがか
かっている。
そろそろ帰してくれない?なんて冗談半分でミサトは言ったものだ。
もはや家事手伝いや主夫レベルではないシンジの作る酒の肴は確かに絶品なのだから。
「甘えるのは夜だけになさい」
なんて大人の女の余裕も威厳ももうそんなものはかけらもない。
裸足で逃げ出したくなるような恥ずかしいあんなのとかそんなのとか見られている。
その実、肉球グッズを思いっきりぷにぷにしているところとか、ネコの入浴動画やら萌え詰め合わせ
画像ファイルをぽやーっとした顔で眺めてるところとか思いきりバレてたり。
実家からいなくなった愛猫を思い出しひっそりと軽くプチ鬱状態になってシンジを慌てさせたり。
もはやミサト以上に天敵であるかのような扱いの加持からネコグッズを貢がれていると誤解されたり。
ヤキモチは嬉しいけれど。
「で、どう?」
どうにもシンジはこと味見に関しては細心の注意を払っている様子で、リツコもそれに付き合う形で
キッチンに立っている。
サンタさんありがとう!
続きが楽しみです。
かつては、ただでさえ負担を強いているシンジに家事をさせるのを嫌っていたのに、いつのまにか手
伝うという形が逆転していた。
「いとこ煮、好きでしょ」
好みというのは変われば変わるものなのねとリツコは思う。
なにを隠そう、和洋を問わず甘味好きなシンジにとってこのカボチャと小豆を甘く煮たそれは得意な
料理のひとつだ。
それだけに出現率の頻度もそれなり。付き合ううちに好みが似てくるものとは言え……
ならわざわざ味見なんてしなくとも良いんじゃないかしら?
なんて思うのだけれど。
小皿に盛られた品は照りもよく香ばしい匂いがした。
「ええ、小豆の方はちょうどいいと思うわ」
湯気を顎に当てながらリツコは答える。関東育ちと言うこともできなくはない彼だが、味付けは甘辛
くなくむしろ淡い。
もっとも、四季の移ろいが失われたように感じてしまうほど寒暖の差が極端になく、一年中ほぼ常夏
な現代では淡白な味付けが好まれている。
冬至のカボチャなど、いまどき意味合いを正しく知っているのは皆無に等しい。
そう、問題は煮崩れることなくホクホクとした熱々のカボチャの方だった。
「ゆっくりで良いよ、熱いから気をつけてね」
「もう…なにを言うのよ」
強引なリードではなく当然のこととしてなされるエスコートに成長のあとを感じるのは当然としても、
あまりに自然な気遣いにはそれでも照れてしまう。
話し掛けてくる口調も昔と比べれば砕けているが、礼を欠かない端正さは相変わらずだ。
時間をかけて少しずつ歩み寄り縮めてきた距離の近しさが今あるこの空気を作り出していることも、
今となっては感慨深い。
もっとも夜の時間はかつても今もあまり変わらない。相手に心を委ねることを許してからというもの、
交わし合い重ね合ったものは言葉だけではなかったのだから。
シンジの視線から逃れるようにしてリツコはこっそりと唇を尖らせ、息を吹き掛ける。
だってしょうがないでしょう。熱いのは苦手なのよ私は。
猫舌は歳とともに克服できたり変わったりはしないのよ。
落ち付かない様子でリツコは小皿の上にちんまりと乗っているカボチャを凝視していた。
頬に視線を感じる。やはり逃れようにも逃れられるものではなかった。
そう。まさかとは思うのよ。
そわそわしている自分を意識せずにいられない。
リツコがふと目を向けると何とも言えない眩しそうな目でこちらを見ていた。
ねぇそんな嬉しそうな顔をしないでよとうろたえる。思わず見蕩れてしまいそ……じゃなくて。
本当に、まさか私のこれが見たくて味見させているとでも?
「シンジくん?」
「………ん?」
どうやら無意識のなせるものだったらしく、ぼんやりとした答えが返される。
当の昔に追い抜かれ、見上げるほど背の高い青年の声は低い。
目が合う。穏やかに落ち着いた気配は、彼が積み重ねた成長の証だ。
スルースキルは滅法高いし。
「シンジ…」
あのね、とギュッと目をつむる。恥ずかしさで耳が熱い。
「何が面白いのかしら? そんなにひとの口元ジロジロと見ないでちょうだい」
はしたないわと、ムスッとした声になってしまうのも止められない。
唇の動きを眺める癖だけはいただけない。そんな物欲しげにされてはいくらなんでも困るから。
だがそんなリツコの動揺なぞ知らぬふうに晴れやかに一言、見事に追い打ちをかけられる。
「キスしてもいい?」
サラッと自然に。それはもう憎らしいくらい晴れやかに。
正直すぎるわよもう。意味わかんないんですけど。
「なっ、なんでそうなるのよ」
いったいどこでそんなの覚えたのよ。そんな風に育てた覚えないわよとか。
言ったところで変わるわけもなく。
「え? なんでって」
悪びれる様子もなくシンジが手を差し延べてきて、呆気なく捕まってしまう。
上から覗き込むのが嫌なのか、斜めに首を傾げてこちらの様子を伺ってくる。
「かわいいから」
「………………」
しゃあしゃあとが一番似合っているかもしれない。言い終わるやいな素早く軽く触れてくる。
戯れに盗むような口づけはそうしてまろやかな滋味をリツコの舌に移すのだ。
この手の早さはいったい何事なのかしらと引き攣ってしまう。本当に。
本っ当にこんな風に育てた覚えはないわよ?
覚えてなさいリョウちゃんと、八つ当たりかとばっちり以外のなにものでもないようなことをリツコ
は考えつつ、カボチャを口のなかに放り込む。
ミサトあたりがウチにも一人シンジくん欲しいわだの嫁に来なさいだのと意味不明なコメントを発し
そうなほどに、それはとても美味しかった。
「……………いつも思うのだけど」
「うん?」
「あなたのその、人がものを食べているところをそうやってジッと見つめるのは感心しないわ」
「ゴメン…だってわかりやすいんだもの」
白々と耳元に告げてくる。それも得意げに。
「なにが?」
「リツコさんて顔にすぐに出るの。食べた時の表情とかすっごい素直だから」
舌と表情が直結しているとでも言いたいのかしら。
つねに沈着冷静に努め、感情を決して表に出さずに端然と、がリツコ自身の基本的なセルフイメージ
でありそうありたいと願う姿だったし、むしろその殻のように纏っていたイメージこそが、取っ付き
にくいとか冷淡と言われる要因でもあったのだけれど。
「…………そ、そう?」
「苦手なの隠してもすぐにわかっちゃうし」
「に、苦手……?」
「うん………」
「…そう…」
「うん…」
つまり良く見ているわけですか。そうですか。
ホント、職人さん愛してます。
あなたの書くリツコとシンジがめちゃめちゃ好きだ。
最高のクリスマスプレゼントですた。
あんがと!
なんて言うのかしら、こう。
穴があったら全力で潜りたくなるような。
「だからって…やめてちょうだい…お願いだから……」
我慢よ、平常心。とばかりにギュッと目を閉じたまま首を竦め、こめかみに当たる吐息から逃れるよ
うに身体を反らす。
「ち、近づきすぎよ」
上擦る声に戸惑ってますます恥ずかしくなり、みるみる頬が赤く染まる。
覗き込むシンジは憎らしいくらい涼しげだ。
首をそんなふうに傾げないのよ。不意打ちみたいに。
「なに?」
「マナー違反ですっ」
「んー」
ちょっと不満そうな声が漏れて、慌ててリツコは目線を上げた。
「でも気になるからヤダ」
目の前でいきなり駄々っ子のように開き直るのは反則です。
「なんでよ」
「えー、なんでそういうこと聞くかな」
甘ったるい空気を振り撒いて拗ねているようにも聞こえる。そう答えて笑う顔は年相応かもしれない。
「コックさんて、お客さんにおかわりされるのすごく嬉しいんだって」
「……???」
またいつもの癖が始まったわねシンジ。いきなり話飛ぶのはどうなのよ。
私が言いたいのは女の唇を当たり構わず見つめないでってことなのに。
「自分の作った料理をもっと食べたいって思ってくれたってことでしょ? その人に気に入ってもら
えたんだって」
「だから?」
ああもう。頬が熱いったらない。
もうすっかり大人になったわねとしみじみ思っていたのに、これじゃてんで子供じゃない。
「うん。やっぱり褒められたら嬉しいし、美味しいねって喜んでくれたら気分良いよね」
「…………それとどう…」
「だからもっと笑顔見たいなぁって」
「………………」
やっぱり中身はあまり変わらないようねシンジくん。なんて破壊力なのかしら。
リツコは聞いているそばからくらくらしてきた。
だからね、話を聞いてよ、なんて調子で話し掛けてくる子供を相手にする気分になっていた。
「嬉しそうに食べてるところ見られるのならいくらでも作れるよ。だから……」
シンジの顔がさらに緩んで柔らかくなる。
「すごく気になるんだ」
喜びに溢れた笑顔をまた見たいなぁって、そういう気持ちに。
彼は、あの日々を越えてなおそんな風にだれかの幸福を願えるのだ。
いいえ、むしろあの日々を克服することができたからこそ取り戻せたと言うべきなのかしら?
誰でも持ってる気持ちを。
誰もが持っているはずの。
ああもう。
素直で、まっすぐで、まるくて。やさしく、やわらかく触れてくるような。
とてもきれいな。
なんだかよくわからないわね。
誰かどうにかして。くすぐったくなるの。聞かれてたら聞かれてたできっとざばざばと砂吐かれそう
だけれど。
胸の奥が熱を持つ。
「からかわないで」
「からかってないよ」
そうね。本当は知っているわ。
いつだって正直で真剣なのは。
逃げ出したい気持ちも、失いたくない気持ちも。
矛盾する想いも。
弱さも、強がりも、哀しみや恐怖も、痛みも。
過ちや罪を許せずにいる幼さと苦しみも、誰かに許されたいと縋るように寄せる希みも。
だれかと分かち合い、許したいという願いとともに。
全てが己自身のものだと受け入れた今の彼は、自分自身を愛する勇気を持っていて、揺るぎない。
「誰にでもそういうこと言ってないかしら」
「うーん、そう言われると否定はしないけど」
ほら、正直なの。
そういうところは好きよ。偽らない誠実さは。
続き来てたー。ありがとうございます。
ほしゅ
ほす
過疎
612 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/01/27(水) 18:52:20 ID:3gDVfkve
あ
規制解除きたぜ!
でも連投規制ついたみたいだにゃー
一ヶ月ぶりくらいに書き込める訳だが。
で、もう遅いとかそういうレベルですらないと思うが一応
あけおめ。
職人様、いつまでも待ってます。
オイラも待ってるょw
保守
保守!
ほす
過疎
621 :
614:2010/02/24(水) 01:01:21 ID:???
まったく。
解除なんてほんの一瞬だったじゃないか、ぬか喜び以外の何物でもない。
「俺、この夜が明けたらうpするんだ」
とか思ってたらまた規制とか。
汚いさすがDoCoMoきたないマジで許すまじ
運営も頼むから規制解除してくれ
と書き込みつつもうDoCoMoは永久規制臭いのでPCから。
なんかgdgdでサーセン
>>621 乙です
職人さん 規制にかかりっぱだったんですな
続き気長に待ってマフ
624 :
614:2010/03/03(水) 19:37:51 ID:???
鯖復活記念
ヽ(#゚Д゚)ノ┌┛)`Д゚)・;'
過疎
ほしゅ
保守
628 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/03/25(木) 22:51:06 ID:/qvSQxXN
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「ウリたちをチョン呼ばわりするネットのチョッパリども、アタマに来る!(ファビョーン」
「でもチョッパリ呼ばわりするとコチラが在日コリアンだとバレるニダ。新しい侮蔑語を考えるニダよ」
「ネトウヨなんてどうニダか、ネット右翼の略で」
「なにそれw超ウケるwwwwニダwww」
「馬鹿っぽい響きがいいニダ。それ採用。電通に広めさせるニダよ」
ここをキャンプ地とする!
あぁっムンクさん!
良スレ上げ
解除来たよ!?
マジΣ(゚ロ゚ノ)ノ
「優しいのね」
そう言うと、意外にも不服そうな顔をされる。
「んー…なんか怒ってる?」
「そんなことはないわ」
「そうかなぁ?」
「そうよ」
「うーん」
「もう…シンジくん?」
「えー、だって」
一見人当たりの良さそうな母親譲りの甘さを含めた顔立ちにすっかり騙されてしまいそうだが、
シンジはなかなかどうして頑固なのだということをリツコは知っている。
一途と言えばそれまでの話なのだが。
唇尖らせるなんて、子供っぽいわ。
それが許されるぎりぎりだし、似合うからたちが悪いのだけれど。
「あ、でもね」
思い付いた!とばかりに勢い良く出た言葉に続けざま重ねられる。
「………ちゃんと一位は決まってるし」
歯を見せて笑わないのよ、そこで。
「それに二位以下とかないからね」
「……………」
ええと。
リツコは箸を落としそうになったが、グッと力を込めて留まった。
どういうことなのかしらねと、すでにクラクラしている頭がさらに蕩けそうだ。
あまりにもさらっと、今夜のおかず、何がいい?なんてノリで言ってのける。
自然体というか、まさしくこれが、これこそが素のシンジなのだ。
持って生まれた天然の性質もしくは野性。純然たるナンパ成功率400%の血の成せる技。
なんてこと…。
子供らしさと大人びた顔の双方はきっとこのままのような気もする。
ずるいわよ。
「……なにが?」
「え?」
「だからなにがずるいの?」
満面の笑みです。あら、聞かれてしまったようね。
だって私、そういう風に育てた覚えなんて、ないもの。
あなたのソレ、野性なのよね。
「…………ええ…と」
挙げ句、落ち着かなげに斜め下をじっと見つめてみたり。
ふー、と息を漏らし、リツコはそのまま伏し目がちに逸らしてボソッと零す。
「………それで…そのたびにニヤニヤするわけね」
「え?」
とろりとした空気は甘いまま、しかしそれだけにはさせないのだ。
そう、断固として。
もはや意地になっていた。
「気になるからって、そんなの女の唇を見つめる理由にはならないわよ?」
意地悪するつもりはない。
けれど、なるべく冷静さを装って言ってみる。
頬は熱いままだからいくら澄ました顔をしても説得力はない…かしらね?
チラと見上げれば、すぐ横で、むー、と抗議するように唸っていた。
黙っていれば、落ち着きのある大人びた好青年風だ。実際はともかく。
ニヤニヤしてなんかいないよ、なんて説得力ないわ。いいこと?
「だって…食べてるときのリツはなんかホントに……すごいかわいい…から…」
そんな答えを返すシンジの顔にはうっすらと赤みが差していた。
子供っぽいのね。けどあなた、どさくさに紛れてナニを言ってるのと言うべきかしら?
だから。
「あら、食べてるときだけ?」
軽く。ほんの少し軽く、そんなことをリツコは言ってみるのだ。
なにを言われたのかを一拍考えた様子のシンジが、意味を読み取ってなんとも言えない表情を見せる。
そうしてまた一言。
「キスしてもいい?」
「だから…なんっ?!」
なぜそうなるの、という言葉ごと掻っ攫われる。
キターー!!
待ってますた(泣)
書き込み確認
うれしい。久々だ。ありがとう。
書き込み乙です
続きが気になります
職人さん 保守されてた方に ありがとうです
ミサトあたりが両手でテーブルをバンバン叩いて猛烈に抗議し、その勢いのままあのね(怒)?と
こめかみに青筋を浮かばせた般若の微笑みでシバき倒されても文句はないだろう。
かつての、互いの距離を気にしていて万事控え目だった頃が嘘のようだ。
「反則だもん」
だもんとか、なんなのかしらね、それ。それこそ反則技でしょう?
やたら濃厚なカボチャ味のキスなんて。
本当にむくれたり舞い上がったり忙しい子ね、なんて言おうものなら、どうなるものかとリツコは
考え、あえて声を抑えた。
「……どちらが?」
無論、気持ち程度に。案の定失敗していた。だって頬赤いし、熱いし。
「あんなこと言うからだよ」
仕方ないじゃないって? 開き直らないのよ。
「そんな大袈裟な」
「じゃあ味見しただけっていうことにしておいてよ」
またまたご冗談をと、猫が朗らかにしゃべってきそうな大胆不敵な爆弾発言。
…あ、あじ……げふんげふん…な、なんの味見ですって?
ホントに、普段からは考えられないようなことを言い出さないの。
しかも真顔でサラッと。
「いきなりなにを言い出すの?」
「いきなりはそっちでしょ? もうずるいんだから」
「なにがずるいのかしら?」
意地悪なんてしてないわよ。拗ねてるところが見られてホッとしてるなんて絶対に言わないわ。
どうやらしばらくはアク禁はなさそうだと分かって一安心。
長かった。
冬至の話で組み立てていたのが、気がつけばもうじき立夏になるという……orz
まだもうちょっとだけ続く。
以前、リツコがシンジに一番似ていると書き込んだスレ住人がいたと思う。
その当時はどうかと思っていたが、あの後、今川版ジャイアントロボを視聴してから合点した。
母親から一方的に莫大なる遺産を残されて翻弄される子供、と解釈した場合、確かに一番の理解者の
立場にあるのはリツコかもしれない。
同一記号のバリエーションとしてアスカも母親から弐号機を残されているが、このスレ的にリツコ
が一番ということで。
乙です。相変わらず職人さんの書く二人は可愛いな。
俺も二人は似てると思う。本質的に。
おっちゅうううううううううう
お、職人さん来てたのか!
いつもながらGJ!!
そして一時浮上
過疎
シンジはダメだけどリツコはキャラ崩壊させてもいいんですねw
シンジも崩壊してるような
必死だな
>648
華麗なブーメラン乙
まぁ某スレのコピペで俺(=647)はここにSS投下されてたの知れたし良かった
シンジとリツコが似てるってのはあまりピンと来ないが・・・
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7/レw::::::、::::、:::ヽ、ヾ:::ヽ'ヾ、ハ Y、 ゙l
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リ!:八::! ヾ,.-‐゙二ヾ‐`ヽ:::::;:ー、::::::::::i
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ヽィz、 ゝ‐'ハ/ ゙v'/:::::/
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今更ながら職人乙!
リッちゃんかわいい!!
「今更ながら」とか白々しい
シンジリは自意識過剰
いや、お前さんが荒らしたおかげで逆にスレを知ったので
LWSでもやってろよ
他キャラに迷惑かけんな
続きまだかい
保守
いらないだろこのスレ
リツコさんの色気は素晴らしい
シンジ君の童貞を奪うべき
エヴァのゲームでそんなのあったっけ
ゲンドウに嫌気がさしたリツコがネルフの男性職員を食いまくるやつ
極めつけはシンジまで
下らないスレをあげてみる
素晴らしいスレじゃないか
>>660 シンジ童貞とちゃうわ。
老若男女を問わない暴れん棒将軍だろ。
それはそれで
下らないスレをあげる
シンジのおたんちんを一晩中もてあそんで欲しい
ほ
し
670 :
???:2010/06/25(金) 13:15:29 ID:???
ゅ
ほしゅ
SSマダ〜
ほす
ほ
し
ゅ
…、なにこの流れ
職人さん来て〜
瓦職人の俺でよかったら
678 :
:名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/07/23(金) 21:57:49 ID:Es7+PK6X
保守
679 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:
えっ(・・?)もしかして過疎?