ミサト×シンジの可能性を語るスレ 5回目

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771通り掛りの者です

「シンジィ〜〜〜、明日の小テストの事なんだけどさぁ〜〜〜」

夜に似つかわしくないアスカの溌剌とした声が二人を瞬時に凍らせる。急速にシンクロ率が低下、恐らく20%を割り込んでいるであろう
シンちゃんの男性自身・・・ 声が無かったのが不服なようで、襖を開けてシンちゃんの部屋(納戸とも言う)の戸を叩くアスカ

「寝ちゃってんのぉ〜? シンジィ〜〜〜 入るわよぉ〜?」

“アスカっ、その突入スパンは短すぎるっ!シンちゃんだって男の子、一人であれやこれやしてたらどうするつもりなのよっ!”心の中で
毒付きながらアスカの様子を伺う

「シンジィ〜っ、あれぇ〜っ、シンジいないじゃん!」

「・・・どうかしたの・・・」

「あっ、レイ!シンジが蒸発したのよ!忽然とよ、忽然と! 布団が温かくない事を考えると、トイレに行った訳では無さそうだし・・・
手分けして付近を調べましょう」

アスカ、刑事ドラマの見過ぎ

「・・・落ち着いてアスカ・・・碇君は・・・近くに・・・居るわ・・・近くに・・・感じるの・・・」

対碇シンジ探索レーダーフル稼働中のレイに思わず二人とも驚愕する。どうあれ、二人は直こちらに進軍してくるだろう。デフコン3発令。
何もされないまま不甲斐なくタンクトップの中で休憩中のブラに活力を与え、二人とも音を立てずに素早く身を整える。『シンちゃん、
取り敢えず押し入れに退避よ』『わかりました。事後の対策は任せます』『了解、作戦部長にまっかせなさ〜い』
772通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:19:15 ID:???

押入れにシンちゃんを避難させる。縮こまってコンパクトに収納されるシンちゃん・・・ 『ごめんねぇ、ごめんねぇ、シンちゃん・・・』
“早く戻ってきてくださいね”と言わんばかりのつぶらな瞳に無上の愛おしさと押し寄せる罪悪感を堪えながら額にキスをして戸を閉める。
案の定二つの足音が部屋の前で止まる

「ミサトぉ〜、シンジのヤツ知らない?」

「ん〜、シンちゃんがどうかしたのぉ? 入っていいわよぉ」努めて冷静に対応、ゆっくりと戸が開放される

「おじゃ・・・んまぁ、相変わら荒れてるわねぇ、この部屋」

「いいじゃない、この方が落ち着くのよ。ところで、シンちゃんがどうかしたの?」

「それが部屋に居ないのよ。外に行くなら、うちらが心配するから何かしら断ってから外出すると思うんだけどね・・・」

「ふーん、まぁ、夜風にでもあたりに行ってんじゃないのぉ? 直ぐ戻ってくるつもりで」

「こんな美女3人残してどこほっつきあるってんのやら・・・ レイ、うちらもちょっと散歩しましょうか?」

先程からだんまりのレイ、部屋中を素早く索敵、シンちゃんが入っている押入れに視線がロックオンする

「・・・何か感じる・・・何か匂う・・・」

心の中で、ムンクの“叫び”の顔をする私。このままでは何れサーチされてしまう
773通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:21:06 ID:???

「ハイハイ!ボーっと突っ立ってないで二人とも散歩でもしてきたらどーよ?ついでにさっき買い損ねたシャンプー買ってきてよ!」

素早く財布から札を取り出してアスカに渡し、拍手とともに二人をさっさとと部屋から追い出す。シャンプーの件があるから手際よく二人
を外出させられるかも知れない。作戦部長としての私の勘が冴え渡る

「そーねー、小遣いもらったし買い物がてら散歩しましょうよ、レイ」

「・・・私、いかない・・・」

おいおいレイさんよぉ、保護者とお友達の意見を少しは尊重してもバチは当たらんよぉ?

「・・・碇君と、すれ違いに、なるかも知れないから・・・それに、シャンプーなら・・・明日、ミサトさんが買ってきてくれる・・・」

「それもそうねぇ、それに、もしかしたらシンジったら、言われなくても気を利かせてシャンプー買ってきてくれてるかも知れないしねぇ」

とってもさもありなんなご意見、俄然雲行きが怪しくなってまいりました。アスカも手伝って事態は最悪の方向へ転がる気配。自然な振舞い
で渡した札をポケットに忍ばせるアスカ、うう〜っ、小遣い渡し損じゃないのよ・・・ 速やかにデフコン4へ移行。その刹那、ダイニングで
ガサゴソと大き目の音が聞こえる

「・・・誰か、いる・・・」

何かを感じたらしくレイが物騒な事を言い始める。確かに、シンちゃんの所在を知っている私は、その音の主が予期せぬ珍客の可能性を
否定できない。部屋に戻って護身用スタンステッキを構えながらゆっくりと音を立てずに近づく。二人は私の後ろにピッタリと張り付く。
対象までの間合いを殺ぎながら持っているステッキに通電を開始する
774通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:22:56 ID:???

暗がりで視認は出来ないが、そこに確かな気配を感じる。ちょうど、ペンペン位の気配だな・・・ あ、ペンペン・・・

脱力する3人、電気を付けるとキョトンとしてこちらを見つめるペンペン、お夜食を物色している様子

「ったく、人騒がせな同居ペンギンねっ!」

キョトンとしているペンペンにすかさず悪態をつくアスカ。3人とも極度の疲労感をおぼえ、ダイニングに腰掛ける。
口の中も嫌な渇きを覚えている。景気付けにエビチュでもやるか

「あなた達も何か飲む?」

「あー、ミルク入りレモンティーのメープルシロップ添え」 「・・・自分で何とかして頂戴・・・」

アスカ、ここはサ店かっ!

「・・・水・・・」

こういう時レイは安上がりで助かる

「さってと、つまみでも持ってこようかしらね・・・」

事前に何をしに行くのか二人に何気なく通達しながら一旦シンちゃんと対策会議を練る為に発令所、もとい、自室に戻る
775通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:25:50 ID:???

「これまでの進捗状況ですが、弐号機・零号機の対象二体はダイニングを占拠中、先程イレギュラーな事象に遭遇し出力の
減衰が見られます。現在水分の補給を行うと同時に救援物資の搬入(私のおつまみ)を待っている状態です」

「認識力の低下・・・勝算は充分見込める、という事ですね?」

「その通りよ。これより“星がとっても綺麗だったから作戦”の発動を宣言します」

「本格的ですね、若干楽しんでる風にも見えますが・・・」

「まぁまぁ。じゃ、早速本作戦の要綱を説明します。よく作戦内容を把握しロスを生じさせないよう尽力してください」

「了解です、で、僕は何をすればいいんですか?」

「幸い、リビングは暗いままです。私がつまみを持って戻ると同時に初号機は私の背面よりリビングを反対側に移動し、
ベランダで待機、然る後、頃合を見計らって初号機は『どうしたの』ぐらいの軽いノリでリビングからダイニング居る
対象に声を掛けます。この際、対象二体による過度の尋問が予想されますが、ここにある双眼鏡を見せ『星を眺めていた』
とロマンチックな戯言をほざきながらとびっきりの笑顔で応戦します。この“とびっきりの笑顔”こそが、本作戦の成否を
大きく左右すると言っても過言ではないでしょう」
776通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:26:38 ID:???

「とびっきりの・・・笑顔ですか・・・?」

「そう。遠くに居る私を見つけて、私が気付いて小さく手を振った時に“ニッコリ”してくれるでしょ?あの時の顔」

「あんなんでいいんですかね?」

どこまでも無自覚だわね、シンちゃん・・・

「そりゃもう、フル充填の加粒子砲よりも乙女のハートを射抜く貫通力を持ってるわ」

「乙女・・・ですか・・・」

「シンちゃん?・・・本作戦および私の発言内容に異論があるなら挙手してからにしなさい(ギロッ)」

「滅相も・・・無いです・・・(ヘコッ)」

「よろしい・・・ では、私は一旦斥候任務を兼ねて対象二人と接触します。シンちゃんは私と同時に移動を開始して下さい」

「了解です。最善を尽くします」
777通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:31:53 ID:???

「ミサトぉ〜、おつまみまだぁ〜?」

作戦開始の合図がアスカから宣言された。様々に取り揃えたおつまみを抱えてリビングを抜け、戦地へ赴く。その間初号機
シンちゃんは迅速にベランダへ到達、以降の判断は現場へ委譲する

「おっ待ったっせ〜っ」

作戦の成功を予感し声も弾む

「それにしても、シンジのヤツ、どぉ〜こほっつき歩ってんのかしらねぇ・・・ ねぇ、どう思う、レイ?」

「・・・いるわ・・・感じるの・・・」

レイは黙ってリビング方向を指差す。対碇シンジ探索レーダー健在。目を凝らすアスカ、勿論暗がりで何も見えない、その時

「みんなどうしたの?」

絶妙のタイミングで初号機・・・もとい、シンちゃんが姿を現す

「あっ、アンタっ、今まで何処で何やってたのよっ、か弱い乙女3人ずいぶんと心配したんだからねっ!」

すかさずアスカの攻撃が始まる(“か弱い乙女”に私もカウントされているのでアスカへの好感度が上がる)。しかしこの攻撃も、
地上最強の戦術兵器によって敢無く無力化される事となる
778通り掛りの者です:2007/07/08(日) 20:32:50 ID:???

「ベランダに出て、これでね、星を見てたんだ。綺麗だったからさ、とっても(ニコッ)。みんなもおいでよ(ニコニコッ)!」

雲上の一閃、放たれた加粒子砲が二体を完全に沈黙させる。当然あおりを受けた作戦部長の私も同じく沈黙、尚も笑顔のシンちゃん、
誰も次の言葉を発する事が出来ない

余りのクリティカルに沈黙を続ける3人の乙女達(ツッコミはなしね)、ヘイフリックの余剰が最も健在だったのはアスカだった

「へ〜ぇ、シンジにもそんなロマンチックな一面があったなんてねぇ〜、なんか意外〜」

苦笑のシンちゃん。あぁらアスカ、シンちゃんはとってもロマンチストよ?もっとも、それを知ってるのは私だけだけどね、エヘッ
和やかな雰囲気。レイを見ると、相変わらず加粒子砲の余韻に浸っているのか“ぽぉ〜っ”としてシンちゃんの顔を眺めたまま
固着している。零号機の装甲は他に比べて薄いので直撃はやむなしか。もはや彼女に一連の騒動は“何処吹く風”のようだ

「レイ!私たちもベランダ、出てみない?」

「・・・行く。碇君も、一緒に」

すかさずシンちゃんの腕に絡みつくレイ。気付いて笑みを返すシンちゃんと頬を染めて見つめ返すレイ・・・ そして、何気に
反対側からシンちゃんの首に腕を回し顔を近づけるアスカ・・・ う〜むむむ、諸共後ろからタックルでもしてやろうかしら!
衝動を抑えとりあえずここは見ぬフリをして我慢我慢・・・(イラッ)