おお、なんかキテた
シンジは眠そうな声で、
「アスカ、今度はアスカがひざまくらして」
と言った。
「なんであたしまで」
「まだ眠いんだもん」
「……仕方無いわね。今日だけよ」
とアスカはため息をついて言った。
アスカは床に腰を下ろし、シンジはアスカのももに頭を乗せた。
「アスカ、ありがとう」
「なんか今日のあんた変よ」
「ねえアスカ、……アスカはときどき妙に心細くなったりしない?」
アスカは、手足を曲げて、体を丸めて、ひざまくらしてもらっているシンジの横顔をのぞいた。シンジはアスカのつま先の方を見ていた。
「あたしだってたまにはそういう時はあるわよ」
「ぼくは最近、しょっちゅう心細くなるんだ。夜、布団で寝ている時なんかに。何かを失うんじゃないかって不安になる」
アスカは何も言えず、黙っていた。心細くなるのはアスカも同じで、解決方法もわからなかったからだ。
アスカは、
「あんたは考え過ぎなのよ」
と言うのが精一杯だった。
シンジは、
「うん、そうだね」
と言った。
しばらくたってバスルームのドアが開く音がして、シンジは、
「ぼく、おふろ入ってくるね」
と言って、立ち上がった。
シンジと入れ代わりにミサトがリビングに入ってきて、
「いやー、いいお湯だったわあ。次入るのシンちゃん?」
「そうみたい」
とアスカ。
「さーて、麦茶、麦茶」
と言って、キッチンへ行こうとしたミサトの背中を、アスカは抱き締めた。
ミサトはすこしびっくりして、
「どうしたの? アスカ」
と訊いたが返事はなかった。
「なんだか今日はみんな甘えん坊ね」
とミサト。
「だって、バカシンジが人に甘えるだけ甘えて行っちゃうから……」
とアスカ。
「今日はあたしの部屋で一緒に寝る?」
「いい。ミサトの部屋ってゴキブリ出そうなんだもん」
「かわいくないわよ、アスカ。もっと素直にならないと」
アスカは、ミサトを抱き締めていた手を放し、
「ありがとう、ミサト。あたしもう寝るわ」
ミサトはアスカの方へ向き直り、
「そう。アスカ、おやすみ」
「おやすみ、ミサト」
アスカは自分の部屋に入ると、ベッドに倒れ込み、
「シンジの馬鹿」
とつぶやいた。
終わり。
今回で三作目。LAS小説投下総合スレの39ー47に二作目の『おだやかな午後』あり。一作目はこのスレのどこかにあり。
前半しっかり者だったけど、後半甘えん坊になったねw
シンジも可愛かったけど何よりほのぼのしたよ。
672 :
プロテインX:2009/07/21(火) 15:47:37 ID:KtqhcQmX
>>659さん、SrFAXalUUcさんの感想はおれが書いた一作目の小説(
>>628ー639)の感想なのでしょうか? うれしくて結局投下してしまいました。
>>671さん、感想ありがとうございます。
保守
エヴァ板良スレ保守党
ぬふぅ
676 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/02(日) 08:36:49 ID:/E5+m7Cx
ぬはぁ
アスカ
シンジ「ばーぶー(逃げちゃだめだ)」
ゲンドウ「ちゃあ〜(乗らないのなら帰れ!)」
戦闘のフラッシュバックでうなされてるシンジに添い寝するミサトですね?
ぬふぅ
ミサトさんの帰りが遅いときは常にペンペン抱っこのシンジきゅん
職人待ち
このスレ、書かぬならageるぞ
マリに甘ったれるシンちゃんが見たいのれす
おっぱいもあるし…新ちゃん匂いにメロメロしてるマリとか様になると思うのれす…
マリ「ふふふ…さあて子ワンコくん。そろそろおしめの取り替えの時間でちゅよぉ〜」
逆にシンジにミサト、アスカ、レイが甘ったれるのが見たい
リツコならみたい
スレ違いだ
ちぇー
まだ〜〜〜〜〜〜〜〜?
◆SrFAXaIUUcの新作に密かに期待age
期待あげ
保守
保守保守
昼下がり。
リビングのテレビからは主婦達の感嘆の声が響いている。
人気司会者がフリップのシールをめくると、それは一際大きくなった。
「ぉー」
訳も判らず彼女らの顔真似をする少年。
床にペタンと座り込んで視線はテレビに向けたまま、白い羽毛に頬擦りをしている。
彼が大事そうに抱えているのはミサトのペットであるペンペンだ。
シンジは時折体を前後に揺すったり、彼のお腹を撫でたりしながら画面に見入っていた。
ペンペンにとっては迷惑な話である。
高い知能を有し風呂とビールを愛する孤高の人、いや温泉ペンギンにとって
執拗に温もりとスキンシップを求める少年の相手はいささか手に余る。
しかし、彼は縫いぐるみさながらされるがままになっていた。
飼い主が特に頼んだ訳ではない。
数日前台所でうっかりシンジに捕まってから、特に用事のないときは相手になってやっているのだ。
それは彼なりの思いやりというか恩義の返し方であった。
葛城ミサトという人物に拾われてからそれなりに大事にされてきたペンペンだったが、
彼女の愛情にはかなりのムラっ気があり、特に食事に関しては常識を疑う扱いを受けた。
頻繁に忘れる。酒のつまみで誤魔化そうとする。
そして一番酷いのが手料理をご馳走してくれる余計な心遣いであった。
彼には冷凍された魚を自分で解凍して食べる知恵と器用さがあったので、
それさえ定期的に供給してくれれば何の問題もなかったというのに。
原則放任主義で風呂もビールも好きなだけ楽しめる快適生活。
あとは食事さえ……と頭を痛めていたそこに、少年は現れた。
最初こそ意外すぎる同居人に呆然としていたものの、
その窮状を察すると自分が食事当番のときには必ず魚を買ってきてくれたのだ。
つまりほとんど毎日である。当番制が正しく運用されないのは彼にとって幸いだった。
「ぅー」
テレビがCMに入ると、少年はペンペンの嘴を弄りはじめる。
「クェ」
鼻孔を塞がれては不快なので、シンジの指を軽く咥えて注意を促すペンペン。
彼が指を引けば直ちに嘴を開いてやる。
幾度か繰り返して理解したのか、それとも飽きたのか、
少年はまた最初の姿勢に戻り柔らかな胸の羽毛に頬を摺り寄せた。
優しく翼で背中をあやされるうち、シンジの瞼はゆっくりと閉じていく。
彼がこうなってしまった理由は聞かされていない。ただ恐らく今は休息の時なのだろう。
ペンペン自身、アニマルセラピーに関しての知識は持たなかったが、
シンジが自分に安らぎを求めるなら出来る限り胸を貸してやろうと思っていた。
そして願わくば再びキッチンと食生活に平和が取り戻されん事を、と。
「ただいまー」
力ない声と共にミサトは玄関で靴を脱ぐと、廊下にへたり込んだ。
三日間に及ぶ本部での缶詰状態から開放されてやっとの帰宅である。
ネルフそのものが何時もより多忙だった訳ではない。
シンジが現在の状態になってから可能な限りの仕事を在宅で済ませていた皺寄せが来たのだ。
前々からせっつかれていたのだが、この連休アスカがずっと面倒を見ても良いと言ったので
その言葉に甘える事にしたのである。当然かなりの謝礼をはずむ約束はさせられたが。
契約を終えて彼女はニヤリとして言った。
「ヒカリが家族旅行に行っちゃうから暇なのよねー。 時間は有効に使わないと♪」
「チッ!」
ミサトはそのとき渋面でビールをあおりつつ内心では感謝していた。
いくら多少の好意は持っているにしても、シンジの世話をするのは大仕事だ。
指示を理解させるのも時間を食う上にやたらに甘えたがりなのである。
それは確かに可愛らしくもあるのだが、なにしろ体は中学生なので色々と扱い辛い。
いい歳をした自分ならともかく同い年の彼女では戸惑う事も多いだろうに。
(まさかそれも含めてご褒美ですって展開じゃないわよねアスカ?)
疲れた頭では碌な事を考えない。
兎も角、今日で全ては終わったのである。
寝よう。
いや、その前に風呂だ。そして湯上りに欠かせないモノは……
黄金色の液体の喉越しを思い浮かべながら、フラフラと立ち上がりダイニングへと歩き出す。
そこで彼女は家中の照明が落ちている事に気付いた。
随分早く寝たものだと怪訝に思っている所へ、突如チェーンソーのエンジン音が響き渡った。
何事かとリビングを見やると暗い部屋の中でテレビの画面だけが煌々と光を放っている。
そこに立つのは血塗れのエプロンを身に着けた大男だ。
どうやらホラー映画の鑑賞会らしい。
アスカはクッションを、シンジはペンペンを抱き締めて画面に食い入っており保護者の帰宅には気付く様子もない。
そしてテレビの前に居並んだ二人の手が固く繋がれているのを見て、
ミサトはクスリと微笑みながらそっと脱衣所へ消えた。
彼女が長めの風呂から上がると、もう部屋には明かりが灯っていた。
キッチンではアスカと並んだシンジが足をブラブラしながらご機嫌でアイスクリームを食べている。
棒アイスはあちこちベタベタにするからと、アスカがカップに入ったタイプを買って来たのだ。
そして『あら気が利くわね』と言ったミサトに無言で手を差し出す彼女。
何の事はない。TVで紹介された高級アイスを保護者持ちで食べる口実だったのである。
「ミサトおかえり」
「ただいまアスカ、シンちゃん。アイスおいしい?」
ようやく帰宅に気付いたアスカが声を掛け、それに応えるミサト。
少年は無言ながらも、スプーンを咥たまま満面の笑顔でこちらを見返した。
彼女も笑みを返しつつ冷蔵庫のドアを開け、念願のビールを手に取ると愛しげに頬擦りをする。
「ああ、帰ってきたんだわ我が家に。ただいまえびちゅ! んー、ちめたい!」
そして一気にプルトップを引くが早いか、グビグビと黄金色の液体を飲み下した。
「ぷはぁー、くぅー!」
久方ぶりのアルコール摂取は生きている事の素晴らしさを実感させてくれる。
しかし、妙齢の女性がバスタオル一枚で感激の声を上げる様はあまり上品とは言えない。
「だらしないわねぇ、もう。いい大人が!」
「あら、三日も働きづめだった人に随分な言い草じゃない? ねー、シンちゃん」
「ぅー」
「シンジもジロジロ見ないの。ズボラが伝染るわよ!」
アスカは少年の頬を両手で挟んでそっぽを向かせる。
それを横目に見ながら、唇を尖らせた保護者は持てる限りのビールと共に自室へと引っ込んだ。
持ち込んだビールもすっかり飲み干し、
お代わりとツマミを求めて部屋を出ようとしたミサト。そこに偶然、アスカの囁きが耳に入る。
「ほら、シンジそろそろ寝る時間よ」
「ぅー」
「何、寂しいの? 今夜からはミサトと一緒でいいでしょ、ホント甘えん坊なんだから」
お姉さん風を吹かせる少女の様子に思わず微笑が漏れたが、ふとある点に気付いた。
(今夜からは? じゃあ昨日までは……)
考えを巡らせながら、そっとリビングを覗いた彼女の目に飛び込んできたのは
何と、アスカがシンジを愛しげに抱擁している姿だったのである。
「ミサトもあれで疲れてるんだから、いい子にしてなさいよ」
頬を寄せ、耳元で優しく諭している。
“あれで”という言い様が少し気に障ったものの、ミサトは胸が暖かくなるのを感じた。
大声を上げて脅かした挙句、散々からかってやろうと算段していた彼女だったが、
それは棚上げにして素早く近づくと背後から二人をギュッと抱き締める。
「うわっ! ちょっと何ミサト?!」
悲鳴に近い声で驚く少女と、目をパチクリしている少年を尻目にミサトは言った。
「よしっ、今日は皆でここにお布団敷いて寝ましょう!」
ふー!!
御馳走様でした!!
続きも頂きたいのですが予約受付中ですか?
705 :
695:2009/10/01(木) 00:01:47 ID:???
>>704 保守がてら思いつくまま書いただけなので特に続きはないです
予約とはリクの事でしょうか? 運良く思いつけば出来るかも知れません。
クオリティはご覧の通りですが。
エヴァなんて叩かれてナンボだろ
こんなの親や教育者が静観してる方がキモイわ
てかおまいらは子供ができたら子供にエヴァを薦めたりするんだろうなw
てかおまいらモラトリアムそのものでガキ丸出し、叩かれ耐性なさすぎ
ミサトの寝ている布団に潜り込む碇シンジ5歳
正直言って「死にたい」とか「みんな死んじゃえって言ってる」シンジが好きだった
っていうか、自分を見てるようで安心した(最低だ・・・俺ってw
自分はなんも変われてないのに、そんなシンちゃんが成長したことに追いてけぼり食ったみたいで・・
まあつまるところ嫉妬してるんだな俺は
若いっていいなあ
>>706 どっかの投票で子】子供に見せたいアニメ映画にエヴァが9位になってたなw
>>706 親や教育者はジブリの後継者たるサマーウォーズを応援します
サマウォファンがエヴァを叩くのはそういうことなんです
711 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/10/20(火) 03:41:31 ID:/OTsoEZ6
まあ我が子に薦めたいものでないのは確か
712 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/10/20(火) 04:58:37 ID:3/ENiGiH
近親相姦の話だろ。クローンだけど。
はぁ…
クローンなら近親じゃないじゃん
クローンはいわば人工的な双子、三つ子・・・のことだから
レイはユイの双子、三つ子・・・の妹、シンジから見れば叔母ってとこだろう
レイの体はリリス成分も半分混ざってるから完全なユイクローンじゃないよ
保守