―リビング―
「はぁ〜……」
「ミサトさん、どうかしたんですか?」
「んん、なんでも無いわよ。」
「けど………。」
「なんでも無いから、シンジ君はもう寝なさい。」
「……僕じゃ、ダメなんですか?」
「…………………。」
「加持さんの事まだ………けど、加持さんはもう三年も前に死ん」
「煩いわね!!アンタには関係無い事よ!!いいから、一人にしてよ!!」
「……すみません。けど……」
「…………………」
「僕、本当にミサトさんの事心配なんです。……好きだから…」
バタン
「ごめんね、シンジ君。……けど、言えないわよ。こんな事…」
―シンジの部屋―
「もしもし、アスカ?いいかげん、帰ってきなよ。ミサトさんも心配してるよ。」
「嫌よ。」
「お願いだよ。僕、アスカに言いたい事があるんだ。」
「言いたい事?電話じゃ言えないの?」
「うん、大切な事だから。」
「……わかった。」
「本当?」
「アタシに二言は無いわよ!!だから、はやく迎えに来なさい!!話聞いてあげるから!!」
「わかった、すぐ行くよ。」
―ヒカリの家―
「プープープー…。」
「アスカ?どうしたの?何だか嬉しそうだけど。」
「シンジがね、アタシに大事な話があるんだって。」
「え!?それって……。」
「…うん、多分そうだと思う。」
「そっか、良かったね。」
「………うん!!」
―リビング―
「シンジ君に、謝らなきゃいけないわね。」
バタン
「あ、シンジ君!?さっき」
「ごめんなさい、ミサトさん。今からアスカ迎えに行ってくるんです。だから、急がなきゃ」
「アスカ帰ってくるって?本当!?」
「はい!!それじゃあ僕、行ってきます。」
「ええ、アスカの事頼んだわね。」
「はい!!」
バタン
「そっか、アスカが帰ってくるんだ……!!」
バタバタバタ!!
ジャー!!
「おぇー!!
………ねえ、加持君、私幸せになっていいかな?
大切な妹と
大好きな人と
そして……………お腹の中の子供と四人で。
明日ね、シンジ君に聞いてみようと思うの。
男の子と女の子、どっちが良いかって。」
―ヒカリの家へ向かう道―
「アスカに言わなきゃ。
僕は、ミサトさんが好きだって。
だからアスカの気持ちには答えられないって。
きっと、わかってくれるよ。
そして、また三人で楽しく暮らすんだ。
だから……急がないと!!」