シンジ達とミサト達を入れ換えてみる

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60名無しが氏んでも代わりはいるもの
「は〜、転校なんてかったるいわねぇ」
 あたし、葛城ミサト。
 花も恥じらう14歳。
 突然、長い間連絡もとってなかった父さんから変な手紙が来てさ。
 『第3新東京市に来い』なんてふざけてるでしょ〜?
 でもなんか、ただならぬ感じがして、あたしは仕方なくこれに応じたってわけ。

「なによ〜……電車止まっちゃったわよ。あっつー!」
 ミサトが電車から降りると、熱気が顔を打ちつけた。
 セカンドインパクトを受けたこのご時世、昼間はかんかん照りである。
 カバンを抱え、ミサトは駅を出た。
「おーい。葛城ミサトちゃーん?」
「へ?」
 声がして、ミサトはそちらを向く。
 駅を出たところの道路脇に車を止めて、一人の男が手を振っていた。
「おっさん、誰?」
「おっさん?いや、まだ僕、29なんだけどな……」
「ピッチピチの14歳からしてみればおっさんよ。ていうか何?ナンパ?」
「ち、違うよ!僕は碇シンジ、君の迎えさ」
 そう言うシンジを見ながら、ミサトはあることを思い出した。
 父から寄越された手紙には、冴えない男の写真が同封されていたことを。
「運休を見越してこっちに来ておいて良かった。
今から君のお父さん、まぁ僕の上司でもあるんだけど、その仕事場に案内するよ」
61名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 04:59:01 ID:???
認して、先に乗り込んでいたシンジが車を発進させる。
「もしもし、綾波?今、葛城ミサトちゃんを乗せて、そっちに向かってる」
 運転をしながら、シンジはどこかに電話をかけているようだ。
 後部座席から、ミサトはじっとシンジを見る。
 その時!
「危ない!」
「!? くっ……!」
 ミサトの声に、シンジはハンドルを切る。
 巨大な足が、突然シンジ達の車の目の前に降ってきたのだ。
 足を辛うじて避け、シンジはそのまま巨大なそれの股の間を抜ける。
「ななななななな、何よあれぇ〜!?」
「使徒。説明は後……ちょっと飛ばすよ、舌噛まないで」
 そう言うや、シンジはアクセルを全開に踏む。
 そしてしばらく、轟音と共に衝撃破が、車を襲った。

「いてて……ミサトちゃん、怪我は?」
「うぇ。口ん中砂利まみれだけど平気よ……」
「それは良かった。N2爆撃、これで時間が稼げるといいけど……」
 シンジは横転した車を起こして、再びエンジンをかけた。
「良かった……まだローンが残ってたんだ」
「おっさん、自分の命より車が大切なわけ?」
「まだおっさんでいる気はないんだけどなぁ……」

 場面は転じて、NERV本部。
「頼みのN2兵器も単なる足止めで、UNも退散か。どうするかね、葛城君」
62名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 05:00:15 ID:???

「問題はないようだ。今、予備が届いた」
「娘さんか」
「しばらく会ってはいないがね」

 一方、シンジとミサトもNERVに着き、中を巡っている。
「特務機関NERV?」
「そう。人類を守る立派な仕事。皮肉を込めてね、僕はそう呼んでる」
「こんな突然呼び出して、ただの家族対面ってわけにはいかないと思ってたけど……」
「苦手?お父さんのことが」
「うぅん。ただ、再会したって何を話していいのかがわかんないだけ」
 低いトーンで、ミサトは呟いた。
「僕も父さんは嫌いだったよ。とっくの昔に死んじゃったけど」
「碇君」
「うわっ!?綾波……」
 シンジとミサトの目の前には、レイが。
「その子ね、サードチルドレンは」
「あ、うん。葛城ミサトちゃん」
「よろしく、お願いします」
 レイが言った聞き慣れない単語に首を傾げながらも、ミサトは手を差し出した。
 だが、レイはそれを無視し、くるっと体を回転させる。
「このまま初号機のところへ行くわ」
「あ、わかった。……ごめんね、ミサトちゃん。綾波ってあぁいう奴なんだ」
 申し訳なさそうに、シンジが言う。
 握手の出来なかったミサトの手は、宙に浮いたまま。
63名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/05(月) 05:03:14 ID:???
「あきません!使徒、再度進行を開始!!」
 オペレーターの一人、トウジが声を上げる。
「強羅防衛線を突破!」
 続けて、同じくオペレーターのヒカリが報告する。
「進路5修正!尚も進行中!
ヒュー!予測目的地は間違いなく第3新東京市だ!!」
 次いでオペレーターのケンスケが、使徒の進撃を喜ぶかのように、そう告げる。
「総員第一種戦闘配置。利根川先生、後をお願いする」
「わかった。娘さんをしっかり説得するんだよ」
「……ふっ」
 葛城がエレベーターで下に降りていく。
「さて、久方ぶりの親子の再会か……」

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とりあえず一話のさわりをリメイクしてみたが
入れ替えると話の筋道は同じでもふいんきは全く別物になりそうだ。