シンジとカヲルを女体化させてBLからレズにするスレ
2 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/30(土) 12:47:06 ID:/bZzZWwA
腐女子死ね
はいはいわろすわろす
4 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/30(土) 14:05:30 ID:M+nU4OoE
想像してみたら不覚にも萌えた
5 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/30(土) 14:15:59 ID:OQZ3pfau
萌えざるをえない
マリみてか
KIMEEEEEE
散々既出で重複で糞スレ
リアルホモよりはマシか
冬だし無理だと思う
11 :
メガロ:2006/12/30(土) 15:03:05 ID:???
エロ投下OK?
13 :
メガロ:2006/12/30(土) 15:54:07 ID:???
そうまでしてカヲシンが見たいのか、腐女子よ…
オマエモナー
キモヲタよりはマシだよ^^
なぜカヲル関連はこうも荒れるのか
カヲルスレで馬鹿フェミに煽られてショックだったんだろう
惨めだな
カヲルスレは投下すると言っといて結局誰も投下しないのは何故?
倒錯スレか女だったらスレでやればええやん
腐女子としては、アスカとレイを男体化させてBLさせた方が萌えるんじゃね?
>>22 おそらくは排他性からくる自家中毒により、過疎
どうしてもカヲシンがやりたいカヲシン腐女子が立てたのだったら
絡み合うのはカヲルとシンジじゃなきゃ駄目なんじゃない?
「シンジさん…。リボンが解けててよ」
「カ、カヲルお姉さま…」
本編のカヲルは嫌いじゃないが、腐女子が脚色したカヲルとシンジってどうも好きになれないなぁ
何でだろ?
>>28 あとブロッコリーのエヴァキャラも
何でと聞かれてもキモいからだよな
本編は「そういうキャラ」だからいい
腐女子は百合よりも801の方が好きだったんじゃなかったの?
百合好き腐女子はこの頃増えてる
♂レイ×♂アスカのほうが見たい
>>31そうなのか、止まるトコロを知らないな腐女子は
男同士でやると叩かれるからレズなら許されると思ったんじゃないの?
リツコ受だとかタブリスXX×レイとかあるよ
管理人は腐女子で
とりあえず誰か投下しなさいよ
>>28 俺は男だけど腐女子だからといっても作家によって違うと思うぞ
シンジがオカマちっくにカワイイ系に仕上がってれば俺は何でも美味く思える。
確かに好きになれないカヲシンもあるけどな
>>35 それ詳しく
腐女子サイト見てないと、たまにいいもの逃すときもあるんだな・・・
>>38 リツコ受はついこの前閉鎖
タブリスXX×レイはエヴァ捕缶計画当たりに結構あるぞ
女が同人サイトやってると腐女子っていうのか?
ノーマルカプでも?
基準がわからん
誰か投下するなら投下しなよ
なんだこの腐女子丸出しのスレは
男でも百合好きな奴居るだろ普通に
シンジとカヲルはちんこがある
何だこのスレは…たまげたなぁ…
47 :
メガロ:2006/12/31(日) 16:40:34 ID:???
カヲシン=腐女子?
腐女子=女体好きじゃないぞ
女体嫌いの腐女子も多い。
よし、誰か投下汁
いやだ というよりネタが突飛過ぎて思いつかない
51 :
メガロ:2007/01/01(月) 00:59:20 ID:???
カヲルは使徒XXとして女体化してるんじゃ
そんなことより全員メガネが萌えるに決まってんだろ。
百合(*´Д`)ハァハァ
>>39 エヴァ補缶計画でぐぐったけどヒットしないぞ
誰か書いて〜
糞スレあげんな死ね
>>58にカオスを見た……
目の前が真っ暗になるほどキモイのなんの
>>59 いつもいつも保守してくださって助かります
活性化機体揚げ
糞スレあげんな死ね
きっ・・・きもちいいよぉっ!!
はぁっはぁっ・・・
んあぁっ!だめぇ・・・
そんなにしたら・・僕おかしくなっちゃうぅ!!
やだっ!!やめてやめて!!
もうだめっ!!!
お願い・・ああんっ!!!
でちゃう・・・いっちゃうよぉっ!!!!
>でちゃう・・・いっちゃうよぉっ!!!!
ダウト
あげ
想像は出来るけど例があんまり無いから形にしにくいなぁ
67 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/09(火) 11:06:20 ID:Kgi3S+J4
あげ
68 :
メガロ:2007/01/12(金) 19:33:35 ID:???
ほ
おえっ
僕っ娘×僕っ娘
71 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/16(火) 18:44:10 ID:jbjd6V+w
百合ねぇ…
!?
気がつかんかった!
いいかもしれない!
>>51 使徒XXはカヲル殲滅後の別物。→所詮人形→でも女体化したらあんな外見決定。
シンジ劇場版で女体化。→原作→ただ乳有になっただけ。
――アッ!
メガロとかいうやつ書くなら書けよ
シンジXXもそのうち出るんじゃないか?
XXいらねwww
サード・チルドレンXX
既にEOEで女体化しとるがな
じゃあ、フギャー!化でも期待してみようか。
女子校パロを試しに投下
階段を上がって右、そこが生徒会長の部屋。
肩まで伸びた黒い髪とロングスカートを靡かせながらシンジは生徒会長の部屋へと急いでいた。
やっぱり無理ぽorz
あきらめるの早すぎ
んだ
>>80勝手に続き書いた
「いけない、遅れちゃう」
廊下は走ってはいけない。ぱたぱたと小走りで急ぐしか方法は無い。
目的地に着くと「失礼します・・・」と声をかけてドアを開き、中に入った。
「シンジ君。おそいよ」
生徒会長の名はカヲル。渚カヲル。
文武両道で、その端正な顔だちから多くの生徒に好かれている。
いや、全校生徒と言っても過言ではない。
「ご、ごめん。カヲル君。」
・・・・ムリorz
誰か、カヲルの設定をしてくれ!そうしたら書けるかも
>>83 良い感じ。GJ
カヲルのみに関して言うと
ナルシスティックな臭みを若干抜いてほぼ原作に似た
感じでいいと思う。
あとは女性らしさを付加させるといいかもしれない
これは個人的な意見で公共性に欠けちゃうかもしれないけど
マリみて風に先輩後輩、お姉さま系がツボですです
>>84ありがとう
カヲル
身長 シンジより少し高め
性格 お姉さんっぽい。ちょっとツンな感じに原作寄り
髪型 今くらいか背中に掛かるぐらい?もしくはタブリスXXな髪型
シンジ
身長 ちょっと小柄
性格 庵シンジ寄り(デレ)か、貞シンジ(ツン)寄りのをちょっと女の子っぽく
髪型
>>80な感じ
自分的には・・・って全然決まってないorz
庵シンジか貞シンジ、どっちかにするって言ったらどっちだろう?
それによって結構感じ変わってしまう・・・
自分で決めろよ、って言われそうだけど、俺は材料が無いと調理できない派orzスマソ
帰り道を2人で歩く。
吐息が白く染まり、空も夕焼けで赤く染まる。
「・・・寒いなあ」
独り言を漏らす。
今日はマフラーを忘れてきてしまったのだ。
首元から風が入ってきて、ダッフルコートに包まれた身体を冷やす。
ぐい、と首元を寄せると、隣を歩いていたシンジが
「それは、君が悪いんだろ・・・」
と独り言のように返事を返してきた。
独り言に独り言を返すなんて、とクスリと笑うと案の定何がおかしいんだよ、と怒られた。
「冷たいなあ君は。一緒にしよう、とか言ってくれないの」
「馬鹿な事言わないでよ」
続きがありそうに言葉を切ったが、続きを言わない。相手は俯いていた。
どうしたんだろうと首をかしげていると、
「ほらっ」
と首にマフラーを巻かれた。
「僕のは、長いし、君に貸すと僕が寒くなるから・・・」
などと言い訳のようなことを言う。
笑いながらありがとう、と礼の言葉を述べる。
まだ俯いていたので、覗き込んだら顔を逸らされた。
「見ないでよ、ばか」
「あっひどいなあ」
逸らされた顔は赤く、まるで夕焼けのようだった。
貞シン短編
カヲルの性格がいまいち掴めない。
ていうか女の子っぽくないな・・・すまん
>>86 投下乙。
女性特有のスカートとかそういう部分を付け足したり
原作の雰囲気を損ないかねないけど、語尾だけでも大分変わりそうだから
そういう所に着眼点を持っていくといいかもしれない
と、まともにSS描いたこと無い俺が言うのも失礼な話だが・・・
カヲル君は生かしておくべきだったと思う。FF2のレオンハルトみたいに説得して。
>>87アドバイスありがとう。
まともに書いた事なかろうがあろうが意見は大切だ。ありがとう
俺、中々「男の子」って部分が切り離せないんだよねorz
女の子の2人の外見とかは思い浮かぶんだがな・・・
次はちょっと一人称変えて見たり口調変えてみたりするわ
絵と違って文章じゃ、確かに一人称が僕のままじゃ男のときと変わらん
あとageんといて
すまん
気をつけるわ
カヲルは男のままでシンジきゅんがおにゃのこにすればええやん
カヲシン厨乙
百合にする時点でカヲシンだわ
ていうか、どっちでもよかろうに
カヲルはセクハラ魔でいいんでは?
職人乙!まさか、このスレに現れるとは思わなかった。いや、良い意味で
シンジみたいな娘がおっぱい大きいと萌えるけど
二人とも普通に貧乳だろうな
シンジはAカプぐらいで、カヲルはBカプぐらいだったら萌える
乙
まさか投下来るとは
カヲル→色っぽい
シンジ→可愛い
庵野版だとこんなイメージ
カヲルはタブリスXX外見だろ。
乳でかめ。
ケロロ絵は全体的にムチムチだからなんともいえん
庵シンジの方が向いてるかもしんないね
タブリスXXのフィギュアに設定がついてるんでしょ?
乳がでかくて綾波ベースより背が高い、とあったがそれのこと?
どうしてタブリスXXは誕生したんだ?
美少女使徒フィギュアつくろうぜ!
↓
人気ある使徒をいくつかチョイスしようぜ!
↓
タブリスもいれようぜ!
または
美少女使徒フィギュアつくろうぜ!
↓
擬人化デザイン考えるのめんどいから、最初から擬人化してるカヲル入れようぜ!
カヲシンスレができて嬉しいよ
>>109 いやスレ違いってか、それエヴァですらないやん
まあカヲシンスレには変わりないわな
シンカヲスレでもある
カヲル君のおっぱい、大好きだよ
「シンジさんのおっぱい、かわいいわね」
的な・・・
百合は基本攻受け不明だから
カヲルはいいとして、シンジの名前はシンジなのか?
レイかシンジのままか勝手に捏造だろ。
シンリやらシンラやらあるじゃん。
名前変えるとしても
それだと違和感あるから
苗字、碇ちゃんで呼ばせるのがいいかも
それかシーちゃんとかでごまかすか・・・かな?
ここに投下希望者一名。
貞系女シンジと鋼鉄系変態キモ女カヲルとその他もろもろがいるギャグなんだが。
すごく、くだらないけど良い?
ネタ的には正直どうなるかわからんが先ずは投下
>>119ですが。
では、お言葉に甘えて。ただ叩きが怖い。
しょっぱなから力技です。
ほんの数日前、ほんの数日前の碇シンジという少女の生活はそれはもう穏やかで何もない日々だった。
バカ親父に嫁に出したくないからという理由だけで男のような名をつけられ、
母親もバカ親父に泣きつかれてバカ親父に便乗してやりシンジは少年っぽい服、その他もろもろを与えて育てた。
おかげでシンジはすっかり少年っぽい少女へと育ったが本人も大して気にしていないようだ。
ただ学校の制服だけは幼馴染のアスカというドイツ人と日本人のクォーター少女がバカ父親と母親に(おせっかいで)話をつけてくれたおかげで女子の制服で過ごしている。
これが本当に穏やかで何もない日々なのかは微妙だがシンジ自身は嫌いではなかった。というか本人かなりどうでもよかった。
アスカに振り回されて、クラスメイトのレイと静かに会話して、男子なのにそんな男女わけへだてなく話しかけてくれるトウジやケンスケ達と遊んで…。
そんな日々。
最後のはシンジが男みたいなしゃべり方や髪形だから女子だと意識されてないだけか。
きっとそうだ、そうだと平和だ。
本当に平和だった。
ある人物が来るまでは。
「やあ、おはよう。シンジくん」
「ヒッ」
可愛らしい少女の声とともにシンジの背後からやけに白い手がするりと胸元に伸びる。
平和だった。そう、この子、この少女、渚カヲルが転校して来るまでは。
シンジが首だけ振り替えるとそこにはアルビノ特有の白い…銀の髪。と赤い瞳。
それから妙に整った人形のような綺麗な顔。
妙に口が裂けてたりとかもしていないし鼻も女性的に小作り。目の形もつり目がちだが大きく丸みがあった。
それが幸せそうにニヤニヤ笑っていた。
「な、渚さん…っ、挨拶のたびに胸を触るのはやめてくれないかな!」
(君が男だったら殴ってるよ。もしかしてわかっててやってんのか!?)
シンジが必死になってその手をどけようとするが手はどかない。
それどころか軽くやわやわと揉んですらいる。
(ヒイィィィィィィィィィィ!!!!)
なお、シンジの悲鳴は心の中だけで大音量なので誰にも届きはしない。
「ふふ、ちょっとしたスキンシップでしょう。君は本当に一時的接触…う!?」
カヲルの後頭部でバシンッといい音がした。
音源の方をみるとそこにはアスカがハリセンを持ち、仁王立ちで腕を組んでいる。
「あんたバカァ!?いきなり胸触られたら誰だって嫌に決まってんでしょうが!!」
「いいじゃないの、女同士なのだから。それにこう毎日してあげれば少しは大きくなる…」
「よけいなお世話だよ!」
碇シンジ、格好はそんなに気にしなくても体型は気になるお年頃。
「ほぉら、シンジもそう言ってんじゃない!セクハラ変態女!」
カヲルを指差しアスカは勝ち誇ったように言う。
しかしカヲルは折れない。
「照れ隠しだよ、シンジくんってそういう子じゃない」
白い手はまだシンジの微乳といっていいほどの胸を揉む。
「だ…っだから手ェはなせって!」
手をどけようとシンジの懸命の努力。
気づけば、シンジが必死になって逃れようとするうちに教室の床に膝や手をつき四つん這いになって這いずるような格好になっていた。
「ボクまでといかないまでも総流さんや綾波さんくらいにはなればいいねぇ…、それとそろそろブラはするべきだと思うよ」
しみじみ言うカヲル。手の動きは止まない。
「たっ!助けてよ!トウジっ、ケンスケェ!!」
シンジは友人二名に助けを求める。
必死になってこの巨大セクハラひっつき虫の相手をしているせいで顔は真っ赤だ。
キモさに泣く寸前なのかもしれない。
対して、万年常夏、朝といえどそれなりには暑いのにカヲルは涼しい顔をしている。
かなりご満悦そうな顔で。
そして助けを求められた男共は。
「お、女のケンカ(?)に男の口出しはいらん!」
役に立たない。どんなに硬派気取ってもその事実は変わらない。
「美少女の百合系写真…キタ!これは売れるね!渚っ、もっとやってやってくれ!あとでモデル代だすし!」
それどころか後押しすらしている。
「言うに及ばず…」
シンジの髪の匂いを嗅ぎながらカヲルは言った。
二人の制服のスカートはシンジが暴れるのでしわができている。
特にシンジの方なんかはもっとひどく、制服のスカートの上の面積の広い型紐がずり落ちている。
肌蹴る太もも。シンジはこのまま脱がされそうな感じだ。
しかし、この儀式のあといつもカヲルのスカートだけはその後気が付けば不思議なことに綺麗になっていた。
「アホくさ…」
そんな惨状に呆れ、アスカはハリセン片手に去っていく…。
「あ!アスカ!助けてけよ!ねぇ!!」
去っていった。女子トイレに。
その時、ガラリと教室の扉が開いた。
そこにはカヲルと同じくアルビノの綾波レイがいた。
「…」
物静かに(カヲルが一方的に)絡んでいる二人を見下ろしている。
「綾波…っ」
助けてもらえるかもしれないという希望の光と恥ずかしいという気持ちが五分なシンジは救世主になりえるかもしれない少女の名を呼ぶ。
が。
「そこ、どいてくれる。通行の邪魔よ」
少女は救世主になりえなかった。なる気もない。
レイはスタスタと自分の席へと行ってしまわれた。
その場に残るのはずーんと重い空気を背負っている碇シンジ。
随分シンジの体を触っている範囲の広がった渚カヲル。
そんな二人の写真を撮っているミステタリーオタク、相田ケンスケ。
硬派気取りながらシンジとカヲルの肌蹴た太ももをチラ見している鈴原トウジ。
「…っっ」
「シンジくん?」
「っいい加減にしろおおおおぉぉぉおお!!!!」
校内に響くシンジの怒声。
もうあの穏やかな日々は還ってはこない。
この先に待っているのは(相手が女では)誰も助けてはくれないだろうセクシャル・ハラスメントの日々。
ある朝の時間の出来事。授業開始まであと十分ちょい。
チャイムはまだ鳴らない。
おわり
もうあえて何も言うまい。
GJ
萌えた
GJ
叩くなんて事できるわけないじゃないかってくらい良かったよ
超GJ
GJ!!!!
全員人格崩壊しててワロスwww
乙!萌えた
前提の設定からしてアレだから、もし叩かれてもスルーでぉk
>妙に口が裂けてたりとかもしていないし
怖いもの見たさで読んでここに吹いたwwww
これはいい百合
出来ればまた投下きぼ
GJ
ありがとう。
正直自殺行為もいいとこで投下したんですが。
余裕ができたらまた投下します。
何回見ても笑えるな…GJ
イイヨイイヨー
たった2つのネタでこんなにも伸びるということは、それなりには需要はあったんだな
静かに盛り上がってる感じがしないでもないな
ホモの女体化百合なんて正直有り得ないと思ってたが、実際読んで思いも寄らず萌えた
何が言いたいかというと投下した人GJ
両方女体化は、腐女子で嫌う奴も多いらしいからな
片方だけでも苦手な人多いよ
逆に考えるんだ
つまりこのスレは選ばれし基地外専用スレなんだ
女体化百合が好きな腐女子もいる
元から女の子だったと思えばイける
ヤオイ嫌いな奴にも言えるけど想像力が無いんだよ
妄想の世界なんだから自分の都合よく妄想さえすれば
何でもおいしく思えるのに
いや、それでも801はいやだぞ
妄想力は常人以上にあるつもりだが、結局個人の好みというものには勝てない
ここまで堂々としたスレタイの801スレ
エヴァ板で初めてみた
凄い言い様だなww>選ばれし基地害
まあその通りだけど
女体化も801に入るんか
知らんかった
保守
投下マダ〜?
このスレ的にはギャグじゃなくて庵カヲルと庵シンジのガチ百合でも大丈夫なのか
個人的にはギャグの方がいいが
個人的には大歓迎
ネタができたんだが、あとで投下してもおk?
ちなみに俺は庵シンジなんて可愛いのは無理だが
wktk
先ずは投下!
朝。
いつものように学校への道を行く。
今日は少し風があって涼しい。
さらさらと肩まで伸びた髪が流れ、スカートがふわりと舞う。
良かった。今日は居ないみたい。
安堵して、げた箱へ入る。
外靴を脱ぐ。
上履きを履く。
安心安全はここまでだった。
「シンジくん」
歌うような、軽やかで楽しそうな声。
でも、無視。
「シンジくんてば」
無視。
「ねえってば。聞こえないの」
「なにさ、うるさいよ」
ここでやっと返事をすると、相手は満足そうに笑う。
何がそんなにおかしい。
相手とは、渚カヲル。美しい銀髪を持つ、美しい美少女。
たぶん、校内一可愛い。
ちょっとつり目がちで、産まれてから一度も日に当たったことがないような白い肌。
白、白、白と白っぽいが目は真紅だ。
それがさらに美しさを引き立てている。
こちらが黙っているのを良い事につつ、と寄ってくる。
離れる。
寄ってくる。
離れる。
「こっちこないでよ」
「なんでさ?君が逃げるからでしょう」
ふふ、と意地悪そうに笑う。腹立つなあ。
と、いきなり、がばりと抱きつかれる。
「シンジくんは本当に可愛いねえ。食べちゃいたいくらいさ」
耳元で囁かれ、ぞくりとする。この、変態。
おまけに左手は腰へ、右手は太股へと移動しているではないか。
「やめてってば…」
やばい。幾分、声に力が無かった。
声の弱気を消すように相手の腕を振り払う。
「つれないのね。少しくらい、いいじゃないの」
「馬鹿」
そのまままた押し倒そうとしてきたから、思わず鞄で頭を殴ってしまった。
よし、こういうときは逃げよう。走って教室に向かう。もう後ろは振り向けない。
また明日もこんな事が続くんだろうかとため息が一つ漏れた。
ごめんなさい。
用があったから出かけたらネタわすれt(ry
故に中途半端っぽいですがどうか勘弁してください
叩かれたりする事…こわくな〜いこわくな〜い俺は強い子(ry
貞版かな?
とりあえうずGJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ
GJ
百合と思って敬遠してたんだけど意外としっくりくるな
また投下ヨロ
意外と好評のようで…ありがとうございます。
また何か思いついたら投下させていただきます。
今予定してるのはとっくに終わったバレンタインの話なんですが…
173 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/23(金) 22:50:04 ID:X/cpZySz
カヲルさん、いくらなんでもやりすぎだよ…。
こんなの現実でやったら、嫌われちゃうよ。
美しい美少女にツッコミをいれておく
カヲルは痴女というのが固定されてきた件
>>174 それ俺も思ったww
あえてそう書いたんだろうか
ところでシンジの呼び名はシンジくんなのか
何となく他の呼び方だと違和感があるなあ
でもそれは職人の好みでいいんじゃね
「さん」とかならまだ大丈夫だが、「ちゃん」とかは俺は違和感感じすぎる
やっぱ「くん」がしっくりくるなあ
シンちゃんとか碇さんとかでもいいかも
碇さんだとよそよそしい感じがするけど
しかし君だとBL感が否めん
BLウザイっていう意味じゃなくて逆に違和感感じる。
シンちゃんって良いな
出会い頭は碇さんでいいんじゃないの
シンちゃんてフランクすぎる
>>181 あるあるw
でも変えすぎるのもどうかと思うし、そこは
>>178の言うとおり職人まかせでいいと思う
いかりん
「いかりん♪おっはよ!」
とか言っちゃうのか
いかりんだと何かゲンドウの方を先にイメージしてしまう
いっそのこといかりんぐで…
イカアレルギーの人に嫌われるいかりんぐ…不憫だな
ぬるぽ
書いてみようと思ったけど、別に女同士じゃなくてもいいネタしか思い浮かばない
百合の定番とかある?
教えて百合好きの人
まんこに指入れる
おっぱいだろ
マンコ同士を対面座位みたいな感じで擦り合うみたいな…
女にしかないとこ強調しときゃ大丈夫だ
まあとりあえず投下してみて
>>191 プールだとか
生理がきてカヲルに介護されて妹心がときめいちゃってアハンとか
文化祭でカヲルが王子役に選ばれちゃったり
カヲルにチンコ生えたり
マリみて見るのが一番早いかもな
一番最後のはいやだ
俺も最後の嫌だ…
どぅ、考えてもチソコ・・・・
吊り
百合っていったらペニバンだと思ってました
とにかく
「カヲルさん」「シンジさん」「好き…」
な感じならいいのね?
sirangana
投下してみ
先ずは投下汁
前投下してた職人はもう居ないのか?
210 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 17:49:19 ID:GWle97Dh
保守
すまん
あげてしまった
気持ち悪い
214 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/27(火) 20:38:47 ID:nYL2yqAt
職人カモーン。
215 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/28(水) 20:04:15 ID:9smcQBSr
職人カモーン。
∧_∧
( ・ω・)∬
(っ旦 つ旦
/ )
( / ̄∪
∧_∧ .∬ ∬∧_∧
( ・ω・)=つ旦≡つ旦))д´)
(っ旦≡つ旦=つ旦(っ ⊂)
/ ) ババババ . | x |
( / ̄∪ ∪ ̄ ∪
シンジ「こんなかんじでいいのかしら?」
カオル「あらやだ、球根が傾いててよ。それに土をかぶせすぎてはいけないわ」
シンジ「難しいわね…。咲くといいけれど」
>>209 いるにはいたんだけどゴメンね、遅筆なもんで。
また阿呆なギャグを。
体育の授業――水泳編――
シンジ達のクラスの女子は三、四時間目と水泳の授業だった。
内容としては『皆で水とふれあいながら遊ぶ』ただそれだけのはっきりいってお遊び。
そんなわけでシンジ達一組の女子は更衣室でスクール水着に着替え、
太陽がさんさんと照らす塩素剤臭いプールサイドへと集まっていた。
「あれ?碇さん、渚さんは?」
とある目立つ人物がいないことに気付いた委員長は一番接触されているシンジに聞いた。
「さぁ?」
シンジはほんとは知っているけれど話す気は一切ないよ、ハハーン。という顔で曖昧な返事をした。
回想
それは更衣室に着替えに行く前のこと。
「渚さん、トイレ付き合ってくれないかな」
二時間目終了後シンジは珍しく、そして初めて自らカヲルに近づいて行き誘いをかけた。
その言葉にカヲルは
「シンジくんの行くところどこまでもついて行くよ」
澄ました顔で言いうれしそうに自分の席を立ち上がった。
「………」
一方シンジは、一瞬すごく嫌そうな顔をした。
それから二人は一番綺麗だから、という理由でわざわざ一階のトイレに移動。
この学校のトイレはスリッパ不要でうわばきのままシンジは一番奥の個室に向かっていく。
「じゃあ、渚さん。僕がでてくるまでずっとそこで待っててよ、それから恥ずかしいから話しかけないでよ」
シンジは念を押す。
「もちろん」
カヲルは入り口に近いところでにこやかに答えた。
ガチャンッと鍵の閉めた音が二人だけの女子トイレに響く。
(…さて)
シンジは斜め上を見た。そこには窓がひとつ。大きくはない窓、換気用の窓があった。
(よいしょっと…)
シンジは決して音を立てないように洋式の便器の閉じてある蓋の上に乗った。
座ったのではなく、乗った。
それから白いタンクに足を掛け上る。
その状態で窓を完全に開け、上半身をのりだした。
どうやらこの窓は華奢なシンジになら通り抜けることができそうだった。証拠にもう肩は通り抜けている。
都合よく傍には何故かヤマモモの木があり、シンジはそれに手をのばし太い枝を掴んだりしてどうにかトイレの個室から脱出を図った。
どうせ一階なので大した高さもない。
しかし誰かに見られていたなら間違いなくパンツまる見え子ちゃんだったであろう。
仕方がない、木を下りる際どうしても木と密着しているスカートの部分はシンジが下りるにつれずり上がるのだから。
運良く誰にも見つかることなく木からもなんとか下り、怪我もなく、見事脱出に成功したシンジは少し制服を整えてスカートをひるがえしながら更衣室へと駆けて行った…。
そう、渚カヲルを一人トイレに残して。
回想終了。
これが真実。
そして現実。
(仕方ないよなぁ…着替え中、何されるか分かったもんじゃないし)
ちょっと悪いことしたかな、と罪悪感を感じながらシンジはため息をついた。
その時、
「酷いな、シンジくんは…」
「ワッ!!」
でたな、宇宙人。
もといトイレに置き去りにしたはずの銀髪美少女がしっかりスクール水着を着用しており、シンジの腰に腕を回しきゅうっとを抱きしめていた。
消毒、シャワーも済ませてきたらしく全身が水で濡れている。ちなみにシンジの方は日の光で既にほとんど乾いている。
冷たく、慣れない他人の感触にシンジの肌にはぞわぁ…っと鳥肌がたつ。
今はスクミズ(しかも濡れている)だから普段時よりも感触がダイレクトだった。皮膚とか胸の脂肪とか水と違って温かい体温とか。
「な、なな…!」
あわあわ、ドギマギしながらシンジは情けない顔で首だけ振り返る。
「なんでここにいるか、かな?」
シンジは首を縦に振る。
「ふふ…」
カヲルの表情がふっと憂いをおびたものに変わる。背景は白百合。
そして再び回想
シンジがトイレから脱出した後、カヲルは忠実な犬の如くシンジが個室から出てくるのを待っていた。
鏡を見たり、鼻歌を歌いながら。
いい加減出てくるのが遅いな、と思いながらもシンジの言いつけを守っていた。
「何やってるザマス?」
すると廊下から声がした。
声の持ち主は偶然廊下を歩いていた教頭、山崎組子、48歳、バツイチ、いかにもタカビーで意地悪そうな外見が特徴。
見るとその人物が三角メガネを神経質そうな指で押し上げながらカヲルを睨んでいた。
「こんにちは、教頭先生。友人を待ってるんです」
カヲルは教頭の質問に物怖じすることなく愛想なのか笑顔を浮かべて答えた。
「友人?友人とは貴女のクラスメイトの碇さんかしら?」
「ええ」
「碇さんならさっき更衣室から水着に着替え終わってプールに向かってたザマスわよ」
沈黙。
「フ…」
カヲルからため息か自嘲か息がもれる。
それに?マークを浮かべる教頭。
「そうですか、ならばボクも着替えに行くとします」
「そうザマスか」
教頭は頷くとカヲルに道を譲った。
そしてカヲルの背を見て何か思いついたように声を掛けようとしたが
「ふふ…シンジくんたら…本当に可愛いね…ふふふふふふふ…」
声なんてとてもじゃないが掛けられなかった。
こうして現在に至る、回想終了。
「…というわけで教頭先生が親切に教えてくれたのさ」
悠々と語るカヲルに対しシンジは下唇を噛み、あからさまに余計なことを…教頭め、という表情をしていた。
「しかし放置プレイだなんてシンジくんもやってくれるね、そんなにボクに意地悪なことをして気を引きたいのかな?」
シンジのうなじに額を摺りつけながら問う。
「………」
しかめっ面のシンジは心の中で違う!!!と叫んだ。
世界の中心で叫びたい気分だった。
「しかし惜しいことをしてしまったね、シンジくんの生着替えは見られなかった…」
「…それが嫌だったんだ」
カヲルの変態発言にボソリともれる置き去りの真意。
はたしてどこに見るだけで済むという保障があるのだろうか。
「ちょっと変態!」
アスカ登場。
一泳ぎしてきたのかびしょぬれで水をぽたぽたと落としている。水も滴るいい女。
髪型は特有の金髪なんだか赤毛なんだか茶髪なんだかを二つのみつあみにまとめていた。
「公衆前面でなぁに女同士でくっついてんのよ」
「悪い?」
眉間に皺をつくって阿呆を見下すような目でアスカが言うとカヲルはシンジの腰に腕を回したままこともなさ気に返す。
もうシンジは諦めたように好きにさせている。
「ていうかあんた程頻度が頻繁だと気持ち悪い」
アスカはそれはもうきっぱりと言った。
「友愛溢れる行為をそんな風にしか解釈できないなんて惣流さんの心は繊細さの欠片もないようだね」
それでも全くダメージを受けない天然耽美女、平然と対応する。
きっと世界は自分を中心に回っている。
「はぁ!?あたしのどこが繊細さの欠片もないって言うのよっ!あんたが異常なのよ、あんたがっ!自覚持ちなさいよ!!」
ひどく癪そうにアスカはキーキー言いながら左手を握り締めカヲルを右手で指差す。
「ボクは至って普通の女子中学生さ」
意味もなく得意気に言う、カヲル。
「うっわ…重症」
信じられない、という表情のアスカ。
(どっちもどっちだよ)
シンジだけが言葉にはせず真っ当なことを思っていた。
「惣流さん…」
ボソッと声が聞こえた。
「ぎゃあ!!」
無意識に声の方を向いたアスカから悲鳴が上がる。
それはそうだろう、声の持ち主はプールにアゴまで浸かっていてどろりとした目でこちらを覗っていたのだから。
軽くホラーを連想させた。髪が黒じゃないことが惜しい。しかし瞳が赤い分なかなか。
「あ、綾波…」
シンジが少し引きながら声の正体の名を呟く。
「れ…レイ!脅かすんじゃないわよ!お化けかと思ったじゃない!!」
直後、よっぽど驚いたのが悔しく恥ずかしかったのかアスカは大声でレイに文句をつける。
「渚さんに言ったの?」
アスカの文句には対応せずレイはプールから上がる。
ハッとした表情になったアスカ。
「そうだったわ。渚カヲル!あたし達と勝負しない?」
そしていきなり好戦的な性格剥き出しにカヲルに話を振る。
「…勝負?」
カヲルいつまでもいつまでもシンジに張り付いたまま不思議そうに問いかけに問いかけで返した。
シンジもそろそろカヲルの手を退けて離れようとしながら不思議そうにしている。不思議そう、と言うよりは何言ってんだコイツという感じだ。
そんなシンジの様子にカヲルは手から逃げ出そうとする子猫を浮かべていた。
つまりそんなにアスカの話に興味はない。
「そう、50メートル競泳。シンジはカナヅチだし他の子はあんまり早くないし、レイとあたしだけじゃつまんないっていうか、あんた運動神経いいんでしょ?」
「まぁ、悪くはないよ」
仕方がないのでカヲルはシンジを逃がしてやる。
瞬間、即座にシンジはカヲルから二メートルほど離れた。
「じゃあ決まりね、どうせあたしが一番でしょうけどっ」
腰に手を当て、アスカは大威張りで自信満々に言った。
「……」
レイはいつもと変わらない無表情でアスカを見ている。
「そう、でも勝負はやってみなきゃわからないよ」
カヲルは不敵に微笑む。
シンジは無言で思った。
(相変わらずの自信過剰っぷり…)
でも言わない。
同刻、場所は熱天下のグラウンド。
今日の体育の授業は女子がプールで男子がサッカーだったので男子がいる。
グランドの隅からプールに向かって順番待ちの男子の褒められたものではない類の熱い視線が送られていた。
一部出血者アリ、当人自覚ナシ。
「ええのぅ…」
「だな」
取り合えず鼻出血はしていないが某ジャージ少年が今は体操着で感嘆をもらした。
それに相槌をうつメガネ。流石に今は授業中なのでカメラ類は持っていない。
「見てみぃ、あの渚の乳」
「惣流はあとひとつボリュームが足りなかったんだよな、中学生にしては大した発育だけどなぁ」
「綾波と碇は華奢ちゅうか細いな〜、ちゃんと食っとるんやろうか」
「でも碇の尻って良いと思わないか」
「お!センセもスケベやな」
「渚の胸、惣流のくびれ、碇の尻、綾波の足〜」
「良い目の保養やな」
「あぁ、全くだよ」
―――ハハハハハハハハ…。
…大変お見苦しい会話を失礼しました。
カメラはプールへと戻ります。
「何か嫌な視線を感じる…」
シンジは眉間に皺を寄せてふと、呟いた。
「禍々しいものを感じるね」
「ホンット男子ってバカでスケベよね…キモイったらないわ」
カヲルもアスカも視線自体には気付いていたようでそれぞれに軽蔑したように言った。
カヲルはいつもと変わらない感じ。アスカはあからさま顔に出している。
「…勝負、するんなら早くあっちへ行きましょう」
「望むところよ!」
どうでも良さそうに先にスタスタとスタート位置に歩いていくレイ。
その後を意気揚々とアスカが歩く。
「ちょっと待って」
そんな二人をカヲルが止めた。
「何よ」
前方の二人が振り向く。
「一番になったなら何か賞品でもでないの?」
カヲルはいかにも『何かでなきゃやる気がでないなぁ…』という顔で提案をした。
「あ―…、そうねぇ」
その提案に人差し指を唇にあてアスカが考える。
やはりアスカとしてもその方が燃える。
「そう、例えばシンジくんのファーストキ「ハァ!?」
爆弾発言に対するシンジの反応はとても早かった。
「あたしソレ、パス。あんたと違ってそんな趣味ないわ。加持先生からのキスが賞品ならあんた達を殺してでもがんばるけど!」
前半、呆れながら、後半、物騒なことをハートを飛ばしながらアスカは言った。正にハート乱舞。
そんな幼馴染の少女にシンジは少し青ざめて呆れ果て、ジト目を送っていた。
「じゃあボクが勝ったらシンジくんの「初めて」を貰うってことでいいね?」
こっちはこっちで勝手に話を進めていく。
わざとなのか「初めて」が妙に意味深だ。
「好きにすればぁ?シンジ、あたしが勝ったらアイス奢りなさいよ」
「なっ、何勝手に決めてんだよ!!てゆーか何で僕が…」
どこからきているのか絶対的な自信っぷりで笑いながらアスカはまたスタート位置目指して足を進める。
シンジの言葉なんて聞く耳もない。
カヲルの提案は勝手にカヲルの中で決定に変わったようで移動開始。
「人の話を…っ」
「碇くん」
自分勝手な方々に苦情を言おうとしたが静かな声をかけられ止めた。
やはり背後、にレイは佇んでいた。彼女が背後にいることは何故だかほとんどいつものことだった。
「綾波?」
シンジは無表情の少女に怒ってはないが何故止めるの?とでも言いたそうにしている。
そしてレイが口を開く。
「碇くんの貞操(ファーストキス)は守られるわ。私が、勝つもの」
強く言ってるわけではないのに有無を言わせない何かがあった。
「…」
シンジはその堂々っぷり、ある種の漢気に一瞬見とれてしまった。
「じゃ…私が勝ったら…お昼ごはん奢って」
結局はそれか。
「え…?うん」
不意をつかれ、ついうっかり素直に承諾してしまうシンジ。
レイもそうとだけ言うと二人を追って位置についた。
そのままシンジはその場で三人を見ていた。
ギャアギャア騒いでいるアスカ。
それを余裕しゃくしゃくであしらっている、もしくは知らず知らず煽っているカヲル。
その二人に興味なしのレイ。
(どうして僕のまわりは変なやつばっかなんだろう…)
シンジは切に思った。
「ヒカリ!!審判よろしくねー!」
アスカの大きく、高く、明るく、元気な声が50メートル先にいる委員長ことヒカリに届く。
「わかったわー!!アスカ!無理しないでねー!」
アスカに負けない声でヒカリは手を振り答えた。
「ふふん、ぜぇったいあんた達なんかに負けないわよ」
プールに飛び込む寸前のポーズでやる気満々に、にっと笑いながらアスカは左にいる同じく飛び込み態勢に入った白い二名を睨む。
「どうかな?」
それに対しカヲルはにっこり、花の笑顔。
「………」
レイは無視、無表情。
これらがアスカの癪にさわる原因なことは火を見るよりも明らかだった。
証拠にアスカは即、ムスっとした顔になった。
それから真剣な表情に。
「…位置について、よーい。どん!!!」
一人のその他大勢であるクラスメイトの女子が叫ぶ。
バッシャーン!!!!!
赤と白と青は大きな水しぶきをたててプールへと飛び込んだ。
間。
ゼーハーと酸素を取り入れようとする音がする。
「…ウソ」
アスカが白いプールの内側の壁に縋るように額をつけて肩を上下させながら呟いた。
「………」
レイは無言で酸素を取り込んでいる。
「ボクの勝ち、だね」
そして最後のこの人も幾分苦しそうに言った。
「すごいわ、渚さん!アスカも綾波さんと相当早い方なのに!」
ゴールにいたヒカリが驚いていた。
「全ては愛の力、シンジくんは?」
頭のネジがやはり緩いのかさらっと恥ずかしいことを言いながら水から上がり
カヲルはクラス唯一の愛しいベリーショートの少女を目で探した。
「え?あれ…、誰か碇さんがどこに行ったか知らない?」
ヒカリがはっとしたように辺りを見渡し近くにいた女子に問う。
「碇さんならさっき保健室行っちゃったわよ」
その女子の発言にカヲルは珍しく驚きの声を上げた。
「え…!?」
「…避けられてるのね。」
レイはぼそっと、それでもカヲルには聞こえるくらいの声で言った。もしかしてかなり根に持ってます?
…が、甘かった。
「ふふ…シンジくんたら…保健室のベッドでステキなはじめてをくれるつもりなんだね?」
渚カヲルはどこまでも都合良し…もといポジティブな少女だった。
いっそ羨ましい程に本当に都合の良いように妄想する。
「…」
レイはポカーンとしていた。
「待っていて、シンジくん!今行くからね?」
カヲルは今までで一番ステキな笑顔で同世代よりも発育の良いバスト揺らし走っていく。
幸せにあらゆる花が咲き乱れている、という感じだ。
「あたしが…このあたしがあの真性変態レズ女に負けるなんてぇ〜…」
それに比べてアスカは死にたそうなくらいに悔しがっていた。泣いているのかもしれない。
それでも太陽はさんさんとお昼前の世界を照らす。この一時をただひたすらに。
そしてシンジに迫り来る貞操の危機。どうなる乙女の「はじめて」。(意味深)
というか、体育の先生はどこですか?
一応おわり
wktkが泊まらない!!
百合ってのもいいもんだな!
GJ
>>231 GJ!
変態カヲルいいなw
絵もすげーキャラクター掴んでてかわいいし素晴らしいですな
GJ!
いつの間にか良スレの予感
236 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/01(木) 17:36:58 ID:tPY10MN4
この変態っぷり。
青桃印学園にでてくる、伊集院なんとかに似てるw
>>231 SSではベリーショートなのに絵ではロングなのかよw
職人ktkr!
絵も文もGJすぎるだろww
変態はいいね…書きやすさの極みです。
笑ってくれてありがとう。
褒めてくれてありがとう。
私の頭にオメデトウ。
>>237 他、投下物のシンジのイメージで描いた為。しかも庵シンジ。
GJでつ
242 :
メガロ:2007/03/03(土) 01:41:29 ID:???
投下マダ〜?
そんなに急かさないで気長に待とうよ
焦って書いてもいいものはできない
245 :
1/2:2007/03/04(日) 01:07:39 ID:???
不覚にも萌えたので投下
芽生え編かな
私的にはシンジは貧乳なんだけどそれでもいい人だけドゾー
背中に感じる視線に、シンジは自然と猫背になった。瞳も伏せがちにただ黙々と作業を進めていく。
明日の総会の資料作成も大詰めを迎えていて、残りはほんの少しだった。
会話のない、ただ二人の息と紙ずれの音しかしない空間がなぜか息苦しくて。シンジは早く仕事を終わらせて、ここから、視線から逃げ出したいと思っていた。
「ねぇ」
響いた声に躊躇いがちにだがゆっくりと後ろを振り向いた。綺麗な赤い瞳に自分の姿が映っている。
「なに?渚さん」
作業をする手を止めて、困ったような表情でシンジは首を傾げた。
「カヲルでいいよ。ううん、それより…、」
その時カヲルが見せた笑みがあまりにも綺麗でシンジは頬を淡く染めた。気恥ずかしさから視線は自然と下に落ちてしまう。
そして気付いたときには目の前に上履きがあって、驚いて顔を上げると、思ったよりもとても近くにカヲルが寄ってきていた。息が触れそうなくらいに。
(――どうして……っ)
さして仲良くもない、ただ一緒に雑用を押しつけられただけのクラスメイトに、こんなにも鼓動が早まっているのかシンジには解らなかった。どうして、頬の朱色が深くなるのかも。
246 :
2/2:2007/03/04(日) 01:10:11 ID:???
(――きっと渚さん、…カヲルさんが綺麗だからだ)
どぎまぎしているシンジにクスリと笑みを浮かべたカヲルは、色つきのリップで潤んだ唇をまた開く。
「どうしていつも、そんなに色気のないブラをしてるの?」
たっぷり数十秒ほど惚けたあと、言われた言葉を理解したシンジは耳まで紅くした。
「いきなり何を…っ、か、関係ないじゃないか!」
「それくらいのサイズなら可愛いのがよりどりみどりじゃない」
「む、胸の大きさだって関係ないっ」
同年代の少女よりやや小さいという秘かなコンプレックスに触れられ、シンジは小さく叫ぶ。しかしお構いなしにカヲルはその細い手をとってにこりと微笑んだ。
「これが終わったらさ、買いにいこうよ。僕が見立ててあげるから」
ね?とまた微笑まれて、シンジの落ち着きをみせていた心臓は、また早鐘を打ち始める。失礼なことを言われている自覚はあるけれど、だ。
視界にカヲルの唇が入って、思わずぎゅっと目を閉じたシンジはただこくこくと頷いた。
「そう。じゃあ、早く終わらせよう」
嬉しそうに言って離れていった後ろ姿を見て、シンジはぼんやりと考える。
自分の鼓動の速さの理由を。
そしてお揃いの下着を買うのですよ
ガチ百合きた
ごめん禿げ萌え
GJ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
庵シンジも良いということがよくわかった
鼻血でそうになった
GJ!!!!
良い職人が来るようになったな…
職人たちGJすぎ
深夜の異様なテンションの下での投下だったから、粗があっても見逃してくれ
そして読んでくれてありがとう
漫画を読んだのが随分前だから庵シンジしか書けそうになかったんだ
つかガチのつもりはなかったんだけど、これくらいがガチなのか?ワカンネ(´・ω・)
カヲルは何故シンジのしているブラについて知ってるんだw
>>252 背中を見ていたのは白いブラがシャツ越しに透けて見えていたから
という脳内設定だったんだがわかりにくかった罠、スマン
でも白いブラじゃなかったら透けまくるから、色気の無いブラで正解のような気もしなくない俺
とりあえずGJ!!!!!11
255 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 15:18:07 ID:vivv4SEM
「あ゛〜〜づ〜〜い゛〜〜〜」
太陽が一番高く上る昼休み、あまりの暑さに
シャツの襟をつまんでパタパタ、スカートの端をつまんでバタバタ。
カヲルの白い腕が動く度に 服の隙間からオレンジ色の下着がのぞく。
イスの端に片足を置いて立てひざで座っているため、「のぞく」というよりは「丸見え」の方が正しいかもしれない。
本人は気づいていないが、先ほどから大多数の男子がチラチラと目線を向けている。
「おい、渚。シャツの下になんか着ろっていつも言ってるだろ」
「ブラジャー着てるじゃん」
「そうじゃなくて、キャミソールかなんか着ろってことだよ。下着見られたら困るだろ」
「困ることなんて無いじゃん。シンジ君うるさい」
「あとスカートの下には短パンか何かはけよ」
「あつい〜〜」
「シンジ、体操服の下 貸してあげたら?
キャミソールならアタシ換えのもの持ってるし。
カヲルをこのまま放置してケンスケに儲けさせるのも癪だしぃ」
そう話かけてきたアスカが視線を向けた先には、カメラ小僧が一人 床をほふく前進していた。
哀れ。ヤツはこれから袋叩きだろう。
「じゃあそうするよ。行くぞ渚」
「え〜いらないって」
ケンスケの悲鳴に背中を向けて
カヲルの手を引き女子トイレに向かう。
たくさんの個室で区切られた空間は、日が当たらないせいかひんやりとした空気が漂っていた。
「これ着て」
「え〜暑いじゃん。やだよ」
「みんな着てるの。だから着ろ」
「シンジ君が着せてくれるなら着る」
「いや自分でしろよ」
「動きたくないの」
はい脱がせて、と付け足すと両腕を横に少し開く。
呆れたようなため息をつくと、シンジはシャツのボタンに手をかけた。
プチン、とひとつ外す度に、白い肌の面積が増える。
カヲルの息が髪にかかる近さ。
同性といえど、思わず顔が赤くなる。
「くすぐったいって」
「しょうがないだろ」
(今だれか入ってきたらやばいよなぁ…)
4つほど外すと、形の良い乳房が露わになる。
あまりの気まずさに顔を上げられない。
(渚、けっこうでかい…。って何考えてんだ僕)
ボタンを全部外すを、袖から腕を抜かせて
まるで小さい子供にするような仕草でキャミソールと短パンを着せていく。
「はい完了」
「ありがと〜」
「ちょっとね、ドキドキした」
「何が?」
「シンジ君に服着させてもらうの」
「馬鹿言うな」
そして何事も無かったように教室へ向かう。
廊下に射す日光が体感温度をさらに上昇させ、カヲルは相変わらず服をバタバタやっている。
「っていうかさ、なんでこんなめんどくさいことすんの。制服だけでいいじゃん」
「恥ずかしく無いの?その……ブラジャー、透けたり、とか」
「だれも困んないし」
「困るよ」
「誰が?」
「……僕が」
END
GJ!!!!
ほぼリアルタイムで見れて幸せな俺
>>28激しく遅レスですが
腐女子じゃなくてももともとそういうキャラだと思うが
GJ!
貞シンジはそこまでの口調じゃない
恥ずかしさのあまりツンが強くなったと考えてみては
やったリアルタイム
GJ!!!
貞の二人は百合でもさっぱりしてるな〜
わ、やば、萌え(*´д`*)
ちょっとリアシンジより男っぽすぎるかなw
異世界だと思ってたのに違和感ないw
gj
ここの職人たちのおかげで俺は立派な百合スキーになった気がする
とりあえずGJ!!!!!!!!!!!
百合って女体化なの?w
正直冗談で落ちそうなときに保守とかやってたけど
まさかこんなに伸びるとは思わなかった
貧乳な庵シンジと百合っけ全開なカヲル
「シンジったらお子さまねぇ」
顔を赤くしながらアスカの不躾な視線から胸元を隠す。目の前の二つ山と自分のを比べて、シンジは少しだけ落ち込んだ。
「アンタもそう思うでしょ?」
「別に。個人差だと思うわ」
話を振られたレイはこちらに視線を遣ることなく、そして着替える手も休めずに答えた。
それでもやはり幾分か大きい胸元に、シンジは小さくため息をつく。自分の手を胸元に押し当て、手応えのなさにまたため息をついた。
「可愛いと思うよ。手のひらサイズって」
シンジの後ろから聞こえてきた声と伸びて来た手に、アスカは眉を寄せた。カヲルはぎゅっとシンジを抱き締め、綺麗な微笑みでそれに答える。
「出たわね!変態!」
「心外だな。欲望に忠実なだけだよ」
ねえ?と吐息混じりの声をシンジの耳へと吹き込み、ぐい、と自慢の胸を押しつけた。
ぞわりと背筋を這い上がった感覚と、重ねられた手と、背中に押しつけられた豊満な胸にシンジの鼓動は早まり顔も真っ赤に染まる。
そんな初々しい様子にカヲルはいっそう笑みを深くするが、反比例するようにアスカの纏う雰囲気は鋭くなった。
「このレズ!シンジも!嫌なら嫌って言いなさいよ!」
「けど…っ」
「相手にしなくていいよ。ね、シンジくん」
言いながらカヲルにやわやわと自分の手のひらごと胸を揉まれ、シンジはぴくんと身体を跳ねさせる。
「カ、カヲルさ…っ」
「何感じてんのよ!バカシンジ!」
「可愛いじゃないか。…妬いてるの?」
ぷちんと、アスカの緒が切れたと同時に二人の言い合いが始まった。
間に挟まれたシンジは、何か言おうと口を開くが、剣幕に押され敢えなく沈黙するしかない。
「授業、始まるわよ」
レイの言葉と同時に始業を伝えるチャイムが鳴った。
シンジは、着替えの終わっていない自分の姿と、おかまいなしに舌戦を繰り広げる二人を見て深くため息をついた。
どっとはらい
どっとはらい??
品乳かわいい・・・
シンジは貧乳ってイメージの人が多いみたいだな
俺もそうだけど
まあ実際ひんn・・ry
279 :
116:2007/03/05(月) 18:29:10 ID:???
シンジに怒られるぞw
116っていうのは関係無いから気にしないでくれ
以外にも面白いな
どっかで116なんだな。探してやろう。
なんかカヲル女だと絶対イケる
落語
確かおしまいって意味だったような
どっとはらいは、地元でおしまいって意味で使ってるから使ってみたんだが
田舎でごめんorz
田舎は悪いことじゃ無いじゃないかw
俺の地元も田舎だし
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
あぼーん
GJ
GJ!
296 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 22:10:02 ID:e6/PriGM
>>293 本人が嫌がってるのに、そこまでやることはないでしょうが。
男だったら、当のとっくに送られてるぞ。
(いや、女でもか?)
先日色気のないブラの話を投下した者ですが、続きっぽいものも投下はおkですか?
おk!
wktkで待ってます
299 :
1/2:2007/03/05(月) 22:31:24 ID:???
お言葉に甘えて投下
告白編 ドゾー
お風呂上がりに真新しい下着をつけた。
お揃いのそれを持つ、笑顔の綺麗な人を思い出してシンジは赤面する。
頬に手を当てた。湯上がりというだけではなく、気持ちの高ぶりでそこは火照っていた。
あの表情を思い起こすと、なぜか胸が切なくなった。
友人として、同じ時間を共有していく。二人だけの思い出も増えた。
そしてそれは、唐突だった。
「シンジくん」
カヲルに呼びかけられてシンジは書いていた日誌から顔を上げた。日の光を反射する髪は、風にそよいでいる。
放課後の教室。自分達の他にもいない空間。
「なに?」
「僕は、…僕は君が好きなんだと思う」
さらりと言われた言葉に、まるでおはようとでも言うように言われた言葉に、シンジは持っていたシャープペンシルを落とした。
「何言ってるの」
「君への告白のつもり」
300 :
2/2:2007/03/05(月) 22:33:08 ID:???
真紅の瞳に真っ直ぐ射抜かれ、シンジは顔を伏せた。唇を噛みしめる。認めたくなかった。
(――嬉しい、だなんて)
身体は正直で、頬は紅潮し鼓動は速くなっていく。
カヲルはしばらくシンジの旋毛を見ていたが、視線を窓の外へ転じた。風に緑色の葉っぱが揺れている。同じように風に遊ばれる自分の髪の毛を押さえながら、カヲルは言葉を続けた。
「君が、好き」
その言葉は温かくて。強く握りしめた拳の上に雫が落ちる。シンジは声も出さず静かに泣いた。
震える肩に気づいたカヲルは寂しげに微笑む。ゆっくりと手を伸ばしシンジの頬に手を添えた。
親指で涙の跡を拭われ顔を上げたシンジの瞳に映ったのは、息をのむほど綺麗で儚いカヲルの微笑み。
「泣かせちゃった。忘れて。…けど、友達はやめないでくれると嬉しいな」
離れていく体温を咄嗟につかむ。驚いた表情を浮かべたカヲルの瞳を見据えた。
世間の常識だとか、倫理とか。すべて踏みつぶしてしまえば、答えは明白で。
「僕も、…僕も……好き」
認めてしまえば言ってしまえば、高鳴る胸や笑ってしまうくらいに赤く染まる頬とか、すべてが当たり前のことに思えた。
カヲルは震えた手でシンジのそれを握ると、照れたように朱色に染まった頬を緩ませた。
そのままその手を引き寄せ、手の甲に唇を落とす。ちらりと、シンジを見た。
躊躇いがちに、シンジは身を乗り出しカヲルとの距離を詰めていく。カヲルもそっと顔を寄せた。二つの影が重なる。
触れた唇は柔らかで、シンジはまた一つ涙を零した。
おしまい
読んでくれて有り難う御座いました
301 :
付け足し:2007/03/05(月) 22:34:21 ID:???
改行多くて規制かかっちゃったんで、読みづらいかもスマン
G J !
リアルタイムで見れて天にも昇る思いだ
寝る前に良いもの見させていただきました
君は本当に綺麗な文を書く
通りがかりにGJしていく
上手いな
文体含めてこれぞ百合
304 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 22:47:40 ID:e6/PriGM
けちばかりつけて悪いけど・・・
これで「好き」はないでしょ。
セクハラばかりしてんのに。
漫画と一緒で、内面惹かれてたんでない?
306 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 22:57:51 ID:e6/PriGM
>>305 内面を知ってるとは考えにくい。
あんまりはっきりと表には出してないけど、
シンジはカヲルのことが嫌いだと思う。
顔で惚れた可能性も無くはないな
行動は別として
下げすら出来ない奴に言われても
最初に投下された奴にもシンジがカヲルを気にかける描写はあったよ
マフラーをかける奴か・・・
あれはどう見ても別の話としか思えない。
セクハラ カヲルとは性格が明らかに違いすぎる。
ツンデレ版でもう少し描写があったら、
言うことないんだけど・・・。
文句ばかりでごめん。
このスレではカヲルはセクハラ魔で決まりなのかw
美少女ならなんでも許されるからいいんだよ
素晴らしい法則だな
それはそうと最近職人が投下するようになってきてるね
>>310 把握した
今度からツンデレ意識してみる
どこからがツンデレか解らないが、
すみません、どこからっていうかどんなのがツンデレに入りますか?マジで
貞ならシンジにツンデレ分は必須だけど、庵だといらなくね?
もう出会った瞬間からシンジもカヲルもデレデレ
デレデレだツンデレだなんだっつーそういうテンプレが見たいわけじゃないわけでありましてですね
>>315 庵のつもりなんだが気にしなくても平気かな
試しにツンデレ書いてみたけど難しい
書ける人尊敬するわ
>>316 テンプレがどんなだか解らないが、百合要素とキャラ崩壊なければおKってこと?
>>316 違う違う。ツンデレだろうとそうでなかろうとこっちは関係ない。
カヲルがシンジのことを好きで、
いつのまにか距離が縮まって・・・
という話が読みたいだけであって、
自分でも何を言いたいのか良く分からないけど、
とにかく、別スレのレイとアスカみたいであれば文句はありません。
>>318 見てきた。すごい百合だった。尊敬した
把握したので色々考えてみる
参考になったありがdノシ
>>164gj!!!!!!あーやばい。続き読みたかった(´・ω・`)変態美少女ktまつね
「渚、アレ持ってない?」
「アレって何?」
「アレだよ、アーレ」(下腹部を撫でながら)
「だから何?」
「ナプキンだよ、なっちゃったんだ」
「僕は持ってないなぁ…
ねぇ皆!ナプキン持ってない!?
シンジくんがなっちゃったんだってー!!」
「馬鹿っ!!」
G J !
ありそうww
デリカシーなさすぎwww
レイに生理無いんだから女カヲルにも無いんだろうなぁ
女子校設定ならシンジセーフだな
シンジがものすごい可哀想だなwww
いいねえ
なんか少女漫画で似たようなネタ読んだことある
>>328 少女漫画でっていうかクラスで見たことあるw
これはいい百合ですね
良スレの予感
職人GJ
保守
職人が来てくれますように!
乳のデカさは
カヲル≧アスカ>>レイ>シンジ
だと思うんだ
アスカはBカップだし、レイは母性を強調させるために少しふくらみを大きくしてるから、レイの方がデカイと思う。
アニメではアスカの方が大きいけど、貞絵では綾波の方が大きい
要は何でもいいんだよ
おっぱいなんてロマンなんだから
あんまり巨乳でも垂れる心配があるからカヲルは大きくてもBかBとCの中間くらいにしてほしい
大丈夫、永遠の15歳だ
ああ、安心したよ。ありがとう
大丈夫だよ、しとなんだし
カヲルは間違い無く腐女子
宝塚の男役的な感じだな
痛いロマニーでフェミニストだが美人みたいな
アルビノで外に出れないって設定も生かしたいな
…レイはアニメで水着になってるが
ATフィールドで器用に紫外線だけ弾いてる
なんかまともで綺麗な百合の流れを壊すような気がしてならないけど投下。
水泳編の続き。
綺麗な文など私には書けません。
ファーストキスは………変態でした。
水泳の授業の途中でシンジは抜け出した。
それは三人の美少女達が水泳対決をして彼女らの誰が勝ってもシンジ自身に損害がでるからだった。
しかも下手するとファーストキスを奪われかねない、というかその奪ってくれそうな人物がスタートから優勢だったから逃げてきたというわけだ。
クラスの適当な女子には保健室に行くと言っておいたがシンジの姿はそこにはなかった。
――碇シンジという少女保健室ではなく、一人屋上にいた。
丁度、日陰になる物陰に体操座りで座り込んで家計に追われる主婦さながらの深いため息をついていた。
服はもうプールに戻る気は一切ないようで水着から制服に着替えられている。
時折、緩やかな風が吹いて短い前髪を揺らしていた。少女はただ青い快晴の空を見上げぼんやりしている。
ぼんやりしながらシンジはお腹空いたなぁ…の他、ため息を増やしてくれている人物、今は自分の貞操を狙っている危険人物を思い浮かべた。
(なんであの子…)
転校生。
肩までは届かないが長めの銀の髪、赤い瞳、いつも微笑んでいる綺麗な顔。しかし微笑みの理由は不明。
ちょっと、かなり常識はずれの人格。勉強と運動も人並み以上にできるらしい。
でもやっぱりどこかおかしい。絶対おかしい。親の顔が見てみたい。そしてその教育方針に文句をつけたい。
何故そんな人物が自分に近づいてくるのかシンジは良い意味でも悪い意味でも不思議だった。
悪く言えば意味不明だった。
何もかもがよくわからない白い少女、渚カヲル。
(一体、何考えてんだろ…)
そしてまた、シンジはため息をつく。
不意に誰かが屋上に上がってきた気配がした。
今は授業中だからサボリの人間だろうか、シンジはちょっと気になり影からその人物を覗いた。
(ゲ…!)
ほんの少しその人物を視界に入れた瞬間シンジは高速で物陰に隠れた。
(な、なんで…)
やはりというか、セオリー通りベタにそこにいた人物は渚カヲル。
そのいでたちはスクール水着のまま上靴だけを履いた格好だった。
間違いなく奴はシンジを探しているようでキョロキョロと辺りを見渡していた。
シンジはといえばいつ見つかるかと不安と緊張に心臓がまさに早鐘の状態にある。
胸に手を当て息を殺していた。
「………」
しかし、見つかりませんようにと祈るシンジを嘲笑うかのようにカヲルはシンジがいる物陰の方をじっと見ていた。
何故ならこの屋上には隠れる場所はそこしかないから。
そしてシンジの方へと近づいてくる静かな足音。
「…シンジくん、いるんでしょう…かくれんぼはもうお終いだよ」
一瞬、シンジは優しい声に硬直した。
「…」
それから観念して大人しくシンジは物陰から出てきた。
何か逆らえないものがあったらしい。
物陰から出てきたシンジの顔はめちゃくちゃぶすったれていた。
カヲルと目も合わせようとしない。
「何…」
更に不機嫌丸出しに、突き放すように言った。
「約束を果たしてもらいに来たのさw」
普通、ここまであからさまにされたら人間少しは控えめになるものだがカヲルにはそれが一切ない。
相変わらずステキな笑顔で言葉はハート付きだった。
シンジはぎくりと、ヤバイ、というのをまたあからさま顔に出して一歩後ろに下がる。
それだけの動きでシンジは屋上の鉄柵に触れた。
後ろには鉄柵、前には脅威の変態系、とびっきり美少女。
シンジに残された道は貞操を守り鉄柵を乗り越え飛び降りるか、前方の少女に貞操を捧げ生き残るか。
DIE or LIVE。
さぁ、どうする。碇シンジ、14歳、6月6日生まれの双子座。生まれながらにわりと不幸体質のボーイッシュな少女よ。
「や…約束?なんのこと?」
わざとらしい苦笑いを浮かべ、シンジは特殊コマンドでとぼけた。
「…シンジくん…」
その瞬間、カヲルから笑顔が消えた。機械人形さながらの無機質さがとても怖い。
「いや…ソノ‥冗談だよ!ちゃんと覚えてるよ、でも僕は承諾した覚えが…」
シンジは恐怖に駆られ必死に誤魔化す。
するとカヲルは一気に笑顔に戻った。
「なんだ、冗談だったんだね!安心したよ」
「ないん…です、ケド」
「そうだよね、シンジくんみたいなまっすぐな子が嘘をつくハズがないよね。そりゃそうさ、このボクが見込んだ子だもの(以下省略)」
押さえつけるようでいて緩やかな口調のカヲルのマシンガントークにシンジの声は小さくて掻き消された。
(別に…僕はまっすぐじゃないよ…)
シンジはげんなりとした。
「というか渚さん、なんでここがわかったの?」
(何よりも服くらい着替えて来れば良いのに、そんなに自分の体型に自信がありますか)
作戦変更。
シンジは誤魔化すことはやめにして知らないうちにカヲルの記憶から賞品のことを忘れさせることにした。
その第一歩として厭味半分、呆れながら問う。
「運命の糸を手繰ってきた、…と言いたいところだけど現代のあらゆる犠牲を残しつつも成果を上げてきた科学の素晴らしき結晶たるものの加護のおかげだよ」
「あの…せめて日本語話してくんないかな」
シャアシャアと大体の人が理解不能であろうことを話すカヲル。
小学生の頃に習ったはずの「何を」「どうして」「こうした」などの基本がそこにはない。
やっぱり絶対この人おかしいよ、と再認識しながらシンジは詳しい説明を求めた。
もはやあきれ果ててどんな顔すれば良いのかがわからない。
笑うべき箇所ではないのは確かだ。
「つまりシンジくんの制服には小型発信機が…、あ。」
「………は…」
カヲルは口元を押さえた。口を滑らせた本人が驚いている。
「ハアァ!!?」
当然、シンジはもっと驚いた。
「何だソレ!!どこ!?どこにそんなもんつけたんだよ!!」
右腕を上げて横腹の辺りを見たり、左から背中を見ようとするようにシンジはくるくると発信機を探した。
だが、それらしいものは見つからない。
その様子を見ながらカヲルは肩をすくめた。
「…だから一度教室に戻って鞄に入れているレーダーを見てここをわりだしたの」
誤魔化すことすらも諦めたような穏やかな笑顔だった。
それにシンジがひどく不愉快そうに拳を握って声をあげた。
「な…、ふざけないでよ!クラスメイトに…同じ女にこんなことするなんて信じられないよ!!」
流石にシンジもマジ切れ状態だった。常識を持っているなら誰でもそうなるだろう。
気分が良いはずがない。
これで気分が良くなる人間がいたなら、その人はよっぽどのさびしんぼで他人に飢えていると言える。
「だって…住所聞いても教えてくれなかったでしょう?…それにシンジくんって猫のように知らない内にどこかに行ってしまいそうだから…」
カヲルいかにも哀しそうには言った。何気に飛んでいることも言った。
それが納得のいく理由になるわけではなく、なおのことシンジを興奮させていた。
「ば…っ!?そんな親しくもない人に住所をそう簡単に教えられないよ!それに猫みたいって人を何だと思ってんだっ」
前者は父ゲンドウの刷り込み、例えそれが娘の人付き合いに影響を及ぼすことになるとしても大事な一人娘を想ってのこと。
しかしどんなに想っても言い方や態度のおかげで娘から一向に信頼を得られない可哀想な50代前の親父だった。
それはさておき、カヲルは後者のシンジの質問に真面目に答えた。
別にシンジは答えてもらわなくったって良かったのだが。
「ボクの運命の人…」
その目に迷いはない。
「…っそれがストーカーしても良い理由になるのかよ!」
シンジは怒りに任せてカヲルを怒鳴りつける。
どうでも良くないことに今は一応授業中である。
「ストーカーじゃないよ、君が好きなだけ。それに親しき仲にも礼儀あり。
せっかく家がわかったのだからシンジくんの家に押しかけたかったけれどガマンしているし盗聴器や盗撮カメラは使っていないよ」
カヲルは自分は悪いことなどしていない、とでも言うように堂々と言ってのけた。
――ストーカーと呼ばないで、あなた〜が好きなだけ〜♪――
(注・十分ストーカーです。)
「…何で、何でそんなに僕にこだわるんだよ!僕は人間だ!」
(注・カヲルも人間設定)
シンジは叫ぶ、そして怒りと電波で混乱を始めていた。
それもそうだろう、これまでシンジはこんなに感情を爆発させたことはなかった。
息が苦しい、心臓がバクバクする、頭が痛い、手足や唇が痺れるような感じ、体が震える、汗が噴きだす、
「もうわけわかんないよ!何がしたいんだ君は…っいつもい、つも、わけわかんな…」
どんどん大きくなってくる脱力感、意識まで混濁してき始めた。
徐々に小さく、聞き取りにくくなっていくシンジの声。
それと反対に大きく、荒くなっていく呼吸する音。それにヒュウという音も混じっている。
「シンジくん…っ!」
シンジは胸を押さえながらガクンと膝を折り、そのまま白く、いくらか小汚い石畳に倒れこんでしまった。
水着の少女は駆け寄って倒れこんだその華奢な体を仰向けに起こし支える。
「ん…っ、ハァ、ハァハァ」
苦しみに眉根を寄せ、頬を顔を赤くさせて息を荒げているシンジを見てカヲルは
「…何か色っぽいね」
そんな場合ではないだろう感想をポツリとこぼす。
「そんな場合じゃないようだね」
が、即我に返った。
(症状から見て、おそらく過呼吸…シンジくんどうしてそんなにストレスを…?)
カヲルは冷静に診断するが重要な点がわかっていない。
今まで溜まっていたストレスに加え、この短期間に不安や緊張、興奮、恐怖を断続的に貰えば過呼吸になってもおかしくはない。
それを与えた本人に自覚がないことがシンジのこの先を暗示しているかのようだった。
「繊細な子猫ちゃんなんだ…」
ストレスの原因は心の底から心配そうな顔をして呟いた。
シンジは苦しさと自分はこのまま死ぬんじゃないだろうかという恐怖と不安に、縋るものを求め自ら手を伸ばしてカヲルに縋りつく。
もう電波発言など聞いている余裕はない。
「う…ぅ、あ、ハァハァ…」
「…」
苦しむシンジを見てカヲルの顔が一層哀しそうになる。
「今楽にしてあげるからね…」
最後に、そうとだけ囁くとシンジの手を自分から放させ優しく石畳に横たわらせた。
そしてカヲルは例の如く、すらりと細く白く長い、けれど女性的な柔らかさを持った指でシンジの小作りな鼻を摘む。
そのままシンジの唇と自分の唇を合わせた。
形の良いふたつのピンク色の唇が重なる。
傍から見れば授業中にも関わらず屋上で制服の少女とスクール水着の少女が口づけを交わしている。
それぞれ黒と白の印象で綺麗な顔した二人の少女のそれは耽美的ですらあるほど。
「ん…、ぅ………ふ…」
真意は単純に人工呼吸なのだけれど。
しばらく触れ合っていた温かい唇が離れた。
シンジは未だあがった呼吸のまま、焦点の合っていない瞳でカヲルを見つめた。
「は……、あ?」
カヲルは汗で少し額に張り付いてしまったシンジの黒い前髪を左右にわけて優しく話しかけた。
「…少しは、楽になった?」
「……ぇ」
何のことだかまだ頭がぼやけているシンジには理解ができなかった。
くすりと笑ってカヲルはシンジの先ほどまで触れていた唇をそっとなぞる。
「本当のペーパーバッグ法は紙袋を使用するらしいけれど今は緊急だったからボク自身を紙袋の代用してみたんだ。どうやら功を成したようだね」
「な…」
カヲルの言葉を聞いている途中に先程のことを思い出した。
そのまま、青ざめるように一気に脳がクリアになったシンジは愛おしそうに自分の髪をすくカヲルの手を払いどけた。
上半身だけを起こし、シンジは両手、両足を使って座ったような姿勢のまま鉄柵にそって後ずさった。
「なにすんだよ!」
第一声。
シンジは腕で唇を擦る。
「…? 人工呼吸だよ?」
カヲルは不思議そうに答えた。白いパンツが丸見えだよ、シンジくん、と思いながら。
でもそちらはあえて言わない。なんとなく。
「でも、女同士なのに…キスなんておかしいよ!」
「死んでも良かったの?」
(注・過呼吸では死にません)
「それは…」
その辺りの知識のないシンジは黙り込んでしまった。
「良くない、でしょう?」
カヲルは優しく諭すように言う。
「……そりゃ…」
対してシンジは少しうつむいて拗ねたようにしている。
そんな拗ねたようなシンジにカヲルは四つん這いでそろそろと近づいてきた。
「ボクは良くないよ」
「え?」
シンジは驚いたように顔をあげた。
目の前にはカヲルの顔。
「ボクはシンジくんに死んで欲しくないよ」
冗談なのか本気なのかわからないほど優しい微笑を浮かべてカヲルは囁いた。
当人はいたって本気。
「な、なにいってんだヨ…」
シンジは今まで一度も言われたことのない、慣れない言葉に顔が赤くなるのを感じ両手で顔を隠して照れた。
その様子を見てカヲルはまたご満悦そうだった。
「ふふ…じゃあ…」
カヲルは膝立ちに態勢を変えてシンジの顔を隠す手を退けさせ自分の顔を更にシンジの顔に近づける。
「ちょ…っ」
目を丸くした、まだ頬の赤いシンジは両手でカヲルの口元を覆うように隠しカヲルの近づいてくる動きを止めた。
カヲルは話をするために少し後ろにずれて口をシンジの手から離し不満そうに問いかけてきた。
「………何するの…?」
その問いかけにシンジは困ったような迷惑そうな表情を浮かべた。
「もう苦しくない…よ」
なんとなく気まずさがあり、シンジの声は少しだけ掠れた感じで出てしまった。
「そう、それは良かった」
さらりと相槌をうち、カヲルはまたシンジに寄ってくる。
今度は少し開いているシンジの足の間に左の足をいれてスカートを踏み、束縛してシンジの温かい頬を両手で挟んだ。
そしてやっぱり顔を近づける。
「だから!…なんでまた…しようとするの?」
シンジは両手でまたカヲルのしようとしていることを阻止する。
今度は口を塞いだのではなく寸止め。
だからカヲルはその態勢のまま答えた。
「ボクへの甘美なご褒美」
「…っさっき!!」
やっぱりか!とシンジは思った。予感はしていた。ただ認めたくはなかった。当たって欲しくなかった。
「あれは人工呼吸、キスにはカウントされないよ。気持ちが篭っていないからね…。さぁ…目を閉じて…」
「そんな………、しっ、知らないよ!口つけたんだからあれで終わり!!」
ある意味、真っ当なことを言っているカヲルをシンジは断固拒否した。
寸止めだった両手をカヲルの顔に押しつけて離れろ、グイグイと言わんばかりに押す。
シンジの両手に顔を押されていくらか背を反らせるようなことになりながらカヲルは呟いた。
話し難そうだった。
「…本気なの、シンジくん」
同時にシンジの手に生暖かいくらいの温度の濡れた感触がした。
ここで切るのか、切っちまうのか( ̄□ ̄;)!!?
何という放置プレイ
違う!
連続投下を止められたんです…。
「本気って、ウワ!何泣いてるんだよ!?」
いきなりの水の感触に驚いてシンジは手を引っ込めた。
押す力なくなったのでカヲルは普通の姿勢に戻ってきた。
カヲルの顔がシンジの視界に入るとその赤い瞳からはハラハラと涙が落ちていた。
しかしカヲルはそれを手で拭いはしない。
「ボクはあの泳ぎに全身全霊を込め、愛しい君のために魂を燃やしてがんばったんだけど…。そう…ダメなんだ…」
むしろ見せつけるように泣いている。
彼女はもしかして練習してたりします?と聞きたくなるほど綺麗に泣く。
「あ、あのさ、そんなことくらいで泣かれても…」
目の前で、結構な密着率で泣かれシンジはおろおろと戸惑う。
もう今すぐにでも逃げ出したい気持ちだったがスカートを踏まれていては逃げ出すことも叶わない。
仮に踏まれていなかったとしても泣いている人を残してどこかに行けるほど非道ではないけれど。
「あぁ…裏切られてしまった気分だ…神は何故こんな悲劇でボクを切り裂くのか…」
いかにも被害者のように語るカヲル。
何か自分の肩を抱く仕草にわざとらしさがある。素なのかもしれないが。
「あのね…」
むしろ被害者は自分だと正直なところ主張したいシンジはいい加減うんざりと呆れる。
それに気付くこともなくカヲルは延々語る。
「あぁ…なんということ…」
まるで陶酔しているかのようにも見える。
「………」
シンジは目を閉じて考え込む。
「…もう…仕方ないな」
何かが決まったらしくシンジは目を開けた。
その顔はちょっとムスッとしていて恥ずかしそうな顔だった。
シンジは両腕をのばして泣いて陶酔しているカヲルの頭を捕らえて自分の方へと寄せた。
自然とカヲルは前かがみになる。
それからカヲルの右頬に何か柔らかいものが当たる感触。
「!」
不意打ちに目を丸くしたカヲル。
「本当はこんなの間違ってるんだからなっ」
キッと睨んでシンジは強がるように言った。
よっぽど恥ずかしかったのか、頬が真っ赤に染まっている。
「………唇にはしてくれないんだね」
カヲルはそこだけ惜しそうに呟いた。
「これで十分だよ」
その呟きにきっぱりとシンジは言った。
これ以上の要求は不可能そうだった。
カヲルは立ち上がりシンジのスカートを踏んでいた足を退け自由に動けるようにしてあげた。
シンジもスッと立ち上がりスカートを適当にはらう。
「…じゃあ、僕先に行くから」
それから屋上のドアへと歩いて行く。
「ボクも行くよ」
カヲルはそのあとを追おうとした。
が、
「ダメ」
即、拒否された。
シンジは振り向きもしない。
「…何故?」
カヲルは一瞬きょとんとしてすぐさまシンジに理由を聞いた。
それでもシンジは振り返らない。
「…恥ずかしいから。友達は普通こんなことしないもんだし、冗談も大概にしてよ」
後ろから見ても短い髪の毛のおかげで露になっている耳が真っ赤だった。
「………」
カヲルは上手く言葉が出てこなかった。
話すことや自分の要望を貫くことは、けして苦手ではないのに。
「あっ!」
突如、シンジが思い出したように声をあげる。
そしてついにカヲルの方を振り返った。
「?」
やっぱりシンジの顔は赤いままだった。
「発信機!外して!」
シンジは危うく忘れそうだったことを思い出したのでその取り外しを要求する。
カヲルは言われた通りに発信機をはずす。
ちなみに発信機の在り処は襟の裏側。
朝などシンジとスキンシップを図る際に隙を見て取り付けたらしい。
「今度こんなことしたら許さないからナ」
プライベート侵害物から解放されたシンジはジト目でカヲルに念を押した。
「心に誓って」
カヲルは宥めるような仕草を取りながら悪いとは思っていない表情で言う。
「…まったく」
シンジは照れを隠すようにぶつくさ言いながら屋上をあとにした。
制服の少女が屋上から校内に戻るとそこに残されたのはスクール水着の少女だけだった。
いつもある笑顔はそこにはない。
「友達…ね」
カヲルはポツリと呟いた。
手のひらに握っていた小さな盗聴器を石畳に落とす。
それから、それをうわ靴を履いた白い足で踏みつけ粉砕した。
ただの友達なら自分もここまではしない。
冗談ではこんなことはしない。
何にしろ、シンジがここまで鈍感だとは。
カヲルは夢の国でも垣間見ているかのような顔をした。
「ボクたちの運命は赤く美しい薔薇のトゲの如く甘い痛みとなりて我が心を侵しているよ…」
…そしてカヲルもここまでめげない人間だとは。
カヲルはひとつため息をもらすと校内に戻っていく。
もう授業の残り時間もプールに戻る気なくなったので更衣室にまっしぐら。
その心にシンジにちょっかいを出すのはやめようという意思は存在していない。
だから明日も、むしろこの先数十分後だってセクハラがシンジに降りかかるのは決定していた。
その頃、シンジは自分のされたこと、したことを後々になって後悔し、誰もいない廊下で一人頭を抱えていた。
何だかんだ言っても人並みにファーストキスに夢があった。
人生、夢は所詮夢か…と思い知らされた平日。
(でも…)
シンジはあることを考えそうになって頭を左右に振り、それを払拭した。
何であれ、………ファーストキスは渚カヲル、かなり変わっている同性でした。
シンジもカヲルもきっとこの日の出来事を忘れない。
終わり
乙ワロスwww
あんたの文章好きだww
GJ!
朝からいいもんみた
おつ
乙!途中で切られた時はビックリしちまったジャマイカ
366 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 09:50:21 ID:aZsh6K6K
また投下ヨロ
GJ!
面白かったよ
368 :
CC名無したん:2007/03/13(火) 15:26:08 ID:6V44zTBq
もう一チョ
GJジャマイカ!
370 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 22:35:49 ID:aZsh6K6K
モツカレー
>>362 救われたような気持ちです。
>>365 本人が一番驚いた、ちょっとパニくりかけた。
…で体験版ゲームをしていたというのが真相です。
このスレとネタが残っているうちはまた気長によろしくお願いします。
そんで他職人に期待。
また頼むわ!
本気で文章神だな。
ここまで上手いの初めて見た。
文才ありすぎあんた。
職人降臨期待町
めちゃくちゃ上手いよね文。神ですか?作家ですか?
あんまりにもこの職人が神すぎて投下する勇気が…orz
この職人より上手い小説なんてどこにもないでしょう
エヴァ同人界ってそんなレベル低いのかよ
このスレはあがるべき
まずネタが思い付かない
そりゃ書いてみたいっちゃ書いてみたいけどなぁ
神はすげーな
まぁ、テーマも変わってるからねぇ
ほっとけない!!!
久々に覗いたら何かすげーのが投下されてる
遅くなったがGJと言っておく
いつの間にこんなにマッタリな雰囲気になったんだここ!?
>>383だけど。
百合でやる意味あんま無い話かも知れんが、投下してみる。
「彼女」が「彼女」の心に印象深く残っているのは、出会いに由来する。
いわゆる「転校生」である彼女は、ドキドキと高鳴りつつ不安も携えている、
ふくらみかけの小振りなを押さえつつ、これから毎日を過ごす教室の中へと足を踏み入れた。
多少、噛んだりしつつも、滞りなく自己紹介が済み、教師が彼女の机を指示する。
窓際から二番目の、一番後ろ。学生がこぞって争奪したがる席のナンバーツーの地位を得ているその席は、
彼女を待ちかまえるようにひっそりと存在した。
はい、と歯切れ良い言葉を教師に返し、彼女は自分の席へと歩を進める。
隣は誰だろう、彼女はそんなことを少し考えながら、控えめに椅子を引き、横を見た――先。
第一印象は、すごい人、だった。
そこに含まれる意味は多分にあり、またほとんどが容姿に関するものだった。
まず、髪の毛。細く透明な銀糸。染めているとは思えないほどの艶やかさがある。そして、長めの前髪に隠れた瞳の色は――赤い。
彼女はその、深くそれでいて輝くようなそれを表す色を知らなかった。ただ、赤くて鋭い。それだけを思う。
肌の色も透き通るほどに白く、頬杖をついた手首のなんと細いことか。
この世のものでは無いような気すらしてくる、その風貌に、彼女は呼吸すら忘れて魅入っていた。
やがて、彼女の目の前で、少女の端正な唇が開き――言う。
「君には、神様がついている」
☆
碇シンジが転校して、二週間となる。
彼女の隣の席、窓際の一番後ろ――教室中で最もいい席に座る渚カヲルは、頬杖をついた。
カヲルは、机に座っているときは大抵頬杖をついている。癖なのだ。
右横を見やる。今日中に出す課題に四苦八苦しているシンジの姿が見える。
カヲルは転校初日以来、シンジとほとんど話すことが無かった。
面倒はクラス委員長の洞木ヒカリが見ていたし、シンジを挟んでカヲルと反対側の席に座る
惣流・アスカ・ラングレーはそうとうなお節介焼きだ。
シンジはその、ヒカリとアスカという二人の友人と話すことが多いために、会話をする機会がない。
また、シンジが自分からカヲルに話しかけるということが皆無なのである。
原因はわかる。
シンジの転校初日。カヲルは自分が口走ってしまった言葉を反省していた。
脈絡もなく、「君には神様がついている!」なんて断言してしまっては、まるで新興宗教の勧誘。
もしくは――頭のネジが一、二本外れている人ではないか。きっと、思い切り引かれてしまった。
カヲルはシンジから目を離し、窓の外を眺めた。
(そんなつもりじゃ、なかったのだけどな……)
カヲルは再度ため息をつき、遠い目をしてグラウンドを睨んだ。
「ねぇシンジ、部活、何処へ入るか決めた?」
アスカの声が耳に入る。聞きたくなくても聞こえてしまうのだから仕方がない。
「うう、ん……まだ決めかねてるんだ。音楽部があれば入ったんだけど」
「碇さん、何か楽器をやっているの?」
悩んでいるシンジの声に、間髪入れずヒカリが問う。
少し間があいて、シンジは小さく声をだした。
「……チェロを」
「えぇっ」
ヒカリが驚きの声をあげる。が、すぐさまその声は「すごい!」という歓声に代わり、
「聞いてみたい」というアスカの声も加わった。
「……そんな、上手くないよ」
それは嘘だな、とカヲルは心の中で呟いた。謙遜をする人間は得てして上手い。
まあ、本当に下手くそで聞くに堪えない人間もいるが……。
(それに――)
「でも、身近にチェロを弾ける人なんていないし……ね、聞かせてよ」
「チェロなんて、持ってこられない、よ」
「……それもそうよね。残念」
本当に残念そうなアスカの声に、シンジは申し訳なさそうに謝った。
音楽部があれば。
この学校は、音楽関連の部活といえば吹奏楽しかない。
ピアノやティンパニ、ドラムならば吹奏楽でも演奏できたのだが、チェロとなるとどうしようもないだろう。
ただし、抜け道ならある。
それを彼女に教えてやるかどうかだ。
迷うまでもなく、教えてやりたいのは山々なのだが、カヲルは少し怖かった。
もし話しかけて、逃げられでもしたら?
どうでもいい相手にどうでもいい態度を取られても何も感じはしないが、好意を持っている相手だとけっこう凹む。
「機会があれば……」
シンジは言い、ヒカリとアスカの頷く気配がした。
☆
放課後の校舎はどこかもの悲しい。人気が無くなり、昼間あれだけそこかしこで聞こえた生徒の声が無くなると、
とたんに寂しい表情を見せる。それが情緒的だと評価する人もいるが、成長途中の少年少女たちにとっては
怖い場所、だったりもするだろう。
カヲルはどちらかと言うと前者だ。暗くなった音楽室に馴染みがあるせいかもしれない。
吹奏楽部も活動を終え、誰もいなくなったそこに、彼女は立っていた。
手には硬質の、銀色に光る――鍵。カヲルは壁際に向かって歩き、パチリと電気をつける。
ぱっと明るくなった教室の中で、闇のように黒いグランドピアノが目に留まった。
壱中の音楽室はそう広くない。このようなピアノは嫌が応にも目立つ。
音楽の時間には、生徒の格好の遊びの的だった。
窓に目を向ける。紺色の、まだ完全に沈みこまない暗さだ。景色は裏手の木々の茂み。
昼間は割と眺めが良い。
カヲルは鍵を握りしめ、ピアノの向こう側にあるドアの前に立った。音楽準備室。扉にはそう書いてある。
教師だけが開けられ、中に入る権限を持つその部屋は、普段は生徒が入ることを許されていない。
カヲルは優等生だ。容姿とは違い目立ったことをしないし、成績も悪くない。
そういった積み重ねから教師の信頼を得ることが出来たために、
遅くまで学校に残りしかも、開かずの扉も開けることが出来るのである。
カヲルはゆっくりと、鍵穴に鍵をさした。
カチャリという金属音が静かな教室に響き渡る。心地よさすら感じて、カヲルは息を吐いて、ドアノブに手を掛けた。
この部屋に生徒が入れない理由のうちの一つ。
安置されている楽器が高級なため。
迂闊に生徒に触らせて、壊されてはたまったものではないのだ。
そのほとんどが弦楽器であり、シンジの専攻であるチェロも置いてある。
ケースにしまわれたそれらのうち、目当てのものを見つけたカヲルは、少し微笑みながら、やや小さめのケースを手に取った。
音楽準備室を出て、端に置かれたパイプ椅子を一つ取り出し、座る。
カヲルの軽い体重でも、椅子はキシ、と音を立てた。
ケースを滑らかな手つきで取り出す。手入れ用の布で軽く表面を吹いてから、カヲルはその楽器――ヴァイオリン、を構えた。
――調律。
(うん、いい調子……)
壱中には余分にお金があるわけでもない。だから置いてある楽器も、そうは多くない。
先々代だかの校長の意向で置かれたこれらの楽器、日常的に手入れをしているのは、音楽の教諭だ。
彼はピアノと、カヲルと同じくヴァイオリンを嗜んでいる。本当に音楽が好きらしく、
手入れは趣味でやっていると以前言っていた。
カヲルは彼とは懇意にしている。放課後ヴァイオリンを弾く少女と、音楽教諭。
親しくなるのは当然の成り行きと言えよう。
カヲルは目を閉じ、深呼吸をひとつ、する。そして弓を弦にあてがった。
――キィ……
鳴り出す旋律に、陶然と身を委ね。音の階段を行ったり来たり。この瞬間が何よりも好きだ。
心地良い。
(だって、この子はボクの指を裏切らないもの)
ゆっくりと静かに始まった曲は、だんだんと盛り上がりを見せながら進んでいく。
指の運びに迷いや忘れはない。しっかりとした、けれど柔らかな音が夜の校舎に響く。
もっと――響け。
まるでそう、叫ぶかのように、いっそう大きくヴァイオリンは歌った。
ガタン!
「ッ!」
肩に乗せられたヴァイオリンは、強張ったカヲルの指により、悲鳴のような音を立てて歌うのをやめた。
思わぬ邪魔が入ってしまい、カヲルは一旦ヴァイオリンと弓をケースに置く。
「廊下から……?」
立ち上がるときも、椅子は甲高い音を立て、カヲルのいらだちを助長させた。
「だれ?」
早くもなく遅くもなく。怒りをこらえたスピードで、カヲルは教室の扉を開く。
引き戸のそれは、徐々に音の主を露わにしていく。
「!」
カヲルは再度驚いた。廊下に立っていたのは、隣の席の転校生。
シンジだったのだ。
「……ご、ごめん。邪魔するつもりは……」
「何で君が、こんな夜遅くに?」
「……えっ」
カヲルの問いに、シンジは意外そうに目を丸くした。
「そ、そうだよね……えっと、書類を…持ってきたんだ。ほら、先生が言ってたでしょ、今日中だって……ボク、忘れてたから」
「ああ、そうなんだ。でも、職員室は一階だよ。上がってくる必要なんて……」
「来たついでに、理科室にこれ運んでくれって頼まれて。理科室は、四階でしょ?」
シンジははにかみ、段ボール箱を指さした。
なるほど大きな音の原因になりそうな、重そうな段ボール箱だった。
「……か弱い女の子に頼むものではないね」
「ううん、ボク、結構力持ちなんだよ。ただ……」
「? なに?」
恥ずかしげに言いよどむシンジ。カヲルは不思議に思い、先を促す。
「……聞き惚れてたんだ。そしたら、いつの間にか力が抜けちゃって……落ちた」
ごめんなさい、と控えめに、シンジは謝った。ぺこりと頭を下げ、段ボールを再度持ち上げようとする。
「……手伝うよ」
「えっ、良いよ! 渚さん、腕が折れちゃうかもよ?」
「何だい、それは……。二人で持つ方がすぐにすむよ。それに理科室は、けっこう怖い噂があるし……一人でも平気なら、別にいいけどね」
「怖い噂……?」
シンジは眉間に皺を作り、困ったように下を向いた。
どうやらそのテの話は苦手であるらしい。悩むそぶりを見せつつ、手はしっかりと
カヲルの制服の裾を握っていた。まるで、すがりつくように。
カヲルは苦笑する。
「……ごめん。じゃあ、頼むよ」
「喜んで」
せーので持ち上げた段ボールは、一人で持つ分には重いだろうが、二人で持つとそうでもなかった。
夜の廊下に、二人分の足音がぺたぺたと響く。初め数秒は無言だったが、不意にカヲルは口を開いた。
「碇さんは、ボクが嫌い、ではないの?」
「えっ、何で?」
「話しかけてくれないから」
「あっ……。ああ、それはね……」
ぼそぼそと、言いにくそうに呟かれる言葉も、静寂に支配された空間では聞き取るのが容易だ。
「話しかけ、づらかったんだ……カヲル君、きれいな人だし。何となく、近寄りがたくて」
そう言ったあと、シンジは照れ隠しのようにあははと笑う。
カヲルもつられて笑うふりをしつつ、内心では安心していた。
(よかった……避けられていたわけではないんだ)
「あ、でも。渚さんが言った意味が、未だにわからなくて……」
「……え?」
「『君には神様がついてる』っていうの……どういう意味なの?」
ひくり、とカヲルの口が歪む。
話口調からして、てっきりもう忘れていたと思ったのに、彼女は覚えていたらしい。
「う、ん……内緒」
「えーっ、何、それ!」
シンジは教えてよう、とカヲルに何度も言うが、カヲルはことごとく誤魔化した
(……まだ、言うのは早いよね)
それは、二年前。
シンジの存在などまだ知らなかったとき。
祖父に連れられた、県外の音楽発表会で見かけた彼女の姿は、とても小さいのに大きく見えて。
小柄な体で、大きなチェロを懸命に弾いている姿が、まるで天使のように見えたから――
(この子には、神様がついているんだ)
そして胸にともった小さな灯が……あの日以来、燻らせ続けていたその暖かさが。
いつか身を焦がすことも、まだカヲルは知らないのだ。
オワリ
やべ、一箇所「渚さん」が「カヲル君」になってる
脳内補修よろ
脱字……しかも最初のほうorz
誤 ふくらみかけの小振りなを押さえつつ
正 ふくらみかけの小振りな胸を押さえつつ
この状況下で投下した君にGJを贈る!!
GJ!!!
他の職人にも期待しまくり
孔雀氏?
GJ!!イイヨーイイヨー
次も期待してるよー
「シンジ君…」
はあ、とため息をつき、愛しくてたまらない少女のことを想う。
どうして…どうして、こんなに想い、愛し、慕っているのに……
「不毛な恋…か」
明日も僕は君にどれだけ自分が愛しているかを語り、君を抱きしめる。
けれど君はわかってくれない。
気がついてくれない。
こうして僕らの距離は離れていく。
隠し撮りした写真を見つめ、今日何度目かもわからないため息をまたついた。
こんな感じのカヲル視点もたまには見てみたい…という個人的な我侭がある。
それだけ文が書けるんなら自分で書いたほうが良いと思うよ
>>406 イイヨーイイヨー上手だよー
続き待ってるよー
ここの職人で合作したら面白そうだなと思った
ギャグありシリアスありのなんでもありになりそうだ
シンジストは文が上手いからな
シンジストしかいないの?
カヲリストもいるんじゃないのかなあ
シンジのが書きやすいってのもある
アニメ漫画ともに性格的にわかりやすいっていうか、カヲルに比べてきちんと出されてるからね
庵だからカヲルの性格いまいち掴めないorz
ねつ造してしまってもいいんじゃないかな
そうしないと書けないし
貞は割と早く登場してるから書けるんだけどね
庵カヲは博識っぽいけど貞カヲはものを知らない子ってイメージがある・・・
精神年齢小2っていう話だからかな
庵じゃないと百合っぽくはならなそうだな
「シンジ君」
ってカヲルに言われたら
庵シンジは「なに?カヲル君」とか言って顔赤らめて
貞シンジは「なにさ」とか言うんだろうなあ…
貞はBLっぽくて庵は百合寄りな感じだな
庵の二人でマリみての冒頭やっても何の違和感もない
418 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/19(月) 12:45:46 ID:2MA1fxb8
wktk
庵書いてくれる職人期待
期待するだけならタダだしな
誰かネタの提供お願いします
百合なシチュがもうエロス思い浮かばない…orz
ネタの提供なんてできんが…
キーワード的にいうと
・ツンデレ風味(デレ多め。もしくはデレデレ)
・庵が入ってると自分は喜ぶ
・なにかピンチになってください
・アスカ、レイも登場しようか
・シンジは皆に愛されてみようか
・カヲルはそんなシンジを皆から奪ってみようか
あ、ごめん。エロスネタじゃないとだめ?
あとシチュエーションじゃなくてごめん。
このキーワード入れなくてもこれで何か思いつけたんだったら嬉しいけど
申し訳ない
エロス『しか』思い浮かばないから、純な百合ってどんなのよ?ってことを聞きたかったんだ
ありがとう参考になった
そうかw
とりあえず俺の求めてるものだけ書いてすまんね
がんがってくれ
正直絶対に大丈夫と分かっていても不良男に絡まれるシーンは見たくない
ん?犯されるっていうことなのか?
いや、ソコまで行かないにしても
「よぉよぉ姉ちゃん可愛いパンツ穿いてるじゃん」
涙目になりながら「やめてください!」
みたいな。
こんなん今どき流行らないのにシンジが女体化すると何故か多く見かける
>「よぉよぉ姉ちゃん」
なぜかシゲルで再生されたwww
まぁ、言わんとする事はわからんでもない
そこでカヲルが登場→救出
…ってのがよくある
>>430ピンチを救うことで目立たせたいんだろうな
ちょっとシンジを非力にさせすぎるところがなあ…
か弱くて可愛いけれどあんまりひどいと気になってしまう
>>421氏に便乗させていただきたい
エロネタすら思いつかないので…なにかネタを提供していただけませんか
個人的には
・一緒に髪の毛いじりあい
・マニ(ペディ)キュア塗ってあげる
・買い食いしたあとの一緒の下校
・水着の尻の食い込みを直すシンジの写真をこっそり持ってるカヲル
とか
色々あるけど表現できる技量がないから、代わりに頼む
流れを読まずに夜投下にきますノシ
髪の毛のいじりあいイイ!
>>434 ありがとうございます
0に近い技量でがんばります
上2つで何かできそうな予感…
思いついたら近いうちに投下しにきます。
>>299の続きで蜜月編です
庵な二人になりますが、カヲルの心理描写とか今回いれてみたけど
なんか電波な感じになってしまった。申し訳ないorz
「眼、閉じて」
言われるがままに瞳を閉じたシンジの瞼に柔らかいものが触れた。どことなくむず痒くて睫毛を震わせるが、「こら」と優しい声で怒られて大人しくなる。
カヲルは手を休めない。
「もういいよ」
「ダメだよ。年頃の女の子なんだから。それにもっと可愛くなる君の姿が個人的に見たいしね」
ねだるような声色で言われてしまっては、シンジは黙るしかなかった。
カヲルはそんなシンジの紅くなった目元を小指で擽る。そして満足げに一息ついた。
「まだ?」
「眼は開けてもいいよ。…ほら、見てごらん」
カヲルに差し出された手鏡に映った自分の姿を見たシンジは、驚いたような表情を浮かべて目の前の人物と変わってしまった自分とを見比べる。
ほんのりとチークがのせられた頬や、控えめな色で目元を彩る姿はいつものシンジよりも数倍は可愛らしく見えて、カヲルは自分の偉業に達成感と幸福感を味わった。
鏡にそっと触れるシンジを微笑ましく見つめ、新たにリップを手にする。
「僕…なんだけど、僕じゃないみたい」
「可愛いだろう?会心の出来だよ。──他に誰にも見せたくないくらいにね」
438 :
2/4:2007/03/21(水) 21:05:12 ID:???
さらりと言われた言葉にシンジは耳を紅くしてコクコクと頷くことしかできない。
真っ赤になるくらいに恥ずかしいことを事も無げに言うカヲルに、シンジはいつもドキドキさせられている。秘密の関係になってからしばらくたつのに、人には言えないような秘めた思い出も共有しているのに、だ。
(──少しは…自重とか、してくれないのかな)
じっと自分を見つめる視線にカヲルはくすりと笑って、手を伸ばしシンジの顎を捉えた。柔らかな唇に親指で触れながら言葉を続ける。
「言葉は、語るため、自分の気持ちを表すためにあるんだよ。僕は自分に正直なだけさ」
「……せめて二人のときにしてよ。いつもいつもみんなの前で、恥ずかしく死にそうになる」
「君が可愛いのが悪いんだよ。けど…まぁ、善処するよ。…少しおしゃべりはおしまい」
(──幸せってこういうことを言うのか)
カヲルはシンジの唇に色を乗せながら考える。
人と距離をおくシンジの本当の姿に気づいたのは何時のことだっただろうか。
優しすぎて、人と触れ合えないのだと。繊細すぎる心が、他人の痛みにまで敏感な心が、傷つけることを恐れて壁を作っているのだと。
それでいて、気を許した人物の前ではまるで花開くように、一変した鮮やかな表情を浮かべるのだ。
自分にもそのかたく閉ざした綺麗な花を見せてほしい。まだ恋だとかそんな名前はつけられないが、確かにある感情は生まれたのだ。
439 :
3/4:2007/03/21(水) 21:06:31 ID:???
(──君が笑ってくれる)
気を抜くと泣いてしまうのを堪えるために、カヲルは唇をかみ締めた。シンジは水の膜を浮かべているカヲルに気付いていたが、ただ黙ってそっと眼を瞑った。
(──どうかこのままでいて。僕の綺麗な花)
願うような気持ちをこめて、仕上げとばかりに下唇をもう一撫ですると、ゆっくりと手を離す。
「終わったよ」
自分でも分かるくらいに声は震えていて、カヲルは内心苦笑した。
「すこし唇を擦り合わせるように、…そう。うん、綺麗だ」
もう一度シンジは鏡を覗き込む。艶やかに彩られた唇。手中のそれを机へと置いた。
「胸くらいなら貸すよ。膝だって」
「どうしたの、急に」
化粧道具類をポーチにしまいながらカヲルは答えた。顔を上げたら、その顔を見てしまったら泣いてしまう自信があったから、瞳は伏せたままで。
「泣きたいときには泣いていいと思うよ」
言葉と同時に温かいものに包まれて、そしてそれがシンジの腕だと分かると、観念したように堪えていた身体の力を抜いた。
その肩口に顔をうずめて、少しだけ鼻をすする。
440 :
4/4:2007/03/21(水) 21:08:20 ID:???
「幸せ、なんだ」
「……うん」
「君が笑ってくれたり、僕の言葉をきいて答えてくれたり…」
「…うん」
シンジは優しくカヲルの髪を撫でた。それが心地よくてねだるようにさらに顔を押し付ける。
「実るだなんて、思ってもみなかったから」
芽生えた感情が恋だと理解した瞬間にそれは終わったも同然だったから。
貪欲な心はさらなる一面を独り占めすることを望んで、一線を越えたがっていたが必死に押し殺して。
しかし、今はこの腕の中にある。
「大好きだよ」
(──僕の、僕だけの愛おしい花)
もう二度と手放せないであろう身体を強く抱きしめて、カヲルは祈るように囁いた。
おしまい
読んで下さり有り難うございました。
GJ!!!!!!!!!11
な…なんなんだこの少しでも触れたら壊れてしまう感は…
GJ!
443 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/22(木) 01:12:36 ID:P9e5MfFg
ぬふぅ
GJ!!!
GJ!
百合と庵カヲの相性いいな
良かったとだけ言っておく
髪を撫でるという行為は、意外にもセックスの後にするもの
投下マダ〜?
age
本読んでて書いてあったんだけどさ
『キスの格言』とかあって
手なら尊敬、額なら友情
頬なら厚意、唇なら愛情
瞼なら憧れ、掌なら懇願
首と腕は欲望で、それ以外は狂喜の沙汰
ってあってさ、カヲルとシンジはそれぞれ何処にするんだろうとか考えて
鼻血でた自分はどうしたらいいのかな
瞼にキスなんかすんの?
カヲルならどこでもありそう…
>>452俺も読みたい。誰か書いてくれないかな
スキンシップが過剰なひとだな、とは思ってた。
転校生は、どこか僕の知らない土地から来たなんだか妖精みたいに美しい女の子。
皆と交わす言葉は多いけれどそれはどこかつかみ所なく、僕は何となく彼女を
帰国子女だと思ってた。
渚カヲル。
何故か僕を気に入って、それで良く彼女は僕に触れてくる。
朝、声をかける時には腕に触れて、内緒話の時には必ず身体をひっつける。
いつでも微笑を浮かべていて、だけどその理由は、良くわからない。
銀色の髪、赤い目。それだけなら黒髪に茶の瞳の中に放り込まれた異物でしかない。
僕らが綾波レイという先例を目にしていたとしても、異物は違和を呼び起こすから。
けれど彼女の美しさは有無を言わさなかった。違和より先に目を奪った。
妖精みたい。
言葉を交わし、名前で呼び合うようになっても僕の中での印象は、そこにある。
父さんが昔『情操教育だ』と似合わない絵本を抱えて帰ってきたことがある。
あの本には羽の生えた、ひらひらした布を纏ったとても美しい妖精が沢山描いてあった。
綺麗で美しい妖精に憧れてお風呂上がりにシーツを巻き付けて遊んでたら、父さんは翌日から
いきなり男物のおもちゃと絵本と服とを強要したっけ。
あの髭親父の首尾一貫しないことにはホントに迷惑してる。
カヲル君は、あの本に描かれてたような金色の巻き毛に薔薇色の頬ではないけど
腕も足も細くて綺麗で、なのに柔らかそうな胸がついてて、これがホントに生物学的
分類で僕と同じ年の、僕と同じ女の子なのかと思うくらい。
一緒に歩いてて鏡とかに二人で映ると軽く凹む。
だって同じ制服着てるのに何か違うんだ。シルエットとか腰の位置とか色々。
そりゃ…自分のことはそんなに可愛いとか思わないけど、それにしても彼女は綺麗。
アスカはわかりやすく美人で、綾波は目立たないようにしているけれど実は端正で、
だから綺麗な子に免疫がないわけじゃない。
でも、なんだかカヲル君だけは、何か違う。
「カヲル君?」
昼休み。僕にもたれかかるようにしたカヲル君に声をかけると、そこにはいつもの
微笑はなかった。
長い睫を伏せて、僕の肩に額を預けてる。
具合が悪そうだ。そう言えばお昼ご飯もあまり食べてなかった。
屋上の風が心地よいから連れ出しちゃったけれど、却って良くなかったのかな。
貧血、かな。もともと色が白いから良くわからない。
「平気…少し、くらんだだけだよ」
「それは平気じゃないよ…」
カヲル君は僕の言葉を否定するように、ふっと微笑する。
具合が悪そうなのにいつもと同じ笑みを見せて僕から離れかける。
それは完全に、いつもの笑顔。
あ。大丈夫なのかな、と。判断しかけた時に何かがすっと腑に落ちた。
その瞬間、僕は急に−−−−理解した。
『君は一次的接触を極端に怖がるね』
最初にそう言われた。
『好意に値するよ。……好き、ってこと』
不思議に甘い声でさらりと告げられた。
不思議な言葉、不思議な微笑、不思議なひと。
いつからかカヲル君が僕に触れることが多くなって、僕はそれを自然に受け容れるようになっていた。
カヲル君の言葉は不快じゃなくて、カヲル君の触れ方は嫌じゃなくて、
僕を好きだと言ってくれることがなんだかくすぐったくて、それからちょっと誇らしかった。
だって、こんなに綺麗なひと。
いつも皆に微笑んでいるカヲル君が優しくしてくれる、それが心地よかった。
でも、今、急に気がついた。
カヲル君がこんな風にもたれたり触れたりしているのは、僕だけだ。
みんなとよく話すけれど、いつでも侵しがたい空気が覆っていてそれがなんだか、
この世界の物じゃないような不思議な印象だったんだ。
妖精。
気に入った人の前にしか姿を現さない、気まぐれで不可侵の存在。
「ごめん。少し休んだ方が良いよね。ちょっと待って、三階の踊り場でハンカチ濡らしてくるから」
1Fの保健室までは、遠い。それなら少しここで休んだ方が良いと僕は判断した。
「平気だよ、シンジ君。大丈夫だから」
そして、華奢な指は僕の袖を放さなかった。
ああ、そうか。多分、そうなんだ。
「シンジ君…?」
「違ってたら、ごめんね。カヲル君…こんな時の顔知らないでしょ」
少し不思議そうに、カヲル君が見上げる。
「笑わなくて良いと思うよ」
近くで見るとますます綺麗なそのひとは、急に不安げに眉をひそめた。
「何か…君に嫌われるようなことを、したかい?」
どうしてそうなるんだろう、と。
普段ならそれを『いつもの不思議』に分類してしまうだろう。だけど。
「ううん」
僕はただ、それだけ告げた。
カヲル君が笑っているのは、他人と距離をとるためだ。
そこから踏み入らせないためだ。
それは、僕が他人に触れられるのを怖れているのと同じ。
僕と同じ。
だから僕はきっと、カヲル君と触れているのに抵抗がない。
ごめんねカヲル君。僕は、こんなことなのに君と同じなのかも知れないと思って、
少し嬉しくなる。
「休み時間はまだあるし、ゆっくりしよう」
「ごめんね」
カヲル君は本当に済まなそうに俯いた。
謝ること、ないのに。
さっき袖を掴んでいた指がそのまま降りていく。
「本当に、たいしたことはないんだ。この程度なら」
「………よくある、ってこと?」
カヲル君は、珍しいことに苦笑した。口にしたことをばつが悪く思ってる顔だとわかった。
「だったら言わなきゃ駄目だよ。わからないもの。綾波も定期検診が必要だって
言ってたことがあるし…カヲル君もなの?」
「外に出るのは、本当は初めて」
「へっ……?」
外、外って病院の? 帰国子女どころかどこへも出たことがないってこと?
そんなに身体が悪かったの? 今は体育だって一緒にやってるし、この前のバレーなんて
僕がセッターで上げたボールを綺麗に決めて見せてたし、成績だってあっさりトップクラスで。
「そこで、初めて君を見て。君と一緒にいられて、こんな風に。それは僕には何にも代え難い喜びなんだ……無様だけれど、これは懇願」
指先が軽く触れていた、僕の手を取った。
そして、カヲル君はその掌に軽くキスをした。
「どうか、君が僕を疎みませんように」
疎む、とか。
どっから出てくるんだろうそんな発想。
突飛な行動や言動に、僕は驚きや呆れを通り越えて少し笑えてきた。
「へんなの」
まだ少し調子の悪そうなカヲル君に身を寄せて、銀色の髪に頬を寄せた。
そして、おでこに唇を当てた。
お返しだ。
「額へのキスは友情の印だというね」
カヲル君は、今度は無理をしていない笑みで頷いた。
自然に笑ってるカヲル君は、やっぱりとてつもなく綺麗で人じゃないみたい。
「手なら尊敬、額なら友情
頬なら厚意、唇なら愛情
瞼なら憧れ、掌なら懇願
首と腕は欲望で、それ以外は狂喜の沙汰」
唄うように囁くように、カヲル君はそらで吟じ上げる。
そうか、だから掌で『懇願』って言ったんだ。
「君が許してくれるなら、僕からは掌以外にも証を立てたいのだけれど」
お昼と一緒に買ってあった野菜生活を危うく噴くところだった。
噎せて咳き込む僕を、カヲル君はすぐ側であの微笑を浮かべて見守ってる。
他の場所ってどこに?
とか。聞いてみたかったけれど少し聞くのが怖い。
意味を聞いた後で僕からのキスの場所を思わず考えてしまって、僕は自分で解るくらい
頬に血が昇った。
「幸福だな」
と、不意にカヲル君が呟いて笑んだ。
笑ってるのに、なんだかそうは見えなかった。
何故だかわからない。
カヲル君が泣きそうだって、そう、思った。
「目、閉じて」
僕は、そう言って。
多分僕からの感情に、一番近い場所へのキスをした。
通りすがりに投下していこうとしたら、同じく通りすがってたスレに
壮 絶 に 誤 爆
してしまいました。
最低だ、俺って。
乙!そしてGJ
もしや3兄妹スレ?ww
人生そんなこともあるさ
GJ!!!!!11!!
自分の書き込み使用してもらえてすごい嬉しいwww
そしてやっぱり鼻血が出てしまった
ごちそうさまでした
乙!GJ!!!!
ヤバイ・・・百合に目覚めそうな自分がいるww
GJ!
最高!
ちょいと質問だが
百合のエロスって貝合わせだよな?
それもあるが人には指も舌もあるでな。
「聞いたかトウジ! この前の転校生、エヴァのフィフスチルドレンだってよ!」
「はぁ? あの渚か」
「そうそう!」
「ファースト、セカンド、サード……間抜けてるやないか」
「そこだー!!」
「な、なんや突然」
「フォースチルドレンは何か事情があって選定が遅れてるんだって! つまりチャンス!」
「何の」
「いいか、トウジ。神秘的なファーストチルドレン綾波レイ!」
「陰気くさいだけやんけ」
「勝ち気なヒロイン第一候補、セカンドチルドレン惣流・アスカ・ラングレー!」
「うっさい性格ブスやんけ」
「控え目で健気な戦績トップ、サードチルドレン碇シンジ!」
「単なるうじうじやんけ」
「そして謎多き美少女! フィフスチルドレン渚カヲル!」
「謎ちゅうか電波やろあれは」
「そこへ空席になっているフォースチルドレン! これが何を意味するかわかるか?
つまりこうだ。そこにもし男が収まったら……」
「女の中に男一人はやりづらそやなー」
「ちっがうだろ! ほら、キャプションが浮かばないか?
『戦いが終わった時、あなたの傍らで微笑む少女は…誰?』
つまり! リアルギャルゲ! ハーレム! くぅぅぅ!! 俺はなる! 絶対に
フォースチルドレンになるぞー! 足一本くらいなら惜しくない!! そんな展開
むしろ燃えちゃうもんなー!」
残念なことに百合スレなわけだがな、ここは。
チルドレンだったら女の子だらけだなーと思っただけ。
さあ続きを書いてもらおうか
ああ、ここで終わらせるのは不粋だ
「なぁに? この前アスカが来たばっかりだっていうのに…しかもナンバー飛ばして
フィフスってなんじゃこら」
「さぁね。私も詳しくは聞いてないのよ。はい、報告書」
リツコから手渡されたファイルを開いたミサトは、瞬時に顔をしかめた。
「生年月日不明、全ての経歴抹消済…って何なのこの経費と紙の無駄遣い」
「彼女が騎乗予定の四号機はアメリカ支部。しばらくは予備パイロットとして扱って頂戴」
うへぇ、と妙齢の女性とは思えぬ呻きを上げてミサトはデスクにファイルを放りだした。
「パイロット無しのエヴァにエヴァ無しのパイロットって、何考えてんのよ」
ミサトの言葉には答えず、リツコは肩をすくめた。
碇シンジは、ふぅと周囲にわからぬよう肩で息をついて、鞄に教科書を詰めた。
ショートカットにメリハリのない細身の身体のため制服を着ていないと男子に
間違われることもあるが、こんな名前でも女生徒だ。
「復習、しなきゃ…」
何とか勉強に遅れずについていきたいと思っていても、度々ネルフに呼び出しを受ける
エヴァのパイロットという身分では中々難しい。大学まで出ている文字通りのエリート
アスカと違って、シンジは転校前は成績上の中、目立たず叱られずの位置をキープして
いたに過ぎない。
「シンジ! あたし今日は先に本部行くわよ。あんたも後から来るでしょ?」
「あ、うん」
動作の一つ一つがきびきびしたアスカはシンジがびくっと身体を震わせたことに
気がついて、ふん、と鼻を鳴らした。
「そうびくびくするもんじゃないわ。あたしだって別にとって食おうってわけじゃないの、
あんたみたいなおどおどした子いじめたら私の株が下がるだけなんだから」
おどおどしていると言われたことに内心ちょっと傷つきつつ、シンジは愛想笑いを浮かべる。
それもアスカには気に入らないようだ。ちょっと眉を上げたが、くるりと踵を返して
そのまま教室を出て行った。
その背中に、思わずシンジはほっと平らな胸をなで下ろす。
「碇さん、アスカ帰っちゃった?」
アスカが出ていき、シンジも帰ろうと立ち上がったところで、教室に入ってきた委員長
に呼ばれてシンジは頷いた。
「そっか…委員会の資料、皆の分冊子にしなきゃいけないんだけど…」
「手伝おうか?」
「いいの? 碇さんもネルフに行かなきゃいけないんじゃないの?」
行かなきゃいけないことはない、ので。シンジはいいよと軽く微笑んだ。
正直言って、わけのわからない巨大な物に乗って戦わされている現状にはあまり肯定的には
なれない。
何年も自分を放っておいた父親が手紙一枚で呼び出して、何かと思ったら----
それを考えるといつもきゅっと肺の奥が押しつぶされそうな気持ちになる。
期待したんだ。ちょっと。ううん、本当はとても。
父さんが、呼び寄せてくれたって。
「それじゃあね、そっちからこう回って合計8枚を折って、まとめたところでホチキスしましょ」
「うん」
机の上に置かれたプリントの周りをくるくる周回しつつ、クラス皆の分の資料をまとめる。
二人でやったおかげか、作業は20分とかからず終わった。
ヒカリはありがとう、と笑顔でお礼を言って、資料を職員室へ運びに行った。
ううん、いいよ。
答えたシンジは、あまり時間がつぶれなかったことを少し残念に思っていた。
ヒカリを見送って、シンジはため息をついた。
真っ直ぐネルフに向かう気にもなれず放課後の校内を歩く。
特にあてもなく廊下を歩き、階段を上る。
ときどき、学校内を駆ける部活動の生徒たちと擦れ違った。
暗くなる前には学校出なきゃいけないだろうな。
綾波は学校休んでるからネルフに居るんだろうしアスカは訓練だろうし、僕も行かなくちゃ。
思っていても、一向に足は外へ向かわない。
「はぁ…」
憂鬱だなあ、と何度目かのため息をついた時どこかから柔らかな旋律が耳に届いた。
ピアノだ。
誰が弾いているのだろうか。
転校前はチェロを習っていたシンジは、その旋律に惹かれる物を感じて顔を上げた。
技巧を誇る弾き方じゃない。だけど、上手い。
音を大切に紡いでる。慈しむように。
「ラフマニノフ…? ううん、違う…」
甘い調べ。
導かれるように音楽室へ向かい、シンジは入り口の小窓から中を覗いた。
窓の外は、朱に染まりつつあった。
光の加減なのだろうか。ピアノに向かう人の髪が灰銀に煌めいている。
調べは相変わらず柔らかく、甘く。シンジを包み込むように流れていた。
生徒のようだった。制服を着ている。
音を立てたつもりはなかった。そっと覗いているだけのはずだった。
けれど、ふわりと音が途切れた時。彼女は視線を、その緋の瞳をシンジに合わせた。
(あ……)
邪魔をしてしまった、とシンジが思うより先に。
「おいでよ」
彼女はにこりと微笑んで誘いの言葉をかけた。鈴の転がるような声、彼女が奏でるピアノ
と同じ、甘い声で。
「ご…ごめんなさい。邪魔しちゃって」
「音楽は、いいね」
シンジの言葉を聞いているのかどうかわからない声音で、彼女は微笑みかけた。
「君もそう思わない? 碇シンジさん」
それが、出会いだった。
いやアリだ!
GJ!!!!!11!!
G…GJ!
思わずドキがムネムネしたぜ
あの24話をここまで変えるなんて・・・GJ!!
か ぽ ー ん
ネルフ大浴場。貸し切り状態の湯船に肩まで浸かって壁のネルフマークを
ぼんやり眺める。
(……フィフスチルドレン……エヴァのパイロットなんだ、あのひと)
渚カヲル。
(綺麗だったな…ピアノ…それから)
夕日の射し込む音楽室。流れる旋律。目があった時の----
「やあ。君も居たの」
洗い場から声をかけられて、シンジは反射的に振り返った。
「な、渚…さん!」
すらりとしたその足が、シンジのすぐ隣に波紋を作る。
白い肌が湯に滑り込むなだらかな曲線を描き、胸元の双丘を経てあの微笑が現れる。
「カヲルでいいよ。碇シンジさん」
「あ、じゃ、あの…僕もシンジでいいよ。カヲル…くん」
「じゃあ僕は君をシンジ君と呼ぶよ」
「う、うん」
シンジは俯きながら相槌を打った。目があった瞬間思わず顔を伏せてしまったのだ。
(すごい。…というか、完璧)
一瞬目に入ったカヲルのプロポーションは、シンジの理想とするバランス
そのものだった。
物凄くスマート、だとか物凄い巨乳、とか凄いくびれ、とかではなく。
それは丁度夕日の音楽室。
あの調和の完璧さに、似ている。
「な…じゃないカヲル…君は手続き終わったの?」
「うん。軽くシンクロテストもしてきた。後は用意してもらった部屋でやすむだけ」
「一人なの?」
「そうらしいね。同居人が居るとは聞いていないから」
第三新東京市について、一番最初に中学に来たのだとカヲルは教えてくれた。
だから、これから住むことになる部屋がどんなものなのかも知らないのだと。
「荷物とかは…?」
「あるんじゃないかな。必要なだけ」
顔を上げずに、シンジは瞬いた。
知らない街に一人きり。不安じゃないんだろうか。
「手伝おうか?」
気がついたらそう言っていた。答えが返ってこないことに不安を覚えてカヲルを
盗み見ると、カヲルもまた、シンジを覗き込んでいた。
そうして目が合うと柔らかに微笑む。
「ありがとう。君は優しいね。人を助けてばかりいる」
ばっと顔に血が昇った。
カヲルの笑顔のせいか、言われた言葉のせいか。
多分、両方。
「そ、そんな僕なんか」
「あの時間になってしまったのも、クラスの委員長の手伝いだと言ってたね」
「あれはそんなんじゃ…」
ただ、ネルフに行くのが憂鬱で。
「卑屈である必要はないよ。君の謙遜は美徳と言って良い。好意に値するよ」
「コウイ?」
「好きってことさ」
頭に血が集まりすぎて、危うくのぼせるところだった。
カヲルにあてがわれた部屋は、第壱中学校の学区ぎりぎりの所にあった。
シンジが今住んでいるミサトの部屋からは中学を挟んで逆方向にある。
ワンルームマンションの部屋の中にはスチールベッドが一つと、荷をほどかれて
いないダンボールが数個置かれているだけだった。
「荷物…これだけ?」
「みたいだね」
足りない。絶対足りない。
シンジはカヲルと手分けして多くもないダンボールを開けていく。
「マットレスも枕もシーツも鍋もやかんも皿もタオルも石鹸もカーテンすらないよ!!」
「制服の鞄とジャージと指定靴の替え一揃えと下着と服とはあるみたいだよ」
「だめだ、買い物に行かなくちゃ。今からでもまだお店開いてるから急ごう」
頭の中で必要なものを数え上げながら、シンジは時計を見る。
ここに来る途中で大きめのホームセンターがあった。生活用品ならそこそこ
手にはいるだろう。
「僕なら、これでなんとかするから構わないよ」
「構うよ」
こんなので過ごすなんて、『暮らす』って言えない。
ふと、一度だけ行ったことのある綾波の部屋を思い出した。
打ちっ放しの壁。コンクリート剥き出しの床。散らばる包帯。寒々とした場所。
今の印象は、それに似ている。
「良くないよ、行こう」
シンジに折れるような形で、カヲルは首を縦に振った。
持ち合わせがあまりないことに気がついたのは、買い物カート丸々二つに荷物を載せて
レジに並んでからだった。
青ざめたシンジにカヲルは大丈夫と言ってカードを一枚取り出した。
ネルフのIDカードと学生証と定期とスーパーのポイントカードくらいしか知らないシンジには
何なのかすぐにはわからなかったが、カヲルがレジでそれを出すと会計は一瞬で終了した。
「カヲル君、それ」
「うん。必要なものはこれで手に入れるよう言われてたんだけど、何を買えばいいか
わからなかったから、シンジ君が一緒で良かったよ」
その店の配送受付時間はとうに過ぎていたが、カヲルのカードの威力なのか何なのか、
荷物はすぐに部屋まで配送してもらえることになった。
帰り道を手ぶらで、二人並んで歩いた。
「カヲル君は今までどこにいたの?」
カヲルは薄く微笑んだ。遠くを見ながら。
「どこでもない、どこか。約束の日が来ることを聞かされながら闇を泳いでいた」
シンジは隣を歩く少し背の高い少女を見やった。そしてカヲルの言葉の意味を考えた。
約束の日。
エヴァのパイロットになること?
アスカが小さな頃から訓練を受けていたように。
でも、闇と言った。
アスカにはあんなに誇りなのに。
「今日は、良かった」
カヲルは目を細めて、空を見上げていた。
ネルフ本部にやって来て、エヴァのパイロットになったから?
君にとっても、それは『良いこと』なんだ。
僕が呼び出されていきなり乗れと言われた、あんなものでも。
「…その、約束の日だから?」
カヲルが頷く。
「会えないかと思ったんだ。遅くなってしまったから」
この人の声はなんだかどこか、歌のようだとシンジは思う。
「けれど君は現れた」
丁度今、シンジもカヲルの声であの旋律を思い出していた。
「君に会えた」
肘が触れた。
店を出た時は身体一つ分、距離があった。
でも今は、肩が触れ、肘が触れ、指が触れた。
どちらとも無く、指が絡み。
そこからは、手を繋いで帰った。
「あ。すみません、ミサトさん」
カヲルの部屋に戻り届いた荷物を開けて整理している間に、時計は23時を回っていた。
連絡なしに遅くなってしまったことをミサトに詫びると、電話の向こうからは暢気な声
が返ってきた。
『あらぁ? シンちゃんどうしたの。もう寝てるかと思ったわ』
ぷしっ。
『アスカも寝てるし。私も今帰ったとこなのよ。何々〜シンちゃん夜遊びぃ?』
「ち、違います! 渚カヲル君の所です。カヲル君、今日この街についたばかりなのに、
いきなり放りだすなんて」
んっくんっくんっく。
『そっか、じゃあフィフスの所に居るの?』
「ええ。今から帰りますから」
『もう遅いわよ、OK、迎えの車出すからちょっち待っててねーん』
「ミ サ ト さ ん」
ん? と受話器の向こうからは無邪気な問いかけ。
「今、片手に何持ってますか?」
『何ってそんなの帰って一杯……って、ああああ!』
やっぱり。
『ご、ごめんシンちゃん。つい反射で』
玄関から冷蔵庫に直行でビール一本。
想像がつく。と言うかありありと光景が浮かぶ。ああもう、ミサトさんってば。
「ここに泊まっていったら?」
カヲルの提案は、ミサトに承認された。
「いいんですか?」
ミサトは、いや、まあ…と苦笑いしている。
『考えてみりゃパイロット同士の親睦を深める良い機会だし…ねぇ?』
「はぁ」
『うん! よし! 許す。女の子同士今日はゆっくりなさい! そーよそーよ、
チルドレン皆女の子なのに何て言うか連帯とか協調が足りないと思ってたのよネ』
取って付けたような言い訳をまくし立てた後、ゴメンと付け足して電話は切れた。
「……お邪魔します」
「どうぞごゆっくり」
ダンボールの中には寝間着は無かった。
その代わりゆったりとしたシャツを選んで、二人は同じベッドに潜り込んだ。
「ごめんね、狭くして」
「謝る必要はないよ。君が僕のためにしてくれたことだもの」
ホームセンターで買ってきたクッションがシンジの枕代わり。
シングルベッドの中では少女二人といえども身体は触れる。
(なんだか…落ち着かないな)
そう言えば、さっきは手を繋いだんだっけ。
感触を思い出して、シンジは一人で赤面した。
柔らかかった。
(女の子の手の感触で赤くなるとか、僕どうしちゃったんだろ)
「そう言えばカヲル君は…どうして僕を知ってたの?」
何となく寝付けそうになくて、シンジはカヲルに話しかけた。
「知っているのは当然だよ。僕は君に会いに来たんだ」
「え…」
「サードチルドレン、碇シンジ君。この世界では君は有名だよ」
こーんな冴えない子がサードなわけぇ?
空母上で初対面のアスカに放たれた言葉が耳の奥にこだました。
あれもつい、最近のことだ。
がっかりしただろうな、カヲル君も。
「華奢で繊細で、優しくて他人のことばかり気にしている。使徒と戦っているのが
君のような人だなんてね」
その言葉に、シンジはぎょっとした。
少なからず、賞賛のニュアンスが含まれていることがわかったから。
そんな褒められるような人間じゃないのに。
父さんだって、僕より綾波が大事なのに。
「……僕なんて、何も出来ない。使徒を倒せたのだってラッキーだったからだし、
毎回毎回生きてるのが不思議な位だし、怪我は怖いし、華奢って言うかぺたーん
すとーんでみっともないし、父さん似だってリツコさんに言われちゃって、もう
僕に残った望みはせめてごつくならないように食べ過ぎないことだけで、だけど
そうしたら栄養回らないってアスカは言うし」
「栄養、足りないのかい?」
「うん…胸とか…全体的に……」
何か話が違う方向に行ったような気もする。
しかし軌道修正する間も無く隣の少女が自分に身を寄せてぺたぺたと身体を触りだしたので、
シンジはそれどころではなくなった。
「ひゃあっ」
「うん…飢餓状態で女性の方が生存率が高いのは皮下脂肪の有無によるものだと
言うからね。あまり細いのは考え物かも知れないね」
「き、飢餓状態…?」
「胸なんて、脂肪の集まりだろう?」
「そう…だね」
カヲルの言葉を反芻して、シンジは頷いた。
「ダイエットすると胸から痩せるって聞いたことあるし…」
ああ、なんだかもう修正不可能なくらい遠いところに来た気がする。
「とすると、僕らにとっては実用品にあたるんだろうね。貴重な燃料の蓄えなのだから」
じつようひん。
ねんりょう。
凡そ体型の悩みとはほど遠い単語の登場に、シンジはやや置いてきぼりを食らう。
「蓄えないのかい?」
「も、揉むと大きくなるって聞くけど、一人でやってると我に返ったら空しいし」
落ち着こう。修正はともかく落ち着こう。
何を口走ってるんだ、僕。
「そもそも僕揉めるほどの土台がないし」
だから、何言ってるんだカヲル君に。
今日会ったばかりなのに!
「それなら」
影が乗りかかってくるのをシンジはテンパりつつも確認した。
むに。
むに。
むに。
「うーん…どれくらいで揉むのが効果的なんだろう」
思考停止。
「カヲル君…?」
ようやく名前を呼ぶと、緋の美しい目をした理想のプロポーションの少女は、シンジに
向かって優しげに微笑んだ。
「今日のお礼だよ、シンジ君」
わからない!
カヲル君、君の言ってることとやってることが全然わからないよ!!
「そうか、仰向けだと無くなっちゃうんだね。シンジ君、うつぶせて」
「へ」
身体をひっくり返され、すぐに指が追いかける。
「大丈夫。これなら揉めるよ」
う
わ
あ
あ
あ
あ
「ちょ…っ」
抜け出そうとしたが、乗りかかられた状態だと上手く行かない。
その上うつぶせにされているので腕や手もあまり動かせない。
薄布一枚越しに、細い指が蠢いている。
見えない所から触られていることが、次第に感覚を鈍らせていく。
「ん…っ」
ぶるりと身体が震えた。吐く息が、なんだか熱い。
「シンジ君」
そっと耳元で囁かれた。
「苦しい?」
「ん…ううん…平気…」
そう、と答えた指先が胸元をまさぐった。
ささやかな胸を柔らかく包むように、捏ねるように。布越しでも気付かれるほど硬く
なりつつある乳首は、時々偶然に掠める刺激を甘い痺れに変換してしまう。
(う…わ)
ぞくぞくする。
カヲルの指先は単調にならず、かといって性急にもならず、丁寧にシンジの薄い胸を
愛撫する。身体が震えるのを、押さえきれない。
脳裏に不意にピアノの旋律が浮かぶ。
鍵盤上を行き来した指先が。
あの音楽を奏でた指が、自分に触れている。
そう意識した瞬間、身体が火照った。
「……っ」
唇を突いて出た声にならない吐息が変に甘ったるくて自分に驚く。
「シンジ君…?」
耳にかかる息に、背筋が震える。
「カヲル…君」
呼びかけに少し緩む手。自分の上に居る人を見上げようと身体を捩る。
ぴしっ。
「………!」
シンジの身体が硬直した。
「? シンジ君?」
「……っった…〜〜〜っ」
「え? どうしたんだい。痛くしてしまった?」
「違…今、今、足…攣って…」
左足ふくらはぎ。爪先からぴーんと膝裏近くまで細い糸を弾かれたような痛み。
「足? 痛いの?」
こくこくと頷くと、カヲルは痛みに身体を丸めるシンジを宥めるように髪を撫でた。
「大丈夫かい?」
その言葉に何度も頷きながら、シンジは自分が自分の見知った世界に戻ってきている
という妙な実感を覚えた。
なんだか急に色んな物との距離があるべき所に収まった、ような。
(…どっちかっていうと…違う世界に行きかけた…?)
髪を梳く指先は先程の物と変わりなく、やさしさも同じ。
今はもう、変な気分にはならない。
(何だったんだろう…)
攣った足の痛みが治まってからも、しばらくシンジは身体を丸めていた。
頬と耳の熱さが、なかなか退かなかった。
「もう、終わりなのかい?」
「名前欄にゴメンこれで終わりなんて、そんな悲しいこと言うなよ」
「僕は
>>487を読むためにスレを開いたのかもしれない。GJってことさ」
>>488 うん、書いてるとスレチのような気がしてきてね。スレストッパーになるのも申し訳なくてね。
それ以上に男言葉の百合が難しくてね。脳内のビジュアルは中学の制服に二人の顔が乗ってるだけでね。
「おかしいだろ」って内心のツッコミが聞こえるんだけど、「うっわ女の子同士だったらこいつらナチュラルに百合だ」
とも思うし、凄い勢いでシンジが傾倒すんのも女の子だと納得だよなとか、そしたら止まらなくなったんだ。
とりあえず何事もなかったように進行してくれ。
ここの趣旨は何かもっと軽いノリな気がする。
女の子シンジに女の子カヲルを握りつぶす未来があっちゃいかん。
>>489 >>488ではないんだけれど…
なかなかにGJだったと思う。
少なくとも自分はこういうのもアリだと思うし、もっと見てみたいという気持ちがある。
…ので、気が向いたら投下して欲しいな
とりあえず握りつぶさず説得成功にしてしm(ry
久々にスレ覗いて良かったGJありがとう!本当、カヲルの天然な電波具合も含めて凄く良い作品を拝ませて貰った
握り潰しはエヴァ2のエンジェルバスター展開なら解決するんじゃないかな
あれならシンジが激しくカヲルを説得してくれるし
同じく、気が向いたらでいいので投下してくれると嬉しい
GJ
インターフォンを押すと、誰なのかも確かめずにドアが開けられた。
「おかえり」
優しい微笑でシンジを出迎えたのは、フィフスチルドレン。
惣流・アスカ・ラングレーと並んで異国からの美少女転校生として名を轟かせる彼女に
ただいまを言いかけて、シンジは硬直した。
白いワイシャツ。その下からにょっきり白い足。
「カ、カヲ、ちょっとー!!」
大慌てで中にはいると、シンジはドアを閉め、鍵をかけた。ついでにチェーン。
ワイシャツ一枚。ワイシャツ一枚で相手も確認せずにドアを開けるって、あの
ミサトさんでさえありえない。
「どうしたの? 慌てて」
「慌てるよ! カヲル君部屋の中でもちゃんと服着ようねってこの前言ったじゃないか!」
「着てるよ。ほら」
シャツの前をぱたぱたさせると、裾からちらちら下着が覗く。
ああ、無闇に高そうな総レースの白。あのダンボールに入ってた下着、誰の趣味
なんだろう。カヲル君知らないって言うし。
「下も!」
「穿いてるよ、ほら」
「見せなくて良いから! 見えてるから!」
カヲルは首を傾げた。
「えーと、えーと確かここにしまった…ほら、このスカート穿いて」
「変なシンジ君」
手渡されたスカートにその場で足を通しながら、渚カヲルはくすくすと笑うのだった。
眩暈を押さえつつため息をついて、シンジは温泉マークの付いたビニール袋から紙箱を
取り出した。
「おみやげ。後でミサトさんからも配られると思うけど」
「これは、お菓子だね」
「そう。温泉饅頭」
「じゃあ、お茶を淹れるよ。この場合、日本茶が正解だね」
「そうだね…」
ホームセンターで買った小さなテーブル。同じホームセンターで買ったクッションに
座って、シンジは饅頭の包装を丁寧に解いた。
「不用心だよ、カヲル君。せめてインターフォンで相手を確認しなきゃ」
「どうして?」
「僕以外の人だったらどうするの」
「どうって?」
「N●Kとか新聞勧誘とか宗教の人とか男の人」
「? 部外者がここに来て30分も経つと黒服の人達が追い出してくれるよ」
黒服?
「ほら、僕らネルフから護衛と監視がついてるから」
シンジは瞬いて、ああ、と頷いた。
家出をした時に自分を連れ戻した人達だ。同じ人ではないだろうけどその仕事の人。
見張られているのは気分よくはないけれど、さすがに今回は感謝する。
でもよく考えたらその人たちの前でもあの格好見せてるのか。
ていうか30分って、微妙じゃないかな。それだけあったら色んな事が起こりそうだ。
「服、着ようよ」
「なんだかね、慣れなくて」
丁寧に入れられた緑茶をお盆に載せて、キッチンからカヲルが戻ってくる。
完璧な温度調整、濃さ。一口飲んで、びっくりするほどの美味。
この少女はあれこれ色々完璧で、その一方でぽろぽろぽろぽろ常識が足りていないらしい。
そしてどうやら、渚カヲルは裸族である。
「女の子なんだから」
「ありがとう」
「何でお礼なの」
「心配してくれているってことだろう?」
今ひとつ伝わっていないような気がするのだが、カヲルに柔らかく笑んで目を合わせられると
シンジの方に言葉が無くなる。
カヲル様と一部の女子が呼んで崇拝しているのもわかる、というか。
女の子同士なのに、なんだかシンジの方が照れてしまう。
ミサトにからかわれたり、アスカに突っかかられて頬に血が昇るのとはまた少し違う。
「大変だったってね、浅間山」
「あ、うん…結局使徒のサンプルは採れずじまい」
シンジが手をつけてから、カヲルもようやく饅頭に手をつける。お土産なんだから先に食べてと
言ったのだが、初めてのものだからシンジの食べ方を参考にすると言われてしまった。
半分に割って、口へ運ぶ。見たことをそのままなぞっているのだろうが、どうも
自分のするよりずっと上品で優雅に見える気がする。
「セカンドとは仲良く出来た?」
「まあまあ…かな?」
「良かったね」
まあまあ、が『上出来』であることをカヲルが見抜いてくれたことが嬉しくてシンジは
照れ隠しに笑った。
「……ふふ。カヲル君のおかげだと思うよ」
「僕の? なぜ」
「アスカともね、仲良くできたら良いなって思えたんだ。今までは正直少し苦手で、怒らせない
ようにってそればっかり思ってたけど。こんな風にカヲル君と話をするようになったら、
アスカとも綾波ともこう出来たらいいなって。二人ともいい人なんだよ。カヲル君はもう
知ってるかも知れないけど」
そうだねとカヲルは相槌を打った。
「こっちはどうだったの? 綾波と一緒だったよね」
「僕はシンクロテスト三昧」
「綾波とカヲル君だけでも修学旅行行ってこられれば良かったのにね」
「ファーストも僕も、あまりそれには興味なくて」
確かに、転校したてで旅行と言われても面倒なだけかも知れない。
けれど、と。
渚カヲルは知らないところへ行ったり新しいことを知ったり美しいものを見ることが好き
らしい。よく感動したことを話してくれるから、きっとそうだと思う。
だったら多分、楽しかっただろうと思うのだ。
「僕らには温泉があったけど、君や綾波には何もないもんね」
「また他人の心配かい?」
「そ、そういうわけじゃないけど」
何となく気恥ずかしくなって、シンジはお茶を飲んで誤魔化した。
おかしいな。僕はあの女の子達みたいに女の子に憧れるタイプじゃないと思ってたのに。
知らなかっただけで、実はそうなんだろうか。
「そうだ、カヲル君」
「何?」
温泉饅頭を割る手を止めて、カヲルが微笑む。
「部屋着、どんなだったら着てくれるの」
「そうだね…締め付けたり窮屈じゃなければ」
「じゃ、買いに行こう。寝間着もないんだよね」
「それなら不要だよ。寝る時には何も着ないのが一番落ち着くとわかったんだ」
カヲルは爽やかに言い切った。
ああ……裸族だ。
「……この前みたいにまた僕が泊まる時どうするの」
「君も脱げばいいと思うよ」
無理ですごめんなさい。
「皆、寝る時はそうじゃないのかい? 修学旅行で確認すれば良かったかな」
想像して怖い考えになってしまったシンジは、カヲルが修学旅行に行かなかったことを
少しばかり感謝した。
「そう言えば、カヲル君綾波やアスカのこと、ナンバーで呼ぶんだね」
「うん。向こうもそうだから」
なんだか無機質な響きだなと、シンジは思った。
カヲルの方は気にならないのか、お茶のお代わりを淹れて温泉饅頭をほおばっている。
ナンバーで呼び合うのは、少なくとも仲良しって感じじゃない。
「ミサトさんやリツコさんのことは?」
「ネルフの人たちか…大抵は階級か役職で呼ぶかな。赤木博士とか副司令とか碇司令とか。
彼らも僕をナンバーか姓で呼ぶから」
「うん」
その辺りはイメージ通りだなあ、とシンジは頷く。
「あとは、らぎー?」
「……え?」
「らぎー。なぎーって呼ばれたから」
「……誰に?」
「我らが作戦部長葛城ミサト三佐さ。君が『シンちゃん』なら僕は『ナギー』かしらって
言うから、では三佐はカツラギでラギーですねって…ん? シンジ君どうかした?」
硬直したシンジに気付いてカヲルが首を傾げた。
「き…君って怖い者知らずというかなんか…」
柔和に微笑まれて、シンジは本日二度目の眩暈を何とか持ちこたえた。
「その後結局『カヲル』って名前呼びに変えられちゃったから僕も君と同じ『ミサトさん』か
『葛城三佐』あたりに落ち着くかな」
「そう…良かった」
『ナギー! 前進して使徒の侵入を阻止!』
『了解、ラギー!』
『よくやったわ、ナギー!』
『ありがとうございます、ナギー』
なぎーらぎーと呼び合う二人を想像して危うく心のどこかが決壊しかけた。
カヲルはふざけてるわけでは無いようだった。
ふざけてなければいいと言う問題では無いが、これが彼女の自然体なのだろうか。
「カヲル君って…不思議だな。勉強も物凄くできるし色んな事知ってるのに」
大事なところが抜けてる、とは、口には出さないが。
「詰め込むだけは詰め込まれたよ」
「……え」
カヲルはこういう言い方をする時、誰に、と言う問いを許さぬ空気がある。
シンジは聞いてみたいと思いながら、尋ねられなかった。
どこで産まれてどこで育ってどうしていたのか、カヲルは今も一言も話したことがない。
でも、そんなことはどうでも良かった。ともあれ今目の前にカヲルはいるのだから。
「でも結局、知識というのはあるだけでは意味がないんだろう。索引のない辞書や
整理されていないデータベースに価値がないように。僕の知識は、それに似ている」
「そんなことないと思うけど」
カヲルは、ありがとうとだけ答えた。
「あ…そうだ、ピアノは? 習ってたんだよね?」
首を横に振られて、驚いた。
「音階と楽器の作りは知っていたから。綺麗な音を集めて奏でるのが好きなんだ」
学校の階段。音楽室からの調べ。あの時ラフマニノフに似てると思った。カノン ホ短調。
旋律の一部は確かにそうだったように思う。
「何だっけ。耳コピって言うんだっけ? 半分くらいはそれ」
「ちょ、え、あれを!?」
「うん。そうだよ」
「き、北島マヤみたいだ、カヲル君」
「え? どこの人?」
「ミサトさんが持ってるマンガなんだ。昔のなんだけど」
分裂する使徒と戦った後、ミサトの部屋の本棚にその手のマンガや復刻DVDがあるのを
見つけて思わずシンジも熱中した。20世紀のマンガ。
根性とか形から入るとか、ミサトさんの言ってることの根源はこれだと深く納得したものだ。
「お芝居の天才少女で、一回見た舞台の台詞や動きは全部覚えちゃうんだ」
「へえ…」
「凄く面白いマンガなんだよ」
今度借りてくるよ、と続けたところでふとシンジは思い出した。
「あ…でも完結してないんだよね」
「ふぅん。僕、のだめって人みたいだって日向さんと青葉さんにも言われたよ。知り合い?」
「ええと…それは僕、知らない。ごめん」
マンガなんて、読むかなカヲル君。アスカはこんな子供っぽいもの相手にしてらんないわ、
何て言いながらちゃっかり自分の部屋に持ち込んで読みふけってたの知ってるけど。
面白がってくれればいいけれど、昔のものだしどうだろう。
「どうして完結しなかったの?」
「うん…雑誌連載してたんだけど途中からね、コミックス書き下ろしするようになって。
そしたら雑誌に載ってた分まで書き直ししたりして、話が進まなくなったんだ。
あったはずのエピソードが無くなったり展開が変わったりして、ファンの人達ですら
どれが本筋かわからなくなるような有様で…結局そのままセカンドインパクトで」
そうか、とカヲルは頷いた。
それから少し考え深げに頬杖を突いて、シンジを見つめた。
「君は、どんな物語を望むんだい?」
「え…」
カヲルの微笑はいつもと変わらなく見えた。けれど、急に深いところを突かれた気がして、
シンジは何故か狼狽えた。
「物語の展開も結末も一つじゃない。どれかを選べるのなら、君はどれを選びたい?」
マンガの話じゃないの、と混ぜ返しかけて何故か出来なかった。
「……ハッピーエンド」
「うん」
「皆が幸せになれたらそれでいい」
緋い目。綾波と向き合う時にも、こんな風に声につまることがある。
「その皆に、僕は含まれるだろうか」
そして。本当に、どうしてかわからない。何故かその時シンジは、声につまった。
当たり前だよ、の一言が喉まで上がっていたのに。
それは問いかけの形をとっていたけれど、自分への問いかけではないと、何かが言葉を
詰まらせた。
そしてカヲルは何事もなかったように、また、微笑んでいた。
「なーによぅ。『所詮はシミュレータ』なんて言ってたじゃないあなた」
自分の執務室でリツコに温泉土産を手渡し、ミサトは代わりに資料を受け取った。
「ど〜れどれ、あららこれまた見事な成績で」
「ありえないのよ」
「それは前に聞いたわ。フィフスが来た日に真っ青な顔したあんたからね」
白衣に手を突っ込んだリツコは険しい顔でミサトを見つめていた。
「怖い顔しないの、リツコ」
「零号機との接触実験を行ったわ。起動値ぎりぎり」
「実機じゃ違うってことでしょ?」
「起動値まで持って行っていることが既に異常なのよ。アメリカとドイツから他の機体の
データをもらって組み上げたシミュレータの結果はそこに書かれた通り」
ミサトは胡乱な表情で資料とリツコを見比べた。
「わけのわからないものを運用してるのは今に始まった事じゃないでしょう。あんたが
納得いかないなら、シミュレータを見直すなり理論を見直すなりするべきでしょうけれど」
「弐号機でのシンクロテストをさせて頂戴」
「許可は出せません」
「ミサト」
「パイロットたちはようやく良い空気になってきた所なの。これを崩すことはすなわち、
使徒迎撃体勢に重大な影響を及ぼすものと見なします。……アンタ、アスカに何て言って
承知させる気」
「それはあなたの仕事だわ」
「渚カヲルはあくまでエヴァ四号機のパイロットです。予備パイロットってのはあくまで名目。
直近の使徒殲滅を成し遂げたセカンドチルドレンに予備を用意する必要は認めないわ。
あ、でも初号機でのテストなら構わないわよ。シンちゃん拘らないから」
「多分、初号機では零号機と大差ない結果ね」
「じゃ、この件はここまで! さっさと四号機こっちに回すようあたしも根回しするから、
それで勘弁してちょーだい」
リツコは暫しの間、表情を崩さずその場から動かなかった。
「お遊戯やクラブ活動じゃないのよ」
「モルモットでも機械でも、ね」
エンジェルバスター良かったよな。
PSP版ではエンジェルバスターの個別エンドが見たかった。シナリオ変更しやがってー
>>493 GJ!!!
らぎーとなぎーに笑ったw
エンジェルバスターってなんだろうと思ってたら…
PS2版にあったのか…
PSP版しかやってなかったからわからなかった
良い仕事
ここが2chなのが惜しいくらい
>>293のカヲルが好きだ
GJ
PS2のエヴァ2はシンジ→カヲルの好感度が目茶苦茶低いのにビビッた覚えがある
PSPではまた変わったんだろうか
イイヨーイイヨー
保守
スレ活性化期待あげ
カヲル様www
カヲル「やあシンジ君。昨日はね、電車に乗ったんだ。凄いよね電車。時間通りにやって来て
時間通りに目的地に連れて行ってくれる」
シンジ「あ…うん。そ、そうだね」
カヲル「席が埋まっていたから立っていたらね、具合の悪そうなリリンがぼくの後ろに居たんだ」
シンジ「そうなの? 具合の悪い時に立ってると辛いよね…」
カヲル「そうだろうね。そのせいか彼はぼくにもたれかかるようにしていて」
シンジ「うん」
カヲル「そしたらその隣にいた若い男がいきなり『オマエ何してる!』ってそのリリンを引っ張って
降りて行っちゃったんだ。それで不思議なのが、乗客が心配するのがその具合の悪い
リリンの事じゃなくてぼくのことなんだよ」
シンジ「……ええと、その具合の悪そうなりりん?がもたれかかってどうしてたんだっけ?」
カヲル「こう」
シンジ「ひゃああああっ!!!!」
アスカ「ちょっとあんた達!! 朝っぱらからレズってんじゃないわよ!!」
510 :
433:2007/04/20(金) 15:44:38 ID:???
名探偵風味。
といっても、特に普段と変わりません。捜査官と査察官っていうだけ
シンジはネルフ施設の自動販売機前のベンチに座っていた。
「ふう…」
ため息。
疲れた。
昨日、今日と駆けずり回って証拠を集め、死徒を見つけたのだ。
で、倒した。
今回は死人はいなかった。怪我人は出たけれど。
人が死なないのは良いことだが、なんていったって証拠が無い。
そんな状態が続いていたので心身ともに疲れきっていた。
足も棒みたいだし。
ほぼ不眠不休だったから眠いし。
もう家には帰っていいのだが、ずっとここに居座ってると動きたくなくなる。
いくらか楽になりたくて目をつぶると、ゆっくりと足音が近づいてきた。
511 :
433:2007/04/20(金) 15:46:20 ID:???
「お疲れ様、シンジ君」
ひやりとした物が頬にあたる。
目を開けるとカヲルが立っていた。
「カヲル君…ありがとう」
頬にあてられたお茶のペットボトルを受け取りながら、言う。
一口飲み、「カヲル君だって疲れたでしょう」と言うと
「実際に捜査して死徒を見つけるのはシンジ君達だからね。
僕はそのあとの事をやるだけだから、大丈夫」と言われた。
「そう…」
そんなことはないんだろうな、と思ったが、あえて何も言わなかった。
512 :
433:2007/04/20(金) 15:47:29 ID:???
ふいに顔をのぞき込まれ、どきりとする。
「シンジ君、眠そうだね。寝ていないの」
「う、うん…捜査だったから」
「寝たら?」
「え?」
すっ、と肩に手をかけられる。
倒れていく自分の体。
近づくカヲルの顔。
近づくカヲルの胸。
近づくカヲルの膝。
513 :
433:2007/04/20(金) 15:48:23 ID:???
…膝枕?
「えええええええ」
驚き。
赤くなる、顔。
「僕の膝なんかでよかったらだけど」
そう言って優しく微笑む。
柔らかく、温かい膝の上。
だんだんまどろんでくる。
「いいの?…」
あまり回らなくなった呂律で尋ねると、優しく撫でられた。
514 :
433:2007/04/20(金) 15:49:28 ID:???
いいという意味なんだろうか?
ここは、素直にその好意を受け取ろう、と思ったシンジはカヲルの膝に体をまかせ、目を閉じた。
カヲルは静かに規則正しい寝息をたてはじめるシンジを見つめ、髪を愛しげに梳く。
さらさらと指の間を流れる髪の感触を楽しみながらおやすみ、と耳元で囁いた。
おわり
515 :
433:2007/04/20(金) 15:51:23 ID:???
後々、内容はほぼ同じになるんですがマニキュアバージョンをできたら投下しに来ます。
短編目指したら変になったとかはまあお気になさらないでくださいませ
良い仕事!
GJ!
マニキュアwktkだぜ
マニキュアマダァ-?(・∀・
光の速さで保存。
シンジ所帯じみてて可愛いです
>>433なんですがなかなか筆が進まず数日間(ry
遅筆ですみませんorz
今日中に投下しに来ます。多分
前のよりべたべたできていたら嬉しい。
522 :
433:2007/04/29(日) 22:01:30 ID:???
遅れて申し訳無い
シンジはネルフ施設の自動販売機前のベンチに座っていた。
「ふう…」
ため息。
疲れた。
昨日、今日と駆けずり回っても死徒の情報が集まらないのだ。
幸いまだ死人はでていない。
怪我人はでてしまったけれど。
ミサトさんたちもお疲れなのに子供達には休憩時間を与えて自分達は仕事。
そんな人達のためにも早く死徒を仕留めなければ。
焦る気持ちを抑えつつ、ともかく今は休もう、と椅子に深く腰掛ける。
523 :
433:2007/04/29(日) 22:04:22 ID:???
と、ふいに後ろから抱きしめられる。
「僕の愛しのシンジ君、疲れているの」
肩に銀の髪がかかる。
カヲル君だ。
「カヲル君…うん、ちょっとね。捜査が進まなくて」
カヲル君だって疲れているんじゃないの、というと相手は軽く微笑む。
返事をしないあたり、疲れているのだろう。
「はい、プレゼント」
そんな思いをめぐらせるシンジを邪魔するかのように目の前に掲げられたのはココア。
「あ、ありがとう」
「疲れているときは甘いもの、ってよくいうから」
笑いながらシンジの横に腰掛け、シンジに渡したのと同じココアを飲む。
524 :
433:2007/04/29(日) 22:07:31 ID:???
しばらく2人で話しながらココアを飲んでいると何を思いついたのか、
カヲルは、あ、と言って片手でぽんと膝を叩いた。
「その疲れた気分を和らげられれば幸いなんだけれど」
空になったココアの缶をゴミ箱に放り投げ、
ポケットから取り出したるは緑色のマニキュア。
明るく蛍光色のような安っぽい色ではなく、どちらかというと落ち着いた深緑に近かった。
「マニキュア?どうするの?」
「手をかして」
いやに丁寧にシンジの手をとり、こうするためさ、とマニキュアを塗りはじめる。
「…きれいだね」
ぺたぺたとハケが動く。
動いた後は綺麗な緑が爪に上に乗る。
けして派手ではないが鮮やかな緑に彩られてゆく爪に見惚れた。
525 :
433:2007/04/29(日) 22:09:49 ID:???
「緑の意味はね」
「え?」
シンジは唐突に紡がれた言葉に驚く。
「意味?」
「そう、意味。緑はね、バランスと調和、安全と自由を表すんだ。
それに人をリラックスさせてくれる」
「へえ…」
そらでこんなこと言えるなんてすごいなと思った。
「緑の象徴意味。平和。安らぎ…など。
色っていうのは不思議でね、身につけているだけで多少なりとも気分を変えることができるんだ」
なるほど、と思った。疲れているのを色で和らげようとしたんだ。
「だから、緑なの?」
「だから、緑なんだよ」
はい、できた。
そう言われ、自分の爪を眺める。
良い色。
「乾くまで気をつけてね」
「うん」
526 :
433:2007/04/29(日) 22:12:25 ID:???
そこで目と目があった。
紅の瞳に見つめられ、思わず顔が赤くなる。
「シンジ君」
あまりにも優しい顔。
ハッとして、声がでない。
「好きだよ」
そろそろと腕がのばされ、シンジの髪を優しく梳く。
そしてゆっくりとシンジを抱きしめる。
ぴたりとくっついたカヲルの胸からはシンジと同じくらいに速くなった鼓動が伝わってくる。
つくづく自分の胸は小ぶりだとため息をつきそうになる。
「カ、カヲル…君」
目の前の艶やかな銀。
オレンジ色のゴムで2つにまとめられている。
一層顔は赤くなり、鼓動は速まる。
「シンジ君…」
君はどうなの?、と言いたげな口調。
シンジはどう答えていいかよくわからなかった。
自分の気持ちがわからない。
でも、こうくっつかれて嫌だと思わないあたり、嫌いではないんだろうけど、と思う。
好きだと言って良いのだろうか。
「カ」
意を決して口を開いた、そのとき。
527 :
433:2007/04/29(日) 22:15:16 ID:???
『シンジ君!』
ネルフシーバーからミサトの声が飛び出す。
「ミサトさん…まさか、死徒」
『そうよ。大至急、捜査にまわって』
はい、と言えずに困りながらカヲルの方を見るシンジにカヲルは
「死徒なんでしょう。今逃したら、もう掴まらないかもしれない」
と背中を後押しする。
「でも…」
「いってらっしゃい」
優しい声音で厳しい顔。
「うん…いってくるね」
迷っている暇など無いのだ。
スカートをはためかせ駆け出していくシンジを見送りつつ、カヲルは哀しい顔をした。
528 :
433:2007/04/29(日) 22:17:36 ID:???
「シンジ君……」
もらえなかった、返事。
嫌われているのだろうか。でも嫌がってはいなかった。
いつだかシンジに「物知りなんだね」と言われた時のことを思い出しつつ、
「いくら僕が物知りでも、シンジ君の心まではわからない…悲しいね」
と独り言を言った。
おわり
GJ!!!!
G J ! !
マニキュア(・∀・)イイ!!
何かどきどきする
そうかこれが百合か
GJ
見事このスレは俺を百合にひきこんでくれた
職人達にGJ
マニキュアもエロイがペディキュアもエロイと思うので、職人さん是非お願い致します…
百合、可愛いよ百合
ほ
537 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/12(土) 18:39:33 ID:ZuuL6mHY
保守
保守
職人がきますように!
神スレほす
なんで急に過疎ったの?
保守ついでに投下
音楽室に響くチェロの音。
「うん、今日も、いい感じ」
僕は家で弾くのとはまた少し音が違って聞こえる音楽室が好きだった。
(防音だから、かな?)
まあ、どうでもいいか。
「少し休憩しようかな」
ちょうど弾くのをやめたところで誰かが入ってきた。
「カヲル君。どうしてここに」
一応壁は全て防音で音は外には漏れないはずだった。
どうして、わかったのだろう?
「シンジ君のことなら、なんでもわかるよ」
まるで心を読んだような、見透かされた言葉にはっとする。
微笑みながら近づいてくる、カヲル君。
揺れる銀の髪が美しいといつも思う。
そして、座っている僕の手を取り、恭しく甲に口付けをする。
なんて本能に忠実な人。
きっと彼女の理性は本能に忠実に飼い慣らされているのだと時々思う。
見上げた赤い目は黒とぶつかり。
赤面。
かっ、と顔に血が上る。僕って赤面症?
「可愛いよ、シンジ君」
「ありがとう…」
少し戸惑いながらも動じていないように答える。
最初はよくそんなに恥ずかしいことが言えるな、という思いでいっぱいだった。
今でも思うけれど。
嘘ではないんだろうな、と思う。
カヲル君は口は緩くとも嘘はつかない人だった。
でもそれが余計に恥ずかしかった。
(いっそ、お世辞の方がいいのに)
物思いに耽りそうになる自分を頭を振ることで現実世界へ引き戻す。
その様子を見てかカヲル君はクスリと笑い、多少乱れた僕の髪を撫でる。
細くて長い女性的な指が僕の髪を滑る。
この指でヴァイオリンを奏でるのだ。
そして、カヲル君は、大きなチェロを抱く僕をチェロごと抱きしめた。
銀の髪がシンジの顔にかかる。
白くて柔らかくて、それでいて無駄な肉のない腕が絡みつく。
低体温。いつもカヲル君はひんやりして気持ち良い。
「好きだよ、シンジ君。愛している」
心地良い声。染み渡ってくるみたいだ。
「うん、知ってる」
嬉しさを隠すため、
相手のペースにのまれないようにするために、
わざとつっけんどんに答える。
「君を誰の目にも触れさせたくない。
いっそのこと首輪をつけて、閉じ込めてしまいたいよ」
きっと彼女は、僕を飼い殺すのだろうなと思う。
でも僕はそれで幸せなのだ。それが幸せなのだ。
「カヲル君の性癖はサドだったの」
「そういう雰囲気ぶち壊しなところも好きだよ」
首輪をつけたいだなんて、末期だ。人間として。
そしてそんな返事を返す僕もまた末期だと思う。
「でも、嫌いじゃないでしょう、そういうの」
「うん、そうだね」
「シンジ君の性癖は、マゾ?」
「まさか。愛ゆえと言って欲しいね」
さらりと、いかにも動じていないといった風に答える。
そうさ、いっそのこと首輪でも縄でもつけて欲しいさ。
ふっ、と笑ったカヲル君は僕の頬を両手で包み込み、優しげな目で微笑む。
紅の目は人を突き刺すような色をしているのにどうしてこんなに優しく見えるのだろうか。
少し見つめあったあと、額に口付けられる。
それを合図に、末期な僕らはまた見つめあい。
深い深い口付けを交わした。
今までのほのぼのとした流れをぶった切るものを書いてすみません。
不評だったらカヲル視点は投下しないです。
反省はしています。
先ずは投下汁!話はそれからだ( ̄ー ̄)
>>540 自分は何個か投下してるんだけど
春で新生活でいっぱいいっぱいな感じ
投下したいけど時間ない
来月落ち着いたら投下しに来るよノシ
急に忙しくなって投下できなかった…
>>546のお言葉に甘えてカヲル視点
教室。
屋上。
図書室。
大抵、シンジ君が居る場所へは行ってみたが、居ない。
行動範囲はそう大きくないシンジ君のことだ。
またあそこへ行っているのだろう。
行く先は、音楽室。
時折シンジ君は教員の許可をもらい、家から持ってきたチェロを弾く。
なんでも音の感じが家で弾くのとは異なるらしい。
大してそういうことを気にしない僕は一緒にヴァイオリンを弾いていてもわからなかった。
防音か、そうでないか。
それだけの違いだった。
(シンジ君は神経質…いや、繊細なんだなあ)
ふわふわと髪をなびかせながら音楽室への道すがら考える。
そして、ぴたり、と足をとめる。
目的地へ到着。
音楽室のドアは教室のただ横に力を入れると開くものとは違い、ドアノブがついている。
触るとひんやりするそれを掴み、捻り、開ける。
キイ、と金属の軋むような嫌な音に眉を顰める。耳障りだ。
扉を開けて目に入ったのは、少し驚いた顔のシンジ君。
なんだかおかしくて笑ってしまう。
「カヲル君。どうしてここに」
どうしたも何も、行動範囲の狭いシンジ君のこと。
行きそうな場所は行った。
結果、そこにはいなかったのだから残るはここのみだ。
「シンジ君のことなら、なんでもわかるよ」
微笑みながら近づいていく。
スカートが揺れる。この感じ、嫌いじゃない。
そして、膝をつく。
恭しく座っているシンジ君の手を取り、甲に口付けをする。
きっと彼女は顔を紅くしているだろう、と予想しながら、目を上に。
見上げた赤い目は黒とぶつかり。
顔は、紅。
その美しい紅を見て思わず声が出る。
「可愛いよ、シンジ君」
「ありがとう…」
少し戸惑ったような、声。
耳をそっと擽る、声。
柔らかくて、ひらかなが似合うシンジ君の声はきっとどんな音よりも綺麗で透き通っているのだ。
(そういえば)
前、同じような事をして、言ったときに恥ずかしさにたまりかねたシンジ君が
よくそんな恥ずかしいこと、と言った。
僕にとってはそれはしたいからしたまでであって、当たり前のことだった。
嘘はつかない。
(だから、アスカにも嫌われちゃうのかな)
沸点が相当低いであろう彼女の怒った顔を思い浮かべると笑いがこぼれてくる。
ふと、シンジ君を見やるとふるふると何かを払うように頭を振っていた。
その様子がおかしくてクスリと笑い、多少乱れたシンジ君の髪を撫でる。
さらさらと指が滑っていく。
そういえば彼女は「シンジ」なんて男の子っぽい名前で、自分のことを「僕」と言って、
普段着だって女の子女の子していないくせに髪だけは長い。
同じく自分のことを「僕」と言っている自分も人のことを言えないが。
でも自分がその髪を、呼び名を、格好を、彼女自身を好きなのは事実。
そして、そっと腕を伸ばし、目の前の大きなチェロを抱く小柄なシンジ君をチェロごと抱きしめた
鼻先の黒い髪。艶やかで、美しく、柔らかい。
シンジ君はあたたかくて触れていると気持ち良い。
子供体温?でも、それほど熱くもない。
あたたかく、心地良い温度が、体温が低い自分に染み渡ってゆく。
「好きだよ、シンジ君。愛している」
ぽつりと零す。
「うん、知ってる」
嬉しいくせに平然と返す。照れ隠しで意地っ張り。そんなところにすら愛しさを感じる。
「君を誰の目にも触れさせたくない。いっそのこと首輪をつけて、閉じ込めてしまいたいよ」
本心からの言葉。でも、僕はきっと彼女を飼い殺す。
「カヲル君の性癖はサドだったの」
すっとぼけたような返事。可愛い。
多分、僕の気持ちをわかって言っているんだろう。
「そういう雰囲気ぶち壊しなところも好きだよ」
首輪をつけたいだなんて、末期だ。人間として。
自嘲気味に口元が歪められる。
「でも、嫌いじゃないでしょう、そういうの」
「うん、そうだね」
またも澄まして返ってきた返事にわずかに驚く。
「シンジ君の性癖は、マゾ?」
「まさか。愛ゆえと言って欲しいね」
小生意気。だがどんな仕草も可愛く見えてしまうのだから仕方がない。
惚れた弱み?シンジ君には、勝てない。
ふっ、と笑って両手でシンジ君の頬を包み込む。なんて小顔。
ほんの僅かに潤んだ黒曜石のような瞳が僕を見つめる。
長い睫に縁取られた、それ。
僕は短く切られた前髪から覗く額に軽く口付け、
まるでそれを合図にしたかのように僕らは深い口付けを交わした。
おわり
なんだこりゃ…
すみませんでした。
自分のは微妙過ぎるから他の職人に期待。
乙
イイヨイイヨー
556 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/30(水) 11:08:11 ID:hngMRQjO
ъ(゜Д゜)グッジョブ!!
1日遅れたけどシンジ誕生日おめでとう
6月6日。
今日は、自分の誕生日だ。
だが家には自分1人。
研究所に勤めている父母は例によって今年も仕事。
おまけに泊まりだそうだ。
あの優しい母のことだから家に帰ったら盛大に祝ってくれるだろう。
「でも、やっぱり寂しいな」
当日に1人というのがこれまた寂しい。
くるくると指で肩までの髪を弄りながら、
中学二年生にもなって寂しいだなんて、と自分につっこみをいれる。
仕方ないので何をするでもなく朝起きてからご飯を食べて、掃除をして、
その他もろもろをして…と思ったところで、訪問者が。
「やあ、シンジ君」
ドアを開けたところで薔薇の花束を持ったカヲルが立っていた。
間。
「すみません、人違いです」
ぐいっとドアを引き寄せて閉めようとすると、
ちょ、ちょっと待って、待ってったら!という声とともに、
右足が僅かなドアの隙間に突っ込まれ、閉めるに閉められなくなった。
ふう、と息をつきながらカヲルが口を開く。
「…ひどいよシンジ君。せっかく来たのに」
「僕は呼んでない。断じて呼んでない」
相手を仕留められず、内心舌打ちをしながら答える。
「…で、何の用?」
渋い顔をしながら尋ねる。
カヲルは右手に持ったケーキが入っているらしい箱を掲げ、
「嫌だなあ。誕生日を祝いに来たんだよ。自分の誕生日忘れたの?」
と、事も無げに言う。
おまけにお邪魔します、と一言いい、あがりこみだす始末。
「き、君に祝ってもらう覚えなんてないよっ!」
やっと搾り出した言葉に白い足を投げ出していたカヲルはちら、と振りかえり、
「ああ、せっかく予定空けて、花屋で薔薇も買って、
良い店の高いケーキ奮発して買ってきたのに…
シンジ君はそれを……ひどすぎるよ」
と唇を軽く噛み、俯いた。
最後の方の震えた声はもちろん演技である。
予定を空けたのも薔薇やケーキを買ったのもカヲルの自由。
1人で好きでやったことだ。
だが慌てたシンジは気づかない。
「なっ…ば…っう、い、いや…別に……そんなつもりじゃ」
その言葉を聞き、俯いていたカヲルはパッと顔を上げ、嬉しそうにする。
「じゃあ、いいんだね!?」
「はい」という選択肢しかないとシンジが気がつくまで、そう時間はかからなかった。
「ああ、幸せ」
心底嬉しそうに呟くカヲル。
「シンジ君の誕生日に、シンジ君とこうやって二人でいられるなんて。
僕の人生の中で一番幸せだねえ」
ほう、とシンジの淹れたココアを飲み、独り言のようなものを続ける。
既にカヲルが買ってきたケーキは空になり、二人はその余韻のようなものを楽しんでいた。
…君が押しかけてきたくせに。
シンジはそう出掛かった言葉をココアと一緒に飲み込み、
代わりに「どうしてそんなに嬉しいの」と聞いてみる。
カヲルは何をそんな当たり前のことを、という顔をし、
「嬉しいに決まってるでしょ。だってシンジ君が生まれた日なんだよ?
どんな日よりも、誰の誕生日よりも、なによりも大切な日。違う?」
と、言った。
違う?と聞かれても、とシンジは困った顔をする。
「僕、シンジ君に会って誕生日を聞いた日からずっと数えてたんだ」
カレンダーに×つけてね、とにこやかに笑う。
流石にそれはちょっと。
ほのかに顔が熱を持つのが感じられる。
「僕は嬉しい。どんなことよりも、なによりも」
「…」
「シンジ君は、嬉しくない?」
小首をかしげて尋ねられる。
嬉しくないはず、ない。
う、とたじろぐ。
「そんなこと…ない、けど」
「よし、その返事を待ってたよ」
「え」
近づいてくるカヲルに、体は硬直するばかり。
会話が噛み合ってないし、どこかで体験したパターン。
あれ、と思う間もなかった。
「ああ、可愛い。君はどんな花にも負けず輝いているよ」
飛び跳ねる勢いで嬉しがるカヲルとは反対にシンジはため息。
垂らしていた髪は2つに結わえられ、顔には軽く化粧が施されている。
そして指にはマニキュア。足にはペディキュア。
それでも鏡を見ると…自分で言うのもなんだが、なるほど可愛かった。
うっすらと頬紅がのった頬。
アイシャドウで彩られる瞼。
熟れた甘い果実のような唇。
「美味しそうなフルーツみたい」
銀の髪をはねさせたカヲルは歓喜の声をあげる。
マニキュアやペディキュアの絶妙な色使いは素晴らしいとしかいいようがなかったが、
シンジは家に上がらせるんじゃなかった、と後悔した。
(僕はこんなおもちゃにされるために生まれてきたの?)
トホホ、と半泣きになりつつ、カヲルに感激して泣いちゃ駄目だよ。化粧が落ちるからと言われつつ、
なんだかんだ言ってシンジは少し嬉しかった。
カヲルはまじまじとシンジを見つめていたかと思えばいきなり、あ、と声を出してバッグを漁り始めた。
何が起こるんだろう、と見ているとカヲルは後ろ手にとことこと近づいてきた。
「誕生日おめでとう」
にこ、と笑って差し出したるは小さな箱。
ピンク色の包装紙に包まれ、赤いリボンで可愛く飾られている。
「あ…り、がとう」
ちょこん、と手の上に乗せられたそれ。
何が入っているんだろう、と思っていると「開けてみて」と促され、包装紙に手をかける。
中から出てきたのは、指輪。
「わあ…」
光を反射する銀のそれをカヲルはそっとシンジの手からとり、
左手の、
薬指に、
はめた。
「なっ…」
「うん、いい感じ。ぴったりだね」
とても満足げに笑うカヲルの横でシンジは顔を赤くしていた。
「なっ、なんでここに嵌めないと駄目なの!?」
文句を言いつつも、顔は穏やかで、シンジはそっと指輪を撫でてみた。
(自分を祝ってくれる人がいるのは、悪い気がしない)
おわり
昨日投下できず無念。ごめんよシンジ
変なとこで切れてたりするけど気にしないでください。
では、読んでくださってありがとうございました
GJ
貞カヲォォォル
テラ(*´Д`)ハァハァ
なるほどこのシンジきゅんは化粧してるのか…きっと薄くやるだけで更に美人になるんだな
しかし、指輪て。これまた
テラ(*´Д`)ハァハァ
GJ
ъ(゜Д゜)グッジョブ!!
イイヨーイイヨー
最近あんまり投下無くて寂しいな。
職人、忙しいんだろうか
まち
何か書け
何か話が書けるようなキーワードとか書いてもらえると嬉しい
カヲル、照れ、甘え、抱擁、正常位、僕の愛の証だから受け止めて(中田氏)
百合スレだっつの
576 :
1/3:2007/07/05(木) 00:15:45 ID:???
TV版の二人の出会いを妄想。嫌だったらスルーよろ
渡された書類の束をパラパラとめくり一通り目を通すと、カヲルはそれに火を付けた。
炎が燃え広がる前に一番上に添えられた写真を手にし、微笑みを浮かべ瞳を細めると、黒くなり始めている無用になった束を地面へ落とした。
シンジは波打ち際に一人たたずんでいた。足元を波が引いては寄せていく。
考えるのは友人達のこと、父のこと。誰かにこの思いを吐露したいと思うが、みんながみんな心に傷を負っている今、そんなことは出来そうになかった。
(――アスカにあんなこと言うべきじゃなかったのかもしれない)
好きな人が死んだなんて。シンクロ率の低下で自信を失い、崖のへりでかろうじて立っていた彼女の背中を押してしまったのかもしれない。そう考えてシンジは一筋の涙を零した。
(――僕は、人を傷つけてばかりだ)
色々なもので汚れてしまった手をぎゅっと握りしめて、静かに泣き続ける。
「どうして泣いているの」
聞き慣れない声。振り返ると見たこともない少女がいた。その瞳はこの夕陽よりも赤くそして美しい。
シンジは乱暴に濡れた頬を拭った。知らない人間にこのような所を見られるのはどこか居たたまれない。
「生きるのが、辛いの?」
少女は一歩ずつ距離を詰めてきた。そして乾ききらない頬に触れて、優しくそっと拭ってやる。
知らない体温にびくりと身体を震わせたシンジは、その手を振り払うと後ずさる。跳ねた水がスカートを濡らしたが気にしなかった。
「君は……」
「僕はカヲル。渚カヲル。初めまして、碇シンジくん」
577 :
2/3:2007/07/05(木) 00:16:52 ID:???
にこりと、微笑まれてシンジは頬を染める。それほどその表情は蠱惑的だった。しかし、なぜ自分の名を知っているのかという疑問がわいてくる。
そんな視線を感じたのか、カヲルは再び口を開いた。
「君は有名だから」
「有名って言ったって……」
「…僕はフィフス・チルドレンだよ。――おそらく弐号機に乗るのかな」
言われた言葉に目を見開いたシンジは、口元を押さえた。
(――それじゃあ、アスカは……)
シンジがようやく出した声は恐ろしいくらいに震えていた。
「…アスカの代わり?」
「アスカ?…ああセカンドのことか。……そういうことになるね」
シンジはアスカを思い出す。自信に満ちあふれてエヴァに乗ることを誇りにしていた少女を。…それしか持ち得なかった少女を。
止まったはずの涙が再び溢れ出す。先ほどまで胸にあった考えは確信に変わっていた。きっと最後の一歩を踏み出させたのは自分なのだ。
彼の人─加持─を唯一のよりどころとしていた彼女にとって、どれだけ残酷な言葉だったのだろうか。浅はかだった自分がひどく憎い。
「泣かないで。君が泣くと僕は胸が苦しいんだ」
カヲルは泣きじゃくるシンジの細い腕を引き寄せるとその胸に抱き込んだ。
知らない体温と知らない香りだったけれど、誰かに抱きしめられるということがひどく温かくて。縋るようにカヲルに腕を回してシンジは泣き続ける。
***
「委員会が直接送ってきた少女。経歴は一切不明。分かっているのは生年月日のみか」
ミサトはパソコンの画面を見ながら表情を険しくする。
胸騒ぎがした。それは女の勘とも言うべきもので、苛立たしげに髪の毛をかきむしる。
578 :
3/3:2007/07/05(木) 00:19:52 ID:???
「何か悪いことが起きなきゃいいんだけれど…」
***
「ごめん。…こんなみっともないところ見せちゃって」
一通り泣き終わると、シンジは自分のはしたなさを考え慌ててカヲルから離れた。気恥ずかしさから頬が染まる。
カヲルはシンジの言葉に首を振るが、少し困ったように眉根を下げて笑った。
「案内してくれるかな?いまいち、ここの地理が解らなくて」
一緒に差し出された手を凝視したシンジは、カヲルの顔と見比べて躊躇いがちに自分の手を重ねた。
ひとまずこんな感じ。
これから二人はきっと色々育むんだろうけど、最後は……
って考えてて泣いてしまった自分をどうにかしたい。
読んで下さった方はホントありがとうございます。
GJ!上手いです
GJ
>>581 それ書いてた者ですがネタがなくて、ネタもらえたらまた書けるかもしれない。
583 :
581:2007/07/11(水) 20:37:48 ID:???
ロザリオ渡しちゃおうぜ!!
あ・・・同級生だorz
誕生日ネタとかお願いします。
この二人で百合だと「圧迫祭りよーッ」的な香りがする
表面お淑やかさを装ってるけど内心シンジLOVE食べちゃいたい!なカヲルと
無茶苦茶清らかで優しいけどちょっと天然っ気入った庵シンジキボン!
イイ!!
589 :
585:2007/07/16(月) 23:01:36 ID:???
>>585を書き上げるまでのつなぎにSS。まさにSS。
珍しく真面目ぶった顔が僕を見つめている。
「…なに」
と、返事をした途端、
そいつは、がし、という効果音がつきそうな勢いで僕の両手を掴んだ。
小さな顔に似合わず意外と手が大きいのに驚く。
なのに指は細くて女性的だなんて天は二物を与えずなんて嘘なんだ…
…なんて僕がぼんやり思うほど間を空け、ようやく口を開いた。
「好き」
え、という僕の呟きも聞かず、
「それだけ。また明日ね」
と早口でいうと駆けだしていってしまった。
待って、と口が動く前に僕はスカートをはためかせる銀髪を追っていた。
窓からはいる夕焼けが赤い顔をごまかしてくれるのを願いながら。
おわり
長くしようかとも思ったけどSSに。短いと思った人はすみません
前菜としてはイイ感じだ
流れ読まずに
>>437の続きの二人投下します。
「夏、どこに行こうか」
少しだけ伸びたその髪の毛を指先で遊びながらカヲルは言った。その指をくすぐったくも、そして愛しくも感じながらシンジは口を開く。
「二人になれる、どこか」
目の前の綺麗な深紅を見つめて照れたように微笑む。カヲルは嬉しげに目を細めると、指先をそっと頬へと滑らせた。
朱色が差すそこをそっと親指で撫ぜる。その手に自分のそれを重ねたシンジは、瞳を閉じて頬をすり寄せた。
誰もいない教室、聞こえてくるのは部活に励む声と蝉の声と風の音だけだ。
ゆっくりとその距離を縮め始めた二人。シンジは近づいてくる気配をそのまま待つ。心なし、ねだるような仕草で。
触れるだけのキスだった。すぐに離れてしまったものだったけれど、自分の唇が熱を持ったままなのにシンジは気づく。
瞳を開いて、じっと原因を見つめた。その表情が物欲しげなせいかクスリと笑いが零される。
「足りなかったの?」
「足りないわけじゃ…ないけど」
ハっと気づいたように一気に顔を真っ赤にして俯いてしまった可愛い恋人に、カヲルの頬は弛みっぱなしだ。
「僕を見て」
「…やだよ」
「…見て?」
熱を持った両頬に手を添えカヲルは言った。耳に届いた声色はとろけるように甘く優しく、シンジの心を掻き乱す。
囁くように言われた言葉に、きゅっとシンジは唇を噛みしめた。その瞳はゆらゆらと揺れている。
「ずるい」
「そうだね」
「ほんとにずるい」
「そう思うよ」
まだ何か言葉をつなげようとした唇はふさがれてしまい、くぐもった喘ぎを漏らすだけだ。
深くなる口づけに、ちゅ、と濡れた音が響く。名残惜しげに離れた唇同士は細い糸で繋がっており、夕陽に艶めかしくきらめいた。
はぁはぁと息を乱しながら濡れた唇を拭う。その頬は上気し瞳は潤んでひどく色っぽい。
「僕ばっかり、どんどん好きになるみたいで、ずるい」
たっぷり数十秒は呆けた後、カヲルは盛大に吹き出した。そんな様子に怒りからかシンジは目を吊り上げる。
「真剣な話なのに!」
「君は…っ、君は僕がどれだけ好きか解ってないの?」
目尻に浮かんだ涙を拭いながらじっと見つめた。
「君が笑うたび、怒るたび、泣くたび…色々な表情を見るたび、僕は君に恋してる。一緒に過ごして新たな一面を見るたびにも。僕は毎日、君に恋してるんだよ」
今度はシンジが呆ける番だった。しかし次の瞬間には勢いよく机に突っ伏した。真っ赤になっている顔を隠すためだ。そして泣きそうな自分を隠すためでもある。
「どれだけ僕が君を好きか、解った?」
その髪を優しく梳きながらの問いに、シンジは頷くことしか出来なかった。
そしてその体温が離れていかないように、と、強く強く祈った。
おしまい。
読んで下さり有難う御座いました。
他の職人の投下楽しみにしています。
GJ!!
なんかこう…うまく表現できないからGJだけしとく
GJ!!!!!!!!!!111
597 :
582です:2007/07/22(日) 21:39:05 ID:???
レスぐらいしとけば良かったかなと今更後悔。
>>583にいただいたネタでやってみました。
>>583ネタありがとうね。
何故かアスカが出張っているがちゃんと最終的にカヲシンだから心を広くよろしく。
渚カヲルというある意味無敵の赤い薔薇、もしくは白百合の似合う変態美少女様が
碇シンジという生まれた時から妙に比較的不幸体質のボーイッシュな少女のいるクラスに転校してきてから約数ヶ月がたっていた。
おそらく、かなりの確立で絶対的に波乱に満ちていただろう夏休みを終了し月は九月に入った。
一夏の体験は少女を大人にしたのだろうか?
598 :
582です:2007/07/22(日) 21:40:39 ID:???
――しかしまだまだ暑い。
その暑い中、ある中学校の二年A組の教室では自習時間だった。
基本的に皆だらけていて自習用のプリントは半分も終わっていない。
心の中で皆が皆、温暖化を恨んでいるようだ。
その一部である二人の幼馴染同士の少女が下敷きをうちわにしながらひどく気だるげに会話をしていた。
「ねぇ、シンジ知ってる?」
片方は自分のものではない誰かの席にお行儀悪く座り、その長い赤っぽい金髪をうちわから送られる風で揺らしながら
ホントもう死にたい、という風体の少女。
顔は純粋な日本人のものではなく、ドイツの血が入っているようで西洋人形のような美少女だった。
今は動いていなくても浮いてくる汗や死にそうな表情のため色々台無しだが。
「何を?」
もう一方は黒く短い髪を汗で額に少し貼り付けた少女。
少し中性的ではあるものの儚いようで凛とした美人の部類にはいる顔をしていた。
髪が少年のように短いので暑いものは暑いで変わらないが、金髪の少女よりは幾分涼しげだった。
こちらは下敷きをうちわにしながらも自分の席でコツコツと真面目にプリントを進めている。
プリントの名前欄に書かれた名前は『碇シンジ』と、随分男らしい。
というか、どう見ても男の名前だ。
そして金髪の少女に呼ばれた名も『シンジ』。
これはこの少女の本当に間違いなく本名である。
けして実は女装美少年だ、というわけではない。
父親の親馬鹿な策略によってそんな名前を与えられただけ。なんという親だ。
この名前を与えられた、その時点から彼女の妙に、妙な、不幸体質は始まっているのだろう。
599 :
582です:2007/07/22(日) 21:42:58 ID:???
「九月十三日ってカヲルの誕生日なんだって」
「へぇ…、っええ!?」
サラッと入ってきた情報を聞き流そうとしたシンジだが、ちゃんと脳に通達されたらしく咄嗟に驚いた。
カヲルとはフルネームを『渚カヲル』といい、夏休みも入れて数ヶ月前にこのクラスへと転校してきたアルビノの少女で限りなくシンジにとっては問題児。
だがしかし、その容姿はかなりの美少女。
髪型は肩につかない程度の長さで外ハネ気味。
勉強もできる上に運度神経もよくスタイルも抜群という世の不条理を勝者の側で表したような子だった。
それでも性格、行動、言動にかなりの問題があり、とてもとても、もったいない。
この辺りは違う意味での世の不条理さをあらわにしていた。
――現在、カヲルは自習時間であるにも関わらず一人涼を求めてどこかへと姿をくらましている。
「それ本当?」
驚いたシンジは反射的にそう聞いた。
金髪の少女はハンカチで額を拭いながら情報入手までの経緯を説明する。
「ホントホント、ほら、誰だっけ、隣のクラスの松井さんって子が人にプロフィール書かせんの好きじゃない?
今朝ぶつかった時に何枚か落としてその中にあの子のがあったの」
「九月十三日ってあと数日しかないじゃないか!」
急なことなので真実性を感じるとシンジはつい声を荒げてしまった。
「知らないわよ!そんなんあたしの責任じゃないわよ!!」
自分が悪いわけではないのにまるで責められるように言われてしまったので金髪の少女は更に大きな声で叫んだ。
周りの生徒の目が一斉に二人に集中する。
「ゴ、ゴメン…」
(こわっ!暑さでキレやすくなってる…)
金髪の少女の睨みに怯えるシンジ、難儀なことだ。
生徒たちの目はすぐに他に移った。
600 :
582です:2007/07/22(日) 21:45:20 ID:???
「で、どーすんのォ?」
ぐでーっと机に突っ伏し金髪の少女は聞く。
「な…何を?」
未だおどついたまま、これ以上機嫌を下手に損ねまいとシンジは控えめに聞き返した。
「あんた馬鹿?カヲルにプレゼントかなんかあげるのかって聞いてんの」
「…あぁ…」
そのことか、とシンジの頭の中がクリアになった。
「そうだな…」
そのまま深く考え込んでしまうシンジ。
その様子にあきれ返った表情で金髪の少女は起き上がりシンジの方を向く。
「…あんた酷いやつねぇ…あんたすごい懐かれてんじゃない」
「うーん…」
シンジは目をつぶり、腕を組み、眉間に皺を寄せて考え込む。
(まず何あげたらいいのかわからないし、あげたらあげたでまたなんか変なこと言ってきそうだし、むしろ何か変なことされそう…
「君の愛は受け取ったよ」とかなんとかわけわんないこと言って…)
さすがに色々被害(※被害例・セクハラ、人口呼吸ファーストキス事件、その他)をこうむってきただけあって
そろそろそれなりにパターンが読めるようになってきたようだ。
しかし型にはまりきらないのが天才、変人、変態、の特徴なので要注意。
(どうしよっかな…)
でも一応友達だしなぁ…、とシンジは深く深く考え込む。
「…」
そして結局の結論。
「そうだな、一応なんかあげたほうがいいよね、アスカはどうするつもりなの?」
「ハ?ふざけないでよ、なんであたしが人の神経逆撫でる変態レズ女にプレゼントなんてやらなきゃなんないのよ」
アスカと呼ばれた金髪の少女はある種の憎しみのこもった冷たい目をして言い切った。
その口調は棒読みで、叫んでいない分凄みが増している。
色々な勝負事で彼女に負けたことをそりゃあ深く根に持っているらしい。
末代まで祟らんかぎりに。
「す…スミマセン」
恐怖に駆られ、意味もなく謝ってしまうシンジだった。
601 :
582です:2007/07/22(日) 21:47:20 ID:???
――放課後。
夕方は真夏、真っ盛りの頃と比べれば涼しくなったように感じられた。
通学路の住宅地の中、夕焼けの中を下校する伸びた影が四つあった。
影がスカートの形を四つとも模っていることから女子の小集団であることを物語っている。
ひとつはシンジの影、ひとつはアスカの影、ひとつはあの噂の変態レズ女ことカヲルの影、あとひとつは綾波レイという
ちょっと微妙に髪の色が白とは色違うような…という疑問点の残るアルビノの少女の影。
ウルフカットと特徴的なツリ目が特徴。
それにしても女の子という生き物は何かしらおしゃべりの耐えない生き物らしい。
「そういえばカヲル、あんた自習の時間どこ行ってたの?」
「ふ…、企業秘密さ」
眉間に皺をよせたアスカの質問に、天然ものだがいくらかキザっぽく明確な答えに全くなっていないが答えるカヲル。
そこにいつも静かな口調のレイがいつもにように静かな口調で告げ口する。
「私、見た、音楽室にいた。…多分クーラーつけてた」
「はああぁ!?何よソレー!ずるい!!あのクソ暑い教室にいたあたし達が馬鹿みたいじゃない!」
もちろんアスカはそれに反応、怒る。
「知恵のある者の特権だよ」
それを気にもせず流しながら、カヲルは遠まわしに馬鹿だと言っている。
「キーッッ!!あんたって本当にムカツク!!」
じだんだを踏むアスカ。
正しいものの感じ方だろう。
途中まで道が同じなことと不審者対策も兼ねて四人は仲良く(?)下校している。
602 :
582です:2007/07/22(日) 21:50:10 ID:???
「…」
その中でシンジだけ終始無言で何かを考え込んでいた。
例によってカヲルへのプレゼントのことで悩んでいるのだった。
あれからずっと考えているが何をあげればいいのか全く見当がつかないらしい。
だからといって本人に誕生日プレゼントに何が欲しいか直接聞くのは無粋といえる。
親子ならともかく。
もしカヲルが普通の女の子ならば可愛らしいペンだのメモ帳だのを幼馴染であるアスカの誕生日に贈る時のように
用意すれば良いのだろうが生憎カヲルは色々と普通ではない。
普段使う文房具も飾り気のない、だが微妙に値段の高そうなシンプルなものオンリーで、見ている限り本人もなかなか耽美な趣味をしているようなので
キャピキャピチャラチャラしたものはあまり喜ばれないような気がしてならないらしい。
普通ではない、――とすれば実はシンジの親戚だったりするレイだが、彼女とカヲルはどこか似てはいるものの
絶対的な何かで異なっているためにあまり参考にならない。
ちなみにシンジがレイの誕生日にあげるプレゼントは紅茶の葉っぱ、そしてそれを淹れてあげること。とお菓子。
カヲルには紅茶の葉などは地味な気がしてならないのでなんとなく却下――、と、そういう思考を繰り返していた。
まずそれ以前に誕生日に中学生が紅茶の葉を渡すのはどうだろう。
(いっそビックリ箱とか…)
終いにはシンジの思考はそっちの方向に行き始めていた。
「シンジくん」
「!」
不意にシンジの意識は可愛らしく綺麗な、でもどこか大人っぽい響きを持っている声により現実に戻された。
いきなりだったので一度大きく心臓がはねた。
「どうしたの?ぼんやりしていては危険だよ、つまずいて君の綺麗な足に傷がついたりしたらどうするの?」
カヲルがシンジの顔を心配そうに覗き込んでいる。
あまりに至近距離でシンジは引いた。
同時に軽くトラウマを引きずり起こし頬が熱くなるのを感じた。(※某キス事件が原因)
603 :
582です:2007/07/22(日) 21:53:07 ID:???
「こんな何もないところで転ばないよ…」
「いや、人間生きているうちは何があるかわからないものさ、だからしっかり自分の意思を常にもっておかないと…乙女に油断は禁物だよ」
最後の辺りに病院行って来い的な表現を含めてお説教をするように真剣な表情でシンジを諭すカヲル。
そこまで言うとふいっと笑顔が戻る。
「まぁ、転びそうになったら僕がしっかりと抱き止めてあげるからね」
「…ありがとう」
シンジはあまり嬉しくなさそうに言った。
極端に嫌な表情というわけでもないが愛想のある苦笑いというわけでもなかった。
かなり微妙な苦笑い。
気持ち的には公衆前面なら止めて欲しい…否、二人きりのような状況の時の方が危ういのでは?
それは転ばなければいいだけの話なので流す。
「しかし何か悩み事でもあるの?愛しい君の顔が憂いに染まるのはボクとしては喜ばしくない…
悩みがあるのなら全てボクに打ち明けて欲しい」
憂いに満ちた表情でカヲルはシンジの手を優しく握った。
柔らかく女性的な白くて細い綺麗な指がシンジの日本人的、健康的な色をしたシンジの細い、こちらもなかなかに綺麗な形をしている指に絡む。
辺りには白い百合の幻覚が。
シンジはといえば、あぁ…きちゃったよ。この妙な雰囲気、とげんなりしていた。
604 :
582です:2007/07/22(日) 21:55:58 ID:???
その時だった。
「あーハイハイハイ!道端で気色のワルイコトしてないでとっとと帰りましょうねぇ!!」
「ぐえっ!!」
アスカが作り笑いを浮かべながらシンジの細い首に腕を回しカヲルから強引に引き剥がし引きずった。
シンジの首は当然ながら絞まり奇声が飛び出す。
容赦なくズルズルとアスカはシンジを引きずり続けるのでシンジは非常に苦しそうだ。
一体この細い腕のどこにそんな力が、というほどにアスカの力は強い。
幼馴染として、気持ちお姉ちゃん気取りでシンジを魔の手から守りたいのか、ただのカヲルへのささやかな嫌がらせか
それら半々なのか、それはアスカにしかわからない。
取り残されたカヲルはクスリと笑った。
前方二人の光景を微笑ましいと思っているのか、馬鹿め、シンジくんはボクのものになる運命なんだよ、と嘲笑ったのか
それら半々なのか、それはカヲルにしかわからない。
「………」
一番後方にいたレイだけがその様子を静かに見守っていた。
今晩の夕食のことを考えながら。
605 :
582です:2007/07/22(日) 21:58:37 ID:???
再び四人がまともに帰途につき始める。
そしてカヲルが消えた。
これではホラーだ。
カヲルは途中から道が違うのでそこで別れた。
彼女が最後に残した言葉は
「ボクは毎日こうして必ず別れなければならない悲運を嘆くよ…じゃあ、また明日」
だった。
とても淋しげな笑顔だった。
その後、出会いのための別れか…、とカヲルが丸みのあるツリ目の赤い瞳でどこか遠くを見つめながら呟いたのを誰も知らない。
一番星みぃつけた♪
――さて、小集団帰宅を続ける三人。
「なんであの子はいつもああなのかな…」
眉をハの字にしてため息をつくシンジ。
もしため息で寿命が縮まるというのなら彼女の寿命はどのくらい縮んでしまったのだろうか…。
「もう慣れたわよ、あの変態タンビ、アレ絶対自分がおかしいって自覚ないわよ」
「…うん」
アスカの辛辣な意見。
あんまりな言い様だとは思ったがシンジには否定ができなかった。
「で、あんたまだあのこと考えてたの?」
アスカは問う。
「あのことって何?」
シンジが答えを返す前に理解できない話の流れに感づきレイは質問をした。
わからないことを素直に聞けるってスバラシイ。
606 :
582です:2007/07/22(日) 22:02:06 ID:???
それに答えたのはシンジ。
「渚さんの誕生日プレゼントに何あげようかなって、綾波は何かあげる?渚さんの誕生日九月十三日なんだけど」
「…どうして?」
いつもと同じような無表情に見えるが微妙に、それこそ古い付き合いでないとわからないほど微妙に眉を顰めて、
貴女に言っている意味がわからない、という風なレイだった。
「いや…、うん、どうってワケじゃないよ」
『聞いたワタシが馬鹿でした』とシンジは心の中で反省した。
そこにアスカがバッカじゃないの、とあきれを大量に含んだため息をつく。
「まったくいつまでウジウジ考えてんのよ、いいじゃない、適当で」
「そういうわけにもいかないだろ」
不真面目アスカちゃん、生真面目シンちゃん。
「そうだ、ゴキブリの瓶詰めでもくれてやりなさいよ!あの女の弱みが握れるかもしれないじゃない!!」
アスカはニヤニヤ笑いながら卑劣なことを言った。
多分半分は本気なのでタチが悪い。
はっきり言って人としては最低だろう。
イジメカッコワルイ。
「却下!!」
すかさずシンジは叫んだ。
「ちっ、そんなに何あげたらいいか思いつかないんならもうあげなきゃいいジャン
あんた渚カヲルのこと嫌いなんじゃないの?」
「…え…」
アスカの素直故の暴言にシンジの心は一瞬白くなった。
そして微妙な角度まで俯いて行動停止。
607 :
582です:2007/07/22(日) 22:04:26 ID:???
「な、なによ、いきなり黙り込んじゃって…」
ちょっとおろおろするアスカ。
少しだけ間を置いてシンジは静かに語り始める。
「…別に、嫌いってわけじゃないんだ、ただ今まで僕にああいう風に接してくる人はいなかったから
どう対処したらいいのかわからないだけで…」
「………」
「………」
足の歩みを止め、大人しくシンジの話を聞く赤と青。
何気に重苦しくない程度にシリアスな雰囲気だった。
空の色も辺りの暗さも微妙に夕日が残っているという程度なのでこの雰囲気にはナイスシチュエーションである。
シンジは電話でなら幼い男の子に間違われそうな声質で言葉をつむぎ続ける。
「できたらちゃんと仲良くなりたいと思うんだ、僕はこんなだから元々女友達とか少なかったし…」
ちなみにシンジの女友達と呼べる人は大体アスカとレイのみ。
しかし、そのアスカとレイも基本的には女友達、そもそも友達といえるのは両方とも性格に少し難があるので少なかった。
むしろ子供の頃からこの二人の面倒を見ていたから普通の女友達が少ないという事態を招いたのでは、というのは考えないでおこう。
「だから…嫌いじゃないんだよ」
シンジは少し照れながら優しく言った。
もしこの発言をカヲルが盗聴器で聞いていたらそれこそ薔薇に百合に咲き乱れるだが
残念ながらもうそれはやらないと宣言したので叶わない。
本当、聞いていたならきっと新婚旅行はどこへ行こうか、マイハニー状態だっただろう。
608 :
582です:2007/07/22(日) 22:09:44 ID:???
「…ふーん、そ。じゃあがんばりなさいよ、あたしはあの子とは絶対仲良くなんかならないケド」
シンジの語りが終わるとアスカはそっけなく言った。
「碇くんがそうしたいなら、がんばればいいわ」
レイは真っ直ぐな瞳で言う。
「…うん」
こうしてシンジはがんばってみる、と新たに心に決めたのである。
シンジが『お友達』になりたくてもカヲルのほうはおそらく微妙に(?)違うと思われるのだがどのような結末を迎えるのかは計測不能。
神のみぞ知る。
※妙に長いので今日はここまでの投下とさせてもらいます。
後半分は明日の夜にでも投下しに来ます。
610 :
>>583:2007/07/23(月) 19:28:12 ID:???
質も量も兼ね備えてて、何ていうか、ほんとにもう・・・
GJ!
耽美っぽさアップしたねwww
612 :
582です:2007/07/24(火) 01:10:34 ID:???
ちょっと寝過ごした…続き投下します。
それから数日後、九月十三日、渚カヲルの誕生日当日。
その日は朝からすごいことになっていた。
けして宇宙人が襲来したとかではなく。
変質者が全裸で校庭をランニングをしているわけでもない。
それらに比べればほんの些細なことではあるがカヲルはプレゼント責めにあっていた。
学校についてからまずクラスメイトのその他大勢の女子達に可愛らしいシャーペンだのメモ張だの筆箱だのキーホルダーだのを貰った。
次に名前も知らない、多分隣かもう一つ向こうのクラスの数人の女子達に手作りクッキーのプレゼントを貰った。
休み時間に名前も知らない、おそらく三年と思わしき髪の毛の落ち着いた普通の明るそうな男子生徒から綺麗な、
でも所詮中学生が手に入れられるようなものなので少し安っぽい髪飾り貰った。
お昼休みには下級生と思わしき気の弱そうな女の子からポプリを貰った。
偶然通りかかった少しお年を召した優しそうな印象のある女の保険医からアメを貰った。
貢がれまくりのカヲルだった。
それはカヲルが美貌の転校生であるからして、大半がお近づきになりたいのだろう。
それが友情への第一歩、もしくはアイドルのような美少女と仲良くなろうという虚栄心だったり
内面を大して知らず外見に騙されて甘っちょろい憧れを抱き、甘酸っぱい青春を独走中だったり、これを妄想、自己満足という。
早く目を覚ませ。
最後のは偶然に偶然が重なっただけだったりした。
当の本人は少し困ったような顔をしてはいるものの小さな口元はいつものように微笑を刻んでおり、マンザラでもなさそうだった。
片手には職員室から貰ってきた白い紐付きの紙袋。
今は福袋状態である。
613 :
582です:2007/07/24(火) 01:13:33 ID:???
その様子を自分の机で頬づえをつきながら見て
「何よ、あたしだって美少女なのにあんなにプレゼント貰ったことないわよ!」
頬を膨らませながらアスカは憤慨する。
そこにサラッとシンジが。
「アスカは性格がきついから、完全にみんなにバレバレだし…」
「何ですって!!バカシンジッ」
シンジはアスカの拳から頭を守った。
それはともかく。
シンジはまた悩んでいた。
プレゼントを買ってはみたものの渡すタイミングが掴めないらしい。
614 :
582です:2007/07/24(火) 01:16:57 ID:???
――そして時間だけが無常に流れ、気がつけば下校の時刻となりました。
「シンジ」
シンジが教科書類を学校指定のカバンに片付けているとアスカが後ろから耳打ちをした。
この話は百合カヲシンであるにも関わらず妙に他キャラとの交流が多いがそういうことだってあるのだろう。
何も主軸の二人がイチャコラするだけが百合ではないのだ。
「あんたまだプレゼント渡せてないんでしょ?」
「う…うん」
「全く、男子の鼻に指突っ込めるクセに変なところで照れ屋なんだから…」
「………」
むしろ他人の鼻に指を突っ込めるほうが変だが、アスカはあきれていた。
過去の自分の暴挙を暴かれてシンジは恥ずかしそうに頬を赤らめた。
ちなみ鼻の穴に指を突っ込まれた被害者は鈴原トウジという少年。
クラスメイトでシンジと仲の良いちょっとスケベな男友達、でも今回登場予定はない。
「仕様がないからこのアスカ様があんたたちをお膳立てしてやるわよ」
えらそうな態度でアスカが言った。
ぽかんとするシンジ。
「あたしとレイは先に帰るから、あんたとカヲルで二人っきりで帰んなさいよ」
パチンッ、とウィンク。
右手の中指ではなく、人差し指を立てる。
「え…、あ、うん、ありがと…」
シンジは結構複雑そうにお礼を言った。
本当のところカヲルにプレゼントが渡したい+ちゃんと友達になりたいは確かにあるが
今までの経験上、あまり二人きりにはなりたくなかった。
トラウマを舐めてはいけいない。
でも今回は仕方がないね。
615 :
582です:2007/07/24(火) 01:23:26 ID:???
「じゃっ、あたしが加持先生にアタックする時はしっかり協力しなさいよね!」
そう元気に言うと軽やかにアスカは後ろ方の席にいるレイの元へ行き何か話してから、
彼女を引き連れちゃっちゃと教室を出て行った。
二人をぼんやりとシンジは見送った。
多分、彼女たちは数日前シンジの真摯な願いのせいで、シンジがそっちの人間じゃなくても
やつがあっちの人間かもしれないことを忘れている。
その忘れさせた原因はシンジの願い優先というものなのか、
いくらなんでも本気で同性愛なんてこんな自分の身近でありえなーい!と油断しているためか。
油断は禁物、乙女じゃなくてもいつ誰に後ろから刺されるかわからないご時勢だというのに。
一寸先は闇。
先に出て行った凸凹コンビを視界の端に入れたカヲルは不思議に思い、シンジに近寄る。
「今日はあの二人、先に帰るの?」
「う…、うん、用事があるんだってさ」
シンジはプレゼントを渡さなきゃいけないというプレッシャーのせいでトギマギと少し様子がおかしい。
カヲルが傍に寄ると頬がほのかに赤くなった。
「じゃあ今日は君と二人きりだね」
「そう、だね」
あえて口にするか?というセリフを吐き、にこーと嬉しそうに微笑むカヲル。
シンジはドギマギとしたまま両手で自分のスカートの太ももの辺りを握り思う。
――あぁ…どうしてこの子の言葉は僕を不安にさせるんだろう…、と…。
616 :
582です:2007/07/24(火) 01:26:01 ID:???
場面は帰宅中に飛ぶ。
今日の夕日は二人の少女だけを優しく包む。
伸びた影も物理的に二つ。
二人ぼっち。
上記三行を全く意識もせずシンジはずっとドギマギしたまま、プレゼントを渡すタイミングを計っていた。
シンジがドギマギしているので会話もロクに続かない。
…しかし、ここで直接的には関係がないが気になることがあるのだが、どうしてカヲルはあの紐付きの白い紙袋しか持っていないのだろうか。
いつものことなのだが基本的に彼女は常に手ぶらだった。
教科書は?
宿題は?
保護者へのプリントは?
と数多の疑問が残る。
きっと彼女は四次元ポケットでも所有しているのだろう。
617 :
582です:2007/07/24(火) 01:28:35 ID:???
疑問は自己完結したところで本編に戻る。
「シンジくん」
あまりにシンジの様子がおかしいのにカヲルは悲しそうな表情をしていた。
「ナニカナ」
本当に微妙に口調がおかしいシンジだった。
これではカヲルもよく帰り道の中間地点である小さな公園前まで耐えたものだ。
カヲルは紙袋を持っている方の、ちょっと異常な美白を誇る柔らかそうな左腕に右手を軽くそえて、
罪悪感を人に植え付ける用の憂いたような、悲しそうなあの笑顔を浮かべる。
「ボクと二人で帰宅するのは…そんなにも不満…?」
「い、イィ、嫌、そうじゃなくテ、あのー、ほら…ソノ」
シンジはどうしようもなく動揺しているようだ。
ただ誕生プレゼントを渡すだけだというのに下手に意気込み過ぎて墓穴を掘っている。
カヲルは小さく息を吐いた。
「…そんなにボクが嫌ならもう一緒に帰らないよ、今まで無理をさせてごめん…、君の優しさに縋り過ぎたようだ」
勝手に、こういう時に限って良くない方向に自己完結し、潔いのが華と言わんばかりにカヲルはシンジに背を向けた。
そっちは貴女のお宅じゃなかったはず。
「だ…っ!だから違うよ!」
シンジはカヲルの細い手首を掴む。
シンジからあえてカヲルに触れたのは今回が初めてかもしれない。
二つだった影がその部分で繋がって一つになった。
618 :
582です:2007/07/24(火) 01:32:19 ID:???
「え、えと…ちが、くて、…これを、これを渡したかったんだ…」
手を放しシンジはゴソゴソと自分の肩からかけているカバンの中をあさる。
カバンからでてきたのはリボンのついた紙袋、カバンに入れていたせいで少し皺ができている。
「ソノ…お誕生日おめでとう」
上目使いでプレゼントを差し出し照れを隠しているような表情を浮かべてシンジは言った。
「…うれしいよ、知っていてくれたんだね」
今日の出来事で気付いたのではなくて。
祝って欲しかったけれど自分の美学的に自分から言うことは出来なかったのに。
(※以上補足でした)
カヲルはそっとシンジの頼りない肩に空いている右手を置き、頬を染めて微笑んだ。
真紅の薔薇の幻覚が発生した。
(…つい先日だけどね…)
そこまで嬉しそうにされると軽く申し訳なくなったシンジだった。
シンジが気に病むことはひとつもない。
「開けても良い?」
「いいよ」
カヲルの問いにシンジは頷いた。
この場合頷くしかない。
619 :
582です:2007/07/24(火) 01:37:00 ID:???
袋をあけてでてきたのはロザリオネックレス。
装飾がほどこしてあり、あの祈り捧げる用、祈りの回数を確認するようのマジもんではない。
キーホルダーのチェーンみたいな銀の鉄紐。
それについている手のひらに納まるサイズの黒い細身の十字架、中心には赤いガラス玉が埋め込まれている。
はっきり言うようで何だが、オモチャみたいな代物だった。
誕生日までに土日を挟んでいたから商店街に行き雑貨屋を見たのだが、シンジのおこづかいではこれが精一杯。
でもビックリ箱だとか考えた子がこれを選んだというのなら上出来だろう。
お値段は七百五十円。
しかし値札はきっちりシンジが捨てておいた。
「ありがとう、シンジくん…」
カヲルは十字架をぎゅ…と握り目を閉じた。
いちいちオーバーな少女だ。
シンジの方はといえば取りあえず喜んでもらえたようなので胸をなでおろしていた。
別に悩まなくてもゴキブリの瓶詰めなど以外の物ならカヲルは普通に喜んだだろう。
自分にとって愛しい我が君のくれるものを喜ばない人間がどこにいるのだろうか。
もしいたとしたらそいつは余程のアホか精神異常者。
つまり、シンジの行動は骨折り損が大半なのだが大切なのは気持ちなので。
620 :
582です:2007/07/24(火) 01:44:04 ID:???
――それからしばらく、といっても十数秒、四捨五入で十秒、そのままで二人はいた。
カラスがカァカァと鳴き、小学生が「じゃーなー」と言う声が聞こえた頃、
「これはボクからの感謝の気持ち…」
スッとカヲルが目を開けた。
「ほぁ?」
この時、シンジはプレッシャーからも開放されかなり油断していた。
この間抜けた声がそれを物語っていた。
「…ん!?」
そして想定もしなかった不意打ちによりシンジの唇は奪われた。
――セカンドキスも変態でした…と。
ガサッ、と紐付きの紙袋がアスファルトに落ちる音。
袋の口はテープで塞がれていたので中身は出なかった。
シンジは咄嗟に体を引き離さそうとしたが体は抱きしめられる形で拘束されたため両手がろくに使えない。
体をねじらせれば逃げられると思いやってみるが、細い腕のどこにそのような筋力があるのですか?
というほどがっしりホールドされており逃げることは叶わなかった。
カヲルだってしっかり捕まえるために人から貰ったものを地面に落としたのだ。
何気にシンジのまわりには迷惑な方向に能力のある人間が多いらしい。
「う、ンぅーっ!うー!!」
シンジはそれでもくぐもった声をあげて必死に抵抗をする。
抵抗するという過程でシンジはカヲルの細い背中に腕を回しているため、傍からは合意に見えないこともない。
カヲルの視点からは取りあえず今日のところは舌を噛まれかねないので口内侵入はやめておこう、といったところ。
気持ち的には君がもう少し大人になってから…といったところなのだろう。
621 :
>>583:2007/07/24(火) 01:45:57 ID:???
リアルタイム北!!
622 :
582です:2007/07/24(火) 01:47:08 ID:???
少しマニアックな視点だが女子の学生服というのはおそらくどこもスカートのため靴下より上は生足でシンジが動くたびに生足同士が触れ合った。
ちなみにシンジの靴下はワンポイントも何もない清々しい白、カヲルのは深く濃い黒。
夕日に照らされて先ほどシンジがカヲルの手首を掴んだ時とは比較にならないほど重なった影。
先ほど友達と別れた一人の小学生の少年が公園内で目を丸くしてその光景を凝視していた。
「………」
「……う…」
酸欠に追い込まれ始めたのかシンジが少々大人しくなった辺りでカヲルはシンジを解放した。
これ以上呼吸を止めると生きたいという意志と本能で大暴れされてしまう。
「…シンジくん…?」
自分が追い詰めたくせにカヲルはまだ腕に抱いたままのシンジの俯いた顔を覗き込んだ。
覗き込んだ先のシンジの顔は真っ赤に赤面していた。
下唇を噛んで眉間に皺をよせ茶色の瞳を潤ませていた。
今にも泣き出しそうだ。
「…っ」
「…シ、シンジくん…」
これにはさすがのカヲルお姉さまもヤベッ!と動揺した。
だが心のどこかでは滅多に見ることができないだろう表情にトキメキを感じていた。
623 :
>>583:2007/07/24(火) 01:51:05 ID:???
リアルタイム過ぎてチャットっぽくなってる。
クオリティーが高すぎです。
「な…んで…」
涙声でなんとか言葉を振り絞るシンジ。
無言のまま抱きしめたまま、カヲルはそれを見ていた。
「なんで、こんなことするんだよ…冗談も、大概にしろよ!!」
そしてシンジは切れた。
強引に先ほどよりは腕の力の緩んだ腕から抜け出す。
毛を逆立てた猫のように興奮しながらシンジは叫ぶ。
「なんでこんなことばっかすんだよ!僕は女だ!名前こんなでもこんな性格でも女なんだ!女は女を好きにならないんだ!
なんでなんだ、なんでなんだ!なんでこんなことするんだっ!!おかしいよ!なんで普通に友達になってくれないんだ…っ!!」
「それは…」
興奮した人間は他人の意見が耳にはいらないものである。
カヲルに弁明の余地は与えられなかった。
「僕は友達になりたいんだッ、それ以上のことなんて全然求めてないのに!どうしてこんなことばっかりするんだよ…!」
今回は過呼吸を起こさずにシンジは言いたいことを言い切った。
息切れは起こしているもののそこまでには至っていない。
少し呼吸を落ち着けてシンジは俯いて静かな口調でカヲルにハッキリ言った。
「…今なら僕は全部なかったことにできる、だからもうこんなおかしなことやめて」
「………」
カヲルはいつもある微笑みはなく無言でシンジを見ていた。
その表情は悲しげともとれる。
辺りはまだ日は残っているものの夕日が少し沈みは少しだけ暗くなっていた。
先ほど二人を凝視していた小学生はシンジが切れたのに驚き帰ったらしい。
カラスももうこの辺りでは鳴いていない。
不気味にも静かだった。
626 :
582です:2007/07/24(火) 03:19:00 ID:???
「君の心は固まりきった前時代的な常識、先入観、良識というものに満たされているんだね」
常識的に考えたらこのシーンでは的外れなことをカヲルは言い始めた。
この電波系は。
「な…」
もちろんシンジは俯けていた顔をあげた。
「そして、異端とされるものから目をそらし、そのイバラから自分を守っているんだね」
さも自分は何もかも知っていて全てを悟りきっているかのようにカヲルは言う。
「だからこそ君の心はここまで穢れを知らず繊細で美しい、しかしそれでは君は大切なことにいつまでたっても気付けはしないよ?」
「ハ…?何言って…」
「君は知るべきだよ、神は何も禁止などしていないということを…」
(また…この子は何を言い出すんだ…?)
シンジは戸惑っていた。引きながら。
全くもってシンジにはカヲルの言ってる意味がわからない。
わかる人間は渚カヲルと比較的同属だろう。
「シンジくん」
「な…なに…」
「愛している、シンジくん」
これは本当にひどい電波だ。
「は、ハイ!?」
当然のこと、シンジはついていけていない。
627 :
582です:2007/07/24(火) 03:24:18 ID:???
「おそらくボクのこの感情は友情の域をすでに越えてしまっていると思う、運命のいたずらにも同性である君にね
それでも構いはしない、まずこのボクには関係がないんだ、だからこそ神というべき存在は人に、同性も愛せる心を与えたんだよ」
それこそ天使や女神と評されるだろう微笑みを浮かべ悠然とカヲルは言った。
どこまで自分を正当化する気なのだろう。一体どこまで自分本位なのだろう。
カヲルがそうだから神はなになにをした、さすがにそれはないだろう。
カヲルはシャアシャアと続ける。
「今はこちらの方の気持ちに応えてくれなくても構わない」
いずれ必ず手中に収めて見せるから。(※補足)
「ボクは確かに君に友愛も感じている、だからしばらくはそれで構わない…」
シンジは唖然とするばかり。
ことごとくカヲルを拒否するタイミングを逃している。
男同士の同性愛よりは女同士の同性愛の方が抵抗が低いという事実が実は大きく関わっているのかもしれない。
「今は君が望むとおり、友達で構わない」
カヲルは落とした紙袋を拾った。
勝手に一人完結されることによりシンジは更に口を出しにくくなった。
「…プレゼントありがとう、このたくさんの贈り物よりも比べ物にならないほど嬉しいよ」
右手に握った十字架を口元に近づけてお礼を言うカヲル。
いきなり話の内容が飛んだ。
シンジは何かを言わなくては、と思うのだが頭は真っ白で何を言えばいいのかさっぱりだった。
思考能力が著しく低下していた。
電波に毒されたか。
「じゃあ帰ろうか、シンジくん。だいぶ暗くなってきてしまったね」
「う、うん」
カヲルの言うとおり太陽はもうだいぶ沈んでいる。
日が落ちるのが早くなった。
あっけにとられっぱなしのシンジは素直に答えた。
628 :
582です:2007/07/24(火) 03:28:48 ID:???
それからカヲルが先に三歩ほど足を進めて、また止まった。
そして後ろを振り向く。
「シンジくん」
「!!」
まだ何かあるのか!とシンジは身構えた。
「手を」
スッと差し出される白い手。
体の華奢さ、身長はそこまで違うわけではないのにカヲルの手はシンジの手より少し大きいことをシンジは知っている。
その指にはロザリオネックレスのチェーンが絡んでいる。
どうやらこれだけは袋にまとめる気がないらしい。
「手を繋いで帰っても良い?友人として」
何気に小賢しい言い方だ。
だが、このような言い方をすればシンジは断れないだろう。
「い…いいよ」
実際シンジは断らなかった。
色々混乱しており、先ほど告白されたという事実がひどくぼやけているようだ。
本能的に考えないようにしている?
しかし碇シンジという少女は基本的に生真面目なため、後々、今夜、深く悩むことになるだろう。
今夜は睡眠をとれるのだろうか…。
629 :
582です:2007/07/24(火) 03:36:45 ID:???
――薄暗くなった夕方。
公園から少し離れた道を正反対の印象を受ける同じ制服を着た少女が二人、手を繋いで帰途についていた。
銀髪の少女と黒髪の少女。
片方は鼻歌を歌いだしそうなご機嫌で、片方は抜け殻のようにぼんやりしていた。
二人の繋がれた手にはロザリオネックレスがぶらさがっている。
その心には甘酸っぱい恋心や過剰な表現法を持つ愛情、数多の混乱と未来への不安を抱えながら。
終わり
ご拝読ありがとうございました。
GJ!!!
すごくいい!!
GJ!!
毎度のことながら投下乙です!
GJ!!
誰かいるかい?
ノ
ノシ
ノ
>>585 すみません…もうちょっと待ってもらえるかな
色々思い浮かんで収集がつかないんだorz
>>592氏、
>>597氏、いつもGJ!!
再び
>>585書き上げるまでのつなぎに投下。夕焼け話その2。
図書室。
ふたりきり。
その単語が僕の鼓動をいっそう速くする。
一緒に勉強しようと誘ったのは僕だった。
どうしてかって、近々テストがあるからだ。…本当はシンジ君と一緒にいる口実だけど。
シンジ君は最初嫌がったんだけれども、
あまりにも根気強く誘ったらさすがのシンジ君も折れた。
本当は僕の家かシンジ君の家に行きたかったんだけど提案した途端に却下。
なので図書室というわけなのだ。
ひどいよね。
「君の家に行くのは危険だと思う」
なんて堂々と面と向かって言うんだもの。
下心がないわけじゃないけど。
でも、図書室も中々良い。
もう日が傾いていて誰も居ないし。
ちら、と顔を上げてシンジ君を盗み見ると眠たそうだった。
ていうか、半分寝ていた。
遅くまで勉強してんのかな、と普段は見ることができない寝顔を盛大に見つめる。
どうやら本当に寝てしまったようだ。
机に腕を組んで顔を横にしていた。
頬にかかる黒髪を開けた窓から入ってくるそよ風が遊ぶ。
風邪が汗で額に少しだけ貼りついた前髪を剥がしていく。
長い睫に縁取られた漆黒の目は今は閉じられている。
僕はよく今は隠れたこの瞳に睨まれる。
でもそんな顔もちっとも怖くないんだよね。
さくら色の頬が可愛い。
カナヅチなのかプールのとき溺れかかって白くなっていた頬。
あれから見学しっぱなしで僕はシンジ君の水着姿を拝むことができない。困っている。
そんなふうにぼんやりとシンジ君の顔を見ているうち、僕の頭に名案が浮かんだ。
寝起きの人間って、寝起きゆえにいつも聞く耳持たないことでもやってくれそう。
…というものだ。
ちなみに、根拠はなかった。
暇だったからである。
「シンジ君、シンジ君」
起こすのはちょっと悪い気もするがここは仕方がない。
それに、もともと勉強しにきたんだし。
自分にそう言い聞かせながら細い肩を揺さぶるとシンジ君はゆるゆると瞼を開いた。
「…ぅ、んう」
何、とうめく様に言い、顔を上げる。
うん、いい感じの顔。
半覚醒って感じの。
僕は自分的最高笑顔になり、
「キスしよう」。
「…はあ?」
瞬間、パチリと目を見開き、「こいつは何を言っているんだ」という目で僕を見る。
眉を顰め、何言ってんのさ、と言うと眠たそうにまた突っ伏してしまった。
そのまま微動だにしない。
ていうか君、勉強しないの?
なんだ、とがっかりした僕はため息をついた。
「また寝ちゃったの」
1人で勉強するのもつまらないのでそのまま僕はぼんやりと夕焼けに染まりゆく空を見つめる。
今日も暑い。
スカートを太ももまで捲り上げる。
露出狂じゃないけれど、暑いとよくこうしてシンジ君に怒られる。
いいじゃん、涼しいからさ。
またちらりとシンジ君のほうを見やると、僕と同じようにシンジ君の顔も夕焼けで赤く染まっていた。
そしてまた視線を窓の外へと戻す。
…
僕がそっと顔を上げるとカヲル君は窓の方を見ていたので
おそらく僕には気がつかなかったけど(気がついてほしくなかったから好都合だった)、
実は僕は寝ていたわけではなかった。
…最初は本当に寝ていたんだけれど。
それはそうと僕はまた腕に顔をしっかりとうずめた。
夕焼けに照らされた僕の赤い顔を見られたくないから。
おわり
少し短すぎた気もしないでもない
言い忘れたけど、読んでくださりありがとうございました。
クオリティが高いものを書けるよう精進したいと思います
644 :
585:2007/08/02(木) 19:18:58 ID:???
おう!GJ!
要望の件については急かすつもりはないけどwktkして待ってるぜ!
貞の方で11巻「辿りついた境界線」もじったの投下おk?
完全私的解釈+妄想ですが・・・
ぜひとも
良スレ発見
スレタイからして絶対荒れてると思ったのにw
投下された方々にはGJと言っておく
648 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/11(土) 14:38:48 ID:hEdhCLSz
保守
すげえクオリティ高いな
この板見捨てかけてたけど超GJ
萌えた…神が時々現れるから好きだ
651 :
こねこ:2007/08/13(月) 00:16:36 ID:???
勝手に投下。
「あんたたち、ばっかじゃないの!!!せっかくの息抜きの夏祭りだってのになんで制服なのよ!!!」
そう言って怒るアスカの前には、右から
「問題ないわ。」
と綾波レイ。
「なんか恥ずかしいから。」
と碇シンジ。
「面倒じゃない。」
と渚カヲル。
揃いもそろって制服姿。
それもそのはず、この4人、シンクロテストを終えての参加である。
むしろちゃんと浴衣を着ているアスカの方がおかしいのではないか・・・。
シ「仕方ないよ、アスカ。まさか来れるなんて思ってなかったから準備してなかったんだよ。」
カ「僕は浴衣なんて持ってないから。」
ア「問答無用!!指令が用意してくれたわよ!!!」
シ「父さんが・・・?」
652 :
こねこ:2007/08/13(月) 11:37:55 ID:???
30分後・・・
さっきとは打って変わってお祭りモードな4人組。
「碇指令の趣味もまあまあね。」
とご満悦なアスカの浴衣は、弐号機と同じ赤地に白の花柄。
帯は黄色。
「・・・」
無言だが少し嬉しそうなレイ。
薄い水色の帯。白を基調にプロトタイプと同じ色で肩からグラデーションがかかっている浴衣。
そして右手にはいつの間に買ってきたのか大きな綿飴が・・・。
「・・・なんかキツイ」
と少しふてくされたカヲル。
プラグスーツと同じ濃紺の浴衣。
全くの無地なのだが、それがかえって肌の白さを際立たせる。
帯も紺ではあるものの、不規則に巻かれた赤い帯紐がほのかな怪しさを醸し出していた。
レ「碇くんがいないわ。」
ア「あのバカ、恥ずかしがってロッカーから出てこないのよ」
ロッカーにて。
鮮やかな青色に肩と裾の向日葵の花がポイントです。
オレンジの帯で引き立たせるはずの愛らしい顔は、うつむいているため見ることはできない。
「いつまでそうしてるつもり?」
「な・・・渚。」
きっといつまでたっても出てこない自分を呼びにきたのであろう彼女の後ろには、誰もいない。
「アスカと綾波は?」
「先にいったよ。君はいかないの?」
「・・・僕にはできないよ。」
「どうして?セカンドだって『日本の文化』だっていってただろ。」
賢明な皆さんは既にお気づきかもしれませんが、あえて説明させていただきましょう。
とってもシャイなシンちゃんですが、お父さんが用意してくれた浴衣に全く問題はないのです。
強いて言えば、着せる方に問題があった訳で・・・。
「ちょっとバカシンジ!!浴衣着るのに、何下着なんて着けてるのよ!!!」
と、ひん剥かれちゃった訳です。
654 :
こねこ:2007/08/13(月) 12:25:34 ID:???
今日はここまでで・・・
叩かれるのは怖いけど、思い切って投下。
下着無しキターーー!!!!
いいよいいよGJ!!!!
いや頑張ってるな。良ネタGJ。
えっちいなここのシンジw
保守
こねこさんの話に続きがありそう
+
wktk
+
でももしそうだったら読む側にも投下する側にも途中で自分が投下したら迷惑になりそう
という勝手な妄想にとりつかれてたんだが…
気にしないことにした。
そんなわけで、明日になるけど
>>585のリクエスト投下してもおk?
どうぞどうぞ
>>585へ。
「シンジくん」
と、声をかけると、シンジくんは運悪く惣流さんにつかまっていた。
『惣流さん』とは、この間ドイツから転校してきた、勝気な少女…惣流・アスカ・ラングレーのこと。
僕とシンジくんが一緒にいるのが気に食わないのか興味があるんだかわからないけど、よく僕につっかかってくる。
馬が合わないので「さん」付け。距離をとりたいからだ。
「あ、カヲルくん」
ちょっと困った顔でシンジくんが振り向く。
大方、家のことやら僕とのことやらを聞かれていたんだろう。
と、間髪いれずに惣流さんが口をはさんだ。
「ちょっと、あんたたち。またべたべたくっついちゃって、目に悪いのよ、女同士なのに!
幼なじみだからだか、なんなんだか知らないけど、変よ!」
青い目が僕を睨みつける。僕の目と正反対の色。気に食わない。
その言葉に僕はすぅ、と目を細くしてこう言い放った。
「僕たちのこともろくに知らないで、よくそんなことがいえるね?
悪いけど、僕のシンジくんを困らせるのはやめてもらえるかな」
そう言って、そっとシンジくんの腕を掴む。もうやめてよ二人とも、と困ったような小声が聞こえた。
掴んだよく知っている腕はとてもほっそりとしていた。
僕とシンジくんは、小さい頃、僕が越してきてからの幼なじみ。
昔のシンジくんといえば、セミロングの今の髪型をもっと短くしていて、男の子みたいだった。
でも、可愛かったけどね。
昔から仲は良かったけど、シンジくんの母親が死んでしまってからはもっとその仲が深まったように思える。
今ではほとんど僕の家に泊まったり、シンジくんの家に泊まったりと学校以外でも一緒に居ることが多い。
僕はまだ何か言っている冷ややかな思いで惣流さんを一瞥すると
「さ、シンジくん。帰ろうか」
と、シンジくんを連れて退散することにした。
これ以上惣流さんとやりあっていても疲れるだけだ。
後ろからなにやら聞こえてきたけど、聞こえないフリをした。
どうも彼女は苦手。
ん、そういえばシンジくの父親はどうしたかって?
逃げたよ。仕事に。今ではほとんど家には帰ってこないみたいだね。
引きこもったりするよりはいいけど。
お金は定期的に銀行に振りこまれているそうだ。
…シンジくんは「すてられた」と思っているようだけど、
僕は、母親によく似たシンジくんを見ているのが辛かったんじゃないかなと勝手に思っている。
だからってシンジくんを放っておくのは可哀想だ。
…帰り道。
シンジくんに、
「カヲルくん、さっき僕に話し掛けてくれたよね?なんの話だったの?」
と聞かれ、ああシンジくんはマメだなあ、なんて関心しつつ何を話そうとしたのか思い出した。
「ああ、うん。あのね、今度、お祭りがあるよね?シンジくんと行きたいと思って」
ちらりとシンジくんの方を伺うと、はにかんだ笑顔が僕の視線を迎えた。
「人ごみは苦手だけど…カヲルくんとなら、行きたいな」
でた。
僕がシンジくんといて困ることの一つ…殺し文句。
本人は意識しないで言ってるんだからなおさら殺傷力は増し、僕へと襲いかかってくる。
僕はその台詞をなるべく意識しないようにしながら、良かった、と返事をして
浴衣姿のシンジくんを想像し、緩む頬をにこやかな笑顔へと変えていった。
(デジカメ、忘れずに持っていかなきゃ)
そこで今一番の不安要素を思い出し、眉を顰めた。
「…惣流さんには、会わないといいけど」
ぽつりと言い放った言葉に首を傾げたシンジくんに微笑み、僕はお祭りへと思いはせた。
遅くなってごめんなさい。
難産だったからアスカに手伝ってもらいました。
受け入れてもらえたら少しの間この2人で話を書いていこうかな…なんて。ちょっと本気で。
それでもって、読んでくれてありがとうございます。
GJ。
wktkで待ってます
天然シンジ萌え(´д`*)
マニアックなスレなのに無駄に職人の質が高い
GJ
良スレにつき、保守
GJ!
言葉遣いはそのままなのに
百合の雰囲気が出てるな
神スレ
671 :
こねこ:2007/09/07(金) 19:36:03 ID:???
遅くなりましたが、続きです。
しかも、下着を隠されてしまったこの状態ではどうしようもありません。
「下着のことなら仕方ないよ、彼女が強引だったんだ。
それに君が貧乳なのは、周知の事じ・・・」
「もう一度言ってみろ!!前歯全部折ってやる!!!」
他のチルドレンに比べて発育が遅いことを、シンジは気にしていた。
見た目は男の子っぽくても、シンジはちゃんとした女の子だ。
と、いうよりこの位の年齢になったら誰でも気にすることだろう・・・。
「痛っ・・・急になにするのさ!!?発育には個人差があるからその内成長するかもしれないだろ?
別につかみかかることでも・・・」
「カヲル君には僕の気持ちなんか解らないよ!!もう僕のことは放っておいて先に行けばいいじゃないか!!!」
672 :
こねこ:2007/09/08(土) 04:30:49 ID:???
「・・・一人で行っても意味ないじゃないか。」
「・・・。」
シンジから返事はこない。
ソッポを向いて黙ったままだ。
「・・・何か言ってよ。」
「・・・」
「・・・・無視するなよ!!!何か言ってよ!!!!」
カヲルがのしかかった勢いで、シンジの浴衣が少し肌蹴ている。
普段の彼女なら「何するんだよ。」と赤面しながら跳ね除けるだろうに、何の反応も示さないのはよほど頭にきているからなのだろう。
「・・・・放して。
放してよ、頼むから。」
ここまで拒絶されると取り付く島もない。
カヲルは少し寂しそうな顔をして、黙ったまま扉の外へと出て行った。
自動扉の閉まる音を聞いて、シンジはため息を漏らした。
673 :
こねこ:2007/09/08(土) 04:45:45 ID:???
あれから30分はたっただろうか。
流石に気持ちも落ち着いてきた。
と、同時にカヲルに対しての罪悪感ばかりが頭を廻り始める。
「冷たくしすぎただろうか」
「あたるつもりじゃなかったのに・・・」
「でも、ひどい事を言ったのは渚の方じゃないか」
「・・・・・」
「そうさ、僕が気にすることないんだ」
「きっと今頃アスカや綾波と楽しんでるよ」
チクチクと痛む胸をごまかし立ち上がる。
そういえば少し喉が渇いた。
確か自販機はこの近くにあったはず。
この時間ならネルフ職員もいない、見られる事がなければ別に恥ずかしいわけでもないし・・・。
「・・・よし、行こう。」
674 :
こねこ:2007/09/08(土) 04:56:03 ID:???
貞カヲを目指して書いたら、衝突必至になってしまう・・・・
庵カヲの方が書き易いのかもしれないと気づき、少し後悔中。
>>661
GJです。投下遅くて申し訳ない、こちらは気にせず投下してください。
でも保守
676 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/09(日) 23:34:10 ID:VnJGXa1L
でも保守
677 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/10(月) 00:10:03 ID:Po5cKYgc
乙!
スレタイでスルーしてゴメン!
待ちわびる〜(´∀`)
「シンジくんて言うんだ」
「?」
「かわいいね。今日から僕の妹だなんて」
突然現れた綺麗な子。
あれから2年
「カヲルくん!!どうして起こしてくれなかったの!!!」
「可愛かったからつい‥」
見とれて‥と小さく聞こえた。
彼女はもう既に登校準備は万端で、シンジに鞄とお弁当を差し出した。
「2人共遅刻するわよ」
隣の部屋から優しい女性の声がしていた。
慌ただしい朝の一時。
2人は大きな音を発てながら玄関を出る。
「いってきます!!」
「いってきまあす」
エレベーターに飛び乗った。
「あんた髪ボサボサ。女なんだからもう少し気にしなさいよ」
溜め息吐きながら冷たい視線をシンジに向けた。
「だってカヲルくんが起こしてくれなかったんだ」
チラリとカヲルを横目に見る。
「天使みたいに可愛くて起こせなかったんだ。ごめんよ」
優しい笑み。
揺れた綺麗な髪。
シンジはふいにその仕草に見惚れてしまった。
「あんたってほんっと朝から濃いわよね」
「そうかい?いつも通りだよねえ、シンジくん」
はっとしてシンジは少し俯きながら
「アスカの言う通りだよ」
と呟いた。
チャイムがなる。
クラスはザワつきながら人数が減っていった。
1時間目は体育だった。
3人も着替えを片手に教室を後にする。
「てゆうかさあ〜マラソンとかまぢやりたくない。こんな暑い中さあ‥」
ブツブツと文句を続けるアスカにカヲルは呟いた。
「いいダイエットになるじゃないか」
慌てたシンジはもう遅かった。
アスカは顔を真っ赤にして食いかかる。
「あ‥あんた!!なんであたしが太ったの知ってんの!??」
うんざりした表情でカヲルはアスカをさらりと退けた。
そのせいか彼女は着替えを更衣室の隅でしている。
シンジは気にしていたが発端の少女は無関心。
またアスカ根に持つんじゃないかな‥そんな心配を
していた。
全く気にしないカヲルを見遣ると丁度Tシャツに頭を通したところ。
するりと袖から白い腕が出てきていて、シンジはまた見とれてしまう。
この2人
実の姉妹でこそないが、戸籍上家族であった。
この美しい姉が来てシンジはすっかり自信を失していた。
自分にはない女らしさ
美しさ
儚さ
どこをどう見ても到底自分に勝る部分はなかった。
と言うより比べものにならないとさえ思った。
多感な年頃の少女にとって自慢の姉は自身の敵‥
だが違った。
シンジのような少女は羨望の眼差しよりも憧れに近かった。
それはカヲルの人柄からでもある。
自分のことを鼻にもかけず妹を第一に可愛がっていたから。
可愛いと言ってくれる言葉に憐れみはなく、暖かな愛情を感じていたから。
そんな姉を嫉ましいと思えなかったのだ。
681 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/10(月) 02:11:10 ID:2OV3EgLD
おもしろくないだろうけど‥けど‥!!
また明日続き投下します。おやすみなさい
GJ!
おもしろいわ!
GJ!!
綺麗な姉。
もともと顔も知らない親戚であった。
「親戚にシンジと同じくらいの女の子がいるのよ」
母はよく話してくれていた。
数年後彼女の両親が不慮の事故で亡くなり、シンジの家族に加わった。
初対面でシンジは瞳を見張った。
透けるような肌と色素のない髪、うさぎのような真っ赤な瞳‥
天使だ。
これが第一印象
「僕にこんな可愛い妹ができるなんて」
ふわりと伸びた羽のような手のひらに顔を包まれると
ちゅ‥
と小さな音を発て、シンジのファーストキスはあっけなく奪われた。
目の前がチカチカしたが、それでも微笑むカヲルを見て
頬を染めてしまった。
着替えを終え、ゆらゆらと陽炎の揺れる校庭に生徒達は集まっていた。
毎日が夏の気候だと云うのに、わざわざこの炎天下の中マラソンの練習だとか。
暑いだとか走りたくないだとか呟きはザワザワ聞こえるものの
ほとんどの生徒は無言で自らの手でぬるい風を仰いでいる。
例の3人も気怠そうな動きで更衣室から姿を現した。
なぜか投下できない‥
連続投下しすぎたとか?
まあ、急がなくても気長に待ってるからおkおk
長い文章投下できますん。。(つд`)
だから誰か変わりに続きヨロ
>>688 今までにない、新しい話GJ
だが、その誰かには君にしか書けない文を書くことはできないんだ
急がなくていいから君にしか書けない文で話を進めてくれ。
「いよいよ明日、か…」
13に赤マルがついたカレンダーを見つつため息混じりに呟くと、シンジは明日どうしよう、と頭を捻った。
明日は9月13日。
カヲルの誕生日。
自分の誕生日を祝ってもらったんだから、相手にもお返しをしないと。
常識人なシンジはそう思った。
でも、何を贈ればいいんだろう?
その事についてずっと頭を悩ませていた。
貰った指輪を見つめて考える。
銀に光るそれはよくみると裏にシンジの名前が彫られていた。
「高そうな指輪…」
(一見、シンプルに見えるけど名前を彫るとなると結構するんじゃないかな…値段…)
なんてものをプレゼントしてくれたんだ、と思う。
「お返しに困るじゃないか」
少しだけ唇をとがらせる。
指輪に釣り合いそうなもの…
「…ん、」
そこでふと、思う。
まあ、これでいいか。
「あとは、花でも持っていけばいいよ。うん。
…あ、ケーキ作ってあげようかな。カヲル君の家で。食生活気になるし、冷蔵庫覗いちゃお」
独り言をぶつぶつと言い、花を買いに家を出た。
少しだけ明日が楽しみな自分を見ないふりしながら。
おわり
また明日も投下します。
どうでもいいけど最近の悩みは「おわり」と「終わった後の空白」を入れ忘れることです。
>>557の二人でカヲルの誕生日お祝い。
カヲル誕生日おめでとう。
普段ほとんど電話をしない相手に電話をかけるのは少し躊躇してしうまことだ。
アドレス帳のな行。一番上。渚カヲル。
そういえばかかってきたことはあっても、かけたことは全然ないなと改めて思う。
少しの間じっとしたあと、ええいままよという気持ちで通話ボタンを押す。
ワンコール。
深呼吸をして…
ツーコール…「シンジ君!?」
「…っ」
びくりと反応してしまう。もっと遅くに出て欲しい…!
「い、碇ですけど」
ああ、もう。声が裏返る。
家の固定電話じゃないのに名乗ってみてるし。
当たり前だけれど相手にはもう誰だか知られている。
「珍しいねっどうかしたの?」
静かに、だが嬉々とした声。
そんなに僕から電話をかけたことが嬉しいのか…
内心ため息をつきながらも「君、今日、予定空いてる?」と聞く。
「空いてるよ。例え用があってもシンジ君のためならどんな事があっても空けてあげるよ」
最後は無視して、最初の言葉だけを聞く。人の話を聞くのが器用になりそうだ。
「あの…今日、君の、家に……行っても、いい?」
所在なげに自分の髪をいじる。
こちらが不安になるくらいの間を空けた後、相手は何を思ったか「いいの!?」と問いかけてきた。
シンジは電話を切ってから一息置き、ふう、とため息をついた。
(…そういえば、僕の誕生日終わってから結構いろいろあったなあ)
それまで縁が無かったわけではないが、カヲルがシンジの家に来てから距離がぐっと縮まった気がする。
(テスト勉強も一緒にしたし、綾波とアスカと4人で買い物にも行った。こないだはお祭りにも行った…)
そして今回は、家を訪問する。
いやに段階を踏んでいるような気もしたが、シンジは気にしないことにした。
…
花屋で買った花を右手に、ケーキの材料を左手に、シンジはカヲルの家の前にいた。
左手の薬指にはカヲルからの誕生日プレゼントの指輪を嵌めて。
花は、おそらくカヲルはすぐに枯らしてしまうと予想したため、花束ではなく鉢。
…鉢でも、枯れる可能性はあるのだが。
カチリ、とインターホンを押すと、玄関の前で待ち構えていたかのようにすぐに開いた。
「いらっしゃい、シンジ君」
にこやかに対応するカヲルにどぎまぎする。
服装はラフにTシャツと足首上までのジーンズ。でもお洒落でよく似合っていた。
(なんでこんなに緊張するんだろう…人の家だからかな)
「お邪魔します…」
おずおずと靴を脱いであがる。
「…」
行儀が悪いとわかっていながらも興味があったことも手伝い、ついつい部屋を見渡してしまう。
それほど広くもなく、狭くもない。…家族は不在なんだろうか?
(…実用性悪そうな部屋だなあ)
クローゼットの前にテレビ?
服はどうしてるんだろう?
なんでコンポは無駄に立派なの?
それに、第九がかかっている…
それに、あまり家具がない。
「君、どうやって生活してるの?」
思わず口をついて言葉が出た。
紅茶を用意していたカヲルは事も無げに、
「普通に生活してるよ」
と答えてきた。
「だ、だってっ、家具少なくない?それに、クローゼットの前にテレビって…」
「まあ、それはいいとして。シンジ君は紅茶なんにするの?ダージリン?それともアップルティーがいい?」
シンジは、レモンティーもいいよねえ、レモン入れてさと語るカヲルを信じられないといった目つきで見る。
「なんで紅茶はそんなにあって家具がこんなに少ないの」
ていうか、収入源はどこなの?
指輪はどうやって買ったの?
っていうか、家族は?
…君って何者?
底無しに湧き上がる疑問にまかせ口を動かしていたつもりだったが、
どうやらただ口をパクパクと開け閉めすることしかしていなかったようだ。
「なんでって…なんでだろうねえ」
にこりと笑って言うカヲルに絶句する。
ようやく喉から音を出すことができるようになってから、質問を再開。
「食事とか、どうしてるの?」
「適当に買って」
「その適当に買って食べてるものって?」
「固形栄養食とか。あとは…オソウザイってやつ?」
「家族は?」
「ふふ」
「なんで紅茶そんなにあるの?」
「好きだから」
「不健康過ぎるよ」
「そう?これで十分だよ」
きょとん、とした顔で返されると何も言えなくなる。
(じょ…常識が通じない……)
座ったら?とカヲルに言われるまでの約3秒間、シンジは動けずにいた。
「…で、本題なんだけど」
「うん?」
標本のようにじっとするシンジを眺めていたカヲルは我に返ったような返事をした。
「あの…誕生日、おめでとう」
むすっとした顔で渡すも、きっと顔が赤くなっている。
自分でもわかるほど火照った頬を恨めしいと思う。
下を向きながら渡したので相手の顔はわからない。
そろりと顔を上げてみると、
いつもの薄い微笑を貼りつけた顔はどこへいったのやら、ぽかりと口を開けたまぬけ顔がシンジを迎えた。
「…カヲル君?」
おそるおそる、問いかけてみる。
「えっ?…あ……あ、ありがとう…」
いつもの調子はどこへやら、ぽわっ、とした雰囲気になっている。
(なんだろう、この人…)
いつもどおりの変なのじゃないとこっちも調子狂うな、
なんて思った自分になにを言ってるんだとつっこみをいれる。
どぎまぎしながら次の行動を待っているといきなり抱きつかれた。
「…!!」
その勢いでシンジはこてり、とカヲルもろとも後ろに倒れる。
(なんだこの人…っ)
銀髪が顔にかかり、くすぐったいな、と思っているとカヲルはばっ、と身を起こし、両手でシンジの手を握り締めた。
「ありがとう!」
「え」
「嬉しい…僕、プレゼントなんて初めてだよ。誕生日を祝ってもらうのも…」
うっとりと、シンジのマウントポジションを陣取って呟くカヲルにシンジは内心
(こ、こなければ…よかった……かな?)
と思っていた。
シンジはそのまま上に居られるのも困るので話題を変えようと試みた。
「あの…あの、さ。ケーキ食べる?材料もってきたんだけど…」
おずおずと言ってみるとカヲルはようやく「あっち」から「こっち」に戻ってきたようで、
いつもの笑顔で(元気が3割増だったが)「うん!」とうなずいた。
シンジがケーキを作っている間、カヲルはシンジからのプレゼントを眺め、眺め、眺め、眺めていた。
シンジからのプレゼントはシルバーアクセサリー。
羽をかたどったものがついたネックレスである。
一緒にでかけたときに中々の格好をしていたのできっとお洒落なんだろう、と思いそれにした。
値段は、高くもなく、安くもなく。
思いのほかカヲルは気に入ったようで、眺めた後はもう首につけてみている。
カヲルはそ、っとシンジに近づき、料理の邪魔をしないよう抱きしめることはせずに「ありがとう」とまた呟いた。
シンジは顔を赤くし、俯いたままケーキに塗る生クリームをあわ立てていた。
(僕…なんでこんな恥ずかしい人を……)
シンジはふるふると頭をふり、その先は考えずに、ケーキを作ることに専念しようとした。
横目でカヲルを見るととても優しい顔で微笑んでおり、さらにシンジを赤くさせる原因を作られた。
(なにさ…いつもはにやついて意味わかんないこと言ってるのに…そんな顔、反則)
「シンジ君」
「うわぁあっ!!」
ぼんやりしているところに声をかけられ、思わず飛び上がってしまった。
「よ、よかった…ボウル落とさなくて。…で、な、なに?」
精一杯いつもどおりの調子を繕って言うとカヲルの方は
「シンジ君がくれたあの花ってなんの花?綺麗だね。まるでシンジ君のように愛らしいよ」
と、さっきの微笑みはどこへやら、通常どおりに戻っていた。
シンジはカヲルのくるくるした変わりように翻弄されながらも応えた。
「それはブッドレアっていう花で…9月の誕生花なんだ。あ、手入れのし方、後で教えるね」
少しどきどきしながら応える。
カヲルは「ふうん」と言ったきりで花についてはそれ以上何も言わず、「手伝おうか?」と言った。
それには「誕生日なんだから、何もしないでいいよ」と応えつつ、シンジはほっとした。
どうやらいくらカヲルは物知りだと言っても、全てのことを知っているわけではないらしい。
ケーキ完成後、まるで小さな子供のようにはしゃぐカヲルに呆れながらもシンジは『楽しい』と感じていた。
…ちなみにシンジがプレゼントしたブッドレア。
花言葉は…
…『恋の予感』。
おわり
長くなってしまいそうになったので慌ててちょん切りました。
なのでおかしなところがあるかもしれません。展開が速いとか。カヲルが庵くさいとか。
それはともかく読んでくださってありがとうございました。
神乙でした。綺麗で良かった。
保守
保守。
いいかげんお祭り編書きます…言う必要もないけど
wktk
ここ忘れてた
腐は消えてね
シンジきゅんが男娼だったらスレの腐女子がここを荒らして来いと命令するので荒らしに来ました^^
ここ、削除対象になってるみたいだけど、どうなるの?
キモスレ
とりあえずエロはないから、削除はされない。
キスで削除されるとかそっちのほうが悪徳の栄えだろ
ただ、その時にあらされたりしたらこんどはこっちが削除依頼出す番。
>>288とか大丈夫なのかな…
でも全部の作品にそういう表現が入っているわけでもないし、
>>713の言うとおり削除はされないかなあ
それ忘れてた
心配なら288を削除してもらうのはどうだろう
内容は各自の心やHDにしまっておくということで
ただ、レス削除は滞ってるからどうなるか・・・
自分だけの心配で削除してもらっていいものなのかどうか…
だけどもスレの存続に関わるし…一応、言ってみた方がいいかな?
「でも」とか多くて申し訳ない。A型心配性丸だ。馬鹿か自分はorz
レス削除はした方がいいと思う。今は遅くてもいずれは削除されるだろうし
別スレだがトウシン家族スレでは今後ローカルルールに沿って露骨なエロは自重していくらしい
こっちもローカルルールに沿わない作品は投下や、投下されたとしてもピンク板などに誘導した方が良いかと
今自治スレでエロスレ削除の動きが出てるから、良い機会だと思う
スレが削除されることはないかもしれないけど、性描写の自重や
レス削除はこれからも存続していくならやむおえないかもね
違反してれば削除されても文句は言えない
保存しておくか
じゃあエヴァ18禁板作ってくるか
エロがなければホモでもいいのかな
このスレはちょっと方向性が違うけど
気持ち悪い
>>717>>718 そっか。じゃあレスを削除してもらう方向でいけばいいね。
削除人のところ行くのは初めてだからきちんとできるかどうか…
できたら、ってことになるけど明日あたりにでもいってきます。
ので、各自保存したい方はしてくださいまし。
助言ありがとうね
722です。
削除人のところにいってきました。
報告だけ。
レスの削除依頼出して良かったね
スレの削除は免れた
ありがとう
何でこんな辺境までいちいちチェックしてるんだろうな?
放っておいてくれればいいのに
保全
刺激しない方がいいよ
お疲れ
保守
保守
保守
あげ
保守
保守
保守。
>>661の続き。恐ろしいほど季節が違うけどお祭り編です。
今日はお祭りの日
「カヲル君、後ろ…帯とか変じゃない?」と聞くシンジくんに僕は、
「全然変じゃないよ。それにその浴衣、シンジくんにとてもよく似合ってる。かわいいよ」
と、返すとシンジくんは少し照れたようで、短く「そうかな」という返事しか返ってこなかった。
シンジくんの浴衣は金魚と水草の模様のもので白地。
お祭りは夕方以降に行くので、暗いなか目立つ白地が良いと思ったからだ。
浴衣は僕がシンジくんのを、シンジくんが僕のを、というようにお互いにお互いのを選んだ。
ちなみに、僕の浴衣も白地…とは言いづらいもの。少し色がついている。
シンジくん曰く「カヲルくんは白地にすると白っぽくなりすぎるから」、らしい。
その細やかな気配りは流石シンジくんといったところ。
柄は朝顔を選んでくれた。
いざお祭りへ向かうと最終日だけあってなのか、結構な人がいた。
「…けっこう、混んでる?」
「あまり大きなお祭りじゃないから…近くの人が大勢きてるのかもしれないね」
その言葉に横にいたツインテールになったシンジくんが、う、とうなった。
…ツインテールの理由?お祭りで浴衣なのに髪を垂らしていたらおかしいから。
ちなみに僕が結ってあげました。
「僕、迷子になったらどうしよう」
ハの字気味によせられた眉は心底困っているようで。
冗談とか、そういうのではなく。シンジくんは真剣に悩んでいた。
そういえば昔から方向音痴なところがあったなと思い返しながら
「手、繋いで行こう?」
と手を差し出すとシンジくんは嬉しそうにはにかみながら僕の手をとった。
はぐれないようにしっかりとお互いの手を握って、屋台を隅々まで(と言っても屋台は多くはない)まわり、お祭りを満喫した。
夕食はお祭りで代わりになるものを食べるつもりだったので、
僕達は焼きそばとか、ワタアメとか、それぞれのかき氷を交換して違う味を楽しんだりもした。
大抵のものは一人で全部は食べられないので半分こ。
人並みに食べられない僕らは昔から半分こは得意中の得意なのだ。
「お祭りとかのイベントで食べるものは、普段より特別美味しく感じるね。なんでだろう」
と、シンジくんはしきりに首をかしげていた。
「僕はシンジくんと一緒に食べるのならどんなものでも特別に美味しいよ」
僕はシンジくんのことだからまた赤くなるのかなと思ったけれども。
「僕もだよ。カヲルくんとだったら、ドリアンだって食べれるかも」
あっさりと、いたずらっぽく笑って返されてしまい、今度は僕が赤くなる番になってしまった。
ふたりともお祭りの熱気にあてられたのかどうかはわからないけど、顔は熱く火照っていた。
それから安っぽい指輪をおそろいで買い、ピンどめも2つだけ同じ物を買って1つずつ頭につけて歩いた。
家に帰るともうへとへとで、浴衣を辛うじてどうにかし、
また、辛うじて着替えて歯を磨いて、ベッドに倒れこんだ。
もう既に寝息を立てているシンジくんを見つめ、
今日のことをしばらく反芻していた僕はデジカメを持って行くのを忘れていたという重大な過ちに気が付くも、心地よい疲れにもうどうでもよくなっていた。
明日は幸いにも土曜日。
いつもよりゆっくり寝て、今日入らなかったから朝からお風呂にお湯をはって、
シンジくんと一緒にお風呂に入ろうかなんて考えながら僕は幸せに眠りについた。
幸せついでにシンジくんの夢を見たかったけど、疲れて寝て、起きたら夢を見たのかどうかも定かじゃなかった。
おわり
ちょっと短いけど終わり。
読んでくださってありがとうございます。
超GJー。エッチ無しでもほのぼのした感じが可愛らしいね
GJ
これは素晴らしい
きもすれあげ
エヴァ板から消えろ
保守
カヲルくん
きもすれあげ
エヴァ板から消えろ
SS読まして貰った。
素晴らしい萌をありがとう。
職人達GJ!
保守!
こんなスレ保守すんな
保守するメリットがあるかどうかは、自分で判断しようと思う。
今はもう少しこのスレの行方を見てみたいんだ。
749 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/11(金) 18:38:29 ID:rQNPvHh0
保守
ageてしまった…すまない
わりかし面白いんだけど…
カヲルってだけで荒らされるのよ…
荒らしてる人はそう言うルールに拘ってるのね
荒らしのゲーム化か
荒しの人は、このスレはおkって言ってたから大丈夫だと思うんだけどな
そんなの信じてるの?バカじゃね?
腐が被害者ぶるのってウザイなww
腐や女をいたぶるのって面白いわけね
かわいそぶられると面白いなw
大体荒らされたり叩かれたりすんのってお前らに原因があるんじゃねーのwww
メス豚は叩かれて当然だろwwwwブーwwwwww
真のカヲシン好きはそもそも2ちゃん来ないだろ
叩かれ過ぎて悲しくなるうえにネット上で似たような百合ネタは溢れてる
GJ!
第弐拾四話
ホ
モ
襲来
百合だから…レズ襲来じゃないか?
保守
766 :
律:2008/01/21(月) 21:54:03 ID:VIv3PGNX
シンジとカヲルの百合の花 ......T.T...... NO.....
保守
百合ならいいと思ってんのか腐れども
巣から出てくるな
保守
臭い
百合とかキモイから止めてくれ
シンジられないっ
いい加減上げるのやめてくんねぇか?
>>772さんよぉ
まあ落ちそうになったのを保守してくれた人はこの人だし
それに某所の話題も尽きないよ
踊りまくってネタ提供してくれるおかげでね
某所ってコミュのこと?そういう言い回しで秘密ぶるのってオヴァの痛い癖だよね
オヴァっていうのが腐女子臭いからやめれ
俺は男だが
やめれ乙
だよな常考
っていうか、こういう百合設定なら2ちゃんでやらなくても
個人のサイトであるんじゃないの?
投下した奴とか見てたら大抵サイト持ちだしな
>>775 どこで自分が話題になってるか不安なんだなww
>>776 腐女子臭いというかどう見ても…
自分の受け入れられないやつを叩く典型的中学腐女子だろ
カヲル君を女にするなんかイヤッ><
絶対許さない!おまえら潰す!
煽り入れてageたる(≧▽≦)
どう見てもこれ
カヲルスレ軒並みageてるし遂にファビョり出したか
投下してる人サイト持ってるの?
>>780 ねえ某所ってどこ?
IP抜くとか、どうしてそんなキモいことするの?
厨腐女子は早く寝な
>>781 うーん、更新がきちんとできなさそうなので…持ってない。
保守
保守!
保守!!
保守
保守
保守
くちゅくちゅ
あんたもあちこちageて飽きないな
保守がてら投下。
貞カヲでよろ。
「シンジ・・・アンタいい奥さんになれるわ」
「そ、そうかな?」
「碇くん・・・・だし巻き、美味しい・・・・」
昼休みのランチタイム。
広げられているのはシンジ手製のお弁当。
最近では個別にお弁当を作る手間を省くため、重箱につめて持ってくるようになったのだった。
毎朝5時起きの傑作である。
使徒の殲滅が全て終わり、補完計画も未遂に終わったという都合の良い世界。
補完阻止に至った最大の功績者は今、シンジのひざの上で静かな寝息を立てている。
GJ!!!
なんて良い世界!
大変なことももちろんあったが、こうして穏やかに過ごせる毎日はシンジにとって何より望んでいたことだった。
「ふ〜、ごちそうさま〜」
「ごちそうさま」
「お粗末さまでした。さて、後片付けしないとね。
ほら、起きてよ渚」
「・・・・」
「渚、僕後片付けしないといけないだろ」
「・・・・・・・・」
「碇くん、お母さんみたい・・・」
…続くなら、GJしないほうがいいかな?それともリレーなの?
まとめて投下できなくてスマソ
個人で連続して書いてるモノです。
798 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/09(日) 20:16:17 ID:bTLGyazR
腐スレ
腐男子マジうぜえ
800 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/09(日) 21:19:07 ID:bTLGyazR
腐男子ってなに?
「仕方ないわね、今日はこの私が片付けてあげるわ!
ファースト。あんたも手伝いなさいよ」
「・・・・命令ならそうするわ。」
「あ、ありがとう。二人とも」
「お礼を言わなきゃいけないのは、アンタじゃなくてそこで寝てるお子様でしょ。
アンタは毎日頑張ってるんだから、気にしなくていいのよ!」
二人によって片付けられていく重箱を、シンジは少し困ったような笑顔で見ていた。
後10分とない内にお昼休みは終わってしまう。
このままカヲルが起きなければ、二人そろって授業に遅刻してしまうだろう。
(まさか屋上に一人置いておく訳にもいかないし・・・・・)
無理矢理にでも起こしてしまえばよいのだが、安心しきった表情で寝ているカヲルを見ると少し気が引ける。
「さてと、片付けも終わったし私教室戻るわね。
アンタもフィフス起こして早いとこいらっしゃい。
ファースト、行きましょ」
「えっ!?僕はこのまま・・・・・・」
バタン。
屋上のドアが閉まった。
フェンス越しに校庭を見ると生徒は誰もいない。
ふぅ・・・・とため息をつきながら、カヲルの顔を覗き込む。
「・・・・・・ホントに寝てるのかな?」
タヌキ寝入りであろうがそうでなかろうが、起きてもらえない限りは授業に行くことはできない。
少し身体を揺さぶってみる。
「渚。お〜い、授業に遅刻しちゃうよ!」
声をかけても反応がない。
「やっぱり寝てるのか・・・・」
「・・・・・・そんなに大声出さなくてもちゃんと聞こえてるよ。」
少し不機嫌そうな声で、ようやく返事が返ってきた。
「なっ!!!!
やっぱりタヌキ寝入りだったんだ!」
「さっきまでは本当に寝てたんだよ。」
どこがが本当でどこが嘘なのかは問題ではない。
「・・・・・・とりあえず、早く授業に行かないと」
直面している問題に対して、早く解決しようとしているシンジ。
しかしカヲルから返ってきた言葉は
「行きたくない」
の一言だった。
「君はよくても僕は困るんだよ」
「いやだ、このままがいい」
「何ワガママ言って・・・・」
紡ごうとした言葉は、カヲルの真っ直ぐな視線で遮られてしまった。
「教室に戻ったらセカンドもファーストもフォースだっている」
言葉と共にようやくカヲルが起き上がった。
「僕が君を独占できないじゃない」
「・・・・・・っ!!」
遠回しな好意の言葉を理解して、シンジの心臓は大きく跳ねた。
まるで「逃がさない」と言わんばかりにカヲルの顔が近づいてくる。
後少しで唇が触れるというその時に、
エロくするかこのままいくかを悩んでるOTL
誰かアドバイスください
去年のエロスレ削除騒ぎを知らんのか
エロは削除対象なので、このスレでもそれっぽいFFの部分は
スレ存続のために職人自身がレス削除依頼出したんだぞ
新参者でスマソ。
返答サソクス。大変失礼いたしました。
>>809 えちぃのも見てみたいです
投稿するならぴんく難民ですよぅ
でも投下GJ!
エロなしでかまわないから、最後まで書いてくれたら嬉しいんだがな
スレ立てサンクス。
時間かかっても最後まで書き上げます。
とりあえずこっちのスレではノマルで
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン
授業の開始を告げるチャイムが鳴り響く。
固まった状態から先に口を開いたのはカヲルだった。
「授業始まっちゃったみたいだね。」
「・・・・僕、ただでさえ授業あんまり出てないのに」
ムッとした表情でシンジは目を反らす。
反してカヲルは笑顔を浮かべる。
「今から行けば遅刻でも出席できるじゃない」
「・・・・・君が僕の上からどいてくれたらね」
ふて腐れてる事が声だけでも聞いて判る。
どいてくれる気なんてないくせに、と言わんばかりだ。
いつだってそうだ。
僕の意見が通ることはない。
・・・・・いや、一つだけ通った事がある。
彼女が今ここにいる事だ。
使徒である彼女が、普通の生活を送れるようになるまでの道のりは安易なものではなかった。
カヲルやシンジはもちろん大変だが、ミサトや実は生きていた(超勝手な設定w)加持達も全面的に協力をしている。
今までのシンジだったらきっと諦めていたのだろう。
皆がそれを許さないという時点で。
しかしシンジは何に背いてでも、カヲルと生きる事を望んだのだ。
そして、それはいくつかの条件を持って叶えられている。
こんなワガママを言うのも、おそらくカヲルはシンジを自分だけのものにしたいからなのだろう。
母親を求めるこどものように。
(こどもというより大きいネコみたい・・・)
シンジは半ば諦めたような顔でカヲルを見る。
「次の授業までだよ」
途端にカヲルの表情が変わった。
嬉しそうに、笑う。
甘やかすのは良くないんだと思いつつも、この笑顔を見ると「まぁ、いいか」と思ってしまうのだ。
きっと僕は、これから何十年という月日を彼女と共に生きていくのだろう。
笑ったり、怒ったり、時々ケンカしたりもしながら、手を繋いで歩いて行こうと思う。
おわり
820 :
おまけ:2008/03/20(木) 13:52:09 ID:???
バンッ!!!と、勢いよく屋上の扉が開かれる。
そこから出てきたのは二つの影。
「シンジ!カヲル!!あんたたち授業サボって何を・・・・」
「セカンド・・・・」
見て・・・とレイが指差した先にはフェンスにもたれて眠るシンジと、その膝で幸せそうに眠るカヲルの姿があったそうなw
めでたしめでたし。
821 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/03/20(木) 21:26:06 ID:lt1fdB6W
ぐっじょぶ!
このスレまだあったのか
GJ!
保守
GJ!
人いないね
ピンクのスレも落ちたし
職人こないかなあ…
荒らしが沸くよりマシじゃないか
呼んだかな、バカ女共^^
キモいくさマンコ共死ね
春休みももう終わりだねぇ
粘着荒らしはスルーの方向で