【野菜】 アスカの家庭菜園 【栽培】

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679 ◆KEVrvVR6eo
アスカの菜園日記

12月4日
いつも忙しくて普段はあまりないのだけれど、今日はだいぶ早くに帰宅できた。
日の沈まない内に帰れるのが嬉しくて、シンジと一緒に馴染みのお花屋さんへ寄り道する。
そろそろクリスマスシーズンだし、何か買っていこうかな、と思っていると、なにやらシンジが真剣に切り花を選んでいる。
アンタにそんな趣味あったっけ?と冷やかすと、「今日はアスカの誕生日でしょ?」と返された。
そう言われてはっとする。
そうか、今日はアタシの誕生日だったっけか?
日常に流され続け、自分の誕生日すら忘れていたことが情けなくて。
他人のアタシの誕生日を覚えていてくれたシンジのことが嬉しくて。
何の打ち合わせもなしに誕生日プレゼントなどとアタシを驚かせる真似をしたシンジに素直になれなくて、
照れ隠しにとんでもない額の花束でも買わせてやろうかとも考えたけれど、やめておいた。
アンタの懐具合ぐらい知ってるわよ、バカシンジ。
結局、アタシの意向でガーデンシクラメンの鉢を三つ買ってもらう。
直ぐに枯れてしまう切り花よりも、寄せ植えにしてベランダで長く楽しめる鉢物の方が良かったからだ。
…断じて、シンジからの贈り物を少しでも長く取って置きたいからって訳じゃない。
そんなことを考えていると、代金を支払い終えたシンジが戻ってきた。
その手には、もう一鉢の大きなシクラメンを携えて。
「やっぱり、誕生日のプレゼントは、手元に置いて飾ってもらえたらな、なんて…」
ピンク色の可愛らしいフリルのシクラメン。
真っ赤なかがり火のようなシクラメンも好きだけれど、こういうのも嫌いじゃないよ。
来年、また花を咲かせるように、大事に育てるからさ。
ありがとう、バカシンジ。

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