早すぎない…?
乙
マジでありがとう
>>3 もうあっち書き込めないから
512k越えてる
あぼーん
おつ
前スレで途中のやつは転載しなくても大丈夫だろか
重複するからしなくていい
652 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :2006/08/25(金) 09:56:25 ID:???
改めてお約束
・ここは男娼シンジきゅんを愛でるスレだということを忘れない
・男娼を書くためにカプにするのは○、カプを書くために男娼にするのは×(後者の場合はカプスレへ)
・苦手なカプはスルーする(書き手はコテと注意書き推奨)、苦手だからといってカプを叩かない
・書き手へのリクエストは控えめに、ごり押し禁止
前スレから持ってきてみた
乙
そのテンプレは重要だ
孔雀氏、ここに気付いてくれるだろか…
あっちのスレに一応ここのアドレスを貼っておけばいいのでは?
もう書き込めない
つーか気付いてるみたいだよ
なら良かった
お仕事と割り切って恥ずかしい要求にも答えるシンジきゅんせつなカワイス
やっぱりシンジきゅんのオナニーはエロいな
>>1 乙です
前スレ食い潰しちゃって申し訳無いです。
いきなり投下したらスレの空気が偏ってしまいそうですが、取り敢えず前スレの続き置いときます。
「あっ! ……な、何?」
「高い声出すのね。痛い方が良いの?」
親指が真上から潰す位強い力で尖端を押してくる。
「や、痛いっ……」
その声も、唇を噛み締めて堪えようとした声もまた恥ずかしくなる程高い。
ぐりぐりと動く指、先程から陰核を摩擦するように小刻みに前後する腰、時折眉をしかめて色を見せる顔。どれをとってもシンジはレイが自分以上に手馴れているとしか思えなかった。
しかし性経験を聞くのは客だろうと友人だろうと失礼に当たる。
それに望んでいない答えが返されるのも怖いし、その確率がかなり高そうだ。
「今……何時位、かしら」
左手も右手の後を追うように尖端を弄び始めさせたレイが答えを欲しがらずに呟く。
「……そろそろ、終わった方が良い?」
「は、アっ……ン、うん……んっ……」
返事になっていないと忠告されそうな喘ぎでしか答えられなかったが、レイは承知したと言わんばかりに両手を再びシンジの腹に戻し目を閉じた。
紅色の強い力を持つ瞳が隠れるだけで、世界は1つ色が失われたような物悲しさに包まれる。
ほぼ同時にシンジも目を閉じなくてはならなくなったが。
――ぐしゅっ、ぐぷっ、ぐじゅっ
腹を掴む両腕と床に付けた両足に力を込めてレイが激しく腰を振り出す。
「うっ、あッ! んっ!」
急な動きにシンジは声が止められない。対してレイは自ら動いているからこそ出る余裕なのか、深く低い息を少し漏らすだけで一切喘がなかった。
顔を俯かせたレイは目を開いているのかどうかが見えない。ただ端正な鼻の辺りを一筋汗が線を描いたので、体はきちんと反応しているらしい。
いつの間にかトロトロに熟れた肉壁となった膣が性器を咥え込んだまま、緩急を付ける事等知らない動き。
まるで男であるシンジの側が犯されているような……否、完全に犯されている。先程のレイ1人のマスターベーションと何ら代わり無い。
「ウぅ、あ、ンっ……んンぅっ……」
シンジのか細く切ない喘ぎも、空気と粘液の入り混じった鈍い音も、パンパンと肉のぶつかり合う音も超えて、レイが声を出さないので静かに思える部屋。
そのほぼ中央でレイは腰をグラインドさせ続ける。
小柄だと言われる自分の体より更に少し小さめな作りの体をしているレイは、当然のように秘所も小さい。
狭く細く、未発達なシンジの性器でも最奥へと届いてしまう位。
レイが無理矢理に動けば動く程、性器の先端がコツコツとぶつかる。射精を促しているのか出さないように入り口を塞ごうとしているのかはわからない。
やり場が無くただ垂らしていた両手を天へと伸ばして、唐突にシンジはレイの両方の胸を掴んだ。
「あ、ンっ……」
漸く自分と性交をして、声を出してくれた。
手の中の乳房は今まで触れてきた女性達のそれよりも幾分小振りだが、年齢を考えれば当然の事。
手の平の中央にぷっくりとした尖端の感触が当たる。
こねくり回すように両手で円を描くと、レイの唇から漏れる声の印象が変わった。
寂しげな甘い声と、どこか苛立ちを含む声。次々と変わるピアノの音色の如く。
手の平に伝わるコリコリとした感触と、胸を遊ばれても尚止まる事の無いレイの腰の動きからくる直接的過ぎる悦と、頭の片隅にはきちんと残っている第三者の舐め回すような視線が頭をどんどん白く濁らせてゆく。
「……や、は、んッ、あいぃイ、イク……イ、もうイクっ……駄目っ!」
「あんっ……イクの、ね……碇君、イクのね……」
爪が食い込む位にギュッと――本来なら射す為に腰を掴みたかったが――レイの胸を掴み、下からの無理な体勢で無意識に腰を動かした。
「駄目ッ!!」
射る、と言う前にレイは膝立ちの状態になって性器同士を放す。
――ずるり
急に温か過ぎて熱くすら思えた膣の中から引き抜かれてしまった。
外の空気が余りにも冷たく感じられて、それすらも性器は悦として感じてしまう。
「あ、アあぁっ……」
レイの秘所が離れ、このままでは何も無い所で射精するという羞恥の極みに……なんて考えていられる余裕も無い。
―――どぴゅ、ぴゅるるっ
我慢に我慢を重ねていた割には少量の精が、勢いだけは高らかに噴き出した。
白濁色のそれは恐らくレイの予定通りに彼女の尻の間、肛門を汚す形で放たれ、すぐにポタポタとシンジの太股近辺に落ちる。
「……は、あ、あゥ……」
掠れた声と共にシンジは更に鈴口から精を出す。……次は勢いと色すら失って、頼りない噴出の仕方だったが。
力無くレイの顔が左隣に有る。幼い赤子の寝息とも思える程大きな呼吸音が聞こえた。
顔が下になっているのでどんな表情をしているのかわからない。
怒ったり泣いたりしていないと良いな。
笑っていて欲しいとも思わないが。射精後の快感や達成感が湧かないまま目を閉じたシンジはぼんやりと思った。
「あぁ、お疲れ様。シャワー入ってきて良いよ。タオル……バスタオルは1枚、確か押入れに入っていたし」
忘れていたが、今は『お仕事』の真っ最中で。この痴態も彼に見せる為の、所謂SHOWに過ぎなかったのだ。
汗と汁と疲労とで疲れきったシンジからすると、随分と平然とした客の口調で漸く思い出す。
だが考えれば客はただ絵を描いていただけで、特に疲れる事は何もしていない。絵を描くのも真剣になれば体力も精神も磨耗するが、彼の手元の何枚もの紙に描かれている絵はラフスケッチに近い物だ。
「お構いなく」
「いや、流石にその格好は構わないといけないからね」
レイの言葉は恐らく彼女にとってとてつもなく珍しい2度目の社交辞令だったのだろう。客の言葉通り構わないワケにはいかない、液体まみれの状態なのだから。
「レディーファーストに、お先にシャワーどうぞ。シンジ君は後からでも良い?」
「はい」
両手と腹筋の力で何とか上半身を起こし、角度を変えてシンジは座り直す。
「一応体拭くタオルは持ってくるから待ってて」
立ち上がって寝室へと向かった客の背が消えてから、最後まで名乗らないらしいレイは手首の己の髪の生え際を拭った。
「……お疲れ様、あの、有難う」
見慣れないレイの一連の動作を見ながらシンジは呟く。
「何が?」
「その……結局、こんな事までさせて、ごめん」
「何故謝るの?」
「……え、っと……どうして、だろうね」
レイから顔を見えないように、そしてレイの顔を見ないように俯いて視線を落とした。
自分達の汗やら何やらが汚してしまった初めて見る床。
「……辛くないのならば、止めないわ」
聞き返したかったが、極力顔は見たくない。肌を重ねても呼吸が整えばいつも通り平然としている姿が怖い。
「でも、もしも辛いなら。体や心が辛いなら、止めれば良い。それは逃げる事とは違う。戻る事だから」
彼女もまた何度も何度も耳にしてきた「止めなさい」との言葉を吐きたいのだろうか。
散々変態的に陵辱してきた挙句、終わった後からわざわざ場違いな説教を始める。
そんな人物に限ってまた次の週に自分を買いに来るのだから不思議な話だ。
「逃げないし、戻らないよ……多分」
「そう」
どんな顔をして自分を見ているのだろう。こんな状況でもレイならば無表情のままだろう。
……少し、ほんの少しだけ。寂しい表情をしてもらいたい、等と思った。
だが視線をレイの顔へと向ける勇気が足りなく、返事を待つしか出来ない。
「……戻れないんだよ、もう」
理想の返事が貰えないのなら話を終わらせよう。
そう考えたのか無意識なのか、シンジの口からほろりと言葉が零れていた。
「いいえ、戻れるわ。碇君が帰ってくるのを待っているもの。誰が待っていなくても、私が。」
おかえりなさい、と両手を広げるイメージ。
頭の中に駆け巡ったそれが、見覚えが全く無いのに、酷く懐かしい。
「……また泣いてしまうのね」
「な、泣いてないよ」
慌てて顔を上げずに右手の甲で目をゴシゴシと擦る。
「全然、泣いてなんかないっ……」
手の甲が温かい何かで塗れたのだから、恐らく自分は泣いているのだろう。それも多分、嬉しくて。
「あれ、どうしたの?」
オレンジ色の派手なタオルが2枚と、白い大きなタオル1枚を両手で持った客の言葉に、シンジは目を擦っていた手を放してしまう。
「喧嘩でもしてた?」
「いえ、何でもないです」
目も鼻の頭も赤くしたシンジは首を小さく左右に何度か振って説得力の無い否定をする。
「そう? 何かごめんね。取り敢えず、バスタオル見付けたから、はい」
白い方のタオルはバスタオルと呼ぶには小さく思えたが、レイは拒みも感謝もせずに事務的に受け取った。
「それから、お尻はこっちで簡単に拭いておくと良いよ」
そうしないと浴室に向かうまでに床も何もが汚れてしまうだろう。
「はい」
オレンジ色のタオルを1枚受け取ったレイは羞恥関係無く立ち上がって秘所をふき取り始める。
見ようによってはタオルを使った自慰だが、生憎そんな目で見られる程の体力はシンジには残っていなかった。
「シンジ君も、一応これで拭いて」
「はい、有難うございます」
「……シャワー借ります」
ある程度拭き終わったレイが抑揚無く告げる。
客が「ごゆっくりどうぞ」とよく似合う穏やかな笑みで言ったのを確認し、この部屋に来るまでの短い距離で大体どの辺りに浴室が有るのかを把握していたレイは歩いていった。
座った状態でぼんやりとその後姿を見送るシンジ。
待っていてもらえる。切っ掛けを忘れていつの間にか汚れきっている自分を。更に汚れていくだろう未来の自分を。
――がばっ
「わっ!? ん、むぐ!?」
突然背後から抱きすくめられ、驚きの声も口を塞がれて出せなくされた。
「む、んむぅ!?」
唇に触れる感触は間違いなく人間の手で、経験からすると大きくはない男の手。
例え経験が無くともわかる。この部屋には今自分以外に1人しか居ない。本日お買い上げ頂いた大切な、未だ触れられてもいなかったお客様しか居ない。
「可愛い声を出すんだね……」
今までと何ら変わりない声なのに妙に低く感じられるのは、耳元で息を吹きかけるような喋り方だからだろうか。
「女の子の方、名前何だっけ? あの子みたいに可愛い顔で、あの子よりもずっと沢山声を出して……恥ずかしくないんだ?」
「んむ……」
肯定なのか否定なのか自分でもわからない返事。
「流石商売にしていると違うね、興奮させてもらったよ」
背中に何かがぐいぐいと押し付けられているのがわかる。無論、その何かが半勃ちなんて可愛らしい状態ではなく、立派に勃起しきった性器である事も。
「本当は先刻の女の子の方が良かったんだけど、きっと君以外とはシてくれないよね?」
もう夜も更けているので毎朝綺麗に剃っていても伸びてしまった髭が肌をジョリジョリと擦る音が右の耳に響く。
「男の子相手にヤった事なんて無いけど、その辺りは大丈夫だよね? まさか、絵は描かせたから終わり、なんて言わないよね?」
先程の紳士的を通り越して優柔不断そうな雰囲気をどこかに捨ててきた客の舌が耳の穴を愛撫する。水音だけではなく、唾液その物が耳の中へ流れ込んできそうだ。
先程まで紙を押さえるしかしていなかった左手が、汗しか纏っていない体をゆっくりとなぞる。
しかしその手がテストで良い点を取った子供への父親からの褒美に思えてしまう。
背に当たる温もりと熱もまた、そんな父親が遊び盛りの子供を危険な方へ向かわないようにと抱き締めているようだと脳が勝手に変換していく。そんな事をされた試しが無いのに。
ふと返事を催促して右手が放れた。
口が自由になった。嫌だと自分の気持ちを告げられる。今日は悲鳴を上げてレイと言う助けを呼ぶ事も出来る。
「……僕の精液、触ってもらえますか?」
汚くて無理ですか? と尋ねる前に、わかったと返事をして客の右手がシンジの所為へと伸びた。
良かった。これでこのまま、ローションを取りに行ったりせずに抱き締められたまま性交出来る。
レイが「ごゆっくり」の言葉を受け取って長い時間を掛けてシャワーから出るまで、痛みと異常な悦を堪えるだけで良い。
その間抱き合っていられる。女性は母親のように、今日の客は男性だから父親のように、抱き締めていてもらえるのだ。
終
レイ×シンジ
S本×シンジ GJ!!!!
レイの手慣れた感じがエロかった。
てか、慣れてるってやっぱゲンド…ゲフゲフ
女の子相手に受けで、しかもシンジきゅんをエロかわいく描けるあんたの力量に乾杯。
いやぁ、最後の締めにやられたね
シンジきゅんが男娼をやる背景というか、心理を丁寧に描かれてるから、あり得るって思ってしまうんだよなぁ
なんちゅーか、これは孔雀氏のシンジきゅんなんだけどさ、本編シンジきゅんでもあり得たぐらいリアルだなぁと。
とりあえず俺もシンジきゅん買いたい
つか、格調高すぎ。妬けますぜ
GJ!!じわじわ来る切なさみたいなのが凄く良い。
まとめサイト作っても良いほどクオリティ高いんで、どなたか作ってはくれないだろうか
wikiっぽいまとめサイトを作ろうかと思ってたけど、なにしろ知識が無くてどうしようかなぁと思ってたトコ。
シンジきゅん受け系のまとめSSサイトほしくてさ。
孔雀氏のはエロだけでなく小説としてもすんばらしいね。
>>28 ちょいとぐぐって出来そうなら作ってみる。
けど他のシンジきゅん受け系のSSのログとか持ってないんで、そこのところはお願いしても良いかな?
30 :
29:2006/10/26(木) 19:20:34 ID:???
俺ならkyunにする
以前シンジきゅん系の画像をまとめたlzh解凍したらフォルダ名がkyunだったから
shinjikyun
は?
shinjiuke
shinjikyunuke
shinjikyun
shinchan
shinjikyun2
shinji
ikarishinjikyun
ikarikyun
シンジきゅんが受けのSSのまとめサイト
matome_x_kyun
とか?シンジって名前が無いけど。
シンジは入れたいなあ
なら
matome_x_kyun
matome_x_shinjikyun
でよろしいのではないか?
wiki形式なら一人に負担がかからなくてイイネ
俺が持ってるログで良ければどんどん提供する
てか、たぶんシンジきゅん系の過去ログ見れるとこある
スレ名さえ分かれば
それでいいとおもふ
暫く見なかったら凄い事になってる。
頑張れマジで。
佐賀県
まとめまだー?
41 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/28(土) 22:14:43 ID:+upHRMe2
>>44 激乙。通して読むとやっぱし孔雀氏スゲーわ。
官能ってこういう事なんだろうな
>>44 乙!!!
レイプスレのログ誰か持ってねぇかなあ
502 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :2006/02/23(木) 17:09:53 ID:???
気がつけば俺はサードチルドレンを組み敷いていた。
目の前には突然の出来事に頭がついていかず、ぼうっと俺を見ている彼の顔。
「…!え、ちょ…どいてください…っ!」
はっとした様子で慌てて俺をどけようとその細腕で胸を押してくる。
男の子といえど中学生。しかもその体格からして大した力は無い。
俺はこうならもうやけだ、と片手でその両腕を掴みどけた。
>レイプスレ
このssだけなら持ってる
職人に許可は貰ったほうがいいんでない
今さらムリだべ
2ちゃんの書き込みは原則自由に転載可だが、
作者さんの許可が貰えない状態の場合はどうすんだろ
エロパロ保管庫は基本的にスレのSS全部収録して、支障があったら作者が連絡して撤去してもらうんだっけ?
もう落ちちゃったスレを保管するときは知らない
なるほど
もし支障があるようなら削除しますというような旨で、まとめサイトに注意書きでも書く?
それでいいんじゃね?
トリップつけてない職人がいる場合に騙りで撤去しろ言われるかもしんないから対処しなきゃいけないかもしらんが
んじゃ過去スレからも色々探すわ
>>52 wiki作った人52タノム…
なんか勝手に書くのははばかれるので…
支障があった場合の連絡先とかは?
1.このスレ
2.投下されたスレ(落ちたスレは知らん)
3.wikiにそれ専門のページを作る(wiki詳しくないけど作れるよね?)
wikiかね
たぶん作れる
上記で出ていた注意書きとメルフォ設置しました。
正直サイト作ったのなんて初めてで、何を書いて良いのやら・・・
という状態だったので助かりました。
今後もこういう風に意見をまとめて、サイトに書いてくれ!でも良いですし
勝手に編集して下さってもかまいません。むしろ助かります。
それと、やっぱり小説は18禁になると思うんですが、注意書き書いておいた方が良いかな?
>>59 まとめ乙!!
なんか手伝わなきゃなぁと、wikiの仕組みも分からずに弄ってたら勝手にページ作っちゃった・・・
しかもちんたまの。
あれ?今度はどうやって編集するの!?で、中途半端に作ってしまったページも編集できず削除もできずでちんたまにも悪いから、
一応そのページだけ削除してくれんかな?
すまん・・・・・
一覧で、ひとつだけ俺が作ったのあるから多分わかると思う。
ちゃんと勉強してから弄ろうと思う、マジで。
あ、あと注意書きはちょっと書いといたほうがいいんでないかな。
>>60 編集できなかったのはこちらの設定ミスです。ごめんなさい。
編集の基本的な操作は、wikiの下の方にあるヘルプ@wikiというリンクの先に
詳しく載っているので、一度見てみると良いですよ。
今後編集して下さる可能性がありそうなので、一応ページは残しておこうと思いますw
>>61 すまん・・・
やっぱ一人でまとめは大変だろうからさ。出来る限り協力するよ。
数々の名作が過去ログに埋もれるのが寂しくてね。
まとめしながら職人さんたちを応援する。
孔雀氏愛している。
確実にサイト餅だとわかってる職人さんの分はどうする?
たとえばあのじ氏とか微熱たんとか
64 :
63:2006/11/01(水) 08:24:01 ID:???
パソが落ちたorz
サイト餅職人さんへのリンクページを作るのはまずいのかな
もちろん職人さんの許可を得たうえでだけど
65 :
62:2006/11/01(水) 16:20:52 ID:???
>>61 やっぱ削除してくださいw
あれなんだ、wiki構文モードでやらなかったから・・・編集がテキストでしかできないから・・・
マジでごめん
>>64 いいんじゃね?
許可得られたならバンバンリンクしてもいいと思う。
ホントマジでお疲れ様…大変なんだな、まとめるのって
67 :
62:2006/11/01(水) 20:50:46 ID:???
削除さんくす
これからも地味に手伝わせてもらいます
んじゃ、神光臨を期待して名無しへ
ほす
age
乙!!まとめやすくなるな!!
>>70 乙です。URLに愛を感じる。
今までの読んでくれた人で、何か違和感有る動詞や普通使わない名詞に見たって人居る?
俺田舎の人間だから気付かずに方言使ってたかもしれない。
もし見付けた人居たら教えてくれると助かります。
後、遅レスだけど俺も
>>62愛してる。
孔雀氏きた
いや、俺も地方だから分かんねけど
別に違和感なんて無かったなぁ、大丈夫だよ多分
待ってる
age
あぼーん
あぼーん
>77
>77
どんな形であれ、コピペになるって事は、
なんか人を引きつけるものがあるんだろ。
自演だろ
age
孔雀氏の新作町
孔雀氏街
保守
エロ
腐女子は早く死ねばいいのに。
フルバとか花より男子とか読めば?
88 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/30(木) 05:27:47 ID:Hsi3B3J5
フルバって何?wwwwwwwwwww
孔雀保守
ご無沙汰してます、投下しにきました。
長くなったから続き物にして、起承転結で言うなら起しか無い段階で、
しかも伏線も何も無いんですが。年内にはきちんと続き投下しますんで。
注意事項
・相手は名無し女性
金持ちは沢山世の中に居る事を、碇シンジはこの『お仕事』を始めてから知った。
自分を、数ヶ月前まで暮らしていた居候先や今暮らしている葛城家を貧困だとは思ってはいないが、特別裕福というワケでもない。
勿論ミサトは職が職なので給与はそれなりに有る。少しばかりローンを抱えているが。
金持ちとは無駄遣いするのではなく、趣味にも他人にも惜しみなく、そして無尽蔵に使える人間の事を指す。と、シンジは解釈した。
そんな勝手な解釈は誰にも言わない。心に秘めて、週末の今日もまた同居人と同居ペンギンに偽りを吐いて同業者と『通り』に立つ。
大抵友達の家に泊まりに行くとの内容の嘘なので、同業者の女性達の大半よりは先に着く。酷い場合は1人で立っている事になる。
客もまた彼女達と同じ時間帯に訪れる人間が多いので、本当に1人きりになる事も有った。
少し上向きになって空の色の移り行く様を眺めているのも悪くはない。早い日は青から赤を経て闇へと変わる。
夏以外の季節が無いと言われても、生まれてこの方その夏しか知らないシンジにとって夜は少し肌寒い。
――キキィッ
静寂は一瞬にして奪われた。
「失礼ですが、貴方様も『この業務』を行っている方で、間違いありませんか?」
この狭い路地裏に無理矢理、どうやって入ってきたのかわからない大きく黒い車が停まる。
それもシンジの目の前に。
その車の助手席から1人の男性が降りてきて、上記の言葉を掛けた。
「あ……あ、の……」
圧倒されて上手く言葉が出ない。
身長は多少シンジより高いが、もしかすると体重はさほど変わらないかもしれない細い男性。
痩せているのではなく、老いている。服の上からでもその体付きはわかる。
頭髪も元は黒かったものが老いて白くなったのだとわかる色合いで、7対3に分けている初老――初、はつかないかもしれない――の男性は丁寧な言葉と枯れた声で怯える要素を持っていない。
その顔立ち以外は。
「違いますか?」
再度問われる。声音は変わらず優しく、顔付きも変わらず恐ろしく。
目も眉も釣り上がり、口を閉じれば真一文字所かヘの字。深い皺が刻まれた更にその下に、一体どうやって付けたかわからぬ傷も見える。
「……失敬、私の短い言葉では質問内容を理解し難かったでしょう。ご無礼、お許し頂きたい」
「は、はぁ……」
「失礼な表現しか存じ上げないので恐縮ですが、貴方様もこの通りに佇む女性同様、売春行為をなさっておりますか?」
「え……あ、の……はい」
圧倒されつつも嘘の吐けない性格なのか、シンジはYesのオマケに頷いて見せた。
「左様でございましたか。私共は貴方様のように見目の整った男性の売春婦、男娼を捜しておりました。本日の予定が無いのでしたら、どうぞ本日は私共に貴方様を購入させて頂きたく……」
「え、ちょ、ちょっと待って下さい!」
慌てて両手を前に突き出すシンジ。
「……先約がお有りでしたかな?」
「いえ、そうじゃないんですけど……その……」
こんな怖そうな年寄りに買われて、果たして何が起きるのか。
大抵の客なら怖かろうが年寄りだろうが太っていようが臭かろうが断らない。が、この男性の相手はしたくない。
初対面の相手を生理的というだけで嫌ったりはしたくないのだが、実際に嫌いというワケではないのだが、何をされるかわからない恐ろしさが有る。
「よもや、私が相手と不安がっておられるのでしょうか?」
正直に答えては失礼に当たる。かといって出鱈目を言うのも出来ず、シンジは取り敢えず黙り込んだ。
「お答えは頂けませんか。ご安心下さい。私共は貴方様に男色行為を働かせるつもりはありません」
となると、実はこの初老の男性は初老の女性なのか。
流石にそこまで考えは浮かばなかったが、それ以外の考えも浮かばずシンジは小首を傾げる。
「私共の雇い主のご令嬢が、貴方様を買い上げたいとご所望なのです」
令嬢とは娘の事。つまり女性。それも恐らく、そんなに年を喰ってはいない。
1人の男としては両手を上げて喜んでも良い状況だ。
嘘か真かはわからないが。
「私共が仕える屋敷はここからかなりの距離が有り、また一晩とは言え人身売買を行う事を口外されては困るので移動はこの車で、ヘッドホンとアイマスクをして頂きますが。ですが、誓って悪いようには致しません」
す、と懐から銀色のポケットティッシュ位のサイズのケースを出し、そこから1枚の紙切れが出てくる。
どうぞと手渡されたその紙には縦書きで、右側にはどこかで聞いた事のある会社の名前が、そして中央には大きな文字でこの男性の物らしき名前が書かれていた。
右端には小さく電話番号が3つ。代表番号とその他の固定電話の番号と、そして携帯番号。
「あの……」
「今は受け取って下さい。しかし、この件が終わりましたら、処分願います」
誰かに見付かっては困る代物なのか、たかだか名刺が。
しかしここに書かれている事が全て事実で、初老の男性が言った言葉もまた事実で、更には今シンジを『買おう』としている。
これが世間に知れては確かに大変だろう。詳しくはわからないが、この右側に書かれた会社名は相当有名だ。
「料金についてですが、全て終えてから時間と行為に関して発生して然るべき金額を用意させて頂きたい……と存じますが、信用問題に関わるのでしたら前払いで、貴方様の言い値で構いません」
老眼かもしれない目がチラリと彼の乗ってきた車へと向く。今すぐに幾ら払えと言われても良いようにある程度用意してきているのだろう。
「……わかり、ました」
今日は誰かと約束をしているワケではない。だからこそここに立っていた。
「良いですよ」
もしも全てが大嘘だったとしても、これから酷い目に遭わされた挙句一銭も貰えなかったとしても、良い暇潰しにはなる。
だから決して、金銭に釣られたワケではないと自分に言い訳をするシンジを、初老の男性は紳士らしく丁寧に扉を開けて車に乗せた。
後部座席に座ると初老の男性が反対側から同じく後部座席へと乗り込んできた。
先にアイマスクを掛けられて「余りにも耳が痛くなるようでしたら、右手を上げて下さい」と言われてヘッドホンもされる。
少し大き過ぎる音でフォーレの歌曲が流れていた。
タイトルは忘れてしまったが聞き覚えが有る。但し、それほど有名でもないだろう曲。曖昧な記憶の中では確かヴェルレーヌの詩に対する曲だった筈。
歌曲自体がどの位の長さかわからないが、3回と少し繰り返した後、車が停まるのが体でわかった。
ヘッドホンを外され、アイマスクはしたまま手を引かれて屋敷らしき建物の中へ入り、それから漸くアイマスクを外される。
真正面に深緑の絨毯が敷かれた階段が伸びている。……まるで映画の世界の如く。
アイマスクにヘッドホンをするのも、ある意味映画の中か何かのようだ。
もう夜も更けている為巨大なシャンデリアでも廊下を照らしつくせないらしく、どこか少し薄暗い。
こちらですと階段を上がらされ、玄関からかなり離れた1番左側にある部屋に入れられ、服を一式手渡される。
いつの間に調べたのか、それともサイズ違いを何着も用意しておいてパッと見でシンジに合う物を手渡してきたのか、体に丁度良過ぎる服。
廊下と比べると絨毯も照明も少し庶民的に見える部屋で、シンジは渡された服に着替えた。
「あ、の……」
何とか着替え終わってから声を出すと、背を向けていた元は逞しかっただろうあの紳士がこちらを向く。
「大変お似合いでございます」
「え? あ、有難う、ございます……」
「では参りましょうか」
社交辞令なのか凶悪そうな顔に不釣合いの笑顔を見せて誉めてから、紳士は部屋の扉を開けた。
特に何も言わず歩き出したので、シンジも後ろについていく。その部屋に残された自分の制服が気になったが。
階段を下りず、そのまま1番右側の部屋の前まで歩かされる。
1歩1歩踏みしめる絨毯は靴を履いたままの足の裏に心地良い。廊下に香でも焚いているのか、ほんのりと良い香りがしなくもない。
「こちらでございます」
その1番右奥の部屋の前で立ち止まった紳士は扉の取っ手側に立つ。
「あの……」
「こちらがお嬢様の部屋でございます。先払いと仰らなかったので、料金に関しましては明朝支払わせていただきます。また何か必要な物等ございましたら、お気軽にお申し付け下さいませ」
何か言おうと口を開いた次の瞬間、またしても言葉になる前に遮られた。
「私共の呼び出し方はお嬢様がご存知でございます。それでは、失礼致します」
深く一礼。常に下手に出ている態度だが、彼の顔付きとどこか低い声音は逃げ出す事を許さない。
無論ここまで来たのだから、今更逃げる事等出来ないだろう。
それに何事においても途中で逃げ出してはいけないと、シンジ自身が誰より強く思っている。
「……はい」
何かをする前から疲れてしまっているような声だったが、きちんと返事は出来た。
「では」
その声を聞き届けてから顔をあげ、すぐに紳士は立ち去った。シンジもまた彼の方を見ずにすぐ扉の方を向いたのでどちらへ向かったかわからない。
そんな事よりも、この扉を開けなくてはならない。中には一体何が待ち受けているのか全く見えない扉を。
部屋の作りは豪華の一言。
テレビを見ながらアスカが「日本の『お城』ってダッサいわよね。ドイツはこの位綺麗なのにさ」と言っていたが、その時のテレビの中に飛び込んで扉を開けばこの部屋に繋がっていそうだ。
「漸く来たの? ふーん、近くで見ると、何か冴えない感じの子ね」
妙に高くて早口の声。
女性ではなく少女の声の持ち主は、外見もまた少女だった。
窓に近い位置に有る大きな天蓋付きのベッドに腰を掛け、足が届かないのでブラブラと行儀悪く揺らす黒く薄い服を纏った姿。
その足元、向かって左側に白い犬が前足を揃えて行儀良く隣に座っている。
室内犬にしておくのが勿体無い程大きな犬で、小柄なこの少女なら背に乗る事も出来そうだ。
真っ白い綺麗な毛波の賢そうな犬は落ち着きを保ち尾も床――ボルドーの暖かそうなカーペット――に下ろしている。
「でもその格好は似合うわ。貴方顔見るからに服のセンス無さそうだし、私がちゃんと服を用意しておいて良かった」
シンジが着せられている服は白と黒のみで構成されたフォーマルな服。職業に例えるならば執事服。
真っ白なピンタックブラウスに黒いベストと隠れて見えないサスペンダー付きのパンツ。慣れない白い手袋も傍から見れば充分似合っていた。
「ねー? 私のセンスは最高だもんねぇ」
背を屈めて大型犬に話し掛ける姿は可愛らしく、犬もまた言葉を理解しているようにワン、と一声吠える。
「サイズをちゃんと合わせて買うように、って言っておいて良かったわ。本当にピッタリみたいだし」
「あの、サイズ、この服のサイズは……」
挨拶よりも先に自分の疑問を投げかけてきたシンジに対し、フンと短く鼻で笑ってから少女は説明をしてやった。
「この前貴方の事見たのよ。お父様の部下の男が貴方と安っぽいホテルに入っていく所を見たの。あの男大嫌いだったの。だって聞いて! あの男、専務だか何だかの分際でこの私に馴れ馴れしくお茶を飲もうとか言い出すのよ!? 思い出しただけでも不愉快」
両手は体の左右に置いて両足をぴんと伸ばす幼女。……いや、辛うじて少女。
「だから貴方を捕まえて、あの男の前に突き出して、変態オカマって馬鹿にしてやって、お父様の会社を辞めさせてやろうかと思ったの。もう2度と私の前に現れないように。……でもね、貴方見たら、気が変わったの」
不機嫌そうだった顔が一転、嬉しそうな笑顔に変わる。
「貴方、顔は可愛いし体も華奢って感じだし、何て言うの? 清潔そうじゃない。だから一層の事私のペットにしちゃえ、って考え直したの。あの男も命拾いしたわね」
再び両足を下ろすと、大型犬がクゥンと鳴いてその足に1度頬ずりをした。
「……私ねぇ、処女なの。貴方処女が貰えるのよ。嬉しいでしょ?」
性経験の無い人間に買われるのは珍しい。だが、シンジにとっては処女イコール嬉しいには直結しない。
これがもし恋人ならば最初で最後の相手になりたい、等の可愛らしい目標も出来るだろうが、一夜限りの関係で初体験を奪っては後々責任を取れと始める人間も居るだろう。
「良いの? ……じゃない、良いんですか? お金持ちの人なら、許嫁に初夜が何とか、って小説みたいに……」
「そんなの、何度ヤッたって「私処女ですー」って言えば良いだけじゃない」
となると、今のも単なるリップサービスなのだろうか。
「どうして童貞は重荷になるのに、処女は大事にしなきゃならないのかしら。女の子だって気持ち良くなるべきよ。だからもう捨てちゃおうと思って」
人によっては一大事だが、彼女にとっては口を拭いた後のティッシュと同じように早く捨てるのが当たり前らしい口振りで、犬の頭を撫でながら呑気に言う。
「まぁ処女は本当に膜がピーンって張ってあったとしても、もうとっくにバイブで破れちゃってるんだろうけどね」
処女膜という言葉だけで勝手なイメージが彼女には有るらしい。
「……自分で、したの?」
「そうよ。悪い? 男は皆遅かれ早かれ自分でするじゃない。それとおんなじ」
「そう……だけど、でも手と道具じゃちょっと違うんじゃ……」
「変わらないわよ。財力が有れば手なんかよりも気持ち良いオナホール使うじゃない」
足を組んで大袈裟に溜め息を吐いた。
「処女の神秘性とか本当くっだらない。それより、さっさと始めないの? 男なんだから襲い掛かる位しなさいよね」
こんな高慢な女性では多少顔立ちが良くても押し倒すに倒せない。ある意味試練に近い物がある。
「男娼だか何だか知らないけど、それが仕事なんでしょ? ちゃんと確認してから連れてきて、って言ってあるんだから。とっとと来てよ。別にトークとかムードとか期待してないし」
貴方ならするだけ無駄っぽいしね、と豪快な毒を吐いて、幼女にも見える少女は両足をベッドへと乗せた。
「取り敢えず最初は舐めてよ。自分でするんじゃ舐めるって出来ないから、早く誰かにやらせてみたかったの。上手だったらお礼金払わせるわ」
急かした手招きをするので元より逃げ道の無いシンジは一礼してからベッドへ乗る。
体がゆっくりと沈む、暖かく柔らかな最上級のベッド。
寝れば足元になる方に丁寧に畳まれた掛け布団も綺麗なカバーの枕も、どれを取っても高級感が溢れ過ぎていて、寝室なのに逆に落ち着けない。
ブティックホテルで妙に高い部屋を選ぶ客や、わざわざ第3新東京市から少し離れた場所にあるリゾートホテルの一室を使う客も居るが、そのベッドも同じ位豪華なベッドでも乗ればギシリと鳴る。
だがこのベッドはどうだろう。例えシンジが今の3倍の体重になろうともふんわりと受け止めてくれそうな程静かなベッド。ほのかに何か良い香りすら感じられた。
「……わかったよ」
これなら恐ろしい顔立ちだが丁寧な言葉の、あの初老の紳士が客の方が幾分かマシだったかもしれない。
だらしなく足を伸ばして座っている幼い少女に覆い被さるように座り直し、隠そうともしない溜息を吐きながらシンジは思った。
同色のレースやリボンがやたらと施された少女漫画の世界のような黒いシースルーのキャミソールが、彼女の体には大き過ぎてワンピースのようになっている。
透けて見えるブラジャーとショーツもまた黒く、大人の色気を必死に纏いたがっていながらも、やはり体型は子供なので背伸びをしている印象。
「どうしたの? 始めるなら先ず脱がしてくれない?脱がす事すら満足に出来ない? 貴方随分と子供ね」
未だ5つ程年下の少女に鼻で笑われてはシンジの眉間にも皺が出来た。
髪を撫でたり口付けを交わしたり等の前戯は省略し、おもむろにキャミソールを裾から派手に捲り上げる。
「やん、大胆」
わざとらしい口調がどこまでもからかわれているのだと思い知らされた。
露になった体は日焼けを知らない白さで、子供特有の未発達さが有る。
将来的には豊満に、ともすればふくよかになるだろう体だが、今は未だ子供なので栄養を欲して見えた。
ブラジャーの上から乳房を両方共包み込む。
「男はやっぱりここが好き、なのね。それとも貴方が子供だから、ママのミルクが飲みたくなっちゃったのかしら?」
クスクスと笑う様子は小悪魔を通り越して鎌を持った死神に近い。
「……舐めてって言ったのはそっちじゃないか」
口先に怒りを込めて呟き、フロントホックだったので中央から左右に分けるように気遣い無く下着を剥ぎ取った。
貧乳や細身ではない、ただただ発育していない胸。膨らみ掛けたそれの尖端は肌の白さと幼さに反比例して深く色付いている。
シンジは右手で尖端には触れぬように撫でながら、反対の乳房へは唇を寄せた。
「嫌だ、手袋ってザラザラしてるのね。これで触って。ね、早く触って」
わざと避けていたが、少女の方から尖端が手袋に触れるよう上手く腰を動かし、無理矢理触らせる。
1度触れては焦らす意味も無いので、人指し指の腹でぐりぐりと押してやった。
「ンふうぅっ! くすぐったい」
一応嫌とは言うが、決して不快ではないと声が物語っている。
シンジは僅かに口を開き、舌先すぼめたまま突き出して尖端を弾いた。
「あンッ! い、今の良い! ね、今のをもっとして?」
言われた通りに舌を数回上下させ、それから口を大きく開いて尖端を周囲の乳肉ごと口に含む。
「あァん……お口、あったかいのね……」
媚を売る甘味過ぎる声を出した少女はゆっくりと背をこの柔らかなベッドへと沈めた。
片方の乳房を咥え、もう片方の尖端を指で摘みながらシンジもベッドへとうつ伏せになる。
2人の体重を包むように受け止めたベッドの隣で大型犬は吠える事無くカーペットの上にぽつんと座るばかり。
可愛がっているペットに自分の喘ぎを聞かせて楽しんでいるのだとしたら、こちらのお嬢様も相当趣味が悪い。
シンジの頭の中には「バター犬に使っているのでは」なんて考えは浮かばない。彼の中にそんな種類の犬は存在しない。
「ねぇ……さっきの、さっきのやって。舌だけでペロペロって。そっちの方が気持ち良かった……」
甘いがどこか自分本意な我儘を受け入れて、シンジは口を放して再度舌を伸ばす。
唾液でタップリと濡れた尖端は硬く勃ち、先程とは別物にも思えた。
咥内に含んでの綿密な愛撫を受けるよりも、外気と舌の感触が混ざりあって刺激してくる方が、単調な動きでも気に入ったらしい。
親切心を欠いた舌が上下に少し乱暴に行き交う度に少女の鼻にかかった演技臭い声が上がる。
「うぅンゥ……ねぇ、未だ続けるの? もうそろそろ、違う所も舐めてよぉ……」
最近は恋人気分を楽しみたい者や、兎に角リードしたがる者ばかりだったが、この仕事の本来の役目はこうして言われるがまま奉仕する事に有ったと改めて気付かされた。
性の切り売りなんて表現を用いた人間は実に言葉が上手い。
溜め息混じりに舌を這わせたまま胸から腹、下腹部を通ってショーツの端へと移動する。
手袋越しなので感触はわからないまま右手は愛撫を続け、左手は同じく手袋をはめたまま太股を撫でる。
「ねぇ、早くぅ……もう! 触らなくても良いから、とっとと舐めなさい!」
ぴしゃりと怒鳴り付けられたシンジは慌てて体を離した。
「ご、ごめんなさい。すみません」
「……頼りない子」
言葉を吐き捨てられても逆上出来る性質は持ち合わせていない。シンジは両方の眉を下げて申し訳無さそうな顔をするしか出来なかった。
「もう……面倒な子ね! 寝たままだとやりにくいなら、体勢を変えてあげるわ。何かやりやすい格好とか有るの?」
ベッドヘッドの方に有る抱き枕程のサイズが有る大きな枕を取り、少女の腰に入れるように敷く。
腰が、小さな体なので腹の辺りまで持ち上がり、少し苦しそうな体勢にさせた。腰を高く突き上げて陰毛の無い恥丘を見せ付けるような姿に。
「貴方、こんな体勢でするつもりぃ?」
不満そうな口振りだが、その唇の端は不敵に上がっている。
「ちょっと苦しいから、早くしてくれなきゃ嫌よ」
左右の足を開く。この体勢に自ら望んでなったかのように。しまいには2本の指を添え、大陰唇を開いて見せてきた。
彼女の体躯や女性器からすると、少しばかり陰核が大きい気がする。興奮しているだけかもしれないが。
そこへ吸い込まれるように顔を埋め、シンジは少し離れた位置から舌を伸ばして、ただの割れ目にしか見えない女性器をつつく。
「んっ……何か、思ったより小さい感じね……もっと全部の場所を、って出来ないの?」
言われた通りに従わないとまた怒鳴られる。もしかするとこの家――広さからすると屋敷、の方が正しいだろうか?――に連れてきた初老の紳士を呼ばれるかもしれない。何をされるワケでもないだろうが、何と無く怖い。
大きく口を開き、唇全てを股間へと押し付ける。
幼い子供特有の色気が無く余り良いとも思えない香りがシンジの鼻腔を占めた。
性器を吸い寄せて飲み込むように口から息を吸い、そのまま舌の表面が全てつくように伸ばす。
――ぺちゃり
確かな水音はシンジの唾液だけではない。そうそうに割れ目の奥から蜜が滲んできている。
「うぅん……やれば出来るのね……全然違う、良いわ、この感じ……」
溢れてくる蜜にも負けない熱い息が絶えず性器全体に掛けられている感触に少女は肩をゾクリと震わせ、その度にまた熱い蜜が次々とシンジの咥内に侵入してくる。
シンジは両手でしっかりと少女の太股を掴み、自分の体を支えながら抵抗されないようにクンニリングスを続けた。
舌の先の裏側で叩き落すように舐められるのが特に気に入ったらしく、まるで放尿しているかのように愛液は出続けてはシンジの口の端から落ちてゆく。
シンジは顔を少し下へずらし、いつの間にか愛液でドロドロになっている会陰を舐め始めた。
「く、くぅゥッ!」
少女の足が暴れたがるが、非力と言われがちだが流石にこの少女よりは力の有るシンジの手でしっかりと押さえられている。
鼻の先でぐいぐいと陰核を押し付けてやると、少女はまた大きな声を上げた。
上手く呼吸は出来ないし、愛液独特の味だけではなく匂いまでもが顔全体を犯していくような感覚。
舌に伸びていく糸を引きそうな粘液はどんなに飲み込んでも止まらず、顎がどんどんと汚れていく。
ここでスカトロ趣味が有ると言いながら放尿されては窒息死してしまうかもしれない。
「あぁッン! 凄い、凄いぃ! ねぇ舐めて、もっともっと、もっと奥までぇ!」
両足が言う事をきかないとわかった少女は上半身を、シンジを抱え込むように起こす。
そして両手でシンジの顔を自分の性器へと押し付けた。
「ぶ、ぐっ!?」
「ねぇ、ねぇ舐めて頂戴! ヴァジャイナのうーんと奥までぇッ!」
舌を伸ばしたまま手から逃れるように首を無理矢理動かすシンジ。
何度もクンニリングスを行ってきたとは言え、膣内に舌を差し込む程の技量は持ち合わせていないし、何よりこの少女の小さ過ぎる性器では上手く挿れられそうにない。
「ンああぁー……ね、えぇ……早くゥ……は、早くンッ! ッ!!」
乱暴に顔を動かしていると鼻の横側で陰核を強く押し付ける形になった。
と同時に少女が甲高い声で、正確には声にすらなっていない、苦しそうな息の音を漏らす。
そして大量に愛液が噴き出してきた。
「ッ……は、ふぁア……ん……」
押さえ付けてくる手の力が抜けたのでシンジは慌てて顔を離す。
割れ目が少し口を開けてピュッピュッと白とも黄とも透明とも言えぬ色の液体を飛ばしている。
数度に渡って愛液よりは粘度の低そうな液体が止まった頃には、少女はぐったりと体を倒してベッドと腰の下の大きな枕に預けていた
「……やっぱり私……ヴァジャイナよりも、クリトリスの方が好きみたい」
虚ろだった焦点がシンジの顔を捉えると、耐えそうな息の間から相変わらず早めの口調で呟く。
「うふふ……凄い顔ね。貴方淡白過ぎる顔をしているから、その位の方がセクシャルに見えて良いわ」
慌てて右手の甲で口元を拭く。ベタベタしたいやらしい匂いを放つ粘液は2度往復させても拭いきれない。
「楽しかったわね」
わざとらしい作り笑顔を向けながら体を起こして座り直す少女に対し、シンジも顔を拭きながら同じような座り方をした。
「はい……」
ムスっとした表情に、精一杯の低く出した声。……しかし体の一部は充分に楽しかったと誇張している。
「勃ってるわよ、ピナス。ねぇねぇ早く見せて! 私本物を目の前で見た事って無いの」
ほら早く、と急かされて漸くシンジは視線を下へ向けた。
確かに性器は下着も今日初めて着たとは思えない程サイズもデザインも似合っているパンツも押し上げている。
「何だったら私も舐めてあげるわよ? やってみたかったの。無理矢理口に挿れられるのって、やっぱり興奮するじゃない」
すっかり体力を回復させたらしい少女は早々に興奮した楽しそうな笑顔で『命令』している。早く脱いで見せなさいと。
シンジ自身が望んで身を投げ込んだ世界なので理不尽だと文句を言う事は出来ない。最も敏感にして大事な箇所を、自ら曝け出さなくてはならない。
彼女の前からも、この世界からも逃げ出す事はもう出来ない。
続く。
107 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/05(火) 14:52:29 ID:xU6Ewp4R
は
相変わらずえっちぃー!乙
読みたいが今から学校で読めねえ!!
帰ってきてからの楽しみ(;´Д`)
つか、超お疲れ。
お疲れ様!!
続き超楽しみ
あとバター犬のくだりちょとワロタ
保全
1週間位振りです。
何か綺麗にまとめられなかったんで、もう1回分ける事にしました。
まとめて投下しろよ派の人すんません。
注意事項
・相手は女性、同じやつ
・獣姦っぽいかも
ブラウスも手袋も残したまま下半身だけを脱がされ、更には腰を突き出す体勢。
自ら進んでやればただの変質者だが、強制されると恥ずかしい事この上無い。
「あら? 貴方、包茎ってヤツ? 皮が被っているのは包茎と聞いたわ」
ぐ、と少女はいきなり既に勃ち上がっている性器を右手できつく掴んだ。
「ンっ、ちょっ、ちょっと止めッ……痛いィ……」
掠れそうな声で訴えるのも当然、綺麗に伸ばした爪が裏の筋に丁度当たっている。
すぐにでも離してもらいたいシンジの願いに反して、少女の好奇心は一気に手の中に注がれた。
「やだわ、これちょっと動いたわよ。貴方包茎じゃないの? あぁでも包茎だとコイトス出来ないから、違う方が良いのよね」
親指と人指し指で皮の途切れている部分を摘み、口の端を上げてゆっくりとその指先を下ろす。
「ッ……」
シンジの声を殺した息を飲む様子に少女は益々顔に笑みを咲かせた。
「ねぇちょっと見て、本物のピナスが顔を出したわ。思ってたよりもずっと真っ赤、とってもグロテスクで貴方に似合ってなくて可愛いわ」
1度手を放してぎゅっと根元を握り直すと小指の側面が陰嚢に当たる。
「これが手コキなのかしら。どっちかって言うと皮コキって感じ」
そのまま瞬時に要領を理解してゆっくりと性器を握った手を上下した。
「や、だ……っ」
「嫌なんて言わないでよ。私、貴方をちゃーんとお金出して買ったんだから」
金を出したのは、その金を稼いでいるのは彼女自身ではないが。
「貴方は生きるバイブでしかないんだから、ちゃんと腰突き出して私に見せてよ。……思ってたよりも長い所はちゃんと評価してあげるわ」
出っ張った雁の真下から本来毛が有る筈の肌までの長さは、普段シンジの客となる人々からすれば丁度良いか少し物足りない程度しかないが、少女の手からすれば充分過ぎる。
「私こんなに勃起したピナス、初めて見たの。これが私のヴァジャイナで1人暴れてくれるのかと思うと、もう楽しみで濡れてきちゃう!」
恥ずかしくて仕方無かったが、それでも仕事だとちゃんと腰を、性器を前に出すシンジ。
体の真横から少し後ろ位の位置のシーツは両手に握り締められて皺を沢山作っている。
「本当はもっと極太の、大きくて太くて硬くて作り物みたいなのが良かったの。玩具じゃ駄目よ、勝手に動いて欲しいから」
言いながら手は止めない。手の温度とはだいぶ違う性器のビクビクと脈打つ感触が相当気に入ったらしい。
どちらかというと終わりの早いシンジの性器からは先走りが漏れ始めた。
勢いの全く無いその液体は少女の手の平に伝い、擦る度にくちゅくちゅと卑猥な音を響かせる。
「手の平、ベタベタしてきたわ。貴方が射したんだから、後でちゃんと舐めてね。……返事は?」
初めて触れたとは思えない、いつも見せろと言われて自らの手で自慰をする時に程近い、まるで自分が向こう側から擦っているような刺激が頭を白くして考えを吹き飛ばした。
「……う、ぁはい……ん、ん」
唇を噛み締めても鼻から甘い声と息が漏れてしまう。
「自分のスペルマを舐めるのよ? よくそんな事出来るわね。貴方変態?」
意識は今にも飛びそうだが、少女の言葉はしっかり聞こえているし理解も出来る。
細く睨むように目を開けて、シンジは首を左右に振った。
「ふふっ、やっぱりフィルム役者になんて頼まなくて良かった。ブルーフィルム……今の主流はアダルトDVDかしら? そんなのに出てる人はピナスしか映されないからと、酷い顔をしてるもの」
手首を動かして上下ではなく、くるくると円を描くような愛撫に変える。
「……は……あ、ん……」
もどかしい動きに翻弄されて、腰が無意識に性器を少女の手に擦り付けようと動いた。
「貴方みたいな素人に毛が生えた程度の人でも、見た目が可愛ければそれで良いわ。……ね、そろそろ私とシたいでしょ?」
肯定すべくシンジは頭を下げる。
頷くのとは違い、性器からの刺激が背筋を駆け上がり過ぎていて、もう頭を上げ直す事が出来ない。
「コイトスしたいでしょ? こんなにパンパンにしちゃって……ただのバイブの分際で、大した主張ね」
パッと少女の手が離れ、室内の空気が性器にまとわりついた。
「……うんぅ」
「正直ね」
手の温かさと性器自身の温かさと全く違う適温に設定された筈の空気は冷たい。
同じように、少女の笑みもまた少し冷たかった。
少女は再び仰向けに寝そべり、膝を立てて開く。
真正面のシンジから見ると足は無理無くMの字を描き、真っ赤に熟した性器がだらしなく唾液のように愛液を垂らしているのが見えた。
「処女だから優しくしてなんて言わないわ。早く挿れて、気持ち良い所突いて、沢山イカせて。初潮未だだから膣出ししても大丈夫だし、兎に角沢山動いて」
「……うん」
どことなく不安を残したままシンジは両手を少女の太股の内側に手を置く。
両方の細い脚を持ち上げると、少女は抵抗をしない所か自ら腰をこちらへと差し出した。
先程の愛撫と少女自身の傍若無人な性的振る舞いでテラテラと光る性器は、卑猥な匂いを漂わせている。
「早く、私のここ……」
わざとヒクヒク動かしているそこに、同じ位熱い性器をシンジは手を使わずに押し付けた。
「早く、早くぅ!」
破瓜を待つ少女とは思えない淫らな言葉と口調がシンジの背を後押しする。
自分も挿れられる側に回った時は、多少嫌でも急かす言葉を吐いてみようと思いながら。
――ぬるり
ドロドロと言っても過言ではないそこはにちゅにちゅと音を立てながらシンジの性器を受け入れた。
体格通り小さく狭い膣。洪水も揶揄ではない程愛液にまみれていてすんなりとカリ首を飲み込む。
しかし中程まで咥えた後、シンジが動きを止めた。
性器の先端に何かが当たっている。
「あぁん……貴方の、やっぱりパッと見よりも長いわ……ちゃんと奥まで届いてるもの」
口の端に笑みを乗せて、年齢がからなくなる程妖艶に少女がポツリと呟いた。
「……じゃあ、もう……入らない? ん……」
内壁はぬめりを除けばさぞツルツルしていると容易に想像出来る程何も無く、反して異様なまでに濡れそぼっている。
ただでさえ興奮を重ねて熱い性器が、少女の膣に納めた先の方は溶けてしまいそうな程。
挿れていない根元付近も熱い。湯気が立っていても可笑しくはない。
こんなに小さい――言い直せば短い――膣は無論初めてのシンジはどうすればわからず、達してしまわないようにじっと動きを止めた。
「……何してるの? ねぇ、早くしなさいよ」
「早く?」
「そ。早く。早くエクスタシー迎えなさいって意味じゃないわよ? あ、でも、スペルマがお腹に満たされるのって面白いかも」
交接したままクスクスと笑われると精神的には不快だが、性器は直接的な刺激を受けて興奮してしまう。
「早くってば! 早く動いて」
軽く腰を左右に揺らす少女。決して自分で動くワケではない。
「痛くは……ない?」
「痛い? 全然痛くないわ。貴方自分のピナスがそんなに立派だと思ってるの? 短くはないし、体格の割には……」
「そ、そうじゃなくて」
太股を内側から押し上げているシンジの手ピクリと動いて怯む。
「だって……初めてって痛いって聞くし……」
実際自分もそれなりに痛かった気がしなくもない。余り記憶には無いが。
男性の性器を咥える事が初めてであって、決して膣に何も受け入れた事が無かったのではない。寧ろシンジの性器の倍近い太さの物を咥えさせて遊んだ事だって有る。
言葉にするのが面倒なのか、少女はシンジのほぼ真下から睨み付けるような視線を送った。
「……ごめん」
本日最大級の情けない謝罪の言葉が口から出る。
謝る暇が有ったら……と言われる前に、シンジは突き刺さった性器を、腰を前へ突き出して更に奥深くへと押し込んだ。
「あぁウん! ずるずるってしたぁ!」
少女の言葉通り、ビラビラとした淫猥な襞が性器を押し進める事によって全て捲れ上がり、突如入ってきた性器に対して困惑するようにまとわりついてくる。
「ふう、うぅ……
「ん……ねぇ、貴方……女性をエクスタシーまで導けた事、有る?」
え? と聞き返したかったが、今声を出しては喘ぎ声になってしまいそうなので答えられない。
代わりに多少感じられなくとも痛みを軽減出来そうな一定の速度で行っていたピストン運動をゆっくりした動きに変える。
「貴方早漏そうだから……別に何度射しても構わないけれど、ちゃんと私にもエクスタシーを感じさせてくれなくては駄目よ? こんなトロ臭い動きだけじゃ許さないわ」
「……ン、うん……その、がっ……頑張るよ……」
小さな声の合間に熱い息と甘い喘ぎが入って上手く返事が出来ない。
平然とした顔で話す間も返答を聞く間も、少女は器用に膣を絞るように締め上げたり、逆に力を抜いて更に奥へと導いたりを繰り返していた。
「あぅ、あ……はァっ……」
徐々に腰のスピードを上げてゆくシンジ。
嫌そうな顔をされていては怖いので目を閉じて集中する。しかしそうすると予想以上の悦に声が漏れてしまう。
――ぶちゅっ、ぐちゅっ
粘液の壁がべっとりと濡れて、それでも未だ足りないと言わんばかりに奥から蜜をトロトロ溢れさせる。
その所為でどんなに互いに無毛の肌を強くぶつけようとも水音ばかりが耳についた。
放尿後を思わせる程熱く濡れているので、滑りは抜群に良い。転じて、挿れ始めと比べると妙に締まりが悪くなってきた。
こんなにぬめっていては、いつか性器がするりと抜け落ちてしまうかもしれない。
蜂蜜のタップリ入った壺へ出し入れをしているような甘過ぎて馬鹿馬鹿しい悦が、腹の奥底から込み上げては体の隅々まで痺れを伴って行き渡る。
「……ん、やっぱ……駄目ね」
乱れていた少女の息が途端に整う。わざと乱していた。当然奉仕しているシンジの為ではなく、少しでも自分の気分を盛り上げる為に。
「……っ……?」
腰の動きと同じ間隔の息の合間にシンジが少女の顔を見ると、髪が汗で張り付いていながらも、ムッとした表情が見えた。
この状況下に置いて冷静を通り越して酷く不満そうな、年相応の性格をしていたならば頬でも膨らませそうな表情が。
「……ただでさえお粗末な大きさなのに、ろくに動けもしないなんて……ンもう! じれったいったら無いわ!」
――パンッ
部屋に乾いた音が響くのは久し振りだった。
呆然と閉じてしまった目と、そして少し口を開いてシンジは少女を見下ろす。
右手を止める事無く振り抜いてシンジの左頬を叩いた少女を。
「あ、ご、ゴメン……なさい……」
思考回路が未だ動き出さない。何故左頬がこんなに熱を持ったような痛みを持っているのかわからない。
「謝って欲しいんじゃないわ。買われた人間として価値有る行動を取ってもらいたいの!」
少女の膣がギュッと痛い位に狭まる。
「うッ……」
痛い位ではなく実際に痛い。
奥の方は元から特に狭いので、射精や放尿を無理矢理止められた中途半端な窮屈さと悦が入り混じった刺激を感じさせる。
「貴方だけじゃ駄目ね……ま、そんな事も有ろうかと、ちゃんと準備はしておいたけど」
両足をシンジの腰へ回して絡め、互いの体を密着させる。
年の割には決して大きな方ではない、寧ろ細さも相まって小柄な位のシンジは、自分よりも一回りは小さそうな体とこんなにも触れるのは、ましてや組み敷くのは初めてだった。
「心臓、ドクドク言ってるわね……私のヴァジャイナがそんなに良い? その割には萎えて……あぁ、元から小さいものね。ちょっと長いからって、売り物にならないわよ……あははっ、でも可愛い……」
実際に興奮が収まりつつある等少女は微塵も考えていないのだろう。辛そうな表情のシンジの頬を右手でゆっくり撫でる。
汗ばんだ手の平が、同じく汗ばんだ頬に触れ、顎のラインを伝って首に触れた。
力を入れれば呼吸を止める事すら簡単そうな細いシンジの首だが、少女の幼く小さな手ではそれも無理だろう。
親指でそろそろ変声期を迎えて喉仏が出ても可笑しくないその喉をなぞると、不意に顔を左へと背けた。
「Kommen!!」
気丈に発する異国の言葉に、ベッドがぐらりと沈む。
「……えっ?」
柔らかなベッドが動いた理由は部屋に入った時に少女とのんびりした時間を過ごしていた大型犬。
犬がベッドに乗り上げ、交接している2人の周りをぐるりと1周したのが理由でベッドが動いた。
シンジが疑問系に言葉を発したのはすっかりその存在を忘れていたからだけではない。
「うふふ、可愛いでしょ? これで人間だったら、私貴方を買わずにこの子とばっかり遊んでいたわ」
可愛い? これが?
もしも今声が出るのならシンジはそう言っていた。
落ち着きを欠如して尾を盛んにパタパタと上下させている犬は、横たわる少女の丁度頭の隣を何度も足踏みしている。
その後ろ足と後ろ足の間に、雄雄しく猛った性器が見えた。
「発情期の犬って可愛いわよね。ベッドの脚に牝犬の匂いを再現した香を付けておいたから、大人しくしていられなくなっちゃったみたい」
得意気に話している姿、そしてその言葉と口調はインサートされている女性とはとても思えない程日常的な物。
「勃起した犬のピナスを見るのは初めてかしら? 私は何度も見てるけど余り綺麗じゃないのよね。だから、とっても激しく動いてくれそうだけど、私のヴァジャイナは受け付けないの。だって私は綺麗な物しか認めないもの」
淡々と語れるのはシンジの動きが完全に止まっているからも有るだろう。
「この子にバイブを付けてコイトスさせたら……さぞ気持ち良いんじゃないかしら、なんて思うのよ」
少女が目線を向けると興奮しきっている犬は承知したと言わんばかりに足元へ、シンジの背へと向かった。
「どういう事……?」
「あら、わからないの?」
少し低めの声で言った少女がムッとした表情になった理由は勘の鈍さに対してだけではなく、膣内でシンジの性器が萎縮したのがわかったからだろう。
「……仕方無いわね。Hund!」
再び異国の言葉が漏れる。声の調子から恐らく命令形の言葉かもしれない。
そう思った矢先、背中に何か重たい物が乗った。
見なくても、寧ろ見えないからこそわかる。
「な……に……?」
漸く先を何と無くだが予想出来たシンジは恐る恐る質問した。
「さぁ、始めなさい。Hund!!」
どこか馬鹿にした異国の言葉が再度。そしてシンジの背の重みがずるずると下がって腰の辺りで止まる。
――ずぶり
少し間の抜けた、余り聞き覚えの無い音がした。
「っ! は、あ……ン、うぁっ……」
少女に覆い被さった状態でシンジが呻く。
その後ろに、腰に覆い被さっているのは犬。
ただの犬ではなく性器を限界まで勃起させ、それを人間の少年にインサートしている犬。
「は……だ、駄目! 怖い、抜いて……」
「い・や・よ」
火照って赤くなっていた顔を見る見る内に青くしていくシンジとは対照的に、少女はクスクスと笑うばかり。
「痛い、痛いからぁ……あァ……」
犬はどこまで言葉を理解し、どこから音としてしか認識出来ないのだろうか。
腰辺りを前足2つがしっかりと押さえてくるので、爪が刺さったように痛む。
「い、たい、よぉ……抜いてぇ、あ……ア! あ! あゥっ!」
――ビシっ
後頭部の辺りから不快な音が聞こえた気がした。
腰を振り続ける犬との結合部が妙に痛く、同時に妙に滑らかになっている。
きっと腸壁が傷付けられてしまったのだ。
肉体的な意味でも、精神的な意味でも。
「い、あァぅっんっや、あ! 痛ぁ、いィっ!」
傷口を抉られて痛いだけの筈なのに、肛門性交の快楽に慣れてしまった身体は淫らな声を上げてしまう。
涙も甲高い声も、勃起さえも止まってくれない。
犬の動きは遠慮が無い為激しく、一緒になってシンジもまた腰を振っている、振らされている状態。
挿れたままの性器が自分の意思とは無関係に少女の幼い膣を掻き回し、少女は卑猥に声を上げた。
「あぁっあアン! あっ、あんぅーっ! いい、いいっ!」
犬自身の性器は対した大きさではないので、ましてやそれを受けるシンジを間に挟んでいるので、動きは小刻になる。
しかし本日の客の少女はそれを気に入ったらしく、耳障りな程大きな嬌声を響かせた。
「は、あンっ、ああぁっ! 止め、止めてよッ! アあ、んうぅっ」
こんなに高い声はなかなか声変わりが訪れないとはいえ、男として恥ずかしい。だというのに止まらない。
可愛いと頭を撫でていただけの犬という動物に犯されている。
しかも自分より幼い女の子が、もっと早く動けるようにと、自分勝手な理由で。
動物らしく乱暴な、生殖しか目的としない動きは痛みと恐怖しかもたらさないのに、伸ばした足の指の先までビリビリと痺れてくる程に気持ち良い。
「か、はっ……あぁっ! んぅああァっ! や……あぁウっ!」
感じている。犬扱い……いや、それ以下の性欲の捌け口として使われているのに、性器がどんどん少女の膣の中で膨らんできた。
少女の方も気付いているのだろう。目を細めて今にも鼻で笑い出しそうな顔で、下腹部に力を入れて締め付ける。
「ひゃ、は、あっ、アっ! おぉ、お腹! お腹ヒクヒクしちゃっ……あァアっ! も……も、嫌、止めっ!」
「んぅ……止めないわよ、ねぇ?」
問う相手はシンジではなく犬。
「折角貴方の……んっ、お粗末な大きさの、ピナスがぁ……あンっ……んくっ、大きくなってきた所ぉ……でしょ?」
少女は急に立てた右膝でシンジの左脇腹を小突いてくる。
反対の右脇腹は逃がさぬようにと押さえてくる犬の手の爪がシャツを過ぎて皮膚を食い込んでいた。
痛い筈なのに、それすらも気持ち良い快感に化ける。
腸壁が内部で捲くれ上がっている事すらわかる。そこに微かな血液が塗りたくられ、人間のものではない粘液の塊がビクンビクンと確かな脈を打ちながら何度もぶつかってくる。それすらも気持ち良い気がしてきた。
「は、ひゃ、はぁ……うゥんっ……」
声が上擦ってきた。シンジの口からは息と明確な喘ぎが漏れてきた。
そのシンジの体の下では少女が引っ切り無しに喘ぎ続けている。声を出す度に膣が収縮を繰り返し、小さい女性器が精一杯男根を奥へ奥へと飲み込もうとしている。
何もしなくても勝手に後ろから体を動かされ、ぴったりと性器を離さずに絡み付いた膣壁を捲りながらピストンをしている状態。
隙間の無い結合部。だが少女の愛液は留まる事無く分泌され続け、どんどんとベッドの高級そうなシーツを汚していった。
少女を犯すように、犬の性器を更に咥えるように、シンジ自身も無意識的に腰が動く。
背を無遠慮に快感が駆け上がっていく。
「……あ、アっ、僕……イ、イキそう……ッ……」
「だ、駄目よ! 未だ嫌、もっと……あん、もっとぉ!! そ、そうだわ……あン、私のっ……触ってからぁ……」
少女が言葉になる声を喋れば喋る程シンジを挟んで向かい合っている犬を興奮させるらしく、犬の動きが乱暴になった。
直接触れるように前立腺を刺激され、早く精を吐き出せと言わんばかりに性器を包む膣が襞と愛液をぶつけてくる。
2箇所からの圧倒的な悦を前にシンジは制止の言葉を聞けずに叫んでいた。
「だ、駄目ッ……あ、うンンッ! 射っちゃ……あ、ああアアあぁァぁぁッ!!」
射精。
会陰からは痛い程の刺激が走り、鈴口が裂けてしまいそうな錯覚を伴いながら精が噴き出した。
と言っても中出しした為に勢いは見る事等出来ず、性器をまるで取り囲むような膣壁相手に精は行き場を失って結合部からプシッと音を立てて潮吹きするかのように僅かな量を噴き出して見せる。
「は……あ、ぁ……射てる……お腹にいっぱいザーメン流されて……るぅ……」
軽度のオーガズムを得る事が出来たのか膣は少し空洞を作り、これ以上は零すまいと入り口部分のみがキュッと締まった。
また少女自身も顔を背けるように横に向けて開いた口からだらしなく唾液を垂らしている。
動きが止まっていたらしい犬がワンテンポ遅れて射精した。
――ドプッ! ドク、ドクッ……ビュル、ビュッ
1度では止まらない。初回で既に大量に吐き出した筈なのに、動物らしい形をした性器は大きさをそのままにシンジの肛を塞いだまま2度目の放出。更に栓をしたまま前後運動もせずに3度目の放出をする。
「……や、だ……」
吐精した直後の気怠さでは余計に支配しようと犬の精が体を巡るのがわかる。力無くシンジは小さく呟いた。
本来排泄する為にあるこの箇所から何か――液体固体問わず――を挿れられた事は何度も有った。1時間前に会ったばかりの男の精だって注がれた事が有る。
しかし……人間のそれと犬のそれとは全然違う。直腸を通って流れ込んでくる異臭を放つ液体は、ただただ不快。
主人たる少女が命を下す前に犬は漸く射しきって平常時の大きさになった性器を抜いて、そのままベッドを降りた。
背中から漸く重荷が降りる。が、傷まで付けられた直腸は犬の精が満ち満ちたまま。
「あぁ……疲れたぁ」
シンジよりも先に達した後の愉悦から戻ってきた少女は「退け」と言わんばかりの目でシンジを見上げてきた。
「……ごめん」
何で謝るのだろう。そう自分でも疑問に思ったが、取り敢えず体を起こして少女の真横に横たえる。
「何だかつまらなかったわ。もっとこう……何度も何度もエクスタシーを得られるコイトスをイメージしてたんだけど、貴方じゃやっぱり役不足なのかしら」
あれだけ大声を上げて我儘に振舞っても、それでも満足が出来ていないらしい。
ごろん、とシンジに背を向けるように寝返りを打つ。
「まぁ貴方は私の可愛いペットの捌け口としては役に立ったみたいだし、これからあの男……あぁ、お父様の部下の男ね、あの嫌な男」
相当嫌いなのか少し声が低くなった。
「あの男とコイトスする際に言ってやるのよ。僕のヴァジャイナは犬用の物なんです、って。犬のザーメンがタップリ入っているんです、って。……ねー?」
最後の問い掛けはシンジに向いていなかった。証拠にワン、と犬が1つ吠えて返事をする。
どこまで馬鹿にされているのだろう。頻繁にアスカが、そして稀に他の友人が自分に言う『馬鹿』とは違う。
違う。全く違う。
友人達の言葉の中には友情が含まれている。反対に少女の言葉はただ侮蔑するだけ。それも、対象は自分ではなく自分を通して別の人間。
誰も、誰も彼もが自分を見てくれない。見てくれる事は無い。
誰からでも、犬からですら親愛を注がれる少女とは正反対に。
不思議と自然なまでに手がゆっくりと伸びていった。背を向けても己の疲労だけを理由に眠ってしまおうとする幼い少女の体へと。
続く。
リアルタイムktkr
お疲れサマンサタバサ
相変わらず上手いね
獣姦くるとは思わなんだ
お嬢にムカつきつつ、酷いことされちゃうシンジきゅんに興奮しちゃう俺は駄目な子
孔雀ネ申超乙!
いつも有り難う
シンジきゅんのチンコ長いでなんか興奮した
ネタが尽きない孔雀氏にかんぱい
乙なんだけど、とても怖い…切ない…
シンジが人として救われる日は、来るのだろうか…
トラウマになりそうなほどぞっとするけど、激しく続きが気になる
このシンジの結末すごい楽しみ
てかほんと守ってあげたい
確かに。がんがれ孔雀氏。
来ました。今度こそ終わります。
期待はしない方が良いです。どうせ俺が書いたら801で終わるんだから。
注意事項
・相手同じ
・珍しくシンジきゅんをMっぽくなくしてみた。つもり。
シンジは伸ばした手で背を向けた少女の後ろから左手で腰を掴み、右手で左足の膝の下を持ち上げる。
「きゃ、な、何!? 何すんのよっ!!」
この体勢では無理なので左手を放して腰を沈めさせ、殆んどうつ伏せの状態にさせてから、空いた左手でシンジは己の性器の根元を掴んだ。
未だ背に重たく熱い感触が残っている気がする。
背だけなら良い。肛にもしっかりと残っている。こちらは気がするだけではない。
後ろから見ればさぞ恥ずかしい事になっているだろう。
突然無理矢理拡げられて間が無い為締まらない肛から、人間の物ですらない精が微かな血液を交えてゆっくりと逆流しているのがハッキリとわかった。
痛いという気持ち以上に今は不快で仕方無い。
少女を掴む手に更に力が入る。
「何、何すんのよ! 放して! 逆らう気ぃ?」
こんな事をさせた目の前の少女に同様の復讐をしたいが、すっかり大人しくなってベッドを降りて座っている犬がこの主人にもそんな真似をするとは思えない。
ならば自分がするしか方法は無かった。
例えそれが自ら犬と同じ世界に立つ事を意味しているとわかっても。
「!? ちょっ……」
右手の全ての指に目一杯彼女の愛液を掬い付けて、その手をそのまま臀部へと滑らせる。
「放しなさいよ、疲れてるの。それにエイナスは嫌よ。私そっちの趣味は無いの」
少女の言葉は聞かず尻肉の間に中指をつき立てた。
垂れてきた愛液で微かに濡れている肛の感触が有る。
「な……ど、どこ触ってるのよ! 汚い所は嫌! 私嫌って言ったでしょ!」
先の性交で少しほぐれた感の有る肛は言葉に合わせてヒクヒク動き、しっかりと押し当てた中指の侵入を防いでいた。
しかし少女自らの潤滑油は虚しくもシンジの指を受け入れる。
――ズルッ
入り口部分だけは固く閉ざしていたものの、熱くて恐らく汚い内部はヌルヌルとしながらシンジの細長い指を奥へ奥へと飲み込んでいく。
「や……は……」
体に杭を打ち付けられたように体が硬直してしまった少女は、肛門性交の経験が恐らく無さそうだ。
自称医者に買われた際「指を挿れてみればすぐわかる」と嬲られながら聞いた話を思い出す。
「い、いや……いや、止めて……」
暴れればまた違うだろうが、少女の両手はしっかりとベッドのシーツを握っている。怯えで震えながら。
「さっき、あんなに僕が止めてって言っても止めなかったじゃないか」
ぐっと指を中で折り曲げる。
「ウ……」
あの幼い女の子の声とは違う低い呻き。
「だから僕も止めてって、痛いって言ったって止めない」
目の前の子供以上に自分は子供だとわかっている。
それでも悔しくて。
金で買われる事はこんなにも馬鹿げていると理解しながら、止められず続けている事が益々馬鹿だと気付かされたのが悔しくて。
少女への復讐ではなく、自分を辱めている自分への復讐に。
「い、ぎぃっ! や、嫌ぁ痛い!」
煩い声が耳に入って抜けていく。
気付けば挿入している指が人指し指と中指の2本に増え、2本共折り曲げた状態で引っ掻くような乱暴な出し入れを繰り返していた。
これ程喚いていたって、やがてこんな不浄で不潔な穴を掻き混ぜられただけで絶頂を迎えられるようになる。
何度か達せば痛い位が丁度良くなってくる。なってしまった。
「……煩い。煩い、煩い! 煩いッ!」
犬の精には苛立ちを促進させる成分でも含まれているのだろうか。
周囲と世界に対して卑屈であり続けたシンジの行き場の無い怒りが、やつあたりに自分ではなく目の前で背を見せている少女にだけ向かう。
――ズリュッ
予告の1つも無く勢い良く指を引き抜いた。
「やあぁうっ!」
体が指につられて排泄したくて、だが心は決して人前でしてはならないと訴えて仕方無いのだろう。
「さっき、こんな気持ちだったんだよ」
さっきだけじゃない、いつだってそうだ。
顔を近付けないまま、まるで独り言のように呟いたシンジは性的な興奮等全くしていないのに、先程射せなかったので勃起したままの性器を尻肉の間に擦り付ける。
「ひ……ま、待って、私ソドミーの趣味は無いの……お願い、そのままヴァジャイナに挿れて。ね……あ、謝るわ、犬に犯させた事は謝るから……」
「そんなに嫌なの?」
「そうよ! だって……あん、違うの、貴方のピナスが嫌じゃなくて、そこでスるのが……」
シーツを掴む手がガタガタと震えている。
恐ろしい程に性に開放的だった少女が、1つのプレイだと割り切れずにここまで嫌がるとは。
加虐心は持ち合わせていないが、初めてはと締まりが強くて良いとどの客かの言葉が下半身と少女を強く掴む手に熱を持たせた。
「……あ、あのねっ! 私はお客様なのよ! 貴方にとって神様でしょ!?」
「神様?」
手も擦り付ける腰も止まり、シンジは眉間に皺を寄せた。
「言うじゃない、お客様は神様だって!」
確かにテレビか何かで聞いた事の有るキャッチフレーズだ。
金が有れば何でも出来る。金さえ有れば神にもなれる。
だがそんな神には簡単に逆らう事が出来る。
「じゃあこれからの分は差し引いた金額しか貰わないでおくよ」
「なっ……」
いつの間にか性交をしたいのではなく、少女を傷付けたいだけになっていると、漸く気付けた。
――ぎし
「いっ! ヒ、イィい……
膣とは違い肛は酷い抵抗を見せる。
たいして大きくはないカリ首の大きさにすら限界らしく、引き裂かれる痛みに耐えるような悲鳴を殺した声を少女は漏らした。
「……くっ……痛いッ……」
膣も決して緩くはなかったが、肛とそれを比べようがない。1度も外から開かれた事が無く、また潤滑油の量も全く違う。
少女を苦しめてやりたいと思った罰が当たったのか、反対にシンジ自身が苦しめられている。
「この……っ!」
乱暴に腰を前へ突き出すと、ぬるりと気色の悪い感触を伴って付け根まで飲み込まれた。
「ウっ! 痛い、痛いぃィ!」
入り口――勿論本来は出口――部分は相当狭くきついのに対し、奥の方はそうでもない。寧ろ膣よりも自由が利きそうな程。
但し入り口部分は狭いなんて言葉では片付けられない程に性器の根元をギリギリと締め付けてくる為、シンジの表情は必然的に辛そうなまま。
容赦無く腰を引いて性器を半分以上出す。
「ぎ、いっ……痛いィっ……早く、全部抜いてぇ……」
全て引き抜く勢いで腰を引いたが、カリが入り口部分で引っ掛かって簡単に抜け切らない。
どんなに乱暴に動いても抜けてしまう無様な目には遭わない。
――ぎゅ、ぐ、ぎゅ、ぎゅっ
単調なピストン運動を始める。
潤滑油が充分ではないからか、それとも単に肛がきつ過ぎるからなのか、水音とは程遠いベタベタとした耳障りな音が部屋に響いた。
そんな音を聞いても、主人がこんなにも酷い目に遭っていても、大型犬は姿に似合わず大人しくぽつんと座っている。
「か、あ、は、うっ、あぁっ……んっ、う、ウ」
膣とは違い自ら濡れてくる事も絡み付いてくる事も無いが、純粋に空間と呼ぶにも狭すぎる肛は苦しさに近い快感を与えてきた。
パンパンと当たる尻肉が恥骨に痛い。
「痛い……」
少女が言葉ではない喘ぎか呻きを漏らす代わりに、シンジがしっかりと意味の有る言葉を呟いた。
犬に肛を犯されていた時にも出ていた嫌な汗が止まらない。
肛を拡げられる苦しみ以上に、性器を握り潰されそうな程の痛みが結合部で発生している。
敏感な性器を何度も締め付けとそこからの開放を繰り返しているのに、確かに気持ち良い筈なのに、ちっとも達せそうにない。
べったりした腸壁は次第に追い出そうともしなくなり、入ってくるのも出て行くのも純粋に受け入れるようにポッカリと開いた空洞に変わってきた。
少し入り口がきついだけの、シンジが他者に言われて自慰をする時のような妙なゆとりの有る快感。
もっと追い込まねばいつまで経っても達せない。
両手でしっかりと腰を押さえて体を更に深く突き入れ、少女の体ごと動かす。
「は、あぅんッ!」
胸や陰核等がベッドのシーツと擦れ、少女の中に痛みと苦しみ以外の明確な快楽が生じた。
しかしそれで直腸が塗れる事は無い。肛の締め付けよりも繰り返す摩擦による痛みが腰を動かす事を拒み始める。
「ン、あぁ……もっと……」
声音が変わった。甘い、甘くて温い雌らしい声色に。
どこまでも彼女は快楽に変換させられる。自分は何をどうしても痛く苦しいのに。
――ズルっ
両手で少女の体を押し退けながら腰を引くと、少し引っ掛かったが性器が汚い音を立てて抜けた。
シンジは手を離して少女の体を投げ出し、同時に自分もまた性器は勃ったままだが体の力を抜き、ベッドの上に正座を崩して尻を付けたような座り方をする。
「アんっ! ……はぁ、あぅん……もう終わっちゃうのぉ……?」
開放されてうつ伏せになった体を、上半身だけを振り返るように横に向けて少女はシンジの方を見た。
汗と涙と恐らく鼻水まで付けて汚れた元来は綺麗な顔立ちが挑発している。
「……終わらないよ」
明らかに怒りしかこもっていない声に少女は一瞬驚いて目を見開いた。
「きゃっ!?」
膝立ちになったシンジは少女の前髪を掴み、抜けるのも構わずに顔と体を起こしてこちらへと、シンジの腰へと近付ける。
唖然と開いた口に無理矢理性器を咥えさせた。
「口でするのは、する方は絶対気持ち良くなれないんだから」
怒り……と言うよりも妬み、かもしれない。少女の目から見たあのたおやかで愛らしいシンジの顔は今や負の感情で染まっている。
「ずっと、ずっと僕だって辛かったんだから!」
更に深く根元まで咥えさせるように顔を近付けさせて腰を押し付ける。先端が少女の喉の粘膜を突いた。
「ぐ、グっ!? あ、あがぁっ!」
嘔吐感が込み上げてきたらしく、性器の先端で触れる粘液が舐めてもいないのに酸味が有るに違いない独特の痛い物に変わる。
少女も苦しかろうとそのまま嘔吐したり、ましてや歯を立てたりしては更に酷い仕打ちが待っているかもしれないと考えたのか、既に真っ赤だった目に再び涙を溜めながらも抵抗しない。
「こ、のぉ……っ」
両手で少女の顎を支えるように持ち、慣れない動きで腰を前後させるシンジ。
何度もやらされてきた強制的な口奉仕は意外に難しい。
腰を動かすだけで舌の腹が裏筋をねっとり舐めているような刺激が訪れて、敏感なシンジでは膝がガクガクと揺れてしまう。
「うぶっ……う、ウぅ……」
遂に少女の目から涙がポロポロと、既に泣いていたので粒状ではないが零れ落ちた。
体も顔も小さい少女は口も小さいので、咥内の肉が上下左右全ての方向から性器を包み込む。
抜き差しを繰り返していると唾液に塗れた唇の感触と口の外の空気との温度差ですら悦になる。それでいて先端は熱い咥内と更に熱い喉という粘液で刺激が尽きない。
鼻のうんと奥の、目頭と目頭の間がツンと痛み、一瞬白い世界が見えた。
「あ……い、イク……イッちゃ、う……」
目を瞑り、汗だらけの頬を染めて、シンジはうわ言のように小さく呟く。
性器を抜き取り、そして少女の頬に押し当てた。
「えっ……」
口を開放されて何か尋ねようと少女が声を漏らす。
ラストスパートとして、シンジは先端を柔らかい生まれたてを連想させる頬に押し付けたまま、何度かゴシゴシと根本から中辺りまでを擦り上げた。
「ンんぅっ!!」
―――ドクン、どぴゅ、ぴゅぴゅっ、ぴゅっ
射精。鈴口から1度大量に強い勢いで精が吹き飛び、次いで勢いを落とした精が2、3度飛び出してくる。
「あ、ふぁ……」
シンジは後ろに倒れ込むようにバランスを崩し、そのままぺたりとまた膝を崩して両足を後ろに向けた座り方をする。前とは違い、背を丸めて。
真っ白だった視界が開けて、徐々にシンジの意識がはっきりと戻ってくる。
顔を上げて少女を見ると、顔の右半分がシンジの精でべっとりと濡れていて、目も開けない状態になっていた。
口を半開きにし、呆然とこちらを見ている。いや、焦点は合っていない。
「あ、の……」
シンジが掠れた声を掛ける。
「あ、あ……ぅあぁぁー!」
叫んだ。いや、泣き出した。
「うっあっうぅっあぁーっ、あぁーっ、あぁぁーっ」
遠くからでも見える腹部の異様なひきつりが心の奥からではなく腹の底から泣いているのがわかる。
「あ……あの、あ……」
入った時はあんなに静かだった部屋に、ただ煩く少女の泣き声が響いていた。
ごめん。
普段嫌と言う程口から勝手に出てくる言葉が全く出てこない。
謝り過ぎだと叱られた事すら有ったのに、何故か謝罪の言葉が喉の奥で鉛に変化してドロリと食道を伝って落ちる。
口先だけで謝罪した所で何1つ変わらないだろう。それでも謝らねば。それしか泣き止ませる方法を知らない。
自分が大泣きした時、どうしてもらえれば泣き止むか……と考えて、すぐに考えるのを止めた。
物心ついてからシンジはこんなにも泣いた記憶が無くて。
泣いても状況は変わらないし、周りの人々――主に大人――を困らせるだけ。
ならば泣かない方が良い。どうしても悲しい時は布団の中で声を殺して誰にも見られないように泣けば他者に迷惑を掛けずに済む。
迷惑を掛けなければ、捨てられる事も無い。
そうだ、捨てられた時には彼女と同様に、もしかするとそれ以上に泣いていたかもしれない。
駅のホームで、小さな体で、大きいけれど小さな子供の全てにしては小さい鞄の隣で。
どんなに泣いても戻ってきてはくれないのに、迎えに来た大人を困惑させるだけなのに、嗚咽が一切止まらなかった。
やがて時がその悲しみと寂しさを憎しみと虚しさに変えてくれた。
泣き止む方法を知らないから、泣き止ませる方法もわからない。
――みしみしっ
あれだけ暴れても静かに受けとめ続けたベッドから音がした。
見ると犬が少女の方へ擦り寄り、少女もまた鼻はグズグズ言っているが泣きやんでいる。
相変わらず犬らしく息を荒くしたまま、少女の顔を舐め始めた。
人間同士の愛撫とは違う、親猫が産まれたばかりの子猫を舐める仕草。
大泣きして顔をぐちゃぐちゃにしている涙も、美しい泣き顔には不要な汚い鼻水も、重力に従ってだいぶ見えなくなったシンジの精も、彼女の苦しみ全てを舐め取るように。
「……う、ありがと」
抱き寄せて身を任せる姿。
これなのかと、漸く頭が認識する。
――ぎゅ
幼い少女も大きな犬も、シンジはまとめて抱き締めた。
「何よ……何なのよ、何してるのよ」
厳しい口調だが腕から抜け出そうとはしない。
脅えている、というよりは自棄になっているのか、少女は声をどんどん小さくしてゆく。
犬の方も人1人抱き締めていると思わせる大きさなのに、雷に脅える
「何だって……いうのよ……貴方、私の事嫌いなんでしょ」
好き嫌いで言えば好きではないが、何と言われようと今は離さない。少女と犬とが眠るまでは。
ただ誰かが寄り添って、出来れば抱き締めてくれれば、それだけで涙は止まる。
悲しくなくなる。寂しくなくなる。虚しさが消える。
あの時せめて、こうしてあやしてもらえれば、きっともっと大声で泣いてしまう子供になっていた。
「嫌いなんでしょ? ねぇ、そうなんでしょ? だから……」
「違うよ、羨ましかっただけ」
大声で泣き叫べる事も、それを無条件で慰めてくれる誰かが居る事も。
大きな屋敷よりも立派な服よりも腐る程有る金よりも、そんなちっぽけだけど手に入らない事達が羨ましい。
もし金を積む事で、股を開く事で手に入れられるのならば。
有り得ないとどこからか否定される前に、皆で眠ってしまおう。
まるで1人と1匹の間に入れてくれたような、犬の舌の感触を頬に受けながら。
終
(゚Д゚)ウマー
いや、すごい…
いつも感嘆の言葉しか出てこんわ
EOEチックなシンジに萌えた
やはり負の部分があってこそシンジ
アスカ
リアルすぎる官能描写にしばし呆然。
救いのある結末になんだかほっとしますた
ホストや娼婦の哀愁が性行為の中からにじみ出るのって、お世辞抜きにスゲーですわ。俺にはとても出来ん…
娼婦だった女性が保母さんを始めたら
意外に適職だったってケースがあるそうですが
風俗の世界って他人の意思に自分の視線を合わせる
サービス業なんだと気づかされる…マジでお疲れ様
孔雀氏乙!
でもってウマー( ゚ Д゚)
このシンジきゅんの最初のお仕事を読んでみたい…なんつて
相変わらず上手いなぁ…マジで
>>154に激しく同意
孔雀氏時間があればでいいが書いてくれないか・・・?
まあ名無しのリクエストとして頭の片隅にでも残してくれれば幸いです
孔雀神は好きなもん書いて。
てかマジ、読んだあとに自分って贅沢だなぁ〜って思っちゃうよ。
あーこれを短編漫画で貞描いてw
同意。哀愁と神聖さがあるんだよな、この人の官能には
皆有難う
初仕事=脱童貞・処女って事?
そういうの苦手だから多分ご期待にそえないと思うけど、書いてみようと思います。
(´-`).。oO(年末年始休み無く仕事だから時間は無いけど
>>158 いつも乙っす。
いや、ほんと気が向いたらでいいです
間違いないなくwktkしとくけど
>>158 年末年始もお仕事とは大変ですね
身体に気をつけて無理しないでくださいね
こっそりwktkしてます
いつでも大丈夫です。待ってます。我らがネ申
同じく。
つ 旦 オチャドゾー
孔雀氏応援ほしゅ
密かにwktk
孔雀氏は必ず完結させてくれるから好き
>>163 頂きます。
やっぱ紅茶には砂糖だよね(´ω`)つ゚・旦
いやこれ絶対紅茶じゃないと思うけど。
そんなワケで投下に来ました。
初仕事だからってテカテカしててくれたみたいだけど、ご期待にそえられるかどうか微妙っす。
注意事項
・相手名無し男=ホモ
・スカトロ連想させる言葉がちらほら出てくる
・最終的にはやっぱりスカトロになってる
・微妙にネタバレなので、エヴァ2未プレイの人は5つ位後から読んで下さい。
こうして教室の自分の席に座って耳を塞いでいると、幼い頃を思い出した。
根も葉も無い噂話であったとしても、幼い子供の頃は言葉1つが充分に重たく、ましてやそれが根も葉も茎も花も果実までもが有る物だとしたら。
「援交やってる姉とか最悪じゃん」
「自分はクソ真面目なのにね」
「同じ血なんだから、自分もやってんじゃないの?」
脳内でどんどん変換される。
―自分の母を殺した父か、どれ程可哀想な子なんだ―
―比べて随分と真面目に……多少大人しいが優等生然とした少年に育ってくれたね―
―よもや父を真似て自分も、なんて事は……―
それでも未だ自分の事を悪く言うだけなら聞き流せた。
何よりも辛いのは、父自身の事を言われた時。恐らく大半は自分が知らないだけの事実なのだろうし、ましてや自分が制止しても良い自分の事ではない。
「シンジぃ? どーかした?」
相田ケンスケから掛けられた声に返事をせず、耳を塞いだまま横目で噂の張本人の方を見る。
この黒い噂の種となっているのは彼女の姉だが、彼女自身はどう思っているのだろうか。
洞木ヒカリは、幸いにも本当に聞こえていないようで、惣流・アスカ・ラングレーとにこやかに談笑していた。
良かった。彼女は苦しんでいない。
あの日の自分とは違う。
「良かった……」
思わず呟いた碇シンジも失礼だとは思いつつ、やはりその噂を聞いた事が有った。
優等生で学級委員長をも務めるヒカリの姉の素行がとてつもなく悪いという噂。
高校生の彼女は話によると友人の交際相手だろうと「男と見れば寝取る」人間だという。シンジにはよくわからなかったが、取り敢えず極端に性の方面が解放的らしい。
更に最近は所謂「援助交際」……と言えば未だ響きは良い、売春行為を繰り返しているとか。
噂は噂に留まらず兄が別れさせられた、父親が金銭交渉に呼び止められた、しまいには学級で1番大人びている男子が声を掛けられた、ときている。
最後の話は、学校名と学年とクラスを告げたら「嫌そうな顔をして途端に去っていった」との事から疑う方が逆に難しい。
「でもさぁ、やっぱ援交ってかなり儲かるらしいよ」
「そうなの? どの位?」
「知らないよ、やった事無いし」
「洞木さんに訊いてみれば?」
「訊けねー! あ、でもさ、洞木さん家って確かお姉さんと妹さん居るのに、お父さん1人しか働いてないんだよね?」
「あーそれ聞いたー、でも余り生活に困ってなさそう。家だってあの高台の方だっていうし」
「って言うかさ、もしかして、お姉さんの『パパ』のお金で生活してる?」
「洞木さんに訊いてみれば?」
「そればっか」
そして再び笑い声。そろそろヒカリも自分の話だと気付いてしまう。……気付いてもらいたくない。
「シンジ! 顔真っ青やないか!!」
「え?」
漸く両手を耳から離して顔を上げると、心配そうなケンスケと何故か憤って怒鳴った鈴原トウジが居た。
「どうしたんだよ、ずっと声掛けてたんだぜ?」
「腹でも痛いんか?」
違うよ、と否定する為に首を左右に静かに振る。声が上手く出ない。
「ずっと耳押さえとったし、耳が痛いんか? 聞こえ悪いとか……一応保健室行こか?」
「今日は養護教諭休みだって、朝のHRで言ってただろ」
「ホンマ? ワシ朝遅刻してもうたから聞いとらんかったわ」
「そう言やそうだったな。……そうだシンジ、6時間目理科だし一層の事、早退しちまえば?」
早退、というよりもそれはエスケープ。授業は出るのが至極当然のシンジからすると、その意見は眉間に皺が寄る物だった。
「そんな顔すんなよ。保健室に寝てたって楽になるとは限らないだろ? サボるってんじゃなくて、病院行けば良いんだし。どうせ理科だしさ。あの先生ならその辺の融通利くだろ?」
「そうなの?」
「おう」
エスケープの常習犯たるケンスケの意見は果たして信用して良いのか否か。
「それに明日土曜で休みだろ? その次は日曜、次の登校は3日先。色々訊かれる事も無いって」
「ケンスケ、自分そないにシンジにサボらせたいんか?」
「そうじゃないけどさ、トウジだって心配だろ? シンジがこのまま倒れたらどうすんだよ。エヴァンリオンを動かせるのは、シンジしか居ないんだぜ!」
過去に1度近くで見た操縦方法――両手でインダクションレバーをガチャガチャと動かすような動作――を真似るケンスケ。
一応他にも、尚もヒカリと話し続けては大笑いしているアスカと、本日欠席のレイも操縦は出来るのだが。
「まぁ……そうかもしれへんけど……今日CD見に行こ言うとったやないか。ネルフ行かんくてもエエ日やって。……ま、具合悪いまんま連れてくつもりは有らへんけど。自分は行くんやろ?」
「勿論」
話題を振られたケンスケは笑顔で答え、再びシンジの方を向く。
「大丈夫なら良いんだけどさ。何か辛そうだし」
わからない。大丈夫かどうか。
授業が始まればあの陰口にしては大きく悪口にしては小さい話はしなくなるだろう。
だが……
「シンジぃー! 私、今日帰りこのまんまヒカリの家行って泊まるからぁー!」
そんなに大声を出さずとも聞こえるのに、アスカは何が楽しいのか朗らかな声で言った。
「……ミサトさんに言って、僕、今日もう帰るから。早退する」
大きな目を更に大きく丸くしたアスカの顔を見て、シンジは机の中の少ししかない授業道具を鞄に移し始める。
「やっぱり僕早退するよ」
ヒカリは大丈夫だ。何故ならアスカが居るから。
親友が居るのは心強い。今側に居る親友が、それを何より証明してくれている。
「そっか。気を付けて帰れよ。体も、それから誰にも見付からないように気を付けるのも忘れんな」
「ほんなら先生にはワシらが言うといたるわ」
「うん、宜しく」
先程の毒気だらけの会話に呑まれてしまったのか、シンジの返事は弱々しかった。
それでも心の奥底で「この2人があの時側に居てくれれば、また違ったのかもしれない」とは思えた。良い方向に変わっていたのだろうと。
立ち上がり、片手に鞄を持って教室を出る。
同時にチャイムが鳴った。6時間目の開始を告げる音だが、一向に2−Aには次の授業の理科教師が来ない。
お陰でその教師にも、他の教師にも見られないで帰る事が出来る。全てにおいて都合が良かった。
家へ帰ろうと思ったが、もしミサトが居ては何を言われるかわからない。噂話の声からは逃れられたからか、本調子ではないにしろ病院に行く程具合は悪くもない。
照り付ける日光が酷く暑い。どこか建物の中に入って日除けをしたい。
財布の中身は1,000円札が1枚と小銭が数枚。映画館に入るには少し心細いし、だからと言って喫茶店等に1人で入る方が余程気合が必要だ。
こんなにも暑いのに、一体どうすれば良いのか……
「大丈夫かい?」
――トン
不意に肩に手が置かれ、シンジは慌てて振り向く。
「っ! とう……」
さん、ではない。
「何だか具合悪そうに見えたけれど」
暑くてかいていた汗は一瞬冷や汗になり、すぐにまた普通の汗に戻った。
「君?」
手を置いたまま不思議そうにしている長身の男は、父の碇ゲンドウには似ても似つかない男。
背は高いが父には劣るし、口元の皺と髪の半分近くが白い辺りは父よりも年上に見える。
ただその顔を隠す眼鏡は、色も形も父の掛けている物と全く同じだった。
「君? 聞こえているかい?」
「……え、あっ! あの! すみません……」
話を散々無視していた事に気付いたシンジが焦って返答すると男は漸く手を放す。
「どうしたんだい? 聞こえなかったのかな? もし具合いが悪いなら、どこかで休まないと」
「違うんです。ちょっと……あの、父かと勘違いしてしまいました。驚かせてすみません」
「いやいや、それなら良いんだよ」
皺の目立つ口元に緩やかな笑みを乗せる男は、紳士然とした優雅な印象が有った。
「私に君程若い子供は居ないさ。居るのはもう少し上の甥位だよ。幾つかわからないがその制服姿からして見た所15、6……おや? だとしたら学校はどうしたのかな?」
「学校、ですか……」
見知らぬ人間に、素直に「サボりました」等と言うべきだろうか?
もしかするとこの温厚そうなサングラスが浮いて見える男は警察か何かで、理由無くエスケープしたと知られたら補導されてしまうだろうか?
ただでさえ嘘を吐けない性格のシンジが、こんな制服姿では何も言葉が思い付かない。
「私と同じでサボりかな?」
いつの間にか足元を見ていた顔を上げると、男は眼鏡の奥で笑っているように見えた。
「ちょっと変わった仕事をしていてね。忙しい日は忙しいけれど、そうでない日はとことん暇で。こうして事務所……職場を抜け出してきたんだ」
優しい笑顔と言葉に呑まれてシンジも自然と笑みを浮かべた。
「……私はこういう者だが、君、名前は?」
暫し顔を見ていた男はグレーストライプのスーツの、ジャケットの内ポケットからケースらしき物を取り出し、カードサイズの紙切れを1枚差し出してきた。
受け取ったそれを見ると、男の名前が中央に大きく、右側には恐らく会社名と役職名と思しき文字、そして左側には電話番号が書いてある。
「僕は碇シンジです」
名刺から目を放さずに淡白に名乗る。
役職名が『代表取締役』と有るが、これは会社で1番偉いのではなかろうか?
そしてそれだけ偉い人間がこんな真っ昼間からサボり歩いて良いものだろうか? それはシンジには言えない事だが。
「余り詮索するつもりは無いけれど、もし君が『取引相手』を探しているなら私は相当良い相手になると思うよ?」
急にぐっと顔を近付けて男は告げる。
その顔に張り付いた表情は温和が好色に変わっている事に、未熟なシンジは未だ気付けない。
「それとも、誰かと会う約束が?」
「……あ、いえ特に、誰かと会う予定とか無いですけど……」
「そうか、良かった! 私は君のような子を探していたんだ。さ、こんなに暑くては日射病にもなりかねない。早い所移動しよう。どこか希望は有るかい?」
何の事やら話が見えない。その隙を突いて男はシンジの肩を抱き寄せた。
「あっ……」
「おっと、人前じゃ駄目だったかな」すぐに手を放し「清純そうな外見で清らかな態度を見せる……君は自分の事をきちんとわかっているんだね」
自分の事を理解している?
シンジは今まで自分の周りに存在しなかった言葉に、眉間に皺を寄せる。
誰も他人を理解出来ないし、それは自分が理解出来ないから。ではないのか。
それともまさかこの初対面の男が、自分を理解してくれるのだろうか?
有り得ない期待に胸は膨らみ、顔は綻ぶ。
「ではどこに行こうか? 気に入っているホテル等が有ればそこにしよう。料金は私が出してあげるからね」
「ホテル?」
「あぁ。流石に初買いの私の部屋は不安だろう? 勿論私は困らないが……ただ野外は勘弁だね。色々と厄介だ。それに今日は暑いしね」
今日はというより今日も。ずっと暑い日々が続いている。
「確かに暑いですよね。シャワー入りたい位……」
普段いかに冷房の効いた室内で生活していたのかがわかる。少しいつもより長い時間屋外に居ただけで脇の下や膝の裏がベタベタとして不快だ。
1番不愉快なのは首。先程男をゲンドウと勘違いした際に暑さとは関係無い汗をかいている。
「そうか、なら風呂の綺麗な所へ行こうか。先ずタクシーを拾える道まで行くよ」
おいでと背を向けて男は歩き出した。
あの日の背中と比べると小さくてすぐに手が届きそうなのは自分が大きくなったからか、相手がただの他人だからか。
タクシーは至って普通のタクシーだったが、かなりの距離を走った所為か法外な料金になっていた。
どこに何をしに行くかは知らないが、シンジは帰りのタクシー代がどうなるのか、そればかりが気になっていた。
何せ財布の中身は1番頼りない札が1枚。タクシー代は愚か、下手をすると電車代すら危うい。
タクシー代は当然男が払ったが、ついた先の建物――初めて見るデザインなのでシンジの持つ言葉では形容出来なかった――にもまた料金が掛かりそうで、あまつさえ絶対的に安くはなさそうで、シンジの表情は益々曇った。
だがその表情は男に案内されるように連れられた部屋を見て急に晴れやかになった。
「凄い……広い部屋!」
マンションとはいえ高級に分類される葛城家のリビングにすら相当する広さの部屋。
中央に巨大なベッドが有り、それを挟んでスクリーンと呼んでも良さそうな巨大なテレビ。隣にはそのテレビに相応しいスピーカーが有る。
どれもこれも素晴らしくはあるが、中でもスピーカーから目が離せない。もしもコンポに繋げるのなら……久々にシンジの物欲が鎌首をもたげた。
「君の家の部屋はどの位の大きさだい?」
「え? えっと……」
『先生』の家に居候していた時はそれなりの……否、かなり広い部屋だった。気がする。
葛城家に変わってからも決して狭くはなく、6畳は有った。
アスカとの同居に伴い、大きさは半分でどんなに掃除しても少しカビ臭くて日光すら射さない、部屋と呼ぶのはシンジとミサト位の物置部屋になったのだが。
「今はちょっと、狭いです。でも! 別に不満とか無くて……」
だから出来ればずっと、暮らしていたい。
「そうかい」
男は何が楽しいのか軽やかな声で相槌を打って眼鏡を外す。
やはり眼鏡の下の顔はゲンドウと似ても似つかない。
安堵して良いのか軽く落ち込めば良いのか。シンジは顔を見るのを止めて、正面を向いた。
「……窓、無いんですね」
「必要無いからね。窓が好きなのかい?」
「別に、特に好きとかじゃないですけど」
その所為で妙に薄暗いのか、と改めて思っただけに過ぎない。
決して嫌いではない。絵画では他者と自らを繋ぐと表現されるから、ではないが。
「あの、今僕窓の無い部屋に住んでいて……悪いとか嫌だとかじゃないんですけど」
「窓の無い部屋とは……君のお母さんやお父さんは随分思い切った事をするんだね」
「……そうですね」
母とも父とも暮らしてはいないのだが。
男からすると窓の無い狭い部屋に自分の――随分と愛らしく育った――息子を閉じ込めるとなると、宜しくない趣味が有るように思える。
それに窓が有る部屋よりも、今暮らす暖かさの有る部屋が良い。
「可哀想に……一人暮らしはしないのかい? あぁ、その資金を貯めているのかな。方法はどうであれ、自分で稼げばきっとお母さんもお父さんも認めてくれるからね」
優しい言葉と同時に、シンジの頭に大きな手が乗った。
ゆっくりと短い髪の感触を確かめるように撫でる手。
頭を押さえられているようなものなので相手の顔は見えないが、きっと優しく笑ってくれている。
もう見る事の出来ない母のように。もしかしたら過去にこんな穏やかさを持っていたかもしれない父のように。
認めて貰える。金を稼げば。そう、今まで父が『先生』に払ってきた金を全て返せば、自分を被保護者としてではなく、1人の対等な人間として見てもらえるかもしれない。
……暖かな手の所為か、何と無く頬が熱い。
「……さて、シャワーを浴びたいと言っていたね。先に入ると良い。ここはとても広いし、浴槽には照明も付いている。浴槽に浸かるなら、すぐに湯を張ろう」
男は身を翻して右手に有る扉へと向かった。
――ガコン ザァー……
扉を開けたままにしているので、浴槽に湯が溜っていく音が聞こえる。
開け放ったままでは浴室が冷えてしまって、湯船につかる際に心臓に負担が掛かってしまう。
「湯を溜めている間に入るかい?」
温まる前に浴室独特のくぐもった声が響いてきた。
「あ、はい……」駆け足で浴室を覗くと、そこは部屋に負けず劣らず広い空間が広がっているのが目に入り「……凄い」
「気に入っただろう? 浴槽もこの通り大きい。風呂といえばここ、と思っているから少し遠乗りしてしまったんだ」
どの位の大きさだろうか。取り敢えずこの浴室にシンジの今使っている部屋はすっぽりと入ってしまうだろう。
この薄暗いホテルの一室の中で、照明が煌々と浴室を照らしている。唯一明るい空間に思えた。
「風呂は好きかい?」
優しく尋ねる声に、シンジは黙り込む。風呂に入りたいとは言ったが、決して好きではない。
一時期は酷く苦手だった。体を洗う行為は好き嫌い以前に絶対的に必要なので置いておいて、静かな――水の音しかしない――分、浴室では色々な事が頭を巡る。
嫌いだったから嫌いではないになったのはつい最近の事。
「普段は余り湯船に浸からず、シャワーで済ませるのかな? さっきも「シャワーに」と言っていたね。体を休めるにはしっかり浸かった方が良い」
蛇口を捻るのにしか使っていないのか、汚れ所か雫すら付いていない手が伸びてきた。
男の手はワイシャツのボタンを上から順に1つ、2つと外してゆく。
「? あの……」
「一緒に風呂に入ろうか。もう私は我慢が出来ないからね……明るい所では恥ずかしい?」
シンジにとってはそれ以前の問題だが、実際に恥ずかしいので素直にコクリと頷いた。
「そうか……電気を消して折角の水中照明を使おうか。それでも恥ずかしいなら、ちゃんと目を閉じて……いや、さっきのサングラスでも掛けていようか?」
「さっきの?」
語尾に笑いが含まれていた男の言葉を鸚鵡返しで尋ねるシンジ。
この男には大して似合わない、ゲンドウの普段掛けている、少なくとも3年振りに再会してからはずっと掛けているように見える物と同じ色付き眼鏡。
金を以てして認められたいと思う相手に、真っ先に名前が挙がるゲンドウと同じ……
「……お願い、出来ますか?」
「何?」
嫌悪感が含まれた質問の声に少し怯むが、シンジはなけなしの勇気を振り絞って告げた。
「さっきの眼鏡、掛けてもらえませんか。掛けてる方が……その、良いと思って」
「風呂に入るのに……まぁ良い。一応度が入っているし……それに、君が昔流行った眼鏡フェチとやらでも私は一向に構わないしな」
浴室の照明はつまみで明るさを調節出来る仕組みで、薄暗い部屋から繋がっているとは思えない明るさから4分の3程に控えた。
眩し過ぎず、勿論暗過ぎず。手元はよく見えるし、目にも痛くない。
代わりにと水中照明を付けた。7色に変わるそれを初めこそ楽しそうに変わる様を見ていたが、徐々に見慣れてしまった今ではそれを背に浴室と部屋を繋ぐ戸を見る形で、湯の中で膝を抱えて座っている。
足は少し膝を折っても良いなら充分に伸ばせる広さの湯船。左隣には大きな鏡、右隣には……股間すらタオルで隠さない全裸なのにサングラスを掛けている、見るからに不審な男。
掛けて欲しいとのシンジの願いを茶化しはしたものの、結局は真摯に聞き入れて湯気で曇らせながらも掛けたまま。
この年になって誰かと共に湯船に浸かる事になるとは思ってもみなかった。
あの後一旦浴室を出て、湯が零れるまで溜まるのを待ち、本日出会ったばかりの2人で一緒に風呂に入っている。
不思議な感じだが、何故か自然にも思える。隣に座る男が余りにも慣れている様子だからだろうか。
「……僕位の甥っ子さん、居るんですよね?」
珍しくシンジの方から口火を切った。
「うん? あぁ、居るよ」
相手はほぼ初対面だが、同時に共に風呂に入る仲だ。だからか、次々と言葉が自然と出てきて、会話が成立していく。
「一緒にお風呂に入ったりとか、するんですか?」
「いやぁ可愛がってはいるけれど流石にそれは無いなぁ。それにもう大きいしね。……勿論、こういう意味で一緒に入った事は無いしね」
「こういう意味?」
口で答えるより先に男の左手はシンジの左側の、離れている方の腰を掴んだ。
ぐいと引き寄せられ、素肌と素肌が湯を通して密着する。
「あ、あのっ……」
「恥ずかしいなら、後ろから抱っこしてあげよう」
言葉通りに体を半回転させられ、左側に有った筈の鏡と向かい合う形になった。
両方の脇の下から男の手が胸を持ち上げているが、女性のそれと違って膨らみの一切無い平らなシンジの胸は同年代の男性と比べても更に薄く、思い切り叩けば今トクトクと脈を打っている心臓も止まってしまいそうだ。
両手の指でその贅肉の無い胸を上下させる。
「甥にはこんな事をしないだろう?」
別にしたくもないし、と心の中で付け加え。
手の平で無い胸を寄せてはあげるように揉みしだきながら、指の腹の位置を胸の先をかすめる動きに変える。
ぷっくりとした健康的な尖端は手の平では存在を潜めていたが、指が押すように通過するとコリコリと硬く主張してきた。
「や……ちょっと、止めて下さい! くすぐったいです!!」
口だけの抵抗に過ぎないのか、暴れる事すら出来ない程辛いのか、シンジの自由な両手は左手が壁を、右手が浴槽の縁を掴むのみ。
両方の尖端を人指し指と中指でそっと摘むと、シンジは体をのけざらせる。
「ひゃっ! も、止めっ! ん……くすぐったい……んぅっ」
細い二の腕がプツプツと粟立つ。何とか浴槽の縁に掴まっている手は見るからに先程より強い力に変わり、必死なのがわかった。
「そ、そんな所……もう、くすぐらないで下さ……」
シンジの後ろで不適にほくそ笑んだ男は、尖端を左右同時に指の腹で強く尖端を摘む。
「アんっ!」
座っているシンジの足にも強い力が加わった。
「止めて下さい……乳首、千切れちゃうッ……」
「でも気持ち良いんだろう?」
「なっ!?」
否定の言葉を吐く前にシンジの体を引き寄せる。
「痛いのが好きかい? それともさっきみたいにこそばゆい位焦らされる方が良いかい?」
シンジは何を指されているか理解して、慌てて両手で股間を隠した。
しかし水中だからか上手く隠しきれない。すっかりと勃起しきったそれは。
「見ないで、見ないで下さいっ! 嫌だ……は、恥ずかしい……」
縁を掴む手が放れてバランスを崩したシンジが背中を預けてくる。
「どれ……どうだ、可愛いモンだ」
そんなシンジを足と足の間に深く座らせて、背凭れになった男の右手が必死に隠している両手を分けて性器を掴んだ。
「やァっ!」
自分でも放尿時にしか触らない、最も汚くて最も大事な箇所を他者に、それも自分よりもかなり大きな手に捕えられる。
「あ……は……嫌ぁ、嫌ですっ」
慌ててシンジの両手は男の手首を捕らえるが、性器を手中に収められてからでは既に時遅し。
「ここから見てるからかな? 玉袋が少し小さめに見えるな。それに何より皮を被って……」
人指し指と中指で丸く輪を作り、辛うじて先端を露出している幼い性器を守る皮へと掛けた。
「な、何をするんですかっ!? や、やだ、嫌だっ! 変な事しないで下さいっ」
指を下ろそうとすると妙な抵抗が有る。
真性……というより、まだ皮を剥いた事が無いのだろう。
「痛ぁ……い、た、止めッ……あ、うぁっ……」
水中なのに接着剤で留めたかと思わせる程下りる事を拒んだ皮だが、左手で胸の尖端を潰すように愛撫し続けると、きちんと姿を現した。
「や……な、に? な……何? 僕のおちんちん、どうして……」
不安がっているが、それだけではなくシンジの息は熱い。
真っ赤に充血した、子供は卒業したがちっとも大人には含まれない性器が、怯えるように手の中でビクビクと動いている。
「はぁ……ん、ん……お風呂のお湯……」
何もせずとも湯が性器に直接触れるだけでシンジは声を上擦らせた。
そっと性器を握る。手の平には窪ませて少し空洞を作り、手と性器の間には温かな湯が有る状態。
「うゥんっはぁ……お湯が……温か……ん、お湯……はぁ……変っ」
先端から少しずつ先走りが滲み出て浴槽の湯と一体化していく事にシンジも気付いた。
出したばかりの綺麗な湯が、泡立つように濁り始めている。
「で、ちゃいそ……うぅッ……」
「もう射しちゃうのかい? 随分早漏だねぇ……まぁ若いから仕方無いか。ほら、精液位どーんと射しなさい」
「せーえき?」
「そうだよ、ほら」
カリ首を指で作った輪で捕らえてグッと絞り上げると、小さい悲鳴が漏れた。
「だ、駄目ッ……オシッコ、出ちゃいそうだか、ら……は、ア!」
「小便?」
「へ、変! 変なんです! 僕、急に……あ、オ、オシッコし……した、は、あ、ハっ、あ……」
頭の後ろをツンと駆け上がる悦にシンジが体をガクガクと震わせる。
が、精もシンジが勘違いしている小水も放出する前に、快感は終わった。
「……あ、れ……?」
シンジが強く瞑っていた目を開いて体の中心部を見下ろすと見た事も無い色と形になってしまっている性器が見える。
それを扱いていた男の大きな手は離れ、湯の中でわざと開いていた。
まるでシンジの両手が必死に止めたかのように手首を押さえたままで。
「あ……」
「流石に小便を出されては困ると思ったが、どうやら違ったみたいだね。君はあれか、射精すらままならない子供だったのか」
恐る恐る手首から手を放す。男の手が引っ込む。但し、性器の高ぶりは一向に収まらない。
「そういえば年を聞いていなかったな。中高生位の、随分とまた童顔な子だとは思っていたが……まさか小学生じゃあないよね? 違うよね」
優しい言葉遣いだが強制的。正面に有る鏡越しに見える顔は口元が微笑んでいるのに、目元はきっと笑顔ではない。
それどころかきっと恐ろしい目で睨み付けているに違いない。あの眼鏡が、父と同じサングラスがそう思わせる。
「くっ……こ、このッ! 変態ッ!!」
罵る言葉すら思い付かないシンジは精一杯の口汚さを放って立ち上がると、湯船の中の湯が煩く音を立てて波を作った。
「うわっ!」
所が、無理矢理右太股を掴まれてシンジは体勢を崩す。
慌てて両手を前方の鏡について体を支えた。
それでも片足を持ち上げられてはまともな姿勢でいられず、顔が鏡とぶつかるように張り付いて滑り落ちる。
「あっ!!」
浴室中に響き渡る声。すぐ目の前に有る水面への恐怖。
「や、た、助けっ……」
「おやおや、随分とまぁ綺麗なアナルをしているねぇ」
右足が高々と持ち上げられて、肛も嚢の裏側もよく見える姿勢。
それでもシンジが怯えるのは湯に沈められる事。溺れてしまう事。
母のように溺死させられてしまう事。
「お、お願いし……助けて下さいっ! 僕泳げ、泳げないからッ!」
間違いだらけの微かな記憶では、母は溺死していた。実験か何かで、大量の液体の中に消えていった。……気がする。
それを忘れて尚、水面に対しての恐怖だけが残り、今まさに失禁してしまいそうな寒気に体が震えた。
「放してッ! 放せっ!!」
口を開けば余計に水を飲み込んでしまうかもしれないのに。
全く気にせずに足を持ったまま男の反対の手の親指は肛を開こうと押し拡げる。
見えるのは排泄すら難しそうな1つの小さな点。
「水が恐い?」
「助けて……嫌だ……」
優しく尋ねるとシンジは掠れた声で返事をした。
「水嵩は君の腕よりも低いから、ゆっくり片方ずつ手を下ろして底についてごらん」
言われた通りに右手を下ろして湯船のそこの感触を確かめるように触る。
続いて顔を鏡から放して左手も下ろす。と同時に、男が手を放したので右足も湯船の底へと戻った。
「……本当だ」
安堵して両膝も湯船の底に下ろしたが、俯かない限り湯は顎を霞める程度までしか無い。
確かに2人並んで浸かっている時に肩まで湯が届かなかったのだから、両手を伸ばせば溺れる事は無いだろう。
「でもこれで無防備だ」
わざと誘発するかのようにこちらへと突き出した湯の中の尻を軽く叩くと、水面がパシャリと音を立てる。
「な、何するんですか?」
恐る恐る……というより不快感を露にした声が小さく浴室に響いた。
薄い尻の肉の丁度中間に小指を立てる。
「やっ! さ、触らないで下さっ……」
穴ですらない点の有る窪みは小指ですら受け挿れない。
肛をくるくると模写するように小指で撫で回すと、指の先の感触が徐々にじんわりと柔らかくなってゆく。窄みへと向かう皺が1つ1つ解けていくように。
「……くすぐ、った、い」
上手く言葉にならないが鼻の中がむず痒くて堪らない、それが足の親指と親指の間という酷く恥ずかしい部分で起こっている。
鏡越しにそのむず痒さに戸惑っているシンジの顔が見えた。
「あの、や……止めて、下さい」
果たして本当に止めて欲しいのか。声にも戸惑いが含まれている。
それに上の口よりも正直な下の口がゆっくりと菊の花開くように点から穴へ、穴から隙間へと形を変えてゆく。
――つぷっ
滑らすように小指を肛へと押し入れた。
「ひゃッ!!」
一際甲高いシンジの声。
難無く第一関節まで呑み込まれた小指からわかる感触は、妙にヌルヌルしている事のみ。
肛はぴっちりと閉じきっていたが、内部は未だ辛うじて余裕が有る。尤も、挿れているのが小指だから、だが。
「は……あ……」
何か言おうと口を開閉させても言葉にならない。シンジの熱い息が鏡を曇らせる。
「どこ……ど、こ……触ってるんです、か……」
今にも泣き出しそうな声で言葉が漸く紡ぎ出せた。
それすらも黙らせるように、ゆっくりと小指を押し進める。
湯船を満たす湯も充分に温かかったが、腸内の方が何倍も温かい。そして粘液の柔らかさと未開の証の硬さも持ち合わせている腸壁。
孔雀氏キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
お疲れさんです。後で読ませて頂きます!
「あの、そこ……は、汚いっ……ンぅ!」
小指を曲げるとシンジは声を失う。再び指をピンと伸ばして勢い良く引き抜いた。
――コプコプ
「はぁっ! は、アっ!!」
突き上げてはいるが湯の中なので肛がどうなっているか見えないのが惜しい。
ただ鏡に映っているシンジの口は喘ぎを上げながら唾液を垂らしているのが見える。
「……が、挿入ってきて……熱いっの……」
「何?」
「お湯……お尻に、お湯ぅ……お湯が入って熱くて、抜いて……お湯、取って下さい……」
ここだ、と言わんばかりに左右に肉の薄い尻を振るので水面が波打った。
そっと太股の付け根に触れると、今度は一切抵抗の言葉は無い。
ゆるゆるとそこを撫でると背全体を粟立てて体を仰け反らせる。
「取って……あの、お尻からぁ、お湯……」
先の会話以上に舌足らずな、羞恥だらけの言葉を聞き入れて、人差し指と中指を重ねるように添えて肛へと押し当てた。
ここへきていやいやと首を横に振り、丸い後頭部が揺れる。
2本の指を差し入れると、力を込めてきたシンジの肛は受け入れようと一瞬力が緩まった。
ただでさえ湯が入っているのに、指と同時に更に湯が直腸へと流れ込む。
「痛ァッ……い!」
熱さと痛みと恥ずかしさがシンジの表情を淫らに歪めた。
――ズプッ、ぬぷっ
単調に指を出し入れするだけで膣を彷彿させる水音が肛から出ては湯に消える。
「んっ……ンっ……んあッ……」
指が抜ける度に切なげな息が漏れ、再び挿れるとその分肛に力が篭った。
深く指の付け根まで押し入れた時。
「アァんっ!!」
媚びるような甘く高い掛け声で、肛が指の根元をきつく咥えた。
2本の内の中指の先端が腸の奥の、虫刺されでも起こして腫れたようにプクッとしている部分に触れている。
「ふぁ……それ、変……」
前立腺を刺激され喘ぎ、閉じていた目をトロンとした状態で開くシンジ。
限界まで指を挿れた更に先なので上手く届かない。両指を何度か折り曲げて、触れる時と触れない時とが有った。
「ハぁンッ! 駄目、それ! それされひゃうと……ンァ……あ、うッ! オシッコ……出ちゃうぅ……」
「シンジの言うオシッコは精液の事か? 射精したいんだろう?」
「いぃ……せーえきなんて、しない……んッ! 駄目、駄目だよ、エッチなの、僕……オシッコ、出ちゃ……」
シンジの息が深くなって肛が隙を見せたので2本共指を抜き取った。
コポコポコポ、と3つ音を立てて泡が浮き上がる。
「ふァ……お腹、重い……」
重いだけではなく痛い。体がだるい。声も、それから鏡に映る頬を赤くした表情も、それを物語っていた。
空いた右手でシンジの腹を撫でると、あれだけほっそりとしていたのに、今はほんの少し膨らみが感じられる。
「お水……取って、お腹から取って下さ……い」
苦しそうな声だが、項垂れては湯に顔を付ける事になるのをわかっているのか、シンジの両腕はピンと伸ばしたまま。
――ぱしゃん
小さい音を立てて水面が揺れる。シンジの汗が顎を伝って湯と一体化した。
「……トイレ、行きたい……い、行かせて、トイレでオシッコしたい……オシッコと一緒にお腹の水、出したい……」
「じゃあイカせてあげるから、白いオシッコとやらを射させてあげるから、お金もきちんと払ってあげるから、もう少し尻をこちらに向けなさい」
余り尻ばかりを上げると顔が湯についてしまう。
イコール溺れてしまう、と直結しているシンジは、躊躇いながらも少し両足を開いて男の方へと突き出す。
男の両方の手が湯に浸かったシンジの折れそうな腰へと伸びた。
「しかしまぁ……君程可愛い子の処女を頂けるとは光栄だ。普通のアナルならばもっと拡張しなくてはならないが、風呂の中ならもう大丈夫だろう。それにきっと君には素質が有る」
心なしか男の息も多少乱れていた。額から流れた汗は頬も顎も伝ってシンジの背へと落ちる。
「んっ」
その汗にすら過敏にシンジは声を上げた。
いざ四つん這いのシンジの腰を掴んで見下ろすと、小柄というよりも華奢な体躯をしている事がわかる。
こんな細い体にちゃんと性器が挿入出来るのだろうか。不安な反面、想像しただけでも楽しくなってくる。
さぞ気持ち良い事だろう。さぞ苦痛と快楽に惑わされる顔を見せるのだろう。
性器を肛へと宛がうと、薄い肩がピクリと動いた。
――ぐに
至って標準的な大きさの性器が肛を無理矢理に抉じ開ける。
「い、ああぁあぁアっ!!」
悲痛なシンジの叫びに逆らって、性器を押し付けていく。目前にはシンジが頭を狂ったように左右に振っているのが見えた。
「やめ! 止めて! 抜いて!! 痛い、痛っ! お願いだから、痛いの嫌ッ!!」
指2本咥えるだけでも精一杯だった肛がみしみしと音を立てながらカリ首を飲み込む。
「アあぁーっ……あ、う……お尻が、痛いッ……止めて、下さいっ……」
シンジの脈拍にあわせて肛はビクンビクンと性器の少しだけ窪んだ部分を締め付けた。
更に奥へ進めようとすると、再びシンジが首を振るう。
「駄目! もう駄目! 早く、はやっ……抜いて! お尻に変なの挿れないでッ! お風呂のお水ッ、もう出さなくて、出さなくて良いから! オシッコも我慢するっ!」
意見を聞き入れずに性器を無理矢理進める。想像を絶する程に狭いが、腸壁はヌルっとした感触で性器を飲み込もうと努力していた。
更に風呂の湯がたっぷりと入った直腸は、それこそ愛液を止め処無く流す膣のようにドロドロに濡れて性器に細胞1つ1つを絡ませてくる。
「あ、ア……何これぇ……お腹に、いっぱいに……お尻が痛いのに、お腹……お腹お湯で痛いのにぃ……」
浮言を繰り返すシンジ。上の口とは対照的に下の口は根に向かって性器をグイグイと呑み込んで、従順に拡げられていった。
先程まで排泄にしか使われなかった器官が、性器の形に合わせて自らも性器へと変貌していく。
鈴口はぴっちりと閉じた腸壁をにちにちと抉じ開けて道を作り、終わりの無い奥を目指す。拒むように、そして受け入れるように腸壁は性器全体を締め付けた。
もう1番太い部分は呑み込んだ後。躊躇いを捨てて性器を最後まで突き入れる。
「か、はッ!!」
悲鳴の前に何か小さな音がしたので湯を見てみると、赤い液体が線を描く布を彷彿とさせながら浮かんできた。
「うぅ……あ、お、お尻が……痛い、止めて……」
肛を犯して破瓜の血液を見る事が出来るとは貴重だ、と男は口元で笑う。
初めて性器を受け入れた肛は性器を離すまいと、更に奥深く呑み込もうと脈を打つ。
静かに貫通式を終えた性器を抜き、カリ首が引っ掛かると同時に再び奥へと突き刺した。
「ンあっ! あ、変! 駄目、それッ!!」
先程よりも甘さが強いシンジの声。指では上手く触れられなかった部分も、完全に膨張しきった性器では簡単に届く。
腰を緩く動かしながら、どの位置が最もシンジが悦ぶ位置かを探る。
「あっ、あッ、あっ、あっ、んあぁァっ! あぁ! イっ! イイっ! あンっ、もっと! もっと!! 駄目! 駄目っ!」
両腕をガクガクと震わせて否定とも肯定とも知れぬ言葉を垂れ流し続けるシンジ。
剥けたばかりの幼い性器は怒張しきってシンジ自身の腹を叩き、体系通りに小さい嚢だけが湯の中をぷちゃぷちゃと揺れていた。
「お尻! 熱いッ! オシッコっ、出ちゃうッ! あンっ! お腹と、お尻っ!!」
湯が浴槽の縁で跳ね返る水音と、ピストンする度に性器と共に肛を出入りする少し汚らしい湯の音が、シンジの声に負けまいと浴室で響く。
ある程度の時間湯船に浸かっているので男も足の感覚がぼやけ始めた。
それなのに、性器とそれを挿れる為にぶつける陰毛ですら防ぎきれない恥骨への感覚は鈍る事無く悦を伝え続けてくる。
湯の水と共に纏わりついてくる腸壁を振り解いて奥へと突き入れれば、応えるようにシンジが嬌声を上げる。逆に引き抜けば水も共にゴポゴポと抜け出そうとし、シンジの息が切なげな物に変わる。
前に有る鏡にはシンジは自分が何をしているのか、されているのかわからないといった調子で、目を閉じて涙を堪え、口を開いて抑える事無く唾液を垂らしている姿が映っていた。
「ンンッ! そこ!! そこイイっ! 駄目、そこイイッ! は、アぁっ! 恥ずかしいッ!」
全裸で湯船の湯におびえて、こんな大声を上げて、尻に『何か』を挿れられて。
それなのに『何か』が尻の奥の方を突く度に、確実に気持ち良いと思っている、唾液を垂らしてまで悦んでいる自分が恥ずかしい。
「あ、あ……ア、また……ああぁあーっ! また、また出ちゃう! また出そう! そこされちゃうと、変なのっ! また、オシッコ出そうぅっ! お尻壊れそう! 壊れそうなのにッ!!」
知識の無いシンジは壊れた人形の如くひたすらに喘ぐ。
自分が肛門性交をしている、今しがた会ったばかりの男に排泄器官を肉茎で犯されているなんて理解していない。
男根ではなく前立腺を刺激されて射精寸前まで追い込まれている、先程他人を罵る言葉として聞いた売春行為を自分がしているなんて思ってもいない。
童貞のまま処女を失ってしまった等と露も感じずに、溺死と肛の痛みから逃れんばかりに侵入してきた性器を締め付けていた。
「熱い、イイぃ! お尻イイッ! 熱いのにっ! 壊れるのにッ! 来る、来るっ!」
それが恥ずかしい事だとすらもわからずに、背を走る射精の予感を振り解きたくてシンジは自ら腰を振る。
勿論肛に咥え込んだ性器に悦を与えようとしてではなく、ただ乱暴に無理をして左右に振ってみせるだけだが。
「お湯が! お湯がお尻いっぱい! 熱いィっ!」
「精液で満たして、もっと熱くしてあげよう」
首を曲げてシンジの耳元で囁くと、鏡に向かっているシンジの顔の、大きな瞳が開いた。
「ンあんっ! シてっ! さっきの所、せーえきシてッ! 僕、もう怖い、ンっ!」
どれだけ腰をぶつけても緩くならずに締め上げ続ける腸壁に性器を擦り付けながら、男はシンジの腰を引き寄せる。
「嫌、嫌だッ!」
己の性器も腰も動かさず、湯が顎に触れて怯えるシンジの腰を手で支えて動かす乱暴な性交。
次第に男の方も意識せずとも腰がガクガクと揺れる。
「あ、アっ! 熱い! 熱い、熱いイぃッ! 来るっ! 来る、来ちゃう! オシッコしちゃうッ!!」
ぐ、と最奥へ、シンジを黙らせるように性器を突き刺した。
―――ごぷっ、ドクドクドクっ……
湯が満ち満ちている直腸へ追い討ちをかけるように精を注ぎ込む。
「ウッ!! あ、あああぁああぁぁぁ……んぅ……」
何もかもを吐き出したような開放感から男が目を開けると、苦しむ声を漏らしたシンジもシンジで達していたらしく、湯船は少量の血液とかなりの量の精で濁っていた。
シンジの息が喘ぎから完全に呼吸に変わる頃、ゆっくりと萎んだ性器を引き抜き、中にタップリと入った精や湯が抜け出す前に親指で肛をなぞってみる。
「や、ンっ! う……お腹、痛いのに……」
軽い抵抗の言葉を吐く事しか、遅い精通を迎えたばかりのシンジには出来なかった。
最初よりは幾分か拡張されてはいるが、ここに性器を挿入していたとは思えない程に未だ狭い。
「……のぼせてしまうから、そろそろ出ようか」
このままシンジに触れていてはまた肌を重ねたくなる。
そこまで体力は残っていないのに。それに、もししてしまったら確実に2人揃ってのぼせてしまうだろう。
「あ……はい……」
掠れきった消え入りそうな声での返事。
しかし口先だけでシンジは四つん這いの姿のまま動こうとしない。……動けそうにない。
「仕方の無い子だね。まぁ多少甘えてくれても良いか」
よいしょ、と掛け声を付けてシンジの体を普通に座る体勢にし、そのまま膝に腕を通して横抱きにして持ち上げる。
193 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/10(水) 22:24:07 ID:vMuvKcSL
軽そうに思っていたが、それ以上に軽い。しかし腹部がポコッと膨らんでいた。
「……おろして、おろして下さい」
「ん? 恥ずかしいかい? 別に気にする事じゃ……」
「違う、違います。でも、おろして下さい。恥ずかしい、もっと……もっと恥ずかしい、から……」
仕方無く湯船からは出て、その縁に背を凭れさせてシンジを座らせる。
「自分で立てる?」
シンジは首を左右に振った。
「じゃあ……」
「アっ! あ、あっち、あっち向いて……あ、ンぁ……」
開いた目に涙を浮かべて再び息を乱すシンジ。
ずるずると背を滑らせて、背ではなく首を浴槽の縁へと預け、両手で膨らんだ腹を押さえる。
「痛い?」
その質問に声も出せずにシンジは頷き、心配そうに男はシンジの左の膝を押し上げて肛の辺りに目を向けた。
「初めての子に、無理をさせ過ぎたかな?」
「だ、駄目……ア、ん……退いてよ、もう僕ッ……」
顎をがくがくっと震わせたシンジは大きく息を呑む。そして、再び目をきつく閉じる。
「あ、イ、だ……駄目ッ……ア、あぁんんうゥっ!!」
歯を食い縛りながらシンジは力んだ。
――プシャッ
小気味良い音を立てて小さく狭いながらも未だ閉じきれない肛から、勢い良く湯船から流れ込んだ湯が飛び出す。
次いでドロドロと白濁した精が逆流して浴室の床を汚す。
そして最後に少量の健康的な糞便が、聞きなれた醜い音を立てて排出された。
制服に着替えたシンジはベッドの上で掛け布団を頭から被って体を丸めていた。
恥ずかしい。いや、恥ずかしいなんて言葉だけでは表せない。自分の身に何が起きたかよくわからないが、最後の最後で犯した失態――ある意味それすらも媚態だが――だけは理解出来てしまう。
ゴメ、何かageてた…
泣きたかった。だがこの年で泣くのは更に恥ずかしい気がして泣けなかった。
「もうそろそろ機嫌を直してくれないかい?」
優しい気遣う声音で、もう何度同じ事を問われただろうか。
ブティックホテルの1室なのだから時間制限は有る。だが、男はそれを手持ちの金で幾らでも引き伸ばせる。
だからこそ純粋にシンジが辛い事こそ辛い、といった状態なのだが……
「僕……もう嫌です……」
思えば恥ずかしいというよりも、自分に対しての呆れが有ったのかもしれない。
「やれやれ、本格的に嫌われてしまったか……」
「別に、嫌いとかそういうのじゃなくて!」
掛け布団を剥いで顔を出したシンジだが、目を合わせるなり横になって急いで反対を向く。
「顔を見られたくないんです……僕が悪いんですけど……」
元を辿ればあんな事をしてしまった理由は、その直前まで湯船で繰り広げられていた男の仕業なのだが、悪い事は全て自分で抱え込む性質のシンジはそう考えられない。
「じゃあ……せめて金だけは先に払わせてくれ。後味が悪いし、それに出来れば今後も君とこうしたいと私は思う」
だから少しでも気に入られておきたいと、金銭的余裕が有る所を見せ付けておきたい。
「お金?」
後頭部しか見せないまま尋ねるシンジ。
「そう。この辺りの女の子と同じ金額で良いのかな? 男の子は海外でしか買わないからわからないよ」
「海外、ですか?」
「よく行くんだよ。顔の作りを気にしなければ黒人の少年が1番良い。童貞を捨てる前に処女を捨てればエイズにならないと言えば、鵜呑みにして自らケツを差し出してくる」
性的な方面の知識が欠落しており、あまつさえ最近はろくに保健体育の授業を受ける事が出来ないシンジには何の事よくわからない。
ただ1つ、それがつまりは嘘なのだとはわかった。
「それに黒い肌は精液を掛けるとよく映える」
満足そうに言う男の性癖は、どうやら体の作りに関しては男女どちらでも簡単に欲情出来るらしい。
「ただ顔がね……黒人よりも白人の顔の作りが良い。それ以上に良いのは、やっぱり同じ国の日本人だね。勿論女性の顔が良い。目は大きくて唇は……ただ日本は、セカンド・インパクト直後は随分やりやすかったけれど、今となっては1歩間違えるとすぐに犯罪だ」
間違えなくとも、今現在既に犯罪に抵触している。
被害者であり共犯者でもあるシンジには理解出来ないだけで。
「まぁ生きる為の法の目ばかりが厳しい、性に関しては緩いこの市では何とかなっているから助かるよ。……君はこの市の子で間違い無いよね? この市の女の子と同額で……いや、処女を堪能させてもらったのだから、多少色を付けようか」
男とは反対側の横を向いているシンジの目の前に、数枚――決して少なくはない――が投げられた。
「それで良いかい?」
「あ、ちょ、ちょっと!」
その札束を握り締めてシンジは上半身を起こした。制服で横になるのは初めてなので、こんなにも皺だらけになっているとは思わないだろう。
「足りないかい? それ以上は持ち合わせとして厳しいから、少し待っててもらいたいな。銀行へ行かないと……」
「そ、そうじゃなく……あの、このお金……」
すっかり自分の物のように握ってはいるが、何故自分がこの金を手にしているのか、貰える事になっているのかシンジにはわからない。
自分が体を売った、という事実に気付いていないのだから。
「こんな……大金、僕はどうすれば……」
「多過ぎる、なんて謙虚な事を言いたいのかい? 益々可愛いなぁ。じゃあ多い分は次の機会に取っておいてくれないか。先の名刺には連絡先が書いている」
ポンポンと大きな手で頭を撫でられる。嬉しくて、シンジは視線を下へと向けた。
「だけど痛く辛い思いをしたのだから、この位は貰えて当然なんだよ? 他の人が払えないと言うのなら、脱がずにすぐ私の元に来なさい」
「痛く、辛い……」
「そう」
抱き寄せられて、制服に益々皺が付く。
暖かい。とても。空調システムが整っていなければ暑苦しい程に暖かい。
「有難う……ございます」
痛くて辛い思いをしても、こうして抱き締めてもらえる。
そして少しずつ金が貯まれば、きっと「お父さんも認めてくれる」し、その父の事で誤解していた人々もきっと見解が変わるのだから。
世界で唯一にして最も認めてもらいたい相手が居る。その相手と同じサングラスを未だ掛けたままの男の腕の中で、右手で強く握り締めた金を手放さず、シンジは1つの道を歩む事を自ら決断した。
終わり。
孔雀氏乙です
シンジきゅん(つД`)セツナス
まだ読んでいないけど、あまりの嬉しさに書き込み
お疲れ様孔雀神
すげすぎる……!
ムスカみたいな理性型の悪党が目に浮かぶな…
官能度のあまりの高さに思わず嫉妬
もうなんか孔雀氏と結婚したい
好きだ
書き手の人間性は『悪役の描写』に強く現れるというが(苦笑)
シンジきゅんを抱いている理性型の893みたいな人は
おもいっきし孔雀氏の分身に見えますね。力作乙
なるほど
孔雀氏はムスカ、と
官能描写のレベル高いなぁ〜
そりゃこんなの経験したら抜け出せないわ
父に認められるために売春って泣けるね
きっとどこかで、こんな自分を見て父に叱ってほしいと思ってんだろな
切ないよシンジきゅん
毎回孔雀氏のSS読むたびに、涙が出てくるのは何でだぜ?
このスレに来て孔雀氏と出会えた事に感謝します。
処女奪われるシンジきゅんに凄まじく萌えた
初めて来た。リアルすぎて読んでると体が痛くなるけど、職人すごいよ!
初体験シンジ君に萌えた。
GJ!!
GJと書き込まずにはいられない
閉鎖前にすべてまとめたいがケータイの漏れには、ただGJと書くことしか出来ない
シンジきゅん警戒心なさ杉w
GJ
>>200 自分も貴方の事を好きになりました。ハンコ押した婚姻届け持ってきて下さい。
シンジきゅんらしさとスレタイらしさが欠けてて申し訳無かったです。
所でこのスレに来てる人ってどの位のSMなら耐えられるんでしょうか。
切断は書かないようにしますが、流血とかもヤバいでしょうか。
スカ関係ももう少し描写したいとか思ってたらいい加減あぼーんでしょうか。
横レスですがシンジきゅんらしさは充分すぎる位ありますので
ご安心を。断言。スカ関係?良く分からん。
流血とかSMとか、その手の流れは生理的嫌悪感があるしゾッとするけど…
ぶっちゃけ、あっちのスレのちん○○の無茶なシナリオのせいか、
あらゆる状況に慣れたwシンジきゅんが救われるなら何でもありかと。
エロけりゃおkかと
ケツとスカは切っても切れない関係
SMは切断じゃなけりゃ、なんでもいい
とりあえずエロけりゃ!
流血やSMを見ると…何故か…反逆の血が…疼く…
支配の位置にいることで優越感に浸る者に流血の裁きを…
王を玉座から引きずり下ろし…支配した事を後悔させてやると…
嘘です。自由奔放に官能描写頑張って下され。
シンジきゅんってSも結構似合うと思うんだがそりゃ俺だけか。
EOEのアスカの首を締めるときの血走った目とか、ゼルエルを殴るときのイっちゃった顔とか。
すまん、俺だけだな…
あーそれ言えてる。あのSモードシンジきゅんの前で
殺し屋1の『垣原』の真似とかして
徐々に恐怖に怯えさせてみたいとかこっそり思ってたーw
SをMの薄気味悪さや反逆のプレッシャーで壊すって、
快感つーかなんつーか。
超余計な意見なのでそろそろ逝って来る
個人的にはシンジきゅん板って言うのが欲しいかもw
ほっしゅ
死姦までならOKかな
この状況でシンジが補完を求めたらどうなるんだろう…?
どんな世界になるだろう?
ここのシンジ君はサービス精神が旺盛だから
一皮剥けるとむしろ補完計画に興味を示すと思う
ラストは男娼バージョン補完計画発動か、死体になってまで奉仕するシンジきゅんですね。
孔雀氏はネ申
なにをあたりまえなことを
どうも、取り敢えずエロければSでも死姦でも補完計画でも許されると学んだ孔雀です。
補完計画はかなり面白そうだねーと思いつつ、エロ要素無くなるので書けないorz
所で。
無駄にやったら長くて5分割とかしそうな物と、
ちょっとシンジきゅんが脇役…?みたいな位置になりそうなのと、
どっちなら許されるのかなぁと思いまして、良ければご意見伺いたく。
いやエロければ良いんだろうけど。
どっちも
と言ったらぜいたくは日本の敵と罵られてしまいます
前者がいい。
孔雀氏の長編読みたい
>>228 じゃあお言葉に甘えて長いの書いてみます。
無理だったら後者の書いて投下に来ます。
本当は江戸時代?とかの、男娼の時代の完全パラレルっぽいのも書いてみたいんですけどね。
時間と知識が欲しい…orz
江戸!江戸!
>>229 補完計画ネタは某電波スレでやりつくした感がありますので
じっくり腰をすえてガツンと気合入った奴をおながいします。
江戸ってのもいいな。新鮮で
前に別スレでネタになってたな>江戸ネタ
例えば男色専用のラブホテル「陰間」が今でいう不忍池周辺にあったとか
男娼は変声期前であることがうりだったんで「子供屋」と呼ばれたとか
武士階級は単身赴任の野郎が多かったんで男色が盛んだった、とか。
意外と覚えてんな、おれ。
好きたまでも話題になってた
パイパンとか
住人が被ってるからね
ここは天国だ
カヲシン読みました
なんでいまさらカヲシンなんだよww
前スレに孔雀さんが書いたカヲシンSS読んだって事じゃね
wikiより抜粋
男娼としては、なよやかでほっそりとした小柄な少年が好まれ、幼少期から男娼として育てられる少年もいた。
彼らは体臭の元となるような食物はいっさい取らず、常に口と身体を清潔に保つように心がけた。
男の相手をすることが多かったが、御殿女中などの女を相手にすることもあったと伝えられている。
シンジきゅんは天性の男娼の資質を持ち合わせてるのな
お水っぽい女の話は途中で終了?
>>243 続き3行位書いて止まってる。需要有れば書く。
でもあれ相当テンション上げないと書けないから今はむりぽ…orz
お水やってるからあれに感情移入してしまう
けど続きは孔雀氏が描きたいものを描いてほしいので無理には望まないw
>>240 うひゃ
シンジきゅんにぴったり(;´Д`)
何度読んでもいいな。今更だけど乙。
孔雀氏の文章は何度読んでもいい
保守
孔雀氏がんがって
>>248-250 有難うございます、泣きそうです
エロい所を除けば完成しているので、もうすぐ投下にやってきます。エロいの書けないです。
別スレに落としたの書く為にサボってたワケじゃないです、何かすんません。
>>252 おまいああああああ
だいすきだああああああああ
最近凹むこと多かったけど復活した!
マジでありがとう
まあ俺はログ持ってたから読めてたけどね
目出鯛
孔雀氏ってカヲシン好きなんだな
まぁ、あんな避難所にまで投下するくらいには好きなのだろう
まあまあまあ
せっかく構想し執筆した作品は見せたくなるものさ
特定のカプが好きだからとかじゃなくてもね
昔、嫌いなカップリング小説を無理やり書いてみたことあるけど、
嫌いでも自分が書いたものは公開してみたくなるもんだよ
嫌いならわざわざ書かんだろうw
嫌いだけどシンジ萌えのため…とかだったらそっちの方が嫌だ
読めるだけいいじゃん。
俺なんかカヲシン嫌いだから読めないんだぞ?
触りだけ読んだけど無理だった…
せっかくの投下作品なのに!
まああれは男娼モノ、というよりカヲシンだったからな
シンジ萌えのためにカヲシン書いた
手っ取り早くトウジを鬼畜キャラにした
ってのが真実なら嫌だぞ
好きじゃないけど萌えのためって姿勢が
カヲシンはともかく、トウジの非道っぷりで挫折したww
アレだな。トウシンスレの優しいトウジに慣れてたからだな
まぁカヲシン好きだろうが別にいいけど
でも続きならこっちに投下して欲しかったかも
探すのに苦労したし。全年齢板じゃないし
カヲシンスレに「別にカヲシンは好きじゃないけど書いたから投下した」
なんて姿勢だったら好きな住民はいい気しないだろうし、カヲルの描写からして氏も好きなんではなかろうか。
いつもの如くシンジに愛はあったね
作品読むためにピンク板に行った21未満もいただろうね…
ぶっちゃけカヲシンは2ちゃんじゃなくてもサイトいっぱいあるから
それだったらいつもみたいな違うの読みたかった
はい、我儘です
一応ここ全年齢板だから、ピンク板に投下したのはここで話題にするべきではなかったね
やってることは変わらなくても、21歳未満は行けないから
孔雀氏にもアンチっているんだな
意見はアンチの発言かよ
アンチってほどのもんでもないな
シンジばかりに偏重するな!とか言い出したらアンチなんだろうけどさ
そんな人間はここにはいないだろう
おらぁ、シンジきゅんが可愛ければそれでいいだ
こういう一人のネ申で成り立ってるスレは
信者がマンセーじゃない書き込みはアンチって捉えがちになるよな
孔雀氏しか職人いないしな
おちおち意見もできやしない
まあ孔雀氏が消える→すなわちこのスレの死を意味してるからな
まあ俺は孔雀氏が何を書こうが愛してるからいいんだけどな
てか自分自身が満足出来る作品を読めれば、職人が他に何を書こうが別に関係ないしな、ぶっちゃけ
んなもん個人の趣味だし勝手だし、読者側がとやかく言うもんでもない
まぁ、職人を繋ぎ止めるためにマンセーだけしろってのもアレだけどな
意見は意見としてだな
でもそんなやつはいないし、そんな作品もないけど
カヲシンの続きを読みたいけど、21未満でピンク板行けない私はどうしたら良いですか?
作品についての批評ならともかくだなと
しかし孔雀氏の作品は完成度高すぎて批判する要素ねえと思ってしまう
シンジは男娼から抜け出せないのかな
ここの男女比ってどれくらいなんだろう
男×男作品多いから
何か前スレ読んだら最初は投下してもいい?っていう職人は結構いたんだな
でもカプ論争やら何やらで残ったのは孔雀氏だけか
惜しいことしたね
レイプスレには本郷もいたじゃん
投下途中でスレストされたが
あ、なんか勘違いした。このスレのことね。
確かにカプ論争で消えた職人もいたな
>>267 ここでカプ物やると大抵荒れるんだよ。
今エヴァ板にカヲシンスレ無いし(立ててもすぐ荒れる)
だからピンク板のスレに投下したんだろ。孔雀氏はちゃんと配慮してる
エロいシンジきゅんが見られればカプものだろうがそうでなかろうがどうでもいい
孔雀氏長編がんがれ
わっふるわっふる
いや、前スレならともかく今のスレならカプ物大丈夫じゃね?
孔雀氏が書くならカヲシンだろうが何だろうが荒れないよ
そこらのキャラ萌え腐女子の作品とはわけが違う
この状況でまたカヲシン投下したら絶対に荒れると思うけど
そもそも何でカヲシンって荒れるんだ?
わかんね
あぼーん
カヲシンはシンジストとカヲルスキーが互いに我が強すぎてスレが上手く回らなくなった感じ
どちらかに愛が偏る、設定に好き嫌いがある等々
あぼーん
カヲシンスレが荒れたのは自己中心的なカヲル厨のSSが投下されたからだよ
もういいじゃないかその話
カヲシンにそこまで興味ねー
それより最初のほうのリツシンに萌えたんだけど…
リツコとの関係、また出てこんかな…
カプ話が過ぎるとスレチになるよ
つかカヲシンも新しいほうは充分スレチだと思うんだが。
カプ重視の話だったから向こうに投下したんだろ
スレの空気を読んだ孔雀氏乙
遅レスですが。
別のスレの話や俺がどのカプを好きかどうかよりシンジきゅんの話をしましょうよ。
つーか俺以外の投下職人さんがここに来れば良いだけの話になってるっぽいんで、もし何か書いてる人が居たら投下して下さいです。
自分ももう少ししたら長いヤツの最初の部分位は投下出来そうです。
ハゲド
正論
ほ
投下にきました。長い話の一部分で短い方かもしれませんがやっぱり長いので、
携帯の人は気を付けて下さい。
後、下記にも注意してもらえると嬉しいです。
・名無し女性とセクースしてるっぽい
・っぽいだけで、所謂本番じゃない
・あと、後半男しか出てこなくてホモっぽい
高級とまではいかないが、決して質素ではない1DKマンションの1室。床はフローリング。日当たりは良くも悪くもないが、湿度は高くない。壁にはカレンダーが1枚と掛け時計が1つのみ。
理由は「掃除、しやすいでしょ?」の一言。
一人暮らしの女性らしい、と思った。同時にミサトさんもそう考えて部屋を買えば良かったのに……と心で呟いた。
フローリングは確かに掃除をしやすい。絨毯と違ってどんなに汚れても洗剤を付けた雑巾で磨けば綺麗になる。
だが絨毯と違って冷たい。
そんなフローリングに背をべったりと付けながら、全身の暑さを放出しようと碇シンジは汗を流していた。
「う……ぐ、う……」
先程までひんやりと冷たかった背は今やすっかり自分の体温が移って生温かい。不愉快な程に。
両方の膝の下に自らの手を入れて開き、更にその足を自分の体へと寄せる姿勢。
口にはポールギャグ。穴の開いた口枷で猿轡を、言葉を封じる為にさせられ、それ以外は何も身に着けてはいない。
否、尻には身に着けている。まるで尾のように何かを生やしている。生やさせられている。
「ふふ、本真珠で出来ていたらもっともっと綺麗だったのにね。ま、そんなお金無いけど」
「ぐ……むぅっ……」
――つぷっ
「ふむぅッ!!」
音を立ててもう1粒、偽真珠が肛へと飲み込まれていく。
数にして幾つになるだろう。見た時は一体どれだけの数が繋がっているかわからないパールともビーズともいえない球体達は、今はすっかりシンジの直腸に収まってしまった。
「ふ、ふぐ、ふぁ……」
「なぁに? もっと挿れて欲しいの? もう残りは3つよ。それに、1番大きいのは今挿れてあげたじゃない」
粒の大きさがそれぞれ違うビーズは先端に丸い輪がついている。キーホルダーを連想させるそれだけが鈍い金色で、ビーズ自体は全て白い。
ふん、と鼻で笑って立ち上がる女性。今日の――ここ数週間の雇い主。
「こっちの可愛いアナルと違って、君のそこはいつまで立ってもお粗末で、なのに堂々と大きくしちゃって……」
そっと細長い足が伸びて、性器に触れる。
「……ふ」
少し汗ばんで乾ききってはいない足の裏の感触が気持ち良い。
「女の子みたいな、下手したら女の子より可愛い顔してるのに、どうしてこんな物が付いてるのかしら……」
五指がゆっくりと性器の決して長くはない上下を繰り返し移動する。
その間にもタイトなミニスカートの間から覗くオレンジ色に白いレースの付いた下着がいやらしい。
「裸は駄目ね。華奢なのは良いけど、やっぱり男の子って感じがするし……今日も服用意すれば良かった。でも汚されるのはもう嫌だし……」
足の親指がカリ首に辺り、そのまま4本の指が性器を持ったまま閉じたり開いたりと刺激を与えてきた。
言葉ではなく声を、声に近い息をシンジは漏らす。
「……それに、牡奴隷のアンタに着せる服なんて無いわよねぇ?」
解放する……というよりも折角の刺激を取り上げるように女は足を放し、床に膝をついた。
「全部挿れて欲しいんでしょ?」
肛門を親指でなぞるように、女はもう1つビーズを押し込む。
「んぐっ! む、むぐぅ、ん……う、うぅぐ!」
「何言ってんのかわかんないわよ」
少し低めに出した声で侮蔑を吐いた女の左手がシンジの頭を、頭頂部の髪を掴んだ。
体に多いかぶさる女の黒髪は真っ直ぐに長く、何もまとわない肌をなぞる。
「ん、ンう、ぐ……」
「あぁ、挿れてもらいたいんじゃなくて、早く抜いてもらいたいのね」
髪の毛を引っ張り上げながら、右手の人差し指がビーズの先端の輪に掛かる。
視線をそちらへ向けずに指に掛けられるのだから、彼女は相当器用らしい。しかし、今のシンジにはそんな事を考える余裕は無い。
「う……ウい、む……」
抜いてもらいたい。パンパンになった排泄器官を早く何とかしてもらいたい。女性らしく細長い指で髪を掴まれたままの頭を、小さく上下させた。
「知ってるのね、これ、抜く時が1番気持ち良いって」
女の言葉が汲み取れずシンジの眉根が寄る。
「挿れる為の道具じゃなくって抜く為の道具だって知ってるなんて、子供に見せかけてとんだ淫売男児ね! でもどれだけ気持ち良いかは知らないでしょ? アンタみたいな堪え性の無い子供、きったない精子びゅーびゅー噴き出しちゃうわよっはは! あはははっ!」
言葉の最後は笑いになっていて上手く聞き取れなかった。
「ぐ、む……」
いきなり女は左手を放す。
ゴン、と鈍くダサい音を立てて頭が床と激突した。
「うウぐ……いぅ」
下半身よりも後頭部の方が余程痛いとは。そそり立った性器がふるりと震える程の羞恥。
再び体を放した女は自分で持ち上げているシンジの太股を更に奥へと押した。親指と輪に通した人指し指で未だ肛に入っていないビーズを摘み、勢い良く――引く。
「う゛ぐうぅゥーっ!」
掠れた声をBGMに大小様々な粒のビーズがシンジの肛より産み落とされた。
時に菊の花を引き裂くように大きく、また排泄の快感を思い出させるように小さなそれらか直腸を通って抜け出ていく至福。それも短時間でどちらも強制的に与えられる悦楽。
――プシュッ、ぐしゅっ
苦痛を快楽にと前以て大量に注がれていたローションが潮を噴くようにビーズと共に飛び出し、尻を伝って床を汚してゆく。
最後の――最初、に挿れられていた――2つのビーズが抜け出て宙を舞うのと同じ瞬間に、シンジは射精した。
――びゅる、ぴゅぴゅっ
疲れているのか不足しているのか体質なのか、精は透明に近い。
火照った体に更に熱く降り注ぐ。
「汚いモン射してんじゃないわよ」
あくまで性器にも精にも触れないように女の足がシンジの体を蹴った。
「ンっ!」
どすっ、と鈍い音を1つ立てた後もしっとりと汗ばんだ足の裏でシンジの腰を、圧迫して骨を砕かんばかりに押し付けて放れない。
「口、それ取ってあげるから、自分で射したのは自分で舐め取るのよ……あら?」
シンジから目を逸らすと同時に、偶然見たテーブルの上のピンクの携帯電話のライトがチカチカと緑に点滅しているのに気付いて小突く足を止める。
「メールだわ……誰だろ? あぁ、ちょっと待ってなさい」
漸く足が放れ、目も放れた。シンジは力の抜けきった手を下ろし、解放された足も床へ下ろす。
とはいえ、それなりに長い間Mの字に開いていた足は膝を少し曲げた状態から戻らない。
閉じたがっている目蓋を何とか開いたまま食事用のテーブルを見ると、女は立ったまま腰に左手を当てて気怠そうに右手だけで素早く携帯電話を操作していた。
誰にどんなメールを返していても構わないが、約束通り早くこの口枷を外して欲しい。このままでは口が2度閉じられなくなってしまうかもしれない。
シンジの意思を無視して部屋には携帯電話のボタンプッシュ音だけが虚しくも響く。
女は必ず行為の前に夕食を済ませる。仕事の都合上で金曜日は昼食が相当早いから、が理由らしい。
反対にシンジは行為の前に食べる事は無かった。
この客の女に買われた2日目の晩は食べてから挑んだ。お陰で栓をされて溜められるわ、その栓を抜かれて脱糞するわ、吐き戻すわ、最終的にはそれを食わされかけるわ、と酷い目に遭ったのが最たる理由。
他の客とは違い体には極端な疲労が残り、また精神面でもとても食欲等沸き起こらない事後に食事を取れるワケが無い。
故に事後――また後に交わるので『事後』とはまた違うが――2人で食事を取る事は無い。代わりに軽くお茶をする。
いつも本格的から最も離れている紅茶と、油分の多そうなスナック菓子と、貰い物が有って尚且つ気が向けば向いてくれるフルーツを、2人椅子に座ってテーブルを挟んで向かい合って、この部屋の広さには不釣合いな小さいテレビを見て食べた。
土曜日の昼間から会って女の部屋に持ち帰りされて、肌を重ねて……終える時間はテレビ業界で言うならばゴールデンタイム、を少し過ぎた辺り。どこの局でも中途半端に下らないバラエティ番組ばかり。
それでもこの粉っぽくて妙に甘いホットレモンティーは嫌いにはならなかった。
「あのね……悪いんだけど」
口火を切った女は落ち度が有るのか自分のカップから目を放さない。
女は特に何をしたワケでもないが汗をかいたとの事で、部屋着にしては洒落ているストライプのブラウスと先程同様に丈の短いタイトスカート。
シンジは着替えを持ってきていないので、ここに来る為に着てきた先週目の前の女が買い与えた肩の膨らんだ女性物と思しきカットソー。
色合いも寒色系と似ているので、傍から見れば一人暮らしの姉の家に弟が遊びに来たようにも見える。
「……何ですか?」
その弟が些か不安を持って尋ね返した。
「さっきメールが来て、映画の約束明日になっちゃって」
「あの見たいって言ってた映画?」
「うん」
楽しみにしていたのか口元が微笑を作る。
「でねぇ」
急に顔を上げると、既にまた申し訳無さそうな表情だった。
「ファーストショー見に行く事になったの。ほら、その日1番最初にやるやつは少し安いでしょ?」
そうだったか? と思ったが、取り敢えず頷く。
「一緒に行く子フリーターだからさ、それにしないかって。その子中・高と一緒だったんだけど、大学行かないでずっとバイトしてるんだ。女の子なんだけど工場勤務なの。体力勝負って感じの」
テーブルの上に置かれたピンク色の薄い携帯電話を怨めしく思ったのか女は溜め息を1つ吐いた。
「……だからね、明日は一緒に居れないの。多分映画終わった後も遊びに回るだろうし」
「そうなんですか? ……僕、帰った方が良いですか?」
「私が帰ってくるまで待っててくれるの?」
「いや、そうじゃなく……」
「あぁ、今からね」
わかりやすく肩を落とす姿に、シンジは嫌がおうにも罪悪感を覚える。
「お家大丈夫? 駄目なら泊まってっても良いし、勿論帰っちゃっても良いよ。私、結構早く家出るから、今日の分は今払っとくね」
カップを置いて立ち上がり、衣服ラックの下に置かれた幾つかのバッグの1つから女は財布を取り出した。
それをぼんやりと見ながら、一体給料は幾ら貰っているのかと想像を膨らませる。ほぼ毎週気前良く払ってくれるのは有り難いが、いつか破産してしまうのではないかとの不安が生まれる。
別に破産しようと職も家も失おうと知った事ではない筈だが、こうしてほぼ毎週時間を共有し、他にも携帯電話で簡単なメールをやり取りしていれば何らかの感情が湧き、それが勝手に心配してしまう。
傍から見れば簡単な言葉で「年の差カップル」と呼ばれても可笑しくない事に、シンジは未だ気付けないでいた。
「はい」
使う事を躊躇う位のピン札が数枚テーブルの前に並べられる。
「有難うございます」
「ちょっと笑顔、笑顔! 愛想無いとこのお仕事辛いんじゃない? お金払う時の『お愛想』って、金貰う側なんだから愛想見せなさいって意味なのよ?」
「へぇ、そうなんですか」
「勉強してる場合じゃなくて、笑って見せる。大人になってからは笑顔が大切なんだからね!」
言い終えると女は今の金切り声に似合わず容姿にはよく似合う大人しそうな微笑を見せた。
「事務員の私はそんなに必要無いけど」
「……事務員は、笑顔とか要らないんですか?」
「そんな事無いわよ、上司にもお客さんにもニコニコしてなきゃいけないから。まぁ受付の子よりはマシだろうけど」
再び女は席に着いてカップを手にする。
「ねぇ、シンジ君の家ってどの辺? あ、家に押し掛けたりするんじゃないよ。ら電車が有る内に帰った方が良いかなぁって」
「電車で2駅分位です。……だから、逆にタクシーに乗っても大丈夫ですけど……」
「親御さん驚かない? 子供が真夜中にタクシーで帰ってきて……あ、親御さんと一緒じゃないんだっけ」
上司に当たる人と、同じ上司を持つクラスメート――と、ペット1匹――と同居していると話の流れで伝えていた。
上司と言った直後にクラスメートと言ったのだから、良い印象を持っていない教師か何かだろうと勝手に捉えてくれたらしい。
「でも未だ子供なんだし……」
「電車で帰ります。無くならない内に、もう行きます」
札数枚を握り締めてシンジは立ち上がる。
「うん、その方が良いわ。また来週……その前にまたメールするから」
シンジの声の低さで機嫌を損ねたとすぐにわかった女は、同じく立ち上がってシンジの後ろへと回った。
歩き出す姿を止めるのではなく見送る為に。
一人暮らしのマンションなので情け程度の廊下しか無く、すぐに玄関に辿り着く。
「夜は危ないから気を付けてね。車出そっか?」
「そこまでしなくても大丈夫ですよ」
「じゃあ、徒歩でも駅まで送る?」
「その方が危ないです。駅までの分と駅からの分を歩かなきゃならないんですよ?」
優しい言葉を吐きながら座り込んで、スニーカーを履いて立ち上がったシンジは先に言われた愛想程度の笑顔を向けた。
「ありがと」
嬉しそうな笑顔で頭を撫でられる。
こんな継ぎ接ぎだらけの嘘臭い笑顔がそんなに嬉しいのか。
それよりも、礼を言われたり誉められたりする程の笑顔が作れているのか。
手が放れると急いでシンジは背を向けて玄関扉の取っ手に手を伸ばした。
「気を付けてね」
背中で受けた言葉に短く「はい」とだけ告げて家を出る。
追ってきたりしないで欲しいと外から扉を閉める際に開かないようにずっと手を押し当てていた。
――カチャリ
鍵の掛かる音。これで大丈夫。彼女はもう自分を監視していない。
「……はぁ」
悪い人ではないけれど、恐ろしい人だと思う。あんなにも優しいのにあんなにも酷い面を持っている、恐ろしい人。体がギシギシと音を立てそうな程に不調と疲れを訴えてくる。
最後の挨拶も社交辞令に過ぎず、本当にシンジを心配しているとは限らない。寧ろその確率の方が低い程。
……それでも充分嬉しいと思う自分は、体だけではなく心も疲れているのだろうか。くたくたに。
「……あ」
またやった、とシンジは足を止めた。
曲がる所で曲がり損ねた。過去にも1度やらかしているので、これで2度目。
同じような建物が続く団地なので仕方無いが、せめてもう少しわかりやすくしてほしい。
本来曲がる道は1つ前で、今日も来る時は女の車でそこを通った。道が開けると横断歩道を挟んで真正面に駅が見える。
――余談だが女は高校時代に免許を取得してここ約6年一切乗らなかっただけある運転能力のレベルで、交通費は要らないから1番家に近い駅で待ち合わせようと約束している。――
――しかし本人は折角買った軽自動車を余程乗りたいのか、その駅まで車で迎えに来てしまうので有難迷惑だったりもする。――
未だ夜更けと呼ぶには早い時間だが、一般的な家庭だらけであろう団地の中央のこの道を人っ子1人歩いていない。
寂しい街というよりは暖かな街なのだろう。家族や恋人・友達同士が各家に集まっていたり娯楽施設に居たりするような。
そんな暖かさとは関係無いだろうが、今日も気温は容赦無く高く、釣られた湿度もなかなかに高い。
暑い、喉が渇く、腹も空いた。
この通りの丁度中間には1件のコンビニエンスストアが有る。
コンビニ弁当は好きじゃないし飲み物だって経済的にスーパーで買いたい。しかし材料や飲料を販売してくれる店はこの時間、こんなコンビニしかない。
――ウィーン
「いらっしゃいませー」
結局シンジはコンビニに足を踏み入れた。
どこででも聞く語尾が伸びた挨拶を受けながらぐるりと1周した。
今は用事の無い本と絶対に買う事の無いアルコールの棚を抜けて、オレンジジュースの入った500ミリリットルのパック1つと安いおにぎりを2つ手にする。
「これ、下さい」
1つしか空いていないレジにその3点を乗せた。
店員は恐らくこの1人……ではなく、トイレにでも居るのだろう。丑三つ時の深夜ならば兎も角、この時間帯ならばまばらだろうと今は居なかろうと客が入る。
例えば余りにも使われないコンビニで、店長がこうして1人同然で経営しているなら……とは考えられない。おにぎり2つは済ませたがパックのバーコードが上手く読み取れないでいる店員はどう見ても20代。良くて後半、悪ければ老けた10代かもしれない。
黒い髪をだらしなく伸ばし、前髪を含めたあちこちに金色のメッシュが入っている。コンビニ制服は真面目に着ているが、大学生のアルバイトか何かだろう。
呑気な物だ。きっと折角入った大学でまともに勉強もせず、適当な接客バイトで小遣いを得て、それでも周りの人々からは愛されて自分もニコニコしているのだ。
「お客さん?」
「え?」
出した金を見ていた顔を上げると、男はニコニコどころか不安そうな表情をしている。
「……あ、足りないですか?」
「いやそうじゃなくて、なんか凄ぇ顔色悪いみたいで……具合悪いんですか?」
でたらめな敬語だが相当心配されているのだろう。
何だか目眩がする。空腹もここまでくればたいしたものだ。
意識すれば体の節々も痛むし、何より激しい頭痛が襲ってきた。シンジは両手をレジ台について体を支える。
「……くっ……」
低い声が漏れる。女の弾けぶりは今日も一段と激しかった。
「早く、会計……」
「あ、あぁ、357円になります」
予想通りの金額。男はシンジの手元の360円を取り、釣りの1円玉3枚を持つ。
「どうした? 本当に大丈夫?」
「大丈夫です」
何がだ、煩い。いや煩いのは耳鳴りだ。
「……もしさ、凄い腹減ってるとかだったら……いや違うのかもしれないんだけど、もしそうだったら休憩室でこれ食ってけば?」
心配そうに1つのビニール袋に3点を入れて男は差し出す。
「見た所中学生……あ、いや、高校生位だからさ、家出少年なのかなって」
そういえば過去に1度家出をした時はコンビニで食事を買ったりしなかった。
当時から――寧ろ『先生』の家に預けられていた頃から――コンビニの飲食物は何でも保存料を大量に使っていて味が濃い、簡単に言えば悪い印象しかない。そしてそれ以上に高いイメージが強い。
家出をした時は本当に暫く戻らないつもりだったのかコンビニには入らないようにしていた。こんな所で買い物をしていてはすぐに金が尽きる。
しかし今は無尽蔵に金が入る。余程高価な物でもない限りは買える。楽器をどんと買うのには数ヶ月貯めなくてはならないが、それで演奏したい楽譜ならば簡単だ。
……思い返せば最初は何らかの理由で金が欲しかった気がしなくもないが。
「お客さん、聞いてる? それとも何、本気でヤバそう?」
声に気付いてもう1度顔を上げて、シンジは首を横に振った。
「本当ですかぁ? でもさ、この辺の子……っと、人じゃないだろ? 見ない顔だし」
「はい。今も駅に行く所で」
「あぁー……そっか、ここも一応駅前だもんな。余り人来ないから忘れてましたよー。この通り超暇」
客に話しているとは思えない見た目相応の適当な口調で普段ならば不愉快になってしまいそうだが、頭が上手く回らない今では軽口の方が耳によく入ってくる。
「しかもいっつもこうなんだよ? 俺週に5日入ってんだけど……」
「週に、5日も?」
「そ。あぁ、俺フリーターなんだわ。掛け持ちとかしてない。んで、土日祝日関係無く入ってんの」
言葉を区切るように大きく溜息を吐く男。
「年末年始だって実家に帰れやしねぇし、残業は無いけど有休も無いっていうか時給全然上がんないし、女子高生入ってきたと思えば時間合わねぇし、美人人妻入ってきたと思えばワケわからん早朝だし……あれ、俺何でここでバイトしてんだ? つーか何の話してたっけ?」
「ははっ」
堪えきれずにビニール袋の取っ手を掴みながらシンジは笑ってしまった。
「人が来ない話ですよ」
「そうそう。だからさ、1人でも充分回せるんだけど、やっぱ休憩時間が必要なんだよ。実は今もう1人は休憩室で飯食ってんだわ。これまたただのオッサンで……」
こんなに脈絡無く展開していく話、それも自分とは全く関係ない個人的な愚痴話。ぼんやりと聞いている分には面白い。
「……あぁ、また話逸れたな。兎に角、そのオッサンが出てきたらすぐ俺も休憩室行くんだ。良かったら……お客さん、名前何?」
客とは自分の事では、と言い掛けてシンジは口をつぐむ。
コンビニに買い物に来た客が自分で、目の前の男は自分を買おうとなんて思ってもいないただのコンビニ店員だ。
「碇シンジ」
「ふーん、碇シンジさんね。駅に行くって言ってたけど、家帰んの? 帰るにしろこれからどっか行く不良にしろ、腹が減っては戦も出来ぬって言うじゃん」
男は顔を上げてシンジの頭を通過して店内奥の時計を見る。
「後2分も無いし。ここから駅まで3分位有るよ。ここで食ってった方が早くて良いじゃん。つーかお前駅で食べるつもりだったの? だらしないぞ」
「だらしないって……」
客に向かってそんな口調を使う店員の方が、と笑い返そうとしていた時。
「おーい、悪いね〜」
2人が同時に振り向いた入り口とは反対側――飲み物が陳列されている側――から1人の男が呑気な声を出しながら歩いてきた。
コンビニ制服を着ている、所謂『ただのオッサン』。中肉中背と本人は言いながらも、周りは小太りと判断していそうな体系の五十路近い男性。
「まぁた遅れちゃったよ」
ヘラヘラと笑ってレジへと入り、男の背を軽く叩く。
「だから君も少し早く休憩入って良いよ。あれ? その子お友達かい? いや、後輩さん?」
「少しって、俺もう1分位で休憩なんですけど」
そう言いながらも笑顔で男はレジから出てきた。そしてシンジの隣へと並ぶように立つ。
「この後輩連れて休憩入っても良いっすか?」
「勿論だよ。やっぱり後輩さんかぁ。ん、じゃあ地元の子だよね? 遠い所から遥々よく来たね」
肉付きの良過ぎる手が伸びてきてシンジの頭を撫でた。
「はぁ……」
初対面の相手からいきなり髪を触られる事もこの『お仕事』を始めてからは多かったが、こんなにも無害そうな手は初めてだと感じた。……気の所為かもしれないが。
「そんな子供扱いしないでやって下さいよ。さ、行こっか、碇」
「……はい」
不思議に思いながら返事をすると、頭に触れていた手は放れる。
両手を上げて大きく伸びをしながら男は飲み物側へとどんどん歩いていく。置いていかれてはいけない。
「ま、待って!」
慌ててビニール袋を左手で強く掴んだ。
「鍵閉めるワケじゃないんだから」
振り向いて苦笑を見せる男は置いていかれる恐怖をきっと知らない。
その恐怖を嫌という程知っている、嫌で嫌で仕方が無いシンジは急いで男の開けて消えた扉へ自分も入る。
疲れた体で走るのは辛い筈なのに、それを忘れているのか思ったよりも速く走れた。
「戻るのは時間通りに頼むよ〜!」
人畜無害そうな『ただのオッサン』はニコニコと見送る。
今初めて会った店員と客の間柄だなんて疑いもしない。愛する奥さんとの間に子供は生まれなかったが、この店内で誰よりも愛情を持っている幸せな人間。
どちらに押しても開く関係者用休憩室への扉はギィギィと煩い音を立てて完全に閉まりきらないながらも彼と2人を遮った。
続く
乙!
さがってきたのであげ
ウホッ
楽しみ
最近イボ痔になった自分には辛い描写だ
保守
乙
孔雀様最高
とりあえず保守
孔雀氏GJ
投下しにきました。ちょっと短めです。つーか見直したら男しかいなくて変な感じです。
後、話と話のつなぎめみたいなヤツだから「後半の展開が無茶苦茶だ」と言わない人なら
別に読まなくても良い感じの話になってしまいました。精進します。
>>327 お大事に。
目の前の初対面の少年は、見た目通りの少年だった。
大人しい。寧ろ警戒している、ともいえる態度で自分達2人を挟むテーブルの中央に線を引いてピリピリした空気を壁張っている。
まるで食事中に喋るのは行儀が悪いと躾られてきたのか極力無口に見せようとしているみたいだ。
話しても話しても、なかなか目を合わせてもらえない。
難攻不落の城を目指すのは別に趣味じゃない。
ただ食事中に話せる相手が欲しかっただけなのにこんなに苦労をしなくてはならないとは。
……良い方向に考えれば何でも聞いてくれて相槌を打ってくれて、しかも周りからは仲が良さそうに見えるのだから問題無いのだが。
それに運良く目が合えば――無理して繕った物だが――恥じらいを含んだ笑みを見せてくれた。
それは先程シンジが学ばされたばかりの愛想だと、男もちゃんと気付いている。
「でもさ、そりゃバスは便利かもしれないけれど、ネルフなんか行く理由有んの?」
話の流れは互いの住んでいる地域からその建物の状況、そして交通の利便に移っていた。
「え?」
「あれ、まさか学生に見せかけてネルフに勤めてるとか? 幾つ?」
「14です」
14歳。予想通りの反面、年の差は7つも有る。……自分がそれだけ年を重ねていたという事か。
「じゃあ親が働いてるって所か?」
「えぇ、まぁ」
父親が働いているのは事実。
「違うの?」
「違わないんですけど……前のも違わないです」
意味がわからず男は首を傾げる。
「……僕も一応、勤めているから」
間を置いてからシンジが答える。その続きは何も言わないと決め込んで残り1つとなったおにぎりに口をつけた。
「んー……と、14でもバイトで雇ってもらえる、とか? いやあそこはバイトとってなかったか。でも14ったら未だ中学生だよな。義務教育じゃねぇの?」
男も弁当――期限が切れたので廃棄処分する予定だった物を密かに避けておいた餃子弁当――に再び食べ始める。
「……何とか言ってよ」
溜息混じりに数秒ももたない男が音を上げた。
「余り言っちゃいけないみたいだから」
「極秘勤務? っていうか極秘任務か? 格好良いなー、ネルフってそういうのやってそうだもんな。ね、どんな事やってんの?」
だから言ってはならないのだ、と返されると思いながら2切れしか入っていない沢庵の1つを噛んでいると。
「パイロット」
唐突な言葉に、銜えてた沢庵が口から落ちた。
「汚い……」
「あ、ごめ」
テーブルを汚した沢庵を箸で拾って弁当の蓋に置く。
「で、パイロットって何? 宇宙飛行士にでもなるのか?」
そんなに驚かせるつもりは無かったのだが、シンジが掴んだ飲み物のパックのストローからは中身が少し出てしまった。
「違いますよ!」
「違うの? じゃあ……あぁ、あれか? 『エヴァンゲリオン』のパイロットとか」
「はい」
「え、マジで?」
疑われた事を疑っているようにシンジは小首を傾げつつ頷く。
「うっそ、あれ本当に乗って動かすの? リモコンとかじゃないんだ、危なくね?」
おにぎりを置いて視線を下ろすシンジ。
「……多分、危ない」
「そんな仕事中学生にやらせてんの? 体力有る若者でも老い先短い爺婆でもがやりゃ良いじゃん」
「14歳しか動かせないから……」
「何で?」
「さぁ……でも僕以外のパイロットも14歳だから、多分本当にそれ以外は駄目なんだと思います」
「ふぅん……大変なんだな」
この短い会話でシンジが笑いながら肯定する事は無いと踏んでいたが、予想通り。
更にそんな事は無いと、やんわりとかわしたりもしない。
ただ表情が一層寂しそうな、苦しそうなものになっていた。
「食う?」
口を付けていない餃子を1つ蓋の上に乗せてシンジの方へ押してみる。
「いいです」
手を伸ばさないので恐らく不要の意味の「いい」だろう。
期限は切れているし箸も持っていないのだから当然の反応ではあるが。
「あのさ、あれだよな。あの……エヴァンゲリオンってでっかいよな。でも空から降ってくるヤツのがでかかったな。あれは流石に引いた」
「空から? この前の使徒ですか?」
「シト?」
よくわからない単語だが、まぁ訊いてもわからないだろう。
「何か先週有ったじゃん、市内全員避難しろってヤツ。その時空から来た目玉みたいな模様してた、汚いオレンジ色してたヤツ。アレ降ってきた時ばかりは避難勧告に受け入れたかったな」
「避難しなかったんですか……?」
「そりゃあな。だってここコンビニだぜ? 24時間営業が基本」
「基本って……」
「あの日は時間変わってくれって言われててさ。誰も客来ねぇのに俺1人……」
「そんな、何か有ったらどうするんですか!?」
柔和な顔を目一杯怒らせての大声には少し驚いた。
「……別に何も無かったんだから良いじゃん」
子供が子供なりに真剣になるのは悪い事ではないが、体に力の入った妙に生真面目な言い方をされてはこちらの力が抜けてしまう。
「怒った? 責任感強いね。ゴメン、ゴメン」
「別に……別にそうじゃなくて。責任感とか、そういうのじゃないんです。ただ僕は……」
人間として当然の事、なのだろう。生憎男にはわからないだけで。
「……あのさ、そんなに儲かんの? エヴァンゲリオンのパイロットって」
折角食事中に会話という音を持たせる為に招き入れたのに無言同士では意味が無いと思った男は唐突に言葉を吐く。
なる気は無いけど、と付け加えて尋ねると、シンジは顎を引いて視線を右上から左上へと移動させた。
時給制なのか日給制なのか、はたまた月固定給なのか。1番可能性が高いのは出来高制で敵を倒したら幾ら、辺りだろう。
「さ、あ……僕が直接貰うワケじゃないので……一緒に住んでる人に任せているんです」
その人は決して金銭面で頼れるとは思わないとか、そもそも貰っていないかもしれない、なんて可能性は黙っておくシンジ。
「んじゃ普通の中学生の小遣い程度? それじゃ日本守ってやってんのにあんまりじゃん」
『使徒』を好戦的な外国人か何かと思っていそうな口調を使ってしまったが、シンジは小さく首を横に振る。
「お金に関しては、ちょっとアルバイトしてます」
「バイト? ふぅん、ネルフは掛け持ち出来んのか」
そもそも義務教育と掛け持っているのだから当然かもしれない。
「どんな仕事? 中坊だから新聞配達とかしか無いか」
「んー……少し違います」
これは教えても大丈夫だと言われているのか、シンジの口調は焦らすように楽しそうだ。
「何、何? どんな仕事?」
「……エンコウ、です」
「は?」
エンコウ、えんこー、援交……
色々な言葉――といっても語彙が多いワケではないので限られているが――に脳内が変換してゆく。
しかしどんなに変えても、最終的には『援交』になってしまう。無論男の中でも援交といえば援助交際の省略語で、援助交際といえば売春の現代バージョン。いや、現代よりは少し古いかもしれない。
「……援交してんの?」
目の前で、まるで作文で取った賞を誉めてもらえるかとでもいうように目を輝かせている少年が、援助交際?
「……どんな……?」
自分でも心の奥底でこの質問の仕方は可笑しい気がした。
「どんなって言われても……言葉通りです。悪い事だと思います」
「そんな事簡単に言って良いのかよ」
「良くないとは思うんですけど、何かお兄さんには言いたかったんです」
信頼しているから? 否、赤の他人だから。
「……いや、まあ働くのは良い事なんだろうけどさ。金盗むのとは違って。でも人前じゃ言わない方が良いぞ。犯罪に抵触するっつーか立派な犯罪だからな。14歳未満はエッチするだけで相手が捕まるんだぞ」
「僕14ですけど」
「あぁ、じゃあ未満じゃないのか。でもあれだ、悪い事なんだって。そりゃお前なら美人なおねーさんが手ぇ出したいとか思うんだろうけど」
「だと良いんですけど、怖い人とか居ますから……偶に男の人も居ますし」
「マジで!? 掘られんの!? すっげ、世の中本当に有んのか!」
自分とは関係無い世界の出来事に男は喜々として食事を放棄した。
その目には好奇心と自らよりも下等な物を見る意識が混ざっているのがシンジにもわかる。
「あ、飯食ってる時にする話題じゃねぇか。……じゃあ今仕事帰り? それとも客が居ないから帰る所とか?」
「どっちも、です」
自分から振った割りにはこちらの態度が気に入らなかったのか、シンジは俯きがちに飲み物に口を付けた。
飲んでいるのか、そのフリだけなのか。口は放さないが喉が鳴らない。
「……あー……俺そろそろ休憩終わっちまうんだけど、事務所残ってく?」
「いえ! すぐ出ます。すみません」
口を放してすぐ喋り出せる辺り、やはり飲んでいなかったらしい。
「謝んなくて良いよ。こっちこそ付き合わせて悪かったね」
「あの、お陰で楽に、元気になりました。ありがとうございます」
「いやいや」
すっかり忘れていた。空腹で具合が悪そうだからと誘ったのだった。
シンジは急いで残りのおにぎりを口に含んだ。自分こそ遅れてはならない。残り僅かの餃子と米をかきこむ。
2人揃って大きく喉を鳴らして口の中を綺麗に飲み込んだ。
「う……」
「大丈夫か?」
シンジの呻きに不安そうに尋ねると、当然と言わんばかりに頷く。
「飲み物、残っちゃったから。どうしようって」
「持ってけば? 電車で飲み食いすんな、なんて前時代的だし。駅弁とか有るじゃん」
後半はかなり的外れだが、シンジは零れないようにパックの角を掴んで持った。
男の手によっておにぎり2つの包みと餃子弁当の箱と、それから男が飲んでいた清涼飲料水のペットボトルまでもが分別されずにゴミ箱に捨てられる。
罰の悪そうな顔をしながらもシンジは文句を言わず、休憩室の扉を開ける男についていった。
こうして見るとコンビニ店内はかなり明るい。もとい、事務所と呼んでいる裏側はかなり暗かった。
「おぉ〜い! ちょっと遅いから、次から気を付けてね!」
レジを空にして自分で入荷したお菓子の在庫をチェックしていた『ただのオッサン』が声を大にして言ってきた。
「すんませーん」
距離が有るからこちらも声が大きくなる。
シンジはそれが、大声か仕事に遅れる事かが嫌いなのか、どこか不満そうに目を伏せた。
男はレジに入り、シンジはそのままレジの外――事務所から見ると左側――を通る。
その目に、ふと半額シールの付けられた苺大福が目に入った。
レジの隣に有るそれは、いつでもどこでも定番商品。
だからなのか、それともスタッフルームに入ったのにこのまま帰るのは気が引けるのか、シンジはそれを手に取った。
「これ下さい」
「ん? 大福ね。はい……」
――バぁンっ
大きな音を立てて入り口扉が開かれる。
余りの音の大きさに男は苺大福を、『ただのオッサン』は整理中の新商品のお菓子を落としかけた。
「いらっしゃい、ませ……」
恐る恐る挨拶をしてみる。
背は高く、決して太ってはいない所かスマートと形容したくなる体型に見えるのに、服の下はきっと筋骨隆々だと思われる男。
無精髭を生やし、手入れを忘れたフリをして伸ばした髪を後ろにまとめ、だらしなく見せようとしているのに顔立ちが良い。
精悍なその顔を、まるで世界中を敵に回したように険しくして、振り向かないながらも扉の外に意識を集中させている。
開けた時の音よりも、この隠そうともしない存在感に圧倒されて店員2人はまともな挨拶も出来ない。
「……諦めたか」
低過ぎず耳に残る綺麗な呟きが客――寧ろ侵入者か?――の口から漏れた。
「加持さん!」
この固まりきった空気を破壊したのは、驚きと喜びを同居させたシンジの声。
「おぉ? シンジ君じゃないか。どうしたんだ、こんな所で」
「加持さんこそ」
会計前の苺大福を置いて駆け寄る。
「どうしてこんなコンビニに?」
こんなと言うな、こんなと。
バイトとはいえ店員としては複雑な気分になる。
「俺の今の家はここの近くなんでね」
「そうなんですか」
「で、君はどうしてこっちまで?」
言葉を失うシンジ。男からすればどんな関係かは知らないが、それでもベッドタウンのコンビニに1人で立ち寄る理由を言える関係ではないのは明白だ。
「……さては、俺に会いに来てくれたか」
「え?」
「違うのか?」
加持――と呼ばれる客――がこの辺りに住んでいる事を今知ったシンジが、そんな事をする筈が無い。
つまりは彼なりの気遣い、なのだろう。
教師になれば生徒からは好かれ愛されるが、同じ教師陣や放任主義の親からは煙たがられるタイプと見える。
「これからどっか行くか? ……と言いたいんだが、これから葛城ん家で飲もうと思っててね。車に酒積んであるんだよ。ツマミを買いに寄っただけ」
先程の全てを撃ち殺しかねない強張った表情から一転、少しルーズだが人当たりの良い好青年といわんばかりの笑顔と口調。
「シンジ君は何か食べたい菓子は無いか?」
「僕の、ですか?」
「あぁ。いや別に無理して酒飲めとは言わないよ。飲みたければ飲んでも構わないけど、一応未成年だから止めないとな。ただツマミを一緒に食う位はしてくれるだろ?」
それからシンジと加持は3列目の菓子コーナーを往復して適当に安っぽい菓子を見繕う。
会計前の苺大福をすっかり忘れてしまったように。共に昼食をとっただけのコンビニの店員も忘れてしまったように。
聞こえる話から考えると加持がシンジにとって例の援交の客ではない事は確かで、また血縁ではないけれどシンジからは信頼に近い物を向けているのがわかった。
だからどうした。自分には関係無い。
「会計頼むよ」
漸く思考回路が仕事へと動き始めて苺大福をレジ前の小さなかごに戻した時に加持の声が掛かる。
「あ、はい」
少し間の抜けた返事をしてバーコードを読み込んでゆく。加持から1歩下がった所に居るシンジは先程の具合の悪さを一切見せない。
本当に腹が減っていただけかもしれない。レジに置かれた菓子は腹に溜まりそうなクッキーだった。
「315円になります」
加持は長財布から千円札を取り出した。『ただのオッサン』は自分の仕入れた菓子の売れ行きに嫌良さそうに笑ってる。
「こんな夜中まで大変だな」
「は? あ、あぁ、はい。315円丁度お預かします」
話し掛けてきた加持がどんな仕事をしているかなんて男は当然知らない。
ただ、アルバイトではない予感はしていた。
自分とは圧倒的に違う経済力でシンジに菓子を買ってやったのだろうと。
「レシートお使いになりますか?」
「いや、要らないんで捨てておいてくれ」
「かしこまりました。有難うございました」
大きな手で菓子3つが入った袋を掴む加持。
「ご利用有難うございました」
「有難うございましたぁ〜」
マニュアル通りのもう1回の挨拶と間延びした挨拶に送られて加持はコンビニを出る。シンジを後ろに連れて。
家出少年が警察に保護されているような印象を受ける後姿を見送った後、店員とアルバイトの2人はまた誰も来ないコンビニでただ無駄に時間を潰すだけに戻った。
続く。
なんか面白そうだwktk
バイトの兄ちゃんのシンジに対する会話が、なんつか、リアルに一般人でなんかワロタし引き込まれた
すげええええ…エヴァの世界で出てきたら絵になるシーンだ…
wktk
まだかな
まだ65%しかできてないらしいよ
ほしゅ
hosyu
350 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/22(日) 00:55:55 ID:BFsXS51B
ちなみに精神汚染を受ける可能性があるから
覗くときは注意しテナー
ついでにあげるぞな
>>350 むしろ碇さんのお宅が精神汚染しまくり
正直親近相姦苦手だがこれは拒否反応出なかった
加持さんキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!
なんの話や
立場が逆スレの誤爆か?
孔雀ネ申待ち
いや、単に
>>354が久々にこのスレを開いて
孔雀氏の作品に加持が登場していたというだけの事じゃないのか?
すごい亀レスだな
和んだ
シンジきゅんのお値段をおしえてください
国が一つ傾くよ
一晩3万5千円(ホテル代別)
シンジきゅん
デリヘルお願いします
シンジきゅんとなら一生かかってでも返済するから前払いでやらせて下さい
なにげなく孔雀神の作品をまとめサイトで読み返していて気付いたのだが、シンジきゅん一晩二万円で二人を相手にお仕事していた
シンジきゅんは自分の価値を知らなさすぎる
だが、そんなところも激萌えポイントかも試練
性病が怖いお
シンジきゅんとヤれるのなら性病くらい
性病なんてならないよ
だってシンジきゅんだし
>>350 すごくいいお話だったよ。
実はゲンドウも・・・の部分はびっくりしたけど、
「家に来い」と言って、シンジが手をつなぐシーンはすごくよかった。
>>370 シンジきゅんが悪い奴に買われて変な病気を移されたらどうしよう…
とかフィクションに余計な心配をする俺
だけどこれからの男娼展開にもワクテカしている俺
一体どっちが本当の俺なんだ
くそう、これもシンジきゅんが愛らしすぎるせいか
(´・ω・`)
(´;ω;`)ブワッ
投下しにきました。日が空きましたが一応前からの続き物です。
諸注意
・前と違って少し長い
・男女の性描写っぽいの有る
・かといって似非ホモっぽいのも有る
・気持ちNTR
・とある病気の描写がございますが、当方はけっして該当する方を非難しているわけではございません。
・…方言有ったら言って下さいorz
何かスレタイからズレてたり一部の方は視点に不満が有ったりすると思いますが、
一応続く事を考えてなんでご了承下さいです。
今日はもう聞かないと思っていた声で「ただいま」と聞こえた瞬間、葛城ミサトは体をこわばらせた。
碇シンジの帰宅が嫌なワケでは決してない。ただ、何故か妙に悪い予感がした。
だが、やはり玄関を開いて「ただいま」と挨拶してくれる同居人が居るのは、なかなか悪くない。
ダイニングキッチンのテーブルにビールの缶を空1つ、現在飲んでいる物を1つ、それからツマミに期限の近い納豆を広げている。
この散らかし具合は怒られないだろうか。……と心配するのは、どちらが保護者かわからないと笑われそうだ。
「おかえりー……ゲッ」
いつも通り気の緩んだ笑顔から一転、ミサトの顔は見事なまでに引きつって固まる。
「ただいまー土産だぞー」
中途半端に開いた口が閉まらない。
「ほら、有名な地酒……」
「ぬぁにがただいまよッ!」
当然シンジ1人が手ぶらで帰宅したものだと思っていた。
この際何がどれだけ入っているか見当付かない手土産の買い物袋を持っているのは良いとして。
まさか後ろに同じように買い物袋を、それも2つも持った加持リョウジが居ようとは。
「帰宅した時の挨拶はただいまが基本だぞ」
「そうじゃな……」
「シンジ君、葛城はお帰りの一言も無いのか?」
「いつもはそんな事無いですよ」
「お帰り、シンジ君」
嫌味たっぷりに引きつったままの笑顔で言ってやったが、気まずそうな顔をしたのはシンジのみ。
「シンジ君、ただいまは?」
「ただいま」
よしよしとシンジの頭を撫でる加持。来るとわかっていればせめて今日の昼間職場たるNERVで着ていた服のままで居たのに。
想像もしていなかったミサトはすっかり、いつでも寝られるようにと素肌に黄色いタンクトップ1枚、下も太股を過激に露出したデニムを履いて素足の状態。
不幸中の幸いは相手たる加持も詰襟の制服ではなくいつものワイシャツにネクタイを締めただけのラフな姿だった事。ネクタイも彼程緩めればフォーマルさが抜ける。
「お? アスカはどうした?」
「とっくに寝たわよ、だーいぶ前に。こんな時間にお客さんが来るってのは迷惑なのよ」
「この時間なら。アスカ未だ寝てないんじゃ……」
鋭い。もしくは空気とミサトの気持ちが読めていない。
同じ家に暮らしているとはこういう事だと今回は嫌な意味で実感させられた。
自分が加持と暮らしていたあの懐かしい時分にも、こんな事が有っただろうか?
「……何でも明日朝から友達と映画見に行くんだそうよ」
だから夕食を簡単に用意してくれていったのは助かった。と言おうとして、加持が居る手前言葉を飲み込む。
「あの、皆が言ってるヤツですか?」
「多分ね。お陰で早くお風呂入らされちゃって困ってたのよ」
「そりゃ大変だ。じゃあシンジ君、グラス3つ用意してくれ。出来れば余りデカくないヤツを頼む」
「はい」
「何がじゃあなのよ! シンジ君もいちいち返事をしない! っていうか本当に出さない! その前に何で私じゃなくてシンジ君に言うのよ!!」
バン、とテーブルを叩いて立ち上がる。
「全部まとめてツッコミ入れるとは、やるな葛城」
「誉められても嬉しかないわよ!」
そもそも誉められている気がしない。
そんなやり取りを気にせずに、シンジは加持に言われた通り食器棚からグラスを3つ持ってきていた。
「これで良いですか?」
「有難う。お、これこの前の結婚式の引き出物だな」
運ばれたグラスを手に取って加持は目を細める。
「そうよ。ったく、どいつもコイツも結婚しちゃってさ」
グラスと言われたのでシンジは安いコップではなくワイングラスを持ってきた。
ペアのグラスと、もう1つはそれより一回り小さい、こちらは水色掛かったグラス。
加持が手にしているペアのグラスは透明だが、取っ手部分に綺麗だが邪魔な、よくわからない一応アールヌーボー調の模様が入っている。
別に貰っても嬉しくはないが、名前やら顔写真やらが入っている皿と比べれば何倍も使い勝手が良い。
「酒って言っても地酒が美味い所じゃなかったんでな。普通にワイン買ってきたんだよ。ほれ」
1番重たそうな買い物袋から出てきたのは赤ワイン。
見た事の無いラベルだが、決して安物じゃない。しかし年を重ねて宅飲みを良しとしなくなったらしい加持が高級品を買ってくるだろうか。
そもそも、どこに行って良い地酒が無いと言っているのだろうか。
……別にそんな事を訊く必要は無いし、今は訊ける立場でも関係でもない。
「美味しいの? それ」
「不味い時の為にもう1本」
同じ袋から出てきたのは瓶ビール。
「葛城はこっちのが良いだろ」
「それいつも飲んでるわよ」
今もまさに飲んでいた。
だが、口ではそう言いながらも目はそのビールを見ている。
「そうか? んじゃあチューハイとか」
同じ袋から缶チューハイ。
「気分を変えてカクテルとか」
同じ袋から缶ジュース……にしか見えない最新の安物カクテル。
「普通に酒だって買ってきたぞ。これは家の近くのコンビニでだが」
同じ袋から、遂には25度の焼酎瓶。
「最近のコンビニは何でも有るな、数年前と大違いだ」
「どんだけ買ってきてんのよ……」
「明日は休みなんだから良いだろ」
「加持さんも明日休みなんですか?」
袋に入っていた持参品のソムリエナイフを手に、どうやって使うか模索していたシンジが尋ねる。
「あぁ。シンジ君は学校が休みで、葛城も明日は休み。だから今日は3人でめいっぱい飲もうな」
「僕は未成年だから飲めませんよ」
「なぁに言ってるんだ」
シンジの手からひょいとソムリエナイフを取り上げる。
「ここまで来て飲まないなんて言わせないよ。別に誰に迷惑が掛かるでもなし、酒で成長が止まるワケでもない。シンジ君の健康状態からすりゃ、俺達がちょいと飲むより良い位だ」
口八丁とはまさにこの事。加持は口が上手い。
よく喋るとか語彙が豊富とか、そんな段階ではない。上手いのだ。自分の言いたい事を最後まで聞かせるように運び、相手が気付けば笑いながらYesと言ってしまっている。それに声も良い。
最初はその話と長身で顔の作りが良い所が気に入った。
だがその言葉達はセカンドインパクトの傷の1つでしかなく、その暗い過去やらギャップやらが格好良かった。
其の頃は自分も若く、そんな彼を受け入れてやれると驕っていた。
加持もミサトの過去の傷を、胸と心の傷を舐めて慰めてくれた。
愛し合っていると信じていたし、事実愛し合っていた。
最後は互いに溺れ合っていくその愛情の行く末がただただ怖かった。
――シュポン
もう8年近くも前の事を思い出している間に、加持はワインのコルクをどの袋からか取り出したスクリューで抜いている。
「まぁ1杯位は付き合えって。2杯目からは葛城と同じビールで良いから。あ、栓抜き取ってきてくれ」
「はい」
ビールもアルコール飲料だと言う暇も無く、シンジは素直に再び食器棚に向かった。
「葛城も最初の1杯位はワインにしてくれよ。折角手に入れたんだから」
「そんな良いワインなワケぇ? 諜報部の給料はよっぽどお宜しいようで」
加持にとって都合の悪い事はワインを注ぐコポコポという音に掻き消された。
ワイン独特の、でもどこか甘ったるさを覚える香りがテーブルの上に伸び広がる。
「年代物じゃないが日本人の好みやすいタイプらしい。話の種にでも飲んでみたって罰は当たらないさ」
「罰当たったって飲みたきゃ飲むのが基本よ」
神様の下す罰なんて少しも怖くない。
観念し、寧ろ楽しむ勢いでミサトはグラスを手に取った。
「シンジ君は少しの方が良いかな?」
「僕は……本当に結構です」
「じゃあ1口飲んで駄目そうだったら止めれば良い。大丈夫そうだったら少しずつ飲めば良い。これ以外に土産が無いんだ、受け取ってくれ」
拒む余裕を与えず、しかしペアではない方の小さめのグラスに少量だけ注ぐ。
香りも色も鮮やか過ぎて、まるでグレープジュース。
そう思えたからなのか、結局シンジもグラスを手に取りいつもの席へ座った。
「さて……特に乾杯する理由も無いな、乾杯!」
「か、乾杯」
アスカの座る席へ着いた加持のタイミングの掴みにくい音頭に続いたのはシンジのみ。
既にミサトは座り直し、グラスに口を付けている。
「あまっ」
そしてミサトの苦情。
「こりゃちょっと酒っぽくなかったな」
「赤ワインなんて小洒落た物にしようとするからよ」
「やっぱワインは寝かせた物じゃなきゃ駄目だな。でもまぁ、この方がどんどん飲めるだろ」
「次のビールまで、すぐっぽいわね」
ぐっ、とグラスの中を一気に飲み干すミサト。
普段ビールを飲んでいると、アルコール度数の高い酒でもついハイペースで飲んでいってしまう。
このままではすぐに悪酔いしてしまう。ただでさえ目の前の晩酌相手がこの男なのに。
空になって置かれたグラスにミサトの心情を知ってか知らずか、加持は再びワインを注いだ。
加持もかなり早いペースで飲むつもりらしく、ボトルの中身はどんどんミサトと加持とのグラスへと分けられていく。
どちらが先に酔い潰れるか、何かにも似た駆け引きが始まった。
しかしその駆け引きは意外な決着を迎える。
寧ろ決着を、終わりを迎えられなくなってしまった。
「んーペンペンあったきゃーい……」
強く強く抱き締めてくるシンジにペンペンは唸り声を返そうにも返せない。
「シンちゃんが笑い上戸なのはちょっと意外だったわね」
「全くだ。泣き出すか……もしくは父親に似てちっとも酔わないか、だと踏んでたが」
「碇司令って酒強いの?」
「一緒に飲んだ事は無いがな」
確かにゲンドウが酔い潰れてヘラヘラ笑っている姿やいきなり号泣し出す姿は想像が付かない。飲めば荒れる、という想像も何故か今は出来そうにない。
「ねぇっ」
いつの間にかペンペンを放したシンジが顔を真っ赤にして、テーブルに手を付いて向かいに座るミサトへと乗り出す。
「父さんのお話ぃ?」
「ん、違うわよ」
「なぁーんだぁー」
わざとらしい膨れっ面でガタンと椅子に座り直すシンジ。
ほんの1時間前までアルコールのアの字も知らなかった子供が、こんなにも酒を楽しめるようになるとは。
楽しむどころか完全に酒に飲まれているのだが。その所為で父親のゲンドウの怒り上戸で酔う姿が想像出来ないのだろう。
そんなシンジの姿を見せられては、ミサトも加持も酔うに酔えない。……だが、一応純粋な酒の味は楽しめている。
「じゃあ2人で何のお話してるんですかぁー」
椅子から落ちてしまいそうな程身を乗り出して加持に擦り寄る。
「さぁ、何の話だろうな?」
シンジの右肩に腕を回して加持もシンジを抱き寄せる。椅子が不安定に傾き、全体重を預けたような格好。
「加持さん、またヒゲ伸びてる」
身長差は有るが座っているので座高の違い程度しか無く、自然と顔と顔とが近付く。この距離なら互いの息遣い――確実に酒臭い――までわかる筈だ。
「剃らないのぉ?」
「んー……面倒臭くてな」
空いている左手でグラスを取り、加持は新製品の毒々しいカクテルを飲む。
「剃らないのぉ? 剃った方が良いのにぃ!」
普段ならば絶対使わない言葉は相手の男に気が有る女が使うそれで、見ているだけで何やら苛立たしい。
「ヒゲは嫌いか?」
「いつも位なら良いけどぉ、あんまり伸ばすと父さんみたいになっちゃうから駄目!」
「そうか、駄目か」
くつくつと笑う加持の顔はいつも彼が繕っている調子に乗っている顔に見えるが、酔いが回っているようには見えない。寧ろ酔えなくて必死に酔ったフリをしているような……
隣のシンジが酔い過ぎているからそう見えるだけかもしれないが。
「シンジ君に嫌われるワケにはいかないから、そろそろ剃るとするかな」
自らの手でザラザラともジョリジョリともいえない顎を擦る。と、その手にシンジの右手が触れた。
「剃った方が良い?」
「うん」
「剃ったらキスしてくれるか?」
「うん」
大きく頷いたシンジは加持の左手を払い、唇を押し当てる。
……ヒゲの有る頬に。
「ちょっとぉッ!」
ドン、と大きな音を立ててグラスを持ったミサトの手がテーブルを叩いた。
「おい、割れちまうぞ」
「うっさいわね! アンタ何考えてんのよ!!」
「何って……なんにも、なぁ?」
「なー」
ペンペンの次の犠牲者は加持といわんばかりに、椅子から立ち上がって首に両腕を巻き付ける形でシンジは抱き付く。
「例えアンタにそっちのケが有ったとしても、シンジ君には手ぇ出させないわよ!」
「そんなつもり無いよ。シンジ君は、いわば俺の娘みたいなモンだからな」
お手上げ、言葉通りに加持は両手を海外ドラマの要領で上げて見せた。
「娘じゃないよ、息子だよー」
「そもそも子供じゃないでしょ」
シンジの方は邪気が一切無いらしく間伸びした言葉を吐いてそのまま寝入るように体の力を抜いた。重たそうに、そして満足そうに加持は微笑む。
「息子はどっちかっていうとアスカだな。父親と遊んでもらいたくて母親に反抗的な息子。シンジ君は父親にオドオドしながらも本当は懐いてて、でもつい母親の方にいっちまう娘。で、どうだ?」
どうだと訊かれても何と答えれば良いのか。
「まぁ、そんな感じは有るのかもしれないけど……そのお母さんって私の事?」
「勿論」
悪びれる様子も無くどこか満足気に加持は頷く。
「こんな大きい子供、いきなり出来たら困るわよ」
「だが2人はきっと喜ぶぞ」
「そんなワケ無いわよ。……多分」
そういえば2人揃って両親に、家庭環境に恵まれているとは決して言えないのだった。
かといってミサトと加持の間の子供だったとしても、それはそれで宜しくないだろう。
「ま、これだけ家の中の仕事出来ない奴が母親ってのは、確かになぁ」
「うっさいわねー。これから家事は男がやる時代なのよ」
もう何年も前からどこでも誰でも言っているような台詞に加持は口の端を上げた。
「なら丁度良いな。一人暮らしを長年やってきた甲斐が有った」
「アンタみたいな浮気症の男……」
続く言葉が出てこない。それが彼の、仕事と人生の一部をスムーズにする為フェイクに過ぎないと知っているから。
軽そうな彼の容姿にかっちりと当てはまった、彼らしく彼の本性とはかすりもしない上辺。
「……アンタの子供なんて、見たくもないわよ」
「そうか」
「ッ!?」
今、自分は何と言った?
ミサトは慌ててほぼ空のグラスを押し当てて口――から知られかねない表情――を隠した。
目の前の加持は楽しそうにシンジに首を抱かせたまま、しかし悲しそうに視線を、2人を挟むテーブルの端から端までを泳がせている。
こんな事を言う筈じゃなかったのに。寧ろ正反対の事をずっと胸に秘めてきたのに。
そうだ、あの頃から何ら変わり無く今も未だ思い続けている。
「ち、がう……のよ……」
何を言っても後の祭りだが、それでも頭は言い訳を必死に探した。
「残念だな、そりゃ」
いつも通りの軽い口調なのに違いがはっきりとわかる。
その違いはシンジにはわからなかったのか、何かを探すように眠たそうな体を加持から離した。
その背を加持の手は子供を寝かし付けるように優しく叩く。
「俺は葛城の子供だったら是非見てみたかったんだけどな。出来れば俺とお前の子をさ」
ほろり、と。
止める気すら無い涙がミサトの右目から零れた。
「な、何馬鹿言ってんのよ、馬鹿!」
続いて左目の涙が零れる。それらを追い掛けるように両目から涙が次から次へと溢れて顎まで伝う道を作る。
欲しかった。あの頃、『それ』をする切っ掛けに、けじめに子供が欲しかった。
万が一出来たら「ちゃんと付けないから」なんて怒って、周りからも「お前達は」と肩を落とされて、そんなぐっだくだの流れで『それ』が出来てしまうものだと思っていた。
しかし叶わぬ夢。そんな平凡で、他者からすると恥ずかしい位の日常は、非日常を体験して非日常に生きる道を互いに選んだ2人には降りてこない。
セカンドインパクトはあれだけの痛手だったのだ。胸の消えない傷と心の癒えない苦しみの他に、治る事の無い病も残してくれた。
「無理なのよ、私には……」
「あぁ、知ってる」
「だから嫌になったんでしょ」
「別れを切り出したのはお前だ。それにお前を嫌だなんて思った事は無い。例え子供が産めなかろうと、育てられなかろうと、お前の部分コピーよりもお前自身の方が良い」
それこそ今更だ。付き合って輝いていたあの時代に、何とは無しに欲しいと言っていたのだから。今しがた、再び見てみたいと漏らしたのだから。
もしも自分が普通の女性だったら、きっと加持の言葉は何よりも嬉しかったのだろう。しかし自分は普通の『女性』ではない。
父と、それから母を失ったあの日に、自らが母になる資格すら失っている。
「ミサトさん」
テーブルを濡らす雫ばかりを眺めていた顔を上げると、視線の定まらないシンジがこちらを見ていた。
誰が見ても酔っ払いの顔を、心配そうに歪めている。
「あっ、ゴメンねシンちゃん、ちょっち感傷的になっちゃったみたいでさ! これだから年取るのは……」
目を真っ赤にしたままのミサトの言葉は、シンジが抱き付く事によって遮られた。
「シンジ君?」
酒が回っているのか体が温かい。
控えめではあるけれど柔らかな温もりに包まれてしまっては、涙も止まる事が出来ない。
「良かったじゃないか、ちょっと酒に弱いみたいだが、健康で優しい子供が出来て」
そんな言葉は涙腺を更に弱くする。もう泣き止まなくても良いのだと許しを得たように、ミサトは久々に素直になって、シンジを抱き締める。
「ちょっとぉ……」
数十分後、ミサトは遂に不満の声を上げた。
「寝るなら布団で寝なさいよぉ〜」
抱き締めたのではなく、体を預けた……正確には寄りかかって全体重をかけてくるシンジの体は、引き剥がそうにも離れない。
「シーツ洗濯しちゃったんですー」
我儘な子供そのものの語尾の伸ばし方をシンジがしているのを初めて聞いた。この状況ではちっとも嬉しくないが。
「じゃあシンジ君、どこで寝るつもりだったんだい?」
加持も加持なりに酔いが回っているのだろう。いつもの軽快な舌の動きとは少し違う。
「泊まる筈だったから、良いかなぁって。あぁーどうしよう、ミサトさん、僕どうすれば良いんですかぁ?」
「知らないわよもぉー! 私の部屋で寝れば良いでしょ。ほら」
よいしょ、と掛け声を付けてシンジを抱える形で立ち上がった。
「そのまま運ぶのか?」
「そう、よ……重いぃ!」
どちらかといえば体重の少ないシンジだが、それでも14歳の少年ともなれば女の細腕――それなりに逞しくはあるが、一応女性なので――しか持ち合わせていないミサトには軽々と運べる程ではない。
「どれ、貸せって」
「良いわよ。ほらシンちゃん、歩きなさい」
引き摺る形でふらつきながらもミサトは奥の自室へと向かう。
「布団位敷いてやるか?」
「もう敷いてあるから平気!」
さり気無く万年床宣言をしてしまった事を後悔するのは、部屋に入って戸を閉めて、電気を付けるより先にシンジを布団に寝かせてから。
やばい、アイツ絶対勘違いしたわ。
勘違いも何も、事実なのだから言い訳も思い付かない。
「……ミサトさん」
「ん、なぁに?」
早々に目が慣れてきたのか、真っ暗な部屋の筈なのにシンジの顔はよく見えた。
布団の上に仰向けに横たわるシンジ。未だ赤らんだ頬は戻らず、重たい目蓋を必死に下ろさぬように黒目だけでこちらを見ている。
「眠い」
「はいはい、寝て良いから」
「うん」
遂にシンジは目蓋を下ろし、「ねぇ、ここミサトさんのお部屋ですよね? ミサトさん、今日どこで寝るんですか?」控えめな声で既に寝言のように呟いた。
「私はどこででも寝れるわよ」
布団の足元側にぐっちゃぐちゃに畳んで置いた薄手の掛け布団を腹に掛けてやる。
「僕も、どこでも平気です」
そう言いながらもシンジは目を開けず、呼吸音を徐々に大きくしてゆく。……しかし、心なしか先程よりも口調はしっかりとしている気がした。
今にも寝入りそうな子供の顔。染まった頬もまるで遊び疲れた幼い子供。そんなつもりは決してないが、子守りをしているような錯覚に陥る。
腹部を布団越しにポンポンと優しく撫で、ゆったりとしたリズムで軽く叩く。1つでも子守唄を知っていれば歌って聞かせてやれるのに。
寝入るまで見守っていたいが、戸の向こうで加持が1人寂しく飲んでいると考えると、向こうにも早く行ってやらねばなるまい。これでは2人の子供の面倒を見ているようだ。
「ん……」
そう思って手を離すと同時に、シンジは声を漏らして掛け布団の右端を抱き締める。
「何か……眠くなっちゃって……」
手が離れると寂しい、とでもいいたいのだろうか。
だとしたらこの子供は随分と手間のかかる、そして自分に近い可愛い子供だ。
ふふ、と女性らしい穏やかな何かがミサトの唇に乗る。
「……じゃ、私も寝っちゃおっかな!」
そんな笑みを隠すようにとシンジの体の左側にどん、と勢い良く寝転んだ。
その際に頭だけ敷布団に受け止めてもらえず、床にごんとぶつけてしまったが、少し痛いだけなので気にしない。
「ねぇ、ねぇ! 一緒に寝ちゃおうかなぁー」
嫌がられるのを承知で、寧ろ望んでシンジに右手を回してしがみ付くミサト。
「そうして下さい」
短い言葉を吐いてシンジはミサトの予想と180度違う行動に出た。ミサトの手が放れると同時に自分も掛け布団を放し、体をそれこそ180度回転させて、ミサトと向かい合う形になる。
「……シンちゃん?」
「いっしょ」
それだけ呟いて布団代わりにミサトに抱き締める。
「シンちゃ、ちょ、ちょっと! シンジ君!?」
今にも寝付いてくれそうな息遣いなので声を余り大きくしなかった……のがいけなかったのか、繰り返し呼んでも返事も無しに抱き付いたまま離れない。
「あのーもしもし? シンジ君? おーいシンジ、起きろー。起きなくて良いから放してー」
「嫌です」
目を閉じたままきっぱりと断言したシンジは豊満すぎるミサトの胸に顔を埋めた。
「あのねぇ……」
もしこんな所を加持に見られたら何と冷やかされるかわからないのに。下手をするとあらぬ誤解を受けるかもしれない。
否、誤解は誤解だが、別に誤解されてはならない関係ではない筈だ。ミサトと加持は。少なくとも今この時点では。
それでも気になってしまうのは、やはり意識しているからだろうか。別れてから今までずっと心の奥底の片隅で意識してきたからだろうか。
「……あのねぇ」
もう1度、今度は自分に対してミサトは呟く。
「寝るまでよ、寝るまで」
子供が眠るまで父親の傍から離れる母親位、居ても良いだろう。
自分もシンジの事を笑えない程度には酔いが回っているからと決めて、シンジの頭を更に埋めさせ、優しく髪に指を通した。
シンジの鼻からは健康的な息が漏れているが、起きている証に少し不規則。目も閉じたままではなく瞬きを不定期的に繰り返していた。
その所為で、鼻息も睫毛もくすぐったい。
大きいと感度が鈍るとの噂――迷信、だろうか――が有るが、それはミサトに当て嵌まらない。胸と胸の間、両方の胸の内側を指先で撫でられているようなもどかしさに、長い足と足を擦り合わせてしまう。
子供――当然娘ではないが、やはり加持のいうように息子も違う気がする――として見るにしてもシンジは既に14歳。子供から大人へ向かう青春の、更に1歩手前の思春期。誰よりも子供扱いしてはならない年頃。
「14、か……」
自分が14の頃はどんな考えを持っていただろうかと考えようとして、すぐに止める。丁度14歳だった、セカンドインパクトが有ったのは。
そういえば、加持が14の頃はどんな考えを持っていたのだろう。
ふと締め切っているので明かりも漏れてこない戸の方に目を向ける。奥で1人飲んでいるのか、もしかすると珍しく酒に潰れてテーブルに突っ伏して寝ているかもしれない。
「大人というより、オジさんよね。って言ったら、私も充分オバさんだけど」
そんな独り言を吐いているこの時分こそオバさん臭い、と付け足そうとした瞬間。
「そんな事無いですよ」
胸元がくすぐったく喋る。
「女の人は30歳からって、よく言うじゃないですか」
未だ29だが……いや、始まっていないと言いたいのだろう。これからだと言ってくれるのだろう。そうであって欲しい。
「家の中の事に関しては大雑把というよりズボラで、もう何やっても駄目ですけど……」
「シンちゃーん、私を貶したいのかしらぁ?」
「でもお仕事はちゃんとしてるし。それに、中身もこう……」
「中身若いって言われたって嬉しかないわよ」
ぐぃとシンジの頭を掴んで体から引き離した。
「じゃあ何で言えば良いんですか?」
寝惚け眼で不貞腐れた物言いをしたシンジだが、ミサトが口を開くより先に表情を一転させる。
それはどこか、少年なのに艶かしい雰囲気を持つものに。
「行動で示した方が良い?」
「えっ?」
「『貴女は魅力的です』って、言うよりも……」
顔が近付いてくる。右頬に、シンジの左頬が当たる。
「……駄目、よ」
言いながら、何故か止める気が起きない。手持ち無沙汰の両手は自分タンクトップの裾を掴む事しか出来ない。こうしている間にもシンジの頬はミサトの首筋へと降り、角度を変えて唇を押し当てているのに。
子供がじゃれ付いてきているだけに思えない。肌に掛かる息が酒の所為で熱く、酒気を移されているのか? それだけじゃない、ミサトも最初は何だかんだと言いながら数分前まで結局楽しく飲んでいた。
あれだ、思春期ド真ん中の14歳の男となれば、きっとそういう盛りなのだろう。こんな女子供のような顔をしていても、頭の中は『それ』でいっぱいで、酒や眠気で欲望が剥き出しになってしまった、なんて所だろう。
もしくは覚えたて、だからなのかもしれない。いつ頃からかはわからないが、可愛い部下の嫌な噂をミサトだって聞いた事が有る。話していたのは誰だったか忘れてしまったし、第一言っていた人も「まさかね」程度に流していた筈。
だがもしそれが本当だったら、覚えてしまったばかりなら、自意識過剰にも出る所は出て締まる所は締まった女の体が目の前に無防備に置いてあるのだから、仕方無い。
年上の女性と交際している。それも1人ではなく複数と。もしくは年上の男性と。
アバウト過ぎる気もしたが、噂なんてそんな物だ。女か男か両方かは知らないが、年上の人間と交際していると噂されるシンジは唸るように息を熱くしている。
何をしているんだろう、と思いながらミサトはシンジの唇に自分のそれをゆっくりと滑らせた。
抵抗はされない。それどころか、まるで待ってましたと言わんばかりにシンジも顔の角度を変えて応えてくる。
やがてミサトの意識もこれが至極当然との考えに変わる。薄暗闇の中、多少年が離れていようとも男女が布団の上で抱き寄せ合っているのだから、これは仕方が無い。
そう思う頃にはミサトの舌は2人の唇を割ってシンジの咥内へと進んでいた。
「ん――」
先に声を漏らしたのはシンジ。
ミサトは慌てて唇を放し、「しっ」と黙るように促して再び口付ける。
少年の咥内は熱い。しかしこの熱さと妙な苦さは酒が原因だろう。時にぶつかり合う鼻から酒の匂いが入ってきて、更に思考を鈍らせた。
くちゅくちゅと淫らで小さな音は徐々にテンポを落とし、やがて互いの唇が暗闇の中糸を引きながら離れる。
「ミサトさん……」
体を起こしたミサトに掛けられる呼び声。切なげに訴える声は掠れている。明かり1つ無い部屋で更にミサト自身の影も落とされて、それでもシンジの表情はよく見えた。
声に合った寂しげで貪欲な顔。まるでこちらに無理矢理押し倒された少女のよう。
慣れていない、もっと正確に言えば気が引ける、そんな状況。しかしミサトの豊富に見えて乏しい知識の中では男をこれだけ欲情させてしまったならば、きちんと責任を取ってやるのが女、となっている。
悪ふざけとはいえ、不覚にも最初に仕掛けたのは自分だ。……電気の一切無い自室がミサトの取るべき行動を間違えさせた。
――バサッ
布団へと落ちる黄色いタンクトップ。露になる下着を身に付けていない恥ずかしい程に成熟した乳房。
「シンジ君」
名を呼ぶ女性に向けて手を伸ばすシンジ。暗闇の中でもそのプロポーションが女性として理想的過ぎる程に整っているのがわかる。
「ん……」
寝起きのそれに似た声を出しながら伸ばされたシンジの手が無造作にミサトの左胸を掴んだ。手の平の中央に当たる突起の主張が硬い。
この闇の中ならば傷も見えまい。
「出す物出してスッキリして、良い子はとっとと寝るのよ」
下から伸ばされた両手が初めて触れる大きな胸に戸惑いを見せずに形を変えようと揉んでくる。愛撫とは程遠い好奇心だけの手付きが、くすぐったくて肌がぷつぷつと粟立つ。
シンジは、シンジの手はただ純粋に「大きな物」に触れたいだけなのだろう。外から内へと遠慮無く形と感触を楽しむ手。中央には敢えて触れない。
まるで時間が有る日の、彼の悪戯な手だ。
「ッ!!」
そうだ、その『彼』は引き戸を開けばすぐそこに居るのだ。思わず息を呑み、ミサトはシンジの手首を掴む。
「……駄目?」
自由気侭にしていた手の行方を拒まれたシンジは唇を尖らせる。
「え、あっ……」
慌ててその手を解放してやるミサト。
「ごめん、そうじゃないわ」
何も言われていない。でも見透かされているかもしれない。別の男の事を考えていたと。
それを知られて何だと言うのか。別にシンジと付き合っているワケでなければ、今は悲しい事に加持と付き合っているワケでもない。
1つ溜息を吐いて、ミサトは再びシンジの手首を掴む。そして今度は反対に自分の胸へと引き寄せる。
「柔らかい……おっきいし、気持ち良い……僕、大きいおっぱいの方が好き、かもしれません」
自分の趣味嗜好の話でも断言しきらないシンジらしい口調に苦笑いを浮かべ、その指先を胸の尖端に触れるように運ぶ。
「大きい方が好き?」
「……多分」
「煮え切らないなぁ、好き?」
息の多い、少し低い声になっている事に、ミサト自身も気付かない。細い指先の掠める感触がもどかしい。
「こんな大きなの、触った事無い……」
「そう……大きいとね、こういう事も出来るのよ」
足を滑らせてシンジの視界から消えるミサト。何事かと上半身を起こしたシンジの体の丁度曲がっている部分、つまりは股間へと露になった胸を押し付ける。
カチャカチャと音を立ててシンジの下半身を下着ごと脱がす。
「う……」
急に性器が冷気に触れてシンジは声を漏らした。
同居初日にもシンジの性器を目にしたな、と思い出す。激動なんて言葉すら陳腐に聞こえる程の毎日だったのですっかり忘れていたが、確か中高生向けの教科書に出てきても可笑しくなさそうな色形をしていたが……今は違う。
「なぁんか、可愛い形してるわね」
茶化すとシンジはムッと眉間に皺を作って顔を真横に背けた。
さて洗おうとしていたあの時の様子とは違い、先は天井へと向かっている。向かおうとしている。上手く勃ちきっていないような、所謂半勃ち状態。
興奮してもらえなかったのか……と思いたくないのか、ミサトの頭の中では「これが酒の威力なのだろう」とまとめられた。
未だ下がっても見える性器を胸の中央に当てる。
まるで憎い傷を自ら犯しているような、少し嫌な気分になったが、気にしてはいらなれない。思い返せれば、それはいつもの事だったのだから。
胸と胸の間に暖かいを通り越して熱い感触。久々の行為にミサト自身も興奮してきた。
大き過ぎる胸はコンプレックスの1つで大きさを誉められてもちっとも嬉しくなかった。だから胸の形なり何なりを誉められた時に初めてこうして奉仕してやっている。
そもそもこれ自体余り好きではない。子供を、赤子を育てる為の器官を育った大人がこうして使うなんて。
「ん、ぐにぐにする……んっ、ん……」
性器とは全く違う、当然誰かの手とも違う感触が勃ちきらない性器を無理矢理こそうとしてくる。
潤滑油が無い為に擦れて少し痛い。恐らくシンジとしても多少痛いだろう。痛痒い、のような感触。
ドクドクと脈打つ性器は先程の手付きより余程愛撫されている錯覚を与えてくる。わざとぶつけられているようなミサトの好む雄々しさが有り、挟んだ胸を動かす手に力が入った。
「ちゃんと感じてくれちゃってるのね」
性器の熱さも硬さもどんどん増していく。
「おっぱい、気持ち良いから、アぅ……」
この調子ならすぐにでも射精してしまうだろう。
胸を汚されるのは不本意だが、服を汚されるよりはマシだろう。白くねばついたそれの臭いが体に付くなんて考えたくないが、拭けば取れる筈。若い子の物はどうかわからないが。
髪に掛けられては拭くのに時間が掛かる。もし遅いと加持が見に来ては大変だ。きちんと胸に吐き出せるように更に性器を埋めさせる。
――ずりゅっ、ずりゅっ
上を向いた性器の小さな点から先走りが漏れて潤滑油の役割を果たし、同時に淫らな音を暗闇に轟かせる。
2つの尖端が同時に性器に触れ、尚且つそれを自ら擦る。……ミサトの体はビクリと跳ねた。
「ンっ、それ良い……コリコリしたの何? すご、く、イイんっ!」
「じゃあ、さ……さっさとイッちゃって、くれないッ?」
声が上擦る。首を使うのはミサト自身も感じてしまうので良くない。自分まで一緒に達するつもりは無いのだから。
しかしシンジは相当気に入ったのか胸の尖端を探して腰を浮かせてくる。
「ん……ね、口でシた方が良い?」
良い? と訊くよりも早い? と訊きたい。早く終わらせたい。
決して自分が悦しんでいないワケではない。悦しんではならないだけで。すぐ近くに加持が居るだけに、声を上げて楽しむのはミサト自身が許さない。
でも、もしこのままシンジの収まりがつかなければ。その時は自分の秘所を差し出すしか……
「んうンっ、駄目……僕、もっ……イキたいのに……」
「私の胸じゃイケないっての?」
もどかしげに起こした背を丸めてシンジは喘ぐが、性器は少しずつ先走りを漏らすのみ。ミサトが不満そうな口振りで両の尖端を擦り合わせても互いの口から熱い息が出る以上の事は無い。
「あのね……気持ち良いけど、何か変で、変ッえぅ……イケないの、おちんちん変で……」
もどかしさの余り自ら不器用そうに腰を動かすが、やはり達せそうにない。酒の威力はシンジにとって相当大きく、勃起だけではなく射精にも影響を及ぼしていた。
風邪で寝込んだ際に熱が下がらずに何時間も苦しいままの、あのどうしようも無い疲労感に似た物がシンジの体を支配してくる。ずるずると悦にまみれていられるのも最初は楽しいが、限界がずっと続き過ぎれば苛立ちすら出てくる。
――カタンッ
突然後から戸が動くような音がした。
と同時に、ミサトは大袈裟な動きでシンジから体を放す。
「……気の所為か」
寄せていた胸を撫で下ろす。心音がバクバクと煩いのは自分も興奮しているから。もっと興奮すれば加持がダイニングで待っているなんて気にしなくなる筈だ。
いい加減断ち切ろう。母親になれないなら良妻になれる筈も無い。彼の妻を気取れる日は来ない。
いきなり今まで与えられていた快楽が消えてしまい不思議そうにこちらを見るシンジに対して、母親を演じるべきではない。そんな資格は無い。
自分には所詮、娼婦の真似事程度がお似合いだ。
「ね、一層の事シちゃおっか」
妖艶な誘い方等知らない。知りたくもない。本当はこんな事、子供を作る前提以外でするべきではない。どんなに古風な考え方だと言われようとも。
8年前とは違う。誘った行為の意味が、その重たさが。今の彼はわかってくれるだろうか……なんて考えはそろそろ捨ててしまおう。
戸を開けてこないのは、案外テーブルに並べた酒の肴としてシンジと情事に耽る自分を想像しているのかもしれないし。……その妄想は酷く惨めな気がして、ミサトはシンジの体に擦り寄った。
どうせ酒に飲まれて泥酔しきっている子供だ、朝になればすっかり忘れてしまうのがオチ。
「嫌なら止めます」
丁寧な口調ながら、どこか冷たくシンジが言う。
「何か嫌そう……僕、嫌な思いさせる為に来たとかじゃない……」
「嫌じゃないわよ!」
大声で怒鳴ったミサトの唇がシンジのそれで塞がれ、そのまま位置が逆転した。
口付けを交わしたまま、しかし舌を交える事無く。ミサトはいつも寝ている布団に背を預けて天井を見上げる形になる。普段眠る直前に目にする光景で、違う所は近過ぎて何も見えなくなる位置にシンジが居る事のみ。これが日常なのか非日常なのかわからない。
シンジに似合わない乱暴な手付きがミサトの下着をショートパンツごと剥ぎ取って下半身を曝け出させる。
「ヴっ……」
疑似強姦のような流れにミサトは低い声を漏らして体を硬くした。
今までに秘所へと触れてきたそれよりもだいぶ細い指が2本揃って湿った茂みを撫で上げる。
未だ柔らかな秘芯が2つの指の腹に捕えられて、グリグリと押し付けてくる。乱暴ではないが自分勝手な指。
こんなに高揚しているのにどこか不愉快。それでも体が素直に反応して何度も指が通過する小さな秘穴から微かに零れ出る蜜を止められない。
人差し指が遂に性器へと侵入を試みた。
――ヌプッ
悔しい程に愛液は分泌されているのだから抵抗は全く無い。細く穏やかな人柄を持っていそうな人差し指は爪が短いので傷付けられる事無く、膣は安心したように指を飲み込んだ。
シンジの頬が甘えるように首筋に擦り寄る。くすぐったさともどかしさの交差した信号が足の指の先まで流れて動けない。
拒みたいのか受け入れたいのか自分でもわからないので動かない。その間にもシンジの指は出し入れする距離を伸ばして、挿れる度に深くまでえぐられた。
皮を持たない秘肉がキュウキュウと指に絡み付いてもシンジの指は止まらない。愛液が人差し指をどろどろにしたのを見計らい、1度引き抜かれる。
「ふンぅっ!」
次いで乾いた中指を添えてまた性器が拡げられる。再びゆっくりと、爪の分しか入らない小さなピストン運動は声を止めさせてくれなかった。
す、とシンジの体が離れる。
熱過ぎる体が離れると同時に、珍しく涼しい部屋の風が体の上を通った。
冷房を付けていないこの部屋がこんなに涼しいワケが無い。結局自分も興奮している。
そう考えると益々顔が熱くなっていきも荒くなった。
――ぐに、ぐにににっ
「い、痛ッ……」
2本に増えた指は無邪気に動いてビラビラと誘う襞を引っ掻く。爪ではなく指の先なので決して痛くはない筈だが、馴れない手付きでは何をされるのかわからず言葉が先行する。
呻いたり痛いと言ってみたりはするが、一向に「止めて」とは言えない自分が居る、とミサトは自覚していた。
指の動きに合わせて、寧ろそれを追いかけるように尻肉がいつも寝ているシーツの上をずり下がっていく。
キュポン、と空気の音を立てて肉びらを引きずり出すように2本共指が抜ける。指2本分の穴が開いたそこへ、指とは大きさも太さも違う物が押し当てられた。
ドキドキと胸が高鳴る。緊張して足の先まで力が入る。手の指なんて、しっかりとシーツを掴んでいる。
「んぅッ……あのぉ……」
声を漏らしながら猫の子のように顔を擦り寄せてくるシンジ。
セックスの最中なのに甘えられているのが可笑しいと思い、すぐに「それも1つの行為」だと気付く。声を殺す男ばかりじゃない、リードしたがる男ばかりじゃない。当たり前かもしれないが、ミサトは今この瞬間まで気付けないでいた。
「早く、挿れてっ!」
そして早く終わらせて。
相変わらず色の無い誘い文句しか吐けないミサトの両足が持ち上げられて広げられる。
長いそれは局部を晒される羞恥に自ら折り曲げた。
恥ずかしい……カエルか何かみたいな、こんなものだったかしら……?
調子が狂うのは交わりに夢中だったあの頃からもう何年も経っているからだろう。それにおっぱじめればすぐ思い出すに違いない。
すっかり先走りで濡れた性器は電気の灯る下で見れば淫猥に光っているのだろう。息を荒くしたシンジはそれをミサトの入り口の上、とろっとろに濡れた割れ目部分に3回擦り付けて、再び入り口へと当て直す。
――ずぷ……ずぶぶぶ……
こんなにも蜜に濡れているのに鈍い音が響く。息苦しい。このまま窒息死してしまいそうな程に。
最も敏感な箇所へ異物を挿れるのだから当然であり、そんな事を思う自分に違和感を覚えていたりもする。
やがて短い距離を単調に前後するだけでも、ミサトの愛液が奥から次々に溢れてきた。
「んっ、んッ……ンッ……」
息も声も上がってくる。何も考えていないような腰を打ち付ける音が、ミサト自身も何も考えさせなくなる。
抜き出す際に内臓の一部がニュルリと音を立てて引き出されてしまいそうで、このまま続けられては吐き出してしまう。
その焦燥感も良い。どこかの誰かと体を重ねていた時はそんな事を考える余裕なんて無かった。
テクニックを使われるから、悔しくて自分も力を入れて。どうすれば良いか探りを入れていくのも楽しいが、今はこうしてただ互いに貪り合う方が良い。
体の熱い部分に更に熱い物をぶつけられる。それが抉るように胎内に侵入してくる。
否、実際に抉られている。敏感な部分は勿論、対してそうでもない部分、もどこもかしこも乱暴に何かを探すように性器が擦り付けられてくる。
――ぶちゅ、ぐちゅっ、ぎちゅっ!
汚く派手な音女性の箇所から響いて恥ずかしい。
この奥まで犯しきれないもどかしさがまた良い。焦らされているような、物足りないと言わされそうな、自分が淫乱だと認めさせられて刻印を押されてしまいそうな。そして自ら腰を動かしたくなる。
「ふゥ、あっ! んッ!!」
声を殺す事を諦めたミサトは、過去に受け入れていたそれよりも幾分細くてたよりない性器がしっかり挿入っているか確かめるように膣に力を込めた。
ある日不意に覚えた膣壁の動かし方は未だ覚えている。こうすれば男の口から少し頼りなくて愛しい声が漏れる事も。
奥まで届かないが、それでも1番弱い所には狙ったように突き刺さる。太さも頼りない筈なのに、そのもどかしさ故に自ら締め付けてしまう。
熱い粘液が体に響く箇所を叩いては逃げ出そうと動く。不器用ながらもどんどん激しくなる腰の動きに、目が勝手に閉じた。
「……あっ、は、あ……もう、ん……め、駄目、付けてないのに出ちゃ、あ……」
体の上でシンジの辛そうな言葉が聞こえる。
嫌でも比べてしまう。そしてこの状況で誰かと違って余裕が無いのは、寧ろ可愛いと思ってしまう。
「ナカに、出しちゃって……良いのよ? アんっ!」
腰を掴んでくる手の力が強過ぎる。見るからにか細い子供のシンジも、こんな所は男だと主張するように。
「あ、ウぅ、ンッ!!」
――ドクン、どくどくどく……
今まで聞いてきた低い呻きとは全く違う、どちらかといえば自分が出す部類の甘い声を大きく漏らしながら子宮までの狭い道をシンジの精が駆け上った。
「く、うゥ……」
気持ち良い以前に熱く圧迫される感覚は苦しい。
見えもしないのに精がどんどん奥へと流れ込み、子宮も内臓も越えて口から吐き出してしまいそうになる。
それでもミサトの上ではまるで残尿感に苛立つようにシンジはビクビクと体を震わせて嚢の中身全てを注ぎ混んでいた。
膣がただれそうな程熱い粘液を注がれながらミサトは上げた足の先をピクンと動かす。
「……はっ、あん……シンちゃん、早いんじゃない……?」
回らない舌を何とか動かして出た艶っぽい軽口。
それに答える代わりに、体重は少ないだろうが力を抜ききって重たい体が倒れ込んできた。
「僕……そのまま、出しちゃっ……」
荒い息の合間の言葉は膣出しを詫びる言葉。……決して妊娠する事への期待も不安すらも無い。
「……良いのよ」
性器は萎えても結合したままだが、ミサト自身は冷めきっていた。豊かな胸の少し上に乗せられたシンジの頭に手を添える。
「気にする事無いわ」
性交も、膣内射精も、こうして甘え眠る事も。
シンジはミサトの返事を待たず眠りに落ちた。規則正しい寝息がくすぐったく、触れ合う汗ばんだ胸の上下も心地良い。
「どうせ出来やしないし、出来たら……嬉しいわ」
たっぷりと子宮を埋め尽した精液は早々に逆流を始めて2人の繋がる箇所をミサトの内側から溢れようとしている。
もう少し収まっていれば良いのに。どうせ何も変わらないんでしょうけど。
自嘲の笑みを浮かべたミサトは2人分の体重に苦しみながら体を起こし、今まで自分がしていたように眠ったシンジを布団の上へ寝かせた。
暑い夜にうなされて寝汗をかいたような、どこか疲れきったシンジの寝顔。
汗張り付いた短い前髪を上げてその寝顔を覗く役割は母親ではない自分でも許されるだろうか。
「何だか、ね」
早く眠らせる為にしてみた筈なのに、こうも簡単に終わってしまうのは味気無い。
よいしょ、と心の中で――そのまま口から出ていた気もするが考えずに――呟いてミサトは立ち上がる。
低い天井。普段自分が生活している自分だけの部屋。
いつもと違う所といえば、色々な匂いが入り混じって鼻をつく所位。
汗と精液と愛液がミサトの太股を流れ落ち、その匂いが部屋に充満している。嫌いな匂いとは言わないが、冷めた今では好きともいえない。
ふと手を自分の下腹部に当てる。
触れただけで宿った事がわかるとは思えないが、それでも今回もまた何も得られなかったのがわかった。
汚い部屋の中で更に汚い机の上の唯一綺麗なティッシュを取る。
局部を拭いて、もう1枚取って額や胸の谷間等の汗を拭く。ゴミ箱は遠かったので後で捨てようとそのまま足元に落とした。
明らかに行為の後だと思われるだろうが、一応最後の抵抗に桃色のTシャツを引っ張り出して被った。ボトムも洗濯に出し忘れたハーフパンツが有るので履いておく。
下着も履き替えようと思ったが、面倒なので今履いていた物のままにした。
どんな顔で加持と向き合うか。
なんて考えていればずっと出られなくなるので、考える前にフスマを引いてリビングへ出る。
「加持……」
当然といえば当然、加持は酔い潰れて眠っていたりはしなかった。
テーブルの上の酒瓶は虚しい位に空で、つまみ類もちらほらとしか残っていない。
「もう残ってないぞ」
どこか不機嫌そうな声音が怖い。
「何? 買ってこいっての?」
「いや……飲みきって悪かったな、と思って」
遠回しに遅かった事を指摘しているのだろうか? だとしたら、それ程頭が回るのなら、今のミサトの姿が何をした後かはすぐにわかるだろう。
「何、してたの?」
聞かれるより先に聞いてみる。
飲み終えていたのかはわからないが、口にする物が無くなってからどうしていたのか。
「……いつの事を聞きたい?」
しかし加持は勘違いをしたらしい。心やましい事が有るからだろうか。
「葛城になら何でも話してやるさ」
「嘘」素早く否定して目を反らし「別にアンタの嘘なんか聞きたくないわよ」
「ま、話す義務は無いしな。俺も聞く権利を持ち合わせていないし。……今は」
ふざけているのか今更本気で口説きたいのか。焦点は捉えているのに酒の所為で充血した目ではよくわからない。
「話したいってんなら聞いてやるわよ?」
ならば冗談で片付けてしまおう。どうせ酒の勢い、明日になって目を覚ませば忘れている。
きっと、シンジも明日にはけろっと忘れてくれている筈だ。
都合の良い事だけを考えながらミサトはいつもの自分の席――アスカの席に居る加持から見れば斜め前――に座る。
「じゃあ話すか。……シンジ君の事でも」
一瞬嫌味か? と思ったが、そうではないらしい。赤く濁った目はどこか真剣だ。
「アンタが何知ってるってのよ」
同居して、仕事の面でも直属の上司である自分より知る事は無い筈。
その自信を遮って加持は呟く。
「よくわからない所への出入りが激しいみたいだ。……って事は知ってるか」
まぁね、とだけ返す。確かにここ数ヶ月週末は家に居ない。出るようになり始めた頃からの「友人の家に泊まりに行く」は、もういい加減通用していない。
今日だって、今こそミサトの部屋で寝息を立てているが、本来なら嘘を吐いてどこかへ出掛けていったのだった。
「何やってるか、アンタ知ってるの?」
「……いや、俺は余り知らない方だよ」
軽い笑いを浮かべているのは知らない自分を自嘲しているのでも、知らなさそうなミサトを嘲っているのでもない。
「お前が勘違いしているか真実を見ているかは知らないが、止める権利は俺にはない。代わりにお前には有る。シンジ君はきっと、切っ掛けが無ければ始めもしないし辞めもしないだろう」
加持は空になった菓子の袋の下から煙草を取り出す。残り2本の内の1つを唇に銜え、貼り付けた状態で言葉を続ける。
「そういやリッちゃんが詳しく知ってるみたいだったな」
「え!?」
思わず声が引っ繰り返った。
「行き先が毎回リッちゃんの所だったら逆に安心出来るな」
「何でリツコは止めないのよ?」
「いやはや、赤木博士の立場は諜報部よりもずっと上だな。って、そりゃ当然か。な? もっと上の三佐殿」
「ねぇ」
ポケットの中から漸く探り当てたライターで煙草に火をつける。副流煙は風が無く蒸している部屋をぼんやりとただ上っていく。
対して白くならない煙を見ていると、自分も吸いたくなってしまう。普段は臭くて体に悪い物にしか見えないのに。
「ねぇ!」
「まぁそう苛立つな。1本どうだ?」
途端、ミサトは黙り込む。
欲しい。だが、欲しいとは言えない。まるで麻薬から足を洗ったばかりの人間が出来心を主張している瞬間の様な心境。
「……子供にだってきちんとした理由が必要だ。悪い事をしたからと頭ごなしに叱る、それだけじゃ駄目だ。シンジ君が俺の知ってる通りの子供なら怒鳴り付ければ同じ事はしなくなるだろうが、それは解決にならない」
「叱っちゃ駄目、怒っちゃ駄目って事?」
「そうじゃない、理由が必要なだけだ」
煙草の煙をくゆらせながら控えめな声量で続けた。
例えば今まで口を付けていたグラスをシンジが意図的に割ったとして。その場で叱ればもう2度と割らなくなるだろう。
何故割らなくなるか。怒られるのが怖いから。
それだけではいけない。教育論を振り翳すつもりも、そのまま政治の世界にまで飛び込むつもりも一切無いが、子供を育てる――敢えて加持は面倒を見る、という言葉を使っていたが――のなら「何故割ってはいけないか」を説明しなくてはならない。
グラスが高いから。思い出の品だから。2つで1つのセットだから。贈り主が悲しむから。割れた破片で手を怪我するから。掃除をするのが面倒だから。
本当の理由を探せば哲学的な話に広がって怒っている方も意味がわからなくなってしまいかねない。が、だからと言って取り敢えず声を大きくしておけば良いというのは有り得ない。
やがて自分なりの理由を見つけられれば、グラスを割ってはいけないと認識する。そしてそれを他の人にも伝えられる。
シンジの消極性を見ると他者が割る所を止められそうにないが、と軽口を叩いて加持の煙草は空のビール缶の中に落とされた。
「シンジ君がしてる事を、お前はきちんと叱ってやれるか?」
「……叱って、やれるわよ」
自信は、今は未だ余り無いが。
「リッちゃんは叱れなかった。それだけだろう」
「でも! ……そうね。何かアンタの長い話、疲れるわ」
「そりゃ悪い」
ミサトは机の上に突っ伏した。コンビニの買い物袋が嵩張る音を立てる。
「アンタ今日泊まってくんでしょ?」
「泊まってって欲しい?」
「馬鹿。ベロンベロンに酔っ払って運転したら捕まるわよ」
「てっきり代行タクシー呼んで帰れって言われるかと思ったんだが」
「思っちゃないでしょ」
ははは、と短く笑う。どうせこの笑いは適当に濁そうとする、つまりは肯定の笑いだ。
「どこで寝るつもりよ? 私の部屋の布団、シンジ君が占領してるからね」
「部屋に泊めてくれるつもりだったのか?」
「帰れ」
ぷいっと顔を背けるように横に動かして頬を机に押し付ける。無機質にひんやりとしたテーブルが酒と情事で火照りに火照った頬に気持ち良い。
「そこの座椅子伸ばしても良いし、別に床の上に寝たって良いさ」
「風邪引かないように腹にシャツかけてあげるわ」
「ついでに添い寝してくれたら良い夢が見られそうだな」
「やっぱり帰れ」
しかしミサト自身も眠る布団は無い。参った……と思いながら目を閉じると、急に世界が真っ白く染まる。
絶対に気の所為なのに、戸1枚隔てた自室からシンジの寝息が聞こえてきた。
そのまま目蓋を伏せたミサトに加持は何も言ってこない。きっと真似るように加持も机を布団に腕を枕に眠るに違い無い。
息子の非行を例え1回分だけだろうとちゃんと防げた母親が父親に誉められながら布団の外で眠ってしまう。今日見る夢はきっと、そんなどこにでも転がっていそうな安っぽい家族ドラマの類だろう。
続く。
最近はさるさん規制なんて有るんだな。知らんかった。
ミサシンキタ━━━(゚∀゚)━━━ !!!
酔っ払いシンジきゅんがカワユス
1) 一つのスレに
2) ある時間(H)内に
3) 最近の投稿(N)のうち沢山投稿(M回)したら
4) 「バイバイさるさん」になる
さるさん規制ってこれですか
長編SS投下してる人にはキツイですねえ
うおおおおおおお!
もう読めないと思っていた・・・・・・・・・GJ!!!
さすがだなぁ、夢中になって読んでしまったw今から勉強するつもりがww
ヤバいよ、酔ってるシンジきゅんテラカワユス
神お疲れ!!!!
6月6日を過ぎたら、孔雀氏の小説をまたまとめたいと思います。
前の方に了承を得てないけど、勝手にやってもよろしいですかな?
うん、そこにまとめようと。
孔雀氏乙
まとめ人さんも乙
ミサシンスレから来ました。
孔雀氏、感動!
ぜひ、続きを期待!!
416 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/03(日) 17:39:43 ID:TYkj4xP4
あげます
kawaiso
久々に来たら…更新キタ―――(゚∀゚)――――!!!
孔雀氏マジ乙!
おつ
シンジきゅん、誕生日おめでとう
>>411 自分の書いた物はもうご自由にどうぞです。まとめてくれてありがとうです。
あと読んでくれた人もありがとうです。
シンジきゅんおめ。
何か書くと不幸になってくだけだから、今年は何も書かないでひっそり祝いますね。
早く大きくなって俺の嫁に来てください。
いくら孔雀神といえど、シンジきゅんをやることは出来ない。
なぜなら俺の嫁だから。
シンジきゅんきゅん
ほす
ほっすー
426 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/20(水) 07:23:46 ID:3Ndz+ERc
りょ、両刀だったとは・・・
ショック。
男も女も関係なくお相手します
お仕事ですから
この「仕事だから、認めてもらいたいからなんでもやる」感がなんか悲壮感漂ってて好き
誰でもいいのよ
続きまだぁ〜?
しかし孔雀氏は本当神だな
シンジきゅん小説に限らず、SS書き全般でもこれほどの人はあんまり見ない
肌を許すシンジきゅんに萌え
贅沢なお願いですが
アスカ視点でシンジの仕事を
覗くなんてシチュエーション希望
なんとなく、アスカはシンジの汚れた部分を知らないでいてほしい・・・かも
というか、彼女の罵倒が怖いだけだけども
LAS嫌いだからイラネ
アスカが知ったらどんなことになるか分からないけど、
自分もシンジきゅんを買うってことだけはなさそう。
438 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/01(日) 18:41:35 ID:Jyc23wkM
ほす
過疎ってんなあ
孔雀氏、続き待っとるよ!!
lヾ_i_/l
☆ チン '´ ^ ̄^ヽ
☆ チン 〃。 i。ノノリ从ソ! / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ヽ ___\jl\゚ ヮ゚ノl| < シンジきゅんまだー?
\_/⊂( v⊂)ソ_ \________
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
l ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|
| |/
ワッフルワッフル
443 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 00:08:24 ID:PyEmAJ/O
気持ちは解かるが気を長くして孔雀氏の再来を待て。規制入ると投下のモチベーション下がるから見守っとけ
>>409 これって連投規制みたいだから
投下の途中で他の住人が感想を書き込めば平気なんじゃないかな
445 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/26(木) 21:22:57 ID:7pPHGvA5
ほしゅw
446 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/31(火) 21:54:21 ID:/gWRMbVp
ほしゅww
447 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/01(水) 14:47:32 ID:Jfqdv9xd
八月ほしゅw
448 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/03(金) 15:07:09 ID:TRltt6DM
しゅ
孔雀氏元気にされてるだろうか・・・
>>449 自分はとても元気です。但し自分のパソコンは不調です。
誰か携帯でちまちま書いている俺の代わりに書いてくれないかなーと思ってます。ボスケテー
生きてた!嬉しい!
携帯からだと大変ですね
投下はパソコンが直ってからでもいいと思いますよ
のんびり保守して待ってます
孔雀氏にPC差し上げたい・・・
お元気でよかった
投下、気長に待っております!
おまいら信者かwww
あっあの、孔雀氏、このパソコンどうぞ使ってやって下さい!
あぼーん
あぼーん
あぼーん
>>450 自分もパソコン壊れちゃったけど
無理せずめげずに頑張って下さい
あぼーん
あぼーん
あぼーん
ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ プニプニ!プニプニ!
ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ プニプニ!プニプニ!
ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ プニプニ!プニプニ!
ヾ(o゚ω゚o)ノ゙ プニプニ!プニプニ!
活性化期待あげ
∞
/⌒ヽ 今日も蒸し暑かったですね、もぐレイさん
/ =´ω`) ほかほかウンコなどはいかがですか?
( つ O ↑ 今私が脱糞したばかりでおいしいですよ
と_)_) ∬∬ ∬∬
人 人
(_) (_)
(__) (__)
( __ ) ( __ )
よろしければどうぞ♪
.  ̄ ̄ ̄
ギャグボール付けて手首と足首に鎖つけて磔にするの
手術用の薄いゴム手袋に温感ローションをたっぷり塗ったら
シンジ君のお尻に中指を優しく出し入れするの
耳元で「お尻の力抜いて」とか「おっきくなってきたね、お尻気持ちいいの?」
とか言うの
シンジ君のおちんちんが大きくなったら首筋の動脈に麻薬を注射するの
十分に薬がシンジ君の中に廻ったら耳元でこう囁くの
「お前は要らない子」
「君に母親が居ないのは君がダメな子だからだよ」
「こんな事されて勃起するなんて最低」
シンジ君が泣き出したら激しいフェラチオで一気に絶頂へ誘う
口の中で発射を確認したらすかさず二回目のフェラチオ開始
今度はお尻も刺激しながらのフェラチオでイカせてあげるの
白目剥いて気絶するまでイカせてあげるの
∞
/⌒ヽ 今日も蒸し暑かったですね、もぐレイさん
/ =´ω`) ほかほかウンコなどはいかがですか?
( つ O ↑ 今私が脱糞したばかりでおいしいですよ
と_)_) ∬∬ ∬∬
人 人
(_) (_)
(__) (__)
( __ ) ( __ )
よろしければどうぞ♪
.  ̄ ̄ ̄
新劇場版の家出シーンでこのスレのことを思い出したのは俺だけではないはずだ
黒服が厳戒態勢で警護してたから良かったものの、あれで一人だったら間違いなく
R指定映画になってた
歓楽街で段ボールハウスで一夜明かす男子中学生
あんな可愛い子がいたら、変態親父が一夜買うに違いない
一夜どころか下手すればヤクザに薬漬けにされて飼われるなんて事も…ガクブル
劇場版のシンジかわいすぎ!
皆様の暖かい御言葉(特に
>>452-454の辺り)に支えられてヱヴァンゲリヲンを見に行くのを止めて先ずは、と投下にきますた
投下途中に消えたらさるさん規制かブルー画面に殺されたかと考えてそっとしておいてやって下さい。すぐ戻ります。
グロいのとかは無いつもりだけどカプ物です
直接読みたいってメッセ貰ったんで書いてしまいました
なので腐女子の方とかは注意して下さい
所謂『一晩限りの関係』と割り切れる程大人ではないし、酒の所為で全く記憶に残っていない程子供でもなかった。
それでもそんな事は無かったフリをして過ごす事位は出来た。この3日間互いに気まずさを隠しきれないながらも何とかやっている。同居人のアスカに指摘されない程度には。
そうして迎える本日最後の授業中も、余りにもいつも通りなので誰も何も思わない。
いつものように老教師の話は脱線してセカンド・インパクトを嘆いたり、そこから復興出来た人々を恩着せがましく話したり、それらをBGMに生徒達は談笑している。
ふと、机の横に掛けてある鞄が振動した。……気がした。
電話かな? 短いからメールかも。
これがもしもミサトからのメールだったら気が重たくなる。
タイトル:今週
本文:
元気にしてますか?
仕事立て込んでるから、土曜日は出勤になりそう(;_;)
土曜の仕事の後直接迎えに行くね。駅の所で待っててくれる?
返事は時間が有る時でいいよ(^o^)/~
幸いミサトではなかった。が、正直喜べない相手だった。いつもの1番客の女性だ。
意訳すれば「金曜は来るな」「土曜の夜に待っていろ」「返事は必ず出せ」といった所か。
表示されている文字の冷たさが断る事を許さない。
心の奥底で立て込んでいる仕事の間にどうやってメールを送ってきたのだろうかという疑問を持ちながら、机の下に携帯を入れる形で教卓から隠し、ゆっくりとした手付きで携帯のキーを叩いた。
タイトル:Re:今週
本文:
お仕事お疲れ様です。僕も今は授業中です。
土曜日駅で待ってます。仕事が終わるのは何時になるかわかりますか。
返信がこないようにと小さく祈る。その祈りが届いたのか授業が終わるまでは返信は無かった。
――キーン、コーン……
老教師の授業を遮るようにチャイムが鳴る。老教師はすぐに教科書を閉じて号令を掛けた。この部分だけは、生徒一同に気に入られている。
すぐに担任教師が来て、簡単なホームルームを終わらせる。6回の授業を終えて漸く中学生達の自由な時間が訪れた。
「シンジー、今日途中で……あ、今日ネルフ行く日やったか?」
「うん、ゴメン」
「じゃあまた今度だな。しかし羨ましいよ、毎週決まった回数以上エヴァンゲリオンに乗れて、しかも掃除がサボれるなんて」
トウジとケンスケは下校中の寄り道に誘ってくれようとしたのだろう。
シンジとしては掃除をしてでもそっちに行きたい気分だ。……改めて自分はエヴァに乗りたくて乗っているワケではない気がしてくる。
「馬鹿シンジぃ! 行くわよ!!」
「あ、ごめん!」
謝ってばかりと茶化される前に鞄を持って立ち上がった。
考え方を変えれば、エヴァに乗るからこそこの2人と出会えたのだ。そして早くしろと目を尖らせるアスカに呼ばれるのも、何も言わないし一緒に行っているつもりすら無いかもしれないレイがついてくるのも、ある意味エヴァのお陰。
「アンタ今日音楽室掃除でしょ? 無理ってちゃんと言った?」
「言ってあるよ」
「なら、とっとと行くわよ」
「うん。……あ、綾波はちゃんと言ってある?」
後ろを振り向いて尋ねる。
「前もって言ってあるわ」
それ以上は喋らない。しかし、きちんとシンジの後ろに居る。
「そっか、じゃあ行こっか」
「もう、2人共! 早くしなさいよね」
シンジが仕切っているようで気に入らないアスカは早口でまくし立てた。
帰り道。曜日によってネルフ本部に行く事を義務付けられているパイロット3人は掃除当番を合法エスケープしてその本部へ行く為のバス停へと歩いていた。
どんなに文明が発達しても屋外の気温は操作出来ない。常夏なんて言葉では片付けられない暑さが3人を襲う。
正確にはレイは襲われていないようだが。暑さを感じないかのような無表情。
そのレイが1歩分後ろで、シンジとアスカは並んでいる。
話題を振るのは専らアスカ。シンジはどこで身に着けたか豊富な相槌を打つばかり。
先日の肉体的には気持ち良く、精神的には気分が悪い出来事を忘れそうな程の日常。
……を、壊そうとする男がこちらへ歩いてきた。
「何あの男、何かこっち見てんだけど」
真っ先に気付いたのはアスカで――もしかしたら先にレイが気付いていたかもしれないが、当然の如く何も言わなかった――明らかに不愉快そうな表情を浮かべている。
「え?」
アスカの言葉に視線を向けると、そこには確かにこちらをジロジロと見てくる男が居た。
髪の長さと色で遠くからでもよくわかる。シンジはその男を見たことが有る。
どこでだろうかと考えてすぐに思い出した。
「あ……」
小さく声を漏らしてしまったのを、後ろからレイが聞いていた。やはり何も言わなかったが。
だらしない長さの髪。無理して抜いた色の髪。整っているといえば整っているけれど、その顔は覚えていない。ただその髪を何と無く覚えていただけ。
先日会ったコンビニバイトの男。
別に嫌な思いをさせられたワケではない。寧ろスタッフルームにかくまってもらった、と言っても過言ではない。
お礼をちゃんと言わなくては。
そう思っている筈なのに、ミサトとの一夜が思い出されて顔が強張る。
「別にアタシが見られるのは仕方無いけど、あぁいう目付きって何だか腹立つのよね」
可愛いなぁと見とれるのは勝手だが、はて誰だろうと伺われるのは嫌い、らしい。
確かにかなり距離を置いて真正面に居る男は時折目を細めて考えるような態度。
それでも足は止めていない。徐々にこちらに近付いていた。
男はいきなり目を逸らし、少し早歩きになる。
あのコンビニの近くに住んでいるとしたら、何故こんな所に来ているのだろうか。この辺りは住宅街でそれこそ3人の取り敢えずの目的地であるバス停しか無いし、ましてや男の進行方向は今授業を受けてきた学校位しか大きな建物は無い。
1度目を逸らした男は2度とこちらを見ずに、3人の横を車道側を通って何事も無かったように過ぎた。
そのまま少し無理をした早足でどんどんと遠ざかっていく。
あの男に見間違いは無いと振り返るシンジ。どうして中途半端に目を逸らしたのかわからずに苛立って背を睨み付けるアスカ。
「調子乗った髪の色しちゃって、何かウザいってヤツね」
後ろを向いて男の背を見たままアスカは首の後ろから髪をかき上げるように風に靡かせた。
「……何よ」
ずっとこちらを見ているようなレイの視線にアスカが苛立ちを込めて尋ねる。
その理由も「別に」とすらもレイは言わない。
元からアスカを見ていなかったのかもしれないが、シンジにはわからない。
ただ、気の所為かもしれないが、レイも通り過ぎていった男を気にしていたようには感じられた。
屋外とはうって変わって本部内は酷く涼しい。涼しいを通り越して少々肌寒い。
パソコンを使っての授業が一般と化してきた学校もある程度冷房を強めにしているが、ここ程ではない。
来るまでに沢山かいた汗が休息に冷やされて、体調を崩さない方が可笑しい位。だがパイロット3人は慣れてしまったのか早々にプラグスーツに着替えてテストプラグに座っていた。
プラグ内はLCLのお陰なのか必ず適温。屋外が暑かろうと本部内が寒かろうと、シンクロテストに影響が出る事は無い。
「シンジ君の伸び率は本当に凄いわね。感心せざるを得ないわ」
「そう……」
「気の無い返事ね。例えシンジ君が喜ばなくても、貴方は作戦部長として嬉しい筈でしょ?」
「そう……」
溜息まで混じってきそうなミサトの返事に、逆にリツコが溜息を吐く。
モニタリングされているパイロット3人は目を閉じている。瞑想している……のか、何も考えていないのか。リツコからすると隣に立つミサトも深く考えているようで何も考えていないように見えた。
今週の頭からずっとこう……
もう1度、今度はわざとらしく溜息を吐いてみる。が、ミサトは無反応。
「ミサト、貴方書類の整理残してたわよね」
「……え? あ、あぁ、そういえば残してたっけ。あぁー報告書って面倒臭いのよねぇー!」
余りにもわざとらしい言い方はテストプラグ内のシンジにも聞こえている。
「そっちを優先してきたら? 別に貴方はここで見ていなくても良いんだから。後で結果をプリントアウトするわ。ハッキリ言わせてもらうけれど、そんな腑抜けた貴方が居ると迷惑なのよ」
ミサトは答えない。
「仕事をする気が無いなら帰りなさいとまでは言わないわ。でもここに居られては迷惑よ。覇気の無い人間が居るだけで周りの士気も全て持っていかれる事位、作戦部長の貴方こそわかるでしょう」
凛とした声に捲くし立てられて押し黙っているワケではない。
寧ろ努力と根性のみで三佐まで上り詰めたミサトも言い返す能力は持っている。それをミサトも、目付きを鋭くしているリツコもわかっていた。
「どうせ後回しにしても問題無い報告書なんでしょうし、今の貴方じゃなかなか片付かないかもしれないけれど、ここに居て私達の業務を妨害するよりは貴方にとってマシだと思うわ」
これがもし友人として楽しく会話をしている時分ならば、ミサトも流石に怒りを見せていただろう。
「ゴメン……そうね、行ってくるわ。定時に上がる予定だから、それまでにシンクロ率と武器操作テストの結果報告をお願い。パソコンの方にメールで構わないから。赤木博士、頼みました」
「承知しましたわ、葛城三佐」
仕事を強く意識した時の2人の呼び方。
薄いファイルを片手にしたミサトは日向に「遠距離中心の訓練させておいて」と耳元で指示を下して部屋を後にする。
LCLの中、ゆっくりとシンジは目を開けた。
ミサトのあの落ち着きの無さは、あの日の自分が原因なのだろうか。
多分そうなのだろう。今の自分の落ち着き過ぎているようなテンションの低さは明らかに彼女が理由なのだから。
「ったく、ミサトの奴どうしちゃったのかしら。家でも何か変だったし」
右側に通信窓が現れる。大袈裟に両手を顔の辺りに上げる外国人風のリアクション。些細なミサトの態度の変化に、アスカは気付いていた。
「アンタも最近ちょっと変よね。もしかしてアタシの見てない所で喧嘩でもしたの?」
「えっ?」
「はぁあーばっかみたい! ミサトもガキじゃないんだから。ま、アンタはガキだけどね」
気付いていないのは寧ろシンジの方。シンジに負けずとも劣らない感受性豊かなアスカが共に暮らしている2人の変化を見逃すワケが無い。
そしてそれを指摘しない辺り、ガキと称されたシンジよりも大人なの態度が取れている。
「シンジ君、大丈夫? 具合悪くなっちゃった?」
優しいマヤの声が映像を伴わずに通信で入った。
「大丈夫です、すみません」
「そう? 葛城さん、別にシンジ君に怒ってるとかじゃないと思うわ。ほら、シンクロ率かなり伸びてるし」
でも今この瞬間は下がったか何かしたのだろう。だから声を掛けてきたのだろう。
再び目を閉じて、昼寝をする時に体を預けるようなイメージで。微かに鼻腔をくすぐるのはいかにも鉄分が豊富そうな血液の匂いだが、それでもプラグの内側に居れば徐々に心は落ち着きを取り戻してくる。
次に目蓋を開く時にはいつもの自分でなくては。これ以上ミサトを困らせるワケにはいかなく、またそれ以上にアスカに気付かれたくはない。
シンクロテストは簡単に終わり戦闘訓練に移る。先のミサトの指示通り遠距離からの射撃訓練をメインとするらしい。が、シンジにはプラグから出るように指示が下った。
「シンクロ率以外のデータも簡単に取らせてもらうわ」
「アタシ達のは良いの?」
当然リツコの言葉にアスカは不服そうに疑問を投げかける。
「えぇ」
それがまるで「お前達2人はデータを取るより出来ない事をしろ」と言われているように思える程アスカのプライドと日本語の理解力は高い。
あまつさえ相手がレイ。アスカからするとどうにも相性が悪い。我慢が出来ない程嫌いではないが、我慢したくない程度には苦手な相手。シンジが居るなら未だしも、2人きりは勘弁してもらいたい。
「アタシ別に援護射撃なんて出来なくたって良いじゃん! 3人の中で先陣切るのってやっぱりアタシでしょ? だったら接近戦の練習だけすれば良いじゃない」
周りが思っているよりもアスカは苛立っているらしい。声だけではなく、見事なまでに顔に表れていた。
「そもそも何で馬鹿シンジがやんないの? アタシやファーストより後から入ったんだから、シンジこそ訓練積ませるべきじゃない!」
異国の血が混ざっている事を差し引いても尚整った形を無駄にひしゃげてアスカは声を大きくする。
「ちょっとシンクロ率の伸びが良いからって、特別扱いするつもり!? アタシ達は、アタシはもうどうでも良いってワケぇッ!?」
「落ち着きなさいアスカ、これは身長の問題だから」
「身長!?」
「そう。シンジ君の身長が伸びているの。だから測り直すだけよ」
そこまで聞くと、漸くアスカの呼吸が落ち着いた。
「……何それ」
「可笑しな誤差が出ていると思ったら、言葉通り彼の身長が伸びていたの。勿論修正出来る範囲内だけど、この年頃はこれから更に伸びるだろうから、今の内に伸び率を測っておく、それだけよ」
「僕、身長伸びてますか?」
「自分自身じゃわからないでしょうけどね。それに、そんなに極端に伸びたワケじゃないわ」
それでも測らなくてはならないとは、意外と面倒な仕事らしい。測られる側の自分は別に、測る側の人間や機械はさぞ面倒臭いだろう。
「2人に関してはこのまま戦闘訓練に移行するわ。こっちでプラグを繋ぐから、待っていて頂戴。シンジ君は上がって」
「はい」
初号機に繋がれているテストプラグのみグゥンと音を立てて引き上げられる。
「シンクロ率も身長も、伸びて良かったですねー。ま、どっちもアタシには敵わないみたいだけど」
プラグから出る寸前のアスカの通信。
勿論シンジは答えず、しかしほんの少し唇を尖らせていた。
所謂身体測定なので特別な人件費は割けない。故にリツコだけが『身体データ計測』を担当する事になった。
大きなタオル――自宅で使うバスタオルとは違う感触がするし、どうやら素材が違うらしい――でスーツの上から体を拭いた後、計測器が有るらしい部屋へとリツコの後ろを歩く形で向かう。
「シンジ君、体が重くなったり軽くなったり、だるくなったという感じはしない?」
「重く?」
2歩分以上前をコツコツと音を立てながら歩くリツコが振り返らずに尋ねてきた。
「特に、何も感じませんけど……僕、重くなったんですか?」
「そうよね。普通自分の些細な体重の変動には気付かないわ。ましてやシンジ君の場合身長が伸びた、純粋に成長した証拠の体重の変動……気付けという方が難しいわよね。それに……」
呟いて、足は止めないが漸く肩越しにシンジの顔を見る。
「……もしかしたら体重は増えていないかもしれないし」
それだけ言うとまた前を向いてしまう。
「見た感じ背が伸びたのに逞しくなった印象は無いし……加持君だったかしら、シンジ君の頬がこけて見えると言っていたわ」
心当たりは無いがシンジは右手を自分の右頬に当ててみた。
プラグスーツ越しの感触は今までと変わらない……と言いたいが、今までの感触がわからない。こんな風に触れてみた事等無いのだから、プラグスーツで触れても素手で触れているような感触だった事しかわからない。
「……ねぇ、ちょっと訊きたい事が有るんだけど、良いかしら?」
唐突な言葉にシンジは小首を傾げた。
「余り人には聞かれたくないの。ここなら流石にビデオは設置されてないし、多分盗聴器の類も無いわ」
漸く着いた『身体データ計測』を行う部屋の戸を開けながら言う。
つまり他の部屋にはそれらが有る、らしい。別に見られたり聞かれたりして困る事は何も無いが。
「別に、構いませんけど」
その返事にリツコは満足そうな笑みを見せた。開いた扉を抑えたままシンジを中へと招き入れる。
そして器用に後ろ手にロックを掛けた。
「加持君の事なんだけど」
「加持さん?」
予想外というか何というか。
リツコの方が断然加持に近い位置に居るし、それでも訊けない事ならミサト辺りにでも訊きそうだが……しかし1度良いと言った手前引けない。
しかし身長を測るより先に質問をされるとは。予想より広い室内はまるで市立体育館のトレーニングルームのようで、ここで加持の話をするのは不釣合いに思える。
「別にね、知らないなら良いのよ。ミサトのあの調子、加持君と何か有ったのかなと思っただけだから」
しかしリツコは言い終えてから目を細める。
「……それだけだと少し嘘になるわね」
言いたくない素振りを見せながら、本当は言いたい。女性は時折、酷くわかりやすい。
その事にシンジは気付かなかったが、何も言えず黙っていればリツコから口を開いた。
「加持君の方に何か有ったのは間違い無いのよ。多分『お仕事』の関係でしょうけど」
ここで言う仕事は何か特別な事なのだろうか、いやに強調されている。
そんな彼女の雰囲気が恐ろしく思えてシンジは逃げるように部屋の中央へ、更に奥へと進んでリツコから離れた。
「その『お仕事』の都合で、彼はシンジ君の『お仕事』も知っているのね」
予想ではなく断言に近い。
「ねぇ……加持君から何か聞かされていない? 例えば、どこに行ってきたとか、どこに行かなくてはならないとか」
「聞いて……ません」
間は有ったが、嘘ではない。
どこに行ったか、どこに行くかなんて聞かされていないし、そもそも本部の外で働いている事だって何と無く知った程度に過ぎない。
見た目に反してどこかしっかりしている、頼れる大人として見ている面は有るが、よく考えれば秘密主義者を思わせる程に加持の手の内は教えてもらえない。
「言わないように口止された?」否定の意味で首を左右に振って見せたが「そう? 嘘は良くないわ。加持君に言っておいて頂戴。それを私に隠してあげるというのは取引材料にならないと」
リツコの方が先に知っていた。それだけじゃない、先に客までなっていた。
「これはシンジ君にも言える事ね」
そう言いながらリツコには余り似合わない大股で間合いを詰めてくる。
「私は貴方の知られたくない事を知っている。周りに知らされたくなければ正直に答えなさい、なんて言えてしまうのよ」
入ってきたドアを見ると、赤く『LOOK』と表示されている。鍵を掛けられていた。言い直せば、閉じ込められていた。
「本当に知らない?」
「知りません」
シンジにおいての精一杯の強い口調を向ける。
「そう……そうね、加持君がうっかり話す、なんて事はしないわね」
いつの間にかシンジは後退して壁に背を付けているのに対し、計ったように互いの手1つ分程の距離でリツコは足を止めた。
「まさか加持君が大切なお客様だから言えません、なんて事は無いでしょうし?」
語尾をわざとらしく上げて疑問形にする。
そんな単純な誘導尋問にはもう掛からないし、端から加持は客ではない。
不快。実に不快。加持と並んでいる姿を見て、加持の『客』だと思われるのは。加持に抱かれている自分を想像されるのは。
「すみません、本当に知らないんです。加持さんが今どこで働いてるのかも知らない」
多少口調を強くしても身長の差でどうしても見上げる形になり迫力が出ない。
「じゃあ加持君に直接訊かなくてはならないわね」
「そうして下さい」
降参を示すようにリツコは小さく溜め息を吐いて肩を落とす。
「……ねぇ、話は変わるけど、ミサトの様子に心当たりは無い?」
――ズキリ
胸の奥の方に強い痛みを感じた。
加持との関係は潔白を通り越して不快ですらあったが、ミサトとの間には彼女が調子を鈍らせる最たる理由が有る。
残念ながらリツコはそれを見逃さない。
照明器具は安っぽい白と黄色の混ざり合った色で2人を見下ろすように照らしている。
「もしかして、加持君に抱かれなかったけれど、ミサトは抱いた?」
先程と違い悪意の込められたリツコの視線が刺さる。貫かれてしまいそうな程痛い。
リツコから香るのはすっかり染み付いた煙草の香りと愛飲し過ぎているコーヒーの香りとそれらを隠す為に下品にならない程度に付けられた香水。
全てが入り混じってはいるが、何故か不快な悪臭には感じない。
それ所か脳髄を麻痺させる香りにすら思えた。誘惑、なんて言葉が相応しくも。
「身内をそんな仕事の客にするのは良くないわよ。私と寝て思わなかった?」
「別に、ミサトさんはお客さんとかじゃありません……」
「そうなの? ならどうして寝たの。若い性欲は『お仕事』だけじゃ発散出来なかったのかしら」
声尻がクスクスと笑ってはいるが、その言葉は疑っているのではなく確信していた。
「年、15近く離れてるわよね?」若干の自嘲を含み「ミサトだって……貴方と同居をする際に言っていたわ。子供には手を出さないと。それとも、シンジ君は大人になったから別かしら?」
ここで言う大人は当然性的な意味を持っていて、流石のシンジもそれには気付いて頬を染める。
「僕は……そんなんじゃ……」
「懲りてないのね」
元から綺麗な肌をファンデーションで彩った顔が近付いてくる。先の3種の香りの他にリツコ自身の体臭も混ざったそれがシンジの目蓋を下ろさせた。
「もういい加減足を洗いなさい。大人達は皆困っているのよ。……なんてね。私はそんな事言うつもり、全く無いけれど……」
耳に息を吹き掛ける要領で囁くリツコ。
彼女の言う『大人』の困惑の理由が心配なのか迷惑なのかはわからない。
「……身長測るのは……未だ、ですか?」
これだけで息が上がるなんて恥ずかしい。極力肩を動かさないように息をする。
「大丈夫よ、後からちゃんと測るから……こうして連れ込みたいからとそれらしい嘘を吐いたワケじゃないわ」
近寄る胸元につい目が向いてしまう。
見るからに大きく脱いでも大きかったミサトとは少し違った。
今も羽織っている白衣が隠しているのでリツコの体のラインはわかりにくい。しかし白衣も衣服も脱ぎ捨てれば、ミサトにも負けずとも劣らない豊満な肉体を持っていた。
体の作りからして違う。あれだけビールを煽っているミサトがスポーティーなスタイルの良さを維持しているのに対し、リツコからは少し不健康そうな印象を受ける。
恐らく肌の色の違いが理由だ。日光に当たる機会が無ければ徹夜で深夜勤務を繰り返しているリツコは相当白い肌をしていた。
そう脳内で比べているのも申し訳無い気がしてくる。
自分より随分と年上の、それも親友同士の女性の肉体を並べて、まるで評価するように乳房の大きさを考える事は、例え周りの誰もがやっていたとしても、シンジには失礼でいやらしい事。
「ミサト、胸大きかったでしょ?」
笑いを含んだ質問に素直にYesと答える所だった。
「私なんかの胸じゃ物足りない? この前は気に入ってくれていたと思うけれど……」
言いながらその胸を擦り寄せてくる。リツコはヒールを履いた靴で少し背伸びをし、わざとシンジの顔に胸が当たるように調節した。
「私の胸は嫌い?」
「い、え……」
「いいえ?」
「いえ……好き、です……」
「本当? 好きなら、触っても良いのよ?」
言葉に従い顔を下に向ける形で胸に埋める。
「う……」
口も鼻も大きな胸とそれを隠す衣服に塞がれて息が詰まりそうになり、苦しさに目を伏せた。
「そう、何も見なくて良いのよ」
――ばさっ
リツコが器用に両肩から白衣を落とし、両方の袖から腕を抜いて床へと脱ぎ捨てる。
視界は塞がれきっていないのでリツコの白い腕が露になったのがよく見えた。
こうして見てもレイの異様な白さにはやはり敵わない。
レイの肌を思い出す。彼女の肌の色と温もりと、その時の息遣いと。
簡単に思い出せる。想像ではなく回想。
数少ない自分と親しくしてくれる女性と次々に体を重ねていく事実に気付いて、精神的な意味でも胸が苦しくなった。
「こんな時に別の人の事を考えるなんて、本当誰かさんにソックリね」
笑いを含んだ優しい言葉と、苛立ちを含んだ冗談の無い眼差し。
「お客さんにそんな態度をとっていては商売上がったりじゃないの?」
リツコの左手がシンジの右手首を捕えた。
「それとも、前払いをしない女は客じゃないのかしら?」
プラグスーツの手首に有るのは体にフィットさせるボタン。
勿論フィットしている状態で押せば、着る前の異様なまでにダボダボとした大きなサイズになる。
「止め……止めて、下さい」
抵抗の意思が余り見えない声しか出せない。
まるで舌先で焦らすようにリツコの親指の腹は手首を撫で続け、自然と右手を上げる形にされた。
自由になる筈の左手は動いてくれない。まるで望んでいるかのような態度が、本当は許せない筈なのに。
「どう、して……こんな事、するんですか……?」
「シンジ君はどうしてこんな事続けているのかしら?」
何故と訊かれても答えは持ち合わせていない。
うおおおおおおおおおおおおおお
孔雀神きたこれーーーーーーーーーーーー
おかえりなさい!!!
最初の頃は色々と理由が有った気はするが……
強いて挙げるならほぼ毎週お買い上げしてくれるあのお客様が、もう会わないと言ったら何をしてくるかわからないから、辺りだろうか。
こうやって女性に迫られているのに全く違う印象を覚える。
ましてやリツコは性行した際に優しく――とまで言っては大袈裟か――された記憶も深い。このまま身を任せたくなる程。
――カチッ
小さな音が右手首から聞こえた。
次の瞬間にはもう肌とプラグスーツの間に大量の空気が流れ込んでいる。
「シンジ君、お願いが有るの」頬を擦り寄せて耳元で「この仕事……ずっと続けて頂戴」
甘い囁きのような声は意外な言葉を紡いだ。
「続け……る?」
止めろ、ではなく? 誰もが、買った客までもが言ってきた言葉とは正反対の意味。
「もっと私と寝なさいって意味じゃないわ」
だから安心しなさい、とでも言いたげなリツコ。
首の後ろにリツコの手が回り、構造全てがわかっている手付きでプラグスーツが前後に開かれた。
そのまま滑らすように脱がされる。
「身長は伸びたけれど、体重は変わってないかもしれないわね」
可哀想な位男として頼りないむき出しのシンジの肌に濃い口紅で彩られた唇を落とす。
吸い付くワケでも舐めあげるワケでもなく押し付けられた唇はゆるゆると鎖骨の辺りを往復した。
「は、あ……」
金色に染め上げた――正確には脱色した――前髪が肌に触れてくすぐったい。
「どうしてか、知りたい?」
離れた唇が尋ねる。顔が上がっていないのでこちらを見ていない
「復讐よ」
聞き返したいが声にならない。
しかしリツコが先に言葉を繋げた。
「私じゃどうしようも出来ないから、シンジ君にお手伝いしてもらいたいの。貴方がこうしてお仕事を続ける事で私はあの人に復讐出来る」
「誰かに言うんですか?」
あの人が誰を指すのかわからない。しかし出来るなら他人には知られたくない。
ましてやリツコの知人に知られるとなると……最も知られたくない人間の耳に入る可能性も高くなる。
最も知られたくない人。――父親。この期に及んで未だ父親にだけは知られたくないと考えているなんて滑稽だ。
蔑みたければ蔑めば良い。父親なんて大嫌いだ。……そう思いながらこんな時にまで気にしているなんて。
「わざわざ言ったりはしないわよ」
その後の質問はリツコの唇にシンジのそれを塞がれてしまい言葉にならなかった。
考える間も与えずに舌が咥内に押し入って暴れる。鼻から漏れ合う互いの息が熱くて苦しい。
苦しいのはそれだけじゃない。意図的に分泌させた唾液を送り込まれ、苦い薬を飲まなくてはならない時のような喉の弁の開かなさが苦し過ぎる。
頭の芯を暈そうとする濃い口付けは2分程続き、リツコが体を起こす事によって終わった。
唾液が橋を作るなんて物ではない。唇を重ねている最中からシンジの口の端は唾液でドロドロに汚れている。
それを身長差で見下ろすリツコ。
馬鹿にされているのか、子供と舐められているのか、両方なのか。
挑発的を通り越して侮蔑にすら見える視線がシンジを刺す。
「面倒だから始めちゃいましょう。前戯なんか要らないわ」
「でも、ちゃんとしなきゃ……」
「した所で何が変わるのかしら? 放っておいたってちゃんと挿入るし、妊娠の確率が変わるワケでもないわ」
リツコは短いスカートの下から右手を入れて股間を通り越してウエストの辺りを探る。こんなにも近く、そしてスカートも上がりきっていないので何をしているかは見えない。
漸くリツコの手が下りて、同時にベージュのストッキングとその下の白に近い色らしい下着がまとめて下りてきて何をしていたのかがわかった。
「僕……あの、僕……」
愛撫をしなくてはならないという義務感か、もしくはただ触れたいと思ってしまう思春期少年のサガか、シンジは恐る恐る右手を伸ばす。
が、その右手と反対の左手をリツコの手が捕らえた。
「早く始めて早く終わらせましょう」
性交ではなく復讐。
赤い口紅を唾液でたっぷりと汚した唇が素早く告げる。
未だストッキングに覆われた膝がシンジの脱げ掛けのプラグスーツを器用に下ろした。
露にされた半勃ちの性器が外気で冷やされる。この感触は自分で考えていたよりも勃ち方が大きいからだろうか。
膝で性器を一通り弄んだリツコは胸を中心にシンジに全身を預ける。
「ん……」
「重たい、なんて言っちゃ駄目よ。どの時代も女性は己の体重を異様なまでに気にかけるのだから」
「……リツコさんも、そうなんですか?」
掠れた疑問の声に、リツコは小さく鼻で笑った。
「そうね、私も女だわ。……私の『女』の感想は終わった後にでも聞かせてもらおうかしらね」
性器の先端が湿りを帯びた柔らかな肉に触れる。
漸くシンジの性器が先端まで血を巡らせて完全にそそり立つ形になったが、リツコの位置からでは近過ぎて見えない。
そのまま挿入せずにリツコは腰をグラインドさせる。ゾリゾリ、と独特な感触が背筋を通って頭まで響いた。
荒い息とくぐもった声がシンジの口から垂れるのをリツコは聞き逃さない。
「切り揃えておいたここが好きだなんて、貴方達本当にそっくりよ。尤も、どうせ好きな理由は違うんでしょうけれど」
誰とどう比べているのか今のシンジでは考える余裕も無いが、見下されているであろう事は想像が出来る。
巧みにリツコは腰を動かして剃毛した丘を過ぎて性器を陰核へと導いた。
「あぁ、うぅんッ……」
演技をしているかのような耳に響くわざとらしい声にシンジの腰がガクガクと震える。
「ねぇ……このトロトロとした先走りだけでも、妊娠する時はしてしまうって、ちゃんと知ってる?」
普段の白衣をピシッと音が出る程に着こなしたリツコには似つかわしくない語尾が蕩けるように甘く延びた言葉。
「はい……あ、んぅ、知ってます」
余り返事をしたくはない。出した声が上擦っている事をこのリツコが見逃してくれる筈が無い。
「じゃあお仕事の時はこの時点で避妊をしているのかしら?」
「してます……」
「そう……本当?」
顔がどんどん赤くなっていくのも、胸元にじんわりと汗をかいていくのも、つまりシンジは自分が興奮していく事をよくわかっている。
返事はついに声を出さずに頷く事に行き着いた。
「避妊方法は? コンドーム?」
そんな事に答えて何になるのだろうか。それでもその通りだと頷く。頷かされる。大きく、無駄にぶんぶんと頭を振ってしまう。
「可哀想に、貴方も面倒だと思っているんでしょう? ああ、何て可哀想」
舞台女優の大げさな芝居のような口振り。
この事実を『彼』が知ったら、もっと可哀想。嗚呼可哀想なのは果たしてどちらだろう?
嬉々としたリツコは1番可哀想の言葉を向けられるのが自分だと気付かずに、膣口を意図的に広げて蜜を益々垂らした。
ポタポタと愛液が性器に落ちてはなぞるように太股へと伝う。
リツコの愛液は本来の意味を成してリツコの膣はいつでも誰でも何でも受け入れられる状態になっており、それを知ったかのようにシンジの性器はムクムクと膨らんだ。
だがそれをシンジが自ら挿れるのではない。
リツコがいきり勃ったそれを玩具を扱うかのように自分の膣へ飲み込ませる。
――ドロッ
いつの間にかすっかり濡れそぼった――なんて言葉では足りない程になっていた――のか不明の膣は抵抗を一切見せずにシンジの性器を飲み込んだ。
「は、あぅ……くっ……」
シンジは自分の口から漏れる声を堪えきれない。例え声を出そうと出すまいと、飲み込まれる悦楽も恐怖も変わらないのに。
その声に気分を良くしたらしいリツコの視線が上から刺さる。
制御出来ない性器を女の自由にされて、頬を真っ赤に染め上げながら喘ぎ声を漏らす子供。
それはリツコにとって普段有り得ないシチュエーション。
リツコの好みに合致したのか、はたまた違うが単に珍しいからなのか、挿入すると同時に無理矢理腰を上下し始めた。
「ああぁっ! ううぅぅぁっ……ぐっ」
ネルフ本部内はどんなに大声を上げようとも外に漏れたりはしないだろうが、それでも男の自分がこんなに声を出しているのは恥ずかしい。
根元まで飲み込まれた性器が、その根元から全てを吸い上げられる感触。奪われてはならないと声はどんどん大きくなる。
快楽に負けて強く閉じていた目を開けると、その目前にはリツコの豊かな胸が迫っている。どの女性とも形・弾力・色と、全て違う乳房。
過去に見た事が有る筈の、だが初めて見る気がしてならないそれが上下に弾んで、どうにも恥ずかしい。
――ぬぷっ、ぬぷっ、ぐぷっ……
膝で動くリツコが少し体勢を崩すと、必ず嚢が押し潰されるように刺激される。ほんの少し痛むように苦しく、それが何故か気持ち良い。
口を真一文字に結んだリツコは声を出さない。変わりに唸り声に聞こえる息を漏らし、それがシンジの耳には嫌に響いて思考を麻痺させた。
幾らロックをしたとはいえ、何かの切っ掛けで扉が開いてしまうかもしれないし、リツコが知らないだけで監視カメラが有るかもしれない。
そう考えてリツコを制止するつもりだったのに、今はもう何も考えられず、何度も性器の上から下まで移動する細かにプツプツとした感触の有る粘液の壁しか考えられなくなっている。
「ふ、ふぅ、う……あ、アぁ……出ちゃ、う……ンんぅ……」
早いと言われるかもしれない。それでもいきなり射精してしまうよりは良い。
気付けばまた閉じていた目を開いてリツコを見る。良いと言ってくれる事を願って。
言わないワケが無いだろう。そんな残忍な事を言うのはあの人位だ。
ふと、脳裏にその名前が浮かび、目の前のリツコの顔がその女の顔に摩り替わる。
痛い事、苦しい事、恥ずかしい事を沢山させてくる。嫌で嫌で仕方無いのに、お金が欲しいから全部受け入れる自分。
そしてそれを楽しそうに見ている――見下している、か?――あの目にすら欲情しているのだと気付かされた。
「どうしたの? 未だイカなくて、大丈夫なの? 良いのよ、私を置いてイッて頂戴?」
どうせお前にはイカせられないだろう、と言ってくれても構わないのに。あの人なら言うのに。言ってくれるのに。
きっと聞こえないだけだ。そう思いたくて、シンジも膝を使って何とか腰を上下させてみる。
元から経験した事の無い無理な体勢で、更にリツコは身長から割り出される体重よりかなり軽いが、それでも成長期に片足を突っ込んだ程度のシンジにとっては重たい。言うなと言われたが、やはり重たい。
「……ンっ」
自分からはゆるゆるとした動きしか出来なかったが、それでも漸くリツコが声を上げた。
運動の後の少し掠れた声は高過ぎず艶かしい。
自分がリツコを支配しているのか、それともされているのか。昂り過ぎて一層射精出来ないまま逝ってしまいたい考えが頭に浮かんだシンジは更に腰を左右に揺らす。
「アうっ、ウ、おぁ、僕ッ! も、もう……イキた……」
未開の地の無い膣内を縦に抉られるだけではなく、肉壁への悦楽にリツコの生殖器がキュッと締め付けてきた。
そこに、ぶちまけたい。
声にならない言葉の変わりに、口の端からだらしなく唾液が垂れる。
――ガタガタガタッ
足元で何かが振動する音。と、同時に。
「は、あ……ッ!」
――どくん
心臓が跳ねるような、張り裂けるような音を感じさせながら精を一気に放出する。
膣の外でなければ奥でもない、ただその中に大量に吐き出された精は本来の目的を思い出したかのように奥へ奥へと進んでいく。勿論見えるワケではないが、シンジはそれを感じられた。
そしてそれは酷く気持ち良い。射精した事以上に。
耐えられず腰がカクカクと動く。
「……っ、う、くっ」
今日の為に精巣の奥に溜められていた精の全てを重力に逆らって注ぎ込む。何の感慨も無いのか、リツコは何も言ってこない。
罵る言葉も誉める言葉も、自分の悦を呟く声すらも無い。
それでもある程度は満足したらしく脱力した体を預けてきた。
「はぁ、は……あ……ど、うして……」
これが一体どんな復讐になるのか。誰に対しての復讐になるのか。シンジには検討も付かない。
ただ内罰的な考えをもってすると、親友のミサトを抱いた自分に対しての何らかの復讐、なのかもしれないと考えられる。
こんなにも申し訳無い気持ちにさせられるのだから。
「……どうしてか知りたかったら、今日の夜に貴方を1番大事にしている人に電話をしてみれば良いわ」
言い終えてから大きく深呼吸を1度してリツコは体を離す。
リツコの体が離れると、急速に体が冷えていく気がした。
他人の温もりを欲している……否、単に自分を囲んでいた物体が消えて火照って上昇した体温よりも低い空気が体に当たるだけ。
風によって着崩れした服を直すだけの手付きでリツコは素早く衣服を着直す。
そして屈んで白衣を、そのポケットの中に入っていた携帯電話を拾い上げた。
先程のガタガタという振動音はそれだったのかとシンジが察する前にリツコは携帯電話を開いて小さく溜息を漏らす。
「どうしたんですか……?」
幾分呼吸が整わないシンジの問い掛けに、リツコは平然とした表情で目を合わせた。
まるで2人の間には何事も無かったかのように。
「アスカがご立腹みたいなの。貴方が戻らないから。身長を測るのに何時間掛けるつもりか、って。戦闘訓練の真っ最中に何度も怒られたってマヤからメールが入っちゃって」
携帯の画面とシンジの顔を見比べてからリツコは己の顔立ちに良く似合う、ともすれば自嘲的にも見える笑みを口の端に乗せる。
「何て言えば良いのかしらね。アスカ、勘付いているんじゃない?」
「まさかッ!」
疲れきった喉から出る声は裏返ってしまった。
アスカに知られているワケが無い。知られたくはない。
「……多分、大丈夫です」
目を少し細めてみてくるリツコに安心させようとする言葉等必要無いのに。
もしかすると、自分が安堵したいだけ、なのだろうか。
「どうしたの? 顔が赤いわよ。大丈夫じゃないの?」
どこか冷たい微笑が含まれている。
大丈夫だと断言出来ないし、否定もしたくない。シンジは声を口をつぐんで首を左右に振った。
リツコは右手だけで携帯電話を操作して耳に当てる。
「もしもし? えぇ私。もう少し待ってもらえる? シンジ君も男の子だもの、私の前では脱ぎたがらないの。でも私が居ないと調べられないから手をこまねいていた所よ」
脱がない、と強調するように告げるリツコを遮る事は出来ない。
もしも電話の奥からこちらが見えていたら……そう考えると恥ずかしいし参るが、何故か同時に吐き出したばかりの愛液に汚れた性器がむくりと鎌首をもたげてしまう。
遂に体は自分の意思を大きく外れて悦だけを追うようになってしまったのか。
「……えぇ、頼んだわよ」
電話が終わる。白衣のポケットに無造作に入れてヒールを1度カツン、と鳴らした。
「じゃあ測りましょうか、身長」
「あ……は、はい」
「ほら、プラグスーツをちゃんと着て」
「着るんですか?」
「そうよ。どうしても全裸で測りたいと言うなら、私は別に構わないけれど。でもここは冷房がきちんと入っているからお勧めは出来ないわ。ただでさえ汗をかいた体は熱を放出しやすいのだから、すぐに風邪を引いてしまうわよ」
淡々と説明してくれる口調は日頃のリツコと何ら代わり無い。
その声で先程自分を慕ってくれているマヤに嘘を吐いていたのかと思うと、別にシンジ自身がした事ではないのに胸が痛む。
だがやはりリツコの言葉に間違いは無く、早々に体が冷えてきたのでシンジは素直にプラグスーツを着た。
そして着終えて先程の料金と金を渡された後、本当に素直に身長を測定される事になる。
どうせ午前と午後では身長が違うのだから、午前中に測って少しでも高く見せられれば良かったのにね、とリツコが軽い冗談を言うとも思っていなかったし、数センチだが本当に身長が伸びていたのも予想外だった。
身長と何故か体重も――だけ、の方が正しいかもしれない程念入りに――測られてシンジの身体測定もどきは終了し、戻る頃には制服に着替えたレイとアスカの2人が待っていた。
後者は兎に角苛立ちを露にして、よくわからない理由で責め立ててきた。それは帰宅してからも変わらずで――
「ンもぉーこんなに帰りが遅くなったのも全部アンタの所為よ!」
「ごめん……」
「ご飯が遅くなったのだって、アンタの所為なんだからね!」
「ごめん」
「ミサトがなんにも言わないから、反省しないアンタの為にアタシが言ってあげてるんだから!」
「ごめん!!」
何度謝ろうとアスカは引かないし、その内謝り方にまで難癖を付けてきそうな雰囲気の漂う夕食。
2人を見ながらミサトは苦笑気味に夕食とビールを楽しんでいる。
そう、楽しい。アスカが心の奥底からシンジに怨みを持って罵りたいワケではない事はわかる。
足元で魚をつついているペンペンにすらこの3人独特の夕食の楽しみ方が、それを楽しんでいる事がわかる筈だ。
ただ1つだけ、シンジは心に引っ掛かる事が有る。
「……どうしたのよ?」
「別に」
もしも例え誤魔化してだろうと口にしたら、よくわからないけれどきっとアスカは機嫌を更に損ねそうな気がするので言わない。
情事の後、リツコから垂らすように与えられたヒント。
でも心当たりが無いので答えが絶対に見付からない。
シンジは『自分を1番想ってくれている他人』が誰だかわからない。
キーキーと騒いでいながらも黙り込むと急に心配そうに伺ってくるアスカが、果たして自分を1番に慕っているのかと問われると答えは出ない。
「ご馳走様」
「もう良いの?」
「はい」
自分用にと配膳された――配膳したのはシンジ自身だが――ご飯と味噌汁は一応綺麗に空にした。
食器を台所へ運ぶ間にミサトは背に不安気な視線を刺してきたが、イコール1番大事に想っている、にはならない。
なれば良いのに、とは思うけれど。でもきっとならない。
そうして自ら可能性を排除して、他者から見れば望んで孤独に飛び込んでいっている状況に陥っている事に、シンジは未だ気付けないでいた。
「何? ダイエット? 折角伸びた身長が縮むわよ」
「縮まないよ」
アスカがやたらと絡んでくるのは身長を抜かれるのが嫌だから、とかかもしれない。勝手にそう解釈したシンジの顔が綻ぶ。
食器洗いの当番はいつの間にやら何故か毎日シンジになっていたが、未だ2人共食べ終わっていないので今すぐする必要は無い。
もし「どこへ行くの?」と聞かれればそう答えようと言い訳を胸に持って、途中魚を1口で飲み込むペンペンの頭を屈んで撫でて、シンジは自室へ向かった。
かなり狭く、これを部屋と呼んでは他の部屋に怒られてしまいそうだが、シンジは今の与えられた自室もそれなりに気に入っていた。
広過ぎて落ち着かなくなるよりは、多少手狭でも充分事足りる部屋の方が単純に好みなのかもしれない。
その中のベッドの上に腰掛けて、携帯電話を鞄から取り出す。
携帯していないワケではないが常に手元に置いているワケでもない。もし手元から消えても非常時の連絡が取れなくなって困る程度で、自ら買いに行ったり欲しいと強請ったりするつもりは無い。
……今は少し違うが。
『客』との連絡手段は携帯電話が基本。大半の客はその場で会って買ってもらってもう2度と会わないが、中には今1番稼がせてもらっている女性のように繰り返し会う事になる大人も居る。
今や携帯電話のアドレス帳に入っている人数の丁度半分が客になっていた。
そのうちの1人の名前をディスプレイにさせる。
リツコがこの人を知っているワケが無い。だけど、多分自分を今1番大事に想ってくれているのはこの人だ。
――当然シンジのその考えは大外れで、リツコは今『彼』の隣で電話が鳴ってしまわないかと嫌な期待をしているのだが。
電話番号を表示させて、音声通話で発信。
こちらから電話をするのはもしかすると……否、もしかしなくても初めてで酷く緊張する。
呼び出し音が3度。それに負けじと煩く響く心音の所為で胸が妙に痛い。
――カチャッ
[はい?]
どこか不審そうな声で相手が出た。
「も、もしもし、あの……碇シンジです」
誰かがこんな仕事をするなら偽名を使えと言っていた気がするが、そんな名前生憎持ち合わせていないし、相手にも既に本名を名乗ってしまっている。
[……何か有ったとか?]
シンジから電話が掛かってくる事が初めての相手は当然驚いて、寧ろ疑っているらしく声が低い。
「い、いえ、何でも無いんです! その……」
やはりリツコの指した人物はこの人じゃなかったのだろうか。それとも、この電話に何か意味が有るのだろうか。
わからないが、別段用事が有ったワケでもない。話題提供の苦手なシンジは必死に言葉を、話のネタを探した。
「……あの、今日のお昼、ちょっと気になって」
[昼?]
「はい。……返事、無かったから。土曜日の事」
気にして電話をくれたのかと合点した1番客の女性の声はこの瞬間に華やかになる。
続く。
キター!!
孔雀氏おかえりなさい!!そしてお疲れ様!
パソコンはもう大丈夫なの?
いやーしかし、相変わらず圧倒的な技量に飲み込まれてしまった
wktkがとまらない
乙です
* +
+ ∩_ _∩
キタァ━━━━━━( ゚∀゚)━━━━━━!!!
+ ノ /
+ (つ ノ +
(ノ *
+ * +
+
* +
+
孔雀氏まってたよ!
相変わらずGJ!
気になる気になる
愛からわず樹になる
510 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/08(土) 01:21:48 ID:HwX3JtI9
あ
孔雀さん、乙!
すごいGJ!こんな引き込まれる内容とは…
興奮しながら読み耽りました(´ω`)
512 :
カラシ:2007/09/08(土) 01:46:28 ID:???
凄いです…!前々からロムさせて頂いてたのですが、文章力も素晴らしいですし、なによりも発想が素敵過ぎます。
ネ申 職人様と呼ばせて下さい!!
師匠と呼ばせてもらいたいです。
この職人さんの文章力…見事だ。GJ
エヴァ板良スレ保守委員会
孔雀氏はエヴァ板の中でも最上級の職人だと思う。
同じSS書きの自分から見ても遥かに足元に及びまへん…!
人物の書き方にリアリティがあるというか、上手い。マジで。
本当にプロとして作家活動をされているのかと思うくらいです。
とにかく、
すんばらしい!
久しく見ていなかったが孔雀氏凄い。
読みやすくそしてハラハラさせる。練りこまれたストーリーにジェラシー。
いや、本当に悔しい!
自分にはここまで書けないです。
>>512カラシさん
弟子はとっていないっていうか寧ろ俺の師匠になって下さい。学びたい。
ちょいとチラ裏なんだけど
いきなり了承も無く来月から時給下がるそうで、ただでさえ今月シフト少ない貧乏フリーターの俺はいつパソ修理に出せば良いんだよって話なんですよ
つかセンターに出さなきゃ直らない程ヤバい状況らしいのにパソ使うってどうなんだろうね
でも休みが多かったんでうっかり書きまくったら出来たんで投下します
・エロくない代わりにグロいかもしれない(お前にはこれがエロなのかとか訊かない
・やおいのターンは次でも怒らない(リクエストは嬉しいし答える予定だけど今回は無いんですスマソ
・間違っても真似しない(売買春やドラッグは犯罪です
冷房を付けていなくてもそんなに暑くならない部屋を彼女は気に入っているらしかった。
確かに暑くはない。寧ろ、少し肌寒い。
それはシンジが全裸だから。
あまつさえ四つん這いになり、その背にオレンジジュースの入ったグラスが乗っているから。
ワインの方が雰囲気が出るけれどアルコールは得意じゃない、と彼女は注ぎながら言っていた。実際酒の話をした記憶は無い。
「……は、ぁ」
「煩い」
短い言葉で制される。
背中が冷たいです。スナック菓子の小さなカスがくすぐったいです。両手が疲れて痺れました。僕もDVDが見たいです。
もう何も言えないシンジは、今はただのテーブル。ジュースの入ったグラスと、スナック菓子を飾った皿を置かれて、ソファに座る女性とテレビの間に置かれた家具。
それでも「椅子にしたら折れちゃいそうだから」と、お客様なりの譲歩が有ったらしい。
DVDを見ると言った時に流行りの映画か何かかと思ったので、アーティストのライブ映像だった時は少し驚いた。
余り知らないアーティストなので斬新で、面白いと言えば面白い。
それに、先日のリツコと違い、彼女のする事・させる事は決してシンジや誰かに対する憎悪の感情が無い。
寧ろ愛情に近い何らかの感情すら向けてくれている気すらする。
そんな素敵な物ではないが、そうするのが楽しいとか、そうすれば気持ち良いとか、所謂プラス側の感情が込められているのは確かだ。
だからだろう、甘んじて受け入れられるのは。グラスのかいた汗が背に伝って冷たくても我慢出来るのは。
「く……」
しかし1つだけ入っている氷が溶けてしまっては、つい声も出てしまう。
再びオレンジジュースよりも冷ややかな声が掛かるかと思ったシンジの耳に届いたのは意外な言葉だった。
「……この前、電話有難う」
「でん、わ……?」
腕が痺れて声が震える。
「うん。メールの返事全然出来なかった時……あの日ね、仕事で本当に、本っ当に疲れきってて。メールを打つのに携帯の画面を見るのだって辛いかもって思ってたんだ」
大好きなアーティストの大好きな曲に真剣な彼女はこちらを見ていない。
「シンジ君って余り電話が好きじゃなさそうだったから、まさかかかってくるなんて思わなくて」
確かに、正直に言えば電話は苦手だった。
表情や身振り手振りが見えないのは恐ろしい。声色だけで相手の些細な感情を掴める能力なんて当然持ち合わせていないし、相手がどこでどんな事をしているか見えないのもまた怖い。
声だけで済む、互いに顔を見せ合わなくても済むと考えれば少しは気が楽になるのだが。
「私も特別電話が好きって程じゃないんだけど、でもシンジ君からの電話は凄い嬉しかった」
「女の人は……電話、好きじゃないんですか?」
「あぁ、女の子って長電話するもんね。私も偶にやるよ? 女の子同士限定で、だけど」
そういう意味ではなかったのだが。取り敢えず訂正はしないし出来ない。テーブルの自分の言葉を聞いてもらい、返事を貰った事に感謝しなくては。
この『仕事』の都合で携帯電話を使う時、一定の法則が有る事にシンジは気付いた。
男性は電話、女性はメール。
勿論どちらも使う人も居れば、どちらも使わずに連絡先を教えているのに会った所で待ち伏せている人も居るのだが、比較的その組み合わせが多い。
目の前で再びスナック菓子に手を付けた彼女もまた女性らしくメールでばかり連絡を取ろうとする。
だから貴方もメール派ですか? と聞いたつもりだったが……顔を合わせていても上手く会話が出来るとは限らない。
「……誰かと比べてるの?」
「え?」
――カシャン
僅かに動いた拍子にグラスと皿がぶつかって甲高い音を立てた。
「だ、誰と、ですか?」
「それは私が訊いてるの」
声が少し低くなった。怒っているのか、悲しんでいるのか。少なくとも楽しそうではない。
「他のお客さんとか? それとも、もしかしてガールフレンド?」
「あの……」
「私、こうして毎週シンジ君と会ってるのに、例えばあの日一緒に居たオバさんみたいな女の人と同じラインに立っているのかな?」
答えない。答えられない。本当のテーブルになってしまいたい。
「週末しか男娼ごっこしてないって言ってたよね? じゃあ毎週末一緒に居るんだから、今はしてないんだよね? 欲しい物が有るんだったらプレゼントしちゃうし、何か他のお客さんの方が良いーとかだけは言われたくないの! ねぇ、私はッ!」
「僕はッ! その、僕は、そんなつもりじゃ……誰かと比べたり、したワケじゃ……」
そう舌は語るが誰かと比べてしまっているのかもしれない。他の客や、客と違ってもっと身近な女性達と。
意味をわかってもらいたいなら『好き』と言うだけで良いのに、女の口からは一向にその言葉は出てこない。その一言だけでシンジは無二の存在と認め一気に傾倒出来るのに。
何も言われずに背に乗せられていた食器が1つ、また1つと下ろされる。
「……あの」
「もう、どうして私の言う事がきけないのッ!!」
突如、逆上に近い声で叫びながら、シンジの左腕が掴まれた。
「う、わっ!?」
そのまま事故車が横転するように寝転がされ、仰向けにされ、肉付きが悪く見える程薄い腹に踵が落とされる。
「ちゃんとお金も払って、可愛がってあげてるじゃない! 何が足りないって言うのよ!!」
声を荒げて、他者の痛み等「い」の字も興味が無いといった調子。足首だけが妙に細い足からの暴力。
望まれぬ子供が親からの虐待を受ける非日常が、今や日常茶飯事でお茶の間に報道されているが、あの『可哀想』を形容詞にした少年少女――それよりも幼児や幼女の方が言葉として相応しい――はこんな気持ちなのだろうか。
痛過ぎて、痛いよりも先に怖いと体が叫ぶ感覚。
文字通り息をする間も無く襲い掛かる暴力で、シンジは助けてと拒む事はおろか、寝返りを打つように逃げる事すら出来ない。
……が、彼女曰く『一方的な喧嘩』は3分程続いて終わり、途端に静寂が訪れた。
「……か、はっ……ゴメ、なさい……」
何を言えば良いのかわからないが、この静寂は出来れば打破したい。そう考えてシンジは口癖になってしまいそうな謝罪の言葉を述べる。
「ねぇ」
謝った事に対して何も無く、自分から謝る事は当然無く、くしゃみで止まった話を続けるような声音。
「ちょっと待ってて。怒ってないから、ちょっとだけ待ってて」
良いとも悪いとも、どうしてと尋ねる間も与えずに彼女は冷蔵庫へと走って向かった。
両手を広げて、足を伸ばして、大の字になってシンジは目を閉じる。自分の体の中心の腹部が酷く痛む。
だが決して命に別状は無いだろうし、骨が折れただの内臓が破裂しただのといった事にもなっていない。
嗚呼良かった。……とは流石に思えない。
「もう寝ちゃったの?」
慌てて目をパチリと開けると、穏やかな表情で顔を覗き込まれていた。
「良かった、狸寝入りでも嫌だよ。ね、起きれるでしょ? ベッド行こう?」
「ベッド?」
玄関から1番離れた所に有る、一人暮らしなのに女性1人で眠るには大き目の、少しマットが硬過ぎるベッド。
シンジが思うベッドはそれで、彼女の言うベッドもそれ。
「意味、わかる?」
首を左右に振ろうとしたが、それより先に二の腕を掴まれた。
先程の跡が残る程強い掴み方とは違う。痛くなく、それでいてしっかりと引っ張られる。
逆らえないのは腹部が酷く痛むから、だけではないと思いたい。
ベッドの上に2人向かい合って座る図は、もし傍から見る人が居れば滑稽だったかもしれない。
腹部が痛むので体を丸める意味でも膝を抱えたかったが、全裸で――2人で居るには――広くないベッドの上でそんな体勢になる勇気をシンジは持ち合わせていなかった。
そんなシンジの顔の前に伸ばされる両手。
「これは…?」
1つは、左手にしている方はよく見知っている。
「コンドーム。やっぱり、避妊しなきゃ駄目でしょ? 私ピルとか飲んでないし、何より結婚してないのに避妊しないでエッチする人って馬鹿だと思う。デキちゃった結婚とか、本当馬鹿で気持ち悪い!」
「そうですか?」
「思わない?」
考えた事も無かったシンジは首を傾げて見せた。
それよりも右手のもう1つの物が気になる。
風邪を引いた時なんかに飲む薬の、箱から出してきたばかりの状態のようなそれ。
「あの……そっちは?」
我慢出来ずに尋ねると、その手が少し遠ざかった。
「何でしょう?」
楽しげに問われてもわからない。
「普通じゃなくなるお薬」
やはり見た目通り薬らしい。
錠剤ではなくカプセルで、未だ1つも使った形跡は無い。
子供でも飲めそうな小ささだが、大人でも拒みたくなる片側が紫色で反対側は蛍光色にも見える黄色のカプセル。
「このままエッチしちゃったら、普通でしょ?」
「そうなんですか?」
人を散々テーブル扱いした挙句腹まで蹴られて、それを普通だと頷くつもりは無い。
だがベッドの上で、避妊用具まで付けて体を重ねるのは、ある意味普通だ。
思い返せば彼女とはそんな事を、まともな性交をした事が無かった。いつも異常としか思えない事をされたり、させられたり……
もしかすると、極端に『普通』が嫌いなタイプなのかもしれない。
「だから普通じゃなくなるの。お水が無くても飲めるタイプだって有ったから」
はい、と言わんばかりにその右手を再び前に差し出してきた。
取り敢えず受け取ったシンジだが、当然いきなり呑む気にはなれない。
しかし未だズキズキと痛む腹部を考えると、容易に「僕が呑むんですか?」と尋ねる事も許されない。
「……どう、なるんですか?」
それでも訊いてみる。
「バイアグラみたいな物だよ、きっと」
「ばい、あぐら?」
「知らない? そっか、知らないよね、世代違うってヤツだし。何か昔流行ったの。こう……男の子がいつまでも気持ち良いまんまでいられる薬」
少し説明が可笑しいが、本当の意味を知らないシンジは納得した。
「普通にエッチしたら、それで終わりでしょ? そんなの嫌。本当はね、エッチ自体したくないの。本当にただの援交になっちゃうから」
君の特別になりたいと、私は貴方の恋人になりたいと、そんなわかりやすい言葉を使えば良いのに。
「映画とかに有りがちな『忘れられない一夜』ってヤツにしちゃいたいの。……危ない薬とかじゃないよ? 小さな薬局で買ったんだけど、無味無臭で依存性が無いヤツだって。後、神経関係には副作用が起きたりしないんだって」
「はぁ……」
単純に薬を呑むだけなら大した苦ではない。
それに一応「気持ち良くなる為の物」としているのだから――どうせならないだろうが――ここまで言われて呑まないでそろそろ殴られるよりマシだろう。
「頂きます」
「召し上がれ」
薬を飲む時に交わす言葉ではないが、返事を聞いてからシンジはカプセルを舌の上へ乗せた。
口に含み、極力味を感じないように急いで、ゴクリと音を立てて飲み込む。
舌に残るペタリとした感触が不快だが、幸いにも特に味は無かった。
食道を通って胃の中へ真っ逆様。
「……どう? 大丈夫?」
女の声にシンジは頷く。
大丈夫と返す以外に何が有るだろう。体にも心にも一切変化は無い。
なので思う事も「本当に水を飲まなくても良いのか」位しか無い。
「ムラムラする、とか無いの?」
「別に……」
「可笑しいなぁ……即効性って聞いたんだけど……」
はて、と首を傾げる。当然だが、誰が何を飲もうとこんなに早く効果が出るワケが無い。
「まぁ良いや。どうせすぐ効果出るわよね。普通のエッチしてみようよ、私よくわからないけれど」
「う……おも、たい……」
重たい? 所謂『上に乗る』状態ではあるけれど、体重は一切掛けていない所か殆ど触れ合っていないのに?
両腕を伸ばした状態でシーツにつけているシンジと、向かい合ってその下に組み敷かれている女性の表現は、どうやら異なるらしい。
ここ数ヶ月は会えていない楽なタイプのお客様――容姿か積極性に問題が有って処女を貫いてしまった独身女性、
もしくは旦那と極端なマンネリにある年齢は高めの既婚女性――に対するように、単純に指や口を使っての愛撫を施して、順序を守ってありきたりなインサートをした。
どちらかというと女性らしくなく着太りするタイプだったらしく、豊満そうに見えた胸はそうでもない代わりに、段が有りそうな腹もそうでもない。
胸の感度は高く脇の下からなぞるだけで嬉しそうに声を出していたが、性器自体は好ましい反応は見せず、本人も「もう良い?」を連呼していた。
本人の話を信じるならば全く自慰をしていないので、慣れていない所為だろう。
そしてその感想が彼女にとっては『重たい』だっただけの事。
この先ずっとこの関係が続いたとしても、余程の間違いが起きない限り普通の性交に至るとは思っていなかった。……今が余程の間違いなのかもしれないが。
「……ねぇ、シンジ君は気持ち良い?」
「は、はい」
思わず反射的に返事をしてしまう。
性器に絡む肉襞は妙に乾いていて、寧ろ絡まずに圧迫してきている感触は避妊具越しでもしっかりとわかるし、あまつさえ眼下では繋がっている女性が機嫌悪そうにしている。
全裸だったり他人様のベッドの上だったり、シンジとしては好ましくない要素だらけで緊張に押し潰されてしまいそうだ。
つまり、正直に言ってしまえば、気持ち良くはない。
この年頃の少年によくある性交イコール快楽の方式はシンジの中では成り立っていない。
「動いて……良いですか?」
「良いけど」
いつも通り腰を引き、そして深く挿し入れる。申し訳程度の愛液が押し出されてはきたが潤滑油としては物足りない。
ただじゃりじゃりっとした陰毛の感触が恥骨にぶつかってくるのみ。
保存の為と無駄に冷やしたがる彼女は――避妊具同様――冷蔵庫にローションを入れっ放しにしてある。
それも一緒に出してきてくれれば、と思わずにはいられない。下手をすれば膣を傷付けてしまうかもしれない程濡れていないのだから。
そんな不満を思っていた筈の脳味噌が、いきなりカチリと音を立てた。
「……はうっ……あ……?」
何が起きているのかわからないが声が漏れる。
自分の声とは思えない程甲高く、自分の声なのに艶が有ると思わせられる声。
腰の動きを止めたのに、勝手に背中がピクンと跳ねた。
「どうしたの?」
「は、はぁ、はぁ、はぁ……」
訊かれてもわからない。そう答えたかっただけなのに、既に声にすらならない。
背中が暑い。胸元も暑い。部屋の温度が急に下がったのかと勘違いしそうな程に体温が急上昇し、それでいて風邪を引いた時とは違い頭がハッキリしてくる。
「あうっ、ひっ、ひぁ……あ、あああっ!」
その鮮明になった思考回路に考えてもいない事が大量に注ぎ込まれる。言葉には出来ない、未知の事象が無理矢理頭に刻み込まれていく。
脳味噌が頭から落ちてしまいそうな位に重たくなり、それに耐え切れない膝がガクガクと震えた。
「ね……あ、お薬効いてきたの? どんな感じ?」
シンジの異変が余程嬉しいらしく声が弾んでいる。
それだけではない、性的な興奮すらしている。性器を濡らす愛液が粘度を増した。
「ねぇ、どんな? どんな??」
「あ……暑い、です、おちんちんが熱くて……体、全部熱くなり、そう……あぁア……」
拙い言葉以上に掠れた声と歯のカチカチなる音が彼の体の異変を訴えてくる。
「あふッ! あ、あふ……溢れ、るぅ……ああぁ……ン、ん、んッ!!」
――ドクン!
耳の鼓膜が破れてしまいそうな程大きな音がした。――気がした。
それが射精だと気付けないまま、シンジは射精している。
過去形ではなく現在進行形。硬さも熱も収まらないし、何より精液が未だ止まらない。
射精をする瞬間の目の前が真っ白に、もしくは真っ黒になる状態が続いている。それでいて未だ膣内に有って精が出ているのに、1分前に射精も性交も終えた時のような気だるさが有って、悦以外にもきちんと頭が働いていた。
大変、このままイッちゃってたら、赤ちゃん出来ちゃう!
「あうっ……だ、駄目、そんな……はぁ……はぁ、はぁ……」
抜き取らなくては。そう思っているのに体が動かない。思うように声帯も動かなくて言葉が紡げない。
「な……何?」
「アうぅ……う、ぐ……」
自由の利かない体を無理矢理動かしてシンジは性交を中断させる。ズルリと抜き出した性器――に被せてある避妊具――は吐き出し終えた精が漏れて、愛液と入り混じってドロドロに汚れている。
どの体液よりも尿に近く感じる程熱く、ほやほやと湯気が立って見えた。
「止めちゃうの? ……凄いその気になってるみたいね」
笑み交じりの問いに答える余裕等一切無い。
彼女はシンジの顔を見て笑った。嬉しそうに、子供が他者を無邪気に馬鹿にするように。
何も言えずに開きっ放しの口から大量に唾液を垂らしていた事に。
見れば触れてもいない平らな胸の尖端も汗を乗せて女性のそれのようにプックリと膨らんでいる。
「……は、はぁ、はぁ、はぁっ、はぁッ……」
呼吸がどんどん酷くなる。何かの病を患ったと思わせる程危険な音を立てた。
そんなシンジの様子を、上半身を起こして上から下から値踏みするように見る。
「もうこれ使い物にならないわね」
待っていましたと言わんばかりの楽しげな言葉。一見普通の女性も被虐なり嗜虐なりの性的な倒錯を抱えているケースが有り、シンジの前でほくそえむ彼女こそその後者の代表例だった。
手が伸びたのは当然のごとくシンジの性器。瞬間、ただでさえべたべたになっている肌がブワッと汗を噴き出す。
だが指していたのはどうやら避妊具のみらしく、器用に右手だけでするりと剥がした。
金に糸目を付けず購入した薄手の避妊具はよく漏れなかったと誉められても良い量の精を受け止めている。
それが無くなった性器は精でべったりと濡れており、更に未だ吐精したりないと硬さを保っていた。
「ひっ! ああぁッ!」
シンジは後ろに引っ繰り返ってしまいそうな勢いで体を反らして痙攣したかのように震える。
性器も血液を循環させながらビクビクと震え、鈴口が未だ吐きたりないとその口を無理矢理開いて見せる。
「はぁっ、は、あ……あ、ま、またッ!」
触れる物等何も無いのに天井を向いた性器からビュッと精液が噴き出す。
かなり粘度が高く、シンジの顎辺りにねっとりと付いて、なかなか垂れ落ちてこない。
「あぁ、う……」
視界が、世界が全体的に黄色く見える。このまま体も心もついていけないが、多分これはひたすらに気持ちが良い。
そのまま意識を手放したくなる位に……
「何だか強く効いてるみたいね」
失神するのは許さない。楽しませてもらわないと。
そう言いたげな手が爪を立てて胸の尖端を潰した。
「ひィっ!? あ、あぁ……も、触って……」
痛い筈なのに脳内に送られる信号は何故か悦。口からは唾液が、性器からは精に見える程白く濁った先走りがつつっと零れる。
「まるで女の子がイッた時みたいな……うーん、違うかな。見た事無いから何とも言えないけど。でもそんな感じよね。これがイキっ放しってヤツ?」
「ふ、ひぁ、あ……怖い、怖い! はぁ、はぁ、はぁっ、あ……は、あ」
「怖いじゃなくて、こう……もっと喘げないの? 私、シンジ君には鳥が鳴くみたいに綺麗な声を出して欲しいの」
「あうっ……ううっ、あっ……ひっ!」
再び指が尖端を刺激してくる。コリコリと勃ち上がった右胸の飾りは痛々しい程赤く染まり、それを爪で引掻かれる。
「ぎ、い! や、嫌だ、あぁッ! 痛い、痛い痛い、は……あ、ぐ……」
体の一部が分離して浮き上がるような感覚。間違い無く錯覚なのにそれに身を委ねてしまいたい。そう思った罰なのか目の前の女性の望む言葉がろくに話せなかった罪なのか、シンジは突き飛ばされてベッドから床へと落とされた。
「あう、あうぅ……あふッ、ふあぁ……た、助けてぇ」
ドンッと鈍い音がして背に衝撃が走る。しかしそれすら快楽に結び付いてしまうらしく、またしても射精。
助けを請う言葉が口から出ているのはわかるが、何から救われたいのかはわからない。考える力は脳内に残っているのに、何を考えて良いのか見当も付かず、可笑しな答えとそれにすら合わない言葉が口から勝手に出てくる。
「そんなに気持ち良いの? 気持ち良いならちゃんと啼いてよ」
放っておかれて不貞腐れるような表情で顔を覗き込まれる。しかし眼球は上手くそれを捕らえられない。
そんな事よりも落ちる時に打った背がビリビリと痺れて、そちらにばかり気が向かう。
「はい……ひぐ、うゥ……あ、は……っ!」
「気持ち良いなら良いって言わなきゃ駄目」
両方の肩をしっかりと押さえ込み、押し倒す要領で無理矢理シンジの背を床に押し付けた。
「ちゃんと言ってってば!」
「う、あぁっ……は、はぁっ! あ、あぁ……んっ……」
結局喘ぎしか返せないシンジに焦らされて我慢が出来なくなったと言わんばかりに顔が近付いてくる。
口が開く。綺麗な歯並びが見える。それなりに興奮しているのか1本白い唾液が見えた。
その歯で噛み付かれたい、噛み砕かれたい。寧ろその口の中に飲み込まれてしまいたい。……舐められたいという考えは何故か浮かばない。
――ガリっ
「イ!? ぎ、いいぃぃィッ!!」
尖端が噛み付かれた。
先程願ったばかりなのに余りの痛み――いや、快楽なのかもしれない――が全身に染み渡る。
「ああ、あっ! そ、んな! すごっ……あ、イ、いぃ、気持ち良いです……あ、あ……んうぁッ」
啼けという命令は終わっていない。そんな声では満足出来ない。
折角自らの足で歩いて見付けた薬局で顔を見せてまで買った薬を使ったのだから。
媚薬、性欲を掻き立てるだけの物ではない。勿論勃起させるだけの物でもない。
脳を直接刺激する、国内での取り扱いは禁じられている極秘裏に輸入したドラッグ。
効果は保障するとの言葉通りきちんと出ている。しかし自分の望んだ甘く可愛らしく可哀想な声ではない。それでは自分にとっての保障になっていない。
「ひぃ、い……アっ、あふぁ……くぁァっ……」
何故きちんと啼かないのか。その苛立ちが素直に歯に表れる。
「アぁァッ!? ヒ、い、痛い! いたっ、ああア!!」
噛み千切る。……とまでは流石にいかなかったが、皮膚の一部が切れて胸の尖端から血液が滲み出た。
ほんの少しだが紛れもない出血。
痛いのか気持ち良いのかわからない。わからないが血液が出ているのはしっかりとわかる。
皮膚の避けた箇所、傷口がヒリヒリと痛んで気持ち良い。血液が流れた一筋のラインが熱くて気持ち良い。
「あぁ、あぃ……ッ! ひ、あ……あ、あっ、あう……んぅっ……」
漸く求められていた声を出す事が出来た。
満足した女性は口を、そして体を放して立ち上がる。
「シンジ君は可愛いけど……やっぱり男ってどうにも嫌ね。何か汚い。これ、勃起してる所は本当見たくない」
「あ、う、う……う……」
答えにならない声しか返してこないシンジの股間の真上に足を上げる。
――バシッ!
振り下ろされた足はあれだけ吐精しても未だ完全に勃起している性器を激しく蹴った。
強いて形容するなら細長いシンジの性器は女性の踵と床とに押し潰される。
「アああぐうゥっ! あっ……ああっ、あ……イクうぅ……お、あ……あァッ!」
全身の骨を一斉に折られる位の痛みに耐え切れず大声を出すシンジ。
掠れた最後の叫びと共に、未だ色が薄くならない精液をピュッと少量吐き出した。
――ジャアアァ……
それだけでは足らず、同じ穴から小水を流す。
「きったなぁい。何? 今のが気持ち良いの?」
まともに消化しきれていないのか妙に色が薄く、尚且つ精より余程熱そうな尿はどんなに体に力を入れても止まらない。そもそも力が入っていないのかもしれない。
「ひぎぃッ、や! いぁだ……」
押し付けてくる足の所為なのか心はこんなにも拒んでいるのに失禁は収まらない。
「気持ち良いの? 良かったの? 早く仰い!」
「はあ、はあ、は、あ……あぁ……とても、良い、でう……う、う……ッ」
精も尿も止まらないのに、涙まで出てきた。
「そ」
汗と涙と鼻水――と、更に勢いが良過ぎて掛かった自分の精――が汚く見える。彼女のシンジに対する興味が急速に失われて、足が離れる。
「……あ、りがとう……ございます……は、あ……」
「別に気にしないで」何が? と尋ねる事は一切無く、にっこりと笑みを作り「でも、そこは自分でちゃんと掃除してね」
「そこ? ……そ、こ……」
彼女の指す場所は当然シンジが精と尿で汚した床。
どうやって綺麗に掃除するのかは考えなくてもわかる。1つしか無い。
「……はい」
右胸の尖端は真っ赤に腫れているし、左胸の尖端は赤黒い血液が固まり始めていた。
それでもその体を何とか起こして四つん這いになり、汚れた床と向き合う。
鈴口の締まりが悪くなったように性器の先端からポタポタと精の残りが垂れた。
「何か言う事、有る?」
学生を卒業して当に成人もしている彼女の思い付く精一杯の酷い言葉。
「う、うゥ……床を、舐めさせて、下さい……」
様々な羞恥を飛び越えて屈辱がシンジの胸を埋め尽くす。
――ピチャっ
返事を待たずに舌を伸ばして床を舐めた。
ベッドに腰を掛けて足まで組んだ女性が自分の上でクスクスと笑いを零したのが耳に届く。
「……はぁ、はあ……あっ、はぁ……あッ……」
薬の効果なのか口を開けていると唾液が止まらない。
床に零れた精の一部はゲル状に固まっている。
舌でタップリ救いとるだけで激しい嘔吐感が襲ってくる。独特の青臭さがいつもより何倍も感じられた。
「んん、ぐっ……」
吐き戻してしまいたいが、そんな事をしたら精と唾液の他に吐瀉物を口に戻す事になるだけ。
それにもう少し顔を進めた先には尿も待っている。
床に舌を這わせたまま顔を動かして湯気を立てる小水を舐めた。
全く別物だがこちらも臭いが酷い。幾ら自分の出した物でも、尿は尿に変わりない。
口付けを落とすように床に直接唇を付け、溜まった黄色い液体を啜る。
「ん……んぅ、んんッ……」
恥ずかしく、苦しく、悔しく……そして気持ち良い。
まるで子猫が頬を舐めてくれた時のような愛おしさで胸がいっぱいになる。その子猫を真似て必死に床を舐めた。
床としっかりくっ付いている唇の端から唾液は垂れ続け、しまいには鼻水まで垂れてくる。
口の中は相変わらず不味いに属するしょっぱさが広がっている。鼻腔を埋め尽くすのもまたアンモニアを中心とした色々な物が混ざったきつい臭い。
頭も体も動いているが、正常ではない。……せめて味覚と嗅覚からイカれてくれれば良かったのに。
「何か、シンジ君、汚くなっちゃったね」
頭上から注がれる冷たい言葉。
別に彼女にそんな意図は無かった。付き合い始めてから短くはないが、男女交際のそれとは違う。また、期間的にはそれなりの長さだが、実際に会ったり電話で話をした時間だけで計算すると相当短い。
当然、彼女はシンジの『性質』を表層的な部分でしか知らない。
恐らく「内気」で「頼まれたら断れない」タイプの「淫乱」気質な「弟系」とでも考えているのだろう。
見た目――男なのに男性らしさを感じさせない顔立ちと、男なので女性らしさは全く無い体付き――が気に入っているのだから、正直中身はどうでも良かった。
……それでは彼女の望む『普通の援助交際』から脱却出来ない事に気付かず。
「私お風呂入れてくる。っていうか、シャワー入ってくる。床が綺麗になったらシンジ君も来て良いよ」
お風呂場で綺麗にしてあげるからね、と言いたいだけだった。
そんな言葉を残してベッドから下りた女性は浴室へと歩いて消える。
残されて、もう誰も見ていないのに、それでもシンジの舌は止まらず床を舐め続けている。徐々に鼻息が荒くなってきた。
汚くなった。汚れてしまった。……自分と体を重ねて金を払った相手が偶に言う枕言葉。続くのは、もうこんな事は辞めなさい。
汚いのなら舐め取れば良い。こんなに楽しく気持ち良くて綺麗になれるなら越した事は無い。
フローリングの木目模様が誰かの微笑みに見えてきた。幻覚だという事位わかっている。
幻覚を見て何が悪い。幻覚に甘えて何が悪い。それにもしかしたら幻覚ではなく現実かもしれない。
「ぐ! う……ぶっ、ふ……うっ! ごほっ、おォえっ! は、はぁ……うぅ……」
苦しくなって口を離して、大きく呼吸をして再び口を付ける。それを続ける。
いつからか聞こえていたシャワーの音が止まり、次いでカランから浴槽へ溜める為の湯の音が聞こえてきた。
浴室から出てくる気配は無い。湯を溜めながら体や頭を洗う事にしたのだろうか。
風呂で彼女が綺麗になるのなら、自分もどこかで綺麗にならなくては。
「……うぁ……逃げちゃ、駄目だ。駄目……外……行かな、きゃ。外に……」
立ち向かう。暖かな部屋と優しい幻覚に逃げてはならない。外の、未知の世界へ。
これだけ頭が混乱しきっているのに、脳内のどこかに理性は残っているのか、シンジはここに来てすぐ命令されて脱いだ服の元へ歩く。足元がふら付いたが、きちんと辿り着いた。
綺麗に畳まれた服を開いて、様々な体液で汚れたままの体にそれをまとう。
この仕事用にと駅2つ離れた店で買ってみた飾り気の無い女性物のブラウスの胸元は一気に内側から汚れる。下着も含めて必要以上に布は体に張り付いてきた。
本来不快感を覚える事象も今やすっかり神経は狂って喜ばしい。
「外に、外は……僕帰ります。もう帰ります」
目の前に居る誰かに耳打ちする位の小声。
誰が見ても異常とわかる笑みを口元に浮かべてシンジは扉に手を掛けた。開いた先に楽園の花園が広がっていない筈が無いと信じて。
マンションの廊下に出ても、エレベーターを使って1階まで下りて玄関を出ても、花園どころか雑草1つ見当たらないコンクリートの道。
夜だからか肌寒い風が全身をなぞる。まるで愛撫されているかの心地に陥って熱い息を吐きながら上を見上げた。
満天の……とまでは言えないが、思いの外美しい星空。欠けていながらも月も見える。
どこへ行くのかわからないが足は勝手に動く。顔は真上を向いていて、足取りは覚束無い。挙動不審を通り越して変質者にしか見えない。
遠目に見れば頼りない街灯と未成年には売ってくれない自動販売機の明かりを頼りに不安気に歩く少年を、幸か不幸か目にする人間は居なかった。
人っ子一人歩いていない道を適当に歩いていると、視界に強烈に眩しい建物が飛び込んでくる。
「……あ、はぁ、加持さんと入ったお店……加持さんが、はぁ、はぁ、居るッ……居る店?」
独り言が煩く耳に響く。ブォン、と勢いの良い音も聞こえる。気付けば自動ドアを開けていて、その眩しいコンビニに入店していた。
「いらっしゃいませー。……お」
聞き覚えが有るような無いような声――聴覚は鈍っていないのでレジから聞こえたのがすぐにわかった――に目を向けると、見た事が有るような無いような男が立っている。
「碇シンジ君、だっけ。この前はどうも」
「どうも」
少し声が震えているが、ちゃんと返事は出来た。
「随分な時間に来るねー? 今日も仕事?」
他の店員は居ないのか砕けた口調。どうにも彼の話す声が小さい気がしてシンジはフラフラとそのレジへ向かう。
「仕事?」
「この前の背高い兄さんは一緒じゃないから違うか」
「加持さんの事?」
意識していないのにどうしても甘えた口調になり、声も少し上ずってしまう。
「いや名前は知らないけどさ。そういや市役所行く途中でも会ったね。覚えてる?」レジ台を挟んで立つシンジに顔を近付けるようにその台に身を乗り出し「制服着て可愛い女の子2人と歩いて。もしかして、どっちか彼女?」
何の話をしているのか把握出来ない。ある程度考える事は出来るが、何かを思い出す事が上手く出来ない。
目の前の派手な髪をした男は見知っているし、彼と会った後に加持に会ったのも覚えている。その後道端で会った気もした。
「あの子達は援交……男がするのって援交って言うの? 兎に角、いかにも普通の女の子に援交してるってバレたらヤバいかなーって声掛けなかったんだけど。
ましてや彼女だったら絶対怒られんじゃん? 俺だったら絶対無理。つーか彼女がキャバやってるって知ってすぐ別れた、し……」
不自然に声が止まる。どうしたのかと顔を見た。――つもりだが、よく見えない。こんなに近いのに。
「……だ、どうしたの? 大丈夫? いや大丈夫じゃないか。また奥で休むか?」
目の前の男の声が自分の息や心音で聞き取りにくい。息をするだけで全身の血の巡りがわかる程に心臓が煩く動いている。
「はぁ……何が、ですか?」
口を開くと、何故か鉄の味がした。
「何がって、鼻血……」
鼻血? と尋ねる前に右手で鼻の下を擦る。ドロッとした気持ち悪い……否、体に付くだけで嬉しくなる気持ち良い感触。
「あ……本当だ、鼻血……鼻血、出してる……はぁ、はっ……」
拭った手には確かに赤い液体が付着している。汚い赤。
「は、あは……」
コンビニ店員は笑って誤魔化しているだけにも見えたが、視覚以外の情報がそうではないと言っている。
笑い声に混じる呼吸音が酷く拙く、何よりも近付けば近付く程わかる異臭。
何と何と何を混ぜ合わせればこんな臭いになるのか見当も付かない。多分元のどれもが余り良い匂いの物ではないという事位しか予測出来ない。
レジ台を乗り越えてシンジのすぐ隣に立ち、そっと左手を肩に添える。
「ちょっと……ティッシュとか無いの? つかお前、服も凄い汚れてんじゃん!」
肩に触れる他人の手がくすぐったい。ゾワッと腕全体に鳥肌が立ち、息が益々熱くなった。
「いらっしゃいませー」
不釣り合いに呑気な声がした。自分を支える男越しに声の方向を見ると、見覚えの有る中年親父が居た。
「おや……その子、どうしたの!?」
「俺にも全然わかんなくって……あの、風邪か何かっすかね?」
「取り敢えず鼻血止めてあげて! それから……何か熱っぽそうな顔してるから」
男の大きめの手が鼻と口を塞ぐ。
確かに物理的に鼻血は止められるが、下手をすると窒息しかねないので本来なら叱られるべき処置の仕方。
「うち解熱剤とか有りましたっけ?」
言われるよりも先に棚を探る年上の方の店員。
「んー……近くに薬局有るから薬とか余り無いからなぁ……その子本当に大丈夫? どうせこの時間お客さんなんて来ないし、良かったら早退してその子家に送ってあげたらどうかな?」
喉飴の辺りも調べているが、当然薬の類は出てこない。
「でも……」
手の平に伝わる熱い息と止まらない鼻血は酷く恐ろしかったが、若い方の店員はシンジの住んでいる家を知らない。先日擦れ違った市役所の近辺だとまでは想像出来るが、その辺りに置いてくるワケにはいくまい。
「……本当に早退しちゃって良いっすか?」
「明日もシフト入ってるよね? 明日オーナーに言えばきっと大丈夫だよ。それよりその子、後輩か何かでしょ? 君頼ってきたんじゃないの?」
後輩でもないし頼られる程親しくもないが、自分は万事OKだとの遠回しな言葉に感謝した男はシンジを抱えるように休憩室へと連れる。
自分の意思に反して無理矢理歩かされているのに全く不快じゃない。
それよりも店内と違って薄暗い店の奥に、シンジは少し安堵した。
「そこ座ってて。……じゃない、寝てた方が良い? 兎に角楽な体勢になってて、すぐ着替えるから。それよりも! そのティッシュ店のだから好きなだけ使って良いから、先ず鼻血拭いて!」
大声を残して彼は奥の小部屋――男子更衣室――に入って扉を閉める。
その見るからに小さそうな部屋でゴソゴソと音より、時計の秒針を刻む音が大きい。
パイプ椅子に座らされたシンジは、上げた先の安っぽい時計が正しければまさに真夜中だ、と頭の片隅で思った。
夜中に、薄暗い密室で、他者と2人きりになる……あんなにも大量の精を放った後なのに体が疼く。
別に彼が自分の性器に触れてくれるワケでもないのに。
寂しい。体が寂しがる。触って欲しい。あの大きな手で、1番感じる箇所を。
座っている椅子の近くのテーブル。先日ここに来た時に食事をとる際に借りたそれの脚に、シンジは体を擦り寄せる。
「……く、ふっ……やアぁっ……熱い、あつ、い!」
椅子から腰を突き出す、淫らというよりだらしない姿勢。
こんな姿を見られたら一体何と言われるだろう。そんな事より早く射精したい。せめてそろそろ止まったらしい鼻血を拭いてからにしないと。そんな事より早く射精したい。
パンツはもう勃起しきった性器の形をしている。汚れた肌の上に履いた下着は、新たな先走りで汚れ始めていた。
ここまで汚れた下着はどうせ捨てるのだから、脱いで手やティッシュペーパーに吐き出さず、下着に吐精してみたら面白いかもしれない。
下着という布の独特の感触すらも気持ち良かった。腰を脚に打ち付けるように動かすと、その布が勃ち上がった性器の裏筋を押してくる。
「や、ああぁ……んいやぁ……」
――バタンっ
「未だ具合悪い!?」
勢い良く扉が開いて着替えを終えた店員――既に私服なので店員という言葉は似合わない――が出てきた。
今の声を聞かれてしまったかもしれない。……頭が聞いてもらって、それを罵ってもらいたいと信号を送ってくる。
「……は、い……いいえ、大丈夫れす……」
それでも幾許かの理性が自慰でしかないピストン運動を止めさせた。
「また鼻血出てきたの? ほら、全然大丈夫じゃないじゃん」
鼻血は止まっていた。最初から拭いていないだけで。
露とも知らない男はテーブルの上のティッシュペーパーを箱から数枚取ってシンジの鼻と口をまとめて拭く。
「ん、んぅ……痛っ!」
「固まってるのは擦らなきゃ取れないんだよ。ほら、我慢する」
「やっ、やぁ……痛い、の……良い……」
「はぁ?」
何ふざけているんだ、と言おうとした男の顔が強張る。シンジの目の焦点が合っていない。
「……痛く、痛くして、はぁ……顔、痛く……はぁ、はぁっ、痛いィ……」
熱にうなされる子供のうわ言のように「痛くして」を連呼するシンジの唇はティッシュペーパーで塞がれた。
反対の手で額を触り、熱が有るかどうか確かめる。
「今、自分の家に誰か居るかわかるか?」
「ミサトさんとぉ、アスカ……と、ペンペンも居ます……はっ、あァ……」
手が少し放れた隙の答え。
訊かれた事にはきちんと答えないと。視界はどんどん暗くなり狭まっていくのに対し、先と比べると耳はよく聞こえる気がした。
「その人に連絡取れる?」
ペンペンは『人』ではないので除外するとして、この時間では2人共寝ている。
それ以前に、今日もいつも同様友人の家に泊まりに行くと言ってきたので、いきなり帰るワケにはいかない。
シンジは首を左右に振る。
「……ここで寝るワケにもいかないし、取り敢えず俺の家で良い?」
質問の途中でシンジは首を振った。縦に、1度。
「良いの? 知らない人の家とか」
「ん……知らない人じゃ、ない……」
名札を見ても名前を覚えきれないけれど、それでも顔はしっかりと覚えているから。
その理屈でいけば大抵の人は知人になってしまうのだが、シンジはもう1度頷いた。
「あんま良い家じゃないけどベッドはちゃんと有るから、そこで寝るか?」
入念に尋ねる男のティッシュペーパーを持つ手の首を掴まえる。
「……どこでも、良い……僕は逃げないッ……はぁ、逃げないから……はぁ、はぁっ」
どこを見ているのかわからないが、意思を曲げる気が無いのは確かな瞳。
「流石にここまで大きい男はおんぶしてやれないから、自分で歩けよ」
「はい」
掠れ切った声で返事をして椅子から立ち上がる。性器の先端がヌラヌラと濡れているのがわかる位に勃起しているのだから、前屈みの不安定な立ち方しか出来ない。
「肩は貸すから」
そう言って男も屈む。彼の方が当然背が高いので、接客中のお辞儀でも考えられない程腰を曲げなくてはならない。折角貸そうと差し出した肩の位置がそれでも未だ高くて上手く腕を回せなかった。
それでも甲斐甲斐しいまでの支えとなってくれた男のお陰で歩き出せた。回した右腕が感じる『男性の体温』が益々心音を早める。
コンビニを裏口から出て、心音と繰り返し尋ねられる「大丈夫?」の声と足音と夜風の音が煩い知らない道を5分も歩かず、男の家に着いた。
外壁のペンキを塗る事によって古くは見せない、けれど新しくなければデザイナーズマンションというワケでもないアパート。
各階は4つの部屋で、2階建てで入り口たる玄関――当然オートロックのような小洒落た物は付いていない――は2つ。
彼の部屋は1階に有るとここに来るまでに聞かされた。階段を上らなくて済むのは勃起したまま歩かされたシンジにとって有り難い。
一応アパートの玄関となる部分は1段高くはなっていたが。……そこを上った瞬間だった。
「ん……くんッ、うっ……あ、アぁっ!」
ガクンと膝が崩れた。その拍子にぶつけた両膝が痛みが足の小指の先まで伝わる。
「ど、どうした? 吐きそうとか?」
違う、と首を横に振る。
「ウうっ……う、う……」
胃液ではなく精液なら今すぐにでも吐いてしまいそう。大して触れてもいないのに性器の昂りは収まらない。
他人に迷惑を掛けてまで吐精したがる自分が恥ずかしく、鈴口に綿棒を無理矢理突っ込まれて吐き出せないようにされているみたいで苦しく、頭がグワングワンと音を立てて痛く、涙が出てきた。
「部屋入ろう? 吐きそうなら便所貸すし……何か、水とかなら有るから飲んで落ち着こう?」
見た目に反して優しい口調を持つ男の言葉で涙が止まらずに頬を伝う。
鼻を啜りつつ、それでも不規則で性的興奮を表す息が出た。
「あ、あ……あうぅっ、あッ……な、ちゃ……変になっちゃ……なっちゃう! 変に、変ッ!」
もう充分変になっているのは百も承知だったが、それでも最後の一線を越えたくなくて頭を必死に振る。
「はぁ、はぁ、は、あ……はぁっ、はぁ……あうっ、アアァああぁっ! あふっ! ひっ! アアぁっ! あうっ! おおおあああああッ!!」
真夜中に獣の雄叫びに近い大声を出す。非常識な筈なのに隣にしゃがんで心配そうにしてくれている男はなす術無く、真上を向いて涙を流すシンジを見るのみ。
むわん、と鼻を突く悪臭がした。青臭く、しかし男も嗅ぎ慣れたその臭いは精。
いつの間にかシンジは再び射精していた。
「イ、いぃ……逃げない、行く、イクぅあ……」
「ちょと、お前……何、出して……」
もういい加減精も残っていない筈なのに、シンジは未だ体を震わせる。否、痙攣していると言っても過言ではない。
掛ける言葉が思い付かなくとも声だけは投げかけてみる男の気遣いも、もうシンジの耳には届かない。
最初から少し臭う程度に汚れていたパンツは見るも無残に股間部分のみ色を濃くする。
飲まされた――よくよく考えれば自ら飲んだ――薬の効果は短くないらしい。その成果を買った本人は知らないまま。
――ブシュッ!
漸く勃起が収まりかけた性器から小水が再び噴出す。服を着たままなので、股間の汚れた色が更に広がり、布が耐え切れず色が薄く何の液体かわからなさそうな尿がポタポタと床へ漏れた。
「あ、あ……しちゃうぅ……挿れ、てェ……」
甲高い声が出る。肛門が緩んだ感覚に襲われ、そのまま排便してしまいたくなる。
だが脱糞するよりも、何か熱く硬く太い物をブチ込んで欲しい。
それが全て頼りない声で口から出ていた。
目の前が真っ白になる。天から1対の腕が伸びてきて、自分を引き上げてくれる。
「かァんぅ? あ、アッ、あ……とう、さん……?」
そこで、ずっと前からズタボロになっていた意識が漸く途切れた。
――カンカンカンカンかんかんかんかん……
急に聞こえてきた遮断機の音がドップラー効果で低くなって遠ざかった。
目を開ければ逆光でオレンジ色に染め上げられた電車の中。そこに1人座っているシンジ。車両には他に誰も乗車していない。
ふと左側に顔を向ければ、隣の車両には何人もの人が乗っているのが見えた。
男女問わず、結構な人数が誰も席に座らず立っている。奥に居る人の顔こそ見えないが、だが全員知っている。
シンジはその車両に居る人間全員から金を貰った事が有る。――つまり、客。
1番手前に居る女性は先程風呂に入ると言っていた、最近毎週会っている羽振りの良い女性だ。
顔を前に戻すと、1人の少女が座っている。
逆光で顔は全く見えないけれど、座っている体の細さと髪型からしてアスカだろう。
ずっとこちらを見ていたアスカがシンジと同じように人が乗った車両に向いた。
「……誰? あれ」
口は動いていないが、アスカの声が質問してくる。
「知らない」
「嘘」
「……うん、知ってる。皆、知ってる」
「何で嘘吐くのよ」
「だって……」立ち上がりたい衝動を抑え「……アスカは、きっと怒るから」
差し込む光の角度が変わり、アスカの唇が見える。相変わらず動かない。
「お客さんなんだ、辞めたい仕事の」
電車は止まらない。だがガタガタと音を立てず体を揺らさず、2人の会話の邪魔をしてくれない。
「何で辞めずに続けてるのよ」
「お金が欲しいから」
少し低めの声音で答える。この空間の中だけは無意味に強気になれる。
「何で欲しいの? アンタ、有れば有る程嬉しいってタイプでもないでしょ」
そう見えているのかと懸念する前に、シンジにとってそれは事実。
「……先生に返す為」
「先生?」
「僕を育てた人。父さんが僕を預けた先。大人の人。今は連絡を取ってないし、取りたくない」
多分、好きではなかったのかもしれない。
自分の事なのにわからない。
「本当はわかってんじゃないの?」
「うん。本当は嫌い。でも嫌いだって認めたくない」
3歳から14歳までの期間1番長い時間を共有した人だから。
「それ以外の理由が無いなんてダサいわね」
どこまでか口に出した言葉で、どこからが考えただけの言葉なのだろう。アスカの言葉は心を見破り、ことごとく正鵠を射ている。
「でも返すんだ」
「別にその人のお金じゃないのに? 碇司令がアンタの養育費って渡してたお金渡してるんでしょ」
「多分そうだよ。……だから返すんだ」
相変わらずアスカはレイしかしないような無表情を貫いたまま。
「先生にお金を返して、僕は父さんのお金を使っていないって、示したい」
「示してどうすんのよ」
「どうするって……示したいだけだよ。多分、それだけ」
言葉が早くなる。いつからか目的と手段が同化してしまっているのだろうか。
「違うわ。同化してるとかじゃなくて、どうかしてんのよ、アンタは」
失礼な言葉に表情が固まる。窓から差し込むオレンジ色の光に照らされたシンジの顔は苛々と困惑を同時に見せていた。
「そんな金送られたらアンタの先生だって良い迷惑じゃない」
重々承知いているので未だ送らずに、いつか片付けようと手を付けていない段ボールに札をむき出しにしてしまっている。
「おセックスしって手に入れたお金ですーって言って渡すワケぇ?」
右の耳に響くアスカの声。
「先生がアンタからお金貰ったって、碇司令にちゃんと伝えるかどうかって保障はどこに有んのよ?」
左の耳に響くアスカの声。
「知らないよ、そんなの!」
煩い声を掻き消そうと自分も大声を出し、両手でパンッと音がする位勢い良く耳を塞いだ。
「取り返しが付かないんだ! どこまで行っても同じだけど、もう立ち止まる事なんて出来ないんだ! もう、もう……僕は……もう、汚くなったから……」
「勝手に決め付けてるんじゃないわよ」
「煩いッ!!」
背を丸めて絶叫してもアスカの声は脳味噌に直に響く。
「痛くても臭くても恥ずかしくても、それでも……そこに行けば、皆優しく……暖かく、してくれるから……お金貰って、抱き締めてもらって、それで父さんに……」
「お父さんが知ったらどう思うか考えた事有るの?」
アスカの質問に答えるより先に視界が変わった。
見覚えの無い天井は白にほんのりと赤み掛かっていて、そこに黒い幾何学的とナンセンスの中間辺りの模様が入っている。
ここは自分の部屋でも、今はアスカが寝ている最初に与えられた部屋でも、病院の個室でも、居候していた先生の家でもない。
但し茶色くて小さい埃が幾つか付いていて薄汚れている印象。
「……はッ、はぁ……」
止めていた息を吐いて、直前まで見ていた景色が夢だったとわかった。
背中がベタベタするのは寝汗をかいているからだろう。額にもつつっと汗が垂れる。
夢で良かった。夢の終わり頃のアスカの質問には答えられないから。
幾ら自分に注いだ金を全て返したからといって、シンジは父と同じ位置に立つ事が出来ないと、本当は理解していた。
何も見ないようにもう1度目を閉じる。
父に自分を見てもらい、認めてもらいたい。最初に手違いで体を売って大量の金を手にして、真っ先にそんな事を考えた。
目蓋の裏しか見えない、特に音のしない――耳を澄ませばカラスが遠くで鳴いているような声が聞こえる気もする――世界でも鮮明に思い出せるのは『SOUND ONLY』の画面から聞こえた「良くやったな、シンジ」の声。
鼻の頭がツンとして、思い出すだけで涙が出そうになる。勿論嬉しくて。
急に考える力が消えてゆく。
シンジは今度こそ良い夢へ、優しく暖かく抱き締められる、そして出来れば静かな夢へと落ちていった。
続く
最後の最後でさるさん規制が入って泣きそうになったのはここだけの話orz
うう…グロい
そして切ない
さすが孔雀氏だ…
気持ち悪くさせるのも作家の力量ですね
給料下げるって…!店長空気嫁
相変わらずすごいな孔雀さんは…
明日仕事あるのにこんな時間まで読みふけっちゃったよ
GJ
おもしれぇ
コンビニの店員に救われた
電車の中の話し相手がアスカって新鮮
シンジと肉体関係に無いから?
コンビニ店員GJ!このご時世、なんて優しい若者なんだ。
そして孔雀さんGJ!!
人件費削減テラヒドス…
うおおお!いつの間にか孔雀神新作キテタ!!
GGGGJJJJ!!!
目を離すと神の良作が投下されてる…
切なくて最高…
体を重ねていないアスカが最もシンジに愛情を抱いているってのが逆説的
GJ
続きwktk
今まで腐るほど二次創作を読んできたけど、孔雀氏の小説がほんと一番好き
wktk
きんもー☆
腐女子のオナニースレだな。
ホモ自己満足小説はやおい板にでも書いてろよ
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
腐女子きもいよ
これは上にいていいスレじゃない
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
475:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:59:17 ID:??? [sage]
シンジ男娼スレもキモいな
書いてる腐女子、一人で独裁状態だし。まわりでマンセーしてる奴らもやばいし
こういう奴らに限って男いねーんだろうなwww
474:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:58:50 ID:??? [sage]
男娼だったらってスレに1番嫌悪感を覚えたよ
文章にマジな気迫がある分キモさが倍増
哀れなシンジ萌えは鼻につく
475:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:59:17 ID:??? [sage]
シンジ男娼スレもキモいな
書いてる腐女子、一人で独裁状態だし。まわりでマンセーしてる奴らもやばいし
こういう奴らに限って男いねーんだろうなwww
474:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:58:50 ID:??? [sage]
男娼だったらってスレに1番嫌悪感を覚えたよ
文章にマジな気迫がある分キモさが倍増
哀れなシンジ萌えは鼻につく
最近どうしたんだ?
567:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 17:42:09 ID:??? [sage]
475:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:59:17 ID:??? [sage]
シンジ男娼スレもキモいな
書いてる腐女子、一人で独裁状態だし。まわりでマンセーしてる奴らもやばいし
こういう奴らに限って男いねーんだろうなwww
474:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:58:50 ID:??? [sage]
男娼だったらってスレに1番嫌悪感を覚えたよ
文章にマジな気迫がある分キモさが倍増
哀れなシンジ萌えは鼻につく
567:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 17:42:09 ID:??? [sage]
475:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:59:17 ID:??? [sage]
シンジ男娼スレもキモいな
書いてる腐女子、一人で独裁状態だし。まわりでマンセーしてる奴らもやばいし
こういう奴らに限って男いねーんだろうなwww
474:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:58:50 ID:??? [sage]
男娼だったらってスレに1番嫌悪感を覚えたよ
文章にマジな気迫がある分キモさが倍増
哀れなシンジ萌えは鼻につく
567:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 17:42:09 ID:??? [sage]
475:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:59:17 ID:??? [sage]
シンジ男娼スレもキモいな
書いてる腐女子、一人で独裁状態だし。まわりでマンセーしてる奴らもやばいし
こういう奴らに限って男いねーんだろうなwww
474:名無しが氏んでも代わりはいるもの :2007/10/01(月) 00:58:50 ID:??? [sage]
男娼だったらってスレに1番嫌悪感を覚えたよ
文章にマジな気迫がある分キモさが倍増
哀れなシンジ萌えは鼻につく
カヲル腐も根性悪…そんなに自分達は認められないのが悔しいのか?
マイノリティがマジョリティを叩くのは仕方ないとして
マジョリティがマイノリティを叩くのは弱い者いじめみたいで情けないよね
たてつけば叩かれるのも世の理だと思うけど
マイノリティは自分達の変態性癖の重要のなさを知った方がいい
そして自粛すればそれで
軒並みシンジスレ荒らしてるのってカヲル腐なの?
便乗した腐叩きじゃないの?
エヴァにおけるマジョリティ=カヲシ(ry
カプでいうマイジョリティはLASか
>>576 カヲル腐と便乗と嫌腐かな?
あとシンジアンチ
>576
多分両方いる
嫌腐はこの荒れに乗っていて
カヲル腐は叩かれてスレじゃ勝てないから出張中だと思う
嫌腐はカヲル腐に成りすましたり
カヲル腐は嫌腐に成りすましているということも可能性としてはある
あとこの荒れに便乗して自分の嫌いな趣向だけを叩くやつ
もちろんこれも成りすまし可能性がある
>>576 何のことを指してるのか萌えオタにでも叩かれてると思ってるのか知らないけども
嫌腐に目をつけられるほどひどくやってたんだがら仕方ないね
ルール違反は咎められて当然。カヲル腐にはいい薬
普通のカヲル好きも迷惑してたしね
>>576 >571のネチネチした叩き方は腐女子臭い
801は出て行けと言うがカプスレや女性キャラのエロスレには何も言わない奴は腐女子を見下したいキモオタ
つーか男性キャラ好き=腐女子って思考回路がなんとも…
私怨荒らしは通報するまで
エヴァヲタは腐女子に興味ないよ
自分たちがキャラ萌えカプ萌えをしてる同じ穴のムジナと理解してる分、叩きの対象は自分たちの萌えに相対する対抗勢力へと向かう
こんなコアな板に来るヲタは腐女子を相手にしているほど良識人ではない
自分たちの萌えに関することだけに興味が及ぶ
>>582は腐女子ですね
見事に腐女子の基本を押さえている
こんなんで伸ばすなよ
何か腐スレ全部削除依頼出すとか動きがあるらしいけど、ここ非難所いる?
つまり腐女子の敵は腐女子
腐女子大自爆ですな
案外とそれを楽しんでる奴もいるかもよ
カヲル腐なんかすぐ暴れるし
腐女子叩いてる奴はみんな腐女子でキモヲタは関係ないですよ
ってことにしたいのか
>>587 削除依頼出されたとしても通らないのがほとんどだろ。
個人的な好き嫌いや私怨だけでは依頼の対象にならない
801スレが削除されたら他の男女・同性愛エロスレまで削除される危険があるんだが
やばくね?エヴァ板ますます過疎るぞ
>>587 そうだね
本当にやられたらヤバいし
可能性は低いと思うけどここもルール違反ではあるし
孔雀氏のSSは魅力的すぎる
どこかに立てたら誘導よろしく
キモヲタなんて知るかよ
らすだのりりすだの全く興味わかないのと同じだな
ここってまとめはあるんだっけ?
違反してれば削除対象になるよ
いや、ここ専用のまとめはない
だけどシンジ受け小説まとめになら他スレの小説と一緒にまとめられていく…と思う
何かカヲルスレで削除依頼出すとかで盛り上がってるんだよ
エロスレも削除依頼出すらしくて
他のシンジ関係スレもageられたりして荒れる一方だ
ま、今は調子に乗って、あるいは便乗して叩いていればいいが…
開成やだがねの二の舞になってもらえばいい
エロスレはひどい
あれは一発
LASもLRSもいいじゃないか
開成やだがねってなんですのん?
死なば諸とも か
つかここも盛大なエロスレだわ
女キャラスレは需要があるから出すか否か迷う、とか
もうね、アホかと
まあ違反なんだから出されるのは仕方ないだろよ
削除削除って騒いでも実際に出す奴って殆どいないような。
出したとしても削除人も後で揉めるの嫌だし、大抵相談無しで規約も読んで無い奴が勝手に依頼出すからスルーしてる事が多いけど
はいはいぬるぽぬるぽ
違反スレ全部削除したらエヴァ板ほとんどスレなくなるんじゃねーの?
勝手に仮想敵作って騒いでる奴等なんてほっとけよ。
ここでんな事話してもしょうがない
荒らしには一切を沈黙するのが1番
反応があると向こうもムキになるからなw
男女カプスレは削除しないのか
一応男女エロスレも削除依頼候補に挙がってるが
男キャラ関係スレはエロ有る無しに関わらずごっそり削除対象なのに対して
男女エロスレ・女キャラ関係スレはかなり見逃してある。公平とはいえないな
放っておけや
そんな大事にしてカヲル好きさん達はエヴァヲタの反感買ってしまわないのかね
今までそれなりに平穏にやってきたのにねw
中心にやってるのは嫌腐の人だぜ?
だから男女カプスレは残すんでそ
君あのスレにもいたね
とばっちり食らったこっちはたまらねえ
だいぶ前も同じような奴が削除だなんだと騒いでた事もあったし、まあ放っとけよ
エヴァ板でやるからまずいんじゃないか
腐を追放したら自分達のオアシスも二の舞になることすら想像できないのかキモオタと嫌腐どもは。
男女エロカプスレ残したところで、801スレを削除され暴走した腐女子に即刻削除依頼出されるのは目に見えている。
このままでいいんだ。やぶ蛇すんな。
NTRとか流行ってた時期が懐かしいぜ…
正義厨って一番うざいな
他に削除すべき駄スレなんかは毎日のように乱立してるっちゅうに。
自分の苦手なスレくらいスルー出来ないような奴が何故エヴァ板にいるんだか
男女ノマカプは残すんだってさ
残したら残したで特攻かかるぞ
620 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/01(月) 20:58:23 ID:???
腐を追放したら自分達のオアシスも二の舞になることすら想像できないのかキモオタと嫌腐どもは。
男女エロカプスレ残したところで、801スレを削除され暴走した腐女子に即刻削除依頼出されるのは目に見えている。
このままでいいんだ。やぶ蛇すんな。
暴走する気か腐女子wwwwwwwwwww
シンジ腐、カヲル腐、トウジ腐、自業自得の馬鹿女ばっかりのくせにww
さらしあげ
案の定新作公開で厨が増えたか…
キモヲタ必死だなぁ…
>>628 違反を咎められて厨扱いとは、腐女子さんはすごいな
キモヲタと言うが自分は気持ち悪いって自覚ないのか?
いいじゃん。男女カプも削除されるんだから
どうせまた立つわ
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
エヴァ板でしか見れないネタとかは勿体無いが、、
まあ孔雀さんとやらはHP作りな
信者さんもそれで満足でしょう
そしたらまた荒らすまでよ
BBSとかつけなきゃいい話
個人のHPは流石に荒らさない
腐女子のなんて見るのもキモい
エヴァ板に悪びれもせずにあるから問題になるってことを理解しろ
m9(^Д^)プギャー
カヲルスレとシンジスレの腐女子は死ぬべき
嫌腐もそろそろご苦労さまって感じだよ
削除依頼がんばってだすんだよ
孔雀氏はカヲシン避難スレでカヲシン投下お願いします
腐女子はこういうスレがエヴァ板にあること自体、エヴァ好きが不愉快になるって想像できないのか?
主人公のシンジが男娼?ふざけんな既知外ババアども
シンジ腐女子であれカヲル腐女子であれトウジ腐女子であれ、エヴァ板にお前らの居場所はないんだよ
>>640 なんで違反してる奴らってこんなに偉そうなの?
普通は自分たちで出してどっか行くのが礼儀だろ
ほんとどこのスレでも腐女子は同じことばっか言ってるな
あっそおう
元気にしてるなら
別にいいけど
それをいうとアスカ萌えも綾波萌えもいらないって話になるんだよね
オスとメスしかいないからどっちが正しいかなんて…パシャン
801板ってあるんだろ。そこでやれよ。それかエロパロ板
エロは年齢制限板で。ルールぐらい守れよ腐女子ども
>>643 本当にできるかわからないのに大口叩いてそうだからバカにしてみただけ
アスカや綾波をエロ対象にするのも変わらないと思うんだけど
叩いてたらキリがないよ
腐女子スレもキモいが男女カプもキモい
腐女子おつかれさまです!
このスレはたまたま開いたんですか?
>>645 ホモ嗜好とノーマルは違うだろ
801は本来嫌悪されるべきもの
アスカや綾波関連だって、異常なエロスレは削除対象に入っている
自分達だけ酷い目に遭ってる気がしているんだろうな
自業自得だバカ女
上の方にあるから覗いてみました。きもすぎです^^
653 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/01(月) 21:35:58 ID:f3Kxekz3
最高だろが
ミサトとシンジの絡みにちんこトロリンチョ
>>651 あんた人間が小さいのな
自分が正しいって思えるのは気持ちいいよね
リアルでは制圧されて何もいえない気持ちの悪いお兄さんだから
根底は腐女子と同じ
シンジやカヲルやトウジのやおいスレ、綾波やアスカの度のすぎたエロスレ、みんな削除されるべき
それを望んでるエヴァ板の住人は、それほど少ないってわけでもないんだよ
>>654 腐女子涙目wwwwwwww
しかも腐スレ肯定ww
>>655 少ないと思うよ
うん
だってそうじゃなきゃエヴァなんてうんこアニメだろw
ここ、気持ち悪くて内容を読んでないんだけど、要するにエロSS投下スレなんだろ?
エロは大人板でやろうって決まりがあるんだから、それに従えばいいじゃないか
それとも大人板に出入りできない18以下のお嬢ちゃんばっかなのか?
孔雀は自分のサイト作ってそこにエロSS好きなだけ書けよ
>>656 まぁ、腐スレじゃん
男受け使ってたらなんでもそう思いたいんだね
腐女子と同じくらい単純な頭
その話題をスルーするのも腐女子臭い
まったく腐女子ってのは図々しいな。こんな妄想を2ちゃんで堂々と垂れ流して賛美しあう
なんたる恥知らずの糞女
なんでシンジが男娼なんだよ。シンジが嫌いなのかよ。出ていけ
なんかシンジ腐はカヲル腐が原因と思っていて、
カヲル腐はシンジ腐が荒らしてると思ってるみたいだなw
思い込みと潰しあいで消えてくれれば一気に掃除できて楽なんだが
腐女子ってのは馬鹿な生き物でいいね
おいおい、エヴァンジェル書院行ってみろよ
アスカなんて外人に回されるわ肉奴隷になるわ大変なことになってるぞ
あそこはエヴァ板住人ご用達なのに
個人サイトとエヴァ板は違う
サイト作って引っ込んでくれればこっちも何も言わないんだよ
大体自分達が違反しているのに、「あっちは〜」とか何もわかってないんだな
いや、ひっこんでねーし
ルール違反ということを根本的に自覚していないんだろう
開き直ってるのばかりだ
ひっこんでんのか?あれ…
18:孔雀◆nULfbdzH0k :2006/10/26(木) 09:44:31 ID:??? [sage]
「あっ! ……な、何?」
「高い声出すのね。痛い方が良いの?」
親指が真上から潰す位強い力で尖端を押してくる。
「や、痛いっ……」
その声も、唇を噛み締めて堪えようとした声もまた恥ずかしくなる程高い。
ぐりぐりと動く指、先程から陰核を摩擦するように小刻みに前後する腰、時折眉をしかめて色を見せる顔。どれをとってもシンジはレイが自分以上に手馴れているとしか思えなかった。
腐女子ってなんで自分が悪いのに開き直るの?
腐女子の妄想、果てしないな。
シンジが男娼って…
腐女子はキャラへの冒涜が大好きだからね
672 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/01(月) 22:05:19 ID:f3Kxekz3
ID出して荒らせよ
嫌なら見なきゃいいだけでしょ
わざわざこんなスレ開いちゃってバカじゃねーの童貞キモヲタw
674 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/01(月) 22:08:23 ID:jRX+JHSj
シンジが一日も早くデブス腐女子のホモエロ妄想から解放されますように
キャラの冒涜が大好きなのは腐女子だけじゃないけどな
だからエロ同人がコミケで売られる
なんか他にも碌でもないのが存在しているのに自分に都合の悪い
箇所だけを叩くのは腐女子も嫌腐も変わらないね
言い分によると女キャラエロは需要があるから別らしい
嫌腐っていうのも実はただの同属嫌悪なのかもしれない
自サイトや801板やエロパロ板でやる分にはいいんだよ。わざわざ行かなきゃいいんだから
でもエヴァ板はエヴァ好きなら普通に来るところだ。そういうところでよりにもよって
シンジが男娼だったら?ハア?ふざけんなよ
シンジを普通に好きな男がこのスレタイ見たらどんな気分になるとか想像もできねえのかよ
>>677 そんなこといったら近頃は腐が増えているから801も需要があるとされてしまう
自分の都合だけしか考えないオタクと腐女子
なんで自分はこんなところにいるんだろ
いいよこんな辺境の地
捨てるが一番
それはアスカやレイのエロスレも一緒だって
女キャラ好きな奴がみんなエロ好きで需要があると思うなって
ヲタとか腐女子という問題ではなく、ローカルルールではこのスレ明らかにアウト
腹が立つんならお前らの言うエロスレとやらも削除依頼すりゃいいだろ
>>684 腐女子脳はすごい
感動した
アンチシンジじゃなくてアンチシンジ腐だろ
削除依頼誰も出してないんだが
>>684 ハア?俺は12年前のガキのころからシンジが大好きなんだよ
シンジは俺にとってはヒーローなんだよ、おまえらは笑うかも知れないがな
お前たちシンジ腐女子こそ本当にシンジのこと好きなのか?
ただシンジをお前らのオナニーの道具にしてるだけじゃないのか?キャラを別人みたいにしてさ
腐ってあえて男らしい感じに書き込むのが好きらしいよ
孔雀とかいうやつもこんなキモいスレ一人で乗っ取ってんだな。しかも2スレ目だし
まわりの腐にマンセーされまくって自分の中では神職人気取りなんじゃねえの?
男性シンジストがシンジ関係の801スレを荒らした事は無い
こんな騒ぎの中で急に出てこられても便乗したアンチにしか見えない
スレの趣向に文句つけるのはかまわないが職人に文句つけないで下さい
嫉妬か、文章力に
荒らしに何言っても無駄だよ
どうせ読んでない
擁護必死杉www
>>692 そのいいかたは孔雀氏に失礼だからやめよう
( ´∀`)∞
( つつ/⌒ヽ゚Z
.(( ( ィ⌒` =´ω`) ・゚・。z アッーーーー!!!
とと、_入`_,つλう
カクカク
日本が肉便器になったお祝いに、ぽこもアザラシさんのクソの穴に
しょんべんをそそぐという一計をあんじたお。いいことおもいついたお。
みんなが健やかなガチホモになるようこれからも日本人として精進が必要お
もうAA貼るしか能がなくなったか
>>693 エヴァ板を荒らしている腐女子としての自覚は有りますか
オマエモナー
あ
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
荒れてる…(´Д`;)
801板に引っ越さないの?
なんだ、カヲルスレが荒れてるとばっちりがこっちにも来てるのか?
あそこは荒れて伸びるよなぁ昔から
腐女子スレは全部削除
シンジ腐とカヲル腐はエヴァ板の癌です
エヴァ板から引っ込んでくれれば関与しないからpink行け
シンジとカヲルの関連のホモカプ削除依頼出されたね
移動先考えるか?
削除依頼出たとか釣りでそ
>>707 ロリコン以下の害虫は2ちゃんからいなくなれ
いちいち相手してたらキリ無いだろ
しばらく様子見ときゃいい
1 名無しが氏んでも代わりはいるもの sage 2007/03/15(木) 23:20:21 ID:???
そろそろ旬になりそうなこのカップリング
トウジとシンジのあつい友情を語るも良し
トウジとシンジの倒錯した愛を語るも良し
トウジとシンジの爛れた情欲を語るも良し
いちいち相手してたらとか、また上から目線か
違反を屁とも思わないバカ腐女子が
これでアスカやレイのエロスレまで削除されたらどうなるんだろうな
ホモカプだけとか…
だけではないだろ
シンジのキャラスレも削除依頼出されたんだっけ?
違反してねぇのにw
違反なんて詭弁にすぎんよ
だけだろ
女シンジとアスカやレイのカプが入ってるだけで
エヴァのエロ小説というモロなスレタイやLASやLRSのエロスレはスルーされてる
荒らされてるスレの傾向を見るとアレだね
まあ私怨だろ。ネチネチとこえーわ
結局何だかんだ言って嫌腐は嫌腐でしかないのか…
ここを削除するのは構わないけどシンジが好きでたまらないスレッドは違うだろ
多分1のLOSや女装表記がいけなかったんだと思う
違反じゃなければ削除されないから大丈夫だよ
だいたい、ホモは801板へなんてルールも無いしな
エロを駆逐するなら女キャラ関連も削除されなきゃフェアじゃないのに、それはスルー
何か悔しいな
男女カプもまとめて出してくるかな
おかしいな。ノマカプでも削除依頼出すって言ってたのに
あからさまなスレタイまでスルーしてるのは何でなんだぜ?
削除されたらどうなるの?
完全に見れなくなるのか?削除されたスレが、過去スレ置き場に移動するとかではなく?
>六.エロネタは基本的に禁止。原則として「えっちねた」「エロパロ」でやるコト!
ちゃんとルールは守れよ。注意されたら素直にきけ。逆ギレしてんじゃねえよみっともない
>>691 男のシンジストがシンジ関係の801スレを荒らしたことがない?ww
なんでそんなことがお前に分かるんだ?エスパーなのか?
もう煽りいらね
早く削除してくれよ
みてらんね
シンジストっていうか普通にエヴァ好きな奴のことだろ
お前も煽るなよ
女のエロスレも男のエロスレも数が多すぎて、実質黙認されてるのがエヴァ板の現状
まあ、レイプみたいなあからさまなのは過去削除されたけどな。
ここも削除されたら削除されたでどうとでもなるし、まあ、頑張れや
つ801板
801板は最大勢力カヲル×シンジの話題の雑談以外発展性がない
ま、もうどうでもいい気分だわ
男娼っつっても、相手にしてるの男だけじゃないしなw
まとめサイトとか作ってる奴らもいるみたいだしなんとかなる
第一向こうは年齢制限あるし
他の話してもすぐカヲシン話に戻されるからな
もういいや
やおいエロとノーマルエロの複合でつか?
孔雀氏来てくれるのかなぁ…?
801板のぞいてる奴もいたのか
>>741 どっちにしろエヴァ板やおいエロは駄目だろうな
一応移動できるかな?と思ってみてみたけど駄目だった
カヲシン好きが大半を占めてるし
そもそも801板は投下するスレじゃない
シンジ関連なら何でも801も見る
まあ安息の地は結局2chになるか
pinkに創作系があったはず
残りで移動を考えればいい
削除されてまた立ててまた削除されるの繰り返しになるのか
問題は孔雀氏が来てくれるかということ
削除して満足ならいいんだけどね
粘着が追い掛けてこないかどうか
移動すれば大丈夫なんじゃね?
来るんじゃないか?
長く執筆してきたわけだし
移動してまで粘着する奴は本当はこのスレ好きだろ
>>751 信じてもらえないかもしれないが、
どの腐スレも移動したら一切近づかないと誓う
関与したくないんだ
だろうな
初めから移動を提案してたんだし
なんであんな露骨に荒らすわけ
種を撒いた責任はある
関与したくねーなら最初か(ry
まあ気にいらないだけかw
>>756 そもそも腐が調子に乗らなければよかったわけで
やっとわかったのか
最初から該当する場所でやりゃいいのに
1 2 3 4
. __ __ _
,i,_,i_ ,-,_ ,-i,_,l 、 :.. :. ≡=-i'__l,
| `i /'-' `i //l l iコ==ラ`'i ti
| lヽi li, → | lヽl li → l i,,l l | → ./ /l/
| l-'l |,l | | // l `"|iコ='' / /
. 'Fヲ|,H E三l_l_A | .i .| / /
,i_| .| | | || | i' /l .l,
-'‐' | || |_ l l .ヽ,ヽ,
‐' ' `‐' -'-' -'-'
脱ぐ たたむ コーヒーを 砂糖と塩を
つくる まちがえる。
調子に乗ってたかね
巣に篭ってたわけだし
まあ結局そこのあるのが気に入らないんだろ
腐女子が
クソスレ 終了
やっと終わったか
調子に乗って一方的に荒らした自分の事は棚上げにする。まあその程度の人間なんだろ
調子に乗って一方的にエヴァを汚した自分の事は棚上げにする。まあその程度の人間なんだろ
腐女子がエヴァ板から消えてくれさえすればいいよ
後はどこへ行こうと興味ない。よそで思う存分ホモエロやってくれ
キモスレ 終了
嫌腐になりすましたカヲル腐発見
腐女子って最後の最後まで馬鹿だな
こんなスレがよく今まで残ってたもんだな
エヴァを汚すww
バカか。やってらんね
腐女子は自分達を嫌ってるのが同じ腐女子だと思いたいんだな
普通の男はおまえら腐女子を反吐みたいに嫌ってるから。そこんとこ自覚しろよ
いや、荒らしてるの明らかに嫌腐だろう
カヲル腐のせいとか言ってるやつはただの荒らしだよ
カヲルがどうとか、どうでもいいしw
>>771←自分のマンコの為ならエヴァを汚す腐女子wwwwwww
彼氏いないからシンジをオカズにして慰めるしかないんだねwwwww
男も男で普通の女からは見下された日々を送っているから
こういうところでしか偉そうに振舞えないってことですね
シンジが男娼だったらってばっかじゃねーのwwwwww
お前ら頭おかしいよ
シンジでオナニーしてる腐れマンコどもキモス
>>776 ↑
調子に乗って一方的にエヴァを汚した自分の事は棚上げにする。まあその程度の人間なんだろ
嫌腐な皆さんもオナニーするし糞もするのに
何様のつもりやらw
腐女子必死杉
ネタにマジレステラワロスwww
>>776 男と付き合ったこともないくせにwwwwwwwww
リアルで男とも付き合ったことも、ヤったこともねーんだろ
>>780 マジレスすると燃料を投下しない方がいい
>>780 ↑
調子に乗って一方的にエヴァを汚した自分の事は棚上げにする。まあその程度の人間なんだろ
リツシンとか小説スレで結構好評だったのに
人間が嫌いだからwww
てか自分もネタとしてレスしたのに…
嫌腐も中々馬鹿みたいだね
エヴァ汚したとかすごいウケることを言う奴がこんなところに!
セックスがアドバンテージなのね
キモヲタや腐女子って
以下、擁護する住人と嫌腐と荒らしのカオススレとなります
嫌腐って図星の腐女子と同じ返しをするんだ
移動するって言ってるスレを無駄に荒らすなよ
>嫌腐も中々馬鹿みたいだね
どうして嫌がられているか理解出来ない方が馬鹿
なんで女ってこんなに自己中心的なんだろう
明日には1000越える勢いだな
嫌腐だってwwwwwwww男娼だってwwwwwwwwきもすぎ
男娼ってのが凄いよな。なんか初めて見たときはマジで唖然とした
次スレは絶対に建てるなよ
>>788 調子に乗って一方的にシンジをオカズにした自分の事は棚上げにする。まあその程度の人間なんだろ
>>793 嫌腐は自分達が嫌われていないと思ってるのかな?
なんで男って自己中心的なんだろうw
腐女子同様自分の非はみてないんだね
ヒーローになりたいの?
残り埋めるのよろしく〜(^-^)
恥知らず。まさに腐りきった女
本当に建ったら腐女子マジで立場わかってなさすぎ
サイトかなんかでやれ
ルール違反だからよそでやれと言われると逆ギレして罵詈雑言。あーあ。まったく救いようがねえな腐女子は
恥知らず。まさに人の気持ちを察せない男
削除されてもここの住人の腐女子が立てそうだ
住人に聞くけど、避難所ってピンク難民に立てるべき?
>>805 低能だから人の言葉を鸚鵡返しにすることしかできない。
自分の言葉で語れよ腐女子
煽りに乗ってマジレスするあたり精神年齢の低さが伺えますね
>>807 うん
煽りを狙ったネタ
そもそもマジレスする奴なんているの?
あ、これはマジレス
腐女子が一日も早くエヴァ板から出て行ってくれますように。
女って煽りに弱いよな。感情的になりすぎ
>>809 鸚鵡返しのほうが人の神経さかなでるんですよ
見事に引っかかってくれた
あたし、女だけど、腐女子って最低だと思う。
女は馬鹿なんだよ
画面の前で真っ赤な顔してんじゃねーの
久々に面白いもんを見たわ
814 名無しが氏んでも代わりはいるもの sage 2007/10/02(火) 00:57:21 ID:???
>>809 鸚鵡返しのほうが人の神経さかなでるんですよ
見事に引っかかってくれた
鸚鵡返しーo(^-^)o
腐女子は女の中でも最下層の女だよね
孔雀氏の悪口言わないでよ!
つか、シンジきゅんが男娼だったらって、なんなのこれ
てっきりネタスレかと思うわ
>>821 中の人はマジで書いてるんだよ
そして腐女子はこじきのように群がって感動してるんだよ
ここの職人も職人マンセーもキモい腐女子でFA?
男は可哀相なんだよ
画面の前で涙ポロポロさせてんじゃねーの
こんなんとか
803 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 2007/10/01(月) 21:09:40 ID:???
>>798 映画公開もあったのに、エヴァ板はいらないなんていうなよ
カヲル腐は昔削除されたくせにまたスレを立ててやりたい放題
自分が悪いという自覚なしの最悪ゴミ女
シンジ腐スレを貼ったとたんに沸いてきたシンジ腐は、とばっちりとか抜かしやがるw
腐女子は自分が悪いって自覚本当にないんだな
大体居場所を奪う訳でもなく、おとなしく移動しろって言ってるだけなのに
_____
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| C/'┤¬├-.┤ー├)ミ <
ミ |U└─( 。。 )─┘|V \_______
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(X)\ 3 丿(X)____
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/ \___ | | |__|
| \ |つ |_ _|__/ /
/  ̄ ̄ | ̄ ̄ ̄ ̄| 〔 ̄ ̄〕
| | ̄
ここではやらないでくれと言ってるだけ。ふさわしい場所を見つけてそっちで自由にやってくださいよ
シンジエロSSを書いてるやつも見てGJとか言ってるややつもキモいよ
胸やけがする
何度も何度も短い間隔でいうから…引き際って難しいのね
明日にはこのスレ埋まってんのかな
叩きは置いといて。
んで、移動先どうするの?
ぴんく難民とかは?
移動先にも、孔雀氏来てくれるといいんだが…
ピンク難民ならカヲシンスレに孔雀氏が投下してたし大丈夫では?
ピンク難民スレって作品とか投下しても大丈夫なん?
孔雀氏ってここだけじゃなくピンクにも投下してたのね…すげえ
全然いいんじゃない
小説スレとかあるんだし
ホモスレみんなピンク難民行って大丈夫なのかな?
トウシンスレもピンク難民検討の話出てるし
いいんじゃない
結構同じジャンルのスレもたってるもの
孔雀氏この流れ見てるかな?
移動先来てくれるかな?
孔雀氏だけでなく新職人も来てほしい
北海道の荒らし君は追い出しを楽しんでるし
移動したら移動したで追いかけて来る可能盛大。
エヴァのネタはキャラサロンだのエロパロだのに収まりきらないから
緩衝地帯としてエヴァ板があるはずなのだが
ローカルルールを盾にそれを壊そうとしてるし
荒らしが難癖つけてスレを破壊に来た場合
そのスレは絶対助からないのが残念…
>>842 よくまあ被害者面できるな
非がないのに荒されたようなツラしやがって
削除人の判断を待とうや
もし削除されたらぴんく難民に俺が立てるから、それまでは放置を頼む
クソスレ キモスレ
腐りマンコスレ
俺女 きもい
>>842 エヴァ板から去ってくれさえすれば、あんたらがどこへ行こうと関心ないから。
もともとあんたら腐女子には興味も関心もないから。おかしな被害妄想しないでね
荒らしてる腐スレと荒らさない腐スレの差がでかいw
わかりやすいわ
「嫌腐」、ねえ
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
荒らされてない腐スレってどこ?教えてよ、荒らしに行くから。
腐女子がまたわけのわからないことほざいでるようだな
まったく脳みそも心も腐りきった女の言うことは理解しにくくて意志の疎通のできんな
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
>>851 なあ荒らされてない腐スレってどこだよ。さっさと教えろよー
ここは移動するらしいからもういいか
ここの腐女子が言うには、まだ無傷でのうのうと続けてる腐スレがあるらしいから探してそっちへ行こう
>>856 シンジとカヲルの百合スレをあげておいた
あとはLOSと萌え画像辺りだな
人がいるとこを狙ってたんだろ?
わざわざ過疎スレあげてもらわなくて結構
確かに過疎スレだと反応なくてつまらんが、腐スレは腐スレ
嫌腐とか呼ばれる奴の正体は正義の名を盾にするタダの自己中愉快犯なんだな
クソスレわっしょい!
男娼とか考えた奴もイヤ。シンジをオナネタにしてるのもイヤ。
自分に酔ってるSS投下魔もイヤ。
それに群がってハアハアしてるデブスな喪女もイヤ。
自分は書けないくせにクレクレしまくる馬鹿もイヤ。
みんなみんな…
キ モ す ぎwww
万人に受け入れられるって大変な事なんだな…
職人もピンクに投下してたんならそのままそこでエロホモ投下し続けてりゃあいいものを
エヴァ板まで二股して一人で独走するからこうなるんだよ
>>864 シンジが男娼だったらなんてスレを受け入れられる人間は腐女子という異常者しかいませんからwwww
>>851 おまえ、自分が気に入らないスレを叩かせようと仕向けてるだけじゃねえのか
おまえのせいでこっちまでとばっちり受けてるんだぞ
まったく腐女子って心が醜いな
>>866 漏れ涙目w 面白けりゃなんでもござれだしw
異常者
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
>>863 お前どこの腐女子?キモいから死んでね^^
>>867 とばっちりも何もローカルルールに違反してる以上同罪ですからw
キモいキャラ萌えもキャラサロンでやれよなww
>>856 男アスカのスレとトウジのケツのキモスレ
腐女子は死ね
シンジ、カヲル、トウジの腐スレは片っ端から消えろ
孔雀とその仲間キモいよwww
早くここから出ていけ
腐女子同士が勝手にやってる争いだろ
ヲタのせいにすんな
腐女子にとっちゃその方が都合いいんだろうがな
カヲルだの関係ねーし
まだLRS厨とやりあってる方が有意義だわw
まあ荒らしてる側が己の素性を晒すわけねーし。ID非表示な以上何にでも成り済ませるわけで
ID表示制ならまだ平和だろうが確実に過疎るw
自演で成り立つ板は一度流れに乗れれば一気にこういう現象が蔓延するな
数カ月後が見物だ
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
俺、ジャムおじさんのパン工場で
ジャムの野郎にケツ掘ってもらって射精してます。
この前、アンパンマン号で俺相手のびんびんになったペニスにケツ穴沈め、
お互いびんびんに勃起しながらホモSEXしました。
その時、俺、腹が痛くなり、おまけに昨日から下痢気味だったことも思い出し、
俺、ジャムおじさんに「ちょっとヤバイ!」って告げたら、ジャムおじさんは俺が射精寸前と勘違いしたらしく
更にガン堀されました!
シンジが男娼だったら?一年ももたずに人工肛門だろう
頭の悪い腐女子が一生懸命考えた屁理屈ですよ^^
腐女子VS腐女子
そして腐女子の争いに巻き込まれ数多のカプスレキャラスレマンコスレが姿を消していくのであった…
「最高ですね」
腐れマンコ→ここの職人
/:::::::::::::::::::::::人::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::::::/ ..ヽ::::::::::::::::::::::::ヽ
/::::::::::::::::::::::::::::/ ヾ:::::::::::::::::::::::::丶
|::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ:::::::::::::::::::::::ヽ
|::::::::::/::::::::::::ノ ヽ.::::::::::::ヽ:::::|
|:::::::/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄|:::::::|
|=ロ -=・=- -=・=- ロ=|
|::::::| ノ |:::::::|
|::::::| (● ●) .|:::::::|
|::::::|*∵∴ l l ∴∴*.|::::::|
|::::::| ∵∴\______/∵∴ |::::::|
|::::::|\ \____/ ./.|::::::|
|::::::| \________/ .|:::::::|
 ̄ /` ゜ ´\  ̄
シンジきゅんが男娼だったら…ブヒヒ
ここに書き込んでんのって全部腐女子でFA?
そのようですね!
何この無差別攻撃スレwww
腐女子が腐女子を叩き殺し合い最後に残ったのは
カヲルやシンジやトウジが本当に好きな
腐女子
/::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::人:::::::::::ヽ
/:::::::::|:::::::::::::::::::::::::::::::::/ ヽ、:::::::ヽ
|:::::::::::@ヽ-------‐‐'′ ヽ:::::::::|
|::::::::::/ |:::::::::|
|:::::::::/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ===/ ̄ ̄ ̄ ̄ヽ|:::::::::|
|::::::=ロ -=・=- |, | -=・=- ロ=::::::|
|::::::::/ヽ /ノ ヽ /ヽ:::::::|
|:::::/ `─── / ` ─── 丶:::|
|:::ノ。* ・:・‘。c (●_●);”・u。*@・:、|::|
|::|:。・;%:・。. l l ; 8@ ・。:%.|::| 男娼シンジきゅんハァハァ
|::|.;・0”*・o;__-- ̄`´ ̄--__ :。・;%:|::|
|::|;8@・。: -二二二二- ”・ : 。; |::|
|::::\ 0”*・ o 0”*・o:)*/::::|
\::::::\・:%,:)._- ̄ ̄ ̄-_ :(:%”・/::::::/
|Ξ|~ \; 8@・ ;8@ / ~|Ξ|
/::::::ヽ/|\_______/|\./:::::::ヽ
|::::::::::| \ / .|::::::::::::|
/|:::::::::::| \ / .|:::::::::::::|\
あんたらなんかと馴れ合うつもりはないのよ!
この粘着っぷりは絶対に腐女子
腐女子が言うんだから間違いない
901 :
孔雀:2007/10/02(火) 18:43:19 ID:???
家に帰り、夕飯まで自分の部屋にいた。そしたら、シンジが入ってきた。もじもじしている。
多分朝のことだろうと思い聞いてやった。
そうすると、「朝のことはお兄ちゃんに聞いてみな」とゲンドウに言われたらしい。
まったく、ゲンドウは俺にオナニーをシンジに教えろってことかよ。自分で教えればいいのに・・・
とりあえず、オナニーを知らないってことは、夢精で射精するしかないと思ったので、シンジに聞いてみた。
すると、答えはYES。思ったとおり成長が早い、多分うちの家系はそうなのだろう。
俺もそうだった。早速、弟にチンポだせっていってもなかなかださない。
たぶん、そろそろチン毛とかがはえはじめ、人に見せるのが恥ずかしくなってきたのかもしれない。
「チン毛なんか誰もが生えるもんなんだから恥ずかしがらずにみしてみろ。お兄ちゃんなんてチン毛ぼぅぼぅだぞ。」
と言い、渋々脱ぎ始め、そこに表れたのは、けっこう大きめ、チン毛もまぁまぁ。まだ皮は剥けてない。当然か、
こっち来てみといった。
俺の腿の上に乗りシンジは体を預けてきた。
正直全て腐女子のせいだって気付いてました…
カヲルスレが荒れたときから…
900
ようやく俺はこの腐女子パラダイスにたどり着けたわけか…
腐女子に生まれて本当によかった
906 :
孔雀:2007/10/02(火) 18:47:40 ID:???
まだ、シンジのチンポは平常時だった。
勃起させるため、「Hなこと考えてろ」とシンジにいい、俺はシンジのチンポをしごきまくった。
だんだんシンジのチンポはギンギンになってゆく。
しかも、ビクンビクンと脈打ってる。
亀頭も少し覗いているので、全部剥いてやった。
「おまえチンコの皮剥いたコとあるか?」
『あるよ。小さい頃父親から教えてもらったからねぇ〜』
そういうところは教えてるくせに、なんでオナニーは教えてねぇんだよ。あのエロゲンドウが。と思った。
まぁ、シンジがチンポをギンギンにして待っているわけだから、オナニー教えるしかないのか・・・。
シンジはさらに興奮しているのか、我慢汁がじわじわしみでてきた。
「じゃあ、やるぞ」
『うん。』
俺は我慢汁を指先や手の平につけ、そして、竿をシコシコする。グチョグチョグチョとシコシコするたびに卑猥な音がきこえる。
もう一方の手で、亀頭をさする。シコる手がカリを刺激するたびにシンジは
『あっ、あっ、あっ、』と喘いでいる。そして、さらに手を激しくしごくと
『うっ、あっ、あっ、あぁーなんかでそう。出るっ出るっ出る〜あぁ』
シンジのチンポからたくさんの精子が飛び出し、お互いの足や腕や手にかかり、ニオイが結構強烈なため、シンジと風呂にはいることになり、俺は脱衣所にむかった。
はあ腐女子スレが全滅さえしてくれれば荒らしてるのが誰であろうがどうでもいいよ
腐女子にしか腐女子は見破れない
この腐女子EYEのせいで見たくないものまで見えてしまう
>>907 腐女子スレだけでなく全てのエロスレを排除する
これが腐女子並びにエヴァヲタの総意です
しかし今後大きな腐女子ブームが三度エヴァ板にやってくることでしょう
とりあえず腐女子スレは排除しよう
腐女子は今日もシンジでオナニーするの?
いえ、今日はトウジでしようかと思います
女も腐女子も女という立場ではなく、男の立場で男子と一緒に遊びたい、
話をしたい、という欲求があって男子の輪に入ろうとする。
そして擬似的に男になるために腐女子は、男っぽい口調で話すことを覚える。
ただ、話題は自分の興味のあることが中心となり(この部分では譲歩しない)、
結果的に、なりすまされたということも加わり、周りには不快感を与えることになる。
だから両者の共通点として他に、傍から見て自分がキモイ、痛いとは気づいていないことが挙げられる。
要するに「俺女キモイ」「腐女子氏ね」と言われて、逆切れしたり、自己弁護に走るのは
仲良くコミュニケーションをとりたいのに、それを拒絶されたことへの怒りや悲しみの裏返しなんだろうと思う。
「女」という点で社会的にも排除されたという観念にとらわれ、女性性を排除しようとする腐女子にとって
男性は社会そのものであり、その男性から排除されることは、社会的に拒絶されることを意味するんじゃないかな。
(男性=社会、というのはあくまで腐女子の無意識のレベルでの話)
だからこそ、必死に取り取り繕い、叩かれても男になりすますのをやめず
果ては社会から自己の存在を肯定して欲しいが故に、なりすまして腐女子擁護をする。
これは余談だけど、5年くらい前の2chの一部の板(漫画系の板ではない)では、
女というだけで叩かれることがよくあり、自分自身男を装って書き込んでたことがある。
実際女の書き込みはほとんどなかったので、女の口調というだけで浮いていたのも事実。
それで思ったのは、ネット人口の男女比から、女が少数派になりやすいのも原因のひとつではないかということ。
全体では最近は差が縮まりつつあるとはいえ、少年漫画板のようなところでは、おそらく男性の方が多い。
そのような場ではただ単に会話に溶け込もう、空気読もう気持ちの他に(これができていないのが腐女子だけれど)、
社会的弱者であろう少数派ではなく多数派にまわりたいという思いが強まる。
まあどうでもいいけどこの腐女子パラダイスにきてるんだから君も腐女子だろ
腐女子分析担当腐女子とでも言おうか
シンジきゅんって女の子みたいな顔と体つきしてるでしょ?だから女のあたしが自己投影しやすいのよね
シンジきゅんになりきって、トウジとかカヲルとかゲンドウとか良い男に抱かれる妄想してオナニーするの
でも、終わった後で鏡を見て幻滅するのよ。だってあたしはシンジきゅんみたいな美少年じゃない!
醜くて太った腐女子なのよ…
腐女子が好きな男キャラ(所謂萌えキャラ)を女化(精神的外見的)しようとするのも
自分と同じ立場にすることで距離を縮める為なのかね
むしろゲンドウ、カヲルトウジその他に自己投影するけどな
ちんこが欲しくてたまらないよ
そうか、腐女子ってのは男になりたい女なのか
腐女子ってスルーできないから反応を見るのが面白い。
しかも荒らしてるのが同じ腐女子と勘違いして叩き合いを始めるんだよね。
馬鹿なんだね。女は低脳が多いけど、その中でも腐女子はマジで最下級の女だよね。
136 :名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/21(金) 01:13:37 ID:???
腐女子と腐女子の戦いは見ものだぜ。
しかも俺が仕組んだ無意味な戦いとも知らず…
やっぱ女の敵は女ってのが頭にあるんだろうね。可愛いもんだ、愚かで。
かわいそうだな。君らについてるのはちんこじゃない。まんこだ
早く自分の現実を受け入れられる日がくるといいな
>>918 そうだよ
お前も腐女子なんだから分かるだろ?
チンコよりマンコのがずっと快感得られるからお得だけどね
あたし、腐女子だけど、チンコ欲しいと思ったことなんかないよ
>>919 それも腐女子だよ
いかにもな文章じゃん
いちいちんなこと言うとこからして。
あたしも腐女子だけどちんこ要らない><
だってグロイし汚いじゃん
シンジきゅんにはちんこもまんこもどっちも付いてなければいいのになって思ってる
女は全員腐女子だよ。男も半分は腐男子だから腐女子と同じようなもんだし
シンジにはちんこだけでいい…
マンコなんてグロいものは自分のだけで十分だよ
シンジきゅんにはやおい穴が付いてる。だからお尻の穴は使わないから綺麗だよ。
奴も腐女子こいつも腐女子あいつはもっと腐女子!
あれも腐女子これも腐女子でも自分が一番腐女子ーっ!!
シンジきゅんが男娼だったら最高だよね!一番の売れっ子になってさ
でも体を酷使過ぎて死んじゃうかな…?
我こそ絶対無二の腐女子神であることは間違いない
レスを見ただけで腐女子であると見破れる
まあ男娼は嫌だよ
エロよりプラトニックなホモが最高
何このスレ・・・・・・・?
/ヽ /ヽ
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だから、放置しろって。
放置しない奴は俺が荒らし認定
マジ、男が射精して得る快感より女のオーガズムの方がすごいらしい
男の108倍もの強さだという
男は勃たないとできないけど女はやりたくなくてもいつでもセックスできるし
シンジきゅんのちんぽっぽをむきむきするお
女は突っ込まれると嫌でも感じちゃうもんなんだろ?
女でよかった
男は疲弊してくだけだな
938 :
孔雀:2007/10/02(火) 19:27:47 ID:???
私も腐女子!
939 :
孔雀:2007/10/02(火) 19:30:05 ID:???
私のニセモノが徘徊しているようね。プンスカ
女は子を産む機械なのに、腐女子ときたらちんこが欲しい、まんこはいらないだの…実にけしからん!
腐女子はシンジでオナニーしてないでさっさとマンコにチンコを受け入れて妊娠して子供を産めばいいと思うよ
シンジきゅんが大好きだから、これからもいっぱいかきまーす!
みんな、応援してね〜☆
いや、まんこはいるよ
チンコは邪魔そうだからいらねーわ
女はセックスやオナニーしないでもいられるしいいよね
性欲とは不均衡の調整だからね
あたしマジで女だけど、オナニーしなきゃいられない。やばい?
それも男×男じゃなきゃオナニーできない。んで、いつも受けに自己投影してる。つまりシンジきゅんなんだけど
性欲とは快感を得てムラムラする欲求不満=不快から脱しようという動因
男はこれを常に感じて生きているからオナニーを頻発する。溜まってしまう
女はしないでもいられる、つまり不快感を抱かずにいられるというわけ
穴よりもクリトリス
はあ?あたしはオナニーしなきゃいられないって言ってるんですけど
>>984 でもしなくても大丈夫なんだよ実際
女たちは、いつでもできるが、大してやりたいとも思わない
やりたいですいつも
>>948 きゃー男が紛れ込んできたわ!!不潔よ不潔よ!!!
シンジきゅんが痛い目にあってるの見ると凄くムラムラする
自分がシンジきゅんを痛めつけてやりたいのか、それとも自分がシンジきゅんになって痛めつけられたいのかな…
>>950 男のがいつもやりたいと思ってるよ
お前以上にな
でもできないから悲しいんだよ
だって男には風俗とか色々あるじゃん
女には性欲を発散させるとこってない。ホストとかしかない。ずるいよ
つちんぽっぽ型バイブ
>>954 発散させる必要がないからっつってんだろ
快感は108倍であるにも関わらず。
あたし腐女子ってやっぱ異常だと思うよ、自分のこと考えると
男×女じゃハァハァできなくて男×男で興奮するなんて
確かに性犯罪とか女は起こさないからな
男×女でも興奮するだろ実際
ただしリアル世界のな
孔雀
嫌腐って能無しが自分にとって気持ち悪い存在の腐が自分達より持ち上げられてるから顔のでない掲示板ではえらそうに振舞うのかな?
腐以前にエヴァにカプありえねーっていうのはわからない人達?
現実では無視され続けの人?
包茎コンプレックス?
チンカス溜まり上げてる?
腐女子とキモオタ、どっちもキモイけど世間は腐女子よりキモオタの方がキモがるので
それが悔しいの?
性犯罪者扱いされるものね
それとも男がやられるのは自分が感情移入するので耐えられない
エロが苦手な腐女子と同じ考え方の人?
男はプライドを傷つけられるのが一番応えるって本当?
このスレは男女カプ801カプ混合スレだぞw
どこのコピペ?
嫌腐なんていないよ
腐女子の園に
避難所マダー?
うんち
ここが一番最初に殲滅されるのか?
ここは別にどうでもいいが、他のシンジスレはどうにか無事でいて欲しいもんだ
腐女子も嫌腐も消えろ
俺のLRSはどうなる
男女カプでもエロスレなら削除されても文句は言えない
LRSスレなんて機能してんの?w
ゴミだろ
ひっこーし! ひっこーし!!
さっさとひっこーし!!!!!!
973 :
孔雀:2007/10/02(火) 23:12:45 ID:???
早く別のとこいこーよ☆
私がシンジきゅんをズコズコ犯すSS書きまくってあげるから☆
皆のオナネタ作りに協力するよん!!!
こいつすげー粘着だな
一日中必死になってw私怨でwww
こういう煽りが好きなんだろ?え?
腐女子スレきんもー
うんち
はやくピンク板行けよ
はいはい、構ったらこんな感じに尻尾振って喜ぶからね。スルースルー。
ここにいるのは全員腐でつよwwww
もちろん、わたしも
>979
超能力者か、妄想厨キモ
二次に対する妄想じゃない分更にキモ
腐女子の敵は腐女子と腐女子が思うことに何か問題でも?
むしろ嫌腐とやらにはそっちのが面白いだろ
相殺し合う姿はよw
腐のてきは腐
もう避難所、自分が立てて見ても良い?
どうぞー
追い掛けられますよ
わざわざピンク板まで追いかけてくる奴いるのか?
荒らしてるのは腐女子じゃないよ!嫌腐だよ!
そんな主張いらねーw
ま、男娼は続くから〜
これだけ粘着する奴は何するかわからんぞ…
孔雀氏来てくれるかどうか
職人来るかしら
やっぱりぴんく難民かな?
スレタイはどうするの?
なんか大量にエヴァ関連スが向こうに乱立する予感
機に乗じて気に入らないスレ荒らしてる奴もいるし
粘着だから追っ掛けてくるだろうな
ピンク板はエロOKだから大丈夫そうな気もするんだけど…
そこまで追い掛けてくるなら相当粘着な奴
追い出しが目的なら大丈夫じゃない?
ここの住人はぴんく難民の方へ移動するだろうし、孔雀氏も以前ぴんく板でエヴァの別の作品書いてたみたいだから…見つけてくれるんじゃないかな。
それを願う
住人がいればおのずと荒らしは来なくなる
今がそんな感じ
移動。移動。
糞スレは埋めましょう
シンジを男娼にしてオナニーしてる腐女子に天罰がくだります
1000ならエヴァ板から腐女子消滅
1001 :
1001:
このスレッドは1000を超えました。
もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。