1 :
前スレの話書いてた人:
前スレが793で容量がでかすぎて書けなくなりました。(汗)
急遽、新スレを立てることになろうとは・・・。
って訳で、前スレのルールを引っ張って書きます。
793レスで終わっちゃったので、900ー793=107
1000ー793=207
私は107〜207で別れの話を書きます。
後はちょくちょく加持・ミサトのサイドストーリーを書けたら良いなあ。
「ああ、やっぱりそうなんですか?」
「ええ、少子化で教員になれる人間は限られちゃってるからねえ・・・。それに、これからの中学生は
セカンドインパクト直後に出生した人たち。・・・人数はインパクト前の3分の1以下だわ」
「そんなに減ってるんですか〜。やっぱすごい出来事だったんだなあ、セカンドインパクトって」
「そうよ、だから、教員の数もそんなに要らないってわけ」
「未練は無いんですか?教師への」
「ちょっとはねえ・・・。でも、ゲヒルンの仕事も教職からそんなに遠くは無いみたいだから・・・」
「俺も行こうかな〜ゲヒルン。確かに自分の専門から遠くは無いし・・・」
「青葉君も行くの?じゃあ、僕も・・・」
「こらこら、俺の意見に振り回されるなよ、日向君。自分で考え、自分で決めたほうが良いよ」
「ん〜でも、葛城さんと青葉君はほぼ決定でしょ?赤木リツコさんも決めたみたいなこと言ってるし、
そうなるとマヤちゃんも行くだろうし・・・。そのメンバーに僕が入れないってのは嫌だなあ・・・」
「仲間はずれになりたくないだけかよ?!」
「それも一つの考え方だってことだよ」
「まあ、二人が一緒なら楽しくなりそうね。あっちで会えるのを楽しみにしてるわ」
「・・・・・・・・・・・・加持さんも決定ですか?」
日向君が今までとは違った低いトーンで聞いていた。
「うん、そうだけど・・・?」
「やっぱりな〜!」
ガックリと肩を落とす日向君。背中を青葉君がポンポンと叩いて慰めた。
しかし、次の瞬間、日向君はガバッといきなり上体を起こし、私に顔を近づけた。
「葛城さん!!!」
「はっ、はい・・・!」
「・・・・・・・・・。いや、なんでもないです」
「ずるっ!・・・・おいおい、日向君。驚かすだけかい!?」
「すいません〜〜!本当、なんでもないんです。気にしないでください」
・・・全く、日向君ってなんて奥手で可愛い少年なの。
今までの態度で私に気があることはバレバレなのに。
・・・いっちょ、つついてみるか。
私は酔っていたせいもあって、いたずら心を駆り立てた。
「ん、でも、・・・もう加持君とは別れちゃった」
「えっ?!今、何て・・・?」
よしよし、予想通りに食いついてきたわね。
希望が見えたという表情になった日向君に私ははっきりと聞こえるように話す。
「加持君とは別れたの!今は恋人募集中よん」
今度ははっきりと聞こえたのだろう。日向君の顔に笑みが指す。
「そっ!それは・・・・本当ですか?葛城さん!」
「・・・・・・まあね。ちょっち言いたくなかったけど・・・」
そして、私は演技で目を伏せ、悲しげにうつむいた。
チャンスとばかりに日向君は私の両肩を掴み、純粋でかげりの無い目を眼鏡越しに合わせてきた。
「葛城さん!あの・・・僕は・・・あの・・・・」
そして、しどろもどろになりながらも・・・・
「僕は、葛城さんのことがっ・・・!前から・・・」
プルルルルルルルルルルル!
良いところで電話が鳴った。
日向君はその音で我に帰り、真っ赤な顔で私の肩を放す。
ちっ!面白いところだったのに、残念。
プルルルルルルル
電話どうしよう?どうせ加持君からだわ。
ここにいるって分かったら来るかも知れない。
そんなことなら、無視無視・・・。
「良いんですか?出なくて」
「うん、どうせ留守電に切り替わるわよ。それに、どうせセールスか何か・・・」
ただ今留守にしております。御用の方はメッセージをどうぞ
乙
ピー
「もしもし、加持です。お昼に出て行ったきりこんな時間まで帰って来ないから心配してます。連絡ください」
ガチャ ツーツーツー
ヤバイ・・・。留守電ってリアルタイムでメッセージが聞こえちゃうんだっけ・・・。
今のメッセージを聞けば、加持君と別れていないことは明白だ。
私は気まずさに額に冷や汗をかいた。
「葛城さん・・・」
「や、やーねぇ。加持君ったら、まだ未練があるみたい・・・。困っちゃうわねえ〜」
「そうなんですか?でもお昼にって・・・」
「ええ!会ってくれってうるさいから、時々会ってやってるんだけど、
そうなったらヨリを戻したと錯覚してるみたいなのよ。本当、困るわあ」
「そうなんですか・・・」
うまく騙せたか?それとも、ちょっと苦しい言い訳だったかしら?
私は日向君と青葉君の顔色をうかがった。
「かえろうか?日向君」
青葉君がおもむろに立ち上がった。
「え?僕、もうちょっと飲んでいたいけど・・・」
「帰ろう。な!帰ろう・・・」
日向君の腕を引っ張って立ち上がらせる。
日向君は仕方なく立ち上がり、青葉君に引っ張られるがまま、玄関まで連れて行かれた。
「お邪魔しました〜」
「お、お邪魔しました・・・」
「いえいえ・・・急にどうしたの?青葉君」
「いえ、これから加持さんに会いに行くのかなと思いまして・・・」
「やだあ!行かないわよ、会いになんて・・・」
「・・・でも、やっぱり帰ります。もう遅いし。な、日向君」
「う・・・・うん」
青葉君の押しの強さに、日向君は頷くしかなかった。
う、鋭いなあ、青葉君。でも、まあ楽しい時間を過ごせたからいっか。
私は笑顔で玄関に二人を見送りに出た。
「じゃあ、気をつけてねん」
「はい・・・葛城さん、また今度・・・」
「・・・・葛城さん・・・・。こんなこと言って良いか分からないけど・・・」
「なに?」
「・・・自分の寂しさを紛らわすために、日向君のこと利用しないでください」
「なっ!?・・・利用してなんて・・・」
「俺の思い違いだったらすいません。でも、ご存知の通り、日向君は葛城さんのことが好きです」
「ちょ、ちょっと!何を言うんだ、青葉君・・・」
「葛城さんが冗談のつもりでも、日向君にとっては本気になっちゃう事態があるんですよ。
それを、・・・心にとめて置いてください。って・・・すいません説教くさくて」
「ううん。分かったわ・・・二人とも今日はありがとう」
「それじゃあ、また・・・」
「・・・さようなら」
「ばいばーい」
シゲルさんwwいいっすね〜
作り笑いをして二人を見送った後、姿が見えなくなってから扉を閉めた。
「参ったわね、今度ばかりは・・・」
青葉君にずばり本音を探られてしまった。なんて鋭い男なの・・・。
私は日向君への申し訳なさと、自分のしたことの恥ずかしさで背筋がゾクゾクと痺れた。
日向君を利用してなんて・・・いないのに。
ううん、分かってる。実際、あわよくば・・・って思ってた。
でも、そんなこと自覚させなくたって良いじゃない、青葉君のバカ。
自分のしたことの恥ずかしさを享受しきれず、私は青葉君を恨んだ。
二人が帰った後のちゃぶ台には飲み干した缶とおつまみが少し残っていた。
一人でそれを片付ける。
孤独だ。さっきまで楽しく過ごしていたのに・・・。
ため息が何度も出た。
片づけが終わってさっぱりとした部屋に一人でたたずむと、再び孤独が襲ってきた。
あ、留守電きいてないわ。
私は留守電のスイッチを押した。
乙
14 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/27(木) 13:54:52 ID:phGyVJy4
あげ
たまにミサトの口調に激しい違和感を感じるんだが?
前スレ見てきたけどなかなかいいのでは?
これからも頑張れや
17 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/29(土) 15:02:13 ID:a0GWBkq+
おつです!!!
ほしゅ
稲荷町
留守電には先ほどのメッセージともう一つ前のメッセージが入っていた。
「ピー 俺だ。さっきはすまない。頭に血が上っていた。
・・・リッちゃんたちはもう帰ったよ。良かったら連絡が欲しい。 ピー」
ふうん・・・。リツコとマヤがいなくなったから、私をまた戻そうって魂胆?
気に入らないわね。
それって一人だと淋しいから一緒にいたいだけじゃない。
きっと、高校時代もそうだったんでしょうね。
淋しいから何人もの女性と同じ時を過ごして、体を重ねた・・・。
私はそのことを想像すると、腹が立つのを通り越して、吐き気がしてきた。
ふんっ!連絡なんてしてやるもんか!
私は久しぶりにこの部屋に布団を敷いて寝転がった。
月明かりが優しく照らす中、深夜になり涼しくなった夜風が私を撫でる。
昼間の不快が嘘のようだ。
同じ場所でも時間が変われば状況はまるで変わる。
同様に、同じ相手でも・・・。
ふふっ、考えすぎね。
すいません、これからちょっと出かける用事が立て込んでおりまして、
更新は7日以降になってしまいます。
皆さん、暫しお待ちを・・・。
乙です
おまちしております。
乙
hosyu
ほしゅー
まち
そろそろ?
ピンポーン
玄関のベルが鳴った。
こんな時間に誰?
時計を見ると深夜1時をまわっていた。
おそるおそる覗き窓を覗くと、そこには加持君が立っていた。
「ちょっと、あんた、何しに来たのよ?!」
私はチェーンをつけたままドアを開け、加持君にそう言った。
「外だと迷惑になるから入れてくれ。深夜だし・・・。な?」
「・・・・もう、仕方が無いわね・・・」
「ありがとうな・・・」
私はチェーンを外して加持君を中に入れた。
加持君の表情はとても反省しているように見えた。
とても昼間に私を追い出した奴とは思えない。
部屋に向かい合って座ると、すぐに加持君から話し出した。
「今朝はすまない。叩かれて頭に血が上っていたんだ。
りっちゃんとマヤちゃんは昨日の夕方に校内で偶然会って、
それからゲヒルンのこととか、彼女たちの専攻である生体工学のこととか
話しが盛り上がってきちゃってさ、それで俺の家に招待したんだ。
折角だし、酒を飲みながら・・・。
で、気が付いたら深夜を回ってて、二人で帰るとはいえ夜道は危ないだろ?
それに俺も酒が入っていたから車で送ることも出来なかったし・・・。
で、明るくなるまで待って帰ることになったんだ。
結局明るくなるどころか、昼間まで3人で寝ちまったけどさ・・。
だから、やましいことなんて何も無いんだよ。 分かってくれ・・・」
真剣な顔で訴える加持君は真実を語っているように思えた。
だが、本当に真実であるかどうかは確かめようがない。
「そう・・・」
私はそれだけ答えた。
加持君は絶望なのか安堵なのか分からないため息を一息ついた。
「それにしても、あの葛城の剣幕はすごかったなあ。
あんなに怒るとは思わなかったよ。リッちゃんたちも驚いてた」
「そうでしょうね、加持君以外の人前であんなに怒ったことは無いと思うわ・・・」
冷静になると恥ずかいことを思い出させないでよ・・・。
「どうしたの?何か・・・あった?」
「は?」
「いや、あんなに怒ったのって、本当に俺達3人のことだけかなあ?と思ってさ・・・」
「・・・他に何があるってのよ!?」
「なら良いけど・・・。誤解は解けたかい?」
「・・・ええ。まあね・・・」
「じゃあ、帰っておいで」
加持君は両手を広げて私に胸を開いた。
私はキャンプからいままで離れていた間の寂しさを全て抱えて、
加持君の胸に飛び込んで行った。
加持君の腕に抱かれながら、安心感を手に入れたはずの私に
キャンプの時の記憶が甦る。
(女をとっかえひっかえ、20人は・・・・)
加持君がこの胸に抱いた女は何人なのかしら?
ふとそんな疑問が頭をよぎり、それはきっと大勢なんだと察すると
私は反射的に体を加持君から離した。
「葛城?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
加持君は今まで、この腕に沢山の女を抱いているんだ。
沢山の女にキスをして、胸を触って、下のほうも・・・・。
そう考えると、例えようも無い嫌悪感が私の体をめぐった。
私も結局、マサミの面影じゃない?
加持君にとっては他の女と一緒よ。
私は代用品でしかないわ。
32 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/08(月) 00:18:12 ID:BStLeE0h
私だけ特別な存在のわけが無い。
だって、私は父にも母にも捨てられた存在なのだから・・・・・・。
ハッ!
加持君と付き合い、ゲヒルンと関係をもってから
忘れていのに再び顔を出してきて私を苦しめている両親との過去。
その過去が私に絶えず伝えているもの。
それがコレだったのね・・・・。
私は父にとっても母にとってもいらない存在。
私はちっぽけな存在。
私は価値の無い存在。
加持君と付き合って、加持君に愛されて、
初めて自分が価値のある存在なのではないかと思えていたのに。
加持君にとって特別な存在であると思っていたのに。
それはもう遠い過去の思い出の様だわ・・・・・・。
もう、私は加持君と一緒にいても幸せにはなれない。
もう、私は気づいてしまったのよ・・・・・・・。
「葛城?!」
「
乙
乙です
36 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/08(月) 15:29:19 ID:oJQJJMAG
お帰りなさい。乙です。
乙です!
まち
なおも私を抱きしめようとする加持君の胸を
私は両手で押して抵抗した。
「・・・まだ、誤解が解けていないのか?」
「ううん、違うの」
「じゃあ、何故?」
「・・・・・・・」
流石に加持君も私の態度の裏に何かがあると気が付いたようだ。
私を追うのを止め、私の正面にしっかりと体を向けた。
顔と顔を付き合わせる。
「・・・キャンプで何かあったのか?」
「・・・・・・ちょっとね」
「何があった?」
「・・・・・・・」
「言えない事なのか?ハッ!それってもしかして・・・そういうことか?!葛城」
加持君は何かを確信した様子だった。表情が曇る。
「何?」
「・・・・・そうだよな。学友とはいえ、男女が同じ屋根の下に泊り込むんだ。
そういうことも有り得なくは無い・・・」
「!?ちょっと!何勘違いしてんのよこの馬鹿!浮気なんてして無いわよ!」
「あれ、違ったの?てっきりそうかと・・・」
「違うわよ、もう・・・」
「じゃあ、検討もつかないな。何があったか話してくれないかい?」
「・・・・・・・・・ねえ、加持君。大岩君って知ってる?」
「おおいわ?・・・・・誰だそいつ」
加持君は全く思い当たらないと言った顔をした。
ちょっとそれじゃあ困るのよ・・・。
「大岩君は、高校時代あなたと同じクラスだったと証言しているけど?」
「おおいわ。ねえ・・・?いたような・・・すまん。思い出せないよ」
「あらら・・・」
駄目だ、雰囲気がぶち壊しじゃない。
私は真剣なのに、全くもう!
まあ、良いわ、私が話したい内容にはあまり関係ないもの。
私は大岩君の存在は一時置いて、話を進めた。
「と、とにかく、彼は、あなたが高校時代に
沢山の女性とお付き合いしていた。と証言しているわ。
そこんとこ、どうなのよ?」
「・・・・・・・・おおいわ君ねえ・・・」
「もう大岩の話はいいから!」
「はい。すいません・・・」
「で、どうなのよ?・・・その話、本当なの?」
乙
おつです
私は加持君に顔を一段近づけて問うた。
加持君は一度目を合わせた後、すぐにそっぽを向いた。
「さて・・・なんのことかなあ?」
「とぼけないで!否定しないってことは、本当なのね?」
「・・・・・随分昔の話しだから覚えてないよ」
「嘘付かないで!」
「本当に覚えて無いんだって・・・」
「覚えてないほど沢山の人と付き合ったからでしょ?!」
「おいおい、何故そうなるんだよ・・・
逃げようったって逃がさないわよ!
宙を見てとぼけ続ける加持君を私は厳しく尋問し続けた。
「じゃあ、今まで付き合った人の名前を全部言いなさいよ」
「なんで、そうなるんだよ!」
「答えられるでしょ?マサミを覚えてるんだもの。
マサミの後から私と出会うまで、付き合った人の名前を全部言いなさいよ!」
「・・・嫌だね。そんな俺に答える義務は無い」
「だから、疑われるんでしょ!?それともあなた、
付き合ったのは私とマサミの二人だけなんて言うつもりぃ?」
「・・・・・・・・」
「ほら、違うじゃない」
「・・・言ったら、どうなるんだ?」
「別にどうもならないわ」
「じゃあ、別に知らなくたって・・・」
「私は真実が知りたいの。大岩君が言ってたのが本当のことなのか、
知りたいのよ。セカンドインパクトの真実を知りたかった加持君のようにね」
「・・・・・・・・」
「話してくれるわね?加持君」
加持君は目を伏せ、黙って頷いた。
このレス数からすると、これから107までで、別れの原因の話ということなんだねえ。
最後に別れさせないといけないのはわかるけど
今のミサトは女の一番イヤな部分全開でちょっと引く・・・
途中はすごく面白かったのに。。
別れるのか(´・ω・`)
分かっているが、やっぱり悲しい…
ミサトは女全開でもまだいい。女だし。
何で加持は自分がミサト追い出したくせに何事もなかったかのように
心配したとか言ってるんだ?
行動原理がよく分からん。そんなアホだっけ加持って
そゆこともよくあるだろうに。
その辺のバカップルならよくあるかもわからんが
何も加持とミサトでなくても。
加持はあれはママゴトみたいなものだったと言っていたから、
ママゴトの解釈の一つとしてこれはありじゃないのかね。
つーか職人さんの投下待ち
自分はミサトさんの女として不安定な部分(いわゆる負の部分?)も含めて好きだよ。
う〜ん…別れると知ってても悲しいなあ…
「・・・結論から話すと、マサミと別れてから葛城と付き合うまでに、
俺が付き合った人数は11人だ」
大岩君の話しと違う!
私は思わず口を出した。
「嘘!?大岩君は20人って言ってたわよ?」
「は?いくらなんでも、そんなに多く付き合ってないぞ?!
大岩の奴、大げさに言ったな・・・」
「・・・本当に11人?」
「本当だよ!俺は大岩よりも信用が無いのかよ・・・」
「それでも多いわ。11人も・・・はあ、まさにとっかえひっかえね」
「嫌な言い方だな。それ」
「・・・ごめん」
加持君がムッとした。
私は何故か謝罪の言葉を出してしまった。
「別に意図してとっかえひっかえなんて思っちゃいなかったさ。
でも、結果的にはそう言われても仕方が無い人数だろうな。
あとは、・・・全員の名前知りたいんだっけ?」
「いいえ、名前までは良いわ。で?そのうちの何人と体の関係があったわけ?」
「何でそんなこと聞くんだよ。もう良いだろ?葛城が知りたいのは
付き合った人数なんだから・・・」
「良くないわよ。全員とあったの?」
「・・・それは、想像にお任せするよ・・・」
加持君は作り笑いをして言葉を濁した。
逃げる気なのね。そうは行かないわ。
「あったのね!?」
「・・・しつこいぞ、葛城」
「否定しないってことはあったのね?私はそう解釈するわ」
「勝手に解釈してくれ」
「どうしてはっきり言わないの?!男でしょ!」
「そこで男女論を出すなよ!男だからハッキリしなきゃいけないなんて
タダの押し付けだぞ」
「じゃあ、はっきり言いなさいよ、人間として。
自分の過去を私の前でうやむやにしないで!」
「過去なんて関係ないだろ?今の自分を見てくれよ、葛城」
「関係あるわよ。過去の自分が今の自分を創ってるんだから・・・。
過去を否定したら、今の自分も否定することになるわよ?加持君」
「否定なんてしていないさ。葛城に言いたくないだけだ」
「なんで言いたくないのよ?・・・私のことを愛していないのね?」
「・・・愛しているから、言えないんだよ・・・」
「はぁ・・・。理解に苦しむわね、どうせ隠していたって消せないことなのに。
それにその言い方、全員とセックスしたってバレバレよ?」
「そう解釈されるだろうな。でも、俺が肯定しなければそれは真実にならない。だろ?」
「そうね。でも、私は加持君がマサミを含め12人と既に経験をしていたと確信しているわ」
「そうか。・・・じゃあ、これでこの話は終わりだ。帰ろう、葛城」
加持君は自分から話を切り、私の腕を掴んだ。
「ちょっと待ってよ!何でココで話を終わりにするの?まだ・・・」
「確信したんだろ?じゃあ良いじゃないか」
「良くないわよ。私は知りたいの、あなたのことをもっと深く知りたいの」
「知ったら傷つくことがある。それを葛城は学習するべきだ」
「そんなこと分かってるわよ!」
「いいや、分かって無い。だからこんなことにこだわるんだ。
今の俺は君しか見ていないのに・・・」
「リツコ達を部屋に入れたじゃない」
「それは理由を話しただろ?やましいことなんて無い」
「どうだか!?本当は下心があったんじゃないのぉ?あわよくば3人で・・・」
「いい加減にしろよ!もう!」
「ムキになるところが余計に怪しいわね」
私がそういうと、加持君はため息をついて私の腕を力無く放した。
「・・・・・・・・・・・信用が無いんだな、俺って。良く分かったよ・・・」
そしてもう一度、深いため息をつく。
「なによ・・・?」
「葛城と付き合っていく気力がなくなったんだよ。もう・・・」
「そんな・・・・・・・」
「今度は俺が聞くけど、葛城はこれから付き合っていきたいの?俺と」
「・・・もちろん」
「そうかな?もしも、リッちゃんたちを下心があって部屋に上げたり
過去に沢山の女性と経験していても。付き合っていける?」
「やっぱりそうだったのねぇ!?」
「もしもだよ!ちゃんと聞けよ、話を」
「ごめん・・・」
「どうなの?それでも俺と付き合いたい?」
「・・・・・・・・」
私はそこで、自分がどんな愚問を加持君につきつけていたか気が付いた。
疑心暗鬼になってしまっている自分は度を越した行動をしていたことにも気が付いた。
加持君の過去を聞かされて、帰ってきたら加持君が他の女と同じ部屋で寝ていた。
不幸な偶然が私を普段と違うおかしな状態にしていたんだわ。
「答えられないってことは、葛城が付き合えないと考えている。って、
俺は解釈するんだけど。どうなの?葛城」
「・・・・・・・違うわ」
「どうして?下心があったし、過去に沢山の女性と寝てるんだぜ?俺・・・」
「いいわ。それでも」
「は?・・・・・マジかよ・・・」
自分の気持ちを忘れていた。
自分が加持君を好きだって気持ちを忘れていたの。
自分が愛されたいことしか頭に無かった。
だから、加持君の愛情を疑ってばかりいたの。
疑う事で確信が得られると勘違いしていたの。
「もしも、そうだとしても私、加持君と別れられない。
私が加持君を好きだから・・・」
「・・・葛城・・・」
「はあ・・・負けた・・・。自分で自分首絞めてたってことに、今気が付いたわ」
「そうなの?」
加持君はあっけに取られた顔をした。
「ごめんね加持君、振り回して。ね、どうにもならなかったでしょ?」
「俺がどうにかなりそうだったよ・・・全く・・・人騒がせな」
「で?下心あったの?」
「・・ないよ」
「今は私だけ?」
「ああ」
「うっふっふふ、良かった〜」
「なんなんだ?この変わりようは・・・」
「帰るわよ〜加持君。はい、リュック持って!」
私は加持君にキャンプのリュックを持たせ、二人で部屋を出た。
時計は午前3時を指していた。
加持君の車に二人で乗り込む。窓を全開にしたら夜風が気持ちよく入ってきた。
「ねえ?・・・私が処女で良かった?」
「何でそんなこと聞くんだ?」
「良かったでしょ?」
「別に」
「過去にも未来にもあなたとしか体を重ね無いってことなのよ?
加持君が独り占めよ?」
「あるよな、そういう処女信仰って、未だにさ・・・」
「なによ・・・じゃあ処女じゃないほうが良かったの?」
「そういう意味じゃない。俺は今独り占めできればそれで良いさ、過去までは・・・ね」
「そう。実は処女じゃなかったの、私・・・」
「ぷっ・・・あの反応は処女だったよ」
「うるさいなあ。加持君は安心してるのよ。私が加持君しか知らないから」
「そうかもな。でも、いつ誰かに取られやしないか冷や冷やしてるよ」
「!!そうなの?」
「ああ・・・。結構いるだろ?狙ってる奴」
「さあ?知らないけど」
「例えば・・・日向君とか、青・・・葉君とかな・・・」
「やだあ!そんなわけ無いじゃない」
私がわざとらしく否定すると、加持君は横目でチラリと私を見た。
日向君はともかく、青葉君は・・・まさかねえ。
「気が付いて無いなら好都合・・・」
「ん?どういうこと?」
「いや、別に・・・」
「そうかあ、取られやしないかと冷や冷やしてるんだぁ〜」
「恥ずかしいから繰り返すなよ」
「うかうかしてると、取られるわよ!?」
「そうならないように努力するよ・・・」
車は加持君の家に向かって走り続けた。
乙
乙です
おつ
まち
マダ?
十日町
あれれ?どうしたんだろう??
ほしゅ
稲荷町
町ー
街
1週間町〜
忙しいんでしょうか…
まぁマターリまってようよ(´∀`*)
より戻したんでつか?おわかれにならないんでつか?
透過街〜〜
うーむ。まち
80 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/23(火) 00:58:11 ID:VRsFkiXG
まち
もしや次から別れモード!?107まで待ってる??
お待たせしてすいません!
ちょっと体調を崩しておりました。では、続き。
加持君の部屋についたときにはもう空が白み始めていた。
すぐに布団を敷いて二人で横になる。
と・・・、加持君が私に寄り添ってきた。
キスをする。
「んっ・・・なにぃ?」
「駄目?この二日間とても淋しかったから・・・」
「残念ながらその体力は無いわ〜。キャンプ直後に飲みなんてやっちゃったし・・・」
「そうか。そうだよな、流石にそれは疲れるね、確かに」
「ごめんね。起きたら、ネ・・・」
「ああ、そうしよう。お休み」
加持君はあっさりと諦め、私から離れる。
そして私たちは仰向けになっていつもどおり手を繋いだ。
「ねえ、淋しかったの?私がいなくて」
「勿論。・・・葛城は?」
「淋しかったわよ。勿論」
「そうか、嬉しいな・・・」
「もう駄目、眠いわ・・・。おやすみ」
「うん、お休み」
淋しいから一緒にいたいのか。
愛しているから一緒にいたいのか。
それの違いを自分の中で知る術はあるのか?
おかえり!乙です!
私は自問したが、その答えを得ることなく、眠りに落ちていった。
翌日の昼すぎ。
目覚めた私を先に起きていた加持君が確認し、傍に寄ってきた。
キスをされて抱きつかれる。
「ちょ・・・」
「おはよう。葛城・・・」
そのままキスで口を塞がれ、加持君の手が服を脱がしにかかった。
一応抵抗するが、力ではかなわない。
そのうえ服を脱がしながら、私の性感帯を確実に付いて来るので、
そのたびに力が抜けて吐息が漏れてしまう。
愛撫に抵抗しながら、私は安心感を得てしまっていた。
すっかり体が加持君に馴染んでしまったのね・・・。
その事が嬉しい反面、怖いわ。
私は加持君が口を放した途端に文句を言った。
「っく、ちょっと!放しなさいよ!いきなり何?」
「何って分かってるだろ?」
「・・・ご飯も食べずに?」
「おなかすいてるの?我慢できない位?」
「まあ、ね・・・」
「そうか。まあ、時間はいっぱいあるし、焦ることもないな。
ご飯食べなよ、俺は先に食べた」
「うん・・・」
ふう、助かった・・・。ん?何だろう、この安堵感。
私、加持君とのセックスを一時的に逃れられて安心してるの?
何故?・・・。すぐには答えが出なかった。
でも確実に私の心は加持君とのセックスを拒否している。
体はあんなに感じていたのにも関わらず。だ・・・。
乙です
おつ
私は朝食を終えると、真っ先に加持君をデートに誘った。
「珍しいな、葛城から外に出ようなんて」
「なんか、そんな気分なのよね〜。じゃあ、すぐに着替えるから待ってて」
私は加持君に誘う隙を作られないように、食器を片付けるとすぐさま着替えた。
行き先は・・・・そうね、健康的なところが良いわ。
映画館だと、暗闇で何されるか分からないし、漫画喫茶もカラオケも同様ね。
人が少ない公園とかも危険だし・・・。
ウィンドーショッピングくらいしか行き先が無いわ〜。
まあ、良いか。たまにはそういうのも。
私達は自転車に乗って街へと繰り出した。
乙
「あ、これ、かっこいい!良いわねー、着てみたいわ」
「試着すれば?」
「ううん。試着したら買うと思われちゃうから・・・」
「買えば?もう就職も決まってるし、稼ぐようになるからコレくらいの出費は」
「駄目よ。お金ためて、一段上に住処のグレードあげるんだから。
もう、あんなクーラーの無い部屋とはおさらばよ!」
「このまま俺の家に住めばいいじゃない」
「はっ!ゲヒルンの書類に加持君と同じ住所を書くってぇ〜こと?
そんな恥ずかしいことできません」
「・・・見栄っ張り」
「なんだってぇ?」
「どうせ良い部屋借りたってすぐに俺のところに転がり込んでくるんだろ?」
「それはどうか分からないわよん。それに、住所に加持様方なんて・・・
ああ、嫌だ。恥ずかしいったら!」
「そうですか、そうですか・・・。後でほえ面かくなよぉ?
今月苦しいの。とか言っても食事出してやらんぞ」
「・・・誰が言いますかって・・・」
「お、強気だな〜。加持君の作ったご飯は世界一!とか言ってたくせに・・・」
「それは最初のうちだけでしょ?今は私だってソレくらいは作れるようになったのよ」
「どうだか・・・」
「もう!・・・次行くわよ」
「まだ、回るのか〜?!足が棒だよ。そろそろ帰ろう」
「駄目ー。まだ見たいところがあるのよう」
「へーへー・・・。全くわがままなお嬢さんだなあ」
私は加持君の言葉をわざと突っぱねるようにしながら話し、
何軒もの店舗を回った。
結局、ハンバーガーショップで休憩を挟みながら、夕方の5時半まで私たちは
街を渡り歩いた。
さすがにこの時間になると、おなかの虫が鳴るので、帰宅となる。
加持君の部屋に帰り、ソファーで一休みすると、加持君の私を見る目が怪しい。
ヤバイわね。
「おなか減った〜!何食べる?加持君」
私はわざと雰囲気を壊すように行動をした。
「そうだな〜。・・・葛城を食べたい」
・・・ヤバイヤバイ。
「ご飯炊いて無いんだっけ?パスタがあったかな〜?」
「葛城・・・。俺は葛城が欲しい」
加持君は立ち上がってこちらに寄ってきた。
ぎゃー!コレじゃ駄目だわー!
私は焦って足早にキッチンに向かうが、後ろから腕を掴まれて
あっさりと加持君に捕まった。
乙
加持君は私を後ろから羽交い絞めにして私の首の後ろを舐めた。
ゾクリとした快感を体に感じて心臓が高鳴り、体が硬直する。
「何ベタなこと言って誘ってんのよ・・・おなかすいてるのよ、こっちは」
「すぐ済むからさ・・・」
「きゃ・・・!」
そのまま私を後ろから持ち上げ、ソファの上に座った。
ソファの上に加持君、加持君の上に私が座っている状態だ。
加持君は私の口を自分の口で塞ぎながら、
手馴れた作業で私のシャツのボタンを外していく。
すぐにキスはディープなものになった。いきなりだったので少しむせるが、
加持君はお構い無しで私の口の中を探りまわした。
「・・・んっ、ぐっ・・・はあっ!・・・嫌よ、私は」
「二日間も淋しい思いさせて、そのうえお預けくらってるんだ。もう限界だよ・・・」
「嫌・・・嫌だってば!もう・・・!」
私は体をよじって加持君の椅子から逃れようと試みるが、
加持君の左腕はがっちりと私を押さえつけていた。
そして右手は私の胸を捕らえる。
あ・・・!
私のお尻に硬くなっている加持君があたっている!
それがますます私の嫌悪感を増大させた。
「ねえ、嫌だって言ってるでしょ?何で強引にことを進めるの?」
「今までちゃんと察して我慢してきたんだよ?これでもさぁ・・・。
でももう限界。今じゃないと駄目だ」
「自分勝手ね」
「それは否定しないよ。俺は自分勝手な男だよ・・・」
「あっ・・・!」
加持君の右手は既に私のズボンのホックを外し、中にあった。
今までこんな強引な加持君はなかった。
嫌だといったら、自分で処理するような。そんな人だったのに・・・。
「・・・ねえ、今までの加持君と違くない?何をそんなに焦るの?」
私は愛撫に喘ぎながらも素直に聞いた。
今までの加持君にはいつも余裕が感じられていた。
意見がぶつかった時は、どちらかというと加持君が私の意見を尊重し、
引いていくのが常だった。
なのに、今回は違う。何か余裕が無いみたいに感じる。
「言ったろ?淋しい思いをしていたんだ。もう限界だよ。今じゃなきゃ駄目だ」
「・・・自分の事しか頭に無いのね?今」
「それも否定できないな・・・。今は葛城のこと、頭に無いかもしれない」
「そのくせすぐに淋しがる・・・」
「そうだ。淋しいんだ、今こうしていても・・・。だから早く一つになりたい」
「私と一つになりたい?」
「ああ、なりたいよ。とても気持ちいいよ。だから・・・」
「気 持 ち い い の ?」
「えっ・・・?」
加持君は既に私を丸裸にしてソファに押し倒し、
コンドームを被せた自身を入れようとしていた所だったけど、
その動作を止めた。
「気持ちいいの?」
「そ、そりゃあ良いさ、お互いに・・・。葛城だって、もうこんなに濡れてるし・・・」
「あんっ!」
「な?声もすぐ出ちゃうだろ?」
「うん・・・。でも・・・どんなに頑張ったって一つにはなれないのよ?」
「・・・・それは・・・」
「それなのに、気持ちいいの?これって・・・・」
「・・・・・・・・・」
「何でセックスしてるの?私たち」
「そりゃあ、心も体も一つになりたいから・・・」
「でも、なれないわ。現に今の私と加持君の心はバラバラだもの」
「・・・・・・・・・・」
私の問いかけにどんどん加持君の元気がなくなっていく。
加持君はため息をついて私を解放し、服を着始めた。
「加持君・・・・?」
「すまない、葛城。ご飯、作るよ・・・・」
「・・・・・・・・うん」
加持君は私を目をあわすことなくキッチンへと向かい、
パスタを茹で始めた。
その鍋を覗き込む姿は、ガックリと肩をおとしているように見えた。
淋しい時の加持君はこんなに余裕が無いものなの?
もしかして高校時代もこうだったの?
淋しいから強引に・・・・・・・・・・?
私は今の加持君を気の毒には思うけれど、傍らに寄りそいたい気持ちにはならなかった。
(・∀・0)ワクテカワクテカ
乙
102 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/30(火) 22:09:43 ID:SxQqvs3t
乙です
まち
wktk
うーむ乙
で、別れの話
↓
ここに至って投下に間隔が・・
この間の終わり方だともう別れしかないから
次の投下はそろそろだろ。
ミサトの心境が急変でよく理解できんが…
まち
結局、昨日の夜、私は加持君を受け入れた。
愛情ではなく、同情と言ったほうが適切な感情で・・・。
「愛しているよ。愛してる・・・」
めずらしく何度も加持君は私に囁きかけた。
私は無言でそれを否定せずに受け入れた。そして、ただ喘いだ。
体は感じている。もう何度も何度も経験したから馴染んでしまっていた。
快感は感じた。2回イッた。
加持君の懐は暖かく、安心した。
加持君の寝顔を見ると可愛いと思った。
でも・・・・・・・・・・・
何故、私は加持君と一緒に居るのだろうか?
何故、私は加持君とセックスするのだろうか?
これからもずっとこの生活が続くのか?
朝起きると同じ顔がある。夜眠る前も同じ顔がある。
それはとても安心するし、幸せだと感じるけれど・・・
昨日の夜に感じたあの違和感。
それは加持君と付き合い始めてからずっと感じていたものが
顕在化したにすぎない問題が再び私を覆う。
加持君が本当に好きな人は誰?
私が本当に望むものは何?
加持君の寝顔を見ながら私は暫く考えていた。
確かに加持君に好意はあるけれど、愛してないのかもしれない。
それも最初からそうだったのかもしれない。
ただ、優しく紳士的に近寄ってきた男に応じただけのことなのかもしれない。
加持君でなくても良かった?・・・・・・・・そうかもね。
加持君も私じゃなくても、マサミに似ていれば誰でも良かったの?
・・・・・・・・・きっとそうだわ。
私は加持君にとって今までで一番長く共に居る女だろうし、
セックスも今までで一番多く経験した女だろう。
けれど、私は・・・・加持君に何をあげられる?もう何も与えられないじゃない。
加持君も私に何を与えてくれるの?何も無さそう。
このままで良いの?このままで良いの?このままで良いの?
自問が私の頭の中から自分を責める。
このままじゃ良くない!
私が本当に望んでいるのは、心の底から一つに繋がりあえる存在よ。
セックスはただその行為から一つになっていると錯覚するだけ。
快感と性欲の解消と共に自分が満たされたと錯覚するだけ。
私も加持君も錯覚しているに過ぎないんだわ・・・。
加持君が心の底から求めているのはマサミなのに、それを私だと錯覚している。
では私は? 私は心の底から誰を求めているの?
加持君ではないの?・・・・・・・・多分違うわ。
では誰?
・・・・・・・・・・・・・・。
ゾクリ
嫌な予感がした。
気づいてはいけない。そう自分が呼びかけている。
私は加持君に何を求めていたの?誰を求めていたの?
私はもう一度加持君の寝顔を見た。そして、私は気づいてしまったのだ・・・。
113 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/05(月) 01:13:25 ID:L95KKqv0
たまには加時サイドも見てみたい
俺も急激すぎ…と思ったが、こう繋がるわけか。いいね。
アスカの親って、ツェッペリンのメンバーなの?すげぇじゃん!
↑
誤爆?
職人さんの「8年前にいえなかった言葉」を言うべき瞬間をどう描くかが楽しみです。
確かに
加持君は父に似ている?!
自分の信じた正義の為なら労力や命を惜しまないところ、
一見ソフトで紳士手に見えるが、その反面独占欲が強く私を振り回すところ、
寂しがりやなところ。
とても父に似ていないか?
そして、そんな加持君に振り回されながら、その人を愛している私は
母に、似ていないか?
・・・となると、これから先の私たちに待ち受けているものは・・・別れ。
違うわ、それは早計よ!
私は首を振り、眠れない体を布団から起こした。
隣では加持君が寝息を立てている。
ふと、テーブルの上に置いてある加持君のタバコが目に入った。
どうせ眠れないんだわ。
タバコなんて吸ったこと無いけれど、良い機会じゃない。
私は加持君のタバコを一本拝借し、火をつけた。
「ごほっ!ごほごほ」
案の定、最初の一服はむせて肺には入らなかった。
煙たいの一言。
そして、二吸い目・・・。
むせそうになるのをこらえて肺まで入れる。
苦いような、辛いような、おいしく無いわね・・・。こんなの何で吸ってるのかしら?
そう思いながら3吸い。4吸い。
なかなか味が分かってきたわ。分かってきたけど・・・まずい。
私は結局タバコの3分の1も吸わないところで灰皿にもみ消した。
はー、変な気分だった。でも、まあ気分がスッとしたかな?
なんだか変な爽快感を覚えて私は気分が落ち着き、それから暫くして
加持君の隣で眠りに落ちた。
このあとすぐ別れる?もしそうならもう少し前からタバコ吸ってるとよかったかも。でもとにかく乙です。
乙
まち
それから私と加持君の関係はズルズルと卒業間近まで続いたが、
加持君の本音はともかくとして、
私は惰性で付き合っているとしか言えなかった。
他に好きな人が出来たわけでも無いし、加持君のもとは居心地が良い。
だから付き合っている。
そのことに気が付いても、加持君との関係を終わらせることは恐怖だった。
何故ならば、加持君が唯一私を理解し、私と共に居てくれる存在だから・・・。
加持君の他に誰が私を認め、共に居てくれる?
私は加持君の作り上げた楽園から逃げ出すのは恐ろしかった。
そんなある日、いつものように加持君と夜を共にして、体を重ねた後、
私はいつものように加持君のタバコを拝借した。
「いつからだっけ?タバコ吸うようになったのって」
「ん?・・・・さあ、忘れたわ」
「俺が言うのはおかしいけどさ、タバコは体に良くないぜ?」
「・・・・・・・・本当、あなたが言うのはおかしいわね・・・・」
私はなんだか腹立だしくなった。
”お前が言うなよ!”と強く言いたくなるのをこらえる。
「そうだよな。でも、やっぱ、タバコは・・・」
「加持君が喫煙者であるのに、タバコを咎めること。
私が情事の後でタバコを吸うようになってから暫くたつのに、今更言ってくること。
リツコも吸っているのに私だけに注意すること。どれもおかしいわね。
何故?」
私はタバコを吸いながら加持君に出来るだけ冷静に伝えるように努力した。
加持君は少し気が引けるような顔をしてから、私に面と向かい合う。
こういうときの加持君は、大体私を諭そうとしてくる。
受けて立つわよ!
私は加持君を睨むように強く見つめ返した。
乙
おつ
っとても面白い。が、この過去があると、TVで加持が
「あれ?タバコ吸うんだ?」って言ったのが矛盾になっちゃうような。
でも早く続きプリーズ
>>127 「今でもタバコ、吸うんだな・・・」
「こんな時だけね。だから知っているのは加持君だけよ」
ミサトは前からタバコを吸っていた。しかもセックスの後だけ。
「確かに、おかしいと思われても仕方が無いとは思う。
けれど女性は男と違って妊娠出産する可能性がある。
だから、自分を大事にしたほうが良い」
「私は子供なんて欲しく無いわよ?」
「今のところは。だろ?いつか気が変わるかも知れないし、
就職すればできちゃっても生める経済力がつくんだし・・・」
子供を生むためにタバコを止めろというのは以外だった。
せいぜい肺がんになるとか、喉を痛めるとか、そういう理由なのだと思っていたから。
「じゃあ、リツコは?彼女も女よ?」
「リッちゃんはそんなに親しくない。言ったところで余計なお世話さ」
「私の場合も、余計なお世話だけどね・・・」
「・・・・ふっ、そうだな。もう言わないよ」
加持君は微笑んで私を説得するのを諦めた。
「ねえ、最近思うんだけど、卒業が近づいてから、加持君
私にやたらと注意してこない?今のタバコもそうだし、
私がつくったご飯も野菜をもっと入れなきゃとか、
夜更かしするなとか、お酒も途中で止めるし・・・」
「ん?そうかぁ?・・・・そいつは気が付かなかったな」
「そうよ、絶対そう。社会人になるから心配してくれるかもしれないけれど、
なんか、こう・・・家族みたいなのよね。健康とか生活習慣とか言ってくるところが」
「迷惑かい?」
「・・・・・・はっきり言ってね」
「そうか・・・」
「・・・・・この際だから言うけど、私に何を期待するの?
子供じゃないんだから、いう通りにするわけがないじゃない。
自分で考え、自分で決めて行動するわよ、自分のことくらい」
「自分で考え、自分で決める。か・・・、危なっかしいなあ、今の葛城じゃ」
「・・・子ども扱いしてるのね?」
「そんなつもりは無いけれど、否定しないよ。そうかもしれないな」
なんだろう?この胸のイライラ。
子ども扱いされていることにも腹が立つけれど、それよりも、
加持君が自分を棚に上げて偉そうに言っていることが大きい気がする。
そう、見下されているような感覚が私の中にはあった。
何故余計なことまで口を出すの?
私はもう子供じゃないのに・・・。
そう、私はもう、子供じゃないの・・・・!
もう、私は弱くて力のない存在じゃないわ。
自分で考え、自分で決める能力が私にはあるんだから、
それを上から父親のように押さえつけないで欲しいの!
ああ、またこの状況だわ・・・。
加持君の中に父性を、・・・お父さんを感じる。
加持君は父に似てる。だとすると、もう長くは一緒に居られないわ。
大嫌いな父と一緒に過ごさなくてはならないなんて、耐えられないもの・・・。
私は加持君との会話を繋ぐことなく、無言で考えていた。
自分の記憶の父さんと母さんの関係をめぐりながら、私は考えていた。
乙
くわああ…、これであれに繋がるわけか。
あなたは本当に女性の視点が上手いね。GJ!
禿乙(´∀`*)
黙っている私に対して加持君はマイペースに話題を振った。
「そういや、前から言おうと思ってたんだけどさ、卒業してからも、
俺達一緒に住み続けないか?」
「・・・・・・何故?」
「何故って、・・・そうだな、俺にとってこの生活が普通になりすぎているから
今更、変えようってのもな・・・。どうせ職場一緒だし」
「違う支部に配属になったら?」
「そうなったら一緒には住めないけど、休日には出来るだけ会いに行くよ」
「・・・・・・・考えておくわ」
「考える要素が?」
そうね。加持君に取っては疑問でしょうね。
しかし、私には加持君のその意見がタダの束縛にしか感じられなくなっていた。
セカンドインパクトのあの日から、加持君は必死で寂しさを紛らわせて
生きているんじゃないか?それが束縛する結果となっているんじゃないか?
私は思い切って加持君にソレを問うてみることにした。
「もしもセカンドインパクトが無かったら、今こうして加持君の隣に居たのは
私じゃなかったでしょうね・・・」
「・・・突然なんだよ?」
「ここには私じゃなくて、マサミが居たでしょうね。そして、マサミなら
あなたの提案を喜んで受けたでしょうね」
「おい、なんだよ。マサミの話しはもう・・・」
「終わってないわ。どうなの?加持君。
もしもの話よ、もしもマサミが生きていても、あなた、私とこうしてた?」
「・・・・・・・・・・・」
「違うでしょうね・・・。セカンドインパクトなんて無ければよかったのよ!
あの出来事が世界中の人々の運命を惑わせた。
あれがなかったら、あなた今頃、マサミと同棲してて、卒業したらすぐに結婚してて・・・!」
「・・・・・・・結婚・・・・したいのか?葛城」
加持君が私の結婚と言う言葉に反応して、逆に問いかけてきた。
ハッ!として体から興奮が抜け、吾に返る。
その答えは私の中では否だった。
両親の不仲と離婚。
離婚後も私をダシに繰り返された着かず離れずの関係。
そんな境遇に育った私にとって、
結婚とは一般の女の子が抱く、幸せで愛に溢れたイメージと
かけはなれた意味を成していた。
結婚は不幸。女性にとってはむしろ不幸の始まりでしかないのだと
私は母を見て確信していた。
それに、子供も両親に管理という名の束縛を受け、
二人の意見に翻弄されるだけの不幸な存在だと思っていた。
「いいえ、全く」
私は嫌悪感を顔に出しながら加持君に答えると、加持君は残念そうな表情で
「そうか・・・」
と一言答えるだけだった。
乙です(´∀`*)
。
乙
乙です
そこまできましたか。
おつ
まだ?
まち
うーむまち
がんがれ
どうしたのかなー。がんばってくださいませー。
そげんにあせるんじゃなかと
職人さんにもリアルがあるんじゃ
またーり待とうや
うむ。
ほぜん
続き期待待ち
のんびりまち
十日まち〜
保守
保全
クライマックス練り込んでいるとか
うーむ待ち。
157 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/03(月) 17:18:02 ID:j0FrPGzx
つづきはー!
ガンバレー
のんびり待ちー
続き期待
machi
突然ですいませんが、
私は多分、ここで小説を書いていた者の夫です。
妻は先週から体調を崩しておりまして、ただ今入院中です。
そして今月末に手術をひかえております。
昨日、妻から「実は2chに小説を書き込んでいる途中」だと告白され、
「特定の読者もいるようなので現状を教えてあげて欲しい」とのことなので、
ここに書き込みました。
妻は手術が無事に終えれたら、8月に退院予定です。
元気になったらまたココに書き込みたいと申しておりますので、
皆様、よろしくお願いいたします。
では、私はこれで・・・
お大事に。
八月を楽しみに待っています。
ご快癒をお祈り申し上げます
お待ちしています
お大事にー心よりお待ちしておりますノシ
養生なさってくださいませ。復活の日をお待ちしております。
復活まち
お大事になさってくださひ
一日も早いご回復を
保守
再開まち
誰も疑ってないけどホントなの?
どうもしないけど、素直に受け止めてるおまえらに純粋さを感じた
この通り書き込みもないし嘘っぱちではないでしょう
信じるしかないorz
時には信じることも必要さw
信じるものの幸福…
であってほしい
すいません投下していいですか?
どうぞ(´∀`*)
八月のいつ退院だろう?
退院したからってすぐに書けるとは限らないし、気長に待とうぜ。
しょうがないよこういうことは。
人生、何があるか分からんな。
こんな風にネットで出会った人が病気したり、犯罪犯したり、死んだり・・・。
ある意味身近に人生を感じられる。
夫に2ちゃんねらだってこと告白するの勇気要っただろうな。
しかも結構赤裸々な女の本音を描いてたわけだし。
ありがとな。職人さん。回復を祈ってます。
hosyu
稲荷町
十日町
皆さん、お待たせしました。
本当に待たせちゃってすいませんでした。
数日前、無事に退院しました。続き書きます〜。
「それじゃ、行ってくる」
「うん、気をつけてね・・・」
加持君と私はキスを交わした。
加持君はパスポートの入った旅行バッグを手に持ち、玄関の扉を閉める。
卒業レポートが終わり、あとは結果待ちとなった今、
加持君は同学科の友人たちと卒業前旅行へと旅立つことになった。
「ゲヒルンのドイツ支部も余裕があったら見てくるかな」
「そんな時間あるわけ?」
「あったらの話。是非行きたいねえ。もしかしたらそこに転勤になるかもしれないしな」
「分かってるでしょうけど、あんた・・・」
「分かってるよ。極秘裏に行動するさ、出来るだけね・・・」
旅立つ前日。
私の心配をよそに、加持君は口に余裕の表情を浮かべて荷造りをしていた。
行き先はヨーロッパ。セカンドインパクトがあってから地軸の異動によって
日本とは正反対に、常冬の地になっている場所だ。
日照時間が極端に減り、一時は作物の収穫が絶望的だったが、
今はビニールハウスやグラスハウスを中心とした農法が発達してきている。
加持君たちがそこを旅行の行き先に選んだ理由は
「雪が見たくなったんだよねえ。久々にさ・・・」
「・・・そんな理由で・・・」
「うわ、呆れてる」
「そりゃ、呆れるわよ。そんな理由であんな遠くまで行くなんて。
近くて安い海外旅行なんていくらでもあるのに」
「遠いからこそ、今のうちに行っておかないと!仕事始まったら暇無いだろうし・・・。
本当に葛城は来ないの?」
「行かないわよ、あんな寒いところ!原住民ヨーロピアンでさえ、あの寒さに
他の地に移り住んでいるっていうのに!それに、学科違うし・・・」
「いるよ?彼女連れてくる奴も。ま、そいつは卒業と同時に結婚だとさ。
成田離婚にならなきゃ良いが・・・」
「古い・・・。成田離婚って、何時の時代の死語よっ!?」
「いつだっけ?小学生くらいか?・・・いや、幼稚園児?
いずれにせよ、セカンドインパクト前の記憶はよく覚えてるよ。
自分の一番幸せだった時期の記憶だからなあ。
インパクト後は・・・思い出したくないことが大半で、
あとは脳が混乱して記憶の整理がつかないってとこか・・・」
「無駄口はいいから早く手ぇ動かしなさいよ!
どうやってこの量をこのバッグに詰めるのよ?!」
「へーへー。ご協力、ありがとうございます。っと・・・」
結局、荷造りが終わったのは深夜1時をまわった後だった。
二人で布団に転がり、手を繋ぐ。
なんだかんだといいながら、私と加持君の付き合いは卒業後も続きそうな感じだ。
腐れ縁。・・・・ってやつか。まあ、それでもいいわ。
私達の間には小さな問題がいくつか存在しているけれど、
別れを決断するまでの決定的な事象はないものね・・・。
私は加持君の寝顔に安らぎを感じながら眠りに落ちた。
おかえりなさい
>>187 キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!!!
復活おめ!
良い誕生日プレゼントになりますた。ありがとう!
…俺オメ('A`)
職人復活おめでとう
>>191 もおめでとう(´・ω・`)ゞ
職人さん待ってたよ!!
でもくれぐれも体調には気をつけて、ゆっくりでいいからね!
194 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/09(水) 20:28:41 ID:ptYWLYL7
待ってました!!!
職人さん退院おめでとう!!
>>191 誕生日オメ♪
195 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/10(木) 00:21:56 ID:IDWFiOno
職人タソ復活おめ!
乙
すいません。お盆の帰省に行って来ます。
折角再開したのに待たせちゃってごめんなさい・・・。
気をつけて〜。
いってらっさい
おまちしております
町
ただ今帰りました。では続きいきます〜
そんなわけで、加持君は日本時間でトータル7日間の卒業旅行に旅立っていった。
「さて、っと・・・。寝るか!」
昨日は深夜に寝ただけあって、かなり眠いわ〜。
私は大きなあくびを一つして、布団に横になった。
加持君の分の布団をたたむのさえ面倒くさいわ。そのまま二つ並べておこう。
加持君もきっと飛行機の中で寝るんだろうなぁ。
さんざん荷造りに私を巻き込んでおいて、良い身分よね、全く・・・。
ああ、眠い。気持ちよくなってきたぁ・・・・。
私はすぐに眠りに落ちた。
「ん・・・?うん・・・・」
目が覚めると、日差しは柔らかくなっていた。
どれくらいねたんだろう?今何時?
時計に目を移すと、17時をまわるところだった。
加持君がココを出たのが11時過ぎ。それからすぐに寝たから、
・・・しっかり寝たわね。今日の夜が長そうだわ。
とりあえず、ご飯でも買いに行くか。
そのあとでレンタルビデオを借りて、図書館にもよって、
暇つぶしの道具はまあ揃うわね。
ビデオも図書も限界まで借りよう。
なんたってこっちにはまるまる7日間あるんだから!
私は顔を洗い、軽くメイクをして、TシャツにGパンで自転車に乗り込んだ。
夕暮れの街を1人で疾走する。
真昼と違って、汗が出てもスッと引くし、風が気持ち良い。
よ〜し!私にとって学生最後の長く自由な時間。
これから遊ぶわよー!
私は一人の気軽さに胸を躍らせていた。
乙
gj
しかし、そんな気持ちは3日間だけだった。
一晩目は借りて来たビデオを連続で見た。
二晩目は図書館の本を思う存分読んだ。
三晩目はテレビを一日中点けっぱなしだった。
そして朝方、小鳥の声やせみの声が聞こえてくると安心して眠りに落ちた。
私は3日目の晩が明ける頃に気が付いた
”夜の静けさや空虚さにおびえる心を紛らわすために、それらのことをやっていたんだ”
ということに・・・。
結局はビデオも本もテレビも心の隙間を埋めるための暇つぶしだったのだと悟った。
そして、ソレに気づくともう何もやりたくなくなった。
どうせ何をしても私の心は満たされないんだわ。
もう飽きた。つまんない・・・。もう寝よう・・・。
私はミンミンとうるさいせみの声をBGMに眠りに落ちた。
4日目に意識を取り戻すと、もう昼の2時だった。
「ヤバイヤバイ。また寝過ごしちゃったわ・・・」
私はそんな独り言を言うと、シャワーを浴びて、着替えた。
遅い昼食は冷蔵庫から拝借する。
そして、誰にも咎められることもなく、ビール!
「ごくごくごく・・・・ぷはーーー! くー!生き返るぅ!」
シャワーで血の巡りが良くなっていた私は、すぐにほろ酔い気分になった。
テレビを点けて、夢だか現実だか分からない頭を使ってニュースを見る。
特に面白いニュースは無いか・・・・。
「加持君、今頃何してるのかしらねえ? あんな寒いところで・・・。
私を置いてわざわざ寒いところになんて行かなくたって良いじゃないねぇ?」
話し相手は居ない。寂しさが増した。
取りとめもなく、ボーッと過ごしていると、だんだんと日が蔭ってきた。
時間は待ってくれないんだわ。また夜がやってくるのね・・・・。
何もやりたくないけれども、どう過ごして良いか分からない。
私は軽いジレンマに悩まされていた。
何もしないと、心の闇が私を襲ってくるわ。きっと辛い過去も思い出す。
このまま自分の心に押しつぶされそうになることに、耐えられるのかしら?私。
いいえ、わざわざ、自分から茨の道を選ぶことは無いわ。
また昨日のようにテレビを流し続けるか?
それとも、図書館か?レンタルビデオか?・・・・・。
今夜は、何をして過ごそうかしら。
「はあ・・・・」
ため息が一つ、私の口から飛び出した。
乙GJ
「で・・・・、あなたに何が手伝えるわけ? いきなり電話が来たと思ったら・・・」
「あは、詳しくは思いつかないけど・・・お願いっ!ね?今晩だけ・・・」
「あのねえ、今の私の立場分かってる?!」
午後8時。
リツコの部屋の玄関先で、私は門前払いをくらいそうになっていた。
余裕の無さが顔に表れているリツコにヘコヘコとお辞儀をしながら私は頼み込んでいた。
「勿論〜。卒業論文を書いている途中のぉ、・・・赤城リツコさん」
「それだけじゃないわよ!この論文にはねえ、特別過程の修士は愚か、
博士号の習得もかかってるのよ。分かる?」
「ん?・・・・・・・・学士でしょ?大学卒業でもらえるのって」
「はあ・・・・・・。あんた、セカンドインパクトを境にカリキュラムと称号習得の条件が
大幅に変わったの、分かってないみたいね・・・・」
「そうだっけ?じゃあ、私もがんばれば博士が・・・」
「・・・あまーい!博士を取るためにはね、1年生の時から教授の研究室に通って
他の修士や博士課程の学生に紛れてゼミに出席し、学会での発表や
山の様なレポート提出をこなして、それで認められたら、
やっと博士論文の提出権利がもらえるのよ。わかる?ミサト・・・・」
「つまり・・・・・多大な努力と才能が必要ってことね・・・」
「そう、そういうこと」
リツコは大きく頷いた。
「そして、私はその努力と才能でやっと博士論文の権利を習得したの。
・・・だから、今はミサトの相手をしてやれる余裕は・・・。ちょ!ちょっと、やだ、
なんで入ってくるのよ!?」
リツコがお断りの言葉を言おうとしたその一瞬の隙を付き、
私はリツコ邸の玄関に進入することに成功した。
「おじゃましまーすぅ」
「ちょっと、ミサト!ん、もう!邪魔しないでよ!?それに散らかってるけど・・・」
「へいへ〜い。だいじょぶよん。私たちの部屋もレポート前は散らかるから・・・
って・・・。なにこれ・・・」
リツコの部屋をのぞいて私は一旦思考が止まった。
乙〜
ワクテカしながら続き待ってます
乙
gj
リツコの8畳の部屋には机と椅子。パソコン。
床一面にはレポート用紙が散乱し、本棚の上にはビーカー数本が置いてあった。
そのビーカーの中には金色の液体とねずみが入っている。
うげー、ホルマリン漬けぇ?
一瞬そう思ったが、液体付けのねずみは生きていて、
ばたばたゴポゴポしながらビーカーの中を泳ぎまわっていた。
そして、逃げ出さないようにビーカーには分厚いグラスの蓋がしてあった。
「なに?これ?なんで溺れないの?」
「LCLの実験中。分かりやすくいえば、過酸化人口羊水ってとこかしら?」
「・・・・・ぜんぜん分かりやすくないんだけど?」
「酸素が沢山詰まった羊水よ。羊水ってネーミングはタダ単に
成分が全く同じだから付いてるだけだけどね・・・」
「ふうん・・・」
「これの実験レポートが上手く行けば多分博士号を取れるわ。今のところ順調だし。
だから!・・・・くれぐれも邪魔しないように」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・はい」
リツコに凄まれて私はおとなしくうなづいた。
リツコはすぐにパソコンに向かい、レポートを打ち始める。
「・・・・あのー、私は何をすれば・・・?」
「そうねえ、書類の整理と部屋の掃除、お願いね。
ただし、決して何も捨てないこと。
分類不明のものがあったら一まとめにしておいて。
後で私が選別して捨てるから」
「了解〜」
私は床に散らばった紙の整理から始めた。
通しで振ってあるページ数を見ながら順番どおりに重ねる。
ページは3桁まで振ってあるため、なかなかややこしい。
それでも、一時間も作業をしていると床のフローリングが見えてきた。
うんうん、なかなか手馴れてきたわ。
私も結構いい助手じゃない?
調子がいいと心が乗ってくる。私はいつの間にか鼻歌を歌っていた。
「ふんふ〜ん♪ふんふんふ〜ん♪」
「ちょっとミサト、気が散るんだけど・・・」
「あ!ごめん」
リツコに注意を受けて、私は吾に帰った。
やばいやばい。邪魔しない約束だった・・・・。
私は意識的に口をつぐんだ。
と、整理を続けていくうちに、リツコの言う分類不明のものがすこしずつ顔を除かせる。
脱ぎ捨てたストッキングに、ヘアピンに、・・・この袋は何だ?
いらなそうだけど、捨てるなって言われてるしなぁ・・・。
私はその物達を部屋の片隅の邪魔にならない場所へ移動させる。
ガムに、セロテープに、CD、学生証、丸めたティシュ・・・流石にコレは・・・。
でも捨てるなって言われてるしねえ・・・・。とりあえずここか。
”9時集合”のメモに、何かの刷毛に、ウサギの絵本?なんでここに絵本が?
まあ、いいか、これもここ。
何時の間にか部屋の片隅にはガラクタ?の小山ができていた。
乙
GJ
おつ
gj
ふんふんふ〜ん♪
心の中で鼻歌を歌いながら整理は続く。
ふんふんふ〜・・・・ん?
何だこれは?
ニョロンと長くて茶色い毛の生えた物体が目の前に現れた。
私はソレをむんずと掴んでひっぱる。
「にゃあお〜ん!」
にゃあおん?
「う、わあはあああ!?」
まさかソレが生き物だと思わなかった私は、
思わず大声を上げてその場にへたり込んでしまった。
「あら、ミー子、そんなところにいたの?」
「猫?!」
リツコが振り返って猫に手を差し伸べる。
茶色い虎猫はリツコの腕から膝の上によじ登った。
私は仰天したまま同じ言葉を吐く。
「猫?!」
「そうよ。そんなに驚くこと・・・ないでちゅよねー?ミー子ちゃん」
「・・・・・・驚くわよ!ねずみだけかと思ったら、猫も飼ってるなんて・・・」
「あら?ねずみは実験用。ミー子はペット。全然違うわよ。ねー?ミー子ちゃん」
リツコは膝の上に座るミー子をまるで赤ん坊を撫でるように優しく撫でた。
そのまなざしは私が今まで見た中で一番優しい。
私はそのリツコの態度にも驚かされて、暫く息を整えてから話した。
「何時から飼ってるの?」
「2年生の時からよ。迷い猫なの。当時はまだ子猫で、ミーミー泣くていたから、みー子。
ペットとはいえ、お互いに束縛しない契約でね、勝手に外に出たり入ったり・・・。
学校行く時は鍵閉めるから、締め出されたときは玄関で帰りを待ってるわ。
今だって、3日くらい顔見てなかったから、てっきり外に居るのかと思ってたけど・・・」
「そ、そうなの・・・」
「久しぶりね、ミー子。最近構って上げられなくてごめんね。
もう少しの辛抱よ。コレ終わったら沢山遊んであげるからねー」
「にゃー」
リツコの言葉を理解したのかしないのか、ミー子は短く鳴いた。
それからまたパソコンに向かうリツコ。
ミー子はリツコの膝の上から退き、部屋をうろうろしだす。
私も仕事を再開した。
お互いを思う3人が同じ部屋に居ながら、全員が皆、異なった仕事を行っている。
そんな奇妙な現実を私は楽しんでいた。
「ふー。今日はここまで」
夜11時をまわり、リツコが声を上げた。
部屋は半分ほど片付いている。
ミー子はクッションの上で眠っていた。
「さんきゅ、ミサト。結構きれいになったわ。ありがとう」
「ううん・・・。こちらこそ、無理を聞いてもらっちゃって・・・」
「もう、帰っても良いわよ」
「えっ?!」
しまった!
私はここで初めて、自分のミスに気がついた。
そうだ、リツコにはただ、”手伝いたい”ってだけ言ってたんだっけ・・・。
泊めて。とまでは言っていないんだった・・・。
私はガックリと肩を落とした。
しかし、ガックリしてばかりもいられない。なんとか交渉して宿を確保しなければ・・・。
「ん?どうしたの? ミサト」
「リツコぉ〜! こんな夜更けにか弱い女子大生を外にほっぽり出すの?」
「は?何言ってるのよ、ゼミの私の帰りなんていっつも深夜・・・」
「リツコ様ぁ!?お願い。今夜だけぇ・・・」
「今夜だけ、なに・・・・?」
嫌な予感がしたのか、リツコの顔が引きつった。
でも、ここで、躊躇したら負ける!勝負は時の運!
私は押しの一手で行くことにした。
「泊めて!お願い!」
「は?」
「泊・め・て! お願い〜」
「加持君が待ってるんでしょ? 帰ってあげなくちゃ」
「それが・・・卒業前旅行と言いますか・・・」
「は・は〜ん、それでねえ?」
「・・・・・・・・はい」
「ふっ、弱いわね」
「弱いのは認めるわ。だから・・・」
「よわっちいいいいいいわね!」
「う・・・・・・・・否定しないわ。で?泊めてくれるの?」
「仕方ないわね、今夜だけよ」
「きゃあ!リツコありがとう!恩に着るわ」
私は感激のあまり、思わずリツコに抱きついた。
「ちょ!・・・・今夜だけよ」
「はいはーい、分かってますよん!リツコはちょっち無愛想だけど、
やっぱ、面倒見が良いのよね〜。頼りになるわ」
「そりゃあ・・・・ペット禁止なのに、迷い猫を飼ってしまうくらいだもの・・・ね。
本当、自分に飽きれるわ。ハア・・・・」
リツコは苦笑いをしながらため息をついた。
乙
gj
GJ
「じゃ、早速、おやすみなさーい!」
私はシングルベッドに横になった。
「ちょっと、ミサト!遠慮が無いわね、全く・・・」
「リツコも早くいらっしゃいよ〜」
「はいはい。分かったわよ・・・はあ・・疲れた・・・」
リツコは目頭をつまんで揉み解しながら私の隣に横たわった。
ベッドは少し狭くてきついけど、そのおかげでリツコの体温が伝わってくる。
照れくさいけれど、安心感。
私は嬉しさで思わず口元がゆがんだ。
その様子をリツコは横目で見て、何かを悟った様に微笑む。
「てっきり、加持君がミサトにお熱なのかと思っていたら、
骨抜きにされていたのはミサトの方だったのね・・・」
「はあ?!ち、違うわよ・・・」
「いいえ、間違いないわ。だって、あなた現にこうして加持君が居ないからココに来てる」
「ち、違うわよ・・・」
「そう、違うの。なら良いけど・・・ふふっ」
深追いしないのはリツコらしいが、その微笑みはねっとりとして
悪魔の様を思わせる。
私はどうにかして否定する言葉を考えて無口になった。
「・・・・・・・・・・・・」
「ミサト、あなたもしかして隣に誰かがいないと、不安なの?」
どきっ!
「なに、それぇ?そんなことはないわよ」
できるだけとぼけた態度でリツコの確信をかわさなくちゃ・・・。
「隣で誰かの寝息を聞いていないと、安心して眠れないのね?」
「なに言ってるのよぉ?リツコ。そんなことないって・・・」
「違うの?なら良いけど・・・」
私はリツコの顔が見れなくなった。
目を合わせると全てがばれてしまうようで、怖い。
眠ってしまおう。ソレが良い。
私は目を閉じた。
「よく分からないけど、眠いわ。おやすみなさい・・・リツコ」
「あら?そうね、おやすみミサト」
リツコは疲れていたらしい、すぐに寝息が聞こえてくる。
私は、その寝息を聞きながら、暫くリツコの言葉を反芻する。
隣に誰かが居ないと不安なの?
誰かの寝息を聞いていないと、安心して眠れないのね?
違うわ!違う・・・!
何度も何度も心の中で否定していくうちに、私は眠気に襲われた。
最後に時計を見たのは1時半。
それから私の意識はゆっくりと途絶えていった。
乙
gj
がんがれ
うー、別れるとわかっててもドキドキしてしまうのう。
「お邪魔様〜」
「いいえ〜、ミサト・・・」
「ん?」
「今夜は良いのよね?」
「あー、大丈夫よ、大丈夫。迷惑かけてすまなかったわね」
5日目の朝が来て、リツコが研究室へ行く都合上、7時に起こされた。
朝ごはん等は迷惑がかかるから、顔を洗ってそのまま部屋を出ることになった。
「じゃ、今度会うのは卒業式かしら?」
「そうなっちゃうか・・・あっという間ね。大学生活も」
「そうね。・・・最初は友人なんてものは要らなかったけど、
出来てみると、迷惑ながらも楽しかったわ」
「・・・・・・・迷惑ながらって、ねえ・・・」
「コトコは卒業式まで帰ってこないの?」
「うん、そうみたい。就職が海外だから今のうちに親孝行だってさ」
「孝行する時に親は無し・・・ってね。セカンドインパクト経験しちゃうとそうなるわよね」
リツコの言葉に私は黙って頷いた。
孝行したい親なんて、私にはいないけどね。
「じゃ、お世話になったわね。また・・・」
「ええ、気をつけてね・・・」
手を振って私はリツコの部屋を後にした。
そのまま朝ごはんをコンビニで購入してから加持君の部屋に帰る。
「ただいま〜」
鍵を開けて誰もいない空間に声をかけると、寂しさが紛れる気がしたが、
すぐに無音の世界に嫌気がさした。
テレビを点けて、ご飯を口に運ぶ。
朝のニュース。CM。天気予報。
つまらない。
乙
加地さん早く戻ってきて〜><
好きじゃないわ・・・この環境。
だったら、どんな環境がすきなのか。
とにかく一人は嫌、一人は嫌なのよ・・・・。
加持君、早く帰って来て!
私はご飯を終えて、やることもないでソファに横になる。
満腹で眠気がわいてきた。
とろとろとろ・・・・・・
起きたばかりなので、自分でも眠りが浅いことが分かる。
テレビをつけたままなので、音声が鮮明に耳に響く。
とろとろとろ・・・・・
何もしたくない。つまらない。
起きたら明後日で、加持君が帰ってきていたらよいのに。
だるくて退屈な思いを抱いて、私は眠りに落ちた。
ああ・・・・・・またやってしまった・・・。
とろとろと浅い眠りから完全に目が覚めたのは昼の14時。
眠っていただけなのにおなかがグーグーと鳴っている。
これじゃあ、また今夜も眠れないじゃない!
私は後悔しながらも、自分のおなかを満たす食糧を買いに部屋を出た。
またもや自転車に乗り込んでコンビニに向かう。
炎天下の中で空腹とあっちゃあ、息も切れるし、背中だってピンと張らない。
まるでゾンビのように背中を丸めて、だらしない格好。
吾ながら嫁入り前の娘としては情けない・・・。
しかし、自分のことをそんな情けなく思いながらも、私は自然と
自転車を少し遠いあのコンビニへと向かわせていた。
そこで卒業前の彼らに会う確立は皆無に等しい。
だけど、・・・もしもいたら、気分転換にはなるじゃない?
むふっ
そんな淡い期待を持ちながら、コンビニの前に自転車を停めて、
私は店内に入った。
「いらっしゃいませー」
店員は彼らとは全く違う人だった。
現実なんてこんなもんよねぇ・・・。
私はかなり残念に思いながら、昼ごはんの選定に入った。
これはもう、やけ食いしかないか!
どんぶり物と麺類をどどーん!と胃袋に入れて、
満腹満腹♪良い気分〜♪
になれば、そのうち寂しさも消えてなくなるハズ(?)
私は半ば自棄で、そんなに食べれないと分かっていても、カゴに放り込んだ。
カツどん、カルボナーラ、お茶漬け、おにぎり、から揚げ。
お、このホットドッグおいしそう。
買おうかな? でも、こんなにあるし・・・
私が迷っていると、背後から誰かの気配。
「・・・・葛城さん?」
「ん?!」
驚いて振り返ると、そこには見覚えのあるメガネの青年。
「ああ・・・日向君・・・おひさしぶり〜」
私は一応笑顔で振り向いた。
このタイミングであっても、嬉か無いわよ!
いるのなら、最初からいなさいよ!
私はあんたら(青葉君も期待してたから複数形)に会うのを諦めて
早々にココを立ち去ろうとしていたのにぃ〜!
私はタイミングの悪さを呪いながら、表面では平静を装った。
「お昼ご飯ですか?」
「ん?ああ・・・・候補をキープしてこれから選定をね・・・」
「そうですよね、女性が一人で一度にそんな食べられるわけないですもん」
「そうよ〜。やだー!一度に食べそうに見えた?私って」
「いえいえ、そんなことは・・・。加持さんのおつかいかと・・・あはは」
「ああ、あいつぅ?あいつは今真冬のヨーロッパ。私は置いてけぼりよ・・・」
「えっ?!・・・・・いつまでですか?」
一瞬、日向君の瞳が輝いた。
小津
なんだか危うそうなミサトさんですね。がんばって。
乙
乙です
gj
GJ
具合だいじょうぶ?
稲荷町
また御病気などということはないですよね。
まぁマターリ待とうや
皆さんお待たせしてすいませんです。
続き
「明後日よ。それまで一人で時間をつぶせって・・・。もう退屈で〜」
私はわざとらしく、退屈を強調してみる。
「・・・・・そうですかあ」
「今夜も、一人で晩餐ってわけ。お酒の力を借りても、なんだか淋しくて〜」
「・・・・・そうですか」
「昨日はリツコのところ泊まったんだけどねぇ。
研究が佳境で流石に今夜も行くのは無理かな〜って・・・」
「そうですね。赤木さんは博士取れるかもしれませんし」
「日向君は、今どうなの?卒業レポートとか?試験とか?」
「ああ、僕はもう卒業決定です。・・・学士で満足ですから」
「へえ、そうなの?・・・ま、私もだけどね」
「ええ、就職先も決まってるし、僕はヒラで充分」
「他の人は?」
「青葉君は僕と同じで学士卒業決定です。そしたらなんかバンドに精を出しちゃって・・・。
マヤちゃんはあと一年あるし、修士は取りたいみたいですよ」
「なるほどねえ・・・。出世欲があるのはリツコとマヤだけか」
「僕は人に使われる立場で良いんです。安定した収入があればそれで・・・」
「ああ、似てるかも、私と」
「似てますか!葛城さんと・・・嬉しいなあ」
「ん?なに?」
「・・・・・・いえ、なんでもないです」
私はあえて日向君の気持ちに鈍感に返してみた。
しかし、日向君はしょぼんと目を伏せながら、私の期待とは裏腹に引いて行った。
駄目だこりゃ・・・。自分では押せないタイプなのね。
それならば、こちらから押すのみ。か・・・。
「今夜、暇?」
私は自分の寂しさを紛らわせることにのみ必死だった。
乙
「え?・・・はい、特に予定はありませんが・・・」
「・・・・・・・・・今夜、来ない?」
「・・・・・・・・・いいんですか?」
「日向君がよければ・・・」
「そうですね・・・」
お互い慎重に目を見ながら申し合わせる。
ここで本来お互いにフリーならば、難なく即決になっているはずだ。
しかし、私たちの間には加持君という存在がある。
つまり、私は自分に恋人が居るのにも関わらず、恋人が不在の夜に
他の男と過ごそうそしているのだ。
しかも、恋人の借りている部屋で。
日向君もソレにはもちろん勘づいていたと思う。
だから、大手を上げて嬉しさを表現しない。
私も日向君も心の隅に「ヤバイだろう」という気持ちがあったと思う。
「嫌なら、別に良いけど・・・」
私はまたココで引く。
どう?嫌じゃないでしょ?
「いえ、嫌って訳では・・・・。むしろ感激なんですけど・・・」
日向君は上を向いて考える表情をした。
うーん、煮え切らない態度だわ。こりゃ、駄目か・・・。
その時、私のおなかの無視がグゥの音を出した。
日向君にも聞こえたらしい。微妙な表情をしている。
私は笑ってごまかし、そのせいで雰囲気が打破されてしまった。
そして、吾に返る。
「ん・・・まあ、いいわ。来たくなったら連絡して」
私はその場に居られなくなり、そそくさとレジへと向かった。
かごに入れた食べ物はそのままだったので、袋一杯の昼食を抱え、
私はコンビニを出る。
自転車に乗り込むと、日向君が店内から手を振っているのが見えた。
私は一応、挨拶程度に手を振って、加持君の部屋に向かった。
・・・・・・・一体何を考えていたんだ、私は!?
自転車を漕ぎながら、恥ずかしさがこみ上げてくる。
あそこでおなかの虫がならなかったら、今夜日向君を入れていたわ。
いくら加持君が居ないからって、なんてやばいことをおお!
加持君へ罪悪感、日向君への羞恥心、自分に対する猜疑心が頭を駆け巡った。
いくら淋しいからって・・・自分で自分が怖い・・・。
寂しさを紛らわすためにリツコのところへ行った。
それでも満足できなくて、今度は日向君に温もりを求めた。
認めたくは無いけれど、正直に振り返るとそうなんだ。
私は今、人を欲している。しかも男を。
その男の中でも、自分に従順で、秘密を共有できて、
加持君が現れたらすぐに退散をしそうな日向君を・・・欲していた。
男を利用したいだけなのね。
男を利用したいだけなのよ。
そうよ。
男を利用したいだけなの。
私は男を利用して、
寂しさを紛らわせたいの。
自分を認めてもらいたいの。
快楽に浸っていたいの。
好きなことだけしていたいの。
抱いてもらえないと淋しいの。
抱いてもらえないと自分の価値が分からないの。
抱いてもらえないと楽しくないの。
抱いてもらえないと幸せじゃないの。
違う!違うわ!
違わないわ。あなたの心は叫んでいるもの。
誰か、私を抱いてよ!って・・・。誰でも良い!って・・・・。
違うわ!加持君じゃなきゃ駄目!加持君じゃなきゃ駄目なの!
違わないわ。あなたが本当に欲しているのは加持君じゃないもの。
違う!!違う!
あなたが本当に欲していたのはお父さんだもの。
・・・・・・違う!!違うわよ!
お父さんの代わりなら、誰でも良いのね。
違う!
お父さんの代わりに自分を認めてくれる存在なら誰でも良いのよ。
違う!
加持君じゃなくても良いのよ。
違うわ!
日向君でも、青葉君でも、誰でも良いのよ。
違うわよ!
その証拠に、さっき日向君を誘ってたじゃない。
違う・・・・。
孤独に耐えられなくて、会話だけじゃ心を紛らわせられなくて、体を求めてたじゃない。
日向君を利用しようとしてたじゃない。加持君の代わりにしようとしてたじゃない。
・・・・・・・・・・・・・・。
認めなさいよ。自分の弱さを。自分の本音を。自分の心を。
認めなさいよ。自分が自分で自分をそういう存在にしているという事実を。
認めなさい。自分の過去を。家族の愛情に飢えていたという事実を。受け止めなさい。
266 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 22:48:03 ID:YXBOqQjt
もつかれさん
乙
GJ
「違うわよぅ・・・」
私はカルボナーラを口に押し込みながら、
必死に自分の心の声に否定をしていた。
否定しても否定してもどんどん沸いてくるその狂気染みた思いは
大きな川となって私を飲み込んでいく。
まるでソレが真実であるかのように。
「うっく・・・。ヒック・・・。グスグス・・・・」
私は溺死寸前だった。
明後日まで待てば加持君が帰ってくるし、卒業は目の前だし、
就職は決まっているしで、悪いことなんてこれっぽっちも無いはずなのに
何故か心は空しいまま。
いっそ、死んだら楽だろうか?とまで考えた。
そう。セカンドインパクトのあの日から
私の心は空しいまま。
私の心は空しいまま。
淋しいよう。
お父さん。
お母さん。
「ヒック。ヒック・・・・」
もはや食事の味なんて感じない。
心を満たす術は無い。
私の心は空しいまま。淋しいまま・・・。
ピンポーン
私がこんな精神状態なのに、玄関の呼び鈴がなった。
一体誰よ?全く!セールス?宗教?
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
居留守を使おうかと思ったが、かなりしつこい。
インターフォンごしなら支障は無いだろうと考え、出た。
「はい?」
「あの・・・日向です。葛城さんですか?」
なんてこと!このタイミングで日向君だなんて・・・。
会っちゃ駄目だわ。こんな泣き顔でなんて会えない。
私はお引取りを願うことにした。
乙
やばい、泣きそう
どうするマコっちゃん
ガチャ
インターフォン越しに断るのは失礼なので、玄関の扉を開ける。
「ごめんね、日向君・・・誘っておきながらなんだけど・・・」
「いいえ、僕は構いませんよ。はいこれ、お土産。じゃあ、お邪魔します」
「あの、いえ、その・・・」
私が断る暇を与えずに、日向君はお土産のビールを片手に
靴を脱いで上がりこんでしまった。
「あのね、日向君・・・」
「やっぱりお食事中でしたか。もうちょっと待とうかと思ったんですが。
折角のお誘いですから嬉くって・・・」
プラ容器とティシュが散らかっている部屋を見ても
日向君は動じることなく私に笑顔を振りまく。
「うん。食事中だったの。だから・・・」
「さっきはすいません、即答できなくて。友人と会う約束が不確実だったものですから。
葛城さんが行った後に確認したら、今日は違うって分かりまして・・・」
「あ、そうなの?こっちこそ突然で悪かったわ」
「それで、葛城さん交友広いだろうし、次の人と約束しちゃわないかと心配で。
急いで後を追いかけたんです。でも、葛城さんの自転車早くて呼びかけても聞こえないし。
追いかけながら自分ってストーカーっぽいなあ。
なんて思ったら、部屋分かっちゃったけど、葛城さんが部屋に入ってから
すぐ駆けつけるのもなんだか怪しい人みたいだし。
多分ご飯食べるだろうし。とか・・・・まあいろいろ考えちゃって、僕・・・」
「ふうん。そうだったの・・・」
「そうなんです。それで今日は辞めようかとも思ったんですが。
明後日には加持さん帰ってきちゃうし、お互い卒業しちゃうし、
どこに配属されるか分からないし・・・。まあいろいろと考えたら
やはり突撃しなくちゃいけない様な気になっちゃって・・・」
「そう・・・」
「それに、今まで一緒だった人が1週間もいなかったらきっと淋しいんだろうな。なんて・・・」
「そうね。淋しいかもしれないわね」
「だから、・・・僕でよかったら。・・・話し相手ぐらいには、なりますよ!きっと!」
「・・・・・・・・・・・・」
「はあはあはあ・・・ぜえぜえ・・・」
日向君は一気に自分の考えた過程を伝えると、一生懸命息継ぎをした。
そしてそのあとで私の顔を覗く。
私が呆気にとられていると、照れ隠しでわざと笑顔を作った。
「はあはあ・・・・・・・・。あれ?あは、あは、あはは。
嫌だなあ、ぼくって自転車だけじゃなくて、実生活でも突っ走っちゃって・・・あは」
その必死さが申し訳ないけれど、何故かおかしくて、私の口元がほころんでしまう。
「・・・・・・・ううん。ありがとう」
「本当ですよ?ここへは話し相手になりに来ました。ストーカーじゃないですよ?」
「うん・・・。ふふっ」
「あ!疑ってます?」
「ううん。話し相手ね・・・」
「そうですよ!話相手以外に何するんですか?!
話し相手に対しては話しか出来ないでしょ?」
「話だけで良いの?」
「ええ!話だけですとも!」
「本当に、話だけ・・・・?」
「・・・・・・・・・・ええ」
「・・・・・何か他に期待してないの?日向君」
「・・・・・・・・・ええ」
「そう。じゃあ話だけしましょ」
「はい」
このまま少しからかってやろう。
私の中の小悪魔が囁いた。
日向君をソファに座らせる。
「片付けるから、ちょっち待っててね」
「はい・・・」
私はごみをすて、残りは冷蔵庫に入れて、テーブルの上を拭いた。
さっきまであんなに悲しくて淋しかったのに、やはり、人がいると気持ちが全然違う。
日向君はその間そわそわとしているようだった。
片付けが終わり、私は日向君の隣に腰を下ろした。
お土産のビールをついで乾杯をする。
「おまたせ〜。・・・で、何話す?」
「そうですね・・・。お任せします」
「ちょっとぉ、話しに来たんでしょ?青少年!」
「はい。ですが・・・何を話せば良いか・・・。第一、二人きりで話したことなんてないし・・・」
「だったら、思いっきりヘビーな話、しちゃうわよ?」
「はい・・・。着いていけたら良いですが・・・」
私はそう脅しておいて、軽い話を振った。
「家族の話。教えて」
「・・・家族ですか?」
「そうよ」
「確かにヘビーだなあ・・・」
私は日向君が拍子抜けするのを期待したが、彼は本当に深刻な顔をした。
深呼吸をしてから話し始める。
「・・・・・・・・僕は地方都市のある程度裕福な家庭の生まれでした。
といっても、セカンドインパクト前ですけど・・・」
「そうね。・・・セカンドインパクトで何もかも変わったわ」
「祖父母は僕が生まれる頃にもう死んでいたので、核家族でした。
それでも、もともと不動産があったので、そこにアパートを建てて、賃貸料を取ってと、
まあ一生懸命働かなくても生活していける状態でした」
「まあ、本当に裕福そう 。うらやましい・・・」
「そんなわけで、何不自由なく暮らしていましたが、ある日、セカンドインパクトが起きて、
株は大暴落。土地の値段も大暴落。結局、他の人と同じ、難民生活になりました。
・・・・・・・・おしまい」
「え?!おしまい?」
「はい・・・駄目ですか?やっぱり」
「全然両親の話が出てきてないじゃない・・・」
私が指摘すると、日向君は頭を軽くかきながら、笑ってごまかす振りをした。
「やっぱり、それじゃ駄目ですよね・・・?あはは」
「うーん、まあ、いいけどお・・・」
「いえ、やっぱり、話します。でも・・」
「でも?」
「口外しないでくださいよ?誰にも」
「そ〜んなこと、分かってるわよぉ!さ、続き続き〜」
私は日向君の肩を叩いて促した。
「母は25で僕を産みまして、その後セカンドインパクトの混乱期で亡くなるまで
僕を厳しくも優しく育ててくれました。僕が16歳になった年に母は亡くなり、
ソレがきっかけで僕は東大を目指して猛勉強。おかげで飛び級合格なんてことも
できちゃって・・・。ホントに母には感謝しています」
「そう。で・・・お父さんは?」
私が聞くと、日向君はいつにもなく厳しい表情をした。
いつも人当たりがよくニコニコしていた彼からは想像できないほど厳しい顔だった。
乙。GJ
乙
gj
おつ
GJ
稲荷町
まち
十日町
のんびりまち
がんがれ
「父は・・・いましたよ、いました。
多分、父もセカンドインパクトで亡くなったんじゃないかと・・・思います」
「思います?」
「ええ、多分。・・・・・・ああ、もう!卒業近いし、話しちゃうか!?
相手は葛城さんだし!」
「ど、どしたの?日向君・・・」
日向君はビールの力があってか、思いつめた表情から一転、吹っ切れたように話し出す。
「僕の親父はぁ!ある日行方不明になりましたぁ!
僕が物心つかない頃のお話ですぅ!
なので、父の顔は写真でしか見たことがありません・・・。
というのも、いろいろと原因がありまして、僕が父だったら、
そりゃあ、逃げ出したくもなるわなぁ!って原因でしてぇ!」
「ひゅ、日向君?!あの、分かったわ。分かったから・・・」
「いいえ!いいんです!話させてください!
・・・この告白で僕も父に踏ん切りをつけたいですから」
「・・・・・・・・・」
日向君は私にすがるような泣きそうな表情を一瞬見せてから、
手に持ったビールの缶を見つめながら、話し出した。
「父は、婿養子でした。だから同居していた祖父母は母の実親。
もう、その時点で肩身が狭いですよね。そのうえ母は一人っ子でして・・・。
あ、一応、恋愛結婚だと母は言ってました。
まあ、そんな感じで父と母が結婚したのはいいのですが、
長い間、子供に恵まれなかったんだそうです。
それで、不妊治療をして、やっと僕が生まれた。
ここまでは僕が母から聞いた話です。
”多分、お父さんは婿養子な上に、治療で疲れちゃったんだと思う”
って母は言ってました。
でも、これじゃあ、失踪の理由には少し弱いですよね?
不妊治療の成果はあったんだし。僕が生まれてから出て行ったわけだし・・・。
真実は・・・・セカンドインパクト後に明るみになりました。
セカンドインパクトでは物質的、人名的な損害が世界規模で起きましたよね?
その時に、同時にある分野でも大きな損害が出ています。
・・・分かりますか?葛城さん」
「・・・・・・・・・・なんだろう?あの頃は・・・食べ物、着る物、住む所、難民、感染症・・・?」
「・・・情報の流失です。インターネットの切断とセキュリティの不活化。
アレが整うのには数年を要しましたよね?」
「ああ、銀行に預けているお金が全く意味を成さなくなったのよね」
「そうそう。先進国も発展途上国も貧富の差が無に等しくなったんです。
裕福な人は皆銀行にほとんどのお金を預けていましたし、
一時的に配給になったので、どんなに装飾品や金やダイヤを持っていても、
食料は手に入りませんでした。・・・・・・・裏の取引以外は」
「・・・そうだったわね・・・」
実はその時の私はゲヒルンに保護されていて、
外部の様子が肌では感じられる状態ではなかった。
しかし、日向君の話の腰を折るのは賢明ではなかったし、
自分だけゲヒルンに保護されて居たことは隠すべきだと感じていたから、
そのまま話をあわせた。
「そのインターネットの混乱期に、僕は・・・ある情報を手に入れてしまったのです。
それは僕が生まれた産婦人科の電子カルテでした。
本来、病院のカルテは病院内だけを駆け巡るように設定してあるので
ネット上には出て行きません。
しかし、セカンドインパクトの状況はその本来の状態を
異常にしてしまうに充分の威力がありました。
僕の亡き母のカルテをネットに見つけたとき、僕は嬉しいような、恐ろしいような
気持ちになりました。
コレは僕のカルテじゃない。母の個人情報だ。だから倫理的に見てはいけないんだ。
自分にそう言い聞かせても、母のカルテはパンドラBOXの様に僕をひきつけます。
そして、葛藤の末、
”母はもうこの世には居ないんだし、どうせ、開けたところで、
僕の出生体重や身長が書いてあるだけだろう。大したことじゃない”
などと言い訳を論じながら、僕は母のカルテを開けました・・・・」
乙
297 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/07(土) 21:32:24 ID:3uwf7tD5
もつかれ
饒舌なマコっちゃんハァハァ
GJ
gj
おつ
稲荷町
十日町
投下まち
當框
ツヅキマダー
「そこには勿論、僕の出生時の記録がありました。
特にトラブルも無く生まれたようです。
それから少しさかのぼると、妊婦検診の記録。これも特に問題は無かったようでした。
それから少しさかのぼると・・・。不妊治療の記録でした。
僕はそこでカルテを最初から読むことにしました。
”結婚して5年で未だ妊娠せず。不妊治療と検査を希望”
”母体に問題なし。夫に乏精子症。体外受精を10回試みるが妊娠せず”
”夫の精子での妊娠は不可能か?運動能不良。奇形80%以上変わらず”
”夫婦にAIDの提案。話し合われて結論を出すとのこと”
”AIDの希望あり。提供者からの精子提供を待って施行の予定”
”1回で受精と着床した様子。妊娠反応あり”
僕の父が出て行った理由・・・分かりますよね?」
日向君は私の顔を覗き込んだ。
私は目を伏せて無言で頷くしかなかった。
(´・ω・`)カワイソス
乙
「僕はそのカルテを読んだ一晩、全く眠れませんでした。
記憶に無く、血のつながりも無い父なのに、僕にはとても重要な存在に思えました。
それとは逆に僕を産み、育ててくれたのにもかかわらず、
母親に対して憎しみが湧き上がりました。
母は”自分と夫の子供”ではなく、”自分と誰かの子供”を望んだということが
僕には許せませんでいた。
勿論、AIDをしなかったら僕の存在はありません。
それでもなお、僕の心は女である母よりも、男としての父に寄り添ったんです・・・。
葛城さんはどうですか?・・・・女としての僕の母の気持ち理解できますか?」
私は日向君の投げかけにすぐに答えることは出来なかった。
暫く、考え込んでから話し出す。
「私は・・・日向君のお母さんの気持ちを理解できないけれど、
でも・・・お母さんの立場ならきっと子供を望んだでしょうね・・・」
「何故です?!自分の子供なら相手は愛する夫以外でも良いのですか?!」
私は悲しい顔で声を荒げる日向君の肩を軽く叩いてなだめた。
「まあ、待ってよね。私がこれから話すのは女の気持ちじゃなくて立場からの話よ・・・」
「・・・・・・・・はい」
「お母さん、一人娘だったんでしょ?跡継ぎ産まなくちゃいけなかったんじゃない?」
「・・・・・・・・それは、そうですけど・・・・・」
「祖父母や周りのプレッシャーは相当あったと思うわ。不動産があったのなら尚更ね。
自分たちが死ぬ前に処分しなきゃ赤の他人に渡るわけだし」
「でも、それじゃあ!父の立場が無いじゃないですか!
子供を作るために結婚したみたいで・・・。それじゃ、あんまりだ」
「最初はそうじゃなかったのよ、きっと。でもね、人は変わるわ。
それに伴って二人の関係も変わる・・・」
そう、まるで私と加持君のように・・・・。
最初は本当に好きだったのかもしれないわ。
でも、いつか気持ちは冷め、打算が残る。
自分がこの人と一緒に居ても幸せになれないと感じた時に
関係は崩壊へと突き進んでいく。
乙。いつも、読みながら何ともいえない切なさと高揚感に満たされる。
乙
gj
次回
関
係崩壊 ?
GJ
おつ
稲荷町
十日町
董框
菟羽化襠
のんびりまち
甼
まだ?
「そうですよか・・・。実はそのカルテにはおまけがありました。
”患者本人の強い希望にて、精子の提供者は京大教授の冬月氏とした”
・・・・・・・・・・。母は、自分の子供を欲しただけではなかったんです。
当時、若くして京大工学部の教授となった冬月教授の遺伝子が欲しかったのです」
「そんな・・・・」
日向君の母親はそんなに強かな女性だったのか・・・。
私はただただ驚いて、二の句が告げなかった。
「そして、僕はその遺伝子のおかげで東大工学部に飛び級入学です。
自分の努力。・・・・・・・そう思い込もうとしました。でも、そう思えないのです。
大学に入って沢山の出会いがありました。青葉君に連れられて合コンもしました。
良い感じになった女性も居ます。・・・でも、駄目なんです。
彼女は僕のどこを好きなのだろうか?と考えると・・・。
僕の持っている物。
例えば、東大生であるとか、飛び級入学であるとか、
そういった肩書きが好きなんじゃないかと思えて仕方がないんです。
彼女は僕のことなど見ていないんじゃないか?
僕の遺伝子を好きになっているんじゃないか?
僕という存在は母親の策略によって生まれた、デザインされた作品なのではないか?
つまり、彼女が好きになっているのは、作品としての僕ではないのか?
・・・僕はもう、女性が駄目なんです。
嫌いじゃないけど信じられないというか・・・」
日向君はドンドンと自分の思考に嵌っていった。
もしかして酔いはさめているのか?と思えるほどに雄弁に、鮮明に語り続ける彼。
だけど、酔っていなければこんなことを話すはずが無い。
私は何を言ってあげれば良いのか分からずに、無言でそこにいた。
優等生の憂鬱。・・・昔の私と似ているわ。
私も自分の頭の良さはもしかして父さんの遺伝子のおかげじゃないか
と思った時期があったもの。
だから、父さんとは違う分野を目指した。理系なんて行きたくなかった。
日向君も工学以外の分野を進んでいたらこうならなかったかもしれない・・・。
私は日向君が益々気の毒になっていった。
乙
おつ
GJ
gj
「そんなわけで、僕は未だに恋人が出来たことが無いんです。
気持ち悪いでしょう?この年齢で未だに童貞ですよ。はは・・・」
日向君はこちらを向いて自虐的に笑った。
「そんなこと無いわよ。日向君という人間そのものと、関係ないもの・・・」
私はすこし驚いてたけれど、できるだけ動じずに、笑顔で返す。
日向君が今、どれほど嫌な記憶を吐き出して、
心の中をえぐられながら告白しているか十分に受け取っていたから。
「あは、そう言っていただけると光栄です・・・」
日向君は口元だけを笑わせて、目を伏せた。
私の苦手な、気まずい雰囲気がその場を流れる。
「ま、これからよ、これから。そんな経験なんて相手がいたらすぐに出来るわ。
問題は、良い相手が居るかどうかだけど・・・」
いきなり日向君が両腕を私の背中に手を回し、ぎゅっと私を抱き寄せた。
「ひ!日向君・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
驚いて私の心臓がバクバクと高鳴る。
日向君は私を抱きしめたまま10秒ほど固まったままだった。
「・・・・・・なんだ、酔いが回って気持ち悪くなっちゃったの?」
「・・・・・・・・・・・・・葛城さん・・・・・・・」
「なぁに?・・・やだ、日向君。ちょっと背中に吐かないでよぉ?」
バクバクバクバク・・・
私も口では冗談を言っているが、体が固まったままだった。
逃れようとすれば逃れられる。でも、私の心は本気で逃れようとはしていなかった。
「日向君?!ちょっち、苦しいんだけどぉ・・・・」
「・・・・今日はお招きして頂き、ありがとうございます」
「あ、・・・・・はい・・・・・・」
なんだ、感謝の抱擁か・・・・。
ホッと安堵の息が出る。
「って、重いッ!っつ!きゃあ!」
その瞬間、日向君はほぼ全体重と思える加重を私にかけた。
私は勢いづいてソファに倒れこむ。
ぼふっ!
ソファの空気が抜ける良い音がした。
「あ!すいません、僕ったら、力加減が分からなくて・・・・・」
日向君は倒れると慌ててすぐに上体を起こし、謝った。
私はソファに倒れたまま、日向君に目を向ける。
「あは、大丈夫、大丈夫・・・・。ちょっち、びっくりしただけ・・・」
そして、そのまま、私はめがねの奥の日向君の瞳と見詰め合う状態になった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
数秒間の沈黙。
その間、私と日向君は黙ったまま、止まったままだった。
私は話せず、動けずにいた。
その原因は日向君の瞳にあった。
いつもの日向君と違う。
まっすぐに、照れもせず、積極的な、覚悟を決めた眼差し。
ああ、私はもう捕らえられたのだと思った。
日向君が沈黙を破る。
「葛城さん・・・・・・・・」
「はい・・・・・・・・」
「僕の最初の相手になってくれませんか?」
「・・・・・・・・・・・」
「僕の童貞、もらってくれません?」
「酔ってるのね?あなた」
「はい、酔ってます。・・・・・・だからこんなこと言えるんです」
「酔った勢いなんて、良いこと無いわよ?後でお互い後悔するわ」
「良いですよ。あなたと一緒なら・・・・・・」
まっすぐな瞳が私を捕らえて放さない。
もしかして、さっき話していた過去の話は、私とこの状態になるための策略だったのか?
そんなことが頭をよぎる。
目を逸らして抵抗しようと試みたが、駄目だった。
私は日向君に捕らえられたまま、自分の口に彼の唇を受け入れた。
キスが済むと安心したのか、改めて私を口説きにかかる。
「・・・・・・・・・葛城さんが初めてなんです、僕がココまで好きになった人。
会えば会うほど好きになって、彼氏が居ても諦められなくて・・・。
幸せになって欲しいけど、実は加持さんと幸せになるのが悔しくて・・・・・。
加持さんと別れることを願って・・・。ああ、なんて僕は自分勝手なんだ!
今夜だって、楽しく飲んでお開き〜って、する予定だったのに、それが出来なくて!
もうすぐ卒業だと思うと・・・そしたらきっと結婚すると思うと・・・すいません」
日向君は申し訳なさそうにうつむいた。
乙
おつ
GJ
gj
オツ
稲荷町
「いいんですよね?葛城さん・・・」
顔をうかがう日向君。
しかし、私の答えは無言だった。
心は何か違うと思いながらも、体はぬくもりをもとめていたから。
心と体の分離を私はこの時ほど強く感じたことは無い。
私が本来求めていたのは・・・男に求めているのは、体の関係なのだろうか?
愛って何?
セックスって何?
日向君の唇と指によって愛撫を受けながら、
まるで思春期の時のように私の頭は混乱していた。
「はあはあ・・・・葛城さん・・・」
「・・・・・・・」
日向君はとても興奮しているようだった。
初体験なのだから仕方が無いのかもしれないけれど、
私の反応なんて見る余裕が無いようだった。
首筋に、腕に、キスをしながら彼は私の服を早く脱がそうと格闘をしていた。
熱い息は私の体をなぞり、時折爪が私の肌を軽く傷つけた。
私を・・・・・食ってる?!
私はそう思った。
仰向けになり、抵抗することもせず、野獣が貪りつくのを無抵抗に待っている自分を感じた。
「うあっ・・・・・!・・・・・」
二人とも、ほぼ全裸になり、これから繋がろうというときに
日向君は小さく声を上げた。
それからすぐに私の太ももの部分のシーツが生暖かく濡れるのを感じた。
乙
GJ
gj
乙
おつ
いつも楽しみにしています(^^)おつです。
「あ・・・・・・・・すいません、僕・・・」
「あ、いいのいいの、気にしないで〜・・・・」
「あ、はあ・・・・・」
下を向いて恥ずかしそうに落ち込む日向君。
私は勤めて明るく振舞うが、またとないチャンスを逃した日向君の耳には
どこ吹く風だった。
そしてそのまま、私たちは再トライの雰囲気や、奮い立たすことが出来ず、
結局、そのまま服を着た。
「シーツ、汚しちゃって・・・・すいません」
「いいのいいの〜、すぐ乾くし」
「はあ・・・・」
「ソファのだから飲み物しょっちゅうこぼしてるしね、シミもしょっちゅう・・・」
「はあ・・・」
私は既に気分を変えていたが
日向君はまだ、ため息なのか、相槌なのか区別のつかない声を出した。
゚〜`〜゚(.゚` (.゚・〜゚〜〜゚`
,〜。〜〜,〜〜〜。 ), | 。 )〜"〜〜,〜〜'〜.〜〜〜
) \ __ /
( _ (m) _ピコーン
) |ミ|
( / `´ \
) _,,∞.. …腰痛…そうだ!
(. .,;:''" * "''● (~(~⌒)~)λ
) ミ;;;; 从 从./ 《`_~~_''γミ
( ミ;;; ゝ゚ ー゚ν. ヾ 'L_`/’
) ━━━(,,,)(,,,)━∞∞≠==== (l:::‖::|)
( ミヽ ;; |::::|:::」z☆
\. 〜\_<< 〜 〈::::〈:::〈
⌒~~⌒"⌒~⌒'⌒~⌒⌒~⌒⌒"⌒~~⌒⌒~⌒⌒"⌒~~⌒⌒"⌒~~⌒⌒~⌒⌒"⌒~~
このAAは素晴らしい!特に冬月先生の顔がそっくり!みんなにみてもらいたいんです♪
otsu
乙
酔い覚ましにお茶を入れ、暫くしてから、日向君は
やっと口を開いた。
「男、日向マコト!お・と・こ に・・・・・・・なれませんでした・・・」
「はは、・・・そう気を落とさないで・・・・・」
ガックリと肩を落とす彼に私も気の利いた言葉が掛けられない。
「次は!・・・・・・ありませんよね、やっぱり・・・・・・」
「そうねえ・・・・。私よりも、もっと良い女がいるわよ、きっと」
「たはは・・・・・・・そうだと良いんですが・・・・・。
これがきっかけで不能になっちゃったりして・・・。ああ、マイナス思考だ、僕って」
「まさか!そんなことない・・・・でしょう?」
「語尾が弱いですよ、葛城さん・・・・」
「や、チョッチ分からないからねぇ、男性の生理は・・・・。
ってか、暗示かけるのは辞めた方が良いわよ?本当になったら大変だから・・」
「はは、暗示にかかっちゃいました・・・かも・・・」
うつむいて、空笑いをする日向君に私は男特有のむなしさを感じた。
女の方が大変だと思っていたけど、男は男で大変なのねぇ。
そう考察するが、それでも、日向君の心に寄り添うことは出来そうも無い。
どうしたら日向君を立ち直らせることが出来るのか、
立ち直らせるなんて大げさでなくても、心がホッと軽くなるような言葉を
かけたいのに、上手い言葉が浮かばない。
そうこうして沈黙が続いているうちに、日向君は立ち上がった。
「僕・・・帰ります。今日はすいませんでした」
「あ・・・・・・ううん。こちらこそ・・・・・・・」
「加持さんによろしく・・・・」
「あ、うん・・・・・」
「幸せになってください」
「・・・・・・・ありがとう」
自分が一番傷ついているはずなのに、どうして、日向君はこうも私を気遣うのだろう?
これが愛情というものなのだろうか?
だとしたら、男の愛情というものは優しくて、悲しくて、自虐的なものだと思った。
(´・ω・`)テラセツナス…
町
町田
日向君が帰った後、私はシーツを洗濯機に放り込み、スイッチを押した。
時計は午前2時を回っていたが、コレだけは急いでやっておく必要があった。
今日の午後には加持君が帰ってくる。
それまでに日向君がココに来たという証拠を隠滅しておかなければならない。
私は今まで二人で飲んでいたものや、おつまみを全てごみに出し、
一通り部屋を掃除した。
そうしているうちに洗濯機は止まり、シーツをベランダに干す。
ふう、ひと段落・・・・。
私はビールに手を伸ばす。
ゴクゴクゴク・・・・・・・。
一本目はすぐに空いた。
二本目、三本目・・・・。
飲むと爽快感と共に胸のもやもやが一瞬消えるから。
私はタバコにも手を出した。
一本目、二本目、三本目・・・。
吸うたびに胸のもやもやがタバコのせいだと思い込めるから。
私は酔い気とも眠気ともつかないまどろみの中で
床に転がり、もだえて、そのうち眠りについていった。
「・・・・・・・・いい!・・・・・・・ぶかあ?
かつ・・・・・・・・何飲んだんだよ?全く・・・・・・。
葛城!?・・・・・・・・・ったぞー!?」
意識を失って数時間。
まだ眠っていたい私の体をゆすって、起こしかかる奴がいた。
少しずつ眠気が覚める。
「おーい!帰ったぞ!聞いてんのかぁ?葛城ぃ!」
ハッ!
「か!・・・・・・・加持君・・・・・・」
「やっと起きた」
飛び起きた私の目の前に、懐かしい顔があった。
「おかえり・・・なさい」
「ただいま」
一日千秋の思いで待っていたその人物が、やっと帰って来たというのに、
私は二日酔いと、眠気で再会の実感がわかない。
もう一度呼びかける。
「お帰り」
「ただいま!」
私が微笑むと、加持君は満面の笑みを私に見せた。
そして、次の瞬間、がっちりと私たちは抱きしめあう。
「やっと帰って来たの?このボケナス・・・・」
「せっかく会えたのに、ボケナスは、酷いな・・・」
「私をココまで待たせたのはあんたが初めてだわ」
「あれ?・・・・帰国は予定通りだけど?」
「そういう意味じゃなくて・・・」
「じゃあ、どういう意味?」
「ここまで帰りを待ち望んでいた人物は、未だかつて居ないってことよ・・・」
「そうか、嬉しいねぇ」
加持君は涙が溢れて止まらない私を抱きしめながら、頭を撫でた。
何度も何度も、
まるで子供をあやす父親のように、私の頭を撫でた。
私は懐かしい体臭と体温のなかで、気持ちよく幸せな時間を暫くすごした。
涙が止まるのを待ってから、加持君は私をそっと放す。
再び、顔をあわせる私たち。
ゆっくりと目を閉じた加持君の顔が近づく。
キスだ・・・・。
そう感じた途端、昨日の事が私の脳裏を掠めた。
日向君の目を閉じた顔。
そう、今みたいにゆっくりと私に近づいていたんだっけ・・・。
私は、加持君のキスを受けながら、日向君のことを思い出していた。
加持君、私ね浮気をしたの。
最後までは行かなかったけれど、キスをして、裸になって・・・。
ここのソファで、今みたいにキスしていたの。
ほんの数時間前の出来事よ。
私は罪悪感につぶされそうになりながら、心の中で加持君に告白をしていた。
ごめんなさい、ごめん。
淋しかったの、あなたが居なくて。
とても淋しかったのよ・・・・・。
現実に言ったら絶対に許されるようなことではない。
私は心の中で必死に懺悔していた。
おつ
乙!!
gj
おつ!いつも楽しみにしてます
私をココまで待たせたSSはこれが初めてだわ
マジで
GJ
hosyu
hosyu
ほしゅー
373 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/18(月) 06:17:37 ID:Lg4MEExW
年末だしねぇ(´∀`)
何故か「加持とアスカの同棲生活」スレだと勘違いしてここまでワクドキしながら読み進めてきたことは内緒だ
まち
すいません。プライベートでゴタゴタがありまして、
ちょっと更新できない状況です。
年越しまでに一回は書く予定です。
お待たせしてしまって申し訳ありません。
がむばってください!
マターリマターリ
リアル第一ですよー
のんびりまち
よいお年を
みなさん、申し訳ありません。
年内更新はやっぱり無理みたいです。
お約束を破る形になってしまい、本当にごめんなさい。
年明け早い時期には投稿いたします。
では、皆様、良いお年を〜。
楽しみに待ってます。
良いお年をノシ
賀正
386 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/02(火) 00:03:33 ID:46rkjdeP
首をながーくして待ってます♪
加持とミサトが大好きだからいつも本当楽しみにしてます。結構シンジミサト派が多いみたいなんですが、加持ミサト派の人もいるのかな〜?
町
あけおめ
ことよろ
長く空いてしまってすいませんでした。
アク禁やら、風邪やらでなかなか書き込みが出来ませんでした。
では、続きいきまーす。
再会のキスが済んだ後で加持君はリュックサックの中身を広げ出した。
「北欧は珍しいものが沢山あってさ、お土産選ぶのに時間を割いたよ。
えっと・・・葛城へのお土産は・・・、これだ!はい、どーぞ」
リュックから小さいクーラーボックスが出てくる。
蓋を開けると中には・・・・・・・
「ありがとう・・・・・・・。ところで、なに、これ?」
「なんだと思う?結構苦労したんだぜ、こいつを探し出すのに」
「ありがとう。で・・・・なに、これ?」
「なんだと思う?気に入ってくれると良いけどな・・・」
「ありがとう。で・・・なに?」
「・・・・・・・少しは推理してみてくれよ。なんだと思う?」
「・・・・・・・卵?」
「そう!正解!」
「ありがとう・・・・・。で・・・何の卵?」
「アダム」
「・・・・・は?!アダムってなに?」
「あれ?文系なのに知らないの葛城。旧約聖書のさ・・・」
「そんなこと知ってるわよ。でも、そのアダムのわけ無いじゃない。
第一、アダムは人間だし、卵から換えるわけがないし」
「まあね、・・・普通はそう考えるんだろうな・・・。
ま、みやげ物としてそういう物が売ってるんだよ。ドイツってところは」
「ドイツで買ったの?って、ことはゲヒルンドイツ支部に行けた?」
「・・・・・・・いや、行けなかった」
「なんだ、そうなの?」
「ああ・・・・。ま、一つの洒落だな。
”最初の人類アダムとエヴァはドイツで生まれたんだよ”ってさ・・・。
ちょっと20世紀ナチスの残留思念が感じられるけどね。
かなり珍しいものだから、大切にしててくれよな。ちゃんと冷凍庫に入れて・・・」
「うん・・・。ありがとう。冷凍庫に入れないとどうなるの?」
「孵化する」
「・・・・・それも洒落でしょ?」
「ああ、まあな・・・。でも、そういう品物なんだ。
万が一、保管が悪くて品質が落ちても、もう北欧まで行かねーぞ、俺は・・・」
オツ!続きが気になる
乙です
乙です
最後は別れてしまうんですよね…
せつない……
加持君は寒さが残っていたのだろうか、ブルッと大きな身震いをした。
「ありがとう。大切にするわ」
私はアダムの卵を加持君に言われたとおりに冷凍室に閉まった。
旅から帰った加持くんのヒゲはいつもの倍は伸びていた。
抱きつかれてほお擦りをされると、いつもはちくちくと痛いのに、
今はモサモサとくすぐったい。
「うふふ・・・、くすぐったい。私の知らない加持君がいる。ふふ」
「淋しい思いをさせてしまって、すまなかったね」
「ううん、大丈夫よ」
「そう?・・・ならいいけど」
「うん・・・」
ぺんぺん
乙
前スレから一気に読んじゃったよーーーーーー
同じようなことやってる人結構いっぱいいたww
職人さんこれからも頑張ってー
おつ
どうやら、2chが閉鎖?されるみたいですね。
それまでに間に合えばよいのですが・・・。では、続き。
私たちはゆっくりとソファに倒れこんだ。
不潔!汚いわ!それにずるい!
自分の頭の中から声がする。
あなた、さっきまでここで他の男と裸になっていたじゃない!
自分を責める声がする。
浮気しといて、そのうえ、本命と関係を続けるなんて、ずっる〜い!
子供の時の自分の声がする。
そろそろ、潮時かもね。でも、この関係をなくしたくないの・・・。
それがずるいってのよ!どうせ、日向君にも思わせぶりな態度を続けて
いつでも乗り換えられるように準備してるんでしょ?!
・・・・・・・・・違うわ。
じゃあ、加持君が自分の中で一番だって言う証拠は?
もう、タダの恋人でなんていられないわよ?
分かってる、分かっているわよ・・・。
分かってないわよ!不潔!汚いわ!
分かってるわよ!!
私には加持君が一番大切だってこと、自分が一番良く分かってる。
でも・・・、もう潮時かもね。
こうなった以上、タダの恋人ではいられない。
でも、関係は続けておきたいの。
離れたくないの・・・・。ずっと一緒に居たいの。
私は、加持君と抱き合いながら、葛藤していた。
淋しかったの、淋しかったのよ・・・。
言い訳しながら加持君から与えられる快感に身をゆだねる。
もう、タダの恋人では入られないわね。
もう一段階上に行かなければ、この関係は終わるわ・・・・。
「加持君・・・・・・」
「ん?」
加持君の避妊具をつけようとしていた手を私が制した。
「子供・・・・・・・・作らない?」
月明かりに照らされて、私たちは見つめあった。
乙。もしも本当に閉鎖されちゃったら第弐あたりででも続けて欲しいです。
おつ
gj
GJ
ミサシンスレ盛り上がってんのに、
もっと、こっちも盛り上がんないかな……
「・・・・・・なんだい?いきなり・・・」
表情一つ変えずに加持君は聞き返す。
「子供、作らない?」
「・・・・・・・・葛城は欲しいの?」
「欲しくなかったら、こんなこと言わないわよ」
「そう・・・」
加持君はニヤリと笑い、そのまま私の中に侵入してきた。
「ねえ、・・・いいの?」
「ん?・・・」
「妊娠しても」
「葛城はそれを望んでるんだろう?」
「加持君は・・・望んでいるの?」
「・・・・・・・すべては、なすがままに・・・・・ってね」
「なにそれ?わかんないわよ」
「自分の意思は二の次って事さ。葛城の望んでいることをしてあげたい。
今はそれだけ・・・」
「そう・・・」
今までのままでは関係が終わることを私は恐れた。
二人きりのままならば確実にこの関係は終わるだろう。
でも、第三者が私たちの間に現れたら?
子供が出来たら、関係は続く。
どんなに二人の仲が悪くなっても、どんなに離れて暮らそうとも、
子供は私たちの融合した存在として残る。
子供からどちらか一方を取り出して切り捨てることなんて出来ない。
例え、どちらかが死のうとも遺伝情報の半分は子供のなかに残る。
私は自分と加持君の魂の一部が溶け合って、子供の中に残る事を望んだ。
そしてそれは、かつての私の両親の関係と同じだ。
離婚をして、憎しみあっても、結局、私を通じて関係があったように・・・。
今の私はそれを望んだのだ。
乙です。
乙です。加持やっぱり素敵〜!ミサトも好きだから別れてほしくないっ!
412 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/25(木) 12:47:45 ID:H8DoaYib
ドキドキします。
GJ!!!!!
サーバー移転でよかった。
ライブ2chで存在しないって出たから、落ちたのかと思った・・・
414 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/27(土) 16:03:24 ID:YmAg+cO+
(OoO)←ハニワ
>>411 , -, - 、
,、 ,、 ,イ!〃 , ='‐ \__ト,__i、_
l T! Tl'lT_-r-、ィ_‐_7´ l l! l! |
l、` ` lヽ_lー〈!_,. - ´j _ -, !
\`丶!、l  ̄ l /,ィ ´ / 死ねぇ!
\ i、!  ̄ l´ ,ィ ヽ/
_ _ ,.l lヽ‐_7´ ll ゝ- .,, _ _
‐ ´// (! l! ll ll ノ // >'´ ``丶、
,',' ヽ、 !l__,.,. -'´ // / ヽ
i l 77 ̄ // ,' ',
!l l ! ,',' l ,. -―- 、l
!l _ !l _ !l ', / , _,、'" ト=、ヽ
!l (O.) !l (O.) l ! _. ヽ / /ヽ ', '、 !〈
l !_,.. ---.!.!-- ..,,_ l l (O.) ヽl∧ヘ ヽ_j ヽJ ',
_,ニ - , ― ''ヽ ―-`.,_ ‐- ., ヽヽJ,. -,.ニニ 、ヽl
/ , ⌒ ヽ.ヽ ` ‐ 、`ヽ、 〉v' /´ ,.、 `ヽ ヽ
_,,.. j /、jー'^、,、', L _ `ヽレ' /' _ i l く
_,. -‐ii'r' ,-、 ー,ー-, ..,_`` ‐ ., ! ! l ', ! l ,ヘ !
..ll llr' ! ! ー, ll `! ‐ 、 .>′ ! l l ! ! l l l
. !! ll r' ! l ‐, .ll ll ll ! ! l ! .l l l / /
, -, - 、
,、 ,、 ,イ!〃 , ='‐ \__ト,__i、_
l T! Tl'lT_-r-、ィ_‐_7´ l l! l! |
l、` ` lヽ_lー〈!_,. - ´j _ -, !
\`丶!、l  ̄ l /,ィ ´ / くそぅ、
>>414だったぜ!
\ i、!  ̄ l´ ,ィ ヽ/
l lヽ‐_7´ ll ゝ
! j! ll ll ノ
ヽ、 !l__,.,. -'´
そ、葛城ミサト。よろしくねん♪
乙
一週間も触れ合っていなかったせいで、加持君はすぐに限界に達した。
子種が私の中に注ぎ込まれる。
ヌルヌルとドロドロとした気持ちのよいような、悪いような感覚。
そして、乾いたばかりのソファのシーツには
私の中から漏れ出た、生暖かいシミができた。
「ついに・・・やっちゃったな、俺達・・・。ハハ」
「うん?」
「避妊せずにさ」
「ああ、・・・うん」
加持君は複雑な中に少し嬉しそうな表情を見せた。
私は加持君を策略に嵌めた罪悪感を少し、表情に出した。
「・・・まだ、大丈夫かい?」
「ええ」
「じゃ、続けても・・・?」
「ええ、来て・・・」
一回じゃ物足りない。
それは私も同じ。
でも、何度加持君がイっても、何度私がエクスタシーを感じても。
私の心のほとんどは策略で占められていた。
私の心の中は満たされないまま。それどころか
加持君に対する申し訳なさは増す一方だった。
それを頭から追い出すために夢中で腰を振る。
途中から場所を布団に変えたり、水分補給をしながら、
私も加持君も3〜4回は絶頂をむかえた。
「はあ・・・・・もう、いいだろ?」
「うん・・・もう、おしまい?」
「体力が・・・。葛城はタフすぎる・・・なに?そんなに淋しかった?」
「あったり前でしょう!その分はみっちり頂くわ!」
「あっ、駄目!もう出ねえって・・・勘弁して・・・」
「情けないわね〜男でしょう!?」
「はあはあ・・・・・俺は情けない男です。・・・ギブアップ!」
「もう〜仕方ないわね。今夜は許してあげる」
大の字で仰向けになる加持君のほっぺに私はキスをした。
いつも何か感想を書きたいんだが、この独特の読後感を上手く言葉で表せないんだよね。
だから結局これだけになる。
乙!
乙です。
この二人は別れないでほしいなぁ(´;ω;`)
乙
hosyu >(OoO)←はにわ
「では、皆さん。卒業、おめでとう・・・」
キャー!
ヤッター!
ワー!
学長の挨拶が済むと、会場から歓声が挙がった。
私は隣に居たコトコと抱き合う。
「手紙書くから・・・」
「うん。また会おうね」
私は長いようで短かった4年間の大学生活を今日で終える。
コトコは第3新東京市の教員採用試験に合格し、4月から小学校教師となる予定だ。
「ミサトも採用試験受ければ良かったのに」
「ううん。教師には向いていないって途中から分かっちゃたし・・・」
「そうかなあ?体育の先生とか適任だと思うけど?」
「学位があればいつでも試験は受けられるしね。貧窮したら考えるわ」
親友であるコトコにもゲヒルン入所は伝えることは許されない。
歴史の闇で世界を指揮していた組織の一部に
私もリツコも加持君も入るなんて、コトコは全く知らないで卒業していく。
表向きに私の卒業後の進路はフリーターとしている。
リツコは東大系列のどこかの研究室で、
加持君は臨床心理士習得のためにどこかの学校に行くことになっていた。
ごめんね、コトコ・・・。
懺悔の気持ちからか、別れの悲しさからか、私の目からは自然と涙が流れた。
「やだ!泣かないでよミサト・・・永遠の別れじゃないんだから・・・グスッ」
「うん・・・そうだよね・・・」
「暫くは住所変えないんだよね?必ず手紙書くから」
「うん。待ってる」
そうして私たちは再び抱擁を交わして手を振り、別れた。
・゚・(ノД`)・゚・
乙
コトコと分かれて私は工学部の方へと向かった。
あっちにはリツコとマヤがいる。
加持君とも朝、出るときに工学部入り口で待ち合わせの約束をしていた。
「リツコー!マヤー!」
「あ、葛城さん!ご卒業おめでとうございます!」
入り口近くで談笑をしているリツコとマヤを案外早く発見した。
「おめでとう、ミサト」
「そっちこそ!で、どう?博士号とれた?」
「んっ、まあね。誰かの邪魔に屈するような私じゃなくてよ」
「よかった〜・・・」
「どうかされたんですか?」
「研究論文作成の大事な時期に猫以外の邪魔が入ってね。
でも、巻き返したわ」
「そうだったんですか。でもこれで晴れて赤来博士ですね!」
「やだ、博士だなんて、照れるじゃない」
「博士〜!なんかおごって〜」
「あんたは博士が何たるかを履き違えてるわ、ミサト・・・」
「あはははは!」
セミの鳴く青空に私たちの笑い声が響いた。
「やけに楽しそうじゃないか。なにかあった?」
「んあ?」
「加持さん!ご卒業おめでとうございます!」
「ありがとう、マヤちゃん。一年後、待ってるよ」
「おめでとう、リョウちゃん」
「おめでとう、りっちゃん。博士号取ったって?流石だなあ」
「好きなことを極めたかったからね。
肩書きが増えただけ責任は重くなるけど。そういうリョウちゃんは?」
「俺?俺は修士どまり。いやあ、いろいろと人脈を使ったんだけどねえ、
博士は流石にチャレンジする気も起きなかったよ。カリキュラムきつくて・・・」
「は?あんたいつ修士とったの?」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「聞いてないわよ。なにそれ、私だけ?学士どまりは」
「そりゃ、失礼。でも、葛城は学士で充分だろ?卒業も危なかったし」
「危なくなんてなかったわよ!」
「あはははは!」
ブウ垂れる私を囲んでまた笑いが起きた。
「おっ!葛城ミサトさん!ご卒業おめでとうございます」
「皆さんおそろいで〜。おめでとうございます」
また、背後から声が響く。
私は背筋がゾクリとして、今までの2倍は汗をかいた。
「おめでとう、あなたたちも、卒業だったわね」
「酷いなあ、赤木さん。また来春からも一緒なのに・・・」
「マヤと同い年だと思うとね・・・どうも、もう一年学生してそうで。
それに、卒業、危なかったって聞いてたから」
「それは俺じゃないですよ!日向君だけ。なあ?」
「ん?・・・青葉君も出席足りなかったろ?」
「ライブ明けに寝て、怒られてただけだろ?出席は足りてたよ」
「どっちもどっちね・・・」
「うふふふふふふ」
和やかな雰囲気の中、私はかろうじて愛想笑いをしていた。
なんてことなの
こんなところで日向君に会うなんて・・・。
日向君の視線が気になって仕方がない。
私を見る目と加持君を見る目が違っている。
私はとうとう耐え切れなくなった。
「そろそろぉ、お暇するわ・・・」
「え?もうですか?」
「うん。また、4月に会いましょう。じゃね・・・」
私は加持君の腕を引っ張り、工学部から離れようとした。
「あれ?俺もかよ・・・。じゃあ、またな!マヤちゃん、一年後待ってるから〜!」
「さようなら〜!」
乙です
神光臨
奇跡の価値は
乙
CCCC
「一体、どうしたの?もう、帰る?」
「ええ・・・帰りましょう」
「そうか、さらば、我が学びや・・・ココで俺はいろんなことを学ばしてもらったよ」
大学を出るとき、加持君はそう言って大学の正門に敬礼をした。
私はここで沢山の人に出会い、そして別れた。
セカンドインパクト以来、私の人生を決定付ける出来事にも出会った。
そして、私はココを去る。
良くも悪くも成長した4年間だった。
そして、これから私は家族を持ち、母親として生きていく・・・はずだ。
家庭に入り、主婦として、閉鎖された空間の主として、
自分と加持君と子供だけの世界を築き上げていくのだ。
私はかつて自分の母がそうした道を今、望んでいた。
しかし、その望みは会えなく消えた。
加持君の部屋に帰り、トイレへと向かう。
下着に血液。
生理だ・・・・・・・・。
今月に限って28日ぴったりで生理が来た。
加持君との関係はもう駄目だと悟った。
私は越えられなかったんだ、母を。
私と加持君は父と母にさえなれなかったんだ。
離婚した私の両親の関係にさえ私たちは及ばなかった。
トイレから出て、下着を変えた後、
私は加持君にこう告げた。
「加持君、私たち、別れましょ」
乙
おわわっΣ(・ω・`)
ついにきてしまいましたか…
こうなるという前提なスレですけどミサトさん粘ってと思う自分がいます(´・ω・`)ゝ∴
何はともあれ…職人さん乙です。
GJ
hosyuhosyu
おつ
gj
乙です
もしも、かじとミサトが別れずにいたら、かじはスパイにもならず殺される事もなかったのかなぁ
職人さんの話を読んでて、ふと考えてしまった
hosyu
乙
まだおわりじゃないよね
投下がないと、お気に入りのドラマが特番でつぶれたような気持ちになる。
待ち遠しいぜ!!
「こりゃまた、唐突だな・・・」
真剣な私の表情とは裏腹に、加持君は余裕の笑みを見せた。
「聞こえなかったの?別れましょう」
「なんでまた?」
「・・・他に好きな人が出来たの」
「誰だい?青葉?日向?」
「両方とも違うわ」
「告白はしたの?」
「いいえ、まだよ」
「そうか・・・。葛城、君はこれからゲヒルンと言う
いわば闇の組織に入ることになる。
外部で恋人が出来て、ゲヒルンの存在を隠し通せることはできるのか?
おそらく無理だろう。」
「やってみなきゃわからないわ」
「付き合っていくうちに隠し通せなくなるさ。嘘を嘘で固めてしまってね。
そして、葛城は信用を失って別れを告げられる。」
「そんなこと!わからないじゃない!」
「分かるさ・・・、容易に予想がつく。結局、これから俺達は
外部との接触を絶ち続けなければならない。
葛城、君は俺と別れても、何も得られないぞ」
そして、また、加持君は口の片側を上げてニッと笑った。
まあ、こっちも、そう簡単に別れられることが出来ないって予想はついていたけどね・・・。
加持君と向かい合いながら、私はある記憶を思い出していた。
(あなた、別れてください)
(唐突になんだ?)
(聞こえなかったの?別れてください。離婚、してください)
(なぜだ?他に男が出来たのか?)
(違います)
(じゃあ、なんだ?何が不満だ?俺はちゃんと仕事をして、
収入だって十分にあるじゃないか。それに俺が教授になったおかげで
お前だって、教授夫人の地位にもつけた)
(そういうことじゃないの)
(じゃあなんだ?ミサトだって、俺に似て成績優秀。特に問題も起こさない。
一体どこに不満があるんだ?!)
(あなた・・・今まで私をどれだけ孤独にしてきたと思っているの?)
(孤独だと?・・・フッ、仕方がないだろ?仕事なんだ。男は仕事が常識じゃないか。
それに、一生懸命やったからこそ、俺は教授になれた。違うか?)
(それはそうです。だけどっ・・・!)
(もういい!離婚したいなら、してやる。だがな、ミサトは渡さん!
葛城の一人娘、跡継ぎとして、ミサトは戸籍から抜かせないからな!)
(あなた、家にほとんど帰ってこないじゃないですか!ミサトを任せられません!)
(じゃあ、成人するまでお前が育てろ。だが、葛城の名前はミサトに持って行って貰う)
(・・・分かりました・・・)
(そんな!お母さん!嫌よ!私、葛城なんて要らない!お母さんと同じ名前がいい!)
(ミサト・・・大人の事情だから、まだ分からないと思うけど
葛城を名乗ることは決して損ではないわ。むしろ、得をするかもしれない・・・)
(嫌よ!損とか、得とかそんなことはどうでもいいの!私は葛城なんて要らないの!)
(ミサト、ごめんね。分かって頂戴・・・)
(離婚届を書く前に、念書を書いてもらうからな。ミサトの戸籍は葛城のままだと)
(・・・・はい・・・・)
(嫌よ!嫌!そんなこと勝手に決めないでよ!お母さん!お父さん!)
待ってたよ!乙!
乙です(´ω`)
乙
hosyu
おつ
いつも私は両親の付属物だった。
肝心の決め事に、私の意見は反映されなかった。
いつも、大人が勝手に決めていた。
母は仕事で滅多に家に帰ってこないのに、父が心の支えだった。
私は泣いている母の傍にいるだけの存在。
慰めても、時にはうるさがられていた。
私がいつかこの二人を捨てよう。
私が大人になって力を手にしたら、この二人を自分から切り捨ててやる。
そう思っていたのに、セカンドインパクトで二人は死んだ。
そして、待っていた、加持君との日々。
今、自分と加持君が私の父と母に見える。
今度こそ、自分の中から二人を消すんだ。
そう、加持君を切り捨てて・・・・。
乙です!
乙
462 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/23(金) 15:58:46 ID:YNpxGjOM
乙です。
それにしても、ミサシンスレは消費が速いな
スマン、揚げてしまったorz。
おつ
GJ
466 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/01(日) 22:47:36 ID:FUOxbTJq
gj
「葛城、俺はこれからもお前を裏切らない。収入だって安定が見込める。
ゲヒルンの秘密だって共有して生きていける。胸の傷の秘密も・・・。
別に仕事がしたくないなら、専業主婦にだってなれる。
何が不満だい?」
「不満なんて得にないわ」
「じゃあ、なんで?!」
「他に好きな人が出来たの」
「誰だよ?」
「教えないわ」
ktkr GJ!!
乙です。別れちゃうんだ…(´・ω・`)カナシス
GJ
472 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/19(木) 23:02:24 ID:sTnX/pbQ
GJ
473 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/20(金) 05:02:12 ID:jUARsMYU
ほ
し
の
あ
ご
じ
480 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/25(金) 11:03:01 ID:SelwOTW0
そんなに扇風機がいいんか?
ずっと待ってます。
待ち
マッチ
町
町
(´・ω・`)
5位おめ!
この2人が一番好きなんて内緒です
ほしゅるよ〜
平井堅の哀歌聴きながらこのスレ読むとめっちゃ泣ける。俺的加持×ミサトソング
それはともかく職人さん、お待ちしております
皆様、ご無沙汰しております。
ここで小説を書いていた者の、夫です。
大変申し上げにくいのですが、
妻は、去る5月に永眠いたしました。
昨年の手術の甲斐なく。
いえ、手術の甲斐があってその後、随分と生きられましたが、
やはり、体力の限界もあり、闘病の末に永眠しました。
ここを楽しんで読んでくれた皆様ありがとうございました。
妻が死んでから、スレが自然に落ちていくのを見届ける次第でございましたが、
皆様が未だに保守をしてくれているのを見て、
やはりお伝えした方が良いかと思い、書き込みを致しました。
続きを楽しみにしてくれていたのに、申し訳ありませんでした。
つたない妻の文章でしたが、ファンが幾人か付いてくれたこと、大変嬉しく感じます。
それでは、皆様、さようなら
!!!!!
(絶句)
ウソダトイッテオクレ… ・゚・(ノД`)・゚・
家族のいなくなったさみしさはよくわかります。
ご冥福をお祈りいたします・・・
493 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/23(月) 13:19:49 ID:RRPbRdpK
今までありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。
・暫く投下がない
・以前の体調が芳しくないとの書き込み
このことからまさかとは思いましたが・・・・・・・
職人さん・・・(ノД`)・゚・
苦しかったでしょうに・・職人さん本当に有難うございました。
職人さん、今度新しいエヴァの劇場版がやるんですよ。見にいらして下さいね。
職人さんの夫さん、ご連絡有難うございました。ご冥福をお祈りいたします・・・
職人さんのご主人、お辛い中を書き込みありがとうございました。
このスレで投下頂いた作品はとても心に残るものでした。
続きを拝見できないのは残念ですが、これまで投稿頂いた作品は忘れません。
本当にありがとうございました。
最後になりましたが心からご冥福をお祈り申し上げます。
ありがとうございました。
本当にありがとうございました。
この作品、大好きでした。
スレは落ちても、本当に大好きだったから、忘れません。
お疲れ様でした。
心よりご冥福をお祈りいたします。
このスレで職人さんの話を読んで、いつも心が何とも言えない気持ちでいっぱいになるのに、
文章力がなくて、いつもいつも乙しか言えなかった。
ごめんね職人さん。お世辞じゃなく、今まで出会った中で一番のお気に入りスレだったんだよ。
感動して泣いたり、幸せな気持ちになったり、佳境に入ってからは切なさにいつも胸が締め付けられた。
完結したら、つたないけど沢山感想書こうと思ってた。
最高でしたよ。本当に。あなたの描くミサトのセリフは全部、本当に素敵でした。
ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。
凄くショックです…ミサトと加持が大好きでこのスレを見つけて本当に嬉しくていつも楽しみにして読んでいました…職人さん本当にありがとうございました…ご冥福をお祈り致します…
素敵なお話を書いて下さった方が亡くなったこと、大変残念に思います。
ご冥福をお祈りします。
(´;ω;`)
ここの職人は俺とって最後のLast Impressionだった
あなたの作品は永遠に 嵐の中輝いているよ
どなたか職人さんの意志を継いで投下して下さる方はいませんか?
-人-
え・・・・・そんな・・ご冥福をお祈りいたします
上手く言葉に出来ない…
職人さん今まで投下ご苦労様でした(;_;)
今日、初めてこのスレを見つけて、一気にここまで読んだら・・・
なんだよ、こんな最後だったなんて・・・
職人さん、ありがとう
ご冥福をお祈りいたします
508 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/05(水) 01:05:22 ID:CFK8lw21
・゚・(つД`)・゚・
しばらくぶりに来たらこんなことに……
職人さん、亡くなる1ヶ月前まで書いてたんだ…
すごく、好きなスレでした、ありがとうございました。
本当にお疲れ様でした。
安らかに眠って下さいね…
あえて誰も言わないから言うが、
>>490は他人が悪戯で書いたんじゃないか?
>それでは、皆様、さようなら
って淡泊すぎる気がしないでもないし
>>510 その場合本人が訂正するんじゃないかな。一応1ヶ月以上経ってるんだし
携帯ででも様子は見るでしょ。
ま、なんだ。
深く突っ込むな…綺麗に終わらせてやろうぜ。
おつ
乙彼
><
(;_;)
一応話としてはまとまったんだよね。
おつかれさまでした
作品とてもおもしろかったです。
乙です
おつ
悲しいね、今でも続きが読みたいです。
燃え尽きた魂に乾杯
つ花束
ええ話ありがとさん
ぐっすり眠れや
心からお悔やみ申し上げます
お2
私に還りなさい
O2
おつかれさまでした
職人さん
ありがとう
・゚・(つД`)・゚・
おつかれさん
頑張ったな。お疲れ様。
職人タンありがとございました。
お疲れ様。
乙
・゚・(つД`)・゚・
d楠
おつ
541 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/14(水) 10:17:47 ID:3BTx7QXV
うわ
おつかれさん
ご冥福をおいのりいたします
。・゚・(つД`)・゚・。
(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`・ω・´・ω・`・ω・´・ω・`・ω・´・ω・`・ω・´・ω・`)
(´・w・`)(´・w・`)(´・w・`)(´・w・`)(´・w・`)(´・w・`)
糞スレ
お疲れ様
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)(´・ω・`)
(´・ω・`)
おつかれさまです
ありがとうございました。
乙でした。
おつかれ
ご冥福をお祈りいたします
やすらかにおやすみください。
。・゚・(つД`)・゚・。
新春のお悔やみを申し上げます。
あちらでよいお年をお迎えください
。・゚・(つД`)・゚・。
(つД`)
職人さん
ありがとう
エッチシーン好きでした。
乙
おつ
ミサトと加持の関係がよかった。
―糸冬―
糸冬月
yasurakani
で、もう何ヶ月?早くよみたいぜ
∧_∧ ∧_∧
ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待
( つ つ ( つ つ
∧_∧ ∧_∧
( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい
( つ つ ( つ つ
∧_∧ ∧_∧
そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・)
( つ つ ( つ つ
∧_∧ ∧_∧
まマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのまま
( つ つ ( つ つ
∧_∧ ∧_∧
お待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリで
( つ つ ( つ つ
∧_∧ ∧_∧
い ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい ( ・∀・) そのままマターリでお待ち下さい
( つ つ ( つ つ
まち
投下まち
ありがとうございました
おつかれさまでした
。・゚・(つД`)・゚・。
灯火街
ありがとう。
o2
。・゚・(つД`)・゚・。
乙でし
ご冥福をお祈りいたします。
なんまんだぶ
なむなむ
(-人-)ナムナム
誰かまとめスレ作ってくれ。
その2からしか読んでねえ・・・・
同じく。この展開でクレクレは不謹慎かと思って我慢していたんだが読みたい。
漏れも
THX
親切な人だ
感謝
謝謝
age
いい作品だった
なにこの、しんみりした流れ・・・
ってか、今後このスレどうするのさ?
職人はもうこの世にいないんだぜ!?
このスレも落ちなくたって1000行けばおしまい。
読者はそれで良いのか!?
作者の意思をついで「別れ」まできっちり書くって度胸のある奴はいないのかよ!?
あ、俺?
もちろん、できるわけ無いぜ(キッパリ)
続きは誰にも書けないよ。
だって、「別れられなかったとしたら、それは・・・。」
だから。
2人のその後は、心の中に。全てはそれでよい。
ナムナム
ありがとうございました
なにこの良スレ!
作者不在でも成り立ってるしw
埋め
こう書かないと理解できないかい?
ウメならさっさと 埋めきればいいんじゃないの?
そうじゃないならなぜ、ゆっくりと・・・?
ひょっとしてやってくるかもしれない続きをまっているからだよ
こう書かないと理解できないかい?
おつかれさまでした
このスレの作者は
冨樫と貞に匹敵するほど長期休暇を取るのか?
一年後またくるわ
(-人-)
乙でありんす
ありがとうございました
kitai
なむなむ
ミサト受け
-人-
ナムナム
(-人-)
(-人-)ナムナム
等価まち
ありがとうございました。
ご冥福をおいのりします
四月馬鹿に復活
イイ作品
まち
><
いい作品ありがとうございました。
ありがとうございます。
。・゚・(つД`)・゚・。
(-人-)
><
一気に読んだら…
私の夫も命に関わる闘病中です
ありがとう
(-人-)
おつかれさま
乙
乙age
645 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/05/03(土) 20:11:19 ID:HE4n/h5B
実際大学時代に同棲してた男だけど、
大学の時にこういうエクスタシーを極めちゃうと別れるしかないよ。
だってそのあとの人生が落ちていくだけにしか見えないもん。
この話、恋愛小説として本当にすばらしかったと思う。
誰か前スレをうpしてくれるネ申はいませんか?
過去ログからだと
見つかりませんでしたってなって見れない・・orz
うpろだだと共有の財産にならんからな
誰かまとめ作る人いない?
今まとめて読んだ
亡くなるギリギリまで書かれてたんだね‥心が痛いです
乙です
ありがとうございました。
ナムナム
(-人-)ナムナム
(-人-)
前スレが読みたい・・・
まとめ管理人になってくれるならうpする
ちんぽ好き好き
(-人-)ナムナム
ミサトさん
ありがとうございました。
安らかにお眠りください。
南無阿弥陀仏
なむ
ありがとうございました。
いい作品をありがとう
続きみたかった
乙でした
ありがとう
なむみょうほうれんげきょう
ありがとうございました。
hoshu
偶然なんとなく興味引かれてスレを覗いた。
描写や心情の面白さ上手さにワクワクして、初めから一気に読んでいった。
作者さん、楽しい時間をありがとうございました。
こんなに良い作品を残してくださり本当に感謝します。
おやすみなさい…
エヴァ板良スレ保守党
エヴァ板良スレ保守党
安らかにお眠りください。
だれか書いてくれ。
このスレの主の夫が書いてくれればいいのですが…お願いします。
じゃあ、私が書く。
皆さんいいですか?私が書いても皆さん喜びますか?
ちなみに12歳女です。
自演スレかよ
12歳でもかける分書いてみるよ。
がんばれ〜
12歳がアラサーの恋愛をどうやったら描けるのか大変興味がある
若干ちがうかもしれませんがいいですか?
エロくてもいいですか?
はっきり言うが、さすがに自分の倍以上も生きている人間のドラマを描くには相当の手腕が必要だ。
「たかがアニメ」ではあるけれど、想像力だけではとてもカバーできない。
大人ぶるアスカに、加持が子供だと繰り返すのには意味がある。
スレ主さんも他の職人が来るのを歓迎していたから、書こうとしてくれる心意気は有り難い。
ただ、少なくともスレ主さんの作品をちゃんと読んでほしいし、677のような軽率な考えは改めて欲しい。
ほぼ100%叩かれると思うが、それでもちゃんと納得いくまでやり遂げられるなら、書くがいいさ。
/ /^´´"| | | ヽ
/ / ∠ | | ト、.. \
/::.. ∠.イ:::/ ̄ ̄`==| |::::::ハ:::::\\\
〈:::::r‐-、 .::/|/< ̄(:_リ"ヽ}/|::::||/=}:::::::ヽN\|
〈:::{ r> l.:::/ l / |::/1t:ハノ::::::::ハ| | |
|::ハ ヽ |:/ l∧ ` |::::/l/ |
|:::::`ー::::r −/ ///
」::::::::::::::/ト ____ /
∧:::::::/ キ、  ̄ ̄` /
─‐N V|/ :::´X、 イ
::::::::::::〉/ :::::::::::"'-x...,,,_,_,_,_,_/`
:::::::::zへ | :::::::::::::::::::/ ̄´
:::/ \ | :::::::ノ:::<
/ /^´´"| | | ヽ
/ / ∠ | | ト、.. \
/::.. ∠.イ:::/ ̄ ̄`==| |::::::ハ:::::\\\
〈:::::r‐-、 .::/|/< ̄(:_リ"ヽ}/|::::||/=}:::::::ヽN\|
〈:::{ r> l.:::/ l / |::/1t:ハノ::::::::ハ| | |
|::ハ ヽ |:/ l∧ ` |::::/l/ |
|:::::`ー::::r −/ ///
」::::::::::::::/ト ____ /
∧:::::::/ キ、  ̄ ̄` / それなら君が書くんだ。
─‐N V|/ :::´X、 イ
::::::::::::〉/ :::::::::::"'-x...,,,_,_,_,_,_/`
:::::::::zへ | :::::::::::::::::::/ ̄´
:::/ \ | :::::::ノ:::<
もう別れ話になっているので短くなるかもしれません。
「そうか…葛城がそんなに別れたいならもういい…」
「ええ…ごめんね…さよなら!」
「おい!葛城!」
わたしは加持君の家から泣いて走って出て行った。
(私は加持君の子供なんか作れないんだ。加持君の子供…子供っ…)
「葛城…何があったんだ…?」
こんな感じでおk?
誘い受けウザイ
「ううっ…うっ…うっ…うっ…」
「加持君…ごめんね…ごめんね…」
プルルルルル…プルルルル…
「はい、もしもし加持です。」
「加持君…?」
「葛城!いったい何があったんだ!?」
「加持君…本当に好きな人ができたの…ごめんね。日向君でも青葉君でもないから…
から…いままで…ありがとう…」
「葛城、もう終りなんだな…なんかまだ信じられないよ。葛城から別れて
ほしいなんて言うとはな。」
「じゃあ、バイバイ。加持君…」
すみません。「から」が2度ありました。
すみません。
「じゃあな。葛城。」
ピッ
わたしはもう何もできなかった。もう何もやる気が出ない。もう、何もかもが終わったんだわ…
もう、涙も出ないわ…
やすらかにおやすみください。
694 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/11/21(金) 21:28:09 ID:yJXauvIG
保守〜
695 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの :2008/11/21(金) 21:29:04 ID:yJXauvIG
保守
696 :
名無しが死んでも代わりはいるもの:2008/11/22(土) 09:00:15 ID:m4hgU+JG
加持「これで終わったんだな…何もかも。葛城と出会ってかれこれ2年間、か…
長かったような、短かったような…まぁ、これで良かったのか…」
加持「葛城どうしてるだろうな…わめいてるかな…」
ミサト「はぁ…ずっとこうしていられないし…もっといい男見つけなくちゃね!」
終わり
続けた方がいいか、終わっていいか、どっちですか?
ご冥福をお祈りします
698 :
fusiana:2008/11/22(土) 15:54:05 ID:FmJp04I6
699 :
名無しが死んでも変わりはいるもの:2008/11/22(土) 15:54:52 ID:FmJp04I6
続けろ
700 :
ここ:2008/11/22(土) 15:55:41 ID:FmJp04I6
698 名前:fusiana :2008/11/22(土) 15:54:05 ID:FmJp04I6
701 :
名無しが死んでも変わりはいるもの :2008/11/22(土) 15:56:29 ID:FmJp04I6
sageはどうしたらできるんですか?
い0j0「p
ミサト「シンジ君とセックスしたいvvv大人のキスの続きしたいわあああああ」
ありえない
2ちゃんねるって個人情報漏れることあるか?
誰か書き込んでくれよ…
加持「Happy birthday,葛城。」
加持「お前も今日で22歳だぞ。おめでとう。」
ここにいる人ってミサトが好きなの?それとも加持が好きなの?
どっちですか?
ミサト「あなた(加持)が死んでも代わり(セフレ)はいるもの」
セフレってなに?
エヴァ板良スレ保守党
素敵な作品をありがとうございました…
エヴァ板良スレ保守党
エヴァ良スレ保守党
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716 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/27(月) 00:04:12 ID:M0PRmpit
ほしゅ
717 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/04/27(月) 03:50:58 ID:KAj+ra8K
一気に読んでしまいました。
こんなに面白いSSは久しぶりだったので、続きが読めなくて本当に残念です。
お疲れさまでした。
ほ
し
ゅ
ほしゅ
ほ
723 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/26(火) 05:41:56 ID:twi9MTl8
しゅ
724 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/26(火) 11:21:52 ID:B6BSdNpA
次回もサービスサービスぅ♪
725 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/05/30(土) 22:44:22 ID:f2YYtg8O
あ
ぬ
誰かミサ×カジでドロドロのエロ小説書いてよ
728 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/06/03(水) 04:20:28 ID:sZ84eG2D
映画公開近いね
ミサトと加持のラブシーンあったらいいな
今回もゲロチューあるのかな
三石「生きてまた加持君と話せたのが感無量でした」
前ほど積極的ではないけど、加持さんは今回もミサトが好きなようで安心した
職人さんにも破を見てほしかったなぁ
>>732 ちょ、考えたらまじ泣けてきたんだけど…
www.cinemanavi.co.
エヴァ板良スレ保守党
Qまで保守
良スレ保守
738 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/07/18(土) 02:48:16 ID:QY5ucIcO
良スレ保守!
あぶねー
エヴァ板良スレ保守党
保守
741 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/08/04(火) 20:49:41 ID:ymDRbsEU
保守あげ
破の二人の行く末は
気になるよね
破
エヴァ板良スレ保守党
ヱヴァ板良スレ保守党
エヴァ板良スレ保守党
感動した。
まとめサイトとかないのか・・・
泣いた…終わらないってのは残念だが幸せだった加持とミサトが見れてこっちも幸せだ。
他の職人が小話とか投下するってのはこのスレ的にはあり?
ぜひ!
>>750 このスレがたてられた時のことを考えると、ありなんじゃないかな
>>751-753 ありがとう。
>>1さんには及ばないとは思うけど投下失礼するよ
彼女は眠りに付く際、よく酷く魘される。
瞳をきつく閉ざして声にならない悲鳴をあげて、掛け布団を必死に握り締めて何かと戦っている。
その姿が痛ましく、何度も何度も呼びかけて夜中だというのに彼女を起こす。
現実に引き戻された彼女の瞳は定まっていないでぼんやりと虚ろな瞳をしている。そうして、いつも同じように涙を零すのだ。
「……かじくん……」
「大丈夫だ。……ここにいる」
彼女の細い手が、縋るようにして身体を這う。彼女は俺を見ていないことは分かっていた。
それでも、何かしたくて、どうにかしたくて、彼女の頬に口付ける。応えるように回していた腕の力を彼女は益々強めるのだ。
明日の授業も一限からだというのに、懲りもせずに彼女を抱く。恐らくは明日も寝不足で彼女の友人にどやされるのだろう。
それも悪くないと、思っている自分が居てどこか可笑しかった。
「葛城」
咽喉まで出かかった言葉を慌てて飲み込む。悪夢に魘されていた彼女にこの言葉を言うのは、聊か卑怯だと自身を叱責する。
伝えたかった言葉は――彼女が俺の奥に居る「何か」ではなく俺を見たときに伝えよう。
そうしなければフェアではない。俺はそう言い聞かせて、彼女の首筋に小さな花を咲かせる。
女に溺れるのも悪くはない。自分の背負う業を見ない振りをして、抱きしめて、快楽に溺れようと彼女を再び抱きしめた。
756 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/09/14(月) 22:41:29 ID:ZHjlX1EY
>>754 GJGJ
短い中にも愛が詰まってますね
加持さんの心情って、こんな風に詳細に描写される機会が少ないと思う
男の色気があるねー
>>754 GJです!
やっぱり加持とミサト最高です
うわ、読み直したら最後の文章おかしいね
誤
>女に溺れるのも悪くはない。自分の背負う業を見ない振りをして、抱きしめて、快楽に溺れようと彼女を再び抱きしめた。
正
>女に溺れるのも悪くはない。自分の背負う業を見ない振りをして、全てを捨てて快楽に溺れようと彼女を再び抱きしめた。
こうだった。短い上に間違えるとかすまん
>>758 いやいや、GJです。
また機会があれば投下待ってます。
加持視点ってのもいいな
良かった
星
>>758が加筆修正してるのググったら出てきたけどここに上げてもいいのかな
最近エヴァを好きになって加持ミサトの関係がめちゃくちゃ好きで
今日このスレを見つけてこのスレの長編作品を一気読みしてしまった・・・
どうやら全編が前スレにあったようで・・・すっごい気になる。
このスレのためだけに初めてViewer使おうか迷ってるくらいだ・・・。
誰か前スレの内容うpれる方いないかな?お願いします。
とにかく素晴らしい作品をありがとう、スレ主様。ご冥福をお祈りします。
>>762 普通のサイトで加筆修正してあげてるってこと?
URL張って良いのか許可もらってからの方がいいんじゃない?晒しに繋がるわけだし、無断転載はお断りってサイト多いし
>>763 自分じゃあupできないので申し訳ないが、前スレのSSも素晴らしいので是非読んで見た方がいいと思うよ
>>762 ぐぐったけど見つけられなかった
何のキーワードで出てくるかヒント教えて
>>767 加持 ミサト 二次創作
これでブログで話書いてる人が居るから、そこから「I can ( not ) say it.」ってタイトルで読める
だれかまとめサイト作って運営してくれるならうpする。
消えないファイル置き場でもおk
いいな
771は769へのレス
まとめサイトあると有り難いね。
初見の人とかいるだろうしさ。加持×ミサトスレと連携して共同倉庫にするのもありだと思う
>>769 泣いた。加持さん大事に思ってるのに一番大切なことを言葉にしないのがらしすぎる
まとめサイトいいね
加持ミサト
エヴァ板 良スレ 保守党
良スレ
エヴァ板良スレ保守党
779 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2009/12/30(水) 19:40:50 ID:98Pb64+A
丑年加持=極悪人
寅年加持=本物
780 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/01/31(日) 03:44:07 ID:KzIqTGqs
寅とか丑とか
エヴァ板良スレ保守党
ミサト「段々コツがわかってきたの」
カジ「好きだなぁおまえw」
ミサト「あん、あん」
カジ「もうこんなに赤くなって濡れてるし」
ミサト「そんなにじっくり観ちゃ嫌よ」
カジ「いや、キレイだよ」
ミサト「またそうやって急に真面目な顔をするw」
カジ「んっ、この匂いがたまらない」
ミサト「はぁっ、ば、ばかぁ・・・・」
カジ「カニって食うときに無言になるよな」
ミサト「ゲフッ、モー食えないわ」
783 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/05/08(土) 20:08:15 ID:OGRv6SOQ
かに
この二人は生々しくてヨイ
786 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2010/06/14(月) 17:25:53 ID:Y63NpSDl
その1が読みたいよ〜orz
もう読めない?
加持キモいわ
カジ「久しぶりに舐めるか?」
ミサト「うんんんん、もうっw シンジ君達が起きちゃうし」
カジ「大丈夫大丈夫♪」
ミサト「あ、あ、あ、そんな、ひゃんっ!」
カジ「美味しいよ」
ミサト「アムアムアム・・・・おいひいわ、シャブシャブシャブ」
カジ「うっ」
ミサト「あー、べったべたになっちゃうじゃなーいー」
シンジ「なんか臭うね?」
アスカ「あー、二人してなにやってるのよ!」
ミサト「ギクッ!」
カジ「や、やあ」
アスカ「んもう!二人だけでアイス食べるなんて、これだから大人って」