637 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:
部屋には激しくなった雨音が響いている。
天使の微笑みをたたえ右手で汚らしいシンボルを作る綾波
アスカの唇が動いた、彼女の瞳には怒りの色がじわじわとと滲む。
「ファースト、その右手は何のつもりかしら?」
レイは左手のグラス置いて言った、視線はグラスに向いている。
先程の微笑みは消えていた。
「・・・見ての通りよ」
「そう、喧嘩なら買わせて貰うわよ!」
アスカの拳がわなわなと震えている、これはまずい!
「アスカ、やめなよ!」
僕はすばやく背後からアスカを羽交い絞めにして取り押さえた、
「放してよ酔っ払い!スケベ!変態!」
アスカは僕に激しく抵抗した、飛んできた拳骨が3発程
僕の顔面にクリーンヒットしたが、酔っているためかあまり痛みは感じない
そうしてる内にアスカの拳が見事に僕のあごを貫いた。
スローモーションで拡散していく意識の中で
僕を呼ぶ綾波の声が聞こえた気がした
アスカを睨む紅い瞳が見えた気がした
彼女の手には、僕が飲んでいたウィスキーの瓶が握られていた。