1 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:
立てれるかな?
2ゲット
3 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 01:47:23 ID:9g0q/ZAJ
必殺3ゲッターマシン3号
シンジきゅんなら毎日のように買ってしまいそう(*´∀`*)
と、腐女子が申しております。
SS職人が書いてくれたら良スレになりそうだが
お姉さんに買われるシンジ
おっさんに買われるシンジ
良スレの予感
五万でお願いします
10 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 03:18:30 ID:+mSCbQzq
シンジきゅんのアナルに中田氏したいお
なんかカヲルが男娼しててもピンと来ないんだが
シンジの場合、悲愴さが漂っていてなんだか萌えるな
さして女好きというわけでも無さそうだし、健気な感じがして萌える
12 :
えい:2006/03/12(日) 03:29:29 ID:???
シンジ「は…初めてですが…よ…よろしくお願いします。」
昔なんかのエロゲーで主人公が金を稼ぐために
(経験値でお金が入ってこないタイプのRPGだった)
その手の店で働くことも出来る、というゲーム思い出した。
いや、仲間の女も働けたんだけどなw
むしろそっちが真骨頂www
シンジがそんな仕事しなくてすむように
私が守るもの。
シンジが男娼してることに気付いて
アスカが暴走するっていうシチュもいいな
LAS厨は氏ね
LAS嫌厨もいい加減うざいよ
そろそろ気付こうよ
LASを書きたいならLASスレでやればいいと思いますよ
なんでLAS禁止の制限をつける意味も分からないんだが
お前にあわせる必要なんて何処にもないよ
22 :
える:2006/03/12(日) 23:12:22 ID:iPcyCec1
なんて素敵な板なにょ!!!
10万じゃダメかいボク?ハァハァ
で、このスレの主旨はなんですか?
24 :
える:2006/03/12(日) 23:17:00 ID:???
なんdeathか?
シンジが男相手に春を売るスレです
エエー
シンジきゅんが淫乱女の餌食になるスレです
争ってないよw
>>25は男娼という言葉からイメージしただけなんで
>>27に反対するつもりはない
その夜、仲直りのしるしに半額づつ花代をだしあってシンジきゅんを一晩共有する
>>25と
>>27の姿があった。
どっちもアリだろ
その方がエロイ
若い兄ちゃんと姉ちゃんとシンジきゅんの3Pもアリかwww
>>31 シンジきゅんが体を売っていくごとに
調教・開発されていって、チンコとマンコ無しに生きられなくなっていく感じもいいかも
33 :
える:2006/03/13(月) 08:27:17 ID:???
いいですねー(*^ω^*)
男娼が板についてきたシンジきゅんvV
膝にのっかられて手を首に回されて
「僕を買いませんか?」
って言われ日にゃあたしの転落人生スタートだよ!!
でも後悔はしないさ…
34 :
える:2006/03/13(月) 08:29:43 ID:???
いいですねー(*^ω^*)
男娼が板についてきたシンジきゅんvV
膝にのっかられて手を首に回されて
「僕を買いませんか?」
なんて言われた日にゃあたしの転落人生スタートだよ!!
でも後悔はしないさ…
シンジだったらいくら出しても買いますともええ
しかし案山子、何かが間違ってるんじゃないかと心の中で葛藤する、
そんな自分に酔いしれてみたり。
総合するとハァハァってことです
ふむ、うまくまとめたな
(・∀・)いいですねぇ
38 :
える:2006/03/13(月) 10:00:25 ID:???
つまりそういうコトですね(´ω`)
このスレ地味にのびそうだなw
>25
FF7の「花を売るより春を売った方がいいんじゃねえか?」ネタを思い出したw
スラムの花売りシンジきゅん
中盤で死んじゃいそう(´・ω・`)
むしろあのウヒョウヒョ言ってるおっさんの館で働いてほしい
女装して潜入するのかww
そうそうww
でもって仲間の助けがまにあわなくて
「オトコでもかわいいからいいや〜」
ってヤられちゃってほしい
身売りされたってとこがもう萌え
嫌で嫌で泣きながら仕事するんだけどそのうちに悦びを覚えちゃって淫乱になっちゃうシンジきゅんキボンヌ
「ご主人様っ(はあと)」って呼ばれてみてえ
ここはエロいSS投下して大丈夫なの?
それとも雰囲気だけの、男娼してるシンジきゅんって可哀想で可愛い!なSSじゃなきゃ駄目?
47 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 10:49:54 ID:xKlJav7M
エロくて男娼してるシンジきゅんって可哀想で可愛い!なSSならそれに越した事無い。
どうぞお待ちしてます。
ワクテカ
48 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 10:59:38 ID:MKbWmq/n
何ですかこの俺達のドリームが詰まったスレは
加持「寝相悪いだろ?コイツ(シンジ)。」
アスカ「エーッ!」
ミサト「ちょ、ちょっと!アンタ何で知って……」
シンジ(モジモジ)
51 :
46:2006/03/14(火) 13:25:59 ID:???
男客×シンジと男客2人×シンジ、どっちが良いと思う?
1番書きたいのは
>>31みたいな男女両方なんだけど、
女入れると長くなるから…今月と来月は書ける時間少なくてさ。
誰か
>>31のシチュ書いて神になってくれ…
つか俺がシンジきゅん買いたいハァハァ
LOSだ
53 :
える:2006/03/14(火) 15:50:49 ID:???
ぶっちゃけ3pてあんまキモチヨクないかんなー。
でも3pのがえろっちぃから男客×シンジに一票!!
LOSてどうかくんやろ・・・
「あ、やめて!入れないで!お、お兄さん・・・・・・いやああ!」
「シンジ君・・・ごめんよ、俺、俺――」
「あああ!入っちゃう!だめ、あひいいっ」
「スゴイよシンジ君・・・・・・僕のをいっぱいに加えて・・・」
「擦っちゃ、ヤ、ああ、あ、あ、あ、・・・」
「シンジ君・・・・・・」
みたいな?
LOSに貴様は不要だ。だいいち女は立ち入り厳禁だバカ
そしてここでLOSはスレ違い
キモチヨクないとか本当にキモイ。脳内乙ってツッコミ待ちか?
2chはお前のチラシの裏じゃねえんだっつの
そもそも他のスレで書き込むときはコテつけんな言われてただろ
人の親切な忠告もまともに聞けないのかよ
女立ち入り厳禁なの?
そんなことないだろ
>>31のLOWSのシチュとかいいじゃないか
LOSスレならともかく、関係ないスレで女を排除しようとするのはよくない
>>54 消し忘れてただけだからそー切れんなwww43もあたしだっつのw
LOSはうっかり。ごめんね。
>>46 男客×シンジ→男客二人×シンジ
間違った
スマン、レスちゃんと読んでなかった
LOSスレは女厳禁だかここはいい
>>53 職人の時に作品投下する時以外はコテ外したほうがいいとシンジスレかどっかで言われてたじゃないか
2ちゃんはコテ嫌う傾向にあるんだよ
>>53 同じシンジ好きかつ女として、あまり叩いたりとかはしたくないんだけど、
>54や>58の言う通り、投下時以外はコテは外しておくのが無難。
消し忘れは仕方が無いけどね。
まぁ、少しRomって空気読んでみるといいと思うよ。
文体キモイっていう自覚はあるみたいなことを別スレで言っていたけれど、
それなら直す努力はしたほうがいいんじゃないかな。
3Pは本当は気持ちよくないとか、そういう体験話は叩かれやすい。
某スレでは受け入れられたみたいだけど、あまり過ぎるとウザがられるよ。
60 :
54:2006/03/14(火) 16:39:37 ID:???
LOSスレにまでこいつが来るのかと思ったら
思わず切れてしまった。誤解を生む発言すまんかった
ここは女もいいよ。
でも「あたし」とかの一人称を2chで使っててよく今まで誰にも叩かれなかったな
エヴァ板しか覗いてないんか?
ここは比較的優しい人が多いからこの程度で済んでるんだぞ
その事を踏まえてもうちょっとわきまえてくれよ
パソが記憶しちゃっててそれを消し忘れた。でも指摘ありがとう。以後気をつけます。
なるほど!一応topのインフォは読んだんだが、まだそういった暗黙のキマリがあったんだな!ご指摘の通りエヴァ板のみだったし叩かれたことはなかったから自分のアフォさに気付かなかった。感謝します、今後は気をつけよう。
初心者は半年ROMれ
空気嫁
煽り荒らしに反応すんな(反論なんぞもってのほか)
2chやる上で一番大事なルールです
男娼って春を売る男だよな?売る相手は男のみか?女にも売るのか?
まぁどっちにしろシンジきゅんならオケーだが(´ー`)
集団でホステス達にレイピングされちゃうシンジきゅんエロス
集団レイープは弐号機思い出しちゃうから漏れは嫌だなあ
弐号機の中身が男だったら、と考えればヨロシ。
僕、男だよ?・・嫌だよ、見た事も聞いた事も
ないのに、できる訳ないよーーーーっ!!!
69 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/15(水) 23:07:43 ID:08mavy31
職人期待あげ
男娼シンジきゅんは店で働いてると思う?
外国とかの高級男娼みたいに街で立ってるのイメージして書いてるんだけど…
日本人なら花魁!
昔は陰間茶屋っていうのがあったらしいよな
若衆(?)がいて
そんな時代にシンジが生まれてたら大変なことに・・・
「い、碇シンジ、です」
「へぇー本当に男なんだ」
先日買っていった壮年の男性が再び姿を見せたので恐る恐る声を掛けてみた。君を探していたとまで言われてすぐにホテルに向かう事になったのは良かった。
途中でその男性が電話をし、誰に掛けているのか社交辞令で尋ねると「お金は1.5倍で良いかな」と逆に質問された。
金目当てでやっているワケではない、と言うのも癪だろうから適当に頷いた結果、目の前に2人の男性が居る。
「これは私の甥でね。仕事を始めて、金を持つようになったから、こう言う遊びの1つも教えてやろうと思ったんだよ」
「はぁ……」
シンジが生返事しか返せないのは、その甥の方から値踏みしてくる目線が気になるから。
「確かに女の子並みに可愛い顔してるけど、男じゃん。どうヤんの? 口でヤんの?」
本当に叔父と甥なのか疑問に抱く程口調が違うが、客としてここまで来てしまった以上妙に紳士的な男も軽い印象の男も同じ。
「僕も2人の人と一緒にシた事無いから分かりませんけど……」
言葉の途中にシンジは小さく溜息を吐いた。
「……早く始めましょう」
何度体験もしても始まる前には緊張してしまう。不安そうにしながらシンジは部屋の殆どを占めるベッドに上る。
「服、脱ぎますか?」
「いや……服には掛からないようにするから、そのままでいなさい」
「はい」
シンジに続いて叔父も甥もベッドへと上ってくる。そして膝立ちになった2人は同時ベルトを外して下着ごと下ろし、下半身を露にする。冷静そうに話していた叔父も、男性に抵抗が有る態度を見せていた甥も、揃って上を向いている。
「あ、あの……本当に僕、どうしたら良いか分からないんですけど。あの、その……」
ベッドの上に座り込んで早くしろと急かしたものの、いざ始まるとシンジの目は泳いでしまう。
「取り敢えず、前のように口で奉仕してくれれば構わないよ」
優しい声音に叔父を見上げるシンジ。数秒顔を見つめ続けたがそれ以上の言葉は無く、やむなくシンジは1度目を閉じて深呼吸をし、腰を少し上げて2つの性器に顔を近付けた。
利き手の右手に甥の、逆の左手には叔父の性器を持つ。脈打つ感触と、独特の手にこびり付きそうな匂いに手は震えるし、表情も歪む。
「おぉー可愛い顔しちゃって。ホラ、早くしろって」
「あ、はい……」
グッと腰を突き出してきた。その動きに合わせるようにシンジの細い指で軽く竿部分を上下運動させる。
ただそれだけの簡単な事なのに、羞恥心が溢れて顔がどんどん赤らんでいくのがシンジ自身にも分かった。
右手にした性器とその持ち主である甥の顔を交互に視線だけで見るシンジ。手元は決して無反応ではなく熱が有るが、甥は表情を変えない。
「左手が休んでいるよ」
言われて視線を左手に向ける。利き手ではないのでどうにもやりづらく、殆ど動かしていなかった。
右手をゆるゆると動かしたまま顔を左手へ、叔父の性器へと近付ける。
「お? 口でデキんの?」
出来ないよとは言えず、シンジは唇から舌をほんの少し伸ばした。
独特の匂いが鼻の奥へと入ってくるのに強く目を伏せて舌で性器の先端をつつく。
未だ何度かしか味わった事の無い味に抵抗を感じつつも、更に舌を伸ばしてゆっくりと亀頭全体を舐め始める。
「んぅう……」
極力顔を動かさずに、舌を左右に動かして熱い息を漏らすシンジ。自らの唾液と叔父の少し早い先走りで無音のホテル内にぴちゃぴちゃと音がし始めてきた。
「おい! こっちもちゃんとしろよ」
口に集中していると今度は右手が止まっていたらしい。睨まれてシンジは肩を強張らせる。
「ス……スミマセン」
「ほら、口に入れろって」
「やっ」
右手を離すと同時に、否定の言葉の為に開いた口に無理矢理性器を咥えさせられる。
「歯ぁ立てんなよ」
左手で顎を、右手で頭を固定されて性器を押し込まれ、指示通りに歯をぶつけないようにと大きく開けたシンジの口の端から唾液が垂れた。
「あっえ……お、あっえぅ……」
口を閉じないようにすると言葉にならない。
「何だ、口の中が気持ち良いってか? 男とは思えない程可愛い顔して、淫乱野郎か?」
何を言っているのか分からないと甥は笑いながら性器を更に奥へと押し込む。
「あぁ……あっ!」
喉の奥まで押し付けられてシンジはきつく目を閉じて悲鳴に近い声を上げた。
苦しそうに荒い息を吐くシンジ。頬の肉は勿論、喉の辺りまで柔らかな物だけで構成されているような感触に甥の方も息が荒くなる。
その息遣いに更にシンジは内股を自分の両膝を寄せて股間を隠そうとする。咥えているだけなのに自身の性器も膨張を始めたようだ。
「手を動かさないなら、こっちに貸してごらん」
甥の内股を掴んでいた右手を、添えるだけになっていた左手と無理矢理組まされる。まるで祈るかのような状態で性器を握らせてきた叔父は、そのまま腰を動かす。
「あふい……」
両手の感触にうわごとを呟くが、口が開きっ放しなので言葉になっていない。その舌の上を甥の性器が単調に行き来を繰り返す。彼の先走りと、そしてシンジのだらしなく垂れた唾液とがボタボタと垂れ、シンジのワイシャツの胸元に汚れを残す。
「シンジだっけ? お前頬の肉柔らかいな」
口の中で性器が左の頬を押し上げてくる。苦しそうに歪んだ表情と熱い息を吐くシンジ。
「どれ」赤黒く膨らんだ性器を握らせたままシンジの左頬に押し当て「本当だ。未だ若いだけはある。さぁシンジ君、私達はきちんとお金を払っている君の客だからね。奉仕しなさい」
ずっと閉じていた目をゆっくりと開けると、そこには予想通り強い匂いの有る性器が見えた。熱い感触と共に頬に粘液を伴って押し付けられている。
その逆から、内側からも同様の物が押し付けられている。薄くはないが厚みも無い頬の肉を左右から陵辱されるのに痛みは無いが苦しみは有る。
しかし自分はそれをする身分。ましてや今日声を掛けたのは自分から。己に言い聞かせてシンジは舌で咥内を犯す性器の側面を舐め上げた。
「……んぅ」
舐めているだけなのにシンジは甘ったるい声を漏らす。ここ数日で男性器を口で愛撫する事に大分抵抗が、嫌悪感が無くなってきた。
それだけではなく、なまめかしいと評価される声まで出てしまう。エヴァのパイロットよりも真面目な中学生よりも才能が有るのではないか、必要とされるのではないかと錯覚し、結果的にこの仕事の頻度が増えていく。そしてどんどん声が遠慮無くなってくる。
「ひょっはいれぅ……」
口の中から溢れてくる唾液は飲み込む事も出来ずにどんどん顎を伝い落ちてゆく。
シンジの顎に添えられていた甥の手が髪を掴み、両手で頭を固定される形になった。
口の中で左から右へと甥の性器が動く。咥内を掻き乱されて小さく声を漏らしてシンジの表情が再び歪む。それでも苦しさを堪えて舌を動かし、両手も適度に力を入れて扱くのを止めない。
不意に叔父がシンジの手を上から固定するように右手で握ってきた。
「折角だから、今日はシンジ君の可愛い顔で受け止めてもらおうかな」
言葉の意味と左頬全体が先走りで汚されているのに気付いたシンジは叔父の顔を見上げるが、穏やかそうな表情を貼り付けたまま何も言ってこない。
咥内を犯されているので喋る事は元より、甥に頭を固定されているから否定の為に首を振る事すら出来ない。シンジに拒否権は無い。
「俺もそろそろだ。ちゃんと飲み込めよ?」
「うっ、ふうぅんっ……うぅ……」
気付けば甥の腰の動きもかなり早くなっている。舌がその動きについていけず、最早シンジはされるがままだ。
一瞬叔父の性器が頬から、甥の性器が喉の奥から離れた。シンジは低くくぐもった声を聞き、次の瞬間に2人から同時に射精されていた。
「あっ……あぁ……」
ズルリと咥内から甥の性器が落ちた。しかしシンジは口を、性器を押し込まれていた時と同じように開きっ放しにしている。口の中の精液が無ければまさに呆然と言った表情のまま。
シンジの顔は左半分が濃度の低い白よりも透明に近い精液で汚されている。鼻の辺りにも吐精されたので植物にありそうな匂いが鼻孔の奥まで占領している。舌の上の塩分が強い食品に似た味のする液体も吐き出せず飲み込めずで、両方の事実が生理的にシンジの目を潤ませた。
「ほら、飲んで」
甥の声に視線を向けると、高い位置から見下ろされている。涙の溜まった目で見上げられた所為で甥の性器は再び勃ち上がったのがシンジにも見えた。
「飲めって!」
強い言い方をされて肩をびくつかせたシンジだが、客に逆らう事は出来ない。白濁色の液体に汚れた唇を閉じ、苦い薬を飲み込む要領でゴクンと喉を鳴らした。
疲れきった息を吐くと共に口を開けると、シンジの咥内で微かに残った精液が糸を引く。
「お疲れ様」
少しでも早く顔を拭いてしまいたいが、こうも優しげに叔父から声を掛けられては目の前で失礼な事は出来ない。汚された顔を一瞬俯かせ、すぐに顔を上げる。
粘りと臭みの有る液体を口に残したままシンジは呟くように言った。
「……料金分は、終わりですよね?」
遂に男娼SSがああああ!
激しく乙です。
シンジきゅんみてちんちんおっき
男娼最高期待sage
やべ、キタコレ
wktk
過疎サビシス
続きキボン
おっさん2人シンジきゅんに変な病気うつすなよ!?
シンジきゅんハァハァハァ
46こと書いた人です。
中途半端ですまん。特にエロいの期待してたエロい人すまん。
書く時間厳しくなってきたから投下しちゃったけど、仕事一段落したらまた投下させてください。
それまでにシンジきゅんが可愛いSS投下して下さい、職人さん。
>>87 続き楽しみにして待ってます。
仕事頑張って下さい。
シンジきゅんハァハァ
90 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 21:37:29 ID:6Ytqm1QI
職人期待あげ
ほしゅ
age
93 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 13:51:29 ID:+9jdSIPC
ぬふぅ
94 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/28(火) 14:18:14 ID:ua1ukLOg
ちんちんみてちんちおっき
過疎ってるな
シンジきゅんハァハァ
買いますっ!僕が買いますっ!!!
職人期待。
だいぶ書いたから、今日中に投下出来るかもしれない。
ここ職人さん全然来ないな。
在りし日のレイプスレの盛り上がりが懐かしい…
>>98 多分オレのレスもそうだろうけど
今日は3月32日だ!!
100
職人待機
101 :
98:2006/03/32(土) 21:37:12 ID:???
>>99 うわ、俺ただの嘘吐きじゃんw
今日中に投下できるよう今から頑張ってみるわ
>>101 エイプリルフールの日付になってから書き込みきたから
嘘かと思ってスルーしてたw
ガンガってください(・∀・)
メル欄にエイプリルフールてあったから
ウソだろとおもてた
でも今度もある罠
結局2日になっちまったorz
間に合わなかったらエイプリルフールの嘘でしたって言おうと思った
本当に間に合わなかったし、3月32日だからただの嘘吐きになってしまったんだが
因みに101のメル欄は消し忘れですごめんなさい。
言い訳はこの辺で、取り敢えずまた中途半端だけど出来たから投下してみる
先程まで口に性器を挿れられて悦び、更に今は顔を精液で汚している。だと言うのにふてぶてしい態度を見せるシンジに甥が苛立った口調で尋ねた。
「一発だけで終わりなのか?」
「……2人が1回ずつで2回です。今日、それ以上するお金は貰ってません」
不貞腐れたように俯いたシンジの視界に、万札が2枚飛び込んできた。
「これで君を抱けるよね?」
声に顔を上げれば、いつの間にか鞄から財布を取り出した叔父がニコニコとこちらに笑顔を向けている。
「もう既に払っているよね? これでも続き分として足りないと言うなら、君をあそこに立たせている店に流石に苦情が1つ入ると思うが……」
街道にただ立っているだけではシンジの外見なら高く買われるだろうが、その前に補導されてしまう。そんな彼をある店が保護と銘打って雇い、確実に安全で客に拾われる場所へ立たせている。
その制度が無くなれば店も大損失だが、シンジ自身も居場所が無くなってしまう。
もう誰かに見放されるのは、捨てられるのだけはゴメンだ。口に出さずにシンジは座り直し、両腕を後ろについて軽く胸を反らした。
この淫らな商売で手にした金で買った新しいワイシャツは自分以外の精液が数滴落ちて染みを作っている。
「膨らみが無いのが寂しいと言われそうだが」
皮膚の厚そうな叔父の手が伸びてきた。そのまま染みを気にせずにシンジの胸を撫でる。
「っ……」
「この平な所がシンジ君の魅力だと思うよ」
手の平は胸全体を撫で回しているが、親指が執拗に左胸の先端だけを刺激してくる。
「……あの、くすぐったい……です」
ワイシャツ越しに感じる意地悪な感触に、恥ずかしそうに眉を寄せるシンジ。
「くすぐったいだけかい?」
「やっ……」
耳に近い位置で息を吹き掛けられるような質問。答えは甲高く漏れてしまった声で誰でも解る。
「痛ッ!」
シンジが急に悲鳴を上げた。空いていた右の胸の、その先端を甥が爪を立てる形で摘んできたからだ。
「男でも胸は感じるんだな」
こちらをすがるような視線で見上げてきたシンジ。頬を紅潮させて、体を巡る快楽を自覚しているのにそれを殺す表情は痛々しくも愛らしい。
更に悪戯したくる程に。
「君も男じゃないか」
「あッ!」
その固く勃った先端を引っ張ると飲み込みきれなかった声が漏れた。
「こんな顔も声もしねぇよ」
下卑た笑いを向けながら甥の方も顔を近付けてくる。
「敏感な体質なのか、開発され尽したのか……それは無いか。シンジ君はなかなか羞恥心を捨てきれないしね」 優しそうに語り掛けながらも叔父の親指の腹は先端を押し潰してくる。
「うぅ……んぅっ」
唇を固く閉ざしても漏れる声。その上で男2人が平坦に会話をしている現状はシンジの『男がこんな声を出して恥ずかしい』と言う思考を、そして『仕事だから喘がなくてはならない』と言う心構えすらも溶かして息を荒くさせる。
カチャカチャ。
シンジは自分の下腹部の方から金属的な音を聞き、そちらへ視線を向ける。
「あ、そこは、嫌だ……」
叔父の手によって下着ごと脱がされて、シンジの性器は露にされてしまった。
口では否定していたシンジだが、性器はしっかりと天上を向いている。何より後ろについた手は抵抗の1つも起こさない。
観念したのか、望んでいるのか。頬だけではなく目も赤くしたシンジの表情ではわからない。
「あー、やっぱり本当に男だな。……つか、お前毛も生えてないのか? 何歳なんだよ?」
「じゅ、よんです……んっ!あぁ……くすぐったいです……」
「14歳って中3? 2か。顔通りガキだなー」
舌打ちをしても甥は決して手を止めない。これだけの逸材なら男も女も子供も関係無い。
「腰を浮かせて」
叔父がシンジの両足の間に割り入る。今の体勢では言われた通りに出来ないので、後ろに回していた両手は叔父の肩を掴んだ。
「そこのローション、取ってくれ」
「はいはい」
面倒臭そうに甥はベッドの頭側に有る業務用の、色気も素っ気も無い備え付けの小さいローションボトルを取って叔父に手渡した。
そんな平坦な遣り取りが下着を足首近くまで下ろされて下半身を曝け出しているシンジの羞恥心を更に刺激し、肩を掴んでいる手に力が入る。
シンジの下腹部辺りでキャップを開いて斜めに傾ける。ゴクリとシンジが生唾を飲み込んだ後、ゆっくりとローションが垂れてきた。
「はぁんっ、冷たっ……」
ローションはほっそりとした腹ではなく、その上まで勃ち上がっている性器を濡らす。
先走りを見せている先端に落とされた粘液は性器の付け根へとゆっくり滑り落ち、下のシーツを汚していく。トロトロとゆっくり流れる感触に震えるシンジの細い肩。
「さぁ、もう少し足を上げて」
そっと足の裏をベッドのシーツから離す。数cm浮いた所で、甥の手が右膝の裏に潜り込んで来た。
「あっ!」
無理矢理持ち上げられ、自分の太股と胸が付く。同時に少し外側へ開かれ、大股開きにされてしまった。
見るからに安っぽいローションがシーツとの間に現れた排泄口の周りも濡らしていく。
「ふ、ぐぅ、んぅ……」
直接中には入らない。それがもどかしく、少し苦しそうな声を漏らすシンジ。
早く、早くシてよ……!
顔や口だけではなく、胸も下半身も陵辱し始めた同性2人に視線を向ける。大きな目は仕事上の建前と体の本音を隠そうとしない。
「そのまま足を押さえておけ」
「人使い荒くね?」
反抗的な返事の割に甥はシンジの右足をしっかりと固定した。
「すぐに冷たくなくなるからね」
無意味に声音を優しくして、叔父はローションを直接自分の指に絡め始めた。耳に届くなまめかしい水音すら恥ずかしい。
そしてシンジの予想通り、ローションだらけの指が自分の排泄口をなぞった。
ヌルリ。
既に何度か指とは比べ物にならない大きさの物が出入りしているからか、中指は抵抗されずに付け根まで飲み込まれる。
「はあぁあ……う」
シンジの苦しそうながらも甘い声が熱い息と共に漏れる。待ちに待っていた感触に対する歓喜の声。
特に動かさずに寸前まで引き抜き、中指に人差し指を添える。
「あの……」
「そう急かすんじゃない。力を抜くんだ」
「はい。……んっ!」
2倍の太さになっただけなのに、シンジの声は苦しさが増して声がくぐもった。
「どうなんだ、ケツに指突っ込まれるって。気持ち良いわけ?」
「痛い、です……んっあっあぁ……」
シンジの排泄口の中で2本の指が暴れる。甥と話せば良いのか、叔父の指に喘げば良いのか。体の奥を直に触れられて飛びそうになる意識の底でもう2度と2人同時に客は取らないと誓った。しかしその誓いは口から熱っぽい声と唾液にしかなっていない。
「へぇ……どこが痛い?」
「ど、どこって……その、お、お尻が……」
「尻? 尻の?」
唇を強く噛み締めて甥の方を今にも泣き出しそうな目で見る。
「お尻の……んぁっ……お尻の、その……はぁ、は……」
言葉にするのが恥ずかしいその部分で指がうごめいている。
何度も入り口から最奥までを行き来し、その途中で2本の指が開き……体の最も恥ずかしい部分を広げられていくのがわかり、故に呼吸が荒くなっていく。
「お尻の……穴が、ケツの穴が気持ち良いですッ!!」
嗄れそうな声で叫んだ。同時にその部分に挿入っている指が止まる。
「……じゃあその部分を見せてもらおうかな」
言い終えた叔父は未だろくに解しきれていないが2本の指を抜き取った。
ホテルの1室に聞こえるのはシンジが胸でする呼吸と、気持ちの良い部分にローションが塗り込まれているのがわかるトプンと言う小さな音。
「はぁ……は、はい」
汗でぐっしょり濡れているワイシャツで隠れた胸を下にする。膝を付けて四つん這いになったシンジは1度深呼吸をした。
「ここ、です」
先程よりは少しだけ息を整えたシンジが腰を高く上げる。右手で尻肉を引っ張るように持ち上げ、2人に排泄口を見せる。
「ここが……」
指で少し解され自分で広げ、何とか出口から入り口に近付いた穴からローションが垂れている。
「ここが、僕の、気持ち良い所……です」
「ここかい?」
叔父が左手で反対の尻肉を持ち上げた。どんなに女性に見える顔立ちでも、やはり体付きは、肉の付き方は男。手の平に乗る感触が薄い。
更に広げられた排泄口は内部を見せている。充血してローションで塗らされて、内部は紅を乗せた女性の口を連想させる。
「は、はい……お願いします……」
シンジは出来る限り左後ろへ2人分の精液で汚れた顔を向けた。
「僕の気持ち良い所に、おじさんのを挿れて下さい……」
何を? と叔父に尋ねられる前にシンジは続ける。
「……僕のアナルに、おじさんの……おちんちんを、挿れて下さ……ああぁっ!!」
ギチギチッ。
シンジが言い終わる前に性交しているとは思えない、何かを壊しているような音が目の前で聞こえたが、甥には怖い等の感覚が沸かなかった。
寧ろあの狭い中に自身をねじ込める事が出来たら……根本まで挿れる事すら難しそうない狭さは男女の性差なんて簡単に忘れられそうだ。
「いぁあっ! ん、あっあぁっ!!」
しかもこれだけ可愛らしい顔の少年が可愛らしい声を上げるのだから、良い買い物だと断言出来る。
「うっ……うぅ、ん……」
カリ首まで挿れ、シンジの反応を見る。
一段落置けたので声を殺して呼吸を直す。何度しても慣れないらしく、肩でせわしなく呼吸をしている細い後ろ姿は可哀想にも見える。
「……もっと、もっと……奥まで挿れ、挿れて下さいっ!」
返事の代わりに腰を押し進めた。
「んあぁ……はっはぁ……凄い、凄い……」
叔父は恥骨の辺りを薄く柔らかく、14の若さ特有の吸い付く感触に押し付ける。目の前に広がる自分に組み敷かれた体が自身を埋めるだけで悩ましく仰け反り、そして自身をキュウキュウと締め付ける。
膣とは違うので終わりと呼べる最奥は無い。シンジの喘ぎと呻きと快楽の間の声を聞きながら自身は全て排泄口に挿れる事が出来た。
「うっ……あぅ、お腹が……お、お願いします、下さい……早く、はや……」
何度かしてきた筈なのに未だ慣れないシンジ。左手の平の中で、ベッドのシーツが引き裂かれそうな程に握られている。
いつの間にか左手と同じようにシーツを握っていた右手の手首が掴まれた。
「こっちも相手してくれないと。同じ客だし」
きつく瞑っていた目を開くと、シンジの目の前には甥の性器が有った。それも先程口内を犯された時と同じ位に勃ち上がった状態で。
「んっ……すみませ、あっうぅ……」
意識を目の前の男に向けたくても、後ろから徐々に動きが早くなってゆく腰をぶつけてくる感覚に邪魔される。
「さっきみたいに下手で良いから、ほら口開けろ」
1度吐いた精がこびり付いた醜悪な男性器。
「んっんっんぅ……お、あ、あっおぁ!」
その性器がシンジの視界から消えた。シンジの口に無理矢理押し込まれた。
「むぁ……」
口の中に広がる味は先程よりも更に嫌な意味で濃厚になっている。
「お前さ、嫌じゃないのか? 自分の親父位の男とヤんの」
「んあぁぅっ!」
ギュッと。ただでさえ塗りたくったローションが無ければ動けない程に狭いシンジの直腸が、更に締め付けをきつくしてくる。
このまま精を飲み干されるか、寧ろ食い千切られそうな腸壁はローションと叔父の先走りで卑猥な水音を奏でる。
「ん? お父さんと喧嘩でもしたかい?」
腰をゆっくりと時計回りに動かして直腸をえぐりながらの叔父の言葉。
「あぁんぁっ!……おぁんあぁ……あいぁうぅ……」
「喋る前に舌もっと動かせよ。お前、歯は立てんな」
「んッ……あぇえっ!」
喉の奥へとつき付けられたシンジは遂に首を無理矢理捻って性器を吐き出した。
「父さんの話は……しなっで……下さっ! いぃっ!」
自分がこんな事をしていると気付かれたらどうなるだろう。この街に呼んだのはそんな事をする為じゃないと罵るだろうか。
それでも罵倒する為に向き合ってもらえるなら……等と言う気持ちは常にどこかに隠し持っていた。
誰かに見付かり、叱られ、元の世界へ帰してくれればと心の片隅でひっそり願っていた。
思えばそれを望んでこんな仕事を始めたのかもしれない。自ら手を伸ばした最初の事象がこれなのかもしれない。
そして今やすっかり最悪の仕事に快楽まで見いだしているのは、間違い無くシンジ自身。
「……ぃ、イィッ!」
何かが振り切れたように顔を真上に上げてシンジは叫んだ。
「い、イイ、気持ち良いです……んっは、早く僕のナカに、おっおぉ……お腹に射してぇ、下さいぃッ! 早く、早くぅ……せーえき射してぇ……んあぁあっ!」
淫猥な言葉を吐きながら自らの意思で、腸壁で性器を擦るように締め付けてくる。
「ナカに出されたい?」
「はいっ! はや、くうぅ……」
わざとらしいまでにシンジの息が荒い。その呼吸のテンポを乱すように、そろそろ達してやろうと叔父は腰の振りを速めた。
奥まで強く速く突くと、自分の体の下でか細い少年の動きが変わる。
「あっ、ダッ、駄目っ、そっ、そこはぁっ、んっ、ンッ……」
この動きで丁度前立腺が刺激された為に激しい嬌声を繰り返す。何度も何度も、はやく終わりたいのか、終わらせたくないのか。
シンジ自身の背に隠れて見えないが、汗ばんでドロドロになったワイシャツの下でも性器が重力に逆らっていた。当然のように先走りすら垂れている。いくら専門のホテルとは言え、従業員も顔をしかめそうな程にシーツは様々な体液で汚されていく。
「んっ……早くっ……ま、前みたいにぃっ僕の、僕のお尻にっ、おっ、あっ、あぁッ……お尻にぃ、出して下さぁ……ヒッ、んぅっ……」
日焼けの跡が見えない背にかけるのも、もう既にかけられた顔に更にかけるのも、丸い後頭部を守る短めの髪にかけるのも、金を払えばこちらの自由。
しかしここまで懇願されたのなら、男としてしっかりと『種付け』してやるべきだろう。
視線を外して甥を見ると性器をしっかりと勃たせながらもどうする事も出来ずに呆然と、そして全く興奮を収められずにこちらを見ている。血走りそうな目で視姦されているとシンジに教えればどんな反応をするだろうか。
それを教える間も無く絶頂の予感が脳の頂点を駆け抜けた。
「……ここに射してあげよう」
「はあぁ……はい、お願いしま……んっ、んぅッ……はや、くぅ……」
大声を出し過ぎたからか、喘ぎも言葉も掠れている。そんなシンジを独占された事が苛立ったのだろう、甥が小さく舌打ちをしたのが見えた。
「っ!」
――ドクンッ。
叔父はシンジにだけ聞こえるように口を彼の頭に寄せて小さく呻き声を漏らし、そしてそのまま穢れ無い筈のシンジの直腸へと精を注いだ。
「ああぁァアあぁッ! あ、ああぁ、あ……うぅ……う、あ……」
口からは声と唾液、目から涙、そして性器からは精が無理に搾り出したように、それぞれ垂れていく。
項垂れたシンジの視界に入ったのは汚れきったシーツ。そして隅の方に価値は有るのに欲しい物とは交換出来ない2枚の紙切れだった。
>>113 投下乙です。
発情したオス犬になっちゃうシンジきゅんエロス(*´д`* )
ちょっとした希望ですが、多分孔雀氏の思案の中にあると思いますけど
男×男もこれはこれでいいんですが女×男カプも読んでみたいです。ご一考下さいませう
できればキャラネタで・・・
うわ、最高!
シンジきゅんってなんでこんなにエロいんだろ
乙!
モエタ
おっきした。
射精した
119 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 09:44:11 ID:gvTAn7s8
最高ですた
イイシゴトしてますな
死ね。
最高です。
ageたらまた潰されてしまう
GJGJ!!ネ申乙!!!!シンジきゅんテラモエス(*´Д`)ハアハア
読んでくれた人にありがとう
こんなにこのスレに人が来て驚いた
>>114 希望言ってもらえるのは凄く嬉しい、ありがとう
男同士よりも女相手のが書きたいんで、書こうかと思う。書くの更に遅くなりそうだが。
ところでキャラネタ、出して大丈夫なの?
前にLASシチュはLASスレへってなってたし、アスカやレイ出していいんだろうか…
シンジがアスカ、レイの相手しても2人には傾かない、なら問題ないような。
よくわかんないけど。
お客としての大前提さえ崩さなければ、硬く考える必要はないと思う
>>124 書きやすいように書いてくれたほうがこっちとしてはありがたい。
作者が好きなカップリングを気持ちよく書いてくれれば、見る側も不完全燃焼しないですみそうだし
カプの好き嫌いに関してはある程度の読者の切り捨ても必要かと思う。というのが俺の自論。(俺はどんなシチュも受け入れられる)
まあ、なんにせよアンチしてくるやつは出てくるだろうから。気にしない方がいい
個人的な好みでいうと、既存のキャラより通りすがりのキャラのがいい気はするけどねえ
パラレルとして書くなら問題ないかもだけど、今回のは妙に「父さんの話はしないで」とか
本編とリンクしてる感じだったから(逃げ出して逃げおおせて男娼に…パターンと妄想した)
既存のキャラ出ると矛盾が出る感じ。
いや、まさにそこの部分が書きたいなら止めないがw
シンジが男娼として営業しているとこりをミサトに出くわし目撃されてしまう。
逃げるシンジ、追うミサト。
ミサトに保護され告解するシンジ。
親に捨てられ身を売るしか生きる術を無くしたシンジの姿に切なくなるが、
その気持ちに反しミサトは自分の感情の中に”何か”を感じる。
第弐夜「手」
次回もサービス、サービスゥ!!
>>128 こんな感じなら、大丈夫じゃね?
カプ厨は氏んでいいよ
↑こういうことになるから覚悟は必要だね
シンジが男娼であることがこのスレのキモなんだから
カプでもなんでもいいよ。シンジの描写が手抜きじゃなければ。
シンジが男娼だったらというテーマを活かしてくれれば何でもいい
残念
せっかくのシンジスレなんだからカプ論争とか始まらないで欲しいし、
多少アンチされても流すけど、スレ違いになるのだけは避けたくて聞いてみた。意見ありがとう。
商業じゃないんだし、書きたい物を書く事にするよ。つかそれしか書けない。
俺が書きたいのは男娼してるシンジきゅん
俺が買いたいのも男娼して(略
↓男娼シンジの妄想よろしく
期待sage
なんか、あんまり男娼の意味分かってないような人が居る気がするのでコピペ解説
戦後の風俗史を紐解いてみると、カストリやパンパンが横行していた終戦当時、そのような(男)娼婦がかなり出没したようであります。
そのような女装者を、風俗の上では「男娼」と呼ぶそうです。
勿論、趣味的な嗜好とは別であり、男娼とは、それなりのプレイ(中身は謎?)を売り物にし、専ら、経済的対価を得る目的で女装して男を待つのであります。
139 :
138:2006/04/07(金) 02:21:06 ID:???
女性が買う場合もあるようです。知らんけど。
戦後規制されるまで、女装した男娼の有名な繁華街とかあったらしいね
男娼の原型みたいなものはそれこそ江戸時代ぐらいからあるんじゃないの?
あんまよく知らんけど、
歌舞伎踊りも女が禁止になってからは女装した少年がやってたし(踊りが終わったあとは客とヤってたと思う)、
陰間茶屋みたいな男の風俗店だってあったし。
織田信長から衆道って何やと思い多少調べて、なんかホモ知識が…
てか衆道と言い稚児趣味といい、日本って古来からホモの土壌が育ってるなぁと…
関係ないけど、日本的美少年なシンジきゅんに歌舞伎踊りやってもらいたい
それか、平安時代に貴族が雅楽を奏でながら踊るやつ(何て言うか知らないや)
能?
>>140 シンジきゅんの歌舞伎踊り良いな!絶対似合うな!!
俺全然男娼理解出来てなかった…貴族とかいそうな時代の
外国(フランスとかロンドンっぽい所)の娼婦男版みたいな感じだと思ってた
シンジきゅんならもっと和が良いよな。着物着てもらいたい。
似非男娼だけどまた投下したいんだが…勉強して直してからの方が良いか?
未だ出来てないけど。
男娼って言う言葉も単純に体を売る男と各々勝手に解釈すればいいから特に拘らなくても俺はいいです。
早く投下キボン
>>144 自由にして下さい待ってます
道端の影で和服を着て客引きするシンジきゅんを想像してもえたけど、
高級コールガールみたいなのもええな
金持ちの愛人か…
官能度高いうえに格調超高いな。妬けるぜ
いっつもSSじゃないカキコばっかでごめん。今回は書いたから投下します。
>>114に読んでもらえれば嬉しい。他にもレスくれた皆に感謝したい。
あと、エロいのだけ読みたいエロい人は10個位後から読んだ方がいいとと思うよ
漸く浴室からのシャワーの音が止まったので、食器洗いの続きが出来る。蛇口を捻ってシンジは夕食の食器洗いを再開した。
何度控えてくれと頼んでも、同居人のアスカもペンペンも風呂好きを理由に食器洗いの最中に平気で風呂に入る。ましてやアスカは何度も言っているのに食器洗いの真最中にシャワーを使うのでほとほと困っている。
唯一洗い物の最中は風呂を控えてくれるミサトもミサトで、アスカと同居を始めてから夕食当番である土曜もこうしてシンジが夕食を作って片付けていた。
手は抜かず、尚且つアスカが再びシャワーを使い出す前に洗剤を全て洗い流すのは相当急がなくてはならないのだが、気付けば大分慣れている。
それ以外にも今日は土曜日、急がなくてはならない理由が有る。今日用事が有った為に昨日行けなかった場所に、今日こそ行かなくてはならない。
食器洗いを終わらせて蛇口を捻るとほぼ同時に浴室からシャワーを使う音が聞こえてきた。水の出が小さいと無駄な文句を言われなくて済む。
エプロンを所定の場に掛けた所でミサトから声が掛かった。
「シンちゃん、今週もまたどっか行くの?」
「え? はい……その、ケンスケの家に」
「またお泊り?」
リビングでテレビを見ていたミサトは恐らく視線がこちらを捕らえているだろう。不振そうな目で缶ビールの縁を銜えながら。
「はい。ケンスケの家お父さんしか居なくて、今日もお父さん居ないからって……ビデオ、ビデオ見せてもらうんです。また新横須賀行ったらしいから……」
それにしては不釣合いな妙に高そうなワイシャツとパンツ、膨らんでいない緑の鞄。友達の家に泊まりに行くには余りにも荷物が少ない
「……そ」
明らかに疑った声を返されたが、止められなかったのを幸いにシンジはそのままキッチンを、葛城家を出た。
いつもより少し小走りで駅へ向かい、2駅先で降り、いつもの場所へ向かう。
一時期はネルフの諜報部の人間が付けているのではないかと思っていたが、今まで何1つ咎めが無い。嫌味の一言も未だ無い。シンジが思っていたよりも手を抜いているのかもしれないし、もしかするとパイロット自身は余り気に掛けないのかもしれない。
未だ若い少年が夕食も終えた時間に歓楽街をふらふら歩いている様子は人目を引いている。その視線が痛い。いつもより歩く速度が上がってしまう。
漸く辿り着いたのは華やかな夜の街からは道路2本分離れた通り。数人の女性が点々と佇んでいる。
「おはよ! 丁度1週間振りね」
派手な服に派手な化粧、そして派手な髪型。見えない所では派手な下着と派手な源治名を持つ彼女はこの商売において客を随分と取っているシンジに対して嫉妬する事無く、会えば必ず先に挨拶してくれる、顔の地味な女だった。
「お早うございます。……どうですか、今日は?」
「そうねぇ……未だこの時間だから何とも」
明るく気さく、こんな仕事だが仕事になれば真面目にやるらしいので悪い人ではない、例えて言うならばミサトから外見の美しさだけを取り除いたような印象の有る女。年もその辺りだろう。
だからか他の人よりかは安心して話が出来る。未だに互いに名前も覚えていないのに。一応これでも業務上のライバルだ。
「あ! ちょっと変わった人は来たかな。道間違えただけかもしれないけど、女性が来たのよ。前に君目当ての女の人来たから、その枝かもしれないと思って。綺麗な顔してたわ」
綺麗という形容詞だけではとても想像が付かないが、生憎ながら今日のシンジはもしやと思い当たる人物が1人居る。
先週嫌な人を見た。……と言ってもその人が嫌いなわけではない。好き嫌いで言えば小声でだが好きと言える相手だ。
丁度1週間前の先週土曜日、遊び半分でこの道を覗いたキャバクラ嬢2人に買われた。彼女の店に来る男性が売春の斡旋を受けてこの通りを知り、そこに男も居ると言う話を聞いて軽く見に来ただけだと言っていた。
水を売るのと春を売るのは全く違う。どの位が相場かわからないだろうと適当に高い金額を吹っ掛けたら見事に引っ掛かってくれた。シンジの中では水商売の人間は金遣いが荒い事になっている。
払った金の元を取るように彼女達の自宅で2人に好き放題されたが、男性を相手にするよりも楽なのでそれに関して文句は無い。
問題はその直前。珍しく女性に買われて良かったねと視線を向けてくれたこの道に立ちっぱなしの女性達に会釈をし、女性2人に挟まれて大きな通りに出た瞬間にその人に出くわしてしまった。
こちらからはっきりと横顔が見えた。相手が気付いていれば確実にこちらも顔を見られただろう。出口から出る所を見られたのはまずい。
見間違いが、他人の空似か、気付かなかったか。このどれかで有る事を祈るしか無い。この通りで春を売買していない事だけは確かなのだから。
だいたい週に2度、祝日の前を含めても3度もここに立たない、更には今日の都合で昨日の夜はここに来られなかったシンジは、当然この場でその人物に会う事は無かった。
そして幸いにもここ以外の場所で会った時には以前と変わらない態度で接してくれた。そう、見間違いに過ぎないのかもしれない。
「服装からして同業者には見えなかったし……もしかしたらレズビアンの人かもしれないけどさ、多分君目当てよ。でも気を付けてね。あぁいう綺麗な顔した金持ちお嬢様は大抵酷いサドとかだったりするから」
何か経験でも有るのだろうか妙に喋る女の後ろにも数人同業者が立っている。
軽く会釈しているのが見えるが目の前の女に捕まっているのではシンジからは挨拶が返せない。
ふと、その後ろの1人が目を丸くしているのが見えた。感染したように周りの数名も不思議そうな、不審そうな顔をしている。
「ちょっ……」
「碇シンジ君」
話をしていた女までもが『それ』に気付いて声を出したまさにその瞬間、名前を呼ばれた。
もう何度も聞いた声。今日も聞いたし、1番最後の話題は日傘の話だったのも覚えている位自分と近しい所に居る声。
返事を出さずに振り向けば、やはり予想通りの人物が少し離れて立っていた。
「あ、私達は人の客まで取ったりしないんで……」
普段なら絶対に言わなさそうな言い訳の言葉を残して会話は終了させられた。
別人だとか見られていないとか、そんな甘い考えを取り払う顔。先週ここを出る際に見てしまった人間は今日も変わらず綺麗に染め上げた金髪。
「良かったわ、別の人に買われる前で」
「リツコさん……」
名前を呼んだ唇に紙の感触。視線を落とすと、紙の色が少し茶色いのがわかる。その色が万札を表しているのも、そして1、2枚ではないのもすぐにわかった。
「さ、他の人に見付かる前に行きましょう。……横取りをされては困るもの」
いつも通りの端正な顔、凛とした声、フォーマルな服装、短いスカートにダークベージュのストッキング……薄暗い場所で見ているが、目の前の女性はシンジの中で赤木リツコを構成する全てが揃っている。
「あの……リツコさんですよね?」
左右に視線を動かして小声で尋ねる。勿論、手は口に当てられた札を握っている。握り締めている。リツコからの金なのか、客からの金なのか。
「他に誰に見えて?」
軽口を叩いた口元はやはり赤く塗られ、そしてニッコリと形良く笑った。
「行きましょう」
颯爽と歩き出した後ろ姿もやはりリツコだ。それがわかった所でどうする事も出来なく、シンジはその後ろを小走りで追い掛ける。
背負っていた緑の鞄から財布を取り出して金をしまう。これはただの報酬。そう割り切らないと、彼女の後ろを歩く事が出来ない。
「面白いわよね、こんな夜中の挨拶がお早うなんて」
「えっ?」
「思った事無い? もう暗いのに、ちっとも早くないのにお早うなんてって」
歩みを進める度にどんどんネオンが華やかになってきた。そんな中、突然の話題は余りにも自然過ぎて不自然な物。瞬きを2、3度してから漸くシンジが答えた。
「……僕も、そう思います」
「本部では大勢で徹夜しても、その時間から来る人なんて居ないから……もし居たら、やっぱりそうやって挨拶するのかしらね」
「た、多分……」
歩幅が違うからかリツコの足が速く感じる。先程の道へ行くまでに感じた視線とはまた別の、しかし好奇心に満ちた視線が多い。
「皆間違って、こんばんは、なんて言ったりしないのかしら」
「僕1回言っちゃった事有ります。慣れてからは無いですけど」
沢山の視線を極力気にしないように。そう心掛けないとシンジは着ているというより着られているワイシャツの裾を掴んで走り出してしまうかもしれない。
対してリツコはリズムを乱す事無くヒールを鳴らしている。どこに行きたいのかはわからないが、この歓楽街を歩きなれているのか道を探す様子も見せない。
「あら、やっぱりやっちゃうのね。注意とかされた? それって、どの位前かしら?」
「えっと……」
「つい最近ではない、もう長い間働いているのね」
「っ!」
少し長い誘導尋問だったと漸く気付いた。背を向けているリツコの表情は見えないが、きっと笑っているだろう。
「誤魔化しても無駄よ。全部知っているもの」
案の定リツコは口の端に笑みを乗せながらシンジに教えてやった。
「まさか本当に働いてるなんて、と正直思ったけどね。諜報部から聞いていたわよ、学校が休みの前の日に、ほぼ毎回夜中にシンジ君が抜け出してるの」
随分と歩いた気がする。普段ならそろそろどこかに入る頃だろう。歩いている道の左右はライトに夜や性を連想させる店ばかりになっている。
「ミサトからどれだけお小遣い貰っているかは知らないけれど、こんなに定期的に『買う』事なんて出来ないでしょう? でも諜報部も面倒なのは嫌いみたいね。売春、それも未成年でパイロットの少年が。
聞いただけでも相当の面倒事ね。だからか、ある程度まではちゃんと尾行しても、誰かに買われたらその人が保護者って事にして放置しているみたいよ」
急に夜風がシンジに対してだけ冷たくなった気がした。
「放置……」
その言葉の所為で。
「誰かにシンジ君程の容姿ならお金を払ってでも性的に構いたくなるのは判るけれど……でもね、
それは誰かが貴方の心に興味を持ったという事には繋がらないの。覚えておいた方が良いわ」
派手な看板には飲み放題が幾らでどんな服装の女性が居るかばかりが書かれている。
絶対にその職には就いていなさそうな女性が必死に少人数で歩いている異性に声を掛けて店に引きずり込もうとしている。
未だ幼いシンジの目線からではとても綺麗に見えない光景だが、シンジ自身はそれ以上に醜い行為を働いていた。
「……そうですね。それが言いたくて僕を買ったんですか?」
「まさか。叱りたいだけならどこででも出来るじゃない」
1度後ろを向いて、リツコはすぐに視線を前に戻す。シンジが急いで目を逸らした為に視線は合わなかった。
「ねぇ、シンジ君以外にも男の子がお客を待ったりするの?」
「え、と……」
この状況下で自分は働いていない、なんて言えるわけがない。周りの喧騒以外に2人の間に音は無い状態が数秒続いたが、シンジは口を開く。
「聞いた話ではいるそうですよ。僕は見てないんですけど、髪が長くて女の人の格好をした人がいたらしくて。
何でも年が40歳過ぎに見えたとか……後、背の高い男の人が火曜日と木曜日だけに来るって聞きました」
水曜か金曜が祝日でない限りはシンジがその男性と鉢合わせる事は無い。当分顔を見る予定が無さそうだ。
「その人はシンジ君みたいに男性の格好のままなのかしら?」
「さぁ……その人は女の人の格好していた、とは聞いていないから、多分そうだと思いますけど」
「体を売る男性は女性の格好をする、という決まりは無いのね」
一応シンジは自分なりに少し女性を、女装を意識した服装をしているつもりだった。
買い物を楽しむ趣味は無いが、この仕事で手に入った服で汚れても、汚されても良い服を買うようにしている。今日の服もその1つで、
適当に入った店で店員が「女性にも人気のデザインですよ」と営業をしてきたのでその場で購入した。
どちらかと言うと小柄で、誰から見ても細身のシンジには少し大き過ぎる。
膝下丈のパンツにスニーカー、何より小奇麗に短い髪型の所為で女装しているようには見えない。
やはり遅れながらに思春期を迎え始めたシンジに女装は抵抗が強い。以前客が用意して無理矢理着せてきたスカートは恐怖と羞恥の対象だ。
「……男娼まがいの仕事を辞めろとは言わないわ。お金に困っているなら相談してもらいたかったけれど、
自分で稼ぐというのも大事な事だし。ただね、シンジ君位の年頃の男の子ならセックスしてお金が貰えるなんて幸せと思っているのかもしれないと考えると……
それは間違いだと口を出したくなっちゃって。オバサン臭いかしらね」
小さく笑うとリツコは続けた。ほんの少し、声を低くして。
「セックスは気持ち良いだけじゃないのよ。きっともう多少の嫌な思い位しているんでしょうけれど。……愛が有っても辛い時が有る位なんだから。
……とにかく、こんなオバサンじゃ嫌かもしれないけれど、お客として買わせてもらったんだから、我慢して頂戴ね。これも嫌な思いの一環として」
「あの……リツコさんは、若いと、思いますけど」
「お世辞が上手ね」
何と言って良いのかわからず、取り敢えず口から出たシンジの言葉。それに対し、どちらかというと皮肉を吐いたリツコが立ち止まった。1歩遅れてシンジもその場に止まる。
「ここで良いかしら?」
シンジの方を見て確認を取るリツコ。否定されないとわかりきった視線を向けられては、やはり頷くしか出来ない。
立っているのはブティックホテルの前。男性に買われた際に連れ込まれるチープなホテルではなく、外装からして少し気取った感じのするホテル。大きく月の看板がでており、水色のライトが当てられている姿は神秘的な印象が有り綺麗に見える。
「あの、ホテル代は……」
「どっちが払うのか基準は知らないけれど、私が持つわ。選んだのは私だし」
「あ、ありがとうございます」
きちんと礼を言ってから会釈する。リツコの視点からは、その礼儀正しさや再び上げた幼く可愛らしい顔立ちのシンジがこの仕事をするのは不釣合いに見える。
もっと汚れた人間がするべきね。
誰とは言わない。言葉にも出さない。リツコは再び歩き出してホテルの中へと入っていく。逃げ出さずにシンジが後ろを付いてきているのを彼の足音で確認しながら。
写真で選んだ通り、寧ろホテルの外装通り、部屋は妙に洒落ていた。派手なベッドもその周りも至って他のホテルと変わらない筈だが、照明の色合いが少しだけ優しい気がする。
それでもやはり未だ14歳のシンジにこの建物の空気は慣れない。ましてやこのテの場に来て次にする事は大抵決まっている。それを連想して更に緊張してしまう。
逆にリツコはその年齢からか、随分とこの空気に馴染んでいる。戸惑っている少年を置き去りにするように中央より更に奥に有る、白いシーツが清潔過ぎるベッドへと向かい、そのまま腰を下ろして足を組む。もう何度と無くしてきた仕草のように。
「人を買うなんて初めてだわ。時間で決まってるわけじゃないし、何かお話とかしてから始めるのかしら?」
ベッドの上で足を組み変えるリツコ。その細長い足は相変わらず黒いストッキングに隠されているが、場所の所為なのか妙に扇情的で艶めかしく見える。果たしてネルフ本部なり葛城家なりでもこんなに色の有る足をしていただろうか。
「その人にもよりますけど……」
リツコ視線と細く形良い足首に促されてシンジもリツコの隣に腰掛ける。
「名前とか年とか聞かれて、世間話みたいのを少しして、その……アダルトビテオを見て……」
巨大スクリーンとも呼べる程無駄に大きいテレビ画面は消えているが、電源を入れればすぐに男女の交わりだけを流すチャンネルに回されるのだろう。
「……それから、お仕事になるって感じです」
「ふぅん、そうなの」
「人によっては何も言わずに、あの……いきなりスる人とかも居るんですけど」
そういう種類の人間は苦手だ。大抵無理矢理縛ってきたり口汚く罵ったりと乱暴に扱ってくる。
思い出してシンジはサイズもデザイン合っていないワイシャツの下の細い体を震わせる。
「女の人はちゃんとお風呂入ってから、って人が多いんですけど……」
座って俯くと自分の膝が見える。その上に緊張の為拳を作って置いていた手の上にリツコがそっと手を重ねてきた。
「シャワーも浴びないでこんな事をするの?」
質問の直後、答える間も与えられずにシンジの唇はリツコのそれで塞がれる。
静かに唇が重なった状態で、互いに相手の唇が随分柔らかいと感じた。
唇が舌で舐め上げられた。
「んっ!」
その感触に驚いて塞がった口から声を漏らしたのはシンジの方。
リツコの舌は器用に出来ていて、僅かな隙間からシンジの咥内へ侵入し、きつく閉じていた歯と歯の間をなぞる。早く開けと言わんばかりに。
「ふ……んぅ……っ!」
声と共に熱い息を洩らしながらゆっくりと歯を開くと、すぐ後ろに隠れていた舌がすぐに見付けられた。
シンジとは違いリツコは声を出さずに、しかし鼻からは堪えられない熱い息を音も無く出しながら少年の咥内にたっぷりと唾液を注いでいく。
胸を押し付けるようにリツコが抱き締めてきた。着痩せするタイプなのか思ったよりも大きく、そして柔らかくていやらしい感触がシンジの薄い胸を刺激する。
リツコはいつも通りフォーマルで堅苦しいブラウスを着ている。着心地が良い物を選んでいるのか服越しにスベスベした感覚が有る。しかしそれがもどかしい。その衣服を剥ぎ取って下着も奪い去って直にリツコの肌に触れてみたい。
口付けを交わしながらゆっくりとシンジは押し倒された。
「んんっ……ン……」
男女が逆転していると先週客に指摘された事を忘れてシンジは声を洩らしながらリツコの背に両腕を回した。
まさかリツコを抱き締めるとは。それもこんな淫らなベッドの上で。そっと目を開けると見える化粧の乗ったリツコの顔とそのだいぶ上の優しく暖かい色の照明器具は紛れも無くブティックホテルの物だ。
この続きをした後に、今までの関係でいられるのか。どうなろうと買われた以上働かなくてはならない。
最後にシンジの下唇を舌先で舐め、リツコは漸く唇を解放する。
「シンジ君は可愛いのね。もう汗ばんでるわ」
押し付けられていた胸の部分はリツコの言葉通り汗によって濡れていた。他人の体温の所為だけではなく、自分の体温自体が上昇しきっているのが原因だと自覚出来る分だけ恥ずかしい。益々汗をかきそうだ。
「長いキスをしたのは久々。きっとシンジ君の方が私より経験豊富ね」
「そんな事……」
その後に続く言葉が出ない。このシンジの様子では経験は豊富でも年齢はやはりリツコの半分にも満たない子供、か細い腕がリツコのブラウスの背を未だ放せない姿は更に幼く見える。
「シンジ君、先に脱いで頂戴。脱ぐ所を見せて」
「はい……」
リツコは舌を交えた割にはしっかりと喋っていたが、それでも今までに無かった甘さが含まれて聞こえる。これから脱ぐのは着替えが目的でもデータ収集が目的でもない。その理由も話しているような声。
ワイシャツのボタンを1つずつ外していくシンジ。普段の何倍も荒い呼吸で上下している胸が徐々に露になる。
「やっぱり細いわね」
データとして数字を知っているし、下着すらつけない状態で着用するプラグスーツ姿を何度も見ている。それでもリツコは言わずにいられない程にシンジの体付きは華奢に見えた。
繊細で折れそうな体を折れる程に抱き締めても許される関係を金で築き上げているとはとても見えない。恥ずかしそうにリツコから顔を背けて脱ぐ仕草等経験すら無い少年に見える。
リツコはベッドに両足を上げ、ストッキングと下着を同時に下ろした。ブラウスもスカートもそのままに、足だけを曝け出す。
女性特有の香りが鼻について顔を向けたシンジの視界に脱ぎ捨てられた黒いストッキングが入った。見てはいけないと思いながらも絡まった下着に目が向く。服を脱ぐ手も早くなる。
「あぁ、靴下は履いたままで良いわ。その方が恥ずかしいでしょ?」
「えっ……は、はい」
言われた通り靴下は残し、そのまま恥ずかしい気持ちを何とか飲み込んで手を震わせながらシンジは下着を下ろした。
リツコが不意にシンジに背を向けた。膝立ちの状態で、ベッドの端に置いた鞄から何かを取り出そうとしている。
スカートから覗く年齢以上に若い足。その先には隠されていない女性が有る。リツコはこんなにも短いスカートを履いていただろうか?
思わずシンジは生唾を飲み込んだ。喉だけではなく下半身も連動する。遊女が自ら脱ぐのを見たがる男性に脱ぐ姿を見せてくれと頼まれた理由が漸く分かった。成り振り構わずに発散するよりも焦らされてから爆発する方が良い時も有るのだろう。
「残念、こんな物しか無かったわ」
はい、と手渡すように差し出したのは携帯電話の充電器。
「あの……」
「両手を出して頂戴、縛るから」
素直に両手を前に出すと言葉通り手首と手首をぐるりと巻いて、器用に下に結び目を作った。
「きつい? 痛くない?」
「はい、大丈夫です」
体の一部を、時には全部を拘束したがる人間は何人も居る。しかしこれでは買い手からの命令と言うより実験の指示だ。リツコの口調の所為か、はたまた関係の所為か。
「降りて頂戴」
「……えっ?」
「ベッドから。そして座りなさい」
「は、はあ……」
両手が不自由だがベッドの下に降りるのに問題は無い。言われた通りに床に立ち、シンジはそのまま腰を下ろした。
あぐらをかくのは失礼かもしれないと考えて膝を立てて座ってみる。そしてこれで良いかと顔を上げる。
「ッ!?」
そこには見慣れた筈なのにいつでも興奮してしまう、それでいて初めて見るリツコの生殖器。
「……あ、の……」
声が掠れる。息がし辛い。まるでずっと喉が渇いていたみたいに。
大股開きに座り、タイトのミニスカートを捲り上げれば、当然下着を履いていないリツコは性器が全て見える形になる。わかっているのに、なのにシンジは目の前の光景が理解しきれない。
見える所は少し黒ずんでおり、しかし足を無理に開いている為に見える部分は朱に近いピンクにも見える。
視線を下へ外した瞬間にリツコから声が掛かった。
「舐めなさい」
「な、舐め……」
「えぇ、舐めるの。お金を貰っている身分なら、きちんとなさい」
息が熱くなる。吐く息も吸う息も熱い。どんどん上昇する体温に抗えず、シンジは首をと舌を伸ばす。
どんなに華やかな金髪に染め上げていても、リツコの陰毛は日本人らしく黒いまま。流石にここまで染めずとも、今は亡き母の面影を見付けられる事は無い。
その秘所へ口付けに来る羞恥に赤らんだ幼い顔が、陰毛にくすぐられてシンジは小さく「うっ」と呻いた。
口を少し開いて陰核を含む。舌の上全体を押し付けて味わうと、乾ききっているそれは今まで体験してきた少数の女性の物よりも大きく思えた。
縛られたままの不自由な両手でリツコの内太股をおさえ、口の中で舌を上下に大きく動かす。大陰唇や小陰唇を舐め上げてもリツコは喘ぎ声の1つすら出さない。残念ながら膣の中へと舌を挿れられる程のテクニックをシンジは持っていない。
普段彼女の性器に奉仕する男性は余程のテクニシャンなのか、不浄の穴専門なのか、はたまた真性のレズビアンなのか。
どんな勝手な妄想をしても、最終的には自分の舌技はリツコを満足させられる域から程遠い、とシンジの脳内で結論付く。
このままでは役立たずの烙印を捺されて捨てられてしまう。
漸く見付けた自分を必要としてくれる、体だけだろうと金を払ってまで自分を欲してもらえる居場所が消えてしまう。
シンジの目に涙が浮かんだ。零れないように飲み込もうと大きく音を立てて息を吸った。リツコの熟れた性器はそれでも未だシンジの唾液しか垂れていない。
「……綺麗な髪ね」
細長く爪も手入れされたリツコの指がシンジの前髪の中に滑りこんだ。
リツコの視点からは顔が見えない。幼さを感じる後頭部が自分の性器へと口付けて見えるのみ。その髪の流れが容易に誰かを想像させた。
「シンジ君の髪はサラサラして……色も触り心地もそっくりだわ」
女性器を愛撫しながら、その口からは口先だけの愛の言葉すら吐かない所も。
「……憎らしい程に」
――グィッ
「痛ッ!」
「顔を付けないで舌を伸ばして舐めて頂戴」
途端に冷たい声音に変わる。髪を掴まれて顔を上げられ、無理矢理目を合わせらせた先に有るリツコの表情は酷く冷たい
「……はい」
「手も使わずに、縛った意味が無いでしょう」
「はい」
突然機嫌を損ねてしまったのだろうか。しかし相手はリツコだが客だ。従う他無い。
同じように不機嫌な声で返事をしてシンジは軽く縛られた手を太股から離した。
体自体がベッドの端に邪魔されて、舌を懸命に伸ばしても何とか届く程度。
ましてや髪を掴まれたままなので舌先でつつく程度の事位しか出来ない。仕方無しにシンジは必死で舌を伸ばす。
最初に犯された日から常に支配される側に居たリツコは、初めて男を、しかも血の近く若い少年を支配出来た。
皿のミルクを舐める子猫のように自分を崇めるシンジの辛そうな表情に胸が震える。豊かな胸を締める下着を取り外してしまいたい。
その下の胸を見た時、目の前の少年はどんな表情をするのだろう。少年らしく驚くのか、男娼らしく淫靡に触れてくるか。それとも『彼』のように……
トロリとシンジの舌の上に液体が触れる。自分の唾液ではない味。
「……ふ、ん……」
頭上から漏れるリツコの声。舌に乗る甘辛い味は間違い無くリツコの物。
しかし自分の舌技に声や愛液を垂らしているのではないとシンジにはわかった。事実リツコは下半身にではなく己の妄想に耽けているだけに過ぎない。
もしも自分がシンジの体をこうして金で支配していると、自分の体を愛と偽った損益で支配している『彼』が知ったらどんな反応を示すのだろう。
『彼』の精を放つだけの穴から、それを吸い出そうとしている自分は『彼』の精そのもので出来ていると知った瞬間のシンジの反応も面白そうだ。
所詮偽りの愛に母娘揃って踊らされているに過ぎなくとも、実は父子揃って性的に支配しているのはリツコ自身。
そんな妄想が脳内を巡り、シンジが開きっ放しの口を唾液で濡らしている以上に、リツコの性器とその下のシーツは愛液で濡れていた。
「はぁ、あ……ほら、来なさい」
「やっ!」
掴んでいる髪の毛を無理矢理自分の体の方に引き寄せる。シンジは鼻をリツコの性器にぶつけてしまった。
甘辛く、そしてムセカエル程にしょっぱい臭いが鼻孔を埋め尽す。口を開いているだけでトロトロと垂れてくる愛液の味は喉を通さなくともシンジの理性を麻痺させるには充分だった。
「ん、んぶ、んぅ……」
首が疲れる姿勢になるが、顔の位置を少し上げて舌をリツコの性器に差し込んだ。
切っ掛けに愛液が止まるような事は無く、それ所か口付けている性器以上にピンク色をしたシンジの舌を蜜で絡めて抜き取ってしまう程に溢れてくる。
声を出しながらシンジは必死に尿を思わせる程熱い愛液を吸い続けた。
口を開いて舌を出しているので当然飲み込めず、蜜と唾液は絡まってシンジの顎とシーツを汚していく。
「い、いいわ……イイわ、凄く……」
わざとかと思う程たどたどしい舌使いも、見えないながらも幼い唇から漏れるを屈辱と恥辱に満たされた声も、そんな状況で性器に直接口付けて愛液をススル姿も。
こうして自分も頭を掴まれて口での奉仕を強要された。口の中に吐き出されて汚された。
復讐と呼ぶには陳腐だと理解していながらも、『彼』が態度とは裏腹に心から大切に思っているこの少年を金の力で汚しているのだ。そう考えれば考える程リツコの性器は放尿するかの如く蜜を垂れ長し続ける。
「……もう良いわ。早く、早く挿れて」
「ぅえっ? あ……い、挿れ……」
放して体液だらけの顔でリツコを見ると、汗で髪が張り付いた頬を紅潮させている。彼女らしきない表情と焦りの有る言葉にシンジは瞬きを返した。
「早くこっちへ登って、挿入して頂戴。もう、もう……」
息が上がっている。シンジの髪を掴んでいた手が降りてきて細い二の腕を捕えた。二の腕は充分熱を覚えていたが、リツコの手の平の方が余程熱い。
「で、でも……手が……」
見せるように自分の顔の前に出した両手首は携帯電話の充電器の黒いコードで拘束されたまま。
「ベッド位上れるでしょう?」
「……は、はい」
ただ喋るだけで、口の中で糸が引く程リツコの愛液は濃厚で。シンジは口から毒に犯されたように立ち上がってベッドへとよじ登った。
シンジの下半身は空気しか触れていないというのに充分に勃ち上がっており、上手く歩けない。
両手も塞がった状態で何とかリツコの左隣まで登れたが、さていざ体が向き合うとどうして良いかわからずに呆然とリツコの体を見るしか出来ない。
「……手が塞がってちゃ、挿入もままならない?」
「え? あ、いや、その……はい。だって」
「だって? 同じ人間なんだから、殆ど位置は一緒よ」
言い終えて溜息を吐いたリツコは横たわる。ベッドに背を付けて足を開き、愛撫を止めても蜜を滴らせる性器を見せ付ける。
――ゴクン
シンジの喉が判りやすい程大きな音を立てて鳴った。
「どこに挿れるかわからない、なんて言い訳は聞けないわ」
下腹に力を入れて自ら性器の締め付け具合を見せる。入り口から更に愛液が零れ、今にも水音がしそうな程に淫猥な光景。
そうして性器を晒しているのに、上に目を向けると理知的で美しい顔と日頃から白衣の下に着ている肌を隠す服。
「で、でも、慣らさないと……」
「もう充分に勃起しているじゃない」
バッと慌てて括られている両手を股間まで下ろすシンジ。当然勃ち上がった性器が隠れるわけもない。
「ぼ、僕じゃなくて、リツコさんの方を……それに、あの、あれを、コンドーム、付けなきゃ……」
口にすると尚恥ずかしくなり、シンジは視線を右下へ逸らした。
「そんな心配をする暇が有るなら早くして頂戴」
声と共に吐かれる息は熱を帯びているが口調はしっかりしている。先程のとろけた視線も、いつもの凛々しさを取り戻しつつ有る。リツコの言葉通り、妙な躊躇を見せている暇は無い。
「それとも貴方は上に乗って腰を振ってもらわないと駄目なのかしら?」
「そんな事有りません」
男として、性を売る男娼としての自分を侮辱された。途端にシンジは表情を変えて仰向けに寝ているリツコの上へと膝立ちの状態で覆い被さる。
未発達なシンジの性器だが、何度か知れない程に繰り返された愛撫や性交の為に皮を剥く事は慣れている。
常時剥けた状態の方が良いのではと微かな男心が思わせているが、自分が手を添えて剥きたがる客も居るので現状維持をしようと自分に言い聞かせている。
今日もまたその性器の皮を恥骨に向けて引く時が来た。今日は自らの、それも拘束された手を使う。
しっかりと天へ向いて充血している男性器にも関わらず荒々しさが無い。無毛の丘に生えるそれは口に含めば甘い味すらしてきそうで。
少年趣味の無い、寧ろ正反対の男性こそ好みだと自覚していたリツコも更に急かしたくなる。それを自分のナカへと、早く取り込んでしまいたい。
シンジは両手で性器を抱え込むように支え、先端をそっとリツコの性器へと宛がう。何度も経験している筈なのに、焼け溶けてしまいそうな感覚は未だ慣れない。
言葉が、会話が無くなる。センスが良いと言われたがっている部屋には互いの荒い息ばかりが聞こえていた。
――ぴちゃっ
水音はリツコの物か、早々に先走ったシンジの物か。
「いっ……う、ぅ……」
腰を押し進めて声を出したのはシンジ。
口振りからするとリツコは性経験が有るだろう。三十路を過ぎた年齢や一般的に言う美人の外見から無いのも可笑しいが。
そう思って少しばかり油断していた。決してガバガバに開いているとまでは思っていなかったが思いの外狭い。
亀頭まで埋めただけなのに、すでに射精の予感に体が軽く震えた。縛られたままの両手を横たわるリツコの左側に置いて体を支え、更に深くまで挿れようと膝で歩くように動く。
「熱い、わ……」
リツコからしてみると、普段受け入れている性器よりやはり細い。しかしそれでもこの温かさと硬さは紛れも無い性器。
「う……リ、ツコ、さ……僕、全部挿れたら……」
それも日頃男性が自分に見せる事の無い、甘えて許しを請うような表情。それが似合う挿入していても気弱そうな美少年の性器だ。肉体的な物以上に精神的な快感が腹から胸へと駆け抜けていく。
「駄目よ、全部挿れなさい」
「は、い……」
返事は殆ど熱い息で声になっていない。喋る余裕も無くなってきた。しかしリツコは容赦無くシンジの細い腰を掴み自分の方へと引き寄せる。
膣内は見た目通りに、そして予想以上に愛液で満たされていた。無数のドロドロに濡れた手でシンジの性器を奥へ奥へと引きずり込もうとしている。
「んんぅ……ぜ、全部……は、いりま……」
普段は身長差の為に上に有るリツコの顔が、今は丁度同じ視線の位置に有る。そして下半身は普段では絶対に見る事の無い絡んだ毛が、成長の特に遅れている恥骨の位置にある。
リツコは背をシーツから離して顔を近付けていた。顔が近い方がシンジの息遣いがよくわかる。……決してキスを求めているわけではなく。
「……ちゃんと、入ってるわね」
こんなにも近い位置に有るリツコの紅に彩られた唇からの言葉も息で熱くなっているが、自分と違って言葉がハッキリしている。早々に限界まで追い詰められたシンジからすると悔しさが有る。
唇を噛み締めて絶頂を堪えるシンジの表情は、今までリツコが肌を重ねた男性が見せた事の無い物。人より少し細長い首筋を汗が伝い、光っているのが見える。
更に苦しめれば、表情はくずれるだろうか? そんな好奇心が腹筋を使って体を起こしたリツコの豊かな胸をシンジの平坦なそれに押し付け、そして菊門に力を込める事によってシンジを飲み込んでいる膣をさらにきつくした。
「ッ!? リ、リツコさ……僕、も、もう……抜いてる暇ぁ無い、よぉ……」
呼吸をする腹が震え、声も震えてしまう。それを見てリツコは低めの声でフフッと笑った。
シンジの無意識の内に腰が前後に小刻みに揺れる。そんな事をすれば益々射精を早めるだけだと頭ではわかっているのに、体は止まらない。心の奥底に潜む、早くこの膣内で射精したいという気持ちも止まらない。
「抜かずに私のナカで出せば良いわ」
「そ、そんな事したら……赤ちゃん、出来ちゃいま……あ、ああぁあ、ンンッ!」
――ドクドクドクッ
手の平を強く握り締めたシンジは膣内で腰を動かす前に達した。丁度一週間性交をしていなかったのだから充分に溜まっているのだから、恐らくリツコの膣内を満たしきっているだろう。
リツコには精がどんどんと子宮へ向かっている音が聞こえていた。そのまま飲み込んで、自分の体を構成する1つにしてしまいたい。
「……は、あ……射しちゃ……はぁ、はぁ……ゴメンなさい……」
放尿後のように背をビクつかせていたシンジが息も絶え絶えに擦れた声で謝罪する。絶頂の快感からか体内射精をした事への後ろめたさか、きつく閉じた目尻に涙が浮かんでいる。
「どうしたの? 謝る必要なんて無いのよ」
「でも……でも、僕!」
リツコはシンジの腰を回していた手で優しく撫でた。
「子供が出来たから責任を取れ、なんて事は言わないわ」
「こども……」
目を開いて息を呑むシンジ。今まで仕事の際はきちんと避妊をするか、もしくは同性が相手だった。未だ子供の自分に子供が出来るのは……想像も付かないが、ただただ怖い。
「だいたい外で出したってカウパー腺液にも精子は含まれているんだから、避妊にはならないのよ」
「え? あ、はい」
「ふふ、こう言う話をしたら萎えちゃうかしら? まぁ良いわ、続けましょう」
「続け……?」
グッと撫でていた腰をリツコは自分の方に抱き寄せた。
「未だ射しきっていないでしょう? 射精したと思わずに、潤滑油を用いたと思って続けて頂戴」
「こ、このまま、ですか?」
「そうよ。達したのはシンジ君だけですもの」
「ゴ、ゴメンなさい!」
「怒っているんじゃないわ。それとも、もう勃たない?」
既に正常位ではなく座位に近い体勢のままリツコは手をシンジの腰から自分の胸元へと移し、着たままだったブラウスのボタンを上から順に1つずつ外し始めた。
「あ……」
小さく呟き、唾液と愛液で汚れきったシンジの口元から唾液をゴクリと飲み込む音が聞こえた。
ボタンを外し終え、下と揃えている赤地に黒いレースの施された高級そうで淫乱そうなブラジャーが露になると、膣内でシンジの性器が再び硬さを取り戻す。
シンジの性器の変化によって、膣内でコポッと小さな音を立てて精が繋がっている臀部から無理やり零れた。
「今日は丁度フロントホックだから、外してもらえるかしら?」
「は、はず、外す?」
何度も篭って話すシンジはとても男娼として他人に体を売っているようには見えない。しかしこのギャップが面白くて買う人間が大勢居るのだろう。
「でもあの、手が……」
両手は未だに充電器のコードで1つに固定されたまま。そしてベッドにつけている手を離せば前のめりになって、言葉通りリツコを押し倒してしまうだけだ。
「口を使えば外せるでしょう?」
恐らくやろうと思えば出来るだろう。小さく唸り声を出したが大人しくシンジは背を丸めた。
顔を近付けると鼻が胸の谷間に触れた。人の肌の暖かさと柔らかさと、仄かな香りが未だ膣に収めたままの性器を刺激してくる。
下着の中央部分を口に咥える。歯で挟んで引っ張っても容易には取れない。
「んっ」
もどかしそうにシンジが声を上げる。必死になっているその頭頂部は可愛らしく、思わずリツコはその頭を右手で優しく撫でた。
「無理なら良いわよ」
言い終えてそのまま再び背をシーツに付ける。下着を咥えたままなのでシンジもうつ伏せに近い状態になった。身長の差のお陰で先程よりも背を丸めなくても胸に届きやすくなり、偶然にもパチンという音と共にホックが外れる。
「取れた! ……あの、あ……」
嬉しそうに顔を上げたシンジは再び視線がリツコの胸元に戻ってしまう。服の下ではわからなかった豊満な胸は下着を剥がされてその形の良さを見せ付けている。
「女性の胸に安らぎを覚える? それとも、恥ずかしい気分になるのかしら」
何度も見てきた筈なのに。見せられてきた筈なのに。そう自分に言い聞かせながらも体は、特に下半身は素直に反応してしまう。
「は、恥ずかしい気分、に……」
腰が2度程小刻みに震える。茶に近い色の先端を持つ胸が目視界を、そして自分の精が満ち満ちている蜜壷が性器を捕らえて離さない。
――ずりゅっ
遂に了承を得る前にシンジは腰を引いて動き始めた。愛液と精液と汗のべた付いた音がいやに耳に残る。
「んっ、んぅ、はあぁ……んっ……」
リツコの胸の上でゆっくりした腰の動きに併せてシンジが喘ぐ。勝手に腰を動かし始めた筈なのに、まるでシンジが犯される側に居るようだ。
手が不自由な体勢の所為も有り、シンジはただ入り口から出口の間を行き来させるしか出来ない。その通り道は精を吸い尽くそうと内壁が狭まってくる。
蜜に溢れていない状態ならば上部がざら付いているだろう膣内が卑猥な水音を立てる。腰を動かす度にリツコの胸も揺れる。
「良い、わね……あ、ンッう……ふふ、射したかった……ら、射して良いのよ……ん、あっ」
相手はどんなに幼く女性に近い容姿をしていようと男。少しずつ確実に快感が巡ってきているが、早く射せと口走ってしまう程リツコの理性は欠落していない。
やはりシンジの幼い性器では奥の奥まで届いてはくれない。一層の事性器よりも精液で膣を満たしきってもらいたい。なんて事を口にすればシンジも男、途端に膣壁で支えられない程に萎えてしまうだろう。
「ま、まら、未だ大丈夫で……んむっ」
目の前より少し下に有る左胸の、その先端をシンジは口に含んだ。
「あっ!」
無理な体勢で腰を動かしながらなので歯が当たり、リツコは今までに無い甲高い喘ぎ声を小さく零す。
そのまま舌を使い、口の中で先端を遊ぶ。先端で突いて押し付けたり、左右に舌を動かして弾いたり。右の乳房が持て余されているが、そちらも可哀想な程に勃ち上がり硬くなっている。
唇に触れる胸は酷く柔らかく、また吸い付かれるような感覚が有る。その感触に答えるべくシンジは口に含んだまま強く息を吸った。
「んっ、や、止めて……や、やめっ……」
胸が最も感じる体質なのか、リツコの声はどんどん甘ったるくなってきた。シンジは性の切り売りを仕事にしているので男女共に有る器官への愛撫には慣れている。
水音が激しくなってゆく。シンジが吐き出した精が戻り始め、リツコの愛液も止まらない。恐らくリツコの陰毛は白濁した液体でべっとりと汚れきっているのだろう。
「……も、もっと、お、奥まで来てぇっ! あっ、ああぁあっ、はぁっ!」
1度射しているので挿入時よりも思考が働くシンジは言葉通りに極力奥へと腰を押し付けた。性器を出口まで出さずに、ほんの少しだけ自分の方へと引き戻して再び強く差し込む。
その都度ぎゅっぎゅっとリツコの性器の入り口が縮まるような音を立てて蜜を出し、リツコ自身も歓喜の声を上げる。しかし絶頂に達する気配は見せない。
リツコが達せないのを悔しいと、シンジよりもリツコ自身が思っていた。理由はどうあれ男を買ったのだ、一定以上の興奮が欲しい。
両手をシンジの背に回して抱き締める体勢だったリツコのその右手が、不意に腰を撫でて軽くシンジの尻を持ち上げる。
左の尻肉をしっかりと掴み外側へと開く。そして人差し指を伸ばして見えないので指の腹だけの感触で目的の位置を探す。
「む、んむ、んぅ……むぅ……」
菊門付近が細い指先で弄られ、くすぐったさと覚えたての快感にシンジは口いっぱいに胸を含みながら声を出す。
言葉にすれば拒んでいる台詞になるのだろうが、声音だけでは更に欲しがっているように聞こえる声を。
――ぎちっ
「ンぅッ!?」
漸く見つけた菊門へリツコが指を押し入れると同時に大きな声が耳に響いた。目を見開いたシンジは歯型が残る程強くリツコの胸を噛んでしまっている。
「んっ……ちょっと、痛いわ」
荒い息の中止めるように告げてもシンジは口を動かそうとしない。大きく開いた状態なので唾液がリツコの形良い胸をドロドロと汚していく。
大きな抵抗も無く人差し指が付け根までシンジの内部へと収まった。業務上あの通りへ立つ前には綺麗にしておくだろうと勝手に考えて指をそのまま挿れたが、
腸壁の方の心配をしていなかった。潤滑油を用いるか、せめてもう少し爪を切っておけばと今更ながらに心の片隅で思う。
「ふ、うんぅ……んあっ……や、止めて下さ……抜いて、下さいっ……」
胸から口を離して懇願する声はリツコの物以上に甘い。膣内を前後するというより左右に暴れるような動きを始めた性器の膨張具合でもシンジが菊門で感じるのだとリツコにはすぐわかった。
「駄目よ、抜かないわ。ほら、んふぅ……もっと腰を動かして。あっんぁ……そうよ、そう……」
細い指1本でシンジの体を無理矢理動かしているような錯覚に陥る。実際はシンジ自身が更に奥へと体を押し進めるように動いているのだが、
リツコの指が腸壁を丸く回して撫でてきているのが理由な辺り、実際にシンジを動かしているのはリツコになるかもしれない。
愛する男性の血を半分持つ線の細い少年を介しての自慰に近い。否、自慰そのものだろう。
「だ、も、ら、射ちゃい……そぅ、くっ……」
苦しそうな表情でシンジが訴えかける。シンジの性器も苦しいのか膣内を素早く小刻みに行き来し始めた。
「もう1度ナカに……さぁ、来て……き、来なさいっ!」
喘ぎと命令。そしてリツコの膣も同様に射精を促すべく一段と強く締まる。リツコ自身も充分感じているので少し細いシンジの性器には奥の方が緩く広がって思えるが、入り口部分の締め付けは強い。早く精液を出せと、そして全て飲み込ませろと命令するかのように。
「……う、ううぅっンっ!!」
2度目の射精の予感はすぐに射精そのものに繋がってしまった。恥じるようにシンジは体をくねらせるように少しリツコの胸元から離して肩をビクビクと震わせる。
先程より放出量は減っているし、恐らく濃度も下がっているだろう精はそれでもリツコの胎内を性器では届かなかった奥へと激しく進んでいく。
奥から精の香りが漂ってきそうな熱い腹の上にシンジの体重が掛かった。
「大丈夫?」
寝返りを打つように体を少し右に動かして、精を吐ききって疲れのみが残っている体をシーツの上へと下ろす。
右横に横たわり肩で大きく呼吸をしているシンジを、そっと抱き締めるように頭を押さえてリツコは自分の胸に押し付けた。
どれだけ揉みしだかれたのかわからない柔らかな胸は暖かいが、汗でベタベタしている。リツコの汗だけではなく、自分の額から噴き出した汗でもあるので文句は言わない。
「……あの、どうして……どうして僕を、買ったんですか?」
「え?」
リツコの胸に頬を当てながらずっと疑問に思っていた事を口にする。この部屋に入る前にも軽く尋ねたかもしれない。思い出せない程に疲れた。
「どうしてかしらね? 私にも、わからないわ。多分……」
汗に塗れて化粧が落ち始めているが、幸い目蓋を下ろしたシンジには見られないで済みそうだ。
シンジの目を開けていようと抵抗する心と、眠ってしまいたい体の間で揺れる睫毛が胸に触れてくすぐったい。
好きだから買った、なんて言葉は出てこない。リツコの口から聞ける言葉ではないとシンジも理解していた。
「……心配だったのよ、貴方の事が」
そして『貴方』によく似た『彼』の意のままになっている自分の事が。
呼吸が寝息に変わったのを確認してから呟き、片手で掛け布団を掴みリツコは2人の体に掛けた。
きちんと金を通して1晩売買した関係なのだから、抱き締めあって眠る事を咎められる事は無いだろう。
うほっwww
キテター!!!!
エロ杉エロ杉最高!!
上手いことりっちゃんを使ってますね
ごっちゃんです
てかシンジきゅん、エヴァのパイロットの片手間売春かよ…
(*´Д`)ハァハァ
「放置…」と呟くシンジくんが切ない。
そしてリっちゃんも切ない。
丁寧に書かれていて素晴らしい
萌えたけど切ない
やはりリツコはエロい
ネ申キタ━━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━━!!!!!
最初リツコかーとがっかりしながら読み始めていた自分が恥かしい…!
最高ですた。
心がおっきおっきした
超切ない。神。
うおーすげー
不覚にもりっちゃんに萌えた・・・というか切ない。
シンジきゅんもかわいいよいいよー
何気にリツコ×シンジとマヤ×シンジはかなりエロイカップリングなんだよね。
GJ。
マヤはリツコと絡んだ方がエロイと思います。個人的に。
リツコは碇家の男と絡むとエロいいよね。
でも、一番エロいのはシンジきゅんです
マヤシンジのカプは
清純で潔癖症のマヤがシンジの男色に惹かれてしまい理性が崩壊し精を求めるかごとく
襲うもといレイプするシチュが好き。
受けのマヤが見たいときはリツコマヤのカプが一番だけど。
マヤちょむはリツコさん一筋って感じであまりそういう妄想はできないけど、
レズビアンで潔癖っぽいマヤが男の匂いを感じさせないシンジに情欲を抱いて逆レイ(ry
結局レイプじゃんw
>>189 あ、そうか。男の匂いがしないからこそシンジに惹かれるという設定なら筋合うな。
>>189 男に見えないから、女の子同士のお友達ーとかってマヤから近付いてって
逆レイープはそうとうおいしいな。マヤ×シンジってエロくなるかもな。
…でもシンジきゅんが男娼ってのを前提には書けそうにない…
マヤとシンジは百合っぽい
シンジとは姉弟のようにお姉さんとして関係を持っていたが
ある日、ネルフでシンジが男娼として風俗業を営んでいるという噂を聞く。
本人に問いだたす事はできず、気になって近くのいかがわしい店が並んでいる繁華街へ足を運ぶと
女装をしているがシンジに良く似た人物が男性を客寄せしている現場を目撃してしまう。
???
197 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/18(火) 23:47:23 ID:AUEbUn+l
面白そうだなWWW
空気読まずに質問させて下さい。
ここの住人さん、スカトロはNG?
まぁなんにせよネタ投下は無条件歓迎です
とりあえず注意書きはいるな。
どっちかというと苦手ですな
でもシンジきゅんが可愛ければおk!(・∀・)b
グロ注意
投下する時は注意書き付けます。
シンジきゅんは可愛く書きます。可愛いしな。
前投下したやつに切ないって言ってもらえて嬉しかったっす。でも今書いてるのは切なくない路線…
しかも男娼って商売に矛盾が出てきた。知識不足。
男娼だけでググると同人サイトっぽいのばっか…皆男娼以外に何か言葉入れて検索してるんですか?
つ陰間茶屋
つ稚児
西洋にも似たようなもんはあったんだろか
古代ギリシアは同性愛(少年愛)さかんだったけど
>>203 あんまり細かい設定は気にせんでいいと思う
矛盾点なんかそれらしい理由つけたら大丈夫大丈夫
いつもわけわからん質問ばっかでごめん。レス有難う
陰間茶屋は色々と検索したけど、稚児で検索してなかった。勉強になった、有難う
ちょっと中途半端だけど、投下します。その前に注意事項書きます。
・小さい方だけだけど、スカトロっぽいの有ります
・微妙に女装してます
・相手は男(通りすがり)です
読む時は気を付けて下さい。設定が可笑しいと思ったら各自脳内で補完して下さい。
いつの時代でも性の切り売りが失われる事は無く、売る人間も買う人間も仲介する人間も未だ多く居る。
仲を取り持つ恋のキューピッド……を自称していた売春斡旋の若者に、年上の女性と別れたばかりだから飛び切り若い子を、出来れば女子高生か、中学生辺りを紹介して欲しいとふざけて言ったとして。
それが冗談として受け取られなく、本当に高校生位にしか見えない子供を2人紹介されて男は驚くしか出来なかった。
目の前に出された2人ともコスプレをしている。好きな方を選べと、万札数枚受け取った斡旋業の若者はヘラヘラ笑いながら言った。
……1人はコスプレではなく本当に学校の制服なのかもしれない。
尤も、自分の通っている学校の制服でそのまま売春する程頭は悪くないだろう。見るからに頭の悪そうな顔をしているが。
しかし男の目にはもう1人の、別のコスプレをしている少女にしか向いていない。小柄で細身で少し中性的で、おどおどした目線でこちらを見てくる。
「……珍しい格好してるな?」
そう声を掛けると、その少女は俯いてしまう。小さく「はい」と答えたようにも聞こえたが、気の所為かもしれない。
着ているのは袖と襟だけが白い黒の長袖のブラウス。そして裾に付いたレースだけが白い黒の膝丈のスカート。……しかし両方とも素材はどこか安っぽい。
碇シンジは短い髪の上に白いヘッドドレスを、そして服の上にはフリルとレースで本来の役割が果たせなさそうな白いエプロンを着用している。所謂メイドさんスタイル。
ただでさえ異性の格好をするのはシンジにとっては苦痛でしかない。少女ではなく少年の彼は我慢の限界を迎えたように男の右腕に両手でギュッとしがみ付いた。
「ちょっと、アンタ狡いよ! ねぇおにーさん、私にしなよ。私何でもするよ。私の方が良いよ」
空いている左腕に制服の少女が絡まってくる。大声で色々主張してくるが、それよりも右腕で黙り込んでしまったメイド服の少女の方が気になってしまう。
「お願いします……もう、恥ずかしい……」
痛くなる程にしがみ付いてくる少女には参ってしまった。股を開いて金を貰う、それが楽だと呑気に語る売春婦の中で、こんなにも服装1つで羞恥心を持って後頭部しか見せない子が居るとは。
「……君にするから、離してくれないか?」
何が悲しくて金で買う女にこんな気を使わなくてはならないのか。
そう思いかけて、その後頭部が上へ向きシンジと目が合う。数回瞬きをした目は信じられない、との言葉に聞こえた。
「良いんですか……?」
両腕が開放される。シンジは離した両手でスカートの裾を掴んで必死に下へと引っ張った。隠れもしないのに。
「止めときなよ。そいつ使えないよ。だってそいつ……」
「おいおい、営業妨害すんなよ」
制止すると言うよりも自分勝手に怒る口調で斡旋業の若者が学生服の少女の手首を掴む。
「悔しかったら自分で客取ってくれば良いだろ。お前よりシンジのが若いんだから仕方無ぇんだし」
ふざけて言ってみただけだったのに、どうやらすっかりロリコン趣味に思われてしまっているようだ。
それよりも男は『シンジ』と呼ばれた事に意識が向く。随分と男らしい源氏名を付けた物だ。さっぱりとした短い髪を含む中性的な外見には似合わなくもないと思える。
シンジの今の格好からでは、それが本名だとは気付ける筈も無い。
「あの……」
スカートの裾から手を離せないままシンジが呼び掛けてきた。
「僕、頑張りますから……何でもします。頑張ります」
だから、選んでから捨てたりしないで下さい。シンジは1番言いたい事のみを言えずに飲み込んだ。
少し早口になる辺り男には緊張がよく見えた。未だ慣れていないのか。はたまた、それが売りの小悪魔系売春婦なのか。緊張具合がとても自然なのでわからない。
「ほら、金」
「有難うございます」
斡旋業の若者が数枚の金をシンジに差し出す。礼はその若者と男へ1回ずつ。その間学生服の娼婦は酷く苛立った顔立ちでこちらを見ていた。
シンジが受け取った枚数は男が若者に手渡したそれよりも随分少ない。斡旋業者に頼むよりも自分1人の力で客を取った方が儲けは良いだろう。
足元に乱暴に置いておいた緑色のリュックサックから財布を出して受け取った金を入れる。随分と荷物が入っているらしく大き目のリュックサックをシンジは抱えるように持った。白いエプロンを見せまいとするように。
「まぁ色々有るかもしれないけれど、金の分位は遊べると思うから。どこ連れ込んでも構わないし。自分の家でもSMホテルでも、そのまんま外でヤッても構わないし……」
そこまで聞いてシンジの方を見れば、それは自分が許さないと言いたげに唇を強く噛み締めている。
「……流石に体切ったりとかは駄目だけど、常識の範囲内で楽しく遊んできてくださいな」
正式な商売ではない為に規則等はとことん適当らしい。斡旋業の若者は学生服の少女の手首を掴んだまま背を向けて離れていった。
「あの……このホテルで、良いですか?」
か細い肩の少女が、少女にしか見えない少年が尋ねてくる。緑色の鞄を縋るように抱き締めたまま。
2人の娼婦を紹介されたのはブティックホテルの前。ここに入れと言わんばかりの場所ではあるが、別に深い意味は無く偶然ここに居ただけだ。
シンジが誘うのは早く隠れたいから。1人でも多くの人間に自分の今の格好を見られるのが耐えられないから。
この夜の繁華街では別段コスプレ女が男を引っ掛けるのも可笑しい光景ではないが、そのまま自分の店に戻らずにホテルに入っていくのは珍しくて目を引くだろう。
シンジの足元は今日学校にも履いていった白く短いソックスと同じく白いスニーカー。今の格好には不釣合いで、尚且つ妙に足元の風通りが良い。その所為か酷く寒く感じる。
「別に俺は構わないけれど」
ベリーショートの髪、そして足元のソックスとスニーカー。日頃はボーイッシュな女の子で、こんな少女趣味全開の服装をしているのが恥ずかしいから急かしているのだろうか。
そう思って男が頷くと、すぐに先程と同じ位力を込めて右腕を抱き締められた。シンジの右肘に掛かっているリュックサックがぶつかってきたが、それよりも恥ずかしそうに眉根を寄せながらも積極的に肌を触れ合わせようとしてくる姿が嬉しく思える。
「早く、早く……」
「あ、あぁ。ちょっと、引っ張らなくても行くって」
手首だけではなく二の腕まで細い体のどこにそんな力が有るのか。男は驚きながらもグイグイと引きずられてホテルへと入っていった。頭の片隅で連れ込まれるとはこんな状況か? と思いながら。
ホテルの中に入って先ずは部屋を選ぶ事になる。
どこが良い? と尋ねてもシンジはどこでも良いとしか答えなかった。再び俯いて、右腕にしっかりとしがみ付いたまま。
恐らく同業者と思える女性と老年の男性が出て行く所に鉢合わせてしまったからだろう。誰であっても見られたくないらしい。
「……じゃあここにするか? エレベーターを出てすぐみたいだし」
「はい。……有難うございます」
安心したのかシンジは更に男の右腕を自分の体へと寄せた。
「シンジって呼ばれてたな」
胸を押し当てられているのに膨らみが全く無い。随分と貧乳な娘だな……と少しだけ残念に思いながら尋ねてみる。シンジは1回首を縦に振った。
「何か、変わってるな。本名を使わないにしても、わざわざ男の名前を使うなんて」
「え? あっ……その、僕……」
「自分の事、僕って呼ぶんだ? あぁ、学校は女子校で後輩から人気が有るとか、そう言うタイプ? どっちかって言うと先輩に可愛がられそうな顔してるけど、そう言うボーイッシュ路線で売ってるんだ?」
口を何度か開閉させるが言葉にならない。何と言えば良いのかシンジにはわからない。
完全に女性に思われている。だからこんな勘違いの質問をしてくるのだとすぐにわかった。
素直に自分は男ですと言うべきだろうか。もしそれでならば要らないと返されるのだけは嫌だ。だが女だと大嘘を吐くのも嫌だ。そもそも言われて女装させられた所までは我慢出来るが、自分から女ですと言うのは耐えられない。
「折角だから脱がさないでおこうかな、なーんて」
必死に笑ってみてもシンジは喉を切られた異国人奴隷のように喋りそうで喋らない。
「……喋るの、止められてたりする?」
「あ、いえ……違うんですけど……」
遂には目を逸らされてしまう。緑色のリュックサックが重たそうに肘の下で揺れた。
「……恥ずかしいから、早く行きたいだけです……」
言い終えたシンジは顔を両腕の中に有る男の右腕に埋めた。ヘッドドレスを乗せた髪から甘いミルクの香りが漂ってきそうな程魅力的に見える。
「そうだな、早く行こうか」
恥ずかしがっていながらも甘える仕草。メイド服の美少女がこれから1晩自分の自由に出来る。その状況だけで下半身に血液が集中してしまいそうだ。
鍵を購入し、先程擦れ違った2人が乗っていたエレベーターへ乗り込み、開いてすぐの部屋を開けて入る。その間会話が無かった。
入った部屋の扉を閉めて、漸くシンジが口を開く。
「怖かった……」
「怖い?」
「あ、いえ、ちょっと……万が一知ってる人に会ったらどうしようかなって。……勿論会うワケ無いんですけど」
緑色のリュックサックをドン、と置いて撫で肩を更に下げて溜息を吐く。
「やっぱり、売春……って言ったら悪いか。援助交際してるのがバレると困るもんな」
「いえ……も、勿論困りますけど」
だけど。心の奥底では見付かっても良い。寧ろ見付かって叱られて、この世界から離れる事が出来たら。そんな事まで考えている。誰にも言えずに、そっと思っている。
「それよりも、この格好が」
荷物を置いた為に心も軽くなったのか、少し恥ずかしそうな表情を残したままシンジはスカートの両裾を持って左右に広げる。
――ゴクン
こんな所見られたくないでしょう? と尋ねるように小首を傾げたシンジのその仕草は可愛らしいを通り越して魅惑的に、扇情的に見え、思わず男は生唾を飲み込んだ。
「足は凄くスースーするし……用意してもらったから文句は言えないけれど、トイレで着替えて出る時、本当恥ずかしかったんですよ」
足元に置いた緑色のリュックサックの中身は、恐らくその前に着ていた服なんだろう。
そう頭では思いながらも、体は全く無関係な行動に出ていた。
「えっ?」
少し高めのシンジの声が更にトーンを上げて聞こえる。男の頭上から。
露出されている細い首筋に、まるで吸血鬼がするかのように吸い付いていた。
「あの……ちょ、ちょっと待って下さい!」
早々に汗ばんでしまった右の手の平でシンジの太腿を膝からゆっくりと撫で上げていく。先程の言葉通りほんの少しだけ感触はひんやりとしていた。
しかし手を進めればその分体温の高い所へと進んでいく。このまま進めば蜜を垂らす秘所へ辿り着ける。
1晩だけだが金で買ったのだから、例え嫌がろうと乱暴に押し進んでも許されるのだ。悦んで声を上げる姿を見たいと思う反面、今閉じられた唯一の出口への扉に体を押し付けられている少女は拒んでいる姿こそ見てみたい。
「ぼ、僕……ちょっと、先にトイレ……寒くて、お腹痛くて……んっ……」
更に体を押し付けると、シンジは苦しそうに声を上げた。甘く脳髄を刺激してくる響き。部屋の扉が随分と近くに有るように思えるのは、シンジの体が細過ぎるからだろうか。
「胸無いなぁ」
首筋から耳元へ、優しく撫でるように唇を動かしながら、空いている左手で胸を鷲掴みにした。……本当に胸が無いので揉みしだく事は出来ない。ただ千切るように掴むだけ。
「う、んぅ、ぼ、僕……っ……」
「逆に新鮮で良い」
娼婦と言えば大きな胸で奉仕をしてくる。淫猥な喘ぎ声に不釣合いな学生らしい胸ではそんなサービスは出来ない。
何か言いたそうにしているシンジ。耳を舐め上げると唇を噛み締めて言葉を飲み込んだ。
「……ぼ、くっ……」
――ぴちゃっ
耳の穴を犯すように舌を挿れる。わざと唾液の音を立てて。ブルブルとシンジの体が震えた。いつの間にか両手は男の服の腰辺りを掴んでいる。
「……あ?」
思わず男から低い声が出た。それと同時に、興奮状態に有った筈のシンジの顔が急に青褪めていく。
手を掛けるとそれは随分と色気の無い下着だった。服装と違いレースもフリルも無いし、触っただけで透ける素材ではない事が確かだとわかった。しかも妙に厚手で大きくて……まるで、その作りは男性ものの下着のようで。
ギャップを楽しめと言う意味かもしれない。無意味にポジティブに考えて手の甲で股間を撫でてみる。熱く、湿った感触。自分だけではなくシンジも興奮しているのはわかった。しかし、しかし何かが可笑しい。
下着の奥が妙に膨らんでいる。女性の性器が隠されているとは思えない程に。
「これ、何だよ」
思わず声を上げた後、再び尋ねるようにその謎の膨らみ部分に触れる。今度は手の平で、ぎゅっぎゅっと握るように。
「や、やぁっ……」
甘ったるい声を上げて顔を背ける。短い前髪では困惑と微かな悦楽の表情は隠れていない。
その顔はどう見ても体が未発達で性知識の乏しい美少女の物でしかない。しかし今しがた触れた物は明らかに違う。付いている筈が無い物。
体温を見捨てるようにゆっくりと体を離す。シンジも拒む事無く手を男の服から離した。そして、外に居た時のようにスカートの両裾を掴む。
「……捲れ」
「え?」
「スカート」
「はい。……で、でも」
恥ずかしい、とでも続けようとしたのか。しかしシンジは黙って俯く。そんな事を言える立場ではない。
穿きなれないスカートを捲って下着や性器を見せる事位簡単な筈だ。今までもっと恥ずかしい格好をさせられたし言わされた。見せられたしやらされた。思い出すだけでも恥ずかしい事を。しかしなかなか腕が上がらない。
ギュッと目を瞑り、観念して漸くシンジはゆっくりとスカートを握り締める手を上げていく。
「お前……」
エプロンを止めているリボンの位置、ウエストの位置までスカートが上げられた。触れていた太腿同様、括れが無く平坦で細い腰の色は白い。
それよりも白いのは男が小学生の頃に卒業したが見慣れている男性用下着のブリーフ。そのブリーフを押し上げる半勃ち状態の性器が先端部分に少しだけ染みを作っていた。
「男、だよな?」
微かに震える手でスカートを捲ったままシンジは頷いた。
「何だそりゃ……」
一人称が僕で、髪型は極端なショートカットで、スカートが恥ずかしくて。よく考えれば自分が男だとアピールしているも同然だ。学生服のコスプレ娼婦が言いたかったのはこの事なのだろう。
がっくり、なんて言葉が相応しい程に男は肩を下げて床を見る。置かれているシンジの私物のリュックサックも女性が持つような物ではない事に今更気付いたが、いささか遅過ぎた。
「ゴメン、なさい……僕……」
掠れそうな声での謝罪の言葉は先程とは違う熱い息にまみれていてよく聞こえない。
「その……お兄さんを、その、騙そうとしたとかじゃなくて……」
言葉を探して何度も口を開閉させるシンジ。
目の前の男にだけ晒されている下半身はスカートで影になっている筈なのに白く艶かしい。室温は低くないが、自分から捲っていると風が入り込んでくるようで益々鳥肌が立ちそうだ。
全体的に細身だが捕らえる為に掴んだ肩や腕とは違って一応肉が付いていた。柔らかく、しかし未だ熟していない果実のように妙な固さが有った。
何より外気に冷やされていた筈なのに妙に手の平に吸い付いてくる、手の平を飲み込もうとしてくるあの感触が……忘れられない。
「いいよ、もう」
もう、どうでもいい。
男が床に膝を付いてシンジの右足を抱え込み、その足に口付けるように顔を寄せて頬ずりをする。
「……え? あ、あの、え?」
突然の暖かい男の頬の感触に状況が飲み込めないシンジが頭上で何かを言っている。主語も述語も単語すら無いので何を言いたいのかはわからない。
小鳥の囀りのようなシンジの声の音色をBGMに、太腿の内側へ舌をそっと這わせた。
「ンっ」
少しざらついた生温かい粘液の感触に思わず上擦った声を漏らした。
何かを塗っておいたワケでもないのに何故か舌の上に甘い味が広がる気がする。これが彼の、シンジの持つ肌。
舌を上へと伸ばしていくと独特の匂いが鼻につく。首をグッと伸ばして下着を頬で触れると酷く熱い。ほっそりとした足と下着の奥に生えている物は全く別人の物のような温度差。
「あの、ま、待って……」
再びシンジの息の調子が首筋に口付けた時のようなねっとりとした熱を帯びてきた。
「……さ、きに……先に、少し、トイレに……行かせて下さいッ!」
「あ? トイレ?」
わざと不機嫌そうにスカートの中から尋ねてみる。
「あぅ……はい。……外、今日は珍しく涼しっ……は、あぁ……お腹冷えちゃったからぁ……んンッ! だ、駄目ぇ、あぁっ!」
下着と露出している太腿の間に息を吹き掛け、そして吸うとシンジは話を中断して声を大きくした。
ここはブティックホテルの1室とは言え、扉に張り付いている状態で、もしかすると通り過ぎる赤の他人に声を聞かれてしまうかもしれないのに。
「どうしても行きたいのか?」
下着と肉体の間に唇を押し付けたままの問いにシンジは答えた。
「う、はい、もぉ……あ、もッ、漏れちゃったら、大変だ、から……ア、う、口ぃ……開けないで、くらさ……んぅ……トイレ、行きたいぃ……」
女装してスカートを捲り上げて、そこに数十分前に会ったばかりの男が顔を突っ込んで。その状況だけでも既にシンジの性器は膨張を始め、白く子供臭い下着を膨らませている。
そこで喋られると太腿に男の唇が擦れてくすぐったい。鼻息が丁度下着越しに性器を刺激する。少しばかりべた付いた手が内腿をずっと擦り続けるのもくすぐったい。
否、既にくすぐったいと呼べる域を超えている。そうでなくては下着に匂いのする染みが出来たりはしない。
「はぁ……はっ、あぁ……お腹痛いよっお、おぉ……んぐッ!」
男の鼻がシンジの性器を下着越しになぞる。膝の力が一瞬抜けてシンジはバランスを崩しかけた。
「……そんなに行きたいなら」
スカートから姿を現した男の顔は熱で赤くなっている。しかし表情は赤い顔をしたシンジとは正反対の物。喰う側の生き物喰われる側の生き物の対峙。
喰う側の男がわざとらしくにっこりと微笑んだ。
「連れてってやるよ。俺の前ですれば良い」
返事を待たずに男はシンジの黒い長袖に包まれて尚細い二の腕を掴み、部屋の奥のトイレへと進む。行動の意味が掴めないシンジは数回瞬きをしながらも連れられていく。
トイレの戸を開けて便座を開ける男と、それを同じくトイレの中で見ているシンジ。服装的には逆が正しいのだろうが、流石にそれを手伝いますとは言い出せないでいた。
「ほら」
男が振り向いてシンジに声を掛ける。当然その2つの音では何を言いたいのかわからず小首を傾げた。
その仕草は小動物のようで愛らしい。相手は男で、しかもここはトイレなのに不思議な気分に陥りそうだ。
「しなよ」
「な、何をですか?」
「小便したかったんだろ?」
「……はい」
14歳と言う年齢には抵抗の有る言葉で、シンジの返事はワンテンポ遅れた。
「しなって。俺見てるから」
「何を……え?」
ここまで言われて漸く気付いたシンジは首を左右に激しく振った。
「で、出来ませんよ!」
1歩後ろへと下がる姿も可愛らしいのだが、シンジの目は真剣に拒絶している。
「我慢してると病気になるぞ」
「じゃあしますから、出てって下さい!」
「否、見てる」
繰り返し頭を横に振るシンジ。もう1歩下がろうとした所を大股で男が背後に回り込む。
「嫌です! そんな、そんな変態な事、僕出来ません!」
声も無く男はシンジの細い両手首を左手で掴み、そのまま上へと持ち上げた。
「痛っ!」
まるで手首で吊るされているような無様な格好。
「金の分は何でもすんのが仕事だろ? 男に股開いてんだ、小便位出来るだろ!」
掴んでくる手は力が込められているし、持ち上げる力も相当なのでこのまま足が床から離れてしまうのではないか。
「あ……う……」
そう考えたシンジの口から息を吸えずに喘ぐような声が漏れる。男は後ろに回ってしまったので見えないが、目を見開いて涙を溜めているのだろう。
シンジの声と妄想の中の表情だけで彼が男だからと萎えた筈の体の中心が再び鎌首を持ち上げる。
「……します」
ねっとりとした息と共に漏れた肯定の声。勝手な勘違いかもしれないが、シンジ自身もこの状況に、メイド服で両手を束縛されて放尿を強要されるシチュエーションにそれなりの興奮を覚えているのではないか。そう思わせる鼻からも漏れる熱い息。
「そうか」
左手を少しだけ下げてシンジの腕に引っ張られるという負担が掛からないようにしてやる。しかし手を離す真似はしない。
空いている右手でスカートとエプロンを持ってシンジの口元へ寄せる。
「咥えろ」
拒絶の言葉1つ無くシンジは素直に口を開いてスカートの裾を咥えた。
再び空いた右手はシンジの腹を1度撫で、下着に掛かる。スカートで塞がれた口から小さく「うっ」と呻き声が聞こえたが、聞かなかった事にしてずり下げる。
余り屈むとシンジの両手を自由にしてしまう。これ以上下げる事は出来ないので残念だが下着は膝に掛ける形になった。
それでも前から見る事が出来ればさぞ面白い光景なのだろう。女性の穿くスカートの下に先程からずっと膨張が収まらないモノを隠しているなんて。
そんなモノを右手でそっと触れてみる。
「んっ!!」
シンジは体を大きくビク付かせた。羞恥で赤くなっているか、はたまた青くなっているか、その顔が見えないのは非常に勿体無い。
勃ち始めているがシンジの性器は男の右手に綺麗に収まるサイズ。手の中で熱く脈打つ性器の先端を人差し指で軽く突く。尿道が機能するか確かめるように。
「ふっ……ん、ん……」
男の顎より下の位置に有るヘッドドレスを乗せた後頭部が小さく左右に揺れる。
「ほら、我慢すると膀胱炎になるからな」
この子供は自慰を知っているのだろうか。知っていたらこんな持ち方をするのではないか。他人で同性の性器なのに抵抗無く手の平は裏筋をしっかりと置いていた。そして絡めるように指で包み込む。
「んむぅ……っ」
漏れる声音と鼻息が変わった。より生温かい物に。手の中の性器へ流れ込む血液の早さも変わった気がする。
「早く出しなよ。いつも出してんだろ? 人間なんだから」
背筋に電流を流されたようにシンジの体はビクビクと震える。単純な言葉だけで悦ぶ姿は組み敷かれる側になりたい願望の証にしか見えない。
「んうんぅ……んん、んむぅ」
己のスカートで塞がれた口では何を言っているのかわからないが、発音のニュアンスから察すると、この期に及んで未だ「出来ません」と言いたいのだろう。
「その辺で漏らすワケにはいかないだろ? 早く出しちまいなって」
右腕の角度を変えて肘をシンジの腹に当てる。
「……う、ぐ、うぅ」
甘ったるい声から辛そうな苦々しい声に変わった。何だかんだ言っておきながら、結局かなり我慢していたようだ。
「ほぉら!」
声と格闘家を気取れる位の強い力を込めてシンジの腹を思いっ切り肘で押してやった。
――ショロッ
1度出たら最後、堰き止める事が出来ずシンジは声も無く放尿し続ける。
便器の中へ尿が飛び込む音がずっと続き、その間手に尿が掛かるかもしれないとわかっているのに、男はずっと性器を握り続けていた。目の前にシンジ自身が居て放尿の様子は見えないから、せめて手の平で感触を見る為にと。
最後の1滴まで出し尽くした後、体をブルッと震わせた。
左手を離すと、そのままシンジの両手はだらしなく重力に従って垂れ下がる。しかし右手も離したのに、こちらは未だに重力に逆らっている。
この晩でどれだけこれを絞りつくせるのだろうか……
キター!!!!!!
メイドさんで放尿!!最高じゃないかっ!!!
223 :
:2006/04/25(火) 16:34:35 ID:???
age
中にも放尿やったげて
くそみそテクニックになっちゃう><
あー、毎回思うがうらやましー代われよー
よし、お前俺のなかにションベンをしろ
職人さん…とても気になるところで終わらせて…このいけずぅ
この職人さんのシンジきゅん、めちゃくちゃ好みやわぁ…
こんなにも小説のキャラに嫉妬したのは初めてだ…
職人さん、あなた本当にネ申
まとめサイト作ってもいいのかな
孔雀氏のサイトとかあるのかね
まだ
>>229レスしか消化してないのにまとめサイト?
シンジきゅん受け系のSSまとめサイトが欲しい
自分で作れ
つ 言いだしっぺの法則
作りたい。作るわ!!
ってことで過去ログ下さい…全部消えました…
何のだよ
シンジきゅん受け系のSSのあったログ
落ちちゃったの数スレあったような
>>233 シンジが女性に虐められるSSスレの、落ちるちょっと前辺りの名無しのヤツなら有るけど、要る?
シンジが好きでたまらないスレの人が作ったまとめサイトに受け系SSのまとめページ作ってもらったらどうだろうか。
ちょーだいありがとう
htmlでまとめたらうpして、んでまとめサイトの人に渡すわ
もしまとめサイトと一緒にしてくれるんならさ
突然ですが、先日の続き投下します。
・相手は通りすがりの男です。名無しの上ホモです。LOSですらありません。
・皆の大好きなくそみそ展開にはなりませんでした。期待を裏切ってすまない
・サイト持ってません
・シンジきゅんSSまとめサイト頑張って下さい
「……大丈夫か?」
壊れたか? と顔を覗き込み、口に咥えたままのスカートを引き抜いてやる。黒いスカートとシンジの唇の間に白い糸が架け橋を作り、すぐに折れた。
「人前で、オシッコするなんて……最低だよ……」
させる人間ではなく、してしまった自分が。
そして何よりもシンジ自身を責め立てているのは放尿を終えても未だに膨張が収まらないシンジの性器。
両手を拘束されて女装したまま……そんな状況で興奮するのは恥ずかしい事。男娼の割には乏しい知識の中でもそれは充分に理解していた筈だが、体は頭の言う事を素直に聞いてくれない。
大きく愛らしく、死んだ魚の目と言う表現が妙に当て嵌まる瞳には涙が溜まりきっている。
恋人同士でもあるまいし、慰めに口付けなんて……そう思っている筈なのに男は自然とシンジの肩に左手を回し、今にも悲しみの吐咽を零しそうな噛み締めた唇へと顔を寄せる。
「やっ……」
顔が、背けられた。
「……そんな事、そんな事してくれなくても大丈夫です。オシッコなんて、誰でも……するんだから……」
強がりの証拠に睫毛が濡れている。
その睫毛の水滴も、整いきらない息遣いもわかる程近い位置に顔が有る。シンジの目はこちらを見ている。だと言うのに唇に触れる事は拒まれた。
頭がこちらを向いていない。向こうとしない。
反対の手で後頭部押さえて顔を近付けても、尚拒むように首の限界まで顔を背けるシンジ。
まるで貞操を守る淑女のように。金でその操を買い取ったにも関わらず。
「な、なんだよ……」
気に入らない態度取りやがって。
もう片方の右手でも顔を押さえようと肩から離した瞬間だった。
「止めて下さいっ!」
――ドンッ
狭いトイレの中で突き飛ばされた為に男は壁に背をぶつけた。
「いっ……」
幸いにも便器や壁の出っ張りにぶつかったワケではないので大して痛みは無いが、まさかここまでされるとは思っていなかったので声にならない。
「あ……ゴメンなさ……」
シンジも自分で自分が信じられないと目を丸くしてこちらを見ている。
音が無くて生温い、重たい嫌な空気が流れた。
「っ!」
伸ばそうと上げた手に怯える小動物となったシンジは1歩下がり、そのまま走り出す。
「わっ!?」
走り出そうとした、右足を前に出した瞬間。
ずり下ろされた下着のゴムが限界まで伸びて足枷となった。
どんっと大きな音を立ててシンジは前に倒れ、うつ伏せ状態になる。膝から下は未だトイレと言う空間の中のまま。
「う……」
鼻もぶつけたのだろうか、小さく呻き声を漏らしながら両手で上半身を起こす。
男の視界にはうつ伏せになっているシンジの背しか見えない。自分から走り出して、勝手に転んで、笑いでも起こりそうな現状だ。
しかし男の口許に無意識に浮かんだのは下卑た笑み。
目一杯黒いスカートは広がって捲れ上がり、ほっそりとした足を投げ出して。そこに引っ掛かった下着はあからさまに男性用だが、本来それがあるべき場所が露になっている何よりの証にも見える。 男性とは思えない程丸く張りが有り、しかし女性ではない尻。
辛うじて乗っているスカートが黒いのに淫乱さを見せず、逆に清純を保ってきたような尻が早く開いて欲しいと男を呼んでいる。
「……?」
無理矢理起こされるとばかり思っていたシンジが体を捻ってこちらを向いた。
「……わかった、キスはしない」
男はしゃがみ込んで顔に顔を近付ける。決して唇は触れ合わないように注意を払って。
「その代わり、それ以外の事はしてもらうぞ。未だ1発もヌいてないんだから」
間近からシンジの顔を見たまま、右手で思っていた以上に軽くて安っぽいスカート捲り、その下にある尻に直に触れる。
シンジはピクッと首をすくめたが、目は逸らさない。
「わ……わかってます、ちゃんとします。お金、貰ってますから」
顔が近いからか声は小さく答えたシンジ。
「じゃあ向こう行くぞ」
先にトイレを出て、シンジの顔の前に手を差し伸べる。1度手と顔を見比べた後、シンジは大人しく男の手を借りて立ち上がる。
男に言われて素直に足首を通して下着を下ろし、その場に置く間もずっと手を握っていた。
今からこの手に何をされるのか。そんな不安と、不安に良く似た期待が胸に溜まって苦しいのか、握ってくるシンジの手は微かに震えている。
指は細く骨の感触が強い。指先は荒れているのか肌の他の部分と違い滑らかな感触ではない。大きな手ではないが、子供特有の小さな手ともまた違う。
こんなに愛らしい顔をして新妻も好まないようなエプロンを付けて、それでも尚シンジは同性なのだと改めて実感する。
同性で、今日初め会って、キスすらしていない。それでもこんなに彼に心を奪われている。部屋のド真ん中に有るベッドへ向かうまでの短い間、手を引いて歩ける事が果てしなく嬉しい位に。
シンジはそうは思ってくれていないのだろう。里子に出される幼い子供のような表情のまま無言で歩いている。
所詮は安いホテルなので部屋は広くないし、トイレも狭かった。見ていないが恐らく風呂場も狭いだろう。それでもベッドはきちんと大きさが有り、真っ白いシーツはこの部屋に似合わない位に清潔だった。当然だが。
手を離すとシンジは先にベッドへ向かい、両手をついてよじ登る。
黒いスカートから伸びるのは白いレースと犯してくれと願う細い足。今日は、今日だけはこの体は自分の物。
「あ……あ、の……」
シンジの恥ずかしそうな声。男はほぼ無意識にその所有物になった太腿を撫でていた。
「足が好き、なんですか?」
恥ずかしそうにこちらを向かないまま尋ねるシンジ。
「別にそう言うワケじゃないんだけどな……」
それでも手が勝手にシンジの太腿をまさぐり、気付けば先程も触れた尻を撫でてしまう。女性とは違う独特の感触がある種の薬物にすら思える。
1度グッと強く尻肉を握った後、手の甲で擦る。湿りを帯びていた手の平とは違い、未だ乾燥しているに分類される手の甲の感触にシンジの足先に力が入った。
男の手は尻から腰へ、そして背へと伸びる。
――スッ
四つん這いの状態で見えていないが腰へ触れてくる空気でシンジはわかった。黒いスカートが脱がされた事を。
スカートは足元に放り投げ、露出した下半身を隠すように男は覆い被さり、上から抱き締めるようにエプロンとブラウスの間に手を差し入れてシンジの胸を撫でる。
「あっ!」
胸の膨らみはやはり無い。それでもブラウス越しに胸の先端が硬くなっているのも、心拍がとても早いのもよくわかる。
「手、おっきい……」
恍惚とした声が自分の体の下から聞こえてくるだけで男の下半身に血液が集まってくる。
もどかしさがまた手を勝手に動かす。ブラウスのボタンを1つ1つ順に外してしまう。スカートだけではなく、器用にエプロンだけを残してブラウスも脱がせきった。
「裸エプロンってな」
スカートと反対の位置にブラウスを放る。
「これ以上恥ずかしい事、させないで下さ……」
白く薄いエプロン越しに大きいと評価された手で胸を揉むと、シンジの息が益々上がっていく。
細いと言うより薄い。頼りなく守ってやりたくなる体。否、悪戯してやりたくなる体か。
これが女の体ならもう何も言わず、何もせずに然るべき場所に性器をブチ込んでいるのだが、生憎ながらその場所が無い。
強いて挙げればこの辺りに挿れれば良いのだろうか。
「や、あっ……」
尻の肉と肉の間にスラックスで隠しきれていない怒張を当てるとシンジの声音が変わった。
「嫌?」
密着させていた体を離して肩を掴むと、シンジは抵抗無く四つん這いの体勢から仰向けへと変わった。
未発達で華奢な体は安くて薄いエプロンだけが辛うじて隠している。
胸当ての端から左の胸の突起が見えている。赤く充血しきって、口付けてくれと懇願している色。
「み、見ないで下さい……」
そして下着すら無い下半身はエプロンを押し上げて存在を見せ付けてくる。同性である事を知らしめてくるので見たくないと思っていた筈だが、今は捲り上げてでもその色を見てみたいと男は思った。
羞恥の余りシンジは顔を手で覆い、小さく左右に何度も首を振っている。
両手でシンジの太腿を外側から撫でて持ち上げ、腹筋に負担が掛かりそうだが膝がシンジ自身の肩に触れる位まで押し付けた。
「うっ……あの」
「はい、こう」
離してこちらを覗き見ようとした両手を捕まえて膝の下へ運ぶ。
「も、もう恥ずかしいです! 止めよう……止めて、止めて下さい……」
両手で自らの膝を持ち上げてM字型に開かされたシンジの体の中央で性器はしっかりと上を向いている。
「恥ずか……しい、です……はぁ……」
シンジの性器の先端から男に見られているだけで辛うじて隠しているエプロンを汚し始めている。
それよりも男の興味をそそるのは性器の丁度真下でヒクヒクと荒い呼吸に合わせて動く菊門だった。
「あぁ……もう、もう見ないで……はぁ、見ないで下しゃ……いぃっ……」
誘うかのようにキュッと窄まるその部分はどう考えたって男の性器が挿るワケが無い。それ程までに小さい。斡旋業者は未経験者を間違えて紹介したのかもしれない程。
「じゃあ見るの、止めてあげるからね」
ロリコン親父位しかこんな言動を取らないだろうと自分に叱咤しながらも、男は言い終えて勢い良く下着ごとスラックスを下ろした。
隠す物が何も無くなった男の下半身はシンジが息を呑む程猛々しく勃起している。揺れる白いエプロンに守られているシンジの性器とは明らかに違う。
「う……うぁ……」
赤黒いその怒張で体を貫かれる事を想像してか、シンジは熱の篭もり過ぎた息を漏らす。
骨っぽさばかりが目立つ幼く貧相な体はセックスに耐えられず壊れてしまうのではないだろうか。
しかしガチガチに固まった性器でシンジを貫けば、体に負担は掛かるだろうが拘束されて放尿する事に興奮する性質ならばきっと歓喜の声を上げるだろう。
色々な事が頭を巡っているのに、男の右手は何も考えずにシュッシュッと自分の性器を軽く擦って準備をしている。
不意にシンジが目を閉じて顔を横に背けた。それでも尚熱っぽい息を堪え切れていない。
それを引き金に、男は再びシンジに覆い被さって腰を掴み、性器の先端を潤滑油すら与えられていない菊門にあてがった。
「あ、ま、待って下さ……ンっ!!」
――ぎちぎちぎち……
慣らされていないこの状態ではインサート自体が行えないと気付いたのは少しばかり遅かった。
「いっ!? ああぁあアアあァッ!!」
無理矢理腰を押し進めるとシンジの喘ぎと呼ぶにはお粗末な悲鳴が聞こえる。
実は今日初めて男娼として営業をしたのではないかと疑う位に直腸は狭い。未だ何も受け入れた事が無い位に。
「ん、ン、ん、あ、あぁ、あ……うンゥ……」
細い腰がこのまま壊れてしまうかもしれない。苦しそうな声は歪んだ表情を浮かべ始めたシンジの口からだけではなく、下の口からも聞こえてくる気がする。
「……ち、力抜いて。進まねぇ」
女性の性器に挿れるのと同じだと思い込んでいた男にとってはこんなに腰が進まないのは不思議で仕方が無い。思い返せば肛門を使った性行為等した事が無かった。
「やぁあアぁぅ……お、あ、お……んぅ……」
何とか意識をすれば逆に入ってしまう力を抜こうと、シンジは肩を下げて大きく息を吐く。
多少興奮しても女性器とは違うので濡れてくる事は無い。上等なゴムの狭い空洞の中をただ擦り付けながら出し入れしているだけの空虚感。……それが逆に面白い。
興奮に任せて腰をぐいぐいと進め、血液が集まりすぎて敏感になっている男の性器は届く範囲の1番奥へ到達した。恥骨にシンジの陰毛すら生えていない幼い股間が、男の陰毛で覆われる。
「うぐ、ぐぅ……んっ……」
くすぐったさにシンジから少し違う色の声が漏れる。顔を見れば張り付いた短い前髪の下の目が疲れきっているような、しかしそれでも何かを得たそうな表情が見えた。
左手はしっかりとシンジの腰を抑えながら、右手でエプロンだけが隠している胸を鷲掴みにする。
「……はぁ、あ……め、止めて下さ、いッ……」
掴んでいた薄い胸からエプロンがずれ、胸の先端が漸く見えた。コリコリと勃ち上がっているそれを口に含んで舌で転がせばさぞ面白い反応が見られるだろうが、体格差からして今その体勢には持ち込めない。
人間の体は全てそう作られているのかもしれないが、なぶるようにねっとりと性器全体を包む腸壁はシンジが男に抱かれる為の体を持っているように思える。
胸よりも下半身を、その体を味わい尽くす為に、急速に腰を前後に動かした。
「やっ、だっ、やぁ、痛いっ! ああぁっ!」
腰の動きに合わせて甲高い声が漏れる。
「ンっ! うぅ……あっ、やッ、アぁッ! ぐっ、痛っ、痛いっ、いっ、痛ッ!」
自分の体の下から聞こえてくる声は規則的に苦しむだけで、喘ぎではなく本当に痛みを訴えている。
まるで強姦を通り越してダッチワイフで自慰をしているだけにも思えてしまいそうな程の機械的な声。
「んっ、っ……っ、う、ぅ……」
声を漏らす事すらも辛くなったのかシンジは唇を噛み締め、仕事にも関わらず喘ぐ事を放棄した。見るからに辛い、痛い、と訴えてくる表情を顔に張り付けている。
一層の事腸壁に傷が付いて出血してくれれば滑らかになるのではないか、と言う考えが男の頭の片隅に浮かぶ。
白いシーツの上を踊るシンジの体はどんどん汗ばんでいる。エプロンが折れそうな程細い体に張り付き、淫らな光景となって男の眼下を埋め尽した。
皮肉なものだ。こんなにも相手を苦しめるだけで、自分の性器も余り性感を受けていないのに、卑猥な視覚効果で男は絶頂を予感し始める。
淫猥なその姿をもっともっと見たいが、乱暴に動かすだけではシンジの絶頂に達した表情を見る事は出来ない。
自分が達せれば良いと言う考えは男の中から消えていた。その為にもシンジが快感に溺れる姿を見なくてはならない。最早義務のようにも思える。
1度奥まで深く突き入れ、1呼吸置く。金で買ってやった体にそんなに気を使うのは可笑しいと思いながらも、男は腰を時計回りにゆっくりと動かし始めた。
「うっ……あ、はぁ……そんなにお腹広げない……で、下さい……い、あぁ、はぁっ! うぅん……」
体を離して見下ろす体勢でゆっくり腰を動かす。喋ろうと口を開く度に覗く舌が思いの外赤く、早く吸い取ってしまいたい衝動が更に腰を動かし、腸内でもがくように性器を動かす速度を上げてしまう。
「あ、あぁ……そ、そう、そうやって……もっと、強くぅ……んっ」
強くされればされる程痛いだけなのに求めるシンジ。眉間に皺を作る様子からもすぐにわかる。
「あっんぅ、ふっ! う、んぅ……こんな事ぉ……」
「ん?」
「こんなぁ……あっ、痛ぁい、いぅう……っ……」
前後運動を再開させようにも、根元が菊門の入り口部分にきつく捕らえられて引き抜く事が出来ない。
「何?」
熱を測るように額と額を重ね合わせる。腰を動かすタイミングが悪く少しぶつけてしまって痛かったが、ピッタリと密着させた後はシンジの息を感じながら腰を動かせる体勢だ。
「こっな……事……ても、おぉ……なっも……」
額だけではなく体も重ねたかったが、体格差が有るので額が離れてしまう。それに何より、空を向いているシンジの性器の先端が腹をくすぐってきているので、このまま体を乗せる事は出来ない。
それは同時に、こうして菊門を貫かれるだけでシンジが興奮しきっている証拠。
しかし額を上げて再び顔を見れば、悲しみの涙を零しそうな程に切ない表情しか見えない。
「何、もぉっ……んぅ、変わら、な……いのっ……にぃ、ウっ! んっ……」
どんなに痛みに耐えて体を重ねても、愛情が深まるワケでもない。誰でも良いから誰かに愛されてみたいシンジは、本当は心の奥底で理解している。
男にも同じ事が言える。壊れそうな体で男の精を受け止めたとしても、それはシンジが自分を愛しているからでも何でもない。
愛していないと断言されたような、そんな喘ぎ声に、男は漸く気付いた。腰を動かすよう催促するシンジは客に奉仕しているのではなく、早く終わらせたいだけだと。
「……望み通りに、してやるよっ!」
例えそれが理由で性別不詳の少年の体が壊れてしまっても。
両手でシンジの胸の真下辺りを掴む。この中に心臓も肺も全て詰まっているとは思えない程に細く薄く、内臓全てを精で流し込んでしまいたい衝動が男と彼の性器を襲う。
「ひゃ、あああぁっ! んぁっ、ま、待って! やっ!」
掴んだ体を自分の方へ激しく引き寄せ、同じタイミングで自分は腰を前へ押し進める。乱暴にベッドごと壊す勢いで性器を叩き付ける。
――ギッ ギッ
ベッドのスプリングが突如始まった激しさに耐え切れず音を立てた。綺麗なシーツで隠していても、所詮安物の古いベッドなのだろう。
「ひっ!?」
その音に驚いたのかシンジは目をきつく閉じ、両手を自分の膝の下からベッドのシーツへと伸びる。
自分の手で無理矢理に開いていたシンジの両足は男の体に巻きついた。
「そんなに壊されたいか、淫乱野郎が」
「違っ……あっあぁっ! んぐぅっ!」
シーツを握り締めた手が激しく動く。ズルッと音がして、男からは見えないがベッドのシーツが大きく乱れた。
「んっ、んっ! んンっ! は、あぁ……ぼ、僕は淫乱なんで、すぅ……あっ、やっ! だ、だから、お兄さんの……のぉっ! ん、のぉ……せ、せーえき、射してぇ……え、ぇっ!んぁ、あっ!」
「ナカに射して、大丈夫なもんなのか?」
返事より先にシンジの目が開いた。涙が溜まり過ぎて真っ赤に充血した、舐めれば甘い味がしそうな瞳。
「大丈夫……だい、じょうぶッ!! だか、らぁ……んっ……だからぁっ」
シンジはシーツを離して上へと、男を通り越してモザイク状に鏡が広がっている天井へと手を伸ばした。
「僕、ぼくのぉっ、お腹にィ……だ、射してっ! せーえき、僕の、僕だけの……」
自分だけに、自分の為だけに。今まで何1つ自分の為だけが無かった事への同情でも構わないから。
伸びた手が男の頭を捕らえる。シンジの中を独占している性器は毛髪1本1本にまで広がったかのように、細い指が自分の髪に絡み付く感触と同時に絶頂が訪れた。
―――――
男はシンジの体の最奥へ挿入した状態で精を吐き出した。外へ出すのとも、避妊具の中で出すのとも違う、出した先から狭い世界へ飲み込まれていく感覚は、今まで体験した事の無い、痛い程の悦楽を与え過ぎてくる。
「んぅぁあああアアぁァッ!! あっ! アッ! んぅ、んッ!」
火傷しそうな程の熱を持つ精が自分の体を埋め尽くしてゆく感覚にシンジは声を張り上げ続ける。
性行為の回数自体は決して少なくなかったが、こんな感覚は初めてだ。休む間も無く2回目の射精をしたのかと思う程大量の精がシンジの体に飲み込まれていく。
「うっ! ンッ!! ……あぁ、あ……お腹が、お腹ぁ……」
叫び過ぎで掠れてきた声同様、シンジは両手を大の字を描くように力を抜いて投げた。
その手がベッドを叩く音でこのまま意識もシンジの中へと飲み込まれそうだった男の視界が漸く開ける。
「……いっぱい、お腹にいっぱい、あぁ……お腹の中で精液、ごぷごぷって……僕の、精液も一緒に……」
絶え絶えの息の中から聞き取った言葉にシンジの性器を見下ろすと、先程より縮んで見える。……もとい、彼もしっかりと達している。
自分の性器以外にもシンジの吐き出した少し薄い精が腹とシンジの腹を繋いでいた。尤も、その精の殆どはどこで手に入れたのかわからない安っぽいエプロンに受け止められていたが。
これだけ汗と精に塗れてはもう2度と使えないだろうエプロンをそっと捲る。腹と胸が大きく呼吸を繰り返していた。
男は吐く物を吐き出した為に大きさが大分変わった性器をシンジから抜き出す。
――こぽっ
空気を含んだ液体の音がした。しかし菊門から精が溢れてくる様子が無い。
この細く頼りない体の全てを自分の吐き出した精で満たしたのかと思うと、3回分位は済ませた気がする性器が再び鎌首を持ち上げそうだ。それ程までに男子中学生の筈のシンジの体は色に満ち満ちている。
「ビクビク、ビクビクってしてる……はぁ、お腹の、中で……僕の、お兄さんの精子……はぁ、してる……」
うわごとを呟くシンジの表情も恍惚として色が有る。男は息がなかなか整わないシンジの顔に自分のそれを近付けた。
こうして改めて見れば中性的な顔立ち……と言うよりも、単に幼い顔をしている気がする。犯罪的だからこそ興奮していたのかもしれない。男自身も、シンジも。
「……?」
焦点がなかなか合わなかった瞳がこちらを向いた。右手でシンジの右頬に触れる。
生後間もない乳児のような柔らかな頬。熱がなかなか逃げていかないので妙に熱い。頬をなぞるように親指で辿り、生暖かな息を漏らす唇にも触れる。
「あの……?」
意味の無い行動瞬きを数回。
「いや……何でもない」
誰でも良いからと求めながら、唇にも心にも触れさせてくれない。
腹が痛いのかシンジは仰向けの姿勢からこちらを向くように横になって背を丸めた。眉を寄せて辛そうな、気まずそうな表情を見せる。
「……また、会ってもらえますか?」
「え?」
「今日で、おしまいですか? もう2度と、会ってもらえな……」
「わからない」
質問の言葉が終わる前に答えた。
「……そうですか」
このままでは精だけではなく心ごと飲み込まれてしまう。シンジ以外の事が考えられなくなってしまう。もう2度と会わないと断言する勇気は無いが、ここで会うと約束しては自分が駄目になる。
寝返りを打つようにシンジは男に背を向けた。料金分の情交・肉交は既に終わったのだろう。シンジと話をするにも体を撫でるにも財布を取ってこなくてはならない。
同じように男も背を向ける。もし朝になってシンジが消えずに隣に寝ていたら金を払ってもう1度抱こう、と考えて。
それが、約束の1つすら貰えない事が、シンジの心をどれ程傷付けたか知らずに。
あんたすごいよ…マジ神だよ…
エロなのに…エロなのに切ない…
GJ!!!!
ちくしょう…泣けた…本当に神
今回もありがとう!お疲れさまです!
ageキック
この小説書いた人はネ申!!!!!!!!
神だな…まじ尊敬しちまう…
見事だ。恥じらいといい哀愁が漂うストーリーといい
この神にはかなわん…
読んで下さった皆様、有難うございました。
何か俺1人でこのスレ独占しちゃってるみたいだけど、もし他に書いた人いたら投下して下さい。
とか言いつつ、また書き始めようとしてますが。男娼から外れないよう精進していきます、はい。
シンジきゅん受けSSまとめサイトマダー?(AA略
259 :
609:2006/05/04(木) 03:32:16 ID:???
愛というものについて真剣に考えてるからだろうな…流石
>>260 投下前にワードに貼って読み直すと誤字・脱字が減るからだと思う、多分。
そういう問題かよwww
がんがれ
応援しとるよ
保全さげ
どうも、皆様のネ申って単語と、
>>263の応援に感動してまた投下に来ました。
まとめて投下するつもりだったけど、妙に長くなったうえにオフで仕事の都合あーもうどうでもいいや
・女が相手なので腐女子の人注意
・でもやっぱり男も相手なので注意
中途半端な所で終わるうえにまた名無しが相手です。
――カチャ
午後10時半も過ぎた頃、玄関扉の鍵が開けられた音がした。この決して家賃は安くないアパートの鍵を持つ人間は自分と、単身赴任中の父と、そして義母だけ。
お義母さん漸く帰ってきたか。
両親が再婚してから未だ2年も経っていないが、家族の帰宅は嬉しい。……しかし思い出した、今日は土曜日だ。
また、あの子が……来んのかな。
「ただいま」
少しハスキーな、しかし女性の声。鍵を開けたのはやはり義母だった。
「……お帰りなさい」
そしてその後ろには予想通り1人の少年が見える。
「お邪魔します」
「いらっしゃい」
リビングに歩みを進めた2人から視線を逸らし、再びソファの上でテレビの方へ顔を向けた。
「未だテレビ見ていたの?」
未だも何も10時半だ。ドラマも見所に……と言いたい所だが言葉を飲み込む。
「いや」
低いテーブルに手を伸ばし、リモコンを取ってテレビを消す。どうせ10分前から見始めたドラマ、別に見たかったワケでもない。
「今寝る所」
ソファから降りてリビング以外に2つ部屋が有る内の右側の部屋、自分の部屋へと向かう。2人の横を通り過ぎて。
「テレビは主電源で消さなきゃ……」
「そうだった。忘れてた」
返事だけをして部屋へ入る。その前に横目で2人を見た。
30代前半の義母の顔立ちはまぁ綺麗で、黒なのに嫌に目立つ短いスカートのスーツがよく似合っていると義理の子供ながら思う。
髪が肩で切り揃えられているのも、他は完璧なのに少し胸が小さい所も、もしも『父の再婚相手』として出会わなければ、特別な好意を寄せていたかもしれないと思わせた。
対してその隣に所在無さ気に視線を足元に泳がせている少年は、こうして知り合った為にどんな感情を抱いて良いかわからない。
「あの……」
その見た目に反して自分より4つしか違わない少年、碇シンジが声を掛けてきた。
「……おやすみなさい」
軽く頭を下げて挨拶されると、本当にこんな早い時間から寝なくてはならない気になってしまう。
「おやすみ」
早く寝て欲しいんだろうな。
そう思いながら取り敢えず返事はした。部屋に入り扉を閉め、わざと強い手付きで鍵を掛ける。
閉めて鍵を掛けても、扉越しに2人の会話は充分聞き取れる。
「今日は先週と違う服なのね。残念」
「残念、ですか?」
そう言えば先週のシンジは随分と丈の長い、薄手のニットを着ていた。少し暖か過ぎそうだが、色が薄いクリーム色で華奢な彼の体格には非常に似合っていた。
この時間帯は外で立って客を待っているには少しばかり体が冷える日も有る事を客の子供でしかない男が知る筈も無い。
先週のシンジの姿を思い出すと、恥ずかしい事に股間が盛り上がってくる。あの義母の事だから、恐らく下だけを脱がしたのだろう。長いが性器を隠すには足りないニットの裾を必死に下へ引っ張る姿は想像するだけで体温がぐんぐんと上がってしまう。
いつからか忘れたが、シンジはこの家に毎週のように訪れていた。そして自分が起きていようと、必ず義母と……
しっかりと鍵の掛けた自分の部屋の扉に額を当てて熱を冷まそうと試みる。何も変わらないのは至極当然だとわかっていても。
大きく溜息を吐いて、次いで独り言も漏らしたかったが、声は2人に聞かれてしまう怖れが有る。
「さ、部屋へ行きましょう」
「良いんですか? その……やっぱり寝室は……」
「未だ慣れない? でも毎週ホテルなんて行けないわ。幾ら働いていても、そこまで自由になるお金は無いし……同じ家の中でも、まさかリビングでするワケにもいかないでしょ? それに、どうせあの人全然帰ってこないし」
母が父をそんな目でしか見ていないのかと思うと少し寂しい。
*
……思い返せば、シンジがこの家に初めて来た日は、ただただ驚いた。
再婚しても退社せずに働き続ける義母の仕事を手伝いに来たと最初は言っていた。家で仕事をしている所を見た事が無かったので酷く疑い、部屋を盗み見たのが間違いだった。
夫婦が愛を囁き合う為が理由で、両親の寝室のベッドがダブルベッドよりも更に1周り大きいのではないかと思う程大きなベッドに変わったのは知っている。
思春期を終えて青春と呼ばれる発情期の自分には少し刺激が強いが、折角再婚したのだからその関係自体を否定してはならないだろうと黙っていた。
そのベッドの上で1組の男女が交わっていても何も可笑しくない。
それが父と義母なら。
「うふ、ふ……凄いわ、私のナカで強く脈打ってる……まるで心臓を飲み込んでるみたい!」
「や、あ、ン、あぁっ……あ、うぅ」
短い髪を顔に貼り付けて、激しく上下に腰を、体全体を動かしている義母を見るのは当然初めてだった。
義母は自分の下に有る細い腰を左手で固定して右手に何かを持っていた。
服の上からでも小振りとわかる胸でも、動きが激しければ上下に揺れて女性らしさが溢れている。戸籍の上では母だと理解しきっている相手に、不覚にも生唾を飲み込んでしまう。
しかし自分の目は少し違う所に向いている。
義母の右手には100円ショップでも売っている安っぽくて軽い鎖。そしてその先に繋がっているのは同じく安っぽい犬の首輪。
その首輪を付けているのは、先程夫婦の寝室に連れ込まれた、仕事の手伝いで来た割には何も出来そうに無い、どう見ても中学生前後の少年。そこに向いていた。
鎖を引かれて無理矢理シンジの顔が持ち上げられる。扉の隙間から見ているのでこちらに気付いていないだろうが、涙の溜まった瞳も桃色を通り越して真っ赤になった頬もよく見える。
「ひゃっ!? うんぅ……痛い、キツいです、うぁ……はっ、あっ……」
「痛いの? きつくて苦しいの? 嘘ばっかり、ほら……ふふ、ビクビクしてるわ。シンジ君のおちんちんが、私の……ふっ……ほら、どう? こうしたら、どうかしらぁ?」
「……は、あンぅっ……も、もぉ……んっ!」
2人の声が聞こえてくるが、喘いでいるのはシンジばかりのようだ。それも言葉は否定に近い単語。義母はその声にこそ悦んでいるらしい笑顔が見える。
まるで和式便所で用をたすような大股開きでしゃがみ込んだ状態で、義母は器用に腰を、体全体を上下に動かしていた。
その下でシンジの腰も無意識の内に動いている。と言うより、小刻に震えている。
シンジは自分の性器よりも大きなモノを飲み込めるように広げられている女の性に、ドロッドロに濡らされて絞られ、まるでストローでジュースを飲むかのように吸い上げられている感触に意識ごと吐き出してしまいそうだ。
女性の制欲が盛んになるのは男性よりも遅い時期に有る。その事を考慮すれば若干年は離れ過ぎているものの、義母とシンジと名乗る少年の組み合わせは最適なのかもしれない。
少なくとも40代半ばを過ぎた夫よりも、未だ青い果実という表現こそ相応しいシンジの方が体の相性は良いだろう。
互いに随分と興奮しているのかほんの少しだけ開いている為覗けるこの扉の隙間以外は密室となっている部屋は淫らな水音が響いている。
――ぐちょ、ぐちゅっ
「ンあッ、も……も、お……僕駄目、射ちゃっ!」
ここからではよく見えないが、両手をベッドに固定されているのかもしれない。義母の腰を動かすタイミングとは違う所でベッドが不自然にギシギシと鳴いている。
薄過ぎる胸板が反り返る。シンジはその辛い体勢のまま声にならない声を上げた。
イッたんだ……
自分以外の男が達する所を見るのは初めてだった。
義母も声には出さないが満足そうに天井を仰いで汗と自身の髪の毛だらけの喉を見せている。
「……あっあぁ……シンジ君たら、またイッちゃったのね……さっきイッたばかりなのに」
「すみま、せ……」
叱るとも慰めるともとれる声に、シンジは息も耐え耐えに謝る。
「気持ち良過ぎたから……んぅ……」
「なら仕方無いわね。それに未だ若いもの。もう1回は出来る?」
距離が少し有るのでシンジが何と答えたかは聞こえなかった。
義母が鎖を置いて腰を上げると、繋がっていた場所からシンジの萎縮した性器と大量の体液が零れてきた。途端にむわんと独特の匂いがこちらの鼻まで漂ってくる。
漸く気付いた。自分の息が随分と上がっている。それに体温も。手の平も汗ばんで、何より喉が酷く渇く。
下手にレンタルしてきたアダルトビデオを見るよりも余程興奮してきた。性器もスラックスを下着ごと持ち上げて興奮を示している。
覗きでテント張ってる所なんて見られたら……いや、見られて困んのはお義母さんとシンジって子の方だ、2人が俺の方見るワケ無ぇんだ。
それこそこれは仕方無い現象なのだから、と言い聞かせて。
続く。
キテタネ申―――――!!!
今回もGJ!
文才が目をひいたよ
キトッターー!
毎回すごいよ、応援してますよ!
キテタコレ
毎度毎度あんたは…
GJ!!!!
>>265 ほんま歓迎ですわあ
楽しみにしてますんで頑張ってください
あんたの萌えの前には男女の壁なんざ問題じゃありませんわ
女相手でも受け身シンジきゅん最高だよ!!
いままで女男カプだめだったのに、俺の中で謎のパトスが目覚めたノシ
うおおおおおおお!!
>>275 むしろ女でも受けになれるキャラだからショタ愛好家に好かれてるんだお
その代表的なカプがアスシンだったりするわけで
そこで出すならミサシンだと言ってみる
んだ(´д`)
>>274 ありがとう、本当にありがとう
シンジきゅんが好きな人って男女問わずだから、男女両方読める物を書けるように精進したいと思う
思うだけだけど
ふと目が合った。見られては困ると考えていた所に、究極に最悪のタイミングで。
「ッ!」
声が出てしまったかもしれない。例え聞かれなかったとしても、この走って自分の部屋へ逃げ込む足音は聞こえてしまっただろう。
目が合ったのは義母だった。そして見られたくないと思ったのは……シンジだった。
逃げ込んだ部屋で鍵も掛けずにベッドに飛び乗った。下着も脱がずにファスナーだけ下ろして性器を取り出した。
触れてもいないのに先走っている。何も考えずに左手で根元を抑え、右手の人差し指で掬い取る。指の腹の感触に自身の性器が震えた。
この指が彼女だったら……中学生の頃に覚えたそんな気持ちで、手が勝手に自慰を始めている。
しかし頭に有るのは『彼女』じゃない。父の再婚相手の女性じゃない。その下に居た『彼』が頭に浮かんでくる。
意外とSっ気の強い事がわかった義母を剥ぎ取って、自分がその上に乗る事が出来れば……
シンジと名乗り、また覗き見た体からすると彼はどう考えても同性、男だ。しかし自分の脳内では自由に出来る。胸は見えた通り男の物として、頭の中でシンジの股間は自分が知る限りの女性のそれに摩り替えていた。
先程の見た大量に流れてくる体液はシンジの愛液で、恥ずかしそうに紅色に染まった頬で何かを訴えてくる。
欲しいのか? わかった、挿れてやるよ。
あの清純そうで淫乱な顔は嬉しそうに頷く。そしてぱっくりと開いた桃色のその部分に押し当て、ズブズブと音を立てながらシンジの体に侵入していく。
最奥に突き当たるまでの間シンジは先程の声変わりが全く感じられない甘ったるい声を漏らし続ける。
言葉は悲痛的な物が多かったので、そこもまた脳内で補正を掛けて。
こうしている間にも隣室ではシンジが快楽に負けて喘いでいるのだろうか。どんな関係かは知らないが、今度は命ぜられるままに義母を後ろから突いているかもしれない。
きっとシンジの尻は丸い。触った感触は何にも例えられない柔らかさと固さの間で、押し開けば不浄の筈の穴も綺麗な筈だ。そんな恥ずかしい所は……と顔を隠しながらも、自分には見せてくれるに違い無い。
自己中心的な妄想だとわかっている。わかっているけど手は止まらないし、考えも止まらない。
その妄想の中で右手を引けば、握った鎖に繋がれているシンジの顔に苦悶が浮かび、それでも嬉しそうな息と声でこちらへ訴えてくる。
射精して、僕に射精して。
このまま膣内射精をしてシンジの体の隅々から自分の匂いがするのはとても面白そうだが、それを哀願してくる顔にブチまけるのも良い。
きっとその方が良い。擦る手を止めずに脳内では腰を引き抜いて性器をシンジの顔の前に突き出した。
シンジの目の色に少し怯えが混じった。期待の色かもしれない。怖いと言っているようにも、早くと言っているようにも見える。
―――
びゅくびゅくっ、と汚い音が耳に届いた気がした。目の前には泣きそうな目でこちらを見る精液塗れのシンジ。黒く綺麗な髪にはべっとりと精が絡まっていて、簡単に拭くだけでは取れそうも無い。
無論顔にもドロリと音を立てそうな位に掛かっている。頬から唇へと流れたそれを、舌を出して舐めたりしたら……
実際は辛うじて生きていた理性が右手を動かして取った大量のティッシュに受け止めているだけでしかなく、ゴミでしかないそれはすぐに丸めてゴミ箱へ投げ捨てる。
自慰の後のお約束過ぎる虚無感が襲ってきた。隣室から何も聞こえてこなかった所為だが、聞こえてきたとしたらまた別の感情が湧いてしまう。それは避けなくてはならない。
翌朝早く目は覚めたが玄関が開く音を聞くまでずっとベッドに潜り込んだままでいた。誰かが出て行った後に部屋の扉を開けると誰も居なく、遠くで車の音がしたので義母が車を出してシンジを送ったのだと予想出来る。
この日は未だ、これが毎週続くとは思っていなかった。
この日は未だ、これが続くとしたら怖いだろう思っていた。
しかし今は……
*
ぼんやりと思い返していた所に、扉の奥から変な音が聞こえた。
あぁ、お義母さんの携帯か。
滅多に聞かないが聞き覚えが確かに有る着メロはすぐに止まる。
「もしもし? え、えぇ……」
声色が変わった。明らかに気不味い色に。自分が電話の相手でもないのに息を呑む。
「えぇ……特には。え? はい。あら、そんな事は無いわ」
多分、違うかもしれないけれど、父かもしれない。だとしたら扉を隔ててシンジが黙り込んでいるのも合点がいく。
「ちょ、ちょっと待って」
夫からの電話だったらさぞ焦るだろう。今から若い男を連れ込んで不貞を働くのだから。
これは義母の罰、天罰だ。良い気味だ。
シンジをこの家に連れてきた日から義母は裁かれなくてはならなかったのだ。
夫以外の男に股を開く……否、自分とシンジを出会わせる切っ掛けを作った罪。
土曜日は必ず来る彼が気になって仕方無かった。名前と年は知っているが偽りかもしれない、身長も体重も誕生日も血液型も知らないシンジに恋をしたとでも言うように。
心の何処かではやはり上手くやり抜けられれば良いと思いながら、扉から額を離して背を向けた。
――コンコン
背を向けるとほぼ同時に扉がノックされた。
「はい?」
義母かシンジかわからないが、唐突過ぎて声が裏返った。
「ちょっと開けても良い?」
「お義母さん? 良いけど……」
鍵を開けるとシンジの顔が。義母はその後ろに居た。
「今日はお仕事のお手伝いが要らなくなっちゃったけど、シンジ君をこんな時間に返すワケにはいかないでしょ? だからここに泊めてあげてくれないかしら?」
「……は?」
今まで一応気を付けて丁寧語を使っていたのを、思わず忘れて言葉が出た。この口調で喋る所を初めて見たシンジは少し意外そうにこちらの顔をじっと見ている。
「ほら、年も近いし……ね?」
返事を待たず義母は背を押し、シンジは生まれて初めて歩行を覚えた赤子のようにふらついて部屋へ入った。
俺は良くても、シンジって子の意思は無いのか?
何故かその言葉の為に声帯が震える事は無かった。
「じゃあシンジ君、お金は返さなくて良いから、こっちの部屋で静かにしててね」
「はい」
元から声が大きい方ではないが、シンジは早速声を潜めた。
義母は人指し指を自身の唇に当てて笑顔を向け、そのまま部屋の扉を閉める。
どこに持っていたのか、もしかしたらどこかに置いておいたのかもしれない携帯電話で再び通話を始める声が聞こえた。代わりにこの密室と化した自室に音は無い。
「……意外と外の音聞こえるだろ」
「え?」
「壁もドアも薄いんだ、このアパート。居間の声も、寝室の声も聞こえる。もう暫くしたらお義母さんがオナニー始めるから聞いてるか」
「え? あ、お、オナ……」
途端に顔を赤らめて言葉を飲み込むシンジ。
「……だからさ、聞こえてたんだよ、ずっと。お義母さんが1人でヤッてんのも、君と2人でヤッてんのも」
「え、聞いて……」
「聞いてたんじゃなくて、聞こえてた。聞きたくて聞いてたワケじゃないんだから」
「ゴメンなさい」
「いや謝らなくても……」
恐らく義母との肉体関係ではなく、この言い間違いを謝っただけだろう。そう思うと溜息が出た。
よもやシンジは不倫が悪いと理解出来ない位の子供では? そう思うと肩も下がる。
勿論この場で夫の居る女性と恋愛をするのは倫理的に問題が有るんだよ……と語り出して止めさせようとは思わない。寧ろ……
「結婚したばっかでいきなりガキ……あ、悪い、言葉のあやだからな?」
話を進めろとシンジは2回小さく頷く。
「いきなり若いってか、未だ14だろ? そんな子に手を出すなんて、ちょっと……そう思わない事も無いけれど、でも折角結婚した旦那が単身赴任で会えなくなったら、そりゃ欲求不満にもなるかなぁって思うしさ。うん、特別に悪いとは思わないよ、俺だって」
繕った笑顔を向ける。自分の母親が子供と性交を働いて笑う事は可笑しいと思うが、居心地悪そうに両手に握り拳を作っているシンジを責める気にはなれない。
「でも、さ……お義母さんの事好きなのか? 多分父さん戻ってきたら別れようとか言い出すと思うんだけど……」
本気で恋愛をしているのだとしたらシンジにとって悲しい結末を迎えるだけだろう。
前妻を亡くしてから久しく女性には縁が無いと笑っていた父と大恋愛の末結婚したのは2人の職場でも有名な程。……寛容な会社の為現在も共働きをしている。
「この恋愛が本気なら本気な分だけ、止めた方が良いと思うんだよ、俺は」
これではまるでシンジ1人が心配なだけに思われそうで、実際そうなのかもしれない。
飲み屋で悪酔いした親父が接客している女性に真面目に就職しなさいと言う口調はこんな感じだろうか。なんて頭によぎる。
「別にその……変な言い方だけど、年上の女とそう言う事シたいだけだったら、逆に良いのかもしれないけどな」
こんな淡白そうな顔をして実はその通りなんですーとぐへぐへ笑い出したらどうしようかと思ったが、覗き込んだシンジの表情は陰欝そのものに見える。
「……恋愛なんて凄い事をしてるワケじゃないです」
「そ、そうなのか? 良かった……いや、良いのか? じゃあ何であんな……やっぱりお前もこう、男だから……」
「お金が欲しいから」
遮るように吐かれたシンジの言葉は冷たく尖っていた。
「僕はお金の為に、お金をくれる人とエッチな事してるだけです。だから今日もここに来ました」
「……つまり、その、お義母さんと逆援交してる、ってか?」
そうだとしたら先程の義母の変な発言の意味もわかる。金は返さなくて良い、との言葉の。
「援助交際じゃなくて売春です。援助交際なんて綺麗な名前じゃない。夜中道に立って声掛けてくれた人に金額の交渉して、そしてエッチな事する最低な人間なんです、僕は」
シンジが自分に向かってこんなに長い言葉を喋るのは初めてだ。幼い声と舌足らずな口調。しかし発言の内容は不釣り合いに過激。
「……やっぱり帰ります。こんな汚い人間、お兄さんの部屋から居るのは嫌でしょ?」
「いや! もうこんな時間だし、俺は免許未だ取ってないから送ってやれないし、危ないから! ここに泊まっても何も問題は無いし、俺は別にシンジ君を汚いとか思ってないから……」
「僕の名前、覚えてくれてたんですね」
「まぁ、な」
何だか照れ臭い。こんな状況なのに、シンジが名前を言っただけではにかむから。
「……あの、お兄さんは男が相手だと絶対駄目な人ですか?」
「え!? そんな事は……いや、な、何が?」
「何ってその……エッチな事とか」
先程とは違い単語を言うだけで羞恥を含む表情を見せてくる。
――ゴクリ
「ま、まぁ……絶対駄目って程でもない、かな。は、はは」
返事よりも先に生唾を飲み込んでしまった。シンジに聞こえる位大きな音で。
「じゃあ、今日はお兄さんがお客さんになってくれますか?」
「えっ……」
シンジの言った事にもしてきた事にも驚いた。返事をするよりも早く両手を首に回し、体をもたれるように預けてきた。
身長差が有るのでシンジの頭は丁度胸元に来る。このままシンジの背に手を回せば抱き締める姿になるだろう。
回すべきか否か。
「だ、駄目です……か?」
仕掛けてきたくせに緊張しているらしく声が掠れていた。
続く。
神キター!
相変わらずの良作投下乙です
キテタ!!
男相手でも女相手でもシンジきゅんが…!シンジきゅんがかわゆすぎる!!
GJっしたwww
わーいいところで…いいところでっ!
迫るシンジきゅんにハァハァ
息子!!期待してるよ
シ、シンジ…!!可愛過ぎる!ハァハァハァ
し、シンジきゅーん!!!!!
シンジきゅん
30分 5000円から
くそっ全財産はたいても一晩しか一緒にいられないじゃないか
とりあえず2時間分売ってもらおうか
俺奮発して三時間!
さすがに売れっ子。
身請けしたいがどれほどかかるやら。
つーか続きが気になるぞおぉぉうぅぉぉぉぉぉ
自分の部屋に2人きりで居るが、シンジに関する事は殆んど知らない。
シンジと言う名前、確か14歳。外見的な物を除けばそれしか知らないし、身長体重の細かな数値まではわからない。
言ってしまえば名前も年も嘘を教えられたかもしれない。誕生日や血液型、趣味も特技も物の好き嫌いも何も知らないのだ。
辛うじて知っているのは、シンジが性交している姿。
「あっ……」
かなり強い力でシンジの背を体に引き寄せると、小さく驚きの声が漏れた。傍から見れば誰もが抱き締めていると思うだろう。
「でも俺、そんなに金持ってないぞ?」
口ではそんな事を言いながら、目はシンジとベッドを交互に見ている。下に何も隠せない位低いベッドだが、そこまで狭くはない。抱き締めて改めて華奢だと思う体のシンジとなら、2人分の体重位充分に支えてくれるだろう。
「お金はもう貰ってますから。それに、お兄さんなら、お金……要らない」
今、何て言った?
本当はしっかり聞こえている。しかし小さく消えてゆく言葉の最後の部分は信じがたい。直訳すればそれは、自分とだけは金の為ではない性交をしたい、になる筈。
「じゃあ」
シンジの細い肩を持って体を少し離す。驚きながら見上げてくる目と目が合う。
「宜しく頼……もう、かな」
「はい!」
言葉を聞き終えたシンジの返事。どこか気弱そうな印象を覆す程に意思の強そうな濃紺見える瞳。
「それじゃ……と、取り敢えず、ベッド」
「はい」
性交はいざやろうと意気込んでする物ではない。故に次はどういう行動を取れば良いのかわからず、言葉を噛んでしまう。
対してシンジにとってはお金を受け取りました、さぁやろうと気合いを入れてからするのが性交になるらしく、自分よりは落ち着いて見える。
こんな言動では童貞に見られるかもしれない、と不安を抱きながらベッドに座る。
「……? どうした?」
左側に、枕の有る方に腰を下ろしたが、シンジは座りやすいよう空けた右側に座ろうとしない。それ所か何を思ったのかこちらの目の前に、床にそのままペタリと座った。
「足、開いて座って下さい」
少し低い位置から上目遣いに頼まれては拒む事は出来ない。開く、の意味を理解してほぼ限界に近い両膝を真逆に向けて大股開きへと座り方を変える。
この座り方では床に座っているシンジの視線が丁度股間に向かう。どこか、何かを期待している子供のような表情を浮かべたシンジの顔がそんな位置に有る為、熱が一気に体の中心へと向かった。
清純そうな、何も知らない事を美徳として賞賛されていそうな顔が熱の集まる部分へと近寄る。そして手が伸びてくる。
――かちゃ
金属音。シンジの手元を見れば着替える時と用を足す時の為に有るファスナーを捕らえ、そのまま下へと向かっている。
「わ、ちょ!?」
「何ですか?」
「何って! それ俺の台詞だよ! いきなり何す……」
「口で開けなきゃ駄目ですか?」
何でまた口で? と考えている間にシンジが話を進める。
「その方が好きなら、そうしますけど……でも、涎付いちゃうから良くないと思いますよ」
未だ幼く愛くるしい顔を仔猫が擦り寄る仕草でそのままファスナーの先端を唇で挟み、不器用ながら顔を下に進めて下ろしきった。
外気のひんやりとした感触が下着越しに伝わり、次の瞬間にはシンジの吐息による生温かい感触に変わる。
シンジの丸い後頭部しか見えないが、彼がきちんと口だけを使って下着から既に膨張を始めた性器を取り出したのがわかった。部屋の余り高くない室温と、口が塞がっているシンジの鼻から漏れる息が生々しい。
「お兄さんの、大きいですね」
商売上の世辞なのか本気なのか。確かに服を着ていても遠くからわかる程に勃ち上がったそれは小さいとは言えないサイズになっている。
シンジは捧げ持つようにそっと両手を根元に添えた。
小さく赤い舌を出し、その舌先で性器の粘膜へと触れる。
「っ……」
思わず声が漏れた。散々頭の中で妄想してきた出来事がこうして目の前で事実として起こっている。頭も体もついていけない。
舐めると言うよりも欲する為に込み上げてくる唾液を絡めるように。亀頭部分を砂山で城を作る手順で色々な角度から舌を擦り付けてくる。
「ふ、ん……」
シンジの唇からも息と声が漏れた。実際に舐められる悦も大きいが、視覚や聴覚に訴える物も大きい。頬擦りするように性器の竿部分を頬肉が、そして伸ばした舌先が上下する。
「ピクピクしてる」
感想を述べたシンジの目がこちらを向く。大きく挑発的に誘惑する目。その真下に有る舌は尚も小さく刺激を与えてくる。
更にその下の手が嚢に触れてきた。柔らかな手の感触が一定のリズムを保ってそっと押したり、そっと放したりを繰り返す。
頬が離れ、それ以上に柔らかな唇が性器へと触れ、それだけで先端からは透明な液体が先走った。
ハーモニカを演奏する要領で横から唇を押し当てての愛撫。スライドしながらもほんの僅かに開いた舌がスタッカートを奏でるようにノックしてくる。
「シンジ君、どこで……こんな事、覚えて……」
上がった息での質問は自分の中で解決した。この子はこの外見に反して『これ』を仕事にしているのだ。
もしこんな所を父との電話を終えた義母に見られたらどうなるだろう。部屋の鍵を閉め忘れた事に今更気付く。
義母は今父とテレフォンセックスの最中に違いない。耳を澄ませば淫猥な声が聞こえてくる筈だ。
「何考えてるんですか?」離した唇を少しだけ尖らせ「気持ち良くなれませんか?」
「いや充分凄いよ」
「でも今、全然違う事考えてる顔、してませんでした?」
意外と鋭い。答えない事も肯定と取ったか、シンジは口を開き、自分に出来る限界まで性器を口へと含んだ。
女性器だとしても可笑しくない程熱く粘液の滑った空洞に今度は声も出ない。
「ん、んぉ……」
一瞬性器の先端が喉の奥の柔らか過ぎる肉に触れた。シンジはすぐに少し顔を引く。目に涙を溜めて。
密着したシンジの舌は動かずとも充分な刺激が有る。それが器用に性器をいっぱいに含んで狭い口腔で左右に移動するのだから、性器の高ぶりは収めようが無い。
――ちゅぷっ ちゃぷ、ちゅぷ
唾液の音なのか先走りの音なのか、水音が淫らに聞こえてくる。唇が小さく動くので耳も性器の根元もくすぐったい。
息をする度に男性特有の匂いが鼻腔をくすぐり、咥内では熱い性器が舌に直接脈打ってくる。それらが媚薬として作用する為にくらくらしてきたシンジは、右手を離して自分の股間へと運んだ。
「んふっ、ん……うっうぅ……」
この位置からは見えないがシンジが服の上から自分の股間をゆるく握ったり離したりを繰り返しているのはすぐに見当が付いた。
「気持ち良いの?」
奉仕している側に尋ねるのは逆だと思ったが、つい言葉が口をついて出る。
「ふ、ふぁう……」
頬も鼻も目も羞恥で赤く染まった顔が性器を口にしたまま頷いた。
「じゃあ見せて」
「う?」
「脱いでシンジ君が興奮してる所見せてよ。俺だけチンコ見せてるなんて恥ずかしいだろ?」
舌の動きが止まったのをこれ幸いに口が勝手に動いてしまう。しかしシンジは逆らわずに口から性器を離して立ち上がった。
シンジは急いでシャツを脱ぎ、スラックスにも手を掛けて脱ぎ捨てた。……と言ってもこの場には不釣合いに簡単に畳んで床に置いたのだが。
わざと子供らしく見せる為かと疑いたくなる無地の白いブリーフは、シンジの性器で形を変えていた。性器の先端が有ると思われる部分は小さく色までも変わっている。
じっと見つめていると、シンジは己の下着に手を掛けてゆっくりと下ろす。
「余り見られるのは……その、恥ずかしいです……」
現れた性器も恥ずかしそうにヒクヒクと揺れていた。
下着に覆われる部分は簡単に日焼けをしないのでかなり白く、その中央で天井へ向かっている性器は紅薔薇を思わせる赤さをしている。毎週義母を喘がせていた性器がこれかと思うと不思議な気もするが、未発達なシンジの体や顔付きにはしっくりくる。
自分は至ってヘテロセクシャルだと思っていたが、シンジに限り別らしい。証拠に同性の性器を見せられたのに自分のそれは萎える気配が無い。
「上っても、良いですか? ……ベッド」
「あ? あぁ、どうぞ」
手を掛ける必要が無い低めのベッドはシンジの膝の重みを受けてキシッと1回スプリングが鳴ったが、1人用で安物にも関わらず他の異変は一切見せなかった。
「横になっても良いですよ」
そちらに、と案内するように手を向けた先は枕。ここで仰向けに寝そべってはそれこそ風俗にしか見えないので、足はベッドへと乗せたが横たわらないでおく。
シンジはベッドの足元側へ四つん這いになり、目の前の自身とは違う猛々しい性器を上から口に含み直した。再びあの感触が襲ってくる。
今度は舌を動かさず裏筋にピッタリと付けて、そのまま強い力で息を吸う。
「うっ……」
性器を飲み込みそうな勢いで吸う力とは真逆に、シンジの咥内で生産される唾液は唇の端から側面を伝い落ちてくる。
外気に当てられただけですぐに温度が変わるそれはまるで人の指先のように性器の側面を撫で上げ、陰毛に絡み付いた。
手持ち無沙汰の右手をシンジの頭に乗せた。1度視線がこちらの顔へと向いたが、すぐに自身の口元へ戻る。
抵抗はされていないのでそのまま撫でる。暫く前から毎週のように眺めていた髪に触れる機会がこんな形で来るとは思いもよらなかった。
――じゅっ、ぢゅるっ
咥内を、寧ろ喉の通りを性器に見立てたような愛撫は汚らしい位の水音を立てる。
シンジが吸う力と音を保ちながら無理矢理頭を上下に動かし始めると、遂に射精の予感が背筋を走った。
ゾクゾクと背を駆け上がる寒感に腰が小刻に震える。
「んぷっ、ふ、んむっ……」
その反応に気付いたシンジは顔のピストン運動に加え、舌の腹を押し付けるように刺激し始めた。
吸引力が多少静まっても舌の動きで水音は止まない。
「ふっ、ひゅ、ふ……」
口の中に広がる苦味と妙な酸味の有る粘液にシンジは目を細めた。
頭の中だけではもう何度と無くした行為が出来る。
飲ませるか? いや、顔に掛けた方が……
いきなり限界を感じているにも関わらず脳味噌が冷静に選択肢を打ち出してきた。
義母を抱いていた……抱かれていた時よりも更に赤く見える唇が再び吸引を始める。可愛らしい顔から想像付かないテクニックを身に付けている口は、恐らく性器を咥えたまま離さないだろう。
こうなれば射す場所は1つ。
撫でるようにシンジの頭に置いていた右手に力が入り髪の毛を掴む。シンジは眉間に皴を寄せたが咥内の動きは変わらない。早く射精してくれと言わんばかりに。
「もう……射るッ!」
――――
切羽詰った声が口から漏れたのに続き、性器の先端から勢い良く熱い迸りを射精した。
「ん、んぐ、んぅ、うううぅ……」
喉を射撃するかのように飛び出してくる精をシンジは唸り声を出しながら受け止める。
例え顔を背けたくとも、先程まで撫でてくれていた手がしっかりと固定しているので動けないし、またシンジは避ける気も無い。
「……はぁ」
大きく溜息を吐いたのは、射精が一段落ついたから。数日溜めていた、張り詰めた精を放射し終えて大きさが変わった性器をズルリと音を立ててシンジの口から抜き取る。
少しだけ顎を突き出してシンジが白い喉を見せる。その喉が大きく動く。
――ゴクン
「う……あ、あぁ」
手を離して乱れた髪を整えるように撫でてやってもシンジの表情には不快が張り付いたまま。
「大丈夫?」
「はい……喉が、喉にとろとろした精液がいっぱい絡み付いて、でも……」
言い終わる前に胸へと飛び込むように抱き付いてきた。
「でも、嬉しいです」
言葉と同時に漏れる息は精独特の匂いがして、射した本人としても気分の良い物ではない。しかしこうして腕の中に納まり恋人同士のような言葉を吐かれれば、自然と腕は抱き締め返していた。
ずっとこうしてみたかったのかもしれない。性的に繋がりたかったのではなく、ただ純粋に抱擁したかっただけなのかもしれない。
バッと勢い良く体を離したシンジと目が合う。微笑んだ。微笑み返した。
シンジはどんなつもりかはわからないが妖艶な笑みとは程遠い、テストで100点満点を取って早く誉められたい子供の笑顔にしか見えない。
続く。
キタ!!!!!!
すげぇテクニシャンだなシンジきゅん!
しかし無垢な笑顔と熟知した商売のアンバランスさに何故かちょっと切なくなったよ…‥。
キテタァ!!!!!
毎回ゴチです!!テクニシャンシンジ…こう書くと加藤○のようですが、マジ萌えました。
お兄さんが羨ましくてたまらん
相変わらずスゴス…ポカーンとしてしまふ
ぬふぅ
>>312 下のはまるで二次元の女みたいな体だな・・・
男装か?
つかきめぇ
>男装か?
下の奴は最初見たときマジで抜いたことあるが、そういうことか。
騙された
316 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/03(土) 13:15:55 ID:EKiTngmz
実写じゃん
このスレって男いるの?
匿名掲示板でそんなことを聞くのは野暮ってもんです
新宿や浅草辺りのホモ漫画屋に逝ってみな。
この手のストーリーはショタや隠れホモに大人気
つか虹のショタキャラって男からしたら女とさも似たりだからな
いわばロリキャラの認識の範疇。シンジきゅんに至っては女シンジきゅんとさも似たり
ただそういうアブノーマルに対して耐性が無い人や自称常識人からすると
変態的や単純なホモセクシャルに認知されてしまうんだお
つまり俺が何を言いたいかというと男でもシンジきゅんが好きで何が悪いっちゅうねんていうことだよ
ショタきゅんきゅんするのはシンジきゅんだけ
マジでシンジきゅん以外は興味ない
むう。。俺はそこまではいかないな
実は少年だったら何でもあり
ケンスケトウジにカヲル、極端ムサシにケイタ、何でもあり
ムサシはなかなか心くすぐられるな
シンジきゅんが最強なわけだが
>>322 女のショタコンなら全然トウジとケンスケはありえるんだろうが
俺は考えられんな・・・まだ加持の方がマシだw
シンジきゅんマンセー。ああカヲルに生まれ変わって庵シンジきゅんともふもふしたいおな
貞本カヲルにはなりたくないな
蛇のように嫌われてるし
>>322 単純な少年愛者か
もう俺はガチでシンジきゅんだけ
総受けで美少女並のフェイスで萌えっ子ならなんでもいい
でもシンジきゅんはそれと違って特殊な意味で好き。
よくFFで上記みたいな感じになってるのもあるけどそれはそれでイイ!!と思うけど
なんていうか色んな意味で可愛甲斐があるキャラなんだよな。貞シンはツンツンデレだから
まだ俺のスキルでは萌え所を見つけらねえ
シンジきゅん以外のショタキャラはあんま好きじゃないな
基本的に親父とか、二枚目半キャラが好き
まあシンジきゅんにきゅんきゅんしとるってことは素養があるのかも知れんけどさ。
とにかく孔雀氏のシンジきゅん最高
ツンツンデレな貞シンジきゅんがだんだんと俺になついて
デレデレデレになったところで突き放す、と…
そして泣いてすがる貞シンジきゅん。 を想像して萌えた
男娼してる事をネタに脅してあんなコトこんなコトしたい
お金の関係でいいからシンジきゅんに近づきたい
「……何でお金欲しかったの?」
「え?」
「欲しくて始めたんだろ? こういうの」
「……まぁ、最初は」
今は少しばかり違うが。嘘は吐いていないが、シンジはつい目を泳がせた。
「親の借金で莫大な金額が必要、とかなら何もしてやれないけど、少し位なら貸そうか?」
直接助けになりたい、とは言えなかった。代わりに柔らかそうな頬に手を伸ばし、そっと触れる。
「欲しい物有るって位なら、プレゼントさせてもらえたらって思ってさ」
「欲しい物……」
考えるように瞬きを2回し、頬を撫でる右手を上から抑えた。
「……僕の欲しい物は、こっちです」
顔を向けて手の平にそっと口付けるシンジ。
「こっち?」
期待してしまう。もしかすると、彼が求めているのは自分なのではないかと。
その期待があからさまに目に出ているのか、シンジは目を離そうとしない。
「お兄さんのが……欲しいんです」
熱い息が手の平に掛かる。粘液の塊のような舌も突いて刺激してくる。
唇から手がはがされた。銀に見える糸が2人の間を繋いですぐに切れる。
「ほぁ……」
甘い声を漏らしながらシンジは人指し指と中指の2本を口に含んだ。
先程自分が吐いた精は無いが唾液で充分に滑り、また人間の体の一部とは思えない程熱い。
舌が指の付け根から爪の先までを同じ間隔で舐め上げていく。3回繰り返し、その間に再び性器がしっかりと硬さを持ったのを見たシンジは口から解放する。
「僕の、あの……お、お尻、触って下さい」
遊女を気取りながらも言葉が詰まる。
「触ってもらいたいんです、……ちゃんと綺麗にしてきてるから大丈夫です。嫌だったら仕方無いけれど、そうでもないなら……僕もう、もう我慢出来ないんです!」
途端に表情も声音も変わった。もどかしいのを通り越して苦しいような、苦しみに叫ぶような様子に思わず息を呑む。
「最近ずっと金曜日はNERVに行かなきゃいけなくて、本部からはこっちに来る事出来ないし、土曜日はずっと……ここずっと、お姉さんが買いに来てくれるから……本当は嬉しい筈なのに、変なんだ……」
お姉さん、ってのはお義母さんの事か?
何から話して良いのかわからないらしいシンジの目線は右へ左へと移動を繰り返している。顔を見ないように、少しだけ俯き加減で。
「……男の人とスると痛いし、怖いし、何か……最初は嫌だったんだ。嫌だったんです。でも、でも……僕の体、変になっちゃったんです。ううん、僕が変なんだ」
「変?」
「変なんです……」
1度は離した筈の体を再び寄せてくる。拒む理由は1つも無い。寂しげな細い体を慰めるように抱き締めた。
「何か……ムズムズして、喉が渇いたみたいにお尻がこう……こう、変で……」
言いたい事は大体予想が出来た。所謂欲求不満が性器ではなく性としての役割を持っていない筈の部分に起きて、それが紛れも無い性衝動だと自覚して、そしてそれを恥じている。だから口に出せないでいる。
「……助けて、お兄さん助けて下さい」
今にも泣き出しそうな声。気ばかり焦るのか、息継ぎの音が大きい。
「食べたい物我慢してきた、CDも本も……母さんの事も、父さんの事だって欲しい物全部我慢してきたんだ、我慢して……でも、でもこれだけは! これだけはもう我慢出来ないよ!!」
これ以上我慢が出来ない気持ちは互いに同じ。ここまで求められて何もしないワケにはいかない。
後の事を一切考えず、素早く顔を近付けて唇を奪った。
「ン!? ……ん、ぅ……」
一瞬驚かれはしたものの、塞がれたシンジの唇からはすぐに官能的な声と淫らさで出来ている舌が現れる。シンジの方から舌を出してこちらの唇をこじ開けてきた。
望まれるままに唇を開けばすぐに舌が侵入してきた。自分のそれを絡めれば絡める程にシンジの鼻に掛かった声が聞こえてくる。
柔らかな唇の感触は最初少しカサついていた筈なのに、すぐに2人の唾液で濡れていく。顎が濡れようと相手が吐き出そうと構わずに唾液を交換し合うのを止めない。
甘く愛らしい物だけで作られたようなシンジの咥内。自分の精を放ったばかりだが、味も匂いも無い。全て彼の体に取り込まれたのだ。
伸ばしていた右手でシンジの尻肉に触れた。
「んむぅっ……」
顔が近過ぎるからよく見えないが、シンジは一瞬目を開けてすぐに閉じたらしい。……抵抗の気配は無い。
電車の痴漢はこんな気分かもしれないと思いながら手の平で持ち上げるように揉みしだく。
肉付きの薄いシンジの体の中で数少ない柔らかな肉の有るそこが手に弄ばれまいと揺れているのは本人の意思か。
「ぷはっ……は、早く……」
両者の口が離れると同時にシンジは大きく呼吸をした。期待に応えるように尻と尻の中央に中指を当てる。
待ち侘びていた自分以外の、それも女性のしなやかなそれではない、肉も骨も男として付いている指先の感触にシンジは大きく息を吐いた。
見えないので指先だけで探すと、思いの外簡単に菊門が見付かった。指を早く飲み込もうとヒクヒク動くのがわかる。
「……ゴメンなさ……僕、エッチになっちゃったから……」
「やらしいシンジ君だって可愛いよ」
性に汚されている姿しか見ていないが、本来ならカマトトぶっている位で丁度良い程清楚な外見をしている。
どれだけこんな事を職にしているのかは知らないが、このギャップで客がつき、そうして仕事の回数をこなす度に本人の望まない方へと体が変化していったのだろう。
もう我慢出来ないと言うよりも、もう戻れない方が正しいかもしれない。シンジも、『客』になってしまった自分も。
――ズリュッ
突き立てるように中指を菊門へと挿れた。
「ひ、ぃうぅっ!」
アダルト雑誌か成人向けの何かでは肛門性交の経験者は緩くなると有った筈だが、シンジの菊門の中はかなり狭い。
確かに決して細くはない唾液を少しばかりまぶした程度の中指が抵抗無く入ったが、それだけで穴もシンジの動きも封じきったような印象すらある。
何より妙にヌルヌルしていて生温く……こんな部分を義母が独占していたのが腹立たしい。早く自分の物にしてしまいたい。
「痛くない?」
「……大丈夫、ですっ……」
間近に有る顔に尋ねる。答えには間が有ったが、荒苦しい息の中からちゃんと聞こえた。
シンジは菊門に有る露骨な違和感に顔が青くなり、しかしその違和感が余りにも気持ち良い為に赤くなる。求めていた筈なのに自分でどうすれば良いかわからない。
「痛いの、気持ち良いから……もっと奥までぐちゃぐちゃって、して下さい……」
喋る度に本来は不浄の粘液達が指を締め付けて刺激してくる。
「奥まで……奥まで挿れて下さい、指っ……」
潜めた声が苦しそうだが、それでも指を進めたのは好奇心が有ったからかもしれない。
ゆっくりと進む中指を付け根まで飲み込んだそこは入り口だけではなく奥まで狭い。
1つ1つの細胞が求めてくる。応えるように指を軽く曲げると、小さな膨らみが有った。
「ああぁっ!」
シンジの細い体が弓形に反る。
「い、イイ……もっと、もっとそこっ!」
輪郭を確かめる調子で指を動かすと、まるで腸壁の中でそこだけ悦びの余り腫れ上がっているような形をしているのがわかる。
「あっ! アっ! 痛いッ! お腹と頭、痛いぃイいっ!」
優しく撫でるだけでシンジはガクガクと体を震わせて声を上げた。シンジの指では届かない位には奥なので、どんなに体が疼いても自分では慰められなかったのだろう。
痛がっているのなら止めないと、と喉の奥の方が言っているが、指は止まらずにその部分を執拗に撫でる。
勝手に右手の速度が上がり、既に撫でると言うよりも擦るに近い。聞こえるシンジの声も高さを増す。
「あっ、ひゃっ、だっ、駄目! ま、待って下さっ……うゥッ!」
熱い……?
太股の辺りに何か熱い、火傷はしないが生温いと表現するには温度の高い感触。
――ボタボタッ
視線を向ければ何も纏っていないシンジの露になっている性器の先端から白濁色の粘液が垂れていた。
出した物は明らかに精だが、どちらかと言えば失禁をしたように見える。その位勢いが無く、その位温かい。
「あ……は、あぁ……」
一通り出し終えたシンジが恍惚とした表情のまま視線を自分の粗相へと向けた。
「あ……お兄さんのズボン、汚しちゃった……はぁ、スミマセ……」
「こんなモン洗えば良いから……それより、イッたの?」
敢えて訊く事でもないが、シンジは素直に頷いた。
「……お尻、気持ち良かったです……ぐちゅぐちゅってなって、未だドキドキして、苦しくて、おちんちんがビリビリって……嬉しい、です」
口調はしっかりしているが理性は飛んでいる。息が荒く、卑猥な言葉が次々出てきた。羞恥を忘れたように。
「……指、抜いて下さい……」
「え? あぁ、痛い?」
「抜いて、下さい」
それ以上は何も言わない。求めたり拒んだり、子供同然の外見とは裏腹に随分と駆け引き上手な態度に困惑しながらも指を抜いてやる。
「あの……」
シンジの顔が、体が急に近付いた。嫌気していない白い肌の胸元も今やすっかり火照っている。
「良かった、ここ、ちゃんと……大きくなってる」
同様に火照った細い指先がこちらの性器の先端に触れてきた。未だ幼い両手で亀頭を包まれたかと思うと、スッと下がって付け根を捕まれる。
「これも……これも挿れて下さい、お願いします……」
断る必要はどこにも見当たらない。そしてシンジは返事を聞く前にベッドに足の裏をベッタリと付けてMの字に膝を開き、柔らかく丸い尻を性器の真上に持ってきた。
「……欲しい、欲しいです……はぁ、はぁ……もう我儘言わないから、僕が欲しいのはぁ……これだけ、だからぁ……挿れさせて下さいっ……はぁ、あ……」
今し方射したばかりにも関わらずシンジの性器は再び重力に逆らっている。
「ねぇ、お願い……します……」
こちらも同様に勃起しきっている。そんな性器にシンジは尻肉を軽くぶつけるように触れさせ、挿入の許しを請う。先程指で味わった内壁同様に柔らかさが集まって硬さを作る特上の感触にこちらも先端が濡れ始めた。
「……じゃあ、自分でこのまま挿れて」
嗚呼優しい言葉を掛けて受け入れるつもりだったのに。
「する、僕が、僕がするっ!」
頭の片隅で後悔しながらも、目の前のシンジの表情にその考えもまた飛んだ。
物心付いた頃からずっと欲しかった物を漸く手に出来たような、初めての我儘を初めて聞き入れてもらった笑顔。……自分だけに向けられたと考えると後に立つ後悔もどこかへ消えてしまう。
性器の先端が菊門に触れた。先程久方ぶりに開発された菊門はシンジの言葉とは裏腹に未だ受け入れるには不充分と主張するように小さい。
しかし、ここまで来て戻れる程性欲を制御出来ない。シンジもそれ以上に戻れない所まで来ていた。
――ヌプッ
「ん……」
シンジの唾液が絡んだ指で軽く慣らしただけの菊門も、こちらの先走りを受けて漸く先端だけを飲み込んだ。
低めの声が小さく漏れる。自分は堪えきれたから、恐らくシンジの声だろう。
亀頭だけは全て挿入ったが、そこを区切りとしてシンジの腰は止まってしまった。
「……う、おっき、よ……挿入らない、よ……」
シンジの顔には痛々しい表情が張り付いていた。それでも腰を上げてインサートを中止しようとは思わない顔。
他人の欲望を注ぎ込まれ続けた為に、自分では対処しきれない欲望が体の奥で目覚めてしまった。もし今ここで止めたら心が壊れてしまう。
心を守る為に体を壊す。シンジは大きく息を吸って吐き、再び腰を下ろし始めた。
――みちみちっ
本来の使い方とは違う用途の為可笑しな音が性器を迎えた。
「く、ぅ……」
菊門だけではなく口からも辛そうな声が聞こえる。
ここで止めようか? とだけは言ってやれなかった。漸く直腸へと進んだ竿部分が挟まれ、快感なんて言葉ではまとまらない程の刺激を受けている。
「……あぅ」
小さく漏れた声に再びシンジの顔を見ると、苦痛の中に確かな快楽を見付けた表情に変わっていた。
同性の筈の男の性に犯され、元はいやらしさの無い淡白な顔なだけに余計に淫らに見える。
そんな子供を犯している。
「っ!」
――――
きっとシンジの直腸はドクドクっと精が放たれる音を聞いただろう。視覚効果で思わず抜く間も無く射精した。
「あ、や……だ、お腹……」
2度目とは思えない量の吐精後、それを胎内へ注がれたシンジが呟く。
「悪い! ナカに……」
「どぴゅどぴゅって、お腹に……お尻からお腹、精子が走ってる……手、熱い……」
言葉と同時にポタリと涙も落ちた。
腹を欲しかった精で満たされて嬉しいのか、それともやはり生理的な嫌悪感なのか、理由はわからない。しかしきつく閉じたシンジの目から涙は溢れ、彼の頬を汚す。
それでも尚熱い呼吸を繰り返すシンジ。薄く、尖端の色も薄く桃色に近い胸が大きく上下している。
人間の本能は面白い事に相手を苦しめたと頭で理解しながら、悲惨な凌辱に遭ったような姿に未だ興奮出来た。
「……あ、また……」
性器が3度目に向けて勃ち上がり始めたのをシンシもすぐに気付く。
「今なら……挿入りそうですよ、ね?」
「え?」
返事は声ではなく涙目のままの笑顔。
性器の根元が開放される。シンジが離した手で両方の二の腕を掴んできた。そのまま排泄するような辛い体勢で止めていた腰の降下を再開する。
――ずりゅ
粘液が未だ完全に勃ちきっていない性器を迎え入れる。膣ではないので、この粘液は今自分が吐いた精だとすぐにわかった。
自分の精の中に入っていく事を気色悪いとは感じなかった。寧ろシンジが少しでも痛みを感じないなら喜ばしい事この上無い。
恥骨に重みを感じる。シンジが漸く腰をしっかりと下ろした。
「……んっ」
鼻から出すような甘い息。シンジは二の腕から手を離してこちらの腰の近くのベッドにつき、自ら腰を動かす体勢を取る。
部屋を覗き見ては勝手な妄想に汚されていた体が今理想通りの格好で存在している。理想以上の快楽を与えながら。
「あれ……お姉さんは、こうして動いてたのに……んっ……」
随分と卑猥な体制に持ち込んだものの、この体位で自分が『上』になる経験は無いのか、上手く動けないシンジ。
「あ、あれ……変、こう?」
頭を無理矢理前後に動かして上半身を揺するも、肝心の下半身は動けない。
「こうじゃないか?」
右手を回してシンジの尻に当て、グッとこちらへ引き寄せた。
「んッ!」
こうしている間にもどんどんと膨張してきた性器が体の中心を動かされた拍子に腸壁を擦り、シンジは上ずった声を漏らす。
幾ら持ち上げられそうな程体重が軽いとは言えシンジの体を片手だけで動かすのは辛いし、もう片方の手は後方の下へ付いた状態で今は離せない。仕方無しに腰を左右へと揺らしてやる。
勿論右手は尻を愛撫するのを止めない。愛撫と言うよりは痴漢行為、一方的に尻の感触を楽しんでいるのに近い。
「んぅっ……や、嫌だ、恥ずかし……あ、おぁ……」
腸壁を左右に優しく擦られる感触と、一定のリズムで尻を揉まれる感触にシンジは恥ずかしそうに首を左右に振った。共に太股がふるふると小さく震える。
「……は、あ……ゴリゴリしてて、恥ずか、しいの……にぃっ」
腰の動きを止めても性器に腸壁が絡み付いてくる感触が有る。言葉には出せずとも体は素直に欲しがり、シンジ自ら手探りのまま真似るように腰を動かす。
「アっ!!」
ゴリッとした感触と同時にシンジが大きな声を出した。こんな声を出せば隣室の義母に聞こえるかもしれない。
そう言えば父と電話を使って自慰をしていると思っていた義母の声は全く聞こえてこない。シンジの声しか聞く気が無いから耳に入らないだけだろうか。
「はっ、あっ、ハッ……う……んっ! わかった……わかって、きたぁ……はぁっん……」
どうやらコツを掴んだらしいシンジが腰を上下に動かし始めた。
少しだけ浮かせては下へ腰を叩き付けるだけの未だ不器用な動きだが、性器をきつく絞ったまま粘液に塗れた状態で扱かれるのは苦しい位の悦が有る。
掻き回された為にナカに射した精が動きによって逆流を始めた。室内にズリュッと汚いまでの厭らしい音が響く。
動く度に刻一刻と性器は硬く膨らみ、精と先走りで幾分か滑らかになった筈の腸壁を未だ狭いと感じさせる。
「んんんっ! ……あ、先刻の、痛い所……や、奥!」
性器を咥え込んだまま尻が上下左右に動く。否、回る。直接性器に触れなくても達せる秘所、前立腺を探して喘いだ。
「あっあン、あ……やら、こっち! もっと、グってして! ンぅ……」
先程指で摩擦をした部分に性器の先端が届いたのかシンジの体が大きく弓なりに反り、次いでガクンとこちらへ倒れ掛かってきた。
「……はぁ、ゴメンなさ……」
両手だけでは体を支えきれなくなったシンジは上半身を起こせない。同時に腰の動きも止まってしまう。
「良いよ」
これではシンジも、当然自分も蛇の生殺しのままになる。そう思いシンジを抱き抱える体勢のままベッドへ仰向けになり、空いた左手もシンジの尻を掴む。
「んぅッ……お願い、ずりゅずりゅってして、下さいぃ……おちんちんで、ずりゅずりゅってッ! 僕のお尻、早くぅ……せーえき、ごぷごぷって射して、えっ……」
仰向けの体にうつ伏せで乗っているシンジは支える必要の無くなった手で相手の服を捲り上げた。
「僕はぁ、僕はもう……変態になっちゃっらからぁ……」
荒く熱い息が直に顔に掛かる。服を剥かれて外気に触れていた胸にも、鼓動が早いシンジの胸が触れてくる。人の肌は随分と、火傷しそうな程に暖かい。
「もぉ……うぐ、うっ……苦し、もう……もう僕……」
もう戻れないのかもしれない。この仕事を始めたばかりの不慣れな自分に。この仕事を知らない穢れ無き自分に。求める物を見誤る前の自分に。
言葉にしなければ何も伝わらない。心の奥底の意思に気付いてもらえないシンジはその色も形も良い尻を下から突き上げられた。
「はあぁァァっ!! ん、ン、凄い……すごっ! んぁっ!」
途中まで引き抜いては手の力を抜いて最奥まで突く。腸壁を擦ると言うよりも捲りあげて引き摺り出すのに近い動きに、シンジは喉が嗄れそうな程高い声を上げる。
精と先走りだけでここまで滑らかになるのか、直腸は最上級の締め付けを持ちながらもぬめりが強くなりピストン運動をしやすくなった。
薬物程中毒性が有っても可笑しくないシンジの肌もまた刺激が強い。股間に降りてくる度に体温と柔らかさだけで射精の予感がする。
「んッ、うぅ!」
シンジの左手はこちらの肩を掴み、右手はもぞもぞと腹を撫でている。ふと見るとシンジ自身の腹を撫でる手の甲が当たっていた。
「うゥーっ……こ、こ……こぉ……」
右手の動きは緩やかだが少しずつ速くなる。その手の中に細く幼く、しかししっかりと紅薔薇色に怒張性器が見えた。
「……こっちだけじゃイケないのか?」
先刻は指だけで簡単にイッた癖に。
自分の性器を侮辱しているようなシンジの自慰に苛立った口調で尋ねてしまう。
「ふわ、違いますっ!」
はぁはぁと大きい息の中での問いでも声音が低く、シンジは怯えて目と目が合う位置まで体を離した。
「ひッ!」
上半身の位置を変えた為に丁度シンジが求めていた部分に怒張が触れたらしい。
「んんんっ、あっ! ああっ、アッ……ここ、ら、お尻、広がっちゃ……おっきいので、広がっちゃう!」
爪痕が残るかもしれないと頭を過ぎったが、それでもシンジの尻をしっかりと掴み上下運動の幅を大きくした。性器が抜けてしまう位持ち上げた瞬間に、体を重力の方へと引っ張る。
「あぁ、あ! そこ、らめ!!」
体が離れれば常時ヒクついている括約筋がカリを、奥まで突けば性玩具と化した腸壁が竿を刺激してくる。今までに無いスピードで両方を堪能するように動かした。
シンジ喚きに近い喘ぎ声や繋がった部分の水音に加え、シンジ自身が性器を擦る音も聞こえる。
「尻でイケないのか?」
からかいの言葉を掛けながら深く突き刺した状態で腰を素早く回す。腸壁を抉られてシンジは更に声を上げた。
「んあああぁぁ! もう、もぉっ! らめなの、手が、手が止まららいッ! もう、せーえき、でちゃっ!!」
視界に映るのは間近で右手を性器に添えた状態でシンジは腰を無理に動かして性器でも菊門でも性感を得ようとする姿。
直腸がめりめりと音を立てそうな程に性器を飲み込んでは吐き出す。先に2度射精していたが既に限界だと感じ、最後に1度大きく引き抜いてから最奥へと突き入れた。
「ぐっ」
低く呻いた直後、シンジの内臓全てを精で汚すかの如く達する。
――――
「ああァぁアッ!!」
精を叩き込まれてシンジは再三出し尽くした大声をもう1度出す。
その声と同時にシンジもまた達した。先程とは違う、本当の射精と呼べそうな未だ若く少年らしい精の飛び散り方で。
限界まで反り上がっていた性器の先端から白濁よりも、空気を含んだ所為も有って真っ白に近い程濃厚な精。
ドクドクと激しい音を立てながらこちらの注いだ精も一緒に射したのかと思う程大量に吐き出された精はシンジの胸を汚し、重量に従って垂れてくる。義母と関係を持たなかった1週間分しっかりと溜め込んだのか酷く熱い。
「あ……あぅ……うぅん……」
力を失ってシンジはくたっと倒れてきた。体に乗られては重いのだが、これが少年の全体重だとすると酷く軽い。
「凄く……気持ち良かった……」
シンジの顔はすぐ右隣に有る。横を向く事が出来ない程近く。そんな位置でこんな感想を述べられては、射精後ですぐ戻ってきた理性が再び揺らいでしまう。
「……今ぁ、何時れすか?」
呂律が上手く回っていないシンジの質問に答えたかったが、生憎この位置では時計は見えない。シンジの体を避けないと起き上がる事も出来ない。
「わからないや」
今は暫しこの体温と重みを味わっていたい気分だから、時計を見る事を放棄した。
「そうれすか……」
それだけ残してシンジは黙り込んだ。見てもらえない時計は小さくだが秒針の音をしっかりさせている。それ以外の音は聞こえない。……義母も父との電話に一段落ついた頃なのだろうか。
隣から聞こえるシンジの呼吸が変わった。小さく規則正しい寝息へと。触れ合っている胸の動きも一定のリズムを守っている。
繋がったまま眠るなんて恋人同士でもしないような真似……勿論憧れは有るが、朝起きて悲惨な目に遭うのは簡単に予想が付く。あまつさえ本来物を挿れる部分ではなく、体に悪い事も想像出来る。
何より2人の間にねっとりと絡み付いて存在を主張する精を拭き取りたい。昂っていた時には喜ばしいそれも、冷静になってしまうと少々不快感が有る。
シンジの両方の脇の下に手を入れて細い体を持ち上げる。抵抗無く萎縮した性器はズルリと音を立てて抜けた。
――コポッ
体を完全に起こしているワケではないのでこの位置からは余り見えないが、菊門を抜けながら性器は糸を引いていた。自身に絡み付いた精は2回目の物か、3回目の物かわからない。
「……うぅ」
うつ伏せたシンジの唇から少し苦しそうな声が漏れる。
聞かなかった事にして立ち上がり、ティッシュを数枚引き抜いて再びシンジの隣に腰を下ろして横たわる。仰向けにはならず、彼を見守る事が出来るように横向きに。
胸に垂れてきた精を拭き、次いでシンジの腕を押して体を横にする。拭き取ろうと思った精はシーツが先に拭っていた。
「ゴメンなさい、僕がしないと……」
声に驚いて視線を胸から顔へと移すと、シンジは起きていた。眠たそうな目をしているが、恐らく繋がりがとかれた時に浅過ぎる眠りから覚めたのだろう。
「……お尻痛い」
言い訳にならないと理解しながらもシンジの口からは本音が漏れた。
「痛いなら仕方無いな」
殆どシーツに移っているのでシンジの胸周りは余り拭かなくても大丈夫だろう。拭く必要が有るのは精を大量に注ぎ込んだ菊門の方だ。
――コンコン
突然扉をノックする音。
「お義母さんかっ!?」
間近でシンジの精に汚された菊門を見てみる良い機会かもしれないと呑気に考えている場合ではない。慌ててベッドの隅に追いやられていた掛け布団を引っ張り2人の体を覆う。
「わ! な、何ですか!?」
バサリと大きな音を立てて薄手の掛け布団が2人の姿を隠した。意外と器量が良いのか、足先から自分は頭の上まで、隣のシンジも首元まで掛け布団が隠した。万が一他人が扉を開けても、仲良さそうに密着して寝ているだけに見えるだろう。
――ガチャッ
……まさか本当に他人が、義母が扉を開けるとは。肝心な時に鍵を掛けていない自分を心の中で呪っておく。
「あら?」
掛け布団が顔を、視界を覆っているので見えない。義母が何を見て声を出したのか。しかし声の調子からすると「仲が良いのね」と言い残して立ち去る気はしなかった。
「……シンジ君だけ、起きてたの?」
「は、はい!」
掛け布団の中で思わず盛大に溜息を吐いた。正直者は救われると言う諺をシンジに送る時は『足元を』と付け足してからにしないとならない。
「じゃあ、お洋服を着たら起こさないように私の部屋に来てくれる?」
「はい。……あの、電話は?」
「もう終わったから大丈夫よ」
電話も、通話しながらの相互自慰も終えたのは確かだと艶っぽく少し疲れた声でわかる。
扉の閉まる音がして、モゾモゾと掛け布団内をまさぐる音がすぐ近くでした。
「……行くんだ?」
短い問い掛け。掛け布団の下にもぐってしまった服を引きずり出しながらシンジが答える。
「仕事ですから」掛け布団の上に優しく「……お休みなさい」
このまま疲れているだろうその体を向かわせて、また彼の喘ぎを聞く事になるのか。
折角結ばれたのに。
気付けば掛け布団を投げ捨て、簡単に掴める細い二の腕を捕まえていた。
「……? どうしたんですか?」
体を起こすと目が合う。幼さの上に疲れの色を乗せている顔。
「行かないでこのまま寝ちゃった事にしなよ。そりゃ、俺は君の何でもないかもしれないけど……でも、別に良いじゃん」
何を言いたかったのか自分でもわからないのだから、当然シンジにも伝わっていない。
それでも何らかの意思を汲み取ったのか、2回の瞬きの後に苦笑を見せた。
「お兄さんが嫌なら、もうお姉さんに買ってもらうの止めます。断るの上手くないけど、斡旋……? の人、あのちょっと怖そうな人に言って違う所に行きます」
「違う!」
そりゃお義母さんと穴兄弟になるのは正直勘弁だが。
心の中だけで付け足して、怒鳴り気味に続けていた。
「そうじゃなくて、俺は……君の事何も知らないし、何もしてやれないけど、でも! こんな事シンジ君が続けるのは良くないって事はわかる!」
「……だから辞めなさい、ですか?」
こちらの怒りとは対照的な冷静な声が部屋に響く。声の冷たさに思わず手を離していた。
「知らなくても、ちゃんと欲しかった物を今日、今日ちゃんと貰えたから良いんです。僕がそれ以上欲しがったら駄目なんです」
冷たいだけではなく尖った声。触れる事の出来ない、触れてはならない、触れてしまえば崩れてしまう声が途切れ、再び秒針の音だけになった部屋の中、シンジは静かに下着に足を掛ける。
「もう、今日は終わっちゃっただろうし……」
カチカチと音がする時計は恐らく短針を右側に置いているだろう。
体を繋いでいた時間はほんの一瞬に感じたが、実際は相当時間が経っている筈だ。証拠に相当疲労を感じている。
「……今日、何か特別な日?」
シンジも同じく、もしくは自分以上に疲れているのが見て取れた。服を着る動作が妙にぎこちない。
「はい。ちょっと」
足元に畳んでおいたスラックスを取る為に四つん這いで手を伸ばすシンジ。ついその尻に目が向かう。
「そっか」
先程散々貫いた股間が白い下着1枚で守られているだけの余りにも無防備な丸い尻。
「どんな日?」
こちらから見える真後ろの中央部分に染みが見えた。まさかそんな位置をシンジが先走りで汚せるワケが無いので、注ぎ込まれて早々に逆流を始めた精だろう。
「誕生日なんです、今日」
「……誕生日?」
「はい、誕生日」
危うくもう1度聞き直す所だった。その間にもシンジはシャツに腕を通してボタンを留めている。
「そ、そうなんだ? あー俺知らなかったから何も用意してねぇ……」
こんな状況で、先週と同じように義母の部屋で宜しくする予定が急に変わった状況で初めてまともな会話をする関係の相手からプレゼントを渡されても逆に不安だろう。
しかし頭の中では漸く手に入れたシンジの数字的な情報を何とか昇華したい気持ちが溢れている。
未だ汗でベタ付いている肌を隠すシャツのボタンを留め終えたシンジが静かに首を横に振った。
「もう貰いましたから……それにもう、今日は7日になってるかもしれないし」
時計を敢えて見ないのは、もしかすると未だ12時を過ぎていないかもしれない事への期待。勿論過ぎていようといまいと、特別な変わりは無いのだが。
「誕生日だからって欲しがったりするなんて我儘駄目だってわかってるんですが……でも、皆みたいに特別な日にしてみたかったんです」
誕生日と言うイベントの無い家庭で育ったのだろうか?
興味本意で訊くには返事が些か重そうなので何も言えなかった。
服に足を通す姿はどこにでも居る学生にしか見えないのに、にじみ出るシンジの儚さは細い肩では支えきれない程重たい物で、彼に金で股を開く事等造作も無く思わせている気がする。
「……あっつい……」
どの部分かは言わずに。
着終えてからベッドの上で1度膝と膝を擦り合わせ、シンジは床へと降りて立ち上がった。
「ありがとうございました。いきなり変な事しちゃってスミマセン」
「いや……」
やはりシンジは自分の声と姿で性欲処理されていた事を、今日の過ちを本人以上に喜んでいる事を知らないらしい。
あんなに淫らに叫んでいても根底には酷く純粋で無垢な部分が有るのかと思うと微笑ましかった。
「……あのさ」
部屋を出ようと扉に手を掛けた後ろ姿を呼び止める。
返事も無く振り向いた。知ったのは名前と年と誕生日位だが、もう2度と会えないかもしれないのは酷く苦しい。
「おめでと。……誕生日おめでとう」
驚いて大きな目を更に丸くして瞬きを1回。それからゆっくりと少しだけ寂しさを残した笑顔を見せた。
「ありがとう」
Happy Birth Day To Shinji
うわ、エロい(*´Д`)
GJ!
エロ過ぎGJ!そしてセツナス
最後の誕生日ネタに癒されたよ。
俺もシンジきゅんに誘われたい。
せ…せつねー!
セツナス…。
そんなシンジきゅんにプレゼントあげるよ。
つ《俺の愛》
エロ切ない
誕生日ネタを絡めてくるなんて…反則だww泣くwwww
もう天才だと思いました
361 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/10(土) 03:34:30 ID:YF2Wz05B
シンジキュンかわいいよ
超GJ!
なにこのスレ?
変態の巣窟?
問題ない
シンジに人間としての成長や自立はあるんだろうか?
職人さん、頑張って。
次はもしミサトさんが娼婦だったらっていうスレ立ててもいいですか
別にいいと思うけど類似スレ無いか確認してから立てろよ
ミサトのそういう系スレ腐るほどあるからな
>>365 シンジは成長とか自立とか、した方が良い?
逆に男娼やってる位だからしない方が良い?
>>369 365じゃないけど個人的には自立して社会人的大人になるより人に縋り愛に溺れるシンジきゅんがイイ
>>369 俺は愛ゆえに男娼の泥沼から人間として目覚めてほしい…
まあ職人さんに任せるけど
暴力団の総長クラスに囲われていた女性を思い出した。
老いた彼女は葬式の時莫大な遺産を貰ったそうだが
その愛人の人生を潰し自由と時間を拘束していたことに
老いた893は同情、後悔していたらしい…
だったら囲うなよ
×老いた彼女は葬式の時
○老いた彼女は老衰死した893の葬式の時
374 :
私はアスカ。たぶん3人目:2006/06/11(日) 20:37:22 ID:r9ShEDy2
アスカ「あのー、クラブ男塾ですか?一番人気の男の子お願いします。」
マヤ「一番人気の方ですと・・・カヲル君なんですが、今日はお休みですね。2番人気の子が8時から出勤ですね。予約しますか?」
アスカ「あ、ハイ住所は東京葛飾区・・・M女コースでお願いします」
〜5時間後〜
シンジ「・・・ここか・・・。」
ピンポーン
ガチャ
シンジ「あ、クラブネルフのシンジです」
アスカ「ええええええええ!!あんた!シンジ!?」
シンジ「アスカっ!!どうして?」
アスカ「あんた何て所で働いてるのよ!!」
シンジ「アスカこそ、なんだよ!!アスカって結構えっちなんだね」
アスカ「ち、違うわよ・・・ちょっと、きゃっ!!!」
シンジ「僕を指名してくれてありがとう。今日は楽しませてあげるよ」
シンジは真っ直ぐにアスカを見た。まるで全てを見通すような冷たい目・・・アスカは何も言い返せなくなってしまった。
アスカ「あっ・・・う・・・・」
シンジはパンツの上から執拗にクリばかりをバイブで虐めた。
あっさり自我に目覚める悪寒w
つーかあげんなw
377 :
私はアスカ。たぶん3人目:2006/06/11(日) 20:50:18 ID:r9ShEDy2
アスカ(う・・・なんでクリばっか虐めるのぉ・・そこすっごく弱いの・・・たまんない)
アスカはイッてしまった。
シンジ「僕まだアスカに触ってさえいないよ・・・もういっちゃったの?これで終わりだと思わないでね。僕の仕返しは済んでないんだから」
アスカはパンツを脱がされ、手を縛られ、足も閉じることができないように拘束された。
アスカ(あ、あそこが丸見え・・・は、恥ずかしいよぅ・・・シンジ)
シンジの指がアソコを這うようにしてなぞる・・・。
アスカ「あんっ・・・んっ」
シンジ「一回イッちゃったもんね。こそばい?それとも余計に感じる?」
アスカ(もしかして、一回バイブでいかせたのってわざと!?あ、どうしよう・・・すっごく感じる・・・シンジってばいつの間にこんな知識を・・あっ)
シンジの指がアスカの中に入った。
シンジ「びしょびしょだからすんなり入っちゃうね」微笑むシンジ。アスカは恥ずかしさで高揚してしまい、頬が真っ赤に染まった。
シンジは人差し指でアスカのアソコを出し入れした。どんどん濡れてアスカの液が溢れ出してきた。
アスカ(んっ・・・人差し指じゃものたんないょ〜)
アスカは何かを懇願するように上目遣いでシンジを見た。
アスカの潤った瞳を見て、シンジは微笑みながら、人差し指を抜いた。さっきまでアスカの中に入っていた人差し指はとても温かくなっており、びちょびちょに濡れていた。
シンジはアスカに見せ付けるようにして、その人差し指をフェラするかのようにいやらしく舐めた。
しんじくんとじゃれあいたい><
アスカ「いやっ!!舐めないで!!」
アスカは恥ずかしさのあまり、シンジの右手を押さえ、抵抗してしまった。
シンジ「どうして?」
アスカ「だって・・・その・・・汚い」
アスカ(もー私ってば何言ってんの!?さっきお風呂入ったのに・・・)
シンジ「アスカのなら汚くないよ♪・・・それとも、汚いって罵って欲しい?そういう願望がアスカにはあるの?」
アスカ「ん、いやその・・・何ていうか・・・」
アスカは次の言葉が思いつかない様子で黙り込んでしまった。
シンジはアスカに優しくキスをした。触れるか触れないかぐらいの淡いキス。
シンジ「僕に全てを見せて・・・」
シンジはアスカのアソコに顔を近づけた。
アスカ「やぁ・・・そんな所見ないで!!」
シンジの濡れた舌がアスカのクリを刺激した。
アスカ(!?んっ・・・冷たい)
氷のように冷たい舌だった。激しく舐め続けるシンジ。あたりはぴチャぴチャとやらしい音が響いた。
スレ違いです。LASスレにどうぞ
男娼なので無問題ですね
シンジストを明らかに愚弄してる気がしたが
突然の空気の変化に逆にニヤニヤしてしまった
アスカ「あっ・・・もーだめぇっ!!!」
アスカはまたイッてしまった。その時、タイマーが鳴った。
シンジ「アスカってば感じやす過ぎるよ。もっと調教しないとダメだね」
アスカ(もう、イッちゃった。恥ずかしい・・・)
シンジは帰り際耳元で呟いた。
シンジ「続きは明日、学校でね」
アスカは胸の鼓動が高鳴るのを感じた。
アスカ(学校でなんて余計に恥ずかしいじゃない・・・)
アスカ「お金に困ってるんでしょ?また指名するわ。ハイ60分2万円」
評判良かったら第二話書こうかな?ちなみに半分彼氏にされた実話でした
あー確かにちょっとLASになっちゃうかも。
よし、次からは名前を変えて代名詞にしよう。
そうしれ
>>385 最初はむかついたが
なんか明るくていいかも
女の子向けのエロコメディ小説
彼女「へぇーこれが女専門のデリヘルかぁ〜」
彼女はネットで調べ、顔出しOKのシンジ君を見て手を止めた。
「M性感〜男娼があなたを手でイカせます!!60分1万円。オプション付き!!本番は120分5万円(前日予約の会員様のみ)」
彼女「シンジくんみたいなカワイイ男の子だったら60分1万円って安いよね♪」
彼女はシンジくんを指名した。
シンジ「ここかぁ・・・どんな人なんだろう?前みたいに父さんにそっくりの男だったら嫌だなぁ」
シンジは前にゲンドウ似のゲイに指名され、フェラしたことを思い出した。
シンジ「仕事とはいえ、辛すぎる経験だったなぁ・・・今回は女の人みたいだし、大丈夫だろう!!あ〜でもすっごいデブスだったらどうしよう!!」
シンジが立ち往生してると、玄関が開いた。
彼女「・・・シンジくん??」
彼女は(PCの前のあなたが想像する美少女キャラ、もしくは女の子本人)似の美少女だった。
シンジ(やったー!!こんなカワイイ子が相手で良かったー!!)
彼女の美貌にシンジの股間が熱膨張してしまった。彼女はそれを見ると嬉しそうに微笑んだ。
彼女(良かった。シンジくんってば勃起してる♪シンジ君にチェンジって言われたらどうしようかと思った♪)
彼女「入って入って」
シンジ(うんうん♪入る入る〜)
シンジ「あっ・・・お邪魔します」
シンジ「えっと・・・それじゃ服を脱がします」
彼女「えっ??そ、そうなの?」
シンジ「まずは身体を洗いますね」
彼女はシンジに上着を脱がされ始めた。シンジは彼女があまりにもタイプだったので少し手が震えて緊張してしまっていた。
シンジ(こんな可愛くてキレイな人もデリヘル呼ぶんだなぁ・・・男なんて不自由しなさそうなのに・・・)
彼女(シンジクンが私の服を脱がしてる・・・うー恥ずかしいよー!!ん?シンジクンの手が震えてる・・・カワイイ〜緊張してるのね!!萌えだわ♪)
彼女は全裸になってしまった。彼女は恥ずかしそうに手で隠しきれない胸とアソコを隠しながら
彼女「あの・・・こういうの初めてでどうすれば良いか・・・」
シンジ「あっ・・・じゃぁお風呂へいきましょう」
シンジは自分も服を脱ぎ、パンツ一丁になった。そして持ってきたボディーソープを手のひらで泡立てて、彼女の首へ触れた。
アホっぽくてネタとしては結構面白
無名の女なんざどうだっていい!!
もっとシンジきゅんを萌え萌えと描かんか
彼女「あっ・・・」ぬめぬめしたボディーソープの感覚が彼女を刺激する。
シンジは彼女の腕、背中を優しく洗う。そして彼女の脇に手を入れ、そのまま胸を洗った。
彼女の固くなってコリコリした乳首がシンジの指に触れる・・・
彼女(わ、あわわわわわ・・・恥ずかしさMAX!!!)
シンジは股にも手を入れようとした。すると彼女は足に力を入れて閉じた。
シンジ「あの・・・力を抜いてください・・・ここも洗わないと・・」
彼女「あ、そ、そうだよね・・・」彼女は力を緩めた。
太ももと太ももの間にシンジの手が侵入してくる。。。
シンジ(あ・・・濡れてる)
シンジはワレメをなぞるようにしてキレイに洗った。シンジの細くて長いキレイな指が彼女のアソコを刺激する・・・。
彼女(もう、これだけで十分だょぉ・・・家に帰りたぃ・・・ってここはあたしの家じゃん!!あんっ!もぅ・・・テンパっちゃう。。。)
シンジは足も十分に洗うとシャワーでキレイに泡を落とした。
彼女(シンジくんに洗われちゃうのがこんなに気持ち良いなんて・・・シンジくんってば、すごく優しくてやらしい手つきで洗うんだもん・・・もー本当恥ずかし過ぎる・・・)
シンジ「じゃぁベットの方へ行きましょうか」
彼女は気まずいことを思い出した。
彼女(しまったぁ〜!!!!!こんなに緊張するなんて思ってなかったから、初心者SMコース頼んじゃったーー!!)
何がスレ違いかって、シンジで萌えずにどうでもいい女で
萌える視点で書かれてること。もう来なくていいってマジで
今までのSSもシンジで萌える話だったか?
とりあえず
>評判良かったら第二話書こうかな?
悪かったのでもう書かないほうがいいと思うよ
もうちっと空気嫁よ、そんなの読んでも面白くないし、このスレの趣旨とずれている
せつねえ
シンジ「じゃぁ・・・手を出して」
彼女「シンジくん・・・や、優しくしてね・・(どっきんどっきん)」
シンジ(なんでやねん)
シンジ「うん。もちろんだよ」
彼女「シンジくん・・・・キスしてもいい?」
シンジ「うん♪するする〜♪」
シンジは彼女の唇にキスすると舌を入れた。
シンジ「じゃぁ目隠しするよ?」
彼女(んっ、何にも見えないからシンジくんがどこに触れるか、どこを舐めるかわかんなくてドキドキしちゃうっ・・・)
シンジはバイブを取り出すと、彼女のアソコにあてがった。
だんだんと振動が激しくなっていくバイブ・・・
彼女「んっ・・・あっ・・・」
シンジは舌を尖らせて彼女の乳首のすぐそばにキスした。
彼女「ひゃあっ・・・」
シンジ「乳首もアソコもピンクですごくキレイだよ」
シンジは耳元で囁くと、指で耳をなぞり、舌をだして耳を舐め始めた。
冷たい感触が彼女を襲う。耳元でピチャピチャやらしい音が響く・・・。
彼女「あっ・・・耳すっごく感じるの・・・お願いシンジくん・・・もー我慢できない!!入れて・・・」
シンジはまた耳元で「まだだめだよ」とささやいた。
彼女(あ、あんたはじらしのジーコじゃぱんやぁあああ!!)
いや嵐やろww
シンジの舌は首から、おへその方へ向かっていった・・・。
彼女(ど、どうして乳首舐めてくれないの・・・まだじらす気?バイブも全然入ってこないし・・・クリに当たって気持ちよすぎだよ・・・もー自分でいれちゃおうかな?)
なぁーんて事を考えていると、シンジくんはあそこのすぐそばを舐め始めた。
彼女(あっ・・・そこは太もものすぐそば・・・やんシンジくん・・・)
シンジはアソコの周りを丹念に舐め終わると、指でやさしーくなぞって、耳元でささやいた。
シンジ(外は晴れてるのに、ここは大洪水だね・・・うーん、このセリフだと萎えるかな?よし、オーソドックスに)
シンジ「ここも舐めてもいい?すっごく濡れてる・・・」
彼女(ひょええええええ!!!キタキタキタアアアアアア!!!バッチコーイ!!)
シンジ(さて舐めるか・・・って臭ぇぇえええええ!!!!!)
シンジ「エヴァンゲリオン発進!!」
シンジはすかさずバイブを突っ込んだ。
シンジ(よし!!!これで大丈夫)
〜30分後〜
彼女「ねぇ・・シンジくん・・・目隠し外してもいい?バイブ入れたまんまなの?」
彼女が目隠しを外すと、シンジの姿はなく、金と通帳と印鑑が盗まれていた。
風俗を呼んだ恥ずかしさから、警察に届けることもできなかった。
以上、シンジくんが男娼だったら、詐欺師になるってお話でした♪
403 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/11(日) 22:24:17 ID:r9ShEDy2
保守あげ
>>403 誰かに読んでもらいたいんだったら自演してageないで、誰もが読みたくなる話書けよ
405 :
バナナみるく:2006/06/11(日) 22:32:47 ID:r9ShEDy2
結構おもしろくない??あたしはこういうのん好きなんだけどなぁ・・・。
みんなはエロいのが好きなの?
嫌いだ…ちっとも面白くない。
面白いものは好きだけど、バナナみるくさんのお話はあまり好きじゃありません。
孔雀氏待ち
あきらかにバナナみるくさんの自慰ですね
せめて創作と呼べるくらいに昇華してから投下してください
ま、いっか。商売じゃないんだし♪
こんなんで金とられたら孔雀氏のSSとは別の意味で泣くww
>>411 最初のコテがイタい
あと中学生っぽい
頭悪そう
面白くない
うーん??そんなにダメダメ??
自分では結構おもしろくて好きなんだけどなぁ・・・。
NERVスレの人でしょ?GJもらったら書いていいってあったから頑張ってるんだと思うけど
おもしろいとかの前になんか読みにくかった
きづついた!!みんなは文章すら考えられないくせにー!!
んな酷評するなら、自分らはどうやねん!!書いてみろ。
もうインタネットには二度と書き込まない!!
孔雀さんもこんな所で書いてないで、本出して商売にしちゃえ!!!
いやネタだろ
ネタだよな?マジなの?
小学生は早く寝ろよ
なんつーか、俺も書いてみっかなって気分になったな
相手にすんな。んなことより
>>369の質問について考えようぜ
愛に溺れていくシンジきゅんが見たい
愛に飢えた子だから
たとえかりそめのものでもさ
自分としては真実の愛を手に入れて欲しいところではある
出た意見をまとめると
仮初めの愛に溺れるも、最終的には真実の愛を手に入れて自立出来る程に成長
って所ですか?
リツコみたく若干自分を騙しつつ受け入れてグチョグチョアハンな感じもいいな。
もしくは純情乙女みたく男性客に一目ぼれしちゃって801感丸出しのデレっ子な感じもいいな。
>>424 いちいち煽んなうっとうしいから
アンカーミスじゃないのか
孔雀氏待ちsage
>>429 GJ!!
普通に絵がお上手ですね。幼さが最高です。
>>408>>428 待たせてゴメン。
バナナみるく嬢の人気に嫉妬して名無し女相手の書いてみました。
エロぬるいけど下までスクロールすれば出てきますんで。
酒は嫌いじゃないし男も嫌いではない、ついでに店で着ていた桃色のドレスも今コツコツと音を立てるヒールも茶に染めて巻いた髪も我ながら嫌いではない、この仕事はいい加減疲れてきた。
「あーぁ、地下鉄無くなるまで働かせるんだったらタク券位出してみろっつの!」
思わず大声で独り言を呟いた。最早呟くなんて大きさではない声で。1組の男女がこちらを見た気がしたが、見なかった事にする。
「何よ、ブスのクセに良い男連れ……全然良い男じゃないじゃん。フンだ」
学習して次の独り言は小声にしておく。
日払いなのでタクシー券等貰わなくても金は有る。しかしネオン看板と喧騒で埋め尽くされた繁華街ではタクシーが止まる事は無い。
従業員の中には帰宅前にタクシーを店の近くまで呼んでおく者も居るが、残念ながら彼女はそこまで頭の回転が速い人間ではなかった。
そもそもタクシーとは拾う物で電話をして呼ぶと言う方法を知らなかったりもする。
「家帰るの面倒だな……一人暮らし始めよっかな。あーでもご飯作れないしなー……でもやっぱ今日は帰りたくないなー」
いつも以上に酒に当てられてしまった。ただでさえ季節と言う寒さを忘れた夜、これでもかと薄着をしているのに妙に暑い。鏡を見れば顔は赤いだろう。
「誰かが買ってくれるならウリやっちゃっても良いかなぁーって思ってるかもー」
この独り言を聞きつけて人が来ると思っている辺り、店で偽っている年齢よりも実際年齢よりも更に精神年齢は幼い。
「出来ればオッサンじゃなくて若めの人でぇー、アタシ的には色白美少年系が良いんですけどぉー、流石に少年って程若くなくてもぉー……」
先程の学習も早々に忘れて声がどんどん大きくなる。
「その、好みだったらぁ、別にお金貰わなくても良いかも! 寧ろ払うからぁ!!」
その割には、反応を示して近寄ってくる男は居ない。
「駄目ですか、そうですか」
また自分を一晩とめてくれる予定の無い人間に振り向かれては恥ずかしいので独り言は止めようと心で誓った。
この男女の恋愛を売買する飲み屋街を抜ければホテル街に変わり、それから漸くこの時間帯では閑散としている普通の商店街になる。彼女の住む住宅街までは更に距離が有るが、その商店街まで出れば手を上げるだけでタクシーも止まるだろう。
それまでが問題だ。ホテル街を抜けなくてはならない事が。
本当あのホテルの通り気持ち悪いんだよね。カップルうじゃうじゃしてるし、年増のオバさんとブッサい女子高生みたいのがやったら立ってるし。……売春とかやってんのかな。恥ずかしくないのか聞いてみたいわ。
気付けばその人々が立つ地域、歩みを進める先は繁華街を抜けてホテル街に変わっている。
今日もやはり数組の男女――中には同性同士らしき組み合わせも見られる――がホテルを物色して歩く姿と、妙に妖艶ないでたちの女性が『誰か』を待って点々と立っている姿が見えてきた。
ヒールで歩きにくかろうと早足になる。例え抜けた先が猫1匹通らない商店街であろうと、少しでもこの場を離れたい。
売春行為を働いても良いと冗談交じりに呟いたが、実際にするのは無理だろうと思いながら。
視界の右側に1人の真っ赤なパーティードレスにも思える服を着た女性が、ネクタイを緩めたサラリーマン風の男と話をしているのが見えた。
お金の事話してるのかな……カップルには見えないし。アタシだったらあんな親父絶対嫌だな。幾ら積まれたってお断りだよ。
意図的に顔を少し左側に向けて更にヒールの音を速くした。
せめてもうちょっと綺麗な顔の男が良い! だってエッチするんだから……そっか、エッチすんだもんね。なら色白美少年系童貞男子高校生の筆おろしとかが良いな。
コツ、とヒールの音が止まる。無意識の内に歩道だが道のド真ん中で立ち止まってしまった。
「それなら一層の事アタシがお金出しちゃうかも。いや、待てよ」
再びコツコツとヒールの音を響かせて歩き出す。再びいつの間にか声に出しながら。
「世の中そんなに甘くないわよね。そんな男の子がこんな所に居るワケ無いんだから……」
ふと、視界の左側に何かが映った。それは左側に顔を向けて歩いていたのが幸いした証拠。
遠目でもわかる自分より低い身長、そして細いだろう体躯。余り似合ってはいないノースリーブの黒いシャツとカーキ色の7部丈のパンツから露出する肌は白めだが健康的。
何より清潔に切り揃えた黒髪の下の顔が愛らしい。何を考えているのか、何も考えていないのか、ぼんやりと立ち尽くしている。自分の理想を凝固した碇シンジが。
「居たし!!」
ビクッと驚きを隠さずにシンジが振り向いた。……大声に驚いてか、指を差された事に驚いてか。
目が合う。こちらを向く自分の理想その物から目を逸らせない彼女同様に、シンジもその姿から視線を外せない。
華やかに巻かれた髪型と化粧と、それらと比べれば幾分地味なジーンズ姿。更に浮いた組み合わせのゴールドのパンプス。年は……見るからに年上だが恐らくミサトよりは下だろう。シンジはパッと見で相手の年齢を判断する能力は持ち合わせていない。
同業者には見えないが、昼間働く匂いも見せない女性が自分を指差して大声を上げる。不思議な状況にシンジは身構えるように右手で服の胸元のペイントを掴んだ。
体の向きを90度程左に向けて今にも冷や汗をかきだしそうなシンジの方へと歩みを変える。漢字の苦手な彼女は空気も読めない。
「こんばんわぁ〜」
取り敢えずにこやかな挨拶。
「……こ、こんばんは」
左右に目を配り、彼女が声を掛けたのは紛れも無く自分だと確認してからシンジも挨拶を返す。
彼女の胸に喜びが広がる。挨拶を返された事以上に、その声が嬉しかった。
声変わりを欠片も見せず、と言って耳障りな甲高さも無い。喋り方も幼く、それでいて媚びても聞こえない。
まさに自分の空想の世界から抜け出してきた王子様が今目の前に居る。
「ねぇ君、名前は?」
歩きながら尋ね、気付けば2人の距離は会話に丁度良い近さになっていた。
「シンジ……です」
壁に背を預けていたので逃げられなかっただけのシンジは素直に答えた。
「シンジ君だって! 可愛い名前ね!! ね、何してんの?」
「……え、と……仕事、かな」
「仕事? 何の?」
「それはその……」
視線を足元に落としてシンジは黙り込む。
「こんな所でいけない仕事してるの?」
尋ね直しても少し唇を尖らせるだけで返事は無く、俯いた顔を上げようともしない。
「その服可愛いね」
「……どうも……」
真っ黒いだけでシンプルなシャツには中央には赤で蝶のペイントが施してある。
「それ女物じゃない?」
手を離した胸元は筋肉も贅肉も無い為平たく、余程強く握っていたのか皺が付き、蝶の形も歪になっていた。
「そう、です……」
これだけ小柄ならレディースのMサイズ……否、Sサイズや子供服でも事足りるだろう。
「可愛いね! めちゃめちゃ可愛い! アタシの服とか着せちゃいたい!」
「お姉さんの服ですか?」
俯き加減のままだが漸く目線をこちらへと向けてきた。
「……お、お姉さんって言った!?」
「すみません、名前知らないから……」
可愛い、可愛いなんてモンじゃない! もう駄目だわ!!
上目遣いに見上げてきていた顔を漸くしっかりと上げて、シンジは2度瞬きをした。名前の催促、もしくはこの会話の終了を求めて。
「ね、もしかして本当に悪ぅ〜いお仕事してるの? 幾ら? こういうのって、相場は幾らなの?」
「え……そうば?」
求めていた物と全く違う言葉が続き、シンジは再度瞬きをして目を細めた。
「アタシね、仕事帰りだからちょーっとはお金持ってるの。シンジ君ならウリやってもお金取らない所か、寧ろアタシが払っちゃうって言うか!」
「あ、え? あ?」
「ねね、幾ら位? それとも『お姉さん』が筆おろしって事で、やぁだ、お姉さんだって! シンジ君超可愛かった! ねね、もう1回言ってみてぇ〜! あ、お姉ちゃんでも良いな」
辞書を引いたら出てくる事は無さそうな正しくない、法則性の見えない崩れた日本語を辛うじて聞き取れてはいるが、シンジには全く理解出来ない。
「あーでもでも! 名前呼ばれるってのも良いかも……シンジ君ならさん付けは外せないわよね! ね、アタシ名前……」
「シンジちゃん」
景気良い彼女の声にも、戸惑うシンジの声にも属さない、落ち着きの有る女性の声が2人の周りを囲む空気をしんと静まり返らせた。
「あ……」
シンジの顔に安堵が浮かぶ。
「女の子がつくなんて珍しいじゃない。良かったわね」
「あ、あの、この人は……」
「あら、もしかして金額交渉? シンジちゃん、本当にそういうの苦手なのね」
赤茶けた髪をアップにし、体にフィットしたドレスにも近いワンピースを着た、派手な化粧の下は30代を軽く過ぎているだろう女性。
「へぇ……未だ若い女の子じゃない。シンジちゃんは幾ら位が良いの?」
教えてごらん、と顔をシンジの顔へと近付ける。……独占されたようで、妙に腹立たしい。
「何このオバさん」
「オ、オバっ!?」
突き飛ばすようにシンジを離して屈めた姿勢を正した。彼女よりも幾分背が高いので高圧的に見える。
「誰がオバさんよ、この小娘!」
「オバさんはオバさんでしょー! 何でアタシ達の話に入ってくんのよ。本当ウザい!」
「あの……」
「あのねぇ、どうせ大した金も持ってないんでしょ? あんたみたいな小娘がシンジちゃん買ってったら、先週来てた組の人に風呂に沈められるだけよ」
「お風呂ぉ? アタシ泳げるから沈まないもん」
「本当わかってない小娘ね。風呂に沈むが言葉通りと思ったら大間違いよ」
「じゃあどういう意味なのか言ってみなさいよ! うっさいオバさんね!」
「あの、僕は……」
「あぁんたねぇ……そりゃあんたみたいな小娘からしたら、確かに私は年上かもしれないけど」
「そうでしょ、オバさんでしょ!」
シンジは延々と続く年齢と外見年齢と精神年齢の話を聞かされる事になった。
寒風に吹かれながら十数分、漸く話が娼婦の年齢ならば売春の相場は幾らか、そしてシンジだったら幾らになるのか、と言う方向へと流れる。
「でもでも、アタシ今お財布に3万円しか入ってない」
「じゃあ諦める事ね」
「何でそんな事オバさんに言われなきゃなんないのよ! アタシはシンジ君と話したいの!」
「シンジちゃんは金持ってない小娘とは話なんてしないわ。さ、こんな馬鹿みたいな子は放っといて、私と一緒に違う所行きま……」
「あの!!」
娼婦の言葉も、それに反論しようと口を開いた彼女の言葉も、シンジの大声で掻き消された。
「もう2万円で良いです。2万円払ってもらえるなら行きます。それも駄目なら僕ここに残ります」
駄目ですか? と問うような見た先は娼婦の方。
「……2万円なんて安売りするモンじゃないわ! そんなの本番無しか顔出し無しのAVじゃない」
「じゃあ2万5千円なら良いですか?」
「そうね、最低でもその位は取らなきゃ……シンジちゃんは特売しちゃ駄目よ」
この時間までシンジが客を得ないのは珍しい。余程男に買われたくない日なのか。そんな日は一層、誰も相手にせず家に帰った方が良いと、長年この世界で生きてきた娼婦は考える。
自分の持論の押し付けは良くないと思いつつも、つい口に出してしまう。……生憎ながら一瞬にして娼婦と対立関係に展開した彼女にはそれこそが年を重ねた人間の行動に見えるのだが。
「2万5千円です。ホテル代は別で、それ以下には出来ません」
はっきりと告げるシンジ。先程の主体性を欠いていそうな口振りとは違う、意思をしっかり持った言い方に彼女は戸惑った。
そしてその戸惑いを勝手に胸の高鳴りにした。こんな一面も持っているのかと。
「オッケーバッチオッケー。今日超ツイてる!」
バッとシンジから熟した娼婦へ視線を向け直し、失礼にも右手人指し指を相手の顔へと突き付ける。
「アタシが買ったんだからね! お金無くてウリやってるオバさんはもう口出ししないでよ!」
塗りたくった化粧の下が怒りの赤に染まってゆく。
しかし真っ赤な唇を噛み締め、シンジを一瞥すると何も言わずに背を向けて立ち去った。
娼婦の姿が1度も振り返らず闇の深い曲がり角へ飲まれた時、彼女は手を漸く下ろす。
「あーウザかった! 何なのよあのオバさん、マフィアの愛人みたいな格好してさ」
あながち外れていない例えにシンジは顔に苦い笑いを浮かべた。
「あのオバさんさ、シンジ君の何なの? 売春やってる人って、一緒に仕事してる人にお客さん譲ったりするモンなわけ?」
小首を傾げ短く考えた後、静かに首を左右に振る。
「始めたばかりの人は人を選ぶけど、慣れてきたらどうでも良くなるって言ってました。だから変な客が居たら自分を買ってもらおうとする……他の人のお客さんも欲しいって横取りみたくする人も居ますけど、今の人は違います。多分、良い人」
そもそも『一緒に仕事』という観念は余り無い。
「何だか難しそうだけど、アタシもやろっかなー。風俗と水商売じゃ全然稼ぎ違うみたいだし。羨ましいなぁー……」
「止めておいた方が良いと思いますよ」
呟いたシンジは続け様に溜息を吐く。
「……シンジ君もウリやってるんだよね。あのオバさんみたいに男の人相手にしてんの?」
「両方……かな」
「え、シンジ君、ホモの人? 違うよね、可愛いだけで違うよね。こぉーんな可愛い子がホモなんてアタシ許せないし! あ、でもでも、耽美って言うの? そんな感じのなら似合いそう!」
「はぁ……」
「こう、美少年同士でさ、先輩と後輩みたいな関係でさ! あーでも実際ゲイビデオとかってキモいオッサンしか居ないんでしょ? そう言うのは、ちょっとねぇ〜……」
口数が多いと人を表す言葉に有るが、それだけでは彼女を表現しきれない。言うならばマシンガントーク。
「それよりも、シンジ君! シンジ君ってさ、どんな人が好み?」
「……暖かい人」
自分はどうだ、と尋ねる前に意外な答えが返ってきた。
「心が、とか?」
「物理的に……今日、ちょっと冷えるから……」
見れば剥き出しのシンジの二の腕は鳥肌が立っている。その二の腕を両腕で擦るのだから、尚寒々しい。
「寒い?」
思い返せば彼女は勤め先でいつも以上にアルコールを摂取し、つい先程まで見知らぬ女と討論を繰り広げていた。
「そっか。じゃあ……ね、そこのホテル入っちゃおっか」
当然指したのはシンジが背もたれ代わりにしていた塀の主たる1件のブティックホテル。
視線を合わさずにシンジは間を置いてコクリと頷いた。
躊躇ってる? 躊躇ってるの? 超可愛い!
早く抱き締めてしまいたい。ここが屋内だったとすれば、ただでさえ崩れやすい上にアルコールまで注がれた理性を破壊して強く抱き締めていただろう。
「行こ行こ! ……大丈夫よ、怖い事なんて無いんだから! うふふ、ちょぉっと大人にな・る・だ・け!」
人差し指を立てる彼女の姿にもシンジはどこか恥ずかしそうにしている。
羞恥を捨てきれていないのは事実だが、すぐに入れるようにと個人的に気に入っているブティックホテルの塀に寄りかかっていたのも真実。
そんな真実は露知らず、夜の風に当てられて冷えたシンジの二の腕を掴んで、とても恋人同士には見えない腕組の状態で正面玄関へと向かう。
能天気に属する彼女は未だ気付いていない。これが買春、男娼を金で買い上げた、と言う行為になる事に。
シンジがこのブティックホテルを気に入っている理由は唯1つ。安くて清潔だから。
決して行為を楽しみたいとは考えていないシンジにとって、広さも鏡も面白い玩具も冷蔵庫すらも別段必要無い。
交渉した金額は『ホテル代込み』になる事も多い。その際に取り分を多くするには安い事が1番だ。……尤もそれよりも先に清潔である、清掃を怠っていないと言う前提の条件が有るのだが。
元より比較的安く、更にはこの時間帯ならば割引も有る。1番安い部屋は正直狭く、風呂も余り広い物ではない。
それでも彼女は全体的に桃色で統一された部屋を気に入った。
「へぇー……アタシ、ホテルって入るのこれで3回目なんだよね。彼氏一人暮らしだったからさ、彼氏ん家で……って言うか別れちゃったんだけど」
部屋と風呂の間に有る洗面台の鏡に映る自分を中心に、キョロキョロと辺りを見回す様子は3回目と言うより初めて都会を見た田舎娘にしか見えない。
「そうなんですか」
入り口付近から動こうとしないシンジの返事も素っ気無くなる。
「顔はイマイチでお金も無かったけど、あったま良いから結構好きだったんだけどなぁー……あー思い出したら寂しくなってきちゃったー」
頭の良い人間なら別れるのも当然だろうと心の奥底で密やかに思いながらも、2万5戦円プラス暖かな部屋分はしっかりと働かなくてはならない。
「寂しい、ですか?」
鏡に部屋の方から覗いてくるシンジの姿が映る。途端に彼女の口元にいやらしい笑みが浮かんだ。
「……寂しいから、シンジ君に慰めてもらっちゃおうかなぁ〜」
「僕で良いなら」
そのまま歩みを進めて彼女の横に立つ。
「お姉さんを慰められるなら」
彼女の真似をして洗面台に手を付き、身長差の為に少し見上げて鏡ではなくこちらを見てくる。
全体的に小柄なので顔も小さい。それでも幼さを含む瞳は大きく自分を、自分だけを映していた。
「問題無ぁーしッ!!」
もう見る事すら出来ない。頭を両腕でがっちりとホールドし、自分の胸に押し付けるように抱き締める。
片手では零れてしまう胸に顔を埋めるのだからある種の興奮は有る。しかしどうにも、今までの客とは180度違う彼女の言動にシンジは戸惑うばかり。
「シンジ君、髪の毛良い匂いするぅ」
短いその髪に鼻と唇を押し当て深呼吸を繰り返す。
「……お姉さんはお酒の匂いしかしませんね……」
小さな皮肉は小さ過ぎて彼女の耳には入らなかったようだ。
「シャンプー何使ってるの? すっごいサラサラしてるぅ〜……安物じゃないよね、高級なの使ってそう! ねぇ、何?」
「何、だったかな……」
この状況では頭の回転速度が緩やかになって思い出せない。自分の頭の半分位しか皺が無さそうな、反比例して妙に豊満な胸の中では。
「えっと……一緒に住んでる人達と同じなので……」
「椿オイルとか使ってないの? 凄い良い匂いするけどー……あ、これシンジ君の匂いかも! あぁ、もう最高!」
抱き締めてみれば予想通り、か細い身体をしている。話す声も控えめで――単に彼女が聞いていないだけだが――何もかもが自分の理想。胸をくすぐる息の流れさえも……
「……ねぇシンジ君」
「はい?」
漸く胸元から開放された。彼女が視線を合わせる為にほんの少し屈む。
「アタシを慰めると思って、一緒にお風呂入ろっか?」
互いの考えはどうにも食い違っている。彼女にはシンジを『買った』と言う考えが無い。
対してシンジは買われた身分としての自覚をしっかりと持ち、命ぜられれば風呂に入るのは勿論、全裸で1晩中彼女の椅子になる覚悟位は出来ていた。
「ね、入ろ? 背中流し合いっこしよう?」
私生活でもこの生活でも命令されての行動に慣れていたシンジとしては、男として考えればかなり上級の誘いには逆に戸惑ってしまう。
「……はい」
「よっしゃー!!」
背筋を伸ばし、両腕で大きくガッツポーズ。そのまま浴室の電気を付けて扉を開く。
巻き髪が流れる後姿を見てシンジは彼女を今まで見てきた客とは違うと改めて実感した。良くも、悪くも。
「ねぇねぇ、脱がせてあげよっか?」
「1人で脱げますっ!」
慌てて両手で胸元を隠すシンジ。
「シンジ君て恥ずかしがり屋なのね。つまんないの」
わざと頬を膨らませて見せてもシンジはTシャツを掴んだまま警戒を怠らない。
「お風呂一緒に入るんだから良いじゃん……ま、照れてる所も滅茶苦茶可愛いから良いんだけどね!」
頭を1度撫でてやり、それから彼女はおもむろに脱ぎ出した。
「わっ!」
シンジは急いで背を向ける。
「シンジ君も早く脱いでよー」
「は……はい……」
仕方無しにとシンジも背を向けたまま1枚だけのTシャツを脱ぐ事にした。
露になった背は正面を向けばあばらが浮いていそうな程細く、日常的に露出する箇所よりも更に白い。
守ってあげたくなっちゃう……母性本能ってヤツ?
顔のニヤケが取れないまま彼女はデニムのパンツもその下のストッキングも脱ぎ捨てる。
下着も後の事を考えずに洗面所で畳まずに脱ぎ捨て、再びシンジの背を見る。
パンツを脱ぎ終えたシンジの柔らかそうな肌が目に映る。何を手間取っているのか下着を脱ごうとしない。
「……シンジ君ってブリーフ派なんだね」
言葉に反応してシンジの肩がピクッと動いた。
「白いブリーフなんて絶滅したと思ってたー。ね、シンジ君て何歳? パンツもそれだし、中学生位に見えるけど……やっぱ高校生?」
足元に畳んで置かれたシャツとパンツ。その隣でシンジはもじもじと足踏みをしている。
「……あの、恥ずかしいので脱ぐまで向こう向いててもらえませんか?」
「恥ずかしい!? 可愛いぃ〜! じゃあ後ろ向いててあげる!」
何を言っても可愛いしか返ってこないが、それでも会話として成立したのでシンジは大人しく下着を下ろす。
他人の前で服を脱ぐのはもう慣れた筈なのに。何度繰り返しても深呼吸を置かないと脱ぐ事が出来ない。
「右利き? 右足から脱ぐんだ?」
声に慌てて振り返るシンジの様子も何とも可愛らしい。
「な、な、なん、何でこっち見てるんですか!?」
「照れちゃって可愛い! 良いじゃない、アタシも脱いでんだしさ」
見せ付けるように両腕を開いて胸を張る。
「あ……」
視界に入ったのは彼女の下着の跡が生々しい胸。桃と茶の狭間のような尖端がシンジこちらを見ている。
シンジの頬が見る見る内に赤く染まってゆく。それでも年頃の為か目が離せない。
「照れてる、照れてる! あぁもうこのウブな感じが堪らない!! どう? おねーさんの胸、触ってみる?」
「い、いいです! 早くお風呂入って下さいッ!」
光の速さでシンジは浴室への扉を開き、中に入った。
彼女も急いで中へと入る。中から鍵を掛けて閉じ籠られない為に。
浴室は部屋の広さから比べればそれなりに広い。2人で入るのにも余裕が有る。他のブティックホテルと比べれば余りにも質素ではあるが。
「何かこのお風呂寒ぅい」
湯を張っていないのだから風呂場特有の熱気が全く無いのは当然だ。
シンジは数歩で辿り着く湯船に向かい、蛇口にの付いているボタンを押す。これだけで時間さえ経てば適温適量の湯が溜る。
何度自分の住まうマンションにも有ればと思った事か。気付けば毎日が風呂当番のシンジは小さく溜息を吐いた。
中途半端でゴメン、急用なんで続き今日の夜には投下しに来るノシ
GJ!シンジきゅんかわいいなあ。お姉さんもいいなあ。
よっしゃキタ―――!!
ここのちょっと影があるシンジきゅんがイイ
今回は申し訳無い事に影も偽りの恋も真実の愛も無さそうですが…
…恋良いね。
>>425の後者みたいなの書いてみたい。LOSでやれ、になりそうですが。
取り敢えず昼の続き貼っときますね。
「何か入れますか?」
蛇口付近には入浴剤が幾つか置いてある。シンジの知っている女性は同居人2人を含めて決まってこういうのが大好きだ。
「んー……有るの全部入れちゃって良いんじゃない?」
こんなアバウトな意見は初めてだが。
「何だかなぁ……」
ぼやきながらも言われた通りに3つ置いてある袋の3つ共を開いて湯が薄く溜り始めた浴槽に垂らす。
その後ろ姿は余りに無防備で、彼女は少し離れた位置から見守るフリをして生唾を飲み込んだ。
やっだ太股も細いし! お尻はちょっと丸みが足りないなぁ……でもアタシが男だったら絶対今ヤッちゃう。あんな可愛い子、このまんまバックでヤッちゃう。挿れる所無いけど。
本人を目の前にして危うく別世界へ飛びかけていた所にシンジが振り向く。
「髪、洗いますか?」
「え!?」
「背中が良いんでしたっけ」
「あぁ……アタシ体から洗う人だから」
「じゃあ背中ですね。ここ椅子が座りにくいヤツ1つしか無いけれど、座って下さい」
指す先は毒々しい赤の股座が開いている椅子。
これ? と尋ねようにもシンジはしゃがんで備え付けのスポンジに備え付けのボディーソープを垂らし、備え付けの洗面器にいつの間にか溜めた湯で泡を作っていた。
「何かソープランドみたい。行った事無いけど」
本来の目的ではなく唯の椅子と考えると、成程確かにこの椅子は座りにくい。
浴槽にはだいぶ湯も溜り始めて蛇口が吐き出す水音も聞き慣れてきた。こうなると妙に静かだ。
「失礼します」
無感動な口調と表情でシンジは泡だらけのスポンジを手に彼女の背後へと回る。
ひんやりとしたボディーソープと人肌に丁度合う湯が少し固めの真新しいスポンジの感触。
首の付け根から腰まで、腰から左の肩まで、肩は乗り越えずに再び腰へ……余り力の入っていない、撫でるようなスポンジの動きは綺麗になっているとは思いにくいが、妙に嬉しい。
「何か不思議な気分ね、誰かに背中洗ってもらうのって。ちっちゃい頃は皆洗ってもらってたのにさ」
くすぐったいのは背中だけではない気がしていた。
「なぁんかお母さんとか思い出しちゃう」
「そうですか……」
手は止めない。安っぽいボディーソープは最初から水で薄められているのか泡立ちは誉められない。だからシンジは手を休めている暇は無い。
「やば! アタシ、メイク落としてなかった!!」
「え?」
「どうしよう、顔ドロドロんなっちゃうぅー! あ! やっぱ有った! 助かる〜。こういう所ってちゃんと洗顔フォーム置いてるんだよね。アタシ顔洗ってるから、背中普通に洗っててね! 普通によぉ?」
「は、はい……」
封を切って洗顔フォームを手に出し、彼女は顔を洗い始める。
あー今先刻会ったばっかの男の子に素っピン見られちゃうのかぁ……ま、アタシそんなに厚化粧って方じゃないから大丈夫だよねー。シンジ君、逃げ出したりしないよ……ね?
逃がすワケが無いのだが。しかしその心配は不要と言わんばかりに、シンジは言われた通りに背を丹念に洗い続けた。
シンジのそれは丁寧で。丁寧に背を、背だけを。
「流します。洗面器、もう良いですか?」
……どうして背中しか洗わないの?
洗顔で1度湯を使い切り、再び湯をなみなみと張った洗面器をシンジの方へと手渡す。
特に何をするでもなく、中の湯は彼女の背を勢い良く伝い、ボディーソープを全て流し去った。
やはり自分の手では背の全てを洗うのは難しいし、ましてやシンジのスポンジの使い方は優しく柔らかくどこか暖かで……但し満点をくれるワケにはいかない。
これがもし「背中を洗います」と書かれた看板を持った銭湯の従業員か何かなら問題は無い。
しかし彼女は浴室に共に居る相手はシンジだ。先程のシンジ自身の話、及び煩い年増女と認識した娼婦との論争からしても、所謂金銭さえ払えば体を売る事を厭わない人間の筈だ。
それ以前にシンジは正確な年齢は聞いていないが、その外見からして『思春期の少年』に違い無い。
そ、そういうモンなのかしら? 最近の若い子って……
「……じゃ、今度はアタシが洗ったげる」
「え? いいですよ、別に。それより髪、洗いましょうか。その間に体洗ってて下さい」
「嫌。アタシが洗ったげるの!」
そしてお風呂で1組の男女がする事を叩き込んであげんの!
「……じゃあ、お願いします」
調子は狂うが彼女はシンジにとってあくまでも客。もし客じゃなかったとしてもこのテンションには逆らえないシンジは大人しく席を譲られ、スポンジを手渡した。
他人の背を流した経験等無い彼女の手は不器用で洗濯の一種のような洗い方。
シンジは彼女にした事が案外安らぎ、そして彼女はやはりソープ嬢ではない事だけは確かにわかった。
真似て背を上下に擦りながら、シンジの細い体をまじまじと眺める。
少しなで肩気味の薄い体。抱き締めればそのまま折れてしまいそうな、儚く美しい硝子細工を思わせる体に、彼女は躊躇せずに後ろから抱き付いた。
――ガバッ
「わっ!?」
「んぁーん、やっぱ体ほっそぉ〜い」
「ど、どうしたんですか?」
抱きすくめる体勢でシンジの頬に頬擦りをして彼女はなめらかな肌を堪能している。……つまりは聞いていない。
「ねぇねぇね、風俗ってこうやってオッパイで体洗ったりしない?」
「え!?」
突然の言葉にシンジは己の背に神経を集中させる。
「あ……」
化粧を落として目元の印象が薄れた彼女の胸がピッタリと押し当てられているのがわかる。
面積の狭い背は豊満な胸で全てを覆う事が出来る。どうやら谷間にスポンジを挟めているらしく、背の丁度中央付近だけ固さが違った。
「こうやってぇ……」
脇の下から両腕を回す形で抱き締めたまま、彼女は上半身を上下に揺らす。
石鹸のブクブクとシンジ君のすべすべの肌と……やん、気持ち良い。
摩擦によって両方の尖端が特有の固さを覚え始めた。
乳首勃ってるの、わかっちゃうかなぁ……変態って怒られちゃうかなぁ……でも駄目、スポンジをパイズリしてるみたいで楽しくて、体が止まんない……
「……う……」
すぐ近くにあるシンジの声が漏れた。顔を放して見ると、頬がほんのりと赤く色付いている。
「……う、ぁ……」
耳を澄ましても聞き取れない程の小さな声は辛そうにも聞こえるが、その甘ったるさは喘ぎ声に違い無い。
ぐっと胸を押し付けて互いの距離を縮める。コリコリとしているのに肉感的で柔らかい感触にシンジの息は更に熱くなった。
「……シンジ君、気持ち良い?」
「え? あ……は、はい……」
生暖かい溜息にも似た返事。近過ぎて見えない目は蕩けているのだろう。
「ね、男の子も……シンジ君も、ここ気持ち良い?」
体の前面へと回していた手がシンジの胸の尖端を捉えた。
「ッ!? ……や、止めて、下さい……」
右手は左に、左手は右に。潰すように両方の人指し指はシンジの尖端を弄ぶ。
「シンジ君もここ、コリコリってなっちゃってる」
「ふっ……や……あ、あぅっ」
からかいながら親指と人指し指で軽く摘むと、シンジは甲高い声を上げながら前屈みになっていった。
「やぁん、待って!」
胸が離れていかないように彼女もシンジを追い掛ける。
ただ胸を押し当てるよりも上から乗せる体勢の方が体重が手伝って質量が増して感じられた。
ふと、屈んだ理由が目に入る。
「あれ? シンジ君、勃っちゃってない?」
「あっ!」
慌てて両手で半勃ち以上の大きさにまで出来上がっている性器を隠すシンジ。
「可愛いぃ〜! 見た? 今の見たぁ?」
見たも何も、自分自身の体に生えているモノだ。
「シンジってオチンコも可愛いんだね! アタシさぁ、基本的にオチンコってキモいとか思ってたんだけど、何つーかシンジ君のは別! ちょっと赤っぽくなってて可愛いの! ねぇねぇ、触っても良い?」
「だっ! 駄目です! 見ないで下さいっ!!」
「良いじゃぁーん!」
「駄目!」
シンジは激しく頭を左右に振った。
それならばと彼女はシンジの尖端を遊びながら自分の尖端をグリグリと擦り付けて刺激してみる。
「う、駄目!」
意識しないようにと考えれば考える程背に意識が向いてしまう。するとすぐに過敏な性器はむくむくと大きさと硬さと熱を高めてしまう。
「ほらほぉら、先っちょ見えてる!」
「やぁ……」
一生懸命指先の細い手で隠そうとしても無理が有る。シンジの荒い息と連動して性器が小さく揺れていた。
「……あれぇ? 皮被ってる?」
右手を伸ばしてシンジの両手の間から覗く性器にそっと触れる。
「んッ!!」
熱ぅい……何かあんまり大きくないけど、ちゃんと硬い……可愛い!
親指と人差し指で挟み指の間で転がしてみる。と同時に、シンジは両手を離して椅子の端を掴んだ。
「アッ! 触らないでよ!」
熱っぽいのに掠れそうな言葉は聞かず、彼女は2本の指をそのまま下ろした。
――じゅるっ
妙に湿った音を立てながらシンジの性器はそれを隠していた皮を脱ぎ捨て姿を現す。
「ふ、うぅ……」
女性らしいふわふわした指先の感触にシンジは声までも含めた全身を震わせた。
「うふふ、可愛い声! シンジ君のオチンコも超可愛いぃ〜」
胸を押し付けながら覗き込む体勢でそのまま彼女の手は上下運動を始め、彼女の右手が全体でぎゅっと包むような握り方に変わる。
手の平の柔らかな感触と、すっかり熱の移った面積の狭い指先の入り混じった感触が竿部分を上下する。徐々に緩急を忘れ、速度を上げて。
「手の中でビクビクってしてる! あったかい……シンジ君、オチンコも背中もあったかい。ね、アタシもオッパイ気持ち良くなってきたよ」
「あ、う……胸、恥ずかしい……」
言われては背に意識が向いてしまう。柔らかな胸と2つの硬い感触と、更には中央の肌とは全く違う感触のスポンジ。
ただでさえ性感が高められて射精感が背中を走っているのに、それを追いかけて引き摺り下ろし、また上らせていく。
「ねぇ……何か出てきたよ、ほら……」
シンジ同様に彼女の息遣いも荒くなってきた。
「出てないです……何も、何……もっ……」
手と胸とをタイミングを合わせて動かしていた彼女がふと動きを止める。
「じゃあ、これなぁに?」
からかう口調で右手人差し指を性器の先端へと滑らせる。浴槽へ溜まっていく湯以外の水音がその指先で鳴った。
「んはっ……あ、違うの……あ、せーえきじゃ、ない……っ」
「じゃあ何かなぁ、うふふっ。ねぇシンジ君ってオナニーとかするの? 男の子って、こういう格好でスるんでしょ? 先刻みたいにシュッシュッて手ぇ早くするの? それとも、こんな風にするの?」
指先が悪戯に尿道口を、円を描くように撫でる。
「あっ、は、あっ……」
「好き? こういうの」
彼女は長い爪――付け爪にネイルアートを施した、わざとらしい爪――の持ち主で、爪と指の間が本来物を出すべき尿道口をグリグリと意地悪をしてくる。シンジの口からは押し殺しきれない少し苦しそうな声が漏れた。
「だ、め……あんまりそこ、触っちゃ……で、出ちゃ……」
「出ちゃう? ザーメン出しちゃう? シンジ君のザーメンって臭い?」
再び頬を頬に寄せ、彼女は震えるシンジの唇に程近い位置で話し掛ける。
「し、知らないよ、そんなの……あっ、だ、あ……ア、う!」
右手首を曲げて性器の裏側ではなく、今度は自分の目からも見える前面を、小指を上になるように手の平で包んだ。
「こっちの方が……好きなの? これじゃアタシからオチンコ見えなくてつまんないよ……」
そうは言いながらも息が上がっている。爪の先まで華やかな手の親指と人差し指の間を赤黒く膨張した性器が見え隠れするだけで、豊かに育った胸を何も無い平らな背へ押し付けるだけで、下腹の子宮がゾクゾクと焦れる程の快感が彼女を襲う。
「アタシ、シンジ君のオチンコ挿れたくなっちゃったぁ……」
唾液も垂れそうな程甘ったるい誘惑の声。
「だ、め……駄目だから……」
その言葉に対抗するように彼女は益々擦る手の速度を上げた。
「ッ!? あ、や、あぁア……」
彼女の右手が先走りによって汚れ始めた。そのドロッとした感触が彼女の手の平に広がり、手の柔らかさと自分で垂らした先走りがシンジの腹より下を駆ける刺激をより一層強くする。
「僕、もう……もうッ!」
――ぴゅっ、ぴゅぴゅっ
封を切られたように遠くまで1度、2度目はそれを追い掛けて少し近場に大量の精が飛び出した。
途端に独特の匂いが彼女の手を中心に辺りの空気を侵食する。
「……す、凄ぉい、凄い飛んだ!」
幼い子供が始めて流れ星を見た時を彷彿させる位に満足そうな笑みを浮かべる彼女のすぐ近くで、シンジは大きく肩で呼吸をする以外に何も出来ない。
「シンジ君のザーメン、ドロドロしてそう……すっごい真っ白! 見えてる? アタシの手コキ、良かった?」
薄い胸が激しく上下し、口をつぐんでも尚鼻から苦しそうな息が零れている。代わりに言葉の返事は無い。
「ねー聞いてるぅ? もしかして、アタシより先刻のオバさんにヌいてもらいたかったーとか思ってないでしょうねぇ?」
意図的ではないにしろ少しばかり真摯を込めた質問に黙りこくられてはつまらない。
何とか返事を貰おうと彼女はすっかり出す物を出して大きさの変わったシンジの性器を右手でキュッと包み込んだ。
「ヤぁっ!!」
肩をビクつかせて大声をあげるシンジ。
「ん? もうオチンコ勃起してないけど、未だ感じちゃう?」
小さくだがシンジは素直に頷く。
「……ちょっと、痛いか、ら……今触らないで、下さぁ……」
絶え絶えの息の下に混じって何とか言葉になった。
漸くシンジの背から胸を放して改めて彼女はシンジの顔を覗き見る。
可愛い! ちょ、困った顔してる! 超可愛いぃー!
頬だけではなく鼻も目も真っ赤にしたシンジは上手く喋られずに口の端から唾液を垂らしていた。
それだけで勝手に蜜を滴らせていた彼女の股間の中央が更に異様な熱さを覚える。
「あっついね、のぼせちゃいそう……でもシンジ君オチンコ汚れちゃったし、体ちゃんと洗い流さなきゃね。ね?」
「……は、い」
気付けば最初は全く感じられなかった浴室らしさが、あの独特の熱気がここに広がっていた。
いつの間にか浴槽にも湯が溜ったらしい。水の音が止まっている。2人の必要以上に乱れた呼吸しか耳に入らない。
「うふふ、シンジ君って本当可愛い!」
そして抱き着く。くたっと力尽きているシンジの体は熱く心地良い。仕事帰りの面倒な道のりでまさかこんな幸福を掴めるとは。彼女にとって腕の中のシンジは己の理想だけで出来ていて、まさに幸福そのものだと感じられた。
シンジの目に映る彼女普段の客とは全く違う種に属しているが、それでも夜の長さが変わる事は無い。
孔雀氏待ってたよ!
引き込まれる文章に毎度ながら感動
マジGJ
ヽ(`Д´)ノ
シンジきゅんのすべすべ素肌に触りたい
シンジきゅんと洗いっこしたい
こういう名無し女とのアンアンて結構反発が起きそうなんだけど、
孔雀氏の手にかかるとシンジ萌えのあふれるすげぇいいもんになってるww
姉ちゃんも結構そこらへんにいそうな子なんで読みやすいね
思わず感情移入
なんだろう……このキュンキュンする感じ………
俺は801に目覚めてしまったのか………
ショタ萌えは801とはいわんらしい
どっちでもいいけど
とりあえずシンジきゅんはあはあ
名無し女のセクロスで文句いうのはたぶん婦女子だけだよな
男は気にしない
私は大歓迎ですが。
というか、シンジきゅんの萌え度と結局は作者の力量ですよ
孔雀氏は素晴らしいってことです
ズキュウウウウウウンとなりました
じーじぇい
読んでくださって有難うございました。暇潰しにでもなれれば幸いです。
女とアフアフに反論、の前に女性の方には「女はそんなに阿呆じゃない」と怒られるのではと不安でした。
ちゃんとしたセクースまでさせてあげたかったです。手コキだけでゴメンよシンジきゅん。
なんか長いの書きたくなったので暫し潜るかもしれません。…少しずつ投下の方が良いもんなのかな?
取り敢えずその前に今書きかけの短め?のを投下したいです。
宜しければそれまでにゲロプレイの可・不可を聞かせて頂けたら、と思います。
吐くだけとかなら、大丈夫…じゃない、ですか?駄目っすか?
いや本当はシンジきゅんにそんな可哀想な事ばっかさせたくないんだけどね。
女視点から言わせて貰えば「そういう女もいる」って感じですよ。
GJGJ。次の投下楽しみにさせてもらいます。
げ、げろ……はあんまり生々しいものでなければいいと思いますが。
正直孔雀氏ならどんなネタでも萌えに昇華してくれるんじゃないかと思ってる。
>>468 ぜひお願いします>ゲロ
もっとシンジきゅんにひどいことを!理不尽なことを!
あんまり酷いとかわいそうになるけど、シンジきゅんのゲロなら食える
ゲロはなあwww
ウンコならまだ分かるがw
そっちのが分からんわwww
475 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/29(木) 23:35:50 ID:5czUZFcS
神待ちあげ
476 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/30(金) 00:04:28 ID:1jx/eWt/
あがってるからゲロの専門家でも来たかと思った
>>471 なかなか倒錯した愛情ですね。ああ酷い事しちまいたいw
でも俺も別にゲロ属性無いんで止めておきました。
なので、途中で変えたから色々と矛盾が有るかもしれませんが、お暇な方はどうぞ。
今までのと変えて貞シンにしてみた。つもり。
安い文庫本で読んだ小説の中にカンタレラと呼ばれる人物が出てきた事を思い出した。
産まれてからずっと少量の毒を飲まされ続けると次第に毒に慣れ、最終的には己の体液が猛毒となって他人を殺すと言う。
その話を思えば自分は未だ幾分か正常なのだと碇シンジは思えた。
毒の味が毒とわかり、それを不快に感じる事が出来るのだから。
珍しくかなり立派な、そして美味しい物が目の前の食卓に並んでいる。この時点で充分に怪しい。
そして口に含めばあの独特の味が広がる。不味いとはっきり言う程ではないが、美味しく変える調味料でもない。
しかし食べなければ『その時』を迎えた際に辛いのは自分。
そう言い聞かせて媚薬入りの料理を口に運ぶ。
食事が終わると案の定先に済ませていた叔母が近寄って声を掛けてきた。
「シンちゃん、美味しかった?」
「はい。ご馳走様です」
いつもこの位の食事が出れば身長も伸びるかもしれない。とは言わないでおく。
「良かった。……今日ね、お店人が足りないの。ちょっとお手伝いしてくれる?」
居候の子供にこんな良い食事を与えたのだから、その位はしっかり返しなさい。それも出来ないから人殺しの子供になるのだ。
後ろ半分は兎も角、叔母の言葉の真意がしっかり読み取れる程度に成長してしまった自分が憎らしく、悔しい。
「……わかりました」
叔母は嬉しそうな作り笑いを見せる。その紛い物の表情程気持ち悪い物も少ない。
「じゃあ行きましょ。後片付けは私がやるから置いといてね」
シンジは頷いて立ち上がる。
家とシンジに与えられた部屋と言う名の小屋と店は3つ共別に有る。
今日の食事は家で。そして小屋へ戻らずに店へと向かう。
店と呼べば聞こえは良いが、実質叔父夫妻が営んでいるのは娼館。オブラートに包まなければただの売春宿だった。
この家に暮らすようになって数年は何の仕事をしているかも教えてもらえなかったが、今ではすっかり働き手にされている。報酬も得られないのに。
それでも逆らわないのは生きていく為。何もかもを失って住む部屋まで無くしては困る。
貞操すら捨ててまで生き延びたいのか。あれだけいつ死んでも構わないと思っているのに、心の奥底では何よりも誰よりも死を怯えている。
「はぁ……」
自分の余りの臆病振りに思わず溜息が漏れた。
「シンちゃん?」
「あ……何でも無いです」
店の裏門を開いた叔母が不思議そうにこちらを見ている。
今日の媚薬は即効性の低い物らしい。体には未だ異常が無いので、首を振って店内へ入った。
媚薬を飲まなくても店の空気だけで発情してしまいそうな、そんな濁った香りを含む空気が相変わらず店内に漂っている。
1階は喫茶店――シンジの知らない言葉で言うならばパブとバーの間のような飲み屋――になっている。ここでウェイトレスの真似事をしたり歌やピアノを聞かせたりして客の目を引き、客は気に入った者を2階の部屋へと連れこんで行為に至る。
今時日中に主婦達がこぞって夢中になるドラマでも見られない古臭い体制の店。
しかし働く人間はやはり現代に生きているので、和服もコルセットの有る洋装もしていない。街中を歩くには些か華やかな服装の女性が殆んどだ。
中には男性も居る。わざと女性物の服装に身を包み、化粧をして……しかし女性に見せる気の余り無さそうな顔立ちの男性達。
時代錯誤に娼館を求める客は今や言葉の意味を知らない者の方が圧倒的に多い衆道を楽しみたい好き者も居る。勿論中には根っからの同性愛者も、更に稀に女性客も居るが。
2人で階段を上る。1階で客を引かず、2階で誰かの情事に交わるでもなく、3階へと進んだ。
3階の造りは可笑しな事に複数の部屋のどの扉も二重になっている。
外側の扉は檻のように棒が並んでいて、内側の扉はしっかりと防音対策まで施されている漆色の戸。両方とも観音開きのタイプだ。
1階の催淫剤の匂いは届かないが、別の匂いが充満している。
牡と牝の、精液と愛液の入り混じった悪臭。
出来る事なら手で鼻と口を塞いで歩きたい廊下を1番奥まで進み、シンジと彼の叔母は1つの部屋に入った。
扉は2枚とも閉める。部屋の中は既に何度か見た和室。中央に3人川の字で眠れそうな程大きい布団が敷いてあって、それ以外は和箪笥が1つ有るのみの簡素な畳部屋。
叔母が和箪笥を開き、中から1着の和服を取り出した。
この部屋には少し勿体無い、緑からオレンジへとグラデーションのかかった高級そうな着物。袖や胸周りはシンプルだが、裾には華やかな鶴の刺繍が彩りを添えている。
「さぁ脱いで」
先程の召し上がれと全く同じ調子で言われるので逆に腹立たしさも起こらない。
言われた通りに粗末な服を脱ぐ。
「はい」
叔母の声によって脱いだ服を畳む間も無く、下着姿になったシンジは豪華な和服に包み込まれだ。
本来ならばこれ程の正装をする際には下に白い肌着を身に着ける筈だが、その部分は省略される。直接肌に触れる冷たい布の感触は背筋に嫌な物が走る。
それから農紅色の帯も引っ張り出され、ぐるぐると巻かれた。帯の色自体は綺麗だし、別段安い物にも見えないが、どうにも着物とは似合っていない。
どこで覚えたのか適当極まりない着付けだったが、一見するとそれらしくシンジは着物を身にまとっていた。
今日は叔母だが、稀に叔父が着付けてくれる事も有る。驚いた事に叔父の方が経験の深さの違いか綺麗に着付けをしてもらえる。しかし着終えた後に必ず何かしらの『悪戯』をしてくる。
どちらが良いかと問われれば叔母。叔母と共に居る時だけに限定して良いのなら叔父。……どっちもどっちの好意しか抱けない。
「さぁ、これで完璧ね」
「はぁ」
このだらしない着物姿のどこが完璧なのかは教えてもらえない。やはり適当にした着付けらしく軽く頷いただけだと言うのに既に右肩がずり落ちた。
腹部の帯が苦しくないのは助かるが、その分相当肌蹴やすい。それを見越しての事だとしたら、叔母の着付けは逆に素晴らしい物になるのだが。
「じゃあね、シンちゃんはいつも通りにしてれば良いわ。何有ったら降りてきてね。今日は叔父さんが後から下に来るから」
「はい」
二重の扉を開いて、外から格子だけの外側の扉を閉めて、シンジが部屋に1人閉じ込められた。
100円ショップか何かで買ったらしい安っぽい時計が1つ箪笥の上に有る以外は音を立てる物は無い。
他に有るのは枕元の大量のティッシュの箱と、それらを全部飲み込む事の出来なさそうな小さいゴミ箱。そのゴミ箱の裏側に小さなローションボトルが有るのみで、この部屋には時間を潰す物は無い。
箪笥の中には今脱いで乱暴に入れられた服以外にも麻縄とローションのストックが入っているが、そんな物ではシンジは時間を潰せない。
「あー退屈」
思わず溜息混じりに独り言が漏れた。
その場にペタリと座り込み、そのまま背を後ろに投げ出す。
両足も伸ばして完全に仰向けに寝そべった。
――ガタガタッ
恐らく隣の部屋からの物音。誰かが入ったのだろう。自分と同じように檻から脱獄を願って手を伸ばして、誰かに買われる為に。
「自分からこんな事するなんて、世の中どうかしてるよ」
心の中で言った言葉は口に出ていた。
天井に染みは無いが埃が少し付いているのが見える。部屋の壁も全体的に喫煙が原因で黄ばんでいる。
薄汚い空間に閉じ込められて自分まで汚れていきそうな空間。
否、既に醜く穢れているのだろう。だらしなく肌蹴た着物に包まれた幼く細い体を大の字にして天井を睨み付けた。
「ねぇ……」
声がした。……気がした。隣の部屋に入った女の声だろうか。
「こんな時間未だ誰も居ないのに……私に会いに来てくれたんでしょう?」
どの部屋の扉も一様に内側だけは防音対策がしかれているが、外側の扉には一切そのテの加工はされていない。もとい、扉と呼ぶのも憚れる遠くから見る分には鉄格子の、木材の棒が並んだだけの仕切りだ。
外の、廊下を歩く人間を誘惑する為の扉。内側の扉らしい扉は中で情事を働く為の、その音を漏らさない、その姿を見せない為の扉。2つの扉は全く用途が違う。
「私、貴方を喜ばせる事何でも出来るのよ」
次いで聞こえてくるのはどうしようかと唸る男性の声。
下の階で働く者達はウェイトレスごっこや演奏をするだけでも多少のバイト料を貰えるが、この階の娼婦は部屋に閉じ篭っているだけでは当然金にならない。安い金を払って階段を上ってきた客を何とか自分の部屋に連れ込んで、チップとしての金を貰わなくてはならない。
出来る事なら容姿や話し方が好みで、プレイの内容も自分に優しく、何より金銭を弾んでくれる相手が良い。しかし現代ではそんな事よりも客が付くか否かが重要だ。1日空けて部屋に入ったものの、客を付ける事無く時間を迎えてしまった娼婦は勿論居る。
それでも1階で客の目を引こうと必死になるよりもここに居る方が効率は良い。3階まで上るには金を払わなくてはならないし、払った客はその分の元を取ろうとする。
よいしょ、と体を起こして聞耳を立てる。駆け引きを聞いている分にはそれなりに面白い。
「どうせ今日は良い子来ないわよ。ね、早く私を買ってみてよ……」
「どうするかな」
相手の男の声は未だ若そうだ。
「この手で何でもしてあげるわよ」
外側の格子を開けて誘うのは禁止されている。だから必死に手を伸ばしたり、着物を脱いだりして如何に自分が性的な魅力を持っているかをアピールしなくてはならない。
店長が生まれる何年も前の自国の売春と、捏造に捏造を重ねた他国の売春を無理に組み合わせた結果の店。
独特の規則なので客も従業員の娼婦達も不満は有る。しかしそれはどの店も同じ事。誰も改善しようとも、当然改悪しようとも思わない。
「……ん? 隣も開いてるな」
恐らく何度か来た事が有る客なのだろう。誰かが居る部屋の扉は内側のみを開けると知っている。
――カタン
小さな音がシンジの居る部屋の外側の戸から鳴った。
同時に1人の男が姿を現す。
「こんにちは」
リクルートスーツを着た未だ若い男。
「……こんにちは」
シンジも取り敢えず挨拶を返す。
それから互いに黙り込む。両者の駆け引きの行方を見守るかのように隣の部屋も音を立てない。
客は体を部屋から少し離したり時折目を細めたりしてシンジを値踏みした。
豪奢な和服を肌蹴させて淫らに露出した肌は目の前の遊女が未だ若い事を、男を余り覚えていない事を物語っている。
「……そうか」
暫し見つめた後に客は漸く気付く。格子の奥の人間は遊女ではない、女性ではないと。
体に丸みが足りないのは幼いだけではない。単に柔かさを身に付けない性別なだけだ。
「男の子もこっちに来る事有るんだね」
下には居るのを知っている口振り。
「僕以外は皆女の人みたいですけど」
「誰か待ってんの? 君専門の客とか」
「別に……」
どうやら面倒な事に興味を持たれてしまった。客は座っているシンジに目線を合わせるようにしゃがみこむ。
「でも他の子みたいに買って買って〜って言わないね。俺じゃ不満?」
「別に」
「すましてても客が取れる位人気とか?」
「そんなんじゃないです」
落ちてしまっていた襟を引っ張って左肩を隠す。
「幾ら? 本番込みなら幾ら取る?」
「……知りません」
眉を寄せて未だ若そうな男性客から視線を逸らさないシンジ。
自然界に生きる動物は目を逸らす事イコール敗北になる。……しかし、生憎ながらここは自然界には絶対に発生しない売買を行う店だった。
「別に良いか、幾らでも出すし」
立ち上がって両手で格子扉を掴む。
「開けろよ、買ってあげるからさ」
上からの視線が不愉快でシンジも立ち上がる。無論身長の違いで結局は見下ろされるのだが。
「別に無理して買ってもらわなくても構いません」
そう言いながら外からも内からも開ける戸に手を掛けた。
変な奴に買われる位なら。見た所道具の類を手にしてはいないので、極端な趣味は持っていないだろう。体臭が耐えられないなんて事も無い。
それに何より、媚薬入りの食事の効果が自覚出来る程に出てきている。
今回飲まされた薬は幸いにも強制的に勃起させる種類ではないようだ。恥ずかしい事にはなっていない
今は未だ発汗作用も発熱作用も特に無い。見てわかるのは世間一般の人間よりもの息が上がっている事位。それもただ緊張しているだけにも見える。
「きっつい事言うな、君。名前は?」
答えずに、目を逸らさずにシンジは外側の戸を開けた。
「お邪魔しますっ」
語尾が妙に笑いを含んでしまう。金さえ積めばこんな小生意気な子供でも股を開くのだ。
その笑いこそシンジを不快にさせる。ただでさえ体が自分の望まない方向へ変化していて腹立たしいのに。
「喋らないね。名前は? 源治名で良いからさ」
「……シンジ」
「シンジ君か」
不愉快が張り付いていた顔に更に嫌悪が上塗りされる。
「男の子っぽい名前だねー。何歳?」
再び黙り込んでシンジは外側の戸を、次いで内側の戸を閉める。内側はしっかりした扉なのでこちらの音も外の音も一切通過させない。
「俺幾つに見える?」
「知りません」
簡単に壊されそうな鍵を念の為に掛け、冷たく言い放ったシンジは部屋の中央へ向かう。
中央に有るのは当然1組の布団のみ。
「年なんてどうでも良いんじゃないですか? それより、早く始めましょう」
下らない話をしている間に刻一刻と体を可笑しな物質に毒されてゆくのだから言葉も淡々としてくる。
広い布団の真ん中にペタリと座り込むシンジ。未だかと客の方を向いた瞬間だった。
「っ!?」
「体細いなー……背もちょっと小さいし、本当何歳?」
背後に座り込んだ客に後ろから抱きすくめられる。
「……そんなに年が気になるんですか?」
子供を相手にしたら犯罪になるから、と言う事は無いだろう。こんな店に来る事自体犯罪行為だ。
シンジを真似てか客は答えない。代わりに和服の袷部分へと右手を滑らせてくる。
「な、何ですか?」
「オッパイ無いね。本当に男の子だ」
左胸を撫で下ろすと女性特有の膨らみは一切無い。勿論鍛えた男としての筋肉が付いているワケでもない。
「ここはどんな色かな〜」
茶化すような口調、そして手が胸の先端を弄ってくるのは見た目よりも年を重ねているのではないかと思わせる。
「……ふ、普通の色」
「普通ってどんな?」
髪が短過ぎて露になっている耳へと唇を近付け、声を潜めて尋ねる。シンジは体を、親指と人差し指で緩く摘まれた胸の先端を硬くした。
「あっ……止め」
「止めて欲しい?」
「ッ……」
親指と人差し指に力を込めると熱い息を吐いてシンジは言葉を失う。
「どうしたの? 未だ金額交渉の1つもしてないのに……ヤラしいなぁ、シンジ君は」
唇を耳に押し当てて囁く。呼吸が益々早くなり、薄い胸が大きく上下した。
「お金、幾らが良い?」
この状態で尋ねれば当然舌が耳に触れる。
「ん、やっ……」
「可愛いね。幾らでも出せるよ」
「……止め、ろ……う」
徐々に舌が耳の穴へと差し迫ってくる快感。否定の言葉とは裏腹に欲しているのか、言い終えたシンジが大きく唾液を飲み込んだ。
空いている左手で右の襟を大きく肌蹴させる。
「や……」
つねられて敏感に硬くなった先端もろとも胸が外気に触れ、一層体を強張らせてしまう。
「……ん、お金、後から決めれば良いよ」
顔を無理に放してシンジが言う。客相手に早々に敬語を忘れて。
「後から?」
「うん。気に入らなかったら、払わなくたって良い」
どうせ自分の懐には入ってこない金なのだから。
淡白そうな口調を保っているが、顔は出来上がったように大きな目を潤ませていた。
「それより、男とした事有るの?」
放したからと言って後ろから――今は横から――抱き締めている体勢に変わりは無い。かなり近い位置に愛くるしい顔が有る。
「……あぁ、有るよ。ここの1階で働いてる子と。2人だけ、1回ずつ」
「ふうん」
「この店火曜日は駄目だな、良い女が居なくて。……でもホモとかじゃないから、可愛い子限定だから。シンジ君程……」
「そんな事聞いてないよ」
ノリの悪いガキだ、と可愛いと誉めようとした口から出そうになった。
「それよりも……さ」
シンジの視線は自分の顔に向いている。顔の、ある一点にだけ。
「その……僕さ、その……」
「何?」
「……話は、もう良いからさ」
「何?」
わざと舌が見えるように口を大きく開いて尋ねてみた。
「何じゃないだろ、早く……したい事しなよ……してあげるよ……」
泳ぐ目線はやはり最終的には一箇所に集中する。……こちらの口元に。
「男とは余りシないんだろ? 口は男も女も一緒だから……僕、上手じゃないけど口で、出来るから……ほら、早くしたい事、してもらいたい事言ったら?」
意図的なのか無意識なのかシンジは舌なめずりを挑発的にしてくる。
互いに言ってしまえば楽になるが、言っては負けだ。何としても言わせたい。そう考えていた。
ここまでくるとシンジはしっかりと今日服用させられた薬がどんな効用を持っているかがわかった。
単に性欲を高めるだけの物ではなく粘液に作用する物。粘液を多量に分泌し、尚且つ本来粘液があるその部位乾いていると錯覚させる物だろう。
本来ならば女性にこそ使って効果の有りそうな薬だが……と考えるのは時間と労力の無駄だ。この部屋に居る限りシンジは男性として扱ってもらえない。
口の中も粘液で出来ている。今のシンジには舌も粘液の塊のような物だ。唾液が大量に出るのに、まるで喉が渇いたように口の中を唾液で満たしたくて仕方が無くて……
「キスがしたいな」
「は?」
客の唐突な注文にシンジは唾液を大きく飲み込んでから睨み付けた。
「な、何でキスなんか……」
他人の唾液だって充分に自分が欲する粘液の一種だ、との考えが言い終わる前に脳裏に浮かぶ。
「ほら、ちゅー」
「んっ!」
シンジの続きの言葉を遮って唇を自分のそれで塞いだ。
「……ん、んぅ、ん」
甘い香りを放つ柔らかな唇の感触はすぐに逃げ去った。代わりにねっとりとしたシンジの舌がこちらの唇をぐいぐいと押してくる。
「んぅっ! ん、う」
鼻にかかった甘い声と共に舌が無理矢理唇を抉じ開けて中に入ってきた。
「ん! んぅん……」
拒む理由も無いので唇を薄く開いて受け入れると、シンジは必死にこちらの舌を探してくる。
――ずりっ
体の下の方で着物の擦れる音がした。シンジが体勢を変えて縋り付くように抱き締め返してきた。
外見同様幼い舌使いで客の舌を捕らえたシンジは、声を出す事も忘れて必死に擦り合わせてくる。ただ力無く乱暴なだけで互いに興奮を高めようとしない舌技だが、それもまた可愛らしい。
わざと唾液をたっぷりと出してこちらから舌を絡め取ってやると、背に触れているシンジの両手に力が入った。
徐々にシンジの顔を組み敷くように下へと動かして、重力に従って自分の唾液が流れ込むように仕向ける。
トロトロと流れ込む唾液をシンジは唇の両端から垂らしながら必死に飲み込もうとする。自分の唾液も客の唾液も喉と頬を伝って噎せ返りそうになりながら、それでも舌を離そうとしない。
最終的には顔が離れて、唇から伸ばした舌に必死に舌を絡めてくるシンジの顔を間近で見る事になる。可愛らしいのに随分と淫乱に育て上げられたらしい顔を。
「ぷはっ……」
満足したのかシンジも舌を戻して、しがみついていた手を離した。
積極的に誘ってくる割に舌使いは不器用で、肩で大きく息をする姿は懸命その物。
態度は余り宜しくないがやる気は充分見られる。法外な金額を請求してくるつもりかもしれない。しかしこの際騙されてみるのも面白い。
反対側も肌蹴させて露になった首筋に唇を寄せた。
「何だよ……」
頭上で不満そうな声を聞きながら肌目細かい喉を舐め上げる。自由な両手で抵抗してこないのだから本気で拒むつもりは無いのだろう。
微かに汗ばんでいる肌も何故か良い匂いに感じる。
「ねぇ君、どこまで出来んの? 挿入大丈夫?」
ここで無理と言われても困る。こんなにも発情してしまったのだから。
「その位出来ますよ」
「される側だよ?」
舌先を左胸へと下ろしながら、先端を敢えて避けて円を描く。
応えるようにシンジは顔をのけぞらせた。
「シンジ君のアナルに挿れちゃうんだよ?」
「……そっちは慣れてるよ」
初物じゃないのかという気持ちと、『そっちは』と言う事はもしかすると前は初物、未使用かもしれない期待が胸を埋める。
女も知らない子供を楽しめるのかと考えると焦らす筈の舌が先端に触れてしまった。
「アっ……ヤだ、止めろよ……」
――ピチャ、ピチャッ
もう少し焦らして早くと哀願させるつもりだったが、羞恥にまみれた必死の抵抗の言葉も悪くない。
「そ、んなトコ……それより、僕がするから……」
舌の先でコリコリと硬くしながらも主導権を奮いたいのかシンジは右手を相手の股間へと滑らせた。
勃ってはいるが未だ不完全な、寒さに負けた時のような状態の性器が幼い手に包まれる。
「……舐めてたって、アぅ……楽しくないんだろ? 僕がこっち舐め……て、あげるから、放せよ……」
「楽しいよ、充分」
息を吹き掛けそのまま口に含む。
「うッ……」
舌を使う前から呻くシンジ。
口の中の小さな性器の分身を吸ってやると殺しきれない声が漏れる。
先端を舌で転がしながら口を放して反対の胸に目を向けると、触れても貰えない箇所が可哀想な程に勃ち上がっていた。
「そんなに舐めたい?」
舐めてもらいたい、の間違いじゃないの? までは口に出さずに。
「別に……」
そう言いながらもシンジの右手は客の性器をぎゅっと服の上から包むように握ってくる。
「舐めさせてあげるよ、可愛い淫乱ちゃん」
汚らしい笑顔を向けて頭を撫でられた。
死ねば良いのに。
低い声で漏らしたかった言葉は何とか飲み込んで、代わりに短く溜息を吐く。
目の前の男が3回位殺してやりたい程憎らしかろうと、一応は客。幾らか小遣いが貰えるかもしれないのだから逆らってはいけない。
そんなはした金の小遣いよりも今すぐに必要な物をくれるだろう、唯一の人間でもあるのだから。
――ジーッ
小さく金属音を立ててファスナーを下ろし、膝立ちの体勢で既に半勃ちの性器を取り出した。
「ほら……」
根元を支えてうつ伏せに近い低い体勢のシンジの顔へと突き出す。徐々に赤黒く染まる生殖器が、相反する愛らしい顔の前に映える。
愛らしい顔には更に相反する表情が浮かんでいた。一刻も早く『それ』を欲する表情が。
先程よりも赤く見えるシンジの唇がゆっくりと開き、中の更に赤い舌が見えた。と思うと同時に、その口の中に性器が性器自身の意思に反するようにねっとりと侵入させられる。
未だ素直に重力に従っている性器だが、元来人間の体の中で最も体温が高いだけあり、口に含むと熱いと感じていた。
苦手だがそれなりに覚えた舌技も使わず、適当に舌を咥内で左右に動かす。それだけで性器の裏側を舐める動き。
「随分やる気だね」
返事等しない。そんな媚びた真似は自ら志願して働く遊女のみで充分だ。とても小さいが、シンジにはシンジなりの貞操が有る。
乾いた皮膚の、性器が持つ、ぺったりとした感触はすぐに唾液のトロトロ具合に変わる。人間は可笑しな位喉が渇くと乾くと大量に唾液を分泌するように出来ているらしい。
ジュルジュルと卑猥な音を立てて己の唾液ごと性器を吸い込んで飲み込むが、唾液の分泌量は飲み込もうとする量を遥かに超え、左右の口の端から垂れ流れていく。
――ぐちゅ、チュっ……
性器が好きなのか嫌いなのか、基本的には目を閉じて、しかし時折細く目を開いて様子を伺いながらシンジは愛撫を続ける。
「やらしいねー……オナニーってなぁに? とか言いそうな顔してんのに」
その顔に張り付いた表情は淫猥その物。口の隙間や鼻から漏れる息までもがいやらしい。
性器が好きで仕方が無い、しかしどうすればそれを自分の物に出来るのかわからない、経験の足りない子供の顔は興奮を促す。こちらも息が上がってきた。
「んむ、んっ……ぷ、うぅ……」
シンジは性器を口に挿れたままデタラメに頭を動かす。分泌が止まらない唾液は口の動きに合わせて辺りに飛び散る。
「いいな、やっぱ……俺、シンジの和服だけでヌケそうだ」
ちっとも嬉しくない。寧ろけなされている気がしてならない。眉間に皺を1つ作り、それでも口の動きは止めない。
一層深く加え込み、顔を動かす事が出来なくなった代わりにシンジは吸い込む力をあげた。
「うっ……」
あれだけ必死だったと思わせておいて、未だ強く出来るとは。不覚にも声が出る。
「……まらぁお?」
「ッ! ……何だ?」
シンジが喋ると彼の大きくはない舌が性器の裏と真横を叩いてくる。ただ舐められるよりも余程刺激が強い。
会話にならないのでシンジは一旦口から性器を解放してやった。
「ぷはっ……未だなの? 先っちょからちょっと出てきてきてんだから、早く射した方がすっきりするよ」
睨み付けながら尋ねる、まるで脅迫の言葉。
「何だ? ザーメンフェチとか?」
「違うよ」
今だけはそうかもしれないが。
勿論そんな事は言わずに再び性器に口を付ける。
シンジの咥内で蠢く舌とその熱。そして着物が下がっている為に覗く、汗ばんでも見える背。性器と視覚の敏感な部分を興奮させて、シンジの言葉通り先走りを見せていた。
首を曲げてシンジは頬の肉を性器の先端に擦り付けてくる。先走りまでも自分の体へと吸収させようと。
「口に射して欲しい?」
まるで自分が精を飲みたがっているような尋ね方にシンジは目を見開き、眉間の皺を1本増やして睨む。だが事実飲みたかった。
「顔に掛けたりされると困るから、飲んであげるだけ。……ちゃんと零さないように射してよ」
口を放して呟くように吐き捨てる。
どうせただの強がりだと思えば、そんな憎まれ口も可愛い物。
「じゃあ先っちょだけ咥えてて」
何でだよ、と聞きたい気持ちを抑えてシンジは言われた通り先端を、亀頭部分だけを口に含んだ。
手よりも粘液の固まりに近い舌の方が性感が強いが、それ以上に自分の手は思った通りに動く。乱れた和服も着こなせる黒髪の美少年に性器をしゃぶらせ、そして根本から中央辺りまでの性器を自ら擦る。
目の前でシュッシュッと音を立てる光景にシンジの表情が何故か和らいだ。
大人しく鈴口を舌の先で突ついて焦らしながら、すぐに来る精の匂いを待ち通しく鼻をすする。
シンジの瞬きの回数が妙に多いのは期待の表れか、または飲まされた薬の効果が目の粘膜にまで作用し始めたのか。
シンジの右手が伸びて性器の裏に漸く沿えられ、嚢を揉んで物理的に射精を促してくる。
「……んぅ……」
未だか、と尋ねる息が性器の先に続く口から甘ったるく漏れた。
そしてそれを引き金に、客は己の視界を真っ白に染める。
―――
「ン! ん、んぅ!」
喉の奥を叩き付ける熱い精。
「ぷぁっ!」
口の中を白濁で犯され、熱さと不快感でシンジは口を大きく開いた。
――びゅく、びゅぴゅっ
汚らしく止まらない精は飛び散り、口から外れてシンジの顔の広範囲を汚す。
「はぁー……」
手荒いで用を済ませた後のようにすっきりした、と続けるつもりだった。
「ん……臭い、汚ぁい……」
目にこそ入らなかったらしいものの、鼻から下は真っ白に近い程精を浴びているシンジの顔。短い前髪にも飛び、糸を引いて鼻の頭へと落ちる。
そんな精を両手で拭い、その手を何度も口へと運んでいた。
指先で救った液体を咥内に挿れてこちらからも見えるように舌で舐め回し、手の平や甲で拭き取った分は舌の上でペロリと舐めて飲み込む。
「くっさいなぁ……ちゃんと口に射して、くれなきゃ……全く、んぅ……」
形の良い唇は文句を言うのと精を飲み尽す為に必死な動きを見せた。
「ほら」
人指し指を伸ばして犬を可愛がる要領で喉を撫で、下へと向かっていた自分の精を絡めてシンジの唇へ寄せる。
「んぁ」
大きく口を開いて舌を伸ばす。綺麗に真っ赤な咥内を白い精が糸を引いて汚していた。
伸びてきた舌の先が指の先と爪の間を巧妙に舐める。過剰に分泌されている唾液がトロリと付き、その瞬間背筋を何かが走り抜ける。
「あのさぁ……」
顔は上を向けているのに視線は下ばかりを追うシンジ。
「未だ射るんでしょ? もう1度口でするよ。……手の方が良い?」
声には妙に熱が込もっており、目を合わせないのに異様なまでに色香が詰まっていた。
「そ、そんなに精子好きだったのかい?」
噛んでしまった。射精後の疲労と解放から、ではない。
「知らない。……ね、好きな方選んで良いよ。僕が全部飲むから、早く決めて射してよ」
子供相手に何を動揺してるのか。何を指図されているのか。
ここで可笑しなプライドが生じてしまうので人間は厄介だ。
「そんなに飲みたいんなら、自分のでも飲めば良いじゃん」
急にシンジの視界が背景を壁にした1人の男から、染みの見える天井を背景にした蛍光灯に変わった。……押し倒された。
「な……」
それも両足を広げられながら。不快を露に首だけを起こして睨み付ける。
「ビンビンに勃っちゃってんじゃん。セルフフェラ位やって見せろよな。こっちは金払ってんだから」
毛すら生え揃わない股間には幼い性器がしっかりと押し倒されたシンジ自身の顔を指していた。
「未だちょっとちっちゃいな。教科書のペニスです、みたいだ。ははっ」
完全に馬鹿にした笑いでシンジの両方の膝を押して無理な体勢にする。
「ちょ、ちょっ! 止めろよ、恥ずかし……」
シンジの静止も聞かずに更に膝を押し、尻が上を向く姿勢に変えた。
「ケツもちっちゃいな。薄いって言うか、飯食ってる? ……へぇ、綺麗なモンじゃん」
「止めろって……み、見るな……」
口では言うが、大きく抵抗はしない。きちんととった食事の所為で抵抗をしたくないと思ってしまう。
「体柔らかいんだから、ほら!」
ぐっと強く足を押され、首を持ち上げているのも辛い。
それ以上に目の前の性器が、同性の……寧ろ自分の性器が魅力的に見えて仕方が無かった。
自分自身に見られて恥ずかしいのか小さく震え、興奮の余り先端からは透明な液体が見える。
酷く喉が、口が渇いた。飲みたい。液体を、出来ればドロッとして喉に絡み付く気色の悪い粘液を。
見るからに自分の性器を咥えるかどうか躊躇うシンジの表情は面白い。
「上半身起こせば、ちょっとは楽になるんじゃねぇの?」
言葉に背を押されてシンジの足の指が頷くように動いた。
亀の仕草で首だけを動かし、唇から細めた舌を伸ばす。
自慰にも程が有る。男の自分が男性器を口にするだけで吐気を催すのに、ましてやそれが自分の……
――ぴちゃ
舌先が自身の粘液に触れた瞬間にそんな考えはどこかへ消え去った。
「……はっ」
本当にやりやがった!
思わず鼻で笑ってしまった。侮蔑の笑いだとすぐにわかったシンジがきつく目を閉じる。
馬鹿にされている。コケにされている。それでも唾液と精の絡み合う音を聞きたい。
「う……ふ、ぅ……」
先走りより先に涙が出てきそうな程に悔かった。それでも舌が勝手に動いた。
「……もっと咥えたらどうだ? ほら、先刻みたいにしゃぶって、さ」
シンジは素直に口を先程より少し大きく開き、膨張しきっても尚細めの性器を口の中へ収め込んだ。
体は固くはないが特別柔らかくもないシンジには亀頭を含むだけで精一杯で、何とか咥える事が出来たその部分を吸い上げる。
今日の毒は本当に毒だ。数秒もしないでシンジから羞恥が消えた。
――ズ、ジュ、じゅっ……
毒に犯され、毒に慣れ、やがては自ら毒になる。……とんだ猛毒を飲まされた。そう思っても遅い。
無理の有る体勢で男性器を、口を使って愛撫するシンジの様子に思わず生唾を飲みそうになる。
客もやはりヘテロセクシャルの男なのか、幾ら淫猥でも性器には余り目が向かない。それよりもそのすぐ下の肛門に向かってしまう。
無意識にシンジの不浄の穴はヒクヒクと動いていた。
粘膜は口や鼻や目や、その薬使う上で最も効果が出て欲しい性器だけではない。存在の意味は違うが、直腸にもしっかりと有る。
薬はシンジのそこにも自覚させる程にきちんと作用していた。
「今度は……俺が舐めてあげようか?」
その言葉にシンジの目が開く。
腹を下の布団に付けてうつ伏せになり、顔を突き出して露になっているシンジの顔へと近付けた。
「……う……」
押し殺すようなシンジの声は頭上で聞こえる。
「可愛い顔してアナルがモロ感なのか? ヒクついてるぞ」
見るな、と言うより先に肛門を唇で塞いだ。
「ふ!!」
驚いたシンジの反応を楽しみながら、物を受け入れる余裕の無い閉じきった肛門の中央へと舌を押し付ける。
「う! ぐ……ふ、う……」
自分の性器を咥えたままシンジは何かを言おうとしたが、すぐに声を出す事を諦めて性器を舐め回す事に専念し直した。
ヒクヒクと動いていた割に肛門は舌先の挿入すら許さない程にきつい。きちんと慣らさないとインサート出来ない不便さは女だろうと娼婦だろうと男娼だろうと変わらない。
面倒に思うが、それも楽しまなくては金を払う意味が無い。幾ら払えば良いかは知らないが。
意図的に唾液を多く出し、舌を上下左右に動かしながらシンジの肛門に塗りたくっていく。
「……う、むっ! ン……ん、むぅ、んぅ……」
ほんの僅かに開いた隙間へ唾液が少しでも流れるとシンジが声を漏らした。
この男娼はどうにも顔や体、所謂外面は総じて可愛らしいが、口調や態度は腹立たしいガキにしか思えない。……との考えを、撤回しなくてはならない。感じれば素直に可愛らしい声を上げる。
「ふ、う……う!」
特に舌を左右に動かすと体全体を震わせてまで反応を示した。
肛門へと向かう皺を1つ1つと舐める度に性器を咥えた口から切ない声が漏れる。
「ふ……う、イうっ!」
舐め続けられていた細胞達がきゅっと体を強張らせた。
―――
ちゅぽんっと音がして、シンジの口から性器が抜ける。
顔を上げて見ると性器とシンジの唇とを結ぶ白い糸が2本見えた。
「うぁ……」
声に近い息を零すシンジの口の中には精が溜っている。それも、ドロッドロに濃い精が。
表情に悔しさを残したままシンジは強く唇を結ぶ。
――ゴクン
コマーシャルに起用されそうな程軽快な音を立てて飲み込んだ。
「……美味いか? 自分の精子」
言葉責めにしては貧困な単語しか出てこなかったが、それでも効果は有ったのか、シンジの表情は益々険しくなる。
「アンタのより……美味しいよ」
まさか精を美味いと誉める日が来るとは。
シンジは体を起こし、教えられて覚えたばかりの自慰とは全く違う手付きで自分の性器を軽く撫でた。
手の平に付着した精も舐め取る。
舌の上に広がる独特の味と、通じて鼻を占領する匂い。の味が人によって違うのだとシンジは改めて思った。
本来なら吐き出しそうな位に濃い、精らしい味を自分の精はさせている。飲む事だけを考えれば未だ客の精の方がマシだろう。
だが今は別だ。喉に絡み付く濃さを持つ精が良い。全身に精を塗りたくって内からも外からも内臓の全てを精に犯されたい。
本当にこの渇望は薬の所為だろうか? 等と最悪の想定が頭を過ぎったが、考えないでおく。それよりも今は精、もしくは唾液を、粘液を摂取する方が先だ。さもないと体だけではなく心まで狂ってしまう。
「なぁシンジ」
舌を伸ばして手を舐め続けていた所に声が掛かる。
「これで終わりじゃないよな? これだけじゃ金は払えない」
金額交渉を最初にしておかないと、どんなに満足させても払えないの一点張りで逃げ帰ろうとする客が居る。
故に、それでも構わない、寧ろ叔父達に金が入らず、自分が使い物にならないとこの仕事をさせられなくなる事を望むシンジ以外は必ず先に金の話から始めた。
「別に払わなくても良いけど……もう1度口でするよ。溜ってるの、全部飲むから」
「そりゃシンジのしたい事だろ?」
フェラチオ好きの変態呼ばわりだが、シンジは驚いて目を丸くするのみ。
「僕の?」
違う。断じて違う。ただ精を飲まなくてはならないだけで、口を女性器に見立てられるのは不本意で……言いたい筈の言葉が出ない。
「ここは本番ヤラせてくれる店だから来てんだ。男だからまんこが無いのは仕方無いけど……アナルプレイ出来んだろ? さっさとさせろよ」
口調がどんどん速くなる。息も上がっている。自分からは見えないが、目の前に居るシンジにはしっかりと見えているのだろう。怒張しきった性器が。
「……後ろ向きで良い?」
無感動に尋ねたシンジはそのまま四つん這いになり、右手で着物を捲り上げた。
「丸見えだな」
言葉通り少し腰を上げた体勢では肛門は勿論、萎えて犬の尾のように垂れている性器までよく見える。
「見なくて良いだろ……早く挿れなよ……」
どうしようも無い程恥ずかしいが、それでも仰向けになって相手を待つよりはマシだった。顔を合わせながらのインサートには耐えられない。
ましてや薬の所為で宜しくない体質にされている。下手をすればよがった顔を見られてしまうかもしれない。
「ん……」
すっと硬めの感触を感じてシンジが呻く。
「……指?」
「未だ挿れてないって」
散々自分の唾液で濡らしてはいるが、入るかどうかはわからない。その位狭い……正しくは小さい。本当に「慣れている」のか疑わしい。
――つぷっ
「痛ッ」
「我慢しろ。いきなり挿れたらもっと痛いぞ」
多分。生憎そちらの経験は無い。したいとも思わない。
「知ってるよ……」
顔は見えないが不貞腐れた物言いは可愛くない。意地悪く人指し指を根本まで勢いを付けて挿れてやった。
「か、あっ! や……痛い!」
唾液を塗ったのは入り口だけだが、意外にも指はすんなりと飲み込まれる。
「温かいな……お前も気持ち良い?」
「良くない。痛い」
即答されると、妙に気分が悪くなった。
「ね、ローションだっけ? あれ使ってよ……痛くて、辛いから」
「買われた身分で、我儘だな」
しかしこの指を食い千切られそうな締め付けの肛門は、潤滑液の1つも無いと無ければ性器をインサートするのは到底出来ないだろう。
事実今も指でピストン運動を行えず、指先を軽く曲げ伸ばしする位しか出来ない。
「どこだっけ?」
指を力任せに抜き取る。
「痛っ……そっち」
どっちだよ、と文句を言う暇も惜しいので目配せすると、すぐに小瓶が見付かった。
持ち上げると軽い。中身は余り残っていない。
「ほら、ローション挿れてやるから、もっとケツ突き出して」
「こう?」
充分に肛門が見えていたが、シンジは素直に腰を更に高くする。
「もっと、顔伏せる位に」
言われた通りに顔をシーツへと押し付けて膝で体を支えるシンジ。まるで腕立て伏せに失敗したような無様な格好。
「駄目? 未だ?」
足を開いている為に漸く少し口を開いた肛門の内部は真っ赤に熟して見えた。
その部分は見た目には変わらないが、薬の作用でシンジには酷く渇いて感じられた。精でも何でも構わないから、早くぬるついた液体で満たしてもらいたい。
「はいはい」
尻に蓋を開けたローションボトルを当てる。非生物の冷たさにシンジの体がピクッと動いた。
そのまま傾け、肛門をめがけて垂らす。
「あっ……イ! ヒ、イぃっ! や、あぁッ!」
殆んど入らずに太股を伝ってシーツの染みになっていったが、少量でも欲していた部分に流れ込み、シンジは叫ぶように喘いだ。
「も、もっと、おぉ、オ、お……うむぅ……」
両方の足の指を丸め、顔をシーツへとうつ伏せて自ら口を塞ぐシンジ。
「よっぽど好きなんだな、ローション」
右手でローションボトルを持ったまま、左手の指を肛門へと添える。
「そんなに好きなら全部注いでやるから」
舌と指で解された肛門は爪辺りまでは問題無く飲み込んだ。
それを支えに、その指を濡らすように注いでいく。
――トポトポッ
「ふ、ふぅ! うぅ!! ぐ、うっ! む、うぅウ……んっ!」
「随分アナル好きみたいだな」
潤滑油の流れに合わせて人指し指を付け根まで深く差し込む。
「アッ!」
酷く狭い空間だが、体内らしい熱と潤滑油の滑りが指先を性感帯にされたように背筋がゾクッとした。
「んっあ……は、あぅ……」
ゆっくりと抜き差しするだけで顔を押し付けたシーツから甘い声が響く。
「もっと指増やしてやるよ」
人指し指を爪の先まで引き抜いて、その指に中指を添える。何をされるかわかっているらしいシンジの肛門はきゅっと締まり、すぐに力を抜いた。
2本に増やした指を躊躇いも無く強く挿れる。
――ブチュッ
「イぃっ!?」
汚らしい音を立てて指は飲み込まれ、反動としてシンジが首の力だけで顔を持ち上げて喘いだ。
「痛いっ! や、止めろっ……」
「気持ち良いんだろ? キュウキュウ締め付けて……な?」
シンジは小さく何かを呻いて声を殺す。
渇いていた体の奥まで潤滑油が染み渡り、安堵と悦が同時に訪れる。飢餓を食で癒しているのに、それが1度口にしては止められなくなる麻薬だった。
辛い筈なのに貪欲に求めてしまう。そんなシンジの考えを肛門は反映するように中でもがく2本の指を逃すまいと強く締めてくる。
「なぁ、もう挿れて良いだろ? 精子注いで欲しいんだろ? こんなにしやがって……女のヴァギナよりよっぽどエロいな」
たっぷりと潤滑油と2本の決して細くはない指を受け入れた肛門はまさに性器その物。
その姿に1度吐き出した精がすっかり溜りきって性器はビクビクと赤黒く染まっていた。
「なぁ……」
「良い、よ……んっ……」
シーツに包まれて篭ったシンジの声。
「早く……」
急にその声がクリアになった。両手で体を支えて顔を布団から離したらしい。
「早く……挿れれば? 早く挿れて、先刻みたいな臭い精液いっぱい……いっぱい射して、んっ……あ、僕のそこに、いっぱい射したら、僕全部飲む……」
下になって見えなかったシンジの性器もいつの間にか硬さを取り戻している。
「お前はお客様に、素直に挿れて下さいも言えねぇのかよ」
それもまた可愛い。強がっていてもインサートすればどうせすぐによがりだすのだから。
指を引き抜き、もう空に近いローションボトルを放してシンジの背へ掛けた。
「アッ! い、いィッ! あ、はぁあ……背中! 背中でイくっ!」
ポタポタと音を立てて最後の1滴まで垂らし終えるとシンジの声が大きくなる。
伸ばされた潤滑油が背まで粘液で構成している錯覚がシンジを襲った。
背が渇き、渇いた背が潤い、性感が満たされる。
「背中だけでイクなよ」
忠告と言うよりからかいの言葉だが、言われなければ達していたかもしれない。その位の甘く切り裂く声に、客の方も我慢の限界を迎えていた。
2本の指を抜き取り、寂しそうに収縮し始めた肛門へ性器を当てる。
「やっ……」
嫌だ、と言おうとした言葉を飲み込むシンジ。男に犯されるなど真っ平ごめんだが、受け入れれば精を腸内に射してもらえる。渇きが満たされる。……断れない。
「あ、あがあぁ、あっう!」
潤滑油で入り口――本来ならば出口だが――をドロドロにされていた為、性器は最初の区切りまで簡単に飲み込まれた。
それでもシンジは体を、それも敏感過ぎる羞恥心の集合体とも言える部分を無理に押し広げられて声をあげる。
「痛ぁ、あぁいっ……い、ぐう、う……あ……」
無理矢理腰を押し進めて何とか根本まで埋め、そのまま体を動かさないでいる。シンジの声はすぐに痛々しさを手放し、鼻の辺りから漏れる甘い息しか聞こえなくなった。
「動いても……」
「早く」
尋ねる前にシンジが言葉を吐き捨てる。
「早く、動いてっ……とっとと終わらせ……ん……はぁ……」
語尾が熱い息に飲み込まれて言葉になっていなかったが、だいたいは伝わった。
「どこまでも可愛くないな」
挿れた後位素直に喘げないのか。そう言いたかったが、こちらも息が上がっている。シンジの中は随分と狭く、熱く、そして不釣り合いにぬめりが有る。
締め付ける感触もしっかりと有るが、思いの外奥まで潤滑油は流れていたらしい。
愛想は無いが抵抗もしてこない。シンジの細く頼りない腰を掴む両手に力を込め、ゆっくりと腰を離した。
「ひ!」
――ズチュ
「で、出ちゃっ! ああぅっ! 内臓出ちゃう! 抜くなッ!!」
濡れた音とシンジの悲鳴が部屋に響く。いやらしさより騒がしさが強い。
「抜くな、じゃなくて、挿れて、位……言えないのか?」
亀頭以外全てシンジの胎から抜き、蕾は唯一の繋がりを離しはしまいと強く締め付けている。
見下ろすと収まっていた部分はすっかり潤滑油で濡れ、ぬらぬらと淫猥に光っている。これを抜き挿ししてシンジを悦らせる……考えただけでも果ててしまいそうだ。
「れ、てぇ……う」
はあはあと荒い息で必死に何かを言おうとしているシンジ。
「挿れ、て……挿れて、射して……下さぁっ……く、うっ」
最後までは言えなかった。
目から涙が零れるのは恐らく薬の所為だろう。美味しい食事の代償であって、決して幾ら払うかもわからない男に敗北したからでも、微かに持っていたプライドを折られたからでもない。
死んだって構わない。だから犯されたって、その所為でいやらしい人間になってしまったって、構いやしない。
「おね……がい……」
諦めたシンジには簡単に遊女のフリが出来た。
願いを聞き入れて再び最奥まで怒張を突き立てる。
「ああぁアァっ!!」
狭い腸壁はヌルヌルした壁が侵攻を阻み、自らの手で擦る際の強さに近い圧迫感で締め付けてきた。
「ウッ」
―――
再度恥骨が張りの有る尻に当たるまで腰を進めると、余りの具合いの良さに小さく呻き声を残して、シンジのナカであっけなく達していた。
「あ、お、オぁ……」
シンジ程ではないが勢い良く出た精は直腸を奥へと進み、渇いて仕方無かった部分を潤してゆく。
溢れ出ようとする精は性器に肛門をピッタリと塞がれて行き場を失い、他の精と同じくシンジの腸壁へ絡み付いた。
「は、ア、アァ……も、1度ぉ……」
息が止まってしまいそうな、おぼつかない口調。
「ね……もう1度、出して……出してよ……」
「もう1度って……」
今終えたのは2度目の射精。1度しか射させないと言われてはボッタクリだが、そう何度も射せる年ではない。
「もう1回、だけで……良いからさぁっ!」
シンジはぐっと力を込め、萎えた性器を温かな腸壁で包み込む。天然の潤滑油たる精のねっとりとした感触が熱い。
「お願ぁ……しま、すっ……」
こんな事を頼むのはやはり不本意なのだろう。シンジの声は震えている。
折角この店に来たのだ。どうせならもっと楽しんだ方が良い。
「いッ!」
腰を引くとグチュっと卑猥な音を立てて肛門から少量の精が垂れた。
「痛っ……」
「止めろなんて言わないよな?」
こっちは客だ。……否、そっちから誘ったんだ、とも受け取れる言い方。
「い、言わないよ……それより、早く……射しンッ!」
黙らせる為に浅く抜いて、浅く挿れてを繰り返し、短い距離でのピストン運動を行う。
「うっ、ウっ……ンっあぅっ、あっ」
こちらの動きに合わせてシンジは何度も小さく喘いだ。
直腸で性交しているのに大量の潤滑油と、同様にかなりの量の精でシュッシュッと擦れ上がる音が脳に直接届く。
最初は両手の中に有る細い腰は、強く腰を打ち付ければその分前に進んでいた。
しかし徐々に反対の動きに、引き抜こうとすれば逆に押し付けるようにこちらへと腰を無理な体勢で擦り付けてくる。シンジ自身の意思で。
「あアァッ! く、んうぅっ!」
まるで絶頂後の女性器かと思う位の水音を立てて、当然の如くシーツを匂いが染み付く程に汚していた。
その染みの一部は触れられてもいないのに高ぶりを見せているシンジの性器が先走った物。
後背位ではシンジがどんな顔をしているかわからない。体をのけぞらせて苦痛と悦楽の間をどちらに行けば良いのか迷っているのだろう。
「ま、まっ、未だ? 僕もう、アっ、イキたっ!」
「早い、ぞ……」
からかうつもりの声が掠れていた。
「あぁいっ! あ、ん……ふ、うぅっ!」
それにどうせシンジには聞こえていない。
「ひゃっ……あ、はぁ……射せよ! 早く射せっ!」
シンジの手は掴んだシーツを手繰り寄せた。それでも感覚はその手ではなく、唯一他人と繋がりを持つ部分にのみ集中させている。
「射せ! だッ……ア、射せよ! ダッ! 射してっ! だしてだしてぇッ!」
同じ言葉を上擦った声で響くシンジ。
「……そんなに精子が欲しいんなら、くれてやるよ!」
「は、ひゃ……」
悦びに溢れた声。シンジは全身にゾワゾワと鳥肌を立てて、体でも反応を示すように咥え込んだ性器をしっかりとぬるついた腸壁で、動かせない程の力で捕えた。
「ナカ出ししてやるからな!」
陳腐な言葉の応酬だが、互いの聴覚を性的に刺激するには充分だった。
「奥で、奥にいっぱ……アぁっ!」
言葉に逆らって性器を引き抜くとズリュ、と鈍くいやらしい音がする。
「だ、駄目ッ!」
引き抜かれると思ったシンジの慌てた様子は可笑しく笑えた。
「尻で!」
辛そうに首を捻ってシンジが顔を見せる。
目を真っ赤に充血させて汗だらけで、しかし唾液を垂らしたりはしていない。自分の体液だろうと飲み込みたくて仕方無いからだ。
「尻で射さなきゃ、ださなあアァッ!」
――ドグドグドグッ
目を開いていられない、思わず強く閉じると真っ暗な世界で鈍い音が腰からどこかへと消えてゆく。
「……っ……んっ……」
掠れた声に近い息をシンジが喉の辺りから漏らしていた。
その音で10代の子供でもないのに、この短い時間で3度目の射精を終えた事に気付く。
肛門の入り口近くで射した精は3度目の頼りない勢いで細過ぎるシンジの直腸を泳いでいっただろうか。
少ししか入っていなかったので、性器を抜き取るのは簡単だった。
白く濁った液体が性器と肛門を繋いでいた。糸を引いたのは先端だけではなく全体から。シンジの腸内をはじめとする内臓全てに精が詰まっているのがわかる。
「……はっ……ん」
その精を下半身で味わっているのか、甘い喘ぎを小さく漏らしていた。
「……幾ら?」
未だ息が整っていない、それ所か達していないので性器を硬く勃ち上がらせたままのシンジに尋ねる。
「満足させてもらったし、きちんと払っとくよ」
大きく溜息を吐いて体の力を抜き、両手を大の字に広げてシンジはうつ伏せに寝た。
「あ……お金、か……」
顔は左側に向けて、きちんと話が出来るように。
未熟だが膨張しきった性器を様々な液体で汚れたシーツに押し付けるような体勢。
擦り付けて見えるが、動こうとはしない。射精ではなく金額を考えているだけらしい。
「……10万円」
「はぁっ!? フザけんじゃねぇぞ、このガキっ! ここに来るだけでも金払ってんだ、ボッタクリじゃねぇか!!」
吐精後の疲労をフッ飛ばすシンジの発言に客自身も驚く程の大きな怒鳴り声が響く。
「じゃあ5万円」
すぐに訂正すると、今度は部屋がしんと静まり返った。
誰もいない、誰かを待つ、つい先程の時間を思い出す。
「……わかった。倍にして様子見るとか、下らない事すんなよ」
また文句を吐かれれば同様に半額にしてみるつもりだった、とは言えない状況。
「男も結構な金取るようになったんだな。ま、本番抜きとは言え3発世話になったからなぁー……」
後ろとは言え抜かずに連続とは貴重な体験だった。
シンジの視界には入らない位置で財布を探る音。
――パサッ
「はい」
お世辞にも綺麗とは言えない万札が4枚、シンジの視界に入った。
1枚足りないと文句を言うべきか。重なっているのかもしれないし、別に5万が必要なワケでもない。
何より喋るのが酷く億劫だ。パンパンに腫れてしまった性器を何とかするのを優先したい。
「どうも」
常に客は帰りがけに店長に、シンジの叔父か叔母に当たる者に幾ら払ったかを告げる。
金額を伝えるのは義務ではない。しかし軽い口調で尋ねられれば世間話調に答えてしまうのか、もしくは深読みしてきちんと払ったか疑われていると思う人間が居るのだろう。
そして客から聞いた金額を後からしっかりと請求される。
この部屋に隠す場所は無いし、来る時は財布を持ち込める状況ではない。
所謂子供でしかないシンジは金が無くても生きていける。現に今こんな事をする日もしない日も無意味に生きていた。
「じゃあこれはチップな」
4枚の茶色い紙幣の上に、急に2枚の青い紙幣が重なる。
「え?」
千円札が2枚。
「美味い物でも食えって。……次、何曜日だ?」
美味しい物を食べなさい。これで自由に食事をしなさい。
これは『僕の』稼ぎ?
「なぁーいつなんだよ、次のシフトは」
別の事を考える間も無く客が繰り返す。
「次の……?」
「そう、次いつ出るんだ?」
「知らない。……多分、誰か休んだ時、だと思うけど」
実際どういう頻度で出ているのかよくわからない。強いて言うなら時間帯は少し早めに入り、早めに出る事にはなってはいたが。
「そっか、じゃあまたな」
「泊まっていかないんだ?」
考えたのか、少し間が空いた。
「……男と一緒に寝るのは、ちょっとな」
布団は1組しか無い。客が寝るとなると、娼婦達は入れてもらうか畳の上で寝るか。しかしこの店には、この階には宿泊料金に相当する一定の金額しか設定されていない。
「ふうん」
「またムラムラっとくるかもしれないし……きても、もう勃たないしな」
3度で尽きるとは思っていないが、もう1回戦を繰り広げれば具合が良過ぎて性器に痛みが生じるだろうと考えて付け足す。
顔を上げられず5万2千円しか映していないシンジの目には当然見えなかったが、客はそれなりに満足をして帰るらしく、内側の防音扉を開ける音がした。
またな、と言う言葉からすると……恐らくまた来るのだろう。それが満足したらしい証拠。
重苦しい内側の扉が閉まる音と、重なって外側の格子窓のような扉が開く音が続く。そこから出る音や閉める音は、内側の防音扉の所為で聞こえない。
誰も居なくなった。誰かが思うよりも体が楽だったりするシンジはむくりと起き上がる。
布団の上で体育座りをし、そのまま両足を開く。勃ち上がった性器の先端は透明な液体を迸っていて、見ている自分が恥ずかしくなった。
そのまま体重を背に掛け、肛門をシーツから離す。
「んっ……」
不気味と表現したいドロッとした感触がシンジの体と1組の布団を繋いだ。
恥ずかしくて堪らないが、誰も見ていない。シンジはそっと右手を肛門に、左手を性器に伸ばす。
「ン、あ……あっ……はぁ、あ……」
体が渇いて辛い。零れてきた精を肛門に戻さねば。そして少しでも早く自分も達して、射した精を飲むなりして体に取り込みたい。
淫らな水音と、卑猥な自分の上がった息と、不審な程に早く打つ脈の音。それ達が耳に響いて煩かった。
今日の客が再び来る事が有るのだろうか。そう言えば先日シンジを選んだ客も、次店に出るのはいつだとしつこく聞いていた気がする。
もしかして、こんな自分を気に入ったのだろうか? この2千円がその何よりの証だったりするのだろうか?
「……はっ、あ……アっ……ん!!」
可笑しな薬の所為で考える事もままならないシンジは、何度も瞬きを繰り返し、唾液を飲み込み、そして絶頂を1人虚しく迎えた。
薬に犯され、薬に慣れ、やがては自ら媚薬になる。……自分を含め、誰をも虜にする薬へと。
こんな時間に覗いたらキテたー!シンジきゅんが可愛いよやばいよ。
孔雀氏相変わらずいい仕事しますな
孔雀氏GJ!GJ!
貞シンは生意気だなw
だ が そ れ が い い
やべやべやべやべ
ツンデレ生意気貞シンジ、イイネー萌えたよマジで
シンジきゅんって一度で二度おいしいと言うか、
庵シンジきゅん最高!!なんだけど貞シンジきゅんも貞シンジきゅんでマジエロ可愛い
あ、ツンデレというか素直クールかな
なんつーかね、天才としか言いようがないわけだ
庵シンジのが好みだが、貞シンでおっきしまくり
どうしてくれんの
やばい、貞シンジきゅんもまた新鮮で萌えた
あんたすごいよ
このシンジきゅん買いたい
朱雀氏に何度GJと言っても足りん気がする
これは抜ける
孔雀氏だよwww
正直すまんかった
くじゃくだねくじゃく
フッツーに読み間違えてたわ
貞シンジもまたええわぁ
えろシーンはもちろんだが最初にも(*´Д`)ハァハァ
叔母にこき使われるシンジきゅん
栄養足りないシンジきゅん
薬だと分かってても食べるしかないシンジきゅん
(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ(*´Д`)ハァハァ
>いつもこの位の食事が出れば身長も伸びるかもしれない。とは言わないでおく。
不憫だ…
>叔父に悪戯
↑何されたかくわしく!
きっと感じやすくなるように開発されたんだよ
「ちょっ・・・何すっ・・」
「家に置いてあげないよ?」
「・・・っ」
脅迫ですか
ほす
伯父さんに悪戯されても、こんなの暴力と同じだ、殴ったり蹴られたりするのと大差ない。
目を瞑って耐えていればすぐ終わる。そう自分に言い聞かせ、耐えるシンジきゅん。
だから転校初日トウジに殴られても、平気だと自分に言い聞かせてたシンジきゅん。
ほす
>>531 良いなそれ。想像しておっきしそうになったおww
でも、トウジがシンジきゅんの真実を知ったときフラグ立たないか?
まぁ、それはそれで良いが。
貞版2巻
泣きながら
「ぼくは・・昔(まえ)のところへ帰りたくないです・・・」
そうか、そういうことか
つか、ここは基本的にカヲシンはNG?
まあ専用スレがあるからスレ違いなのかもしれんが
カヲルシンジのコンビで男娼生活っていう設定で実は恋人っていうの面白そう
やべ、話ぶったぎっちまった・・・スマソ
>>537 カヲルは荒れるからやめてくれ
カヲシンは専用スレがあるからそっちでやって
>>538 久しぶりに来たから荒れる原因とは知らなかった。まじゴメン
トウシンは好きだがカヲシンはキモい。
こういう事です
「こないな事、もうやめえや。お前が傷つくだけやんか」
「トウジには関係ないだろ!傷ついて何かいない!こんなの、こんなのトウジに殴られたときと同じだよ!」
「なんやと!せやったらワシが買うたる!それやったらええんやろ!」
「や、やめろよ!トウジ!」
凌辱の名残も新しいシンジの身体を押し倒す。華奢な身体は一瞬の抵抗を見せたが
すぐにそれは消え去り、震える身体は以外な程大人しく腕の中に納まった。
「…………何で抵抗せんねん」
「………ッ…」
こんなの暴力と同じだ。目を瞑って耐えていればすぐ終わる。
少しの間だけ身体を好きにさせていれば、済むのだから。
こんなの平気だ。あのとき、伯父さんに好きにされたときだってそうだった。
ただ、耐えられないのはその体温だ。
行為そのものより、人の温もりを伴うことだ。
「…好きにしてええんやな。せやったら、遠慮なんてせえへんからな」
トウジは泣きだしそうな声で言った。
抱き締められた体温は、何故かいつもの男達より、ずっと暖かかった。
ごめん。ちょっとやりたかっただけ。もうしない。
ロングパスするなよwwwww
572に期待wwwww
>>537 カヲシン結構好きだからカヲシンスレでやってくれると嬉しい
まあ、あそこはネタスレと化してる気がするが
カヲル「これっぽっちの稼ぎ?もっと気合い入れて客引きなよ。」
シンジ「…、そんな…。身体がもたないよ、もう…」
カヲル「え〜?本当かな?
……じゃあしょうがないね、この写真鈴原に見せちゃおうかな?」
シンジ「なん…っ!?そんなの約束が違うじゃないか!!」
カヲル「約束?そんだけの金額で約束が守られると?」
シンジ「……。」
カヲル「ほら、こんな顔して男の下になるシンジ君見たら、鈴原も離れてっちゃうんじゃない?」
シンジ「ぅ、う…。トウジ…」
カヲル「泣いてる暇あったらさっさと客引いて金せびって来たら?」
昼ドラになった。
>>542の続きがちょっと書きたい。
でも、展開がどうしても愛を知らなかった、快楽だけで良かったシンジきゅんが、
トウジと出会って変わっていく愛憎劇みたいな本当に昼ドラっぽくなった。
存分にやりたまえ
>>547 君の書きたいように書けば良い
但し投下の時は572に気を付けよう
551 :
547:2006/08/03(木) 21:41:37 ID:???
最終的に日陰で生きてきた男娼シンジきゅんとトウジで
トウシンハッピーエンドになりそうだけど、まとめ終わったらあとで投下する。
最近トウシン人気だよな
トウシンはなんか純愛って感じでいい。
6巻とか表情見ただけで萌える。つぅか泣ける。
でも正直このスレまでトウシンなったらやだな。
カプを特定するのはやめてほしい
別にスレを作ってそっちでやって
カプスレ化を免れたいんじゃないかと思う。
トウジシンジ系はもうスレがあるからなぁ
別に特定に偏るんじゃなかったらカプぐらいイイと思うけど、専用スレがあるならそっちでもいいと思う
カプ特定無しにするんならLOSだけになっちゃうんじゃね?
男娼という基本的なテーマから外れてないなら
カプありでもいいと思うけどな
ただしコテと注意書きはつけたほうがいいね
トウシンを書く為の男娼じゃなくて
男娼を書く為のトウシンなら良い、ってことかと
そだね
うん、それなら。
トウシンにしたいという意識じゃなくて
男娼シンジにまつわるなら何でもありだって事でしょ。
カプ批判する奴は荒らしっていう事でいいんじゃねもう。
トウシントウシン言うなら専用スレ。
孔雀氏待ち
孔雀氏キター(゜∀゜)
待ってるよん
547にも期待
期待(゚∀゚)
孔雀氏、547氏
wktk
ご奉仕中のシンジきゅんの絵が見たい
消えてるよん
wktk
カヲシンきんもー☆でトウシン予告の
>>547にwktkしてる中、
人の期待を裏切るのが仕事な俺はこの流れをブッた切ってカヲシン持って来ました。
待っててくれた人、俺に期待しない方が良い。でも待っててくれて有難う。
注意書き。
カヲシンです
だからホモです。しかもキャラカプです。
激しい矛盾を防ぐ為エヴァ2のエンジェルバスターみたいな感じだと思ってもらいたいです
801っぽくしてみたつもりです
そんなワケでカヲシンです
理科の授業はエスケープする者が多い。担当の教師が一切怒らないから。
自称不良を気取る子供は勿論、日頃優等生で通している子供も席を外している事が有る。
流石に授業が始まってから席を立つ真似をする者は居ないが。
次の授業が理科、『彼』と『彼』がセットでまた居ない。……2人共次の時間エスケープする。ほぼ確実に。
「また居ないね」
極力普段通りを装って、渚カヲルはパソコンに噛り付いている席の近い相田ケンスケに声を掛けた。
「あ? あートウジとシンジね。アイツら最近理科サボり過ぎだよな。出席日数不足しても、ネルフが何とかしてくれるんだろうなぁ。良いよなぁ……」
1度顔を上げて眼鏡を直し、すぐにパソコンに目を戻す。
「君はサボらないのかい?」
「まぁね」
カタカタとキーボードをタイピングしながらきちんと返事をする辺り、ケンスケはその意味でも器用な人間だ。
「別に教室ん中に居てもサボれるしさ。こうやってパソコン繋いじゃえば。渚は結構真面目に授業してるよな」
「サボり方がわからないからね」
苦い笑みを向けると、再び顔を上げたケンスケも笑顔を見せてきた。
「優等生の基本みたいな奴だな、お前は。でもそれちょっとわかるよ。2人みたいに教室出ちゃうのが1番楽だぜ。他のクラスは普通に授業してるから、あんま行ける所無いけど……」
ふと、ケンスケの表情が曇る。
「……そう言やあの2人、どこでサボってんだろ。屋上かな?」
「どこだろうね。ちょっと見て来ようかな」
「もうすぐ授業だよ?」
「サボりついでに、さ」
言い残して立ち上がっても、止められる事は無かった。
「はーい、行ってらっしゃい」
見送りの言葉まで貰う位で。
途中廊下で教室に入ろうとする委員長に1人でどこへ行くのかと問われたが、手洗いだと伝えれば止められる事は無かった。
授業が始まる1分前に立つのはどうかと思うと言われると踏んでいたので意外だったが、生理的な物だから仕方無いと考えたのかもしれない。
本当にケンスケの言う通り屋上に居るのか知れないが、先程委員長に告げたのだから先ずはトイレに向かう事にした。
排泄に対する欲求は人間のそれと比べると極端に低いが、全く無いワケではない。物を食べるのだから、当然物を出す。……今出したい欲求は一切無いが。
トイレの戸を開けた時点でチャイムが鳴った。中には誰も居ない。
居ない、筈だった。
「珍しいね、大の方なんて」
自然とまるで小馬鹿にするような声が出ていた。1番奥の個室トイレ、各所に1つずつしか無い洋式便所の扉が閉まっている。
興味本位で扉を見てみるとご丁寧に鍵が掛けられて赤くなっており、誰かが使用後に閉めてしまったのではない事がわかった。
学校で大きい方をするのがどうやら恥ずかしい事に当たる、とこれまでの生活で大体掴めて来た所だったので純粋に驚いたカヲルの耳に、更に中から声まで聞こえてくる。
「……ふっ……く、うっ……」
堪えている声の発し方。……余程溜まっていたとか、か?
その疑問に違うと答えるように、言葉として聞こえてきた。
「や……やっぱ、エエな……」
この声……もとい、特徴的な喋り方。
「鈴原君?」
声を潜めて、決して扉の奥の人間に聞こえないように。
「……あっ、ホンマ、そこ……弱いわ」
トウジは何をしている? 誰への言葉とも付かないが独り言ではない。気になって仕方無いが、ノックして声を掛けるワケにもいかない。
自分が意外と好奇心旺盛で、あまつさえ行動派なのかもしれない。そう思いながらカヲルは隣の和式便所の個室へと入った。
便器に足を掛けて、ついたての1番上に手を掛けて身を乗り出して……天井に頭が触れそうだが、何とか大丈夫だった。そして隣の個室を上から覗き見る。
驚いて息を呑んだ。……正確には予想通りで、予想が的確すぎて息を呑んだ、なのかもしれない。
中央の便座にはやはり鈴原トウジが座っている。見てしまっては申し訳無い格好、大股開きでジャージと下着を足首まで下げて。
そしてその局部に碇シンジが顔を埋めていた。
「あ……お、おぉ、エエわ……」
ゾクゾクと体を震わせ愉悦に浸っているトウジ。
間違い無くシンジはトウジの性器を口に含んでいる。
真上からなので良く見えないが、あの触れたくて仕方無くなる丸い後頭部はシンジの物だ。上下に動いて、口全体を使って愛撫しているのがわかった。
「シ、シンジぃ……」
確信に変わる呼び掛け。
「なぁ、そ……そろそろ……」
息が上がりきってだらしなくも聞こえるトウジの声。どちらかと言うと硬派を見せていたトウジからこんな声を聞く事になろうとは。
「ん、んぶっ……」
何と言ったかは不明だが、トウジの言いたい事をくみとったシンジは短く返事をした。
決して自分に向けられた物ではないのに。熱が下半身へと下るように上ってくる。
――ぢゅっじゅるっ
粘りを存分に含んだ液体の流れる音を響かせながら、シンジの顔の位置が一層トウジへと近付いた。
あんなに近付いては唇がトウジの恐らく生え掛けの陰毛に触れてしまう。穢されてしまう。
見ていられない、いたたまれなくなったカヲルは自分の入った個室の床へと足を下ろし、そのまま便器に靴が触れない位置にしゃがみ込む。
「アッ! あぁぉ……アカン、喉ん奥、全部射したるッ!」
ここにカヲルが居るのを知って、わざと大声を出したのだろうか? 壁1枚隔ててもよく聞こえる声だった。
シンジがトウジに穢された。否、最初から彼達は愛し合っていて、それを確かめ合うべく自分達には秘密で逢瀬していたのか。
胸の奥が熱い。汚くドロドロした物が渦巻いているように。
下腹の更に下も熱いが、これは恐らく視覚と聴覚からの情報が性欲を高めただけだとすぐわかる。では、この心臓付近の痛みは?
すぐに理解出来た。
「嫉妬、か……」
小さくとも声に出せば益々その通りだと実感が湧く。
思えば2人の関係には最初から嫉妬していた。友情を見せ付けてくるトウジが羨ましくて仕方無くて、友達の筈なのに羨望の対象で。
シンジがトウジに笑みを向けるのが特に腹立たしかった。勿論カヲルにも笑顔は見せるが、それは独占しきれない。
2人の間には確実に何らかの隠し事が有るのはここ数日の行動で想像出来ていた。自分やケンスケの知らない何かが。しかしそれがまさか……
奪えないだろうか? と思う反面、それがシンジの幸せなら仕方無いと無表情な拍手を贈りたい気持ちも溢れる。
そうか、こんなにも好きだったのか。こんなにも、こんなにも。
カヲルは盛大な溜め息を残して、生まれ落ちて初めて用を足さないままトイレの個室を出た。
――ギィッ
1歩踏み出した瞬間、隣の個室の扉が開く。
「渚っ!」
声の主はトウジ。タイミング良くトウジもまた個室から出てきた。
「……やぁ」
いつもと比べれば幾分頼り無さそうな挨拶になってしまった。
「お、おぉ……」
それでも返事は貰えた。
「こ……こんな所で、自分、何しとったんや?」
それはこちらの台詞だ。
等とは口に出さず、制服のポケットに手を入れて少しわざとらしく首を傾げて見せる。
「何って、ここはトイレだよ? 用を足さずに何をするんだい。まさか豚肉を買いに来たようには見えないだろう?」
「せやな、全くや。は、はは……あーでも自分が便所入るんはアレや、珍しい気するな!」
適当な話題を探しながら必死に背に当たる扉を、その奥の個室便所を隠そうとするトウジな動きは嫌な笑いを込み上げさせる。
もしも個室に隠れているのが彼と恋仲のシンジでなければ、笑いながら悪戯に扉の事を聞いてやるのに。
「それに、もう授業始まっとるやろ? サボってエエんか?」
「それは僕の台詞だよ。今から戻れば許してもらえるかもしれないから、急いだらどうだい?」
「あー……せやな、もう戻らんとな。渚はどうするん? サボるんやったら屋上でも行っとったらどや?」
何でも良いからここから早く出て欲しい。嫌なまでにわかりやすい発言。
「そうしたいけれど、未だお腹が本調子じゃなくてね。もう暫くこの個室に篭ろうかと。……洋式は苦手だから、この和式に」
「そ、そうか、そやったんか」
口からでまかせのカヲルの言葉を鵜呑みにしたトウジは「そうだよな」を連呼した。
安堵しきって表情筋が緩み、どんどん砕けた……言うなれば笑顔になっていく図は見ていて面白い。
「まぁ、やっぱ渚と便所は似合わんわ! ほな、腹治ったらちゃんと戻って来るんやで?」
「わかったよ」
再び今居た個室に入るフリをして背を向けると、途端にトウジは走ってトイレを飛び出した。
恥ずかしくなったのだろいか。これが所謂『青春』こと思うと、確かに甘酸っぱさが有って微笑ましい。
しかしその相棒たるシンジを置き去りにしたのは何だか納得がいかない。ましてやシンジなのだから。
個室には入らず、その隣の個室の閉まってはいるが鍵の掛かっていない扉を見つめる。この中にシンジが居て、先程までトウジと体を重ねていて。
どんな表情で愛を語らっていたのだろう。性器を口に含んでいたのだろう。喘ぎ声を漏らしていたのだろう。
妄想が爆発するよりも先に、右手がその扉を捕らえていた。
――ギィッ
洋式のトイレはどこもたてつけが良くないのか、開閉にいちいち音を立てる。
「え、お、おぇっ……がはっ、かはっ」
中ではシンジが――嗚咽を漏らしている真最中だった。
便器の蓋を開けてその中に顔を突っ込む勢いで、両手で便器の端を掴んで。
シンジには到底似合わない声で胃の中の物を戻している。
「はっ……あ、かはっ……」
余りにも苦しそうで、背中を摩ってやりたくなる。しかし逆に、本人は嘔吐の最中を見られるのを不名誉だと思うだろう。
取り敢えず声だけでも掛けてみようと1歩中に踏み出した。その瞬間。
「ゴメン」
か細かったが、きちんとシンジの声だった。
「ゴメンね……」
今にも掠れて途切れそうな声の謝罪の理由は何だろう。嘔吐の姿を見せた事か?
それとも、カヲルからの特別な好意に気付きながらもトウジとのみ関係を結んでいる事に対してか?
後者は有り得ないと自嘲を漏らす前にシンジは続ける。
「僕、未だ飲むの苦手で……ちゃんと練習して、トウジの前で飲むから……」
勘違いされている。今居る位置にトウジが居ると思い込まれている。
言葉からすれば、恐らく戻したのは射された精液のみで、先程食べ終えた昼食は戻していないのだろう。
良かった。胃液を出せば出す程その酸によって食道が傷付く。吐く回数が多いと吐き癖が付いて、最終的には物を食べる度に吐き戻してしまう一種の病に陥る。……何より、カヲルの中では経験していないものの、相当苦しいらしいと認識していた。
「……他の人のも、全然飲めないから。だから……トウジのだけ飲めないってワケじゃないよ」
良かった。……じゃない、今何と言った?
「他の人?」
「え?」
後ろから掛かってきた声――と、口調――が予想とは全く違い、シンジは右手で口元を拭いながら振り返った。
「……カヲル、君?」
少しばかり火照って赤みを見せていた顔が見る見るうちに青白く血の気を失っていく。
「どう、して? い、いつから、いつから居たの!?」
「……やぁ」
質問に答えられず、口からは出たのは出鱈目な挨拶。
「その……大丈夫、かい?」
膝を折って近付き手を伸ばすと、猫の如く機敏な動きでシンジは後ろへと下がった。
しかし後ろ……と呼ぶのも不釣合いな、抱えていた便器が逆に彼を掴まえて放さない。
「……大丈夫、だよ」
「そう」
口元を必死で手の甲で拭うシンジ。自分はそんな事をしていないよ、と。隠す事こそ裏に正反対の事実が有ると知らせると言うのに。
手で拭いて辛うじて見えなくなった精よりも、もっと注意を向けてしまう物がシンジの右手には握り締められていた。
「……それは?」
訊けばシンジが困るだけで、訊かなくてもそれが何かはわかっている。
千円札。
「これ、は……」
案の定シンジは慌てて札をポケットにぐしゃぐしゃにして仕舞い込み、続く言葉を必死に探す。
「何のお金?」
返事は待っていない。カヲルの頭の中ではその金の意味までもが既にわかりきっていた。
「体を売って、お金を貰って」
そして僕を苛立たせて。
最後は心の中だけで呟く。
「……そうだよ」
悪びれもせず……とは言い切れない、乱暴だが申し訳無さそうに自分を責める言葉。
「賢いね、カヲル君。テレビの探偵みたい」
「いつから?」
「そんな事、聞いてどうするの?」
「聞かない方が良いかい?」
「……トウジとは、先週の月曜日から。1日1回で、今ので……7回目」
シンジの視線が定まらない。悪戯を隠す子供の無邪気に似た、それに少し卑屈さを追加した態度。
「あの、先週の土曜日……じゃ、この前か。は、はは……えと、その前の土曜日に、初めて会う男の人だったんだけど、いつも通りお金の交渉して、その日はその人の家に行く事になって、それで……」
区切りながらだが、言葉はちゃんと意味を持っている。
「それで?」
ゆっくりと聞き返すと漸く視線をこちらへ向けてくれた。それでも下の方を、恐らくカヲルの目ではなく口元辺りを見ているが。
シンジもカヲルの言い方が急かしてはいないとわかっているらしい。
「トウジ、団地に住んでるから……」
「その人が同じ団地の人だった?」
素直に頷くシンジ。
「それも2つ隣で、だから知り合いみたいで……行く時にトウジの住む団地だって気付いたけど、だからって別の場所に行こうなんて言えないし。日曜の、次の日の朝、家から出る時にトウジと会ったんだ」
どんなにその客とも呼べる相手が取り繕ったとしても、シンジが2つ先の家の人間と交流が有ったとはトウジも思えないだろう。
男の家で1晩明かして朝に帰るシンジの姿を見て、果たしてトウジはどう思ったのだろうか。
もしも自分ならば……と考えかけて、その考えを急いで捨てる。
きっとその男を殺していた。
何故なら先程隣からこの個室を覗いて2人の情事を目撃した瞬間、真っ先に人間として、1人の友達として説得をされてこの人間が住む世界に残してくれたトウジを殺してしまいたいと思ったのだから。
「トウジ、当然かもしれないけど凄い驚いた顔してた。でもその時は何も言われなくて……だけど、丁度部屋に、僕の部屋に着いた頃に電話が鳴って。それから……何て言ったっけ。えっと……」
再びシンジの視線が足元へと向かう。
互いの足と足の間の床を見て距離を計算しているような、簡単な数学で何もかもを誤魔化そうとする態度。
多分もう何を言ったか、トウジと電話でどんなやり取りをしたのか思い出している筈だ。
わかるのはきっと、それだけ日頃シンジの事で頭を埋め尽しているから。
だからこそ急かしてはならい。
シンジは言うなれば精巧な飴細工のような、美しくて甘くて少し力を込めただけで姿を崩してしまう儚さで出来ている。そう思う。
第一、本来ならば尋ねる必要の無い事。知れば互いに不愉快な想いをするだけだ。
「……お金が必要だから、だから……トウジも協力してって」
「お金が、必要?」
躊躇いを残しながらもシンジは小声で「うん」と答えて頷く。
「それで、鈴原君に1回千円で……先刻のような事を?」
今度は返事が無い。代わりにシンジはギュッと目を瞑り、視界全てを自ら塞いだ。
カヲルの脳内には口で済ませるのに千円は安過ぎる気がするとか、だがトウジからすれば1日千円で既に7回目にも及ぶのは凄い事だろうとか、色々と流れる。
「……どれ位必要なんだい? 何だったら、僕が工面するよ」
シンジが顔を上げて、次いで慌てて大きく首を左右に振った。
「い、いいいい、いいよ! カヲル君にそんな迷惑掛けられないよ!!」
首を動かしながら喋るので声が左右から聞こえて面白い。
「どうしてだい? 僕はこの境遇だから自由になるお金はそれなりに有る。急いでいるなら鈴原君に千円ずつ貰うよりも……」
「別に、急いではないから」
思いの外即答。それも、少し下を見ながら、酷く冷めた顔で。
まるで金銭は元から必要無いような、必要な理由は遠い昔に望んで置いてきたような。
「……それに、ね」
思い出したように再び目線が合う。
「借りても返せないよ。きっとカヲル君に返す為にトウジとか、他の人とかとお仕事……その、色々するだけだから。ゴメンね、カヲル君にこんな事まで話して……聞きたくないよね」
「そんな事は無いよ」
シンジは1度口を開いてきつく結び、再び開く。次は言葉になった。
「有難う。何かわからないけれど、カヲル君には何か話しちゃうんだ。何でだろうね?」
信頼しているから、好きだから。そんな理由をシンジが口にしてくれる日は来るだろうか。
「……でも汚いよね。僕、汚いんだ。人に見せちゃいけない、とっても恥ずかしい所を見せたり触らせたり、色んな恥ずかしい事して……」
シンジが1度鼻をすする。鼻の頂点辺りがツンと痛んで、それを誰にも悟られまいとする時のように。
「……嫌いになったよね。こんな……」
「そんな事は無い」
先程よりも少し声が強くなる。言わせ続ければそのまま涙を流しかねない。それを阻止したくてカヲルは右手をシンジの頭にそっと乗せた。
「辞めろとは言わないけれど……」
出来れば辞めて欲しい。金が必要なら誰かを殺しても構わないから、シンジには少しでも辛い思いをしてもらいたくない。
しかし手の平からの微かな温もりを得て安堵しているシンジを見れば、そんな醜悪な言葉は出てこない。
それにもし、どんなにシンジの体が再生不能に穢れていったとしても、この透明過ぎる心は汚れない。きっと。
しかし実父がネルフの総司令官で、現保護者が――こちらは給与がどれ程でどう使っているかは不明だが――三佐の肩書きを持つ作戦部長なのだから、金に困る事も無さそうだが……
「……その、無理はしない方が良いよ。どんなに気を付けても、複数の人と交わると病への感染率が高くなる」
「うん。それは気を付けてる。……ゴメン、迷惑掛けちゃって」
シンジの口調も声音も先程よりも幾分か穏やかになっている。
針だらけの体で威嚇しておいて、こんなにも暖かく柔らかな体を持っていて。カヲルは改めて思った。
「……好きだよ、シンジ君」
え、とシンジが声を出したかもしれない。聞こえなかったが。
手を放して立ち上がり、カヲルは背を向ける。
「僕が見たと鈴原君には言わない方が良ければ黙っておくよ。彼も知られたくないだろうからね」
本当は自分が話題にしたくないだけ。そして、幾許かの恩を売っておきたいだけ。
「さて、と。未だ授業が始まって少ししか経っていないし、教室へ戻れば……」
――ドンッ
勢い良く何かが背中にぶつかってきた。
勿論背骨が折れそうな程ではないが、そのまま腹の辺りを左右両方から拘束される。
「……っ……」
背後からシンジの声が聞こえる。それもかなり近い位置、背にピッタリとくっ付いているような位置から。
「シンジ君?」
カヲルはシンジに強い力で後ろから抱き締められていると気付いた。
「居よう……もう少し、ここに……」
「一緒に?」
シンジの頭がモゾリと動いてワイシャツと中のTシャツが背中に擦れる。Yesの頷き。
「良いよ」
必死に掴まえられているシンジのか細い両腕に益々力が込められる。
少し苦しいけれど不快感は一切無い。空調の余り良くない、少し暑いトイレだったが、シンジの体温ならそれも悪くない。
「ゴメンね」
声がくぐもって聞こえるのは、恐らくシンジが顔を背に押し付けているから。
「謝る事は無いよ。君は何も悪い事を……」
していない、と言えば嘘になる。
「……迷惑なんて掛かっていないから。強いて言えば心配は掛けているけれど」
「有難う」
もし正面を向き合っていたら、強く抱き締め返すのに。
今は背を向けていても、シンジとは向き合って生きていきたい。純粋に彼の未来を見てみたい。幸せに包まれた未来を。
「有難う、本当に有難う……」
こんな自分を『好き』と言ってくれて。
そのシンジの小さな想いは口に出さなければ届かない。
例え届かなくても、それでもシンジは繰り返し感謝の言葉を投げ掛けた。顔を見て言うのは恥ずかしいから、カヲルが背を向けているこの隙に。
「有難うカヲル君……僕、カヲル君の役に立てたらって、思う……」
「僕の役に?」
また背でモゾリと動くシンジの頭。
「いつもカヲル君は僕に優しいから……」
そう言って体を擦り付けられる。
ゾクッと一瞬、カヲルの肌の全てが粟立った。
「……出来るなら、僕もカヲル君に何かしたいんだけど、カヲル君が望む事なら何でもしたいんだけど……」
言葉の真意が読めない。
何でもするから金が欲しい……否、何でもするから男娼ごっこは黙っていて欲しい。
恐らくその辺りの筈だが、シンジの性格からすれば、本当に友達に何かをしたいと思っているのかもしれない。
きっと未だ距離感が掴めないのだろう。自分には多少礼儀は欲しくとも、遠慮も謙遜も一切不要なのに。
このまま体が密着し続け、この声変わりをなかなか見せない声で特異な友情を語られ続ければ……
「僕、カヲル君の為に何かしたい。カヲル君に嫌われたくないし、それに……出来れば、出来るだけで良いから一緒に、その……居たいんだ。だから、何かしたくて、何でもしたくて」
「何でも?」
嗚呼聞いてしまった。答えはわかっているのに。
「うん、何でも」
それに続く言葉も、カヲルの中では充分に決まっていたのに。
「そう……何でも」
わざと反復すると肯定するようにシンジの両腕が解かれ、カヲルは漸く体が自由になった。
振り返ってシンジを見る。ほんの少ししか身長差なんて無い筈なのに、シンジがこちらを見上げている。
媚を売っている……と言うよりは、少し自虐的な卑屈さを醸し出していた。
「じゃあもし、僕が鈴原君みたいに君を買ってみたい……」
――カチャン
後ろ手に個室の扉を完全に閉め、鍵を掛ける。
「……なんて言ったら、君はどうする?」
優しい笑顔でシンジを完全に閉じ込めた。
「トウジみたいに?」
「そう、鈴原君もしていないような事を君として、勿論代償にお金を払って……どうだろう? 持ちつ持たれつ、なんて言葉に相応しいのはこれしか無いと思うよ」
尋ねた時と同じような不思議そうな表情のままのシンジと、それこそが自分の無表情だと言わんばかりに張り付かせた笑みを浮かべたままのカヲル。
「……そうだね」
何と賢いのだろう! とシンジが嬉しそうに口を開く。たおやかで優しげな、笑顔にも見える表情で。
優しい笑顔で閉じ込めたのは、本当はどちらだろう。カヲル自身が自ら罠に飛び込んでしまっただけかもしれない。
つい数分前までトウジと睦んでいた腹立たしい空間も、気付けばシンジと2人きりの甘い密室に変わっている。
「金額は? トウジと同じ千円? 本当は口なら、もっとお金貰うのが普通だったんだけど……トウジ最初は手だけって言ってたからさ」
シンジは先程のように制服が汚れるのも気にせずトイレの床に膝を付いた。
「でもトウジとは友達だから、その位でも良いかなって思うんだ」
まるで嫌いなデザインの服を、友達が嬉々として着ているのを見てしまって、まぁ仕方無いかと笑っているような。
そんな言い方で喋りながらシンジはカヲルの制服のジッパーに手を掛ける。
「気持ち悪いオジさんとか、嫌味いっぱい言うオバさんとかと比べると、嫌な気がしなくて」
健康的な細さと肌の色が綺麗な、だけど右手の指先が少々荒れている手が、生まれたばかりの子猫を抱き上げる位に優しい手付きでカヲルの性器を取り出した。
今までとは違う外気に触れた為に腰の辺りにゾワッと寒さを感じる。
「ちゃんと綺麗にしてても、どうしても嫌な人ってやっぱり居て……手でスるだけなら我慢出来るけど、口になると無理って思う事有って……あ、僕、喋り過ぎてる?」
骨の目立つ綺麗なシンジの手がカヲルの性器を握り、それを近くに構えたままこちらを見上げてきた。
「そ、そうだ、ね……」
その顔が愛らしくて、性器をじかに触れてくる手の感触が独特で、言葉が上手く出ない。こんな現象が初めてな事に対しては至極当然、カヲルはシンジのその平然とした態度にも絶句する。
「喋ったりするの、ちょっと苦手なんだけど……カヲル君と一緒だと、余計な事ばかり喋っちゃうね」
安心している何よりの証拠なのだろうかと考えてシンジは嬉しさと恥ずかしさを混同させて口の端を上げる。
「暫く喋らないから安心して……」
どちらかと言うと小さな口を一生懸命大きく開けて、未だ全く膨張を見せていないカヲルの性器へと近付けた。
校内では暑い方のトイレだが、服の中よりも性器が寒いと感じる空間から、今まで感じた事が無い程の暖かな世界へ、シンジの口の中へと強制的に進んでいく。
「っ……」
思わず声にならない声で息を呑んだ。
「……う?」
開いた唇で股間へと口付けているシンジが不思議そうに視線を真上へと向けてくる。
「い、いや……」
左手で後ろの扉を押さえ、右手で自分の口から声が出るのを抑えた。
「何でも、無いよ」
笑顔を作る余裕は無かった。それでもカヲルの声音は最低限自分らしさを保っているつもりで、実際シンジもう「そう?」と聞き返すように瞬きを1度して、視線を下へと、口の中に収まっているカヲルの性器へと戻す。
逆睫毛なのか普段は目立たない、しかし意外と長い睫毛がシンジの目を隠してしまい、上からでは目の様子が全く見えない。
そんな事よりも。
「あ、く……」
身体の中で排尿位にしか役に立たない無意味だと思っていた部分が、狭く熱く粘性を帯びている小さな空間に閉じ込められている。……それがまさか、こんなにも心の調子を崩す事だとは。
唾液が性器の裏筋に触れている辺りからトロトロと溢れて、まるで意思を持っているように淫らに絡み付いてくる。
その部分を恐らく舌と思われる粘性の塊が左右にゆっくりと、ねっとりと動いてくる。
先の言葉通りシンジは何も喋らないが、代わりに熱い鼻息は陰毛が生え揃い始めたばかりの局部を刺激してくる。
それらを受けてカヲルの意思に反して性器が勝手に大きさと硬さを増してくる。
「ん、む、ん……ん」
殺しきれなかったシンジの声。
真剣にしゃぶりついている証と言わんばかりにシンジの両手はカヲルの太股を押さえていた。
寧ろしがみ付いていた、と言う方が正しいのだろう。半袖のシャツから伸びるシンジの腕は細くて頼りない。いつでも振り払えそうな程に。
「ま、待って!」
思ったよりも低い声が出てしまった、とカヲルが後悔しても遅い。
驚いたシンジは素直に咥内の舌の動きを止めた。
「……どうしたの?」
何か不味い事をしたのかと不安そうに見上げるその表情が、守り抜かなくてはならない幼くて儚い物に見える。
「いや、その……」
恥ずかしい事に息がかなり上がっている。……これが恥ずかしいと言う気持ちなのかと、改めて実感した。
「……こう、こう言う事を、鈴原君と?」
シンジの口から解放された性器は今まで見た事が無い形状へと変わっている。大きさも硬さも、そして天へと向かう体勢も。
「そうだけど」
きょとんと瞬きを繰り返すシンジの顔と、そのすぐ前ですっかり勃ちきっている自分の性器。視覚的に随分興奮をもたらしてくれる。
「嫌だった? トウジと一緒って」
「別に、そう言うワケじゃ……」
言い掛けて、ふと思う。
トウジと同じでは……同じでは不満だ。
「カヲル君?」
黙り込んだ事を心配したシンジは立ち上がり、顔を覗き込んでくる。
トウジは1人の人間同士として良い関係を結んでいると、好き嫌いで言えば断然好きに部類しているとも思う。
しかし……どこかの他人から見てトウジと同じである事に不満は無いが、シンジから見てトウジと同じ、では不満が生じる。
やはり自分の中でシンジだけは特別なのだろう。そう思ったカヲルの右手はシンジの頭に伸び、少し硬いが枝毛1つ無い今にも良い香りのしてきそうな髪を再び撫でた。
「……鈴原君よりも沢山お金を払うから、彼とはしない事をしたいな」
差を付けたい。金銭でも何でも駆使して、誰かに汚いと罵られてもシンジの1番近くでありたい。
そしてトウジには特に、出来る限りの差を付けたい。
ずっと、ずっとずっと彼を羨ましいと思っていたのか、とカヲルから苦笑が漏れる。
「カヲル君?」
再び怪訝そうに尋ねるシンジ。その撫でていた髪を無意識に強く掴むカヲル。
「駄目なのかい?」
「あ……う、ううん! 良いよ。……でも、良いの? お金払える、なんて簡単に言うのは良くないよ。皆、そう言う人から何度も声を掛けるから」
皆と言うのは? と尋ねる必要は無いだろう。同じような仕事をしている人間――恐らく大半が女――だろう。
大丈夫だと答える代わりに掴んでいた数束の髪を離して、更にもう1度その丸いシンジの頭を軽く撫でた。
「財布は教室に置いてきているから、後払いになるけれど」
「良いよ。皆殆どそうだし」
体を離したシンジは2歩後ろへ、便器の方へと向かう。
――カチャカチャ
ベルトの金属音。背を向けたままシンジが制服のベルトを外している音。
黒色のパンツを下ろし、彼にはサイズが少し大きいワイシャツ1枚の姿……に程近い姿になった。
それから少し躊躇いの間を置いて、ワイシャツの下から手を入れて下着を下ろす。
白い何の変哲も無い子供が身に付けるような下着が足首に引っ掛かった。
「……その、は、恥ずかしいけど、でも……あの……トウジはこっち、興味無いって……」
だからこれをあげる。
本当に恥ずかしいのかシンジの声は小さ過ぎて聞こえない。
それでも言いたい事はすぐにわかった。右肩越しに1度カヲルの方へと振り返り、再び前を向いて顔を背けたシンジの下半身は、遊女のそれと何ら変わり無くカヲルを誘っているのだから。
タンクを両手で抱え込み、その真下には便器が有るので必然的にこちら側へ腰を突き出すような格好になる。
本来ならとてつもなく不格好だが、真っ白いワイシャツから伸びる肉の無い細い足と、そのワイシャツに隠されている布越しにも丸いとわかる尻が異様に扇情的に見せていた。
「カヲル君もこれは嫌? やっぱり、男同士だから……」
「い、いや! 嫌じゃないよ。でも……良いのかい?」
返事の前に1歩前へでて近寄る。
「……は、恥ずかしいけど、良いよ。カヲル君だし」
漸くトウジよりもシンジに近付けた。何かにつけて共に行動し続けたトウジの、未だ踏み入った事の無い領域へ届いた。
シンジの口から解放されてそれなりに経つが、カヲルの性器は主張を取り消さない。寧ろ益々天を仰いでいる。
「……学校でこんな事するの、初めてだ……」
呟いたシンジの言葉はリップサービスでも何でも無く真意なのだろう。後ろから見ても耳が少し赤い。
屈み込んでそっとワイシャツを捲り上げると、白桃を連想させる尻が目の前に出てきた。
「んっ……」
その前方には当然性器が有り、それが露になった為に触れてきた空気にシンジが声を漏らす。
右手を伸ばして臀部の中央に指を這わせて親指で隠れている蕾を捲り上げるように拡げる。
「やっ! 恥ずかしいから……」
心臓の音が聞こえてきそうな程シンジの足が震えている。
拡げた事で尻の肉の間から辛うじて視界に入る肛門もまた震えて見えた。
自分は人間と全く同じ構造をしている筈だが、こんな部分を見た事は無い。制止の言葉も聞かずにカヲルは顔を近付ける。
「……う、息……ね、早くしよう?」
熱にうなされているような甘いシンジの声。太股をくすぐるカヲルの息に耐えられず、自ら誘う言葉を吐いてしまった。
「いやらしいね、ここ。動いて見える」
左手で反対の尻肉を掴み、右手の人差し指をグッとその肛門へと突き挿れる。
「いッた!!」
爪の終わりが入りきらない内にシンジが大声を上げた。
指先が強く締め付けられる。本能的にこの箇所を使って性交に及ぶのだろうと考えていたカヲルからすれば、こんな細い物も受け入れられないとなるとつい眉間に皴が寄る。
「ま、待ってよ……痛い、よ」
「早くしてと言ったり、待ってと言ったり……極力君に合わせたいけれど、僕はどうすれば良いんだい?」
つい苛立った声が出てしまう。
「……あの、ちょっと濡らして」
「濡らす?」
「うん」
顔を上げてタンクの奥を覗くような位置に有るシンジの顔に目を向けると、唇を強く噛み締めて頷くのが見えた。
シンジは右手を滑らせて、カヲルの視界には入っていないレバーを押す。
――ザーッ
水が流れた。至極当然だが。
「これで良いから」
便器の中の水ではなくその便器へと注がれるタンクの上部の水を指して。
「そういう水で良いのかい?」
返事は無かったが、濡らせと言うのだから濡らさないよりは良いのだろう。
立ち上がって右手を流れてくる水に付ける。
「冷たくて心地良いよ」
無言で手を濡らすのも何かと思って語りかける。シンジの顔の位置は流れるその水のすぐ近く。もしかすると少し顔に跳ねてしまったかもしれない。
1回分の水を流し終えたタンクから手を離しても、シンジの視線は再度カヲルが膝を折って臀部を覗き込むまでの手に向かったままだった。
「これじゃ足りないかい?」
「……ううん、多分大丈夫」
視線が気になるので問いかけると、漸くシンジは前を向く。
「多分大丈夫だから」
まるで自分に言い聞かせるような声音。
「そう? じゃあ」
深くは追求しない。万が一中断する事になっては、再びシンジとトウジの距離の間に入る事が出来なくなってしまう。
これではまるでトウジを出し抜く事自体が目的で、シンジとの関係等どうでも良く思っているみたいだが断じて違う。ただ純粋にシンジが特別で、だからこそシンジの特別になりたいだけ。
シンジの桃尻に手を添えて先程のように左手の親指で秘所を左側へと拡げる。
「あ……」
甘えるような、そして怯えるようなシンジの声が聞こえた。
水で濡れきった指をそっと肛門へと近付ける。健康的なシンジの肌の色と比べると、どうにも自分の指は白過ぎて不釣合いに、不気味に見える。
細長く、骨張っているその指で皴の集中する狭過ぎる穴の周りを1回転。
「んっ」
冷たさに声を、声に聞こえる息をシンジは漏らした。
「今度はちゃんと慣らすよ」
宣言通りに再度穴の周りをなぞる。何度も繰り返し、途中粘土で工芸品でも作るように皴を伸ばし、指先の水を全て塗りたくるように。
少しずつ変化が見えてきた。決して肛門自ら拡がったりはしないが、指の腹を溶かして同化したがっているような感覚に変わる。
「……ん……ん、ん……」
胸で大きく息をしながらシンジはタンクを抱える手に力を込めた。
意図的なのか無意識なのかわからないが、肛門を何度も閉めたり力を抜いたりと繰り返して見せてくる。
「んぅ……もう、大丈夫……」
「そう?」
「うん。だから……ね、もう……」
どうしようかな、と人差し指は肛門の辺りを踊り続ける。シンジの言葉を待って。
「もう……指、挿れて……お尻、切ないよ」
素直に述べたシンジの顔は、恐らく真っ赤に染まっているのだろう。ここからでは見えないのが悔しい。
返事も無しにカヲルは人差し指を真っ直ぐに伸ばして突き挿れた。
「んっ!!」
シンジ自身は大きな声を出したが、肛門は抵抗無く一気に指をその付け根まで飲み込む。
熱い。ヌルヌルしている。狭い。
三拍子揃い、尚且つ本来ならば不衛生極まり無い箇所に指を入れた筈なのに、不快感は一切無い。
「あ……カヲル君の指、骨っぽい……」
「わかるの?」
「……ちょっとだけ」
「これも?」
尋ねながら直腸内で指を折り曲げる。柔らかさと硬さの混同した腸壁が指を受け止めて一定以上折らせないようにと抵抗していた。
「痛っ……わ、わかるよ……」
裏返った声が遠回しに止めろと言っている。
「痛い?」
「ちょ、ちょっとだけ。大丈夫だけど。だから……その、気にしなくて良いよ」
痛覚を伴うのなら申し訳無いが、しかしカヲルは興味が有った。
自分と同じ姿形の人間の、シンジの内部がどうなっているのか。どうすればどうなるのか。
気にしないと本人が言っているのだから。同じく水に濡れている中指も無理に押し入れる。
「う、ぐっ……」
無理に押し広げられるのは相当苦しいのか、シンジの呻き声が低くなった。
2本の指を付け根までしっかりと飲み込んだ肛門は無理に拡げられてヒクヒクと動き、これ以上は拡がらないと必死に訴えている。
ゆっくりと2本同時に指を折り曲げると、熱い息を吐きながらシンジはタンクへと顔を押し付けた。
粘性の強い腸壁の細胞1つ1つが指に絡み付いてくるような独特の感触。
このままでは麻薬のように取り込まれてしまいそうで、カヲルは両方の指を一気に引き抜く。
――ズッ
「あ、嫌ぁッ!」
2本の指が抜けた肛門は先程よりも大きめの空洞になっており、黒ずんでいても可笑しくない筈なのに直腸は血液が流れていると言わんばかりに真っ赤に見えた。
今にも女性器のように蜜を垂らしそうな淫靡さ。
「嫌だ……寂しくなった……」
風邪の熱を彷彿させる声で呟くシンジの肛門がキュッと締まる。まるで再び指を求めるように。
引き抜く瞬間の細胞全てが引き離すまいと纏わり付く感触がカヲルの指に未だ残っている。もう1度それを味わいたい。
シンジに許しを請う間も無く再び2本の指を突き挿れる。
「んんっ……あ、指ぃ……い、あ、イっ、いっ……んぅ……」
挿れた指をその速度のまま抜き差しを繰り返した。
シンジは必死で声を殺そうとし、また声帯も体の一部だからか、そうすればする程指を締め付ける力が強くなる。
再び抜き取ろうとしても第二間接の部分で引っ掛かるように止められてしまった。
「そんなに僕の指を気に入ってくれたのかい?」
「ち、違うよ……ンっ……」
言葉を掛けると更にヌルヌルとした肛門の締め付けが強くなる。
シンジが多少言葉で見下されるのが気に入っているのだという事はすぐにわかった。
出す事が出来ないのなら、と浅い部分で2本の指を直腸の中でVサインを作るように拡げてみる。
「い、いいぃ……」
歯を食い縛って痛みに耐えるシンジ。
「紅色だ」
魅惑的な光景にカヲルの左手が無意識に自分の出しっ放しの局部へと伸びた。
「……んっ」
右手の人差し指と中指を閉じて再び、そして性器に添えられた左手も合わせて単純なピストン運動を始める。
「ん、んっ、ンっ……あ、ん……」
指の動きに合わせたシンジの切なそうな声。特別な箇所をカヲルの指先が通り過ぎる度にその声が甘くなった。
「はっ……う、ん……カ、ヲル君……オナニー、してるの?」
少し無理に首を捻ってカヲルの方を向いて尋ねてきた。
これが自慰を指すのかと、すっかり膨張しきった性器を見る。
先端から見た事の無い透明な液が止まらず、また上下に擦り続ける手も止まらない。
出来ればシンジにこの手と性器を見せ付けたい。もう1度可愛らしい唇に『オナニー』なんて単語を言わせたい。
「……良いよ。もう挿れちゃって、多分大丈夫だよ」
指を2本共抜き取る。
――コポ
妙な水音が聞こえた。
小さくて聞き取りにくかったその音の発信元はシンジの肛門。水を充分に得た為に、まるで水から濡れたような音を立てたらしい。 最後にシュッシュッと2回左手で擦ってカヲルは立ち上がる。
そのままシンジの背後に回り、ワイシャツ越しにボキンと折れてしまいそうな細い腰を掴んだ。
「……カヲル君、怖く……ない?」
「怖い?」
質問に質問で返すと、目前の自分よりほんの少しだけ小さい体が呟く。
「僕達……こんな事して、もう……友達じゃなくなっちゃうんじゃないかって」
既に互いに向け合う感情も行う行為も友達を逸脱しているが、幸か否か2人揃って気付いていない。
正確には、両者共にそれを友情だと勝手に思い込んでいる。
「君と鈴原君は友達だよね? それと何ら変わり無いんじゃないかな」
寧ろそれ以上に繋がりの深い友達になれる。
愛情と友情と欲情全てを合わせて『大切』で括っているカヲルの中ではそう決定付けられていた。
「それに、僕達は友達だよ。僕はこんなに君を好きなのだから」
シンジが大きく息を吐いた。この言葉だけで理性が支えてきた友達の観念なんてあっさりと砕かれる。
それ程に欲していた。
誰でも構わず貞操を投げ売って、しかし手に出来たのはたいして欲しくもない幾許かの金銭。
そんな物よりもずっと焦がれていた短い言葉をやっとくれたカヲルに、淫らに股を開いたって罰は当たるまい。
「良いよ……ちょっと位痛くしても、大丈夫だから」
余り見えないが、シンジは張り詰めたような表情で、視線をカヲルへと送る。『好き』に答える為に。
急に上がった息の合間に告げられるシンジの言葉を聞き、カヲルは手も添えずに性器を指2本だけで何とかこじ開けた小さな蕾へと押し当てた。
これでは上手く挿入出来そうに無いと考えて、カヲルはシンジが何か言うよりも先に右手を先端近くに掛け、不要と思われる皮を根本まで引っ張り下ろし、そのまま根元をしっかりと押さえる。
「あ、熱い……」
「未だ挿れてないよ」
余裕も無いのにわざとらしく笑い、胸をシンジの背に押し付けた。
「挿れて……良いから……」
「挿れて下さい、じゃないの? お金貰う身分なんだから、上手なおねだりが聞きたいな」
「……挿れて、下さい……挿れて、挿れて! カヲル君のおちんちんブチ込んで下さいッ!」
トイレ中に響く程大声のおねだりとやらがカヲルの性器をシンジの内部へと押し進めた。
「ぐ、う、うぁ……ぐ……」
ミリミリと音を立てて指とは比べ物にならない太さと長さを備えた性器が捻じ込まれていく。
「あ……ぐぁ、や……」
「キツっ……ねぇ、力、抜けないかな?」
ある程度予想していた何倍もの狭さにカヲルの腰は進まない。
「痛い……む、無理……」
性器の最も太い部分が飲み込まれない。最も狭い部分が限界まで拡げられ続けるのはシンジにとっても辛いだろう。
左手で強く細い腰を押さえたまま、カヲルは右手を余り隙間の開いていない自分の胸とシンジの背の間に滑り込ませた。
「……やっ、う……」
優しく、優しく擦ってやる。まるで飼っている大人しい子犬がきちんと眠るのを待つように。
「ふ……」
撫でられると言う、余り慣れない心地良さに、一瞬シンジの息から辛さが抜ける。
――ギチギチッ
その隙を見計らってカヲルは一気に腰を尻へとぶつけた。
「ッ! ……あ、は、あ……あぅ」
胸の下から辛そうな息が聞こえてくるが、切れてしまった血の感触は無い。
繋がった。誰よりもシンジに近い位置に、シンジ自身の中に自分が居る。
痛い程充血していた性器は上下左右全てから腸壁が圧迫してきて益々痛い。……筈なのに、独特のぬる付いた粘膜のお陰で撫でられているような、くすぐったさに近い感覚も有った。
「か、は……」
シンジの両手の指先に更に力が入る。もしタンクが柔らかな物質であればしっかりと爪痕が残っていただろう。
「痛い?」
「……ん……平気」
たっぷりと開いた間は明らかに平気ではないと物語っている。
「良かった」
カヲルは声の奥の意味をきちんと汲み取れたが、言葉に騙されたフリをしてゆっくりと腰を引き抜き始めた。
「あ、だっ、駄目!」
「駄目?」
シンジが下半身へと力を込めて性器が逃げ出そうとするのを止めてくる。
「駄目……その、ぬ……抜かないで……」
何故こんな体位で行為に及んでいるのだろう。正面を向き合っていれば羞恥に赤く染まった顔を見る事が出来たのに。
「わかった、抜かないであげる」
背後から唇を近付けてわざと目上ぶって耳元に囁くと、前を向いているシンジの口から甘い息が漏れた。
「どっちにしろ、抜けないみたいだからね」
力を入れて腰を引いてもカリ部が引っ掛かる形で抜けない。
この状態では先端部分だけが妙な刺激を受ける事になる。体温よりも大分熱い温度に包まれているし、先程潤滑油として使用した水が熱を持って溢れてくるのに、付け根部分は外気に晒されている。
「違うよ……」
未だ何も言っていないのにシンジは自分が抜けないようにしているのではないと否定してくる。掠れ始めた、熱っぽい声で。
ゆっくりと腰を前後に揺らす。ぶちっぶちっと聞きなれない音を立てながら、この位置からは見えないながらも性器がシンジの肛門へと短い距離の出入りを繰り返した。
「……ん、くっ……」
パッと達する程ではないが、シンジ自身も確実に感じているらしく、声を漏らしている。
一瞬入っただけだが奥の方が熱くてヌルヌルとしていて、何より性器全体で直腸を味わう事が出来るので楽しいが、この入り口付近――出口、が正しいのだが――の方が狭く、緊迫感に近い快感が何度も背筋を走った。
滑らかで神経質そうに細い手が洗ったばかりの状態で強く性器を握っているような、そのままどこかに隠されそうな緩やかな快感。
慣れとは恐ろしい物で、ものの何秒もしないでもっと強い快感が欲しくなり、カヲルは腰の動きをどんどんと早くさせていく。
「あ、ア……あぅ」
シンジの声と腰の動かす幅が比例してどんどん大きくなってきた。
「んあぅ……カヲル君の、長い……奥まで来ちゃう、よ……っ」
大きい、ではない当たりがお世辞ではないだろう。皮肉にも聞こえるが。
「奥が好きなのかい?」
両手でシンジの腰を掴み直し、抉るように深く突き立てる。
未開発の地を初めて切り開くような狭さと硬さ。
最初こそ締め付けられ過ぎて痛い程だったが、数回突いてしまえばほんの少しだが空洞のように腸壁が隙間を作る。
その微かな道を狙って何度も何度も性器を叩き付ける。挿れる瞬間にも引く瞬間にも硬い幼さの残る粘液が行かないでと引き留めてきた。
「アッ! んっ、そこぉぁ……ンッ! 駄目っ! 変になっちゃ……あ……イッ、あッ!」
届く限りの最奥を突く度にシンジの声が裏返り、首をのけぞらせる。
魅惑過ぎるその仕草は、前から見ていればきっと喉に噛み付いていただろう。
「本当に、奥の方が……好きなんだ、ね」
同様にカヲルも声や息が上がってきた。
「そんなやらしい声、出して……ッ」
「あ、ふぁ、アっあ……ま、待って、やッ! はぁ……ヒッ!」
最も奥に性器を押し込んでシンジの悲鳴に近い喘ぎを聞いた後、カヲルは右手でシンジの口を塞ぐ。
「!? ウ! うぅーッ!!」
余り大きくない口はカヲルの細いが大きな手で完全に声の行き場を失った。
「余り声を出して、もしも人が来たら大変じゃないのかい? 授業中とは言え……」
近付けたままの耳元へ出来る限りいやらしく囁いた。
「んっ……う、うゥ……」
優しさを装ってシンジを黙らせる。
片手だけでは腰が思うように動かせないので、深い所に挿したまま、シンジの腰ごと前へと押し付ける。動き自体は少ないが、敏感な箇所を擦られたシンジが無意識的に締め付けるのでしっかりと感じられた。
「す、ごい……イイ、よ……」
どんなに堪えようとしても性器を玩ぶのとほぼ同様の快感の所為でシンジは声を殺しきれない。
その度に手の平に熱い息が掛かってくすぐったく、体の中でも鈍感に作られている手の平から背中、そして頭の頂点まで、カヲルの体全体を射精感が駆け抜ける。
「ウ、グぅ……ウッ、ンッ……うぅッ」
カヲルの右手人指し指の辺りに不思議な感触が降りてきた。
興奮で顔全体が汗ばんでいるシンジの汗……ではない、涙だ。
「ウっ……ン、ウゥ……」
泣かせてしまったとて容赦をしている暇は無い。シンジよりも先に射精しては負けに思える。
知識は無くともカヲルはシンジを先に達させたい。本能的に。
「うーッ! ンぅーっ!!」
良い所ばかりを刺激されてシンジは顔だけではなく体ごとのけぞらせ始めた。
両手をタンクから放して離れた壁に付け直し、カヲルの胸へ背を擦り付けてくる。
性器が収まりっ放しで抜く事すら出来ない直腸も粘液を締め上げながら擦り付けてきて、鼻で呼吸するのが苦しい程の快感と戦うように腰を押し込み続けなくてはならない。
「んむぅっ! ウぅーッ……う、ん、うぅン……」
口を塞がれてもがいていたかと思えば、徐々に快楽を追っている。ほぼ重なっている膝がガクガクと震えていた。
性器に触れなければ達せないとか、慣れた男ならば肛門だけでも達せるとか、その辺りの知識はカヲルには備わっていない。
だから逆に、自分の悦だけを追って乱暴なまでに下半身を押し付けられる。
「ウ……ん……んぅ、ん……う、ウ! イぅ! ウぅうっ!!」
唐突にシンジの声が変わり、何か言葉を呻いた。
――ボタッボタポタボタッ……
粘性の液体が垂れ落ちる音が結合部辺りからカヲルの耳へと届く。
「ンウぅ……ッ!」
シンジの体から力が抜け、腰をもう1度叩き付けると今までは入らなかった更に奥まで進んだ。
「ク、出るっ……!」
――びゅく、びゅっびゅびゅっ
音が聞こえそうな程大量に濃い精を放出する。
何と無くだが胎に出しては女性ではないので体に悪いだろう、と頭に過ぎったが、自分で止める事が出来ない。
寧ろ体はシンジの臓腑を精で満たしたいと訴えていた。
「ふ……う、ウ……ん……う」
絶頂を迎えたらしいシンジは力が抜けて、膝を崩してタンクを抱えるように倒れこむ。
――ザーッ
その拍子にレバーを押してしまったらしく、水がいきなり流れ出した。
「ううぅ……」
冷たい、だろうか?
顔に、顔だけではなく髪や服にも水が跳ねてしまっているが、火照った体では気にならなく、それ所かひんやりとして心地良いらしい。
「……は、頭、痛くなるんだね」
カヲルが声を掛けると、タンクに頭を預けたシンジが辛うじて頷いて返事をする。
意識は一応はっきり有るらしい。
右手を放して口を開放し、そのままシンジの腰に添える。そして両手に力を込めて性器を引き抜いた。
ズルッと音がして吐き出してすっかり萎縮した性器が抵抗無く抜け出る。
性器を除いた肛門はくぽっと口を開けたままで、その中からカヲルが吐き出した白濁の液体がドロドロと音を立てそうな程ゆっくりと溢れてきた。
シンジとカヲルの2人は向かい合って座っていた。
ほぼ初めての経験だったカヲルは、それでも何とか性器だけはファスナーの下へと隠し、便器から見ると左側の壁に背を付けて。
対してシンジは顔は濡らしたまま、下半身を露出させたまま膝を閉じて、大きいワイシャツの裾が辛うじて情事後を隠してくれている状態。同じく便器から見ると右側の壁に背を付けている。
互いにかなり息が荒い。特にシンジは肩で苦しそうな呼吸の仕方が可哀想に見える位だ。
「……ね、カヲル君」
疲れきった未だ赤い顔でシンジが声を掛けてくる。
今は何時だろうか? こうしてまったりと話をしていて大丈夫な時間だろうか? 時計が無いからわからないが、未だチャイムは鳴っていない。
「何だい?」
「……カヲル君は、さ……」
必ず受け取れずに1度落としてから投げ返すキャッチボールのような、呼吸の荒さが原因で進みの遅い会話。
「……男娼さんとか、買った事……有るの?」
「男娼?」
「うん」
深く頷くシンジ。
「何か……上手だな、って思った……初めて男同士でする時、勃たない人居るから……挿れても痛くて止めちゃう人とかも……」
それは上手い下手の問題ではないが、その辺りを問わずにカヲルは首を横に振った。
首周りの汗のベタベタした感触が少々不愉快に感じられる。
「初めてだよ。子孫はどうせ残せないだろうから女性とこういった行為はしないし、同じ理由からか性的に欲求が溜まる事も早々無いみたいだからね」
シンジに対して以外は。
「そうなんだ……」
嬉しそうな声と、そしてはにかんだ表情。
出来れば頭を撫でて甘やかしたいが、意外と広いトイレのこの距離では生憎手を伸ばしても届かない。
どんなに互いに懸命に手を伸ばしたとしても届く事は無い。
「……理科、またサボっちゃった……ただでさえ最近……授業、遅れが取り戻せないのに」
シンジの表情が苦笑に近い物に変わるが、不思議と不快にはならなかった。
「もうサボらないようにしないとね。例えば……これからは鈴原君とはこんな関係を持たない、とか」
試しに言ってみた言葉にもシンジは素直に頷く。
これでトウジとの関係は元の『ただの友達』に戻る筈だ。
「僕が代わりに君と共に居て、この相手になるから」
そしてカヲルとは『特別な/唯一の友達』になる筈だ。
「有難う……」
言い終えたシンジは目を伏せ、一呼吸置いて立ち上がる。
「授業中に抜け出さないで、放課後とか……カヲル君に合わせるけど、やっぱり出来るだけ授業出たいな」
喋りながらのそのそとゆっくりした手付きで下着も制服ズボンも上げ、中にTシャツもワイシャツも入れてベルトを締めた。
いつも通りの男子中学生のシンジだ。少々息が上がって肌全体が赤味を帯びているが。
「次、美術……だっけ? でも1度教室に戻らなきゃいけないね」
少し息は乱れているが、すっかり平然を装えている。
体育の授業で活躍を収めたばかりと言えば通用しそうな程の自然さで、トイレットペーパーを3回程回して手に取った。
座っていたトウジの温もりは既に残っていない便器の蓋を、その上に垂らしてしまった自身の精を簡単に拭く。
「シンジ君、一緒に行かないかい? 教室まで。それに、美術室も」
掃除をしている後姿に声を掛けながらカヲルも立ち上がった。
「……うん!」
振り返ったシンジは1度瞬きをして、すぐに短い髪が張り付いた顔に笑みを浮かべる。
「お金の事も話さないといけないしね。決めないで始めちゃったから……あのさ、ネルフ本部で、テストの後とかでも大丈夫?
トウジ未だ落ち着かないから本部の中じゃ絶対に嫌だって言ってたけど、絶対そっちで済ませた方が楽だと思うんだ。帰るだけになってからが1番だなって」
「そうだね」
屈託の無い笑顔に流されたカヲルは珍しく理解が出来ていない。
好きと言う言葉で彼の心を繋ぎ留められてはいない事を。ただ金銭で無理に彼の体を一時的に所有する権利を得ただけに過ぎない事を。
本当に結ばれる日が、訪れるのかどうかを……
終
き、来てた・・・
カヲルは苦手なキャラなんだが思ったより悪くないな
意外なほどすんなりと読めた自分に驚いている
孔雀氏が書いたものだからか?
事後なのに素っ気無いシンジきゅん
あくまでお仕事なんですね
カヲルカワイソスwwww
カヲシンきんもーっ☆
なはずなのに、読めた
っていうか良かった
あくまで仕事なシンジきゅんな態度が涙を誘ったww
純真無垢そうなのに実は小悪魔なシンジきゅん
小悪魔な魅力…あんたのシンジきゅん可愛すぎ
>>610 いやマジで作者の力量だと思うよ
ああカヲル君大好きー
かっこよくて天才で何でも出来て優しくて素敵なカヲル君…
でも僕なんかじゃ全然釣り合わないよ…こんな僕を、あのカヲル君が見てくれるわけがないようわーん
みたいな、よくあるカヲシンじゃ誰も読まんだろし
というか、ここにいるシンジ好きが許さんだろ
GJ。是非まとめサイトを作ってくれ
作りたいけどめんどいっていうなら俺に作らして
>>614 確かに腐女のシンジはそんなんばっかだからね
まあ、臆病で自分に自信が無いから設定としてはあり得るけど(庵シンはだけど)
そこは好みだろうな。俺はどっちも食えるよ。
しかし、あんまりカヲルマンセーされると萎える
シンジきゅん関係のスレのFFをカップリングや作者別に許可もらってまとめようと思ったんだけどさ、時間が今なくて落ち着いてからやろうと思ってたんだけど
やってもらえるならお願い
多分、自分がしても中途半端になりそうなので
手伝えることあるなら手伝うよ
>>616 孔雀氏や投下してくれた人達をおいて勝手に話すすめちゃうようだけど
wiki借りて共同で作る方がいいかもね
それは…荒らされる危険があるね
あ、特定の人にしか書き込めないようにもできるのか
吐いてる描写で抜いた
>>609 余りの早さに吹いた
2ちゃん内のシンジきゅんFFまとめサイト作るんなら、俺も手伝える事手伝います。
>>617 一人の人に負担がかからない分そのほうがいいかもね
作者別
カップリング別
ジャンル別
みたいに分けてさ
複数の人でまてめられるようにするのもいいかも
>>620 ありがとう孔雀氏
勝手に話進めちゃったけど、いいかな
とりあえず617氏の再来待ち
>>620 孔雀さん。ありがとうございます。
>>621 すまん・・・
ちょっと引越しせにゃならんでしばらく(一週間程度)ネットに繋げられないから
ちょっと遅くなるけどいいかな。
その間に誰かまとめ作りたい人が現れたら、偉そうな言い方だけど譲渡しますので・・・早い者勝ちという事で。
このカヲルとシンジが徐々に惹かれあってくのをみたい。
金と体の関係から心の関係にとか。カヲシンもいいもんだなあ。
孔雀氏乙
次のお相手は誰かな
カヲルはもういいや
次いこ次
うん。カヲルもういい
むしろトウジを
ここは男娼シンジの話をする場所だってこと忘れないように
カプを読みたいからSSを書けというのはスレ違いですよ
お前も入ってるぞ
もう皆自演
何この流れww
漫画版エヴァが休載だと皆イライラしていろんなスレが荒れるな
駄目漫画家S本×シンジで頼む
マジレスするけど、このカヲルとシンジじゃ惹かれあわないだろ
やれよ!やっちまえ!
うだつの上がらないエロ漫画家S本がある日気まぐれで男娼シンジきゅんを買う話?
そしてシンジきゅんをモデルにショタもののエロを描き大ヒットするわけだ
正直三次元は混同したくない
戦自隊員×シンジきゅん
そういや両刀の自衛隊員か誰かが14歳ぐらいの少年と少女を買って、2人に猥褻行為をして捕まった事件があったな
なんであんなにソルジャーおるん?
本郷スレの方が荒れる危険度が高そうなのに、こっちの方が荒れ始めてるw
やはりカヲルは鬼門なのか?(^ω^;)
こんなんじゃ荒れてるとは言わんぜ
カヲルとか好きでも何でもないけどトウシンオタをどうにかしろ
トウシンスレの方でやれ
>>647 カヲシンオタ乙
自分の好きカプが叩かれたからって他のカプを叩くなよ
>>648 催促ばっかりしてるのがウザイって言ってんだよ
カヲルスキーはカヲルスレか801板に帰れよ
何事も無かったようにスルー
投下待ち
改めてお約束
・ここは男娼シンジきゅんを愛でるスレだということを忘れない
・男娼を書くためにカプにするのは○、カプを書くために男娼にするのは×(後者の場合はカプスレへ)
・苦手なカプはスルーする(書き手はコテと注意書き推奨)、苦手だからといってカプを叩かない
・書き手へのリクエストは控えめに、ごり押し禁止
まぁ、今まで荒れなかったのが不思議だったわけで
こんなスレタイだしな
むしろこの程度なら荒れるとは言えないレベルだな
荒れたというより意見が食い違っただけだろ
何気に皆ちゃんとsageてるし
昨日といい今日といい、自演嵐かと思った
圧縮前にスレ保全
嫌なら終わるまで見なければいいだけの事なのにねぇ。
はい?
嫌なら見るななんて最高の言い訳だな。そんなにやりたきゃサイトでも開いてそこでやればいいじゃん
こういうとこに投下してくるってことは批判や意見がある程度出てもしょうがないだろ
見たくないから投下するなって最高の言い訳だな。そんなにやりたきゃ専用スレを立てるかサイトでも開いてそこでやればいいじゃん
こういうとこにくるってことはいろんなカプがあってもしょうがないだろ
みんなが
>>652をよく読んで、シンジきゅん萌えをすればもんだいないよ!('(゚∀゚∩
>>652を読んで改めて思ったけれど
もうちょっと男娼っぽい話、何つーかもっとパラレルみたいな方が良いのかな?
江戸時代の陰間茶屋が舞台で…ってやるとシンジきゅんじゃない人物の出来上がり…orz
いや、最初はそういう話を想像してたんだけどさ
孔雀氏が無理なく本編に沿って男唱シンジきゅんをやってのけてすげぇーって正直おもたよ
まあやっぱカップリングどうのがアレなんじゃないか
別に何でもいいけどなー
作者が好きなの書いてくれりゃ
俺はそれを有り難くいただく
まぁでも、カプものは下手に投下しにくい流れにはなってしまったな
>>671
じゃあ、おまえがこの流れを断ち切ってカプもの投下汁
あえて波風立てることはせんでも
キール×シンジとか
カヲシンじゃなければいいんじゃないの?
荒れたのはそのせいみたいだし
カヲシン投下するとじゃあトウシンは?という流れになり
トウシンキモいよ、とカヲシン腐女子が言いだしてまた荒れる
逆もまたしかり
男キャラカプが混在すると荒れますね^^
>>675 652を100万回朗読すればいいと思うよ
ここまで大荒れしたのはカヲシンのせいでしょう?
迷惑なんだけど
あー、また始まった
もう済んだじゃん。だから、652読み返せって
作品投下したくてもこの流れじゃ止める職人もいるんじゃないか?
>>680 なんで荒れたのか理解してないのか?
スレも100万回読み返してみろよ
652読み直せよ
こんな空気だと、作品無しで議論だけで終るぞ
何かトウシン物書くっつってた職人さんもおとさたないし…
↓まーた始まったのAA
/\___/\
/ / ヽ ::: \
| (●), 、(●)、 | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| ,,ノ(、_, )ヽ、,, | < 自演だ馬鹿野郎
| ,;‐=‐ヽ .:::::| \_______
\ `ニニ´ .:::/
/`ー‐--‐‐―´´\
_ ∩
( ゚∀゚)彡 自演! 自演!
⊂彡
そんなことよりシンジ萌えの話しようよー。そろそろシンジきゅんが呆れてますよ
時代物の陰間茶屋パラレルだったら、全然売れなくて客が付かなくて
ショボーンとしてるシンジきゅん萌え
確実に俺が買うからそれはないな
サードインパクトの後の荒廃した世界で男娼やってる鬱シンジきゅんの話なら考えたこたある
神が現れた!!
ハァハァハァハァハァハァ(*´Д`)ハァハァハァハァハァハァ
これはエロいシンジですね
馬鹿にするとアク禁になる仕組みになっておるのれす
誤爆wwwwwwww
ジャンプボタン素早く二回押すと二段ジャンプできるんだな
それ覚えてから跳ねまくりw
また誤爆。吊ってくる
トビスギwwww
かっけwwww
30分ごろに一旦終了しますー
これまた変な荒らしだな
なんか変なの湧いてる
投下のタイミングがわからなくなるスレですね
703 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/08(金) 22:45:34 ID:EpMv+eWE
あげ
シンジきゅんの初めてきぼん
えろすw涙目が堪りませんなあ
かわいいわぁ〜
709 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/12(火) 09:37:22 ID:YMmmUFrU
夜の街で客引きしてるのをミサトさんに見つかり、ホテルへ強制連行。
男娼してる訳が、金目的ではなく心の寂しさを埋めるため、
と答えるシンジにミサトさんブチギレ。
「そんなんで体安売りするんじゃないわよ!!
何考えてんの!!」
そんなミサトにシンジが一言。
「パイロットの僕にしか興味ないくせに。」
プチっときたミサトさん、シンちゃんとヤッちゃった。
熱い吐息で抱き合う2人。
「こんなこと辞めなさい。」と諭すミサトに
「誰かと触れてなきゃ寂しい。」と答えるシンジ。
「だったら自分が毎晩相手する」と言うミサトにシンジ感動。
そして固く抱き合うのでした♪
そんな話を読んでみたい!
自分はエロが書けないんで、どなたか書いてもらえないっすか?
お願いします!!
「ぼぼぼ僕、こうゆう仕事初めてなんで…、よよよろしくお願いします!!」
「じ…実は私も…こうゆうこと初めてなんで…、先輩にムリヤリ誘われて来ちゃったんですけど…、その…よろしくお願いします……」
と緊張しまくりのシンジ×マヤのSSもキボンヌ(*´Д`)
マヤ×シンジなら
マヤが途中で完全にショタに目覚めて
シンジきゅんを弄びまくるみたいな展開きぼん (*´д`*) ハァハァ
>>709 いいよいいよー
俺もそんなの読みたす。
なるべくシンジきゅんには幸せというか
そういう母性に縋るシンジきゅんとか見てみたい。
やっぱ男×男より男女ものだな
荒れないし
そいつはどうかな
でも客引きしてるシンジを拾うのがトウジとかカヲルだったら
確実に叩く奴出てくるじゃん
とりあえず温厚に行こうぜ
荒れるばかりじゃマイナスになるばかりで
なんの利益も無い
>>709 毎晩セックスすような仲というより
一緒に風呂にはいったり
一緒の布団で優しく寝たり
みたいな、デレデレなシンちゃんが見たいお
そして嫉妬するアスカみたいな
ていうか、男娼あんま関係無くなったから却下か・・・
>>715 叩かれてたのはカヲルだけ
トウジのときはそんなに荒れてなかったよ
うん。巻き込まれたというか、そんな感じ
はいはい。マジでもういいから・・・
カヲルを擁護したい気持ちはわかるけど
現実をきちんと見ようね
>>722 カヲルってどう?っていう案が出たときに
トウジ信者がファビョってカヲル叩いて勝手に荒れた空気になったじゃんか
カヲル信者も実際は居ないし噛み付いてもいない
ただカヲルアンチのローカルルールに反抗した一方的な叩き。
空気嫁
まああれだ、要するにオリキャラとシンジきゅんの話が一番なわけ
私もカヲルはあんま好きじゃないけど、マナーは守らなきゃ
職人さんの来づらい雰囲気を作ったら自分の首を自分で絞めることになる
アンチとかそういうのじゃなく、ただスレ荒れるのが面白くてレスしてる奴がいるんだと思う
流石に今まで散々されてきた議論の内容を受け止めもしないで
未だに平然と叩けるなんて釣りか荒らしの類だろ
仮に本人は納得できてないとしても馬鹿極まりない
じゃ、スルーが一番だね
カヲルとか死ねばいいのに
LCLの湯に入ってくる(・∀・)ノシ
735 :
709:2006/09/12(火) 23:18:14 ID:YMmmUFrU
>>717さん
確かにミサト×シンジなら、
セックス三昧より一緒に仲良く寝るとかの方が
ほのぼのでいいかも。
そんな毎日に心安らぎ体売ること辞めました。
チャンチャン♪
って男娼辞めちゃったらスレ的によろしくないのかな?
>>547が少しでも投下しやすいように先にエヴァ男キャラ×シンジきゅん落としてみたんだけど…
逆効果だったみたいだね。皆ゴメンね。
ってワケで別の物持ってきました。投下前に注意書き。
・名無し男相手です。女の子はおセックス無しでしか出てきません
・読み方によってはLMSに読めなくも…読めないか。うん。って位のLMS要素。
・特にお食事中の方には大変不快な表現が出てきます。出来るだけ描写しないようにしてみましたが
万が一具合悪くなっても俺じゃ責任取れないんで各自洗面器でも用意しといて下さい
ゆっくりと開けてゆく視界はどこか霞んでいる。
まるで小汚いこの天井の周りに霧が掛かっているみたいだ、と碇シンジは思った。
同時に両手と右足がどうにも動かないとも思った。左足だけでは何も出来ないし、そもそも体を動かしたくない。
倦怠感に包まれた感覚。時間だけが有って、ただひたすらに暇な感覚。
何もしなくても咎められないのは何もする事が無い証拠だろう。
折角無意味に時間は有るのだから、考えてみよう。
自分が何故声を出せない状態で仰向けになり、見知らぬ天井を見上げているのかを。
確か今日は金曜日で、シンジは『お仕事の日』にしている。
毎週出掛ける自分を疑わなくなってきたミサト。疑い始めてぶちぶちと文句を垂れるアスカ。
2人プラスペンペンの分の夕食を簡単に用意して今日は早めに家を出た。
断じてクラスメートと妙な口論が起きたから早めに出たワケではない。
繁華街も中学校の授業と手早い料理を終えたばかりでは未だ賑わっていない。学生と休みのフリーターと、金の無さそうな人間ばかりが闊歩している。
主婦層が夕食の買い出しを済ませて帰る姿を何度も目にしたが、彼女達のように家庭を大事にする人間は買春行為をしてくれない。
例えしたとして、そうすればこちらがその家庭を崩壊させてしまうかもしれない……
そんな大きなリスクを背負う必要は1ミクロンも無い。シンジを買いたそうにしている人間にだけ買ってもらえば良いのだから。
何より両手に買い物袋を下げた彼女達は目に毒だ。……よくわからないが、不思議と『羨ましい』に似た感覚が胸に芽生える。
自分も主婦宜しく買い物をして夕食の準備をしていて、それを少々面倒に思っているのだから、羨ましい筈が無いのに。
――ドン
「わっ」
――どたんっ
ぼんやりと眺めていた所為かシンジの左半身に何かがぶつかってきた。
そしてその勢いに飛ばされるように、体のバランスを崩して見事なまでに右側へと倒れ込んでしまった。
「す、すみませ……」
建物と建物の間から相手が出てきたのが原因で自分だけが尻餅を付いた、と頭ではわかっているのについ先に謝ってしまう。
シンジからすれば互いにぶつかったのだから、自分にも非が有るのは当然だという考えも有る。
「こちらこそ」
無愛想な謝罪と同時に手が伸ばされた。
見た所中途半端な茶髪の若い男で、しかしこの時間帯には不釣り合いなリクルートスーツ姿。
素直に手を掴み、引き上げてもらう。
手の大きさ――指の太さ――の違いに相手は驚いたように目を丸めた。
完全に立ち上がるとその背の高さにも驚いたのか、シンジを1度上から下まで舐めるように見てくる。
「……大丈夫?」
繋いだ手が離れていかない。大きく生唾を飲み込む音が1回。
この興味の持ち方は、今日の客の可能性が高い。
「大丈夫です」
アスファルトに薄い膝下丈の黒いパンツと更にその下の下着だけを隔ててぶつけたのだから相当痛いが、文句を付けられる性分ではない。
「そっか。……痛くない? 悪いな、その……」
漸く離れた手。その持ち主は失礼な表現をすれば蛇のような、つまり賢そうな男。
もしかすると服装通りしっかり金を持っているかもしれない。
そう言う相手の方が良い。金が沢山受け取れるからではなく、金を受け取った時の罪悪感が少ないから。
「ちょっと……痛い、かな。でも大丈夫です。ぼーっとしててゴメンなさい。暑くて何か頭回らなくて……」
「今日も暑いからな。あのさ、お詫びに何か冷たい物でも奢ろうか? 喫茶店か何か入って」
世の中いつもこれ位順調に回れば良いのに。
金額の交渉に成功する度に、それまでの努力を忘れて何度もそう思った。
口が上手く動かないのは何かを咥えさせられているからだと気付いた。
その何かは多分、過去に1度咥えた、咥えさせられた事が有る。
球体で穴が沢山開いていて、そこまで大きくないそれは革のバンドで顎を回っていて……味は特に無いこれの名前は果たして何だっただろうか?
シンジの頭には顔の造形を崩して言葉を使えなくさせると言う用途は残っていたが、その名前がポールギャグだと言う記憶は無かった。
性的な玩具だから性的な関係を結んだ相手に咥えさせられたのだろう。
誰に? ぶつかってきたあの男に?
曖昧な記憶をもう少し辿ろう。きっと体が動かす気になれない理由も思い出せる気がしなくもない。
喫茶店ではなくイタリアンレストランに入る事になったのも良かった。
食事を済ませてホテルへ向かうのは、そこいらの恋人だって行っているベタなデートコース。
相手も順序を踏んでいる錯覚に陥って抵抗が薄れてくれる。
尤も、目の前の狡猾さを持っていそうな蛇のような顔立ちの男は、そのテの抵抗を持っていなさそうだが。
メニューを選ぶ際にも、ウェイトレスに2人分オーダーする時も、更にその後もチラチラとシンジの方を意識して目線を向けている。
「えっと、シンジ君だっけ。クリームソースが好きとか?」
先程互いに名前と年齢を告げた。
記憶力は悪くないが何人もの人を覚えていくのも疲れるし、もう2度と会わない可能性も高いのでシンジは名前を覚えていなかった。
お兄さん、と親しそうな呼び方を喜ぶ者も多いし、この男も多分そうだろう。そうであって欲しい。
「嫌いじゃないです。……シーフードとか、好きなんですか?」
「あぁ、まぁね。……学校帰り、じゃないよな。それ制服じゃないし」
「はい……あ、あの、僕……」
嘘を吐くのはとことん苦手だ。しかし正直に言うワケにもいくまい。
「……家出してきたんです」
「家出?」
娼婦の立ち並ぶ通りに自ら来た者、特殊な自由業から斡旋された者を除けばこの言葉が1番の魔法。
泊まる所が無いからとホテルなり相手の自宅なりに共に一晩明かす良い言い訳になるし、その後金を受けとる受け取る理由にもなる。
家に帰れと説教を始めた親父も居て相当苦労した日も有ったが、大抵「じゃあ帰る」と言えば何とかなった。
「家で何か有ったの?」
「……ちょっと……」
別段何か有ったワケではないが、何も無いとも言えない。
ミサトとアスカと、それからペンペンとの同居は今までの静かな生活からは掛け離れていて、もう何日も過ごした筈なのに未だ刺激が強い。
「……それに今日は、学校でもちょっと。大した事じゃ無いんですけど」
「中学生だし、色々大変なんだろうね」
言葉遣いが少し優しくなる。
「家出って事は帰らないの?」
「多分」
小さく頷いてシンジは相手の反応を見る。
「……て言っても、行く所なんて無いんですけど」
失敗だったか? 相手の視線からは何が言いたいのか掴めない。
ならここは大人しく早めの夕食を食べ、そのままいつもの通りまで行けば良い。彼である必要等無い。
しかし彼にはシンジである必要が有った。
「じゃあ泊まって行くかい? 俺今は1人暮らしだから怒る奴とか居ないし、ちょっと狭いマンションだけど君1人分の寝床はきちんと確保出来るよ」
ここまで物事が淡々と進むのは後から酷い事が待っているからだろうか……
心の何処かで疑いながらもシンジは安堵しきった笑顔を向けて、運ばれてきたパスタを美味しそうに食べた。
そうか、きっとここはその男の家だ。
よく見れば世界は霧なんて掛かっていないし、天井は安アパートなんて言葉がふさわしいただの天井だ。
そしてきっと、この家の主の男が、こんな物を口にはめたのだ。
漸く頭が真剣に物事を考え始めてきた。が、体は動いてくれない。
正確には動けない。物理的な意味で。
「う、あぅ……」
左足を除く四肢が何かで拘束されている。
痺れてわかりにくいが、腕を拘束しているのは自分の体。
自分の背中の下に両腕が敷かれている。どれだけ経っているのかは不明だが、この痺れ具合からすると短い時間ではないだろう。
よくわからないが恐らく革製のリストバンドにも見える手錠をされているらしい。リストバンドではなく手錠だと呼べるのはその両方から安く軽く短い鎖が伸びているから。
背中が妙にゴリゴリと痛い。その鎖もまた自分の体の下に有った。
首だけを何とか起こしたが見えなかった。……それでもわかる。右の足首も両手と同じ物が付けられているのだろう。足首にはしっかりと重みが有った。
問題はその枷から鎖が伸びているか、伸びているならどこへ繋がっているか。
曖昧な記憶を辿れば未だ情事の前。これから変態的な行為が待っていると簡単に予想出来る。
鎖がどこにも繋がっていなければ……逃げよう。
この際金は要らない。夕食が豪華だったと喜ぼう。
多少恥ずかしいだけなら兎も角、暴力に近い物は極力避けたい。ここは相手の家。友人を呼んだ、と屈強な男達がわんさか来るかもしれない。
そんな事は簡単に考え付くのに、どうしてこうやって寝転がっているのだろうか。
……違う。
確か「ここだよ」と鍵が開いた扉を先に入れてもらった。
玄関から続く居間の奥まで入って大きな窓を誉めた。
左側に部屋が有るのが見えた。2つ、寝室と扉の閉まりきった部屋と。
一人暮らしなのに広いですねと告げた後に……気を失った?
……そうだ。
無理に意識を飛ばさせられた。
いきなり左腕を掴まれて、半袖から露出した肘に冷たい感触が……
――バタン
そんな事を思い出している間に少しでも動けば良かった。
「元気だな、もう起きたのか」
少し声音が低く、口調も冷たい。
「う、うあぉ……」
口を塞がれている――同時に、無理に開けさせられている――状態だから言葉にはならない。
「家出初日だから当然か。でも体、かなり軽かったな。運ぶのが楽で良かった。普段からちゃんと食えよ?」
何を言っているのだろう? 心配をして? それとも……
ヘンゼルとグレーテルの兄妹はお菓子の家に住まう魔女に太らされてから食べられた。
否、あの話は妹が助けに来てくれた筈。
しかし妹も兄も誰も居ないシンジは……
「シンジの食べたい物は何でも買ってきてやるからな。飯は勿論、服や本やCDや……今日は最初の日だから早速プレゼントしてやろう。1番欲しいのは何だ?」
万が一誰か来たら寝室以上に散らかっている物置だからと言い訳しようとずっと扉を閉めている部屋の中。
掃除のしやすいようにフローリングのままなので背を痛めているだろう。
「可哀想に」
声を掛けて近付き、シンジの背に手を回して上半身を起こす。
冷えた床に付けていた肉の薄い背を強めに撫でた。
「うむぅ……」
何を言っているのかポールギャグを外してやる。
「ぼ、僕……帰ります……帰して、下さい」
「帰る? どこに?」
「家……家出は止めて、帰ります……」
「家出なんかする必要は無いだろ。欲しい物は何でも買ってあげるからな。だからここ以外が自分の家みたいな、ワケわからん事は言うな」
答えを聞いてやるのも面倒なので、そのまま顔を近付けて口付ける。
思った通りの柔らかな唇は、やはり思った通りに微かに震えていた。
唇を開かずに、舌を向ける事すら無く、触れるだけの接吻はこちらから一方的に終わる。
「……そんな顔をして、どうした?」
シンジは答えられず、また目も逸らせない。
「その目、1ヶ月位前の頃のマユミを思い出すな。来たばっかりの頃の……」
「マユ……ミ?」
「あぁ、マユミ。お前と同じ位の年頃で、顔はそうでもないけど雰囲気は似てるな。真っ黒い髪も似てるし……まぁマユミは髪滅茶苦茶長かったけど」
指先で髪の長さの違いを確かめるようにシンジの首をなぞる。
「この部屋はマユミの部屋だった。マユミはこの部屋で欲しい物を何でも揃えられるお姫様だった。友達は1人しか居なかったけれど、俺と言う召し使いが居た。マユミの世界は彼女と俺の2人きり、俺を繋ぎ止める為にマユミはお姫様から奴隷に変わる」
物語を読み聞かせる、おっとりとした口調。
「でもどうしたのか、居なくなっちまったんだ。仕事に行ってる間にどこか行っちまって」
部屋に充満するのはそのマユミの残り香。
どんなに換気を重ねても抜ける事の無い牝の匂いと、混じり合って確実に存在しているアンモニア臭。そして微かな生臭さ。
起こされて広がったシンジの視界にはハードカバーの国内小説と思しき本がギッシリ詰まった本棚と、その上に2枚のCDが無造作に置かれている様子が入っていた。
「一昨日帰ったら居なくなってた。マユミは1人じゃ、俺無しじゃ生きてけない子だから必死に探してやって……」
僅か1ヶ月足らずで1人の少女の生活全てを征服しきっていた。……自由への渇望を除いて。
「昨日もどんなに探しても見付からなかった……今日だって朝から探してやったんだ。有給消化に丁度良かったなー……ったく、無駄な手間掛けさせやがって、あのアマが」
わざとらしい大きな舌打ちを1度。
「マユミよりも更に可愛い顔して……胸は未発達、クリトリスは度重なるオナニーで誇大化したとでも思えばよいしな」
侮辱を込めた卑猥な言葉にシンジの顔がサッと赤くなる。
紅顔の美少年とはシンジを指すのだろう。不安に脅えて浮き出る汗も、口を強制的に開けさせられていた為筋を作って顎を汚す唾液も、ほんの演出にしか見えない。
「脱がせながら見たよ。一応皮は被ってるけどすぐ剥ける状態だし、アナルなんてちょっと尻引っ張ったら拡張されたのがすぐわかるし。エロい中学生がオナニーに夢中になっている……なんてモンじゃないよなぁ?」
誰かに穢された跡が確実に残っている体。
「そんなん隠してよくもまぁ家出少年なんかやってるな。それともアレか? ホモ援交のつもりとか。現代に残る男娼さんってか」
「どうして……そんな事言うんですか……」
ただ自分より下位の者を見下したいだけではなさそうな言葉にシンジは視線を泳がせた。悲しい事にデタラメではない。
「シンジはマユミと違って汚れてんだよ。真っ白なアイツを染めるのは簡単だったけど、真っ黒なお前を染め直すのは難しいからな。白く戻さなきゃならない」
片膝をついてからゆっくり立ち上がる。
それだけの動作なのにシンジが慌てて体を引き離そうと後退したのが見えた。
「シンジ……早く俺色に染めてあげたいのに……どこで汚れてきたんだか」
完全に自分の世界に浸りきっている男は部屋の奥の閉めきられた小さな窓の前に立った。
その目の前の棚の上には、かなり大きいサイズの水槽が有る。
水が張られておらず、木の枝が何本も見える。そして生臭さも有るのだから、虫でも飼っているのだろうか?
「先ずはお前のこれから唯一のお友達に、綺麗に白くしてもらわなきゃな」
おもむろに両手で蓋を開けて水槽に立て掛けて置き、次いで右手を入れる。
深く、肘を曲げて肩の付け根まで。
すると白い『何か』がその腕にゆっくりと絡み付いてきた。
「……あ」
シンジの次の言葉は声にならず、息として飲み込まれた。
体をうねくらせながら絡み付く白い物体はある程度の距離が有ってもすぐにわかる。
「へ、蛇……」
何とか絞り出した声は『それ』の種類名。
動物園に行った記憶の無いシンジにはテレビの中で辛うじて見た記憶が有った。
だがその記憶の中では確かもっと毒々しい色をしていた。子供の落書きを見れば大抵緑で描かれる筈。
形は蛇をしているが、こんな色の蛇が本当に居るのかどうか。蛇と口にしてからも疑問が残ってシンジは痛む首を少し傾げた。
「白い姿と赤い瞳、綺麗なアルビノだろ?」
得意気に語る男に随分と懐いているらしく、まるで頬擦りをするように蛇は体を巻き付けていく。
蛇の顔と男の顔が並ぶ。チロリと一瞬見えた蛇の赤い舌はどちらの物かわからない。それ程2人はよく似ていた。
飼い主にペットが似ると言うよりは、似ていたからこそ飼い主とペットの関係になったかの如く。
「そう言や先週アルビノっぽい女の子見たな。中学生位で髪短くて、髪も肌も白い、白い。珍しい色ってのはやっぱ気になるな。その子、すっげ可愛い顔してたし」
左手で蛇と戯れながら再びシンジの方へと戻ってくる。
「でも人間、本当に欲しいって思うのは……珍しい色じゃなくて綺麗な色だな」
シンジの頭の中ではその蛇が動物園から盗んできた怠惰な蛇なのか、それとも毒蛇なのかどうかだけがグルグルと回っていた。
前者なら多少気持ち悪いが我慢出来る。しかし後者なら……
誘拐された挙げ句殺される。否、殺さずに体の自由を奪って監禁されるだけかもしれない。
もし金銭目的の誘拐なら、誰に連絡が行くのだろう。
ミサトの所に行けば冗談だろうと笑い飛ばされるか、もしくは意外に真剣な顔を隠し持っている彼女の事だから、真摯になって助け出してくれるかもしれない。
その電話に出るのがアスカならば散々馬鹿にしてくるだろうか?
冗談めいた事を考えていたその目の前に、真っ白な蛇が突き出された。
「今日からこの子が友達だよ、シンジ」
蛇は挨拶と言わんばかりに舌を出す。
「や、嫌だ! 怖いっ!」
毒を持っていると決まったワケでもないのにシンジを覆い尽くすのは恐怖心のみ。
シンジのつぶらな濃紺の瞳に涙が浮かんで見える。
「どうした? 怖くなんかないだろ、コイツは穢れたお前の体を綺麗にしてくれるんだ」
すっと男の左腕が伸びる。上に。
シンジが背を付けているのは壁ではなくタンスで、その1番上の小さな引き出しを開いた。
右利きの割には器用に左手だけで何かを取り出して、これまた器用に引き出しを閉める。
シンジの視界に入った左手はガムテープを持っていた。
「苦しいのはちょっとの間我慢してくれよ」
何をされるのか脅えっ放しのシンジに言ったのではない。
声を掛けられた蛇は言葉がわかるのか、不機嫌そうな体をくねらせて顔の辺りを真っ直ぐに伸ばした。
――ビッ
空いた右手でガムテープを少しだけ千切る。
器用に細く千切られたガムテープは舌を巻き込まずに蛇の口を塞いだ。
当然の如く蛇は苦しそうに頭を乱暴に動かし始める。
「お前もいい加減慣れろよ」
親しげな会話を見せつけてやってもシンジは気が気ではないようだ。
まぁそれも良い。脅えたままの姿もまた一興。
「さて、体を綺麗にしてやるか」
暴れる蛇の頭のその目元を、左右から潰すように押さえて持つ。
そして反対の左手でシンジな頭頂部の髪を掴み、勢い良くフローリングへと頭を押し付けた。
「痛ッ!」
加減をしてやったので頭はぶつからなかったが、数本髪が抜ける位の力や両手を後ろにした状態でほぼ真左に体を曲げられては相当痛かったらしい。
「これじゃあ挿れらんねぇだろ。ほら」
ポイと蛇を投げ捨てるようにシンジの体に置き、彼の左足を掴んで無理矢理うつ伏せさせた。
いつの間にか四つん這い――両手ではなく両肩――にされ、あまつさえ大股開きという恥ずかしい格好になっているにも関らず、そんな事はどうでも良いとシンジは背をうごめく蛇にばかり意思が向いている。
怖がって体を硬くしている為か、無理に足を開かされて外気に触れさせられている肛門がヒクヒクと震えて怯えを見せていた。
「中途半端にしか開発されてないケツの穴だな……いざとなると、やっぱ入んのか心配だ」
「み、見ないで下さ……」
「色んな奴に見せてきたんだろ?」
逆らえない事実だとわかっているからこその言葉で侮辱しながら、左手の親指で皺を伸ばすように肛門を拡げる。
「や、嫌だ、恥ずかしい……痛いです、恥ずかしい!」
背から蛇を取ってやるとシンジは痛いと恥ずかしいと、それから止めて欲しいを声を荒げた。
大人しそうな顔と怯えきった表情をしながらこうも煩くなれるとは。
思い通りにならない腹立たしさに、男は口を封じられた蛇の頭を、引っ張る親指すら入りそうにない小さな蕾へと押し付ける。
「!? ま、待って! 止めて、止めて下さいっ!」
何をされるかこの状況ならばシンジにだって容易に察する事が出来た。
手錠を掛けられて後ろに回された両手の全ての指が伸びをした時のようにピンと伸びた。恐怖で体の末端に向かう神経が混乱している。
「さぁ、奥の奥まで綺麗にしてやれ」
――ニチニチニチ……
「!!」
聞き慣れない不快な音が、肩をついて膝を立てている為少し高くなっている尻の間から籠りながら響いた。
「っ……っ! ……は、あっ……」
痛みよりも羞恥よりも、ただひたすらに恐怖がシンジの直腸を、最奥を目指しながら進んでいく。
酷く苦しい。しかしシンジの体は薄情にも、幼い性器をむくむくと勃ち上がらせていた。
苦しいのはシンジだけではない。
シンジ以上に苦しんでいるのは蛇。
急に真っ暗な世界へと顔を押し込められ、狭い上に乾いて滑りの悪い空間へ進む事を余儀なくされている。
ましてやシンジが必死に蛇を排泄しようと、ほぼ無意識にだが体に力を入れてくるものだから、蛇からすれば堪ったものではない。
故に蛇も出ようともがくが、自分の体分の太さも無い直腸ではUターン出来る筈も無く、腸壁を傷付けかねない勢いで暴れていた。
「あ、あっ! は、あ……ぐ、うぅっ!」
「痛いのか?」
蛇の体が中間辺りまで潜っていったのを見届けてから手を放す。
全て入りきっては後々大変だが、そうならないように偶に目を向けるだけで良い。最早蛇は自らの意思では抜け出せないのだから。
「お前が純潔をどっかに捨ててくるからいけないんだぞ、シンジ」
宥める声音で語り掛けながらシンジの頭を持って、しゃがんだ自分の右膝の上に乗せてやる。
強制的に上げられた顔は様々な液体で汚れきっていた。
大きな目からは大粒の涙が。閉じる事を忘れた口からは透明な唾液が。混ざり合ってわからないが、恐らく鼻水だって垂らしているだろう。
「あ、こ、怖い……抜いて、抜いて下さい……」
ガムテープでしっかりと口を塞いであるし、言ってはいないが毒の無い種だ。怖がる必要は無い。
それでも細長い爬虫類が本来物を出す器官から、それも別の用途に何度も使ってきた為に感覚が研ぎ澄まされている箇所から入り込もうとするのは表現しがたい恐ろしさが有るのだろう。
ズタボロとも言えるその表情に加虐心も純粋な性欲も煽られる。
「何? 何を抜くって? どこから?」
「へ、蛇を……お尻か、ら、あ……っ……」
言う事になれば自然とそちらに意識が向いてしまう。
シンジの言葉が止まる。漏れる息の音も変わる。気持ちの悪い感触の中に、避けようの無い快感が紛れていた。
それだけではなく顔を見ればわかる。苦痛の中に確かな悦楽が混じり、シンジはそれを否定出来ない体質だと。
「抜いたら穢れたままだからなぁ……感じちまってるんだろ? それがお前が汚れきってる何よりの証だからなぁ」
喉の奥で笑って見せるとシンジは目を伏せた。
そんな事をしても胎をひっきりなしに動く蛇を止める事も、その蛇に前立腺を刺激されて背中を小さくビク付かせている事も隠せる筈が無いのに。
「……仕方無いなぁ」
大根役者の舞台のような口調を聞いてシンジは目蓋を上げる。
「そっちを取ってもシンジを綺麗に出来る方法、俺知ってるからな」
涙を溜めに溜めて真っ赤に充血させたシンジの目に希望が宿った。
シンジの顎を右膝に乗せたまま、男は自分のファスナーを下ろす。
「っ……」
下着を押し退けて赤黒く染まった怒張が飛び出した。
触れてもいないのに異常なまでに膨張した姿、そしてその独特の不快な臭いにシンジは顔を歪める。
「どうした? お前にも生えてるモンだろ」
シンジの視線が否定したがるように逸らされた。
「俺のザーメンもお前の友達みたいに真っ白なんだよ。だからこれ飲めばきっとお前も綺麗に、真っ白になれる」
再び視線を戻したシンジの表情は明らかに嫌がっていたが、そのまま両方の膝を不器用そうに動かして顔を股間へと近付けてきた。
「もうやる気になったか。もしかして早くやりたかったか? 焦らして悪かったな」
違うと言いたそうな顔が性器に触れる。
上手く口に挿れられなかったので頬を擦る形になった。
涙でグチャグチャに濡れた頬はベタ付いていたが、生まれたての赤子のそれのような柔らかさを持っていた。
こんなに汚れているのだから、汚してくる液体の中に精が増えた所で問題は無いだろう。
寧ろドロッドロの濃い精は、この純朴そうに泣き崩れた顔にさぞ似合うだろう。
首を動かしてシンジは何とか性器の前に口が来るようにした。
唇をほんの少し開いて、そこから赤い舌を出す。
まるでその1部が溶けたかのように唾液が糸を引いて顎を伝う。
「……は、あ……あぁ……」
妙に荒い息遣いをしながら伸ばされる舌が性器の先端に触れた。
「ほら、ザーメン飲まなきゃアナルがぐっちゃぐちゃにされちまうぞ。早くしろ」
「ッ!」
言われて再び意識が、諦めを覚えたのか少し動きが少なくなった蛇の居る肛門に向いたらしい。
激しく暴れたりはしていないが、蛇はまるで住み着いたような直腸の中でゆったりと時間を過ごしている。
住めば都と言うがやはり少しでも快適な生活を求めるようで、偶に体を縮めながらものんびりと前へ進んでいた。
「うっ……あ、うぁ……ひゃ、あ……」
随分と奥まで進んだ為に蛇がどう動いてもその腹で前立腺を撫でるらしく、意識を向けた途端にシンジの口からは甘い喘ぎが漏れてくる。
「感じるのか?」
「っ……気持ち良くなんかないッ……」
糖分の高そうな息の合間に早口で告げ、シンジは急いで口いっぱいに性器を含む。
「うっ……」
思わず声が出てしまう程にその口の中は愉悦が満ち満ちていた。
全体的に小柄なシンジは口の作りも小さく、肉付きは余り良くないのに反して咥内の肉が柔らかくこちらへ向かってくる。
「ン、ンッ……ぶッ、んむっ……」
不機嫌を顔に張り付けたまま乱暴に顔を動かすシンジ。
舌の表面を性器の裏にべったりと付けて顔ごと動かすので粘液の擦れ具合が酷く良い。
舌技を見せる余裕が無いシンジは口自体で絶頂に運ぼうと考えたのか、咥えたまま口を狭めて大きく息を吸い始めた。
卑猥な水音が少し手狭な部屋に響く。
「んぶ、ふ、むっ……ぐっ! うぅ……」
考えての行動ではなかったのかもしれない。考える余裕すら無いのかもしれない。
腰を動かして性器の先端で喉の奥を突いてやると目を大きく見開いて呻き声を漏らした。
「美味いか?」
からかい口調にのって来る性格ではないシンジは、鼻の頂点辺りに有るツンと痛む感覚を無視して再度口での愛撫を続ける。
真っ赤な頬を隠せずに涙も喘ぎも堪えて没頭する淫らな表情。
「やらしい顔してんな。そんなに俺のチンコが気に入ったか? それとも……」
ふと視線を後ろへ、うつ伏せているシンジの尻へと向けると、まるで白い尻尾が生えたように蛇がうねうねと動いていた。
「……アナルで食ってるお友達さんが美味いのか?」
「んむっ! う……」
否定しようと下半身に力を入れたらしく、急に締め付けられた蛇が辛うじて見えている尾の部分を激しく上下左右に動かして暴れ出す。
「んっ! ンぐっ!」
痛みなのか極度の快楽なのかシンジが苦しそうに肩を揺らした。
――ジャリッ
「痛ッ」
不意に可笑しな音と共に激痛が性器から頭蓋骨の後ろまで駆け抜ける。
慌ててシンジの口から性器を取り出すと、汚いまでに大量の唾液と男自身の先走りが性器と口の間に幾つも橋を作った。
「お前……何歯ぁぶつけてんだよ!?」
「抜いて! 痛い、怖いっ! もう嫌だァッ!!」
未だ話をしてからほんの数時間しか経っていないのに最早気が触れたのか、シンジは発狂したとも取れる叫び声を上げる。
「このっ……わかったよ、抜いてやるよ」
気狂いには何を言ったって通用しない。そもそもシンジを気狂いにしたいワケではない。
膝から頭を下ろし、左手でシンジの背中を押さえながら右手で蛇の尾を掴む。手の中の蛇はビクビクと動き、変温動物としての証明として妙な生温かさをしていた。
気持ち悪い、とほんの少しだけ思いながら。
――ズルジュルジュル
「う、アぁァっ……!」
響くのはシンジの喘ぎにしか聞こえない悲鳴。
引き抜いた直後の蛇は急に明るく肌寒い――直内が温かいので空気が冷たく感じる――外の世界が理解出来ずに暴れる。気がいきり立ち、主人である自分にも憎悪を抱いた動きを常に見せてくる。
急いで蛇の頭を左右から潰すように右手の人指し指と中指で押さえ、日頃閉じ込めている水槽へと戻した。
その際に忘れずに口のガムテープを解いてやって。
大きく口を開いて威嚇してきた蛇は水槽の蓋をしても尚その中で暴れていた。
しかし何分か経てば元のどちらかと言えば大人しいそれに戻るだろう。
いつもそうだった。マユミの膣にブチ込んだ後も、放っておけばすぐに大人しく従順に戻っていた。
「あ、は……あふぁ……う」
大きな息の合間から聞こえてくる小さな喘ぎ声に目を向ける。
膝を立てて誘惑するように高くした腰の下には白い液体が見えた。
「……イッたのか?」
微かに表情が変わった気もしたが、返事は無い。
肯定だろう。明らかにシンジは吐精している。
硬さと熱の有る太さが丁度良い物体が急速に肛門を移動したのだから、人間の男として生まれたのだから仕方無い。
しかしついた膝を己の精で汚し、絶頂後のぼんやりとした頭ではこれからどうすれば良いかわからず口を半開きにしている姿は……酷く滑稽にして魅惑的だ。
「はは、ハハハハっ! 恥ずかしいなぁシンジ!!」
「うぅ……も、嫌だぁ……」
掠れた声にも笑いが込み上げる。
「でもお前、途中で止めちまったから、未だ穢れたままなんだよなぁ……」
この年の、しかも男が体を売るなんてどこのお笑い番組だ。そう侮辱してやりたいが、そのお陰でこうして出会えたのだから文句は言えまい。
その汚れの抜けていない箇所を見ると、肛門はパックリと口を開いていた。
それでも性器を挿入するには不充分な狭さ。女性器の代用にはとても使えない。
辛うじて見える腸壁は真っ赤に充血し、蛇にほぐされて柔らかさと硬さを併せ持っていそうに見える。
見える範囲にも今は水槽で暴れている蛇の鱗にも排泄物は見えない。出勤前には綺麗にする、といった所か。
どこまで便利なのだろう。どんなにその内側で射精しようと孕む事は無いし、自らも射精して絶頂している事を見せてくる。
視覚的にも嗅覚的にも『飼う』には非常に都合の良い存在。
「……マユミ以上かもしれないのにな、穢れてなけりゃ」
再度近付いて屈み込んで顔を覗き見れば、まさに『マユミ以上』の顔の作り。
そしてその良さを『マユミ以上』に巧妙に隠す、一種の悲愴さ。眼鏡を掛けたり髪を伸ばしたりと隠すよりも何倍も手早く隠してしまえる内面的な持ち物。
「い、や……嫌だ……も、もう……帰して、嫌ぁ……」
もっと卑屈にさせれば、誰にもこの輝ける資質を見抜かれまい。
「ホラ」
間を置いても尚先程の熱を失わない性器を顔へ近付けると、シンジはどうしろと言われる前にゆっくりと口を開いた。
ぶつかった歯は憎らしくなく、その白さの上に桃紅色の舌が伸ばされてくる。
舌の先端と性器の先端が触れ合う。ヌルッとしたその粘液の塊が鈴口を細かく、まるで痙攣したように往復を重ね、刺激を与えてきた。
「……男のチンコ平気でしゃぶれるのは、やっぱシンジが穢れてる証拠だよな」
その言葉にシンジの舌が止まる。
きちんと言葉を聞き取れて、理解が出来ているらしい。こんなに顔を汚していても。
「今更止めんなよ。どうせ好きなんだろ? ケツ掘らせて稼ぐ、このカマ野郎が!」
無反応なシンジの舌は置き、性器を顔に押し付けた。
「オカマってのは釜持って男にケツ出した事が由来らしいからな。女の格好してなくても、今までのお前は当てはまるんだよ」
左手で根本を支え、右手で竿部分を激しく擦る。
もしも精の射出口がシンジの唇に押し付けていなければ唯の自慰行為に過ぎない。
だが、シンジからすれば目の前で――それもいつ目に入っても可笑しくはない距離で――こんな事をされては益々錯覚を引き起こす。
自分は目の前の人物の所有物で、唯の可愛いペットでしかないのか?
「う……ち、違ぁ……は……」
そんな思いがシンジの頭を巡り、その思考がどんどん体をも錯覚に陥らせた。
「今ちゃぁんと綺麗にして、俺だけの物にしてやるかなぁ……」
シンジに負けず息が荒くなってきた。
咥内の肉や舌等の柔らかい物では達せず、己の手で処理するとは……
そう考えている筈なのに充分興奮してしまうのは、目の前のシンジの涙が辛さ故か快楽故か判断出来ない色をしているから。
気丈さは自分の前だけでは投げ捨てる。そんなシンジの態度に射精感が臨界点を突破する。
――ドプッ
相当溜め込んでいたのか、出口を狭いと訴えながら大量の精が一気に溢れ出た。
「うぐっ!?」
シンジの呻き声に目をこらせば、その精の全てが先に汗と涙と唾液が汚していた元は愛らしい顔を更に無惨な物にしている。
「う、あ……臭ぁ、い……ぐ、ウ」
べっとりと唇に付着し、当然のように口の中へも勢いを付けたまま注がれた。
シンジが目を丸くして不快感を露にしているのはそれだけが理由ではない。
見えないながらも精はシンジの鼻にまで飛び散っている。
その独特の臭いが鼻孔を埋め尽し、風邪を引いた時よりは蓄膿症を患っている人間の方が近いむず痒さが、シンジを襲っていた。
とてつもない嘔吐感を伴って。
「う、オぉおっ!!」
最後の理性が膝から顔を下ろさせた。
激しく逆流する音と液体と個体の間の物体がベタベチャッと醜い音が入り混じって、室内の臭気を変化させてゆく。
気絶や尋常ではない射精によって殆んど消化出来ていなかったらしいクリームパスタがフローリングを真っ白に染めていく。
その白さの中に、別の白さが見えた。
「は、はは……きったねぇ……」
何と言って良いのかわからず、両手を背に固定されたまま俯いて吐瀉を続けるシンジの姿を侮辱してみる。
人間の体は確かに鼻と口が繋がっているらしく、先程口に入った以上の、鼻の奥にまで放った精が唇から戻したパスタへと糸を引いた。
「……けほっ、けほっ……は、あ……あッ!」
大きく息をしているシンジの肩を掴んで裏返す。もとい、仰向けに寝かせ直した。
ほんの少しあばらが浮いて見える未発達の薄い胸は運動後の健康的なそれとは全く違う汗が浮いている。
「う、う……」
自身の胃液で汚れた唇が微かな声を漏らした。
背の下に有る腕が手枷同士を結ぶ鎖と床自体にぶつかってシンジは顔をしかめた。その目は既に濁り、死んだ魚ではなく今自殺しようとしている魚にも見える。
両手でシンジの太股を揉みしだくように持ち上げ、膝をまっ平らな胸に押し付けた。
「……やめ、て……」
何も考えられない人形同然に見えても尚、次に起こる事が予想出来ているらしい。
「大したモンだ」
思わずそう口をついた。
1度顔面に放ったにも関わらず男の性器は早々に熱を取り戻している。
その性器を肛門へとあてがうと、シンジは小さく呻き声を漏らす。しかし両手は不自由で足も持ち上げられてしまった今、唯首を左右に振って嫌がりを示すしか出来ない。
――ずるずるっ
鈍い音を立てながら性器に付着していたそれが出した精以外には潤滑油が無いにも関わらず、簡単に付け根まで性器は肛門へと飲み込まれた。
恥骨が尻肉に触れ、これ以上進まない事は確か……だが、シンジの直腸自体は未だ奥へと進めそうなのがわかる。
「……っ……ん、う……」
組み敷いた自分の体の下で、シンジの体が辛そうな声の混じった息を吐く。
その体が全裸である事と、必死に声を殺した息遣いが辛うじて性交している事の唯一の判断材料。
今は静かになった蛇の生臭さも、シンジの吐き戻した酸の臭いも、とても愛し合って体を交えている最中には相応しくない。
その相反する密室こそ背徳的な興奮を与え、シンジの腸内で性器が益々膨張する理由。
――ギシ
「く……」
腰を引くと、シンジはきつく目を閉じた。
痛みだけではない。それも確かに有るだろうが、腸壁を外へと引きずり出されるような感触が彼にとって1種の悦だからだろう。
そう解釈するのは腰を少し引いただけなのに直腸の細胞の全てが性器を引き離すまいと手を伸ばしてきたから。
相当狭いが蛇を挿れておいたお陰で何とかピストン運動位は出来そうで、なのに直腸は動かす事すら認めないと言わんばかりに絡み付いてくる。
答えるように再び腰を深くまで突き入れると、今度は別の反応が有った。
「ンっ……ウ、ん……」
シンジは胸を突き出すように大きく仰け反らせ、薄く目を開けて甘ったるい声を漏らす。
恥ずかしいのか慌ててシンジは顔を横に背ける。
「……ん、ん」
短い距離の小さなピストンをその部分を目掛けて数度繰り返すと、安心して眠りにつく親戚の子供のような幼い顔を見せてきた。
その頭のすぐ上には吐き散らかした吐瀉物が残っているのに、その異臭も気にならない程の濃厚な精の香りが下腹の方から漂い始めた気がする。
age
奥を突けば突く程にシンジの息は漏れ、また硬い腸壁はどんどん自分の性器の形を覚えてぴっちりとその太さの分だけ粘液が柔らかくなってきた。
ピストンの触れ幅を大きくし、尚且つシンジが一際声を甲高くする部分を目掛けて性器をぐいぐいと押し付ける。
「あっ、う、アっ……は、あン……やっ、んッ!」
シンジの切羽詰った声は紛れも無く呻きではなく喘ぎ。
出してしまった、と本人も思ったのか。
「……っ……」
声を殺しながら薄く目を開いて濃紺の瞳を、顔を横に向けたままの状態で睨み付けるかの如く向けてきた。
「……何だ?」
一瞬悦に飲まれて自分を求めてきたのかと勘違いしそうな眼差し。
だが違う。
この状況下でも未だシンジは、自分が得ている快感を認めたくない、今すぐ家に帰りたいと訴える眼差しだ。
……苛立たしい。
――パン、パン
腰の動きを相手への気遣い等一切無い物へと変えた。どこを抉ろうがこちらの自由だ。
肉と肉がぶつかり合う生々しい音が部屋に響く。
水槽の中の愛しい蛇は3日振りのこの音を聞いてくれているだろうか?
「……イ、痛っ……あ、ぐ、ウぁ……」
今までとは違う部分をゴリゴリと腰を叩き付けて刺激をする。
シンジの全体重を受けるシンジ自身の両手は、今は痺れて使い物にならないだろう。
痛いのは肛門ではなくその手なのかもしれない喘ぎ声。
「やめ、もっ……ン、う……ウぅ、うっ……ん、ンぁう、や……嫌、やっ」
突いた瞬間の硬さが一種のゴムに近い腸壁の一部が、妙にヌルヌルした感触に変わった。
粘液なんて物ではなく、液体その物が染み出ては性器に絡み付いてくる。
――むちゅ、むちゃっ、ぬちゃっ……
腰を赤子同然に滑らかな肌にぶつけても肉の音よりも液体の音が耳に残る程。特に根元の辺りがヌルヌルとしているのだから、肛門の辺りが裂けてしまったのかもしれない。
丁度良い。動きが益々スムーズになった。
「あっ、うっ、アっ、あっ」
腰の動きはただひたすらに前後する酷く単調な物で、シンジの愉悦の声もリズムに合わせるような声の上げ方になっている。
水音と嬌声が耳から入り、目と鼻の間にツンと痛みが生まれてきた。
そろそろもう1度射精をする時間だ。もし本当に出血していたら、血液と精液のコラボレーションで、その色と香りを想像するだけで更に射精への熱が上がる。
「今日は……この位で、止めて……また明日、続きを、しようなっ……」
手で押さえる位置を太股から腰に変えると、まるで穴の空いた人形に挿入しているような体勢になった。
か細くてすぐにも折れてしまいそうな腰を掴み、強く速く腰を打ち付け、性器の根から先までにドロドロに絡み付いてくる粘液を感じて背筋に鳥肌が広がる。
「―――ぅあアっ!!」
声を上げたシンジの胸が可笑しな位上へ仰け反った瞬間、達していた。
濃さが半減した精は性器を咥える以外の空きが無い直腸内を彷徨う事すら叶わず、射されたばかりの性器自身をなぞって外へと溢れ出す。
どんなにマユミに膣出しをしてもこんなにすぐ溢れる事は無かった。
それだけシンジの肛門は狭いのだろう。縮んだ性器ですらも、排泄しようとする力が働いて押し出される。
射しきった満足感を持ちながら見下ろすと意識を失ったシンジは目を閉じていた。
そのあどけない顔のすぐ下の首辺りまで精が飛び散っている。
体をゆっくりと離してシンジの全身を見ると、先程まで綺麗だった胸元がほんの少し白くも見える半透明の粘液で汚れていた。
更に下には興奮した猫のように勃ち上がっていた性器がすっかりしぼんでいる。
「まぁたイッたのか?」
声を大きくして尋ねると、応えてかシンジは目を開いた。
「じゃあ、掃除してやるからお前はそっちへ行ってろ」
そう言った所で特異な射精の後の疲労感、加えて両足は開いたままだか両手は後ろにマトメられるという無理な体勢をしているのでシンジは動けない。
仕方無いな、と呟きながらシンジの体を抱き起こそうとした、まさにその時。
――ガターンッ
物が破壊を伴って倒れる音が後ろに有る扉の方から聞こえたので慌てて振り向く。
「別の被害者が居るぞ!」
壊されたのは部屋の扉。玄関扉は更に前に壊されていたのだろうか。
何者かがこの部屋に入り込もうとした姿か見え、互いに存在を認識すると同時に声を上げて消えた。
「……だ、れ?」
腕の中のシンジの掠れた声が妙な現実感を与えてくる。
思い出そうとする必要は無い。ハッキリ脳裏に焼き付かれているのだから。
「警察官だ……」
正確には刑事。刑事事件を担当する他人。
そう認めた瞬間に先程の男と同じ見るからに警察官の服を着た男が先の者も含めて2名、違う服――両者共にセンスの悪そうな茶系統の服――の男が2名、そして小綺麗な服装の少女が1人部屋に押し入ってきた
「……マユミ!?」
「動くなっ!」
その少女は約2日振りに顔を見る、探し求めていた少女に違い無い。
しかし伸ばした右手は煩く叫んだ警察に見える男に捕まれる。
マユミと呼ばれ続けた少女は男の顔を見ても1歩後ろに下がるだけで逃げ出さなかった。
「何だァ? 凄い臭いだ……」
「随分とまぁいかにも、な部屋だな」
私服の男達が勝手な感想を述べながら男とシンジの間に割って入る。
「おいっ! 大丈夫かっ!?」
シンジの温かさと重みが左手の中から消えた。大声を掛けた男が奪っていった。
「っ! シンジ!」
同時に持て余す左手と掴まれていた右手の首同士がぶつけられる。
「シンジっ!」
よくわからないが叫んでいた。シンジの名を、こちらを見ているシンジを見返しながら。
「シンジぃっ!!」
ただのタチの悪い客として見ていた視線と、玩具の代用品として見ていた視線がぶつかり合う。
この永刧の別れの瞬間に、互いに漸く、そして初めて目が合った気がした。
最後にシンジの顔を目に焼き付けた時のBGMは金属音。
自分の両手に何の罪状かは知らないが掛けられた、シンジを拘束する物とは違う正式な――手錠の音。
高級マンションの1室の葛城家が駅間近ではないが、余り遠くもない優良物件で本当に良かった。
重たい足取りを進めながらもう見えてきたマンションに対してシンジは溜息を吐く。
諦めの意味や辛いからではなく、安堵しての溜息。
終電より2つ前の電車に乗ったので、当然のように見渡す限り真っ暗で、元から住民の少ないこの辺りは人1人歩いていない。
星の見えないこの街では、明かりは点々と有る無意味な街灯と、客が来ないのでレジで煙草を吸っている学生アルバイトの居るコンビニ位。
腹が空いているので何か食べたかったが、今日ばかりはきちんと食べる自信が無いのでコンビニは通り過ぎておいた。
逆算していけば警察署に勤める男4人が被害者の少女1人を連れてあのマンションに入ったのは恐らく10時過ぎになる。
かなり夜中までの営業をしているモンだなぁと、解放された今は呑気に思えた。
最後に男の目を見た次の瞬間に、恐らくその男が探していただろう少女がシンジの目の前に飛び出してきた。
どこから持ってきたのかはわからないが大きな布団のシーツを掛けてくれて、裸で居る事が恥ずかしい事だと思い出させてくれて。
そこから少しの間の記憶が飛んでいる。……気絶していた、らしい。
だがそれも短い時間だったらしく、気付けば男に脱がされてしまった服をちゃんと着て車の中に居た。
警察は必ずしもパトカーで移動するとは限らないのかと思いつつ、後部座席で両隣を挟んでいる警察官らしき人間2人が交わしていた、手錠を掛けられた男の事に関しての話を耳に挟む。
1ヶ月程前から1人の女子中学生が行方不明になっていて、彼女を誘拐した犯人だという話。
家族も学校も日頃真面目と優秀だけで作り上げたような少女に関する事象を大事にしたくないが為に大規模な捜索は行われていなかった。
それが先日しゃんとした身形で突然家に帰ってきた。そして2日間は黙り込んでいたが、漸く今日の昼にポツリと男に監禁されていた事を話し始めた。
どうでも良かった。どこに行ったかは知らないが車内には居ない彼女がどれ程辛い1ヶ月を過ごしていようと。これからその男がどうなろうと。
シンジ自身が児童売春として補導されなければ。酷く身勝手ではあるが、ただそれだけが上手く働かない頭ではそれだけを願っていた。
右隣の刑事は警察署に後日出頭し、加害者に関する事を話して欲しいと言われ、病院で下ろされた。見た所腕には注射の跡は無いが、素人目にはわからないので見てもらえ、との事。
一応病院の中へ入り、受付の前の椅子に座り、5分位してから検査等は1つもせずに、急患がストレッチャーで運ばれてきた隙に病院を出た。
腕以外にも注射をされた跡は全く無いし、口から摂取した物は全て吐き戻した。万が一下から何か入れられていたとしても腸内洗浄は自分で出来る。
一応刑事事件に巻き込まれた事になるのだろうが、妙に適当に――シンジにとっては都合良く――抜け出せてしまって良いのかどうかという不安。
それを抱えながらも、夜間病院は健康な人間を診察しないのは至極当然だと自分に言い聞かせ、電車が残っている事を祈りつつ益へ向かった。
理由は知らないがどうにもこのマンションには余り住んでいる人間が居ないらしい。誰にも会う事無く自宅に辿り着く。
「ただいま」
――バシュン
玄関扉を閉める音とほぼ同時にアスカが廊下のダイニングから怪訝そうな顔を出した。
「……アンタ、泊まりに行ったんじゃなかったの?」
「うん……ちょっと、帰ってきた」
「あ、そー」
短い返事を残してくるりと背を向ける。
薄水色のタンクトップに乗る華やかな色の長い髪。
風呂上がりらしい濡れ具合はシンジが様々な意味で年相応の性の持ち主ならば2人きりの同居と違って良かったと思うだろう。
別の意味でそう思う事も有るが。
ただ今は長い髪を見ると彼女を思い出す。黒く長い髪で、顔は余り覚えていないけれど、何と無く自分に似ていた。……気がする。
そのまま歩いてダイニングに入るとカーテンを開けてバスタオル1枚のミサトもタイミング良く出てきた。
「あれぇ? シンちゃん、帰ってきたの? アスカが今日も泊まりだって言ってたけど」
「断言してないわよ。ただ泊まりじゃないの? って言っただけじゃない」
言いながらアスカはミサトと入れ替わりに洗面所へと入った。
「……アスカも心配してたみたいだけど、相談してくれて良いのよ?」
――ごくり
シンジ自身にだけ嫌に大きい音で唾液を飲み込む音が響く。
口の中が空になるとそれなりに時間は経った筈なのに、妙に酸っぱい味が口の中に残っていて、それだけでまたしても嘔吐出来そうだ。
「学校で、まぁ何か有ったんでしょ?」
「え?」
引っくり返った情けない声は恥ずかしい。
「ちょっちアスカから、ね。聞いちゃって。まぁ誰かと何かが有ったーってだけで、細かい内容は聞いてないから。……それは、話したくなってからで良いから、ね」
片目を瞑ってウィンクを投げてくるミサト。
すっかり忘れていた。そう言えば学校で何か有って……忘れている。
何に腹を立てたのか思い出せず、気不味い表情が浮かんでしまう。
「あぁ、だから今は言わなくて良いってば!」
慌ててミサトが顔の前で両手を振った。
「話せば解決するってモンでもないし、愚痴りたくなった時に聞くよって意味だから」
「はぁ……」
「ンもぅ、そういうつまんなさそうな顔しない! あ、お風呂入る? 詮抜いちゃった」
舌を出す姿は流石に少しわざとらしかった。
「……シャワーだけ、入ります」
「ゴメンねぇ」
バスタオル1枚というのはこの家で暮らす女性にとって、裸よりも衣服を着用している方に近いのか、全く気にせずにミサトはそのままシンジを横切って冷蔵庫の前まで歩く。
冷蔵庫から大量の内の1本だけビールを取り出した。
プシッと小気味良い音を立てて開けて、口を付ける。
付けるだけで、何故か飲まない。
視線もすぐ缶ビールからシンジに戻った。
自室へ向かうタイミングを失ってしまった。何か言われそうだが、ミサトは一向に口を開かない。
――ブオォー……
予想通り誰も片付けておいてはくれなかった洗い物でも済まそうと思った瞬間、洗面所からアスカがドライヤーを使う音がした。
それと同時に漸くミサトが話し始める。
「ねぇ、シンジ君」
余りに真摯な表情のまま、そして口元を缶で隠したまま話すのだから、ついシンジは返事を忘れる。
「余り詮索するつもりは無いんだけど、私、何も知らないワケじゃないのよ。貴方を心配してるからこそ言わせてもらうけれど……」
ミサトの視線が下へと落ちる。
「前にも言ったと思うけど、貴方1人の体じゃないの。もう少し大事にしなさい。若いからどうしようも無い、っていうのも有るなら……」
ミサトが目を向けるとシンジも視線を外していた。
「……レイは兎も角、シンジ君もアスカも年頃だから監視みたいな事は極力避けたいじゃない? 今の所司令の耳には届いていないけど、リツコとかにバレていつ情報として知られるかわからないわ」
シンジはここで「彼女は既に知っている」と切り出す程子供ではない。
「そうなった後は、どうなるかわかるでしょ?」
ゆっくりと1度頷くシンジ。
別に体を売っている事実さえ無ければ、朝から晩まで監視し続けられても文句は無いのだが。
――ブォン
ドライヤーの止まる音。
真似てミサトも会話を止める。
程無くしてカーテンが開き、アスカが顔を出した。
「2人して何話してたのよ? シンジ、アンタ着替えてもないじゃない」
「ちょっちね。悪い事は痛い目見る前に辞めておきなさい、ってお話をしてたの」
何の事かわからないアスカは当然眉を寄せる。
「……何よ、アタシ達が悪い事してるってぇの?」
「違うわよ。もしもの例え話。悪い事するとしたら、誰かに迷惑掛けたり、自分が痛ぁーいってなる前には止めておく事って言いたいだけ。勿論、悪い事は最初からしない方が良いんだけど」
最後に取って付けたような正論をもってミサトの説法は終わったらしい。
「さ、明日休みだからって、2人共夜更かしは駄目よぉ?」
「はぁ〜い。どっちにしろアタシは明日出掛けるから早く寝るわよ」
「シンちゃんは? 出掛けないんでしょ?」
「……はい」
明るい口調の質問だが、Yes以外の返事は許されない。
「じゃあバカシンジも洗い物は明日にして、とっとと寝る事ね。明日朝からゆーっくりやれば良いんだから」
シンジが越してきた初日にジャンケンで決めた当番制度は辛うじてその紙が残されているだけで、基本的に家事全般はシンジの仕事という暗黙のルールが成り立っていた。
今は冷蔵庫で気持ち良さそうな寝息を立てているペンペンですらも餌の準備から風呂掃除に至るまでシンジが行うと認識している。
幸いなのは全員がその現状で満足している事。シンジも含めた全員が。
「じゃ、おやすみぃ〜」
リビングを抜けて元はシンジのそれだった自室にアスカは入っていった。
「さて……と。シンちゃんシャワー入ってる間、ドライヤー使っても良い? すぐ終わるから」
「良いですよ」
いつもの、陽気で朗らかで仕事は真面目なのに私生活はその堅さを全く見せないミサトに戻っている。
どこか少し安心してシンジは風呂へと続く洗面所へ向かった。
電気をつけてカーテンを閉めて、1人きりになって。
ミサトはただ抑えたいだけではなく、純粋に心配してくれているのだと考えて。
しかし結局は自分を見てくれているワケではない、との考えに行き着いてしまう。
エヴァのパイロットが欠けては困るから。ましてや折角シンクロ率や戦闘に関する操作技術が好成績を出し始めているのだから。
きっと自分を、シンジをシンジとして見てくれたのは、誘拐犯だったあの男の、あの瞬間の瞳だけ。
全裸になり服を洗濯機に入れて浴室の扉を開く。
中に有る顔を見るだけの大きさの鏡に映った体は、特に怪我等をしていなかった。
怖かったし痛かったし少しでも早く離れたいと思っていた筈なのに……こうしていざ離れると何かがシンジの胸を襲う。
虚しさなのか、寂しさなのか。はては男に対する間違った愛おしさなのか。
浴室の外たる洗面所で物音がした。ミサトが髪を乾かす為に見計らって入ってきたのだろう。
彼女が心配する理由が、シンジを大切な『家族』だと思っているからだとは、扉1枚隔てて鳴り始めたドライヤーの音は教えてくれない。
終
age
相変わらずすげぇ…
嫌、全然グロくないよ
前に見れなかったゲロ見れて幸せ
なんちゅうかなんかもう質高杉
孔雀さんあんたすごいよ
マジで神だよ
これはきた
いや、ほんとね
孔雀氏の小説はエロだけに終わらない
読み終わった後にいつも尊敬の念がじわわ〜と
ところでシンジきゅんは誰とどんな口げんかしたんだろうね
あと、もし親父にバレたら…どうなるかが気になるw
孔雀氏GJ!
今回もメランコリックかつコケティッシュなFFをありがとう。
ゲロで抜いた
すげ…
質の高いエロとはこういう事か
778 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 09:21:23 ID:wAUKF/CE
ほ
凄すぎます…
780 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/26(火) 00:30:13 ID:2O5HFLJj
エヴァキャラ(女)×シンジもよろしくです…
同意
あえてミサトやアスカとは関係を結んでほしくないなと思ったり
内にはきれいな自分を、外には汚い自分を売るシンジきゅん
>>782 あんまりカプの意見は慎んだ方がいいよ
荒れるだけ。
いっそシンジきゅんをおにゃのこにして
エヴァキャラ(男女問わず)×シンジきゅん
とか考えたけど、おにゃのこじゃ男娼じゃねえ!と二秒後に気付いた
もしシンジきゅんが娼婦だったら
レイとシンジで売春姉弟
でも実際、厨房の男女を買って3Pして逮捕された男がいたよなたしか
存分に使ってくれwww
>>788 キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!!
wktk
wktkしつつ保守
age
シンジきゅんでググったら上のほうで出ててビビった。
また読んだ。萌えた。ありがとう
客の趣味で女装されながら犯されるシンジきゅんを妄想しておっきした
そんなことよりまだー?(´・ω・`)
ちょっと舟を見てくるけど帰ってきたら投下が来てると思う
こないね・・・泣
孔雀はしにました
勝手にころすな
801 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 21:09:33 ID:r8L5tEzu
ほっしゅ
ほしゅあげ
おっ、804でヤオ死だ。
805 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 06:50:12 ID:pjV7b6JT
まじ抱きたい
あのスリムな体
おとなしい性格
まじ好み
同じくw
可愛いよなぁ
孔雀氏のちょっと小悪魔っぽいシンジきゅんマジ好き
孔雀氏・・・・どうしたんでしょうか・・・
age
age
時間が取れないのかもしれないし、
シチュエーションや文章の更正に手間取ってるのかもしれない。
この手のエッチな話は作るのに時間がかかるので気長に待ちましょう
age
お久し振りです。言い訳をするのは格好悪いと教わったので何も言わず投下します。
注意事項
・
>>636と
>>787辺りからの妄想
・腐女子さんには申し訳無いが相手は女の子
・終わりが暗い感じが駄目な人は最後の最後まで読まないと良いと思います。
ネオンの華やかな歓楽街。時代がどれだけ巡ろうとも、歓楽街の下品な眩しさは変わらない。
『日本にはロリコンが多い』等という下劣な噂が有る。
確かに妙に処女性を重視する傾向は否めないし、グラビア誌を飾るアイドル達はこぞって胸が大きいものの小柄な女性ばかり。
特に常に成長し続けてきたアダルト漫画関は年齢がわからない、手足が細長いのに頭身が低めで、妙に目の大きなキャラクターばかりが人気を上げている。
15年前に人口を半分近く失っても尚、性的志向がガラリと変わる事は無かった。
だから碇シンジの学生服姿はこの歓楽街では酷く不釣合いで、だがシンジ自身は気にせずにぼんやりと佇んでいる。
正確には歓楽街から1つ道を曲がった、極端に暗がりになる道に。
暗い道が好きというワケではないので、唯一有る街灯の下、時折飲み屋で酔い潰れた男、更に稀に女が迷い込んで来る事も有るが、基本的には人通りが少ない。
通りは少ないが、待ち合わせをするように佇む人間はちらほらと見受けられた。
全て同業者。今立ち去ったのは斡旋業の者。ここは知る人のみが知る剥き出しのショーケース。
誰よりも先に自らを買ってもらう為に着飾った女性達が点々と立ち並ぶ中、性別を抜きにしてもシンジの姿は浮いている。
前に通っていた中学校の夏服は白と黒だけで構成されて露出箇所は腕のみ。レースもファーどこにもついていない。
しかしいつの時代もそんな野暮ったさを感じさせる位の服装が最も好まれる。体を売る際には相手によって年齢と経験は邪魔でしかない場合も多い。
尤も今日制服で居るのは早くこの場から購入を理由に去りたいからではない。
突然ネルフから非常招集が掛かった。
MAGIの点検の前にデータを保存するだの何だのの理由で……取り敢えず言われた通りに受ければ良い、としか考えていなかったシンジには最後まで急な呼び出しの理由はわからなかったが。
体力を使う事ではなかったが精神的には妙な疲労感が有るので、出来れば顔見知り程度で乱暴にしない人に買われたい。
――カシャン
金属的な物が落ちた音がした。
街灯の右隣に立っていたシンジは、音のした右を向く。
音の原因は売春婦の1人が携帯電話を落とした事だった。
持ち主の売春婦はよく地面に座り込んで携帯電話を使っているどう見ても10代の女性で、頭の悪そうな崩れた日本語と傷みきった肩より短い髪の毛と汚い化粧の上に更に化粧をほどこしたような不潔ささえ除けば、胸と尻の大きなそれなりに魅力の有る女性。
家庭に複雑な事情が有ってこの仕事をしているのか、同業者に対してはかなり明るく話し掛ける割には客にも通りすがりの者にも電話口の相手にも無愛想な喋り方しか出来ない様子。
そんな彼女が携帯電話を落として、シンジには丁度背を向ける形で呆けように足を投げ出して座っている。
どうしたんですか、と社交辞令を掛けようとし時――
「な、何なのさ……驚かさないでよ」
怯えを含んでいるものの、少し落ち着きを取り戻したように女性は座ったまま呟いた。
言われた相手は、自分から目を離さずに手探りで携帯電話を拾い立ち上がった女性に何も言わない。
再び女性が携帯電話との睨めっこを開始すると同時に不本意に驚かせてしまった人物がシンジの方へと歩き出す。
その人物――少女、と呼ぶのが相応しい年と性――が1歩踏み出す毎に、シンジの鼓動が早くなる。余りにも見知っている人物だった所為で。
「何、してるの?」
その小さな声では聞き取るのが精一杯の、触れる為には後5歩は踏み出さないとならない距離から声を掛けてきたのは、制服姿の綾波レイ。
「何、してるの?」
返事が無いのでレイは1歩分距離を縮める。
「別に何も……」
無表情を張り付かせた顔に、僅かに不快が浮かんだ。
「何故ここに居るの?」
だが声音はあくまで淡々と、レイにとっては常の抑揚の無さを保っている。
「何故って……別に」
曖昧な返事でそうですかと帰る気は無い。レイはもう1歩近寄る。
「……どうして、ここに居るの?」
質問の仕方は変わっても声の調子は変わらない。
この無機質な声で、真っ白に近い肌や髪の少女が現れたのだから、また携帯電話にかじりついている女性も相当驚いたのは頷ける。
「碇君、今日の帰りはいつもと違う顔をしてた。さよならと挨拶をしようと思ったけれど、そのまま歩いて行ってしまって」
もう1歩踏み出す。
「でもいつものバス停に行かなかった。それが気になったから、ずっとついて来たの」
そしてもう1歩。
「人が多い道だからはぐれてしまって。人気を避けてこの道に入ったら、碇君が居た」
触れられないようにシンジが1歩下がる。
「まるでずっと前からここに立っているのが習慣みたいに、とても馴染んで見えるわ」
今日は客がなかなか来ないのは幸いだが、その客待ちをしている数人の娼婦達の目は一様にこちらに向いている。
キッとレイの眉間に皺が刻まれた。
「ここに居るのは、どうしてなの?」
適当な嘘はその紅色の瞳で見抜かれてしまう。
しかし本当の事は言いたくない。出来れば、レイだけには。
「おーい! 家行ける奴来い!!」
突如静寂を破った低い怒鳴り声は、今のシンジにとってだけは救いの声。
「呼んでるっ」
慌てて声の主――派手な柄のシャツを着た、髪型が今や珍しいリーゼントの、顔に傷は無いけれど小悪党顔の20代前半位の男――の元へと走る。
娼婦達も小走りでその男を囲むように集った。
皆一様に面倒な交渉を省いて客が欲しい。
レイは再び彼女の日常の無表情に戻り、無感動に1人を囲んだ円の後ろにつく。
「今日出てる中で家行ける奴ぁ誰だ?」
彼自身が何をするでもないのに、妙に偉そうな口振り。
「私嫌」
化粧で華やかな顔に見せているボブショートの女がボソリと呟く。
「じゃあお前ぇは来なくて良いよ、ウゼェ」苛々した声で返し「他は居ないか? 家行けるってのが条件だ。後、体が細い奴……だっけ?」
斡旋業の男が振り向いて尋ねた先は今日の誰かの客。
「あ、はい」
あんな身なりの男にも一応丁寧語を使う、年齢不詳の眼鏡を掛けた男だった。
「髪型とか特徴有って、描きやすい人で……」
「描きやすい? あぁ、絵描きだって言ってたもんな。オラお前ら、こんなお優しそうな人ぁ居ないぞ、誰か立候補ぉー」
所謂春画を描くとなるとただ簡単に自慰をするなりして男性では見る事が出来ない物を見せる場合と、そうでない場合が有る。
前者ならば誰もが立候補したがるだろう。
後者なら……誰も挙手したがらない。
後者の内容をシンジは知らないが、どちらにしても描写目的で遊女を買いに来た人間が男である自分を買うとは思えないので、話に入るに入れない。
ただ興味を失った、もしくはこの空気に中てられたレイが立ち去ってくれるのを祈る姿に変えて、話を聞く演技を続けていた。
「あ……そっちの、奥の子、その子とか可愛いですね」
客の綻んだ顔が向いたのはシンジ。と、更にその奥に居るレイ。
「あん? あんな頭白いガキ居たっけ?」
当然見た事の無いレイの存在に斡旋業の男は不快を露に周りの適当な誰かに尋ねた。
「知らないよ、さっきいきなり来てさ、何か白いから私ビックリしちゃって」
「シンジちゃんの知り合いじゃないの?」
少し離れた位置からこの場には似つかわしくない赤いイブニングドレスの女性がさっき話していたじゃないか、と言わんばかりにシンジに問う。
「あの! 綾波は僕の知り合いなんですけど、その、この仕事しに来たワケじゃないんです! その、ちょっと……話が有るから来ただけで……あの、えっと……」
どうにも嘘を吐くのが苦手なシンジは続く言葉が出てこない。
「シンジだっけ、お前女作ったのか。って、お前ホモじゃなかったのか?」
「ち、違います! えっと、兎に角、綾波は無関係だから……あ、その……」
煮えきらないシンジの態度に斡旋業の男は1つ舌打ちをし、客の方へと向き直る。
「だ、そーですんで、違う子で頼むわ。髪短いのが良いんならそっちの、今話したシンジはどうですか? 男だけど我儘言わずに何でもはいはい聞くし」
「そう、ですね……いや別に髪が短い方が良いってワケでもないんですが……」
悩むと言う事は別段男でも問題ない、ただ女の体を描きたいのとは違う、と普段余り頭を使う必要の無い女性達も判断出来た。
つまり、最低限体を大事にしたい自分がこの客に買われるのは余り宜しくはない、と。「……うん、その男の子にしようかな」
娼婦達はこぞってその場から離れ、暗黙の了解でテリトリーとしている場へと戻る。
持ち場に戻った後は携帯電話を触るなりして、まるで何事も無かったような態度しか見せない。
残されたのは商談が成立したシンジと客と、もう戻りたくて仕方の無い斡旋業の男と、そしてレイのみ。
「じゃあコイツは金は終わった後で大丈夫ですから。でも忘れずにちゃんと払ってやって下さい。後、多少殴ったりしても医療費とか全額そっちに持ってもらう事になるんで」
「はい」
「まぁお前……お客さんは心配無さそうだけど、間違っても殺したりなんかはすんなよ。色んな意味で、コイツはあくまで素人ですから」
ポンとシンジの肩を叩いて頭を下げさせた後、簡単過ぎる説明を理解していない敬語で済ませた男はポケットに手を突っ込んで喧騒の絶えない歓楽街へと戻っていった。
「条件は? って訊かれてマンションに来られる事って言ったんだけど、その辺りは大丈夫なのかな?」
「はい、大丈夫です。……あ、でも余り遠い場所は困りますけど。明日中には帰らなきゃならないので」
「それなら大丈夫だよ。駅1つ分位は離れてるけど、車で来てるし。明日も帰りは君の……あれ、名前何か訊いても良い?」
「シンジです」
「シンジ君だね。シンジ君の都合の良い場所まできちんと車で送っていくよ」
「あ、ありがとうございます!」
例えどんな春画を描くとしても、シンジにとって今日の客は大当たり。
優しそうな容姿と暖かな気遣いの客は、偶に排泄系や極端な羞恥系の性行為を好む傾向を見せる事も有るが、基本的には行為自体も優しさに溢れている場合が多い。
それはまるで恋人同士のそれのようで、男性相手でも嬉しく思ってしまう事も有る。
きっとそんな男なのだろうと淡い期待を抱いてしまい、声が上がってしまった。
「碇君」
そこへ注がれるどこかもの悲しいレイの声がシンジを現実へと連れ戻す。
「綾波……」
「行くの?」
戦場へ向かう恋人に掛けるような言葉。
「……うん、ごめん」
レイからの返事は無い。
「私も行くわ」
「……え?」
唐突なレイの言葉にシンジは息を呑む。
「止めておいた方が良いよ」
目を丸くしたままのシンジに代わって客の男が優しく言った。
「多分君達が考えてるような事はしないけど……女の子の中には男の子同士で遊んでいるのを見て楽しむ子が居るけど、やっぱり自分の彼氏がするのは嫌だろうし」
「いいえ」
シンジと比べれば随分と冷静だった客の言葉の何倍も冷静にレイは遮る。
「何をしても碇君は碇君だわ。だけど今後の生活に支障をきたすような事が有ってはいけない」
淡々とした喋りは歓楽街とは違って華やかさの無い、薄暗いこの通りには異様に合っている。
それだけにシンジは酷くこの場の居心地が悪い。
「知らない他人の家に入り2人になるのはとても危険な事と碇君自身が言っていたわ。だから、私も行きたい」
守る為に。例え自分が犠牲になったとしても、シンジを守る為に。
「2人が良いなら構わないけど……車だから2人共乗れるし」
多数決なら2対1。
20秒程無言で、1つ隣の賑やかな喧騒だけが聞こえていた。
「……じゃあ、行こっか」
もうこれ以上何かを言われてしまう前に、シンジの溜め息混じりの言葉。
この通りを抜ける前と、抜けてから通るネオンの街の人々の痛みの有る視線を3人仲良く受ける事になる。
車はやたらと豪華だったが、着いた先のマンションは反比例するように質素だった。
それでもアパートではなく風呂もトイレもしっかり有るマンションなだけ良いのだが、あれだけの車に乗せられた後では意外な気がしてならない。
造り自体も相当古いし、なまじきちんと人が住んでいるだけに使い古された雰囲気が溢れている。
「ここのエレベータ、少し遅いし不安定だけど……部屋が8階なんだ。乗ってもらえるかな?」
運転席に客、後部座席の左寄りにレイ、そして自分は助手席と、シンジには快適な割にかなり空気の悪そうな車だったが、やはり快適には代わらず酔わなかった。
もしかしたらこのエレベータでは酔うかもしれない、との注意なのだろうか。
しかしそう思っても、流石に古さの目立つ急な階段を8階まで上る気にはなれない。
「僕は大丈夫です」
レイは答えない。彼女の無言は表情が無い限り肯定になる。正確には肯定にされた。
そうして車以上に狭くて居心地の悪いエレベータという密室に入る事になる。
――ヴーン……
セカンド・インパクトでも壊れずに残るだけマシな古いエレベータは耳障りな音を立てながらゆっくりと上昇を始めた。
シンジは自分が所謂『口下手』だと認識している。この場で口火を切れる人間ではないと。
レイはそんな自分を30倍程上回る、独り暮らしだが独り言なんて喋らなさそうな人間だと認識している。今の所世界中で唯一シンジの方から話題を振る存在。
残念ながら客も余り話すタイプではなかったらしい。無言のまま妙に煙草臭いエレベータは8階に到着してしまった。
エレベータを出て右手に進み、奥から2番目の扉の前。
「少し散らかってるけど、気にしないで」
1番奥の部屋は恐らく入居者が居ないのだろうと眺めていたシンジの耳にどこかで聞いた事の有る一文が入る。
確かその時は、それを言った現在保護者として同居している彼女の『少し』が『容赦無く』なのだと思い知らされた時だった気がしてならない。が、取り敢えず気の所為にしておいた。
「お邪魔します」
「どうぞ。誰も居ないけど」
レイも後ろから会釈だけはして足を踏み入れる。
電気を付けても尚暗く狭い玄関、右手にクローゼットと思われる扉とトイレ、左手に風呂場と洗濯機の有る妙に広い洗面所。
その廊下を抜けると広いリビングに出る。殆どが窓ガラスで、この家の中で唯一明るい。……勿論太陽の沈みきった今は暗いが。
右奥の方に台所が見える。洗っていない食器が見えない所きちんと後片付けをしているのか、もしくは自炊を一切しないのか。
左の奥には扉が閉まっている部屋が1つ。マンションの大きさから考えると少し狭い寝室が有るに違いない。
葛城家から見ると貧相だが、綾波家から見ると結構豪華だ。
「お茶でも……ホットコーヒーしか無いけど、飲める? 水の方が良いかな?」
「お構いなく」
手短に答えたのはそんな社交辞令を初めて吐いたかもしれないレイのみ。シンジはリビングの中央が気になって仕方無い。
中央には安っぽい座椅子と大きなテーブルが1組。組み合わせとしては値段に差が有り過ぎて異質だが、シンジが気になっているのはそのテーブルの上を占領する物達。
大量の大きな真っ白い紙。それらに埋もれている黒1色で何かが描かれた同じ大きさの紙が数枚。持つ部分と紙に書く部分が分かれるペン数組がバラバラに散らかり、それを付けるだろうインクの小さなボトルも有る。
埋もれきってシンジの視界には入らないが、白い紙の下には鉛筆と黒ずんだ消しゴムと、掃除をしていない証明の消しゴムのカスが散らかっていた。
「シンジ君は……あぁ、珍しい? どれも没だから、見たかったら見ても良いよ」
そう言われて漸く振り向いたシンジにこの家に1人暮らす男は苦笑を向ける。
「漫画描いてるんだよ。絵に描きたいって言うのも漫画の事。ごめんね、もっと芸術的な物だと思ってたら申し訳無い事したよ」
シンジは言葉が出てこなかったので、慌てて首を左右に振った。
「商業誌も描いたりするけど、未だ単行本とかは出してないから……一応18禁の雑誌だから、読ませちゃ犯罪になるのかな」
「漫画家さん……なんですか? 凄い! 僕漫画家さんなんて初めてです!!」
シンジにはははと少し乾いた、しかし皮肉を除けばきちんと喜びの見えてくる笑いを聞かせた。
「漫画家なんて大層なものじゃないよ。シンジ君達位の子が読むようなのは描かないからね。連載も持ってないし、同人誌を出して細々と食べていくのが精一杯。……アシスタントしてくれてた子も先週就職の為に引っ越しちゃって、遂に1人きりになっちゃったからね」
漫画に関する物で埋め尽されたテーブルはゴチャゴチャとしているのに、それが有るこの部屋は妙にガランとしている。
資料なのか趣味なのか、テレビの周りに散らかったビデオやDVD、本棚から取り出してそのままにしてある漫画等、生活感はとても溢れて正直汚い。しかし1人で生活していくにはこのリビングは広い。
「そんなに忙しい仕事じゃないみたいだから一緒に行ってアシスタント続けてもらいたいとも思ったけど、やっぱりこの地からは離れたくないからね。ここ出身地なんだ。まぁ産まれた頃は名前も土地の雰囲気も今とは違ってたんだけど」
す、と手を出されたので、何と無く意を汲み取ったシンジはテーブルに近い床がしっかり見えている所へ座り込んだ。
レイの方へ顔を向けるとシンジの近くに、置いてある物を適当に横に避けてから座る。
「普通の少年漫画の賞とかに応募すると必ず『話が駄目』って切り捨てられちゃって……」
その前に『絵は綺麗だが』と形容詞が付くかもしれない。
ふと間近で見た没にしたらしい線画の女性が随分と美しく描かれていた。
と言っても芸術的な絵画ではなく、サブカルチャー的なノースリーブにミニプリーツスカート、更にはサイハイニーソを合わせた髪の長い少女が待ち合わせでもするかのように佇んでいる絵だったが。
「……でも1度だけ、だいぶ前に1度だけだけど、話も面白いって評価された事が有ったんだ。生まれ育った街を舞台にしてみた漫画が」
絵から客へと視線を動かすと、はにかんだ笑顔が視界に飛び込む。
「嬉しかったんだろうね。もう漫画で食べていく夢は諦めたのに、ここ以外に住む気は無いみたいで」
穏やかな笑顔と口調。シンジも思わず口元が綻んでしまう。
「……って、諦めたのに、描いてるんですか?」
「うーん……一応最近はそれで食べてる事は食べてるんだ。1枚パッと描いたり、ゲームの絵を描いてるんだ。漫画は描いてないよ」
余り違いがわからずシンジは小首を傾げたが、それ以上の説明はもらえなかった。
「碇君、遅くなって、葛城三佐は大丈夫なの?」
ポツリと、隣に座るレイが全く無関係の話題を口にする。
「え? あ、うん、泊まるって言ってきてるから。ミサトさんにもアスカにもちゃんと言ってあるよ」
「そう」
「泊まるって言った手前、帰る方が気まずいしね。綾波は……独り暮らしだっけ。あ、戸締りちゃんとしてきた?」
和やかなやりとりを眺めていた客も、テーブルを挟んで2人の向かいに座る。
「何だかお母さんみたいな心配の仕方だね。もしかするとお姉さんだったのかなって思ったけど、話からすると違うみたいだし……やっぱり恋人?」
聞き馴れない甘い関係の名前にシンジは左右に何度も首を振る。
その必死な仕草がお気に召したのか、客は笑いながら尋ねた。
「じゃあ、幼馴染みとか?」
「いえ……あの、その……仕事! 仕事始めます、眠くなっちゃう前に!」
「確かに眠られちゃ困る。じゃ、ちょっと机片付けるから本でも読んで待ってて。その前に飲み物持ってくるから」
「いいです。綾波も、何も飲まなくて大丈夫だよね?」
「えぇ」
もう1度悪いね、と言ってから客はテーブルの上の原稿用紙を手に取り吟味し始める。
全く描かれていない紙は使える物。下書きだけで気に入った物は保存、気に入らない物は破棄。ペンが入っている物は全て使えない物。
掃除等は元から苦手なのだろう客が片付け終わるのに10分弱要したが、お世辞にも綺麗にはならなかった。
すぐに描けるように客の前には1枚の真っ白な原稿用紙。そして右隣に他と比べると未だ新しい長めの鉛筆。しかし散らかりきった消しゴムのカスばかりが目についてしまう。
「じゃあ……変なお願いだけど、脱いでもらって良い。その、男を描きたいワケじゃないから、パンツは脱がなくても良いから」
「はい」
「胸とか脇腹に怪我とか刺青は無いよね? ホクロは?」
「? どれも有りませんけど……」
「良かった。そういうのが有るとそっちばかり気になっちゃうから」
苦笑に近い優しく穏やかな笑顔は、やはり今日の客にはよく似合っていた。
脱ぐだけなら楽過ぎる仕事で逆に不安になるが、仕事に代わりは無いのでシンジはシャツのボタンに手をかける。
制服なのでまるでこれから体育の授業でも有りそうな気がしながらTシャツも脱いだ。
しっかりと畳んでからベルトを外し……
パンツをおろす前にレイの顔を見る。
忘れそうだったが、ここにはレイが居る。このままでは下着姿を見られてしまう。
「……私も脱ぐの?」
「えっ!?」
恥ずかしいなぁと考えて手を止めていたシンジは予想の外過ぎて見当たらないレイの言葉に目を丸くした。
「いや、あ、あの……」
頬を赤く染めながら言葉を失うシンジと、敢えて何も言わない客。
返事を待つのが面倒になったのか、レイは自ら赤いリボンタイを解く。
「綾波……」
「恥ずかしくない?」
シンジの言葉を遮って客がレイに尋ねた。
「何がですか?」
日頃実験等で、人前で服を脱ぐ機会は他人と比べて何倍と多く、しかも電気を付けても少し薄暗さの有るこの部屋では全く気にならないらしい。
立ち上がってジャンパースカートの肩掛けを左右共下ろし、ウエストホックを外すと、スカートはそのまますとんと足元に落ちた。
普段から見られる膝から下は白いだけではなくほっそりとしていて、ただただ不健康そうなだけだが、露になった太股は少し肉付きが良くて温かみすら見える。
レイの肌やブラウスにも負けない真っ白な下着が秘所を綺麗に隠している。白と言えば透けそうな印象だが、全くもって奥を見せない。
だからだろうか、いつだったかレイの部屋に向かった際に散らかしてしまった下着は、確か全て同じ形で白一色だった。
思い出してしまう。とっさに手を放したとはいえ、レイの胸に直に触れてしまった事を。
レイはスカートの上に再び座り込んでブラウスも脱ぎ始める。
恐らく彼女の中には『服に皺が付く』という観念が無い――もしくは有ってもそれが悪い事ではないと考えている――のだろう。下敷になったスカートも更にその上にはらりと落としたブラウスもそのまま放置していた。
「私は下着も?」
「いや、君もそのままで良いよ」
膨らみ掛けた胸はサイズが合っているのかどうか疑わしいブラジャーに押さえ付けられている。
これも同様に白く、下着姿という淫靡なシチュエーションに相応しくない清楚さが有った。
……ただ、悪く言うとそそられない。淫らな興奮をもたらしてはくれない。
「良いね、2人共細くて。腰の位置もちょっと高くて現代っ子って感じだし。こっちに並んで座ってもらいたいな」
返事も無くレイは立ち上がって、客の指した真隣へ移動する。
次いでシンジも、レイの方がこの仕事に従事錯覚を覚えながら場所を移った。
――ザッザッザッ……
漫画家の客は姿勢悪くテーブルに張り付いて、握った鉛筆で軽く絵を描く。
自分達をモデルにしているのか、インスピレーションを受けるだけで全く違う絵なのかは、シンジの位置からは見えない。
それよりも気になるのは自分の左隣。
触れそうな位すぐ近くに殆んど生まれた姿に近いレイが居る。
撫然とした態度で何を考えてか何も考えていないのかぼんやりと座っているだけなのに、1度見て触れてしまった肉体が有る。
すっかり熟れた体でも、ましてや筋骨隆々の体でもない。未だ子供を抜けきれないのに女の香りを持つ、少女特有の匂い漂う体が有る。
「……あ」
「ん? どうしたの、シンジ君」
「いえ、何でもないです」
手を止めて顔を上げられてしまったので、慌てて両手を前に出して大袈裟に振るシンジ。
「寒い? 冷房入ってないけど」
「大丈夫なんです、本当に」
「そう?」
否定する度に益々心配そうな顔になってゆく。
恥ずかしいが余計な心配や迷惑掛けたくない。
そう思考が働いたシンジは少し俯き加減で呟いた。
「あの……ちゃって……」
え? と聞き取れずに客が首を傾げ、更には隣のレイも気になったのか顔をこちらへと向ける。
「その……あの、た、勃っちゃって……」
膝を抱えるように座って隠してみるのは、その主張が未だ足の間で収まる程度だから。
「すみません……」
「別に謝らなくても良いけど、誰かに買われる前にヌいてきたりしないの? 若いんだし、すぐイッちゃって大変なんじゃない?」
「ぬく?」
「その……出しておく、と言うか。言い方変だけど長持ちするよ」
言葉の意味を汲み取れず勃起が収まる位に考え込んだシンジは、数秒後に理解出来た途端顔を赤く染める。
「ひっ、1人でなんてしませんよ! 綾波の前で変な事言わないで下さいっ!」
「丁度ヤリたい盛りじゃないかと思ったんだけどなぁ」
疑っているのか笑いながら再び姿勢を崩して紙へと向かう。
「しませんよ……お客さんがシなさい、って言ったら別ですけど……」
「言う人居るんだ?」
そんなに勃つのが早いだろうかと思いながらもシンジは頷いた。
「女の人は、結構居ます。人によっては僕が……その……オ、オナニー……してるの、見るだけで良いって人とも偶に居ます」
横目で見ながらも客の意識は殆んど紙に集中している。
「じゃあ1人でヤッてる所描きたいからヤッてって言ったら、男の前でも出来る?」
「それがお仕事なら」
終わったのか、手を止めて別の白い紙を手探りし、新しいその紙を描きやすい場所に置いた。
「じゃあちょっとヤッてもらおうかな。漫画で良ければオカズになる物、結構有るから」
「脱がずに、ですか?」
それは流石に困る。泊まる事を前提に来ているので鞄に替えの下着は入れてあるが、精まみれになった下着を持ち運ぶのは避けたい。
「いやパンツも脱いで。……やっぱり恥ずかしい?」
「いえ、大丈夫です」
意を決して下着に手を掛けたが、ふと思い出して手が止まってしまう。
隣にはレイが居る。
思わず視線を向けてしまった事にレイもすぐ気付いた。
「何?」
「えっ? あ、う……」
「私も脱ぐの?」
答える隙も与えずレイは両手を背に回し、ブラジャーのホックを外した。
同時に白いそれはレイの太股へと落ち、更に白いと錯覚してしまう程透き通った白い肌。
膝立ちになりレイは躊躇いも恥じらいも無く下着も下ろす。
毛の無い局部もまた白く、それこそ血管が浮きだしそうな不気味さすら有った。
――ゴクリ
初めて見てしまったあの日のレイの全裸と全く変わり無い。
成長が止まってしまった少女にも見える姿にシンジは息と唾液を飲み込む。
「脱がないの?」
「ご、ごごごめん!」
視線を厭う冷たい口調に、シンジは一気に下着を足首まで下げた。
レイとしては決して他意は無く、仕事は迅速に済ませろと言いたかっただけなのだが。
そして露になったシンジの幼い性器は似つかわしくなく起き上がっている。
「……人前で、出来る?」
それだけ勃っているのなら大丈夫だろうと踏んでいながらも尋ねる客。
「は、い……」
隣に全裸のレイを置いて、初対面の男の仕事の為に自慰をする。
そう考えても尚勃起は収まる気配を見せないので、ここは処理してしまった方が勃起したままでいるよりもマシだろう。
頭の中で決定したシンジは左手で性器の付け値を掴み、竿にそっと右手を掛けた。
「ん……」
寒くはないのに冷たい手の感触で、相当猛っていると自覚させられる。
乾いた感触で性器を包み込み、顔を上げて上目に開始しても良いか目線を送ると、客は穏やかそうなその顔に穏やかな笑みを乗せて頷いた。
誰かが教えてくれるワケではないので他者に魅せるやり方等知らない。適当に自ら上下に扱く位しか方法が思い付かない。
それでも客に見えるように膝を立てたまま外股に開脚し、自分は相手を見ずに済むよう俯く。
右手を余り強く握らずゆっくりと上下にグラインドさせる。大した刺激でなくとも、じれったさともどかしさが脳味噌を直に刺激してきた。
手の平の柔らかな感触が裏筋を撫で上げては下がり、4本の細い指の感触が前面を執拗にうごめく。
硬く細い自らの手が性器を柔らかく擦る。そんな姿を目の前で名前すら知らない相手が網膜に焼き付け、更には1枚の絵に仕上げようとしていた。
それ程の価値が今自分のしている事に有る。
自分で慰めて、掠れた甘い声を漏らして、肩を震わせながら精を放出する姿には、記憶して記録する、今までの人生では誰からも与えられなかった価値が。
何かを見たり想像したりする必要は無い。男の視線と描写する音だけで充分興奮の材料になった。
男に対して手だけで奉仕する要領で行えば――覚え方としては逆だが――気持ち良くなれる。
「はっ……んっ……はっ……」
声が殺しきれない。恥ずかしいがその方が良いのだろう。
半端に膝を立てた体勢で、その先の足の指が力を込めて折り曲がった。
薄く目を開いて前を見ると男が手元もおろそかにシンジを凝視している。見られている。
手の中に有る熱く硬い自分自身に意識を集中させると、鼻の頂点がツンとした。
「は、ンっ……イ、イキそ……」
ゆっくりと動いていた手は止まり、人指し指の腹で鈴口を小さく激しく擦る。
「ふぅッ! や……」
眉間に皺が寄って、目を開けていられない。
下腹がビクビクと射精を訴え、腰が勝手に卑猥な動きを見せる。
普通に性交するよりも恥ずかしく、羞恥の余りシンジは顔を真横へと向けた。
その先にレイが居る。
手が止まってしまう。大きく目を開けると、嘘だと思いたかったが案の定レイが冷たい赤い瞳でこちらを見ていた。
「あ……」
気まずい。
レイの事だからシンジが何をしているのか、それが恥ずかしい事なのかもわかっていないだろう。そしてこの事を誰かに言う人間でもない。
しかし何故か、全裸で自分の自慰を見ている女性なのに、興奮等が一切起きずにただ気まずい。
少し釣り上がった特徴的な目で、視力が無さそうなのに何もかもを見抜いてしまいそうな紅の色。
シンジの右手はいそいで性器を強く掴み直した。
顔をレイから背けるように前へ向き戻してしっかりと目を閉じ、強い力で締め付けながら上下運動を再開させる。
「くっ……うっ……く、んうぅっ……」
声が低くなってしまう。痛い位に強く握っているのに、熱が起こる位に摩擦しているのに、腹の奥底に有った射精感は戻ってこない。
真下を向いて目を開け、擦られ続ける赤く膨張した自分の性器を見る。
頭の回転を必死に早めて、今までの仕事の中で『自分が気持ち良かった』時を思い出してみる。
細身の既婚女性の熟れた膣が性交を先導していった時。大柄だが物腰の柔らかい男性の指が肛門を探っていった時。女装にとセーラー服を着せられていたがレズビアンの20代の女性の処女を突き破った時。
未熟なまま体験してきた性的な悦びを辿りながら、乱暴に性器を擦る。
先程滲み出て止まらない先走りを人差し指で掬っては手で広げて性器に塗りたくり、グチュグチュと卑猥な音を耳で感じながら。
最早快感を通り越した義務感の中でシンジは吐精に向けて何度も唸り声を上げた。
「……イケない?」
不安そうな優しい声に手を離して顔を上げると、声の通りに不安がっている本日の客が居る。
「泣かないで、緊張しちゃったのかな?」
まるで幼稚園児を慰める言葉だったが、酷く安心感を覚えてシンジは肩の力を抜いた。
痛々しく腫れ上がって濡れている性器は収まらないのに、一向に達せない。
「ごめんなさい……」
あんなに気持ち良かったのに、こんなに気持ち良いのに、既に射精を3回は終えた後のような疲労感が体と心を埋め尽している。
「君……名前何だっけ? 女の子の君、しゃぶったりとか出来ない?」
「しゃぶる?」
「イケないのは彼女……って事にしておいてね。彼女に見られてるからじゃないかな。だったら一層の事フェラで手伝ってあげればイケるんじゃない?」
駄目です、と言いたい筈なのに、喉も口も渇いてシンジは言葉が吐けない。
「その方が絵になるしね。出来ればおクチが見えるように咥えてくれる?」
「口で咥えれば良いのね」
外見には似合わない男らしさすら有る仕草でレイはシンジの両膝に手を掛けて大胆に開いた。
「あっ! あ、綾波! な、何す……」
聞く耳を持たずレイは口を開いて無感動にシンジの性器を口に含む。
「っ……」
今までの外気とは全く違う生温かい咥内に、達せない性器の硬度が更に増すのが自分でもわかった。
どこで学んだのか舌の表面が性器の裏に押し付け、しゃぶるという言葉通り咥内に唾液をたっぷりと溜めて頭ごと動く。
舌自体は余り動かないので先程の手淫のようなもどかしさが有り、腹の下の辺りが熱い性器と同じ位の熱を訴えてきた。
「止ぁ、めて……駄目……」
見下ろす形になるので視界には色素の薄い短い髪が股間を緩急も付けずに単調に動いている。
「出たらゴックンせずにこっち向いて口から垂らしてね」
恐らくシンジの頭頂部とレイの後ろ姿しか見えない客が声を掛けた。
グチュグチュと響く水音に掻き消されているが、きちんと絵に描いているのだろう。
独特の臭いや味、何より性器を口に挿れられている苦痛が大嫌いなフェラチオだったが、してもらう側になると話は別。
出来る事ならこのままレイの頭を掴んで達せるまで乱暴に腰を振って精を放ちたい。
「……あ、く、ぁ……」
口にぶちまけられ、それを描かせる為に口から垂らすレイの姿。
扇情的な妄想のどこかで、それは考えてはいけないと否定される。
クラスメートでもパイロット仲間でも客として来たなら、自分を買ってくれるのなら、肉体関係を結ぶ事に抵抗なんて無い筈なのに。
「駄目だっ……」
両手でレイの両方の頬を掴んで静かに奥へと押しやる。
咥える時より更に抵抗無く口から性器が抜け出た。
「……碇君?」
そっと声を掛ける。髪の上から頬を押さえるシンジの手が離れない。
「止めてよ。止めようよ。僕、綾波とは出来ない……シたくないんだ、綾波の口に出すとか、嫌なんだ」
口から出た未だ精を出していない性器は先走りと唾液の混合液で光り、可哀想な程に天を向いてシンジ自身の下腹を叩いている。
傍から見れば逞しい理性を持っている姿のシンジも、本当は随分と前から限界が近い。
それでも女性としての魅力を充分に兼ね備えている筈のレイを前には何故か達せない。
「……それで良いの?」
精を出せとも勃起を収めろとも言わない。ただ判断とこれから先の選択を委ねてくる。
まるで自立を促すように。
「それは……」
見ると、レイの奥に居る客は描き上がったのか満足そうに手元の紙を見ていた。
視線に気付いてこちらを向き、目が合う。
「あ、あの……」
「もう、疲れた?」
「いえ……その……」
シンジの荒い息は疲れていないと言えば嘘になる。
「……綾波の口には、ちょっと……」
口の中に、もしくは大胆に顔や髪に掛けた方が絵的に映えるのは理解しているが、レイ相手にはどうしても出来ない。
まるで自分がこの年では未だ無縁の筈の不能にでもなってしまったようで、そう考えるとシンジの性器も漸く萎縮を見せてきた。
「じゃあ口が嫌ならアナルは?」
「だ、駄目ですよっ! 綾波多分そんなのした事無いし、いきなり挿れたら大変な事になるから……」
「別に、構わないわよ」
賛同を求めてレイの顔を見たのに、いつも通りの無表情のままそんな言葉を言われては、シンジは目を丸くするしかない。
「な、何言って……!」
「『仕事』なんでしょ? ならば言われた通りにするのが義務だと思うわ」
「でも、これは僕の仕事で、綾波は無関係なのに……」
不思議と色香有る少年少女達の真摯な会話は互いに全裸で座っている状態の為、客観的に見ると妙に間が抜けていて面白い。
「ついてきたからには私の仕事にもなるわ」
「でも……駄目だよ、もっと体は大事にしなくちゃ」
「それは誰に言っているの?」
レイが一呼吸置く間、部屋が冷たい静寂に包まれる。
「私に言っているの? 碇君自身に言っているの?」
その冷たさに言葉が凍って出てこない。
自分に言いたかったのだろうか。もっと体を大事にしろと。散々酷い事をしてきた体を、大事にしてあげろと。
「……あのさぁ、2人は好き同士なんでしょ? 片想い同士っていうかさ。一層の事これを機会に本番もしちゃったら? イケなくて可哀想に見えるよ」
やっぱり本番が1番絵になるし。その何より言いたい事は隠す。
確かに辛い。何度も焦らされるだけではなく、絶対に達せないのがわかっているのに襲い来る悦は未だ幼いシンジの体に苛立ちを覚えさせていた。
レイが居なければ……いや、今更姿を隠そうとも遅い。
この言葉にならない気まずさは忘れられない。体にも心にも居座り、性器の根本を縛られた苦しさに似た快感は続く。
もしももっと図々しい人間に生まれ育っていれば、このまま情欲に流されるのに……
自然と俯いていた頭に、そっとレイの手が乗った。
白くて細くて体温の低い、まるで作り物のような、でもどこか懐かしい手。
「綾波……」
どこまでも表情を変えないレイの顔立ちに翳が浮かんで見える。
それよりも尚沈んだ表情のシンジの足が左右共、頭から離れてしまったレイの手で立てた膝を寝かせて床に付けられた。
「っ……」
なすがままの今の状況に対し何を言えば良いのかわからず、言葉にはならない熱い息が漏れる。
1度レイが振り返って客の方を見る。その位置からちゃんとこちら――の局部――が見えているかの確認に。
シンジの幼いながらも猛る性器を中央として両方の膝を彼の左右の床に付けて跨いで体を制止させた。
未発達のレイの胸が目の前に、まさに文字通り近過ぎる程の目の前に有る。
レイの左手はシンジの肩に乗せられ、右手は性器の付け根を捉えた。
「……本当に、するの?」
少し不機嫌そうな声で尋ねたのはシンジ。対するレイは答えないが、どちらの手もまた離さない。
綾波も1人の人間なんだから、やり方位知ってて当然なのに。
だのに何故こんなにも違和感にまみれているのだろう。心の中の疑問は消えない。
このままインサートしても達せずに苦しみ苛立つだけかもしれないが、拒めない。
悪戯をしたと認めて怒られるのを待つ、構ってもらいたいとすら言えない古い時代の子供のように、否定しないのは本人も気付かない理由が有るから。
ほんのりとしか色付いていないレイの胸の尖端が視界の上から下へと移動した。
同時に性器の頂点の1番敏感な部分に熱を感じる。
口を開いた事の無さそうな、見えないながらも桃紅色をしているのがわかる秘所が触れた。
その感触はゴムか何かに酷似しているが、しかし秘所としてはシンジには初めての感覚。
触れればベタベタしているのに、決して濡れてはいない。
潤滑油も無しに自分に挿れようとした男は、このシンジ自身にとっては妙に不快な触りを気に入っているのだろうか?
何と無く痛みや圧迫感を思い出す秘所がゆっくりとシンジの性器を包み始めた。
「あ、う……」
怖い。レイと繋がってしまうのが怖い。
大切な仲間の純潔を奪ってしまうのが。
目に見えない知らない所の禁忌を破ってしまいそうで。
――みりみりっ
シンジの性器を誰も触れる事の出来ない膣の道が飲み込んだ。
「あやな、み……は……」
悪寒のような芋虫のような悦がゾワゾワとシンジの背筋を走る。
性器の表も裏も、側面も全てが熱く柔らかな肉感に閉じ込められた。
狭さ、正確には細さが過剰で動く事が出来ない。レイも慣れていないのか、どうすれば良いか知らないのか、動こうとしない。
他に肌を重ねた女性とは違って愛液が極端に分泌されていないのか、滑りが酷く悪いのもまた動けない理由かもしれない。
「あ、僕……避妊してな……んっ」
言葉を遮るように内壁がキュッとしまった。
根本までしっかり咥え込まれると、恥丘もピッタリと触れ合う。自分も相手も体温がかなり熱い。
――むちゅっ……
破瓜の血液が流れてはこないが、この狭さは処女を自称してきた客のそれと似ている気がした。
だとすれば、自分が様々な意味で大人になれない、子供だった為に大切な物を奪ってしまった事になる。
「あや……な、み……ごめ……」
ふ、とレイの体が離れる。
両手をシンジの肩に――まるで倒れそうなシンジを支えるように――置いて、しっかりと顔が見える距離を
とった。
「碇君、また泣くの?」
「え……?」
また目に涙が溜っていた。自覚した途端鼻がツンとしてくる。
きっとレイから見れば、彼女とは違った意味で目は真っ赤なのだろう。
「泣いてばかりでは、駄目」
呟くような言葉と共に温かな肌に包まれた。
レイは離した両手でシンジの頭を抱え、自らの胸を押し付ける。
「泣くのが癖になってしまう」
双房での愛撫に感じられないのはその胸が未発達だからではなく、その暖かさがまるで乳飲み子を抱く姿だったから。
「綾波……」
性器同士が繋がりながら、ましてやシンジの性器は硬直したままなのに、泣き喚いていた子供が疲れて眠る時のあの心地良い脱力感が体を支配してゆく。
「すぐに逃げ出したりとか、癖になってしまうから」
少しの彷徨いと躊躇いを持って、シンジは両手をレイの白い背へと回した。
抱き締めるのではなく、抱き付く為に。
「ご、め……ごめんなさ……う、っく……」
この地を訪れてから暫くの間が過ぎ、この仕事を始めてからも月日は過ぎたが、今初めてシンジ自身を曝け出す事が、そして甘える事が出来た。
思い返せば父に呼び出される前にもこうして甘えた記憶は見当たらない。
だが産声を上げてから物心が付くまでの間、何度もこうしてきたのだろう。こんなにも涙が溢れて止まらないのも自然に思える程心が落ち着いている。
「……ごめん、中途半端に投げ出すのが、1番良くないよね」
悪夢からの目覚めのように、未だ目は赤くとも、シンジはすっかりと落ち着きと性的な興奮を取り戻していた。
慣れない体勢で繋がっているので、まるで全身が性器になったように隅々までレイの絡み付く膣肉を感じているようで。
それなのに性器に全身を集中させて元居た子宮へと戻っていくような頭も心もついていけない悦。
ゆっくりとレイが腰を引き上げては再度下ろす。面白い程に時間の掛かるピストン運動が始まった。
シンジは赤子のようにレイの淡い色の乳首の片方を口に含み、歯を立てない事だけを意識して吸う。
「うっ……」
漸くレイは微かで呻きに近いが喘ぎ声を漏らした。
「痛い?」
口を放して尋ねるとレイは首を左右に振る。
「……でも、動きにくくなるわ」
反対側の乳首に唇を寄せると、少し苛立った声がした。
「碇君は動かないで」
必然的に見上げる形なのでレイの顔には照明が当たらず、高圧的に見える。
「私が全部するわ」
「絶対噛まないから、痛くないようにするから……」
「いいえ」
膣の内壁が器用にキュッと締まり、そのまま性器ごと吸い付くす勢いでレイが腰を上げる。
「んンッ!」
「碇君はそのままで良いの。その方が……」
卑猥に見えるから、と続けたかったのか、レイの顔が一瞬後ろを振り向こうとした。
目の前のレイを通り過ぎれば本日の客が居る。すっかり忘れていたが。
ちゃんと『魅せる』交接をしなくてはならないが、この受け身しか出来ない姿勢ならレイに任せた方が良い。
「ちゃんと射精出来るようにするわ」
自分と同い年でエヴァのパイロットである事が全ての、月光に近い透明感の幼い少女が、すっかり射精と前立腺の快感を覚えたシンジを絶頂まで運べるとは思えない。
しかしその予想を早速覆して、レイは後ろの床へ両手を付いた。
両方の足首の上に太股を乗せる形で体が離れ、少し反り返らせるので小さいが形の良い両方の胸が唾液に濡れて上を向いている。
――グプっ
膣への力を抜いたのか粘性の強い水音が結合部から鳴り、狭過ぎた入り口に若干余裕が出来た。
「見て」
まるで男性器を思わせる程に、小さくはあるが真っ赤に充血させて膨らんだ陰核。
その下の繋がっている部分は粘液でテラテラと光っている。
もしかするとシンジの先走りと先程のレイの唾液だけかもしれない。
愉悦に浸る声を吐かない、それ所か肌が余り赤くならず汗ばんでもいないのだから、性的に追い詰められているのはシンジのみ。
多少眉をしかめて見えるが、基本的には日頃の無表情なままのレイがこちらを見ている。
「もっとちゃんと、ここを見て」
すっと腰を引くが互いの性器は繋がったまま。
顔に反してレイの秘所は必死で咥え込み、ビラビラとした入り口近辺が性器に張り付いて離さない。
互いに陰毛が生えていないので淫らさは半減しているものの、レイが恥丘を2本の指で引っ張り結合部がよく見える。
「見えるでしょ」
「うん……」
こんなにも心臓が高鳴っているのは自分だけなのだろうと思うと羞恥心が何倍にも膨れ上がった。
「私、このままマスターベーションをするわ」
「えっ!?」
「だから碇君はそのまま見てて」
恥丘を上へと支える2本の指がすっと下におりる。
「ここ、クリトリス。女性はここが性感帯」
ぷっくりと腫れ上がった陰核を2本の指で軽く挟む。擦らず、潰さずに。
「ヴァギナに挿れられるよりも、余程感じられる場所」
レイの人指し指が陰核の付け根をくるりと一周し、先端から自らに付けるように優しく押し潰す。
「……ん……」
何度か指で押しては放す動きを繰り返し、息がかなり荒くなると人指し指に中指を添えて2本の指で陰核を押す。
今度は放さず、ずっと力を加えたまま。
「碇君、見てる?」
「えっ……」
声を漏らさず激しい動きも無い静かな自慰だと考えていたのが伝わったのか、レイはシンジの方を冷たく見つめていた。
「ごめん……」
見るなと言われても見てしまう。それ程近くで、それ程甘い香りが漂っている。
今なら性器を簡単に擦るだけで先程は出来なかった射精も簡単に行えそうだが、それは出来ない。レイの秘所にすっぽりと収まっているのだから。
ねっとりとした壁が性器をあらゆる面から包み、しかし包むだけの刺激しか与えてこない。
ただ意識すれば先程よりも少しばかり膣内が濡れている気がした。
「何故謝るの? もっと見なくては駄目。ちゃんと見て、ここを」
意図的なのか内壁がきゅっと性器を締め付ける。
「見て。碇君のペニスが根本まで入っているのを」
見なくてもわかるその言葉はリップサービスなのか、2人の間に全く入らない本日の買い取り客への説明なのか。
「でもこれはセックスじゃない。私だけがするマスターベーション」
指が陰核を押したままグニグニと左右に動く。
「碇君のペニスをヴァギナに挿れたまま、クリトリスだけでオルガスムスを得るの。目一杯拡げられたヴァギナよりも、クリトリスの方が気持ち良いから」
見ていて痛そうな位陰核が押されて形を変え、膣がまるで心臓の脈打つ姿を真似るように小刻に締め付けてきた。
「誰かに犯されている所を考えながらマスターベーションする方が、こうして碇君とセックスしているよりオルガスムスを迎えやすいの。碇君もそうでしょ? こんな事をしているよりも乱暴にされる方が、もっとずっとペニスがビクビクと勃起するんでしょ」
「し、しないよ……」
言葉とは裏腹に充分に熱を持っている性器が動きたくて仕方無いと腰に信号を送ってきた。
「ヴァギナも口も、アヌスだってスペルマを掛けられてドロドロにされるの。どんなに嫌がっても、もう肌が見えない位にドロドロに。そう考えながらここを触るとどれだけ気持ち良いか、男性に生まれてはわからない」
指先が陰核を激しく擦り始める。
「女、として作られた事に感謝をする……誰かに、感謝を……する……」
触れてもいないレイの胸の尖端が目立って見えてきた。
「あ、綾波……ま、も、待って、ね……」
このままレイの体を押し倒して乱暴に腰を振って達してしまいたい。声も震えてしまう。
「動かないで……マスターベーション、してるから……」
潤んで見える赤い目が珍しく感情を見せていた。
「私が終わるまで……碇君はそのまま。ずっと……そうしてきたんでしょ。色んな人に黙って、隠してそうしてきたんでしょ……他人の、あ……ん、あ……玩具に、なってきたんでしょ……」
疑問系ではないし、間違いでもない。
背の後ろに両手を付いて、動かない代わりにせめてもと腰を少し高くして、シンジはただひたすら耐えるしか無い。
白い2本のレイの指の下の結合部からトロリと白に近い液体が滲んできた。
秘所を限界まで拡げる性器をなぞるように伝って、愛液が床まで落ちていく。
「ウ、あァ……」
レイの声に色が含まれてきた。
不定期的に膣がぐっと締まったり、くぱっと力が抜けたりを繰り返し、力む直前にレイは必ず声を漏らす。
「……は、ァ……碇君のペニスが……当たってる、ぐりぐりって陰核を裏から……うゥん……」
息が乱れて肩が大きく呼吸をしようと動く。あのレイのこんな姿は見た事が無い。
「う、あっ……アっ……ヴァギナもアヌスもぉ……壊れて、しまうッ……」
床につくレイの膝を立てた両足の先の指に力が込められる。
同時に蒸気しても未だ白い彼女の肌から汗の珠が吹き出し、俯いて表情が崩れる様を隠した。
「ぐ、ン……あヴァぁあっ!」
レイの低くて短い悲鳴と共に性器を掴んでいた膣道の奥がぱかっと、まるで口を開くように広い空間に変わる。
「っ! あ、綾波っ……」
そのまま射してくれと言わんばかりの状況に飲み込まれそうになりながら、微かにくすぶって残る男としての意地でシンジは歯を食いしばりながら堪えた。
堪えきった。
レイ同様に爪先まで力を込めて頭を突き抜けてしまいそうな射精感を殺しきった。
山を越えれば二の腕に鳥肌が立とうとも暫くは堪えられそうで、きつく閉じていた目を開いてレイの様子を伺える余裕が出来る。
俯いている顔から唾液らしき液体がドロリと垂れて、完全に顔と液体が放れるてからゆっくりと天井を仰ぐレイ。
だらしなく開いた口も、意識の定まらなさそうな強さに欠いた目も、彼女らしさが無い。
まるでレイではない。そう思うと心のどこかは急速に萎え、相反して体の一部は更に憤る。
レイ以外の女性ならば躊躇い無く犯せるとでも主張するように。
人より回復が早いのは若さ故か、日頃の様々な訓練の所為か。すぐにレイの紅色の瞳に意識の炎がともり、顔を前へと向けてシンジと目を合わせた。
「……射精せずに我慢していたのね」
日頃と違う掠れた声。
「手、放して」
荒い息の中の命令にシンジは自分の両手に素早く目を走らせる。
両手共後方の床につき、レイと同じような体勢をしていた。
「……放したら、倒れちゃうよ」
シンジの息はレイ以上に荒く、更に弱々しい。若い為に堪えずにすぐ射す事を売りにしていたと言っても過言ではない今までと一転、既に3回程波を越えているので当然の状況。
「倒れるの。横になって、このままここを抜かずに」
ぐっと体を押し付けられ、互いの熱過ぎる肌が重なる。
体重がかかり、海に沈むかのようにゆっくりと倒れ込んでゆく。
性器に触れる愛液まみれの膣の当たる部分が代わり、まるで抉っているような刺激がまた射精を呼び掛けた。
「あ、うぅ……駄目っ……」
温かいを通り越して熱い肌の感触が感覚を麻痺させるのか、シンジの両手をずるずると左右に開かせ、なすがままのされるがまま横たわっていた。
視界には見下ろすレイ。その後ろ――つまりは上――には安っぽい蛍光灯。
逆光なのにレイの肌の白さはよくわかる。
色気よりも透明感に近い神秘さが有り、性欲より可笑しな恐怖心を扇る。
「奥まで届いてる。碇君の勃起したペニス」
リップサービスだとすぐにわかった。
突き上げれば未だ奥に進めそうな、そんな細く狭く熱い道に性器を押し込んでいると、シンジ自身が1番感じている。
「ちゃんと我慢していたから、私が射精するまで動くわ」
押し付けられていたレイの体が離れた。
突然の別離が妙に寂しい。だが口にしては女々しいと思われそうで別の言葉を吐く。
「……い、いいよ。その体勢で動くの、難しいから……今度は、僕が……」
「その位置から、下から動けるの?」
大人しく黙っていなさい、子供なのだから。
レイの疑問は熱を秘所で感じながらも冷たい瞳と合わさると命令系の言葉に聞こえた。
返事が出てこないシンジの細く折れそうな腹に手を置いたレイがゆっくり腰を引き上げる。
――グプッ
結合部から汚らしい水音が響いた。
性器を引き抜こうとするゆっくりとした速度で、随分と繋がったままだった箇所が離れようとする。
しかし離れない。雁首から先は腰を浮かしたままのレイと未だ繋がっている。
「ん、んう……」
このまま射してしまいそう。その位、苦しい位に気持ち良い。
「目を閉じては駄目」
言われて無意識に閉じた目をシンジは開いた。
「ヴァギナに出したら精子が流れるのが見えないから、その時だけ目を瞑るの」
それはつまり観客へのサービス。もしくはわかりやすい解説。
すぐ側にレイ以外の人間が居る事を思い出した。他者に見られている事を。
「……は、恥ずかしいから、止め……」
「う……ドロドロした精子を……私の中に流し込むのよ……もう、射しても良いのよ……は、あ……動いてもいないのに、射したって……もう、射したいのでしょ?」
「んぅんっ……未だ、射したり、しない……ン、あぁ……」
なけなしのプライドが止めようと続ける言葉を言わせてくれない。
体重を掛けるようにレイが腰をゆっくりとおろし、再び深く結合する。
「は、あぁ……やだ、ァ……」
シンジの口から出てくる声は甲高い、まるで今まさに破瓜したばかりの少女のような声。
自らの耳で聞いて、か細いレイと言う名の少女に強姦されているような感覚と、儚い少女が誰かに犯されている様を見聞きしている感覚とが入り混じった。
「嫌じゃない、本当は。ほら……ウ、ここ……お腹の中で硬いまま」
わかりやすい言葉を喘ぎの中で言いながら、レイは少し背を丸めてわざと重なったままの局部が動かないように器用に腰を前後させる。
「う、く……」
性器を柔らかな何かが強い力で曲げてくるような刺激に声が殺しきれない。
「碇君は毛が……生えていない、から……アあ、う……この姿勢だと、ここが……」
少し腰を前に出して動きを止めた。
「ここが、ね……ん、クリトリスが、少し痛いわ……」
性器の付け根近くに陰核が当たっているのはシンジからでもわかる。
べっとりと濡れたそれは硬さと柔らかさを持っており、レイの秘所を無理矢理引き出したようなグロテスクな、それでいて卑猥な感触が本来陰毛で覆われて然るべき肌を往復している。
すっとレイの右手が伸びて、親指がシンジの左胸の尖端を掠めた。