「う…ん…?」
エヴァ2世界。カヲルが目を覚ますと側にはシンジしか居なかった。
「あ…カヲル…くん…あの、ごめんね…だ、大丈夫?」
シンジは カヲルと二人きりの部屋の中で、頬を僅かに赤らめ、
ものすごくバツが悪そうに、恥ずかしそうな声を出す。
その瞳も延々と泳いでいるようで、視点は一向に止まろうとはしない。
シンジがスパシンと化してカヲルと一緒に量産機をボコボコにぶっ飛ばし、
その残骸が巨大綾波に喰われて、二人は余裕でゼーレに勝利した。
補完世界で綾波は二人の勝利を祝福し、エヴァを含めた世界を取り込んでいった。
(これで大丈夫だ。世界は再編成される。)
(平和で希望に満ちた時代になるだろう)
ネルフを含めた人類は安心し、
シンジをよりしろにした補完計画にその身をゆだねた。
自我崩壊をしなかったシンジの強い意志とイメージの力により
世界は現実の状態に再生するだろう…そうなるはずだった。
数ヶ月後。どういう訳か世界は閉塞していた。
彼はラブホテルのような状態の密室に閉じ込められたまま。
リリスとアダムの力を取り込んで神になったはずのシンジは
カヲルに視点すら合わせられなくなっている。
「何なのコレ?君は世界を元通りにするんじゃなかったの?」
「う、うん。すぐに元通りにするよ」
「それなら、さっさとやれよ。現実世界に戻さないと、溶けちゃった他の人達が迷惑だよ?」
「あ、あのね、世界を元通りにする前にね、あの、その。」
シンジはカヲルの表情を確認することが出来ない。
嫌味のようにも感じる声だけを耳にした シンジは、あからさまに焦りにも似た声を出し始めた。
「?」
「ちょっとだけ時間がほしいんだ」
カヲルは思わず窓の外に目をやる。真っ白だった。地球も青空も宇宙も何も無い。
ただ、遠くでは以前の世界で逃げ出そうとしたゲンドウとキールローレンツの二人が
ロンギヌスの槍に股間を刺し貫かれ、発狂したようにばたばたやっている。
その姿は何処と無く間抜けで滑稽だった。
(ふーん。)
状況を把握するとカヲルはシンジをわざと糾弾する。
「何考えてんの?…何がやりたいんだい? シンジ君は…」
「だからっ…その…」」
言葉だけを聞けば、叱責しているように見える。
だがその表情は僅かににやけており、シンジの当惑を楽しんでいた。
「なんでこんな変な世界に僕を閉じ込める?僕に何をどうして欲しいんだい?」
「あっ…その」
なおも嫌味に言い続けるカヲルに対して、シンジはだんだんと顔を下に落としていく。
口数も少なくなってゆき、ついには完全に無口になってしまった。
「… シンジ? あっ…」
「……っ」
うつむいてしまった表情は陰になってしまい、しっかりと確認することは出来ない。
しかしカヲルの目には、シンジの目にキラキラと光るものが見えたような気がした。
こぼれてはいないものの、その瞳には間違いなく、涙を溜め込んでいるようだった。
それでも シンジは涙を流さないようにと必死にこらえようとするが、
こらえることの出来ない涙は、身体の震えとして現れ出す。
(か… かわええ…っ!)
そんなシンジの姿を見た瞬間、カヲルの胸が一気に高鳴っていく。
泣かせるつもりなど微塵もなかったが、
シンジの泣き顔は素直にえっちぃと感じてしまい、
その思いが胸にハートの弓矢が刺さったかのようになってしまう。
過度の緊張にも似た欲望が全身を駆け巡り、少しでも気を抜けば襲ってしまいかねないほどだった。
(ふう…いげね、いげね。)
カヲルは心の中で顔を振り、自分の理性を取り戻そうと必死になった。
ベッドの脇でシンジは腰掛け、緊張で強張った身体をもじもじと動かしている。
シンジの頭は真っ白になり、何を言って良いのかも解らなくなっているらしい。
「あー、その…シンジ君……ごめんね」
カヲルは一言だけ謝りの言葉を口にする。しかしその言葉はどこかたどたどしい。
「カヲルくん……現実に帰る前に…」
声が聞こえて、初めてカヲルが自分の横に来ていることが解ったのか、
シンジはゆっくりと下にさげた面を上げる。
頬は先ほど以上に赤らんでいるものの、その瞳は先ほどのように泳いではおらず、
一点だけを集中するように見ていた。
(あぁぁ…超がわいいっぺ〜)
天にも昇ってしまいそうな気分になろうとした瞬間、
シンジは、カヲルの胸に飛び込み、その身体に抱きついてきた。
その力は弱弱しいが、何故だかきつく抱きしめられているように感じる。
「えっ…ちょっ…」
カヲルは突然のことに何が起こったのか解らないでいると、
勇気を振り絞って、シンジは大きな声を出してきた。
「…カヲルくんっ…僕のこと、抱いてっ!」
「……」
「……」
しばしの間、沈黙の時間が流れる。
シンジはそれ以上は何も口にすることはなく、ただしがみつく力だけを強くしていく。
恥ずかしさもあるのか、顔を抱きしめるカヲルの胸元に埋め、
出来るだけ見えないように隠していた。
カヲルはそんなシンジのことを抱き返そうとはせず、呆然と立ち尽くし見ていた。
(嬉しかぁ…。おらぁ、頭の中が完全にパニックになっとるだぁ…)
「ねえ、シンジ君。僕で良いのかい?」
すぐに我にかえり、 カヲルは自分の身体に抱きつく シンジに声をかける。
「何処が気に入ったのか知らないけど、僕は優しい王子様じゃない。」
出来るだけ平静を保とうと必死になっていたが、言葉はやはりぎこちない。
「…うん。でもカヲル君なら、僕…何されても良いよ…」
シンジはカヲルの声を耳にすると、今まで胸に埋めていた自分の顔を上にあげる。
今までにない距離に、 シンジの顔が カヲルの前へとやってきた。
頬を赤らめ、言葉にしなくても恥ずかしいのだと感じさせる表情…
初めて見る シンジの表情…自分しか知らない、 シンジの表情…
シンジの太もも、シンジのふくらはぎ
そしてシンジの…
「うあっ! やば…チンジきゅん…がは!」
だんだんと理解者面した化けの皮がはがされ
使徒の姿の裏に隠された本性が、表に出てきそうになる。
それを抑え込もうとしたが、つい口から噴出してしまった。
「ちょっ、 カヲル君?大丈夫?」
突然のことに シンジはカヲルから離れ、心配そうな表情で声をかけてくる。
「だ、大丈夫だよっ! おら悟空!全然っ、ぜんっぜん問題ないって!」
自分のことだけを案じていることに、カヲルの心は容易にかき乱されてしまう。
言葉をはっきりと言うことが出来ず、身体の動きも挙動不信になる。
「…迷惑…だったかな? 僕…」
そんな カヲルの姿を見ると、シンジは再び顔をうつむけてしまい、落ち込んだ声を出してきた。
「ヘンタイ、だよね…でも…僕、カヲル君が好きだから…
君がいなかったら何も出来なかった気がするし、凄い凄い好きだから
…だから、今誰も見ていないところでだけど、カヲル君に…抱いて、欲しかった…」
言葉だけで、シンジの切ない気持ちが伝わってくるようだった。
カヲルのことが、好きで好きでたまらない…そんなシンジの気持ちが…
最後の言葉を言う時には、下にさげた顔をさらに横に背けていた。
下を向いていても、恥ずかしさがあったからかも知れない。
(… シンジ…)
自分の素直な気持ちを口にしてきたシンジの言葉に、カヲルの胸は急に落ち着きを取り戻す。
( シンジは本気で気持ちを伝えてきてるんだ…だからふざけちゃいけない…)
心の中でそう思った瞬間に、不思議と焦りは消えていった。
「シンジ君…僕も、だよ」
カヲルは下をうつむいたままの シンジの身体を優しく抱きしめながら、そう一言だけ口にする。
間違いなく舞い上がっている。けれど今日は、静かに シンジのことを抱きしめたいと思った。
「カヲル君…っ!? んっ…」
意識をしたつもりはない。気がついたときには、シンジの唇に自分の唇を合わせていた。
全身は緊張で硬くなっているものの、唇はとても柔らかくて温かい。
「シンジ…」
「んっ……んっ…」
今自分たちがしていることを確かめるように、何度も何度も口づける。
そして シンジの身体を抱く カヲルの手は、ゆっくりと衣服の下へと運ばれてゆく。
「ひゃっ?あっ!」
乳房にカヲルの手が触れた瞬間、
シンジは身体を大きくビクつかせて驚きの声をあげる。
「どうしたんだい?」素肌に触れれば多少なりとも驚くだろうとは思っていたが、
シンジの驚きようはカヲルの思っていた以上だった。
「ん…カヲル君の手、凄い冷たかったから…」
「あぁ…、きっと僕使徒だから、手とか冷たいんだね…あはははは」
カヲルは思いだしたように自分の手を見つめ、照れ笑いを浮かべながら口にする。
「そ…そうなんだ…」
「…でも シンジの身体に触ってれば、温かくなるかもね…」
少しだけ口元を緩ませながら、にやけるような顔を見せ、僅かにはだけている シンジの素肌に再び触れる。
シンジは驚きの声こそ発したものの、先程のように大きくはなかった。
「…冷たい?」
「んっ…少し、だけ…」
素肌に手を触れられ、 シンジは少しだけ恥ずかしそうな声を出している。
とても温かくてスベスベとした、シンジの肌の感触…そして恥らう表情。
それだけでも、意識が遠のきそうになる。
「 シンジ君の肌って、すっごいキレイだね…」
「んっ…そんなこと、ないよ…」
カヲルの素直な感想も、 シンジは頬を赤らめながら否定する。
やがて肌に触れる手はゆっくりと、上半身の突起部分に触れ始める。
「はっ…んんっ…」
まだ冷たさの残る カヲルの手が乳首に触れた瞬間、
シンジは身体を一瞬だけひくつかせて驚きを表現してきた。
しかしその後は、口から熱い吐息が漏れ出してくる。
「ここ…気持ち良いんだ…」
意地悪そうな声を出しながら、カヲルは指先を使って、シンジの乳首を愛撫し始める。
今まで触れていた部位よりも若干硬さを持つ部分を指でつまみ、舐めるように動かしていく。
「んんっ…んっ、っふ…う…」
シンジの口からは熱い吐息の他に、喘ぎにも似た声が出てくるものの、その声はとても小さい。
何かと思って シンジの表情を見た瞬間、カヲルは気持ちよさを我慢しているのだとすぐに解った。
「…シンジ君?我慢しなくても良いんだよ。僕以外に、誰もいないんだから…」
「んっ…ふっ、んっ…」
そう言っても、シンジは口を開こうとしない。
ただ赤くした顔を横に何度も振り、喘ぎ声を口にすることを否定し続ける。
「…そっか、じゃあ仕方ないな…」
そんな シンジの表情に、少しだけ意地悪をしてやりたくなった。
もっと恥ずかしくて気持ちの良いことをして、無理やりにでも喘ぎ声をあげさせてやろう。
カヲルは嘲笑するようににやけると、 シンジのプラグスーツを一気に脱がせていく。
「わっ…わぁぁっ!」
シンジは当然驚きの声をあげるが、カヲルはそんなことなど気にも止めず、スーツを剥ぐように取ってしまう。
「 シンジ…」
その姿をずっと見ていたいとも思ったが、今はそれ以上に シンジのことをいじめてやりたいと思った。
「凄い気持ちよくて、嫌でも声が出ちゃうかもね…食べちゃおうっと」
冗談交じりのような声を出しながら、 カヲルはゆっくりと シンジの胸に自分の顔を近づけていく。
「ちょっ、 カヲルくっ…あっ、くっ…ぁ」
そして今まで手を触れていた部分に、今度は唇を持っていく。
コリコリとした感触を、舌の上で撫でるように舐める。
「気持ちいい? シンジ…」
「あっ、っく…くっぅ…あっ」
シンジの顔をはっきりと見ることは出来なかったが、その声だけでも快感を我慢しているのだと解る。
「もっと、気持ちよくしてあげるよ…」
そう言うと カヲルは自分の唇を、ゆっくりと吸い出すように動かし始める。
「はっ…恥ずかしいよ、やだ…」
キレイな シンジの乳房を、 カヲルの口が這うようにしゃぶっていく。
シンジは言葉にこそしなかったものの、止めて欲しそうにも感じられる。
それでも カヲルは唇の動きを止めようとはせず、やがてはシンジの下半身へと持っていかれる。
「や、やっぱ恥ずかしい、だっ、ダメだよっ!」
「…どうして…いいだろう…?…キレイだよ、シンジ…」
カヲルが シンジの股間に張り付いていた前張り状のサポーターに手をかけ、
薄い布切れ衣をはがそうとすると、シンジは羞恥に耐えられず、
泣き出しそうな声で、懇願するように言ってくる。
「やだっ、だって…僕、僕…」
(…やっぱりクンニするのは、止めた方が良いかな…?)
カヲルは心の中でそう考えながら、 シンジの顔に目を向ける。
もう飽きるほど見ているのに、その恥らう表情はやはりとても可愛い。
「駄目だシンジ。俺は君を……シたいっ!!」
自分の欲望は抑えることが出来ず結局 カヲルは無理やりに近い形で
シンジの前張りを一気に引き剥がしていこうとする。
「わっ、わっ…やめっ… カヲルくん止めてよっ!」
シンジは突然のことに驚きながらも、自分の股間をはがされないようにと必死になって引っ張る。
「わっ、うわぁぁぁっ!」
しかし今までに与えられた快感のせいで、シンジは自分の手に力を入れることが出来ず、
あっという間にシールのような薄い柔らかい布を剥ぎ取られてしまった。
シンジの、生まれたままの股間が露になる。
「えっ、あっ…やっ、やだっ!!」
完全な裸になってしまった シンジの姿を、 カヲルは鑑賞するように見入る。
その瞳はどこか凶悪で、まさにケダモノと感じられるものだった。
「やっ…いやだっ…舐めないで!恥ずかしいよぉっ!」
シンジは自分の股間に両手を置いて、一番見られたくない部分だけを必死に隠そうとする。
カヲルは無言で、シンジの両手が置かれている部分に自分の顔を近づけていく。
そして手を使って隠している部分の両腕をつかみ、ゆっくりと退ける。
「あっ…っ…」
観念したのか思っていたよりも抵抗はなく、すぐに シンジの下半身があらわになる。
快感を与えられていたこともあってか、僅かだが大きくなっているようだった。
それを目にした瞬間、 カヲルは自分の胸が以上に高まるのを感じた。
唾液も必要以上に分泌し、それを飲み込む度に音が聞こえる。
「あっ…あんま、見ないでよっ…」
「…あぁ…ごめんよ…」
夢見心地になっていた カヲルは シンジの言葉で我に返ると、ゆっくりと右手を動かし始める。
「…やだっ、カヲルくん…? あっ…」
「…凄い、温かいな…シンジのココ」
最早その手は迷うことなくもう一つの シンジを掴み、優しく握り締める。
体温以上に熱い感触が、右手に伝わってきた。
「やっ…恥ずかしい、からっ…え? …はぁぁぁぁぁっ!!」
そしてその部分を、 カヲルは自分の口に含み始めた。
「んっ…んむっ…シンジ、気持ち良い?」
「あっ、はぁぁっ! くっぁ…んあぁぁっ!」
シンジの全身に、感じたことのない激しい快楽が襲い掛かる。
先程まで与えられていた微弱な快楽とは比べ物にならなくて、
シンジは耐えられず大きな喘ぎ声を上げ始めた。
「あっ…はぁんっ…あっ…ふぁぁぁっ!」
カヲルは自分の口から唾液を流し、それを使ってシンジのことを愛撫する。
やがて先からも先走りが流れ出し、カヲルはそれを知らせるかのよう、
シンジにわざとチュパチュパと吸い付き、ピチャピチャ音を立てる。
「 シンジの声、凄く可愛いよ」
上目遣いでしか顔を確認できなくても、
カヲルの目には快感に悦ぶ シンジの表情が見えた。
それがより一層に、 カヲルの口の動きを激しくさせる。
「あっ…はぁっ! はっ…あぁぁぁっ!!」
「んんっ! んっ…んくっ…」
口の中に、大量の熱い液体がドクンドクンと脈を打ちながら入り込んでくる。
「あっ、はふっ…はふぁ…」
それが何であるかは、言わずとも理解が出来る。
カヲルはその流れてきた液体を口に含み、喉に流していく。
僅かに粘着を持っているそれは、喉の途中で絡みそうになる。
「早いんだ、シンジ…」
これからと思っていたカヲルにしてみれば、拍子抜けしてしまった。
「ゴメンナサイ…だっ…だって、我慢…出来なかったから…」
カヲルの一言に対して、シンジは申し訳なさそうに顔を下にさげてしまう。
そんなシンジに向かってカヲルは意地悪な質問をする。
「ふふ…初めてだったんだ。気持ちよかった?」
「うあっ…うっ、うん」
恥ずかしそうに返事を返してきた。
「初めてなんだ…気にすることないよ。手取り足取りぜーんぶ僕が教えてあげる」
「嬉し……んっ」
そして触れる程度の優しい口づけをし、再びシンジの身体を愛撫し始めた。
今度はさっきまでの優しい手の使いではなく、強い力を入れシンジの身体に触れる。
「あっ、っつ…いたっ…」
手の冷たさと僅かに感じる痛みで、シンジは一瞬だけ顔を歪ませる。
しかし カヲルは手の動きを止めることなく、ゆっくりとシンジの下半身へと持っていく。
「すぐ…気持ちよくなるから…」
「えっ…あっく! くはぁぁぁっ」
耳元でささやくような声を出すと、カヲルの右手はシンジの排泄器官へと潜り込んでいた。
覚悟をしながらもシンジは驚き、そして強い圧迫感で身体が押し潰されそうな感覚に襲われる。
「…痛い?力を抜いて。すぐよくなるから…」
カヲルの声はシンジの耳元で、ささやくように伝えられる。
それには興奮する カヲルの吐息も混じっていた。
それは逆にシンジに安心感を与え、シンジの全身から力の全てを抜き去り、
自分の内部を弄られている痛みを緩和させているようだった。
「はっ、ふぅっ…はんっ、あっ…」
少しずつ指の本数を増やし、そして動きも活発化させる。
同時にシンジの全身からは力がどんどんと抜けていき、カヲルの身体にしがみつくようになっていた。
右手も左手も、まるで駄々をこねる子供のようにカヲルの服を引っ張る。
「 シンジの中、凄い温かい…俺の手が冷たいから、より一層にそう感じるのかな?」
カヲルは小さな笑みを浮かべながら、嬉しそうに右手を動かす。
「やっ…はっぁ…はっ、はぁっ…はぁ」
熱い吐息ばかりが シンジの口から漏れ、そしてカヲルはそれを間近で感じていた。
快感による産物…それがより一層にカヲルの心を躍らせ、手の動きを自制できなくさせていく。
「シンジ…可愛い」
「はっ…はぁぁっ…んっ、あっ…はぁっ…」
やがて与えられる快感によって、シンジの下半身は再び硬さを持ち始める。
触れていないのにそれはヒクヒクと小さく動き、先からは液体が垂れ始めていた。
「おちんちんも、気持ち良い?」
カヲルの表情も声も、まさに楽しんでいると感じられるものだった。
「やだあっ!聞かないでよっ!んんっ…! ふっ…ふぁぁっ…」
シンジは否定をしようとしているのか、顔を動かして言葉を発しようとする。
しかし全身に与えられる快感は、それを許してはくれない。
言葉を出そうとしても、それは吐息によって全てが遮られてしまう。
「ここも…どんどん良い感じになってる…」
「あふっ…ふやぁ…んあぁっ」
菊門にアナルセックス用の緑色のクリームを塗りつけていく。
秘部に入れ込まれた指の数はいつの間にか3本に増え、
その全てが完全に身体の中に埋められていた。
(…もう良い?…我慢出来なくなってる…?)
「ふっぁ…ふぁぁ…んんっ!! はぁ…はぁ…?」
今まで身体に入れ込んでいた指を一気に抜いてしまう。お尻はぬるぬるになっている。
するとシンジは一瞬だけ身体をひくつかせ、不思議そうに顔を向ける。
「… シンジ?」
『あっ…あの…』
言葉こそ発しはしないが、その瞳は何かを求めるようにカヲルを見つめていた。
「……どうしたんだい、シンジ君?そんな顔して」
その瞳の意味をすぐに感じ取ると、カヲルは再度シンジをからかうようなことを口にする。
「えっ、あ…うん」
「…どうして欲しい?僕にどうして欲しいんだ?」
本当は解っていても、それ以上の言葉をカヲルから言おうとはしない。
「もう…だから、僕っ…僕のっ…その」
そんな カヲルの意地悪な質問に、シンジはただもじもじするばかりだった。
何が言いたいのかは、シンジ自身もわかっている。
しかしその言葉だけは、恥ずかしくてどうしても口には出来なかった。
「…口で言わなきゃ解らないよ…?」
笑いながらカヲルは意地悪く口にする。
「どーして欲しいのかなー?シンジ君ー?」
自分もやりたいのにわざとふざけるような声を出して、
シンジのことを可愛らしく困らせてやろうとする。
「意地悪しないで…だっ…だからねっ…あのっ…」
カヲルの狙ったとおりに、反応を返してくれた。それがより一層に、カヲルの心を躍らせる。
シンジは静かにその場に四つん這いになると、お尻を広げて後姿をカヲルに向ける。
「あのっ…欲しい、です…」
そのままの状態がずっと続いても良いと思っていたが、
我慢が出来なくなったのか シンジの方から口を開いてきた。
その声はとても小さくて、近くにいるカヲルの耳にも届くか解らないほどだった。
「んー? だからどうして欲しいのかなぁ?」
無論カヲルには、その声がはっきりと聞こえていた。
それでもわざと聞こえない振りをして、シンジにはっきりとした声で言わせようとする。
そんなカヲルの声と態度はあからさまに怪しく、はたから見れば底意地悪いといえる。
既に限界にきているシンジには、それを見破れるだけの余裕はどこにもない。
「だから…僕、欲しくて…そのっ…はやくっ…頂戴。」
馬鹿にされるかも知れないとは思いながらも、やはり欲望には勝てなかった。
「ぼ、僕の…僕の中に… カヲル君の…」
発する声はだんだんと大きくなり、内容もはっきりとしてくる。
「…僕の何が欲しいの? ん?」
外観は平静を装っていても、カヲルの心の中はもう劣情で破裂しそうなほどバクバクしていた。
(その言葉を、シンジが口にしたら…口にしたら…口に…)
そう思った瞬間、 シンジは大きな声でカヲルの望む事を口にしてきた。
「だからっ…おちんちんで、僕のお尻を貫いてっ!! 我慢…できないよぉ…!」
「…望みどおりにしてあげる」
必死に高鳴る鼓動を抑えながら、カヲルはスーツを剥ぎ取り、全身をあらわにさせる。
そして迷うことなくシンジの涅槃へとそれを当てて、
ゆっくりと押し込むように入れていく。
「シンジ…っぁ」
「はっ…あっ…あぁぁぁっ!!」
だんだんと大きくなる、指を入れられた時以上に感じる全身の圧迫感。
ズニュッズニュッと繰り返され、シンジの顔が、苦しそうに変化していく。
「シンジ…っ、全部入ったよ? 解るだろ?」
「はっふ…カヲルのっ…おちんちんっ、熱いよぉ…身体、変になりそう…」
しかしその苦しみも、喜びとして感じているようだった。
そんなシンジの声に安心して、カヲルはゆっくりと腰を動かし始める。
「シンジ…っく…っ!」
カヲルは全身に走る物理的な快感と、シンジの中に自分を入れ込んでいる嬉しさで、
入れただけでもイッてしまいそうになる。しかしその感覚を、必死にこらえていた。
「ぎゃあ…んあぁっ! あっ、カヲルっ…あっ、やぁぁっ…んぁぁっ!」
「くっ…シンジ、スゴイ…」
シンジはこれまでにない快感を、全身を使って表現する。
下半身も気持ち良さそうに、ピクピクと動いて反応していた。
カヲルはそれを手に取り激しく動かしながら、
同時に力を込めて直腸の奥を突き、だんだんストロークを強くして、後ろを激しく攻め立てる。
前と後ろに感じる大きな快楽と律動に、 シンジは喘ぐしか出来なくなっていた。
「 僕、僕もうっ…あっ、はぁっ…くっ、ぁん!」
「イきそう? シンジのココ、凄いピクピクしてきた…」
右手を伸ばして弄り回しながら確認すると、
シンジの下半身は暴れるようにひくつき、絶頂が近いことが解った。
「ダメっ…僕っ、僕っ…っ! はぁぁぁぁぁぁぁんっ!!」
シンジの大きな声にあわせるよう、カヲルの右手には温かくてドロドロとした大事なものが迸ってきた。
「 シンジっ、 シンジ…っくんんっ!!」
カヲルもまた、ドクドクと撒き散らし、絶頂を迎える。
「ふうぁぁぁ… カヲル君の…いっぱい、僕の中に入ってるぅ…」
入れ込む中へと欲望の全てを迸らせ注ぎ込んでいくと、
「僕…カヲルとセックスしちゃったんだ…」
シンジは体をひくひくさせながらカヲルを嬉しそうに受け止めていた。
ことの後は二人で裸のまま、布団の中へと潜り込んでいた。
シンジはすっかりカヲルになついて余韻を噛み締めながら
肩に寄り添うように、身体を委ねてくる。
「……ふぅんっ…カヲル君………」
「どうしたの?なんか…現実に帰る事をホントは嫌がってない?」
「べっ………別に……嫌がってなんか…ない…………」
身体を重ねている最中は無我夢中になっていたせいかも知れない。
が、改めてこうして裸のカヲルが隣にいると思うと、シンジは異常なまでに緊張してしまう。
常識で考えたって、ありえないと思っていた非現実…それが今ここにある。
「本当かな?僕らは現実の厳しさと向かい合わなければいけない。」
「ほ、本当だって…大丈夫。本当。本当だよっ」
でも目は完全に泳ぎ、 カヲルの方を見ようともしない。
その身体を目に収めるだけで、心臓が止まってしまうような気がした。
それくらい、 シンジの心はいっぱいいっぱいになっていた。
「…ふーん。じゃあ…シンジ君は、僕のこと好き? 元の世界でも、僕と、またえっちしたいの?」
「ええっ!! そ、それはっ…」
返事する回答は決まっている。
ただその返事をはっきり言うのは、何故だか出来なかった。
これ以上に、奇跡が起こるとは思えなかったからかも知れない。
「ねぇ…答えてよ」
カヲルは甘えるような声を出しながら、
素肌をシンジの身体にこすりつけるようにしてくる。
「だからっ…そのっ…」
「だから?」
「だからそのっ…うえ、ぇう…バカアっ!!
そっ、そんなの…すっ、大好きに決まってるじゃん!
だから、力をあわせて一緒に戻ろう?えっちは…ま、また…さしてあげる…」
「うん。だからまた僕とえっちな悪戯しようね。 シンジ君」
シンジは満面の笑みを見せ、カヲルの胸に勢い良く飛びつき、そして力強く抱きついていた。
(…これでまた… シンジとえっちできる…)
夢でも覚めないで欲しい… カヲルはそう思いながら、 シンジのことを抱きしめていた。