書きましょう。
『かの者、最高神の位を奪われし者。その武具、巨大な鎚の型を模してはいるが破壊力に於いては他の神々の追随を赦さない。曰く、神の鉄槌(トールハンマー)。』
(簑村修英著"北欧神話に於ける人物像"より)
Erz:ahlungT
異端者としての使徒
「シンジ君」
呼ぶのはひどく白い肌、蒼髪、紅い目をした少女。
「ん?」
対するは中性的な顔立ちの黒髪、黒い瞳をした少年。
「欲しい本があるんだけど、つき合ってくれる?」
二人が着ているブレザーの胸ポケットには"第二新東京市立高校"と刺繍されたワッペンが付いている。
「いいよ」
その、およそ男性にはほど遠い笑顔で少年が答える。
碇シンジ、綾波レイは恋人同士である。本来なら第三新東京市で卒業式を迎えるはずだった彼らは、その被害状況から第三からの移動を余儀なくされた。
そして現在、二人は住居を共にしている。アスカが居たら小言を言ったであろうが、彼女はサードインパクト後、消息が途絶えている。
第二での生活は最初は空しく思えていた二人。しかし今は幸せを噛みしめていた。
この生活が続くものだと思っていた。
それはそうだ。サードインパクトが起きたことにより、もう目の前に驚異が迫ることなど無いと思って居たのだから…
駅前の商店街にある本屋は少し寂れた様子だが客は多い。それはたぶん、そこそこ広い店内に天井から床まである本棚に本が目一杯敷き詰められているからだろう。その様子は"そろわない本はない"と言っているようである。
他の客がいて少し狭い通路を半ば強引に抜けて、レイは目的の物が有るであろう一角で立ち止まった。
「シンジ君、ちょっと待ってて。直ぐ探すから」
と申し訳なさそうに言う。
「ゆっくり探しなよ」
と笑うシンジにレイもうん、と笑った。
肩をとんとんと叩かれてシンジは今流行のライトノベルの世界から帰還する。
「あ、もう買ったの?」
「うんん。無かったわ。店員に聞いても分からないって。やっぱり存在しないのかしら」
と残念そうにため息を吐く。
「本の題名は?」
聞かれてレイはシンジの瞳を見据えて言った。
「『芸術論』」
どんな本なの、とシンジが聞いたがレイは「怖い本」と言うことしか分からない、という事だった。
「すっかり暗くなっちゃったね」
本屋を軒並みハシゴしていたので、日はすっかり暮れている。気付けば空気は冷えていた。
「ええ。それに寒い。早く帰りましょ」
寒さが苦手なレイはシンジの腕に抱きつくような形で歩を進めている。
冷蔵庫の中身をお互いに思い出し、ああでもない、こうでもないと夕飯の献立を考ながら帰宅するのは久し振りだった。
二人とも違う部活動―シンジは帰宅部、レイは文芸部だ―なので別行動で家で合流、がいつものことだった。
因みに夕飯は茄子のボロネーゼスパゲティとキャベツのサラダで落ち着いた。
大通りに出るとサイレンの音がけたたましく鳴り響く。
「なんだろ?ネズミ取りかな」
「さあ。うるさいわ」
そんな他愛のない会話は一瞬で打ち切られる。
鳴り響くサイレンの中に聞き慣れた音、日常にはほど遠い音が鳴り響いたのだから。
「!」
「只の交通違反者ではないようね」
冷静にそう言った直後に爆発音。二人は歩を止める。
「不味いよね、これ」
「あのビルの向こうみたいね」
いかにも警戒した声で言う。
やがて風向きのせいで黒煙がビルの脇を抜けて空に立ち上るのが見える。
そして黒煙の中から人影がぬうっと姿を現す。
小さな体のそれは、遠目でも肩を震わせているのが分かる。
―巻き込まれた?大丈夫だろうか。
気付けばシンジはレイを置いてそれに向かって歩み寄っていた。
「待って…シンジ君…」それは、何か違う。何かが違うの!声がうまく出ない。いっちゃだめぇ…「シン…ジ…君…」
あつい。煙の熱気はシンジの体を汗ばませる。
振り向くとレイが後ろでこちらに手を伸ばして何か言っている。だが分からない。シンジはそれの約10m範囲に来ていた。
それは予想より多少大きかった。
まだ肩を震わせている。
「大丈夫?どこか怪我しているの?救急車呼ぼうか?泣いて」いるの?
それは泣いていなかった。笑っているのだ。
それはクレッシェンドの要領で笑い声大きくしていく。
そして一際大きな声で笑った後、前までの笑い声が嘘であるかのようにぴたっと静かになった。
顔を少しづつ上げる。無表情だ。完璧にシンジに顔を見せ、目を見据える。
「あ…の…」
やっとの事で声を出す。
その声に反応したのか、どうなのかは定かではないが、それ―少女が口を醜く歪ませる。
「え…?」
「今晩わ。あたしは、サキエル。第参使徒サキエル、よ」
「え?あの―――」
使徒?この少女が?何かの冗だ…そう思おうとしていたシンジの思考は次の一言で停止する。
「そして、御機嫌よう、適格者イカリシンジ」
身に纏っていたローブのようなものから出てきたのは、少女の手ではなく…黒く、無骨なそれであった。
そしてそれを目にも止まらぬスピードで振り被り、叩き落とした。
ぼう然としていたシンジはやっと自分がアスファルトに口付けていることを確認する。
はは、夢だったんだぁなどと呟きながら起き上がったシンジが目にしたものは、クレーター状に陥没したアスファルトだった。
ガッ、ドゴン。
一回目の衝撃音のあとに鳴るさらに大きな音。ゆっくり視線を上げると、二つの人影が見える。
レイが…戦っている!?
「レイ!!」
その声に反応してレイが相手の攻撃を巧みにかわしながら言う。
「おじさまに連絡を取って!!早く!!」
いつも冷静な彼女が張り上げる声に驚きつつもシンジは反論する。
「そんな事…!」
「私のことはいいから、行って…お願い、シンジ…」
その言葉を聞くやいなや体を翻らせ、走り出す。
「絶対、戻ってくるから!」そう叫びながら。
サキエルが突然攻撃の手を休める。レイがその隙に強く地面を蹴って、相手との距離を離す。
はぁ、と溜息を吐きながらメンドクサイと言う。
「どうせ彼も直ぐに、送って上げる、ケド」
「そんなことさせないわ」
「じゃあ、どこまでやれる、か。見せて貰おう、か」
拳を握りしめる。
「反逆者、第弐使徒の力、を」
そう言うとまた唇を釣り上げた。
「はぁっ、はあっ」
息も絶え絶えにシンジは非常用の端末に携帯電話を繋ぎ、手を忙しなく動かしている。
「よしっ」
コール音が鼓膜を揺らす、揺らす、揺らす。
「早く出ろよっクソっ!」
20コール目にしてやっとオペレーターが気だるそうな声で出た。
『この端末は現在…』
「碇ゲンドウに繋げ!」
声を荒げる。出た瞬間に耳をつんざくほどの大声を聞き、驚きつつも、流石と言うべきか向こうも職務を全うしようとしている。
『ですから、この端末は非常用でして、民間人の方の利用は禁じられていますので』
ここで冷静になる。
『碇シンジ、元エヴァンゲリオン初号機パイロット、サードチルドレンの碇シンジです』
『えっ?』
オペレーターがまた驚く。電話の向こうの状況など気にしないで続ける。
「早く、父に繋いでください」
『はっ、すぐお繋ぎします』
間髪を入れずに父、特務機関ネルフ総司令が出る。
『シンジか珍しいな、何の用だ』
久々の会話だったが、前置きなど言っている暇はない。
「使徒が…今、レイが戦闘中です」
『使徒…だと?こっちにそのような情報は…』
ええい、じれったいと口早に言う。
「軍隊?とにかく応援を頼むよ!位置はどうせすぐ分かるだろ!?」
その正気を失った声にゲンドウは何かを感じた。
『分かった、直ぐに送る。そこでじっとしていろ。おい、聞いているのかシンジ』
シンジはもうそこにはいなかった。
「レイ…どうか無事でいてくれ…!」
口に出さないと気が折れそうだったのだろうか、何度も呟く。
真っ直ぐに走り、左手に曲がる。するとレイが立っている…筈だった。
その代わりにレイがシンジに飛んできた。その体をよろけながらも抱き止める。その体は血に塗れている。シンジは意識が朦朧としてくる。
「あら、自分から来てくれる、なんて。省く手間が無くなった、わ」
それが何を言っているのかも理解できない。
レイ、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…
心でその言葉を繰り返す。目に涙がたまる。しかし、それは直ぐに乾いた。
…レイを、よくも、よくも、よくも、よくも…
「今度こそ、御機嫌よう」
腕を振り上げた、瞬間。
「があぁあぁぁぁぁ!!!!!!!!」
怒りに満ちた叫びと共にシンジが肩から体当たりを食らわす。
「ちっ」
使徒は舌打ちすると、すぐに体勢を整えようとするが既にシンジが馬乗りになっていて叶わなかった。
ゴシャ
シンジが拳を怒りに任せて振り下ろす。何度も、何度も、振り下ろす。
何発殴ったのかわからない。その拳からは骨が見え出血している。
「やった…のか…」
自分の拳をみてシンジが惚けた声を出す。
使徒を名乗る少女の顔は血にまみれ、地面が固かったせいか後頭部からの出血が血溜まりを作っている。
「痛ッ…」
興奮状態で麻痺していた痛覚が感覚を取り戻して両手に激痛がはしる。
だが、それは剰りの激痛に気絶しようにもそれが出来ない、半ば朦朧とした意識の中でも確認できた。
ガボっ、と少女の口からどす黒い血が溢れる。ヒュゥと空気が口から漏れた瞬間、ミシミシと耳障りな音を立てながら赤黒い球─少女の顔─が原型へ整えられていく。
朦朧とした意識、心臓から血液が送り出される度に痛む両手の感覚の中でシンジは、少女が子犬のそれのように小首を傾げた後、血に塗れた唇を再び吊り上げる様を見た。
何故かシンジは「レイは大丈夫だろうか」と考えている。
そんな彼を余所に、無骨な黒い手が頭を鷲掴みにして、ゆっくりと立ち上がると手を真っ直ぐに上へ向けてシンジの体を吊り上げる。
「アダムは、どこ」
これからするであろう行為を想像しているのだろうか、口元が緩んでいる。
「言えば、命位は」「……………めだ」
提案は独り言に遮られた。
「何、言って」「………ゃ駄目だ」
流石の使徒もこの反応に戸惑い、顔をしかめる。
「もう、いい、わ」
言い終わると同時に、肘部に付いているピストンが引かれる。
成程、拳を打ち突けた瞬間にピストンが押されることによって、二回音が聞こえてきていたらしい。だが、シンジは意識がとうとう危うくなってきていて、そんな事は知らなかった。
捕まれている頭。固定されている頭に打ち込まれるピストンの衝撃。まともに喰らえば脳髄が掻き混ぜられてしまう。しかしシンジは手足をだらんと垂らしたまま抵抗しない。
「さようなら、イカリシンジ」
ピストンが打ち込まれた。
続けて二発、三発、四発…それはまるで仕返しのように。指の間からは血が滴っている。
突然手を離す使徒。。飽きたからだろうか。それとも満足したからだろうか。だが、両者とも違うらしい。だらしなく地面に突っ伏すシンジの口から血が漏れる
「ガボッ……ゃ…目だ」
死んでいるはずの男から発せられる不気味な独り言。
「まだ、息があるの、か。しぶとい奴、だ」
そう口にしながら地面に横たわるシンジの腹部に拳を打ち突ける。ゴッという音の後にバキバキと鳴る骨。
使徒が拳を退けると、その腹部が完璧に陥没している。
あれ、私、ふと意識が覚醒する。体が動かない。辛うじて頸を上に向ける。
「シンジ…君…?」
仰向けに横たわる自分の足の向こうに見える光景に愕然とする。
「い…や…」
醜く変形した彼の体は遠目からでもはっきりと確認できた。そして更に打ち込まれる拳。もう、シンジからは生体反応も確認できない。
「も…う…やめて…」
蚊の鳴くような声しか出ない。
「シンジ…く…ん」
また打ち込まれる拳。
「シンジ…くん…」
ひしゃげているシンジの腕。
「ねぇ…返事してよ…シンジ君!!」
返事は、無い。涙が溢れる。それは悔しさからくるものか、悲しさからくるものか。そんなことはお構いなしに溢れ続ける。
「うっ…うぅ…」
シンジは死んでしまった。あの訳の解らない少女のせいで、いや…止められなかった私のせい…?
そんな考えの数々が頭を掠め続ける。
「もう…駄目…」
口が諦めの言葉を吐く。
使徒の拳は止まっている。目に溜まった涙を瞼をぎゅうっと閉じて追い出す。その瞳に映るのは、遠目からでも解る──普通の人間が見ても解らない程小さな反応だったが、以前感情を表に出さない少女であったレイには解る、
それが意味するのは驚愕。使徒を名乗る少女は驚愕していた。
痛みはもう無い。地に沈み行く感覚に囚われながらシンジはその生涯を終えようとしていた。
思い出されるのは、エヴァンゲリオンに乗り、仲間と協力して使徒を倒していた頃の自分。ずぼらだけどやるときはやるあの人、生意気だけど本当は寂しがり屋のあの子と同居した時のこと。級友。そしてレイと暮らした時間。
すべてが夢のようで、愛おしい時間だった───だった?
ド、クン
いやだ。僕はまだ死にたくない…
ド、クン
死にたくないんだ……
ド、クン、ドクン、ドクンドクンドクンドクンドクン…
鼻を掠める血の臭いの中に感じるのはサードインパクトの時にレイの中で感じた懐かしい匂い。
体が熱い。手が痛い。頭が、頭が…割れそうだ。
「お前、一体…」
どうしたの?なにを驚いているの?
「馬鹿な、そんな筈、は」
何の事?何のこと?ねぇおしえてよおしえてよねぇ
ドクン
第三使徒サキエルの前に、翡翠の眼をした少年が対峙する。
その姿にサキエルは以前戦った初号機それを重ねていた…
「なんなんだ、よォ!」
今までの落ち着いた、どこか気だるそうな口調から余裕が消えた。
使徒の攻撃が再開する。
一見鈍重そうに見えるが素早いパンチを目の前の敵に連打する。
十数発ほど入ったところで拳が止まり、足が空を蹴る。
自分の意志ではない。碧眼のそれが使徒の右腕と左腕を捕って持ち上げているのだ。
それの右腕はだらんと垂れている。何故なら使徒の左腕はそれの顎に喰いちぎられんばかりの力で固定されているのだから。
その直後、使途の左手首から先がブツンと音を立てて落ちた。
「───────ッ!!!!!!」
鮮やかな紫の血をまき散らしながら、人間の可聴域を越えた声で絶叫する使途。
左腕に更に力が架かる。先程から渾身の蹴りをそれの臑や腹部に打ち込んでいるが、一向に力が弱まる気配はない。
ミシミシと音を立てる使途に残された一本の腕。
「お前……っ体…」
はっはっと荒い息でそれに問う。
その刹那、だらんとしていた右腕が使途の腕の付け根に掛かり、引き裂く。
「あっ」と素っ頓狂な上げて宙を舞う使途。
一瞬の浮遊感の後にその中に在ったであろう核ごと胸を貫かれた。
失われる瞳の光。
腕を伝う紫。
支えを失い血溜まりに落ちるアンバランスな体。
それは手に付いた妙な色の血液を確認するとニヤリと笑い、呟く。
「…れが…から…だ…」
静寂が訪れる。
一部始終を見ていたレイはフラフラと覚束ない足取りでそれに近付く。
「シンジ、君…?」
ピクッと体を震わせる。
「怪我は…ひどい…?大丈夫なの?」
突如としてレイの首が掴まれる。
「かっはっ」
眼をギョロギョロとあらぬ方向へ向けた後レイを凝視する二つの眼。
「シンジ…君…」
レイの手が力無く挙げられそれの頬を優しく撫でる。
そして、微笑む。
首を絞めている手から力が抜けて、尻餅を突く。
それはフラフラと二、三歩歩いたところで吼える。
オォォオォォォォォン
レイは再び立つと、少しも臆せずにそれに歩み寄り、後ろからそっと、優しく抱く。
「もういいの、いいのよシンジ君」
と囁きながら。
自衛隊が到着したのはこれから約一分後、葛城ミサトと赤木リツコが到着したのは二十分後のことであった。
「で、あの使徒を名乗る者をシンジ君が倒した、と言うわけね」
数カ所の裂傷と重度の打撲のせいで包帯に巻かれたレイにリツコが訊く。
「はい。その通りです」
その回答を受けて嘆息するリツコ。
「詳しく調べてみないと解らないわね…レイ、悪かったわね。もう行って良いわよ」
「はい」
立ち上がって救急車に乗り込むレイ。
ドルンと音を立て走り出す救急車。
「あ、レイもう行っちゃった?」
後ろからミサトが声をかける。
「えぇ」
ちょっと訊きたいことがあったんだけどなー、まぁ大した怪我じゃなくて良かったわ、とミサトの言葉を聞きながらリツコは漠然とした何かを感じていた。
レイの怪我を見る限りでは、真っ向から向かっていったシンジ君の方が重度、若しくは死亡していた可能性も否定できない。
それなのに、あの程度。検査的に入院させるために乗せたけど、血だらけではあったが目に付く怪我はなかった。
「血塗れなのに救急車…まるでレクター博士だわ」
「え?なんか言った?」
ミサトが職務のモードから普段の調子で聞く。
「独り言よ」
ふぅんと言って車に戻るミサト。
その背から上に目を向ける。
闇空には紅い月。
紅い月だけが爛々と輝いていた。
Erz:ahlungT
ENDE.
面白くない
自分のHP作ってそこでやれば?
(´゚ω゚`)おめんさい
面白い。
続きを早くみたい
久々に
いい小説を
ここで見た。
字余り…
(´゚ω゚`)嬉しいお言葉っ
(´゚ω゚`)二話を書いてる途中です
「省く手間が無くなった」ってのはどうよ?探す手間が省けた??
いやぁ〜、次回作が楽しみだコリャあ。
(´゚ω゚`)
>>22変な言葉遣いにしたかったので、そうしました。
「(シンジを)探す手間が省けた」→「(シンジが)来たので手間がかからない」→「省く手間が無くなった」
このような具合です。
今書いてるのかな?
まだかな?
(´゚ω゚`)年末…
(´゚ω゚`)キツス
28 :
槍レイ:2005/12/31(土) 21:24:25 ID:???
-‐‐- 、
/ ヽ
! ! 人|,.iノl_ノ)
i 乂-‐ −! i
\ヽ .ゞ - ノノ
``フ i´
/ \ノゝ
/__i |丱!_|_
━━つ━つ━━∞∞∞===========
続きは正月明けかしら…
(´゚ω゚`)ロンギヌス…ガクプル
(´゚ω゚`)ヲメっす
31 :
槍レイ:2006/01/01(日) 10:25:23 ID:???
-‐‐- 、
/ ヽ
! ! 人|,.iノl_ノ)
i 乂-‐ −! i
\ヽ .ゞ - ノノ
``フ i´
/ \ノゝ
/__i |丱!_|_
━━つ━つ━━∞∞∞===========
…かなり遅れました。
あけましておめでとうです…。
-‐‐- 、
/ ヽ
! ! 人|,.iノl_ノ)
i 乂-‐ −! i
\ヽ .ゞ - ノノ
``フ i´
/ \ノゝ
/__i |丱!_|_
━━つ━つ━━∞∞∞===========
そう・・・よかったわね・・・
次!次!(AA略)
(´゚ω゚`)すみません…
(´゚ω゚`)何分忙しい身でして…
がんがってクレヨン。
保全
>>スレ主のErz氏
結婚スレではご迷惑かけてスミマセンでした。
元リュウです。
あの…もしよろしかったら、
こちらで書かせてもらえないでしょうか…?
(´゚ω゚`)別に許可とかいいですよ?
(´゚ω゚`)不特定多数が入り乱れるニルヴァーナなんですし。
(´゚ω゚`)ま、一応は『燃え』重視のスレのつもりすけど。
>>40 ありがとうございます!
今度は色々気を付けて書きます…
>>41 _ ∩
( ゚∀゚)彡 ガンガれ!ガンガれ!
⊂彡
一応、名前とトリは変えたほうがいいかと
結婚スレで、リュウ氏がこっちに来た事が話題になってる
リュウよ、名乗らずコソーリ投下すれば良いものを・・・
個人的にはそういうバカ真面目は嫌いじゃないが、ここは2chだからね。
リアルではそれが正しくても2chでは通用しないと向こうで解ったハズ。
ま、ガンガれ。あそこまで妄想を広げ、一応完結したのは認めるよ。
いや、向こうでの行動は、リアルでも問題があると思うが?
少女漫画のコーナーに成年漫画を陳列するような行為だろあれは。
少女漫画ってけっこう性描写あるよね
>>45 俺の言ってるのは、自分に対するレスに返答したり、
>>39みたいにわざわざ名乗って許可を得ようとしてる部分なんだ。
それに良いか悪いかはともかく、リュウが投下し続けたのは続きを望むレスがあったからだろ。
一日目から読み直すと解るが、リュウは何度も書くの止めようとしてたが、
その度に「やりたいようにやれば良い」とか「リュウさんが投下しないと学校休む」
みたいなレスが付いて、それで続けたんジャマイカ?
無駄な描写が多いのも、「状況描写が足りない」と何度も言われてたから、方向は間違ったとはいえ努力したんだろ。
…まあ、宇宙船の名前と最後のグダグダ感はガッカリだったけどな。
きっとアーサー・C・クラークを意識してラーマって名前にしたんだと思うが、無難にエクセリヲンかノーチラスで良かった希ガス。
あとは、所々に他作品ネタを仕込むのも趣味に走りすぎで、ヲタだと思った。
そしてその元ネタに気付いた漏れもヲタだ・・・orz
>>47 それだけの長文書けるなら、なんか書いて投下汁
ってかここで議論は止めようぜ!
硫酸を擁護しても、自演って言われて立場が悪くなるだけだ
>>48 そうだな、スマン。
話変わるが、結婚生活にアンチ猫派っているんだな。
猫たんがいなくなったら、職人いなくなっちゃうじゃないかww
>>47 そう言えば、彼はちゃんと今日から学校行ったかな…
この流れだとまた硫が調子に乗りそうだからあえて言う。
お前は確かにマズイ事をしたんだから、そこは反省しな。
今は執行猶予の状態だと肝に命じておくように。
ここで擁護してくれるのは、君が本当に反省して、
ちゃんとした職人になると信じてる人達なんだから、
期待を裏切るなよ。
「じゃあ、行って来るよ」
そう言って、私は我が家の玄関を出る。
「いってらっしゃい、パパ!」
「気をつけて下さいね、あなた」
愛する妻と、同じく愛する娘に見送られ、私は勤務先である横須賀駐屯地へと向かう。
数ヶ月前より、不穏な噂が流れていた。
箱根に建設された第三新東京市の地下に『ネルフ』という組織がある。
彼らは国連に特別な権限を与えられ、人類を『使徒』と呼称される敵から守るべくして組織されたのだが、
その姿は表向きのものであり、実はそのネルフもまた、人類を滅亡させる計画を進めているらしい。
その噂を可能性の一つとして考慮はしていたものの、正直な所信じていなかった。
だが、こうして「ネルフ殲滅」の命が下った事を考えれば、その噂は事実だったのだろう。
最も命令が出た以上は、一介の隊長でしかない私には、日本政府がどこまで真実を掴んでいるかは問題では無いのだ。
与えられた任務を遂行する。それだけだ。
私は第三新東京市跡に出来た湖を一望出来る山中から各部隊に指示を出す。
本部占拠の為に侵攻中の部下からの連絡では、ネルフは侵入者迎撃のノウハウを持っていないようだった。
そこで私に一つの疑問が浮かぶ。
人類を滅ぼす計画を、国連にもバレず秘密裏に進められる組織が、そのようなミスを犯すだろうか?
彼らの『エヴァ』という兵器がまだ姿を現さない事も気になる。罠か?
エヴァの対処法は部下達に伝えてあるが、こうも出し惜しみされるのは気味が悪かった。
そう思った時、上空を大型爆撃機が近づいているのが見えた。
地表を吹き飛ばし、地下のネルフ本部を剥き出しにするのだ。
無線でN2爆弾投下準備完了との連絡が入る。私は装甲車に逃げ込み、爆弾投下の指示を出す。
そして、数秒後。
フィルターのかかった窓とサングラスを通しても眩しい光と、
防音処理した耳当てを通して聞こえる爆音が、箱根一帯を支配した。
続けてジオフロント内へ向けて、無数のミサイルが打ち込まれる。
先ほどの閃光は無いが、轟音が再び響き渡る。
部下より、本部の占拠に手間取っている事を知らされる。予定より抵抗が厳しいのか…。
「意外と手間取るな」
私がふと漏らした愚痴を、隣にいた部下は聞き逃さなかった。
「我々に楽な仕事はありませんよ」
今度はジオフロント内の湖に隠されたエヴァ弐号機殲滅にあたっていた部隊より連絡が入る。
弐号機が突如起動し、まるで使徒の如く暴れまわっているらしい。
そして、電源ケーブルを切断したとの連絡を最後に、その部隊から連絡が途絶える。
上空を大型の飛行機が通過し、その後に鳥が翼を広げたような影が九機。
国連より、エヴァ弐号機は量産型エヴァを使い殲滅する、との連絡が入る。
だが、その量産型エヴァは、弐号機によってあっけなく倒されて行く。
わずか三分で八機、残る一機も敗れ去ろうとした時も、私は焦らなかった。
弐号機の内部電源が終了するのを待てば良い。どうせ電源ビルはさっきの爆撃で全て破壊したのだから。
ところがその時、戦況に変化があった。
倒された筈の量産型エヴァが復活し、弐号機に一斉攻撃を仕掛け、赤い機体をバラバラに分解して行く。
エヴァが生体兵器だとは知っていたが、ああも血を流して内臓をぶちまける姿は、
人間のバラバラ死体を見ているようで気持ちが悪かった。
そんな私の感情をよそに、本部の占拠も進むかと思われた。
だがまたも予想外の事件が起きる。
破棄された筈の第一発令所が吹き飛び、そこから翼を生やしたエヴァ初号機が姿を現す。
機体の周囲に嵐が巻き起こり、距離の離れたこの山中にも突風が巻き起こる。
その姿はまるで――「まさに、悪魔か」
私の恐怖が口をついて出る。
初号機の翼が変化し、遠めに紅く輝く十字架を思わせる姿になる。
双眼鏡でその姿を見ていた私に、後方にいた情報参謀が宇宙からの飛来物を知らせる。
「大気圏より、高速接近中の物体あり!」
「何だと!?」
空に星のように輝く光が移動している。
隕石かと思われた物体は、エヴァ初号機に向かって落下し、その喉元でとどまった。
赤い二又の槍…エヴァの武器なのか。
初号機の周囲を量産型エヴァが飛び交う。
あの気味の悪い巨人達は、初号機から発せられた十字架に噛み付いて、上空へと牽引して行く。
周囲に、異様な空気が漂う。
松代のMAGIが周辺一帯の現象を解析し、我々のコンピュータへ送り届ける。
今、目の前で起きている現象が、15年前のセカンドインパクトの初期現象と酷似しているという解析結果に、
その場にいた全員が恐怖した。
あの惨劇が、再び起きてしまうのか。愛する妻子のいる、この日本で。
「S2機関、臨界!」
もはや、ここまでのようだ。
「作戦中断。各部隊は、すみやかに撤退」
やるせなさと空しさが心を包み込む。
「これ以上は、もう分子間引力が維持出来ません!」
サードインパクトが起きてしまうのだろう。
死を目前にして、恐怖はあったが取り乱す事は無く、不思議と落ち着いていた。
ただ、世界を、何より愛する妻と娘を守れなかった事が、唯一悔やまれた。
「…作戦は、失敗だったな」
遥か上空のエヴァ達が不思議な紋様を空に描いている。
そして、N2爆弾の比では無い大爆発が起きた。
爆風に吹き飛ばされながら、何故か私は、再び妻と娘に会えるような気がした。
『(前略)リンゴから絶え間無く溢れる蜜に気を取られている友人を尻目に、私は彼女の腕を捕り頸を鋭利な何かで斬りつけた(中略)起きてみると、そこは自室で、当然ながら私の隣には彼女が眠っているわけで…(後略)』
(佐山由未著『青い生活』より抜粋)
Erz:ahlungU
白磁の壁、蒼い空。
目を開ける。見えるのは白。視線を右にやる。良い天気であるらしい。
テレビを見ようと、リモコンに手を伸ばし、電源を入れる。そこでふと思う─昨日はあんなに痛かったのに─リモコンを持った右手を凝視する。傷がもう浅くなっているのは気のせいではないだろう。そんなことを思いながら右手から視線を外しテレビを見る。
画面には妙な烏賊モドキから発射されたミサイルを空中で避け、その上を走る青年が映されている。また視線を外して空をに向ける。雲が、犬の形に見えた気がした。
病室の気温は低いが、陽の光がとても暖かいので心地よい。
また眼を閉じて陽の光を楽しんでいるとドアが開けられる音がする。
その姿を確認しようと目を開くと、シンジが居た。
「あっごめん。起こしちゃった?」
微笑みながら言う。
「ううん。今、丁度起きたの」
「そっか、なら良かった。怪我の方はどう?」
「昨日の今日の事なのに…なんだかもう大丈夫みたいで…」
レイが不安げに言う。
「でもさ、良くなるに越したことはないんじゃない?」
「えぇ…そうね」
その"普通さ"にレイは微笑む。
─昨日のあれは何だったのだろうか─又は─見るからに壊滅的だったシンジ君の体が何故─と思うのは、まだ先である。
「すごいわ…『目を見張る』ってこういうことなのね」
リツコはレイの体を見て驚きを隠せないようだ。
黙っているレイを置いて更に話す。
「この治癒力、まるで使徒…は言い過ぎだけど、相当凄い…」
レイはじっと話を聞いている。
「アメリカで自己治癒力強化の研究がされていたわね…この資料、高く売れそう…」
自分の世界に入ってしまったリツコを眺めていると、慌ててレイに質問をする。
「あ、み、右手は動かせる?」
「はい」
そう言ってグルグルと動かす。
「うん、ありがとう」
リツコは満足げに頷くと、カルテか何かに書き足した。
「もう家に帰って良いわよ。何か変わったことがあったら直ぐに連絡頂戴」
言われてレイが立ち上がり、ドアに向かう。
「あ、後シンジ君に来るように伝えてくれる?」
「はい」
怪我人だったとは思えない足取りで部屋を後にする。
「何でシンジ君を呼ぶのかしら…」
病室で荷物をまとめながら思う。さっき来てくれたときは別に変わったところはなかった。だが、変わったところがないからこそ、異常なのだという考えに至るのにさほど時間は要さなかった。
「それに…昨日の…」
レイは自分の首をさすりながら呟く。あれは、シンジ君じゃなかった。では誰だったのか、そして自分の体に何が起こっているのか…考えずには居られない。
気付くと作業が止まっていた。レイはふっ、と自分を嘲るかのように笑うと作業を再開した。
レイが病室から出ると窓から外を見ているシンジが居た。
「シンジ君」
呼ばれて振り向く。
「あ、もう出て良いって?」
「えぇ。それと、赤木博士があなたに来いって」
はて、と首を傾げるシンジ。呼ばれる理由が解らないようだ。
「わかった。学校は行くの?」
「どうしようかしら…」
時間は既に九時をゆうに回っている。今から行ったとしたら三時限目の途中になるだろう。
「取り敢えず行っておくわ。体に異常は感じないし、ね」
「そっか、わかった。僕も行けたら行くよ」
「えぇ。じゃ、いくから。またあとで」
レイは言うときびすを返し、エレベーターホールに向かう。途中、立ち止まってシンジに手を振った。
レイを見送ると、シンジはリツコの居る部屋に歩を進める。
「朝の検査、何か引っかかったのかな…?」
検査、と銘打っていたが実際はシンジの身体の"調査"であったことは言うまでもなく、引っかかったと言うのも間違っていて、もう一度呼ぶのは前提であったことをシンジは知る由もない。
自動ドアをくぐるとカルテに集中しているリツコが居た。
スタッフが入ってきたと思ったのか顔をこちらに向けないまま言った。
「碇シンジの調査報告、明日までに…」
言いかけて相手がスタッフでないことに気付く。
「…あら、シンジ君。ごめんなさいね、マヤだと思ったわ」
「"失礼します"って言った方が良かったですか?」
苦笑するシンジ。
「いえ、気が抜けてたわ…ま、座ってちょうだい」
リツコに促されて目の前にある椅子に腰掛ける。
「で、なんですか?」
「悪いんだけど…もう一度昨日のこと聞かせてくれる?」
遠慮がちに聞いているように見えるが、これは命令だ。こんなことには中学生の時に慣れてしまっているシンジは言われた通りに語り始める。
「…顔がなんて言うか、再生?して…頭を捕まれた後何か変な高揚感に包まれて、気付いたら病院で…」
「うん…やっぱりそれ以上は解らない?」
「うーん…必死だった、ですね」
少し考えた後に言った。
「必死…?」
さぞかし疑問そうに訊くリツコにシンジが、はい、と答えて続ける。
「走馬灯、って言うんですかね?見え初めて…」
シンジは一息ついてから言った。
「死にたくなかったんです」
「…人間は必ず死ぬ生き物…でもそれが解っていても突如として迫る死には抗う。当然よ」
と煙草に火を点ける。
「あ、良いかしら?」
「点けてから言わないでくださいよ…構いませんけど」
仄かに香る煙草の煙を嗅いでシンジは一つ思い出す。高揚感に捕らわれる前に香ったあの臭いのことを。
「いま思い出したんですけど」
「えぇ、聞くわよ」
と灰を落とす。
「臭いがしたんです。あれは…レイのだと思います。レイの中に入ったときと同じ…」
「話は聞いているわ。サードインパクトの時のことね?」
「はい。その時と…同じ臭いでした」
リツコは眉を寄せて何か思案する。だがすぐ先ほどの調子に戻った。
「ありがとう。もういいわ…また何か思い出したら連絡ちょうだい」
「わかりました。では」
会釈してシンジは出ていった。
リツコは携帯のようなものをスーツの内ポケットから取り出し、ボタンをプッシュする。
「やっほー、元気?」
「あっそ」
沈黙が辺りを支配する……。
「優しくしてよ」
「してるじゃない」
「マジで?」
「マジで」
『はい、なんですか先輩?』
耳に当てるとよく知った声がでる。
「今どこにいるの?」
『地下一階の総合検査室で資料を纏めていますが…それがどうか…?』
指示なんて出してもいないのに、何故この子はして欲しいことが分かるのかしら…などと考えている暇はなかった。
「今から本部に戻るわよ。直ぐに支度して、もちろんヘリポート。理由は簡単。もっと詳しく調べたいから、よ」
矢継ぎ早に言う。
『了解しました。そんなセンパ…あ、な、んでも、ありません』
と言って切ってしまった。リツコは苦笑すると自身もヘリポートに向かった。
第二新東京中央病院から小一時間程電車に揺られると第二新東京市立高等学校、つまりシンジとレイが在学中の高校に着く。
レイは人気のない校門を抜け、下駄箱で上履きに履き変えてから教室に向かう。引き戸の小窓から中を覗くと当然か、授業中だった。
「…」
入ろうか、いっそのことサボってしまおうか考え倦ねていると後ろから声がかかる。
「よぉ、綾波やんか!えらい重役出勤やなぁ」
声の主は鈴原トウジ、義足の青年である。
「鈴原君、おはよう。遅れたのはちょっと用事があったの。わざとじゃないわ」
「わぁーってるっちゅうに。ん?シンジはおらんのか?」
「えぇ。シンジ君も来るとは言っていたけれど、来れるか分からないわ。そう言えばあなたは?」
と聞かれてニカッと笑うトウジ。
「わしはいつも通りや」
「聞いた私がバカだったわ」
「自分しばくでぇ!?」
そうわめくトウジを放置してレイは教室に入る。
「…」
静かに扉を開け、そっと閉める。教師はレイを一瞥すると直ぐに黒板に目線を戻した。
「おはよ、レイ」
隣の席の洞木ヒカリが小声で挨拶する。
「おはよう」
レイは鞄を机のフックに掛けて着席する。
「珍しいね?遅れるなんて」
「うん。ちょっと用事でね」
「ふーん…あ、碇君と?」
レイは答えに困る。どうなのだろうか?あれは。別にシンジと意識して病院に居た訳でもないのだから。
「えっと、そうも言えるし、違うとも言えるわ…」
「そうなのね〜?良いよねぇーレイは。うちのトウジと言えば…」
いつも通りだ。そう、いつも通り。昨日のは、ちょっとした夢みたいなものなの。
一瞬そう思い、授業中にも関わらず「あ、教室入るときね…」とヒカリとの会話を続けた。
後の授業をそれなりにこなし、部室に向かう。
ドアを開けて挨拶する。返ってくる挨拶。レイはその独特な外見から近寄りがたいイメージがあるようだ。だが、その彼女が書く世界は部活や、一般生徒の一部(文芸部発行の冊子読者)には定評がある。
席は決まっていないので、レイは部室内を見回して適当に座った。
座ってから目を閉じて一息つくと、作業をしようと備え付けのパソコンに書き途中の小説のデータの入ったディスクを入れようとする。が…
「あれ?」
ディスクは、鞄になかった。でもすぐに思い当たる節があった。家のパソコンに入れっぱなしだったのだ。昨日は家に帰っていないし、そういえば下着を替えていない。シャツはボロボロだったから替えをもらったのだけど…。
「も、問題ないわ…」
「え?何か言いました?」
丁度後ろを通りかかった部員─山岸マユミ─が声をかけてきた。
「い、いえ何も」
多少声が上擦り、挙動不審になっている。
それに気付かなかったのか、マユミは思い出したかのように続ける。
「あ、そう言えば、碇君が転校生と帰っていったのだけど、良いの?恋人として妻として」
「妻ではないわ。じゃなくて、転校生って?」
転校生など初耳だ。シンジが学校に来ていることも知らなかった。
「え?知らないの?」
マユミは両目をパッチリと開けて驚いたような顔をする。
「今日うちのクラス、転校生が来たのよ。名前は霧島マナ、さんっていうの」
「全然知らなかったわ…」
それはとりあえず解った、が、一緒に帰ったの件は…眉間に皺を寄せるレイを見たのか見ていないのか、はたまたわざとなのかマユミは更に追加する。
「霧島さん碇君の隣の席でね、遅れてきた碇君はビックリしてたけど、なんだか意気投合しててね」
レイの顔が沈んでいく。マユミは話を続ける。
「休み時間とかずーっと話してるのよ?ちょっと仲良すぎじゃないかなーなんて思ってたら、御一緒に帰宅だってさ…ねぇ聞いて…」
マユミは"るの?"を言う前に言葉を切った。目の前にいる少女は私と同じ人間なの…?─もっとも正確にはそうだが、彼女のそれは冗談であり言葉のあやだ─と思われているレイの顔は翳りすぎていて顔が見えない。
部員の喧騒が二人の間の沈黙を包む。
ガタン
「ごめん、帰るね」
席を立つと一瞬遅れてレイが言う。
「えっと…」
マユミは部室を出ていく彼女、P.N.リカオンを余計なこと言っちゃったな…と思いながら見送ることしか出来なかった。
─一方。
レイが機嫌を圧壊させて彼氏を"浮気者"と認定、追跡を開始したことなど露知らないシンジは転校生の霧島マナと帰宅していた。
「いやー霧島さんが"アズラエル・レボ"のファンだなんて…知ってる人なんて居なかったからなー」
「私もまさか隣の席の人が知ってるなんて思わなかったよ」
─アズラエル・レボ(AZRAEL-Revo)。イスラム教の四大天使アズラエルから名付けられたそのバンドは、非常に認知度が低い。シンジ自身もオペレーターの青葉シゲルから紹介されるまで知らなかった。
聞いてシンジはその独特なヴォーカルと穏やかなミュージックの虜になった。だが如何せん、先程述べた通り知る人は皆無に近い。
そして学校でも社会でも初めて出会ったファンが霧島マナ─転校生であった。
その喜びに我を失いがちな彼をマナがそれとなく連れてきた、というわけだ。
「ねぇねぇ、碇君ってさー彼女とか居るの?」
唐突な質問。だが答えは─
「いるよ」
「えーっ?ま、碇君カッコイイデスシネー」
予想した答えだったのか、あまり残念そうには見えない。
「何人の女を泣かせたのかなー?なーんて」
何やら悪巧んでいるような目でシンジを見る。シンジはそれを無視しつつ答える。
「ホントはできたけど、しなかったの。文句ある?」
「今の彼女としか付き合ったことないんだよ。中学の頃からその娘一筋だからね」
「へぇー愛されてるねぇカノジョ。ね、何処の高校行ってるの?」
興味深そうに聞くマナに落ち着き払って答える。
「2-C」
「隣のクラスかい!」
一瞬遅れてマナがツッこむ。いや、何にツッこんだのかは本人にも解ってないのだろう。
少々エキセントリックな行動をし過ぎたと思ったのかこほん、と咳払いをして会話を再開する。
「隣のクラス、ねー…どんな子なの?」
「青い髪で、紅い目」
「…嘘」
シンジは苦笑する。
「嘘じゃないんだよ。確かに見た目はちょっと目立つけど、思いやりがあって、とても優しい子だよ」
「へぇー。そんなステキな彼女がいる碇君を私は連れて来ちゃったわけだね?」
半ば確信犯なのだが、わざと"彼女がいる"を強調して言うマナに今頃気付いたようにシンジは今の状況にはっとする。
「…失念してた、よ」
実際そうだった。浮かれすぎだったのかもしれない。こんなところレイに見られたら…と焦り始めていると、あっと声が上がる。
「え?」
間抜けな声を出して振り向くと、シンジの胸にマナの頭がとす、と預けられた。
その頭からはゆで卵の腐った臭いが漂っていたが、シンジが黙って絶えていた。
「シンジ君にかぎってそんなことはない、と思うけど…思うけど」
ブツブツと言い聞かせるように歩くその姿は端から見れば尋常ではない。
何をしようとここまで来たのか、レイ自身もよく解らなくなっていた。
「まだここ…」
商店街の中程、ブックカフェ。駅まではまだ暫くかかる距離だ。早く着かないかなとの思いとは裏腹に足取りは遅くなる一方だった。
ふと、右前方を見ると抱き合っているカップル。その男の方に釘付けになる。
「シ…ンジ……くん…」
一緒に帰るくらいなら良かった。シンジが風邪を引いたとき、見舞いに行きたいと言ってきたトウジと帰ったことがある。
だから、それくらい良かった。
でも…
…シンジ君は…
茫然自失と形容しても差し支えないその姿が、シンジの目に入る。
驚愕する目。
駆け出す少女。
駆け出す。
どこへ?
「わからないよ…」
一筋の涙が、頬を伝った。
違うんだ!レイ!待ってよ!
シンジは声が出なかった。彼女を引き留めることが出来なかった。だがどうだ?言えたら引き留めることが出来たのか?
「ちょ、霧島さんごめん!」
慌てて追いかけるシンジ。一人置いていかれたマナは顔をしかめて、聞こえない声で言った。
「伝えなきゃいけない事があったのに…」
「昔貸した金をさっさと返せ、と言おうとおもってたのに…」
一体何のことを指しているのか…追求する者がいない今、解るのは少し先になる。
随分距離は離れているが、どうやらレイは駅に向かっているらしい。かなりの速さで走っているが、速度は緩む気配はない。
「ちょ…待ってよ…」
息が上がっていてうまく声が出ない。
尚も走り続けるレイ。
『─発車いたします閉まるドアにご注意ください…』
追跡劇は、レイが電車に乗ったことで終了した。
残されたシンジは肩で息をして、次の列車を待つのみだった。
電車を降りても家に帰る気にはなれなかった。
商店街を抜けても家には向かいたくなかった。
下を向いて歩いているとクラクションに驚かされた。
鬱陶しそうに空を見上げる。
空はまだ青い。
ワン
声の主を捜すと後ろに犬が居た。柴犬だろうか、黒い体躯のそれはレイを見つめている。
ワン
「何よ」
話しかけても答える筈もなく、すぐにそっぽを向いて歩き出す。
苛立ちながら何処へもなく歩きだそうとする、だがそれは犬に阻まれた。
ワン
ついてこい、と言っているのだろうか。犬はレイを又見つめる。
その瞳に何故か惹かれたレイは「わかったわ」と犬について行くことにした。
「何処いくの」
ついて来たはいいが、犬はレイが知らない道を進み続ける。
路地を抜け、誰かの家を抜け、坂を登り、階段を下り、また坂を登る。
そんな作業を続けていると、犬が突然止まった。
ワン
俯いていた顔を上げると目の前に第二新東京市が広がった。
「きれい…」
街の地平に沈み行く夕日、そして赤く光る点滅灯。レイは久しくこんな景色を見ていなかった。
「あれ…?」
導き手は姿を消していた。まぁいいか、と景色をもっとよく見るために歩を進めようとすると背後から声がした。
「ソれ以上前に進むト転落してしまいマすよ」
下をよくよく見ると、草むらと暗さで解らなかったがそこは崖になっていた。
「あ…。ありがとうございます」
後ろを振り返ると少し驚いた。
ぎぎぎぎ、軋むような音を鳴らしながらそこに居たのは辛うじて人型である事が解る機械だった。
「だれ…?」
「そんなニ警戒しなくても、何モしませんよ。いや、出来ないト言った方が正しイですかね」
少し発音がおかしいが、それは流暢に人間の言葉を話している。
「私は残骸でス。一昔前に作らレた業務用の試作品。どこかの物好きなカたが捨てられテいた私を拾って修理たノで、今はこコにいまスが」
人工知能、と言うやつであろうか。その機械は自己紹介をやってのけた。
「悲しソうなあなた、どうしタのですか」
そう続けた。
話す義理などこれっぽっちも無かった。しかしレイはその機械仕掛けに放課後以降のことを話した。
暫く機械仕掛けが思考に時間をかけて言った。
「あナたが思考の早期決定をしていル可能性が87.91%ありまスよ」
どのように算出したのかレイには解らなかったが、要するに"レイのはやとちり"であると言いたいことは解った。
「あなたト付き合っているその男性ハそんなに簡単にあナたを裏切ル方ではないと思わレれます。あクまで私の推測ですガ」
古ぼけた機械仕掛けに言われてレイは気付く。─シンジ君はそんな人じゃない。私が悲しんでいたらそばで慰めてくれる、そんな彼─
レイは自分の浅薄さに涙が溢れた。
「如何されマしたか?」
おかしな発音で聞く。
「いいえ、ありがとう…私、まちがってた…」
「ありがとウ…感謝を意味すル言葉…聞いたノはこれが二回目でス」
レイは涙を指で拭い、質問した。
「あなた、名前は?」
「ナマエ…」
「そう、名前。私はレイ。綾波レイよ」
ピーガガガガと何か機械音が鳴ってから彼が答える。
「ジェイ・エイ。そう呼ばれテいました」
「ジェイ、エイ?」
平べったい頭でコクリと頷く。
「私今日は家に帰るつもり、無かったんだけど…帰る気になれたわ。あなたのおかげね、ジェイ・エイ」
「そう言っテもらえ、光栄でス」
かしこまって言う姿がやけに様になっている気がして、レイは微笑んだ。
「じゃ、お別れね。もうこんな暗いし、彼が心配するから」
そう聞いてジェイ・エイは体を包んでいる襤褸から異様に長く、細い腕を出してレイに向けた。
握手を求めて居るようだ。レイはそれを迷い無く握り、言った。
「さようなら、ジェイ・エイ」
「ご機嫌ヨう、綾波レイ」
レイは手を離すと来た道を記憶を探りながら戻り始める。階段を中程まで降りたとき後ろから無機質な音声が聞こえた。
『制御パターン、アクティブカラスリープヘイコウシマス。次ノ活動時間ハミテイデス』
どうやらいつも活動しているわけでは無いらしい。
アクティブ、スリープ。アタックとかもあるのかしら、今のレイはそんな下らないことも考えられるくらい清々しい気持ちだった。
「ただいま」
機械仕掛けの彼と出会った高台は実は、自宅からそんなに離れていなかった。と言っても、多少迷ったせいで今の時間は八時をゆうに越えてしまっていた。
奥からばたばたと音がして、玄関のドアが開かれる。
「あ、お、おかえり」
その拍子で、頭の中でカランコロンと音がしたが、レイは深く考えないようにした。
シンジはレイの顔を見るやいなや非常に申し訳なさそうな顔をする。
「あの、さ…今日の事なんだけど…」
顔色を伺いながら喋るシンジにレイは事も無げに言った。
「シンジ君、おなか空いた」
シンジがキョトンとする。レイは笑った。
「あ…うん。すぐ暖めるから!今日はね…」
理由なんて要らない。だって私はあなたを信じてるんだもの。たとえそれが過ちであったって構わない。あなたと一緒に居れたら、それで良い。
少なくともレイはそう思っている。
だが、シンジはどうか?レイにはそんなことは解らない。
寧ろそれを考えることが愚だと思っているくらいだ。
しかし唯、一つ言えるのは『私はあなたを愛してる』と言うこと。
口にはあまり出さない。
今もそう思いながらシンジの作ったシチューを食べている。
成程、レイの顔は幸せそうだ。
Erz:ahlungU
ENDE.
(´゚ω゚`)………
(´゚ω゚`)第二話です。
(´゚ω゚`)途中で横槍なアナタ
(´゚ω゚`)('A`)
乙。
途中にレスいれてるのは何なんだ?
>>53〜のを書いたのは、硫酸かいな?
文句は無いんだが、話が唐突過ぎて面白いのか糞なのか判断出来ない・・・
ってかレイとユイの話はどうなったんだ?ちょっと読んでみたかったんだけど。
>>82 LRSの嫁姑話をここでやって良いかは微妙だよ。
前の硫酸の理屈で言えば、
「ここは制約が無いんだから何を書いても良い。
前のラーマ編書いても良いし、LASになっても良いじゃないか」
ってなるんだろうけど、そんな屁理屈通用しないと、さすがに学習したんジャマイカ?
…と言ってる俺も、ちょっと読んでみたい。
硫酸はねえ、回想編と結婚式の場面だけ書いてたらGJもらえてたかもな。
あの三人が簡単に幸せにならない点に共感した。
結婚の前スレを読み返して気付いた事があるんだが、流氏はあのラストのあとに
普通の結婚生活書くって宣言してるんだな。それを知ってて、皆叩いてたのか?
ん?て事は自分のがフツーじゃないと解ってて書いてたって事は、より重罪か…
話題になってる流(硫?硫酸?)って人はどんなの書いたの?
結婚の過去スレが消えてて見れないんだけど・・・どなたかうpしてくれませんか?
あげ
いつの間にか更新されてた…。
すんごく(・∀・)イイ!
_ ∩
( ゚∀゚)彡 続き!続き!
⊂彡
イイネー
硫酸の結婚生活でのスピードはどうしたんだ…レスすらしてないみたいだし
向こうのような堕落した萌えの無い(・∀・)イイ!!作品を頼むよ
>>85 本当だ、もう前スレ消えてる…
HPに載せたら読みますか?
あげ
定期
定期
硫氏は見てるでしょうか?
結婚生活三日目を立てた者なのですが、あの時はすみませんでした。
前スレの流れではスレが継続出来ないと思って、周りの空気から硫氏を追い出せば
スレも面白くなると思ったのですが、今は住人がただ馴れ合ってるつまらないものに
なってしまって・・・OTZ
スレ違いでも硫氏の話が面白かったんだと思いました。
今更ですがあんな子供じみたスレの立て方をしたことを恥かしく思っています。
ホントにすみませんでした。
あとここの住人様、すれ違いスマソ・・・
>>94 今更そういう事言ってどうなるわけでも無いし、
わざわざここに書く事も無いかと思いますよ。
あの名前欄は確かにショックではあったけど、
住人の人達が反対してない以上、
住人の皆さんの総意と認めざるを得ない訳で…
僕はシンジとレイが結婚してる設定で書きたい事は書いたし、
わずかでも楽しんでくれた人がいるならそれで満足なので、
今更また戻る気は無いです。
レイとユイの嫁姑話も、
住人の望む結婚生活を書く為に無理矢理ラストを変えただけなので、
正直今から書くつもりはありません。
今のスレが馴れ合いでつまらないと感じるなら、
それは94さんの望んだ結果だという事だけは言っておきます。
面白いと言ってくれたのは、素直にありがとうございます。
このスレの住人様方、長文失礼しました。
リュウさん、本当にすみませんでした
>>89 堕落…ナンダッテー!?(AA略
硫酸お久しぶり。
周りのがなんと騒ごうが関係無いから、このスレの人達の為に書いてあげて下さると良いかと…
うるさい奴もきっと居るでしょうが応援してる人達もいるのす。(
>>89はちょっとアレだけど)
ここの皆がワクテカで待ってるから、とびきり熱いのを一丁お願いします。
じゃ、またね。ノシ
>>猫様、こんなエクソダスピープルにもったいないお言葉…嬉しいです。
今書かないのは、特に書きたいネタが無いのと、仕事が忙しいからなんデスヨ…気遣って頂いたのに、スミマセソ。
個人的には、あの話を、指摘された部分も含め書き直したいなぁ…特にラスト。
もちろん、要望が無い限りは自HPでコッソリやるに留めますが。
僕は、単に結婚生活の住人方の望む話を書くつもりが無いから止めただけで…
猫様が「皆このスレに幸せを求めてる」と言った時に、自分はあのスレにいるべきではないと、強く感じたんですね。
反対意見で恐縮ですが、スレに幸せを求める暇があったら、外に出て幸せを探す方が、
大変だけど幸せになれると思うわけなんですね。
ラブラブハッピーなだけの結婚生活なんて有り得ないし、あのシンジ達がそう簡単に幸せになれるのか?
と思って、辛い過去や現実と向き合って、乗り越えるシンジ達を書いてみたかったのです。
が、自分の力不足&場違いにより、猫様に迷惑をかけて申し訳ないデス…
ま、所詮遊びとして書いたり読んだりしてるんで、
本気で言い聞かせてやろう!みたいな訳じゃ無くて、こういうのもあって良いんじゃない?
程度の気持ちでした。そして見事轟沈したわけで…テラハズカシス
その内気が向いたら、また何か書きます。猫様も、ほどほどにガンガッテ下さいませ。ノシ
猫様に気を取られて忘れてたwww
>>三日目の1さん
意地悪な書き方してスミマセソ!
正直、ちょっと言い返してやりたくて…私も子供ですわ。
2ちゃんねるの常識は知らないけど、悪いと思って素直に謝れる1さんは大好きだよ。
今度からもすこし落ち着いて行動しようね、お互いにww
(´゚ω゚`)何かいっぱい来てる…
(´゚ω゚`)リュウさん、好きなネタで書いて下さいね。
(´゚ω゚`)楽しみに待ってまっす。
(´゚ω゚`)ノシおしごとガンガッテ
アスカ「劇場版好評につき、続編決定〜!?」
ミサト「そ〜なのよ。キングの大月さんがね、やらなきゃ巨神の力発動させるぞ、って脅すのよ〜」
青葉「マジっすか!?あ、俺と日向、あと鈴原君はバンド活動忙しいんで、抜けさせてもらいます」
マヤ「あら、メンバーがあと一人欲しい、って言ってたから、まだ活動開始してないと思ってたわ」
青葉「ギクッ」
ミサト「嘘…欺瞞なのね」
アスカ「で、どうするのよ。ラストで皆溶けて、アタシとシンジ以外いなくなっちゃったじゃないの」
リツコ「そうね。もしこのメンバーで続編を作った場合、そこのパラドックスが問題だわ」
シンジ「じゃあ、さ、僕とアスカが結婚する…っていうのはどうかな」
レイ「ダメ」
マヤ・ヒカリ「不潔」
アスカ「はぁ!?あんた、私と濡れ場やりたいだけでしょ」
シンジ「ち、違うよ!だってあの後って言ったら、子供作って、生きていくしかないじゃないか!」
レイ「碇君、それはダメ」
カヲル「じゃあ、僕とシンジ君の、友情冒険活劇はどうかな?
トレジャーハンターとして、宇宙を駆け巡る二人…そして芽生える友情…美しいじゃないか」
日向「確かに、女性ファンの更なる獲得も望めます。グッズ商法の拡大も視野に入れるべきでしょうね」
アスカ「もう耽美とかナルシスホモは良いわよ」
レイ「珍しく気が合うわね、セカンド」
アスカ「あんたが意見言うなんて珍しいわね。何か代替案があるの?」
レイ「…(顔を赤らめて)『101人レイちゃん』…私“達”の出番を増やして欲しいの」
ミサト「私達?」
リナレイ「そうよ!私なんてTV版最終話とゲームにしか出てないんだからね!
私の人気は本物の私より上なんだから、もっと活躍させなさいよ!」
アスカ「げっ!なんであんたが出てくるのよ!キャラ被るじゃないの!」
チビレイ「おばさんはいらない。おばさんは用済み」
ミサト「これは…」
リツコ「私達に対する挑戦のつもりね?」
ユイ「小さな子から見れば、20歳以上はおばさんに見えるんでしょうね」
シンジ「母さん」
ゲンドウ「ユイ…(つA`)」
アスカ「ファーストはどのキャラもムカツクわね。シンジのお母さんは切れると恐いし」
キョウコ「アスカ、本当の事を言ったら可哀想よ」
アスカ「ママ!」
ユイ「あら、止め絵でしか描かれなかったキョウコさん、お久しぶりですわ。オホホホ」
キョウコ「あら、使徒も食べてしまう大食らいのユイさん、お久しぶり。オーッホッホッホ」
ゲンドウ「まずい…あの二人は昔から仲が悪かった」
冬月「何年振りかな、この戦いを見るのは」
アスカ「じゃあ、私がシンジを召使としてこき使う話は?」
シンジ「普段と一緒じゃないか…」
アスカ「何か言った?」
シンジ「別に…」
レイ「却下よ。シンジ君とは私が一緒になるの」
アスカ「無理無理。あんたら一緒になったって、つまらないカップルになりそうだもん」
レイ「……(アスカを睨む)」
アスカ「何よ、言いたい事があるなら言いなさいよ」
レイ「言っても良いの?」
アスカ「どうぞ」
レイ「…スゥ…あんた前にも注意したけどやっぱちょっと調子に乗ってるんじゃないの?
そもそも劇場版冒頭でいきなりパンツ姿で乳首もろ出しにして注目浴びてそれが実力だと勘違い
してるなんて、あ〜可哀想な子。あんたより私の方が重要性高いの私がいなきゃ話が成り立たない
わけだから、そこんとこヨ・ロ・シ・ク………スッキリした」
トウジ「よっしゃ!今こそ新戦隊エヴァンゲリオン復活や!」
アスカ「あんた、この前は反対してたじゃないの」
トウジ「いや〜、あれからレンタルで見たら夢中になってしもて、あん時賛成しておけば良かったと後悔してたんや」
ケンスケ「しかも俺達、劇場版では出演すらしてないからな。次は主役にしてくれても良いんじゃないの?」
ヒカリ「あ…私、幼稚園の先生役が良いな…一度、幼稚園バスを襲う怪人を見てみたいの…」
シンジ「なかなか変わった趣味だね…委員長」
キール「我々の出番は無いのか?碇」
ゲンドウ「ご心配なく。すでに手は打ってあります」
鷲鼻「ほう、どのような展開になるのかね?」
ゲンドウ「悪の秘密結社幹部。ゼーレの皆様なら、日本一、いや世界一の悪役が出来るでしょう」
キール「悪役というのが気になるが、世界一とまで言われたらやるしかあるまい」
鷲鼻「左様、いずれはハリウッド進出も夢では無いな」
冬月「フン、いい気になりおって、老人共が」
ゲンドウ「奴らを扱うのはたやすい事だ」
ミサト「で、どうするのよ。何も決まって無いじゃないの」
加持「じゃあ、俺と葛城の同棲生活を描いたアダルトな話はどうかな?」
ミサト「…私はAV女優になるつもりないわよ」
リツコ「それは、それだけ淫らな同棲生活だったという自白と受け取って良いのかしら?」
ミサト「ハッ!しまった!」
加持「ユイさん…よろしかったら、俺と賞金稼ぎでもしませんか?」
ミサト「バッカじゃないの!?アンタなんか、犬役で充分よ」
加持「バカだなぁ、犬役やらせたら世界一だぜ、俺」
ヴィ〜ッ、ヴィ〜ッ。突然鳴り響く警報。
ミサト「あぁ〜、また時間が無い!これじゃ前と同じ展開じゃないの!」
トウジ「天丼は」
アスカ「笑いの基本よね」
レイ「セカンドと鈴原君で夫婦漫才やれば?」
ヒカリ「ダメよ、アスカ!」
アスカ「誰がこんな奴とやるもんですか!」
リツコ「私が愛する男の為に尽くし、様々な研究をする日々…『リツコの異常な愛情』」
ユイ「あなたね、主人と浮気したの」
ゲンドウ「ユイ、誤解だ。その女が私をたぶらかしたのだ」
リツコ「嘘つき!母さん、一緒に死んで頂戴!」
シンジ「みんな落ち着こうよ!チクショウ…主人公って言ったって、何も出来ないじゃないか」
レイ「何を望むの?」
シンジ「もう何もしたくない」
レイ「そ。じゃあ…」
リリスに覚醒するレイ。
シンジ「え…綾波…それはマズイんじゃ……」
レイ「じゃあ、いっせーの、ハイ」
パシャ
終劇
アスカ「シンジ、これ、届いたわよ」
シンジ「あ、あの時の写真だね。よく撮れてる…
後ろのでかい綾波が気になるけど…」
お わ り
元ネタ全部解った人、あなたは立派なオタクです。
そしてこの作品を猫様に捧げます。
アケ
面白かったぁ……。
ここのスレはいいねぇ
乙!
漏れも結婚スレからエクソダスして来ますた(・∀・)
結婚スレが酷い事になってきてるな…。
密かに猫氏がこっちに来ないかとワクテカしてる自分がいる。
猫サーン、バッチコーイ!
115 :
:2006/01/20(金) 18:37:23 ID:???
終局ネタか…良いね。
次も期待するよ、名無しの誰かさん。
とか言って彼で無かったら俺ハズカシスww
猫たんこっちにも投下キボンヌ。
って、見てるかな…
117 :
名無しはたぶん、三人目だから。:2006/01/23(月) 11:50:46 ID:2L6hume8
ついき
118 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:22:06 ID:wPWXAnUs
「なかなかどうして、かなわないですね」
そう呟く女の武器は、単純な戦力としては強いのだが、対多人数用。しかも本来は拘束用の武器ときている。
「アンタが弱いわけじゃない」
言われた方は溜息混じりに言う。
「そうですよ…貴女が強すぎるんです」
「シャムシエル、強さっつうのは何だと思う?」
対峙する女が何となく、と言った風に訊いた。
「力の保有、それに尽きると思いますが」
女はまぁそれもあるけど、と前置きしてから続けた。
「私は此処だと思うよ」
と、右親指で自分の胸あたりを指す。シャムシエルと呼ばれた女が訝しげな顔で見る。それに気付いてか、女はニヤッと不敵に笑って言った。
「心さ」
Erz:ahlungV
カナリアは鳴かない。
使徒を名乗る少女が碇シンジ、綾波レイ両名と邂逅を果たしてから三週間。
残骸としか言いようのない亡骸などでは調査は進むわけもなく、赤木リツコ博士は頭を抱えていた。
「もっと完全な形で手に入らないかしらね…」
MAGIで調べようにも欠損部分が多すぎて筋組織率はまだしも胸部に在った"何か"について詳しく調べられないのだ。
「狙って、粉砕か…」
現場に在ったミンチはきっと、この"穴"を形成していたものだろう。
119 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:23:30 ID:wPWXAnUs
「第参使徒サキエル…。前の使徒とはまた違うのかしら…」
組織の合致率を調べてみたらまた興味深い結果がでそうだが、以前の使徒は既に自爆、欠片も残っていない。
「疑問だらけね…でもまさかこれが…シンジ君には伝えられないわよね…」
デスクの端に置いてあるシガレットケースから一本取り出し口にくわえる。だが、火をつけようにもライターが見あたらない。
「あら?どこやったかしら…」
白衣のポケットや引き出し、無数に置かれている書類の下を探しても見あたらない。
「はぁ」
今日はなんだか良いことなさそうね、と煙草をくわえたままコーヒーカップに手を伸ばす。するとキンと音がした。
「火、貸しましょうか?」
独特な深みを持った声。その持ち主は青葉シゲルだった。
えぇ、とシゲルの持っているジッポーで火をつけるとリツコは冗談めかして言った。
「マヤがまた疑うんじゃないの?」
「いやはや、解ってくれてると思いますけどね」
青葉シゲル、伊吹マヤ。結婚式こそ挙げていないが、事実上夫婦になっている。
「それで、例の物は…」
「それね、もう少しかかりそう。なんせあなたとミサトしか知らないんだから。司令とかに隠れてこそこそやる苦労、解るでしょ?」
120 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:24:59 ID:wPWXAnUs
やれやれ、といった面持ちで首を左右に振る。
「でも最悪の事態、考慮しないとね…」
真剣な眼差しで空を見るリツコにシゲルもまた真剣な顔になる。
「三週間、ですからね…。何が目的か計りかねますが、恐らく…」
「えぇ、フォースインパクトね。さしずめ人類補完計画の再実行、ってとこかしら」
リツコはおどけた風に両手を挙げる。
「しかし、アダムと使徒が居なければあれは不可能なのでは?」
質問されてリツコはデスクの引き出しの下段の鍵を開け、厳重にファイリングされた書類を出した。
「見てみて」
シゲルはそれを受け取り、驚愕する。
「これは…」
「綾波レイ。彼女、使徒よ。…しかもターミナルドグマの白い巨人、そのDNAと彼女のDNA」
リツコは椅子から立ち上がり、開かれているファイルの一カ所を指し示して言った。
「ほぼ、一致」
シゲルは再び驚愕する。
「でもおかしいですよ…急にヒトの遺伝子配列が変わるなんて有り得ないじゃないですか。素人の俺でも解ります」
「…でも一つ忘れてるわ」
リツコは暗い過去を反芻しながら呟く。
「彼女、人間として生活しているけど、ヒトとしては生まれてないもの」
「………」
その声は酷く自嘲的な響きが感じられた。
121 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:26:20 ID:wPWXAnUs
「あら、暗くなっちゃったわね」
先程とは打って変わり、明るい声で言う。
「例の物は技術局局長として、責任を持って作業を続けます。なるべく早く仕上がるようにするわ」
シゲルは頷くと失礼します、と言って扉へ向かう。
「あら、もう行っちゃうの?」
「そう言うのがあいつを不安にさせるんですよ」
シゲルは首だけ振り向いて苦笑する。
「あら、つれないわね。ま、"あの娘"によろしく伝えといて」
シゲルは一瞬傍目から見れば解らないほど小さく、ピクッと体を震わせたがすぐに冗談めかして言った。
「クビにでもなさったんですか?」
リツコははいはい、と言いながら手を上下にハタハタと振る。
シゲルは少し困ったような、微笑んでいるような顔で再び失礼します、と研究所を後にした。
「まさか…な」
<わ、わたしのこと…じゃない、よね…?>
どこからか少女の声がする。しかし慣れた風に言葉を返す。
「あぁ、だけど一瞬焦っちまったよ」
<で、でも、滅多なことじゃでてないから…>
少女の声は不安そうだ。
「当たり前だろ。見られた日には射殺モンだぜ…」
ふぅ、とシゲルはため息を吐く。
122 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:27:37 ID:wPWXAnUs
<わ、わたし…やっぱりメーワクだったよね…>
「馬鹿野郎。そんなこと一度も思ったことねーよ。大体、お前が居なきゃ今頃あの世だよ。だから、むしろ感謝してんだ」
自虐的な少女の物言いをシゲルは諭すように言った。
<うん…ありがと…>
「いいって」
優しい口調で言う。
<じゃ…ねむり…ます>
「ああ」
そう言って微笑んだ。
「いらっしゃい」
ドアに取り付けられた鈴の音が店主に来客を伝える。
「ども」
「こんにちは」
「はぁーなんだかイイ感じだねー」
三者三様の挨拶。その声が一人分多いのに気付いて店主が素敵な笑顔で質問する。
「うん?一人増えたね」
「そうですね。取り敢えずここ、良いですか?」
と、聞いたものの三人の高校生の他に客は見あたらない。御自由にどーぞ、と言って店主はカチャカチャ作業を始める。
三人─碇シンジ、綾波レイ、霧島マナ─は窓際の席に座った。
シンジ達が住むマンションからそう遠くない所に喫茶店、"COFFIN MAKER"はある。
"COFFIN MAKER"。『櫃を造る者』と銘打たれたその店にシンジとレイが行くようになったきっかけは簡単な理由だった。
突然の雨、雨宿り。
それだけだ。
123 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:29:14 ID:wPWXAnUs
だが何故二人が常連に成ったかというと、それは店主に因るところが大きい。"フューネル=ソウ"店主はそう名乗った。初対面の二人に対して、だ。更にこうも言った『君達が気に入った』、と。
二人はその不可解な言動に度肝を抜かれた。だが不思議と不快ではなかったのは、つり目がちだがどこか優しげな目の奥の黒い瞳と、結った鴉の塗れ羽の如き黒い髪に男女ともに惹かれさせる何かがあったからだろう。
そして二人はいつしかここの常連に成っていた。
「何にする?」
カウンターから三人に向かってフューネルが聞く。
「僕はコーヒーで」
「私は紅茶。霧島さんは?」
マナはメニューを見てしばらく考えた後、ココアと言った。
「良いお店だね。なーんか落ち着く」
マナがソファに寄りかかりながら言う。
「そうだよね。何でかな?」
「うーん…てか、あやちゃん何読んでるの?」
注文が済んだと同時に本を読み始めたレイは、無言で表紙を隣に座るマナに見せる。
「えーと…玩具、修理者?おもちゃを直すヒトの話?」
レイは一言、違うわと言ってまた黙り込んだ。
「いつもこんな感じなの?」
シンジに困り顔で聞く。
シンジもまたそ、と一言言って窓の外に目を遣った。
124 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:31:23 ID:wPWXAnUs
うーん…なんかタイクツ…
とマナが思い始めた所でフューネルが席に来た。
「コーヒー、紅茶、ココアになります」
「あ、どうも」
シンジが言って、マナは会釈をする。レイは本から全然目を離さない。
シンジがコーヒーを飲み始めたところでフューネルがマナに話しかける。
「この二人いつもこんな感じでさ、私も不思議に思ってるんだ。話せよ、っていつも言ってるんだけどね…」
囁くような、歌うような独特な声。マナが聞き入っているとフューネルはまた話し始める。
「おっと、自己紹介がまだだったね。私はフューネル=ソウ。このカフェ、"COFFIN MAKER"の従業員兼料理人兼お色気要員兼用心棒兼店主。よろしくな」
言って何やら不敵な感じで微笑む。
「あ、はい。霧島マナ、第二新東京市立高校二年です。よろしくです」
「マナちゃん。素敵な名前じゃないか。ま、飲んでよ。口に合えば良いんだけど」
あ、はい、とフューネルの雰囲気に流されていたマナはココアを飲み始める。
「というか、何ですか?"お色気要員"って」
シンジが笑いながら聞いた。
125 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:32:47 ID:wPWXAnUs
「ここらへんだよ」
と言って手を頭と腰に当ててセクシーポーズをするフューネル。着ている服はワイシャツと黒いパンツ、その上にエプロンといった出で立ちなのだが逆に体のラインが際だっていて、妙に扇情的だ。
「負けましたよ」
シンジは何かに負けたらしい。
「フューネルさんってすごいスタイル良いですね」
マナがカップに口をつけながら言った。
「霧島さん駄目だよ。そんなこと言ったら直ぐ調子乗っちゃうんだから」
「黙ってりゃ美少年なのにいつも一言多いんだよ、あんたは。いつか後悔させてやる」
おどけるシンジをフューネルが冗談混じりに脅す。
「それはやめて下さいよ…」
「ふふふ…」
一連のやりとりにマナが耐えきれなくなったように笑った。シンジとフューネルも微笑んだ。
─もっともレイは本に釘付けだったが。
しばらくして、シンジとマナの間にも会話がなくなり、シンジは空を仰ぎ、マナはうとついていた。
店内にはフューネルが先程から吸い始めた煙草の甘い匂いが広がっている。
レイがパタン、と本を閉めたところで店内に鳥の囀りが響いた。
「…鳥?」
「ん…あぁ、電話だよ。ちょっと失礼」
フューネルが煙草の火を消し、カウンターの端に設置してある電話の受話器を取る。
126 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:34:25 ID:wPWXAnUs
「はい、カフェ"COFFIN MAKER"です」
『どうも』
「お前か。どうした?」
親しげな口調。どうやら知り合いかららしい。
『今日任務の実行を言い渡されました』
「そうか…で、誰なんだ?」
相手は黙ってしまう。
「…そうか。『奴には言うな』って所なわけだ…」
すいません、と相手が小さく謝った。
「ま、お前が悪い訳じゃないし、気ぃ詰めないでいつも通りやりゃあ平気だろ?」
『はい。終わったら…』
「あぁ。エメラルドマウンテンと私の手料理位なら快くご馳走してやるさ」
そう言ってフューネルは電話の向こうに向かって微笑む。
『電話、します』
相手もそれが解ったのか明るい声で言った。
あぁ、と軽く返事をしてフューネルは受話器を置いた。
「不躾ですけど、彼氏とかですか?」
再び煙草に火をつけたところでマナが質問する。その目は何故かキラキラしているように見える。
「何でそう思ったの?」
そう聞き返されてマナはうーんと唸る。
「友達だよ。友達」
そう言って煙を吐いた。先程のマナとは対照的にその瞳は物憂げだ。
「な、なんか聞いちゃいけませんでした…?」
心配そうに聞くマナにいいや、と言って微笑む。
127 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:35:56 ID:wPWXAnUs
「ちょっとね、そいつの休業中だった仕事がついに営業再開してね…なんだかんだ言って結構何があるか分からない、そんな仕事だからさ…」
そこで言葉を切る。数瞬沈黙が店内を包んだが、思い出したように、まぁ、大丈夫だと思うけどと付け足した。
「珍しく弱気ですね。フューネルさんらしくないですよ」
シンジに言われて、だな、と一息吸って吐いた。
「じゃあもうそろそろ…」
日が傾き、空が青から赤へのグラデーションで色づく。
レイがマナの頬をふにふにと触って起こす。
「ほぇっ?」と言って慌てる姿がおかしく、皆笑った。
「店のおごりだ」
三人がそれぞれ財布を出したところでフューネルが告げる。
「え…?いやいやいくら何でも悪いですよ…」
申し訳なさそうに言ったシンジにレイが言う。
「…無粋よシンジ君。フューネルさん有難う御座います」
「良いってことよ」
いいんですか?とマナも聞いたが、ええ、と素敵な笑顔で返事をする。
「じゃ、ごちそうさまでした」
「どーもです」
レイは会釈をして店の外に出ると背後でフューネルが言う。
「またの御来店、御待ちして居ります」
三人はそれぞれの帰路を辿った。
128 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:37:59 ID:wPWXAnUs
「でさートウジ、何て言ったと思う?」
笑いを堪えながらレイに聞く。しかしそれは質問ではなく、ただの形式だ。わからないわ、とレイが言うと待ってましたとばかりにシンジはトウジの口調を真似て言う。
「漢らしゅうない!!だってさ」
ついに我慢できなくなったのか吹き出す。
ことのあらましはこうだ。
昨日国語をサボったトウジは宿題があったのを知らず、黒板に答えを書く役に当てられたのだ。
だがいきなり見て答えられるはずもなく、あの発言に至る。
トウジの方がよっぽど漢らしくないし、そもそも現国の担当教師は眼鏡が似合うちょぴり美人な女性だ。
「彼、変わってないわね…バカは治らないモノなのね…」
さらっと言うレイにシンジは庇う必要もないのに反論する。
「トウジもさ、やる時はやるんだよ?」
実際、一度だけ成績優秀者に名前が掲示されたことがある。まあそれも実は次赤点を取ったら危なかったトウジに、ヒカリがスパルタで試験勉強を手伝った結果だったのだが、それはまた別な話である。
「やっぱりお似合いだよね、あの二人」
冗談めかして今度はレイが反論した。
「鈴原君にはもったいないわ。彼女、家事全般こなせるし勉強も出来る。結構好意を持ってる人、いるのよ?」
129 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:39:28 ID:wPWXAnUs
だが、最後にこう付け足した。
「主に女子に、ね」
そうなの?と目が点になるシンジにレイは、あら私もその一人よ、と追い打ちをかける。
だがポカーンとして口を半開きにしながら歩くシンジにまた「冗談だから安心して」と付け加えてあげたことでシンジは普通に戻った。
─────瞬。
ぞくり、背中を百足がすり抜けるような、そんな感覚が二人を襲う。殺意か、はたまた悪意か。それは普通の人間が発するにはあまりに残酷な気配であった。
「───誰っ!?」
居るであろう存在にレイは振り向き様に怒鳴る。
「…………………」
反応は、無い。
二人の様子を窺っているのか、出てくる気配もしない。
「解ってるのよ。早く…」
と、言いかけたところですっ、と曲がり角から人影が現れる。それはレイと同じ制服を着ていて、その茶色い髪は少し癖っぽい、同年代の少女だった。
「霧島…さん…?なんで?どうかしたの?」
シンジは身構えていた体を緩め、今度は少し混乱したように質問する。
「なんで此処にいるの?」
レイは続いて、だか冷静に問いかける。
「えっ、と…もっと早く伝えなくちゃならなかったんだけど…」
そう言うと俯いてしまった。二人の顔色を窺っているようだ。
130 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:40:44 ID:wPWXAnUs
「なんのこと?」
話しやすくなるようにレイが促す。しばらくして、意を決したのかマナは再び話始めた。
「あのね…実は私…………」
「はわっ!!」
後に続く言葉を言い終えない内に間抜けな叫びが響きわたる。
「いたたたた………ん?」
声の主が無様なうつ伏せの状態から鼻を押さえながら起き上がると、目の前にいる三人の男女からの視線に気付く。
「そんなに見ないで下さい。見世物小屋じゃ有り得ません。それに恥ずかしいのですが…」
頭の左右は髪を丸め、チャイナ服のような物を身に纏う正体不明な女。その困ったような八の字眉がある顔から視線が外れることはなく、むしろ一層強くなる。
「もっと颯爽と登場するつもりだったんですが…彼女、ヤガランデのようにはいきませんか……いやはや彼女は格好からして格好良いですからね…」
「誰…?」
その饒舌ぶりにやっと冷静さを取り戻したレイが聞く。
「あ、あぁ、あぁ、申し遅れましたね」
そう言うと、ここだけでも格好つけて言いますか、と呟く。
すっかり油断している三人は次の言葉を聞いて驚くなど知る由もない。
女はすぅ、と一息吸って目一杯彼女なりの格好つけ方で名乗った。
「私は第四使徒、シャムシエル。お初にお目にかかります」
131 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:42:06 ID:wPWXAnUs
三人は、反応を取ることが出来なかった。聞き間違いであれば良いとも思った。だが、シャムシエルはそこに存在し、そして…またしゃべり始める。
「えー、っと…三人?おかしいですね…目標は男女の二人組だった筈…おかしい、一人多い。いや…でもまぁ、いいですかね。で、こちらも目的は果たしたいので」
ようやく一息つく。三人はそこでやっと身構え、緊張感が辺りを包む。
シャムシエルは指揮者のように腕をついっと挙げると宣言した。
「取り敢えず、殺し始めます」
腕を降ろす。
「我、アダムが為に」
ひうん、ひうん、という音とともに街路樹が奥から手前にどんどん<切れて>来る。
「ヤバイっ」
自分達が居る所から一番近くの樹が切れた。マナはすごい力で二人を曲がり角に突き飛ばし、自分も飛び込む。
マナは信じられない光景を目の当たりにする。飛び込んだ時に脱げた彼女の革靴が空中で輪切りにされたのだ。
「これは手に負えないわけね…」
憎々しげに言うとすぐさま体制を立て直し、鞄から小型の無線を取り出した。
「レイ、大丈夫!?」
「えぇ…霧島さんのおかげで…ありがと」
上半身を起こした二人はマナの知らない表情に多少驚く。
「ごめんね。そうゆーのは後でたっぷり聞くから…」
132 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:46:51 ID:wPWXAnUs
一瞬いつもの調子に戻り、右手を顔の前で"ゴメン"の形にして片目を瞑りそう言うと、舌をペロッと可愛らしく出す。しかし束の間、無線に向かって怒鳴った。
「遅いっ!!何やってたんだ!!…状況、敵と接触、使用している武器は不明。…さっさと持ち場につけ!グズグズすんな!!私を殺させたら手前ら、皆殺しだからな!!!!」
言い終えると無線からは『了解』と何人もの声が通信される。
「…ふう。言わなくちゃならないことはこれ」
マナはため息混じりに、面倒くさそうに頭を掻く。
「特務機関NERV作戦部部長葛城ミサトより、碇シンジ、綾波レイ両名の身辺の安全確保を依頼されました、戦略自衛隊特殊作戦第V部隊部隊長、霧島マナです」
「…………え?」
「それってどういうことなの?」
二人は理解できない様子でマナに詰め寄る。だがマナは取り合わず、鞄の中から拳銃を取り出し弾をこめる。
「とりあえず、あれ、居るからまた後でね」
そう言うと素早く角から姿を現した敵に照準を合わせた。
「逃げないで下さいよ…あ」
シャムシエルは後ろにつんのめったが、左足で踏ん張り体勢を立て直す。その額には、赤い斑点が付いている。
「銃が効かない!?そんなでたらめっ…!!」
133 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:47:57 ID:wPWXAnUs
マナの批判などより、痛みの方が嫌なシャムシエルはひたすらいたたたた、と額をさすっている。
「二人ともついてきて!!」
ビルの谷間の路地をマナが駆け出すと、一瞬遅れて二人がついてくる。
「はぁ、はぁ、き、霧島さん…何処に行くのさ…」
「シンジ君、お願いだから黙ってついてきて」
マナは少しも呼吸を乱さずにピシャリと言った。
「さっきの、本当なの…?あなたが…」
マナは状況を確認するために後ろを一瞥して、言った。
「本当よ」
「じゃあ…霧島さんは、任務のために…」
ガガガガ、と無線に通信が入る。
『こちら"ハウンドα"迎撃地点に到着、指示を請う。どうぞ』
『"コヨーテб"待機位置に到着、指示待つ。早く撃ちたくて我慢の限界だぜ隊長。どうぞ』
『"ジャッカルγ"…同前…退屈で死にそうな隊員がいる…。どうぞ』
報告を聞いてニヤッと笑う。
「いいか、てめーら。良いニュースと悪いニュースが在る。悪い事に奴には小口径のヤツは効かない…で、良いニュースはだな…どこぞやのマッドサイエンティストが原型とどめろと言ってやがったが、気が変わった。気にしないで好きなように……ブッ殺せ!!!!」
『了解』『待ってました!』『…了解…総員…照準を合わせろ…』
134 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:49:09 ID:wPWXAnUs
それぞれの班が返答した直後、レイの鞄が輪切りにされる。
「走るの嫌いなんですよ…なんてったって、疲労が蓄積されますからね」
徐々に狭まる両者の距離。次の攻撃で確実にレイが輪切りにされてしまうだろう。
「二人とも!そこ左に曲がって、真っ直ぐいって!!」
そう言うと素早く振り向き弾をありったけ迫り来る敵に打ち込む。
「!!」
失速はするものの、やはり倒せない。
だが距離はかなり離れたのでマナもすぐ左に曲がる。
谷間が開けて広場に出た。
後ろを一瞥するともーと言いながらシャムシエルが追いかけてくる。それを確認したマナは広場の中央まで行くと歩を止めた。
「あーどうしてくれんのよ!肝心の二人が居ないじゃないですか!」
憤慨して声を荒げるシャムシエルの前でマナが腕を天に掲げ、ビシッと人差し指で指し、呟く。
「作戦開始…」
ガサガサと辺りの茂みから音がなったかと思うと、弾幕がシャムシエルを包む。
「訓練じゃこんなに撃てねぇからな」
「あぁ、ちげぇねぇ」
「ん?何だ…?トリガーが急…」
異常は起きた。
次々と壊れゆく銃身、ある者は腕、ある者は脚、そして頭が、ひうん、と言う音と共に輪切られて行く。
血の海と化した広場には一人、マナのみが立っていた。
135 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 22:50:25 ID:wPWXAnUs
「あまり嘗めないで頂きたい…」
少しばかり体に血を滲ませ、シャムシエルはゆらりと歩を進める。
「く…こないで…」
一歩。
「あ…いや…」
腕を振りかぶる。
と、マナの体は重力を一瞬無視する。
目を開けると。
「自分から来てくれるなんて、飛んで火に入る夏の虫というか…良い心がけですね」
「一つ、聞きたいんです」
シンジはシャムシエルを見据える。
「無理な相談ですよ。そんなほいほいと喋れる立場じゃないですしね」
「そうですか…"ごめんなさい"」
とす、とシャムシエルは腹に違和感を感じる。
「自己犠牲なんて…できませんよ…」
涙が頬を伝う。
「自分を犠牲にしてまで…他人を生かしたくない…死ぬくらいなら…殺した方がましなん…です…」
嗚咽混じりの声は最後は消え入りそうなくらい小さくなった。
「な…んで…?絶対領域が…ナイフ一本で…?」
眉を顰めながら呟く。その膝はガクガクと揺れ、遂に倒れた。
「そっ…か…同じ…あの時と…運命は…変えられないんです…ね…」
シンジはマナを立たせると何処かへ歩いていった。
シャムシエルの体を中心に血が広がっていくにつれて、意識が混濁してゆく。
「あ…でん…わ…出来ない…で…」
第四使徒シャムシエル、死亡。
136 :
もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―:2006/01/24(火) 23:00:08 ID:wPWXAnUs
戦自のジープに保護されていたレイはふらふらとマナが向かってくるのが見えた。
しかし、シンジの姿は見当たらない。
「…霧島さん…シンジ君は…?」
「分からない…どっか行っちゃった…止められなかった…私…ゴメン。綾波さん…」
俯いたその頭が小刻みに震えていた。
「もっと早くに言うべきだったよね…騙すつもりじゃなかったの…任務とはいえ、綾波さんと碇君と過ごせて楽しかった…」
「…トモダチ。私とあなたはトモダチだから…気にしてないわ…だから、涙を拭いて…」
上げた顔には涙の線が幾つも引かれている。マナは両手でそれをこすって言った。
「…ありがとう、綾ちゃん」
店内に充満する美味しそうな香りは鍋から漂っている。
グツグツと音を立てるそれはシチューのようだ。おたまでかき混ぜてやると人参の赤とジャガイモの白がシチューに映えた。
蓋を閉め、顔を上げるとガラスの向こうに見慣れた姿。
「あいつ…碇くんか?」
そう疑問に思うのも無理はない。今のシンジはいつもの笑顔など無く、俯いて歩いている。
フューネルは店から出て呼び止めようとしたが既にいなかった。
仕方なく店に入り、煙草に火を点ける。
煙を吐きながらカウンターの端を見る。だが、電話口のカナリアは何時まで経っても鳴くことはなかった。
Erz:ahlungV
ENDE.
(´゚ω゚`)……………
(´゚ω゚`)さて、はたして見ている人が居るのか…
(´゚ω゚`)とゆーわけで『もう悲しみは、要らない―ReplayedFATE―』第参話でした。
(´゚ω゚`)安藤裕子はいいですね。
見てますとも。乙デス。
乙上
待ってましたお!
今回も面白かったです!次回もガンガってくらしぃ。
141 :
:2006/01/26(木) 17:50:05 ID:???
>>硫酸
レイとユイの嫁姑話を書かないなら、変わりに漏れが書いても良いですか?
>>142 良いですよ〜。
じゃあ僕はアスカとユイの嫁姑話書きます。
なぜ嫁姑にこだわるんだww
146 :
142:2006/01/30(月) 00:18:00 ID:???
>>143 トンクス!ガンガリます。
硫酸のアスカ編もwktkして待ってます。
ここは燃え重視じゃないのか?
148 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 00:58:17 ID:BEF6esnt
別に良いジャマイカ。
スレの方向性にこだわり過ぎるとマンネリになってつまらん。
向こうのそれが嫌で、ここにエクソダスしたんじゃないのかい?
って事で期待age
149 :
142:2006/02/01(水) 14:17:50 ID:???
ダメだ・・・書こうとしたけどなんか上手く出来ないorz
「バカシンジの癖に、アタシの料理にケチつけるんじゃないわよ!」
「だって、この味は酷いじゃないか!僕が教えた時、ちゃんと聞いてなかったの!?」
「うるさいうるさい!もういいわ。今日こそ、実家に帰れ!」
そう言ってアスカに追い出されたのが一時間前。
財布も持たせてもらえなかった僕は、アスカの言う通りにするのは悔しかったけど、
結婚するまで住んでいた実家に帰った。
「ただいま〜」
久しぶりに帰った実家は、懐かしく、恥かしい気持ちになる。
今では僕の倉庫兼追い出された時の避難場所となっている僕の部屋へと向かう途中、
居間に座っている母さんの背中が見えた。
僕は、つい愚痴を言いたくなった。
「母さん、聞いてよ、アスカってば・・・」
「シンジ、ちょっとそこに座りなさい」
「え・・・なんで?」
「いいから、座りなさい」
言われるままに、その場に座る。
振り向いた母さんは、眉間にシワを寄せて僕を睨む。
「シンジ、アスカちゃんを泣かせたんですって?」
僕は自分の耳を疑った。
「はぁ!?むしろ泣かされたのは僕だよ。味付け間違ってる料理たべさせられて、
無一文で外に放り出されて…」
「へぇ〜…そう。アスカちゃん、出ていらっしゃい」
隣の部屋から、シクシクと泣いている(演技をしているに決まってる)アスカが出てきた。
そして、僕は全てを悟った。見事に、はめられた・・・。
「アスカちゃん、泣いて飛び込んで来たのよ。味付け間違えて、怒鳴られたって…」
「そんな事してないよ!ちょっと、調味料が違うね、って言っただけで…」
「嘘!嘘ですおばさま!シンジ、私を怒鳴って、頬を思いっきり引っぱたいたんですよ!」
「えぇ〜!?」
「シンジ!女の子に手を上げるなんて、そんな子に育てた覚えはありません!」
「ちょ、ちょっと待ってよ母さん!何でそんなにアスカの言う事ばかり信じるのさ!?」
「アスカちゃんがそんな酷い子なわけないじゃない」
そう、母さんは未だにアスカの本性に気付いていない。
「幼稚園、小学校、中学高校と、ずっとアスカちゃんにお世話になったのは、あなたでしょ?
こんなに世話好きで良い子のアスカちゃんがあなたのお嫁さんになってくれたんだから、
もっと大事になさい」
「だから母さん、騙されてるんだってば!」
「酷い!私、大好きなシンジの為に一生懸命に頑張ってるのに!」
「謝りなさい、シンジ!」
「…ご、ごめんなさい」
なんで僕が謝ってるんだろう…そう思ったが、もう癖になっていた。
母さんの後ろで、アスカが邪悪な笑みを浮かべている。
でも、もう反抗する気力が起きない。もう、どうでもいいや…。
僕は時々思う。
アスカが僕と結婚してくれたのは、僕を召使いのように出来るからなんだ、と…。
妻と母が仲悪いのは困るけど、やたら仲が良いのは、それはそれで辛いものだと、僕は思う。
閉幕
書いてみました。お約束ネタです。
Erz氏がメインのスレなので、幕間の息抜きにいかがかしら?
乙。
実家に帰れにワロスww
これって学園エヴァの設定だよね?
名無しの誰かさんキタ――――(・∀・)―――――!!
でも微妙にスレ違い・・・かなぁ。まぁ、何でもアリだからいいのかな。
シンアスの結婚生活スレへの投下でも良かった希ガス。
正直に言えば、こういうアスカには(ユイにも)殺意が湧く。
LASにはこう言うのが多い気がするけど、気のせいかね?
殺意抱くほどの話じゃないし
>>157はなんでそんな喧嘩腰なん?
世の中には一見仲悪そうだけど、心の底では信頼しあってるカップルなんてざらにいるよ?
漫画版エヴァのアスカだって、登場した時似たような事してるし、
おまいの脳内補正でアスカがどんな人物になってるか知らんが、殺意とか軽々しく言うなや。
俺はユイがアスカと仲良いのは好感触だった。こういう嫁姑っているよ。
子離れ出来てない母親なんて見たくないしね。
って事で名無しの誰かさん乙。
まぁ、シンジが割を食ってアスカだけ何故かいつも得をするってパターンが多いのはたしか
しかも、シンジから搾取するって形が多い。
所詮フィクションなんだからこんなカップルもあるだろう。気にするなよ。
一瞬の楽しい情景が切り取れればそれでいいんだから。
リアルなら絶対に長続きなんかしない形ではあるがね。
>>159 喧嘩腰のつもりはなかったんだが、そう見えたなら俺の書き方が悪かったんだ。スマン。
>おまいの脳内補正でアスカがどんな人物になってるか知らんが、殺意とか軽々しく言うなや。
別に、本編のアスカに、どうこうというのはないよ。
>>161氏の言うように、LAS作品の傾向が、アスカばかりが得をして、その割を
シンジが食う。ってパターンが、昔に比べて"随分と増えている気がする"んだ。
しかも、シンジの逃げ道を塞いだ上でね。
シンジの心情については、アスカ至上主義から、諦念を持っている物まで様々だが。
ともあれ、ちょっと感情に流されて、不快にさせるような書き込みをしてスマンかった。
意図的に性格悪く書いてるのだから、ムカつくキャラだ、というのは書いた人の狙い通りじゃないの?
ある種の褒め言葉に近いものがあると思うんだが。
>>162 いや、こちらこそスマソ…てっきり結婚生活の性質悪い人が
彼に粘着してるのかと思ったんだorz
>>163の言う通りかも試練。
役者がドラマとかで悪い役をやって、
視聴者からカミソリの刃を送られたら大成功、みたいな事だな。
ここは礼儀正しいインターネッツですね
シンジはそれでもアスカを好きなんだな〜って思った。
硫酸のは、女を男にとって都合の良いモノとして
書いてないから好き。
結婚生活で書いてた三人の回想話とか
女の汚い部分まで書いてて、鳥肌立った。
そして女の私としては、硫酸のシンジに萌えるのですよ。
自演乙
>>166 ちょっwおま、その名前出すと荒れるから、みんな「名無しの誰かさん」て呼んでたのにww
あと結婚生活でも書いたけど、彼をやたら誉めるのは禁止だ。
167のように、自演だと思われて、彼の立場を悪くするだけ。
いや、俺は彼が自演する奴じゃないと信じて言ってるが、もし本当に自演だったら・・・
絶対許さん。
>>166 >>150-152 の何処を見て、「シンジがアスカを好きだ」と言えるのか、俺には解らん。
結婚したくらいだから、嘗ては好きだったんだろうけど、あの状況では離婚も出来ないし、
事ある毎に、"悪者は自分"って実の親からさえ信じて貰えない状況で、好きでいられる
わけがないと思うが?
ロジックじゃないのよね。男と女って。
人がギャグ物として書いた話をマジに議論しないでよww
>>163氏の言う通り、「うわっ、このアスカ嫌なヤツだな〜」って思うのは間違いじゃない、
というか書き手としては狙い通りで嬉しいわけなのデスヨ…。
ただシンジがアスカを好きだ、という設定で書いたのは事実デス。
世の中には「なんでお前そんな嫌なヤツと付き合ってるの?」って人いますから。
でも本人は、その嫌な所以上に惹かれる部分があるから付き合ってるわけで、
だけどそれは当人同士にしか理解出来ない領域だから、周りから見て不思議に見える。
だから、
>>169さんのように理解出来ないのも、決して間違いじゃないんデスヨ。
って事で、空気悪くなる前に喧嘩とか議論おしまいにしません?
どんな感想を持ったにせよ、今の所全部正解だと、僕は思います。
まぁ、作ろうとしたモノと出来上がったモノは別モノだってことだね
俺の彼女がこういう女だ…
母親と仲良くてさ、このシンジが他人に思えん。
硫酸も同じ境遇なのかい?
言うなww照れるジャマイカ(*´Д`)
鋼鉄2の4コマにありそうなネタだな
いや、ないと思うよ
隔離スレage
200いかずに放置かよ
こっち使えよ
誰でも小説書いて。
ここでいいじゃん
糞の晒しage
保全さげ
うんこage
保守
ウヘヘ
書けばぁ?
190 :
使徒、襲来:2006/04/20(木) 02:42:19 ID:???
時に2015年―
少年は父に呼び出され第三東京市へ来ていた
『東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。住民の方々は速やかに指定のシェルターへ非難してください。』
『現在すべての普通回線は不通となっています』
「電話つながんねぇ…待ち合わせは無理か。しょうがねぇな。シェルターへ行くか。」
ドォーン!!
「うわっ!…なんだありゃ!?」
「15年ぶりだな」
「ああ。間違いない。使徒だ。」
ミサト、シンジの前に到着
「お待たせ!早く乗って」
「お?おう!」
二人はN2地雷に巻込まれ車ごとドォーン!
「いた…大丈夫?」
「なんとかね…」
「よかった。車起こすの手伝って…せ〜の!」
「「おりゃ!」」
「どうもありがとう。」
「全然いいっすよ!葛城さん!」
「ミサトでいいわよ〜。改めてよろしくね!碇シンジ君!」
「おぅヨロシク!ミサト!」
(呼び捨てかよ…まぁいいか…)
191 :
使徒、襲来:2006/04/20(木) 02:58:47 ID:???
「特務機関ネルフ?」
「そう、国連直属の非公開組織。」
「親父のいるとこっすよね?」
「お父さんの仕事知ってる?」
「シラネ。興味ないから。」
「淋しいこと言うわね…」
「本作戦の指揮権は君に移った。お手並みを見せてもらおう。君なら勝てるかね?」
「そのためのネルフですから!初号機を起動させる。」
「パイロットがいないぞ?」
「問題ない。予備が届く」
再びミサトとシンジ
「これから親父んとこへ行くんすか?」
「そうなるわね。これ読んでてね!」
ネルフのパンフレットを受け取る
「?もしや俺も何かするとか?用もないのに親父が手紙くれるわけないしなぁ」
「お父さんが苦手なのね…私と同じね…」
「うっわ〜すげ〜!これがジオフロントってやつ!?」
「そう。これが私たちの秘密基地ネルフ本部。世界再建の要…って聞いてないわね…」
「すげ〜!俺すごい体験してる?カメラ持ってこればよかった〜。」
192 :
使徒、襲来:2006/04/20(木) 03:15:23 ID:???
「さっきから同じとこ歩いてねぇ?」
「うるさいわね…黙ってついて来なさい」
「ミサト!また迷ったわね。」
「あ…リツコ…でへ」
「時間も人手もないのよ……例の子ね?」
「そう。マルドゥックの報告書によるサードチルドレン」
「赤木リツコよ。よろしく。」
「はぁ…」
「では冬月後を頼む」
「3年ぶりの対面か。」
ゲイジへ着くシンジ
「真っ暗だぞ?」
明かりがつく
「デカッ!顔?ロボット!すげぇ…」
「究極の人型汎用決戦兵器。人造人間エヴァンゲリオン。我々人類の最後の切り札」
「これも親父の仕事?」
「そうだ。久しぶりだな。シンジ。」
「あっ親父だ。」
「出撃。」
「出撃?初号機を使うつもり?パイロットがいないわよ?」
「さっき届いたわ。碇シンジ君。あなたがこれに乗るのよ。」
「は?」
「レイでさえシンクロするのに7ヵ月もかかったのよ。今来たばかりのこの子には無理よ!」
「座ってればいいわ。使徒殲滅が最優先。そのためにはエヴァに少しでもシンクロ可能と思われる人間を乗せるしかないわ」
193 :
使徒、襲来:2006/04/20(木) 03:25:15 ID:???
「親父の呼んだ理由ってこれかよ?俺がコレに乗ってさっきの奴と戦えってか?」
「そうだ」
「おいおい…勝手すぎるだろ?今更なんなんだよ!なんで俺なんだ!」
「必要だから呼んだまでだ。他の人間には無理だからな」
「ちょっ俺にも無理だろ!初めて見るのに早速実戦てよ…」
「説明を受けろ」
「そうゆう問題?無理無理!無理でしょ?」
「乗るなら早くしろ。でなければ帰れ!」
またドォーン!
「ここに気付いたか…」
「シンジ君乗りなさい」
「え〜でも〜」
「でも〜って、何のためにここに来たの?ダメよ逃げちゃ!お父さんから、何より自分から!」
「別に逃げてるんじゃなくて普通に考えてさぁ〜ねぇ?」
「冬月。レイを起こせ」
「使えるか?」
「死んでいるわけではない」
194 :
使徒、襲来:2006/04/20(木) 03:37:47 ID:???
「レイ、予備が使えなくなった。もう一度だ。」
「はい…」
またまたドォーン!
「キャア…」
「あっ!」
レイに駆け寄るシンジ。抱き抱える
「うっ…あぁ…ぐっ…イタタ…い〜た〜い〜」
「(痛そう…)おい…大丈夫かよ? うわ…血出てるよ?(こんな傷だけの子に乗せれるかよ…)乗るよ……俺が乗る!」
「よく言ったわ!シンジ君!」
「見てろ親父!俺がぶっ倒してやるよ!」
「初号機発進準備完了!」
「本当にいいんですね?」
「構わん。使徒を倒さなければ我々に未来はない」
「発進!」
「エヴァゲリオンリフトオフ!シンジ君今は歩く事だけ考えて」
「歩く…あっ歩いたぞ!俺すげぇ」
「シンジ君ちゃんと前向いて!」
「あっ」ビルに激突し転ぶ初号機
「しっかりして!早く起き上がるのよ!」
「あせんなって…」
使徒に腕を掴まれる
「うわぁぁ!」
「シンジ君落ち着いて!掴まれてるのはあなたの腕じないのよ!」
「でも実際痛いしぃ!!」
「エヴァの防御システムは?」
「シグナル作動しません!右腕損傷!」
「シンジ君よけて!」
「い?うあぁぁぁ!」
「頭部破損!パイロット反応ありません!」
「プラグ強制射出!」
「ダメです!完全に制御不能です!」
「なんですって!」
がしかし―
ウォォォォー!!
「初号機再起動…」
「まさか暴走?」
暴走により使徒殲滅
病室で目覚めたシンジ
「ありゃ?」
「シンジ君が気付いたそうよ。外傷はないみたいだけど。少し記憶に混乱があるみたい」
「そう…」
シンジのとこへ向かうミサト
「お!ミサト!」
「シンジ君。元気そうね…」
「まぁね!丈夫だから!」
「あはは…そうそう、シンジ君の部屋決まったわ。個室だけど。お父さんと暮らしたいなら…」
「いいです。一人のほうが気楽だし。」
「ん〜(なんか可哀相ね…)私のとこ来る?」
「まじ?行く行く!(綺麗なお姉さんと暮らせるのか?俺最高?)」
シンジとミサトは一緒に暮らすことになった
「ちょっち散らかってるけど気にしないでね?」
「これがちょっちかよ?」
「食べ物は冷蔵庫に入れといて〜」
「ビールばっかじゃん…大丈夫かミサト」
「くぅぅ!やっぱ人生この時のために生きてるようなものよね〜!」
「それ寂しすぎ…もっとなんかないの?」
「いいの!私はこれが幸せなの!いちいちうるさいわよ!」
「へいへい…でもこれからはその幸せ、少し減らしていただきますよ。」
「どうしてよ?」
「酒臭いの嫌だから。」
「おはようシンジ君調子はどう?」
「元気満々シンジ君です」
「そうよかったわね…エヴァの出現位置、非常用電源。兵装ビルの配置、回収スポット頭に入ってるわね」
「ん〜多分ね」
「ちゃんと覚えなさい。じゃあ昨日のインダクションモード始めるわよ。目標をセンターに入れてスイッチオン」
「しかしよく乗る気になってくれましたね。」
「あの子は楽しんでるんじゃない…?」
「目標をセンターに入れてポチッとなぁ…目標をセンターに…」
そしてある日ミサト宅
「おい朝だぞミサト!」
「うぅ…さっきまで当直だったの…だから寝かせて。あっ燃えるゴミお願いね。」
「はいよ。」
「学校は慣れたぁ?」
「まぁぼちぼち。じゃあ行ってくるわ。」
「行ってらっしゃい」
プルル…
「はぃもしもし…あぁリツコ」
『どう彼氏とうまくいってる?』
「まぁなんとか慣れたわ…でも転校して二週間、彼に携帯持たしたのに今だ誰からも電話ないみたい。あいつ友達いないのかしら?」
『ちょっと変わった子だものね…彼』
学校―
『碇君がロボットのパイロットってほんと?Y/N』
(誰だ?まぁ本当だからな)
『YES』
「「え〜!!」」
「ちょっと授業中よ!席に着いてください!」
「ねぇどうやって選ばれたの?」「テストとかあった?」「怖くなかった?」
「秘密なんだよね〜!」
「ロボットの名前は?」
「スーパーガンダム」
「なんか聞いた事あるな…必殺技は?」
「ビックバンアタックと言うビックバンなアタックなんだ〜」
「「おぉ!!」」
「おい転校生。ちょっと付き合ってくれんか?」
トウジに呼び出されたシンジ
「すまんな転校生。ワシはお前を殴らなあかん。やないと気ぃすまんのや。」
「悪いね。こないだの騒ぎであいつの妹怪我しちゃってさ。そうゆう事だから」
殴られるシンジ
「ちょいちょい待て!話合おうじゃないか!暴力は…」
そこへレイがやって来た
「非常召集。先行ってるから。」
「そうゆう事なので…さいなら〜!」
シンジはその場から走って逃げた
「目標を光学で捕捉。領海内に進入しました!」
「総員第一種戦闘配置」
「トウジお前は碇の戦いを見る義務がある!あいつがいなかったら俺たち死ぬんだぜ」
「しゃあないな」
「エヴァンゲリオン発進!」
外に出て来たトウジとケンスケ
「待ってました!」
「目標をセンターに入れてポチッと…」
「バカ!爆煙で敵が見えないわ!」
攻撃を受ける初号機
「もうやられとるやないか〜」
「トウジに殴られたのが効いてるんじゃ」
「うるさいわい!」
「アンビリカルケーブル断線。内蔵電源に切り替わります」
そして初号機は飛ばされる
「こっち来る」「「うわぁぁ!」」
「シンジ君のクラスメイト?シンジ君二人を操縦席へ。回収後、一次退却!」
プラグに入る二人
「なんや水やないか…」「カメラが…」
「今よ退却して!」
「なんや逃げろ言うとるで?」
「男は度胸!!」
「プログレッシブナイフ装備!」
「なんでぇ!?シンジ君命令を聞きなさい退却よ!」
「おりゃゃ行け〜!」
「あのバカ…」
が勢いで使徒殲滅に成功
「どうして私の命令を無視したの?」
「だっていけると思ったから…」
「あなたは私の命令に従う義務があるの。わかるわね。」
「へい」
「あんた本当にわかってるんでしょうね!?」
「へい」
「さっきから何よその返事は!」
「分かったって!もういいだろ!勝ったんだし!俺の力でね♪」
「そんな気持ちでエヴァに乗ってたら死ぬわよ」
「え?死ぬの?」
「そうよ。ふざけるのもいい加減にしなさいよ!」
「ごめんなさい。許してください。ちゃんとしますから…うぅ…」
ミサトにすがりつきがら泣くシンジ
「あぁわかればいいのよ…」
ミサトとリツコはシンジについて話す
「あの子にとってエヴァに乗る事は遊びなのよ…あんなんじゃいつか死ぬわよ…」
「死なせたくはないけどパイロットは必要よ。あの子でもね…」
そのころシンジは
「へっくしょん!誰だ俺の噂をする奴は?」
つづく
「みんなええ乳しとんなぁ〜」
「鈴原の目付きヤラシ〜!」
「おっセンセっ!なに熱心な目で見てんねや?」
「綾波か?もしかして!」
「ケンスケ君正解!」
「綾波の胸、綾波の太股、綾波の…
「「ふくらはぎぃ」」
「そんな風に見てねぇよ。お前らと一緒にすんな」
「じゃあなんで見てんだよ」
「ワシの目は誤魔化されへん!」
「アイツなんでいつも一人なんだ?」
「そない言うたら一年の時転校して来てから、ずっと友達いてへんなぁ」
「エヴァのパイロット同士だろ?シンジが一番よく知ってるんじゃないの?」
「あんまりしゃべった事ないんだよな」
レイのマンションへ行くシンジ
「開いてる?綾波ぃ?いないのか?入っちゃうぞ?」
勝手に入るシンジ
「ん?綾波の眼鏡かな?壊れてるし…」
後ろから物音がし振り返ると、裸のレイがいた
「あぁ…」
近付いてくるレイ
「待て!俺はそんなつもりはない!俺たちには早すぎる!」
シンジがかけている眼鏡を奪う。がシンジは体勢を崩しレイの上に覆いかぶさる
「キモイからどいてくれる?」
「え?おぉぉ!ごめん!」
乳に触ってるのに気付き慌てて飛び退く
「なんか用?」
「あっリツコさんに頼まれてカード届けに来たんだ。あっさっきのわざとじゃないからな?な?」
「わかったからさっさと出て行って」
「はい…」
(完全に嫌われたな。でもあれは不慮の事故だ。俺は悪くない)
本部前でレイに会う
「さっき肝心なカード渡すの忘れてたわ。はい。さっきはごめん」
「なにが?」
「は?(もう忘れたの?まぁいいけど)」
「なぁ綾波。怖くないの?零号機に乗るの。前実験で大怪我したんだろ?」
「私に怖いものはないわ。」
「お前カッコイイな!」
「そう?」
使徒が現れた
「初号機発進!」
「目標内部に高エネルギー反応!円周部を加速、収束していきます!」
「だめよけて!」
「あ?…うぁぁぁあ!!」
「パイロットの容態は?」
「身体に異常ありません。」
シンジが寝ている間にヤシマ作戦の準備が進んでいた
シンジの病室に食事を運んできたレイ
「明日午前0時より発動されるヤシマ作戦のスケジュールを伝えます」
「は?」
「碇、綾波の両パイロットは、本日1730ケージに集合。1800初号機および零号機起動。1805発進。同30、二子山仮設基地到着。以降は別命あるまで待機。明朝日付変更と同時に作戦行動開始」
「急に言われて覚えれるか!」
「寝ぼけてその恰好でこないでね。」
「あ?イヤン!」
「食事」
「あっさりスルーかよ。ツッコメよ!恥ずかしいだろ!」
「60分後に出発よ。はよ食え」
「えぇすぐじゃん。休ませろよ…」
「じゃあ寝てたら?初号機には私が乗るわ」
「またカッコイイ事言ってるけど初号機は譲らねぇ」
「あっそ。じゃ葛城一尉と赤木博士が待ってるから。さよなら〜」
そして二子山
「本作戦における各担当を伝達します。シンジ君初号機で砲手担当。」
「イエッサ!」
「レイ零号機で防御担当」
「はい」
「これはシンジ君と初号機のシンクロ率の方が高いからよ。」
「任せな!」
更衣室―
「失敗したら死ぬんだな…」
「どうしてそうゆう事いうの?あなたは死なないわ」
「え?」
「私が守るもの」
「お前カッコイイ事ばっか言うよな!」
そして作戦決行前
「なぁ綾波はなんでこれに乗ってるんだ?」
「絆だから」
「絆?誰との?」
「みんなとの。」
「やっぱお前カッコイイよ」
「私には他に何もないもの」
「何もない事ないだろ?」
「時間よ…行きましょ。………アディオス…」
そして作戦は成功するが零号機は大破。エントリープラグを抜き高熱のハッチを開けるシンジ
「綾波!大丈夫か?お前…別れ際にアディオスはないだろ!」
笑い転げるシンジ
「ごめんなさい…こんな時どう絡んだらいいかわからないの…」
「一緒に笑えばいいと思うよ!」
「「あはははは!」」
空に二人の笑い声が響いたとさ
つづく
シンジ、トウジ、ケンスケ、はミサトに連れられオーバー・ザ・レインボーに来ていた
「おおぉ!すごい!すごすぎるぅ!」
戦闘機やらで溢れる光景にカメラを回しながら興奮するケンスケ
突風で帽子が飛ばされ後を追うトウジ
「止まれ!止まらんかい!おっ!」
帽子は誰かの足にひっかかり止まるがその足に踏みつぶされる
「ヘロォ!ミサト。元気してたぁ?」
帽子を引っ張るトウジをまるで無視
「まぁね。あなたも少し背伸びたんじゃない?」
「他のところもちゃんと女らしくなってるわよ!」
「紹介するわ。エヴァンゲリオン弐号機の専属パイロット。惣流・アスカ・ラングレーよ」
その時風がアスカのスカートをめくり上げた
「おぉ!白!」
だが三人の男はアスカのビンタをくらう
「なにすんじゃい!」
「見物料よ。安いもんでしょ」
「うん確かに安いな。」
シンジは納得したがトウジは
「そんなもんこっちも見せたるわ!」
ズボンと一緒にパンツも下ろす
「キャー!エッチヘンタイ!」
トウジ殲滅
「はぁ…で噂のサードチルドレンは?まさか今の奴とか…」
「違うわ。この子よ」
シンジの顔をジッと見るアスカ
「ふ〜ん…冴えないわね。」
「あん?どうゆう意味だ?」
「そのまんまの意味よ」
(なんだコイツ。喧嘩売ってるな?女だから許してやるよ)
艦長と話しをするミサト。寒い雰囲気になる。
「相変わらず凛々しいなぁ」
「加持先輩!」
加持登場にミサトの顔色が変わる
ところかわって食堂
「で今付き合ってる奴いる?」
「それがあんたに関係ある?」
「つれないな…君は葛城と同居してるんだって?」
「そうっすよ」
「彼女の寝相の悪さ直ってる?」
「「「えぇ!」」」
「相変わらずか?シンジ君」
「相変わらず…もう毎日グダグダですよこの人ってなんで俺の名を?」
「そりゃこの世界で君は有名だからな。訓練なしで行きなり実戦でエヴァを動かしたサードチルドレン。」
「まぁ偶然さっ」
「偶然も才能だよ君の」
「まぁね!」
誇らしげにするシンジをアスカはずっと睨んでいた
空母の上甲板。加持とアスカ
「どうだ?碇シンジ君は」
「つまんない子。あんなのがサードチルドレンなんて幻滅」
「しかしいきなりの実戦で彼のシンクロ率は40を軽く越えたそうだ。」
「ウソッ?」
「サードチルドレン!ちょっと付き合って」
アスカに弐号機の輸送船に連れていかれたシンジ
「ほぅ。赤いんだ?弐号機もなかなかカッコイイな。」
「ふん!所詮あんたの初号機はテストタイプ。訓練なしのあんたにシンクロするのがいい証拠よ!でも弐号機は違うわ!これこそ実戦用に造られた世界初の本物のエヴァンゲリオンなのよ!制式タイプのね!」
「ただの自慢しいかよ!」
ドーン!
「水中衝撃波?爆発が近いわ」
甲板にでる二人
「使徒だな。」
「あれが本物の?」
「どうするよ??」
「チャーンス!」
「あ?どうするんだ?」
「そこで待ってなさいよ!」
階段下で着替えるアスカ。シンジは覗く。がバレた。
「キャー!覗かないでよエッチ!…たくなんで男の子はバカでスケベなのかしら」
プラグスーツに身を包み真剣になる
「アスカ行くわよ」
シンジまでアスカとお揃いのスーツに着替えさせられる
「おい…これ股間がキツイぞ!」
「どこ押さえてんのよヘンタイ!」
「仕方ねぇだろ!で俺に何させる気?」
「あんたも一緒に弐号機に乗るのよ!」
「二人でエントリーって事ね?だがミサトの許可は?アイツ命令無視したら怖いぜ?」
「いいの!勝ったらもらうわ」
そしてプラグイン!
「ん?どうした?」
「思考ノイズ。邪魔しないでよ。」
「はぁ?何もしてねぇし!」
「あんた日本語で考えてるでしょ?ちゃんとドイツ語で考えなさいよ!」
「ドイツ語ドイツ語……デスピサロ?」
「はぁ?何言ってんのよ?バカ?もういいわ。日本語をベーシックに…」
「最初からそうしろよ!バカ!」
「うるさい!バカ!エヴァンゲリオン弐号機起動!」
「ナイス、アスカ!」
艦長とまたもめていたミサトが言った。
ナイフを構える弐号機
だか使徒に水中へと押し倒される
「おい!ヤバイんじゃないか?」
水中で弐号機は操縦不能になってしまう
それを必死に動かそうとシンジはアスカ上に乗りかかりレバーを引く
「私の弐号機を勝手に動かさないでよ!」
「うるせぇ!」
「ちょっとどこ触ってんのよ!どきなさいよ!」
ポカポカとシンジの頭を叩く
「イテぇな!おとなしくしろよ!」
使徒につかまってしまう弐号機
『シンジ君アスカ!戦艦で零距離射撃をするわ!使徒の口を開くのよ!』
「だって!聞いたか?」
「聞いたわよ!」
「開けぇ!口!開けぇ!口!開けぇ口!開け…」
「あぁもう!うっといしいわね!!ふざけてんの?」
「すまんすまん!」
「「開け開け開け」」
「開いた!」
開いた使徒の口に戦艦2隻による射撃により使徒殲滅
そして後日アスカはシンジ達の通う中学校へ転校してきた。
「惣流アスカラングレーです!よろしく!」
「うっへぇ…マジかよ?」
シンジはあの日以来アスカを毛嫌いしていた
つづく
「ヘロォ!シンジ。グーテンモルゲン!」
「げ…グテングテン…?」
「はぁ?朝から辛気臭い顔して。この私が声かけてるのよ?ちったぁ嬉しそうな顔しなさいよ。」
「いっ…お前に声かけられたからだろ…」
「なんか言った?」
「いや…何も。嬉しいなぁ!朝から惣流さんと話せるなんてぇ!嬉しいなぁ!」
アスカに殴られるシンジ
「わざとらしさが見え見えでムカツクわ…でここにいるんでしょ?もう一人」
「イテ…誰がだよ?」
「あんたバカァ?ファーストチルドレンに決まってんじゃない!」
「あぁ綾波なら、ほら…」
レイの読む本の上に影がかかる。それを避けるがまた影になる。
「ヘロォ!あなたが綾波レイね?プロトタイプのパイロット。」
視線だけをアスカに向けるレイ
「あたし惣流アスカラングレー。エヴァ弐号機のパイロット。仲良くしましょ。」
「嫌だと言ったら?」
「どしうしてよ?その方が都合がいいでしょ!」
「そうなの?都合がいいならそうするわ。」
「そりゃどうも…(なんか変わった子ねぇ…)」
そして使徒が現れた
「今回は上陸直前の目標を水際で一気に叩く!初号機ならびに弐号機は交互に目標に対し波状攻撃。近接戦闘で行くわよ」
「「了解」」
「あ〜あ日本でのデビュー戦だって言うのにどうして私一人に任せてくれないの」
「心配すんな!俺がお前をたててやるよ!」
「はいはい。くれぐれも足手まといにならないでね。」
「はいよ!」
「なんであんなのがパイロットに選ばれたの…」
「来たぞ!」
「攻撃開始!」
「じゃ私から行くわ!援護してね!」
「オッケィ任せな!」
「行ける!」
使徒を真っ二つにした弐号機
「おぉカッコイイ!」
「どうサードチルドレン。戦いは常に無駄なく美しくよ」
「アスカ動いてる!」
「えぇ?」
「なんてインチキ!」
「二対に分離した目標甲の攻撃を受けた初号機は駿河湾沖合2キロの海上に水没。同二十秒。弐号機は目標乙の攻撃により活動停止。この状況に対するE計画責任者のコメント」
「ぶざまね」
「あんたのせぃでせっかくのデビュー戦がメチャメチャになっちゃったじゃない!」
「はぁ?俺のせいにする気?お前が突っ走るからだろ?」
「どうしてグズのあんたがそんな事言えるのよ!ズゥズゥしいわねぇ。」
「あぁ調子にのんなよ?」
「あんたでしょ調子に乗ってるのは!」
「まったく恥をかかせおって…君達!いいか。君達の仕事はなんだかわかるか?」
「「エヴァの操縦」」
「違う使徒に勝つ事だ。そのためには君達が協力しあってだな…」
「なんでこんな奴と!」
「おぃ!こんな奴ってなんだよ!」
「もういい…」
「どうしてみんなすぐに怒るの?」
「大人は恥をかきたくないのさ。」
かわってリツコとミサト
「私のクビが繋がるアイディア持って来てくれたんでしょ?」
「一つだけね」
「さっすがリツコ博士!心優しき旧友ね」
「このアイディアは加持君よ」
「加持が?」
学校から帰宅するシンジ
「ただいまんまん!」
一人で元気に言うシンジ
「なんじゃこりゃあ!」
「失礼ね。あたしの荷物よ。」
「お前…何故ここにいる?」
「あんたこそ。まだいたの?」
「はっ?」
「あんた、今日からお払い箱よ。ミサトはあたしと暮らすの。ま、どっちが優秀かを考えれば当然よね。」
「そんなの聞いてねぇし!ってあぁ!俺のガンダムがぁ!」
廊下に追いやられたシンジの荷物
「しっかし、どうして日本の部屋は狭いのかしら。荷物が半分も入らないじゃない。おまけにどうして日本人は危機感足りないのかしら。よく鍵のない部屋で暮らせるわね。」
「日本人の心情は察しと思いやりだからよ」
「「ミサト?」」
「早速うまくいってるじゃない!」
「「何が?」」
「今度の作戦準備」
「「どうして?」」
「第七使徒の弱点はひとつ!分離中のコアに対する二点同時の荷重攻撃!エヴァ2対のタイミングを完璧に合わせた攻撃よ。そのためには二人の完璧なユニゾンが必要なの。そこであなたたちにこれから一緒に暮らしてもらうわ。」
「「えぇぇ!」」
「イヤよ!昔っから男女七歳にして同衾せずってね!」
「そうだそうだ!」
「使徒は現在事故修復中。第2波は6日後、時間がないの」
「そんな…無茶な…」
「無茶を可能にする方法!完璧なユニゾンをマスターするためにこの曲に合わせた攻撃パターンを覚え込むのよ!六日以内に一秒でも早く!」
「えぇ…俺たちでいけるのかぁ?」
「大丈夫よん!」
「シンジのやつ学校休んでもう三日か」
「あれ?委員長やないか?」
「三馬鹿トリオの二人…」
「なんで委員長がここにおるんや?」
「惣流さんのお見舞い。あなたたちこそどうしてここに?」
「碇君のお見舞い」
「「「どうしてここで止まるの(んや)」」
ピンポーン「「はーい」」
「裏切りもん…」
「今時ペアルック…イヤーンな感じ」
「「これは無理やりミサトが…」」
「不潔よ二人とも」
「「誤解だ(わ)」」
「あら、いらっしゃい」
ミサト宅―
「で、ユニゾンはうまくいってるんですか?」
「見ての通りなのよ。」
「「「はぁ」」」
「あたりまえじゃない!このシンジに合わせてレベル下げるなんてうまく行くわけないわ!どだいむりな話なのよ!」
「おい!お前に合わせてレベル上げた方がうまく行くわけないだろ?」
「そうよアスカ。シンジ君に合わしてあげて。」
「どうして私が!」
「…レイ。やってみて」
「はい」
息ピッタリな二人
「作戦変更してレイと組んだ方がいいかもね」
「もう嫌!やってらんない!」
アスカは部屋を飛び出した
「い〜か〜りく〜ん!追いかけて!」
「なんで俺が?」
「女の子泣かせたのよ!責任とりなさいよ!」
ヒカリの迫力に負けアスカを追うシンジ。コンビニで発見
「おい…」
「何も言わないで。わかってるわ。私はエヴァに乗るしかないのよ…やるわ私」
コンビニを出た二人は公園にいた
「こうなったらなんとしてでもレイやミサトを見返してやるのよ!」
「おう!その意気だぜアスカ!」
「そうよ!傷つけられたプライドは10倍にして返してやるわ!」
「10倍と言わず1000倍に返してやれ!」
「ふん!あんたもたまにはいい事言うわね!よし!1000倍返しよ!」
「よっアスカ!カックイイ!」
二人は意気投合!
それからユニゾン特訓はスムーズに進んでいった
作戦前夜―
「ミサトは?」
「仕事。今夜は徹夜らしい。電話あった。」
「じゃあ今夜は二人っきりってワケね。」
「あ?」
アスカは布団をミサトの部屋へ持って行く
「これは決して崩れる事のないジェリコの壁!」
「ジェリコ?誰それ…?」
「人じゃないわよ…いい?この壁をちょっとでも越えたら死刑よ。子供は夜更かししないで寝なさい!」
そう言ってアスカは襖を勢いよく閉めた
「おぉコワッ!」
そして夜中―
アスカが急に部屋から出てきた。起きてたシンジは寝たフリをする。アスカはトイレに行ったようだ。だか―バサッ。シンジの前にアスカが寝ている。
シンジは驚くが…アスカの強調された胸に目がいく
「ちょっとくらいなら…」
アスカの胸に手を伸ばす。指先が触れた。
「柔らかい…」
「ママ…」
「ギクッ!」
アスカの顔を見る。寝言を言って泣いている。
「寝言か…なんで泣いてるんだ…」
シンジはアスカの頭を撫でながらアスカの寝顔を見ていた
「自分だってガキじゃねぇか…」
翌朝―
「キャー!なんであんたがここで寝てるのよ!」
横で寝ていたシンジを蹴り転がすアスカ
「いてぇ!てかここ俺の布団だし!」
「え?あっなんであたしがここで寝てんのよ!」
「お前が自分で俺の布団に来たんだろ!」
「ウソ!…あんた何もしてないわよね?」
「し、してない!てか早くネルフ行かないとな?」
「まぁいいわ。後でたっぷり聞くから」
そして作戦決行。完璧なユニゾンにより使徒殲滅。そして
「ちょっと!私の弐号機になんて事するのよ!」
「俺の初号機になんてことすんだ!」
「うるさい!最後にタイミング外したのそっちでしょ!普段からボケっとしてるからよ!昨日夜だって寝ないで何してたの?」
「音楽聞いてただけだ!」
「ふん!私が寝てるスキに唇奪おうとしたんじゃないの!?」
「違う!乳触っただけだ!」
「ひっどぉーい!!最低!」
「あっウソウソ!触ってないって!」
「エッチ!チカン!ヘンタイ!信じらんない!」
「お前が俺の布団に入ってくるからだろ!」
「うるさいバカ!」
「また恥をかかせおって…」
つづく
何これ? 新手の荒らし?
チラシの裏でやってくれって感じだよな。
初期のクオリティとはほど遠い。
っていうか酷い。
ウンコの晒しage
おっと、ageage
224 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/05(金) 11:53:25 ID:S3UIlYzD
俺は結構好きだ
保全さげ
保全さげ
ageろよ
228 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/15(月) 21:11:04 ID:9FAF6vcO
シンジの喋り方じゃない・・・・・
帰りたい、あの場所に。
ここに居るよりはもっと辛いけど、それでも
「嫌…」
それでも、私はそこに帰りたかった。
「嫌ぁアァァァァッ…!!」
━━━━━━━━━━━━雲を、空を貫いて光が射す。
その光は写真に納めとりたくなる程綺麗なのに、そこにいた一同…晒された彼女にとっても、脅威意外何者でもなかった。
「何にも出来ないって言うの…!?」
「父さん僕を行かせてよ!早くしないとアスカが!!」
「駄目だ」
「弐号機パイロットの脳波、もう限界です!!アスカが、アスカが…」
口々に叫ぶ声も、今の彼女には届かない。
他人の精神をねぶり続ける光━━━━━━━━━━━━
「何なのっ…!?もう止めて!!こんなの、思い出させてどうしようってのよぉ…ッ!?」
感覚は無いのにいじくり回される気持ち。痛いとか痒いとかある方が全然マシな不快感。
『私って本当に可哀相、だからほうっておけないの』
「アンタ誰!?気持ち悪い!!人の気持ちズタズタにして何様なのよ!!」
まるで頭の上から囁かれてるような距離感…
『可哀相、こんな風にズタズタにされた私は可哀相』
「きぃッ…アンタ絶対許さない!!ふざけんじゃないわよ!!アンタなんかに何が分かるのよ!?」
『可哀相』
イメージがまた目の前に広がる。
『ほら、可哀相』
目をきつく閉じても、何処を見ても反らせない。
『すごく、可哀相』
「うるさい」
『だから、ほうっておけない』
そこで初めて流れ込んで来たイメージ。
シンジ。シンジ!?
それまで見てたイヤなものが悪い夢だったみたく、まるで横面張り倒された風に…目が覚めた。
『内気な可愛い子、私のお気に入り』
「!!」
なんてこと…今度はまたとびきり、悪趣味なセリフ。
「勝手にバカな事言うな!!あんなの大っ嫌い!!大っ嫌いなんだから!!」
『彼が私を見る度胸が熱くなるの、彼の声が私に向けられると嬉しくなるの』
「うるさいうるさいうるさいッ!!アタシの気持ちを引っ掻き回すなぁッ!!」
『でも、彼も人間だから最後には死んじゃうの』
「ひッ…」
ママの居た場所に、シンジが居る…あのベッドに
「嫌」
『だから、彼も私を見てくれなくなってしまうのよ』
開く扉…あ…ァ…
「嫌ァァァァァァァァァァア゙ッ…」
「…止めてよ、もぅ…止めてよぉ…誰か。誰か止めてよぉ…?ママぁ…」
『皆、私を見てくれないの』
「嫌ぁ…ッ…加持さ、ん…助けてよぉ…」
『私なら、あなたと何時も一緒…』
「知らない人は…嫌ぁ…」
『私は、あなたなのに?』
<<アスカぁッ!!>>
「…あたしは。あたしはそういう自分がっ、一番嫌いなのよぉぉッ!!」
『そ、そんなの間違ってるわ!?自分にまで嘘をつくの!?』
「あんたには…何にも解ってないのよ!あんたみたいのヘドが出るのよッ!!」
『あなたなのに!!』
「アタシは今のあんたじゃない!!なら変わってやる、変わってやる!!」
『嫌っ、お願い独りにしないで!!』
「うるさい、消えろッ!!あんたなんか要らない!!あたしならそんな自分…」
殺してやる!!
<…の、脳波辛うじて限界点で留まりました!?>
<うそ…!?でも、今がチャンスよ!レイ!>
<投擲カウント!!10、9、8…>
一瞬、ミサトとかの声が聞こえた。
通信のなんだなって、今になって何となく理解できた…
あたしの顔した奴がベラベラ喋ってた時、1番強く聞こえた声…
ダメ。なんかよく思い出せない。
とりあえず、今見えてる視界からわかる事は…点滴されながらだけど、生きてるって事ね。
窓の外、光が強過ぎてぼんやりとしか見えない。
こんな殺風景なトコ、とっとと出たいな…
「おはよう、アスカ」
「…ミサト」
「ん?身体痛くない?頭とか」
何時来たのか、ミサトがバナナとか持って近くに座ってた。
「アタシ、負けたの?」
少し眉をひそめた後、
「…あなたは凄かったわ。だって、使徒のよくわかんない攻撃に耐え切ってチャンスを作ったんだから」
疲れた顔であたしの頭を撫でた。
「…結局、届かないのね」
「アスカ、気持ち悪いとこない?」
「大丈夫…頭撫でられるなんて、初めてだからかな…くすぐったいけど、気持ちいい…」
他人の手って、なんか暖かいのね。
大学出た時にも握手したっけ…あれは、おじいちゃん相手でシワシワな印象しか無かったけど。
「何か食べて、しっかり動ける様になったら検査して…そしたら、晴れて現場復帰よ」
「…あたし、まだ居られるの?お情けで置いてるんだったら…このまま死にたい」
「…あなたのプライドが使徒の攻撃に勝った、そしてそれが認められたからこうして…あなたは、必要とされてるわ」
窓の光に、少し目が慣れて来た…
「じゃあアタシは、まだ生きていていいのよね」
なんだか、お腹も空いてきた。
「…そうね。まだ、精一杯生きて行けるわ」
LAS?LATかもね。成り行き次第では。
少しの間、この場所に居てもいいかしら?
ウザイ
失せろボケ
これで満足か?
司令室で、私は書類片手に指示を仰いでいた。
「弐号機はまだ使えるらしいな」
「はい、復帰には1週間もあれば…機体への損傷や侵食は、報告通りに認められませんでした」
この距離だと、何時もながら表情は伺えない。
「そうか…だが、いざ使えないでは困る。予定通り参号機がこちらに回ってくる」
「テストパイロットの候補は既に決まっています、勿論その後の控えも」
「赤木、ダミーの安定具合はどうだ?」
「はい、問題ありません…参号機には、ダミーを乗せるおつもりですか?」
「赤木、質問をしているのは私だ。ダミーは初号機…そして弐号機にプログラムしておけ」
「は、はい…失礼しました。早速取り掛かります」
あの部屋には私と司令二人だけだった、その気になればもう少し距離を詰める事だって出来たはず…なのに。
私はオフィスに戻り、早速書類の洗い直しとデータの処理を始める。
「私は、何を期待してここに居るのかしら…?」
━━━━━━━━━━━━
シンジが、そわそわしながら扉の所に立ってた。
「あの…ミサトさんから聞いたよ、もう話せる位良くなってるって」
「何しに来たのよ、アンタ」
「あ、ちょっと食べる物作って来た…病院のご飯美味しくないって聞いたことあるし」
「じゃあ、そんなとこ立ってないでこっちに持ってきてよ」
「そ、そっか…」
開かれた包みには、けっこういい色のスイートポテトが並んでる。
「学校の皆で作ったんだ…僕お菓子なんて作ったこと無かったし、トウジなんて天板にそのまま生地広げて『お好み焼き風の方が面白いやろ?』とか言っちゃって大変だった」
一つ摘んで口に入れる…うん、まぁまぁ。
「どう?意外とよく出来てるでしょ?」
「…まぁまぁね」
「ほら、紅茶も容れて来たんだ…嫌いじゃ無いよね?」
紅茶なんて久し振りな気がする。
「…いい香り」
「でもさ、本当にアスカが無事で良かった」
「アタシは、何にもできなかった」
「え、アスカ?」
「ミサトもあたしが攻撃のチャンスを作ったとか言ってたけど…違う。あたしは何もしてないんだ」
少し思い出した、あの時の事を。
「そんな、いきなり何言うんだよ?」
「…全部見られた、嫌だって言ったのに思い出させられた。もう、死んじゃいたい」
「アスカ、しっかりしてよ!?アスカらしくないじゃないか、絶対良くなるから大丈夫だよ!!」
「いやだ。もう」
「アスカ…」
「放して」
シンジが、あたしの両肩を掴んでる。訳わかんない。
「皆もアスカが心配なのに…死んじゃいたいなんて言うなよ!?せっかく生きてるのに、どうしてそんな事言うんだよ…?」
「…あたしは強くなりたかった、強いと思ってた」
「アスカは、強いじゃないか…」
「でも、違った。シンジとか、もっと強いじゃない…あたし、どんどん弱くなってる」
「…僕は強くなんて無い、君みたく上手く戦えないし」
「…」
窓の外は眩しい。
手に持ったままの水筒のフタには、もう紅茶は入ってない。
「あたし、生きてる意味が無くなっちゃった…」
「そんな事、言っちゃいけないぞ?」
「あっ、加持さん!?」
シンジがあたしからようやく手を放した…
「加持さん、あたしもう生きていたくないよ。誰にも勝てないのに」
「アスカ、別に誰かに勝つ必要は無いだろう?弱肉強食の白亜期とかじゃないんだ、そうしたらもっと強い人の居る俺やシンジ君も皆死んでる筈だ」
シンジがギョッとしてる。
「人間には知恵があった、だから他の強者を倒して来れた。こういう話は学校でもやるだろう?」
「…」
「とにかく、人間が生きる理由は強さだけじゃない。理由っていうのは…俺は『探すもの』だと思うぞ」
「加持さん、行っちゃった…」
「…僕も、そろそろ帰るよ」
私の膝に広げてあった包みと、水筒を持って…シンジが行っちゃう。
「待って」
「えっ?」
「シンジは、どうして生きてるの?」
「…僕にも、わからないよ。でも、さっきの加持さんの話聞いたら…それを探したいって、思った」
「…そう」
「それじゃ…またね、アスカ」
誰も居ない、病室。
あたしの、生きる理由…
そんなの、わかんないよ…
ウンコage
ktkr
晒しage
期待ほしゅ
>◆/75iL116..
もう辞めちゃうんですかぁ〜w
保全さげ
ぬるい
晒しage
何このスレ、書き手も読み手もキモ過ぎ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
こいつマジでウンコ
書き手もウンコだけど読み手も同じくらいウンコだな
やっぱエヴァ小説はチンカス包茎キモヲタの妄想だな、きんもーっ☆
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
途中で逃げ出したウンコ
ウンコ晒しage
退院して、ヒカリ達にも会って、今あたしは自分の部屋へと久し振りに戻ってきた。
あの日出たまんまの部屋の中…ミサトはそういうのしないにしても、シンジも気を使ったのか掃除とかで入ったような跡は無い。
『惣流、お前…大丈夫なんか?そないなヌボーっとした顔イケてへんわ』
『ねぇアスカ、気分悪かったらすぐに言ってね?退院直後だし、無理しちゃ駄目なんだから…』
学校でヒカリ達が言ってた事が思い浮かぶ。
クッションをひっつかんで、ベッドに転がって更に思い出す…
「…心配、してたの?」
『あったりまえじゃない!!…あ、ごめんね大きい声出して』
『いいんちょ、惣流また入院さすつもりかい』
『と、とにかくー!アスカ無事みたいで…本当に良かったわ』
『騒いだり静かになったり、ほんに忙しいのぉ』
目が閉じない。
正確に言うと、眠りたいのに視界が冴えてる。
(…ともだち、か)
『鈴原…少しくらいデリカシーってもん覚えなさい!こういう時はいたわって、励ましてこその友達でしょ!?』
『や、んなこと分かっとるがな!だーからワイらが普段どーりに接しときゃえぇんちゃうの?なぁ惣流?』
「…別にいいわよ、普段通りで」
『…そ、そう?大丈夫?』『惣流の事やから、またすぐにワイらに噛み付きよるわ。どーせ萎れるのは今しか見れ』バシィッ
『鈴原ぁッ!!』
…どうして「心配してくれてありがとう」とかも、言えなかったんだろ?
コンコン
「アスカ、起きてる…かな?」
「…」
ドアが少し開いて、部屋に光が射す。
「ご飯、食べる?もうすぐ出来るから…呼びに来たんだけど」
「おなか、すいてない」
「あっ、起きてたんだ…ごめん。でもさ、食べないと元気になんないし…」
「じゃあ、軽めのなら食べる」
「本当!?じゃ、そうだ…目玉焼きで良いかな?パンと」
「…着替えるから閉めて」
「ぅあっ!?ゴメン!」ガチャ
ママは、ずっと私を見てなかった訳じゃなかったっけ…多分。
私をずっと見ててくれた時間もあった、ほんのちょっとの時間だけど。
「アスカちゃん、あなたは特別な子なの。だからきっと、ママもアスカちゃんも幸福になれるのよ」
…シアワセ?
こんなにも気持ち悪くて、嫌なコトばっかりなのに?
「アスカ、スープ飲むでしょ?」
「うん…ミサトは?」
「まだみたい。何も聞いてないからそのうち帰って来るよ」
トースト、ベーコンエッグ、スープっていう朝食みたいなメニューを食べて、あたしは少しぼーっとしてた。
「アスカ、何か甘いものでも食べる?身体、調子悪くない?」
「…あんたでも、アタシの心配することあるんだ?」
「え…そりゃ、当然じゃないか」
居間に転がっていると、目の端にシンジの姿がちらつく。
前なら、近くでテレビ眺めてたり雑誌読んでたりで…こんなあからさまに、あたしを気にする事もなかった。
…なんで?
翌日、家に帰ってからの事。
あたしは相変わらず声も出さず…テーブルに突っ伏してた所に、シンジが来た。
「ねぇ、アスカ…」
それは、急に解った気がする
「アスカ」
コイツのは心配なんじゃない
『綾波』
…ファーストを呼ぶような声で
「ねぇ、アスカ?」
あたしを呼ぶ。
ドタン
瞬間、憎悪が湧いた。
「あんた…心配なんかしてないんでしょ?本当は自分より弱そうな奴がお気に入りなだけなんでしょ!?」
「ぐっ…痛い、放してよ…アスカ」
「認めなさいよ!?ファーストに構うのもアタシに構うようになったのも、全部そのせいだってさ!!」
Tシャツを力いっぱい掴んで、床にそのまま押し付け続ける。
「なッ…何言って」
未だに腑抜けた顔のシンジが、私が自分で出したその答が…気に食わなかった。
やった後に気が付いた、あたしはシンジを殴ってた。
「…!?」
さっきから驚きっぱなしのシンジ。
あたしは喉が詰まる様な、息が苦しくなる様な…変な気分になった。
「アンタはッ…自分さえ良ければ、どうでもいいのよ!他人の事なんて…」
「何だよ…」
シンジの目が潤んで、あたしの手首を強く掴んできた。
「アスカにわかるもんか」
「アンタの事なんてわかりたくも無い!!」
「なんだよッ!!」
シンジは、意外に力は強かった…あたしは突き飛ばされて、後ろに転がる。
その後もお互いに叫び続けた。
何を言い合ったのかまでは、よくは覚えてないけど。
考えてみれば、あたしにとってはこれが…生まれて初めての喧嘩だった。
引っ掻いたり振り回したり、格闘技を習っただけあたしに分があった筈だけど…シンジに腕や脚を掴まれた時は、さすがに上手くあしらえなかった。
シンジは格闘技や護身術を知らない分力任せだから、叩かれたりした痛さが先走ってて間接技とかをやろう何て思い付かなかったし。
…翌朝になっても、まだミサトは帰って来ない。
顔につけられた引っ掻き傷を撫でて、身体に走るいくつかの痛みで目が覚めた。
居間にはそれらしいような散らかり跡もなくて、シンジが起きてきた感じも無い。
アイツは起きたら、外に行く時は大概テレビをつけっぱなしにするし。
時計を見たら、もう9時を回る頃で…あたしは急いで支度をして、学校に走った。
「グァックァ〜」
そういえば、ここ何日かは顔を見せなかったペンペンが…久し振りに見送りに出て来たっけ。
うわ、臭ぇ
まだ続ける気かよ
マジで馬鹿だなコイツ
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
自演乙
ウンコage
何この糞スレ
なんか荒れてるが>>No way!!Give Me your Shoulder ◆/75iL116..乙。
でも恋愛要素は入らんほうが好きだ
少年は夢を見ていた。
夢の中で、何故か母はこの世から去っていて、父とは別居していた。
その父から突然呼び出され、謎の巨大人型兵器に乗せられ、謎の敵と戦わされる夢。
担任が自分に指示を出す作戦部長だったり、保健の先生が科学者だったり、
幼馴染の女の子がドイツからやってきたり、友達が自分と同じ兵器に乗って戦い傷付いたり…。
街は崩壊し、学校も無くなって、友人達は皆疎開していった。
現実で同じクラスの友達が最後の敵として現れ、彼を殺さなければならなかった。
それも衝撃的だったが、この夢で印象に残ったのは、青い髪の少女との出会いだった。
無口で、感情を表に出さない彼女は、この夢の中で唯一、現実に会った事の無い人物。
驚く事に、夢のクライマックスには巨大化して目の前に現れたりするのだ!
そしてその夢の結末は、幼馴染の女の子と世界で二人きりになる、というものだった。
なんと非現実的な夢なんだろう。
それとも、その幼馴染と二人きりになりたい、という願望が自分の中にあって、
それが夢として現れたのだろうか?
それにしても、あの青い髪の少女は誰なのだろう?
でも、ちょっと可愛かったな・・・。
少年はぼんやりとした意識の中で、そう考えた。
そして、その幼馴染の自分を呼ぶ声が聞こえて、
あれはやはり夢なのだと、安心するのだった…。
つまらないです
>>265 は結構面白くなりそうだと思った。続き書いてみてはいかがですか?
学園物っぽいが、夢がどう絡んでくるのかに期待。
いや、つまらないです
本人だろ
山道を自転車で走る。
僕はこの山道が好きだ。
木々の匂いはリラックス出来るし、風に揺れる枝のざわめきは、耳に心地良い。
でもそれは、一人で来た時の話。
今は、四六時中騒がしい幼馴染のアスカがいるから、その旋律を聞く余裕など無い。
彼女に限らず、女の子というのはよくもまあ話題を次から次へと繰り出せるものだ。
しかもそのほとんどは、「あの先生いつも同じ話して、ボケてるんじゃないの!」とか
「鈴原ってムカツク!」といった、いつもの事だから、聞いてるこっちが疲れる。
だけど、これには一つだけ便利な点があった。
彼女の相手をしている内に、いつの間にか山頂に着いているからだ。
ここには小さなシャワー小屋があって、アスカはそこで汗を流している。
僕はその横でタオルを持って待たされる。
「絶対覗くんじゃ無いわよ!」と言われたが、その一言で余計に意識してしまった。
それに、見るなと言われれば見たくなるのが人間だし、何より僕だって男なわけで、
男と二人きりの所でシャワーを浴びる方が悪いんじゃないか、などと考える。
僕はこっそり窓に近づいた。
アスカとは物心ついたときからずっと一緒だから、小さい頃は一緒にお風呂に入ったりもした。
だが、お互いが異性である事を意識し始めてから、彼女の裸は見ていない。
期待と罪悪感を抱えながら、僕は静かに窓に手をかけ…。
「ねえ、シンジ」
僕はビックリして、思わず「わぁっ!」と声を出してしまった。
「…アンタ、覗こうとしてたんでしょ」
その通りだが、ここで認めたら何をされるか解ったモンじゃない。
「ななな、何言ってるんだよ!僕がそんな事するわけないじゃないか!」
「ふ〜ん…ま、そういう事にしといてあげるわ」
「そ、それよりさ、何か言おうとしてたんじゃ無いの?」
慌てて話をそらす。
「最近、この山の近くで起きるっていう怪現象の話、知ってる?」
「ああ、夜中に地響きがしたり、巨大な人型の怪物を見た、って話だろ?」
僕は生まれてからずっとここに住んでいるが、そういう噂が立つようになったのはここ数ヶ月
の事だ。テレビや雑誌でも取り上げられる程目撃者が多いらしいが、地元に住んでいる僕や周
りの人達に、実際に目撃したと言う人はいない。
「そう、それ。でね、巨大な人影を見た人の話では、この場所から見たらしいわよ」
「まさか!ここは小さい頃から家族でピクニックに来たり、学校の遠足なんかでよく来るけど、
今までそんな事件が起きた事は一度も無いじゃないか」
「でも、噂が立ち始めてから来るの、初めてでしょ?」
そう言われて、ドキリとした。
「や、やめてよ…大体、あの手の話って、不思議な事が起こるって思い込んだ人が何かの物音や
影を見間違えた、ってケースがほとんどだろ…?」
心臓がバクバク鳴っている。喉が渇き、唾を音を立てて飲み込む。
「さあ〜、どうかしらねぇ?案外後ろを振り向いたら……いたりして」
「は、はははは…そんな事あるわけ、無いじゃないか」
あるわけない。
今までアスカや学校の友人達と怪奇スポットに行った事は何回かあるけど、それらは全部、風の
音だったり、木に引っかかったビニール袋だったりしたものだ。
だから怪談が苦手、というわけでは無いのだが、今回は何故か嫌な予感がしていた。
錆びついたロボットみたいに、ゆっくりと後ろを振り向く。
そこに見えたものは、いつもと変わらぬ、幾つもの山々と、その後ろにそびえる富士山の姿だった。
「ほ、ほらね、そんなの、いるわけないんだよ、アスカ…っ!」
ホッとして、アスカのいるシャワー小屋の方を向いて、僕は硬直した。
「アンタ、ばかぁ?本気で信じるなんて、子供じゃあるまいし…」
アスカの言葉は聞こえているが、僕は言葉を返せなかった。
「ちょっと、どうしたのよ!シンジ……シンジ?」
小屋の向こう、僕らのいる山と隣の山の間を、単眼の黄色い身体をした、アニメに出てくるような巨
大ロボットが、ゆっくりと歩いて通り過ぎて行く。
現実と思えない光景に、僕の頭はフリーズしてしまったらしい。
そして、途方も無い恐怖感に襲われ、僕は叫んだ。
「うっ、うわあああああああ!」
気が付くと、僕はベッドに横になっていた。
目を開けて最初に見えたのは、普段見慣れている自分の部屋の天井とは違う、見たことの無い天井。
鼻にツンと来る臭いがするから、病院のベッドだろうか?
視線を動かしてみると、アスカがベッドにもたれかかって眠っていた。
ずっと、横で看ていてくれたんだろうか?
「アスカ…アスカ、起きてよ」
僕は優しく、まだシャンプーの香りが残る彼女の頭を撫でた。
アスカは「ん…うん…」と小さく声を出して目を開ける。
そして、僕の名を叫んで飛び起きた。
「シンジ!」
「ありがとう、アスカ。ずっと、傍にいてくれたんだ」
「だって、いきなり大声出して倒れるんだもの!ビックリさせないでよ、このバカシンジ!!」
悪態を突きながらも、僕の手をギュッと握って、彼女は泣き始めてしまった。
「大変だったんだから!救急車呼んで、おじ様やおば様にも連絡して、私、慌てて裸で飛び出した
から、服も着てなくて…」
「それは、ちょっと見たかっ、アイテッ!」
アスカから平手打ちをもらってしまった。
「こんのバカ!スケベ!」
「え、えへへ……ゴメン」
「もう、またそうやってすぐ謝る…アンタ、何も悪く無いじゃない…」
「…怪物、見たんだ」
「怪物?あの、噂の?」
涙をボロボロと流しながら、キョトンとする。
「うん。黄色くて、一つ目で、山より大きかった…」
その後僕は検査を受け、異常が無い事を確認し、家に帰った。
父さんや母さんに、例の怪物の話をすると、意外にも信じてくれた。
二人共根っからの科学者だから、オカルトチックな話なんて信じてくれないと思ったし、
僕自身、「変な夢を見たのよ」なんて笑い飛ばされるのを、少し期待していたのだが。
翌朝。
僕はいつものようにアスカに叩き起こされ、いつものように学校まで走っていた。
「今日、また転校生が来るみたいよ」
「来年には遷都されて、ここが新しい首都になるからね、どんどん人が増えて行くよ。
でも、誰に聞いたの?」
「ヒカリよ。昨日、電話で言ってたの」
「へぇ〜、女の子かなぁ。可愛い子だと良いなぁ」
「こんの…バカシンジ!」
アスカが鞄を振り回す。
「わぁっ、やめろよ、アスカ!」
僕は全速力で逃げた。
そして、曲がり角にさしかかった時、突然女の子が飛び出して来た!
「シンジ、危ない!」
「えっ?うわっ!」
「きゃぁっ!」
飛び出して来た女の子と、思いっきりぶつかってしまった。
「あたたた…ゴメン、大丈夫…」
尻餅を突いた女の子のスカートがめくれてパンツが見えている。色は白。
「いった〜…えっ、きゃぁっ!」
僕の視線に気付いた女の子は、慌ててパンツを隠す。
顔を赤らめて僕を睨むその子の顔に、見覚えがあった。
青い髪、赤い瞳…誰だろう、どこで会ったんだろう?
「ゴメンね!マジで急いでたんだ!ほんと、ゴメンね!」
彼女は慌てて鞄を拾うと、走り去ってしまった。
僕は彼女が誰だか思い出そうとして、後姿を眺めていたのだけど、
アスカは僕が彼女に見惚れていると思ったらしく、それからずっと機嫌が悪かった。
「で、見たんか!?」
クラスメイトのトウジが机に身を乗り出して問い詰める。
「うん。黄色くて、一つ目だった」
「アホ!怪物なんかどうでもええわ!ワシが聞いとるんは、その子のパンツの色や!」
「別に見たってわけじゃ…チラッとだけ」
「かぁ〜、朝っぱらから運の良いやっちゃ!」
「鈴原は朝っぱらから、何バカな事言ってんのよ!」
委員長のヒカリが、トウジの耳を引っ張る。
この二人はいつもケンカしているが、仲が良いのか悪いのかよく解らない。
ただ、僕は二人を見ていて確信する事が一つだけあった。
「尻に敷かれるタイプだな、トウジって」
「それはアンタでしょ」
後ろからアスカが突っ込みを入れる。
「何で僕が尻に敷かれるタイプなんだよ!」
「見たまんまじゃない!」
周りから見れば僕とアスカも、トウジや委員長と同じ夫婦喧嘩してるように見える事を、
僕はこの時気づいていなかった。
「ほ〜ら、アンタ達、授業始まるわよ〜!」
葛城先生がいつの間にか教室に来ていた。
先生は若くて、美人で、スタイルも抜群だから、男子の憧れの的だった。
僕とトウジ、ケンスケは、声を揃えて「は〜い!」と元気良く返事をする。
委員長とアスカは、「三バカトリオが、バッカみたい!」と声を揃える。
「喜べ男子!今日は噂の転校生を紹介する!」
先生の後ろから現れたのは――
「綾波レイです、よろしく」
「ああぁっ!」
今朝ぶつかった、青い髪の女の子だった。
「ああっ!今朝のパンツ覗き魔!」
「ちょっと言いがかりはやめてよ!アンタが勝手に見せたんじゃない!」
アスカが助け舟を出してくれる。
「あんたこそ何よ、この子庇っちゃって、デキてるわけ?」
「た、ただの幼馴染よ!」
真面目な委員長が立ち上がり、二人を制そうとする。
「二人共、授業中よ!」
「あ〜ら、面白そうじゃないの〜。私も興味あるわ、続けてちょうだい」
結局この日は授業にならなかった。
延々と言い争いを続けるアスカと転校生の綾波という子を尻目に、僕は少し前に見た夢を思い出した。
あの綾波って子、夢で見た子に似てる。
でも、性格は全く違う…まるでアスカがもう一人増えたみたいだ。
そう思うと、僕はこれから先の事に、不安を感じずにはいられないのだった…。
つづく
◆rBWlMpeA6.
↑
こいつトリ変えた名前:レイ猫。 ◆/75iL116..だろ
マジで糞野郎だな
在り来たりで、何のひねりもない駄作だな。
正直こんなつまらないもの、よく書く気が起きるものだなと感心するよ。
自演乙w
いや、むしろ、LRSなのかどうかが気になる。壮大な荒らしなのかもしれない。
レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
こいつはスレタイ無視して投下する悪癖があるからなぁ
シンジは一人たたずんでいた
そこにはかつて街があった場所。今は湖となってしまった、シンジが暮らしてた街。
街がなくなってから何度もここへ来て湖を眺めていた
ゲンドウ、ゼーレが求めていた人類補完計画は不発に終わり、何もなかったかのように鳥たちが空を飛んで行く。
そして第三東京市以外の街も何も変わりなく平和な時間を過ごしていた。
ネルフに関わった者たち以外は…
「これでラストォォ!!ふぬぅぅ!うぉぉ!!」
アスカは量産機にトドメをさす。が後ろに気配を感じ振り向きATフィールドを張った。
「ロンギヌスの槍!?」
槍はアスカのATフィールドを破った
「ひぃっ!?」
弐号機の頭部を突き刺す槍
「ぎゃあぁぁぁぁ!」
悲鳴をあげるアスカ。同時に内蔵電源が切れた
必死にレバーを引くアスカ
そして量産機は活動再開し弐号機を襲い食いちぎる。
「うぅ…く…殺してやる…殺してやる…殺してやる殺してやる殺してやる…」
弐号機は動き出す。アスカは空を舞う量産機に向けて最後の力で手を伸ばす。
そして、数本の槍が弐号機を突き刺した
「ひぃ!シンジ君!弐号機が!アスカが!」
マヤが叫んだ
「だってエヴァに乗れないんだ…どうしようもないんだ…」
シンジがそう呟くと初号機が動き出した。シンジ目掛けて手を伸ばす
「母さん…?」
初号機はネルフ天井を突き破り、空へ舞った。
「始めるぞレイ。ATフィールドを解き放て。欠けた心の補完。不要な身体捨て、すべての魂を今ひとつに。そしてユイの元へ行こう」
ゲンドウはそう言うとアダムと融合した右手をレイの体へと侵入させる。
「うっ…」
シンジは初号機に乗っていた。そして前を向く
「アスカ…」
目に飛び込んできたのは見るも無惨な弐号機だった
「うあぁぁぁぁ!!」
「碇君」
レイはシンジの存在を感じる。
「畜生!畜生畜生!」
ロンギヌスの槍オリジナルが初号機の目の前に飛んできた
シンジはそれに気付く
「ちく…しょう…」
初号機はそれを手にとる
量産機は初号機へと向かって飛んできた
「うわぁぁ!」
無我夢中だった。頭の中は真っ白だった。ただ目の前の的に槍を振り回していた。
まるで初号機が暴走してるかのように量産機を殴り、突き刺し、切り裂いていた。
でも暴走ではなくシンジが初号機を操っていた
「くそぅ!!畜生!殺してやる!!」
我を忘れ最後の量産機を跡形も無くなるくらい殴り続けていた
「さぁレイ。私をユイの所へ導いてくれ」
だかゲンドウの腕はレイへ吸い込まれていく
「まさか!?」
「私はあなたの人形じゃない…」
ゲンドウの腕はレイの体に取り込まれてしまう
「なぜだ!?」
「私はあなたじゃないもの」
「レイ!」
レイはそのままゲンドウの前を歩いていく
「レイ!どこへ…頼む待ってくれ…レイ」
「ダメ碇君が呼んでる…」
レイはゲンドウの制止も聞かずに入口へ向かって歩いて行った
「レイ…」
ゲンドウはその場から動けずただレイの背中を見つめていた
「うぁっ…あぐぅ…うぅ…」
シンジは殴る手を止め涙を流しながらその場に崩れた
怒りを通り越し悲しみが込み上げ、顔を両手で覆う
『なに泣いてるの?』
声に気付き顔を上げる
初号機の前に裸のレイが立っていた
「綾波…?」
『どうして泣いているの?』
レイの声は直接頭に響く
だがシンジはそれを不思議に思わなかった
「アスカが……うぅぐっ…」
涙で声にならくなりまた下を向く
『あの人は死なないわ。私が守るもの』
「え…?」
レイの言葉に前を向くが、そこにはもうレイの姿はなかった
句読点くらい使えよアホ
その後、ゼーレの作戦は量産機全滅により失敗に終わり、日本政府はそれを知りネルフの生き残りを保護し、
アスカは奇跡的にもボロボロになったエントリープラグから救出された。
そして、ミサト、リツコらの遺体も回収された。ミサトの遺体にいたっては無惨なものだった。
みんなは第二東京へと身柄を移された。そしてシンジも。
レイはそれから行方不明になった。
それから一ヶ月が経った。
ネルフは組織解体されたものの、リリス、初号機の監視および研究を指示され、政府監視下のもと冬月らは研究所へ配置された。
ネルフの存在は抹消。
そしてゲンドウは腕の治療を終え政府に身柄を拘束された。
アスカは第二東京市特別施設内病棟に入院。命は助かったが今だ意識不明。
シンジも特別施設での保護。だが行動の自由は許され中学へ通学許可も出た。
そこには以前第三新東京市で通っていた中学のクラスメイトがそろっていた。
だがシンジは一度も学校へは行っていない。
みんなに会う勇気がなかった。特にトウジには会わす顔がなかった。
あれから何度も第三新東京市があった場所へ行き、ただ湖を眺めていた
『ママ!行かないで!お願い!私を置いて行かないで!一人は嫌!』
『生きて行きなさい。あなたは生きなさい』
キョウコは繋いでいたアスカの手を離す。
『ママ!ずっと一緒にいて…一人はもう嫌…』
アスカは涙を流し下を向く。
『あなたを待ってる人がいるのに。』
声に驚きアスカは前を向いた。そこにはキョウコではなくレイが立っていた。
『ファースト…?なんでアンタがここにいるのよ!私の中に入って来ないで!』
『私はあなたの一部。あなた自身でもあるわ』
『アンタと一緒にしないで!!来ないで!』
『約束…あなたは私が守る。碇君と約束したもの』
『うるさい!そんなの知らないわよ!』
『碇君が呼んでるわ』
シンジはアスカの病院へ来ていた
「ミサトさんが死んじゃったんだ…綾波もいなくなってしまった。…僕は一人だ…ねぇアスカ…目を覚ましてよ…」
孤独に押し潰され涙が溢れる
「うぅ…お願いだから…」
アスカの反応はない。
アスカは声のする方を見る
『シンジ…』
「アスカ…目を覚まして…」
『何よ!助けてもくれない…アンタは私を傷つけるだけなのよ!』
『そう…それはとても苦しい、痛い、悲しい…』
レイはアスカの手を取る
『でもあなたは嬉しい、楽しい、喜びも感じれる』
『ファースト……』
レイの手の温もりが、アスカの心まで暖めていく感じがした
『あなたは一人じゃないわ』
『私は一人じゃない…』
頬に優しく暖かい感触を感じた。
『行きましょう』
シンジはアスカの頬に触れた。アスカの目から涙が零れる
「ア、アスカ…?」
それを見たシンジはアスカの名を呼ぶ
それに反応したのか、アスカは目を覚ました
「シ…ンジ…?」
「アスカ!」
シンジは思わずアスカに蹲りつき、涙する。
「気持ち悪いから…離れて…」
弱々しくアスカは言う
「ごめん…」
シンジはアスカから体を離した
「あの…その、ごめん…アスカ…」
再び謝るシンジにアスカは呆れた
「なにがよ?」
「なにが…ってその…アスカを…助けてあげられなかったから…」
本当はそれだけじゃない。アスカの心を傷つけてしまった事も含めてだった。
アスカもその事に気付く。
「……そう。」
だがアスカは、それ以上何も言わなかった。
_ ,,, ,__
,,‐'' ̄ \
/ λ__ _ _ _ ___ ,_. ヾヽ
{.t `\ i
!} ー''' ‐- < |
| ー> ー‐ | | 超つまんねぇ
{'゚ <,,_")、 ゚`ア⌒/
| 't‐=‐┤ L_ノ
ヽ '`二 ´´ ,イ./
`f‐----''´、| '´, ヽ
/ヽ厂冫7´ /-'´ - }
r' f{ _ノ癶_ ノ} /
/ ハ`l´/,ゝ' /,r‐-、 j
〈´7'{ V'´ '/ />’
`7 ヽ ヽ / / l | __ ,.- ._
/ ハ ヽ/ / ,ヽ/ ̄ /´¨'´‐、 `ヽ ブホッ
/ / 丶.,′ / ' /  ̄7 ヽ.、_ ', ´⌒`::`)
. ,' / ,' /! ,'ヽ \`7 ≡⌒;;⌒`)
/ / / / ヽ_ /、 / , ,' ::⌒`;; )
/ / / ハ ,イ、 `ヽ._/ .X / /
/ ./_ / ./ ` } }、ー- -'´ ,イヽ _,.イ
/ ,.-_ヽ〉、./ / / /l ` ′l,.-ヽ''´ ,'
シンジ「ああっ!いいっ!いいぜトウジ…もっと突き上げてくれ」
トウジ「気持ちいいか?気持ちいいか?うっ!!」
ピュッ
無表情でアスカは、天井を見つめていた。
シンジは、そっとアスカの首に手をかけた
アスカが怖くなった。あんなに話をしたいと思っていたはずなのに、アスカの態度、そして今、一緒にいる事が怖かった。
今さらながらに、アスカに会わす顔が無いと思ったのだ。なら消してしまえばいいと…
だんだん力を込めていく。アスカは抵抗しない。そんな気力も体力もなかったのかもしれない。
アスカの瞳には寂しさと悲しさの涙が溢れていた。
そして口は優しく微笑んでいた。
シンジの行為を受け入れるかの様に。
「おいっ!やめろっ!」
勢いよくドアを開け、入って来た医師と、政府保安部に取り押さえられ、シンジは我に返った。
「あっ…あぐっ…ごめなさい…うぅっ…僕は、僕は…」
シンジはそのまま泣き崩れた。
医師がアスカの脈を取る。
「大丈夫だ。意識を失っているだけみたいだ。」
シンジはそのまま施設の自室へと帰された。
それ以来、シンジに対する監視が強化され、シンジ自身、エヴァのシンクロテスト以外は外出する事はなかった。
「シンジのシンクロ率上がりませんね…これじゃあ起動は無理ですが…」
マヤは冬月にそう告げた。
「構わんよ。起動する事は、もうないだろうからな」
「(じゃあ何故テストをするのかしら?シンジ君が可哀相だわ…)」
その返答に疑問をもちつつ、モニターに映るシンジを見た。
「シンジ君、お疲れ様。上がっていいわよ。」
「はい…」
(何故、僕はまだエヴァに乗ってるのだろう。もう僕なんか必要じゃないくせに…)
シンジは着替え終え、施設を歩いているとマヤが声を掛けてきた。
「シンジ君。明日、アスカが退院するそうよ。」
シンジとアスカの事情を知らないマヤは、仲間であるアスカが退院すると聞いたら少しは、元気が出るだろうと思っていた。
「そうですか…」
だかシンジの反応は、そっけなかった。
「じゃあ、僕は帰ります。お疲れ様でした…」
シンジはそう告げて歩いて行った。
マヤはそれ以上、言葉を発する事が出来なかった。
シンジは自室に戻り、暗い部屋で蹲る。
あれから三週間。一度もアスカの病室へは行っていない。
会いたいけど、会いたくない。複雑な気持ち。アスカだけじゃない。トウジやケンスケ、みんなに会いたいと思っている。
でも会った時の、みんなの反応が怖かった。そして自分が傷つくのが怖かった。
うわっ、臭ぇ
あまりの厨臭さに吐き気がする
何を考えてこんな臭いの垂流してるんだ
マジで気色悪い
勘弁して下さいよホント
レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
どうせ、こいつだろ
頭悪いよな、ホント
/::::::::::::::::::::::::::\〜プーン
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\〜プーン
|:::::::::::::;;;;;;|_|_|_|_|〜プーン
|;;;;;;;;;;ノ∪ / \ ヽ〜
|::( 6∪ ー─◎─◎ )〜
|ノ (∵∴ ( o o)∴)〜
| ∪< ∵∵ ∀ ∵>
\ ⌒ ノ_____
\_____/ | | ̄ ̄\ \
___/ \ | | | ̄ ̄|
|:::::::/ \___ | \| | |__|
|:::::::| \____|つ⊂|__|__/ /
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
⊂二二二ヽゝ゚ ‐゚ν二二⊃プーン
>>298 まさかとは思うけど、君の部屋の匂いじゃないよね?
最近布団干した?
レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
臭いの元
マジで糞臭いヤツ
クサっ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
途中で逃げ出したウンコ
糞スレage
晒しage
「四号機をですか?アメリカ支部とともに消滅したんじゃ…」
「あぁ。だが何故かドイツ支部から送られてくるそうだ。あさってにはこちらに着くらしい。」
「本部は解体されたのに…何故?」
「君が深く考える事ではないよ。与えられた仕事をこなしていればいい。パイロットは…セカンドチルドレンでいく」
「パイロット?アスカですか?しかしコアは…」
「アダムのデータをベースでいく。それでとりあえずテストを行ってくれたまえ。」
「わかりました…(裏で何が起こってるのかしら。まだ使徒は来るの?)」
「じゃあ、頼むよ」
冬月はマヤと話を終えると、マヤのいる研究室を後にした。
そして独り言の様に呟いた
「ゼーレはまだ、終わらせないみたいだな…」
まとめて投下しろ
「アスカ。気分はどう?」
「ん…普通よ…。ったく…病み上がりにテストなんて…(もうママはいないのね…でも違和感がないのは何故?)」
「ごめんね。すぐ終わらせるから…」
「状況はどうだ?」
「あ、はい。シンクロ率、安定しています。起動に問題はありません。」
「ほう。なかなかだな。」
「はい。アスカは弐号機以外の機体に乗ったのは初めてなんですが。全然問題は無いようです。」
「予想外の数値だな。」
「そうですね…私もここまでとは。アスカあがっていいわ。お疲れ様。」
「で、初号機は?」
「今だシンクロは出来ていません…」
「そうか…」
アスカは着替えて、廊下を歩いていた。すると、前を歩くシンジの後ろ姿が目にはいる。
「バカシンジ…」
険しい顔で小さく呟くと、足速にシンジを追い越した。
「!!」
シンジはびっくりし、立ち止まった。今度はシンジがアスカの背中を見て呟いた。
「アスカ…」
「何よ?」
アスカから言葉が返ってくる。
「死ね」
僕はこう返しました。
糸冬
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
途中で逃げ出したウンコ
◆/75iL116..
↑
負け犬
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
こいつはホントどうしようもない糞野郎だな。
糞尿撒き散らしといて逃げてんじゃねえよボケが。
粘着晒しage
ね _-‐−- 、、
,ィ"::::::;;;リ>,、 糞
こ`/:::::;;;リリ彡" ヤi、 尿
な i::::;"~ ̄ リリリ 撒
ん|:::j_ィ^"-、 _、リ》 き
だ |:i´ `---"^{" リ" 散
かヾ;Y ,|`~i ら
ら `i、 ・=-_、 / す
ヽ " / の
|--、、ノ
⊂二二 二二⊃
| /
( ヽノ
ノ>ノ
三 レレ
当たり前じゃボケ(^ω^)9m
ここにいるやつって一人か?
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
このアホはどこ行っても邪魔者扱いされてる臭い野郎
これからも僕を応援してくださいね
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
晒しage
↑もうそのコテ見なくなったのに叩きだけはまだ続いてるみたいね
なんだかすごく勤勉な彼なのさ。
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
こいつマジでウンコ
ウンコage
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
途中で逃げ出した糞野郎
コテとトリ変えても、テメェの体臭は消せねえんだよ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
糞野郎の晒しage
糞スレ晒しage
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
逃げ出した卑怯者
おまいら、続きを待っているなら素直に保守しろ。
そうでないなら書き込むな。
ほっときゃ落ちるんだから。
馬鹿か?
単なる晒しageだろ
---初恋の人---
「幸福の感じ方なんて、人それぞれよ。
苦労してるとか、してないとか。
ホントはね、そんなこと関係ないの」
彼女は、少し寂しげに微笑む。
「何でも一人でやろうとして、それがそれなりに出来てしまって。
でもきっとそれは、大切なことを全部自分で決めてしまっているから」
名ばかりの保護者。
それでも、その距離で、その近さでそばにいてくれたただ一人の女性(ひと)。
「護ってくれてたのよ。
感謝してる。………そんな言葉じゃ言いあらわせないくらい。
でもね、でも…。叶うことなら、護ってあげたかった。
あの子にかけられたものは重くて、それに対応するものはすべて、
責務とかそんな形で見られてしまうのかもしれないけれど。
心はもっとね、身近にあったの。
当たり前の日常の中に。
交わされる言葉の奥に。
上手くいかないことのほうが多くて、伝わらないことのほうが多くて、
ギクシャクして見えることの方が、ホントに多かったろうけれど。
でもね。
私は幼い頃のあの子を知っているわ」
「精一杯背伸びして、震える眼差しをあげて。
唇を引き結んで、こぶしを握り締めて。
ただひたすら真っ直ぐに、抗えない現実を見据えて。
15歳も年下の少女に、
戦うことを選んだ彼女に、
圧倒されて、言葉もなく、ただ、そう、この子は。
私の戦友になるんだと。
私はあの日、そう確かに信じたのよ。
………弱さを、ね。
舐めあうような仲にはなりたくなかった。
そんなことはお互いごめんだと思ってて。
分かってるから、暗黙の了解ってやつ。
強がって、仮面かぶって、周りを騙し続けても。
その結果、傷ついて無様な姿を晒すことになっても。
二人共、逃げるという選択肢を選ぶことだけはないと、知っていた。
だからこそ、戦う姿から目をそらすような真似だけは決してしないと………。
…なんか、かっこいいこと言っているけど、もっと暗い気持ちもあって…。
ああ、でもそんなことはどうでもいいのよ。
私は、たぶんあなた達が思っているほど、
彼女と距離があるわけじゃないことを分かってくれれば。
相手に干渉することだけが、親密さを示しているんじゃないってこと」
「勿論、あなたのことも大好きよ。
幸せになってほしいといつも願っているわ。
そう、だからね、シンジ君。
どうか、―――アスカのそばにいてあげてね」
どこまでも高く高く、透き通った青空のした。
純白の衣装は、鮮やかに陽光を孕み翻る。
誰よりも何よりも、それは綺麗な光景で。
その泣きそうな笑顔さえも、幸せのせいにしてほしい。
あの時、紡げなかった祝福の言葉と、それを許してくれた貴女のやさしさを包んで。
貴女がくれたすべてのものが、今、ここにあるから。
彼女(アスカ)と同じだけ愛されていたんだと。
そう信じられるから、僕はこの想いを忘れられる。
貴女が僕に託してくれた、貴女が大切にしてきた少女が、手にしたブーケを掲げて朗らかに笑う。
ここへと駆けてくる彼女が差し伸べた手を取れば、きっと僕にも言えるだろう。
「 ミサトさん。
結婚、おめでとう 」
fin
「 どういたしまして 」
短くても、かまわないですか?
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
途中で逃げた糞野郎を晒しage
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
逃げてんじゃねえよ糞野郎が
名前:レイ猫。 ◆/75iL116.. 晒しage
341 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/10(日) 16:43:14 ID:gprM0p77
ちんこ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
よう、負け犬
晒しageしといてやるよ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
糞野郎の晒しage
もし参号機戦あたりでアスカが覚醒していたらってSSなかった?
もう一度読みたいと思うのだが
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
糞野郎の晒しage
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
↑
こいつマジでウンコ
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
このアホはどこ行っても邪魔者扱いされてる臭い野郎
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
こいつはホントどうしようもない糞野郎だな。
糞尿撒き散らしといて逃げてんじゃねえよボケが。
654 :猫。 ◆/75iL116.. :2006/08/16(水) 16:15:09 ID:???
>>652 フフ…問題は『その言葉が他人を罵るかどうか』であって
それについては忠告であるだけ。
この時代、人と人の関わりを断つことなんてあまりに容易いのだから。
意図を込めた意味でも一生涯、間違いは無いわ。
>>653 あら、あなたもそちらに回るのかしら。
…それとも、それで多くの賛同者を集められるつもり?
私の書いたアレは、いわば衝動的なものだから巧みさなんて期待できないのは当たり前。
近頃は小説なんてろくに読んでもいないし…
あれを書いてる時は、結婚の話が書きたいと思ってたから書いた。それだけよ。
まして絵の事となれば、あなたは更に触れるべきじゃなかったのに…
やっただけスキルアップするものよ、もちろん小説だって。
どうしてあなたが私に絡むのかわからないけど、あなた方の来客を望んでいないのは確かだから。
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
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途中で逃げ出したウンコ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
よう、負け犬
晒しageしといてやるよ
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
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途中で逃げた糞野郎
晒しage
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
このアホはどこ行っても邪魔者扱いされてる臭い野郎
レイちゃんかわいそう…
>名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
こいつはホントどうしようもない糞野郎だな。
糞尿撒き散らしといて逃げてんじゃねえよボケが。
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
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こいつマジでウンコ
晒しage
腰抜けが
よぉキモヲタ共
お前らうんこ臭いから早く
エヴァ板から消えてくれや
名前:レイ猫。 ◆/75iL116..
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途中で逃げた糞野郎を晒しage