発令所内にも、艦に零号機が叩きつけられる轟音が響き渡っていた。
「第三艦橋に亀裂発生!空気漏れが発生しています!」
「ベークライトで亀裂を塞いで!付近のスタッフを艦中心部まで避難させた後、
第三艦橋は放棄します!」
「第三艦橋は、一週間で直せるからな」
冬月がぼそりと呟く。
「第3、第7使徒殲滅!初号機、弐号機、四号機は、第14使徒と交戦中!」
「零号機パイロット、意識を失っています!頭部裂傷、口内を噛み切って、出血しています!」
「あの腕の生え際をレーザーで攻撃!日向君、本体は?」
「まだレーダーに映りません…地面にでも潜っているんですかね…」
「レーザー照射…ダメです!A.T.フィールドにより、目標に届きません!」
「くっ…シンジ君達からの救援も無理か…」
前線で戦っているシンジ達も、レイと艦のピンチに気付いてはいた。
だが、最強の使徒の執拗な攻撃に、逃げる事すらままならず、じりじりと追い詰められていた。
「もー、バカカヲル!なんでこんな奴生んじゃったのよ!」
アスカがカヲルに噛み付く。
「僕が意図的に作ったわけじゃないよ」
「でもアンタの子なんでしょ!?」
「じゃあいずれ君の子供にもなるわけだ」
冷や汗を流しながら、カヲルは顔を少し赤くして言う。
「はぁ!?誰が、いつ、どこで、アンタなんかと結婚するって言ったのよ!?」
否定したものの、アスカは少し嬉しそうな顔をする。
「いい加減にしろよ、二人共!」
二人の言い争いに、シンジがついに怒りを爆発させる。
「早くこいつを倒さなきゃ、レイが、みんなが死んじゃうんだ!
喧嘩なんてする暇があったら、早くこいつを倒してよ!!」
そう叫びながら、使徒の紙のような触手をソードで切り払う。
昔に比べ、エヴァも、パイロットもパワーアップしているのだが、この使徒の力には及ばなかった。
触手の届かない懐に潜り込んでも、光線によって吹き飛ばされてしまう。
三体のエヴァの顔、上半身は、その光線によってボロボロになっていた。
「二人がこいつを引きつけて、その隙に私が槍を取ってくれば…」
『それはダメよ!』ミサトから通信が入る。
『零号機を掴んでいる手はまだ一つ…もう一人が近づけば、同じように捕縛されるわ』
「じゃあ、どうすれば!?」
シンジが泣きそうな声で聞く。
『今から艦を高度500mまで浮上させ、槍をあなた達の近くに投下します』
「レイはどうするんですか!?」
『…その使徒を倒したら、急いで助けてあげて』
「…解りました……」
一時とはいえ、レイを見捨てる作戦にシンジは抵抗を感じたが、それしか方法が無いと悟り、
諦めて従った。
中途半端ですが、とりあえずここまでで。
調子に乗って、陸戦型の使徒は全部出してみますた。
…が、サキエル、イスラフェルに至っては特に見せ場も無いまま殲滅されて…サキ・イスファンの皆、ゴメソ。
まあ再登場した敵は、主人公メカがパワーアップしてるため雑魚扱いなのですよ。
ゼルエルっちだけ別格という事で〜。
続きは夜、書けたら投下しまつ。
あれ?シャムシエルじゃなかったっけ?
(´゚ω゚`)アラエル…
1ヶ月程度で900越え・・・すごすぎ
使徒迎撃スレのが早い
艦が宙に浮上し、槍を投下するまでわずか2分足らずだった。
だが、その2分はシンジ達にとっては地獄のような2分だった。
いくらオリジナルより弱いと言っても、最強の使徒と謳われたその力は脅威であった。
使徒の光線が月表面をえぐり、巨大なクレーターが次々と形成されていく。
使徒の攻撃から逃げながら、少しずつ距離を縮めていくシンジ達に、ミサトから通信が入る。
『お待たせ!投下するわ、上手くキャッチしてちょうだい!!』
艦の下部ハッチが開き、そこから巨大な二又の槍が投下される。
槍の落下地点目掛けて全速力で走り出すエヴァ各機。
だが、使徒もまた槍の存在に気付いていた。槍を奪おうと、触手を伸ばす。
「まずい!!」
槍と使徒との中間地点にいたカヲルが飛び上がる。
槍を守るため、触手の前に立ち塞がる。その銀色の胸部に、触手が突き刺さる。
「うぅぉおおお!!」
痛みに耐えながら、カヲルはその触手を掴み、槍を守る。
「ナイス、カヲル!後でたっぷりご褒美あげるわよ!」
地表へと突き刺さった槍を掴む弐号機。彼女に、使徒のもう一本の触手が襲い掛かる。
「最強ったって、そんなパターンな攻撃!」
すんでの所で弐号機は空高く飛び上がり、攻撃を回避する。
「エヴァ弐号機、本艦へ向かって来ます!」
「な、なんでー!?」
発令所のモニターに、飛び上がった弐号機が艦へ向かって来る姿が映る。
『エヴァンゲリオン弐号機、着艦しまーす!』
艦にぶつかる直前で宙返りをし、艦低部に弐号機の足がめりこむ。
弐号機は脚を屈伸させ、使徒へ向けて飛び上がる。
「艦を踏み台にしたぁ!?」
「くたばれぇぇ!!」
アスカの攻撃する意思が槍に伝わったのか、二又になっていた槍の先端が収束する。
艦を踏み台にした反動に月の重力加速度が加わったエネルギーは、
使徒の強固なA.T.フィールドと皮膚を貫くほどに強力になっていた。
串刺しにされた使徒のコアが白熱し、爆炎をあげる。
「ふふん、楽勝楽勝!」
悦に入っているアスカに、ミサトから怒りの通信が入る。
『早くレイを助けに行きなさい!あと、あんたがぶっ壊した部分の修理費、給料から引いておくから』
「ちょ、ちょっとミサト〜!…もう、使徒を倒したんだから良いじゃないのよ〜」
口をとがらせながら、発令所から送られた残りの使徒の居場所を確認する。
白い点に向かって、猛スピードで接近する紫の点…初号機が使徒に迫っているようだ。
月の表面に、黒い土煙をまきあげて走る初号機。
その先に、地面に腕を突っ込んでいるエヴァ3号機…もとい第13使徒がいた。
初号機は3号機の脇腹に、走行速度を乗せた重い蹴りを入れる。
使徒の装甲板が砕け、肋骨が折れて外に飛び出し、内臓がぐちゃりと潰れる。
シンジはソードで3号機の腕を切断し、まだ必死に動こうとするその身体を、怒りに任せて切り刻んだ。
「よくも、よくもレイを!」
四肢をもぎ、首をはね、残った胴体を粉々にしている内に、
シンジは挿入されたままのエントリープラグを見てしまった。
あの、血まみれになった時のトウジの姿が脳裏に蘇る…。
――まさか…まさかあの中にトウジのコピーが?…もし本当に僕達の記憶を基に作られてるなら…
あの中に…トウジが…でも、いたとしてどうするんだ?助けて、どうする?僕はただ、罪滅ぼしを
したと思いたいだけなんじゃないのか?――
葛藤が彼の頭の中で渦を巻く。
初号機はしゃがみこんで、エントリープラグを見つめる…と、突然視界に銀色の腕がニュッと伸び、
エントリープラグを掴む。
「あ…」
シンジが声を上げる間もなく、四号機はプラグを握り潰す。
「償いをしようと思っているのなら、無駄だよ。この中にいるトウジ君は、
ただ姿形を再現した人形に過ぎない」
「…やっぱり、そうだよね……」
カヲルの言うように、例え偽者でも、助ければ罪滅ぼしになるかと思った。
だから、そのチャンスを壊したカヲルを少し恨みもしたが、
真実を教えてくれた事に対して、彼は心から感謝した。
――ごめん…もう一人のトウジ――
エヴァは、全機満身創痍、ボロボロであった。
特に零号機の右足の再生に時間がかかるため、月内部への進行は一日遅らせる事になる。
レイが軽傷で済んだ事は不幸中の幸いであった。
警戒態勢は維持されていたが、これ以上敵が襲ってくる気配も無く、
艦をクレーターの中に隠して、決戦へと準備を整える…。
ある者は恐怖に震え、ある者は戦意を高揚させ、またある者は後の平和を祈る…。
それぞれに、最後になるかもしれない一日を、大事に過ごすのであった……。
やっと…やっと次は最終話デスヨ…長かった…。
>>908 シャムシエルは、まだ初号機に真っ二つにされるのが見せ場でしたが、
>>904に注目…
サキ・イスは、オペレーターによって殲滅された事を報告されるだけの存在なのでした。
ちょっとカワイソス。
>>Erz氏
じゃあ同じ翼繋がりで、量産機を出すからそれで我慢して下さいマシ…。
918 :
1:2006/01/05(木) 17:09:08 ID:???
【その少し前/5】
色々あったけど、ようやく料理を教えれる事になった。
まず、綾波がどのくらいまでなら作れるのかという事で玉子焼きを作って貰う。
真面目に取り組んでいたり、時折こちらに助けを求めてきたりする綾波はとても可愛い。
可愛いんだけど・・・
「出来たわ、碇君」
目の前に出された玉子焼きは可愛いとかそんな枠に入らない。
寧ろ怖いとか、そんな物。
明らかに色違うよね、紫色って。
「えっと・・・食べなくちゃ駄目?」
見た目だけでも結構料理の腕は判ったよ?
けれど綾波は
「食べなくちゃ、駄目」
と、僕の提案を一蹴した。
・・・ええい、覚悟を決めろ!綾波の料理が食べれるんだぞ!見た目はあんなんでも美味しいかもしれないじゃないか!
やや強引に自分を勇気づけると、玉子焼きをゆっくりと口に運んでいく。
919 :
1:2006/01/05(木) 17:10:20 ID:???
「・・・」
「どう?」
飲み込む。
綾波が僕をじっと見ている。そうだ、何か言わなきゃ。
ええと―――あれ、何を言えばいいんだろう?
なんだか頭が白くって、何も考えられない―――
目もチカチカして―――
あれ、おか・・・し―――
そこで、僕の意識は途絶えた。
「・・・ここ」
眠っていたのか、体がダルい。
仰向けになっている体は自分の体では無いのか、指一本動かす事が出来ない。
視界だけが、徐々にはっきりしていく感覚。
霞がかかっていた視界は、徐々に本来の機能を取り戻していった。
顔が動かないので、いけるところまで目を動かして辺りを見回す。
何故か、この場に居たはずの人物が姿を消していた。
探そうと思っても体は動いてくれない。
胸の中に生まれる焦燥感と身動きできない状況に、僕は頭がオカシクなりそうだった。
920 :
1:2006/01/05(木) 17:11:29 ID:???
「あ・・・やな・・・」
口で必死に言葉を紡ごうとしても、その名が出る事は無かった。
舌も本来の機能をなさなくなっているのか。
・・・いや、機能しているといえばしているか。
口の中に残る不快感。きっと玉子焼きの物。
・・・そうか、アレで僕は―――
まで考えて止めた。
思い出したら、また卒倒しそうだったから。
静寂が辺りを覆う。
唯一の音といえば時計が時を刻む音ぐらい。
それだからか、その音がやけに煩く感じられた。
どれくらいの間、こうしていたのだろう。
時計を視界に納めることが出来ないから、正確な時間が判らない。
おおよそ1時間弱ぐらいだろうか。
・・・なんて無駄な事を考えていたその時。
バタン!と、どこかの扉が勢い良く開けられる音がした。
バタバタと近い距離に足音がするので、多分この部屋の扉なのだろう。
綾波が戻ってきたのだろうか?だとしたら何処に行っていたのだろうか?
頭の中に疑問を残しつつ、僕はその人物を待ち構えた。
その声がするまで、そう時間は掛からなかった。
921 :
1:2006/01/05(木) 17:13:26 ID:???
ごめんなさい、ここまでです(´・ω・`)
いつか完成させる気ですが、料理編は長そうです
後、新婚さんネタが無いのです(´;ω;`)
誰かネタ下さい。頑張って作りますから
純粋に結婚生活でエロスを求めてみては?
やっぱり人イナスwwww
皆仕事始まって忙しいんだろ、(´д`
結婚生活と関係ない話を投下する人がいて嫌気がさしたんじゃないの?
「突入まで、あと2時間か……」
食堂のモニターに、作戦発動までのカウントダウンが表示される。
パイロット達は、半日の休暇を取った後、出撃前の食事をとっていた。
緊張して眠れなかったシンジとレイに対して、
カヲルとアスカはぐっすり眠れたらしく、とても機嫌が良かった。
レイの怪我もたいした事は無く、作戦に支障は無いと判断されたので、半日ほどで退院出来た。
「それにしても、なんで使徒が襲って来ないのかしらね」
アスカが不思議そうに疑問を投げかけ、カヲルがそれに答える。
「おそらく、手持ちの駒…生み出せる魂が残り少ないんだ」
「あの第14使徒だけは量産されないで欲しいわ〜」
と、そこへ艦内放送に日向の声が流れる。
『エヴァパイロットはただちに作戦指令室に集合して下さい。繰り返します、エヴァパイロットは…』
令室にいつもいるはずのスタッフはおらず、ミサトだけがその部屋にいた。
さすがに緊張しているらしく、険しい表情で椅子に座っている。
「あの…僕達を呼んだのは…」
「…あなた達に、謝っておかなくてはいけないわ」
彼女は立ち上がり、四人の前まで歩み寄る。
「シンジ君、アスカ、レイ…あなた達は、ネルフやエヴァのせいで人生を狂わされた。
私達と関わったばかりに、しなくても良い苦しみを味わう事になった…。
いくら謝っても、償おうとしても無理でしょうけれど…本当にごめんなさい」
突然ミサトに頭を下げられ、シンジも、アスカも、レイも、唖然として言葉を返せなかった。
「この戦いが終わったら…普通の生活に戻りなさい。シンジ君とレイも、普通の夫婦として…」
「でも、そうさせてくれなかったのは、ミサトさんですよね?」
そう言ったシンジの目を見たとき、ミサトはゾッとした…。
(なんて冷たい目なの…この子、いつからこんな目をするようになったのかしら…
いや、そうさせたのは、私ね…)
「ちょっとシンジ…やめなさいよ…」
シンジの雰囲気に異常を感じたアスカが止めに入る。
「僕達を監視して…わざとそれに気付かせる為に、僕達に見える所で監視させてたんですよね?
僕達はせっかく昔の事を忘れようとしてたのに、そんな事されたら忘れられるわけないじゃないですか」
「……ごめんなさい」
「…僕が、機密を喋りそうになった事は悪かったと思ってますよ。
だけど、警告も無しに集団で殴ったり蹴ったりさせるのが、ミサトさんのやり方なんですか?」
「……ごめんなさい」
「謝らなくて良いですよ。ただ、忘れろなんて言うなら、そんな事しないで…」
「シンジ君」
シンジの言葉を遮って、レイが割り込む。
そして、シンジの頬を、強く引っぱたく。
「レイ…?」
「あなた、葛城さんがなんでそうしたか、解ってるの?」
「…秘密を守る為……」
「そう思う?葛城さんが、そんな事であなたを暴行するよう指示する人だと思うの?
それだったらもっと厳しい管理下に置くことも出来るし、
そもそもネルフ本部から一歩も外に出してもらえないと思うわ。
それに、秘密を守るのが最優先なら、あなた、集団暴行どころか、本当に殺されてるわ」
「…じゃあ、何故?」
「私達を守る為に決まってるじゃない」
アスカも割り込んで話に参加する。
「あの頃はゼーレって連中がまだ生きてて、私たちチルドレンを狙ってた。
あいつらが計画していた、第二補完計画の妨げとなる可能性のある私達は、消されそうだった。
それで、諜報部員を周りに配置して、私達にもおとなしくさせたんでしょ?
私達が秘密を話せば必ず噂は広まって、居場所を知られる事になるから…でしょう、ミサト?」
「…ま、概ねそういった所ね……」
内心を言い当てられて恥かしいのか、ミサトはかすかに微笑む。
一方で釈然とせず、居心地が悪いのはシンジだった。
「……なんで、教えてくれなかったんですか?」
「まあ、恩着せがましいのも嫌だし、敵を騙すにはまず味方から、ってね」
「…あの、すみません…ミサトさん……何も知らないのに、偉そうな事言ってしまって……」
自分の思い違いが恥かしくなったシンジは、うつむいて縮こまってしまう。
だが、そのシンジを、ミサトは優しく抱き締めた。
「!!……ミサト、さん?」
「良いのよ。私はあなたに嫌われるだけの事を沢山してきたもの」
「嫌うだなんて、そんな…」
「今更だけど、背、伸びたわね。もう私より大きい」
「……でも、まだ子供です……」
ミサトはシンジから離れ、手を優しく握り締める。
「良いのよ。ゆっくり大人になれば…いきなり大人に変わるなんて、無いんだから」
「……はい」
「いや〜、でもさっきのシンちゃん、ちょっとカッコ良かったわ〜。お姉さん、ドキドキしちゃった」
「ハン、お姉さんなんて年じゃないでしょ〜」
「あ!年の事は言わない約束でしょ、アスカ!」
「どうでも良いんですけど、早く私の夫の手を離してもらえませんか?」
「え?ああ、ごめ〜ん、機嫌直してよ、レイ」
ぎゃあぎゃあ賑やかな三人を、シンジは唖然として見ていた。
(さっきまでのシリアスな展開は、いったい…)
「人類の命運を賭けた決戦の前に、こんなに賑やかに出来るなんて、やはり女性は強いね」
いつの間にか隣に立っていたカヲルが、笑みを浮かべて語りかける。
「…うん…ねえ、カヲル君」
「なんだい、シンジ君?」
「世界中を見て、人間って、守る価値があると思った?」
「………僕の意見を聞いた所で、君の決断は変わらないだろう?」
「あ、解っちゃった?」
「ふふっ……まあ、それぞれかな。
本気で殺したい連中もいれば、何があっても守りたいと思える人達もいた。
そう、今の僕には、アスカが一番大事な人であるように…」
「…僕は、レイも守りたいけど、他のみんなにも生きていて欲しい」
「そうだね…僕も、シンジ君やレイを含めた、ここの人達は大好きだよ」
二人は、かつてのように見つめ合い、微笑み合う。作戦開始まで、残り一時間三十分…。
じゃあ一旦CM入りま〜す(-■∀■-)
>>921の1氏
GJ!殺人卵焼き…某道場後継ぎのお姉さまを思い出すなぁwww
>>922 僕もそういうのやりたいけど、
やったらやったで性質の悪い住民が増えそうで恐いでつ。アスカスレみたいに…。
>>929の一行目…
× 令室
○ 指令室
なんで俺はこう、迂闊で残念なんだ…orz
(´゚ω゚`)乙ス
ドンマイ。
あと一息さ!
最近ついていけてないんです><
なんだこれ。結局あのねた使ったんだ。本人達に事前説明しとけば
済む問題なのに。頭の悪そうな公然監視ですね。
次スレって立てるの?俺としては猫たんの最後まで見たい。
>>938 何だかんだ言いながら初期の頃から読んでくれてるあなたにdクス。
しかし諜報部ネタへ突っ込むだけじゃなく、
木星でのスウィング・バイの描写間違いも早めに突っ込んで欲しかったデスヨ。
941 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/07(土) 01:11:17 ID:40Jwaoyn
全ての作者達よ、最高だじぇ!たまに下らん書き込みあるけど気にするなよ!ただ一つだけ、どれが誰だか判らなくなるから題名なりIDなり一致させてくれ〜
批判にまったく耳を貸さなくなったら、その書き手はもう終わりだよね…
そして、出撃準備は慌しく進み、全ての準備が整った時には、作戦開始十分前になっていた。
艦の上部ハッチが開き、四機のエヴァが姿を現す。
初号機を除いた三機は、パレットライフルやソニックグレイブ、スマッシュホーク等の
武器を詰め込んだ巨大な鞄『エヴァ専用全兵装携帯ラック』を背中に背負っている。
ソニックグレイブがはみ出した鞄を背負う姿は、
定規がはみ出たランドセルを背負う小学生の姿に似ている。
初号機だけは、ロンギヌスの槍だけを持ち、他の武装は持たないで突入する。
艦はすでに、内部へと続く穴の縁に係留されている。
周囲には、使徒のものか、襲ってきた宇宙生命体のものか解らない骨が大量に散らばっている…。
もし敗北したら自分達もこの骨に混ざるのだろうか…。
そんな不安が、パイロット達の脳裏をよぎる。
作戦開始五分前、発令所のミサトから通信が入る。
『みんな、準備は良い?
シンジ君は使徒の殲滅だけを考えて。他の皆は初号機のバックアップ。いいわね?』
「了解」
「ねえ、バカシンジ」
アスカから通信が入る。そのにやにやした顔は、何か悪巧みでもしている顔だ…。
「なんだよ、アスカ」
「地球に帰ったら、寿司おごりなさいよ」
「はあ!?なんで急にそうなるんだよ!?」
「バーカ、この豪華メンバーを護衛に付けるんだから、それくらい当然の報酬でしょ」
「良いね、僕は懐石料理というものを食べてみたいな」
カヲルまでもが話に乗ってくる。
「カヲル君まで…」
「私、フランス料理のフルコース、肉抜きで」
更にレイまでも、この騒ぎに便乗して高価なおねだりをしている。
「レイ…それってフルコースって言うの?」
「さあ…でも頼めば作ってくれるそうよ」
寿司に懐石料理にフランス料理…金額を想像しただけで気力が萎えていくのを感じる。
思わず、深い溜息を突く。
その姿を見たアスカが、思わずプッと吹き出す。
「ま、そういう事だから、とりあえずアンタだけは、死んでも守ってやるから」
そう言って笑うアスカの顔は、今まで見た事無いような、優しい笑顔だった。
(アスカって、こんな綺麗な顔で笑うんだ…)
一瞬、その笑顔にうっかり見惚れてしまって、レイに勘付かれて無いかと不安になるが、
レイもまた、ニコニコしている…大丈夫そうだ。
「もう、仕方ないなぁ…」
口元に笑みを浮かべるシンジ。
「そこまで言われたら、絶対帰らなきゃね、地球に」
ちょっと休憩ってとこですよ。
>>939 このペースだと、970辺りで立てれば間に合うのかな…?
今書いてるのが終わったら、スレタイ通りの結婚生活書きたいデス。
猫様は今何をしていらっしゃるのだろうか…忙しいのかな。
>>941 題名は、次回シリーズはちゃんと一つに絞ります。混乱させて申し訳ないデス(´・ω・`)
>>942 かと言って全部言う事聞けるわけないので、どこで折り合いをつけるかが難しいデス。
地球グリニッジ標準時刻、午前9時…作戦が、遂に開始される。
四機のエヴァが、甲板から漆黒の洞穴へ、直接降下する。
光の無い世界…黒より黒い闇が、周囲を覆う。
自分達が本当に垂直に降下しているのか、上下の感覚すら危うくなる世界。
頭部に取り付けられたライトを照らすが、壁は光すら届かぬほど離れたところにあるらしく、
エヴァ同士を照らしあう事にしかならなかった。
それでも、すぐ近くに恋人と親友がいる事は、彼らが恐怖に打ち勝つ勇気となった。
彼らの動向を見守る発令所にも緊張が走っている。
「今のところ、目標の反応はありません…」
「日向君…もし、彼らの反応が全て消えたら…」
「ええ、N2爆雷の一斉投下準備、完了しています」
闇…闇…闇…果ての無い闇に抱かれて、シンジはいつの間にか生身で宙に浮かんでいる事に気付く。
(これは…夢なんだろうか?)
“やっと、来てくれたんだね…”
「誰!?」
目の前にぼんやりとした光が浮かび上がる。それは次第に人の形を成していく…。
“待っていたんだよ…”
ぼやけた輪郭がくっきりと縁取られ、顔や髪型にも個性が表れていく。
粘土細工を仕上げるかのように作られたその姿は、最後には自分の姿になる。
「君は…僕?」
“君の心の模造品…君に限りなく近い、贋作”
「君が、使徒なの?」
再びその者の輪郭がぼやける。
“そう…君達が使徒と呼び、また生命の種と呼ぶ存在”
今度は、カヲルの姿になる。
「何故、君は地球に向かうんだ!?地球に行って、何をするつもりなんだ!?」
再び使徒の姿が変わる。今度は、アスカ…。
“壊すのよ…憎いから。私はもう独りだから。独りになった私を、受け入れてくれないから”
「そんな事はないよ!カヲル君とだって解り合えたんだ。きっと君とだって!」
“じゃあ、彼らとは解り合えた?”
使徒の姿が、7年前に戦った14体の使徒達に次々と変わり、
最後に、ネルフを襲撃した戦略自衛隊の人間達へと、変わる…。
「そうだ…解りあえなかった…」
“だから、殺した”
「そうだ、だから殺した」
“僕を、殺すの?”かつてのシンジの姿になった使徒が問う。
「もし君が地球に行って、人間を滅ぼすなら、僕は君を殺す」
“あの時の僕みたいに?”
気付くとシンジは初号機の中にいた。初号機の手には、カヲルが握り締められている、かつての、あの場面…。
シンジは使徒の問いに、ためらわず答える。
「うん」
“ワシを見殺しにしようとしたみたいにか?”
今度はトウジが…中学時代の、ジャージ姿のトウジが現れる。
「うん」今度もシンジはためらわず、答える。
“何故?”
「レイや、皆に死んで欲しくないんだ。誰かに強制されたのでもない、僕は、君を選ぶ事は出来ない」
“人の命の重さは同じなのに?”かつての自分が問い掛ける。
「うん。それでも、どちらか一つしか選べない事もあるんだ」
“だから、私を捨てた――”使徒の姿が、虚ろな目をしたアスカへと変わる。
「アスカ?」
「アスカ…その、今まで無視してゴメン」
「え…?」
――これは、僕がレイに言われて、アスカに謝りに行った、あの日――
「アスカに見捨てられたと思ったんだ。悔しかったんだ…アスカの事、本当に好きだったから…」
「何よ、今更」アスカはベッド横たわってファッション雑誌を読みながら、ぶっきらぼうに答える。
「…もう一度、やり直せないかな……」
「え?」アスカは起き上がって、シンジを見つめる。アスカの胸が高鳴る。
「もう一度、『友達』として…」
彼女の心が絶望する。
「ともだち…?」
「そう、昔みたいに三人で仲良く出来ないかな…?」
「……ふん、そんな下らない事言う暇があったら、さっさとご飯作りなさいよ!」
――この時僕は、アスカが照れ隠しで言ったんだと思ってた…違ったのか――
「じゃあ、綾波を待たせてるから……ありがとう、アスカ」
部屋に取り残されるアスカ。枕に顔を埋め、泣く。
“また抱き締めてくれると思った…今度こそ、恋人になれると思った、その期待を、あなたは裏切ったんだわ”
「そうだったのか……ごめん、アスカ」
“またあの女が私の大事なものを奪った…レイを憎んだわ。そして、あなたも…何で私を見てくれなかったの!?”
「イヤ!やめて…汚い私を見せないで!!」
アスカの声が辺りに響く。気付くとシンジの正面に、コックピットに座り、耳を塞いでいるアスカの姿がある。
“でも事実よ。私は友人を憎み、愛した男を憎み、世界を憎んだ”
もう一人、アスカの姿が現れ、自分を責める。
「違う!もうやめて!カヲルも…シンジもレイも見てるのに!こんな汚いのは私じゃない!!」
「アスカ!」
叫んだシンジの声に、アスカは反応する。一瞬シンジのほうを見て、また頭を抱える。
「見ないで!私を見ないで!また…また嫌われちゃう…また独りになっちゃう……」
「それは、君が勝手に思い込んでいるだけだ」
アスカの横に、カヲルが現れる。
「いや…イヤァァァァ!!来ないで!見ないで!あなたの前では綺麗でいたいの!」
「心の汚れなど、誰もが持っているんだ。それを、認めなければ、永遠に苦しむだけだ」
「汚い私なんて、誰も愛してくれない…カヲルに嫌われるのはイヤ…」
「言ったじゃないか!例え汚れていても、アスカの事は、好きだと!」
ベッドに裸で横たわるアスカとカヲル…汗ばんだ肌がお互いをより密着させる。
アスカは、汗で背中に張り付く自分の髪が鬱陶しかった。
絶頂を迎えた後の気だるさの中で、頭を撫でるカヲルの手の感触は心地よかった。
「ねえ…」「ん?」「私の事、好き?」「ああ…好きだよ」「私、汚れているのに?」
「なんで、汚れていると思うの?」「だって、あなたの前に、他の男に抱かれたのよ…」
「関係無いと思うよ」「…人を何度も傷つけて、そんな私、汚いわ」
「過去に汚れを知ってしまったとしても、それも含めてアスカじゃないか。その全部が、僕には愛しいんだ」
「…キザったらしいわねぇ」「ふふっ…愛してるよ」「私も…んん…」
「…本当に?」顔を上げたアスカの視線の先に、カヲルが微笑んで立っている。
「本当さ。だから、自分を責めるのはやめて、自分を愛するんだ」
“君が何かを捨てる度に、誰かが傷つくんだ”
使徒の姿が、再びシンジの姿に戻る。そして、次にカヲルの姿へ――
“罪を償う事など出来ない。犯した罪は、君が生きている限りつきまとうんだ。それでも、良いのかい?”
「…構わない」
“逃げても良いのよ”
レイの姿に変化して、彼に優しく呼びかける。
「逃げるのは、『逃げる』という選択肢を選ぶ、って事なんだ。結局、何かを捨てる事になるんだ…。
だったら、僕は自分が欲しいと思うものを選ぶ」
“何を望むの?”
母が、シンジに問い掛ける。
「……未来が欲しい。レイと生きる未来…そして、みんなと生きる未来が欲しい!」