ミサト×シンジの可能性を語るスレ 2回目

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954姉弟07
「この世界には何も無いんだ。
誰も居ないんだ。
それでも、アスカは僕じゃ駄目なんだね。
でも、この世界で一人で生きていくのは、死ぬことより辛いよ。
だから楽にしてあげる。
大好きなアスカに出来るのは、これくらいしか無いから。
スグに僕も追うからね。」
シンジがアタシの首に手を添える。
段々と首を締める力が強くなっていく。
頭の中に色んな場面が浮かんでは、消えていく。
走馬灯かな?
これから死ぬというのに、そんな呑気な事を考えてた。
955姉弟07:2006/11/01(水) 13:36:43 ID:???
子供の頃、母親殺しの子供と罵られた。
父親に捨てられ、預けられた家では肩身のせまい思いをした。
父親に呼ばれた時、一緒に暮らせると思った。肩身の狭い思いをもうしなくて良いんだって思った。けど、そんな期待はスグに裏切られた。
エヴァに乗る事を強制された。乗りたくなんて無かった。けど、乗らなければ人類が滅びるとか、怪我をしている女の子が代わりに乗ることになるなんて言われて、逃げれるほど僕は強くは無かった。
ミサトさんに憧れてた。好きだった。家族だと思ってた。けど、裏切られた。ミサトさんにとって僕は復讐の道具で、エヴァのパイロットだった。
トウジの妹を傷付けた。もしかしたら、死んだのかもしれない。
トウジの足を奪った。
綾波が僕を守る為に自爆した。生きていたと思った綾波は、僕の知ってる綾波じゃなかった。綾波は作られた存在だった。
カオル君を殺した、握り潰した。
アスカを守れなかった。傷付いていたアスカを汚した。
最後の戦いでミサトさんは死んでまで、エヴァに僕が乗ることを望んだ。
乗りたくないのに、もう誰も傷付けたくないのに。傷付けて、傷付きたくないのに。でも、結局僕は逃げれなかった。
アスカが量産機に犯されてた………
なんだよ………
なんで!!!!!!!!!!!!!!!!





こんなに、辛い思いをしないといけないのさ。




もう、こんな世界いらないよ………。



956姉弟07:2006/11/01(水) 13:40:25 ID:???
走馬灯なんかじゃない。アタシの記憶じゃない。これは、シンジの記憶だ。それがシンジの手を通じてアタシに流れ込んできた。
そっか、シンジがアタシを望んでくれたんだ。だから、アタシはこの紅い世界にいるんだ。
「ごめんね、ごめんね。アスカ……。」
シンジの涙がアタシの頬に落ちる。
アタシ、シンジに非道い事してきたのに。
シンジはアタシの為に泣いてくれる。
『優しくしてほしいから、優しくしてるだけじゃない!!』
アタシは以前シンジをそう罵った。けど、仕方ないじゃない。シンジは、それまで優しくされた事なんて無かったんだから。それに、シンジが優しかったのは事実だった。
それなのに、アタシはシンジを傷付けた。
シンジにシンクロ率を抜かれて、悔しくて、アタシの存在意義を奪われるような気がして。
それなのに、シンジはアタシを望んでくれる。
アタシの為にアタシを殺そうとしてくれている。
『ごめんね、ありがと。これからはアタシがシンジに優しくしてあげるわ。感謝しなさいよ、バカシンジ!!』
そう言いたかった。
けど、のどがシンジの手で圧迫されて声が出せない。
どうにかして、伝えたい。
アタシは手をシンジの頬に添える。
『ありがと、ごめんね。好きよ、バカシンジ』
言葉の代わりに、表情で伝える。
「アスカ?」
首を締める力が弱まった。
「どうして!?どうして!?どうして、こんな事するんだよ!?どうして、どうして…………どうして、そんな優しい顔するんだよ。もう……アスカの事、殺せないじゃないか………。アスカを一人に出来ないから、死ねないじゃないか………。」
アタシが紅い世界で最後に見たのは、やっぱり優しいシンジだった。

957姉弟07:2006/11/01(水) 13:49:32 ID:???
アタシが目覚めた時、そこは紅い世界じゃなくて、
『アスカちゃん!!アスカちゃん!?』
『ママ?』
シンジの望んだ優しい世界だった。
それなのにシンジだけが傷付いたままで、アタシの知ってるシンジじゃなくなっていた。
『どうして、どうして!?シンジの記憶をけさなくちゃいけないのよ!?』
『シンジ君に生きていてもらう為よ……。』
ミサトはうつ向いて呟いた。
『はんっ!!何を今更!!シンジを追い込んだのは誰よ!!』
アタシにそんな事を言う資格は無い。けど、だからこそシンジを癒したいと思う。それに……
「シンジの事大好きだから、髪を切るなんて何でも無いのよ。」
「は?アスカが僕の事を好き?」
シンジは固まっている。
「ごめん、僕は………。」
その先を聞きたくはなかった。言わしたくは無かった。
「んっ………。」
だから、シンジの口を塞いでやった。
「あ、あふか……。」
シンジの中はタバコの味がした。
「タバコの味がする……。」
「えっ!?」
シンジの顔を見てスグにわかった。ミサトだ。シンジが教室で倒れた後、落ち着かせる為か吸っていた。
「ど、どうして?」
キスしたのかって?
「言ったでしょ、シンジ。アタシはアンタが好きなのよ。それに………。」
ミサトとだけは許さない。アタシとシンジが傷付いていた時に、加持さんに逃げてたミサトとだけは………
「姉弟でキスするなんて、普通じゃないわよ。幼なじみとしては、見過ごせないわね。」
「なっ…………。」
アタシは固まったシンジに苦笑して、保健室を出た。