ママは中学二年生

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「母さん!ここにいたんだね!」
「碇く…いいえ シンジ 私がママよ」

そうして親子として暮らし始めたシンジとレイだったが…
ちゃんと続きかけよ。
2getしたぞ。
近親相姦か(´Д`)ハアハア
そのうち「ソンコン」(ソン・コンプレックス=息子)とか
「ドタコン」(ドーター・コンプレックス=娘)とかいう言葉が出てくるかもな。
セーラームーンのちびうさも近親相姦だったよね?
ちくしょう、久しぶりにスレタイ見てそそられたぜ…
シンジとアスカができちゃった! で。。。できちゃった……

元ネタとは何の関係もございませんが
「来い」とだけ書かれた手紙を持って第3新東京市にやってきたシンジ。
待ち合わせ場所の駅前ロータリーに立ちつくしている。
…手紙には若い女性が写った写真とメッセージが同封されていた。

母親が死んでから、早11年。
男ヤモメの生活に終り告げるつもりなのだろう、そうシンジは思っていた。

「だからって、何もこんな女性とはなぁ…」
写真の女性は葛城ミサトと言う。
20代後半というところか?
腰を屈めてVサインをかざしたその姿は胸元が強調されている。
そして、キスマーク。

「年頃の息子をナンだと思っているんだろ…」
やや不機嫌そうに呟くシンジ。

二本目のジュースに口をつけた頃、タイヤを鳴かせながら青いスポーツカーが近付いてきた。
ごん!と路肩に乗り上げながら停止した車のドアが開く。
「ごっめ〜ん、お待たせぇ〜」
呑気な声で頭を掻きながら、件の女性が笑いかけてくる。。

クラシック音楽が流れる車内、やや緊張した様子のシンジ。
ミサトはハナ歌を歌いながらハンドルを握っている。
…やがてシンジがおずおずと尋ねる。
「…ミサトさんは…父さんのドコがいいんですか?」
「ん?何の事かしらぁ」
「父さんと、結婚するんでしょ?」
「えっ…何も聞かされていないの!?」
ミサトの顔色が見る間に曇る。
それを見てシンジの脳裏に不吉な予感が走る。

続きは?
L・G・S!L・G・S!L・G・S!
9:05/01/16 01:50:49 ID:???
ネルフ本部。 第3新東京市、の地下深くにそれはあった。
国連直属のこの組織はなんだか秘密で機密な仕事をしているらしい。
そしてそこの初潮いや所長(皆はなぜか司令と呼ぶ)がシンジの父親・ゲンドウである。

「シンジ君、いい?何があっても驚いちゃダメよ?」
本部に入る前、ミサトはそう念を押した。
だがそれは今後シンジの身の上にとんでもないことが起きると宣告したようなものである。
「ミサトさん、一体何があるんですか!?」
「ちょっちそれは他人の口からは言えないわねぇ〜」
シンジから視線を逸らしながらひたすらトボけるミサト。
「あら、ミサト。それが例のお子さん?」
突然、後ろからやや甲高い女性の声がする。
「リツコぉ〜、シンジ君何も聴かされていないみたいよぉ?」
「司令のやりそうな事ね…初めまして、シンジ君。私は赤木リツコ」
白衣に身を包んだ金髪の女性が握手を求めて右手を差し出す。
右手を出そうとして慌ててズボンで掌を拭うシンジ。
「は、初めまして…あの、ひょっとして、貴方が父さんの再婚相手ですか?」
だがリツコは皮肉っぽく笑っただけだった。 その時。

「久しぶりだな、シンジ…」
廊下の反対側から特徴のある声がする。
短髪にアゴヒゲ、そしてサングラスの大柄な男が立っている。
「父さん!…突然、どうしたんだよッ!どうして急に呼び出したりしたんだよッ!」
わめき散らすシンジを眺めながら、チョイと肩をすくめて見せるゲンドウ。
「お前に新しい母さんを紹介しよう…綾波レイだ」
ゲンドウの後ろから1人の少女が現れる。
蒼い紙、紅い瞳、そして白い割烹着。
少女は無言のままぺこりとお辞儀をすると再びゲンドウの影にかくれる。
自分的には直接的なエロ描写は無い方がいいな
116:05/01/16 02:29:48 ID:???
どーもです。
レス前半はエロ期待の人が多いようなんですが…。
微妙に危うい関係が書かれた作品、が期待されているのでしょうか?
…難しいですねぇw

このままでは学園&ホーム・コメディ路線になると思われ。
路線変更をご希望の方はすぐに申し出てください。
今ならバトンタッチも出来るでしょう…んで、誰か代わって書いてください。


ちなみに私、すっごく遅筆です。

12名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/01/16 13:32:30 ID:MH6Ll4CB
ほれもう泣くな
かあちゃんにおぶされ
>「年頃の息子をナンだと思っているんだろ…」
あまり他人の文とか読んでないでそ
日本語おかしいよ
君もね。
そんなにおかしいかな。
俺は普通に読んでしまったけど。
>>13
スマソ、漏れもどこが変なのか判らん。
どういう風にへんなの?
読解力の無い人間はすぐに文章のせいにするw
前後の文章からも、あんま矛盾はないと思うが?
わかった。ナン→何に変えろということでは?
んなわけねーか。
そんな事はどうでもいいから
非エロはイラネ
いやいやそうは遺憾w
是非とも>13にはご高説を賜りたいものだ
おまえら、食いつきいいな。
ところで
>>14が「君もね」と書いている一件だが。
14の日本語もおかしいが13も変だ、と言う事なんだらうか?
そういう事なんだらう。
>>13









滑稽w
>>22
アンカー間違ってるよw
ここで問題なのは>>6>>13でしょう?
きっと「年頃の息子をナンだと思っているんだろ…」で
ゲンドウさんがシンジ君のことを『ナン』だと思ってる。
シンジ君が『ナン』って何だよw食い物かよwwww

と言いたかったに違いない。
一気に親子漫才編に突入ですなw
>>13マダー?チンチン(AAry
「何だと思っている」の何をナンと表記したのは確かに始めて見た。
何でカタカナにしたんだ、13は?
そういう表記の小説でも流行ってるのかな?
小池一夫原作の漫画にはありそうな表現…かな?よく判らん。
つか、>>6ジャネーノ?
>>13は書き方を間違えてる。
日本語が変。ではなく読ませ方が変なんだよ。

>>29の言うように「何」を「ナン」と書かなくても
そう読むのだから。
そういうのは作者の表現によると思うけどね
いや、>>31の説明はイイ!
確かに漢字で書かれていても普通なら「なんで」と脳内変換するだろう。
作者の表現か変換ミスかはさておいて、良い学問をいたしました。
「なんだ」だったorz
3513:05/01/16 21:42:00 ID:???
そうか。きっと俺の日本語が古いんだろうな。
以前、バイトでs潮社のリーダー、やってた頃こういう場合
「年頃の息子」ではなく「年頃の子供」というべきだと教わったもんでね。
主語と目的語の関係さ。
6さん続き楽しみにしています!
自分的には今まで抑えていた母親への甘えが爆発して
ママ大好き暴走シンジとか見てみたいです

シンジってマザコン属性あるのかな?
そう言えば、出版社のバイトで某賞の下手くそな応募原稿を読みすぎ話が書けなくなったとボヤいついる奴がいたな。
あれはどこのスレだったか…。
>>36
だけどママはパパを甘やかすけど、シンジにゃ厳しい〜
パパはシンジを甘やかすけど、シンジにゃ煙たがられてる〜

ママは洞木さん、パパはトウジが良いと思うナリ
396:05/01/18 19:52:05 ID:???
学園&ホーム・コメディ路線で設定を作っています。
おおまかな粗筋は出来ました。
手近に迫ったヤツを片付けて一本書いてみます。
悪いクセで連載モノになりますw
んで、うpが遅いww

ではまた。
>>35
14歳という微妙な年頃の男の子は自分のことを「子供」と言うかな?
俺が思春期だった頃は子供扱いされるのを嫌ったものだが
4113:05/01/20 20:41:42 ID:???
206 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [age] 投稿日: 05/01/09 01:46:32 ID:???
つかさあ、エヴァ板でFF書いてる香具師ってどういうつもりなんだろ?
207 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 05/01/09 02:02:42 ID:???
ひまつぶし
208 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 05/01/09 12:17:18 ID:???
あれを誉める輩がいるからなあ。
普通に読書してないのが丸判り。
209 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 05/01/09 12:40:08 ID:???
かなり前から見てて、書いてる人には悪いけど最近のレベルは低下する一方だね。
基本的な文章力とか、表現方法なんか。
ラノベでも相手にされないから、エヴァ板で書いてるのかな?
だとすると優れたキャラハンがなりきりへ移住して、コテハンばかりになったのと
同じ現象が表れてる希ガス。
210 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [age] 投稿日: 05/01/09 14:36:28 ID:???
文章力だのどーでもいいじゃん。
電車男がベストセラーになる時代ですぜ。
211 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 05/01/09 14:55:17 ID:???
>>209
否定はできんが俺の常駐してるスレは面白いぞ
212 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 05/01/09 15:01:28 ID:???
晒せ
213 名前: 名無しが氏んでも代わりはいるもの [sage] 投稿日: 05/01/09 15:46:32 ID:???
>>212
(ノ∀`)<ムリ〜、楽しみは自分だけの物


エヴァ板・自治スレから転載。
良かったね、同じような事を言っている人がいますよ。同じ人かな?
ありゃ、名前を消し忘れた。
別人です。
このスレも粘着が居つくようになって、やっと一人前になったね
自分の目が正しいと思っている馬鹿ほど可哀想なやつはいない
>>41
すっげー大正解だ!!

>>40=自治スレ207

やるなーお前。
ママ...
.        i        /  /             |:: |
        i       /  /-―===-;.   ;.'==ー-l::::: |
.        i       ./  メ=;テ'=ニ.'     ;=;テ'=;'.l|:::: |
        i      /l  / ~. ̄      i  ̄ ~ .l|:::: |
.       i       l ./          l    l|::::: |
       i        y'i           |    ,'|::::: i
.       i /       .l;;l           l   ,'ヽ'、/  
       i/       .ll:l.|        '^  '   ,.':::::::l.|  何かしら?綾人 
. |',  |\ ./        |::l.|.     -;=ニ=ニ;'.  ,'::::::::/l.|   
. | \| ./       i  |:::|.|ヽ,    ~"='~ /:::::/ l.|  
iヽ.,   ~        l  l|::l.|:::::::ヽ.,      /::::/ .//  
|            /  ノ|l:l.|::::::::::::::::' ‐、,__,.イ;;;;:ニー;;'/:
ヽ,         / .// ~'  ̄"'ー‐‐--、;.::/ 
48名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/22 04:14:12 ID:RJpJtZLX
ママー!
まんまくだちぃ。
506 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:20:36 ID:???
>>6
>>9
からの続きです。
『ママは中学二年生』 第一話 「ママはある日突然に」

>>36
ごめんなさい、カナーリ違う内容です。

あの…責任は持てませんから…。
516 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:21:38 ID:???
「はは、は…何、これ?」
ゲンドウとその後ろに隠れている少女を指差してシンジが力なく笑う。
「…誰か、ちゃんと説明してよ」
周囲を見回すが誰もそれに答えない。
「父さん…何とか行ってよ、父さん」
だがゲンドウは唯腕組みをしてシンジを見つめているだけだ。
周囲の大人達は成り行きを見守っている。
ぷち
シンジの何かがハジけた。
「よりによって!再婚相手が!どーして子供なのッ!?同い年位の女の子を!どーして
『母さん』だなんて呼べるのッ!?」
握り拳がぶるぶる震える。
「父さんは…父さんは、クダモノだッ!」
「…シンジ君、それを言うなら『ケダモノ』じゃ…」
そばに居たミサトが思わずツッ込む。
「どっちみち、ニンゲンじゃありません!」(C)有間しのぶ
「…シンジ、お前には失望したぞ…」
眼鏡を押し上げながらゲンドウが喋り始める。
「私は『母さん』と紹介したはずだ…再婚相手だなどとは一言も言ってはいない」
「そ、そんなの詭弁だよッ!普通ああいう紹介をされたら誰だって…」
「シンジ、ごまかしてはいかん…お前は勘違いをしていたのだ…そして勘違いをしたまま、
ヒトを糾弾しているのだ。…恥ずかしいとは思わんか、ん?」
「そ、そんなの…」
シンジの声にはさっきまでの力がない。
「父は悲しいぞ…だが嘆いてばかりでは物事は解決しない。お前がそんな風に育ったのは
やはりユイがいないせいなんだろう。そこで」
背後に隠れていた少女を改めてシンジの前に押し出す。
「私に与えられている権限と研究費と時間をムニャムニャしてこの娘を『造った』のだ」
シンジの前に押し出された少女が困った様な顔をしている。
やがて少し照れながら微笑むと右手を上げる。
「ち」
526 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:23:00 ID:???
はぁ、と短いため息をつくゲンドウ。
「肉体は見事に完成した。魂と呼ばれるモノだってある…だがしかし!MAMIシステムに
よる情緒教育ではどうしても限界があった…」
MAMIシステム
第七世代の有機コンピュータに実在する人間の人格を移植し「思考」する独立した3基からなるスーパーコンピュータである。
開発担当者である赤木ナオコ博士とその他2名の有能な女性科学者が人格提供者だ。
しかし当時の技術的限界により魂まで移植する事はできず、擬似人格の域を出ない。
故に人間らしいコミュニケーション方法など教えられる訳もない。
伝達方法もゆったりとしたものではない。
我々がファックス通信の音声を聞くようなものだ。
だからシンジ達には少女の発した言葉が「ち」と言う単音に聞こえてしまうのだ。

「…そこでシンジ」
シンジを指差すゲンドウ。
「なっ、なに?」
「お前、一緒に暮らして母親らしくしろ」
「…それって…本末転倒してるんじゃあ…」
「ぐだぐだいうな。これが成功すれば社会的な貢献にもなる…任せたぞ」
「社会的な貢献って、何さ?」
シンジの声にはまだ疑念の色がにじんでいる。
「…たとえば、だ。予測もできないようなトラブルによって両親を亡くした幼子に対する
一時的なメンタル・ケアとかだな」
意外にありそうな事例だった。
しばし沈黙の後、シンジはゲンドウの命令に従った。
536 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:24:59 ID:???
「司令、息子さんに本当のことを教えなくても良いんですか?」
「…今はアレでいい…必要になれば話す」
執務室に戻ったゲンドウに赤木リツコ博士(技術局一課・E計画責任者)が尋ねる。
「…失礼ですが、本当の事がバレたら…」
「かまわん…E計画は何事にも優先されるべき事案だ…それは委員会も承知している」
「ですが…」
「その副産物としての人類補完計画でありEVA開発だ…問題はない…」
大きなデスクに両肘をついたゲンドウはその口元を組み合わせた指で隠している。
薄暗い室内にも関わらずサングラスをかけているゲンドウの表情は読みにくい。
「息子さんにも真実を教えないのは…」
「公私の区別はつける…それに、知れば素直に言う事を聞くと思うか?」
「…いえ…」
「我々には時間がないのだ…」
「すべての元凶は『セカンド・インパクト』ですわね…」
リツコの言葉に、あぁ、と短く答えるゲンドウ。
「たった一粒の石ころが地球を揺さぶってくれた」
546 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:26:01 ID:???
西暦2000年9月13日、南極に隕石が衝突した。
その隕石は大質量であり光速の数十%という速度であった為、有史以来最大の大惨事を生じさせた。
南極の氷は溶け出し海面を上昇させ、衝撃による津波は瞬く間に世界中に損害を与えた。
さらに災いは続く。
衝撃により地軸が捻じ曲がりマントル対流に変化が生じた。
それは海底プレートの移動を誘発し、地震や火山活動をもたらした。
異常気象が続き世界的規模で温暖化が進む。
そうした環境変化に呼応する様に様々な種類のウイルスが発生した。
そしてそれらは驚くべき速度で世界中に蔓延して行く。
一国の研究機関では到底対応できない現実に、国際社会はひとつの組織を立ち上げて対応した。

NERV
遺伝子研究を目的に国連によって設立された人工進化研究所をその母体とした組織である。
ネルフにはたちまちにしてウイルスのサンプルが持ち込まれ、分析・研究が進められた。
原因不明の新たな疾病――特に感染性疾患と思われるもの――のサンプルが運ばれ、職員
達は危険を顧みずそれらに対して戦いを挑んだ。
有効な治療法の開発まで彼らは戦い続けた…。
こうして年月は流れウイルスの脅威は概ね去った。
だが…
556 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:27:03 ID:???
シンジ達の住居はネルフが用意していた。
コンフォート17マンション・11-A-1号室。
新東京市郊外に立つやや古びたマンションだ。
簡単な家具は据え付けられているとの事で、手荷物ひとつでの引越しだった。
案内役はミサト。
一通りの説明を済ませると彼女はにっこり笑って言った。
「じゃあ、またねン♪」

だだっ広い3LDKの空間にシンジは取り残されてしまった。
傍にいるのは、にこにこと笑うだけの人形の様な少女。
人間の科学技術が造り上げた奇蹟。
だが今のシンジには重荷でしかなかった。
もともとシンジは社交的な性格ではない。
幼くして母親を亡くし、父親はなんだか訳の解らない所で仕事に明け暮れている。
施設に預けられたシンジは、その性格ゆえに他人の集まる共同体内でますます自分の殻に閉じこもった。
意思の疎通が可能な人間にさえ苦手意識を持つシンジが、どうしてこの少女とすぐに馴染めるだろうか?
シンジはひたすら渡されたマニュアルを読んでいる…いや、読むフリをしている。
そうする事でこの状況から逃避しているのだ。
少女はと言えば、周りの物すべてが珍しいのか室内をあちこちと歩き回っている。
時折それらに触れては例の可愛らしい声をあげている。
やがてシンジの視界から少女が消える。
まず目で、そして首をめぐらせてその行方を確認するシンジ。
どうやらリビングに行ったみたいだ。
「はぁぁあぁぁぁ…」
重苦しいため息をついてシンジは頭を抱えた。
「無理だよこんなの…言葉も通じない相手、どうやって仲良くなれって言うんだよ…」
その時、歴史が動…もとい、甲高い悲鳴が響いた。
566 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:29:33 ID:???
少女の声だ。
思わず立ち上がるとシンジは声のした方…リビングに飛び込む。
いない。
辺りを見回せばバスルームのアコーディオンカーテンが開いて湯気が出ている。
バスルームのドアからそっと中を覗くシンジ。
「どうしたの…ぅわ!」
全身ずぶ濡れの少女がバスルームの隅でうずくまっていた。
大きな紅い瞳がシンジを捉える。
たちまちその表情が崩れ、がばっ!と抱きついてくる。
何があったのか、シンジはおぼろげに理解した。
あちこち触っているうちに熱湯のシャワーを浴びてしまったのだ。
我に返るシンジ。
「!ヤケド!」
少女の顔は赤い。
だがそれは感情の昂ぶりのせいかも知れない。
手足は…無論、赤い。
「ごめん!」
言うが早いかシンジはシャワーを水に切り替えて少女に浴びせる。
「ちぃィィィ!」
少女の悲鳴がバスルームに響く。
その場から逃れようとする少女の腕がシンジの顔に胸に伸びる。
見ればシンジの顔には幾筋かの引っかき傷がついている。
「あッああ暴れちゃダメだよ!ヤケドはすぐに冷やさなきゃいけないんだよッ!」
なおも暴れる少女に言い聞かせながらシンジはひたすら水をかける。
「ち?」
少女の腕から力が抜け、何かを思い出そうとする様な表情をみせる。
記憶の中にある膨大な知識からシンジの言葉が検索され、そして理解する。
心配そうな表情をした少女の手が、そっとシンジの引っ掻き傷に触れた…。
ざぁざぁぁ…
576 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:30:44 ID:???
「濡れた服はすぐに脱いで!風邪引くから…今、着替えを出すからそれに…」
そこでシンジは気がついた。
少女の荷物はごくわずかであり、そこに着替えはなかった。
思わずへたり込むシンジ。
べちゃっ  
湿った音のする方に振り向くと、少女は素直に服を脱ぎ始めていた。
「はぅあわわわ…とっとっとっとりあえずこれで…」
手近にあったベットのシーツをひっぺがして少女を包む。
「そっそれで身体を拭いてて…今、着る物を探すからッ」
自分のバッグを引き寄せると中身を引っ張り出す。
やや厚手の、フリーサイズのTシャツを取り出す。
「こっこれ…洗濯、してあるから」
なるべく少女を見ないようにして差し出す。
ぱさり
シーツの落ちる音
そして衣擦れの音
「ち」
耳元で少女の声がする。
「うわ!」
驚いて思わず振り向くと、そこにはしゃがみ込んだ少女が満足そうに微笑んでいた。20

しばしの沈黙――そして突然のチャイム。
「ちわーーーっス。ネルフですが、お荷物をお届けにあがりましたぁ♪」
ミサトの声だ。
我に返ったシンジはあわてて玄関に走る。
「レイの着替えよ、運び忘れてたわぁ…おぉ!」
段ボール箱を抱えてさっさと上がり込んだミサトが思わず叫ぶ。
そして振り返って意味ありげに笑う。
「ンもう、シンちゃんたらなんてコトを…ぷぷぷ」
「ちッ違いますよミサトさんッ!この娘、ヤケドしたんですよッ!」
シンジの言葉にミサトの表情が変わる。
586 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:31:51 ID:???
『リツコ!?大至急マンションまで来て!レイが火傷を負ったわ!』
まずミサトがした事は電話をかけることだった。
その口調や態度があまりにも過剰に思えたシンジはつい口を挟む。
「ヤケドって言っても、たいした事ありませんよ。赤くなっただけだから…」
「…そうね、えぇたぶんそうでしょうね。ま、これもデータ集めみたいなモノよ」
シンジを見ながら表情を和らげる。
その後ろでは少女がシャツの裾を引っ張って膝を隠そうと奮闘中だ。
だがシャツを引っ張れば引っ張る程、布地が身体に密着して身体のラインを強調する。
胸には二つの突起物まで浮き上がっているではないか。

「レイはどこ!?」
ミサトの電話から10分後、白衣姿のリツコが現れた。
様々な機材を携えた男女を従えている。
「映像記録開始。サンプル採取、急いで」
男達に指示しながらツカツカと少女に近づく。
「レイ、診察するわよ?」
そう告げるとシャツの裾に手をかけて一気に引き上げる。
すっぽん
そんな音が聞こえそうな程見事な脱がせっぷりだ。
「…ほとんどが熱傷度1ね。水泡形成も右前額部に一ヵ所だけ…安心したわ」
小さなチューブを受け取ると中身のクリームを少女の額に塗るリツコ。
「採血は済んだ?」
「ハイ…皮膚のサンプルはどうしますか?」
「…水泡の近くから採りましょう…ちょっと我慢してね、レイ」
プラスチック手袋をした手が鈎針に似た器具を持って近づく。
その先端部がおでこを引っ掻くと、少女は少し眉をしかめる。
小さな傷口に絆創膏を貼るとその騒ぎはお終いとなった。
帰り際、リツコは少女に紙袋を手渡した。
「念の為、寝る前に飲んでおきなさい」
無表情の少女が黙って頷く。
シンジはその光景を不思議そうに見ていた。
596 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:32:53 ID:???
      _..∞,,
   ●'''" * ""'';;,
    \.从 从 ;;;ミ 
   ((  ゝ´∀`ν ;;;ミ
      ○薬⊂   ;;;ミ
      O_,,,O_,,,,,.ノ'〜
606 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:33:55 ID:???
「…あの娘、身体が弱いんですか?」
リツコたちが去った部屋でミサトに尋ねるシンジ。
「ん〜弱いって言うか、なんていうか…困ったわねぇ…」
しばらく考えた末、ミサトは言葉を選びながらゆっくりと説明する。
「はっきり言えば、レイは今日はじめて培養槽から出てきたの。だから私達もレイが『こ
の世界』にどこまで適応出来るのか解らない、ってワケ。…すべてが手探り状態なのよ」
シンジにはその意味するところが十分には理解できない。
「そんな…そんな娘といきなり生活するなんて、僕が参っちゃいますよッ!」
「だーいじょうぶいッ!バックアップは万全だし、あれこれ面倒を見ていたら愛情も深まるものよ♪」
「…」
「そう深刻に考えないで?それよりお腹空かない?」
言われてみればもう夕方である。
お昼は小さな駅弁を食べたっきりだ。
「はぁ…はい…」
「それでは早速お料理開始ッ!さ、レイもいらっしゃい」
とてとてと歩み寄る少女。
「とりあえず卵焼きでも作りましょう…簡単だし。はい、卵」
備え付けの冷蔵庫からあれこれと取り出すミサト。
「レイ、卵を割っといてぇ…お米と炊飯ジャーはどこかしら…?」
システムキッチンの扉をパタパタと慌しく開閉させているミサト。
仕方なくシンジも手伝おうとした瞬間、微妙な音がした。
ぐちゃ
少女が生卵を握り潰している。
「…あちゃ…あのね、レイ。卵は壊れやすいから、そーっと割るのよ?」
「…なんだかパワードスーツの説明みたいですよ、このセンテンス」
ミサトの言葉にこっくりと頷いた少女が、今度はこつ…こつ…とまるで発掘作業の様な
慎重さで卵をテーブルにぶつけている。
「…ああやって学習した事を体験によって修正していくの…がんばってね、シンジ君」
「…晩ご飯、いつ食べられるんですか…?」
616 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:34:58 ID:???
スクランブル・エッグとご飯+フリカケという夕食を済ませるとミサトはさっさと引き上げていった。
聞けば隣の部屋が彼女の住まいだという。
何かあればすぐに駆けつけるわよン、と言い残してウインクをひとつ。
単なるお目付け役じゃないか、と呟きながらシンジはため息をつく。
…一体、今日一日で何度ため息をついただろう?
父親に呼び出されてのこのこやって来たら、いきなり同い年の母親を紹介されオマケに
その娘は人造人間…。
知識はあっても実体験が伴わないのでまるで赤ん坊みたいだ。
そしてその娘を一人前の母親にするのが仕事だなんて…。
はぁ
…ため息をもうひとつ、ビターはほんの少し…人生に乾杯!

しばらく夜景を眺めてからシンジは「新居」へと入っていく。
驚いた事に玄関では少女がじっと佇んでいた。
「…どうしたの?」
泣き笑いのような表情を見せると、シンジの手をぎゅっと握ってぶんぶん振り回す。
…あぁ、そうか…
シンジはなんとなく理解できた。
少女は不安になったのだ。
その感情はシンジにも覚えがあった。
幼い頃、父親に連れられて施設に行ったあの日。
玩具に夢中になって遊んだ後、ふいに父親の姿が見えなくなった時に感じたものだ。
「…どっちが親代わりだか、解んないよ」
手を握り返しながらシンジが笑う。
少女の頬が赤らみ、ぷうっと膨らむ。
ふ、と少女の視線がシンジの頬に止まる。
バスルームり格闘で引っ掻かれた傷だ。
「だ、大丈夫だよ…ツバでもつけときゃ治るから…」
ふぅん、と言う表情をすると少女はそっとシンジの顔をその両手で包み…顔を近づける。
ぺろり
少女のピンク色の舌がシンジの頬に触れる。
626 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:36:01 ID:???
「!いッいいよそんな事しなくても!」
真っ赤な顔を見られない様にシンジは自分の部屋である和室に逃げ込んだ。
まだ鼓動は高鳴っている。
…はぁ…
今までのモノとはやや異なる性質のため息をついてシンジは立ち上がる。
「…寝よう…」
あまりにも沢山の出来事が続き心身共に疲労が蓄積されていた。
押入れから布団を取り出すと畳に放り投げる。
そしてそのまま布団に倒れ込み、あっと言う間に寝息をたて始めた。
636 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:37:09 ID:???
その頃少女はと言えば。
一人になったリビングで何やらテキストを読んでいる。
『女の子のエチケット』と題されたそれはネルフ職員である伊吹マヤ嬢の手によるものだ。
そりゃそうだ、いくらシンジと言えど女の子の生理現象などは未知の分野だ。
下着のつけ方から始まりトイレの説明・身だしなみエトセトラetc…。
それを読みながらいちいち現物を前にしてフムフムとうなずく少女。
…時計が1時を示した頃、少女の眼がテキスト最終ページで止まる。
『碇シンジ君の呼び方を決めましょう』
眉間にシワを寄せてしばし長考の少女。
ボールペンを取り出すとテキストの余白になにやら書き込み始める。
碇君 イクリクンポッ 碇シンジ君 シンジ君 イカリン 坊や 坊ちゃま
少年 マイサン 司令jr シンジ シンちゃん…
『シンちゃん』と書いたところで少女の顔が緩む。
どうやらこの呼び方が気に入ったようだ。
テキストの文字を眺めながら唇をゆっくりと動かす。
シ ン ち ゃ ん
アレ?と言う表情の少女…声が出ないのだ。
あの独特の発声方法に馴染んだ声帯では普通の発声についていけない。
あわてて自分の喉に手を当てて何度も発声練習を繰り返す。
東の空が白々とし始めた頃に努力は報われ、少女は少年の名前を初めて呼んだ。
自分の声に驚きつつも、少女はもう一度その名を呼んだ。
「シ、ン、ちゃ、ん」
その名前を呼ぶ度に少女の顔がほころびる。
少女は胸の前で両手を組むと、祈る様に少年の名前を呼び続けた。
646 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:38:12 ID:???
気だるいまどろみの中でシンジは懐かしい何かに引き寄せられていた。
『…ン、ちゃ、ん…シ、ンちゃ、ん…起、きて…あ、さ…』
…あぁ、母さんが呼んでいる…
…そうだ、幼稚園…いかなくちゃ…アスカと遊ばなくちゃ…
…幼稚園!?
…そんな、馬鹿な…
鉛の様に重い瞼を必死で開ける。
薄明かりの中、誰かが枕元でシンジに呼びかけている。
「シ.ンちゃ、ん…あ、さ」
「…母さん…?」
ぼーっとする頭でその言葉の意味をよく考える。
そんな…バカな…母さんは、母さんは死んだじゃないか…まだ、夢を見てるのかな…?
シンジの身体に何かが触れる。
それをシンジの右手がゆっくりと捕まえる。
細く、小さな手…。
これは…母さんの手じゃ、ない…だって、だって母さんは僕よりも大きいから…
シンジの意識が急速に覚醒していく。
室内の薄暗さにも眼が慣れてきた。
…シンジの枕元でささやきかけていたのは昨日の少女だった。
それに気付いた時、シンジはなんだかとても恥ずかしくなった。
呆けた寝顔を見られた事もそうだが、少女を母親と錯覚した自分が恥ずかしかった。
理由は良くわからない。
だが、シンジはとても恥ずかしかった。
その感情が、照れ隠しの為に棘のある言葉をシンジに吐かせる。
「…勝手に、勝手に部屋に入るなよッ!」
怒声に一瞬身を縮める少女。
それを見たシンジの胸がチクリと痛む。
少女はおずおずと枕元の時計を差し出す。
時計の数字は…8時20分を示している。
「…遅刻だ…」
シンジは逃げ出す様に飛び出して行った。
656 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:39:14 ID:???
「…え〜、授業の前に転校生を紹介します。今日から皆さんと一緒に勉強する事になった、
碇シンジ君です。仲良くしてくださいねぇ…。では自己紹介してください」
転校手続きはネルフが済ませていたのだが、紹介はシンジの遅刻によって結局2時間目になった。
「その…碇、シンジ、です。…よろしく」
途中から見知らぬ集団に加わるのはちょっとした度胸がいる。
ましてや初日から遅刻などした後は特に。
「今度の転校生は重役でっかぁ?」
後ろの席から飛んだ言葉でクラスが笑いに包まれる。
さっそくからかわれてしまった。
無言で示された席に座る。
こつん
何かが後頭部に当たった。
…はぁ
どうせ新人イジメの悪戯だ…そう思ってシンジは無視した。
こつん
また、だ。
我慢我慢
カツ!
…今度はものすごく硬いモノが当たった。
まるでプラスチックで出来た物差しで叩かれたみたいだった。
「何するんだよッ!」
授業中なので小さな声で文句を言いながら振り返る。
そこには…案の定プラスチック定規を持った女の子が居た。
赤味がかった金髪、青い瞳、端正な顔立ち…。
意外だった。
もっと「それらしい」男子生徒の悪戯だと思っていたからだ。
「…ひどいじゃないかッ!なんだってこんな事、するんだよッ!?」
やれやれという様に頭を振る女の子。
「…アンタバカぁ?」
666 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:40:16 ID:???
「……え?」
「アンタって昔からバカだったけど、全ッ然成長してないのね」
「あの、えっと?」
「…やめてよォアスカちゃん、何でも言う事聞くからさぁぁぁ〜」
女の子が突然カン高い声で泣き真似を始める。
「…げ!」
シンジには心当たりがあった。
「おばさぁん、アスカちゃんがいじめるんだよォ」
「……ま、さか…」
「アンタが他所に引っ越す時、一生懸命に書いて渡したアドレス…持ってる?」
慌ててズボンのポケットから財布を取り出す。
中からビニールコーティングされた一枚のカードが…。
「ふン!後生大事に持ってる割には手紙は出さなかった、と」
「いや、あの、これには色々と事情が…」
カツ!
シンジの頭にもう一度定規が当たる。
「それ持ってた事に免じてこれ位にしといてあげるわ…お帰り、バカシンジ」
彼女は…幼馴染の惣流・アスカ・ラングレーだった。

「なんや惣流、知り合いなんか?」
「腐れ縁よ…家がお隣だったの。親も同じ職場だったし、ね」
「感動の再会、ちゅうワケやな?…ひひひこれで凶暴な惣流もおとなしゅうなるワ」
「だァめだめ。こんなボケボケ男、アタシには似合わないわ」
「ねぇねぇ碇君、アスカの小さい頃の話、聞かせてね」
「あぁ、それは僕も興味があるなぁ」
「どーせ昔から手癖足癖が悪かったに決まっとるわい…」
「うッさい鈴原」
「やかましいのはオドレの方じゃ」
数学の授業などそっちのけでささやかな再会が祝福された。
676 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:41:30 ID:???
「え〜、授業の前にもう一人転校生を紹介します。綾波レイさんです…彼女については少
し説明が必要です…ごらんのとおり、綾波さんは外見に特徴がありますが、これは彼女が
人造人間だからであります…ある目的の為に造られたのですが、現在はこれ以上の事は話
せません…どうか皆さんもそれを理解して仲良くしてくださいねぇ…あぁ、そうそう…彼
女は今自由に喋る事ができません。あと2〜3日で日常会話も可能になるそうです…彼女
は特殊な環境で育ちましたから同年代の人達と一緒に過ごしたことがありません…身体も
弱いので皆さん、優しくしてあげてくださいねぇ…」
教団の前にはあの少女が立っている。
顔を真っ赤にしてうつむき、割烹着の前をしきりに触っている。
担任の老教師の説明にざわつく教室。
「…席は…えぇと、碇君の隣にしましょう」
さらにざわつく教室。
少女がゆっくりと歩き出す。
ぎくしゃくとした動きは緊張の為だろう。
がたんがたんと不器用に椅子を引っ張り出し、ゆっくりと座ると周囲を見る。
視線・視線・視線…。
見られる事をあまり意識した事のなかった少女はさらに赤面した。
少しずつ机をずらしシンジの隣にべったり近付くと、うつむいたままシンジの指にふれる。
「…なんや知らんが急にあの転校生が憎たらしゅうなったんは気のせいかいのぅ…」
「ん〜、まぁトウジの気持ちも解るよ…おっと」
後ろではものすごく不機嫌そうなアスカが何かぶつぶつ言っている。
「剣呑剣呑」
「…お前、時々ものごっつう古い言葉使うナ?」
「よぉーッし!ほんじゃあ授業に入るわよ♪」
おや?と言う表情になる生徒達。
老教師が去った教壇にちょっと派手目の女性が立っている。
見慣れた顔の人間を見つけて安堵の表情を浮かべる少女とがっくりするシンジ。
「…やっぱり監視されてる…」
「あたしはねぇ、産休に入った鈴木先生の代理の葛城ミサト、よろしくねン♪」
教室に新たなざわめきが起きる。
鈴木先生は定年間近な年齢なのである…。
686 ◆gGjVpethkg :05/03/06 15:42:58 ID:???
えーお待たせ致しました、第一話です。
シリーズは全13話、2年程かけて完結させる予定です。
…すみません、本当に遅筆なんです。
シリーズ構成も終わり、決心が鈍らない様に最終話も書き始めています。
ですから、カップリングはあまり気にしないでください。

物語の性質上、キャラの性格は変更されております。
…第一話を書き上げた後、エヴァ板で時々名前の挙がる「最終兵器彼女」を読みました。
ちょっとカブってる所があったので書き直ししちゃいました。
まだオマージュ、パロディとして消化する心の余裕がなかったのです。
ですから急造の不自然さがあると思います。
ちょびっツはイジくる余裕があるので翻弄される心配はありません。

はじめっからこんな事言ってちゃ、ダメだよね…
ごめんね、ごめんなさい、シュウちゃん
…あぁ、油断するとすぐこれだww

それでも…お楽しみいただければ幸いです。
ではまた。

思う処あってトリップなんぞつけてみましたw
乙!!!ぐっじょ!!!!
途中でもぐレイが出てきてるのが笑えるw
716 ◆gGjVpethkg :05/03/06 16:17:21 ID:???
>>69
>>70
素早いレス、ありがとうございます。
新しいネタ投下は反応が気になっていつもドキドキします。

あぁ良かった。

もぐレイ、つかAA添付ネタは他所のスレでもし多用しておりまして…すっかり芸風となっております。

ありがとうございました。
GJ!
遅筆って言うけど次はいつ頃になりそうです?
736 ◆gGjVpethkg :05/03/06 23:34:45 ID:???
>>72
ありがとうございます。
新年度の仕事にも左右されますが早くて4月終盤、遅くともGW明けです。
3月はもう残り時間の全てを停止状態になっている作品に振り向けます。

どうか、のーーーんびりお待ちください。
なるほど。ではお言葉通りマターリ待ちましょう
`∧_∧
(´・ω・)
( つ旦O
と_)_)
マタ―リ待ってます
なんか違う。
もっと幼妻萌えみたいなのを想像していた。
顔を真っ赤にしてうつむき割烹着の前をしきりに触っている綾波萌えw
このシナリオも読みたいが、原作どうりの綾波がママになるのも読みたいな。
保守
80名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/23(水) 22:09:56 ID:???
定年間近の産休……ミサトさんあんた何を?



オマージュ、パロディ歓迎、おもろいです
81あぼーん:あぼーん
あぼーん
82名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/10(日) 21:48:11 ID:???
orz
83名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/12(火) 10:32:49 ID:???
うはー、夢が広がりんぐ

6氏ガンガレ
んで他の職人さんも降臨きぼん
84名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/26(火) 10:35:09 ID:???
がんがれ
85名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/01(日) 11:40:48 ID:???
がんがりやす
866 ◆gGjVpethkg :2005/05/08(日) 04:25:37 ID:???
>>74-75
どうぞもう少しお待ちください。
>>76
ごめんなさい、今はこれが精一杯
>>77
ありがとうございますぅ。
>>78
それはかなりのウデが必要です。…面白いのは面白いのですが、ストーリー的にちょっとw
>>79
保守ありがとうございます。これからもよろすくお願い致します。
>>80
サイカノ・ショックから脱出しますたw
今ならどうにか出来そうですが、もう物語の骨子を作ってますから次の機会にでも。
>>82
たしか>81に書かれていた事に対するorzでしたよね?
>>83
がんばります。
>>84-85
がんばる&がんばりまっしょい

すみません、ちょっと遅れます。ごめんなさい。

87名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/09(月) 01:34:58 ID:???
がんばっていきまーーっしょい!!
886 ◆gGjVpethkg :2005/05/23(月) 00:28:20 ID:???
>>87
がんばりますぅ…。


先週、原因不明の高熱に襲われ四日間ほどうなされておりました。
40度の熱なんて久しぶりです。
原稿はもちろん、仕事にも多大な影響が出まくりです。

…ちょっと予定がズレ込んで参りました。
も少しお待ちください。
89名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/28(土) 06:51:39 ID:???
期待しつつ保守
906 ◆gGjVpethkg :2005/06/05(日) 02:38:43 ID:???
挫けながらも保守w
91名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/10(金) 21:21:26 ID:???
ageながら保守
92名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/10(金) 23:23:02 ID:???
普通に面白い
93三代目LRO人 ◆8rw/jHB8SA :2005/06/13(月) 18:18:53 ID:???
こういうレイたんもかあいいかも・・・。

支援age
94名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/13(月) 21:29:17 ID:???
やるじゃないか!
95名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/20(月) 02:03:18 ID:???
ホシュ
96名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/25(土) 15:50:39 ID:???
雨乞い保守
97名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/02(土) 18:28:13 ID:???
土曜日の保守w
98名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/11(月) 23:24:21 ID:???
雨の夜に保守
99名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/16(土) 03:49:33 ID:???
寝苦しい夜に保守
100名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/17(日) 02:52:32 ID:???
今夜も暑いので保守
101名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 18:13:50 ID:???
なにげに保守
102名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/30(土) 15:50:11 ID:???
毎度の保守
103名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 21:28:25 ID:???
お勤めご苦労様です
104名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/01(月) 23:40:47 ID:???
保守しておきますね
105名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 06:18:53 ID:???
保守あげ
106名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 06:33:48 ID:???
なにこのスレwwwwwwwwwwwww



保守age
107DDR:2005/08/13(土) 22:38:32 ID:???


ママは大学2年生
108DDR:2005/08/13(土) 22:45:42 ID:???
「シンジ、お前の母親だ」
絶句するシンジの前に佇む女性。大学生ぐらいだろうか、かなり若い。

(父さん…僕をからかってるの?)

戸惑うシンジ。普段まともに会話もないのだから仕方のない反応か。
寒いギャグ…どう受け流そうか、と頭を巡らすが、上手く返せずにいる。

「シンジ…久しぶり、ね」

(…この人まで僕を馬鹿にするの?)

見ず知らずの女性が今、父親と一緒になって自分をからかっている状況。
しかも発令所で、皆が見ている前で、だ。
頭が芯から熱くなるのを感じる。これが本当の「怒り」と言う感情なのだろうか。

不意に右隣のレイが口を開く。
「シンジ君、あなたのママよ」

…レイ、お前もか。
109DDR:2005/08/13(土) 23:02:29 ID:???
「いや、シンジ君、戸惑うのも仕方ないさ。」

(加持さん…)

「君の母親のクローンなのだから、ね。」

(クローン???)

「成長促進剤と言うのかな、彼女は体細胞を活性化させて、人工的に成長を
 ある一定の年齢まで進ませてあるんだ。つまり、実年齢は君よりも若い母親なんだが…」

(マジですか?)

「ほら、驚き過ぎて声も出せないじゃない、アンタの説明は突然過ぎるのよ」

(ミサトさん)

「と言う訳でシンジ君、ご挨拶」

「え、えっと…碇シンジです……よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「…アンタたち、親子なんでしょ?なーに緊張してんのよ、馬鹿シンジ!」
「うるさいな!いきなり母さんだなんて、そんな事言われても…」
「…そうよね、ごめんなさい」
「い、いや、あの…そうじゃなくて、その、あの…」


潤んだ瞳が少し眩しくて、目が合わせられないのは悪い事ですか?
110DDR:2005/08/13(土) 23:12:59 ID:???
「で、どうするの?」

(何がですか、ミサトさん)

「そうですね、取り敢えず、住む所を決めないと…」
「ちょっち寂しくなるわね…」
「ハン!シンジがいなくなって清々するわ!」

(…あのー)

「親子水入らずの生活も悪くはあるまい。もっとも、碇は一緒には住まんらしいがね」

(冬月さん…?)

「あなた…ごめんなさい」
「いや、いい。まだLCLから出て日も浅い。先ずはこの世界に慣れろ」
「…ええ」

(父さん…)

「上の世界には空家なんて腐るほどあるさ。いくつか豪邸を見繕ってあるんだが…」
「さすが情報部、早いわね。いっそ不動産屋に鞍替えしたら?」
「葛城、実は俺達の新居も既に用意してある」
「断る」

(…)

どうやら、いや、間違いなく…この人と同居させられるらしい。
嬉しそうに微笑む彼女の横顔に、自分はどう応えればいいのだろう。
中学生に、その問題の答えは難しい。
今はただ、少し困った顔で黙っている事しか出来ないけれど。
111DDR:2005/08/13(土) 23:28:42 ID:???
「こ、こんにちわ」

誰もいない家。扉を開けて挨拶をしても、誰も応えない。
後ろで楽しそうに笑う母親は、設定では大学2年生だったりする。

「もう、シンジったら…」

(呼び捨ては少し緊張するな)

しかし、ここで赤面すると変に誤解されてしまうかも知れないのでグッと我慢。
血流よ顔から離れろ…と念じつつ、クールに振舞う事のみに集中するシンジ。
しかし大学2年生、学校は休学中、一応年上な親戚のお姉さん、と言う事で
近隣には既に告知…と言うか説明済みらしい。と言うか、何故大学生?
いや、LCL内で一気に30代まで成長を加速させると、体への負荷が激し過ぎて
短命になってしまうとの事。程よい「誕生」が丁度20歳位らしい。
記憶は詰め込まれた物なのか、作られた物なのかは分からないけれど、

「あの…」
「ん?」
「シンジ君」

初めて能動的に彼女に話し掛けようとした瞬間、遮る様に加持の声が飛んだ。

「くれぐれも、上手くやってくれよな」
「は、はぁ」
「見た目はお姉さんだが、意外に落ち着いているらしい」
「そうですか」
「そうそう、得意料理は肉じゃがだぞ」

(何故そこまで…)

知っているんですか。
112DDR:2005/08/13(土) 23:40:17 ID:???
「…ポトフです」
「はぅっ」

聴いていたんですか。

「ええ」

にっこり、と笑う母さんの顔に、「早くお帰り」と書いてある様な。
あの、許されるならこの状況から僕がサヨナラしたいです…なんて。

「じゃあ、何かあったら連絡お待ちしています、奥様」
「ありがとう御座います、取り敢えず警戒機器は後で外させて頂きますね」
「えっと…」
「ごめんなさい、覗かれる事に慣れていないものですから…」
「い、いや、覗くだなんて、そんな」
「あの人にもそうお伝え下さい」
「はぁ…」

防犯はご心配なさらずに、こう見えても私、LCLの中で太極拳を習っていましたの…
ギャグなのか本気なのかは分からないが、プライバシーには敏感な彼女だったり。
いきなりのセコム解約宣言(盗聴器ポイポイ宣言でもある)に、まさかのビジネスチャーンス?
いや、綜合警備保障が。
113DDR:2005/08/13(土) 23:54:22 ID:???
「今度ポトフでもご馳走になろうかな…」
「玄関を開けて置くと、少し冷えますわね」
「夏ですよ…」
「凄く冷え性なんです、私」
「す、すみません、それではまた」
「ありがとう御座いました」

早々に加持を追い返している様な母さん。見た目は若いが、やはり三十路…か四十路?
そんなに邪険にしなくても、加持さんが可愛そうです。

「押し売りには気を付けないとね」

違いますよ奥さん。

「荷物は明日、届くそうよ」

母さん…

「シンジ、いつも無口なの?それとも、緊張してる?」
「!?」

嗚呼…こんな風に、抱き締められるのは何年振りだろう。
いや、記憶の彼方にもこんな事は無かったと思う。
細いけれど、暖かく柔らかな腕が首に絡まる。鼻先に香る、微かな香水の薫り。
恥ずかしいから逃げたいけれど、逃げられない。
こんな時、どうすればいいの?…そう、あの時もレイから質問された言葉。
こんな時、どんな顔をすれば…いいのだろう。

いや、笑えないし。
胸、大きいですね、母さん。
114DDR:2005/08/13(土) 23:59:18 ID:???

「もう、シンジったら」


ええっ???母さんってばエ○パー?

「鼻息がくすぐったい…」





ストイックな日々が始まる予感。
OPEN YOUR EYES.
シンジ君、そこに何が見えますか?

(母さんの…谷間)


風の谷よりも深そうです。
115名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/14(日) 14:15:07 ID:???
うひょ!続き楽しみにしてます!
116名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/19(金) 00:08:25 ID:???
117名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/29(月) 00:52:09 ID:???
保守
118名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 13:10:32 ID:???
期待あげ
119名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 03:04:49 ID:MivqyhVJ
あげあげ〜
120DDR:2005/09/01(木) 20:04:29 ID:???
碇シンジ、14歳。今、彼の身は人生最大のピンチ。


ピンチはチャンス、と言うけれど、やはりピンチはピンチでありピンチ以外の
何物でも無いのですね母さん。と言うか僕は一緒にお風呂は入れません、ええ。
普通中学生では入りませんし、やはり僕も男ですから諸事情により無理です、絶対。
もう脱いでしまったんですか。でもそれは母さんが勝手にした事であって、僕には全く
関係の無い事ですから。って僕を脱がそうとするのもやめて下さい。母さん、バスタオル
取れそうですから、本当に止めて…意外と力が強いのですね。それから、寒いとか
言わないで下さい。今は夏、もろに夏、むしろ暑いです。とにかく母さん一人で入って。
ええっ?僕の我侭ですか?そうですか、それでいいんです。僕は反抗期の14歳ですから。
無駄ですよ、泣き落としは。もうここ最近いつも同じ手ですね。「親子の絆を確かめたい」とか、
「母さんに甘えていいのよ」とか、涙目で見つめる母さんをもう、僕は逆ドライアイな人としか
見る事が出来ません。と言うかそう言う事にしておいて下さい。それから僕の入った後に
入って来たら、僕家出しますから。お願いします。
121DDR:2005/09/01(木) 20:17:54 ID:???
「…難儀やな」

いや、関西弁で同情されても。

「過保護、って奴だね。まあ仕方ないけどさ。何十年ぶりかなんだろ?」

いや、十何年ですから。

「碇君、不潔よっ!」

お約束をありがとう。

「で、どうするのよアンタ」

…。



「悪いね、シンジ君。ここにはスイカしかないんだが」
「いいんです…暫く置いてもらえれば」
「ま、何があったかは知らないが、あまり母親は心配させない方がいい」
「でも…」
「心配してくれる人がいるだけ幸せだよ。俺にはもう、そんな人はいないからね」
「…」
122名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/02(金) 01:10:17 ID:???
乙!!
123名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 01:02:53 ID:???
いいじゃないか!!
作者乙!!続きキボン
124名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 18:31:04 ID:???
よくわからんが、単にクローンなだけなら母親とは違う別人じゃないのか?
強いて言えば、ユイの双子の妹にあたると思う
125名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/06(火) 14:11:08 ID:???
考え方による。
大体、そんな割り切るのも難しいのでは。
126名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/06(火) 17:44:39 ID:???
おそらくシンジを産んだ後の細胞からレイを作っただろうから
127名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/07(水) 00:35:01 ID:???
誰も「マヤは中学二年生」というネタを振らないことに、少しだけ驚いた。
128名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/08(木) 12:27:10 ID:???
マナは中学二年生、てのは?
129名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 11:53:21 ID:???
あれから2年。
高校生になったシンジが再会したマナは、まだ中学2年生だった。

「マ、マナ?」
「ほら、私、内臓を痛めてたでしょ? それで入院してたの・・・」
「そうなんだ・・・大変だったんだね」

・・・ダメだこりゃつまんない
130DDR:2005/09/10(土) 21:33:24 ID:???
「落ち着きたまえ、ユイ君」

碇ユイ、この名前を口にするのは、もう何年ぶりだろう。
何か、懐かしささえ感じてしまうのは歳のせいだろうか。
いや、あれから十余年…確かに“昔”の事かね。
しかし、この戸惑いは一体。この歳で女性に鼓動を早めるのは、
むしろ不整脈と思いたいのだが。彼女の容姿がそうさせるのだろうか。
下らんな、まだ私も若いと言う事かね。

憂鬱な面持ちの老人は、取り止めも無く思いを巡らせる。
彼の前で早口に、情報部へ息子の安否確認を願いたいと捲くし立てる
若き母親は、少し取り乱し気味だ。

「碇…失礼、ご主人には伝えたのかね」
「いえ…」
「思い当たる節は」
「全く」

やれやれ…加持君に頼むとするか。
131DDR:2005/09/10(土) 21:53:32 ID:???
「シンジ君、副司令から電話が来たよ」
「えっ…」
「お母様が心配されているそうだ」
「…」
「俺の所にいる事は知らせていない、ネルフが君を探し始めるって事さ」
「…何だか、大袈裟ですね」
「二日も泊まれば十分だろう。学校も休んでるしな」
「…」
「まあ、何があったかは知らないが、親を心配させるのは良くない」
「…」
「俺なら喜んで帰るよ、あんなに綺麗なお母さんならね」
「…」
「…」
「…」
「…すまない、軽い冗談だ」


扱い辛い子だな。今更ながら、葛城を感心するよ。
132DDR:2005/09/10(土) 22:08:50 ID:???
「大丈夫か、ユイ」
「はい…」
「シンジの事は、葛城に任せる。お前は暫く静養するといい」
「えっ…」
「俺と暮らさないか」

唐突な申し出に戸惑うユイ。夫婦なのだから当然の事なのに、その瞬間、
嫌悪感を持ってしまったのは悪い事なのだろうか。いや、

「…」
「シンジは難しい年頃だ。お前には難しい部分もあるだろう」
「いえ」

はっきりと、そして真っ直ぐに見つめ返す彼女の瞳に写る意思。
母親…かくも強い存在なのか、それとも

「私、大丈夫ですから」
「ユイ!」

柄にもなく声を上げてしまった彼は、感情を表にこそ出しはしないが、
眉間にずれる眼鏡を直す仕草を続ける。照れ隠しには見えなくも無い。
多分、かつての彼女なら、それが(可愛い人)の部分の一つに見えたのだろう。
だが、今は
133DDR:2005/09/10(土) 22:24:24 ID:???
「ごめんなさい、私…」
「いや、いい」

暫くの沈黙。このまま沈黙が続けば良かったのに。
彼の不幸はまだ始まったばかりだ。

「私、シンジの母親としての自分は受け入れます。でも」

思わず、握る拳に力が入る。白い手袋が小刻みに震えている様だ。

「貴方を夫として受け入れる事は出来ません」
「…」

(何故だ)と、つい口にしてしまうその言葉を咄嗟に飲み込んだ。
男の意地か、それとも弱さなのか。

「…それは、分かっていらっしゃると思います」
「分からんな」
「私は、貴方の愛した碇ユイではない、と言う事です」
「…」

染色体が同じ人間。ただ、それだけなのだから。
作られた記憶、作られた人生。水槽に満たされたLCLの臭いが、
時折思い出したかの様に鼻につく。
意思と意志を持った瞬間から、こうなる事は分かっていたはずなのに。
女の懺悔は続く。
134名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 13:09:28 ID:???
135名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/16(金) 00:42:38 ID:???
あげ
136名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/17(土) 16:51:07 ID:???
■■■■■■■■■■■■■■■■
■                     ■  違う板にコピペすると、四角の枠の中に
■                     ■  メッセージとURLが現れる不思議な絵。
■                     ■
■                     ■  (その仕組みがリンク先に書いてある)
■                     ■
■                     ■  この原理を応用すると、まったく新しい
■                     ■  コピペが作れる予感。
■■■■■■■■■■■■■■■■
137名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/28(水) 23:33:49 ID:???
職人さん待ち
138名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 00:05:44 ID:t/5fmvEL
保守
139DDR:2005/10/04(火) 17:35:05 ID:???
「何?…碇が行方不明?」

狼狽気味…いや、困惑している風で、実は意外と落ち着いる白髪の男が、
新たな波乱を予感させる第一報を耳にしたのは夕方近くだったか。
オレンジ色の夕焼けが、ジオフロント最深部にまで届くかの様に、
鮮やかに空を染める頃の出来事。

「探さないで下さい…かね、やれやれだな」
「意外とナイーブな方だったんですね」

素っ気無い赤木リツコは、熱いコーヒーを片手にくつろいでいる。

「マヤ、システムチェックはまだなの?」
「もう少しです!」
「マギがあれば、何も問題はないと言う事かね」
「いえ…そんな事は」

ない事もない…と言いそうな雰囲気が怖い。

「まあ、仕方あるまい。私も時々、旅に出たくなる衝動があるのでね」

行き先は多分、ネオ…

「いかん、虫干ししていた仮面を取り込まねば」
「副司令、いよいよですね」
「ああ…」

意味深に目が笑うメガネ。日向と言えば小次郎なんだよ、と言われ続けて早20年。
140DDR:2005/10/04(火) 17:43:19 ID:???
「…何をお考えです、副司令」
「…」

加持君、スイカの収穫は近いのだよ。

「葛城君、チルドレンを呼びたまえ」
「はい」
「青葉君、空中戦艦の回頭を頼む」
「二番ドッグ、繋留準備完了しています!」

冬月コウゾウは満足そうに頷くと、手にしていた仮面をゆっくりと被る。
もう二度とその素顔を見る事はないであろう、仮面。
碇は逃げ、冬月は走り始める。

「おはよう、諸君。さあ、新たな幕の始まりだ」
141DDR:2005/10/04(火) 18:11:50 ID:???
「冬月さん…それは」

碇の息子も驚いている様だな。

「アンタそんな事も知らないの?!ナマハゲって言うのよ!」

ハゲとか言うな。

「…ニンニクラーメン、チャーシュー抜き」

綾波君、意味が分からん。

「碇君、順を追って説明しよう」
「実はねーシンちゃん、クーデターを起こしちゃったりしちゃったりしちゃった訳なのよコレが」
「…」
「シンジ君、僕達と共に歩かないかい?」
「カヲル君…」

彼の背後には今、少年の頬が赤らんだその一瞬を見逃さない母親が一人。
142名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/05(水) 20:52:17 ID:???
やっと来た…
コツコツ保守してた甲斐があった…

とにかく乙です!
143名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/05(水) 21:02:16 ID:???
わたし麻美
144DDR:2005/10/07(金) 20:30:34 ID:???
「…」

変な夢だった。寝汗で濡れたパジャマの、肌に張り付く感覚。
夢と言う物は不思議なもので、起きた直後は覚えているのに、
数秒後にはもう忘れてしまっている。忘れられると言う事はある意味、
幸福な事なのかも知れない。

「シンジ、もう起きなさい!」

起きてるよ…と言い返すのも子供っぽいかな、と、一呼吸置いて落ち着くシンジ。
若い母親との共同生活もだいぶ慣れ始めていた。
ただ、父親の所在は今も分からないままだったが。

「馬鹿シンジ、遅刻しちゃうわよ!!!」
145名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/10(月) 23:56:31 ID:???
乙です(・ω・)ゞ
続き楽しみにしてます!
146DDR:2005/10/20(木) 17:59:15 ID:???
「…アスカ?」

玄関先に立ち尽くす、謎の仮面を被る金髪のツインテール。

「なーにボケッとしてんのよ、ったく朝から調子狂っちゃうじゃない!」
「あ…ああ、ゴメン」
「シンジ、マスクを忘れているわよ」

母さん…僕にそのお面を被れと。節分にはまだ早い気がします。

「アスカちゃん、シンジを宜しくね」
「はい、お母様」

フゴッ。

顔に張り付くお面の感触。呼吸に詰まり鼻が鳴ってしまった。
クスクスと楽しそうに笑うユイ。

夢ではなかったんだ…。
147DDR:2005/10/20(木) 18:07:58 ID:???
街行く人は皆、謎のお面を被っている。
異様な光景だ。
バスに揺られている間、運転手の人はお面を被っていて、
果たして安全運転出来るのだろうか…などと、つい心配してしまう。
戸惑いながらもバスを降りる。降りた瞬間、足が地に浮いている様な、
フワッとした感覚に襲われて焦る。落ちる、とでも言うのだろうか、
体勢を立て直そうと、転びそうになるのを踏みとどまった。

「邪魔」

人の努力を一言で片付けるのはやめて下さい。

「おはよう、信二君」

綾並、字が違うよ…

「おはよう、シンジ君」

花が咲く、そんな言葉の似合う少年が綾並の後ろに立っている。
夢で見た彼…確か、炎の転校生。それは違う。ではなくて、
転校生、そう、最近この街に越してきた転校生さんだ。

「大丈夫かい?」

腕に触れられた瞬間、電気が走るのを感じた。

うほっ?
148DDR:2005/10/20(木) 18:13:49 ID:???
「やらないかい?」

いえ、遠慮します。

「そう…。ちょっと残念かな、今度の文化祭。」

えっ?

「アンタの役よ」
「信二君、松の木がいいみたい」
「浦島太郎らしいよ、現代調にアレンジされた、ね」

劇ですか。初耳な気がするのは気のせいでしょうか。

「で、シンちゃんは亀を降りるってーのね?」
「あっ…葛城先生」
「んーもう、ここではミサトでいいってば、他人行儀ねぇ」

いや、発令所でも学校でも葛城さんは葛城さんです。
149DDR:2005/10/20(木) 18:18:59 ID:???
…ところで、みんな仮面被ってますね。

「そうなのよー、副司令の趣味って奴?ちょっちダサくない?」
「そうかな、レトロな感じでいいと思うよ、僕は」
「なんや転校生、折角のイケメンも仮面で台無しやないか」
「鈴原君には、都合がいいのかも知れないね」
「んなっ」
「もう、喧嘩はやめて、鈴原」
「せやかてコイツが」
「鈴原君、馬鹿が移るから」
「綾並貴様ぁ!」

…楽しそうだな。僕は一人、ポツンと。
不意に後ろから抱きしめられて。
戸惑う。

「シンちゃん、こんな世界も、いいんじゃない?」

耳元で囁く葛城さんの声が、微かに…。
150名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/20(木) 20:50:10 ID:???
乙です次も楽しみに待ってます
151名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/21(金) 23:50:09 ID:???
保守age
152名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/25(火) 08:36:43 ID:???
保守
153名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/30(日) 01:53:09 ID:???
保守
154名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/04(金) 07:32:23 ID:???
保守
155DDR:2005/11/04(金) 23:09:17 ID:???
「んはっ!」

飛び起きた瞬間、自分の体の過剰反応ぶりに狼狽してしまう。
また…夢?さっきよりも更にひどい寝汗。Tシャツは頭から水を被った様に濡れている。
着替えよう…風邪を引くといけないから。

洗面所に立ち、濡れたTシャツを頭から脱ぎ出す。
体に張り付いてなかなか…脱げない。力ではなく、技なのかな。
手間取りつつも、ようやく脱ぐ事が出来た。出来た…ものの。
薄暗い闇の中の、鏡に浮かぶ自分。
背後に何か映ってないか、なんて。一瞬怖気づく。
素早く明かりを付けると、自分の少し痩せた体が映るだけで、ホッと安心した。
臆病な自分に苦笑いしつつ、あばらの浮いた体を見て思う。

…もう少し、筋肉が付いたらいいな。

「シンジ?」
「あっ…」
156DDR:2005/11/04(金) 23:17:46 ID:???
「母さん、な」
「寝汗?」
「うん…」

上半身だけの裸を見られただけで、赤面が抑えられない。
男なら、別に見られても構わないはずなのに。
僕は神経質なのかな…。対人恐怖症?心の…病気とか。
違う、そんな、僕は正常だと思う。正常なはずだと思う…。

流石に胸を隠すのはちょっと。躊躇う少年を可笑しそうに見つめる黒い瞳。

「着替え、あるの?」
「はい…」

うん、と言おうとして、何故か機械的に「はい」と答えてしまった。
それ程狼狽しているのだろうか。母親は少年の着替えを探しに、
乾いた洗濯物を綺麗に畳んで置いてある、まだクローゼットに仕舞う前の
洋服置き棚へ、彼のTシャツを探しに行ってしまった。

どれ位時間が経っただろう。
どれ位、待てばいいんだろう。
157DDR:2005/11/04(金) 23:27:50 ID:???
「あったわよ…」
「うん」
「はい」

着替えさせようとして、母親は頭からTシャツを被せる。
一瞬のトンネルを抜けると、そこにはユイの顔が間近に自分の顔を覗いていた。
思わず仰け反った弾みで、尻餅をつくシンジ。

「っ…」

クスッ、と小さく笑い、彼女は白い手を差し伸べる。
起こすのを手伝うつもりだろうか。別に、そこまで過保護にされなくても。
不本意ながら、でもその優しさが嬉しい。でも、若過ぎる母親は少々面倒だ。
少年はその手を取るべきか、どうしようかと悩む。
いや、悩むポーズだけ取っている、と言うべきだろうか。
彼には、他の選択肢は既にない。
その手を取って、起き上がる事しか許されてはいないのだから。
でも、だけど、手に触れる事自体が罪な気がして。
どうしても、その恥ずかしさと緊張を抑えきれない。

「あ、ありがとう」
「ほら、早く、大丈夫?」
「うん」
158DDR:2005/11/04(金) 23:43:48 ID:???
生温い感触に耐えられない。
きっと、40歳を過ぎた母親ならば、こんな…緊張もしないで済んだはずなのに。

「何してるの?」
「あっ、えっと、ゴメン…」

握った手に、腕に、力が入らない。
母親の体温だけが、僕の体を侵食して行く。

「寝ぼけてる?」
「全然」
「もう…風邪引いちゃうわよ?」
「うん」

素っ気無い態度が気に入らないのか、母親は少し苛立ち気味だ。
ゴメン、僕のせいで。少年の感情は目まぐるしい。
緊張、落ち込み、焦り…それは悪循環の方向にのみ、とても素早く反応する。
たかが母親に起こされるだけの、全てはほんの一瞬の出来事なのに。
とても長い気がするのは何故だろう。もう、尻餅をついた瞬間の事が思い出せない。

「はいっ」
「…」
159DDR:2005/11/04(金) 23:44:53 ID:???
幼児を両手で抱き起こす様に、優しく、けれど力強く。
母親は偉大だ。その華奢な体のどこに、そんな力があるのだろう。

「…ありがとう」
「どういたしまして」

ぎゅっ、と抱き締められた。
予想外の行動に、固まってしまうシンジ。

「おやすみっ、  」

軽く頭を撫でられて、背中を向けた母親を見送りながら、
照れるべきか、どうするべきか…恥ずかしさ、なんて簡単な感情ではなくて。
一言で言うのなら、戸惑い。本当に、どうすればいいのだろう、と。
嬉しいけれど、素直に喜べない。どう反応していいのか分からない自分に、
更に戸惑う少年は一人、青白い蛍光灯の下に立ち尽くす。
160DDR:2005/11/04(金) 23:53:51 ID:???
「…なんや、その夢」
「…ナマハゲの呪いかもね」
「で、アタシは出て来たの???」
「いや…」
「いやっ、って何よ!」
「いや、だから」
「夢なら僕も見るよ、君の夢をね」
「ふ、不潔よっ!」
「あーはいはい、アンタたち授業始まるわよー」

パンパン、と軽く手を叩き着席を促すミサト先生の声で、そそくさと席に戻り始めた。
そう言えば母さんって、ミサトさんよりも綺麗だよね…。
ミサトに謝りつつも、それが一番素直な感想。アスカよりも、綾波よりも…
不整脈の様に、鼓動が疼く。長い長い授業の前に、彼は軽い眩暈を覚えた。
161名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/05(土) 19:59:36 ID:???
乙!!
162名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 23:07:44 ID:???
保守
163名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/21(月) 17:38:57 ID:SaMjx3Yn
保守
マダ-?
164DDR:2005/11/22(火) 22:08:24 ID:???
「お帰りなさい」

母さんの声が、少し冷ややかに感じられるのは気のせいだろうか。

「ああ…」

父さん、元気ないね。


父が帰って来た。二ヶ月ぶりに。それまで同居はしていなかったけれど、
唐突に、僕達の部屋へ帰って来た。少し憔悴している感じで。

「冬月さんとか…」
「先程、電話した」
「あなた…」
「…」

サングラスの奥で、怯えた様な瞳をしている父。こんな姿は初めて見た。
いや、ずっと一緒に暮らしていなかったのだから、全ての表情が新鮮に
感じられるのも無理はないのかも知れないけど。

「…」
「どうぞ」

無言の内のやりとり。やっぱり、夫婦なんだと思う。
165DDR:2005/11/22(火) 22:13:20 ID:???
「良かったわね」
「それだけ?」
「だって、アタシ司令のコトよく知らないし」
「うん…」
「碇司令、オメデトウ」
「綾波、ロボット口調だけど」
「おめでとさん」
「鈴原、無理に終わらせようとしないでよ」
「碇、良かったじゃないか」
「メガネ…」
「で、シンちゃん的にはどうなの?そこのトコロ」
「さ、さあ…」
「碇君、不潔よっ」
「委員長、意味不明…」
166DDR:2005/11/22(火) 22:22:21 ID:???
「美人ママの取り合いかい?」
「カヲル君…笑顔が怖いよ」
「ま、親子らしゅう仲良うせんとな」
「うん」

父さんと母さんと、三人…ずっと待っていた。
父さんは今、仕事がないらしく、家でゴロゴロとしているみたい。
母さんは…何故だろう、初めて会った時はとても若く…いや、今も若いんだけど、
でも、何て言うのかな…貫禄、そう、貫禄!老けた訳じゃなくて、ちょっと
母親らしく?見えてきた気がする。でも、まだ二十歳なんだよね…。

「…で、碇はまだ出社出来ないと言う事かね」
「…精神的ダメージが大きい様です。」
「使徒…精神攻撃とは、全くやってくれる」
「しかもピンポイントに、重要人物を狙って、ですから」
「赤木君も気をつけたまえ」
「副司令こそ、要なのですから」
「私は構わんよ。これでも哲学をかじった事があるのでね」
「…哲学とは無縁だと思われますが」
「まあ、何にせよ順調に回復している様だな」
167名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/05(月) 06:42:58 ID:???
保守
168名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/16(金) 08:25:01 ID:???
捕手age
169名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/23(金) 05:39:43 ID:???
全身全霊で保守
170名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/01(日) 19:53:25 ID:???
新年明けまして保守
171名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/04(水) 13:18:25 ID:???
保守ってなんだ?
172名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/05(木) 03:30:35 ID:???
キャッチャーのことジャマイカ?
173名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/19(木) 12:26:43 ID:???
古田保守
174名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/24(火) 12:50:44 ID:???
職人さん飽きたかな…
175名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/30(月) 23:49:47 ID:???
保守の報酬はいつもの口座に振り込んでおけ
176名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/01(水) 17:00:17 ID:???
「って言うか、冷静に考えると私って、碇ユイではないと思います」

突然何を言い出すのやら、と言った風情の老人の前に座る、見目麗しい女子大生。
ここは第三新東京駅前のカフェ・ラ・スワール。

「ミルクティーと言うのも、いいものだな」
「先生、聞いてます?」
「…聞きたくないものだな」

まあ、確かにクローンと言う存在がその本人そのもののコピーであると言う事ではない。
ただ単に遺伝子を形成する塩基配列が同じと言うだけの事でしかない。
つまり体重身長髪の色、その性格までも正確に復元出来ると言う事ではない。
かくも考察る冬月コウゾウ自身、目の前の彼女がありし日の碇ユイとは違う存在なのだと言う事を、
今こうして相対して話している時点で痛感させられている。

(嗚呼…ユイ君はそんなにもクリープを入れたりはしないのだが)

カップに溢れる、それはまるで新雪が織り成す黒海に浮かぶ氷山と言った様相の、
想像するに甘く後味の残りそうなカプチーノと、桃色の唇が接する白い陶器の稜線、
それは確かに美しい光景ではあるが、齢六十の老人には少し刺激が強過ぎる。
ストイックにも副司令は時折瞼を閉じながら、慎重に言葉を探った。
177名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/01(水) 17:04:02 ID:???

「つまり、元々婚姻関係にはない、と言う事かね」
「ええ」

妙に歯切れの良い返事が心地よい。
ころころと笑うかつての教え子を思い出し、冬月は目を細めた。

「シンジ君はどうするのかね」
「私が引き取ります」
「君は母親ではない、と言う事でもあるのだが」
「あの子には…母親が必要だと思うんです」
「碇…いや、彼はどうするのかね」
「男ですもの。ご自身で責任を取って頂きます」
「手厳しいな」

もし、ユイ君が生きていたら…たぶん結果は同じだっただろう。
だから私は二人の結婚には密かに反対だったのだ。
この先、父親を排し甘い官能小説にしていいものだろうか。
冬月は苦笑いした。
178名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/03(金) 07:07:46 ID:???
乙だ問題ない
179名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/03(金) 08:17:24 ID:???
ageたれ
180名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 00:55:06 ID:???
哺乳
181名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 23:14:47 ID:???
保守
182名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 01:03:29 ID:???
ほじゅ
183名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 00:21:50 ID:???
お重
184郁野:2006/03/09(木) 21:20:30 ID:???
「ただいま」

誰もいない居間に、少年の声が虚しく響く。
母親が働き始めてから、もう一ヶ月が経とうとしていた。
一人は慣れている筈なのに、ずっと一人で生きて来たつもりだったのに。
ただ、パートに出ている僅かな時間さえ、とても寂しく感じてしまうのは、
思春期特有の感情なのだろうか。

「…」

少年は父親の去った部屋に一人佇む。ほんの一瞬、風の様に過ぎていった同居生活。
もう少し一緒に…去ってしまった今だから思える事。一緒にいると言えない事。
悲しいけれど、人はそれぼと素直にはなれないものなのかも知れない。
反抗期とは違う、純粋な拒否反応。どうしても父親と言う存在を受け入れなれなくて。
そんな彼もいつか父親になる事だろう。そして同じ事を繰り返すのだろうか。
185郁野:2006/03/09(木) 21:42:03 ID:???

「ただいまー」

少年とは違い、歓喜に満ちた声色が玄関に響く。
スーパーのパート、慣れないレジ打ちに疲れている筈なのに、彼女はとても元気だ。
暗い部屋のテーブルに、うとうととしている少年を見つけると、後ろから密やかに、
彼の頬を指でなぞる。悪戯っぽく微笑みながら、そっと唇に触れた。
既に起きるタイミングを逃した少年は、息を殺して母親が背を向けるのを待つ。
こそばゆい指先に敢えて無防備な態度を取るのは、母親との微妙な関係を壊したくないから。
寝たふりをしながら、少年は母親が悪戯に飽きる事を祈る。
母親は、少年の忍耐がいつまで続くのか、気づかないふりをしながら試している。
その白い指先が悩ましい。少年の受難は暫く続く事だろう。
186名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 22:34:10 ID:???
ほしゅ
187名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/16(木) 06:25:28 ID:???
保守
188名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/16(木) 23:30:50 ID:???
二段構え保守
189名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/17(金) 22:21:29 ID:???
190名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/17(金) 22:23:33 ID:ZwRUy7oa
191名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/21(火) 20:28:45 ID:???
保守
192名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/22(水) 13:27:42 ID:???
age
193DDR:2006/03/24(金) 08:32:47 ID:???
「母さん…スカートぐらい履いてよ」
「あら、少し刺激が強すぎたかしら…」
「いや、別に」
「シンジも、男の子なのね」
「えっと」
「でも、私だってまだまだ行けそうじゃないかしら?」
「いや、どうだろう…母さん、まだ二十歳だし」
「二十歳でオバサン、なんて言う子もいるのよ!シンジはどう思う?」
「いや…」
「って言うか、お家くらい、ラフなスタイルは許されると思うの」
「ラフ過ぎます」
「親子なんですもの、遠慮し過ぎだと思うけれど」
「そう言う問題じゃなくて」
「じゃ、どう言う問題なの?」



前略、赤木博士。
母さんのDNAに、ミサトさんを混ぜるのはやめて下さい。
194DDR:2006/03/24(金) 08:44:00 ID:???
「あの、恥ずかしいんですけど」
「…ううっ、シンジも反抗期なのね」
「見え透いた事はやめて下さい」
「いいじゃない、親子なんですもの」
「親子だから恥ずかしいんです」
「じゃあ、恋人同士にする?」
「…母さん、僕をからかってるよね」
「からかってないわよ…私達、普通に恋人同士に見えると思うけれど」
「見せたいんですか」
「ダメかしら」
「ダメだと思います」
「シンジって、冷たいのね」
「普通です」
「…」
「…」
「やっぱり反抗期なのね」
「もう、反抗期でもいいですから、手を繋ぐのはやめて下さい」
「…久しぶりに親子に戻れたのに、そんな」
「いや、母さんクローンですよね」
「クローン差別するつもりなの?そんな…そんな子に育てた覚えはないわ!」
「だから、母さんは母さんだけど、母さんじゃないって事を…」

195DDR:2006/03/24(金) 08:48:36 ID:???
「…」
「あ、あの…ゴメン、少し言い過ぎちゃって」
「…」
「か、母さんがすごく綺麗だから、その、恥ずかしくて」
「…」
「本当にゴメンなさい」
「…」
「…母さん、そのジェスチャーは一体」
「…」
「あの、キスは出来ません」
「…」
「涙を出そうと力むのはやめて下さい」
「…」
「分かったよ…頬なら、いいかな」
「♪」
「全力で喜ばれても」
「♪♪」
「か、母さん?」
「♪♪♪」
「うぁっ」
196名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/24(金) 23:55:05 ID:???
197名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/25(土) 12:59:35 ID:???
>>193のラストにワロタww
198名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/25(土) 13:02:34 ID:???
G・J!

これからもがんばってくだーさい

期待しとりまつ
199DDR:2006/03/26(日) 16:33:40 ID:???
私はどこまでが私なのだろう。
自分と言う存在の境界が見えない。社会的にどう見られているのか。
私的には二十歳の頃から、精神的に然程成長したとも思えない。
いや、むしろこの歳で成長が無かった、と断じてしまう事自体、
単なる「逃げ」でしかないのだろうか。
難しい、とても。私は人から、そう、他人からどう見られているのだろう。
多分、真面目で紳士的な、副司令…そう言う評価だろう。
だが、私自身の中で、これは自己破壊的な欲求なのかも知れないが、
私の本質、いかに愚かで汚く、浅ましい人間であるかと言う事を、
誰でもいい、一人でも理解してくれる事を切に願っている。
いや、そんなつまらない事を願ってどうすると言うのだ。
今はただ、私が見聞きした事実のみを諸君に話そう。
決して野次馬的な好奇心からではなく…いや、もう何を言っても、
自己擁護にしか聞こえない。私自身躊躇っているのか、それともむしろ積極的なのか、
話すべきか話さざるべきかと問われれば、それは話すしかないとは思うのだが、
余りにも重い事実に、私は動揺を隠し切れず、話している…そう言う事にしておきたまえ。
200DDR:2006/03/26(日) 16:43:29 ID:???
私が彼から告白を受けたのは、そう昔の話でもない。
ただ、正確な日時が思い出せないだけだ。

母親との関係に苦悩している、一人の少年。
無理もあるまい、日々変化するこの状況下で、寧ろよく対応していると感心していたのだが、
それは余りにも突然に、母親がクローンと言う形で復活…したと言えばいいのだろうか、
いや、クローンとは遺伝子が同じと言うだけの、全くの別人格なのだが、
とにかく、母親、しかもかなり若い、そう言う存在と出会う事自体、許容せよと言うのは
キャパシティ的に無理だったのだ、やはり。ああ、無理だったのだよ。
もっと冷静に考え、彼の立場に立つべきだった。今更、と言われれば今更なのだが。
私はそれまでの、つまりその告白を受けるまでの日々の暮らしは見ていない。
それはプライバシーの問題であり、二十歳の母親と、十四歳の息子と言う、
理解し難い関係ながらも、親子と言うある一点でのみ結ばれている、
その絆を安易にも信じた事が愚かだったのだろうが、いや、そこまで否定する必要もあるまい。

済まない、やはりまだ動揺している。歳は関係ない。
端的に言えば、母親としてしか思えない息子と、男として見てしまった母親。
ただ、私の知っている碇ユイと言う女性とは、姿形こそ似ているものの、
その内面に於いて、だ。まさか自身が産んだ子を…いや、この表現もまた間違っている、
産んではいないのだから。どう表現すればいいのか、言葉が見つからんよ。
まあ、話を続けるとしよう。
201DDR:2006/03/26(日) 16:55:58 ID:???
碇シンジ、その少年の名前なのだが、彼から相談と言えばいいのだろうか、
母親についての悩みと言うものを聞かされた。彼自身、私にこんな話を聞かせて
いいものか、と悩んでいたに違いない。私は彼を指導する立場にあって、その、
今までの日常から、今時の十四歳、つまり中学二年生とは違い、大人しいが、
ある面で大人びた、思春期にありがちな部分を表に出さないのか、
それとも欠落しているのかは分からないが、とにかく私個人的には好ましい少年だった。
人は相手に好ましい感情、好感、かね、その様な感情を抱いていると、
自ずと相手も私に対して好感を持つものらしい。妙に神妙な、それでいて恥らう様な、
複雑な面持ちで私と相対していた訳だが、その告白は衝撃的だったのをよく覚えている。
細部に渡る内容は、もしかすると彼とは食い違うかも知れん。私情ではないが、
それは伝言ゲームの様に、不確かで曖昧な、その場その瞬間直ちに紙にでも書かなければ、
記憶、記録、どう言えばいいのかね、そう、記憶出来ない事だと思えるのだよ。
かと言っていちいち記録する程重要ではない、仕事においては、だ。
それは彼と彼女、二人の問題であって、倫理的に問われれば、私には上手く諭す自信はない。
断言してしまうのも問題だがね、諭せない、と。
202DDR:2006/03/26(日) 17:05:59 ID:???
「母さんと、キスをしました」

私には、その一言で十分衝撃と言うか、まあ驚きだったのだよ。
今時の親子は、欧米並みにスキンシップをとるものなのかね、などと、
別次元で受け答え出来れば、今私はこの話題を一笑に付す事が出来た事だろう。
だが、やはり、と言えばいいのだろうか、通常の親子関係にある、軽いものではなく、
かなり深い口付けらしい。彼、碇シンジは顔を耳まで赤らめながら、
今後の母親との関係について、どうすればいいのか相談に乗って欲しいと思っていた。
思う、と言うのはあくまでも私が察するに、と言う事であって、彼自身の言葉では
語られていない。私はただ彼から、キスと言う事実と、その後暫く続いた沈黙から、
その意味を推し量る事しか出来ないのだが、とにかく…つくづく思うのだが、
上手い言い方が出来ない自分自身に腹が立つ。悩ましい、この歳で動揺に言葉が詰まる瞬間を、
事も有ろうに碇シンジに見られるとはね。まあ、仕方あるまい、今私がここで悩んでも始まらん。
人は誰しも、足をじたばたとさせてしまいたくなる記憶、思い出はあるものだ。
それに私よりも彼の方が、悩みは深かろう。
だが、今こうして話していると、それ程までに悩むべき事なのか、徐々に疑問が沸いて来る。
恋愛の形に定形はない。公式も理論も戦略も、何も無いのだ。
何も無い中から生まれるべき物、それが恋であり愛であると私は信ずる。
そう、愛こそ全てなのだ。いや、今結論を出してどうする。違う、何かが違うな。
203DDR:2006/03/26(日) 17:17:49 ID:???
「自意識過剰ではないのかね」

搾り出す様に出た言葉が、彼を傷つける。全く情けない、この様な子供相手に私は…
いや、子供と大人の境界線、その稜線をまるで綱渡りの様に、危うくも絶妙なバランスで、
彼は歩んで来たのだから。私はある意味において彼を認めざるを得ない。
それは仕事でも勉学でも、そう言った現実的な事実ではなく、この感覚的な、
何と言えばいいのか、その言葉は見つからないのだが、とにかく、彼は逸材なのだ。
私にとっては、なのだが。まあいい、話を戻そう。

「僕自身、母さんの事を」

好き、と言う言葉には色々あるだろう。日本語の美しい部分であり、また汚い部分でもある。
だが、今はそんな表面的な表現を論じている場合ではない。そうではなくて、
彼が口付けに対してどう思い、受け止めているのかが大切なのだ。それが重要なのだ。
理系の私が精神的な、心理的なカウンセリングに近い事を行わされる事に抵抗を感じつつ、
けれども、彼の話は興味深く、好奇心を別の崇高な物へと変換させたいと願いつつ、
私は聞かざるを得ない状況におかれていた。ある意味、ゼーレの呼び出しよりも緊張させられた。
唾、と言う表現をすると何か汚らしい物でも飲み込む様で、かなりの抵抗を感じるが、
仕方あるまい、生唾を音がする程の勢いで飲み込んだ。実際には音をさせまいと努力したのでね、
音はしなかった筈だ。大人のマナーとして、気をつけるべき点だな。
済まない、話がよく脱線するのは私の悪い癖だ。しかも少し話すと、特に持続とでも言うのかね。
最後まで話す気力も失せる。人はそれを無責任と呼ぶのだろう。いい響きだな、無責任。
204DDR:2006/03/26(日) 17:33:16 ID:???
「どう思っていいのかわかりません」

何かねそれは、素直に好きと言いたまえ。私ならば、寧ろ躊躇い無く…いや、違う。
そうではないだろう。ここまで期待させておいて、いや期待させるつもりではないのだろうが、
確かに母子相姦、下世話な言葉に辟易としつつも、それはか言葉がないのだから仕方がない、
そう言う告白なのかと思えば、一言「分かりません」などと、隠す必要は何も無いのだよ。
堕ちたまえ、君。そう言う親子がいても、私は構わん。違う、違うぞ、断じて。
私は目まぐるしく思考する。冷酷な理性と、突き動く欲望、その間でその場その時その瞬間、
私は適切なアドバイスを模索する。だが、その間にも話は続く。沈黙、この静かなる時間の合間にも、
彼の表情と、彼の仕草から、私は彼が母親を愛しつつも、堕ち切れない自分に腹立てていると判断した。
多分、判断したのてはなく単純に堕ちて欲しいと言う、私がこの数十年ひた隠しに隠して来た、
どす黒い欲望でしかないのかも知れない。その穢れを昇華させようともがいて来たのは、
他ならぬこの私なのだが。

「分かっているのではないのかね、本当は」
「…」
「社会がどうの、世間体がどうの、そんな事は些細な事だ」
「…」
「自分で考え、自分で決めたまえ。彼女の事をどう、受け止めるのかね」

私は彼から聞いた話を封印する。ただ、封印する前のガス抜き、空気抜きぐらいは許して欲しい。
諸君にだけ伝えよう、彼と彼女の事を。
205名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/26(日) 21:49:05 ID:???
続きに期待しながら大人しく待つよ
206名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/27(月) 20:21:49 ID:???
乙かれさん
さて続きをwktkしながら待つとする
207名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/31(金) 21:32:44 ID:???
208名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/03(月) 22:42:31 ID:???
補修
209DDR:2006/04/06(木) 17:49:04 ID:???
私の名は冬月コウゾウ。
世間では、いや、ネルフ内、と言うべきかね。
どうも、碇ユイ君との仲を誤解し吹聴する者がいるらしい。
まあ、昔の話なのだが…今のユイ君は、ユイ君ではないのでね。
難しい表現で済まない。とにかく、私は潔白だ。
誰に対して、何を潔白と言うのか、その説明は省きたい。
とにかく、私個人的な感情は、過去の彼女に対して存在しないのだよ。
何故ならば、彼女は私の教え子であり、確かに仕事上…研究上、かね。
深く係った事は認めよう。しかし、それを恋愛感情に結び付けるのは甚だ迷惑だ。
彼女の名誉にも傷がつく。全く、下世話な噂にはうんざりさせられるものだよ。
210DDR:2006/04/06(木) 17:59:50 ID:???
私が何を言わんとしているのか、どうも私自身分からない。
説明が言い訳の様に聞こえてしまうのは、私自身の被害妄想なのかも知れんな。
とにかく、だ。ユイ君は私にとって教え子であり、又、娘の様な存在でもあった。
正直、六分儀君…碇、かね、あの。あの碇と結婚すると聞いた時は、彼女のセンスを
疑ったのだが、まあそれなりに、人並みの幸せと言う物を、ごく短期間ではあるが、
甘受していたのは彼女にとっても唯一の救いと言えよう。あの様な事故さえなければ、
今頃はそれなりの主婦か、或いは研究者として粛々と人生を歩んでいた事だろう。
然しながらだ、私の知らない間にクローン研究として、まあ赤木君のチームが
極秘に進めていたらしいのだが、まさかユイ君のクローンを生み出すとは、全く。
しかも、この様だ。遺伝子レベルに於いて何か、こう、感情とでも言うのかね、
恋愛に関する思考回路…いや、上手い表現が見つからんな。まあいい、とにかく、
クローンとは言え、実の息子…ではないのだろうが、社会的に許されざる感情を
抱く母親がこの世界に存在し、それが事もあろうにユイ君と同じ容姿をしているのだ。
これが怒らずにいられようか…何かが違う、それは怒りではなく、呆れ、絶望、
それらの感情、負の感情が綯い交ぜになった、この重苦しい気分を何と呼べばいいのかね。
そう、碇はどうした、夫として家庭を守りたまえ。いや、失踪中か…使えない男だ、君は。
211名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/10(月) 21:49:42 ID:???
さげ
212名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/15(土) 23:13:32 ID:???
保守
213名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/19(水) 20:58:15 ID:???
保守
214名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/24(月) 02:56:59 ID:???
保守
215DDR:2006/04/26(水) 11:26:10 ID:???
「リツコ、聞いた?」
「何を」
「副司令の噂」
「ああ…アレね」
「中央病院に入ってるって、ホントなの?」
「…知らなかったの?」
「全然。最近見ないなーって思ってたんだけど」
「…いてもいなくても、影の様な存在感ではあるけれど」
「痴呆?」
「まさか。でも、少し記憶の混乱はあるみたいね…多分、トウシツ」
「トウシツ?」
「統合失調症」
「そ、そうなの?!」
「その線が強いわ」
「ど、どうしちゃったのよ副司令!!!」
「自宅から押収された資料の中に、書きかけの官能小説らしき物があったって、加持君が」
「官能?」
「内容は教えてくれなかったけれど、かなりヤバいって噂よ」
「ヤバい…」
「まあ、あの歳まで独身なんですもの。どこかおかしくても当然よね」
「独身…」
「…独身?」
「…」
「…」
「…」
「飲む?」
「そうね」
「じゃあ、魚民予約しとくから」
「お願い」
216DDR:2006/04/26(水) 11:34:17 ID:???
「こんにちはー、三河屋でーす」
「…」
「あ、どうも奥様」
「…」
「あの…こ、怖いなぁ…加持ですよ加持。覚えてらっしゃいますか?」
「3点」
「はい?」
「先程のギャグですけれど」
「あ、ああ…三点ですかー、それは厳しいですね!」
「ええ、100点中」
「100点ですかー、ますます厳しい!まあ、さすがは碇司令の奥様ですね」
「何のご用件ですか?」
「えっと…取り敢えずスイカ」
「もう結構ですから」
「ちょっと待って!スイカ持って来ただけですから」
「ですから結構ですと」
「売り物ではないです!タダですからコレ」
「でも結構です」
「そんな、せっかく持って来たのに」
「ゴメンなさい…今、シンジは学校ですし、一人でこんなにスイカは食べられません」
「いや、別に一人で食べなくても」
「…加持さんと一緒に、ですか?失礼ですけれど、私、ちょっと」
「いやいや、私と一緒に食べてほしいなんて事は」
「遠慮したいのですけれど」
「いや、そうハッキリ言われると」
「ゴメンなさい、根が正直なもので…」
「い、いやいや」
217DDR:2006/04/26(水) 11:45:45 ID:???
「あの…私ちょっと忙しいので」
「ちょっと待って下さい!シンジ君が帰って来たら、このスイカを」
「シンジはあまりスイカが好きではないみたいです」
「ええっ?!そんな…あの時、あんなに楽しそうに水撒きをしていたのに」
「…あの時?」
「いや、私の畑に水撒きを」
「…」
「スイカが好き、って訳ではなかったんですね、確かに」
「あの子は優しい子ですから…植物のお世話も、好きなのかもしれませんね」
「そ、そうでしたか…失礼しました」
「それでは」
218DDR:2006/04/26(水) 11:46:47 ID:???
「ああ、ちょっと待って下さい。このスイカ」
「押し売りですか?」
「だから売ってませんってば」
「では何のご用件でしょう…」
「ですから、ええっと、あの…何でしたっけ」
「さあ」
「ああ、思い出した。冬月副司令が入院されたそうですよ」
「入院…」
「過労の様なものです。ご主人が失踪されてから、全ての業務を引き継がれていたので」
「過労…」
「もし、ご主人から連絡があった際は、ネルフへただちに連絡を…」
「ええ、もちろん」
「それでは…」
「ありがとうございました」
「は、はぁ」
「…」
「…」
「まだ何か?」
「いえ、別に…」
「それでは」
「あ、あの」
「何か?」
「私の事、嫌いですよね」
「ええ」


にこやかに笑う彼女から、香水の爽やかな香りを感じた。
219名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/30(日) 04:22:15 ID:???
クオリティ高いな。
220DDR:2006/04/30(日) 17:24:12 ID:???
「シンジ、ちょっとここに来て」
「な、何?」
「いいから早く」
「母さん、怒ってる?」
「別に」
「何か怒ってるよね…」
「別に怒ってないから。ただ、シンジに聞きたいだけ」
「聞きたいだけ?」
「これ」
「あ!」
「何なの、これって」
「いや、あの」
「 【お母さんに】二十歳の母さんに告白します【恋をした】 って、このスレ」
「…」
「この“1”って、シンジよね?」
「知らないけど、僕」
「昨日、ご飯の後、後ろから抱き着いて来たじゃない」
「よく覚えてないけど…」
「それってこのメール安価?」
「い、いや」
「ふざけないでよね」
「えっ?」
221DDR:2006/04/30(日) 17:28:48 ID:???
「私を何だと思ってるの?」
「いや…」
「あの時、すっごく嬉しかったのに」
「うん…」
「からかってるだけだったなんて」
「いや…」
「私、馬鹿みたい…」
「母さんゴメン、別にからかうとか…」
「だってそうじゃない!こんなスレ建てて!!」
「いや、その」
「私の事弄んで、楽しかったでしょうね!」
「そんなつもりじゃ…」
「じゃ、どんなつもりなの?」
「どんなって、その…」
「…」
「…」
「…ゴメンなさい、泣かないでよ」
「…」
「本当にゴメン」
「…」
「あの…」
「…キスしてくれたら、許してあげる」
「えっ?」
「キス」
「ええっ?!」
222DDR:2006/04/30(日) 17:35:47 ID:???
「早くー」
「それは…」
「…」
「させて頂きます…」
「♪」
「…」
「…」
「…ングッ」
「んンッ」


166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2006/04/30(日) 17:05:42.49 ID:kLCnIb9q0
   スゲェ、ディープインパクト


                            「VIPPERな息子にお仕置き」より
223名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/30(日) 20:24:31 ID:7KHkp+dD
ここに中学のとき2回も妊娠して堕ろした(現在高1)女の子がいるよ
過去ログを見ればさらに詳しいことが分かるでしょう
http://www.10ch.net/test/r.cgi?bbs=chugaku&key=1145801896&last=10&nofirst=false
224名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/30(日) 22:16:26 ID:???
DDRグッジョブ!
225名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/01(月) 04:20:31 ID:???
スレタイで検索かけた俺は負け組
226名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/07(日) 22:49:15 ID:???
いやいやなんのなんの
227名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/14(日) 00:44:19 ID:???
保守
228名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/17(水) 06:18:51 ID:???
保全
229DDR:2006/05/18(木) 22:44:59 ID:???
目覚めると、そこは病院の白い天井だった。どこまでも白い稜線に、
所々蛍光灯の灯りが点く広い天井。ああ、僕はまだ生きている…
それは幸運なのか、それとも絶望なのか。少年にも分からない、今は。

「シンジ!シンジッ!!」

廊下?とても近い筈なのに、とてもとても遠く感じるよ…母さんの声。
そう、母さんが呼んでる。僕を一生懸命。ありがとう、僕を呼んでくれて。

碇ユイは取り乱していた。両脇を赤木リツコと葛城ミサトが支える。

「大丈夫、シンジ君の意識ははっきりと戻っているわ」
「碇さん、落ち着いて。大した怪我ではないのだから」

加持リョウジは額に薄らと浮かんだ汗を拭う。

「奥さん、彼はもう大丈夫です。少し落ち着いて」
「人でなしっ!!!あの子を…」

言いたい事は痛い程よく分かる。何故、俺はここで怒れる母親と対峙しなければ
ならないんだ…全く損な役回りばかり。俺だって好きでこんな仕事はしていないさ。
加持リョウジも時には愚痴をこぼしたくなる時もある。

「お願い…もう二度と、あの子を…あの子をエヴァに乗せないで…」

廊下に悲痛な願いが虚しく響く。やがて、その声は遠ざかって行った。
再び静寂が戻る。面会謝絶の札が時折、カタカタとドアを叩く位だろうか。

ありがとう、母さんがそう望むのなら、僕はもう何もいらない。
少年は決意する、もう何度目だろうか。
230DDR:2006/05/18(木) 22:55:53 ID:???
「碇君、大丈夫なの」
「…それは私に対する質問?それとも嫌味?」

先の闘いで軽傷を負った…軽傷と聞かされているに過ぎないのだが、
二人のチルドレンが広い待機室、長いソファーにもたれ手持ち無沙汰にしている。
軽傷で入院一週間以上。未だに顔すら合わせられない。
憂鬱な情報統制がストレスを加速させる。

「アンタ、たまには面白い事でも言ったら?」

惣竜・アスカ・ラングレーの声が聞こえないのか、綾波レイは壁の一点を見つめていた。

「…ちょっと聞いてる?」
「そこ…」

不意に指を指す。

「ここ、マイクがあるから」
「…」

アスカは息を大きく吸い込むと、壁に口元を近付けた。

「コソコソ聞いてんじゃないわよっ!!!バーーカ!!!!」



「副司令、副司令?」
「ああ、伊吹君かね」
「あの…」
「済まないが、今は耳が遠いのだよ。重要な事項なら後にしてくれたまえ。
 突発性難聴と言う物だろう。何、心配は不要だ」
「…」
231DDR:2006/05/18(木) 23:10:48 ID:???
「ユイ」
「貴方にユイなんて呼ばれる覚えはありません」
「…手厳しいな」

サングラスの奥で涼しげに妻を眺める碇ゲンドウ。
時折鏡の様にサングラスに映る碇ユイは、彼の視線に決して目を合わせ様とはしない。

「何故、私を作ったの?」
「…作った訳ではない。蘇らせただけだ」
「何故?」
「君は母親だ。そして私の妻でもある」

碇ユイはほんの一瞬、その丹精な顔を歪ませた。
微笑みを絶やさない彼女でも、感情の発露を抑えられない一言がある。

「シンジは私の子。もう誰にも渡さない」
「当然だ。シンジは君の子だ」

暫くの沈黙。深い溜息と蔑む様な眼差しを投げ掛けながら彼女は呟く。

「今までありがとう」

席を立ち背を向け部屋を後にする彼女の後姿に、
碇ゲンドウは言い知れぬ寂しさを感じた。
232DDR:2006/05/18(木) 23:20:24 ID:???
「シンジ、痛くない?」
「うん」
「そう…」

傍らで優しく微笑む碇ユイ。自分の母親と紹介されて、早半年。
時折襲来する使徒と戦いながら、少年はこの若い母親と
戸惑いつつも今までの日々を過ごして来た。
確かに、葛城ミサト、惣流アスカとの共同生活も刺激的ではあったが、
人でない人との生活、母親でありながら母親ではない人…この複雑な存在に、
流されるまま何の考察もないままに今まで来てしまった事への不安。

そう、母さんはクローンだった。

「母さん…」
「何?」
「クローンって、どんな感じ?」
「…そうね、記憶と感情が一致しない、って所かしら」

どう言う意味だろう。少年には理解出来ない。
肉体と言う箱を造り、サルベージした魂をその箱に移す…
クローン技術の成果に感謝すべきだろうか。
それとも今まで通り、何も無い墓前で線香を上げる方が良かったのだろうか。
そうだ、これからお墓参りはどうしようかな…
父親との唯一のイベントも、もう無いなかも知れない事に少年は戸惑いを覚えた。
233名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/21(日) 00:41:10 ID:???
DDRはいい仕事をする
234名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 23:32:14 ID:???
保守
235名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/29(月) 23:32:25 ID:???
保守
236名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/03(土) 04:29:30 ID:???
マナは中学二年生

マナ「そりゃそうよ、だってシンジと同い年だもん」



マヤは中学二年生

マヤ「葛城さんに、シンジ君と顔の作りが同じだって言われたとです……うぅぅぅ……」
237名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/06(火) 18:33:56 ID:???
ごめん…
238名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/10(土) 21:09:36 ID:???
この辺りも境界かな?
239名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/18(日) 19:21:13 ID:???
保全さげ
240名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/27(火) 18:59:20 ID:???
保守
241名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/29(木) 20:55:27 ID:???
うぃ
242名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/09(日) 14:19:46 ID:???
243名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/15(土) 21:58:08 ID:???
保守
244名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/23(日) 17:12:47 ID:???
しゃあんなろ〜
245名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/28(金) 02:31:08 ID:???
ほす
246名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/05(土) 14:32:41 ID:???
干す
247名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/13(日) 00:50:17 ID:???
保守
248名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/13(日) 00:50:18 ID:???
保守
249名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/27(日) 12:43:50 ID:???
保守
250名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/06(水) 23:35:27 ID:???
保守
251DDR:2006/09/12(火) 22:22:13 ID:???
「何を考え込んでいるの?シンジ」

ツン、と鼻先を人差し指で触れられ、驚きの声と共に後ろに仰け反る。

「うあっ!」
「もう、あまりクローンクローンって言わないで。母さん、悲しくなっちゃう」

言葉とは裏腹に悪戯っぽく微笑むユイ。

「それから…シンジに謝らないといけないわね」
「何?」
「母さん、父さんと別れるから」
「えっ…」

父さんと夫婦だったのだろうか…別れる以前に一緒に暮らしてもいないのに。
そんな疑問が一瞬沸いた。
家族の崩壊…元々ある筈の無い物なのに、まるで床の無い世界に置き去りにされた気分だ。
この浮遊感は何だろう…眩暈、それとも立眩み?
252名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/21(木) 21:37:23 ID:???
挙げ
253名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/22(金) 00:07:07 ID:???
レイ:「碇君・・・」ポッ
シンジ:「何?綾波・・・」
レイ:「私・・・・」
シンジ:「どうかした?」
レイ:「私・・・妊娠したみたい・・・」
シンジ:「何!誰の子供?」
レイ:「碇君の・・・」
シンジ:「何言ってるんだよ!やった覚えないよ・・・」
アスカ:「あんたファーストを妊娠させたのね!サイテー」
シンジ:「いや・・・身に覚えが無いんだけど・・・・」
レイ:「産むわ・・・この子・・・」
シンジ:「わかったよ。名前はどうする?」続く
254名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/06(金) 08:10:51 ID:???
次週、どうなってしまうのか!!
wktk待ち
255名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/13(金) 17:46:09 ID:ONYXIwo6
ママは14さい
256名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/13(金) 18:37:36 ID:VwELJbPu
14歳の母
257名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/13(金) 18:46:13 ID:DuXZA60T
>>253
アスカ「あぁあ、もーうじれったいわね。私も実は妊娠したのよね!
あんた責任とってちょうだい!!」
マヤ「・・・・不潔・・・」オエーェッ
258名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/14(土) 00:19:49 ID:???
>>253
わかったよってwシンジ認めてんじゃんw
259名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 09:22:18 ID:???
身に覚えはあったのかw
260名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 13:33:18 ID:???
アスカ「出来ちゃった・・・」
シンジ「何が?」
アスカ「子供」
シンジ「へぇ〜、誰の」
アスカ「アンタの」
シンジ「ぼ、僕の子供じゃないよ・・・だって、する時はコンドームを」
アスカ「アンタ以外あり得ないのよ!」
シンジ「で、でも」
アスカ「〜〜!!もういい、アンタが父親にならないなら、子供なんていらない。堕ろしてやる!」
シンジ「お、お腹殴るの止めろよ!わ、分かったよ!認知するから!そんな事は止めろよ」
アスカ「じゃあ、パパ。この事、ネルフの人たちに報告してね」
261名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/16(月) 22:49:11 ID:???
リツコ「DNA鑑定の結果、産まれた子供はシンジ君の子ではないことが判ったわ」
ミサト「じゃ、一体誰の?」
リツコ「……良い難いのだけど、加持君よ」
ミサト「ふぅ〜ん、加持ねぇ〜……」
(10秒経過)
ミサト「って、加ぁ持ぃ〜!?」
リツコ「シンジ君にとって幸いなのは、民法上の問題で籍を入れられなかった事ね。
   逆に不幸なことは、アスカが子供のトコをシンジ君の子だと、かなり広範囲に
   吹聴していたことかしら?
    NERV内はともかく、外では今後、その事を否定して回っても責任逃れだと
   取られかねないわね」
ミサト「その辺は、こちらで手を回すわ。こんな事になった以上、アスカとシンジ君を
   同居なんてさせられないし、合わせて学校側にも検査結果と併せてNERVの
   見解を通知して周知して貰いましょ。
    こんな事でシンジ君に負担をかけて潰れて貰っては困るもの」
リツコ「そうね」
ミサト「ったく、行方を眩ましたと思ったら、実は消されたんじゃなくて、このこと
   から逃げたんじゃないでしょうね」
リツコ「……さぁ、それは本人に訊いてみないと判らないわね」
262名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 15:43:09 ID:???
アスカ最低だよアスカ
263名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 20:47:08 ID:???
それ本編からデフォだから
264名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/17(火) 22:26:41 ID:???
>>261
あ、認知の問題を入れるの忘れていた。
当然(?)、認知前ですw
265名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/18(水) 11:20:22 ID:???
セフセフ
266名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/24(火) 19:30:50 ID:???
アスカ「ねぇ、ミサト」
ミサト「何?アスカ」
アスカ「子供産んだら、母親の気持ちって分かるのかな?」
ミサト「どったの、いきなり!?」
アスカ「ミサトは私の事知ってるでしょ?・・・ママは、本当に私がいらなかったのかな?」
ミサト「・・・それは、分からないわ」
アスカ「だから、産んでみようと思うの。母親の気持ち知りたいから」
ミサト「それって・・・どういう?」
アスカ「お腹の中にシンジの子供がいるの」
ミサト「へぇ〜」
アスカ「・・・驚かないのね、ミサトは」
ミサト「そっかそっか。この30手前の女を差し置いて、14歳の中学生孕ますとはシンちゃんもやるわねぇ」
アスカ「・・・ミッ、ミサト?」

ミサト「とりあえず、シンちゃ・・・マセガキには父親としての心構え教えてくるわね」
アスカ「で、何で拳銃持ってるのよ」
267名無しが氏んでも代わりはいるもの
シンジ「ちょ、ちょっと待ってくださいミサトさん! 一体、何なんですか、
   そんな物騒な物を取り出してっ!!」
ミサト「何のつもりって、決まっているでしょう? 『帰ってきたら続きを
   しましょう』って言ったのに、その私を差し置いてアスカを孕ませる
   なんて……」
シンジ「アスカを孕ませるって!! 嘘ですっ! 誤解ですっ! 何かの間違い
   ですっ! 僕にそんなことが出来るわけがないし、アスカがさせる訳
   ないでしょうっ!!」
ミサト「でもぉ〜、アスカがそう言ってるんだけど?」
シンジ「ミサトさんは……、僕の言うことよりもアスカの言うことを信じるん
   ですね?」
ミサト「い、いやぁ、そ、そんなことはないけど……」
シンジ「常日頃から、『加持さん。加持さん』って言ってて、『恋人にする
   なら加持さんみたいなオトナが良いわよねぇ』とか、僕らのことなんか
   『子供の相手なんかしてらんないわ』とか言っているアスカが、そんな
   ことするわけがないでしょっ!!
    そんなに疑うなら、産まれてきた子供のDNA鑑定でも何でもすれば
   良いんです」
ミサト「えっと、本当に心当たりないわけ?」
シンジ「ありません!
   ……そう言えば、僕らの行動って基本的にMAGIが監視しているん
   じゃなかったですか?
    あれ以降、僕らは別居しているわけですし、ログを調べれば、それ
   らしい日時の特定も可能なんじゃないですか?」
ミサト「そ、そうね。マヤちゃんに調べて貰えば判るわよねっ。じゃ、早速」

 後日、アスカのそれは想像妊娠であることが判明するのだが、その頃には
レイが、マナが、マユミが、ついでにミサトとマヤが、本当にシンジの子供を
身籠もっていて一波乱あるのは別の話。