葛城ミサトの日記

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2葛城ミサト ◆50ZH3zbZh6 :04/09/07 17:52 ID:???
2
「この日、他に記すべき事無し」
最近、前につかんだコツを忘れてきた。
相手もいないんだもの、仕方ないわよね。
まあいっか、シンジ君相手に練習でもしてれば思い出すでしょう。
最近、少しずつ言葉が戻ってきた。
今まで表せなかった自分の気持ちを日記に書いてみたい。
昔の日記を見つけた。
加持との生活ばっかり…

…捨てよう…
このスレいらなくない?
>>1
あんた、このまま何もしない気?
中途半端が一番悪いわよ
○月×日
今日、施設から初めて外に出た。
外との世界が眩しい。
もう18歳だけど、これから自分の人生が始まるような気がする。
○月×日
さしあたって何をしようかと思い悩んでいると、
施設の人からこう言われた。
「あなたは若いんだから、学校に行って、あなたの抜け落ちた青春を補完しなさい。
 …心配ないわ。今の大学生なんてボンクラばっかりなんだから。」
特に大学に興味は無いが、妙に補完という言葉に惹かれたので行く事にした。
×月○日
あれから一年後。
19歳になって、大学に通うことになった。
キャンパスに足を踏み込んで散歩目。加持とか言う奴に声をかけられた。
何かいろいろ言ってたけど、剃り残しのヒゲがむかついたので、
いきなりビンタを食らわすイタリア式で断っておく。
×月●日
サークルを見て回った。
体育会系はどこも女子マネばかりを募集していて、スケベ心が見え見えだ。
ちなみにそこでも加持とか言う奴に数回声をかけられた。
昨日捨て台詞で、「その汚い無精ヒゲそっとけ!」
と言ってたせいか、今日はアゴのあたりはきれいになっていたが、
今度は顔の脇にあるホクロからヒゲが一本伸びていたのがむかついたので、
やっぱり頬を張って帰った。
明日は文化系を回ってみよう。
×月△日
文化系を見て回ったが、やっぱりどれもイマイチだった。
本当は私は入る気がないのに、
人並みの青春が欲しくて無理に入ろうとしているのかもしれない。
そんな考えに自傷しつつ、初めて食堂でお昼を食べた。
お昼も真っ盛りでとても込み合っていて、
一人で静かに落ち着いて…ってのは無理みたいだった。
…だけど、ふと隅の一角は空いていた。
やったとばかりに急いだが、
ふと気が付くと、窓際にパツキンの女が一人で食べていた。
彼女のまとうオーラは、明らかに他人を寄せ付けない種類のものであり、
あたしも一瞬躊躇したが、
どうせ空っぽの過去しかない人生ならば、今更失うものも無い。
あたしは、「ここ、いいかしら?」
と思い切って、パツキン女の真正面に座った。
そんなあたしを見た彼女の眼には、少なからず驚きの色があった。
ホントは、今でも他人と話をするのがちょっと怖い。
でも、そんな怯えは見せられないから、代わりにたくさん言葉を出した。
彼女はビックリしていたみたいで、テーブルのサンマの塩焼き定食にもはしをつけなかった。
で、彼女の名前は「赤木リツコ」。
私と同い年だけど、学年が一つ上の2年生。
まあ、私は大検を取るのに一年使っちゃったし、仕方がないんだけどね。
彼女、リツコのお母さんは「赤木ナオコ」という世界的に有名な科学者なんだって。
と言っても、私は全然知らなくて、聞いた話の受け売りなんだけどね。
リツコって、ちょっと冷たい感じがするけど、でも、それだけじゃないような、
たぶん、友達になれると思う。
初めての友達に
×月▲日
翌日からリツコといっしょに講義を受ける約束をした。
初めての友達。
何を話せばいいんだろう。
このまま起きていると、不安ばかりが出てくるので、
今日はもう寝る。
×月▽日
昨日あれこれと思い悩み、疲れて寝たせいだろうか。
リツコとの約束の時間に10分ほど遅れる。
でもリツコは笑って許してくれた。
×月▼日
今日は20分寝坊した。
でもリツコは笑って許してくれた。
×月∵日
30分寝坊。
リツコはまだ笑っていたが、こめかみのあたりがピクピクしていた。
×月∴日
ついに授業を寝過ごした。
リツコは明日から起こしに来てくれるそうだ。

便利。
△月○日
早朝7:00。
リツコは時間ぴったりにやって来た。
寝癖だらけの髪と、はだけた寝巻きのまま出迎えた。
部屋に入ったリツコの一言。

「うわくさッ!」

失礼な人。
△月●日
リツコは今日も起こしに来てくれた。インテリは几帳面で助かる。
しかし今日は一人じゃなかった。

「なあリッちゃん。ここが葛木の部屋か?」
「そうよ。きっと見たらびっくりするわよ。」

チャイムと同時にドアから飛び出し、
マウントポジションで動かなくなるまで殴った後、
これからは早起きを心がける事を誓う。
△月◎日
大学でボヤがあったと大騒ぎだった。
野次馬根性丸出しで現場を見に行ったら、
人ごみの真ん中でリツコがなにやらわめいている。
人ごみを掻き分けて、何とか声をかけられる所までたどり着くと、
リツコは科学の講師と口論していた。

「これはウサギの耳をもっと長くする研究です!」
「そんな事はしなくていい!」

リツコの剣幕は今にも手にしたメスで切りかかりそうだったので、
後ろから羽交い絞めにして引っ張り出そうとするも、

「放しなさい! あなたには関係ないでしょ!」

これでリツコとケンカ別れしたらやだな、と思っていたら、
加持とか言う無精ヒゲが、

「葛木、もっと引っ張れ。」

と手伝ってくれたので、何とかリツコを輪の中から引っ張り出せた。
何とか警察ざたにはならなかったが、
頭に血が上ったリツコが報復に向かおうとするのを止めるため、
思い切り飲ませた。未成年だろとか言ってらんない。
彼女が酔いつぶれた後、何となくしんみりとして加持と話した。
加持は意外と良い奴だった。
これからはもう少し仲良くしようと思う。
図書館で青少年の心の発達とやらの本を読んでいると、
加持に「うちに来ないか?」と誘われた。
思わずうんと言ってしまったが、
うら若きオトメとしては、これはみすみす虎穴に行く様なものだ。
いざという時のため、バタフライナイフを隠し持つ。

「やあ、よく来たな。」

その後、加持のコレクションの007を全作ビデオで見た。
加持はスパイが好きらしい。
△月。日
大学に行くと、リツコに言われた。

「男の部屋に四日間も泊まってたの? おめでてーわね。」

四日間も007を見ていたらしい。
△月.日
トンカツ定食の刻みキャベツを食べていると、
リツコがふと言った。

「人間に都合のいい自然なんて、壊してしまった方が良いと思わない?」

インテリは怖い。
△月゜日
リツコと「稲川さんの怖い話」をビデオで借りて見た。
案の上、あくびしながら「くだらないわね」と一笑される。
あんたそれじゃあ夜の学校に一人で一夜を過ごせる?
と聞くと、楽勝よ、と言って来た。
悔しいので驚かせる事にした。
午前0:00。
大学の3階女子トイレの3番目の扉を3回×3セットノックして、

「花子さん、遊びましょー。」

暗いトイレに声が吸い込まれる。何の反応も無い沈黙が、かえって怖い。
そんな状態が3秒程した時、

「はぁ〜ぁい。」

全身の鳥肌が一気に逆立ち、我を忘れて叫びながら逃げようとしたら、
リツコに首筋をつかまれた。
彼女はお化けにも負けないくらいに怖い顔して、トイレの扉を蹴っ飛ばした。
勢いよく開いた扉の奥には、ただ暗いだけのトイレの便座があるだけだった。

「ふっ…やっぱりこの程度ね。さ、帰りましょう。」

この女も怖いが、
あたしは扉が開いた一瞬、青い髪で赤い目の少女の姿を見た様な気がした…
30ゲットと同時に疲れた。
スレを立てるのは勝手だが、放置はやめてほしい。
苦月悩日 

近頃カギカッコの中身のせいで日記っぽくない書き方に見えてきた。
明日からは気をつけて書くことにしよう。
鬱だ月死のう日
ぬぅぅぅ、なんてこった。

タシロ艦長のモノマネをしてみた。
今度から気をつけよう。
小学生みたいに、日記は三日坊主?
34名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/09/17 00:11:58 ID:7VaRm9ht
あげ
35名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/09/17 01:24:40 ID:Zx7zdcnr
途中面白かったのになあ
△月゜゜日
>33さんへ。
三日坊主は日記を書く上で、避けては通れない通過儀礼なの。
疑問に思うならやってみて欲しい。多分三日目『ぐらい』で面倒くさくなるから。

それはそうと、この前借りたウィザードリィの攻略法を聞きたかったのに、
講義にリツコが来なかった。
どうしたのだろうかと思っていると、ふと加持が現れて、
就職セミナー? みたいな感じの特別講義に出ているのだと聞かされた。

将来の夢…私にはそんなものは無い。
鬱になったのでもう寝る事にする。

追記:私が加持の彼女だと言う噂が流れてる。
   しかも噂を流したのがあの無精ヒゲらしい。
   どうやらまた欠席日数を増やしたいらしい。
△月丸●日
今日はリツコに会えた。
さっそく将来の夢と言う、少々青臭すぎる話を切り出してみたら、

「金持ちのエロジジイ以外の玉の輿がいいわね。
 そのうちロボトミー手術をして、財産全部あたしのモノ。」

インテリは本当に怖いと思った。
そんな私を見てリツコはケラケラと笑い、
「冗談よ。まったくあなたはからかいがいがあるわ。」
などと言っていたが、さっきの目は獲物を食らうハンターの目だった。
ちなみに加持はスパイになりたいのだと言う。
スパイってどうやってなるんだろう。リツコでもわからないみたい。

でも、みんな夢があってうらやましい。
私の過去はからっぽ。からっぽ? いや、ある。
あの南極での出来事。忘れる事などできる訳が無い。

そうだ。私、もう一度南極へ行きたい。
△月●○日
なんだかおでんみたいな日付。
そんな事はどうでもよく、私も最近ようやく学生生活に慣れて来たように思える。
授業が無いときはリツコをさそってパフェやタイヤキやクレープを食べに行ったりする。
友達も少し増えた。
みんなが言うには、リツコが自分の都合をまげて付き合うのは私だけらしい。
不思議な魅力があるのね、と言われてうれしかった。
しかし、その後にステキな恋人もいて、と言われて凍りついた。
彼氏から恋人にクラスチェンジしている。
これからひとっ走りして、加持を殴ってこようと思う。
△月◎◎日
ウィザードリィをへとへとになってクリアした。
もう洋物ゲーはやらないと心に誓うが、
ウィザードリィを返す時、今度はハイドライドを借りさせられた。
私はそんなにゲーム廃人じゃないのよリツコ。
AC(アーマークラス)−99なんてできない。
△月○●日
部屋でゴキブリ発見。夜が明けるまでそいつと戦った。
寝不足で立ち上がれそうに無い。
ごめんねリツコ。今日の講義、後でノートに写させて…
日記についての雑談用にいかがでしょうか?
ttp://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1054122648/
9月22日
昨日までの私は違う私。
私はこれから始まるのよ。
というわけで、三日坊主だった日記をまた書き始めようと思う。
目指すは、某国王の綾波さん日記。

まあ、あくまで目標なだけなんだけどね。
とりあえず、今日は面倒くさいから、ビールを飲んでもう寝る。
追記

やっぱり少しだけ書く。
実を言うと、昨日、サードインパクトがあったのよ。
私、撃たれて死んだと思ったんだけど、なんか生き返っちゃってるし。
おまけに長年悩まされていた水虫も治っているし、もう健康そのもって感じ。
今日、シンジ君と再会したときは、なんか涙が滲んで、彼の顔がよく見えなかった。
シンちゃん、私に抱きついて泣いちゃうし。
ちょっと、かわいかったかな。
まあ、アスカも無事だったし、これから何とかなるわよね。
シンちゃんと続きはしないの?
9月23日

前に、日記を書いた日からちょうど1年後。
今日までいろいろありすぎて、日記を書く暇もなかったわ。
ネルフ自体は無くなっちゃったけど、今は国連の一研究機関に変わったし、
戦後処理もうまいこといっちゃったし、結果オーライよね。
まあ、そんなわけで一周年の記念というわけでもないけど、今日、シンジ君と
旧第3新東京市の跡に行ってきたわ。
ジオフロントは宇宙の彼方に飛んでいっちゃったから、巨大な穴しかなかったん
だけど、それでも感慨深いものがあったわね。
シンジ君なんて、穴の底をずうっと眺めていたもの。
アスカも一緒に来れなかったのは残念だけど、仕方ないのよね。
でも、アスカも少しずつ良くなってきている。
病院にお見舞いに行くたびに、会話は増えてきているし、もうすぐ退院できるはずよ。

だけど、ちょっと昔の自分を見ているようでつらい。

ところで、最近、シンジ君が私のくちびるを物欲しそうに見ていることが多い。
もしかして、大人のキスの続きを待っているの?
やーん、おねえさん、こまっちゃうん。

PS.今年で32になるけど、私はおねえさんよ。
ミサトさん、ハァハァ。
9月24日

シンジ君のことをリツコに話したら、レイがウチに引っ越してくることになった。
なんでも、
「ミサトがシンジ君を襲わないようによ」
ということらしい。
まったく、リツコのやつ、失礼なことを言って。
そりゃあ、高校生になったシンちゃんは背も高くなって、男らしくもなったけど。
いくらなんでも、私がシンジ君を襲うわけ……ちょっと自信ないかも。
まあ、それはともかく後で日向君に聞いたら、この引っ越しはレイの希望だったようだ。
サードインパクト絡みで、レイはずっと施設にいなくてはならなかったのが、先日、
解除され、それで私がレイの保護者として選ばれたというのも関係しているらしい。
ともかく、家族が増えるのはうれしい。
でも、今度はシンジ君がレイと間違いを起こさないようにしっかり見張らないと。
……それはないか。
九月二十四日

シンジ君は毎日のようにアスカのお見舞いに行く。
「なんか…責任を感じるんだ。」
だって。
思い込みの強いのは相変わらずだけど、
今はそれがいい方向に向かっていると思うから、好きにさせている。
もう誰も見ていないと思って書き込みを始めたが、見ている人がいてちょっちビックリ
○月×日

リビングでビールを飲みながらナイターを見ていた時、
「ミサトー、このピーマンの肉炒め、食べていい?」
とキッチンの方からアスカの声がした。
そんなものあったかなとは思ったが、気にせず、
「んー、いいわよー」
と適当に答えておいた。
7回裏、2アウト1、2塁、長打逆転のチャンスに落合Jrの打席だった。
私は、枝豆を噛んだままテレビに釘付け。
ピッチャーがボールを投げたその時、
「うぎゃぁーー!!!」
とアスカの叫び声が上がった。
私は何のことかと思ってキッチンに飛び込んでいくと、そこではアスカが
口を真っ赤に腫らして泣いていた。
そして、涙を流しながら皿を指さしている。
どうやら、ピーマン炒めと見られていたものは、トウガラシ炒めだったみたい。
アスカはトウガラシを口の中いっぱいに詰め込んだようだった。
すぐに、水を大量に飲ませたが、それでも収まらずアスカは泣き続けた。
そんなこんなでリビングに戻ったら、巨人の負けで試合は終わっていた。

追記、
今朝、シンジ君が口を真っ赤にして涙目になっていた。
どうも、アスカに復讐されたらしい。
アスカが勝手に勘違いしたのに、シンジ君も大変ね。
9月25日(土)

 日記を再開してから4日目。既に、面倒くさくなってきた。もう一気に最終日まで
書こうかなとの考えがチラリ頭に浮かぶ。某国王さんの偉大さがわかったような。

 今日は、レイが家に引っ越してくる日。土曜日だから昼に迎えに行けばいいと思い、
寝ていたら突然、玄関からチャイムが。時計を見ると7時30分。誰?
 部屋を出て、顔を会わせたシンジ君と一緒に玄関へ行くと、
「おはようございます」
 と、レイが挨拶をしてきた。
 たぶん、あの子に挨拶をされたのは初めて。ちょーっち、驚いちゃったわ。
 まあ、それはともかく、
「お帰りなさい、レイ」
「あ、お帰り。綾波」
 と私たちが言ったら、レイったら少し顔を赤くして、
「た、ただいま」
 と言葉を返したのは、かわいかったわね。
 それから、旅行カバン一つで来たレイの日常品を買うために、3人でお買い物。
 雨で天気が悪かったのが残念かな。
 そういえば、レイは白のワンピースを着ていたけど、あの子の私服姿を見るのも
初めてだったわ。あんまりにも似合っていたから、今まで気づかなかった。
9月26日

 諸事情から、まとめて日記をつけることにする。そのため曜日感覚は狂うかも。
日記は自分のためにつけるものだし、誰も見ている人がいなくても気にしない。
ともかく最終日まで完走できれば自分を褒めてあげよう。……なーんてね。


 午前中、病院から連絡が来る。アスカの様態に変化があったらしい。そのため、
シンジ君とレイと3人で病院に行った。アスカの病室に入る前、ドアのところでレイが、
「私はここで待ってます。……その方がセカンドのため」
 と言って、入室を拒んだ。
 レイの表情があまりにもかたくななため、シンジ君と二人でアスカの元へ向かった。
 ベッドの上のアスカは静かに目を閉じていた。また、この状態になってしまった。
 医師の説明も今までと同じで、アスカは深い眠りに入ったとのこと。
 この一年間、このような状態が何回も起こった。短い時は数日で目覚めるが、長い
と一ヶ月以上も眠ったままである。今回は、いつ目覚めるのだろう。二度と目覚めな
いかもと不安をシンジ君に気づかれないようにしないと。
「シンジ君がキスすれば目覚めるかもよ」
 と軽口を叩いてみたが、黙ったままの彼が痛々しかった。
 その後、暫くしてから家に戻る。
 夕食の頃には、シンジ君も元気をいくらか取り戻していてよかった。
9月27日

 今日から、レイも学校に通う。
 シンジ君と同じ高校に編入することになった。まあ、裏からいろいろと
手を回したからであって、ついでにシンジ君と同じクラスにもした。
 あの子は人付き合いが上手くないが、シンジ君がいれば大丈夫だろう。
 いつも、迎えに来ている鈴原君と相田君はレイを見て、驚いていた。
 まあ、仕方がないわよね。レイの髪が茶色っぽくなっているんだもの。
 それにしても、サードインパクトとはなんだったのだろう。
 死んだはずの私やリツコは生き返るし、鈴原君の失った左足は元に
戻っている。
 アスカはあの通りだけど、それ以外はいくらなんでも都合よすぎ。
 以前、リツコに聞いたら、人が元に戻ろうとする意志がどうこうと難しい
ことを言っていたが、私にはちんぷんかんぷんだった。
 ともかく、レイの学校生活初日はうまくいったようでよかった。
9月28日

 日向君に夕食に誘われる。
 彼はとっても気前がいい。週に一回くらいはご飯をおごってくれる。
 この前なんか、神戸牛のステーキをおごってもらった。
 ホント、日向君って、いい人よね。
 そういうわけで、今日はシンジ君とレイも呼んでいいと聞いたら、日向君は
笑顔で了解してくれた。ちょっと見たことがない種類の笑顔だったけど、たぶ
ん笑顔なんだろう。
 みんなで行った寿司はとっても美味しかった。
 私はマグロが好き。大トロよりは中トロや赤身の方が好き。
 シンジ君は寿司のネタはなんでも好きみたい。
 レイは生臭いものは駄目らしく、タマゴやカッパ巻きとかを食べていた。
 うーん、少しずつレイの偏食は直さないと、私みたいな魅力的な体に
ならないわよね。このことについて、シンジ君と相談しよう。

追記
 日向君にはいつもおごってもらってばかりで悪いから、今度、
私の手料理をごちそうしよう。きっと彼、よろこぶわね。
いくらなんでもミサトはそこまで鈍感じゃないだろう
9月29日

 昼休み、リツコと一緒にご飯を食べていた時、昨夜のことを話す。
 そうしたら、リツコのやつにすごい剣幕で、
「いい加減、日向君に甘えるのは止めなさい。彼の気持ちを少しは考えなさい」
 と叱られた。
 やっぱり、そういうことなのよね。わかってはいたんだけど。
 で、リツコに続けて、
「加持君はもういないのよ」
 とも言われる。
 私はリツコに何も反論できなくて、急に美味しくなくなったカレーを黙って食べた。
 リツコに言われなくてもそんなことはわかっている。
 だけど、どこかでひょっこりあいつが現れるんじゃないかという思いもあるような
気がするような無いような。日向君に甘えているのも、その辺を曖昧にしときたい
からなのかもしれない。
 そろそろはっきりさせないとならないのかな。ちょっち鬱が入ってきた。
 明日は第2に出張だし、もう寝る。
9月30日

 第2の松本までは今はリニアが通っているから、ここ長野の松代からは
30分もかからないで行ける。だから、出張というほどのものではない。
 今も首都は第2なんだし、私たちも第2に本部を置けばいいのにと思うが、
MAGIの関係で松代から動くことができない。
 ま、ここは住みやすいところだし、気に入ってはいるんだけどね。
 それにしても、第2は首都というのに静かで落ち着いた古都という雰囲気よね。
 首都機能だけを旧東京から移転したからなのだろう。
 仕事の方は、もういらいらし通しだった。
 途中、あのバカ官僚を殴ってやろうかと思ったが、それはさすがにこらえた。
 平和になって作戦部が無くなったから、今の私は所長補佐の職についている
けど、本当にこの仕事に自分は向いているのだろうか。
 はあー、もう寝る。
10月1日

 今日から10月。いよいよ秋って感じね。
 遠くに見える志賀の山々も赤く色づいてきた。
 サードインパクトで地軸が元に戻り、日本にも四季が戻ってきたのはうれしい。
秋は食べ物が美味しいから。シンちゃんに頼んで、栗ご飯を作ってもらおう。
 だけど、たったの一年で自然がセカンドインパクト前のようになるなんて、
自然の回復力ってすごい。
 サードインパクトって、地球にとってはよいことずくめだったのかな。
 ちなみに、今日の夕食で食べたサンマの塩焼きは美味しかったわ。
他は復活してるのに、加持だけ死んでいるのはなぜ。
インパクト以前のどうたらと言うのなら、トウジの片足も戻ってるし。
本人に戻ってくる気がないとか。理由までは知らんけど。
転生して別人w
10月2日

 普段の日常を日記に書くのは難しい。
 特に変わったことがないのだから、何を書いていいのやら。
 まあ、いいわ。適当で。


 今の世界に戻って来なかった人もいる。
 加持君や碇指令、ゼーレの老人たちなどなど。その他にも世界中にたくさんいる。
 リツコの話では、そういう人は戻ってくる意志が無いからなのだろうとのこと。
 加持はサードインパクトよりだいぶ前に死んでいるからとか言っていた。
「なら、私やアンタはどうなのよ。死んでいたじゃない」
 とリツコに訊いたら、
「さあ、どうなのかしらね。私にもわからないことは多いのよ」
 と自嘲するように答えた。
 こんなこともあって、どこかで加持がとの考えが消えないのかも。
 今日の夕食は、里芋の煮っ転がし。
 レイが来てから野菜料理が増えた。健康に良いけど、ビールのつまみには
ちょっち物足りない。けど、我慢。そのうち慣れるわよ。きっと。
10月3日

 夕食後、リビングでレイと一緒にテレビを見る。
 今、流行っている恋愛物。主人公とヒロインが幾多の試練を乗り越えてという
古典的な内容だが人気はあるらしい。まあ、私も毎週、見ているしね。
 シンジ君は自室で宿題。家事を任せているから、勉強の時間がなかなか取れ
ないみたい。私やレイも分担しているけど、細かいところはシンジ君に全然及ば
ないのよね。もう少し上達して、シンジ君の負担を減らさないと。
 ところで、レイと二人っきりになっても気まずくない。
 これには、ちょっち意外だった。使徒と戦っていた頃、実はレイが少し苦手だった
のに。隔意を持っていたのは自分の方だったみたい。反省。
 それにしても、レイが恋愛ドラマを見るのにはやっぱり意外。
 こう、レイのイメージとかけ離れているような。
 まずい、こうゆう先入観は捨てないと。
 でも、好奇心はあるわけで、レイに
「おもしろい?」
 と訊いてみた。
 レイは私を見てうなずくと、
「……最近、少し興味があるから」
 と小さな声で答えた。
 なーんか、そのレイの顔がかわいくて、思わず彼女の頭を撫でてしまった。
10月4日
 仕事が早く終わったので、アスカの様子を見に病院へ行く。
 病室に入ると、アスカは依然として眠ったままだった。
 アスカの顔に死の匂いはしない。
 本当に、ただ眠っているだけという感じ。
 だけど、この状態になってからもう一週間。
 体の筋肉はそげ落ちてきているし、アスカの体に繋がっているたくさんの
チューブが痛々しくて、涙が滲むのを止められなかった。
 早く目覚めてアスカ。
 シンジ君も待っているんだから。

 いろいろと疲れた。今日はもう寝よう。
ミサトはシンジきゅんの保護者とゆー形で
このままいっちゃうんかな?
なにはともあれ、続きを期待。
10月5日

 本部のある松代は、長野市中心部からけっこう離れている。だから、
まわりは田舎で遊ぶところが少ないのよね。山沿いで温泉も近くに
あるし、第3と似た感じはするけど。
 で、今夜は、リツコやマヤちゃん、日向君に青葉君とで、長野の街中へ
飲みに出かけた。結局、入ったのは普通の居酒屋で、それなら本部の
そばの行きつけの店とかわらないんだけど、ほら、気分の問題よね。
 二軒目は、ちょっと雰囲気のいいバーに……リツコと行ったわ。
まあ、別にいいけど、女二人なのにナンパもされなかったのは、ちょっち
腹立つわね。まあ、ぜーんぜん、気にしていないけどね。ふんっ。
10月6日

 午前10時6分、所内に非常事態警報が発令された。
 私は作戦指揮のため保安部と共に、旧第3新東京市跡へ急行する。
 今回は、戦自との共同作戦となり、私に全権が任せられた。
 桃源台の現場に到着し、目標を包囲。その後、目標とコンタクトを
試みた。目標に敵意は見られず、警戒を怠ることなく接触。
 そして、目標、渚カヲルを獲補成功する。
 彼、渚カヲルは以前の容姿のままで、私に笑みを向けていた。
 簡易的に彼を検査した結果、人間との結果が出る。
 遺伝子的には、100%、ヒトとのこと。
「渚君。あなた、今までどこにいたの?」
「さあ、気がついたら、ここにいましたよ」
「あなたの目的は何?」
「目的なんて何もありませんよ。僕はもうヒトですからね。ただ……」
「ただ?」
「シンジ君に呼ばれて戻って来たんだと思いますね」
「シンジ君に?」
「ええ。……そうですね。僕の目的はシンジ君にまた会うことかな」
 そう微笑みを浮かべながら言う彼に、他意は無いようであった。
 ひとまず彼を松代の所内に保護。
 日本政府、国連との3者協議により、彼についてはウチが権限を持つ
ことになる。

 シンジ君は彼が帰ってきたことにどう思うのだろうか。
 彼のことをシンジ君が知った時のことを考えると、気が重い。
渚カヲルを家に連れて帰ってくると、彼は靴も脱がずに家に上がりこみ、
驚いて何も言えないシンジ君の手を引っ張って、
シンジ君の部屋に閉じこもってしまった。

その出来事から現在経過時間30分。
私はカメラを持って、問題の部屋へと突入しようと思います。
10月某日

報告。
突入を決行すると、ベットに腰掛けたシンジ君が、
ベットの隣で上半身裸のカヲルの華奢な体に手をふれている図があった。
ああやっぱり禁断の道に走ってしまったのねシンジ君ごめんなさいどうせ私は失語症のオンナで子供一人ロクに育てられないろくでなしなのよだったらこんな奴よりも先に手を出しておくんだったわ。

錯乱していた私は多分上記のような事を口走っていたと思う。
そんな私を見たミスター薔薇族改め渚カヲルは、冷静にこう言った。

どうです? 僕の体は人間ですか?

彼は使徒であった前世を思い、シンジ君のボディと自分のものが、
同一であるかを確認してもらっていたらしい。
どうして彼を選んだかについては、それは同年代のオトコのコという訳だ。
そういえば使徒とヒトは確か体の構成が90何lまで一緒だったとか。
つまり元々似たようなものなのだ。
そう聞かせると、渚カヲルは「そぅ、よかった。」とこぼしたきりだ。
彼にとって、その問題はもうどうでもよさそうだ。今はシンジ君にくっつきっぱなし。
どうやら我が家に明るい素材が入って来たような気がする。
レイが何か恨めしそうな顔でこっちを見ているが、
今日はもう考えるのをやめて、ビールを飲んで寝ます。
10月7日

 渚カヲルの様子に変化は特に無し。
 管轄はリツコたち技術部にほとんど移っているので、後は彼女たちに任せるしかない。
 現体制になってから初の非常事態で所内の空気がピリピリにしているのを肌に感じる。
 ふー、疲れた。
 もう寝る。
10月8日

 リツコの言により、レイを渚カヲルに会わせることとなった。
 まず、彼からは見えないところで、レイに彼を見させる。
「どう、レイ。なにか感じる?」
「……いいえ」
 と言って、レイは首を横に振った。
 次に、二人がコンタクトすることになった。
 彼とレイは長い間、見つめ合っていたが、
「久しぶりだね。綾波レイ、君」
「……」
「おやおや、僕に挨拶を返してくれないのかい」
「……あなた、何をしに来たの?」
「シンジ君に会いにね」
「……」
 それで、二人の会話は終わった。
 別室で、レイに話を訊く。
「何か、気づいたことはある?」
「いいえ、特にありません」
「そう」
「……彼は、私と違ってヒトだと思います」
「レイはそう感じたのね?」
「はい。……ただ、私と彼は敵だと思います」
「敵? どうして?」
「……わかりません。でも、そう感じました」
「そう、」
 この日は、それで終わり、レイとラ−メンを食べてから家に帰った。
10月9日

 今日は、土曜日だが出勤。渚カヲルの件もあるが、まあ、いつものことだから
仕方がない。所内も落ち着いてきたし、そう忙しくはなかった。
 ところで、ここ最近、何かが動き始めたように思う。
 特に、シンジ君の周辺にだ。
 レイとの同居。アスカの急変、そして、渚カヲルの出現。
 短い間にこれだけの変化が起きるのはおかしいと言えよう。
 単に偶然とも言えるが、それが三度続けば必然であったと考えた方が自然だ。
 私の直感が外れればよいのだけれども……。

 渚カヲルのことはレイにも口止めするように言ってあり、まだシンジ君に
知られてはいない。だが、いつかは彼の知ることとなるだろう。
 その時、彼はどう思うだろうか。
 単純に喜んでくれればいいけど、あの時のシンジ君の様子を思い出すと
不安は少なからずある。彼を握り潰した罪悪感がシンジ君を未だ悩ませて
いるのだから。
 ちょっち鬱が入ってきた。ビールを飲んで寝よう。
ミサトさん乙
続き期待してます。
できればシンジの童貞を奪うミサうわなにをすrくぁwせdrftgyふじこ
10月10日

 今日は、3人でアスカのお見舞いに行った。
 レイはまた廊下で待っていることになり、シンジ君と二人で病室に入る。
 アスカの様態に変化は無し。本当に、ぐっすりと眠っているようだった。
 一つ気づいたことがある。
 シンジ君はアスカの掌を握りしめることはするが、それ以上のことはしない。
 アスカの頬や髪に触れることさえも。
 これは、やっぱりアノことが原因なのよね。
 まだ、みんなの戦いは終わってないということか。
 たぶん、それは私も同じ。
10月11日

 朝、ちょっとオシャレをしたくなり、昔の服を引っ張り出した。
 ……ウェストがきつい。
 もしかして太ったの?
 体重計に乗ってみた。結果は前と変わらずキープしている。
 ということは、どこかが減って、おなかが増えた?
 それ以上、考えると鬱になるから、いつもの服を着て出社する。
 帰宅途中、フィットネスクラブに入会した。
10月12日

 渚カヲルの所内での拘束は解除。監視はあるが、所内での自由はある程度
許可されることになった。このまま変化がなければ、近いうちに一少年としての
生活を送れるようになとのこと。
 私の危惧は無駄になりそうで、まずはよかったと考えよう。

 ところで、また日向君から夕食に誘われる。
 う〜ん、どうしよう。と悩んでいても仕方がないので、
「いいわ。でも、割り勘よ」
 と彼に告げた。
 日向君は少し驚いたような顔して、次に寂しげな顔に変えた。
 ちょっと胸が痛んだが、少しずつでも何かを変えないと。
 私自身、日向君は嫌いではない。むしろ好き。
 でも、加持君に抱いていた好きとはやっぱり違う。
 もう少し考える時間を持ってもいいよね。
10月13日。

 とうとうヤッてしまった。
 今日は帰りが遅くなり、シンジ君の手料理をつまみにビールを飲みながら
スポーツニュースを見ていた。
 巨人の出ない日本シリーズなんか興味はこれっぽっちの無いが、中日が
勝ったことに無性に腹が立ち、ビールの本数がいつもよりかなり増えていた。
 隣でさきイカをかじっているレイにからんでいた記憶はある。
 それで、どうしてそうなったか覚えていないが、気がついていたらシンジ君に
キスしていた。それも、もう深〜いディープなやつを。
 体勢的に、私がシンジ君を押し倒す形だったから、自分からしていたのだろう。
 暫くしてから、レイに肩を叩かれて、
「ミサトさん。碇君にキスしてはダメ」
 と怖い顔で言われた。
 そして、これまたどうしてかそうなったか覚えていないが、返す刀でレイにも
キスをしていた。それも、もうディープなやつを。その時、
「じゃあ、レイに返すわよ」
 と言ったような気がするが、何を返すという意味なのか全く不明。
 翌日の朝(つまり、ついさっき)、起きて二人にあったら、シンジ君は私にそわ
そわした目を向けるし、レイは氷のような冷たい視線を注ぐし、う〜ん、こまっちんぐ。
10月14日

 仕事を早めに切り上げて帰宅した。
 中に入ると、シンジ君は目をキラキラさせて私を見つめる。
 どう見てもシンジ君は勘違いをしているわよね。
 とにかく、シンジ君とレイをリビングに呼び、正座させた。
 一応、シンジ君に訊いてみる。
「シンジ君、私が言わなくてもわかっているわよね?」
「はい、大人のキスの続きですよね」
 やっぱり全然わかってない。いや、わかりすぎていたと言うべきか。
「シンジ君。あのね、昨日のアレは酒に酔った過ちなの。だから、ごめん。レイも」
 シンジ君は口をぽかーんと開けて、私を見る。
「そんなあ〜」
「本当に、ごめん。犬に噛まれたとでも思って、忘れて」
 自分で自分を犬にたとえるのはすっごく嫌だが仕方がない。
 それまで、黙っていたレイが唐突に口を開いた。
「葛城3佐」
 ミサトさんでなく昔の呼び方で。それに今は3佐じゃないのに。で、
「お酒、禁止」
 とレイに告げられた。
 それはとーっても困る。お酒は私のガソリンなのに。
 その後、長い交渉の末に2週間の禁酒でレイと合意する。
 2週間、ちょっち長いけど、仕方ないわよね。

 シンジ君はずーっと落ち込んだままだった。
 でも、誤解が続くよりはよかったと思う。……私って、ずるい女ね。
10月15日

 明日、渚カヲルにシンジ君を会わせることが決定された。
 もちろんシンジ君の意志が最優先だが。
 というわけで、夕食後、シンジ君にそのことを話すことになった。
「シンジ君。ちょっとここに座って」
 とリビングに呼ぶ。
「驚かないで聞いてもらいたいんだけど」
「はい、」
あ〜ん、あん、あん、
「へっ」
 女のあえぎ声が聞こえる方を振り向くと、レイがテレビを見ていた。
 2時間サスペンス物でエッチなシーンの真っ最中。
 レイの教育にも悪いのでプチッとテレビを消す。恨みがましいレイの目は無視して、
「でね、話というのは、渚カヲル、彼が生きていたのよ」
「えっ、本当ですか!!?」
「本当よ」
「……」
「ねえ、シンジ君。渚君に会ってみる? 彼もシンジ君に会いたがっているから」
「……」
 長い沈黙の後、シンジ君は首を縦に振り、
「カヲル君に会います」
 と言った。
 彼の真っ直ぐな眼差しを見て、たぶん大丈夫だと思った。
10月16日

 朝、土曜日で学校は休みのためシンジ君とレイと共に本部へ行く。
 シンジ君の警護を万全にして、渚カヲルと会わせた。
 彼の部屋にシンジ君が入ると、渚カヲルはいつも浮かべている笑みを大きくさせた。
 シンジ君はうれしさのためか涙を流している。
 だが、次の瞬間、渚カヲルの顔から笑みが消えた。
 私は異変を感じ、懐の銃へ右手を当て、万が一の事態に備えた。
 しかし、1分にも満たない沈黙の後、彼は再び笑みを浮かべると、
「シンジ君。また会えてうれしいよ」
「ぼ、僕もそうだよ。カヲル君」
 と、シンジ君は涙声で言葉を返した。
「カヲル君、……あの時は、ごめん」
「なんのことだい? 僕は謝られるようなことをシンジ君されてないよ」
 と彼は言った。
 シンジ君は更に涙を増やし、「ありがとう」と言い続けた。
 その後、二人の会話は続いたが、終わりの時間が来た。
 部屋を出る間際、渚カヲルがシンジ君に言葉をかけた。
「もう一人、チルドレンがいたよね。セカンドチルドレン・惣流・アスカ・ラングレーさん」
「うん」
「僕は会ったことがないんだけど、彼女は元気かい?」
「今、病院にいるんだ。ちょっと病気で」
「そう。大変だね。……もう一人のチルドレン、彼女に会ってみたいな」
 そう呟くように彼は言った。

 その後、お昼に評判のラーメン屋で食事してから家に帰った。
 レイは相変わらずニンニクラーメン。
 別にいいんだけど、昼にそういうのを食べると臭いに困るわよ。
10月17日

 そろそろ日記をつけるのが飽きてきた。このまま放置状態になる前に
なんとかしなければ。とにかく余計なことは省いて必要なことだけを書こう。

 日曜日、3人でアスカの見舞いに行く。
 やはりレイは入ってこない。
 もう3週間になるのにアスカは眠ったままだ。
 もしもアスカがこのまま目覚めなかったらとの考えが頭をよぎる。
 だが、アスカの安らかな寝顔を見ると、このままの方がいいのかもとも思ってしまう。

 ……私、今なにを考えていたんだろう。
10月18日〜21日

 仕事が忙しく、書き忘れていた。
 まあ、特に変わったことも無かったし、いいか。
10月22日

 渚カヲルの希望により、彼をアスカに会わすことになった。
 同時に、これは彼の拘束を解く試験でもある。
 私と彼とリツコ、保安部員3名と共にアスカのいる病室に向かった。
 だが、病室のドアの前に死んでいたはずの加持がいたのだ。
 私はあまりのことに声も出せずにいたが、加持はあのキザったらしい顔で、
「よお、葛城。元気だったか」
「あ、あ、あんた。生きてたの?」
「まあな」
 加持はそれだけを言うと、渚カヲルの前に進んだ。
「君が、渚カヲル君だね」
「ええ、そうですけど」
「俺は加持リョウジ。国連の一職員さ」
「その人が僕に何か?」
「うむ、まあ、君をどうこうするつもりはないさ。ただ、アスカには会わせられない。それだけさ」
 渚カヲルはまるで初めから知っていたかのように肩をすくめ、
「そんなことになると思ってましたよ」
 と言って、笑みを浮かべた。
「加持、どういうことよ?」
「どうこうも無いさ。こういうことさと」
 加持は私に一枚の書類を渡した。国連から命令書を。

 私たちは命令に従うしかなく、本部にUターンした。
 その後、今まで散々心配掛けさせた加持を思いっきり殴ってやった。
 でも、うれしい。
10月23日

 仕事が終わってから、加持君の再会を祝って?リツコと3人で飲む。
 で、まあ、その後、勢いもあって、加持と寝てしまった。
 まあ、えーと、その、やっぱりアイツを今でも好きだったんだと再認識してしまった。
 なーんか、すっごく悔しい。

 で、その時、加持にこれまで何をしていたか訊く。
「アンタ、本当に今までどこにいたのよ?」
「いやな、葛城に連絡しようにも出来ない事情があってな」
「だから、何よ?」
「俺の仕事は知ってるだろ」
「……」
「まあ、いろいろあってな。やっと表の世界に戻って来れたというわけさ」
 なんかムカついたから、加持のアレを思いっきり握ってやった。
 アイツ、部屋中に響き渡る悲鳴を上げた。ちょっとすっきりした。
 その後、落ち着いてから、
「なあ、葛城」
「なによ?」
「俺は死んだんだよな。確かに。どうして、俺はここにいるんだ?」
「知らないわよ。私だって死んでいたんだから」
「あはは、そうだな」
 そうやって加持は笑ったが、目は笑っていなかったのが気になった。
ミサトさん乙。
ずぼらなミサトさんはやっぱり夏休みの絵日記もまとめて描く派でしたか?
10月24日

 昼休み、渚君と食事を一緒に取った。たまたま偶然、席が同じになったのだが。
 彼はハンバーグカレー、私はダイエットできつねうどん。
 あんまりにも彼がおいしくカレーを食べるので、自分も追加でカレーを取ろうかと
思ったが、それはぐっとこらえた。
 彼はカレーを食べ終え、コップの水を飲み終えると、私に話し掛けていた。
「葛城さん、僕の目的を知ってますよね」
「シンジ君に会うことでしょ」
「ええ、そうです」
「そう遠くない将来、シンジ君と自由に会えるようになるわよ」
「……僕はシンジ君に呼ばれたとも言いましたよね」
「そうね」
「僕の望みはシンジ君の望みでもある。最近、それを思い出しました」
「……」
「僕はシンジ君に会わなければならない」
「渚君。あなた、何を言ってるの?」
「別に何も」
 そう言って、彼は寂しそうに笑い、
「僕は人に変わっても、やはりこの世界では異分子なのかな」

 彼の監視を強化したのは言うまでもない。
10月25日

 日記形式でストーリー物をと思い、書き始めたこれ。かなり無謀だった。
話が面白ければいいのだが、自分でもあんまり。しかも元ネタありだし。
……ん、私、何を書いているんだろう?

 加持が生きていたことで浮かれていたが、やはりどうもおかしい。
 ある方向に都合が良すぎる。
 それがどこに向かっているのかは見当もつかないが、確かに流れはある。
 その流れの一つとして、アスカのことがある。
 今日、アスカの担当医師が代わった。海外へ研究に行くとのこと。
 彼はアスカをよく見ていてくれた。
 アスカが目覚めるよう、外科的処置の検討にないっていたのだが、それも
新たな担当医師により中止となった。危険が大きすぎるとのことである。
 先日の渚カヲルの件もある。
 アスカを今の状態に変化を与えるのを防ごうとする何かがあるのだろうか。
 考えていたら、ちょっち頭が痛くなってきた。もう寝る。
12月8日

 私の誕生日。
 そして、終わりと始まりの日。
 赤い海のほとりに腰を下ろす私とシンジ君。
「どうして僕の味方になってくれたの? あのままの方がミサトさんは幸せだったのに」
 私は隣にいるシンジ君の左手に自分の右手を重ねた。
 あの時とは違いシンジ君は手を払い除けようとしなかった。
 私は彼に微笑みを向ける。
「好きよ。シンジ君」
 彼は驚いた顔を私に向けた。
「シンジ君は私の希望なの。世界の全てより、私はシンジ君を選ぶわ」
 そして、私はシンジ君とくちびるを重ねた。
 軽く触れるだけのキス。
 あの時の続き。

 アスカの声が耳に届いた。
 彼女にも目覚めの時は訪れた。
 これから次々と人は戻ってくるだろう。
 この荒涼とした大地に。
 でも、私たちはそれでも生きていく。生きていこうとする。

 この日記帳もこれで終わる。
 明日からは新しい日記を私は綴るだろう。
ごめんなさい。
今後の展開を考えていたら、書くのが面倒になってしまいました。
また、このまま放置しようかとも思いましたが、それはあんまりなので
最終日だけは書くことにしました。
ともかくスレを汚して、すみませんでした。
わたしは消えますので、以前のようにみんさんで楽しくお続けください。
乙です。
ですが、消える前にどういう経緯でその結末に辿り着いたのかの説明くらいしてほしいなぁ
結構面白かったのに・・・。
93番外・マコトの日記:04/09/28 17:18:22 ID:???
某月中華日
今日、僕は賭けに出た。仕事が一段落し、葛城さんと仕事の話からたわいもない世間話に移行する。
「僕、最近中華が食べたくて。でも独りじゃなかなか…」
「へええ、中華ねぇ。私もたまには食べに行きたいわ〜」…食い付いた。「いっそ一緒にどうです?上の街にいい店があるんです。ご馳走しますよ」
「わっ、いいの〜?皆も呼んで良いかしら?」
相手はシンジ君だろうか。ミサトさんは早速僕の目の前で電話を掛ける。ここまでは折り込み済みだ。まず周囲を抱き込んでこそ今後やり易くなるというものだ。ここまでは完璧。明日を楽しみに寝ることにする。
続きはまだ?
ミサトの日記、
落ちまでにもっと話を入れて欲しかった。
勿体無い気がする。
つーか超勿体無いきがする。
96>>89を書いていた人:04/09/28 17:43:55 ID:???
元々、一人称文が苦手で、しかも日記形式だったので、
いろいろと行き詰まりを感じて、放棄してしまいました。
一応、オチも決まってましたし、そこに至る過程も大まかに
枠組みぐらいは出来てました。
本当は、普通の日常が徐々に変化していくというのを描きた
かったのですが、その普通のエピソードを考えるのが苦痛に
なってきたのも止めたくなった理由の一つです。

で、一晩、考えたのですが、非常に格好悪いのですが
また続きを書いていいですか?
>>96
は、は、激しくキボンヌ(*゚∀゚)=3ハァハァ

でも、どうぞ無理はなさらぬようお気を付けください。
期待しています。
お願いします!
99番外・マコトの日記:04/09/28 19:10:00 ID:???
某月メロス日
中華飯店『四川』前でミサトさんと落ち合う。予想通りシンジ君と惣流さんを伴っていたが、僕の胸は高鳴った。あわよくばここで二人の協力を取りつけ、独り身脱出の第一歩とする!悪いな、シゲル。其処で思索は急に中断された。
「加持さぁん!」
惣流、いや赤い奴の言葉に最悪の事態を想像したが、事はもっと複雑だった。通りから現れた加持の横には赤木博士。
「マヤ、こっちよ」出てくるマヤちゃん。「青葉さん」「副司令」「碇」「…レイ」「フィフス、…急いで」えっ?状況を理解できない僕にシゲルが問う。
「今日何かのお祝いか?皆に中華奢るなんて」
…そこから数時間の記憶がない。十人分(僕以外)の食事代はカードの限度額を超えており、事情を察してくれたらしいシゲルを人質に別の口座(結婚資金)から金を下ろしに走り、支払を完了する。抜け殻と化したボクに、我がセリヌンティウスが口を開く。
「…悪いな。俺の分、後で返すよ」

他人の温もりがここまで有り難いとは思わなかった。…抱かれてもいいと思った。
>>99
おつ。
マコト日記の続きをきぼん
イイヨーイイヨー
マコトって誰?
日向マコト。
ちなみに、青葉シゲル、冬月コウゾウ。
この辺は知らない人も多いかも。
パターン青
駄目です! 間に合いません!!の人
マコト日記書いた者ですが、続けていいんでしょうか?本来の職人さん復帰表明ですし、お邪魔になりませんか?
大丈夫だと思います。てゆうか続きみたいです。
いいと思います。てか、お願いします。
また、マコト日記の単独スレの方が書きやすいのなら、それでもいいと思います。
109>>88:04/09/28 21:09:35 ID:???
10月26日〜11月4日

 特に、記すことも無し。
 これまでの変化多すぎな日々から一転して平和そのもの。
 これはこれでいいわよね。

 えーと、少し面倒になって日記を書くことをサボっていた。反省。
110>>109:04/09/28 21:15:31 ID:???
11月5日

 今日から、加持が国連から監察官として本部に常駐することになった。
 まーた、アイツがそばにいるのかと思うと、なーんか嫌。
 ……やっぱり、ちょっとうれしいかな。
 日記なんだし、素直な自分の気持ちを書いてもいいよね。
 と、それはともかく、日向君の落ち込みぶりを見るのはかなりつらい。
 ホント、ごめん。
111>>110:04/09/28 21:32:16 ID:???
11月6日

 土曜日だけど例によって出勤。管理職はつらいわ。休みプリーズ。
 で、昨夜、シンジ君に頼まれた渚カヲルとの面会の申請をする。
 シンジ君は毎日でも会いたいみたいだけど、そういうわけにもいかないのよね。
 冬月所長やリツコとの協議で、問題は無いだろうということになり許可される。
 で、このことを渚カヲルに通達するが、
「僕は彼と会わない方がいいと思います」
「どうして? あなたがシンジ君に会いたがっていたのよ」
 渚カヲルはいつもの笑みを浮かべると、
「僕は彼とは会いません」
「だから、どうしてよ?」
「理由なんて無いですよ。ただ会いたくない。それだけですね」
「あなた、何を知ってるいるの? 何をしようとしているの? 正直に言いなさい」
「僕は何も知ってませんよ。本当にね」
「嘘ね」
「ふふっ、僕はあなたに信用されてないなあ。でも、本当ですよ」
「……」
「強いて言えば、直感ですかね。彼に会わない方がいいと、僕の中の何かささやくんです」
「……直感ね」
「ああ、そうだ。綾波さんに訊いてみてもらえませんか。彼に何か感じないかと」
「レイに?」
「ええ、彼女は僕に近い存在だったから、僕も彼女の意見を聞いてみたいんですよ」
「……わかったわ」
 シンジ君にこのことをなんて伝えようか悩んだ末、まだ言えないでいる。
 もう寝る。
112日向マコト@:04/09/28 21:54:53 ID:???
流石に単独でスレを維持できる力量もありませんので、日向は日向らしく葛城三佐の下でマターリ働かせて貰えると嬉しいです。ネタが湧き次第マコト日記投下させてもらいますので、ご了承下さい。
>>112
がんがれ
ミサトさんもマコトも乙。
続き期待しております。
特に、ミサトさんがシンジきゅんД`)ハァハァに至る過程はぜひ見てみたい。
ミサトさん、日向君乙。
ここも毎日見に来てるからガンガレ
>>114
ハァハァとは違うだろw
117日向マコト@:04/09/29 12:15:04 ID:???
某月策謀日

最近人目を憚らず葛城さんにセクハラを働く加持が目に余る。明らかに嫌がっているのに葛城さんが拒めないのは、きっと弱味を握られてるに違いない。卑劣な加持に天罰を下すべく、考えておいた策を実行に移す。奴はスパイごっこが好きだ。そこを利用させてもらう。
「加持さん、あなた真実を追っているんでしょう?僕も真実が知りたいんです」
「同志が居てくれたことは嬉しいが、迂濶に君を巻き込むわけにはいかない。…その気持ち、感謝するよ。」
やはり本気のようだ。せいぜい深入りして上層部に消されてくれるのを待つ事にする。もう安心ですよミサトさん。
うふふふふふ…
118日向マコト@:04/09/29 12:27:44 ID:???
某月デート日

今日葛城さんに『デート』に誘われる。と言っても葛城さんの執務室で二人きりでネットサーフィンに興じただけだが、それでもとても嬉しい。良いところを見せようと諜報部データベースの防壁を突破してみせたら凄く喜んでくれた。
「これであの人の役に立てる」「なりふりかまってられない」などとよく分からないことを呟いていたが、気にしないで今日は寝よう。
119日向マコト@:04/09/29 12:49:52 ID:???
某月危険日

最近周囲で怪しい黒服の男たちを見かける。連中に心あたりはないが、一体何だろう?
120>>111:04/09/29 18:24:10 ID:???
11月7日

 シンジ君が病室でアスカを見ている間、廊下のベンチでレイと話しをした。
「レイ、どうしてアスカに会おうとしないの?」
「……わかりません」
「わからない?」
「はい、」
「どういうこと?」
「……彼女には会っていけないような気がします」
「それ、直感?」
「……はい」
「直感か。ねえ、レイ。あなた、渚君を敵と言ったわよね。それも直感?」
「はい、」
「じゃあ、シンジ君のことはどう思う? 感じたままに言ってみて」
「……碇君は、私が守らなければならない人。何があっても私は碇君を守る」
「それは、どうして?」
「……わかりません。……ただ、私がこの世界に生まれたのはその約束のため」
 レイのその言葉は、私に零号機の自爆とダミープラントのあれを思い出させた。
「ミサトさん。私が持っている二人目の私の記憶は受け継いだものです」
「……」
「でも、最近、わからなくなるんです」
「何が?」
「今の記憶も自分の物なのでしょうか?」
「あなたが体験したものは、あなたのものよ」
「……そうなのかもしれない」
 その後、レイは黙って俯いていた。

 記憶。一度は死んで、生き返った私の記憶は連続していると言えるのだろうか。
 そんなことを考えてしまった。
 まあ、哲学っみたいなことを深く考えるのは、私の柄じゃないわよね。
(・∀・)イイヨイイヨー
日記ではなくなってきてるけど、全然OK!
期待してます
はぁはぁはぁ。
ミサトの癖して一番面白い!
123>>120:04/09/29 20:55:52 ID:???
11月8日

 今日の夕食はカレー。
 シンちゃんとレイが二人で作ったシーフードカレーだった。
 私も手伝おうかと言ったら、シンジ君に座ってビールでも飲んでいてと
言われてしまった。ちょっと不満。かなり不満。
 カレーは私の得料理なのに。
 そりゃあ、シンジ君みたいに手をかけたカレーは作れないけど、レトルトの
カレーをベースにアレンジした私特製のカレーは美味しいのに。
 だいたい、シンちゃんは私に料理をさせてくれないのよね。
 私だって女なんだから、料理の一つや二つくらいできるのに。
 まあ、愚痴はこの辺にして、シーフードカレーは美味しかったわ。
 レイも香辛料が効いているものは好きみたい。魚とかも食べてるし。おそらく、
生ものや肉の匂いがダメなのかしらね。

 ところで、変わったことがない時は食べ物のことを書いているような、まあ、いいか。
124>>123:04/09/29 21:05:00 ID:???
11月9日

 今朝の冷え込みはすごかった。
 長野に冬は早く訪れる。
 家を出ると、息が白くなった。
 西の方に見えるアルプスの山々は山頂の方が雪で白く染まっていた。
 日本に四季が戻って来たのはうれしいけど、冬は嫌い。
 雪を見ると南極でのことをどうしても思い出してしまう。
 私は、未だ父にさよならが出来ないのかもしれない。
125>>124:04/09/29 21:27:51 ID:???
11月10日

 帰宅途中、部活帰りのシンジ君に会った。
 シンジ君はオケでチェロを弾いている。
 私も一度だけ公演を見に行ったけど、その時は眠っちゃった。
 うーん、どうもクラシックを聴くと眠くなるのよね。
 で、シンジ君を車に乗せて一緒に帰った。
 その時、彼と話をしたんだけど、
「加持さんとは、うまくいってますか?」
 と訊かれて、びっくりしてしまった。
 私にシンジ君が恋愛について訊いてくることなんて今まで無かったのよね。
 相談されることも無かったし。
 まあ、なーんか悔しかったから、
「シンジ君は好きな女の子いるの?」
 と訊き返してやった。
「レイかな〜、アスカかな〜?」
 だが、シンジ君はあの碇司令のようにフッと笑って、
「ミサトさんです」
 と言ってきた。
 すっごくびっくりしちゃって、私、ハンドルを切っちゃったし。もう少しで、対向車に
ぶつかるところだったわ。
 その後、シンジ君が大声で笑ったから、からかわれたことがわかったんだけど、
「ねえ、シンジ君。冗談は置いといて、本当のところはどうなの?」
「僕はミサトさんが好きですよ」
「だから、それはいいわよ。レイ? アスカ? それとも、他にいるのかな?」
「……僕にはアスカと綾波を女の子として好きになる資格がありません」
 そう、つらそうに寂しそうに言ったシンジ君の横顔が、私の記憶に深く残った。
126>>125:04/09/30 02:02:45 ID:???
11月11日

 今日の日付は1が4っつも揃う。
 なので、仕事をちょっとだけサボって、某掲示板で11時11分11秒の書き込みをねらった。
 結果、11時11分15秒。……ダメだ。私。

 それはともかく、最近、物忘れが酷い。
 けして歳をとったから、では無いはずだ。
 ためしにリツコはどうなのか訊いてみた。
「リツコー。アンタ、私より一つ年上よね」
「ミ、サ、ト。何を言いたいのかしら?」
「ハハハ……。えーとさ、私、この頃、物忘れが激しいんだけど、リツコはどうなのかなって」
「私はそんなんじゃないわよ。あなたと一緒にしないでちょうだい」
「ほんとう?」
「ミサトに嘘を言ってどうするのよ?」
「じゃあさ、昨日の夕飯はなに食べた?」
「昨日? そうね。昨日は……、??」
「忘れたの?」
「違うわよ。そ、そう。ランプ亭でオムライスを食べたわ」
「彼氏と?」
「マヤとよ!!」
 リツコは眉をつり上げて怒り顔をしていたけど、まあ、私もふざけすぎたわね。
 独り者のリツコに私がそんなことを言っては、そりゃあ怒るわよ。
 結婚か。うーん、急に身近になってきたわねえ。
127>>126:04/09/30 18:03:40 ID:???
11月12日

 ほとんど行き会ったりばったりで書いているコレ。
 本当に予定日で終わるのか不安。あと一ヶ月か……何が?

 加持と職場が同じだからといっても、そんなに顔を合わしているわけでもない。
 立場的にあいつと会議などをすることは多いが、まあ、それくらい。
 と思っていたが、昼休みになると、あいつはいつの間にかそばに来ている。
 所内の食堂で食べていると、必ずと言っていいほど向かいの席に座っているし。
 自室でお弁当を食べてると、遊びにて来たとか言って入ってくるし、ほとんど
ストーカーに近いわね。おかげで、所内ではもう噂が蔓延しているし。
 はあー、憂鬱。
 部下には、時たま、からかわれたりするし。
 でも、そんな時、私の顔はにやけているらしい。マジ?
128>>127:04/09/30 18:18:33 ID:???
11月13日

 今日は土曜日。私は久しぶりにお休み。
 そんなわけで、お昼まで眠ってしまった。
 起きたら、家の中に洞木さんが来ていて、レイと一緒に料理を作っていた。
 レイが学校の友達を家に連れてきたのは初めてかもしれない。
 目覚めのビールを飲みながら、料理をしている二人の後ろ姿を見ていた。
 なんだか幸せって感じね。
 ちなみに、シンジ君は鈴原君たちと遊びに出かけたとのこと。たぶん、アスカの
ところに行ってるわよね。シンジ君が帰ってきてから訊かなかったけど、たぶん。
 それで、レイは洞木さんにいろいろと料理を教わっていた。
 シンジ君と洞木さんではやっぱり料理も違っていて、料理に女の子らしさという
のがちらほらと見えている。
 私はその味見役。
 うーん、昼間からビールを飲み過ぎちゃったかな。
 でも、料理がうまいとビールも進むのよね。
129>>128:04/09/30 18:43:53 ID:???
11月14日

 毎週のこととなっているアスカのお見舞いに3人で行く。
 私たちはただアスカを見守るだけ。
 アスカに出来ることは何もない。
 もう一月以上も眠ったまま。
 アスカの顔は痩せこけていて、見るのがつらい。
 とにかく早く目覚めて。
130>>129:04/09/30 19:02:18 ID:???
11月15日

 夕食後、シンジ君、レイとのんびりとテレビを見る。
 一家団欒というのかしら。
 でも、私たち3人は他人同士なのよね。
 厳密に言えば、シンジ君とレイは血が繋がっていると言えるけど、リツコの話では、
レイは生まれが使徒と関係していることもあって、シンジ君とは従兄弟以上に隔たり
があるらしい。まあ、遠い親戚と考えればとかなんとか。
 その時、そんなものなのかなあと私は聞いていたわ。
 でも、レイって、全く使徒って感じがしないわよね。今は髪も薄い茶色で前みたいに
青くないし、瞳の色だって赤と言うより茶色に近いし。
 だけど、遺伝子的には使徒と人間のハイブリットとか。
 そういえば、渚君は人間になっていたのに、どうしてレイはそうならなかったのだろう。
 まあ、今は、そんなこと関係ないわよね。私の家族なんだから。
131>>130:04/09/30 19:38:37 ID:???
11月16日

 会議が長引き、帰りが遅くなった。
 で、もう静まりかえっている家に帰って、取りあえずシャワーを浴びようと
バスルームに入ったら、そこでシンちゃんとばったり。
 いやー、びっくりしちゃったわ。お風呂上がりのシンジ君はパンツをはいてい
たけどそれだけで、久しぶりにシンちゃんの裸を見てしまった。
 もう高校生のシンジ君は男らしくなっていて、胸板も厚いし、うーん、思い出し
たら、頬が火照ってきた。まだまだ、私も若いわね。
 その時、シンジ君は案外、落ち着いていて、私の方があたふたしちゃったし、
これじゃあ、普通、逆よね。
 で、それからシャワーを浴びて、テレビを見ていたシンジ君と風呂上がりの
ビールを飲みながら、他愛のない話をした。その時に、
「ミサトさんと一緒にいられるのも、あと少しですね」
「ん、どうして?」
「加持さんと結婚したら、さすがに一緒にはいられないと思います」
「ははは、あいつと結婚なんてしないわよ」
「でも、いつかはしますよね。たぶん」
「うーん、えーと、そういうこともあるかもしれないかな。万分の1くらいは。
 でも、そうなっても、シンジ君たちとは一緒にいるわよ」
「……いえ、僕の方から遠慮します」
「あら、つれないわね」
「ミサトさん。もし、そんな時が来ても、綾波やアスカのこと、頼みます」
「もちろん、シンジ君もよ」
「僕は、たぶん大丈夫です。これからもずっと。ミサトさんがここにいてくれるなら」
 と、シンジ君とちょっとマジメな話をしてしまった夜だった。
132>>131:04/09/30 23:26:05 ID:???
11月17日

 今日、渚カヲルが失踪した。
 第2新東京大学の研究機関で検査のため、加持、リツコ他保安部員数名と共に
 リニアレールで移動中に忽然と消えたのである。
 その連絡を受けたとき、私は所内で雑務をこなしていた。
 即座に、日本政府へ報告後、警察庁に捜査と非常線の設置を依頼。
 また、万が一の非常時を想定し、戦自へも協力要請を行った。
 旧ネルフと違い自前の戦力を持たない弱点が非常に痛い。
 夕刻、戻ってきた加持に話を聞く。
「いやはや、申し訳ない」
「加持、アンタまでついていて、これはどういうことよ?」
「今回の件は、完全に俺の落ち度だ。弁解の余地もない」
「本当に、リニア車内で彼を見失ったの?」
「ああ、そうだ。正確に言うと、トイレでだがな」
「トイレでって、ちゃんとドアの前には人が張っていたんでしょ」
「その辺の抜かりはないさ」
「じゃあ、どうやって?」
「第2に到着した時、車内を封鎖して、彼を捜索したが発見できなかった。となると、」
「移動中にリニアから抜け出たってこと? 馬鹿なこと言わないで。300km以上の速度よ」
「だが、彼は人間とはいえ、元は使徒だった存在だ。俺たちの常識外のこともあるかもしれん」
「……とにかく、今は彼を捕まえないと」
「彼が行きそうなところは?」
「シンジ君とレイへの警備は強化したわ。アスカのところも」
「そうか」

 未だ、渚カヲルの行方は掴めていない。
133>>132:04/09/30 23:49:21 ID:???
11月18日

 昨日は、本部内で一夜を過ごすことになった。
 依然として、渚カヲルは発見できず。
 今回の対策本部の本部長を日向君に任せ、今日は帰宅することになった。
 遅い夕食を取っている時、シンジ君が私に話し掛けてきた。
「ミサトさん。カヲル君、外に出られるようになったんですか?」
「えっ、渚君に会ったの?」
「あっ、はい。今日の昼休み、学校の屋上で弁当を食べてるときに」
「学校で?」
「えっ、ええ。でも、ちょっと話をしたら、すぐに帰っちゃいましたけど」
「……またっく、ウチの保安部は何やってるのよ。で、渚君と何を話したの?」
「別に、これといって。カヲル君はただ僕に挨拶をしに来たと言ってましたけど」
「他には?」
「学校のこととか少し訊かれたぐらいですけど」
「それだけ?」
「はい。……あっ、帰る間際に、ミサトさんによろしくって」
「そう。ありがとう。シンジ君」
「あの、ミサトさん。カヲル君がどうかしたんですか?」
「ん、ちょっちね。……彼、家出したのよ?」
「家出!?」
「ま、まあ、そんな心配することもないと思うわよ。ほら、反抗期ってやつ?」
「……」
「だから、シンちゃん。彼を見つけたら、すぐ連絡して」
「はい、わかりました」
 シンジ君にちょっと嘘をつくのは苦しかったけど、仕方がないわよね。
 渚カヲル。彼はいったい何をしようというのだろう。
134>>133:04/10/01 00:00:37 ID:???
11月19日〜20日

 私は、一応、所長補佐という立場上、この二日間、本部内に缶詰状態となった。
 ホント、渚君、うらむわよ。
 家の方にはマヤちゃんにお願いした。
 まあ、ほら、仮にもシンジ君とレイは男と女だし、絶対に無いとは思うけど、間違いが
起こっちゃったら、保護者の責任というものもあるし、まあ、そういうわけよ。
 でも、マヤちゃんが危険かも。
 無い、無い、ウチのシンジ君に限って、そんなことは。
 うん。ぜーんぜん大丈夫。

 ちょっち不安かも。

 それはともかく、渚カヲルは未だ行方しれず。これだけ手を尽くしているのに。
 いったい、あの子、どこで何をやってるのよ。
もう日記とは言えないかも。
一人称文は本当に苦手です。
カヲルのセリフもそれっぽくありませんし。
ホント、申し訳ないです。
136>>134:04/10/01 00:59:53 ID:???
11月21日(日)

 この日のことを順に記すとする。

 昼休みに、本部を抜け出て、アスカの様子を見に行く。
 家に電話をしたらシンジ君とレイも来るとのこと。
 ただ、時間的に私とはすれ違いになるかもしれないということだった。
 病院に着き、アスカの病室へ行くと、入り口に警護の者が誰もいなかった。
 異常を感じ、警戒して室内に入ると、アスカの枕元に渚カヲルが立っていた。
 両手をズボンのポケットに入れ、口元に微笑みを浮かべながら黙ってアスカを
 見つめている。
 彼から距離を取り、ジャケット内の銃へ手を添えながら、私は訊いた。
「あなた、ここで何をしてるの?」
「別に、……ただ、彼女の顔を見ているだけですよ」
「表の警備員は?」
「彼らには、少し眠ってもらいました。ほら、そこに」
 彼は病室の隅に目を向けた。
 私も彼の視線を追うと、二人の警備員が床に寝転がっていた。
「こんなこと、どうやって?」
 彼は左手をポケットから出し、胸前にかざした。
 そして、その左手が虹色の光を帯びた。

 ↓
137>>136:04/10/01 01:01:14 ID:???
「それは!?」
「ええ、そうです。ATフィールド。あなたがたリリンがそう呼んでいるものですよ」
「どうして? あなた、人間のはずよ」
「ヒトでも、この力は使えますよ。ただ、使い方を知らないだけで」
「あなた、何者?」
「僕はカヲル。渚カヲル。あなたも知っているのでは?」
「そんなことじゃないわよ!」
「ふふっ、少し落ち着いてください。実は、僕も驚いているんですよ」
「……」
「ちょうど一週間前のことです。僕は思い出しました」
「思い出した?」
「ええ、僕がこの世界に来た理由です」
「シンジ君に会いに来たってことでしょ?」
「そうです」
 そう言うと、渚カヲルはベッドに寝ているアスカの顔に左手を広げてかざした。
 私は銃を抜き、銃口を彼に向けた。
「アスカに何をする!?」
「葛城さん。真実を見せてあげます」
 彼の左手が眩く光る。
 私は、一瞬、眼を閉じてしまった。
 そして、次に見た光景に、私は言葉を失ってしまった。
 アスカを挟んで渚カヲルの向かい側に、シンジ君が立っていたのである。
 だが、シンジ君の姿は朧気で、彼の体には壁が透き通って見えた。
 例えるなら、ホログラムの立体映像のような感じだ。
 また、時々、ノイズが入るように、シンジ君がぼやけて見えることもあった。
 渚カヲルはそんなことも気にならないのか、ただ嬉しそうに笑みを浮かべ、
「シンジ君。やっと会えたね」
 と言った。

 ↓
138>>137:04/10/01 01:03:04 ID:???
 しかし、シンジ君の反応は何もない。
 それでも、彼は笑みを絶やすことなく、
「シンジ君の望み、もうすぐかなうよ。だから、まだ待ってて」
 と言い終えると、シンジ君の姿が唐突に消えた。
「……今は、これが限界か」
「渚君。今のは何?」
 私は銃口を彼に向けたまま訊いた。
「シンジ君ですよ」
「どういうこと?」
「実は、僕にもよくわからないんです。心の赴くままに動いただけで」
「嘘、」
「いえ、本当ですよ。ですが、わかっていることもあります」
「何?」
「この世界にとって僕は異分子であり、葛城さん、あなたもそうだということを」
「……? あなた、何を言ってるの?」
「ただ、僕とあなたの立場は違うようですけどね」
「……」
「覚えておいてください。いつか、あなたは選択しなければならない時が来る」
「何を?」
「シンジ君を、です」
「わけがわからないわ」
「そうだと思いますよ。ただ頭に思い浮かんだことを言葉にしただけですからね」
「……」
「正直、僕も混乱しているんですよ。……葛城さん、銃を下ろしてくれませんか」
「それは、できないわ」
「何も抵抗はしませんよ。今回の目的はすみましたから」
 その後、応援を呼び、彼を拘束。
 本部内で彼に尋問をするが、これ以上のことは何も得ることが出来なかった。
 そして、ひとまず、私は帰宅した。

 なんか疲れた。もう寝る。
ミサトさん乙。
この日記も見れるのはあとちょっと!?
考えてみると、漏れって人の日記を積極的に見て楽しんでるんだよなぁ…。

あと、日向マコトの中の人も、自分の妄想のまま突っ走ってくだせぇ。
面白い。

学校行ってきます
141日向マコト@:04/10/01 10:17:17 ID:???
某月体の一部日

僕は昔から女性に縁が無い。顔だって二枚目ではないけど悪くはないつもりだし、不潔な不精ヒゲ男と違って身だしなみにも気を遣っているのに。シゲルに言わせると
「減点がないだけじゃダメだ。モテる要素ってやつを身に付けないとな」…モテたい一心でギターを買い、無理して単車に乗ってるだけある。
「まぁすぐに出来ることじゃないからな。せめてそのメガネを外して…」
「うわぁ!メガネに触るなぁ!やめろぉぉ!」
…青葉シゲルは医務室のベッドで舌を出して横たわっている。少し我を忘れてやりすぎたが、気道が確保されていればじき蘇生するだろう。僕のメガネの謎を明らかにされるわけにはいかないのだから。




劇場版で補完計画が発動されたとき、キール議長の人工臓器は残ってたのに僕のメガネが溶けて無くなってたことは秘密だ。
142>>138:04/10/01 23:09:20 ID:???
11月22日

 相変わらず渚カヲルから新たな情報は得られず。
 リツコによると、彼は本当に何も知らないとのこと。
 今回の事態の全貌が解明されるまで、彼の拘束は継続。

 それにしても、昨日のアレは何だったのだろう。
 シンジ君の幻を見たのは間違いない。
 でも、それがどうしてアスカと関わりがあるのだろうか。
 シンジ君やレイに訊いたところ、その時間はバスに乗っていたとのこと。
 裏も取れているし、シンジ君に異変も無かったようだし。

 ふー、考えすぎて熱が出てきたみたい。
 もう寝た方がいいわね。
143>>142:04/10/01 23:26:45 ID:???
11月23日

 あと、2週間か。ここまで適当に書いてきたけど、そろそろチャートを作らないと
ダメになってきたかも。……ハレ、何を書いているの?


 渚カヲルの言葉。
 私はこの世界にとって異分子だということ。
 あれは何を意味しているのか。
 例えば、使徒?
 それは無いと思う。何となくだけど、ATフィールドも使えないし。
 渚カヲルは人でも使えると言ったが、どうすれば使えるか教えられないと語った。
 自分自身で見つけなければならないと。
 うーん、超能力みたいなものか?

 まあ、それは置いておくとして、本部は今日から通常業務に戻った。
 とりあえず、平和。
 久しぶりに家で夕ご飯を食べたし。
 シンジ君と渚君のことを考えると頭は痛いが、一旦、それは棚に上げておくとしよう。
144>>143:04/10/01 23:44:17 ID:???
11月24日

 定時で仕事を切り上げる。
 それから、加持君に誘われて長野市街へご飯を食べに行った。
 連れて行かれたのはちょっと雰囲気のいいイタリア料理の店。
 全部アイツのおごりで、お腹いっぱいになるまで食べた。
 アイツの頬が少し引きつっていたけど、気にしない。
 私を待たせた借りを返してもらっているだけなんだから。
 で、それからバーに行って、お酒を飲んで。
 ちょーっち飲み過ぎちゃったみたいで、アイツの肩を借りながら歩いて、
 それで、途中、公園で一休みして、
 で、指輪をもらった。
「俺と結婚してくれ」
 って、言われて。
 私、こんなことになるなんて全然考えて無くて、もうパニクっちゃって、
 そしたら、アイツ、軽く笑いながら、
「返事は今でなくてもいい。よく考えてからで」
 と言ったのよ。そして、
「その指輪は預かっていてくれ。今、ここで返されるのも格好悪いしな」
 と言いやがったのよ。
 私はただ肯くことしかできなくて、たぶん顔を真っ赤にしてたわよね。

 そして、今、私が見ているのがアイツから預かったプラチナのリング。
 ずっと憧れていたもの。
 アイツのことは好きだと思う。ううん、好き。
 これが一年前なら私は素直に返事をしていた。
 でも、今はどうしてか知らないけど結婚に踏み切れない自分がいる。
 なんなんだろう。この気持ちは。
145>>144:04/10/02 00:04:20 ID:???
11月25日

 今日は、仕事をしている間中、ずーっと憂鬱だった。
 原因はわかっている。
 加持君からのプロポーズ。
 ホントなら、うれしくて喜んで踊りまくっている状態なんだろう。
 でも、憂鬱。
 アイツのことは好きよ。
 使徒との戦いの時、アイツがいなくなったことで私は自分の気持ちに気がついたはずよ。
 だけど、結婚となると、どうしても躊躇ってしまう自分がいるのを見つけてしまった。
 正直に言うと、その理由も私は知っている。
 加持君は好きだけど、愛していないから。
 好きと愛するの何が違うのか説明できない。
 でも、やっぱり違う。
 加持君とこのまま結婚することもできる。
 アイツが好きなことは間違いないから、結婚生活は上手くいくと思う。
 でも、やっぱり心に残るものがあると思う。

 もしかすると、私には既に愛している人がいるのかもしれない。 
 そんな馬鹿なことをふっと考えてしまった。
146>>145:04/10/02 00:27:32 ID:???
11月26日

 今、下書き無しのリアルタイムに書いているコレ。このまま最後まで逝こうかなとか
ちょっと思った。……私、何を? 自動書記?


 今日も定時で仕事を切り上げて家路につく。
 途中、ビールの補給をするためにスーパーへ寄っていった。
 すると、偶然にも洞木ヒカリさんと出会う。
 ヒカリちゃんとはペンペンを預かってもらったこともあって、ちょっと顔見知り。
 一緒に買い物をしながら、お話をした。
 以前、彼女が鈴原君のお見舞いによく行っていたことは知っていたから、
「最近、どう? 鈴原君と仲良くしてる?」
「えっ、鈴原とですか?」
「そ−よー。彼と付き合っているんでしょ?」
 と何気なく訊いたんだけど、ヒカリちゃんは悲しそうに俯いて、
「わたし、鈴原とは……別に何でもありませんから?」
「ええっ! そうだったの?」
「はい。……鈴原、疎開先の病院で好きになった女の子がいたみたいで、
 ……今も長距離恋愛をしているみたいです」
「そうだったの。ごめん、ヒカリちゃん。つらいことを訊いて」
 ヒカリちゃんは顔を上げると、無理して作ったような笑顔を浮かべて、
「気にしないでください。わたし、鈴原のことはもう気持ちの整理がついてますから」
「ホント、ごめんね」
「葛城さん。わたし、今、好きな人がいるんです。だから、もう謝らないでください」
「本当なの?」
「はい、」
 と、今度は恋する少女の笑顔に変えてヒカリちゃんは言った。
「ねえ、だれ? 同じクラスの子? 私も知ってる?」
「うーん、秘密です」

 ↓
147>>146:04/10/02 00:46:12 ID:???
 ↓
「秘密かあ。ねえ、ヒカリちゃん。レイは知っているの?」
「あっ、えっ、葛城さん。だ、ダメ。綾波さんには訊かないでください」
 ヒカリちゃんの慌てぶりがもうすごくて、
「ふふっ、なーんか、もう誰だか、わかっちゃった」
「葛城さん!?」
「ねえ、その相手の男の子はヒカリちゃんの気持ち、知ってるの?」
 私の問いにヒカリちゃんは顔を真っ赤にして横に振った。
「いいわ。黙っていてあげる」
「……お願いします」
「うん、まっかしといて」
 アスカとレイはシンジ君にとって近すぎるのかもしれない。
 このままだとシンジ君はまともな恋愛ができないかも。
 ヒカリちゃんだったらシンジ君にいいかもしれない。彼女、家庭的だし、優しいし。
 そう思って、私は、
「ねっ、ヒカリちゃん」
「はい?」
「彼のこと、よろしくね。私も応援するから」
 ヒカリちゃんは驚いたように私を見たあと、
「……はい」
 と小さな声で返事をした。
 私はそんなヒカリちゃんの姿を見て、胸が暖かくなった。

 と思っていたけど、今はどうしてか胸が苦しい。
 こう、きゅーっとくるような。甘酸っぱいような。
 大学で加持君と付き合い始めた時のような感じ。
 私、いったいどうしたんだろう? もうすぐ三十ウン歳になるっていうのに。
148>>147:04/10/02 02:27:40 ID:???
11月27日

 今日も土曜出勤。週休二日なんて名ばかりよね。渚君、うらむわよ。
 もう転職しようかしら。それとも結婚退職? ……結婚か。ホント、どうしよう。
 お昼に、加持君がニヤニヤしながら寄ってくるし。アレはもう確信している顔よね。
 アイツ、私の考えていることを知ったらどんな顔をするんだろう。
 ちょっち、知りたいかも。

 でもって、今日、レイは洞木さんの家にお泊まり。
 つまり、今夜はシンジ君と二人っきりというわけなのよね。
 それを意識したら、なんだかドキドキしてきて、それを誤魔化すためにビールの
本数がどんどん増えていって、だから、あんなことを言ったのかもしれない。
「ねえ、シンジ君。私が結婚したら寂しい?」
「……? ミサトさん、結婚するんですか?」
「ん、まあ、そうなるかも」
「加持さんとですよね?」
「そうだけど」
「そうですか。おめでとうございます。ミサトさん」
 とびっきりの笑顔で言うシンジ君に、なぜだかいらついて、
「シンジ君、それだけ?」
「へっ?」
「私が結婚してもいいの?」
「もちろんですよ。加持さんとなら大賛成です」
「そっか。シンジ君はそれでいいんだ。私がこの家を出て行ってもいいんだ?」
「それは寂しいけど、でも、ミサトさんは加持さんと結婚しても、ここにずっといる
 じゃないですか。ずっとずっとミサトさんはこの街にいるんだから大丈夫です」
「そうだけど、……もう寝る」
 そう言って、私は自室に閉じ籠もった。そりゃあ、結婚してもどこか遠いところに
行くわけじゃないし。でも、少しぐらいは嫉妬してくれても。なんか憂鬱。
 ……だけど、シンジ君って、あんな強い子だったかしら。家族がいなくなるって
いうのに。こんなことを聞いたら、もっと、こう、鬱々するような子だったような。
 シンジ君も成長したってことなのかしらね。
ミサトさん乙。
ほんぎゃぁぁぁ、なんか漏れの望みどおりの展開になってきたー!
とか言ってるとミサトさんがプレッシャーを感じて日記書くの断念するかもしれないんで
ここらへんでやめときます。

それからマコトの中の人も乙。
次は誰がメガネの餌食になるのか…?
溶け合うメガネが私を壊す……
 
152日向マコト@:04/10/03 22:07:01 ID:???
某月私生活日

一仕事終えて所内の休憩所で一息ついていると、シンクロテストを終えたらしいシンジ君と一緒になった。
以前から彼には興味があったので優しく話しかけてみる。内容はもちろん葛城さんとの同居生活。最初はぎこちなかったが、打ち解けてみると実に楽しそうに話してくれた。
「ミサトさんったら下着の洗濯まで人任せで…」
「前ミサトさんがうどん食べながらくしゃみして鼻から出したの見ましたよ」
「ミサトさんのカレーは化学兵器ですよ」
…にわかには信じ難い話の数々に、ミサトさんの人格を疑ったことを僕は白状する。しかし僕はしばらく思い悩んだすえ、一つの真理に到達した。
(つづく)
153日向マコト@:04/10/03 22:33:56 ID:???
(つづき)
碇シンジ君。彼は思春期真っ只中の14歳であり、複数のチルドレンと浮き名を流すモテ男であり(うち一名男、パターン青)、あの碇司令の息子である。
当然ミサトさんの事もただの保護者としては見ていまい。ミサトさんに近付く男に偽情報を与え、牽制する魂胆…
すまないシンジ君、君の気持ちはわかるが、葛城さんにも幸せになる権利があるんだよ…



なぁ、シゲル、そうだと言ってくれ。

(無言)

うわぁぁぁん!

「妄想はいいね。リリンの生み出した自己防衛の極みだよ」
154>>148:04/10/04 03:43:26 ID:???
11月28日

 毎週の予定となっているアスカのお見舞いへ3人で行く。
 渚カヲルとの接触によって、アスカに何か変化が現れたわけでもなく、
依然として眠り続けている。
 アスカはもう目覚めないのではないかとも思ってしまう。
 しかし、アスカの右手を両手で包み込むように握っているシンジ君を見ていると、
一刻も早く目覚めてほしいと私は願わずにはいられなかった。
 しかし、渚君とアスカ、そしてシンジ君の幻。この3つの関係は何なのだろうか。
 とても重要な何かを意味していると思うが、私には見当がつかない。
 リツコもデータ不足ねで役に立たないし。
 ふー、それよりも加持君のプロポーズをどうするか考える方が先決よね。
155>>154:04/10/04 05:47:22 ID:???
11月29日

 拘束中の渚カヲルに会う。
 彼はいつも通り微笑みを浮かべていた。
 ほとんど雑談と言ってもいい会話が続いたが、
「葛城さん。サードインパクトの意味を考えたことがありますか?」
「シンジ君によって世界の終焉と再生が起こった。それが、サードインパクトよ」
「一時的にも、ヒトは、いや全生命が一つとなった。そうですよね?」
「シンジ君とレイの証言によればね。私たちにその時の記憶はないわ。あなたは
 憶えていたようね」
「ええ、僕は憶えています。生命が一つになる。それは進化の一方向ではあるでしょう。
 しかし、シンジ君はそれを良しとしなかった。結果、今の世界があるわけです」
「あなた、何が言いたいの?」
「僕の記憶にある世界と今のこの世界は異なっているんですよ」
「どういうこと?」
「僕は2ヶ月前にこの世界に現れました。でも、その前はどこにいたのだろう」
「……」
「葛城さんは、サードインパクトの前のことを憶えてますか?」
「もちろん憶えているわ」
「では、サードインパクト後は?」
「憶えているわよ。そんなこと当たり前でしょ」
 渚カヲルは笑みを消し、眼を細めた。

 ↓
「あなたが生き返った日のことは憶えてますか?」
「しつこいわねえ。憶えてるわよ」
「次の日は? 一週間後は? 一ヶ月後は?」
「そんな細かいこと訊かれても答えられるわけ無いでしょ。あなた、何が言いたいの?」
「本当に憶えていますか?」
「なっ、家に帰って日記を見れば……、無いわ。書いてない」
 彼はかつての碇司令のように両手を口元で組み、
「僕の憶えているサードインパクトは破壊でした。世界は塵と化し、ヒト以外の生物も
全て消え去りました。生命は原始の海へ還り、完全な自我をもつ一生命体となってね。
そして、海は赤く、大地には一欠片の緑さえもなくなってしまった」
「……」
「しかし、この世界はどうだろう。サードインパクト以前の文明を保持し、自然はかつて
以上の輝きを放っている。僕の有している記憶との違いは何なのか。ずっと考えてました」
「答えは見つかったの?」
「あなた方、旧ネルフの人たちは世界を滅ぼした罪人であったはずです。シンジ君はその
張本人とも言えるでしょう。それがなぜ、こうして普通の生活をしていられるのですか?」
「それはゼーレと碇司令がっ!」
「どのような過程を経て、今の自由を得たのです?」
「……」
「……」
「待って、今、思い出すわ」
「……」
「……わからない。全然、思い出せない」
「やはり、そうでしたか」
「ちょ、ちょっと待って。記録には残ってるはずよ」
 私は端末からMAGIのデータベースを呼び出し、公文書などの確認をした。
 そこにはちゃんとデータが存在したが、そのどれもが私の記憶に無いものだった。
 自分の署名があるものでさえ。

 ↓
「渚君。知っていることを教えなさい」
「憶測でもいいのなら」
「かまわないわ」
「一つはヒトの補完が未だに続いている可能性です」
「補完が?」
「ええ、僕は外からその補完を見ていました。主に、シンジ君を中心にですが」
「……」
「そして、シンジ君の補完に、葛城さん、あなたもいたのですよ。憶えてませんか?」
 彼の言葉を聞いて、私の脳裏をフラッシュバックする光景があった。
 壊れた映写機のように何度も何度もそのシーンが繰り返される。
 次第に鮮明となる記憶。
「わ、私は、いろんな私がいて、……シンジ君の先生をしている私もいた」
「思い出しましたか?」
「な、何? この記憶は?」
「可能性の一つですよ」
「……可能性?」
「補完の中心となったシンジ君には新たな世界を作り出す力があったのです」
「……」
「シンジ君は実に様々な可能性を模索しました。その時の記憶ですよ」
「じゃあ、渚君。今も補完は続いていて、この世界はその一つだというの?」
「答えは、Noです」
「なっ!」
「僕の記憶では、シンジ君は補完を拒否しましたからね」
「それはシンジ君も言ってたわ。だったら、ここはサードインパクト後の世界でしょ」
「僕は、あなたの他に、赤木博士や加持さんなど多くの人から話を聞きました。結果、
どの人も過去の記憶を持ち、それを憶えていました。ですが、僕とあなたには無い」
「……」
「僕たちは、この世界にとって招かざる客なのかもしれない。……いや、僕だけか」
「渚君。ひとりで納得しないで、私にもわかるように教えてもらえないかしら」
 そう私が言うと、彼は再び笑みを浮かべた。

 ↓
「初め、僕が惣流さんに会いたいと思ったのは、単なる好奇心からでした。僕が会った
ことのないチルドレン。どんな人なのかと」
「それだけで、あなたはこの前、逃げ出したというの?」
「ええ、僕は好奇心を我慢できない方なので」
「人騒がせな」
「ですが、彼女に会って確信しましたよ」
「……?」
「彼女が、碇シンジ君です」
「ば、馬鹿なこと言わないでよ! そんなわけないでしょ」
「いいえ、彼女がシンジ君です。あなたも見たはずですよ」
「あれは幻覚にすぎないわ」
「僕をもう一度、彼女に会わせてください。そうすれば、はっきりします」
「それは出来ないわ」
「まあ、あなたの立場ならそうでしょうね。なら、代わりに綾波レイに会わせてもらえ
ませんか。かつて、僕と似た存在だった彼女に話を聞いてみたい」
 その件に関しては考慮するということで、彼との話を打ち切った。

 彼の言葉を鵜呑みにすることはできない。
 だが、引っかかるものがある。
 なにより心がこの世界に疑問を感じてしまっている。
 彼の話術に取り込まれたかもしれないが、そうではないような気がしている。
 渚君の言葉に惑わされないようにとリツコに注意されたが、もはやこの気持ちは
止めようがない。真実を私は知りたい。

 そして、私はなぜかシンジ君に会うのが怖くなり、この日は本部に泊まった。
いよいよクライマックス!がんばってください!!
ミサトさん乙。メガネさん乙。

日記としてではなく、一つのssとして読ませてもらってます。
なかなか今までのssにはない展開でおもしろく読ませてもらってます。
続きとして考えているプロットを文字にして書くのはかなり大変だと思いますが、
頑張ってください。

メガネさんもロンゲもがんがってくらさい。
161>>158:04/10/05 04:55:35 ID:???
11月30日

 レイに学校を休んでもらって、午前中、本部に呼んだ。
 渚カヲルと会わせるためである。
 冬月所長とリツコは反対したが、半ば強引に私が決断を下した。
 だが、万が一の事態を想定し、面会場所を本部地下200mに位置するシェルター内で
ということになった。フォースインパクトの可能性も考慮して。
 これは渚君の罠かもしれない。
 しかし、それ以上に、私もどうなるか見たかった。二人の接触の末に起きることが。

 私がレイと共にシェルターへ入室すると、渚君は右手を振って陽気に挨拶を送った。
 テーブルを挟んで私とレイは渚君の向かいに腰を下ろす。
 彼の隣には、加持君がついていた。少し離れたところではリツコが立って見ている。
「綾波レイ、久しぶりだね。元気だったかい?」
 と渚君が先に声をかけてきた。
 だが、レイは彼を見つめたまま口を閉ざし続けた。
「ふっ、挨拶を返してくれないのか。君の姉弟とも言える僕に、それは寂しいじゃないかい」
「……私に何を訊きたいの?」
 ようやくレイが口を開くと、渚君は微笑みを絶やすことなく、

 ↓
「なあに、君と世間話がしたかっただけさ」
「私はあなたと話すことなんてない」
「なら、シンジ君について少し話をしないかい?」
「……碇君?」
「そう、シンジ君。君は彼をどう思う?」
「碇君は碇君。それだけよ」
「君は彼が本当にシンジ君だと思っているのかい?」
「……あなた、何が言いたいの?」
「僕には、彼がシンジ君だと思えないんだ。そう感じないかい?」
「いいえ」
「じゃあ、惣流さんは?」
「……知らない。セカンドには会ってないから」
「なぜ、惣流さんに会わないの?」
「……知らない。ただ、彼女と会ってはいけない。そう感じるから」
 レイは眉を微かに寄せて、そう答えた。
「ふむ、君はまだ目覚めていないのかな」
 渚君は右手の人差し指をくちびるに当てて考え込むような仕草をしてから、

 ↓
「少し話を変えようか。君はなぜこの世界に生まれたんだい?」
「……どういう意味?」
「サードインパクト。あの時、僕たちはシンジ君とお別れをしたんだ」
「……碇君は現実に戻り、私たちは無に還った」
「そう。リリンとは違い、僕たちは選ばれなかった存在だからね」
「……」
「なのに、どうして僕たちはここにいるのだろう?」
「……碇君に呼ばれたから」
「だろうね。僕もそう思うよ。ただし、君のシンジ君と僕のシンジ君は違うようだけどね」
「……」
「君は僕とは異なり、本質的には以前の形態を保っている。ATフィールドは使えるのかい?」
「いいえ、」
「なぜ? 僕はリリンの姿に変わってもATフィールドを使うことができるのに」
「……たぶん、碇君がそれを望んだから」
「そう」
 と呟くように言うと、彼は右の掌をレイの眼前に出した。
「渚君! 何をする気なの?」
 と、私は席から立ち上がって叫んだ。
「彼女に危害を加えるようなことはしません。ただ、見てもらいたいだけです」
「何を!?」

 ↓
 渚君はそれに答えず、右手を自身の胸前に戻した。
 そして、彼の右手が輝き、掌から10cmほど離れた位置に、虹色に光る六角形の盾が
出現した。大きさは掌ほどだが、そこから波動のようなものが流れている。
 心に浸食するような何かを私は感じていた。
「ATフィールド。心の壁。堅く強固な結界さ。しかし、ATフィールドはATフィールドに
よって中和することができる。これはどういうことなのだろう」
「……」
「仮に、ATフィールドが相手より遙かに強ければ、強制的に溶け合うことも可能なのでは
ないかな。綾波レイ。君がサードインパクトでしたことのように」
 そう言うと、彼は腕を伸ばし、レイの胸の中へ右手を突き刺した。
 彼女の制服を破ることなく通り抜け、手首まで入り込む。
「止めなさい!」
 私は銃口を渚君に向けた。
 そして、それは私だけでなく加持君やその場にいる全ての物が銃を彼へ向けていた。
 だが、渚カヲルは軽く微笑んだあと、
「大丈夫ですよ。今、僕と彼女の意識を一つに共有しようとしているだけですから。こう
した方が話をするより簡単なんです」
 レイは両目を限界まで見開き、背中を仰け反らしている。
 時折、痙攣するように体が震えてもいた。

 ↓
「今すぐ、レイから離れなさい」
「もうすぐ終わりますよ」
「今すぐと言っているの。撃つわよ」
「ふー、やれやれ、わかりました」
 そう言うと、渚カヲルは右手を膝上に戻した。
 レイは瞼を閉じ、口を結んだ状態だった。
「君は本当に何も知らないんだね」
 と渚カヲルはレイを見ながら言った。
「でも、うらやましいな。そんなにも純粋なままだなんて」
 と彼が呟いた時、レイが目を開いた。
 そして、レイは呟くように言う。
「私は、碇君を守る。それが私の生まれた意味。私の全て」
「僕もシンジ君を守らなければならないんだ」
「……」
「僕たちは敵同士なのかい?」
「……」
「ふっ、」
 小さく溜め息をはくと、渚カヲルは私に視線を向けた。
「葛城さん。また会いましょう。その時までに、どちら側へつくのか考えておいてください」
「あなた、ここから逃げ出す気?」
「僕はまだここにいようと思っていたんですがね。彼女がそうさせてくれないみたいで」
 そう彼が言い終えるのが早いか、レイは右手を彼の前に出した。
 渚カヲルもそれに応じるように、右手を出す。
 そして、虹色の光がぶつかり合い、次の刹那、室内が白一色に染まった。

 ↓
 私が意識を取り戻した時、視線の先に青空が見えていた。それは井戸の底から頭上を
見上げるような感じがした。
 元のシェルターと同じ口径で一直線に穴が伸びている。あり得ないほどの指向性を
持った爆発。まるで、使徒が爆発した時のように。
 体のあちこちが痛みをあげているが、動けないほどではなく、私は床に倒れていた体
を起こし、辺りを見回した。爆発のためなのか、ほとんどの人たちが壁際で倒れている。
 だが、ひどい流血をしている人はなく、即死でなければ多くの人は無事であるかもしれ
なかった。と、その時、前方に気配を感じた。
「レイ…」
 と、私は思わず呟いていた。
 レイは誇り一つも無いきれいな制服姿で立っていた。
 その視線は空へ真っ直ぐに向けられて。

 その後、私たちは救助された。
 骨折や内臓破裂をおこした者はいるが、奇跡的にも死者はいなかった。
 私自身はレイの隣にいたにもかかわらず打撲だけですんでいた。
 加持君は左腕にギブスをしているが、まあ、それくらいですんでよかったと言えよう。

 そして、渚カヲルは行方不明である。
 あの爆発で消滅したとは思えない。その痕跡も無い。
 必ずどこかにいるはずである。
 アスカのカードを更に厳重にするが、それは彼に有効であるかははなはだ疑問であった。
 おそらくエヴァでもない限り、彼と対抗することはできないであろう。もしくはレイが…。

 それから、シンジ君を本部に呼び寄せ警護し、レイから事情聴取をする。
 私は二人に会うのを避け、日向君に任せた。
 今、二人に会うのはまずい。そう感じていた。
GJ!
これからレイもまたなにかに目覚めてしまうんでしょうかねぇ。
なにはともあれ、マイペースで頑張ってください。
168>>166:04/10/06 07:50:32 ID:???
12月1日

 これからの出来事を日記という形で書き記すことに困難を憶える。
 なので、今後は徒然なるままに書いていこうと思う。


 いつまでも逃げているわけにもいかず、私はレイと会うことにした。
 レイにした事情聴取の概要は日向君から聞いていた。
 渚カヲルに触れられて以降のことを、レイはほとんど憶えていない。また、
あの会話以上のことは何も知らないとのこと。
 だから、レイと軽く雑談をする。たったそれだけのこと。そう思うことにした。
「シンジ君はどう?」
 私はコーヒーカップを片手に持って訊いた。
 自分の執務室でレイと二人っきり。盗聴や盗撮の可能性は無いはずである。
 レイは自分の前にあるココアには口を付けずに、
「……少し不安を感じているようです」
 と答えた。
 昨夜、これまでの経緯をシンジ君には説明した。もちろん機密に触れる部分は
除いてあるが、渚カヲルについてのことを出来るだけ教えた。
 過去、二人の間に起きたことがシンジ君を苦しめている。
 それは私にも容易に想像できた。

 ↓
「そう。レイ、シンジ君を頼むわね」
「はい」
 と、レイにしては強い語調で返事をした。
 私はその言葉に安心を感じたが、
「ねえ、レイ」
「なんでしょうか?」
「渚君との会話、あれはどういうことなの?」
「……」
「あなたの知っていること、何でもいいから教えてもらいたいの」
「……ミサトさん」
 と、レイはゆっくりと言葉を送った。
「碇君の味方でいてくれますか?」
「私はいつだってシンジ君とレイの味方よ」
「……」
「レイは確かにヒトとは違う存在よね。でも、あなたは私の家族なの。今の私に
とって、それが何よりも大切なことよ」
「……ありがとうございます。でも、それはミサトさんが私を知らないから」
「だから、何を?」
「……」
 しかし、レイは口を閉ざしたまま、何も話そうとはしなかった。
「まあ、いいわ。でも、悩み事はひとりで抱え込まないで私に相談してね。待って
いるから」
「はい」
 と、レイは小さく返事をした。

 ↓
 次に、シンジ君と話をすることになった。
「ミサトさん。カヲル君はどうなったんですか?」
「彼はまだ見つからないわ。今、総力を挙げて探しているんだけど」
「そうですか」
 それから長い間、シンジ君は床を見つめていたが、
「カヲル君は、またフォースインパクトを起こす気なんでしょうか」
 と小さな声で苦しそうにはいた。
「それは無いと思うわ。感だけど」
「……」
「それに、今はエヴァも無いし、アダムもリリスも存在しないの。だから、どうやった
って、フォースインパクトを起こすことは出来ないのよ」
「でも、まだ僕たちの知らない方法があるかもしれないじゃないですか」
「その可能性は極めて低いわ」
「だけど!」
 と、シンジ君は語気を荒めたが、一転して弱々しい声に変えて、
「もしカヲル君がその気なら、僕はまた……」
「シンジ君はもうそんなことを考えなくていいの」
 私は今にも泣き出しそうなシンジ君の手を優しく包み込んだ。
「シンジ君は普通の高校生。もうエヴァや補完計画とは何の関係も無いの」
「……」
「渚君のことは私たちの仕事。だから、シンジ君は私たちを信じて待っていればいいのよ」
「……カヲル君をお願いします。もう前のようなことにはならないようにしてください」
「それはもちろんよ。私たちは別に彼をどうこうしようとは考えてないから」
「はい、」
「シンジ君、元気出して」
 と、私は明るく言った。

 ↓
 しかし、シンジ君は俯いたまま、
「カヲル君は友達なのに、どうしてまた敵同士にならなくちゃいけないんだろう」
 と呟いた。
「シンジ君。そんなこと考えない。あなたと渚君は友達よ」
「……」
 だが、シンジ君が返事をすることはなかった。
 私は暫し彼の様子を見守っていたが、もう一つの件を訊ねることにした。
「ねえ、シンジ君。アスカのこと、どう思う?」
「アスカですか?」
「そう、」
「早く元気になってほしいです」
「あ、そうなんだけど、私が訊きたいのは、アスカに対してシンジ君がどう思ってい
るかなの?」
「……?」
「えーと、そうね。アスカが日本にやって来た頃と比べて、今のアスカはどこか違うかな?」
「……わかりません。今のアスカは僕のせいで心を病んでしまったから」
「ごめんなさい。嫌なことを言って」
「いえ、」
 そのまま私たちは黙り合ってしまったが、
「僕とアスカは離れられないと思います。それがどのような感情に基づいていたとしても
アスカが僕を拒まない限り、ずっと一緒にいます」
 そして、シンジ君は寂しそうな笑みを浮かべた。

 ↓
 憂鬱な気分のまま昼休みを迎えた。
 渚カヲルが語る世界の真実より、今の私にはシンジ君とレイ、アスカの幸せの方が大切。
 でも、今のままでは3人が幸せになることは難しい。あの戦いの傷がまだ癒えていない
のに、再び悲劇が3人を襲おうとしている。
 私はどうすればいいのだろうか。
 そんな鬱々な状態で牛丼が美味しく感じられるわけもなく、半分ほど食べたところで
どんぶりをテーブルに置いた。
 そして、私がコップの水を飲んでいたら、
「ここ、空いているかい?」
 と右手にカレーがのったトレイを持って加持が訊いてきた。
 いつものへらへらしたような表情がムカついたけど、
「空いてるわよ」
 と答えた。
 加持は腰を下ろすと、右手にスプーンを持って、カレーを食べ始めた。
「加持君。左腕、大丈夫?」
 私は彼のギブスをした左腕に視線を置いて言った。
「ああ、これくらい大したことないさ。ちょっとひびが入った程度で大げさなんだよな」
 と彼は苦笑すると、
「ま、みんなに大切にされるから、たまにはいいかな」
 と半分おどけるように言った。

 ↓
「なに馬鹿なことを言ってるのよ」
「まあ、そう言うなよ。これでもいろいろ不便してるんだ」
「でしょうね。私も腕の骨を折ったことがあるからわかるわよ」
「だったら、わかるだろ。俺、今、一人暮らしなんだよな」
「ふ〜ん。で?」
「で、って。そりゃあ、ないだろ」
「それで?」
「早く誰かさんが、嫁に来てくれないかなあ」
「……」
 私が黙っていると、加持はスプーンを皿に置いて、まじめな顔を作った。
「なあ、そろそろ返事を聞かせてもらえないか」
「待ってよ。今はそれどころじゃないでしょ」
「ああ、それはわかっている。だが、今すぐ籍を入れるとか、そんなことを言っているん
じゃないんだ。YESかNOか。ただ、それだけを訊きたいんだ」
「……ごめん。今はシンジ君たちのことで頭がいっぱいなの。もう少し考えさせて」
 加持は軽く笑みを作ると、
「そうだな。ちょっと急かしすぎた。でも、葛城。前向きには考えていてくれてるんだろ?」
「……うん」
「それを聞いて安心したよ」
 そう言って、加持はまたカレーを食べ始めた。

 この日、上記以外は昨日の後始末に追われ、とても忙しかった。
 破壊された本部施設の修復や渚カヲルの追跡などしなくてはいけないことが山ほどあった。
 また、レイと渚カヲルの接触によって起こった事象についてはリツコが解析をしているが、
未だ彼女からの報告は上がってこない。
 とにかく、いろいろなことが重なって疲れた。
 深夜、本部内の仮眠室でシンジ君とレイの寝顔を見てから、私も眠りについた。
職人さん乙です!
あと八回がんばってください!
乙です!いつも楽しく拝見させていただいております。
これからも頑張ってください!
176>>173:04/10/07 00:13:22 ID:???
12月2日

 やっぱりフローチャートを作ればよかった。もう手遅れだけど。
 こうなったらもう最後まで行き当たりばったりで書いていこう。


 静かな一日だった。
 昨日がそのまま続いたような。
 書類を処理をしながらぼーっと窓の外を見る。
 白く変わったアルプスの峰。
 近くの木々は落葉し、裸の枝が命の終わりを私に感じさせているようだった。
 と、なんだかしんみりちゃった。私らしくないな。

 リツコのラボへ息抜きに行った。
 先日の件について早く報告書を提出するように急かしてみる。
「報告書自体はとっくに出来ていたわ。昨日のうちにね」
「だったら、早く見せなさいよ」
「……」
 ミサトは仔猫の絵柄があるコーヒーカップに口をつけた。
 そして、飲み終えてもまだ私を見るだけで、その他の動きはなかったが、
「ミサト、」
「なによ」
「まだ検討したい箇所があるから、もう少し待ってもらえない?」
「……アンタがそんなことを言うなんて珍しいわね」
「そうかしら」
「そうよ」
「……ミサト、加持君と結婚するんでしょ」
「なっ、どうしてそれを?」
「もう所内中の噂よ」
「あんのやろう」

 まあ、なんてことのない一日だった。
12月3日

 渚君の言ったこと。
 レイの語ったこと。
 気にならないと言えば嘘である。というか、すごく気になる。
 シンジ君と共に補完計画の中心にいた二人。
 その二人の言葉には真実があると思う。
 アスカがシンジ君であるはずはない。そう理性は判断しているんだけど…。
 渚君は否定したけど、この世界がシンジ君の作り上げた補完世界であっても
おかしくはないような気はしている。
 私は大地を踏みしめているし、息をしている。物にも触れられるし。
 これが全てシンジ君によって生み出されているはずがない。
 そう頭では思っているんだけど、私の持っている補完の記憶が肯定してもいる。
 みんなの前ではおちゃらけているけど、これでも私は深く悩んでいるのよ。
 ふー、知恵熱が出てきた。

 とにかく考えるより先に行動する。これが私の信念よ。
 使徒との戦いもそれでなんとかなったし。まあ、失敗も多かったけどね。
 というわけで、とりあえず自分でも渚君を捜しに回った。
 当てもないけど、車で行ける範囲内をぐるぐると。
 だけど、たぶん、彼はアスカの所へ来る。きっと。
 で、私は日が暮れた頃、アスカの様子を見に行って、それから本部に戻った。

 未だ渚君発見の報告は来ず。
GJ。
残り少ない日記になりそうですが、続き楽しみにしております。
12月4日

 今日は、アスカの誕生日。
 というわけで、午後、シンジ君とレイと3人でアスカの所へ行った。
 護衛の人がいっぱいいるのが無粋だったけどね。
 相変わらずレイはアスカに会うのを拒んだが、誕生日だからと諭したら、
ようやく肯いてくれた。少し不安はあったけど、何かが起こるのを期待して
いたような気もするし、嫌な自分を見つけてしまった。
 と、まあ、3人でアスカの病室に入ったけど、特に変わったこともなく、
買ってきたバースデイケーキにろうそくの灯をともした。
 こうして誕生日になったのに、アスカはまだ眠ったまま。
 私は瞼の奥が潤んでくるのを感じていた。
 シンジ君は涙を止めどなく流していて、そんな彼を見ていたら、今まで
疑問に思っていたことも全て飛んで行っちゃって。
 私が彼の肩を慰めるように抱いたら、シンジ君は私の胸に顔を押しつけ
声を挙げて泣き始めた。

 早くシンジ君たちに幸せが訪れてほしい。心からそう思った。
180日向マコト@:04/10/09 00:23:15 ID:???
2月14日

今日は説明不要の恋の祭典の日だ。残念ながら僕にとってはぬか喜びと自己嫌悪の繰り返しの日だったが、それでも前に進むしかないのだ。
被服部から届いたばかりの皺一つない制服に身を包み、本部の社交場・自販機コーナーで戦闘待機する。
・・・・・
なにやら挙動不審な弐号機パイロットと目が合う。顔が紅い。まっ、ままままさか!?
「あ、日向さん?」
「はいっ!!」


…分かってたさ。シンジ君の居場所を聞きたいだけだってことくらい…

・・・・・
なにやら挙動不審なマヤちゃんと目が合う。まっ、ままままさか!?
「あの、日向さん…」
「はいっ!!」


…分かってたさ。赤木博士に渡すのの味見を頼みたいってことぐらい…

・・・・・
なにやら挙動不審な碇司令と目が合う。
「日向二尉か…このチョコを食べて欲しい」
えっええ!?
(つづく)
181日向マコト@:04/10/09 00:53:25 ID:???
(つづき)
「勘違いするな。あー、これは君に渡すよう頼まれたのだ。えーと、」
「葛城三佐ですかぁ!?そうなんですね!」
「う、うむ、そうだ。問題無い。食うなら早くしろ、でなければ帰れ」
僕は明らかに司令の態度がおかしいのにも気付かず、チョコにかじりついた。
チョコが割れて何か液状のものが流れ出す。
…効果は劇的だった。体の一部分に血液が集まり、脳の酸素供給がストップする。
「赤木君…こんなものを食べさせて私をどうする気だったのだ…」


昏倒から覚めてふらふらと席に戻ると、葛城さんの字のメモがついた包みが置いてあった。
「残業が済んだら、これ司令と副司令にとどけといてねん★」
僕の分は義理すら無いんですね…。死のう…。
>「う、うむ、そうだ。問題無い。食うなら早くしろ、でなければ帰れ」

ワロタw
183名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/10/10 00:43:31 ID:AFunGBOk
日向さん、別スレ立てれば?歓迎だよ?
184>>179:04/10/13 11:41:49 ID:???
12月5日

 気がついた時、私は赤い水の上に浮かんでいた。
 気怠さが全身を覆い、波の飛沫が顔にかかってもどうでもいいような気分だった。
 しかし、徐々に意識が鮮明になると、下半身が水中に沈み、遠くの景色が否応もなく
目に入ってきた。周りを山々に囲まれた赤い海。見知った風景。
 ここは? 芦ノ湖?
 私はなけなしの力を振り絞って、湖畔へと泳いでいく。
 やがて、砂浜が近づいてくると、そこに人影があるのに気づいた。
 泳ぐスピードを上げ、私は急いだ。
「シンジ君…」
 湖畔に上がった時、そう私は彼に声をかけた。
 だが、返事は無い。
 砂浜の上で仰向けに瞼を閉じて横たわっている彼。肩を揺すっても起きなかった。
 息はしているけど、シンジ君の意識は深い奈落の底に沈んだまま。
 彼の隣には、アスカが同じように仰向けで横たわっている。
 アスカはシンジ君と違って眼を見開いていたが、やはり声をかけても反応は無かった。
 いったい、二人に何があったのだろうか。
 私は大声で何度も何度も二人の名前を呼ぶ。体を揺する。
 でも、全くダメ。
 途方にくれた私はいつしか意識を失った。


 朝、目覚めた時、私はその夢をはっきりと覚えていた。
 それを見たのは初めて。
 でも、私はそれが夢ではなく実際にあったことだと知っている。
 赤い海のほとりにいるシンジ君とアスカ。
 だけど、私の記憶ではサードインパクト後に二人と会った時、両者とも元気だった。
 なら、もう一つの記憶は何? 
 私はベッドの上で暫し考え続けていた。

 ↓
キター!!!!
186日向マコト@:04/10/14 12:07:54 ID:???
某月ナンパ日

今日の朝、郷里の父から宅配便が届いた。箱を開けると大量のお見合い写真がクラスター爆弾並の勢いで飛び出す。
父さんの気持ちは分かるけれど、ちゃんと恋愛して結婚するのが僕の幼稚園の頃からの夢だ。
一日でも早い夢の実現のため、今日は思いきってネルフの女性たちに幅広く声を掛けることを決意した。

1 赤木リツコの場合

「赤木博士、今お暇ですか?」
「ええ、作業も一段落ついて、これからお昼に出るところよ」
「それでしたらどうです?一緒に食べに行きませんか」
…ラウンジで赤木博士と向かい合って食事をとる。落ち着いた雰囲気を漂わす彼女は葛城さんとは一味違う魅力を発散している。
少し大胆に接近してみよう。
「フフ、今日はどうしたの?貴方っていつもミサトに振り回されて大変でしょうに…」
「そんなことありませんよ。それより…名前で呼んでもらえますか、リツコさん」
瞳をまっすぐ見つめながらそう言うと、彼女は恥じらいに顔を赤らめて口をつぐんだ。期待に胸ふくらます僕に向かい、おずおずと口を開く。
「…小日向(こひなた)くん(だっけ)?」
「そういう意味じゃないです」
(つづく)
187>>184:04/10/15 15:03:10 ID:???
「納得できません!」
 所長室の机を右手で叩いて、私はそう声を荒げた。
 加持君が私と冬月所長の間に入るようにして、
「まあ、まあ、葛城、落ちつけって」
「アンタもアンタよ。どうしてこんな命令に従うのよ」
「そこが役所勤めのつらいところさ」
「所長、命令の撤回をお願いします」
 冬月所長は机の上で手を組むと、
「渚カヲルへの射殺命令は国連から直々に下されたものだ。それに反対することはできんよ」
「ですが、渚カヲルの監督権は私たちにあります」
「葛城君。私は今回の命令をやむなしと思っているのだよ。それに、赤木君も支持しておる」
 私は冬月所長の隣に立っているリツコへきつい視線を向けた。
「リツコ。どうして?」
「私たちの存在意義が何か。あなた、知ってる?」
「……」
「フォースインパクトの防止。それが第一義よ」
「そんなことわかってるわよ」
「なら、わかるでしょ。彼は危険なのよ。この世界を守るためには仕方ないわ」
 言いたくなかったことだが、私はそれを口に出した。
「だったら、レイは、……レイはどうなのよ? あの子は危険じゃないの?」
「レイは私たちの仲間よ。問題無いわ」
「仲間?」
「ミサト。あなたも私たちの仲間よね?」
「何、言ってるのよ。そんなの当たり前でしょ」
 ここで、冬月所長が口を挟んだ。
「この件はここまでだ。すでに、日本政府も動いておる。決定事項なのだよ。葛城君」
 私は拳を握りしめ所長を睨むように見つめていたが、
「しばらく、有給休暇をいただきます」
 と言って、所長室を出て行った。

 ↓
188日向マコト@:04/10/15 15:22:01 ID:???
(つづき)
心に傷を負ったまま僕は街をさまよった。
「僕はいらないオペレーターなんだ…」
すでに時刻は夕方になった頃前から知った顔が現れた。赤髪蒼眼の少女。
その2 惣流アスカの場合
「…何してるんですか、日向さん」「えっ」
僕の名前?僕を名前で呼んでくれるのか?
「あの、日向さん…?」
胸が詰まり、メガネの奥から暖かいものがこみあげる。そうか、僕はここにいてもいいんだ!
「あはは、何でもないんだ。…さあ、仕事に戻らなくちゃー。うふふ」
すっかり補完されて歩き出そうとした僕の背に、声を抑えた話し声が聞こえた。
(ねぇアスカ、いったいあの人なんだったの)
(分かんないわ…シンジ、ひょっとしてあれ青葉の方だったのかしら?)
つづかない
189>>187:04/10/15 15:43:01 ID:???
 私はアルピーヌ・ルノーに乗って、本部を飛び出していた。
 しばし、長野市内を回ってから高速に入った。
 彼、渚カヲルは旧第3新東京市にいる。そう直感していた。
 180kmオーバーのスピードにエンジンが唸りを上げる中、私は考えていた。
 どうして彼を助けたいのだろうかと。
 倫理的なもの?
 それだけではないと思う。
 でも、はっきりとした理由は思い浮かばなかった。
 彼には何か自分と同じ匂いを感じる。それが理由なのかもしれない。

 やがて、富士の山を越えて、アルピーヌ・ルノーは箱根への道を上っていった。
 つい数ヶ月までは封鎖されていた道路。
 世界が復興していく中、取り残された地。
 禁忌の場所、第3新東京市。
 かつてサードインパクトの中心となったここは立ち入りが禁止されていた。
 ようやく封鎖が解除された今となっても訪れる者はほとんどいない。
 以前の温泉観光地としての佇まいさえも、もはや見る影も無かった。

 芦ノ湖の湖畔に近づくにつれ、周りの景色は荒れていった。
 舗装された道路は途切れ、道無き道を車は激しく揺れながら進んでいく。
 そして、今は芦ノ湖の一部と化した旧第3新東京市跡が見えてきた。
 一年前と変わらぬ場所。湖面に生えているビルの残骸群。
 車から降り、私は歩き出した。
 湖面に映る夕陽が眼を眩しくさせる。
 だが、水辺に立っている天使の像に腰を下ろす少年の影をしっかりと捉えていた。
 渚君は私に気づくと笑顔を向けて、
「遅かったですね。葛城さん」
「ごめんね。ちょっち化粧に時間がかかったのよ」
 と私は小さく笑いながら答えた

 ↓
「あなた、よく今まで隠れていることができたわね。必死に捜索してたのよ」
「ははは、それはそれ。僕は元使徒ですからね」
「そんなんじゃ納得できないわよ」
 私たちは岸辺に座りながらそんなことを話していた。
 渚君は手元にあった小石を拾うと、腕を振りかぶって湖面へと投げた。
 ポシャッと音がして、小さく飛沫が上がる。
「少し世界を見て回りたかったんです。僕にとってはどれも初めてのことなので」
 そして、彼は寂しげに笑って、
「前は、すぐに死んでしまいましたからね」
 と言った。
 私は何と言っていいのかわからなく黙っているしかなかった。
 しばらくして、彼はぽつんと呟くように、
「葛城さん。この世界は平和でいいですね」
「ええ、そうね」
「綾波レイ。彼女も世界に受け入れられている。……羨ましいな」
「あなたもそうなるわよ」
「無理ですよ。それは」
「……」
「葛城さん。あなたは僕を滅ぼしに来たんでしょ?」
「違うわよ。渚君」
 私はそう穏やかに答えた。
「確かにあなたへの射殺命令が出ているけど、私は自分の意志でここに来たの」
「……?」
「あなたを助けたいのよ」
「どうして?」
 と、彼は不思議そうな顔で訊いた。
「後悔したくないからかな。あの時のような思いはしたくないのよ。全て自分のため。
だから、渚君は私に恩を感じることはないの」
 使徒と戦っていた頃を思い出しながら私はそう答えていた

 ↓
まだかな〜(´・д・`)
ありゃりゃ、しまった。
第3はジオフロントが飛んでいっちゃたから無いのに。
すっかり忘れてました。
>189でカヲル君と会ったのは芦ノ湖と読み替えてもらえれば助かります。
193>>190:04/10/16 11:09:09 ID:???
 夜半、御殿場市内のファミレスで私たちは食事を取っていた。
 私はフォークに刺した一欠片のハンバーグを見ながら、
「こんなところでのんきにご飯なんて食べてていいのかしら」
「大丈夫ですよ。まだ僕は公開捜査されていませんし」
「君、日本の警察をなめすぎよ」
「そんなつもりじゃありません。ただ、捕まってもいいかなと思ってるだけですよ」
「また、そんなことを言って。殺される危険が大きいのよ」
 彼はそれには何も答えずにエビフライを口に頬張った。
 そして、口をモグモグさせて、ゴクンとのみ込むと、笑顔を浮かべた。
 中学生の子供らしい笑み。
 そのような彼の顔を見たのは初めてだった。
 私もそれに誘われて頬を崩していた。
「それ、美味しい?」
「ええ、おいしいですよ。葛城さんも食べますか?」
「私はこれがあるからいいわ」
 と、ハンバーグへ目配せをした。
「今日は何も食べてなかったから、なおさら美味しいのかな」
 コップの冷水を一口飲んでから彼は言った。
「この世の中、お金が無いと本当に困りますね」
「君、お金も無いのにここまでどうやって来たのよ?」
「まあ、いろいろと。苦労しました」
 と少しも苦にしていないような顔で言った。
「まったく、君って人は…」
「葛城さん、」
「ん、なに?」
「普通に生きることって楽しいものなんですね。綾波さんの気持ちがわかる気がしますよ」
「君にもそうできる可能性はあるわよ」
「前も言いましたけど、それは無理です。この世界ではね」
 そう呟いて彼はジャーマンポテトを美味しそうに食べた。

 ↓
 再び水を飲んでから、渚君は口を開いた。
「葛城さんも気づいていますよね?」
「なんのこと?」
「この世界のことをですよ」
「……」
「ここは、シンジ君の夢の中です」
「違うわ」
 と、私は一言だけ返した。
 既に覚悟していたことへ少しでも反抗しようという意志をこめた言葉だった。
 しかし、彼は静かに訊き返した。
「そうでしょうか?」と。
 私は彼をまっすぐに見つめたまま、ナイフの先端を左手の人差し指に当てた。
 けして鋭くないナイフ。
 だが、強い力を加えると、痛みと共に赤い血の珠が膨れ上がり始めた。
 そして、赤い珠はやがて指を滑り落ちテーブルの上ではじけた。
 血が流れるのをそのままに私は、
「この痛みが嘘だというの? 私はそんなの認めないわ」
「でも、事実です。葛城さんもそれはわかっているはずだ」
「……」
「だけど、この世界にはシンジ君が知らないことで溢れているわ。もし、仮に、夢だとしたら、
シンジ君がそのようなことまで想像できるはず無いじゃない」
「サードインパクト」
 そう静かに彼は言った。
「あの時、シンジ君は世界の人々と一つに繋がっていました」
「……でも、そんな莫大な情報量をシンジ君ひとりで処理できるなんて」
「だから、僕が呼ばれたんだと思います」
「……アスカがあんなことになったのは、」
「そう、現実のシンジ君が耐えられなくなってきた現れでしょう。ヒトの脳にとってかなりの
負担なはずですからね。僕に与えられた時間は、そう長くは無いはずです」

 ↓
?
途中…ですよね?
ミサトさんらしいや。
でも続き、楽しみにしてますから。 by シンジ
196名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/10/18 01:48:23 ID:8CLMXtrH
日記に台詞は無いでしょ?何かの調書みたいだ。
日記形式で続けることは断念してしまいました。
今は一人称文の感じで書いていました。
こうなったのも、ひとえにわたしの技量不足によるところで、ごめんなさい。
         /;;;;;;;;  ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;   ,,,;;;;;i  >>197
         i;;;;;;;;;;;;;;;,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;; ;;;;; ,,,,,,,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|  反対する理由はない。
         ノ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;; ;;;;;;;;;;;li;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|  やりたまえ。
          i;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/l;;;/l;ソ;;/ |;;;;;;/| l;;l゙ヾ;;;ト、;;;;;;;;;;;;;i
          |;;、;;;;;;;;// /,'' / l/  |/|/   ゙l  ヾ、゙i;;;;;;::::/
          /ヾ;;/ソ       ,  ,      ヽ l;;l"゙l
          '、 (ヾ,,===;;;;;;;,,,,,_`il,i゙__,,,,;;;;;=== ,/|lヽ l 
            ヽ、`||ヾi;'(:::::゙'゙:::/;;i=i;;;ヽ:::゙'゙::::)゙i;/ |l'ノ/
           /ヽ|l、 ゙i::;;;;/⌒⌒).ヾ..;;;;;;;;;;..ノノ/l.,/\
          /;;;/::ミヾ、./ / / )     '゙ /ミ"i;;;;;;;;\_
       _,.-;;'";;;;;;;;r‐ ミ/゙ ,/ /  /_!/`   /,,l;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;~\ていうかやって下さい
  _,、-‐;;'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| / /  /   /.__,,,..-/ヽ /;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`;,,、_
‐'";;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;| ノ / .ノ  / ,,, /  ノ/';;;;ミ/;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙'';;;,,、_
;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ/ ノ  /  /,,,,/   /;;;;ミ /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;`
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199日向マコト@:04/10/20 13:03:17 ID:???
某月炎多瑠日

今日はネルフ始まって以来の危機に見舞われた。この事件の真実を後世に伝えるため、会話内容その他をなるべく詳細に記す。
事の起こりは深夜のネルフ大浴場。僕らのオアシスでの出来事だった。
「ふぅー、生き返る」
「たまには男同士、裸の付き合いも良いもんだな」
「そうっスねぇ…」
湯船には残業を終えた僕とシゲル、何故か先に一風呂浴びていたらしい加持の三人がいた。
「お互いこう忙しくちゃウチで風呂にも入れないな」
…特殊監査部なんて部署、勤務実態あるのか?忙しいってナンパがじゃないのか?でもそれならシャワー浴びるよな。ふっ…
思考のデフレスパイラルに突入する僕。
自慢のロン毛をかきあげたシゲルが声を出す。
「うわっ、また抜け毛が。最近多いなぁ…」
「青葉君もか?俺も実は気にしてるんだよ。伸ばしてると手入れが大変なんだよな」
勝手に盛り上がる二人に淋しいおもいをしていると、新たな入浴者が入ってきた。
「若い頃から気を遣わねば髪は守れないのだよ、君達」
ロマンスグレーの頭髪をひっさげた初老の男。
(つづく)
200日向マコト@:04/10/20 14:00:38 ID:???
(つづき)
「副司令、相変わらず上品な白髪ですな」
「フサフサっすね。俺もそうやって歳をとりたいっす」
冬月副司令は誇らしげに続ける。
「髪の手入れは男のたしなみだよ。中には見苦しい中年も居るからね。髭ばかり濃くなって髪の密度は右肩下がり、こっそり技術部につくらせたリ〇ップ赤木カスタムを常用している不届きも あむぐば」
副司令の頭が突然湯船に沈む。曇ったグラサンで鋭い眼光を隠した髭男が容赦なくロマンスグレーを押さえ付ける。
「ご高論は聴かせてもらいましたよ冬月先生。私は知っていますよ、15年前に出会った頃より貴方の頭髪が寧ろ増えていることをね」
「ぐほげぼ『ちなみにこの髭はユイとの再会に備えているのですよ。不精ヒゲでは物足りないというのがベッドの上での口癖でしたから』うぼぼぼ」
慇懃に老人の心の傷をえぐるヒゲ司令。葛城さんの17倍怖い。
「ぶばぁ」
ようやく解放された副司令は魔界を見てきたように蒼い。
「碇、…いや六分儀。やはり貴様とはともに天を戴けぬ。むおおお!」
副司令は突如吠えると、口からさっき飲んだ水を滝のように吐いた。
(なおもつづく)
201日向マコト@:04/10/20 16:17:36 ID:???
(さらにつづき)
嘔吐を終えた副司令の体はまるで縮んでしまったように見えた。呆然としていた僕含め三人(司令以外)のうちシゲルがまず我に返った。
「ふ、副司令!すぐに横になって下さい!」
腕を掴んだシゲルを副司令は軽く振り払う。
「ぎゃああ」
シゲルは紙人形のように吹き飛び、壁に叩き付けられた。
「無知なオペレーターには辿り着けぬ領域がある…」
意味不明だが今の副司令が危険なのはよくわかる。加持の方に目をやると僕と同じに恐怖が飽和した顔で固まっていた。
「冬月、それでこそ我が好敵手よ!」
碇司令が何故か闘気を纏って叫ぶ。逃げよう。逃げなきゃダメだ。目で加持と意思疎通し、撤退を決議した。だが、少し遅すぎた。
「「ふぉぉぉ!」」
二人の怪物が僕と加持を挟んだ体勢から互いに突っ込む。激突に巻き込まれ、意識をもっていかれる…。

気が付くと僕らは洗い場に折り重なって倒れていた。司令と副司令も満ち足りた顔で力尽きている。そんな光景を見下ろす少年が二人。
「父さんたち(ポッ)」
「いい歳の漢たちが風呂場で乱交…好意に値しないよ」
その日のうちに男同士の乱れた関係の噂がネルフ中に広まった。
(完)
202>>194:04/10/20 20:38:01 ID:???
 私は黙って考え込んでいた。
 彼の話と自分の体験。
 これまでの積み重ね。そう言えるものが彼の言葉を肯定していた。でも、
「君はシンジ君に呼ばれたと言ったけど、なら、私は? 私はシンジ君の作り出した幻なの?」
「葛城さんは僕と同じですよ。感じませんか? 同じ匂いを」
「……」
「僕がこの世界で会った人では、葛城さんと綾波さん。同じ匂いを感じたのはこの二人だけです」
「レイも?」
「ええ、」
「だけど、私はどうしてシンジ君に呼ばれたのよ? 君と違って、理由がわからないわ」
「さあ、それは僕にもわかりません。シンジ君へ直に訊くしかありませんね。本当の彼に」
 彼はそう言ってから、残りの料理に手を付け始めた。
 そして、全てを食べ終えてから、きれいに口の周りを紙で拭き取ると、
「葛城さん。あなたが僕の敵になっても、恨んだりしません」
「どういうこと?」
「この世界はシンジ君が望んだものでもあるのです」
「……?」
「人の心は複雑ですからね。まあ、僕にはまだよくわかりませんが」
 彼は寂しそうに笑い、
「どちらの心もシンジ君であり、僕はその片方の代弁者にすぎないのでしょう。ですから、
あなたがどちらの側についても僕にそれを咎める権利など…」
「でも、夢はいつか覚めるわ。例え、どんな形でも」
 その最悪の場合を考え、私は無意識に体を震わせた。
「それでも、その時までを平穏でいるというも悪くはないと思いますよ。もしかすると、その末に、
今一度、人々が一つになるかもしれませんしね」
「……ぞっとしないわね。それ」
「そうでしょうか?」
 目の前にはハンバーグが半分以上残っていたが、もう食欲は無くなっていた。
12月6日

 深い霧の中。私はどこへ向かうともなく歩いていた。
 足を進めるごとに水の跳ねる音が聞こえる。
 ぬかるんだ足下。
 おそらく湿原のようなところを歩いているのだろうが、私は全く気にも留めなかった。
 どれくらい時間が過ぎたのだろうか。
 いつの間にか霧は晴れ、私は公園の中心に立ち尽くしていた。
 誰もいない遊び場。静まりかえった空間。
 だが、その中に錆びた鉄の擦れる音が不意に混じってきた。
 私は後ろを振り返り、
「シンジ君…」
 と呟いた。
 ひとり、ブランコに乗る彼。
 まるで、母親の帰りを待つ幼子のように見えた。
 私は彼に近づき、
「ただいま」
 と言った。
 シンジ君は顔を上げ、驚いたような眼で私を見ていたが、
「ミサトさん、どうしてここに?」
「シンジ君に会いたかったからじゃダメかな?」
 暫しの後、彼は無言で首を横に振った。
「ねえ、シンジ君こそ、どうしてこんなところに一人でいるの?」
「僕は……よくわからないんです。自分が何をしたいのか。どうしたいのか」
 私はしゃがみ込み、視線を彼と同じ高さに合わせた。
「シンジ君、教えて。あなたは私に何を望むの?」
「……僕は、……ミサトさんに、……」

 ↓
 目覚めた時、車のフロントガラスから射し込む朝日が眩しかった。
 隣の助手席に眠る渚君は小さな寝息を規則正しいリズムでたてている。

 昨夜、検問に会わないよう迂回しながらここ、長野まで戻ってきた。
 はっきり言えば、ここまで何事もなく戻って来られるとは考えていなかった。
 実力行使も考慮していたのだ。
 しかし、何も無かった。これも、この世界が夢ゆえにということなのだろうか。

 私は静かにドアを開け、外へ出た。
 その途端、冷えた空気に体を震わせ、半ば眠っていた目がはっきりと冴えた。
 もう12月。たぶん氷点下に近い。
 この世界に四季があることを恨めしく思いながら、眼下に広がる市街地へ目を向けた。
 人目を避けるため郊外の山の中腹に今、私たちはいる。
 今日、これからどうするのだろう。
 渚君の希望により、ここへ帰ってきたのだ。
 おそらく彼は病院にいるアスカへ会おうとする。
 私はどうすればいいのか。
 さっき見た夢。
 たぶん、あれはシンジ君の夢の中。
 シンジ君は何を望んで私をこの世界に呼んだのだろうか。
 わからない。
 だけど、もう後悔はしたくない。
 私は白い息を静かに吐きながら、そう心に思っていた。

 ↓
 陽がだいぶ高くなってから、私たちは山を下りた。
 ある意味、堂々と本部へ向かっていた。
 彼を拘束する形で連れて行けば、いきなり殺害することはないだろうとの考えもあったし、
そんなこともさせない自信も私にはあった。

 市街地の外れ、赤信号信号で車を止めていた時にそれが起こった。
 トントンと助手席側の窓を叩く音がした。
 目を向けると、自転車に乗った警察官がいた。
 窓ガラスを下げ、警戒を怠ることなく、
「何でしょうか?」
 と声をかけた。
 助手席に座る渚君は、警察官を見ることもなく目を瞑っている。
 20代半ばだろうか。若い顔をした警察官は愛想笑いを浮かべながら、
「すいません。昨夜、この近辺でひき逃げがありまして…」
 突然、言葉が止まり、彼は右手を上げた。手に拳銃を持って。
「あっ!」
 そして、銃声が上がった。
 だが、胸から血しぶきを吹き出したのは警察官の方だった。
 渚君の横手には虹色の光が煌めいていた。
「ATフィールド?」
 渚君は私へ顔を向けると、黙って肯いた。
 銃弾は彼のATフィールドで弾かれ、自らの胸に吸い込まれたということか。
 私は車から出て、仰向けに倒れた警官の脇による。
 彼は既に事切れていた。
 と、その時、ドアが開く音がした。

 ↓
 私が顔を上げると、渚君がズボンのポケットに手を入れて立っていた。
「葛城さん。ここまで、ありがとうございました」
 と彼は言った。
「ここで、別れた方がいいでしょう。これ以上、葛城さんに迷惑をかけられません」
「いいえ。私が君をつれていくわ」
「駄目ですよ。今、葛城さんも見たでしょう。そこの彼は寸前まで殺意が無かった。
でも、僕の顔を認識した途端、銃の引き金を引いたんですよ」
 そう言って、彼は薄く笑った。
「いよいよ、この世界が僕に対して敵意を剥き出しにしてきた。そういうことです」
「……そんなこと、信じないわ」
「敵は本気です。あなたを巻き込むわけにはいきません」
「もう巻き込まれてるわよ」
「それもそうですね」
 と言って、彼を小さな笑い声をたてた。
「さあ、車に乗って」
「いえ、やはりここで別れましょう。僕は大丈夫です。ATフィールドがありますから」
「だけど、」
「僕は惣流さんへ会う前にしたいことがいくつかあります。少し時間をくれませんか?」
「駄目よ。私といた方がまだ危険を回避できるわ」
「リスクを分散させたいんですよ。僕がもし倒れた時、葛城さんが代わりをしてくれるかも
しれませんしね。ま、僕の一方的な願いでしかありませんが」
「期待に反するかもしれないわよ」
「それでもいいですよ」
 そう彼は答えた。彼の眼は決意した男のそれだった。
 私が何を言っても考えを変えることはないだろう。だから、私は、
「渚君、死なないでよ」
 と言った。彼は、
「夢の中で死ぬと、僕はどうなるのかな。精神の死は肉体の死でもあるのか。
試してみたい気もしますが、今は遠慮しときますよ」
 そう言って、彼は背中を向け、歩き出した

 ↓
おお、マコトさん乙。
すげー、しばらく見ないと思っていたらとんでもないことをしでかされてたのね…
また、日記よろしくお願いします。

ミサトさんの方には、シンジきゅんが出てこない…。
続き、楽しみにしてます。
このスレをさっき初めて知った。

こんな凄いスレが密かに息づいていたなんて・・・
一気に読んでしまったよ。
 
210>>206:04/10/23 03:26:31 ID:???
 渚君と別れ本部に戻った私だったが、リツコの研究室へ行くよう連絡を受けた。
 私はここを甘く見てはいない。おそらく昨夜からの行動をある程度は知られていると
考えていた。しかし、冬月所長からの呼び出しは無く、代わりにリツコである。
 昨日からのこととは別件である可能性も頭に入れながら、ドアを叩いた。
「意外に早かったわね。ミサト」
 と言って、リツコは私を出迎えた。
 イスに座ったままの彼女を見て、私は思わず息をのんだ。
 深い疲労と絶望がリツコの顔を覆っていたのである。
「ぼうっと立ってないで、座ったらどう?」
 と、リツコは言った。
 私は応接用のソファに腰を下ろし、
「ねえ、リツコ。疲れているようだけど、大丈夫?」
「心配しなくてもいいわ」
 そう言うと、彼女は私の向かい側に座った。
「ミサト。彼に会ったんでしょ?」
「……」
「ふふっ、警戒するわよね。こんなことを訊かれたら」
「私は、どんな罰でも受ける覚悟はしているわ」
「そう、」
 数瞬、リツコは私から視線を外したが、
「だったら、私たちに力を貸して」
 と言った。
「力?」
「もう知っているんでしょ? この世界のことを」
「リツコ! アンタ、知っていたの?」
「ええ、」
 リツコは疲れを重い息にのせて口から吐いた後、
「こんなこと、永遠に知りたくなかったわ」
 と呟くように言った。

 ↓
 リツコは掛けていた眼鏡を外し、テーブルの上に置いた。そして、
「この間の報告書、あれは破棄されることになったわ。冬月所長へは口頭で報告。
それでお終い。こんなこと、人に知られるわけにはいかないもの」
「私にはその内容を聞かせてもらえるんでしょうね?」
「いいわよ。……これまでのデータをMAGIへ入力し、様々な方向からシミュレー
ションを繰り返したの。でも、得られる結果は全て同一の物だったわ」
「……」
「それは、この世界がシンジ君の夢であるということよ」
 彼女は自嘲のように口を小さく歪めた。
「馬鹿馬鹿しいと思ったわ。でも、私にはそれが真実であると覚っていたの。有無
を言わずにね。だとすると、この結果を出したのはMAGIではなく、世界そのものだ
ということかしら」
「リツコ…」
「あなたに私の気持ちがわかる? 自分の記憶も感情も全てのことがシンジ君の作った
ものだなんて。私が未だに碇司令を求めているのも偽物の感情だなんて、そんなことが…」
 終いには、リツコの声に微かな涙が含まれていた。
 そして、彼女は私に視線を合わせ、
「私は、ミサト、あなたが羨ましいわ。ミサトが、この世界で自己を持った存在である
なんて、私たちとは異なった存在だなんて、どうして、どうしてなのよ? 教えて?」
「……私にもわからないわよ」
 私はそれしか言えなかった。
 リツコもそれ以上は口を開くこともなく、ただ目を瞑り続けた。
 室内を沈黙だけが支配し、それが恒常的になろうとした時、
「運命というものがあるなら、私はそれに抗ってみせるわ」
 と決意を込めて言った。
「冬月所長もその考えを持っている。……いいえ、この世界に生きる全ての人が
そう思っている。この世界がシンジ君の物であろうとも、そこにいる私たちにも生
きる権利は存在するわ。世界もそれを望んでいる」
「でも、渚君を呼んだのもシンジ君なのよ」

 ↓
「そうね。だけど、彼がシンジ君の目覚めさせようとするの妨げたのも、この世界よ。
それは、シンジ君自身でもあるの」
「私は、……私にはわからない。シンジ君が何を思い夢を見続けるのか」
 補完を拒んだ彼がなぜ再び内に閉じこもってしまったのか。
 そして、果たして今の状態が悪いことなのか、私には判断できない。
 シンジ君へ外の世界に還るよう説得することが許されるのだろうか。
 こうなった原因というものがあるならば、それはきっとよほどの精神的ダメージを
彼に与えたはずである。それの解決が無くして、還っても……。
「ミサト、」
 思考に包まれていた私へリツコが声を掛けた。
「ミサトが現実に戻りたいと思っても、あなたの立場なら仕方がないわね。だけど、
この世界に残ってくれるわよね? 私たちと一緒にいてくれるわよね?」
「でも、夢はいつかは覚めるのよ」
「そんなことわからないわ。現実がどうなっているのかわからない以上、この世界が
永久に続く可能性もある。ここは理想とも言える世界を構築しているのよ。むしろ、
現実よりもいいと思わない?」
「そんなの不健全よ」
「そうね。でも、私たちにとってはこの世界が全てなの」
 現実に還りたい。そう思う気持ちは大きい。
 しかし、この世界のシンジ君やレイはどうなるのだろうか。
 夢であっても、今まで過ごした時間は現実であるのだ。
「ごめん。リツコ」
 私は小さく頭を下げた。
「シンジ君の意志に私は委ねるわ。だから、リツコたちと一緒にいられるかどうかは…」
「そう。なんとなくわかっていたわ。ミサトがそう言うってこと」
 リツコは諦めと許しを含んだ笑みを浮かべた。
「できれば、私たちの味方でいてほしいけど、敵になった時はわかっているわね?」
「わかってるわ。その時は、真っ向勝負と行きましょう」
 そして、私たちは別れた。リツコと笑いあうことはもう無いかもしれないと思いながら。

 ↓
久々の名作SSスレだね。
ミサトを変に優しくしたりDQNにしたりせず、
ちゃんと「原作のイメージっぽく」書いてるのもいい。
このような元ネタ有りの話を読んでいただけるなんて、本当に恐縮です。
また、推敲無しの一発書きなので誤字が多いのも、ごめんなさい。
もし最後まで終えることができたなら、その後、書き直してみたいです。
215日向マコト@:04/10/24 11:22:10 ID:???
某月まごころを君に日

この日もシゲルと発令所で二人して夜勤。
差し入れられた夜食を食堂のレンジで温めて食べた。

…またそこから先の記憶がない。気付くと病院のベッドで見知らぬ天井を見上げていた。シゲルも一緒に倒れてまだ意識が戻らないらしい。きっと過労だろうけど、二人同時に倒れるなんて不思議だ。

『患者の一人は中毒からは回復したものの、精神的ショックから記憶の混乱が生じている。信じたくない事実を無意識に封じ込めることで精神の平衡を保っている状態であり、治療には慎重を要する』
中央病院脳神経科医師の所見より

『優秀なオペレーター二人の戦線離脱は大きいものの、期せずして対人兵器としての有用性が実証された
「ミサトカレー」
の増産と実戦配備を技術部として正式に提案する』
ネルフ本部対人防衛力強化に関する意見書より

>>214
>元ネタ有り



………ビッグオー?
黙ってりゃいいものを。
まあいいですよ
どうも無用な混乱をさせてしまい、ごめんなさい。
でも、前にもそう書いているのですが。
ところで、ビッグオーって何?
220>>212:04/10/28 01:43:56 ID:???
 リツコの研究室を後にした私は、シンジ君を捜して所内を歩き回った。
 暫くして、所長室へと続く廊下で冬月所長と一緒に歩いている彼を見つけた。
 二人の前まで進み、そして、足を止めた。
「冬月所長、ただいま戻りました」
「うむ、葛城君。赤木君とは会ったのかね?」
「はい、」
「それで、君は進むべき道を定めたのか?」
「いえ、まだ…。所長」
 私はシンジ君にひと目だけ見てから、
「これから、シンジ君を自宅へ戻す許可をいただけるでしょうか?」
「シンジ君をかね?」
「はい。それとレイも」
「ふむ」
 私と所長の視線が交差する。
 無言の会話が交わされた後、冬月所長は右手で自身のあごを撫でた。
「まあ、よかろう。その代わり、シンジ君と彼との接触は禁じるよ」
「それはわかってます。じゃあ、シンジ君。家に帰りましょ」
「あ、はい」
 と返事をしたシンジ君の左腕に、私は自分の腕を回した。
「ミサトさん。あの、これ…」
「あれ? シンジ君、いや?」
「いえ。でも、その、ちょっと恥ずかしいし」
「あら、私はちっとも恥ずかしくないわよ。では、所長。お先に失礼します」
 冬月所長に頭を下げ、私はシンジ君を引っ張るようにして歩き出した。
 そんな私たちの背中へ、
「ふむ、そうやって見ると、まるで仲のいい親子だな」
「なっ! どこが親子です!?」
「冗談だよ。とても仲のいい姉弟に見えるよ」
 初めて冬月所長の冗談を目にしたのかもしれない。
 私は自然と口元をほころばせていた。

 ↓
221日向マコト@:04/10/28 10:24:17 ID:???
某月シリアス?1日

薄暗いネルフ本部ブリーフィングルーム。
今日は主だったスタッフが揃って緊急会議を行っていた。進行役の説明が終わり副司令が口を開く。
「聞いていたんだろうね、葛城三佐」
「…上の市街で起きた連続通り魔事件。20人以上が襲われたがいずれも軽傷か無傷。何故ネルフの作戦課が介入するのかを除けば理解したつもりですが」
さっきは明らかに立ったまま居眠りしていたが、手元の資料を0.2秒で読破して答える葛城さん。帳尻合わせの天才だ。
「理由は二つ。犯行現場が君のチルドレンたちの生活圏に集中し、被害者の内二人は彼等の担任教師とクラスメイトだ」
葛城さんはまだ不満げだ。子供たちの所属は作戦課だがその保護は保安諜報部の仕事だ。僕らが動く理由にはならない。
「二つ目の理由は、これを見てもらおう」
大モニターに、椅子に座らされた少年が現れた。頭に包帯を巻かれており、事件の被害者だろうと分かる。葛城さんが驚きの表情を見せる。
「…相…相原…?」
「相田くんです」
(つづく)
222日向マコト@:04/10/28 13:08:23 ID:???
(シリアス?1日のつづき)
何度も会っているはずの葛城さんに名前を覚えられていないとも知らず、被害者の一人・相田ケンスケは話しはじめた。
「…ウチに帰る途中、後ろから近づいてくる人影に気付いたんです。敵兵を返り討ちにするためカバンからAK-47を取り出し、振り向きざまにタマを浴びせてやりました。全弾命中のはずなのにそいつは動じず、赤い光が走って俺は吹っ飛ばされたんです。
…ところでお兄さんネルフの人ですよね?こんな勇敢な俺をエヴァのパイ」ぷちっ
「彼が襲われたのと同時刻、索敵システムが市街地に微弱なパターン青反応を検知しています」
進行役が付け加えるとその場に衝撃が走る。
「…人間大の使徒が街に現れて人を襲っているという事ですか?」
「そうは言っておらん。だが使徒の可能性がある以上真偽を判断するのもネルフの仕事だ。
この件は作戦局一課の専任事項とする。他の部署は通常業務に戻りたまえ」
皆が無言のまま散っていく。
「全く大変ですね」
何気ない風で佇む銀髪の美少年。
「…人型の使徒?」
(二日目につづく)
223日向マコト@:04/10/29 12:19:57 ID:???
某月シリアス?2日

夕闇に包まれた第三新東京市。葛城三佐と僕はアルピーヌの車内で二人きりだった。
正確には座席の後ろに放り込まれた麻袋から白い足が覗いているが、敢えてそれには触れない。
「二人だけの専従捜査よ。普通の方法じゃ埒があかないわ。ここはこちらから攻めるわよ」
麻袋の上に積まれた荷物から大仰なブツを取り出す。
「葛城さん、それは」
「使徒と戦うのにエヴァになる必要は無いわ。でも備えは必要なのよ」
全領域兵器マステマを抱えて薄く笑う。
「最有力容疑者は既に拘束したけど、新たな使徒とするなら敵の性質ははっきりしてるわ。犯行現場は今私たちのいる人気のない夜道。被害者同士に繋がりはないものの、彼等はいずれも男性。そして」
僕の目を真っ直ぐ見据える。
(…な、なんだ?)
「全員、メガネを奪われているわ」
へ?
「頼んだわよ、日向くん」
簾巻きにされた最有力容疑者が、かすかにうめき声をあげた気がした。
(つづく)
224日向マコト@:04/10/29 20:33:50 ID:???
(つづき)
(済まないわね、特攻みたいな事ばかりさせて)
イヤホンに葛城さんの声が届く。
『使徒の狙いはメガネ』という勘により、僕は使徒を誘き出すべく夜道を歩いていた。市街地で人間大の相手にエヴァは使えない以上、人の手で殲滅する他ない。
覚悟を決めたつもりでも背筋が冷える。頼みは葛城さんのマステマと僕の腰のUZIだけだ。僕はいよいよ死ぬのか?
「いいですよ、貴方と一緒なら」
自らを奮い起たせるべく呟くと、前方に人影が現れた。只ならぬ空気。イヤホン越しに共有される確信。
僕がUZIを引き抜く前に物陰から飛び出した葛城さんがマステマ・射撃を仕掛ける。岩をも砕く弾丸が矢継ぎ早に『それ』に命中するが、悉く弾かれた。マギに直結したPDAがBlood Type-Blueを宣告するが、それは既に僕の眼前に迫っていた。
「痛っっ…」
跳弾が脚をかすめたか、激痛が走る。身動きもままならなくなった僕はただ『それ』を見上げる事しか出来なかった。
そして僕のメガネは初めてはっきりと相手の姿を捉えた…。
(まだつづく?)
225日向マコト@:04/10/30 11:51:58 ID:???
(つづき)
「綾波、レイ?」
「メガネ…碇司令…マッド赤木…好きじゃない」
綾波レイはその場にかがむと、魅いられたようになった僕の頬を撫で上げメガネフレームに手を掛けた。
「だから壊すの…憎いから…」
ピシッ、無慈悲な音が立ち鋭い痛みが走る。
(日向くん)
(分かってます。N2ミサイルを使うんですね。メガネを壊されるよりマシですから)
(すまないわね)
(いいですよ、貴方と一(骨は拾うわ)
葛城さんが安全装置を外したとき、
「待って、綾波!」
「碇くん?」
視線の先にはサードチルドレン・碇シンジ。鼻にはフレームの変形した色メガネ。
「それ、碇司令の…」
「そう、綾波を助けた時のメガネだよ。覚えてるだろ?あんなに大切にしてたじゃないか」
葛城さんが武器を棄て二人に歩み寄る。
「レイ、メガネにあるのは辛いことだけじゃないわ。大事な思い出もあるじゃない。ね?」
「わたし、どんな顔をしたらいいかわからないの…」
「笑えばいいと思うよ」
…綺麗に締めた主役級三人の後ろで、怪我人の僕は忘れられていた。
「脇役の希望は哀しみに綴られているね」
両手足を縛られた痕が倒錯的な少年(パターン青)がつぶやく。
「メガネシンジくん、か。実に行為に値するよ」
226>>220:04/11/02 04:46:30 ID:???
 私はダイニングのテーブルでビールを片手に、料理を作るシンジ君の後ろ背を
眺めていた。この家を離れていたのは数日間でしかなかったが、外国旅行から
戻ってきた時のような安堵を持った。
 テキパキと手際よく料理する彼。
 私も手伝うと言ったら大慌てで遠慮する彼に、苦笑を漏らすのにも楽しさを感じた。
 目の前にいる彼は本当のシンジ君がこの世界に投射している影だとしても、私にとっ
ては、やはり現実なのだと思う。
 ここで体験していることは紛れもない事実。私以外のヒトがシンジ君によって作られ
ているとしても、私にとっては本当の世界と何も変わらない。
 いったい夢と現実の境界線はどこにあるのだろうか。
 そんなことを題材にした古典小説があったが、タイトルは思い出せなかった。
 しかし、ここが偽りの世界である限り、現実というものが存在するはずである。
 現実の自分がどうなっているのか。本当の世界がどのようになっているのかを知り
たいと思うのも普通のことだろう。例え、その現実がどんなに酷いものだとしても。
「ねえ、シンジ君」
 と、私は彼の背中に声を掛けた。
「この世界がシンジ君の夢の中だって知ってる?」
 彼はエプロンで手を拭きながら振り返って、
「夢ですか?」
「そっ、」
「う〜ん、もし夢だったら、ミサトさんを僕と同い年にするかな」
「ん、どうして?」
「そりゃあ、ミサトさんは若い方がいいですから」
「ひっどーい。シンジ君、あなた、女性に対して言ってはならないことを口にしたわよ」
 私はちょっと頭にきて、シンジ君の腹を軽くフックを入れた。
 少し彼は痛がっていたが、
「ミサトさん、ごめんなさい。でも…、」
 途中で言葉を止めた彼の頬は僅かに赤く染まっていた。
 私は胸につまるようなものを感じると同時に、眼前の彼は何も知らないことを確信した。

 ↓
227 ◆8Ml1qhRgOQ :04/11/05 23:46:12 ID:???
○月×日 晴れ

厳罰令が下り、生活態度を調査するということで日記を書かされる羽目に
なった。期限は1週間。アスカの口調で言えば、「いやー、なんでアタシが
こんなもの書かなくちゃいけないのよ」ってなもんだ。

ビールがノートにしみちゃったけれど、たかが1週間なのでと思っていたが
業務日誌書くよりも面倒くさい。

というか、鉛筆なんて今日日だれも使ってないわよ。全く。時代遅れも甚だ
しい限りだ。ということで、今日から1週間、生活のことなどかかずに文句を
垂れる予定なので

そこんところ よろしく  リツコ江
228>>226:04/11/08 13:56:46 ID:???

 久しぶりに3人で囲む食卓に、私は目頭が熱くなるのを感じていた。
 自分の子供時代には得られなかった家族がここにある。
 それがどんなにも貴重なもので掛け替えのないことだと今の私にはわかる。
 だけど、その全てが仮初めであって、砂城のように一瞬にして崩れ去る世界の上で成り
立っていたなんて。
 本当の世界が外にあるのだとしても、ここにある世界もやはり真実の一つであると思う。
 私は失うにしては大きすぎるものを持ってしまったのだ。
 自分の進むべき道を未だ決めかねている私はいつしか深酒と言えるほど飲み過ぎていた。

「ミサトさん、もうビールはその辺で止めた方が…」

 と、シンジ君が声を掛けてきた。
 彼の優しさに私は口元を緩め、

「ありがとう。心配してくれて」
「ええ、心配ですよ。翌朝、二日酔いの介抱をさせられるのは僕なんですから」

 彼はおかしそうに笑い、安心を感じたせいか私は知らぬ間に瞼を閉じていた。

 湖畔の砂浜に座っていたことに気付いた時、私はここが彼の夢の中だと覚っていた。
 月と星の光に照らされる赤い湖水。
 その湖には量産型エヴァの残骸が磔にされたように両手を水平にかかげて立っており、
遠くの景色には山のように巨大なレイの顔が中心から半分だけ転がっている。
 視界に入る全ては焼け野原。
 ヒトどころか微生物一ついないような世界。
 過去の記憶にある風景と一致していた。
 私は目の前に広がる光景に対して思わず、

「シュールな世界ね」

 と呟いていた。
 ゼーレによって発動されたとみられているサードインパクト。
 その結末がこんなものだとは笑い話にもならない。
 私はそばにあった小石を掴み、湖に向かって投げた。
 小さな水柱と音を立てて波紋が広がる。
 ここが夢の中だとしても世界に風波を少しでも立てたかった。
 そんな時、

「ミサトさん」

 と、背後の方から私を呼ぶ声があった。
 私は首を回し、

「シンジ君」

 と言葉を返した。
 シンジ君は私の隣に膝を両手に抱えて座り、

「ごめんなさい。こんなことに巻き込んでしまって」

 そう小さな声で呟くように言った。
 私は彼の横顔を見つめながら、

「謝らなくていいわよ。でも、教えて。シンジ君はどうして私をあそこに呼んだの?」
「……僕は、ただミサトさんに会いたかった」
「私に?」

 シンジ君は首をゆっくりと縦に振った。

「アスカに拒絶されて、それにとても絶望して、……そして、気がついた時には、あの世界を
作っていました。とても、心地よかった。みんな、僕に優しくしてくれて」
「……」
「だけど、やっぱりヒトに会いたかった。ミサトさんにただ会いたかったんです。だから、……、
本当に、ごめんなさい」
「もう謝らないで。私もね、シンジ君に会いたかったんだから。あの世界のシンジ君も、シンジ
君には変わらないんでしょ?」
「はい、たぶん」
「じゃあ、いいじゃない。私は嬉しいんだから、もう謝るのは無しよ」
「……あ、ありがとうございます」

 と、彼は小さく答えた。
 その後、私たちは黙って湖を暫し眺めていた。
 いつまでも明けない夜。
 月の位置が変わらないのは、ここが夢の中だからなのだろうか。

「ねえ、シンジ君。外の世界がどうなっているかわかる?」

 彼は頭を横に振って否定を示し、

「僕にもわかりません」
「そう。……シンジ君は心配じゃないの? 本当の自分がどうなっているのか」
「でも、僕にはどうすればいいのかわからないんです」
「……?」
「どうすれば目覚められるのか。それとも、自分は本当に目覚めたいと思っているのかも」
「だから、渚君を呼んだのね?」
「はい。カヲル君がそばにいるのは気付いていました。空気の中に溶け込んでいるような、
そんな存在なんです。カヲル君は」
「……」
「カヲル君なら、僕を助けてくれるような気がして」
「レイは?」
「綾波は……、もう1人の僕が呼んだんだと思います。アスカに拒絶されて、僕を無条件に
受け入れてくれるのは綾波だけと考えたんだと。……最低ですね。僕は」

 シンジ君は自嘲するように口の端を緩めた。

「ミサトさん。結局、僕は何も出来ませんでした。ミサトさんが命をかけて送り出してくれ
たのに、アスカを救えなかったばかりか、サードインパクトを起こしてしまい、……世界を
こんな風にしてしまった」

 彼の頬を一しずくの涙がこぼれ落ちていった。
「そして、また自分の中に閉じこもっている。本当に、どうしようもないですね」
「でも、シンジ君はやれるだけのことはしたんでしょ?」

 彼は涙に濡れる目を私に向けた。

「だったら、何も悔やむことは無いわ。サードインパクトが起こったと言っても、
またヒトは還って来れるんだし、シンジ君はよくやったわよ。立派よ」
「ミサトさん……」

 彼の涙は勢いを増したが、それはさっきまでの冷たいものでは無いように見えた。
 そして、私の中に湧き上がるちょっとした悪戯心。

「シンジ君は、アスカが好きなんでしょ?」
「えっ!! きゅ、急に何を言い出すんですか? ミサトさん!」

 私は彼の慌てぶりを見て、クスッと笑い、

「だって、あの世界で本当の自分をアスカの姿にしたのは、好きだからでしょ」
「……僕は、」
「アスカを身近に感じていたかったからなのよ」
「……」
「ねえ、シンジ君。アスカに拒絶されたと言ったけど、それは本当なの?」
 シンジ君は自身の両手に視線を移し、それを暫し見つめてから、

「僕が悪いんです。今にして思えば、どうしてアスカの首を絞めたんだろう」
「シンジ君、アスカの首、絞めちゃったの? それは、ちょっちねぇ」
「でも、途中で絞めるは止めました」
「そ、そう。よかった。それで、どうして拒絶されたと感じたの?」
「それから、僕はアスカの上に跨ったまま泣き始めて、……そうしたらアスカが僕を見て、
気持ち悪いって言ったんです」
「う〜ん、それって拒絶だけなのかな。他に何か無かった」

 彼は考えるように目を閉じてから、

「アスカは僕の頬を撫でました」
「撫でたのね?」
「はい、」
「シンジ君。アスカはシンジ君を拒絶なんてしていないわよ」

 と私が言うと、彼は不思議そうな目を向けてきた。
 私は彼に微笑みかけ、

「普通ね、嫌いな人の頬を撫でたりしないわよ」
「……そうでしょうか?」
「そうなのよ。本当に嫌いなら、指一本でも触れられたくないものなの。それがアスカから
触れてきたんでしょ。しかも、頬を」

 シンジ君は黙って肯いた。
 私は星空に眺めながら、

「ちょっち悔しいかな」
「何がです?」
「シンジ君がアスカを好きなことをよ。今、そういう感情が私の胸の中にあるの。
はっきりとそれを感じるの。ホントに、悔しいわ」
「ミサトさんは、アスカが嫌いなんですか?」
「馬鹿ねえ。アスカを嫌いなわけないでしょ。大好きよ。でも、それとは別なの。
だって、これはしっ」
「うっ、」

 突然、シンジ君が苦しそうに頭を抱えた。
 私は急いで彼の前に回り、肩を掴んだ。

「シンジ君!? どうしたの? 大丈夫?」

 だが、彼は返事をすることなく、頭を抱え続けた。
「シンジ君!」

 私は大声で彼を呼ぶ。
 そして、自身の体を支える力が失われた彼を抱きしめた。

「シンジ君!」

 再び彼の名を呼ぶ。何度も呼び続けた。
 と、その時、彼の眼が私の背後の方へ焦点を結んだ。そして、

「カ、カヲル君…」

 と呟いた。
 私がさっと後ろへ首を回すと、そこに渚カヲルが学生服姿で立っていた。

「あなた、どうしてここに?」

 だが、渚君は何も答えずに微笑みを浮かべるだけであった。
 まるで、蜃気楼のように実体が無いような。
 どこかで、これと同じような現象を目にしたことが。
 そう、アスカの病室で見たシンジ君の幻のような…


12月7日

 突如、私は目覚めた。自室のベッドで。
 ダイニングで眠りこけてしまったのは憶えている。
 ということは、シンジ君が運んでくれたのだろう。
 机の上にある時計へ目をやると、深夜3時を針は指していた。
 まだ、酒が残っているのか、少し頭が痛い。
 二日酔いの薬を飲もうとベッドから立ち上がった時、

「シンジ君!」

 さっきまで見ていた夢の内容を私は思い出した。
 私が見ていた夢は、おそらく病室に眠るアスカが見ている夢。
 あそこでシンジ君に異変があったということは、この世界の彼にも何かが起きている
のかもしれない。
 居ても立ってもいられず、私はシンジ君の部屋へ走っていった。
 勢いよくドアを開け、彼のベッドに近寄る。
 すると、大きな物音に気がついたのか、シンジ君は目を擦りながら上半身を起こした。

「どうしたんですか? こんな夜遅く」
「あ、ごめん。なんでもないのよ。ちょっち、シンジ君の顔が見たかっただけなの」
「もう、それだったら朝になってからにしてください」

 と半分くらい寝ぼけながら彼は言った。
「ほんと、ゴメン」

 そう言って、私は彼の部屋を出た。
 ここにいるシンジ君は大丈夫だとすると、やっぱりアスカの方に。
 私は自室へ戻り、身支度を整えた。
 机の引き出しから銃を取り出し、弾倉を確かめる。
 できれば使いたくないが、必要になれば躊躇わないだろう。
 いつもの赤いジャケットに腕を通し、私はドアを開けた。

「レイ、」

 そこにはパジャマ姿で私を見つめているレイがいた。
 予想外のことに私は言葉を失い、ただレイと視線を交わすだけであった。
 暫しの時が過ぎ、

「ミサトさん。行くのですか?」

 と、レイが寂しそうな声で訊いてきた。
 その時、私は別れを予感せずにはいられなかった。


 ↓
お待ちしてましたよ。
頑張ってください。
 
乙です。
最近あまり書かれなくなってたんで、寂しく思ってました。
いやぁ、このミサ×シンな流れがかなりいいっすね。
>>126
今日が11月11日らすィ。でも11:11:11カキコはやらん。
西暦が1111年だったらやるが。
>>日記の人
エヴァ板がなんで無くなんないのか、これを読んで本当に納得しますた。
はっきり言って謙遜すんのは僕に対する冒涜です(´・ω・`)
「神が今宵も光臨してやったぞゴルァ!ひれ伏して嫁!」
みたいな糊でどうぞ
数あるアニメの中でもエヴァは二次創作の素材としては
他に類を見ないほど可能性を秘めている。
だから放映から9年を経過した今でもこうした新たな才能が
生まれ続けるわけで。
案の定、ν速やvipでは1111スレが乱立していますね
245>>237:04/11/11 21:59:55 ID:???
 私は胸の内を隠すようにレイから視線を外し、

「ちょっち病院までね。あと、お願い」

 と言い残し、レイの横を通り過ぎた。
 そして、リビングを抜け、玄関へ行こうとした時、

「ミサトさん」

 と、レイの声が私の歩みを止めた。
 私は彼女の方へ振り返り、

「なに? 少し急いでいるから、手短にね」
「……行っては駄目」
「ん? 病院にってこと?」

 レイは小さくあごを引くように肯いた。

「レイ。あなた、知っているのね? シンジ君やこの世界のことを」
「……はい」
「なら、話は早いわ。今、シンジ君が助けを求めているの。私に何が出来るのか
わからないけど、行かなくちゃならないのよ」
「でも、」

 と、レイは私の眼を見つめて言った。

「碇君はここにいます。今、ここにいる碇君も碇君です」
「そうね。でも、もうひとりのシンジ君が私を呼んでいるの。だから、行くわ」

 私は話を打ち切ろうとレイに背中を向けた。
 しかし、レイの声がもう一度私を振り向かせた。

「行かせない。たとえ、どんなことをしてでも」

 刹那、レイの前に、虹色に輝く六角形の壁が生まれる。
 そして、それは瞬時に私へ向かって広がった。
 だが、

「なぜ…?」

 とレイの小さな声が室内にこだました。
 彼女が展開した虹色の壁は私をすり抜け、背後にあったソファを押し潰しただけであった。

「A.T.フィールド。ヒトが持つ心の壁よね」

 私はそうレイへ語った。

「でも、私はレイに壁なんて持っていないわ」
「…ミサトさん」

 呆然とした様子のレイへ私はニコッと微笑み、

「レイ。あなたも同じよ。あなたは私に壁なんて持っていないの」

 そして、私は彼女へ歩み寄り、優しく、強く両腕で抱き締めた。
 初め、体を硬くしていたレイだったが、徐々に私の方へその小さな全身を預けてきた。

「私、レイが好きよ。大好き。ここでレイと一緒に暮らして、本当に楽しかった」
「……わ、私もです。だから、どこにも行かないでください」

 私はレイからそっと体を離し、彼女の瞳を真っ直ぐに見つめた。

「今ね、もうひとりのシンジ君が大変なの」
「……」
「私、ここにいるシンジ君も好きよ。だけど、あそこにいるのもシンジ君なの」

 レイはきつく結んだくちびるを緩め、視線を僅かに床へ落とした。
 私は彼女の両手を包み込み、

「私にもしものことがあったら、シンジ君をお願いね」
「ミサトさん」

 驚いたように見返してきたレイを私は笑みを見せ、

「大丈夫よ。心配しないで。ここに帰ってくるわ」
「…私、待ってます」
「あんがと。でもね、レイ。あなたも知っている通り、この世界はシンジ君に全てが
委ねられているの。何かが起こって、この世界そのものが消えるかもしれないわ」

 レイは同意するように小さく肯いた。

「その時、私たちはどうなるのかわからない。現実に戻るのか、それともそのまま私た
ちも消えてしまうのか。だけど、レイ、絶対にまた会いましょう。必ずよ」
「……ミサトさん」
「私たちは家族なんだから」
「かぞく?」
「そっ。レイは私の大切な家族よ。いつまでも、ずっとそうよ」
「じゃあ、行くから。夕食には戻ってくるわ」

 と言って、背中を向けた。そして、玄関へ行き、靴を履いていた時、

「ミサトさん」

 と、レイが声を掛けてきた。
 靴を履き終えた私は立ち上がって、

「ん? なに?」
「気を付けてください。この世界は碇君から離れ、自我を持ちつつあります。世界が生き
ようとするその意志は何よりも強いと思います。ミサトさんにとっては、全てが敵かも」
「それは、承知しているわ。レイ。心配してくれて、ありがと」
「……碇君を頼みます」
「わかった」

 レイは何かを言おうと口を開き掛けたが、すぐに一歩踏み出すと、私に抱きついた。
 私の胸に彼女は顔を強く押し当て、

「ミサトさん。私、ここに来てよかった。生まれてきてよかった」
「……」
「たとえ、どうなろうとも、私、必ずミサトさんに会いに行きます」
「私もよ。レイが嫌って言っても、会いに行っちゃうから」

 私はレイの目元にある涙を親指でそっと拭い、

「じゃあ、行ってきます」
「行ってらっしゃい」

 そう言ったレイの声を心の一番奥に記憶させてから、私をドアを開けた。

 ↓
249名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/11/12 18:57:27 ID:uc7g+1Lr
それで世界中かシンジかの選択が出るんか、なるぽろ
日記age
ミサトさん乙
レイともいい関係を結べてよかったと思いまする。
すぐ終わっちゃうと思ってたけど、結構長く続いて
くれてよかった。
続きを楽しみにしてます。
ここのミサトさんは大好きだ
253>>248:04/11/16 04:24:08 ID:???

 月夜。誰もが眠りの中にいる時間、私はアルピーヌ・ルノーA310を走らせていた。
 12月の風は凍気を含みフロントガラスに白い膜を作る。
 すれ違う車は一台も無く、私は更にアクセルを強く踏んだ。
 ラジオから流れる古いポップス。
 私はそれを一緒に口ずさみながら、これからのことを考えていた。
 病院にいるアスカ。
 彼女はシンジ君がこの世界に投影した姿でもあった。
 その彼女の身に何らかのことが起きたのを確信している。夢の中で会ったシンジ君に
異変があったのだから。
 私が彼女の元に行って何が出来るのか。全くわからない。
 でも、行かなくてはならない。
 その結果、この世界が消えてしまうようなことになったとしても。
 私は彼を助けたい。ただそれだけ。

── 待ってて。シンジ君。

 心の中でそう呟く。
 そして、私はヘッドライトが照らす先、その遙か向こうへと視線を注いだ。


 暫くして、中央病院に着くと、私は駆けるようにしてアスカの病室へと向かった。
 非常灯だけの暗く静かな廊下に足音が響き渡る。
 途中、ナースに注意されたような気もするが、かまわずに走り抜けた。
 最上階、特別フロア。この階には5部屋しか病室はなく、しかも今、患者が居るのは
一部屋だけ。アスカ、いや、シンジ君のいる一番奥の病室だけだ。
 これだけ走ったというのに息はそれほど苦しくない。ネルフ時代の軍事教練がこんな
ところに活かされてなんてと、少し口元を緩めながら角を曲がった。

「あっ、」

 と声を小さく上げて、私は足を止めた。
 病室のドア横で、背中を壁に寄り掛けて立っている人影が見える。
 私の知る、そして、会いたくなかったヒトが。

「よお、葛城。こんな夜中に何の用だい?」

 加持君はとぼけた顔でそう言うと、背を壁から離し、私に向かって右手を上げた。
 私は下唇を軽く噛み、それからゆっくりと歩き出した。

「加持君こそ、どうしてここに?」
「俺か? 俺は葛城を待っていたのさ」
「私を、?」
「おまえは必ずここに来る。そう思ったからさ。ま、かれこれ5時間以上、ここに居たがな」

 加持君は苦笑して、頭の横を指で軽く掻いた。

「アスカへ会いに来たんだろ」
「そうよ。アンタたち、アスカに何もしていないでしょうね?」
「そのことなんだが、……」

 一旦、彼はここで言葉を止めて、僅かに口ごもった後、

「アスカはりっちゃんが連れて行ったよ」
「えっ! どういうこと!?」

 と言うが早いか、私は加持君の横を通り抜け、病室に入っていった。
 そして、私が見たのは、彼の言葉通りにもぬけの殻となった室内であった。
 非常灯のオレンジの光が照らす中、アスカが寝ているはずのベッドには真っ白の
シーツが皺一つ無く敷かれているだけだった。
 刹那、呆然となってしまった私に、背後から声が掛けられた。

「アスカの居場所を知りたいか?」

 瞬時に、私は振り返ると、そこに立っていた加持の胸ぐらを両手で掴み上げた。
 無意識に強い力をこめていたらしく、つま先立ちするように彼の体がすっと浮かんだ。

「アスカはどこ? 教えなさいっ!」

 私は大声で詰問した。
 だが、彼は息をするのも苦しそうな声で、

「葛城、…手を離してくれないか。……これでは何も話せん」
「えっ、あ、」

 自分のしていたことに気付き、私は彼から両手を離した。
 加持君は喉元を左手でさすり、息を整えてから、

「相変わらず手が早いな。おまえは。…ま、そんなとこも嫌いじゃないんだが」
「で、アスカはどこなの?」
「教えるのに一つ条件を付けたいんだが、いいか?」

 そう言った彼の顔色は苦渋に満ちたものだった。
 条件など関係無い。力ずくでも訊きだしてやる。本来なら、そう思っていただろう。
 しかし、彼のその表情が気になって、

「いいわ。聞いてあげる。でも、条件を呑むかどうかは別よ。それは覚えておいて」
「いや、オマエは受け入れるさ。オマエが望んだものでもあるんだからな」
「なによ? それ」
「俺の条件は、ただ一つ。葛城、おまえにしたプロポーズの言葉にYESと返事をすることさ」

 私の脳裏からすっかり消えていたこと。
 それが今、こんな形で彼の口から出てくるなんて、

「アンタ、なに言ってんのよ。ふざけないで!」
「俺はいたってマジメなんだが」
「どこがよっ!」
「なあ、葛城。俺はりっちゃから、この世界の真実を聞いたよ」
「えっ、」

 彼の言葉に、私は燃え盛っていた熱が急速に冷めるのを感じた。

「ここはシンジ君の夢の中なんだってな。まあ、普通ならそれを信じることは無理なんだ
ろうが、俺はすんなり信じた。あー、なるほどなって、な」
「……」
「一ヶ月と半くらい前か。おまえと再会したのは。そう言えば、あの時も場所はここだったな。
思えば、俺はあの時に作られたのかもしれない。シンジ君に、いや、この世界にか」
「……加持君、」

 彼の名を言うだけで、私は他に言葉を持たなかった。
 ただ彼の顔を見つめることしかできなくて。
 一見、落ち着いているような素振りを見せる加持君も心に動揺が少なからずあるの
だろう。ジャケットの内ポケットからタバコを取り出し、口にくわえたが、ここが禁煙室だ
と思い出しのかすぐにまた仕舞い込んだ。そして、誤魔化すように苦笑を浮かべて、

「葛城、RPGって知っているか?」
「それくらいは知っているわよ。アスカがよくゲームをしてたから」
「だったら、わかるだろ。俺はこの世界の中でロールプレイングをする1キャラだった
ってわけさ。俺が未だにオマエを好きなのも、そう演じることを命じられたからにすぎ
ない。そういう役割を与えられたってことなのさ。……ホント、笑える話さ」

 と、ここで、加持君は瞼を閉じた。
 ほんの数秒だったが、私は彼が口を閉ざしている時間がとても長く思えた。

「なあ、葛城。俺がオマエにプロポーズしたのも、そういう使命を与えられたからなんだ
ろうな。それはおそらく、おまえをこの世界に引き留めておこうとするため」
「……」
「だがな、葛城。たとえ、俺の感情が作られたものだとしても、おまえを好きなこの気持
ちは紛れもない事実だ。それに偽りはない。おまえには、そのことをわかってほしい」
「……わかっているわ」

 私は胸の奥底から絞り出すように声を出した。

「加持君は平気で他人に嘘をつくけど、自分自身の気持ちには嘘をつかない人よね」
「おいおい、ずいぶんな言いぐさだな。……ま、過去に自分がしてきたことだから言い
訳はできないか」
「そうね。加持君にはさんざん騙されてきた。最後には、勝手に死んじゃったし」
「それを言われるとつらいな」

 と言って、彼は小さく笑ってから、

「葛城、結婚しよう。この世界で一緒に俺と生きていこう」
「加持君、」

 真っ直ぐに私を見てそう話す彼へ私の気持ちが大きく振れた。
 だが、

「この世界の崩壊はりっちゃんが食い止めようとしている。なに、大丈夫さ。上手くいく」
「……」
「それに、この世界がシンジ君の夢だとしても、いつまでもそうじゃないさ。俺が自我を持
とうとするように、この世界自身もシンジ君から離れようとしている」
「……」
「たとえ、外の世界がどうなっていようと俺たちには関係無いさ。ここに生きる俺たちにとっ
ては、この世界が真実なんだ。……シンジ君には悪いが」
「わたし、」

 自分の頬に一しずくの涙がこぼれ落ちるのを感じた。

「あなたとは一緒になれない」
「どういうことだ?」
「今まで、ずっと迷ってた。あなたからのプロポーズを望んでいたはずなのに、
どうして素直に返事を言えないんだろうって。でも、やっとわかった」
「……」
「あなた、加持君じゃないもの」

 一瞬、沈黙がこの室内を覆った。

「あの時、加持君は死んだ。それが今、ようやくわかった。……私はこの世界を
恨むわ。加持君を2度も失うなんて。それがこんなにもつらいなんて。でも、私は
それを受け入れる」
「……」
「本当に、あなたは加持君そのものよ。でも、やっぱり違う。さっき、言ったわよね。
自我を持とうとしているって。そうなのよ。あなたはあなたって存在になった。もう、
加持君とは別の人なのよ」
「……そうか。そういうことか。自分を持とうとして違う人間になるとは、なんとも皮
肉な話だ。だが、俺のことはどう思っているんだ? 俺個人としては」

 私は自分の想いをそのまま彼に伝えた。

「あなたのことは好きよ。でも、愛していない。それに…」
「シンジ君か?」

 息を呑んで私は彼を見つめた。

「なんとなく知っていたよ。シンジ君を愛しているんだろ?」
「……シンジ君を愛しているわ。でも、シンジ君を男の人として好きというの
は違うと思う。ちょうど、あなたとは逆ね」
「今はそうかもしれんが、これからどうなるかわからないさ。ヒトの心は複雑
だからな」
「……ごめんなさい」
「いや、謝らなくてもいい。俺は葛城と会えてよかったよ。そう思えただけで
じゅうぶんさ」
「加持君…」

 彼はくすっと忍び笑いをし、

「その名前で呼んでくれるんだな。ちょっと不安だったんだ。これでも自分の
名前だからな」
「……ごめん」
「さて、どうしようかな。葛城は俺の条件を蹴ってくれたし、俺としてもこのまま
すんなり教えるのもちょっとシャクだし、まいったな。これは、」

 私はここに来た理由をハッと思い出し、彼へ詰め寄った。

「それとこれとは別でしょ。シンジ君が大変なのよ。急いでいるの。早く教えて」
「だが、そのことが原因でこの世界が消えるとしてもか? この世界に生きる俺
としては重要な問題なんだ。まさに、生死をかけるほどのな」

 確かに、自分が彼の立場だったら、そう考えるだろう。
 でも、やっぱり私にとって今一番大切なのシンジ君。
 それは他に代わるものがないほど。
 私は決意を固め、懐の銃に意識を向けながら、

「加持君。教えて。お願い」

 私たちは見つめ合い続けたが、不意に彼は頬を緩めた。

「わかった。りっちゃんのとこに案内しよう」
「えっ、いいの?」
「ああ。俺もな、この行く末を知りたいのさ。本当のシンジ君が今、何を想い、この
世界をどうしたいのか。それが何であれ、興味深いことだと思わないか?」

 と言って、彼は私に向かってウィンクした。
 そこに私のよく知る彼を見つけ、

「あなた、ホントに加持君とうり二つね。まったく馬鹿よ。命が掛かっているというのに」
「まあ、その方が俺らしいだろう」

 この時、室内に充ち満ちていた重苦しい空気がすっと軽くなるのを、私は感じた。


 ↓
ところで、ミサトさんを好きな人は、カップリング的にはミサト×シンジと
ミサト×加持のどちらが多いのでしょうか?
263腐女子:04/11/16 12:17:26 ID:???
加持×シンジ
ミサト×加持のがいいな
ミサトとシンジは姉と弟って感じのが好き
ミサト×俺
通ならミサト×日向
267>>261:04/11/17 05:40:18 ID:???

「本部の地下とは、何のひねりも無いわね」

 アルピーヌ・ルノーのハンドルを握りながら、私はそう口を開いた。
 助手席でタバコを吹かせている加持君は青白くなりつつある空に目をやりながら、

「まあ、大概にして真実とはそんなもんさ」
「そうだけど…」
「だが、その場所を葛城は知らないだろ?」
「いつ作ったのよ?」

 自分の知らない本部内施設。
 彼の話では地下800mに位置する大規模なラボということだった。
 それはまるで旧ネルフ本部のターミナルドグマを思い浮かばせた。

「さあな。俺も昨日、初めて行ったんだ。詳しいことは何も知らないのと同じさ。ただ、
りっちゃんと冬月所長はそこをかなり以前から利用していたみたいだ」
「ネルフの頃と同じね」
「そうだな。……だが、本当にそれが昔からあったのかは、今となっては疑問だな」

 彼はまだ半分くらい残っているタバコを車の灰皿へ無造作に押しつけて消した。

「この世界が、りっちゃんたちを後押ししているのは明らかだ」
「ということは、」
「ああ、昨日、突発的に出来た可能性も大だ。それに付随する記憶も一緒にな」
「もう何でも有り。ホント、漫画みたいな話ね」
「まったくだ」


 今、長野の市街地から松代へと通じるバイパスを走り抜けている。
 時折、すれ違う車のヘッドライトが私の網膜を刺激し、それが心の中を
照らすようでもあった。
 私は1年前の出来事を思い返す。
 あの時、ゼーレや碇司令は人類補完計画の実行を真の目的としていたが、
末端で動く私たちはサードインパクトを止めようと使徒と戦っていた。
 私自身は父の敵討ちという意味合いがあったことは確かだ。
 でも、それだけでは無かった。
 おこがましい考えかもしれないが、世界を救おうという気持ちはあった。
 だから、今のリツコたちの気持ちがわかる。
 彼女たちからみれば、この世界を壊そうとするものは使徒と何ら変わらない。
 だから、この世界において異分子である私は使徒と同じ存在と言えよう。
 そんな私自身は世界をどうこうとは考えていない。
 ただ、シンジ君を助けたいだけ。
 けれど、その結果、私はこの世界に生きる人たちを消そうとしているのかもしれない。
 果たして、私にそのようなことが許されるのだろうか。

「葛城。一つ言っておかなければならないことがある」

 物思いにふけっていた私に加持君が声を掛けてきた。
 私は横目で彼の顔をちらっと見て、

「なによ?」
「これから行くところに渚カヲルもいるんだ」
「どういうこと?」

 意外と言えば意外。
 だが、どこかで予想していた事態に私の心は落ち着きを保っていた。

「実はな、昨日、中央病院の近くで彼を見つけたんだ。アスカに会おうとしてい
たみたいだな。で、彼を拘束しようと保安部を総動員したんだが、それがことご
とく返り討ちにあってしまったよ。彼にA.T.フィールドがある限り、我々には触れ
ることも出来ないってわけさ」
「じゃあ、どうやって彼を捕まえたのよ」
「それが、全く都合のいい話なんだが、突然、彼が胸を押さえて倒れたんだ。
で、そのまま彼は意識不明で、我々はやっと確保できたというわけさ」
「この世界が介入したのね」
「おそらくな」
「……」

 どこまでもご都合主義的な展開に私は溜め息を漏らさずにはいられなかった。
 そんな私の心境を知ってか知らずか、彼の声は深刻さを伴っていた。

「りっちゃんは、渚カヲルを使って何かをしようとしている」
「何かって?」
「そこまでは教えてくれなかった」
「……」
「だが、その目的は、はっきりしている。この世界の安定化さ」

 彼は再びタバコを取り出して、火を付けた。
 そして、軽く一息吸い込んでから、

「りっちゃんは俺とは違って甘くないぞ。どのような手段も躊躇ったりはしない
だろう。おまえだからといって、手加減することもない」
「……わかってる」
「葛城。おまえは赤木を撃てるのか?」
「……」
「俺たちはたとえ死んだとしても、この世界の都合で生き返るかもしれん。しか
し、おまえは違う。外の世界に実在する肉体を持つんだ。それゆえ、この世界
での死がそのまま魂の死となり、現実のおまえは死を迎えることとなる」
「……」
「撃たなければ死ぬんだ。だが、その覚悟がおまえにはあるのか?」

 私はきつくハンドルを握ぎり、

「そんなこと、その時になってみなければわからないわよ」

 と呟くように答えた。
 加持君はシートに身を沈めて、

「ま、そりゃそうだな」

 と短く呟いた。

 その後、私たちは会話を交わすこともなく道を急いだ。
 暫くして、本部の駐車場に車を止めて、私たちは外に降り立った。
 既に陽が昇り始めた空を灰色の雲が覆い、吐く息が一瞬にして霧氷とな
りそうなほど空気は凍てついている。
 だが、空を見上げると雲の隙間から朝日が零れるように射しており、何か
がその光を反射してキラキラと輝きを放っていた。
 刹那、私の頬をその何かが触れた。
 白く冷たいそれが。

「ゆき」

 掌を胸元に置くと、そこに雪の粒が次々と舞い降りていった。
 14歳の頃、南極にいたとき以来、初めての雪。昨年は、まだ季節が不安
定で降らなかった。
 私は雪を見ると、どうしても父を思い出さずにはいられない。
 あの時、父は命を賭して私を送り出した。
 今、私は父のことが未だ理解できないとしても、少しは近づけたような気が
している。
 だけど、父と、そして1年前の自分と同じ轍は踏まない。
 残された方がよりつらいのだから。

「加持君、行きましょう」

 私は顔に降りかかる雪を払い除けることもなく、本部施設へと歩みを進めた。


 ↓

 旧ネルフ松代試験場を基に作られた本部施設。
 かつてエヴァ三号機によって爆破されたケイジを含む広大な敷地を有している。
 その立ち入り禁止となっているケイジ跡に、秘密ラボの入り口があった。

「まさか、ここがまだ生きていたなんてね」
「そうだな」

 と言って、加持君はエレベータのドア横にある網膜認証器に右目を近づけた。
 そして、カードリーダーにIDカードを通すと、すっとドアが開いた。
 私たちが中に乗り込むと、彼は最下層のボタンを押す。
 すると、微かな機械音を響かせながら籠は動き始めた。

「ねえ、加持君」

 と私は彼の名を呼んだ。
 正直、この名前を言うのには躊躇いが無いわけではない。
 加持と同じ容姿・記憶を持っていても、彼は違う人であるのだから。
 でも、彼を1個人として認めなければならいと思う。
 つらいけれど。

「ん、何だ?」
「本当に、リツコが何をしようとしているか見当がつかない? ここに一度は
来ているんでしょ。現場を見て、何か感じたことは?」
「見当か。俺が見たのは、まだ準備の初期段階だったからな。アスカと渚カ
ヲルがキーとなっていることは確かだが、全てはりっちゃんの心の中だ」
「そう…」
「ただ、この世界は夢の中だが現実の物理法則に大概は沿っているから、
そう突飛なことをするわけではないと思うが」
「そう願いたいわね。でないと、私には手の施しようがないわ」
「全くだな」

 と言って、彼は軽く笑った。
 しばくして、エレベーターが止まり、ドアが開く。
 そして、薄闇に包まれた廊下を長く進んだ先に、鋼の扉が私たちの歩みを
塞いでいた。
 扉の横にあるプレートには『人工進化研究所 4号分室』と記されている。

「これは…」
「そう。ネルフの遺物さ。何かをするには、いかにもって場所じゃないか」
「けど、はまり過ぎよ」
「ま、そうだな」

 彼はカードキーを胸ポケットから取り出し、

「じゃあ、行くぞ。中で、りっちゃんが待っている」

 と言い、カードリーダーに挿した。
 鈍い音を立てながらドアが開き、私はその中へ静かに足を踏み入れた。

 ↓
ワクワク
ぅぅぅ加持さんカッコイイ
GJ!
面白くなってきました。
渚カヲルでも意識不明になってしまうほどの世界を維持しようとする力。
ミサトはたどりつけるんだろうか…。
LMSの境地に。
LMS作品って無理矢理二人をくっつけるために
ミサトやシンジの性格を都合良く改変しているものが多いんで
あまり好きじゃないんだけど、この作品はちゃんと
原作っぽい性格を踏襲してるから好感が持てるね。
原作終了後の一つの可能性、という感じがする
278>>273:04/11/22 18:04:15 ID:???

 眩いばかりの光にあふれた室内。
 先ほどまで薄闇の中にいた私は眩暈に陥りそうになった。
 瞬きを数度ほどする。
 まだ眼は光に慣れていないが、それでも室内を見渡せることはできた。
 広い空間。かつてのダミープラントほどはあろうか。
 だが、あの忌まわしい水槽はなく、代わりに室内中央に人が入れるほど大きな試
験管状の容器が横になって置かれていた。その容器の左右には幾本ものチューブ
やケーブルが繋がっており、それは天井の方へと延びている。
 そして、容器の横にコントロール装置とMAGIの端末と思われる機械が2台置いて
おり、そこにあるイスにリツコが腰を掛けていた。
 私はリツコへ向かって足音を僅かに立てながら歩いていった。
 徐々に近づく。
 すると、遠目ではわからなかった容器内部が目に入ってきた。
 オレンジ色の液体、LCLで満たされた中に渚カヲルが頭部にインターフェース・ヘッ
ドセットを付け、裸で横たえられている。
 私はリツコへ向けていた足を、彼の方へ変えた。
 その透明な容器表面に両手をつき、内部を見る。
 渚君は両目を閉じ、眠っているかのようであった。
 しかし、胸が微かに動いているのがかろうじて確認できる。
 私は少しだけホッとしたが、すぐさまリツコへ振り返り、

「リツコ! これはどういうこと?」

 彼女はイスを回して私の方を向くと、眼鏡を外して立ち上がった。
 右手に持ったメタルフレームの眼鏡はそのまま白衣の胸ポケットに落ちる。
 リツコは質問には答えずに、目線を私の背後の方へ注いだ。

「上手くいったようね?」
「いや、プロポーズは断られたよ」

 加持君は私の隣に並ぶと、苦笑を漏らしながらそう言葉を返した。

「なら、ミサトをどうしてここへ?」
「りっちゃん。その辺は言わなくてもわかるだろ」

 数瞬の間を置いて、リツコはふっと溜め息を漏らすと、

「予想していなかったわけではないけど、あなたって人は…」
「まあ、そう言わないでくれ。これでも俺はかなりショックを受けているんだ」
「アンタたち、勝手に話をしないで私の質問に答えなさい!」

 蚊帳の外に置かれていた私は、しびれを切らすように声を上げた。
 リツコは私に目を移し、

「私たちの敵かもしれないアナタに教えると思って?」
「……だけど、」

 と、私は言葉をつまらせる。
 確かに、リツコの言うことは当然であろう。
 でも、それでも訊かなければならない。どうしても、

「リツコ。教えてくれないのなら、私は力づくでも訊くわよ」

 私とリツコの間を隔てる約3メートルほどの距離。
 その空間を私たち二人の視線が絶え間なく交差する。
 数秒に渡る無言の会話。
 そして、

「ミサト。私の質問に答えてくれるのなら教えてあげてもいいわよ」

 と、リツコが氷原に響くような声で切り出した。

「質問?」
「そう。私もミサトに訊きたいことがあるの。交換条件としては平等じゃなくて?」
「……いいわ」

 私はリツコの条件を呑むことにした。
 今さら私が隠し事をする意味も無いし、逆にそのことから新たな情報が得られる
かもしれない。少なくとも渚君の状態については聞けるはずだ。

「交渉成立ね。じゃあ、私の方から先に訊くわよ」

 と、リツコは私に目を合わせたまま言った。

「何よ。言っとくけど、私の知らないことには答えられないからね」
「わかってるわ。ミサト。私は無理な注文をするほど馬鹿じゃないわよ」
「……」
「私が訊きたいことはただ一つ。ミサト、どうしてアスカの病室へ行ったの?」
「どうしてって……、アスカの見舞いに」
「夜中に行く必要は無いはずよ」

 一瞬、私は迷う。
 しかし、自分が見たものをそのままリツコに話すことに決めた。

「夢。夢の中で見たのよ。シンジ君を」
「ミサトが見た夢の中で?」
「そう。だけど、たぶん病室で眠るアスカの夢。現実のシンジ君が見る
もう一つの夢よ」
「……」
「その中でシンジ君といろいろ話をしたわ。だけど、急にシンジ君が苦し
みだして、そうしたら渚君が現れて。……だから、アスカのところに行っ
たのよ。きっと、何かあると思って」
「そう、彼が現れたの」

 そう小さく呟くようにリツコは声を出した。
 少しの間、彼女は考え込むように口をつぐんでいたが、

「ミサトが夢の中で見たシンジ君はどういう姿だった?」
「どういうって、シンジ君はシンジ君よ」
「今と同じ?」

 リツコにそう言われ、私は暫し記憶を探った。
 そして、私は気付く。

「あっ、そう言えば、シンジ君の体は小さかった。中学生の頃のまま」
「……可能性は残されているというわけね」
「どういうこと?」

 リツコは僅かに頬を緩め、私の方に歩み寄ってきた。
 渚君のいる容器のそばまで来ると足を止め、彼へ視線を注ぐ。

「実験をしていたのよ

 と、彼女は渚君を見たまま口を開いた。

「実験って、何の?」
「彼の意識とアスカ、いいえ、シンジ君の意識を連動させる実験よ。エヴァのシン
クロシステムを応用してね」
「何のためにそんなことを?」
「この世界を構築するのにシンジ君だけでは負担が大きいからよ。現実のシンジ
君が耐えられなくなる日もそう遠くないわ。アスカがこのような状態なのも、それが
原因のはずよ」
「……」
「だから、彼にもこの世界の構築を分担してもらうの。夢の共有化と言ったところか
しら。あなたが見た夢の中に彼が現れたということは、どうやら上手くいったようね」
「リツコ。あんた……」

 私の声は気付かずに震えていた。

「現実の彼は未だ使徒としての形態を持っているはずよ。生命の実を宿している
彼ならば、多大な負担にも耐えられるんじゃないかしら」
「ひとりの少年を生け贄に捧げようっていうの?」
「生け贄、ね」

 リツコは紅いくちびるを歪め、

「かつて、私たちがエヴァにシンジ君たちを乗せていたのも同じじゃなくて? レイ
なんて、まさに補完計画のための生け贄よ」
「だからって、また同じことを繰り返そうっていうの!?」
「その通りよ。ミサト」
「リツコっ!」

 既に、頭に血が上っていた私はリツコへ掴みかかろうと足を踏み出した。
 しかし、絶妙の間で、彼女は白衣を翻して私に背中を見せる。

「ミサト。ついてきなさい。シンジ君のこと知りたいでしょ?」
「そうよ。アスカ、シンジ君はどこ?」
「今、見せてあげるわ」

 そう言うと、リツコはパンプスの踵を小さく鳴らせながら歩き始めた。
 私と、それまで黙って私たちを見ていた加持君が彼女の後を追う。
 このラボの入り口とは反対側、その隅にある一枚のドアを私たちは通り抜けた。

「ここは…」

 と、私は思わず呟く。
 私のよく知る光景と同じ、エヴァの起動テスト試験場の管制室とほぼ同じ場所だった。
 そして、前方にある窓から見えるアレは、

「エヴァ、」

 そう呟いて、私は走って窓辺まで行くと、強化プラスチック窓の表面に両
手をついた。
 私の目に映ったのは、初号機や弐号機のように幾千もの装甲で覆われてはなく、
筋肉繊が剥き出しになった巨人。その腹部中央には巨大な深紅の光球、コアが見
えていた。
 私は全身を細かく震わす。それは怒りとも怖れともわからない感情だった。
 そんな私の背中にリツコが声を掛ける。

「そうよ。エヴァの素体。ドイツ支部に残っていたアダムのコピーから、ここまで培養
させるのに一年かかったわ。まだ、完全ではないけど、今はこれでじゅんぶん」

 私はリツコへ振り返り、

「どうして、こんなものがあるのよ!?」
「あら、備えは常に必要じゃなくて。使徒が再び現れないとは限らない。フォー
スインパクトの脅威は消えたわけではないわ。その時のためにもエヴァは必要
なのよ」
「でも、エヴァなんて私たちの手に余るわ。結局、エヴァがサードインパクトを誘
発したのよ。だいたい、今までどうして私にこのことを黙っていたのよ?」
「話していたらアナタが賛成すると思う? 絶対に反対していたでしょ」
「当たり前じゃない!」

 そう大声で私が叫ぶのにも、リツコは怯むこともなく、

「なら、初めから協議する余地は無かったってことね」
「アンタ…」
「落ち着きなさい。ミサト。冷静に判断できないようでは後悔することになるわよ」
「言われなくてもわかってるわよ」

 そう言葉を返したものの、私の怒りは静まりそうにもない。
 しかし、次に目にしたものがそんな私の感情を吹き飛ばすことになった。

「ミサト、見なさい」

 と言って、リツコはコントロールパネルのボタンを押した。
 管制室にある何台ものモニターが一斉に輝き、映像を表示する。
 そこに映ったのは私のよく知るエントリープラグの内部。そして、

「アスカ!」

 エントリープラグ内部にあるパイロットシートにはアスカが身を沈めていた。
 プラグスーツは着ておらず、一糸まとわぬ裸体に赤いヘッドセット・インター
フェースだけをその麻色の髪につけて。

「リツコ。これはどういうことよ!?」

 私は射抜くような目線をリツコに向けた。
 だが、彼女は微笑さえ浮かべて、

「これから、エヴァの起動試験をするわ。ミサトもちょうどいい時に来たわね」
「起動試験? エヴァを動かそうというの?」
「違うわ。あのコアにはまだ魂が入っていないもの。エヴァが起動することは
できないわ」
「じゃあ、何のために……って、まさか、リツコ」
「相変わらず勘はいいわね」

 リツコは更に笑みを大きくさせた。

「そうよ。ユイさん、シンジ君のお母さんと同じようになってもらうの」


 ↓
もし、ここで終わっても、仮のラストを書いているし、一応、
完結していることになるのかなと思っちゃったのは秘密。
287名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/11/24 21:30:47 ID:foWT96Wu
なんか映画化してほしい勢い
あげちまった・・・
最低(ry

 彼女の言葉に、私は目を大きく見開いていた。
 あまりの途方もなさに、いや、馬鹿馬鹿しさに半ば呆れ返るような感じでもあった。

「うそ。冗談でしょ?」
「どうして私がミサトに冗談を言わなければならないの?」
「だって!、何のためにそんなことするのよ!?」
「シンジ君をこの世界に固定するため」

 白衣の胸ポケットから眼鏡を取り出し、リツコはそれを再びかけた。
 彼女は右手を腰元にあるポケットに入れたまま、

「シンジ君の魂をエヴァという檻の中に閉じ込めるのよ。そうすれば彼の命が続く限り、
目覚めの時を迎えることはないわ」
「そんなの馬鹿げているわ。第一、シンジ君が死んでしまっては元も子もないじゃない」
「可能性よ。ミサト、アナタが見た夢でシンジ君は一年前の姿だったと言ったわよね?
それに賭けるのよ。現実の時間とこの世界の時間の流れに差違があることに」
「時間?」
「仮に、現実の時間が一分間ほど流れる間に、この世界で一年が過ぎているとすれば
どうなる? シンジ君が死を迎えるまで、ここでは悠久の時を過ごすことになるわ」
「……」
「今のままでは、私たちに残された時間はあまりにも少ない。今にもシンジ君は目覚め
ようとしているわ。なら、私は可能性に賭けてみる」
「そんなこと、させない」
290>>289:04/11/25 01:12:32 ID:???

 私はジャケットの内側に右手を入れた。
 鋼の冷たい硬さが手に伝わる。
 そして、それを握りしめ、リツコへ向けて右腕を伸ばした。
 手に持っているのは銃。ただ、それだけ。
 私の中にある感情もただ一つ。
 さっきまで爆発しそうな怒りは既に無い。逆に、私は凍えるほど冷たい声で、

「リツコ。お願いだから、止めて」

 と言った。
 私の視線は彼女へ一直線に向けられている。
 リツコの右手に握られているリボルバー式の銃へと。
 向かい合う銃口。
 私たちを隔てている距離は約5メートル。
 今にも切れそうな均衡の糸が私たちの間を繋げていた。

「一年前、私は世界を壊そうとしたわ」

 と、リツコが口を開いた。

「碇司令のためなら、どんな汚いことにも手を染めた。それが、私。ミサトも知って
いるはずよ」
「……」
「でも、結局、碇司令は最後まで私を見てくれなかった。馬鹿な女よね」
「…リツコ……、」
「今さら、私に躊躇うものはないわ。たとえ、どんなことでも」
「どうして、そんなにまでこの世界のために尽くすの? ここは虚構にすぎないのよ」

 リツコは薄い笑みを浮かべて、

「さあ。どうしてかしら。……今の私は私であって、私ではないのかも。私はこの
世界に操られているのかもしれないわね。私という存在は、現実の赤木リツコで
はないのだから」
「……」
「でも、私がすることで、この世界にいる20億もの人が生き続けることになるなら、
それは素晴らしいことだと思わない?」
「それがシンジ君と渚君、二人の少年を犠牲にすることになっても?」
「全てを救うことは無理。なら、どちらを取るか。昔、軍にいたミサトならわかるん
じゃないの?」
「……わからないわ。そんなのわかりたくもない」

 私は小さく首を横に振ってそう答えた。

「リツコには悪いと思う。この世界に生きる人たちにも恨まれるわね。でも、シンジ
君は返してもらうわ」
「そう。交渉決裂ね。残念だけど」
「……」
「おまえら、いい加減にしろ。銃を下ろせ」

 突然、加持君の声が私たちに浴びせられた。
 それまで一言も発しなかった彼。正直、私は彼がここにいたのを忘れていた。
 リツコに注意を向けつつ、私は彼に話し掛けた。

「加持君。私がここに来た理由を知っているでしょ。黙って見ていて。お願い」
「黙ってられるわけ無いだろ。りっちゃんもよさないか」
「裏切るの? 加持君。あなたはこちら側の人間なのよ」

 とリツコが言った。

「元々、俺は葛城と一緒になりたかっただけで、りっちゃんの仲間になったつもりはない」
「そう。まあ、いいわ。私の邪魔をしないのなら」
「俺がこの状況で指をくわえて見ていられるならな。だが、止めさせてもらうぞ」

 私のそばにいた加持君がリツコの方へ歩き出す。
 それが、私たちの均衡を破った。
 リツコの指が引き金を引くのをスローモーションのように私の眼は捉える。
 しかし、一瞬、私は躊躇してしまった。
 過去、彼女との思い出がそうさせたのかもしれない。
 そして、室内に響き渡る一発の銃声。
 だが、その刹那、私は横からの強打により吹き飛ばされていた。

「くっ、」

 と声を漏らし、私は立ち上がろうと左手を床についた。
 そして、さっきまで私の立っていた場所へ顔を向ける。

「加持君っ!!」

 そこには床の上に仰向けで倒れている彼がいた。
 私は飛ぶようにそこへ行き、加持君を胸に抱きかかえた。
 彼の右胸から血が広がり、白いシャツを赤く染め上げる。

「加持君!」

 彼の名を大声で呼ぶ。
 すると、加持君は閉じていた瞼をゆっくりと開けた。
 だが、その瞬間、彼の口が咳き込み、鮮血を吐き出す。
 私はどうしていいかわからず、ただ彼の名前を呼ぶしかなかった。

「加持君。加持君…」
「無事か? 葛城」

 彼は血を吐きながらも声を出した。

「無事よ。だから、何もしゃべらないで」
「そうか。よかった」

 と言って、赤く濡れた口元を彼は緩めた。

「バカ。どうして、私なんか庇うのよ」
「…おまえが、りっちゃんを、…撃てないことくらい、わかっていたさ」
「だめ。しゃべっちゃ駄目!」

 しかし、彼の口は閉じようとはせず、

「…ただ、目の前で、惚れた女が、…死ぬのを見たくなかった、だけだ」
「加持君…」
「だ、だから、……気にするな」

 と言い終えた時、彼の体から力が消えた。
 見開いたままの彼の眼。だが、もうそこに光は宿っていない。

「加持君…」

 私は彼を抱き締める。
 強く、激しく、壊れそうなほどに。
 そして、私は彼に口づけをした。
 錆びた鉄の味がするキスだった。

「好きよ。加持君」

 私は彼の体を静かに床の上に置いた。
 そして、立ち上がり、

「リツコ!」

 と叫んだ。
 彼女は半ば放心状態のような目で、

「どうして、こんなことに…」

 と呟いていた。
 私は彼女へ駆け寄り、

「リツコ! 私、アンタを絶対に許さないから」

 と言って、彼女の胸ぐらを両手で掴み上げた。
 だが、彼女は眼光を取り戻すと、

「ミサトが悪いのよ」

 と短く言った。

「アンタっ!」
「手を離して」

 私の手にリツコは両手を重ねた。
 そこに加わる力は大きく、私の手を下げるほどであった。

「私には、もう後がないの。加持君まで手をかけてしまった私には」

 今にも泣き出しそうなリツコの瞳。
 私はそれに毒を抜かれそうになる。

「ミサト。もう終わりにするわ。……これで、何もかも」

 と言うと、リツコは手元のコントロールパネルに腕を伸ばした。
 ブルーに輝くボタン。そこに彼女の指が触れ、押した。
 制御装置のモニターが一斉に光り、私の見慣れた画面が表示された。

「あっ! リツコ、それは?」
「エヴァが起動を始めたわ。もう始まったのよ」

 私は再びリツコの白衣を掴み上げ、

「今すぐ止めなさい!」
「私が従うと思って?」

 と彼女は小さく答えた。

「早く止めてっ」

 しかし、リツコは私の手を解こうともせずに、ただ無言でいるだけだった。
 と、その時、全ての制御装置が警報を鳴らし、画面を赤一色に変えた。

「ミサト。モニターへ目を向けた方がいいわよ。シンジ君を見る最後になる
んだから」

 その言葉に、私はリツコから手を離し、モニターへ目を釘付けにした。
 画面の中に映るアスカ。
 その体が何度も大きく痙攣し、シートの上で跳ね上がる。
 そして、LCLが光を放ち始め、モニターの画面が白一色に変わった。

「シンジ君っ!」

 数秒後、白光が消え、エントリープラグ内部を映すモニターの中にアスカの
影は無かった。
 ただ、シートの上には赤いヘッドセット・インターフェースが2つ残っているだ
けであった。


 ↓
たぶん、次で終わり。もしくは、続いてもあと2回です。
ラストは前に書いたものと変わるかもしれません。
どんなものにも始まりがあり、
そして終わりがある。
人生はその繰り返しだ。

来て欲しくない終わりもあるが、
避けられない終わりを経験して行くこと、
それが、大人になって行くってことなんだ。

早いもんで>297氏のミサト日記も残り後二回だが、
その終わりを、ちゃんと見届けてくれよ。

次回「ザ・リアル・フォーク・ブルース(前編)」。(←嘘)



297氏、今までホントお疲れさまでした。
最後まで楽しみにしてますんでがんばって下さい。
今更だがミサトは加持を君付けで呼んでたっけ?
Airの冒頭で「加持くんの考えた通りね」
みたいなことを言ってたと思う。
>>299
TV本編を見直せばよろし
>>298

COWBOYBEBOP!
303七七四尺尺:04/11/25 23:24:04 ID:???
ついこの前までアニマクースでやってたな、BEBOP!
304>>296:04/11/26 07:03:01 ID:???

 けたたましく警報を発していた計器類が鳴り止み、管制室の中は静寂に包まれた。
 私は呆然とモニターの中を見つめる。息をするのも忘れるかのように。
 長い時を経て、ゆっくりと顔を窓の方へと向けた。
 エヴァ。紅い光球。
 あの中にシンジ君が溶けてしまった。
 どうしようもない絶望感。
 いつしか私の膝は崩れ落ち、冷たい床の上に両手をついていた。

「シンジ君…、」

 と、私は呟く。
 だが、それは音にならないものだったのかもしれない。
 私の眼下にある床へ何かが落ちた。
 また、落ちた。また。そして、次々と落ちていった。
 涙。
 瞼の奥から止めどなく溢れ出る涙のしずくが、頬を伝わりこぼれ落ちていた。
 いつまでも泣き続ける私。
 しかし、力の入らない脚を立たせ、私はリツコへ振り向いた。

「返して! シンジ君を返してよ。……お願い。お願いだから、…返して」

 私は彼女へ叫び、訴える。
 だが、リツコは口を閉ざし、ただ私を見つめているだけであった。
 彼女の肩へ私は両手を置き、

「サルーベージ。あの時みたいに、シンジ君をサルベージして」

 と言った。
 しかし、リツコは小さく首を横に振り、

「無理よ。これまで、サルベージ計画は成功したことがないの。あの時も、
計画自体は失敗したのよ。それに、今、コアの中にいるのはシンジ君だけ。
碇ユイはいない。エヴァがシンジ君を離しはしないわ」
「そんなの、やってみなければわからないじゃない。今すぐして」
「ミサト、」

 と、リツコは静かに言った。

「私とアナタは立場が異なることを忘れた?」
「関係無いでしょ。今は!」
「たとえ殺されようとも、アナタに協力することはないわ」

 彼女の瞳はその意志の強さを示し、私はもはやどうしようもないことを覚った。
 私はリツコから手を離し、後ろを向いた。
 窓の向こうに見えるはエヴァ。
 その中に溶けているのはシンジ君。
 私はゆっくりと歩き出し、実験場への扉へ向かった。
 少しでもシンジ君のそばにいたくて。
 ドアを開け、鉄組みの階段を降りていく。
 やがて、ケイジに着き、エヴァの胸元の前に行った。
 私は顔を上げ、深紅のコアを見る。
 あの中にシンジ君はいるのだろう。

「シンジ君を返して!」

 涙に濡れた声ではち切れそうなほど叫んだ。

「返してよ!」

 しかし、エヴァは黙したまま。何の反応も無かった。
 私は更にエヴァへ近づき、コアに触れた。
 両手を添え、頬を当てる。
 けれど、ただ冷たい感触を得るだけで、シンジ君のぬくもりは微塵もなかった。

「……お願い。シンジ君を返して」

 声にならない声で私は言う。
 私の頬とコアの間には涙が溜まり、それは海を作るようだった。

「シンジ君…」

 その時、頬が熱を感じた。
 微かに温かい。
 そして、徐々に熱は高まり、終いには灼けるような温度となった。
 私は光球から数歩ほど離れ、見守るように視線を向けていた。
 コアが僅かに輝く。
 刹那、眩いばかりの紅い光が放たれ、私は反射的に瞼を閉じた。
 次に、水のはじけるような音が聞こえた。
 あの時と同じ。ある予感がして、私は目を静かに開けた。

「シンジ君っ!」

 コアの表面に彼の裸体が浮かび上がり、そして、離れた。
 重力によって落ちてくるシンジ君を両腕を広げて受け止め 私はギュッと力いっぱ
いに抱き締める。

「シンジ君。シンジ君…」
「……ミサト、さん」

 朧気な彼の眼。
 しかし、彼は私をしっかりと見ていた。
 シンジ君はやっと聞こえるくらい小さな声で、

「今まで心配させて、ごめんなさい」
「ううん。そんなことない。私はシンジ君が還ってきてくれて、うれしいんだから」

 そう言って、私は温かい涙に濡れた頬をゆるませて笑みを小さく作った。
 彼も微笑みを返す。
 私たちはいつまでもずっと抱き締め合っていた。

 暫くして、シンジ君の体に力が戻り、私は彼をもう一度きつく抱き締めてから離れた。
 彼は俯き、顔を真っ赤にする。
 どうしたのだろうと私は思ったが、

「……ミサトさん。なにか着るものを貸してもらえませんか」

 と、彼は蚊の鳴くような声で言った。
 その言葉によって、私はシンジ君が裸であることを再認識して、

「あ、ごめん。着るものよね」

 と言い、自分が羽織っていた赤いジャケットを彼に渡した。
 一年前と同じ小柄な彼の体にその上着は大きく、前を閉じれば腰下まで隠れる。
 それでもモジモジとしている彼がかわいらしかった。
 夢の中で会った彼。この世界の彼とは別のもうひとりのシンジ君。
 二人とも本当のシンジ君。
 だけど、今ようやく彼に会えたと私は思った。

「ミサトさん」

 と、彼は口を開いた。

「エヴァの中にいた時、ミサトさんの声が聞こえました。だから、僕はここに来れた
んだと思います。ありがとうございます」
「シンジ君…」

 私は視界が霞み、彼の姿がよく見えなくなっていた。
 右手の甲で目に溜まった涙を拭う。
 シンジ君は私に微笑みかけ、それから暫しの後、視線を床に落とした。

「シンジ君?」

 彼は顔を上げた。
 その両目を真剣な眼差しに変えて。

「ミサトさん、行きましょう。カヲル君が待っています」
「そうね。行こう。シンジ君」

 そして、私たちは歩き始めた。しっかりと脚を踏みしめて。
 長い階段を上りきり、管制室に戻る。
 室内にただ1人いたリツコは感情の消えた顔で私たちを見ていた。
 私は隣にいるシンジ君へ目を向けた。
 彼は室内のある一点を見つめ、目を大きく見開いている。

「加持さん」

 と彼は呟き、そこへゆっくりと向かった。
 血溜まりの中にシンジ君は膝をつき、加持君の手を握りしめた。

「ごめんなさい。僕のせいで、こんな…」
「シンジ君のせいじゃないわ。加持君は私を庇ったの」

 そう彼の背中に私は声をかけた。
 だが、彼は何の反応も示さずにずっと手を握り続けた。
 たぶん泣いているのだろう。
 私も一緒に泣きたかったが、それはぐっとこらえた。
 涙を流してはいけない。なぜか、そう思った。
 しばらくして、シンジ君は立ち上がり、リツコの方へ歩いていった。
 彼女の3歩前くらい前で足を止め、二人は無言で視線を交わし合う。
 長く続いた沈黙は、

「目覚めるのね」

 と短く問いかけたリツコの声で途絶えた。
 シンジ君は僅かに首を縦に振り、

「はい、」

 と答えた。

「そう。私たちはもうお終いというわけね」
「ごめんなさい、としか僕には言えません」
「謝るくらいなら、このまま夢を見続けるという選択肢を選んでもらいたいわ」
「ごめんなさい。だけど、僕は現実に戻りたいんです」
「この世界も一つの現実よ」
「ごめんなさい」

 リツコは息をひとつ吐いた。諦めが含まれた小さな息を。

「もういいわ。私の負けよ。やはり運命に逆らえなかったというわけね」
「……それは、違うと思います。母さんは言ってました。ヒトは生き続けようとする
ところに価値があるって。だから、」
「でも、シンジ君はその私たちを消そうとしているのよ」
「……ごめんなさい。リツコさん」

 と言って、シンジ君は俯いた。
 それは消えゆこうとしている彼女を見るのに耐えられないかのようであった。
 暫し、二人はそのままで、しかし、再びリツコが先に口を開いた。

「顔を上げなさい。シンジ君」

 彼女の声によって、シンジ君はおずおずと頭を戻す。

「あなた、現実に戻ると言ったけど、どうやって還るのか、その方法を知っているの?」
「……それは、僕にもわかりまりません。でも、絶対に還ります」
「そう。……渚君。彼なら力を貸してくれるわ」
「カヲル君?」
「ついてきなさい」

 そう言って、リツコは足早に隣の部屋、渚カヲルのいるラボへと歩き始めた。
 シンジ君と私も彼女の後を追う。
 そして、ラボへ通じるドアが開いた。

「「「あっ、」」」

 私たち3人は同時に驚きの声を上げた。
 室内中央、LCLで満たされた容器に腰掛けている一人の少年。渚カヲル。
 そして、もう一人、彼の前に立つ壱中の制服を着た麻色の髪の少女。アスカ。
 私たちは声も出せずに呆然と二人を見るしかなかった。
 やがて、渚君が立ち上がり、私たちへ向かって歩み寄ってきた。

「シンジ君。やっと会えたね」
「……カヲル君。どうやってここに?」
「シンジ君のおかげさ。キミがこの世界に現れたことによって、囚われていた僕の魂も
一緒に戻って来れたんだよ」
「そうなんだ。よくわからないけど、よかった」

 シンジ君はホッと安堵の息をついたが、目線を渚君の後方、アスカへと移した。

「カヲル君。……どうして、どうして、アスカがここにいるの?」
「僕だけでは、キミを目覚めさせることが出来ないからさ」

「シンジ君の心の問題に、ボクは無力なのさ。だから、彼女の力を借りたくて、ここに
呼んだんだ。その頼みを聞いてもらうまで、苦労したけどね」

 と言って、渚君は顔を背後に向け、アスカに視線を送った。
 それが合図になったのか、アスカは歩き始めた。
 そして、シンジ君の前で歩みを止め、睨み付けるように彼を無言で見つ続ける。

「ア、アスカ、」

 と、怖じ気付いたような声で彼は呼びかけたが、アスカは口を閉ざしたままだった。
 状況は永遠にそのままかと思われた。
 だが、不意にアスカは垂らしていた両手を腰に置き、すっと大きく息を吸った。
 そして、その頬に微笑みをふわっと浮かべてから、

「アンタ、いつまで寝てんのよ。早く起きなさい! バカシンジ!!」

 アスカはそう大声でまくし上げ、右手を頭上高くかかげた。
 直後、振り下ろされる彼女の右手はシンジ君の左頬に真っ直ぐに伸び、
 室内いっぱいに広がる打撃音を響かせた。

 あっ、

 刹那、私は覚醒を感じた。
 私は隣にいるリツコを見る。
 彼女は寂しげな目で私を見つめ、

「さよなら。ミサト。……1つだけ願いがあるの。憎しみでもいい、恨みでもいい、私と
いう存在がここにいたことを覚えていてほしい。お願い」
「リツコ……」

 私は彼女の顔を目に焼き付けるようにずっと見つめ続けた。




 さざ波の音が私の耳へと入ってくる。
 それは眠りから意識を戻すベルのように私の瞼を開かせた。
 頭を横に動かす。
 一面に広がる白い砂。その向こうには赤い海。
 仰向けに寝ていた体の上半身を起こし、軽く息を吸った。

「ゆめ、?」

 ううん。違う。夢だけど、夢じゃない。
 私は確かにあの世界で時を過ごしてきた。
 最後に見たリツコの哀しげな表情をはっきりと覚えている。

「私、還って来たんだ」

 と呟いた。
 そして、私はすぐさまシンジ君たちのことを思い出した。
 私はまだ見ていない右隣へと体を向ける。
 そこにはシンジ君とアスカが並ぶように仰向けで寝ていた。
 シンジ君は目を閉じたまま、アスカは瞼を見開いて。

「シンジ君! アスカ!」

 そう言って、二人に寄る。
 シンジ君の瞼は依然として閉ざされていたが、アスカは私の方へと右の瞳
だけを向けた。
 彼女は赤いプラグスーツを身に着けていたが、右腕全体に包帯が巻かれ
ており、また左目は眼帯によって隠されている。体力の衰弱が激しいのか指
一つ動かさないでいたが、彼女の右目は確かに私を見ていた。
 そして、アスカの口元が動き、小さな笑みを私に向けて送った。

「アスカ…」

 私は言葉に詰まり、ただ涙を流していた。
 と、その時、

「う、うん、……」

 と声が聞こえた。
 私はシンジ君へ体を寄せ、彼を抱きかかえた。

「シンジ君! シンジ君!」

 そう何度も何度も呼びかける。
 彼の頬に手を添える。
 私の体温を彼に感じてもらいたかった。
 そして、早く目覚めてほしいと。

「シンジ君、!」
「…ミ、ミサト、さん?」

 彼の瞼がゆっくりと開く。

「シンジ君、大丈夫? シンジ君」
「ミサトさん」

 彼は小さく口を開いた。

「また、ですね。また、ミサトさんに抱きかかえてもらってる」
「……シ、シンジ君…」
「これで、三度目、……いや、四度目ですね」
「……」
「僕が遠いところから還ってきた時は、いつもミサトさんに迎えてもらって」
「シンジ君…」
「…ありがとう。ミサトさん」

 涙で見えなくなった彼を確かめたくて、私は強く抱き締めた。
 そして、シンジ君の頬に自分の頬を重ね、彼の温もりをいつまでも感じ続けた。


2017年9月23日

 あのサードインパクトから一年。あの時から書き続けた日記も、この日記帳で
2冊目となった。今日は、その最初の一日目。

 私は今でもあの夢のことを思い出すことがある。
 楽しかったことも、つらいことも、全てが貴重な私の思い出。
 そして、あの最後の時について考えることも多い。
 結局、あの夢から還ってくることに対して、私は何も出来なかった。
 シンジ君が自分で還ってこようと決めたからであり、それを助けたのは渚君や
アスカだった。私はそれをただ黙って見ていただけ。
 でも、それでいいと私は思う。
 それはシンジ君たちの成長の証なのだから。

 また、シンジ君の夢の中にいた時間は、実際には一日にも満たなかった。
 だから、まだあれから一年しか経っていないが、サードインパクトによって荒廃した
世界を復興するのにその歳月ではとても短い。
 でも、少しずつだが世界は新たな道を進もうとしている。
 人類が一つになったサードインパクト。それは計り知れないほどの負をこの世界に
与えたが、ヒトに僅かだが進化の階段を上らせたのではないかと私は思う。
 これまで醜い争い、戦争や犯罪を続けてきた私たちヒトが、今ではほんの少しだが
優しくなれているような気がする。そうでなければ、ネルフにいた私たちや、かつて使徒
であったレイや渚君がこうして生きてはいられないだろう。
 だから、私は使徒との戦いが全て無駄であったと思わないでいられるのかもしれない。
 加持君。
 結局、彼は赤い海から戻っては来なかった。
 哀しいけど、事実として受け止めなければならないと思う。
 リツコとは未だにケンカ友達を続けているが、あの夢の世界のリツコを私は決して忘れ
はしないだろう。
 全世界の人々の数はサードインパクト前の半数以下になってしまった。
 それだけ自我の溶け合った状態のままでいたい人が多いのだろう。
 だけど、還ってきた人は生きていこうとしている。
 どんなに苦しくても絶対に諦めはしない。
 それがこの世界に住む私たちの唯一の価値なんだと思う。

 ところで、今日は久しぶりにみんなで食事をする。
 あの後、私たち、みんな別々に生活するようになったけど、心は繋がりを保ち続けていた。
 ドイツの養父母の元へ帰ったアスカ。空港での別れの時は、みんな泣きながらも笑い合っ
ていた。
 シンジ君とレイは兄妹の縁を正式に結び、二人で住んでいる。ときどき、二人のところへ
夕食をごちそうしてもらいに行くけど、近頃はレイの料理の腕前が驚くほど上がっていて、
同じ女性としてちょっと悔しい。
 渚君は、う〜ん、今、どこにいるんだろう。世界を見に行くと言って、飛び出していったきり、
消息不明。たまに、外国からエアメール(絵はがき)が来るから、元気にしているとは思うけど。
今日は、アスカが久しぶりに日本へ帰ってくるんだし、そのことは伝えてあるから戻ってくると
思うけど、ちょっち不安。

 私は未だに独り身よ。このマンションも一人だと嫌に広く感じるのよね。
 使徒との戦いの頃。そして、シンジ君の夢の中。あの3人で暮らしていた頃がすっごく懐か
しい。でも、私からシンジ君たちとの同居は断った。
 離れていても家族であることは間違いない。
 けれど、シンジ君とは少し距離を置きたかった。
 せめて私の気持ちに整理を付けるまで。
 その時がいつになるかはわからないけど、きっと来ると思う。
 それはきっと悲しいことだと思う。
 だけど、私は今、それをすっごく楽しみにしている。
 新しい絆が生まれるのだから。

 今日の日記はまだ陽が明るいけど書いてしまった。
 だって、今夜はビールを浴びるほど呑むんだもん。
 ぜーったいに日記なんて書けない。だから、今、書いたのよ。
 じゃあ、これからシンジ君の部屋にまわって、みんなでアスカを迎えに空港へ行かないと。

 追伸:明日は、アスカに街中を案内させられるんだろうなあ。

おしまい
誤字脱字がとても多くて、ごめんなさい。
また、これまでご声援、本当にありがとうございました。
さようなら。
お疲れ様でした〜
お疲れ様だ(゚Д゚)ゴルァ!

思ってたよりほっとするエンドで安心したぞ(゚Д゚)ゴルァ!

気持ちよく仕事行ってくるぞ(゚Д゚)ゴルァ!
お疲れ様でした。
すごくいい話でした。
323勝手に番外編:04/11/26 10:45:32 ID:???
2017年9月23日

サードインパクトから一年、世界は新たな道を歩みはじめている。
今日はかつての仲間たちと再会する約束だ。だからこうして出かける前に日記を書いておく。
今夜は日記を書く暇がないほど盛り上がる筈だから。

約束の場所に着くと、すでに仲間は揃って彼を待っていた。型通りの挨拶を済ませ、無言のまま料理に箸を伸ばす。
…沈黙に耐えかね、一人が口を開く。
「そういや聞いたんですけど、今日は葛城さんの所でもネルフの皆で集まってるらしいすよ。なんでもセカンドチルドレンが日本に戻ってくるとかで」
「ならば、なぜそちらに行かないのかね?」
年輩の男が返事を返す。黙りこむロンゲ男。
「誘われは、しなかったのだね」
再び沈黙が辺りを包む。「マコト、悪いな。お前は向こうを断って来てくれたんだろ?」
「・・・・」
「どうした、マコト?…副司令!日向が!日向がー!」
日向マコト、28歳。
彼の心が補完される日は来るのだろうか。
…ごめんなさい。
うひょー
びっくりですね。
こんな所に神スレが!
すげー面白かったよ!
夢をありがとう!
お疲れ様でした。
すごく良かった・゚・(ノω;`)・゚・
まとめてHPに載せて( ゚д゚)ホスィ…
誤字脱字等修正して評価板に完全版を投稿して欲しい。
わがままですか?
評価板に、というよりも、神ご自身のHPがあるならそちらに・・・・
このままdat落ちさせてしまうには、余りにももったいない・・・
今まで見てきた中で最高の逸作だ。

にしても、まだ300ちょいしか逝ってないなんてここの住人はマターリしててイイ!
もう一作品期待できるくらいだな
329318:04/11/27 21:41:25 ID:???
えーと、自分のところで読めるようにしました。EF5さんでチェックされると思います。
これで最後になりますが、今まで、ありがとう。
oo-
>>329
こちらこそ夢をありがとう。
あんた最高の勇者さ!
類似スレだが、こっちのなかなか良かった。
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1092586081/290-305
>>328
いや、基本的に住人が少ないから
ミサトさん、長い間ホント乙。

最初この日記が書かれたとき、一LMS人としてうれしかった。
夜遅くに会社から帰ってきてもこの日記見ることで
また明日頑張ろうと思えた。

純粋におもしろかった。
もうここに来ることはないかもしれないけど、
一ファンとしてどこかでまたいい作品を書いてくれることを望みます。
神がいなくなって廃れた?
こういうスレはネタが投下されないと動かないから。
というわけで、投下待ち。
2015年12月3日

 明日は、アスカの誕生日。
 シンジ君や洞木さんがパーティを計画しているようで、今日は下準備をしている。
 アスカもうれしいみたいで、昨日から頬をゆるませっぱなし。
 私も明日はお酒がたくさん飲めるので楽しみ。
 と、ここまではいい。
 問題は、12月8日。
 この日は、私の誕生日なのよ。

 ……30歳のね。

 今まで、リツコを三十路とからかえていたのだが、それももう出来なくなる。
 はっきり言って、祝いたくない気持ち。
 アスカの誕生日と一緒にお祝いしましょうと言われなかった時は、正直ホッとした。
 だけど、誰もアタシの誕生日に触れようとしないのも、なんかムカつく。
 そりゃあ、あんまりうれしい感じはしないけど、誰にも祝ってもらえないというのもねえ。
 もしかして、みんな、忘れているのかしら。
 それはそれでとっても寂しい。
 というわけで、腐れ縁の加持にそれとなく探りを入れてみた。

「ねえ、加持君。アンタもアスカの誕生パーティーに来るんでしょ」
「ああ、行かせてもらうよ。アスカにもプレゼントをせがまれているしな」
「ふーん。ところでさ、アンタ、来週の予定はどうなってる?」
「来週か? 別に何もないが。葛城は暇なのか? 飲みにだったら、いつでも付き合うぞ」

 駄目。こいつ、全然、気が付いてない。
 若気の至りだったとはいえ、元恋人のアタシの誕生日を忘れているなんて。
 ちょっち、頭に来たから、アイツの尻に蹴りを入れてやった。

 ふー、いろいろな意味で最悪の誕生日になりそう。
 鬱になってきた。
2015年12月4日

 今日は、アスカの14歳の誕生日。
 おめでとう。アスカ。
 そんなわけで、家でお誕生パーティーを開いた。
 パーティに来たのは、アタシとシンちゃんとアスカに、加持君と洞木さん。
 あとは、ペンペン。
 で、これでもかっていうくらい大きなバースディケーキにロウソクを14本立て、
 アスカはそれを一息で消した。
 でも、あと2週間後にあるクリスマスもケーキを食べるのよね。子供はたく
さん食べても太りづらいからいいわよね。まあ、くやしくないけど。
 だけど、アスカがちょっと羨ましいかな。アタシが子供の頃なんて、誕生日と
クリスマスが一緒だったし。施設にいたから仕方ないけど、やっぱり…。
 ところで、アスカへのプレゼントへ私はイヤリングを贈った。アスカにはちょっ
と大人っぽいかもしれないけど、まあ、誕生日だしね。加持君はテディペアの
ぬいぐるみ。ただし、全長1m以上もある。ちょっと大きすぎない? シンジ君は
ピンク色のエプロン。これが何を意味するのかは、……考えないようにしよう。
 そんなこんなでパーティーも終わり、子供たちが眠ってから、加持君と二人で
お酒を飲んでた。
 昔話とかしているうちに、なーんか雰囲気に流されて、キスしそうになったけど、
トイレに起きたシンジ君が来て、セーフ。
 ふー、危なかった。
 その後、加持君はすぐに帰った。 帰り際に、

「次は、ホテルでな」

 とか言うから、ちょっちあせったけど。
 でも、それってアタシの誕生日を祝ってくれるということなんだろうか。
 それとも、からかわれただけ?
 うーん、どっちなのよ。
乙っす。
なんだかぶっちゃけスレのミサトさんっぽいけど
8日の誕生日ネタも楽しみにしてます
2015年12月5日

 今日は、日曜日。
 デートのお誘いが一つも無かったけどね。
 ここんとこ使徒も来ないし、せっかく休みが取れたっていうのに。
 だいたい、加持も昨夜あんなことを言っておきながら、フォローは全く無し。
 アタシは今日、どこか行こうって電話が来るのかと、ちょっとだけ、ホントにちょっと
だけ期待していたっていうのに。
 あんなヤツ、もう知らない。
 そう言えば、大学の同級生から結婚式の招待状が来た。
 今年で、何回目だろう。これ。
 みんな、30前に駆け込み結婚するなんて、考えることは一緒ね。
 おかげでアタシはご祝儀貧乏よ。あはは、は…・。絶対に元は取り返しちゃる。
 でも、相手がなあ。
 誰か、いい人いないのかしら。
 ま、誕生日を一緒にすごす人にも苦労しているアタシじゃ、まだまだ先か。
 ふー、憂鬱。

 そんなわけで、暇を持て余していたアタシは、箱根の山道をシンジ君とドライブに
出かけた。峠をちょっち攻めっちゃったり、ゆっくり景色を眺めたり。
 峠のてっぺん辺りからは太平洋の青い海がきれいだった。
 その駐車場で、シンジ君が車酔いでもどしていたのがちょっと無粋だったけどね。
 んで、帰りに湯本で温泉に入ってきた。

 混浴だったらシンちゃんと一緒に入れたのに、残念。
 家族風呂を借りればよかったかな。
 んー、でも、それはそれでちょっち恥ずかしいかも。
341日向:04/12/06 21:43:28 ID:???
ミサトさ〜ん
2015年12月6日

 いよいよ明後日にせまった誕生日。
 今年はいつになく気になって仕方がない。理由は、やっぱりシンジ君たちと一緒に
暮らしているからだと思う。アスカの誕生日が近かったということも。
 去年までは一人暮らしだったし、カレもいなかったし、第一、仕事がすっごく忙しくって
自分の誕生日どころではなかった。確か、昨年もその前も加持君と別れてネルフに入っ
てからはいつも夜まで仕事をしていたような気がする。
 まあ、アタシ自身、忘れていたし、どうでもよかったっていうのもあった。
 だけど、今は一緒に住んでいる人がいる。
 ちょっち祝ってもらいたいなあと思ってもいいよね。
 たぶんシンジ君もアスカもアタシの誕生日を知らないと思う。
 でも、アタシからシンちゃんたちにそのことを言うのも……なんか恥ずかしい。
 それで、どうしようかなあと思いながら、リツコの研究室にふらっと行ってみた。
 リツコはアタシより1つ年上。11月21日生まれ。つまり、31歳。そんな年になっても恋人
がいる気配はない。リツコとは大学時代からネルフまでずっと一緒だったけど、男の影が
全然見えないのよね。まさか、今までカレがいたこと無いわけじゃないと思うけど、謎だ。
 そんなリツコもさすがに年齢のことには過敏になっているみたいで、歳に関する話題が
出ると、とたんに眉が険しくなる。まあ、その気持ちがわからないこともないけど。
 で、リツコお手製のコーヒーを飲みながら、ちょっと話題に出してみた。

「リツコー。アンタさ、今年の誕生日は何してたー?」
「……あなた、ケンカを売りたいなら、そう言いなさい。いつでも買ってあげるから」

 とかなんとか言いながら、リツコの手にレーザーカッターが握られていたのには、マジで
ビビっちゃった。
まあ、でも、リツコもアタシも肉親がいないし、恋人がいるわけでもないし、今は使徒襲来に
よる戒厳令下だし、こんなもんなのよね。
 あーあ、カレしがほしいな。もちろん、加持君以外でよ。
ミサトさんの姿が見えない…
34441:04/12/21 11:16:46 ID:???
12月 某日

忘年会シーズンでほぼ毎日飲んだくれている。
「おめでてーわね。」とジト目で見つめるリツコの視線に耐えつつ、
今日も忘年会。もう忘れれるのは、酒を飲んでいる時の記憶しかない。
ちなみに毎日飲めるのは、忘年会でやる私の一発芸。
毎回参加者の高校のセーラー服を借りてやる、

「月に代わって…」

が大人気だからだ。
一度加持の無精ヒゲが、タキシード姿でキスを迫ってきた事があったので、
ムーンなんとかと叫びながら、ステッキで殴り倒しておいた。
34541:04/12/21 11:22:52 ID:???
12月 某日

どうでも良いが、加持はプレイボーイだ。
たまに私とリツコにちょっかいを出してくる時以外は、いつも女と一緒にいる。
リツコ以外の少ない友達にも聞いたが、みな声をかけられていない子はいなかった。
その代わり、加持は話し相手としては最良らしく、
二人きりだとおごってくれるので人気があった。
リツコと二人で納得がいかないとため息を付き合う。
どうして私とリツコの時だけ、
わざわざ自分の家に呼んでまで007祭りなのだろうか。
あー、なるほど。
綾波日記の人だったのか。
クリスマスも近いので、何とかオトコをゲットしようと駆けずり回っているある日。
大学が冬季休業に入って何かと疎遠だったリツコの所へ遊びに行く。
ちなみにリツコの所と言っても大学の研究室だ。
彼女に予定を聞いてみたが、クリスマスに興味はないらしい。
「だってあなた、正月やるんでしょ?」
逆にそう聞かれて、うんと答えたら、
「あなたキリストの誕生日祝ってから神社拝みに行くの? 節操ないわね。」
…なんとなく納得。でもクリスマスもやるけど。
すると背後で「ようりっちゃん。それに葛城も。」と男の声。
振り返ると無精ヒゲ。あのヒゲはいつ見ても一定の長さを保っている。
きっと形状記憶ヒゲなんだろう。
それはともかく、リツコの「またあなた?」が気になったので理由を聞くと、
加持は頻繁にここに…というか、リツコの所に通っているのだと言う。
クリスマスに二人きりの予定ですか。おめでてーわね。
たまにリツコの台詞を言ってやると、加持の奴、

「いやな、中古ビデオ屋で『スパイ大作戦』が大量に手に入ったから、
 二人を誘って見ようと思ってな。クリスマスだし。」

アンモニアをかけてやるすんでの所で、リツコに止められた。
さらに、どうせここに来るぐらいだから、暇なんでしょ? と図星を指される。
リツコは『スパイ大作戦祭り クリスマススペシャル』に行く気らしい。
なぜと聞くと、「あら? あなた来ないの?」と逆に意外そうな顔をされた。
加持すら意外な顔をしている。
仕方ない。
仕方ないからよ?
仕方ないから…
>>346 さん

わかるものなのね。
びっくり。
頑張るミサトさんも続編キボンヌ
保守
    . ξ_
    .__●__
    (___)  謹賀新年
   _(___)_  期待待ち
  └□――□┘
  ■|  ◇  |■
 ◇ u――u ◇
あげ
もっかいあげ
ミサトさん
漏れが
コンビニで
偶然
断罪月 贖罪日

小憎らしいがきの世話を任される。
人の命を何とも思わない、最凶に過激な碇シンジ(仮名)君。

まったくもって昔のシンちゃんが懐かしい。
前はあんなに可愛かったのに、なんであんなふうになっちゃったのかしら。

赤い海から時間逆行を経て、第三東京市まで戻っての来たはいいものの、
精神年齢まで退行しているとしか思えない愚行ばかりを繰り返している。
ネルフ到着一日で彼の出した被害総額はおそらく億を超えるでしょうね。
リツコにはいやみを言われるし、保安部には泣きつかれるし。
尻拭いに駆けずり回るこちらの都合も考えて欲しい。

まだ中学生であった彼があれほど歪んでしまったのは、私たち大人に責任が
あるのだろうけれど。
命というものに無頓着にならないよう出来る限り心を配ったつもりだったのにね。
それなのに、力を得たシンジ君はそれを振り回すことしか考えられない。
レイはそんなつもりで、あなたに力を与えたのではないのでしょうに。

確かに一日でシンジ君は、ネルフを戦場に切り替えることに成功したようなものね。
覚悟はしてたけど、今日はほんっと疲れたわ。
シンジ君が無造作に飛ばす鉛弾を、肌の薄皮一枚下に展開したATフィールドで
受け止め、きり飛ばされた四肢は部分的にアンチフィールドを展開して再構成。
それを常時シンジ君の視界に入る周囲の人数分すべてでしょ。
人間の精神は繊細で、トラウマの残らないよう記憶を改竄するのも重要だし。
一般職員の不安を取り除くために申請される福利厚生予算も見直さないといけないし。
私の職域を超えてるわよ、残業手当はどのくらい出るのかしら?
ストレスでエビチュの消費量も上がりそうだから、たくさん欲しいわね。

でもこんな無茶やらされても、自分の命を危険にさらしても。
シンジ君を「馬鹿な子」と思うけれど、それでも嫌いになれないのは何故なのかしらね。
人を傷つけて得るものなんて何もないんだと…
そう教えてあげられなかった後悔があるのかもしれない。
自分ばかりが傷つけられたという想いがシンジ君の中に根ざしていて……
その事実を恨み続けるということは、自分が存在し続ける限り恨みを消すことが
出来ないということなんだと、……シンジ君はわかっていないから。
憎しみを消すすべを知らない彼の生き方が、以前の私に似ているから。
使徒に憎しみをぶつけるしかなかった、不器用な私に。

シンジ君は私によく似ているわ。
昔のシンちゃんも、今のシンジ君も。
結局人は変わっていける部分もあれば、変わらない部分もあるということなのよね。

明日もシンジ君は自前の理論を振りかざして、癇癪持ちの子供みたいに駄々をこねる…か。
「牛・マッド・電柱・髭…」だっけ?
シンジ君のネーミングセンスはちょっち難ありね、ひねりがたりないわ。

どんな危険も痛みも、あの最後の日に比べれば児戯のようなものにしか思えない。
目を閉じなくともたやすく思い出せる。
「しっかり生きて、それから死になさい」
シンジ君は忘れてしまったのかもしれないけれど、彼に告げたあの言葉は私自身の誓い
のようなもの。
今の自分が絶対じゃないわ。
後で間違いに気づき、後悔する。
今もその繰り返し。
ヌカ喜びと自己嫌悪を重ねるだけ…でも。
私は逃げたりしないわ。
どんなふうにシンジ君が変わってしまっても、私は彼に付き合う。
これが私の贖罪。

…いつか昔みたいに「ミサトさん」て呼んでくれる日が来るのかしらね。
クソガキな彼がシンちゃんに戻ったら、あのときの続き…約束が果たせるかしら。
オッテュ
スーパーミサトさんか?
シンジスキーなミサトさん
続きを期待sage
>>361
GJ!!
こういう日記は完全に盲点ですた
続き期待sage
断罪月 偽善日

今日、「偽善者」ってシンジ君に呼ばれたわ。
おかしなものね。
自嘲でこぼすときは飲み込みきれないほどに苦い言葉なのに、
シンジ君にそう言われると、不意に自分でも不思議なほど鮮やかに笑える気がしたの。

いつものようにネルフ本部内での追いかけっこの途中。
997人目の負傷者の精神に干渉しての処置をしながら、「ああ、後3人で1000になるわね」
なんて考えてしまった時だった。
本来、心の補間をするには集中力がいるから、それ以上に意識を割けばどこか隙が
出来るのはわかっていたはずなのに、…戦場も続くと人間は慣れてしまうものなのね。
自分に向けられた死線を、私は無意識に避けてしまった。

おかげで私の後方にいた保安部の方に3人ほど犠牲者が出て。
1000のカウントを取るべきか、
応急処置として傷を消し、医療班に渡して本人の生への執着にかけるべきか、それとも
LCLに完全に戻して素早く再生したほうが記憶処理などのアフターケアが少ないかしら?
などと、幾つかの選択肢で迷いながらもあわてて負傷者に駆け寄ったところでだった。

シンジ君が私に声をかけたのは。
「牛は無能なだけじゃなく偽善者だ。
 あんたが避けなければ、彼らが死ぬこともなかったんだ」
 
私を見つめて、憎悪と苛立ちを隠さない言葉ばかりを並べてみせる。
負の感情すべてを叩きつけるように…ネルフを、私達を恨んでいると知らせる言葉を。
シンジ君は心の傷口をさらしていて、おそらくその自覚もないことがわかって悲しかった。
悪態をついて人を傷つけて、―――それで他者の関心を集めて。
彼の吐き出す罵りの言葉より、その姿のほうがずっと痛々しいのだと、私の心を
軋ませるのだと。…シンジ君はわかってはいないのでしょうけれど。
それでも、その時の私はシンジ君の言葉を聴いて笑ってしまった。
「偽善者」という言葉を聴いて。
シンジ君は私の気が狂ったのかと思ったらしく、さらに激昂していたけれど。

私が笑った理由を、シンジ君に告げられる日が来ることを信じているわ。
偽善者…と。
シンジ君はそれが悪口のつもりだったのかもしれないけれど、それを聞いて私が
シンジ君を微笑ましいと、可愛らしいと思ったことを。
混じりけなしに純粋な善意だけを求めるなんて、ほんとに子供なのだと。
傷つけられた裏切られたと、そう思っているくせに、まだ人間の善性を求めてる。
それがあるものと信じている彼が、…とても可哀想で、とても…愛しい。
そんなふうに思ったから、思わず笑ってしまったのよ。

人が人を変えるなんて、容易いことじゃないとわかっている。
やれる事なんて、蕾さえつけない花にそれでも諦めず、水を、養分を、日の光を
与え続ける事だけなのかもしれない。
それでも時には限界を感じて、投げ出してしまいたくなることもある。

最近の私の笑顔は偽物ばかりだと、リツコにも言われたわ。
シンジ君の姿にその傷の深さを思い知って、癒す事の出来ない自分に対する、
自嘲の笑みぐらいしか浮かべられないのだものね。

でもこうして、時折シンジ君の中に、純粋さや子供らしさを見つけることがある。
だから投げ出さずにいられる。
シンジ君を愛しく思える。
今私が諦めたら、彼の中に眠る小さな芽を、いつか花開く蕾を置き去りにしてしまう
ようなものだから。

いつかその花が開くことを祈ってるいるわ。
贖罪は偽善でしかなくとも、その中に含まれる僅かな真実がシンジ君を潤すことを。
オッテュ
gj!
あの作品以来の期待作ですわ。漏れにとって。
>>367
GJ!!
次コーイ。
バッチコーイ。
>>329
どこなんでしょう?
「葛城ミサトの日記でググってもわからないです

誰か教えて、エロイ人
ありがとうございます

感謝

なるほど ココだったのね
ミサトさんマダー
続きマダー
待ってます。
ミサトさんっ!
幾ばくかの真実が偽善の中にも含まれている。確かに。
○月×日
レイに挨拶したら無視された。
何様かしらあの子。

ちょっちムカついたので午後からテストの時にリツコの目を盗んでLCL圧縮濃度を少しあげてやったらムセてた。

これで明日からは挨拶してくれるはず。


晩御飯はアスカが珍しく作ったらしい。
不細工なハンバーグだったのでからかってやったらシンジ君が先にキレた。

何かしらこの扱いの違い。
私だって普通の女の子なのに。
悲しくなったのでビール二本開けて寝る。クスン。
ウケタw
○月▽日
休み。いい天気だったので布団を干した。
一人で三人分の布団干しはちょっち重労働。
でもふかふかに乾いたから今夜はよく眠れそう。

そのあとシンジ君のベッドから発掘したHなグラビア雑誌を眺めながら一杯。
最近の娘さんは発育いいのねぇ。やっぱ食べ物の違いかしら?
でもこれマヤに見せたら泣くわねきっと。

ふと気がついたらアスカがコワイ顔して後ろに立ってた。いつのまにか帰ってきてたのね。
そんな趣味があるのか?と聞かれたので、本の発掘場所を教えてあげた。
アスカったらぷりっぷり怒ってた。やっぱりなんだかんだで意識してんのねー。カワイイ。

お年頃だもの仕方がないわ、と軽くシンジ君のフォローを入れて私はお昼寝した。
夕方になって、ほっぺにモミジ付けたシンジ君が部屋に怒鳴り込んできた。
やぁねぇシンちゃんたら、レディの寝起き襲おうなんて。そんな子に育てた覚えはないゾ♪


ちょっち目がコワイシンジ君に半ば強制で、本人の許可なしに部屋から物を持ち出さない条約を締結させられた。
残念。


もう一眠りしようとしたら携帯で副司令から呼び出された。
何か報告書の不備だって。そんなん明日でもいーぢゃん!どちくしょう。

渋々NERVに向かう。
行ったらいきなり司令と副司令から留守番を頼まれた。
休みの部下呼び出しといてテメーラは飲み会か。いいご身分だな?ああ?

あー、マジでアッタマ来るわー……
勘弁して欲しいわ。ホントに。留守番くらいメガネかロン毛で充分でしょーに。

もう仕事辞めて家庭に入りたいなー。
どっかにいい人いないかなー。
ホノボノ(・∀・)イイ!!
神GJ!
あー、こーゆーの大好き
○月☆日
16時間ほど起き続けて職場で迎える月曜日って最高よね!

その事をリツコの研究室でコーヒーメーカー半分減らしながら愚痴ってたら、邪魔だから帰れと言われた。
なーんて冷たい奴。だから彼氏の一人も出来ないのよ。


後ろから飛来するメスの雨をかいくぐり、大浴場でひとっ風呂浴びてから車に乗り込んだ。
でも帰って寝るには勿体ない天気だったので、久し振りに箱根の洋子に会いに行く事にした。

五年ぶりに会った洋子はすっかりお母さんになってた。
来年から小学校の子供が居るんじゃ仕方ないか。
昔話に花が咲き、すーごく楽しかった。
でも洋子の「子供っていいわよ」攻撃がちっくりちっくりと胸を刺すのに耐え切れなくなったので撤収。

帰りにやってた検問のお兄さんに「29にはとても見えない」と褒められたのでケーキを買って帰ることにする。
二人とも素直に喜んでくれた。

子供っていいなー。
>>386
神GJ!
第3は箱根の桃源台や仙石原だよね
このミサトはどこか違うところに住んでいるのかな
よしよし
ありゃ、洋子んち箱根だなんて書いてる。
ドイツ暮らしが長かったからかしらねぇ。けしけし。


○月※日
厚木で会議。
多少イヤミ言われても気にしない気にしない。
私が耐えれば丸く納まるんだし、お仕事ですものしょーがないわ。

ちょっちケリ入れて自販機ヘコませちゃったけど、気にしない気にしない。
言わなきゃバレないし。

NERVに帰って日向君の企画書に目を通す。
丁寧なんだけどイマイチ華がない。ダメ。やり直し。
しょぼくれる日向君を放置して廊下に出たらサツキに今夜飲みに誘われた。
却下する理由は無い。存分に飲むわよ。
仕事を早めに切り上げて二人で浴びる程飲んだ。
そしてレジの前で二人して驚く。

私らはアレか。体育会系の男子大学生か。
マヤかカエデも呼べばよかったと多大に後悔する。くぅ。

タクシー代まで払ってらんないので日向君に助けを求める。

10分で来た。なんて使えるヤツ。
寝そうになるのを我慢して助手席で揺られてたら、どこかで休んでいきますか?とか言われた。

アホですか。そんな元気ないっつの。
丁重にお断りして自宅へ。
玄関でちょっと寝てから気合で布団に潜り込む。

うー、吐きそ……
こりゃ明日は間違いなく二日酔いだな……
オッテュ
ちょいと早起きしたら案の定、やっぱり頭の中で道路工事してた。
二日酔いは何度やっても慣れないわ。うー。

今日は車が無いので電車でGO。たまには電車もいいかも。

しかし最近は全くお客さんが来ないので作戦部は暇で暇でしょうがないのだ。
だからリツコのところで午前中は死んでた。だって頭痛かったんだもん。

午後から元気が出てきたので、技術部の追加予算請求8000億円についてリツコを問い詰める。

「欲しいオモチャがあるのよ。」

それって金額的に笑えなくなーい?
すんません。国民の皆様ホントにすんません。
NERVには税金ドロボーばっかりです。ごめんなさい。

なんか、戦自のロボット下取りするんだって。一応これでも相当買い叩いた金額らしい。
つーかEVAですら五機もあんのにこれ以上戦力増やしてどーすんのよ。

ホントに天才の考える事はワカラン。どっかと戦争でも始めるつもりか?

何だかキナ臭くなってきたかも。
やだなぁ。またギリギリになって教えられてドタバタするのかなぁ。
あーっと、日付入れんの忘れたぃ。
○月$日っと。
>>393-394
オーーーーーーーーーーーーツ
よしよし
○月〒日

やっぱり気になるので午後から出張届けを提出。ドグマに降りて直接MAGIを問い詰める。

結果……惨敗。
ファイアウォールが半端じゃなく強化されてた。
あのアマ。先手打ちやがったな。これだから金髪は。

結局台本通りに踊るしかないのね。ハイハイ分かりました。
いいわよ。踊ってやるわ!その代わりあんたらが止めろって言っても踊り続けてやるからね!

という訳で日本政府に匿名で情報をリークする。
果たしてどうなることやら。

難しい顔してたらしく、帰りに晩御飯のおかずのコロッケ買ったらオマケしてもらえた。
店長さんの心尽くしに感謝。
腹が減っては戦はできぬ、しっかり食べて明日から頑張ろう。


とか思ったら、よそ見した瞬間にアスカに取られた。
ガッデム。そんなに食うとデブるわよ欧州人。

代わりにシンジ君が学校からのプリントをくれた。
来週は三者面談か。エステと美容室に行かねば。
乙でし
オッテュ
○月∇日

二三日ほったらかしで調べ物してたら仕事が山積みになってた。オソロシヤ。
内容は殆どがリツコのオモチャ関係だった。まだ動きはないみたいだけど。
水面下で何かがニョロニョローっとしてる気配くらいしか感じない。
まだ待ち、か。


日向君と青葉君、サツキと軽く飲んでから帰る。

家はワイワイガヤガヤと子供達に占領されてた。
そーかそーか。私の手料理がそんなに食べたかったのかキミタチ。

つーワケで、洞木さんに手伝ってもらいながら、みんなの分のゴハンを作る。
お蔭様で非常によく出来た。満足。

てかさー!シンちゃんもアスカも洞木さんばっかり褒めてないで少しは私も褒めてー!



14歳か。
私の頃は悲惨の16乗くらいだったなー。
ま、なんにせよ子供達が笑って暮らせる時代になって本当にヨカッタヨカッタ。

この笑顔、絶対に守らなきゃだわ。
よしよし
○月£日

ペンペンに起こされた。
休みなんだからのんびり寝かせてよぅ、と喚きつつ朝ゴハンの支度。

撮り貯めしたビデオ見てのんびり過ごす。ぼけーっとするだけの休日もたまにはいいもんだわ。
全てを忘れてのんびり過ごす。休める時は休む。これ基本なり。

アスカが洞木さんとこにお泊りなので今夜は久し振りに二人きり。
寂しい?それとも私と二人きりで嬉しい?


別に、と軽ーくあしらわれた。ちぇっ。つまんないの。

お風呂入ってビールのんで二人でテレビのホラー映画を見る。
隣で青白い顔してるシンちゃんをおツマミにがしがし飲む。
ほほほ。エヴァには乗れても所詮はお子様よのぅ。

夜中にトイレに起きたらシンちゃんの部屋から明かりが漏れてた。
怖くて眠れないらしい。
可愛い奴め。ならお姉さんが添い寝してあげよう。

小声でお喋りしてたらシンちゃんがいつの間にか寝てた。
可愛らしい寝顔を存分に観賞したので部屋に帰って寝る。オヤスミ。
オッツッツ
>>403


>>404
発音しにくい
406どこぞの877:05/03/15 19:57:47 ID:???
3月 15日

アスカの様子が変だ、昨日のホワイトデーの事をネタにからかったら、
スキヤキを突付く箸を、一旦止めただけで、ニコニコわらってるもの。
カッとなって、大騒ぎするのが何時ものパターンだというのに・・・。
これは、何かあったのかしら?、シンジ君からプレゼントでも貰った?
わすれられない、アスカの表情・・・あんな顔は遠い昔、何処かで見たような気がする。
いい事でもあったのか・・・怒りを忘れるほどの・・・、まさかシンちゃん何かした?
わかいからって、まさか『体で・・・』なんて事は無いでしょうけど。
よくもまぁ、あれだけ上機嫌でいられると感心してしまう。

今はニコニコしてるけど、私が寝た後シンジ君と二人っきりになったら、ヤバくない?
日曜を明日にひかえ、二人共遅くまで起きるつもりだろうか。
はやまった行動をしないように、徹夜で監視した方が良いかしらとも思う。
どうにも上手く頭が回らない、酒が抜けてから考える事にする。
うそでも、子供ができたとか言うのは無しよ?
しんじ君ならアスカと上手くいく、そう思いたいけど、それはそれ。
ただの気まぐれ・・・そうあってほしい、アスカも怒ってばかりでは無いものね。
のみ過ぎたので、もう寝ることにする・・・おやすみなさい。
リンク!キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
GOD降臨!
縦読みGJ!!!
四つとも縦読み
すごいもんだな
さすが
オッテュ
最近縦読みが流行ってきてるな。乙!
414名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/23(水) 22:13:21 ID:???
みるがい
さば
とりがい
なっとう
かに
だしまきたまご
しめさば
415名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/25(金) 02:25:25 ID:???
△月▽日

最近日記をちょっちサボり気味。
ん〜、このままじゃマズイわね。
アスカやシンちゃんに笑われちゃう。
あの子達は春休みだから家の中にいてられるけど、この季節と言うのは何かと忙しいのよねん。
って言ってもあたしの場合年中忙しいか・・・。
はー、3人で旅行にでも行きたいとこだけど無理でしょうねー。
司令や副司令は部下に留守番させてアチコチ飛び回ってるくせに・・・公務員はつらいわ。
416名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/25(金) 07:50:53 ID:???

「いてられる」とは、葛城、謎の関西人か。
417名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/25(金) 08:24:11 ID:???
オッテュ
418名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/25(金) 16:11:11 ID:???
いてられる、いてられる、いてられる・・・
日本語の使い方もちょっち変になってきてる。
あたしもいよいよかしら・・・まいっか。

▽月△日
帰宅するとアスカとシンちゃんが二人仲良くリビングでおねんね。
お腹空いてたけど、あんな可愛らしい寝顔見せられたら起こすのは可哀相よねん。
だから久しぶりに自分でお料理お料理。メニューは勿論わたしの十八番のカレー。
けど、折角わたしが腕を振るったってのに、いつの間にかあの二人どこかへ消えてた。
おかしいなー、寝てたと思ったのに。もしかして幻?
最近仕事し過ぎかしら。今度休みを貰おっと。
419名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/25(金) 22:58:07 ID:???
乙!!
420名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/27(日) 14:45:34 ID:???
421名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/27(日) 17:04:06 ID:???
オッテュ
422名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/03/30(水) 12:59:53 ID:???
3月30日

今日はレイの誕生日なので、レイを呼んであげて我が家で焼肉パーティーをした。
ところが主役は、「肉嫌いだもの。。。」ですって!!
アスカはレイの分までお肉を食べて嬉しそうだったけど、焼肉の選択はちょっちマズかったかしら。
423名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/03(日) 08:15:35 ID:???
424名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/07(木) 12:50:06 ID:???
ミサトさん
425名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/08(金) 20:54:02 ID:???
ミサトの日記1
【7:12】アスカの奇声で目を覚ます。朝っぱらから情緒不安定な生娘のために不快。まだ眠い。二度寝。
【7:35】一応、起床。玄関では生娘と童貞坊やが口げんか。あんまりうるせぇと売り飛ばすぞゴラァ。
【7:43】シャワー浴びたあと、朝のドリンク。当然エビス。プッハー。
【7:50】ネルフに到着。相変わらずメガネがキモい。あれは素人童貞だな。
【8:03】今日も使徒が来た。ロリコン親父が猿を出撃させる。猿は無能だから思いやられる。
【8:46】アスカが精神汚染される。元々おかしい奴だから汚染されようがないと思うがだまっとく。
【9:30】レイがロンギヌスの槍で使徒退治。はじめからそうさせろっつーの。
【9:40】昼寝。
【11:45】昼寝から目覚める。腹がすいた。メガネに焼きそばパンを買って来させる。便利な奴だ。
【12:00】メガネがやっと戻ってくる。遅すぎ。股間に蹴りを一発。
【12:05】白髪のじじいに呼びつけられる。こっちは飯食ってるーっつーの。
こっちの都合はお構いなしって感じ。女にもてないタイプね。
426名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/08(金) 20:54:39 ID:???
ミサトの日記2
【13:22】カメみたいな使徒登場。イカみたいな奴や魚みたいな奴もいるから、今度、酒のつまみにしてみることに決定。
【15:40】カメ使徒退治。初号機が暴走。カメを喰ってた。ちっ先に喰われたか。
【16:42】シンジ君が初号機に取り込まれて戻って来れないのが判明。アスカが病院だから、今夜はシンジ君の童貞もらおうと思ったのに残念。
【17:43】みんなは、シンジ君が戻って来れないことから申告に悩んでる。んなどうだっていいじゃん。
【18:45】シンジ君の童貞奪取計画が無理なので、代わりにおもしろいプレイを立案。ロンゲを巻き込んで作戦会議。
【19:49】リツコも来ると偽って、マヤを飲みに連れ出す。ロンゲは我が家で待機。ちなみにリツコはロリコン親父と今晩は過ごす。
【21:53】マヤが酔いつぶれる。思ったより時間がかかった。メガネを呼び出してあたしの部屋までマヤとあたしを送ってもらう。
【22:15】帰宅。当然メガネはかえってもらう。奴は奴隷がふさわしい。
【23:00】マヤの処女をペニバンつけたあたしが奪う。血は出なかった。痛がってもないし。ことによるとリツコが先に処女を奪ったのかもしれない。
ロンゲはマヤにイマラチオさせる。俗に言う3P。
【23:30】ロンゲがあたしとやりたがる。うぜぇ。あり得ないんだけど。射殺。
【24:00】マヤの酔いが醒める。何喰わぬ顔で飲み続けるあたしを、みじんも疑うことのないマヤ。マヤはタクシーで帰宅。今度こそはシンジ君の童貞を奪いたい。
【31:00】気付いたら朝だった。朝日がまぶしい。久々に平和な朝だ。使徒が2匹も来たから当分来ないだろう。
今日ぐらいさぼっても問題ないだろう。体調不良と言うことでサボり決定。飲み直す。

427名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/08(金) 22:08:35 ID:???
亀じゃなくて牛ですよ、ミサトさん!
428名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/09(土) 08:04:50 ID:???
429名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/09(土) 21:57:10 ID:???
>425-426
その前の良作を読んだあとだけにガッカリ。
ただ露悪趣味が好きなだけならよそへ行け…。
430名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/09(土) 22:11:21 ID:???
えー良いと思うけど
431名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/09(土) 22:21:13 ID:???
んじゃ俺、滝に打たれてくるとかした方がいいだろうか。
432名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/09(土) 23:30:45 ID:???
気にいらなけりゃ、スルー汁!
だろ
433名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/10(日) 07:50:57 ID:???
他の日記スレにも同じようなネタが落ちていたけど、同じ職人なのかな
434名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/15(金) 18:33:54 ID:???
綾波日記の人、また書いてくれないかなー。
435名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/21(木) 10:04:21 ID:???
ミサトさんっ!
436名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/21(木) 17:18:07 ID:???
ミサト!!、ミサトさん!!。
437名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/22(金) 19:13:53 ID:???
age
438赤木リツコ ◆Eva.lcTPio :2005/04/23(土) 04:46:34 ID:???
ぶざまね。
439名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/27(水) 20:34:48 ID:???
ミサトさん待ち。
440名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/03(火) 01:25:47 ID:???
ミサトさんも忙しいしな。
441名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/12(木) 09:05:37 ID:???
>>429
貴様のせいで職人がいなくなったじゃねーか。
貴様、責任とって投稿しろ
442名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/12(木) 18:52:42 ID:???
ここのところ日課は シンちゃんに電気アンマ。
身体をクネらせて「キャハハ、やめてやめて、
やだやだ、ストップ、アハハ」と騒ぐ。
3分経過後
「や、やぁめ、、う、うぅぅぅ・・おし・・っこもれちゃぅぅうぅぅ」と泣きそうな顔でジタバタ。
しかし手が届かずどうにも出来ない。私はそのまま小刻みに足を動かす。
更に2分経過後
泣きながら 「お、おしっこが・・・う゛ぅ゛ぅうぅぅうぅぅぅぅぅッッ!!」と引き絞るような声を上げて硬直。
短パンの横からのぞく固いちんちんが、溢れ出た液でぬるぬるになる。
絶頂冷めやらぬまま責められて「うッ・・らめっっ・・ウ゛ッ・・・・うぅッ・・・」と顔を紅潮させてうめく。
股をよじらせ、Tシャツの裾を掴んで皺くちゃにして耐えているのがいやらしい。
更に10分 。Tシャツは汗で透けて、股間は痛そうなくらい勃っている。
時々身体をビクビクさせながら
だめ、、、だめ、、、ミサトさ・・・たす
443名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/12(木) 21:28:18 ID:???
変態バーサン、強姦ショー!
444名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/16(月) 03:11:21 ID:???
・・・。
445Et:2005/05/16(月) 10:17:14 ID:???
 2015/**/**  19:55

今日、「冬月コウゾウさん」という人が来ました。
私を見て、顔をしかめていました。
私は何か悪いことをしたんでしょうか。

「私のことを覚えているか」と言われました。
知らない人だと思います。

 2015/**/**  19:30

お昼ごろ、「赤木博士」と呼ばれる女の人が来ました。
泣きそうな顔で私のことを見ていたけれど何も言いませんでした。

医療スタッフという人に私の体調を聞いていました。

私は大丈夫です。
言葉は話せないけれど。
446Et:2005/05/16(月) 10:18:35 ID:???
 2015/**/**  19:48

若い女の人が来ました。
「伊吹さん」というそうです。

手を引いてもらい、一緒に施設を出ました。
「ごめんね」と言う彼女の手は震えていました。

知らない場所。怖いです。…おとうさん。

 2015/**/**  20:23

紫色のロボットを見ました。

私と同じくらいの男の子が、
「復讐も自分の手でやれば満足だろう。
 僕がどれだけ苦しかったか、自分で体験すればいい」
と、言っていました。

「復讐」って何ですか。 

追記: 私はパイロットになりました。
447Et:2005/05/16(月) 10:19:36 ID:???
 2015/**/**  19:58

「使徒」が来ました。

LCLで溺れそうになった私に、赤木博士が、
「ミサト、大丈夫だから。落ち着いて」と言いました。
どうすれば落ち着けるのかわかりませんでした。

私は負けたと思います。
病室で目が覚めたとき、私を抱きしめて赤木博士が泣いていました。
暖かかったです。 負けてしまって、ごめんなさい。

 2015/**/**  20:00

学校に行くことになりました。

先生が自己紹介のとき、私が話せないことを言いました。
静かになった教室で、たくさんの生徒が私を見ていました。
怖くてずっと下を向いていました。

追記:部屋の冷蔵庫にビールが入っていました。
他のものも入れたいので、外に出しておいても腐らないですか。
448Et:2005/05/16(月) 10:21:01 ID:???
2015/**/**  19:20

鈴原君という人に殴られました。
前の戦いで、私のせいで妹さんが怪我をしたそうです。
ヒカリさんが、「女の子を殴るなんて」と言いました。
でも、私が悪いのだと思います。

お昼ごろ、「使徒」が来ました。 鈴原君と相田君もいました。
パレットガンは効果がなく、「使徒」の手がエヴァのお腹に刺さりました。
痛かったけれど、「突っ込め」と言われたのでそうしました。

病院に行く前に鈴原君が、
「すまんかったな、あんたもがんばっとるんやな」と言ってくれました。

 2015/**/**  20:33

碇君という人が来ました。
初号機と初めて会った時に居た人です。
彼は「何で命令違反したんだ」と言いました。
わからなかったので首を振ったら、
「そんな気持ちで乗られてちゃ迷惑なんだよ。嫌なら出て行け」
と言われました。

部屋に帰ったら、ドアが開きませんでした。
私は負けてばかりで役に立たないので、捨てられたのかもしれません。
449Et:2005/05/16(月) 10:23:05 ID:???
 2015/**/**  22:15

行く宛てもなかったけれど電車に乗りました。
映画館に入ったら、知らない人に話しかけられて怖くなって逃げました。

夕方、山の中で相田君に会いました。
「女の子を招待するのは初めてだな」と言って、テントに入れてくれました。
「俺は、男だから」と言って、相田君は外で寝ました。
優しくしてもらっても、私には何も出来ません。

かえりたい。ごめんなさい。かえりたい。…おとうさん。

 2015/**/**  21:09

保安部の人が迎えに来ました。
渡されたID登録証には穴が開いていて、「抹消」と判子が押されてました。

駅には赤木博士が連れて行ってくれました。
電車が来たけれど乗れませんでした。

私には、帰る場所はないのです。
もっと頑張るので、どうか私を捨てないで。
450名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/16(月) 17:28:40 ID:???
せつねぇ…
451Et:2005/05/17(火) 05:58:05 ID:???
 2015/**/**  20:06

赤木博士は私を見て悲しい顔をします。
伊吹さんや他の職員の方も、私を見て悲しい顔をします。

私がパイロットとして不出来だからでしょうか。

零号機のパイロットの綾波レイさんとは、あまり会いません。
碇君という人は、少し怖いので、あまり会いたくありません。

 2015/**/**  19:52

学校で、碇君と綾波さんを見かけました。
碇君は何でもできる人なのだそうです。

鈴原君と相田君は「皆に迷惑をかけた」ということで、
クラスの人に無視されていました。
けれど、二人ともいい人たちです。
誤解されているんだと思います。

声の出ない私に話しかけてくれるのは、この二人とヒカリさんだけです。
452Et:2005/05/17(火) 05:59:02 ID:???
 2015/**/**  20:02

また「使徒」が来ました。

使徒の光線に当たって、私の乗ったエヴァは壊れました。
とても、とても苦しかった。
ごめんなさい。
私はエヴァに乗るのが怖いです。

 2015/**/**  20:42

ポジトロンライフルが届きました。

私のエヴァは、それを持った零号機の「盾」になりました。
手に持った盾が溶けても、私は動くことが出来ませんでした。
熱くなるLCLの中で、今度こそ死んでしまうのだと思っていました。

私も死んだら、…おとうさんのところに行けますか。

追記:助けてくれたのは、綾波さんでした。
453Et:2005/05/17(火) 06:00:58 ID:???
 2015/**/**  19:05

進路相談に伊吹さんが来てくれました。

「先輩が来るって言ってたんですけど、予定が入っちゃって」
伊吹さんはそう言って、私に「ごめんね」と頭を下げました。
来てくれただけで、嬉しかったです。

伊吹さんは、帰りにアイスクリームを買ってくれました。

 2015/**/**  20:20

太平洋艦隊を見に行きました。 
碇君と一緒でした。

アスカという女の子に会いました。
初めアスカは私を見て、とても驚いていました。
でもすぐに「アスカと呼びなさいよ」と言ってくれました。
名前で呼んでもいいと言ってくれたのは、アスカが二人目です。
声は出ないけれど、「アスカさん」と呼んだら、
「アスカでいいってば」と言われました。
心の中で練習していたら「変な子ね」と言われてしまいました。

何故かアスカには嫌われたくないなと思いました。

追記:アスカと一緒にいた加持さんという男の人は、
   私を見て怖い顔をしていました。
   そしてもっと怖い顔で、………碇君を、見ているようでした。
454Et:2005/05/17(火) 06:02:20 ID:???
 2015/**/**  21:25

艦隊が「使徒」に襲われました。

アスカは「ミサトはここで見てなさい」と言ったのですが、
碇君が私も弐号機に乗るように言いました。
アスカはとても怒っていました。
でも、私を弐号機に乗せてくれました。
弐号機が噛まれても痛そうにせずに戦うアスカは、強いと思います。

アスカと仲良くなりたいです。

 2015/**/**  19:10

加持さんに縋るようにして赤木博士が泣いているのを見てしまいました。

加持さんと赤木博士は恋人同士なのでしょうか。
二人を見ていると、胸がしくしくと痛みました。
これは、寂しい気持ちに似ているような気がします。

赤木博士が泣きながら私の名前を呼んでいたと思ったのは……
……私の聞き間違いかもしれません。
455名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/17(火) 09:46:31 ID:???
切ないけどGJ!
456Et:2005/05/17(火) 16:48:57 ID:???
 2015/**/**  20:07

アスカが学校に転入してきました。

アスカは、綾波さんに挨拶したすぐ後に、
「命令がなければ仲良くしようとは思わないワケ?」
と言いながら私のところに来ました。

綾波さんは無口ですが、以前、私を助けてくれました。
あの時は命令はなかったと思います。
それをメモに書いてアスカに見せたら、
「人は見かけによらないわね」と言っていました。

アスカがわかってくれて嬉しかったです。

 2015/**/**  19:49

二つに分かれても動ける「使徒」が来ました。

アスカと私で戦いましたが、勝てませんでした。
N2爆弾で足止めされた使徒は、また一週間ぐらいで動き出すそうです。

碇君に「役立たず」と言われたアスカは、とても怒っていました。
「アンタ、何様のつもり?」とくってかかって、「司令代理」だと言われていました。
私は碇君を怖いと思いますが、アスカは怖くないようです。
赤木博士や伊吹さん、他の職員は、怖がっているように見えました。
457Et:2005/05/17(火) 16:50:38 ID:???
 2015/**/**  19:33

アスカと一緒に住めることになりました。
「使徒」を倒すための訓練をする必要があるからです。

私の荷物は鞄一つだったのですが、アスカの荷物はたくさんありました。
荷物の片づけを手伝っていたら、アスカが水色のスカートをくれました。
それから、髪を結ぶためのゴムもくれました。

夕ご飯までに終わらなかったので、ダンボールの間に座っておにぎりを食べました。
なんだか楽しかったです。

 2015/**/**  21:52

学校を休んで訓練しています。

上手くいかなくて、何度も繰り返します。
アスカは疲れてお風呂場で寝てました。
私も眠ってしまいそうになりました。

夕ご飯にアスカが作ったアスパラ巻きが美味しかったです。
458Et:2005/05/17(火) 16:52:17 ID:???
 2015/**/**  21:23

今日、鈴原君と相田君とヒカリさんが来ました。
碇君と綾波さんも来ました。

碇君と綾波さんが踊ったときの点数が私達のときよりも高くて、
それを理由に「協調性がないからだ」と言われました。
「パイロットの代わりはいる」とも言われました。

部屋を飛び出したアスカは悔しがっていました。
私は、………わかりません。
でも、夕日に誓うアスカがかっこよかったです。

 2015/**/**  19:42

ネルフで加持さんに会いました。

アスカは、加持さんを好きだと言っていました。
大人で優しいからだそうです。
私は、少し怖いです。
加持さんに会うと鼓動が早くなって、胸が痛くなるから…。

髪を撫でてくれた加持さんの手は、おとうさんに似ていました。
459Et:2005/05/17(火) 16:53:36 ID:???
 2015/**/**  20:20

明日は決戦の日です。

アスカが一緒に寝てもいいと言ってくれました。
寝相が悪くならないかどうか心配です。

明日の戦いではアスカの足を引っ張らないよう頑張りたいです。

 2015/**/**  18:58

「使徒」に勝ちました。
最後の着地は、失敗してしまいました。
アスカは「かっこ悪い」と言っていたけれど、勝てて嬉しそうでした。
本部の人たちも「よくやったね」と言ってくれました。

私、ここにいてもいいですか。
460名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/17(火) 19:22:50 ID:???
乙です

いいですね。
461名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/17(火) 19:55:36 ID:???
何なの、これ?
462名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/17(火) 21:41:27 ID:???
主要人物が全員逆行で、シンジは断罪スパシンちゃんで、
ミサトは14歳まで戻ってしまったというところか
463名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 01:39:15 ID:6k6cV9js
ミサトの記憶がないんじゃ、公開リンチでアンチスパシンもんになっちまうなぁ

コンセプトと筆力が十分なだけに、そこが非常に個人的に残念だ…
464名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 01:40:32 ID:???
すまそ、某板帰りで上げちまったorz
以降反省してROMる、申し訳ない
465Et:2005/05/18(水) 05:59:04 ID:???
 2015/**/**  19:37

アスカと加持さんと私で、買い物に行きました。

途中、アスカが何かに怒って、先に帰ってしまいました。
私は追いかけたかったけれど、加持さんが私の腕を握って止めたので、
追いかけられませんでした。
加持さんは「女の子は、気難しいな」と言っていました。

加持さんも、時々、赤木博士のように悲しい顔をして私を見ます。
でも、加持さんの視線は赤木博士とは違うような気もします。

 2015/**/**  19:26

「修学旅行には行けない」と言われました。

アスカは残念そうでしたが、私は少しほっとしました。

学校でも、アスカが話しかけてくれるので寂しくないです。
ヒカリさんたちも優しくしてくれます。
辛いと思うことなんて、………なにもありません。
466Et:2005/05/18(水) 06:00:27 ID:???
 2015/**/**  20:25

アスカが「跳びこみ」を教えてくれると言うので、プールに行きました。
碇君と綾波さんも来ていました。

綾波さんは泳いでいたけれど、碇君はパソコンで何かやっていました。
画面をのぞいたアスカは、
「何で、アンタのセキュリティがこんなに高いのよ?」
と言って、碇君と喧嘩をしていました。

綾波さんは、泳ぐのがとても上手だと思います。

 2015/**/**  19:48

浅間山に「使徒」がいました。
見つけたのは碇君だという噂が流れていますが、本当なのでしょうか。

「使徒」はアスカが殲滅しました。

夜は、温泉に入りました。
そこで、私のエヴァが耐熱装備をしないでマグマに入ったので、
私が火傷をしてないかどうか調べると言って、アスカに追いかけられました。
何故か、加持さんが助けてくれました。
467Et:2005/05/18(水) 06:01:39 ID:???
 2015/**/**  19:13

進路相談の面接があるので、赤木博士にお願いに行ったら停電に遭いました。
エレベーターに閉じ込められたのですが、加持さんが出してくれました。
「頑張れよ」と言って背中を叩いて私を送ってくれました。
とても頼りになる人だと思います。

でも、エレベーターの天井に登る時に、私を引き上げた加持さんが、
「全部忘れているのか…。葛城………」と私の耳のすぐ下のあたりで
言ったときは少し怖かったです。

「使徒」が来ていたので、アスカと綾波さんと一緒に倒しました。

 2015/**/**  20:39

怖い夢を見ました。
目が覚めたら内容は忘れてしまったのに、怖さだけが残っていました。

「そんなに怖かったなら、全部忘れちゃいなさいよ」と、アスカは言います。
忘れるようにしようと思うのですが、忘れたらいけないような気もしています。
468Et:2005/05/18(水) 06:03:26 ID:???
 2015/**/**  13:07

空から「使徒」が落ちてくるそうです。

「遺書を書いておきなさい」と言われたけれど、
誰に書けばいいのかわかりませんでした。
アスカに相談したら、「わかんないなら、書かなきゃいいでしょ?」
と言われ、そうかもと思ってやめました。

使徒を受け止めるときのエヴァの配置は、碇君が決めたそうです。

これから、行きます。
「帰ってきたら宴会、OK?」とアスカが言っています。
私も参加したいです。

 2015/**/**  19:08

今日は雨でした。
昨日、碇君が褒め言葉を言ったりしたからだと、アスカは言いますが、
そんなことってあるのでしょうか。

お昼に食堂で、綾波さんと一緒になりました。
宴会ではあまり食べていなかったので小食なのかと思っていたのですが、
大盛りラーメンを食べていました。
「肉は嫌い」なのだそうです。
469Et:2005/05/18(水) 06:06:06 ID:???
筆力不足を痛感してます
・ミサト十四歳 
・シンジのみ逆行 (スパシン恐怖政治 Not 断罪)

― シンジについて ―
読んで理解が難しいほど作中に書ききれないようでしたら、
後書きで解説します。
今書くとネタバレになってしまうので。
470名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 11:14:06 ID:???
オッテュ


いろいろ想像できるから、あまりネタバレせずに書いてくれると嬉しいです
471Et:2005/05/18(水) 18:57:10 ID:???
 2015/**/**  19:29

プラグスーツなしのシンクロ実験がありました。

アスカが仕切り越しに私のお腹を抓もうとするので困りました。
私はゲートが開いたら、綾波さんの向こうに逃げました。
綾波さんのウエストはとても細かったです。
アスカもスタイルがいいので比べられると恥ずかしいです。
体重は私の方が軽いのですが、それは…胸もないからです。

追記:実験の途中で、マギに何かあったようで少し騒ぎになりました。
   碇君と赤木博士が言い争いをしているのが回線から聞こえました。
   すぐに切れてしまったので、詳しくはわかりません。

 2015/**/**  20:11

「昨日、何があったか知りたい」とアスカが言うので、訊きに行きました。
加持さんに会ったのでそのことを尋ねようとしたのですが、反対に、
赤木博士に注意されたことを言われてしまいました。

……実験の最中に、通路で追いかけっこをしたことです。

「大人になったら大きくなる、保証する」と加持さんは言うのですが、
あまり嬉しく思えず、複雑な気持ちになりました。

追記:加持さんが伊吹さんに叩かれていました。
    伊吹さんの印象が少し変わりました。
472Et:2005/05/18(水) 18:58:35 ID:???
 2015/**/**  19:46

機体相互互換試験というのをするはずだったのですが、中止になりました。
碇君が取りやめにしたそうです。

碇君は怖い人ですが、実績があると言います。
本当かどうかは、わかりません。
でも、アスカも「あんなチビがぁ?」と口では言いますが、
少しは認めているような気がします。

 2015/**/**  21:39

加持さんは旅行に行ったのか、電話が繋がらないとアスカが言っていました。

アスカも明日はデートだそうです。
私も「一緒に行く?」と誘われたのですが、断りました。
「面白くなさそうだったら、すぐに帰ってきてあげる」と言ってくれました。

夜は、アスカが明日着ていく服を選ぶためのファッションショーをしました。
私にも貸してくれましたが、短いスカートは恥ずかしかったです。
473Et:2005/05/18(水) 19:01:01 ID:???
 2015/**/**  21:55

アスカは本当に早く帰ってきました。
楽しくなかったのか、機嫌が悪そうでした。

アスカが帰ってきた時、私は昼寝から起きたばかりだったのですが、
「ミサト。キス、したことある? 例えば、………加持さんと」
と、いきなり言われて、とても驚きました。
すぐに首を振って否定したけれど、何故かアスカは疑っているようでした。

私は、まだ男の人を好きだと思ったことはありません。
だから、キスとかも、したいと思ったことはないのです。

でも、夜になってもまだアスカの具合が悪そうだったので
冷たい物を買いに行ったとき、加持さんに会ってしまいました。

加持さんは酔っていたのだと思います。

ふらふらしていたので支えてあげただけなのですが、
お昼にアスカに言われた言葉のせいか、すごくどきどきしてしまいました。
………加持さんは、私のことを誰かと間違えていたのかもしれません。
お酒の匂いがたくさんしていたけれど、とても悲しそうに見えました。

それから、加持さんの私を捕まえる手が強すぎて痛かったのですが、
外すこともできずに困っていると碇君が来ました。
そして、「子供に手を出すと、インコーで捕まりますよ」と言って、
加持さんを連れて行ってしまいました。
たぶん、からかっていたんだと思うけれど…。

部屋に帰ると、電気をつけたままアスカは眠ってしまったみたいでした。
474名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 22:02:45 ID:???
オッテュ
475Et:2005/05/19(木) 08:06:25 ID:???
 2015/**/**  20:08

昨日、私は「使徒」に飲み込まれました。
どうやって助かったのか、実は今もよくわかりません。
「使徒」の中に居たとき、ずっと何かを考えていたような気がするのですが、
今日、病院で目が覚めたときには忘れていました。

長い、長い、夢を見ていたように思います。

 2015/**/**  18:54

アスカに会えませんでした。

「少し時間が必要なのよ」と伊吹さんは言いますが、
アスカに避けられているのかと思うと、とても寂しいです。

使徒戦で私が先行したのはアスカのせいではないし、
初号機が飲み込まれたことについても、アスカは何も悪くないと思います。

追記:会えなかったけれど、病院にアスカが来てくれていたそうです。
   よかった。
476Et:2005/05/19(木) 08:07:47 ID:???
 2015/**/**  19:10

今日は、学校に行きました。

アスカはいつもよりも静かで、何か考えているようでした。
でも、一緒にお弁当を食べることができました。
そのときアスカに「アンタは、…好きな人、いないの?」と聞かれたので、
否定しました。

アスカが困っているなら相談にのりたいけれど、
私では役不足なのかもしれません。

 2015/**/**  20:48

綾波さんの家にプリントを届けに行きました。
本当は鈴原君が行くはずだったのですが、私がかわりに頼まれたのです。

綾波さんの家には眼鏡をかけた髭のおじさんがいました。
似ていないけれど、綾波さんのお父さんなのでしょうか。

プリントを渡すと「ありがとう」と言われました。
驚いてしまって、綾波さんについての質問メモを忘れてしまいました。
477Et:2005/05/19(木) 08:09:14 ID:???
 2015/**/**  19:01

加持さんがスイカ畑を見せてくれました。
「食べ頃になったら、一つあげよう」と言ってくれました。
今はまだ収穫には早いからと、黄色い花を貰いました。
実の生らない花、なのだそうです。

夕焼けになる頃、碇君も来ました。

三人で、スイカを眺めました。

 2015/**/**  20:23

相田君がアスカに何か相談を持ちかけていました。
その後、アスカの機嫌が悪くなりました。

「加持さんのところに行くから」と言って、出かけていきました。

一緒に行ったほうがいいのかもと思ったのですが、アスカは一人で行きました。
アスカのことが心配です。
478Et:2005/05/19(木) 08:11:26 ID:???
 2015/**/**  20:00

ヒカリさんは、鈴原君のことが好きなのだそうです。

知らなかった。………私は、鈍いのでしょうか。
だから、アスカも私には相談できないのかもしれません。

加持さんが、 今度、夕ご飯に私とアスカを招待してくれるそうです。
でも、アスカが加持さんに何か話したいことがあるのだとしたら、
私はいないほうがいいのでしょうか。

 2015/**/**  21:46

新しい実験があるそうなのですが、碇君が反対していると聞きました。
詳しい内容はわかりませんが、本部の人たちは皆、緊張しています。

「碇君の決め方は強引だ」と言う人たちと、
「彼の意見どおり慎重にする方がいい」と言う人たちがいるらしいです。

私は、前ほど碇君が怖くないです。
479名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/19(木) 22:31:54 ID:???
オッテュ
480名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 07:02:35 ID:???
乙です

ハフン
481Et:2005/05/20(金) 09:12:14 ID:???
 2015/**/**  19:52 

エヴァ参号機が来ることが決まりました。

赤木博士も伊吹さんも準備に忙しそうです。
でも、それだけではなく、何か、………怖い感じがします。
参号機が来ることになっても、喜んでいる人がいないように見えるからでしょうか。

新しいパイロットについての情報はありません。
アスカに尋ねてみたら、「知らない」と言われました。

私は、また何かアスカを怒らせるようなことをしてしまったみたいです。

 2015/**/**  19:18

鈴原君がお休みで、ヒカリさんががっかりしていました。
それで、余ったお弁当を分けて貰えたのですが、美味しかったです。
ヒカリさんはお料理がとても上手だと思います。

夜は、加持さんに夕食に誘われて、アスカと三人で外食しました。
美味しい食事でしたが、アスカが嬉しそうだったけど少し暗くも見えて、
そのせいか不思議な雰囲気になっていました。
アスカはその席で加持さんに、碇君について尋ねていました。

「他人を完全に理解することはできないさ。だからこそ、知ろうとする。
  だから、おもしろいんだな、人生は。
 …まぁ、わかりあえなくても、協力することはできるけどな」

私も、「人」を知る努力をしたい、と思いました。
482Et:2005/05/20(金) 09:12:59 ID:???
 2015/**/**  23:24

   私は、――――――――――

  ―――――――――――――――


 2015/**/**  19:05 

鈴原君は、生きていました。
生きていました。
生きていてくれた。生きてる。生きてる。

ごめんなさい。
よかった。
よかった。
うれしい。       
483Et:2005/05/20(金) 09:14:19 ID:???
 2015/**/**  20:49

「失望した」と。
「もう、会うこともない」と、言われました。

私はもう戦えません。いらない子だと、言われても。

でも、そう言った………碇君が。 

私には、碇君が、泣いていたように思えました。
涙など出ていないのに、私は、碇君を慰めてあげたい、と…。
何故そう思うのか、…自分の心なのに、よくわからなくなりました。

 2015/**/**  20:32

明日、私は、この場所を発ちます。
行く宛てはないままです。

私は。

私は、逃げるのでしょうか。

アスカや、ヒカリさんや、鈴原君や、相田君。
綾波さん、赤木博士、伊吹さん、オペレーターさんたち、整備士さんたち。
…加持さん、―――――― 碇君。    
                      …おとうさん。
484Et:2005/05/20(金) 09:15:44 ID:???
 2015/**/**  18:02

「何もかも忘れて、生きることも幸せかもしれない。
 それを葛城が望むなら…。

 俺は後悔してるのかな。 どうだろう、自分じゃよくわからない。

 8年前、俺は何もしてやれなかった。
 今もまだ、わかっちゃいないさ。どんな選択が正しいのかなんてのは。

 だが、今回は。
 何もしなければ、確実に後悔するとわかってるからな」

新箱根湯本駅のホームで、私は差し伸べられた手をとりました。

少しでいいです。一緒にいてください。
………誰かの代わりでも、かまわないから。

 2015/**/**  10:35

「使徒」が来ています。 つよい。

加持さんは止めてくれたけど、私は行きます。
危険なのに、車を出してくれてありがとうございます。

声が出ないのがもどかしい。
私が車から降りたら、いなくなったら、読んでください。

たくさん感謝してます。優しくしてくれて、ありがとうございます。
私は、みんなを、…加持さんを、守りたい。

485名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 20:47:45 ID:???
-
486名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 21:20:16 ID:???
オッテュ
487名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 21:29:49 ID:???
泣いた
488名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 21:44:44 ID:???
乙です
489Et:2005/05/20(金) 22:13:07 ID:???
 2015/**/**  16:53

カレンダーの日付が、私の記憶とは一ヶ月ずれています。
不思議な感じです。

私がいなかった間も、たくさんの人が私のために頑張ってくれたと聞きました。
嬉しいです。

 2015/**/**  19:45

加持さんがお見舞いに来てくれました。
カスミソウとチューリップの花束を貰いました。

スイカの花を貰ったときも嬉しかったけれど、
ピンク色の可愛い花束に、とても優しい気持ちになりました。
490Et:2005/05/20(金) 22:16:19 ID:???
 2015/**/**  19:51

赤木博士がお見舞いに来て、話をしてくれました。
ネルフのマギが、赤木博士のお母さんなのだそうです。

おかあさん、…よく覚えていません。

おかあさん、おとうさん。

思い出せない。 大切なことなのに。

 2015/**/**  20:34

加持さんはお仕事だそうです。
しばらく連絡できないと、留守電に入っていました。

留守電はアスカと一緒に聞きました。
けれどアスカはテープを聴いて、「これ、ミサト宛ね」と言いました。

何故、私宛だと思ったのでしょうか。

アスカはその後、夕食だと呼んだときも部屋から出てきませんでした。
491Et:2005/05/20(金) 22:18:47 ID:???
 2015/**/**  19:57

アスカの体調が悪そうです。
食事もあまり食べていません。

アスカが怒っても、怖くはないのです。
アスカは後で後悔して、自己嫌悪するから、怒らせたくないだけです。

夕食のとき、アスカのお母さんから電話がかかってきましたが、
アスカは嬉しくなさそうでした。

 2015/**/**  20:05

シンクロテストがありました。
アスカの数値がとても下がっていました。
テストが終わった後、アスカと綾波さんが、少し言い争いをしました。

「心を開かなければ、エヴァは動かないわ」

「心を閉ざしてるってぇの? この私が?
 ………心を閉ざしてるのは、どっちよ。
 アンタも、あいつも何も言わない。
 ミサトをこんなにしたのは、あいつなんでしょ?
 なのに、秘密、秘密、秘密。 秘密ばっかり。
 加持さんだって………。

 アンタ達はあたし達に何をさせたいわけ?
 あたしやミサトは、アンタ達の玩具じゃないわ。
 あたしは人形じゃない!」

原因は、私………なのでしょうか。
492Et:2005/05/20(金) 22:21:33 ID:???
 2015/**/**  19:34

忘れ物をしたアスカを待っている間、綾波さんが話をしてくれました。

最初はエヴァに乗る理由でした。
エヴァは、綾波さんの「絆」なのだそうです。
それから、碇君についても言っていました。「碇君は、不器用」だと。
私は彼が何でもできる人だと聞いていたので、不思議に思いました。
そうしたら、「生きることが…。 碇君は、碇司令と同じだから」と言われました。

私は会ったことがありませんが、碇司令は碇君のお父さんです。
碇君のお父さんは、どんな人なのでしょうか。
………私のお父さんも、不器用な人だったように思います。

 2015/**/**  21:05

赤木博士と一緒にお昼ご飯を食べました。

「若返るって言うのは、ある意味、女の夢ね」と言われました。

「私達は、彼との取引にあなたを差し出した。
 いいえ、正確には、…差し出したようなもの、ね。
 あなたに守られて、今の私達がいる。

 恨んでくれてもいいのよ。 その方が楽だもの。
 ………ずるいわね、こんな言い方。
 これじゃ、また加持君に怒られてしまうわ」

何があったとしても、私はきっと赤木博士を恨んだりはできません。
最初の戦いで負けたとき、抱きしめてくれた温もりを、私は忘れない。
493名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 22:40:13 ID:???
オッテュ
494名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/20(金) 22:42:07 ID:???
乙です

しっとりしてますね。
495名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/21(土) 02:56:09 ID:???
アスカを救ってやってくれ…
496Et:2005/05/21(土) 09:07:37 ID:???
 2015/**/**  19:55

アスカと久しぶりに外出しました。
とてもいい天気でした。

歩道の端の細い欄干の上を、アスカは上手に歩けます。
空を見ながらアスカは、私を「嫌い」と言います。
「ミサトなんて、いなかったらいいのに」と言います。

アスカは、私の代わりに私の好きなアイスクリームを注文してくれて、
私の食べられないピクルスを、私のサンドイッチから抜いて食べてくれます。

三軒目に寄った可愛いお店で、
アスカが私に似合うと言ってオレンジのリボンを選んでくれたから、
私もアスカに似合うオレンジのリップを買いました。

 2015/**/**  20:32
 
アスカのシンクロ率は、起動指数ぎりぎりです。
碇君が、アスカがエヴァに乗ることに反対していると聞きました。

アスカは弱音をはかないけれど、エヴァに乗りたいのだと思います。

エヴァのシンクロ率…。
エヴァには、綾波さんが言うように心があるのでしょうか。
497Et:2005/05/21(土) 09:09:30 ID:???
 2015/**/**  21:27

加持さんが入院したと連絡が入ったので、病院に行きました。
病室には加持さんと碇君がいました。

「身の程も弁えず火遊びするから死にかけるんだ。
 無様に這い蹲って命乞いをするから助けただけだ」と、碇君が言いました。

加持さんは悔しそうでしたが、深く碇君に頭を下げていました。

碇君が行ってしまうと、加持さんは私を呼びました。
包帯が加持さんのお腹のところに巻かれていました。
私の手も足も、変になってしまったかと思うほど震えていました。

加持さんの手が、動けない私を捕まえました。
「死ねなかったよ、葛城。 このままの……お前を残して、死ねないものな」

加持さんは、私を抱きしめてくれました。

涙が出ました。

おとうさん。
私は、おとうさんに、そう言って欲しかった。

でも、私はこの人が好きです。
おとうさんとは違う。この人が好きです。
加持さんに会えてよかった。

おとうさん、私を助けてくれてありがとう。
生きていてよかったと、思えるようになりました。
498Et:2005/05/21(土) 09:10:59 ID:???
 2015/**/**  22:05

「使徒」が来て、アスカの弐号機と戦いました。

「使徒」を倒したのは、零号機でした。

アスカが助かってよかったと思います。
でも、アスカは………。
私はアスカを慰めることができませんでした。

 2015/**/**  17:08

アスカはヒカリさんの家に泊まりに行っています。
「落ち着いたら帰る、って言うから」と、ヒカリさんから電話が来ました。

傷ついたアスカに私ができることを、ずっと考えていました。
私に出来ることは少しで、アスカの役に立つことかどうかはわかりません。

でも、一つだけ決めました。

私は、…私はたぶん、加持さんが好きです。恋愛の「好き」です。
初恋なのだと思います。

アスカも、加持さんが「好き」です。

だから、私は、この気持ちを ―――――――――。
499名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/21(土) 16:24:22 ID:???
泣けてくる・・・。(T_T)
乙です。
500名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/21(土) 16:30:05 ID:???
乙です

切ないな。
501Et:2005/05/21(土) 23:12:47 ID:???
 2015/**/**  19:40

今日は、部屋の片づけをしました。

この部屋に来たときの私は鞄一つでした。
でも今は、たくさんのものがあります。
最初の頃の、生活に使う合図を決めたときに使ったノートを見つけて、
いろいろ思い出しながら読んでしまったら、いつの間にか時間が経っていました。

「一拍ずつ開けながら、三回叩く」が、「ご飯が出来た」の合図。

「二つ叩いて、休んで、もう一つ」は、「ごめんなさい」です。

アスカは声が出せるけれど、「ごめん」の合図はよく使っていました。
ベットの横の壁に背中をつけると、今も、アスカの音が聞こえるような気がします。

 2015/**/**  18:33

買い物の帰りに、駅のホームに居る碇君と綾波さんを見ました。
二人で何か話をしているようでした。

碇君は怒っている記憶ばかりが多いのですが、
普通に話しているところを見ると、優しそうに見えました。

いつか普通に話ができたらいいなと思います。
502Et:2005/05/21(土) 23:14:44 ID:???
 2015/**/**  22:58

「使徒」が来ました。

綾波さんが、私を助けて…、 私を、助けて、くれたのに。

私は、何もできないまま、      綾波さん
                綾波さん      ごめんなさい。

 2015/**/**  19:15

綾波さんが生きていると、連絡が入りました。
急いで病院に行きましたが、綾波さんは集中治療室の中だったので、
私は会うことができませんでした。

医療スタッフの方が言う、
「生きているのが、可哀想なくらい」とは、どういうことなのでしょうか。
「徒に引き伸ばしても、彼女を苦しめるだけだ」と、碇君が責められていました。

生きることは苦しいことです。
「それでも、生きていて欲しい」と願う人の気持ちも、私はわかるようになりました。

私は、綾波さんが助かることをつよく願っています。
503Et:2005/05/21(土) 23:16:59 ID:???
 2015/**/**  00:02

病院の帰りにネルフに寄ると、碇君と赤木博士が言い争いをしていました。
二人が喧嘩すると、止めることのできる人はいません。

最初、喧嘩の理由は綾波さんについてだったようなのですが、
碇君は赤木博士に何か言った後、私の手を引いてエレべーターに向いました。

赤木博士は、私達を止めようとしました。

「見ないで」と、「見せないで」と、繰り返して何度も言っていました。

碇君が私を連れて行った場所、ネルフの地下に居たのは、綾波さんでした。

たくさんの、綾波さん。

碇君が何か説明をしていたけれど、私は聞いていられませんでした。
赤木博士は泣いていました。

 2015/**/**  16:43

誰にも会いたくありません。

悲しいのか、困っているのか、怖いのかもわからない。
昨日からずっと、自分自身さえもあやふやになったような気がしています。

私は、本当の私だと、どうやったら証明できますか。
もしも二人目の私が居るとしたら、それも、私なのでしょうか。
504Et:2005/05/21(土) 23:21:24 ID:???
 2015/**/**  20:26

ヒカリさんが疎開しました。

アスカはヒカリさんの家から、私達の部屋には戻ってきませんでした。
かわりに、「体調が良くないので一旦入院させる」とネルフの人に言われました。

アスカの荷物を持って病院に行く途中で、綾波さんに会いました。
体のことを尋ねたメモを見せると、綾波さんはゆっくり首を振りました。

「わからない。 たぶん、私は三人目だと思うから」

アスカのところに行った後、綾波さんの居た病室にも行きました。
集中治療室の前の椅子には、碇君が座っていました。
疲れて眠っているようでした。

 2015/**/**  19:29

アスカの病室に行きました。

アスカは話しかけてはくれませんが、私の飾ったヒマワリを見ていました。
それから、私はアスカの髪を梳きました。
アスカが私に買ってくれた、あのオレンジのリボンで結いました。

元気になってと、願います。
そのためなら、私に出来ることは何でもするから。

元気になったアスカと、また一緒にあの道を歩きたい。

綾波さんのことを考えると、不安になります。
早く、アスカに元気になって欲しいです。
505名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/21(土) 23:39:02 ID:???
乙です
506名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/21(土) 23:39:33 ID:???
オッテュ
507名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/22(日) 01:27:40 ID:???
乙カレー
508Et:2005/05/22(日) 10:26:40 ID:???
 2015/**/**  19:40

赤木博士が拘束されました。
理由は、わかりません。

面会に、伊吹さんが連れて行ってくれました。

「解放されたいと思ったのよ………。
 …………私…を、馬鹿だと…思って…」

「嫌いになってもいい」と言われても、嫌いになんてならないです。
でも、どんなに首を振っても、否定したくても、
こちらを見てくれない赤木博士には伝わりません。
 
以前、加持さんが「他人を完全に理解することはできない」と言っていました。
それでも、少しでいいから、わかりあいたいと思うのです。

 2015/**/**  18:39

「渚カヲル君」という人に会いました。

歌が好きなのだそうです。
それから、「家があることは幸せなんだよ」と言っていました。
ネルフに初めて来たということなので、施設の案内もしました。

私に普通に話しかけてくれる人でした。
少し、…綾波さんに似ているような気がします。
509Et:2005/05/22(日) 10:27:46 ID:???
 2015/**/**  19:05

アスカのところに行きました。
今日のアスカは、ずっと眠っていました。

帰ろうとしたら加持さんが来て、私を部屋まで送ってくれました。
「一人だと不便じゃないか」と心配してくれました。

ありがとうございます。嬉しかったです。
でも、ごめんなさい。 わからないふりをして、ごめんなさい。
私はどこにも行けません。

「私は、大丈夫」ということだけを、加持さんに伝えました。

私は、この部屋で、アスカの帰りを待つことに決めたのです。
私は、一人でも平気です。

 2015/**/**  21:53

渚君のシンクロ率はとても高いです。
テストの時、皆が驚いていました。

テストが終わってロビーで休もうとしたら、そこに碇君が居ました。
綾波さんも居ました。
私の後ろから、渚君が来ました。

全員一言も話さなくて、………怖かったです。
510Et:2005/05/22(日) 10:29:27 ID:???
 2015/**/**  19:16

綾波さんが散歩をしていました。
…目的もなく歩くことは、「散歩」だと思います。

少しだけ隣を歩きました。

綾波さんは、綾波さんでした。

 2015/**/**  19:55

私は「イレギュラー」だと、渚君に言われました。
「それが、彼の選択なんだ」と。

よいこでいるのは、しあわせかい?
それが、きみののぞみなのかな?

私は答えられませんでした。

私は、幸せですか。
幸せって、……なんですか。
511Et:2005/05/22(日) 11:05:26 ID:???
 2015/**/**  22:57

渚君は「使徒」でした。

碇君が怒っていました。

「これが君の望んだ世界じゃないのか」と、渚君が言いました。

「知りたかったんだろう? 君以外の誰かが、選ぶ道を」

「最後まで、君には見届ける義務がある」

「君自身が導いた、この世界の終わりを」

碇君は、怒って、泣いて、私を守ろうとしてくれました。

――――――――― 私は、渚君を、殺しました。 

 2015/**/**  16:42

加持さんは、「ミサトは悪くない」と言ってくれます。

私には、わかりません。
私は、自分が汚れてしまったような気がします。

よい子でいるのに疲れてしまったのかもしれないと、思います。

512Et お詫び:2005/05/22(日) 11:28:25 ID:???
重ね重ねスイマセン。
誤爆に焦って、訂正前の文章を送信してしまいました。
正規の文は、↓です。
ttp://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1115760691/398
ゴメンナサイ
513名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/22(日) 12:50:49 ID:???
乙です

つらいですね。
514名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/22(日) 18:35:10 ID:???
オッテュ
515名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 17:23:58 ID:???
歴史は変えられないのか…
516Et:2005/05/24(火) 10:40:35 ID:???
 2015/**/**  19:51

一人になりたくて、新芦ノ湖を見に行きました。
芦ノ湖の辺には碇君が座っていました。

「終わりの日」が来ると、言われました。

碇君は、疲れているように見えました。

芦ノ湖の中に立つ綾波さんが「もういいのね」と訊いていました。

碇君が何と答えたのか、私には聞こえませんでした。

 2015/**/**  19:52

私は「終わりの日」が来るとアスカに教えに行きました。

アスカは、目を閉じたままでした。

「嫌われるのは、いや。
 見捨てられるのも、いや。
 殺されるのは、もっと、いや。

 私を見てと、望むのはいけないこと?」

私がアスカに答えても、アスカが私を見てくれなければ伝わらないのです。
517Et:2005/05/24(火) 10:41:56 ID:???
 2015/**/**  19:53

花瓶の代わりに使った透明なコップに、白い蝶がとまっているのを見ました。
あの白い蝶にも、飾られていた花の記憶があるのでしょうか。

「100%理解しあうのは不可能なんだよ」

それでも、理解しあえなくても、好きになることはできると思います。

前に加持さんに貰ったカスミソウは、栞にしました。
私の宝物です。

 2015/**/**  19:54

赤木博士の笑顔を、もうずいぶん長く見ていないことに気がつきました。

赤木博士は言っていました。
「今を維持しようとする力と変えようとする力、
 その矛盾する二つの性質を一緒に共有してるのが生き物なのよ」

赤木博士の選んだ道が、痛くないものならいいと思います。
時間の流れの中で、変わっていくものもあれば、
変わらないものもあると思います。

一緒に居たときに感じた気持ちを、私は、忘れないから。
518Et:2005/05/24(火) 10:43:26 ID:???
 2015/**/**  19:55

碇君が、私に訊きました。 「自分は嫌いですか?」

わからないです。 きらいなような気もします。

「自分が傷つくより、人を傷つけた方が心が痛い?」

はい。

「自分で決めたことは、価値あること?
 ごまかさず、自分にできることを考え、償うこと」

わかりません。

「今の自分が絶対じゃなく、間違いに気付き後悔する。
 ヌカ喜びと、自己嫌悪を重ねて。それでも、前に進む?」

わかりません。

「ミサトさん?」

私には、わかりません。私は強くないです。 碇君が言うような強さは持ってない。
傷つくのは怖いです。 傷つけることも。
私がいい子でいたら、ママを助けられるから。パパに嫌われないですむから。

 だから、いいこで、いたかった。

私は、碇君の知るような『葛城ミサト』ではありません。
傷ついても立ち向かう術を知っていた、あなたの『ミサトさん』じゃない。
519Et:2005/05/24(火) 10:47:06 ID:???
 2015/**/**  エピローグ

一つの物語の終わりに記すような「気の利いた言葉」を、
残念なことに私は持ち合わせていない。
それにこの日記の最後を締め括るのは、私では、ふさわしくないような気もしている。

長く、短い、この物語は、私自身のものでありながら、
私とは違う可能性を持たされた「かつらぎみさと」という少女のものだから。
これは、全て夢で片付けるにはあまりにリアルで、優しくて、
少し………カナシイ思い出の記録。

明け方に見た夢のように朧気で、ただ頬を伝う涙の感触だけがあるような。
私自身でありながら、何処か、他人の経験を追うような記憶だけがこの胸に残っている。

いまさらここに、多くを書く必要はないと思う。

彼が求め、彼が受け止めたものは、結局、彼自身にしかわからないことなのだから。
彼がいつか目を覚まして、彼の知りえた真実を聞けることを、私は静かに待ちたい。

補完の海にたゆたいながら、人の数よりも多い「可能性の物語」のなかで、
彼が学び、彼が選ぶ結論を。

それまでは、この赤い海の浅瀬で、私も尽きぬ夢を見ていようと思う。
「どこかにある可能性の記録」を、私と言う存在に綴りながら。

いつか、もう一度『人』という存在が、見失った姿を自分の力で取り戻す…、
その時まで。

520Et 後書き:2005/05/24(火) 10:54:04 ID:???
補完世界で可能性の海をふらふらするシンジ君シリーズの番外編
「葛気ミサトが十四歳だったら… 」はこれで終了です。

碇シンジの言動がアレなのは、彼の潜在意識に明確な理想の成長像がなく、
力をもつ存在のイメージが  ×正義のスーパーヒーロー
                  ○碇ゲンドウ        だったからです。

可能性の分岐で「ミサト」を指定し、後は、父の後姿を追っていました。

追記:レスthanx でした。
521名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/24(火) 12:42:34 ID:???
>>520
良かったぞ!!
職人!!!
乙マンコ!!!!
522名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/24(火) 13:13:15 ID:???
乙です

おもしろかったです。
523名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/24(火) 13:33:34 ID:???
テンポ良く進んで読みやすかったです。
機会があったらまた投下してください。乙でした!!
524名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/24(火) 21:41:06 ID:???
オッテュ

久々の『日記』FF良作だと思います
525名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/25(水) 18:07:56 ID:???
GJ
526名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 11:37:25 ID:???
読みたいと思う組み合わせと、
読みたくないと思う組み合わせがあれば、教えてください。

1・ミサト×加持
2・ミサト×シンジ
3・ミサト×日向
4・ミサト×オリキャラ
5・その他 (例えば、 ミサト&リツコ  友情メインe,t,c)

今後の参考にしますんで、お暇でしたらヨロシク。
527名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 11:52:29 ID:???
ミサト×シンジはちょっと読みたくないな。
逆にミサト&リツコの友情メインは読んでみたい。
528名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 14:28:14 ID:???
カップルという意味なら1・ミサト×加持以外はちょっとね・・・
友情とか家族愛だとかなら別でしょうが。
529名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 14:35:23 ID:???
読みたい2
読みたくない1
530名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 15:08:32 ID:???
ミサト×シンジで是非
531名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 16:09:38 ID:???
ミサト×リツコで





貝合わせ
532名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 20:48:15 ID:???
ミサト×リツコキボンヌ。
ゲヒルン時代の若き日の二人のお話。みたいなカンジで。




貝合わせは…まぁ成り行きで…w
533名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 21:45:17 ID:???
俺もみさしん
534名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/27(金) 01:37:15 ID:???
昔、名無しさんの書いていた大学時代のミサトの続きを・・・
535526:2005/05/27(金) 12:44:05 ID:???
527-234 ありがとうございました。

本編より若い時代のミサト… って、オリジナルでネタ無いと読めるものにならないんですよね。
うわー、難しいな。
参考になりました、またそのうち夏休みにでも。




536名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/27(金) 23:09:05 ID:???
昔読んだ、ナオコ×チビレイのヤツが印象的だったから、そんなカンジのミサト×リツコのリクエストしてみますた。
オリジナルのネタでの勝負になるけど、妄想の許容度も高そうで楽しみかなと…

一緒に風呂に入って、『その傷…?』『あぁ、コレね…』みたいな話とか、
幼いころのアスカvsミサト、リツコvsちびレイとか、



つか、夏休みまで放置プレイなのね…
537名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/01(水) 20:00:42 ID:???
楽しみに待つ
538名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/05(日) 10:18:02 ID:???
同意
539名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/10(金) 09:13:02 ID:???
ミサトさん
540名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/11(土) 08:14:57 ID:???
541名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/12(日) 20:27:13 ID:???
好きだけど
542名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/16(木) 06:52:37 ID:???
やっぱり好きなものは好き。
543名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/20(月) 12:06:22 ID:???
待つ
544名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/21(火) 12:47:04 ID:???
でつ
545名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 01:48:04 ID:???
日記は?
546名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/01(金) 08:55:12 ID:???
葛城、日記は君と共にある。迷わず書いてくれ。
547名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/05(火) 05:43:11 ID:???
チルドレン監督日誌
548名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/05(火) 19:21:28 ID:???
549名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/10(日) 11:59:05 ID:???
美しき日々
550名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/15(金) 00:52:24 ID:???
期待待ち
551名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/17(日) 23:34:03 ID:???
そして夏休みも近づき・・
552344:2005/07/21(木) 11:13:05 ID:???
○月×日

梅雨が明けるまであと少しとなったこの頃。
我が屋は相変わらず整理のメドがつかず、やって来たリツコが
「臭っ! この部屋ニオウよ〜!」
と、下らないギャグを披露しながら逃げて行く事もあった。

そんな今日。
そろそろ前期の試験が近いため、私も加持も試験対策で修羅場を迎えている。
ちなみにリツコはインテリなので余裕の表情だった。
テスト勉強なんて中学校以来やってないとか嫌味も言われた。
悔しいので、テスト前日はリツコ先生の家で一夜漬けをしてやる。
553名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/21(木) 11:15:04 ID:???
○月×日

そうゆう事で、金髪のインテリに会いに行った。
別に一夜漬けじゃなくて、近頃全く姿を見ないので心配になったのだ。
何せ会いに行こうって思い立った瞬間、靴ヒモが一斉にちぎれ、
目の前を背中にカラスを乗せた黒猫が横切ったから。
なんだか胸騒ぎがした。日ごろ何をしているのかわからないあの子の事だから、
突然部屋で白骨死体になって見つかっても、不思議じゃない。

案の定、リツコは部屋で衰弱して動けなくなっていた。
抱え起こすとわずかに目を見開き、
「アンパンマン…あなたの顔を頂戴…」
人の顔見てアンパンマンとは失礼な話だが、
それどころじゃないので、とにかく介抱してあげた。
どうやら研究に没頭するあまり、冷蔵庫の中身を確認し忘れたようだ。
やはり天才と馬鹿は紙一重である事を認識。
554名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 00:07:59 ID:c5ayoc4H
乙です。そしてお帰りなさいミサトさん
555名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 00:14:09 ID:???
乙です

お帰りなさい。
気づくの遅れたorz
556名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 00:14:57 ID:???
乙。つーかリツコさん可愛いすぎ。ちょうど今頃大学生だもんな。
557名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 03:15:08 ID:???
どうせなら俺を食べてくれ。
558名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 10:23:25 ID:???
○月×日

テスト開始。高校野球に例えると、
一打席目:ツーベース
二打席目:ヒット
三打席目:ヒット
四打席目:ファウル
五打席目:空振り三振

とりあえず終わればよし。
だがアウトがひとつでも出るとヤバイ。
559名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 10:26:58 ID:???
○月×日

六打席目:ファウル
七打席目:ファウル
八打席目:振り逃げ(判定セーフ)
九打席目:雨天のため無効試合
十打席目:ファウル

あと少し。
それと、私の体はユンケルよりもビールの方が馬力が出る事が判明。
560名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 10:29:01 ID:???
○月×日

十一打席目:雨天無効試合の再試合。ホームラン。

終了。
加持といっしょに燃え尽きる。
これから今まで書き溜めたテスト勉強の紙を、供養と称して焼く。
561名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 10:31:15 ID:???
○月×日

リツコがやって来て一言。

「私の知り合いが、再テスト受けるんだけど。
 テスト勉強に使った紙あるでしょ? 一枚100円で買うって。」

鬱だ…
562名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/22(金) 23:27:54 ID:???
オッテュ
563名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 11:42:04 ID:???
○月×日

夏休みに突入して4日。しかし私は補講。
悔しいので冷房完備の教室でがんがん寝る。
家に帰ると真っ黒に日焼けした日ハムのSHINJOではなく加持がやって来た。
ちょい濃い目の小麦色の肌に、唯一真っ白で不気味な光りを見せる歯を見せながら、
海に行かないか、とのお誘い。補講がまだ続くので丁重にお断り。

それにしてもあいつ見てたら、何だかカレー食べたくなった。
カツカレー食って寝る。
564名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 11:51:42 ID:???
○月×日

リツコから電話。
「ちょっと来て。」と、あの子らしくない戸惑いを声から感じ、
補講の内容は友達に写させてもらう事にして、リツコの家に。
するとラフなカッコしたパツキンインテリは、私を駅前のデパートへと連れて行き、
「私に似合う水着を探しなさい。」と来た。まったく時々照れ屋さんなんだから。
どうやら加持の奴に声をかけられたようだ。
ちなみに、私一押しの豹柄のビキニ案を一蹴したリツコは、
結局自分で選んだ紺色のビキニを買った。人の意見聞かないなら一人で買いに行けっての。
それはそうと、服のセンスが地味なインテリを尻目に、私もピンクのビキニ買った事を付け足しておく。

でもこのお腹の傷、どうしよう。
565名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 12:03:34 ID:???
○月×日

補講が終わったので、ビール飲んで明日への馬力をつけていると、
1ダースのビールとつまみを持って来た未青年こと、リツコと加持がやって来た。
シャツとパンツだったけど、何だか着替えるのも面倒臭かったため、
とりあえず下だけ履いて二人を迎える。
無論加持に対しては、「手を出すと刑務所でボクシングをするハメになるぞ。」
とプレッシャーをかけておいた。
テレビのリアクション芸人をタネに愚痴っていると、
剥き出しのお腹の傷に話が飛んだ。
もう昔の事とは言え、この傷の事を思うと今でもちょい辛いんだけれど、
アルコールが入ってハイになっていたため、すんなり話せた。
泣かなかったのよ。誰かホメろ。
突拍子もない話に聞こえたかもしれないけれど、2人は信じてくれた。
私はいい友達を持てたみたい。

加持が「傷は舐めれば治るんだよ。」と、
日ハムのSHINJOのような顔を近づけて来たので、数発殴ってやったけど。
566名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 12:42:28 ID:???
乙です。

リツコさんかわいいですね。
567名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/23(土) 23:55:23 ID:???
オッテュ
568名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/24(日) 00:03:47 ID:???
神GJ!
569名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 09:21:57 ID:???
○月×日

考えてみれば、言葉を失って以来初めての夏休み。
とりあえず一日中冷房をつけっぱなしにして、全裸で過ごす。
570名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 09:26:17 ID:???
○月×日

リツコが来る。
全裸の私を見て、バカジャネーノ? って顔していた。
どうやら行列のできるラーメン店を見つけたが、
一人で行くのが恥ずかしいので私を誘いに来たらしい。
服を着てお昼にラーメン食べに行く。
インテリは何をさせてもウンチクがうるさい事を確認。
その後、帰って撮り貯めた25時間TVを見て寝る。無論全裸。
571名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 09:29:02 ID:???
○月×日

私が全裸で過ごしている事を聞いたのか、加持襲来。
記録的なタイムで服を着て出迎えてやった。
悲しそうな顔の加持と一緒に、「エイリアンVSプレデター」を見る。
572名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 10:05:21 ID:???
乙です

お預け加持ワラタ。
573名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 10:57:51 ID:???
神GJ!
574名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/26(火) 18:45:29 ID:???
オッテュ
575名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/29(金) 09:02:14 ID:???
続きまち
576名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/29(金) 23:04:48 ID:???
ちょっと横になったつもりが、エプロンしたままよだれをたらして
眠っていたらしく、部屋中も真っ暗でもう皆が寝ていた。
(確かお風呂が沸くまで...と思っていたのに)時計を見たら夜中だった。
お風呂で顔とおまたを洗い、歯を磨いて私もさっさと寝た。
577名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/30(土) 07:33:36 ID:???
別の人?
578名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 12:24:11 ID:???
○月×日

数日間猫の着ぐるみのバイトをリツコとした。
文字通り猫かぶったリツコは少々痛かった。
いつもクールビューティーを気取っているあの子が、
二人で通りに出るなり突然豹変し、「猫だニャァ。」と言い始めたのだ。
思わず悶絶するほど笑ってしまった。猫のシンクロ率は100パーセントね。
その後私にも強要して来たが、無視して風船くばりに精を出した。
579名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 12:26:33 ID:???
猫リツコさん萌え〜〜〜〜
580名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 12:31:46 ID:???
○月×日

せっかくの夏なので、ちょっと黒くしてみようかなと思った。
加持とリツコ誘って海へ。
加持が私たちにサンオイルを塗りたそうな顔をしていたので、
パラソル差させてシートをしかせ、
さらに焼きそばとジュース買って来させてた上で、塗らせてあげた。
途中少々きわどい所まで手が届きかけたが、
あのオトコは言葉たくみに言い逃れやがった。
絶対あいつは浮気するタチ。
581名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 12:39:41 ID:???
○月×日

帰りはリツコの家で晩ご飯をご馳走させてもらった。
ちなみに加持の奴とは帰る方向が別なので、駅で別れた。
それはそうと、リツコママと会うのは初めて。
ちょっと硬くなったけど、リツコよりもずっと優しかった。
お母さんっていいな、ってちょっとうらやましく思う。
ご飯を食べて、猫づくしのリツコの部屋で着替えた後、少し話して帰った。
どうやら猫が好きらしい。意外な発見。

そう言えばお母さん赤毛だった。
母親が赤で娘がパツキン黒マユ。でも2人ともインテリ。
天才の考える事はわからない。
582名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 12:51:58 ID:???
加持はリツコにオイル塗ったのか?
583名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/31(日) 13:28:58 ID:???
乙です

パシリ加持っすか。
584名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/01(月) 01:51:02 ID:???
乙!こうゆうのが読みたかったんだよ
585名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/01(月) 09:59:53 ID:???
相変わらずのギャグ風味を効かせていて(・∀・)イイ!
586名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/01(月) 11:31:04 ID:???
神GJ!
587名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 10:47:23 ID:???
○月×日

うだるような蒸し暑さ。
さすが常夏の国ニッポン。高温多湿は伊達じゃない。
こんな日は外に出ず、部屋で冷房つけて全裸で過ごしたいのだけれど、
七月分の電気料金を見て腰が抜けそうになったので、
当分日中はどこかに非難していようと決めた。

とりあえず汗を拭き拭き学校の図書館へ向かっていると、
交差点でおっかねぇ顔したパツキン黒マユ女と鉢合わせ。
未成年にもかかわらず歩きタバコをしているその姿は、
かなりの確立で関わり合いになりたくないので無視しようとしたが、
意外にもいつもの何でもなさそうな声で、「あらミサト。」と来た。
588名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 10:49:11 ID:???
せめてノーパンノーブラ設定を・・・
589名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 10:50:45 ID:???
どうやらリツコは直射日光が辛くて、顔をしかめていただけらしい。
「ミサトは真面目っ子さんねぇ。」とかインテリに言われつつ、
目的地が同じなので、一緒に行った。
難しい本とにらめっこするリツコを横目に、
『昆虫大辞典』の虜になる。虫は眺める分には面白い。
すると、どこからかガツガツと変な音。
音源を捜していると、突然本の上にカミキリムシが落ちてきたので、思わず叫んでしまう。
夢中で手で払ったヤツは隣のリツコが閉めようとしたノートの間へと吹っ飛んで行き、

帰りはリツコにアイスおごって帰った。
590名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 10:53:10 ID:???
>>ノーパンノーブラ設定

え。なにソレ。
実は設定とか詳しくない私。
よかったら教えてくれると嬉しいけれど…
591名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 10:58:28 ID:???
外に出る時実はノーパンノーブラであるというふうにして欲しいのでは
つか中の人おにゃのこですかハァハァ(*゚∀ ゚)=3
592名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 11:02:01 ID:???
そうなんだ。
てっきりミサトにはそうゆう設定があるんだなーとか思ってた。
593名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 11:37:56 ID:???
乙です

ふつーにかきやすいようにかいてくれればいいですよ。
594名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/02(火) 11:43:08 ID:???
神GJ!
595名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/03(水) 11:03:29 ID:???
○月×日

退屈なので100円ショップでプリンの元を購入。
ボウルいっぱいのプリンを作って食べた。
さすがに気持ち悪い。
リツコにそれを話したら、「ふーん。」と淡白な反応。
しかし一時間ほどすると、
「シュークリーム分が不足してきた。
 シュークリーム分が不足すると、集中力の低下等の症状が出るの。
 しゅーくりーむ。食べたいなー。」
とか言い始めた。
そう言えば、この前道端で猫をなでようとして噛み付かれていた。
彼女はどこへ行くのだろうか。ちょっと心配。
596名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/03(水) 11:09:37 ID:???
そこでゲンドウか・・・
597名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/03(水) 11:27:36 ID:???
乙です

子供のようなリツコさん。
598名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/03(水) 12:54:59 ID:???
>>595
榊+暦か
599名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/04(木) 16:50:29 ID:???
○月×日

本日も朝から暑いが3rdチルドレンは補習の為に登校。
世界の命運を背負わせているとはいえ1学期の成績が1と2のみで構成されている現状は、
憂慮するに余りある。

また先程、私にしては珍しく晴天を利して布団を干すべく3rdチルドレンの部屋に入った折、
開きかけていた机の引出しよりアダルト雑誌の束を発見。
思春期であり、また他人の趣味を詮索するべきではないとは思うが
雑誌の趣向が幼女に偏っている点に非常に強い不安を感じる。
今後、性犯罪防止の観点から監視体制を強化する必要ありと感じる。
600名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/04(木) 16:55:40 ID:???
別の人?
601名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/04(木) 17:14:12 ID:???
>600
えーと、上のほうに書かれてる方とは別人です
思いつきで書いてみました
すいません
602名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/04(木) 19:12:12 ID:???
全然OKよん
ただ、区別できた方が便利だから、タイトルなりHNなりを入れてちょ
603601:2005/08/04(木) 19:24:49 ID:???
△月□日

 夜勤明けの疲れきった体に清々しい朝日はむしろ辛い。
平時は退屈極まりない当直任務であるが、
昨晩は作戦課・技術課双方が死力を尽くす壮絶な一夜となった。

 当初、一部の職員同士が休日に嗜んでいたに過ぎなかった対戦型戦略シミュレーションゲームは
いつしか作戦課と技術課の対立の場に持ち込まれ、苛烈な戦いを繰り広げていた。
そして遂に、発令所を使用しての一大決戦が行われる運びとなったのである。
実際のUNのデータを使用したシミュレーションは緻密を極め、
両者ともに総力を結集したが、結果は予想通り作戦課の勝利に終わった。
1ヶ月前から綿密な作戦計画を作成していたことが効を奏したと思われる。
 しかし、事前に申し合わせたとはいえ技術課がMAGIを使用しないとの確信が得られなかったため、
保安諜報部に「深夜の演習」を装って妨害工作を依頼したのは少々、大人気無かったかもしれない。


惜しむらくは、職員(私やリツコも含めて)の熱意が、緊張感が、実戦時よりも遥かに高かったことであるが、
今は勝利の美酒に酔い、眠りにつこうと思う。




>602
了解です 感謝
604名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/05(金) 19:23:01 ID:???
オッテュ
605名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 10:05:24 ID:???
○月×日

リツコがやって来た。あの子にしてはむっつりしてないと思ったら、
何か科学の論文を発表していい賞をもらったらしい。
ねたみにも似たうらやましさを感じつつ、スイカを半分に割って食べた。
606名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 10:06:26 ID:???
○月×日

加持に誘われて奴の部屋に行く。無論、護身用のバタフライナイフは忘れない。
『ル○ン三世』を見せられた。007をコンプリートしてからそっちへ行ったようだ。
見終わった奴は、妙になれなれしい声で私の肩に手を回し、
「なあふ〜じこちゃーん。」
その辺に落ちていたボクシンググローブをつけて、渾身の右ストレートを打ち込んで帰る。
607名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 10:07:41 ID:???
○月×日

暑いので数日間部屋から出ない生活を送っていたら、
げっそりした顔のリツコがやって来た。最近寝てないらしい。
部屋でゴキブリでも出て眠れなかったのかと思ったが、
この子は学校でゲジゲジの触覚をつかんで窓から放り投げ、
寝ぼけてゴキブリを踏み潰した私と同じ『スイーパー(掃除人)』の称号を持つ者。
ジョッキ一杯のヤクルトを飲ませつつ、話を聞く。
リツコママが研究している人工知能の思考回路のアイディアが思いつかないらしい。
思えばリツコの弱り果てた顔を見るのはこれがはじめて。
多分シュークリーム分が減っているだけだと思うので、
もう一回ボウル一杯のプリンをふるまう。ホントよく食うわ。
食べた分、全部脳みその栄養になるんだろう。
思わずそう呟いたらリツコに、
「あなたは頭に行く前に全部胸に行くんでしょうね。」
とか言われ、ギスギスした笑いで夜を明かした。
608名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 11:06:40 ID:???
ギスギスした笑いサイコー、ふぅーじこちゃーん♪
609名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 11:14:20 ID:???
乙です

プリンは一日一個まで。
610名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/06(土) 21:21:43 ID:???
オッテュ
611名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 12:45:56 ID:???
○月×日

風のうわさでプリンは一日一個と聞いて凹む。
加持の実家の方でお祭りがあった。
神輿を担ぐらしいのだが、人手が足りないので私も借り出されたのだ。
加持の奴もたまには私に女らしい扱いしろっての。
612名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 12:57:43 ID:???
神社について驚いた。
男も女もいたのだが、全員ふんどし姿でたむろっていたから。
加持の奴は笑顔で私にもそれを強要してきたので、
こうなったらヤケだとふんどしを締める。

短パンの上に。

景気付けのビールを飲んで、悲しそうな顔の奴の尻を蹴飛ばして担いだ。
613名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 13:05:29 ID:???
打ち上げで一ダースのビール瓶を空にして帰る。
加持とも別れて一人夜道を歩いていると、ふと気まぐれでリツコの家の前を通る。
門から突き出た白い腕の先に小さな明かりがパチパチと輝いていた。
夏の夜に一人で線香花火ですか。おめでてーわね。
しかしふんどし姿を強要される祭りとはいえ、誘い忘れたのも事実なため、
恐る恐る覗き込むと、うつむいた金髪の着物姿がしゃがみこんでいる。
数度声をかけてみたが反応なし。
どうやら怒っているみたいなので、とりあえず謝って帰った。
614名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 13:12:22 ID:???
○月×日

今度は学校の近くで祭りがあったので、リツコを誘って行って来た。
私は着物を持ってないので、いつものラフな格好で行ったのだが、
リツコまでがそんな格好だった。結構気を使うタイプらしい。
と以前の事もあるので、その事を持ち出して下手に出ると、
「着物だなんてあんな高い布切れ。非効率よ。母さんも私も持ってないわ。」
あまり持ち出したくないが、真夜中に一人で線香花火やってた事を指摘したら、
「何でそんな悲しい事しなくちゃならないのよ。」
と淡白な反応。

ひょっとしてアレ…幽霊?
615名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 13:33:30 ID:???
味がありますな
616名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 22:05:03 ID:???
オッテュ
617名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 22:50:20 ID:???
乙です

ドッペル?
618名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/09(火) 10:07:05 ID:???
もしかして毒舌綾波の人?
619名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/09(火) 11:20:17 ID:???
毒舌綾波とは?
620名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 13:26:09 ID:???
綾波レイの日記前スレの小悪魔レイのこと?
621601:2005/08/10(水) 15:45:30 ID:???
△月□日

 本日、サードチルドレンの監視体制を強化する必要性を痛感した。
 
経理部より、サードチルドレン専用携帯端末への使用料請求額が大幅に増加したとの報告あり。
詳細な内訳報告によれば海外のアダルトサイト、それも幼女を中心とした筆舌に尽くしがたいサイトからの
高額の請求が目立つ。
あのバカッ! 専用端末でアダルトサイトの閲覧ばかりか明らかに登下校中に盗撮したらしき写真の投稿まで。
ファンまでついている現状に言葉も無い。

保安諜報部からの定期報告にも、近所の幼女と戯れる姿が多数認められる。
最近、帰りが遅いと思ったがまさか遠回りして児童公園に寄っていたとは。

オマケに帰宅時、コンビニでツマミを物色していた際の他の買い物客の会話中に
「幼児の下着泥棒多発」なる話題を散見。

早急な、厳なる対策の必要があるとここに記す。







酒が足りない。
622名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 17:24:10 ID:???
乙でし
623名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 21:39:51 ID:???
○月×日

ジャンプを立ち読みしようと駅前をブラブラ歩いていると、
コンビニのガラス越しにリツコがいるのを発見した。
夢心地みたいで、ぽけーっとガラス越しの風景に見入っている。
珍しい事もあるものだ。一丁からかってやろうと思ったら、
ふと彼女と目が合ってしまう。インテリは顔を真っ赤にしてコンビニから出てきて、

「何でもないのよちょっと考え事をね。」

と、まだ何も言って無いのに言い訳がましい事を口にして、行ってしまった。
ピンと来た。私の灰色の脳細胞によれば、あれは恋の病。
ペンとノートが恋人と噂されるリツコにも、とうとう春が(今は夏だけど)来たようだ。
面白いので加持にもバラした。あいつもすっかり乗り気なので、
二人でリツコが惚れた相手の顔を拝んでやろうとゲスな詮索を始める事にした。
624名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 21:40:34 ID:???
続きに期待高まるでゲス!
625名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 21:41:51 ID:???
○月×日

同じ時刻に同じコンビニで、リツコが立っていた位置で張り込み。
加持と交代交代で丸一日がんばったけど、めぼしい顔は無くオッサンばかり。
ひょっとして年上好み? 猫と年上が好みだなんて、
体毛長い以外に共通点がないのに。
あきらめかけた時、ふと『ねこ生活』って題名のペット雑誌が目に止まった。
そう言えばあの時、こんな雑誌を持ってたような。
なんとなく開くと、自然と『猫の集まる小道』ってページ。
別に雑誌の真ん中って訳じゃないから、誰かがこのページをずっと開いていたんだろう。

「ひょっとしてリッちゃん、ここに行ったんじゃないか?」

加持にそう指摘され、そうかもと思う。
結局そうゆう結論に至らざるを得ない結果で、無駄足に終わってしまった。
誘った立場もあり、仕方なく加持の奴にファミレスで晩御飯をおごろうと歩いていたら、
向こうから自転車を押しつつ、とぼとぼと歩いてくるリツコ。
よく見ると体中包帯ぐるぐる巻き。驚いてどうしたのと尋ねたら、

「一斉に…」

虚ろな瞳であの子はそう言うと、夏の夕暮れを背中に浴びながら、
キコキコとまた寂しい音を立てる自転車と共に、背中を落として歩いて行った。
626名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 21:43:26 ID:???
あー、榊さんね
627名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 21:52:26 ID:???
毒綾波の人だ(*´Д`)イイネェ
628名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 21:53:25 ID:???
乙です

猫の泉でもいいかも。
629名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 22:02:53 ID:bl3Du0hw
>628 ついて行ってはいけない…気がする?

 …スレ違いだスマソorz
630名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/10(水) 23:19:04 ID:???
▼月吉日
第二新宿駅西口ででかでかとサードチルドレンらのイラストが描いてある宣伝カーを発見。
すれ違っただけだがあれはサードで間違いない筈だ。
また私の知らない計画が進行中なのだろうか?
631名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/11(木) 10:24:42 ID:DWljOOUZ
632名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/11(木) 11:32:17 ID:???
オッテュ
633601:2005/08/11(木) 13:20:59 ID:???
△月□日

 サードチルドレンの幼女偏愛趣味について愚痴を零していたところ、
リツコから
 「強い劣等感によって、対等な同年代の女性でなく自分が支配できる可能性の高い幼い子供を相手にしているんじゃないかしら」
との意見。
もっともな見解だと頷こうとしたらあのメガネ、
 「まぁ、身近に見ている年上の女性に幻滅した反動かもね?」
だと。
猫と研究しか頭にない女に言われたくないわ。

あと、横で聞き耳を立てていた伊吹二尉が小声で
 「シンジ君・・・・不潔よ」
と虚ろな瞳で呟いていたのが不安。
作戦に支障をきたさぬよう、後で大学時代のリツコの写真を土産に根回ししておこうと思う。
634名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/14(日) 13:13:57 ID:???
○月×日

退屈なのでリツコに電話をかけたら、お墓参りに行くので2、3日会えないと言われた。
加持にかけても同じ事を言われたので、
仕方なくレンタルビデオでも見ておとなしくすごす事にする。

別に私だっておまいりするお墓ぐらいある。
でも、中身はない。セカンドインパクトのあの日に別れてから、
今だ行方知れずの父さんは、遺体すら見つかっていないのだ。
だから誓った。中身のないお墓には、絶対行くもんかって。
635名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/14(日) 13:19:26 ID:???
ともあれ、いつまでもスネていても仕方ない。
レンタルビデオを借りに自転車を走らせる。
だが世の中同じ事を考える奴らは沢山いるもので、めぼしい新作はほとんど借りられていた。
しばらく悩んだ挙句、その辺にいた店員を捕まえておすすめチョイスをさせて見る。
最初は目を丸くしていた彼女も、やがて意味を理解すると満面の笑顔で、
「はい、まっかせて下さい!」とうれしい答え。

10分ほどして、2本のテープを持って駆けてきた。
それがプレゼントの花束であるようにしっかりと両手で抱えている。
『ペットセメタリー』
『ペットセメタリー2』
見た事ないが、可愛そうなタイトルなので…だそうだ。
頼んだ手前、断るのも悪いので借りる。

あのマヤとか言うバイトめ。覚えてろ。
636名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/14(日) 15:29:07 ID:???
乙です

ふてくされミサトさん。
637名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/14(日) 19:14:06 ID:???
オッテュ
638名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/15(月) 01:42:03 ID:???
乙!
マヤたんとーじょー
639名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/17(水) 11:14:52 ID:???
○月×日

お盆終わり。リツコから連絡来る。
「ケーキ持ってくからそこを動くな。」
トイレでそう聞かされて、ちょっと困った。

リツコ襲来。ビールを振るまったら、
「ケーキでビールを飲めと言うのか。」と言われるも飲みまくった。
アルコールが入ってハイになった女2人。脱ぐ。
下着姿で学校の講師のヅラ暴露合戦。
640名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/17(水) 11:18:28 ID:???
ビール飲み干す。飲み足りないので買いに行くしかないが動きたくない。
ストUの一本勝負で決めようと電源を入れたとき、加持襲来。
ほとんど素っ裸の私たちを見て、ドア開けっ放しの玄関でたたずむ。早く閉めろ。
そう言った途端、やつは満面の笑みで「男を知れば大丈夫だ。OKまかせろ。」と脱ぎ始めたので、
リツコと力を合わせ、ビデオで一回だけ見た『酔拳』の強さを見せ付けようと思ったが、
面倒臭いのでマウントポジション。
年頃の女性と裸の交流ができて、幸せそうな顔で沈黙する加持をベットに葬って、
奴の持って来たビールで飲み直した。
641名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/17(水) 14:03:59 ID:???
乙です

ビールでケーキはお腹出るよん。加持がいじられ役つーのも(・∀・)イイ!
642名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/17(水) 20:09:20 ID:???
オッテュ
643名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/17(水) 21:41:13 ID:???
神GJ!
644名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/20(土) 05:14:48 ID:???
ミサトさん待ち
645名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/20(土) 23:33:35 ID:???
○月×日

風の噂で、ケーキとビールは一緒に食べると腹が出るらしい。
近頃そんな堕落した生活を送っているのでかなりショック。
ここは一つ、グルメな自分に罰を与えるつもりで山登りに行く事にした。

加持とリツコと3人で出発。
大自然に囲まれた無人駅に下り、山の中腹にある民宿まで登山するのだ。
暑くて傾斜がきつくて足が痛くなって大変だったが、
風が木々を揺らし、頭の上で鳥が囀り、川がせせらぐ大自然の喧騒は、
都会のものとは違って気持ち良かった。
だが常日頃机にかじりついているインテリのヘタレっぷりが著しく、
見かねてせめて荷物でも持とうかと申し出ても、
手伝い不要とはねのけ、ヒイヒイ言いながらも一番後で歩いていた。

一方加持も蛇やら蜘蛛やら山ヒルやら、
一体どこから見つけてくるのかと思うぐらい山の生態系を持って来る。
日頃究極生命体G(ゴキブリ)と戦っている私は平気だが、
『疲れ切った』を超え『衰弱』の境地まで達しているリツコに見せた時、
パツキン黒マユが「うるせぇ殺すわよ。」とメンチ切った時はちょっと怖かった。
646名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/20(土) 23:37:31 ID:???
2時間ほど山道を歩き、ようやく宿に到着。
だが想像以上に(リツコの)疲れが酷く、
その上夏の日差しが一番強い昼間に体力を大幅に使う行動は得策ではないので、
無理に頑張ろうとするリツコを上手く言いくるめ、頂上への登山は明日にした。
代わりに近くの川原で水浴びをした。海とは違うけど、冷たい水と清んだ空気が気持ち良かった。
手土産にヤブ蚊と山ヒルの噛みついた跡を幾つか体に刻み、夕日が見えるまでそこで過ごした。

夜はやる事も少なく、山の幸に舌鼓を打って、女湯を覗く加持を数発殴って、
ブタの形した蚊取り線香の、何だか懐かしさを感じさせる香りを楽しみながら、
夜の帳から聞こえて来る虫の声に耳を傾けつつ、いつもより早く速く寝た。

夢を見た。男の子と女の子の親になってる夢。
内気な男の子と、元気な女の子。いつもケンカばっかりだけど、本当は仲良し。
夢の中で、私はそれを微笑みながら見つめていた。

目が覚めると、私の布団に加持が入っていた。
思わず下半身をチェックしてしまったのは秘密。
奴は私の動きで目を覚まし、珍しく照れた様子で「ははは、悪いな。」。
私もそれに合わせて微笑んで拳を握り締め、もう数時間ゆっくり寝られる様にしてあげた。
寝る気にもならないので、障子の向こうのベランダに出たら、リツコが起きていた。
「賑やかな事ね。」とあの子独特の、どこか固い笑顔で微笑んだ。
寝不足なのか目が赤い。指摘すると、しばらく無言が続いた後、
「悲しい夢を見てね。」と呟いた。
何だか力になってあげたかったけど、ここで聞きたがると逆に聞けないものだ。
だから「ふぅん。」と相槌だけ返す。そのまま昇る朝日を2人で見ていると、

「死ぬまで猫に好かれない夢を見たの。」

どうでもいいので「ふぅん。」と相槌だけ返しておいた。
647名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/21(日) 00:36:54 ID:???
乙であります(・ω・)ゞ
648名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/21(日) 00:40:52 ID:???
神GJ!
649名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/21(日) 00:53:22 ID:???
このミサトは良いミサトですね
650名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/21(日) 18:47:24 ID:???
651名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/21(日) 21:15:42 ID:???
オッテュ
652名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/22(月) 23:16:03 ID:???
ミサトさん待ち
653名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/25(木) 23:00:03 ID:???
○月×日

山登り二日目。頂上を征服した。
でも頂上は展望台があって、お土産屋からお食事所まで並んでいて、風情も何もない。
おまけにバス停まであったのを確認したときは、さすがの私もため息が出た。
「まぁ世の中こんなモンよ。」とリツコの言葉に強引に納得して、
三人で展望台の下に広がる斜面、緑の絨毯の上に並んで座り、初日に買ったパンをかじった。
二日目のパンは固くてあんまりおいしくなかった。
山のてっぺんがこんなに便利だって知ってたなら、買いだめなんてしなかったのに。
おまけにパンにたかる羽虫どもが邪魔。
おかげで草原で寝転がって青空を仰ぐってやつ、あれは嘘だって確信。
じゃなきゃ東京ドームの人工芝の上でやってるに違いない。
だって自然は人間だけのものじゃないもの。
自然は弱肉強食適者生存。そこで人間だけがおめでたくしているだけ。
654名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/25(木) 23:02:20 ID:???

そう言えば。
父と別れたあの日、南極で見た光は自然のものなんだろうか。
それとも人の手によるものなんだろうか。
いつか南極に行けば、その答えがわかるのだろうか。
考えは尽きない。リツコだったらわかるかもしれないけれど、
脳みその中身がおめでたくできてる私にはわからない。

弱肉強食なんて難しいコトバ使ったら、焼肉が食べたくなった。
「加持が家事して火事させたー」とか変な歌歌いながら、
半年ぶりに牛肉を買って焼く。
うちのフライパンはすっかりホコリかぶってて、
ホコリに引火して火事にならないか心配だったけど、案外うまく焼けた。
世の中そんなモン。
とにかくお腹いっぱいになればよし。

げふ。
655名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/25(木) 23:04:59 ID:???
そうそう、あの日、帰って二日間の苦労をいたわるために、飲んで食った。
やっぱり人間お腹いっぱい食べられるのが一番。

そう言えば、私どうして山に登ろうなんて思ったんだっけ?
656名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/25(木) 23:14:51 ID:???
乙です

そこに山があるからです。
657名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/26(金) 08:02:32 ID:???
それから、いつも楽しみにしてます。
笑わせつつなんか感じさせられます。
最終的に話をどこまで持って行くのかわかりませんががんばってくださいね。
658名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/26(金) 12:09:05 ID:???
オッテュ
659名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 00:40:44 ID:???
○月×日

24時間テレビを見る。
生きるって素晴らしい事と、夏休みがもうすぐ終わるって事を感じた。
ドラマに涙しつつ、課題に取り組む。

ぜってー終わんない。

涙が止まらないのは何故?
あと、なんだか氏にたくなった。
660名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 00:47:40 ID:???
遺言を残そうとリツコに電話する。

「氏なんでいいから勉強しろ。
 写させて欲しいなら新渡戸稲造と引き換え。」

と言われてさらに凹む。
661名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 00:49:31 ID:???
ちょいと実話っぽくてワロタ
662名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 00:52:38 ID:???
腹が立ったので加持にイタ電。
電話口から風船二つをすり合わせた音を立て続ける。
だが、「葛城か。すまん、眠いから寝るわ。」となぜかバレた。

奴の携帯に、私の番号が名前付で登録されている事に気がついたのは、
私が新渡戸稲造にお別れをして、眠りにつこうとしている時だった。
663名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 00:57:56 ID:???
○月×日

非常にシャクだが、このままでは私はいつか人生をあきらめてしまうので、
インテリに頭を下げに行く。
図書館で待ち合わせ。しかし途中で見つけた。
リツコは相変わらず猫に手を噛み付かれていた。
664名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 00:58:45 ID:???
乙です

ミサトさんがんがれ〜。というか何やってんディスカーw
665名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:01:39 ID:???
片手を包帯ぐるぐるにしたリツコに名案を授ける。
猫の好きなニオイ染み込ませれば、猫舐めに来るじゃん。

「アホな事言うな。早く新渡戸稲造よこせ」と言われてちょっと凹む。

でもおかげで課題終わり。ありがとう稲造さん。
次はどうやってあなたを奪回するかを考えなくては。
666名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:06:44 ID:???
○月×日

両手が包帯ぐるぐる巻きになったリツコに、出会い頭ストレートを打ち込まれた。
しかしあいつの手、なんかスッゲェ魚臭かった。

加持からイタ電、一時間ほど電話口でたけのこ(小)を咀嚼する、
キュッキュキュッキュとイヤな音を聞かせ続けられた。
意地になって聞き続けた私も私だが、
あの馬鹿は自分の番号が、
私の携帯に名前付で登録されている事に気がつかないのか。

所詮同レベルか。またちょっと人生を諦めたくなった。
667名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:11:31 ID:???
オッテュ
668名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:17:35 ID:???
乙です

割り込んでしまってごめんなさい。
669名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:17:46 ID:???
○月×日

近所に吉○家ができたので、早速食いに行く。
あそこにあるメニュー程度なら、私にだって作れる。
そう確信して焼肉牛丼の代金550円を惜しんでいたら、
厨房の奥からあのマヤとか言うバイトがこっちをあざ笑うように見ていた。
マヤめ! あいつバイト変えたのか。

ひょっとしてあいつってご近所さま何だろうか。
そうでない事を祈っている自分に気がつく。
670名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:19:15 ID:???
>>668 さん

気にしないで。私は平気だから。
671名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 01:53:46 ID:???
ここのミサトさんは料理ができるミサトさんなんですね。
672名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 09:18:57 ID:???
リツコさん、カジさん、マヤさんの人間関係がおもろいナイス青春群像でつね
673名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 22:42:12 ID:???
オッテュ
674名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/29(月) 08:39:05 ID:???
神GJ!
675名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 20:30:41 ID:???
○月×日

一人暮らしの人間が、毎晩エレガントな晩御飯を作っているなんて幻想よ。

1:牛肉を『エ○ラ焼肉のタレ』に10分ほど付ける。
2:フライパンで焼く。
3:焼きあがった肉に再び焼肉のタレ。
4:どんぶり飯に乗せる。完成!

これを料理と言えるのかと問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
ひき肉丸めてフライパンの上で転がせばハンバーグになるのかと、
ミサト手製焼肉牛丼を片手にリツコを問い詰めたい。

呼び出して問い詰めた。
そしたら、「タレに付けすぎ。ちょっとしょっぱい。」だって。
今度から気をつけよう。
676名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 20:35:12 ID:???
>>675
遅かったな8(焼)き29(肉)の日は昨日だ。
677名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 20:38:52 ID:???
○月×日

『付ける』→『漬ける』ね。もう一回気をつけよう。
タレに漬ける時間を短めにして、またリツコに食べてもらった。
一口食べた瞬間、彼女は流しへと走り、嗚咽を繰り返す。
まさかこれはリツコあなたひょっとして!
と、冷静に聞けばぜんぜん何の事だかわからない事を叫びつつ、
まさかインテリに限ってできちゃった婚だなんて…とショックを隠しきれないでいると、
駆け寄った所をカウンターパンチされ、
どうやらタレかけたつもりがソース(とんかつ用)だったようだ。
どうりで何かおかしいと思ったのよね。
そして、「あなたは私が高血圧でさっさと氏ねばいいと思ってるのね!?」
と、姑のような事を親友に言われた。

失敗失敗。今度から気をつけよう。
678名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 20:45:07 ID:???
>>676 さん

語呂合わせに合わせたつもりはなかったのだけれど。
焼肉の日があったなんてびっくり。676さんは物知りね。

そう言えば近くのスーパーで肉が目立ってたと思ったのよ。
その日、私はどうしても焼き鳥が食べたくなって、
7本198円のパック買ったのよ。
そうゆう事だったら、ちょっと奮発して牛肉買えばよかったわ…
679名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 20:53:51 ID:???
○月×日

料理の件を加持に話した。
奴は「やっぱり料理はイタリアンだよね。」と自慢げに話す輩だが、
どうせインスタントパスタを茹でて、市販のタレかけてるだけなのだろう。
そう思って侮っていたら、
加持は趣味でやってる家庭菜園で取れたトマトを持って来た。
話を聞けば、無添加無農薬とヘルシー。変な所で侮れない奴だ。

しかし、野菜を食べるときは丸ごと派の私にはとてもうれしい。
今日はちょびっと加持に優しく接した日だった。
680名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 21:00:20 ID:???
乙です

料理の腕が少し不安に。これでこそミサトさん。加持に優しいのは今回が初めてかな。
681名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 21:01:23 ID:???
○月×日

そしてやっぱりお昼は吉○家。
この味にはたどり着けなかったが、
私もがんばったので今回は引き分けでかんべんしてやる事にする。
そして、相変わらずマヤの視線に青筋立てながら食べたが、
『3枚集めたら豚丼(並)タダ!』の券を2枚くれたので許す。
682名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 21:10:40 ID:???
店を出て、ちょっと幸せな気分で歩いていると、マヤが駆け寄って来た。
数回顔を合わせているが、こうして話すのは初めて。
ついこの前まで失言症だった事がふと思い出され、緊張した。
待ってと言いながら駆け寄って来るマヤ。
私が立ち止まると、目の前で立ち止まり数回息を整えて、

「キャンペーンの券、2枚もらいましたよね? 1枚返してください。
 気がついてたなら言ってくださいよね。」

マヤの気持ちに答える意味でも、
「このお・馬・鹿さん♪」と軽くあやすような口調で、渾身のでこピンを打ち込んだ。
そして痛みにうめく彼女をそこに放置し、
私は涼しさを感じさせる風に秋の到来を感じながら、その場を立ち去った。
683名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 22:15:20 ID:???
さあー因縁の戦いがスタートォー!!(絶叫調)と書きたくなるぐらいオモロイw
684名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/30(火) 23:53:25 ID:???
マヤたん登場!!
685名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/31(水) 00:04:11 ID:???
オッテュ
686名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/31(水) 02:51:48 ID:???
(・∀・)ニヤニヤ
おもしろいガンガッテ!
687名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/31(水) 06:36:56 ID:???
乙です

いつも割り込みorz。相変わらず笑わせてくれますね。意地悪なんだけど最後の表現が素敵です。
688名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/31(水) 09:45:03 ID:???
次なる邂逅が取っ組み合いの始まり・・・!?
689名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/02(金) 15:17:59 ID:???
ミサトさん待ち
でも無理しないで
690名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/03(土) 03:23:56 ID:???
△月△日

夏休みが終わっちった。ってか1年中夏だわね。

やだなー、仕事行きたくないなー。
安月給でおじいちゃん2人も世話してらんないってのよまったく。
今度総務部に介護手当てが出ないか聞いてみよう。

出さないならエヴァ全機投入して実力行使しちゃうもんね。
691名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/03(土) 18:05:31 ID:???
N3を叩きつぶしたものだが、ここのミサトおもしろいね
692名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/03(土) 19:22:41 ID:???
ミサトは股を開いた、赤く煌めく部分には女の匂いが立ちこめていた。

「いくぞ」リョウジはそそり立つモノをその部分に押しあてた。

「ああっ」気持ち良さそうな声をあげるミサト

そこへ…



つづく
693名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/03(土) 21:09:14 ID:???
ミサトさん、お待ちしておりますよー
694名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 16:57:01 ID:???
○月×日

>>692 つづき

そこへやって来たリツコ。その手には先端が輪になった細い紐を持っている。
繊維を寄り合わせて作られた紐。引っ張る分には十分な強度を誇る。
リツコはだらしなく股を開いてあぐらをかいたミサトと、
彼女が大きく開けた赤く煌めく口の中へ、
そそり立って先端が小さな鏡になっている歯科用の棒を突っ込んでいる加持に尋ねた。
「どう?」
加持はしばらくミサトの口の中をぐりぐりとやった後、
「虫歯じゃないな。でも歯がかけてるぞ。医者に行った方がいい。」
「何よ。散々人にわめき散らしたオチがそれ?」
リツコは手にした紐を指にかけてまわしながら、つまらなそうに言った。
695名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 16:59:14 ID:???
そもそもの始まりはミサトからのモーニングコール。
今は多少マシになったとはいえ、それでもまだ日中は暑い日が続くこの頃。
すっかり夜型になったリツコは寝ぼけながらも、
「まだ4時間しか寝ていない。」そう数字の事ばかり考えつつ、電話に出た。
電話の向こうのミサトはぎゃーぎゃーとやかましい。
これがミサト以外であれば一喝してそれですむのだが、ミサトには暖簾に腕押しである。
逆にリツコが強く押せば押すほど、ミサトはマタドールのようにヒラリヒラリとかわしてしまう。
おかげで自分の事を世界で一番偏屈だと思っていたのに、
人間関係では驚くほどに直球な接し方をする自分に気がついたのだ。

それはともかく、ミサトからのわめき声から理解できる情報を集めた結果、
『ミサトは歯が痛い』とリツコは結論を出した。
リツコはおそらくその日で一番的確な答え…つまり「歯医者に行け。」そう言ったのに、
「怖い。」「銀歯は見た目が悪いから嫌。」と、ミサトは例によってあっちこっちへ逃げ回る。
ちなみに朝起きにそんな事を言われて黙っているほど、リツコも人格者ではない。
「じゃあその歯引っこ抜いてやるからそこを動くな!」
とうとう、そう怒鳴り散らしてしまった。
696名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 17:00:32 ID:???
そう言う訳で。
加持を呼び出してミサトの部屋までやって来たリツコ。
早速、紐で結んで思い切り引っこ抜いてやるとミサトを怯えさせていると、
加持がバックから歯科用の器具をあれこれ取り出したのでびっくりした。
そして加持はそれを消毒もしないままミサトの口へと突っ込み、
現在へと至るのであった。

とりあえず虫歯ではないとわかったミサトはホッとしたようだが、
「欠けた断面には『エナメル質』がない。
 放っておいたら本当に虫歯になってしまうぞ。」
加持のそんな言葉を聞き、また嫌な顔になる。
そんな彼女に紐をちらつかせながら、歯医者へ行く支度をさせるリツコ。
散々ゴネながらも、加持に連れられて外に出てゆくミサトと、
「歯医者に行くまで帰ってくるんじゃないわよ!」
「そこ私の家だよ〜…」
こんな挨拶を交わし、彼女は慌しい朝を終えた。

ようやく静かにな日曜の朝を手に入れたリツコ。
あたりを見回してため息をつく。相変わらずごちゃごちゃと汚い部屋だ。
別に頼まれた訳ではないが、何となく身の回りにあるゴミを拾いながら、
彼女は空っぽのお腹の中と、満たされた心を感じていた。
697名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 17:04:09 ID:???
それと。
692を書いたのは私ではないのだけれど、たまに人のレスをいただいてしまう。
おまけに三人称。
でも気にしない。人間生きていればいろんな事があるから。
多分、巨大ロボットにも出会えるわ。
お約束でパイロットは美少年。

楽しみ。
698名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 17:16:22 ID:???
乙です

うまく繋げたね、色々な意味で。歯が治らないと美味しいものも食べられないし、とっとと治すが吉。
699名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 18:08:39 ID:???
繋げ方がうまい!
てっきりエロ路線で行くのかと思った
700名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/04(日) 22:46:38 ID:???
700get!
701名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/05(月) 00:58:39 ID:???
<もぐレイスレより抜粋>

733 :名無しが氏んでも代わりはいるもの :2005/09/04(日) 21:09:48 ID:???
他のスレを支援ageするカスは氏ね
迷惑だ
こんなスレの為に他のスレを荒らすな
702名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/05(月) 10:56:01 ID:???
オッテュ
703名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/07(水) 15:44:23 ID:???
ミサトさん待ち
704名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/09(金) 23:40:00 ID:ni1Y0KAB
      |/^/..‐!'"i/:::i'""''゛~ヾ、:::/:|i:/'|::;:::::::::::::::::::i
      \::i|::::::::::::::N>'--   -‐/´!' ̄ '゛ |:::::::::::::::::::i
        `ヽ|i::x::ヾ_i´(iヽ    '‐'"~"'゛  '|:::::::::::::::::::::_
         ``''``iヾ. `‐' ,i         |::::::::::::::::::::::::i
             |:::ヽ. ヾ    ,   ./ |::::::::::::::::::::::::::::i ミサト姉さんよぉ〜ん
             |:::::::ヽ,  `"~´   /: |::::...:::::::::::::::::::::i  冗談いっちゃうわよん^^
             |::::::::::/` .、,  ,∠_:::  |::::::::::::::::::::::::::i
......            |::::::::/'''¬―.... -.!    ,/rイ_, イ,,rヽ、
...            |:::: /      ヽ .″ . /          ヽ
             |::/     /    `' . /               !
             ,i_,,......-'"  ._,,.. .     .l           |
          ,..-''″     _..-'"           ,〕        /
          , ‐″      .,/            ゙|       /

まずい飯、そりぁ〜好かんと惣流アスカ
あ!嫌な見慣れた 綾波レイ
あかん亀裂骨折よ!と赤木リツコ説
バカ面君さ^^と葛城ミサト
森進一の「新宿みなと町」のB面は、シンジ君皆友達

www どうぉ〜? 面白かったぁ〜ん ^^;
705名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/09(金) 23:44:56 ID:???
元ネタ・・・なんですか?
706名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 00:06:57 ID:d99XSadX
冬 月  : かったな^^
碇ゲンドウ: ああ・・・・・
冬 月  : フィギアを「買って」遊ぶ歳でもあるまい^^;
       レイがひがんどるぞ!
レ イ  : 私には何もないもの
リツコ  : 今度私が買ってあげるわ 約束は守るわw
シンジ  : 動いてよ 動いてよ 動いてよ
トウジ  : 何やとるねん せんせぇ???
ケンスケ : わ! 来た来た・・・
アスカ  : あんた、バァカァ〜?
加 持  : シンジ君、フィギアってやつは自分からは動かないんだよ
シンジ  : そっかぁ^^
カヲル  : よかったね、シンジ君
ミサト  : ぶっふぁ〜 シンジ君! よ〜く聞いてね
       よく狙って入れ込むのよ
       股の穴に入れば大当たりよ!
リツコ  : ぶざまね^^
シンジ  : 逃げちゃだめだ 逃げちゃだめだ 逃げちゃだめだ
ミサト  : やったぁ〜 大当たりよ!
碇ゲンドウ: よくやったな! シンジ
皆    : おめでとう!
707名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 00:41:40 ID:???
何コレ…w
708名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 06:04:03 ID:???
ミサト関連スレのあちこちに同様の書き込みが・・・
同時多発テロかよ。
709名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 10:10:32 ID:d99XSadX
♪転身のオタク

全国で転身しよう青年よオタクになれ
あ!親達が今、部屋のドアを叩いても
画面だけを、ただ見つめて微笑んでるあなた
そっと触れるもの、キーボードに夢中で
親達さえまだ知らない、オタクな瞳
たけどいつか、気付くでしょうその親達は
自分の子が目指しているものオタクということ
全国の転身オタク
まとめて、やがて集まる
ハトバスで秋葉原に
親達を裏切り続け
少女のフィギア抱いて喜ぶ
青年よオタクになれ

ずっと想ってた憧れのオタクに
この僕が夢のオタクになれる朝が来る
細い首筋を月明かりが映してる
世界中の時を止めて閉じ込めたいけど
もしもフィギア会えたことに意味があるなら
それはそうエッチを知るためのバイブ
全国の転身オタク
オタクがそして始まる
抱きしめたフィギアの形
その夢に目覚めたとき
誰よりも光を放つ
青年よオタクになれ
710名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 12:06:45 ID:???
「残酷なニートのテーゼ」のパクリだな
711名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 13:36:40 ID:???
○月×日

リツコが梨を持って来てくれた。
聞けばリツコママが一人者の私を気遣ってくれたそう。
偉大なるはやはり母ね。ムスメはダメ。
そんな事を笑顔の裏に隠しつつ、梨をもらった。
しかしせっかく来てくれたので、この前借りた、
『本当にあった心霊テープ 3』を見ようと誘ったら拒否された。
リツコは科学崇拝者だから、何でもプラズマだと言うのが楽しいのだけれど。
今日はなんだか変なので、理由を聞いてみたらビックリ。
幽霊に金縛りに合わされたらしい!
驚く私に、リツコは青ざめた顔で追い討ちをかける。

「その幽霊…ドイツ語話してたのよ!」

多分それはプラズマなので無視する事にした。
712名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 14:35:22 ID:???
乙です

梨の美味しい季節となりました。ドイツ語・・・アスカのママかあ。
713名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 14:39:40 ID:???
季節外れの怪談編突乳!?
714名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 16:19:38 ID:???
いつも夏なので季節ハズレもないと思われ
715名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 06:35:02 ID:???
サービス♪ サ〜ビスぅ〜♪
716名無しさん@そうだ選挙に行こう:2005/09/11(日) 10:28:29 ID:???
お菓子作りの得意なミサトさん
甘い話もたまにおながいします。
717名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/13(火) 06:37:22 ID:???
そういえば、今年は三人が出会った年なんですね。
718名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/17(土) 08:42:11 ID:???
ミサトさん待ち
719名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 12:57:57 ID:???
○月×日

学校に献血車がやって来た。
赤十字の人たちは学生達の生き血を搾り取ろうとがんばっているので、
ふと思いついてリツコを誘ってみた。
しかしインテリはさっきの授業で必死に何かを書きなぐり、
鉛筆で真っ黒になった手を振りながら、
「イヤよ。うら若き乙女の体に跡をつけるなんて。」
と断ってきた。
彼女は人の部屋で酔っ払い、
一緒に下着姿で校内ズラ暴露合戦に興じてくれるエセヲトメなので、
「怖いんなら仕方ないわね、よちよち泣かない泣かない。」そうなだめつつ、
頭をなでてあげたら案の定食いついて来た。
720名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 12:59:04 ID:???
ふくれっ面のリツコと献血車にわくわくしながら乗り込んだが、
採血の針を見て瞬時に後悔した。

針が太てぇ。

非常に叫びたかったが、隣の引きつった顔をしているリツコは、
泣き叫ぶ事なく針を挿入し終えていたので、
パツキン黒マユとメンチを切り合うという、乙女の意地を見せつつ痛みに耐えた。
721名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 12:59:54 ID:???
終了後、カップラーメンやパックジュースを貰った。
物につられたわけじゃないけど、結構悪くないかも。
今や同じ苦しみを味わった戦友のリツコと一緒に、
針の太さについて語りあった。
昨日2人で加持からスパゲティを作ってもらった事を思い出し、
「加持の(作ったスパゲティのパスタ)より太かったよねぇ♪」
と2人で笑って帰った。
視界の端に奴の姿が見えた気もしたけれど、多分気のせいだろう。

そしてさっき、珍しく真面目な顔をした加持がやって来た。
何か決意を秘めたその表情に押されるように部屋に上がってもらったら、
「葛城…相手は俺のより太いのか!? 見てくれ!」
と服を脱ぎ出したので、渾身のダッシュストレートを打ち込みお帰り願った。
それにしてもナニを見せる気だったのか。

というか何をしに来たんだあいつは。
722名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 13:14:05 ID:???
GJ!

  _n
 ( l    _、_
  \ \ ( <_,` )
   ヽ___ ̄ ̄  )   グッジョブ!!
     /    /
   _、_
 ( ,_ノ` )      n
 ̄     \    ( E) グッジョブ!!
フ     /ヽ ヽ_//

    ∩
    ( ⌒)     ∩_ _
   /,. ノ      i .,,E)
  ./ /"      / /"
  ./ / _、_   / ノ'
 / / ,_ノ` )/ /
(       /  good job!
 ヽ     |
  \    \
723名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 13:15:10 ID:???
描写がリアルでイイ!
724名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 13:18:51 ID:???
神GJ!
725名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 14:06:51 ID:???
乙です

痛みに耐えてよく頑張った。感動した。というか今回も笑わせてもらいました。
726名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/18(日) 23:12:32 ID:???
オッテュ
727名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/19(月) 02:06:46 ID:???
興味深い。褒めて遣わす。












がんばってね!
728名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/20(火) 07:27:29 ID:???
んふ
729名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/21(水) 23:46:50 ID:???
ミサトさん待ち
730名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/23(金) 16:49:56 ID:???
731名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/23(金) 23:24:47 ID:???
○月×日

近頃めっきり涼しくなってと言うか急激に寒くなった。
10月の到来を思い、またひとつ季節が巡って私は歳をとるのね…
とおセンチなヒロインを脳内で演じる事が多い。
リツコの前でやると「逝ってよし。」と言われるので、
その度に「オマエモナー」と返すのが私たちの近況。

一年中夏のような気候と言う方もいるかもしれない。
しかし応用はとても大切。頭でっかちは駄目。

そんな昨日。
リツコが風邪を引いた。
季節の変わり目は体調を崩しやすいと言うが、まさにその通りだ。
せっかくなのでお見舞いに行く事にした。近頃何事もなくて暇なの。
お見舞いに何か持って行ってあげなくてはならないと思いついたが、
どうせ2、3日たてばケロリと治る風邪ごときに高いのは買いたくない。
しばらく考えた挙句、おかゆでも作って持って行くことにした。。
732名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/23(金) 23:26:02 ID:???
しかし私はおかゆの作り方など知らない。
適当に塩水でゆでたご飯を丁寧かつ厳重に拘束し、リツコの家へ。
インテリは頬を赤くそめながら熱で潤んだ瞳をしつつ、私を迎えてくれた。
だがせっかく私が作ったおかゆを見て、ひきつった笑顔。
聞けば10分ほど前に食べたばかりだと言う。
「お腹いっぱいだから、母さんに言って冷蔵庫に入れておいてもらうわ。」
パツキン黒マユの言葉に私のSっ気が燃え上がった。
こんな事もあろうかと持参した紫色のレアなレンゲ…
通称『初号機』を片手に病の床にまたがり、
熱のために力が出ないリツコに無理やり食べさせた。

「あぁっ、お願いミサト止めて…私もう限界…」
とたまに色っぽいリツコの言葉を無視してがんばっていたら、
突如バンと開かれるドア。
何事かとそちらを見ると、そこにいたのは仁王立ちの加持。
手には湯気を立てるどんぶりを持っている。
「さあ、俺のつくったおかゆを食べるんだ。」
どうやら考える事は一緒だったようだ。
足元で「…あぁ。」とリツコの半ば諦めたような声を聞きながら、
私と加持はレンゲを握り締めた。

そして。
リツコは腹を下して病院に担ぎ込まれた。

私と加持は何もなかった事にして家に戻り、
自分の作ったおかゆをほそぼそとすすり合った。
うわ。何このおかゆ。よくこんなの食ってたわねあの子
733名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/23(金) 23:55:25 ID:???
乙です


料理ネタ待ってました。相変わらずいい味だしてますねー。
734名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/23(金) 23:55:50 ID:???
神GJ!
735名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/24(土) 19:28:21 ID:???
オッテュ
736名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 12:31:31 ID:???
○月×日

頭が重い。
寒気がする。
お腹が下り気味。

リツコに風邪をうつされた。

インテリは今頃何をしているだろうか。
まぁあいつの事だから、何もなかったみたいに学校行ってるんだろう。
講義についていけなくなる事をずいぶん気にしていたし。

お見舞いぐらいしなさいよね。
737名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 12:42:43 ID:???
いつの間にか寝てしまっていたようだ。
目元の水滴を拭い、汗で湿ったシャツを替えようと起き上がった時、
また一筋、ほほを水滴がつたった。

一人って寂しい。

気まぐれな雲が秋晴れの太陽をひと時さえぎり、
室内までもが私に合わせるように暗くなった。
どうにもならないくらい重い気持ちでうつむいた時、
鳴らない携帯電話が鳴り出した。

リツコだ。

『ヲホホホホあの時はよくもやってくれたわね。
 さぁ今度は私がつきっきりで看病してあげるわ。
 入院する覚悟と保険証を用意しておきなさいよ!』

しまっ…
738名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 12:51:54 ID:???
『西へ逃げよう。』意味はわからないが、とにかくそう思った。
直後、加持からも連絡が入る。
「葛城逃げろ、逃げるんだ…」
ふらつく足で何とかベットから這い出し、汗で気持ち悪いながらも服を着る。
また携帯がなった。
「おはよう。私リツコ。今家を出たわよ。」
思わずヒッ、と声が漏れる。あの子はそれを聞くと嫌らしい笑い声で電話を切った。
リツコめ! 私をなぶるつもりか。
着々と脱出の準備を進める私の元に、次々とかかってくる着信。
「おはよう、私リツコ。今コンビニの前よ。」
「おはよう、私リツコ。今コインランドリーの前よ。」
コインランドリーは私の家から歩いて3分の位置にある。
もう時間がない。私はとにかく携帯と財布を掴み、部屋のドアを開けた。

ドアの向こうにいたのは、金髪の悪魔だった。
「うふふ、ようやくドアを開けてくれたわね。」

謀られた。
インテリは私がドアの鍵を自ら開けるために芝居を打ったのだ。
恐怖で動けない私にリツコはゆっくりと口を開く。

「残念ね…あなたとはいい友達でいたかったのに。
 でも、あなたと加持がいけないのよ!」
739名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 12:54:15 ID:???
その後、汗を拭いてもらってベットに戻され、
ウサちゃんりんごをむいてもらいながらおかゆを食べさせてもらった。
そして私が慌てて家を出ようと引っ掻き回した部屋を満足そうに見て、
「馬鹿ね。」
だって。
私ももう馬鹿でいいや、と思いたくなったので寝る。
740名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 13:02:42 ID:???
乙です

シャアで大人なリツコさん。お見舞いドゾー
ttp://www6.daiei.co.jp/item/image/item/0681-252-2.jpg
ttp://www.suitoya-bekkan.kyushu.walkerplus.com/image/suitoya-bekkan7.jpg
741名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 15:35:18 ID:73lF1rnA
神GJ!
742名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 16:41:22 ID:???
かわいいミサトさん
743名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/25(日) 23:54:29 ID:???
オッテュ
744名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/29(木) 07:51:34 ID:???
ミサトさん待ち
745名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/30(金) 22:21:59 ID:U53PgRh6
面白いこと言っちゃうわよん! 

進塁補間併殺! : ホームスチール(進塁)を試みたランナーがキャッチャーにアウトにされ併殺となったシーン
使徒不明菌 : 使徒が出す、精神汚染を引き起こす不明な菌
しお振ろんと : 塩を振ること

サ〜ビス サ〜ビスう〜 
746名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/01(土) 00:11:40 ID:???
あれ?なんか急に寒くなってきたや…
747名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/01(土) 01:02:25 ID:???
これだからセカンドインパクト世代は…
748名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/01(土) 10:38:37 ID:bFg+Ujbl
セカンドインパクト 南極大陸だって!? 面白いこといって難局ものりきっちゃうわよん!

セカンドコンタクト : 二塁手がしているコンタクト
どかんとインパルス : インパルスの堤下が椅子に座ったときにその重さでどかん!といったことからついた。
ミカンどう?いい?ぱくっと : 美味しいミカン、どういい?と聞いてぱくっと食べるシーン

サ〜ビス サ〜ビスう〜 
749シンジ:2005/10/02(日) 02:14:08 ID:???
…ミサトさん、次やったら前歯全部へし折りますよ?
750名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/02(日) 06:21:57 ID:???
メール欄に「sage」くらい覚えたまえ。
751名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/02(日) 23:55:58 ID:vlJ8w8aU
>>736
初めて見た。神乙。
あんた、文才あるわ。
752名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 00:08:40 ID:???
神ミサトさん待ち
753名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:27:28 ID:???
○月×日

文化祭が近いので、リツコが中々相手をしてくれなくて寂しい。
加持も色々駆けずり回ってつかまらない。
入学当初はどっかに入ってトモダチ100人できたらいいなーって野望があったけど、
すっかりしぼんじゃった上に、マヤってライバルが出てくる始末。
でも負けない。景気づけにリツコのところへ遊びに行ってみた。
754名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:29:08 ID:???
知らない輪の中に飛び込む時は第一印象が大切なので、一丁がんばってみた。
長袖羽織って中に夏服の一番薄い服を着る。
ポイントはノーブラだけどニップレスを忘れずに。こすれると痛いのよ。
インテリで(そして偏屈で)有名なリツコは、科学部みたいなサークルに所属している。
どうせマジメ君ばっかりだから、こうゆうオンナは見慣れてないだろうと思っていたが、
ついて見たらサラサラの長髪で色白のスラリとした長身の子ばっかり。
まるでアンガールズに囲まれているかのようだった。
『天才赤木リツコの親友』と言う触れ込み(リツコ談)だったので、
アンガールズのモノマネで歓迎された。何故か酷くムカついたのが記憶に残っている。
これだからインテリ共は。空気を読めない。
755名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:30:13 ID:???
ともかく、それなりに楽しいおしゃべりで時間をつぶし、文化祭の協力を要請される。
私は科学とかさっぱりなので、お買い物を引き受けた。
色々買出しをして、最後に借り衣装に注文していたのを取りに行く。

猫の着ぐるみ。

注文したのが誰なのか、大体予想がついた。
どうでもいいけど、一緒に渡された猫耳レオタード。
ひょっとして私が着るんじゃないでしょうね。
756名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:31:18 ID:???
○月×日

文化祭始まる。
科学サークルのブースの前で、
猫の着ぐるみ(リツコ)と猫耳レオタード(私)で客寄せをやる事に。
まったく、こうゆう事頼みづらいのはわかるけれど、
前日に宣告するってどうゆう事だろう!
私だって先祖がお猿さんなんだから、体毛があるっちゅうの。
ムダ毛の処理が大変なんだから、あまりオンナに夢を見るな。
それはともかく、例によって猫との一方的なシンクロ率が高いリツコが、
語尾に「ニャア」をつけながら傍若無人に振舞う横で、
「サービス サービスゥ♪」
といかがわしいパブのような客寄せに精を出す。
すると真っ先に加持が釣れたので、
猫耳をほしがる加持にサービスの足四の字をしかけてあげた。
757名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:33:48 ID:???
『レオタードの姉ちゃんに間接技を仕掛けてもらえる!』と変な噂が立った。
しかもそれを流したのが親友のパツ金黒マユらしいので、
後半は親友リツコの掃いているパンストをセリにかけてやる。
するといつの間に入り込んだのか、マヤが5000円で落札していた。
奴に猫耳レオタードをしている姿を見られたくないので、
リツコの着ぐるみの頭と猫耳を交換した。
そして終盤。
頭部が妙にでかいレオタードの猫女と、黒マジックで猫のひげを書き込まれた着ぐるみ女が、
そろって客寄せをする異様な光景で、私の文化祭は幕を閉じた。
758名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:34:59 ID:???
なんだかんだあって、結構な売り上げを記録したインテリ集団と私。
夜に打ち上げで飲む。
するとアンガールズ集団がまだ猫耳レオタードを持っている事が判明。
スケベ心が踊り狂う若い力に貢献するため、
今度は奴ら一人一人に着せて写真を撮ってやった。
独り者のか弱い乙女の身なれば、
インテリ共が今回の件を持ち出して下手な手段に出たら、
この写真を学校どころか地域発行の雑誌にも投稿すると脅し、
自分の身は自分で守らなければならないのだ。
連中は酒の場での勢いだと思っているだろうが、
下ネタの使い方は女の方がえげつないって事を思い知らせてやる。
759名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 15:50:36 ID:???
乙です

待ってましたっ。って羽美かよ!でも、毒づきつつ頑張ってる姿(・∀・)イイ!!
760名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 17:16:47 ID:???
神GJ!
761名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/04(火) 23:16:04 ID:???
頑張るとノーブラなのか・・・お近づきになりたい・・・w
762名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/05(水) 00:24:50 ID:???
オッテュ
763名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/06(木) 14:54:12 ID:???
期待まち
764名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/12(水) 00:46:34 ID:???
神ミサトさん待ち
765名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/13(木) 07:55:35 ID:???
待機
766名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/15(土) 11:19:09 ID:???
ミサトさん今日も帰ってこないのかorz
767名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/16(日) 12:43:55 ID:???
○月×日

この頃は平和の一言に尽きる。日記に記すほどの事無し。
私は近所のスーパーで100円の土鍋を購入し、
リツコと2人で鍋を囲みながら、阪神の優勝を祝っていたのがせいぜい。

そう言えば、その時に『将来は』って青臭い話題になっちゃって、
私、軍隊に入ろうって思ってる事を話してしまった。
インテリは怪訝そうな顔で理由を聞いて来たから、
実はもう一度南極へと行きたくて、軍隊なら行けそうだと思うって話した。
するとあの子は久しぶりに思い出したって顔になり、私の父の事を尋ねて来た。

研究一筋で家を省みなかった父を嫌っていた事、
久しぶりに一緒に旅行した先が南極であった事、
起こった『何か』の際、父が私だけを助けた事。

口だけではうまく説明できないので、身振り手振りで必死に伝え終わると、
なぜかリツコはポカンと間の抜けた顔をしていた。

瞬間、ひょっとして肩の上に何かいるってあれですかと背筋が寒くなり、
思わず後ろを振り返った時、目に飛び込んで来たのが、
阪神優勝に浮かれるファンが、道頓堀から全裸で飛び降りるTV映像だった。

「あら何リッちゃんったらウブいんだから。
 赤くなってカワイイーわね。」

そうちょっとからかっただけなのに、
いきなりスリッパでスパーン! ってやられた。
何なのよもう。
768名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/16(日) 12:46:20 ID:???
○月×日

阪神優勝から2日後の今日。今度はリツコの家にお呼ばれした。
タダで飯を食わせてくれるのはうれしいので、
今日ばかりはリツコを『おねーさま』と呼んで嫌がられつつ、彼女の家へ。
リツコママは相変わらず優しかった。料理もうまい。
でもそう言えば、リツコが料理してる姿って見た事ない。
風邪をうつされた時に持って来てくれたおかゆだって、リツコママのだったし。
まぁ大方私とどっこいだろう…とか思っていると、
リツコママがそうそう、と父の事を尋ねて来た。
さすがにリツコと同じような説明はできず、少々しおらしくやった。
リツコママはいちいち頷いて見せたりしてくれて、私も話しやすかった。
そして話し終わると、
「これからも辛いときは、いつでも言ってね。」
と言ってくれたのだ。ちょっと泣けた。しかし最後に、
「もう一度南極に行ってどうするの?」
とも聞かれた。
でもそれは私にとって、今まで散々自問自答して来た事だった。
だから間髪をいれずに私も答えた。

家庭を顧みなかった研究者の娘ではなく、
南極で『何か』をした研究者の娘として、生きて行くために。

今思い出すと非常に恥ずかしい台詞だ。消しゴムで消せるなら消してしまいたい。
けれど、それを聞いたリツコママは微笑んで、
「リツコをお願いね。」
と不思議な事を言った。
ひょっとしてパツ金黒マユの事を『おねーさま』と呼んでいたのを聞かれたのか。
同性愛にまで理解があるなんて…リツコママ、太っ腹すぎ。

っていうか、私にその気は無い!
769名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/16(日) 12:50:15 ID:???
神GJ!
770名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/16(日) 12:56:01 ID:???
○月×日

加持に「阪神が優勝したから、セールに行こう。」って誘われた。
『セール』『大安売り』ってコトバには弱いので、一緒に行く事に

阪神デパートってあったっけ?

そう気がついたから、「長野ではやってねぇよ!」って叫び、
いつ見ても一定の長さを保っている奴の形状記憶ヒゲを一本引っこ抜いた。
今考えると、別に阪神デパートだけで優勝記念セールやってる訳じゃない。
新聞に入っているチラシをあさりつつ、この中で加持に謝っておく。

しかし乙女の日記を盗み見るような男は、全裸にして川に投げ込むわよ。
771名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/16(日) 18:44:01 ID:???
乙です

少し抜けつつ使命感に燃えるミサトさん。日記盗み見事件?
772名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/16(日) 23:16:02 ID:???
ゴキブリ扱いかよ!乙
773名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/17(月) 12:02:36 ID:???
オッテュ
774名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/18(火) 22:53:20 ID:???
つ[ロッテ優勝]
775名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/20(木) 16:12:59 ID:???
ミサトさん待ち
776名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/20(木) 22:51:44 ID:???
鈍いミサトさんがGJ。
善人だった頃のしつこいバァさんもGJ。
777名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/23(日) 11:16:02 ID:???
○月×日

近頃時間が経つのが早い。
ついこの前阪神が優勝したーと思っていたら、もう日本シリーズをやっている。
ロッテ優勝スルーしすぎたわ…なんて加持と話していたら、
かつてロッテから発売されて爆発的な人気を誇った、
おまけつきシール入りチョコの話になった。
あの頃はキラキラ光ったシールがほしくて、
週100円の少ない小使いで1個30円を命かけて選んでいた…
そんな歳がばれるような話はやがて、
『ロッチ』と胡散臭いロゴマークが入ったパチモンが出回った話のあたりで終焉を向かえ、
その後加持の家で懐かしいガン○ムのカードダスのコレクションを見せてもらい、
どうやら40枚周期で一枚のキラキラが入っている事を教えてもらった。
これの頃は週200円で1回100円を、やっぱり命かけて回してた。

南極に行く前だけどね。
778名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/23(日) 11:17:04 ID:???
○月×日

リツコにガ○ダムの話を振ってみたら、
「ガン○ム」なんて飾り! 偉い人にはそれがわからないのよ!」
と急に怒り出した。
口喧嘩が高じ、夕焼けが照らす川の土手で女の殴り合い。
パンチ一発の差でリツコを倒すと、あの子は土手の草むらに倒れながら、
「今に…ザクをつくってガンダ○倒してやるんだから…」
私への恨み言ではなく、自分に言い聞かせるように呟いていた。
お互い全力で拳を交えた私には、すでに彼女への恨みはなかった。
私はリツコに手を差し伸べ、言った。

一緒に協力して○ンダムを倒しましょう、と。

彼女はハッと顔を上げて私をすがるような目で一瞬見た後、
私の手を握り返してくれた。そして夕日が照らす川の土手で、
私たちは一つ目の巨大ロボットを最初に造ろう、と誓いあったのだった。

今日わかった事:やっぱり天才の考えている事はわからない。
779名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/23(日) 11:41:26 ID:???
乙!
ビックリマンシールチョコをネタにするとは侮れんですな
780名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/23(日) 15:04:21 ID:???
乙!
零号機建造秘話ですなw
781名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/23(日) 23:54:54 ID:???
だからモノアイだったんだ…
782名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/24(月) 02:23:19 ID:???
オッテュ
783名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/24(月) 06:04:01 ID:???
乙です

ミサトさんの収集癖ワラタ。
784名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/24(月) 10:21:23 ID:???
二十歳過ぎて(大学時代の設定だよね)ガンダムネタでマジ殴り合いをする女二人にワラタ。
785名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/26(水) 21:33:44 ID:???
ミサトさん頑張ってくださいね
786名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/29(土) 08:33:23 ID:???
待ってマース。
787名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 12:53:59 ID:???
ミサトさん体壊してませんように。また日記待ってます。
788名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 16:02:04 ID:???
学校で出会ったリツコが何だか妙にうれしそうだった。
うかつに話を振って自慢話をされるのもむかつくので無視していたら、
お昼過ぎから悲しそうな顔になって来たので、やむなくたずねる。
すると意外にもちょっと太ったかも…だそうだ。
女の友情の方程式に沿って、そんな事ないわと優しく慰めてあげたら、

「実は昨日カニ食べ放題に行ったのよ。つい食べすぎちゃってねぇ〜。」

これが女の友情か! いじけて今日は加持とご飯食べた。
789名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 16:05:08 ID:???
○月×日

昨日日付入れ忘れたが気にしない。だって私の日記だもの。
それはそうと、悔しいのでリツコがうらやむ物を食べて自慢しようと決意。
吉野家で牛丼の特盛を食べる。
790名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 16:06:03 ID:???
○月×日

びっ○りド○キーでステーキ定食を食べる。
791名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 16:06:59 ID:???
○月×日

回転寿司屋でウニを三回注文した。


根本的にリツコに勝ってないような気がする。
792名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 16:09:45 ID:???
○月×日

チョコボールを食べながら、加持相手に愚痴る。
あいつは「じゃあマグロでも獲りに行くか。」と、
冗談なのか本気なのかわからない事を抜かすので蹴飛ばしておく。

金のエンゼルマークがついてた。せっかくなので送る。
793名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 16:17:50 ID:???
○月×日

玩具の箱、届く。リツコがひどくうらやましがっていた。
世の中どう転ぶかわからないものだ。
しかし、今まで無理したせいか今月の財務状況が厳しい。
結局リツコに3000円で売るハメに。

帰り、おいしそうな匂いに誘われて、行列のできるメロンパン屋に並ぶ。
しばらく並んでふと後ろを見ると、見覚えのあるパツキンが目についたので、
3000円使って20個を買い占め、売り切れにしてから帰った。

しかし、20個もメロンパンを食べれないのでどうしようかと思っていたら、
リツコ襲来。買占めがばれる。
半分の15個を500円でもって行かれた。

世の中どう転ぶかわからないものだ。
794名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/02(水) 17:59:02 ID:???
乙です


塞翁が馬…とはいえども、結局、リツコの一人勝ち?相変わらずボケがいいなあ。
795名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/03(木) 02:38:25 ID:???
葛城ミサトの日記なら
「この日、他に記すべきこと、なし」
で締めないと
796名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/03(木) 03:09:08 ID:???
20個の半分は15個じゃないだろうに。
数までゴマかされているミサトさんに萌え。

やや遅レスだが、ここのリツコさんは、ザクじゃなくてこういうロボを
つくりそうな気がする。
http://www.zariganiworks.co.jp/taroshooten/catalog/robo_01.html
797名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/03(木) 17:30:19 ID:???
オッテュ
798名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 12:12:18 ID:???
○月×日

そう。20個の半分は10個。
ケアレスミスはテストで一番やってはいけないの。大切なのは見直し。

そろそろ年末が近く、後期テストのために中々授業をサボれない日々。
リツコと一緒に、朝の寒さに震えながら学校へ通っている。
そして食堂で現在人気上昇中のおでんを食べながら、
「あ゛〜生き返るわねぇ。」
と絶対男には聞かせられない年寄り臭い会話をしている。
799名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 12:16:19 ID:???
そんな今日、インテリから>>796のロボットについて聞かされた。
「パイロット志望の美少年がね、搭乗拒否したがるのを作りたいの。」だって。
4階の教室に行くために階段を上っている間、
パツキン直筆の絵を見せられて、デザイナーとしての才能の無さを痛感した。
彼女の中ではパイロットが美少年と言うところまで、設定が出来上がっているようだ。
どうやら『義勇と保身の狭間で悩む美少年』に萌えているらしいが、
そんなロボット、美少年が乗る前に軍のむさいオッサン共の餌食だろうと笑ってやった。
するとあの子は瞳の奥に怪しい輝きを秘めた目になり、

「じゃあその子しか乗れないようにすればいいのよ。」

何をする気なのか。
ひょっとして、今の内に殺ってしまった方が世の中のためかもしれない。


この日、他に記すべき事、なし。


>>795 さん。 こんな感じ?
800名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 12:24:00 ID:???
うわっ優しいねアンタ
801名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 15:20:52 ID:???
オッテュ
802名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/06(日) 19:18:03 ID:???
乙です

公的日誌と私的日記では文体が違うという気もしますがお約束ということで。リツコの瞳の輝きがいいですね。コワッw。
803名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/07(月) 07:50:42 ID:???
  ).            _..,,,,
 (.          ●'''" * ""'';;,       他スレageて
  )          \.从 从 ;;;ミ 
 (∴           ゝ゚ー ゚ν ;;;ミ.       目指すはスレ一覧の最下層!!!
=====⇒∞∞━(,,,ノ(,,,ノ━━━     
 (             ヽ    ;;ミ       (´´ほじほじせっせ。ほじせっせ♪
  \.            > >  ,/〜  (´⌒(´
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
804名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/07(月) 14:49:27 ID:???
ここのミサトの日記を書かれている方にお願いがあるのですが。下記に載せたサイトに来て頂けませんか?お願いします。
http://2.mbsp.jp/EVANGELION/
805名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/07(月) 22:34:57 ID:???
まあ、ここはスルーするのが得策ではないかと
806名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/07(月) 23:42:49 ID:???
同意
807名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/11(金) 22:55:14 ID:???
ミサトさん・・マダー
808名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/11(金) 23:22:27 ID:Gi89lO3+
ついに本物のミサトさん(実写)を発見しましたのでお知らせします。
http://mizuna-blue.jp/cosplay2/eva/misato_top.htm
809名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/12(土) 17:10:11 ID:???
>>808 おぉ!これは
810名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/12(土) 19:32:59 ID:???
一瞬男かとオモタ
811名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 03:14:56 ID:fZQ9JJmm
>>808
有田かとおもた。
812名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 11:28:49 ID:???
○月×日

やばい。今月は財政状況がシャレにならない。
調味料はあるが食材はない。
炊飯器はあるが米がない。
オーブントースターはあるがパンがない。
後1週間どうするか…
辺りを見まわしてもティッシュの在庫しか見当たらない。


ティッシュペーパーって、確か食べれるはずよね。
813名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 11:30:50 ID:???
すんでの所で思いとどまれた。
食べ物以外のものを食材にするのは最後にするとして、
とにかく食えればいいやと小麦粉を購入し、水でこねてフライパンで焼いてナンをつくり、
ソースとマヨネーズをのっけて食べた。
すでに活動するためのカロリーさえ取れればいい、という考え。
栄養バランスなんて知らない。
 
…と、ティッシュを食べる寸前まで行った事を学校でリツコに話したら、
意外にも「私は食べた。」と言われてびっくり。
さらにてんぷらにして食べた芸人もいるらしいと、
為になるんだかならないんだかわからないような事を教わる。
だが、最後に援助物資を送ってくれる方向で話をまとめてくれた。
やった、これで食いつなげる!
814名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 11:32:11 ID:???
…と思ったら、リツコが大量のティッシュペーパーを送ってきた。あの野郎(野郎じゃない)!
さらに加持もどこから話を聞きつけたのか、
6パックのお得なのを持って来て、
「ははは、葛城はお盛んだなあ。」
とつまらない冗談を抜かす。
お礼にマウントポジションでキレたら怖い10代を教えてあげた。
815名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 11:34:17 ID:???
○月×日

学校でリツコに文句をつけた。
「天才の冗談はいつも理解されないのよ。」
と憎まれ口を叩きつつも、インテリは1袋298円のおでんセットを3人分用意しており、
今夜一緒に食べようと言ってくれたので許す。
帰って3袋のおでんをぐつぐつと煮込んでいると、
チャイムが鳴ってドアを開けるとマヤがいた。
ああ3袋あるのはこうゆう事かと、釈然としないけれども強引に納得し、
時々リツコを怪しい瞳で見つめるマヤをうす寒く思いつつ、
女3人あつまればなんとやら。
とても表現できない内容の会話が3時間にも渡って繰り広げられ、
ニュースステーションが始まる頃、マヤは帰って行った。
その後リツコと食器を洗っていると、パツ金黒眉がふと呟いた。
「そう言えば加持君、結局来なかったわね。」

じゃああいつは何なんだ!
816名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 11:52:58 ID:???
乙です

謎のマヤワラタ。加持はいずこ。しかし、ティッシュが繊維質なら便秘にイイかも。嘘です。
817名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 13:20:35 ID:???
(;´Д`)< もう我慢できない!
 Σ⊂彡_,,..i'"':
     |\`、: i'、
     \\`_',..-i
       \|_,..-┘








  ( ´ω`)ムシャムシャ
  つi'"':
   `、:_i'
818名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/13(日) 20:28:28 ID:???
乙!
どこからそんなネタを・・・w
819名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/15(火) 05:20:33 ID:???
ティッシュ食べてるのカワエエな・・・萌
820名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/15(火) 08:05:18 ID:???
>>815
おもろい(・∀・)
821名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/16(水) 23:45:28 ID:???
ミサトさんまち
822名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/17(木) 13:41:25 ID:???
○月○日
生理が2週間遅れている。
妊娠・・・?まさかね。
一応、加持君にそのことを伝えると。
「おめでとう!で、その子の父親は誰だい?」
と返される。
「あんた以外に誰がいるってーのよ!!」
とキレタら、あいつってば謝りながらも
「でも俺、ミサト”とは”ちゃんと避妊してたぜ?」
と言っていた。
加持なんてもう知らない。妊娠しててもシングルマザーだわ。
明日、検査薬を使う予定。
多分、陰性だろうけど・・・。









こらえきれずに勝手に書いちゃったです。すいません。
823名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/17(木) 14:26:51 ID:???
空気嫁。
824名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/17(木) 20:53:20 ID:???
おまえもな
825名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 13:36:31 ID:???
○月○+1日
今日、妊娠検査薬を使った。
陽性だった・・・。なんてことだ。
いつ使徒に負けるか分からない。いつサード・インパクトが起こるかわからない。
こんな時期に妊娠だなんて。
・・・子供は諦めようと思う。
だって、自分たちもいつ死ぬか分からない状況なのよ!?
無事に生まれたとしても、どうやって育てるの?
死と不安の充満しているこんなご時世じゃ、こどもを幸せになんてできないわよ。
子供を産み育てるなんて私にはできっこない・・・。

とりあえず、今夜はビールを飲まずに寝る。
おやすみなさい
826名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 14:22:44 ID:???
○月○+2日
ネルフで加持君と二人きりになる機会があったので、検査薬が陽性であったことを告げた。
彼は「そりゃ良かった。でも、子宮外妊娠の可能性もあるから早めに受診しろよ。」と言った。
私が「子供は産まない予定よ。こんな世の中だもの。生まれてきたらかわいそうだから。」と言うと、
「そうか、分かった。」と困ったように笑った。
大学時代に別れを切り出したときと被ってしまう。
あの時も彼はそう言って笑い、去って行ったんだっけ・・・。

でも、今回は違った。「そうか、分かった」の後に
「だが、もう一度よく考えてくれ。決断をそんな早急に出さなくても良いじゃないか。」
と言うせりふが続いた。そして彼はズボンのポケットからクシャクシャになった紙を一枚私に見せた。
「あはは、次にいつ会えるか分からないからすぐ出せるように持ち歩いてたらこんなに傷んでしまったよ。」
笑いながら私に渡してくれたその紙は婚姻届だった。
「俺のサインはしてある。・・・こっちも早急に決断しなくて良いから。
 あと、もう一度考えても、やはり子供を諦めると決断したなら、手術の同意書をもってこい。
 俺が同意書にサインしてやる。いいか、絶対に一人で手術を受けるなよ。」
加持君は真剣な顔で私にそう念を押して去って行った。

ああ、私はこれからどうすれば良いのだろうか?
勝手に手術を受けたら加持君はきっと激怒するのだろうな。
そして、もう二度と私に笑いかけないだろう。。
・・・私にとって一番大切なものって何だろう?
使徒の根絶?一個人としての幸せ?
私は人類をかける重大な任務についているのよ。
一個人の幸せを追い求めてどうするの?
やはり、子供は諦めよう。
明日、産科を受診して手術の同意書をもらってこなくちゃ。
ああ、頭が痛い。気持ちが悪い。
827名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 14:45:58 ID:???
○月○+3日
今日、産科を受診した。
さすがに、いつ使徒が襲来するか分からない場所に建つ病院の産科には人がいなかった。
時間に余裕を持って行ったのに、受付したら10秒で呼ばれたわ。
超音波で子宮の中を見たら、黒くて小さい卵みたいな物が映ってた。
まだ、人のカタチなんて全然見えないただの黒い卵。これが一年経たずにヒトガタになるなんて不思議だ。
医者にはちゃんと子供を諦める予定であることを告げたわ。
先生は「ああ、そうですか。」と少し残念そうに言った。
私は今の先生にとって数少ない妊婦さんの一人なのに
初診ですでに子供を諦める決意をしているなんて、きっと先生はがっかりしただろうな・・・。

今夜もアルコールを全く飲まない私に対して、シンジ君とアスカはさすがにおかしいと思ったらしく
「ミサトさん、具合悪いの?」「ビールを飲まないなんて、一体どうしたのよ?ミサト」
と聞いてきた。私は「健康診断でちょっち引っかかっちゃってね・・・」なんて言って切り抜けたけど
シンジ君は納得していたようだけど、アスカはまだ疑っているようだった。
この思春期真っ只中の二人に真実を告げる事なんて毛頭無理。
告げたらシンクロ率の低下もいいとこだわ。

次に加持君にあったら今日病院から頂いた手術同意書を渡さなくてはいけない。
いつでも渡せるようにポケットに入れておかなきゃ・・・。
828名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 15:15:56 ID:???
えっ、ナニこの展開!!続き早く!!!!
829名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 16:40:32 ID:???
○月○+4日
今日は非番の日。
シンジ君とアスカが学校に行き、二度寝をしていたら電話が鳴った。 加持君からだった。
「二つのサインの事について聞きたい」「手術同意書をもらってきたわ」「今からそっちに向かうよ」
3分後に彼がやってきた。そして、話し合いが始まった。
加持君は今回、「ああ、分かった。」とは一度も言わなかった。
私は
「いつ使徒にやられるかわからない、サード・インパクトが起きるか分からないこの時代に
 産んでやっても子供が不幸になるのは目に見えている。
 妊娠・出産で一時的にネルフを離れなくてはいけなくなるのは双方にとって痛手である。」
と主張し、加持君は
「ネフルには君以外にも優秀な人材が育っているから暫し離れても大丈夫だ。
 確かに俺たちはいつ死ぬか分からない。子供を産んだその日にサード・インパクトが起こる可能性もある。
 それは避けられない運命だ。それに対し、
 この子の命を親の都合で亡くすのは避けられる運命だ。同じ死であっても全く扱いが違う。」
と主張した。
私たちは怒鳴りあい、泣きあい、ご飯と休憩を取りながら話し合いは平行線を続けた。

そうしているうちにシンジ君とアスカが帰ってきた。レイも一緒だ。話し合いは一時中断となる。
「あれ?加持さん。なんでいるの?」「対使徒戦の振り返りを話し合っていたんだ。」
と上手くごまかし、夕食を皆で食べることになる。
夕食時にビールを飲まない私を彼はニヤニヤ笑いながら見つめていた。


結局、私と加持君は婚姻届と手術同意書のどちらにもサインすることがなかった。
今日も気分が優れない。早く寝よう。
830名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 16:44:02 ID:???
オッテュ
831名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 16:47:25 ID:???
ああ、勝手にこのエピソードを書きはじめちゃってすいません。
続きを期待されるなんて思ってもみなかったです。
この続きは今日の深夜に書く予定です。
空気が読めてないくて悪いのですがしばしお付き合いください。
832名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 16:52:28 ID:???
ネフル
833名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 20:37:21 ID:???
違う作者の人ならHNかタイトルを入れてくれると助かる
834名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/18(金) 22:25:42 ID:???
というか続きキボン
835名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 00:11:33 ID:???
>>832 ああ、タイプミスお恥ずかしい・・・。
>>833 了解しました。タイトル「ミサト、妊娠」です。直球です。では続きます。
「ミサト、妊娠」
○月○+5日
今日、エヴァとのシンクロ実験中にいきなり込みあがってくるものがあって
司令室で吐いてしまった。
多分つわりだ。思ったよりも出現が早い。
リツコやシンジ君たちに醜態を見られ、妊娠がばれやしないかとひやひやしたが、
リツコに「あら、ミサト二日酔い?飲んでも良いけど、仕事に支障をきたさない程度にしてよ」と釘を刺され、
夕食時には二人に
「ミサトさん、最近具合悪そうですね大丈夫ですか?」
「ミサト、最近ワーカホリックなんじゃない?昨日だって非番なのに加持さんと作戦会議してるしさ。休みのときは休みなさいよ。」
と言われた。
みんなに気づかれていないと安心したが、シンジ君が
「そういえば綾波が”ミサとは生み出すべきよ。嬉しさと悲しさは表裏一体なんだから”って言ってました。意味分かります?」
なんてことを言った。
「さあ?対使徒案のことかしらね〜?」とはぐらかしたがレイは鋭くて時々恐ろしくなる。

また明日、話し合おうと加持君が連絡をくれた。
何度話しても平行線をたどりそうだけど・・・。
836名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 00:22:53 ID:???
オッテュ
837名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 00:49:37 ID:???
「ミサト、妊娠」
○月○+6日
仕事が終わってから加持君と彼の部屋で話し合った。
今回は今までの彼とは違っていた。なんというか押しが強かった。長いがそのまま書く。
「葛城、俺の子を産んでくれ。いや、・・・俺の子を産んでくれるなら誰でもいいってわけじゃないんだ。
 君と俺との子供だから産んで欲しい。いや、なんだか語弊があるな・・・。上手く伝わらない。
 前も話したように俺たちにはいつ死が訪れるか分からない。もしかしたら、俺たちだけ生き残って
 この子が先に目の前で死ぬ事態もありうる。だが、そんな避けられない運命の事を考えてどうする?
 これは最初からこの子の人生を諦めているわけじゃないぞ。俺は生きている限り精一杯この子を守るつもりだ。
 命がある限り、精一杯愛するつもりだ。いくら世の中が絶望に包まれていようとも、君とこの子がいれば
 俺は希望を決して捨てない。愛しているよ。ミサト。そして、君・・・。」
加持君は私のお腹をさすりながら話しかけた。
いつにない迫力に私が圧倒されていると
838名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 00:50:03 ID:???
「俺はもうタバコをやめた。副流煙は子供に害だからな。
 葛城だって、子供を諦めると言いながら大好きなビールを飲まなかっただろ?本当は母親になる準備はできているんじゃないのか?」
と痛いところを突かれる。
「違うわよ。つわりで飲めなかったのよ!これも手術を受ければもうすぐ終わりだわ」
そう吐き捨てて、本心を開かない私に加持君は襲い掛かってきた。
「ちょっとなにすんのよ!馬鹿!」とか叫んで抵抗したけど、
加持君の怒った表情に心を打たれて力が半分しか出なかった。
私を裸にして、加持君は
「いらない子なら、激しくしてもいいだろ?自然に流してやるよ!」
と叫んだ。
「やめて!」私はとっさにお腹をかばい、加持君から逃げた。
二人とも涙が出ていた。加持君の涙を私ははじめて見た。別れ話をしたときも、再会したときも涙は無かったのに。
「命の尊さは自分が一番分かっているんだろ?素直になれよ。・・・・愛しているよ葛城。いや、ミサト。
 加持ミサトにならないか?いや、俺が葛城リョウジになってもいい。
 いや、本当は子供を育てるのに別に夫婦で無くたって別にいいんだよな。結婚はしなくても構わないよ。
 ・・・こんな世の中だからこそ子供を産んで育てよう。精一杯、愛そう。不安なのはお互い様さ。」

私は加持君の胸に飛び込んで声を上げて泣いた。加持君は黙って抱きしめていてくれた。

今、加持君は私の横で寝息を立てている。
明日、婚姻届にサインをしようと思う。
839名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 01:17:41 ID:???
オッテュ
840名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 01:27:37 ID:???
「ミサト、妊娠」
○月○+10日
4日ぶりにこの日記を書く。
前回からごたごたあって書けなかった。
まず、何から書けば良いのだろうか、少し迷う。
私は今、新潟の湯沢にいる。静養のためだ。
前回の日記を書いて眠りに着いた後、夜中に腹痛で起こされた。そして、下着には出血。
私は加持君を起こし、彼の運転する車で病院へ行った。
あの産科の先生が診察をしてくれた。
初診でいきなり「子供は諦める」宣言をしている私をどう思っているか少し気になった。
先生は「まだ、心拍が分からない週数なので胎児の安否はなんともいえない。出血が続いたら流産の可能性もある。」
と言い、安静のため入院となる。
それから一晩中、加持君はネルフとの連絡をとりながら私のそばにいてくれた。
しかし、二人の願いは届かなかった。
どんどん強くなる腹痛、多くなる出血。まもなく先生から「進行性流産」の診断を下される。
午後2時。内容物流出。コロンとした卵状のものだった。
加持君と私は先生から聞いてはいたものの、ショックを隠せなかった。
「ごめんよ、ごめん。守ってやれなかった・・・。」と加持君は子供に謝り、泣いた。
「私が悪いの。諦めるなんて言ったから・・・。もう一度魂になって戻っておいで。精一杯愛するから。」
私はそういって子供にお別れの言葉を言った。
841名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 01:28:10 ID:???
それから、加持君はネルフと葛城家(というのはシンジ君アスカとすんでいるマンションだけど)を往復し、
アスカをリツコに、シンジ君を日向君に預ける手続きや、私たちの有給休暇の手続きをしてくれた。
私の妊娠も子供を亡くしたことも外部に漏れることなく手続きは完了した。
その次の日に私は退院を許可され、病院に迎えに来た加持くんの車に乗った。
彼は「これから越後湯沢に行こう。この気候でスキーはできないけど、温泉は楽しめるぞ」と言い、
私たちはそのまま新潟まで向かった。

旅館について、温泉に入って、食事をしたら、彼はとても眠そうだった。
先に寝ることを促すと、「駄目だ。ミサトも布団に入るんだ。」と言われる。
「私は病院でいっぱい寝たから。」と言っても引き下がらない彼に根負けして布団に入ると、
彼は優しく抱きしめてくれて「俺をおいて死ぬなよ。」とつぶやき、すぐに眠りに落ちた。
多分私、自殺でもしそうな顔していたんじゃないかと思う。それで彼、心配して私を寝かしつけようとしたんだわ。

最後に、婚姻届にサインをして今日を終えようと思う。
おやすみなさい。
必ず戻ってくるんだよ。二人で待っているから・・・。
842名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 01:31:31 ID:???
「ミサト、妊娠」
以上です。呼んでくれた方々、ありがとうございました。
少しダークな内容で申し訳ない。加持×ミサトが好きなので書いてしまいました。
843名無しが死んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 14:47:48 ID:???
乙です・・・(つД`)+*+!!!ありがd
844名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 18:40:57 ID:???
オッテュ
845加持×ミサト作家:2005/11/19(土) 19:36:50 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
○月○日
一週間の休暇を終えてネルフへ出勤した。
結局、私は葛城から加持へ氏が変わり、
そのための今日一日はIDカードやパーソナルデータの書き換えやらに追われた。
誰にも報告をせず、式も挙げず、休暇が明けたらいきなり結婚してました。
って突然の出来事に周りの皆からは驚かれた。
リツコとレイと指令は「おめでとう」と一言だけくれた。
「えー?!ミサトあんた、結婚したの?これから私とシンジはどうなるのよ?もう、勝手なんだから!」とアスカ。
「おめでとう、ミサトさん。僕達のことは気にせずお幸せに。」とシンジ君。
皆からさまざまな反応をもらった。
「籍入れただけだから当分生活は変わらないわよ。しばらく3人で住みましょうね。」
と言った私に対して二人は「自分たちのことはいいから、加持さんと住んで欲しい。」と言ってきた。
でも、一体私以外に誰がこの二人の面倒をみれるって言うのだ?
アスカとシンジ君二人きりで住まわせるのは、ちょっちねえ・・・。


ああ、調子に乗って続編書き出しちゃった・・・。付き合っていただけますか?皆さん。
846名無しが死んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 19:55:44 ID:???
もちろんですよ(*^_^*)!今後の展開にワクテカしまつ(´∀`*)
847名無しが死んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 19:56:25 ID:???
もちろんですよ(*^_^*)!今後の展開にワクテカしまつ(´∀`*)
848名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 20:43:59 ID:???
オッテュ
849加持×ミサト作家:2005/11/19(土) 22:41:26 ID:???
>>846〜848 ありがとうございます。ご期待に添えるか分かりませんが、書きます。
「ミサト、妊娠。その後」
○月○+1日
今日、シンジ君とアスカとレイ。
そしてこの子たちのクラスメイトのケンスケ君とトウジ君、ヒカリさんが家に来て
結婚祝福パーティを開いてくれた。
ケンスケくんとトウジ君は私が三佐になったときもパーティを主催してくれている。
きっとお祭り好きなのね。
乾杯から30分ほど遅れて加持君が到着した。相変わらずズボラ・・・。
皆には私たちがまだ一緒に住んでいないことに対してかなり驚かれた。
「いいんですか?新婚さんなんだし、ヤリたいことがいっぱいあるんじゃないですか〜?」
なんてセクハラ上司顔負けの質問を飛ばすケンスケ君に対し、
「はは、一緒に住みたいのはヤマヤマなんだけどね。どうせ一緒に住んでもお互い仕事が忙しし、
 居候のこの子たちのことも考えると、現状維持がベストかと思ってね。」
と、加持君はうまくかわしていた。相変わらず話術上手いなあ・・・。
パーティが終わり、子供たちが帰るとともに加持君も帰って行った。
「なんや、夫婦ってこんなもんなんかなあ?」と帰り際にトウジ君が拍子抜けした顔で台詞を言った。

確かに、夫婦ってこんなもんなんだろうか?
変わったことといえば氏だけ。なにも変わらない生活。
私が加持君と結婚した理由はなんだろう?
加持君はなぜ流産したときに婚姻届を引き下げなかったのだろうか?
なんだか、皆に祝福されているだけに、空しい・・・。
850加持×ミサト作家:2005/11/19(土) 22:54:41 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○日
一ヶ月ぶりに産科のドアを叩いた。
流産後の検診のためだ。
子宮が元に戻っているか、出血は止まったか、感染症は起していないかを診てもらった。
全てに異常なしの診断が下され、それから夫婦生活の許可が下りた。
私のカルテの苗字”葛城”が横線2本で消され、”加持”に書き換えられていた。
「優しくて頼りがいのありそうな旦那さんでしたね。きっといいお父さんになれますよ。ああ、あなたもね・・・。」
先生は流産の時の加持君の行動を振り返り、そう評価していた。私は笑顔で答えた。

受診後すぐに加持君に電話をかけるが留守電だった。
ねえ、加持君。私、今日が受診日だって言ってたよね?電話かけるって言ってたよね?
なぜ家にいないの?どこにいるの?何をしているの?
私たち夫婦なのよね? 加持君・・・。
851名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 22:58:30 ID:???
オッテュ
852加持×ミサト作家:2005/11/19(土) 23:05:09 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+1日
昨日、夜遅くに電話が鳴った。加持君からだった。
「すまないな、野暮用で留守にしていた。どうだった?結果。」
「異常なかったわ。」「そりゃ良かった。体、大事にしろよ。じゃ・・。」
たった3言で電話は切れた。短かったのは夜遅くの電話だったから配慮したのだと思う。
それにしても最近、寂しさがつのる。
お互い仕事が忙しかったし、
会ってもどうせ(昨日までは)肌が合わせられなかったのだから当然と言えば当然なのだけど・・・。
でも、結婚したのにあんまりじゃないか? 少しは私の気持ちを察して欲しい。
それとも、こっちにはシンジ君とアスカがいるから寂しくないとでも思っているのだろうか?

・・・ねえ、君・・・。
君がもしも、遠くへ行かずに私の子宮に留まっていてくれたなら、こんな思いはしなくても良いのかな?
・・・ああ、ごめん。君のせいにしちゃ駄目ね。私がちゃんとしてれば良くなるわよね、きっと。
853加持×ミサト作家:2005/11/19(土) 23:25:56 ID:???
>>851 ああ、リアルタイムで言われると嬉しいです。ありがとう。
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+2日
今日、思いがけないことが起こった。
「私、ヒカリの家に居候することになったから。」とアスカに言われたのだ。
「あちらに迷惑でしょ!駄ー目。」と言ったが。
「ヒカリの家は3人姉妹なのよ。3人姉妹が4人姉妹になったってさほど変わらないわ。もうネルフを通して話は行ってるから。」
なんたる、自分勝手さ・・・。本当に良いのかヒカリさんの家に電話をかけると、
「アスカさんの分の生活費を頂けるそうですし、部屋も空いてますから。」と快い返事を頂いた。
「僕も、ケンスケの家に行くことになったから・・・・。」「は?シンちゃんも?!」「うん・・・。」
この子たちは、私と加持君がこのままバラバラではいけないと考え、この子たちなりに動いていたのだ。
全く気がつかなかった・・・。

今日から居候すると言うので最低限の必要な荷物を持って二人はここから出て行った。
ガランとした部屋。
ますます私の心は寂しくなった。久しぶりに泣いてしまった。
おかしいな?加持君と大学時代に別れてから、シンジ君が来るまで、一人で住んでいたじゃない。
ここで悠々自適に生活していたじゃない・・・。
二人が邪魔だと思ったとき、何度もあったでしょ?一人でゆっくりしたいとき何度もあったでしょ?
なのに、一人になったら寂しいよ、悲しいよ・・・。
私は加持君に電話をした。留守電だった。
「加持君。寂しい。すぐに来て。加持君!!!」
メッセージに叫びを入れた。
大分経つけど、まだ、彼からのコールバックは来ない・・・。
854名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/19(土) 23:26:36 ID:???
オッテュ
855加持×ミサト作家:2005/11/19(土) 23:42:40 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+3日
今日は非番。
シンジ君もアスカもいなくなったから朝起きてご飯を食べることも無く、お昼まで寝ていたら
電話が鳴った。
「ミサトか?俺だ。昨日はすまない。これからそっちに行くよ。」
「来なくていいわよ、馬鹿・・。」「いや、必ずすぐにいく。鍵を開けていてくれ。」
自分勝手な加持に腹を立てながらも、鍵を開けてしまう自分がいた。
到着した加持君は、泣きはらした目の私を見て驚いたに違いない。
「おやおや、美人が台無しだなあ。はは。」と笑い、すぐに私を抱きしめた。
「すまない。し・・」「仕事でしょ?分かってるわよ。もうここにくるな、馬鹿・・・。」
加持君にそのまま抱きしめられたかったけど、それ以上に私をこんな気持ちにする加持君に腹が立ったので
彼の体を自分から引き離した。
「もう、会いに来ないで! 電話もしないで! 留守電も返さないで! 二度と私に触れないで! 抱かないで!」
自分の気持ちとは裏腹な言葉を彼に浴びせかけ、玄関へ押しやった。
今思えば、涙と鼻水と腫れたまぶたと、ぐしゃぐしゃな髪の毛。すごい醜態だったと思う。
加持君は「そうか、分かった・・・。」と悲しそうに笑って玄関を出て行った。
私はそれから再び眠りに落ちた。寝ていれば寂しさも腹正しさも忘れていられるから・・・。

・・・ごめんね、もう会えないかもしれないよ、君に・・・・。
856加持×ミサト作家:2005/11/20(日) 00:01:28 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+4日
今日、仕事帰りにシンジ君から「あの、これ・・・加持さんから」と手紙を渡された。
あいつってば考えたものだ。会うのも電話も禁止したら手紙か・・・。あきれた。
「あの、こんなこと僕が言うのはなんですけど・・・僕達がいたから・・・新婚なのに邪魔でしたよね?それですれ違っちゃって」
シンジ君がそんななことを言うものだから
「子供が大人のこと心配するんじゃないの」と返したら
「子供じゃなきゃ、大人の心配なんてできないですよ。大人は忙しいから・・・」だって・・・。すこし心に響いたわ。

手紙の半分には反省と言い訳の言葉が書いてあったわ。
もう半分には、これからの二人の人生設計。
「できるだけ早急にあの子を創造する」「父親としてできるだけの愛情を注ぐ」「ミサトのストレス解消にできるだけ付き合う」
「死ぬときは、俺が真っ先に死ぬ。愛するものの死に顔は今の俺には耐えられそうも無い」
そんなことがつらつらと書かれていた。そして最後に
P.S. 頼りない夫ですまない。ミサトのことを今まで、もっと強い女性だと勘違いしていたよ。
   もしも、この手紙が届いたら今夜10時、鍵を開けて待っていてくれ。
と書かれていた。
もうすぐ10時。
私は今、鍵を開けて、彼の到着を待っている。
857名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 00:17:17 ID:???
乙です。でも、もう一羽の同居人のことをお忘れでは?
858名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 00:18:46 ID:???
オッテュ
859加持×ミサト作家:2005/11/20(日) 00:24:39 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+5日
昨日、あれから加持君が時間通りにやってきた。
彼は、鍵が開いていたので安堵の表情を浮かべて部屋に入ってきた。
そして、立ち尽くす。私がこの前に「触れないで」と言ったからだろう。
私から彼を抱きしめた。
「よかった。もう駄目かと思ったよ」加持君はため息をついた。
それから、お互いの今の気持ちや、これからの生活のことについて話し合って、
加持君は広い私の部屋に引越ししてくることに決定した。
話し合いが済んだ後、私たちはベッドへ入った。

加持君の体は一ヶ月半ぶりだった。10年以上前から何度体を重ねても飽きない。その時々で全然違う。
加持君は上に乗ってキスをしてきた。
「加持君・・」
「リョウジだろ?今やお前も加持なんだぜ。それじゃおかしいよ」
「・・・リョウジ」
なんだか照れくさかったが、私は彼を名前で呼んだ。
彼の舌が私の胸を這ったときにその出来事は起こった。
「痛い!」「・・・駄目だ。」「えっ?」
彼の舌が私の胸の傷をなぞったときになぜか痛みが生じる。これは今までに何度もあったことなのだ。
リョウジは私を愛するとき、そのことを承知していたのでそこを避けてくれていた。
なのに何故か今日は最初にそこを攻められた。
そして、私が「痛い」といったらそこで今日は終わりになってしまった。
「何故・・・?」「ごめんミサト。今日はできない。でも、抱きしめさせてくれ」
そういって、彼は私を抱きしめたまま眠った。

彼に、・・・リョウジに何があったというの?
子供を早急に作りたいんじゃなかったの?
860加持×ミサト作家:2005/11/20(日) 00:45:18 ID:???
>>857 ぐは!忘れてました。しかも「ミサト、妊娠」の時から・・・。
  ごめんよ、ペンペン!
 明日、用事があって、今日はこれで寝ます。
 明日の夜に続きを書けると思いますので、また読んでください。
 ペンペン数ヶ月前に死亡じゃ、やっぱまずいよね?
861名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 08:35:15 ID:???
人 に 聞 く こ と じ ゃ な い
862名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 11:01:33 ID:???
どっかの家に預けてあるとかが無難だな
863名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:05:13 ID:???
○月×日

何となく出ずらいので、
珍しくリツコが進めてくれたビデオでも加持と見てよう。
スティーブン・キングの名作『チルドレン・オブ・ザ・コーン』だって。
とうもろこし畑の子供たちだなんて。ああ見えても結構子供好きなのね。
864名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:10:07 ID:???
○月×日

初雪観測。
何となく気分がよかったので、
舞い降りる雪の中をを犬のように走り周り、その後わき腹の痛みにうめく。
はっちゃけすぎたようだ。ちょっと反省。
865名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:13:38 ID:???
○月×日

学校でリツコに出会うなり、大声で笑われた。
何だこのアマと思う暇もなく、一本のビデオテープを突きつけられる。
タイトルは『ミサト19歳 冬の少女』。
リツコの科学サークルの部室で見ると、昨日の私が隠し撮りされていた。
866名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:17:19 ID:???
○月×日

こんな事をするのは加持の奴しかいない。
コンビニで買ったおでんを持って帰りつつ、復讐を考える。
すると、美容室から出てきたマヤとばったり。
挨拶もなしに突然、「あの金髪の素敵な人って誰ですか?」と聞かれる。
満月の夜に大猿に変身するスーパーサイヤ人だと言っておいた。
867名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:21:18 ID:???
○月×日

コンビニでおでんを買うのが癖になりそう。
それはそうと、加持が学校にも来ないのでちょっと心配していたら、
YA○ADA電機の前で買い物袋を手に歩く無精ヒゲを発見。
両手がふさがっているリョウジの口に、
煮えたぎる汁の中からサルページしたばかりのちくわを押し込む。
熱さにもだえ、悲しそうな目になったので満足して帰る。
868名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:28:31 ID:???
ミサトさん帰ってきたー!
待ってたようー!
869名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:30:21 ID:???
寒いので近道しようと公園を通ったら、リツコがベンチに座っていた。
あの子はお気に入りの『子猫物語マグカップ』を手に、
今にも泣き出しそうな灰色の秋空をぼんやりと見ていた。
珍しい面をしているので、隣に座っておでんをほおばる。
一雨ごとに冬へと近づくこの頃。
今朝も小雨が降り、また一歩冬に近づいた。
向寒の風は骨身にしみるほど。私は思わず腕で体を抱きしめる。
寒いと身を縮めるのは人間の本能だが、同時に寂しさを呼び起こす。
そんな私に、リツコは湯気を立てるマグカップを差し出してくれた。
人とマグカップのコーンポタージュの温かさに感謝しつつ、受け取った。
ホロリと涙がでそうな雰囲気のなか、リツコは口を開いた。

「人の事をスーパーサイヤ人だと触れ回ったそうね…」

そうしておもむろに立ち上がったら、
ドリフの雷様コントばりにベンチが傾き、私はひっくり返ってコーンポタージュが顔面炸裂。

今も顔がコーンポタージュで香ばしい。今夜はシチューにしようかしら。
それにしてもインテリはやる事に念入りかつ陰険なので困る。
870名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 12:45:56 ID:???
自演がいっぱい
871名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 14:24:37 ID:???
オッテュ
872名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 18:05:23 ID:???
乙です

待ってました。ドリフ好きですね。
873名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 22:30:26 ID:???
幼い日のシンちゃんとの絡みシーンきぼん
874加持×ミサト作家:2005/11/20(日) 23:15:50 ID:???
>>861 確かに、人に聞くことじゃないですね。
  ペンペンの事をつじつま合わせて苦し紛れに書いちゃうとバレバレになっちゃいますので、
  そのまま触れずに続きいきます。
「ミサト、妊娠。その後」
○月○+6日
最近、使途が襲ってこないので、ネルフはのんびりとしている。
エヴァのパイロット達と私とリツコは実験の日々だ。
「最近暗いんじゃない?新婚さん。」とリツコに微笑みながら言われる。
「まあ、いろいろとあってね・・・。」と濁すと、
「愛するもの同士が結婚できるなんてこれ以上幸せなことは無くてよ。うらやましいわ」と返された。
確かに周りから見れば私は幸せに見えると思う。十数年来の恋人と結婚したのだから。

リョウジは今日も私を抱かなかった。
正確には途中まで行くのだが、
今夜も傷を舐め、「痛い」という私を見ては止めるのだった。
「私の何が悪いのか」と聞いても
「気味は悪くない。問題は俺の中にあるんだ。すまない・・・。」
と苦しそうな顔をするだけだった。
恋人のときも、リョウジはどこか私が踏み込めない苦悩があるようだった。
そんなとき、私はいつも「個人の問題だから」と深追いはせず、そっとしておいた。
今回も私は苦悩するリョウジに何も言わずに一人でベッドに潜った。
後ろから彼が抱きしめてくれたが、惨めな思いで胸が張り裂けそうだった。
875加持×ミサト作家:2005/11/20(日) 23:35:25 ID:???
すいません。>>874の日付間違えました。×月○+6日です。
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+7日
昨日は目が冴えてなかなか眠りにつけず、寝不足だ。
リョウジの今の状態について考え込んでしまっていたから。
私は真っ先に、浮気を考えた。その可能性が一番高い気がする。
罪悪感やら他の女のぬくもりを思い出したやらで心が乱れ、私のことが抱けないのだと思う。
だとしたら、もう、離婚したほうが良い気がする。愛していないのに生活を共にする意味がないから。
次に、流産のショックから彼が立ち直れていないためだと考えた。
でも、そうだとしたら、共に傷を受けた私に隠す必要があるのか?
やはり、浮気っぽい。流産して辛気臭い顔の私から一時的にでも他の女に逃げた可能性もある。
しかし、あの傷を舐める意味は何なのだろうか?
前からそこは痛い場所だと知っているのに、彼はなぜわざと舐めるの?
確かに、もう古傷だし、痛いのは気のせいだと思うけど、でも、やはり痛いのだ。仕方が無い。

よくよく考えて、やはり、はっきりさせたほうが良いという結論に至る。
私たちはもう夫婦なんだから。
恋人の時のように傷つくのを恐れて問題をうやむやにしておきたくない。
浮気発覚ドンとこいだ!そうなったら離婚届をこっちから突きつけてやるわ!
浮気だろうと、はっきりさせておいたほうが良いのだ。
876名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/20(日) 23:39:26 ID:???
がんがれ
877加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 00:04:17 ID:???
×月○+8日
昨日は私が誘って二人でベッドへ入った。
リョウジは子供の頭を撫でるように私の頭をなで、その要領で全体を撫でた。
時々、性感帯にあたって気持ちが良いのだけど、全体的には心地よいという言葉が当てはまる。
そんな心地よい手技にうっとりしてきたところで、彼はまた、傷を舐めた。
今度は言葉を発しないようにして耐えたのだが、表情からもちろんばれていた。
また、彼はそこでやめてしまった。
私は理由を聞いてみた。また同じ答えを言われたけれど、今度は引き下がらなかった。
「浮気ならそういえばいいでしょ? 罪悪感からできなくなったと言えばいいじゃない。」
「それは違う。そんなことはしていない。 」
「どちらにしても私たち終わりだわ。私、あなたに触れる度、やめられる度にどんどん惨めになっていく」
「ごめん。謝るよ」「私が欲しいのは謝罪じゃないわ」
言葉を交わすたびにどんどん喧嘩腰になってしまう私、それでも、一向に口を割らない彼。
ついには「浮気者の顔はもう見たくないから」と否定する彼の言葉を聞き流して部屋を出た。
居間のソファーで寝たら、腰が痛い。ずっと落ちないように丸まってたから・・・。
ああ、腰が痛いなんて言ったら「新婚さんはいいね〜」なんて皆に言われるんだわ。絶対に言えない・・・。
878加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 00:18:37 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+9日
昨日もソファーで寝ようとすると、リョウジが「寝る場所、代わるよ」と言ってきた。
お言葉に甘えるのはしゃくに障るので動かないと、持ち上げられて肩にかずかれ、ベッドへ降ろされた。
彼は「浮気はしていない」と真剣な顔で言ってキスをし、居間へ行きソファーに寝ころがった。
「だったら、理由を言いなさいよ、馬鹿!」と言って枕を投げてやったけど、見事にかわされる。
「言ったらミサト、幻滅するぞ。」「もう、幻滅してるわよ」「そうか・・・じゃあ、次の休日に話すよ」
そう確約して別々に寝た。

そして、今日、リョウジは「いやあ、腰が痛くてね。ハハ」とリツコやマヤ達の前で話し、
ネルフ職員数人から「新婚さんはいいねえ〜」の言葉をもらった。あんの、馬鹿・・・。
879加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 01:06:23 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+12日
今日は待ちに待った休日。
やっとリョウジから理由が聞けると、私は朝から興奮していた。
昼食をとっていると彼から「君との情事の件なんだが・・・」といきなり話を始められた。
私はてっきり夜に話してくるものだと思っていたから驚いたが、素直に話を聞いた。
「あの日、久しぶりにミサトと肌を合わせたときに、俺は”やっとこれであの子に会える。俺は父親になるんだ”と思った。
 でも、胸の傷を見たときに思い出してしまったんだ・・・ミサトが”父親そっくりな人を好きになる”と言ってたことを」
私はその理由を聞いて、今日ほど自分の過去の発言を悔やんだことはない。
「これは自分の問題だと思ったよ。ミサトが知ったら傷つくと思った。だから、言わないでおこうと・・・。
 しかし、体は正直だった。ミサトはこの傷を見るたびに親父さんを思い出すんだと思ったら、駄目だった。
 もしかして俺の思い過ごしで、ミサトの傷は癒えているんじゃないかと思って、
 傷を舐めてみたが、・・・痛みが消えていなかった」
彼が苦悩の表情をしてうつむいた。私は彼を抱きしめ、
「今夜、ベッドで待ってるから」
と言った。
私は今夜、彼の妻として、できるだけのことをしようと思う。
880加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 01:43:20 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」
×月○+13日
昨日の夜のことをここに記す。
できるだけ長い時間が必要だったので、私たちは6時夕食、7時風呂、8時ベッドへ入った。
”どうせ、今日も無理だろう”とリョウジの顔が語っていたが、私は「今日こそ大丈夫」と強気に言葉をかける。
ベッドに入り、私は自ら裸になった。リョウジを脱がせて抱きしめる。
「傷を舐めて欲しい。痛みがなくなるまで何度でも舐めて欲しい」と伝えると彼は「そんなことできない」と答えた。
私は引き下がらなかった。今夜駄目ならもう駄目だと切羽詰っていたから。
リョウジが私の頼みに根負けして傷を舐めるとズキンと痛みが走った。
できるだけ彼にショックを与えないようにこらえるが、体がこわばり顔がゆがんでしまう。
「やはり、やめよう」という彼に対し
「お願いだから手伝って。私を父の呪縛から解き放って欲しい」と説得した。
何回舐められただろうか?3桁はいっていたと思う。
時には体を硬直させ、時にはリョウジにしがみついて耐えた。一向に癒えない痛みにうんざりするときもあった。
ただ舐めるだけ、舐められるだけでもさすがに数時間に及ぶと体力を消耗した。だんだんと汗ばんでいく。
「きっと、駄目だ。もういいよ、無理するな」と私の痛々しさに何度も止めを求める彼を
「これは私の問題。あなたには関係ない」と突っぱねたときもあった。
881加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 01:44:01 ID:???
私はまた、父との思い出を反芻して自分に問いかけた。
「リョウジがすきなのか?それとも、本当は父が好きで、リョウジはそれを投影した人形にすぎないのか?」
幾度と続く痛みは私に課せられた洗礼だった。
そして、私はだんだんと痛みが弱まっていくことにある時、気づいた。
だんだんと、痛みが無くなり、ただ舐められている感覚だけを感じられるようになり
そのうち、心地よさ、気持ちよさへと変わっていった。
そう、それは処女が喪失されたときから快感を覚えていく過程にとてもよく似ていた。
私の変化を彼も感じ取っていた。やっとそのときが来たのだと思った。
一つに繋がったときはこの上なく嬉しくて、二人で顔を見合わせて笑った。
そして、彼が達した時の感動は何にもたとえようが無い。
快感と歓喜と安堵感とが一度に来た感じだった。
今まで、何千回と愛し合ったのに、こんなに最高の気持ちを味わったことは無かった。
かなりの体力を使ったので、それからすぐに眠気が襲ってきて、私たちは眠りに落ちた。

今朝、リョウジと一緒に目覚めて、笑顔で挨拶を交わしたとき私は
夫婦って良いな。
と思った。
882加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 01:50:49 ID:???
「ミサト、妊娠。その後」以上です。
ペンペン置き去り事件がありましたが、読んでくれた方々ありがとうございました。
今はもうネタが無いので暫くは書けないと思いますが、
また「加持×ミサト」で来ますので、読んでやってください。
あと、日記っぽくするのって難しいですね。後半全然日記じゃないし・・・。
では、再見!
883名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/21(月) 02:04:13 ID:???
オッ
884名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/21(月) 03:56:55 ID:???
中盤の話で泣いてしてしまって、普段気にかけてなかったけど、やっぱ自分は母性を備えた女なんだと思えた。
乙でした。
885名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/21(月) 03:59:26 ID:???
感動したと伝えたかったのに誤字るとは
886加持×ミサト作家:2005/11/21(月) 16:40:04 ID:???
>>884 ありがとうございます。
 加持とミサトにはつらい思いをさせましたが、彼女らを通してなんとなく
 産んだほうが可愛そうだと思ってしまう子供(飢餓や戦場の)や愛し合ってるのにセックスレスや、
 そんな性の問題を書きたかったのです。
 また、そんな作品を書く予定です。
 あまりでしゃばっちゃ駄目ですね。これでロム&名無しに戻ります。
 では・・・。
887名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/22(火) 06:15:49 ID:???
乙です

でしゃばるなんてとんでもない。職人さんがいる限り他の日記のように次スレもたつから、またネタができたらおながいします。
888名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/25(金) 14:14:37 ID:Y9XT2Y2G
この後加持に先立たれ補完されると思うと・・・orz
889名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/25(金) 23:46:45 ID:???
>>888 そんな避けられない運命の事を考えてどうする? by加持
890名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 12:04:03 ID:???
ミサトさん待ち
891名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:24:41 ID:???
○月×日

リツコからゆ○パックのセールスを受けた。
何で郵便局の人でもないインテリからそんなものを受けるのかと首をひねったが、
リツコママがどうやら公務員らしい。お付き合いと言う訳か。蛇の道は蛇。
娘はアレだが母は好きなので、ひとつ買ってあげた。
2500円とお金のない学生さんには厳しいかもしれなかったが、
おいしそうなカニが届くのはうれしい。
892名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:25:24 ID:???
○月×日

リツコママのために年賀はがきを購入。
お酒も進められたが、身内は誰もいないし私は飲めないのでパス。
代わりにリンゴを購入。

何かおかしい。
893名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:26:01 ID:???
○月×日

こっそり後をつけたらインテリは迷うことなく郵便局へと入って行った。
あのアマはこの私に内緒でバイトしてやがった!
私にもやらせろ!
894名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:47:56 ID:???
乙です

騙し騙され合う、ギリギリの緊張感が人を高めていくのですね。ところで、ここに北宋ものの壺が(ry
895名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 22:54:24 ID:???
女友達の面白さがイイ!
896名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 23:27:05 ID:???
ん、お酒が飲めない?
897名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 23:47:18 ID:???
「(高い酒は貧乏学生の)私(に)は飲めないので」つーあたりでしょうか?
898名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 23:59:18 ID:???
>>896
ビールの産湯に浸かったわけでもあるまいに。
・・・ヨゴレていない時があったのだよきっと。

まあ実際は、日本酒は口に合わないと言っているだけの様にも思えるが。
899名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/28(月) 16:49:31 ID:???
900名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/28(月) 18:25:02 ID:???
900get!
901加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 21:46:08 ID:???
「昔の女」
○月○日
今日、ネルフの私の机に夫である加持リョウジ宛てのはがきが届いた。
どうやら、集配係が机のネームが同じ”加持”だったので間違えて届けたらしい。
手紙なら中身を読まれずに済んだのに葉書だったので丸見えだった。
「リョウジ、元気してますか?
 私はあなたがドイツにいなくなってから淋しくしています。
 今度会えるときがあったら連絡します。近況を教えてください。またね。」
送り主は女だった。多分、ドイツ支部の人だろう。
加持はアスカをつれて来日するまで数年間ドイツにいた。
そして、最近も・・・。私と結婚する2ヶ月前までドイツにいた。
あの日、リョウジは留守電に伝言を残して突然失踪した。
冬月指令誘拐で疑いがかかり、海外へ逃亡したのだ。
何事もなかったかのように再び姿を現したときは驚いたが、逃亡方法など詳しくは教えてくれなかった。
そして、その縁のあるドイツからのエアメール。
私は嫌な予感がしたが、郵便事故などなかったかのように夫不在の机に葉書を置いた。
この嫌な感情はなんだろう?
902加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 21:54:30 ID:???
「昔の女」
○月○+1日
生理1日目
今月もコレがやってきた。私はその証を見てため息をついた。
また妊娠してない・・・。
リョウジに報告すると「そうか、残念だな」と言われた。
あの日からもう半年。子供が欲しいのに子供ができない。
生理がこんなに嫌な気分になるなんて、思いもよらなかった。
不妊治療をリョウジにそれとなく提案すると、
「まだ焦る時期じゃないだろ?二人きりでも楽しいじゃないか。
 それに、その時が来ればちゃんと宿ってくれるさ」
と能天気そうに言われた。
彼はそんなに子供が欲しいわけじゃないのだろうか?
私たちはなぜ結婚したのだろう?子供を産むため?
903加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 22:04:16 ID:???
○月○+2日
二日酔いで頭が痛い。
妊娠していないと分かったら飲む!
これが最近の加持家のイベントになっている。
しかし、昨日は久しぶりに飲みすぎた・・・。
リョウジが止めるのも振り払って飲んだ感じ。記憶も飛んでいる。
いつの間にか朝で、いつの間にか出勤時間で、いつの間にか勤務が終わった。
白状すると、昨日は
リョウジはあの葉書を読んだのだろうか?返事を書いたのだろうか?
そのことばかりを考えていた。そして、酒が進んだ。
・・・やけ酒なんて久しぶりだわ。
いいのよ!私はリョウジの妻なのよ!私以外に彼の妻はいない!
私は、結婚して、妻と言う地位をつけたのよ。お互い一生この人だと決めたんだから。
リョウジもそうなんだから・・・・・・。
904加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 22:16:13 ID:???
「昔の女」
○月○+3日
リツコに飲みに誘われ、飲みに行った。
「どう、結婚して何か変わった?学生時代の同棲とは違うもの?子供は考えてるの?」
などと色々質問された。
「加持君もミサトも8年間のブランクが空いたのに、よくヨリを戻せたわね。
 思ったよりも二人ともまじめだったのね」
リツコは感心しているようだった。
「8年も空いたら間に付き合ってる人くらいいるわよね?」
「そりゃあね・・・過去のことを掘り返すのは得策じゃないけど、時には必要かもね」
そんな会話を最後に交わしてリツコと別れた。

得策じゃない。か・・・そうよね、終わったことだし今、彼の隣にいるのは私一人なんだし・・・。
905加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 22:24:54 ID:???
「昔の女」
○月○+4日
今日は私だけオフ。リョウジは仕事だ。
夫婦になってから、大抵の休みが重なるように配慮してもらえるようになった。(今日は例外だけど)
これも結婚してよかった理由かな?
午前中に家事を終わらせて、午後からは一人で見たかったDVDを鑑賞した。
リョウジは絶対に(馬鹿にして?怖がって?)見ない「死霊のはらわた」だ。一人も良いわね。
でも、そんなときに限って電話が鳴る。
しかも、リョウジが忘れて言った携帯電話だった。勿論でない。留守電モードに切り替わる。
「もしもし、リョウジ?手紙ありがとう。早速電話してみた。
 もしかしたら近いうちに来日できるかもしれないの!そうなったらまた連絡するわ」ガチャ
リョウジはあの人に返事を書いていた。そして、電話番号も教えていた・・・。
嫌な予感が再び私の胸を揺さぶった。
906加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 22:30:47 ID:???
「昔の女」
○月○+5日
昨日の電話のことを聞こうかどうしようか迷った挙句、結局聞けず。
「最近、何か良いことあった〜?」なんて遠まわしに聞いても
「なんだ?唐突だなあ。そんなに幸せそうに見えるかい?
 だとしたら、ミサトと一緒にいられるからかな?」
っていつもの調子で煙に巻かれた。
リョウジは昔から本音が見えない。本当はつらいのに平気な顔をしている記憶なんて沢山思いつく。
私は何を臆病になっているのだろうか?リョウジが怖い。
直接「あの電話はなんなのよー!」と聞けば良いのにそれができない。
怖い。リョウジが・・・・何を考えているのか分からない。
907加持×ミサト作家:2005/11/28(月) 22:34:45 ID:???
「昔の女」
○月○+6日
昨夜、リョウジの寝ている隙に携帯を盗み見た。軽く罪悪感。
おかげでドイツの女の電話番号を知ることができた。勿論、アドレスに登録済みになっていた。
これで、次に電話が来たときが来日だと予想がつく。うひひ。
でも、私って一体何やってるんだ?直接リョウジに聞けば良いのに・・・。
908加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 13:31:31 ID:???
「昔の女」
○月○+7日
今朝、リョウジの電話が鳴った。
どうもあの女かららしい。ドイツ語で話していた。
「誰から?」「古い友人さ。ドイツ支部時代のね・・・。」
「大分親しげでしたけどぉ」「はは、妬いてるの?君らしくないなあ」
そんな会話でまた煙に巻かれた気分。
リョウジはいつからあんなに表面だけ合わせる様な人間になったのだろうか?
微笑んで、上手いことを言って、相手を安心させる。でも、本心が見えない。
大学時代はそんなことなかったのに・・・。私と別れてから再会するまでの間に大人になったということか。
これで良いのか?これが彼の優しさなんだろうか?私は不安でいっぱいなのに・・・。
909加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 13:47:55 ID:???
「昔の女」
○月○+8日
今日、決定的なことが起こってしまった。
リョウジがあの女と会っていたのだ。何故それが分かったかと言うと、
今朝、二人で出勤した後、日向君からリョウジが早退したと聞いたからだ。
何食わぬ顔で帰ってきたリョウジに午後からの動向を聞いた。
最初は笑顔でいつものように煙に巻いたような話し方をしていたけれど、
私が葉書や電話のことを話したら顔つきが変わった。
「夫婦間でもプライバシーは必要だと思うけどなあ・・・。」
「あなたの失踪前のプライバシーはスパイ行為だったわよね?そして、今は何かしら?」
私は尻尾を捕まえたように嬉しかった。リョウジの本心が見えてきそうだった。
彼は色々と言い訳をした。でも、動揺していたから嘘だと分かる。
「昔の女なんでしょ?ドイツにいたときの・・・。白状しなさいよ。恋人の時のようには行かないわよ。夫婦なんだから」
とすごむと、リョウジはとうとう尻尾を出した。今日の午後もその来日した女と会っていたそうだ。
「今日は別々に寝ましょう」という提案にリョウジも納得し、私たちは数ヶ月ぶりに違う布団に入った。
私は今、悲しいのだけど、リョウジの行動を見破ったことに満足している。
ちょっとした征服感だ。もう私に嘘を言っても見抜かれると彼が気づいてくれたようで、嬉しい。
嘘ついたって、逃げられないんだから・・・。
910加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 14:05:04 ID:???
「昔の女」
○月○+9日
なんてことだ。今日はネルフ幹部の配慮で二人で休日だった・・・。
昨日は興奮していて気づかなかった。
笑顔のないリョウジに、私は笑顔で挨拶をしたけれど、笑顔は返ってこなかった。
仕事なら頭を冷やす時間がお互いにあっただろうに、休日だからそうは行かなかった。
出かけようとするリョウジに私は「また、あの女のところに行くの?」と聞いた。
彼は否定したが、疑い深くなっている私は外出を許さなかった。
もう絶対に浮気している。と私は妄信していた。
「昨日の昼、あなたがあの女とベッドを共にしたんだと思うと・・・」「そんなことはしていない」「嘘つき」
催擬と否定。その会話の繰り返し。どんどん感情的になる私たち。ついに彼は
「君が俺に別れを言ったんだぞ!君が俺を捨てたんだぞ!!
 あの時、どんなに辛かったか分からないだろう?!
 君に俺が攻められるのか?!8年も離れていたのだから間に恋人くらい当たり前だろ?
 君はそれも気に入らないと言うのか?!」
と、怒鳴り、
「ミサト、もう別れよう。」
決定的な言葉を私に突きつけたのだった。
そして、彼は出て行った。どこへ行ったのか分からない。昔の彼の部屋はもう引き払っている。
多分、昔の女のところへでも行ったのだろう・・・・。
私はリツコのところへ電話をし、今夜の約束を取り付けた。
911加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 14:30:42 ID:???
「昔の女」
○月○+10日
昨日はリツコとマヤ、日向君、青葉君と飲んだ。夫と喧嘩したことはバレバレだった。
「こいつってば、ミサトさんが結婚してかなりの間落ち込んでたんですよ〜」
「やめろよ、シゲル。そういうこと、この場でいうなって・・・」
って感じで、普通の職場の飲み会って様子が楽しめて良かった。
飲んで気持ちよくなってリツコと一緒に家に帰ると、リョウジがいた。
「フフ、私はコレでね・・・。リョウちゃん、介抱してあげてね。ホッとしたでしょ?私と一緒で」
「ああ、ありがとう。リッちゃん」
そう二人は会話して、リツコは帰って行った。
「電話の電源切るなよ。心配しただろ?」
「別にいいじゃない。離婚するんだから。あなただって、あの女のところに・・・」
「黙れ!」
また、リョウジに怒鳴られた・・・。浮気したやつに怒られたくない。
私はフンっと悪態をついてベッドに横になり、そのまま眠りに落ちていった。

朝にはリョウジは出勤していた。顔をあわせたくないから都合が良かった。
912加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 14:58:57 ID:???
「昔の女」
○月○+11日
今日もほとんどリョウジとは顔を合わせなかった。
思い返すと、あんな感情的な彼は久しぶりに見た。
彼は、私を愛している反面、あの時振られたことを今でも恨んでいるのだわ。
あの日、彼から別れを切り出されてはじめて分かった。
別れを告げられる苦しみを・・・・・・。
自分の全人格が否定されたような気分。愛しあっていると思ったのに裏切られた気分。
そんな辛い思いを彼はしていたんだ。
私は彼が言わないから、もう立ち直っているのだと勘違いしていたんだ。

結婚は、妊娠がなかったらしなかったの?
いいえ、妊娠しなくてもいずれ結婚しようと思ってた。
でも、結婚したら心が通い合わないことが露呈して、上手くいかなくて・・・。
子供を持つことを焦っていて。二人きりだと夫婦じゃないみたいで。
結婚したら彼の過去のことが気になって。昔の女が気になって。独り占めしたくて。
結婚しなかったらこんなに苦しまなかった。恋人の時は強気でいられた。
結婚したら不安がいっぱいで・・・・・・・・・・。
結婚って一体何?離婚したほうがいいのかしら?
913加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 15:08:48 ID:???
「昔の女」
○月○+12日
今日、リツコに
「まだ喧嘩しているの?仲が良いのね。お互いのことを思っているからこだわりが生まれて喧嘩するのね」
といわれた。離婚するかもしれないとは言えなかった。
帰りに日向君に映画に誘われた。私好みの最新作のホラー映画だ。
二人きりなのがイヤンな感じだったが、信頼の置ける後輩だし、夫の事もあったのでOKした。
なかなか、グロくて良かったわ、あの映画。日向君がチケット代をおごってくれた。少し心が温まった。
家に帰ると食事ができていた。リョウジと二人で食べた。無言の食卓だった。
いつもより遅く帰ってきたのに詮索されなかったのが淋しかった。
もう、ここまでなのかもしれない。
914加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 16:36:09 ID:???
「昔の女」
○月○+13日
昨日の夜。リョウジが私のベッドに潜り込んできた。
彼は何も言わなかった。私も何も言えなかった。
何も言わずにキスをして、何も言わずに体を重ねた。
淋しかった。こんなに淋しいのは初めて。体はこんなに近いのに、淋しかった。
私が涙を流すと、彼は何も言わずに拭ってくれた。
私は、良いとも、嫌だとも言えなかった。
「求められているんだな、体は・・・」と思っていた。それが、悲しくもあり、
「体だけでも求めてくれている」という安心にもなっていた。
彼は何を思っていたのだろうか?
何故、この状況で私を抱いたのだろうか?
最後に一発やりたかったんだろうか?
915名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/29(火) 18:37:19 ID:???
乙です♪ど…どうなるのか本当に気になって仕方ないですっ(´∀`)
916名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/29(火) 19:52:49 ID:???
オッテュ
917加持×ミサト作家:2005/11/29(火) 22:28:55 ID:???
「昔の女」
○月○+14日
昨夜のことがあってか、やっと二人で冷静に向き合う時間ができた。
リョウジは
「この前は感情的になってすまなかった。
 分からないようにドイツ語で話したのにミサトに尻尾をつかまれて動揺した。
 確かに昔の彼女には会ったが、ベッドは共にしていない。キスは別れ際にした。」などと話し、
「ミサトは俺と別れたいか?」と聞いてきた。
私は「分からない」と答えた。本当に分からなかったから。
「あの時もしも、俺が別れないで欲しいといったら、ミサトは別れずにいたか?」との質問にも
答えは「分からない」だった。
彼は悲しそうに「そうか・・・」と行ったきり黙ってしまった。
あのときのトラウマがこれからも彼を苦しめ続けるのかと思うと気の毒になる。
でも、私の本心は「分からない」だったのだ。
別れたいのか分からない。別れていたのか分からない。
リョウジのことが分からない。自分の本心も分からない。
918加持×ミサト作家:2005/11/30(水) 13:44:17 ID:???
「昔の女」
○月○+15日
今日、日向君に誘われて、仕事帰りに日向君の部屋でオーメン1〜3を見た。
リョウジとの不仲が続いていることがばれているらしい。
「僕だったらミサトさんを悲しませるようなこと絶対にしないのに。毎日笑えるようにするのに」
「離婚したら僕のところへ来てください。いつでも慰めますから」
などと言われ、驚いたことにキスをされた。それ以上は抵抗して許さなかったけど、
彼にそんな積極的な一面があったのが意外だった。
家に帰るときには深夜11時になっていた。リョウジはリビングで私の帰りを待っていた。
「今までどこに行ってたんだ?また携帯の電源を切っていただろ?」
「日向君とビデオ見てたの。電話が鳴ったら気が散るじゃない。」
「そうか・・・」そう言ってリョウジは寝室へ入ってしまった。
まただ。怒鳴られるのを覚悟したのに、他の男と二人きりでいたことを咎められるのを覚悟したのに。
彼は、感情を見せないままだった。
919加持×ミサト作家:2005/11/30(水) 13:53:07 ID:???
「昔の女」
○月○+16日
日向君が昨日のことをエヴァ起動実験中に話題に出した。
「昨日は楽しかったです。帰りが深夜でしたが大丈夫でしたか?」
リツコもマヤも青葉君も、リョウジもいる場でだ。
彼の作戦はわかりやすい。皆が私を見る目が変わったのを感じた。
ただ、リョウジはこちらに目を向けず、微笑んでいるだけだった。
リョウジも日向君くらい考えが単純なら良かったのにと思った。
920加持×ミサト作家:2005/11/30(水) 14:01:25 ID:???
「昔の女」
○月○+17日
帰りにシンちゃんによばれ、ケンスケ君の家へ向かった。トウジ君も一緒だった。
「ミサトさん、旦那さんと上手く行ってないってほんまでっか?」
「あはは、もうそこまで情報流れちゃった?」
「大丈夫です!ミサトさん!4年待ってください!そうすれば僕と結婚できます!!」
「いや、わしとや!わしも4年で結婚できるで!」
どうやら、シンちゃんを通じてアプローチする作戦だったらしい。
「ありがとう。考えておくわ」と答えた。

日向君も、シンちゃんの友達も、私を慕ってくれるのは嬉しい。
でも、なにか足りない。リョウジとはどこか違うのだ。
彼らは私の表面だけを好きなのではないか?
私の全てを知っているのはリョウジだけだ。
愛してくれるのは・・・リョウジだけだ?
リョウジは私をまだ愛しているんだろうか?
私は・・・?
921名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/30(水) 16:49:03 ID:???
オッテュ
922加持×ミサト作家:2005/11/30(水) 22:15:04 ID:???
「昔の女」
○月○+18日
今日の昼休みに、日向君とリョウジが殴り合いの喧嘩をしていると、マヤに報告され、現場へ。
「加持さんにはミサトさんを幸せにできません!僕のほうがふさわしいはずだ!」
「君はそうやって人の妻に手を出そうとしたんだな!」
人だかりができていて、私の名前が叫ばれていた時は恥ずかしくて逃げ出したかったが、
「あなたは二人の上司として、この事態に対する適切な処分を下すべきね」
と、リツコに言われ、腹を据えて二人の前に立つ。
「チームワークを乱す行動は使途襲来時の不測の事態に通じる。二人は2日間の自宅謹慎処分とする。」
二人の間に立ってとめることもせず、喧嘩の理由を聞くこともせず、私はそう言ってのけた。
二人はお互いに相手から手を離し、処分を受け入れた。

家に帰って、謹慎処分中のリョウジに喧嘩の理由を聞いたら、
「日向君が君とキスをしたといってきたから、カッとなってしまった。大人気ない。」
と肩を落としていた。
日向君は「深夜までビデオを一緒に見ていた」と話しても動じなかったリョウジに対して挑発をしたのだろう。
「私は恥ずかしくて逃げ出したかったのよ。リツコに言われて腹を据えたけど」
「すまない・・・。何故、大事なことを黙っていたんだ?日向君とキスしたことを」
「言えるわけない、ただでさえ険悪なのに。言ったら決定的になると思っていたの。別れが」
「でも、バレた。そして、今も険悪だ」
「それはあなたもね。昔の彼女のこと黙っていたけど、バレた」
「お互い様か・・・」「ええ」
そこまで冷静に見えたリョウジがいきなり私を持ち上げてベッドへ落とす。表情は怒っている。
「もう、俺に隠し事するなよ」
上に乗られて凄まれたが、私は負けなかった。リョウジに足を掛けて体制を崩し、上に乗る。
「あなたもね。」
怒りと愛しさのままキスをし、抱きしめあった。
お互い負けたくなかった。優しい顔の一つでもすれば相手は許してくれたと思うだろう。
お互いにそれは嫌だった。険しい表情のまま事は進んだ。
感じているときも、達するときも表情は険しいままだった。
まるで獣のように私たちはその日、愛し合った。
そのあと、一眠りして、深夜、私が目を覚ますと、リョウジはもう部屋にいなかった。自宅謹慎注なのにあいつは・・・。
923加持×ミサト作家:2005/12/01(木) 00:05:19 ID:???
「昔の女」
○月○+19日
リツコの研究室に用があって行くと
「ミサト、あなたあの二人を謹慎処分にしたそうね・・・。」とコーヒーを入れながら言われた。
「そうよ、だって、私情を挟んでばかりいたらチームワークが乱れるもの。」
「相変わらずね、仕事だと血も涙もないこと。自分が発端だというのにね」
「ネルフで暴れるのが悪いのよ。仕事なんだから、・・・大人なんだから」
「リョウちゃん、ちゃんと謹慎してる?」「昨夜から逃亡よ」「でしょうね。フフ」
この人もリョウジと同じ、感情が見えないときがある。
「いいの?どこに行ったか分からないんでしょ?」「いいわよ、別に。そのうち帰ってくるでしょ?」
「そう言いながら、心配で仕方がないんでしょ?もしかしたら他の女のところへ言ってるかもよ?」
「まさか!」
そこで私は気がついた。まさか、リョウジは昔の女のところへ行ったんじゃないかと。
私はすぐにリョウジの携帯に電話を掛けた。呼び出し音が近くで鳴った。
研究室の奥からだ。
「よお、ミサト」ボサボサの髪で現れたリョウジ。
「昨日、どうせ暇でしょ?って呼び出してデータ作成してもらっちゃった」
と嬉しそうなリツコ。私はそこで二人に図られていたことに気がついた。
安心と共に怒りが湧き上がった。
「気がついたときにすぐ電話してこないからさ。無駄に心配したな」
そういうリョウジに上司として謹慎4日の処分を下した。
924名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/01(木) 15:24:36 ID:???
ミサトさんがいっぱい
925加持×ミサト作家:2005/12/01(木) 22:39:02 ID:???
「昔の女」
○月○+20日
昨日、家に帰るとリョウジが夕食を作ってくれていた。なかなか美味しかった。
夕食後にリョウジは
「ミサとは日向君と人生を歩んで行ったほうがいい。別れよう」と言ってきた。
「本気なの?」
「俺はミサトに隠し事はするし、日向君を殴った。日向君はまっすぐに君を見ている。ふさわしいのは彼だ」
「そう・・・・・。分かったわ」
「本当か?本当に分かったのか?何が分かったんだ。君は何も分かっちゃいないさ」
話しながら私はリョウジの本音は違うことに気づいていた。
本当は別れたくないんだ。本当は自分が愛されているか試したいんだ。
リョウジは不安なんだと・・・。
私は今までいえなかったことをリョウジに話した。
「あなたと再会して正直、スパイをしたり、逃亡したりで困ったわ。
 それに今、突然行方が分からなくなるあなたと何故結婚したのか分からないときもある。
 リョウジが昔の女と会っていたときなんて特にそう思った。
 もう、私たちは恋人同士の駆け引きの段階じゃないんだから、
 本当はいつでも所在を知りたいし、何をしているか探りたい。
 でも、それをしたらあなたの自由がなくなると思ってしなかったの。放任の方がいいのかなって・・・。
 私だけを見ていて欲しい。内緒でどこにも行かないで欲しい。もう、私を不安にさせないで。
 私はあなたの妻なんだから、しっかり捕まえていてよ! なんで、他の女と密会なんてするのよ!馬鹿・・・」
これが私の本音だった。今までプライドや遠慮があって言えなかった。
私は叫びながら涙が出てきた。
「俺はずっと君に愛されていないんじゃないかと不安だった。だから、君の気を引こうと必死だった。
 子供ですまない。本当は、ミサトに”別れたくない”と言われたかった」
素直に言葉を交わしたのは久しぶりだった。
なんとなくお互いに分かっていたけれど、その駆け引きに乗ったら相手の思う壺だと思っていたのだ。
私たちは自分の恋愛暦から幼少期の思い出まで話し合った。
こんなに相手の知らないところがあったのかと驚いた。
しだいに、心のわだかまりが解けていくのを感じた。
そして、愛し合ってる事を実感した。
これからも時々、昔の女の話を出しては二人の関係のスパイスにしていこうと思う。
926加持×ミサト作家:2005/12/01(木) 22:40:24 ID:???
「昔の女」以上です。
うーん、絞って出しただけあって
やはり今までのと比べるとインパクトが・・・。
読んでくれた方、ありがとうございました。
927名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/02(金) 00:12:42 ID:???
オッテュ
928名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/02(金) 04:31:32 ID:???
乙です
楽しませていただいてますがお願いが
自分の事を作家と言い、作品について自己評価するのは止めて欲しい
ここは2ちゃんねるですんで
929名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/02(金) 12:00:26 ID:???
自己評価は問題なし
作家はアレだけど
930名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/03(土) 12:06:12 ID:???
つまらない作品なのに、アホ共が持ち上げたせいで舞い上がってるんだろ
別に悪いとは言わないが、そこまで面白くないだろと俺は思う
931名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/03(土) 12:54:21 ID:???
そういいなさんな
932名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/03(土) 16:41:39 ID:???
職人さんまち
933名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/08(木) 00:02:56 ID:???
934名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/10(土) 23:35:56 ID:???
ミサトさん待ち
935名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/15(木) 19:49:28 ID:wmk5CMup
あげ
936名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/20(火) 17:08:07 ID:???
ミサトさん・・
937名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 10:49:30 ID:???
メリークリスマス!ミサトさん!!
938名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 22:54:02 ID:???
○月×日

クリスマスに何とか男の都合がつき、一人ぼっちの聖夜と言う空しい事をせずにすんだ。
まぁ男と言っても加持だが。
奴は『世界の中心でアイを叫んだケモノ』とか言う泣けるビデオを借りて来るそうだ。
何かタイトル違うような気がするがいいや。どうせこれは私しか読まない日記だし。
確か空港で「助けて下さい!」って叫ぶ奴だ。
なべを囲む予定なので、加持が来る前に二人分の居場所を確保しなければ。
939名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 22:55:42 ID:???
PM19:00。加持襲来。二人で鍋を囲んでビデオを見る。
だがはじめの30分で飽きたので、
悲しそうな加持を無視して『ダーティハリー』を見ていると、チャイムが鳴った。
ドアを開けるとそこにはサンタクロース…のカッコしたリツコ。
恥ずかしいのかそれとも服装とそろえているつもりなのか、
顔を真っ赤にして片手をあげ、「ウス。」と男らしい挨拶をして来た。
どうやらインテリなりに気を使い、
クリスマスに乱入するからには道化の一つでも演じなければ、と考えたらしい。
頭はいいが不器用な所もある親友の気使いを無駄にしては悪いと思ったので、
遠慮なく腹を抱えて笑い転げてやった。

親友に思い切りみぞおちを踏み抜かれ、悶える結果になったが。
940名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 22:57:15 ID:???
鍋は二人分しか用意してなかったが、
リツコは食事を済ませて来たようなので近くの店に飲みに行く。
未成年だろとか言ってはいけない。無礼講はとても大切。
飲んだ。
食った。
戻した。
倒れた。
所々記憶が抜け落ちているが、加持とリツコに支えられて帰ったのは覚えている。
混み合うタクシー乗り場で、疲れ切った二人が「助けて下さい!」とか言ってたのは覚えている。

まったくロマンチックさんたちめ。
941名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 23:09:50 ID:???
乙です


長介なリツコにワラタ。ミサトさんの趣味いいね。
942名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 23:26:53 ID:???
乙!
リツコさんとのやりとりがものすっごくおもろい
筆者さんのリアル連れとの掛け合いもそんなんおもろ過ぎなんだろうなとw

次スレもよろしくお願いしますね?
943名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 14:40:07 ID:???
>>925
つづきぼん
944名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/26(月) 21:40:39 ID:???
オッテュ
945名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/31(土) 10:47:39 ID:???
ミサトさん。。
946名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/01(日) 06:38:59 ID:???
 謹 賀 新 年

.      .◎
.     ││
 キ   ◎◎
  キo │││
. ヾキ.│※│ メ
  ヾキ※※メメ∞∧
 ∴キ | |∴| |*・∀・)
 ∵∴***∵∴
  ∵││*││
  └┴┴┴┴┘
947名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/01(日) 10:59:35 ID:1bVT6wkG
シンジくん!?
笑えばいいと思うよ

シンジ君、アスカ よ〜く聞いてね 敵を打ちぬけば大当たりよ!
やったぁ〜
サ〜ビス サ〜ビスぅ〜
948名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/01(日) 11:07:19 ID:???
第壱話  警察、襲来
第弐話  おわらぬ、取調べ
第参話  出来ない、電話
第四話  告白、自白の後
第五話  希望、ガラスのむこうに
第六話  決戦、第二法廷
第七話  47氏の造りしもの
第八話  ママン、面会
第九話  時間、証言、重ねて
第拾話  ダウソ厨
第拾壱話 静止したタスクの中で
第拾弐話 ファイルの価値は
第拾参話 家宅、捜索
第拾四話 エロゲ、割れ厨の座
第拾五話 嘘と黙秘
第拾六話 死に至る聴取、そして
第拾七話 四人目の逮捕者
第拾八話 口説き落としの斉藤警部
第拾九話 犯人との戦い
第弐拾話 チンコのかたち、マンコのかたち
第弐拾壱話 2ちゃん、誕生
第弐拾弐話 せめて、人間らしく
第弐拾参話 涙
第弐拾四話 最後の裁判
第弐拾五話 終わる裁判
第弐拾六話 世界の中心で有罪と叫ばれたかねこ

劇場版第25話 rar
劇場版第26話 判決を、君に
949名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/01(日) 22:25:12 ID:???

                 -― ̄ ̄ ` ―--  _         
            , ´  ......... . .   ,   ~  ̄" ー _
          _/...........::::::::::::::::: : : :/ ,r:::::::::::.:::::::::.:: :::.........` 、   
         , ´ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::: : ,ヘ ::::::::::::::::::::::: : ヽ
      ,/:::;;;;;;;| : ::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::: ● ::::::::::::::::: : : :,/
     と,-‐ ´ ̄: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`'::::::::::::::::::::::く
    (´__  : : :;;:::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::`(::::::::: ,ヘ:::::::::::::::::::::: ヽ
         ̄ ̄`ヾ_::::::::::::::::::::::し ::::::::::::::::::::::: :●::::::::::::::::::::::: : : :_>
            ,_  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `' __:::::::::-‐ ´
          (__  ̄~" __ , --‐一~ ̄
   もうだめぽ…
950名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/02(月) 12:43:09 ID:???
○月×日

新年明けましておめでとう。
親がセカンドインパクトで文字通り蒸発しているみなしごハッチな私は、
リツコの家にちょっとお世話になった。
大掃除を手伝って、
モチをついて(あのインテリ一家がきねとうすを持ち出したときは驚いた。)、
大晦日に呼んでもらって、
元旦にはお年玉までもらってしまう。
我ながら泣けた。
私も大きくなったらかわいそーな子供には優しくしてあげよう。
951名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/02(月) 12:43:53 ID:???
ともあれ、あのパツキン娘曰く、

「母さんも私も、一人勝手気ままが一番楽なの。
 どうせ正月休みだなんて無縁の仕事なんだから、ゆっくりしていきなさいよ。」

だそうだが、大晦日から三が日が終わるまで居座るのは悪いし、
私も気を使って苦しいので帰る事にした。
久しぶりに自分の部屋に戻ってようやく一息。
モチでも食べながら芸能人かくし芸大会でも見て寝た。

正月番組を夜遅くまで見ていたため、午前10:00に目が覚める。
加持からメールが来ていた。
新年の挨拶もそこそこに、食っちゃ寝ばかりだと太るぞと抜かす失礼な男だ。
加持も昨夜は隠し芸大会を見たらしく、
タップダンスでもしろとハイカラな言葉を繰り出して来る。
多少図星で悔しかったので、電話ごしにうろ覚えのステップを踏んで音だけ聞かせてやっていると、
チャイムと同時にドアが開き、リツコが鋭い声で私の名前を叫びながらしがみついて来た。

どうやら私のステップがモチをのどに詰まらせて、もがいているように見えたらしい。
失礼なインテリめ。

その後電話越しの加持の提案で、福袋を買いに行く。
私とリツコはハズレだったが、加持はアタリだったようでニヤニヤしていた。
ムカつくので女同士で組んで甘い声を出し、昼飯をおごらせた。
952名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/02(月) 15:38:18 ID:???
GJ! リアルでイイ!
953名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/02(月) 16:08:56 ID:???
GJぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
954名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/02(月) 19:11:46 ID:???
乙です

後でシンジに優しくする伏線ですね。
955名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/03(火) 18:56:54 ID:???
オッテュ
956名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/07(土) 21:43:19 ID:???
>親がセカンドインパクトで文字通り蒸発しているみなしごハッチな私は、

。・゚・(ノД`)・゚・。
957名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/08(日) 11:10:11 ID:???
○月×日

年末に買った宝くじの結果を聞きに行く。
10枚3000円が3300円になった。とても微妙。
これはあれですか神様、夢は見ずに手堅く行けって事なんだろうか。
おみくじは大吉だったのに。ちなみにリツコは末吉で加持は吉。
奴の『恋愛』欄に、『振り回される。手堅く行け。』と書いてあったのが印象に残った。
958名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/08(日) 11:11:35 ID:???
そう言えばあの時、久しぶりに見たマヤが巫女のバイトしてた。
戌年にもかかわらず一人猫耳でやっているので指摘してみたら、
「これはチワワの耳だ。」と頑固に主張する。
まぁどうでもよかったので放置しようとしたら、
猫に強烈な片思いをよせるリツコが釣られた。
ここでおみくじを買いたいと言うので、私も加持も一緒に購入。
購入後、リツコがマヤを見て言った。

「かわいい猫ちゃんね。」
「はい!」

やっぱり猫じゃねぇか!
959名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/08(日) 11:39:37 ID:???
乙です


いつも落ちは欠かしませんね。でも3300円ならいい方じゃん。こちとら300円だYO!
960名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/08(日) 11:42:02 ID:??? BE:227165573-
オッテュ
961名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/08(日) 20:13:12 ID:???
ど、どうやったんだアンタ
962名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/09(月) 22:20:14 ID:???
落ちナイス!
963名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 04:54:43 ID:???
ミサトさんまち
964名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 21:49:32 ID:???
新スレ立てなくていいの?
965名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 21:53:10 ID:???
970か980になったら。
966名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:01:15 ID:???
>>965
作品投下待ちの状況だから、様子見もわかるけど、
下手すると作品の途中で1000に到達しちゃってマズー
な気がする。
967名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:05:53 ID:???
スレ立て失敗したときの事を考えると970で良いんじゃね?
すぐそこだけど。
968名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:08:45 ID:???
次スレを立てても投下する人はいるの?
969名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:14:17 ID:???
そんな事気にしているとハゲるぞ。
俺は気にしないから寸前で止まっている。
970名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:15:48 ID:???
970get
971名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:17:18 ID:???
残り20、30なんて、小ネタがバンバン投下されたらあっという間でね?

新スレ立てて、そっちは大作待ち、
こっちは小ネタ&今まで投下された作品などをカキコすればあっという間に
埋まるかと。
972名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:20:18 ID:???
小ネタがバッバンバッバン投下されたことなんて、このスレでは無かったわけだが
973名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:20:32 ID:???
>>970
getしただけで立てないのか?
975まで返事がなければ975スレ立てヨロ。
974名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:26:01 ID:???
とりあえず立ててみるか
ダメだったら後よろしく
975名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:26:25 ID:???
sage
976974:2006/01/13(金) 22:28:09 ID:???
ダメだった
>>977よろしく
977名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:28:41 ID:???
OK
978名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:44:28 ID:???
>>976
冷やかしの様なので立ててくる。
979名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:47:43 ID:???
次スレ

葛城ミサトの日記 2冊目
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1137160023/
980名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 22:48:40 ID:???
>>979
981名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/13(金) 23:00:07 ID:???
ume
982名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/14(土) 00:32:13 ID:???
ume
983名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/14(土) 07:49:07 ID:???
984名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/14(土) 20:42:51 ID:???
985名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/15(日) 01:56:51 ID:???
ミサトさん2冊目で、まってます
986名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/15(日) 21:38:57 ID:???
オチュ
987名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/15(日) 22:13:57 ID:???
チュッ
988名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/16(月) 19:49:24 ID:???
テレビ東京
989名無しが氏んでも代わりはいるもの
「この日、他に記すべき事無し」