定食･ﾎﾙﾓﾝ【えばっちゃん】/121えない私のﾋﾐﾂ

がらがら・・・

・・・・・・誰もおらへんよな？

ﾊﾞｻｯ

新学期始まってもうたのに、夏休みの宿題のノート、いいんちょに返してへん。
やばすぎや。いいんちょ、学校来てへんし・・・
宿題のノートないんじゃ学校来られへんのかもしらん。
届けたらええんかもしらんけど、わしも命は惜しい。
そこでわしは、ココに置いておくことにした！

というのが前回までのあらすじや。

目‥‥

・・・このまんまやとさすがに不親切やな。
借りとるわけやし。
この真っ黒いおしゃれな封筒に入れといたらええわ。
メモも入れといたろ。

ｶｷｶｷ

いいんちょへ
ノート借りっぱなしですまんかった。
ありがとさん。

誰や！？・・・気のせいか。


・・・これやとシンプルすぎやろか。
せや、渚から借りてんからその辺説明せんとわけわからんな。

ｶｷｶｷ

なぜこのノートがわしのところにあるかというと
渚がどうしても貸したい！映画のチケットやるから借りてくれ！
というので、借りたんです。

これでええわ。
ちゅうか・・・宿題写したなんてバレたら怒られるやん。アホかわし。


ｶｷｶｷ

いいんちょが宿題を写すのはあかんていつも言うてたので、
参考にするためにちょっとだけ見せてもらいました。
おかげで宿題もはかどりました。
いいんちょのノートに間違ってるところがあったので、直しておきました。

これなら感謝されても文句は言われへんな。完璧や。


ｶｷｶｷ

少し遅くなりましたが返します。
だから安心して学校へ出てきてください。

・・・これじゃまるでわしがいいんちょを心配してるみたいやないか。



・・・・・・。


ｶｷｶｷ

それではまた、学校で。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　碇シンジ

・・・ま、シンジも心配しとったし、ええやろ。
よっしゃ。封筒に入れて、と・・・封筒に宛名書かなわからんやん。

ｶｷｶｷ

いいんちょ様、と。


これでええわ。
夏休み終わったばっかやけど、
念のためや。身を隠した方がええかもしらん。


がらがらがら

がらがらがら

あかんあかん、映画のチケット忘れとった。


ｶｷｶｷ

渚にもらったチケットです。
2枚しかないけど、よかったら
妹さんかお姉さんか惣流とでも
一緒に見てください。


がらがらがら

がらがら。

>>759
…！！
有り得ないっ…！

碇君……。

どうして関西弁っぽいけど何か違うけど、一応
方言のような言葉遣いに？

…あ。
映画のチケットが挟んである。

２枚。

うーん。どうしよう。
こんなことで貰えないわ…。

そうだ！
アスカどうかしら？
映画、観たいって言ってたし。

２枚進呈したら、加持さんを誘うかもだけど、
もしかしたら碇君と観に行く、ということも
有り得るかもしれないし。
そうしたら、碇君に返せるわ。

えーと、学校よりもここの方が確実よね。
置き手紙を残しておこう、っと。

アスカ、忙しいから学校でも最近なかなか
会えないものね…。

『　アスカへ

映画のチケットを貰ったの。
２枚あるから、よかったら好きなひとと観てきてね。

追伸
明日からは学校に行けそう。心配かけてごめんね。
ところで、碇君って最近、関西っぽいどこかへ旅行にでも行ってたの？　』

ヒカリより…、と。これでよし！


２枚かー…。

２枚よね…。


どうせ、映画なんて、私に誘われても断るに
決まってるものね…。
誘ったら、何だかんだ言って来てくれそうな
碇君が羨ましい…っ。

とりあえず、また明日からお弁当作ろうっと。

…ううん。ふたの裏にチケット入れたりしても駄目よ。
会話が想像できるもの。
大声で…！騒がなくていいから…！
そこは察しないと駄目だから…！

ぐす…、アスカ、おしあわせに。

チケットとメモを置いて、と。

アスカは…アスカはせめておしあわせにっ…！

だっ！


がらがらがらぴしゃん！