516 :
494:2006/10/30(月) 01:25:51 ID:???
>>515 「サクッと終わらせる」ことを考えてる時点で無謀。
流し読みできないことはないだろうが、
難解長大な文章こそが月姫の一つの特徴ゆえ。
っつーか君は考えがおかしくないか。
ゲームはやりてぇー。でも時間かけたくねぇー。って。
Fateも月姫も、その中身の膨大さが一つの売りなゲームだと聞いていないのか?
月姫は1ヒロイン平均8時間。そしてヒロインは5人。
エヴァでいえば、綾波分やアスカ分をカットしながらエヴァを見ようとする行為
に似ているような気がしないでもない。
それはそれで楽しめるだろうが…
…違う気がする。
そして君は18になったのか。
まあつまり。
の め り こ ん ど け 。
あの癖のある文章がツボにハマれば時間は気にならなくなる。
逆に言えば文章の癖が君に合わなければ、ただの苦痛の時間であろうよ。
>>515 攻略サイトはかなりのネタバレになるので、出来れば避けた方が良い
攻略自体は「選択肢毎にセーブ」「バッドエンド後のコーナーをよく読む」で充分
たとえ攻略情報を見たとしてもクリアーまでには相当に時間が掛かるので、
長丁場を覚悟してのんびりと少しずつやるのが良い
攻略サイト見ないほうが智恵留先生の授業楽しめるからな。
それを楽しみに故意にバットエンドになりそうな選択肢選んだものだ。
>>515 攻略サイト見てサクサク進めたほうがいいよ。
あとシエルルートは回避推奨。
ゲームがよほど気に入った場合のみやればいい。
今更だが、エヴァの名探偵うんうんとかいう新作ゲームに出てくるのは
使徒ではなく死徒の表記設定なんだよあ。
死徒の表記は型月作品以外でみたことないぞ。
521 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/07(火) 09:56:59 ID:xIvRgNby
もう探偵のことについては何も言うまい…
探偵は逝くところまで逝っちゃっててちょっと欲しい
523 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 21:15:55 ID:1auury+z
あの探偵がガイナに認められていることが自分には我慢できない。
他の人はそうじゃないの?
君はガイナックスに夢を抱きすぎだよ
525 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/08(水) 21:38:27 ID:1auury+z
こんなおれにカツをいれてくれてサンクス
・・・誰もいないよな?
スレ違いということは覚悟して投下する。
あんま責めないでくれ
十月も半ばに至り、秋の気配が一段と深まった今日。
自分こと、碇シンジは長く離れていた実家に戻ることになった。
いつもとかわらぬ登校時間に家を出て、八年の間過ごした屋敷を振り返る。
玄関には、僕を見送りにきた初老の男性が立っていた。
「先生、今までお世話になりました」
その別れの言葉に彼は一度だけうなづいた。
それだけだ。
家族よりも長い時間を過ごした僕たちの別れは、たった一言で終わってしまった。
528 :
名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/09(木) 03:26:58 ID:ud6gyBBs
「―――はあ」
先生の家が見えなくなる程度に離れると、意識せずに溜め息が出た。
ずいぶんと気が重い。
その理由も分かってた。今日から、自分の実家である六分儀の屋敷に戻るからだ。
八年前、僕は普通なら即死とさえ言われるような大怪我を負ったらしい。
なんとか回復はしたのだが、それ以来肉体的に弱くなってしまった僕を
父は勘当同然に親戚の家に預けたのだ。
それから今まで、六分儀の分家筋に当たる先生の下で平凡に暮らしてきた。
・・・つい先日。
何年も放っておかれた自分に、『今日までに六分儀の屋敷に戻ってくること』
なんていう六分儀家当主からの手紙が来るまでは。
通い慣れた通学路を歩き、裏門から校庭に入る。
「・・・裏門を使うのもこれが最後になるのかな」
碇の実家から学校に通うことになれば、
位置的にこの裏門を使うこともなくなるだろう。
そのことに不思議なほど寂しさを感じて僕は戸惑った。
「きっとこの静かな雰囲気が好きだったんだろうな」
何故か、この高校の裏門を利用する生徒はひどく少ない。
そのために何時だってここは静寂な空気で満たされている。
そんな落ち着いた様子が自分には合っているんだろう。
かーん、かか、かーん、
「・・・」
足の動きが自分の意思とは関係なく停止する。
最後の時間を惜しむように、
ゆったりとした歩みで校舎に向かっていた僕の耳に
この場所に不釣合いなとんかちの音が飛び込んできた。
かーん、か、かかーん、かっこん。
中庭のあたりからする不器用そうなその音に注意を傾ける。
なんだろう。こんな朝からとんかちを持ち出して何をやっているのだろう。
ホームルームの時間までもう十分程しかないのだが、気になって仕方が無い。
「・・・はあ。まあちょっと様子を見るぐらいなら大丈夫だよな」
誰にしたのか分からない言い訳をして、僕は音のするほうに足を向けた。
失敗したOTL 下に省略されたとこ載せます
かーん、か、かかーん、かっこん。
中庭のあたりからする不器用そうなその音に注意を傾ける。
なんだろう。こんな朝からとんかちを持ち出して何をやっているのだろう。
ホームルームの時間までもう十分程しかないのだが、気になって仕方が無い。
「・・・はあ。まあちょっと様子を見るぐらいなら大丈夫だよな」
誰にしたのか分からない言い訳をして、僕は音のするほうに足を向けた。
音の正体はすぐに分かった。
中庭にある並木道に一人の女生徒がうずくまってなにやら作業をしていたのだ。
もう時間も無いのに彼女は何をしているんだろう。
「もしかして時計持ってないのかな・・・」
そうだとしたら彼女の遅刻は確定的だ。
教えてあげるべきだと思ったが、もしかしたらそんなことは承知しているかもしれない。
どうするべきなのだろう。
声を掛けることがいいことは分かっていたが、初対面の人間に気軽に話しかけられるほど
自分は社交的ではい。
そうやって躊躇っていれば、十分なんてあっという間だ。
手元の時計を見れば、もうホームルームまで幾ばかも無い。
結局、声を掛けることも諦めて教室へ向かうことにする。
「んっ?」
慌てて反転しようとした瞬間。
それまで作業に夢中だった女生徒がこちらに気づいたのか顔を向けた。
「・・・・・・」
「あっ、あの・・・」
それがあまりに突然だったので、咄嗟に言葉が出てこなかった。
しどろもどろになっている僕を女性徒は眼鏡越しにじっと眺めてる。
制服のリボンは三年生を示す色のリボンがあった。
「その・・・。もうすぐ・・・」
ホームルームが始まります。と言ようとして、言葉が止まる。
彼女はその真剣な表情を突然崩すと、満面の笑みを向けてきた。
「キミ〜いいとこにいるわね。ちょっちお姉さんを手伝ってくれないかしら」
その快活な台詞と同時に、彼女の長く豊かな黒髪が風に揺れた。
聞き慣れた甲高い音が鳴り響く。
手を懸命に動かしていると一時限目の始まりを告げる予鈴が耳に入ってきた。
溜め息を一つついて、手を再び動かす。
そんな自分に、隣で同じ作業をしていた女生徒が声を掛けてきた。
「アリガトネ。これ、めんどくさくて」
「・・・別にいいですけど、どうしてこんなことしてるんですか」
感謝の言葉に力なくそう答える。だが、女生徒はそんな僕の言葉に
わが意を得たりとばかりに顔を近づけてきた。
「それがね〜担任のヤツが、反省文が書きたくないなら中庭の柵を直して来いっ!
って怒鳴るのよ。酷いと思わない?」
同意を求めてくる彼女になんと答えていいのか分からず、言葉の中の単語が気になる。
「は、反省文?」
「そっ。ちょっちはっちゃけちゃっただけでなのにさ」
「・・・・・・」
何をしたのかは、聞く気にはなれなかった。
それからは、先輩の先生たちに対する不満がこれでもかと言うほど飛び出してくる。
僕はそれに相槌を返すことしか出来なかった。
修理を一時間ほど続ければ、どうにか終わる目処がたってきた。
本当ならこれほどの時間をかけなくても終わるはずだったのだが、
先輩の愚痴に付き合っていたために予想を大幅に過ぎてしまったのだ。
最後に残った添え木は一つ、けれど先輩ではなく何故か自分が直していた。
「ホントにありがと。私こういうの苦手でさあ。一人だったら終わってなかったわ」
とんかちを振り下ろす僕に、先輩は再び礼を口にした。
正直、そんなにお礼を言われると困ってしまう。
声をかけるか迷いはしたものも、教室に行こうとしていたし。
善意で手伝いを引き受けたわけでもなく、彼女の頼みを拒否することが出来ずに
流されるままここまでやっただけなのだ。
「いえ、そんなことないです・・・」
「そんなことあるって!これ直さなきゃ教室に入れてもらえないもの」
・・・そこまで怒られるなんて一体何をしでかしたんだろう。
そんな考えが浮かんできて、不意に疑問に思うことがあった。
そういえば、この先輩は誰なんだろう。
彼女の勢いに押されるままだったから考えもしなかったけれど、よく見ればこの人は美人だと思う。
これほどの美人だったならば、男子生徒の間で
『三年に凄い美人がいる』といった話がありそうなものだ。
最後の作業を終えて、腰を上げる。
「それじゃあ、僕行きますから。先輩も急いだほうがいいと思います」
「そうねえ。さすがにそろそろやばいかもね」
自分の言葉に応えて、先輩も立ち上がる。
座っていたから分からなかったけれど、この人のスタイルはとても良かった。
「も一度言わせてもらうけど、ありがと。そんじゃあ、休み時間にでもまた顔見せに行くから。
そんときはよろしくね、シンちゃん」
「はい」
――――って、ちょっと待ってください。
「あの・・・すいません。僕、先輩と前に会ったことありましたか?」
その疑問に、先輩は大げさにも取れるほど驚いてから、不機嫌をあらわに声を上げた。
「シンちゃん、私のこと覚えてないの!?」
そう言われて自分のほうがビックリした。
これだけに美人と何かあったら、忘れることなんてあるわけないと思うんだけど。
彼女の顔をよく見ようと視線を向ける。
その時、こちらを睨み付ける様に見てる先輩の目と目が合った。
・・・・・・そういえば一度か二度、どこかで会っていたかもしれない。
「―――ミサト先輩、だっけ?」
確信がないので恐る恐る口にする。
すると、見る間に彼女の顔に浮かんでた不機嫌な感情が晴れていった。
「そ〜よ。よかったわ覚えててくれて。忘れてたらお仕置きしちゃうとこだったもの」
「ははっ・・・」
本当によかった、あっていて。
「・・・失礼します」
軽くお辞儀をして校舎に向かう。
ミサト先輩は満面の笑みでこちらを見ている。
バイバ〜イ。手を振ってそう言う彼女は、なんだか見た目以上に幼く感じた。
教室に着くころには、既に二時間目の授業が終わっていて休み時間に入ったところだった。
ざわつく教室に、こっそりと隙を突くように体をいれる。
こうすればヘンな注目を集めることなくクラスに合流できるはず。
「どないした、センセ。珍しいやないか、遅刻してくるなんて」
けれど、その作戦はいきなり失敗してしまったらしい。
「・・・なんでもないよ、トウジ。ちょっと用事があっただけだから」
「いつもながら辛気臭い顔してんの〜せっかくワイが朝から来てるゆうのに、
センセが遅刻したら意味ないやんけ」
「・・・トウジ、どうしてそうなるんだよ」
「なにゆうとるんや。センセがいなかったら誰に宿題見せてもらえばいいんや」
そう言うトウジの顔は、こちらが呆れるくらいすがすがしい顔をしていた。
目の前で笑うこの男は鈴原トウジ。自分の古い友人だ。
爽やかに刈られた髪、誰にでも気さくに声をかける人柄。熱い男気を持つ性格。
ここまでは探せば何処にでもいそうな好青年だろう。
だがしかし、彼を一目見ればその特異さが理解できるはずだ。
なぜなら、トウジは常にジャージを愛用しているからである。
「・・・まあ、いいや。それよりも今日はずいぶん早いんだね。
トウジもいつもはこのぐらいの時間に登校するのに」
「そやなあ、ワイかてそう思うわ。けどしゃあない、このごろ物騒やさかい大人しゅうしとるんや」
「物騒?」
「そうや。センセかてしっとるやろ。通り魔殺人が何度も起きたちゅうの」
「・・・そう言えばそんな話も聞いたことがある気がする」
最近は六分儀家のことについて悩んでばかりだったから、
世の中のことについてだいぶ疎くなっていたようだ。
「センセ、しっかりせいや。ワイでさえ何度も聞かされてるんやで。
なにせ死んだんわ、みな若いオナゴってゆう話や。その数はもう八人にもなるゆうしな」
「八人・・・そんなに人が死んでるんだ」
素直に驚いた。何時の間にそんな大事件になっていたんだろう。
「それだけやない。そのうえ、その全員が・・・なんやったか」
「・・・・・・」
「殺された人はみんな、身体中の血が抜かれてた、でしょ。鈴原」
「そや!現代の吸血鬼ゆうてさわいどったな」
「へえ、詳しいんだね。洞木さん」
「そんなことないわよ。この街のことなんだから、ニュースであれだけ聞かされれば覚えちゃうわ」
隣町で起きていた事件だったと思ったけど、何時の間にかこの街に移ってたのか。
「そういうわけや、センセ。さすがのワイもこんな時には夜にはようであるかん」
「なるほど。それなら納得した」
簡単にそう言って自分の席に着く。
「なんやつれないのぉ。もしかしてあれか、また貧血で倒れたんか」
「今朝は大丈夫だよ。そんないつも倒れてるわけじゃないから」
「そらそうやな。まあ、具合が悪うなったら、直ぐいうんやで」
そんなことをしていると予鈴が鳴った。
「授業か、かったるいのぉ。あとな、今日の昼飯はなゲストを呼んでるさかい。
楽しみにしとりや」
トウジはそんなよく分からないことを口にしながら自分の席に戻っていった。
「それじゃあね。六分儀くん」
「あ、うん。洞木さんも」
軽い足取りで、洞木さんも席に向かう。
その動きに合わせて、彼女の二つに束ねた髪が綿毛のように揺れていた。
スマソ。激しく空気読めてなかったなあ
まあ、それもいまさらだ
これはただのテスト勉強からの現実逃避だからな
とりあえず、先を書いて投下するかは需要があるかどうかにかかってます
自分と同じ暇な人は他の月姫キャラに誰を当てたか予想してクレ内科
答えは特にありえないものじゃないから
青葉=さっちんに投げられる死徒
悪くないぞ、なかなかどうして悪くない
Fateしかやったことない俺はこのスレに居てもいいの?
駄目なら帰るけど
ミサト29歳が高校生、を想像して笑った。
シエル先輩は肉体成長は16だかそこらで止まってたから
できた技ではあるんだもんなぁ。<高校生として潜入
…ミサトは新任、転任の先生としてみるのも面白そうか?
予想。
秋葉=アスカ
琥珀=リツコ
翡翠=マヤ
この3人は予想しやすいな。しかし入れ替わりをどうするのか…
…いや、琥珀役翡翠役、逆、か…?それも恐ろしいな…
琥珀=リツコだと、槙久=ゲンドウはぴったりではあるが。
そうすると秋葉=アスカの方が養子、って感じだ。
>>549 いいんじゃね?
っていうか、そこまで区分けしなきゃいけないほど
ここに人いないと思うしなー。
秋葉は目上には敬語だから、まんまアスカだと違和感あるかもね。
それに二人きりだとわりと素直な本来の意味のツンデレで妹属性もある。
それをどうやってクロスさせるか腕の見せ所かな。
どうも、上のSSの続きを投下したいんだがよろしいか?
>>547 素晴らしい着眼点だな。それぞれの作品における立場を簡潔に表してないか
>>548 あっ、ありがとう。その言葉だけで続けたくなった
>>549 だれも出て行けなんて言わないと思う
ただ、本人が面白いかが不安。楽しめるようなのを書きたい
>>550 結構、鋭いとこをつかれたかも。てかそんな難しい問題じゃないかな
>>551 腕しだいというわけか・・・やりがいのある言葉だぜ
これからを見ててくれ
みんなやさしすぎ・・・感謝
あと、批判してくれる人も求む。そんじゃ始めるか
昼食の時間になって、昼飯を何処で食べようか考えて廊下に出る。
食堂にするか購買で何か買うか、そんなことを迷いながらふらふらしていると
朝に見たのと同じ人影がこちらに向かって手を振っていた。
「見つかってよかったわ。シンちゃんのこと探してたの」
「あ・・・その、ミサト先輩」
突然の再会に、僕はまともな言葉を返すことが出来ない。
「ちょっと付き合ってくれる?今朝のお礼がしたいのよ」
だから、いきなりそんなことを言われたら混乱するのは当たり前だ。
「えっ、いや、そんな・・・お礼をされるほどのことは」
「私がしたいの!いいからついてきなさい」
そう言うと、ミサト先輩は僕の腕を掴んで歩き出した。
廊下でそんなことをすれば当然注目を浴びるに決まっている。
「ミサト先輩、はっ離してください!」
慌てて手を振りほどこうとするのだが、彼女は離さない。
仕方なしに足の動きを先輩にあわせて、この場から早く立ち去ることにした。
「何処に行くんですか?」
行き先を尋ねると、先輩は不思議なものでも目にしたかのようにこちらを見やった。
「なに言ってるのよ。今は昼休みなんだから、ご飯を食べに行くに決まってるでしょ」
「それにしても鈴原君がシンちゃんの友達だなんて、世間は狭いわね〜」
「ホントっすわ。まさかミサトはんがお礼の言いたい人ってのが碇だったなんて」
周りの視線が痛い。
ミサト先輩に連れられてきたのは、なんと言うか途中から予想はついたとおり食堂だった。
そんなタイミングで席に座れるわけがない。
そのはずだったのだが、残念と言うべきか座れる席があった。
制服を着込む高校生たちの中にあって、目だって仕方がない紺色のジャージの周りに。
そんなわけで、現在台風のような喧騒の真っ只中に僕はいた。
「ふぅ〜ん。シンちゃんって、あの六分儀のお屋敷に住むんだ」
そんなふうに先輩が聞いてきたのは、食事も丁度半分を終えたところだった。
丁度半分というのは言葉の綾ではない。僕が二杯目のラーメンに挑むところだったからだ。
今朝のお礼ということでミサト先輩が持ってきたのは、
学生の間でも不味いと評判のラーメン三杯だったのである。
その内二杯を、自分はおっとこの子だもんね〜という理由で頂いてしまっていた。
せっかくの好意なので無理をしても手をつけるが、メニューには悪意がないものと信じたい。
「はい。今日からあそこが自分の家になるんです」
食堂で仕方なしに合流したトウジと自分たち二人がそれぞれ知り合いだったと言う偶然や。
ミサト先輩が、学校でも噂にあがらない日はないと言う程の有名人であること。
先輩が一人暮らしで、何処にすんでいるのか。
そういったありきたりな話題を常人の五割増くらいに騒がしく話して、
彼女が興味を示したのが僕が今日引っ越すことについてだった。
「随分雰囲気のあるお屋敷だもんね。楽しみなんじゃない?」
一人で頷いている先輩の問いにラーメンのスープを一口飲んで応える。
「そんなわけないじゃないですか。いきなり、来いとだけ言われて慌ててますよ。
実際もう八年も関わりなく暮らしてきて突然でしたから。」
「ふ〜ん。シンちゃんはあっちの家にあまり行く気がないの?」
「・・・どうなんでしょう。よく分からないんで]
そこで口をつぐむ。これ以上のことに関して喋りたくはなかった。
自分の中にある感情を整理できていないこともあったし、人に簡単に話すようなことでもないだろう。
「まあ、落ち着かんのやったらウチにきいや。いつもの事やけどおもてなしはできんけどな」
言葉を濁したため、一瞬周りの空気が重くなる。
それを察してくれたのか、天然か、トウジが僕の肩をたたいた。
「二人ともやっぱり仲がいいのね。シンちゃんはよく鈴原君のとこに遊びに行くの?」
「いや、それがセンセは預けられた身だからかいつも肩身がせまそうにしとるんです。
せやから長い休みなんかはよくウチに泊まりに来てたんですわ。
センセは人の受けがええから、妹なんかは次はいつシンジさん遊びに来るんや?ってよう聞くぐらいですわ」
今度は椅子を傾けて肩を組んできた。なにが楽しいのか呆れてしまうぐらい何も考えてないのだろう。
自分の台詞の中に問題がることに気がついていないぐらいだ。
「預けられたって・・・シンちゃんが?」
「――――しもたっ!」
自分の言ったことを理解して、トウジは大げさに身体を後ろに大きく反らした。
「すまんかった、センセッ!軽々しく話してええことやなかった」
そう叫んで、手を合わせてこちらに頭を下げてくる。
「まあ・・・もうしょうがないよ」
謝れても、そう言うしかない。先輩もしっかり聞いてしまったようだし。
「あ〜、それって無理に聞いちゃいけないことなのよね?」
そう言って、テーブルの上に先輩は身を乗り出す。
言葉は丁寧だが、その表情には抑えきれていない好奇心がはっきりと現れていた。
「それは・・・、その・・・」
「すんません、ミサトはん。自分が口滑らしてなんですけど、こいつにあんま聞かんといてくれませんか。
センセはあんま自分のこと話すのが得意やないんです」
返事につまった僕を助けるように口を開いたトウジの言葉は、いつもからは想像出来ないほど真剣だ。
「ん〜、仕方ないか。じゃあ聞かないわね」
そう言う先輩はこんなことがあったのに、なにもこたえてなさそうだ。
逆に、何故かこっちが居づらくなる。
結局それからは、僕の家のことに関係ない話が昼休みが終わるまで続いた。
一日が終わり、日が落ちていくのを教室から僕は静かに眺めていた。
真っ赤に染まった空をみて、心のどこかが拒否反応を起こしたように気持ちが悪くなる。
八年前の事故で大怪我を負ってから、血を連想させるものに弱くなったようだ。
自分の胸の真ん中には、今でもそのときの傷がはっきりと残っている。
だが怪我の後遺症として僕を苦しめるのは、血への恐れでも、貧血になりやすくなった身体でもない。
事故の後から見えるようになった『線』だった。
ものの壊れやすいところが見えるという現象に、一時は世界すら拒絶しかけた。
それがこうして普通の生活を送れるようになったのは、あの後出会った一人の魔法使いのおかげだろう。
彼、加持リョウジと名乗った魔法使いと過ごしたのは本当に僅かな時間だった。
それでも、何年も過ぎた今この瞬間にさえ彼の言葉を鮮やかに思い出すことが出来る。
腕を上げて、顔に掛けられた眼鏡に触れる。
それは、恐ろしい世界を元に戻す魔法の眼鏡だった。
「・・・そろそろ行かなくちゃ」
重く感じる身体に力を入れる。さあ、六分儀の屋敷に向かうことにしよう。
とりあえず溜めてたのはここまで
読み返してあまりの出来の悪さに投下するべきか本当に迷った
テスト勉強の合間に書いたやつだから手を抜きまくってる
原作からの引用が多すぎて、情けない・・・
それでもレスしてくれた人のためにあげようと思う
お目汚しでしたがどうも
乙、明日あたり俺の夢魔が行くから楽しんでくれ