ヒカリ×シンジの可能性を(以下略) 2時限目

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意外にお似合いなこのこの2人。

家事カップルとして「料理」するもよし。
誰もが想像する『二人』を裏切って悲愛なカップルにするもよし。

本編分岐、EOE、時代逆行などなど、
どこまで本編テイストを残したままできるでしょうか?

※真性LHT人お断り。いやなら見なきゃいいのです。

◆前スレ◆
ヒカリ×シンジの可能性を(以下略)
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/996581942/
3get!
『貴賤』(わとそん氏)
ttp://red.sakura.ne.jp/~kure/kisen_edit.html
『プライド』(川原つとむ氏)
ttp://web.archive.org/web/20010427111320/www.ceres.dti.ne.jp/~crow/restrant/pride00.htm
『ヒカリの日常生活?!』(ガトー氏)
ttp://homepage1.nifty.com/5th/novel/eva/top.htm
『ヒカリの世紀』(中川健氏)
ttp://www.map1144.com/ss/lhs01/lhs01_index.htm
『イチゴイチエ』(FUJIWARA氏)
ttp://ffs.cool.ne.jp/fuji/ichigo.lzh
『waiting for the light』(solan氏)
ttp://www.h2.dion.ne.jp/~solan/flow/light/light01.htm
4get
>>1
乙!
61:04/05/15 18:17 ID:???
初めてのスレ立てに、一つだけ心残りが。

『このこの』二人、って何だよ漏れ……。

_| ̄|○
>>6
ちょとワロタ。

「んもうっ、シンちゃんと洞木さんってラブラブなんだ・か・ら♪ このこのっ」 byミサト

てな感じにしておくか
             ,. ‐''"""`'::. 、
       、___,/::::::::::::::::::::::::::::\
       ヽ、__::::::::::::::::;;;;/::::::::::;::::::::::::',     なんでやねん
       '‐=ニ__::::::::::i゙ .,|:/i;::///i:::::::l. \ \
        ,.'=='-、-‐ヽ!.' '"‐、 ,/::::::/ \ \ ,ォ彡}_
     ,. ‐''",.. -‐‐‐ヽ__i  ,、 ( ソ'ノ  \\/ i: ''/.:.:.:.:`ヽ、
   / ,./  r''   }. ,ゝ ,'-`‐''    ,r-tぃ゙ /i|ヽl.i、:.:.:.:.ヽ
   >''"   {  、 `{/  '!ヽ、   ,./   ヾ>'-l''l´┴ iリl.:.:.:.ヽ >>1
  /      `、  `' {-‐''   `''''"    _,. ‐i─'、 `ー‐' lr-、.:丶
. /           ,i   i``''-、,,_   ,,.. ‐''"  〈  ‐-、  ,.i_ノ.:.:.:.丶
〈_ヽ、     r'" |   l    `''''''´      ヽ、,_,.-'" 〉`''-、.:.:.:ヽ
' L_`'ー-、,__/   l   i              |r'ii  |_/  /ヽ:.:.:.ヽ
./ /`i''‐r-;:{    i   ',                 /ヽ,L_ |‐/_/  / ヽ..:.:.:',
' / l  | | ',    l.   ヽ           i  ' ヽ |//  ヽ,  i.:.:.:.:.i
./   !  | | ',     }    〉          |  i  `l゚l     li  |.:.:.:.::l
   |  | |  ',  └:r==i           |  |  | |     !|  |.:.:.:iリ
   !  | |  '、   └r''"`'''''==、       |  |        |.|  |.:./
、_l___l,,,..L-' {二二二二二二二二二二二二二二二}ニニニニニニニニ)

9名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/05/15 18:24 ID:5oDRTVTL
>>1
初めてだったんだ。それでこれか・・・。
アナタの性格が垣間見られますな。
あーシンジは新幹線おたくだからな

          ,、 ‐'' "´´´´゛’''‐ 、
         /            ` 、
        ., ''‐-、,__        ,,,,、-'"ヽ
      /,、 -‐ ''''''""""""""''''‐‐- 、、、ヽ
      ,':::::::   ,'  :; ,/i   .:: /!,、   ``'、
      .i' ::ri'::;イ r'i:::/_,,| ..:;、:;,' |!{ r、. i'、 ',ヽ;
     | ::i l/ l/‐i/" |:::/ ソ `''‐!iri:: l ヽ',
     ''i::   ´| ‐‐‐‐‐!'  ‐‐‐‐‐i' } ::i
       \ ;'i |.           }'´: |
        `;! |'、   ,---、   ,、 ''、::: |
      / ヽ.!\''‐-'==='‐<  ヽ: i'
      r' `ヽ. `  ヽ-´-'i   ∧   `゙
     i'‐、  \,、 ' ,  i' ,、/  ',   <はぁー、map1144が消えちゃったぁー
      i' ヽ    \ ', .|/  i i ',
     .i'  ヽ lノ  `''エi   Y .i
     i'   ヽ |::.   ├|    | |
    .i    ヽi:'     | |    .l {
    i     .|     |||     | !
    l     i::    ||||     i i
    .i     .|::    ||||    { ',

              r''''' ー-、,,
              ヽ、r-、  ヽ、,
                ヽ、、`ヽ、 ヽ/^ヽ
                 ヽ,,ヽ ,,,) く/ r ヽ
        ,,. -──‐- 、,,   `ヽ 、,,,`く/ _)
       /       r、 `ヽ、   `>  `ノ
      /   //i_,∠ ヽ. 、 ヽ  /  /
     ./   r' '"、,,!/    ヽ|ヽi, ゙i /  /
      .!    ! 二ニ>   ,,二 !. !/  ,/
     i   !   ,,__   "<, | |  /
    .!.   |   /   ゙゙̄''''i.   i | ./
    i   i  .i      i   ノ .レ'
     i i   iヽ,, !,     /  ィ'  .i  こうなりゃヤケやー!
 ─-┴┤ .ト''"`''`ー-┬"イ i   .i
      !i、. i `ヽ,,, ,,r"'i  レ  , i
 ──-i,. i ヽi,.       i  i/./!/
     iノ  i      i  レ'
     |    ゙゙゙゙゙゙゙̄ ̄  i
     i           i
     |          i
     i            i
     |            i
    /            i
   /          {
  ,/               i
  /              i
map1144が本格的に休業に入っちゃったよ。
最近更新が多くて喜んでいたのに残念。
でもまあ気持ちは分かる。
折角苦労して書き上げたものを貶されたらやる気も削がれるよな。
14中川 健(仮名):04/05/16 12:31 ID:???
 中川 健(仮名)と申します。
 以前から拙作がお世話になっております。
 現在当HPは休業中ですので、こちらに直接うかがいました。

 拙作「ヒカリの世紀」に関する事でしたら、こちらでお受けします。
 ネタバレ以外と拙作LHSの件でしたら何なりと。

 ちなみに他スレには出没しませんのであしからず。
15LHS廚 ◆pFYYHxe1dU :04/05/16 12:45 ID:???
ご本人であると信じて。

ここによく来るものの一人として、まずは謝罪を。
こちらのスレの発言を元にそちらのページの凍結を
されてしまったようですね。

私は、中川さんの作品を読み、期待していたための発言とはいえ
一部の発言に対して気分を害されたのは事実と受け止めています。

ただ、こちらの発言にはここ特有の雰囲気がある事もご理解ください。

とにかく失礼があったことはお詫びします。
申し訳ありませんでした。

追伸 ・ 再開を心待ちにいたしております。
叩くのが自由なように、叩かれた事を理由にやめるのも自由だと思うがどうよ?

もちろん公開停止に飽きて再開するのも自由だし、そのままフェードアウトするのも自由だし、
2ちゃんの名無しなんざ嫌いだとわめくのも自由だし、みんな僕に優しくしてよと言うのも自由。

わざわざ出張って来て何を言って欲しいのか良く分らんけど、好きにすりゃ良いんじゃね?
結局さ、褒めて褒めて褒めて褒めて褒めちぎってほしかったんだろうな。
もうマンセーな意見しか聞きたくなかったとw



でも、マジでそんな高いレベルの作品だと、
どんな人からも受け入れられて、文句の一つもでないような作品だと、
本 気 で 思 っ て た わ け で  す か ?

そんなの、プロの作品でもないよ。ありえない。


ウェブで晒した以上、その内容について貶されたりするのは、一種の有名税とは思えん?
何が書きたかったのか、何が書きたいのか、自分で自分の作品を信じていないから、見も知らぬ他人の言葉にグラグラと足場が揺れて不安になっちゃうんだろうね。

まあお疲れさん。ともあれ、作品で勝負できずに逃げた時点であんたは負け犬。
消えていいよ。(^^)/
あんたの評価はこんなもん


  ヒカリの世紀@中川 健(仮名) 11票 (81位)



いったい何を望んでたのやら(絨毯爆撃苦笑
>何を言って欲しいのか

「貶してすいませんでした、再開して下さい」だろ(w
かまってちゃんは困るよ
クレクレと一緒で一度甘やかすと付け上がる

ところでさ、なんで

>MAP1144HomePageは現在休業中です
>閉鎖ではありませんのであしからず

なのよ?
閉鎖しないで休業とする理由が良く分らん

>あそこ出没したのは間違いなく本人です

こっちは蛇足だし(w
20中川 健(仮名):04/05/16 13:14 ID:???
 御説ごもっとも。
 何も申し上げる事は御座いません。

 スレの常連方、ご迷惑をお掛け致します。<(__)>
 貴重なリソースを無駄に消耗させて、申し訳ありません。
いつもはROMばかりだけど今回ばかりは書き込ませて貰います。
私はヒカリの世紀が好きです。
どうか一部の心無い人たちの発言に負けず頑張って下さい。
20=21
プ
俺はヒカリの世紀以外の作品が好きです。
特にイタモノに分類されていたあたりの作品が。
続けてとはいえませんが、今まで面白いものを読めたことに感謝します。

またいつか貴方の作品が読めることを控えめに期待しています。
で、何を考えての休業なんだ?
その説明をするために降臨したんじゃないんかいな。
25中川 健(仮名):04/05/16 13:40 ID:???
 休業に関しては少し落ち着きたいのです。
 いきなりコンテンツを削除して馬鹿な事をしたと後悔しております。
 今すぐでも後でも、諌言下された方には同じ事とは思いますが、
 今の自分には再開させるのに時間がいるのです。

 これで説明になりますでしょうか?
 細かい事に関してはご容赦下さい。
マジレスだが
医者にいったほうがいい
つーかどの発言がお気に召さなかったのよ。
見た限りじゃそんなに貶した発言はなかった思うが。
オリキャラ(゚听)イラネってのは今まで他の人の作品でもよく言われてることだし
EVA板読んでるならある程度予測できたんじゃ?
とりあえずもちつけ

腹が据わってるか、初めから消えるつもりで派手に暴れたいのでなければ、
2ちゃんに向いて無いんだから無理に出てこない方が良いよ>中川氏
だからそういうビョーキなんだ。もう責めてやるなって。
30中川 健(仮名):04/05/16 14:00 ID:???
 何ていうか、あの時たまたま見た書き込みがハマッたというか。
 オリキャラに関しては予測出来た筈なんですが……。
 とにかく昨日の自分の行動は軽率でした。

 確かに私はここに向いてませんね……助言有り難う御座います。
 出張って騒ぎを大きくして申し訳ありません。
>>30
がんばってね
また落ち着いたら復活してください。>中川さん

ただ、どんな作品であれ全員に受け入れられる訳じゃない。
それこそケチョンケチョンに貶される可能性もあるし、特にそれがここでは顕著だと思う。
それが嫌でしたら、今後は会員制とかも考えてみてはどうでしょうか?

>>27
オリキャラ云々もそうだけど、今日更新スレのこともあるんじゃないでしょうかね。


968 名前:名無しが氏んでも代わりはいるもの 投稿日:04/05/15 16:56 ???
なんだかな・・・作者本人を登場させた俺キャラっぽくてヤダ。>ヒカリの〜



****

要するに、これが図星だったとw
恥ずかしさのあまりファビョったとwww
弁護、って程じゃないがもうちょっと建設的な話は出来ないか?
中川氏は2ちゃんになれてないみたいだし。

確かに叩くのは自由だけど、それだけで終わっちゃ漏れは後味悪いと思うのだよ。
>>26>>29>>30なんて、気持ち悪いだけだと思う奴もいるんだって。
3534:04/05/16 14:06 ID:???
ごめん! アンカー間違えた。
30じゃなくて>>33。
氏のコメントにアンカー張ってどうするよ漏れ。


池に落ちた犬は沈むまで叩け

 
   ――――  ラ・ロシュフコー
でもビョーキなのは事実だし
再開の可能性があるということで少しホッとした。
趣味なんぞは楽しくなければやってられない訳だしな。・・・再開の時を待ってます。

・・・2ちゃんなんぞ知らねって言う読者には何が起こったのだと、困惑してるだろうな・・・。



ヒカシン読まないやつは楽しければどうでもいいんだろうがな

こ っ ち は 死 活 問 題 な ん だ よ

そのへん考えてください
再開しても、ちょっと貶したらすぐに閉鎖する可能性があるわけだ。
そしたらこのスレでも自主規制が働くかもな。
ある意味捨て身の技だ。
>>39

同意。
特に>>37
お前さんのほうが「自分の言ってるビョーキ」に見えるぞ盛れ。
>39
チミは作家の奴隷か?
自分の都合のいいように言論統制しようとする中川の思惑にハマってどうするよ。

作家がどうあれ貶したいときは貶します。
それで辞めたきゃ辞めればよい。
なんつーか、作品内のキャラに自分を投影させることを
恥じてたら、ファンフィクションなんて書けないと思うですよ。
それが意識的にしろ、無意識にしろ。

意識的に自己投影して、かつそれを相対化してネタに
できる作家になりたいと思う今日この頃。
>>42
何でそうとるんだ? 少し極端すぎるぞそれ。
趣味に合う作品を書いてくれる作家に敬意を払って何かおかしいか?


>44
お前が敬意を払うのはお前の自由だ。
しかし、他人が敬意を払わないのも他人の自由だろ?
お前に他人の発言を封じる権利などないよ。
その醜い奴隷根性を少しは恥じろ。
>45
あんたにも他人の発言を封じる権利は無い
だからあんただって、そういう発言をするなら叩かれるリスクくらい背負ったらどうだ?

ま、俺もだがナー
47中川 健(仮名):04/05/16 14:34 ID:???
 言論統制するつもりはありません。
 しかしコンテンツを削除した以上、そう思われても仕方がありません。
 また、こちらに出て来て場を荒らしてしまいました。

 この件に関しては本当に申し訳ないと思っております。
 今後は叩き貶しに対処出来るよう努力します。
4844:04/05/16 14:34 ID:???
>>45

あのさ、別にアンタの言いたい事を封じたい、なんて感情は最初から無いんだって。

漏れの言いたいのは、あくまで「叩く事しか出来んのか」って言いたいんだよ。
ま、それをアンタに「奴隷根性」って言われても漏れは気にしないよ。

漏れは中川氏のファンだもの。
>46
ハア?
何言ってんの?
叩く叩かないの問題じゃない。

39の
>そのへん考えてください

ってのが問題だと言ってるんだよ。
オレは考えねえって。
>>45
> その醜い奴隷根性を少しは恥じろ。

ああ、お前の思惑に従うことだけはこれから先ないよ。
ふざけんなカス。
51名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/05/16 14:37 ID:GIfWUUl0
44は本人も認めたように中川の奴隷。
中川が謝ったフリをして、共謀した奴隷が世論操作と。
やるなあ、ケンちゃん。
中川さんがエヴァ板を見ないことが、アナタにとってもエヴァ板住民にとっても
最善な方法だと思います。
>>47
今後2ちゃんねるを見ないことが一番と思われます。
2ちゃんで貶された本人と周辺が一斉降臨か。
あの時は名無しだったようだが、体験騒動を思い出した。
>>54
常に開店休業状態の本スレとしてはありがたい・・のか?
いつもネタがなかったしな、ここw
>54
ということは中川氏を擁護している香具師の中にはイイペコが混じっているという訳だなw
たとえば44とかw
57中川 健(仮名):04/05/16 14:46 ID:???
 はい。
 これ以上私がここに居るのは、皆さんにとっても良くないですね。
 ここまで場を荒らしてしまいまして、申し訳ありませんでした。

 今後は今回の事を糧に出来るよう努力致します。
 それでは、失礼致します。
なんつーか、奈々氏同士であるだけに切りの無い話だよ。
5934:04/05/16 14:47 ID:???
多分だけど、26=29=33=37=42=45=49=51……だよな?
正直アンタは何がしたいんだ?

氏に作品書くのをやめて欲しいのか?

叩くだけならトリップ付けてくれん?
あぼーんしたいから。
今回の休業は明らかに過剰反応。
降臨の意図も意味不明だし。
叱咤して励ますのはいいが、今回のようなケースで甘やかしてどうするよと思う。

休業にいたるまでに、こっちになにか非があったのか?
オリキャラ批判か?
ひどい中傷でもあったか?

>氏に作品書くのをやめて欲しいのか?

やめて欲しくなけりゃなんなの?
ひざまづいて靴の裏でもなめればいいのか?
>>60
今日更新スレも原因の1つじゃないの?
叩けりゃ相手なんざ誰でもいいんだよ。
>>60
断罪スパシンみたいな思考だな。
>61
スゲー執着ぶりだな
そんなに氏と関係を持ちたいのかw
>>62
それは違う。このスレです。
>62
更新スレにしても、感想・批評・批判の範疇にある以上、閉鎖や休業の「原因」にするほうがおかしい。
個人情報晒されるとか、集中的によってたかって砲撃受けるとか、そういうケースでしょ、客観的にやむをえないと思えるのは。
ちょっとしたことで止めるのも、確かに自由なんだが、それを人のせいにしないで欲しいね。
ただ自分が弱いからだと自覚しろと言いたい。
ほんと、何しにきたんだろう。
なんでここはこんなに叩きたがりが多いんだろね…?

確かに中川氏は過剰反応だったと思うが、
ここまで理不尽に叩かれるほどのことか?

つーか甘やかすって何なんだ。
過剰反応してしまった精神状態くらい想像できんか?
弱った相手に鞭打って楽しいのか
サディストか?サディストなんだな。
俺はどっちかて言うと中川氏擁護派だが。

結局何のためにこのスレに降臨したんですか?

と問いたい。
第二、第三の中川を出さないためにも
ここはきっちり叩いておかねば。


過去からあるんだよね。
批評・批判スレでも、ちょっとキツめの意見を言うと「読んで作家が止めたらどうする」とか言い出すやつが。
そんな弱いやついないだろ、と思ってたが、あれって中川だったんかもなあ。
おいおい
>69
そりゃ、みんなが謝ってくれると思ったんでしょ。
7334:04/05/16 15:04 ID:???
>>61

何だ、ただ荒らしがしたかっただなのか。
納得。
>ここまで理不尽に叩かれるほどのことか?
理不尽? どこが?
>>68
>なんでここはこんなに叩きたがりが多いんだろね…?

2ちゃんだから
34は、どうすればいいか答えられないから人格攻撃に走った模様です。
本人も帰ったんだから、この件はもう終わりにして欲しいんだけど。
後は、高CQとかそういうところで続けて。
結論としては

叩かれるのが怖い心の弱い作家は
最初からエヴァ板には近寄るな

ということでFA?
どうでもいいけど>>18の「(絨毯爆撃苦笑」って、ものすげぇ久しぶりに見た。
使ってる奴、エヴァFF界でも珍しいと思ってたんだが。
ま、匿名掲示板における発言なんざ所詮無責任で脊椎反射的なモンなんですから、
あんまりお気になさらない方がよろしいかと思います。>中川氏
どうせここにいる連中(俺も含めて)、大半はメールで激励も批判もできない
中途半端な根性なしばっかりですんで、ここに来られることにもあまり意味はないかと。
個人的な感想を言わせていただければ、今回の突然の閉鎖は「おいおい」って感じでしたが、
それでもあなたの作品は大好きですので再開していただけるのなら本当に嬉しいです。
>「(絨毯爆撃苦笑

うろ覚えだが、以前エヴァ板にいた煽りが使ってたな。
体験エヴァの擁護してたか。
>>78
FA

というわけでこの話題は終了。
>>78
お前がこのスレに近寄るな
でFA?
はいそこ!無駄なループしない!今のはスルースルースルーでしょ
(絨毯爆撃苦笑
10MくらいのFF書いてから語れ。
>>86
誰が?
俺俺。
さぎ
ギギギ
85って文章の長さだけを自慢していた、宗教バカかな?
ビリーバーって言うんだっけ。
高CQスレでもスルーされとるな
何か覚えはあるんだがな。>(絨毯爆撃苦笑
エヴァ板で煽ってたのと、物笑いの種になってたのだけしか覚えてない。
どこかの断罪系FF書きじゃなかったか?
あれ?元大天使長じゃなかったっけ?
V−M
Via Motor

だっけ?確か、俺は密教の術が使えるんだ、とか言っていたよな。
ウェーハッハッハ。

ヒカリの新世紀の可能性について語るスレはここですか?
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑
(絨毯爆撃苦笑

確か総合でさえ相手にされなかったよな。
あれをみて変人と基地外は違うもんだとおもた
ねえ、萌えな話題に戻ってもいい?
いいよ
>>100
きりがいいし、いいんじゃない?
でも、これといって話のネタが……
自分が一番好きなシーンは、トウジと病室で会っている時の場面かな。
ヒカリの世紀も更新停止したし、話すことが無くなっちゃったね。
後は、「ヒカリの日常生活」と「waiting for the light」位になったね。

前者は次が最終回らしいし、
でも後者はLHSから外れるってうわさを聞いた事があるし。

どうなるんだろ、本当に。
LASスレでもちょっと上がっていたけど、最後に二人がくっつけばLなの?
前向きに別れるみたいな感じのはLな話とは言えない?
それはそれでいいとは思うけど。
でもくっつくバージョンも見たいと思うんだな。

ssの絶対量がLASのSSとは違うからね。
>>107
そうですか。
自分はくっついて終わるような感じのはあまり…
TVドラマの見すぎですかね。
ところで、EoEパートをFFにすると、LHSにするのは難しくないですか?
かなり改変しないと無理のような。
ヒカリの世紀では、ヒカリをチルドレンにしてストーリーに絡ませようとしていたみたいですけど。
なにをLにするかは本当にそれぞれだから。
漏れみたいに「どっちとも読んでみたい」って言うのがいる位だし。

で、EOEタイプだけど、こんなのはどない?

「最後から2番目の光達」
ttp://www3.ocn.ne.jp/~area.2nd/self_ss/ss_eoehikari.htm

好みに合うといいんだけど。
LHSでヒカリチルドレンものってのは確かに無いな(ハーレムものを除く)
ひょっとしたら「EVANGELION  WAIL 」がLHSかLASに移行するかも知らんが
純粋にLHS、ヒカリチルドレンものも見て見たい
「長女コダマ16歳、次女ヒカリ14歳、三女ノゾミ11歳、好きなの選んでくれ」

割とネタにされているか…

三姉妹なら現在、過去、未来の三姉妹のネタもあるが
女神やファティマじゃなあ…
二の親戚の家で捨てられたような生活を送っているシンジ
今日は叔父夫妻といとこは家族旅行でいない(当然シンジは留守番)
むなしく出前でもとろうとして電話すると。

「は、はい、お助け洞木事務所です」

「へ?」

間違い電話だろうか?とシンジが訝しがると…。

ガシャーン、とシンジの部屋の鏡が割れ、一人の少女が落ちてきた。

「あいたたたた…またやっちゃた…」

北欧神話級の美女…では無い。
そばかすが多めの顔にお下げ髪を二本に結わいたごく平凡な容姿のシンジと同世代なくらいの少女が、シンジの目の前にいた。鏡から落ちた時に痛めたのかしきりに自分のお尻のあたりをさすっている。

「君、誰?」

「え?ここどこ?あれ?碇君?」
>>109
その話、いいですよね
きっとノゾミが街角でゲームソフトを売っていて、そのゲームをクリアしたシンジは
「あなたこそ選ばれたチルドレン! さぁ、NERVに来て戦ってください!」
と異世界に拉致されてサードチルドレンとして戦うんですよ。

これだとコダマさんは序盤では悪の女幹部になってしまうか。

ってよりヒカリン=ぐるぐる眼鏡?
>>112
「そ、それでね、疎開先でぼうっとしてたらいきなり綾波さんが出てきて鈴原の姿に変わったと思ったら、何だかすごく気持ちよくなって気絶しちゃったのよ。
気が付くと真っ赤な海があって『世界』の管理人だとかいう人達に碇君や綾波さんやアスカが逮捕されていたの。
何でも一つの世界を滅ぼした罪で少年院送りだって…」

「ふーん」

「で、私たちは不可抗力で巻き込まれただけで無罪だけど、使徒だか天使だかの力を持っちゃたから、しばらく『う゛ぁるはら』で生活してろって言われたの。
でもただ生活していくのも生活費が必要だったのよ!
それでコダマお姉ちゃん達と一緒に「へーこーせかい」ってとこの困ったいる人達を助ける何でも屋みたいのを開こうとして、今日が開業初日だったのに…。
なに?碇君?その気の毒そうな人を見るような目は!?
これでもちゃんと女神の免許とったのよ!仮免だけど…」
>111
洞木家の三姉妹物というと洞木三姉妹物語を思い出すなぁ。
けっこうあの作品のコダマに萌えてたよ、漏れ。


・・・しかし、ちょっちスレ違いな話題かw
>>116
どっちにしても、もう読めねーじゃん。
>116
確かにスレ違いだなw
しかしあのコダマ姉御は確かに良かった
もうアーカイブでしか読めないのは残念だよ
漏れも読みたいんだが、誰かアドレス教えてくれんでしょうか?
>>119
116の事か?
それは昔、MAP1144内で公開されてた惣流三姉妹物語の外伝だよ。
ちなみに洞木三姉妹物語はコダマの章から始まって、ノゾミの章と続き、
最後はヒカリの章で終わる。

みんなが言ってる通りスレ違いな話題だからな。
これぐらいにしておこうよ。
そういえば、コダマ姐の色っぽい画像があったっけね
MAP1144だったっけか、他のSSサイトだったかな
>>121

それは多分、あそこの常連の石原哲氏の作品。

アドレスはここ。 
www.map1144.com/annex/soryu3ss/3ssg2/kodama1.htm
123121:04/05/19 20:13 ID:???
>>122
張っていただいたので見ようとしましたが404 _| ̄|○
そりゃそうだ、MAP1144だもの…
124122:04/05/19 20:22 ID:???
ア−カイブ使った?

そこから見ると思ってたからWWW〜から始めたんだし。
それに、再開しても「三姉妹」関連は完全に削除された筈だからさ。

どっちにせよアーカイブしかもう見る手はないんよ。
125121:04/05/19 22:01 ID:???
>>124
アーカイブで見れました、どうもありがとうございます。
コダマの姐御バンザイ!
>121
コダマ姉御のその画像なら石原哲氏のサイトでも見れる筈だよ。
それどころかコダマ姉御やヒカリの18禁画像まで見れた筈。

漏れはユイカの裸エプロンの画像の方が良かったけどねw


・・・でも肝心の石原哲氏のサイトはMAP1144からリンクしてたんじゃなかったかな。
127121:04/05/19 22:10 ID:???
>>126
はだかエプロンは同じくMAP1144で掲載されている(いた)のを
見たことが有ります。
それと同じのがMAP1144に送った人のサイトで見れるんですね。
有り難うございました、作者名で具具ってみます。
「石原哲」でググれば一番上に出るんだけど、この人、家族でヲタをしているの?
ネタであってほしいような。
129121:04/05/19 22:34 ID:???
未緒は如月未緒のようだから家族でヲタではないようですね。
奥さんがレイヤーなのかもしれず。
該当する画像のページまで進みましたが唖然…
MAP1144で発表されていたものだけじゃなかったのか _| ̄|○
けど、全部画像は保存しました!
単なる呟きに対してここまでしてもらいまして有り難うございました。
>ユイカちゃん、「上を隠して下を隠さず」

これいいですねぇ。最高っす。
できればユイカ&ヒカリの絡む絵も欲しかったなー。
自分は裸Yシャツなヒカリちゃんがよかったです。
TVのイメージを残しつつ自分なりに昇華させてる感じがすごく好きです。

最初にあのページ開いたときにはゥッと唸りました、凄すぎの一言。
132121:04/05/20 12:44 ID:???
コダマの姐御のクッション気持ち良さそうだな…
想像通りの使い方をしてるんだろうと推測、ちょっと羨ましい
立ちポーズのCGがページ下に沢山あったけど、あれって
抱き枕の画像ですよね?
サークルとして販売してるのかな。。
134121:04/05/21 22:15 ID:???
サークルとして販売していたら良いのですが、抱き枕のページで
個人専用という文字が _| ̄|○

挫折してばかりの26歳の夜
アンミラな姐御のデカ乳…
ヒカリ×シンジがかなり萌えるのは言うまでもないけど
コダマ×シンジというのも読んでみたくなったなぁ。

さすがにそういう作品は存在しないのかな?
コダマとかノゾミだと、ヒカリの姉妹設定以外は作者のオリキャラと同じでは?
>136
せめてちょっとでも原作で登場しているとよかったんだけどね。

三姉妹で取り合う話、とか。
>>138
やっぱり、>>120の話ぐらいしか思い出せないなぁ。
もう一度三姉妹SSを読み直そうっと。。
BGMは松任谷由美の[守ってあげたい]あたりで
>>135
GQ'にあるLOST IN パラダイスの、中盤辺りはマジ、コダマ×シンジだよ
>>141
そんなメジャーな作品にコダマ×シンジのシチュエーションがあったとはなー。
でも、できれば短編がいいよね。
確か三姉妹が三つ子の話があったな。
F氏が帰ってきたな。
出席を取るか。できれば、いつもは見ているだけ人も含めて、何人いるか知りたいな。

じゃあ、1
0!
──終了。
コダマ姐さんの話題専用のスレって無いですよね?
立てるしかないのかな?
>>149
がんばれ。
でも、何を話し合うのかよくわからないけど。
まだ出席って取ってる?
とりあえず3人目!(2人目?)
>>150
コダマ姉さんの可能性を探る、ってのが良いなぁ
髪型やらスタイルやら性格やら、年齢とか学校(勤務先?)とか
いろいろな小説の中で語られているものとか、こういうのはどうだろうかとか
LHSに限らず、このところLAS、LRS共にスレの伸びが恐ろしく鈍化してるなぁ。
エヴァFF知って2年だけど、もう潮時かな。
>>153
どっちも新作の供給が無いからね。
今、元気なのは最低FFやハーレム、黒エロなど。
普通な感じのカプ物や非カプな話は減ったよね。
>>152
コダマの他にノゾミを加えてみたらどう?
少しは話題の幅が広がるかもよ。
復活おめでとう
ttp://rinshan.hp.infoseek.co.jp/

とスレ違いsage
>>156
一部の短編はLHSっぽいね。
だから完全なスレ違いでもないと思うよ。
保守
人大杉のせいで、どのスレとも停滞気味だな
よくヒカリがアスカに劣等感を抱いてるってことにFFではなってるけど
そんな描写本編にあったっけ?
雀斑の女の子が容姿に劣等感を持ってるのはデフォです。
そばかすなんて気にしないわ
ゲンドウはシンジをネルフにつなぎとめる為に女をあてがう事にする。
年増の牛女よりはやっぱ同世代の女の子だろう。でもレイはやだ。
と言う訳で白羽の矢をたてたのは諜報部の洞木部長の娘達。
洞木家にシンジをあずけて三人の娘達にそれとなくシンジを持て成す事を命令する。
考えて見れば出世のチャンスと(総司令の息子が娘婿になる訳で)三姉妹にシンジを篭絡するように諭す洞木父。
しかし、シンジにはある秘密があった。
実は、水を被ると女の子になるのだ。
「アタシ、パス。年下はやだ。ヒカリとノゾミに任せるわ」
「私もまだ中学生だし……、ノゾミ、お願い」
「えー、あたしはまだ小学生だよ。それにあまりタイプじゃないし」

 お父さん、こんな娘たちにご立腹。

「おまえら、何を言っとるんだ。ほら、シンジ君が困ってるだろ」

 シンジは恐る恐る洞木父を見上げ、

「あのー、そのことだったら僕はいいです。父さんが無茶言っているだけですから。
 僕も一人暮らしの方がいいし、……あの、ありがとうございました」
「待ちなさい。娘らは恥ずかしがってるだけだ。なんなら全員、シンジ君にくれてやってもいいぞ」

 シンジは三人娘を盗み見るように見てから、

「でも……」
「ん、なんだね?」
「……ちょっと好みのコがいないし……、どうせなら綾波がいいかな」

 と言った瞬間、シンジの頬が音を鳴らした。
 そして、残ったのは大きく真っ赤なモミジ。

「私だって、アナタなんかタイプじゃないわよ!」

 そう言い放って、ヒカリは自分の部屋に帰ってしまいました。

「今のはシンジ君が悪いよ」

 と、お父さんもちょっと怒り気味。
 その後、なんだかんだと説得されて同居することになったシンジ君。
 翌日の朝食では、気まずい雰囲気が漂っているし、目が合うとヒカリちゃんは睨んでくるし。
 でも、学校が同じだから、一緒に登校することになって、

「ちょっと、もう少し離れて歩いてよ」
「えっ、どうして?」

 隣を歩くシンジ君は不思議そうな眼で彼女を見る。

「男の子と一緒にいるなんて、不潔に見られるでしょ」
「??? そうなのかなあ」
「そうなのよっ!」

 と言って、ヒカリは眉を逆上げにする。

「あのさ、怒ってる?」
「……私が怒ってるですって?」
「う、うん。そうにしか見えないけど」
「怒ってるように見えるとしたら、碇君が悪いのよ」

 と更にヒカリは目をつり上げたが、シンジは逆に笑みを浮かべた。

「やっと、名前を呼んでくれた」
「えっ?」
「僕は父さんのこととは別に君たちとは仲良くしたいんだ。
 前のところではあまりいい思い出がなかったから、今度は……もう少し……」

 言い淀んで俯いてしまったシンジを、ヒカリは暫く見ていたが、

「ほら、早くしないと遅刻しちゃう」

 と、彼の右手を優しく握り、再び歩き出した。
>>163
よく使われるネタだが、LCLは水扱いで操縦中は女性化しているんだろうか?

シャムシエル戦、シンジの事が心配でついついシェルターの外に出てしまうヒカリ
お約束の展開で吹っ飛ばされた初号機の手の隙間にヒカリが。

「え?あなた誰?碇君じゃないの?」
そこにいたのはまるで綾波レイの髪と目を黒く染めたかのような美少女だった。
「黙って!(くっ…ヒカリ。何故こんなところに?)時間がありません!EVA初号機突貫しま〜〜すっ!!」
「ちょっとシン…じゃないシヲリちゃん待ちなさい!」
>アスカ来日

「あんた日本語で考えてるでしょっ!ちゃんとドイツ語で……ってあんた誰?」

アスカが振り返った先にいたのはあのへたれ少年では無い黒髪、黒瞳の美少女だった。
自分が貸した赤いプラグスーツがその肢体に映える。
(ママのアルバムに昔ママのとなりに写っていた人に似てる…ポッ…ってなに赤くなってるのよ、あたしは!?)

「ちょっとこのプラグスーツ、胸きついな」

(むかっ)
その辺のネタは倒錯シンジきゅんスレで語り尽くされてはいるよな
>>165
続ききぼんぬ
170>>165:04/06/16 10:34 ID:???
 二人が手を繋ぎないで、傍目からは仲良く校門を通り抜けると、一人の少年が
腕を組んで待ちかまえていた。

「待っておったで、委員長。今日こそは鞄の中で弁当、ワシがいただく」

 ヒカリはトウジの姿を見ると、ため息を吐いて、

「あんた、毎朝、こんな馬鹿なことして」
「馬鹿って、なんやねん。これは、ワイの命がかかって……んんん!!?」

 トウジは目を大きく見開き、シンジを指差すと

「い、委員長。そいつ、誰や?」
「あ、えーと、碇君。今日から、転校することになったの」
「い、委員長の恋人か?」
「どうしてそうなるのよ!?」
「そやかて仲良う手なんか繋いでいるやん」
「えっ!!」

 今さらながらそのことに気付き、顔を真っ赤にして手を放すヒカリ。
 シンジは今ひとつ何が起こっているかよくわからないような眼をしている。

「あの、ヒカリちゃん。この人、だれ?」
「「ヒカリちゃん!!?」」

 と、ヒカリとトウジがハモリって訊き返した。

「その呼び方は何なのよ?」
「だって、コダマさんやノゾミちゃんがいるのに、ヒカリちゃんが洞木さんじゃ困るでしょ」
「……そうだけど」

 今まで男の子にそんな風な呼び方をされたことはなく、ヒカリは恥ずかしそうに頬を染めていた。
「ワイは鈴原トウジ。おまえ、誰や?」
「僕は碇シンジ。昨日からヒカリちゃんの家でお世話になっているんだ。よろしく」
「な、なにー!! 委員長と同棲しているんか?」
「ば、バカ。鈴原、そんなんじゃないわよ」
「委員長、コイツと結婚するんか?」
「なんでそうなるのよ!? この、馬鹿トウジ!」

 と、ヒカリは怒鳴ったが、もはやトウジは聞いちゃいなかった。
 まるで、これから起こる事態を表すかのように空は黒い雲に覆われていた。

「ぐぬぬ、転校生。委員長の弁当は渡さんで」
「えええ! どうしてそうなるの? 鈴原君、ちょっと落ち着こうよ」
「問答無用や。歯、食いしばれ」

 そう言って、彼はシンジに殴りかかるが、するっとかわされてしまう。

「なんでよけるんや!?」
「そりゃあ、誰だってよけるよ。痛いもん」
「むっかー。なんやしらんがめっちゃムカつく」

 トウジはシンジに躍りかかったが、その時、大粒の雨が降り注いできた。
 その瞬間、シンジは眼の色を変え、一目散に校舎裏へ走っていった。

「あっ、碇君。どこ行くの?」

 と、ヒカリは彼を追いかける。しかし、シンジの姿はどこにも見えない。雨の中、ヒカリは彼を捜す。
ふと、体育用具置き場のプレハブの前に制服が脱ぎ捨てられているのが見えた。シンジの物だ。
 彼女は僅かに開いていたドアを開け、中を探るように見渡した。何か気配を感じる。

 みゃあ

 そこには、一匹の可愛らしい仔猫がいた。
 ヒカリが仔猫を胸に抱きながらおろおろしていると、黒服の集団が周りを取り囲んでいた。
 そして、いつの間にか車に乗らされて、ネルフ本部にご到着。

「結論から先に言うわ」

 と、赤木リツコはヒカリに告げる。彼女の隣にはミサトと洞木父も同席していた。
 重苦しい雰囲気。
 しかし、仔猫はそんなことも気にしてないかのように、にゃあにゃあとヒカリの頬を舐めていた。

「やっぱり、私が彼を飼います」
「リツコ!!」

 とミサトが声を荒げた。

「それは却下されたでしょ。アンタもいい加減、諦めなさい」
「だけど、ミサト……」
「ええーい、駄目なものは駄目。アンタもしつこい」
「ううー」

 と、涙目になりながらリツコは仔猫を見つめる。
 ミサトは疲れたように息を一つ吐いて、

「ヒカリさん。あなたはサードチルドレン’に選ばれたわ」
「えっ、何なんですか? それ」
「サードチルドレン’、人造人間エヴァンゲンリオンのパイロットよ」
「エヴァンゲリオン?」
「補助だけどね」

 とボソッとミサトは言葉を吐いた。
「その仔猫わね。シンジ君なのよ」
「?? 冗談ですよね?」
「いいえ、本当」
「嘘です。わたし、騙されません」
「だから、本当なんだって」

 と、エヴァ初号機ケイジの前でヒカリとミサトのそんなやり取りが続いていた。

「よく聞いて。シンジ君はエヴァの実験中に事故が起こって、水を被るとネコになってしまう
体質になっちゃったの。そして、エヴァはL.C.Lの……」

 とエヴァの説明が続いて、

「要するに、エヴァを動かそうとすると、シンジ君はネコになっちゃうから困るのよね。あはは」

 とミサトは声を上げた笑っていた。

「ネコの姿でもエヴァにシンクロはするのよ。それも、高いシンクロ率で。だけど、その、中身も
ネコそのもので、戦闘になんないのよね。すぐに、使徒とじゃれあおうとするし」
「は、はあ」
「で、ヒカリさんには、その仔猫、シンちゃんと一緒に初号機に乗ってもらいたいのよ」
「どういうことですか?」
「シンちゃんにはシンクロを担当してもらって、ヒカリさんには操縦をしてもらいたいの」
「どうして、私なんですか?」
「それは、アナタにしか出来ないからよ。MAGIがそう判断しました。これはアナタにしかできないの。
サードチルドレン・シンちゃんと一緒に戦うサードチルドレン・ダッシュがあなたなのよ」

 と言いきった後、ミサトは口の中で呟く。

「なーんて、うそ。司令の命令であなたになっただけなんだけどね」
174169:04/06/16 14:21 ID:???
>>165
猫!!
漏れが猫好きなのを知ってたのか!
シンジきゅんの肉球ハァハァ
リツコにしてみれば、ネコとツバメがいっぺんに手に入るんだから、
引き取りたいのも山々々々々々々だろうな。
176名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/06/16 19:16 ID:uAVKvcA2
LCLをお湯にしたら?
つうかラミエル戦、サンダルフォン戦でお湯になるか
エントリープラグの中でヒカリ、素っ裸のシンジと対面か
>>176
お湯にしたら、中の人はのぼせてしまいます
ヒカリたんがLCLに入る事によって温度が人の体温くらいになる。
そうすると、猫シンジきゅんはぬるま湯に浸かって中途半端に元に戻る。
結果:猫耳で裸のシンジきゅんが!!
>>165
続けたまえ
180>>173:04/06/18 15:07 ID:???
「私、無理です。そんな怪獣と戦うなんて」
「ごめんなさい。でも、あなたにしてもらうしかないの。人類の命運があなたにかかっているのよ」
「そんな……」
「ヒカリ、戦ってくれないか」

 と、今まで口を閉ざしていた洞木父がすまなそうに声を掛けてきた。

「お父さん。私、運動も得意じゃないし、そうだ、お姉ちゃんは? お姉ちゃんなら、そのシンクロ
というのが出来るかもしれないし」

 洞木父はさっとヒカリから顔を背ける。そして、

「コダマでは駄目なんだ。たぶん……」
「どうして?」
「そうね。実際に、体験してもらった方がいいわ」

 と、ミサトが口を挟んだ。

「シンちゃんが人間に戻る方法には制限があるの」
「……?」
「ヒカリちゃん。その仔猫、シンちゃんにキスしてみて」
「キ、キスですか?」

 ヒカリは目を大きく見開いて仔猫を見る。仔猫は、にーと鳴いて彼女を見返した。

「葛城さん。この仔猫、碇君なんですよね? ダメです。キ、キスなんて出来ません」
「あら、恥ずかしがらなくてもいいわよ」

 ミサトはにっと笑う。

「だって、ネコなんだから」 
「それにキスしないと、シンちゃん、元に戻れないし」
「だったら、葛城さんがすればいいじゃないですか」
「う〜ん、それがアタシじゃ駄目なのよ。リツコでも駄目。ここにいる中ではヒカリじゃんだけなの」
「どういうことですか?」
「えーとね。つまり、清らかな少女がキスしないと駄目なの」
「……?」
「あっ、アタシが不潔とかいうんじゃなくて、そーね、この際、はっきり言うわ」
「……」
「処女のコがキスしないと駄目なのよ」
「ええっ!!」

 ヒカリはもう顔を真っ赤にしてパニック寸前。

「お父さん……」

 と、彼女は助けを求めるが、

「わかっただろ。コダマでは駄目なんだ。アイツには彼氏もいるみたいだからな」
「お、お父さん。なに言ってるのよ。不潔っ」
「洞木課長、ちょっとセクハラ発言ですよ」
「うっ、すまん」

 ミサトはヒカリに向かって話し掛ける。

「まあ、そんなこともあってアナタが適任なのよ」
「で、でも……」
「?? まさか、ヒカリちゃん、経験済み?」
「違いますっ!!」

 と、ヒカリは大声を上げたが、ミサトは笑って、

「なら、OKよね」
北ー!!

>キスなんて出来ません
猫シンジきゅんからはペロペロしてもらってるのにー
 とその時、二人から離れたところで、白衣を着た女性がネコ大好きのカルカンを
持って腰を落としていた。そして、おもむろに缶切りでフタを開ける。
 カルカンの微かな匂いがシンちゃんの鼻をくすぐった。
 にーと鳴いて、シンちゃんはヒカリの腕から飛び降り、リツコの元へまっしぐら。

 バシッ

 とミサトはリツコの頭を叩く。

「リ〜ツ〜コ、アンタは!!」
「だって、だって、」

 ミサトは深い溜息をつくと、携帯を取り出した。
 そして、数十秒後、黒服の一団が現れ、リツコを取り押さえる。

「連れて行きなさい」
「ああ〜、シンちゃ〜ん」

 と叫びながら、リツコ退場。
 ミサトはシンちゃんを抱きかかえると、ヒカリに向かって口を開いた。

「ねっ、わかるでしょ。ここは危ないのよ。だから、お願い。チルドレンになって」

 ヒカリは暫し考え込むように、床を見てから、

「わかりました。上手くできるかわからないけどやってみます」
「よかった。ありがとう。ヒカリちゃん」
「あ、あの、それでどうしてもキスしなくちゃダメなんですか?」
「そうよ」

 と、すっごく軽い調子でミサトは答えた。
ノゾミたんでは駄目なのかっ!?(w
「でも、碇君なんですよね?」
「あー、そのこと。さっきも言ったでしょ。そのコはネコだって」
「でも……」
「大丈夫。シンジ君はネコになっている時のこと、覚えてないから」
「そうなんですか?」
「そうよ。第一、外見がネコなのに、中身が人間と同じなわけないじゃない」
「はあ〜」
「そうゆうわけだから、ここはババーンとキスをかましちゃいなさい」

 そう言って、ミサトは仔猫をヒカリの口元に近づける。
 ヒカリは仔猫の瞳を覗き込み、

「私、ファーストキスなのに」
「心配ないって。ネコとキスしたって、そんなの数に入らないわよ」
「でも、碇君なんですよ」
「だけど、今はネコよ」
「そうですけど、」
「さっ、早く。ヒカリちゃん」

 ミサトにせかされ、ヒカリは覚悟を決めたのか、ギュッと瞼を固く閉じた。
 そして、ゆっくりと仔猫にくちびるを寄せ、触れた。

 その瞬間、水蒸気のような白い煙が立ち上がり、何も見えなくなる。
 暫くして、視界が戻ると、

「キャアー!!」

 ヒカリの目の前に男の子がいた。それも素っ裸で。

「あわわ、ミサトさん!! ふ、服。タオルでもいいから何かください」

 シンジが涙目になって股間を両手で隠しながら、必死にそう訴えていた。
>>184
いやだからノゾミちゃんは経験あるんだよ。
187184:04/06/18 23:31 ID:???
>>186
文中でコダマさんは言及されているけど、まさかノゾミちゃんまで……ウソダド(ry
『シンジ補完』、やはりLHSルートは無いみたいだ。
リツコやオペレータまでも可能なのになぜ彼女はトウジのみなんだろう。

ttp://www.gainax.co.jp/soft/shinji/afreco.html
>>188
セガに頼みませう。
2nd Impreでもヒカリの出演が多かったし、セガならやってくれるはず。
190LHS中毒症:04/06/19 00:35 ID:???
『鋼鉄のガールフレンド2nd』(林ふみの/角川書店)の2巻を買った。
読んだ。
ラブ真っ盛りのトウジの委員長の姿がLHS中毒症のおいらには死ぬほど痛かった。
カヲルとアスカが絡む作品を痛がるLAS厨の気持ちが少しだけ分かった。

皆も読んでくれ。共に痛がろうではないかw
イラネ
「ねえ、碇君」
 とのヒカリの呼びかけに、シンジは雑巾を絞るのを止め、顔を上げた。
 掃除の時間。そこに生まれた一瞬の空白。偶然が教室に二人だけの時間を与えた。
「碇君は好きな人いる?」
「えっ、好きな人って…」
 ヒカリは頬を僅かに赤く染め、さらに言葉を続けた。
「アスカとは、どうなの?」
「……アスカ?」
「そっ、」
「別に、アスカとは何でもないよ」
「でも、一緒に住んでいるじゃない」
「そうだけど……、そんなんじゃないんだ。アスカは同じエヴァのパイロット仲間だよ」
「じゃあ、綾波さんは?」
「綾波とも、やっぱり仲間だと思う」
「そっか。アスカとも綾波さんとも何でもないんだ」
「うん。でも、どうしてそんなこと訊くの?」
「えっ、あ、」
 ヒカリは一転して慌てると、
「えっと、友達に頼まれたのよ。ほら、バレンタインが近いでしょ」
「ああ。ということは、その、そうなんだ」
「そ、そう」
 彼女の返事に、シンジは照れてしまい、窓を拭くからと言って離れてしまった。
 そんな彼の後ろ背中を見ながら、
「そっかぁ。碇くん、誰もいないのか」
 と言ったヒカリのくちびるは微熱を持っていた。
 そして、再び訪れる喧噪。教室の中に人が溢れる。
 ヒカリはいつもの委員長としての顔を作る。
 けれど、微熱は彼女のくちびるから頬へと広がっていた。
sage
194>>185:04/06/22 04:19 ID:???
『LCL、気持ち悪いかもしれないけど我慢して』

 と、モニターに映るリツコが言った。
 初号機のエントリープラグの中、ネコ化しているシンジを膝に乗せたヒカリは

「はい」

 と神妙な面持ちで答えた。
 ちなみに彼女のプラグスーツはオレンジ色がベースである。

『第一次神経接続をクリア。絶対境界線を突破します』

 エヴァ初号機とのシンクロが始まる。
 と、その時、ヒカリの頭の中にイメージが流れ込んできた。

『シンクロ率42.6%、ハーモニクス全て正常値。問題ありません』
『サードチルドレンの方は大丈夫なようね。サードチルドレン・ダッシュの方は?』
『サードチルドレン・ダッシュとサードチルドレンのハーモニクスに多少のぶれが見られますが、
予測範囲内に収まっています。……あの〜?』
『なに? マヤ』
『二人の名前が同じようで言いづらいんですが…』
『そうね。確かに、そうだわ。では、今後、サードチルドレンをシンちゃん、ダッシュをヒカリちゃんと
呼称することにします』
『わかりました』
『ヒカリちゃん、エヴァとシンクロしている感じはどう?』

 そのリツコの問いに、ヒカリは瞳孔を僅かに大きくさせて、

「にゃあ」

 と答えた。
ヒカリの世紀、アスカが出てくるまでは本当におもしろいな
>>195
確かに
いや、あの軍人口調のアスカもそれはそれでいいんだが。
ならばあのアスカとシンジの物語にすべきだった。

ヒカリ×シンジの話にするなら、エヴァンゲリオン SR@かつ丸
のようにいっそアスカを出演させないという手もあったと思うのだが。
あるいは男アスカにするとか。
どうもアスカが登場してから物語が停滞してしまったと思う。
>>196

「ヒカリの世紀」の場合
先に発表されている外伝の「光の去りし彼方」などで、アスカは来日することに
なっているんでアスカの登場はどうしようもないだろ。
>>197
おれは外伝的扱いだけど、バッドエンド扱いで、
必ずしも物語が繋げる必要はないじゃん
>>198

そんなこと俺に言われても知らねーよ。必要性ついては作者にでも聞いてくれ。

ただ,すでに発表されている複数の外伝で(「など」と書いているように
「光の去りし彼方」だけではないぞ)でアスカの登場について書いてある以上は
本編で出てこないのはまずいだろうが(今度は「外伝では出てくるのに本編で
出てこんのはどういうこっちゃ」となるぞ)。

要は出しちまったものはしょうがないということだろ。
>>192
>>194

続きキボン
ヒカリ×ゲンドウの可能性を考えてはいけませんか?
元ネタはこれなんだけど、
http://comic4.2ch.net/test/read.cgi/eva/1086438636/185

サードインパクトによりなぜか1992年にタイムスリップしてしまったヒカリ。
そこで苦労しながらも普通に生活し、京大の冬月研に入り、そこでユイと友達になる。
ゲンドウとはユイの彼氏として紹介される。で、セカンドインパクが起こってしまう。
ユイに誘われたことと、サードインパクト、セカンドインパクトの正体を知るためにゲヒルンへ入所。
だが、そこで長くゲンドウと接することにより、彼と恋に落ち不倫関係へ突入。
そして、エヴァ初号機の実験でヒカリは、エヴァの中に溶けてしまう。
ゲンドウはヒカリを失ったために変わってしまったという感じ。

ここまでが隠された過去で、物語は現代編からスタートみたいな。
ユイは生存。だが、彼女は人類補完計画を提唱し、エヴァの中で永遠に生きることを画策。
ゲンドウはヒカリを取り戻すために、ユイの計画に表向き協力。
長く生活する間に、ユイのトンデモ振りが明らかになり、ゲンドウはユイに愛想を尽かしている。
ユイは補完計画のために自分の遺伝子と使徒の遺伝子からレイを作る。
そして、エヴァ零号機へレイ@一人目をインストール。
ゆえにシンジと零号機はシンクロ可能。レイ@二人目もいるが、ユイのいいなり。
エヴァ初号機パイロットを選定する際、さまざまなテストを行い、そこでヒカリ@14歳が選ばれる。
ヒカリ@14歳があまりにも、昔のヒカリと似ていることにゲンドウ大いに苦労する。
だが、ここでのヒカリはシンジといい感じになっており、ゲンドウは息子に嫉妬。

まあ、こんな感じでユイやらゲンドウやらの心理戦みたいなのが描けないかなあと。
ごめん。スレ違いですね。
スマソ、ケチつけるわけではないんだが、
ゲンドウがセカンドインパクト後の時点で、ユイよりヒカリに惹かれるのか…
確かシンジはもうお腹にいる頃か、生まれた頃だな。
ゲンドウがはっきりとユイへの愛を自覚したのは、初号機に消えちゃった後だっけか?
それにしてもう〜ん。
しかしどうでもいいが、諸剛毅…これ位一発で変換しやがれ、糞IME
ゲンドウ×コダマのがいい
ゲンドウとノゾミの交際に断固反対するヒカリ。
「だって! ノゾミが碇君のお義母さんになったら、私は碇君に伯母さんと呼ばれちゃうのよ!!」
>>200
ごめんなさい。もう厭きました。
これ以上続けても、蛇足でしかないような気もしますし。
もう一度、原点に戻って、洞木家居候物を考えてみます。
居候先ではシンデレラのごとくこき使われるんだろうか
そして夜はちょっと優しくしてもらえて、やっぱり良い人達なんだ…と。
洞木家に誘われるアイディア。

部屋の割り当てをシンジに伝える職員が洞木父で、ミサトみたいに決断。
「……となっているがシンジ君、家に来ないかね?と誘われるのも
すっきりしてていかなと思う。
今さらだけど、貞本版のトウジ死亡分岐物を考えてみたいなあと。
中川氏もF氏も憎悪から反転して愛情としているけど、別のパターンもあるんじゃないかな。
>>209
中川氏のってどんな内容だったっけ?
そういやこんな作品あったなあ。
ありがとう>>211

それでトウジ死亡の分岐物としては、この作品から憎悪を抜いて
「私を慰めて、彼を忘れさせて」なパターンもあるかもしれんがベタですなw
愛憎は紙一重
ベクトルが同じ方向向いているから話を作りやすいんだろうな
FFSもあと幾ばくかの命か。
大手が次々と消えていくのね。
FFSが何のことかわからなかったよ。
Fujiwara Funfiction Stationの雑記の事か。
本人は書かなくなってもサイトは残して欲しいな。
といっても、coolは年間6300円かかるみたいだね。きびしいか
中川氏のとこもずっと休業中だしなぁ・・・。
LHS系サイトは廃れる一方か。
FFSは投稿作品が多いから、閉鎖するにしても大変だろうなあ。
連絡の取れない作家さんもたくさんいそうだし。
赤い海からあれな能力を身に着けて断罪やる気満々なシンジ
「ふふふ、僕を相手にしなかった赤毛ザル、僕をこんな怪物にさせた綾波にも復讐してやるんだ」
お約束の駅前で待っていると…
「君がシンジ君ね…」
ふふふ…来たな牛チチめ。すぐには殺さぬ、せいぜい苦しめてから……って誰?
知らない女の人だった。
いやどっかで見たことあったかな…誰かに似てる?

「あ、あたし洞木コダマ。迎えにいくって写真も送っておいたでしょう?」
ポケットをまさぐってみるシンジ、例のお約束の「来い」の手紙とふざけたポーズを撮った女の写真……はない。
あったのは「逝け」の手紙とピシッと軍の礼服を身にまとってきちんと敬礼した女の人(目の前の人だ)の写真だった。

「お父さんからシンジ君をしばらくあずかってくれって言われてるわ。うちはお父さんとあたしの下に妹二人。
でもお父さんは司令の仕事で忙しいしめったに家には帰れないの。下の妹のノゾミは今はドイツだし、ヒカリは…ちょっとケガをしててね…しばらくはあたしと二人暮らしだけど我慢してね?」
ゲンドウ…ユイを失ったショックでゲヒルンをやめてシンジを連れて全世界武者修行中。昔の友人のマックス洞木にシンジを押し付けた。パンダか?
コダマ…作戦部長。常識的でオーソドックスな作戦家
ヒカリ…ファーストチルドレン
ノゾミ…セカンドチルドレン
公式設定では、ヒカリに両親はいないらしいことをどこかで読んだ。
でも、TV版もコミックス版もどちらも本編では触れていない部分だから、
どのように扱ってもいいんだろうけど。
個人的には、父の名前にハヤブサを推したい。
(´д`)
>>221
両親がいないとなると、なぜ第三にいるんだろうな。
家族がNERV勤務とかでないと、わざわざあんな危険な街に住む理由がないと
思うが。祖父母でもいるんだろうか。

コダマお姉ちゃんがNERVの職員というのはどうだろう?
発令所の下の段で働いているMAGIオペレーターなのです。
EOEの戦自の攻撃で撃たれちゃう〜TT
>>223
お姉さんがネルフの整備員で働いてるFFがあった。
>>224-225
うん、その可能性はあると思う。
そうなると、PS2のエヴァ2での噂話(コダマ・ザ・ピラニアとかいうやつ)は、学生時代の
所業なんでしょうかね?

ま、エヴァ2に登場したネタをオフィシャルとみなすかどうかでも変わってきますし、
噂は噂ということでバッサリ無視も可ですが。
ケンスケパパみたいに実在が示されていればねぇ>洞木パパ
えーと、コダマが働いてるといことは、アスカのデート相手は
同僚の息子とか?
とりあえず>>221の情報の信憑性がどれぐらいかが問題だ。
俺の知ってる公式の範囲では聞いたことが無いし、
逆に2−Aの生徒は全員片親というのはスタッフのインタビューで
あったと思うんだけど
同窓会で

「久しぶりだね。委員長」
「そうね。碇君。でもね、私、今は委員長じゃないの」
「へー、そうなんだ。意外だな。なんか、ずっと委員長な感じがしてたよ」
「失礼ね。私だって、いつまでも委員長じゃないんだから」
「ごめん。じゃあ、今は何にもしてないんだ」
「ううん。してる。書記」
「へ?」
「生徒会の書記をしてるの」
「そうなんだ。へー、……、なんか微妙…」
map1144、完全消滅みたいだね。仕方ないか。
>230
俺は、これから移転するという意味合いの告知と判断したよ。










・・・そうであって欲しいんだけどなぁ。



別にサイトを持っているけど、そこはURLを公開しないって前に書いていたよ。
>>229
会計の方が似合うかも。
いや、それだと「家計」を連想してしまうか?
map1144、終わったね。
>>234
中川氏本人にメールを送ろうにもアドレスが分からないし・・・。
誰か事情を知らないのかな?
>>235
事情は、このスレの上を参照
>>235
イイペコ氏あたりに聞けば事情を知ってるだろう

(´・ω・`)ショボーン
>>13あたりから
結局LASになるのかなぁ>日常生活
241名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/08/04 00:24 ID:l1QhSZT4
age
map1144の丸ごとアーカイブとかないのかな?
今見たらmap1144.com が名づけてネットとかになってるけど。
なにこれ?
名付けてねっとの鯖を使っていたんでしょ
房な質問してスマソ
hosyu
このごろネタないね・・・

保守
いい人を亡くしてしまったからね
solan氏がんがってくれ残る戦士は君だけだ
ありがとう
「ケンスケ。最近、トウジ、つきあいが悪いけど何かあったの? ……妹さんのこととか」
「そんなんじゃないよ。シンジ、知らないのか?」
「なにを?」
「何をって、トウジのやつが委員長に告白されたってことさ。
 で、今、委員長と一緒にいることが多くなったってわけ」
「えっ…」
「委員長、ずっと片思いだったしな。正直、悔しいけど、ま、よかったよ」
「……う、うん。そうだね」
「ん? どうしたんだ。暗い顔して?」
「別に、なんでもない」
waiting for the light No.10b_β
いつのまにか更新してる!
F氏、生きていたみたい
板を活性化させるための餌さなんだYO、所詮。
waiting for the light  No.10b
正式公開sage
256MB
257名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/09/25 23:24:55 ID:DWNyYn2q
ひさびさにF氏が書かれた。
これから呼んでみるが、『趣味全開なヒカリとミサト』のお話らしい。
参考までに。
>>257
読んだ。
がんがれアスカ様。
漏れは応援してるぞ。
10分有れば既成事実を作るには十分だ。
 
保守
>>257-258
どこ?
262名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/10/23 20:49:51 ID:D5gohcaX
>>261
トップから「雑記」へ行って、後はリンクを探すべし。
そこからしかリンクされてない。
サンクス
265名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/11/06 18:59:55 ID:vXEMRe4N
ttp://www.saiin.net/~evangel/hikari.htm

何も言わずに読みねぇ。
坊所作品だが黒くは無いぞ。
PDXらしい内容だったね
本人も意識していたみたいだけど「昔の」彼らしい内容というべきか。
ほしゅ
保守させて
姉妹スレ?

「碇君…私、委員長だよ?…でも…その前にね…」
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1101149089/
F氏のバトロワ、続きまだかな
272名無しが氏んでも代わりはいるもの:04/12/01 21:08:19 ID:EY/PKFrN
ttp://ffs.cool.ne.jp/fuji/hit/120_kimi1.htm
ttp://ffs.cool.ne.jp/fuji/hit/120_kimi2.htm

バトロワのかわりきたー?
……救急車??
>>273
ちょっとワロタ
保守しとくか

ヒカリの世紀が続いていたら、アスカ・ヒカリ・シンジの三角関係に
展開が進んでいたんだろうな。
ちょっち読みたかったかも。
ヒカリ「碇君!また掃除当番サボったわね!」
シンジ「………そんな顔をしたら魅力が曇ってしまうよ」
ヒカリ「なっ…!何言ってるの!?」
シンジ「怒った顔も素敵だ」
ヒカリ「バカ!」
シンジ「『馬鹿』なんて汚い言葉はこの唇には似合わないよ…」
ヒカリ「ちょっ…ん…ぁ……」



   …加持サン orz
これに萌えた

「碇君…出しちゃったの?ぐすん、ひどいよ。出さないでって言ったのに…」
「ご、ごめん。気持ちよすぎてつい…」
「危ない日だったのに…責任取ってね(ニヤリ)」
「う、うん……」
よくある冴えないヒーローモノでなぜか女にもてる奴では一定の
法則がある。それは特定の女は主人公を好きだが周りの一般の
女のはまずもてない。それでもてまくりの不自然なマンセー主人公
ものでもかろうじてリアリティを保っている。
ヒカリはその意味でも普通の女の子。
FFのヒカリはかなりデフォルメされているよなあと思った。
潔癖性とかさ。
第六回 エヴァ小説2004年おすすめ作品投票
ヒカリの世紀@中川 健(仮名) に10票全部投票しますた
>>282
そこまでするなら、なんかコメントも付けてやれよ。
284名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/01/15 22:19:04 ID:J+Hny9no
「flow」にて久しぶりなヒカシン短編公開。
でもやっぱり振られもの。

氏のべったべたなアツアツLHSカップル物を呼んでみたいのは漏れだけでせうか。
>>284
ほろ苦くてよかった。
バカシンジと一度言ってみたかったというのが切ねぇ。
 今日の体育は、男女とも水泳の授業。
 年に数回ぐらいしか重ならないので、男どもの目はもうエッチ。

「やーねえ。嫌らしい」
「見た? 鈴原の目。もうスケベったらありゃしない」

 当然のようにヒカリちゃんの目尻はつり上がり、今にも爆発しそうな雰囲気。
 と、そんな時、

「い〜や〜だ〜、離して、離してよ、先生〜」
「駄目だ。碇、おまえ、いったい何回、水泳の授業をサボる気だ」
「かぜ、風邪を引いているんですよ」
「アホか、3ヶ月ずっと風邪引きっぱなしなわけないだろ。OLの生理休暇じゃあるまいし」

 と女性に非難されそうな台詞を言いながらシンジを抱る体育教師。
 シンジ君、顔は涙でぐしゃぐしゃ、腕は大きく振り回すはで、もう大騒ぎ。
 その様子を見ていられなくなったヒカリちゃん。

「先生、
 今日はバレンタインデー。ここ、壱中でも女の子達はそのことで華を咲かしている。
 でも、まだ中学生。恋人のいないコが大多数なので、女の子同士でチョコを食べ合っ
たりしているのが普通。片思いを告白するコなんて、ほとんど見られない。
 だって、告白する勇気があるなら、この日を待たずにしているし。
 と、関係無いことは置いておいて、もう放課後。誰もいない2-Aの教室に男の子と
女の子の二人組みが入ってきた。シンジとヒカリである。
 クラス委員の二人は先生から雑務を頼まれて残っていたからだ。
 ちょっと疲れたような顔してヒカリは鞄の中にノートなどを入れる。
 何もこんな日に雑用を頼まなくてもと思い、そして、鞄の奥にある一つの小箱を見る。
 きれいにラッピングされた包み。チョコレートである。
 もしかしてトウジへ渡せるかもと一縷の希望を持っていたが、やはり奥手な彼女にそん
なことができるわけもなく、今になってしまったのだ。
 せっかく評判のケーキ店で買ったけど、家で食べるのも寂しいし、どうしようと彼女は悩む。
 そんな時、シンジの姿が彼女の目に留まった。

「ねえ、碇くん。アスカからチョコはもらった?」
「もらったよ。朝、寝起きで食べさせられてさ。ホワイトデーには10倍返しとか言われたけどね」

── アスカったら、素直じゃないんだから

 と、ヒカリは心の中で笑う。
 でも、ちょっぴり彼女がうらやましかった。

「アスカからは毎年もらっているんでしょ?」
「そうだよ。確か、幼稚園の頃からだったかな」
「今年はアスカの他にはもらった?」
「母さんからかな。チョコレートケーキを作るって言ってたから。アスカも手伝うんだって」
「あー、それで急いで帰ったのね」

 と言ってから、ヒカリは気付かれないように深呼吸をした後、
「ね、碇くん。鈴原は誰かからチョコをもらっていた?」
「トウジ? もらってないって。帰って、妹さんのチョコを食べるって言ってたよ」
「へー、そうなんだ。ふーん、」

 ヒカリの頬が思いっきり緩む。それは、にぶいシンジにもわかるくらい。

「洞木さん、どうしたの?」
「えっ、あっ、ううん、何でもない」

 彼女は首を大きく振る。でも、顔中がまっ赤だった。
 それを誤魔化すように、また良いことを教えてもらったお礼にと、

「碇くん。これ?」

 と、鞄からチョコを取り出して、シンジの前に手を伸ばした。

「えっ、これを僕に?」
「あ、これ、今日、余っちゃったの。そんなので悪いけど、碇くんにはクラス委員の仕事で
お世話になっているし、よかったらもらってくれないかな?」
「いいの? こんな高そうなものをもらっちゃって?」
「ううん。そんな高くないから」

 シンジは少し考えるような素振りを見せた後、

「じゃあ、いただくよ。ありがとう。委員長」
「ふふっ、碇くん。ホワイトデーは10倍返しだよ」
「ええー」
「うそ、うそ。気にしないでいいから」
「あー、よかった。ちょっとビックリしちゃった。でも、何かお返しはするから」
「じゃあ、期待しているね」

 二人はそんなことを言いながら笑い合っていた。
 時間は過ぎて、シンジは自宅へと着いた。
 ドアを開け、中に入ると、甘いチョコレートの匂いがする。
 彼はキッチンへ顔を覗かせ、

「母さん、ただいま」
「おかえりなさい」
「シンジ、早かったわね」

 と、口の周りにチョコの跡が見えるアスカが声を掛けた。
 テーブルの上には、まだ作りかけのチョコレートケーキが置いてあった。

「アスカ、ただいま」
「ん、おかえんなさい。ところで、シンジ。あんた、今日、誰かからチョコをもらった?」

 探るような目つきでアスカは聞く。
 もう嫉妬がみえみえで、そんな彼女をユイは微笑ましく見つめていた。

「もらってないけど」

 と彼が言うと、アスカは頬を崩して、

「まー、そんなことだろうと思ってたわよ。幼馴染みのアタシが毎年あげてんのを感謝しなさい」
「無理矢理にだろ」
「何よ! その言いぐさは? アタシがもてないアンタのために今もこうして」
「わかってるよ。ありがとう、アスカ」
 シンジがそう言って笑顔を浮かべると、アスカは頬を桃色に染めて、

「わ、わかってればいいのよ」

 と恥じらいながら呟いた。
 一方、シンジはそれに気付くこともなく、突然思い出したように、

「あっ、そう言えば、委員長からもらったよ」
「ヒカリから?」

 一瞬、アスカの眼光が鋭くなる。
 しかし、

「義理だけどね」

 とシンジが答えると、すぐに彼女の目は柔らかくなった。

「まあ、義理とはいえ、アタシ以外からもチョコをもらえてよかったじゃん」
「あはは、そうだね」

 シンジは笑い声を軽く立てて、

「母さん、着替えてくるから」

 と言い残し、自分の部屋に行った。
 そして、彼は鞄を机の上に置く。
 さっきのこともあり、シンジはさっそくヒカリからのチョコレートを見てみよう
かなと考え、鞄の中からそれを取り出した。
 リボンを解き、ラッピングを上手にはがす。

「なんか、高そうだけど、もらっちゃっていいのかな?」

 と、彼は独り言を吐いた。
 そして、小箱のふたを開けると、一枚のメッセージカードが入っていた。
 そのカードには手書きの文字で、

「あい、らぶ、ゆう?」

 とシンジは声を出して読む。

「ん? アイ、ラヴ、ユー。I love you?」

 刹那、彼の呼吸が止まった。

「ええーーっ!!!」

 部屋中に彼の声は響いていた。
ヒカリンのドジが鈍感シンジの目を覚まさせる事期待w
誤解から始まる恋ですか
そして誤解で勝手に親友との修羅場に突入するアスカとかw
ヒカシンに限らず、LAS以外の学園設定カプ物はアスカの扱いに困ってしまいます。
どうしても修羅場になっちゃうし。
きゅ〜
>>291
「おばさま、おじさま、おはようございます」

 アスカはユイとゲンドウに朝の挨拶をすると、シンジの部屋に直行した。
 毎度おなじみの光景。
 彼女本人は嫌々しているのよと言っているが、そこはご愛敬。とっても楽しみにして
いる朝の儀式なのである。今もまた、彼女はドアに手を掛けて

「シンジ。朝よ。おき…」

 と言葉が止まった。
 ドアを開けると、シンジが既に着替えをすませていたのである。

「アンタ、どうしたのよ? 珍しく早起きなんかして」
「ん? ちょっとね」

 と、シンジはぼうっとした眼で答える。
 なにげに敏感なアスカは、

「シンジ、もしかして寝てないの?」
「うん。ちょっと考え事してたら寝れなくなっちゃって」
「ふ〜ん、そう言えば、昨日、なんか様子がおかしかったわね。何よ? 考え事って」
「ア、アスカには関係無いことだよ」

 あからさまにシンジはうろたえる。
 どう見ても怪しい。

「関係無いって、なによ? アタシに言えないことなの!?」
「そうだよ。僕にだって、隠し事の一つや二つはあるんだ」
「アンタが隠し事って1000年早いのよ」

 と言って、アスカはシンジの背後から腕を回して、彼の首を締め上げる。
「く、苦しい〜」
「早く言いなさい」
「いやだー」
「言うまで止めないわよ」
「……わ、わかった。言うから、はずして」

 その言葉でアスカは腕を放し、シンジはゼエゼエと息をする。
 少し落ち着いてから、彼は顔を横に向けて、

「そのさ、言わなくてもわかるだろ」
「?? ぜんぜんわかんないわよ」
「だから、健全な中学生の男の子が考えることだよ」
「えっ、それって……」
「そうだよ。エッチなことだよ」

 瞬時に、アスカは顔をまっ赤に染め上げると、

「バカ、スケベ、ヘンタイ!!」

 と大声を上げて、逃げるように部屋を出て行った。
 残ったシンジは疲れたように溜め息を吐き、

「なんとか誤魔化せたけど、ホント、どうしよう」

 と呟いた。
 そして、机の上にあるヒカリからのチョコを引き出しの奥にしまった。
 場所は変わってここは壱中への通学路。
 お下げ髪の少女が俯きながら歩いていた。
 洞木ヒカリ、彼女である。
 クラス委員長をしていて、かつ家の中でもお母さん的役割をしている彼女はしっかり者
のように思われているが、実はそそっかしいところがあった。
 昨夜も就寝する寸前に、シンジへあげたチョコのことを思い出して、顔を真っ青にした。
 お店でチョコを買う時に、店員さんに勧められたこともあってメッセージカードへ
『I LOVE YOU』と書いてしまったのである。そのことをすっかり忘れて彼へ渡してしまった。

── どうしよう。本当のことなんて言えないし。

 と、彼女も悩みまくり一睡もしていなかった。
 それに自分はアスカの気持ちも知っている。もし、このことが彼女にバレてしまったらと
考えたら、背筋が急に寒くなった。
 とにかく鈴原のことは隠しながら、シンジへ上手いこと言わなければならない。
 歩きながらそのように考えをまとめ上げた時、

「ヒカリ、おはよう」

 と後ろ背をアスカの声が叩いた。
 一瞬、ヒカリはビクッと背中を震わせてから、ゆっくりと振り返った。
「アスカ、おはよう」

 語尾を震わせながらヒカリは挨拶を返す。そして、目をアスカの後方へ移した。
 瞬間、シンジと視線が合ってしまった。
 彼は驚いたような顔をしたが、すぐに頬をまっ赤に染め上げる。

── あっ、絶対に誤解しているよ。

 ヒカリは彼の表情からそう覚った。
 しばし、そのままの状態になっていた二人へアスカが怪訝な顔で、

「どうしたのよ? 二人とも見つめ合っちゃって」
「えっ、あっ、なんでもない。何でもないのよ、アスカ」

 と慌てた口ぶりでヒカリは答える。
 アスカは疑問符をいくつも並べたような顔していたが、

「おはよう、委員長」

 とシンジが割って入ってきた。
 未だ、彼の頬はピンクに染まっている。
 アスカが変に勘ぐらないようにと、ヒカリはいつものように微笑みをたたえながら、

「碇くん、おはよう」

 と挨拶をした。
 だが、シンジの顔はますます赤くなり、見惚れるような目をヒカリへ送る。
 反対に、ヒカリの顔は青ざめていき、彼が何か余計なことを言わないかと
ビクビクしていた。
 アスカはそんな彼へ心配そうに、

「シンジ、熱でもあるの?」

 と言って、彼のおでこに右手を当てた。

「だ、大丈夫だよ。アスカ」
「そうみたいね。熱は無いようだし」
「ちょっと眠いだけだから」
「ば、バカ。授業中、居眠りするんじゃないわよ」

 アスカは彼の部屋でのことを思い出したのか、顔を赤くしてヒカリへ振り返った。

「行こう、ヒカリ。あんなバカ、放っといて」
「う、うん」

 その後、ヒカリはアスカとおしゃべりをしながら学校へ向かった。
 だが、いつシンジが何を言うかと気が気ではなく、教室へ着くなり彼女はぐった
りとしてしまった。
 学校の教室に入ると、アスカとヒカリはホームルームまでの時間をおしゃべりに
興じていた。しかし、その間、アスカの視線は二つの机をしきりに行き来する。
 一見、シンジに誤魔化されていたように見えるアスカだが、実際は何か感づいて
いた。野生の勘とでも言うべきか。そして、その疑惑の矛先は半年前に転校してき
た少女へと向けられている。そう、綾波レイへと。
 転校してきてからというものシンジのどこが気に入ったのか、彼女はちょっかいを
かけ続けていた。そのことでアスカとは犬猿の仲となっている。
 と言っても、シンジが絡む場合だけで、それ以外ではけっこう二人の仲がいい。
 しかし、昨日のバレンタインデーにレイは学校を休んでいた。あの彼女がこの
一大イベントに何もしないことを不審に思い、また昨夜からのシンジの様子から
何かあったのではとアスカは考えている。
 レイはまだ学校に来ていない。
 今日も休むのだろうかとアスカはそわそわしているので、ヒカリの話を半分も聞い
ちゃいないかった。と、その時である。教室の後ろのドアが開いた。
 入ってきたのは水色の髪の少女。綾波レイである。
 彼女は自分の机へは行かず、シンジの元へすたすたと歩いていった。

「碇君、」

 と、レイは声をかける。
 それまでヒカリの方を見ていたシンジは今やっと気が付いたかのようにレイへ振り向いた。

「あ、おはよう。綾波」
「……ごめんなさい」

 レイは哀しげに小さく頭を下げた。

「昨日、病院へ行かなくてはならなかったの」
「そうだったんだ。体、大丈夫なの?」

 今一つ彼女の言わんとしているところがわからなかったが、シンジはそう返した。
「ええ、大丈夫よ。いつもの定期検診だから」
「そう、よかった」
「……それで、……だから、今、碇君に渡すわ」

 と言い、レイは鞄を開けた。そして、中から高級そうなチョコの小箱を取り出す。
 彼女はラッピングを丁寧に外し箱を開けると、親指くらいの大きさのチョコを一つ
右手に取った。

「碇君、受け取って」

 レイはそう言うと、そのチョコを口に含む。
 そして、イスに座って彼女を見ているシンジの頬を両手で包むと、くちびるを重ねた。

「「「ええーーー!!!」」」

 教室中に悲鳴が上がった。
 シンジはあまりのことに目を大きく見開き、息を止めていた。
 一方、アスカはこの突然のキスに思考をパンクさせていたが、すぐに我を取り戻すと

「レイ! あんた、シンジに何してんのよ!「綾波さん、碇君から離れて!!」」

 アスカとヒカリの声が重なっていた。
 その後、ヒカリは席から立ち上がり、すぐさまシンジとレイの二人へ向かった。
 アスカはその後を追うように駆け寄る。

「なに?」

 と、レイはシンジから離れ、二人へ振り向く。
 シンジは何か起こったのか把握できないのか、放心状態であった。でも、くちびるが
チョコの色に染まっている。
 それを見て、アスカは更にヒートアップ。
「なにじゃないでしょ! レイ! アンタ、シンジに何てことしたのよ!!」
「そうよ。教室でそんなことするなんて、許されない」

 ヒカリも激昂した様子でレイへ言う。
 だが、レイは不思議そうに小首をかしげて、

「あなたたち、どうして怒っているの?」
「アンタ、バカ? アンタがシンジにキ、キスしたからに決まってるでしょ」
「それでどうして怒るのかしら? 私はただ碇君へバレンタインのチョコをあげただけ」
「ふ、ふざけんじゃないわよ。それがどうしてキスなのよ」
「赤木博士がそのようにして渡すのが普通だと言ったわ」
「少しも普通じゃない。間違ってるよ、それ」

 とヒカリは言うが、レイは未だわかっていないようであった。

「でも、間違っていたとしても、どうしてアスカが怒るの? 碇君とはただの幼馴染みのはずでしょ」
「あ、アタシは……」

 アスカは両手を震わせるだけで何も答えなかった。くちびるも噛みしめている。
 そして、アスカはシンジの方へ視線を移した。
 だが、シンジはまだ放心しているのか目が虚ろである。
 アスカは更にくちびるを強く噛むと、

「バカ、」

 と小さく呟いた。
 そして、彼女の青い瞳からこぼれ落ちる一滴の涙。

「あっ、待って。アスカ」

 とヒカリが言った時には、彼女はもう駆け出していた。
 教室のドアが大きな音を立てた音、アスカの背中が廊下に消えていく。
 しばし、誰もが呆然とそれを見送っていたが、

「碇君、アスカを早く追い掛けて」

 とヒカリが声を出した。
 それによって我に返ったシンジは立ち上がったが、

「えっ、」

 と、レイへ顔を向けた。
 シンジの右手首をレイが強く握っていたのである。

「行かないで…」

 と、レイは静かに言う。
 しかし、彼女の瞳は燃えるように紅く輝き、その意志を伝えていた。

「碇君、」

 ヒカリは再び言うが、レイに気圧されたのか声の勢いは弱い。
 教室中に緊張が走り、静寂が場を覆った。
 だが、

「おっはよう。みんな、元気ー」

 と、ミサトの声がそれを破った。

「ん? おろ? みんな、どうしたの?

 間の抜けたようなミサトの声。
 しかし、兎にも角にも始まったホームルームによりシンジは教室に残らざるを得なかった。
GJ。続きに期待。
>>303
 昼休み、シンジは誰もいない屋上でひとり黄昏れていた。
 鉄柵に胸を寄せかけて、遠い街の風景を見ている。
 そんな彼の背中に声が掛かった。

「碇君、」
「……委員長、」

 シンジは振り返ると、逆に背中を鉄柵へもたれさせる。
 彼の前までヒカリは歩み寄り、

「教室で鈴原たちとお弁当たべないの?」
「さっき、ここで食べたよ」

 と言い、シンジは少し離れたところにある白いビニール袋へ視線を送る。
 そこにはジュースのパックやパンの包装などのゴミが入っていた。

「今、教室にいたくないんだ。わかるでしょ。委員長」
「あっ、うん」

 と、ヒカリは小さく肯く。
 午前中、今朝の出来事でシンジはみんなにからかわれ続けていた。レイは超然
として全く気にしていないようであったが、彼に耐えられるわけもなく、更に激しさが
増すのを避けるためにひとりで屋上へ逃げてきたのである。
 シンジはまたヒカリへ背中を見せると、遠くの景色へ視線を戻した。
 暫し、彼女はそんなシンジを見つめていたが、やがて彼の隣に行くと同じように
景色を眺め始めた。
 何分か、何十分か、時が過ぎ、

「ねえ、碇君、」

 と、ヒカリは小さく問いかけた。
「アスカはどうしているか知ってる?」
「……家に電話したら、いたよ。今日は休むって」

 シンジは街並みへ視線を置いたまま答えた。

「そう…、大丈夫そうだった?」
「声に元気は無かったけど、でも、たぶん大丈夫だと思う」
「よかった」
「ねえ、委員長。……やっぱり、アスカは僕のことが好きなのかな?」

 ぽつり呟くようにシンジは言った。
 ヒカリはそれに驚くこともなく静かに、

「そうだと思うよ」
「……そう、」
「碇君はアスカのことをどう思っているの?」

 しばし、シンジは考えるように目を閉じてから、

「正直、よくわかんないな。小さい時からずっと一緒にいたから、好きとか
嫌いとかそういうこととは別のところにいるんだと思う。アスカは」
「兄妹みたいな感じということ?」
「そうかもしれないし、違うかもしれない。やっぱりよくわかんないや」

 ヒカリは彼の横顔へ目線を移し、
「綾波さんのことは? 碇君、キスされてもあまりうれしそうでなかった」
「……綾波には今まで振り回されっぱなしだったけど、嫌いじゃないよ。でも、
好きというのとは違うと思う」
「……」
「僕さ、あれがファーストキスだったんだ」

 微かに愁いを含んだ彼の声だった。

「初めては好きな人と夢見ていたから、こんなに落ち込むなんて……」
「アスカだったらよかった?」

 シンジは無言で首を小さく横に振る。

「たぶん、僕はまだ恋をしたことがないんだ」
「……」

 ヒカリもただ黙って彼を見つめる。
 その時、不意にシンジが彼女へ顔を向けた。
 彼は真っ直ぐに視線を合わせてくる。そして、口元に微笑みを浮かべる。
 瞬間、ヒカリの胸がドキッと大きく高鳴った。

「昨日もらったチョコ、本当は僕じゃない誰かにあげるつもりだったんでしょ?」
「えっ、あっ、うん」

 シンジに見惚れていた彼女は慌てて返事をする。

「碇君、知っていたの?」
「うん、まあね。今日、ずっと委員長を見ていたから」
「……」
「どう見ても、好きな人にチョコをあげたような顔はしてなかった」
「ごめんなさい」
 ヒカリは小さく頭を下げる。
 しかし、全く気にしていないのかシンジは笑みを浮かべると、

「でも、今まで知らなかった委員長が見れてよかった」
「……?」
「これまでずっとアスカの友達としてか、クラスの委員長としてしか見てこなかったから。
委員長自身を僕は見ていなかったのかもしれない。ごめん」
「ううん、」
「けど、委員長って、可愛く笑うね」
「えっ!」

 と、ヒカリは驚きで目を大きくさせた。
 シンジも自分が言ったことに気付き、

「ごめん、」
「ううん、いい。でも、今まで男の子にそんなことを言われたことがなかったから、ちょっと
びっくりちゃった」
「そうなんだ。でも、みんな気付いていないだけだよ」
「……碇君、ごめんね」
「なんのこと?」

 不思議そうな顔をするシンジへヒカリは、

「チョコのこと。他の人へのチョコなんて嫌だよね。ちゃんと碇君へ用意すればよかった」
「気にしなくていいよ」
「ううん、ごめんなさい」
「本当に、もういいんだ。だから、気にしないで」
 と、彼は手を振りながら言った。
 しかし、ヒカリはシンジの瞳をまっすぐに見つめると、

「一つだけお詫びをさせて」
「お詫び?」
「碇君におまじないをしてあげる。これから良いことが起きますようにって」
「う、うん、」
「じゃあ、少し目を閉じていて」

 彼女に言われた通りシンジはまぶたを閉じる。
 その直後、彼は自分のくちびるにやわらかい何かが触れるのを感じた。
 驚いてまぶたを開けたら、眼前にヒカリの顔があった。
 そして、自分が今、ヒカリとキスしていることに気付き、体を硬直させた
 ほんの数秒間の触れ合い。
 ゆっくりとヒカリの体が離れた。

「ど、どうして?」

 言葉を震わせながらシンジは訊く。
 ヒカリは頬を桜色に染めて、

「わたしのファーストキスよ」
「えっ、だって、委員長、好きな人がいるって」
「わたしとでは、嫌?」
「そ、そんなことないよ」
「だったら、いいじゃない」

 と言って、ヒカリはにこっと笑った。
 その笑みの眩しさにシンジは胸の鼓動を速める。
「で、でも……」
「碇君、感じない? わたしがただ思い込んでいるだけかもしれないけど、今、私たち心が
繋がったと思うの。うん、心が一つになったような気がする」
「……僕もそれは感じていた」

 シンジはそう小さく答えた。

「よかった。わたしだけが思っていたんじゃなくて」
「でも、やっぱりよくわからないよ。……それに委員長、好きな人がいるって」
「わたしの初恋は小学校4年生の時。その恋が実ることはなかったけど、本気で好きだった」
「……」
「次が、あのチョコを贈ろうとした人。好きよ。大好きだった」
「えっ、『だった』って」

 ヒカリは微笑みをシンジへ送ると、

「今は碇君、あなたが好き」
「……」

 シンジは口を開けずに、ただ目を大きくさせた。
 二人はずっと見つめ合う。
 やがて、シンジの体が微かに動いた。
 腰下にあった彼の両手がヒカリの方へ伸びていく。
 だが、休み時間の終わりを告げるチャイムが鳴った。
 ヒカリは少し残念そうにまぶたを伏せた後、明るい声で、

「わたし、先生に授業の準備を頼まれているから、先に行くね」

 と言った。
 そして、駆けるようにして屋上の出入り口へ向かう。
 シンジはぼんやりとした眼で彼女を見送っていたが、その頬は赤く染まっていた。
いいよいいよ〜
GJ
恋!

── 今まで気付かなかったけど、委員長って、かわいいよね。

 休み時間、自分の席で頬杖をしながらシンジは、離れたところにいるヒカリを見つめていた。
 レイとのことを冷やかす雑音はいっさい無視して、昼休みの出来事について考える。
 あの時、ヒカリから好きと言われたんだよね、と。
 以前、レイから告白された時はうれしさよりもただ困惑するだけだった。
 けれど、ヒカリにキスされ、好きと言われた時、自分はうれしかったような気がする。
 しかし、でも……、とシンジは思う。そんな一瞬でヒトを好きになるのだろうかと。
 また、

── 委員長はどういうつもりなんだろう。

 と、シンジは考えあぐねていた。
 キスしたというのに、あれからシンジへ接する態度は前と変わらないのである。

── 夢じゃないよね。

 シンジは自分の頬を軽くつねった。
 痛みは確かに感じる。

── う〜ん、もうわけわかんないよ。

 と心の中で呟き、彼は机の上にうつぶした。
 訳がわからないのはレイのことも同じである。
 朝、チョコを口移しという大胆なことをしておいて、今は普段のクールな様子をしている。
 あの後、自分へ何も言ってこなかった。
 いろいろなことが頭の中を駆け巡り、今にもオーバーヒートしそうだと思いながら、午後
最後の授業を告げるチャイムにシンジは耳を傾けた。
 ようやく、本当にやっと学校が終わった。
 シンジはホッと安堵の息をつきながら帰りの支度をしていた。
 そして、鞄を手に持ち、立ち上がった時、

「碇君、一緒に帰ろう」

 と、ヒカリが声を掛けてきた。
 自分へ微笑みを見せる彼女に暫し心を吸い込まれそうになったが、

「一緒に?」
「うん、アスカの様子が心配だから」

 と、彼女が返してきた。
 あまりのことに思考がストップし、彼は口をパクパクさせる。
 そんな彼をヒカリは不思議そうに見つめていたが、やがて彼の手を取ると、
そのまま歩き出した。

 帰り道、二人は並ぶようにして歩いていた。
 アスカの家はシンジの隣であり、ヒカリと一緒に帰るのに不都合は無い。
 でも、これはとてもまずい事態ではないかと彼は思っていた。
 今、ヒカリは楽しそうに彼へ話し掛けている。

「でね、お姉ちゃんったら、辛さ50倍のカレーに挑戦したのよ」
「全部、食べられたの?」
「もちろん。でもね、そのあと大変だったんだから。お姉ちゃんの口が真っ赤に
腫れちゃって、家に帰ってからお水をたくさん飲んだり、氷で冷やしたり」
「へー、大変だったんだね」
「でも、ちょっと笑っちゃった。お姉ちゃんには悪いんだけどね」

 と言って、ヒカリは舌をちらっと出した。
 シンジも笑い声を小さく立てる。
 実際、彼女とこうして話をしていて、シンジは楽しかった。
 アスカと同じように自分を飾らないでいられたし、一緒にいて安らぐような感じもした。
 しかし、その会話におかしなところがあるのにも気付いていた。
 アスカのこと、レイのこと、そして、昼休みのことが全く出て来ないのである。
 やはり、ヒカリも何か思い悩んでいるのかとも思い、また、彼女の真意を掴みかねていた。
 彼を好きと言った彼女。
 そして、彼のことを好きなアスカと親友でもある彼女。
 今、彼女はアスカの家に向かっている。
 これはどういうことなんだろう。アスカが心配ということはわからないでもないが、親友の
好きな人へ告白したのである。
 まさか、ヒカリはそのことをアスカへ告げるのであろうか。
 すーっと、シンジは背筋が寒くなった。
 アスカの激しい気性を考えると、もしそんなことになったら修羅場は必死だ。

── でも、僕も悪いんだよな。

 と、シンジは思う。
 自分へ答えを求めてこないレイに告白の返事を今までしてこなかったのがこうなった
原因の一つであり、うすうす気付いてたアスカの気持ちに何も答えなかったのも悪い。
 ぬるま湯のような状態が居心地よく、何となくそのままにしていたが、今日、その歪みが
一斉に噴出したのだ。

── 逃げたい。

 とシンジは胸中で呟き、右の掌を何回も開けたり閉じたりする。
 しかし、ここで逃げたら事態は悪化の一途をたどることも自覚していた。
 いつかは決着を付けなければならないことであり、そのタイムリミットが来てしまった
だけなのである。
 もし逃げるなら、その時はアスカともレイとも二度と会わないようにしなくてはならない。
 と、不意に、シンジの脳裏にある光景が浮かんだ。
 ヒカリと手に手を取りながら北へ駆け落ちをする自分が見える。

── あっ、それでもいいかも。

 シンジの口元に小さく笑みが浮かんだ。
 そんな彼へヒカリが声を掛けた。

「碇君、どうしたの? ひとりで笑って」
「あっ、何でもない。何でもないんだ」

 と慌てたように言って、シンジは大きく首を横に振った。
 ヒカリはおかしそうに笑うと、

「ふふっ、変なの」

 と言った。
 シンジは自分の妄想を思い出し、顔を赤くする。
 しばし、ヒカリは笑っていたが、

「碇君。わたし、今日のことをアスカに言おうと思う」

 と告げて、真剣な眼差しに変えた。
 シンジは足を止め、彼女へ体全体を向けた。
「昼休みのこと?」
「うん。このままアスカに隠しているのは卑怯なことだと思うから」
「でも…」
「わたし、かってよね。碇君の返事もまだ聞いていないのに」
「……」
「だけど、どうしたらいいのかわからないの。たぶん、アスカとは友達じゃなくなると思う。
碇君もわたしを嫌いになる。でも、胸が張り裂けそうなくらい苦しいの。黙っていることが」
「委員長……」

 ヒカリは泣きそうな眼をしながら、微笑みを作った。

「ねえ、碇くん。一つだけお願いがあるの」
「なに?」
「一度だけ、一度だけでいいから、ヒカリって呼んでくれないかな。いつも委員長でしょ。
最後までそれでは、あんまりだから……」

 シンジは俯き、拳を握りしめると、これまでの自分と今の気持ちを思い、心に決断を下した。
 顔を上げ、彼はまっすぐな眼でヒカリを見つめる。

「委員…、ヒカリさん。僕も一緒にアスカのところへ行く。そして、アスカに言うよ」
「……なにを?」
「今の自分の気持ちを、」

 シンジは言葉を止め、ヒカリは黙って彼を見る。
 そして、数拍の後、彼は口を開いた。

「僕は、君が好きだ」
「……いかりくん、」

 ヒカリは涙声で彼の名前を呟いた。瞳からも透明なしずくが頬を伝って落ちている。
 けれど、彼女は笑みを浮かべていた。
 うれしさと哀しさが混ざり合ったその笑みはシンジの心へ深く広く溶け込んでいった。
 ネ申 降臨!!
今まで委員長には萌えなかったけど
ここの「ヒカリ委員長」には激しく萌えるぞぉ!!
作者を詮索しちゃいかんと思うけど、LHSでこれほどの良い話を書ける人と言うと
中川氏かFUJIWARA氏のどちらかかな?
・・・と思ってしまう。
solan氏だよ
>>321、322

詮索するなって
おもしろい。
そして個人的には、余りモノカプで逃げを打つのは止めて欲しいがどーなるだろか。
>>324
余りものカプは無いと思うよ
>>321
その中川氏の生存情報見つけたよ↓
ttp://bbs.infoseek.co.jp/Board01?user=iipe

当人はまだまだヤル気があるような気がするけど、どうだろうね。
なんとかヒカリの世紀だけでも連載を再開して欲しいよ、ほんと。
>>326
その人、ヒカリの世紀のこれからのあらすじとか結末を聞いたのかのな。
羨まスイ。
>>326
イイペコタン、ガンガレ!!
ナカガワケンサンにサイト再開をして貰えるように説得してちょ。
>>319
「ヒカリ、来てくれたの」

 ドアを開け現れたアスカの目元には泣いた跡が残っていた。
 ヒカリはそれに気づき、思わず視線を彼女から外してしまう。
 ドア横にいたシンジが顔を出し、

「アスカ、」
「シンジ!」

 一瞬にしてアスカの表情が喜色に変わる。
 その様子を見て、ヒカリはただ下唇を噛むしかなかった。

 アスカの家にヒカリとシンジは上がり、3人はリビングルームに腰を下ろす。
 テーブルの上にはオレンジジュースが入ったグラスが三つとクッキーがのった白い
陶器の皿があり、アスカはそれを摘みながら話し続けていた。

「レイには常識ってもんが欠けてるのよ。普通、みんなの前であんなことする?」

 テーブルをはさんでアスカの向かい側に並んで座る二人は黙って聞いている。
 だが、ヒカリの顔色は白さを増し、膝の上にある両手はきつく握られていた。

「シンジもいい加減、レイにはっきり言ってやんなさいよ。好きじゃないって」
「……ア、アスカ、」

 ヒカリが弱々しく声を出す。
 無意識に彼女の目線はアスカを避け、橙色に染まったグラスに向けられていた。
「ん?」
「わたし、アスカに言わなくてはならないことがある」
「今日の授業のこと? 宿題とかあった?」
「ううん、そうじゃなくて……、わたし、」

 と、その時、テーブルの下にあるヒカリの手に重なるものがあった。
 ヒカリは横にいるシンジを見る。
 彼は彼女の手を強く握ることで答え、

「アスカ、僕も話があるんだ」
「あん? なによ? 今、ヒカリと話していたのに」
「今日のこととか、今までのこととか…」
「レイのこと? あれならもう気にしてないわよ。シンジも早く忘れなさい」

 青い瞳に愁いを微かに滲ませて、アスカは言った。
 シンジはその僅かな変化に気付いたのか、苦しそうに目をテーブルの上へ落としたが、

「僕は、前からアスカの気持ちを知っていたんだ。確信はなかったけど、なんとなく…」
「な、なに言ってんのよ! アタシはシンジなんか何とも思っちゃいないわよ」

 アスカの顔がさっと赤く変化し、声もうわずっていた。
 反対に、彼の表情は深刻さを増すが、今の彼女がそれに気付くはずもなかった。
 シンジは今一度、ヒカリの手を握りしめ、

「アスカ、ごめん。僕はアスカの気持ちに応えられない」
「……」
 アスカの全身から動きが消え、それが数秒間続いた後、

「えっ、」

 と、彼女は一言だけ呟くように声を出した。
 シンジは苦しげに言葉を続ける。

「今まで曖昧にしてきた僕はずるくて卑怯だった。本当に、ごめん」
「……」
「でも、僕は自分の気持ちに気付いたんだ」

 と、その時、

「レイなの?」

 アスカが低く地を這うような声を出した。
 彼女の目は彼を睨むように細くなっていた。

「綾波は関係無い」
「関係無いって、何よ? レイが好きなの? どっちなのよ?」
「……綾波は好きだけど、友達として好きなんだ。それ以上の感情は無いよ」
「なら、アタシのことが嫌いなの?」

 シンジは首を小さく振って否定した。
 それを再度、確かめるようにアスカは訊く。

「嫌いじゃないのね?」
「うん、」
「だったら、いいわよ。今まで通り。これでいいじゃない」
「駄目なんだ。それじゃ」
「アンタ、何が言いたいの? アタシはいいって、言ってんのよ」
「好きな人がいるんだ」
 瞬間、室内から音が消えた。
 顔を俯かせたままのシンジをアスカは凝視し、ヒカリはその横顔を見つめる。
 長く続いた沈黙は、乾いた唾を飲み込んだ彼の喉がゴクッと動いたことで終わった。

「誰よ? シンジ。アンタ、誰が好きなのよ?」

 と、アスカは低い声で訊く。
 シンジは顔を上げ、アスカを見つめると、

「ヒカ……」

 と一度言いかけたが、言葉を直す。

「洞木さんが好きなんだ」

 その瞬間、バンとテーブルを叩く大きな音がした。
 アスカはテーブルに両手をつき、膝立ちになると、

「シンジ、ふざけんのもいい加減にしないと怒るわよ! アタシをからかっておもしろいの?」
「からかってなんかいない。本当なんだ」
「だけど、ヒカリには好きな人がいるよ。ヒカリ、シンジに言ってやんなさいよ」

 と言って、アスカは視線をヒカリへ移す。
 だが、ヒカリは目を伏せたまま口を閉ざし続けた。
 アスカは状況に気付いたのかハッと息を呑んだ。

「う、うそ。ヒカリ、嘘よね?」

 ヒカリは何も答えない。
「だって、ヒカリは鈴原が好きだって言ったじゃない」

 トウジの名が出た瞬間、シンジは驚いたようにヒカリへ顔を向けた。
 二人が注視する中、ヒカリは依然として黙ったままだった。
 アスカは感情の高ぶりを押さえられないのか声を張り上げて、

「アタシに言ったことは嘘だっていうの!? 今まで、アタシを騙してたの!?」
「違う!」

 訴えるようなヒカリの声だった。
 いつの間にか手の位置が逆になり、ヒカリは彼の手を握りしめていた。
 だが、ヒカリの手は細かく震え、それは彼女の心をダイレクトにシンジへ伝える。

「アスカに言ったことは嘘じゃない。わたしは鈴原が好きだった。でも、……でも今は、
碇くんが好きなの」
「なによ、それ! わけわかんないわよ。昨日だって、ヒカリは鈴原のためにチョコ
レートを用意していたじゃない。それがどうしてシンジなのよ!?」
「でも、好きなの。信じてもらえないかもしれないけど、わたしは碇くんが好きなの」
「ふざけんじゃないわよ! だったら、今日、シンジを好きになったっていうの?」
「そうよ」

 はっきりとヒカリは答えた。
 アスカに向けた目はそらすことなく真っ直ぐに見据えている。
 二人の視線が交差し合うこと数秒間の後、アスカはシンジへ顔を向けた。

「シンジ! アンタはどうなのよ?」
「僕も今日、洞木さんを好きになったんだ」
「あ、アンタたち、何なの? アタシを馬鹿にしてんの?」
「そんなんじゃない。わたしは本当に碇くんが好き」
 ヒカリの表情に偽りは欠片もなく、アスカはそれが真実と覚ったのか全身の力が
抜けたようにカーペットの上へ腰を落とした。
 ヒカリは暫し迷ったが、今の自分を彼女へ伝えることに決めた。

「一瞬だった。本当に、一瞬で碇くんが好きになった。こんな気持ちになったのは初めて。
鈴原のことは好きだったけど、今、碇くんを好きな気持ちで私の心はあふれているの」

 アスカは俯いたまま何も言わない。
 だが、テーブルの上にある彼女の両手は血が滲みそうなくらい強く握りしめられていた。
 と、その時、アスカの瞳からこぼれ落ちるものがあった。
 それは彼女の両手の間に落ち、そして、はじけた。

「かえって。帰ってよ、もう」

 涙声でアスカは呟いた。

「あ、アスカ」

 と、思わずシンジは声を掛ける。しかし、アスカは顔を上げることなく、

「二人とも帰って。早く帰ってよ」

 と言った。
 彼女にかける言葉を持たない二人は、ただ立ち上がるしかなかった。
 それでも、涙を次々と落とすアスカにヒカリは声を出さずにはいられず、

「アスカ、」

 と言ったが、やはりそれ以上は言葉を続けることが出来なかった。
 ごめんなさいとも許してとも言えない。自分はアスカの好きな人を奪ったのである。謝罪の
言葉は彼女を汚すだけのように思った。それに、彼を好きという自分の気持ちにも
 自分は泣いてもいけない。そうヒカリは思った。
 ヒカリは横にいるシンジへ目線を向ける。
 彼はわかったと言うように顎を小さく引いて肯いた。
 二人は微かに聞こえてくるアスカの嗚咽を背中に受けながら、その場を後にした。

 隣にあるシンジの家。そのドアの前に、二人は向かい合って立っていた。
 二人とも顔色は白く、生気が薄い。
 だが、瞳に揺らぎはなかった。
 しばし、見つめ合った後、シンジは口を開いた。

「洞木さん。明日から、いろいろ大変になると思う」
「……」
「でも…」

 と言葉を止めた。
 ヒカリはただ彼を待つ。
 その後、シンジは何か言おうとくちびるを僅かに動かしたが、真一文字に結んだ。
 彼の手がヒカリの両肩に触れる。
 ヒカリはそっとまぶたを閉じ、そして、二人はくちづけを交わした。
 触れ合うだけのキス。
 しかし、それは壊れそうだった心を癒すように彼女は感じていた。
 いつまでも触れていたい。
 でも、終わりが来る時は必ずあり、気持ちを相手に残したまま二人の体は離れた。
 再び二人は見つめ合い、

「碇くん、また明日ね」
「うん、また」

 彼の別れの言葉を聞くと、ヒカリは歩き出した。
 シンジは彼女がエレベーターの中に消えるまで見送っていた。
 障害の大きさが二人の恋を燃え上がらせていたのも事実である。
 だが、二人は確かに心を通い合わせていた。
 シンジは家の中に入る。
 今日はいろいろなことがあった。うれしかったことも哀しかったことも。
 彼の14年の人生において最もハードな一日であったと言えよう。
 それが今ようやく静けさを取り戻そうとしていた。
 彼は玄関から廊下を歩き、ダイニングキッチンに入る。そこを通らないとリビングや
自室に行けないからだ。ユイが夕食の準備をしているのか包丁の叩く音が聞こえる。
 シンジは疲れもあってろくに意識を向けずに、ダイニングを通り抜けようとした。

「ただいま〜」

 と、彼は習慣化された声を出す。

「おかえりなさい」
「碇君、お帰りなさい」
「……」
「……」
「……へっ?」

 返ってきた声が二つだったことにシンジは気づき、足を止めた。
 聞いたことのある声。自分はよくその声を知っている。
 最悪の状況がまぶたの奥に浮かんだ。
 シンジはギギギと油の切れたロボットのように首を後ろへ振り向かせる。
 そこには紅茶を飲んでくつろいでいるレイがいた。


つづく、    かも
修羅場乙
アーカイブではヒカリの世紀の最終更新分まで見れないね
ヒカリといえばトウジのもの
そう思っていた時期が
俺にもありました。
お題:露天風呂で何か話はないですかね
お約束としての覗きとか?

実際の話中学生で覗きってほぼしないよね。
混浴露天風呂でおながいします
343名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/02/03 23:11:35 ID:CxHb/tm4
漠然と混浴、言われてもなぁ。

大した気持ちを持ってない二人が偶然であって盛り上がって告白、とか
(得ろ込みネタで)ラブな二人が風呂ではじめてしまう、とか

もちっと(方向性を)細かく出来ないか?
俺はLHSの場合はLASとかと違ってくっついちゃうより
お互いの親友の彼氏、彼女という関係での会話とかの方が好きだな。
それをLHSと言っていいのかは微妙だが。
「アスカに比べて貧相でしょ?」
と言い、風呂から上がって裸をシンジに晒すヒカリ嬢
>>344
つまり、お互い相談し合っているうちにだんだんと心を通わせて、
不倫するわけですね。
>>346
いやいや、そうじゃないって。
俺的に、くっついちゃえば正直誰が相手でも同じなんだよ。
だから、どうせくっつけるならアスカが相手なのがシチュ的に一番良いわけよ。
ヒカリの場合は、くっつくんじゃなくて、お互いの親友の相手として、
くっついちゃいけない男女の関係がいいわけよ。
その関係で二人っきりで話しているときの緊張感というか、そういうものが良いんだよ。
要するに、

『不倫みたいに会う約束なんぞせず、道端でぱったり出会ったら、盛り上がっちゃって……』
って訳かい?

なんか「つまみ食い」しあってる関係みたいやな。
>>347
直前の書き込みに対して、そのレスに10日も要している辺りがいかにもこのスレらしいw
ヒカシン不倫ものなら、あや氏が書いているね
>>349
俺の中じゃ
LAS>LHS>>>>>>>>その他
だし。
>>351
君はこのスレにいるべきではないような気がする。
>>352
いやいや、LASに比べれば劣るけど、LHSも好きだよってことで。
>>353
うざいから帰れ
はぁ、LHS厨ってどうしてLASを引き合いに出されるとウザがるんだろう?
んじゃ帰るわ。ノシ
少なくとも、こっちにもそれなりの言い分はあるぞ。
なんでここでLASの話をせにゃならんのさ。
ここはLHSスレですぜ。

LASスレでLRSとかの話をするのと同じ、スレ違いなネタだと……。
まぁ、帰ったのならいいか。
はぁ、LAS厨ってどうして違うカプスレでLASを引き合いに出すんだろう
振った話題はやや特殊なシチュだがある種のLHSではある(不倫、NTR的だが)。
別に、LASの話をしようともしてない。
ただLHS一筋ではないって表明しただけやろ。
そんな過剰反応しなくても、と思うんだがナ。

・・・と、LASでもLHSでもない通りすがりの俺が言ってみる。上の投下FFおもしろいね。
今更マンガの方を読んだんだが、シンジを手当てするシーンと弁当をあげるシーンに萌えますた
LHSのかけらもないけども
>>359
>>347はそういう事を言いたかったんじゃない?
そういうシーンって二人が恋人同士だと普通のシーンだけど
ただの友だち同士であれば萌える、ってことで。
18日がヒカリちゃんの誕生日だけど、何もないんだろうなぁ
誕生日age
誕生日にageが一人だけとは、人気無いですね。
お義理のage沢山よりも、心のこもった1つのageの方がよい。
ならば俺はあえてsageよう
スレが伸びぬと ageるよりも
レスを信じて sageる方がいい
Fujiwara氏、音沙汰無いね。
連載物の続きはまだかな。
>>367
漏れは中川氏の復活の方が気になるよ。
イイペコ氏と接触したのは復帰への意思表示だと思ったんだが・・・。
もうオープンな場には出て来ないんじゃないかな。
閉鎖の捨て台詞でそう言っていたし。
もう一つ秘密のサイトがあるらしいけど、知る術は無し。
>>369
もうひとつの秘密のサイトか、気になるな。
・・・で、なんで君はその秘密のサイトが存在している事を知ってるんだ?
かなり前、自分で書いてた。
もう一つサイトを持ってるがEVAとは関係ないので……って感じで。
中川氏とFUJIWARA氏が潰れたことで
実質LHS小説界は壊滅・・・
FUJIWARA氏はまだまだ現役と主張してみる
もう一人いなかったっけ?
ここ見てる人で。
solan氏の事かい?

確かに希望の星なのだが、氏は最近ミサと&レイにはまってる気がするしなぁ……。
まぁ、火は消えてない(連載がまだ完結してないから)と思おう。

……でもあの連載ですら、Love、と言う意味でのLHSにならないかもしれないらしい……。
376名無しが氏んでも代わりはいるもの:05/03/02 01:29:46 ID:UIFio1Aq
>solan氏

最近『Laboratory』が空なのは何故でしょう?
案外、ガチでトウジとシンジで三角関係になる話は無いよね
 ニー、ニー

 学校からの帰り道、僕は一匹の仔猫を拾った。
 青葉が茂る堤防を歩いていたら、僕の足下に顔を擦り付けていた。
 漆黒の毛並みと瞳がきれいで、気が付いたら僕は仔猫を抱き上げていた。
 一応、獣医さんに見てもらったら、どこも病気は無いとのこと。
 たぶん、ミサトさんやアスカも仔猫を飼うことは許してくれるだろう。
 そんなわけで、僕はコンフォート17マンションに仔猫を連れ帰った。
 アスカやミサトさんはまだ帰ってきていない。
 夕食を作る前に仔猫をきれいにしようと、バスルームに連れて行った。
 仔猫にシャワーをかけようとすると、とても嫌がって逃げ回る。
 その後は、部屋中を仔猫と追い駆けっこだった。
 何とか捕まえて、再びバスルームに戻った。
 そして、ぬるま湯に調整して、右手で押さえつけた仔猫にシャワーをかけた。
 と、その途端、白い煙がもくもく。
 僕の右手は柔らかい感触でぬくぬく。
「キャアー!!」
 その瞬間、バスルームに女の子の悲鳴が響き渡った。
 聞いたことのある声。
 僕はびっくりして咄嗟に手を離して、尻餅をついてしまった。
 やがて、湯気のような煙が消えると、シャワーの流れる音と泣き声だけが聞こえていた。
「も、もしかして、委員長?」
 僕の目の前には裸で身体を丸めている女の子が一人。
 自分に背中を向けていたが、お尻が見えていて、僕は思わず視線を外してしまった。
「わ、わたし、もうお嫁にいけない」
 泣きながら、そう委員長が言っているのを耳に入った。
「ど、どうして、委員長がここに?
 と僕は訊いたが、彼女は顔だけを向けると、
「碇君、責任を取ってね」
 と涙目で言った。
 僕はどうしていいのかわからず、とりあえず走ってバスルームを出た。
 わけわかんないよ。きゅ〜
水をかぶると猫になるヒカリ?w
リツコに見つかったら最後(ぉ
>>378

続きをキボン
ペソペソと交尾する猫いいんちょ
>>378
で、ゲンドウは水を被るとパンダになると、君は!
モエモエ研究所にそんなCGがあったな、たしかw>パンダゲンドウ
>>378
 バスルームからシャワーの水が流れる音は聞こえ続け、僕は胸のドキドキを
保ちながら、そこへ再び戻ろうとした。
 さっき裸の委員長がいたように感じたけど、たぶん錯覚だろう。
 って、錯覚じゃないよなー。
 まだ手には人肌の温かさと柔らかさが残っているし。
 でも、どうして委員長がここにいるの?
 それも裸で?
 うっ、やっぱりどう考えても錯覚としか思えない。たぶん白昼夢でも見たんだ。
 僕は恐る恐る顔だけをバスルームの入り口に出し、室内を窺った。
 シャワーから流れるお湯によって、白い湯気が充満していた。
 少し目をこらしてみる。
 でも、中に人影は無かった。
 と、その時、ニィー、ニィー、と仔猫の鳴き声が聞こえてきた。
 足下に視線を移すと、仔猫が僕を見上げて鳴いている。
 そう言えば、シャワーの途中だったんだよなあと思い出し、僕は仔猫を優しく
 抱き上げた。
「ごめん。さっきは嫌がることをして。でも、ちゃんときれいにしないといけな
かったから」
 そう話し掛けると、仔猫はにゃぁと声を上げた。
 僕は知らぬ間に冷水に変わっていたシャワーを止め、バスルームを出ると、
濡れている仔猫をタオルで優しく拭いた。
 その間、僕はさっき見たような気がする委員長のお尻を思い出し、ひとり顔を
赤くしていた。

 その後、仔猫に食べ物を与えようとミルクを温めた。
 で、リビングに戻ったんだけど、仔猫はペンペンに追い掛けられていました。
 ペンペンのこと忘れていたよ。
385名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/05(火) 21:52:26 ID:???
久し振りに書き込みますた
つか、もうダメぽ
386名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/10(日) 06:51:01 ID:rnhdsMD9
>>385
職人さん
キテタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!!!!!!



…(゚Д゚≡゚Д゚)アレ?…ダレモイナイ…(´・ω・`)ショボーン
387名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/10(日) 10:49:18 ID:???
漏れもいるが何か?
猫イインチョ!猫イインチョ!
シンジ、猫イインチョとじゃれたりできたりしてうらやましいヨ
388名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/10(日) 22:02:05 ID:???
F氏はいつ帰ってくるのかな
389名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/13(水) 21:42:00 ID:???
ヒカリの日常生活、更新されてた
これもあと少しで終わりか
390名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/16(土) 15:07:05 ID:???
「彼女は世界の端っこで」
一度読んでみれ
391名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/19(火) 20:05:01 ID:xoOPN7pa
age
392名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/04/24(日) 15:32:24 ID:???
セガの2nd impreのヒロインであるマユミって、ヒカリの声優である岩男潤子が
画デザインのモデルなんだってね
それとLHSルートがメインになっている1を考えると、当時のセガには
相当なヒカリファンの製作者がいたに違いない
393名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/02(月) 01:08:42 ID:???
そーゆーことか!
394名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 22:26:34 ID:???
 青いカーテンの隙間から朝の陽射しが入り込み、それはベッドの上を明るくしていた。
 部屋の空気は冷たく、まるで冬が舞い戻ってきたようである。
 それゆえだろう。
 布団の主は頭まで中に潜り込んでいた。
 ・・・・・?
 変。
 布団の盛り上がりぐあいがやけに大きい。
 ひとりで寝ているようには見えない。
 しかし、ここは碇シンジの部屋だ。彼は中学2年生。もう母親に添い寝してもらう年齢ではない。
 なら、いったいどうして?
 と、その時、布団がもそもそと動いた。
 そして、肩下まで流れる黒髪と薄い肌の上半身が宙に現れた。
 小振りな胸。でも、少女から女性へと変化しつつある乳房。
 彼女は寒そうに胸前を両手で抱き締めながら眠たげな目を開く。
 まだ頭がボンヤリとしているのだろう。
 右の人差し指で眼を擦ると、再びベッドの中にゆっくりと倒れ込んだ。
 身体の落ち行く先は、少年の胸の上。
 彼女は頬を彼の胸に押し当て、幸せそうにまた眠りにつこうとした。
 が、パッと彼女は跳ね起きる。

 ドン!

 余りの勢いに、彼女は後頭部を壁にぶつけてしまった。
 相当な痛さなのだろう。
 両手で頭の後ろを押さえ、瞳からは一粒の涙がこぼれ落ちていた。

「いったーい」

 と、彼女は小さく呟く。
 しかし、すぐに目を見開いて、状況を確認し始めた。
395名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 22:50:50 ID:???
 首を回し、部屋の中を見回す。
 すーっと彼女の顔色が青く変わり、血の気が引いていった。
 そして、何かを祈るように瞼を閉じた後、視線をベッドの上に向けた。
 そこにいるのはシンジ。しかも、裸。
 腰から下は上手い具合に布団の中だったが、下着をはいているようには見えない。
 一瞬の後、彼女は自身の身体へ恐る恐る目を移した。
 はだけた胸。さらに、下着は何もつけていない。
 ふらっと彼女の頭が揺れた。
 彼女は気を失う一歩寸前で、再び後頭部を壁にぶつけた。
 おかげで目はパッチリとなったが、顔色は白蝋のように生気がない。

「・・・どうして」

 彼女の小さな声には戸惑いがありありと浮かんでいる。
 気が動転しているのだろう。
 その後も、おろおろと口の中で何かを呟いていた。
 しばらくして、布団から完全に抜け出しすと、そっと目を瞑った。
 そして、ゆっくりと布団をめくる。
 シーツに残る赤い染み。
 刹那、彼女の身体は固まったように動かなくなった。
 心臓の音も止まってしまった。
 どのくらい過ぎたであろう。
 やがて、彼女は再起動を果たすと、自分の股間へ右手を伸ばした。
 もぞもぞと指を動かしてから、目の前に手を挙げた。
 痛みはなかったのか表情に変化はなかったが、指には赤いものがついている。
 彼女は急いでそばにあったティッシュで指を拭いてから、胸に手を当てて深呼吸をした。
 そして、再びシンジへ視線を向けると、

「何も覚えてない。いったい、何があったの?
396名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/06(金) 23:12:50 ID:???
 と呟いてから、

「何があったかなんて、なにがあったに決まってるじゃない」

 と続けて言った。
 ふーっと長い溜息をつく。
 しかし、ようやく混乱が収まってきたのか、彼女はシンジの顔をまじまじと眺め始めた。
 さっきまでの青白い頬が急速に色を戻し、桃色に変わっていく。
 ゆっくりと彼へ人差し指を伸ばす。
 頬をツンツンとつくと、柔らかい弾力が返ってきた。
 彼の頬に右手全体を当ててみると、体温が掌を伝わって身体に流れ込んでくる。
 その感触をしばし堪能するようにしていてから、両手を戻し、自分の頬に当てた。

「私、碇くんと・・・」

 と彼女が言った時、シンジの眼が開いた。
 うーんと呟きながら、彼は眼を擦ったが、

「な、な、な、どうして委員長が!?」

 と叫び、ベッドから跳ね起き、ヒカリから離れるように後ずさる。
 しかし、ベッドは狭いわけで、シンジはドサッと床に尻餅をついてしまった。
 彼は尻に手を当てながら、

「アイタタ・・・」
「碇くん、大丈夫?」

 とヒカリは心配そうに声を掛けたが、一転して、

「キャッ!」

 と叫び、顔を後ろに向ける。
397名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/08(日) 23:05:52 ID:QKs/2zGS
GJ!
398名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/09(月) 11:14:56 ID:???
うわぁGJ過ぎ(;´д`)ハァハァ
399名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/10(火) 21:44:49 ID:???
>>396
 そして、ヒカリは毛布を身体に巻き付け、彼の眼から隠した。
 一方、シンジは彼女の悲鳴によって自分が裸のことに気づき、急いで枕を取ると
それを股間の上に置いいた。
 二人とも相手の顔を見られずに、俯いたまま。
 嫌な沈黙がずっと続いたが、

「あ、あのさ、僕、全然おぼえていないんだけど、そ、そういうことなの?」
「えっ! 碇くんも何も覚えてないの!?」

 と叫ぶように言うと、ヒカリは彼の方へ振り向いた。
 シンジは下を向いたまま首を縦に振り、

「うん。……委員長、ごめん」
「……どうして謝るの?」

 ヒカリは静かに、そして声を微かに震わせながら言った。

「だって、僕のせいで委員長を……」
「そ、そう。私とこんなふうになって、碇君は嫌なんだ?」
「全然、覚えて無くて……。だけど、たぶん僕が委員長をむ」

 と、シンジが言い終える前にヒカリが口を挟んだ。

「そうなんだ。碇君は誰でもよかったんだ。私じゃなくてもよかったのね」
「……どういうこと?」
「碇君、今、覚えてないって言ったじゃない」
「そう言ったけど、誰でもいいなんて言ってないだろ?」

 シンジは顔を上げ、声を荒げ気味に答えた。
400名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/10(火) 22:01:02 ID:???
 しかし、ヒカリも負けじと彼をキッとにらみ返す。

「同じじゃない。覚えてないのに、私とそういうことしたんだから」
「そんなの委員長だって同じだろ?」
「同じじゃない!」
「どう違うんだよ? もう、わけわかんないよ」

 その途端、ヒカリはベッドの上で膝立ちになった。
 パッと毛布が落ち、彼女の裸身が露わになる。
 シンジはいきなりのことに驚き、暫し彼女を大きな目で見ていたが、すぐに
頭を下げ、自分の視界から消した。

「い、委員長、その、」
「何よ? 言いたいことがあるならはっきり言いなさない」
「は、はだか。何か着て」

 瞬間、ヒカリは自分の姿に気付き、顔全体を真っ赤にしたが、身体を隠すこともなく、

「私、恥ずかしいけど、恥ずかしくなんかない」
「ぼ、僕は恥ずかしいんだけど」
「見てもいいよ。でも、碇君はアスカや綾波さんの方がいいんでしょうけど!!」
「えっ!? どうしてアスカや綾波の名前が出てくるの?」

 と不思議そうな声で訊いた後、シンジは顔を上げた。
 しかし、未だに真っ裸でいるヒカリを見て、彼はすぐにうつむき直した。

「と、とにかく何か着てよ」
「イヤっ」

 ヒカリは腰横に手を両方とも当てて、彼をにらみ続けていた。
 しばし、沈黙が続いた後、
401名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/10(火) 22:15:15 ID:???
「覚えてないけど、僕が委員長を無理矢理に襲ったんだ。ごめん。
委員長、好きな人がいるのに」
「私も覚えてないけど、碇君とこうなったことは後悔してない」
「……どうして?」
「どうしてもよ。でも、とっても悲しい。碇君が私を好きでなかったことが」
「えっ! 委員長、僕のことを?」
「そうよ。私、碇君が好きなの」

 そうはっきりとヒカリは答えた。
 シンジは顔を上げ、彼女の顔を真っ直ぐに見る。
 二人はお互いが裸であるのを忘れ、ずっと見つめ合った。
 そして、

「僕、委員長はトウジのことが好きなんだと思ってた」
「鈴原?」
「うん、」
「そうね。そういう頃もあった。でも、今は碇君が好きなの」
「……よかった」

 そう呟くようにシンジは言うと、口もとに小さく笑みを作った。
 ヒカリは驚いたように眼を微かに見開き、

「もしかして、碇君。私のこと?」
「う、うん。僕は委員長が好きなんだ」
「本当にそうなの?」
「うん。本当だよ」
「碇君!」

 刹那、ヒカリはシンジの胸へ飛び込んでいった。
 その衝撃で二人は床の上に倒れ込む。
402名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/10(火) 22:27:15 ID:???
 ガツンと彼は頭を床にぶつけ、

「アイタタ…」

 と右手を後頭部に当てながら言った。
 ヒカリは彼の胸に押しつけていた顔を上げ、心配そうにのぞき込む。

「ごめんなさい。痛かった?」

 そう訊くが、ヒカリは両腕を彼の首から離そうとはしなかった。
 シンジは少し涙目であったが、それはうれし涙のようでもあり、

「委員長は大丈夫?」
「うん、」

 と言って、ヒカリはまた彼の身体に密着した。
 彼女の柔らかい肌がシンジを包み込み、そして、

「あっ、」

 と、ヒカリは小さく声を上げた。彼の下腹部が固くなっていくのに気付いたのである。
 二人はお互いトマトのように顔を赤くさせたが、身体を離そうとは絶対にしなかった。
 やがて、ヒカリは小さく口を開き、

「ねえ、私たち、何も覚えてないんだよね?」
「うん、」
「しようか。私たちの本当の初めてを?」
「……うん」

 と、シンジが小声で答えた瞬間、部屋のドアがバタンと開いた。

「シンジー、いつまで寝てんのよ。もう朝……、、、よ」
403名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/11(水) 18:00:07 ID:???
(゚Д゚)ウマー
404名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/11(水) 18:41:16 ID:???
てんつぁい
405名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/11(水) 21:34:25 ID:???
この記事は書きかけです。加筆していただける協力者を求めています。
ttp://evemedia.ddo.jp/evawiki/LHS

心優しき諸君。加筆してやってくれ
406名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 00:04:18 ID:???
スレ一周年記念sage
407名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 04:38:24 ID:???
記念age
408名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 22:24:52 ID:???
>>402
 そこには、アスカが二人へ指さしながら立っていた。
 口はパクパクと開閉しているが、言葉が音になって出てこない。
 ヒカリとシンジは抱き合ったままアスカへ目を向け、固まっている。
 と、不意に、アスカの動きが止まった。
 そして、そのままゆっくりと後ろへ倒れていった。
 ゴンと大きな音が立った。
 アスカの頭が廊下の床にぶつかったのだ。

「「あっ!」」

 二人は同時に声を上げると、裸のままアスカへ駆け寄る。

「アスカ、大丈夫?」

 とシンジは肩を揺するが、彼女は白目を剥いたまま気絶していた。
 彼はヒカリの方へ向き、

「どうしよう?」
「とりあえず、部屋の中に運びましょ」
「うん」

 アスカを部屋の中に入れ、二人は様子を窺った。
 どうやら呼吸はしている。

「大丈夫かな?」
「お医者さんに来てもらった方がいいかも」

 と、ヒカリは答えた瞬間、自分の姿を思い出したのか慌てて毛布をたぐり寄せ、
それを身体に巻いた。
 シンジも大急ぎでパンツをはく。 
409名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 22:38:34 ID:???
 二人は目を合わせられないかのように、黙って目を下に向かせ続けた。
 やがて、ヒカリは小さく口を開き、

「なんか恥ずかしいね」
「……うん、」
「……」
「……」
「……ねえ、碇君。昨日のこと、どこまで覚えている?」

 ヒカリは微かに上目遣いでシンジを見ながら訊いた。

「綾波の部屋でお誕生日のお祝いをして、みんなでご馳走を食べたところまでは。委員長は?」
「私も同じ。とても楽しかったのは覚えている。でも、どうして碇君の部屋にいるの?」
「さあ。僕にも全然」
「そっか…。碇君?」
「なに? 委員長」
「あっ、その委員長って呼び方、止めてもらえないかな。私たち、その、もう、こうだし」
「ごめん」

 シンジは頭を小さく下げてから、

「じゃあ、なんて呼べばいいかな?」
「・・・・・」

 微かに彼女の声が漏れたが、ほとんど聞き取ることが出来ない。

「えっ、なに?」
「・・・・・」
「なに? よく聞こえないんだけど」
「…ヒカリって、呼んでほしい」
「ええっ!!」
410名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 22:52:03 ID:???
 シンジは驚きで目を大きく見開き、絶句してしまう。
 そんな彼の様子をヒカリは悲しげに見つめてから、

「嫌なら、別に委員長のままでいい」
「ううん、違うんだ」

 シンジは咄嗟に彼女の両手を掴み、

「そんなこと全然ない。ただ、ちょっとビックリして」
「本当?」
「うん。ホントは僕もずっと名前で呼びたかったんだ」
「じゃあ、言ってみて」
「……ヒカリさん」

 と恥ずかしそうに言って、彼女の顔へシンジは視線を送る。
 だが、ヒカリは少し怒ったように頬を膨らませていた。

「なんだか、よそよそしい」
「で、でも…」
「……」

 シンジは困ったように目を左右に振らせた後、小さな声で、

「ヒカリ、……ちゃん」
「……」

 ヒカリは暫し彼をにらむように見ていたが、ふっと頬を緩めると、

「それでいいいよ。シンちゃん」
「シ、シンちゃん!?」
「ふふっ、なんか、この呼び方もいいね」
411名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 23:21:58 ID:???
 と、ヒカリは軽く微笑みながら言った。
 シンジは僅かに涙目をしながら、

「それはお願いだから止めて」
「でも、ミサト先生もそう言ってるよ」
「だけど、ホント、お願い。委員長」
「また委員長って呼んでる」
「あっ、ごめん」

 ヒカリはふーっと溜息をつくと、

「しょうがないよね。碇くんだもん。いいよ。碇君の好きな呼び方で」
「ありがと。洞木さん」
「……洞木さん、か」
「…? どうしたの?」
「ううん、なんでもない。それより碇君、アスカをどうにかしないと」
「そうだった。じゃあ、母さんにって!」

 シンジはそう叫ぶと、走って部屋を出て行った。
 暫し、ヒカリはキョトンと部屋の入り口から見える廊下へ目を向けていたが、

「母さんたち、昨日は帰ってこなかったみたいだ」

 と安心した顔でシンジが戻ってきた。
 ヒカリは少し不安げな表情となり、

「碇君のお母さん、私たちのこと、どう思うかな?」
「大丈夫だよ。僕たち、何も覚えていないし、こうなっちゃったみたいだけど、
何もやましいことなんて無いから」
412名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/15(日) 23:33:27 ID:???
「本当に?」
「大丈夫。もし反対されても僕の気持ちは変わらないから」

 その返事にヒカリは安堵したように目じりを緩める。
 しかし、すぐにアスカを横目で見つめ、

「でも、アスカも怒るだろうし」
「アスカが? どうして?」
「どうしてって、だって、アスカは……」
「……?」
「ううん、なんでもない」
「そう」

 シンジは彼女の曖昧な態度に不思議そうな目を向けたが、

「じゃあ、僕、アスカのことを、母さんじゃなくて、うーん、……リツコさんに相談してみるから」
「赤木先生に?」
「うん。だから、その、洞木さんは僕が電話している間にシャワー浴びてきなよ」

 と言って、シンジは顔を赤くした。
 ヒカリも同様に頬を染めたが、暫くして毛布を身体に巻き付けたまま立ち上がった。
 そして、部屋を出て廊下に足を踏み出したが、くるっとシンジへ振り返り、

「ねえ、碇くん?」
「ん?」
「一緒にお風呂に入ろう?」
「ええっっ!!」
「ふふっ、冗談よ」

 そう言い残して、ヒカリは廊下の奥へと姿を消した。
 シンジは暫しポカンとしていたが、やがて頬を真っ赤に染めて俯いてしまった。
413名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/17(火) 20:23:54 ID:???
GJ
414名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 12:27:53 ID:???
がんばれ
応援してる
415名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 20:07:21 ID:G13FGLj/
某所に(仮)な人出現。
内容読む限り、復活は無さそうやね。
416名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 21:56:14 ID:???
約1年ぶり・・・か
417名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 22:18:37 ID:???
F氏も執筆は復活しそうに・・・
418名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 22:53:19 ID:???
>>415
(仮)ってまさか中川氏?
某所ってどこ?
419名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 23:33:40 ID:???
>>418

ペコ氏のところ。
ttp://rinshan.hp.infoseek.co.jp/
の掲示板。


後、連載してくれてる方にGJ!

……でも、何時書いたら良いか分からんから『今日はここまで』って入れて欲しいです。
420名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/18(水) 23:38:01 ID:???
>>419
ヒカリの世紀だけでも復活してほしいなぁ。
自サイトが駄目ならペコ氏の所に投稿するとかさ。
421名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/19(木) 00:09:14 ID:???
案外、中川健氏の復活はあるんじゃないかと予想している。
いや予想と言うより期待かな。
仲の良いイイペコ氏あたりが説得してくれるといいんだけど。
422名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/19(木) 23:50:18 ID:???
中川健氏、今日も書き込んでるね。
なんとなく期待できそうかもよ。
423名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 21:47:28 ID:???
なんでペコ氏はMAP1144の話題をしないんだろ?
中川(仮)氏にMAP1144の復活をお願いするなら、今が最初で最後のチャンスかもしれんのに。
424名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 21:51:37 ID:???
オフで会っているんだし、その辺の事情はわかっているんだろう
自分はもうmap1144の復活をとうにあきらめたよ
425名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 22:20:47 ID:???
個人的にmap1144の今までの作品は公開してほしいな。
なんなら、引き取って公開する程度なら協力してもいいかな。
自分は作品書けないけど。
426名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 22:36:51 ID:???
>>425
本人が公開したくないと言って、サイトを閉鎖したのだから
無理なんじゃない
427名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 23:11:50 ID:???
>>424
イイペコ氏、もっと粘れよ。
428425:2005/05/23(月) 23:15:03 ID:???
>>426
そうなんですかぁ。
最近、他スレで見つけて幸運にも読めたので、実情は知らなかった。
でも、がんばってもらいたい。

今年で10年目だからこそ、今年だけの復活祭をやってもらいたいなぁ。
↑もう書くのをやめてしまったすべての職人さんへ
429名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/23(月) 23:20:42 ID:???
(仮)氏が降臨中の掲示板はいつもながらROMってても面白い。
ちょっと前まではFateどっぷりな感じだったのに今はエマか・・・相変わらず守備範囲が広いなw
430名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/24(火) 23:49:06 ID:???
なんとなく、イチゴイチエを読み返した。
マジ泣きした。
431名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/25(水) 08:56:27 ID:???
>>429
けどFateもエマも知らんおいらにとってはサッパリな罠
432名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/25(水) 23:47:00 ID:???
もう既に話題が「夏の魔術」に変わってる・・・。
来夢タンは俺も好きだったなー。
433名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/05/26(木) 06:08:15 ID:???
そろそろスレ違いだと言うことに気付こうぜ。
それはともかく中川氏の復活キボン。
434名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/03(金) 12:27:03 ID:kh1n1okA
hoshu
435名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/04(土) 09:31:55 ID:???
保守
436名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/14(火) 02:14:21 ID:TggkcFCI
hosyu
437名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/18(土) 08:41:06 ID:???
保守
438名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/19(日) 20:01:39 ID:???
やっぱり、F氏はもう終了なのかな。
次のレンタルサーバの期限切れで自然消滅しそうな予感。
そうならないで欲しいなあ。
439名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/20(月) 13:14:07 ID:???
F氏「夜想曲」復活してほしい
スレ違いだな・・・およびでない、こらまた失礼しましたっと
440名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 00:34:55 ID:???
最近LHS人になったage
441名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/06/26(日) 13:35:44 ID:???
歓迎sage
442名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/07(木) 10:15:21 ID:aV/keo1U
|ω・`)つ 保守ですよ〜
443名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/07/15(金) 14:21:40 ID:???
solan氏の新作というか実験作
おいらは好きだ
444kazu:2005/07/26(火) 15:04:52 ID:ig7mAW43
LHSスキー
445kazu:2005/07/26(火) 15:10:42 ID:???
新作キボン
446名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 22:23:14 ID:???
hotyu
447名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 22:31:42 ID:???
horaki
448名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/07(日) 22:36:13 ID:???
nozomi
449名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/08(月) 00:55:57 ID:???
ikari hikari
450名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/08(月) 01:20:49 ID:???
碇ヒカリで語呂が悪い!って話があったな
451名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/08(月) 02:02:34 ID:???
452名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/08(月) 08:39:03 ID:???
>>450
フランス人に読ませれば「イカリイカリ」になりそうだ
453名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/08(月) 22:13:35 ID:???
>>450
洞木シンジで何の問題もない。
454名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/08(月) 23:15:44 ID:???
渚ヒカリ
455名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/15(月) 02:14:22 ID:???
>>454
巣穴から出て来んなタコ!
456名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/15(月) 09:39:15 ID:???
洞木ヒカリってそもそも語呂が悪い
457名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/15(月) 20:34:34 ID:???
イ音が多いからね
458名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/16(火) 10:03:48 ID:???
でも洞木シンジは語呂が良くないか?
459名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/16(火) 20:26:58 ID:???
碇ヒカリも韻を踏んでてなかなか(゚∀゚)イイ!!と思う
460名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/16(火) 23:11:54 ID:???
六分儀シンジでもいいんじゃね
461名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/22(月) 16:30:04 ID:???
碇ノゾミ
462名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/08/28(日) 18:10:12 ID:???
碇コダマ
463名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 18:47:54 ID:???
3重婚
464名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 22:25:32 ID:???
>>463
娘の名前は、碇ナスノ、碇アサマ、碇コマチ

息子なら、碇ハヤテ・・・ぐらいか。
ハーフだったら碇マックスも可w
465名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 22:46:38 ID:???
マックスは飼い犬だしw
466名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 22:59:46 ID:???
なんか惣流三姉妹物語を思い出した
467名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/01(木) 23:22:49 ID:???
>>466
どうせなら外伝の洞木三姉妹物語の方を思い出せよw
468名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/02(金) 00:14:52 ID:???
>>467
俺はMAP1144の掲示板で連載されてた方を思い出した。
469466:2005/09/02(金) 01:21:05 ID:???
……んで、思い出したついでにぐぐって読んでみようと思ったんだが。
第2話でギブアップ。どうもこの王子様シンジを殴りたくてしょうがない。
昔は楽しんで読めたんだけどなあ。
470名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/02(金) 17:56:41 ID:???
以前でもう一つの人格のシンジの元へヒカリが通って癖になってやっちゃってるってFFを読んで良かったのだが
タイトル誰かご存じないだろうか?
ヒカリがコダマに電話かなんかで今日は帰らないって言ってんのとか、
廊下でやっちゃってる描写があったような・・・
真面目な子が目覚めちゃったのが気に入ってたので
471名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/10(土) 00:10:11 ID:???
ほしゅ
472名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/19(月) 20:37:42 ID:???
さげ
473名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/27(火) 18:57:26 ID:???
シンジがいいんちょを口説けるゲームはエヴァ2だけ?
474名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/28(水) 17:05:17 ID:???
「1st〜」で何かなかったっけ?
475名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/09/29(木) 07:25:01 ID:???
FFSが続いてよかった
476名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/08(土) 20:48:07 ID:???
hosyu
477名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/11(火) 19:20:48 ID:???
最下層記念sage
478名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/11(火) 19:27:00 ID:???
同じく記念sage
479名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/11(火) 22:07:32 ID:???
更に便乗記念カキコsage
480名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/12(水) 18:44:40 ID:19TxdNhg
あげ
481スレを汚した時始めて分かるわ:2005/10/13(木) 00:00:22 ID:???
「それでヒカリ…こっそり作ってみたんだけど。」

アスカが私に見せお弁当はフランスパンのサンドイッチ、結構美味しそうに出来てる。
「じゃあ後は碇君に渡すだけね…頑張れアスカ!」
「いや、それが…いざ渡そうと思うと気が引けるのよ。アタシってシンジに優しい顔あんましないでしょ?だから…」
「大丈夫よ!それなら近くまで一緒に行こうか?」
「…そうして、アタシ怖気付きそうだわ。」
力無く苦笑いなんて、アスカには似合わない。
ここはバッチリ決めて、いつものアスカに戻ってもらおう!

「ほら、来たよ…アスカ?」
「…やっぱダメ!ヒカリ、これお願いっ!!」
ど、どうしたのよアスカ!?
ってあぁ…もうトイレに駆け込んじゃってる、しょうがないか。
「碇君、ちょっと…」
「え、何?洞木さん。」
「コレ受け取って!」
「え…僕に?」
「そう、あなたにだよ。私がアス」
「わぁ〜サンドイッチだ!ちょうど食べたいなって…ありがとう洞木さん!!」
「ちょ、ちょっと待って碇君!?それはアスカ…からの…行っちゃった。」
…伝えそびれた。
ど、どうしよう私ったら!?
あぁんもう、碇君も碇君よ!ちゃんと聞いてくれないし、何よりアスカがいけない!
よーし、こうなったら私が一肌脱いで二人をちゃんと向き合わせてあげなくちゃ!!

…と意気込むヒカリさん、ですが事態は既に全く逆の位置へと動いているのだった。
482名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/13(木) 11:47:22 ID:???
ガンガレ
483名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/10/22(土) 14:23:49 ID:???
ほしゅ
484名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/04(金) 04:12:06 ID:???
>>481

「美味しそうじゃん、俺にも一つくれよ」

そう言って、ケンスケは貰ったサンドイッチに手をつけようとした。
僕は慌てて、身体でそのサンドイッチの入った容器ごと守ってみた。

「なんだよ、シンジ、ケチだな」

ケンスケはちぇっと口を鳴らす。

「ごめん、ケンスケ。これだけは誰にも渡したくないんだ」

そう、こればっかりは一つたりとも、ケンスケにも、いや誰にもあげるわけにはいかない。
なにせ洞木さんから貰ったサンドイッチなのだ。
一つ一つ味を確かめながら、僕はそれらを口に運ぶ。
正直に言うと、美味しいという程ではない。
はっきり言うと、中のキュウリは不揃いに切られ、
レタスにいたっては水につけなかったのか、
いや、それ以前に洗わなかったのか、生臭い。
卵も殻が入っていて、時々、じゃりっと噛み潰すことになる。
あの家庭的そうな洞木さんが作ったとは思えない。
だけど、僕は嬉しくて、そんなに出来は気にしなかった。
一つ残らず僕は平らげる。
485名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/04(金) 04:13:46 ID:???
容器の蓋を閉めて、洞木さんの顔を思い浮かべながら、
ごちそうさまと手を合わせた。
あの時の洞木さん、可愛かったなぁ。
ちょっとだけ辺りを気にして、周りをうかがう仕草。
トイレなんかにも目を配らせて。
ああ、どうしよう。僕、変だよ。何か洞木さんのことを考えると…

「碇君」

そう、こんな声で僕を呼んでさ。

「碇君ってば!」
「え? わわ、洞木さん!?」

いつの間にか前にいた洞木さんを見て、驚いて僕は椅子からひっくり返そうになった。

「だ、大丈夫、碇君?」

バランスを崩しそうになった僕に、洞木さんは慌てて僕の手を握る。
だけど、今はそれは逆効果だった。
手を握られたことで、僕の頭の中の血液は沸騰したように熱くなって、
そのまま後ろへと倒れこんでしまう。

「わぁ!」「きゃ!」

洞木さんの高い声が聞こえる。
僕は咄嗟に彼女を庇わなければならないと思い、
身体を抱えて、そのまま床へと倒れこんだ。
486名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/04(金) 04:14:50 ID:???
ドスンと肩に強い衝撃を感じたが、そんなことは気にはしていられない。
僕は洞木さんに怪我はないかどうか、確認しようとした。
その時、パシャリと何処からかカメラのシャッター音が聴こえた。

「はは、ナイス、シンジ」

ケンスケだ。あの状況じゃ、手を差し伸べて助けるのは無理だとしても、
もう少し労わる言葉はないのだろうか、僕はちょっとだけムッとした。

「シンジ、そろそろ委員長を放してやれよ? 硬直してるぞ」
「え? あ?! そ、そうだ、洞木さん、大丈夫? 怪我無い?」

僕は胸の中に居る彼女に声をかけた。
ケンスケの言う通り、彼女は硬直していた。そして顔を紅潮させていた。

「いか、いか、いか、いか…」
「烏賊? 烏賊がどうしたの、洞木さん?」
「はな、はな、はな、はな…」
「花? 花を持ってきて欲しいの?」
「い、碇君、放して!!」

そこで僕は床に寝ながら彼女を強く抱き締めていることにやっと気付いた。
周りを見渡してみると、クラスメイトの大半が僕らを見下ろしていた。

「わわわ、ご、ごめん」

僕は慌てて彼女を放し、床に正座する。



とベタな展開をここまで考えた
487名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/04(金) 08:53:36 ID:???
よくやった
488名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/04(金) 22:02:59 ID:???
ガンガレ
489名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/12(土) 01:54:29 ID:???
hosy
490名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/22(火) 11:02:58 ID:???
ほし
491名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/23(水) 23:45:55 ID:???
中川健氏の生存情報を確認。
無事でなによりだがヒカリの世紀の続きを書いてくれないものかな。
492名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 20:42:35 ID:???
なんか復活してるよ
493名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:02:23 ID:???
復活記念sage
494名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:38:46 ID:???
恥知らずの帰還か
495名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:41:01 ID:???
map1144復活か。
とりあえず待ってた人オメ。
496名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:43:13 ID:???
よし、記念に読んでみよう。
497名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 21:43:57 ID:???
案外、ロムラーがいたんだな
498名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 22:13:18 ID:???
オマエラいったいどこで情報を仕入れてくるんだよw
499名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/27(日) 22:35:10 ID:???
そりゃ、どっかに作者が混ざってるってことだ。
500名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/11/28(月) 06:52:13 ID:???
みんな、そんなことはわかっているんだから黙っているもんだよ
501名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/01(木) 22:41:28 ID:???
foshu
502名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/11(日) 07:06:46 ID:???
ho
503名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/11(日) 18:04:49 ID:???
ほしゅ
504名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/20(火) 21:47:26 ID:???
 
505名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/25(日) 16:31:39 ID:???
しかしこの二人だとヒカリの方が積極的なんだろうな。
506名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/27(火) 13:11:06 ID:???
保母さんと保父さんが夫婦って感じだな
507名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/27(火) 13:19:46 ID:???
アスカあたりがメシをたかりにきそうな気がしなくもないなW
508名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 11:49:18 ID:???
>>507
トウジも加持もミサトも飯をたかりに来る
509名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 14:15:31 ID:???
というわけでデザートはスイカで決まりだ
510名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 14:43:49 ID:???
皆のライフライン状態だな。
511名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 22:33:39 ID:???
つまり、アスカとミサトは、結婚できていない or 結婚できていても、未だに
料理をしない or 出来ない訳だ。

加持は、あくまで"時々"だろう。ミサトと結婚してたら判らんがw
トウジがたかりに来る理由が解らん。
512名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/29(木) 23:23:11 ID:???
>>511

弁当で餌付けされた。

そー言えば。

Solan氏『waiting for the light』再開宣言してからそれなりになるけど
やっぱ今年中は無理……だろうなぁ……。
513名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/30(金) 03:06:18 ID:???
>>512
だが、その場合、トウジも一人モンで、妹に先を越されたって事だよな?w

実は"アスカ×トウジってカップリングだ"ってオチは、あまり考えたくないんだが。
514名無しが氏んでも代わりはいるもの:2005/12/30(金) 03:23:41 ID:???
そう言うときはちゃんと姓を代えると思うぞ、トウジならそうして欲しいだろうし
何より『日本人は形から〜』ってアスカも信じてそうだから
515名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/02(月) 01:05:03 ID:???
ヒカリの世紀。元旦更新か…

消息不明の間にEVASSもすっかりヘイトものやらが横行してたので、こういうオーソドックスな作りの作品は帰って新鮮な気もするな。

さて初号機隊大破でシンジ戦闘不能。

別の外伝だとヒカリはトウジの代わりに参号機に乗って死亡していたが、
ここで分岐の伏線か?

弐号機初号機ともに大破の為。ゲンドウは史実より早く参号機をアメリカより徴収。
早く着た為、当然バルディエルは無し。
パイロットは…つう感じ?

しかし、マトリエル戦でヒカリがチルドレン。
デビュー戦をたったひとりで激闘。
つうネタは他にもあったからな。
516名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/06(金) 23:40:35 ID:???
kibou
517名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/14(土) 01:06:53 ID:???
いいんちょ…
518名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/15(日) 00:00:28 ID:???
>>517
その呼称はショタ道を突き進む某財閥の次女の事でつねw
519名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/15(日) 00:05:25 ID:???
>>518
ええええ
関西弁・メガネ・巨乳・おさげの彼女だろう
520名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/23(月) 03:03:55 ID:???
722/722
521名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/01/25(水) 18:58:40 ID:???

522猪狩シンジ:2006/01/29(日) 13:15:55 ID:???
                             ____
                          ,.ィ'´.:::rュ:::〉
                      / く_,):::::(_)::}
.あげーーーー!!!ヽ、    /、:::::::<_)::::::::/
  _    y'i ト、 、_ 、ヽヽ  /i_.ノ⌒):::::::::(_):|
  |i::::\   ハ丿从 从 、 Vレ':::::::::ゝ'⌒):::::::::(_):l、
  {l:〈_):::>| } lィテi , ヾ彡/j:::(_)‐、:::: ̄(⌒)::::(_):|
   \(」::{_)lへ{ゞ'゙ <.フ彳.-ィス`ー';. -、:::(⌒)::::::::|
     \(_):::(_)::ィ`二I_/;  iハ:::::`- '_::::: ̄::(_):/
        lY_)::(〈{_,r、j,>'´}_,<. \:::( __):::::(_)::/
       ヽ:<ハ:Vl_ン<¬<.:.l\ 丶─_---‐'′
         ヽY_):l.`Llゝイ、;.:.:ヽ  \::::>、._,.、
            \{| ト:.li o {i、.::.:.:.:>、 ヽ! レ'ノュ
           ]ィ´.:i}_o_j}シ',.三彡ヽ   ,. -r'′
          ィニ.ーΞ三彡r" ̄「ノ_,ィ'´:/
           _,.〉7⌒´¬T´   l、::O:;/
          ー-7`ー-、./ l──_!、 ̄
             /   /  |  「_,トノ
         /   /    |  │
          /  ,/    j.  │
         /  /     l    |
        /  /       |   ,'
     /  /         l   !
      /- 、./          !  j
    /「`ン /       ∠...__j
    ヽニ/       ト 二>l
                ヽ__/
523名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/07(火) 20:37:58 ID:???
524名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/08(水) 19:03:35 ID:???
みんな信者エバ委員だ!
525名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/12(日) 22:03:17 ID:???
ttp://up2.viploader.net/pic/src/viploader86978.jpg

連弾(?)するシンジといいんちょ
PSP版も買うことにするか
526名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/14(火) 17:31:48 ID:???
>>525
流れてる…orz
527名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 01:27:07 ID:???
保守しつつ寝たフリ。

ヒカシンに横恋慕しそうな姉妹って長女か三女か?
528名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 01:42:40 ID:???
ヒント:両方
529名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 22:45:34 ID:???
>>527
洞木パパン
530名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 22:49:38 ID:???
洞木パパ良いね。
横恋慕どころじゃないけどね。

ああ、なんか昔見たドラマ(「高校教師」だったかな?)を思い出した。
531名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 23:17:58 ID:???
>>530
いや、シンジきゅんにハァハァな洞木パパw
娘の代わりに一緒にシンジきゅんとデートしたがる洞木パパ

「君を見ていると妻の若い頃を思い出すんだ・・・」
532名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 23:21:32 ID:???
そっちかよw
533名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 23:52:47 ID:???
パパ「シンジくん、今日は泊まっていきたまえ」
ヒカリ「ちょ、ちょっと!何言ってるのよ!」「」
パパ「いいからいいから、さあ 一 緒 に 寝 よ う か 」
534名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/20(月) 23:57:05 ID:???
俺はてっきり
やあ碇君良く来たね。娘から君の事は良く聞いているよ
いや!碇君見ないで。お願い。
みたいなのかと・・・
535名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 00:07:09 ID:???
「シンジくんって女顔だねー」と言ってヒカリの服を着せるコダマ
536名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 01:29:28 ID:???
あれ?ここってハーレムスレだっけ?w
537名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 02:50:57 ID:???
しまった、18日はヒカリちゃんの誕生日だったのに、"おめ"の一言も書き込んでいないorz
538名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/21(火) 10:10:34 ID:???
誕生日おめ
539名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/22(水) 02:25:15 ID:???
このスレ何気に人多いのにおーゆーところはぬけてるなorz
540名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/23(木) 23:27:06 ID:???
541名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 13:40:22 ID:???
なんかシンジは料理が上手い、みたいに思われてるみたいだけど
もともとシンジは料理が上手い訳でもないし
SS作ってる香具師どもが設定勝手に作ってるだけなのであしからず。
542名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 13:58:33 ID:???
シンジの料理は「ミサトほど酷くはない」という程度なのだろう。
同居しているアスカが文句は言っていたかもしれないが食べては
いたのだろうし。
543名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 14:01:54 ID:???
シャケ━Σ゜lllllE━!!
544名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 22:31:26 ID:???
>>542
ミサトと比べるのは、流石にどうかと思うが?
殺人料理云々はFF設定だけれども、レトルトカレーを不味く作るなんて芸当は、
やはり、常人には無理だと思うし?w

まぁ、シンジの料理に関しては、普通に食える物は作れているし、レパートリーも
それなりにあるんじゃないかとは思われるな。

腕前の方に関しては、並の中学生よりはマシだろうけど、原作に於いて、シンジの
料理を評価する場面てあったっけ?
545名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 22:43:26 ID:???
どうして平均的な家事を手伝っている中学生の腕前じゃ駄目なの?
一流シェフ並みにしなくちゃならない約束事でもあるの?
546名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 22:49:07 ID:???
普通の腕前という程度の作品の方が多いとは思うけど。
一流シェフ並とか書いてある少数の作品が目に付くと
いうか印象的というか。
547名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 23:29:12 ID:???
アスカがシンジに餌付けされてる系じゃないの?
一流シェフ並なんて書いてあるの読んだ事無い
548名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/26(日) 23:34:10 ID:???
>>547
餌付け系だとLRSの方が目に付くかもしれない。
でもここはLHSについて語る場だろうからこれ以上は
スレ違いかも。
LHS系作品だとヒカリの料理上手を上回ることはない
だろうから、必然的にシンジの料理スキルが一流シェ
フ並にはならないと思う。
549名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 00:15:37 ID:???
シンジのお弁当をヒカリが少し食べる

美味し過ぎるこの味付けどーやってんお?

じゃあ家いって教えてあげる

ギシアン

キタコレ
550名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 09:09:12 ID:???
シンジのお弁当をヒカリが少し食べる

美味し過ぎるこの味付けどーやってんお?

私のことも料理してくれない?

ギシアン

だめだこりゃ
551名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/27(月) 10:45:22 ID:???
てか誰も>>541に、

>思われてるみたいだけど
⇒別に思われてはない(FFの都合で多いだけ)と突っ込まないのがこのスレの優しさですね。
552名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 00:45:38 ID:???
シンジにそれなりの料理知識があれば話題もできる。
これでヒカリ×シンジの可能性が(ry
553名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/02/28(火) 00:48:09 ID:???
一歩間違えばおばさん仲間。
WRENCH氏の作品世界設定だけど。
554名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/01(水) 16:01:32 ID:???
マルチブート対応ヒカリンか。
555名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/06(月) 09:52:51 ID:???
へ?
556名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/07(火) 12:03:33 ID:???
ほ?
557名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 20:01:30 ID:???
保守だゴルァ
558名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/12(日) 20:10:37 ID:???
きゃっ!!!やめてよ碇君・・そこ触ったら・・
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1141891712/
559名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/14(火) 23:52:59 ID:+Yvnkay1
solan氏復活!
560名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/20(月) 01:58:46 ID:???
保守
561名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/27(月) 00:38:23 ID:???
solan氏風邪お大事に。
でも短編はウマーですた。
562名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/03/30(木) 06:57:31 ID:???
ゼロではない
563名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 08:44:06 ID:???
いいんちょ「イッて碇くん」

シンジ「ああっ、ああっ、いいんちょ今イクよ」

どぴゅ

トウジ「どやワシのけつ穴は」

シンジ「最高だよトウジ」

いいんちょ「いいもの見せてもらったわ、お似合いね二人とも」
564名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 13:18:46 ID:???
>>563
・・・「もう誰も愛せない」?
565名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 13:46:50 ID:???
やまぐちともこ?
566名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 13:50:26 ID:???
しのざき嶺の方だろうな。
567名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 13:52:36 ID:???
>>564
その場合シンジとトウジの立場が逆だな。
568名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 18:10:05 ID:???
>>566
しのざき嶺と言われても一般人の99%は誰のことか分かりません><
569名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 18:33:36 ID:???
倒錯シンジきゅんスレ向けの話題だな。
570名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/02(日) 18:53:06 ID:???
>>568
つズオーダー大帝
571名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 14:04:22 ID:???
よけいわからん
572名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 14:12:54 ID:???
かつて氏の単行本の表紙カバー折り返しに載っていた
「著者近影」がズォーダー大帝だった、という故事に由来。

なぜズォーダー大帝だったかというと、当時の氏の作品
に登場するおっさんキャラのほとんどが、眉毛がこめかみ
のあたりで髪と繋がっていたからである。キャラによっては
眉間も繋がっていた。
573名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 14:16:05 ID:???
あの人毛深いよな。血色悪いし。
574名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 15:00:16 ID:???
それはさておき、しのざき嶺の「もう誰も愛せない」に登場する少女が
ヒカリに少しだけ似ているわけだ。髪形とか。
もっとも、委員長というわけではなくクラスメートの一人で、さらにHに
興味津々で主人公にいろいろするエロ娘だったりするがw
575名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/04(火) 20:43:46 ID:???
ところで、本編22話の冒頭でアスカの声をヒカリ役の人がしていたよね
576名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/05(水) 15:16:00 ID:???
ところで、ヒカリはシンジのこと碇君って呼んでいるけど、他人行儀だよね。
もし結婚したら、苗字で呼び合う夫婦になりそうやね

「碇君」「洞木さん」
577名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 00:53:42 ID:???
だって、本編中のシンジとヒカリの関係は、
シンジ:アスカの友人
ヒカリ:アスカの同僚兼同居人
でしかないからね。
シンジ自身が転校してきてさほど経っていないと言うのもあるし。

トウジが呼び捨てなのは、彼が問題児だからだろう。悪い意味で遠慮がないだけ。
ケンスケのことはどう呼んでいたっけ?

まぁ、付き合い出したら、
苗字に君付け、さん付け→名前に君付け、さん付け(→名前を呼び捨て)
と、段階的に変わっていくんじゃね?
578名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 00:54:46 ID:???
「碇くん」
「ん、なに?」
「あ、あのね。その……」
「どうしたの?」
「私たち、つきあい始めて結構、経つよね?」
「……そうだね」
「でね、でねっ」
「うん」
「そろそろ、名前で呼び合いたいなぁ。何て思うの」
「な、名前で?」
「うん。だめ、かなぁ?」(下からのぞき込むように、上目遣いで)
「い、いや。ダメってコトはないけど」
「じゃ、いいのねっ?」
「あ、いや、あの、ちょっとぉ」
「うぅ、やっぱりダメなの?」
「いや、皆の前でそういうのは、恥ずかしいかなぁ、って」
「あ、いや、その、うん。そうね。そうだよね、急には無理……」
「あ、その、だからさ」
「なに?」(半泣き)
「しばらくは、二人っきりのときだけとか、デートの時だけってのじゃ、ダメかな?」
「え、えぇ〜っ」(嬉しそう)
「良い?」
「う、うん。良い。それで良い」
「そう」(胸を撫で下ろす)
「でもね?」
「なに?」
「そのうち、ちゃんと人前でも名前で呼んでね?」
「え、あぁ、うん。そのうちに……ね」
「約束だよ?」

みたいなことを経て。
579名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 01:33:27 ID:???
「じゃあお昼食べよっか、シンジ君」
「そうだね、ヒカリちゃん」

てな会話をクラスでうっかりしちゃってばれるんだな?
580名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 06:55:08 ID:???
あと、
「アスカのことは名前で呼んでるじゃない!しかも、呼び捨てだし」
と言う反撃も有り得るな。

いやいや、これだけで短編が一本書けそうだな。


俺じゃない誰かならw
581名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 07:20:11 ID:???
てか、そういうFFあったような
582名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 09:56:58 ID:???
そのあたりの、親密さの変化による呼称の変化をどう描くか
LHS作家さんの腕の見せ所ジャマイカ。
「し〜んじっ」
「ひ〜かりんっ」
とかはさすがに見たことないけど(w
583名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 10:21:09 ID:???
結婚後も苗字で呼び合う夫婦に萌えを感じるのは俺だけでいい
584名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 15:32:58 ID:???
>>577
585名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 22:38:40 ID:???
>>584
何が?
586名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/06(木) 22:49:38 ID:???
シンジ:アスカの友人
ヒカリ:アスカの同僚兼同居人

取り合えず相手をどう見てるのか、って書いてるのを
キャラクターの立場、って読んでしまったようだね。
587名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 02:30:19 ID:???
ああ、言われてみれば、そう取れなくもないな。言葉が足りなくて申し訳ない。
588名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 10:54:27 ID:???
>>582みたいに呼び合うLHS読みたい
589名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 19:54:15 ID:???
「もう我慢できないわ!」
「ど、どうしたの、アスカ?」
「いい?ヒカリ、付き合ってる二人は名前で呼び合う、それが世間の常識よ!
 なのに、なんであんたとシンジはいつまでも碇君と洞木さんなのよ!?」
「そんなこといわれても・・・」
「じゃあヒカリはシンジにいつまでも洞木さんって呼ばれて平気なわけ?」
「それは・・・(い、碇君と名前で呼び合う?そんな・・)」
「決まりね!いいわ、あたしに任せなさい、何が何でもバカシンジに
 ヒカリって呼ばせて見せるわ!」
「(ヒカリのお弁当はいつもおいしいね。あなたのことを考えて作って
  るからよシンジ君って、イヤン私ったら、不潔よお♪)」


 誰か続き書いてくれんか?
590名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 21:01:07 ID:???
MAP〜にあるよ、そんな短編。
591名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/07(金) 22:19:58 ID:???
ていうか、某所のあれを思い出すな。
592名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/08(土) 02:46:40 ID:???
その話題を出すなら、俺、ウンコ行ってくるわ
593名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/08(土) 18:06:56 ID:???
594名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/09(日) 11:54:08 ID:???
>>589

アスカがだれとつきあってるか気になるな
やっぱトウジか
595名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/10(月) 01:48:03 ID:???
>>594
別に誰かと付き合っている必要はないだろ。
"こうあるべきだ"と思っているだけなんだから。
596名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/10(月) 11:55:25 ID:???
誰か続き書いてくれんか?
って言ってるからそんな感じで書いてほしいんじゃ
597名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 03:23:15 ID:???
ほしゅ
598名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 13:04:27 ID:???
アスカがヒカリとシンジの仲とりもとうとやっているうちに
シンジに惚れてしまい悩む・・よくあるネタだな
599名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 19:57:33 ID:???
>>576
まるで美味しんぼですね
600名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 20:54:28 ID:???
違うアスカはトウジに惚れる…んでヒカリはシンジに惚れる

これで万事OK
601名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 21:26:04 ID:???
アスカなんてシンジと絡ませたくなければ、加持の追っかけでもやらせておけばいいだろう。
なぜ、わざわざあまりものカップルみたいにトウジと引っ付けなきゃならん?
602名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 23:37:54 ID:???
学園設定なら、弄りようもあるだろうけど、本編設定なら社会人になるまで無理っぽいよなぁw
アスカにしてみれば、同年代の男子なんて全てに於いてガキでしかないだろうから。
603名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/12(水) 23:47:11 ID:???
>>601
あまりものだからこそトウジとくっつけるんだろう
惨めな独り者へのせめてものお情けというヤツだ
作者にしてみればな
604名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 00:16:41 ID:???
俺としては、シンジ×ヒカリを見て私も恋してみよっかなあ
ぐらいになるのがしっくりくる。結局加持のこともどこか
本気じゃないってことを自覚してる気もするし
605名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 00:51:52 ID:???
アスカの場合、一番距離の近い男(シンジ)と一番の親友(ヒカリ)がくっついたりしたら、
両方に激しく嫉妬してとんでもないトラブル巻き起こしそうなイメージがあるんだが
606名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 02:00:50 ID:???
>>605
それは、背景に拠るんじゃね?
アスカが来日した時点で既にそう(最低でもヒカリ→シンジに)なってたら、
「あれの何処が良いの?」
とは、思いつつ、応援しそうでもあるし。

まぁ、バル戦以降の人間関係がよりいっそう、複雑化しそうではあるけどw

逆に、ゼルエル戦(バル戦?)以降で、ヒカリ→シンジが発覚したなら、>>605
言うような展開もありだろうね。
「みんなして、シンジ、シンジ、シンジ、シンジッ!!誰も私を見てくれないっ!!」
とか言って。
607名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 03:27:27 ID:???
アスカって自覚なさそうだけど、シンジに惹かれてた所があるんじゃないの?
恋っていうと正確でないかもしれんが、加持以上に生々しい感情だと思う。

だから、ヒカリとシンジがくっつくことで、マジショックって気がするんだけど。
しかし、親友の選択を表向き尊重するしかない。
こんな時男が寄って来れば、案外チャンスがあるんじゃないかと思ったり。
608名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/13(木) 10:13:36 ID:???
>>607
アスカの場合、加持に対するあきらめの悪さや、加持が死んだことを告げられた
ことが精神崩壊の最終的な切っ掛けになったこと、EoEでのシンジへの執着
からして、失恋した直後にハイエナみたいに口説こうとすると逆にプライドを
刺激して痛い目に遭いそうな気がするが。

どちらかというとアスカ自身の気持ちの整理が完全についたのを見計らって
勝負するべきでは。
609名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/14(金) 19:27:26 ID:???
そこはそれ、シンジとヒカリのほのぼのとした恋人関係で
徐々に癒されたりは・・・しないわな。だがそういうのこそ
シンジ×ヒカリがまわりに与える最大の長所って感じしない?
610名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/14(金) 21:52:38 ID:???
なかなか進展しない関係に周囲がヤキモキして
逆ギレというのはありそうな気も。
611名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/19(水) 15:18:29 ID:???
h
612名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/19(水) 15:21:58 ID:???
o
613名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/19(水) 20:59:14 ID:???
614名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/19(水) 22:09:10 ID:???
a
615名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/19(水) 22:36:07 ID:???
k
616名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 00:16:04 ID:???
i
617名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 07:23:19 ID:???
s
618名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 14:20:28 ID:???
h
619名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 14:27:49 ID:???
i
620名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 15:57:44 ID:???
n
621名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 16:34:54 ID:???
622名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 20:14:02 ID:???
>>621 マテ
623名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 20:30:10 ID:???
誰だそれはwww
624名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/20(木) 21:22:01 ID:???
まてまて。"子"と書いて、"じ"と読ませるんだよ。きっと。
手天童(しゅてんどう)子郎(じろう)の例もあるし。
625名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/21(金) 19:25:47 ID:???
誰か俺にシンジ×ヒカリを補給してくれ・・・・
626名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/21(金) 22:07:10 ID:???
よっしゃ、おっちゃんにまかしとき

つ 愛、駆け抜ける狂気
627名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/28(金) 04:29:50 ID:???
628名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/28(金) 09:33:20 ID:???
629名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/28(金) 12:19:06 ID:???
>>627-628
ほ・・・も?
630名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/28(金) 12:19:34 ID:???
>>629
不潔よぉーーーっ
631名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/28(金) 20:00:34 ID:???
>>630
婦・・・ケツ?
632名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/28(金) 21:29:58 ID:???
婦ケツ???
633名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/29(土) 06:18:01 ID:???
>>627-632
要約すると男好きというシンジきゅんの悪癖を直す為にヒカリたん自ら
可愛いお尻を差し出してシンジきゅんを誘惑するという事でつね

つまり、ヒカリにとって恋のライバルはアスカではなくトウジであるとw
634名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/29(土) 10:22:37 ID:???
「ま、負けないわよ! スズハラっ!」
635名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/04/29(土) 23:26:51 ID:???
いや、そこは普通(?)に、カヲルの誘惑に思わず乗ってしまいそうなシンジを更生させるために
体を張っていると言うことで良いんじゃね?w
636名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/01(月) 21:03:46 ID:???
すんません、質問です。
エヴァ2のゲームってヒカリ×シンジってできるの?
637名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/01(月) 23:36:09 ID:???
>>636
出来るらしいが、エヴァ2のスレってないんだっけ?
有るならそっちに行った方が詳しい話を聞けると思うが?
638名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/02(火) 04:10:02 ID:???
エヴァ2ってそんなの求めるゲームなんだろか
やったことないんでよくわからん
639名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/02(火) 05:11:43 ID:???
>>637
サンクスです。こっちのほうがピンポイントで聞けるかなあ
と思ったんですが、むこうのほうがよかったですかね


640名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/02(火) 23:32:45 ID:???
>>638
"そんなのを求めるゲームでもある"んじゃないかな?

>>639
ここの住人がエヴァ2をやっているとは限らないからね。俺もやってないし。
更に重要なことに、少し上を見れば解るように過疎っているからなー(はっはっは
641名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/04(木) 01:27:17 ID:???
みんな更新ないしね、最近。
642名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/05(金) 11:26:21 ID:+8vQfvgz
最下層はちと怖い
643名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/06(土) 10:17:43 ID:???
ヒカシン
644名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/08(月) 12:42:52 ID:???
保全さげ
645名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/15(月) 19:50:35 ID:???
保全さげ
646名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/27(土) 00:55:38 ID:???
ヒカリの世紀はどうなったのかな
アスカ参戦で面白くなりそうなのに・・
647名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/28(日) 00:31:43 ID:???
あそこのBBSはやはり仲間内の馴れ合い状態?
648名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/05/30(火) 06:02:04 ID:???
ほぜん
649 ◆RevGiOKgRo :2006/06/05(月) 18:12:11 ID:???
ほっしゅ
650十五円 ◆Td1.y5mH8. :2006/06/05(月) 18:52:36 ID:???
凄い過疎ってるな…
651名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/05(月) 21:44:29 ID:???
「新世紀エヴァンゲリオン2造られしセカイ」を買った。
当然のことながら委員長との関心と愛情はMAXだ。
が、時として起こるトウジと委員長のイベントにちょっと鬱。
分かってるさマイナーカップリングだってことは。
652名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/07(水) 23:01:04 ID:???
>>651
それは最終的には、ヒカリとシンジはくっつけられないってことですか?
653十五円 ◆Td1.y5mH8. :2006/06/11(日) 02:25:15 ID:???
すべては脳内補完という事です。
この二人の組み合わせは和む気がする。
654名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/13(火) 00:48:47 ID:???
  ).            _..∞,,     
 (.          ●'''" * ""'';;,
  )          \.从 从 ;;;ミ    新しいスレで ほじせっせ
 (∴           ゝ゚ー ゚ν ;;;ミ.      
=====⇒∞∞━(,,,ノ(,,,ノ━━━     みんなとの絆で ほじせっせ
 (             ヽ    ;;ミ       (´´
  \.            > >  ,/〜  (´⌒(´
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

前スレ
荒らしもまたいで通るスレ  
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/eva/1127439425/l50
655名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/19(月) 01:03:29 ID:???
保全さげ
656名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/20(火) 20:11:08 ID:???
>>651
トウジにはアスカが合ってるよな
657名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 00:28:30 ID:???
>>656
それはトウジが可哀想だと思うのは俺だけか?
658名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 21:58:38 ID:???
>>657
俺はベストカップルだと思う、なんか似たもの同士だし。

シンジ×ヒカリの夫婦で大家族もいいし
トウジ×アスカで子どもがスポーツ選手辺りやってるのもいいし
カヲル×レイはそれを空から見守るみたいな感じがいい
659名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 22:32:42 ID:???
他カプのことには触れない方向で行こうよ……
660名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 22:35:00 ID:???
やだ
661名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 22:52:08 ID:???
ヒカリとシンジくっつけたいなら他の女キャラをシンジ以外のキャラに差し出す覚悟がなきゃ駄目だ。

だからいいだろ?それで、駄目か?女は全部シンジのもの?独占しなきゃ駄目なの?
662名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 22:54:27 ID:???
>>659
同意。
ここはヒカリ×シンジを語るスレで他のカプを語るスレじゃないんだから。
当人の脳内でベストカップルだからといってスレ違いな話題は迷惑。
663名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/21(水) 23:06:37 ID:???
まあまあマターリしようよヽ(´ー`)ノ
同じヒカシン愛好者じゃないか
664JA時田様:2006/06/21(水) 23:57:15 ID:???
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
シンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ねシンジ死ね
665名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/22(木) 00:00:23 ID:???
やっぱりトウジ×ヒカリのスレが物凄い荒れかたしたのはてめえらの仕業だったわけだな。

何が他カプは迷惑、だよ。結局全部シンジとくっつかなきゃ嫌なんだろうが!
だったら最初からそう言え!
666名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/22(木) 00:12:36 ID:???
いや、俺はLAS人だがLAKやLATもイケル
667名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/22(木) 00:31:46 ID:???
LAS人には聞いてない!


ヒカシン連中に聞きたい!お前らは結局女なら誰でもシンジとくっつけたいんだろ!と
668名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/22(木) 00:47:34 ID:???
その組み合わせが萌えられるものであれば
俺の場合、LASやLMSはOKだがLRSはNG
669名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/22(木) 01:21:37 ID:???
>>667
あんたのその被害妄想の方が良くわからん。

ヒカシンはあくまでヒカシン。他の女もまとめてシンジと引っ付かないと嫌とは言ってない。
だが、他のカプの話はこのスレと関係ないのだからスレ違い。本来の該当スレで大いに語ってくれ。
だいたい、シンジと女を全部引っ付けたいのならシンジハーレムスレがある。
670名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 13:44:58 ID:???
おれはハーレム大嫌い
ヒカリ対アスカorレイみたいに三角関係は好きだが
マナだのマユミまで出してどたばたしたら読む気が失せる
671名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 18:28:55 ID:???
俺は三角関係も嫌い、二股も嫌だけど取り合われるのも嫌
672名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 18:51:32 ID:???
もうみんなで仲良くシンジ様の奴隷になってりゃいいよ
673名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/23(金) 20:11:47 ID:???
でも、ヒカシン物の魅力はお互い周囲が公認している相手
(くっついてなくても、いずれはと思われている相手)がいる所だしなあ。
674名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/25(日) 16:52:33 ID:???
いや、話の開始位置にも拠るぞ?
本編序盤のヒカリには、"トウジを好き"と言う設定はないからな。
サターンの最初のゲームでは、ヒカリエンドがあったくらいだ。
675名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/30(金) 06:44:47 ID:???
うむ
676名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/06/30(金) 21:52:11 ID:???
サターンのゲーム
いいんちょとシンジのキスシーン
思えばあれがヒカシンにはまった最初ですた
677名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/14(金) 01:24:30 ID:???
おめ
678名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/23(日) 18:51:33 ID:???
このカップルは つまらん
679名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/24(月) 00:42:51 ID:???
しかしそこに萌える
680名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/07/28(金) 07:05:15 ID:???
681名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/06(日) 22:44:26 ID:???
682名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/07(月) 00:49:35 ID:???
微熱氏決定キター━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!
683名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/07(月) 18:38:49 ID:???
>>676
ナニー
ゲーム持っとらんから知らなんだー
どんな画像?
684名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/07(月) 20:43:16 ID:???
学校でシンジが一寸だけ強引に抱きしめ、キス。
背景も真っ白になったり。

……でも、このシーン見ると、ヒカリエンドルートから外れるはず。
685名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/09(水) 07:29:08 ID:???
学校でシンジがヒカリに対し強引にディープキス。
その行為に戸惑い混乱するヒカリ
その隙を逃さすシンジは更にヒカリを攻め立てる
上着の中に手をのばし、激しくそして優しく胸を揉みしだく。
混乱する思考の中、ヒカリの身体に走る快感…   続く
686名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/09(水) 08:09:41 ID:???
わっふるわっふる
687名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/09(水) 10:25:17 ID:???
トウジ「なんでワシのスレが荒れとんのにここだけ平和なんや!ごっつう腹立つわ!」
688名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/09(水) 22:09:08 ID:???
朦朧とした意識
それを取り戻したときヒカリは自分の姿に驚愕した。
上着に靴下上履きだけ
スカートはおろか下着は上下着けていなかったのだ。
そして今、自分の居るところは昇降口。
いつの間にか場所を移動させられしかもこんな姿にされていた
いくら朝早くシンジに呼び出され
まだまだ登校時間帯に及ばない時間帯といえど
当直でいた教師は構内に居、又クラブ活動にと
早出してくる生徒が居ないとも言えない   続く
689名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/12(土) 10:33:19 ID:???
ほしゅ
690名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/14(月) 16:50:44 ID:???
保全
691名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/21(月) 23:55:56 ID:???
機能のスクランの所為か、なんかイインチョ=魔法少女なイメージが
再認識されてしまった
魔法少女ものアニメでよくあるうじうじしてはっきりしない男の子として
シンジははまり役だ
692名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/22(火) 23:47:24 ID:???
夏休みもあと数日を残すばかり。
ヒカリは葛城宅を訪れていた。夏休みの宿題をまだ片づけていないアスカのためにである。
リビングのテーブルにアスカと向かい合って座る彼女は、
「はぁ〜」
と肩肘を付きながら溜め息をついた。
案の定というか、アスカはヒカリのノートを丸写ししているのである。
初めはわからないところをヒカリが教える形であったが、まだ日本語が苦手であるアスカの
ペースは遅く、そんなことではとても宿題は終わりそうにもなかった。
それだけではない。
ヒカリはちらっとアスカの横を見て、もう一つ溜め息をついてから、
「碇くんもなんて……」
と小さく呟いた。
やっぱりというか、意外というか、シンジも宿題を丸写し状態であった。
シンジの弁では『エヴァの訓練が忙しかったから』ということだが、ヒカリからすれば言い訳に
もならない。毎日、少しずつしていれば十分な量なのだ。
そんなわけで教えることもないヒカリは退屈を持て余していた。
彼女は両手で頬を支えながら二人をぼんやりと眺めていたが、いつしかシンジだけを見つめていた。
思えば、男の子の顔をこんな間近に見つめたことなど無いかもしれない。
まだ喉仏も膨らんでいない彼の顔は子供っぽさで溢れている。女装させたら、そのまま女の子と
して通用するかもしれない。
でも、ふとヒカリは気がついた。シンジの顎に1本だけ黒い毛が生えているのを。
長さはたぶん5mmくらい。ホントにちょろっと生えている感じ。
ヒカリは彼も男の子なんだと思うのと同時に、おかしさがこみ上げてきた。
なんとも間が抜けている感じがして、彼女はくすっと笑ってしまった。
シンジはそんなヒカリに気づいて、
「どうしたの?」
と訊いた。
693名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 00:04:38 ID:???
ヒカリはまだ笑みを口もとに残しながら、
「ううん、なんでもない」
と答えたが、やはりシンジは疑問を顔に浮かべたまま。
う〜んと、ヒカリは小さく首をかしげると、
「碇くん。ちょっと我慢してね」
と言って、彼の顎に右手を伸ばした。
そして、彼の1本だけ生えている髭をつまんだ。
ヒカリは髭を抜こうと、えいっと引っ張る。
しかし、長さ5mmほどである。彼女の指が滑り、髭は抜けない。
「な、何するの!? 委員長」
とシンジは抗議の声を上げ、
「ちょっ、何やってんのよ。ヒカリ?」
とアスカも驚くが、ヒカリはまだ諦めない。
「碇くん。もうちょっとジッとしていて」
と言って、ヒカリはシンジの髭をつまむ。
「イテッ」
とシンジは痛みを和らげようと、自然に髭を引っ張るヒカリの方へ中腰になって近づいた。
そして、ヒカリは指に力を入れて、
「えいっ」
と髭を引っ張った。
その瞬間、シンジの顔も引っ張られて、
「あっ!!!」
と、アスカの声が挙がった。
ヒカリとシンジのくちびるが重なってしまったのである。
驚きで目を丸くしている二人。数瞬のうちに頬を赤く染め上がる二人。
でも、二人のくちびるは離れようとはしなかった。
ようやく二人が離れてからはアスカの罵声が止まることはなく、シンジは怒られ続けていた。
そんな二人をヒカリは茫洋とした表情で見ている。
ただ、彼女の指はシンジの顎から抜けた髭をつまんだままであった。
694名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/23(水) 22:30:01 ID:???
>>693
これは…いい事故ですね。
(*´Д`)ハァハァ
695名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/08/25(金) 23:46:10 ID:???
「でね、ノゾミったら……って、聞いてる? 碇くん?」
「あ、うん。聞いてるよ」
と碇くんは言うけど、わたしの言葉なんて聞いていないことは一目瞭然。
この頃、碇くんはいつもこんな感じ。
学校から一緒に帰ることにも慣れて、やっと私たち付き合っているという雰囲気だったのに。
それにしても近頃の碇くんはちょっと変。
わたしの話を聞いていないみたいなんだけど、ときどき私の顔をじっと見つめていたり。
見つめられるのうれしいけど、やっぱり恥ずかしいから『なに?』って聞くと、碇くんは
頬を真っ赤に染めて顔をそらしちゃう。
う〜ん、男の子って何を考えているのかよくわかんない。もしかしてエッチなことだったり。
そんなことを考えていたら、また横からの視線を感じて、わたしは歩みを止めた。
碇くんの方へ振り向いて、わたしは
「なぁに?、碇くん」
と訊いた。
碇くんは少し驚いたような目をしてから、視線を地面に落とした。それから再び顔を上げた時
にはもう頬が桃色に染まっていて、その目は宙を泳ぐようだった。
でも、ときどき私の方へ碇くんは目線を止まらせていて、わたしはもう一度、
「ねえ、本当にどうしたの?
「あ、うん。……」
と言葉をしばし止めてから、碇くんは恥ずかしそうに口を開いた。
「あ、あのさ。僕と洞木さんは……付き合っているんだよね?」
「うん」
「だからさ、そろそろ……」
「そろそろ?」
「キスしてもいい?」
「えっ!」
わたしはとっても驚いちゃって、でもうれしくて碇くんの黒い瞳を見つめていた。
そうしたら碇くんは急に顔を青ざめちゃって、
「ご、ごめん、洞木さん。僕は、その、……『不潔よ』なんて言わないで!」
と言うと、走って去ってしまった。
私はびっくりして呆然として、でも私そんなこと言わないのにって腹立たしくもあり、だけど
やっぱりうれしくて、たぶん次に言われたら断れないなと思って、頬に熱さを感じていた。
696名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/03(日) 22:02:08 ID:???
なんとなく気分が悪く、学校を休もうとしたら、ミサトさんに家から追い出されてしまった。
原因はわかっている。昨日のキスのことだ。
今日、そんな顔をして洞木さんに会えばいいんだろう。
嫌われてしまったかも。
そんなことばかりアレから考えているから、夜はちっとも眠れず、今も足取りは重かった。
ふうーっと、溜め息をまた繰り返す。
僕は地面を見ながら歩いていて、その声を聞いて初めて気がついた。
「おはよう、碇くん」
って言われて顔を上げると、隣には洞木さんが並んで歩いていた。
僕は驚いてしまって、同時に恥ずかしくなって、挨拶を返すことが出来なかった。
たぶん、顔全体が赤くなっているだろう。
そんな態度に洞木さんは怒っているかもしれない。それでなくても昨日、無理にキスしようとしたし。
僕は洞木さんをまともに見ることができなくて、でもどうしようもなく気になって。
ちらっと洞木さんを盗み見るように目を向けた。
そんな微かな僕の視線だったが、洞木さんは気づいていて、僕にニコッと笑みを送った。
どうしてと僕の頭は疑問符だらけになったけど、その一方でホッとしていた。
それでも僕は洞木さんを見ることが出来なくて、でもどうしても言いたいことがあって、
「洞木さん、……昨日、……ご、」
ごめんと続けようとした時、僕の右手を洞木さんは握ってきた。
洞木さんは僅かにうつむき、頬を桜色に染めている。でも、僕の手を離そうとはしなかった。
しばらく、僕たちは会話もなく、ただ学校へと歩いていた。
周りからはどう見えているんだろう。ケンスケやトウジたち、クラスメイトに見られていたら。
そんな考えが頭の隅をよぎったけど、すぐに消えていった。
今はただ洞木さんの手を離したくはなかった。
学校の校舎が見えてきたところで、洞木さんは小さく口を開き、
「碇くん。今日は訓練あるの?」
「ううん、ないよ」
「そうなんだ。……あのね、今日、学校が終わってから、街の方にいかない? おいしい
ジェラードの店を碇くんに教えたいから」
「うん、いいよ。行こう」
その瞬間、かわいらしく微笑んだ洞木さんに見惚れてしまって、同時にそのちいさな
くちびるにキスしたくなったけど、まだ今はこのままでもと思い、僕も彼女に笑みを返した。
697名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/04(月) 08:51:14 ID:???
(≧∀≦)/イイ!!
続きも楽しみにしております
698名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/06(水) 00:23:30 ID:???
アタシ、惣流・アスカ・ラングレー、16歳。花の女子高生よ。
と、バカな自己紹介はここまでとして、調理実習でニンジンを短冊に切っていた。
幼なじみのシンジとは班が違う。からかう相手が近くにいないのはちょっとつまんないかな。
アタシは料理嫌いに見られがちだけど、これでも家ではママの手伝いはよくしているのよね。
今もきれいにニンジンを切れたし、これをアイツに自慢してやりたいな。そう思って、アタシは
横目でシンジをちらっと見た。
すると、相も変わらずシンジは上手に包丁さばきを披露していた。
それにしても高校に入ってもシンジと一緒のクラスなんてねぇ。
思い返せば、幼稚園からシンジとは一緒のクラス。偶然もここまで来ると運命なのかもしれない。
なーんてことも考えちゃうわよね。
これからもずーっとシンジとは一緒にいるのかも。
そんなことを考えていたら、なぜか頬に熱さを感じてしまい、危うく包丁で指を切ってしまうところ
だった。
「惣流さん、気をつけなさいよ」
ちょうど様子を見に来た先生に注意されて、アタシは微かに舌を出して、
「はい、」
と返事をした。
こんなところを見られたらカッコ悪いと思い、アタシはシンジを盗み見た。
運良く?シンジはアタシを見ていなく、ヒカリと一緒にサラダの盛りつけをしていた。
ヒカリはアタシの一番の親友で、シンジとも友達。
と言っても、シンジはアタシと一緒にいることが多いから、ヒカリとも話すくらいな感じで、それ
ほど親しくはないんだけどね。
……だけど、最近、二人が一緒にいるところを見ると、なんか、こう、胸の奥がモヤモヤするよ
うな、なんなとなく気分が悪いような、そんな感じになってしまう。
なーんか、アタシらしくないな。
そう思って、アタシは小さく息を吐いてから、トマトを切り始めた。
と、そんな時、シンジの声が大きく聞こえてきた。
「委員長は自分勝手なんだよ」
えええっと思って、シンジの方を見ると、二人が向かい合って険悪な雰囲気を作り上げていた。
「自分勝手なのは碇くんの方でしょ。ふざけないで!」
「ふざけてんのは委員長の方じゃないか」
699名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/06(水) 00:43:05 ID:???
「そんなこと……、もう碇くんがそんな人だとは思わなかった」
ヒカリの声は本気で怒っていた。
アタシはまずいと思って、すぐに二人の方へ駆け寄っていった。
「どうしたのよ、アンタたち? 今は授業中なのよ。わかってんの?」
シンジは険しい目つきをしながらアタシの方へ向いた。
「わかっているよ。だけど、委員長が」
「わたしのせいにするの?」
と、すぐにヒカリも反応した。
「違うのかよ?」
「違う。絶対に碇くんの方が間違っている」
「ちょ、ちょっと待って。いったい何があったのよ?」
アタシがそう訊くと、二人は顔を背け合った。
しばらくして、シンジが小さな声で、
「それ、」
と言って、一つの大皿を指さした。
そこには輪切りになったトマトがきれいに盛り付けられていた。……ハート形になって。
たくさんのトマトの輪切りをハート形に並べて、そこにオニオンの刻みがまぶしてある。
アタシは上手くできていると思い、
「かわいいじゃない」
「でしょ。でも、碇くんが」
「だから、どうしてトマトを輪切りにするの? このサラダには四つ切りがあっているんだよ」
「でも、ハートの形がかわいいでしょ?」
と、ヒカリはニコッと微笑みながら言った。
「だ、か、ら、ハートとかそういうんじゃなくて、僕は四つ切りの方が好きなの」
「じゃあ、それでハートを作ればいいかな?」
「……まあ、それなら」
「なら、もう一つ作らないとね」
そう言って、ヒカリはトマトを四つ切りにし始めた。すると、シンジも隣でトマトを切り始める。
アタシはすっごくバカバカしくなって、溜め息を吐いた。
と、同時に、アタシはやっぱり胸がモヤモヤしていた。

つづく
700名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/07(木) 22:33:48 ID:???
ソフトボール部の練習も終わり、帰り道は茜色の光に包まれていた。
シンジの方もちょうど吹奏楽部が終わったようで久しぶりに一緒の家路となった。
アタシはシンジの頬を見ながら、
「その顔、どうしたのよ?」
と訊いた。
頬骨のところに大きな湿布が貼られている。
シンジは苦笑いをしながら、
「階段で転んじゃって、ぶつけたんだ」
と答えた。
アタシは呆れたように肩を下げて、
「シンジって、ホント、ドジよね」
と言うと、シンジはあははと笑い声を返した。
それにつられてアタシも小さく笑う。
シンジって昔からこんな感じなのよね。バカでスケベでドジで、内向的だし友達も少ないし、
ケンカなんて出来ないし、いつもアタシが助けに入ってやったし。
でも、案外、やさしいし。
まあ、ようするにシンジにはアタシがついてやらないとダメなのよねえ。
「シンジ、」
「ん?」
「アンタさ、間が抜けてんだから、もう少し気をつけなさいよ。階段を転ぶくらいならまだしも、
車になんかひかれたらシャレになんないんだからね」
「わかった。……アスカ、」
「なによ?」
「心配してくれて、ありがとう」
そう真顔で言ったシンジにしばし視線を奪われてしまったアタシはさっと顔を逸らし、
「ば、バカ。アタシはシンジの心配なんか……」
「でも、ありがとう」
アタシは何も言えなくなって、顔を逸らしたまま歩き続けた。
と、そんな時、後ろの方から
「アスカ、」
と、アタシを呼ぶ声が聞こえてきた。
701名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/07(木) 22:50:28 ID:???
アタシは後ろを振り返り、
「ヒカリ?」
と言うと、ヒカリはすぐにアタシの横に並んだ。
「ヒカリも今、帰り?」
「うん。ちょっと生徒会が長引いちゃって。碇くんも部活が終わったんだ?」
「う、うん」
シンジはちょっと慌てたようにケータイの時計を見ると、
「僕、ちょっと急いで帰らないと。先に行くから。じゃあ、アスカ、委員長、また明日」
そう言って、シンジは駆け出していった。
なーんか変。そう思いながらシンジが消えていった方を見ていると、
「ねえ、アスカ」
「ん、なに?」
「本当は黙ってて、って言われたんだけど、碇くんの頬のケガ。アレはわたしのせいなの」
「どういうこと?」
アタシは目を丸くさせながらそう訊いた。
「今日の放課後、わたし、上級生にからまれちゃって、その時に碇くんが助けてくれたの。
それで、その時に碇くん、殴られちゃって」
「……」
「カッコ悪いから黙っててと言われたんだけど、碇くん、カッコよかったよ」
と、ヒカリは瞳を微かに潤ませながら言った。
それに対して、アタシは何も答えずに黙って前を見続けた。
シンジがアタシに隠し事をしていたことは気にくわない。腹が立ってくる。
だけど、いつの間にかシンジも誰かを助けるようになったんだ。そうアタシは思った。
もうアタシがシンジを助けるようなことはないかもしれない。
そう考えたら、少し胸が痛いような感じがしてきた。

つづく


って、続けていいんでしょうか?
アスカ視点にしてみたら、スレ違いのような気がしてきました。
702名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/08(金) 00:14:27 ID:???
ゴールがヒカリなら、大歓迎ですよ
703名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/08(金) 00:22:42 ID:???
Gj!
是非続けて欲しいです

>書き方
告白シーン以降はシンヒカどっちかの視点へ切り替えてみるとか。
704名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/11(月) 20:04:39 ID:???
 シンジの家のドアフォンを押すと、ユイさんの笑顔がモニターに映った。
「おはようございます」
「おはよう。アスカちゃん。上がって」
 と、いつもやり取りをしてアタシは家の中に入った。
 シンジとは学校どころかクラスもずーっと同じこともあって、毎朝、迎えに行っている。
 まあ、いわゆる腐れ縁なのよね。
アタシはキッチンに入ると新聞を読んでいるシンジのお父さんに挨拶をした。
「おはようございます」
「うむ、おはよう」
 と、シンジのお父さんは新聞から目を離さずに挨拶を返した。
 一見、無愛想に見えるけど、本当はそんなことなくて、これも付き合いが長いから
なんとなくわかってしまう。シンジのお母さんは『これでも可愛いところがたくさんあ
るのよ』と以前にアタシへ言ったことがあるが、それも何となくわかるようになってきた。
 そして、アタシがイスに腰を下ろすと、
「はい、コーヒー」
 と言って、ユイさんはアタシの前にマグカップを置いた。
 アタシはブラックのままコーヒーに口を付けると、シンジの部屋の方へ視線を向けた。
 以前はシンジの部屋へ起こしに行っていたけど、最近はもう少なくなっている。高校受験が
近くなってから、シンジは自分で起きるようになっていたし、もういい加減、高校生だしね。
 だけど、今朝はちょっと遅いような。そう思っていたら、ユイさんが
「シンジ、まだ眠っているのかしら。アスカちゃん、悪いけど起こしてきてもらえる?」
「はい、いいですよ。……もう、また夜更かしでもしたんじゃないの」
 と言って、アタシは席を立ち、シンジの部屋へ向かった。
 そして、部屋のドアノブを回して、ドアを開けた。
「シンジッ! いつまで寝てんのよ」
「ば、ばか。勝手に入ってこないでよ。アスカ」
「ごめん」
 アタシはドアを閉めて部屋から出ると、胸に右手を当てた。
 まだ胸がドキドキと鼓動を打っている。まぶたの裏に焼き付いている光景は、シンジがズボン
を履こうとしているところで、トランクス一枚だけの姿。シンジの裸なんて幼い頃に見慣れている
のに、何度もお風呂へ一緒に入ったこともあるのに。
 なぜかアタシの胸は激しく鼓動を打ち続けていた。
705名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/11(月) 20:24:57 ID:???
 そんな朝だったけど、やっぱりシンジはシンジで、アタシとしてはダメな弟って感じなのよね。
 まあ、ちょっとドキドキしたけど。
 そんなこともあって朝に渡そうと思っていたのが、昼になってしまっていた。
 お弁当も食べ終わり、窓際の方を見るとシンジがヘッドフォンを耳に付けながら机に伏していた。
 授業中も眠そうにしていたし熟睡しているかもしれないけど、アタシはシンジの前の席に座り、
そのヘッドフォンを耳から取り外すと、
「シンジ、起きてる?」
「……あ、アスカ。なに?」
 と、シンジは目をこすりながら起きた。
 その寝ぼけた顔をおかしくて、アタシはくすっと小さく笑いながら、
「シンジ。ケータイを貸してよ」
「ん、いいよ」
 アタシはシンジから携帯電話を受け取ると、ポケットからストラップを出して、それに付けた。
「はい、あげるわ」
「えっ、どうして?」
「アンタ、ばかぁ? 今日は誕生日でしょう」
「あ、そうか。ありがとう、アスカ」
「ほら、もっと感謝しなさい」
 そう憎まれ口を叩くけど、やっぱり喜んでもらえるとうれしいものなのよね。
「でも、これ高くなかった?」
 シンジはストラップをさわりながらそう訊いた。
 そのストラップには雫の形をした石がついていて、キラキラと七色に輝いていた。
「バカね。アタシのお小遣いで買えるくらいだから、そんなに高くないわよ。シンジはそんな
心配をしなくていいの。素直にアタシに感謝すればいいのよ」
「わかった。ありがとう」
「ふふん、」
 でも、本当はちょっとだけ高いのよね。買いたい服も我慢しちゃったし。だけど、まあ、シンジも
よろこんでいるみたいだし、満足って感じかな。
 アタシは机に肩肘を付きながら、
「アンタ、自分の誕生日を忘れているなんて、どうかしているわよ。そんなんだから女の子から
誕生日を祝ってもらえないのよ。まあ、アタシだけよね。ホント、感謝しなさいよ」
706名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/11(月) 20:40:20 ID:???
 アタシがそう言ったら、シンジは少し考え込むような顔をした。そして、ポンと手を打つと、
「あー、そうか。そう言うことだったのか」
「なんのことよ?」
 シンジは鞄から映画のチケットを取りだして、机の上に置いた。
「これ、委員長からもらったんだ」
「ヒカリから?」
「うん。おめでとうって。それでアスカと一緒に見に行ったらって。委員長すぐに離れて行っ
ちゃったから何のことだかわからなかったけど、そうだったのか」
 アタシがさっと後ろを振り返ると、ヒカリはクラスメイトと雑誌を見ながらおしゃべりしていた。
 そして、アタシはチケットへ目を戻す。それは今、大人気の恋愛映画だった。
 シンジはチケットをアタシの方へ差し出しながら、
「アスカ、見に行く?」
 と訊いてきた。
「え、ええっ!?」
「あ、アスカは今日、部活があるよね。じゃあ、週末にでも行く?」
「え、あ、う、」
 と、なぜか返答に詰まってしまったアタシであったが、
「なんか、こういう映画を見に行くのって、デートみたいだね」
「バカ、アンタ、なに言ってんのよ。なんでシンジとの映画がデートになんのよ」
 と、アタシはとっさに言っていた。
「だいたいアタシは日曜にソフトの試合があんの。そんな暇ないわよ」
「そうか。じゃあ、しょうがないよね。どうしよう。ケンスケと見に行くのもなあ」
「ヒカリと見に行きなさいよ。アタシも頼んであげるから」
 気がついたらアタシの口からそんな言葉が出ていた。それは止まることはなく、
「シンジ、まだ女の子とデートもしたことないでしょ? アタシが義理で頼んであげるとはいえ、
こんなことは滅多にないんだから、感謝しなさいよね」
 そう言うと、アタシはヒカリのところへ向かって、二人のデートをまとめてしまった。
 うー、どうしてこんなことになったんだろう。
 もう、この貸しは1000倍にして返してもらうからね。

つづく
707名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 22:25:29 ID:???
706
やっぱりスレ違いだと思いましたので出直してきます
708名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 23:07:03 ID:???
ガ─────(゚д゚;)─────ン

>すれ違い
いや、第三者支店のLHSとは面白い、と思ったばかりなのに。
出来れば出直しを撤回して欲しい。
709名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/14(木) 23:14:44 ID:???
カプとしてはヒカシンでも、アスカ視点のアスカ主人公ではスレ違いかなと思いました。
例えば、ハルヒではキョン視点ですが主人公はハルヒであることは間違いないことです。
ところが、上の話ではどう読んでもアスカが主人公ですし、これからもそうなってしまうかなと。
ホント、ごめんなさい。
どこか適当なスレに移ろうかと探してみましたが、特になかったのでどうしよかと思ってます。
710名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 00:00:50 ID:???
取りあえずLHSなので此処で。
ただし、アスカ主人公ということで読みたくない人物も居るだろうから
この先は鳥入れて更新続行、というのは?
LHS作者の中核がほぼ音信不通な今、飢えてる俺らにとってとても嬉しい連載なんですよ。
711名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 00:08:03 ID:???
無理に2chじゃなくても、投稿BBSのあるサイトに投下とかしてみればどうかな?
後、この話の失敗点(ここへの投下物としてと言う意味でね)は、アスカがシンジに
恋愛感情(らしき物)を持っているように見えるところだと思う。

純粋に"ヒカリの親友としてのアスカ"が、ヒカリとシンジの恋物語を語る(アスカは
あくまで語り部であり、私見を挟むことはあっても、基本的に自分のことは語らない)
のなら、それほど気にはならなかったんじゃないかな?
712名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 00:25:27 ID:???
>投稿BBS
今動いてるのは「新・電波の泉」位かな、やっぱり。
713名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/15(金) 23:54:33 ID:???
age
714名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/16(土) 00:17:12 ID:???
まだ読んでないけど、こんなスレがあったなんて…
自分だけだと思ってたよ、シンジ×ヒカリなんてのは。
715名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/16(土) 08:43:44 ID:???
じっくりと読むがいい
そして萌えるがいい
前スレも見逃すな
716名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/18(月) 01:59:44 ID:???
>>714
LHSは、ちゃんとジャンルとして存在するからな。
LASやLRSに比すれば決して多いとは言えないが、探せば結構あるよ。
717名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/19(火) 00:45:09 ID:???
全世界武者修行中にネルフ(司令は冬月に召還される碇親子。
古い知り合いの洞木副司令家に下宿することに。

「長女コダマ16歳、次女ヒカリ14歳、三女ノゾミ12歳。好きなの選んでくれ。君の許婚だ」
718名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/19(火) 22:15:24 ID:???
エヴァはいらん。
娘をよこせ。
719res698:2006/09/20(水) 20:25:58 ID:???
カッコ悪いですが、出戻りで続けさせてもらいます
一応、上の数字HNをつけます
いろいろとごめんなさい
720res698:2006/09/20(水) 22:49:59 ID:???
「あなたの言っていることがよくわからないわ」
 と抑揚のない口調で話すのは綾波レイ。
 中学時代からの腐れ縁で、周りの人からはアタシとレイは正反対だと言われている。
「そうね。ねえ、アスカ。高齢化社会と由比ヶ浜がどう関係しているの?」
 と、昼休み、教室の喧噪の中で話しかけてきたのはヒカリ。
 アタシは二人へ人差し指と向けて言い放った。
「アンタたちは水着を持って、黙ってアタシについてくればいいの」
 一瞬、二人は沈黙を保ったあと、ヒカリはくすっと、レイはふっと小さく笑った。
「アスカ。じゃあ、朝7時に駅で集まればいいのね。綾波さんも大丈夫よね?」
「ええ、かまわないわ」
 アタシはなーんかバカにされているような感じがしたけど、まあ、それはよしとして、
「レイ。水着、ちゃんと用意しなさいよ」
「……どうしてそういうことを言うの?」
 と、レイは小首を傾げながら言った。
 やっぱり、こいつは何もわかっていない。
「アンタ、去年のことを忘れたと言わせないわよ。みんなで海に行った時、アンタ、スクール
水着を着たでしょ。しかも名前入り。アタシたち、すっごく恥ずかしかったんだから」
「……私は恥ずかしくなんてなかったわ」
「アンタがそうでも、アタシが恥ずかしいの。しかも、きもいデブに写真を撮られてたし。
スクール水着を海で着るなんて、マニアックなヤツが集まってくるでしょうが」
「そうなの?」
 とレイはヒカリに訊いた。
 ヒカリは困ったような笑みを浮かべながら、
「えーと、そうかな。あ、は、は、は……」
「とにかく、普通でいいんだから、ちゃんと水着を持ってきなさい」
「……わかったわ。なら、今日、碇君に選んでもらう」
「だー、なんでそこにシンジが出てくんのよ。アンタ、少しは恥じらいというのを持ちなさい」
「そうよ。綾波さん。そんなこと、お願いしたら碇君だって困ると思う」
 ヒカリはレイの方へ身を乗り出しながら言った。
721res698:2006/09/20(水) 23:09:40 ID:???
「なら、どうすればいいの?」
 アタシはなんか疲れを感じていたが、
「もうアタシが選んであげるから、そうれでいいでしょ?」
「……イヤ。あなたの趣味は私と合わないもの」
「だー、そこで文句を言うか。このわがまま女」
「あなたほどではないわ」
「ちょ、ちょっと。みんなで買いに行きましょ。わたしも新しいの欲しいし。ねっ?」
 ここでヒカリが間に入るのはいつものこと。
 なんだかんだ言ってもアタシたち3人は上手くバランスが取れていると思う。
 それからアタシたちは週末の予定を細かく決めていったけど、ヒカリがふと呟いた。
「だけど、わたしたち3人で海っていうのは危なくないかな?」
「あー、そんなの平気よ。アタシたち、もう子供じゃないし」
「でも、変な人たちに絡まれたりしたら」
「アタシがやっつけてやるわよ」
 と言って、アタシは右ストレートを打ち込む仕草を見せたけど、
「けど、やっぱりナンパされるのはウザイわよね。アタシたち、そんな気は全然ないっていうのに」
 その刹那、ヒカリとレイがアタシを見つめた。
「なによ? アンタたち」
「ううん。何でもない」
「……」
 まあ、二人が何を考えているか見当はつくけど、それは無視して、
「じゃあ、シンジでもつれてく? あと、相田のバカでも引っぱっていけば虫除けにはなるでしょ」
「えっ、碇くん?」
「ヒカリはイヤ?」
「え、あ、……ううん」
「私はいいわよ」
「アンタには訊いてないから」
 とツッコミをレイに入れてから、
「だけど、メンツ的に一人足りないわよね。うーん、そうだ。鈴原のアホも呼ぶか」
「それは絶対にイヤ」
 そうヒカリは大きくはっきりと言った。
722名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/20(水) 23:32:01 ID:???
 アタシはちょっとまずったかなと後悔をしてしまったが、さらりと何でもなかったかのように
「じゃあ、まあ、5人でいいか。レイもそれでいいでしょ?」
「碇君が来るなら、それでいいわ」
「はいはい。……ヒカリもいいわね?」 
「あ、うん」
 まだ翳りが残っている目でヒカリは返事をした。 ヒカリをこんな風にした鈴原へ心の中で
毒づきながら、アタシはヒカリを見つめる。 中2の時、ヒカリから告白して鈴原とつきあい始
めた。お昼のお弁当も作ってくるほど、もうアツアツぶりだったが、鈴原のバカが高校受験を
失敗して、二人は離ればなれに。そこからは高校生の付き合いにありがちなだんだんと疎遠
になって、自然消滅。それだけならまだしも、鈴原は他の高校に入ってすぐに彼女ができて
いたという事実が発覚して、ふーっ、あの時はヒカリも荒れたわね。
 ま、それはともかくアタシはシンジを呼ぶと、
「そういうわけで、今度の土曜日に鎌倉へ行くから」
「ぼくも?」
「文句ある? アタシたち美少女3人と海水浴に行けるのよ。普通の男だったら涙を流して
喜ぶところなんだからね」
「でも、アスカだし」
「碇君、いやなの?」
 と微かに哀しそうな表情でレイは訊く。こいつは天然でこういう仕草をするんだから怖い。
「う、ううん。全然。僕も海に行きたかったんだ。今年初めてだしね」
 と言ったあと、シンジは顔を横にして視線を床に落としながら
「でも、相変わらず泳げないんだけどね」
 と呟いた。アタシはシンジの背中をバンッと叩いて、
「シンジ。泳げるようになるまで特訓よ」
「えーっ!」
 シンジはあからさまに嫌な顔でそう言った。

 で、当日、砂浜でピチピチのブリーフを履いて仁王立ちしている男が一人。
「なんで、アンタがそこにいるのよ?」
 ヤツは振り返ってアタシを見ると、にっと笑った。そう、渚カヲル。ヤツである。

つづく
723名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/21(木) 17:53:37 ID:???
御帰りー、そして乙。

>カッコ悪い

いやいや。
ちょちょいと書いて後はほおりっぱなして書き逃げする人も多い中
ちゃんと戻ってきて、続けてくれるだけでもカッコいいと俺は思うし、有難いですよ。
724res698:2006/09/21(木) 21:49:27 ID:???
 陽射しが真上から降り注ぐ青空の下、アタシとヒカリはパラソルの作る影の中で
ドリンクを飲みながら涼んでいた。そして、ちょっと前の方で座りながら楽しそうに話
し合っている男が二人。シンジと渚カヲルだ。
「ねえ、アスカ」
 と、ヒカリが話しかけてきた。
「ん? なに?」
「アレ、」
 と言って、ヒカリは前にいる二人を指さした。
「なんだか、絵になっていると思わない? お似合いっていうか。二人ともどことなく
男っぽくないじゃない。だから、ね?」
「ねっ、じゃないわよ。男同士がくっつき合って、気持ち悪いったらありゃしない」
「でも、……」
 と小さく呟いたヒカリの瞳はキラキラと輝いていた。
 まさか、アンタ、そんなのに興味があるの?と思ったら、真夏なのに寒さを覚えてしまい、
我慢できなくなったアタシは立ち上がると、シンジたちの後ろに立った。そして、
「アンタたち、くっついてんじゃないわよ!」
 そう言って、アタシは渚の背中にやくざキックを喰らわしてやった。
 その衝撃で渚は前に倒れ込み、顔が砂浜の中へ埋まってしまった。
「アスカ、カヲル君に何をするんだよ!?」
 少し怒り気味にシンジは言ったが、アタシはビシッと人差し指を向けて、
「シンジ、何で渚なんかをつれてきたのよ?」
「えっ、だって、カヲル君は友達だし、ちょうど3・3でいいかなって」
「いいかなって。アタシがそいつを嫌いだって知ってるでしょ」
「また、アスカはそんなこと言う。カヲル君が可哀想じゃないか」
「シンジ君、ボクは気にしてないさ」
 渚のアホが顔についた砂を手で払いながら、そう言った。
「カヲル君……」
「それにシンジ君。惣流さんの気持ちを考えてあげなよ。ただ、照れ隠しをしているだ
けなのさ。ほら、小学生とかによくいるじゃないか。好きな子にイジワルしてしまう子が」
「だー! そんなわかけあるか!」
 アタシは渚にパンチを繰り出したが、ヤツはさっとかわすと海の中へ消えていった。
725res698:2006/09/21(木) 22:12:33 ID:???
 シンジもすぐに渚の後を追って行く。でも、シンジは泳げないから波打ち際で
水遊びしているだけなんだけどね。
 アタシは疲れて小さく溜め息を吐いてから、ヒカリのところへ戻った。
 軽く笑みを浮かべながらヒカリは、
「なんだか楽しいね」
「どこが……。渚のヤツ、むかつくのよね」
「ふ〜ん、」
「何か言いたいことあるの?」
「ううん、ただ、」
「ただ?」
「アスカは誰とでも仲良くできていいなって」
 ヒカリは両腕で抱えている膝に頬を乗せた。
「わたし、渚君とほとんど話したこと無いから。それに男の子の友達もいないし」
「シンジと相田がいるじゃない」
「うん、碇君と相田君は昔からの友達だけど……、わたし、男の子がちょっと苦手なのよね」
 アタシは地雷を踏んじゃったかなと思い、話題を変えようと
「そう言えば、相田の姿が見えないけど、アイツどこにいるの?」
「相田君、監視員の人に補導されちゃった。大きなレンズのついたカメラを持っていたのが
原因みたい。盗撮魔と勘違いされたみたいなのよ」
「げっ。だから、カメラはしまっておけと言ったのに。ホント、バカなんだから」
 ヒカリはくすっと笑うと、
「そうね。でも、誤解だから、すぐに戻ってくるよ」
「あんなヤツ、戻ってこなくてもいいわよ。永遠にね」
 そう言ってから、アタシは立ち上がり、
「ヒカリ、悪いけどアタシも泳いでくるわ。荷物の方、ちょっと見てて」
「わかった。いってらっしゃい、アスカ」
 その声を背にアタシは海へ向かうと、途中でシンジとすれ違った。
「シンジ、もう泳ぎの練習は終わったの?」
「ちょっと、休憩。でも、これでもちょっとは上達したような気はするんだけど」
 小さく笑ってから、シンジはアタシたちのパラソルの元へ歩いていった。

つづく
726res698:2006/09/27(水) 23:01:28 ID:???
 それからアタシはしばらく泳いだ後、ヒカリの元へ戻ったんだけど、
「どうして海に来てまで、そんなふうに呼ばれなきゃならないの!?」
「だったら、なんて呼べばいいのさ?」
「そんなこと、碇くんが自分で考えなさいよ」
「あー、もうわかんないよ」
 ヒカリとシンジが顔をつきあわせながら言い合い、というかケンカをしていた。
 最近、この二人、ケンカばかりしているような。
「で、なんなの? ヒカリ」
「聞いてよ、アスカ。碇くんったら、わたしのこと委員長、委員長って。わたしは委員長って
名前なの? ねえ、どうなのよ? 碇くん」
「委員長は委員長だろ。何か間違っている?」
「間違っているわよ。だいたいなに? さっきの人たちは?」
 アホらしい言い合いにアタシは唖然としていたけど、ちょっと話の風向きが変わったのを
感じて、ヒカリに訊いてみた。
「さっきのって、なに?」
「碇くん、さっきナンパしていたのよ。女子大生みたいなキレイな女の人を」
「なっ! なんだよ、それ? 僕がいつナンパしたのさ?」
「していたじゃない。さっき」
「あれは、ただからかわれていただけだよ。それに僕からは話しかけていないし」
「そうかしら。それにしてはあの人たちの水着姿を見て、デレデレしていたじゃない」
「な、なっ! ち、ちがう。僕はデレデレなんか」
「へー、シンジもやるじゃない。ふーん」
 水着の上にシャツを着ているヒカリの横にアタシは立つと、ちょっとセクシーポーズをとってみた。
「どう? シンジ」
 とアタシは訊いたが、シンジは首を傾げ不思議物体を見るような目で、
「アスカ、何してんの?」
 と訊いてきた。
 こいつのニブさはわかっちゃいるけど、さすがにむかついて、
「しね」
 と言って、シンジの脳天に空手チョップを喰らわしてやった。
727名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/09/27(水) 23:23:41 ID:???
 シンジは頭を両手で押さえ、涙目になりながら、
「痛いなー。何するんだよ? アスカ」
「乙女心をもてあそんだ罰よ」
「わけわかんないよ。だいたいさ、委員長もだよ。僕がナンパしたというなら、カヲル君はどうなんのさ?」
 と言って、シンジはみぎての方を指さした。
 すると、そこでは渚のヤツが女の子の中に混じって楽しそうにビーチバレーをしていた。
 アタシはまたかと思い、溜め息を一つ吐いてから、
「アイツはいいのよ。もう病気だから」
 と言い、隣のヒカリはウンウンとうなずいていた。
「渚君はともかく、碇くん。さっきのことはどうなの?」
「さっきのって、ナンパのこと?」
「そうじゃない。名前。わたしの名前は委員長なの? 違うでしょ。わたしはヒカリ。洞木ヒカリ
って名前があるの。それをわかって欲しいの」
 そう訴えたヒカリの瞳には涙が浮かんでいた。
 シンジもそのことに気づいていたようで、しばし息をのんでヒカリを見ていたが、
「ごめん。洞木さん。ちょっと僕、無神経だったみたいだ」
 と言って、頭を小さく下げた。
 そんなシンジをヒカリはしばし見つめていたが、口もとに小さな笑みを浮かべると、
「そうね。私たちがいるのにナンパするなんてね。ねぇ、アスカ?」
「まあ、それはちょっとねえ」
「だ、だから、あれはナンパじゃないって」
 慌てて言い訳をするシンジの姿がおかしくて、アタシたちはぷっと吹き出した。
 シンジもからかわれていたことに気づいて、同じように笑ってから、
「洞木さん。その水着、似合っているね」
 とあさっての方向を見ながら、呟くように言った。その顔は少し赤い色に染まっている。
 だけど、ヒカリはシャツを着ているから水着姿なんて見えないのに、ホント、バカよねえ。
 そうヒカリに同意を求めようとしたら、ヒカリは顔を真っ赤にして恥ずかしそうにシャツの裾を
握りしめていた。ヒカリもシンジと同じく自分の姿に気づいていないし。
 アタシはそんな二人に呆れながらも、ふと考え事をしていた。
 そう言えば、最近、シンジとはケンカしていないなあと。

つづく 
728res698:2006/10/02(月) 22:46:14 ID:???
 夏休みのある日、ソフトの練習からの帰り道だった。
 熱い陽射しの下でも黒いジャージを着ているバカ、鈴原と出会ってしまった。
「おー、惣流やないけ。久しぶりやな」
「……アンタ、暑苦しいから近づかないでくれる」
「なんやねん。その言いぐさは?」
 返事をするのも面倒で、アタシは無視することにした。
 でも、ジャージも帰る方向が一緒だったみたいで、何とはなしに並んで歩いていた。
 なんとなく気まずい。
 ホントに久しぶりに会った鈴原は相変わらずのようだったが、過ぎ去っていった時間は
案外に大きかったみたいで、アタシたちの間から話題というものを持ち去っていた。
 鈴原も同じようなことを考えているのかと思って、その横顔を見たけど、ノホホンとしていた。
 やっぱりジャージはバカかも。シンジと同じ鈍感なのよね。
「ねえ、鈴原」
「ん、なんや?」
「この暑い中、ジャージなんか着ていて平気なの?」
「ん、暑いか? 惣流は暑がりなんやなあ」
「……」
 訊いたアタシがバカだった。そう後悔して、疲れがドッとでてきた。
 いったい、ヒカリはこのジャージ馬鹿のどこが好きだったんだろう。謎よね。
 っていうか、趣味が悪すぎる。別れて正解よね、と思った時だった。
「なあ、惣流。その、なんや、イインチョは元気か?」
 アタシは鈴原の口からヒカリの名前が出てきたことに唖然として、
「アンタ、いったい何を考えてんのよ?」
「何って、そりゃあ、そういうことや」
「全然わかんない。まさか、アンタ、今さらヒカリとよりを戻したいとか言うんじゃないでしょうね?」
「ア、アホ。そんなわけあるわけないやろ」
 とジャージ馬鹿は言うが、さっきまで無かった汗が額からだらだらと流れ落ち始めていた。
 ヒカリがこいつに振られた時、どれだけショックだったか。
 アタシはあまりの馬鹿さ加減に腹が立ってきて、ジャージへ蹴りを入れてから速攻で別れた。
729res698:2006/10/02(月) 23:14:20 ID:???
 次の日、ヒカリの家で一緒に夏休みの宿題を片付けていた。
 一息入れようとハーゲンダッツのアイスを食べていた時、アタシは昨日のことを言ってみた。
「ヒカリ、」
「なに?」
「アタシさ、昨日、鈴原と偶然会ったのよね」
「ふーん、そう」
 と、ヒカリは全く関心無さそうに言った。
「鈴原、相変わらずジャージ着ていたわよ」
「そうなんだ、」
 と、これまた興味なさそうに答えた。
 アタシはちょっと考え込んで、そして口に出してみた。
「ヒカリ。もしもよ。もしも鈴原がまたやり直したいと言ったら、どうする?」
「えっ。鈴原、そんなこと言ったの?」
 驚いたように、そして迷惑そうな目でヒカリは言った。
「わたし、そんなの困る。もう鈴原とは終わったのに」
「ちょ、ちょっと待って。だから、もしもの話だって」
「あ、そうなんだ。……そうよね。よかった」
 そう言ってホッとした表情を見せるヒカリにもしかしてと思い、
「ねえ、ヒカリ。今、好きな人いるの?」
「え、いないよ。そんな人」
「ホントー?」
「本当よ。好きな人なんているわけないじゃない」
 そう言ったヒカリだったけど、その瞳はどこか遠くを見ているようだった。
「ヒカリって、男嫌い?」
「そんなんじゃないけど、周りにいいなって思う人いないから」
「まあ、ヒカリの周りの男って言ってもシンジと相田じゃ、仕方ないわね。シンジなんてヒカリの
タイプじゃないでしょ? 鈴原とは全然反対のタイプだし」
「……うん。碇くんとは話も好みも合わないし、考えていることも全然わかんないし、わたしと
碇くんが付き合うだなんて全然想像もつかない」
 と言って、ヒカリは残ったアイスをまた口の中に入れ始めた。

つづく
730名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/02(月) 23:37:40 ID:???
乙。

>碇くんが付き合うだなんて全然想像もつかない
今んところ、彼女たちが付き合う根拠ってゲーム一作目と家事関係しかないんだよね。
何かいい関係の始まりになりそうなのはないものかのぅ。
731res698:2006/10/07(土) 10:05:48 ID:???
 今日も第3新東京市は気温35度を超えていた。
 これで5日連続、んー10日連続だったかな。とにかく毎日が暑かった。
 ここは箱根の山を切り開いた街なのに暑すぎる。
 まあ、夜になると涼しくなるからまだいいんだけどね。
 そんなわけでアタシはヒカリと一緒にプールへ身体の熱を冷ましに来ていた。
「ヒカリ。その水着、似合っているね」
 と水につかりながらアタシは言った。
 ヒカリはその向日葵のような色のビキニにちょっと目線を下げてから恥ずかしそうに、
「そうかな。昨日、どれにしようか迷っちゃったから、ちょっと自信がないんだ」
「もう、ばっちりよ。男どもの視線はヒカリに釘付け、なんてね」
「えっ、」
 ヒカリは胸を両腕で隠すと、視線をきょろきょろさせて周りを見回した。
 アタシはそんな漫画みたいなことをするヒカリがおかしくて、
「あはは、じょーだんよ」
「もう、アスカは」
 と言って、ヒカリは頬を小さく膨らませ怒ったような表情をした。
 でも、それって可愛い仕草にしか見えないのよねえ。
 アタシはくすっと小さく笑ってから、
「ヒカリ。アタシ、ちょっと泳いでくるから」
「うん、」
 そして、アタシはクロールで泳ぎ始めた。
 この市営プールは屋内と屋外の2つのプールがあって、屋外は50メートルの大きな
プールだった。そこをアタシは休み無しで2往復してから、プールサイドで一息入れた。
 ちょっと疲れはあるけど、まだまだ泳げそうだし、水泳部に入ってもやっていけそうかな
と思いながら、ぼーっとしていたら、眼鏡をかけた黒髪のきれなコが目にとまった。
 今どき珍しいブルーのワンピースタイプの水着で、だけどそれがとてもよく似合っていた。
「あのコ、どこかで見た覚えが……」
 と、アタシは小さく呟いていた。
 んー、誰だったろう? 確かに知っているのよねえ。
 でも、自分のクラスにはいないし。……まあ、いいや。
 そして、アタシは水の中にバックで一回転して飛び込むと、さらにクロールでプールを
4往復ほど泳いだ。
732res698:2006/10/07(土) 10:31:01 ID:???
 さすがにそれだけ泳ぐと疲れと喉の渇きを感じて、アタシはコーラを二つ買ってから
ヒカリの姿を探した。
 すると、ヒカリはプールサイドで膝を両腕で抱えながら座っていた。
「ヒカリ、はい」
 と言って、コーラを一つ差し出すと、ヒカリはそれを受け取って
「ありがとう、アスカ」
 と言った。 でも、それっきりコーラに口を付けるわけでもなく、ヒカリはずっと一点に目を向け
ている。アタシは何を見ているんだろうと思い、その方向へ視線を向けた。
「あっ、」
 プールの端、アタシたちと反対側にいるのはさっきの眼鏡のコで、そのコは誰か男の子の
泳ぎの練習を手伝っていた。男の子は全く泳げないみたいで、彼女の手を必死に掴みながら、
水面に顔を付けてなんとかバタ足をしているという感じだ。
「ねえ、ヒカリ。あの眼鏡のコを知っているの? アタシ、どこかで見た覚えはあるんだけど、
どうしても思い出せないのよねえ」
「山岸マユミさん、」
 ヒカリは小さく呟くように言った。
「山岸? んー、誰だっけ?」
「隣のクラスの子よ。図書委員をしているから、アスカも知っていると思う」
「あ、あー。図書室にいつもいるコだったわね。それでか」
 と言って、アタシがポンと手を打った時、泳ぎの練習をしていた男の子が顔を上げた。
「あっ、シンジ!」
 その泳げないコはシンジで、山岸さんと一緒に楽しそうな笑みを浮かべているのがわかった。
 もしかして、これはデートっていうやつ?
「へー、シンジのヤツ、やるじゃない。女の子とプールだなんて。奥手だと思っていたら、アタ
シに黙ってデートだなんてね。ちょっとは見直したわ。ねー、ヒカリ」
「あ、うん……」
 そう返事しただけでヒカリは黙って二人を見つめ続けていたが、やがて立ち上がると、
「わたし、向こうの方で泳いでくる」
 と言って、室内プールの方を指さした。
「あまり日焼けするとソバカスが増えちゃうから」
 ヒカリは小さく笑うと、アタシへ背を向けて走っていった。
733res698:2006/10/07(土) 10:59:06 ID:???
 それから、アタシはシンジたちへ見つからないように回り込んで近づくと、
「シ〜ン〜ジ、」
 と言って、二人の前にプールサイドに立った。
 二人は水に中に入ったまま驚いたような目でアタシを見上げて、
「ア、アスカ、どうしてここに?」
「あ〜ら、アタシがプールへ泳ぎに来ちゃいけないって言うの?」
「い、いや、そんなことはないけど」
 アタシは狼狽しているシンジから横の彼女へ目を向けて、
「女の子とデートだなんて、シンジも隅に置けないわね」
「ち、違うよ。デートじゃなんかないって。だから、違う」
 シンジは顔を真っ赤にして手を大きく振った。
「そんなんじゃなくて、山岸さんに泳ぎを教えてもらっただけなんだって」
「じゃあ、なんで相田や渚に教えてもらわないのよ? 第一、このアタシがいるでしょうが」
「ケンスケは日本全国基地巡りに行っているし、カヲル君は外国の親戚のところに行っていて
いないから。アスカは……、いつも勝手に一人で泳いじゃうだろ」
「ま、まあ、そうかもしれないわね」
 と、過去を思い出しながらアタシは心の中で反省した。
「それで図書館で水泳の本を読んでいたら、山岸さんが教えてくれるって。だから、……」
「ふーん、そう」
 アタシがシンジの横を見ると、その彼女は頬を桜色に染めてうつむいていた
 んー、これって、やっぱり、そういうことなのかなあ。
 でも、シンジは……そんな気は全然ないわよね。まだお子様だから。
 だけど、彼女の邪魔をしちゃうのもなんだかなあ。
 アタシは困ってしまって、頬を小指で掻いていたが、彼女へ思い切って声をかけた。
「アタシ、惣流・アスカ。シンジとは幼なじみの腐れ縁、それだけよ」
「私、山岸マユミです。シンジ君とは別に何でもありません」
 と彼女は俯いたまま小さく答えた。
 アタシは軽く苦笑いを浮かべてから、
「まあ、そういうわけだから、シンジに教えてやってよ」
「えっ、いいんですか?」
「もち、当たり前じゃない。それから、これからアタシたち仲良くしましょ。ねっ、」
 マユミは顔をパッと上げて、驚いたようにアタシを見てから、
734res698:2006/10/07(土) 11:29:00 ID:???
「はい、」
 と言って、頭を大きく下げた。
 マユミはずっと頭を下げたままで、アタシは思わずまた苦笑をしてしまった。
 いいコだけど、もっと軽い感じでいいのにと。
 アタシはこのままじゃらちが明かないと思い、
「じゃあ、シンジ。アタシ、泳いでくるから。アンタもガンバって5メートルくらいは泳げる
ようになりなさいよ」
「それくらいは……」
「泳げるの?」
「……練習します」
 くすっとアタシは笑うと二人から離れ、飛び込み台へ向かった。
 飛び込み台の一番上に上がると、シンジたちがずいぶんと小さく見える。
 二人ともアタシを見上げているのがわかり、アタシは大きく手を振り返した。
 あの二人、これからどうなるんだろう。シンジは鈍感だし、マユミには可哀想だけど難し
いかもね。そう思ったら、なんだか身体が軽くなったような感じがして、だけど、そんなこ
とを思った自分が嫌に感じて、アタシは全てを振り切るかのようにプールへ飛び込んだ。
 一瞬で視界が透明なブルーと白い泡のに染まり、身体が水に溶け込んでいくようだった。
 そして、数秒の後に、水面へ顔を出すと、びっくりしたような顔をしているシンジたちへ手を
振ってから、アタシはまたクロールで泳ぎ始めた。
 それから10往復くらいはしただろうか。
 身体は疲れ切っていたけど、それは心地よい疲れで、私の気分はすっかり夏の空と同化
するみたいな感じになっていた。
 アタシはヒカリを探しに屋内プールへ向かった。
 そして、一瞬にしてヒカリを見つけた。ついでに、シンジも。
 だって、その二人がプールサイドでケンカしているんだもん。
 アタシはまたかと思って溜め息を一つ吐いてから、二人のそばでおろおろしているマユミに
訪ねてみた。
「マユミ。今度は何が原因でケンカしてるの?」
「私にも全然。初め、シンジ君と洞木さんは普通に話していたんですけど、それがいつの間にか」
「ふ〜ん、」
 ともかく仲裁に入る前にアタシは二人の様子を見ることにした。
735res698:2006/10/07(土) 11:53:51 ID:???
「洞木さんには関係ないだろ」
「ええ、関係ない。だけど、碇くんはこんなとこで女の子とデートなんてしている時じゃないでしょ」
「だから、デートなんかじゃないって」
「どうかしら。でも、デートじゃないにしても、一秒でもチェロの練習をしなくちゃならないんじゃないの?」
「それこそ洞木さんには関係ないよ」
「なんですって?」
「ちょ、ちょっと待って」
 アタシは二人の間に割って入ると、
「シンジ。チェロって何のことよ?」
 シンジは少しヒカリを睨むように見ていたが、アタシへ振り向くと、
「父さんのつてで、オケのオーディションを受けることになったんだ」
「シンジ、受けるんだ?」
「うん、駄目もとなんだけどね。で、レッスンに通っているんだけど、先生が気を張りつめるのも
良くないからって。だから、気分転換も兼ねてプールに来たんだ」
「ふーん、なるほどね。これはヒカリ、アンタが悪い」
 アタシはそう言って、ヒカリへ人差し指をバシッと向けた。
 ヒカリはくちびるを真一文字に結んで、腰下にある両手をぎゅっと握りしめていたが、
「わたし、帰る」
 と言って、すたすたと歩き去っていった。
「あ、洞木さん」
「ほっときなさないよ。そのうち頭の熱も冷めるから。でも、シンジ。ヒカリがアンタを心配した
気持ちに感謝しなさいよ」
「う、うん」
 そう言って、シンジはうなずいた。
 まあ、でも、本当にヒカリはシンジに厳しいというか、すぐに難癖つけるというか。
 もう少しシンジに優しくしてもいいのに。
 アタシは溜め息をまた吐いてから、二人にバイバイと言って、ヒカリの後を追いかけた。
 うーん、これからアタシとヒカリが仲直りしなくちゃならないのも気が重いのよね。
 本当にもうちょっとケンカを少なくしてくれないかなぁ。


つづく
736名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/08(日) 00:10:26 ID:???
ktkr
737名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/09(月) 05:32:04 ID:???
イイ!!すごくイイ!!
738res698:2006/10/09(月) 21:13:41 ID:???
 いろいろあった夏休みも終わり、今日からまた学校が始まった。
 それにしてもホント、いろいろあったわねえ。アタシが美少女ってことでメディアに
紹介されちゃうし、シンジが外国へ行っちゃうし。
 一週間で帰ってきたけどね。
 オーディションは駄目だったけど、ヨーロッパへ勉強も兼ねて招待されたんだって。
 あいつも頑張っているみたいで、みんな、ちょっとずつ大人になっていくのかなと思っちゃった。
 そうそう。プールでヒカリとシンジがケンカして、それからどうなることやらと思っていたけど、
学校で前と同じような感じで二人は話してたのよね。安心したけど、なんだかなあ。
 アタシだけ、気苦労が多くない?
 しばらくはもう放っておこうかな。
 まあ、そんなこんなで夏休み明け初日も終わり、部活帰りにヒカリと一緒になった。
 ヒカリの方も生徒会の方があって、帰りが遅くなったみたい。
 そして、二人でおしゃべりをしながら歩いていたら、道ばたでたたずんでいる男の子が
目に入った。段ボール箱の前でしゃがんでいるシンジだ。
 アタシはシンジに近づいて、
「シンジ。何してんの?」
 シンジはしゃがんだまま振り返って、
「アスカ。これ」
 と言って立ち上がり、段ボールの中を指さした。
 その中にいたのは茶色と白のツートンカラーの子犬だった。
「あ、かわいい」
 ヒカリがそう言って覗き込むと、シンジは子犬を抱き上げて、
「毛がふわふわしてるよね」
「ワンちゃん、おなか空いてないかな?」
 と言って、ヒカリは子犬の背中をなでなでする。
 シンジはアタシをジッと見つめると、
「これ、どうしよう」
 と言った。
「シンジ。犬、飼いたいの?」
「……」
「わかっていると思うけど、アタシもアンタもマンションに住んでいるのよ。ペット禁止。
あんだーすたん?」
739res698:2006/10/09(月) 21:38:11 ID:???
「そんなことはわかっている。でも、見ちゃったら、知らない振りをするわけにはいかないよ」
「まあね。アタシも小さい頃、犬を飼いたかったから。アンタの気持ちは十分すぎるほどわか
つけど、アタシたちにできるのは飼い主を捜してあげることくらいよ」
「それしかないか……」
 シンジの腕の中にいる子犬がその黒い瞳でアタシを見る。
 そして、きゃんきゃんとアタシに向かって泣いた。
 かわいい。
「ねえ、シンジ。ちょっと抱かせて」
「うん、」
 子犬を抱き上げると、小さくて可愛くて、毛並みがふわふわしてて、思わず頬ずりしてしまった。
 でも、アタシはハッと思い出して、
「ダメよ。アンタは飼えないの。そんな目をしてもダメ」
 と言ったけど、やっぱりまた頬ずりを繰り返してしまった。
「アスカ。飼い主が見つかるまで、家で飼ってちゃ駄目かな?」
「うーん、どうだろう? 難しいんじゃないかな」
 と子犬を抱いたままアタシは返事をした。
 その時、ヒカリがアタシから子犬を受け取って、抱きかかえると、
「ねえ、アスカ。私の家、マンションじゃないから飼えると思う」
「えっ、いいの?」
「うん。それに私も犬は前から飼いたかったから」
「あ、ありがとう。洞木さん」
 と言うシンジに、ヒカリはニコッと笑みを返した。
 その後、アタシたちはヒカリの家に直行した。
 既にヒカリのお姉さんのコダマさんが大学から帰ってきていて、
「お姉ちゃん。ねっ、いいでしょ? わたしが世話をちゃんとするし、みんなに迷惑はかけないから」
 とのヒカリの訴えに、コダマさんは額に人差し指を当てて考え込んでいた。
「う〜ん、犬を飼うのはいいんだけど、これ、たぶんシベリアンハスキーよ」
「えっ、」
「ちょっと前にブームになったでしょ? あの時、飼う人が増えたんだけど、手に負えなくなって
手放す人がけっこう出たのよ。このコもそんなところだと思うわ」
「……」
「かなり大きくなるし、それにしつけが難しいのよね」
740res698:2006/10/09(月) 21:54:34 ID:???
 ヒカリはコダマさんへ詰め寄ると、
「わたし、頑張るから、お願い」
 それでもコダマさんはう〜んと考え込んでいたが、シンジへ視線を向けると、
「あなた、碇くんと言ったわよね? 碇くん、あなたがこのコを見つけたんでしょ?」
「あ、はい、」
「だったら、半分くらい責任を取りなさい。もしヒカリがこのコに関して困ったことが起きたら、
ちゃんと助けてあげなさい。それが条件よ」
「は、はい。僕、必ず約束は守ります」
「なら、OKよ。よかったわね、ヒカリ。碇くんが手伝ってくれるって」
「ありがとう。碇くん」
 と言ったヒカリに、シンジは照れたのか少し顔を赤くすると、子犬をなで始めた。
「よかったな。ぶんぶん丸。洞木さんが飼ってくれるってさ。僕もよく見に来るからな」
「……碇くん、ぶんぶん丸って、なに?」
 ヒカリが驚いたように目を大きくさせていた。
「なにって、子犬の名前だけど」
「勝手に名付けないでよ。このコはマイケル。マイケルなのよ」
「なんだよ、マイケルって。ぶんぶん丸だろ、この子は」
「いや、絶対に嫌」
 と、二人はいつものケンカモードに入っていった。アタシはふーっと溜め息をついたが、
「仲がいいわね」
 と、コダマさんは楽しげに呟いていた。
 数日後、昼休みにアタシたち3人は子犬についてしゃべり合っていた。
「ふーん、そうかぁ。じゃあ、ぶんぶん丸はやんちゃしてるのか」
「そうなのよ。ぶんぶん丸はもう大変。でも、ホント、かわいいよ。碇くんも見に来なよ。」
「行っていいの?」
「いつでもいいよ。半分は碇くんもぶんぶん丸の飼い主なんだから」
「ヒカリ、マイケルじゃなかったの?」
 とアタシがツッコミを入れると、ヒカリはアッと言って口を両手で押さえたが、
「うー、もう、ぶんぶん丸でいいよ」
 と言って、恥ずかしさを笑うことで誤魔化したのだった。

つづく
741res698:2006/10/15(日) 23:47:41 ID:???
 学校での昼休み。
 アタシはヘッドフォンから流れるポップスを聴きながら雑誌を読んでいた。
 視界の片隅ではシンジとヒカリが雑談をしているのが見える。時折、ヒカリが笑いってい
る様子もうかがえ、こうしているとどうしてケンカが多いのか理解不能。
 でもって、クラスの中ではあの二人のケンカは夫婦ゲンカとか言われていたりする。
 って、ちょっと前までそう言われていたのはアタシとじゃなかった?
 まあ、いいけどさ。……やっぱり、なんだかなぁ。
 ヒカリはシンジのことはタイプじゃないって言うけど、なんかねぇ。
 シンジはどうだろう。
 ま、あの二人が付き合おうとアタシには関係ないけどね。
 アタシはシンジ達から目線を戻し、また雑誌を読もうとしたが、今度は反対側の教室のド
ア側にマユミが来たのを見てしまった。
 あれからマユミとは会えば話をするというか、けっこう遊び友達になってしまった。マユミは
アタシと正反対な感じなんだけど、気が合うのよね。
 マユミはアタシにペコリと頭を下げてから、小さな声でシンジを呼んだ。
 それから1、2分くらいドアのところで二人は話して、シンジはまたヒカリのもとへ戻った。
 と、そのとたん、ヒカリとシンジは何か言い合いを始めて、またいつものケンカになった。
 これって、やっぱりそうなのかなぁ。
 うーん、まあ、アタシには関係ないけどね。
 アタシは二人の痴話ゲンカを放っておくことにして、再び雑誌を読み始めた。

 その夜、アタシとママはシンジの家へおじゃましていた。
 シンジの両親とママは職場が同じで、ついでに同じ社宅のマンションに住んでいる。
 いま住んでいるコンフォート17の前もシンジの家とは同じ社宅だったし、そんなわけで
シンジとは幼なじみの腐れ縁。毎朝、シンジを迎えに行っているのもそういうわけ。
 でも、それもそろそろ止めようかなとアタシが考えているのが秘密だったりする。
 それはともかく、一緒の夕食も大人達には宴会に変わり始めていた。シンジのママ、ユイさ
んはけっこうお酒を飲む方で、意外なところではシンジのパパはあまり飲める方じゃなかった
りする。アタシのママは……やっぱり大酒飲みだった。あんな童顔なのにねえ。
742res698:2006/10/16(月) 00:09:39 ID:???
 アタシはまだお酒には興味が無くて、ユイさんの美味しい料理を食べ終えると、ダイニ
ングから退散して、リビングでテレビを見始めた。
 今、学校で話題になっているドラマで、アタシも当然、毎週見ている。
 幼なじみの二人の恋はどうなってしまうのか、アタシはテレビの画面に釘付けだった。
 そんな時、シンジが隣に来て、
「はい、コーヒー」
 と言って、アタシの前のテーブルにマグカップを置いた。
「ん、ありがとう」
 アタシは画面から目を離さずにカップを取ると、そのままコーヒーを口に含んだ。
 この頃はダイエットを兼ねて、コーヒーはブラックで飲んでいるけど、わりとこれが好き。
コーヒーの香りもストレートに感じられるし。でも、今はドラマの方に感覚が向いているから
香りもよくわからないけど。
 そんなこんなでドラマも終わり、シンジはまだアタシの隣に座っていた。
 時計を見ると10時近くになっていて、明日が土曜だとしてもそろそろ自分の家に戻った
方がいいのかなと思う。だけど、ダイニングからはママたちの楽しげな声が聞こえていて、
宴会はまだまだ終わりそうになかった。
 アタシは先に家へ戻ろうかなと考えていた時、
「アスカ。コーヒーのお代わりはいる?」
 と、シンジが訊いてきた。
 アタシは絨毯から立ち上がろうとした腰を戻して、
「じゃあ、せっかくだからもう一杯飲もうかな」
 と答えた。
 それからすぐにシンジはコーヒーを持ってくると、またアタシの隣に座った。
 そして、アタシがコーヒーを飲んでいるのをチラチラと見て、くちびるに人差し指を当てていた。
 さっきから何かおかしいと思っていたけど、そういうことか。
 シンジのくちびるを指でなぞるのは、何か言いたいのをためらっている時に出る仕草だ
 アタシはそれでもシンジから言い出すのを待っていたが、コーヒーを飲み干しても黙っている。
 いい加減、家にも戻りたいし、かといってシンジをこのままにしておくのも気になるし、
「シンジ。アタシに何か言いたいことがあるんじゃないの?」
 と自分から切り出してみた。
743res698:2006/10/16(月) 00:41:04 ID:???
 シンジはそれでもまだためらっていたが、ようやく口を開き始めた。
「あのさ、トウジと洞木さん、よりを戻したの?」
「えっ、そうなの? アタシ、何にも聞いてないわよ」
「アスカ、聞いてないんだ?」
 アタシはここ最近のヒカリの様子を思い出していたが、鈴原とのことなんて全く思いつか
なかった。そりゃあ、アタシに報告する義務はないけど、言ってくれてもいいのに。
「ねえ、アスカ。……洞木さんにその……訊いてもらえないかな?」
 って、こいつはなに言ってんの?
「イヤよ。アンタが訊けばいいじゃない。普通にそういうのはアンタが鈴原に訊くことでしょ。
なんでアタシはヒカリに訊かなくちゃなんないのよ。アンタ、バカ?」
「だって、トウジには訊きづらいから」
「なに、それ? わけわかんない。だいたい、どうして知りたいのよ? あの二人がよりを戻
そうとシンジには関係なじゃない」
 シンジは少し考え込むように目を伏せてから、
「そうなんだけど、前に二人が別れた時、洞木さん、すごく落ち込んでいたから。また同じこ
とを繰り返してしまったら……」
「アンタ、鈴原のことが信じられないの?」
 無言を通すことでシンジは返事をした。アタシは小さく溜め息を吐いてから、
「ところで、ヒカリたちがよりを戻したって、本当なの?」
「たぶん。洞木さん、日曜にトウジとデートするって言っていたから」
「シンジにそんなこと言ったんだ」
「うん。今日の昼休み、ちょっと言い合いしている時に洞木さんが……」
「ふーん、そう。まあ、アタシに何も言わないのは気に障るけど、どうでもいいわよ」
 シンジはまだ訊きたいような素振りをしていたが、アタシは無視することにした。
 そして、アタシは立ち上がり、
「じゃあ、先に帰るわ。おじゃましたわね」
 と言って玄関の方へ向かったが、再びシンジへ振り返り、
「シンジ。来週から朝、アンタを迎えには行かないから」
 と言った。
 シンジの驚く顔を背中にして、ひどくイライラしながらアタシは家に戻った。

つづく
744res698:2006/10/17(火) 21:06:24 ID:???
 日曜日。アタシはソフトの練習試合が終わり、帰り道を歩いていた。
 チームメイトとファミレスで3時間ほど反省会をしていたから、もう太陽はだいぶ斜めに
なっている。残暑が厳しく、熱を持った陽射しを避けるため帽子を深くかぶっていた。
 自転車のスピードが作る風は髪をなびかせ、肌に心地よさを与える。
 次々と変わっていく通りの景色をアタシは時たま眺めながら、自転車をこいでいた。
 曲がり角を過ぎ、コンビニの横を通り抜ける。
 と、アタシは自転車を止めて、再びコンビニまで戻った。
 そして、その中で雑誌を立ち読みしているコにアタシは視線を向けた。
 やっぱり、ヒカリだった。
 向こうはまだアタシに気づいていない。
 どうしようかなと少し思案する。なんとなく、このまま立ち去ろうかなとも思った。
 でも、やっぱりアタシはコンビニのドアをくぐることにした。
 アタシはヒカリの横に立ち、
「なに立ち読みしてんの?」
 と言った。
 声をかけられるまで全く気づいていなかったヒカリは肩をびくっと震わせて、
「アスカ? びっくりした」
 と、ホッと息をついてから、
「今日、試合だったんだ。勝った?」
「あったりまえよ。このアタシが投げてるのよ。負けるわけがないじゃない」
「じゃあ、0点に抑えたんだ?」
「……3点、取られた。ちょーっと、調子がでなかったのよね。で、ヒカリは?」
「甘いものが食べたくなって」
「ふーん。それで、ついでに立ち読みか」
「そういうとこね」
 と言って、ヒカリはくすっと笑った。
「ねえ、ヒカリ。甘いものなら、あそこで食べない?」
 アタシはコンビニの斜め向かいにある喫茶店を視線で指した。
 その後、アタシたちは喫茶店の中でパフェを食べていた。
 アタシはチョコレートで、ヒカリはストロベリー。
 ファミレスでけっこう食べたのに、甘いものはおなかに入るのよね。今日は試合もあったし、
大丈夫。太ることはないない。
745res698:2006/10/17(火) 21:31:30 ID:???
 そう思うと、チョコレートと生クリームで包まれたアイスを大きな口の中に含んだ。
 相変わらずこの店のパフェは美味しい。
 そして、パフェを食べるスピードは加速していき、ヒカリが半分くらいの時にアタシは
もう食べ終えていた。
 チョコレートの付いたくちびるを軽く拭いて、アタシはここに来たもう一つの目的を果た
そうと口を開いた。
「ねえ、ヒカリ」
「ん?」
 ヒカリはスプーンを口に入れたままアタシを見た。
「今日、鈴原とデートじゃなかったの?」
 一瞬、スプーンをくわえていたヒカリの口が小さく開いた。しかし、ヒカリは何事もなかっ
たかのようにもう一口、パフェを食べてから、
「碇くんに聞いたんだ?」
「まあね。それで、どうしてデートしているはずのヒカリがここにいるのよ?」
「あー、あれね。あれはウソなの」
「うそ?」
「うん。なんとなく、つい」
 アタシがまっすぐにヒカリを見ると、彼女は困ったような笑みを小さく浮かべた。
 ここ、こういう状況になるということは明らかにそういうことなんだろう。
 アタシはなんだかムカムカと腹が立ってくるのを覚え、
「バッカみたい」
 と呟いていた。
 今度は自嘲するような笑みを作ってヒカリは、
「そうね。わたし、馬鹿よね。だけど、アスカ。わたしも考えたんだ」
「なにを?」
「クラスの中でわたしと碇くんがちょっと噂になっているでしょ? あれ、あんまりにもバカバ
カしいからそのままにしていたけど、碇くんからすれば迷惑だったんじゃないかなって」
「シンジは気にしてないわよ」
 ヒカリはグラスの中に入ったスプーンを数回ほど回しながら、
「そうかな。会えばいつもケンカになっちゃうような女の子とそんな噂されても迷惑なだけだよ。
でも、笑っちゃうよね。いつもケンカばかりしているのに、そんな噂が立っちゃうなんて」
 そして、ヒカリはグラスの中のパフェを見つめながら小さく笑った。
746res698:2006/10/17(火) 21:57:42 ID:???
「山岸さんと一緒にいる碇くん。楽しそうに笑うんだよね。わたしなんかと噂が立って
いたら、碇くんにも山岸さんにもよくないから。これでよかったの。もう碇くんとは離れ
た方がいいのよ」
 そう言って、ヒカリは口をつぐんだ。
 しばし、沈黙が続いた後、
「ヒカリはそれでいの?」
「……わたしは、……、碇くんなんかタイプじゃないから。」
 と、ヒカリはグラスを見つめながら小さく呟いた。
 そのグラスの中ではアイスがもう溶けていて、ストロベリーの赤が白いクリームの中で
浮遊していた。
 アタシは一瞬、シンジが落ち込んでいたことを伝えようかとも考えたが、
「そう。なら、アタシはもう何も言わない」
「うん、」
「だけど、ヒカリ。アンタがもしシンジをどうしようもなく傷つけたら、アタシ、許さないから」
「……アスカ、」
 ヒカリが顔を上げ、アタシを見る。
 だが、アタシは視線を交差させることはせず、立ち上がろうと両手をテーブルについたが、
ヒカリの声がその後の動作を止めた。
「アスカは碇くんと幼なじみなんだよね? だから、心配してるの?」
「そうよ」
 ヒカリは再びグラスの中のスプーンをくるくるとかき回せながら、
「……アスカや碇くんとは中学の時から一緒だけど、ずっとアスカは碇くんのことが好きだと
思ってた。でも、高校受験の頃からちょっとずつ、そういうのとはなんだか違うっていうのが
わかってきて、あー、これが幼なじみなのかなって、最近、やっとわかってきた」
「……」
「アスカがうらやましいな」
「アタシが?」
 ヒカリはグラスを見つめたまま小さくうなずいて、
「うん。わたしも碇くんと幼なじみだったらよかったのに。そうしたら……」
 それっきりヒカリは黙ってしまい、アタシもまた無言のままイスに座り続けていた。

つづく
747名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/18(水) 01:04:24 ID:???
読みごたえある小説ですね
人物の動かし方が上手いというのかな?しっかり構成が練れてるんでしょうね
LHS描写に重きを置くなら難しいのかもしれないけど、アスカ視点にしたのが大成功で、小説的には面白さ増加したんじゃないかと
あとマユミが新鮮で、もっと見てみたいと思っちゃいました
GJ

748res698:2006/10/19(木) 20:30:52 ID:???
 月曜日の朝。アタシはコンフォート17マンションの敷地を出ると、歩みを止めた。
 週末の苛ついた気持ちはどこかへ消え去り、代わりに浮かんできた感情がアタシの足を
踏みとどまらせた。落ち込んでいたアイツの表情が気になる。
 アタシは街路樹を背にして、マンションの門の方を見た。
 数分して、シンジが現れた。
 シンジはアタシを見つけ、アタシはそっぽを向く。
 アタシのそばまでやって来たシンジは、
「アスカ。もう迎えには来ないって」
「バーカ。アンタなんか待っているわけないじゃない。いつもの時間通りに家を出たら、たまたま
アンタと一緒になっただけよ」
 横を向いたままの顔はきっと赤くなっているだろう。そう自分でも感じていた。
 シンジは初め驚いたような表情をしていたが、やがて小さな笑みを浮かべて、
「おはよう、アスカ」
 と言った。
 なんか、シンジに心を見透かされているような気がして恥ずかしかったけど、
「お、おはよう」
 と、アタシは素直に挨拶を返していた。
 それからはいつも通りにシンジとおしゃべりをしながら学校へ向かって歩いていた。
 そして、あともう少しで学校に着くというところで、シンジの雰囲気が変わった。
 シンジはまっすぐ前の方を見ながら、
「あれから、いろいろと考えたんだ。トウジと洞木さんの仲が元通りになるらな、僕らがそれを
応援してあげなくちゃならないんだよね。そうしなくちゃならないんだ」
 と言った。
 それは自分自身に言い聞かせているような感じで、そんな言葉を言わせたヒカリにアタシは
腹立ちを覚えていた。
 だから、アタシはヒカリのついた嘘をシンジへ教えようとは思わなかった。

 それから数日が経ち、アタシは学校の教室で頬杖をつきながら小さく溜め息をついていた。
 ヒカリがあからさまにシンジを避ける態度を取っていた。
 シンジはただただ戸惑っていて、そんなシンジをアタシも突き放すことなんかできなくて、
毎朝、一緒に学校へ行っていた。今までシンジの家へ迎えに行ってたのが、マンションの前
に変わっただけになってしまった。
749res698:2006/10/19(木) 20:55:24 ID:???
 ただ、アタシとヒカリの仲がギクシャクしてしまったのは正直まいってしまった。
 クラスの中で友達と呼べる女子はヒカリしかいないのよね。
 だから、休み時間とかは暇で暇で。
 そんなわけで、今日の昼休みはふと思い立って、図書室へ向かった。
 アタシは図書室のドアから中を窺い、マユミの姿を探した。
 案の定、マユミは机で何か本を読んでいて、アタシは小声で
「マユミ、」
 と呼んだ。
 小さな声のつもりだったが、静けさに満ちていた図書室の中ではそれが響き渡ってしまい、
マユミはちょっと恥ずかしそうにアタシを見て、小さく手を振った。
 それから図書室の中でおしゃべりは無理ということになって、アタシたちは廊下に出た。
 廊下の窓からは校庭が見え、男のたちがサッカーをしているのが見える。
 アタシは窓に上半身を預けながら、
「本を読んでいたの邪魔しちゃったかな?」
 と言った。
 マユミは小さく首を横に振り、
「本はいつでも読めるから」
 と答えた。
 アタシは冗談交じりに
「しっかし、アタシも友達が少ないけど、マユミもホント少ないわね」
 と言った。
 以前だったら、こんなことを言ったらマユミは泣いていたかもしれない。だけど、今のアタシた
ちの距離はとても近くなっていて、
「そうですね。でも、今はアスカさんが友達ですから」
 と。マユミは笑顔で答えた。
 それはとても純粋できれいな笑みで、言われたアタシが照れてしまった。
 その後は何気ないおしゃべりをマユミとしていたが、
「今日は洞木さん、お休みなんですか?」
 と訊かれた。
「なんで?」
「いえ、いつも一緒にいるのに、今日は私のところに来たから」
 と言った。
750res698:2006/10/19(木) 21:23:33 ID:???
 アタシは頬を人差し指で掻いてから、
「んー、ちょっとね。ヒカリは学校に来ているんだけどさ」
 マユミはアタシの気持ちを察してくれたのか、それ以上のことは訊かなかった。
 そんなマユミがとても好きで、だからとても心配だった。
「マユミはシンジが好きなのよね?」
 と、アタシは訊いた。
 急に言われたのでマユミは驚いたようだったが、小さく微笑んで、
「はい」
 と、しっかりした口調で答えた。
 恋愛に関しては恥ずかしがり屋なマユミがそんな返事をするとは想像もしていなくて、
アタシの方が驚いてしまった。
 だけど、シンジはマユミの気持ちに気づいていないだろう。
「マユミ。シンジは……」
 と言いかけた時、マユミの声が遮った。
「わかってます。シンジ君は私のことをそういう風には想っていないって」
「……マユミ、」
「シンジ君には好きな人がもういるんだと思います。私ではない誰か。たぶん、それは……」
 マユミの声が暗く落ち込み、その視線も床へ落ちていた。
 私は慰めようと彼女の肩へ手を伸ばそうとしたが、次の瞬間、マユミは顔を上げた。そして、
「でも、私、全くあきらめたわけでもないんですよ。精一杯、努力してみようと思います。失恋す
るにしても、頑張って失恋したいですから」
 と、マユミは言った。
 その表情は泣いているようでもあり、けれど、とてもきれいな笑みに満ちていた。
 アタシはギュッとマユミを抱きしめて、
「アタシ、アンタが大好きよ」
「え、あ、わ、私、女の人を好きになるような趣味は、……え、あっ、」
 すごく慌てているマユミがおかしくて、アタシは彼女から離れると、ちょこっと舌を出して、
「アンタ、バカァ? そういう意味じゃないわよ」
 マユミはくすっと笑って、
「はい、」
 と返事をした。
 少しの間、二人で笑い合った後、
751名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/19(木) 21:44:53 ID:???
「でもさ、マユミが頑張っても、向こうの方がマユミと争う気はないのよねぇ」
「そうなんですか?」
「そう。あのバカ女、強情っぱりだから」
 マユミは少し考え込むような仕草を見せて、
「なら、私にもまだチャンスはあるのかな」
「そうね。でも、問題はシンジをどうやって自分の方へ向かせるかじゃない」
「……そうですね」
 と言って、マユミは黙りこくった。しばらくして、マユミはアタシの目をまっすぐに見つめて、
「アスカさんはいいんですか?」
「なにをよ?」
「シンジ君のことです」
「なっ、なんでアタシが。あいつはただの幼なじみそれだけよ。バカなこと言わないで」
 あせった口調になってしまったアタシをマユミは見つめ続けていて、
「そうなんですか?」
「そう。アンタもヘンなこと訊くんじゃないわよ」
「アスカさんと洞木さん、とっても似ていますね」
 とマユミが言った時、昼休み終了のチャイムが鳴った。
 教室へ戻ろうと背中を向けたマユミへアタシは、
「どこが似てんのよ?」
 と訊いた。マユミは背中を見せたまま、
「意地っ張りなところです」
 と言った後、くるっとアタシの方を向いて、
「このままだと、本当に私が碇くんを取っちゃいますよ。いいんですか?」
「ば、バカ。アタシには関係ないわよ」
 しかし、そんな言葉をマユミは聞いていなかったかのように、
「アスカさん。私、負けませんよ」
 と言い、教室へ走っていった。
 アタシはしばし立ち尽くしていたが、
「バカシンジとは幼なじみ。それだけよ」
 と呟いてから教室へ戻ったのだった。

つづく
752res698:2006/10/21(土) 19:34:23 ID:???
 中間テストも終わり、その順位が公表された。
 まったく、廊下に人の点数を張り出すなんて前時代的なのよ。プライバシーも
何もないじゃない。
 まあ、でも、アタシはちっとも恥ずかしくないけどね。
 前回よりも一つ順位が上がって3番か。苦手の国語系を頑張れば、トップは手の
届かないこともないわね。
 それでシンジはと、……順位が落ちているじゃん。
 えっ、ヒカリなんて、どうしてこの順位なのよ。
 これって、やっぱりそういうことなのかねぇ。
 と、そんなことがあった日の昼休み。アタシはサンドイッチをひとりで食べながら
考えていた。最近、すっかり話をしなくなったヒカリとのことを。
 女の友達って、些細なことで絶縁したりと、つまんないことが多いんだけど、ヒカリとは
ずっと仲良くいられると何となく思っていたのよね。
 でも、このままだと本当に友達じゃなくなっちゃいそうで、アタシはそんなの嫌だから、
自分から歩み寄ろうと、ヒカリのところへ小さく笑みを作りながら行った。
 自分の机で文庫本を読んでいたヒカリへアタシは声をかけた。
「ヒカリ、何を読んでんの?」
 少し驚いた表情でヒカリはアタシを振り返った。
「あ、アスカ、」
 アタシはヒカリの隣の席に座ると、その文庫本をのぞき見て、
「太宰の『人間失格』? いくらなんでもそりゃないんじゃない?」
「いいじゃない。わたしは今これを読みたい気分なの」
「ふーん。まあ、いいけど。ところでさ、今度の日曜日ってヒマ?」
「日曜日? うん、大丈夫だけど」
「じゃあ、決まりね」
 と言って、アタシはヒカリへ微笑んだ。
「ママからディズニーランドのパスをもらったんだ。2枚よ」
「……わたしでいいの?」
 少し緊張気味な目でヒカリは訊いてきた。
 アタシはさらに大きな笑みで、
「あったりまえじゃない。他に誰と行くっていうのよ。じゃあ、今度の日曜日はおもいっきり
いろんなのに乗ろうね」
753res698:2006/10/21(土) 19:51:52 ID:???
 ヒカリはホッとしたように頬をゆるめ、笑みを浮かべると、
「うん、」
 と、答えを返した。
 それからアタシとヒカリは日曜日の計画を立てていたが、
「洞木さん、ちょっといい?」
 と、突然、シンジが声をかけてきた。
 その表情はかなり深刻そうで、アタシは席を立つと、
「じゃあ、日曜日のことはまた話そう」
 と言って、二人に背を向けて歩き出した。
 が、制服の裾をつかまれて、アタシは動けなかった。
 振り返ると、裾を持っていたのはヒカリで、その瞳はうるうると潤んでいる。
 うーん、まいったなあ。
 シンジを窺うようにアタシは声を出した。
「アタシが一緒じゃ、まずいわよね?」
 シンジは少し考えた後、
「洞木さんがいいなら、別にかまわないよ。それに、アスカにも訊きたいし」
 というわけで、アタシたち3人は人気の少ない音楽室前の廊下に移った。
 そして、シンジはヒカリをまっすぐに見ると、
「トウジに聞いたよ。デートなんてしてないんだってね。洞木さん、どうして嘘なんかつ
いたのさ? 僕には全然わからないよ」
 と言い、次にアタシへ視線を移して、
「アスカ、知っていたんだろ?」
「……まあね。シンジに聞いてからすぐの日曜日にね」
「なんで黙っていたんだよ?」
「だって、アタシには関係ないことじゃん。違う?」
 シンジは黙ってアタシを見ていたが、
「そうだけど」
 と呟くように言った。
 しかし、シンジはすぐにヒカリへ振り返り、
「洞木さん、ねえ、どうして?」
 と訊いた。
 ヒカリは俯いたまま無言を通している。
754res698:2006/10/21(土) 20:15:20 ID:???
 シンジは語気を強めて、
「洞木さん、」
 と言った。 
 その声にようやくヒカリは反応し、微かに聞こえるくらいの声で、
「だって、碇くんが山岸さんとデートするって言うから」
「デート? 僕、そんなこと言ってないよ」
「言った」
「言ってないって。あれは山岸さんとコンサートに行くって話じゃないか」
「それのどこがデートじゃないのよ。どう見てもデートじゃない」
 ヒカリは顔を上げて、きっとした目でシンジを見る。
「デートじゃないよ。だいたい、僕が山岸さんとコンサートへ行くのと、洞木さんが
嘘をついたのは何の関係があるのさ? ホント、僕にはわかんないよ」
「あれは……」
 と、ヒカリは言いよどむ。
 シンジはヒカリから少し視線を外すと、
「見栄なんて張らなくてもいいのにさ」
 と言った。
 その瞬間、ヒカリの顔がこわばり、
「見栄?」
「僕がデートするからって、自分も見栄を張ってデートするなんて言わなくてもいいのに」
「碇君、それ、どういうこと?」
 そう言ったヒカリの声は明らかに怒気を含んでいた。
「見栄でしょ? いつもの僕に対抗しようとするアレでしょ? そんなんだからさ、洞木さんは
いつまでたってもカレシができないんだよ」
 と言った刹那、シンジはアッと声を出した口を両手で押さえた。
 言い過ぎてしまった、どうしようというシ表情をシンジはして、対してヒカリは俯いて肩を細か
く震わせている。
755res698:2006/10/21(土) 20:27:12 ID:???
 そして、ヒカリは小さな声で、
「碇くんなんて大嫌い」
 と言うと、背中を向けて走り出した。
「泣いてた、」
 と呟くシンジへアタシは、
「なにつっ立ってんのよ。早く追いかけなさい」
 と言った。
 シンジはヒカリの後ろ姿を見つめたまま、
「う、うん」
 と返事をし、そして走っていった。
 その後、廊下の向こうで二人が話し合っている様子が窺え、それは休み時間が終わ
るまで続いていた。
「雨降って地固まる、か……」
 アタシは二人を見ながらそう呟いていた。
 その後、午後の授業が終わり掃除の時間になってから、アタシは雑巾掛けをしている
ヒカリへ声をかけた。
「ヒカリってさ、そうやっていると、なんかお母さんって感じがするわね」
 雑巾を絞っている手をヒカリは止めると、
「変なこと言わないでよ」
「ところでさ、アレからどうなったの? アンタたち付き合うことになったの?」
 ヒカリは不思議そうな顔でアタシを見て、
「どうして、そうなるの?」
「だって、ヒカリはシンジが好きなんじゃないの?」
 ヒカリは恥ずかしがるわけでもなく、くすっと笑い、
「アスカも冗談ばかり言うんだから。わたし、前に言ったでしょ。碇くんはタイプじゃないって」
 そう言ったヒカリの表情はマジで、アタシは彼女から顔をそらすと、
「この意地っ張り」
 と口の中で呟いた。


つづく
756名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/23(月) 05:42:20 ID:r2xs1J27
GJ
757名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/23(月) 05:44:43 ID:???
あげてしまった。吊ってくる…
758名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/25(水) 04:14:02 ID:???
スレッド情報局から宅急便です。
つ●
759名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/25(水) 04:19:16 ID:???
ウンコ●●●ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ●●●!
760res698:2006/10/26(木) 21:20:47 ID:???
 ここ数日、シンジの様子がおかしい。
 放課後、部活(オケ)の練習を休んでどこかへ行っているらしい。
 おわりのSHRがすむと急いで廊下へ出て行くし。
 本人に直接、訊いてみてもいいんだけど、それだとアタシがいつもシンジを
気にしているみたいでなんかイヤ。
 でも、やっぱり何をしているか気になっちゃうんだよなあ。
 そんなわけで今日、アタシはシンジを尾行することにした。
 気付かれずに後をついて行くって、案外、難しい。
 つかず離れずって感じでいるんだけど、なかなか校舎から出るのも一苦労。
 って、校門のところで、
「ヒカリ、なにやってんのよ?」
 と、ばったりとヒカリに会ってしまった。
 ヒカリはドギマギしたような感じで、
「ア、アスカこそ何なの? 部活は?」
「ソシュトの練習は休みなの」
「そしゅと?」
 アタシは口がうまく回らなかったみたいで、、顔を真っ赤にして
「ソフトよ!」
 と訂正した。
「アタシはいいからヒカリはなんなのよ?」
「わたしは……」
「……?」
「そ、そう。委員長として碇くんの後をつけているの?」
「は?」
「だから、碇くんが非行に走らないように注意しようと」
「あんた、ばか? って、そんなことより、シンジはどこよ?」
 アタシたちがバカなことをしている間に、シンジの姿が見えなくなっていた。
 ヒカリも周りを探し始め、
「あ、あそこ」
 と、街中へ続く道を指さした。
761res698:2006/10/26(木) 21:40:48 ID:???
 アタシたちは成りゆき上、二人でシンジの後をつけ始めた。
 途中、シンジはコンビニで買い物をして、市街地の方へどんどんと進んでいく。
 そして、30分くらい歩いただろうか、シンジは病院の中へ入っていった。
「ここって?」
 と、アタシは呟いた。
 ここはアタシのママやシンジの両親が勤めている研究所の付属病院だった。医大とか
じゃなく一研究所にどうして付属病院があるのか謎だけど、そうなんだからしょうがない。
 まあ、それはともかく、アタシはヒカリを引っぱって、
「行こう」
 と、病院へ入っていった。
 ママたちは研究所本部の方にいるから、ここで会うことはないと思うけど、ちょっと緊張する。
 ヒカリは始めてここに来たみたいで、少しキョロキョロと周りを見ながら、
「碇くん、どこか悪いのかな」
 と少し心配そうに呟いた。
 でも、シンジは外来受付に行くこともなく、病棟の方へ進んでいった。
 病院独特の薬品の満ちているような匂いがアタシの鼻孔を刺激する。
 アタシ、病院ってあまり好きじゃない。そりゃあ好きって言う人は少ないだろうけど、病院には
あまり良い思い出がないから。
 それはともかく、シンジは内科病棟の4人部屋の病室へ入っていった。
 シンジの姿が中に消えてから、アタシたちはそのドアの前に行った。
 そして、その部屋の入院患者名が書かれているプレートを見る。
 4人とも女性の名前で、その中の一つが知っているものだった。
「綾波さん?」
 と、ヒカリが声を出した。
「そういえば、優等生。ここ最近、見なかったわね」
「うん」
 レイとは仲が良いとはいえ、クラスが違うから気づかなかった。
 気づかれないように、アタシとヒカリはドアを少しだけ開けて、中の様子を窺った。
 すると、そこにはベッドの中で眠るレイと、それを見守るシンジの姿が見えたのだった。

つづく
762res698:2006/10/28(土) 23:34:14 ID:???
 シンジに隠れてついてきたアタシたちはレイが心配だったけど、ばつの悪さもあって
そこから立ち去るしかなかった。
 病院から出て、一言も交わさずに帰り道を歩く。
 やがて、別れ道にさしかかった時、ヒカリが俯きながら、
「綾波さん、大丈夫かな」
 と言った。
 アタシはヒカリの背中をポンと叩いて、
「あったりまえじゃない。なーに、心配してんのよ、ヒカリは、」
「そうよね。……でも、碇くんもみずくさい。言ってくれてもいいのに」
「ほーんと、頭に来ちゃうわよ、あのバカシンジ。明日、蹴り入れてやる」
 と、アタシは右足で蹴る仕草をした。
「碇くんに訊いてみようかな。綾波さんのこと」
「アタシも電話してみる」
「うん、」
 そして、アタシたちはバイバイと言って、別れた。
 それからシンジに電話してもずっと繋がらず、翌朝も一緒に登校は出来なかった。
 結局、シンジは2時間目の授業から出席して、その休み時間にようやく話しをした。
 シンジの机を囲むように立っているアタシとヒカリは、まさか昨日の尾行のことを言うわ
けにもいかず、
「今日、どうして遅刻してきのよ?」
 と訊いた。
「それに昨日、何回も電話したのよ。なんで電話してこないの?」
 シンジはえっと驚くと、鞄からケータイを取りだして、
「あっ、本当だ。ごめん。すっかり気づかなくって」
「バカ。で、今日はどうしたの?」
「あっ、ちょっと病院に行って来たんだ」
「病院?」
 とヒカリが聞き返すと、シンジはコクッとうなずいて、
「ちょっと、綾波のところに」
763res698:2006/10/28(土) 23:50:29 ID:???
 いよいよ話の核心に近づいて、アタシははやる気持ちを抑えきれなく、
「レイがどうしたのよ? 入院でもしてんの?」
「うん。ちょっとね」
「ちょっとじゃ、わかんないでしょ」
 アタシはシンジの襟首を掴んで、がくがくと揺らした。
 あわわわ、とシンジが白目をむきそうになっているのアタシは気づかなく、
「あ、アスカ。ちょっと、やめなさい」
 と、ヒカリに止められた。
 しばらくして、シンジがやっと息を整えてから、
「ねえ、碇くん。綾波さん、どこか体が悪いの?」
「綾波、手術したんだ」
「「手術!?」」
 と、アタシとヒカリは声を揃えて驚いていた。
「ちょっ、シンジ。レイはいったいどうしたのよ?」
 アタシが取り乱し気味なのに、シンジは全然平気そうな感じで、
「虫垂炎になって手術したんだよ」
「へっ、虫垂炎?」
「そっ、盲腸っても言うよね」
「そうなんだ。よかった」
 と、ヒカリは心からホッとしたように声を出した。
「でも、今どき盲腸で手術するなんてよっぽどだったのね」
 アタシはそう言ってからハッと気づいた。
「シンジ。アンタ、どうしてアタシたちにそのことを言わないのよ」
「あっ、あー、忘れてた」
「ばか」
 と言ったのはヒカリで、さらにごつんとシンジの頭を叩いてもいた。
 アタシも叩こうと手を挙げていたのに、なーんか役目を取られちゃった。
「ご、ごめん。でも、本当に忙しくて大変だったんだ」
 シンジは叩かれた頭を両手で押さえながら言った。
「綾波、一人暮らしだから母さんと一緒にいろいろと用意したりとかさ」
「あー、そう言えば、レイって一人暮らしなのよね」
764res698:2006/10/29(日) 00:11:48 ID:???
 レイの部屋に何回か行ったけど、本当になんにもない部屋で、そんなに
用意で大変なのかと疑問だったけど、まあ、それなら仕方がないかと思った。
 ヒカリはくちびるに軽く指を当てながら、
「綾波さんって、碇くんのいとこなのよね?」
 と言った。
「うん、」
 とシンジは返事をしてから、
「綾波、かなり我慢していたみたいで、母さんが綾波のところへ行くのがもう少し
遅れていたら大変なことになっていたみたいなんだ」
「そうだったんだ。レイって、妙に我慢しちゃうところがあるのよねえ」
「ねえ、碇くん」
 ヒカリが僅かにシンジの方へ身体を乗り出させて、
「私も綾波さんのお見舞いに行ってもいいかな?」
 と言った。
「あっ、そうしてもらえると綾波も喜ぶと思うよ。きっと退屈してるから」
「優等生が退屈にしてるわけ無いじゃない。本さえあれば、何時間でも読んでいるのよ」
「そうかなあ。アスカや洞木さんと一緒にいる時の綾波って、楽しそうに見えるけど」
 そんな恥ずかしい台詞を屈託もなく言うシンジに、逆にアタシたちの方が恥ずかしくなって、
「ば、バカ。アンタ、なに言ってんのよ」
「じゃあ、今日の放課後も行くから、一緒に行こうよ」
「お見舞いって、何がいいかな?」
 ヒカリがそう訊くと、シンジは笑みを浮かべて、
「何もいらないと思うよ。まだ、食べられないし」
「そう。でも、それなら他に何かあったら」
「うーん、どうかな。本だったら山岸さんにいくつから選んでもらっったし、思いつかないや」
 そうシンジが言った瞬間、ヒカリの顔色がさっと変わる、
 アタシはヒカリがまた話をぶち壊しにしないかハラハラしたけど、
「そう。なら、放課後までに私、考えてみる」
「洞木さん、ありがとう」
 と言う鈍感男に、アタシは後ろから蹴りを入れたくなるのをぐっとこらえた。

つづく
765名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/10/29(日) 18:28:59 ID:???
スレッド情報局の方から来ました
766名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/05(日) 23:46:29 ID:???
シンジ「ふん。また懲りずに挑戦する気なのか。」

ヒカリ「ええ!あたし、今度こそ絶対に負けないんだから!」

シンジ「・・・・。まあ相手してやるか。俺は一体だけでいい。お前は3体まで使え。」

ヒカリ「〜〜〜!!馬鹿にしないでよ!いけーっ ポッチャマ!」

シンジ「ヒコザル。火炎放射。」

ポッチャマ「効果ねーよ^^タコ^^」

〜終了〜
767res698:2006/11/18(土) 15:05:48 ID:???
 それからいろいろあったけど省略しておくとして、レイは退院後、シンジの家にしばらく
お世話されることとなった。それはユさんが一人暮らしのレイを気づかってということで。
 そんなわけでアタシとヒカリは週末にお見舞いでシンジの家へ行った。
 シンジの両親もお休みだったようで、みんな勢ぞろいだった。
 アタシはユイさんたちと幼いころから付き合いがあるけど、ヒカリはおじさんと初対面だっ
たらしく、とても緊張していた。まあ、あのヒゲにはびっくりするわよね。
 アタシたち三人はレイの部屋で−前はおじさんの書斎だったみたいで、いるところがなく
なったおじさんが居心地悪そうにダイニングのテーブルで新聞を読んでいたのはおかしかっ
た−おしゃべりしてから、ユイさんも一緒にリビングでお茶を飲み始めた。ユイさんの作っ
たクッキーは美味しくて、ちょっと食べ過ぎるくらい。
 で、その頃には遊びに行っていたシンジも帰ってきていて、リビングとつなっがっている
ダイニングのテーブルにおじさんと向かい合って、お茶していた。
 それが二人とも無言で、なんか笑える光景だった。
 と、まあ、アタシたちのおしゃべりが止まらないとき、不意にユイさんが、
「ねえ、レイちゃん。このまま、おばさんたちとずっと暮らさない?」
 と言った。レイはただユイさんを黙って見つめるだけ。
「今までもそうだけど、レイちゃんはおばさんたちの子だと思っているのよ。ね、あなた?」
「……うむ」
 おじさんは話を聞いていたみたいで、そう返事をして肯いた。
「レイ。家族になりましょ」
「……家族、」
「そうよ。家族。私としてはレイがシンジのお嫁さんになって、本当の娘になってくれたらうれ
しいんだけどな」
「か、母さん。なに馬鹿なことを言ってんだよ」
 と、シンジは大慌てで反応し、ユイさんはくすっとアタシたちに微笑んだ。
 まーた、いつものユイさんの冗談が始まり、そんなおもしろい反応をするのはシンジだけね
と思ったが、アタシの隣から
「バッカみたい。綾波さんが結婚してくれるわけないでしょ」
 と、ヒカリが怒り声で呟いていた。
 あー、ここにもいたわね。冗談を真に受ける人が。

つづく
768res698:2006/11/18(土) 15:33:54 ID:???
 季節は秋から冬へと移り始め、ここ第3新東京市が位置する箱根も
白い風が吹くようになった。
 アタシの誕生日も再来週となった。今年もママと外で買い物と食事に
なると思う。毎年、そんな感じ。
 それはともかく、学校の中はバカっプルで溢れかえっていた。いや、
数は少ないんだけど、そのいちゃつき度がひどくなってる感じで。
 それに、この時期になると急に付き合い始める人たちが。
 そりゃあ、クリスマスも近いからわからないこともないけど、いくらなん
でもみんな必死すぎ。
 アタシなんて、この17年間ずっと恋人なんかいたことないのよ。
 ほーんと、みんなバッカみたい。
 と、アタシは昼休みの教室で頬杖をつきながら溜め息をついていた。
 でも、向かい側の席に座っているヒカリは目を輝かせながら雑誌のク
リスマス記事を読んでいて、
「ねえ、ヒカリはそれ見てどうすんの? カレシいないのに」
「いいじゃない。彼がいなくても。それにこれからできるかもしれないし」
「ふーん、彼ができる可能性あるんだ?」
「…あるわよ。0.000000001%くらいは」
 って、ほとんど0%じゃんと思って呆れてしまった。
「アスカはどうなの?」
「アタシ? アタシはいいや。今はカレとかそういうの興味ないし」
「ふーん、」
「けど、ヒカリはさ、そろそろ何とかした方がいいんじゃない」
「どういうこと?」
 アタシはちらっと教室の隅にいるシンジを見てから、
「そういえばさ、マユミが手袋を編んでいたわよ。あれ、プレゼントなのかもね」
 と、話題を変えた。
 ヒカリからの声は返ってこなく、何か考え込んでいるようだった。
 ちょっと意地悪しすぎたかな。
 と、アタシは少し反省していた。
769res698:2006/11/18(土) 15:54:24 ID:???
 それから数日後、薄闇に包まれた夕暮れ時。クラブ活動の終わる時間が
たまたま同じになったシンジと一緒に家路へついていた。
 粉雪が空に舞い始めていて、肌を刺すように空気が冷たい。
 アタシは首に巻いているロングマフラーを少しほどいて、
「シンジ。マフラーを片方、貸してあげようか」
 と言って、シンジの首に巻きつけた。
 シンジはかなり慌てて、
「い、いいよ。そんな恥ずかしい」
「恥ずかしいって、なによ?」
「だって、そうだろ。恋人みたいじゃないか」
「あっ、あー」
 と、アタシは肯いた。
 まあ、一つのマフラーを二人で巻いたらねえ。
 でも、シンジもそんなことを気にするようになったんだと思い、なんだか
ちょっと心にくるものがあった。
 アタシはまたマフラーを自分へ巻きなおして、シンジを横目で見る。
 と、そのとき初めて気づいたけど、シンジは毛糸の手袋をしていた。
「ねえ、シンジ。その手袋、マユミからもらったの?」
「アスカ、どうして知っているの?」
 と、シンジはちょっと目を見開いて訊いてきた。
「まあね。でさ、シンジ。アンタ、マユミと付き合ってんの?」
「ええっ!」
 今度はもっと驚いたのか、シンジは立ち止まってしまった。
「別に、そんな驚くことじゃないでしょ。手編みのものをプレゼントされて、
それを使うなんて恋人同士じゃなきゃしないわよ」
 シンジは一呼吸、ふた呼吸おいてから、
「そうなの?」
「アンタ、バカァ? そんなの当たり前でしょ」
「そうだったのか。全然わからなかった」
 アタシは心底、シンジのバカさ加減に呆れてしまった。

つづく
770名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/22(水) 01:22:59 ID:???
GJ
ヒカリ萌えの人はどうなのかわからんけど俺が読んだヒカリSSのなかではクオリティ高かった
771名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/22(水) 01:24:39 ID:???
>770
ヒカリSSのなかではクオリティ高かった

ヒカリSSのなかでは最もクオリティ高かった
772res698:2006/11/23(木) 06:09:51 ID:???
 そのまた数日後、日直で次の授業の準備をアタシたちはしていた。
 アタシたち、そう相方はメガネこと相田だった。
「惣流、なんでオマエの方が荷物すくないんだよ?」
「あったりまえじゃない。アタシはか弱き女の子なの。そんな重いもの無理」
「どこがか弱きだよ」
 と、相田は人気のない廊下でプリントの束を抱えながらボソッと呟いた。
「なんか言った?」
「いや、なにも」
 そして、午後一から始まる授業で使う視聴覚室に入って、用意をした。
 しばらくして一段落すると、相田がポケットから何かのチケットを取り出して、
「なあ、惣流。今度の日曜日、映画を見に行かないか。これ、今、流行の……」
「パス」
 と、アタシは速攻で答える。
「あのなあ。俺に最後まで言わせろよ」
「アンタ、バカァ? どうして、アンタなんかデートしなくちゃなんないのよ?」
「いいじゃないか。たまにはさあ」
「アンタとだけは絶対にイヤ。死んでもイヤよ」
「また、そんなこと言う」
「だいたい、アンタ、これで何回目? よく毎度毎度こりないわねえ」
 相田はメガネの縁に指を置いて考え込むと、
「17回目だな」
「って、アンタ、数えてんの?」
「まあな。それだけ俺の勲章のようなもんだし」
「……ふー、ほんとバカね」
「自分でもそう思うよ」
「そんなにしつこいと、女に嫌われるわよ」
 相田は小さく笑って、
「まだ惣流には本気で嫌われてないさ。それくらいはわかる」
「思い込みかもよ」
「かもね。でも、まだ大丈夫」
773res698:2006/11/23(木) 06:26:03 ID:???
 アタシは疲れて、はーっと溜め息をついた。
 相田はもう一度、小さく笑って、
「まあ、そう心配すんなよ。惣流にカレシができたら、そん時は本当にあきらめるから」
「本当かしらね」
「あー、本当さ。いくら俺でもそこまでしつこくはない」
「そう。なら、安心したわ」
「うわっ、酷いよ。それ」
 アタシは視聴覚室のドアを開け、廊下へ足を踏み出しながら、
「アンタをマジで嫌わないだけ感謝しなさい」
 と言った。
 それから昼休みの廊下を教室へアタシたちは戻っていたが、
「なあ、惣流。シンジと委員長、あの二人はどうなんてんだ?」
 と、相田が訊いてきた。
「なんかさ。じれったいんだよな。傍目から見ていて、じれったいんだよ」
「……」
「早く、くっつけってさ」
「まあ、ほっとけばいいんじゃない」
「でもよ、どう見ても好き合っているだろ。こっちとしては、いらいらするっていうか」
「アタシはどうでもいいわ。それこそ好きにすればいいんじゃない」
 そうアタシが言うと、一転して相田がまじめな声で話してきた。
「なあ、惣流はそれでいいのか?」
「……」
「俺、あんまり言いたかなかったんだけど、オマエ、シンジのこと…」
「うっさいわね。女の子にそんな話するなんて最低。もう絶好よ」
「わるかったよ。ごめん」
 その後、アタシと相田は教室にまで入るまで口をきかなかった。
 で、自分の席に戻ると、シンジが近づいてきて、
「アスカ、おかえり」
 と、言ってきた。
774res698:2006/11/23(木) 06:39:32 ID:???
 アタシはなんか返事をするのもメンドくさくなって、そのまま席に腰を下ろした。
 シンジはそばにいた相田に向かって、
「ねえ、なんかあったの?」
 と訊いた。
「なんかじゃないよ。シンジ、お前のせいで俺までとばっちりだよ?」
「どうして?」
「あのなあ。お前が委員長と早く、くっつかないからなあ」
「まってよ。どうして僕と洞木さんが?」
「どうしてって、俺に言わせんのか?」
「だって、洞木さんは友達なんだよ。僕と洞木さんがくっつくなんて、そんなことあるわけ
ないじゃない」
 とシンジは言ったが、相田は驚いたように目を見広げてシンジの背後を見ていた。
「え、あ、そうだ。俺はちょっと用事があったんだ。じゃあな、シンジ」
 と言って、相田は立ち去り、そこに残ったのはシンジと
「友達の碇くん。そこ、どいてくれる?」
 と顔は笑っているけど目は据わっているヒカリだった。
 その迫力に気おされたのか、シンジは
「う、うん。まってよ、ケンスケ」
 と言って、相田を追いかけていった。
 そして、ヒカリはアタシの前の席に座ると、ただ黙ってうつむいていた。
 ずっと、ずっーと。
 しばらくして、昼休み終了のチャイムが近づき、
「ヒカリ。早く視聴覚室に行かないと遅れちゃうわよ」
「うん、」
 そう言って、ヒカリは立ち上がって、荷物を取りに自分の席に足を向けたが、
「…・…友達か」
 と去り際に呟いていた。そして、目に微かな涙も。
 いつもはよく『碇くんなんて友達よ』と自分で言っていたくせに。
 アタシはそう思ったが口に出すことはなかった。

つづく
775名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/23(木) 20:23:56 ID:???
 それからなんとなくヒカリとはあまり話さなくなり、退屈な毎日が続いていた。
 日に日に箱根の空気は冷たさを増し、登校する時はマフラーがかかせない。
 隣を歩くシンジもショートコートを着ていて、手袋をしているけど、
「シンジさ、あの手袋はどうしたのよ?」
「……山岸さんからのはもう使ってないよ」
「どうして?」
「なんとなくわかっていたんだ。山岸さんの気持ち。僕に優しくしてくれて、居心
地がよくて。でも、自分にそんな気持ちがないのに、いつもでもそのままじゃい
けないよね」
「アンタ、気持ち伝えたんだ」
 シンジは学校へ向かう足を一瞬だけ止めて、
「三日前に」
「……そう」
 とだけアタシは声を返した。
「山岸さんとは友達でいたかったんだけど、そんなのは虫がよすぎるよね」
「どうかしら。時間が解決してくれることもあるし。もし、どこかで心の道がつな
がっているなら、また通い合うことができるんじゃないの」
 シンジは驚いたような顔でアタシを見て、
「アスカって、ときどき大人みたいなこと言うよね」
「ばーか、時々じゃないわよ。アタシはシンジみたいにお子様じゃないんだから」
「……そっか」
「そうよ」
 通学路に同じ制服を着た人影が増えていた。
 もうすぐ学校に着くだろう。
 自然と歩みが速度を上げていたが、横にいるシンジが急に立ち止まった。
「どうしたのよ? 早くしないと遅れちゃうわよ」
 シンジはしばし考え込むように黙って地面を見ていたが、再び歩き出して、
「昨日、洞木さんに告白されたんだ。
「……」
「僕が好きだって」
776res698:2006/11/23(木) 20:44:17 ID:???
 今度はアタシが立ち止まってしまい、
「ヒカリが言ったの? 好きって?」
「正確に言うと、もう友達として僕を見られないって。イヴに僕と一緒にいたいって。
それって、やっぱりそういうことだと思うから」
「まあ、そうよね。それで、シンジはどう返事をしたの?」
 シンジは小さく首を横に振って、
「なにも。洞木さん、すぐに行っちゃったし」
「シンジはさ、ヒカリのことをどう思っているわけ?」
 シンジはしばらく黙り込んでいたが、また歩き出して、
「わかんないよ」
「アンタ、わかんないって、自分の気持ちでしょ」
「わかんないよ。だって、洞木さんはトウジの彼女だったし、アスカの親友だし、
それに僕の大事な友達だったから」
「……」
「急に好きだって言われても、すぐに答えなんか出てこないよ」
 アタシは道の前方をまっすぐに見ながら言った。
「シンジさ、今まで女の子を好きになったことある?」
「なんだよ。急に?」
「いいから答えない」
「どうでもいいだろ。そんなこと」
「アタシが相談に乗ってあげてんのよ。恥ずかしがらずに答えなさい」
 シンジは顔を赤くして俯きながら、小さな声で、
「中二のとき」
「んー、中二? それって、アイツのこと? 霧島マナ?」
「……うん」
「ふーん、やっぱりそうだったんだ。で、告白したの?」
「ううん。何も言えないまま霧島さんは転校しちゃったから」
「そういや、半年くらいしかいなかったものね」
「うん、」
 アタシはもうすぐ校門に着くところで、別の道へ角を曲がると、
777res698:2006/11/23(木) 20:57:21 ID:???
「じゃあ、アタシのこと、シンジはどう思ってんの?」
 と訊いた。
 シンジは豆鉄砲を食らったような目で、
「え、どういうこと?」
「アタシはアンタが好き。アンタはアタシのこと好き?」
「それはどういう好きってこと?」
 と、シンジは探るように訊いた。
「そんなこと自分で考えなさい」
「どう答えていいか、わからないよ」
 アタシは小さく息を吐いて、
「まあ、そんなとこよね」
 と言った。
「アスカ、僕をからかったの?」
「さあ、どうかしら。それより、ヒカリへの答えは出た?」
「……まだ。でも、自分で答えを出すしかないんだよな」
「そうね」
 アタシはそう言うと、再び学校へ向かって歩き始めた。
 そして、校舎の中に入り、教室の前まで来たとき、
「ねえ、シンジ。今度の土曜日はひま?」
「土曜日?」
「そう。アタシの誕生日の前日よ」
「誕生日は知ってる。プレゼント、何がいい?」
「プレゼントはいらない」
「でも、」
「アタシ、土曜日、暇なのよ。だから、シンジ、一日つきあいなさい」
 そう言って、アタシはシンジへやわらかく笑みを送っていた。


つづく
778名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/24(金) 05:42:53 ID:???
ウズウズしてきた。激しく続きを楽しみにしてます。
アスカ視点なのでヒカリとマユミがシンジに告白するときの心理描写がないのは仕方ないけど、
告白前のヒカリたちの様子の描写などあったら、もっと良かったかも。
全体的にシンジを好きになる理由が感じにくいかな?今後書くつもりだったらゴメン
シンジがモテル設定のSSは、作者はシンジをかっこよく書いてるつもりでも読者から見るとダサイだけだったりして
いわゆるハーレム物はセンスない作者が多いが、このSSはそういったヘボさが無いのが良いです。
作者氏の姿勢がシンジをもてさそうとしてるわけじゃないからハーレム物とはおもいませんけどね。
779res698:2006/11/26(日) 03:15:27 ID:???
 土曜日の午前、アタシの家の窓から見える風景は白く薄化粧をしていた。
 暖房の効いたリビングでコタツに入ってお茶を飲んでいるアタシとシンジ。
 テレビの画面では吉本芸人がコントをしていた。
 シンジは時計の針をちらっと見てから、
「アスカのお母さん、今日はずっと仕事なの?」
「そうよ。シンジの家もそうだけど、研究所勤めは大変みたいね。明日、フルで
休むからっていうのもあるみたいだけど」
「よかったね」
 と、シンジは笑顔で言った。
 誕生日をずっとママと一緒にいられることがうれしいけど、それをシンジに
気づかれるのはちょっと恥ずかしく、
「ばか、」
 と小さく照れ隠しをしてしまった。
「ねえ、アスカ。本当に街の方へ遊びに行かなくてもいいの? せっかくなんだしさ」
「いいわよ。こんな寒いのに外へなんか出かけたくないわよ」
「映画を見るとかさ」
「行くのがめんどくさーい」
「じゃあ、なにするのさ?」
 アタシはずずっとお茶を飲んでから、
「一日中、こうしているのもいいんじゃない」
 と言った。
 シンジは窓の外を少し見ていたが、
「仕方ないか。今日はずっとアスカに付き合うって約束したしね」
「アンタ、自分の立場がわかっているじゃん」
「はい、はい」
「ハイは一回でよろしい」
「はい、」
 と、またシンジが返事をしてからアタシたちはお互いにぷっと笑いあった。
780res698:2006/11/26(日) 03:37:37 ID:???
 それからアタシたちがDVDで映画を一つ見終えた頃、時計の針は
二つとも一番上の数字を指していた。
 コタツに入ってニュースを見ていたシンジが、
「昼ごはん、どうする? どこか食べに行く?」
「この雪の中?」
 とアタシが言うと、シンジは窓へ視線を移した。
 外はもうすっかり雪が舞っていて、完全防備にしないと凍えそうな感じ。
「じゃあ、そこのコンビニで何か買ってこようか?」
「シンジが買い出しに行ってくれるの?」
「いいよ。それくらい」
「んー、そうねえ」
 アタシは頬に人差し指を当ててキッチンの様子を思い浮かべる。
「やっぱり、いいわ。お昼はアタシが作ってあげる」
「アスカが?」
「そうよ。わるい?」
「そうじゃないけど、僕が作るよ。アスカの誕生日で来ているんだしさ」
「いいの。アンタはそこで座って待ってなさい。アタシが作りたいのよ」
「だけど、大丈夫?」
 アタシはシンジのおでこをコツンとつついて、
「ばーか。これでもアタシは料理が上手いのよ」
「ほんとう?」
「十何年もママと二人暮しなのよ。それくらい当たり前じゃない」
「じゃあ、期待して待ってるよ」
「そうそう。それでいいのよ」
 と言って、アタシはコタツから出るとキッチンへ向かった。
 そして、十数分後、盛りつけした皿を持って戻ると、
「これ、料理?」
「バカにするんじゃないわよ。立派な料理でしょ」
「でも、スパゲッティーじゃん。しかもミートソースは缶詰めみたいだし」
 アタシはトマトの盛り付けをコタツテーブルにおいて、
「シ〜ン〜ジ、お礼の言葉は?」
 と言った。
781名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/26(日) 04:02:17 ID:???
 その時、アタシの額に青筋でも浮いていたのかもしれない。
 シンジは慌てたように、
「う、うん。ありがとう。美味しそうだなあ」
「ほら、早く食べなさい。冷めちゃうでしょ」
「いただきまーす」
「いただきます」
 と、アタシもくるくるっとフォークに巻いて食べ始めた。
「アスカ。これ、ホントに美味いよ。茹で方が違うのかな? ちょっとびっくりした」
「どう? アタシの料理の腕前は? でも、パスタは得意なのよ」
「そうなんだ」
 それから暫くしてお昼を食べ終えると、食後の紅茶をアタシたちは飲んでいた。
 とりあえず、おなかはいっぱいで、ゆくっりとした時間の流れを感じる。
「アスカの料理を食べたのは初めてかもしれない」
 と、不意にシンジが言った。
「そう?」
「たぶん、」
「そっか。シンジとは付き合い長いのに意外ね」
「意外かなぁ?」
「意外よ」
 アタシはティーカップの縁を人差し指でなぞりながら、
「シンジと二人でこうやって家で遊ぶのって何年ぶりかな?」
「中学以来?」
「小学校の時じゃない。中学に入ると、シンジ、思春期でアタシを避けてたことが
あったでしょ。あーれはちょっとねえ」
「ば、ばか。なに言ってんのさ」
 シンジの焦りぶりにアタシは笑いをこらえて、
「でもね、今だから言うけど、アレはちょっと寂しかった。アタシ、なにかシンジに
嫌われるようなことしたかと悩んだし」
「そうだったの?」
 と、シンジはすまなそうに訊いてきた。
782res698:2006/11/26(日) 04:21:24 ID:???
「まあ、シンジのママに相談したら、思春期で照れてるだけって言うのを
聞いて、シンジがかわいく見えたけどね」
「なんだよ。それ?」
「そういうこともあったということよ」
 シンジはちょっとむくれてしまったけど、またそれも可愛かったりする。
 そう思ってしまうアタシもバカなんだろうな。
「ねえ、シンジ。ヒカリヘ返事はした?」
 と、アタシは唐突に訊いた。
 不意をつかれたのか、シンジは一瞬息をのんで、
「まだ、」
「そう。まだ答えが出ないんだ」
「……」
「アタシが答えを出してあげようか?」
「えっ、」
「ヒカリと付き合っちゃいなさいよ。嫌いじゃないんでしょ? だったら、いいじゃない」
 シンジは少しうつむいて、
「でも、そんな中途半端な気持ちで……」
「付き合っているうちに好きになるっていうこともあるのよ」
 しばし、シンジは考え込んでいたが、
「やっぱり、よくないよ。そういうのは」
「シンジがそう思うなら仕方がないけど、そう深く考え込まなくてもいいんじゃない」
「そうかな」
「まだ高校生なんだし、そんなもんよ」
 その後、アタシとシンジはゲームをしたり、雑談をしたりで午後を過ごしていた。
 で、なんとなーくすることもなくなり、コタツに入りながらお互いに本や雑誌を読ん
でいたが、
「ねえ、シンジ?」
「ん? なに?」
「アンタさ、男なの?」
「急になんだよ」
 と言って、シンジは雑誌から目線をあげて、アタシを見た。
 アタシは文庫本を読み続けながら、
783res698:2006/11/26(日) 04:39:06 ID:???
「だって、そうでしょ。このアタシという美少女と二人っきりになりながら、
こうムラムラってこないの?」
「そんなのあるわけないだろ」
「ほんとう?」
「うそ言ってどうすんのさ?」
 とシンジは言ったが、すぐに、
「って、うそかな。そりゃあ、やっぱり僕も男だし」
「ダメよ。アタシには加持さんが」
 と、アタシはオーバーなリアクションで言った。
「ときどき思っちゃうだけだよ。でも、アスカは小さい頃からの友達だし、
本気でそんなことは考えたことないから」
「ふーん、そうなんだあ」
「そうだよ」
「じゃあ、今は?」
「思うわけないだろ。だからさ、僕も恥ずかしいいんだから、もう訊かないでよ」
「はい、はい。わかりました」
 と、その時、電話のベルが鳴った。
「あ、ママ。……ん、そう。……わかった・じゃあ、待ってる」
 アタシが電話の受話器を置くと、
「アスカのお母さんから?」
 と、シンジが訊いてきた。
「そう。今日の晩御飯のおかずをどうするって」
「あっ、もうそんな時間か」
 と、シンジは外を見た。
 すっかり空は闇に包まれ、月は厚い雲に隠れている。
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
 と言って、シンジはコタツから立ち上がった。
 玄関でシンジが靴を履き終えて、
「シンジ。今日は付き合ってくれて、ありがとう」
「僕、何もしていないけど、これでよかったの?」
「いいのよ。これで。なーんかさ、アンタといると落ち着くのよね」
 アタシは照れのため、ちょっと顔を横にしながら頬を指でかいた。
784res698:2006/11/26(日) 04:59:14 ID:???
「僕もアスカといると気が楽なんだ」
「そっか。……じゃあ、シンジ。またね」
「うん、また」
 そう言ってシンジは帰っていき、アタシは閉められた玄関のドアを見続けていた。
 そっか。シンジはアタシといると落ち着くのか。
 今日ずっとアタシはシンジと一緒にいてドキドキしていたのにな。
「バカ」
 と、アタシはドアに向かって呟いた。
 その時、ドアフォンが鳴った。そして、ドアを開けるとシンジが立っていて、
「一日早いけど、アスカ、誕生日おめでとう」
 と言って、アタシに淡いミルク色のロングマフラーを渡した。
「これは?」
「母さんと一緒に編んだんだ。と言っても、ほとんどは母さんで、僕はちょこっとなん
だけどね。あ、材料費は父さんが出したんだ」
「……」
「今年は寒くなるみたいだし、マフラーはいくつ持っててもいいかなって」
 うつむいて黙っていたアタシに気づいたのか、不安そうにシンジは、
「気に入らなかったかな?」
「バカ。ユイさんの編んだものが気に入らないわけないでしょ」
「そうだよね。よかった。じゃあ、アスカ、またね」
 と言って背を向けたシンジにアタシは、
「ありがとう」
 と言った。
 シンジはそのままうんと返事して、帰っていった。
 そのマフラーをアタシは首に巻くと、急いでドアを開けて出ると、遠くのエレベータに
シンジが乗り込むところが見えて、アタシはもう一度、
「ありがとう」
 と小さな声で言ったのだった。


つづく
785名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/26(日) 07:46:24 ID:???
おつ セツナイブルー
786名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/11/30(木) 05:42:51 ID:???
redmoonでヒカリの日記というタイトルに惹かれて読んでみたが日記になっていなかった
日記スレ立ててもキツいのは明らかだしスレタイ的に問題なさそうなんで
此処で日記書いてくれる職人さんキボン
ヒカリが日記書くのって、もろ合うと思うけど・・
787名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 00:30:38 ID:???
>>786
まぁ、日記風の投下があっても問題はないだろうが、仮に書いてくれる職人が居たとして、
カップリングがヒカリ×シンジになることを承知の上での希望なんだろうな?
788名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 06:59:26 ID:???
>>787もちろん。そうじゃなきゃこのスレで書き込まんでしょ。
789名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/01(金) 22:40:44 ID:???
エヴァ板の日記スレを見ると、日記でなく単なる一人称文がほとんどなんだよなあ
790res698:2006/12/04(月) 22:14:18 ID:???
 それは突然だった。
 アタシの誕生日にイタリアン・レストランでママと食事をしている時、
「アスカ、驚かないで聞いてほしいの」
「なに? ママ。まさか再婚するとか?」
 と、アタシは軽い感じだった。
「そんなことではないわ。ドイツの研究所に転勤することになったの」
「えっ!」
 あまりにも意外なことでアタシは言葉を失ってしまい、
「2ヶ月後に行くことになったわ。アスカはまだ高校があるから無理強いはできない
けど、できればママと一緒に行ってほしいと思っているの」

 その夜、アタシはよく眠れず、いろんなことを考えていた。
 そのせいで翌朝は重いまぶたを抱えながら学校へ行くはめになり、一緒に登校す
るシンジは相変わらず元気だった。
 夜に降っていた雪はすっかり止んでいたけど、辺り一面ゆき化粧となり、きゅっきゅと
5cmくらい積もった雪を踏みしめながら歩く。
 シンジは途中途中で小さな雪だるまを作りながら歩いていて、まるで小学生みたいに
はしゃいでいた。
「アンタさ、ホント、ガキよね」
「うるさいなあ。アスカだって、ちょっと前までは雪が積もると大喜びだったろ」
「そんな昔のことは忘れたわよ」
「いや、ほんの2,3年前だけど」
「忘れたのよ」
 シンジは手袋についた雪をパンパンと叩いて取ると、
「僕は憶えているよ。アスカと始めて会った時のことも憶えているしね」
 と言って笑みを浮かべて、
「アスカがさ、公園のジャングルジムから降りられなくなって、泣いちゃったんだよねえ」
「あー、あー、アタシは知らない。そんなことは何にも無かった」
 シンジはくすっと笑って、
「アスカと一緒だと退屈しないですむから楽しいんだよな」
「ばーか、それはアンタの方よ。いっつもギャグみたいなドジをしているくせに」
「うーん、そうかもしれないなあ」
791res698:2006/12/04(月) 22:38:55 ID:???
 シンジはそう言うと、雪玉を一つ作って、遠くへ投げた。
「これからも退屈しそうにないなあ」
 と呟いて、シンジは笑った。
 たぶん、シンジはこれからもアタシがずっとそばにいると思っているのだろう。
 もし、ここでアタシがドイツへ行くかもしれないと言ったら、シンジはどんな顔を
するんだろう。アタシはとても見てみたい欲求にかられたが、その言葉を告げる
時期ではまだ無かった。
 教室に入ると、ヒカリがすぐにやってきて、
「アスカ、一日遅れだけど、お誕生日おめでとう」
「ありがとう。ヒカリ」
「これ、よかったら使って」
 と言って、ヒカリが渡したものは深い青のイヤリングで、
「お姉ちゃんからもらったんだけど、私には似合わないから」
「でも……」
「アスカにはきっと似合うと思うの。お姉ちゃんもそう言っていたから、ねっ」
 アタシはちょっと涙目になっていたと思う。
 そんなアタシをヒカリはただ微笑んで見ていた。
 それから始業時間のチャイムがなるまでずっとヒカリと雑談していた。
 久しぶりに長く話していたような気がする。
 やっぱりヒカリはアタシにとって一番の友達で、それはずっと変わらないと思う。
 だから、昼休みにお弁当を一緒に食べていた時、
「碇くんに告白したの」
 とヒカリが言ったことに対して、アタシは
「ヒカリ、がんばったね」
 と、優しく言葉を返した。
 アタシたちは少し遅れて昼ご飯を食べていたから、教室の中はもう喧噪にまみ
れて、アタシたちの話している声はかき消されてしまうだろう。それでも、ヒカリは
周りを気にするように小声で、
「アスカ、ごめんね。今まで黙っていて」
「いいわよ。やっぱり、そういうことって相談しづらいしさ」
「でも、ごめん」
 本当に謝っているヒカリに対して、アタシは少しばつが悪くなって、
792res698:2006/12/04(月) 23:03:14 ID:???
「アタシも本当のことを言うと、知っていたんだ」
「……碇くんから?」
 と、ヒカリは窺うように訊いた。
「そう。いくら幼なじみとはいえ、そういう大事なことは相談しないでほしいわよねぇ」
「そっか。碇くん、アスカに相談したんだ」
「あ、相談って言っても、全然そんなんじゃないから。それにアイツ、自分で考えるって
言っていたし」
「考える……」
 ちょっと落ち込んでしまったようなヒカリの気分を変えようと、
「ねえ、ヒカリ。急にどうして告白しようと思ったの? シンジのどこが好きになったの?」
 と訊いた。
 ヒカリはちらっと横目で教室の隅にいるシンジを見てから、
「私、たぶんずっと前から碇くんが好きだったんだと思う。でも、ずっと自分の気持ちを
隠していて。鈴原とのことがあったからかな。もう男の子を好きにならないって、決めて
いたような気がする。けれど、もうダメ。碇くんには私だけを見ていてほしい」
「恋って、そういうものじゃない」
「うん、」
 ヒカリはアタシからわずかに逸らして、
「本当のことを言うと、私、アスカに嫉妬しているんだ。さっきも碇くんがアスカに相談し
たって聞いて、そう感じた。私にはあまり言ってくれないのに、アスカには何でも言うの
かなって。……本当に、嫌な女よね。もう何にでも嫉妬しちゃって」
「だから、それはそんなじゃないって。ほら、アイツ、友達が少ないから。それで幼なじ
みのアタシに相談する癖がついちゃったのよ」
「わかってる。アスカ」
 とヒカリは小さく笑ったが、それは寂しそうな笑みだった。

 放課後、ソフトボールの練習が終わってから、アタシは一人で雪道を歩いていた。
 今日はママの帰りが遅くなるとメールが来ていて、コンビニでお弁当でも買って帰ろう
かなと思った。これから料理をするのも面倒くさいし。
 と、そんな時、車道からアタシを呼ぶ声が聞こえた。
「アスカー、元気ー?」
 アタシが声の方を振り向くと、車の窓から手を振っているミサトの姿があった。
793res698:2006/12/04(月) 23:24:22 ID:???
 それからミサトに家まで送ってもらうことになって、アタシは助手席に乗った。
 雪道を慎重に運転するミサトに意外さを感じていたアタシに、
「こんなに遅くまで部活?」
「あったりまえじゃない。これでもアタシはソフトボール少女なの。エースで4番。
アタシがいなきゃ始まらないんだから」
「相変わらずね」
 とミサトは笑った。
「じゃあ、帰ったらキョウコさんが料理を作って待っているわね」
「ううん。今日は遅くなるって。だから、どこかコンビニに寄って。弁当を買うから」
「コンビニ弁当じゃ栄養のバランスが取れないわよ」
「別に一食くらいいいわよ」
「だーめ。育ち盛りなんだから。でないと、私みたいにボイーンにならないわよ」
 ダメだ。この人は。相変わらず下品で脳天気で、でも意外に優しくて。
「じゃあ、ファミレスにでも寄っていきましょ。私がおごっちゃうから」
 と言って、ミサトは急ハンドルを切り、雪道に後輪を滑らせながら交差点を曲がった。
 そして、ファミレスでアタシはエッグハンバーグを、ミサトはトンカツ定食を食べていた。
 ミサトは口いっぱいにトンカツを頬張りながら、
「今日は私もコンビニ弁当にしようと思っていたのよ」
 と言った。
「加持君も今日は出張でいないのよね。っと、アスカには禁句だったかしら」
「ばーか、アタシも高校生なのよ。今さら禁句とかバッカじゃない」
「ごみん、ごみん」
 と舌を出して謝る。
 でも、未だにアタシはそのように思われているのかなとも考えていた。
 ミサトは中2の時の担任で、アタシやシンジの親とも古くからの顔見知りだった。
 それで、加持さんはアタシの憧れの人だった。
 アタシが中学を卒業する時に、加持さんとミサトが結婚したけれど、その時のことは
あまり思い出したくない。結局、まだアタシはガキだったのよね。もう大騒ぎを起こして、
周りに迷惑をかけまくっていたのを思い出すたびに、恥ずかしくなってくる。
「まあ、でも、そんな様子じゃ、アスカにも恋人ができたのかな?」
 と、ミサトが茶化すように言った。
「シンちゃんかな〜」
794名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/04(月) 23:44:53 ID:???
「ミサト、馬鹿じゃないの。シンジとそんな風になるわけないでしょ」
「そう? お似合いだと思うわよ」
「絶対にありえない。だって、アタシ、幼稚園の頃、シンジがお漏らししたことま
で憶えているのよ。小学校の時なんて、シンジがよくいじめられていて、アタシ
が助けたことなんて、一度や二度じゃすまないし」
「へ〜、よく憶えているわね」
 そう言って、ミサトはにへらと笑った。
「幼なじみじゃ、トキメキっていうものがないのよ」
「そんなものかしらねえ」
「そうなの」
「はい、はい。わかりました」
 そして、ミサトはまた大口でトンカツを食べ始めた。
 それから食事が終わってから、アタシたちは食後のコーヒーを飲んでいた。
 アタシはその間、ずっと考えていた。ミサトはこれでもいろんな経験をしているんだし、
いいアドバイスをしてくれるかもしれないと。
「ねえ、ミサト」
「ん?」
 と、ミサトはコーヒーカップから口を離した。
「友達の話なんだけど、その友達、親友と同じ人を好きになったらしいの」
「……」
「でね、その親友は彼に告白をしたんだけど、友達は自分も好きと言えずにいるんだって。
ここでそう言ったら親友との仲が壊れそうだし、ずっと親友でいたいと思っているのよ。でも、
その親友と同じくらい、もしかすると親友よりもずっとその彼が好きかもしれないって」
「ふーん、アスカにそんな友達がいるんだ」
「まあ、そうなのよ。それで、そんな時、その友達のママが転勤することになっちゃって、ママ
は残っていてもいいと言っているけど、今は一緒にママと行った方がいいかなっても考えて
いるみたいで。ほら、ここで一緒に行った方がずっと親友でいられるし、その彼も自分を恋人
とかそういう風には見てくれそうにもないから、残っていてもつらいだけなのよ」
 と、アタシはいつの間にか自分のことのように話していたのを気づいた。
 アタシはおそるおそるミサトを見たが、ミサトにからかうような気配はなく、真剣に考えている
ようだった。
 ミサトはしばらく腕組みをしていたが、
795res698:2006/12/05(火) 00:03:05 ID:???
「そのアスカの友達、自分の気持ちを伝えずに行ったら、後悔しないかしら」
「後悔?」
「そっ。私、大学生の頃、加持君と一回、別れたことがあるのよ。私の方から別れ
話を持ち出したんだけど、本当は捨てられそうな予感がしてね」
「……」
「でも、あとで聞いてみたら、そんなことは全然なくて。ただ、加持君の方も私に
他の男ができたように思っていたみたいで、そんなこと聞けなかったんだってさ。
アイツ、プレイボーイに見えるけど、けっこう可愛いとこがあるのよね」
「……」
「それからまた出会うまで何年も私は加持君のこと引きずっちゃってね。あの時、
こうすればよかったとか、あーすればよかったのかなとか、よく考え込んじゃった
りね。私と加持君はそれから運良くまた出会ったけど、もしかするともうそれっきり
だったかもそれないのよね。案外、人の縁って簡単に切れちゃうものなのよ」
「……」
「だから、アスカ、どういう選択をするとしても、後悔しないようにね」
 そうミサトはアタシの目をまっすぐに見ながら言った。そして、
「あっ、そういうふうにその友達へ伝えるといいんじゃないかな」
 あはは、と困ったようにミサトは笑った。
 アタシもくすっと笑ってから、
「ミサトも案外、先生っぽいこと言うのね」
「案外って何よ? 案外って」
「褒めてあげているのよ」
「担任にそういう言い方はしないの」
「元・担任でしょ」
 そして、アタシたちはまた笑い合った。
 その後、ミサトと別れて自宅に戻ったアタシは、コタツに入ってテレビを見ながら考え
ていた。アタシはどうすればいいんだろうかと。
「やっぱり、言えないよね」
 そうアタシは呟いていた。

つづく
796名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/08(金) 21:57:49 ID:8B9Cm7F2
ここいらで一回あげよう
797名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/23(土) 03:53:53 ID:???
hosyu
798名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/27(水) 22:58:57 ID:???
ヒカリシンジか
Galaxy Dream
Galaxy Dream
夢銀河渡ればふたりIt's all right ♪
799名無しが氏んでも代わりはいるもの:2006/12/28(木) 21:45:46 ID:???
>>798
オルガニックフォーメーション発射かw
主人公に金髪の幼馴染がいてシンジ君と呼ばれてるのがよい。
800名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/04(木) 18:42:58 ID:???
保守
801名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/09(火) 22:08:54 ID:???
中川氏が久し振りに書いてるの誰か突っ込んでやれ
802名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/10(水) 12:26:30 ID:???
>>801
日記見てるとかなり痛いからスルーしてた。
803名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/10(水) 14:12:17 ID:???
もうLHS界は終わりなのか
F氏、S氏は更新ないし、N氏はあんなだし
ヽ(`Д´)ノ
804名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/17(水) 15:54:57 ID:???
書き込み禁止!!!!!!!!!
805名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/17(水) 20:30:57 ID:2JytsYZX

投票数:178レス 20:06:48現在

■第1試合
1位 62票 川添珠姫@BAMBOO BLADE
2位 53票 洞木ヒカリ@新世紀エヴァンゲリオン
3位 26票 鮎川まどか@きまぐれオレンジ★ロード
4位 13票 原田梨紅@D・N・ANGEL

コード発行所 http://msaimoe.2-d.jp/m02/

第二回漫画最萌トーナメント 投票スレ55
http://etc6.2ch.net/test/read.cgi/vote/1168955603/
806名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/01/25(木) 08:57:56 ID:???

2ちゃんブラウザで見ているんだが、
今朝チェックしたらいきなり「dat落ち」になった


(゚Д゚≡゚Д゚)エッナニナニ?

( ゚д゚)ポカーン

_| ̄|○ ガックシ・・・


なんて状態だったんだが、板が移転しただけなんだな
よかったよかった
807名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/09(金) 08:49:55 ID:???
hosyu
808名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/10(土) 20:45:37 ID:aON9zoht

809名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/10(土) 22:50:55 ID:???
ようやくMAPでLHS更新

でも、なんか「情熱失せかけてますぜ」なコメントはちと悲しい
810名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/11(日) 18:12:12 ID:???
情熱失せたっていうか、なにか焦ってないか?
完結させることばかり考えてるようだが
811名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/13(火) 20:10:59 ID:???
「ヒカ世」このまま連続更新を期待しつつ
sage
812名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 08:27:10 ID:???
なんだ今度は「ヒカリ」を終わらせるつもりか?
813名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 09:32:54 ID:???
あれはTV中盤前にでスーパー王子様シンジへ進化しちゃったから、
これから何を書くのか見失っちゃいそうな気がするよね
もう書きたいことはやり尽くしたみたいな
ヒカリがチルドレンになるのは他に短編で書いたから、もういいかなとか
814名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/17(土) 14:34:58 ID:???
ということでこのスレ終了
815名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 16:08:04 ID:???
>>813
奴の底がもうみえたってこと?
816名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 16:33:42 ID:???
本人のモチベーションが持つかどうかでしょう
シンジをパワーアップさせると初めは楽しいけど、すぐにやることが無くなって飽きが来る
スパシン物が初めの数話で中断するのが多いのと同じような感じ
2ndRingも今そんな感じだし
817名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 16:50:28 ID:???
モチベーションの問題はどんな作品にもいえる話だよね
とりあえず今はやる気あるみたいだし放置よりいいんじゃない?
俺はシンジの成長云々よりアスカへの肩入れの方が心配だ
818名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 16:58:07 ID:???
もともとLAS好き+ハーレム属性な人だから、それは予定通りでしょ。
ただ、ヒロイン達があまりにも王子様シンジ好き好きをやられるとねぇ。
819名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:06:47 ID:???
久しぶりにこのスレ見たがちょっと盛り上がっていて嬉しい
820名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:23:45 ID:???
kaz商会秘密基地でLASベースの一作。
一番LHSにやりやすいタイプかね、これ
一方、MAPでは「もうLHS長編かかん、今のもうち切ったらおもろいかな」宣言。

いよいよ極寒の時代だな。
821名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:25:25 ID:???
新作で奇跡のLHSが無い限りもう駄目ぽ
822名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:27:31 ID:???
あの人、もしかして未だにこのスレを見ていたのか?
いい加減、他人を気にするのは止めたらいいのに
823名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/18(日) 23:33:19 ID:???
分かってるけど、つい見てしまうもんだよ
俺も経験ある
824名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 00:25:56 ID:???
ということでこのスレ終了
825名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 00:42:40 ID:???
仮に見てても先月からの流れみてると
エヴァFF界自体から足洗たがってる
気がするが
ま、ほっておこうや
826名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 01:17:21 ID:???
前聞きそびれたんだが今のうちに
SS以外の二次LHSって「貴賎」小説二種以外本当にないのか?
DVDPG出た時期待してたんだけど
827名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 08:49:32 ID:???
意味が分かんない
828名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 11:18:26 ID:???
同人誌の類はないかって事だろ
貴賎は同人誌になってる
829名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/19(月) 15:56:27 ID:???
貴賎 懐かしいなぁ
積ん読になってるがカバーが無いとさすがに外では読めないし
サイトならいくつかあると思うが更新されてるかはシラネ
830名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/02/20(火) 06:56:22 ID:???
貴賤か・・・
シンジがもそっと本編ふうだったらな
831名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/04(日) 22:32:10 ID:???
なんで中川氏は今頃になって惣流三姉妹の外伝っぽいのを書いてるんだろうね・・・。
早くヒカリの世紀を再開して欲しい。
832名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 21:06:04 ID:???
本人に直接伝えればいいじゃないか
833名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 22:40:46 ID:???
>>832
あそこって作品は好きだけど敷居が高くて入り辛いよ。
掲示板は自分のメアド教えないとアクセスできないみたいだし。
だからと言ってメールで(こっちのメアドを教えてまで)伝えたいとは思わない。
834名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 22:52:59 ID:???
よくわからんが、メールで感想を送るほどではないから
メアドを入力して掲示板に書き込みたくないということ?
835名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 23:00:18 ID:???
>>834
妙に絡む人だね。
普通(少なくとも他のエヴァ関連のサイトで)、掲示板に書き込むどころか
ROMするだけでも、自分のメアドを伝えなきゃならないのって変でしょ?

自分は掲示板にだったら書き込もうかと思ったけど、
そんな風に間口を狭くしている所は敬遠してしまう・・・と言いたいだけ。
836名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 23:16:38 ID:???
素直にメールを送ればいいのにと思うけど、どうでもいいか
837名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/05(月) 23:18:33 ID:???
あ、ごめん。
向こうのメアドがないんだね。納得した。
正直、すまんかった。
838名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/06(火) 00:28:32 ID:???
メールフォームなかったか?
839名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/06(火) 06:58:28 ID:???
今のmapなら放っておきゃそのうち書くって
840名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/06(火) 19:22:49 ID:???
今はどこまで話が進んだの?
841名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/06(火) 19:59:43 ID:???
「ヒカ世」ならイロウルまでもう少しだが
まだ先は長いねw
842名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/07(水) 00:02:25 ID:???
今日の更新分では、フォースはヒカリになりそうな雰囲気がビシバシと。
アスカとのバトルも期待
844名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/11(日) 13:12:42 ID:???
中やん、今度はレイを持ち出してきたよ
いいかげんヒカシンで話を進めてくれ
845名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 20:50:53 ID:???
TVのエピソードを全て再現しようとするから、話がさっぱり進まないんだよな
本筋のストーリーに関係ないし、小ネタとしてもつまんない
はっきり言って、そんな部分は3行で省略すればいいと思う
846名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 21:29:55 ID:???
>>845
よし実践だ

シンジがこの前起きた使徒の話をしてくれた。エヴァの実験中に細菌サイズの使徒が攻めてきて、
戦えないシンジ達は蚊帳の外に置かれて、この前パーティーで見掛けたリツコさんって金髪の人が、
コンピュータのプログラムで使徒を退治したって言っていた―――何だか私には、良く分からなかった。

それよりも私は気になるのはアスカの言っていた話しの方だった。
シンジに裸を見せたって言ってたけど……後でシンジに確認しよう。

こんな感じか?w
847名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/12(月) 21:41:14 ID:???
不潔よぉっ
848名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 13:16:03 ID:???
鬼のような形相のヒカリ
夢ではなかった・・・・
849名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/13(火) 21:26:36 ID:???
あの後、ヒカリに何を訊かれ、何を迫られたのかは語りたくない。
ただ一つ言えることは、それが中学生にあるまじき行為だったと言うことだ。
いや、最後までは行ってないけどさ。(ちょっと残念だったのは秘密だ)
850名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/19(月) 14:29:25 ID:???
補習
851名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/03/27(火) 17:24:11 ID:???
ほしゅ
852名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/03(火) 03:25:38 ID:???
ヒカリの世紀に毎日wktkしてんのは俺だけ?
853名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/03(火) 03:55:25 ID:???

ここにも居る
854名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/03(火) 13:00:22 ID:???
完結してからDLしてみるか
アスカとの関係がドロドロしてこなきゃいいが
855名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/03(火) 19:48:34 ID:???
ひかり・のぞみさん入社・JR東海に双子の姉妹

ttp://www.nikkei.co.jp/news/main/20070402STXKB045602042007.html
856名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/07(土) 06:59:53 ID:D5NQOeLB
857名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/08(日) 05:00:01 ID:???
久しぶりに見たらsolan氏復活しとるな…
だがまだまだLHS分が足りん
858名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/08(日) 05:00:52 ID:???
すまん
ageてもうたorz
859名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/08(日) 14:32:52 ID:???
ヒカリ:い〜か〜り〜きゅ〜ん!!

シンジ、ヘッドホンを外す

ヒカリ:暖めて!!女の子孕ませたのよ、責任とりなさいよ!!





何となく語呂があってたから書いたが…意味分からんな
860名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/08(日) 22:05:22 ID:???
ヒカリが4号機に乗ってEoEまで戦うっていうのでもよくね?
861名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/04/26(木) 05:54:35 ID:???
保守
862名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/09(水) 20:44:32 ID:???
age
863名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/10(木) 03:04:09 ID:Zcc7OfZ9
補完委員会の委員長も務める勤勉なヒカリちゃんage
864名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/14(月) 19:29:31 ID:QC0+YO/c
セガ・サターンの一作目のゲームはLHSですた
865名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/14(月) 20:45:41 ID:???
>>864
このスレの住人的には常識中の常識でしょ。
866名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/23(水) 08:55:31 ID:???
保守
867名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/05/28(月) 21:21:34 ID:???
ネタないねえ。保守
868名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/09(土) 02:16:35 ID:???
もうダメなのかしら
保守
869名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/12(火) 21:01:34 ID:???
何かネタをいただければ、文章化を頑張ってみますが
870名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/13(水) 02:20:31 ID:???
シャム対戦時に3人同乗が原因で精神汚染→何故かヒカリに母性を重ねるようになる
精神汚染の影響で、そばかすに対して少しずつだけどおかしい位の性欲を持て余すようになる


我ながらひどい話だな…
871名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/13(水) 20:35:53 ID:???
むしろ、トウジとケンスケを連れ戻しに来たは良いが、初号機が飛ばされたのが
ヒカリのところ(トウジとケンスケが目の前で初号機に潰されるってのも有りか?)で、
ヒカリだけ収容。
精神汚染でお互いの考えがぼんやりと(←重要)だけど解るようになってしまい、
気まずいやら気恥ずかしいやら、その他諸々で意識しあい、次第に惹かれていくとか。


ベタっちゃベタかな?
872名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/14(木) 23:16:28 ID:???
flowに短編が来てますね。
黒縁眼鏡のヒカリに萌えぇ〜♪
873名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/21(木) 13:11:44 ID:???
ヒカリの世紀の続きまだかいな
874名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/25(月) 23:44:34 ID:???
870キボン
875名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/27(水) 22:49:03 ID:???
>>870
そばかすって、シンジ×ケンスケなの?
876名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/06/28(木) 06:35:51 ID:???
俺も870キボン
877名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/09(月) 00:04:24 ID:???
ヒカリの世紀はいろいろと独自色を出そうとしているけど、
結果的に本編と同じになっているのはおしい
878名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/10(火) 22:49:30 ID:???
>>877
ヒカリがフォースチルドレンに選ばれて、盛り上がっていかなくなちゃならない頃合いなのに
だんだんつまらなくなってきたと感じている。
もう少し話が進むまで読むのをやめようかな。
879名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/12(木) 00:41:21 ID:???
>>878
二次創作とは?とか本編再話形式とは?とか難しいことを考えたけど、
つまるところ萌えが大幅になくなっているのが原因ではないかと。
序盤なんて、そりゃあもう萌え萌えだったわけじゃないですか。
今は何というか、萌えポイントがあったとしても、初期のそれとはズレがあるような気がする。

あとは、恋愛がテーマな話ということを考えると、主人公二人がくっつくまでの
物語というのが面白いし、書く方も描きやすいんだと思う。
一般にドラマや漫画、小説もくっつくまでの話が多いしね。
くっついてからの二人を描くのをメインにしようとすると、かなりの力量が必要だと思う。
他のFFでいえば、2nd Ringなんか、もうくっついてからグダグダで、作者の妄想だけが
先走っていて、ちょっとアレだし。

まあ、そんなことはともかくゴールはあと少しなんだし、頑張ってほしいですよね。
880名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/12(木) 22:56:56 ID:???
「〜そんな計画に息子の命を賭けても良いかどうか、あの司令がどんな判断をするのか、こりゃ見物だわ」

アスカのこのセリフに激しく萎えた。
失恋したとはいえ、一度は好きになった男の命が掛かっているのに “見物だわ” と平気で言える神経を疑うよ。
881名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/21(土) 09:18:05 ID:???
ぬるぽ
882名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/21(土) 09:59:50 ID:???
アスカやリツコあたりにはそういう無神経さが似合うと思う
883名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/22(日) 21:13:40 ID:???
res698氏もう続き書かないのかな…
884名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/23(月) 22:05:04 ID:???
>>878
改めて読んでみたけど、登場人物の行動や台詞が芝居じみているんだよね
所詮、虚構の世界なんだけど、ちょっとしたリアリティがないと話にのめり込めないと思う。
強いて言えば、下北沢の劇団でやっているような演劇みたいな。
885名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/26(木) 22:14:48 ID:???
>>883
ごめんなさい
ちょっと余裕がないです
886名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/07/28(土) 12:43:15 ID:???
887名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/01(水) 01:15:03 ID:???
>>res698さん
また時間ができれば是非御願いしますm(_ _)m
888名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/06(月) 11:28:19 ID:???
>>886

他のやつ読んだ感じではこの二人も死んで終わりかな
889名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/11(土) 13:39:28 ID:sXMUSkiq
シネ
890名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/17(金) 19:06:30 ID:???
全力で保守
891名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/27(月) 04:01:10 ID:???
もう…駄目だ…あとを…た…のm■
892名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/08/30(木) 13:20:40 ID:???
ガンガレ
893名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/02(日) 17:38:02 ID:???
今は保守
894名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/05(水) 02:07:31 ID:???
保守!

スレがばたばた落ちてるな…
3日振りに巡回したら住み心地の良かったネタスレが…('A`)
895名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/07(金) 08:35:44 ID:???
うん
896名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/07(金) 12:11:15 ID:???
スレが…、スレが腐海に飲まれていく…
897名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/10(月) 01:16:22 ID:l2PoFc/M
サターン版エヴァオススメ
898名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 23:34:36 ID:???
なんか委員長はエヴァでは珍しいくらい
人間ができている
899名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 23:39:47 ID:???
そうか?
漫画版ならともかく、アニメ版の委員長はうざいと思う
900名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 23:43:09 ID:???
他スレはともかく、このスレ内においては最も萌えるキャラです。

人間ができていなくてもいいんです。
将来、シンジ君との愛の結晶ができれば無問題。
901名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 23:44:55 ID:???
いや、人間できてるだろ
アスカやミサトみたいな変質者ばかりだから
そう見えるのかな?
902名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/11(火) 23:50:09 ID:???
自分は本当に委員長が好きなのか疑問になるようなカキコになるけど、

ユニゾンでの理不尽なシンジへの叱り
なんか知らないけど、お姉ちゃんの頼みということで知らない男とのデートをアスカに頼んだり
中学生で男の子にお弁当を作っちゃうとか、

いや、まあ、でも好きだけどね
903名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/14(金) 22:48:07 ID:???
おやくそくだから
904名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/16(日) 19:07:24 ID:???
保守
905名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/17(月) 19:07:59 ID:???
そういうDVDゲームあったなあ。
906名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/19(水) 20:08:43 ID:???
うん
907名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/25(火) 19:18:38 ID:???
ほす
908名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/27(木) 19:40:37 ID:???
909名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/09/30(日) 17:17:48 ID:???
910名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/02(火) 17:31:59 ID:???
911名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/03(水) 15:45:43 ID:???
ヒカリとなら幸せな家庭がきづけたろう
912名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/06(土) 08:32:05 ID:???
うむ
913名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/10(水) 05:30:39 ID:???
まあヒカリにはその気ないし
914名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 05:39:22 ID:???
それはそうだが
915名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/12(金) 23:04:04 ID:???
それを言っちゃあ駄目だろw
916名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 04:32:07 ID:???
トウジに重傷負わせたからな。好意は難しい
殺した漫画板だったら憎まれてる虞すらあるなあ
917名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 08:35:16 ID:???
イチゴイチエ読めよ
918名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/13(土) 11:21:28 ID:???
所によっては足が速い
919名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/16(火) 04:42:53 ID:???
HO
920名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/19(金) 10:37:32 ID:???
SYU
921名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/21(日) 00:30:47 ID:???
「あきた。あきたのよ、もう」
「どうしたの?ヒカリ?」
「もう自分で作るお弁当を自分で食べるのにあきたの」
「そりゃあ、毎日、作っていればねえ」
「あ、いいこと思いついた。ねえ、アスカ。碇君を貸して」
「シンジを?あー、シンジのお弁当を食べたいってことね。いいわよ。ねー、シンジー」
「ん?なに、アスカ?」
「ヒカリがシンジのお弁当を食べたいんだって。だから、作ってあげて」
「委員長が?」
「ごめんね。たまには他の人が作った料理を食べたいの」
「いいよ、それくらい」
「ありがとう。じゃあ、行きましょ」
「って、なんで、ヒカリがシンジの手を引っ張って家に帰るのよ!?」
「だぁってー、お姉ちゃんやノゾミのお弁当も碇君に作ってもらわないといけないし。
……あっ、お父さんの分も」
「家族、全員の分もかい?」
「いいじゃない。一晩くらい碇君を貸しても」
「一晩って、ヒカリ、アンタいったい何かんがえてんのよ?」
「ナニって、そんな、アスカったらいやらしいんだから」
「ヒカリの方がエロいわよ。シンジもなに前屈みになっていんのよ」
「ごめん。ちょっと想像しちゃった」
「キャー、碇君のエッチ、不潔、あ、そんなとこ触っちゃダメ」
「こっちも想像かい」



ごめん。オチが思いつかなかたよ
922名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/23(火) 20:38:47 ID:???
ほほ
923名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/10/26(金) 21:14:08 ID:???
ほす
924名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/08(木) 23:29:09 ID:???
エヴァ板良スレ保守党
925名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/15(木) 19:37:00 ID:ZBD2G83+
LAS厨とLRS厨が黙ってないぞ。まぁ、俺はLRS厨だが
926名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/11/20(火) 02:15:20 ID:???
hosyu
927名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/11(火) 02:18:16 ID:???
ほす
928名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/21(金) 21:35:04 ID:???
ほしゅ
929名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/26(水) 18:24:44 ID:???
シンジとヒカリはお似合いでんなあ
930名無しが氏んでも代わりはいるもの:2007/12/26(水) 19:49:42 ID:???
LAS厨とLRS厨はアスカかレイがシンジ以外とくっつのが嫌なんだよ
931名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/03(木) 15:50:22 ID:???
その逆も
932名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/05(土) 04:42:03 ID:???
>>921の逆パターンもある気もする
アスカと決裂して傷心のシンジを優しくいたわるヒカリ
933名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/05(土) 22:54:29 ID:???
「彼女は世界の端っこで」はヒカシンなの?
934名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/12(土) 01:50:57 ID:/jmavfC/
>>res698
ツヅキ…モウガマンデキナイヨ
935名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/12(土) 22:54:59 ID:???
ごめんなさい
すっかり忘れてました
おまかにお話の内容もきれいさっぱりと忘れちゃいました
もう一度、読み直してきます
936名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/13(日) 02:11:10 ID:???
シンジは委員長のことどう思ってるんだろ?
トウジやアスカとのつながりがなけりゃアウトオブ眼中なのか?
937名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/13(日) 02:18:50 ID:???
そらそうだろ。
勿論それはヒカリにとっても同じだと思うが。

SS版は違うらしいけど・・・
938名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/15(火) 00:27:37 ID:???
セガ1やりてー
939名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/15(火) 03:24:57 ID:???
キスするとバッドエンドだからwww
どうしろと
940res698:2008/01/15(火) 21:56:39 ID:???
>>795
「アスカちゃん。ちょっとお買い物に出かけるから、お鍋の方を見てもらえる? 予約して
あるケーキも受け取りにいかなきゃならないから」
 とユイさんが言った。
 アタシが”はい”と返事をすると、ユイさんは笑顔で、
「じゃあ、レイと一緒に準備を進めていてね」
 と言って、出かけていった。
 クリスマス・イブでも仕事が忙しいママだから、毎年アタシはシンジのウチでイブを
過ごしていた。そして、一人暮らしをしていたレイもやっぱりイブの夜は一緒だ。
 ただ、今はシンジの家族としてレイはこのウチで暮らしている。
「アンタ、鶏肉も嫌いなんだっけ?」
 とクリスマスツリーの飾り付けを直しているレイに訊いてみた。
「……好きではないわ」
「相変わらず菜食主義ね」
「違うわ。卵料理は好きだもの。オムライスや卵焼きはいくらでも食べられるわ」
「ふーん、やっぱ偏食ね。ところで、シンジはどこ行ってんの?」
 と言って、アタシは時計を見た。
 午後3時。陽がたいぶ傾き始めていた。
「碇君は洞木さんとデートよ。夕方には戻ると言っていたわ」
「あ、あー、そうか。そう言えば、そんなこと言っていたっけ。で、アンタはそれでいいわけ?」
 レイは不思議そうな目で小首を傾げた。
「……どういうこと?」
「だって、アンタ、シンジのことを好きなんじゃないの?」
 レイはほんの微かに笑みを浮かべると、
「なにも自分だけのものにするのが愛ではないわ」
 と、とても恥ずかしいことをさらっと言い切った。
「私は碇君が幸せならそれでいいもの」
「……あんた、神様?」
「違うわ。ただ今は碇君と家族になれただけでじゅうぶんなだけ」
「ふーん、アタシにはよくわかんないわ」
 少し考えるような素振りをしてからレイは、
「それは性格の違いね」
941名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/15(火) 22:21:58 ID:???
 と言った。
「まあ、アンタとアタシはなんでも正反対だしね」
「そう? ……似ている部分も多いと思うけど」
「どこがよ?」
 レイはオーブンの中にある七面鳥の照り焼きの様子を見てから、
「あなた、ドイツに行くの?」
 と唐突に訊いてきた。
「……知ってたんだ?」
「ええ、おじさまとおばさまが話しているのを偶然に聞いて」
「そうなんだ。そのこと、シンジも知っているの?」
「たぶん、知らないと思う」
「そっか…」
 アタシは横目でお鍋の中のシチューを見てから、
「ドイツに行かないことに決めた、みたいな?」
 と答えた。
「受験のこととか、将来のこととか、いろいろ考えると日本にいた方が都合は良いかなって」
「……そう」
 とだけ言って、レイはまたクリスマスツリーのところへ戻った。
「って、訊いておいて、反応はそれだけ?」
「……だって、私には関係ないもの」
「ホント、アンタは張り合い無いわね」
 レイはツリーの天辺にある星飾りの向きを調整しながら、
「碇君もよろこぶわ」
 と呟くように言った。
 本当にシンジは喜ぶのだろうかとアタシは思ったが、ドイツに行こうとしていたことを
言うつもりはないので、その答えはもう永遠にわからないと思う。
 その後、シンジとおじさまが一緒に帰ってきて、ユイさんが戻ってきたところでクリスマス
パーティーが始まった。
 おじさまにデートしているところを見られたシンジはさんざんからかわれていたが、それ
でもとても楽しそうな顔をして照れているシンジにちょっとだけ嫉妬を感じていたような気が
しないでもないような、そんな夜だった。
つづく
942名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/16(水) 00:13:49 ID:rjtvHk/r
>>res698
待ってまスた!
943res698:2008/01/16(水) 21:30:56 ID:???
 ママに振り袖の着付けをしてもらったアタシは鏡の前で自分の姿を見た。
 淡い桜色がなんとなくアタシに似合っているような、そんな感じがした。
「行ってらっしゃい」
 とママに見送られ、同じマンションにあるシンジの家へ向かった。
 シンジの両親に新年の挨拶をしてから、まだ眠っているアイツの部屋へと行く。
「シンジ! 起きなさい。もう昼よ」
「……ん? アスカ?」
 シンジは眠り目を指でこすりながら上半身をベッドから起こした。
「目が覚めた?」
「ん、うん」
「じゃあ、明けましておめでとう。シンジ」
「んー、おめでとう、アスカ」
 まだ意識は半分くらい夢の中にあるシンジはボケボケっとしたままだった。
「新年だっていうのに、シンジは相変わらずねぇ」
「……なんのこと?」
「ま、いいから、早く着替えなさいよ。初詣に行くんでしょう?」
「あっ、今何時?」
 シンジは急に目をパッチリさせて時計を見た。
「ごめん。今、着替えるから」
 アタシはダメな弟を見ているようで、ちょっと溜め息をついてから部屋を出て行った。
 その後、ダイニングでユイさんたちとお茶をしながらシンジを待つこととなり、
「アスカちゃん。振り袖姿、とても似合っているわよ」
 とユイさんが微笑みながら言った。
「そうですか? アタシ、着物にはちょっと自信が無くて」
「ホント、可愛らしいわよ。ねぇ、あなた?」
「うむ」
 と椅子に座って新聞を読んでいるおじさまは無愛想に返事をしたが、その前にアタシを
ちらっと見ていたのには気づいていた。
「こういう時、娘をもうひとり産んでおけばよかったって本当に思うわ。男の子なんて、つま
んないんだもの。母親をうっとうしがるし」 
944名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/16(水) 21:52:04 ID:???
「でも、今はレイがいるじゃないですか?」
「レイ、ねぇ」
 と言って、ユイさんは小さく溜め息をついた。
「あのコ、ファッションには全く興味ないみたいなのよ。素材はいいのにもったいないわ」
「は、はぁ」
「初詣にレイも行くんでしょ? 遅いわね」
「あっ、レイは寒いから家で寝ているそうです」
 ユイさんはまた溜め息をついて、
「レイの将来が心配だわ。本当に、シンジに頼むしかないかも」
「でも、好きな人でも出来れば、そういうことにも気を遣うようになるんじゃ」
「そうだといいわね」
 コーヒーカップに口を付けた後、ユイさんは微笑んで、
「ねえ、アスカちゃんは好きな人いるの?」
「ええっ、アタシですか?」
「そう。もしいないのなら、ウチのシンジなんてどうかしら? アスカちゃんが娘になって
くれるなら、おばさん、とってもうれしいわ」
「ア、アタシは……別に、」
「そんな簡単にはいかないわよね」
 とユイさんは静かに言った。
「いくらシンジとアスカちゃんの仲が良いといっても、それがすぐ恋愛に結びつくってもの
でもないものね。ねえ、アスカちゃん。恋愛の本質って何か知ってる?」
「本質ですか?」
「恋愛ってね、ただの錯覚なのよ」
「……錯覚?」
 ユイさんはコーヒーカップの縁を指でなぞりながら、
「錯覚だから、衝撃的な出会いで人を好きになったり、ある仕草にドキッとしたり、少し優し
くされただけで恋してしまったりするの」
「ちょっと身も蓋も無さすぎませんか?」
「ふふっ、まあ、そんな感じよ。だから、シンジとアスカちゃんは小さい頃からお互いをよく
知っているから、そういう錯覚なんてしないのかなって思ったりするのよね。少し寂しい話
だけど」
 と、ユイさんは微かに笑った。
945名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/16(水) 22:12:29 ID:???
「あの、じゃあ、おじさまとおばさまの場合はどうだったんですか?」
「あら、私? 私はどうだったかしら? ……そうね。私の場合、あれはゲンドウさんと
大阪へデートに行った時、」
「ユ、ユイ!」
 と、おじさまが大声を上げた。
 ユイさんはニヤッと笑って、
「あら、なにかしら? あなた」
「そ、それは言わないでほしいのだが」
「いいじゃありませんか、あなた」
 ニコニコっとした目でユイさんは言うが、おじさまはこれから話されることにいたたまれ
なくなったのか、そそくさと書斎に行ってしまった。
 ユイさんはそんなおじさまを見て、くすっと笑ってから、
「これは内緒よ。あの人、道頓堀の橋の上に登ると、結婚してくれなきゃ、ここから飛び降
りると叫んだのよ」
「はあっ? ホントですか?」
「これが本当なのよ。で、私が返事をする前に、あの人、バランスを崩しちゃって、そのまま
川の中へドボンと落ちちゃって、もう大変だったわ。今なら笑い話で済むけど、あの時は、溺
れて死んじゃったらどうしようって」
「道頓堀でですか?」
「シンジと同じで、あの人、泳げないのよ。それからよね。あの人がどうしても可愛く見えちゃ
って、あの時から今まで私はずっと錯覚したままよ」
 そう言うと、ユイさんはアタシへニコッと笑みを送った。
 その後、もう一杯コーヒーを飲んでいる時、やっとシンジが用意を終えて出てきた。
 ユイさんに見送られて出発したアタシたちは第3新東京市で由緒ある箱根神社へと向かった。
 もう境内の外から初詣客で大混雑していて、お賽銭を上げて願い事をするまで30分以上も
待ってしまった。
 アタシの願い事は……特にないけど、とりあえずママやアタシの健康を祈った。
 人混みから少し離れたところで、
「ねぇ、シンジは何をお願いしたの?」
「僕? 僕は来年の受験のことかな」
「へー、現実的ね」
「まあ、もうすぐ受験生になるんだし、そんなもんじゃないかな」
946名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/16(水) 22:32:02 ID:???
「んー、そうかもね」
「アスカは成績良いし、受験の悩みなんて無さそうだよね」
「アタシを羨ましがる暇があるなら、もっと勉強しなさいよ」
「あはは、そうだね」
 それから神社のそばにある甘味処でアタシたちはお汁粉を食べることになった。
 アタシとしてはこしあんよりも粒あんの方が好きで、だからぜんざいの方を注文した。
 シンジはお汁粉の方で、ともかく正月と言ったらあんこ餅よね。
 そんなアタシはおもちを食べながらちらっとシンジに訊いてみた。
「あのさ、アタシと初詣に来てよかったの?」
「ん? どういうこと?」
 と、シンジは口の周りにあんこを付けたまま訊き返してきた。
「だから、ヒカリと来なくてよかったのって訊いてんのよ」
「特に洞木さんとは何も約束していないけど」
「アンタたち、付き合っているんでしょ。こういうイベントは大事にした方がいいんじゃないの?」
「僕たち、付き合っているのかな? 実際、よくわからないんだ。そりゃあ、洞木さんはいい人
だけど、だからといって好きなのかどうか」
「まあ、最初はそんな感じだけど、付き合っていくうちに好きになったりするもんじゃない?」
「そうなのかな? 洞木さんとは中学生の時からの付き合いだし、トウジとのこともしってい
るし、そんな急に変われないような気がするんだ」
 と言って、シンジはお汁粉をすすった。
「そんなこと言ったら、アタシとアンタは小学校からの付き合いだし、もう永遠に恋愛関係に
なんてなれないんじゃないの?」
「んー、でも、アスカとは一生友達でいられると思う」
 そんな恥ずかしいことをさらっとシンジは言った。そして、お汁粉を全部食べきってから、
「アスカの振り袖姿、すっごくきれいだね。ちょっと、びっくりしちゃった」
「えっ、そ、そう?」
「うん。もう馬子にも衣装とか言えなくなっちゃったね」
 と言って、アタシに微笑んだシンジを見て、少しドキッとしてしまった。
 ユイさんは恋愛を錯覚と言ったけど、それならアタシは初めてシンジと会った時から
ずっと錯覚したままなのかもしれない。そんなことをふと考えてしまった。

つづく
947名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/17(木) 17:36:27 ID:j5OmLqI6
GJ!
948名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/17(木) 19:27:18 ID:???
結構可愛らしいな。萌えた
949res698:2008/01/18(金) 23:38:01 ID:???
 新学期が始まって、アタシはなんとなく退屈していた。
 昼休みはソフト部の部室でみんなとお弁当を食べていたし、放課後になると
すぐに練習を始めていたし、ちょっと普通の体育会系女子高生だった。
 この頃、ヒカリとはあまりしゃべっていないな。
 ふと、そう思った。
 いつ頃からだろう?と考えてみたら、ヒカリがシンジとつきあい始めてからだった
ような気がする。
 女同士の友情なんて、男が絡むとあっけないものなのかな、と思ったけど、振り返
れば、アタシも少しヒカリを避けていたような気がするし、かなり自己嫌悪してしまった。
 でも、なんとなく気まずい雰囲気をお互いに感じていたアタシたちはやっぱりどちらか
らともなく距離を取っていて、出来てしまった溝はなかなか埋まりそうにもない。
「ねえ、マユミ?」
 お昼休み、図書室前の廊下でアタシはパックのコーヒー牛乳を飲みながら話しかけた。
 隣にいるマユミは飲むヨーグルトのストローから口を離して、
「なんですか?」
「退屈ね……」
「そんなに退屈なんですか?」
「とーっても退屈。明日にでもサードインクパクトが起きればいいのよ。そうすれば、全て
がみんなチャラになるのに」
 マユミは粉雪が舞う景色を見つめながら、
「サードインパクトはともかく、明日にでも雪に埋もれて学校がなくなるといいですね」
 と言った。
 アタシはニッとマユミへ笑みを送り、
「アタシたち、けっこう気が合うわね」
「ええ、本当に」
 と、マユミもアタシへ笑みを返した。
 アタシは空になったコーヒー牛乳のパックを軽く握りつぶしながら、
「たまに思うのよね」
「何をですか?」
「女の子ってめんどくさいなって。男の子や他人の目をすっごく気にしたり、仲間意識が強かっ
たり、そのくせ話すことなんて、男のことやテレビのことみたいなどうでもいいことばっかで、
……時々ね、世界経済について語り合いたくなるわけよ。サブプライム問題とさか」
950res698:2008/01/19(土) 00:01:29 ID:???
「それって冗談ですよね?」
「うん、冗談。でも、半分は本気。だからかな、アタシ、どうも女の子の友達が少ないんだ」
「私も同じです。……でも、今はアスカさんがいますから」
「……ありがと」
 と、アタシは雪を見ながら小さく言った。
 マユミを同じように雪を眺めながら、
「私こそ」
 と小さく答えた。
 そんな1月の寒い週末、コンビニで肉まんにしようかカレーまんにしようか、少し悩んでい
た時だった。外はもう闇夜になっていて、今にも雪が降り出しそうに見えた。
「僕はピザまんと塩豚まんで」
 と背後から声をかけられた。
 ハッとして振り返ると、そこにいたのはシンジで、
「急に声かけないでよ。びっくりしたじゃない」
「ごめん。で、おごってくれない?」
「なんで、アンタなんかに」
「じゃあ、ジャンケン。ホイっ」
 瞬間、シンジはグーを出して、不意をつかれたアタシは思わずチョキを出していた。
 シンジはニコニコとアタシを見ていて、
「うー、わかったわよ。次はおごってもらうからね」
「じゃあ、10年後の今日ということで」
「絶対だからね。約束よ」
 結局、計4個の肉まんを買ったアタシは、シンジとそれを食べながら帰り道を歩いていた。
 頬に触れる空気は刺すような冷たさをもっていたが、肉まんを食べていると身体が暖かく
なってくるような感じがした。
「シンジ、」
「ん?」
「どっか、遊びにでも行ってたの?」
「まあ、ちょっとね」
 と、シンジは奥歯にものが挟まったような言い方をした。
 こんな時は、アタシになにか相談したいことがある。長い付き合いから、それがアタシには
わかった。
951res698:2008/01/19(土) 00:15:08 ID:???
 でも、アタシは何も訊かない。
 シンジが言い出すまで待っている。それがアタシたちのルールのようなものだった。
 やがて、肉まんを全て食べ終わってから、シンジはポツリ呟くように、
「今日、洞木さんのウチに誘われたんだ」
「ふーん、……で?」
「それだけ」
「そう、」
「うん、」
 そのまま数分、アタシたちは黙って歩いていたが、
「ウチに呼ばれたってことは、そういうことなのかなって思ったんだ」
「……?」
「でも、行ったら、洞木さんのお姉さんや妹さんに紹介されちゃって、」
「良かったじゃない。紹介されて」
「まあ、そうなんだけどさ……」
「なんか不満でもあるの?」
 シンジは恥ずかしがるようにうつむきながら、
「ウチに誰もいないから誘われたのかと思ってたんだ」
「……? どういうこと?」
「だから、……そういうことだよ」
 瞬間、アタシはピンときて、
「バッカじゃないの!? アンタねぇ、ホント、エロエロよね。どうしてウチに誘われただけで
そういう想像するわけ?」
「だ、だって、そんなの常識だろ?」
 と、シンジは顔を真っ赤にしながら反論してきた。
「だから、アンタは馬鹿なのよ。だいたい、何? シンジはヒカリのこと本気で好きなの?
「それは……」
 とシンジは言いよどんでから、
「よくわかんないよ。だけど、普通の男だったら、女の子にそういうことを言われたら、
好きかどうかの前に期待しちゃうもんだよ」
「ま、アンタの言い分もわからないではないけど」
 アタシは小さく溜め息をついた。
952res698:2008/01/19(土) 00:34:23 ID:???
「もし本当にヒカリがそういう気だったら、シンジはどうしてたの?」
「それは……」
  シンジはくちびるに指を当てて暫し考えていた。
「わかんないな。ホント、その時になってみないとわからないと思う」
「そう。……でも、どうしてアタシはこんなこと聞かされなきゃなんないのよ。いくら幼なじみ
とは言え、女の子に相談するようなこと?」
「ごめん、」
「まあ、いいわよ。シンジとは付き合い長いし、今さらよね」
 アタシは自分の吐く白い息を見ながら、
「どう? ヒカリのこと、好きになった?」
「……」
 少しの間、シンジは口を閉ざしていて、
「今日、洞木さんのウチへ向かい時は好きなような気がしていた」
「……」
「でも、今はやっぱりよくわかんなくなってる」
「そんな気持ちじゃ、いつかヒカリにふられるわよ」
「そうかもね」
 シンジは真っ直ぐ前を向いたまま、
「ちょっと自己嫌悪してたんだ。でも、アスカと話していてちょっと元気が出てきた。ありがと」
「……いいわよ。そんなこと」
「でも、ありがとう。いつも僕のそばにいてくれて」
 その後、アタシたちは家に帰るまでずっと無言でいた。
 ただ、歩む速度はいつもの3倍くらい遅かったような気がする。

つづく
953名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/21(月) 17:42:01 ID:???
加持の「ミサトの寝相直ってるか?」意味を唯一理解できていなかったシンジがマセガキになってて違和感あるな
954名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/23(水) 00:16:23 ID:???
久しぶりに覗いたら怒涛の連載投下にびっくり
GJ
955res698:2008/01/31(木) 21:51:00 ID:???
 おなか空いた。
 部活帰り、ぐ〜とおへその辺りを小さく鳴らせながらコンビニに入ると、
目の前にチョコレートがきれいに並べられた棚が目に入った。
「もうすぐバレンタイン、か、」
 と口に中で呟き、チョコの山を少し見つめていた。
 どれも美味しそうで、でもお財布の中身は少なくて、アタシは鮭のおむすびを
取ってレジに向かった。一緒に100円の板チョコも手にとって。

 妙にそわそわしている教室の空気。
 男子たちは明日のことで頭の中がいっぱいなんだと思う。
 まあ、明日になればもっとそわそわするんだろうけど。
 でも、それは女子も同じようなもので、ってそうでもないか。
 彼氏がいるコはともかく、多くは女子同士で交換し合ったり、まあ、いつもは
食べれないような美味しいチョコを口にする日なのよね。
 アタシもソフト部のみんなとチョコを食べるし。
 って、ちょっと涎が……。
 そんな感じで休み時間をぼーっとしていたら、
「ねぇ、アスカ?」
 とヒカリが声をかけてきた。
 ニコニコした顔をアタシに向けて、
「明日はバレンタインデーね」
「そうね」
「……」
 ちょっとの間、黙ってアタシを見つめていたヒカリは、
「アスカは明日だれかにチョコあげるの?」
「アタシィ?」
「毎年、碇君にあげてたじゃない?」
「あー、あれは誰にもチョコをもらえないのかわいそうだから。義理よ、義理。
そう、幼なじみの義理としてシンジにチョコをあげているのよ」
「ふーん、毎年、同じことを言ってるね」
「そうかしら?
「そうよ」
956名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/31(木) 22:10:27 ID:???
 ヒカリはわずかに小首を傾げながらアタシを見る。
 そんなヒカリの視線から少しだけ顔をそらして、
「でも、今年はあげないわよ。だって、ヒカリがシンジにあげるんでしょ?」
 ヒカリは照れるように頬を染めて、
「う、うん」
 と小さな声を出した。
「まあ、アタシもお小遣いが減らなくてよかったわよ」
「……そっか、アスカは碇君にチョコあげないんだ」
「今年はヒカリがいるからいいわよ」
 ヒカリはまた顔を赤くしてうつむいたが、その表情はとても幸せそうだった。
 そんな横顔をアタシはただ黙って見つめていた。

 放課後になり部活の練習が始まったが、アタシはグランドの隅に座って、ぼーっと
みんなを眺めていた。
 そんな時、
「よお、」
 と相田のバカが声をかけてきた。
 相田は戦自の空軍に入って戦闘機のパイロットになるのが夢らしく、そのために
体力作りとして山岳部に入っている。
 意外に体育会系のノリを持っているバカだ。
 相田はランニングの途中なのだろう、息を激しく切らせていた。
「なによ?」
「いや、惣流が黄昏れているなんて珍しいと思って」
「そんなふうに見える?」
「ああ。いつもと違ってちょっと女らしく見えるな」
「なにバカ言ってんのよ」
 相田は軽く笑ってからアタシの隣に腰を下ろした。
 もう夕暮れ時。はるか向こうに見える夕陽はアタシへ朱色の光をあてている。
 相田はただ黙って座っているだけで、アタシもずっと無言だったけど、
「アンタたちと出会ったのって中2の時だったわよね」
「俺たち?」
「そっ。アンタとヒカリとジャージよ。初めてクラスが同じになってさ」
957名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/31(木) 22:35:38 ID:???
「ああ、俺とトウジがシンジと仲良くなって、シンジの幼なじみの惣流が委員長と
仲良くなって、で、俺たちがだんだんと一緒につるむことが多くなったんだよな」
「あれから、もう3年以上も経つのね」
「そりゃ、そうだろ。俺たちももうすぐ高3になるんだし」
 アタシは夕陽を見つめたまま、
「アンタはジャージと今も友達してんの?」
「トウジか? まあ、学校が違うから中学の時と同じとはいかないけど、それなりに
たまには遊んだりしてるけど」
「そっか。……シンジ。最近、変わったような気がしない?」
「唐突だな。ま、確かにちょっと男らしくなったかもな。惚れ直したのか?」
「ばーか、なに言ってんのよ。もう中2の頃と同じじゃないんだよね、アタシたちは」
 相田は少しアタシを心配するような声で、
「なんか、あったのか?」
「……別に、」
 とアタシは前を向いたまま答えた。
 でも、少し相田やジャージ、シンジたちが羨ましかった。
 いつまでも友達でいるアイツらが。
 女の子って、めんどくさいと思う。
 今日だってヒカリがアタシに訊いてきたのは、やっぱりそういうことだと思うから。
 アタシは知らないうちに、
「……男の子って、いいな」
 と小さく呟いていた。

 そして、バレンタイン当日。
 特に何事もなくアタシたちはチョコを食べていた。
 けっこう食べ過ぎちゃったけど、その分ソフトボールの練習でカロリーは消費してい
るはずだし、たぶん大丈夫。
 ……大丈夫よね?
 ちょっと体重計がこわい。
 と、そんなこんなでソフトの練習が終わり、部室に戻ろうと体育館裏に回ったら、視
界の隅にヒカリの姿が映った。そして、その横にいるシンジも。
958名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/31(木) 22:50:39 ID:???
 アタシはさっと物陰に身を隠して、二人の様子をうかがった。
 すると、案の定、バレンタインのチョコを渡すシーンで、ヒカリのすごくうれしそ
うな顔が遠目にもわかった。
 チョコを受け取るシンジはすごく照れているみたいだった。
 で、そんな二人の様子を見ているアタシは意外になんともなくて、むしろ喜んでいる
アイツの顔を見て、
「よかったじゃん」
 と呟いていた。
 これからうまくいきそうな二人を予感して、アタシはどこか安心していた。
 と、そんなことがあった日の翌朝、アタシがマンションを出ると、一階のエントランスの
ところでシンジが待っていた。
「あ、シンジ、おはよ」
「おはよう。アスカ」
 心なしかシンジの声が少し沈んでいるような気がした。
 どうしても付き合いが長いと少しの変化でもわかっちゃうのよね。
 でも、アタシはそのことについて何も言わず、学校へ足を向けた。
 歩いていてもシンジの様子はずっと沈んだままで、いい加減、気になってきたので、
「シンジ、おなかでも痛いの?」
「あっ、別に、」
「そう。なんか調子悪そうに見えるから」
「……ア、アスカ?」
「ん、なに?」
 シンジはしばしアタシを見てから小さく首を振って、
「ううん、別になんでもない」
「ヘンなの」
 それからアタシたちは少しゆっくりと歩く速度を落としていた。
 遠くに校舎が見えた時、シンジが小さな声で、
959名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/01/31(木) 22:57:55 ID:???
「アスカは昨日……」
「……?」
「昨日、誰かにチョコあげたの?」
「アタシ?」
 シンジがそんなことを訊いてくるのがとても意外で、アタシは少し声を上ずらせてしまった。
「アタシがチョコなんてあげるわけないじゃない。まあ、部活のみんなでチョコの食べ合いっ
こはしたけど」
「そうなんだ?」
「そうよ、悪い? でも、まあ、間違って好きな人でもできれば、来年は誰かにあげるかもね」
 シンジは少し考え込むようにうつむいていたが、
「アスカ?」
「ん?」
 シンジはまたちょっと黙り込んでから、
「なんでもない」
 と小さく言った。
「アンタ、ちょっと今日ヘンね?」
「……そうかもしれない」
 それから教室に入るまでシンジはずっと口を閉ざしたままだった。
 でも、時折アタシへ向ける視線は何かを言いたそうな感じに見えた。


つづく
960名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/02(土) 17:06:12 ID:???
投下乙!
楽しみに読んでます
961名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/05(火) 13:41:14 ID:???
ъ(´ι _` ) グッジョブ!!
962名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/09(土) 14:10:05 ID:???
ポケモン板にもあったな
シンジ×ヒカリって
963名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/09(土) 23:53:51 ID:???
                -――- .
       , -― '´          `丶、
      く   /               \
       \/               ヽ
        r'‐     T    ┬ -  _     ',
          l       l         `丶、 ',
         _」 -┬―┬――'-  .._      }\}
     f´: : : : :.人___.ノ y'ヌ_\   `>、/  /
      弋:_:_; イ/: : : :|  /レ}    ィィ_ ヽ/
       /: : /: : : : :|  じ'      /レハ/ノヽ
        /: : /: : : : : :!        じ' /{: : : :}
     /: : : l: : : : : : |       i  ′  ,: :|:_:_ノ
      /: : :::::|: : : : : :ハ.   ノ⌒   /: :|
   /: :::::/レヘ/|/\ \___  ィ: : : : |
  ∠: : :::::/     } \  ̄ ヽ}\ト、|: : : : |
   /:::::::::l     |  ヾー一|  \レvヘ:!
   レ!::::::::l     l     V∨|   ヽ\
    |::::::::l     l     v |     l  \
自分勝手なシンジなんか好きになるわけないじゃん。幼馴染でも
964名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/09(土) 23:54:59 ID:???
                /             \
           /       ,へ    \ \
          /  / / ,.  //>、   ヽ ヽ
          ' l  / / /   ///1  l\  l  ',
        /  | /  l/|  /イ !  」   l \|   ',
        / /l/  イFi テ/   ̄    l    l  ',
        l/ /| /ハ ー〈   - 、   |  /  l |
           | |/l  l    /   ) r┴――一ォ!
     -―- 、|/ l  ト、  \__/  V      | ___
  /   \  ヘ  V |∨l>   ´ / V      /   / \
  '  \   \  }   V く    `¨´丁´ }    /-―ァ'
 {   、 \  ヘノ)   /\     /}  j|  / ̄ ̄`ヽ
 l   \__)イ_ノ    /ヽ / ヽ  /    l / /    \
 }\\__ノノ 八   /  {    ∨    l( ∨  /
こんな女なんかよりもエヴァ初号機をゲットしてやるぜ 
965名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/10(日) 00:58:41 ID:???
>>963-964
萌え
966名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 14:58:25 ID:???
誰?
967名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 17:19:32 ID:???
いいんちょ×せんせはええで
968名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 19:49:06 ID:???
>>967
トウジ乙
969res698:2008/02/20(水) 20:39:42 ID:???
 春は別れと出会いの季節。
 高2最後の春休みにママはドイツの研究所へと行ってしまった。
「アスカ、日本に残ると言ったからには、ママに泣き言なんて言わないでね。困った
ことがあっても自分で解決するのよ」
 と、空港でママは言った。
「でも、遊びにはいつでも来てね。ママ、ごちそうを用意して歓迎するから」
「……ママ、」
「じゃあ、アスカ。元気でね」
「ママも元気で」
 ママはアタシへ微笑みを見せると、ゲートへ向かって歩き始めた。
 でも、3歩くらいでくるっと振り返り、
「あ、そうそう。ユイさんの言うことはちゃんと聞くのよ」
「うん、わかってる」
「それからシンジ君にもアスカのこと頼んでおいたから。仲良くするのよ」
「なっ、なんでシンジなんかに」
 とアタシが大声を出すと、ママはニコッと笑ってから後ろ背に手を振りながら歩き去った。

 そんなこともあって、アタシはご飯を碇家で食べることになった。
 一応、一人暮らしということになるけど、朝食と夕食はいつも向こうで食べているし、ユイ
さんやゲンドウおじさんもアタシのことをよく見てくれるし、そんなに一人という感じはしない。
 そんなわけで春休みはソフト部の練習やシンジの家族と遊んだりしていた。
 ある日、ソフトの練習から自転車で家へ帰る時、視界の片隅にヒカリの姿が映った。
 アタシとは少し離れているバス停にヒカリは立っていて、時計を何度も見返していた。
 そんなヒカリに声をかけようかと思ったけど、ちょっとためらってしまった。
 いつものお下げ髪ではなくて、黒髪をストレートに下ろしていて、着ている服もどこか
よそ行きという雰囲気だった。
 その後、すぐにバスが着て、ヒカリの姿は消えてしまった。

 そんなことがあった数日後、碇家で夕食を終えてからアタシとシンジはリビングでTVを
見ていた。レイは自室に戻っていたし、シンジの両親はまだダイニングでお茶をしている。
 アタシはバラエティ番組を見て、ときどき声を上げて笑っていたが、横の視線が気になっ
てもいた。
970名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 20:59:03 ID:???
 シンジがちらちらとアタシを見ているのがわかった。
 ほとんどシンジはテレビに目を向けていないし、こういう時はアタシになにか相談し
たいことがあるのよねえ。
 アタシはシンジに顔を向けて、
「ん? なに?」
「えっ、あ、うん。別に……」
「別にってことはないんじゃない。なんか言いたそうな顔をしてアタシを見てたくせに」
「そんな顔してた?」
「そりゃあ、もう思いっきり」
 シンジはしばし顔を伏せて思い詰めたような表情をしてから、
「ちょっと話があるんだ。僕の部屋に来てくれる?」
 と言った。
 その後、部屋を移したアタシたちはちょっと黙り合っていた。
 シンジはまだ言い出そうかどうしようか迷っているようで、アタシは久しぶりに入った
この部屋の中を見回していた。
 少しだけ男の子の匂いがする。
 机の前で椅子に座りながらそう思った。
 数分後、ベッドの縁に腰掛けたシンジは顔を上げてゆっくりと口を開いた。
「昨日、見たんだ」
「……?」
「隣駅にある楽器屋さんへ行った時、そばのスタバで……」
「何を見たのよ?」
 少しの間、シンジは口を閉ざしていたが、
「洞木さん、」
「ヒカリ? で、それがどうかしたのよ?」
「……トウジと一緒にいたんだ」
「えっ、鈴原と!?」
 思わず大声を出してしまったアタシに、シンジは小さくうなずき返した。
「う、うそ、」
「なんか楽しそうにしてた。遠目に見ただけだったけど」
 アタシは数日前のことを思い出し、あれはそういうことだったのかと少し考え込んでしまった。
971名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 21:17:04 ID:???
「ねえ、アスカ。洞木さんとトウジ、どうなってんのかな?」
「知らないわよ、アタシ。ヒカリからは何も聞いていないし」
「そうなんだ?」
「……最近、ヒカリとはあんまりしゃべってないないのよね」
「そっか、」
 シンジはまたうつむいて、黙りこくってしまった。
「ねえ、シンジ」
「……ん?」
「アンタ、どうしたいの? そんなに気になるんならヒカリに直で訊けば」
「そ、そんなこと聞けないよ」
「じゃあ、どうすんのよ?」
「わかんないよ、そんなこと」
 と言ってから、シンジは小さく呟くように、
「でも、なんだかとてもざわざわするんだ、胸が」
 と声を出した。

 それからまた数日が過ぎて、シンジとは特に何も話さなかった。
 ヒカリと鈴原のことについてはアタシは何も関係ないし、シンジがアタシに何か言って
こない限り何もする気はなかった。
 アイツは今どうしようか迷っているみたいだし、きっとアイツ自身で決着をつけるような
感じがする。アタシはそれをただ見守るだけ。
 でも、ヒカリがシンジに酷いことをするようならアタシは決して許さない。そう心に決めていた。
 箱根湯本へショッピングに行った時だった。
 ちょっと喉が渇いて、コンビニへミネラルウオーターを買いに入った。
 そして、レジでお金を払おうとしたら、
「あっ、アンタ!」
 と大声を出してしまった。
 相手もアタシに気づいたのか、
「アスカさん……」
「アンタ、いつ戻ってきたのよ」
 それは中2の時に転校していった霧島マナだった。
972名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 21:34:22 ID:???
 その後、霧島マナは少し時間をもらって、店を出てきた。
 人気の無い店裏でアタシたちは向かい合い、霧島マナは伏し目がちに立っている。
 あの頃、アタシとこの女の仲はよくなかったと言ってもいいだろう。
 どっちかというとアタシの方がぶつかっていっていた。
 原因はやっぱりシンジで、その頃、シンジの片想いの相手がこの霧島マナだったのだ。
 シンジの片想いは誰の目にも明らかで、この女もそれを知っていた。
 でも、ある時からシンジを避けるようになり、そして突然転校していった。
 その時のシンジの落ち込みようは酷く、アタシは見ていられなかったのを覚えている。
「ねえ、いつこっちに来たのよ?」
「春休みに入ってすぐ」
「そう、」
「こっちの学校に転校するの?」
 霧島マナは小さく首を横に振り、
「ううん、学校には行かない」
「どういうこと?」
「アタシ、今ひとりなの」
「ひとり?」
「うん。だから、学校に行く余裕なんて無くて」
「どういうことよ、それ?」
 アタシは霧島マナに近寄って訊いた。
 彼女はずっと黙ったままだったが、
「叔父さんの家を出てきたの。だから……」
「だからって、全然わかんないわよ。だいたい、叔父さんって何よ? アンタの両親は
どうしたのよ?」
「……私に両親はいない。もうずっと前に死んだの」
「えっ、死んだって。……まさか、中学の時?」
 彼女は小さな声で
「うん、」
 と答えた。
「じゃ、じゃあ、あの時、転校したのって?」
973名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/20(水) 21:48:01 ID:???
 彼女は微かに笑みを作って、
「いろいろあったけど、今は平気よ。一人暮らしも意外と楽しいし」
「……ごめんなさい。嫌なこと訊いて」
 今度は大きく首を横に振って彼女は、
「ううん、もう何でもないんだから平気よ。それよりアスカさんにまた会えてうれしい」
「……マナ、」
 それからアタシがこっちでのことを話すと、マナはそれを楽しそうにして聞いていた。
「ねえ、アンタ、部屋もこの辺に借りてるの?」
「うん。駅の北側の方に」
「ふーん、そうなんだ。第3の方にすればよかったのに」
 少しの間、マナは黙っていたが、
「ちょっと怖かったんだ」
「何が?」
「近くに行くのが少し怖くて、……でも、少しでも近くにいたくて、ここにしたんだ」
「もしかして、シンジのこと?」
 マナは顔を上げると、
「うん、」
「アンタ、シンジのこと好きだったんだ」
「……あの時、いろんなことあきらめなくちゃならなくて。でも、今日、アスカさんに会えて
決心できた」
「決心?」
 マナは視線を空に向けて、
「もうあきらめたりしないって。絶対に」
 と言って、笑顔を作った。
 アタシは微かに胸の奥がざわつくのを感じていた。


つづく
974名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/21(木) 16:33:42 ID:???
おい気になるじゃねえか
975名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/22(金) 10:08:44 ID:???
976名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/22(金) 11:09:24 ID:???
gj
977名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/22(金) 23:59:49 ID:???
GJ
978名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/23(土) 00:10:11 ID:???
おつ
979名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/23(土) 00:10:36 ID:???
次スレはどうするん?
980名無しが氏んでも代わりはいるもの:2008/02/23(土) 00:11:56 ID:???
つづくとあるからたてて
981名無しが氏んでも代わりはいるもの
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